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52回国会参議院1966/10/14

石炭対策特別委員会 閉会後第1号

発言数
118
登壇者
13
会派数
3
開催日
1966/10/14

会議録

大矢正日本社会党

○委員長(大矢正君) ただいまから石炭対策特別委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について報告いたします。  去る九月二十九日、米田正文君が委員を辞任され、その補欠として高橋雄之助君が選任され、本日、宮崎正義君が委員を辞任され、その補欠として北條雋八君が委員に選任されました。

大矢正日本社会党

○委員長(大矢正君) この際、金丸通商産業政務次官より発言を求められております。発言を許します。

金丸冨夫自由民主党通商産業政務次官

○説明員(金丸冨夫君) 私、金丸でございます。  今回の政務次官異動にあたりまして、私、通商産業省の政務次官に任命されました。当委員会に格別お世話になると存じますが、何とぞよろしくお引き回しのほどをお願い申し上げます。一言ごあいさつ申し上げます。(拍手)

大矢正日本社会党

○委員長(大矢正君) 派遣委員の報告に関する件を議題といたします。  去る八月、当委員会が行ないました石炭に関する諸問題の実情調査の委員派遣について、派遣委員から報告を願います。小野明君。

小野明日本社会党

○小野明君 派遣委員の報告を申し上げます。  この報告は、剱木理事から申し上げるはずになっておりましたけれども、所用のために、私かわりまして報告を申し上げます。  先般の派遣は、北海道における石炭事情を視察し、石炭鉱業審議会の最終答申に対する現地の声を聞き、今後の石炭対策樹立に関する参考資料を得たいというのがその目的でありました。派遣委員は、大矢委員長、剱木理事、吉武委員及び私でありましたが、現地で小林理事と阿部委員とが参加されました。  日程は、まず八月一日、夕張市の北海道炭艦汽船株式会社平和鉱業所をたずねて、事業概観と労使双方の意見を聞き、次いで夕張市役所におきまして橘内市長並びに地域関係者と懇談をし、札幌では道庁、道議会、経営者の大手、中小、炭労北海道地方本部、炭職協等と懇談したのであります。次いで二日には、赤平市に参りまして、遠藤市長、市議会等の方々と懇談、その後、豊里鉱業株式会社で経営者側から、健保会館で同社の労組側及び地元住民から、それぞれ事情聴取と懇談を行ない、また空知炭艦株式会社で先般の災害及びその後の復興状況を聞き、最後に上砂川町の三井上砂川鉱業所で経営者、労組、地元代表の方々と懇談してまいったのであります。さらに、一部の者はその翌日、釧路市の太平洋炭艦株式会社へ参りまして現場を視察いたしました。  北海道の石炭鉱業は、開発の歴史も浅く、炭質も優良であり、その所在地の関係から石炭鉱害の発生が少ないという利点がありますけれども、他面、炭鉱にガスが非常に多く、その炭層には褶曲断層が多く、急傾斜しておりまして、そのため石炭の粉化、炭じん発生、落盤、転石の危険をはらみ、災害の発生度が高く、その上に、位置の関係から、山間僻地にあるものは海岸までの運賃にかかり、これに加えて最終消費地の京浜、京葉などの工業地帯までの海上運賃も軽視できないという不利益が重なっているのであります。しかし、概して欠点よりも長所のほうが強く働いて、産出量も年々増加し、わが国の石炭全体に占める北海道の位置は、年々大きくなってきているのが現状であります。  北海道においても石炭鉱業の合理化は著しく進んでいます。元来ガスの多いところですから、これを抜いて自家発電を実施しており、自走ワクの採用も著しく進展し、また水力採炭も実行いたしております。四十年度の出炭能率は、全国の一人当たり月産三八・一トンに対し、北海道では四三・四トンになっているのであります。  しかし、先般の最終答申が、出炭規模五千万トン程度と発表したことは、北海道においても少なからずショックを与えました。程度という弾力的なことばよりも、五千万トンという数字が強く刺激いたしまして、北海道においても廃山、閉山が相当に出るだろうとの見解が支配し、業界はもちろん、一般にも動揺の色が濃く、夕張市のごときは、最終答申のうわさに対処して、早くも六月十九日に産炭地防衛危機突破住民大会を開き、非常事態宣言を行なったくらいであります。石炭の置かれた地位と答申の数字からいたしまして、無理からぬこととは思いますが、北海道の石炭に関する限り、悲観的にばかり受け取り、いたずらに風声鶴唳に驚くことは、かえって労務者の離山ムードを助長するような結果になりますので、厳に戒めなければならぬことと思ったのであります。  現地にあっては、出炭規模について国会の議決どおりに五千五百万トンを目標に、せめて五千二百万トンの需要確保を希望する声が圧倒的に大きかったといってよいのであります。それと同時に、政府の石炭需要確保についての熱意に疑問を持つ例として、目下札幌に建設計画中の第二合同庁舎の暖房装置が、石油をたくように計画されている事実、電力会社が貯炭多きことを理由に石炭引き取りを拒んでいることをあげ、政府の施策ないし指導に遺憾の点があると指摘する者もございました。電力用炭については、微粉規制の緩和を要望する声とともに、その引き取り炭価が低過ぎるという声がありました。  最終答申については、異常債務肩がわりと安定補給金について感謝しつつも、これだけで石炭産業が再建できるとは考えられないとし、ことに短期流動資金について、市中銀行筋から閉め出され、金繰りに苦心しなければならないのではないかと心配する向きが多く、その対策として国家の金融的援助を希望する声が強かったのであります。  また、安定補給金については、これが優良炭鉱には期待できないようになっていることに不満の声もありました。  石炭特別会計についても、これが設置を歓迎しているものの、これをもっぱら石炭鉱業の安定のために用い、産炭地域振興や鉱害処理は、これを一般会計において実施するよう希望していました。  鉱区調整についてもその必要が強く訴えられておりました。  閉山処理に関してはきわめて微妙でありますが、不幸にして閉山のやむなきに至る場合、トン二千円程度の交付金を出すという答申に対しては、特に中小の側からその額が少な過ぎるとし、特別加算交付金は、一山一社の中小炭鉱に振り向け、実質三千円以上の手取りとなるようにされたいとの要望がありました。また、離職者については、完全就職できるよう、強力な施策を望んでおります。  ビルド山におきましても、答申の線では幾ぶん手薄さを感じており、設備の近代化、合理化の助成にもっと力を入れ、坑道掘進、新鉱開発にも積極的な助成を望み、中小も大手並みに助成すべきことを希望しております。また、北海道の特性として、急傾斜採掘方法について特に技術研究を望むということでありました。  産炭地の問題としては、地元市町村が異常な関心を持っておりますが、その第一は、何といっても石炭そのものの繁栄で、出炭規模の停滞ないしは縮小には強く反発しております。夕張市のごときは、石炭鉱業を中核とする大コンビナートの計画を立て、これを推進されたいと強く要望しておるのであり、総じて産炭地としては石炭を多く使用する企業の誘致に苦心しているのであります。また、石炭鉱業の疲弊による市町村財政の苦境についても、これが打開を国の支援にまつという声が強いのであります。  労務に関しては、在籍者の平均年齢が、若い山でも三十四、五歳で、高いところは四十歳に近いところもある由、新規学卒者がほとんど得られないでますます老齢化していくことが憂慮されており、労務確保が重要問題になっております。答申の年金制度の実施については、坑内夫のみならず全労務者を考慮し、石炭鉱業に従事した年数をすべて通算するよう希望し、また今後、石炭の諸計画には、賃金上昇を他産業並みに認めることが労務確保の上からも必要であると強調し、定着させるためには環境の整備にも力をいたされたいという意見が強かったのであります。  保安の万全は、労働力確保のためにも、生産確保のためにも欠くべからざるものでありまして、保安教育センター設置が各方面で要望され、保安機器メーカーの育成強化が主張され、また保安融資の確保、保安監督の強化が強く唱えられておりました。同時に、ガスの多い地域だけに、特に一酸化炭素中毒のための立法措置も強く要望されておりました。  豊里炭鉱の問題は、最後になりましたが、これは地元として最も強い関心を持っておりました。この炭鉱は戦後しばしば持ち主を変え、最近は明治鉱業の系列に属しておりましたが、今春その資金援助を打ち切られ、閉山のやむなきに至ろうとしている山であります。豊里鉱としては、閉山を免れるため、労使一体となって涙ぐましい努力を続けておりますが、資金繰りの悪化その他はいかんともしがたく、地域住民ともども、国や道の援助を熱望しているのであります。地元赤平市では、炭鉱の消防施設を市に引き取り、社有地を買い上げ、市税の納入延期を認めるなど、積極的な支援態勢をとっておりますが、国に対しても、四十年度利子補給分千三百万円の交付を希望するほか、つなぎ資金の貸し付け、北海道電力への納入炭増加等の指導を要望しておりました。豊里の健保会館で労組の方々と会った際には、不安におののいている地元民も多数見え、また児童が総理あての手紙を届けてほしいと読み上げるなど、真剣な表情は実に涙をそそるものがありました。炭鉱の閉鎖が、労使のみならず地域社会全体の大問題であるということをまざまざと見せつけられたのであります。  以上で御報告を終わりますが、今回の派遣には通産省の井上石炭局長が同行され、また札幌通産局、保安監督局の皆さま、関係各社、地元市町村等の多大のお世話をかたじけのうしたことを申し添えておきます。(拍手)

大矢正日本社会党

○委員長(大矢正君) 以上で派遣委員の報告を終わります。     —————————————

大矢正日本社会党

○委員長(大矢正君) 次に、当面の石炭対策樹立に関する調査を議題といたします。  まず、通産省当局から発言を求められておりますので、これを許します。井上石炭局長。

井上亮通商産業省石炭局長

○説明員(井上亮君) 最近の石炭関係の問題点につきまして、御報告を申し上げます。  資料といたしましては、お手元にいろいろ出ておりますが、その中で「石炭予算の問題点」という紙がございますので、これを見ていただきながら御説明を申し上げたいと思います。  なお、最初に、この資料から離れまして、一般的な御報告を申し上げたいと思います。  御承知のように、石炭鉱業審議会におきましては、約一年くらい慎重に審議を重ねまして、昨年の十二月に石炭鉱業に関します中間答申を政府に提出されました。本年度の石炭対策は、いわばこの中間答申に基づきます暫定的なつなぎ対策が中心になって行なわれておるわけでございますが、引き続きまして同審議会では、本年の七月に石炭鉱業の抜本対策についての最終答申を政府に提出されたわけでございます。政府は、この答申を受けまして、さらに各方面の意見も通産大臣みずからいろいろお聞きになり、検討を加えまして、八月の末に石炭鉱業の安定対策に対する政府の態度を決定いたしたわけでございます。この点はすでに諸先生御承知のことと存じます。  政府といたしましては、答申の御趣旨を尊重するという基本姿勢はございますが、さらにこの答申の内容に加えまして、特にただいま小野先生からの御報告がありましたように、石炭鉱業関係者はやはり何と申しましても石炭の位置づけについて多大の関心を寄せておられますので、政府としましても、この点についてさらに積極的な姿勢を打ち出そうというような配慮がこの答申の中にございます。  たとえば需要確保の問題につきましても、五千万トン以上の需要確保について積極的に努力するというような表現が加えられるとか、あるいは石炭鉱業の今後の安定対策につきましても、答申のトーンを少し変えまして、前向きの石炭対策、坑道掘進とか坑道掘進に対する政府の助成制度の拡充強化とか、あるいは石炭産業の近代化・機械化の思い切った促進というような点を前面に打ち出すような態度に改められておるわけでございます。  なお、労働対策等につきましても、答申のトーンよりもさらに強化するような表現で一応うたわれておる次第でございます。  政府といたしましては、この閣議決定を受けまして、自来今日までいろいろ努力をしてまいりましたが、そのおもな点は、第一には予算関係の問題でございます。予算関係としましては、これは恒例の問題ではございますが、大体八月末に一応予算要求をいたしました。お手元の資料に出ておりますが、この一枚目の一番最後の欄を見ていただきますと、四十二年度には二百三十五億、昨年は約二百億の予算でございましたが、石炭局関係といたしまして二百三十五億の予算をすでに大蔵省に提出いたしております。  内容といたしましては、第一に、炭鉱整理促進費七十五億、これは昨年の倍額余りになっておりますが、これは今後の閉山の見通しをただいま調査中でございまして、これは臨時国会開会前までには、ことしから来年にかけての閉山見通しを相当正確につかみたいといういま調査を行なっておりますが、一応これは本年度程度の閉山が行なわれるというふうに前提いたしますと、これは大体三百四十万トン程度、大体炭価が倍になりますので、従来の買い上げ単価はトン当たり平均千二百円程度でありましたが、これを二千四百円程度に引き上げるというような考え方で計算いたしますと、大体七十五億ぐらい、これは閉山数量がふえるわけでございませんが、横ばいと見た場合に、この程度になるという考え方でございます。  以下御承知の石炭鉱業合理化事業団からの融資の原資になります出資金、これは近代化資金出資金とかあるいは炭鉱機械化促進出資金、この炭鉱機械化促進出資金というのは機械貸与制度のことでございますが、これは来年度は主として中小を中心に配慮してまいりたいということでいろいろ要求しております。  その次に炭層探査及び坑道掘進費補助、これも答申の線もあり、来年度は一応三十億を要求いたしております。これは前向き対策としてこれをぜひ実現したいという考え方でございます。  それから鉱害対策、それから産炭地域振興対策、いろいろそういうものを合わせまして二百三十五億、これが既提出の予算でございます。  なお、石炭関係の予算といたしましては、そのほかに二ページ目を見ていただきますと、鉱山保安局の関係で、石炭鉱業関係の対策として五億六千万円、私が前に説明しました近代化資金の中に——坑道掘進、保安坑道等の問題なんかも、近代化資金の出資とか、坑道掘進費補助とか、こういう中に保安関係の金額が入っておるわけですが、それ以外のものとして、ここにいわゆる保安センターの設立の問題とか、そういうような問題がこの中に盛られております。この点はあとでまた保安局長から補足があります。  公益事業局の電発火力出資、これは現在、電発石炭火力といたしまして三基建設中でございますが、それに本年度から繰り上げて二基着工いたしたい、合計五基になるわけであります。そういった予算要求を来年度いたしております。  それからなお、石炭関係としましては、他省関係といたしまして鉱害復旧、これは通産省関係は全体で十八億、このうち復旧関係が十四億、したがいまして復旧ベースで見ますと、通産省と他省分全部合わせますと六十八億、それから鉱害予算全体としてはこれが七十一億くらいになるはずであります。それから、ほかに労働省関係として、労働省から大蔵省に対して離職者対策が五十四億提出されております。  以上全部合わせますと、広義の石炭関係の予算としましては四百三十三億に相なります。ただし電発火力の出資金は、これは従来広義の石炭対策の中に入れておりませんでしたので、この電発火力の出資金を除いて集計いたしますと三百四十九億、約三百五十億、これがいわゆる他省関係も含めました石炭関係の広義の予算でございます。これだけのものが今日大蔵省に提出されておる、こういうわけでございます。  そこで、閣議決定の石炭対策あるいは答申に盛り込まれております内容は、以上御説明申し上げました対策だけではございませんで、三ページ目の一番最後の表に出ておりますが、まだ根本的ないろいろな諸対策の予算要求がしてないわけでございまして、私どもとしましては、さらに石炭関係の追加要求についてただいま検討中でございます。  検討しておりますおもな項目を申し上げますと、第一点は、三枚目に書いてありますように元利均等償還の補給金の問題でございます。ここにはいろいろ書いてございますが、まあこれは大体私ども答申の線、あるいは閣議決定の趣旨を忠実に行なってまいりたいというふうに考えております。  それから第二点は、安定補給金の問題であります。安定補給金の問題は、答申ではトン当たり約百円程度が必要であるということをうたわれております。しかし、その後私どもいろいろさらに検討を加えておりますが、トン当たり単価をどうきめるか、各方面にいろいろ意見もありますし、ただいまどうするか慎重に検討中でございます。  それから、第三点の負担増対策につきましては、これは答申あるいは閣議決定にもありますように、来年度からは、この電力、鉄鋼に対します政策需要の要請に対する負担増対策としましては、従来いわゆる原重油関税の還付制度で、還付という形を通して負担増対策をやっていたわけですが、この還付制度を改めまして、むしろ端的に、引き取った量に応じてその価格差を補給するという制度に改めてまいりたい。もう少し詳しく申しますと、たとえば電力についていいます場合には、政策需要が始まりましたのが昭和三十六年の半ばからでございますが、鉄鋼についても同様でございます。したがいまして、昭和三十六年度までの電力の引き取りあるいは鉄鋼の引き取りにつきましては、これは何らの負担増対策は講じない。その後いわゆる政策需要として増量引き取りをあえて要請した分につきまして、それについて電力については、重油との価格差、鉄につきましては輸入炭との価格差、これを補給するというような制度に改めたいというふうに考えるわけでございます。したがいまして、そういう考え方でただいま検討をいたしております。  第四番目は、坑道掘進費補助の問題でございます。既提出の予算の中にも坑道掘進費の補助は約三十億ほど入れてございますが、これは要求に際しましてやはり一定の提出の限界、つまり三割以上の要求はできない、省全体として、というようなことがありましたので、控え目に出したわけでございますが、これについてさらに追加を考慮いたしたい。この坑道掘進費補助も私考えてみますと、やはり前向き対策としては、将来の石炭予算の本命になるのではないかというふうに考えております。  それから、第五番目は再建資金の融資の問題ですが、この融資制度はすでに石炭鉱業合理化臨時措置法という法律に基づきまして、この制度ができておるわけでございます。この制度ができました経緯は、諸先生御承知のことでございますが、昭和三十七、八年ごろにいわゆる第一次政転闘争がありましたときに、これは一つの政策として池田内閣当時に打ち出された政策でございまして、現在法律に基づく制度になっております。従来はこれは財政投融資、財投によるつまり有利子の融資になっておったわけですが、今後いろいろ、炭量を非常に持っておる、したがって資源政策上山をつぶしがたいというような企業について、やはり政策として立ち上がり金融をいたしたいというような場合に、財投といえどもやはり有利子の資金でやります場合に、なかなか融資が困難な場合があります。したがいまして、来年度以降におきましては、この再建資金の融資を、融資制度には変わりありませんが、特別会計から事業団に出資しまして、事業団から融資するという制度に改めたいというものでございます。  大体今後追加をいたしたいと思っておりますおもな内容は以上のようなものでございます。  それから、なお引き続きまして特別会計の新設、これが今度の抜本対策の一番大きな問題になろうかと思います。これにつきましては、原重油関税を財源として特別会計をつくるという方針は政府部内ですでにきまっておりますが、今後この内容をどういう内容の特別会計にするかというような点につきましては、ただいま大蔵省と折衝中でございます。  それから、一番最後に書いてありますが、私ども、以上申しましたのは来年度予算の問題でございますが、本年度の補正といたしまして三点あげておりますが、先ほど申しましたように、電発火力二基はできますれば年度内着工にいたしたいということで、先般来電力業界といろいろ打ち合わせをしてまいったわけでございますが、九電力側の電気事業連合会におきましても、一応その繰り上げ着工につきまして了承をしておられますし、さらに、必要ならば民間の九電力側からさらに電発に対して技術的な援助をしてもよろしいというようなお話もいただいておるわけでございます。ただ問題はやはり金の問題でございます。電発は若干資金的には余裕があるようでございますけれども、何ぶん建設コストがあまり高くなりますと、九電力側が引き取らないというような問題も起こります。建設コストを安くしますためには、どうしても電発に対して出資をする必要があるというような考え方を持っておりまして、これは例年やっておりますが、その繰り上げに際しまして、補正でこの出資をやりたい。  それから、第二は、炭鉱の買い上げ単価が上がりましたので、これに伴いまして必要があります場合には補正をする。  それから、第三点は、坑道掘進費の補助につきまして、これは法律を要しない問題でございますから、できますれば、年度内から答申の線の実施をさせていただきたいというような考え方でございます。  以上、まあ補正といたしまして私ども考えておりますのは、この三点を考えております。ただし、この中で炭鉱整理費は、先ほども申しましたように、本年下期にどの程度の閉山が行なわれるか、ただいま全体としての助成策の関係で、大手については大体見通しがつくわけですが、中小炭鉱の閉山に対する御意見、御希望がいま明確でございませんので、これが相当程度あれば補正をお願いしなければいかぬと思いますが、本年度は閉山がそうたいして多くないということであれば要求する必要はないというような関係になろうかと思います。  以上が予算関係の私どもの大体の現在の考え方あるいは状況でございます。  それからなお、次に本年度の対策といたしましては、単に予算対策だけではいけませんで、何と申しましても、この年末を石炭鉱業が乗り切りますためには、金融対策が当面非常に大事でございます。したがいまして、私どもは先般来石炭鉱業金融懇談会というのを、これは二つつくりました。一つは大手関係の金融懇談会、もう一つは中小関係の金融懇談会でございます。これは対象になります金融機関が違いますんで、大手の場合は大体全銀協系統の銀行が主体でございますし、中小は大体地銀協系統の銀行あるいは相互銀行あたりの銀行が中心でございますので、二つに分けましてただいまやっております。そして中小につきましては地方的性格が強いわけでございますので、別途、地方通産局長ベースで現地で金融懇談会を開いていただく。それから、大手につきましては、全体の金融懇談会の下部機関といたしまして個別金融懇談会を開きまして、たとえば三井鉱山については三井関係に融資を相当程度している銀行、三菱については三菱銀行以下融資をしている銀行、それに開発銀行等を加えまして、そういう個別の金融懇談会を開いて対策を練っております。今日までのところでは、まだ金融懇談会の全体が終わっておりませんので、下期に対しまして、市中の協調の程度がどのくらいか、それから政府がどの程度の補完をしなければならぬかというような数字がまだまとまっておりませんが、来週くらいにはまとまろうかと思います。  で、私の今日までいろいろそれに出席しました感覚で申しますと、市中銀行も相当、石炭産業に対して前向きに協力する姿勢を示していただいております。閣議決定が出ました直後は非常に消極的な意見もありましたが、今日では相当前向きに、積極的に協力しようという姿勢を示していただいております。しかし、それにもかかわらず、やはり私どもとしましては、石炭鉱業全体の本年度の資金不足が、大手だけでも二百億、中小は約二、三十億、したがいまして、この二百二、三十億の不足資金に対する対策を立てますためには、単に市中だけでは——これは相当純増ベースの協力をお願いできる模様でございますが、それだけでは足りませんので、政府関係の融資についても、さらに検討を加えまして、何とか本年度を乗り切るような努力をしてまいりたいというふうに考えております。  金融対策についての私どものいまやっております現状は以上のとおりであります。  その他いろいろあろうかと思いますが、一応太い線だけ御報告をいたしまして、また御質問に応じましてお答えさしていただきます。

大矢正日本社会党

○委員長(大矢正君) 引き続き、保安対策等につきまして、鉱山保安局長から説明を聴取いたします。

森五郎通商産業省鉱山保安局長

○説明員(森五郎君) お手元に「鉱山保安関係予算」というプリントがございます。これを、ごらんいただきながらお聞き取り願いたいと思います。  鉱山保安関係の四十二年度予算につきましては、先ほど石炭局長から御説明申し上げましたように、関係がございますので、この点を指摘しながら御説明したいと思います。  大体、まず一ページのところでございますが、保安監督対策の強化ということで、一番に、来年度一億一千七百万円要求しようということでございますが、この考え方は、まず約五十名の監督官の増員を要求いたしたい、と同時に、若干の監督機構の拡充をいたしたい。と申しますのは、去年九州で指導課というのを認めていただいた。来年は北海道に同様の課の新設をしたい。この意味するものは、予防保安に重点を置きたいという考えでございます。  それから、もう一つの大きな柱は、炭鉱の保安関係の施設、設備の整備関係でございます。これは二枚目の一三、一四というような項目のところに載っております。先ほど石炭局長から御説明いたしました石炭鉱業合理化事業団に対する出資で、保安関係の施設あるいは保安確保坑道というのを無利子の融資でまかなうという要求でございます。もう一つは、これも石炭局長から御説明がございましたように、坑道関係の坑道掘進の補助も、保安確保坑道につきまして四億五千万円で五〇%の補助をしようということでございます。  なお、この保安融資と保安確保坑道補助金とどう違うかという御疑問が出ようかと思いますが、この保安融資のほうは、いわゆる沿層坑道のようなもので、たとえば一年以内で掘ってこれはまたつぶれるということでございますので、これがなかなか補助金の対象にならないものですから、融資ベースでまかなう。片方の保安確保坑道の補助金のほうは岩石坑道のほうでございましてこれは二年あるいは三年とか、比較的長期にわたって使われておるというものに対して補助金を出そうという考え方でございます。  次の柱は保安教育の強化の問題でございますが、これはいろいろ保安調査団等を出しまして、現地の状況をいろいろ調査いたしましたが、結局現在の頻発災害等を防止するためにどうしても保安教育を強力に推進しなければならぬという意味も、ございまして、この二ページ目の一一に書いてございます鉱山保安センター施設設置費というもので約三億七千万円の要求をいたしました。これは大体四十二年度から二カ年で北海道、九州、常磐、三地区に三カ所設置をしたいというふうに考えておるものでございます。  これは何をやるのかと申しますと、御案内のように、鉱山労働者の訓練、並びにいままで業者の救護連盟というようなところでやっておりました救護訓練、事故が起きたときに救助に向かう救護隊の訓練をここで同時にやっていきたい。これは先生方、北海道あるいは九州で現在の救護センターをごらんになられたと思いますが、非常に貧弱なものでございまして、この計画によりますうな非常にりっぱな訓練坑道、訓練施設のあるものを設置いたしたいというふうに考えておるわけでございます。  次に、二ページ目の一〇というところに載せてございますが、保安機器の開発ということを大いに促進いたしたいというふうに考えておるわけです。ところが、保安機器をつくっているメーカーというのはほとんどみんな中小企業でございます。中には零細企業に近いような企業もあるわけで、技術開発の技術的なアイデアはいろいろ持っておりますが、残念ながらそれを工業化する、企業化する資金的な能力をなかなか持っておらないということがあるわけでございます。したがいまして、こういうところではたとえば鉱工業技術研究費補助金というような制度が通産省にございますが、五〇%の補助というようなことではなかなかそういう機器の開発ができないんじゃないかというふうに考えられるわけでございます。したがいまして、来年度は、ここに書いてございますような超小型ガス自動警報器というようなものに対しまして若干のアイデアをメーカーが持っておる。これに対しましてこの機械が製作できるまで国が研究費をひとつ委託費で開発しようというのが構想でございます。そういうことで保安機器というものは非常にマーケットも狭うございます。やっているメーカーが、先ほど申しましたような中小企業ということでございますので、ぜひともこういった委託費で研究費を確保したい、こういう考えでございます。  以上、保安関係について来年度予算の要求のあらましを御説明申し上げたわけであります。

大矢正日本社会党

○委員長(大矢正君) 以上で政府側の説明は終わりました。  この際、御報告をいたします。本日の委員会に出席をいたしております説明員は、金丸政務次官、井上石炭局長、森鉱山保安局長、以上は通産省側でございますが、労働省側から有馬職安局長、中村労災補償部長、文部省側から齋藤初中局長、以上であります。  なお、三木通産大臣はおおむね十一時半ごろ当委員会に出席をするものと思われますが、閣議の関係上、若干時間的にずれる場合もありますので、御了承を賜わりたいと思います。  ただいまの説明に対して質疑のある方は、順次御発言を願います。

小野明日本社会党

○小野明君 いまの局長の説明をお聞きいたしまして、予算面におきましては若干の坑道掘進その他前進が見られておるわけでありますが、五千万トンといい、あるいは以上といい、程度ということ、いろいろな表現はあるようですけれども、とにかくまあ五千万トン程度あるいは以上の需要を確保すると、こういう決意のほどは伺ったわけですね。しかし、まあこれが政策需要でささえられるということで、いま若干の御説明もいただいたのでありますけれども、ことしの二月の通産省の長期石炭需給想定、これを見ますと、石炭を完全な自由競争、裸にしたならば、国内炭の需要は一千二百二十万トン、いまの生産量の四分の一ぐらいのものですね、これを政策需要でささえる。四十五年度の予想を見てみますと、電力で二千三百万トン、鉄鋼では一千百万トンと、この五年間でも非常な増加は見られないわけですね。これを、この二つの政策需要でささえるということになりますと、これはたいへんなことだと思うんですね。局長のお話は、電力業界あるいは鉄鋼業界とも話をされておるというんですけれども、あるいはいま引き取り需要に応じた価格差を補給する、こういうふうに言われるんですが、その辺ひとつ再度説明をいただきたい。

井上亮通商産業省石炭局長

○説明員(井上亮君) 石炭を自由競争にまかせればどうということは、これは仮定の議論としてかつてエネルギー調査会が石炭の位置づけについて検討をいたしまするときにいろんなそういう仮定をおきまして検討したりしたことはありますが、しかし、これは仮定だけでして、やはり政府の政策としましては、先ほど御説明申しましたように、閣議決定もありますような積極的な姿勢で需要確保に努力してまいる所存でございます。  需要確保につきましては、ただいまも御指摘がありましたが、電力について申しますと、九電力関係ではことしの引き取りが二千五十万トンでございます。なお昨年は約千九百万トン、それをまあ百五十万トンふやしまして、ことしは二千五十万トンの引き取りをしていただくことに決定をいたしております。ただ、今年度につきましては、この引き取りが抜本策の決定がおくれた等の関係で、たしか正式にきまりましたのは八月末ぐらいだったと思いますので、したがって、上期需給関係で石炭業界が困ったことは事実でございます。それからなお九電力についてみますと、ことしは二千五十万トンということですが、電力業界と私どもが話をして一応了承をいただいておりますのは、昭和四十五年度には九電力だけで二千三百万トンを引き取りますという約束を今日いただいております。それからさらに、現在電源開発株式会社の石炭専焼火力を三基建設中でございますので、これが来年度以降稼働に入ってまいります。それから、先ほども御説明申し上げましたように、来年から二基つくろうか、さらに追加というのを、ことしから繰り上げ着工するというようなことを二基いたしてまいりたい。合計五基になるわけですが、この五基が完全にフル稼働しますのが大体昭和四十四年ぐらいからであろうかと思います。三基は来年ぐらいから動き始めますから、残りの二基を含めますとそういうことになる。したがいまして、昭和四十五年度には電発の引き取ります炭の量は、私ども大体三百三十万トンぐらいと考えております。この三百三十万トンと、九電力の引き取ります二千三百万トンを合わせますと二千六百三十万トン、そのほかに御承知のような石炭、電力の共同火力等がございます、常磐にもございますし、九州にもあるというようなのを加えますと、まあ二千九百万トン台の引き取りを電力業界全体にお願いすることに、これはもう話がついておるわけでございます。  ただ、話がついていると申しましたが、電力業界は、これには条件がありまして、やはり先ほど申しましたような昭和三十六年度までの引き取りはよろしい、そこまでの量はいいですが、それ以降の増量引き取り分については負担増対策をやってくれというのが条件にはなっておりますが、という形で、大体確保の見通しをつけております。電力以外の一般産業向けの需要ですね、これが今後やはり漸減してまいる、その漸減してまいりますのを、この電力のいまの増量で補っていく、少なくとも五千万トン程度の需要は確保してまいりたい。で、いまの引き取りでいけば、私は五千万トン以上になるんではないかというふうに考えております、長期的観点から見まして。  なお、鉄鋼につきましても同様な考え方で、ことしは大体鉄鋼業界九百万トン——去年は八百万トン、ことしは九百万トンということでいま話がついておりますが、御承知のように鉄鋼業界はこの下期に入りましてわりあいに好況の空気、非常に増産体制にいま入っておりますので、いまのところ九百万トンという約束は九百三十万トン程度の増量になるんではないかという見通しでございます。さらにふえるというふうに考えております、これは原料炭につきまして。で、なお原料炭全体としましては、まあことしが全体で千百万トン台でございますが、昭和四十五年には千四百万トン台には増量することになるんではないかというふうに考えております。まあ需給の関係は以上でございます。  ただ、非常に順調のように申し上げましたが、私決して順調とは思っておりませんで、今日やはり相当な貯炭を、過剰炭をかかえております。貯炭数量だけでも千二百万トン程度あるわけでございます。適正貯炭といえば、まあせいぜい八百万トンぐらいでいいかと思います。というような過剰炭をかかえておりますので、今後相当なやはり需要開拓に努力をしてまいりませんと、非常に石炭産業としては苦しい実情でございます。特に過剰炭は資金問題にすぐぶつかります。決して楽観を許しませんけれども、一応数字上はそういうような増量引き取りの約束ができているというのが実情でございます。

小野明日本社会党

○小野明君 初めのほうはすらすらと出ましたが、最後の非常に困難だというところを、そのまま私は受け取りたいと思うのですが、いろんな新聞、雑誌等に発表されておるのを見ましても、電力にしても鉄鋼にしましても、なかなかこの前提がある。担保があるんですね。その点なかなか困難だろうと、こういうふうに私見ておるわけです。  それと、いまひとつ説明がありませんでしたが、大体いまの予想というのは、価格差補給といっても炭価の大体据え置きということが条件になっておりますね。そうしますと、価格面の分析、量の分析はありますけれども、金の面の分析、特に競合エネルギー価格との関連、この問題が落ちておるんではないか、このように考えられるわけですね。石油の値段が落ちた、石炭需給に当然変動が来る、そうしますと、総合エネルギー政策はまだないというこういう段階では、今度立てられておるいわゆる抜本策というものも、一時期と同じようにきわめて短命に終わってしまうんではないか、こういう心配をしておるわけです。この点はいかがですか。

井上亮通商産業省石炭局長

○説明員(井上亮君) ごもっともな質問でございますが、実はこの負担増対策を講ずるに際しまして、これは電力、鉄鋼両業界と話しておりますが、御指摘のように、重油価格と石炭価格との価格差を補償するというような考え方に立ちますと、今年の石炭価格は横ばいだというふうにかりにいたしましても、重油価格が年々下がっていけばそれだけ負担増はよけい出さないといかぬことになると申しますか、あるいは重油価格が上がれば逆に負担増はそれだけ少なくて済むというような理屈になるわけでございます。実際問題として、いま私ども電力業界と話をしておりますのは、これは電力業界でも相当にやはり御協力いただこうという趣旨から、実は昭和四十五年度には大体九電力で五十五億程度、それから電発火力では大体十億程度、これは今日の価格差で見まして、大体その程度と想定いたしておる。で、今後重油が下がるかもしれません。まあ上がるかもしれませんが、しかし下がりましても、大体その程度をめどに負担増対策を講じていきたいというふうに考えておるわけでございます。これはまあ状況が非常に変わって、重油価格が高くなって、そんなにやる必要はないということならば別でございます。今日では上がるより下がるという見通しのほうが強いわけでございます。あまり巨額になりましても、私どものほうもたえられる限界がございますので、電力業界にはそういうことで御協力いただきたい。伸び伸び計算をいたしますと、相当もっと大きい数字になります。九電力で五十億ではとても足りません。足りませんが、しかしその程度でこらえてもらうという話し合いをいまいたしておるわけでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 大体そういう一つのパニック的な現象に対する予防措置というものは、そういうふうにおやりになるということでございますけれども、やはりあくまでも総合エネルギー対策、こういうような、抜本策とこういわれておりますけれども、これもやはり当面の何年間かの対策にしかすぎないと私は見るわけです。そういった面では、競合エネルギー価格との調整、見通し、こういうものを持った総合エネルギー対策というものを同時にやはり立てられる必要があるのではないか。そういうことで価格差の問題も対処していく。そういうことが長期抜本安定策ということが言えるのではないかと思うのですが、その点は次官ですか、局長でもいいですが、ひとつ御説明をいただきたい。

井上亮通商産業省石炭局長

○説明員(井上亮君) ごもっともな御質問だと思います。私どものほうにおきまして、もちろんただいまのような施策をやっておりますが、やはり根本的には石炭問題は総合エネルギー対策の中でやはり考慮しませんと、解決のできない問題が多いわけでございますので、位置づけの問題も、やはりそういう観点から、総合エネルギー対策の中で、やはり少なくとも五千万トン程度のものはどうしても確保する必要があるというような観点からきめたわけでございますし、まあ価格の問題、これは需要確保に非常に関連があると思います。こういった問題につきましても、もちろん石炭だけで判断できません。全体の立場でやはり考慮していきませんと、負担増対策にしても同様でございます。したがいまして、だからといって、自由に放任してというわけにまいりませんし、また、今度は重油価格を石炭のために上げたらどうかという議論もありましょうけれども、これもまた国民経済全体の負担の点から、はたしてそれがどうか。むしろ全体としてのエネルギーコストといいますか、日本全体としてのエネルギーコストを高めないでという観点からいけば、むしろまだ石炭は救われる面もございます。重油価格が下がれば石炭価格はもうちょっと高くてもいいじゃないかという議論も出るでしょうし、ですから、いずれにいたしましても、いろいろな議論がありますけれども、やはり御指摘のように、石炭問題、石炭政策を論じますときに、総合エネルギー政策の観点から十分な検討をしていく必要があるということにつきましては、私どもも同様に考えております。  特に、抜本策と銘打った答申を受けましたけれども、私どもはこれが最後の石炭政策とは思っておりません。やはり一応相当思い切った政策とは思いますけれども、最後とは思っておりません。これはやはり今後何年かたちまして、やむなき状況変化があれば、当然ただいま先生御指摘のような総合エネルギー政策の中で再びまた検討し、またアフターケアもするという配慮はやはり必要であろうというふうに考えております。

大矢正日本社会党

○委員長(大矢正君) 関連して。小野君から質問されました特に需要問題で、私、一点お伺いしておきたいと思うのでありますが、私は最近、昭和三十六年以降五ヵ年間の生産と需要の実績を各業種別に調査をしてみたのであります。その統計によりますと、こういう数字になってあらわれております。昭和三十六年度は需要が五千四百七十五万トン、ところが三十七年度は約二百万トン減りまして五千二百二十一万トン、三十八年度は同じく五千二百五十四万トン、ところが三十九年度からは、三十九年度の需要が五千九十二万トン、それから四十年度は四千八百六十五万トン、こういう過去の数字の実績を基礎として考えてみますると、毎年二百万トンずつ需要が減退をしていっているという統計があらわれておるわけです。これはもちろん私がいま申し上げたのは、電力あるいは鉄鋼等の需要増を中に織り込んで、なおかつ年間二百万トンずつ需要が減退していっているという実績であります。この五千四百万トンというのは昭和三十六年度で、これをピークにして二百万トンずつ需要が減退していくということは、とりもなおさず四十一年度の需要が四十年度の四千八百六十五万トンからさらに二百万トンぐらいは、電力、鉄鋼の需要増を想定しても、なおかつ減少するのではないかという感じを私としては持たざるを得ないのであります。たとえば、これを業種別に当たってみますと、化学工業が三十九年度に対して四十年度は一挙に八十三万トンも需要減退しておる。あるいは繊維関係が四十七万トン減退しておる。特にガス関係はナフサの関係でこれまた三十万トン減退しておる。あるいは運輸、通信、交通関係を見ましても約三十万トン減退しておる。セメントが五十万トン減退しておる。こういうふうにして、年々業種別に計算をしていきますと、かなりのスピードで需要が減退しておる。  これに対して、私は昭和四十五年度がどうなるかという議論をする前に、今年は一体総計それだけの需要が見込めるのかどうかということになると、若干の疑義があります。通産当局が出した先般の資料によりますと、原料炭、一般炭等を含めて約二百五十九万トン、二百六十万トンの貯炭増を想定している。五千一百万トンの生産に対して結局二百六十万トンの貯炭が増加をする、こういうような想定をされておりまするが、私のいま業種別に当たってきた計算からまいりますと、二百六十万トンの貯炭増ではなしに、約五百万トンの四十年度だけで貯炭増が考えられるような情勢になりつつあります。現実的に考えてみましても、最大の需要先であります電力も、最近は豊水その他の条件によって非常に引き取りを渋っておる。したがって、局長が先ほど言われたように、今年度二千五十万トンの需要が電力において完全に確保されるかどうかということにも疑義がありますが、かりにそれが二千五十万トン確保されても、なお私の申し上げたように本年度の需要は四千六百万トン台まで減少して、すなわち五百万トンが本年度だけで、単年度で業者それ自身の手持ち貯炭になってしまう。一たん需要側が受けたあとの貯炭ではなしに、石炭業者それ自身の貯炭増になる。かりに五百万トンを一トン当たり全国平均コスト四千円、これだけで二百億円の金繰り困難をきたすという事態に直面する。これが大きく石炭の将来をきめるような事態になる心配もあるわけで、政府側は二百五十万トンの貯炭増だけで本年度乗り切れるとおっしゃるが、今年度自体においてすでにそういう問題が発生しているが、政府自身として政策需要を考えてみましても、それは電力、鉄鋼に対する政策需要であって、他の業種に対しては、政府は何らの具体的措置もとれない今日の状態では、私としては非常に本年度自体が見通しが暗いという結果になって、先ほど小野委員が言われたような心配が将来——将来ではない、本年度からすでに出るのではないかという危惧を持っているのでありますが、この点についてのお答えをいただきたいと思う。

井上亮通商産業省石炭局長

○説明員(井上亮君) 御指摘の点につきまして、特に本年度につきまして、私どもは需要は四千六百万トンなんというふうにはならない、少なくとも四千九百万トン程度の需要の確保は先ほど申しましたような数字でできるというふうに考えております。したがいまして、貯炭も五百万トンというふうな大量にはならない。しかし、いずれにいたしましても、ことしのたしか三月末時点で大体一千万トン近い貯炭があったわけでございますが、それに対しまして三百万トン程度の年度末貯炭はふえるというふうには考えております。貯炭は大体年度末で千三百万トンぐらいになるのではないか、こういうふうに考えております。  それからなお、問題は、本年度はその程度で済みますが、私があまり心配をするのもいかがと思いますが、問題はやはり明年度の需要確保で、本年度は御承知のように非常に豊水の関係等で二千五十万トンも電力としては引き取りがなかなか困難であったのを特に引き取りを要請した経緯があるのですが、そのために電力業界のほうにも貯炭が相当現在あるわけでありまして、おそらく年度末にも完全に消化し切れない点が残るのじゃないかというふうに考えます。そうしますと、先ほど私説明しましたのは、長期的展望において、昭和四十五年度につきましては電力は九電力で二千三百万トン、それからさらに電源開発株式会社の五基建設で三百三十万トン引き取る、こういうことを申し上げたわけであります。この数字は約束でございますから、電力業界がはたして守ってくれるか。ただし負担増という条件がついておりますけれども、守っていただけるものと思っております。しかし、問題なのは、途中年次の約束がまだできていない。ことしはできましたが、明年の引き取り数量についてはまだ電力業界と私どものほうで意見が合いませんで、まだ話はついていない。これは年度末ごろには、いずれにしましても明年度に入ります前には、やはりこの話し合いをつけなければいかぬという問題があるわけでございます。電力業界の言い分からいたしますと、ことしもさることながら、明年が一番つらい、再来年になると楽になるという言い方をいたしております。再来年ぐらいになりますと、またさらに電発火力の現在建設中の三基が動きますので、そういった意味で問題なのは来年、再来年ぐらいがやはり需要確保として一番問題の時期ではないか。したがいまして、私どもとしましても年末にかけまして電力と再び引き取りにつきまして交渉いたす所存でございます。そのような事情でございます。

小野明日本社会党

○小野明君 次の問題は、先ほど局長も説明をされたのでありますが、金融の関係、全銀協あるいは市中銀行関係とも懇談会、そういうものを設けて、大体めどがついた、こういうふうに言われているのでありますけれども、閣議決定にしても石炭対策の本格実施というのは来年度からですね、四十二年度から。そうしますと、去年も百億くらいの金で四苦八苦したように、ことしも本格実施前に金繰りで倒れるのではないか、経営基盤が崩壊するのではないかという心配を持つわけであります。このことは先般参考人を呼んだときも、そういう意見があったと思うのです。で、前向きに話がついたと、こう言われますけれども、先ほどの政策需要の面でも、電力あるいは鉄鋼も渋っているわけですけれども、この面でも全銀協にいたしましても、石炭融資については選別をするのだ、それから新勘定融資はあくまでもコマーシャルベースでやる、こういう強い態度は抜けていないのではないか、こういうふうに見ているわけです。そういうところから見て、この点の本格実施前、あるいは金融機関全般の対策というのは、ちょっと説明はありましたけれども、いま少し説明をいただきたいと思います。

井上亮通商産業省石炭局長

○説明員(井上亮君) 石炭鉱業の下期の不足資金対策につきまして、先般来大手、中小業界から資料を取りましていろいろ検討を進めているわけでございますが、一次的な検討によりますと、大手につきましては大体下期二百億程度の資金が足りない、中小については二十数億程度資金が足りないという集計ができたわけでございます。これをもとにしまして、先ほど言いましたように、大手につきましては二百億の不足資金をどのように充足するかということで、これは何といいますか、全体的な金融懇談会でまず討論いたしましたが、やはり問題は、個別企業についての検討を進めませんと正確な答えは出ないわけでございますので、これは個別金融懇談会というのを連日いたしたわけでございます。この会議をいたします前は、先ほど二百億大手で不足資金があると私申しましたが、この内容を見ますというと、ほとんど軒並みに、ただいま小野先生御指摘がありましたように、市中金融機関からの石炭鉱業の借り入れは前年度に対して純減になっておるわけです。借り入れ分より返済分のほうが多いというような姿になっておる。つまり、それだけ借り入れが少ない、少ししか借りていないという姿に相なっております。それに対して私どもは、やはり今回の石炭対策の趣旨を個別に各金融機関にも話し、また懇談会を重ねまして、全体の金融機関——基本的規制はただいま小野先生おっしゃったように、やはり何と申しましても、選別というと語弊があるかもしれませんけれども、やはりケース・バイ・ケースという気持ちはあろうかと思います。あろうかと思いますが、全体としてそれを見ましたときには、単に、かつて閣議決定があった直後に全銀協が話していたような冷たさではなくて、むしろ積極的に、政府の責任というか、石炭政策に協力しようというような姿勢から、純減でありましたものが、純増ベースでとにかく協力しよう、つまり返済を受けるよりも貸し出しの金額を多くするというようなことに協力しようという態度に、若干ずつそういうふうに態度が修正されてきたことは事実でございます。しかし、それで私必ずしも楽観いたしておるわけではございませんが、少なくとも態度は抜本策を受けて相当好感を寄せていることは一般的にいって事実でございます。  ただ、まだそれで私ども必ずしも十分とは思っておりません。市中銀行が相当程度純増ベースで協力してくれても、なお相当額の不足資金が見込まれますので、こういったものにつきましては、開銀資金のワクの拡大とか、あるいは返済猶予というような点につきまして、さらに努力しなければいかぬというふうに考えておる次第でございます。

小野明日本社会党

○小野明君 元利均等償還方式ということで、これを見ますと、九〇%以上が大手、あと六十億程度が中小分ということで、石炭融資の問題は、大手に対してはこれは銀行としてもこれで手切れになるというので喜ぶのではないかと思うのですが、そういういままでの問題は清算したとしても、やはり新規の分は新しい借り入れをしなければならぬわけですね、中小の場合。特に市中関係銀行なんですが、中小の場合は一千億の肩がわりの問題にしても、ほとんど恩恵を受けていないということが言えるのでありますが、中小の場合はどうなんですか。

井上亮通商産業省石炭局長

○説明員(井上亮君) 私どもは、大手も中小も、政策において差別はつけておらないわけでございますが、結果的に見まして、大手と比べまして中小のほうはいわゆる異常債務が少ないわけです。あるいは借り入れ残高も少ないわけです。中小等、大体生産の九割余りになろうかと思いますが、九割以上を占めている七十社くらいを調べてみて、大体借り入れ残高が二百億程度、そのうちで大手と同様な意味で、大手よりも少し見方を緩和しているかもしれません、たとえば閉山合理化というようなことは中小にはないわけですから、若干その辺は緩和した見方で大体六十億程度がやや異常分というような見方ではないかというふうに考えておりますので、そういったものを対象として肩がわりいたしたいというふうに考えておるわけです。中小のほうはそういう異常債務が一般的に少ないというようなところからそういう差が出ておるわけでございます。  それからなお、金融につきましては、中小につきましてはある意味では今度は大手と違いまして強みも多うございます。それは中小炭鉱につきまして、少なくとも半数以上は、私は相当、いわゆる帳簿上かどういうあれか知りませんが、赤字ではないんじゃないかというふうに、苦しいながらもとにかくやり繰りしているのが実情でございます。金融機関から借りました金も中小は着実に返済をいたしております。そういう強みもございます。先般も中小炭鉱のための金融懇談会をいたしたわけですが、これは中小企業金融公庫あるいは商工中金、あるいは地方銀行、相互銀行の方々がお集まりの会合でございますが、相当銀行筋からは痛烈な質問が出ました。出ましたが、私は、中小炭鉱はある意味では大手より強みがある。したがって、それは中小炭鉱の中にこの数年以内に閉山する会社もありましょう。しかし、大手以上にやはり底力のある企業も相当数ある。したがって、今後ともにやはり経営を存続してやっていく中小企業については協力を願いたいことを強く要請したわけでございますが、そういった強みもございますから、弱みもありますけれども、強みもあるというような意味で、中小につきまして、私ども、地方的な性格もございますから、地方通商局長が中心になって、きめこまかに金融機関との間に立ってあっせんをするというようなことで、中小の金融対策をやっていきたいというふうに考えております。

小野明日本社会党

○小野明君 ここで出すのが適当かどうかと思いますけれども、いま局長が言われる中小というのは、比較的健全に運営をされておる炭鉱のことを言われておるように思うのですけれども、やはり五千万トンというと五年間に一千万トン程度の閉山ということは常識なんですが、私どもこの案を見て大手あるいは限界大手というようなものは改善されるにしましても、個別に名前をあげますが、きょう陳情にお見えになっている貝島、日炭、明治、杵島、こういった管理炭鉱ですね、これあたりみな中小になるのですが、この辺は一体どうなんですか。

井上亮通商産業省石炭局長

○説明員(井上亮君) 明治や貝島、杵島は私は中小炭鉱と思っておりません。大手炭鉱と思っておるわけでございますが、まあしかし、大手といっても、大手にもいろいろありまして、超大手もありますし、中堅的な山もありますし、あるいは中小に近い、出炭量等におきましては中小に近い山もございます。したがいまして、いろいろございますが、本日お見えになった貝島さんの問題につきましては、本日この席に御出席になっておられますが、私どもは、貝島につきましては、やはりまだ、会社からは一応の今後の再建策について話は聞いております、経理審査会におきまして。正式な経理審査会ではありませんが、その下部機関である幹事会のようなところで関係者が集まって、話を二度ほど聞いたことが、ございます。しかし、一方、私は労働組合側からもいろいろ御意見を聞いておるわけでございますが、やはり会社全体として、まだ再建策についてしっかりした、一本になった案ができていない、まだ労使で話し合いの段階であるというふうに感ぜられるわけでございまして、何と申しましても、再建いたしますためには、労使がやはり話し合いができまして、第二会社にします場合でも、政府は第二会社を奨励するわけにまいりません。かつて第二会社についての考え方を国会でも思想統一していただきましたように、やはり地元が第二会社でも立てて、再建を希望されるとか、労働組合も特に御希望されるというようなことがない限り、政府としてはこれを認めるわけにまいりません。好ましい姿と思っておりません。そういうような点につきましても、やはり労使なり地元なりの話し合いができませんと、私どもとしても受けて相談に立つわけにいかない。それから、会社の今後の再建案につきましても、何と申しましても、働くのは労働者でございますから、再建案をつくりましても、労働者が一人も残らなかった、退職金だけはもらったけれども、労働者が残らなかったというようなことでは、これは再建案になりません。したがって、やはり必要な、優秀な労働力は残るというようなこと、そうしてその再建案をもってして、なお今後の経営がやっていけるというような、やはり二つの条件が整わないと、私としても、政府側としましても、気持ちといたしましては、全力をあげて再建に協力したい気持ちは持っております。気持ちは持っておりますが、やはりその二つの条件が満たされた姿で政府に協力要請されませんと、私どもとしても動きようがないというようなことを関係の皆さまには申し上げているのであります。話によりますと、だいぶ労使の話し合いも進みまして、ごく近日中には、労使一体になった一つの線が出るように聞いておりますので、一日も早くそういういい案ができますれば、私どもとしましても、全力をあげて再建に協力してまいりたいというふうに考えております。(「超大手というのはどこのことだね、いまの答弁の中で」と呼ぶ者あり)超大手というのは俗称、俗語でございますが、結局、出炭量が非常に群を抜いて大きいというふうに考えております。ですから、どこが超大手で、どこが超大手でないということはいえないかもしれませんが、少なくとも、いま小野先生の御指摘になりましたような会社は、大体百万トン前後から五十万トン程度の会社、これは大手の中に入っておりますが、まあしかし、大きいところではやはり数百万トン以上の出炭をあげているところもございますので、そういうところを指さして、これは俗称でございますが、申し上げた次第でございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 ぼくのはやじだから、答弁は要らぬが、もう少しまじめな答弁をしなさい。そんなことばを使うところはありませんよ。あなたが初めてでしょう。

小野明日本社会党

○小野明君 これは、超大手ということはわかります。スクラップ化されていけば、中小炭鉱になるではないかということの言い方なんです。  それから、いまの御答弁の中で非常に重要な問題があったのです。労働者が残るかどうかだと。そうすると、これは閣議決定は抜本策である、こういうふうにいわれているのですけれども、私ども、この石炭答申が三回にわたってやられてきて、スクラップはどんどん進むけれども、ビルドがおくれてくる。そのために、質の面における労働者、あるいは量の面における労働者というのがどんどん減ってきている。結局、石炭企業そのものは考えるけれども、労働者のことは全然考えていなかった、こういうことが私は言えると思うのです。そうしますと、いま、いみじくもあなたが言われたように、労働者が残るかどうか、それはおまえたち次第だ、こういうふうな形で言うが、抜本策というものは労務者確保、労働力の確保という面については全然考慮されておらないのですか、この点どうですか。

井上亮通商産業省石炭局長

○説明員(井上亮君) もちろん抜本策の中では、労働力の確保という問題が大きな問題でございますから、やはり一節を費やしまして、いろいろと労働力の確保対策につきまして触れているわけでございます。しかし、ただいま私申しましたのは、むしろ一般的なそういった労働力確保対策というよりも、個別の企業について見まして、特に非常に何といいますか、経営の浮沈に立っている企業についての労働力の確保問題というものは、やはり一般的な議論としての労働力確保以上にむずかしい問題なんでございます。したがいまして、これは個別について、特にこの労働力を確保するための施策を考えなければいかぬ、こういうふうに考えております。  特に、ただいまの貝島問題、あるいはやはり労働力確保につきましては、これは私ども少なくとも貝島の労使から聞いている話では、今後の賃金のあり方の問題、あるいは今後の人員整理等に際しまして、あるいは第二会社等に際しましての何といいますか、退職金のあり方の問題、こういう問題が大事だというふうに存じておりますが、しかし、何ぶんにも、やはり退職金等につきましては、これはやはり金融で政府は援助するという以外に道がないわけでございますので、金融で援助するということになりますと、今後貝島なら貝島がやはり再建できるという計画をお持ちいただけなければ、金融の道がないというふうに考えております。したがいまして、ある程度、政府金融でございますから、相当政策的な配慮はいたす所存ではございますけれども、そういう点に今後の問題点があるのではないかというふうに考えております。

小野明日本社会党

○小野明君 貝島の問題については、その点で了解するとして、この抜本策における労働力確保の問題、これは年々労働者の年齢が上がっている。若年労働力がない。この点は、北海道でもどこでも指摘をされている。第一次答申以来、十六万からおった労働者が、もうすでに三分の一になっている、こういう状態なんですが、これについて特別年金とかいうようなことも考えられているようですけれども、これ自体が、赤字の会社負担があるわけです。こういう問題から考えると、やはり質の面の労働力確保という面については、現在の炭鉱労働者をどうするか、あるいは離職者をどうするかという両面からやはりものを考えて、この抜本策の中に織り込まなければならぬと思うのです。私は一般論が立たないと個別の貝島論も成り立たないと思うのですが、その辺を尋ねているのです。

金丸冨夫自由民主党通商産業政務次官

○説明員(金丸冨夫君) ただいま局長の説明申し上げました点につきまして、あるいは労働関係があたかも別個の問題であるかのごとき受け取り方を私自身も若干いたしました。これはそういう意味ではないのでありまして、今回の抜本策の中には、申すまでもなく、答申においても、また政府の閣議決定の内容でも、御案内のように、すべて雇用安定ということがちゃんと織り込んであるし、またそれにつきまして、もうただ、ただいまの労働者をどうするかというような問題ではなしに、先ほどお話を伺いましたように、現在並びに将来の問題ともあわせ、安定した労働条件を確保して、そしてまた近代的な労働環境をつくり上げるというようなことは答申の内容にも入っておりまして、政府といたしましてもこれを受けまして、そういう方針のもとに労働関係におきまして、先ほど御指摘のありましたような年金制度等につきましてもこれを早急に実現して、そうして確固たる、安定した雇用関係を樹立するということが、この一本の抜本策の内容それ自体でございますので、そういう意味におきましてひとつ御理解をいただきたいと思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 関連して、一点だけ。いま政務次官から、雇用の安定、労働者のことを考えておりますと言ったが、このどこに出ておるの。なお、劈頭、貝島の代表の方から陳情を受けたんですがね、九百名から首切ると、こう出ております、何とかしてくださいと。ところが、労働省は知っておるかね。労働省の所管局長がおいでになっておるようですから、もしこのとおり実施された場合、政務次官のおっしゃるように、労働省は万全の対策ができておるんですか、その一点お尋ねします。労働省。

金丸冨夫自由民主党通商産業政務次官

○説明員(金丸冨夫君) 私は、この抜本策自体、また閣議決定のこれを尊重するという意味において、そういうものを含めてすべて論議せられる問題であるということを御理解いただきたいということも申したわけであります。貝島自身の具体的問題につきましては局長よりお答えいたします。

有馬元治労働省職業安定局長

○説明員(有馬元治君) 貝島の問題につきましては、通産省筋から逐次情報をつかんでおりますが、目下労使間において話し合いの最中でございますので、私どもはその成り行きを重視しながら離職者対策の万全を期していきたい、かように考えております。

小野明日本社会党

○小野明君 大臣が来られましたので……。いままで五千万トンの保証があるのか、こういう問題、それを政策需要でどうささえていくのか、あるいは石炭価格が変動があるが、競合エネルギーとの関係でですね、そういった場合に一体どう対処するのか、そういう問題を尋ねておったのです。それで、局長からは答弁をいただいたんですけれども、この閣議決定の五千万トン以上という需要確保、これについて、まあ政策上、電力、鉄鋼と、こういうふうにいわれておるのですが、その辺の見通しを、保証をどうとっておられるのか、大臣にまずお尋ねをしたいと思います。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) これは閣議決定の場合も五千万トン以上確保するということになっているわけですから、したがって、政府がこの需要を、確保することにやはり責任を持つということの意思表示でもあるわけでございます。そのために電力、鉄鋼などに対して長期的な需要の話し合いを進めて、そうしてエネルギーの、こういう急激なエネルギー革命に対処して、各関連を持っておる産業界の協力も得なければ需要確保はできないわけですから、これは長期的に需要の大体詳し合いをつけて、そうして五千万トン、少なくとも五千万トンというものの需要確保に対しては政府が責任を持っていく。その責任を持つからには、裏づけとしてそういうものを、長期的な需要の約束を取りつけていくということでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 北海道に先般参りまして、あそこの、札幌にできておる、これは小さなことなんですが、第二合同庁舎が石炭をたかずに石油をたいているのですね。これは小さなことですけれども、そういう面、あるいはことし貯炭が一千二百万トンにのぼっておるということから見ると、どうもいまの大臣の答弁では、五千万トン以上確保する保証をするという、保証という点については若干やっぱり不安な気持ちを持つわけです。再度その点を説明願いたい。

大矢正日本社会党

○委員長(大矢正君) いまの小野君の質問に関連してですが、私はこの際つけ加えて御答弁願いたいと思いますことは、過去においては政府は、同じく閣議決定で五千五百万トンということをきめた経緯がある。ところが、五千五百万トン過去においてはきめたことがあるが、実際に五千五百万トンの需要があったという事実は今日までの間にないのです。したがって、五千五百万トンにきめた過去における閣議の決定と、それから今回は五千万トン以上というのですか、五千万トン程度というか、あるいは五千万トンを上回る需要の確保というか、これをきめた今日の時点と、政治的には、それから政策的には具体的にどう違うのか。たとえば今度も五千万トン以上ということを言われても、五千五百万トンときめた過去の閣議決定と同じような意思や考え方であれば、結局五千万トンを割ってもしかたがないという結果になるので、過去の五千五百万トンの当時とは違った決意と考え方、そうして政治的な責任を持って五千万トン程度という数字を出されたのかどうか、その辺もあわせてこの際御答弁を願いたいと、こう思います。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) 五千万トン程度というものをきめる前には、総合エネルギー調査会にも日本の総合エネルギーの上から石炭の位置づけというものをどう考えたらいいかということを諮問いたしました。その中間答申も得て、石炭鉱業審議会がああいう答申を出すところの背景の中には、そういう手続も経ておるわけでございます。したがって、できれば五千万トン以上の需要確保をしたいという努力、そのために電発などに対する火力石炭なども今後ふやしていきたいと考えておりますが、少なくとも五千万トンの需要確保をすることに対しては、そういう全体のエネルギーの中における位置づけというものも検討を加えたのでありますから、この問題については政府は政治責任を負う、その需要確保をするために。そういうことで前の五千五百万トンよりも非常な決意と責任を持っておるということだけをつけ加えて申し上げておきたいのであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 関連。さっきの石炭局長の答弁では、四十一年度の生産需要の見積もりと、四十五年度はあるけれども、中間がないのです、中間が。したがって、四十一年と四十五年の中間についても、いまの閣議決定は保証をされるというわけですね。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) 長期的な観点でこれを言っておるのだと思いますが、石炭局長なども、問題は来年が一番むずかしいと。これはもうすでに御承知だろうと思いますが、私は少なくとも、ああいう閣議決定をした以上は、この需要確保に対しては責任を持ちたいという所存でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大臣がいないとき、数字をあげて、鉄鋼あるいは電力は一応負担金でカバーしていくけれども、ガスその他の産業も逐次減りつつある、年々減りつつある。そういうものをトータルしなければ五千万以上にならぬわけですね、需要が。それが非常に困難であるから、四十二年度は金を出して負担増に対しては政府が負担しましょうとおっしゃるが、四十二年度は楽になるかというとそうでないですよ、減っているのだから。したがって、四十二、四十三、四十四年についても政府が保証して、四十五年の見通しを立てなければならない。この審議会の答申の数字は、四十一年と四十五年をチェックしているわけです。したがって、その間の問題をもう少し具体的に保証しておいてもらいたい。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) この答申は五ヵ年間の長期的な見通しを言っておるわけです。具体的な、たとえば明年度などは、いま御指摘のとおり、容易ならぬ問題だとは思いますが、まあ私自身としては、これは積極的に——ああいう閣議決定をした以上は、来年はちょっとこれはむずかしいのだというようなことでは非常な不安を与えますので、積極的に努力をするということで責任を持ちたいとお答えをしておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 もう少し具体的に詰めて聞きますが、その需要が貯炭に回って生産が赤字になるという場合は、これは政府の責任ですね。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) これは政府の責任というか、ああいう決定をした以上は、積極的に努力するということだけでは少し弱い感じがするので、その積極的努力というものに責任を持って、できるだけ目的を達成するようにしたいということで、ちょっと責任ということばを私自身がつけ加えたわけでございます。積極的な努力をして責任を果たすようにいたしたい、こういうふうに申し上げておるのでございます。

大矢正日本社会党

○委員長(大矢正君) これは非常に重大な問題だから、私もこの際、しばしば発言さしてもらって恐縮ですが、通産大臣に念を押しておきたいと思うのですが、先ほど私は、昭和三十六年以降の業種別の引き取り量の実績をもとにして石炭局長に質問したのであります。それは昭和三十六年以来今日まで、年々二百万トンずつ電力や鉄鋼の需要増を織り込んでもなお需要が減退をしてきている、こういう事実がある。これからもなお各業種別のエネルギーに対する合理化等が進めば、ますますこれは強化される傾向にあり、それだけ需要が減退をする。そこで、当委員会は、過去において五千二百万トンということを一応きめておりますが、政府のいまの考え方では五千二百万トンということを認めておりません。したがって、百歩を譲って、それでは五千万トン程度ということを前提にして話をしてみても、かりに政府が四十一年度以降電発会社の火力発電その他を織り込んでみても、五千万トンの需要すら確保が困難になる見通しをわれわれは持つわけです。したがって、政治的な責任を負うということは、かりに五千万トンを百万トンでも二百万トンでも、ないしは三百万トンでも割った場合に、その措置をどうするのか。従来は五千五百万トンのときはそれだけの需要がなくても政府はしかたがないと言ってほおかぶりをしていたのだが、今度は五千五百万トンとは違った決意で、政府が責任を負うという立場で五千万トンという数字を示されたのであるならば、それだけの需要がなければ、かりに貯炭融資を政府みずからがやるとか、あるいは政府がそれを買い上げて凍結をするとか、そういう具体的な方途まで考えられて五千万トンということを、あるいは五千万トン以上ということを出されたのならば、われわれも考えるところがあるが、具体的にはそういうものは何もない。特に鉄鋼、電力、この二つの業種に対しては、政府が話し合いで需要の想定なり、需要の計画ができるけれども、他の業種に対しては一切、政府としては石炭を使いなさいという方法は、現在の法律や政策の中では見当たらない。そういたしますと、今年度の需要は私は四千六百万トン台まで落ちてしまう危険性があると指摘しておりますが、井上石炭局長は四千九百万トンはあるのだと言うが、すでに四千九百万トンとしてみても、百万トンは政府の考え方よりは減退している。来年度はどうか。来年はなるほど六月から八月にかけて電発の二基が稼働して、そのことによっても需要増が期待できるけれども、それ以上の他の業種の需要減が見込まれる今日、来年度の、かりに四千九百万トンあるいは四千八百万トンという数字が出た場合に、百万トンなり二百万トンあるいは三百万トン、政府の想定よりも需要の減少をした場合どう措置をするのか、そういう問題がこの際明らかにならなければしょうがないじゃないかということをわれわれは言っている。ですから、明確な御答弁をいただきたいと思うのです。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) 総合エネルギー調査会でも、石炭は五千万トン程度は需要を確保していく必要があるということですから、われわれもこれは実際採算からばかりでなしに、いろいろな角度から考えてみて、そういう程度の石炭の需要を確保していくことが必要であるという見解で閣議決定になったわけですから、そういう場合、まあ程度というのですから、程度の中には多少の弾力性もあるが、少なくとも五千万トン程度の需要は——もっともこの間にストライキがあったりして石炭の出炭が落ちれば、出炭がないものは別として、出炭があれば私は極力五千万トンの需要を確保するように努力したい。それでいまの計画というものは、これはどうしてもこちらのほうから積極的にわれわれが需要確保のために働きかけるよりほかないわけですから、そういう意味でその努力に対しては責任を負いましょうということを申し上げておるのでございます。まあ政府の閣議決定も程度ということでありますが、それは多少の弾力性はあるけれども、少なくとも五千万トンの需要を確保するためには積極的な努力をすることにおいて責任を持ちたいというのが私の決意でございます。

小野明日本社会党

○小野明君 時間がもうありませんから、私は最後の一問で終わりたいと思いますが、この一千億の肩がわりなり、井上局長が九州に行かれたときも五百円程度の赤なら救済できると、こういうことを言われておる。それで、この大手の企業対策についてはこれはまともにやっている。この問題も私は問題があると思うのです。前提があるのですが、かなりはっきりした具体案になっております。しかし、その他のいわゆる離職者対策の問題、保安についてはきょう若干説明がありましたが、保安対策、これは大臣がたびたび言われるように、石炭だけの問題ではなくて、地域の経済とも深い関連があるのだと、こういうふうに言われているのですが、産炭地域振興の問題、これらに  ついては大手会社の企業経理対策ほど明確でないのですね、この閣議決定というのは。この点は一体いつ具体化するのか。こういうものもあわせてやらなければ、抜本策と言えないと思いますが、この点をお伺いしておきたい。

井上亮通商産業省石炭局長

○説明員(井上亮君) 大手炭鉱と中小炭鉱の問題につきましては、御指摘もありましたけれども、私どもといたしましては、企業の実態に照らしまして、今後できるだけ安定出炭ができるようにという配慮から政策を考えている次第でございまして、その間に政策的差別はいたしておりません。先ほども申しましたように、たとえば肩がわり問題で大手が九百億余りで中小炭鉱は六十億程度と・申しておりますが、中小につきましては、いわゆる異常債務が少ないというような実態から、そのような結果になっておるわけでございまして、その反面、中小炭鉱につきましては、先ほども来年度の予算要求の際に御説明申しましたように、特に機械貸与制度というようなものにつきましては、従来大手、中小、同じような考え方で扱っておりましたが、来年度以降の問題につきましては、むしろこの機械貸与制度は、中小炭鉱を主体に、重点的にこの機械貸与制度を進めていく。特に中小炭鉱につきましては、担保力がないわけでございますから、銀行から金を借りるというようなこともなかなか困難だと思いますので、むしろ事業団から必要な設備を貸与するというような制度を大幅に導入するような政策をとってまいりたいというような、いずれにいたしましても、業種、業態によりまして適切な施策を今後講じてまいりたいと、こう考えております。  それからなお、お尋ねの産炭地域振興対策等につきましては、これは当然のことでございますが、答申にも一応基本的な方向はうたわれておりますし、閣議決定におきましても政府の決意がうたわれておりますので、私どもとしましては、この閣議決定の線に沿いまして最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えております。

小野明日本社会党

○小野明君 最大限の努力ということをお尋ねしておるのではないのです。いつ具体化するかと、この企業経理対策のように具体策が出るのはいつなのか、これをお尋ねしたい。

井上亮通商産業省石炭局長

○説明員(井上亮君) 具体化につきましては、少なくとも第一のステップといたしましては、まず予算が必要になってまいりますので、来年度予算要求におきましてこれをまず具体化していくわけでございますが、さらに本格的には、小野先生も御承知のように、産炭地域振興審議会というのがございまして、先般来ここで第二次産炭地域振興五ヵ年計画をつくろうという話に相なっておりまして、ここで来年の六月ごろをめどにただいま各関係の産炭地の道県におきまして、今後の五ヵ年計画の原案作成をお願いしております。これは北海道あるいは各関係の県におきまして、まず原案をつくっていただく作業をお願いしておりまして、この中の大きな問題点は、産炭地域振興審議会で十分今後とも検討を重ねまして、おそくも来年の上期には第二次五ヵ年計画の全貌を決定するようにしてまいりたい。したがいまして、その予算化はその秋からの大蔵折衝等によりまして具体化する。しかし、その間、来年度予算については、この五ヵ年計画の決定が来年度予算には間に合いませんので、とりあえず、間に合わぬからといってやらないわけにいきませんので、私どもとしましては、各関係の道県とも打ち合わせをして、来年度の施策につきましていま予算要求をしているというような状況でございます。

大矢正日本社会党

○委員長(大矢正君) この際、質問される委員各位にお願いをいたしまするが、私といたしましては、皆さんの質問がある限り、三木通産大臣に当委員会に出席をしていただこうと考えておりました。時間のことは申しませんが、対外的な関係の約束の時間等もありまして、最後まで大臣が出席することができないこともありまするので、できますことならば、大臣に集中してひとつ御質問をお願いしたい、かように思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 基本的な問題を大臣に一問、あと具体的な問題を労働省と文部省にいたします。  簡単に要点だけを申し上げますが、この石炭答申のいろいろ矛盾がありますが、大きな矛盾が二つあると思う。一つはこの重油、石油にかわらんとする産業界を押えながら、無理に石炭を使えというような姿勢、これは基本的には大きな矛盾ですが、第二の矛盾は、資本主義社会ですからやむを得ないことですが、企業中心にして採算ベースを頭に入れながら石炭経営者がやっていけるという立場を中心に考えている。したがって、その陰の一つの大きな犠牲は、石炭産業をやっておるその会社自体が大きな不安があるわけですね、将来どうなるであろうかという不安。   〔委員長退席、理事小野明君着席〕 それから、第二の大きな矛盾の中に、労働者が常に忘れられておる。たとえば素朴な労働者の意見で、具体的に、貝島でも炭が掘れなくなるのですよ、炭が掘れなくなるのは国家的にも損失ですよと。したがって、エネルギー政策を基本的に考えて、あるいは原料として基本的に石炭を考えて、これだけはぜひ必要だという積極的な立場から石炭産業というものが検討し直されなければならない。その答申でないということです。したがって、その問題については、これはもういままで質問されておりますから——第二の問題で雇用対策をここに書いてありますけれども、これはもう石炭を経営するという側だけで五千万トン以上出炭するというわけで、したがって失業者が出たらこうしましょうという、ほんのつけたりの政策です、われわれの側から言うならば。たとえば貝島でもあるいは日炭高松でも。これに労働者がいま三十万働いているのだから、この労働者は石炭産業の労働者として生活しているのだと、その立場からぜひ炭鉱の経営なり、国家補助というものが考えられないかと、こういうことを言いたいわけです。したがって、この雇用対策、さっきも質問ありました、大臣おられませんでしたけれども。この答申における対策というものは従属的なものであってはならぬと。答申はこう出ましたけれども、閣議決定する場合はこの雇用対策、いわゆる労働力の確保というものは、この石炭経営というものと同等の立場で論議されなければならぬ。そのことは大臣は基本的に考えておいてもらわなければならぬが、それはどうかと。そうするならば、あとでこれは阿部委員のほうから質問がありますから、具体的に貝島の話はいたしませんけれども、そういうものでも、貝島で九百名の離職者が出ますよというならば、まずその離職者対策を論議して、あとで閉山を考えるべきではないか。さっきの陳情によりますと、離職者九百名出ますと書いてある。まずそういうものから先に考えて、あとで閉山の規模なり、再建計画なりを考えるべきじゃないか。それが逆になっているのですよ。そういう点についての基本的な大臣の考えをただしておきたい。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) 雇用対策というものを考えてみる場合に、石炭産業がやっていけないような状態において雇用が確保できるであろうかという第一番の問題があるわけであります。今度の場合は、その石炭産業が長期にわたってやっていけぬという非常な不安、どうなるのかという不安なしに、この程度の出炭は政府が責任を持って確保していくのだということによって、石炭産業の安定した経営というものはやはりやっていけるようにしようというのが答申のねらいです。そのことが人の雇用政策の基本に私はなり得ると思う。ただ石炭の産業、石炭鉱業がやっていけぬような状態のもとに雇用を確保するといっても、やはりそれはことばでは言っても実際にはなかなかできない。経済の原則に反する。そういうことで、まず石炭鉱業の長期的な経営の安定を考えたことは、雇用を頭に入れてのこれは答申であることは明らかであります。そしてまた一方においては、特別年金でありますとか、あるいは住宅金融であるとか、まあ雇用確保に関連するいろいろな施策も行なっていくということもわれわれの答申の中にあるわけでありますので、われわれとしてはそういう雇用対策というものを非常に大きく頭に入れてこういうことがなされておるし、政府の閣議決定もなされておるということを信じておるものでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 この駐留軍労働者の離職というものを社会労働委員会でも長く論議してきたんですけれども、駐留軍労働者の離職というのは、米軍の事情によって自然的にこれはやむを得ず離職するわけです。石炭産業の労働者の離職というものは、いま大臣は石炭産業が安定することがいわゆる雇用安定であるとおっしゃるけれども、これは一千億の金を石炭産業に肩がわりしようとしている。なぜそれならば、その労働者のほうに、労働者が働くためにそれだけの補助をして、その炭鉱を保留する、閉山をさせないというような政策がとれないか。それは一回もないわけです。政府の政策、たとえば補助金を出して、その炭鉱は、その労働者は非常に重要であるし、大事であるし、またほかに転職できないから、この山だけは労働者の生活の安定のためにつぶさぬぞということは一回もない。駐留軍労働者の問題とそれから石炭産業労働者の問題とは、これは基本的に、根本的に違う。ただ、結果は同じ。同じ労働者が離職対策をとっている。したがって、政策的に約一千億の金を石炭産業に肩がわりとして出すならば、石炭産業の労働者の離職のために五百億の金がなぜ出せないか。雇用政策というものと石炭政策というものを平等になぜ考えないか。その立場に立ちますと、退職金の問題なんというものは簡単に解決すると思います。退職金を五割出しましょうとか、六割出しましょうということでなく、石炭産業の労働者を一〇〇%確保するためには一〇〇%退職金を出さなければ一その退職者がもう石炭産業に従事せぬとするならば、退職金は一〇〇%出しましょう、会社が出さなければ政府が出しましょうとなぜ言わないか、その結論を言いたい。だから、前段の問題を言ったんです。そういう立場というものがなぜとれないか、大臣からお聞きしておきたいと思います。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は小柳さんと基本的に考えが違うんですが、これはやはり石炭の企業がやっていけるようにしなければ、企業がつぶれちゃってどうして雇用が確保できるのか。そうだものだから、石炭産業それ自体のために救済しておるという考えは持っていない。そのことがやはり雇用政策に結びついている。地域経済の維持ということにも結びついている。企業はどうでもいいんだと、どうしてそんなことで雇用政策が確保できるか。だから、単にこの千億円の財政資金を使うということを、それは石炭鉱業の資本家救済であるというふうには私は考えない。これはもう大きな雇用政策ではないか。企業がつぶれても、それであとは山は残るんだという、そういうふうな考え方は私どもはとらない。どうしてもやはり石炭鉱業が相当長期にわたってやっていけるんだということでなければ、雇用というものは安定していかないんじゃないか。それだけの雇用の長期的安定をはかりながら、そうして労働者対策というものはやはり進めていかなければならぬし、これは十分だとは思っていないわけです。それはやっぱり今後も積極的に進めていかなければならぬ。まず基本は、その石炭鉱業それ自体がやっていけるという状態でないと雇用の確保はむずかしい。それはあなたのほうは、国有にしたらいいじゃないかという考えであるかもしれませんが、それはとらない。こういうことになってくると、今度の場合の石炭対策も雇用政策ともううらはらであるという考え方の上に立っておるものでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いまの政府の立場はわれわれの立場と違いますから、基本的に考えが違います。われわれは石炭国管法案を準備中ですから、これを論議しておりますから、考え方は平行でしょう。ただ、具体的な問題はあとで阿部委員がやりますから、その問題は保留をして先へ進みます。  具体的な問題は、労働省に、日炭高松の離職対策、先般二千四百名ばかり離職したのですけれども、その後の転職の実態、それから現在の職業訓練の実態及び失業の状態、そういうものを報告願いたい。

有馬元治労働省職業安定局長

○説明員(有馬元治君) 御指摘の日炭高松の九月末現在における状況を申しますと、離職者の総数が二千四百十八名でございます。そのうち、鉱員が二千九十四名、職員が二百十六名、組夫が百八名でございます。その離職者のうちで、現実に安定機関に求職の申し込みをした人員は二千三百十一名でございます。ほとんど大半が求職申し込みをいたしております。そうして手帳の発給をいたしました者が二千三十名でございます。このうち、自分で郷里に帰ったりあるいは他の土地へ移住したりというような形で解決した者が六百三十二名、それから安定機関と会社が一緒になって再就職をはかった者が八百六十一名でございます。この八百六十一名のうち、県内にとどまった者が三百三十五名、県外に出た者が五百二十六名となっております。それからさらに、再就職の八百六十一名のうち、石炭山に再度帰った者が四十三名でございます。したがって、八百十八名という大部分の方々が他産業へ就職をいたしております。それから、訓練所へ入所している者が四百八十名でございます。さらに訓練所へ入るために待機中の者が二百八十名でございます。求職を取り消した者が十七名ほどございますので、対策に乗っていない、しかも今後対策を講じなければならないという人数は四十一名でございまして、ほとんど大半が再就職なり訓練なりという形で解決をしているという状態でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 職業訓練の待機中の人がありますし、入所中の者がありますが、予算編成期ですから、いま要求している訓練手当の増額の問題などについても、なお残りました求職者の見通し、就職見通しについて報告願います。

有馬元治労働省職業安定局長

○説明員(有馬元治君) 訓練所を終了した者については、白炭高松の場合、年齢等の関係もございますが、訓練終了後の再就職については安定機関が全責任を持って再就職に万全を期していきたい、かように考えております。  さらに、訓練中の手当の問題でございますが、ことしも若干値上げをいたしたわけでございますけれども、さらに来年度におきましては訓練手当の増額について大蔵省と折衝してまいりたいと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それから、黒い手帳の発行について、三十七年度以降の就職のものについての要望をいたしておりましたが、これに対する現在の政府の考え方。

有馬元治労働省職業安定局長

○説明員(有馬元治君) 現在の炭鉱離職者臨時措置法は、御承知のとおり第一次有沢調査団の答申に基づいてできておりますので、たしか黒い手帳の発給要件といたしましては三十七年の四月一日現在在職者であるというふうに規定してあったと思いますが、今回の抜本策を受けまして、この資格要件を改正しなければならないというふうに考えて現在検討中でございます。  先ほど御指摘のありました駐留軍の離職者対策といたしましてもその資格要件を明記してありますので、石炭の場合におきましても今回の抜本策に応じて資格要件を改正いたしたいと、かように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 四十一名の要対策者並びに就職してぼつぼつ帰る人もあるように聞いておりますので、そういうものについてはひとつ手厚い援護をしてもらいたいと思います。  次の問題は、Co中毒法立法の現在の経過ですが、実態を御説明願いたいと思います。

中村博労働省労働基準局労災補償部長

○説明員(中村博君) Co中毒法立法の経緯でございますが、先般、六月二十七日の参議院の社会労働委員会におきます御決議をいただいたわけでございますが、その後この御決議の御趣旨を尊重いたしまして、鋭意事務的にも検討を進めてまいってきておるわけでございます。さらに加えまして、今月の七日、労働者労災補償保険審議会に対しまして、Co中毒特別対策につきまして諮問をいたしたわけでございます。御決議によりますると、石炭産業のCo中毒に限り、かように相なっておるわけでございますが、Co中毒は石炭産業ばかりではございますせず、その他の産業にも発生するわけでございまするし、また類似の精神神経症状はほかの薬物あるいは二硫化炭素ないしは水銀等によりましても発生するわけでございます。したがいまして、この辺をどう考えたらいいか等というような問題がたとえばあるわけでございます。したがいまして、労働省としましては、問題の経緯並びに事柄の重要性にかんがみまして、何らかの処置をとる必要がある。そこで、事務的検討と並びまして、審議会に諮問を申し上げまして、その御意見を伺いつつ、できるだけ——御決議では一年以内にと、かように相なっておるわけでございますが、できるだけ早い機会に結論を得たいというように考えまして、七日に諮問をいたした、かような状態でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いま審議中のようでありますから、あまり意見を言いませんが、ほかのほうに広げますとまた立法ができなくなりますから、当面している三池その他炭鉱爆発による一酸化炭素中毒患者は現在療養中であるし、遺家族も非常に心配しておりますから、これに限って早急に立法して、あと拡大するものは、類似のものを拡大するのは差しつかえないのですから、早急に問題をしぼって立法されることを希望して、次の問題に入ります。  第三は、産炭地教育の問題でありますが、文部省に質問をいたします。ちょうど予算編成期でありますが、この答申の中にも、最後のほうに、産炭地教育の問題に若干触れてあります。新しい要求なり施策として、産炭地の子供あるいは教師に対してどのような対策がとられようとしているか、御説明を願います。

齋藤正文部省初等中等教育局長

○説明員(齋藤正君) 産炭地域に関係いたします予算の中で、第一に要保護ないし準要保護児童の就学援助の費用でございますが、この点は産炭地域というものには限りませんけれども、実情として産炭地域の子弟関係者の率が非常に高うございますので、申し上げておきます。この経費の要求は全部で六十七億で、ございまして、内容といたしまして、通学用品のような新しい品目を加え、あるいは単価等を上げるということになっております。これはもちろん、全児童生徒数の一〇%に相当いたします経費が六十七億でございますが、産炭地域等は他の地域と違いまして、在校児童生徒の二割弱程度に当たる要保護、準要保護生徒児童の数が出ている。この点が大きな関係を持つのであります。  それから、これに対して補助のかさ上げ分を要求いたしております。それから、文教施設、設備に関しましては補助のかさ上げを要求をいたしております。  それから、産炭地域の状況を見ますと、校外補導等、生徒、児童に他の地域より努力を要する点が、ございますので、ひとつ新しい試みといたしまして、産炭地域のこういう仕事を担当する先生方の研修会を新しく実施するようにいたしたいということを考えております。  それから、教職員の問題につきましては、これは明年度全国で児童、生徒が四十万人減少いたします。そのことを利用いたしまして、全国平均、全国の学級の規模を最高標準を四十七人から四十六人に上げます。そういたしますと、実態といたしましては、全国で学級規模が小学校で三十四人、それから中学校で三十八人程度の実績になるようになります。こういうように定数法に基づく教職員の増をいたしまして、産炭地等に対しまして都道府県が具体的に教職員の配置ができますように措置をいたしたいと思っております。  なお、その中で、先ほど申しました生徒の補導等に関連しまして、指導主事の問題につきましては、産炭地あるいは同和地域等につきまして、合計百七十三人の増を要求をいたしておりますので、この配分にあたりましては、産炭地域の事情等を十分考慮して実施をいたしたいと、かように存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 第一の準要保護児童に要する費用六十七億円でありますが、学用品などを支給するということばがございましたけれども、何か新しい試みでございますか。

齋藤正文部省初等中等教育局長

○説明員(齋藤正君) 学用品は従来まで品目にございましたが、今回新たに品目としては通学用品費を加えたいということでございます。たとえば雨靴でありますとか、ランドセルであるとか、そういうものも加えたいということでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ランドセルや雨靴を通学用品として加えると、その費用も含んで六十七億、これは新しい要求として何億くらい予定されているのですか、通学用品費だけで。

齋藤正文部省初等中等教育局長

○説明員(齋藤正君) 新しい品目が六十七億でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 次の問題、産炭地教員研修会ですね、新たに産炭地教員の研修会を開催したいとおっしゃいますが、これに対する構想、考え方及び予算など御説明願います。

齋藤正文部省初等中等教育局長

○説明員(齋藤正君) 生徒、児童の問題につきましては、従来全国的に実施しておるわけでございますけれども、今回産炭地域の教員のためのものの別ワクを設けまして、そして一年に二回、各一週間程度、東京において実施をするということを考えております。これは生徒、児童のいろんな予算がございますから、その別ワクでこの事業を実施する、こういうことで、ございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 具体的には専門の小野委員などが質問するでしょうが、東京に産炭地の先生を呼んで研究したって、ほんとうに勉強にならぬのじゃないでしょうか。現地で、産炭地の実態のところで、その学校の様子を見ながら勉強するような、現地のほうに、地元にこういうものは予算だけやって、地元のほうにまかするような方向で検討できますか。

齋藤正文部省初等中等教育局長

○説明員(齋藤正君) 御質問ごもっともでございますが、実は生徒指導につきましては、各府県の段階におきまして研究会を実施いたします一種の委託的な経費というものが従来ございます。現地の段階はその中で活用していただきまして、先般来特にそういうものについて、各府県でいろいろな実績を持ったものがお互いに共同で勉強し、それに対して文部省も中央におけるいろんな指導者というようなものも加える必要があるんじゃないかという御要望がありましたので、そういうものを明年度企画したわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 具体的な問題はまた文教委員会で論議してもらいましょう。この間、この石炭委員会に現地の教師の代表を参考人として呼びまして意見を聞いたんですが、結論に「家庭教育、社会教育の崩壊した現状の中で、学校がその代行をせねばならぬため、一学級の規模を少なくして、学級担任が真の親がわりになれるよう、一人一人に行き届いた教育がやれるように措置するとともに、教師の受け持ち時間を少なくしてクラブ活動ができるように配慮する。そして教師を事務や養護から解放して、子供の直接指導に専念、心できるようにすること、非行対策のために補助教師を最低各学校一名以上配置すること、精神瀞弱児童のための特殊教育に格段の措置を行なうとともに、産炭地の教育施設、設備の充実によって教育効果をあげるようにすべきことなどであります。」、これは結論でございますが、文部省としても十分おわかりのところでありますが、事務職員が厚生省の仕事をやっておるわけです。これは前に文教委員会でも少し論議したのでありますが、生活保護の児童の事務あるいは品物を買うこと一切を先生がやっておられる。それで、家庭にその領収書を持っていって、親から認め印をもらうという繁雑な仕事をしておる。したがって、事務職員の増加についても切なる要望があるし、非行対策のために補助教師を最低各学校一名以上配置をすること、こういう具体的な問題もあるわけですが、これについてことしはどういうふうな措置をとられますか。

齋藤正文部省初等中等教育局長

○説明員(齋藤正君) 準要保証児童等が多くて、中には在校生の五〇%をこすという実態があって、なかなか事務といたしましてもたいへんであるということでございますが、これは産炭地域ないし同和その他の都市のスラム地域というものについて共通に見られる現象でございますので、その点につきましては先ほど申しましたように、全体の教職員の増加ということで、できるだけくふうができるように配慮を加えてまいりたいというふうには考えております。  ただ、いまの補助教員の問題あるいは事務職員の問題自体を定数法の原則を変えて措置をするということは、実は五ヵ年計画の明年度が第四年次でございますから、そこまでいき得ない。むしろ県がくふうした場合に特段の措置ができるような全体的な定数の確保をいたしたい、これが私たちの考え方でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 具体的にはまた文教委員会に入りましていろいろ意見を出します。あと大臣の時間急ぐようでありますから、きょうはこれで質問を終わりますが、ひとつ、何度も産炭地教育については予算委員会でも問題になっておりますから、十分な配慮をされるように要望いたしまして、私の質問を終わります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 これから私がお尋ねする第一点は、佐藤総理にお尋ねするのが至当かと思いますが、通産大臣も閣議で重要な発言権を持っておられる方ですから、あえてお尋ねしますが、第一点は、いつ臨時国会が召集されるか、こういうことです。こういうことは、いままで論議してきたこの石炭の抜本対策なるものは、通産大臣が御就任される前の大臣のときにこのメンバーがきまって効き出した。自来一年有半になるわけです。したがって、大臣になられてから昨年の暮れにその答申案が出ますよということを私たちは承り、通産大臣もこの席で何度も何度も、前臨時国会あるいは前々の通常国会において、石炭対策はどうですかというお尋ねを何回もしたのにもかかわらず、もう大臣は、現在審議会で審議中であるからその答申を待ってということで、がんとしてあなたは石炭政策について答弁がなかった。自来一年有半たって、これは通産大臣と非公式な話し合いですからこれを申し上げるのはどうかと思いますけれども、通産大臣は、個人的に私どもに対しても、やはり通常国会ではだめであって、九月ごろ臨時国会が開かれる、そこで阿部君、石炭を大いにやりましょうというお話も承っておった。まあそういう過程を経ておって、この答申も中間答申ということになって、本答申になって、三月に出ます、五月に出ますということになって六月に出た。閣議決定が八月に延ばされた。ところが、いまだにもって国会が召集されぬわけですわね。もちろん、新聞情報によれば、田中彰治さんの件もあり、共和製糖の件もあり、荒舩運輸大臣の件もあって、召集したくないという気持ちはわかりますけれども、一刻も早く臨時国会を開いて、やはりこの問題と真剣に取り組む義務が、通産大臣、あるのじゃないですか。召集権はあなたにあるわけでないから、私これ以上言いませんけれども、あるいは何月何日に召集するということを聞こうとも思いませんけれども、一体行政府としては、一年有半かかったこの問題をいつ解決せんとするか。そこを明確に承らぬと、あと五千万トンがどうだとか、金がどうだとかいう話は、その場で大いにやらなければならぬ。明確にお答え願いたい。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) 臨時国会の召集は私から答えるのはちょっと適当でないと思います。しかし、成規の手続を経て要求されておるわけですから、これはもう当然に開かれなければならぬ。まあ政府としても、われわれからいえば、できるだけ早く開いてくれと、どうしても臨時国会にわれわれとしてかけなければならぬ案件があるわけですから、早いことを望みますけれども、いろいろ予算補正などにも財源の問題もあろうし、全般の配慮が要るわけでありますから、いま、いつから開くことになるということを、だろうという私の観測をここでちょっと申し上げられませんが、通産大臣としては、早く開いてくれることを希望しておる立場でございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 しかし、もう一度言うて、その件は三度は言いませんけれども、いま財源がないと仮定すれば、あと半月たって財源が出てくるという筋合いのものでもないでしょう。一つの計画に基づいてやっており、あるいは前々回の通常国会あるいはその次の臨時国会において大臣は明確に、とにかく抜本対策出たらやりますと、こうおっしゃっておるのですから、財源はどこから持ってくるか別といたしまして、おそらくその当てがあったのではなかろうかと判断するわけです。国家公務員の給与の問題もあり、お米もぽつんと五十億上げますよということで、五十億の問題も解決しなければならぬでしょう。あるいはまた災害の問題も解決しなければならぬ。に加えて、また石炭の問題ですから、一日おくれれば、せっかく仏つくっても魂入れずということになりますから、一刻も早く本件を片づけなければ、本件を解決せぬでも解決しなければならぬ問題もあるが、やはりこの問題が解決しなければ派生的に問題は解決しませんよ。   〔理事小野明君退席、委員長着席〕 したがって、そういう点について、ただ早くやりましょうということでなしに、もう少し具体的にお話を承りたい。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) 財源の点では、やはり税の自然増収なども問題になってきますから、九月期の決算ということも多少見きわめたいというので、財務当局の考えることもこれは当然であろうと思いますし、したがって、これは石炭の対策からいえば弔いに越したことはないのですけれども、先般いろいろいま御指摘になったような予算補正を要する問題もたくさんあるわけでありますから、財政当局としてはいろいろなことを考えて、急ぎながらある程度の見通しも立てたいということで、まだいつからということには決定には至っていないわけです。われわれはできるだけ早く臨時国会を開いてもらいたいという立場でおります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 一時半に大臣がお出かけになるそうですから、お尋ねすることが飛び飛びになってたいへん恐縮ですが、もう四、五点お尋ねいたしますので、お願いいたします。  さいぜん、大臣がおいでになる前に、石炭局長、保安局長、両局長さんから明年度の要求予算について説明を受けたわけです。その中で人質の問題にも触れて御説明を聞いたわけですが、五十名保安監督員をふやすと。ことし二十名か二十一名ふやした。それで今度五十名、これは大蔵省との折衝もありましょうから、まあ三十五名になるか四十名になるか、通産大臣の手腕力量によってあるいは五十名満ぱいといくかもしれませんけれども、この場合に監督員の人数をふやすのはぼくたち賛成なんですが、その場合に炭鉱の技術職員を、全部とはいいませんけれども、技術職員を通産省で採用していただけぬものか、こういうことです。ということは、大体学校を卒業されて北海道とかあるいは九州、宇部、こういうところに配置されても、五年間くらいはやはり教育を受けないと、一人前の監督員としていかに優秀な方でもなかなか坑内をとことこ歩いて監督するわけにいかぬわけですよ。いいですか。ということで、この御説明を承った中にそういう点がありましたので、炭鉱の技術職員、これは全部というわけにはいかぬワクもあるし、年齢的な問題もありましょうし、いろいろ条件がつくと思いますが、そういうところに炭鉱の技術職員を採用していただけないか、まずこれが第一点。  それから、保安に関係して、これも大臣の御出席にならないうちに調査団を代表して小野理事から報告されたのですが、北海道の豊里炭鉱、いろいろ通産省のお世話になっているそうですが、保安の問題、この豊里炭鉱の保安融資はつけていない。山をつぶすなということで労使双方、相当背伸びして石炭の採掘をやっておるわけです。これは危険でもあるわけです。ですから、こういう山に、法的には若干ひっかかるところがあるかもしれませんが、山をつぶしてしまって、九百人も千人もおるわけですから、失業保険を出しても一千万円、二千万円かかるわけです。ところが、一ヵ年間わずか二百万か三百万の保安融資を政府がしておらぬ。これは不親切である。法的に免れば、なるほどこういう規制があってこの融資はできませんよとおっしゃるかもしれませんけれども、そこは政治というもので、正しい労働者を守るために使う金であれば、行政指導の面でできるのではないかというような気がするのですが、こういう点はいかがですか。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) 技術職員の件はいままでにも例があるようで、これはふやすように、これは人間の条件がかなえばふやすようにいたしたいと思います。  豊里の件は、私もしばしば陳情を受けて、利子補給をやっておるのですが、保安の融資はまだしておりません。いまいろいろ査定をしておる最中で、ございますようですから、いろいろ今後検討を加えたいと思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 その点は、大臣査定をしてしまったのだが、これはあぶないぞといって出さない。あぶないぞというのは、保安は山全体があぶないぞということで出さないで、査定に手心を加えてくれとは言いませんけれども、行政指導の面で当局として何ぶんの措置を講じていただきたい、こういうことです。  その次にお尋ねするのは、一千億の肩がわりと称するものの中身ですね、これはどうも井上局長のおるところで私申し上げるのはたいへん恐縮ですが、これも大臣の出席される前に小野委員と石炭局長の質問、答弁の中で、超大手ということばが出てきた。貝島炭鉱は大手か中小かということで、石炭局長は言下にこれは大手だという答弁をなさった。これはよろしい。ところが、超大手ということばが出てきた。かつて国鉄が一等と二等だけにしてしまったけれども、汽車は二等、三等だけです。おまえさんのところは大手ですよ、こう言っても、その上に超大手が出てくれば、これは中小と変わりがなくなってしまう。私は一問一答を聞いて心配したから、そこで一千億の金は、おそらく、四角四面で聞くと、大手といえども中小と変わりございません、国が見るのは平等ですよ。こうおっしゃるでしょう。しかし、さて一緒にやるのだが、ものさしをつくったときに、これはだめだ、あれは寸が足らぬ、これは幅が足らぬ、こういうことになる危険性がある。ですから、一千億の金はどういう款項目に対して、各社によって違うかもしれぬけれども、どういう点について肩がわりをしてあげるのか、それをお尋ねしたい。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) これはまあ大手も中小も全部一括して扱うことが当然であろうと思いますが、これがどういうふうにするかという基準はまだはっきりきまっておりませんので、検討しなければならぬが、借り入れ残高に対する異常な債務と見られるものが対象になることは明らかだと思います。これは具対的にはもっと検討する必要があると思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 大臣、そういうそっけない答弁でなくして、そんなら検討する必要がある、一千億出すには大蔵省と話し合って何と何と何がこれに該当して、何と何と何については見てあげられませんよという話し合いをなさっているでしょう。ぼくら野党の議員であっても、立法府に参加しておる以上は、全部自民党と政府の責任で、われわれ知りませんというわけにはいかぬわけです。少なくとも国がやはり一千億出すわけですから、そうすると、一千億で全部まかなえればけっこうですが、一千億の金でおおばんぶるまいするわけではないでしょう。そうすると、これとこれとこれで、何年から何年までの分について国が補償する、こういうことになるだろうと思う。これから検討などという答弁は、最も頭脳明晰な三木通産大臣にとっては了解できない。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) これはこういう国会の場ですから、やはりまだ、検討を終えて、そうして、こういう基準によりますということを申し上げられる段階ではない。話をいろいろ詰めておる段階でございますから、むろんこれで申し上げられる段階が来れば積極的に申し上げたいと思いますが、これは個人的な話ではない。それで、国会の場においてまだ話が煮詰まっていないものを申し上げるのはいかがかと思いますので、そっけないようでございますが、時期が来たらそっけなくない御答弁をいたしたいと思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 どうも肝心なところに来ると通産大臣は、答申が出てこないうちは答申待ちで、出てきたら検討中で、もう質問する機会がないままに終わってしまったということになりそうなんですが、まあその次にお尋ねすることは、五百億の重油関税の金をもって特別会計をつくる。ところが、これも大臣、うまく逃げるかもしれませんけれども、いろいろとうわさが飛んでおりまして、この五百億の中に産炭地域振興の金であるとか、あるいは鉱害復旧の金であるとか、あるいは何ぞというのが五百億に入るがごときうわさを聞いておる。しかし、そんなだったら、たいへんです。仏つくって魂入れず、鉱害など見るといったら、五百億の金を全部持っていっても、筑豊など直りませんよ。あれは国で責任持ってやるべきで、五百億の金は何と何を見るかということをお尋ねいたしたい。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) 大蔵当局からすれば、いろいろなものを五百億の中に入れたいのですよ。しかし、そういうことになればなかなか、われわれとしても、こういう点でワクの中で石炭問題というものを解決しようとするならば、あまり何もかも特別会計の中に入ってくれば、非常にやりたいと思う政策、これをやることに事欠きますから、いま御指摘のように、鉱害とか産炭地域振興というものは外へ出したいというのが私の考えでございますが、これは今後の予算折衝のときにそういう考え方で努力をいたしたいと思っております。その点は阿部さんの考え方とあまり違わないのではないか。しかし、これは相手のあることで、今後予算折衝を通じて努力をいたしたいと思っております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 その阿部さんの考えと同じであるというところで切って、あと相手のあることだということばは抹消していただければたいへんけっこう。(笑声)  その次にお尋ねするのは、衆議院の前々国会の決議案として、電発火力八基づけなさいと。もちろん四十五年までにですね。ところが、さいぜん井上局長の御説明によると、八基つくるような予算になっておらぬわけです。もちろんこれは来年組むかいつ組むかわからぬわけです。四十五年までにやりますといえば、それも終わりですが、少なくとも発電所をつくるためには計画がなくちゃいかぬわけだ。計画が全部出たとこ勝負で、その場だけ過ぎればよろしいという筋合いのものではなかろうと思うのです。ですから、八基つくるという衆議院の決議は全然生きておらぬ。この点はいかがなんですか。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私もね、石炭のいま五千万という問題を中心にして、責任を負うて積極的に努力しましょうと申し上げた。そういうことで、将来この利用確保の上から、電発の火力発電というものは、これは安定した需要になるわけですから、これは将来ふやしていきたいという考えです。しかし、おまえは衆議院のこの決議に沿うていないじゃないかというお話で、八基やらないじゃないかとおっしゃるが、そんなに一ぺんにいまできるわけではありません。まあ二基ふやして、そうすれば、これは五基になるわけですからね。これだけで終わらないで、少しこう、ある期間置いていただければ、大いにこの衆議院の院議も尊重したことになる。一ぺんには、八基と、こういうふうなことも、いろいろな点で急にやることもいかがと思われる点もございますので、これはまず五基をやって、そうしてこれだけで終わらない。八基というその決議に沿うたような、そういう線に沿うて火力発電をふやしていきたいという——あまりせっかちに、いま一ぺんにやらないのは院議を尊重していないと、こう言うのだが、多少時間を置いて考えていただければ、院議を尊重していきたいと考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 せっかちにやらぬほうがよろしいとおっしゃるけれども、さいぜん大矢委員長及び小野理事、小柳委員からそれぞれ質問がなされておったように、今日の時点でもう石炭が余っているわけですね。ですから、高砂市につくるとか竹原市につくるとか、こういうような、またあると  ころに一基ずつふやすとかいうお話を承っているけれども、それじゃとても消化できぬのじゃないですか。なるほどいま石炭が消化完全にできていれば、大臣のおっしゃるとおり、一回に五基も八基もつくる必要はないでしょう。しかし、現時点においてすでにだぶついておって、もう来年の話じゃない、ことしの話で、もう困っている段階ですから、その消化について努力するということが必要ではないでしょうか。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私もね、やはり阿部さんと同じように、電発の火力発電というものは、これは一番確実な需要確保ですから、だから、このあと追加しました二基は、やはりすぐにおっつけて、もっとやはりふやしていきたいという考えでございます。まあ、八基というような火力発電を一ぺんにつくるということ、これはやはり多少まだ段階を置く必要がございますので、そういうような段階を置いていくことですから、考え方については、この点については阿部さんと私はあまり違わない考えを持っている。あまりせっかちに追い詰めないで、多少時間を置いていただければ、その点は考え方は私は同じだと思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 阿部さんと同じじゃ、阿部さんと同じじゃと言うて、あなた、そういうことでその問題はね……。(笑声)  次に移りますが、実はこれは大臣もよく御存じのように、四、五年前までですとね、産炭地域振興と石炭産業の安定とは車の両輪のようについておったわけです。しかし、今日の段階では、石炭産業が安定しても産炭地は安定にならぬわけです。全然石炭がないところがあるわけですから、産炭地でかつてはあって。そうすると、いまから五、六年前までですと、石炭産業が安定してもらえば、一応九州の筑豊においても、佐賀においても、ずっと安定したわけですが、いまは全然そういうことはない。石炭産業安定ということは即産炭地域振興にはなり得ないわけです。まだ北海道の夕張のようなところはそういうことが言えるかもしれませんが、これは特定の地域だけであって、したがって、当局の産炭地域振興に対する腹がまえというか、今後の政策について承っておきたい。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は中小企業庁にこういうことを言明してあるのです。この団地があるでしょう、いまつくっている中小企業の団地で、産炭地などに団地形成というものはできないのか。まあ、この産炭地というものは、いま御指摘のように、石炭の鉱業は閉山しても、あとやはり地域の地域経済というものは残るわけですからね。そこで、やはり中小企業の対策と産炭地域振興というものを結びつけられないだろうか。しかも、それは何かもう一つ結びつけられるのは過密地帯——いろいろな工業をやっている京浜地区なんかの、一ぱい工業地帯があるわけです。そういうものと、団地と過密対策と産炭地域振興というものを結びつけて何かやらないかということを検討してもらいたいということを言っているのです。それなんかも一つの、何かそういうことでただいま固まって一まあ、過密地帯なんかにやっている工業はあるわけです。それは産炭地と団地のいろいろ助成をやっているのですから、工業団地と三つを結びつけられないかということで、検討してもらっているわけです。どうもいままでのやり方ではなかなか産炭地域振興ということが思うようにいかない。これは景気もちょうど一つの後退期であったということもあったのですけれども、これに対しては新しいくふうが要ると考えているわけで、これも阿部さんとあまり考えは違わないのじゃないかと思います。

小野明日本社会党

○小野明君 関連。いまの問題ですがね、中小企業を、もういろいろと中小企業庁あたりで話してやると。いま産炭地を見てみますと、非常に体質の悪い企業しかしていないわけですね。失業者が非常に多い、生活保護が非常に多いということでね。ところが、答申並びに閣議決定は、大臣が言われるようなことじゃないのです。はっきり中核企業の導入と、こういうようにあるのです。ですからね、これは電発火力の増基と、一緒に中核企業をいかに導入するかと、この点、やはり大臣が政治力をあげて努力しなければどうにもならぬ。この点をはっきりしてもらわぬと、中小企業をどうするかというようなことじゃ困るのです。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) それは中小企業というものがあって、いま中核企業になるようなものは行っていないのですね。しかも、問題として、これはむろん閣議決定にもあるし、そういう方向でいきますよ。私が言うのは、まだそのまま、中核企業——企業といっても、それはどこもかしこも中核企業というのはむずかしいです。これは努力するが、一方においてはそういうことも考えてみる余地はないか。いろいろな方面で、もうあらゆる方面で産炭地域振興をやらないと、これじゃなかなかこの産炭地というものの振興は達成できない。いま私の言ったような考えを、政府の機関、電電公社などをずっと結びつけられないのかという、こういうような、団地などでいろいろに何かもう受注というものが安定しておるようなものと結びつけてやれないかということが私の頭にあって、そういうことならば何かこうもう少し長期的にやっていけるようなことはないだろうかということで、そういうこともひとつ検討してみようというようなことを言ったので、むろん、いま御指摘のように、中核企業が行くことが望ましい。これの誘致に対しては、全力をあげることは、これは申すまでもない。しかし、ほかにもいろいろな点を考えてみて、あの手この手でやはり産炭地域振興というものはやる必要があるということを一例で申し上げた。中核企業というものの誘致をおろそかにする意味ではございません。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 次に大臣にお尋ねしますが、今度、答申案に基づいて閣議決定もあり、政府の施策によって一千万トンの山を買い上げるというわけですから、八百万トンになるか、千二百万トンになるかわかりませんけれども、買い上げるそのコストは、いままで千何がしであったのですが、今度は二千四百円とか五百円になるでしょうという石炭局長のお話をお聞きした。そこで、これは大臣に特に御理解していただきたいわけですが、北海道の場合は、政府の政策によって山を買ってもらっても、山によっては違う点もありましょうけれども、ある程度、退職金等は交付金から払うと、大体一〇〇%でなくても、鉱害というものはございませんから、ある程度、北海道の場合には政府が少しめんどうを見てやる。三十年働いて三十万から百万、幅がありますけれども、百万が最高ぐらいの退職金です。ところが、北海道の場合には、買い上げによってある程度処理してもらえるが、九州の場合は北海道と同じような率で買い上げていただいても、あらゆる炭鉱が鉱害を持っているがゆえに、交付金のうち、ばんと鉱害にとられてしまうわけです。あと残ったのはとても退職金に該当するどころか、三分の一にも、四分の一にもならぬわけです。したがって、この点が大事なところで、北海道はまだいいけれども、九州はこれはたいへんなんです。したがって、買収された場合にその鉱害を何とか国で見てあげたらどうか、こういうことです。そうすると、鉱害を国で見てあげると、三十年一つの会社につとめて百万円くらいしかもらえぬのだけれども、たった百万円の金が半分ももらえないという悲惨な状態ですから、国の施策によって山をくずすわけですから、そのくらいの金額は国でも見てもいいのじゃないか、こう思うのですが、いかがですか。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) やはりいま御指摘のとおり、北海道は鉱害というものの問題は九州ほどの問題がないわけですから、九州のほうは、実際問題として御指摘のとおりのことは起こり得ると思いますから、鉱害というものはどうしても別に考えざるを得ないというふうに考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そこで、これは石炭局長にお尋ねしますが、大臣にお話をすると、通訳を通じてお話ししているようで、さっぱり能率があがらないので、だめです。  そこで、鉱害の件ですが、実はことしの春、きょうもお見えになっておるようですが、貝島炭礦に石炭特別委員会でおじゃました。ところが、社長さん以下出てきて、明治、大正、昭和、三代の間のことでしょう、膨大な鉱害があった。ところが、鉱害が幾らぐらいですかと言ったところが、五十六億とか五十八億、約六十億のとにかく鉱害なんです。とても終生かかっても貝島の炭礦の修理はできませんよ。筑豊のある土地の修理はできない。そうすると、貝島炭礦株式会社というものは厳然としてあるわけですから、無資力炭鉱にはならぬ。したがって、何がしかの国の援助しか受けられない。しかし、あれをあのままに置くと、一年ごとに膨大な経費が要るような状態になる。したがいまして、あれをどうせ最後には国で見てあげなければならぬものであれば、いまのうちに法改正をやって何とか筑豊のあの辺−貝島ばかりではない、たくさんあるわけですが、法の改正をやって、無資力炭鉱というものの定義をこの次の通常国会あたりでなされてはどうか。一つの質問と提案と兼ねるわけですが、いかがですか。

井上亮通商産業省石炭局長

○説明員(井上亮君) 阿部先生の御指摘になられましたように、鉱害の処理の問題は確かに大問題でございまして、私どもといたしましては、先生も御承知のように、先般、抜本策の答申が出ましたときに、あわせて鉱害関係についての対策も答申を受けたわけでございますが、まあこの鉱害関係の答申につきましては、別途、いわゆる政策懇談会のほかに専門的な検討を加えていただいたわけでございますが、これにつきまして、私どもとしましてやはり有資力鉱害と無資力鉱害とあるわけでございますが、無資力のものにつきましてはだれもめんどうをみる鉱業権者がいなくなるわけでございますから、どうしても、ほうっておけば非常に被害者に御迷惑がかかるというようなことから、たてまえは国と地方公共団体で無資力鉱害については全部復旧する、処理するということになっておるわけですが、これも予算の関係等でおくれおくれになる傾向もあるわけでございまして、まあ鉱害部会の答申におきましても、政府に対しまして、できるだけこういった安定鉱害については、安定した鉱害については、やはり今後五ヵ年なら五ヵ年というような計画的な処理をすべきであるというような提案がなされております。  それからなお、鉱害につきましては、やはり鉱業権者が違いますと、どうしても一方が有資力者、一方が無資力者ということになりますと、復旧の程度がいろいろ違う、あるいは有資力者は金銭賠償で片づけちゃって復旧はしないというようなこともありますので、特に鉱害の錯綜する地域については、やはり総合的な復旧計画のもとにやる必要があるんじゃないかというような提案もなされております。したがいまして、私どもとしましては、鉱害についてはただいたずらに鉱業権者と被害者の間の話し合いにまかさないで、できるだけ政府もその中に介入しまして、できるだけ計画的な復旧ができるような体制に今後もいたしたい。しかも、被害者に対しては、十年先に完全に復旧できるのか、あるいは五年先なのかわからない、こういった不安定な形でなしに、できるだけ計画的に復旧できるような処置の進め方を今後やってまいりたいというふうに考えております。  それから、ただいま貝島のお話が出ましたが、貝島の問題も例外ではございませんで、確かに相当大きな鉱害を負っておりますが、しかし、いま貝島が再建計画を検討しておられますが、この中では、やはりこの鉱害につきましても、一定の納付金を鉱害復旧事業団に出して、もちろん当然これは貝島は有資力者の立場で鉱害復旧をやると思うのですが、これに対して国が相当な鉱害復旧についての援助をすることによって、とにかく被害者に迷惑をできるだけかけないような形でやっていこうというようなことで、いま貝島自身も再建案の中で鉱害処理について考えられておりますので、私どもはそれでやっていきたいと思っておりますが、ただ、一般論としての鉱害処理の問題につきましては、御指摘のように、今日、残存鉱害だけで六百万トンぐらいあるわけでございますし、なお、今後五ヵ年ぐらい先までの間には二、三百万トンさらに鉱害の被害がふえる見込みもございますので、少なくともすでにわかっております六百万トンですね、その中の安定鉱害五百万トン程度につきましては、早急に先ほど言いましたような計画復旧の形で処理してまいりたいというふうに考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 局長の言うとおり話がうまくいくといいのですが、貝島の再建案についても、去年あんた、一ぺん再建案をお互いに話し合って、これでいこうということになったわけでしょう。それからまた一年、三百六十五日たったらまた再建案が要るわけだ。ですから、あんたのおっしゃる超大手というのはどこの会社をさしているかわからぬが、こういう会社には徹底的に鉱害を復旧させるべき筋合いのものだ。しかし貝島といいましても、大手はそれを傍観しておくと、これは結局また三年後に再建ということになるから、それは国でやがては見なければならぬようなことに私はなると思う。一刻も早くそれを切り離して、そして盲腸が悪いのを、盲腸を切開手術せんで注射でなおしておくがごときをやめて、せっかく、いままで指導してきたのですから、そこまで懇切丁寧にやっておかなければならぬと思います。  それから、最後ですから一つだけお尋ねしておきますが、この次の臨時国会、さいぜん通産大臣にお尋ねしたが、いつになるかわかりませんが、かりに臨時国会に省として出す法案は何と何か、それから、通常会のことですから、まだ予定されておるかどうかわかりませんが、もしわかっておれば、通常会には何と何を出して、この案件の終止符を打ちますということをお聞きしたい。  それから、大臣にさいぜん申し上げたとおり、くどいようですが、政府の施策によって一千万トンの山がつぶれるわけですから、もし山がつぶれても、三十年たってももらえぬということがないように、山を女房、子供を連れて去るというようなときには、せめて未払い金等のないように——貝島の話を聞くと、四十五年になったら払ってあげると言っているけれども、ばかばかしくって腹が立って話もできぬような状態。ですから、いま局長、将来もやるとおっしゃっておったが、いよいよ抜本策ですから、ひとつ格段の大臣の御努力をお願いいたします。  以上で質問を終わります。

井上亮通商産業省石炭局長

○説明員(井上亮君) 臨時国会にその法案をお願いしたいと思っておりますのは、石炭鉱業合理化臨時措置法一部改正の法案をお願いしたい。これは先生も御承知のように、今回の閣議決定の線によりますと、閉山交付金の単価が従来は平均的に見ましてトン当たり千二百円程度の買い上げ交付金の単価だったのですが、これが二千四百円になる。そのうち二千円は通常のいわゆる閉山交付金、四百円は加算交付金という形で二千円に上積みしたい、したがいまして、合わせますと二千四百円ということになるわけですが、なお、これの配分につきましては国会の決議もありますように、できるだけ離職者、退職者に、退職金あるいは社内預金というようなものに優先的に確保できるような配慮をいたしたいというふうに考えております。ただ、これは従来ともほかに鉱害の問題もありますし、それから一般債権者への配分のワクの問題もあります、これを全然無視はできません。できませんが、ふえました分については、できるだけ優先的に退職金等に重点的に回したい。そうなりますと、今度の加算交付金の扱いとか、あるいは社内預金まで含めるということになりますと法律改正になるんじゃないかというふうにも考えておりますので、したがいまして、合理化法の改正の中でそういった問題を特に考えたい。  それから、なお、これは先般、衆議院のほうで問題になりました合理化法の一部改正の中で、隣接鉱区、消滅鉱区の活用の問題があったのですが、これにからみまして若干実情から見て不備な点もありましたので、そういった点も改正さしていただきたいというようなことの法案をお願いいたしたい。  それから、通常国会には、一番大きい問題として、これは大蔵省のほうから出るかもしれませんが、特別会計法案、これが出るわけです。それから私どものほうからといたしましては、やはり再建整備法、これは肩がわり措置等をいたしますときに、やはり肩がわりを受けました企業につきましては、しっかりした再建整備計画をつくっていただいて、その再建整備計画の再建の一つの助成手段として肩がわり支出を考慮するというような構想をとりたいと思っておりますので、したがって、そういった再建整備法案。それから、同時に、国が相当手厚い助成をいたすわけですから、現在でも石炭鉱業経理規制法というのがございまして、配当制限等の規制をいたしておりますけれども、さらにもう少し現行の石炭鉱業経理規制法を今度の助成策に照らしまして、もう少し強化したいという改正をお願いしたい。そのほか、鉱害につきましても、今後さらに検討しなければいけませんけれども、先ほどいいました計画的復旧との関連において、若干の現行法の一部改正、これをお願いしたい、大づかみにいいましてそういう検討を進めております。

高橋雄之助自由民主党

○高橋雄之助君 先ほどから産炭地域振興対策の問題でいろいろ御意見もございましたが、私特にこれは最後に申し上げて対処していただきたいと思いますのは、やはり産炭地域振興については、いわゆる工場誘致、企業問題等がいまお話があったとおりでございますが、たとえば北海道の美唄にいま工場誘致の問題で一昨年来セミラックという、これはれんがでございますが、これは耐水、耐火に非常に優秀な質のもので、非常に宣伝されておるものでございます。それがいま美唄で行なわれているのでございますが、せっかくそういう事業が起こされましても、消流の道が閉ざされておる。というのは、なかなか使えない。というのは、多少価格が高いので、いわゆる建築材に使いましても、いろいろ役所あたりに使っていただくにしましても、単価に多少問題があるわけです。そういうことでそういう誘致をし、産炭地における方々の労働のためにそういう設備がされておりましても、それがもしそういう流通の面がうまくいきませんと閉鎖しなければならない、こういう結果に実はなるわけでございまして、そういうことのないように、やはり消流の道を考え合わしていただきまして、多少単価は高くても、これは耐用年数も非常に長いのでございます。質もいいわけでございますから、役所あたりの建築にもひとつ使用されるということを配慮の中に入れながら、産炭地域振興、いわゆる工場誘致の場合においても、企業をそこに起こすということについても、それが成功するようにしていかなければならぬ。せっかくそういうことがやられましても、その工場がつぶれるということになれば、また問題が非常に大きくなるわけでございますので、そういう点も十分ひとつお考え願いたい、こういうことについてはお話があったかと思いますが、この点についてひとつお考え方をちょっとお尋ねしておきたいと思います。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) これはなかなかむずかしいと思いますよ。値段が高くても使えということはむずかしいと思いまが、何かいい方法はないか、いまここで、こうやったらいいということは思いつきませんが、検討さしていただきたいと思います。

高橋雄之助自由民主党

○高橋雄之助君 ぜひひとつお願いいたします。

大矢正日本社会党

○委員長(大矢正君) 石炭局長、ちょっとお尋ねしておきたいのですが、一通り各委員から問題点は掘り下げられて議論がかわされたのですが、その中で私、感じで、二つほど議論されていない問題があるのでお伺いしておきたいと思うのですが、一つは、答申の中で百円程度と表明をされております補給金問題に関してです。これは大蔵省がこれからの予算折衝の中でどういう態度をとるかということは別としても、通産省それ自身が具体的にはどのような数字を考えているのかということをひとつ御答弁いただいたあとで、また私の意見を述べます。

井上亮通商産業省石炭局長

○説明員(井上亮君) 安定補給金を幾らにするかというお尋ねでございますが、安定補給金については、答申を出します段階で、石炭鉱業審議会としてもいろいろ検討を加えたわけですが、石炭鉱業審議会としましては、まあ大多数の企業が現在の赤字から脱却するようにという配慮から肩がわりの措置が考えられ、あるいは安定補給金の構想が考えられ、あるいはその他の助成策が考えられたわけでございますが、そういうような見地から審議会とされましては、一応百円程度ということが答申の中にうたわれております。この答申を受けまして、政府としてもその後種々検討を現在加えておる段階でございます。閣議決定におきましは、一応一定額の安定補給金を出すということで閣議決定をされておるわけでございまして、安定補給金は幾らが妥当かということにつきましては、まだ率直にいいまして、私ども成案を得ておりません。これは見方によりまして、たとえば大多数の企業が赤字から脱却するといいましても、平均的に赤字を脱却できるという見方もありますし、で、あと平均に達しないところは企業努力で黒字になるようにということも考えられるわけであります。あるいは七割程度やはり赤字から脱却さしたいというような考え方もできましょうし、いろんな考え方があります。したがいまして、安定補給金としては、答申では一応百円と称されておるわけですが、実態をもう少し検討いたしまして、さらに追加要求に際しまして、私どもの態度を決定いたしたいというふうに考えております。もうしばらく検討の時間を与えていただきたいというふうに考えております。

大矢正日本社会党

○委員長(大矢正君) 具体的な答弁をいただけなければしょうがない話なんですが、ただ、私考えるのに、安定補給金というものは、その名が示すとおりに、石炭企業というものを安定させるという意味で出される金ですよね。ですから、つかみ金でもってまあ一トン当たり百円ぐらい出してやればそれでいいんだというものではなくして、その百円なら百円、二百円なら二百円というものを出すことによって、おおむね個々の企業を計算していって、まあ個別的にもまた総体的にも、どの程度の企業がそれによってどうにか今後維持できるという一つの計算が成り立って、はじめてその金額が出てくるものだと私考えるのですね。そうすると、どういう考えが出てくるかというと、結局石炭産業というものが一番危機的状態にあるのはいまだと思うのですね。それが昭和四十五年度になるとスクラップされるものはスクラップされる。ある程度石炭企業というものは、この答申に基づく抜本策を、内容は別でありますが、やることによって四十五年度はおおむね安定的な段階にくる。そうすると、石炭企業の最大の危機はいまであるという結論になるわけです。そこで、それを安定補給金というものと比較をして考えてみる場合に、安定補給金というものの効果というものは、これはいまが一番あるのであって、かりにこれから五年後とか七年後の安定補給金の効果というものは、いまと比較してみる場合に非常に薄くなると思うのですね。ところが、どうも話を開いていると、いまの段階では百円程度ということにしておいて、将来は関税も漸次年ごとにふえてくるから、石炭対策費用もふえる、したがって、これを二百円とか三百円とかというふうに将来ふやしていこうというような意見もあるようだけれども、これはさか立ちの議論だと私思うのですね。石炭産業がいま一番深刻な状態にあるならば、いまの段階で三百円なら三百円の安定補給金を出して、それで今後これから合理化ももちろん進めなきゃならぬでしょうが、その過程の中で、漸次この石炭企業の経理状況というものが好転をしてくるのでありますから、二年後には二百円にするとか、五年後には百円にするとか、七年後にはなくするとか、そういうことが石炭対策の樹立上好ましい安定補給金の性格に私はなると思うのです。ところが、いまの時点で百円にする、将来三百円にするというのは、議論が成り立たなくなってくる。この点を十分考えて、百円程度というような、言ってみれば答申の考え方にこだわらないで、やはり私はこの際、石炭の抜本策という立場に立ってこの安定補給金というものを考えてみる必要性があるということを、この際申し上げておきたいと、こう思います。  それから、第二点目の問題は、大手十七社の中には、今日、管理炭鉱と呼ばれるものが四炭鉱あって、その炭鉱が政府から積極的な援助を受けつつ今日企業を継続しているわけだが、管理炭鉱というものは大手十七社に限るということの理由が私にはわからない。中小炭鉱といえども、いま若干のてこ入れをすることによって、あるいは政府みずからが管理をし、管理をするわけじゃありませんが、力を加えることによって、個別に見た場合には将来存続できる炭鉱もあるはずなんです。ところが、管理炭鉱というものを、ことばの表現が悪いのだが、大手十七社に限って、それを中小に及ぼさないという理由は一体どこにあるのか、そのことだけ聞いておきたい。

井上亮通商産業省石炭局長

○説明員(井上亮君) 管理炭鉱というふうにお話になりましたが、私ども貝島炭艦をはじめとして、明治、日炭、杵島と、この四つの炭鉱につきましては、これは国会与野党と申しますか、国会できめられました一つの線に従いまして、つまりボーダーライン炭鉱ではあるけれども、やはりなお相当な雇用をかかえ、あるいは相当長期にわたる採炭可能な埋蔵炭量を持っておる山については、政府がやはり特別の助成策を講ずるというような趣旨から、ただいま申しましたような四社につきましては、現在特別の助成をやっていることは事実でございます。しかしながら、いま先生おっしゃいましたような、おことばを返すようですが、大手に限るという思想はいささかも持っておりません。そうではなくて……。

大矢正日本社会党

○委員長(大矢正君) 事実がそうだから言っている。

井上亮通商産業省石炭局長

○説明員(井上亮君) 結果的には大手ということになるかもしれませんが、必ずしも大手、中小というふうに区別はいたしておりませんで、ただ、考え方としては、これは先生も御承知のように、やはり今後相当長期にわたる埋蔵炭量を持っておって、その山がしかも相当多数の雇用者をかかえておるというような場合に、地域社会にも非常に大きな影響もございますしという場合には、社会的観点ももとよりでございますが、資源政策的な観点から言っても、立ち上がるきっかけさえ、その助成策のきっかけさえ与えれば十分立ち上がるというような山については特別の助成をするという趣旨でございますから、私どもそういう趣旨で、このいわゆる再建炭鉱——管理炭鉱とは言っておりません。再建炭鉱と申しておりますが、再建に政府が協力するという意味で再建炭鉱と言っておりますが、それについてはそういう考え方で助成策を考えておる。決して大手に限る、つまり石炭協会所属の大手十七社に限るという思想は持っておりません。

大矢正日本社会党

○委員長(大矢正君) ただ、あなたの言われることは、それは理屈としてはそうだが、九州に行かれて、麻生産業、再びこれをまた再建炭鉱と、あなたの表現によれば再建炭鉱にするとかいうような話があって、将来ともに政府が特別の措置をする、いわゆる措置を要する炭鉱をふやしていくという傾向があるように感ぜられるので、そうだといたしますと、中小炭鉱といえども大手に劣らないだけの生産規模なり、それから、労務者をかかえておるところもあるのだから、それはそれなりに地域社会に及ぼす経済的影響、また、財政的な、政治的な影響が甚大であることは言うまでもないことなので、将来は中小炭鉱にもあるいは特殊の指定をして、再建に政府が手助けをする炭鉱がふえるかもしれないということは理解してかまいませんか。

井上亮通商産業省石炭局長

○説明員(井上亮君) 従来の再建会社についてのやはり基本的要素が、ただいま先生がおっしゃいましたように、相当量の雇用者をかかえて、地域社会に相当大きな影響を与えるということのほかに、少なくとも炭量として十年以上の採炭可能な炭量を持っておるというような、やはり資源政策的な観点も加えてお考えいただきますればいま先生おっしゃったとおりでございまして、必ずしも大手に限ったつもりはございません。

片山武夫民主社会党

○片山武夫君 時間もないようです。簡単に一言お伺いしたいのです。  実は今度、問題になりました特別会計設置の問題、これは需要喚起をするために大きなウエートを持っておる、こういうふうにわれわれ考えておるのですが、現在需要者向けに重油、石油の税金の還付制度が行なわれております。あれは誤った方針であったということは、これは大臣自身もおっしゃっておられたのですが、これは四十一年度中あのままの形で続けるつもりでおられるのかどうか、これが一つです。これは大体電力向けに重油の輸入税の還付、こういった形でいま行なわれておると思うのでありますが、それは結局、重油あるいは石油を買った量に応じて還付されておる。これでは石炭の需要喚起にはならぬ、こういう意味であれは誤った方針だということを大臣おっしゃっておられたと思うのです。これはいまだにそのまま継続されておるのかどうかということが一つと、それから、今度特別会計が設置されると、おそらくそうウエートが非常に大きいんじゃないかと思います。今度はそういう方針は改めて、石炭の引き取り量に応じて還付制度を行なっていきたい、こういうことを言われておるのですけれども、むしろ私はそういう誤った制度は誤っているんだと気づいたときにすぐに直してもらうべきだと思うのでありますが、いまだに継続されているということは、これはちょっと私は何か政府の処置が怠慢であるというふうに考えられるわけでありますし、同時に、また、そういうあやまちを再びおかすようなことがあってはならないということで、おそらく今度は重油の輸入量ではなくて、石炭の引き取り量に応じて還付をして補給をしよう、こういう考えになられておると思うのでありますけれども、これは基本的にはむしろ炭価の調整のほうに回すべきであって、この引き取りをさせるために補給金を支給するとか、あるいは価格差補給をするとかいう方向は、これは基本的には誤っているんじゃないか、むしろ需要を喚起するために炭価の調整をすると、こういう方向でこの特別会計が使われていくというほうがいいのではないかと私は思うのでありますけれども、この点について大臣の見解をひとつお伺いしたいと思います。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) これは、還付については法律事項が伴いますので、通常国会の御承認を得て来年度から、重油の引き取りによって還付金をきめるということは矛盾がありますので、やはり今後は石炭の引き取りに応じて還付関税を電力に出すことに改めたいと思っております。ただ、これをどういうふうに交付するかということは、直接するのか、いろいろ交付の方法については検討いたしたいと思っておりますが、これは従来の方式は明年度からこれを改める考えでございます。

片山武夫民主社会党

○片山武夫君 これは前回の対策委員会で大臣もおっしゃっておられたのですが、この方針は結局、石炭の需要を喚起する、こういった方向からいけば、誤った方針、間違っておるのではないかということを自分自身考えておられたわけでありましょうし、また、そうおっしゃられているわけであります。法律事項であるとはいえ、これは誤ったものであるならば、これを改めることは当然だと思うのであります。これが四十一年度まで法律事項だからそのまま継続されるということであるならば、この還付の、あるいは割り当ての方法をやはり考え直す必要があるのではないかということと、基本的には、これはそういう炭価調整の意味で還付する。補給金といいますか、そういう形ではなくて、特別会計が設置された暁には、これはいわゆる調整という意味で、いわゆる問題は重油と石炭の価格差の問題から起きている問題でありますから、したがって、炭価の調整という方向にこれを使用するというふうにやっていったほうが私はよろしいのではないかと、こう思っているのですが、この点はどうお考えですか。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) そのときの一つの精神というものは、やはり調整という意味だと思います。しかし、やはり財源を確保しておくことが必要ですから、そういう意味で、方法論としてはそういう形をとるが、それを行なう一つの趣旨は調整という意味から行なうことはお説のとおりだと思います。

大矢正日本社会党

○委員長(大矢正君) 他に御発言もなければ、本日はこの程度といたします。  これにて散会いたします。    午後二時五分散会

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