災害対策特別委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 107 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1966/09/09
会議録
○委員長(成瀬幡治君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 八月二十六日、小柳牧衛君及び佐藤芳男君が委員を辞任され、その補欠として大森久司君及び近藤英一郎君が選任されました。 九月八日、藤田正明君が委員を辞任され、その補欠として佐藤芳男君が選任されました。 また、本日、米田正文君及び戸田菊雄君が委員を辞任され、その補欠として吉武恵市君及び吉田忠三郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(成瀬幡治君) 次に、理事会の協議事項について御報告いたします。 本日は、蕪栗沼周辺農地の災害の状況を聞いた後、台風十三号、十四号及び十五号並びに八月の集中豪雨等による災害対策に関する件について質疑を行なうことになっておりますので、御了承願いたいと思います。
○委員長(成瀬幡治君) それでは、災害対策樹立に関する調査を議題といたします。 まず、先般資料の要求をいたしておりました蕪栗沼周辺農地の災害状況について関係当局から説明を聴取いたします。
○説明員(松井芳明君) 宮城県蕪栗沼周辺農地の災害状況につきまして御報告申し上げます。 蕪栗沼は以前におきましては、水面積が約四百五十町歩の沼でございましたが、昭和十六、七年ごろから逐次干拓されまして、現在では水面が七十二町歩だけを残しまして、周辺は農地として耕作されているわけでございます。 このたび第四号台風によりまして、出水によりまして、沼の水位が上昇して沿岸の干拓地のうち白鳥地区が浸水したわけでございます。そのため排水路が約千二百メーター被災いたしまして、また稲作に相当の減収が見込まれる状況になったわけでございます。この稲作につきましては、農業災害補償の対象になるとともに、また天災資金の融通が行なわれることになっております。 また、被災いたしました排水路につきましては、八月の八日から東北農政局が現地査定を行ないまして、早急に復旧工事に着手することにしております。 で、この蕪栗沼は瀬峰川、小山田川、萱刈川の三本の川が流入いたしまして、この三本の川の流入水を一時貯留して旧迫川に流下させるという、いわゆる調整池の役目を持っておるものでございます。この白鳥地区は河川管理上遊水池となっておりますので、この土地は公有地で、農民は県の河川管理者から耕作許可を得て耕作しているところでございます。この地区の干拓地のうち白鳥地区だけがこういうふうに遊水池になっているわけでございますので、他の地区の湖岸堤に比べまして白鳥地区の堤防は高さも低く、いわゆる暫定堤防という形で高さも低いので、洪水時におきましては当然浸水も受けるわけでございまして、したがいまして、干拓後二十数年を経過しておりますけれども、安定した経営ができないというふうな事情で参議院の調査団が現地においでになりましたときに、地元の田尻町長から陳情が行なわれたわけでございますが、この要旨は、白鳥地区を遊水地帯から解除してほしい、次にこの解除ができなければ、県管理の河川堤として高さを上げて復旧してもらいたい、このいずれもができない場合には、遊水池の災害補償をやってもらいたいという要望が出されたわけでございまして、この要望は、いずれも建設省関係に対する要望でございまして、農林省といたしましては、農林省の関係の要望というわけではなかったので、県及び町当局から農林省関係に連絡がなかった次第でございます。 以上で御説明を終わります。
○委員長(成瀬幡治君) 以上で報告を終わります。 これに対して御質疑のおありの方は……。
○浅井亨君 先日の委員会のときに御質問申し上げましたときに、この蕪栗沼及び沼のこの遊水池の問題で全然だれも答弁ができない、その責任がどこにあるかということさえもわからないというような状態であったのですが、いま話を聞きますと、この遊水地帯、こういうのですが、一体全体この管理はどこにあるのですか。
○説明員(松井芳明君) 遊水池の管理は県の河川管理者にございます。
○浅井亨君 それではその干拓地ですが、それは県有地ですか、それとも国有地ですか。
○説明員(松井芳明君) これは地目は河川敷になっておりまして、いわゆる公有地でございます。
○浅井亨君 国有地。
○説明員(松井芳明君) ちょっとそこのところはさだかではございませんが……。
○説明員(古賀雷四郎君) 国有河川敷であります。
○浅井亨君 国有ですね。
○説明員(古賀雷四郎君) はい。
○浅井亨君 そうすると、いま話を聞きますと、これは耕作地としてどこが認めておるのですか。
○説明員(古賀雷四郎君) 河川管理者が専用の願いによりまして、田尻町長佐々木敬一あて五年間の占用を認めております。占用料として二十九万七千円をいただいております。
○浅井亨君 ちょっとわかりかねますが……。
○説明員(古賀雷四郎君) この国有河川敷の占用は、田尻町から占用の申請が出まして、それを河川管理者が許可いたしまして、その占用料としまして二十九万七千円をいただいております。
○浅井亨君 国有地であって、そうしてこの耕作権は県で認めておるということですね、そうなんですか。耕作権はどこで認めておるのですか。政府ですか。
○説明員(古賀雷四郎君) これは耕作権と申しますか、一時占用を許しておるわけでございまして、これは大体もともと蕪栗沼は、先ほど言われましたように、瀬峰川、小山田川、萱刈川、そういった川から入ってくる水を蕪栗沼で約四百トン調整いたしまして、下流に安全に流すというたてまえで、調整池として認められたものでございまして、その調整池の機能を阻害しないという限度において占用を認めております。したがいまして、そういう占用に、治水用の目的に支障のないという限界において、そういう占用は認める、従来からも認めておりましたし、今後もそうするつもりでございますが、なお、いまほど話がありました堤防の高さにつきまして、これは調整上五メーター五十にしなくちゃならぬということに制限高をきめてあります。一時地元のほうで六メーター五十にしたことがございますが、それは五メーター五十に下げてもらっております。そういう経過もございます。
○浅井亨君 この地元の陳情書ですが、これを読みますと、昭和十六年より営々開拓した農地でありますけれども、遊水地帯としての制限があるため堤防強化措置が十分なし得ない、こういうふうに出ているわけです。この遊水地帯であるがゆえに堤防の強化ができないために災害が起きると、こういうことになりますと、宙ぶらりんなかっこうでほっとくということは、そこの農民は非常に困ると思います。この点はどのように考えておりますか。
○説明員(古賀雷四郎君) これは占用でございまして、決して、これは占用の申請によりまして、こういう占用は、いつでも河川の必要を生じたら占用を取り消すというような状態の占用でございます。したがいまして、これらに対しまして、たとえば、これは生計の十分な基礎になっておるかと思いますが、そういうものを遊水池あるいは治水上の要請による調整池の占用によりまして、さような占用によりまして今後のいろいろな生計の問題とかいろいろな問題までわれわれとしましては……。
○浅井亨君 そこをはっきり、もっと大きく。ちょっと聞こえない。
○説明員(古賀雷四郎君) 占用によりまして、そういう条件つきで許可いたしておりますので、したがいまして、そういう事態が生じた場合とかあるいは将来の保障につきましては、全然考えておりません。
○浅井亨君 そこの当分の間と、こういうようにお話ですが、その契約はどういうふうになって一おるのですか。契約はあるのですか、ないのですか。話し合いですか、そこのところをはっきりしてもらいませんと……。
○説明員(古賀雷四郎君) 先ほど申し上げましたように、四十年の四月一日から四十五年の三月三十一日までを限って占用を許可いたしております。それは占用の正式な書類に基づいて許可しております。
○浅井亨君 私は、現地に行ってつぶさに聞いたんですが、しかし、聞いたところで簡単にそうわかるものじゃありません。そこで、大体のことを申し上げますと、ここのところが遊水池であるということもわれわれは知らなんだと、こう言っている。そうすると、どのようなかっこうでそこが管理され、どのようなかっこうで農民と契約されているかということがわからなくなる。あなたのほうではわかっているようなことをおっしゃっても、現地の人はそう言っているのですから。その点はどうなっているのですか。
○説明員(古賀雷四郎君) 占用にあたりましては、いつでも必要な場合には、そういう占用に対しましては水利上の必要を生ずれば返還を求めることもできますし、将来そういった補償につきましても考えてないというような条件が付されております。 それから年限につきましても、十分そういった点も考慮してやってあります。そういうことでございますから、これらに対しまして、私らとしましては、将来も調整池として利用していく必要があります。あくまで占用という、一時占用という形で、占用の申請が出れば許可していくと、こういうふうに考えております。
○浅井亨君 いつでもそれは取り上げることもできるというような話ですが、その契約はどうなっているんですかと聞いている。そこのところがはっきりしないから、現地の農民は困るじゃないか。ただこうだこうだ、必要が生じた場合にはこうだ、あなたはそうおっしゃってますけれども、現地の人は、昭和十六年から営々としてそれを農地にしたというのですね。そうして、いつでも取り上げることができるのだというような、そんな一方的な考え方では農民は困ると思うのですよ。で、そうして、おまけにそういうような遊水池としての制限があるためと、こういうことになって、堤防の強化措置ができていないんだと、こうなると宙ぶらりんのものを中心にして、それによって堤防の強化ができない、そして災害を何べんでも繰り返すと、こうなったんでは、現地住民はたまったものではない。その点をはっきりしてもらいたい。
○説明員(古賀雷四郎君) 白鳥地区の占用について、条件等につきましてお答え申し上げます。先ほど申し上げましたように、地目は河川敷でございます。農民は河川法の二十四条によりまして県から占用許可を受けて耕作いたしております。許可月日は、四十一年三月二十三日になっておりますが、占用期間は四十年四月一日から四十五年三月三十一日までになっております。それから占用面積は、四九・一六ヘクタール。占用料金は先ほど申し上げたとおりでございます、年間二十九万七千円。それから許可条件としまして、占用に起因して河川並びに第三者に対して損害を与えた場合には、占用者の負担によって復旧賠償を行なうこと。それから占用期間中において、河川管理上必要を生ずれば、占用物件の撤去、除却、改築を求めることができる。遊水地帯は公共土木災害復旧の対象にはならない。以上のような条件で許可をいたしております。
○浅井亨君 年限はいつですか。
○説明員(古賀雷四郎君) 年限は、許可の月日は四十一年三月二十三日、宮城県古土−古土というのは古河土木事務所のことでございますが、指令五百五十九号でございます。
○浅井亨君 そうすると、ことしの三月ですか、四十一年三月。
○説明員(古賀雷四郎君) そういうことになります。
○浅井亨君 それまではどういうことになっておりますか。
○説明員(古賀雷四郎君) それまでは、その前は三十六年の四月二十日に許可いたしておりまして、四十一年の三月二十三日に許可しております。
○浅井亨君 許可をやり直したというわけですか。
○説明員(古賀雷四郎君) そうです。大体この契約で見ますと、五年ごとに更新しておるようでございます。
○浅井亨君 五年ごとに……。
○説明員(古賀雷四郎君) はい。
○浅井亨君 それでは次に移りますが、現地の要望ですが、この要望に対して、遊水地帯というものは、これは現地住民が非常に困っておるのですが、この遊水池解除ということについてはどのように考えておりますか。
○説明員(古賀雷四郎君) 現在の遊水池は、先ほど申し上げましたように、上流の三河川から入ってくる流入量が六百四十トンございますが、そのうち四百トンをカットいたしまして、下流を二百四十トンで流すという安全な流し方をしております。したがいまして、この遊水池を解除すれば、直ちに旧迫川に相当分影響することになりますので、解除する考えはございません。
○浅井亨君 それでは先ほどから何回も申し上げておりますが、遊水地帯として制限があるために堤防強化措置が十分なし得ない、こういうことになるわけです。そうするとあなたのほうで遊水地帯を解除しないということになると、堤防の強化ができないと、こういうふうに現地の人は言っておりますが、堤防の強化はやらないのですか。いやこっちは、遊水地帯は解除しない。それでは堤防の強化はどうなるのか。こういう問題になってくるのですが、それはあなたのほうで、はっきりと、その線をどうしてやられておるのですか。
○説明員(古賀雷四郎君) 遊水地帯の堤防の高さは五メーター五十にしないと、先ほど申し上げました調整の目的は達しない。したがいまして、堤防の強化、特にかさ上げの問題につきましては、私たちは五メートル五十を確保するという線で今後も進みます。
○浅井亨君 堤防の強化はするということですね。
○説明員(古賀雷四郎君) いえ……。
○浅井亨君 それじゃ困るじゃないか。遊水地帯としての制限あるため堤防の強化ができないのだ。できないというのですね。それじゃ困っちまうじゃないか。それじゃ現地の住民は困るじゃないか。困るから、それはどっちかやってくれということです。
○説明員(古賀雷四郎君) 住民は、さようなことを承知で占用を申請しているわけでございます。われわれとして、堤防を高める考えはありません。
○浅井亨君 承知だからといってほっておくのですか。そういうような政策がいけないというのです。耕作権を認めていながら、それを守ってやろうという気持ちがないのですね。そこがぼくらにははっきりしないのです。
○説明員(古賀雷四郎君) 国有河川敷の占用は、耕作権と申しますか、一時占用的なものでございまして、治水上の必要があればいつでも、先ほど申し上げましたように、取り消し、除却その他可能でございますので、われわれとしましては、堤防の強化というものは考えておりません。
○浅井亨君 けっこうです。また次にやります。
○永岡光治君 ただいまの問題で事情はほぼわかりました。結局、昭和十六年ころからこれを認めてきたというのですね。ところで、当時認めてなければ、今日まで認めてなければ、こういう問題が起こらなかった。起こったというのは、おそらく、戦時中でもあるし、使える農地はとにかく使って、食糧増産に協力しようというところからきたのだと、これは私の想像でありますが、まあそうしてきて、今日、昭和四十一年でありますから、ここ二十五年間そういう状況できたということになると、これをいまさら否定するというわけには私はおそらく参らないと思う。してみると、遊水池としての使命もいろいろ果たさなければならぬ。したがってそういう面からいえば、災害というものは起こるに相違ない。残された道は何かというと、その災害に対する救済の方法ですね。起きたつどというか、あるいは将来にわたって、できるだけ遊水池の使命を果たしながら、なおかつ災害ができるだけ最小限にとどめられるような施設というものがどういうものでなければならないか。そういうものをまず研究してもらうと同時に、起きた暁における災害の補償というものについて、これはやっぱりどうしても見てやらないとならない私は結果になっていると思うのですが、その災害の補償については十分これは考慮されるべきものだと思うのでありますが、事実また、いろいろな災害救助法だとか、天災融資法とかいろいろなものが適用されているようでありますが、当然だと思いますが、その問題については、そういう法律のいろいろ問題を含めまして、災害救済について特段の救助をされる配慮をされる用意があるのかないのか。当然あってしかるべきだと思いますが、その点はどう考えておるのか。お聞きしておきたい。
○説明員(古賀雷四郎君) これは調整池の目的を達するために設けられたものでございまして、当然さような治水上の目的も達成しなければならぬとわれわれ考えておりまして、占用する場合におきましても、さような不時の事故が起きることは当然御了承の上にお願いしているわけです。したがいまして、河川管理者としてこのような問題に補償していくかというと、なかなか困難であるというふうに考えます。ただ、農林省等において、農業共済とかいろいろな問題があれば、これはまた別の問題であります。ただいまのところ、堤防を強化することは治水上支障があるし、これをどう救済するか、方法として十分検討は——なかなかむずかしいのではないかと考えます。
○説明員(松井芳明君) 農地及び農業用施設に対しまして災害を受けました場合には、これは現に水田なり畑なりを耕作しておりますので、現状の認識の上に立ちまして原形復旧をやることにいたしております。この場合も白鳥地区におきましては、農地の被災はございませんが、堤防とそれから堤内の排水路が約千二百メートル被災しておりますので、これにつきましての災害復旧はすでに査定も終わりまして、できるだけ早く着工する予定にいたしております。
○永岡光治君 まあ農林省の所管としては、起きた災害について原状復旧という観点から、その補助ないし補償についてこれまでもやっておるし、今後もそういうことをするということ。ただ、その地元民にしてみれば、二十五カ年間ずっとやってきた厳粛な事実があるわけですね、問題は。そこで、遊水池としての使命、これはもう建設省としては当然その使命を果たさなければならぬので、その気持ちはわかりますが、ただその遊水池の使命を果たす上にも、現状のままでいいのだとぽんとはねつけるのではなくて、何か現実にそこに農地があることを考慮に入れつつ、もう少し何らかの、災害が少なくなるような、遊水池とはしながらもなお将来にわたってできるだけその災害を少なくできるような施設というものを考えられないかどうか。それは他の河川やその他にも影響しますから、その河川の改修も含まれるでありましょう。ときによっては、あるいはその水路の問題については多少の手心を加えることもあるかもしれません。そういうものを含めてやはりそこで再検討するぐらいの用意がないと、いやこのままでいいのだということでは、私はどうも済まされないような気持ちがするわけですが、そこらあたりの考えはどうなんですかね。
○説明員(澁谷直藏君) ただいま永岡先生の御質問、全く同感でございまして、河川全体の管理の立場からいって、調整池としての機能はこれは確保しなければならぬ。しかし、過去二十五年間にわたって現に耕作をやってきた、これまた厳然たる事実でございまして、したがってそこで耕作をしておる農民の方々が少しでも安心をして耕作できると、こういう状態を確保することは、これまた当然政府の責任であるわけでございます。したがって、ただいま河川局長から、現在の堤防五メートル五十というものはどうしても必要だ、確保しなければならぬという答弁でございましたが、ただいま永岡先生の発言のような趣旨に沿って、ひとつこの堤防五メートル五十がもう絶対のものであるかどうか、さらにまたほかの災害を防止するたてまえからいって、ほかにさらに検討する手段があるかどうか、そういったようなものについても全般的にひとつ検討を進めたい、かように考えます。
○永岡光治君 ぜひそうしていただきたいと思います。
○委員長(成瀬幡治君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑はこの程度にいたしまして、次に台風十三号及び十四号、十五号、八月の集中豪雨等の災害について、最初に総理府から、被害の状況について御説明を願います。
○説明員(上田伯雄君) お手元に昭和四十一年八月台風第十三号等による被害状況というこういう資料が配られておるはずでございます。これが今回の災害に関します被害の調書でございます。なおこれについて若干の御説明をいたします。 本年八月には台風十三号、十四号さらに十五号が本土に上陸または接近いたしまして、その影響による大雨のほかに、東北、北海道、山口地方に大雨がありましたが、これによる被害の状況がお手元の資料でございます。 まず、八月の台風及び大雨の状況でありますが、八月十二日から十三日にかけまして、北海道、東北地方の大雨がありまして、これは梅雨前線のなごりの前線による雷を伴った雨でございます。 その次の台風十三号は沖繩付近を通り、東支那海に抜け、本土に上陸はしませんでしたが、本土の南岸から九州南部にかけまして大雨を降らしております。八月十九日には山口県地方で、また十六日から二十日にかけまして北海道地方に局地的な大雨がありましたが、これらは大陸からの寒気団の南下に伴います影響によるものでございます。 台風十四号及び十五号は、それぞれ静岡県及び宮崎県に上陸したときは急速に勢力が衰えておりまして、幸い被害は軽少でございました。 これらの大雨によります被害で比較的大きいものは、台風十三号と、八月十六日から二十日にかけましての北海道、青森地方の大雨によるものでありまして、八月三十一日までの推計によりますと、施設関係等の被害は、十三号によるものは、公共土木施設約三十二億円、農地等約十七億円、農作物等約二十四億円、これら合わせまして総額八十七億円になっております。 八月十六日から二十日にかけましての北海道、青森地方の大雨による施設関係等の被害額は、公共土木施設関係が約六十六億円、農地等が約七億円、農作物等が約三十五億円、崩壊林地等が約十四億円、その他合わせまして約百四十二億円ほどのものとなっております。 これらの大雨による災害に対しましては、政府といたしましても、それぞれ各省、各庁努力いたしまして、災害応急対策あるいは災害復旧対策等に万全を期して相つとめておる次第でございます。 引き続きまして、先般の台風十八号によります宮古島関係の被害状況等について御報告をいたします。 九月の五日、台風十八号の通過によりまして、宮古島では大きな被害を受けたのであり、その状況と、それに対しまして現在政府のとっております措置につきまして概要を御説明申し上げます。 九月七日の十五時現在で、琉球警察本部の調査によりますと、負傷者二十七名、住家全壊千五百四十二、半壊四千五百八十七、床上浸水四十四、床下浸水四十、罹災世帯千五百五十一、罹災者八千百十五名等となっておりまして、サトウキビ等農作物にも相当の被害を受けておる模様でございます。 これは昭和三十四年の宮古島に参りました台風以来の規模でございまして、被災者にはまことにお気の毒と申し上げるより申し上げようもございません。政府といたしましては、直ちに米国民政府並びに琉球政府に対しまして、南方連絡事務所長から日本政府としてお見舞い申し上げるとともに、日本政府に対しまするところの救援や協力につきまして、具体的内容を向こうからお知らせ願いたい、こういうような連絡をしてございます。また、たまたま沖繩に訪問中でございました総理府の朝日会計課長、それから林特別地域連絡局の総務課長、この特別地域連絡局は実はこちらのほうの所管の局でございまして、これが行っておりまして、さらに大蔵省の主計官もおられましたので、直ちに災害の現地におもむき実情調査を命ずるとともに、琉球政府の災害対策本部に対しまして、救援協力等の具体的内容をお聞きしておるわけでございます。 次に南方同胞援護会に対しましても、民間ベースによる救援体制の整備を依頼しております。政府としましては、この具体的な内容が判明します次第、すみやかに救援対策を樹立いたしたい、かように思っております。さらに、政府からも早急に調査団を派遣すべく内部で検討中でございます。
○委員長(成瀬幡治君) 次に、気象庁より概略御説明願います。
○説明員(今里能君) お手元に昭和四十一年八月十三日ないし十六日の西日本太平洋側の大雨に関する速報云々という資料がお配りしてあると思います。大体これに基づきまして、簡単に台風十三号その他の集中豪雨につきまして、御説明申し上げたいと思います。 八月の中旬から下旬にかけましては、台風十三号、十四号、十五号と連続して来襲いたしまして、その間を縫って、先ほど御説明ありましたように北海道、東北地方、それから山口県、それからまた南九州方面に大雨がございまして、これは台風十三号につきましては、八月の十日に弱い熱帯低気圧が発生したのでありますが、これが次第に発達いたしまして、台風十三号と命名されるに至りまして、十六日の九時に那覇の西方四百五十キロぐらいのところに達しまして一番発達したのでありますが、しかし台風の強さは並みでございまして、それから型としましては非常に大きかったのでございます。この台風によりまして、非常にあったかい湿った空気が西日本の太平洋岸に吹きつけましたために、太平洋側の各地区に、特に山脈の南側で多量の降雨をもたらしました。で、宮崎県の平野部から大分県の県境、高知県、徳島県の南部を経て紀伊半島に至る大雨がこの台風十三号によるものでございます。それの詳しい状況は資料の付図3にございます。ページにいたしまして一一ページから一二ページ、それからその次のページ等でございます。 各地の雨量はこまかく申し上げませんけれども、付表の一に要約してございます。二八ページをごらんいただきますと、この台風十三号によりまして、宮崎県の熊田におきましては、十三日から十六日にわたりまして合計八百十六ミリという非常に大量の雨が降っております。 それから一八ページに九州各県、四国、近畿、東海、東北地方に発令されました注意報、警報等の状況が御参考までに掲げてございます。 次に、ほとんど同じころでございますが、八月の十三日に青森、秋田県境を中心とした大雨がございます。十二日の夜半ごろ、ちょうど前線が秋田県を通過しておりましたが、その上に秋田沖に小さな低気圧が発生いたしまして、それに前線が刺激されましたために、十二日の二十二時ごろから翌日の午前三時ごろの短時間に、青森、秋田県境付近を中心といたしまして局地的に非常に大量の雨が降ったのでございます。青森県の戸来では百七十二ミリ、休屋では二百二十四ミリ等の降水がございました。 それから次に同じような資料でございますが、台風十四号、十五号の速報というのがお手元に配付してあると存じます。それについて若干申し上げます。 台風十三号による雨がおさまるつかの間もなく、八月の十八日にサイパン島の北東四百キロ付近に弱い熱帯低気圧が発生いたしましたが、これが発達いたしまして、二十日の午後には硫黄島の東方七百キロに達し、その強さが台風として並みの程度に発達いたしました。大きさはわりあいに小さいほうでございます。この台風十四号は、その後北上いたしまして、三宅島付近を抜けて浜松に上陸いたしたのでありますが、非常に小型のもので、北上いたしますにつれて勢力も弱くなりましたために、この台風十四号によるところの雨の被害、風の被害というものはたいしたものではございませんでした。また通路に当たりました箱根の方面では、百ミリ以上局地的に降ったところもございますが、その他は百ミリには達しませんで、五、六十ミリという程度でございます。 次に、台風十五号でございますが、台風十五号は、沖繩の近海に袋状の低圧部が存在したのでありますが、その中にまとまった熱帯低気圧に類似するものができまして、これが十九日から二十二日にかけてでございます。で、この熱帯低気圧は、十九日の朝、たまたま日本海の付近にありました寒冷前線を刺激いたしまして、そのために山口県で局地的な大雨が降ったのでございます。この十五号は、二十二日の午前中から次第に北上いたしまして並みの強さになり、それから大きさは十四号と違いまして中型となったのであります。で、宮崎市の付近に二十三日に上陸いたしております。以後熊本県の人吉付近を通過いたしまして、五島列島のほうに抜けてまいりました。この台風十五号によりましては、山口県の雨のことも申し上げましたが、一般に西日本に非常にしめった空気を吹き込んでまいりましたために、九州、四国、紀伊半島の南東斜面方面では一日で百ミリに達するような雨が降り続いたのでございます。その雨の状況は、資料の一七ページないし二一ページに総雨量が示してございますからごらんいただくとわかるかと思います。 なお、各地におけるこの台風十五号によりますところの雨量は付表1、二二ページ以下に要約してございます。 それから、またこの台風に関連いたしまして、九州、四国、中国、近畿、東海、関東、北陸、東北、北海道等に出しましたところの注意報、警報、それは資料の三二ページ以下に要約してございます。 以上が八月中旬から下旬にかけましての台風並びに集中豪雨の概略でございます。
○委員長(成瀬幡治君) 上村副長官から宮古島の災害について特に発言を求められておりますからこれを許します。
○説明員(上村千一郎君) 先ほど上田参事官から御報告を申し上げましたが、それに付加いたしまして政府のただいまとっておりますところの措置につきまして御報告をさせていただきたいと思います。 実は、この九月五日に台風十八号が通過いたしましたことによりまして、宮古島その他石垣島等につきまして相当の被害が生じました。それで政府のほうではたまたま沖繩へ総理府の朝日会計課長と大蔵省の渥美主計官、総理府の特連局の総務課長の林君、その三名が沖繩に参っておりましたので、直ちに指示をいたしまして、被害の実情その他につきまして現地の調査を指示いたしました。で、きょうの晩ぐらいに三名が戻ってくるかと思うわけでございます。それで、その後総理府の総務副長官の古屋氏、並びに厚生省の社会局施設課長、農林大臣官房の総務課長、建設省住宅局住宅建設課長、内閣総理大臣官房の中西参事官補、それから総理府の特連局の調査官並びに南方同胞援護会事務局長の吉田さん方をこの十一日から十四日にかけまして、現地に派遣をします。そして琉球政府並びにUSCARの方面ともいろいろと打ち合わせをいたしまして、そして現地におきまして、どういう実情になっておるのか、どういうものにつきまして日本として協力するかというような打ち合わせに派遣をすることに決定をいたしておるわけでございます。なお、天皇、皇后両陛下は台風十八号により甚大な被害を受けた宮古島等の住民に対し、お見舞い金としまして金一封を総務長官を通じて贈られてまいりました。それで、この御下賜金は古屋総理府総務長官が九月十一日に松岡琉球政府行政主席に伝達をする、こういうような段取りになっておるわけでございます。いろいろと現地の実情その他につきまして、適切な、しかも緊急に措置をするという態勢で臨んでおるわけであります。 ただいまのところの御報告を申し上げさせていただいた次第でございます。
○委員長(成瀬幡治君) 以上で説明は終わりまして、これから質疑に入るわけでございますが……。
○佐藤芳男君 私はお許しを得まして、開会前に陳情のございました新潟県の北蒲原方面の切烈なる要求につきまして、この際関係省から御意見を拝聴しておきたいと思うのであります。 第一の問題は、先般、去る先月の九日の本委員会におきまして、橋本建設大臣に対しましてお願いをいたした案件でございます。それはおそらく建設省におかれましては、河川に関する五カ年計画をいずれは改定されまして、特に中小河川の抜本的な施策を講ぜられると思うのでございますが、それにいたしましても、相当の年月を必要とすることは、実情から申しまして、無理のないことと思うのであります。それで、現在並びに将来をおもんばかりまして、私は災害地の声として、建設大臣に対しまして、先般お願いいたしましたことは、福島潟からわずかの距離でございまするので、海へ放水路をつくる計画をもしも県が熱意をこめて成案を得てお願いいたします場合におきましては、お取り上げを賜わりたいということをお願いいたしたのであります。ところが、本日の陳情に、地元の町長はじめ責任者がこれと同様な趣旨の陳情が本委員会に対して行なわれたのでございます。県におきましても、わずかの金で、しかも災害の場合の隘水をたやすく排除できる施策でございまするので、ぜひお願いをいたしたいことで、ただいま成案を急いでおる次第でございますので、これが正式な問題として県より提起されました場合におきましては、ぜひひとつ実現の方向によってひとつ御検討賜わりたい、かように思うのでございます。 先般も申し上げましたように、映画館を国が許可をいたします場合でも非常口がなければ許可にならぬ。ただいまお願いをいたしておりまする案件は、まさに非常口と心得てしかるものだ、かようにいまもなお考えておる次第でございます。わずか十億そこそこでできようかとかように思うのでございます。建設御当局、事務御当局におかれましても、漏れ承るところによりますると優に三億はかかるなと言っていらっしゃるそうでございます。北陸地建におきましてはもう少しかかりやしないかと、かようにおっしゃっておられるそうでございます。それにいたしましても、災害ということを対象にして考えますれば、きわめてわずかの金でございまするので、その際は格別なる御配意にあずかりたい、かように存じて、大臣の重ねての御所見を承りたいと思うのであります。これが第一点であります。
○国務大臣(橋本登美三郎君) ただいまの佐藤委員の陳情か御意見かわかりませんが、いずれでもけっこうなんですけれども、せんだって、私も災害地に行ってまいりまして、かなり広い耕地であることは間違いない。かつまた福島潟というものも——自然のうちにああいうものができたんだろうと思います。加治川の決壊個所を私は見、かつまた阿賀野川の堤防を切った個所を見たのですが、あの場合、幸いにしてその後大雨がなかったから仮締め切りが間に合いましたけれども、なかなか冒険な措置であったろうと思うのでございます。しかしながら、どちらかの堤防が万が一再び決壊いたしましても、あるいはあの地区に集中して雨が降りましても、福島潟を中心にして湛水することはこれは間違いない。地元に参りましたときに、地元の市町村長から、福島潟にたまる水を海に流す、いわゆる、いまおっしゃった福島潟放水路といいますか、そういうものをひとつ考えてもらいたいという陳情を承って、北陸地建及び本省の河川局長にもこれの調査を命じております。まあ、県のほうでも、もちろんこれは本格的な調査をいたしましょうからして、したがって建設省としては県当局と十分に打ち合わせをし、いわゆる自然の形でつくられた福島潟からいかにして水を出すか、この点については前向きの姿勢でこれの解決のために調査を進めたい。そうして、それらが可能であれば——問題はしかしながら海水の面とあの福島潟付近のいわゆる高さというものがまあまあほぼ平行している、あるいはまた場所によっては低い。さようなことで、やっぱり放水路をつくる以上は、ふだんの日には逆水門といいますか、逆流する水を防がなければならぬということで、工事としても簡単な、ただ放水路だけつくればいいというようなわけにいかぬようであります。それらを十分検討して、ぜひともあの方面の災害がなくなるような方向で、前向きで措置いたしたい、かように考えております。
○佐藤芳男君 ただいまはっきりした御答弁をちょうだいいたしまして感謝にたえません。なお、福島潟から海に放水路をつくりますことは、建設省が非常に御関心を持ち、運輸省にも関係を持つのでございますが、新潟の新工業、その問題とも非常な有利な関連を持つものでございますことも、この際申し上げておきたいと思うのでございます。 なお、私はもう一つの問題でございます自作農の資金の問題について、農林御当局から御答弁を願っておきたいと思うのでありますが、この自作農資金のワクは、もうすでに全国に配分に相なりまして、残りが少ないということは、よく承知をいたしているのであります。その少ない残りを災害地の農家のために回していただけることは、これはもう明らかなことと推察をするのでございまするけれども、何といたしましても、この資金のワクの確保、この問題はきわめて重大でございまして、それとともに限度の引き上げを、私どもは何としてでも要求を申し上げなければならないと考えておるのであります。これは財政投融資でございまするから、資金の余裕がございませんならば、結局臨時国会を待つほかはないかとも思いますけれども、その際御考慮を願わなければならぬことになるかもしれませんけれども、資金の確保に関連いたしまして、限度の引き上げという問題、これは従来五十万円と相なっておるのでございますが、私どもはこれを何としてでも百万円に引き上げていただきたい、皆がかように熱望いたしております。しかし、私はこれはちょっと無理なお願いじゃなかろうか。災害地に行ってそんなことを申しまするというと、非難攻撃を受けるかもしれませんけれども、私はちょっとこれは無理じゃなかろうか、こういう感想を持つのであります。正直に申しまして、私はかような感想を持つのであります。しかしながら、これくらいのことはやっていただいても当然であるということも、また第二案として考えておるのであります。それはすでに農家によりましては四十万なら四十万、三十万なら三十万すでに借りておる、そういたしますると、その残高がかりに四十万といたしますれば、今度十万しか借りることができない。そういうものは災害を再び受けている一番気の毒な農家なんです。それが残高の関係から、わずか十万円しか借りることができないということは、これは等閑に付すことのできない問題でございます。この点に関しましては、従来の残高というものを別にして、もちろん償還延期の問題もございましょうが、それを別個にして、新たに五十万円を貸し付ける措置が講じられなければならない。これくらいはどうしてもやってもらわねばならぬし、またやっていただけるものと、かように考えるのでありますが、この点に関して御所見を承っておきたいと思うのであります。
○説明員(石田茂君) お答えいたします。まず自創資金のワクの問題でございますけれども、これはもう先生御承知だと思いますが、本年度は百十億ございまして、まあその内訳を申しますと、四十五億が一般——一般と申しましても一応災害には使い得るわけでございますが、そのほか災害ワクとしましてあと六十五億あるわけでございますが、それで新潟につきましては、ただいまのところではまだ配分をしておりません。と申しますのは、天災融資法の発動その他等をにらみ合わせまして、各県とも御要望がございますので、近くこれは配分いたしたいと思います。それで問題は貸し付け限度の問題でございます。これにつきましては、先般私は草野政務次官におともして豊栄町付近を視察してまいりましたけれども、豊栄町自体の各農家の平均の残高を見ますと、十二、三万円だと記憶しております。もちろん、これは個々の農家にいたしますと、ゼロのところから四十万、あるいは五十万、限度一ぱいというところがあろうかと思いますので、私どもといたしましては新潟の問題に限らず、各農家ごとに一体どのぐらいの残高になっているのだろうか、平均だけで見てまいりますと、まだ三十万近くございますので、これは御承知のように、三十九年の八月に三十万から五十万に引き上げたばかりでございます。それで私どもといたしましては、実情を調査しまして引き上げる必要があるかどうか、これは早急に検討して処理したい、こういうふうに考えております。
○佐藤芳男君 県のほうでも個人別調査をいたしまして、その調査書類が来たる二十日に完成することになっております。それにはもちろん残高の問題も含まれておりまするし、また所要資金の実情の数字もはっきりとあらわれているはずでございます。そうした個々調査の書類を農林省の手元へ差し出しまする以上、それに対して涙のある措置が講ぜられないということは、これは愛情の政治ではございません。その際におきましては十分御検討の上、さらに五十万円を幾らか引き上げるということができるかできないか、かりにできないにいたしましても、百万円というのは私は無理だと思うのでありますが、できないといたしましても残高を別個の問題として融資をする、貸し出すという、こういう措置が、それぐらいは講ぜられてしかるべきものと思うのであります。十分御検討置きを賜わりたいと思うのであります。なお、農林大臣もそれ以前に新潟にこられるやに漏れ承っておるのでありまして、その際にできるだけその書類を間に合わせたいと県当局もいっておるようであります。十分ひとつ愛情ある御処置を御検討願いたい。特に総理も閣僚の方々もこういう災害はある程度やむを得ざれば、法ののりを越えてでもこれを救済しなきゃならぬという熱意に燃えられておられることを、私どもははっきり承知をいたしておるのでありまするので、ぜひひとつ御研究くださるようにこの機会に希望を申し上げておきたいと思うのであります。
○説明員(石田茂君) なお申し忘れましたけれども、いまの各農家ごとの貸し付け残高の問題でございますけれども、少なくともまあ貸し付け限度の問題はまだペンディングでございますので、貸し付け残高のすでに償還期に来ているというような問題、それから条件の問題、これにつきましては農家の事情に応じまして、農家の事情をよく聞きまして、条件の緩和をはかるという措置も同時に考えたいと思います。なお、先生のいまの御質問の趣旨は、十分検討さしていただきたいと思います。
○永岡光治君 気象庁のほうで御用があるようですから、最初にこれについて質問いたしたいと思う。それはただいま十三号からちょっと説明を聞きましたが、いま新聞あるいはその他の報ずるところによりますと、台風十九号が九州のほうに上陸するであろうというような予報が出ております。そこでまあこの問題もあわせて報告を願わなければならぬのでありますが、どういう状況になっているのかということが一つと、それから、何といっても、そういう台風の際には、予防対策というものがたいへん大切になってまいりますが、それには正確な気象情報というものがキャッチされなければならないと思うのです。そこで、ただいまは予算の編成期にもきているわけでありますが、従来、当委員会において問題になりましたことは、気象の観測について必ずしも万全を期せられないような状況にもあるのではないかと想像したわけであります。特に太平洋側における定点観測について完全になっているのかどうか、予算等に制約されて、かなり問題があるようにも承っておりましたので、そういう問題、さらにそれとつけ加えられますが、特に大陸における気象状況報告、そういう問題がどういうふうになっているのか、この二点をあわせてこの際明確にしていただきたいと思います。
○説明員(今里能君) 最初に台風十九号について御説明申し上げます。台風十九号は、マリアナ付近に弱い熱帯低気圧として発生いたしまして、それから北西の方向に進行してまいりまして、今朝は宮崎県の都井岬の二十キロばかり沖合いの海上にありましたが、そとを通過いたしまして、けさの九時ごろには日南市の沖合い二十キロぐらいのところにあるものと思われます。進行方向は大体北北西でございますが、少し北のほうに片寄りまして、正午ごろには宮崎県の北部の海岸に上陸するものと予想しております。台風の中心気圧は九八四ミリバールでございまして、さほど強い台風と申すことはできませんけれども、しかもなお、中心付近におきましては三十メートルぐらいの風が吹いております。それから、中心の東側の海上、特に豊後水道を越えまして、さらに四国の沖の海上四百キロぐらいのところまでは十五メートル以上の暴風が吹いております。進行速度がわりあいに早うございまして、今日中には日本海に抜けるものと予測しております。 この台風によりましていままでにもたらされました雨は、今朝の六時までの統計でございますが、宮崎では六十八ミリ、油津が九十八ミリ、都城が九十四ミリ、延岡が百十三ミリ、茶屋越が百七十二ミリ、それから杖木山が百五十三ミリ、柳岳百四十六ミリ、高千穂で九十二ミリという状況でございます。大分県のほうは、台風の中心に遠ざかっておりますために、まだそれほど強い雨が降っておりませんで、けさの六時ごろまでには大体四十ミリ程度の雨が降っている。それから、少し離れておりますけれども、愛媛県、それから高知県、そういう方面でも数十ミリの雨がすでに降っておりますし、奈良県の日の出岳に至りましては、この台風のためにすでに二百四十三ミリの雨が降っている。 現在のところ、この台風に対しまして宮崎県では暴風警報、波浪警報、洪水警報を出しておりますし、大分県では暴風警報、波浪警報を出しております。これが台風十九号に関しましてのあらましの御説明でございます。 次に、台風その他異常気象を観測いたしますための観測網のことについてお尋ねでございます。これについてお答え申し上げます。御承知のように現在気象官署は全国で百五十余ございます。それらの官署は情報を速達できるような電気通信回線で結ばれておりまして、万全の策をとっております。それらのほかに雨量に関しましてはロボット雨量計というものが自動的に雨を観測しまして、所在の気象官署に送るような機構になっておるものが、大体全国で四百から五百あったかと存じます。それから、区内観測所と申しまして民間にあるいは地方自治体その他に委託して観測する組織がございます。この委託観測所のほうは公衆電話あるいは公衆電信、そういうものを用いて情報を所在の気象官署に送るようになっておりまして、必ずしも情報の速達ができる状態ではございません。それが大体の陸上の気象観測網の現状でございます。 で、これらは気象現象がいろいろ段階的にございます。それは擾乱の大きさ——大気の中にいろいろな擾乱が起こりますが、その小さいものは五キロくらいな半径のものがございます。たとえば小さな雷雨、それから、大きくなりますと、百キロ前後の直径の擾乱、それから千キロのけたの擾乱がございます。それで、一般的にこの百五十余の気象官署というものは、千キロ程度の擾乱、私どものほうではシノブティックスケールと呼んでおりますけれども、そのけたの擾乱を把握するために配置されておるのです。で、それ以外のもの、たとえば先ほど申しましたロボットステーションとかあるいは委託観測所とかそういうものは百キロ程度の擾乱を把握するために置かれておるものでございます。 それで、これの分布が適当かどうかという問題がございますけれども、これはなかなかむずかしい問題でございまして、ただ観測地点をやたらにふやしましても、それを速報する電気通信回線を同時に考えなければあまり役に立たないと私どもは考えております。そのためには非常にばく大な経費を要することでございますし、それからまあ世界各国見ましても、そういう非常にこまかい百キロ程度の擾乱を押えるためにメンスケールと申しますが、このメンスケールのための観測網を展開しておる国は、寡聞ではございますが、外国で毛ないのではないかと思います。大体陸上の観測網はこんな程度が現在のところいいところではないかと思います。 それから、定点観測船についてお尋ねがございましたけれども、四国の沖、東経百三十五度、北緯二十九度に大体五月から十一月まで暖候期半年定点観測船を運営しております。これは海上の観測のみならずラジオゾンデの観測もいたしております。予報上に非常に貢献している。 それから、三番目に大陸方面の気象状況はどうかというお尋ねでございましたが、これは世界気象機関の取りきめに従いまして、シベリア大陸の情報はハバロフスクにソ連の地方中枢がございます。そのハバロフスクの放送を二十四時間傍受いたしまして、大体完全にシベリア方面の状況は押えております。 それから、中国大陸に関しましては、北京、漢口等に気象の放送をやっておるところがございます。中共は世界気象機関に入っておりませんので、その詳しい情報を知ることは——情報と申しますのはその放送がどういうスケジュールで行なわれておるとか、その内容がどうであるかというようなことは向こうから通知を受けておりませんけれども、大体この十年来、もう十年以上になりますけれども、最初に中共のほうからこういうふうにするからという通知をいただきましてから、大体それで傍受を続けてまいりまして、シベリアほどではございませんけれども、まずまず私どもの要求を満たす程度の情報が入っておる。 以上が大陸方面の気象状況でございます。以上でございます。
○永岡光治君 私の特に知りたかったのは、当委員会にいままで問題になっておりました定点観測なり、大陸、特にまあ中共あたりの、中国大陸方面からの気象情報というのが的確に入れるかどうか、それがまあ問題として論議されておりましたので、それが解消したかどうか。中国大陸の問題については、いまのお話でソ連大陸ほどではないようですが、今後の課題として、これはさらに正確なる情報がとれるような協定か何かできなければならぬと思いますが、そういう努力をしてもらいたいということが一つと。それから、もう一つは太平洋の定点観測のほうの問題についても、予算その他で船を出すことができないというようなこともちょっと聞いたこともあったものですから、ちょうど予算編成期だから、そういうことのないように万全のひとつ対策を立ててもらいたいという要望をしたのですが、その点十分今後も努力を続けていただくようにお願いをして、必要に応じてまた私のほうで予算上の問題で、どの程度それがいれられたかどうかは、機会を見て質問してまいりたいと思います。この点について一応これで気象庁に対する質問は終わりたいと思います。 次に、副長官のほうにお尋ねしたいわけですが、ただいま宮古島の災害について報告なり、対策なりがございました。これは御案内のような土地の状況でありますので、なかなか純然たる内地並みの対策は即刻講じられるかどうかは問題になろうかと思うのでありますが、それだけにこの土地柄だけに、これはよほど日本政府としても、救援の対策というものを講じてあげるべき問題じゃないかと、私思うわけであります。そこで、これはどういう方針で進められるか。いま現地に見舞いを出したとかという話程度しか聞き得る段階にきておりませんが、内地並みの財政的な援助もこの際考えてやるという方針なのかどうか、その点をひとつ明確に私聞いておきたい。
○説明員(上村千一郎君) ただいま先生から御質問の御趣旨全く同感に存じておりますわけであります。それで、実は宮古島その他先生のおっしゃるように特殊な地域でもございまするので、日本政府において直ちに思いどおりにやれるかといいますというと、そういうわけにまいっておらぬ地域でございます。それで、考え方としましては、先生が先ほどおっしゃいましたような考え方を持っておるわけでございますけれども、どういうふうに協力体制をするかということは、あげてアメリカ民政府のほうの御意向も打ち合わせながら進めておるわけでございます。それで、民間ベースとしましては、南方連絡事務所長を通じまして、そうして、いわゆる民間ベースとしましては、その方面の線を通じながらいま進めておるわけでございます。それとともに、先ほど御報告申し上げましたように、政府のほうから派遣をいたしました者が、琉球政府あるいはアメリカ民政府と打ち合わせをいたしまして、そうしていまのような御趣旨のことを申し上げながら、どういう日本政府としては協力ができていくのかというような打ち合わせを当面いたして、そうして万遺憾ない方針を立てようという状態にあるわけであります。それで、現地の御要望その他につきまして、とにかくそれに沿うような方針でいま検討をされておるけれども、何ぶんにいたしましても、特別な状態にある地域でございまするので、アメリカの民政府並びに琉球政府といまこれが打ち合わせを進めておるというのが現段階でございます。
○永岡光治君 非常に配慮したような御答弁でございますが、地域が地域だけに問題はあろうかと思いますが、この際やはり日本政府のほんとうの影響といいましょうか、思いやりというか、そういう問題を思い切ってこの際私は発揮すべき問題だと思いますので、ぜひその方向に沿って対策を講じてもらいたいということを要望しておきます。
○説明員(上村千一郎君) 御趣旨よくわかりますので、それを体しながら検討を進めていきたいと、こう思います。
○永岡光治君 もう一つ、これは対策本部関係に御質問いたしますが、ただいま十三号から十八号まで、その間における、あるいは北海道なり、青森なりあるいはまた山口における一地域の問題については、災害の状況の報告ありましたが、当然この取り扱いについての私は政府の態度を聞いておきたいと思うのですが、一連の時期、一連の時期として、これは災害対策、たとえば激甚災害法その他の法律の適用がある地域になろうかと思いますが、そういうものは、この時期は若干ズレておっても、一連のものとして、これは取り扱うべきだと私は考えるのでありますが、その考えに間違いないか。それをひとつ対策本部のほうから明確に答弁していただきたいと思います。
○説明員(上村千一郎君) ただいま具体的な問題にも入りますので、上田参事官から説明をさせたいと思います。
○説明員(上田伯雄君) 先ほど私御報告申し上げました幾つかの災害で、この災害をすべて一つにして、たとえば激甚法の指定をいたすかどうか、こういう御質問かと思うのでございます。お手元の資料のとおりでございまして、激甚災害に指定することにつきましては、現在までの報告を受けておりますそれぞれの災害による施設等の被害額が、あらかじめ決定されておりました基準、これはよくここでも御披露します基準でございますが、これに達しておりませんので、激甚災害には指定できないものだと考えております。なお、農作物等の被害につきましては、これは統計調査部等の作業が多少おくれておる関係もございまして、その詳細を農林省において調査中でありますので、調査結果を待って検討いたそうと、かように考えております。
○永岡光治君 それぞれ基準がありますから、その基準の問題については、また今後も立法府との関係の折衝も進むであろうかと思うのですが、私の聞きたいのは、個々バラバラになっておりますが、一連のものとしてこれは考えるべき問題じゃないか。そういう方針というのがないのかということを明確にしていただきたい、こういう趣旨でございます。
○説明員(上田伯雄君) どうも失礼いたしました。これらの災害を一括して激甚災害に指定することにつきましては、災害ごとに政令で指定するのが原則でありまして、今回の幾つかの災害は、災害の実態といいますか、被害の状況と申しますか、並びに気象現象より考えまして、別個に処理すべきものと考えておりますので、一括して災害に指定することはできないものと、かように考えております。
○永岡光治君 私どもはそういう解釈に立たないわけでありまして、気象庁の報告を聞きましても、これは一連の災害の気象状況だとするならば、これはバラバラに切り離すべきじゃなくて、その問題はやはり一括して、この前の新潟なりその他に起きました、あるいは東北やその他に起きました一連のものと同様な観点から、あるいはまた東海その他を含めまして、ことしの三月でしたか四月でしたか起きましたような状況と同じような考え方で考えるべきじゃないかと、こう思うわけでありますが、個々そのものにとれば、確かに問題はありましょうけれども、何しろこの気象条件等から考えまして、時期は若干何日かズレております。あるいは十日以上もズレておるところもありましょうけれども、当然これは一括して、一つのものとして考慮すべきものだという私ども認識の上に立つわけです。もし対策本部のほうでは、そうでないのだという認識を持つならば、これは再検討願わなければならぬ、こういう意味であります。ぜひその方針を、これは国会で明確に答弁されたいわけであります。将来の検討としてやらなきやならないと思いますので、ぜひその点をひとつ御考慮を願いたいと思うのですが、いかがですか。
○説明員(上村千一郎君) いまの点につきましては考慮をいたしていきたいと思います。
○吉武恵市君 ちょっと関連して、私おくれてきて、どういう質疑だったか知りませんが、いまの点で、私も実は先般の災害で、現地を見て参って、同じ感じを持っておるのであります。幸い橋本建設大臣もおいでになりますから、私もごく簡単に御要望申し上げておきたいと思います。 今度の災害は、先ほどの御報告のように、局部的集中豪雨であります。したがいまして、局部的には非常に被害が甚大であります。私が見ました山口県の山間部は土砂くずれがありまして、大きい石がたんぼにどんどん流れ込んで、家も相当全壊しております。死者も四人ほど出ておるのでありますが、この部分的に見ますると、いまのお話のように、これを激甚災害とするのにはどうだろうかということは、これはごもっともであります。しかし今度の豪雨は八月の十三日から二十日にわたる一週間の間に各地に起こっております。いずれの地域もいわゆる局部的の集中豪雨で、先ほど私集計してみまするというと、死者はやはり五十数人に及んでおります。全壊家屋でも相当の数にのぼっております。私は二年前に島根県の災害のときに行ってみまして、あのときは死者が百人くらいでございましたけれども、これも島根県自体から見れば一地域であります。そのときに激甚災害の適用にするかしないかという点でいろいろ問題になりましたが、結局島根県、鳥取県、そうして新潟県を合わせまして、その地域で激甚の適用をしようということで、激甚災害法の適用をしたわけであります。ですから、この激甚災害法の適用は、県をつながっておれば範囲を広げて適用をする。ところが県が飛び飛びであれば、同じ時期に災害があっても、それは激甚に入れないというところに、私はいささか矛盾があるのじゃないかという気がいたします。これは法律でもしそういうことができないということになれば、法律の改正の必要もあろうと思うのですが、実際局部的の被害は、島根県のときにも私行って見ましたが、それ以上の被害であります。大きい土砂がくずれ、そうしてなま木が流出して相当被害を受けた、農家にとっては非常に甚大な損害を受けているわけでございますから、これはひとつ内閣におかれましても、政府当局におかれましても、ひとつ関連してお考えを願いたい。これは現に見て受けた感じでございますから、関連として申し上げます。
○説明員(上村千一郎君) ごもっともなことでございますが、政府のほうとしましてこの指定をする際におきましては、気象庁のほうの見解その他を重要な基礎といたしましてやっているわけでございます。先ほどの御質問の際におきましても、気象庁のほうといたしましては、それぞれの独立の気象現象であるというふうに報告を受けております。でございまして、先ほど上田参事官から御報告したようなことになっているわけでございまして、いまの御趣旨はよくわかりますので、その点はよく慎重に検討してまいりたい、こう思っております。
○吉田忠三郎君 建設大臣がせっかく御出席でございますので、いま委員長から承りますと、所用で何か退席と、こういうお話ですから、できるだけそれに協力するように、限って重要事項について質問をしたいと思います。答弁いかんによっては、大事なことでございますから、所用があるとしても、国家的な災害を取り上げているわけですから、簡単にはまいらないと私は思います。その点あらかじめ申し上げておきますのでよろしくお願いいたします。 ただいままでの説明でもございましたように、台風が相次いで発生しており、最大の集中豪雨によりまして、先ほど来いろいろこの委員会で質疑がございましたように、新潟県の加治川のはんらんでは死者三、重軽傷者二百二十人という数になっている。被害の総額におきまして三百十四億円という膨大な損害を受けているわけでございます。八月の十六日から二十日にかけて北海道全域にわたりましてやはり集中豪雨が起こりまして、これがために、道内各地に甚大な被害をもたらしたのであります。その地域も北海道はきわめて広範な地域でございますが、全道二百十九市町村のうち百二十七市町村が災害をこうむったわけでございまして、大臣御案内のように、すでにこの災害救助法の適用を受けた市町村が八市町村にも及んでいる、こういう状態でございます。これは先ほど来気象庁からも説明がありましたが、この特徴は全国的にやや似ていると思います。北海道の場合も、数日来の豪雨にさらに局部的な集中豪雨が伴っておったために、北海道唯一の石狩川の本流が増水して支川のほうの中小河川がそれに伴って洪水を起こした。このための災害でございまして、きわめて短時間でございましたが、被害が膨大であった、そういうことになっております。現在までに判明いたしております被害額は、北海道の場合は百四十七億といわれております。でありますから、昨年の台風二十三号、二十四号の災害に引き続いて起きた災害でありますから、今日の北海道の道庁やあるいは全国的にそうでありますけれども、市町村自治体の財政の中ではこれが復旧というものはとうてい早期に望めない。でありますからこの際は、当然のことでありますけれども、国が国の力において早期改修、復旧をしなければならぬではないか、こう思うわけであります。災害が起きるたびにいつも問題になりますけれども、大臣も御案内のように、台風の被害というのは、申すまでもなく水と風によるものが非常に多い、その内容をしさいに各種の統計を検討してみますると、九〇%以上が水による被害である、こうなっております。ですから私は台風ないし集中豪雨による災害の原因というのは、すでに政府のほうとしては究明されておるといっても過言ではないと思うんです。したがって、私は残念なことではあるけれども、今日まで政府がこれが対策をどのように樹立しておるか、具体的にどう進めておるかということについては、いささか疑問を持っておるものです。建設大臣に関係のありまする問題としては、過般建設省は明年度の河川行政の重点を中小河川に置きたい、改修工事を早急に進めたい、こういう発表をいたしました。当然なことであります。大臣御案内のように、河川法の適用を受けております河川は、今日全国的に一万三千五百でございます。このうち中小河川といわれるのは一万二千といわれております。実に八割強を占めておるのが中小河川であります。しかも台風あるいは集中豪雨の被害の八割以上は、中小河川のはんらんによって引き起こされておるわけであります。とするならば、私は当然中小河川に力を入れた改修工事を緊急に進めなければならない。そうしてまた、防災体制の強化というものをすみやかになさらなければならないではないか。私は結論として申し上げますならば、この際は中小河川の改修を急げと建設大臣に訴えたいわけであります。ただ単にかけ声だけではこれは問題になりません。この際は、政府は本気になって災害対策に全力を注いで国民のたっとい人命、財産というものをこの災害から守る責任が私はあるのじゃないか、こう申し上げたいわけであります。先ほど同僚の永岡委員からも申されましたように、幸いただいま予算編成期であります。でありまするから、明年度の予算を通して、一体これが対策をどう考えておられるのか、具体的にその計画はどうお持ちになっておるかということを、大臣から私はこの際明らかにしていただきたい、こう思うわけであります。 それともう一つは、先ほど委員部に私は参考までに調査をさせてみましたけれども、本年度は中小河川の改修について三百十億、ラウンドナンバーで申しますと。そこで、建設省が先般発表した、つまり中小河川に力点を置く、重点的にやる、たいへんこれは国民の側から見れば期待しておりますし、喜んでおります。しかし、実際四十二年度の概算予算要求はどの程度やっておるのかといえば、たった四百四十八億です。前年度の対比では一・四程度の伸びよりない。これではただいま私が申し上げるようにかけ声だけの施策にしかならないではないか、こう考えますので、この点についても含めて私はこの際お答えを願いたい、こう考えておるわけであります。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 吉田さんの御質問でありますが、私何といいますか、基本的な考え方、思想というもの、そういう点がいま直ちにこれが予算の上にすぐあらわれるかは別にいたしまして、いわゆるこの国土といいますか、国づくりの基本的なものは、これは国がやるべきものである、たとえば道路、河川のごとくいわゆる国づくりの基本になるものは国がほんとうは全面的にやらなければならぬ、思想的にはそう考えております。ただ問題は、そういうことができないゆえんのものは何があるかといえば、一つは何といっても財政事情でありまして、そういうことからしまして、今日までいわゆる国がやるものと地方がやるものと分担をきめてやってきております。私毎年最近五年間の災害による直接の損害——間接を除きまして、直接損害は一カ年平均二千八百億円くらいが毎年の風水害といいますか、台風その他によっての損害が二千八百億円をこえる状態である。もちろんときによっては大きい額もあるし、少ない額もあります。こういう約三千億に近い損害は、われわれは天災としてあきらめるべき性質のものであろうかというと、私は真に人間の力、人智があれば、もちろんこれは財政力が伴わなければいけませんが、そういう人間の力でもって天災を防ぎ得ないということは、ほとんど私は——まあ二割や三割できないものもあります、たとえば大噴火がある、これはやりようがない。しかし三十メートルあるいは四十メートル、あるいは三百ミリもしくは五百ミリの雨風に耐え得る国土をつくるということは、これは人間のなすべき義務であろうと思う。そういう長期構想からいえば、私はいま、たとえば道路でいえば、国道は国が直轄してやっておるとか、あるいは河川について申せば、一級河川は国が主たる責任をもってやっておるという区分のしかたは、長期的な考え方からいえば、まだそこには足らぬところがある。しかし最初に申しましたように、いわゆる財政の事情等から考えて、やむを得ざる措置としてやってきておるわけであります。最近私は建設大臣になりまして、最近の災害等をしさいに調べてみて、そこで災害の原因はどちらにあるか、たとえば一級河川、直轄河川及び中小河川あるいは小規模河川等と比べてみると、最近二、三年間起きつつあるこの被害の原因はどこにあるかといえば、直轄河川 もちろん川の話を申し上げておりますが、直轄河川が原因になっておるところもありますが、最近ではより多く中小河川あるいは小規模河川、これらのはんらんによって起きる災害が大きな損害を与えておる。こういうことからして、今回四十二年度の予算編成にあたりましては、いまおっしゃるように私としてはその方面に力を入れたつもりであります。で、いまお話の四十一年度は中小河川及び小規模河川並びに直轄等を加えて三百十億円に対して、四十二年度要求は四百四十八億円でありますからして、まあ金額としては、おっしゃるように、わずか百二、三十億の増ではないか、こうおっしゃいますが、御承知のように閣議で各省の要求は三〇%をこえるべからず、こういう申し合わせをいたしております。これはいいか悪いかは別問題でありますけれども、やむを得ざる措置でありましょう。その中において中小河川を私は国費の点で考えれば、五一%をふやして要求をしております。それだけ建設省の中ではまあ三〇%に満たざる要求があるということであります。これはもちろん総事業量からいえば五一%増ではありません、総事業量からいえばまあ四四%増でありますが、国費としては五一%、五割強の要求をしておる。もちろんこれは通るか通らぬかは、皆さんの御協力を得なければなりませんが、私も一生懸命これを要求します。こういうぐあいに他のできるだけがまんすべきものはがまんをして、いわゆる中小河川及び小規模河川に対して五一%増の要求をしたということ、これも要求しただけではしょうがありませんので、さらにできるだけ実現に努力いたしますが、その考え方はひとつ十分に御理解も願うし、また御声援も願いたいと思っております。もちろん河川関係、これは天災というものはどこにどうやってくるかなかなかわかりませんために、来年雨が降るとなれば、そこに思い切って金をかければいいのでありますが、それがわからぬために、弱い河川から直していくわけでありますけれども、総事業費がことしは約千五百億円、来年は二千億をちょっとこえるような金額を要求しております。そこで今後、われわれがやっていくことは、いま吉田さんがおっしゃるように、やはり中小河川、私もそう考えて全体の中では思い切った要求をいたしておるわけでありまするが、先ほど来お話がありました災害の激甚地指定の問題があります。これは北海道にいたしましても、あるいは青森あるいは新潟あるいは山口県下の集中豪雨のためにたいへんな損害をこうむられた、また被害を受けられた方々に対して深く御同情を申し上げる次第でありまするが、私も先ほど来から皆さんの御意見を聞いておりまして、そこで激甚の指定といいますか、そういうような考え方、ただ従来の政令、従来の扱い方及び法的な解釈は、ある一つの気象を区切って解釈をしております。これは法律による解釈であります。で、私個人の感情から言えば、たとえばことしの八月にあるところがやられたと、同じところが二月たってからやられたということになれば、その金額を合わせばいわゆる激甚地指定の金額になるだろうと思う。そういうような解釈が今日まではとられておらない、法律の解釈ができておらないことがいいか悪いかということが、吉田委員の御趣旨でもあろうと思います。ただ、あの法律の趣旨は、たとえばせんだっても、昨年もありました西谷村のようなほとんど全村やられるというふうなことについても激甚指定ができないということは、一つの今日の日本の経済あるいは財政あるいは社会組織といいましょうか、こういうことからして、国というものがあり、それから県があり、町村がある。それで不足する町村のある程度の損害は、その県が見られる力がある場合は見よう、こういう考えがあると思います。それで県自体がいまおっしゃったような激甚指定に達するような損害を受けたときに初めて国がこれを見る、こういう思想があの激甚指定の思想の中にあると思う。しかし、それでいいかどうかという問題は残っております。ことに最近のように御承知のような人口のいわゆる工業地区に片寄る傾向、いわゆる都市化傾向、こういう点から見ると、農村のやられた損害というものは、これをだれかが見なければ、回復の力をみずからが持っておらない。こういう社会あるいは経済構造の変化から見て、従来のような法律的な扱い方がいいか悪いかという問題は、これから各位の一つの検討を待って、われわれも検討いたしますが、それによって進めていきたい、かように考えているわけでありまするが、中小河川については、非常に私としては、力がいまわずかだとおっしゃられたが、私としては一応三〇%のワクをこえた五一%まで要求しているのでありますから、これが実現できれば、相当皆さんの期待に沿えるような事業ができるのではないか。もちろん一カ年ではしかたありませんが、この方針を数年続けることによって、相当中小河川、あるいは小規模河川の改修が進むであろう、こういう姿で四十二年度及び今後もこの方針を続けていきたい、かように考えておるので、皆さんの御協力を得たいと考えております。
○吉田忠三郎君 いま大臣からかなり基本にわたる答弁がありました。やや私が考えている方向は、個人としては考えておられる。しかし、国家財政の全体からながめて、特に閣議の予算要求が三〇%をこえちゃならぬというお話で、これはよしあしがあると思います。それは大臣のおっしゃったようにね。ですけれども、私は私なりに理解できないわけではございません。ですけれども、いま大臣も申されたように、年間二千数百億という損失をこうむるわけですね。これはまさに国損なんですよ。国損。ただいま申し上げたように新潟県の加治川だけでも三百十四億損失をこうむっている。こういうことにかんがみますと、大臣も申されたように、何といたしましても、中小河川に思い切った改修工事を進めなければならぬということは明らかだと思うのですよ。現実に全国的に中小河川というものは原始河川です。何らいまだ手が施されていない。こういうことになっていますので、特段、一応そういう閣議のきめがあったとしても、特殊なこの事情を勘案されまして、予算編成期におきましては、特に佐藤内閣の実力大臣ですから、あなたは精一ぱいがんばって私はいただかなければならぬと、こう思うのであります。 それから若干この法律の問題についても矛盾点答弁されましたが、私はまさにそうだと思う。たとえばこの災害復旧工事の問題についても、これは農地、農業用施設の復旧事業を含めて私は申し上げますけれども、従来の緊急復旧工事は三カ年計画、それからその他は四カ年、こういうことにきめて、この年次施行割合をきめてやっていますね。その比率も五割、三割、二割、つまり五、三、二という比率でやっていますけれども、これなどは十数年間これは内容を変えておりませんよ。変えておりませんね。さて、災害というものは毎年ございます。去年もありました。それらの動きというものと、こういう制度上の問題がありますが、合致しているかどうかというと、私は今日的な時点で考えてみると合致していない。ですから、こういう施行の方式等についても当然改めるべきではないか。少なくとも私の考え方では三カ年以内にこの工事が完了されるように内容を変えるべきだ、こう思っていますので、こういう点をひとつ、これはせっかくの大臣ですから、これだけでひとつやめますが、お答え願いたい。それと公共土木施設の災害復旧事業についても、これは毎回災害起きるたびにこの委員会で議論の中心になるわけですけれども、依然として原形復旧工事をやっているのですね。これはその後だんだん国会なり等々でやかましくなっておりますから、かなりもう改良工事等々にもその工事の施行方式を改めるように査定官等々の査定の状況を見てやられておりますけれども、これなども抜本的にやはり改良工事に重点を置いた私は工事の施行方式をとるべきじゃないか、こういうように思うのですよ。それからいま若干触れた中小河川の場合におきましても、大臣が申されましたように、気持ちのほど、精神はそうだったとしても、国家財政全体の規模からいいますと、当然財政の問題が問題になりますから、一挙にということにはまいらぬと思うのですよ、私、こう言ってみてもですね。ですけれども、特に災害の多発地域というのは、全国的に洗ってみると、ある程度限られております。限られておりますよ。ですから、そういうところについては、特にいま申された中小河川の改修工事というものは積極的に促進を私はすべきものではないか、こう思うのです。私は限定して申し上げますけれども、こういうことなどにつきましても、どうもこれは大臣、建設省の官僚の諸君は、依然として机上の上だけで議論をしたり等々して、実際に被害をこうむった国民の立場に立っていない。こういうところが今日の行政改革等々の問題も、やはり論議される私はゆえんのものだと思う。多少役人のことについて触れましたけれども、この際は実力大臣だけにこういうことも抜本的に、いま直ちにでなければ、次の臨時国会なり通常国会なりに、法改正するなりあるいは諸般の制度を変えていく姿勢に立ち返らなければならないと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本登美三郎君) おっしゃること原則として賛成であります。来年度予算要求では、緊急復旧を従来四カ年であったものを三カ年で繰り上げるべく目下大蔵省と折衝中でありますが、これは実現するのじゃないかと思っております。 また、いま官僚組織の問題のお話もありましたが、実はきのう地方建設局長会議におきましても、私はその点に触れて訓辞をしたのでありまするが、法律だけにたよって、あるいは従来の方法だけにたよってやることは、わりあいにしやすいのである。しかしながら、その土地の事情及びその民心等を把握して、その上に立っていわゆる処理をすることが、やはり生きた政治である。その点については心して、今後災害の復旧の場合においても、あるいは改良工事または新設工事についても、その点を考慮してやるようにというような意味の話をしておきましたが、今日、財政十分でないときでありますからして、あなたや私の考え方はそのままなかなか、実力があるといいましても最低実力でありますから、はたしてやれるかどうかは別にいたしましても、そのつもりで建設行政としてはやるようにということを、強く関係部課長には指示をいたしております。今後ともひとつ皆さんの鞭撻を得て、少なくとも建設省は国づくりの責任者である、国土を守る責任者である、こういうようなひとつ信念と勇気を持ってやってまいりたい、かように考えておりますので、御支援をお願い申し上げます。
○吉田忠三郎君 先ほど冒頭申し上げたように、大臣所用がございますそうで、大臣は退席してよろしゅうございます。 そこで河川局長がおいでになりますから、多少こまかな問題になりますが——この際委員長にも協力せねばならないと思います、もうすでに十三時が近いようですから、羅列して申し上げますからそれぞれお答え願いたい。そのほか、自治省あるいは農林省にも関係することを含めて申し上げますから、関係者は、これは毎年のことでありますから、そうむずかしい問題でありませんから、答えていただきたいと思います。 いま触れたように、この中小河川のはんらんはその原因はいろいろございますね。主として今度北海道で起きた現状を見てまいりますれば、土砂崩壊が中小河川を今度は逆にせきとめて、これがためにはんらんを起こしている。こういう事例がございまして、そこで緊急砂防工事というものをやはり建設省としても、これは農林省の関係もございますけれども、考えていかなくちゃならないのではないか。特に近傍山地等における崩壊土砂による被害を防止するということになりますれば、当然いま申し上げたように、緊急砂防工事というものを特段に考えてまいる必要があるのじゃないかということを、私は災害現地を見ましてそういう気がするので、これに対する考え方、それ以外に普通河川の場合がございますけれども、もとよりこれは管理権の問題等がございまして、当然こういう問題の復旧工事等々は、補助事業というかっこうにもなりますが、いまの制度では国庫補助が受けられる状態になっていません。そのために市町村自体の財政だけでは手が出ないものですからそのままになって、さいの川原のように、災害が起こるとさらにその次の災害の場合は被害を大にする、こういう原因にもなっておりますので、これもまた財源が限られておることではございますけれども、国庫補助等がこの際考えられないものかどうか、こういう点も私どもは実はそれぞれ先ほど申し上げたように災害の現地を見たり、あるいは地方の自治体の首長の意見等を聞くと、そういう考え方に立たざるを得ないというふうに私は思ったんですがこういう点。 それから毎度治山治水の問題と災害とあわせて問題になりますね。これなどについても、やはりこの際は全くないがしろにしているということは私はないと思いますけれども、もっともっと力を入れるべきじゃないかというように思います。特に林道の災害復旧工事等の実施は、きわめて大事なことなんですね。こういう点は、ややともすると林道の災害復旧工事等はおくれがちになっている、こういう現況がございます。こういう問題を一体どう考えるか。 それから当然水の災害が先ほど申し上げたように八割以上もこえるわけですから、問題はやはり内水排除事業、今度たとえば、北海道の夕張川のはんらん等を見ますと、すでに去年あたり完成しておれば今回の災害を免れた。ところが先ほどちょっと申し上げたように制度上、つまり三カ年計画ないし四カ年計画になっておりますから、計画どおり進められておりますけれども、それ以前に今度の集中豪雨がきた、こういうことになって、より非常に被害を大にしておるという実態があるわけです。ですから、こういう関係をいま大臣が答えられたように三カ年以内に復旧工事が進められるようにということを、大蔵省と折衝中だということですから、たいへんけっこうなことですが、よりこういう面についても積極的に取り組んでさえいれば、ある程度集中豪雨ないしは台風の災害を救うことができるんじゃないかという気がするわけです。 それから御承知のように、各都道府県で府県の事業としてかん排事業を進めております。こういう関係につきましても、これは四十二年度の予算要求等々関係いたしてまいりますけれども、なかなか何といいますか補助事業で、もとより国の直轄事業と違いまして進まない、こういう事情がございます。したがって、先ほど申し上げたようにその結果、国でやられておる問題より、よりより以上に大きな被害を出している。こういう実態もありますので、これらについても私は全体の問題として先ほど永岡委員が申されたように、今度の災害問題は全国的な一連なものとこう申されておりましたけれども、たとえば、具体的なこういう施策を施す場合、国とか道とか、あるいは市町村とかいうことでなしに、一貫したやはりこういう対策も私は必要ではないか、こう感ずるわけでございます。この点をどう考えておられるかということ。 それからこれは農林省の関係になろうかと思いますけれども、毎度天災融資法の適用の問題も問題になりますけれども、私はやはり被害農林漁業者の何といっても再生産を確保するということは、もう優先に考えなければならぬと思う。ですから、その場合にいろいろな基準だとか、あるいはその規則とか等々あろうと思いますけれども、そういう問題で私は規則を破っていいとは申し上げません。申し上げませんけれどもその規則の範疇であるならば、できるだけすみやかにそういう措置をとって、あとあと多少問題点は事後処理としてやったって、これはやれないわけではないと思います。ですから、そういう点がいままでやかましく言われておったんですけれども、実際問題としては、多少改善された面はあるけれどもまだまだ万全を期しているということになっていない。そのために非常に再生産がおくれるために、その関係者がたいへんな生活苦に追いやられてしまう。こういうことの現況があるわけですから、ぜひこういう関係については特段これは考えてもらわなければ私はならぬと思うのです。 それからこれとあわせて、自作農の維持資金の配分の問題です。これも毎度の災害で議論されますけれども、ぜひこういう場合におきましても、関係者の生活の安定をはかるために特段の——これは当然のことであるけれども、関係省庁の役人の諸君は措置をすべきものだと私は思うのです。こういう点。 それから最後に、地方自治体の財政特別措置でございますけれども、これはもう当然考えられていることだと思いますけれども、地方債の充当率の引き上げであるとか、あるいは特交金の増額であるとか、あるいは資金運用部資金等の低利短期資金の融資等々、あるいは従前の地方交付税の繰り上げ支給等のことは、これは私が申し上げるまでもなく、特に最近の市町村自治団体の財政事情というものは、これは自治省でも発表しておるようにたいへんな状態になっている。そうした中でこうした災害をこうむるわけでございますから、これはおよそ言を待たない財政上の実態になっていると思うのであります。ですから、こういう面も、側面からやはりそれぞれの制度を活用することによって、直接間接的にはそれぞれの被害事業あるいは被害者の生活を守ることに私は役立つものだと思うので、これも積極的に私は取り扱っていただきたい、こう考えまして、質問をするわけであります。以上であります。
○委員長(成瀬幡治君) そうすると、建設、農林、自治と、こういう順序でございますので、最初に古賀河川局長から……。
○説明員(古賀雷四郎君) お答えいたします。私は先日から北海道並びに青森、そういった災害個所を見てまいりました。吉田先生のおっしゃるとおり、非常に土砂崩壊が激しくて、そのために災害が起こるという事態も数多く見られます。特に夕張川の上流、並びに志幌別川の上流あるいは美唄川の上流等につきまして、狭隘な地域におきまして、土砂くずれによる崩壊がかなりあります。従来から砂防につきましてはわれわれも重点的に取り上げておりまして、ただ、国の財政事情的な問題から十分とはいかないまでも、治水事業全体の中では相当大きなウエートで取り上げております。特に予防、砂防といったものにつきましても実施いたしておるわけでございます。とりあえず問題が起こりました河川につきましては、緊急砂防等の工事を施こしてまいりたいというふうに考えまして、ただいま県当局、道当局と打ち合わせております。したがいまして、計画がまとまりましたら、そういう発足をしたいというふうにただいま思っております。なおこの災害の実態を見てみますと、最近の加治川の災害にしましても、青森県の平川の災害にいたしましても、それから北海道の中小河川の上流地区における災害におきましても、非常に雨量がよけい降っている。たとえば加治川あたりでは過去の最大は百七十二ミリの日雨量でございますから、二百五十二ミリの日雨量で、約五割増しの量が降っておる。それから平川上流においてもさようでございます。北海道におきましてもそういった現象が見られておりまして、最近三十六年から北海道におきましては非常に災害が多くなっております。したがいまして、私らも治水工事に重点を置きまして、千歳川その他につきまして相当額の金を投入いたして、ただいま改修工事を鋭意施行中でございます。ただ、先ほどお話しになりましたように、ポンプ排水を施行中のところが間に合わなくて、一部緊急にやりまして、電線の配線等やりまして馬追運河といったようなものは急に排水をしたようでございますけれども、吉田先生の御指摘のとおり、間に合わなかったという点は今後十分に注意してまいりたいというふうに考えております。 なお、一帯の排水の問題は三十六年、三十七年、三十九年、四十一年はそういう状態でございまして、まあ三十六年、三十七年より若干減っておるように私は思いますけれども、しかし北海道が単作地帯であるという点におきましても、どうしても早く排水するということも必要でございます。したがいまして、農林省と計画を定めまして、ただいま実施しておるのでございまして、残念ながら間に合わなかった点は、われわれのほうでも十分考えていきたいというふうに考えております。 それから普通河川の改修の問題でございますが、これは北海道には非常に普通河川が多いのでございます。従前私も北海道開発庁にしばらく籍を置いていましたから、そのときに普通河川の昇格を計画的におやりなさいということで、非常に道庁にすすめたわけでございます。ただいま相当同位河川に昇格を計画的に行なっております。しかしながら、非常に数が多いものですから、なかなか間に合わない点もあるという点でまあ御要請にこたえられない点があるかと思いますが、今後われわれといたしましても、補助のできる河川にしていくということで、できるだけ努力していきたいというふうに考えております。 それから内水排除の問題につきましては、これは先ほど申し上げましたとおり、来年度施策としまして重点的に取り上げていきまして、そういった内水問題の排除に十分努力いたしたいと思っております。なお、この辺の内水排除の問題につきましては、農林省の排水事業とよく打ち合わせをしなければなりませんので、今後具体的の排除におきましても、農林省とも十分打ち合わせて行なっていきたいというふうに考えます。 以上簡単でございますがお答えを申し上げます。
○説明員(温水三郎君) 災害に関します問題につきましての吉田委員のお考えは全く私も同感であります。法律とか基準とかいうようなものは、財政との関係がございますから、それ自体に存在価値があると思いますが、農林省としてはむしろこれらを駆使いたしまして、現在の段階においては真に農民が必要とする天災融資法、あるいは自作農その他いろいろございますが、各般の問題につきまして、可能な限りすでに実施しておるものもございます。また、大蔵省と折衝中のものもございます。現段階においては、真に農民の必要とするものは充足せしめ得るのではないか、かように考えております。なお、具体的な問題につきまして御質問があれば、各部局長から説明させることにいたします。
○説明員(石田茂君) ただいま政務次官からお答えいたしましたとおりでございますが、なお若干補足説明させていただきたいと思います。先生御指摘の治山あるいはこれに関連します林道の災害復旧工事につきましては、先生の御指摘もありましたけれども、まあ従来とも私どもは非常に力を入れているつもりではございますけれども、御指摘のような至らぬ点もあるかと思います。特に災害復旧につきましては、一応工事の査定という段階を事務的にやっておるわけでありますけれども、非常に急ぐものにつきましては、地元で先に手をつけてもらって、あとから査定するというような弾力的なこともやりまして、非常に急いでやっております。それから、県段階のかん排事業でございますけれども、なるほど先生の御指摘のとおり、直轄工事になりますと、県と比べますと、私ども手足が直接やるわけでございますので、確かに迅速な点もございますけれども、私ども決して県段階だから手を抜くということじゃなくて、国全体の問題として先生御指摘のように処理したい。 それから天災融資法につきましては、ただいま統計調査部で被害を調査中でございますけれども、何しろ早く適用するということが必要でございますので、これはもう来週早々にも被害がわかると思いますので、すみやかに適用したい。自創資金は、天災融資法とペアになっていると私は考えます。御承知のとおり天災融資法による資金は経営資金、どちらかと申しますと自創資金は生活の資金と、私どもはペアとして考えております。天災融資法の発動ともにらみ合わせまして早期に処理したい、かように考えております。
○説明員(中村啓一君) 自治省から吉田先生にお答え申し上げます。先生から御指摘のございました災害復旧経費に対します地方団体の財源手当てにつきましては、御指摘のございましたように起債充当率の引き上げをはかりますことは、当然十分に努力をいたしますとともに、交付税の面におきましても、普通交付税の繰り上げ交付なり、あるいは特別交付税の際における配慮等十分御趣旨の存するところに従ってまいりたいと思います。
○吉田忠三郎君 それぞれ所管から答弁がございましたが、特に私はこれは北海道の場合は御案内のとおり寒冷地帯でございますから、たとえば復旧事業を進める場合も、画一的に本州と一律にやるわけにはまいらぬと思います。しかし建設省の場合も、農林省の場合もそういう点を十分考慮されまして、その間の立地条件等を考えて、これは特別の措置をとらなければならない、こう思うので、昨年の災害のときにはそういう措置がとられまして、たいへんよく進みまして、この点では皆さんに感謝申し上げなければならぬ。本年の場合は、やはり昨年と同様にやっていただかなければならぬですし、あわせて先般の農林省の、たとえば米作の収穫の予想等が出まして、非常に戦後何かかなりの豊作のようにわれわれは聞き及んでおりますけれども、事北海道に関する限りは、実は冷害は決定的なんですね、すでに氷点下三度くらいになっている地域がございます。ですから今度の災害とあわせて冷害ですから、いってみれば、被害者は往復びんたを食らったようなものです。ですからこういう関係等もございますから、特段の、私はこの機会にいま申し上げたようなことを考慮せられて、十分措置をされますことを要望いたしまして終わりたいと思います。
○浅井亨君 もうすでに御存じのとおり、日本は災害の国であることは万人の認むるところでありますし、この災害に対しては、政府並びに現地の府県においても非常に強力にこれを復旧に推進されていると思うのでありますが、先ほどからお話を聞いておりましても、ほとんどが改良復旧ではなくて原形復旧と、こういう問題が出ているわけでありますが、それにつきまして実は朝日新聞の九月六日でございますが、それに災害復旧費で宴会、三百万円を流用していると、これは私の生まれた故郷の福井県でございます。新聞にこのように出ているわけです。そうしますと、現地住民というものは疑心暗鬼、すなわち政府に対してどのような考えを持っているか、被災民というものは非常な逆境に陥っているわけであります。そういうようなときにこういう新聞記事にまで出てまいりますと、ちょっと読んでみますが、昨年八月から本年四月まで、県議会正副議長と自民党執行部との懇談会や県首脳部と社会党県議との会合など十回にわたり三百二万余円の宴会費が河川災害復旧費から出されていることがわかった、同県の監査委員会の話では、地方自治法や同県財務規制六十七条−予算の目的以外の支出禁止等の規定で、予算の目的外使用は禁じられており、災害復旧に無関係な宴会費に災害復旧費を使うということは明らかに違法だ。このように、いわゆる監査委員会の話では言っております。そこで、そこの北同県知事の話では、災害復旧費の中には飲食費に使ってもよい雑費が含まれている、この金で飲み食いするのは常識で、違法ではない。このように答弁が載っているわけです。これでは、日本の国は次から次に災害が起こるわけです。そういうときに、こういうような問題が取り上げられているということは、まことにもって政治をする者としては納得のできない不信感を抱くということは、全くもって国民に対して失礼じゃないかと思います。こういう点に対して、この自治法でこのようになっておるというのですが、自治省からこれに対する答弁をしていただきたいと思います。
○説明員(志村静男君) いまの先生の御指摘の点でございますが、これは地方自治法におきましては、御承知のように契約その他の行為というのは、法令あるいは予算の定めるところによってしなければならない、こういうことになっておる。したがいまして、予算におきましては、目的というものがきまっておるわけでございますから、当然その範囲でやらなければならぬ。それからもう一つ、いまのは食糧費の点でございますが、節の中に需用費というものがございまして、需用費の中に食糧費というものがあるわけでございます。したがいまして、そういう関係では違法と申しますか、一般的に申しまして食糧費というものはあるわけでございますので、その点では使ってはいけないということはないわけでございます。以上でございます。
○浅井亨君 そうすると、この県の監査委員会の話では違法だと、こう言っておりますが、県の監査委員会の考え方は間違いですか。
○説明員(志村静男君) 私ども実は新聞では拝見したわけでございまして、具体的な事実がございまするけれども、これにつきましては、遺憾ながら十分承知をしてないのでございます。先ほど私が申し上げましたのは、法律的に申し上げまして、いわゆる節の中には需用費というものがある、需用費の中には食糧費というものがあるわけでございますので、そういったものは目的に従って使うのでございますれば、違法ということはないということを申し上げたのでございます。現実にどういった方面に使われているかということは別問題でございます。
○浅井亨君 いま話を聞きますと、違法ではないと、監査委員会のほうでは違法だと、こういうふうに解釈して、いわゆる現地の議会ではこれを取り上げて問題にしているということですが、こういうことが、災害が再々起こりまして、常にこういう問題は続行していると思います。また今後いくと思います。こういう点に対して明らかな線をやはり示してもらいたい。監査委員会のほうでは違法だと言う、こちらでは違法ではない、食糧費というものが入っている、いかにもそうだろうと思いますが、その線をはっきりしなければ、県の監査委員会の考え方は間違いだ、こういうことに私は感じざるを得ない、こう考えざるを得ない、そのところを自治省としてはどのように指導されておられるのか、監査委員会のほうが思い違いしているのか、それを、私らではなくして、そちらのほうのはっきりした線がやはりなければいかぬと思います。食糧費けっこうでございますけれども、だけれども、こういうふうなことで一々新聞に災害復旧費で宴会、三百万円を流用、こういうふうなことが新聞に常々と出たら、災害を受けた国民が納得できない、その点を言うのです。精神的な問題です。違法であるかないかということを、それよりも精神的に受けました打撃がたいへんだ、そういう点をどのように指導監督されておるのか、どういう考え方を持っておられるかと私は聞いておる。
○説明員(志村静男君) 先ほど私が申し上げましたのは、一般的な御説明を実は申し上げたわけでございまして、具体的に先生が御指摘をしております事例の場合につきまして云々ということを申し上げたわけではございません。これは非常に重ねてくどいようでございますけれども、法律上には、需用費というものがある、その中には食糧費というものがある、したがって、そういった目的あるいは経費の性質に従って使うんであれば、これは一般的には違法でないということを申し上げたわけでございまして、お尋ねの具体的なケースが、はたして法令の規定に従って、あるいは予算の定めるところに従って使われておるかどうかということにつきましては、実は私ども、事実につきましてはまだ知っていないわけでございます。それから具体的にその運用と申しますか、精神面ということになりますと、これはそれぞれ主管省もございますので、私どもとしては、いろいろ出過ぎたことを申し上げるのは恐縮でございますが、やはり食糧費ということになりますれば、おのずからこれは必要なものに限られるということになろうかと思いますので、先生のおっしゃる点まことにごもっともだと、かように考えております。
○浅井亨君 いまの御答弁は、私もそれはわかるわけなんです。だけども、福井の西谷、これは激甚災害の指定を受けておらないわけです。それが、現地におきましてこういうような新聞記事が載りますと、これは全くもって政府に対する不信感というものを強める、こういうわけなんです。だから、国民と政府とが一本化した考えの上に立って、いわゆる財政の問題もありますし、いろいろあります、その点で納得のいくような線でなければいけないと思うんです。こういう問題が堂々と新聞記事に載るようなことであっては、これはまずいと思います。こういうところから是正していかなければ、真の政府に対する信頼感がなくなると同時に、いわゆる国民不在の政治だと、こういうようなことばがどこまでもなくならないんじゃないかと、こういうように私は考えるわけで、この点に対して私は非常に遺憾に思っておるわけでございます。で、私は現地に帰りまして、こういう新聞記事を見せられまして、そしてどのようにお考えですかと、こう言われたときに、返答のしようがない。で、一方では、ここに監査委員会においては違法だと言っているけれども、知事のほうではそれはあるんだと、こう言っておる。これがしり切れトンボでそのままでおさまってしまいますと、国民は納得できない。われわれはそれに対する返答のしようがなくなってしまう。そういう点を明らかにしてもらいたいと、こういうのが私の考えです。
○説明員(古賀雷四郎君) ただいまの問題は、河川の災害復旧費の中にそういった食糧費が計上されておるという問題でございますが、実は、これは実態的にいろいろ調べてみましたのですが、県の予算の中には、公共土木の国庫負担法に基づく災害復旧費、いわゆる県単災害の分と一緒に計上されておる。公共土木国庫負担法に基づく事務費の率というものは非常に少なくて、ほんとうに直接会議をやるための経費、そういったときに必要な食糧費だけしか計上していない。したがいまして、われわれとしましては、もしもそういった公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法に基づく災害復旧事業の目的内使用ならば、これは国庫負担の対象にしたいというふうにいま考えております。おそらくそういう事実ではなくて、県だけの問題じゃないかと、かように推測いたしております。
○浅井亨君 それは県の問題であるかもしれませんが、食糧費とありますが、ここに出ているのは、福井の料亭で懇談会を開いたので宴会費の出所を調べたと、こういうふうになっている。そういうような記事というものは、事実であるかないかは私はまだ知りませんが、これは全くもってまずい記事だと思います。これに対する指導監督をどのように今後せられるかと、こういうことなんです。これは現地の西谷の人々というものはすごく悲観をしております。残念がっております。そういうところにこういう記事が出たとしますと、額は三百万円、それは二千八百億からの災害費が要るときに、三百万円と、こう言えば簡単なものだと思いますけれども、人間というものは、貧しい庶民階級は、ちょっとしたこと、そのことに非常に鋭敏に感ずる。こういうことであってはならぬと私は思いますので、この際に一応御質問を申し上げただけであります。以上であります。
○説明員(古賀雷四郎君) まことに、県単災害復旧といえどもさような指導をされたことは、非常に残念であります。したがいまして、われわれとしましても、今後、公共土木はもちろんでございますが、県単災害につきましてもさようなことのないように厳重に注意したいと、かように考えております。
○委員長(成瀬幡治君) 本日はこの程度にいたしまして、散会をいたします。 午後一時十五分散会