公職選挙法改正に関する特別委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 84 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1966/11/08
会議録
○委員長(川野三暁君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。 それでは、派遣委員の報告に関する件を議題といたします。 先般、当委員会が行ないました公職選挙法改正に関する諸問題並びに選挙制度全般に関する実情調査のための委員派遣について、派遣委員から御報告をお願いいたします。小酒井君。
○小酒井義男君 実地調査の結果について報告申し上げます。 去る十月二十四日から三日間、川野委員長、多田理事、天坊委員、私が、岐阜県並びに京都府におきまして本年執行された各種地方選挙等を中心に選挙執行の実情、公職選挙法、政治資金規正法等改正に関する諸問題、選挙制度一般につきまして実地調査を行なってまいりました。 調査にあたって対象となりましたおもな選挙は、岐阜県羽島市における四月の市長選挙、岐阜県における九月の知事選挙、京都府における四月の参議院地方区補欠選挙、同じく知事選挙、京都市における二月の市長選挙等でありまして、小都市、中都市及び大都市のそれぞれの地域における選挙過程を通じて、選挙執行における問題点、及びそれが改善の方向、選挙制度のあり方について検討をいたしたのであります。このため、調査にあたっては、府、県、市の選挙管理委員、明るく正しい選挙推進協議会委員、府、県警察本部のみならず、関係府県市の理事者のほか、岐阜県においては青年団協議会桂川重訓氏、岐阜県連合婦人会長林弥生氏、岐阜日日新聞社編集局長滝川憲三氏、岐阜大学教育学部教授服部秀一氏、随筆家鷲見房子氏、京都府では、京都大学教養学部助教授小田武氏、京都市地域婦人会連絡協議会副会長浅田こま氏、京都市青年団体連絡協議会副会長松家幸男氏等、民間各界代表の出席をわずらわし、前記各般の問題について資料による説明並びに意見、要望等を聞き、調査を進めましたので、以下その概要について報告申し上げます。 今回の調査結果を通じて特徴として言えますことは、時あたかも政界に不祥事件が相次ぎ、これに対処して総理が、不祥事件の病根が選挙制度にあるという判断のもとに、金のかからない選挙の実現に勇断をもって当たるという趣旨の所信を表明された直後でもありましたために、各地においてこぞって金のかからない、明るく正しい選挙、罰則の強化と再検討、裁判の迅速化を要望する熱心な意見が述べられたということでありまして、私どもは、これまで数次にわたって行なわれた選挙法の改正が、いずれも技術面の改正に終始して、制度面はもとより、運用面におきましても、腐敗選挙追放のため抜本的再検討がなされておらず、選挙の現状は依然として悪いところばかり目立っているままに放任されていることを痛感しないわけにはいかなかったのであります。 公職選挙法の改正に関しましては、まず、形式犯の取り締まり範囲を縮小緩和し、実質犯の悪質なものに対してのみ重刑をもって臨まれたいということが一致した意見として述べられました。こまかく形式犯を規定いたしましても、選挙違反として罰則の適用ということになれば、刑訴法のたてまえから、裁判の迅速化は望み得ないのでありまして、捜査そのものも、選挙期日後一カ月をもって大勢は打ち切りというようなことになりますため、形式犯の大部分は警告をもって済まされ、候補者、運動員も、この間の事情を承知しており、違反覚悟で罰則規定をくぐり抜けている実情であります。一方、買収、自由妨害等の実質犯は、保守、革新の一騎打ちというような、結果の容易に予測できない激しい選挙の場合に飛躍的に増大するものでありまして、岐阜県知事選挙の場合は、検挙八十七件、二百三十七人のうち、買収八件、百三十一人、京都府知事選挙の場合は、検挙十八件、五十四人のうち、買収八件、四十七人を数えているという事実は、違反の背後に、明るく正しい選挙の執行が、選挙法上においてすでに当然の前提要件を持っておらない。つまり現在の選挙法は、違反行為をおそれるのあまり、制限を加え過ぎ、それ自体はりっぱであるが、りっぱ過ぎて守れないのみならず、立候補者の政見発表ないし政党の政策宣伝の機会をはなはだしく制限し、選挙運動、政治活動の本旨を法の上ですでに忘れていることに、これらの違反行為の一面の理由を有するというのであります。 このため、文書活動、言論による選挙運動の制限を最大限に緩和し、一般有権者をして、立候補者の人物、識見を判断する機会を可能な限り多く与え、選挙公報、テレビ放送による政見発表の回数増加、無料はがきの枚数も、有権者数に応じて増加させる等、公営による言論、文書運動の拡大をはかり、戸別訪問なども取り締り緩和の方向へ漸進させ、しかる上において、実質犯の悪質なものに対しては、公民権停止期間の長期化と適用範囲の拡大、連座規定の強化等、抜本的対策を講ずることの何よりも急務であるとともに、裁判の遅延と、違反者をも公認とする政党の実情は、問題解決を一そう困難なものとしている。これらについても抜本的解決を望まれたのであります。 政治活動の自由化の問題につきましても事情は同じでありまして、京都府知事選挙期間中、確認団体の政治活動ということで個人が行なうものが多く、しかも一人で七、八台の自動車を使用した例もあったということでありまして、違反の問題というよりは、政策をPRする機会を十分に与えておらない現実を改善することが先決の問題ではないかと考えられるというのであります。 明るく正しい選挙の推進につきましては、政界、選挙界に不明朗な不祥事件が相次いでいる今日の現実においては、上からの官製の啓発事業などは受け入れてもらえない実情でありまして、啓発事業の徹底と成果を期待するためには、管理委員会の事務的繁閑に関係なく、報道機関を活用する等の方法を講じて、選挙の直前に重点を置いた有効な啓発活動、推進員一人一人の活動を効果あらしめるための組織づくり等、計画的、継続的実施を推進させ、従来の形式的、断片的、思いつき的な啓発事業は改善しなければならないという意見が述べられ、市町村選管にも啓発専任職員を設置し、これに要する経費は国において支弁することとするほか、市町村の啓発補助金は、従来どおり、全市町村に配分する方法を継続するとともに、大幅に増額することの要望が出されたのであります。 また、各地啓発委員代表から、地方自治の根幹である地方の選挙に中央政党の介入することは好ましくなく、中央政党の政策、抱負は、選挙のときではなく、平素の政治活動として行なわれるべきこと、及び、地方選挙も、その特殊性から、選挙法は別個に規定されてしかるべきではないかという意見が述べられ、婦人会代表からは、一致して、地方選挙の地域社会あるいは部落推薦に伴う種々の利益誘導、干渉、威嚇等のため、選挙の自由が保たれがたくなっていること、一票一票の真実はきわめて疑しいこと、及び婦人層の啓蒙について地域社会に公平な助言をできる人を望む等、特段の配慮を願いたい旨の要望がありました。 政治資金の規正に関しましては、まず岐阜県選挙管理委員会から、市町村または県単位の届け出団体は、四十一年六月末七百二団体で、そのうち七七%の五百四十は、特定個人の後援団体であること、収支の報告は、県単位の百六十五団体のうち二五%の四十一団体しか届け出をなされていないことの実情が述べられ、定期報告をしない団体が多いこと、収入支出、いずれもゼロとなっている団体が多いこと、及びその真実性の認定が困難であること、罰則の規定が死文化していることの問題点があげられ、さしあたっての措置として、収支報告の公表は官報、県公報のほか、新聞等に公表することとし、これに伴う財源等についても法定化するよう要望が出されました。 京都府選挙管理委員会からは、これらのほか、届け出団体は、届け出の年から一定期間ごとに更新される更新の手続をとることとし、この際、職権によっても整理できる道を講ずること、収支の報告は年一回とし、単位を一万円以上とすること等の意見が述べられ、民間代表からは、政治献金は個人に限り、会社団体は一切禁止するか、あるいは個人の献金を原則とし、会社団体は個々の直接的献金を禁止して、最大公約数の公益のための献金として、集団献金のみを認めるべきであるとの意見が述べられました。 次に、区制、定数問題、その他選挙制度一般について申し上げます。 区制、定数問題については、岐阜県明るく正しい選挙推進協議会会長で歌人の川出宇人氏から、衆議院は小選挙区制比例代表制、ただし比例の率は三〇%を下回ってはならない。参議院は全国区廃止。服部教授からは、衆議院は中選挙区比例代表制、参議院は全国区を八ブロック制とすること、衆議院定数は五年ごとに人口移動に伴う是正を、参議院は地方区の不均衡是正を必要とするが、総数は現在程度でよい。林婦人会長からは、衆議院は小選挙区比例代表制。また羽島市の推進協議会委員で自治委員会会長の小見山陽三氏からは、区制、定数等、選挙制度の改正に関する立法権を、国会の立法権から選挙民権に直結する独立機関に移すことを考えなければならぬこと、及び投票は個人本位に行なうことが選挙の本来の姿であること。最後に京都府副知事石澤守雄氏から、参議院全国区制は、地方選挙及び衆議院選挙での死票が救われることとなる制度であるから存続すべきである等の意見が述べられましてが、紹介するにとどめます。 選挙制度一般、選挙管理等については、まず両府県及び京都府推進協議会委員から、不在者投票制度について、すべての旅行者等不在者投票事由の拡大、身体障害者手帳を利用する等、不在者投票の方法、手続の簡素化、在宅投票制度の検討等について意見が述べられたのでありますが、施行令五十五条第二項の都道府県選挙管理委員会の指定する病院の基準が法定されていないため、おおむね五十床以上であっても、精神病院については京都府では全然指定していないが、岐阜県においては指定しており、しかも羽島市長選挙の場合、病院長の請求した数がすべて不在者投票として郵送されてきたということでありますが、不在者投票における選挙権行使の保障と選挙の公正確保の問題は重要な問題であり、指定病院の基準問題も地方選挙の場合重大な結果となることがありますので、早急な検討が望まれます。 立会演説会については、岐阜県知事選挙の場合、当日有権者数百六万二千九百三十七人に対し、三十三会場、延べ六万九千三百六十一人(六・五%)、京都府知事選挙の場合、当日有権者数百三十七万七千四百三十一人に対し四十二会場、延べ一万八千五百三十四人(一・三%)が入場したということでありまして、岐阜県の場合、きわめて盛況でありますが、岐阜市選挙管理委員会から、立会演説会が組織的聴衆動員争いの場となり、一種の示威運動、多衆による計画的自由妨害行為を助長することとなり、他方、一般有権者からは無視されており、公営の意義は失なわれ、実益に乏しいから、テレビ放送による公営演説会の早期実現を期待するとの意見が述べられ、京都市選挙管理委員会からは、同じ理由から廃止することの意見が出され、付随して府選挙管理委員会からは、立会演説会に参加しない候補者は候補者の資格を失うものとする等の方法によって、泡沫候補者の規制方法を検討されたいとの要望がありました。しかしながら、言論による選挙運動は、可能な限り自由活発に行なわれるべきものであることに異論はなく、立会演説会は本来意義も深く、効果も大なるものでありますから、その方法、運用について、有権者の期待にこたえるよう検討されることを希望するものであります。 また、有権者の投票決定にあたって最も役立つとされている選挙公報につきましては、昨年の参議院通常選挙、大阪地方区において公報掲載文をめぐって告訴事件があり、今回の岐阜県知事選挙においても同じく掲載文について告訴事件が起きており、公報に政見以外のことを記載して悪用したり、怪文書的なものにするという事実につきましては、早急に法的規制を講ずるべきであると考えます。 その他の意見、要望事項につきましては、まず農業委員会委員、土地改良区総代選挙等の制限選挙は無投票の場合が多く、専門的農事知識や農業経営者の実態等も把握していなくてはならないため、選挙管理委員会の担当事務から除外し、これらの委員等は、市町村長が議会の同意を得て選任することとされたいこと。 個人演説会は、拡声機の使用によって屋外向けの演説が行なわれ、街頭演説の時間制限を免れる行為を放任することになっている場合があるので、午後九時までに制限されたいこと。 市長選挙のポスターは、選挙人名簿登録者数に応じて段階的に増加するようにし、市の人口格差及び市議会議員選挙のポスター数とに比して均衡がとれるようにすること。 連呼行為禁止の制限は、各選挙について同一の取り扱いとすること。 指定都市の市長選挙については、知事選挙と同一の公営を行うこと。 経費基準法の選挙長、投、開票管理者、同立会人に対する報酬及び嘱託手当の積算単価の増額及び投票所施設の所要経費の増額をはかられたいこと。 以上を列挙するにとどめます。 最後に、永久選挙人名簿制度の実施状況について申し上げます。 京都市においては、従来より選挙資格台帳を作製しており、選挙人の選挙資格の的確な捕捉ということにつきましては、従来と異なることはないということでありましたが、羽島市においては、紡績工場の女子従業員が非常に多いという関係もありまして、転入、転出が非常に多い事情にもかかわらず、住民登録並びに名簿登録申し出は実行されないまま、選挙資格を的確に調査する方法もなく、このため九月のみならず、三月においても、実態調査に伴う職権登録ができるよう措置されたいとの要望が市選挙管理委員会からありましたことを申し添えます。 以上をもって報告を終わります。
○委員長(川野三暁君) ただいまの御報告に対し御質問はございませんか。——別に御発言もなければ派遣委員の報告は、これをもって終了いたします。 —————————————
○委員長(川野三暁君) 次に、塩見自治大臣及び伊東自治政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。塩見自治大臣。
○国務大臣(塩見俊二君) 去る八月の改造によりまして、私、自治大臣に就任をいたしまして、選挙問題を担当することに相なった次第であります。たいへんごあいさつがおくれて恐縮でございまするが、選挙制度審議会における第四次の答申も、いわば中間的な答申であったのでございまするが、近く第五次の審議会も開会される運びと相なった次第でありして、今後、委員長また委員の皆さん方から何かと御指導を賜わり、また、御協力をお願い申し上げることになろうかと思う次第でありまして、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 なお、所信等につきましては、委員の皆さん方の御質問等に対する答弁においてできるだけ明らかにいたしたいと存じますので、この点も御了承をいただきたいと思います。 一言ごあいさつを申し上げまして、よろしくお願い申し上げておきます。(拍手)
○委員長(川野三暁君) 伊東自治政務次官。
○説明員(伊東隆治君) 伊東でございます。先般の内閣改造にあたりまして、自治政務次官を仰せつかりました。何ぶんふなれでございますので、どうかよろしくお願いいたします。 一言ごいさついたします。(拍手) —————————————
○委員長(川野三暁君) それでは公職選挙法に関する調査のうち、前回に引き続き、第四次選挙制度審議会の中間報告等に関する件を議題といたします。 質疑のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。
○横川正市君 いま自治大臣からあいさつの中にも含まれておりましたが、第四次の審議会の答申が、その内容において中途はんぱなものになり、その後第五次の審議会の発足については、当面する諸般の事情等を考慮されまして、その発足の目安等が何か立ったように新聞で報道されておるわけであります。通常、私ども国会で選挙制度の問題について論議をいたしております場合には、日本の議会制度の根本をなす選挙の問題について、きわめて短兵急に結論を求めるのではなくして、相当長期にわたって、しかもこの成果を期待をしながら、これを審議をしていくという態度については、私どもは必ずしもこれ不賛成ではないわけであります。 ところが、日本の議会政治にとってきわめて遺憾な問題が続発をいたしまして、その遺憾な問題の根源であります選挙そのものについては、これまた毎日の新聞が報道するところによりますと、第一には粛正あるいは両党の問題、第二には選挙のために非常に金がかかるから、それの金のかからない方針、第三番目には、これらのことをき然として実施をするという総理大臣の言明等もありまして、私は前段で申し上げましたような、時間をかけてその推移により最善を求めるということも真理ではありますけれども、いま私どもは、議会が英知をしぼってこれに対処すべき時期に到来しているのではないかと判断するわけであります。 そういう立場に立ちますと、今日までの歴代の内閣、今日政権を担当いたしております佐藤内閣においても、第一次審議会、第二次審議会、第三次審議会、第四次審議会、そして第五次審議会も早急に開催されなければならなくなった実情等から勘案して、この選挙制度審議会の進め方について、どういう考え方を今日お持ちになっておるのか、これをまず最初にお伺いをいたしておきたいと思います。
○国務大臣(塩見俊二君) 横川委員もすでに御承知のとおり、選挙制度の改善の問題につきましては、第一次から第四次にわたり、連年非常に熱心な審議が繰り返されてまいったわけでございます。第四次の審議会におきましては、ただいまお話し申しましたとおり、結論を得ずに第五次に見送るというような結果に相なった次第であります。 そこで、ただいまお尋ねの、今後選挙制度の審議会あるいは選挙制度の改正、そういった問題をどういうふうな方向で運営をしていくかというようなお尋ねのように承ったのであります。それで、私どもといたしましては、まず第一に、できりだけ早い機会にこの審議会を発足さしたいということで今日まで努力を重ねてまいったわけでありまして、近く発足することのできる段階にまいったと思う次第でございます。 そこで審議会といたしましては、もちろんこの四次にわたる審議会の経過、ことに三次から四次の審議会におきましては、格段の結論も出していないわけでありまして、しかしながら、その間におきまして、問題を整理をし、そして相当煮詰まった問題もありますし、また今後検討しなくちゃならぬ問題もあるというふうな姿で四次の答申をいただいておる次第でありまして、大体この四次にそういった残された問題、これは選挙制度全般にわたる問題でございますので、その中から逐次、具体的には選挙制度審議会がテーマをきめまして、順序をきめまして、そしてこれが結論を出していくというようなことで運営してまいることになろうかと思う次第でございます。
○横川正市君 自治大臣のいまの答弁は、私は通常委員会で審議をいたしております姿勢とほとんど変わっておらないんじゃないかと思うのであります。いま新聞の報道で、私が総理に会ってその真意を確かめたわけでありませんから、きょうは官房長官にかわって出ていただきまして、正式に委員会で、内閣を代表しての意思を問いたいと思っておりましたが、諸般の用事で出席されておりませんし、この件については自治大臣から聞いてくれということでありますので、質問をいたすわけでありますが、論調にはいろいろ出ております。しかし、今日政治危機を訴える言論の内容等を見ますと、これは一様に、しかもほとんど同一内容で今日強く要望されている問題となりつつあると思うのであります。 たとえば道義感の廃退、金銭へのきたなさ、憂うべきものがあって、日本列島というふうにこれは表現いたさないで、日本の腐敗列島と言われるような指摘を受けております。これにこたえて、私は、総理大臣は、当面総辞職ないしは解散ということには訴えないで、この問題を解決することこそが、これがいま政治を担当する者の責任であるという、そういう発言の中の一環として、金のかからない選挙というものを、これを表現をいたしておると思うのであります。 しかも、いまの流動しております国会の内情からいきますと、すでにきょうの新聞によりますと、二十八日には議会が召集されるという実情にあるようです。それから、佐藤内閣の北海道における一日内閣のあとの記者会見では、十二月一日の自民党の大会のあとに、人心刷新のための入れかえを行なう、大幅に行なう、そのあとに議会の解散ということが当然一つの日程として予想できる発言をいたしておるようであります。おそらく、これは、単に憶測ではなくて、情勢はそういうふうに推移をいたしておるんではないか、こう私どもは判断をいたすわけで、そういたしますと、最近の問題をとらえて、国民の前に何回か出席をいたしました総理大臣、愛知官房長官の言をかりますと、第一次選挙制度審議会の審議の内容、すなわち連座制、高級公務員の問題、政治資金の問題、あるいは第二次審議会の人口と議員定数の問題、あるいは政治資金の問題、運動の合理化問題、あるいは第三次における選挙区制の問題あるいは比例代表制の問題、第五次は、これは区割りの問題等が論議をされるというふうに日程が載っておりますけれども、できるところから早急にこれを実施すると言明をいたしておるわけであります。 私どもは、そういう一般の国民の皆さんに、実はこういう特別委員会の審議を経て発表されるのではありませんけれども、国民からの指弾もだしがたく、粛党あるいは粛正の、姿勢を正す意味で発言されたことについては、これは当然内閣は責任を持つべきものだと判断をいたしております。 一連としたこういう流れの中で、一体、審議会、すでに終わりました答申の内容や、あるいは将来に向かって審議されようとしている内容等の中で、これをどういうふうに法律として議会で審議をし、しかも、早急にこれを決着をつけるかということは、私はいわば審議とは離れて、非常に喫緊の問題になってきているんではないだろうか、こう判断をするために、いま一体審議会の審議日程、それから、それに伴う内閣の姿勢としては、どういう予定になっているんですかという質問をいたしているわけです。自治大臣の認識の次元が、従前の審議会をもって審議をしているという、そういう態度であって、今日の非常に山積する、議会として解決しなければならない、しかも喫緊の問題についてどう対処するかについては明らかにされておらなかったと思いますので、もう一度ひとつこの点についてお答えをいただきたい。
○国務大臣(塩見俊二君) 佐藤総理大臣の衆議院の予算委員会における発言、あるいは北海道の公聴会における発言、確かに非常に強い態度でこの選挙の問題に取り組むのだということを申しておることは、これは事実でございます。そしていま、しからば、一体どうやって具体化していくのかというようなお尋ねと考えるわけでありまするが、これは私どもといたしましては、また総理といたしましても、問題を一応二つに分けて考えておるわけであります。 その第一点は、第一次、第二次の、あるいはその後におきましても、すでに答申をいただいておるわけでありまして、これからの答申の中で、すでに実行したものもございますし、あるいはまた、議会に提案をし、また議会でこれが修正されたものがある、あるいはまた、まだ実行していない問題もある、あるいはまた、懸案としてこの五次の審議会にこの審議が送り込まれておる問題もあるというふうに、過去の答申につきましても、いろいろのニュアンスの相違を持っておるわけであります。しかしながら、この過去の答申におきましても、いまだ実行せられていない問題、そういう問題につきましては、これは政府としてやることのできる問題、すみやかにやることの可能な問題、そういった問題につきましては、あらためて再検討をして、そしてこれが実現をはかりたいということが第一点でございます。 それから、今度の審議会につきましては、これはすでに御承知のとおり、あるいはこの選挙の区制の問題、あるいは選挙活動、あるいは政党活動の問題、あるいは選挙手続の問題、あるいは政治資金の問題等々、相当重要な問題が今後審議されることと思うのでありまするが、政府といたしましては、この審議会がとにかく結論を出していただきたい。そうして、政府としてはこれを尊重して実現に移す、こういう考え方を強く総理としても発言をされておるわけでありまして、こういった五次の選挙制度審議会が、活発な審議をいただきまして、そうして結論を出してもらう、そうしてそれを実行に移す、こういうふうな決意を政府としても持って、総理もその意味の表明をせられたものと私は考えております次第です。
○横川正市君 世論の中で一番きびしい意見として出ておりますのは、総理がそういう姿勢を明らかにして発言をされたのなら、もう少し内容を具体的に態度の中に表明すべきではなかったのか、こういう世論の意見というものが強く出てくるわけなんです。いま大臣の言われていますように、連座制あるいは政治資金の問題等、これはすでに審議会の審議の議も得ておりますし、いま大臣の言われているように、すでに実施されたというのは、人口割りによる議員定数の問題だけですね、第二次の審議会における答申の中で。あとは、これはほとんどが残されておるわけです。私は、非常にせっかちな言い方をするわけではありませんけれども、大幅な人事の刷新をするというようなことをとってみましても、現在議席を持った者の中から、だれがどうだこうだというような形での選び方というものが、はたして国民から納得されるものかどうかということになりますと、私どもは私どもなりに判断をしてみて、そうは実は考えないのです。私は日程からいきますと、全く公正妥当な、金のかからない、しかも国民の納得する選挙法がつくられて、その選挙法に基づいて公正な選挙が行なわれて、国民から選ばれてきたそういう人の中で、新たに議会というものがつくられなければ、今日の議会不信についてはぬぐえないだろうと判断をするほどに激しいものがあり、その方法というものの道を誤ってはならぬと考えるような事態だと思うわけです。 そういう意味から判断をいたしますと、新聞の論調、その他全体としてどうなっているかといいますと、第五次審議会をもって区割り等の問題をするということは、今日のいわば政治に対する攻撃を肩すかしをして、まあ人のうわさも七十五日、やがてこういったものが世論から消えてしまって、その時期を待って、今日の政治の担当だけを唯々諾々と持続をしようというような、いわば言いのがれの方法ではないかととられる向きがあるわけです。これはぜひひとつ自治大臣、私の言ったことを腹に入れておいていただきたいと思います。あすがあって今日があり、今日があってあすがあるわけですから、明日に向かって私どもが政治姿勢を正すのに、どういう方法をとられたかは、これは国民からやはり指弾を受ける問題だ。私はそういう意味で、第五次審議会をつくったということは、佐藤内閣の便々たる政権意欲だけで、その姿勢を正すという何らの措置をとられなかったのではないかと批判の受けることのないように、これはもうこの際私は明確にいたしておきたいと思います。 同時に、私きょうは、すでにそれならば、第一次、第二次等で答申の出た中で、即刻法律事項として、二十八日からの臨時国会に提出のできるという用意を自治省としては命令を受けて、しかも、それに着手をしているのかどうか。もしそうでないとするならば、これは非常に私は言いのがれになってしまうだろうと思うのですが、その点は、総理の決意は、いわゆる選挙を担当する自治省として、どう受けとめて、その準備をどうされているか、この点ひとつお聞かせいただきたい。
○国務大臣(塩見俊二君) 横川委員の前段の御発言につきましては、これは私からお答えするのはあるいは適当ではないと思うのでございまして、別の機会に総理の所信を聞いていただいたほうが適当かとも存じます。 しかしながら、私どもが判断をいたしておるところによりますると、いろいろの不祥事件等が出てまいりまして、そうして確かに御批判のとおり、世論のきびしい批判を受けておることは、これは事実でございます。そこで、一体こういうふうな状況にどうしてなったかということにつきましては、これはいろいろの原因があろうかと思うのでございまするが、総理の判断といたしましても、やはり、その一つの重要な問題が、選挙に金がかかり過ぎるのだ、こういうところからいろいろの宿弊が生まれてきて、その宿弊が今日世論の非難を浴びておるのだ。やはり選挙制度の根本に触れて、この金がかからない選挙というものを実現をしないと、いまの政治の姿勢というものはなかなか改まらぬのじゃないか。したがって、選挙制度の改正につきましては、今回ほんとうの決意をもってこれに当たろうという決意を述べられたと私どもは解釈をし、また政府としても、われわれ自治省といたしましても、そういった方針で今後臨みたいと思っておる次第であります。 それから、具体的に一体どうするかといういまお話がありましたが、いま実は、もちろん総理あるいは官房長官等から、相談もし、検討しろという指示は受けておるわけであります。したがって、いままでの答申をそれぞれ事務的にも区分をし、整理をし、そうしてどういう点に手をつけたらいいか、また、それが可能であるかというような点もいま検討をいたしておる次第でありまして、どの点がどうということは、きょうはまだお答えしかねる状況でございまするが、ただその中でも、これはすでに横川委員よく御承知のとおり、答申が出まして、たとえば、非常に重要な問題である連座制の問題にいたしましても、あるいは政治資金の問題にいたしましても、一応答申は出ておるが、第四次の答申では、さらに第五次でこれを審議するのだというような項目等もあるわけでありまして、したがってそういったような問題といたしましては、さらに審議会の審議を待ってこれを実行に移すか、また、そういうふうな審議をするということがたてまえになっている限りは、やはりその審議の結果を尊重しなくちゃならぬと思いますし、そういった点の配慮をしたり、あるいはまた残された問題で、まあほとんどは法律事項だと思います。選挙の重大な問題でございまするから、そういったうちで、どういったものが可能であるか、時間的にも可能であり、まあ選挙制度審議会の審議との関係から見ても妥当であるというようなものがありはしないかというようなことで、この点はいま検討をいたしておるところでございますので、御了承いただきたいと思います。
○横川正市君 そうすると、二十八日にすでに内定したような、臨時国会に間に合わせて、すでに答申をされた内容の中から、早急に実施に移してもよいというものについては、これは検討中であって、出すか出さないかについては、最終的には態度はきまっておらぬ、こういうことですか。
○国務大臣(塩見俊二君) そのとおりでございます。
○横川正市君 私は、これは総理大臣の食言にもなるようなことだと思うのですよ。いま一般の世論は、総辞職、解散に訴えて政治の姿勢を正せという声があるわけですね。これはまあバッジをつけている四百八十何名かの人たちが、全部一回野に下って、そして国民の神聖なる洗礼を受けて再度出てこいという声なんですよ。ところが総理大臣は、それとは別に、そういう国民の声にこたえる、姿勢を正す、このことが先だと判断をしたわけです。今日議院内閣制で、総理大臣の権限というものはきわめて高いものがあります。これを私はいささかも乱用してはならないと思うのです。公正妥当な考え方で、国民の総辞職、解散の声にこたえる、かわるべきものということになれば、私はこれは臨時国会を前にして、早急に金のかからない選挙の実施というものを、これを私は改正法案として国会に出して、その内容を問うべきだと思うのです。その内容のよしあしは、これは議会がきめるのです。しかし、内閣が責任を持つ、金のかからない選挙はどうあるべきかについては、その内容を具体化して、法律事項として次の国会に出し、その審議を行なうべきだと私は思うのですが、これは自治大臣としてはどうお考えでしょうか。
○国務大臣(塩見俊二君) 横川委員のお話を聞いておりますると、基本的には新しい選挙のもとに出直して、そうして姿勢を正すべきじゃないかというような、基本観念のようなふうに、いままで拝聴しておった次第です。しかしながら現在の、以前における情勢からいたしまして、選挙制度はもちろん非常に重要な問題でございまするが、やはり内閣あるいは党、それらを通じまして、必ずしも選挙と無関係に、さらに反省をし、粛正をするという問題も私はあろうかと思う次第でありまして、やはりこの点は総理としても決心をもってこれに臨んでいこう、こういうような判断に立っておられるものと解しておるわけであります。 それから、いま臨時国会で選挙制度という話がございましたが、これはすでに御承知のとおり、重要問題と申しますか、いわゆる金のかからない選挙制度、選挙制度の基本的な問題というものは、おおむね第五次選挙制度審議会にゆだねられておるというような状況でございまして、したがって、臨時国会で直ちにこれらの諸問題を法律化して、国会に提案をするというようなことは、これはほとんど不可能な状況だと思うわけであります。 それで、先ほど申しましたとおり、われわれとしては、この第五次の審議会に繰り越されておる政治資金の問題あるいは連座制の問題、これら重要問題も繰り越されておりまするし、したがって、いままでの答申の中で、一体どの問題を法制化するかということになりますると、やはり相当の検討なり準備もしなきゃならぬわけでありますが、そのできました法律一つでこの選挙制度が改善されるというわけには、もちろんまいらないわけでありまして、その諸般の大きな問題は、次の審議会にゆだねられておるというふうな状況だと、私どもは解釈をいたしておるわけであります。
○横川正市君 自治大臣、いま、えりを正して、そして粛正、粛党を行なうということを、何はともあれひとつやろうではないかというのは、これは総理大臣の言明に対しても、ずいぶんいろいろな観点から言っておりまするが、一体総理大臣のえりはなんぼあるのか。えりを正す、えりを正すと言うけれども、一向にえりは正されておらぬのではないかというのが今日の世論のはずです。この点を私は、ことばの上でえりを正したから、それが国民に対する粛党の実だ、こう考えることは甘いと思うのですよ、実際には。 もう一つは、自治大臣、いまの選挙法が、これが金のかかる選挙をいささかも規制できなかったという事実はお認めになるでしょう。だからこそ、金のかからない選挙ということになっているのじゃないですか。現行選挙法で予定される一月の衆議院選挙が行なわれた場合に、金のかからない選挙というものが、これが一体約束できますか。これは三段論法じゃありませんけれども、今日の選挙法の不備というものが、一面においては選挙によらしめない、いわゆる選挙とはおそろしいものである。選挙はなるべく自分のところから触れてもらいたくない。すなわち、無関心層がどんどんふえていくという面のそういう一面を持っております。一面は、今度は物とか金とかによって行なわれているという選挙の悪弊を、今日是正することができないという、この二つの面を持ったのが選挙法なんですよ。 私どもは、いま自治大臣は、そんな簡単には法律改正はできないと言いますけれども、選挙法ぐらい、前の日に与野党話し合って、翌日衆議院の本会議にかけて、そうしてその日のうちに参議院に持ってきて、それを修正したという実例はあるという、こういうきわめて法律の体系その他からいきますと、容易に私は考え方によって改正のできる法律案だと思っているわけなんです。だから、何か法律改正になって、これはもうたいへんなことだというのではなしに、その取り扱いの置き方によっては、私はその実をあげることは、何も今月二十八日からの臨時国会にかけられないということではない、こう私は思います。そこで、いまの大臣の言いましたように、第五次に大半を移しておるから云々ということは、これは私は言いのがれのえりを正したということになりはしないか、佐藤総理の実はそういうところになかったのじゃないかと思われるほどに、五次に全部持っていくことについては、私はこれはたいへんな問題だと思うのですよ。 現行選挙法に大きな不備があることを認めて、もうすでに何人かの人の発言があります。前の警察庁長官の柏村さんですか、の意見を見れば、形式犯その他についてはもっとこれは緩和をし、いわゆる選挙は喜んで国民の参加のできるような方法をとるべきである、こういう意見を持っております。一面においては、政治資金の規正法については、先進国にも例もありますし、また、答申の中には、幾多の人たちが数限りなく発言をいたしております。これは新聞で報ずるところをもってしても、今日の識者は、たとえば団体とか会社からの献金についてはこれを禁止をして、あくまでも個人の浄財によって政党活動が行なわれるような方向に行くべきである。これはもう私は、頭のいい役人に、その方向を示して条文をつくれといったら、国会の法制局はたちまちのうちに、これに見合うところの法律事項をつくりますよ。私が心配することは、すべてを法律の事項に盛り込んで、そしてきわめて機械的に、人間性を無視したような冷たい選挙法をつくれということになってはならない。一面においては、たくさんの人たちが喜んで選挙をすることに生きがいを感じ、一面においては、いわゆる刑事事案と思われるような案件を全部撲滅するような方針でもってつくられる選挙法というものを、近代的な日本の英知がつくり上げられないはずはないのです。それを答申へ答申へということは、私は実は、そのことによって不都合を非常に多く感ずる人たちの、これはのがれ場所として、審議会の答申を待つということになっているということは、これは一般識者の批判の対象ですよ。そういうことをもう一回ここでまた繰り返すということは、私は総理大臣がえりを正すという、今回の問題を背景としてえりを正すということにはならぬのではないか、こう思うから、この点について大臣の意見を実は聞いているので、これも実は官房長官にぜひ出てもらいたいと思ったのは、その点を、あの人は何回も座談会その他に出てそのことを言っているわけですよね。先ほど言いましたように、すでに一次、二次で出されたものの中で、当然これは実施をしなければならぬものについては、早急にこれを立法化し、ないしは具体化していくことがえりを正すことだと、いういっているわけですから、私はこれはもう約束事として国民は取っているのではないかと判断をいたしているわけであります。ぜひひとつ、この点について自治大臣の見解をもう一度お聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(塩見俊二君) 矢ほどから官房長官の御出席を要望しておるというお話でございましたが、まさに官房長官からお答えすることが適当な諸問題を含んでおるように私も見たわけであります。特に横川さんの御発言は、もう解散の時期はきまっているんだ、近い解散を前提にして御発言になっておる、こういうふうに私は理解できたわけでありますが、実は私としては、この解散がいつ行なわれるか、きわめて近い時期に解散が行なわれることを前提としてお答え申し上げるということは、これは私としてもまことに不適任でございまして、その点はひとつ御了承いただきたいと思います。 御承知のとおり、選挙制度審議会は、第一次から五次までにわたりまして、今回、この次、五次でございまするが、一貫して、きわめて簡単な諮問事項が出ておるわけでありまして、すなわち、選挙制度の全般について具体的な改善策を出してもらいたい、こういうことになっておるわけであります。したがって、私どもといたしましては、やはり精力的な御審議を審議会にお願いをいたしまして、政府の立場としては、これを尊重して、そうしてこれを誠実に立法化して、国会の御審議を願うというのが政府のたてまえではないかと思うわけであります。 したがって、ただいまの選挙資金の例をひとつとりましても、あの一次、二次におきましては、いわゆる会社とか、あるいは組合とか、こういったようなものからの寄付の制限等は、なお今後検討するというような、たしか状況で終わっているわけでございまして、したがって、これは今後検討するということは、なおこの審議会で御審議願った結果を待たなければならぬという点もありはしないかと思うわけでありまして、そういったようなことでございますので、審議会を無視して、そうしてあなたのおっしゃるように、お互いに話し合えば一日でできるじゃないかというような、重要問題を審議会を無視して、その発足前にそういう私が答弁をし、そういう方向でやっていくんだということは、これは審議会自体の権威、 また審議会自体の目的からいっても適当でないと思うわけでありまして、私どもは、あくまでも精力的な御審議を願って、そうして結論につきましては、誠実に実行すべく政府は努力をする、こういうお答えを申し上げたいと思います。
○横川正市君 今日は勇気が必要だと私は思うのです。今日のような状態は、たとえば、例をとれば、英国の歴史の中ではすでに四十数年前に同じ経験を持っておるようです。今日の英国の選挙法を制定したのは一人の人間の、議員立法です。審議会とか、議院のいろいろな協議の場所とかいうものは、いわゆる個人の議員が立法したものについて、これを議会で論議をし、そこの大きな抵抗と弾圧を経験しながらその法律をつくったという、そういう勇気が英国の議会にあったから、今日われわれが非常に手本にするような、英国の議会を構成する選挙というものがつくられたと歴史は証明いたしております。 いまあなたの言うような、いわば私らから見れば、きわめて今日の事態の認識について——おそらくあなたも同じほどの政治の危機を感じておるんだろうと思うんですが、それをどう解決するかの方法について、いささか私は食い違った点があるんじゃないかと思うのですね。私は、あくまでも今日の選挙法に欠陥があることを私どもは認めております。しかも、その欠陥がたまたま唐突として問題になったのは、政治に対する不信感がもう次から次へと重なったからなのであります。 今日ほどに議会が一般国民から指弾を受けておる時期というものはなかった。しかもそれは中央、地方を問わず、たいへんな問題になってきておるわけです。私はいまこの問題について、除去するための立法が、勇気ある——すなわち田中角榮自由民主党幹事長がテレビ討論会で発言をいたしましたように、政治資金の問題に問題があるのだ、金のかかる選挙に問題があるのだ、だから、これをぜひひとつ改正をして、えりを正す、こういうことにしたいとテレビで国民の前にはっきり言ったのですから、これほど私は国民が、確かに自民党がえりを正すということの確約をとった事件はないと思うのです。すでに四十数年前に一人の議員が立法して議会に提出したものを、これを受け入れた英国の議会と、いま自由民主党の実力者である田中角榮さんが、テレビ討論会の前でそのことを約束したことを、次の臨時国会に法律事項として出せないというばかな話はないじゃないですか。それほどに私どもは緊急な事態と判断をしておるわけです。 私は、これは自治大臣にぜひひとつ持って帰っていただいて、あなたのほうの党と論議をしていただきたいと思うのです。これは単に与党とか野党とかの、攻撃するしないの問題とは別問題だと思うのです。もっと政治のモラルの次元で、高い次元で考えるべきものであって、それがなければどうなるかということは、これは与野党を問わずして、すべての人間が内心いろいろな不安を持っておることじゃないですか。私は、これを除去するための勇気があってしかるべきだと思いますね。この点をひとつぜひ強く、これは答弁は前段と同じだろうと思いますから、答弁は求めませんけれども、ぜひひとつこの点について内閣あるいは与党との間で論議をしていただきたい、こう思います。これは歴史の歯車をとめるか、前に進めるかの重大な事件になったときに、審議会の答申をといって、どんなものが出るかわかりませんけれども、そういうようなべらぼうな姿勢というものはないと思うのです。そういうことで、ぜひこれはそういう実例をあげていただきたいと思うのです。 それと関連して、私は一つの事例を申し上げたいと思います。現行選挙法で、すでに解散を目の前にして、各種の議員がどういう選挙の事前活動をしておるか、この問題、これは選挙取り締まり当局は、現行法で、選挙風が何回か吹きましたが、それの一体事前活動と思われるようなことは、巷間どのような状態で行なわれておるかを把握しておられるでしょうか、その実例をちょっとお聞きいたしたいと思います。
○説明員(日原正雄君) 警察として現在まだ十分に把握はいたしておりませんが、ただ、さしあたり、違反行為の容疑ありとして警告した事案が幾つかございます。十月十四日現在で、総選挙関係で二十九件、統一地方選挙関係で四十二件、警告をいたしております。
○横川正市君 実に私は、個人の名前を出すことは非常にはばかるわけですから、ほんとうは名前を発表いたしたくありません。しかし、これは私の住所の、杉並区方南町三百三十というのは私のうち、横川正市というのは私です。私のところに事前活動の文書が舞い込んできておるわけです。これは一体どういうことですか。これは自治省の選挙の当局に聞いたら、事前活動の疑いが非常に大きいと判断をしておるようであります。同時に、こういう名簿があります。これは町内会のおも立った人たち全部です。バス二台に分乗いたしまして、そうして一泊旅行をいたしました。これはだれのあれかといいますと何々後援会の何々会になっておるわけです。これをお見せしましょうか。 これが現行法で行なわれている事前活動であって、田中彰治さんは、これを最も徹底的にやって選挙地盤というものをつくったわけですね。いま使われているところは、バスでもって東京見物をさせることを全部無料で行なったという事実も、田中彰治さんの事犯としてあがっているでしょう。ところが、そういうことは田中彰治さんだけじゃないのです。ほとんどもう、来年の一月改選だなあと思ったら、町にいま出ていろ看板を見てごらんなさい。きょう私が通ってきた道筋にも、十月五日アトラクションをまじえた会合をしたやつを、私か毎日通っている経験からいいますと、終わってから約二週間ぐらい看板が立っておりました。それから、今度はこれがしまわれました、看板が。そしていま、佐藤総理が北海道で選挙風が近いぞというようなことを発言したら、また同じ看板がずっと並んでおる。 こういうふうな事前活動がどんどん行なわれているということで、一体粛党とか粛正というものがやられているのですか。えりを正していることなんですか。これはもう取り締まり当局に手が足りなくてたいへんだろと思うのです。また捜査そのものがたいへんだろうと思います。しかし、少なくとも相当ないわゆる違反事案ですね、いわゆる形式犯、もう明らかに選挙違反の実質犯に該当することが、単にこの二十九件とか四十二件じゃなくて、全国津々浦々で行なわれているという実態を、これを一体どうするのですか。これを直さないで、いまの政治不信がどうやって取り返すことができるのですか。私はもっと真剣に議会というものはこの問題に取り組む必要があると思うのですよ。こういう点で私は、事前活動とは一体何なんだと、これを厳格にやられることは、いわゆる国民をして選挙に恐怖心を持たせることですから、その点は取り締まり当局に十分注意を申し上げておきたいと思います。しかし、明らかにこれは犯罪と思われるような実質犯どんどん大手を振って行なわれているということについては、これは私は公正な判断で、やはりある程度の取り締まりをしなければならないのじゃないかという、そういう気持ちを持っておるわけなんです。いまここで言った人たちが、酒、さかな、その他用意してバスでもって旅行したとすれば、これはもうみな事前運動ですから、じゅずつなぎになるかもしれない。しかも、いま地方議会がもう数限りなくあがっております。あなたのほうのその取り締まり、捜査、逮捕ですね、これは、たとえばあなたのほうは一生懸命やったけれども、検察当局が何かしらぬ、うやむやにした、いわゆる新潟事件あるいは兵庫の事件、あるいは熊本の事件、過去のものになってしまって、うやむやにされてしまった。しかも、また、それに尾を引いたように、どんどん地方議会の不正問題が出ております。だからこそ新聞の端々の中に、日本腐敗列島と指摘をされているような事態になっているわけですよ。これはゆゆしき問題だと思いますね。 ぜひひとつ、これは本日、そのいうような事犯は新聞紙上その他は枚挙にいとまのないほど指摘をされていることですから、この点についてはぜひ明確に、あなたのほうの態度を要望しておきたいと思いますし、一体、日常のこの選挙に対してのあなたのほうのいわば公正な取り締まりの態度、それから、何かやるときには、三つか四つか重点事項というものがあがるわけなんですけれども、それらについての具体的な日程等はどうなっているか、この際ですから、ひとつお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(日原正雄君) お話、いろいろございましたが、実は一つの問題は、やはりいろいろ文書を配りましても、あるいは集会、旅行等の問題でありましても、その文書の数量、頒布先、内容、集会の時期、参加者の範囲、内容というような、いろいろな面から見て、次の選挙で当選をはかる目的をもってする、投票を得るための行為ということが、いろいろの点から認められるかどうかが一つの争点になるわけであります。そういう点で、お話のいろいろな文書につきましても、集会につきましても、そういう点で判断を加えませんと、それだけで直ちに事前運動というふうに認められない面があるわけでございます。しかし、事前運動と認められるものがありますれば、私どもとして、軽微な形式犯につきましては、警告等の措置でどしどしやっていきたい、また悪質なものがありますれば、事前で検挙する、こういう態勢でいきたいと思います。 事前運動に対する取り締まりの一般の方針といたしましては、買収、供応、選挙妨害、その他の実質犯について悪質なものについては、事前であっても検挙をする、そうでない軽微な形式犯等については、警告の措置でもって防止と主眼にしてやっていくというような方針で十分進んでまいってきておるつもりでございます。今後もまた、そういうような疑問になるような問題がたくさん出てくると思いますが、どしどしそういう形でやってまいりたいという気持ちでおります。
○横川正市君 自治大臣、これは最近問題作になりました「金環蝕」という小説の、これはフィクションで書かれたものですから、実は私も、これを今日の政治に当てはめてものを考えるということについては、いささかこれは問題点が多かろうと思う。しかし、この広告を読んでみましょうか。「巨億の金を濫費した総裁選挙の穴埋めで汚職に狂奔する政界実力者たち、その不正をかぎつけ売名と私欲のために議会で追及する悪徳代議士、驚くべき情報網をつかって真相を握り彼等を恐喝する怪物的高利貸し、信じがたいほどの現在の悪の姿が鋭いメスで描かれている」、これが見出しなんです。 これちょっと言いますと、九頭竜ダムの入札事件は、これは最高高値を入れた業者に落札をいたしました。これが一つのテーマになっているようです。それから総裁選挙、これは野党じゃありません、自由民主党の総裁選挙です。これの裏づけになるのは毎日の新聞、総理大臣の発言、あなたのいまの発言の中にもありましたように、金のかかる選挙、あるいは総裁選挙には金をかけないでフェアにやろうじゃないか、これは金がかかったという事実の裏づけじゃないですか。驚くべきこの情報網、これは高利貸しで最近つかまって、最高の何か保釈金を積んで出てきた男になるでしょうし、悪徳代議士、これは明確に田中彰治を私はさしていると思う。こうやって書かれたものを見ますと、今日の政治のものとぴったりとこれは合うんです。あなたの考え方の中では合いませんか、これが全部。しかも、これはたいへんたくさん売れているようです。 そこで、私はあなたに質問をいたしたいのですが、なるほど、形式的には民主的な手段で自由民主党の大会が総裁をこれは選出をいたします。しかし、自動的にこの人は総理大臣であることをもって任じます。これはだれもが疑わない事実です。また、間違いなく総理大臣になる。なるほど、形式的には衆参両院で投票を記名で行ないます。多数をとった者が総理大臣に任命されます。だから、総裁選挙のときに幾ら金を使っても、この総裁になれば、今度は黙っていても総理大臣になる。このことが、たとえば東京都議会の議長選挙の場合に、反物を贈りました、服の生地を贈りました、時計をやりました、これが取り締まりの対象になって、しかもたくさんな人をなわつきとして出しました。同じように、高松市議会も、あるいはその他の、いま出ておりますのは、東京都内のあれは島ですか、島の選挙にも同じような問題があるし、茨城県にもあります。これはなるほど議長の選挙は、議会の中での議長をきめるために、いろいろな選挙にまつわって、いかがわしいものがあったわけだし、総理大臣は、間接的ないわゆる一党の総裁をきめただけだとはいいながら、その場所で何千万円とか、あるいは一億とか二億ではなしに、巷間伝えるところによれば、数十億の金があって、その穴埋めのためにまあいろいろな問題が起こって、それが恐喝の材料になったなどといわれて、国民が、ははあ、やっているなあといわれるような、そういう状態に対して、これは単に道義的なものとして、えりを正せばいいのだと判断をいたしますか。もっともこのことについては、厳粛な私は姿勢を正す何らかの措置をとらるべきだと思いますが、これはどういうようにお考えになるかの、ひとつこの点の見解だけをお聞きして、実は私、ほかの方の質問もありますから、きょうは質問をやめておきたいと思います。
○国務大臣(塩見俊二君) 総裁選挙に、自民党の総裁選挙に従来金が流れたいとうようなうわさが伝わっておりますし、まあ私どもも、ある程度そういうことがあったかとも思うわけでありますが、しかしながら、非常に巨額な、どれくらいの金であったかというような点につきましては、私は非常に大きく伝えられておるのではないかと思います。 それと、いま「金環蝕」のお話がありましたが、私も実は「金環蝕」というのは全部通読いたしまして、これは非常に通読をいたしまして、ただいま、あたかも、横川さんは、すべてこれは事実のごとく、これは事実を裏書きしているんだというふうな発言でございましたが、実は私は、非常にこれは大きな誤りを伝えているものと、自分ながら非常に怒りを覚えたことをひとつこの機会に申し上げておきたいと思います。 と申しますのは、あの根幹をなしておる問題は、総裁選挙で党のお金を使ったと、その穴埋めのために、何かいろいろなことをやったのだと、こういうような組み立ての骨子になっておるように私は見たわけであります。と申しますのは、私は、実はここまで申し上げていいかわかりませんが、当時の自民党の経理局長でございます。これは絶対に党の金は、総裁選挙には一文も使っていないわけでありまして、一番大事な事実の根底が実はくずれておるわけでございます。まあ、これはひとつその点は御了承をお願いしたいと思います。 それから、総裁選挙につきまして、えりを正しただけでいいのかどうか、もっとほかに厳粛な方法でもって、フェアな姿にする方法を考えるべきじゃないか、こういうような御意見のように承ったわけであります。もちろん、公党でございますので、その公党の一番最高の責任者を選ぶということにつきましては、厳粛な気持ちでやらなければならぬと思うわけでありまして、最近におきまして、御承知のとおり、今回の総選挙につきましては、数々のいままでの不祥事件の非難等も十分に反省をし、自粛をして、そうしてきれいな選挙をやろうというような気持ちで、われわれ全党員がそういう気持ちでおるわけでございまするが、これは結局、やはり民主的な政党の党首の選出でございますので、これはおそらく社会党、民社党、公明党、各書記長なり委員長なりの選挙についても同様なことだと思うのでありますが、私はこういった党百は、やはり責任を持って、国民を代表して出てきたこの国会議員が中心になって選挙をする選挙でございますので、これを法律でもって縛って、それで罰則を適用する、こういうことは、われわれ国会議員としては、これはとるべき方策ではない。あくまでわれわれは、お互いの道義的な観念で、民主政治を正しく育てる、その基幹になる選挙だ、そういうわれわれの自粛、自省というものが基本になって、これを正しくきめて、正しく行なっていく、そういう気持ちでこれは運営していかなければならぬ。そういうふうに感ずる次第でございます。
○横川正市君 私は、法律をつくってやればいいというようなことを一言も言っておりません。ただ、あなたはどういうふうにあれしているかわかりませんが、自民党の大会に県から一人出てくる、地方代表を選ぶときに各県はたいへんな騒ぎですよね。もうわれもわれもと、立候補して出てきますね。そういう出てくる裏づけが何であるかといえば、これはおのずと第三者はうなずけるものを持っているのですよ。だから、もう少し公党である場合には、その疑惑を生むようなことのないような何らかの処置というものを考えていいのではないか。しかも、それが一国の総理大臣を選ぶ結果になることなんですから、国民一人一人として見れば非常に重要ですよ。だから、その点は、私は国民の側から見れば、一体そういうべらぼうなことでなしに、もっとひとつ厳粛な方法というものを考えるべきではないか。まあ、えりを正してやるということですから、それに期待をいたしますけれども、今回はその点はひとつ国民の期待を裏切らないようにお願いいたしたいと思います。これは答弁要りません。
○小酒井義男君 ほかにも質問される方があるようですから、実は二、三点お尋ねしたいと思っておったのですが、今回の調査に基づいて自治大臣のお考えをただしたい点がありますが、これは後日に譲りまして、一点だけ私お尋ねをしたいのですが、この前の通常国会の予算委員会のときに、ちょっと私総理にお尋ねをしたのですが、参議院の地方区の定員について、もうすでに二十年になっておるわけですし、そして昨年国勢調査も行なわれて、今度は大体地域の住民の数というものがつかめたわけですから、この機会に、やはり衆議院ではすでに定員の是正が行なわれているのですから、参議院でもこれを行なう必要があるのではないかということで、特に四十三年の半数選挙に間に合うように、審議会に諮問していただくべきではないかということでお尋ねしたと思うのですが、これは審議会のほうに諮問されておりますかどうか。されているとしましたら、いつごろおやりになっておるか、承りたいと思います。
○国務大臣(塩見俊二君) お尋ねの参議院の地方区の定員の問題でございまするが、御意見のとおりに、特に最近の人口の移動の非常な激しさのために、人口が定員に対しまして非常なアンバランスになっておるということは、これは事実だと考えるわけであります。このアンバランスを一体どういうふうにするか、いつやるかというふうなお尋ねのように承った次第でありまするが、この前の第四次選挙制度審議会におきまして、やはり第五次では参議院の選挙制度についても検討するというようなことで申し送りがせられておるわけでありまするし、私は、当然この次の選挙制度審議会におきましては、この問題が討議せられることになろうかと思うのであります。その際にお話の定員の問題、これは当然の問題として取り上げられる問題だと思うわけでありまして、お話は、この次の参議院選挙に間に合うようにというようなお話のように承ったわけでございまするが、この点は、いまここで御答弁申し上げかねるわけであります。しかしながら、この問題につきましては、当然審議会で検討され、また、それが答申としてあらわれてまいりましたときには、政府としても、もちろんこれを尊重して、実現に移していくという考えでおるわけでございます。
○小酒井義男君 そうすると、すでに、おそらく前永山自治大臣のときだと思うのですが、審議会のほうへは諮問事項として伝えられておるんでございますね。申し送りをしたということでございましたから、それがやられておるのでございましょうね。
○国務大臣(塩見俊二君) 先ほどもちょっと申し上げましたとおり、諮問事項というのは、選挙制度全般につきまして、具体的な方策を尋ねるということになっておりまして、具体的な項目は実はあげていないわけであります。私が申し上げましたのは、第四次審議会の答申の最後のところの答申として、参議院選挙制度の問題は、次の審議会で検討するということで、そういう答申がなされておるわけでございまして、したがって、第五次では当然、参議院の選挙制度問題が検討され、かつ、当然、重要問題の一つであるこの定員の問題、これにつきまして検討がなされると考えておる次第であります。
○小酒井義男君 先ほど横川君の質問のときにも、参議院の問題ですと、これは選挙制度審議会に諮問をするんだということで、具体的にやはり政府としてどうするかという、はっきりした線がなかなか出しにくい問題もあると思います。ですが、あのときのたしか私の受け取った印象では、自治大臣は、早急に審議会に申し入れをする、こういうふうに言われたように私は受け取っておる。それが選挙全体の問題として扱われるのだということで、少し、政府としての、何ですか、責任といいますか、態度といいますかが、何か及び腰になっておるような印象が強いのですが、どうなんでしょう。大臣、私が申し上げるまでもなく、御承知のとおり、この定員是正の問題は、私はこれが二つよりないと思うのです。現在の地方区の定員百五十名の中で、調査が、特に基本選挙人名簿ができたのですから、あるいは人口調査が終わったのですから、そういうものに基づいて、それを割り当てるという方法か、そうじゃなしに、衆議院の場合もそうですが、現在の定員を減らすということはなかなか至難だというので、現在の定員を押えて、人口のふえたところに定員を若干増員をするという方式を衆議院の場合にはとったけれども、そういうことになると、やはり現在三年ごとの選挙に、定員二名で選挙をやります一番最低は、御承知のとおり栃木県の九十三万名で、選挙人名簿の調査に基づくと、宮城、岐阜は定員二名で、一回の選挙に単数、一名でやっておるのですが、これは有権者、選挙一人が百七万。三重、山口、長崎、こういうところは上回っておるのですね。栃木を上回った選挙人がありながら、定員一名でやっておる。これは、はっきりしたといいますか、国民の声を政治に反映させるということで、不公平な面が出ておるのです。そうすると、どちらかを選ぶよりないと思うのですが、そういう点でまだほかにそうかといって、定員にこのまま手をつけないということじゃないと思うのです。 そういう点についても大臣として永山さんは、実はそういうようなことを、これは新聞の記事ですけれども、こう当時言っておられるのですね。「「人口主義でやると東海道方面の地方区の定員がふえ、地方区の地域代表的性格が薄れるので地域主義を勘案して考えるべきと思うが、まだ方針を決めていない。趣旨を十分に考慮し審議会に申し入れる」と述べた。」というふうに報道されておるのですが、永山さんの考え方は、やはり機械的に人口の移動の多い太平洋岸ベルト地帯に定員をふやしていくという考え方は問題があるんじゃないかという考え方に受け取れるんですが、そういう点について大臣はどういうお考えでございますか。私が申し上げた以外に定員是正の方法が何か考えられるか、そういう点についてひとつお答えを願いたいのです。
○国務大臣(塩見俊二君) 多少個人的な意見になるかもしれませんので、その点はお許しをいただきたいと存じますが、お話しのとおり衆議院では二倍以内ということで制限をする、そうしてこの定員の増加をはかったというようなことで、必ずしも人口比例そのままでもって定員を割り当てるという方策はとっていなかったわけであります。 私は高知県でありまして、個人的と申し上げましたのは、高知県が例に出るわけでございまするが、高知県では人口すでに八十万というようなところで一人の定員を持っておるわけでありまするが、しかしながら、お話がありましたとおり、たとえば百万なら百万を限界にして、高知県はゼロというようなことは、これはとうてい、いまの姿は行政区画あるいは府県単位の行政区画を持っておるような状況のところでは、これはなかなか一人の定員を減らすということは、もちろん不可能だと考えます。また、そうかといって、これがなるほど、東京なり大阪なり、あるいはその他急激に人口の増加した地帯等につきまして、その一番最低の人口割りでもってこれを増加するということになりますと、非常な定員の増加ということになりましょうし、また、やはり国会には一つの地域を代表する、全国民を代表すると同時に、やはり一つの地域を代表という、ことばは悪いかもしれませんが、そういった地域から、その特殊性をよく認識した者が出ていくというような姿で構成されることが望ましいとも考えますので、やはり定員は、代表のない府県ができるというようなことは、これは望ましくありませんし、しかし同時に、また、あまりに定員が増加をしていくということも、これも考えなくちゃならぬと思いますし、衆議院でとりました方向と同じ方向かどうか、これは別の問題といたしまして、やはりそういった点も加味して調整をはかるというようなことが望ましいのじゃないかと考える次第であります。
○小酒井義男君 私、先ほど申し上げた趣旨は、選挙人名簿に基づくところの数です。大臣のいまおっしゃったのは、国勢調査に基づく人口でございます。有権者でいくと、高知の場合は五十四万一千余名ですね。しかし、たとえ五十四万一千でも、一名の地方の議員を減らすということは、それは地域の声が上がってきませんから、これもやはり無理だと思うのです。しかしこれは、ここでどちらが正しいかといって議論してきめる問題じゃないので、選挙制度審議会におまかせするよりほかないと思うのですが、もう少し積極的に、第五次の審議会ができれば、その間にはやはり選挙法全体の——全国区をどうするかという問題は早急に結論が出ぬと思うのですが、明らかに定員がアンバランスだというこの是正だけは私はやらなければならぬと思うのです。そういうことをもう少し積極的に大臣として進めていただきたいと思うのですけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(塩見俊二君) 小酒井先生の御意見、まことに私もごもっともだと思うわけでありまして、いまここで具体的にどうこうするというお答えはできかねるわけでございまするが、十分先生の意を体しましてまいっていきたいと思います。
○北條浩君 私は最初に第五次審議会がそろそろ発足するように聞いておりますが、具体的にいつどういうメンバーで発足する御予定か、それを承りたいと思います。
○国務大臣(塩見俊二君) ただいま北條先生から、この審議会の委員のメンバーといいますか、委員あるいは発足の時期についてお尋ねがございますので、お答えを申し上げておきます。 実は私どもは、三次、四次と非常に熱心な御審議をいただいてまいりまして、したがって、委員の皆さん方もそれぞれ非常な専門家と申しますか、非常に論議を尽くされた方でございます。ここで新しく委員を大幅に取りかえるということになりますと、やはりまた審議があと戻りをしないかというようなことも心配をいたしまして、原則として全員ひとつ御留任を願うというたてまえで今日まで努力をしてまいったわけであります。三十人の委員の方でございますので、なかなかそれぞれ個人的な事情等もありまして、もっと早く出発したいと思いましたが、今日までじんぜん——じんぜんではございませんが、今日まで延びてきて非常に恐縮に存じておった次第であります。幸いにいたしまして、大体委員各位の御了承もいただきましたので、これは来週には第一回総会を開くように、ひとつそういうことで進めてまいりたいと思います。
○北條浩君 ただいま伺いますと、第四次審議会のメンバーはそのまま引き継いでおやりになる予定だと。わかりました。 そこで伺いたいのは、八月をもって第四次審議会が一応任期満了して、答申も出さずに終わったわけです。その間、本来ならば、こういう重要問題につきましての審議会ですから、これは当然すぐ第五次が発足してもいいように思うんですが、いままで長い間延びていたと。聞くところによりますと、矢部さん等は非常に固辞をしておられたというふうに伺っておりますが、その間非常に長く延びた理由ですね、これをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩見俊二君) 先ほども申し上げましたとおり、いま欠員が一人ございまして、二十九名の委員がおるわけであります。それで、それぞれの特殊な事情、個人的な事情等もございまして、一人一人のお願いに予定以上に相当に手間どったわけでございます。ただいまのたまたま北條先生からお話の出ました矢部委員につきましても、健康上の理由あるいはまた非常に忙しいというふうな理由等によりまして、この繰り合わせをしていただく決心がつきかねたというような事情等もございますし、また、各人それぞれの事情のある方等もございました。私どもは、できるだけ、このうち三分の一でも、あるいは半分でも、二人でもいいのだという気持ちでしたら早く出発ができたわけですが、各人のそれぞれの個人的な事情等がございましたところ、。ぜひひとつお願いしたいということで、それぞれ折衝いたしております間に時間が経過をいたして今日に至った次第でございます。
○北條浩君 新聞等で承知したところでございますが、十月の二十日の衆議院の予算委員会の席上、総理から金のかからない選挙ということで第五次審議会の発足を決意をし、その結論を得次第、世論の動向を見きわめて、勇断をもってこれを実行したいと思う、こういう発言があって、それ以来、急速に審議会の発足になったように感ずるわけです。それから、先般、これも新聞で読んだんでありますが、総理が高橋雄豺氏と会談した際に、一つは第四次審議会で多数意見としては出ましたが、決論も出ずに終わった衆議院の選挙区制の改正の問題、これをこの際全面的に取り上げるということとか、その他含めまして、首相の決意を聞いて、高橋雄豺氏は、この第四次審議会の最終段階では非常に政府が消極的になったのを非常に不満であった、しかし、この首相の決意を聞いて勇気百倍だと、こうして審議会長に就任することを快諾した、このように聞いているわけでありますが、その辺のいきさつはまさにそのとおりでしょうか。
○国務大臣(塩見俊二君) 御承知のとおり相次ぐ不祥事件等によりまして非常にきびしい世論にさらされたわけでありまして、総理と高橋先生との話し合いに私立ち会ったわけでございますが、こういったような状況のもとにおきまして、やはり総理としては、いろいろな改革はしなければならぬけれども、やはり選挙制度について、金のかからない、そういう選挙制度をひとつ打ち立てて実行していかなくてはならぬというような強い決意を表明せられたわけでありまして、したがって、まあ客観的な情勢も、非常にこの国民の不信を解くため、議会全体が——議会全体と言うと語弊があるかもしれませんが、少なくとも不祥事件等によりましてこの政治不信あるいは内閣に対する不信、そういったようなものが世論として盛り上がっておる際、何とかしてこれはひとつ局面を打開をして、ほんとうの国民の信頼をつなぐような政治のしかたに改めていかなくてはならぬというような重大な反省のもとに、そういう時期に高橋前会長と会ったわけでありまして、したがって、総理としては非常な決意を持って審議会の審議を尊重するということを申し上げたと思うわけでありまして、客観的な情勢も相当そこに変化をしてまいっておるようでありまして、この段階における総理の発言としては非常に決意に満ちたものであったと、こういうふうに私は理解をするのであります。
○北條浩君 そうしますと、もう一回重ねてお尋ねしたいのですが、高橋雄豺氏は人も知る小選挙区論者です。で、その雄豺氏が会長になりまして、第四次審議会では七十数回に及ぶ委員会を重ねた結果、ついに答申を得ずに終ったわけです。まあ、意見としましては、改正三案は出しておりますが、要するに、第四次審議会におきましてそこまで取り組んで、なおかつ答申ができなかったという事態が、これは厳然たる答申であったと思うわけです。当時私が、この委員会の席上でありますが、たしか五月の末であったかと思いますが、総理が出席いたしました委員会におきまして、審議中のこの問題につきまして私質問しました。当時の委員会では、小選挙区比例代表制、七・三の割合の比例代表制というものが非常に多数意見である、そういう委員会の状況であったわけですね。これはまだ答申の結論が出る以前でありましたが、こうした意向に対して総理はどう考えるか、さらに、野党が全員こぞって反対しておる、その野党の反対を押し切ってまでこれをやるのかどうか、こう私は質問しました。そのときに総理は、野党の諸君が全員反対であることはよく知っておる、与党も必ずしも全部賛成ではない、そういう現状認識は諸君と同じだ、このように答えられたわけです。その結果、審議会におきましてはついに結論もはっきり出ずに終わったということは、やはり総理が当時の世論の動向というものをこの選挙区の区制改正につきましてはやはり慎重に考慮した結果がああいう形になってあらわれたと私たちは考えているわけです。しかるに、このたび総理が、金のかからぬ選挙と、こういう大義名分のもとに、再び小選挙区論者である高橋雄豺氏に重大決意を促して第五次審議会の会長就任を承諾をさせた、両者の意見が完全一致したということは、この総理の考え方というものが、どうしても小選挙区制をこの際実施したいという強硬な意見になり、それを高橋雄豺氏が受けたからこそ、第五次審議会がこのように急速に前回のメンバーそのままを引き継いで発足したと、このように考えるのですが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(塩見俊二君) 先ほど横川委員のご質問の中でもお答え申し上げましたとおり、高橋雄豺先生と総理との会談には、官房長官とともに私も列席をいたしたわけであります。その席上におきまして、具体的に、小選挙区比例代表制を行なうのだということの話が出なかったことはもちろんである。内容自体については、もういささかの、何の話も出なかったわけでありまして、ただ一つ、こういう事態でもあり、やはり金のかからない選挙ということを実現するということは、もうぜひとも実現しなくちゃならぬという事態だから、ひとつ答申を政府としても尊重して、そうして、答申が出た暁におきましては、これを政府としては提案をしたい、こういうふうな意味の決意が表明せれたにとどまるわけでございます。したがって、小選挙区比例代表制をひとつ取り上げて云々という問題でなくて、きわめて抽象的な、全般の問題についての決意の表明が行なわれたわけであります。
○北條浩君 むろん私も小選挙区制そのものだけではないことは十分承知しておりますが、この問題に対する総理の発言等を考え、また、高橋雄豺氏が第四次審議会の最終段階で非常に消極的になったことを不満に思っていた、このたび決意を聞いて非常に喜んだ、こういういきさつから考えて、第四次審議会でとにかく取り組んだ第一の問題が区制改正であったわけです。しかも、それは小選挙区の実施であったことは間違いないわけです。そうしますと、どうしても金のかからない選挙の第一義は、ほかの問題もありましょうが、区制改正、小選挙区制にすること自体が金のかからない選挙の第一義である、こう考ええるのではないかとわれわれ思うわけです。その点もう一度明確に答えていただきたいと思うのです。ただいまの答えでは非常に抽象的なお話でわかりませんし、少なくとも自治大臣としてこの重大なときに所管大臣になられたわけでありますから、大臣としても区制改正に対する所信なり抱負なりをお述べになっても私はいいと思うのです。その点につきましてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩見俊二君) この第五次審議会におきまして審議される内容、これは結局審議会におきまして決定する問題ではございますが、その内容は、大体第四次審議会の答申において出されておる、最後に出されておると思うわけであります。お話しのとおり、区制の問題、そうして選挙活動の問題、あるいは政党活動の問題、あるいは参議院の選挙制度の問題というような問題が第五次に繰り越されるということが、第四次の答申においてもそういうことが明らかにされておることは御承知のとおりでありまして、したがって、もちろん、いま言った区制の問題が審議されるということは、これは断然のことだと考えるわけであります。 それから、自治大臣として小選挙区比例代表制についてどう考えるかというお尋ねでございましたが、これにつきましては、私も選挙制度審議会をお世話する立場にあるわけでございますし、間もなく出発する時期でもございますし、この場における答弁はひとつお許しをいただきたいと思います。
○北條浩君 ほんとうはその点を伺いたかったわけですが、先ほどの冒頭のごあいさつに、私の所信ないしは抱負については質疑の中でお話しをしたいと申されましたので、(笑声)お答えがないのははなはだ残念であります。この次の審議会発足のあとの段階で、この委員会でぜひともお答えを願いたいと思います。 もう一つこれに関連してお伺いしたいのは、やはり総理は世論の動向を見きわめてと、今回も言われておるわけです。で、この五月の末の委員会の席上でも、野党の諸君がこぞって反対だということはよく知っておる、こういう現状認識は皆さんと同じだと総理ははっきり言いました。そういった意味で、世論の動向ということは当然国会において反映するのでありまして、野党が現在小選挙区制につきましてはこぞって反対だというこの姿勢は変わっておりません。こうした現状認識の上に立ってなおかつ、この区制改正問題についてこの際取り組むのかどうか、これをお伺いしたいのです。何も今回初めてこの小選挙区制という問題については論議するんではございません。今までの長い経過がございます。さらに諸外国においても例がございますし、また、日本におきましてもこの小選挙区制の弊害というものは数々の例があるわけでございます。遠くは原敬内閣のことをいまここで言うまでもなく、小選挙区制というものがはたして金のかからない選挙になるかどうか、これは全く逆であると思うわけです。非常に選挙区内が、区域が狭い範囲になりますから、しかも、一名を選出するということは競争が非常に激化いたします。現在いわゆる選挙母体とそれから議員との関係そのものが、非常に日本におきましては前近代的な封建の遺制の上に取り残されておるわけです。したがいまして、その基本を改めずして幾ら制度を変えたところで、これは金のかからないという本質は容易に改まらないと思うわけですね。したがいまして、その基本を変えることなく区制を攻正するということは、かえって競争が激化し、そのあげくの果てには買収がさらに激しくなって、この腐敗というものは極度に達するとわれわれは憂えるわけです。原敬内閣のときには、その結果遂に幾多の混乱事件を起こしまして、内閣の命取りになったことはもう御承知のとおりであります。現在はさらに買収、腐敗選挙とういものは程度がひどくなっております。そうした現状においてあえてこの小選挙区制を断行しようという意思があるならば、これはまさしく日本のせっかくの民主主義というものをむしろ根底的にくつがえすのではないか。さらにまた、野党のこぞっての反対ということは、そうした基本的な日本の政治自体の危機というものを憂えればこそ反対するのでありまして、こうした多くの反対を押し切ってまで強行するということは、これは完全な独裁に通ずるのではないか、このようにわれわれは深く憂えるわけであります。したがいまして、ここで大臣にお伺いしたい点は、この世論の動向を見きわめるという総理の発言ですね、現実に野党がこぞって反対している、こういったことはやはり見きわめて、実行するという意思があるのか。または、塩見自治大臣としましても、その辺の現状認識をどう持っておられるのか。この点をはっきりしておきたいと思うのです。
○国務大臣(塩見俊二君) お話しの中にありました金のかからない選挙、小選挙区制ではたして目的を達するのかどうか、むしろ逆に考えるというような御意見であったのでございまするが、そういう御意見もあろうかと思うのでございまするが、また同時に、政党本位の政治では選挙制度はやはり小選挙区制でなければならぬ、やはり金のかからぬ選挙に連なる道は政党本位の選挙であるという考えもあるわけでありまして、この点はいろいろの意見が出ておるところだと思うわけであります。お話しのとおり、確かにこの金のかからない選挙という問題は、単にこの選挙制度の問題だけでなくて、国民の意識の問題と申しますか、一般の民主主義の成長といいますか、こういったものと相まって初めてでき上がるものだと思うわけでありまして、そういう意味からいえば、息の長い努力の積み重ねによってだんだんでき上がっていくものであろうかとも考えるわけであります。あるいは、御意見にありました世論の動向をひとつやっていくという話をせられたと、こういうお話しがあったわけでありまして、これは、政治家としては、当然、世論の動向を見てそうしてこの政治的な判断を下すということは当然の姿勢であると私は考えるわけであります。この世論も、これは確定的のものでなくて、相当に変動しつつあるわけでありまして、最近の世論は、むしろきびしく現在の政治の腐敗というものに対して批判をしておる。それに対してどういうふうにこたえるかということは、これは世論にこたえる道であろうかと思うわけであります。また、政党が全部反対をしておるということ、これは政党の反対は、国民の代表でございますので、世論の反対とも考えられるわけでありまするが、同時にまた、完全に対立的なものとか並立的なものとかいう意味でなくて、さらにそれ以外に一般の世論というものももちろん判断の材料にしなければならぬと思うわけでありまするが、いま政党の関係につきましては、これは私どもも各党の御意見等もよく承知をいたしておるわけでありまするが、この選挙制度審議会の中におきましても、やはり実現可能なひとつ制度を生みたいという努力が今日までなされておるわけでありまして、したがって、そのために、特別委員として各政党の代表者がこの審議会に参加をしておるというようなことの仕組みにもなっておるわけでありまして、しかし、最終的にはもちろん議会において決定すべき問題でございまするが、選挙制度の中におきましても、いわゆる世論も、各政党の代表者の意見というようなものも当然そこで述べられることになろうかと思うわけでありまして、そういった点は、この審議会の運営の上におきまして当然配慮されながら私はこれが運営されていくものと考えるわけであります。
○北條浩君 まあ、世論の動向でありますが、これは広く一般国民が、政治の浄化、それこそ金のかからない選挙、選挙の浄化ということを望んでおりますことは、これは当然の世論の動向であります。ともに、区制改正、小選挙区への改正ということはこれは大きな反対があるということも世論の動向であろうということをこの際つけ加えて申し上げておきたいと思います。私は、金のかからない選挙ということにつきまして現在手をつけて可能な問題が幾多あろうと思うわけであります。その点、先ほどからの大臣の答弁を伺っておりますと、いずれも、審議会ということで、はっきりお答えをなさいませんが、問題をしぼりまして、基本的に二、三大臣のそれこそ所信をお伺いしたいのですが、金のかからない選挙に対しましては、やはり政治資金の規正ということが大きな課題であると思うわけです。すでに第一次審議会以来、その問題につきましては、きわめて妥当な報告がなされております。基本的には、いわゆる政党に対する献金の問題ですね。現在具体的に政党献金等も問題になっておりますが、およそ団体、法人等からは一切寄付してはならない、政党に対する寄付はあくまでも個人に限るべきである、これが民主主義の基本的なルールだと思うわけですが、こうした過去における答申の結論も出ておりますし、広く考えて、これは当然の問題であると思うわけでありますが、こうしたことについての大臣の所信を伺っておきたいと思うのです。
○国務大臣(塩見俊二君) 私も北條委員と同じように、政治資金というものは、個人の——個人と申しますか、党員の自発的な献金というもので行われるのが理想であると考えるわけであります。しかしながら、いまの現状におきまして直ちにそういうことが可能であるかどうかということにつきましては、選挙制度審議会におきましても、当分この問題はたな上げにするのだというような過去の結論も出ておるような状況でありまして、たとえば会社とか労働組合、こういったものから一切寄付金を受けてはいけないというようなことを即座にこれを実行するということはなかなか困難じゃないか。ことに現在の政党の党員数を見ましても、自民党あるいは社会党、民社党というような既成政党におきましても、実際の党員の数というものは、金を払って党員になっておるといったような意味の党員の数というものは非常に少ない。これは今後ともやはり党員によって党員の数をふやして政党が運営をされていくというような姿が望ましい状況だと思うわけでありますが、それがなかなかそういうふうな状況にまだ現在のところ立ち至っていない。そういうような状況等から、おそらくこの労働組合なり会社等の献金は規正すべきだという答申が延期せられたのではないかと思うわけでありまして、しかし、目標としては、私はいまの御意見と同様な、やはり党員からの清潔な献金で運営されていくというふうに政党というものが成長していかなければならぬという御意見につきましては同感でございます。
○北條浩君 第一次審議会のときに、団体、法人、労働組合等からの寄付制限の答申がなされまして、それが、選挙並びに政治活動に関する一切の寄付を禁止という答申が、その後政治活動という点を削られまして、選挙に関するのみと、こう修正になったわけでありますが、選挙に関する寄付とそれから一般の政治活動に対する寄付、これは実際問題として非常に区別がしにくいと思います。しかしながら、こういったきまった以上は、どういう基準でこれは分けられるか、この辺を伺っておきたいと思うのです。
○説明員(降矢敬義君) 政治資金と選挙資金の取り扱いにつきましては、私から申し上げるまでもなく、選挙資金につきましては選挙法に規定がございまして、そして選挙になりますと一定の期間内にそれぞれ選挙資金の収支についての報告をいたすということになっております。政治資金のほうは、政治資金規正法で一定の届け出をするということになっておりますし、いずれにいたしましても、その根底には、政治資金規正にいたしましても、選挙資金にいたしましても、それを届け出によって公開をして、そして世論の批判を仰ぐという基本的な仕組みのもとに両者を区別して取り扱っているわけでありまして、その背景には、言うまでもなく、それぞれの政党、政治団体あるいは選挙における候補者の政治モラルと申しますか、それを前提にした仕組みにおいて現行法は取り扱っておる、こういうふうになっておるわけでございます。
○北條浩君 それはお答えはわかりますが、実際問題としては、政党献金とそれから選挙に関する献金と、これは事実問題としては区別はつかないと思うわけです。それを、せっかく答申が出たにかかわらず、あえて政党活動に関するものはこれを削除したということは非常な後退であるし、答申の意義がなされないと思うんですが、今回あらためてこれだけの政治不信という国民全体の大きな世論のそれこそ動向を、これを踏まえての上の自治大臣の取り組む姿勢とされまして、こういうあいまいな規則ではなくて、はっきりと根本的に選挙を浄化するためには、政党に関する寄付は一切個人に限ると、こういうふうにそれこそ勇断を持って当たるべきではないかと考えるわけですが、大臣のお考えいかがですか。
○国務大臣(塩見俊二君) ただいまもお答えを申し上げましたとおり、いまの段階におきまして、個人に限るということに踏み切れるかどうか、これは政党というもの、日本の政党というものの歴史等から考えてみまして、また、党員の数等から考えてみまして、いま直ちに個人以外の献金を一切禁止するということにつきましては、先ほども申し上げましたとおり、相当これにつきましてはちゅうちょするような状況でございまして、その点につきましては、にわかに、いま直ちに個人に限るということに踏み切るというようなお答えは申し上げかねる次第でございます。
○北條浩君 まあ、そういう方向に今後努力したいということに解釈してよろしゅうございますね。
○国務大臣(塩見俊二君) はい。
○北條浩君 で、やはり選挙の浄化に関する問題でありますが、イギリス等におきましては、御承知のように、選挙の腐敗を根本的に建て直すためには、腐敗違法行為防止法、それの制定によりまして徹底的な浄化がなされた、こういう歴史もございますように、ここまで腐敗が蔓延しました以上は、やはり徹底した措置がなければいけないと思うわけです。その点について、いままで選挙制度につきましても非常に実際は抜け穴だらけでありまして、行なわれておりません。腐敗違法行為等に対するやはり罰則強化ということが、これは焦眉の急ではないかと思うわけであります。この点につきましても、宗議会の答申ということでなくして、こうした現状におきまして自治大臣として臨む以上は、徹底した考えがなければ、私は国民に対してはこたえられないと思うわけです。現に政府とされて、それこれ姿勢を正し、国民の不信というものを回復するためには、やはりみずからそうした規制を強化する態度で臨まなければとうていこの政治不信ということはぬぐい去れないと考えるわけでありますが、そうした罰則強化、腐敗違法行為に対する徹底的な規制というものをこの際やる意思があるかどうか、この点も伺っておきたいと思います。
○国務大臣(塩見俊二君) これは、罰則強化の問題は、私は非常に重大な問題であり、かつ、非常に困難な問題だと思うわけであります。現在の法律の罰則にいたしましても、いまの選挙の実情から見て、事前運動から選挙運動に至るまでの間におきまして、非常に詳細なむずかしい歴史なんかがありまして、実質犯というような非常に多くの罰則が設けられているわけでありますが、これを具体的に正確に実行するということにつきましては、なかなかいまの検察庁の陣容その他等から見ましても、先ほど横川委員から御質問がありましたような問題の取り締まり等にいたしましても、なかなか容易ならぬわけでありまして、したがって、私は罰則の強化ということと並行して、御承知の柏村試案等も出まして、選挙運動なりあるいは選挙の手続なり、こういったような問題につきましても、やはりそこにもう少し整理をして、そうして選挙運動の改善、それぞれ関連をしてこれは方法を考えていかなければ、ただいたずらに刑の加重だけでは、これはざる法的なものになって目的を達しないのではないか。両々相まっていかねばならぬというふうに考えているわけであります。
○北條浩君 もう一点。半面、選挙の自由化ということも、これやはり国民の広く望むところです。で、現在、一方では非常に悪質な買収事犯があるのにもかかわらず、戸別訪問等の禁止がございまして、形式犯で善良な運動員等が捕えられる例がたくさんございます。形式犯でありますから、調べられてそのまま無罪というのも多々ありますが、実際問題として、選挙の期間中に戸別訪問容疑等で取り調べられること自体が、これはもう現実の罰則の適用である。容疑ではなくして、すでに犯罪人のごとくに扱われておるのが現状です。こうした形式犯に対する、すなわち、戸別訪問等に対する規制そのものが、日本の現在の選挙というものを非常に窮屈な、しかも、陰惨なものにしていることは、もうすでに私が説明するまでもないことだと思うのであります。こうした一面におきましては、買収等に対する罰則を強化するとともに、一般の庶民に対しては伸び伸びと自由に選挙運動の行なわれるようにしていかなければ、日本の民主化というのは望めないと思うわけであります。こうした基本的な選挙の自由化に対しまして、特に戸別訪問等の自由、こうしたことに対する自治大臣の見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(塩見俊二君) 先ほどもお答えを申し上げましたとおりでございまして、罰則の弧化をする限りは、やはりその罰則の強化が効果をあげるような意味の罰則の強化でなければならぬと思うわけでありますし、したがって、現在のいろんな文書違反でありますとかあるいは戸別訪問でありますとか、その他形式犯あるいは実質犯というようなものは、これはさらに私は検討いたしまして、そうして、同町に、ここに言いました罰則等の関係において検討するということで、こういった問題は選挙運動の一そうの自由化ということも一面において私は必要なことであると考えまするので、いま言ったような問題につきましては、当然審議会でも検討される問題だろうと思いますし、私どもとしても考えてまいりたいと思います。
○北條浩君 終わります。
○多田省吾君 第五次選挙制度審議会の発足にあたりまして、いま自治大臣から、第四次選挙制度審議会と同じメンバーをもって任命する予定であるというお話がございましたけれども、当然、第四次並びに第五次審議会の目的の中に、小選挙区制あるいは小選挙区比例代表制の問題、すなわち区制改革の問題が強く含まれているところでございますけれども、私どもは第四次選挙制度審議会の発足のときにも強く要望したのでありますが、メンバーのほとんど三分の二以上あるいは八割、九割までが小選挙区制推進論者で占められているという事実、それから、少壮学者やあるいは労働者の代表、あるいは一般市民の代表あるいは婦人の代表といった国民の代表の方々が全然——ほとんど含まれていないという現状というものは、非常に国民に大きな疑惑を抱かしておりまして、会長以下審議会メンバーがあくまでも小選挙区制並びに小選挙区比例代表制を答申することは初めからわかっているんだというような姿があるわけです。私どもとしては、あくまでもそういったいまのメンバーを大幅に変更して、あるいは前向きにやれ、そういった労働者の代表、あるいは婦人の代表、あるいは少壮学者の代表といった人たちを入れるべきじゃないか、そのように思うわけでございますが、自治大臣いかがでございますか。
○国務大臣(塩見俊二君) 先ほどお答え申し上げましたとおり、すでに三次、四次の審議会におきまして熱心な審議が尽くされまして、私は審議会の経過を見まして、去年一年に八十数回の会合を開かれておるというような非常に熱心な審議会でございまして、おそらく他の審議会に例を見ない真剣な検討がなされたと考えておるわけでございます。したがいまして、そういったようないわば非常なむずかしい問題、根本的な基本問題でございまするので、しかも、利害が非常に錯綜しておる問題でございまするので、非常にむずかしい問題であり、いかなる改正の場合におきましても、この選挙制度の改正というのは非常に重大な問題として国民の関心を集める問題であり、それだけにむずかしい問題であるわけでありまして、こういったむずかしい問題につきまして、二年間にわたって熱心な審議を尽くされたというようなことからいたしまして、ここで委員をさらに大幅に変更するということになりますると、やはり同じ問題が繰り返し最初から審議をし直していかなくちゃならぬということになりますると、やはり一面におきまして、ぜひとも早く答申を出していただき、いまの国民の世論動向から見て、実現に移したいというような、そういったような方針とは相反するような結果になりまして、さらにじんぜん日を過ごすようなことになりはしないかというような心配等もございますので、全員再び委員になっていただくというような方針で委員の選考をいたしたような次第でございます。
○多田省吾君 第一次から第四次選挙制度審議会までいろいろ審議がされたわけでありますが、第一次、第二次は別として、第三次から非常に選挙制度審議会の目的が変更されている。第一次、第二次においてはあくまでも選挙の健全化を目ざして、第一次においては先ほどお話しがありましたように、高級公務員の立候補制限であるとか、あるいは連座制の強化、あるいは後援団体等の寄付禁止等の一連の政治資金規正法改革の問題、あるいは第二次審議会においても、選挙資金及び政治資金の規正あるいは選挙運動の方法等に関する規制、こういったものが論議された。ところが、第三次からは一転して、ただ区制だけを改革すれば選挙は健全化されるのだという方向に変わっているわけでありますが、これは大きな私は間違いであり誤りであると思います。その証拠に、第三次、第四次選挙制度審議会においても、区制以外はほとんど力を入れて論議されておらない。その答申も、非常に第一次、第二次に比べると後退しているようにさえ感じられるわけでございます。で、私どもは、むしろ区制を変更する場合に、そういった一連の選挙運動の方法の改善とか、あるいは罰則の強化とか、高級公務員の立候補制限とか、あるいは政治資金規正法の改善とか、そういった金のかからない選挙のほうをむしろ重点的に審議すべきであって、区制の問題はいままで幾多の問題がありますから、むしろ慎重に検討していくべきである。むしろ、先ほどからのお話があるように、金のかからぬ選挙といいますけれども、私どもの調査によれば、小選挙区制にすればかえって金がかかる。これは日本の選挙の歴史におきましても、第十二回、第十三回の大選挙区制のもとで行なわれた平均費用、これはもちろん日銀の物価指数で換算してありますが、これは六千八百九十七円であるのが、第十四回、第十五回の小選挙区制では九千百五十四円と大体一・五倍にはね上がっておるという事実もありますし、また、競争率も、大選挙区制よりも小選挙区制のほうがむしろ一・五四倍から二・二三倍というふうに激化しておる。また、最近の岐阜県知事選挙、あるいは京都府知事選挙といったような、定員一名の、あたかも小選挙区制に見られるような選挙においても、非常に競争が激しくなって、そして、この前も岐阜県における視察の結果においても、ある婦人団体の会長のごときは、こういった激化する選挙には私たちは耐えられない、何とかしてほしいという声までになっている。これは、小選挙区制においてかえって金がかかり、かえって競争が激化し、選挙が腐敗するという事実を示したものと私たちは思っているわけです。政党本位にすれば金はかからないといいもすけれども、それは政党本位の選挙というのは、あくまでも現在のような日本の政党の党員というのは非常に少ないという現状がありますけれども、党員をふやしていかなければ政党本位の選挙にはどうしてもなりがたいと思われるわけです。イギリス等において政党本位の選挙が行なわれていることは、やはり保守党においても三百数十万、労働党においても六百数十万の党員が厳然としている。それはどうしてそういう党員がふえたかと申しますと、先ほどから論議されているように、政治資金規正法を改正して、会社、法人、団体等からの政治献金は一切認めない、個人の政治献金に限るという法律が実施されてから、やはり多くの党員の純粋な献金による以外に政党は確立されないという姿になって、はじめて党員というものがぐんぐんふえてきた、そういう事実があるわけです。ですから、区制を改革すれば金がかからない選挙になるというのは本末転倒であって、むしろ、金のかからぬ選挙は区制の変更ではなくして、あくまでも政治資金規正法等を改正して、そして党員を大幅に増加させていくべきである。そういったことによって金のかからない選挙が実現できるのだ、あらゆる腐敗選挙の根本原因は政治資金の問題にある、そのように思うわけです。それに対して自治大臣はどのように思われるか。
○国務大臣(塩見俊二君) まず、最初に、この三次、四次は区制の問題を中心にして論議をし、これが、五次でさらに審議される、非常に時間がかかるような状況ではないだろうかというようなのが一点御質問の趣旨であったようにお伺いしたのでございます。確かに区制の問題は非常に重要な問題でありまして、したがって、これにはいろいろの論議があるわけでございますし、また、小選挙区制を例にとりましても、小選挙区比例代表制を例にとりましても、そのもの自体に対する批判、あるいはまた、その比例代表とそして小選挙区制分の割合の問題、その他いろいろの内容に複雑な問題等含まっているわけでありまして、この基本的な問題が慎重に相当時間をかけて今日までただされてきたということは、私はそれなりに理由があると思うのでございまして、したがって、先ほど申し上げましたとおり、こういった基礎のもとに、第五次におきましては、こういった知識経験を積んだ方々にさらに結論を得るように御審議をいただきたいと思っているわけでございます。 それから、なお、確かに金のかからない選挙ということは、私は区制の問題だけで解決するものとは考えておりません。しかしながら、区制もやはり大きな一つの柱であると思うわけでありまして、先ほど党員のことが出ましたが、確かに党員の数は少ないわけであります。しかしながら、いまの選挙区制のもとにおきましては、いわゆる同士打ちというふうな現象からいたしまして、相当の数の後援会、個人の後援会員というものがあるわけでありまして、自民党の後援会員の数は、たとえば三百万人に達しておるというようなこともいわれておるわけでございまするが、やはり政党本位の選挙制度になっていけば、こういった後援会の人数というようなものもおのずから私は、党員のほうにこれは肩がわりしていくのじゃないかと考えるわけでありまして、やはり政党本位の選挙制度に向かっていくということは、これはそういったような現在のひずみと申しますか、不合理性を是正させる、そしてほんとうの意味の政党の姿を躍進させていくという意味におきましても、私は大いに効果があるのじゃないかと思うわけであります。 また、金がかかるとか、かからぬとかいう問題につきましても、小選挙区制にすればよけいかかるじゃないか、こういう御意見のようでございますが、これはしかしながら、さらに長い目で見れば、政党本位の選挙制度に変えていくということがやはり金のかからない選挙につながるものではないかというような御意見が多数にあることを承知いたしておるわけでございまして、一がいにこの問題で断定するわけにはいかぬじゃないかと思うわけであります。 もしいまのことで漏れましたら、補充してお答え申し上げます。
○多田省吾君 いまの大臣のお答えは、はなはだ私にとって遺憾であると思うのです。で、いま、党員がふえるのは、何か小選挙区制にすれば党員がふえるというようなお話でありますけれども、まあイギリスの例等を見ましても、結局、小選挙区制になる前から、党員というものは、政治資金規正法等の改正によって大幅に増加されたという姿もあります。日本においても、小選挙区制は数多く行なわれましたけれども、そのときにそれでは党員の拡大があったかといいますと、明確にそうは言えない。そういった面から、これはあくまでもそういう政治資金規正法を改正して、会社、法人、団体等の献金を禁止して、そしてあくまでも政治献金は個人によらなければならない、そういった姿に変えていくならば、どうしてもこのような個人の献金というものが中心になりますから、党員がふえていかざるを得ない、そのように先ほどから私は言っているわけです。 また、いま現在、それじゃ小選挙区制にすればどうかといえば、それ以上のいろいろな弊害が数多くあるわけです。まあ時間もありませんから、ここであえて述べませんけれども、いまはあくまでも政党よりも個人を選ぶ選挙になっておりますから、区制を改革してそして政党本位の選挙にしようという考え方は、本末転倒であって、その前にあくまでも党員を大幅に増加した姿でなければ、ほんとうの政党本位の選挙はできない、そのように私は言っておるわけです。いま現在、党員もいないのに、そういった小選挙区制なんかやったらどうなるかという弊害を私は述べているわけです。まあそれはお答えは同じだと思いますから、その問題は終わりにしまして、次に政党法の問題でお伺いします。 十月七日に、東大病院から佐藤総理が、相次ぐ政府与党の政治の腐敗の現象を通じて、そして政党法を含むいろいろな具体的な対策というものを田中幹事長に指示したというようなことが、新聞あるいはラジオ、テレビ等において報道されたわけでありますけれども、ところが実際に、政府与党内においても政党法の研究はあまり行なわれていない。これは思いつきで、あるいは選挙の腐敗を糊塗するために、おおい隠すためにそういう思いつきで言ったのじゃないかというようなことも言われたわけです。それで、当然政党法とすれば、各国の政党法の姿も見ていかなければならないわけでありますけれども、御存じのように、政党法があるのは韓国とアルゼンチンの二カ国だけである。あるいは憲法に政党のことを規定してあるのは、そのほかに西ドイツ、イタリアとかを含めて二十九カ国にわたる。しかし、その西ドイツでさえも小選挙区比例代表制——比例代表制を中心にした小選挙区制でありますけれども、そういう選挙制度をとっておりますが、その西ドイツでさえもやはり、結社の自由を束縛するものではないかというような、主権者を考えてまだ政党法には踏み切れないという現状があるわけです。日本においても、昭和二十二年の第一次吉田内閣以来、政党法の問題はいろいろ検討されてきたのでありますが、まだ全然踏み切られていない。私どもは、この政党法というものは、憲法第二十一条の結社の自由の精神を踏みにじるものであるという理由で強く反対しておりますけれども、自治大臣としては、この十月七日に佐藤首相から指示されたといわれる政党法の問題に対してどのようにお考えなのか。また、自治省内において、これは選挙法とも重大な密接な関係があるわけでございますから、どのような研究が行なわれているか、この点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩見俊二君) 政党法の問題につきまして佐藤総理から田中幹事長にお話があったというふうなこと、実は私新聞で承知をしておるのでありまして、私ども自治省としては、この問題につきまして何らの実は指示を受けておらない実情でございます。政党法の問題は、お話のとおり、私は非常にこれはむずかしい問題を多分に含んでおると思うのであります。確かに結社の自由を侵害するというような問題もございましょうが、そのほかにも多くの重要問題をかかえておるわけでありまして、外国の立法例もお話のとおりのような状況であるように私も承っておるわけであります。したがって、まあ御承知のとおり、選挙制度調査会におきましても、選挙法の法律の中で、選挙法上のこの法律、政党の定義といいますか、そういったものを取り扱うというふうな程度でございまして、まだ政党法というものについての本格的な審議が行なわれているように私は承知をいたしていないわけであります。しかしながら、この議会政治が政党でもって運営されるということは、これはもう議会政治の鉄則でございますので、将来の方向としては、もちろんやはりある時期に政党法というものが、それだけの成熟をした民主主義の環境になれば、あるいはまたその環境を誘導するというような必要があれば、政党法の問題というものももちろん取り上げていかなくてはならぬと思いますし、われわれとしてもしたがって常時これが研究を怠ってはならぬと思うわけでありまして、直接の指示は受けておりませんが、やはり研究は続けてまいりたいと思うわけでありますが、いま直ちにこれを立法化してとかというようなところまで私どもは現在考えておるわけではございません。
○多田省吾君 来年の四、五月に地方選挙が行なわれるわけでありますが、当然いままでの慣例のとおり統一地方選挙ということになるのじゃないかと思います。それにはどうしても地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等臨時特例に関する法律案というものが出される必要があると思いますが、その特例法ですね、自治省として用意されているのか、そしていつそれを提出されるのか、その問題をお伺いしたい。
○国務大臣(塩見俊二君) ちょっと選挙局長から……。
○説明員(降矢敬義君) 自治省といたしましては、統一選挙法を提案すべくいま事務的に検討しております。それからこの案は、御案内のとおり、二十四年以来地方統一選挙ということで法案を提出しておりまして、それは選挙の候補者あるいは選挙管理委員会の準備もありますので、従来から十二月に開かれる国会に提案をして御審議をいただいておりますので、私たちも事務的にそういう時期を目途にいたしまして目下検討しておるところであります。
○多田省吾君 公報の問題についてお伺いをします。先ほどの視察報告にもございましたけれども、去年の参議院地方選挙においては、大阪等において、非常に公報に、政策と関係のない悪罵、あるいはいろいろ好ましからざる内容の記載がなされて、告訴問題まで起こりました。このたびもまた、岐阜県知事選挙において公報に関する告訴問題が起こっております。これは去年の八月にもお聞きした問題でありまするけれども、公報は御存じのように日本特有のものです。非常に読まれているという点から見れば、これは有用であると思いますけれども、それだけにまた悪用されればたいへんな問題を含んでおると思います。自治省の公職選挙法逐条解説等によりましても、選挙公報の内容が、破壊活動防止法違反の疑いによる場合でも、犯罪を構成するような内容のものであっても、とにかく載せざるを得ない。そして事実に反したら告訴ができるわけでありますけれども、選挙が非常に長引いて書き得であるという傾向が見られます。これは選挙の尊厳性を著しく阻害し、はなはだ好ましからざるものであると思います。こういった日本特有の公報というものがりっぱに運用されるためにも、公報に対する規制というものが必要であると思いますけれども、大臣としてこの問題はどのようにお考えになっておるか。
○説明員(降矢敬義君) 御案内のとおり、選挙公報におきましては、公職選挙法百六十九条で、原文のまま掲載をしなきゃならぬということになっております。私の前の記憶では、この文が原文のままというのはあとに入ったわけでありまして、御指摘のように、いろいろなトラブルがありまして、そしてまた選挙管理委員会自身として、選挙の早々の間にこの原稿を受け付けてすぐに印刷に回さなければならない。そして、何がいいのか、何が悪いのかということを一々現場の窓口で議論をしておるようなことでございますと、実際問題としては選挙事務、公報自体の機能まで阻害するという点があるわけでありまして、途中で入ったようなことを私は記憶いたしております。そしてこれは本質的に候補者のモラルに期待している問題でありますし、そういうことで選挙管理委員会自身が管理執行を適正にやっていく。しかも短期間に印刷に回さなければならぬという現実の要請から、このような原文のまま条項になっておるのでありまして、いま御指摘のような点は、われわれとしてもできるだけ、候補者の窓口において質問がありました場合には、候補者に適当でない字句があれば修正するように、過去においても現在においても指導はしておるというお話は申し上げてありますけれども、とどのつまりに来ました場合に、一体どういう文句を書いても受け付けの際の解釈問題に帰するのでございますので、われわれとしても、今後は直ちにこの法律を改正して、もっといい知恵があるかということになりますと、即答はしかねますけれども、できるだけ従来の方針で、候補者のモラルを前提にして、行政指導で適正なといいますか、選挙人に選挙というものを通した候補者の政策判断を求めるという選挙公報の意味を徹底しまして、そういう方向でなお指導してまいりたい、そういうことでわれわれも対処してまいりたい、こう考えております。
○多田省吾君 まあ公報の問題は、この委員会でも二回、三回と問題になっているわけでありますが、少しもそういう自治省当局の回答では進歩がないわけです。もう少し公報は、公明選挙あるいは明るく正しい選挙に合致するような方法にしていただきたい。そういった問題も今度の審議会において十分に討議していただきたいと、そのように思うわけです。 それから、先ほどもお話がありましたが、今度佐藤総理が勇断をもって臨みたいと言いまして、第一次、第二次選挙制度審議会の答申内容も含めてそれを実施していきたいというようなことも述べておられるようでありますけれども、たとえば連座制の強化にしましても全然骨抜きにされて、いまほとんど審議会答申の精神が全く骨抜きにされているという現状でございます。で、イギリス等の選挙を見ましても、一八八三年のあの腐敗及び違法行為防止法の完全実施によって、それから二、三十年後において全然そういった選挙違反というものが消滅した、きれいな選挙になったわけでありますけれども、罰則強化、連座制強化という問題を相当強く運用されている。出納責任者が少しでもお金の記載をごまかしたような場合は、即座にその候補者自体も失格になる、無効になるというような姿があるわけです。ですから、イギリス等においては、下院において約九十万円の法定選挙費用でありますけれども、ほとんど全員七十万円ぐらいしか使っていない。九十万円を突破し、あるいは故意に間違った記載、あるいはその故意の記載をした場合には失格になるというような強烈な罰則強化が運用されているわけです。また、選挙裁判においても、高等裁判所に二名の選挙裁判官を任命して、そしてわずか十日以内で判決が下る。それを下院議長の裁決によって、候補者が当選していても無効あるいは失格になっているというような姿があります。そういう裁判の迅速化あるいは罰則の強化によって、初めてイギリス等においてもきれいな選挙になっているわけでございますが、日本の選挙裁判というものは三年も四年もかかってしまう、そうしてほとんどそういった買収犯等がはっきりしているにもかかわらず、なかなかそういう実態がつかまえられないで見のがされているという事実もありますし、これは大きく日本の選挙を阻害しているものだと思います。こういった罰則強化、連座制の強化に対しても一応答申は出ておるわけでごごいます。自治大臣としてそれを法制化するなり何かして、ほんとうに勇断をもって臨むという総理の趣旨であるならば、今度の選挙においても考えなくちゃいけないのじゃないか。事実、佐藤総理は、この前の参議院の予算委員会においても、この次の選挙は現行制度でやるつもりというようなことを述べられている。で、そういう現行制度でそのときはやると言われておりましたけれども、ほんとうに勇断をもってきれいな金のかからない選挙にするというならば、そういった政治資金規制法の問題においても、あるいは連座制強化の問題においても、裁判の迅速化等の問題においても、やはり今度の総選挙等においては、あるいは地方選挙等においては、特例を設けて、審議会の審議を待つまでもなく、それを実施すべきである。先ほどこれは横川委員のほうからも述べられた問題でありますが、そうしてこそ初めて国民は、総理の姿勢というものが少しはえりを正したのだと、そのように思うわけでございますが、いまの現状ではただ口先ばかりで少しも実施しようとしない。一つか二つぐらいそういった特例を設けて金のかからないきれいな選挙をしようという前向きの姿勢があるのかどうか、それをお尋ねしておきます。
○国務大臣(塩見俊二君) ただいま連座制の強化の問題が最初の御質問のように伺ったわけでありますが、すでに御案内のとおり、政府提案といたしまして前に連座制強化の御審議を国会で願ったわけでありまして、その結果、国会におきまして相当の修正がなされたことも、御承知のとおりであります。なお、そういったような関連もあろうかと存じまするが、次の審議会でやはり連座制の強化といったような問題も論議をされることになりはしないかと思うわけであります。ただいまのお話では、こういったような連座制の強化、罰則の強化、あるいは裁判の迅速化といったような問題を直ちに臨時国会にというようなお話のようにも承ったわけでございまするが、先ほども横川委員にお答え申し上げましたとおり、私どもはこの選挙の時期というものにつきましては全然承知をいたしていないわけであります。一体いつの議会に、この臨時国会にかけるべきかどうかというような判断もなかなか困難でございまするが、また臨時国会、御承知のとおり、いまの情勢では、新聞の報ずるところによりましても、補正予算等の審議で非常に短い期間において行なわれるというようなことでもございますし、なかなか臨時国会に、こういった従来からの問題、一度は国会で修正をせられたような問題等につきまして、さらに国会でこれを通すというようなことにつきましても、政府としては一応の見通しを立てなければならぬと思いますし、また今度の審議会の審議の対象にもなっておりますので、いま直ちに臨時国会にこういった問題を提案をして、そして少なくとも統一地方選挙等に全部間に合わせるというようなことにつきましては、なかなか私どもそういうふうにうまく運べるような気持ちがいまはいたしておらぬのはまことに遺憾なことだと思う次第でございます。
○多田省吾君 それでは、結局は、佐藤総理の、金のかからない選挙を勇断をもってやっていきたいというようなことは、それは思いつきの話で、国民の注意をそういった審議会にそらしていこうというような姿しか見られないと思うのです。ほんとうにそういう勇断をもって臨みたいというのならば、さっそく、そういった第一次、第二次選挙制度審議会においていろいろな答申がなされておるわけですから、実施されなければならない問題も多いわけでございますから、それをすぐ私たちは実施すべきである。それじゃ、一体第五次選挙制度審議会が発足して、そういった問題を検討して、いつごろの国会にそれを出そうとしておられるのか、大臣としてどのように思っておられるのですか。
○国務大臣(塩見俊二君) 先ほど申し上げましたとおり、この臨時国会というようなところに間に合わせるように諸般の態勢をやれというようなことにつきましては、遺憾ながらそういったようなことはなかなか困難だと重ねてお答えを申し上げるほかないわけであります。したがいまして、今後これはこの次の臨時国会で行なわなければ政府がえりを正したことにならないじゃないかというようなことにつきましては、私は必ずしもそう思うわけではないのでありまして、選挙制度は、何といいましても、どれ一つをとりましても、非常に大きな重要な問題でございますので、いまから臨時国会の終了まで、かりに来月の二十日ぐらいまでこれを立法から国会の議決までというようなことは、とうていなかなか多くの問題を処理するということは不可能なことだと思うわけであります。したがって、私どもは、できるだけ早い機会に審議会の答申を得、そしてそれを立法化し、そして提案をする。そしてその際には、審議会の答申を十分に尊重して、これを提案する。そして議会で御審議を願うということにいたしたいと思いますし、先ほど申し上げましたとおり、今日まで答申をいただいた分で未実行の分、可能なものにつきましていま整理をいたしておるわけでありまして、あるいはこれと並行するか、それの以前において提案をするかというようなことにつきましては、今後真剣にさらに検討を重ねてまいりたいと思います。
○多田省吾君 当面の問題として自民党の総裁選挙があるわけでございますが、この選挙においてほんとうにえりを正したいという姿を示さなければどうしようもない、そのように思うわけでありますが、現在もうすでに政策論争の域を通り抜けて何ですか、派閥抗争のような姿を呈しておるわけでございますけれども、今度総裁選挙があるとすれば、一体具体的にどういう姿で総裁選挙に臨みたいと思っておられるのか。総裁選挙は私的な選挙だとはいわれますけれども、昨年の東京都議会議長のあの買収問題等も、結局自民党の総裁選挙をただまねたのだという声も大きいわけです。今度も、茨城県議会の議長選挙にからむ買収、あるいは高松市議会、あるいは八丈島の問題、いろいろ地方議会においても、いまわしい買収、汚職が非常にたくさん起こっておる。この総裁選挙においては、早川組織局長の案とか、いろいろな案がたくさん出ておるそうでありますけれども、一体具体的に今度の総裁選挙に対してはどのような態度で臨まれるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩見俊二君) これは総裁からお答えすべき問題かとも思うわけでありますが、まあ私個人としては、ただいまのところ、きびしい世論の前に、自民党員といたしましては、特に総裁選挙の有権者である国会議員を中心とした党員といたしましては、今回の総裁選挙がもしさらに国民の非難を受ける、そういうことになりますと、これは国家の運命にも関する重大な問題であるということで、ほんとうに真剣に反省をして、今回の選挙でうしろ指をさされない、国民の批判を受けないという気持ちで、私はこの選挙民なる党員全部同じ気持ちで現在おると思うわけでありまして、どうかひとつ、従来とまことに変ったりっぱなものであったという、必ず私は皆さん方にそういうおほめをいただくようにやりたいと思いますので、結果はひとつごらんをいただきたいと思います。
○多田省吾君 私はあまり期待できないと思っておりますけれども……。 最後に、選挙運動の自由化という問題で柏村私案等も出ておりますけれども、結局選挙自由化の反対論者の意見というものは、戸別訪問は望ましいけれども、結局は実質犯と重なるおそれがあるし、実質犯の取り締まりと重複するようなおそれがあるから、どうしても現段階においては、選挙の自由化というものは、あるいは戸別訪問の自由化というものはなかなか望めないというような反対意見等もあるわけでありますけれども、警察当局では一体、戸別訪問の自由化が、イギリスやアメリカ等の諸外国の例のごとく自由化されて、そうして選挙が伸び伸びと政策論争も個人的にできるような望ましい姿にした場合に、ほんとうにそういった買収等の実質犯取り締まりができなくなるおそれがあるのかどうか、この問題について刑事局長からお答えをいただきたいと思います。
○説明員(日原正雄君) これは選挙制度審議会でも申し上げたわけでございますが、警察は現行法のもとで違反取り締まりを公正に行なうという立場でございますので、立法政策的な問題につきましては警察としての意見は差し控えさしていただきますけれども、ただいまお話しの戸別訪問を自由にした場合にほかの犯罪の検挙がむずかしくなるかどうかという問題でございますが、これは戸別訪問を端緒としてそこから買収、供応等の実質犯に捜査の手を伸ばすという場合はあるわけでございます。したがいまして、そういう面で買収、供応等の捜査が多少困難になるという面はあろうと思います。ただしかし、それは捜査技術的な問題であるわけでございまするので、われわれとしては、買収、供応それ自体の捜査にできるだけの力を尽くすという方針でありますれば、それによって買収、供応等の捜査が困難になるから戸別訪問を自由にすべきだとか禁止すべきだとかというのだと、ちょっと本末が転倒するような感じを受けるわけでありまして、そういう立法政策の上からこうすべきだというふうにきまりますれば、それに応じてわれわれとしてはその困難な中で実質犯を検挙していく努力を重ねていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。
○多田省吾君 それではあれですね、戸別訪問が自由化された場合でも、そういった買収等の実質犯は捜査するのに困難を感じない、こういう御意見でございますか。
○説明員(日原正雄君) 多少違うのでありますが、困難は多少あるかもしれないけれども、しかし、それを中心に戸別訪問をどうすべきかというふうに議論を進めていかれるのじゃなしに、その立法政策できまったことに基づいて、われわれとしてはその範囲内で多少困難になったとしてもできるだけの努力をしていけばある程度のところまでいくのじゃないかということなんでございます。
○鈴木壽君 さっきからいろいろ何人からもお話がありましたが、選挙制度審議会の第一次からの答申ですね、現在まで取り上げられていないものも今度できるだけ取り上げていきたいというような話になっておるのでありますが、資料として、第一次、第二次、あるいはその他現在までの答申、それをひとつ全部羅列していただく。その下に、立法化されたもの、それはその項目の下にしていただきたい。ただ幾つもある、そのうちのこれはというので、その下に立法化されたものを条文もつけていただきたい。それから立法化された時期等についても、それからなお立法化されたものの中で、政府提出の原案と、国会において修正されたもの、こういうものが違っている場合があると思いますから、そういう場合には、原案はこうであった、その原案もひとつつけてもらいたい。ですから、大ざっぱに申しますと、上段から三段にして、答申を並べる、その答申のある事項のものが立法仕されたらその下にその立法化の条文までやっていただく、それからその下に、もし政府原案があってそれと変わっているという場合には、その政府原案もつけてもらう、こういう表をひとつおつくりいただければいいと思いますが、いかがですか。
○説明員(降矢敬義君) 御趣旨に沿うて資料を作成いたします。
○委員長(川野三暁君) 他に御発言もなければ、本件に関する本日の質疑はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時五分散会