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52回国会参議院1966/10/18

大蔵委員会 閉会後第1号

発言数
73
登壇者
7
会派数
3
開催日
1966/10/18

会議録

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  小沢大蔵政務次官から発言を求められております。これを許します。小沢政務次官。

小沢辰男自由民主党大蔵政務次官

○説明員(小沢辰男君) お許しを得まして、開会前に一言ごあいさつをさせていただきます。  私、去る八月二日に大蔵政務次官を拝命いたしました衆議院の小沢と申します。まだほんとうの未熟者でございますので、今後先生方のいろいろ御指導、御鞭撻をいただきまして、政務次官としての国会との連絡その他十分職責を果たしたいと考えておりますので、よろしくひとつお願いいたします。(拍手)     —————————————

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 次に、租税及び金融等に関する調査を議題といたします。  税制簡素化についての税制調査会の中間報告等について、主税局長から説明を聴取いたします。塩崎主税局長。

塩崎潤大蔵省主税局長

○説明員(塩崎潤君) 税制調査会の最近におきますところの動きを御報告申し上げたいと存じます。  先般来御説明申し上げておりますとおり、税制調査会は四月から早目に税制のあり方につきまして根本的な検討を続けているのでございます。  まず、方向といたしましては、御存じの長期税制の構想、これが一つでございます。第二は、これまで何回か爼上にのぼりながらなかなか実現できませんでした税制簡素化の問題であったのでございます。  第二の税制簡素化の問題は、これまでの経験から見まして、財政的な問題、当面の租税政策の問題が真剣に議論される前に、ひとつ税制簡素化の方向を取り上げなければ、このむずかしい問題は実現できないという判断がまずございまして、そこで私どもは、夏休みを皆さま方に御返上していただきまして、この税制簡素化の中間報告をまとめたのでございます。  で、もうこれはすでに御存じのような内容を持っておるものでございまして、納税者の方々から最も好感を持って迎えられておりますのは、個人所得税の申告書を出す方々はもう一枚別の住民税、あるいは事業者ならばもう一枚の事業税の申告書が要らないようになるというような内容を含みましたところの相当思い切った簡素化の方向であると思うのでございます。地方税のみならず国税におきましても、仕組みの簡素化あるいは計算方式の合理化、簡素化、こういった内容を含んでいるのでございます。  そのねらいは、事こまかく申し上げることを差し控えたいのでございますが、第一には、まず納税者の手数を減らそうというのが第一のねらいでございます。税法が陳腐化し仕組みが複雑になりますと納税者の協力が失われる、このこと自体税制の基本をゆるがす問題だと思うのでございますが、その簡素化が往々にいたしまして納税者には複雑になり、税務執行者側の簡素化になってはつまらないという考え方から、まず第一の重点を納税者側の手続の簡素化に置いた点でございます。  それから、第二には、これもまた私どもの趣味というふうにときどき御批判があるようでございますが、ある程度税制の理論の精密さあるいは税法独得の規制、これはひとつ緩和していこう、できる限り社会的な常識的な仕組みに乗りまして、ある程度の欠陥がありましても、それにまさるより大きな利点があるならば、理論の精密さは捨ててもいいではないか、こんなような仕組みをとることにしたのでございます。これは企業利益と課税所得との一致、あるいは商法、企業会計原則、税法との一致というふうなことばでよくいわれておりますが、できる限りその三者間の一致をねらったものでございます。  第三のねらいは、これまでの私どもの税制簡素化の進まなかった大きな原因は、簡素化を歩むこと自体が非常に財政上の変動をもたらし、あるいは納税者側にとってみますれば納税者の負担の増加になる、こんなような欠陥が見られたのでございます。財政上の影響も非常に大事でございます、納税者側の負担も大きな問題として考えなければならないのでございますが、そこで非常に限局された範囲ではございますが、財政上の変動もできる限り避け、あるいは納税者の負担の増加を目的とするようなことはやめて、簡素化を行なう、そのために仕組みを考えようではないか、こんなようなねらいで簡素化の方向がまとめられたのでございます。大きな減収を伴いますことを許されますれば、相当大幅な簡素化もできるわけでございます。そこに限界がございます。しかしながら、私どもは若干の減収は、これは簡素化によって納税者並びに税務官庁側の生産性が高まるならば、その減収というものは十分克服できるものである、こんなふうな考え方で、若干の減収はおそれないで簡素化の方向を考えたのでございます。  以上、税制簡素化の中間報告にあらわれた内容でございまして、これらはいずれ税制調査会におきまして、さらにまた詳しく内容にみがきがかけられ、できる限り来年度の改正案の中に織り込みたい、こういうふうに考えております。  さらにまた、この中間報告という意味の示すように、簡素化はこれだけで終わったわけではございません。非常に原因は根深いものでございますし、社会の情勢はますます複雑なものがございます。来年度以降もひとつ税制簡素化の方向は進めていこう、また四月以降はあらためて税制簡素化の特別部会は開いていこう、こんなような予定を持っているのでございます。  以上、税制簡素化の内容についての中間報告の大要でございますが、もう一つは、第一の長期税制構想がどういうふうになっているかということについての御報告でございます。  これも新聞紙上でときどきその内容が報道されているところで、御案内のとおりでございますが、現在小委員会におきまして、長期税制構想につきまして御審議中でございます。で、まだまだ最終的な結論に至っておりません。特に公経済部門と私経済部門との間の資源の配分の基準としての租税負担率の問題、このあたりにつきましては、将来の財政のあり方、経済のあり方と関連いたしまして、まだまだ御検討中であり、各方面とも連絡中でございます。そういった問題は残されておりますが、全体といたしまして、長期税制の構想は、次のような方向であるべきだろうというのが大体のお考えのようでございます。  まず第一に、これからの税制の目標でございますが、やはり家計と企業を健全な姿にしていくのが税制の大きな役割りではないかということで、所得と蓄積に応ずる税負担の適正な分配、所得と税負担に対する適正な分配、所得と富の適正な分配、それから競争に対しますところの中立化と競争力の強化、こういったことが企業に要請されておるのでございます。例の直接税と間接税の問題がその具体的な手段として論議されております。これをどういった割合で今後持っていくべきか、なかなか問題のあるところでございますが、何といっても、所得税が中心的な税目であり、これは税収の見地だけではございませんが、観念的な問題かもしれませんが、やはり税制上の中心に置くべきことは異論のないところであります。しかしながら、所得税については多分に問題が多過ぎるし、現在の所得税の構造が高度成長所得の非常なる世界にもまれな上昇を伴いますところのわが国におきまして、はたして課税最低限あるいは税率の刻みが適合したものであるかどうか、これはもう常に御批判のあるところでございます。そこで、課税最低限、給与所得につきましては、夫婦・子三人で現在の六十三万円を八十三万円まで持っていく、さらにまた消費者物価の上昇につきましては、これもある程度修正的な考え方を入れなければならぬというような考え方が所得税については言われておることは、もう御存じのとおりでございます。さらにまた、課税所得の計算あるいは課税単位等につきましても、今後ひとつ長期税制といたしましてはやはり所得税の最もすぐれた特徴を生かした仕組みをとるべきであるということで検討されているところでございます。  さらにまた、個人家計に対しましては、最も大事な課税は相続税でございますが、相続税は所得税よりももう少し富の分配をはかる見地を入れたものの税であろう。所得税は、何と申しましても、財政上の見地、税収を期待するという見地がございますが、相続税は、税収というよりも、もう少し富の再分配をねらった税金にすべきである。現在四十一年度の改正で、御案内のように、相続人四人の場合は千万円ぐらいまでを課税最低限といたしまして、比較的各国に比べまして遜色のないような課税最低限が出ているのでございますので、今後はこれはどういうふうに持っていきますか、課税最低限はもう少し考える余地はあろうけれども、まずその点よりも夫婦間の財産移転の場合、あるいは事業用資産のような納税換価の困難なものについてどういうふうに考えるか、こんなような問題、それから最高税率は所得税率との関係をどういうふうに持っていくべきか、むずかしい理論的な問題が取り上げられるのではないか、かように見ております。  その次は法人税を中心といたします企業税制でございますが、これはもう例のイギリス流のグロスアップ方式、いわゆる擬制説的な税制、一方、利潤税的な独立税的な税制、これらの議論が繰り返されておるのでございます。要は、しかし結論的に申し上げますと、どうも過去のシャウプ税制に基づきますところの擬制説的な、法人税を個人株主所得税の前払いと考える立場は、現実の税制の動きから見ますと、どうも不自然なかっこうになり、改正は常にそれと違った改正の経過をたどっておる。その典型的な例は、大法人と中小法人との間には負担力の格差があり、中小法人のほうが税負担は軽くていいという考え方が国会でも常に言われておりますし、現実の税制もとっておるわけであります。株主の所得をつかまないで、企業の規模をつかまえるという考え方、これはすでに株主の所得税の前払いという考え方から相隔たる議論だと思うわけでございます。こんな典型的な例をとりまして、いずれの方向に進むべきか、これも今後なおなお検討していかなければならぬ。これはまだ具体的な結論は出ていないわけでございますけれども、どうも現実の動きから見ていって、擬制説的な株主所得税の前払いという考え方で徹底することはどうもむだな議論を再び繰り返すことになる。一方、支払い配当につきましては、利子とのバランスで、企業側から見ますと、支払い利子も支払い配当も同じような資本コストと見る傾向もございます。したがいまして、法人税の課税対象となる課税所得というものは、はたして法律上の債務である利子を引いたもので足りるかどうか、法律上の債務でないにいたしましても、経済的には費用と考えられますところの、コストと考えられますところの支払い利子の一部を引いたらどうかというような議論も、まだまだ法人税に出ておる段階でございます。しかし、いずれにいたしましても、企業の段階におきましての擬制説的な考え方を徹底するということは、どうも現実の動きから見ましてむだな議論が再び繰り返され、資本構成是正の問題にも決していい影響を与えるものではないというのがいままでの御結論のようでございます。  そこで、その次は消費税その他の間接税がどんなふうにあるべきかという問題でございますが、昭和三十九年の長期答申では、間接税も数年に一回減税というような長期税制の構想が示されたことがございます。当時は、自然増収の二〇%を減税に回せというような、公債発行以前の財政状態を前提といたしました税制の問題であったわけでございます。さらにまた、その前提となりました税制の動きを見てみますと、戦争中の高い税金、あるいはまた戦後のインフレーション防遏というきわめて異常な時代の高い税率、これを間接税においてとっておりましたのを緩和した時代であって、間接税についても幸いに減税が行なわれた時代であったわけであります。しかし、一方、長期答申は、同時に間接税の負担は現状程度でいいという、負担率と申しますか、直接税と間接税の割合は現状でいいという考え方もございまして、そのあたり必ずしも統一的な見解とも思われないのでございますが、必ずしも数年に一回減税ということはむずかしいのではなかろうか、今後の財政状況から見てむずかしいということが第一、第二には、所得税の現在におきますところの減税の要望が非常に強いし、また所得税の現在の構造にはまた減税の形で修正すべき点が多いというのが考え方でございます。さらにまた、第三には、間接税の中では、たとえば何年かにきめられました税率、それは定額的な従量税的な税額は、貨幣価値の変動にもおくれてまいりますし、進歩してまいります所得水準から見て全く適合しない税負担になる場合もある。こんなような関係で、従量税的なものについては、絶えず現状に応じて、たとえば所得税の課税最低限が消費者物価あるいは所得水準に応じて修正されるならば、間接税の税負担の税額の中では、逆に消費者物価あるいは所得水準に応じて修正されるべきものもあるだろうという御意見でございます。そういった全般の間接税の問題をどうしろというのでなくて、間接税はきわめて数の多い税目でございます。その税目の一つ一つを検討して、こういうふうに持っていくべきだという御答申が現在議論されておるような状況でございます。  その次は政策的な問題としての税制でございますが、景気調整政策と租税政策との関係でございます。これはいろいろな考え方がございます。租税法律主義をとりますところの税制におきまして、景気調整政策は弾力的にどの程度とれるか、なかなかむずかしいわけでございますが、各国ともいずれも金融政策と並びまして財政政策、租税政策で景気調節をはかっているのが私は趨勢だと思うのでございます。アメリカしかり、またイギリスしかり、ドイツしかり、カナダしかりだと思うのでございますが、少なくとも現在の税制の中で見まして、法人税が最も景気調整政策としてどうかというのが大方の御意見のようでございます。特にわが国の景気変動が企業の投資から生じますことを考えますと、企業の投資に密接な関係がある法人税が政策として取り上げられるべきであろう、その中でも法人税の延納制度、それから特別償却制度、このあたりが取り上げるにかっこうの題材ではないかというようなことが検討されております。さらにまた、景気調整政策以外の社会経済政策、産業政策、産業構造改善あるいは資本蓄積その他の特別措置の問題が取り上げられておることはいつものとおりでございますが、負担公平の原則と誘因的な傾斜政策、この問題はなかなかむずかしい問題でございます。特に効果の判定等は非常にむずかしいのでございますが、少なくとも流動的な改廃はぜひ必要である、租税特別措置が既得権が慢性化するということが最も国民の資源をむだに使う大きな要因ではないかというのが税制調査会の御意見のようでございます。  以上、まあ国税の関係でございましたが、地方税は長期税制といたしまして国税より変化が少ないようでございます。昭和三十九年の長期答申とそんなに変わらない。何と申しましても、地方財政は財政の苦しいいわばいつも半病人のような状態でございますので、国税のような流動的な政策はとりにくい、ことに三千の団体の財政に直接影響するものでございますから、これは慎重に行なわれるのが当然でございます。しかし、住民税、固定資産税、事業税につきましては、相当検討する余地があり、これらにつきましては、たとえば事業税を付加価値税に改めるというようなことを長期税制の構想としてその実施の時期等を考えながら検討していくべきだというようなことで、おおむねまあ三十九年の答申のようなかっこうになるのではないかと想像されるのでございますが、こんなような方向で論議されているのが現在でございます。  このような長期税制の構想は、二十、二十一日の小委員会で議論され、二十一日にもまた総会を開いていただきまして決定していただくようなことになる運びでございます。  以上、簡単でございますが、租税政策の動きと申しますか、税制調査会において議論されております長期税制の構想並びに簡素化の中間報告の内容でございます。

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 速記かかれ。  ただいまの塩崎主税局長の説明に対し、質疑のある方は順次御発言を願います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 十月の七日ですがね、長期税制のあり方を検討しておる税制調査会の起草小委員会、松隈さんの委員長の小委員会ですがね、そこで主税局長が、今後の経済発展で国民所得がふえても租税負担率は二〇%をめどに減税していきたい、こういう注目すべき発言をしたと伝えられているのですが、この点はどうですか。これは御承知のように前にもずいぶん議論があって、中山さんが会長の当時、二〇%説が出た。その後これが消えて、自然増収の二〇%を減税に回せという議論が出たわけです。その後これも立ち消えになったようでしたが、卒然と、主税局長は卒然ではないかもしれぬけれども、前の二〇%説をまた主税局長が問題提起されたわけですよ。これは非常に重要だと思うのですが、その理由ですね、ちょっと説明してもらいたいのですが。

塩崎潤大蔵省主税局長

○説明員(塩崎潤君) ただいま木村委員の御指摘の新聞記事は、非常に誤解を招くと思って、私どもも心配しておった記事でございます。ちょうど幸いに御質問が出ましたので、助け舟をいただいたような気持ちでございますので、補足して御説明を申し上げたいと思います。  御承知のように、今年度の大幅な減税後の負担率は二〇・二%というふうにすでに国会においても御説明しておるかと思うのでございます。そこで、その二〇・二%の分母となります国民所得は、これは企画庁がこれまで推定いたしておりますところの国民総生産、これから計算いたしました国民所得であることは間違いないのでございます。そこで、最初に長期税制の構想として申し上げましたいわゆる公経済部門と私経済部門との間の資源の配分の目安としての負担率の問題、これをどの程度に持っていったらいいかという問題が議論されておるのでございます。しかし、まだ結論は出ておりません。特に経済審議会では、いわゆる新長期計画と申しますか、新しい計画をつくります際に、一つのマクロ的な目安となるものでございますので、私どもの間におきましても論議を継続している段階でございます。  ところで、二〇・二%であり、なお二〇%にすると。さらにこの新聞を見てみますと、「増加はやむなし」「租税負担率で結論」というふうに出ているので、まことに奇妙な説明になろうかと思うのでございますが、これはほかにも出していない、朝日新聞だけが報道したものだと思いますけれども、企画庁と打ち合わせておりました段階におきましては、国民所得が再計算されまして、国民所得がいろいろの隠れておりました所得をプラスしてまいりますと、国民生産、あるいは国民所得がいままでの推計よりも相当大きくなっていく。したがって、二〇・二%と見ておったものが、実はもう少し低いのではないか、一八・五%、あるいは若干それを上回わるか、そのあたりではないかといっておるような声が聞こえるわけでございます。さらにまた、税収のほうも、御承知のように、四十一年度の見通しは、必ずしも当初の私どもが見ておりました自然増収でとどまらないような傾向もないわけでもない。このあたりに分母、分子ともに不確定な要素がありまして、はたしてどの程度がいいか、まだまだ見当はついておりませんが、伝えられるところによれば、二一〇・二%を割るような傾向にあろうかと思ったわけでございます。  そこで、なぜ二〇%というような線が出たかと申しますと、大方の御意見でございまして、私はまだ知識がないものでございますから、そんなようなことを発言したこともないのでございますが、とにかくだんだんと経済成長があり、国民所得がふえていくならば、実質的な所得の増加があったのであるから、負担率はふえていってもいいのではないかというのが大方の御意見でございます。さらにまた、その論証の一つとして、の負担率は二〇%というような国はなく、非常に高いことを見ると、やはり負担率が所得との相関関係において、実質所得がふえていったらいいのではないかというような意見が支配的であったのであります。しかし、私はそれをどこまでふやしていいか、きわめてむずかしい問題であろうと思うのであります。  そこで、長期構想の税制を、先ほど所得税について幾ら幾ら、あるいは間接税についてはこんなような方法、特別措置につきましても流動的に改廃をはかるというようなことも考えて、私どもの事務的な技術的な計算の上で計算をすると、まあ一八・五というようなパーセントが上がっていって二〇%くらいに上がるというふうならば、二〇というんじゃなくて、まあ二%近い一・八%とか、二%くらいのところか、まだまだこれからの経済審議会あるいは企画庁あたりと論議を重ねまして御検討をいただく数字でございますけれども、そういったことはしかたないという数字が出たので、その結果がまあ二〇%にしよう、これがその実情でございます。非常に中山先生の二〇%、これは昭和三十五年でございましたか、大ヒットを打たれましたが、なかなかそれも議論が多くて、必ずしも御賛同を得ていない。長期答申は二〇%という説を変えまして、自然増収の二割を減税に充てて、その後は負担率は上がっていってもいいということを言ったわけでございます。必ずしも、それもむずかしくなったような時代、負担率はどう考えていったらいいか、目安もむずかしいのでございますが、私ども立てました目安は、大きな方向としては負担率は現状よりも一、二%上がっていくのはしかたないであろう、二%近くはしかたないであろう。しかしながら、減税というのは国民の大きな声であり、所得税については特に問題が多い。したがいまして、長期構想のような減税を行なった後の税収を分子とし、企画庁がいまや伝えられておるような推計を分母とすれば、いま申したような数字ができ上がるということで御理解を願いたいと思うのでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 何だかわかったようなわからないような——大体マクロ的に負担率をきめる問題が、一瞬意味ないという議論もあったけれども、私は重要だと思うのですよ。大体それのワクがきまらなきゃ、今度は内部の減税の配分もわからぬわけですからね、はっきりしないわけですからですから、抽象論で意味ないように見えますけれども、やはり負担率の問題は重要だと思うのですよ。  そこで、いまの主税局長の御発言ですと、四十一年度の負担率は最初二〇・二%を予想したんだけれども、その後実際国民所得推計で見ると、もっとこれは多かった。そこで、これは一八・三%くらいですか、あるいは五%か、まあその程度になる。そうすると、今度は二〇%説ということになると、現状よりはもっと増税ということですから——増税といっていいかどうか、負担率を高くするということですね。そういうことを意味するわけですよ。これはひとつ、それでいいのかどうか。重要問題です。それも経済審議会は五年後の昭和四十六年度に租税負担率を二二%程度と想定した作業を進めている、こういわれているのですね。その間の違いですよ。これは大蔵大臣来たから、あとでまた……。

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) けりをつけてください。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 じゃ一応この点だけについて。

塩崎潤大蔵省主税局長

○説明員(塩崎潤君) 審議会が想定いたしております負担率は、私はこまかく存じておりませんが、私どもの試算で、かりに減税がなかりせば、現状の税制をそのままにしとけば、まあ三年後、五年後にはどの程度の負担率になるかということを、いままでの経験値であります弾性値を使いまして計算した数字でございますが、それによれば、たしか五年後には二二・二%程度になるようでございます。しかしその二二・二%は減税がないという姿である。しかし、先ほど申し上げました二〇%というのは、まだ確定した数字ではございませんが、長期税制に考えておりますような所得税についての減税をして、これを二%ぐらい下げた数字が、ただいま先生の御指摘の数字でございます。そこに開きがある。企画庁あるいは経済審議会は、税制について具体的なプログラムを考えられるところでもございませんし、またそこまでこまかくされることでございませんので、そこのところのまだつつき合いがございます。これからもう少し論議を尽くして、税制調査会の数字と審議会の数字のそごのないような、そこで首尾一貫した説明のできるような数字にしたいと、いま連絡中でございます。

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 速記かかれ。  この際、福田大蔵大臣から発言を求められております。これを許します。福田大蔵大臣。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、去る九月二十日に日本を出発いたしまして、ワシントンで開かれたIMFの総会と、十月上旬に開かれました日本とカナダとの経済閣僚委員会に出席いたしまして、去る十日に帰国いたしたわけでございます。  ワシントンにおけるIMFの総会におきまして、論議の中心課題は、新しい世界の流動性をいかに解決するか、こういう問題と、低開発国の援助について積極的な行動をとろうじゃないかという、この二つの問題に集約をされたわけでございます。  第一の流動性の問題につきましては、本年の七月にオランダのハーグにおきまして十カ国蔵相会議が開かれましたが、その席上におきまして、これから流動性問題は第二段階に入るべきである、つまりいままでは抽象的、原則的な議論であったけれども、具体的な議論を展開する時期に来ておるという決議がなされたわけであります。ただ、その背後には、アメリカやイギリス、あるいはカナダ、スカンジナビア諸国、わが日本と、フランスとの間に、相当基本的な意見の違いがあったわけであります。アメリカや日本その他の国々が、世界的流動性は不足しておる、この問題を解決しないと今後の世界の経済の発展に支障がある、こういう基本的な考え方をとるに対しまして、フランスは、流動性は今日不足していないんだ、いま国際通貨問題がなかなか困難な状態にある、その根源は世界の中心流通通貨でありますところのドル、それからまたポンド、この二つの地位が、二つのいわゆるキーカレンシーの地位が安定しないからだ、よろしくまず英米はその国際収支の均衡をはかり、そして国際的交流の中心としての役目を果たすべきである、こういう意見であったわけであります。その十カ国蔵相会議の結果が、IMF総会におきましても報告をされたわけでありまするが、まあ議論の大勢は、やはり七月のハーグにおける議論そのままが持ち込まれた感があります。しかし、結論におきましては、フランスも議事の進行につきましては協力する。つまり、これから第二段階にこの問題が入るが、そしてこの第二段階におきましては、十カ国蔵相のほかIMFの当局もこれに参加せしめる。IMFの当局を参加せしめるということは、つまりこれに参加しておる低開発諸国その他の国々の利益をも代表される、こういう結果になりまするが、このIMFも参加しての第二段階の討議に対しましては、フランスも参加をするということになりまして、一応流動性問題は第二の段階に入ることになったということでございます。それから、第二の低開発国援助問題につきましては、昨年のIMF総会において非常に強い援助ムードの盛り上がりがあったわけでありまするが、引き続いてことしもそういうムードの盛り上がりがあり、IMF代表理事の締めくくりの演説におきましても、この問題を相協力して推し進めようということに相なっておるわけであります。  それから、次いで開かれました日本とカナダとの経済閣僚委員会におきましては、第一は、情勢についての見方をお互いに披露し合おうじゃないかというので、椎名外務大臣、またカナダのマーチン外務大臣、その双方から国際情勢に対する見解を相互に披露し合ったわけであります。  それから、第二には国際経済の情勢につきまして相互の見方を披露し合い、かつ国際情勢に臨む両国の態度につきまして意見の交換を行ない、その中では流動性の問題はもとよりであります、またケネディ・ラウンドに対する対処方針というようなものも含まれておりまするが、国際経済に臨む両国の態度におきましてはそう大きな問題はなかったわけでありす。  それから次は、日本とカナダとの間の経済関係についてであります。第一は、貿易の関係、この貿易の関係につきましては、日本とカナダ相互に言い合う論点がたくさんあるわけであります。これはカナダ側と三木通産大臣との間にかなりのやりとりがあったわけであります。それからさらに、資本の交流の問題につきましては、カナダ側から、日本がカナダに対する資本の輸出について制限的な考え方を持っておる、これをもう少しゆるやかにすべしというような要請、またカナダの資本が日本に進出するについての制限を撤廃すべきであるという要求があり、わが日本としては、カナダの進出につきましては国際収支その他の経済情勢、日本の経済情勢において流動的に考える方針であるが、日本に対するカナダ資本の輸入につきましては、これはアメリカ等につきましても同じような態度をとっておるところであるが、わが日本の特殊事情というようなものがあるので、その特殊事情を理解してもらいたい、また同時に、日本としても国際経済自由化の方針に即応して資本の導入の自由化につきましてはだんだんと考え方を転換しつつある、資本の導入の悪い面ばかりを見ないで、資本導入のメリットという方面もこれから見て、これも流動的に対処していきたいという考えを述べたわけであります。その他具体的な幾つかの問題について話し合いがありましたが、この際これは省略させていただきます。  カナダと日本との経済関係は最近非常に進んでおるわけであります。ことに西部カナダ、これは日本の資本も相当進出をしており、あるいは石油の、あるいは木材の、あるいは銅鉱の、そういう開発問題につきましてぜひ日本の協力を得たい。カナダという国がアメリカのほうを向いておる、これはもとよりでありまするが、同時に西部カナダにこれをとってみると、より多くわが日本に顔を向けるような情勢になってきており、日本の今後の経済活動の対象として非常に重きを加えつつあるという感を深くいたしまして、帰ってきた次第でございます。  私は、そういう公式な二つの会議に出たわけでありますが、しかし、その間におきましてニューヨークにおいて、あるいはワシントンの世界会議の場の内外におきまして、つとめて世界の財政経済の指導者に会うということを心がけたわけであります。ニューヨークにおきましては、ニューヨークの財界人のおも立った人の多くにお目にかかってまいりました。また、ワシントンにおきましては、シュバイツァーIMF専務理事やあるいはウッズ世銀総裁、あるいはマーチン連銀の総裁、あるいはファウラー財務長官、あるいはカナダ、オーストラリア等の大蔵大臣、あるいはアジア諸国の多くの大蔵大臣等にお目にかかりまして、それで世界の当面する経済の諸問題について意見を交換するという機会を持つことにつとめたわけでありますが、特に私は、今後の日本の経済の運営にあたりまして、世界の経済が一体どうなるか、これは非常に重要な問題だと心得まして、つとめてそういう方向で個別的な会談を進めたわけであります。  第一に、私が皆さんに報告申し上げたいのは、アメリカの経済の動向であります。一口にいいまして、アメリカの経済はただいま過熱基調である、こういうふうに申し上げて差しつかえないかと思うのであります。昨年アメリカにおきましては、成長率六%という非常な繁栄を実現した。今年も大体同じ基調が続いている。そういう経済の動きに対しまして、アメリカ政府がどういう感触を持っているか。アメリカ政府は、これは行き過ぎだという考え方を持っているわけであります。アメリカ政府は経済の成長を大体四%ないし五%の幅に押えていきたい、こういう基本的な考え方を出しております。ところが、現実はどうか。これは私はベトナム戦争にその多くの原因があると思うのでありますが、なかなか四%、五%の線におさまらない。設備投資の動きを見ておりますと、大体一五・六%も増加をするという傾向であります。また、企業の操業度を見ておりますと、大体九三%ぐらいの高さにある。あるいは失業率はどうであるかというと、これは四%をずっと切りっぱなしであるというような傾向である。そういう状態でありまするから、これは国際収支にも反映します。十億ドルをこえるところの赤字を露呈する、こういうことであります。  そういうことでありますので、アメリカといたしましては、どうしても少しこの勢いをダウンさせなければならぬという考え方にいまなってくるのが当然だと思います。アメリカ政府は昨年以来、金融政策を中心にいたしまして、このダウンのための施策を進めてきたのでありまするが、どうしても金融政策だけでは、設備投資の抑制には何がしの効力はありましても いまやアメリカの経済というものは設備投資ブームというばかりじゃない、それが発展して消費ブームに入っている。この消費を押える手段というものは、とても金融では解決しないのだ、これはやはり所得税課税にいかなければならないのだ、こういう声が朝野の多くの意見になっております。朝野の大体の見通しといたしましては、十一月の中間選挙まではどうも手が出まい、しかし中間選挙が済んだらおそらく相当大規模の所得課税を断行するに至るであろうというふうな見方をいたしております。  アメリカ政府といたしましては、今後の経済の運営につきましては事を二つの場合に分けて考えております。つまり、ベトナム戦争が今後一体またエスカレートするのか、そういう際におきましては、さらに今日とっておる景気抑制政策を一段と強化しなければならない、そういう方向をとる。しかし、かりにベトナム戦が終息をするという場合のことも考えておかなければならぬが、その際にはこれは内需を喚起して、つまり景気刺激政策を国内政策においてとる、こういう考え方であります。そうして経済の基調は四%から五%のところに押える、そうしていま五十八カ月の繁栄ということが続いておるわけでございまするが、この繁栄をずっと維持し永続させたい、これがアメリカ政府の基本的な考え方でありますと見てきたのであります。  それからさらに、IMF総会の内外におきまして非常に話題となりましたのは、イギリスの経済情勢であります。イギリスの経済につきましては、この世界の指導者の人々の間における見通しとしては、大体結論的に申し上げますると、当面ポンドの危機というものはあるまい、しかし先が問題だ、こういうわけです。七月に労働党内閣は物価、賃金の当分のストップ、また社会保障費の削減というような広範なドラスチックな政策を打ち出したわけであります。労働党内閣がそこまで踏み切ったということにつきましては、IMFの総会の内外におきまして非常に好感を持って迎えられております。これだけの決意がよくできた、またこれだけの決意がなされる以上はまず国際的にはポンドの維持についての労働党内閣のやり方には協力すべきであるという機運が、空気が圧倒的であります。そういうようなところから見まして、まず当面ポンドの危機、そういうものはありそうもない、こういう判断が一般的に行なわれておったような次第であります。  ただ、イギリスの産業設備が非常に老朽化しておる、まあその他につきましても少し立ちおくれがいろいろな面にあらわれておる。この立ちおくれたイギリスの産業その他の各分野の近代化が根本的にできるかできないのか、こういう点はなお労働党内閣の決意、努力の結果をまたなければならない、まあそういうような空気が支配的であったということだけを申し上げておきます。  世界経済全体といたしましては、私はこの会議を通じまして若干の不安を持ったわけであります。つまり、いま世界の国々を見てみますると、フランスだとか日本だとか、あるいはイタリアあたりは比較的むずかしい問題が少ないほうであります。その他の国々におきましては、相当大きな困難に当面しておる。その大きな困難というものを大別いたしますと、一つはインフレの危機に当面しているということであります。アメリカ、あるいはカナダ、あるいはドイツにおきまして、いろいろな国々がそういう問題をかかえております。もう一つの問題は、イギリスやあるいは多くの後進国諸国に見られるように、外貨危機に当面しておるという問題であります。これらの危機、これを乗り越えていかなければならぬというのが各国経済政策の置かれておる使命である。そういう立場から見ますると、どうしてもそれらの国々の国際収支の均衡というものをはからなければならぬ。それには一方において輸入を抑圧し輸出を伸ばすと同時に、他方におきましては資本の獲得につとめる、こういう考え方をとらざるを得ない。  この貿易の面におきましては、いま御承知のようにケネディ・ラウンド交渉というものが行なわれておりまして、それがいよいよ結実するかどうかという時期に来ておるわけでございます。それから、資本につきましては、世界的な規模におきまして高金利政策をみんなとりだしておる、こういうことなんです。で、IMF総会におきまして一致した意見、これは、とにかく何といっても世界の貿易量を拡大させなければいかぬ、もしそれぞれの国が国際収支を守るという見地から貿易の規模を縮小するというような傾向を誘致するならば、たいへんなことになりはしないか、そこで何としても、当面の世界的課題といたしましては、ケネディ・ラウンドを成功させなければならぬ、これが一致したIMF総会における空気でございます。それから、資本の面も同時に解決しなければならぬ。それは何かというと国際的高金利の是正である。IMF総会における大会の見方は、なぜ高金利状態が起こったかということになりますると、各国がそのかかえておる経済困難を打開するために金融政策ばかりに依存してきた、この考え方が是正されなければならぬ。金融政策のみに依存する結果、金利高という結果になるのだ。そこで、どうしても景気対策、また危機対策といたしまして、各国が金融政策と並んで、さらに財政政策というものにもっと重きを置かなければならぬ、こういう空気でございます。それらの点がIMF総会におきましてIMF専務理事からも報告をされておる点であります。  私は、日本の経済に対しまして、IMFの内外におきましてはそう大きな批判等は聞いておりません。むしろ、昨年の状態においては非常に日本の経済は困難に当面しておった、日本はまあまあとにかくよく切り抜けたというような感触であり、また同時に、日本の国際収支の状態が非常な健全な状態にある、まずまず日本の経済に対しましては期待できる、こういうような感触を持っておるわけであります。  しかし、今日経済企画庁長官から、昭和四十一年度の経済見通しにつきまして、閣議におきまして藤山長官の中間的な意味における実際見通しについての報告があったわけであります。その報告によりますと、鉱工業生産がその後非常に順調に進んでおる、一四・五%昨年よりはふえる、またその結果経済成長率が実質で気・七%になる、こういう見込みであるということが報告されたわけでありまするが、ことしのところはそういう状態でありますが、国際収支には大きな狂いはない、依然として二十億以上の輸出超過がある、貿易外の赤字を差し引きいたしましても、十一億ドル程度の経常収支の黒字が見込まれる、こういうふうにまあなっておりまするが、問題は、今後日本の経済が再び壁にぶち当たるということなく、まあ着実な成長を実現しなければならぬ。特に私は気をつけるべき問題は国際収支であると思います。その動向にもよく注意していかなければならぬ。また、世界経済が、ただいま申し上げましたように、まことに見通しが困難であります。その基本がベトナム戦争というような予見しがたい要因も大きく影響をしてくるわけなんであります。そういう状態下において日本の財政、経済、これをどういうふうに運営していくか。やはり私は財政におきましても、金融におきましても、政策手段として流動的にこれに対処し得るかまえというものを持っていかなければならぬ。世界経済がこうなればこういう手だ、ああなればこういう手だと、こういうような手段を装備しておかなければならぬ、こういうふうに考えるわけでありまするが、これからそういう問題を大いに努力をいたしまして具体化いたしていきたいと、かように考えておるわけであります。何とぞ今後も御教示のほどをお願いをいたしまして、御報告にさせていただきます。

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 御意見のおありの方は順次御発言を願います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 ただいま大蔵大臣から、国際流動性の問題とか、あるいは低開発国の援助の問題、あるいは世界経済の動向見通し、これに対する日本政府の経済政策等についてお話がありましたが、こうした問題に対しての質問は他日に譲りまして、御承知のように、大蔵大臣が外国に行かれて留守にしている間に、自民党の政府あるいは与党の政治腐敗の問題が非常に大きく取り上げられて、国会で追及されている段階であります。政治の姿勢を正さなければならない。国民の非常に痛烈な批判があり、毎日新聞の世論調査によっても、佐藤内閣の支持率は二六%台に低下している状態であります。そういう点についても今後われわれ追及する責任があるのでありますが、さらにそうした政治的な面からえりを正さなければならない。人によっては正すべきえりがないと、自民党にはですね、そういう痛烈な批判をする人さえあるわけであります。そうした政策以前の政治の問題についてえりを正さなければならない政府あるいは自民党でありますが、さらに政策の面においても、やはり従来のような一体政策でいいのかと、これについてもいままで多数をたのみにしまして非常に安易な政策を打ち出し、そうしてこれが国民に納得されないにもかかわらず、多数をもって押し切ってきている、そういう面が非常にあるのだと思うのであります。したがって、この政治腐敗の問題と同時に、ここで政策の面についてもこれは謙虚にやはり再検討をされまして、ほんとうに国民の期待に沿うような政策を打ち出さなければいけないんじゃないかと思うんです。そういう観点から、当面緊急の問題について私はきょう二、三質問したいのであります。  まず第一に、消費者米価の問題です。これは新聞の伝えるところによりますれば、最初大蔵大臣は、四十一年度の補正予算の編成と関連しまして、どうしてもこの食管会計の赤字を埋めるには大体来年一月ごろから一割程度の消費者米価の値上げを必要とすると、これは常識であるというふうに新聞記者に語っておられたのです。十五日に愛知官房長官が佐藤総理大臣に会われて、今後衆議院の選挙等もあり、政治的な配慮をする必要があるので、したがって、来年一月から消費者米価を引き上げることは取りやめようというふうに話し合いがついて大蔵大臣に報告し、そうして大蔵大臣に消費者米価を上げない場合の四十一年度の補正予算の財政措置について検討を要請するということが新聞に伝えられておる。はたして消費者米価は来年一月一日から上げないことになったのかどうか、まずこの点からお伺いします。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 消費者米価の問題につきましては、新聞にはいろいろのことが出ております。私としては最終的にまだ結論を出していないのです。私は、国会におきましても何回か申し上げましたのですが、消費者米価は、これをきめなきゃならぬ時点におきまして、そのときの国民のふところぐあい、それから物価の動向、それから財政の状況、この三者をにらみ合わせまして、そうして適正な結論を出したい、こういうふうに言っておるのです。その考え方はいまもまだそういう状態でありまして、私は一月——いま木村さんは一月上げるだとかなんとかいろいろなことをおっしゃいますが、私はそんなこと、どこでも言ったことはありません。しかし、こういうことは言っておるのです。消費者米価というのはいずれば上げなけりやならぬ時期が来るのだが、しかしタイミングが問題だと、こういうことは言っておりますが、まだ私が一月にこれを上げなけりゃならぬというような意見を言ったことはないのであります。今日におきましても、ただいま申し上げました三つの点を軸としてよく検討いたしまして、慎重な結論を出していきたい、こういうふうに考えております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それでは、三つの点を勘案してきめなきゃならない時期というのはいつですか。もう、十一月末ですか、臨時国会を召集して、予算を上程しなきゃならぬわけです。そうしますと、もうこの補正の輪郭も大体新聞等で見ましても固まってきているわけですね。歳出がどのくらいで、それでそれに対する財源がどのくらいということが報道されておるわけですね。大蔵大臣、それじゃ具体的に四十一年度の補正の内容ですね、どういうふうに考えられておりますか。もうこれは大体新聞に伝えられておるようにわかっておるのですから、ここで歳出と、それからそれに見合う歳入をどういうふうに予定されておるか、お聞きしたいのです。もう、きまっていないということは言えないと思うのです。ここまで差し迫ってわからぬはずない、きまらぬはずはないのですから、これについてひとつ御答弁願いたいと思います。国務大臣(福田赳夫君) 四十一年度の補正をどういうふうに編成するか。補正を編成するということは、これはもうきまった事実みたいなものです。しかし、その内容がどうかという点につきましては、ぽつぽつ検討に入っておるという段階でありまして、まだきまっているもいないも、いまこの段階においてあり得ないことは、私は木村さんも御承知の上かと思うのであります。  ただ、事項として申しますと、歳出要因では公務員の給与問題があります。それから、米の生産者米価が上げられたというに伴いまして、食管会計に生ずる赤字をどう始末するかという問題があります。それから、引き続く災害に対しまして、それをどういうふうに復旧していくかという問題、それからさらに、例年のことでありまするが、この際義務的経費の不足を補てんしなきゃならぬ問題も片づけておく必要がある。こういうふうに考えるのですが、それらの要因に対し、歳入面では、一つは、予備費が大体使い残りとして五百億円くらいある。あとは財源の多くはこれは自然増収をどういうふうに見るかという問題なんです。税の自然増収につきましては、予算で見たよりはふえる、これはもうそういうふうに判断しておりますが、さてそのふえ幅がどの程度になりますか、これは一に九月期の法人決算、これを見ないと見当がつきかねる、こういう状態でございます。  で、私といたしましては、九月期決算、この税収が一体どうなるかということを見きわめ、それから予備費の使い残りをまた充てる、そうしてでもとてもただいま申し上げたような歳出要因に対しては勘定が追っつかないのです。そこでどうしてもこれは歳出の節約ということも考えなきゃいかぬし、その他こまごましたことでありまするが、雑収入につきましても考えてみなきゃならぬ、こういうふうに考えておるわけでございまするが、いまのところ歳出要因をどういう金額にするか、財源との見合いもありますので、ここでまだ申し上げる段階までは至らない、こういうことでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 こまかい計数整理はこれからだろうと思うのですけれども、大体の煮詰まっておることは、大蔵大臣、われわれにお話ししたっていいじゃないですか。公務員の給与引き上げは、これは大体九月実施でしょう。そういうふうにきまったのじゃないですか。いかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 九月実施にきめました。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そうなると、その歳出は幾らですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 大体三百五十億円ぐらいであります。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 災害復旧費、大体三百五十億といわれているわけでありますが、大体そんな見当ですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これはいままだ、災害がこの間もあるような状況でありまして、幾らというところまで煮詰まりは行っておりませんが、まあその辺でとまりますか、あるいはもう少しふえますか、最後的な数字の見当はついておりません。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 大体三百五十億前後と見ていいわけですね。

谷村裕大蔵省主計局長

○説明員(谷村裕君) いま大臣がおっしゃったとおりで、正確なことはわかっておりませんが、わかっておりますことは、十月十七日現在の本年度の災害の被害報告が約千五百二、三十億にのぼっているということでございます。これは昨年のその当時における被害額報告よりは多少低目でございます。今後どの程度のものが出てくるかによってきまりますが、大体いまのようなことを前提として考えますと、初年度分としての災害復旧費は、過年災等も含めまして三百五十億をやや上回るかと、いまの段階では見ておる状況でございます。まだわかりません。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それから、もうはっきりしておりますのは、米の増産対策費ですね。これは五十億ですね。これはもうはっきりしておりますね。それから、固定資産税の増税の縮小分の補てんですね、これは社会党との間に非常に問題になったやつで、五十億ですね。これもはっきりしておりますね。これ二つで百億。それから、義務的経費の精算分ですね、これは大体二百二十億と伝えられておりますが、そんなものですか、主計局長。

谷村裕大蔵省主計局長

○説明員(谷村裕君) いまのところまだはっきり本年度分の見込みはきまっておりません。四十年度分のものについては決算額としてわかっておりますが、まだいまおっしゃったような数字でとどまるか、あるいはもっといくかという点、 まだはっきりいたしておりません。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それから、いま国税の自然増収に伴う地方交付税の増加ですね、これはどのくらいに見ておりますか。

谷村裕大蔵省主計局長

○説明員(谷村裕君) 国税の増収分並びにそのうちにおける三税の増収分、これについては大臣お答えのとおり、ただいまの段階ではまだわかっておりませんので、全然見当がついておりません。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 全然と言いますけれども、大体新聞では二百五十億見当、そんなに違いはないのじゃないですか、大蔵大臣大体。自然増収ですか、これはまあ財源として問題ですが、一千億くらいと見られると思うのですが、大体そんなものと考えておられますか、大蔵大臣。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まだ見通しはついていないというのが率直なところなんですが、九月期の決算の状況ですね、これがどうかという問題なんです。あなた千億とおっしゃいますが、かりに千億とすると、その中でガソリン税なんかが百億かそこらあるでしょう、おそらく。それはしかし特定財源でございますからね。それから三税の対象にならないものがある。百億やそこらあると思います。そこで、残りが八百億になる。その三二%ですから、大体二百五十億くらい、こういうので二百五十億という数字が出てくるのじゃないかと思いますが、まだ千億と踏んでおるわけじゃございません。かりにいうと、二百五十という、こういうことかと思います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 これは従来の計算のしかたがありますね、大体国税がどのくらい自然増収になると地方交付税は幾らという。あれによれば、機械的な計算ですけれども一応二百五十億程度見込めるわけでしょう。それから、石炭対策費その他の経費で約二百億といわれておりますが、その他の経費、大体どのくらい見込んでおられるわけですか、石炭対策費とか。

谷村裕大蔵省主計局長

○説明員(谷村裕君) 新聞に出ていたのからだと思いますが、その辺のことは私どもから何も申しておりませんし、私どもからいまそれがどうだということはまだ申し上げる段階になっておりません。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 大体いま明らかにされただけでも、まあおよその見当で千五百億近いですね大体大づかみの見当、そのくらいと見て、大蔵大臣、いいのじゃないですか。多少のへっこみはあるかもしれませんけれどもね。そんな見当と押えていいんじゃないですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 押え方はいろいろあるわけでございまして、まだそういう固まった押え方はしておらないというのが実情でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それは大きな差については、たとえば千五百億と押えた場合、二千五百億とか三千億とかそういう大きな差がある場合には問題ですけれども、しかし多少の差については、これは大体これからの見通しによりましてもそれは見当がつくわけじゃないか、大体千五百億くらいで押えて財源対策等も考えなければならぬわけでしょう。ですから、常識からいきましてね、それはわからぬったって——ごくわずかなものがわからぬために全体がわからぬ、こういう理屈もつくわけですがね、しかし、大体常識からいって千五百億くらいに押えていま検討している、こういうふうに見ていいのじゃないですか。われわれも財源対策については検討しなければならぬのですね、われわれの立場で。そこで、わりあいに差し迫っていますから詰めてお話を聞いているわけですが、大体千五百億くらいでしょう。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) そこまではどうもいかないような感じがしますがね。感じがしますが、あなたのあげられた項目、考え方はそういう方向でありますが、その数字につきましては、また中身につきましては、まだまだ私もそう具体的な検討に入っておるわけではないのであります。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 じゃ、次に伺いますがね、消費者米価を上げない場合の食管の赤字、どのくらい補てんしなければならぬのですか。

谷村裕大蔵省主計局長

○説明員(谷村裕君) 先般六月にいたしまたときには、買い入れ数量等の関係を予算どおりに一応見込んでおりましたが、その後買い入れ数量等の増加が見込まれるなどに伴いまして、ただいまでは八百五十からあるいはさらにこえて九百ぐらい、そこまでいくかどうかまだわかりませんが、そんな見当かと見ております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そうしますと、食管の赤字補てん以外のさっきの項目の経費千五百億まではならぬだろうというお話でしたが、新聞では大体千四百八十億ということです。それにいまの八百五十億から九百億の食管の赤字補てんを入れますと、二千三百億から二千四百億になるわけですね。これに対して財源措置はさっき大蔵大臣が言われた、かりに自然増収を千億、予備費の使用約五百億として、税外収入百億、経費節減を不用見込みも含めて百五十億と新聞では報じていますが、大体その程度と見れば、財源が千七百五十億で、六百億不足する、こういう計算になるのですがね。そうなると、消費者米価を上げざるを得なくなるんじゃないかという、そういう結論になるのですよ。ですから、消費者米価をかりに来年一月に上げないとしましても、時期としては四月ごろ上げざるを得なくなるんじゃないかと。それも選挙があるから、いや実際四月に上げるのだけれども、上げなきゃならないのだけれども、いま言うと選挙に不利になるから、またほかの物価にも影響しまして、特に佐藤内閣が物価に弱いというので、四月に上げなければならない、わかり切っているのにここで国民をごまかすために、差し迫った時期に来るまでははっきりしないと大蔵大臣言っているんじゃないですか。そういうことがやはり政策としての姿勢の問題とつながると思うのですよ。やはり率直に、税金を納めるのは国民なんですから、主権者は国民なんですから、やはり幾ら多数だって多数にあぐらをかかないで、もっとそこのところは率直に、大蔵大臣、お話しになったらいかがかと思うのですよ。みんなも国民と一緒に予算を組むような気持ちで、そういう点についてはやはり率直にお話しになったらいかがかと、こう思うわけです。その点、いかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 米を上げないということになると非常に窮屈な状態でありますが、しかし、税収が一体どうなるか、これが非常に不確定な要因としていま考えておるのです。そういうようなことから、私は米価の決定というものは非常に重大なものですから、そう簡単に結論は出せない。先ほど申し上げましたような財政の都合、これもある。物価の動きということもある。国民のふところぐあいという問題もある。それらを慎重に見きわめまして、ぎりぎりのところで結論を出すべきものである、こういうふうに考えておるわけです。率直のところ、今日のところ予定した考え方はいたしておりません。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 私も、将来のことですから、不確定要素があることは十分承知しております。不確定要素があることを計算に入れながらも、歳入のたとえば自然増収とかの見積もりをやっているわけなんです。大体景気は順調に回復しているといわれておるので、最初の自然増収の見積もりをふやしたのでしょう。そこに不確定要素がある程度あるのだけれども、大体常識から考えて九月決算等勘案して、そして歳入の見積もりができているわけなんですから、そこで新聞では、来年の一月に米価を上げなくても、来年四月に上げた場合、食管の補てんの推定額は四百三十億から四百五十億で済む。そこでぎりぎり延ばして選挙が済んだあとの四月に消費者米価を上げる、こういう心づもりではないかと思うんです。われわれもそう思うんです。そうじゃないですか。その不確定要素、不確定要素と言ったって、将来のことといいますが、大体われわれだって不確定要素は常識としてある程度推測つくんですからね。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 選挙にからんでどうのこうのということは、いま考えておるわけじゃありません。私は、選挙がどういう状況になるかというようなことと離れまして、一体財政の見地から、また国民経済の見地から、米価というものをどうすべきかということをいま考えておるのであります。   〔委員長退席、理事青柳秀夫君着席〕  まあその点は誤解なきように切にお願い申し上げます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 その消費者米価を上げなければ、さっきの計算からいって、かなり巨額の歳入の不足が生ずることは大蔵大臣もお認めでしょう、消費者米価を上げなければ。その点、いかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これは消費者米価を上げるがいいかどうかということは、財政上の見地もあります。しかし、同時に、経済上の先ほど申し上げました要因というものも考えなければならぬ。財政上だけでいくわけにいかない。それから、財政の問題といたしましても、先ほどあなたがいろいろ項目を並べられておりましたが、まだ四十一年度の予算の歳出というものをどういうふうに考えていくかというような問題もあるわけであります。これは財政と経済状況を彼此勘案し、総合的に慎重に結論を出す、こういう考え方なんです。いまのところ慎重に考えておる、まだどういうふうになるかという結論は出しておらぬ、これはお察し願いたい、かように存じます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それじゃ、角度を変えて質問いたしますが、消費者米価を上げないで四十一年度の補正予算を組むことができる可能性があるかないか。私はあると思うんですが、大蔵大臣はどう考えますか。消費者米価を上げないで四十一年度の補正を——さっきもうはっきりしているものだけでも、たとえば公務員給の与引き上げの問題がありますし、かなり煮詰まってきているものもあるわけですね。災害復旧費なり、あるいは米の増産対策費、こんなものははっきりしているわけですね、五十億。それから、固定資産税の増税を五十億圧縮しましたですね、社会党との話し合いで。ああいうものもはっきりしているわけですね。そこで、消費者米価を上げないで補正を組めるか組めないか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これは先ほど申し上げた、消費者米価を上げることがいいか悪いかという問題にもからむわけであります。それから、まあかりに上げるということになれば、それはそれに応じてとにかくその考え方に見合った補正をやるということもしなければならぬわけであります。ですから、いまのところ、消費者米価を上げなければ補正は組めないんだというふうに割り切るわけにもいかない。これは総合的に彼此勘案して考えなければならない問題だ、そういうふうに考えます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それは大蔵大臣はもうはっきりしておるのにはっきりしたことを言いませんが、この補正で、さっきの計算からいって、消費者米価を上げなければ巨額の赤字が出る。この赤字を埋める方法は三つしかないでしょう。一つは、税収をふやすことでしょう。あるいは増税をやることもある。税収をふやす。もう一つは、歳出をもっと減らすという問題があります。それから、消費者米価を上げる。この三つしかないでしょう。その中で私が言いたいのは、これは政治の姿勢の問題とも関連してくるのですが、歳出についてはまだ節約の余地がかなりあるんではないか。この点をなぜもっと真剣に検討しないか。私はこの点ふしぎに思うのです。  ことに公共事業費については、建設白書がいままでの契約のあり方等について反省しているのです。これは物価値上がりによって公共事業費は非常にふえています。実質的に減る面もありますが、これは四十一年度の八千七百六十二億の公共事業費について、一割節約できれば八百七十六億浮いてくるのですよ。ここに。新聞の伝えるところによれば、非常に不当な高い値段で発注をしているではないかといわれておりますが、たとえばもう五年間もセメントとか鉄鋼の値段が上がらないのに、建設費が三〇%もふえている、工事費が。これなんか、どう見てもこれは不当な契約じゃないか。それで、公正なる競争入札されていない。随意契約が多かったりして、これがまた政治の姿勢の問題、政治の腐敗の問題とも関連してくるわけです。ですから、これが補正だけでなく、一般会計についても、歳出についても、もっとこれは十分積算から洗って、基礎から洗って、これは私は節減する余地が十分あるのじゃないかと思うのですが、この点については、今度の補正を考える場合、大蔵大臣、検討されたのでありますか。節約といいましても、人件費とか、あるいは物件費は多少節約して、百億か百五十億ぐらい節約したといっても、問題にならぬと思うのです。ここで、この際歳出について全体を洗ってみる必要があるのです、総ざらい。いままで硬直性に名をかりて、歳出についての十分な私は検討をされていないと、こう思うのですが、こういう政治の姿勢が問題になっている際、特に公共事業費等について、この契約についていろいろ疑惑が持たれている、建設白書でもそういう点について反省している、こういう際でありますから、この点について、大蔵大臣、ひとつ歳出面について総ざらいして、点検して、そうしてほんとうにむだなものは節約する。そうすれば、私は消費者米価を上げなくても財源が出てくるのじゃないかと思うのです。いかがですか。   〔理事青柳秀夫君退席、委員長着席〕

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 歳出について着目すべしという木村さんの御意見、まことにごもっともです。私どももそういう考え方を持っておるのですが、ただ、公共事業費のほうは繰り上げ促進というので、大体すでにもう七割程度の契約をしておるのです。残っておるのがわずかに三割である。こういうような状態でありまして、本年度の予算の実行問題、いろいろな角度から考えまして、これを節約をするということは、これはなかなか困難なことじゃないか、そういうふうに結論をいたしておるわけであります。しかし、予算の効率を上げなければならぬ、これはごもっともなことでありまして、むだのないように残った公共事業費が使われる、そして国の社会資本の立ちおくれに貢献をする、立ちおくれの取り戻しに貢献をする、こういうふうにはいたしたいと思いますが、そこまで契約が進んでおる今日の段階になりますると、なかなか困難な問題ではないか、そういうふうに思っておる次第であります。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 私は、四十一年度の予算編成にあたっては、不景気対策に名をかりして、特に公共事業費なんかが放漫な予算の組み方がなされているのじゃないか。不況対策に名をかりて、契約ベースで上半期に従来の四割ぐらいを六割契約ベースで支払う、従来の二八%を四〇%、二〇%ですか、そういうような不景気対策に名をかりて、非常にずさんな予算の編成のしかたが行なわれたのじゃないか。もう一つは、財源として公債発行に安易にたよったわけですが、この二つから、歳出面については相当安易な歳出の予算の編成のしかたがあるのじゃないかと思うのです。こういう点をやはりこの際洗い直してみる必要がある。そうすれば、私は消費者米価を上げなくても、この点にかなりの財源が出てくるのではないか。これは大蔵大臣、いままではやっていないのじゃないですか。もうとにかく硬直性、硬直性とことにいう名をかりて、実際に手を触れていないのじゃないですか。この点は今後どうしても、四十二年度の予算の関係もございますから、思い切ってやる必要があるのじゃないですか、いかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 本年度の公共事業費の予算は大幅にふえた、これはそのとおりでございます。これは経済全体から見まして、政府の財政において景気の落ち込みに対して刺激を与える、こういう基本方針からなんでありまして、これは事業量をふやしたのであります。何も水増しをして、そしてむだな経費を盛り込んだというわけではないのであります。道路におきまして、住宅におきまして、あるいは上下水道、港湾、治山治水におきまして、仕事の幅がふえているのであります。決して水増しでふやしたというわけではないわけなんですが、ともかく今日の時点におきまして、七割も契約している、あと三割しか残っていないこういう状態になりますと、なかなかこれをさらに事業量を圧縮する——ことしの公共事業の予算の結果はどうなるであろうかということをみんな全国で期待をいたひている。それを減らしてというようなわけにはいかないので、まあ節約の対象は、一般の官庁の事務系統の経費、そういうものにせざるを得まいかと、かように考えているわけであります。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そこが問題だと思うのです。ですから、不況対策に名をかりて、減らせば景気が沈滞するのじゃないかと。そこで入札のやり方をひとつ洗ってみる必要がありますよ。建設白書にも書いてあるじゃないですか。これは私は今後の問題として、一つの重要な課題ですよ。率直に、大蔵大臣これは随意契約が非常に多い。しかし、随意契約でなければならぬ、実際問題としてそういう弁護論があるのでありますけれども、しかし、こういう政治の姿勢が問題になっているでしょう、そのときに、契約の入札、そういうものに腐敗の問題がからんでくるのでありますから、こういう際こそ、私はこの問題を取り上げるべきじゃないかと思うのです。いかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 契約が適正に行なわれるということについて、厳正にやらなければならぬ、これは木村委員のおっしゃやるとおりだと思います。今後もこういう問題につきましては、できる限り努力をいたしまして、公正を期していくように努力をいたします。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 もう一つ、今度は歳入の面です。消費者米価を上げなくても財源確保できる方法として、脱税をどうしてもっとつかまないのですか。それは森脇将光氏の問題、田中彰治氏の問題もさることながら、合法的、非合法的に非常にたくさんの所得が捕捉されていないのじゃありませんか。この点、計算してごらんなさい。たとえば法人税につきましても、八幡製鉄なんか、ああいう大きいところ、いまの法人税係の担当でありますけれども、あれだけのわずかの定員で一体会社の経理はつかめますか。私は課税最低限をもっと引き上げて、そうして——引き上げないと、納税事務がうんとふえるでしょう。そこで、課税最低限を思い切って上げて、そうしてそこで浮いた人員を法人税係のほうへ回すべきですよ。そうしなければ、いまの体制でいかに法人の所得を捕捉するといったって、これはできっこないですよ。だから、実際問題としていまの定員では脱税をしてくださいといわんばかりのそういう仕組みになっちゃっているんです。こういう点にはやはり着目しなければだめなんじゃないか。何も田中彰治氏、森脇将光氏がいいというわけじゃないですよ。これは徹底的にやらなければいかぬですよ。それ以上にもっと大きな脱税をしているんです。これを見のがしておいていいんですか、大蔵大臣。こういう点にメスを入れないで、特にこういう政治姿勢が問題になっているときに——大きな脱税に対してこれは合法的にできるようになっているんですよ。これをもっと私は組織的に把握する努力をしなければ国民は納税に対して協力しませんよ。これでは実際ばかばかしいということになります。新聞の投書をごらんなさい。田中彰治氏、森脇将光氏の脱税で、それからまた政治家の所得の捕捉が一体なっていないじゃないか。新聞投書ではものすごい批判じゃありませんか。この所得の捕捉について、大蔵大臣、もっと着想を新たにして、いままでのような姿勢じゃいけないんじゃないかと思います。いかがですか、この点は。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) お説はまことにそのとおりと思います。私も何とかして脱税のないような状態にしようというので、大口の問題につきましても、特別調査班というようなものを設けまして、鋭意努力をいたしておる最中でございます。それから、税制の面におきましても御所見がありましたが、私もそう考えます。今後粘り強くそういう方向に持っていきたいというふうに考えております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 前に、これは人は名前は申しませんが、ある政界の有力者が東京の国税局ですかに電話をかけて——実は大臣だったのですよ、その人は。それで、自民党の代議士さんの会社の帳簿を調べようとしたら、その電話があったので、そういうことが取りやめになっちゃったということも聞いたことがあるんですよ。そういうような姿勢ではいけないんであって、非常に国民から疑惑を持たれているわけですよ。ですから、私はこういう際にそういう面について、大蔵大臣は鋭意やると言いますけれども、私は税務署の官吏が、これは裁判官みたいに身分が保障されていればいいんですけれども、保障されていないと。だから、政治家をこわがるのじゃないかと思うんですよ。この点はひとつ、大蔵大臣、一考を要するのじゃないかと思うんですよ。身分についてそうしなければ、はっきりとしたこの所得捕捉はできませんよ。ある大きな会社を捕捉しようとすると、その社長が、たとえば八幡製鉄の社長、これは自民党の大きなスポンサーじゃないですか。そういうところで敢然としてそういう所得を適正に厳正に一体把握できるでしょうか。そういう点を考えて、やっぱりある程度の身分保障というものをしませんと、私はそういう何といいますか、不正とか腐敗というものはなかなか是正することができないのじゃないか。こういう機会にひとつそういう点についても考慮する必要があるんじゃないか。いかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 脱税防止につきましては、総合的にあれやこれや、これをなくするような方向で検討していますし、いままでも努力をしてきておるんですが、なかなか思うようにまいらぬ節もあります。しかし、この際さらにこれを検討してみるということを、この際お答え申し上げます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 私は、そういうことを通じてもっと政府が努力しなきゃだめだと思う。ただ安易に、すぐ消費者米価を上げて、そして歳入不足を補てんする、あるいは公債を発行してすぐに財源を補てんする、そういう安易なやり方ではいけないんであって、やっぱり中心はこの租税によって財源をまかなう、そうして増税すべきときは増税すべきだと思う。取るべきところから取っていないんですよ。取るべからざるところから税金を取っておる。そういう意味でひとつ税制について伺いたいんです。  税制調査会で、酒とかたばこ、間接税の引き上げが問題になってきています。しかし、これは所得税を納めることのできないような人も増税になるんですよ。そういう点から見まして——あるいはまた、これは物価の引き上げにもなるんですが、今後間接税について新聞で報道するように引き上げる考えを持っているんですか、特にたばこ、酒等について。これは大蔵大臣、いかがでしょうか。

塩崎潤大蔵省主税局長

○説明員(塩崎潤君) 税制調査会の税制改正の動きを御指摘になったものでございますから……。  現在、明年度の問題を論議しているわけでございませんので、先ほど御説明申し上げましたように、長期税制の構想といたしまして間接税のあり方として言われたことが、いま御指摘の点ではないかと思うのでございます。その中にありますことは、間接税のうちのたとえば従量税あるいは定額税——技術的なことばで恐縮でございますが、たとえば印紙税ならば株式につきまして十円、さらにまた登録税ならば弁護士の登録料三千円というふうにきめられております。印紙税は昭和二十九年、登録税ならばそれははるかに古く昭和二十三年にきめられました税率でございます。こういった間接税はどうも現在の所得水準あるいは貨幣価値の状況から見て、はたしてそのままでいいのであろうかどうか、間接税全般の大衆負担の点は十分わかっておるにいたしましても、少なくとも間接税の負担がその際に適正なりとしてできましたとするならば、現在の経済情勢に合わせて直すことが、逆に所得税について課税最低限を物価あるいは所得水準によって引き上げると同じようなことではないかというのが税制調査会の空気でございます。酒でも一石当たり幾らというふうになっておりますが、これは昭和三十七年の税率でございます。たばこについてもそういうことが言えましょう。しかし、個々の間接税の問題について、特に酒、たばこでございましょうが、これが高いか安いか、これは別途の問題としまして、一般的には従量税あるいは定額税は、物価あるいは貨幣価値の変動、所得水準、これについて常に適当な関係を考慮すべきではないか、こういう趣旨が増税ととられているんではないかと思います。私は率直な意味におきまして増税ではないと思います。さらにまた、もう一つとられました趣旨は、所得税の減税財源の乏しいおりからでございますから、そういった角度から、ひとつ減税財源になるかならないか、そういった角度から検討されておる、こういうふうに私は伺っております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 関連。いつかの委員会においても、所得税をそう無制限に上げていくということは問題が起こると。だから、間接税の面でその点を補いたいと思うというような意味の発言があったと思います。あなただったか、だれだったか、そういう発言があったやに聞いているんですが、で、きょうの朝日の漫画かなんか見ても、あらゆるものがずっと税が上がるという漫画が出ているくらいで、やっぱり政府のほうでは間接税で財源を捻出しようという考えがあるんではないだろうか、こういうふうに私たちは思っているんです。で、ひとつ私は資料として聞いておきたいんですが、いわゆる所得税を払わない低所得者層ですね、この低所得者層が間接税を幾ら払っておるかという、総額幾らになるかということをちょっと聞いておきたいんです。

塩崎潤大蔵省主税局長

○説明員(塩崎潤君) いまの御質問、御要求の資料、過去には詳細に検討いたしまして出した資料がございますが、それの資料あるいはそれから推定した資料ならば提出できるかと思いますので、いずれ調製してお目にかけたいと思います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 過去の資料によりましても、主税局長おわかりのように、所得税を納めない人のほうの間接税の負担率が重いんですよ。つまり逆進課税ですよね。そういう点を考慮して考えなければいけないんです。重いんです。こっちのほうが重いんです。所得税を納めることのできない低所得層の人の間接税の負担率が所得税を納める人の負担率よりも重いのですよ。そうでしょう。特に最近のができたら——昭和三十五年のくらいしかないんですよ、最近のができたらいただきたい。  それから、ついでに、個人の脱税を防ぐ一つの方法としまして、税率の軽い財産税あるいは前に社会党がした富裕税、こういうものを設ける意思はないですか。税率は軽くていいんです。そうすればこの財産の検査権が出てくるわけでしょう。調査権が出てくるんですよ。これは乱用されると問題でありますけれどもね。そうすれば森脇将光とか田中彰治なんか、あるいは政治家なんか、これでどんどん調べられますよ。どうですか。

塩崎潤大蔵省主税局長

○説明員(塩崎潤君) 御提案の純資産税と申しますか、昭和二十五年から二十八年までございました富裕税の御提案だと思います。一つの私は所得税を補完する税制のあり方といたしましても重要な案でございます。検討問題だと思います。税制調査会でも常に論議されております。  ただ、問題は、どうも根本的には私は納税協力が基本的に大事だと思うのでございまして、なかなか現在の状況で純資産課税をやりますと、どうも土地あるいは家屋のような表現的な財産、これに重課されがちである。そんなようなところから見まして、もう少しまだ時期が早いような私は感じを持っておりますが、これはいずれも税制調査会におきまして御検討されておるところでございますし今後の検討問題だと考えております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それから、もう一つ、税制で今後考慮されなければならないと思われますのは、所得税を減税しても間接税の増税や地方税の増税によりまして実質的には減税にならぬ。これは日本だけでなく、アメリカ等もその問題があるようです。あなたがお書きになったものを見ましても、アメリカの連邦税のほうは減税しても州税で増税になっちゃっている。こういうちょうど日本と同じようなことがあるらしいんですね。総合的にやはり考えなければいけません。それから、所得税を減税して、その分を間接税の増税によりますと、須藤君がさっき言われましたように、所得税を納めることのできない人の増税になるんですよ。この点はやはり考慮に入れないと、これは所得の分配の非常に不均衡になるわけです。そういう点。  それから、時間もございませんから、もう一つ、その点と、今後の長期税制のあり方としまして、従来の税制が資本蓄積に重点を置き過ぎたんでしょう。そして資産所得に対する税金を軽くして、勤労所得に対する税率を重くしているんです、税負担を。ここに問題があった。だから、税制面から見て、原因は何も全部が税制面でありませんけれども、資本蓄積を刺激し過ぎたでしょう。だから、設備過剰になったでしょう。それじゃそのできた品物を買う大衆のほうは勤労所得税が重いので、有効需要が不足で、設備過剰、生産過剰という問題が起こってきているんです。そういう側面があるんです。全部それが原因じゃありませんけれどもね。そこで、私は、これからの税制、長期税制のあり方としては、この資産に対する軽減措置ですよ、これを改めて、やっぱり勤労所得税の軽減に重点を置いていく。しかし、それに重点を置いても、間接税をふやしたり地方税をふやしたらだめですよ。いままでの、従来の税制の一番の問題点は、租税負担公平の原則を犠牲にして資本蓄積に重点を置いたんです。そうでしょう。だから、今後は負担公平の原則に戻っていくような税制のあり方にしなければいかぬ、こう思うのですが、いかがですか。ここが一番きめ手じゃありませんか。基本の姿勢じゃないですか。

塩崎潤大蔵省主税局長

○説明員(塩崎潤君) 私からお答え申し上げていいかどうかわかりませんが、古典的な税の理論は、確かに資産所得と勤労所得、その間に支払い能力の差ありというのが定説でございます。しかし、なかなかこういう変動期になれば、経済成長が各国の政策の目標となるようなときには、ある程度の誘因措置が税制に盛られることもまたやむを得ない。あるいはまた考え方によりますれば、手段といたしまして一つの方法かと思うのでございます。このあたり、負担の公平の古典的な原則と、傾斜的な誘因政策との関係、まだまだこれは財政学的にも確立された原則もございませんし、まだ研究未開拓の分野だと思うのでございます。なかなかその程度は判定はできませんが、行き過ぎはできる限り排除すべきだと思うのでございます。さらにまた、勤労所得につきましても、単に課税が容易であるからというようなことで徴収するということは避けたいと思うのでございます。そのあたり、非常に程度の問題であり、さらにまた誘因措置が既得権化し、慢性化することを防ぐならば、これは租税政策としても私は効果のある手段として考えられる面がございますので、このあたりひとつ総合的に政策のウエートを考えながら考えるべき問題ではないかと、税制調査会もそんなようなお考えのようでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 前の田中大蔵大臣のときの、いわゆるサルカニ減税論なんというのは、その典型的な表現ですよ。いわゆる利子・配当所得をうんと減税して、そうしておむすびのほうの勤労所得のほうはあんまり減税しない。カキの種をまけば子孫に美田を残すと、資本蓄積のために資産所得の減税をすべきであると、こういうことが田中さんの考えておった点ですが、この点やはり一番私は今後の税制、長期税制のあり方としては問題じゃないかと思います。  なお、さらにこういう点については、われわれのほうでも革新政党としてそういう点については検討もしておりますからね、いずれまた突っ込んで質問したいと思います。  最後に、景気の見通しについて大蔵大臣に伺います、もう時間があまりないようですから。  政府の発表によると、まあ毎月の経済企画庁の月例報告を見ましても、それからまた四十一年度の経済白書を見ましても、さっきの大蔵大臣のお話を承っても、景気は順調に回復していると、こういうことです。ところで、四十一年度予算を編成するとき、七千三百億の公債を発行するに至った論拠として、大蔵大臣はこういうことを言われたのですね、日本経済は自立的にこの不況を回復する力を失ったと。低圧経済ということを大蔵大臣言われました。低圧経済ということは、非常な設備過剰で、デフレギャップが非常に大きいと。これは一挙になかなか解消できない。そこで一兆円公債発行論者もいたけれども、自分は七千三百億ぐらいの公債発行で一挙にこのデフレギャップを解消する、こう言われた。ところが、その後の経済企画庁の発表を見ますと、景気は順調に回復している。そうして機械受注等を見ると、設備投資も出てきそうである。在庫投資もふえてきたと言っているわけです。何かこういう自立的回復力をここで取り戻したような表現です。それでこう景気の過熱を心配しているような状態です。そうなると、従来の大蔵大臣の低圧経済という日本の経済の認識とは非常に違ってきていると思うんですよ。その点は大蔵大臣は、低圧経済だから、しかもデフレギャップは四兆円とか、六兆円とか、非常に大きいものだと。経済企画庁では最近経済月報で、一兆六千億というふうにデフレギャップを計算しています。そうしてこのデフレギャップが大体供給力の一〇%まで低下させるためには、四十一年度で二八・五%の生産の伸びが必要だと、こういうわけですよね。さっきの経済企画庁長官の報告ですと一六・五%になっていないのですね。足りないから、デフレギャップはまだ克服されていない、解消されていない、かなり大きく残っているということになると思うのですけれどもね。  それにしても、大蔵大臣の御意見ですと、来年も再来年もやっぱりかなり巨額の公債を発行する、七千三百億以上の公債を発行する必要があるということを言われたのです。それは設備投資がなかなかあらわれてこない、自立的な回復力も取り戻せないから、財政の面から人為的に景気回復の主導的な力を与える、こういうお話だったでしょう。そこに非常な食い違いが出てきていると思うのです。これだけ景気がよくなっている、順調に回復している、自立的な回復力を取り戻したということになれば、来年も再来年もそんなに公債発行したら、これは過熱さしてしまって整理がつかなくなる。そこで非常に今年度の公債発行の前提として認識された大蔵大臣の日本経済の状態とかなり変わってきているように思うのです。あるいはそうではなくて、経済企画庁のそういう分析がこれは間違っているのであって、大蔵大臣の最初公債発行の前提としてお考えになった日本経済の実態というもののほうが正しいと、そういうふうにお考えになっているのか。この点今後の財政政策を考える場合に非常に重要な点じゃないかと思うのです。この点をひとつ最後にお伺いしたい。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ことしの経済の動きを見ておりますと、これは私どもが当初予算の編成をいたします際に予想しておったよりはテンポが早まっておる、回復が早まっておる、こういうふうに認められます。それは端的に成長七・五%、それが今日の段階では八・七%を見るというところにも出てきているわけなんです。したがいまして、この勢いがこのままずっと続くということになりますと、論争の焦点になりましたデフレギャップはまあ想像されたよりはよほど早く解決されるという事態になりはしないか、私はそういうふうに思います。しかし、問題は昭和四十二年、この年の経済をどういうふうに運営していくかということにかかってくると思うのです。私はあくまでも財政、つまり国の経済活動、これと民間の経済活動、その総和が大体においてまあ七%、八%、その近辺でおさまるように運営していくということを旨とすべきであるというふうに考えております。  さて、そういうためには、国、民間のこの経済活動の動向なんかを見て、そうして政府の財政活動をどういうふうに押えていくか、こういう問題かと思います。その際に、財政の規模というものが大体想定される、その想定された財政の規模に対して租税がどのくらいだ、その差額、これを公債に回すということになるのだろうと思いますが、何とかしてそう低い成長でもなし、またそう高過ぎるような成長でもなし、そうしてまあ持続的な経済発展ができるようにということを念願しながら、そういう考え方を中心として予算の編成にも当たってみたい、かように考えておるわけであります。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 いままでこの下期停滞論というのがあったわけですね。それは二つの論拠からいわれておる。一つは、財政を上期に集中して使う、だから下期は景気をプッシュする力が弱くなるのじゃないかということと、もう一つは、国際収支。特に国際収支が、非常に輸入がふえていますね。政府の予定では、これは通関ベースで九十一億四千万ドルの予定だったでしょう。それが最近では九十八億六千九百万ドルという見通しですね。ものすごいふえ方ですよ。そうしますと、最初の見通しと非常に違ってくるのじゃないですか、国際収支は。この点からも、どうも下期停滞論というのは少しずれてきますよ、一時の見込みよりは。ですから、本年末から来春にかけまして、国際収支が非常に問題になってくるのじゃないかと思いますね。それから、財政支出も前申したようにスピードが落ちてくるわけでしょう、この支出が。そういう点からやはり景気の停滞というものも見込まれるという見方もあるのですが、この点については、大蔵大臣、どうお考えですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 第一の予算が下期には激減をして景気が落ちるであろうということにつきまして、私は、常に申し上げているとおり、そうはならぬと。今日でも少しもこの問題について疑念を持っておりません。  それから、第二の国際収支の問題ですが、これは私は常に非常に重要に考えておるのです。最近輸入がふえてきておる、この趨勢に対しましても深甚の注意を払っております。それで、ただいまのところは輸入がふえておりますが、輸出もまたふえておるのです。ですから、当初予算を編成いたしましたとき二十億をこえる輸出超過になるであろう、この点につきましては、大体今日も、この二十億をこえる輸出超過ということにつきましては、大体そのとおりいくであろうというふうに見通しをいたしておるわけです。ただ、来年になりましてこの数字がどういうふうな変化を示してくるか、これは私は一にかかって日本の国内経済の成長の勢い、これがどういうふうになっていくかということにかかっていると、こういうふうに思います。それから第二は、国際的な経済の動き、これも大きく関係してくると、こういうふうに見ておりますから、国内の景気の動き、また国際経済の動向、これに深甚の注意を払いながら経済運営に当たらなければならぬ、そういう考えでございますが、まあだんだんと予算の編成期にもなります。そういう際でございますので、なるべく来年の情勢が的確に見通し得るような資料というものをただいま収集しているところであります。そういうものに基づき、またいろんな先ほど申し上げましたような国際的な感触なんかも取り入れまして、予算の編成には慎重を期していきたい。それでもまたいろいろの変化がさらに起こってくると思うのです。それに対しましては、先ほど申し上げましたように、財政におきましても、金融政策の面におきましても、そういう形勢が変化したという際に弾力的にこれに対応するような手段を装備しなければならぬそういうふうに実は考えまして、鋭意その方面の検討を続けておる、こういう状況でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 最後に私は意見を述べまして、質問を終わりたいと思うのです。先ほど来いろいろ質問いたしまして、特に四十一年度の補正の財源ですが、財源につきましては、歳出歳入面についてやはりもっとくふうをする必要があるのだ、そうすれば消費者米価を上げなくても補正予算も組めるし、また公務員給与についても人事院勧告の五月実施を九月にずらす、そういうふうにしているのですが、私はもっとくふうをこらせばやはり人事院勧告どおり——人事院勧告だって六%の引き上げというのは民間に比べれば低いのですよ。それさえもまた九月に延ばすわけですから、その他の歳出との振り合いから、あるいは財源関係から実施できないというのが政府の考えのようでありますけれども、財源というものは非常な政治的なものでしょう。ないといえばない、あるといえばある。歳出あるいは歳入の面についても従来のマンネリになっちゃっていて、私は何というのですかね、惰性でやってきているような気がするわけです。ですから、こういう政治姿勢がほんとうに国民から強い批判を受けているこういう機会に、歳入歳出面について根本的に私は洗い直してみる、再検討をしてみるという絶好の機会じゃないかと思うのです。そういうことを要望いたしまして、まだ税制面等についていろいろ質問があるんですけれども、予定の時間が参りましたから、本日の私の質問はこの程度で終わって、おきます。

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) ほかに御質問も、御発言もないようでございますから、本日はこの程度にいたしたいと存じます。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時十一分散会     —————————————

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