災害対策特別委員会 閉会後第4号
- 発言数
- 206 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1966/10/11
会議録
○委員長(成瀬幡治君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。 まず委員の異動について報告いたします。 去る九月三十日、斎藤昇君が委員を辞任され、その補欠として田村賢作君が選任され、本月七日、瀬谷英行君、藤原道子君及び大和与一君が委員を辞任され、その補欠として武内五郎君、大倉精一君及び鈴木力君が選任され、本月八日、片山武夫員が委員を辞任され、その補欠として高山恒雄君が選任されました。 また、本日、武内五郎君、大倉精一君が委員を辞任され、その補欠として藤原道子君、鈴木強君が選任されました。 また、ただいま鈴木力君が委員を辞任され、その補欠として戸田菊雄君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(成瀬幡治君) 次に、本日の理事会の結果を御報告いたします。 本日の議事については、委員派遣の報告、台風第二十四号及び二十六号等による災害対策に関する件及び北海道の冷害に関する件を行なうことになりましたので、御了承を願います。 ―――――――――――――
○委員長(成瀬幡治君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。 前回に引き続き、台風第二十四号及び第二十六号等による災害対策に関する件について質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○浅井亨君 質疑に入る前に、私どもは、ただいま議題となりました台風第二十四号及び二十六号の災害調査のため、議員派遣として、成瀬団長以下六名の議員団で、今月三日、四日の両日、山梨、静岡の両県に行ってまいりました。 なお、本調査の報告は次回の議院運営委員会において行なう予定にしておりますが、本件は本特別委員会と密切な関係がありますので、一言触れてみたいと思うのであります。 まず山梨県下におきましては、足和田村、芦川村、鰍沢町、中富町、身延町及び南部町を重点的に調査または事情聴取を行なったのでありますが、その実情は言語に絶するものがあり、これからの復旧と将来に対るす防災について早急に対処すべきだと痛感した次第でございます。 特に八十一名の犠牲者を出した足和田村の西湖、根場両部落については、現在もなお、豪雨による山津波の復旧と行くえ不明者十三名の捜索が自衛隊、警察の手で行なわれており、地元民もようやく悪夢からさめつつあると申し上げたほうがよろしいかと存じております。 また、他の災害地におきましては、いまから実質的な復旧にとりかかるところばかりで、地元民からの切々たる陳情を受けてまいったような次第でございます。 次に静岡県でございますが、本県におきましては、梅ケ島村、吉原市、富士市及び蒲原町を終日調査いたしましたが、特に梅ケ島におきましては、安倍川上流の瞬時的洪水で当時の温泉客二十三名が死亡し、現在三人が行くえ不明という惨たんたるものであり、梅ケ島へ通ずる唯一の県道も、ようやく九月二十七日自衛隊の協力を得て応急的に開通を見たという状態であります。 また、吉原、富士、蒲原の海岸地帯は、高さ十三メートルの防潮堤が決壊し、吉原、富士においては、防潮堤をオーバーした波により家屋が破壊され、十六名の犠牲者が出た現状であります。県においては、これが復旧につとめてはおりますが、根本的な防潮堤の改修が必要だと痛感してまいりました。 まだまだこまかなデータについて申し上げたいことがありますが、それらについては議院運営委員会で行なうこととし、最後に両県の被害概況と要望を申し上げて終わりたいと存じます。 最初に山梨県の十月三日現在の被害概況は、一、人的被害、死者百三十九人、行くえ不明者三十六人、重軽傷者二百九人 二、住宅、土木、農業、林業、商工業等の被害総額は二百四十五億円になっております。 次に静岡県の十月三日現在の被害概況は、一、人的被害で申しますと、死者四十九人、行くえ不明者三人、重軽傷者五百八人、二、住宅、土木、水産、農業、商工業等の被害総額は百二十六億円であります。 また、両県における要望事項は、いずれも共通しております。一、激甚災害特別財政援助法の適用 一、個人災害の救援措置 一、公共施設等の復旧整備 一、治山治水対策の強化措置 一、被災者住宅対策の緊急措置等でございました。 以上をもちまして、私の発言を終わります。
○委員長(成瀬幡治君) どうもありがとうございました。
○吉江勝保君 私この際二、三質疑をいたしたいのでありますが、それに先立ちまして本月三日、四日とただいま報告がございましたように、参議院の派遣といたしまして、山梨県並びに静岡県の災害を視察をしていただきまして、地元の議員といたしまして、諸先生方がつぶさに足和田村の根場、西湖から東八代郡の芦川村に山を越えてお入りいただき、さらには翌日静岡にお出になります途中、早朝にもかかわらず、南巨摩郡の沿道の被災町村にお立ち寄りをいただきまして、それぞれねんごろな慰問をしていただいて、また力強い激励を賜わりましたことを、厚くお礼を申し上げるものでございます。 質疑に入りたいと存じます。まず一番最初に、この委員会で取り上げられました問題二つ。一つは激甚災害の指定でありまして、これは去る八日でございますか、衆議院の災害対策特別委員会におきましても地元の委員から質問をされておりまして、それに対しまして総理府のほうにおきましては、一週間以内に指定をしたいというような御答弁を見たのでありますが、八日から一週間、ちょうどいま半ばでありまするが、その指定はどの程度に進んでおるものでございましょうか。また一週間以内には指定をだいじょうぶしていただけますかどうか。この際大事な問題でありますので、本委員会におきましても長官のひとつお答えをいただきたいと存じます。
○国務大臣(森清君) いま吉江さんの御質問にありましたように、激甚地の指定につきましては、確かに去る八日の日に衆議院で開かれました災害対策委員会におきまして、私どもの上村副長官から一週間以内に指定をいたしたいという発言がございました。で、正直一週間以内といいますと、非常に事務的には困難でございますけれども、急拠私どもは集合いたしまして、その発言を実効あらしめるように鋭意努力中でございまして、一週間以内には、必ず御報告ができる段階になると信じております。
○吉江勝保君 ただいま森総務長官からはっきりとお答えをいただきましたので、たぶんきょうのこのお答えは全県下に、また関係のありまする府県に報道されることと存じまして、みなが安堵することと存じますので、ぜひともいまのように一週間以内に指定の実現できまするように重ねてお願いいたします。 第二の問題は、これまたこの前の委員会で大きく取り上げられました今回の災害の個人の災害の救済の問題でありまして、これは私もここで質疑申したときにも、いままで台風災害その他災害は何回となくまいっておりまするそのつど問題になりながら、なかなか実現困難な問題なのでありまして、それにもかかわらず総務長官が先月二十七日、台風の翌々日、山梨県庁をおたずねいただきました際に、知事が今度の災害につきまして、個人災害の救済を特に力強くお願いをいたしたんであります。それに対しまして総務長官から、この前も申しましたように極力その実現に努力をするという力強いお答えをいただきまして、県下の新聞は一斉にこれを報道いたしたんであります。県におきましても被災の市町村におきましても、その実現の期待は非常に大きいものがあるのでございまして、しかし私が思いまするのに、なかなか災害におきまして、公共土木施設でありますとか、その他のものは手厚い救済を受けますが、個人の災害は、なかなかこれが救われないのが従来のあり方でありました。しかしこういうような状態でいつまでもあるべきではないと存じまして、今回、森総務長官の力強い御発言を機会に、ぜひともこの個人災害の救済の道を開きたいと私どもも存じております。しかし、この法律を制定しますのには、やはり相当期間がかかりまして、次の通常国会と申しますと相当おそくなりまするので、それまでの間におきましても、すでに県におきましても町村におきましても、個人救済には極力当たっておりますが、しかし、いま災害救助法できめられましたような救済の程度では、あるいは死者に一万円でありますとか二万円というような程度しか弔慰金もくれないのでありまして、こういうような点につきましては、総務長官の力強いおことばに非常に期待をいたしておりますもので、この際、市町村あるいは県におきまして相当の個人救済をいたしまして、それの後におきましてぜひとも立法をして解決する、あるいは予算の措置を講じまして、あるいは特別交付税等におきましてこれを考慮いたしまして、その自治体の救済いたしました財源措置を講じていただきたいと思うのでありまして、こういうような措置を講じますることによって、あるいは法律の実現も一歩前進していくのではないかと思います。この際総務長官に、一応そういうような措置をとりますることにつきまして、了承をいただきたいと思います。
○国務大臣(森清君) 私が山梨県下並びに静岡県北部地帯を視察をいたしまして、今回の災害の特異性にかんがみまして、どうしても個人災害に外する援助の手を差し伸べねばならぬ、強化しなけりゃならぬと痛切に考えまして、そこで知事さんからの強い要望もありましたので、私はそれに対して何とか努力いたしたいと言ったことも事実でございます。さらに、その考えがいまにおいても変わっておりません。ただ、私のこの発言が非常に論議を巻き起こしておること、そしてまたこのことがなかなか至難であることも、よくわかっておりますが、決して私はそれらのことを知らないで言ったのではございません。私自身といたしましても、十五年間の議員生活におきまして、台風のつど毎年のようにこの問題が反すうされ、毎年のように検討されながらも、それが徹底できなかったうらみというものは、そういう状態は、私よく承知をしてこの発言をしたのであります。したがって、今回総務長官となり、そして災害対策の本部長となってさらにその意欲を燃やしつつ、これが解決に全面的な努力をしよう、こういう姿勢でおるわけでございまして、ただし、これは立法いたしますと、当然皆さん方の御審議を仰がなければならぬことでありますが、そういたしますことが現下のこの災害にあった不幸な皆さん方に対するすみやかなる援助の手とならないこと、これをまことに私歯がゆく思っております次第でございますので、私自身はここではっきり申し上げておきますが、与党の政調会とも相談をし、われわれの立場におきましてもこれが具体化を緊急努力をいたしまして、近い将来において皆さま方の御審議を仰ぐような状態にいたしたいと強く念じておる次第でございますので、したがって、いま吉江さんのお申し越しにつきましては、私がここでそのことを確約したとかあるいは善処するとかいうことに対しましては、いろいろ語弊があることと思います、論議をかもすことと思いますが、私は強い信念をもってこれに臨んでおる、こういうことで御了解いただければ幸いでございます。
○吉江勝保君 ここで確約というような意味でなしに、総務長官が政治家としまして十分に考慮をし善処をしようというそのお気持ちで私はけっこうなんでありまして、地元の知事にしましても町村長にしましても、それを信じておりまするので、十分早急の措置は講じておりまするので、今後におきまして、ぜひともその措置のしりぬぐいと申しましょうか、貧困な地方財政のめんどうをぜひとも手厚く見てやっていただきたいということをお願いいたしておるんであります。これはたぶん後になりますると自治省関係になろうかと思いますので、きょうここに自治省の関係の方がお見えになっておりましたら、自治省におきましても、ひとつ十分配慮するということを御発言いただきたいと思います。
○説明員(横手正君) ただいまの先生のお話でございますけれども、ともかく災害は局地的に起きる場合が多いわけでございまして、その際のいろんな災害対策、応急対策関係を含めまして、各種の経費がかかると思いますので、それらの経費をこの団体が負担いたしますということになりますと、非常に財源が窮迫してまいるのでございますが、したがいまして、従来から公共施設災害の面につきましては、手厚い国の援助措置と申しますか、国庫補助負担制度がとられておるわけでございまして、個人災害関係につきましては、やはり同様のことが今後検討されるのではないかと存じます。したがいまして、そうした場合に国の補助なり負担の制度とにらみ合わせまして、それにかかる地方の負担につきましては、当局といたしましても、十分配慮してまいるよう検討してまいりたいと存じます。以上であります。
○吉江勝保君 先日参議院派遣の調査団が参りまして、親しく調査をしていただきました際にも感じたことでありますが、今度の災害で特にひどく打撃を受けておりまするたとえば根場、西湖にありまする足和田村にいたしましても、またその裏側にありまする芦川村にいたしましても、これは県下におきまして一番僻地しかも、人口も財政力も一番これは貧困な村でありまして、まだ今日村といっておるのでありますが、合併するにもできないような村で、その財政力というものは非常に弱い村なんであります。こういう村が今度の災害を一番きびしくひどく受けておるのでありまして、そういう点を十分に調査検討をしていただきまして、その救済には自治省のほうにおきましても、十分の財源措置をお願いをいたしておきます。 次に、今回の災害が発生いたしましてから後、各方面から今回の災害の原因につきまして、調査をなさっておるのでありまして、これはあるいは国の機関、また県のほうも委嘱をいたしまして、調査をいたしまして、今回のような深刻な災害をなぜ引き起こしたかということにつきまして、非常に熱心な研究、調査が行なわれております。しかし、この調査の結果というものがただ調査しただけではだめなんでありまして、それを必ず生かしていかなければなりませんし、また、日本の島というものは、急峻な山岳がすぐに海に注いでおりまする丘陵をなしておりまして、しかも毎年台風はきまったように襲来をするのであります。こういうような地形のところで年々災害を繰り返しておるのでありまして、こういうような災害を、いまほかの分野が進んでまいっておりまするように、災害防止の面におきましても、もう少しその対策が進むべきではないだろうかと思いまして、それが年々災害を繰り返しますというと、大あわてにあわてまして、いろいろな対策を講じながら、その予防の方面が大きく抜かっておるんじゃないかと思います。災害におうた直後におきましては、熱心に討議をし研究をいたしますが、それが次の台風の一年後までには、実現を少しも進めていないというようなことは、まことに私は政治といたしましても、これは残念なことだと思うのでありまして、年々大きな被害と損失を繰り返しておるのでありまして、こういう面につきまして、災害の基本計画が、昭和三十八年六月に中央防災会議におきまして基本計画が決定を見ておるのでありまして、その計画の国土保全の中には、治山関係のこともうたわれておるのであります。 こういうような基本計画が立てられて、しかもその中には、ほかの災害はしばらくおくとしましても、この治山関係のことが十分ここにうたわれておりまして、このことについて、今日までどの程度のこの計画が実施に移されておるのか、この点につきまして、まず最初に総務長官にお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(森清君) 御指摘のように、災害を未然に防がなければならないということから、中央防災会議というものを設けたわけであります。さらに、もし不幸な事態になりましたときには、災害対策本部というものを設けて、これが処置の万全を期しておるわけでございますが、常日ごろ、中央防災会議におきまして、さまざまな施策が講じられておること、それがすなわち建設省の行政となり、あるいは農林省の行政となって、これらの対策が講じられておるわけでありますが、特に、私は、多少大ぶろしきになるきわみがございますことを反省しつつも、先般の会議におきましては、年々こうして何百億という損害をこうむり、かてて加えて、とうとい人命までなくなす最近の災害にありましては、何とかしてその禍根を断つ方法はないものだろうかと、こういうことから、それらの災害によって受けた被害額が甚大になればなるだけ、われわれとしては台風対策というものを抜本的に考え直す必要があるのじゃないか、特に科学の進歩につれまして、何とかこれを根元から断ち切る方法はないものだろうか、そのために年間百億、二百億、三百億という金を使っても、あえてこれは非常に過小に過ぎるのではないか、そういう考え方から、もちろん、これは広島の原子爆弾の何千倍かのエネルギーを持つものが、そういうふうな科学が進歩したとはいえ、現在の段階においてはそれが完成できるかどうかに対しては、非常な疑問を持つものでありますが、そうした大きな観点に立つ対策と同時に、先般の西湖の災害を見ましても、一部砂防堤ができているところは被害がなくて、それで砂防堤ができていない以外のところに大きな災害があったことからも考えまして、常日ごろ危険地域である付近は、そういう場合には、非常に危険地域であるというところに対しましては、あらかじめ警告を発し、あらかじめそこに地域を指定していくというふうな措置も講じておくようにいたしまして、さらに先般のこの委員会でも橋本建設大臣みずから御答弁したと記憶いたしておりますが、高波等に対しましては防塁を設ける、そういうふうなことも今回を契機といたしましてつくることを決定して、それに直ちに実施に移すように段取りをいたしておるようなわけであります。 なお、中央防災会議からの指令を受けました関係各省に、個々には質問はお願いを申し上げたいと存じます。
○吉江勝保君 この問題は、いまお話になりました点ももちろん大事でありまするが、私はもう少し突っ込んだ点について伺ってみたいと思うのでありまして、この災害防災基本計画の第一節、国土保全の中には、こういうようにうたっておるのであります。「水源地から河口まで水系を一体としてとらえ、治水、利水の調整を図りつつ総合的に事業の計画的推進を図るものとする。なお、一般の造林事業についても、国土保全的機能を重視し、積極的な推進を図るものとする。」、こうしまして、「これら各事業において重点をおく事項は、次のとおりとする。」。その一つに、「山地の崩壊及び土砂の流出を防止するための治山対策」、あるいは(2)には、なだれ防止林の造成であります。(3)には、保安林の整備等があげてあるのであります。ここにあげてありまするものは、もちろん重要なことでありまするが、これをもう少し広く見てみますときに、一体日本の――農林省所管になりまするが、山林の経営と申しましょうか、植林と伐採の関係でありますが、これがはたして、いま申されておりまする山地の崩壊及び土砂の流出を防止する、こういうように言うております。その前に、今度の崩壊や、また土砂の流出しまするそのもとをさぐってみまするというと、やはりその崩壊をしまするところには、相当皆伐をされておりましたり、あるいは造林が行なわれていないというようなのが、大まかに見まして、毎年の災害の原因になっておるのでありまして、個々の地すべりでありますとか、あるいは土砂の流出を防ぐということの前に、なぜもっと林野庁におきましては、造林と伐採の関係につきまして、災害防止の上から十分な施策をなさっておるのかどうかということを聞きたいのであります。きょう林野庁の関係の方が見えましたならば、最近におきまする山林の、国有林におきましても、公有林におきましても、また民有林におきましても、伐採というものが従前に比べましてどの程度に多くなされておるのか、一面また、造林がどれだけ前に比べて広く行なわれておるのか、これを各府県ごとに調査をいたしまして、災害の多く発生しまするような県におきまする伐採計画というようなものが、どういうふうに行なわれておるのか。今度見ましたところにおきましても、国有林の伐採が原因をなしておるのが、そう遠く行かなくても、甲府市の北の山を見ればわかるのであります。七月二十二日のあの集中豪雨の原因は、やはり国有林の伐採というものが大きな原因をなしておるのではないかと思うのであります。そのために甲府一帯浸水をして、被害を受けておるのであります。前に私は河川の橋梁の問題で、これは天災でなくして人災だということをここで申したのでありますが、ああいう面を見ましても、あるいは身延南部の山を見ましても、やはり皆伐をいたしまして、それが今度の豪雨と相まちまして、大きな惨事を起こしておるのであります。最近になりまして、あるいは開発、あるいは国土開発いろいろなことで林野が荒されておりまするこの際におきまして、林野庁は国土保全の立場からいたしまして、いかにもっと強く造林をやっておられるのか、あるいは伐採についてもっと押えられておられるのか、そういう大きな面でひとつ御説明をいただきたいと存じます。
○説明員(手束羔一君) お答え申し上げます。林野庁といたしましては、二千五百万ヘクタールにのぼりまするわが国の林野の広域的な保全という観点からいたしまして、国有林におきまする植伐の均衡、これを極力維持をいたしてまいる、造林の推進につきましては、公共事業費からの補助金も毎年五十数億円程度支出されております。なお農林漁業金融公庫からも長期低利の融資も措置されておるような次第でございまして、民有林の造林の推進につきましての制度としましても、相当手厚いものがあると考えます。国有林におきましては、これは経営計画に伴いまして必ず伐採のあとにつきましては造林を実行いたしております。現在のところ国有林で約八万ヘクタール、民有林におきまして約三十万ヘクタール程度の造林が毎年進められておるような次第でございまして、最近労賃の高騰その他労働の減少等でやや鈍化はいたしておりまするものの、造林面積といたしましては、諸外国等に比べましても、決してひけをとるような数字ではないと考えております。なお、伐採、造林等の均衡につきましては、民有林については森林法に基づきまする森林計画制度というのがございまして、各府県を五つあるいは十ぐらいに分けました森林計画ごとに知事が地域森林計画というのを立てておりまして、これには適正な伐採量、伐期齢あるいは造林量、それから林道の開設、国土の保全利用等に関する計画が五年ごとに設けられておるような次第でございますが、保安林以外の地域につきましては、伐採についての許可、不許可についての強制権はございません。これは不適正と認められるものにつきましては、勧告をいたしまして指導でもって規制をするということになっておりまするが、保安林につきましては群伐とかあるいは抜き切りとかあるいは皆伐とか、それぞれ施業要件を指定をいたしまして、それぞれ施業要件のもとに、この伐採の規制をいたしておるような次第でございます。なお保安林につきましては、昭和二十九年から三十八年まで保安林整備臨時措置法によりまして約四百万ヘクタールの保安林を指定をいたした次第でございますが、なお現状におきましては不十分でございますので、三十九年から四十八年までこの保安林整備臨時措置法を延長いたしまして、約六百六十万ヘクタールの保安林を指定するべく現在この二期の計画を進めておるような次第でございます。一般森林は、生産基盤でもございまするけれども、国土保全上特に施業を規制すべきものにつきましては、十分なる規制を今日もいたしておるような次第でございます。なお、規制をしておってなおかつ非常に山くずれ等によりまして災害を引き起こしやすいというような部分につきましては、これは保安施設事業といたしまして、これは建設省の砂防事業等と密接なる関連を持ちまして、一体となって防災計画のもとに治山事業を進めておるような次第でございます。治山事業につきましては、治水事業とともに閣議決定をいたしておりまして、民有林につきましては千三百億円、国有林につきましては、三百七十億円、千六百七十億円、そのほか予備費等がございまするけれども、現在その計画に対しまする進度は大体三四%程度でございます。 なお、そのような山くずれ等の災害がなぜ未然に防げないか、かような御指摘でございます。われわれも、今回の災害を未然に防止できなかったことは、はなはだ遺憾に存じておる次第でございます。現在保安施設事業の予算の中で大体一〇%程度が予防、治山、地すべり等が含まれますと、予防的なものが約一七%程度でございます。われわれといたしましては、危険な地域について全部先行して工事をいたしたいというような気持ちもございまするけれども、何ぶん災害の起こったところのあと始末等も、これまたゆるがせのできない問題でございまして、極力実施をいたしておるような次第でございまするが、明年におきましては建設省とも十分連携をとりまして、危険地帯の指定とかあるいは先行する予防、治山の予算の増額等につきましても、今後十分努力をいたしたい、そのように考えておるような次第でございます。
○委員長(成瀬幡治君) ちょっとその前に……。森総務長官は十三時三十分から叙勲関係会議に、そちらのほうに出席する予定であり、松山厚生政務次官は新潟県に出張があるから十二時まで、気象庁長官は衆参の運輸委員会があって、ことによったらそちらのほうに出なければならないということもございますので、それらの点をお含み願って御協力願います。
○吉江勝保君 ただいまの話は一般論のような話でございまして、一つ例をとりますと、山梨県で一番人口の多いのは甲府市でありまして、甲府市の九月二十二日のあの水害というものは、もとは要害山から発しているので、あそこの国有林を皆伐されたのが原因じゃないか。いま行ってみますと、二十六号台風のために崩壊個所が何個所あるかわからない。こういうような皆伐の結果が崩壊を今日しておるので、全国的な数字をおあげになる前に、私が申しました、ああいうところの皆伐をもう少し配慮されるほうが、あとになって予算をとって治山事業をやるという前に、もう少し配慮をされるのが必要じゃないかと思うのであります。今日林野庁におきましても、あるいは自治体におきましても、やはり経営の上から一つの特別会計を持ちましたりいたしますと、どうしても無理な皆伐が行なわれていくのでありまして、これは事業を経営する者の立場から、歳入もはからなければならぬということはわかるのでありますが、その結果というものは、被害を受けるのは下流民なのでありまして、あの要害山の国有林の皆伐で、甲府の市民がみな被害を受けているのであります。こういうことを考えますときに、今日の山林経営というものは、一部の人たちだけでやっておっていいものかどうか。やはり被害を受けますものも、ある程度の参与の発言をすべきじゃないか。物価問題にしましても、今日消費者が非常に大きな参与をさせられるようになっておるのでありまして、被害を受けます住民を無視しまして、山林経営を行なわれているのが、今日のありさまじゃなかろうかと思うのでありまして、そういう点にもう少し配慮をされて、伐採されるなら下流の自治体と協議をされる。しかし今日自治体も権限がないので、切ると言われればしかたがない、陳情するよりしかたがない。あの皆伐されたあと残っております国有林の要害山が、さらに峻険なところを最近伐採しようという話が起こっておるのであります。地元の者は非常に不安にかられております。でありますから、全国で何千ヘクタールの造林をしたとかという話の前に、こういう災害の起こっておるところの原因を、具体的にお調べになって、御答弁をいただきたいのであります。
○説明員(手束羔一君) 甲府等におきまして国有林の伐採が、災害の原因になっておるのではないか、かような御指摘でございました。国有林につきましては、国土保全上これを十分留意いたしまして、国有林の経営計画に基づいて経営案を立てまして、それに基づいて施業いたしておるわけでございますが、最近機械の発達その他から、やや伐採面積が増大をいたしておるという傾向がございます。量といたしましては、全体として過伐等の事実はないわけでございますが、さようなこともございまして、下流の住民感情からいたしまして、これはどうも国有林として大きな穴をあけすぎておりはせぬかという、かような見方をされておるのであります。全体の林地の保全等からいたしまして、あまり大きな面積の穴をあけないことがよろしいことは、申すまでもないわけでございまして、その点は十分ひとつ検討いたしまして、保護地帯の残存とか、あるいは伐採面積の分散、かような点につきまして十分検討さしていただきたい、かように存じます。 なお、国有林の施業に関する発言の機会等についてはどうかということでございますが、これは経営計画、ことに国有林経営計画ごとに審議会というものが設けられておりまして、地元の公共団体の長、あるいは民間の農業団体等にも、一応発言の機会は与えられておるわけでございます。
○吉江勝保君 もっと具体的に甲府市の国有林の問題をお尋ねしたいのであります。甲府市のあの皆伐にあたりましてのいきさつ等も申してみたいのでありますが、あまりそれに時間をとるのもどうかと思いますが、私の言いますのは、山林経営をやる者だけで山林の伐採をやったんじゃ住民が迷惑をすると、下流におる住民が非常に被害を受ける。だから、山の経営にしましても、今日においては被害を受けまする住民と一緒にもう少し配慮すべきじゃないだろうか。この点につきまして総務長官に、中央防災会議というものがありまして、私はこういうところでもう少しこの伐採等につきまして、ここに地すべりが起こってからその処置をどうするかとか、山が崩壊するのをどうするかという前に、中央防災会議がもっと日本の山の伐採につきまして発言をしていただく、あるいは消費者代表というような意味で国民代表、市民代表が参加をするような機関を設けて、もう少し伐採を配慮さすのが今日の行政、政治の上に必要じゃないだろうか、先般、私九月の一日から韓国のソウルで行なわれましたAPUの会議に列席しまして、前に韓国に行きましたときに見ましたはげ山が、今日ほとんどうっそうたる緑に化しておるのであります、韓国が。驚いたのであります。あのはげ山であります韓国の林野山林が、緑のしたたるような一帯がもう山に化しておる。日本の山というものが、もう少し林野行政というものが個々に現在やっておる者にまかしてよいかどうかということの根本的な検討が必要じゃないだろうかということを申し上げまして、総務長官の御感想をいただきたいと思います。
○国務大臣(森清君) いま吉江さんの質疑を聞いておりまして、私も全く同感でございます。いままで個々には私は例は知りませんけれども、とかく災害のあるたびに、これは乱伐の結果だとか、あるいはその処置が悪かったとか、いろいろな話を聞いておりますが、ただいまの問題につきましては、全く同感でございますので、当然中央防災会議といたしましては、災害を未然に防ぐ観点から、こうしたことに厳重な注意を払うと同時に、そういう実施の場合には、われわれもまたそうした面に対して発言権が持たれるような形をとって、お互いが国土の保全、あるいは災害を未然に防ぐために努力をいたしたいと思っております。
○吉江勝保君 次に移ります。気象庁の長官がお立ちになるようでありますので、気象庁の長官にお伺いいたします。富士山頂に観測所が設けられておりますが、あの観測所はどういう機能を持っておるものか、二十六号の今回の台風に際しまして、あの観測所が設置されていなかった当時に比べましてどれだけの成果をあげたかということをお尋ねいたします。
○説明員(柴田淑次君) 富士山の観測所でございますが、先生御承知のように、富士山の観測所にはレーダーがございまして、そのレーダーは一昨年完成したレーダーでございます。このレーダーは東京、大阪その他にございまするレーダーと違いまして、レーダーの電波が届く範囲が、六百キロというような非常に広い範囲に電波が届くようになっておりますので、その六百キロの範囲内のレーダーに写る気象現象は、そのレーダーでとらえることができるのでございます。先生、御承知のように、台風が参りますと、台風のまわりに特殊の渦巻き型の雲ができますが、その雲をレーダーでとらえることができるのでありまして、富士山の上のレーダーは、大体鳥島付近に台風が参りますと、まあ南方六百キロぐらいのところでございますが、その富士山のレーダーで台風の雲がとらえられる、すなわち台風そのものがとらえられるということになっておるのでございます。今回の二十六号台風におきましても、ちょうど鳥島付近から二十六号の台風の中心をとらえております。したがいまして、富士山の上にこのレーダーができる前とできたあととでは、台風に対しては非常に違うのでございまして、われわれは富士山のレーダーによりまして、もっと刻々台風の中心の移動を追跡することができるように現在なっておるのでございます。
○吉江勝保君 富士観測所の設置によりまして、相当遠方から台風の襲来に対しまして、その風速なり方向なりをとらえることができる、こういういま御答弁があったのであります。当日、二十五日の午前一時十五分ころでありますが、それに先立ちまする二十四日の午後十一時ごろに出ております山梨県下の台風情報第二号というものを見てみますというと、この台風が富士山の東を通っていく。でありますから、相当風速は強くても、被害は七号台風に比べてはるかに少ないという情報を出しておるのであります。富士山の遠くのほうを見るならともかく、自分の真上を通っております。実際は富士山の西部を通ったのであります。南部地方から富士川を上って足和田にいきまして、三富のほうに抜けておるのであります。富士山からいいますというと、西側を通っておるのであります。その前の情報というものは富士山の東を通り、ちょうど富士山に向かって襲来しております。台風のその向きが東と西と間違えた情報を出している。こういうことで、一体富士山の観測所というものは、はたしてその機能を果たしておるものとお考えになりましょうか。
○説明員(柴田淑次君) 台風がレーダー設置の場所に近く参りますと、なかなかそのレーダーでは台風をつかみにくくなるというのが現状でございまして、台風がそのレーダーのあるところよりも遠いところにある場合に、先生ただいま御指摘のような内容のお話になりますと、結局台風の進路予報ということになってくるわけでございます。この台風の進路予報につきましては、少なくとも二十六号に関する限りでは富士山の東を通った、西を通ったというくらいの差はございましたけれども、総体的におおむね予報の進路とはそう大きな食い違いはなかったようにわれわれは考えております。ただある一地点の東を通るか西を通るかということになりますと、これは台風予報として非常にむずかしい問題でございまして、台風の目そのものが二十キロないし五十キロ、あるいは大きいものになりますと百キロ以上になります。したがいまして台風の中心と申しましても、台風の目というものがそのくらいの直径を持っているものでございますので、そのほんとうの中心というものは、なかなかつかみにくいというようなのが実情でございます。したがいまして、要するに台風の中心が富士山の西を通るか、東を通るかというところまではっきり前もって進路を予報するということは、現在の技術の段階といたしまして非常にむずかしいのが現状でございます。
○吉江勝保君 富士山の観測所ができまして、非常に期待しておりまして、いままでのお話を聞きますというと、富士山に向かって襲来してくる台風でも、足もとの足和田がやられ、富士川べりがやられましても、そちらのほうを通るということが指摘できないというようなことでは、せっかくあの観測所ができまして安心しておりまする近県の者が、どんなに私は失望、落胆するだろうかと、こう思うのであります。さらにこれ以上、この情報につきましては申し上げませんが、いま少し、それがつかみにくいならば、どこにつかみにくいものがあるのか、そういうものをもう少し検討されまして、台風の進路ぐらいははっきり近づいたならば予報ができるようにしていただくのが、いまの国民の気持ちじゃないだろうかと思うのでありまして、もし富士観測所だけでは不十分ならば、さらにもっと違う場所にしかるべき施設を講ぜられまして、災害の進路、風速のもう少し正確な予報が出していただけるように希望を申し上げておきます。 次に、少しこまかい話に入るのでありますが、これはこの前にも申しましたが、小さい川が今度はんらんしておるのでありますが、小さな渓流、こういうところにかかっております、前も申したのでありますが、永久橋というものが実は災害の原因をなしておるのでありまして、たとえば富沢町を見ましても、あそこにかかっております徳間の万竜橋を見ましても、あるいは増穂を見ましても、増穂の渓流にかかっております八丁橋を見ましても、あるいは富沢町にはまだ中皐月橋などがありますが、こういうものが今度の災害を引き起こしております。河川のはんらんは、そこにかかっております橋梁、せっかく地元の要望で永久橋がかかっておるのでありますが、その永久橋のおかげで今度は、たとえば先ほど申しました万竜橋におきますというと、徳間でこの橋梁に流出物がたまりまして、それが橋げたが多いので、それに引っかかって周囲にその水が溢水をしておる。そのために家屋が三戸流失いたしております。死者も出る、あるいは半壊、侵水などは数知れぬ、こういうような災害をかもしておるのでありまして、これは富沢町の一例をあげましたが、山梨県下の渓流地帯におきます橋というものが今度この災害の原因をなし、また甲府市内におきましても、前に申し上げましたように、高倉川のあの橋などが原因をなしておるのであります。建設大臣がおられましたならば、大臣からお答えをいただきたいのでありますが、あるいは農林省と建設省との間に渓流砂防でありますとか、山腹砂防で両方のやり方がちぐはぐになるというようなことにつきましては、今度は人を交互に入れかえまして協調、協力をはかっておるというお話がありましたが、こういうような河川は建設省の河川局が担当しておりまして、道路のほうは道路局が担当しておる。両方とも建設大臣の管轄によりまして、片方は道が通ればそれでよいというので、道路をかけておって、それの河川の洪水が出ましたときのことを、一体河川局のほうは発言をしないのか。一体どんな橋をかけられても河川局のほうは黙っておるのか。同じ省の中におきまして、もうたびたびこのために災害を繰り返しておるのでありますから、もっと河川局のほうでこうでこういうふうなピアの多い橋をかけられては災害時には困るというようなことをもっと強く発言すべきじゃないかと思うのでありまして、農林省と建設省の間の調和をはかります前に、もっと道路局と河川局の間に、こういう橋梁のかけ方につきましては改善をしてもらいたいものだと思いますが、もし大臣がいらっしゃらなかったならば、政務次官からでもお答えをいただきます。
○説明員(澁谷直藏君) 先生が御指摘になりました山梨県の具体的な事例については、私承知いたしておりませんので、河川局長のほうから答弁をいたさせますが、同じ建設大臣のもとで道路行政と河川行政が十分な連絡調整がとれておらないのではないか、こういう御指摘でございますが、当然これは建設大臣のもとで大事な道路、河川をお預かりしておるわけでございますから、でき得る限り、両者の緊密な連絡調整をとりながら行政を進めておるのは当然でございまして、その点で手抜かりはないと考えておりますけれども、何ぶん人間のやることでございますから、十分やっておるというつもりでも、実際にはそこに連絡が不十分な点があるかもしれません。しかも、先生具体的な事例を指摘されておられるわけでございますので、そういう点、今後は一つそう連絡に十分気をつけて、かりにも両者の連絡が不十分なために予想外の災害が発生したというような事態が起きれば、これは非常に大きな責任でございますので、そういう事態がもう起きないように、より一そうの注意をして努力をしてまいりたい、かように考える次第であります。
○説明員(古賀雷四郎君) 御指摘のように、橋梁による災害は非常に多いのでございまして、従来から二十八年九州の災害、あるいはその後に引き続く災害でも橋梁の狭いスパン、あるいは高さの足らないために災害が起きている事例が非常に多うございます。したがいまして、私は三十五年に本省に参りましたのですが、その段階におきまして河川工作物設置基準というのをつくりまして、これによって橋梁とか、せきとか、いろいろな工作物を制限していきたい、幅あるいは高さを制限していきたいということで、道路局あるいは災害査定の問題で、河川局の内部でもいろいろ打ち合わせをいたしまして、大体結論を得ております。したがいまして、一例を申し上げれば、たとえば流量が何トンぐらいの場合にはどのくらいの橋、あるいは特殊なケースで山地にある河川につきましては非常に土砂量も多いわけでございますから、したがいましてスパンを広げる、それからなお非常に狭い橋、狭い川、将来改修を要しても二十メートルとか、そんな川にある橋はワンスパンでかけるといったような一応の基準をつくっておるわけでございます。ただいまそういう線で具体的に工作物の設置あるいはわれわれの付帯工事の実施につきましてはやっておるわけでございます。残念ながら昔からありました橋その他につきましては、地方財政の問題とかいろいろございまして、長い橋をかけると金がたくさんかかるということで、地方財政との調整もつかずに従来からかけておられたというケースもありますし、現在の段階でもなかなか地方財政の観点から話が、協議がまとまらない場面もございますが、できるだけ県の応援を得て、できるだけ市町村橋につきましても行なっております。したがいまして、今後もそういった方向でやっていくつもりでございまして、従来の例に比べると、橋梁による災害というのは非常に減ってきたと私らは考えております。ただ従来の橋が残っているものにつきましては、逐次橋梁整備費あるいはその他のもので整備していかざるを得ないと思いますが、今後そういった面につきましては、さらに一そう設置基準の厳重な実施を要望いたしまして、万遺漏のないようにしたいと考えております。
○吉江勝保君 最近その橋梁の設計が改善されまして、あまり橋脚を設けないような設計に変わりつつあるようにいま聞いたのであります。ぜひともそういうように運んでいただきたいのでありまして、いま二十メーターぐらいの橋には一個ぐらいというお話がありましたが、この富沢町の中皐月橋などを見ますと、鉄筋コンクリートの橋脚が七個もあります。だからまるでダムみたいなもので、流れてきたものはみなそこにたまってしまって、そこの周囲が隘水してしまって死者が出ているのであります。これは全く今日の水害というものは橋梁水害、永久橋の橋脚の設計の間違いによりまして水害が多く起こっておる、私は人災だと言った次第であります。 甲府のもう一つの水害につきまして伺いたいのでありますが、あの甲府盆地に流れております相川にしましても、あるいは濁川にしましても、あるいは藤川にしましても、高倉川にしましても、こういうような甲府の北の山から流れてきまする水は、甲府盆地といいますか、甲府に入りましてからは東のほうに向きを変えて流れるのでありますが、これがもう斜面がございませんので、ほとんど水がたまってしまうのでありまして、しかもそれが笛吹川に注ぎまするまので間には相当の農地もあるのでありますが、この辺一帯がもう冠水するのでありまして、その町歩を申しますと一万二千町歩くらいが冠水してしまう、あるいは浸水をするのであります。その被害を受けます戸数にしますと九万戸からが被害を受けるのでありまして、非常に被害の量から申しますというと大きいのでありまして、こういうような甲府盆地の水害、浸水、あるいは冠水というものを解決するためには、長らくの間あの排水が笛吹川に排水の努力をしてまいっておるのでありますが、今日盆地におきまする排水ポンプは一つ、ああいうものでは、とても排水し切れるものではないのであります。またその用水を長く下流にまで伸ばそうとしておりますが、これでも十分ではないのでありまして、今日雨が降りますというと、甲府の一番の中心地帯は水浸しになってしまう。私は山梨県の政治で一番大きな問題は、この問題の解決ではなかろうか、また国におきましても、災害を防止するためには、こういう地帯の解消をはかりますことが、国政としましても一番重要ではないだろうかと思うのであります。こういう点につきまして、もし河川局に何らかの計画が進められているならば、その方策をお示しをいただきたいと思います。
○説明員(古賀雷四郎君) お答えいたします。 なお先ほどの御説明で二十メーターの場合には橋脚一個というお話がありましたけれども、二十メーターの場合には橋脚なしでつくる、最低の幅が二十メーターであるというぐあいにわれわれ考えておりますので、その点御了解願いたいと思います。 それからただいまの御指摘の点でございますが、富士川は御承知のとおりに、笛吹、釜無両方とも天井河川でございます。特に釜無川に至りましては特に耕地より二メーター以上高いという川でございまして、それが両川合流いたしまして禹ノ瀬の橋脚を通っているという川でございます。この甲府盆地の内水の被害の対策としましては、基本的には河床を下げることが一番大事だろうと私らは考えております。したがいまして禹ノ瀬から上流に至るまで一貫した水利の調査をやっておりまして、もうおおむね結論が出るくらいになっております。たとえば禹ノ瀬を掘さくした場合に釜無、笛吹にどういう影響を与えてくるかという問題がありまして、それらの検討を行なっておる次第でございます。ただ従来からの天井川を急に引き下げるというのは護岸水制その他につきまして非常にあぶない点もございます。大水害のときにこわれるという問題もございますので、その点は慎重に仕事をやっていかなければならないと考えております。しかしながら禹ノ瀬をかりに掘さくしましても、簡単に天井川が解消するとは私らは考えておりません。また計算の結果もそう出ておりません。したがいましてこの甲府盆地の水害を救うためには、どうしても排水路の整備と、場合によったらポンプ排水というものが必要であるというふうに思います。したがいましてそれらのことにつきましても、この禹ノ瀬の調査と相関連してただいまやっているところでございまして、結論が出ましたらば、関係各省とも十分打ち合わせまして具体的な対策をやっていきたいというふうに考えております。特に河川の改修と関連して行なわれるポンプ排水等につきましては建設省で、農業排水路に関連して行なわれるものは農林省でやられますが、その辺十分に打ち合わせをしまして、今後処理していきたいというふうに考えております。
○吉江勝保君 禹ノ瀬の開さく、釜無、笛吹の河床を下げますことは、これは、非常に大きい問題でありますので、十分慎重に検討をいただきますることはもちろんでありますが、相当長い間調査も進められておりますので、やはりこの甲府盆地の浸水を解決する、これも一つの、――これだけではいかぬかもわかりませんが、一つの道ではなかろうかと思いますので、ぜひとも結論といいますか、調査の結果が出ましたならば、相当金額もかかろうかと思いますが、国におきまして、ひとつ着工していただくように希望いたしておきます。 最後にもう一つ、これは参議院派遣の議員各位とともに南巨摩郡を下りまして、南部から富沢に参りましたときに、あの地帯が陸の孤島に化してしまったということを皆が訴えたのであります。それは二十五日の未明にあの台風が襲来しまして、二十五日、二十六日の二日間は通信も途絶え、もちろん五十二号の国道も絶えてしまった。対岸に至ります橋も流れてしまいまして、あの二個村は電信も陸上交通も一切が途絶えまして、非常に治安の上からいいましても不安のうちに置かれたということの訴えがありまして、こういうことを見ますときに、やはり最後には通信関係を確保する、あるいは道路にいたしましても、一方は通れる程度の国道にしてもらいたいものだと、こういうことをこれは住民としても念願するのは無理ではなかろうと思うのでありまして、一行が五十二号線を静岡のほうに入りますと、たんたんたる道路でありまして、山梨県の道路と非常に違っているということを皆が言われるのでありまして、国道五十二号線は計画進行中とは聞いておりますが、ぜひとも早く住民の心配を取り除いていただきたい。なおその対岸には西八代の縦貫道路の計画がありまして、富士身延線もとまってしまう、こういうときには西八代の縦貫道路でもできておったならば、まだ交通ができたんではなかろうかというのが、住民一般の皆の声なんでありまして、どうか国道五十二号線並びに西八代の縦貫道路というようなものにつきましても、道路局のほうにおきまして特に促進をしていただきたいと存じますが、もし何かお答えがいただけましたならばお答えをいただきます。
○説明員(豊田栄一君) お答えいたします。ただいま先生御指摘の五十二号線国道のことでございますが、これは現在の計画では、四十四年の完成をめどにして現在整備を進めているところでございます。いまお話の中にございました、静岡側がよくなったということは、静岡側が、最近非常に進みまして、状況は、むしろ一番悪いところだったところが、最近諸改良を入れまして、舗装ができたために、非常に御印象としてはよくなったやにうかがわれると思います。そういう点でいま残事業につきまして四十四年を目ざしまして私どもは整備を完成いたしたいということで鋭意努力中でございます。御案内のように、ちょうど釜無川の地質的な問題がございまして、相当砂利道区間につきまして非常に荒れている状態かと思いましたが、そういう点の調和をはかりながら整備のほうは進めたい、こう考えておりますので、もう一両年かかると思います。
○吉江勝保君 いま申しましたような国道全部のあるいは、舗装をするというのはおくれましても、崩壊場所というようなところだけでも早く対策を講じまして、南の入り口も崩壊する、北からの通路も遮断されてしまうので、陸の孤島になってしまうということのない程度には工事を進めていただきたい。いかがでしょう。
○説明員(豊田栄一君) 御要望の御趣旨は十分勉強いたしましてこれから善処いたしたいと思います。
○吉江勝保君 これで終わります。
○委員長(成瀬幡治君) 速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(成瀬幡治君) 速記起こして。
○藤原道子君 たいへん時間が制約されまして残念でございますが、吉江委員の御質問等もございましたので、重複を避けてお伺いしたいと思います。 私いつも考えますのは災害が起こってからいろいろ弁明なさるし、対策をお立てになる。ところがそれが時を過ぎればあまりこれが熱心には行なわれていない。こういうことを繰り返しておることは非常に残念でございます。そこでまずお伺いしたいのは、地元等のことは吉江さんがお伺いになったので重複を避けますけれども、大体気象観測ということが中心だと思うのです。それであとからああだこうだと言っても追っつかないわけでございますが、前日の委員会でも気象観測用の飛行機をつくったらどうか、こういうことの御質問がございましたが、その後それについてはどういうふうな方向に進んでおるか。今度の予算の要求等にこれがあらわれているかどうか。それからこれの可能性があるかどうか。これが基本だと思いますので、お伺いしたいと思います。
○説明員(柴田淑次君) 気象庁からお答えいたします。と申しますのは、私の気象庁としてのお答えでございますので、その点御了承願います。台風の飛行機観測ということにつきましては、前から本委員会でもお話が出ていることでございまして、事実台風の位置だとかあるいは構造、あるいは強さなどを決定するには、飛行機観測が現在のところ最も有効なものの一つだと私は考えております。ところで現在御承知のようにアメリカの軍が観測をいたしまして、それを気象庁のほうに通報してくれております。それを日本でやる、こういうようなお話が前から出ているのでございますが、現在アメリカ軍がやっておりますそのやり方を調べてみますと、それと同程度の規模で日本としてこれを実施するということになりますと、まあこれはしろうとの見積もりかもしれませんけれども、大体初年度に百億近くの金が要るということでございます。ところでこういった経費問題が解決いたしましてもなおこれに要する要員が必要でございます。この要員につきましても調べてみましたところ、現在アメリカ軍がこれに対して投入している人員の数は約四百名でございます。これは一切がっさいでございます。整備員も全部入れましての話でございます。ところでこの人員と経費が解決いたしましても、この運用の面におきまして相当考えるべき困難の点があるのでございます。また、技術的にも危険が伴うのでございまして、おわかりのように台風の中は非常に乱流と申しますか、空気の乱れが強いものでございますので、そこに突入するということになりますと危険が伴いますので、各国におきまして――各国と申しましても、現在台風観測をやっておるところはアメリカだけでございます。アメリカでは軍隊以外にはこの台風観測は行なってないというような、現状はそういう現状になっております。したがって、気象庁といたしましても、飛行機を気象庁でみずから持って、その飛行機を気象庁みずから飛ばしまして観測するということは、現在の気象庁としては非常にたいへんな仕事でございまして、維持運営するということは、いまのところ気象庁としては考えておりません。がしかし、国としまして日本がこの飛行機観測を行なうということは、非常に有効であるとわれわれは考えておる次第でございます。
○藤原道子君 それでは気象庁では何にもいまのところは考えていない。しかしアメリカに全部おぶさっていて、せんだってもお話ございましたけれども、アメリカは日本のためにやってくれるというよりも、アメリカ自体で必要だからやっていると思う。ということになると、今後アメリカのアジア対策というようなものが変わった場合には、アメリカが帰っちゃったらあとはどうなるのです。技術面が困難だというならば、この技術面を開発していく努力がなされなきゃならない。それから予算が百億ぐらいかかる、技術の面も困難だし、あるいは運用の面、人員、こういうことに非常に困難があるとおっしゃるけれども、これだけ毎年毎年繰り返す災害に対しまして百億ぐらいの金は何でもないと思う。それよりもいまから技術者を養成して早くこれに備えるという心がまえは必要じゃないかと思いますが、その点いかがでございますか。
○説明員(柴田淑次君) 先生御指摘のとおりでございまして、日本の国として飛行機観測を前向きに進めるということについては、気象庁としては異議はもちろんございません。非常に有効なものですから、それはけっこうだと気象庁は考えております。しかしそれを気象庁みずから飛行機を持ってその観測を進めるという点になりますと、現在の気象庁といたしましては非常に重荷でございまして、全然考えてないということはございません。そういうように関係方面と話し合いをしまして、幾ら予算がかかるか、どういう運営等やっていけばいいのかというようなことは、現在までできる限り調べたつもりでございます。
○藤原道子君 森長官にお伺いします。 この大切な気象観測にこれでよろしいんでしょうか。私は気象庁独自でやれと言ったって、いまの予算で、いまの人員でやれなんということは申しておりません。国全体としてはどういうふうにお考えになっているか。
○国務大臣(森清君) 実は二十四号、二十六号台風の災害がありましたその直後に開かれました参議院のこの委員会におきまして、その問題が問題になりました。その翌日の閣議に私はこれはかりました。委員会で出た御意見も開陳いたしまして、総理にその善処方を要望したのです。そのときの総理のお考えでは、率直に申し上げまして、たとえば定点観測船はすでに自分も約束してあるし、このことはすでに実施に移されたはずだと思った、それがないとは実に困ったことだ、いずれにしても気象観測というものはきわめて重要なことであるから、飛行機の観測にせよ、あるいは定点観測船をつくるにせよ、すみやかに善処しろ、そうして来年度からそれは実施に移せるような方向で検討しろということを、強く担当の運輸大臣に命令しておられました。いまの飛行機の問題にいたしましても、たとえばいまアメリカがその必要のもとに観測をしておる、そのデータをわれわれはもらっておる、こういう状況でありまして、御指摘のように、これはアメリカ軍の関係でいつこれが中止になるかもわかりません。そういうことを考えましたときに、われわれとしてはまことにりつ然たるものがある。そこで、いま気象庁の長官が言われたように、飛行機による観測が気象庁にできない場合には、これは自衛隊を使ってもいいと思う。そういう指示も総理はなさっておられましたので、非常に前向きに可及的すみやかな時期において、われわれは実現方を努力したいと存じております。
○藤原道子君 飛行機のことは、ぜひこれは具体化してほしいと強く要望いたします。 そこで定点観測船の問題であります。定点観測船は私の知れる限りでは「おじか」と「のじま」ですか、この二隻です。ところがこれは海上保安庁の巡視船なんですね。巡視船の中に気象庁の方が十何名か乗り込んでいるわですね、十六名ですか。だから、もしも巡視船の使命が起こった場合には観測をやめて、そして本来の使命につかなければならない、その間の観測はできないわけですね。こういうことで、しかもその船は何といいますか、小さな船でわずかに八百六十一トンですか、こういう船で、しかも便乗して定点観測をしていて、これで十分だとお考えになりますか。私は船をつくる技術では世界一と言われている、高度成長も世界一だと言われている、そういう日本で、しかも台風国の日本であって、巡視船に便乗して定点観測をしておる、こういうことは納得いかないのでございますが、これの対策はどういうふうにお考えですか、これで十分だとお考えでございましょうか。
○説明員(柴田淑次君) 定点観測につきましては、先生御指摘のように「のじま」とそれから「おじか」で現在四国の南方海上での一点をやっております。いずれも海上保安庁の船でございますけれども、これは定点観測船でございまして、その辺に海難が起こったら――たとえば北海道に海難が起こったら北海道へ飛んで行くというようなことはございません。これは定点の観測船ということで、台風期間だけ六カ月ほど出ているのでございまして、もっともそのすぐそばに海難がございました場合には、これは船としての使命からその海難救助には参ります。しかし、元来が定点観測船ということで建造され、気象庁と海上保安庁の共同で運用している船でございますので、大体その期間はある一点に固定して観測をやっておるのでございます。それが現状でございます。 それからもう一つ、これで十分かという御質問であります。何しろ御承知のように日本の周囲の海は非常に広いのでございまして、ただ四国の南方沖に一点だけでは不十分だということは、これは常識的にもそう考えられます。で、気象庁といたしましても、現在のでは十分とは考えておりません。したがいましてあるいは先生御承知かと思いますが、昨年マリアナの海難のあと、やはり海上保安庁と共同いたしまして、海上保安庁の船にレーダーを乗せて台風の観測もできるというようなことをやって、いまその船が建造中でございますし、また来年もできればそういうようにしたいというように考えております。しかし、何ぶんにも気象庁独自の船でやるということも非常に有効でございますので、現在のところ定点観測点としましては、もう一、二点は必要――少なくとも最小限一、二点は必要だと、こう考えておりますので、四十三年度以降におきまして気象庁は建造を計画しておる次第でございます。
○藤原道子君 長官は非常に遠慮していらっしゃると思うのです。森さんにお伺いします。しかもこの使っている船は、おんぼろでとてもひどい船なんです。それからいま本来が気象観測を主にしているから、事故があれば行くことは少ないとおっしゃいましたけれども、私は定点観測船に乗っている人から聞いたんです、そういうことがあって、絶えず気象庁と巡視船の人たちで内紛が起こる。気象庁の人たは気象観測が中心だと言うし、やはり海難事故があれば巡視船はそのほうへ行くというようなことで、乗り組み員同士でもめ事がちょくちょく起こるということを伺っております。 それからもう一つ、船が非常におんぼろでございますために、気球を揚げて、この気球の中にぶらさげているものがあるそうですね、観測機器とかいうもの。ところがこれが二万五千メートルくらいまでのぼるんだそうです。そういう場合に船から、測風計器というのですか、といったようなものを望遠鏡で見るのだそうです。これが船ゆれのために、十分これを観測することが困難だという。しかも陸上の観測器を積んであるものだから、船自体のものでないそうでございます。そういうことで、非常に苦労しているけれども、目で追うには限度があるというのですね。こういうおんぼろの船に機械も充実しないで、それで定点観測でございなんというのは、これはおかしいと思うのです。少なくとも二千トンくらいの船を新しくつくって、これでしっかりやれというのでなければ……。気象庁の予算は幾らですか。――八十三億といたしましても、四兆以上の予算のある日本で、台風のこういうひどい、毎年毎年人を殺しているのですよ。国土を破壊しているのですよ。ところがこういうおんぼろの船で、耐用年数は過ぎているというじゃないですか。耐用年数が過ぎているようなおんぼろで、そして不自由な機械を載せて、それで一体いいのですか。気象庁にばかり苦労をかけないで、政府全体としてどうお考えになるか、私はお伺いしたい。
○国務大臣(森清君) いま藤原先生のおっしゃったような実情は、私は正直言って初めて聞きましたが、なお詳細に調査をいたしまして、緊急措置をしたいと思いますが、先ほども申し上げましたように、先般の閣議におきまして総理からも非常に強く要望があり、指示があり、そしてこれは、船は海上保安庁でございますので、海上保安庁に対しては、そういう的確な指示がすでにいっていると思います。もしそういう事態でございましたら、ともかく総理の御意見といたしましても、定点観測船もりっぱなものをつくれ、こういう指示が出ております。私も全く同感でございます。そうした方向に至急結論が出るようにいたしたいと思います。
○藤原道子君 しかも、観測用のレーダーもないんだそうでして、富士山からのあれが届かない場合がしばしばある、こういうことでございます。それは長官がいま、はっきりおっしゃいましたから、私は固く御信頼しておりますので、国民を裏切らないようにしてほしいと思います。 それから、観測船に乗っている労働者の労働条件でございます。私はいろいろ伺いまして、驚いておるんです。食費などにいたしましても、四十年度は二百四十三円。これが四十一年度になって二百六十一円に上がったそうでございます。ところがそれは、たった十八円ですね。この物価値上げのときに、十八円値上げになった。しかも船に乗っている方は、四食食べる。そうすると、二百六十一円を四回に割るわけです。しかも非常に暑いところでございまして、冷房装置も何もございません。夜むし暑くて、頭が狂いそうな中で働いていらっしゃる。お酒は禁止です。食費はこんな状態です。ときには二十四時間勤務。こういう状態で働いているのですが、こういうことの待遇でよろしいとお考えでございましょうか。ひどいと思うのです。
○説明員(柴田淑次君) 船員のほうは、海上保安庁の職員が乗っております。気象観測員が気象庁から乗っているのでございます。現状は、先生御指摘のように、食費――食卓料、航海日当その他のことであろうと思いますけれども、必ずしも十分ではないということは考えております。 定点観測船に乗りますと、どれくらいの食卓料、航海日当がもらえるかとか何とかいうような詳しいことにつきましては、後日またお話し申し上げたいと思いますが、総体的に見まして、一般官庁船というものの乗り組み員というものに対しましては、定点観測船の乗り組み員は、少なくとも同程度の待遇を受けて、なお危険手当その他がございまして、それに若干プラス・アルファの待遇は受けているということが現状でございます。が、しかし、この現状におきましては、先ほども申しましたように、決して十分ではございません。われわれもこの現状をしょっちゅう分析して、検討しているわけでございまして、その結果、改善すべきところがあれば、極力今後その改善に努めていきたいというように考えている次第でございます。
○藤原道子君 御遠慮なさらないでいいんですよ。人事院の調査によりましても、民間に比べて非常に食費なんか安い、こういうことも私調べております。とにかく命をかけまして、ひどい波にもてあそばれながら、ときには機械が故障して観測が不可能になる、そういうときの苦労、血へどを吐きながら働いていらっしゃる、そういう人に、私は、少なくとも民間の平均、大半は五百円くらいの食費をかけていると伺っている。それが、こちらは二百六十一円で四食も食べなければならない。これで、帰ってくるとげっそりやせる、こういうことを言っていらっしゃる。これは森長官、気象庁長官は遠慮していらっしゃるんですよ。もっとしっかり政府として考えていただきたい。 それと同時に、この船には六十八名からの人が乗っているんですね。それでお医者さんがいないのです。盲腸になった。どこか連れていかなければならない。あるいはまたひどい病気になって、医者がいないで、看護長というのですか、そういう人がみずから腹を切ったというような例もある。暑熱の中で、不快指数は平均して八十一くらい、それで医者が乗っていない。それからインターンをなるべく乗せるようにしているそうでございますけれども、これは、政府としては医療法違反ですね。インターンが責任を持って手術しなければならないような船に乗り込む。こういうことは私は許せないと思うし、そのインターンすら乗っていないということなんですが、こういうことは何だか人命軽視のような気がするのですが、それでよろしいのでしょうか。ところが、医者が乗らない原因が、一日千三百円の日当だというのです。一日千三百円というと、このごろちょっと田植えの手間賃たって千八百円ぐらいする、早乙女さんの日当が。お医者さんが千三百円で乗るはずないじゃございませんか。こういう対策にしても、気象観測に対しての政府の熱意が足りないと思うのですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(森清君) いま藤原先生おっしゃったように、二百六十一円で四食というと六十五円、これは確かに過小の食費である。私はたまたま給与担当の国務大臣でございますので、給与担当というと、公務員給与につきましては問題がたくさんございまして、その中でも、こうした問題は初耳でございますけれども、あわせて検討いたしたいと思います。 それと同時にいまの「のじま」、「おじか」両観測船に医者が乗ってないということ、これもあわせて十分検討いたしまして、これはおざなりでなく、前向きで何とかりっぱな結論が出るように、私はその立場からその努力をいたしたいと思います。
○藤原道子君 私は、総理が気象観測についてもう十分手当てしているとおっしゃった、すぐやれと言われたということを信用します。私は現実に働いていらっしゃる人が、ほんとうにどういう状態にあるか。しかも船だっておんぼろでひどいそうです。行って見てください、一度。そうして真剣な対策をしてくださらなければ、台風対策だの災害対策だの口先で幾ら言ったって、私は効果はあがらないと思う。その基本になる気象観測に万全を期していただきたい。強く要望いたします。と同時に、私若干お伺いいたしたいのでございますが、御案内のように、この間私も災害の視察に参りました。で、梅ヶ島その他の災害は吉江さんがおっしゃったことにほぼ同じでございますから、それは省略いたしますが、いま現在、危険な場所、宅地造成、建設許可などについて危険な場所に対しては、どういう指導をなされておられるか。いま政府として危険な場所と調査されている個所がどのくらいおありになるか、これをちょっと伺いたいと思います。
○説明員(古賀雷四郎君) ただいまの御質問の危険な場所でございますけれども、これはがけくずれは別としまして、山津波が起こりそうな危険な渓流でございますね。そういったものが約一万五千カ所ぐらい一応想定されます。それは地質とかあるいは地形とかいろいろな点を考慮して考えたものでございます。したがいまして、今回のこれらにつきましても、いままで対策を講じておるところもありますし、講じてないところもございますが、今回の災害にかんがみまして、急遽そういう地点のうちで特に危険な個所をひとつ調査してみようということで、ただいま予備費をお願いしている次第でございます。 それから、こういった危険な個所につきましては、できるだけ全部対策ができるとも限りませんので、警戒体制をどうするかという問題がございます。どうしても人命は非常に貴重でございますので、危険の対策のできないところ、あるいはできてもそういう警戒体制は常時とっておかなくちゃいかぬということで、われわれ通牒を各府県の土木部長に出しました。その内容は、そういう地形、地質的に見まして非常にあぶない地点につきまして早急に調査をいたしまして、そういう危険個所につきましては、たとえば従来、今回の災害にありますとおりに非常に雨の影響が多いわけです。したがいまして、雨をどう把握するかということが、非常に大事だろうと思います。今回の足和田でも一時間百ミリ以上の雨が降ったと申します。そういう従来の経験からかんがみまして、どのくらいの雨が降ったら危険になるか、こういう地質の場合にはどのくらいの雨になったら危険になるかという、時間的な集中豪雨の量等も一応われわれのほうで検討いたしまして、その雨になったらもう若干あとで手戻りになる、あるいは逃げなくてもよかったということになってもやむを得ない。そういう場合には逃げていただくというような指導をやっていきたいというふうに考えております。 それから、なお災害の危険地帯の問題でございますが、これにつきましては、従来から、四号台風等におきましても、宅地造成の規制の行なわれているところは比較的災害も少なかったわけでございますが、従来、たとえばがけの下にある家とか、あるいは従来渓流の真正面にある個所等につきましてはいろいろ調査が進められていなかったわけでございまして、この点につきましても十分調査しまして、今後の対策を講じていきたいというふうに考えております。特にそういった危険な個所は、ある程度調査ができましたら、来年度の予防砂防というような事業、あるいは林野庁でやられている予防事業につきまして、十分力を尽くしていきたいというふうに考えております。
○藤原道子君 私は災害が起きてからではおそいので、この調査を早急に進めていただきたい。いままでないのがおかしいのですから。そうして最近起こるのは、中小河川とか渓流に多いのですね。もし調査ができていたら、梅ヶ島のあの被害は防げたと思うのです。こういうことも真剣におやりいただきたいと思うのです。 そこで静岡県は、御案内のように非常に長い海岸線ですね。ところが、その海岸線の対策が五つの省庁に分かれておるのですね。防潮堤ですか、そういう対策が、建設省、運輸省、水産庁、それから農地局ですか、林野庁、この五つでやっておる。ですから、この地図を見ましてもばらばらなんですね。こういうことを何とか一本にして、そして統一した対策を立てるということが必要じゃないかと思うのです。今度行ってみましても、鈴川海岸から吉原、それからずっと蒲原に至るまで、あるいは沼津まで防潮堤ができている。あるところは十五メーター、あるところは十三メーター。鈴川で高波が乗り越えたのは十三メーターのところ。十二メーターを乗り越えて何メートルくらいありますか、そこへ松林がある。それを乗り越して民家を流している。二キロあるそうですが、あの防潮堤、昔からあった旧の防潮堤ですね。そこを、二キロあるところを乗り越して、さらに家をつぶしておるわけです。もし十五メーターのところがくずれていないということになると、各省がばらばらにやっておるということはおかしいと思う。それからもう一つ、テトラポットというんですか、こんなタコの足みたいなもの、あれを防潮堤の外へずっと置いておるところはほとんどこわれていない。びくともしていない。ところが、それの置いていないところがねらい撃ちになったように堤防が破壊されている。そうしてそれを越してこちらの民家の被害を起こしている。ですからこれらをやはり、予算はかかるかもわかりませんけれども、今度の体験からいきましても、テトラポットというものをずっとこう置いて、波の勢いをそぐわけでしょう。そういう対策が絶対に必要だと思うのですけれども、そういう点はいかがでしょう。要するに私が言いたいのは、時間が急ぎますので省略いたしますけれども、とにかく五つの省庁に分かれているこの工事を一本にして責任ある対策をしてほしい。 それから今度見た経験からいきまして、底が洗われ、上がくずれ、こういうことを見てきまして、この対策が全海岸線、危険にある海岸線には必要ではないか。 それからもう一つ、こうなりますと、非常にばく大な経費がかかる。静岡県知事も申しておりましたけれども、この長い海岸線がこうたびたびやられる、しかも基礎的にやるには、どうしても県段階では困難だ、ぜひ国が国の直営工事としてぜひともこの人命を危うくせしめないような対策をとってほしい。結局十五メーターなら十五メーター、あるいは十六メーターなら十六メーターに統一して、そしてテトラポットを使って、そして一つの省が責任をもってやってほしい、こういう要望が強うございましたが、われわれ視察いたしました者ももう全く同意見でございました。基本的な態度、これを私はこの際強くお伺いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(森清君) 統一してやれということは、これは私のほうの問題でございますのでお答え申し上げたいと思います。その他はひとつ専門のほうから。実は私も全く藤原先生と同感でごさいまして、今回も、災害か赴きてから災害対策本部の会議を開くたんびに、このことは強調してきたのでございまして、多少ともセクショナリズムで争って、それぞれがなわ張り争いをするようなことでは、結果的に非常にまずい結果を生む。そこで、私はその点を特に強調しながら今日まで事後対策について努力をしてきたつもりでありますが、深く突っ込んで見ますと、昔のようにそうしたわれわれがよく口にしておりました役人のなわ張り争いということは、ほとんど最近はなくなっております。そうして、ただまあ漁港の設備だとか港湾の設備だとか、おのずから運輸省とか農林省とかいうふうに違ってきておりますが、要は、これが協調しながらりっぱな施設ができ上がればいいのでありまして、私はその調停役のようなつもりで、今日これからも努力をしていくつもりでございまして、御心配になるようなことは結果的にこれからは起きてこないと思います。これだけをひとつ申し上げまして、あとは建設省その他から御説明いたします。
○説明員(古賀雷四郎君) 御承知のように海岸の行政につきましては、四省に分かれております。これらの四省に分かれておる事業につきましては、各省連絡協議会がございまして、その中で、計画あるいは事業の施行その他につきまして随時打ち合わせております。したがいまして、現在のところ、計画のそごというものは、各海岸につきまして統一したものでやっておりますので、ありませんのですが、何ぶんにも海岸法が施行されまして非常に時期が浅いので、海岸事業が非常におくれております。したがいまして、いろいろ御指摘のような問題もあろうかと思いますが、そういう点がないように十分心がけているつもりでございます。 それから海岸線に据えられました堤防の強化につきましてでございますが、この点につきましては、海岸線についた砂浜の状態とかいろいろなことによりまして、緊急なところにはテトラポットを置いておるわけでございますが、特にこの駿河湾は浸食の海岸でございます。御承知かと思いますけれども、だんだん砂浜が減っているような海岸でございます。したがいまして、そういった個所にはテトラポットは置いてあるところもありますし、まだ浸食が十分進んでいないところは置いてないところがあるかと思いますが、砂というのは大きな波が来ますと、非常に一ぺんでとられる場合が多々ありまして、まあ若干そういう点につきまして判断が甘かったといえば甘かったと思いますが、できるだけテトラポットを据えまして、もちろん高波の起こるところにつきましては、海岸堤防がこわれないような措置をしていきたいというふうに考えております。 それから、これらの事業にはばく大な経費を要しますが、国の直営工事でやれというようなことでございます。現在県の工事と国の工事で駿河湾沿岸はやっております。特に去年海岸法の一部改正をしていただきまして、特定海岸という海岸が設けられまして、国が三分の二負担する海岸ができまして、したがいまして、そこにおける補助事業すべてにつきまして、海岸につきましては三分の二の負担率が適用されているわけでございます。従来の二分の一という海岸が三分の二に変更されまして、地方財政のためには、非常にやりやすくなったと私らは思っております。したがいまして、必要があれば直営工事でやることもできるかと思いますが、特定海岸の採択の基準もございますので、その辺十分検討してまいりまして、今後御趣旨に浴うような努力をいたしたいというふうに考えております。
○藤原道子君 森長官に強くお願いいたします。それは、海岸の状況によって、一律にテトラポットを置けとは言わない。けれども、今度行って見ますとね、それの置いてあるところはくずれてないのです。同じ海岸線でね、置いてないところがくずれている。惨たんたるものですよ。ということになれば、その点は十分研究していただきたい。ことに鈴川海岸であの砂がずっとたまっちゃって、これを取ったほうがいい、取らないほうがいい、これはずいぶんもめているようでございますけれども、あれは砂があったほうが波を穏やかにするということが初めからわかっていたなら、初めからそういう工事をすればいい。あとになってごまかすようなことで、地元はごまかされているというふうにとるわけでございます。そういう疑惑を与えないように、もっと慎重な対策をとってほしい。 それから森さんは、いま、大体このごろはなわ張り根性がなくなったとおっしゃるけれども、まだまだそうでないですよ。とてもひどいものです。もっと、おじょうずごとでなしに、ぜひその点は徹底してお考えを願いたいと思います。 それから直営工事でなくても三分の二は負担することになっているとおっしゃいますけれども、毎年のように被害を受けて、地方財政はたいへんなんですよ。駿河湾というものは一つの表玄関でございますから、そういうところが毎年破壊されることは困ります。それから海水浴場なんて、ほとんどこのごろできないのですよ。防潮堤ができたりなんかして海水浴場はできなくなった。さらに高波の危険があるということでは困りますから、少々これは予算を食うかもしれませんが、必ず直轄工事で不安のないようにしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(森清君) いま藤原先生がおっしゃったこと、すべて誠意をもって、おざなりでなくて善処していきたいと考えます。
○藤原道子君 海水浴なんというものは、プールを海岸につくって海水プールというものがちょいちょいできていますが、そういうふうにして若人の健康管理はできる。そういうこともあわせお考え願いたいと思います。 そこで最後に、これは小さな問題でございますが、女といたしまして特にお願いしたいと思うのですが、これは緊急住宅を被災者のために建てております。ところがそれ六坪なんですよ。六坪では五人家族、六人家族では、重なって寝なければならぬ。こんなむだなことをなさらないで、地元ではせめて第二種住宅、低所得層のための第二種住宅ぐらいのものを緊急住宅として建ててほしい、せっかくの親心がこれではあまりありがたくないというふうな声もあるのでございますが、これに対してひとつ基本的に御相談いただきまして、そういう方向へひとつお考えが願いたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(森清君) 緊急住宅は、まあ狭いということと同時に、予算に縛られているものですから、実は静岡県でも一部で、そのために予算のワクからはみ出るからといって、一部に電灯がない、あるいは畳がない。これで予算が一ぱい出ているということがあったそうであります。そこで私どもの緊急災害対策本部におきましては、これがそういうことで、いわゆる幾ら災害があったからといって、畳のない家で電灯のないようなところに住まわせるということは、人道上許せないことだということから、もしいまわれわれが急速に予算をふやそうと思ってもそれは及びませんので、今回の場合は、電灯がつき畳を入れて、その上でなお足りないところは別途考えようじゃないかというふうな考え方に切りかえておりまして、確かに先生がおっしゃるような事態をあちらこちらでわれわれ聞いておりますので、このことも災害にあって非常に困難を感じ非常な不幸な目にあっておられる方々がそういう扱いを受けるということ、これはやはり真剣な問題として考えなければならぬということで、いま緊急にわれわれもそのことを善処するように立案中でございます。しばらくお待ちください。
○藤原道子君 私は自分自身が狩野川台風で屋根までつかって、罹災者の気持ちほんとうにわかるのです。ですからその点はほんとうにあたたかい考慮のもとに個人災害にもあたたかい手を伸べてほしいということを心からお願いしておきたいと思います。 それから厚生省に伺いたいんですが、もう御質問があったかどうか聞き漏らしたんですけれども、今度山梨のほうで移住したいと言っていますね。そこが国立公園の指定地になっているというんですけれども、これに対して厚生省はどういうふうに考えていますか。
○説明員(今村譲君) 国立公園局長来ておりませんので私から申し上げたいと思いますが、これはまだ地元なり県なりから、意思がはっきりいたしてこっちへきておるという段階ではございませんで、いま議論されている段階だと聞いております。それで、もしそれがどうしても立地条件上国立公園――青木ヶ原という非常にいいところがある、あの辺だということになりますならば、これは普通のホテルを建てるとかレジャーセンターをつくるとかいう問題ではございませんので、いろいろ手続としましては、いま厚生省に国立公園審議会というのがありまして、そこで今回の場合、開墾をやり、道路もつくり、家もつくりということをやることになると思いますので、そこの審議会にはかるとは思いますが、出てくればこういう特殊事情でございますので、それ相当の判断を早く出されるのじゃないか、こういうふうに思います。
○藤原道子君 森長官、これもあわせてひとつ希望をかなえてください。終わります。
○委員長(成瀬幡治君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(成瀬幡治君) 速記をつけて。
○鈴木強君 前回、私は大ざっぱな質問をしておきましたが、その後さらに参議院から派遣をされて、山梨、静岡両県の視察をしてまいりました。その結果に基づき、当面緊急を要する問題でございますので、これらの問題等二、三の基本問題について関係者に質問をしたいと思います。 まず、非常に今回の場合には、もうすでに御質問がありましたように山間地帯における被害が多うございます。しかも被害額も大体山梨ですと八割程度は個人災害、こういうふうな非常に個人にとりましてはどうしていいかわからないというような、いま大きな気持ちがあると思うんです。ですから一日も早く国の力あるいは県の力によって復元してもらいたい、そういう率直な気持ちがあったと思います。そこで、先ほど長官から最初に御説明があったと思いますが、今回の二十四号ないし二十六号の災害被害額ですね、これは大ざっぱに七百三十億というふうに理解されますが、この中には一番問題になります住宅関係、個人災害ですね、こういうものは入っておらないのでございますね、これを見ますと。したがってこれはどの程度でございますか、各県の個人災害住宅関係の被害額は幾らになりますか。
○国務大臣(森清君) まことに遺憾なことでございますけれども、全壊とか半壊とかいうような数字が金額ではまだ出ておらない段階でございます。
○鈴木強君 これは各県の報告がどういうふうになっておるかわかりませんが、たとえば私ここに福島県、山梨県、静岡県というふうに持っておりますが、それには全壊のが幾らで被害額幾ら、こういうふうに全部出ておりますね。ですからいまあとから質問しようと思うんですが、個人災害をどう救っていくか、こういう問題の一番重要な資料になるんじゃないでしょうか。ですから私はこの資料があえて空欄になっておりますことを非常に残念に思います。もちろんこれは現在の法律のたてまえ上、救済の対象にならないということだと思いますが、特に事が事であるだけに、ここが一つブランクになっていることは少し不親切ですよ。早急にこれは額――もしきてないところはどことどこの県はきておらぬ。どこの県はきておって、きておるところは幾らで、きてないところはどうという程度の、もっと敏捷な被害額の実態把握というものをやってもらう必要があるんじゃないですか。ですから、なんか口の中では個人災害について非常に熱心に省もおっしゃっておるし、あなたも腹の中ではそう思っているかもしれぬが、実際にやっている事務的なものを拝見すると抜けているのですね。もう少し親切にできないものでしょうか。相当な人材を擁してそれぞれのお役所はやっているわけでしょう、ちょっとおかしいじゃないですか。
○国務大臣(森清君) まさに御指摘のとおりだと思います。私も甲府におきまして、個人災害に対してはどうしてもこれは援護の手を差し伸べなければいけないと言っておりまして、以来、これは責任をもって解決すべく努力中でございまして、特にその方法といたしましては、大蔵省それから総理府、さらに厚生省、建設省等が中心になりまして、これが可及的すみやかに成案を得るように、そうしてそれを皆さん方に御審議願うように努力中でございまして、いまの住宅に対する災害は、これは言いわけではございませんけれども、私もすみやかな復元を願っておるのでありますから、何せ激甚災害等のいわゆる法律に定められたところの結果をすみやかに、せめて今週中に出さなけりゃならぬというので、係員が一同不眠不休でやっておる最中でございますので、この点はお許し願いたいと思います。可及的すみやかに調査をいたしたいと思います。
○鈴木強君 ですから、私は無理を言ってないのです。いま現在どことどこの県はそういうものについて報告があります、どこの県は来ておりませんので、来てないところはすみやかにやります、こういうふうにお答えができるようにしていただきたかったわけです。まあこれは長官の、さっそく調査するということですから、後ほどでもいいですから、これはすみやかに国会に対して報告をしていただきたいと思います。 そこで問題は、公共土木なり農業関係の資産問題にしても、被害額がつかめてそれに対して査定をするわけですね。この査定をどうかして早くやってもらいたい。被害額がはっきりつかめませんから、どうしてもおそくなると思いますから、それを早く確定して直ちに査定に入り、直ちに金を流してやるということにならないといけないと思いますが、一体公共土木施設なり農業関係の資産等については、農林省なり建設省は、査定はいつからやれるような見通しになっているのですか。
○説明員(古賀雷四郎君) 建設関係の査定につきまして報告いたします。直轄関係の査定につきましては十月五日から十月二十二日までで全部完了いたします。これはそれぞれ北陸、中部、関東、近畿、東北、九州、四国地建と、大きくわたっておるものですから、最初は十月五日で、最終が十月二十二日でございます。それから補助事業につきましては、これは県の準備が整うということが非常に大事でございまして、県の準備の都合を聞いて、ただいま打ち合わしている日程を申し上げます。特に大きいところについて申し上げます。福島県は十月二十四日から十一月九日まで、それから山梨県につきましては十月二十二日から十一月一日までと、十二月八日から十二月二十三日まで、そのようなところが大きなところでございます。 なお、緊急の応急復旧を要する問題につきましては、それぞれ打ち合わして実施しておりますから、その点は緊急工事につきましては、差しつかえないようにしてありますことを申し添えておきます。
○説明員(小川泰恵君) 農地及び農業用水の災害査定につきましては、県において査定設計書ができるに従いまして、十月二十四日以降これにかかる予定でございます。大体十二月の中旬までには全部完了する予定になっております。 それから、先ほど河川局長からもお話ございましたように、農地につきましても、緊急部については、すでに着工されております。
○説明員(手束羔一君) 緊急部につきましては、すでに着工いたしております。なお荒廃地等のはなはだしい分につきましては、十月中旬までにできるだけ査定を終わりたい。なお施設災害その他につきましても、できるだけ十月中と考えておりますが、山梨県等は相当膨大でございますので、一部につきましては、やはり十一月までかかるのではなかろうかと、現在かように考えております。
○鈴木強君 ひとつそれぞれベストを尽くしてやっていただいておることは感謝いたしますが、さっき申し上げたようなことでありますから、できるだけひとつ県を督励してやっていただきたいと思うんです。それでこの際、山梨とかは特に山間僻地の災害が多うございまして、農業関係なんかについて、専門家が県庁の場合でも人手が少ないようですね。農林省に対して技術者の派遣の要請をしたそうですが、その点は援助をしていただいておりますか。
○説明員(小川泰恵君) すでに災害のひどかった県からは、災害の査定設計書をつくるために人員を応援してくれという要請がございまして、それに対してただいま手配中でございます。間もなく全国の各県で人手の余っているところから派遣できる見込みでございます。
○委員長(成瀬幡治君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(成瀬幡治君) 速記を起こして。
○鈴木強君 いま大体査定の問題についてお伺いしたのでありますが、特に農業関係の被害が非常に多いですね。ですから被害農家に対する天災融資法の適用はすみやかにやる必要があると思うのですが、これは一体どうなりますでしょうか、見通しは。激甚災害については一週間以内にやる、こういう普通交付税に対しては繰り上げ支給をしていただくとして、これは非常に感謝しておりますが、特別交付税は一体どうなりますか、これの見通し。それから今度の災害、あるいはいままでの災害を通して、政府は予備費でまかなえるとこうおっしゃっておる。したがって、いま現在予備費はどの程度あって、どの程度使っているのか、災害に対してどの程度に回せるのか、こういう点をひとつ伺いたいと思うのです。 それから、さっき個人災害について、長官は非常に決意を強くいままで言われておったのですが、ちょっとふらついてきた。これはおそらく総理が多少むずかしいことを言ったとかいうふうな、ちょっと記事も私たち拝見しているんですが、個人としてはそう言われましたね。私個人としては十五年間の議会歴にかんがみて、-しかし個人としてでなくて、私たちとしては災害対策の本部長として、また森総理府長官として当面の政府の責任者としての御発言として承ってきたわけです。ところが、きょうは個人の意見ということになりますと、ちょっとこれは受けとめられないのですね。ですから、政府として個人災害についてほんとうにその必要性を感じて、次の国会に改正案を出すというような趣旨のこの前は答弁が出たのですが、少しそれから見ると後退しているので、もう一回あなたの御所信を聞いておきたいのです。 それから、さっきの気象の問題ですが、どうも私も火をつけた者の一人としてずっと聞いておりましたけれども、納得できない。それは気象庁長官も、少し藤原さん言っているように、腰が弱いと感じました。もちろん、防衛庁、海上保安庁ですね、それぞれの御協力を得てやらなければならぬでしょう。問題になったのは、いま長官は一、二カ所海上の定点観測を必要とする個所がある。しかし、いろいろ考えてみても、四十三年以降でないとそれができない、こう言うのでしょう。そうすると、ことしはこれからまだ来るでしょうが、来年ですね、一体台風襲来に備えての観測陣というのは、たいへんな欠陥があることがわれわれわかったのですね。いままでもわかっておったのだが。そうなると、吉江さんが言っているように、東通るか、西通るか、その程度の誤差というものは、これは洋上ではやむを得ぬ、そういう答弁でした、端的に言えば。それも、しかしあの警報第二報というのは山梨県の人たちにとってみれば、東を通るか西を通るかではたいへんな違いでしょう。やはりそういうような狂いが根本的にはどこにあるかというと、六百キロ離れた洋上の目を富士山の頂上のレーダーがとらえることができる、たいへんいいと思っていた。ところが、だんだん近寄ってくるとやりにくくなる、船は逃げ出してしまうということからして、その進路がたいへん誤るじゃないか、こういうことになってくる。そこでその進路を確定するための洋上の定点観測ということになって、飛行機を買うということになると、荷が重くて気象庁では自信がない、こういうことになってくる。荷が重いならば、気象庁として、政府としてどうするかということをちゃんとしないと、来年の台風が非常に心配になってくる。せっかく総理も、そういうものをつくれという指示をなさって、私も非常に感謝しておりました。ですから、来年の予算には、少なくとも残された二カ所ぐらいの洋上の船によるところの定点観測をすみやかにつくってもらって、最低限そこに配置をする、こういうような点はひとつ約束をしてくれませんかね。 あとはいろいろありますけれども、またあとで……。
○国務大臣(森清君) 問題は五つだったと思いますが、まず農家の災害に対する天災融資法でございますが、これは来月早々にもいたしたいと考えております。それから、予備費はいま五百二千億くらいのものがございます。そこで、今度の災害に対してどのくらいのものが出るかということを、ちょっと後ほど大蔵省のほうから御説明申し上げたいと思います。 個人災害、これは私は総務長官としての立場でいままで申し上げてきたのでありまして、したがって不退転の決意を持って、これだけは何とかしなければならぬという決意で現在おるわけであります。決して個人の立場で申し上げているのではございません。いろいろ問題があることも、わかっております。いろいろ反対論のあることも承知でございますが、どうしてもこれだけは私はこれから起こるであろうところの災害に対しましても、今回の災害に対しましても、こうした災害に見舞われた不幸な方々を助ける道は、これ以外にないとまでに極論しながら、私はこれに取り組んでおるわけであります。補足なりますけれども、与党の政調会におきましても、この問題は真剣に取り上げて、何とか通常国会までには出すようにお互い成案を出そうじゃないかというふうなところまでいっておるわけであります。 それから、最後の気象庁の関係した観測船もしくは観測飛行機の問題でございますが、これは先ほども御答弁申し上げましたように、総理みずからがきわめて前向きでありまして、何とかして可及的すみやかにこれをやらなければならぬということから、特に総理としてはだいぶ前のこの委員会におきまして、自分はこれを約束しているのだ、したがってこれは絶対に必要なことであるからやるのだというふうな強い意見も言っておられますので、何とかして一刻も早くこれが実現するように、私も災害対策本部長として努力をいたしたいと思っております。ただ、すべての指令が、総理からの指令が運輸大臣のところにいきまして、運輸大臣のところからさらに私のところにいろいろ相談があるという形になって、今日まで一週間なり二週間過ぎておりますから、いまも隣りにすわった気象庁の長官に対して私は、具体的な案をすみやかにまとめたらどうか、こういうふうに言っておったところでございます。まあ、何とかしてこれだけは、予防に万全を期する意味におきまして、定点観測船はもちろんのこと、飛行機の問題にいたしましても、防衛庁がこれを管理して、それに気象庁がこれを使ってやるというふうな方向で万全を期していきたいと考えております。 それから特別交付税――ちょっと事務当局に報告させます。
○説明員(横手正君) 特別交付税の交付時期の関係でございますが、これは大体法律によりまして二月ということになっておりますので、例年どおり二月に配分ということになります。これは一年間の各種の災害その他個々の団体の特殊の事情をその際調査いたしまして、地方団体の財政事情等も勘案して配分する、こういうことになっております。災害につきましては、これまでの間の資金繰りの関係がございまして、従来普通交付税の繰り上げ交付ということが行なわれております。今回も従来のように普通交付税の繰り上げ交付を行ないましたわけでありまして、特別交付税との関連はいままでどおり二月には出す、こういうことになるわけであります。
○鈴木強君 それは従来の例でしょうし、事務当局の答弁としては私はけっこうです。しかし、なかなか地方財政の非常に困難なおりですから、せっかく特交として予算を計上されているわですから、そういうものを被害の多かった県には、何とか配慮して早く流してやるというのが筋じゃないですか。これはひとつ長官のほうでも十分に、閣議決定でも、また大蔵省とも御検討いただいて、できるだけ早く特交を、内払いでもけっこうですから具体的にふやしてもらうとか、そういう措置をとっていただきたいと思いますが、どうですか。
○国務大臣(森清君) 災害を受けた方々のお気の毒な立場を考えたときに、私は政治というものは、かゆいところに手の届く懇切丁寧なことでなければならぬとこういうふうに考えておりますので、できる限りそういう方向に持っていきたいと努力いたしております。
○説明員(柴田淑次君) 鈴木先生の先ほどの御指摘の、来年の場合が心配だということにつきまして、ちょっと補足的に申し上げたいと思います。来年は本年と同じように四国沖に一つ定点観測船が出ることはこれは間違いがございません。それから先生方御承知のように、本年気象庁の観測船の「凌風丸」というのが完成いたしまして、これは千五百トンですが、これに気象レーダーが積んであります。これは八月からもう活躍しております。したがいまして、来年の台風期には私のほうの船の「凌風丸」が台風観測に活躍するであろうというように期待しております。それからもう一つ、マリアナの海難に関係いたしまして、先ほども申しましたように、海上保安庁の二千トン級の巡視船に気象レーダーを積み込んで、これを南方の台風の監視に当てるという話になりまして、すでにその船を目下建造中でございます。来年の台風期の前半のほうには間に合わないかもしれませんが、できるだけ早く台風期に間に合わせて、少なくとも台風期の中途からでもこれを活躍させたいというように、われわれのほうでは考えております。来年のことに関係いたしましては、本年度よりも来年度のほうが、その点は台風観測につきまして充実するというように考えておる次第でございます。
○鈴木強君 長官、大蔵省はおらぬのですか。実はいま、予備費の残が五百二十億ということでしょうか、それで……。
○国務大臣(森清君) 先ほど五百二十億と申し上げましたが、ちょっと時点が前でございますので、もう少し減っております。
○鈴木強君 これは非常に大事なところでして、臨時国会の召集あるいは個人災害の問題もあるので、われわれは召集を早くしてくれとこの前も申し上げたんですが、したがって五百二十億、一応あなたの言われた数字からして、今次災害の対策はこれによって完全にできる、こういう明快な答弁であるのかどうか。その数字が狂っておりますからあとで予算的にちょっと問題があるということになっても困りますので、この点をはっきり確認しておきたいのですが、予備費で絶対だいじょうぶだ、こういうふうに政府は判断して、臨時国会の予算措置はしなくてよろしい、こういうふうに言っておるのかどうか、その点ひとつ……。
○国務大臣(森清君) いま鈴木さんのおっしゃったとおり、われわれ関係者集まりまして、とにかく臨時国会開かなくても、これだけ予備費があれば何とかまかなえるだろうという結論のもとに、臨時国会を開かないということになっておるわけでございます。
○鈴木強君 じゃ、その五百二十億について、ちょっと長官自信がないようですから、現実にいま残っておる額は、予備費のうち幾らか、それをもう一回ひとつ、あとでいいですからこの委員会で答弁してください。正確な答弁をしてください。
○国務大臣(森清君) ちょっと時点が、先ほども前にさかのぼると申し上げましたが、現在の正確な数字は私自身つかんでおりません。たとえばきょうの閣議でも、二、三支出がございました。あとで大蔵省に聞いて明瞭に御返事したいと思います。
○鈴木強君 じゃ、僕は長官のは一応これで終わります。
○委員長(成瀬幡治君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(成瀬幡治君) 速記を始めて。 ―――――――――――――
○委員長(成瀬幡治君) この際、派遣委員の報告を聴取いたします。
○吉田忠三郎君 北海道の冷害調査について御報告申し上げます。 十月二日から同月七日まで六日間、田村委員、片山委員と私が、北海道における異常低温による被害状況の実情を調査してまいりましたので、その概要を御報告申し上げます。 まず本年の北海道における農作物に対する気象の特徴であります。第一に、春耕期の融雪遅延と低温で、胆振、根釧、渡島以外の地方は多雪低温等により、融雪が平年より五日ないし十日程度おくれております。第二に、五月半ば以降六月中旬までの間、各地方とも降雨が少なく、乾燥状態となり、発芽等の初期生育がおくれております。第三に、六月二十九日には台風四号の影響により道東地方の一部に大雨があり、斜里郡、網走郡等の地域において水害、雨害等が生じております。第四に、六月末から八月中旬までの間、七月二十日前後の七日間程度を除き、低温に経過し、特に七月上旬前半と、七月下旬後半から八月上旬前半にかけて強い低温に見舞われ、八月十一、十二日に大雨があり、さらに八月十七日以降二十日まで集中豪雨があり、石狩、空知、後志、檜山、渡島、胆振、日高等に水害が発生して、夏期は低温、湿潤、日照不足と悪条件が重なっております。第五に、九月の早霜であり、月当初より朝晩の冷え込みが強まり、早霜傾向となって一部の地域には、九月十五日以降霜注意報が発せられております。私たちは十月五日夜中湧別に宿泊をいたしましたが、その晩九時外気の気温は一度に下がり、六日早朝には最低気温零下五度、同日視察しました名寄地方では零下七度を記録していると聞き、冷害が決定的になったとの感を一そう深めたのであります。 調査は、畑作の中心地である十勝地方の帯広市の南にある中札内村より始めました。この地方の融雪は平年四月中旬でありますが、異常降雪のため、本年は五月七日ごろより解け出しました。これがため、地下水が上がり、融雪水害となり、根菜類で二十五日、豆類で十五日播種がおくれ、このおくれを取り戻すことができず、現在十日ないし、十五日のおくれがあり、今後の霜により作況も大きく変化するものと考えられます。同村の九月二十六日現在の農作物収穫予想は、総合計で平年作の六〇・四%で、低いものでは小麦、小豆の三三%、トウモロコシ四八・三%、大豆五〇・八%、作付面積の一番大きい菜豆は五六・三%であります。九〇%以上にはてん菜、牧草、燕麦、野菜、バレイショがありますが、寒地に強いバレイショが湿潤のため、三十九年より悪く九〇・六%、デントコーン八%のできであります。この村は、三十九年の制度資金導入現在高約五億四千万円のうち、本年度償還額は金利を含めて約七千七百万円、また本年度の経営、生活費、その他償還金を合わせますと約六億三千万円、合計約七億一千万円が必要となります。これに対して本年の農業収入約六億二千万円で、平年より約三億四千万円の減収が見込まれますので、本年度の制度資金の償還は不可能と考えられます。また、天災資金、自創資金の農業法人に対する融資限度ワクは、個人融資が五十万円の場合、この村には十九戸の法人があり、法人なるがゆえ恩恵が薄いのでありまして、連年災等の場合の償還延期、長期低利資金、資金融資限度ワクの拡大を望んでおりましたが、このことは被災地全般を通じての強い要望でありました。 次に、南に隣接する更別村であります。この村は、中札内村より融雪水害が長引き、しかも集団赤痢が発生し、播種がさらにおくれたため、作況は一段と悪いのであります。農作物収入は平年約九億でありますが、本年は四億円の減収が見込まれております。今後は酪農業と根菜類に力を入れていく方針であるので融資を望んでいるのでございます。 次に、帯広市の東にあります池田町利別農協管内の国道沿いの水稲を見ましたが、寒冷地に強い中性種のシオカリ、フクユキ等、稲穂が突っ立って不稔粒でほとんど実入りがない状態でありましたが、これでも何分作という分作には入りますよと、地元の人が苦笑しておられました。 次に、十勝支庁管内の右北上に位置します陸別町であります。ここは古くから木材の町として知られ、多くの製材工場が見られました。町では雑木林の跡地にカラマツを植林すると、二十五年後には百万円になるので、若い人に夢をと、成人の日に「成人の森」をつくる等、植林も盛んであります。酪農も盛んでありますが、その方針は、草に余力ができなければ増頭しないという堅実な歩みを続けております。作況は、てん菜、亜麻、ハッカの工芸作物類が八九%、牧草、デントコーン等、飼料作物が七九%で、バレイショ七〇%、豆類三九%と悪く、総体として六〇%前後と予想されます。 なお、町では自衛隊の発煙機による防霜を九月十五日より二千四百ヘクタールに行ない、これによる受益農家百十戸、耕地面積九百三十ヘクタールであります。その効果は大豆、アズキ、菜豆、デントコーンの本年度推定生産額三千六百万円、この防霜を実施しなかった場合の推定生産額三千四百万円で、防霜効果推定二百万円と好結果を示しております。 次に、網走支庁管内のオホーツク海に臨むサロマ湖北端の湧別町における無水地帯の水田転換畑作農業を調査いたしました。湧別町四号東五線の小野宇次郎さん宅は、男二人、女四人の計六人で、稼働力は男二人、女一人の三人であります。篤農家といわれる小野さんは、昭和九年よりこの地に住み、水田を廃耕するまでの経営面積は、昭和十九年水田四ヘクタール、畑〇・五ヘクタール、乳牛一頭。昭和三十五年水田三ヘクタール、畑四ヘクタール、乳牛五頭。昭和三十九年水田二ヘクタール、畑六ヘクタール、乳牛四頭でありました。現在水田はなく、作況はてん菜一・一ヘクタールの七三%、家畜ビート〇・二ヘクタールの五〇%、牧草七ヘクタールで五〇%のできであり、乳牛は八頭が搾乳、八頭を育成中で、平年搾乳量は三十石でありますが、本年は二十七石の予想で、飼料不足量は草千個、稲わら一軍(五トン)でありまして、牧草畑に朱色の暗渠排水用の土管が積んであるのが目に残る感がいたしたのであります。 次に、水田転換畑作に隣接する水稲であります。町の平年生産額は二千四百万円、本年の作況は一五%で三百六十万円の見込み額といわれるが、青米、砕米であろうと推定される。バレイショも悪く、作況四八%で冷湿潤の状態を物語り、総平均作況五五%であります。また、この地域一円は無水地帯であり、一帯の農家では水田に利用する水を飲用水としておるのでありまして、私どもの見ました水田の用水路にはアシ、ガマの穂が生えて水が流れておらず、湿地であります。農家は平均十ヘクタール以上の耕地を持ち、点在しており、飲用水については想像以上に悪条件が重なっております。 次に、紋別市街に入ります手前で、草地開発等を行なっております道庁の試験場に寄り、この地帯一円の土壌の状況を見ました。黒い表土が十五センチあり、以深は酸性重粘土であり、心土破砕事業等土地基盤整備の必要性を示し、その深耕度により排水が違い、牧草の生育が極端に違っております。ここより少し離れた農地でバレイショを見ましたが、イモ付きも悪く、かつ小粒でありまして、半作以下でありましょう。 次に、北海道の米どころといわれる上川地方であります。名寄市朝日で水稲を見ました。品種はシオカリでありますが、水口に当たる水田は穂が立ち、これに隣接する水田は一穂の中に若干の稔実粒がまじっておりました。名寄市の南にある士別市で同じく水稲を見ましたが、ここでも不稔粒が多く、士別市における被災率は水稲四〇%、畑作四四%になっております。十勝、網走、上川での水稲で言えることは、小地域でも凹凸があり、同一品種でも目に見えない技術差が出ております。よく生長ているものほど不稔であり、細く小型のものが実入りが多いようでありました。 以上、現地の実態について述べてまいりましたが、私どもは日程の都合上、国道沿いに調査しておりまして、奥地はより激甚な被災状況にあるものと想像されるのであります。北海道は、本年八月十七日から二十一日までの集中豪雨で死者十五名、被害総額約百七十億円の被害を受け、いままた冒頭に述べましたような異常気象により三年連続の冷害が決定し、道庁が鋭意被害数値をとりまとめ中でありました。被害総額は新聞等によりますと、四百億円前後といわれておりまして、前述のように、現地の実態は予想以上まことに深刻悲惨なものがあるのに驚かされました。各地で天災融資法、激甚法の適用、あるいはより寒地に適する品種ができるのではないかなどから、農業試験場等の設置または気象観測所の新設等いろいろな陳情を受けてまいりましたが、十分に検討し、善処すべきであります。 最後に、現地調査をして感じた主要な点を申し上げますと、一つは三十九年の冷害対策をもととして生活困窮者等に対する救農土木工事等は積雪を前にし、いますぐにも始めるべきであります。 次に、借金を返済できない者は冷害ごとに借金が増し、利息に追われておるのでありまして、固定化負債整理の制度化をすべき時期に至っておるの感が深いのであります。 次に、融雪水害の中札内、更別に見られた火山灰地、無水、湿地帯の中湧別、上川地方に見られる酸性重粘度地帯等、土地基盤の整備ができていない面が見受けられるのでありまして、整備計画を樹立し、北海道農業開発のため、国営土地改良事業等を強力に行なう必要があります。 次に、酪農業、てん菜等の根菜類に力を注ぐべきであって、適地適作の行政指導が徹底しない感が深いのであります。北限の米やアズキなどの投機的作物がつくられているのは、単につくる農家が悪いと言えないのでありまして、これにかわるべき価格の安定した、または収入の大きな作物がないからで、寒地作物に対する価格安定策が必要であります。また畑作物に対する共済制度は一日も早く実施されなければなりません。 なお、道庁においては前に申し述べましたように、札幌で私どもが陳情を受けたとき、鋭意取りまとめ中でありましたので、ここでは省略させていただきますが、後日あらためて道庁から各委員の皆さんには関係の資料が届けられるものと存じます。 以上、簡単でありますが、派遣委員を代表して報告を終わります。
○委員長(成瀬幡治君) 御苦労さんでした。 ―――――――――――――
○委員長(成瀬幡治君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、和田鶴一君が辞任され、その補欠として土屋義彦君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(成瀬幡治君) 引き続き台風の災害と北海道の冷害をあわせて質疑を行ないます。
○高山恒雄君 森長官、時間がないようですから簡単に御質問申し上げますが、なおまた鈴木委員なり藤原委員のほうから御質問がありました点について、私はダブることを避けて聞きたい、こういうふうに思います。 第一番に、私も現地視察をいたしたのでありますが、今度の災害が非常に部分的には小さいようでありますけれども、至るところに起こっておるというこの事実はいなめない事実だと思うのです。さらにまた被害のわりに非常な尊い人命を多く失っておる、むろん御承知のように室戸台風あるいはまた伊勢湾台風とかありますけれども、この被害等は比較にならないほど大きい被害でございましたが、人命は今度ぐらい多く出した被害は私はないのではないかと思います。この被害自体が、御承知のように深夜であったという点が私はその災害を大にしたかと考える点もあるのであります。先ほどからの質問の中で、気象庁長官のお話承りますと、まだ確実な情報を流すという段階には設備上からいっても無理な点があるような御説明がございましたが、なおまた質問者の立場からも、現地民は大体東にそれるのではないか、それにもかかわらず西になった、こういう事実もきょう明らかになったとおりであります。そこで私は現地のほうの警察署長なり、あるいはまた自衛隊のほうの御報告を承ったのでありますが、これまた不幸中の幸いといいますか、自衛隊がたまたま演習をやっておった、それで大動員ができたという、これは不幸中の幸いの救済の一つであった、こういうふうに考えるわけであります。警察署長のほうの御報告を聞いても、深夜の対策としては万遺憾なきを期したのではないかという御報告もわれわれ受けたわけです。そこで現在の気象庁の情報から考えてみて、いかにこういう災害に対する事前対策というものが中央として欠けておるのではないか、こういうふうに私は考えるのであります。今度の対策に対して、事後対策においては本部長としてのいろいろな対策をお立てになりますが、事前には中央としては何をやったか、どういうことをやられたか、たとえば例を申し上げますならば、甲府の自治体に対して、災害に対しては貴庁としてはどういう対策が行なわれておるかという一つの確認でもされているのか、私はそういう対策はおそらくなかったのではないか、地方自治体まかせ、あるいは現地民まかせ、あるいは警察等の警戒だけの私は処置ではなかったかと思います。事前の一つの姿勢と申しますか、そういうものに非常に日本は欠けておるのではないかという感がするのでありますが、今度の台風に対する中央における処置としてはどういうことがなされておったのか、やられたのであるならば、その報告をお願いしたい、こういうふうに考えます。
○国務大臣(森清君) たまたま私は公務出張中でございましたから、災害の寸前にはおりませんでしたが、ただし帰りましてから、さっそく関係各省に聞いてみましたところ、そしてまた委員会でも何べんか御答弁申し上げましたように、気象庁としても十分な配慮をして、そして出先等に対しては台風の来ることを警報しておるような実情でありまして、たまたまここに気象庁の長官もおられますから、長官からもお話をいただきたいと思います。
○説明員(柴田淑次君) 事前の台風に対する警戒体制という点でございます。気象庁としましては、東京のほうでは総指揮みたいなことをやっておりまして、山梨県は甲府に甲府気象台がございますので、その甲府の地方気象台には本庁のほうから、東京の気象庁のほうから再三その情報を気象専用線をもちまして流しております。それからそういった部内のものにつきましては、ひんぱんに現地とは連絡をとっておる、これは普通の台風のときの状況も同じでございます。 それからまた気象庁外のほうに対しましては、たとえば東京におきましては、中央防災会議に対しましてひんぱんに電話の連絡、あるいは事前の防災会議が開かれますときは、その防災会議に行って刻々の台風の状況と今後の見通しをお話申し上げております。また中央防災会議以外のところ、たとえば二十四日の午前十一時に建設省主催の各省連絡会というものが開かれておりまして、そのときにも気象庁から参りまして、台風の状況を説明しております。 なお注意報だとか警報だとかいうものが発表されましたときには、気象業務法規によりまして、地方であれば県知事さん、それからNHK、それからもう一つ……。
○高山恒雄君 大体でいいですよ。
○説明員(柴田淑次君) 重要なところがもう一つございますが、そこには必ず情報を電話連絡で流しております。なお地方にはそれぞれ防災関係の機関がございます。団体もございます。そういうところにも同時にそういう注意報、警報は電話で流しております。なお県とかそういう重要なところには地方気象台からわざわざ県のほうに出向きましたり、あるいは向こうさまからおいでになりましたり、十分その外部との連絡はとることにしております。
○吉江勝保君 高山さんちょっと。いまのことに関連してさしてください。 ただいま甲府の気象台とは十分連絡をとっておられると、こうおっしゃるのですが、これは想像も入るのですけれども、当時は二十四号が相当接近しておりまして、二十六号のほうは実際を言うと少し力を抜いておられたのではないか、もう少し緊密な連絡が甲府の気象台ととられておったら、先ほど私が言いましたような富士山の東のほうを通るであろうというような情報を甲府の気象台が出すはずはないと思うのです。あの富士山の真下のほうを向いたら見える根場とか西湖というのは富士山の下にあるのです。その上を通ってこの被害を起こしているのですね。台風はその富士山の東を通って行くだろうという情報を出しているのは、中央気象庁の連絡が少しまばらであったのではないかと思うのです。先ほどもそこまで言いたかったのですが、少し遠慮しながら御質問しておったのですが……。
○説明員(柴田淑次君) 東京の気象庁と甲府地方気象台との問の連絡でございますが、これは台風二十六号に関する台風指示報というのがわれわれ部内でありまして、情勢の変化、あるいは必要なときにはすぐに指示報として甲府の気象台にその情報を流しておるのでございます。その流した時間につきましてもちゃんと記録はございますので、それを見てみましても、大体必要なときには甲府の気象台のほうへ必要な情報が流れているようでございます。しかしそれにもかかわらず、先生がおっしゃいましたように、富士山の西とか東とかいうことについて初めの予想とは違った進路を台風が通ったというこの点につきましては、これは先ほどもちょっと申し上げましたように……。
○吉江勝保君 そこはいいですよ。
○説明員(柴田淑次君) そういうことでございます。
○吉江勝保君 二十四日の午後の十一時に出しておる台風情報が富士山の東を通るであろう、被害は大したことはないだろうという情報を出しておる。それが西を通ったために非常な、すごい惨事をかもし出しているのです。そうすると、中央気象台では、十一時の甲府の測候所で出す情報の前に、何時何分にどういう情報を出されておったのか、それがしっかり連絡がとれておれば、甲府の気象台がああいう情報を出すことはなかったのじゃないか、こう思うのです。だから東を通るというので、あの辺一帯の連中は安心して寝ていたとも言えると思うのです。
○委員長(成瀬幡治君) 簡単に、ひとつ要領よく答弁してください。
○説明員(柴田淑次君) その点につきましては、何時何分にどういうような情報を甲府気象台が流したかということにつきましては、ずっと手元に記録がございますので、あとでお届けしたいと思います。
○高山恒雄君 この問題は、非常に私は中央として検討していただく必要があるということで御質問申し上げているのです。先ほど先生からもおっしゃるように、そのつもりでみなやすんでおったわけですね。そこにやってきたということですから、これは重大な問題だと私は思うのです。そこで対策委員会というものは、台風があった事後処理の対策委員会でなくて、日本は、例年くる台風に対しては、中央としてはどういう措置をとってこれに充てて、しかも最小限にこれをとどめていくかという対策が私はないと思うのです。いま現在ないのです。これを私は設置すべきじゃないかと思うのです。例年九月の十日あるいは二十日前後を中心とする日本の災害というものは、もう例年くるわけですから、そういう予報があった場合には、これは事重大だと思ったときには、やはり中央に設置して、そうして深夜でもいい、完全なる整備をやるということにしなければいかない事態にきておる。と申しますのは、御承知のように、視察をして参りました足和田村ですが、青年はいないと言っております。消防隊員の人は、みな四十、五十の人です。青年はほとんど外に働きに出て、いないと言うのです。今日の消防と言えども、地方消防は非常にもう年輩者に変わってしまって、第一線でほんとうにやろうというようなその姿勢は、おそらくむずかしいのじゃないか、こういうように私たちは考えるわけです。それに何らの準備もなしに、しかも中央の観測がそういう異なった、つまり違った情報であった。そこでみなやすんでおった。そこに沢に対する大きな流れが一斉にきたというところに大きな犠牲者が私は出たと思うのです。これは、したがって起きた災害の対策でなくて、事前対策というものを私は中央にもつくるべきだ、そうしてその地域に対するあらゆる指示をして、準備万端を整えて、最小限にこの災害を防いでいく。しかも尊い人命には事前の退避処置もありましょうし、いろいろなそういう方法をとるべきだと思いますが、長官はそれに対してどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(森清君) この間もこの委員会だったと思いますが、委員会に、隣にすわっておる橋本建設大臣から発言がありまして、たまたま私たちこういう災害に対しては中央防災会議というものを持っておるわけであります。それの発動によって災害対策の諸施策がなされるわけでございます。私はこういう災害時におきましては、気象庁の発表する警報、気象状況等を耳にして、これは非常に本土に接近して、しかも本土に上陸して非常に危険な状態であるというときには、すみやかにその気象状況によって集合をして、そして気象状況を見ながら万般の施策を講じていく、こういう周到な用意があってしかるべきだ。これは橋本建設大臣の発意ではございましたけれども、私もその方法が今日とられる一番最良の方法ではなかろうか、こういう気がいたしまして、この間も台風状況がありましたときに私は待機して、すぐにでも関係者全員の招集ができるような体制をとっておったわけであります。そういう配慮をして万全を期していきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 森総務長官から私に関することが出ましたので、具体的にひとつ御説明申し上げておきたいと思います。実はいまお話があったように、中央には中央防災会議、総理大臣が会長ですが、そういう会があります。そこで実はこの八月になりましてから、いわゆる台風期を迎えましてから、もちろんこれは災害が起これば直ちに閣議決定をして、事後の処理は対策本部でやる方針は従来ともに変わっておりません。やっておるわけであります。しかし私は閣議で発言をいたしまして、一つはこれは新潟の災害及びその後これは六月でしたか、並びに北海道の災害等にかんがみて、八月になりますれば台風期に入りますからして、事前に十分なる連絡があれば、ある程度災害を、最小限度とは言えないかもしれませんが、ある程度これを防ぐことができやしないかということで閣議で提案をいたしまして、ことしから初めて中央防災会議の中に閣議決定によって災害連絡協議会というものを設置したのです。私がその会長ですが、まあ効果はなかったといえば効果はなかったかもしれませんが、私が会長で、そこで台風が発生したという気象庁の報告を受ければ、直ちに各関係官庁から局長または担当の高級事務官が集まりまして、そこでこの台風はどういう状況で進んでくるか、またそれがどの方面にくるかという点を前もって気象庁と連絡をとってこれを知って、そこで関係方面に、たとえば九州方面にくるという場合には、九州方面の国の出先機関並びに各県庁に、今度の台風はそちらにくる模様である、したがって事前にひとつ十分な準備をせられたい、こういう連絡をしてまいったのであります。ところが、今度の二十六号台風につきましては、もちろん台風がまいりまする前々日からその会議を招集してやってまいったのでありまするが、従来から、気象台からも話がありましたように、当初の観測よりはまあ台風のスピードがちょっと早かったことと、一つはそれが早くなって夜中になった。また事前にもそういう対策をとって各県庁に通知はいたしておりましたけれども、なかなかやはり自然の力のほうがわれわれの準備よりなお上回っておったということも一つでありましょうが、そういうことでこの連絡協議会をつくりまして、自衛隊の幹部諸君もその連絡会議のメンバーとして、そして事前に自衛隊で、いろいろな制約があろうけれども、事前行動としてある少数の部隊が常に待機の体制をとってもらいたいという非常的な措置まで講じて、できるだけ未然に災害を最小限度に食いとめようという意欲だけは持ってやってまいったわけでありますけれども、今度の二十六号台風にはまんまとしてやられた、こういう結果になりましたが、今後ともなおこういう方針は堅持して、高山さんがおっしゃるように、私は人力を持ってしても、十分なる注意を払えば百の災害はあるいは半分で済むのではなかろうか、あるいはなくて済むのではなかろうかという信念で、そうした事前の連絡協議会というものを設置して従来ともにやってまっておるわけでございますが、今回このような災害が起きたことはまことに残念である、かように考えております。
○高山恒雄君 その点は非常に建設的な御回答がございましたので、私も非常に当を得た処置だと思いますが、先ほど申しますように、地方自治体におけるあらゆる対策というものは、深夜であろうと昼間であろうと、これはやっぱり不眠不休の防衛処置をとるということが大事だと思うのです。その点が今回はぬかっておったのではないか、そこで三百何十名という尊い人命を失った。こういうふうに私は考えるわけです。今後ともなおそれを強化してやってもらうことを希望意見として申し上げておきます。 私は前の災害のときにも申し上げたのですが、今度の災害というのは決してこの関東地区だけではございません。東北もそのとおりでありますが、また九州においてもそういう災害が起こっております。そこで日本全体を眺めたときに、毎年災害に集中的にやられる地域と全然災害を受けていない地域があるわけですね。これはもう長年の歴史の中から見ましても、たとえば四国で申しますならば、香川県は昨年、一昨年ありましたけれども、これはわずかな災害でございます。あるいは徳島、高知はもっとひどかったですね。同じ四国の中でも香川県は比較的少ない。また、関西、中国方面にきましても、岡山県というのは比較的少ない。ところが九州等においては例年のごとく災害を受ける。あるいは北海道のこの数年間の冷害もその一つでございますが、そういう冷害を受ける地域と受けない地域、たとえば特別指定をされた河川工事等においては三分の二の政府の補助とは言っておられますけれども、毎年受ける地域の災害に対する処理というものは地方自治体がたいへんだと私は思うのです。このことは前回もこの問題について私は強く主張いたしたのでありますが、十分今後建設省としても、対策委員としても考慮をしたい、こういう大臣の回答を受けております。しかしお話を聞きますと、今度の九州の宮崎の北川、西都等における災害は激甚にも該当しないというような取り扱いでは、軽視されたお話だと思っておりますが、こういう点は私はその地域の自治体の実情、あるいはまた災害が非常に毎年来て、先ほどおっしゃったような静岡沿岸等におけるところの各省におけるばかい合いのような形の建設が行なわれておりますが、この間も私は現地を見てきました。これは私はいままでにも決算委員会でも問題にしたことがありますが、ほんとうの十分なる工事ができておるかどうかというような点については、至るところの省でやっておる沿岸工事というものが不備な点がないとは決して言えません。今度見てきたところでもかなりあります。そういう点が、しろうとが見てそうでありますから、これはもっと統一ある沿岸工事をやる、災害の多いところに対しては特別な処置をとって、たとえば激甚に法的に、金額的にそれが該当しないというけれども、県の例年の実績を見て、これは激甚にする必要があるというようなこと、そこが私は政治だと思う。これが今日までとられていないということについては非常に遺憾と思うのですが、今後この点を考慮して、私は宮崎県も激甚に相当するものとして取り扱ってもらいたい、そうすべきである、国としてそうやるべきであるという考え方を持っておりますが、長官なり、これは建設大臣でもいいですが、ぜひこの点をお聞かせ願いたい。
○国務大臣(森清君) 九州の災害でございますが、これはいま高山さんから激甚災害の指定は受けないというふうに決定したような御意見がございましたが……。
○高山恒雄君 何かそういうふうに聞きましたから………。
○国務大臣(森清君) いや、まだそんなことはございません。いま鋭意努力中でございますが、まだ結論は出ておりません。これはやはり私どもといたしましては慎重に検討中でありまして、まだ結論が出ておりません。
○高山恒雄君 私、質問を終わります。
○吉田忠三郎君 長官にちょっと二つ、三つ伺っておきます。 先ほど来、私が北海道の今次冷害の調査の結果を御報告したのは御承知だと思います。冷害についての全般的な問題は二十九日の本委員会で私はかなり長い時間申し上げていますので、この際ダブって申し上げませんですけれども、被害の総額は今度の新聞紙上でごらんになったと思いますけれども、冷害だけで四百二十四億程度の被害を受けておるわけであります。これはもう申し上げるまでもなく、三十九年の五百七十億に次ぐ大冷害であると言っても私は差しつかえないと思います。それだけに三年連続の冷害ですから、受けた農民の人々の打撃、それからその面から波及的に影響を及ぼす北海道の経済の影響等々深刻なものがございます。したがいまして、この際長官に私が善処していただきたいのは、一般的に八月、九月に本州と同じように集中豪雨の災害があって、金額として北海道は百七十億であります。膨大なものであります。他府県の三十五億か四十億じゃないんですね、百七十億であります。加えて今度の四百億をこえる被害総額というのは、ただ単に、いまの激甚法あるいは天災融資法の基準は金額によってきめるものではない仕組みになっておりますけれども、これはもう御案内のように、こういう全体の大きな金額になるとたいへんな問題が生じてくる、こう思うんです。そこでこの際、八月の集中豪雨の災害についても先刻私は触れました。ただ単に天災融資法だけじゃなくて、激甚地の指定をしてくれぬかという要望をいたしておきましたが、当時森長官は善処しましょうということの答弁をいただいたように私は記憶しておりますが、ただいままでに先般の各二十四号、二十六号に関係いたしまして全国的な災害について質疑がございましたが、これら等々あわせて私は激甚地の災害の指定の措置を講じてもらいたいというのが一つであります。同時にこの冷害については、これまた三十九年同様激甚地災害の指定を当然私は講じなくちゃならないんじゃないか、こう思っておりますので、この点をひとつまとめて答えていただきたいことが一つ。 それからあと、これに関連いたします法律の運用等々につきましては、三十九年にこれは不幸なことでありますけれども、経験済みでありまして、それぞれ法の適用を受けております。ですから、それと同等の今回措置をとらなければならないのではないか、こう考えております。具体的に、たとえば救農土木事業等々につきましては、先ほどのお話にもございますとおりに、北海道は特殊な地域でございますから、もうそろそろ雪がまいります。こうなりますれば、せっかくの土木救農事業も実施不可能になりますので、こういう問題についてはすみやかに実施するようにそれぞれの関係省庁が手配をしていただきたい。これは要望になります。このやり方は生活困窮に対する保護の政策の一面を持っております。もう一面は、この救農土木事業は従前私から再三主張してまいりましたけれども、ただ一面の生活保護的なものに力点を置きますと、翌年の再生産と結びつかない。ですから、この際はできるだけ客土であるとか、農道あるいは林道等々の事業の費目をそうした来年の再生産に結びつくような方向で救農土木事業を起こしてまいりますならば、一石二鳥の私は値打ちのある施策になるのじゃないか、こう思っておりますので、こういう点もあわせてやっていただきたいことを強く私は申し上げておきたいというふうに思います。 なお、これは三年間連続冷害を受けておりますので、この間もちょっと私は触れておきましたけれども、恒久的なやっぱり対策というのは何としても必要なわけであります。そこで第一の問題はやはり土地改良事業の問題があります。寒地の農業の振興の対策の一環として。ですから、この土地改良事業等におきましても、従前のようなやり方ではなく、長官御承知のように、幸い北海道もおそまきながら公共土木事業等々の経費というものは北海道開発庁を通して予算的に裏づけされておりますから、かなりそういう面については前進をいたしました。このことは道民全部が認めておるところだと私は思っております。ですけれども、これがために北海道の特殊な農業部門、これは非常に北海道としては石炭、農業というのは一次産業でありますけれども、大切な私どもは産業だと思っておるんです。ですから、そうした面からみますると、非常に投資がおくれておることは事実であります。これがために毎年冷害に――非常に口では畑作振興、寒地農業振興と言っておりますけれども、それに対応するような基盤ができていない、いないために再度こういうことになるわけですから、ぜひこれからは北海道農業というものの、つまり寒地農業に転換でき得るような対策というものが私は必要だと思う。それは何かというと、寒地農業対策振興上の土地改良事業というものをやりつつ、これは基盤強化をしてまいらなければならぬのじゃないか、こう思いますので、こういう点とぜひ取り組んでいただきたい、これが一つであります。 それから、特にそうした関係とあわせて北海道農業の本来のあり方の問題を農林省としてもそれそれ御研究なさっておると思いますけれども、より抜本的に私は酪農業の振興、それとやはりこの寒地農業に適しているところの根菜類に私はやはり力を入れてまいらなければならぬ。そうなればビートのようなものになりますけれども、そういうものとあわせて、やはり価格の安定政策というものがなければ幾ら酪農業をやりなさい、あるいはビートをやりなさいといっても、今日のような乳価の状態、あるいはビートの価格の状態であれば農業耕作者は転換しないのであります。ですからこういう点に力点を置いて、本来の北方農業、北限地帯における畑作農業は一体どうあるべきかという一つの国の方針を私は明確にする段階ではないかと、こう思いますので、この点をあわせて今回の冷害を通して強く申し上げておきたいというふうに思います。 それから、もう一つは適地適作の問題でございます。本来、寒きというものの限界がありますから、北海道では北限といっておりますけれども、こういう地帯に造田をいたして米作をやらしていくというやり方は、根本的に私は間違いだと思う。ところが、そうはいってみても、やはり米には共済制度というものがございます。価格についてもいろいろな問題を内包しておりますけれども、やはり価格安定がされております。幾つかの法律で保護されております。ですから、そういう問題を解決しない限りは、農民の諸君はやはり農林省の指導あるいは試験場等々の指導、道庁の指導等ありましても、なかなか適地適作の作物を耕作しないという現状を長年続けております。ために冷害にあうということですから、ぜひ今度は先ほど申し上げた前提に立って、そういうもろもろの施策を踏まえつつ、この人々が喜んで耕作のできるようなやり方をしなければならぬ。そのためには毎度この委員会でも議論になりますけれども、この北限地帯における畑作農業に対して、やはり共済制度というものをつくってやる必要があるんじゃないか。いま農林省は試験的にやっておる、これはもう三年ぐらい前からやかましく言われてやっておる。ところが、北海道の諸君はそうした農林省のやり方を待ち切れませんから、市町村自治体が補助金を出す、あるいは農業団体等が協力し合って、つまり試験的に共済制度をやっているところがあるんです。その結果ほぼ具体的に成果が出ております。私は二十九日の委員会でもそのことを農林省の関係の諸君に申し上げて、この委員会にそうした試験の過程におけるところの実績を出してくれと言ったけれども、依然として私のところに来ておりませんから、委員長、これはサボタージュしていると思います。ここで私は文句を言う気持ちはありませんけれども、その経過を出してもらわなければならぬ。こうした問題が森長官、欠けている。そこでいろいろ作物等が問題になるということがある。たとえばアズキ等については、そのときの相場によって変動がありますから、なかなか私どもがやかましいことを言っても、農林省が直ちにそれに手をかけるということができない面もないではない。そういう点は十分承知している。しかし実際問題としてビートであるとか、あるいは大豆であるとか、バレイショのごとき等々は明らかに共済制度をつくっていい作物なんです。だから、こういう点はいまごろまだ試験だとか研究だとかいう時期ではないと思うんです。三年間連続冷害を受けている段階ですからね。だから私はこれ以上多くは語りませんけれども、ぜひ北海道――少なくとも日本農業のやはりこれは何といっても食糧政策として、食糧基地として北海道農業を考えなければならぬと思うんです。米でも新潟よりもはるかに多くとれて、日本一米がとれるわけですから、北海道というところは。ですから、そういう意味でも北海道の農業というのはわが国の食糧基地として考えなくちゃいけないと私は思う、国策としてはね。ですから、そういう大きな立場から北海道農業の振興対策の一つの策であるけれども、畑作農業共済制度というものをすみやかにやはり確立する必要を今回の冷害を通じて痛感せざるを得ない。これに対する長官の考え方を私は答えてもらいたいと思う。
○国務大臣(森清君) まず一番最初の問題である激甚地に指定しろという問題につきましては、これは私が申し上げるまでもなく、災害のあったつどこれを検討し、激甚地の指定をするかしないかをきめるわけであります。北海道の場合は相当気象状況によって時間的に私はそれが少し長い――と言っては語弊がありますが、気象状況がそういうようなことでございますから、それを一括して激甚地にしたらどうかということで、いま検討しております。 それから、第二、第三、第四、第五の問題は、それぞれ非常にごりっぱな御意見で、私も傾聴しておりましたけれども、これは当然私の立場ということよりも、農林大臣もしくは北海道開発庁長官等々とよく御趣旨を体して相談をして、結論を出したい。いまここで私が私見を申し上げるのはいささか越権ではないかと思いますので、御了承を願いたいと思います。
○説明員(温水三郎君) 救農土木事業の問題でございますが、お説のとおりでございまして、衆参両院の災害の御調査もありましたが、あしたから私が団長といたしまして北海道の冷害の視察に参る予定でございますが、ただいまおっしゃいましたように、再生産に役立つような方向で土地改良、そういったものに対して推進してまいりたいと思います。これはしかし北海道の道庁とよく相談をしなければなりませんから、現地に参りましてから、さらにまた帰りましてから、よく相談をいたしまして、御希望に沿うような線で進めてまいりたいと思うのでございます。 畑作の共済制度の問題でございますが、これも両三年調査をしてまいっておりまして、大体その調査が完了次第、内地も含めまして、こういう共済制度をつくりたい、かように考えておる次第でございます。 その他細部の問題につきましては、局長等から御答弁を申し上げたい、かように思います。
○吉田忠三郎君 森長官の答えは、十分関係の大臣と御連絡をされ、あるいは協議をするということですから、それでけっこうです。 農林省の政務次官からは、本州も含めて、畑作農業共済制度については実施をするかまえで検討されているわけですね。
○説明員(温水三郎君) そのとおりです。
○吉田忠三郎君 そういう意味の答弁ですね、わかりました。 そこで、農林省の局長でもけっこうでございますが、当面緊急の対策としては、基本は激甚地の法を適用するということもございますけれども、本州ではそろそろ――本州のみならす北海道もそうでございますが、米などは出荷の時期になっているのですね。これは例年問題になりますけれども、一般的に言われる例の時期別格差の期間の延長の問題ですね。これはこういう天候では特に乾燥がおくれる、それから収穫もやはり一粒でも多く収穫したいということで、農民の諸君は少しでも刈り入れをおくらせたいと、がんばる、そういうことが錯綜して、いまのきめられている期間ではなかなか納めることができない、こういう問題が派生してまいります。ですから、その出荷各期間を現地では十日間くらい延長してもらいたいという強い要望がございましたが、私は十日間というその延長が適切であるかどうかは別として、少なくとも三十九年度にとりました措置はとらなきゃならぬじゃないか、こういうふうに思っていますが、関係の係官から答弁してもらいたい。 それから、それとあわせまして、検査等級をやはり緩和しなければ、これはなかなかまいらない。こういう状態が出てまいります。それと下位等級を設けないと――青米、青いやつがたくさんございますから、稔実粒の完成した粒子というものは入っておりませんから、青米がほとんどなんですね。下位等級を当然設けなければならぬわけで、農林省、これに対してどうお考えになっているか、こういう点。 それからもう一つ大きな点は、毎年毎年の冷害でございますから、農家の諸君は固定債務を持っているわけです。何とも動きようのない負債は大体平均して百四、五十万持っている。さらに、こういう災害ですから、先般も言ったように、この負債を一体どう始末をするかということがたいへんですね。このまま放置をしておきますと、これはもう毎年問題になりまして、先般私この委員会でも言ったように、不幸なことではあるけれども、人身売買の問題、毎回こういう問題が起きる。婦人の立場から、藤原道子先生は社労委員会あたりでこういう問題を取り上げている。不幸なことでありますが、そういうことが行なわれている。一家心中、離農、すでに士別等では十二戸の集団離農が始まっている。こういう状態ができておりますので、それというのも、もう負債に負債が重なってまいりまして、動かざる負債を二月平均百五十万も持っているという状態から、翌年また立ち上がってやりなさいと言ってもできっこない、口で言ったら簡単ですけれども。ですから、この際抜本的に負債の整理という問題をすべて全部国でやれということは、これはなかなか困難なことでしょうから、負債をなしくずしに、計画的に整理をして再生産に結びつけるというやり方をそろそろ国で考えていいのじゃないか、そういう制度をつくってやる必要があるのじゃないか。その間は、つまり制度資金等々の融資にかかわるこの利子を補給するとか、あるいはたな上げをするとか、ないしは長期安定した低利の制度をつくる等々のやり方が幾つかあると思います。ですから、そういう点をどうお考えになっているのか、私はこの際あわせて明らかに答えていただきたいというふうに思うのです。
○説明員(温水三郎君) 時期別格差の期間を延長しろということでございますが、目下財政当局と検討中でございます。何日間延長するかといったようなことはまだ判明いたしておりませんが、北海道の冷害は非常に大きな災害でございますので、当然何日間か延期しなければならぬと考えております。 それから低品位米の買い上げの問題でございますが、これは食糧になるものについてはできるだけ買い上げ措置を講じたい、かように考えておるわけでございます。 固定負債の問題でございますが、これは特に北海道でございますけれども、内地におきましても、やはりこれを含めまして大きな問題になっておるようでございますので、農林省といたしましては、関係各省と連絡をとりながら本問題は真剣に検討すべきである、かように考えておるわけでございます。 具体的な問題につきましては、係官から説明すべきところは説明をいたします。
○近藤英一郎君 長官にちょっと御質問しておきたいと思うのでございますが、きょうの朝から吉江先生をはじめ各先生方から二十四号と二十六号に対しての対策についていろいろ御質問があり、政府の考え方、対策についても答弁がありました。まあ災害を受けた県とすれば、いろいろ望んでおることが実現されようとしておりまして、その点喜んでおるわけですが、こういう問題があるわけです。これについて長官はどうお考えになっているかをお聞きしたいと思います。というのは、二十四号、それから二十六号に当てはまらない集中豪雨でたいへんな被害を受けたところがあるわけであります。それは群馬県にあるわけですが、九月の十一日の日に群馬県の榛名山ろくを中心にしてわずか四カ町村が二十億からの災害を受けている。その中でわずか一カ町村だけで――これは群馬県の箕郷町というところですが、一年間に一億五千万円ぐらいしか予算を組んでいない小さな町がある。ところが、この町は、今度の九月十一日の集中豪雨――台風と名前はついていないけれども、集中豪雨で十四億六千万円という大災害を受けている。これは何回も政府に陳情しておりますから、対策本部長である森長官はあるいはお聞きになっておると思うのですが、この集中豪雨で箕郷という町だけで約十五億の災害を受けているのですが、その中で県関係の災害――護岸の決壊とか、あるいは道路とか橋梁とかで約六億八千万、それから町自体としても、橋梁の流失とか、決壊、町村道あるいは山林の崩壊、水田の流失、埋没、そういうものを入れて約七億八千万からの災害を受けている。そうしますと、こういう災害は激甚地に指定された災害との関係でどういうことになるのでしょうか。これは町としては、わずか一年間の予算が一億五千万なんですから、将来を考えるとたいへんな問題です。災害の復旧に十五億かかるか、二十億かかるかわからないし、また数年かかるかもしれないと思いますから、これはたいへんなことになると思う。そこで、一番望んでいるのは、この災害をどう取り上げてくれるのか、ほかの台風と同じように激甚地の指定の中に加えてもらえるのかどうか、この点について、まず一点伺いたいのであります。
○国務大臣(森清君) これはよく御存じのように、大体災害があったときに、いわゆる政令でその災害に対して激甚地指定をするわけでありまして、そういう法律的な解釈と、私どもの尺度からいきますと、残念ながら入っていないようです。そこで、私も聞かぬわけではありませんが、しかしながらどうもこの場合は、先ほど私がお答えいたしましたように、気象条件によっては八月の豪雨に対してはそういう対象として調査をしておりますけれども、群馬県の場合はそれには該当しないという見解をとっております。
○近藤英一郎君 その点わかるのですが、いまのたとえば気象条件が一致していないとか、あるいは激甚地災害を受けようとするいろいろな内容的な基準があると思うのです。実際の政治面から考えれば、こういうところもやっぱり台風災害と同じように被害を受けておるわけです。たまたま日が違っておる、気象条件が違っておったかもしれませんが、そういうものを特に災害対策本部長としてあたたかい血の通った政治の面から考えて、何とか法的に特別に考えられないものかどうかということなんです。その点は人情論から、あるいは情実論からになるかもしれないですが、特別な考え方をもってこれを処置するお考えがあるかどうかということです。
○国務大臣(森清君) 私どもがまま法律の壁というものにぶつかりまして、あたたかい政治、愛情のある政治と思っておりながらも、その壁のためにはばまれるということもままあるのでありまして、今回の群馬県の例も一つの例じゃないかと思いますが、しゃくし定木でこれを解釈した場合には、ただいま私がお答え申し上げましたような結果になると思いますが、さらに何か他の方法によって少しでも困っておる方、あるいは困っておられる町村を助ける手だてというものは、お互いに知恵をしぼり、愛情をしぼって解決すべきであるという考えは底には持っておるわけであります。
○近藤英一郎君 そうしますと、いまの長官の答弁では、しゃくし定木でいえばこれはしようがないのだ、しかし根本的な考え方から、政治という面から考えれば何とかあたたかい手を差し伸べていきたいというお考えはある、そこで、それに関連してこういう問題が実は群馬県議会のあすの本会議で意見書を出そうということになっておるわけですが、それは中小企業関係の災害を受けた方に対する補助というか援助というか、こういう問題で具体的な例を申し上げますと、実は農業災害等についてはいろいろ国の助成も政策もあるわけですな。ところが、中小企業関係に対しては、御承知のように今度の二十六号、二十四号の台風は、風と雨と部分的にかたまって、うんと災害を受けていないで全般的に大きな区域に受けている被害というのが特徴だということであります。そしてその中には、商工関係のたとえば工場の倒壊とか、あるいは屋根が飛んでしまって、中にある製品が雨でやられたとか、そういうのが非常に多いわけであります。そこで、ぜひ群馬県議会としては、いま開会中なんですが、だいぶ問題になりまして、ぜひ農業災害と同じように利子補給もひとつやってもらいたい、政府三機関から融資を受ける面についての利子補給なんかも考えてもらいたい、これは県会で問題になったのですが、これもいま県は農業には確かに市町村と三分の利子補給という点で一つの方法があるのだけれども、商工業にはないのだ、そこで県は県として、国は法律的には処置されていないから、県は県と市町村と協調して二分五厘の利子補給をやろうということがいま県会で問題になりまして、あしたにもおそらく本会議で取り上げられてきまると思います。そういう点と関連して、中小企業者に対するそうした利子補給の面と、それから中小企業者が被害を受けた場合に、その激甚災害の指定を受けるための基準を緩和してもらいたい、私はいろいろ調べた点では、三十七年の伊勢湾台風のときに、そうした処置がとられたそうですが、その内容を聞いてみますと、何かその県の中小企業の総所得の二%以上の被害がないと激甚地の指定が受けられないということになっているそうでありますけれども、その点はどうなっておるかということが一つ。もしも、たとえば今度の風水害、二十六号台風で中小企業者の融資の面に対しても激甚地としての指定を受ける基準は、そのつど省令――政令かなんかできめるらしいですが、それはどういう方法できめられるのか、また長官とすれば、中小企業者のそうした面に対する災害に対する援助をやろうという腹があるかどうか、この点をひとつ承りたい。
○国務大臣(森清君) 私からお答えしてもいいですが、たまたまいま中小企業庁の人おりますから、具体的な話は中小企業庁からお答えいたします。
○説明員(本田早苗君) いま御指摘のありました激甚地の指定の基準につきましては、おっしゃるように、全国的な被害として〇・二%の被害総額がある場合、あるいは部分的な場合には〇・〇六%の被害、その場合には、一県で中小企業の推定所得額の二%以上の被害がある場合ということで現在運用しております。その趣旨からいきますと、先般起こりました被害額から見ますと、かなり基準と大きな差がございまして、激甚地の指定の基準にははるかに離れておるという現状でございます。ただ先ほどちょっとお話がありましたように、県等で利子補給のような措置があります場合に、われわれのほうでできますことは、保証協会の保証によりまして災害融資を円滑にするという方法があるわけです。この際県のほうで保証協会に対して利子補給――保証料の補給です。こういうものが行なわれ、しかも信用保証目標が一億円以上ある保証協会が、県の措置に応じて保証料を引き下げるという措置が行なわれる場合には、信用保険公庫のほうから融資基金というものがございまして、融資基金を当該県に必要に応じた金額を融資する、融資いたしますと、金庫から貸す金利と、それから保証協会のほうで運用できる金利との差が三分五厘ほどございまして、この金利をもってさらに保証料の引き下げができると、あるいは危険負担をカバーできるというような制度がございまして、国のほうとしては現在融資基金のほうを融資できる制度が一つございます。以上です。
○近藤英一郎君 先ほど長官にお伺いしましたので、中小企業庁の計画部長おいでになっておりますが、責任ある政府の立場として、中小企業者も農業者も災害を受けた、同じ災害を受けたのですから、その場合差をつけるのはどうかということが県会で問題になっているのです。そういう点も政治ですから、やはり政府としても国で――県で問題になっているのは、県税の七〇から八〇は中小企業者が納めているのではないか、農業災害に対しては利子補給あり、国は相当援助を見ているではないか、ところが中小企業者に対しては、そうした恩典がないということは不公平ではないかということから問題が出てきたのです。そういう点で長官に私お尋ねしたのは、やはり政府の責任ある立場としての、また災害対策の元締めとしての長官に、こうした問題は、いま法律的にどうしてもてきないけれども、将来はそうした面についても法的に考えてやるべきではないかと思うので、また県自体も考えてきておりますので、そういう考え方をお聞きしたのです。それに対してもう一ぺん御答弁を。
○国務大臣(森清君) 現在の法律的な解釈は、いま中小企業庁からお答えしたとおりでありまして、私は災害のあるつど考えることなんですが、かつて山梨県におきまして個人の災害があったということで、物議をかもしております。中小企業に対しても同じような考え方を私はいま持っておるのでございまして、したがって、これはやはりこういう盲点はすみやかな時期に解決をして万全を期していくのが私は政治の姿勢としては当然のことじゃないかと、私はかねがね思っております。ただし、これについて責任ある通産大臣その他の人たちとの十分な連絡をとりながら、前向きの解決をするように努力をいたしたいと思います。この場ではともかくそういう考え方のみを申し上げて、御了承を得たいと思います。
○吉江勝保君 先ほど資料の要求をしたのでありますが、その最後にはっきり念を押さなかったので、もう一度お願いをしておきます。これは特に政務次官見えておられますから、温水政務次官に、先ほど中央防災会議の実施の計画の問題につきまして質問した中で、近時、造林と伐採がバランスを失っているのじゃないか。ことに毎年災害が起こる災害県の、特に国有林と公有林と民有林について最近十ヵ年間の一体バランスがどうなっているかということの資料を要求したのでありまして、ただ自分が経営しているからだけで勝手に切られたのじゃ罹災者がたまりませんので、こういう点は中央防災会議のほうで、総務長官、ひとつ私の言う資料はごく簡単な資料なんでありますから、もう少し防災会議のほうでは、各県ごとなり、各公有林別に、災害の多い県について特に関心を持って調べるとか、資料を持つとか、そういうことをやっていただいたと思う。委員にはいま言いました最近十カ年間の各県ごとのこういう国有、公有、民有のいまの資料の提出をお願いしたい。御両所にひとつだめを押しておきます。
○国務大臣(森清君) 承知しました。さっそく整えさせます。
○委員長(成瀬幡治君) 長岡主計官おりますか。先ほどの鈴木君の質問に御答弁願います。
○説明員(長岡実君) 本年度の予備費の使用状況につきまして御報告申し上げます。 本年度の予備費の予算額は六百五十億でございます。本日現在におきまして使用いたしました額が百五十三億二千四百万円、したがいまして、残額が四百九十六億七千六百万円でございます。予備費の総額は四十一年度六百五十億と申しましたが、四十年度は五百億でございまして、四十年度の予備費の予算総額ぐらいはまだ残っているということが言えるわけでございます。 それから御参考までに去年一年間に発生しました災害にどのくらい国費が要ったかということを御説明申し上げますと、予備費と補正予算とを合わせまして約四百二十九億、約四百三十億国費を費やしております。去年の災害と本年の災害とを比べますと、本日現在におきましては、被害の発生状況は去年のほうが相当上回っておりますが、そういう点と、非常に予備費の予算総額が去年よりふえている二点と合わせまして、現在残っております四百九十六億をもちまして、災害の復旧に支障を来たすようなことはまずないのではないかと考えております。
○鈴木強君 これは四百九十六億、さっき五百二十億、多少計数の差はあるのですが、四百九十六億円、今次の二十四号、二十六号台風に際して直轄、補助合わせて大体どの程度大蔵省は見ているのですか、四百九十六億のうち。
○説明員(長岡実君) 二十四号、六号の災害復旧にどのくらいの国費が要るかという点につきましては、各省の査定が終わりませんと、まだ私どもとしては見当がつかないわけでございますが、いずれにいたしましても、本年度にまだ予備費の総額は四百九十六億残っておる。それから昨年は台風二十三号から五号までという非常に大きな台風まで含めまして、年間を通じて国費全体が先ほど申し上げました四百三十億くらいございますので、台風二十四号、六号の査定が終わってまいりますと、全部の査定の終了を待たずに数字が入りますつど予備費の支出をいたしてまいりますのでございますけれども、どのくらいかかるかということとまず関係なく、現在持っております予備費額で災害の復旧に支障を来たすということはないと思います。
○鈴木強君 おかしいじゃないですか。幾らかかるかはまだきておらぬからわからぬとおっしゃるのでしょう。わからぬものにこの中でだいじょうぶだということをおっしゃるのは。だから大体今回の七百三十億の全国的な被害、さらにまた北海道冷害等いろいろありますね。そういうものを合わせて、われわれは臨時国会を開いて予算措置もやり、個人災害に対する天災救助法ですね、こういうものの改正もやるべきだ。そのためには開くべきだ、こういう主張をしておるわけであります。ところが、政府はそういう必要はないという見解があるので、そこであなた方のほうからこの委員会で具体的な計数をお聞きしておかぬと、これは将来非常に問題になると思うので、特に来ていただいたのです。だからさっき五百二十億という長官の予備費の残額があるとおっしゃったのだが、多少長官も認めているように、その後出たものもあるらしいからということで、この委員会として非常に問題ですから、臨時国会の召集との関係であなたからお聞きしておるので、だいじょうぶだという保証が、従来の昨年に比べていいということで、いま七百三十億のうち幾らやるかという確たる基礎がないでしょう。そういう点についてぼくらは非常に不安を感ずるから特に念を押したわけであります。
○説明員(長岡実君) 臨時国会を開いて補正予算で災害の対策を云々するという問題と、ただいま私がお答え申し上げた数字の問題とは、必ずしも同じ次元の問題ではないわけでございますから、先ほど申し上げました四十年度に四百三十億くらいの国費を費やしておる。これも予備費が全体で五百億あったわけでございます。したがいまして、災害復旧全体についてどの程度予備費でまかない、どの程度を補正でまかなうかということは、現在の金が全体として足りるか足りないかとは別の問題でございます。 それから鈴木先生の御質問でございますが、確たる根拠もなしに金が足りるか足りないかわからぬじゃないかという点につきましては、査定が終わりませんと、私どももはっきりした数字がつかめないわけでございます。御参考までに申し上げますと、同じ十一月一日現在で判断いたしましても、四十年のいわゆる公共事業と申しますか、公共土木施設、農地、農業用施設と申しますような建設省、農林省、運輸省といったようなところの施設災害の被害報告額が四十年度には十月一日現在で約千九百億あったわけであります。年間を通じましては二千百億程度でございますが、約千九百億ありました。十月一日と比較いたしまして、これには当然二十四号、六号が入っておりますが、本年度は約千四百億、そういう点から申しましても、年間を通じて四十年よりは四十一年、ことしのほうが全国的に被害の発生の程度がやや下回っておる。したがいまして、数字の点から申し上げますれば、現在の予備費の残額で災害復旧に支障を来たすということはまずなかろうと申し上げたのであります。
○委員長(成瀬幡治君) ちょっとおはかりいたしますが、ここで休憩しまして、そうして大体四時ごろに再開をして続けたいと思いますが、それでよろしゅうございますか。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(成瀬幡治君) 速記を起こしてください。 四時まで暫時休憩いたします。 午後三時十二分休憩 ―――――・――――― 午後四時二十分開会
○委員長(成瀬幡治君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○吉田忠三郎君 時間の関係がございますから、簡単に、しかも率直に、政務次官に一つお尋ねをしておきます。 二十九日の本委員会、けさほど来の委員会でも申し上げておりまするように、北海道の冷害についてでございますが、この問題は昭和三十九年に大冷害が発生しておりますから、諸般の施策については、すでに大半経験済みであります。したがいまして、基本になるものは激甚地のこの指定ができさえずれば、私は三十九年の災害にならって、すべて政策、施策というものは踏まえればいいのではないか、こういうぐあいに考えますので、この面だけそうやりますと、こういうことになれば、これはもうあとこまかないろいろな金融制度の問題であるとか、あるいは先ほど申し上げたような時期別格差の問題であるとか、あるいは検査等級を下げる等々の問題はすべて解決すると思うのですがね。そういう点で簡潔に質問いたしましたが、これまた簡潔明瞭に、明快に答弁していただきたいと思います。
○説明員(温水三郎君) 簡潔に答弁しろということでございますから、御要望のとおりに簡潔に答弁いたしますが、本年度の冷害は、三十九年の冷害とほぼ同様なことが想定されますので、三十九年度に行ないました対策と同様の対策は積極的にこれを講ずるつもりでございます。
○鈴木強君 それでは最初に、農業関係の問題でお聞きしたいのですけれども、実は今度の災害は山間部でございますが、特に山村といいますか、山村のわずかばかりの土地を唯一のたよりにして生活しておる農民が、ずいぶんひどい被害を受けておると思うのです。ちょうどわれわれが現地を視察してみますと、取り入れに、もう十日とか二十日、その寸前において被害をこうむっておるわけですから、おばあさんがほとんどどろにかぶさった稲穂のところにたたずんで、一本々々土を分けて、一つの房でも取り出そうとするような、そういう哀れな姿を見てきたのですが、それほどこの山間の農民にとっては米は大事なものです。その米を一挙にやられてしまって、大へん悲歎にくれているのでありますが、なかなか現在の制度の中で十分な対策がなされておらぬと思うのです。そこで私は、特に農林省として、山梨、静岡その他山間部におけるそういった悲惨な状態について、どういうふうに把握をされておるのでしょうか。そして、それに対して具体的にどういう対策を立てようとしているのか、農林省の、何か現状についてぜひお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(石田茂君) 今回の二十四号、二十六号の台風につきましては、当初農林の被害はあまり大きくなかったわけでございますが、日を追うにつれまして、だんだん被害の甚大なることが判明いたしまして、私どもいま二十四号、二十六号全国的に推計いたしましても、被害の翌日約百億円くらいを考えておりましたのに、現在では四百億というような多額にのぼっておる現状でございます。この被害の状況は、本年度の被害におきましても特に大きいほうでございまして、私どもといたしましては、さしあたりの災害救助法あるいは食糧の応急配給、あるいは蓄積用の木林材の払い下げ等、さしあたりの応急措置は十分講じたつもりでございますが、実は農林省の被害対策はこれからでございます。だんだんお話ございましたとおりに、特に農地、農業用施設、それにも劣らず大きな農産物の被害、今度の被害の特徴は農地、農業用施設に比較いたしますと、農産物の被害が私ども大きいと思っております。したがいまして、つい先般八月の災害につきましては天災融資法の発動をいたしましたけれども、私どもといたしましては、農産物の被害に対しましては、先ほども総務長官からお答えいたしましたとおり、来月早々にも天災融資法の発動をいたしたい、これはできるだけ急いでやりたい。これを発動いたしますにつきましては、私どもの統計調査部の被害の調査もできるだけ急がして、そういう措置をとりたいと考えております。 それから、農地、農業用施設その他につきましては、先ほど来もだんだんお話ありましたように、現在調査あるいは査定に私どもの係官が入っております。これも一日も早く終わりまして、査定が終わりませんものでも応急の措置、それにつきましては、これは査定が終わらなくても実施する、こういうふうに私どもいろいろな農林の被害をこれから実はとる、あるいは迂遠のようでございますけれども、農林省の被害の特質はそういうことでございます。これから私ども急いで諸般の措置をとりたいと、こう考えております。
○鈴木強君 この農地とか農業用施設の中で、緊急に災害復旧しなければならぬ個所というのはこれはどのくらいございますか。
○説明員(松井芳明君) 山梨県の被害は、ただいまお話ございましたように、農地で千三百五十件、金額で七億六千一百万、施設では二千六百個所、約二十二億、合わせまして約二十九億五千万の被害が出ておるわけであります。このうち特に緊急の復旧を行なうことが必要と思われますものが約百八十件ございますので、それに対しましては、これから十一月の中旬以降におきまして現地で査定を行ないまして、できるだけ早く緊急事業を着手できるようにいたしたいと思っておりますが、特に農地あるいは農業用施設でさらに緊急を要するものにつきましては、査定前着工あるいは応急工事を行ないまして、できるだけ再災害を受けないように、また直ちに効用が発揮できるように現在手配を進めております。また非常に件数が多いために、県の職員では手不足でございますので、他県から応援を出して、できるだけ早く計画の概要書をまとめるように現在手配中でございます。
○鈴木強君 まあたいへん御苦労をいただいておることは心から感謝をいたしますが、特に渓流地帯、渓谷地帯ですね、特に沢のようなところから土砂が崩壊をして農地の中に入って農地が流失したということですが、そういうような場所があるのですが、この点は、たとえば農林省の中でも林野庁関係が山腹砂防その他の復旧作業をやっておられるわけですが、下のほうは建設省の関係になるとか、そういったやはり各省の担当々々があるようですから、その辺は建設省関係あるいは農林省の場合ですと林野庁の関係とよく連絡をとっていただいて、きのうまあラジオの放送も聞いておりまして、災害を防ぐ場合にどうするかというその原因調査と対策を論議されているのをちょっと聞いておったのですが、一回土砂が流出すればあとは心配ないのだというような学者先生方の意見でした。しかし、私はそれは実情から推して、なるほどそういうし場所があるのかもしれませんが、非常に地形が崩壊しやすいような場所ですと、一回崩壊したのが堆積して、それに雨が降って流出したというか、また崩壊する場所があるわけですからね。必ずしも私は一回大きな災害があったところは再び来ないというようなことは当たらぬと思うのですね。ですから、今度の災害が、特に、言われておりますように、山間地帯、大河川、中小河川以前の渓谷地帯における災害が多いわけですから、そこいらの配慮を十分研究していただいておきませんと、たまたま、そこに家があるか、農地があるかという差だけなんですからね。ですから、農地がそういう意味において将来の復旧をする場合に、総合的な判断の中で、建設省なり、農林省なり、農林省の中の林野庁なり、そういうところと十分連絡をとっていただいて、農地局のほうでかなりこれは配慮をしていただくようなイニシアチブをとっていただかないと問題にならぬと思うのですが、その辺の配慮は、私が言うまでもなく十分御承知だと思いますが、念のためにお伺いしておきたいと思うのですが、どうでしょうか。
○説明員(澁谷直藏君) ただいまの御質問は、建設、農林両省にまたがっておる御質問だと思いますが、先生の御指摘のとおりでございまして、私ども政府関係は全部手を握って万遺憾なきを期してまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
○鈴木強君 どうぞお願いします。あと時間がありませんから、農業関係これだけにいたします。 それから、次に、厚生省のほうにお伺いしたいのですが、藤原委員からもけさお話がありましたように、山梨県の特に根場という部落は、四戸を残して全部痛ましい津波のために犠牲になったところですが、再びそこに住みたくないという、無理もないことですが、そこで区の人たちが相談をして、約一千メートルくらい今度の被害があったところから東南というのですか、そこの土地へ移りたい、こういう希望があったのですが、たまたま、そこが県有地ですけれども、国立公園の普通地域じゃないかと思うのですがね。そうしますと、私たち現地に行って、仮設住宅を建てる、その場合に、この東入川というのと、本沢というのがありまして、そのまん中に山が出てきて桑園があるのです。その東入川のところの墓地が今度の災害で流失しておりまして、両方から土砂が流出しているのですね、そのまん中に仮設住宅をつくるというのですから、ちょっとわれわれは危険じゃないかということを訴えてみたのですけれども、災害のあとですから、電灯のことだとか、水道のことだとか、いろいろ考えて、地元の人たちがその草ばかりの中でもやむを得ない、そういうことだったのです。しかし、現地で聞いてみると、国立公園だから、なかなか手続がむずかしいのだという話も出ました。われわれもちょっと不勉強だったのですが、よく調べてみますと、国立公園でも普通地域の場合には、これは届け出だけでよろしいそうなんですね。特別地域になると、やはりこれは厚生省の認可が要るのでしょう。特に住宅の場合ですと、届け出だけでよろしいということです。そうであれば、私は、千メートルくらい離れるわけですから、そこへ仮設住宅を建っておいたらよかったのじゃないかと思うのですね。厚生省のほうでは、そういう話を現地から相談を受けたのですか。それで、どういうふうな、いまそれに対して態度を持っておられますか。届け出だけでいい、普通地域であれば。これは厚生省の関係じゃないかと思うのですけれども、その点どうでしょう。
○説明員(今村譲君) 先ほどまで国立公園の担当官おりましたが、ちょっといま席をはずしておりますので、私聞いた限りのことを申し上げます。 これはいまおっしゃったのは特別地域だそうでございます。ただ、問題は、住宅はこれは全部都道府県知事に委任されておりまして、仮設住宅であれ、何であれ、普通の住宅、これは厚生省には参りません。したがいまして、届け出限りでできるはずだと私ども理解しておるわけでございますけれども、その辺ちょっと、本省のほうでどういう検討、打ち合わせがあったか、至急聞かしてもらいましょう。
○鈴木強君 特別地域であっても、住宅の場合には県知事の権限である。ただし、従来の慣行として、厚生省のほうに伺いを立てておると思うのですね、一応。これは行政指導の面で皆さんがやっておるのだと思いますがね。確かに知事に権限があったとしても、そういういきさつがある。それをわれわれが聞くと、何かむずかしい手続で厚生省のほうの許可をもらわないとできないのだというような話が当時流れまして、私らちょっと不勉強で、そのとき、何だと言えばよかったんですけれども、少し不勉強で申しわけなかったんですが、あとから調べてみるとそういうふうになっている。そこで、まあ県のほうから、そういう青木ヶ原の特別地域に仮設住宅をつくる、あるいは将来その土地の人たちが集団で移住したいと、その土地にしてやりたいと、ついては厚生省のほうにでもその点は了解してもらいたいと、そういう話があったかどうかということを知りたかったんです。それわからないですか。
○説明員(今村譲君) さっき藤原先生からお話のありましたのは、村をあげてというか、その部落をあげてその青木ヶ原のほうに本式に移住したいと、それは仮設住宅でなくて、村の移転と、西谷村のように、先ほど藤原先生のお話に出ましたが、そうなると、単に住宅だけでなくて、道路をつくらなければならぬ、その周辺で畑もつくらなければならぬ、要するに、伐開とか開墾とかせにゃならぬ、こういうふうになりますと、都道府県知事だけではなしに、中央に問題が上がってくるだろう、こういうふうに、現実にはまだ来ておりませんけれども、そういうふうな場合には、普通のレジャー産業とかホテルをつくるとかという問題と性質が違いますから、これはもちろん、厚生省に上がってきますならば、国立公園審議会というものに当然かかりますけれども、普通のレジャー産業のホテルとかと違った、早急にそういう立場を認めるというかっこうで通牒でも出されるのじゃないかと、こういうふうなことを藤原先生に申し上げたんであります。その点はそのとおりでありますが、いまちょっと先生のおっしゃいましたのは、その近所で、青木ヶ原じゃなしに、臨時の応急仮設住宅というふうな問題につきましては、これは危険があるならば、青木ヶ原なりしかるべきところというふうに選定されたほうがよかったんだろうと思いますが、あるいは電力の問題、道路の問題、これから来たんでは間に合わぬ。応急措置としては、そういう仮設住宅を特別地域の中につくろうと、その辺でちょっと私ごちゃごちゃ受け取りましたものですが、ちょっと問題が二つあるのじゃないかと思います。
○鈴木強君 ちょっと説明が足りなかったと思うのですが、要するに、応急の仮設住宅をつくるということが当面に出てきますね。その際に、もうみんながきめているのですよ、集団移住しようということを。ここはこわいから、そういう際に、われわれは応急仮設住宅をつくる際に、将来の移住ができるような体制をしいてやったらいいじゃないか。そうすれば、仮設住宅をつくってできるだけ、仮設住宅ですからプレハブを持っていけばできるわけですから、将来そこに移住できるというわけですから、応急仮設住宅だからすぐ出なければならない。しかし、なかなか金がないから、そうは言っても、半年とか一年とかになっちゃうでしょう。法律がどうだから追い出すというわけにはいかないでしょう。そうすると、来年また台風が来たときに、そこを動かせない人があったとき、その人の生命をどう保障するか。また、土砂があってあぶないということで一時退避したところなんですよ、そんなところにつくるよりも、そこに県有地があるのですから、そこに全部仮設住宅をつくって将来の永久移住ということとあわせてやったらいいじゃないかと、こう言ったんです。ところが、仮設なら簡単だけれども、永住になると、なかなか厚生省の関係があってむずかしいのだと、こういうところから地元はいまの場所につくったんです。だから、いまのように、県知事が認可だけでつくれる権限を持っているなら、厚生省に相談しないでいいわけでしょう。仮設住宅ここへつくっていいよと、将来本建築をやりなさいと、こうやればよかった。そうすれば将来の心配がないわけでしょう。非常に私はそういう意味において、県のやり方も法律というものをよく知らなかったのかしれませんがね、また、現地の人たちにそういうふうな逃げ口上を言ったのかよくわかりませんが、適切な措置でなかったと思うのですよ。さっそく帰ってきておたくのほうにお聞きしてみると、法律を見てみますと、いまあなたのおっしゃったようなことなんだから、それならば、最初からそういう方針を示してやればよかったじゃないかと、こう考えたわけです。特に、あの横には、相模鉄道の不動産部ですが、何かホテルを経営するというので、相当大きな土地を、県有地を一これは売るのか買うのか知りませんけれども、そういうもう約束もできているようですが、一方には、そういうところに、大会社にホテルの敷地として貸しておいて、さあ今度は地域の人たちが家を失ってどこも行くところがない、そこしか安全地帯がないから、そこに行きたいと言っても、そういうふうに変な理屈をつけてどうもうまくやってやらなかった。そういうことがわれわれにとってはきわめて県当局の態度が不親切だと思うのですね。そういうことがあるから、ここで明らかにしておきたかったのです。そういういきさつなんですからね。だから、将来、あなたが言われるように、そこに耕地をつくると言ったって、青木ヶ原はなかなか岩盤ですからね、あそこは。あそこに畑をつくったり、たんぼをつくることは不可能ですよ。ですから、やっぱり流失したあそこのところを整理して、あそこに畑をつくるとか、たんぼをつくるとか--百姓だから一キロくらい、いなかの人ですから千メートルぐらいはたいしたことはないと思います。そういうことにすれば、やはり安全が確保できたんじゃないですか。そういう意味で質問したんですが、わからないでしょうかね。
○説明員(今村譲君) よくわかりました。現在その一キロの青木ヶ原のところでも、これは特別地域で一施年令の二十五条の一号で、住宅及び仮工作物については都道府県知事の権限というふうに定めてありますので、そこのところは、いまおっしゃいますように、初めからそこにやろうといえばやってやれないことはなかったと思います。ただ、現実問題として、おそらく、先生にそう申し上げておりながら、木をこれから切って、あるいは電線を引っぱったり水を引いたりするというので、一番便利なところにすぐ建てなければならぬということで、少々危険は承知の上で、臨時応急的にそこのところにつくってしまったと、そういうかっこうではないかと私は思うわけです。法律的に言いますならば、先生のおっしゃったとおりでございます。
○鈴木強君 ですから、ひとつ厚生省のほうも、私はこういうふうな質疑をきょうやったわけですから、いきさつもよく聞いていただいて、厚生省としてもひとつ行き届いた指導をしてもらいたいと思うのですよ。それで、県としては地元の意見に従って、ぜひすみやかにやるようにというふうにひとつ善処をお願いしたいと思います。 それから、これは今村さんの管轄かどうか知りませんが、災害の孤児が十九人出ているのですね、山梨県だけで。この対策については、県議会においてもいろいろ考えているようですが、まあこれは災害だけでなくて、いろいろな場合にこういった気の毒な子供さんが出るのです。これも一般論として論ずれば、何を言っているのかと言われてもしかたがないのですが、しかし、今度の災害の中で、はっきり両親がなくなったとか、身寄りを全部なくしたというような人たちが、いまどうして生きていくかわからない、まあ子供心になってみればね。そういう不安な日を送っているわけですから、それに対して何か特別な対策を立ててもらいたい、そういう気持ちが非常に強いわけですよ。それらに対しては、何かうまい方法はないでしょうか。 〔委員長退席、理事永岡光治君着席〕
○説明員(今村譲君) お答え申し上げます。 これは災害発生と同時に、すぐに児童家庭局のほうから県のほうに連絡をいたしまして至急調べさせました結果、山梨県の足和田村が十五名、それから下部町が菱山さんという七歳の女の子が一人、それから芦川村で宮川さんという九歳の女の子が一人、それから上九一色村で渡辺正子さんという人が一人、合計十八名という人が両親を失ったり、あるいは家族を失ったりということで、いわゆる孤児になった。それで、至急その方たちを親戚の方々が引き取るか、あるいは、そういう方々がなければ、児童相談所を全部調べまして、養護施設というのがございます、これは全国に五百五十カ所で三万七千人ぐらい、これは全国でございますけれども、両親を失った、あるいは離婚してどうにもならぬというような子供、捨て子とかというような、いわゆる昔でいう孤児院でございます。それが山梨県に七カ所ございまして、定員四百三十三名収容できるところを、現在三百名ほどしか入っておらない。最近そういう天災のようなことが少なくなってまいりましたので余裕がありますので、一々調べましたところ、いまのところは全部1たとえば根場とか西湖あたりは親戚関係が非常に濃いところでございまして、親戚において引き取るというかっこうで、県ですぐにでも養護施設に入れなければならぬのだという事態にはまだないのだということになっております。年齢から何から全部わかっております。親戚が引き取るというかっこうでおります。その子の事情によっては収容施設にいつでも引き取れるという手配はいたしております。
○鈴木強君 その点はわかりました。なお、ひとつ、よりあたたかい手を差し伸べて、これらの人たちのめんどうを見てやってもらいたいと思います。 それから、こういう災害時に負傷者が出ますね。ところが、その部落にはお医者さんがいないというような例が相当多いわけですね。われわれ現地に行ってみますと、簡易保険の診療団の方々が来て、一日か二日、短い期間ですけれども、負傷者の手当てなんかしてくれた。それからNHKの全国巡回診療団というのが、自動車を持って山の中まで入り込んでやっていてくれました。非常に地元の人たちは感謝してくれておりましたが、たとえば根場なんかでは、簡易保険の巡回診療が来てくれて力強いと言うんです。ところが、もうあした行っちゃう、何とかもう少しいるようにしてくれというような話を現場で受けたんですが、それでもなかなか、全国的な日程でやっているものですから、そこばかり行っていられないというので、医者先生がいないから非常に困っておりましたがね。こういう場合に、厚生省としては、いま始まったことではないわけですけれども、一体どういうふうな措置を緊急にとっているんでしょうか。
○説明員(今村譲君) お答え申し上げます。 基本的な医療の体制のほうから先に申し上げたいと思いますが、これは災害基本法によりまして、都道府県、それから各市町村ごとに地方の防災計画というのがございまして、その中で医療、それから人命の救出、捜索というふうな計画が全部できていることになっておるわけでございます。それで、医療の面につきましては、厚生省、それから県の衛生部――まあ厚生部というところもございますが、そこで県の防災計画に従って、直轄の県立病院とか、あるいは民間の県市医師会の先生方とかいうところとしばしば連絡会議を持ちまして、いざという場合の受け持ち、役割りというものをきめてあるわけであります。それから日本赤十字につきましては、これは昔からの特殊な性格上、災害救助については厚生大臣の指揮監督のもとに全面的に協力しなければならないということが、日本赤十字社法に書いてございまして、これには一つの特権といいますか、政府は日本赤十字社に対して、政府の指揮監督のもとに、地方公共団体以外の団体、たとえば郡市医師会とか県医師会とか、そういうお医者さんの団体とか、あるいは個人――これは開業医だとかの――救助活動の連絡調整に当たることができる。医師会とか、そういう都道府県以外の諸団体あるいは個人なんかの連絡調整、まあ調整権みたいなものがありまして、日赤を中心にして、いつでも応急出動体制ができるというかっこうになっております。これは各県とも同じでございます。 それで、今度の山梨県だけを例にとりますと、日赤本社に厚生省のほうから、あるいは、じかに山梨県の日赤支部というものに、災害が発生しますとすぐに連絡いたしまして、全部で五個班出してございます。それは根場、西湖に合計三班、それから上九一色に一班、芦川村に一班、合計五班。それで一班につきましては、日赤のお医者さんが一人と看護婦さんが二人、主事さん一まあ事務屋でありますけれども一人、運転手一人というので、合計五名の班でできておるわけでございます。それからもう一つ非常に便利をしましたのは、岳麓病院という、河口湖のところに大きな病院がございまして、ここの医者がまず先に飛んで来た。それで、二十五日の午前八時十五分には、もう第一発の患者をそこへ収容しております。それから甲府から出ました五班は、途中で――二十五日の昼ちょっと過ぎに出たのでありますが、道路がめちゃくちゃになっていて、なかなか着きませんで、結局二十六日の夜から二十七日の朝にかけて、それぞれのところに着いた。その間は岳麓病院のお医者さんが活動し、それからもう一つは、日赤の甲府の支部から地元の開業医の先生に至急連絡を入れまして、そこで協力してもらう、こういう体制でありました。それから岳麓病院につきましては、全部で五十一名の患者さんを収容、それから富士吉田市におきましては、県立病院がございますが、そこに五名の患者さんを収容、こういうふうな、もうだいぶ退院いたしておりますけれども、そういうふうなかっこうで山梨県では動いたわけでございます。
○鈴木強君 五班出していただいたわけですね。その五班の方々はいつからいつまで現地におったのでございましょうか。
○説明員(今村譲君) 個々の班の日程、いま資料が手元にございませんが、大体二十八日一ぱいまで現地におって、その場の判断で、岳麓病院、それから富士吉田病院のほうにどんどん、おもに自衛隊の車を出していただきまして送りつけた、その後に帰った、こういうふうに聞いております。
○鈴木強君 私どもが行ったのは三日でございましたね。ですから、おそらく現地の状況によって、私どもにはよくわからないのですけれども、専門的に判断をされて、岳麓病院なり、日赤のあそこに病院がありますね、そちらのほうに移動されたのだと思いますが、願わくば、一人くらいは、まだ作業をしておるわけですから、自衛隊の人もおるし、警察の人もおるわけです。また、村の人も必死になって遺体捜索をしておる、その過程において負傷者が出るということもあり得るわけですから、最小限看護婦さんでもいいですから、応急手当てのできる程度の方は一名くらいはそういうところに残しておいていただいたほうがいいのじゃないかという気がいたしますが、これはしろうとの考え方ですから、もう少し専門的に御検討いただいて、そういう災害時に、その状況によって画一的にはいかぬと思いますが、適切な、ひとつ住民の方々が不安を持たないようなことで、せっかく派遣するのですから、その期間等について御協力、御考慮いただきたいと思います。 それから次に、国鉄と運輸省のほうにちょっとお尋ねしたいのですが、身延線は今度の災害では一番被害を受けまして、たいへん御苦労をいただいておりますが、まだ復旧しておりません。これは特に割石トンネルというところと、私の近くの町なんですが、帯金トンネルという区間が現在も不通になっております。したがって、これについてはよほど思い切った防災対策というものをやりませんといけないと思います。というのは、三十四年の際の災害でもこの区間は不通になりまして、たいへんな御苦労をいただいたのですが、やはり山腹から流れてくる土砂、こういったものが沢に来て鉄橋にぶつかってそこに堆積した、そういうようなことで予想外の大きな事故になっているわけですね、被害になっているわけですよ。 それからもう一つは、身延線の場合は、初め私鉄で始まったものですから、国鉄の規格かち見てどうかよくわかりませんが、鉄道線路の下に暗渠がこうございます。山がこちらにございます。その暗渠が非常に小さいものですから、少し雨が降ると詰まってしまう。砂や砂利が流れてきますと、そこに詰まって、そうして鉄道の線路のほうが決壊すると同時に、被害をその辺に出してくる、こういう状態が随所にあるわけです。荒舩大臣も現地を視察していただいたようですが、その際、金もかなりかかるけれどもが思い切った対策をしようというようなお話でございました。あそこは静岡から、東海道から中央線を結ぶ唯一の幹線といいますか、唯一の鉄道なんですから、地元の人たちは非常に困っているわけです。国鉄の全勢力を投入して、私は復旧を一日も早くやっていただきたいと、二十九日の日にお願いしておいたんですが、まだ進んでおりません。一体この原因というものはどういうところにあったのか。こういう大きな被害を出したことは、それに対して国鉄当局は抜本的にどういう対策を立てておられますか、それを伺いたい。
○説明員(伊地知堅一君) ただいま先生のお話しのように、身延から鰍沢の間が一番被害を受けたのでございます。まず最初に、復旧の状態と見通しをお話ししたいと思いますが、二つのトンネル、いま先生のおっしゃいました割石トンネルと帯金トンネルが一番ひどい災害を受けたわけでございますが、割石トンネルのほうは六日にすでに開通いたしまして、現在下部――甲府間は開通しております。で、身延と下部の間の帯金トンネルが現在鋭意復旧中でございまして、現在の見通しは、十五日に線路が一応開通し得る見込みでございます。したがいまして、十五日一ぱいかかりますので、十六日の初列車から開通の見込みでございます。 これだけ被害を受けた原因でございますが、根本的には、非常に山間部を通った地形の悪いところを、規格の低い線路が通っておるということでございますが、地形的に見ましても、非常に小さい沢が多い。しかも、地質が水にくずれやすい地質で、一帯の沢でございます。したがいまして、集中豪雨を受けますと、一時に水が流れ込むという状態でございまして、国鉄としましては、各河川、まあこれは河川というよりも沢というほうが適切かと思いますが、これらの流量を阻害しないということには万全を期したいと思います。今次災害において、それが原因と見られるところは、必ずしもはっきりはいたしませんが、そういうことが原因で流量を阻害するということは今後絶対ないように、十分検討して対策を立てたいと思います。 もう一つは、現在開通をおくらせている主たる原因は、トンネル部分の入り口の崩壊、このために、トンネル口はどうしても非常に狭隘な場所でございますし、しかも、崩壊した土砂がトンネルの中に流れ込むというようなことで非常に作業が困難だというようなことでおくれておるわけでございますが、こういった部分につきましては、トンネルの延伸をはかるといったことで、今後土砂崩壊が線路に支障を与えないというような対策を立てたいと考えております。
○鈴木強君 その暗渠は非常に小さいですね。それは何とかならぬものですかね。そのために、かなり被害が農地などにも人家にも出ておりますね。国鉄の鉄道線路を破壊すると同時に、そういう被害が出ておるわけです。これは実地に調査していただきましたか。
○説明員(伊地知堅一君) 先生のおっしゃるような暗渠の小さい部分は、今後徹底的に調査をいたしまして、御迷惑にならないように対策を立てたいと思います。
○鈴木強君 その点、ひとつお願いします。そしてたいへん御苦労をいただきましたが、十六日からその初電車から開通できるということです。たいへん御苦労さんでした。 それから最後に、もう時間がないようですから、警察関係のことでお尋ねしたいのですが、私、この前の委員会で、災害発生当時にとられた警察体制についてお尋ねをし、現地の警備体制についてもお尋ねしたんですが、八月に警察庁から出していただいたこの報告書を見ましても、その当時、「関係のあった各都県警察では、台風災害に対し、早期に警備体制を整え、危険地域等には事前に警備部隊を出動させるなどして警備措置をとり、」と、それから「被害発生に対しては」と、こうなっておりますね。この「事前に警備部隊を出動させるなどして」というのですが、ここがやはり問題でして、警備地域というものは、はたしてどういうふうになっているんでしょうか、警察で把握しているあれは。 〔理事永岡光治君退席、委員長着席〕 中央地方の防災会議等もあって、さっきから問題になっているような、台風が襲来する場合に、こういう山間地帯のこういう部落は非常に危険だというようなことが警察庁のほうではぴしっとわかっておるんでございましょうか。
○説明員(後藤信義君) 私どものほうでは、平素から基礎調査ということをやっているわけでございます。これは災害が発生する、その災害によりまして、いろいろございますけれども、今回の場合で申しますと、台風が来た、そういう場合に、どういう個所が危険であるか、その場所に行くのにはどうするか、あるいは、そこには通信の機能がどういうふうにして保てるかといったようなことを調査いたしておるわけでございます。したがいまして、平素から警察のほうで把握しております危険地域につきましては、警報の発令と同時にそれぞれ手配をいたしまして、危険地域の警戒であるとか、あるいは付近の人々に対する避難の警告であるとか、こういうことをいたしておるわけでございます。
○鈴木強君 それは各都道府県別に危険個所はこことこことここだというふうに、危険地域はわかっているわけですか。それであったら、ひとつあとでいただけませんでしょうか、資料を。
○説明員(後藤信義君) これは各県、それから各警察署ごとにそれぞれつくってございます。あとで関係の資料を差し上げたいと思います。
○鈴木強君 それから、私ども三日の日に現地山梨県の吉田の警察署長にもおいでいただいて、当時の状況をよく伺いました。で、私たちは、災害発生後署長みずから宿直体制をとって、そして懸命な努力を滞りなくやったということをみんな認めてきました。ですから、たいへん御苦労だったと思います。何せ駐在所から五キロぐらいのところですから、あの根場にしても、西湖にしても。その中を署長みずからが警察官とともに現地に乗り込んで、できるだけの適切な措置をとられたことについては、私はあらためて感謝いたします。ただ、どうも、発生後の措置というのはそれは完ぺきでありますが、発生前の、いま言ったここが危険地域に入っておったかどうか私はわかりませんですが、そういうことが、さっきから問題になっております台風警報、台風情報、こういったものとの関連で、やや必ずしも政府が言っているようにぴしっといったように思わないのです。ですから、あの地域でも台風が東のほうを通るだろう、そういう情報があったわけですから、まあたいしたことはないかもしらんわいというような安心感もあって、みんな寝巻きに着かえて安らかに寝ようとしていた。そこへがあっというので出てきたら、もうそのときはだめだったと言うんですね。ですから、何とか事前のそういう退避命令なり警告というものがあれば、部落の人たちもそれぞれ退避したでしょう。そうすれば、うちはこわされても、とうとい人命だけは救い得た、こういうことが結果的に考えられるものですから、私たちは、その事前における予防措置ですね、要するに、退避とか避難とか、そういったものに対する措置というものが必ずしも万全にいっていないんじゃないか、それはさっきから、お話しのように、全国どことどことどこは危険地域だ、こういうことをぴしっときめていないから、ある程度の地域ということはあったとしても、もう少し精密に調査をして、研究をして、そして、こことここは、山梨県ではこの地域が沢の上に危険地域があって、台風が来たら避難するとかいうようなことまでいってないように思うのです。ですから、警察当局の責任を私はそういう点において云々しようと思いません。思いませんけれども、そういう緊急事態における避難等は、どうしても警察とか消防とか、そういうところにたよらざるを得ないわけですから、そこいらの措置については、今後ぜひひとつ万全の対策を立ててもらいたいと、こう思うのです。 いろいろ私たちは現地で警察官の御苦労も見てきました。たまたま、私の郷里の新聞にこういうことが出ておるのです。五日間も全署員出動で不眠不休で活動した。しかし、その警察官に支給される食事というものは、自衛隊と違って、小さなお握り三つに、細いソーセージ一本、それと、カツオと鯨のかん詰めが一個――かん詰めば九月中はだめで、十月に入ってからもらえたそうですね。こういうふうな――まあカロリーというものがどのくらいあるか私はよくわかりませんが、この程度の食事であったら、朝、昼、晩同じものを食っておったら、しっかりした仕事ができないかもしれません。こんなに警察の食糧というものは貧弱なんでしょうか。もう少しああいう事態には特別な配意をして、警察官の健康を保持して十分活躍していただけるようなカロリーの吸収等、できないものでしょうか。私はこの記事を見まして、たいへん御苦労の上にも御苦労だと、こう思っておったものですから、ちょっとひとつ伺っておきたかったのですがね。
○説明員(後藤信義君) ただいまの御質問の前にありました避難の問題でございますが、これは前回この席上でやはり先生からその点の御指摘がございましたので、私のほうで詳細その点は確かめたわけでございます。そういたしますと、気象庁からそれぞれ出されました、最初は情報でございます。その次には注意報、それから警報となったわけでございますが、そのつど、県警本部から警察署にこれは伝達してございます。この管轄の警察署では、さらにそれを、警察署におります者のほか、駐在所、派出所それぞれに連絡をいたしまして、その駐在所、派出所を通じまして、関係の町村の役場、それから関係の消防団の責任者、これらに伝達を、これは平素からきまっておりますルートに従って伝達をしたわけでございます。この伝達を受けました最終の町村の当局の人々及び消防団の人々がそれぞれ出まして、危険な場所の警戒に当たっておったのでございます。これは危険な場所と申しますのは、芦川村で申しますと、芦川といったようなところで、大体昭和三十五年に台風七号というのがありまして、それによって強風でかなりの被害が出た経験がございましたので、今回も同様に、強風による被害が出るであろうということは、住民の方々も考えておったようでございますが、今回のように、山くずれ、山津波が起こるということは、これはもう古老の話を聞いても、そういう経験はありませんし、あとで調べますと、ラジオ、テレビ等をつけて聞いておったけれども、家の補強程度はやっておりますけれども、どちらかに避難しなければならない、それほど、山津波が襲ってくるという危険に対しましては、住民の方々だれも、心配はしておらなかったという状況でございます。 それから、先ほど申しました警察のほうの危険個所ということではどうかと申しますと、これまた同様に、残念ながら、山津波による危険があるという個所には、私どものほうで調査の上指定をした地域ではございませんでした。この点が問題であったと存じます。したがいまして、今後このような災害を事前に防ぐという場合に、はたしてどういう程度まで危険個所ということが科学的に割り出せるものか、これは私ども自信がないのでございますけれども、今回のことを十分に検討いたしまして、できるだけ事前に警報を出せるようにいたしたいと考えております。 それから、ただいま食糧の問題がございましたが、これは当初二十五、二十六日のころはだいぶ給与が悪かったようでございますが、二十七日以降は、一日に大体三百四十円相当の食糧を給与しておるわけでございます。警察の費目といたしましては、出動旅費という費目から出すわけでございまして、これは一日に日当が四百円、宿泊いたしますと、それに八百円加算されまして千二百円ということになるわけでございます。この中から経費として食糧費は差し引くという関係になっておりますわけで、今回の場合は、そのうち三百四十円をこれに充当しておる、こういうことでございます。
○吉江勝保君 関連。警報の伝達のちょうど話が出ておりますので、参考にお聞きするのですが、警察の持っておられる無電ですね、あの無電というものが、台風時あるいはそのほかの災害時等において、警察本部から管下の警察署にこの無電が用をなさなかったというか、中断したという事例は、いままで警察界におきまして先例というか、事故はございませんでしたか。もしあったら、どういう場合に事故が起こっておるか、そのことをひとつお尋ねいたします。
○説明員(後藤信義君) これは新潟の地震のときに、最近の例でございますと、新潟県本部に対します東京からの電話が不通になったことがございます。これは新潟の地震のときに、高波によりまして塩水を機械がかぶりまして、そのために不通になったものでございますが、かすかに警察電話の専用線一回線だけが、かろうじて断続的に聞こえるという程度でありましたけれども、ほとんど用をなさないという状況でございます。こういう例がございます。この場合は、通常ほかに持っております超短波無線電話、これはパトロールカーなどが使っておる無線電話でございますけれども、これをリレー式につなぎまして県庁まで持ってくるというやり方をいたすわけでありますが、新潟の場合は、それを手配するまで時間がございましたので、その間は、応急無線と申しまして、これはモールス信号によります短波の無線通信方法でございますが、この方式はすべての警察署に完備してございますので、これは最後まで生きておると、こういうことでございまして、新潟地震の場合は、当初は一切の通信はだめになりましたけれども、この応急無線は生きておりましたので、これによりましてモールス信号によります電報は授受できたわけであります。
○吉江勝保君 今度の二十六号台風の際に、実は参議院派遣の調査団が南部、それから富沢両村に参りましたときに、実は陸の孤島になったということを村長たちが訴えましたときに、通信関係も絶えたというときに、この無電のことも少し触れまして、情報が少しも入らなかったということを実は言ったのです。警察の無電が、風速は相当激しかったが、台風時に用をなさないというようなことでは、これはたいへんなことだと、こう考えまして、そのときは、町村長の言うことですから反駁もせずに、それは困ったことだと言って聞いて帰りましたが、まあその後、警察本部、山梨県の警察本部の通信部にただしましたところが、それはそういうことはなかった、ずっと通じておったということを証明といいますか、はっきり申されましたのですね。これは警察と警察本部の間は通じておったが、町村役場のほうには、何らかほかの関係で警察無電も切れたのだというか、そういうような誤った情報が流れて、町村長が、私ども参りました調査団に報告したのだろうと思いました。いま言ったようなことはなかったということがわかったのですが、万一、災害時等に、警察の通信が全部絶えてしまうということは、これはたいへんだと思いますので、もしそういうような事例がどこかにあれば、十全な措置を必ず講じておいてもらいたいと希望いたしておきます。
○説明員(後藤信義君) ただいまのお話よくわかりました。私ども調べましたところでも、今回の台風の場合には、山梨県に関しまして不通になったという事態はございませんで、超短波無線はずっと生きておりました。ただ、警察署から先の、末端の現場付近になりますと、これはパトロールカーも近づけないという状況で、パトカーに情報を伝達するその間において時間がかかるということがございましたが、パトカーまで持ってくれば、あとはスムーズに伝達できた、こういう状況でございました。
○鈴木強君 それから、私は十日の日の朝日新聞を見まして、非常にしゃくにさわったのですが、これは内容は、「被災者の悲しみを見物に」「不見識マイカー族」「口にガム女性をひやかす」とか、そういう記事なんですが、たまたま、当日九、十と連休になったのでしょう、それで、九日の日には、仮道路のわきで行なわれた犠牲者の共同供養をやっておった。悲しみを新たにしている遺族の前を、車がにやにや笑って通って行った。そのために、供養している人たちが二つに分かれてしまった。こういう内容なんです。非常にこれは不見識なことだと思います。これは国民個々の道義心、そういうものを直さなければならぬと思いますが、吉田の今井警察署長もここに談話を出しておりまして、当日いろいろ情勢把握したのだが、「車も混雑していなかったので安心していた。」というようなことでございました。しかし、こういうような悪質なマイカー族が出てくるということになれば、根場の人たちとも相談をして、物見遊山的な車はできるだけ排除するようにしたい、こういうような記事が出ておりました。まだあそこは十三名の遺体がわかりませんで、警察のほうとしても、たいへん苦労して捜索をしていただいているわけです。だから、まだあとの取り片づけだとか、一生懸命になって仕事をしている人がいるわけですから、そういうところにたくさんの車が入ってくると、工事の妨害にもなるのですね。ですから、こういう点も非常にひとつ現地の人たちと連絡をとって、休みの日になると、これを見る権利というか、向こうに行く権利はあるのですから、なかなかむずかしいと思いますけれども、ひとつ警察の英知を働かせていただいて、少なくとも、悲しみに浸っている遺族の人に不快な気持ちを持たせないような、ひとつ配慮をしていただきたい、こう思います。この点、私から要望ですからお願いしておきたいと思います。 それから、あとは私は資料を出していただきたいのですが、田子ノ浦の防潮堤の災害の実情を見てまいりましたが、これはさっき私は建設大臣に写真を出しておきましたが、十三メーターの防潮堤がむざんにもこわれていますね。しかも、行ってみますと、コンクリートで打っているところは十センチか十二、三センチの厚さしかない。中はみな砂なんですね。ああいう一体、設計というものが、あの高潮を避けるための設計として適当だったのでしょうかね。仕様書のとおり実際やられておるか、今度こそちゃんと中が出ておりますからわかると思いますが、これは会計検査院に、われわれは事態の重要性から見て、私は個人的に一回調べてもらいたいと思いますね。実際ひどいですよ、これは。富士市の三軒屋というところですね、それから今度は蒲原のほうに行ってみますと、防潮堤はせっかくつくっているのですが、側のほうにこんな石を並べてあるのですね。ワクをコンクリートで打って石を並べている。防潮堤を越して裏に入った水がそこのところを決壊してしまって穴になってしまっておる。あんなばかな私は設計工法はないと思うのですね。かつて鍋田の干拓のときに、そういうことであれたけの犠牲者を出した。にもかかわらず、最近近代科学の粋を集めてつくったといわれる堤防がああいうふうな状態だということは非常に残念だと思う。ですから、あの当時の仕様書、設計、これはどういう立場に立つでこれを設計し、そうして完成した場合の竣工検査というものはどうなっているか。特に、その裏側のほうをコンクリートにしなかったのはどういうことか。そういう点のひとつ関係の資料をできるだけ早く、決算委員会との関係から出していただきたい、これを委員長、要求して終わります。
○説明員(古賀雷四郎君) ただいま鈴木先生の資料提出の要求、早急に取りまとめて提出するようにいたします。 なお、この機会に、この前の委員会で、私、高さの関係をちょっと調査して報告する考えでおりましたので、浅井先生から十三メーターないし十五メーターというお話がありましたが、全般的には、平均的には十三メーターでございまして、一部田子ノ浦の取りつけで十四メーター二十の高さの堤防があります。千メーターぐらいのところでございます。
○高山恒雄君 時間がありませんから、簡単にやります。 私は社会局長に聞きたいのですが――きょうは厚生省の関係の方ではあなたしか見えてないと思いますので。今度の災害で、保育所、さらに幼稚園ですね、この災害がどのくらいあるのか。全国的に調査されたことがあるのかないのか、これをひとつ。
○説明員(今村譲君) 十月三日現在までに集めました児童福祉施設、保育所、それから養護施設とか、たくさんの種類の施設がございますが、それは五十六カ所で四千八百十二万円、これは県からの報告でございます。それから十月五日現在、県から来た報告によりますと、全国で五千四百五十九万六千二百円、個所数で全部で六十一カ所、こういう数字になっております。
○高山恒雄君 それで、これは六十一カ所というのは全国的ですね。今度の二十四、二十六号台風による災害個所ですね、それが六十一カ所。これは静岡だけですか、あるいはまた……。
○説明員(今村譲君) 二十四、二十六でありますが、二十四のほうは、ほとんど社会福祉施設、これは数も少ないものですから、ございません。二十六で、静岡、埼玉、群馬、栃木、山梨、神奈川、以上の各県のものでございます。
○高山恒雄君 それで六十一カ所ですね。 そうすると、まあそれはあなたの御調査を信用したいと思いますが、実は静岡で八十三カ所災害が出ておったのです。六百何十億だと思いますが、あまりにも個所と、それに必要とする予算措置というのですね、これが少ないものですから私質問したのです。程度はガラスの破損が大多数のようです。それと屋根ですね。そこで私は、皆さんにちょっと希望意見を申し上げておきたいのですが、今度の場合は深夜であったから、非常にそういう子供の災害といいますか、激甚であった以外のところはまあまあ被害がなかったと見てもいいんであります。ところが、いままでの観測から見ましても、今度の台風があまりにも早かったという、これはみな意見が一致しているのです。これは政府もそうお考えになっているでしょうが、われわれが見ても急速に来た、こういう見方をするわけですね。そこで、今日の日本の保育所にしても、幼稚園にしても、非常に設備が私は不完全なものであると思うんです。そこで、できることなら、この際思い切って、政府に一つの規格をつくっていただいて――内部におけるカーテンですね、ガラスが割れても子供が負傷しないというこの処置は、何が何でもつくるべきだという私は感じがしたわけです、あのガラスの破損を見て。最近は、それに相当抵抗力を持つ防水加工をしたものがありますから、私は幼稚園等にはそれをやるべきだ、こういうふうに考えますが、十分この点はひとつ検討して、できることなら実現してもらいたい、こういうふうに考えます。その点はひとつあとでお答え願ってもけっこうです。 もう一つ、今度は農業の問題ですが、先ほど次官が見えましたので、私はまた次官が見えるかと思ったら見えませんから、これは要望だけ申し上げておきますが、今度の災害で、いろいろいま打たれる手は、救済方法を打っておられるようです。警察当局の報告を見ても、あるいはまた、地方の町村、県がとっております施策を見ても、手は打っておられます。ところが、この報告書にも出ておりますように、芦川村の鶯宿部落、これが百十戸ございます。これは山奥で、私たちはもう時間切れで、六時ごろになったものですから、とうとう行くことができなかったのですが、ここも五十八世帯ございます。そうしますと、ここの地方の方が言われるのについては、現在の復興が直ちにできたにしても、この村の生活というものは、ほとんど炭焼きが本業で、しかも、現在栽培しておられるものはコンニャクイモです。それ以外には何もないのです。野菜程度です。したがって、炭焼きがしかもこの災害を受けたということになりますと、現在の急場は何とかしてその手当てでのがれるにいたしましても、乗り切ることができたにしても、自後の対策を一体農業問題としてどう解決していくのかという重大問題がここに残るわけです。したがって、この問題は、私たち決算委員会においても、予算委員会でも、かなり意見の出た問題でありますが、一体、山間部におけるところの農業対策というのはどうするのか、これが何ら手が打っていないということですね。もうここ三、四年前からその問題は必ず問題の焦点になるのでありますけれども、いよいよ死活問題をどうするかという問題ですが、私は、この災害にあった部落に対しては、農林省としては直ちに次の何かの施策を立てるべきだ。そうしなければ、いかに救済しようとも、これは糊塗的な救済であって、対策にならない。先ほど私が言いましたように、青年は一人もいつかない。大きな問題だと思いますので、さっそくこの災害と並行して、その問題を検討してもらうことを私は希望意見として、農林省のほうに申し士けたいと思います。 次官が見えないので、だれか関係者がおられたら、その点についての御回答を願えればけっこうだと考えております。 以上です。時間がありませんから簡単に……。
○説明員(今村譲君) ただいまの、保育所でもし子供にけがでもあったらというお話、重々ごもっともでありまして、私どもも至急児童家庭局に連絡いたしまして、そういうふうな安全なカーテンを至急規格なりを検討するようお願いしたいと思います。
○説明員(石田茂君) ただいまのお話でございますが、山間における農業問題は、私どものほうでは非常に困っておる問題でありまして、御承知のとおり、ある一定の林野率の、たとえば七五%の林野率以上の場合には、先般成立いたしました山村振興法によりまして、一応山村農業問題が主だと思いますけれども、これに道路問題あるいは生活環境その他総合的な山村振興対策というものを設けて、やはりその山村における産業の中心課題といたしましては、農業あるいは林業問題だと思いますが、そういうことで、一応私どもが中心になってこれらの山村振興問題を考えていかなければならぬと思います。そこで、ただいまの炭焼きを本業としておられる皆さま方の被災問題の当面の問題といたしましては、その方々の生活の問題がございます。それで、当然災害復旧の事業が入れば災害復旧の事業、あるいは国有林の労務者ということで、当面の問題といたしましては、収入の道をそういうふうに講じてまいりたいと思いますが、先生のおっしゃいますように、基本的問題はやはり山村振興の問題だろうと思いますので、これにつきましても、十分各省と連携をとりまして検討いたしたいと思います。
○吉江勝保君 高山委員から芦川村のコンニャク問題について質問をしていただきましたが、この一村ほとんどこのコンニャクの栽培で生計を立てておるのですが、このコンニャクが全面的にやられたという被害に対して、現在どういうような救済方法があるんでしょうか。
○説明員(石田茂君) これは農産物でございますので、一応天災融資法の対象になっております。
○吉江勝保君 融資を受けるという以外には、何かほかにないでしょうか。
○説明員(石田茂君) 現在のところでは、天災融資法による制度しかいまのところないと思います。
○吉江勝保君 同じ作物ですが、やはり丹波山、小菅のほうではワサビが流されておりますですね。ほとんどこれも山村の連中の唯一の生業であろうと思うんですが、このワサビあたりの流失、これには何か救済方法がありますか。
○説明員(石田茂君) ワサビ畑は一応私どもは農地の取り扱いをしておりますので、農地の災害復旧ということで処理できるだろうと思います。
○近藤英一郎君 時間がおそくなって申しわけないんですが、ひとつ今度の災害で流れた橋の関係の復旧なんですが、道路関係でもあるでしょうけれども、河川局長、やはり河川の護岸工事の改修の問題になるんでしょうが、ちょっとお聞きしておきたい。それは有名な足尾銅山から流れて出てくる渡良瀬川の本川で流れた橋の問題なんです。それは長さが約七十メートルくらいあるのです。それが今度の二十六号台風で濁流で橋脚が洗われて流されてしまった。ところが、それはつり橋なんですが、古いつり橋なんです。ところが、原形復旧だと、こういうことで、県ではいろいろ心配されているんですが、その橋の内容を申しますと、長さは七十メートルくらいあるけれども、幅員は昔の橋だから三メートル五十ぐらいしか有効幅員がない。たまたま、三年、四年くらい前から、ぜひこれを永久橋にしてくれという、しかも、渡良瀬川の本流にかけられている橋、だから永久橋にしてくれという運動を起こしておった。たまたま、今度は流されてしまった。そこで、こういう問題はほかの地区にもたくさんあると思うのですが、これも復旧する――かけかえをやってもらわなくちゃならないのだけれども、原形復旧というと、もとのつり橋の、しかも、幅員が三メートル五十ということは、現在の自動車の大きくなった時代にはそぐわない橋である。しかも、これは県道で非常に交通量が多い。橋の名前は「五月橋」という、そういう橋があるのですけれども、そういう場合――たまたま橋がかかっている。非常に極端に屈折しているところに橋がある、だから、将来河川改修ということもこれは関係があると思うのですけれども、これは道路局の関係と河川局の関係になってくるのですが、これを復旧する場合にどういうことになるのか。県ではなかなか原形復旧ということで突っぱっているけれども、もとのつり橋で、そのままの原形じゃないかということも心配しているわけですが、いずれ、県から交渉に来ると思うのですが、それに対して何か考えている点、あるいは聞いている点がありましたらお答えいただきたい。
○説明員(古賀雷四郎君) いまの原形復旧と申し上げましたのは、おそらく機能を復旧するという意味で災害復旧をとられると思います。したがいまして、そういう意味で、構造等は現地に合った構造になると思います。そこで、河川改修が行なわれるとすれば、河川改修費がどういう状態か、精細に知りませんけれども、やる方式に合わせて、それに合ったような計画をできるだけとるようにしたいと思います。そこの河川改修事業がどの程度の進捗状態になっているか、ちょっとここで具体的に把握しておりませんので、これはよく調査しまして、将来手戻りが起こらないように措置するように努力したいと思います。
○近藤英一郎君 そうすると、原形復旧ということは、やはり、もとのつり橋にするわけですか。それをまた、原形と同じように復旧しようということなんですか。
○説明員(古賀雷四郎君) 原形復旧と申しますのは、原形というように、もとどおり直すことです。ただ、私らが原形ということを申しましたのは、機能を原形のように持たせる、それだから、たとえばいま自動車が通っておりますれば、自動車が通れるように直しますし、そこで、つり橋がいいのかどうかというのは、その河状の問題もありましょうし、いろいろ状況がありますので、その辺で現地を見て考えるということになると思います。必ずしもつり橋で復旧するとは限りません。そういうぐあいに御理解願いたいと思います。
○近藤英一郎君 そこで、機能を原形に復旧する、ところが、流れて何もないのです。もとの原形というやつは、さっき申し上げたように、三メーター五十くらいしか幅員がない。いまは時代に即さないわけだす。だから、結局、それをひとつここでかけかえてもらわなくちゃならぬのだから、しかも、災害だから優先的にやってくれると思うのですが、たまたま、そういう問題にぶつかって県も頭が痛い。だから、実情に即した近代的な、やはりいまの自動車の交通量あるいは自動車の大きさ等を勘案して、いまの要求するような時代に即した橋に直してもらいたい。これは地元の要望なんですが、そういう点はいれられるわけですか、どうですか。
○説明員(古賀雷四郎君) 幅員の点は、災害のたてまえ上、幅員はそれ以上広げられませんけれども、たとえば災害関連事業というのを導入いたしまして、三メーター五十の幅のやつをたとえば規格の橋にするとか、いろいろなことはいろいろ災害査定の段階で検討することができると思います。できるだけ自動車の通れるような橋を県と打ち合わせるようにしたいと思います。
○近藤英一郎君 三メーター五十は基本としてやるわけなんだろうけれども、せっかくかけるのですから、何千万という金をかけるのですから、将来それを加味して改良復旧ということになるかどうか知らぬけれども、それはやはり現状に即して、いまの時代に即した橋にかけかえるべきだと私は思う。ひとつその点は強く要望しておきます。
○説明員(古賀雷四郎君) 要するに、災害復旧は三メーター五十で災害復旧をとりますけれども、それに災害関連事業という改良費を加えまして、六メーターなら六メーターにするということもできる制度になっておりますので、県と打ち合わせまして、十分御要望に沿うように努力したいと思います。
○吉江勝保君 もう一つ、非常にこまかい話なんで、こういうところで聞くほどのこともないんですが、いまも話が出ておりますが、橋が落ちましたときに、仮橋を町村でつけました場合に、仮橋の費用というものを町村費だけに負担させているのか、これもやはり国のほうで何分の一かの補助を見てやるのかということが一つ、できればそれは見てやってもらいたいんであります。
○説明員(古賀雷四郎君) 仮橋も橋でございますので、当然災害復旧の応急復旧の対象になる橋でございます。災害復旧の対象になると思います。
○吉江勝保君 同じく改良復旧で、先ほどの話で解決しているようですが、取りつけと申しますか、少し橋を高くかけるように改良された点は、その橋から道路の取りつけというんですか、ああいう部分の費用も関連事業として、これも補助の対象になるのですか。
○説明員(古賀雷四郎君) 災害復旧日の場合には、被災水位というのがきめてありまして、被災水位までとるのは、災害復旧でとれます。あるいは、それ以上高める、あるいは幅を広げるということになりますと、災害関連事業の対象になります。取りつけも全部一緒に含めて関連事業の対象になります。
○吉江勝保君 林野庁は出ておりましょうか。――それではやめます。
○委員長(成瀬幡治君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度といたします。 この際、特に関係各省庁の方に申し上げます。 一カ月前の予定で、明確に本日行なうということはわかっておるわけでございますから、今度は欠席がないように、たとえば行政管理庁長官はどうにもなりませんでしたけれども、欠席になったり、あるいは途中から退席をされることのないように、委員会の運営について御協力方お願いを申し上げます。 次回の委員会は十一月十日木曜日午後一時から開会をいたします。 本日はこれにて散会をいたします。 午後五時四十分散会