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52回国会衆議院1966/11/11

文教委員会 第3号

発言数
130
登壇者
13
会派数
2
開催日
1966/11/11

会議録

八田貞義自由民主党

○八田委員長 これより会議を開きます。  文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。二宮武夫君。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 大臣が見えますまで質疑をいたしたい問題は、主として今回大体終了いたしました国民体育大会の運営並びに今後の問題等につきましてお尋ねいたしたいと思います。  本年度の第二十一回国民体育大会は、従来の型とは非常に違って、剛健といいますか、いろいろ質素な面を生かして、相当りっぱな成果をあげた国体だったというような批判を私どもは聞いておるわけでありますが、ただ、これについては相当、主催者であるところの文部省におきましても、あるいは体育協会等におきましても、その功罪について厳密に批判をしながら、分析をしながら将来への運営というものを考えておるだろうと思います。  そこで、詳しい問題については資料の提供をお願い申し上げておいて、後に一括して質問をいたしたいのですけれども、まず第一の問題としては、文部省の考え方として、ことしで二十一回になるわけなんですが、四十六都道府県を将来とも持ち回り式の国体というもので終始をするという考え方であるかどうか、その点をまず一点お伺いいたしておきたいと思います。

赤石清悦文部事務官(体育局長)

○赤石説明員 国体のことでございますが、地方持ち回りということにつきましては、財政状況その他からいたしまして過去にもしばしば問題になったところでございます。しかしながら、その後財政状況も回復し、また各地の国体に寄せる関心と熱情は非常に高いものがございまして、やはり地方持ち回りのほうが国体の性格から言ってよろしいということで、体協を中心にいたしました委員会その他体育関係者は、やはり持ち回りでいこう、大体こういうふうになっておるのでございます。文部省といたしましても、まあ共催者の一員でございますし、こうした従来の実績、体協方面の御意向等も考えまして、いま半分程度回っておりますので、大体いままでの方針でいくのがよろしいのではなかろうか、しかし、その後いろいろの事情が発生したときに再検討させていただきたい、こんなふうに考えておる次第でございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 自治省にお尋ねをいたしますが、昭和三十一年から二年にかけて、地方財政が非常に逼迫をして財政の再建計画を立てて、すべてを中央でいろいろコントロールしながら地方財政をよくする意味で、この持ち回りの問題については国会においても相当深刻な論議がされたように思うのです。自治省の立場としては、国の財政状況並びに国と地方との財政の関連等において、いまのような情勢で財政的な面から見て非常に貧弱化しつつある地方自治体にこれを案分するということですから、やがて四十六都道府県全部に行き渡るという結果にいまの状況としてはなると思うのですけれども、財政的な立場から、この持ち回りあるいは地方財政に非常に大きな負担をかけるこうした催しものに対する考え方というものを、一応お聞かせをいただきたいと思います。

首藤堯自治事務官(財政局財政課長)

○首藤説明員 御指摘のとおり、昭和三十年ごろにおきまして、非常に地方財政が窮乏いたしておりました時代に国体の持ち回りについてどうあるべきかという議論が非常にいたされた時代があったのであります。その後国体は、やはり各県持ち回りのかっこうで現在まで進捗してきておるわけでございますが、最近また財政の状況も非常に苦しくなってまいりまして、こういう状況についてこのまま推移すべきかどうか、一応問題になっておるわけでございます。ただ、まあ現在の時点におきましては、本年度大分において開催をされました国体のあとも、若干の団体におきまして、ここ二、三年施行いたします希望と準備を整えております団体もございますので、将来の問題としては、なお十分検討しながらその時宜に応じた措置をとっていくべきかと考えておるわけでございます。結論的には、財政状況の許します範囲内における充実した質素な大会を施行してもらう、こういう前提で各県の意思を認めてまいりたいと思いますが、特殊の事情等がございました場合には、たとえば東京の既設の施設等を利用して実施するケース等も考慮していただく、このように弾力的に措置をいたしたいと思っておる次第でございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 四十六都道府県でいわゆるスポーツ人口の底辺をふやし、あるいは指導層を強化し、施設を残すという意味から、国体の持っておる意味というのは私もそれをそのまま認めることにやぶさかではない。しかし問題は、皆さん方のほうに表面的にわかっておる経費と、実質、実施をしたところの都道府県における経費の負担というものは、おそらく相当の格差があると私は考えておる。したがって、皆さん方のほうの官庁そのほかからあるいは助成をしたり、あるいはいろいろの補助金を出したり、公共事業そのほかにいろいろな面で援助をしておるというようなものとは別個に、県民の、それは喜んでやっておるかどうかわかりませんけれども、相当な負担が考えられる。これは税外負担として相当なものがやはり頭にかけられておる。このように私は実際認識をしておるわけなんです。したがって、地方財政というものをいま少し強化するという基本政策というものがない限り、この問題については考慮しなければならぬ。しかし、直ちに来年の埼玉であるとか福井であるとかいうような、すでにきまっておるところに不安を持たせるような意味で言っているのではなしに、そういうところに、大分県でやった実態を把握して、いい意味で修正すべきものは修正してバトンを渡すということが、私どもとしては責任があるのではないかという意味で申し上げておるので、その辺で、自治省においても、あるいは文部省、あるいは体協そのほかにおいても、相当に実質的な費用面というものを把握して、公に皆さん方のほうで関与したところの財政というものではなくて、それはもちろんですけれども、それ以外にどのような負担をかけておるか、あるいは県民にそれがプラスして将来県民生活あるいは行政の面に生きる、そういうプラスの面は別といたしましても、実際の費用をどれくらいかけておるかという、そういう実質的な調査というものを把握しておく必要があると思うのです。これは直ちに担税能力そのほかにも影響してくる問題ですから、そのような面についてもひとつ綿密に調査の実情の報告を受けて、そのような問題でほんとうに表面と裏面との間にたいへんな、数段の差があるというような問題ではなくて、実質そのものを把握しておく、こういう面で今後ひとつ十分調査をされて、資料の提供をお願い申し上げたいと思うのです。  もう一つは、私はこれは大蔵省にお尋ねしたいのですが、本年度の運営費については、大体主催者のほうから文部省を通して五千万の要求をしておった。事実査定をした結果においては、三千五百万という金額に削減をされておる。冬季大会に四百万を使うとして、夏季並びに秋季大会に対してはわずかに三千百万という運営費しかない。しかもそれが、近ごろでは五%の予算の節約をしろというような通達さえも出ておる。そのような三千百万というような金額でもって、この大規模な運営ができると考えておるのかどうなのか。大体大蔵省は、出せば切るという従来の習慣があるものですから、実質を把握するということよりも、その予算削減ということがその本領であるというようなかっこうで、ほんとうにやるべき、必要欠くべからざる経費であってもこれを削減する。したがって、その足らざる分については、違った面で主催地あるいはそのほかの人々に迷惑をかける。こういう結果になっておるので、運営費の問題等について、いま少し今後大幅に考慮するということがなければ、たとえ皆さん方のほうで持ち回りがいいといういい面を主張いたしましても、それは私は非常に大きな問題になるのではないか。したがって、文部省並びに大蔵省で、こうした実際運営の費用というものについて、妥当な要求あるいは妥当な査定、決定というものをやる必要があると思うのですが、それについての大蔵省の査定、今後この実態を把握して、今後についてのお考えをひとつお尋ねいたします。

小幡琢也大蔵事務官(主計官)

○小幡説明員 この問題につきましては、財政の範囲もございまして毎年少しずつ充実をはかるよう努力しておりまして、四十一年度は前年に比べまして一千万円増額しております。先ほどおっしゃいました本年度の節約でございますが、これにつきましては、ベースアップあるいは災害復旧事業、こういった所要財源に充てますために、既定経費につきまして統一的に行なうという方針でございますので、こういった補助金も五%の節約をしていただきたい、そういう線でまいっておるわけであります。今後につきましては、予算の許す限りできるだけこれの充実をはかっていきたい、こういうふうに考えております。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 五%の節約というのは、いつごろその事務連絡をしておるのですか。

小幡琢也大蔵事務官(主計官)

○小幡説明員 この節約の問題は、先般閣議において各省御了解願いまして、旅費、物件費、補助金等につきまして五%の節約、こういう方針にいたしております。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 いつですか。

小幡琢也大蔵事務官(主計官)

○小幡説明員 恐縮でございますが、ちょっと正確な日にちは忘れました。たしか十月の二十何日だったかと思います。二十三日でございますか、閣議において御了解を願っております。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 秋季国体というのは、大体十月の二十三日に開会式をして運営を実施しておる。閣議が二十三日に決定をしたという段階で、おそらく皆さん方の良識で考えて、この運営費に五%の削減というようなことは、時期的に考えても無理だと思うのです。しかし、そういう問題をここで例外として考えるということは、なかなか答弁もむずかしいと思いますが、運用の面で、そういう時間的な問題もあるし、非常に貧弱な財源でもってこの問題を地方でもカバーしながらやっておる問題ですから、ここで即答していただかなくてもけっこうですが、ひとつ十分御考慮をいただきたいというように思っております。  なお、文部省に対しましては、今後この問題について、相当運営費については実態を把握して、先ほど申しました、やればやっただけで大かた運営するだろうというような安易な考え方でなくて、それが少なければ少ないだけ別途に何らかの方法を考えて運営費を捻出しておるという地方の苦しい実態を把握をして、予算要求その他については御考慮がいただきたいと思います。これは来年度の主催県に対しても、私どもとしては、ぜひそういうようなことを条件として申し送っていきたいというように思うのです。  それから、大蔵省にもう一つお尋ねしますが、国体の目的というのは、やはり施設を残すということ、指導層を充実するということ、スポーツ人口をふやしてそれを県政そのほかに生かしていくという非常に大きな意味があると思うのですが、こういう例があるのです。たとえば大蔵省が持っておる大蔵省の職員の住宅の予定地にしておるところを、地理的に何としてもテニスのコートに活用したいということで前もって連絡しておる。ところが大蔵省のほうでは、ここは何としても将来住宅を建てるのだから、一応使うことは使っても一よろしいが、その後原形復旧してそれをそのまま大蔵省に返してもらいたい。これは体育振興特別委員会の皆さんが国体の状況を視察に参りました際にも、それはおかしいじゃないか、せっかくつくった施設を、国体が終わったらまた掘り起こして住宅に提供するというようなむだなことはせずに、県有地と交換をして適当な土地に寮を建てたらいいではないか、そういうお話があったわけです。常識的に考えて、おそらく県としては、使わしていただくためには将来そういうことをいたしましょうという契約をいたしたのかもしれません。しかし、私ども公平な立場で考える場合に、寮を建てるという適地が、必ずしもそのテニスをやった場所でなくてはならぬとは考えられない。したがって、こういう問題については、もう少し大蔵省財務局の出先と県などと折衝いたしまして、せっかく国体に使ったスポーツ施設を掘り返して再び寮の敷地にするのだという回りくどいことをせずに、率直に代替地を考えて、両方とも目的が達せられるような措置をやはりすべきである、こういうように考えるのですけれども、それについて、何か材料があってわかっておりましたらひとつ態度を表明してもらいたい。

小幡琢也大蔵事務官(主計官)

○小幡説明員 実はこの問題につきましては、私担当者でございませんのでお答えできませんが、先生の御趣旨はしかるべく伝えたいと思います。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 それでは資料の要求をいたしたいと思いますが、国体をやってみて問題になりますのは、国体を中心にしたセミプロ的な選手が常に主催地に出回っておるというような傾向が批判としてある。それは、たとえば全国各県にいろいろの出先を持っておるような会社に所属をしておるような会社員というものは、体協できめたように六カ月以前に主催県に生活を移せば選手として認められるということになると、これはそういう該当者があるというわけではございませんが、例としてわかるのは、ガソリンスタンド等に勤務する人を、大分県で主催するから大分県へ勤務をさせた、その次は埼玉県に変えても何らこれは会社の身分としては変わりがない。勤務地が変わるだけで、選手の出場県が大分県から埼玉県になる、こういうかっこうになる。まことに合法的であるけれども、私は、国体というものが地域のスポーツを非常に尊重するという意味から考えても、おかしい問題ではないかと思う。そのような例というのは、よそでも批判をされておりますように、いわゆるジプシー選手というものは、国体の主催地を追いながら自分の生活をできるだけ有利に展開するような方途を講じて移っておるという実情も、私は指摘をするのにそうむずかしい問題ではないと思う。国体というものの選手強化なり、あるいは地方の指導者をつくるなり、勝たんがためには何でもやるのだということでは、私が先ほど申しましたように、持ち回りというのははたして妥当であるかどうかという問題にもやはり関連をすると思う。こういう問題については、ことし体協が初めて打ち出した、六カ月以前に生活をその県に持てば、その県で選手となる権限を有するということも一つの方法ですけれども、これにもなおたくさんの抜け道がある。したがって私は、今後とも国体というものの目的、精神を生かして、いま少しそういうものについて、いわゆる従来いわれておる悪評のあるジプシー選手というものをシャットアウトして、そういう意味では勝ち負けにとらわれずに地方スポーツというものを振興していく、こういうように考える必要があるのではないかと思いますので、ことし出しました主催者の六カ月以前というものの制限だけの知恵では、これは防ぎ得ないのじゃないか。その辺について何らかの具体的な方法を今後考える必要があると思う。これはひとつ御検討いただきたい。  勝敗の問題になりますと、これも資料としてひとつスポーツ課長のほうで集めていただきたいのですが、主催をした年には天皇杯をとった、次の年には四十六都道府県のうち三十九位であった、こういうような例も従来の例を見てまいりますとある。なるほど、昨年優勝杯をとって、ことしは四位か五位程度にとどまっておるという堅実な運営をやっておる県もある。そういう出場チームの条件がそろわないから、たとえ主催をした年に天皇杯をとりましても、翌年天皇杯をとるというようなことはとてもできる問題ではございません。スポーツ人口がいかに重厚でありましてもむずかしい。ただしかし、天皇杯をとった主催県がその次の年にはビリから数えたほうが早いのだというのでは、国体というものの精神がほんとうに生きているかどうかということには疑問がある。したがって、これは参考ですけれども、そういう順位についての資料というものも皆さんのほうであるはずだから、御提出をいただきたい。  もう一つは、主会場に非常にたくさんのお金をかけてりっぱなスタジアムをつくってありますが、これが主催をした年が過ぎるとやや粗雑に使われておるということがあるようであります。だから施設を残すということは、それが県民に、あるいは県だけではございませんけれども、スポーツ施設であれば十分活用できる、こういう目的が将来生きていかなければ意味がない。ペンペン草がはえておるという悪口は言いたくないけれども、私は、主催県で主会場であった運動会場で、ペンペン草がはえておるところは一つもないとは皆さんのほうで言い切れぬと思う。実態の調査をひとつお願い申し上げたい。そして同時に、これはゴルフ場になったり、あるいはいろいろに使われておるようでございますけれども、ほんとうにスポーツの目的に使われるような意味の使い方等については、今後も指導が必要であろうと思います。主催県が非常に苦労しておる状況でございますので、そういう面についての資料、それぞれ新設をしました施設がどのように活用されておるというような実態についてもひとつお示しをいただきたいと思う。  なお、自治省にお願いをして資料を整えていただきたいのは、これは直接国体に必要な経費というものの判別はむずかしいと思うのです。たとえば関連の公共事業で、この際、天皇さまが通るのだから道路をよくしようとか、あるいは橋梁をよくしようというようなもので、それらの関連の事業が相当出ておると思うのです。あるいは起債は、特に主催県については便宜を与えておるというような点もあろうと思うのですが、そこで国体に必要であったという特別な経費というものがもし選別できるようであればひとつ選別をして、それぞれの県における大体の目標、大体の施設に必要な経費、あるいは関連を自治省のほうでなにするのはむずかしいと思いますけれども、特に前年度あるいは二、三年計画でかかると思いますから、それぞれのそうした事業の経費等の推移——ただ、やって後にはその県では非常に公共事業の支出がアンバランスになっておる。主催の地域と全部違っておるわけですから相当に問題があろうと思いますので、それらの問題について経費の面で、私ここで申し上げることを全部申し上げてないが、皆さんのほうで国体に関連をした経費の支出状況、あるいは国体終了後における起債そのほかの認証状況等についても、ひとつ十分調査の上で出していただきたいというふうに思います。  それでは、大体以上の問題を国体の問題として資料要求し、一部御質問申し上げましたけれども、それらの問題については資料の提供後にあらためてもう一度総括的な御質問を申し上げたいと考えております。  もう一つ文部省にお尋ねしておきますが、この国体の目的を見ますと、体位の向上と、スポーツの振興と同時に、文化の向上という文句が非常に奇異に感ずるようなことばで中に挿入されているのですが、文化の向上というのは、国体に関連していかなる行事をすることによって目的を達しようと考えておるのか、これも資料としてひとつ出していただきたい。選手の日常のいろいろなマナーの問題とか、あるいは宿泊地における行動の問題とかいうものをひっくるめて、広範囲なそういうものに私は考えておるのじゃないですよ。そうじゃなくて、明らかにあそこに文化という文句が入れてある以上、国体開催地に何か文化向上のあるいは会合を持ったり、あるいはこれに関連をしてやるというような計画があるのではないかというように考えておりますが、特にあそこに挿入されたことに私は奇異を感ずるようなスケジュールであり、日程であるように思いますから、それらの問題についてはいかように考えておられるのか。いままで主催県でこれに関連をしてこの目的達成のためにやりました計画等がありましたら、ひとつ資料としてお出しをいただきたいと思います。  以上です。

赤石清悦文部事務官(体育局長)

○赤石説明員 大体の資料、わかりましたから早急に取りそろえたいと思います。  先生の御質問でもし誤解があるといけませんので、ちょっと事情を私、説明申し上げたいと思いますが、今度の大分国体で、いわゆる移籍したジプシー選手が非常にあったようにもしおとりになるとたいへんな誤解だと思いますので……。全然ないとは言い切れないかもしれませんが、大分国体は、学校の教員、学校の生徒、そこに選手の強化、したがって学校体育の本来の振興の線に沿ってやっていた、これが大分国体の非常に特徴になっております。したがって、いわゆる非常に社会問題になるような移籍問題があったようにもしおとりになっていると、多少——従来もそれほどではなかったと思いますけれども、それほどではなかったのではなかろうかと私ども受け取っておるわけでございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 大分でそれがあったと言っているのではないのです。ただ、全体的に、国体というもののあとを追ってそういう選手が漸次生活を移していくという傾向がやはり指摘をされておるわけなのです。大分にそういうものが具体的にあったかどうかという問題ではなくて、今後そういうものは、ことしやった六カ月間というものの制限だけでは防ぎ切れない。そうした傾向が国体に付随して出てきておる。それがどのようにどの県で顕著であったかということの調査はなかなか困難でしょうけれども、そういう点をひとつ……。  それから教員のチームを強化するということについては、指導層を厚くする意味で非常にけっこうだと思うのですが、私どもの県では、本年度十一名の体育保健の先生方が教育学部を出ます。これは主として高等学校に補強しておるような先生方を選手として招いておりますから別に関係はないのですけれども、ただこの際、十一名というものの卒業生が、一名も県内の就職ができないという状況にある。教員チームを非常に強化するという問題はありがたいわけなんですが、したがって問題は、今後やはり教員定数の増という問題等も含めて考えていかないと、地元の教員養成の機関と、それからそうした選手層との食い違い等がやはり出てくるのではないか。現実にうちの県であったのは、選手をとったために地元が入れないという意味ではございません。しかし、そういう問題がよその県でも起こり得る可能性は、私はあると思うのです。そういう点で、卒業生がその県に就職し得るかどうかという問題等もからめて問題になろうかと思いますので、申し上げておきます。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 長谷川正三君。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 私は、先般、有田文相から、文相就任にあたっての所信表明があり、それについて、前回の委員会でその内容についていろいろ御質疑を申し上げることをあらかじめ項目的に予告を申し上げたのでございますが、実は、本日、その内容についてこれから御質問を申し上げたかったのでありますけれども、その前にさらに別の件について、もっと基本的な問題についてここで御質問を申し上げなければならないことをたいへん残念に思っておるのであります。  ここのところ、もう何年か、特に昨年あたりから政府・与党関係にいろいろと不祥事が起こり、これが明らかにされまして、国民の政治不信というものがもう日ごとに高まっておるということは、これは皆さんがすべて御承知のことだと思うのであります。私は、こういう日本の政治の現状に対しては、与党、野党を問わず、党派を越えて、民主政治そのものの危機としてこれはほんとうに真剣に考えなければならない、もう一刻の猶予もならない時点に立っているのではないか、そういう感を深くいたすのであります。  昨年の参議院選挙のあの小林章氏をめぐる膨大な選挙違反の問題、あるいはまた、今年に入りまして田中彰治事件、さらに、八月の内閣改造後閣僚に直接いろいろの問題が起こりまして、詳しいことを申し上げる必要はありませんけれども、すでに退陣をされたわけでありますが、荒舩運輸大臣の問題、それから松野農林大臣の問題あるいは上林山防衛庁長官の問題、国有林払い下げの問題、共和製糖の事件、まことに相次いでおるのでありまして、これだけでも、私は、ほんとうに佐藤総理としてはもう責任をとらなければならないときに来ていると考えておったのでありますが、たまたま——いやしくも事、文教の府である文部関係には何らかの意味でも黒い霧などが立っては困る、先般岐阜の共済組合問題では高橋重信氏から何回かこれについての追及があったわけでありますけれども、これも刑事問題になっているということで、その後はっきりしておりませんけれども、これは一地方の問題でありますが、文教の府にすらそういううわさが立つということについてはまことに遺憾であります。私は、先般文部大臣が大臣に就任され、大臣としては大いに抱負経綸をお持ちになって今後お仕事を進めるように張り切っておられると思います。それに対しましては、その御意見についてはわれわれもいろいろ異論もあり、今後大いに議論を戦わしていきたいと思っておったやさきでありまして、いま一身上の問題に関連するようなことについて御質問するということは、私としては、情においては忍びがたいものも感ずるのであります。しかしながら、国民がいま日本の政治のあり方に非常な不信、疑惑、そしてこれをどう公正にさばくかというふうに注視されている中で、いやしくも新聞紙上等に文部大臣の名前も載る、こういうことになりますと、文教委員会としてはどうしても一応これを取り上げまして、やはり国民の前に明らかにし、責任の所在を明確にし、処置を明確にするということは、私は当然の責務である、そういう観点に立ってこれから質問を申し上げたいと思うのであります。  実は、昨十一月十日の読売新聞の朝刊であったと思いますが、「黒い霧、有田文相の身辺に」という記事がございます。これは相次ぐ不祥事件で国民がショックを受けている上に、さらに非常に質の深いショックを与えたのではないか。したがって、これについてはどうしてもここで明らかにしていただかなければなりませんが、実は、即刻昨日参議院の予算委員会におきまして、あるいは衆議院の科学技術特別委員会におきましてこの問題が取り上げられたやに聞いております。私も傍聴したいと思って伺いましたが、すでにこの件の終わったあとでありまして、直接そのときの文相の御答弁等は伺ってないのでありますけれども、多少重複するきらいはあるかと思いますが、本文教委員会でもひとつ明確にしていただきたいと思います。  まず質問の第一点は、事実を明らかにしていただきたいという意味で、あなたが文部大臣に御就任になると同時に、あなたの選挙で選挙違反に問われ、有罪となって執行猶予中の方を秘書官に任命された。任命権者は総理大臣だそうでありますが、もしそういう事実があるとすれば、その経過と、それに対する大臣としての御所見を承りたいと思います。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○有田国務大臣 御指摘のような事実はあります。  実は、去る昭和三十五年の選挙のとき、その選挙におきまして藤原三郎君が選挙違反にかかりました。しかし、その判決は、裁判所の手続が非常に延びまして、昨年の秋その判決があったのであります。しかし、彼は違反にかかりまして以来、特に改悛の情多うございまして、その後、三十八年の総選挙がございましたが、そのときも私の秘書でございましたけれども、何らそのような疑義も受けなく、彼が再び選挙違反をやるようなことは絶対ないという確信を持つに至りました。と同時に、彼は平素の行状はきわめてまじめな人間でありまして、おつき合いを願っておる方は、ほとんどの人が口をそろえてりっぱな人だと申しておるのでございます。私としましては、国会議員として彼を多年秘書として使っております。彼の真剣さ、まじめな人物ということもよく存じております。国会議員の秘書としては、当然合法的に許されておったことであります。文部大臣になりまして秘書官にしております。これも、私も彼の平素の行状から見まして、だいじょうぶだ。ことに、御承知のとおり、大臣秘書官は特別職でございます。それならば、かつての違反はやったけれどもだいじょうぶだろう、私はこういう確信を持ちまして、文部大臣秘書官として今日まできておった。私も昨日予算委員会でもまた科学技術委員会におきましても申し述べたのですが、かように私は彼を信じておるし、彼のまじめな人物ということはたいがいの人が言ってくれる。けれども、もしも世間の指弾を受けるようなことがあるならば、十分考えて善処したい、こういう答弁をしておったわけです。ところが、彼はその後直ちに辞表を出してまいりました。私は情においては実に相忍びませんでしたけれども、しかし、多少でも世間に問題を起こすようなことがあっては相ならぬと思いまして、その辞表を受理いたしました。御案内のとおり、その発令は内閣でありますので、ここに直ちに内閣のほうと連絡をとりまして、すでに昨日彼は退官することに相なったのであります。私としましては、情においてはまことに気の毒に思いましたけれども、ただいま申しましたようなことで、多少世間に指弾を受けるようなことがあっては相済まぬ、かように思いまして、さような措置に出たのであります。一そう私としましてはそういう面に注意いたしまして、ことに、文教の府にあるものとしましては、身の潔癖を期すべく、今後注意してやっていきたい、かような心境になっておるわけであります。  その後の経過と私の心境の一端を申し上げまして、お答えにかえたいと思います。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 いまの御答弁によりますと、事実はあった。藤原三郎というのは、あなたの多年秘書をされており、そうして、三十五年の選挙で選挙違反で有罪になった、昨年その判決があった、しかし、本人は非常にまじめで誠実な男だから、また、接した者がみんな信用しておる、こういうようなお話、したがってこれを秘書官にした、こういう御答弁であります。しかし、世間ではどう見ているかというと、選挙違反をしても、当選してしまえば勝ちである、そうして、その結果、有力な人が、その違反をした論功行賞として、大臣になったらさっそく秘書官にしてしまった、こういう見方をする向きも——新聞などもそういう書き方をいたしております。これが一般の常識的な国民の素朴な、しかも非常に真相をついている見方ではないか。これは口先ではいろいろ言い方があります。私も、あなたとその藤原三郎という人の個人的な関連や信頼や助け合い、その情に何もくちばしをはさんだり、非難するものではありません。したがって、あなたがその方を信頼したり、あなたがその方の生活をいろいろお助けになったり、そういうことを私はいまここでとやかく申しませんけれども、いやしくも、特別職にいたしましても、こういう公職に、しかも文教の府の大臣という重責を補佐する秘書官に任命したということは、いまのあなたのおっしゃる説明ではとうてい納得できませんし、これを聞いた国民も、私は納得はいたさないと思います。しかもなお、昨日本人が辞表を出したからこれを受理した、指弾をされるようなことがあってはいけないから受理をした、こうおっしゃるのでありますが、この方を秘書官にしておくということは、世の指弾を受ける、そういうふうにあなたはお考えになったのですか。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○有田国務大臣 私は藤原秘書官を論功行賞的に秘書官にしたわけではない。私は長い間国会議員としまして、彼を国会の秘書としましてずっときておりました。第一秘書と第二秘書があることは御承知のとおりでありますが、私の秘書の経歴からいいましても、また年齢からいいましても、藤原秘書を秘書官にするのが順当だ、こういうことでありまして、決して論功行賞的に彼を抜てきして秘書官にしたというわけではありません。選挙違反をやって、論功行賞的に——また、私の秘書をやっていない、あるいは第二秘書を持ってくるならばさようなことを言われましょうが、その順序といたしまして、決して論功行賞というようなことをやったのではない、これだけはひとつ誤解のないようにお願いをしたい。  それから、法律論ではございません。私も法律に触れるようなことがあれば避けなければならぬということは十分心得ておりますけれども、先ほど言いましたように、特別職でもありますし、彼の日常の行動からいいましても、その性格上からいいましても、彼はだいじょうぶだ、こういう確信を持ってやったのでございます。しかし、そういうことのために、世間を騒がしたり、いろいろな批判を受けるようなことがあっては相すまぬというので、私はこの際彼に身を引いてもらうということにしたのであります。  そういうような実情でありまして、私としては、別に論功行賞的に彼を抜てきしてどうというようなことは全然ないのであります。  ただ、こういう違反を犯した人を文部大臣の秘書官にするのはけしからぬとおっしゃればそれまででございますけれども、しかし、その事実も三十五年の違反でありまして、その後三十八年の選挙がありまして、そして、それにおきましても何ら批判されるようなことがなかったものですから、過去においてそういうことがあったのはまことに遺憾に思いますけれども、しかし、彼がそういうように改悛をしておるならば、そう昔の罪をいつまでも云々することはどうかと思いまして、そして、したわけです。(「判決はいつだ」と呼ぶ者あり)判決は去年でございましたけれども、執行猶予中でございまして、その辺の事情もおくみ取りくださいまして、私の心境をそのまま申し上げまして、彼の人となりというものを……。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 私は、御自分の選挙の違反のためにいろいろ取り調べを受け、有罪の判決を受けた藤原三郎という方について、あなたが個人的に人情をお感じになり、あるいはこれをお引き立てになり、お世話をなさろうという気持ちについてとやかくは申しません。しかし、秘書官といわず、少なくとも秘書も、これは公式の公務員であります。秘書にしておくこと自体がすでにもう問題があったのではないか。まして、有罪判決が出て、しかも、あくまでそれは事実無根であるとして控訴して戦っておる、最終的には無罪になる、こういうような方である場合にはまた別であります。多少の考えがそこにはあるかもしれません。これは服しておるのでしょう。控訴もしておらない。ですから、いま罪人ということになる。ただ執行が猶予されておる。そういう方をさらに秘書官にするというこの感覚の中に、すでに権力の座に長くあるために、公的な地位というものと私的なものとの混淆、腐敗堕落への大きな一つの温床的な気持ちというものがまるであたりまえのごとくに横行しているところに、私は一番問題があると思うのです。私はいまここでこの藤原三郎氏を追及しているのではないのであります。この人の取り扱いをした文部大臣自身、あるいは、さらに私はこれを詰めていけば、あなたを文部大臣に任命した佐藤総理大臣、また、その秘書官を任命した佐藤総理大臣の責任まで追及しなければならない、こういう立場で質問をしておるのでありまして、藤原三郎という方が選挙違反をしたけれども、改悛の情著しいからこれ以上いじめないでくれというようにおっしゃったように思いますが、私は決して藤原三郎氏を追及しているのではないのであります。こういう人を大臣としてその重要な秘書官に任命した、そしてこれは当然である、たいへん間違ったことをしてしまったというお考えはみじんもない。ただ、世間が騒がしくなってきたから、どうもうるさいから、本人も遠慮して辞表を幸い出してくれたから、それを受理してやめさせた。積極的にやめさせたのではない。いまのお話を聞きますと、本人が幸い辞表を出してくれたので、それを受理して退官の手続をとった、こういうお話であります。  そうすると、もうこれはまるっきり大臣としては、大臣自身の責任については何もお感じになっていないのじゃないか、こういうふうに私は受け取れて、まことに残念なんでありますが、大臣は、いままでとってきた処置は適切であったとお考えなんですか、その点を質問します。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○有田国務大臣 今日考えてみましたら、適切とは思えません。しかし、法律に——ほんとうの公務員だったら、それは違反が悪いということは私ども常識的にわかっております。特別職というものがそこに例外が設けられておるということは、何らかそこにやはり一つの根拠があるのじゃなかろうか、かように思いまして、これは法律的にもそうなっておるわけです。そこで、私の不明であったことは事実でありますので、この点は遺憾に思っておりますけれども、彼の性情なり日常の行動から見まして、私はだいじょうぶだという、そういう気持ちで今日まできておったわけです。きのうも率直に申したように、それが世の指弾を受けるようなことがあれば、これは善処しなくちゃならぬ、こう思いまして、そして、いま言ったような措置をとったわけであります。私としましては、まことに遺憾に思っております。遺憾に思っておりますけれども、しかし、過去の罪を責めてもしかたがない。それで、私自身のことも、これは不明のいたすところと思っておりますけれども、その点は法律上明らかにいかぬということがあれば私も非常に責任を痛感しますけれども、おのずからそこに限度がありまして、私は非常に遺憾に思っておりますけれども、しかし、その間の考え方が、いままではそれほど考えてなかった、今日になってみて不明のいたすところ、こういうことは私は率直に考えておるわけでございます。この点をひとつよく御理解を願いたいと思います。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 大臣、初めて自分のとってきた処置に遺憾の点があり、不明の点があったというふうにおっしゃいました。  実は聞くところによりますと、昨日の予算委員会の質疑におきましても、大臣は一向不明であるとか、あるいは処置を誤った、申しわけないとかということばはなくて、藤原氏はりっぱな人間だし、任命そのものは法律に別に触れてないのだ、だから悪いことはないじゃないかというような御態度であったと聞いておる。そこで佐藤総理があわてて文相の発言を押えてといいますか、処置をするということで一応きのうの予算委員会はおさまった、こういうふうに伺っております。本日は、大臣自身の口から、御自分としても——本人の性情その他については私どもは存じませんけれども、とにかく、そういう過去を持つ者を秘書とし、秘書官としたということについては不明であったというふうにいまおっしゃったと思うのですが、ほんとうにあなたはそうお考えですか。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○有田国務大臣 もちろんさように思うのですけれども、きのうの予算委員会は別のことがありました。造船疑獄云々の問題がありました。これは全く事実と違うことでありまして、私は、神聖なる国会の場において、事実無根のことをさもありげに——はっきりあったとはおっしゃらなかったけれども、ありげに言われたことについて、非常に遺憾だったということははっきり申しました。そういうものと相からんでおりましたから、私の気持ちがそのまま出ていなかったかもしれません。私は彼をあくまで信頼しておりますけれども、これが世間の問題になったようなことになったことにつきましては、まことに遺憾に思っておることは、これはもういま申したとおりであります。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 大臣の口から遺憾であったというおことばがありましたけれども、それについて、大臣は、大臣自身どういう責任をおとりになるおつもりですか。それについては、ただ遺憾であった、こういうことだけですか。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○有田国務大臣 私は、先ほど申しましたように、一そう注意をいたしまして、再びさようなことのないように厳格なる身の行動をとっていきたい、かように思っております。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 実は、きょう予定されている時間が一時までということでございまして、あとになお重要な問題が控えておりますので、私はもう少しえぐって、大臣の責任というもの、特に文教の府にある者がこういう世の中から非常な疑惑を受けるような人事をしたということについては、しかも、それをいままで、何と申しますか、率直に申し上げて非常に誤ったことをしたというようなお考えには、ことばでは一応そうおっしゃっていらっしゃるけれども、どうも受け取れない。このくらいのことはあたりまえじゃないかということが腹の底におありになるのじゃないか。これは私の悪い推測かもしれませんが、しかし、私が順序立てていま御質問を申し上げたので、最終的にはそのやってきたことは適当でなかった、こういうふうに最後はおっしゃっておりますけれども、私は、もし大臣がほんとうに政治不信を一掃し、ことに、文教の府の責任者として日本の青少年の指導の一つの頂点に立つ方としては、こういうことを平気でいままでしてきてしまったということについては、もっと深い反省と身の御処置のしかたがあるのではないか、そのことが一番いい教育ではないか、一番いい政治を正す方法ではないか、こういうことを私は率直にいって感ずるのでありますけれども、そういう点について最後に御所信を伺いまして、一応この件について本日は質問を打ち切らしていただきます。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○有田国務大臣 政治の姿勢を正すことは、きわめて肝要なことと思っております。かるがゆえに今回の措置もやったわけでございます。これが政治を正す一つの前進だ、かように思いまして、私も情においては実に相忍びませんでしたが、過去の不明を反省しながら、こういう措置に出たということをひとつよく御理解を願いたいと思います。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 川崎寛治君。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 ただいま長谷川委員のほうから秘書官の問題をめぐっていろいろございました。国政に携わる者の根本というものはどこにあるか、それは憲法の前文に明確に定められておるわけです。「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。」こういうふうになっておるわけです。国民の信託に基づいてわれわれは国政に参加する。あなたは大臣として、文教行政の大元締めとして、特に先般期待される人間像、こういう答申を受けて、これを今後文教行政の中で何らか反映しようとされておるわけです。期待される人間像を受けられるにふさわしくない——法律の上で特別職だからだいじょうぶだ、そういう考え方、そういう形式論理、これではいけないのです。先ほど来遺憾の意を何べんもあらわしておられますけれども、刑事罰にかけられても、本人が改悛の情が顕著であり、そしていい男だ、だから——こういうことでは、国政の最高の責任者として進めていくにはふさわしくない。秘書官個人の問題ではなくて、あなた自身の問題なんですね。そのあなたが、道徳の問題なりあるいは民族百年の教育の問題の責任者としていま携わっておられるわけです。その基本的な点については、ひとつ厳重にといいますか、厳粛に、先ほど来質問のありましたように、この点は今後文教行政のあらゆる面において私たちは常に基本に返って大臣に対する姿勢といいますか、根本的な態度、そういうものについては要求をいたしてまいりたいと思います。そのことをまず申し上げておきたいと思います。時間がございませんから、要点を追って、過ぐる一〇・二一の全国的な行動の問題にしぼってまいりたいと思います。  そもそも、今回の一〇・二一のやむにやまれない行動、それは十八回にわたる人事院勧告を政府が無視をしてきた、そこにあるわけです。  そこで、まず第一に文部大臣にお尋ねしたいことは、先般の本委員会においても私はこの人事院勧告の問題について繰り返しお尋ねをいたしました。いたしましたが、もう一度重ねてお尋ねをしたいと思いますことは、人事院勧告の時期を含めて完全実施する、しなければならないという政府一の責任、そのことについて文部大臣はどのようにお考えになっておられますか。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○有田国務大臣 人事院の勧告をできる限り完全実施やりたいという気持ちは一ぱいでございます。しかしながら、遺憾ながら財政その他の事情から政府全体としてはその完全実施ができなくなった、これはまことに遺憾に思います。遺憾に思いますけれども、国全体の立場からいえば、これはやむを得なかったのじゃないか、かように思いますが、きのうも総理大臣みずからが予算委員会で答弁をされておりましたように、物理的に考えて、この制度自身をもう少し考えなくちゃならぬのじゃないか。人事院の八月の末の勧告、それを翌月九月から実施、ここにやはり無理が出てくるのだ。そこで、制度といいますか、やり方自身を検討していかなくちゃならぬということをおっしゃっていたようでございますが、こういうことは、政府としましても真剣に考えまして、そして、できる限り完全実施に近い線を出すように今後は努力していきたい、かように考えております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 代償機関の人事院総裁は、本委員会において、大臣もおられたその場所で、私は現在の制度においても完全実施できると思います、それを実施していただけないのはたいへん遺憾であります、こういうふうに権利を奪われ、その代償機関として設置をされておりますその長がここで言明をされた。実施できない、実施しない——まだわからぬですね、これから法律が国会に出されますから。実施しないといういまの内閣の態度、そのことについて責任を感じますか。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○有田国務大臣 責任というのは、どういうことをさされるのかわかりませんけれども、政府としては、やはり国全体の調和を考えてやらなければならない問題だと思います。完全実施をしたい気持ちは一ぱいあるにしましても、やはり財政当局から申しましてそれが十分できぬということになれば、これはわれわれとしましても、非常に遺憾でございますが、その決定に従わざるを得ない、こういう立場であります。そこで、完全実施をやりたいと思えば、やはり勧告の時期が予算編成に間に合うようなときにすることが、完全実施を一番行ないやすい方法になるのじゃないか、かように私は考えまして、人事院のそのやり方についても今後検討を加えていく必要がある、かように私は思うのです。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 この基本論をやっておりますと時間がとうてい足りませんから、この基本論争はまた今後に残すといたしまして、ことばは何とか言おうとしておりますが、責任は感じておる、こう思うのですね。  そこで、各県の人事委員会も人事院と同じように、勧告をそれぞれ各県知事なり県議会に出してきておるわけですね。ところが、今回のこの一〇・二一をめぐって佐賀、福岡、東京、岩手、いまこの四県に警察が捜査をやり、さらに参考人の調べをいま進めておるわけです。特に私は佐賀、福岡へ二へん参りました。もうつぶさに直接いろいろな方にも伺いましたし、それぞれの責任者にも会いました。実にひどい捜査が続けられておるのです。しかも、その捜査は、文部省が各県の教育委員会に対して、厳重に処分せよ、そういう態度で進められておる。その県の教育長も言うのです。中央のほうが非常にやかましい。岩手も同じだ。岩手の問題については、あとで山中委員がやられます。私は先回の本委員会で質問をいたしましたときに、文部省は、決して各県に警察とあらかじめ連絡をとってやれ、こういう指導はしておりませんと言ったが、現地を事実調べてみると、そうじゃない。あらかじめ警察の手を入れてもらうことを期待して、あなた方は各県教委を指導しておる。十月の五日、六日全国の人事主管課長会議でも、断固処分せよという指導をしておるし、あるいは。文書をもって、各県の警察との連携をあらかじめとっておけ、こういう指導をしておる。——されましたね。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○斎藤説明員 この違法の統一ストに対しまして、厳正適切な処置をしろということは十分に指導をいたしました。  それから、警察との関係、これは警察は刑事事件に関してやるものでございまして、私どもが教育委員会に対する指導は、行政処分ないしはそれに類似する事柄の指導でございますから、これは別個のことでございます。ただ、事務的にいろいろ警察等の状況をできるだけ聞くようにと申しまするのは、御承知のように、地方公務員法では刑事制裁に関する規定があるわけでございまして、これは教育委員会ではわからない。学校の中の事柄ではございませんから、いろいろな動きというものが各県教委等にわからないので、そういう状況がわかるならば、できるだけ知っておくほうが学校管理の上からいいという観点で、この点については十分に連絡をとるようにということは申しております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 大臣みずからが執行猶予中の者を秘書官にする、そういう姿勢にありながら、いまは、初中局長が答弁されたように、違法だ、これは全逓中郵の裁判等をめぐって憲法二十八条の議論も大きくあるわけです。あらかじめ刑事問題はわからぬから警察のほうと連携をとれ一それならば、学校に警察官が入ってきて、校長室で授業中の先生を呼び出して調書をとる、そういうことを好ましいと思っておるのですか。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○斎藤説明員 教育自体の中に、児童にどういう教育を行なうかということ自体を警察にお頼みして知るというようなことは私どもは避けるべきだと思います。そうではなくて、今回は教職員の行動の中に明らかに地方公務員法に違反をして、しかも、刑事的な責任を生ずる余地があるということの可能性があったことについて警察が調べられることは、これは当然だろう、こう思う次第であります。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 私の質問に答えなさい。授業時間中の先生を、校長のお客さんだからといって呼びにやる、校長室に来てみると、警官が来ている、そこで取り調べを行なって調書をとる。それを妥当だと思いますか、初中局長。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○斎藤説明員 その点は、警察自身がいかなる時点で、いかなる時期に捜査をする必要があるかという問題との関連だと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 参考人の取り調べについては憲法三十五条に定めもあるし、また刑事訴訟法にも明確にあるわけです。憲法や刑事訴訟法で定められておることを逸脱をして、違反をしてやっておる、そのことも警察の独自のことだ、あなたはそういう態度ですか。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○斎藤説明員 私どもは、警察が刑事事件に関してどう捜査するかということについて一々承知しておりません。また、警察もわれわれに言えることではないと思います。それは独自の必要によってやるわけであります。   〔発言する者多し〕

八田貞義自由民主党

○八田委員長 静粛に願います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 私は佐賀の知事に会ってまいりました。知事は、そういうことが教育現場で行なわれることは好ましくないということで、県警本部長のほうに要請をし、そういうことは漸次慎重にはなってまいっております。また教育委員会関係にもわれわれが会って、その点については厳重に申し入れをやる。だから学校現場での捜査というのは、いま絶無とは言えないかもわからぬが、ほとんどやまってきております。知事でさえも好ましくないといって県警本部長に申し入れをやる。あなたは、警察がやるならそれはいいじゃないか、独自のことだと言うが、その点は大臣はどうですか。(「だからあんな秘書官を使うんだ」と呼ぶ者あり)

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○有田国務大臣 秘書官の問題といまの問題とは別でございます。いやしくも法治国家におきまして法律に反することは許せないことであります。秘書官は特別職であります。  そこで、私はそういう事実は知りません。知りませんが、検察当局といいますか、警察がいろいろな捜査をやるにつきましては、教育に差しつかえのない範囲においてこれをされることは、これは文部省として容喙すべきものでない。警察は警察として法律に反するものは調べられる、しかし、教育に支障のない限度によってやっていただきたいということは、私として考えております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 いまのこの捜査は被疑者ではないのですよ。参考人なんですよ。参考人は出なくてもいいのですよ。言わなくてもいいのですよ。それを、四千五百人くらいの組合員のうち、現在千三百人も参考人の出頭を求め、捜査が行なわれておる。学校の教育現場でそういうことがあってもかまわぬのだという考え方ですか。好ましいと思うのか、好ましくないのか。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○有田国務大臣 それは警察のほうでやることでありまして、私はさっき申しましたように、教育に支障のない限度においてやられるということは当然のことだと思います。その授業中にやったかどうかというようなことは、私はその事実を存じません。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 事実があったらどうしますか。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○有田国務大臣 事実と言いましても、そういうのがはたして教育上大きな支障があったかどうかということは、よく調べてみないとわかりませんから、仮定の上に立ってこうだ、こうだと言うことは、この際私は言明できません。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 それならば、これはあとで理事会に、県警本部長なり県の教育長なりを参考人として呼ぶことをはかりたいと思います。  次にお尋ねをいたしますが、佐賀郡の大和町の教育長が、捜査に行く警察官に紹介状を書いてやる。だれだれ先生に御紹介しますと、だれだれ先生に警察官を紹介をして、よろしくお願いをします。これは好ましいですか。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○斎藤説明員 いま先生おっしゃっているように、佐賀は全教員の四三%が授業に支障あるような行動をとったのでありますから、これはきわめて重大な事例だと思うのであります。そういう事態にあって、そういうときにあたりまして、いまお話しのように、任意にいろいろな状況を知る、任意の参考人を調べる方法としてどういう方法がいいかということは、それぞれ当局者の御判断があると思います。それを一々いいとか悪いとか私が申し上げることではない、かように存じます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 これは刑事訴訟法上も問題があるのです。刑事訴訟法の百九十七条には、「公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。」こういうあれはあります。しかし、機関の者が、教育長が紹介状を書いて、そうして警察官の自宅訪問をさせている。そのことが望ましいか望ましくないかを聞いている。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○斎藤説明員 望ましいか望ましくないかは、そのときどきの状況によって違うと思いますから、一がいに言えません。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 まあ、それだけ鉄面皮であればもう追及のしようがありませんが、教育長が警察官の紹介をする、犯罪者をつくろうとしている、それが状況に応じてでなければわからぬと言って、基本的な姿勢を言えない。それが文部省の一貫をした姿勢だ。  次には、佐賀県の多久市では地教委が校長を招集して警察に調べさせているわけです。これも望ましくないという知事からの申し入れで、その後はそういうことが行なわれていない。知事のほうが文部大臣や初中局長よりももっとしゃんとしているのですよ。学校の現場に混乱を起こさしちゃいかぬ、県政の一環の問題だ、それぞれ独立の機関としてのたてまえがあるが好ましくないということで、勇気を持ってちゃんとやっている。あなた方は何ですか、その姿勢は。もう少しきちんとしたらどうか。だから、秘書官は法律に触れないからいいんだ、そういう考え方だ。それはうらはらだ。そして私が行きましたのは二十四日と一日、そのころは千人であったけれども、現在は千三百人。どんどん広げていく。何のためにそんなに広げる。そういう報告は県教委から受けているでしょう。そんなにどんどん広げていくことについて、教育現場には混乱が起きるし、あとに長いしこりが残っていく、深いしこりが残っていく。どう思いますか。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○斎藤説明員 こういう混乱が起こらないほうがいいということは、私も当然考えます。ですから二一ストの前に、私どもとしてはできるだけこういうことの起こらないように綿密な指導をしたのであります。ところが実態は、いや処分覚悟の上だということでいろいろなことが行なわれた。その実態をお考えになっていただかないと、私どもが教育に騒ぎが起こればいいと思っていると簡単に言われてははなはだ困る。われわれはこういう事態が起こらぬようにしよう、こんなにたくさんの人々が参加をして授業が行なわれないというようなことのないように極力指導したのであります。しかし、遺憾ながら実態はこのような違反の状況が出た。それに対しましては、、われわれは、将来のこともあるから、これはそれぞれの任命権者において厳正適切な措置をとってもらいたいということを要望しているのであります。その場合にどういう判断をなすかということは、これは土地土地の事情によりまして、任命権者自体の考えることでございますけれども、その状況にかんがみて、将来にいろいろな問題が起こりますから、違反を覚悟でやるという者に対しまして、やはり適切な処置ということが私は必要だろうと思います。  ただいま御質問の警察の状況がどうかということについて、佐賀県の教育委員会から報告を受けておるかということにつきましては、先般も担当の課長等が集まって状況を聞きましたけれども、その際にも特にその点については報告を受けておりませんので、実情を承知はいたしておりません。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 やむにやまれないこうした行動に入った原因は何ですか。追い込んだのは何ですか。(「法律違反」と呼ぶ者あり)違反じゃない。全逓中郵の事件の最高裁の判例でも、国家公務員、地方公務員についてもその行動権はあるのだということが今度はっきり出ておる。大体こういうあれに追い込んだのは、大臣何が原因だと思いますか。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○斎藤説明員 いまとにかく半日の授業を休んだ佐賀の事例を出されましたけれども、四三%の職員が参加しておるということ自体は、これはどういう動機があろうともきわめて異常なことであるというふうに考えざるを得ないのでございます。これがやむにやまれないからやっていいことだというふうには私どもは考えておりません。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○有田国務大臣 どうも川崎さんは基準をごっちゃにされておるのじゃないか。あなたは人事院勧告を完全実施をしないからこういうことが起こるとおっしゃいますが、人事院の勧告というものは、これは勧告ですよ。われわれは政治的にできるだけこれを尊重して完全実施したいという気持ちはあるのですよ。しかしながら、国家公務員は、これは憲法二十八条におきまして、もちろん基本的労働権はありますけれども、国民の奉仕者として、全体に対する奉仕者として、これは一つの制約を受けるということは当然のことなんですよ。でありますから、御承知のようにスト権は禁止されておる。これは三公社五現業とは違う。国家公務員、一般のホワイトカラーなる地方公務員は違うのですよ。これは人事院勧告をあくまで完全実施をやるべしとなれば、日本の三権分立がこわれてしまうのですよ。これはあなたよく御承知でしょう。だから、政府並びに国会に勧告して、それはやはり政府と同時に国会も責任を持つという、この三権分立の基本が流れておるのですよ。(「何が流れておるのだ」と呼ぶ者あり)そのくらいのことはわかってもらわなければ困る。勧告というものと、一方で法律で禁止しておるということは、これは根本が違うということ、その上に立って議論を進めないと、政府としましては、人事院というものを置いて——地方公務員なり国家公務員の生活を擁護するという立場から、ああいう制度をどうしても置いて——勧告を尊重することはいいのですよ。しかし、完全実施をやるべし、だからこれはストをやってもよろしいという、そこに大きな飛躍があるのですよ。それをはっきりわきまえてこの問題に臨んでもらわぬと、代償を渡さないからこうこうだということは、これは今後の問題に大きな禍根を残しますから、そういう前提の上に立って、今後そういうことが起こらないように、私らも努力するが、また法律に違反しないようにやるということは、あなたたちも、よく日教組なりそういうことをやった人に対してはともどもに注意して、再びこういうことが起こらないようにやっていくように互いにやっていかないと、これをやるのがあたりまえだというようなことを言われますと、今後教育上に大きな支障を来たす、かように思いますから、ひとつ基本的によく考えてくださいまして、ともどもに日本の教育をよくするために、教師にそういうことの起こらないように、ひとつお互いに、私も努力しますが、皆さんも御協力を願いたい、かように思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 公務員は公務員法が改正されると思っておったわけです。ドライヤー委員会も勧告している。ILOやユネスコ等の教師の地位に関する勧告においても、その点は明確に定めている。これは世界の大勢なんだ。最低基準なんだ。その中で日本はやらぬわけです。やらぬことが悪いのであって、だからだんだん変えていこうということにいかざるを得ないじゃないですか。あの全逓中部の最高裁の判例でもそうだ。判例の解釈を変えようということになっている。そういう基本的な問題を、現行法のいろいろなひっかかりを持ってきて、禁止だ、禁止だ、秘書官のほうは禁止がないからいいのだ、そこに根本があるのですよ。その根本を踏まえずにおいて、それについての責任は何ら痛感をせずして、違法弾圧をする。そららのほうだけに重点がある。だから、あなたが何ぼ所信表明をして、教員の待遇を改善しようとか、あるいは教師の地位の向上について努力しようとかと口で言われても、真実味を持って教師の胸には響かぬわけです。なぜ響かないかという根本、その根本を忘れておって弾圧のほうだけ急ぐ、それが日本の今日の自由民主党文教行政の根本ですよ。だからいつまでたっても順調な方向に進んでいかない。どうですか、もう一度文部大臣の答弁を求めます。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○有田国務大臣 教員というものは非常に大事な立場にあるのですよ。私たちとしては、その教員を何とか尊敬される立場に置きたい、これをしょっちゅう考えている。その尊敬される立場に置かれなければならぬ教員が、学校の大事な授業を休んで、そうして半日ストをやるとかなんとかいうようなことは、これは何とかして慎んでもらわないと、人事院の勧告が完全実施されていないからやってもいいのだというような考え方では、いつまでたっても教員が尊敬される立場に置かれない。だからそれは、完全実施は完全実施、法律違反は法律違反、そこははっきり区別されまして、そうして教員に再びさようなことがないように努力するということが、われわれ互いに文教に携わっている者の当然の道ではないかと私は思うのですよ。ですから、この文教委員会におきましても、せっかく文教の刷新と振興をこいねがってお互いにこうして論議をさしてもらっているのですから、ひとつその辺の立場をよくお考えくださいまして、教員をよく善導してもらって、法律違反を犯さないように努力をしたい、こういう立場でありますので、十分御了解願いたい。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 私は関連をして大臣並びに警察庁にお尋ねいたします。  いま川崎君のほうから追及をされている問題は、刑事問題としてなされた行為が適当であるかどうかということに対して、教育権を守る文部大臣としての立場から、あるいは文部行政当局の立場から、これに対して適当であるかどうかという問題に集中をしている。それをいわゆる民事的な法律効果の問題に発展をさして論及をされないように私は前もってお断わりを申し上げておきたいのですが、いま論議をしております問題は、これはやはり刑事弾圧の問題として取り上げておる問題でありますので、その点で、刑事訴訟法の上から見ても、あるいは人権宣言の上から見ても、警察のやり方が適当であると判断をするかいなかという問題を論議をしているわけです。  そこで、具体的にはいまそういうような追及がなされました。私はここで大臣にお伺いをいたしたいんですが、大臣は、十月の二十六日に出されました中郵事件の最高裁の判決の内容については、これをよく御承知だと思いますが、ごらんになりましてどういうふうにお受け取りになっているか、私はその点をまず第一にお聞きをしたいのであります。  なお、斎藤局長にお尋ねをいたします。斎藤局長も当然この問題については、きわめて重要な判決の内容でありますので、熟読玩味されておると思いますから、あなたはどの程度までその内容を御承知でございますか、それについてお答えを願いたいのであります。  それから警察庁にお尋ねをしますが、やはりこの問題については、法理論的にきわめて重要な内容を含む判決の中身があります。したがって、あなた方が刑事訴訟法に基づいてこれらの問題を調査をし、これから証拠を固めて検察庁に書類を送る、こういうような場合には、当然この判決の趣旨というものを十分織り込んで、法の運用というものについては、単に実定法があるだけであるからという立場でなしに、法の解釈、運用については最高裁のこの判決の趣旨というものに従って運用をされるべきだと私たちは思っているんですが、そういうような考え方に基づいてあなた方は指導をしておられるかどうか、この点についてお伺いをしておきたい。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○有田国務大臣 この間の最高裁の問題は一応拝読しました。私はあれを見まして、比較的明確になった点があると思うのですよ。それはそれといたしまして、あれは主として三公社五現業——国家公務員といいましても、御承知のとおり、郵政従業員なんかと、一般のホワイトカラーといいますか、一般公務員とは非常に違うんですね。あれを見まして、私は一般の国家公務員には影響のない問題だというように解釈をし、また同時に、地方公務員にも関係、影響はない、こういう考えで私はあれを拝読しました。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○斎藤説明員 いわゆる中郵事件の判決につきましては、労働基本権という観点では、憲法二十八条には、勤労者の団結、団体交渉権、争議権等の保障というものが、公共企業体の職員、もとより国家公務員、地方公務員も原則的に保障を受けるべきものであるということが述べられております。そのことは、私ども従来ともそういうふうに考えておりました。ただ、今回の判決で、争議行為をした者に対する刑事制裁の問題につきまして、現行の公労法は争議行為違反に対して特別の罰則を設けておらない。また、この法律は刑事免責に関する労組法の一条二項の適用を排除してない。これはその争議行為に対して民事責任を負わせるだけで足りる、刑事制裁をもって臨むべきではないという基本的な態度がうかがわれると思います。しかし、そのことは、つまりさいぜんから御質問のございました国家公務員並びに地方公務員につきましては、これは明確に地方公務員につきましては三十七条等の問題がございまして、刑事制裁に関する規定もあるわけでございますから、そのことがいま御論議になっております問題との関連は私は生じない、かように考えております。  それからもう一つ付言いたしますと、この争議権の問題を、いろいろ地方公務員にも与えるべきだという、こういう立法論としては、川崎先生おっしゃっておりましたけれども、そのことをもって直ちに現行の公務員制度、身分保障プラス争議権というような形のものはあり得ないのじゃないかと私は思うのであります。これは公務員制度の基本的な問題と関連する問題でございまして、むしろ教職員につきましても、これは明治以来の官吏と同様の身分保障、分限等を設けておりまして、そうしてそれによって法令により明確に給与を保障し、分限等につきましても十分な保護を与えておる。私どもは、その保護の制度は教員の地位を確保するために現行制度でいいというふうに考えておるわけであります。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備課長)

○後藤説明員 この前の十月二十六日の最高裁大法廷の全逓中央郵便局に関します判決、これはただいま大臣及び文部省の局長からお話のありましたところで尽きていると思います。なお、私のほうから補足させていただきますと、申し上げるまでもなく、あの判決は、全逓という三公社五現業に所属する組合、その争議行為でございます。しかもなお、これは職場を離脱したという、いわゆる暴力を伴わない債務の不履行といいますか、労務を提供しないという不作為による犯罪ということで、郵便法の第七十九条の条文に触れるということで起訴され、裁判にかかっておったものでございます。  まずあの判決は、大臣もおっしゃいましたように、これは国家公務員法ないしは地方公務員法の適用を受ける対象者に関する犯罪ではございませんで、公共企業体等労働関係法の適用を受ける三公社五現業、そのうちの五現業の一つである全逓職員に対する判決でございます。そうでございますので、まず法の規制としての対象が国家公務員ないしは地方公務員と違っておるという点が一点言えると思います。  それから第二に、あの判決の中ではいろいろ出ておるわけでございますが、一般的に公務員といえども憲法第二十八条の勤労者であることには変わりはないから、その意味の行動権というものは保護されるということでございます。しかしながら、同時に、公労法第十七条、これは一般に三公社五現業の職員が争議行為を行なうことを禁止しているものでございますが、この条文は憲法に違反するものではないということをうたっておるのでございます。そういたしまして、ただいまお話がありましたように、労働組合法第一条第二項という刑事免責の規定、このことが問題になるわけでございますが、公労法の中には、労働組合法の第八条にあります民事免責規定、これは排除いたしておるのでございますが、労働組合法第一条第二項の規定を適用しないということは書いてございません。したがいまして、公共企業体あるいは五現業の職員、つまり公共企業体等労働関係法の適用を受ける職員に争議行為があった場合に、それが民事上の責任を負わされることはともかくとして、刑事上の責任を負わされることはどうであるかということについては問題があったわけでございますが、これは御承知のように、昭和三十八年の三月十五日の判決によりまして、これは最高裁の第二小法廷の判決でございますが、これによりまして、公労法によって一般的に全面的に争議行為が禁止されている以上、三公社五現業の職員が争議行為を行なった場合においては、あえてこれは刑事免責の規定がありやいなやということを問う必要はない。つまり、労働組合法第一条第二項は当然適用を除外されるものである、こういう立場から、その点の議論は必要がないということで有罪ということになったわけでございます。その判決が今回の場合にこれが否定をされたのでございます。したがいまして、この点は私ども今後取り締まりの上で十分に考えていかなければならぬ問題であると思います。  それからまた、この問題になりました事件は、冒頭に申し上げましたごとく、これは単なる労務の不提供という行為であります。不作為の行為に対する罰則の適用ということになるわけでございます。一般に労働組合法第一条第二項の正当なる争議行為の範囲というものが何であるかということにつきましては、学説、判例、いろいろございますが、確立した判例では私ども、労務の提供をする、つまり、労務の提供をしないということが正当性の限界であって、それ以上に積極的に使用者側の権利を侵害するようなことは許されない。それは違法である、こういうことになっていると承知いたしております。したがいまして、今回の判決におきまして、まず一般的に申し上げますならば、労務の不提供にとどまるような争議行為につきましては、三公社五現業の職員につきましても、もう一ぺんあらためてそれが正当性の範囲内にとどまっておるかどうかを判断することであると考えております。  それから、なおこれは不作為の問題でございますけれども、今度の判決の中では、不作為のものであっても、暴力を伴う場合、あるいは不当に長期にわたって国民生活に重大な障害を与えるような場合、あるいは政治目的をもってするような場合には違法性を失わない、こういうことをうたっておるのでございます。したがいまして、単なる債務の不履行でありましても、それが三つの条件等に該当する場合におきましては、これはやはり違法になると考えております。したがいまして、それ以上にさらに積極的に権利を侵害するような場合には、これは労働組合の業務不履行の適用はあるといたしましても、同様にこれは違法になるものと考えております。  それから、さらに裁判所の判決の中に言っております中には、ただいま局長もお話しになりましたように、公労法の中にはそれ自体に罰則の規定がないということが一つございます。しかし、国家公務員法、地方公務員法、それぞれ罰則をそのまま書いてございますし、それからまた、労働組合法の適用はないことにつきましては、国家公務員法、地方公務員法、それぞれ明文をもってその適用を排除しておるのでございます。したがいまして、今回の判決は、公共企業体あるいは五現業、公共企業体等労働関係法のその適用を受けます職員の労働争議につきましては、今後私ども十分この趣旨にのっとって取り締まりをしなければならぬと存じますが、国家公務員、地方公務員につきましては、従来の方針どおりさしつかえないものと考えておるわけでございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 だから間違いがある。問題は、なるほどあなたがいま言うように、対象が異なる公労法第十七条違反の争議行為であっても、一定の限界にとどまる場合においては刑事制裁の対象にはならない。これが今回の中郵事件の最高裁の判決ですね。今回の場合、一般の組合員の場合には、あなた方が参考人としていま取り調べを行なう、あるいはその手続に基づかない違法な行為をあなた方の警察官の中にはやっている者もある。私も現に見てまいりました。そういうようなのがいまなしている行為というもの、いわゆる単純な不作為の行為、こういうようなものは、これは国家公務員であろうが、地方公務員であろうが、刑事罰の対象に現行規定もなっていない。なお、最高裁の判決も、公労協の職員についても同じようにすべきだ、こういうことになっておるわけですから、いわゆる債務不履行につきましては民事的な効果が伴うにとどまっておるのであって、刑罰を科さないのが、この人権的な宣言の趣旨から見ましても、この最高裁の判決から見ても当然のことではありませんか。  じゃ、あなたにお伺いをしますが、今回、暴力行為を伴う行為がありましたか。暴力行為を伴う行為があれば、これは別です。しかし、これは単なる公労法関係の職員に適用されるのではなくて、判決の趣旨、内容というものをつまびらかにしていくならば、憲法二十八条に関連をして、いわゆる公共の福祉と労働基本権の制限との関係を具体的に、実体的に法理論の上から論じておりますね。それは単なる公労協の職員だけにとどまらず、これは国家公務員も地方公務員も同じ勤労者として同じように考えるべきだということを言っているじゃありませんか。しかも、現行法において、単純な不作為行為を行なった者に対しては刑罰を科さないのだということが地方公務員にも出されておる、にもかかわらず、あなた方はその背後には、そういうような不作為行為を行なった職員を教唆、扇動し、あおり、そそのかした者が被疑者として浮かんできた、だから、その被疑者を逮捕するために、あるいは捜査をするために、一般の組合員あるいは非組合員、そういうような者から供述調書をとって、証拠物件を整えた上で起訴しようと考えているわけでしょう。ところが、それについてやり方がおかしいじゃないかと私たちは言っている。というのは、あなた方が参考人として取り調べを行ないたいならば、法に基づく行為として、呼び出し状というものを出して、所定の場所に呼んできて参考人として調べる権利はあります。しかし、参考人として呼ばれた者は、それを拒否する権利がある。どうしてもあなた方が必要であると思ったら、裁判所に証人喚問の手続をすればいいじゃないですか。そのときでも、裁判所の出頭命令に応じなかったとしても、単なる罰金刑で済むだけじゃないですか。それを佐買の場合には、私も実態調査に行ってまいりましたが、職員室に、校長室に警官が乗り込んできて、そうしてお客さんがあるからといって校長にうそを言わして——なるほどお客さんには違いないです。授業中に、生徒がおるにもかかわらずそれを職員室に呼び込んで、そこで事情を聴取し、調書をつくろうとする。あるいは、いまから一家そろって楽しく夕食を食べましょうというときに警察官がのこのこやってくる、そうして戸別訪問をして調書をつくろうとする。これが一人や二人ではありませんよ。組合員は四千五百人しかいないのに千三百人にそういうようなことをやる。これは捜査の行き過ぎだと私たちは言わざるを得ないじゃないですか。そのことは正当な捜査権の範囲内に基づいた行為ですか。こういうようなことが行なわれたら、いわゆる警察権力がいやがらせをしておるということになる。その単純な債務不履行者はあなた方の取り締まりの対象にならないじゃないですか。そういうようなことをやっている。これははたして正しいと言えるかどうか。なお、そういうようなことに対して、斎藤さん、あなたは、それは警察権力の行使であって、私たちがとやかく言う筋合いのものじゃありません、こういうような考え方をお持ちになるのが文部省なんですか。文部省はそういうような違法な不適当な行為によって学校教育現場というものが乱され、教育に従事する学校の先生方の気持ちが撹乱をされる、そういうようなものに対しては、それは成規の手続に従っておやりなさい、罪人扱いをしてもらったんじゃ困る、このことをあなた方は言うべきじゃありませんか。それが言えないような考え方を持っているところに、いわゆる刑事罰も行政罰もごちゃごちゃにしたような考え方、権力によって教育を支配しようという考え方があるからじゃありませんか。そういうような事実があったとするならば、それを知らないならば、調査をいたしまして適切な指導をいたしますと、なぜあなたは答えないのです。それも言えませんか。調査もしないでほったらかしておくのですか。それが教育を守る文部省としてとるべき態度でありますか。大臣、その点をお答え願いたいのであります。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備課長)

○後藤説明員 私のほうから先に申し上げます。  まず、先生いろいろおっしゃいましたが、この間も十月二十六日の最高裁大法廷の判決と今回の日教組のやりました事件に関する捜査との関連、これは直接の関係はないということは第一回に申し上げたわけでございます。いま繰り返し、一般のいわゆる債務を履行しなかった、つまり、一斉に休暇をとった先生方は単なる債務の不履行者であって、被疑者ではない、犯罪者ではない、これはおっしゃるとおりでございます。私どもは、それらの一般の先生方、いわゆるあおり、そそのかされた先生方が一斉に休暇をとられた、このことに対しまして、一斉休暇という戦術をとられた先生方に対して、これを被疑者として扱ったことは一ぺんもございません。ただいままでは参考人として調べておるのでございます。  それからまた、それでは一体どういうことかということにつきましては、もはや繰り返す必要はないと思いますが、問題になっておりますものは地方公務員法三十七条及び六十一条でございます。これによりまして、一般の参加者、これは処罰の対象にはなっておりません。しかしながら、争議行為の遂行を共謀し、あおり、そそのかし、またはこれらの行為を企てた者は、これは刑罰に触れるのでございます。したがいまして、そういう者を被疑者、犯罪者といたしまして捜査をすることは、これはもう警察として当然の責務でございます。そういたしまして、この事件は、申し上げるまでもなく、たいへん全国的にわたりまして多数の教職員が休暇戦術をとっておられ、休んでおられるわけでございますので、このあおり、そそのかし行為によりましてそういう行為をとられた方が非常にたくさんございます。したがいまして、いきなり被疑者に当たるというようなことは必ずしも捜査の常道ではございませんで、まずその実情を究明いたしまして、そうして、その中から被疑者を十分にしぼっていき、さらにそれに対する証拠を収集していくというのが捜査のやり方でございますので、ただいままでそういうような捜査を進めておるわけでございます。  なお、これが違法であるかどうかということにつきましては、私ども決して違法な捜査をやっておらぬと確信いたしております。その根拠は、刑事訴訟法第二百二十三条の規定でございます。これによりますと、被疑者以外のいわば証人、つまり参考人を呼び出して調べることはできる、こういうことが書いてございます。それを先生は、呼び出せばいいではないかというお話がございました。呼び出すということは、呼び出さないで調べてはならないということではございませんで、呼び出すことすらできる、それからまた調べることもできる、しかし、もちろん先生がおっしゃいましたとおり、出頭しないこともできれば、出頭してしゃべらないこともできるし、あるいは帰りたければ帰ってもいい、これは刑事訴訟法のたてまえでございます。そのたてまえを貫きまして、私どもは、参考人の方々には、できるだけ犯罪の実態を究明するという立場から、その実情を明らかにするために、御迷惑のかからない時間に、御迷惑のかからないような方法でその調べを進めておる、こういうことでございますので、わざわざ警察署まで出てこいというようなことをこの呼び出し状でやるなどということは——もちろんやった例もございますけれども、必ずしもそれが妥当な方法ではない。やはり先生方の御都合のいいところに、また、いいときに、いい場所に行って事情を聞くのが、これは捜査上当然のことでございます。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○斎藤説明員 ただいま警察の申されましたように、三十七条に関する刑事制裁に関するところを調べますのには、参加者がどういう方法によってこういう一斉の行動をとったかという事情を知らなければ、おそらく被疑者というものが確定してこないという観点で、参考人としてお調べになっておるというふうに思うのであります。私どものほうは別個に、これは教育行政の観点から、それぞれ任命権者であります府県の教育委員会におきましても、あるいは直接職員を監督いたします地方教育委員会にいたしましても、あるいは日常の行動につきまして指示をいたします校長につきましても、それぞれの事情を聴取しておるわけであります。これが全くその事実がなかったなら、先生のおっしゃるように、行政的な処分の対象にならないような実態があるのに架空のことを調べているというなら、確かに問題でございます。しかし、これは学校ごとの報告というものを教育委員会が聴取して、しかも、明瞭に授業を休んで、服務命令に違反して参加したというのが、佐賀の事例で申しますならば半数近くも起こったという実態をお考えになってみないと、これを調べていることがいい悪いということは簡単に言えないのであります。これは非常に大きな規模で行なわれ、しかも、御本人たちも服務について、はっきりこれに参加してはいけないということを知りながら行ったのであります。これをあいまいにしておきまして、問題を、服務違反であるかどうかも明らかにしないような状況であって、しかも、後に法律に触れるということを問うのであれば確かに問題でございますが、そういうことをおそれましたがゆえに、文部省といたしましても、府県の教育委員会にいたしましても、事前に十分に個々の先生方にそういう行動をなすべきではないし、また校長の命令に違反したならば服務違反の問題が起きるということを個々にかなり徹底をしておって、それを御承知の上でなさった行動がこういうふうに大きくなったのでございますから、その点の事情はきわめて特異な事情であるということを御了解願いたいと思うのであります。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 私は関連ですからあまりしゃべりませんが、いまの斎藤さんの態度は、あなたは私の質問にまともに答えていない。ほかのことをしゃべっておる。そんな答弁をそらしてはいけません。もっと誠意をもってお答え願いたいのです。そうでないと、文部行政が警察行政とぐるになってしまう。教育権というものは、守るべきものは守らなければいかぬと私は思うのですよ。東京都の校長会が、学校に官憲が立ち入ってもらうのは困るということでちゃんと断わっておるではありませんか。そういうようなところから、今度は、これもまた行き過ぎですが、警視庁は学校長に当日の参加状況について文書回答を求めております。そういうようなものがはたして適当な教育行政と言えるかどうか。  この点については、後ほどまた長谷川さんから追及がされるかと思うのですが、私は福岡県の県警本部長と会いました。あそこはあなた方知っておるように、教唆、扇動をしなくても、当然人事院勧告を——これは最高裁の判決の中にも出ておるのですよ。労働基本権の制限に見合う代償措置が講ぜられなければならないとなっておる。その代償措置を戦後十八回にもわたって完全に講じていないじゃないですか。だから、そういうような労働基本権と公共の福祉という概念とを調和する規定として、こういうように最高裁が判示しているわけです。そういうような行為に対して当然措置がされないということについては、われわれの権利としてそれを要求する行為は労働法の行為なんです。ですから、そのような立場からいわゆる賜暇闘争を行なった。これは本部から行って、こういう次第だからやらなければだめですよといって、オルグがかけ回らなければならないような弱いところじゃありませんよ。教唆、扇動しなければ動かないようなところじゃないです。そういうような教唆、扇動をしなくとも、当然組合の決定に従って、これは自分たちの生活権を守る行為としてやっておる。犯罪行為でありません。それを捜査をやらなければならない。あおり、教唆、扇動した者をあなた方は見つけようと思っても見つけることはできない。事実上ない。そういうようなところに手入れをして——手入れをした理由は、私は政治的判断に基づくものと言わざるを得ない。大体、四県だけ選び出して捜査をやっておるということは、これはまさに政治的判断と言わざるを得ないじゃないですか。そういうような立場をとりながら、いまあなたは何と言いましたか。呼び出しをかけている。警察署以外で調べてならないという規定はないとおっしゃるのなら、呼び出しをかけても、本人が行く行かないという意思決定ができるのが、これが人権の規定なんですよ。だから、警察に協力しようと思うのと、協力はしなくともいいと思うのとは、これは個人の自由判断だということが基本的人権じゃありませんか。それを基本的人権を踏みにじるような行為をあなた方の所管の職員がしている。これは行き過ぎであると言わざるを得ないじゃないですか。あなたはまだそれでも、夕食どきにそういうようなところにのこのこ出かけていって調書をとって回る、そういうようなのが正しいとあくまでも主張されるわけですか。私はそのことをあなたに追及をしている。しかも、今度の最高裁のこの判決の内容というのは、これは新たに、いままでは判例として示されていない事項が二つほどある。今度の判決の内容には、単に公労協の職員だけでなくて、国家公務員も地方公務員も、公務に従事する者はこうでなければならないという判例が出されているじゃありませんか。それは、違反者に対して課せられる不利益は、必要な限度を越えないように十分な配慮をしなければならない、特に、単純な不作為行為を刑罰で処分することは、これはいけないと書いてある。労働基本権の制限に見合う代償措置が講じられなければならないというのが、具体的な労働基本権と公共の福祉の規定内容の新たな表現として、実体的に法理論として示されているじゃありませんか。そういうようなのを考えないで、これは形式論として、公労協の職員だけが適用される判決である、こういうような答弁をなされてみたり、あるいは、いま言ったように、ところを選ばず、どこでも警察官がそういうような強制捜査まがいな行為をやっている。基本的人権はどこに守られますか。そういうようなことをやることが、教育の現場に不要な混乱を引き起こす。しかも、文部省が——斎藤さん、聞いていなさい。そういうような不見識な行為をそのまま認めておいたら、教育者の人たちが文部省に対する信頼度をますます失っていくということを私は懸念をするから、やはり教育権という立場はこれは重大な問題だということを認識をして、行き過ぎは改めるように、事情を調査してそういう事実があるならばそれは申し入れをすると、率直にあなたは答えるべきですよ。そういうようなことが答えられないようでは、有田文部大臣、あなたのその善意ある発言は実効を来たさない、ますます文部省は反動の道を歩むのだということを国民に印象づけ、先生たちに印象づけることをあなた方自身がやろうとしているじゃありませんかということを私は言いたい。どうですか。行き過ぎた行為が調査をした結果あるならば、当然改めるべきは改めていくのが、私は文部省の責任者として大臣がとるべき措置であろうと思うのですが、それもお答えできないでありましょうか。その点について見解をお尋ねしておきます。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備課長)

○後藤説明員 まず私のほうからお答え申し上げます。  第一点の、政治目的をもって今回の捜査が行なわれておるということでございますが、私どもはそういうような考えは毛頭ございません。これは明文をもってきめられております法規をそのまま適用いたしまして、犯罪容疑のある者について捜査を行なっておるのでございます。  また、先生、四都県だけに限っておるということを引き合いに出されましたけれども、私ども捜査をいたしておりますのは、捜索令状をとりまして捜索をいたしましたのは四都県でございますけれども、それ以外の県におきましても、それぞれ所要の捜査を行なっておるのでございます。  それから、代償措置の問題がございました。これは私どもから直接お答えをする限りではないと思いますけれども、私どもの立場といたしましては、その犯罪——これは私どもは明瞭に犯罪と思っておるわけでございますが、その犯罪行為に至るべき理由はいろいろあろうかと思います。しかしながら、それらは情状として酌量されることはありましても、犯罪を構成するということにつきましては何ら影響はないと考えております。もし犯罪が成立しないとするならば、それは何らかの意味において、違法性を阻却するとかあるいは犯意がないとか、そのようなものでなければならないと存じます。そのようなことでありますので、代償措置を要求せられるというのは、それぞれにやはりそれ相当の法のきめておる手続というものがあろうと存じます。したがいまして、それらを全然不問に付しまして、法によって明瞭に禁止されております禁止行為に出るということは、やはり穏当ではございませんので、それが刑罰法令に触れます場合においては、私どものほうで当然捜査をすべきであると考えるのでございます。  それから、強制捜査まがいであるというお話がございました。私どもは人権の尊重ということにつきまして十分に配意をいたしておるつもりでございますが、学校で調べるとか、あるいは自宅に訪問したとか、いろいろございます。これは警察署あるいは派出所で、出頭に応じた先生の参考人の供述をとった、これもございます。それから自宅に訪問したのもございます。それから学校でやりましたもの、これは非常に数は少のうございますけれども、ございます。これは理事者側であります校長先生とも連絡をとりまして、先生の授業に差しつかえないような、また、学校からたいへんに遠い場所から通っておられるというような方について学校で事情を聞いたというようなことはあるようでございますけれども、それ以上に立ち入って強制にわたるというようなことは一切いたしておらぬと考えるのでございます。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○斎藤説明員 私どもも、単に刑事問題だけでなく、あるいは行政処分の問題につきましても、できるだけ教育が静ひつに行なわれ、児童生徒に影響を及ぼさないということはもとより念願することでございます。また、文部省が一々ものを申さなくても、それぞれの責任者であります教育委員会なり学校長の指示に従って、的確に教育活動が行なわれるという事態が最も望ましいことだと思うのであります。  警察との関係でございますけれども、およそ静ひつな教育が行なわれ、問題がないのに、いたずらに警察が学校の場に入るというようなことはあり得ませんし、また、そういうようなことがありますれば、はなはだ困ることでございます。今回の問題につきましては、警察はただいま申しましたような三十七条違反の刑事事件に関連して必要な調査をなさっておるわけでございますから、私どもはそれは警察の判断に基づいて必要最小限度の行為が行なわれているということを思っておりますけれども、もし先生のおっしゃるように、絶対に不必要な、あるいは非常に行き過ぎな行為があるということがはっきりいたしますれば、もちろんわれわれとしても警察にそういうことのないようにお願いすることにはやぶさかではございません。ただ、今回の事態は非常に異常な事態でございますので、通常の状況をもって判断できない非常に広範囲な問題があるということは御了承願いたいと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 警備課長は、強制捜査はない、こう言われました。刑事訴訟法の百九十八条は、先ほど言われたように、拒んでもいいとありますね。それから刑事訴訟法百九十八条の第二項に「前項の取調に際しては、被疑者に対し、あらかじめ、自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げなければならない。」こういうふうになっておりますね。しかし、佐賀で現実に行なわれているその捜査には、百九十八条の第二項のこういうことは一切行なわれてないのですよ。そのことが一つ。  次には、具体的に名前をあげましょう。佐賀警察署の刑事第一課の刑事山崎晃、これは女の先生の自宅にすでに三回押しかけてきている。そしてこう言っている。おれは鬼刑事といわれている、いかなる手段を用いても目的は絶対に果たす、何回でも来る、そして絶対に調書を取ってみせるぞ、言わぬのなら、とるべき手段がある——これは強制捜査じゃありませんか。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備課長)

○後藤説明員 まず、刑事訴訟法第百九十八条の御指摘でございましたが、これは被疑者に関します規定でございます。これは被疑者に関しましては不利益な供述を拒否するという、いわゆる拒否権が認められておりますので、念のために、被疑者を取り調べる場合においては、供述拒否権のあることを告げるというのが法の命ずるととろでございます。しかしながら、参考人につきましては、先ほど申しましたように、刑訴法の二百二十三条でございます。これにつきましてはそのような規定はないのでございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 それでは、参考人ならばこういうおどかしをやってもいいというのですか。そういうことですか。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備課長)

○後藤説明員 失礼いたしました。答弁が途中で切れてしまいまして、申しわけございません。  第一点の第百九十八条の関係はそのようでございます。  それから、いま具体的に佐賀県の刑事の話が出ましたので、その事実につきまして十分に調査をいたしまして、かりにそのような言動があったといたしますと、はなはだ不穏当でございますので、これは即刻改めるようにいたさせるつもりでございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 いま認められたように、これに類することがあらゆる方面で行なわれているのです。ですから、この点は、行き過ぎは絶対ないと先ほどあなたは断言されたが、そうじゃない。このことをまず申し上げておきたいのです。ひとつ、厳重に佐賀県警本部のほうには、捜査の行き過ぎ、そういう点についてはきちっと指導をしてもらいたいと思います。  それから次には捜索令状の問題でありますが、ここに捜索令状の写しがあります。これは十月二十日に出されているのです。行動が行なわれたのは十月二十一日、前日に捜索令状がすでにとられている。全国このように各県捜索令状を準備しておくように指導されたのですか。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備課長)

○後藤説明員 先ほど佐賀県のほうに対して話をするようにということでございましたので、これ一点に限りませんで、同様にそうした不穏当な言動をなすということにつきましては十分に戒めるように、佐賀県のみならず関係の県に言うつもりでございます。  それから、ただいまの件は、これは警察庁が指導するという趣旨ではございませんで、ただ、全国一斉に行なわれましたものでございますが、いろいろと調整をするというような必要もございますし、あるいは、その具体的な取り締まりの進め方等につきまして、関係方面とも——関係方面と申しますのは、検察庁あるいは法務省等と連絡をする必要もございます。そういう関係で、警察庁が中心になりましてと申しますか、その世話役をいたしましたことは事実でございますけれども、あらかじめ何日に捜索令状をとるようにというようなことを言ったのではございません。もし二十日にそれをとったといたしますと、おそらく捜索令状を発付されるだけの資料がその段階においてすでに整ったものと考えております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 途中であれですが、大臣が一時にはどうしても出られなくちゃいかぬという御予定のようですから、たいへん不本意でありますけれども、中断をして、すでに理事会で決定いただいております出光丸の問題にちょっと触れておきたいと思います。  出光興産がこの出光丸というマンモスタンカーをつくった。その出光丸について見学をさせたいというので、出光興産のほうから文部省の初中局長のほうに、全国から中学校の三年生を一万人呼びたい、引率の先生もつけて呼びたい、こういうことに対して、文部省の中等教育課長の名で各県教育委員会に対して出光丸見学についての内簡を出しておるのです。大臣御存じですか。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○有田国務大臣 きのうちょっとそういう話を聞きましたが、詳しいことは、私存じません。関係の局長をして答弁させていきたいと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 一企業が全国から一万人の子供を呼ぶ、そして、それに先生が授業をやめてついていくわけです。この費用を全部会社が持つ、当然引率の教官の費用も出光が負担することになると思うのです。全国から一万人も、こうした一企業のできたものに対して、なぜ文部省が通達まで出して見学をあっせんしなくちゃならぬのか、これはわからぬわけですね。けさほどの理事会でも与党の皆さん方からも批判的なことばが出ました。文部省がこういうことをやっていいのだろうか。タンカーがあっちこっちの港に入っていって、その地域の人が日曜日とか土曜日の午後とかを使って見るならいいと思うのです。しかし、十二月の十日と十一日に全国から一万人も呼ぶ。これは経費もばく大だと思うのです。しかし、こういう一企業のことを文部省がなぜ通達まで出してあっせんしなくちゃならぬか、そのことをお尋ねしたい。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○斎藤説明員 これは出光興産から、わが国として最大であるだけじゃなくて、世界最大、最新のタンカーができた、これを海事思想の普及のためにも青少年に見せたいという趣旨で、経費を負担をしてその機会をつくりたいという要望がございました。これにつきましては、私どもは、先生おっしゃるように、一企業のことでございますから、その特定の企業の宣伝に利用されるとかいうようなことになりますれば慎重に扱わなければなりません。しかし、企業であるからといって、そういう機会があるのを全部断わるという必要は一つもないのであります。事柄によって判断すればいいことでありまして、海事思想を普及するということは、中学校でも高等学校でも、これは各教科に分かれておりますけれども、相当重要な事柄である、そして、日本の技術水準というものを奉仕をして見せようという機会があるから、都合のつく、それがいいと判断した教育委員会はその便宜をはかったらよかろうという趣旨で、中等教育課長から内簡を出したのでございます。私はそれを承認いたしました。そのことは意義のあることであって、一企業のための宣伝のために文部省がやるというようなことはございません。これは他の例もございましょうけれども、似たような例で、ある企業なりあるいはマスコミ等の関係でいろいろなコンクールを行ない、そしてそれ自体が意義があるということならば、私はそれがいけないことだというふうに毛頭考えておらないのであります。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 これは企業の宣伝じゃないからいいんだ、海事思想の普及だとかなんとかいうことを言っておられる。しかし、それなら、いままでこういうことをやったことがありますか。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○斎藤説明員 私になってからこういうものを内簡で出したことはないと思います。私、記憶がございません。しかし、私はこれは海事思想の普及が意義あるもの……。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 いままでやったことがあるかどうかと聞いている。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○斎藤説明員 私がなってからこういうことをやった記憶はございません。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 それでは、こういうことはよろしいという……。こういうことはおそらく前例になると思います。公私混同、いろいろなことがいま政治の姿勢の問題でもあるわけです。たとえば、製鉄工場あるいは紡績工場あるいはいろいろの工場ができたら、あるいは防衛庁の優秀な船ができたり、あるいはミサイルでもできたらひとつ大いに見せよう、そういうふうなことに発展しかねない。現に各小学校で——福岡等でも小学校で自衛隊の兵器を陳列して見せている。そういうことは、自衛隊の隊員募集の問題で先般やったときでも、局長はきわめてルーズな姿勢を先般の委員会でも答弁をされた。  私は、まず資料要求をします。これまでこういうことについて、文部省が、内簡にしろ何にしろ、あっせんをされた前例についてひとつ資料を出してください。委員長、お願いします。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 はい。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 次には、今回のこういうことを契機にこれからいろいろな企業が要望を出してきたならば、そして、それが海事思想の普及であるとか、あるいは機械産業における粋を集めておるとか、こういうことがあるならば、今後こういうことをやるつもりですか。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○斎藤説明員 これは個々具体的の問題で判断いたします。明らかに宣伝のためにするというような事態で、その事柄自体に意義がありましても、非常に誤解を招くというような事態でありますればやりませんし、その事態事態で判断いたします。私はこれについては取り消すつもりは毛頭ございません。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 大臣にお尋ねしますけれども、こういう一企業が、全国一万人になりますと、これはばく大な経費ですよ。しかも、この要綱を見ても、たとえば北海道、鹿児島、こういう遠いところから来ます場合に、途中における事故については会社としては責任を負わない、こういうことになっておるのでありますが、憲法二十八条なり二十五条なりに関連した基本権の問題についてはきわめてきびしい解釈をし、むしろそれに対しては小さく小さく解釈をしておる。ところが、こういうことについては、いいことだ、企業のために、あなた方は産業界のこういう要望ならば何でも応じていく。私は、これは決して妥当じゃないと思う。文部省が直接こういうあっせんに乗り出すということは妥当でないと思う。文部大臣、どうですか。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○有田国務大臣 一企業の宣伝に乗せられるとか、そういうことは慎まなければならぬと思うのです。けれども、私はこの件はつまびらかに知りませんが、今度できる出光の船は二十万トンとか、世界で最大の船なんです。日本の科学技術水準がここまできておる、日本は世界の造船国としてここまできておるということを次代をになう若い子供たちに見せて、そして大いに発奮さす、そういうことは、私は教育上非常に大事なことだと思う。ただ、心配なのは、それが一企業の宣伝に乗せられるということは慎まなければならぬ。判断はそこだと思います。そこで、その点は事務当局におきましてもおそらく十分注意を払ってやっておると思うのであります。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 関連して。  大臣の言われるような非常にすぐれた科学そのほかは、博物館なり科学博物館なりそのほかを充実して、そういう公的なもので見せるべきなんで、そういういま言っているような言い方はわれわれも賛成をしますけれども、ここで一出光のために文部省があっせんをして、全国から一万人も小学生をそれに乗せる、そういう行き過ぎをやらなければならぬということについては、私は理解ができない。特に、私はこういう例も知っておる。たとえば、全国の今度の冬季大会に、小学校の生徒が大阪で非常に競技の練習をして、フィギュアで小学生を国体に参加させようと思ったら差しとめになった。これなどは、もしあなた方のいまの論をふえんするならば、こういうものに対してこれを差しとめるという理由は認められない。どうもやることが非常に混同しておるような感じがするわけです。見せるべきだという主張も自民党の中にあるようですけれども、私は、こういうようなことを文部省が公式の書類をもって一会社のためにあっせんして見せるということをやることは、まことに文部省として自殺の行為だと思う。局長はあくまでこれを取り消さぬと強弁しておるようだけれども、検討する意思はないのか。いまここで強弁して、あくまでやるという意思なら、もう一ぺんここで意思表示をしなさい。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○斎藤説明員 私は、こういう種類のものは取り消さなければいけないというふうなものではないと思うから申し上げたのであります。これはいろいろな企業をどこでもあっせんするということではなくて、造船技術の粋を集めて、ともかくかかるものができた、それを中学生に見学させたいということから、希望の向きにはそういう便宜をはかってもいいではないかと考えるだけの問題でありまして、これを文部省が全部見せろというような通牒を出したのでもございませんし、そういう気持ちは私は毛頭ございません。私どもは別に一企業とは関連がないのでありまして、その実態に即して、見せる機会をつくるというから、その便宜をはかれるところはばかったらいいではないかという程度のことだけでありまして、特に私どもも御連絡をとったことが非難を受けるというふうには考えられないのでございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 局長の御答弁を聞いておると、その良識を疑うのです。私は、そういうものを見せる必要があるならば、そういうものを会社のほうから直接小学校やそのほかにこういうことでやりますという行き方でやること自体を何も拒否するものではない。ただしかし、文部省は内簡ということばを比較的軽く考えておるかもしれませんけれども、しかし、地方の教育委員会そのほかにおいては、文部省はこれが内簡であろうと通達であろうと、文部省の文書が出たということになりますと、これは受ける印象が非常に強烈だと思うのです。そういうような行き方をやって、自由意思だからいいのだというような言いのがれ方は、その文書の持っておる意義あるいは効果というものを無視した考え方ではないかと思う。あくまでここで強弁をされるならば、私どもは、この局長に対しては今後考えなければならぬ。これだけ皆さん方の意見があるのだから、これを何も取り消す必要はないのだといって、ここで強弁をされるのではなくて、いま少し受ける印象なりあるいは皆さん方の意見を生かして検討して、こういうくらいのことばはここで当然出すべきだと思うのですが、それをあくまでがんばるならがんばるでよろしい。もう一ぺん言いなさい。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○斎藤説明員 これは私たちは、文書で出したことで通牒ではないから責任がないというようなことを申しておるわけではございません。ここに書いてありますように、文字どおり海事思想の普及啓発のために有意義なことであるので、希望の向きについては見学方のお計らいをしよう、その程度の気持ちでございます。私はそのことを取り消さなければならないというふうには考えておらないのであります。ただ、将来、いろいろ御注意がございました、特定の企業との関係について宣伝になったり何かするということを考える場合によく考えなさいということの御主張はよく承りまして、いろいろ起こります事例につきましては、個々具体的にそういう懸念のないように私どもも判断をして取り扱いたいと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 初中局長にお尋ねしますけれども、往復の途中において事故がもし起きたら、これは引率の教官の責任になるのですか。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○斎藤説明員 見学の問題でございますけれども、クラス全体なり学校全体が参加しないで教職員が付き添う行事というのはいろいろございます。たとえば、海事班のクラブ活動として行く場合もありますし、それからそうではなくて、希望者の希望があって……。(「責任はどうなるか」と呼ぶ者あり)この事例についても、いろいろな形があることを申し上げておるのです。この場合であっても、そのまとまり方によっては、クラブがあってクラブ活動として行くという形もございましょうし、希望者が参加をする、そしてそれを公の上で、学校で欠席と扱うということもございますから、この態様によっていまおっしゃる点は異なるということを申しておるのであります。クラブ活動としてそういうクラブがまとまって行くということであれば、学校の活動との関連が非常に密接になる、それによって責任問題はいろいろ起こるということを申しておるのであります。この事件につきましても、学校の扱い方によっていろいろの差があるということを申しております。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○有田国務大臣 先ほど私の見解を申しましたとおり、日本の科学技術に対して・日本はここまで進んでおるということを若い青年、少年に見せて、日本の偉大さ、科学の進み方そのものを理解せしめることも、私は非常に有意義なことだと思うのです。いまいろいろ論議を重ねられましたが、内簡を出して希望の向きはということを言っておるようですが、別に強制しておるわけでもありません。あくまでこれは希望でございまして、こういうことにつきましては、ほんとうの名実ともに希望の向きだということを十分徹底させたい、あくまでこれは希望だ、決して強制的に行けとかなんとか、そういうしろものでないということは、一そう私は徹底させたいと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 さっきの問題に返ります。  先ほど警備課長は、強制捜査の具体的な例について、あったならば指導する、こういうふうに言われたわけです。現在千三百人までふえてきているわけです。これが教育の現場にしこりを残すということは、先ほどから言っておるとおり、村山委員も指摘しておられるとおりです。だから、この際文部省としては、教育行政機関としての独自性というものをきちんとしなさい。それがやはり必要だと思う。その意味において、不法なる捜査あるいは行き過ぎた捜査、こういうものが続けられることに対しては文部省はき然とした態度で、単に協力をする——佐賀県の教育長はみずから先頭に立って協力をしておるわけです。協力というか、むしろ教育長のほうが先に立って警察のほうの手先のようなことをつとめておる。ですから、そういうことについては、ひとつ文部大臣として、教育行政を前進させる立場から、き然たる態度でこの問題に臨まなければならぬと思う。そのことを警察庁に対して明確にひとつ申し入れていただきたい。  それから、あと教員の待遇改善その他の問題については、これはいずれかの機会の委員会でまた取り上げたいと思います。  最初に大臣の言われた態度はきわめて不十分であります。そういった点については、これからまた追及いたしてまいります。ひとつ警察庁に対する大臣としての明確な態度を示していただきたいと思います。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○有田国務大臣 ものごとは行き過ぎがあってはならない。もちろん、大ぜいの中でございましょうから、いまおっしゃったような行き過ぎの事実がかりにありとすれば、これはもう警察のほうもみずから注意するとおっしゃっていますが、文部省としましても、そういうことに対して行き過ぎは慎まなくちゃならぬ、こう思います。しかし、捜査それ自身は、これはやはりやることは警察としてはもう当然のことであります。私は教育上支障がない限りにおいてやっていただきたい、こう思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 先ほどの同僚の質問の件に関連してですが、最初後藤課長に聞きたいのです。  一つの法律を適用する場合には、やはりそれを適用するについての価値判断があると思うのです。そこで、今度の教員の十月二十一日の半日休暇という問題について、政府のほうで完全実施をしないという法適用をする場合の前提条件に一つの欠点があることは間違いない。しかも、数年間完全実施を一回もしていない。そこでしびれを切らしてこういう挙に出たという、この法適用の場合には価値判断があると思うのです。そこで、捜査の方針に、これは行き過ぎがあってはならない、公正な立場でやれという方針を出すか、あるいは、少し行き過ぎても徹底的にやれというやり方というのは当然中にあると思うのですね。今度はその点についてはどう考えておられますか。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備課長)

○後藤説明員 私ども捜査をやります場合に、常に、公平厳正と申しますか、行き過ぎのないように人権を尊重しながらやる、これはいつの場合でも同じでございます。  今度の場合、先ほどもお話がございましたが、争議権が奪われておると申しますか、禁止されておる、そういう代償としての措置が十分でない、こういうことが原因である、こういうお話がございましたが、これは先ほど申し上げましたように、私ども、今回の事件の動機にはなったろうと思いますが、その限りにおきましては、捜査の面においてもそれは情状として十分に考えていくべき事柄であると思いますけれども、これだけの全国的にわたります争議行為が行なわれたわけでございますので、これを犯罪として問擬しないということは、これはやはり警察の立場としては適当でない。当然犯罪捜査をすべきであると考えておるのでございます。  それからまた、無理をしてでもと申しますか、行き過ぎがあってもやる、やれといいますか、そういう方針かどうかということでございますけれども、これはさようなことはございませんで、やはり普通行なっております犯罪捜査と同様のやり方でやっておるわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 そういう御方針でしたら、あなたの指揮監督のもとにある末端の警察官には、あなたの意図に反する行き過ぎが相当あるように見えるのです。たとえば岩手の場合についても、釜石警察署が七十何故のはがきを出して、各先生に、あなたのほうは正しいんだから出頭して説明したらいいじゃないかという、詐欺みたいなはがきを出したりしているのです。先生というと、やはり知識階級ですからね。そんな無知もうまいな人じゃない。そういうやり方をしたり、無理無理、とにかく何が何でも何か点数を取っていいところを見せようというふうな心理と感情が入っている点が非常に多いです。あるいは、校長と警察が同じ自動車に乗って、そして一緒に調査に出かけるということもこれは事実ある。そういうことは、あなたの意図ですか、意図でないですか。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備課長)

○後藤説明員 そのはがきを警察のほうから出したということが何か問題にされておるという話を聞きまして、実情を調べたのでございます。そういたしますと、たしか釜石署の関係だと思いましたが、先生方のほうから、今回の捜査は不当であるからやめろといったような投書がだいぶあったようでございます。そういうことがございましたので、これに対する返事というのも変でございますけれども、そういうことをお出しになるくらいなら、むしろ堂々とこの正当性を主張されるということで、警察のほうにも、調べと申しますか、実情調査に応じていただくのがいいのではないか、こういうようなことではがきを出したようでございまして、これは何か成績を特にあげようというような意図でなかったように聞いております。  それからまた、校長先生が警察の自動車で一緒に行ったという例もあったようでございます。これは学校の中の組合の職員の所持品の捜索をするという場合に立ち会いをしていただく必要がございます。そこで、立ち会いをしていただくために、校長先生に早く来ていただくというようなことで自動車に乗っていただいた、こういうような例はあるようでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 そういう事実があるようですがどうかというのでなしに、そういう返事に対して、たいへん売りことばに買いことばのようですが、警察官は権力を持っているのですから、持っていない者が手紙を出したからこちらから出していいという、そういうことは当然権力の過剰になるのです。そういうものを慎みなさいという方針をおとりになるかどうかということなのです。事実上で価値判断をされないと、やっておけ、あとはめんどうを見てやる、そういう態度ではあとへあとへ——これは破廉恥罪ではないのですからね。そうでしょう。一つの現行法に対して違反しているかどうかということは別にして、どろぼうとか何かではないのです。やはり教員は自分たちの生活を守るという一つの立場を持って、そうして政府が実行してくれない、十分やってくれない、それに対して一つのレジスタンスとしてやっておるのです。その人の名誉とか人格は尊重しながらやるべき法律執行の問題だと思う。もっと識見を出しなさい。いまのようなやり方ではだめです。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備課長)

○後藤説明員 事実だけ申し上げて、批判を申し上げませんでしたけれども、私ども、はがきを出したことが行き過ぎであるというふうには考えないのでございます。これは申し上げるまでもなく、今回の争議行為が非常に組織的に行なわれております関係上、たいへんに通常の犯罪捜査と違いまして、いわゆるあおり、そそのかされた方々の供述がなかなか得られぬというのが実情でございます。そういたしますと、これはなかなか事実の究明ができませんので、それに対しては各県ともそれぞれ苦心をいたしておるわけでございます。そういうわけでございますので、はがきを出して、これも何ら強迫がましいと申しますか、押しつけがましいことばでなくて、先生方もどうぞお出になって所信を披瀝していただいたらどうでしょうかという文言のようでございますので、そういうのを出して協力をしていただけるならばそれも一つの方法である、こう考えておりまして、これは決して行き過ぎだというふうに断定するわけにまいらないと思うのでございます。  それからまた、先ほどの校長先生を警察の自動車でお送りした、あるいはお迎えしたということは、これは捜索を早く完了するというような意味からいたしまして、これはそういうことをやりましても決して不当ではない、こう考えるのでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 あおり、だまされたといっても、先生は大学を出た日本の教育水準からいえばレベル以上の人なのですよ。子供みたいに、だまされた、だまされたとケースではないと思うのです。もっと識見を高く持って捜査をやりなさいよ。そんなはがき、ごまかしてみたり、そんな品格の低い捜査の法律執行の問題ではないと思うのだ。破廉恥罪ではないのです。そうして、政治の貧困の中で警察行政も悩んでいるかもしれない、それはわかる。しかし、教員も悩んでいるのだ。そういう一つの行政的識見を持たないで弁解ばかりしておるようなのですが、そうでなくて、もっと相手の人格を尊重してやる、一通りのことをして、それで証拠が出なければこの問題はしかたがないと思うのだ。そうでしょう。あなたは弁解ばかりしているじゃないですか。見識を持った人は、そういうへんてこな弁解をしたり、部下を昔の義理人情で守るというような変な答弁をしないで、識見を見せなさい。どうですか。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備課長)

○後藤説明員 私、別に弁解を申し上げているというわけではございませんで、その事実なりそれに対する考え方を述べたわけでございます。決して弁解をしたつもりはございません。何か悪いことをやって、それをたいへん申しわけないといっているというのでは全然ございません。やりましたことは、そのとおりやったということを申し、かつ、それに対する判断はいま申し上げたとおりでございまして、それに関する限り、決して行き過ぎだと考えておらないのでございます。  それでは、なぜ別の方法を堂々とやらないのか、これはやっておるのでございます。やっておるのでございますけれども、呼び出しを持って行っても呼び出しには応じない、あるいは自宅を訪問しても面会を拒否されるというようなことでございますので、それでは犯罪捜査が行き詰まります。それでは、犯罪捜査を打ち切ればいいではないかということになりますけれども、さようなものではありませんで、やはりこれだけの争議行為でございますので、できるだけ警察といたしましては捜査を尽くすべきであるということを考えるのでございます。したがいまして、手段を尽くしまして捜査の完全を期するということでいまやっておるわけでございます。むろん犯罪捜査は時効が完成するまではやれるわけでございますから、その間十分ずっとやっていてもいいわけでありますけれども、さような時効が完成するまで捜査を続けるなどという性質のものでもなかろうと思いますけれども、一ぺん呼び出しをしたけれども応じない、それでお手あげだということでは、警察の職務は十分に果たせない、こういうことでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 大体あなたの気持ちはわかりました。  ただ、今度の場合、先ほど法解釈が二つ、三つ話が出たのですが、学力テストのときは一つのテストをやるという作為の問題があった。これはただ休むだけですからね。そういう関係で、また前提条件として何回やっても誠意を示さない。一年ごとに十月、次は九月、次は八月、次は七月という誠意を政治が認めるならばまた別だ。そうでない。あるときもないときも、やらないのです。これは政策的な考え方で実行していない事実、これは政治的な現象ですね。これはだれが見てもわかる。それはやはり国の警察行政の首脳の警備課長あたりの識見というものが、捜査の中に入らなければならぬというのが私の意見です。そういうことを考えてみたときに、今度県民はどこの県民だって静かにながめていますよ。先生の非難が出ていない。小沢先生だってわかっておるのだ。学力テストと違うのだ、静かにながめておる、先生が悪いということはない、それはやむを得ないという世論が出ておる。そういうことは法を執行するあなた方は一つの識見を持ってやるべきだ、それを申し上げておくのです。  次に、文部省よく考えてください。あまり無理をしなさぬな。それから、谷川名政務次官もここにおるが、大臣のつもりでお聞きしますが、教育行政の責任者というものは、何としてもやはり他の行政権に対して教育行政の自主性を守るということは、これは基本原則ですよ。警察が学校の中に自由に入ってくるとか、教育行政の権威を失墜せしめるような場合、あるいは、かりに教師に一つの犯罪の疑いを持つような行為があった場合に、やはり教育行政の立場において、われわれはわれわれの自主的な立場において行政的処分を考えるのだから、警察行政については教育行政に干渉するようなことはすべきでないというくらいの識見は出すべきだと思いますが、それはいかがですか。

谷川和穗自由民主党文部政務次官

○谷川説明員 一般論についてお聞きでなくて、目下のこの問題についてお聞きになっているのだろうと思いますが、今回のこの問題に関する限り、警察が現在とっております捜査は、当然文部省としても文部行政について立ち入っておるとは考えておりません。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 次官は事実を知っておりますか。聞きましたか、局長に。事実を調べないで答えているのではないのですか。一般論だから、知らないで答えられているのではないのですか。そういう事実を知っておりますか。

谷川和穗自由民主党文部政務次官

○谷川説明員 先ほどお聞きになられました、教育行政に対して警察が立ち入るという場合があったらどうするかという場合には、一般論としての問題と、それから個々別々の問題とがあると思います。特に今回のこの二一ストをめぐって警察が捜査しておること自体は、別にわれわれとしては教育行政について立ち入っておるというようなことは考えておりません。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 たとえば、校長室に警察が来て、お客さんのように人を呼んで、校長室に警察が来ることをいいと判断するようなことでは、先生は教育行政を信頼しないのだということを私は言おうと思ったのですが、それはいいです。  ただ、今度の場合については、少なくとも私は、文部省は、特に文部大臣が閣議においてもどこにおいても、教員が今度は完全実施をしてくれ、われわれもがまんできないという訴えをしておるならば、もう少し努力しないと、教員は文部大臣及び文部省を信頼しないと思うのですが、大臣はどんな努力をしたか、聞いておることを言ってください。局長、聞いておるならば言ってください。何の努力をしたか。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○斎藤説明員 大臣といたしましては、教員の処遇改善ということに強い念願を持っております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 人事院勧告のことだ。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○斎藤説明員 ただ、人事院勧告前に、文部省が教員給与の改善についていろいろ申し上げました時期がございます。そのときは現大臣おられませんでしたけれども、勧告の実施時期という段階になりまして、大臣としては閣内で、この教員給与が上がるようにいろいろ努力されたというふうに私は承知しております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 わかったようなわからぬような話なんで、ほんとうは努力してないのだとぼくは思うのだ。だから不信感があって、こういうことになってくると思うのです。自分の秘書官にはあれだけ弁解をするならば、なぜ日本の教師をもう少し擁護する態度をこの国会の席上で国民に言わないのか、まことに私は遺憾です。大体、文部大臣が教育をしておるのじゃないのですからね。教育は現場の教師がしておる。その教師に行き過ぎがあろうがなかろうが、その教師が日本の国民の義務教育を担当しているのじゃないですか。それに対する敬愛の念というものを持って教育行政をやらなければならぬと私は思うのです。警察行政の行き過ぎも、法の執行ですからやむを得ない。それならば、その前に政治の欠陥に対して、なぜ政治家である文部大臣がうんと努力をしないか。しもしないで、秘書官は犯罪人を採って、先ほどのお話では、特別任用、特別職だからいい。任用するときは試験は要らない。それは特別の手続はなくても採用できるというだけじゃないですか。犯罪人を採用して、特別職だからいいなんという理由はもってのほかだ。どこにそんな理屈があるか。そういうことを言いながら、一方に人事院勧告というものを実施しないで、そうして、それに対するレジスタンスを持っておる教師に対して、仮借なき厳罰の処分なんという方針を平気でしゃべる。それでは文部大臣の資格はないと思います。谷川次官いかがですか。谷川文部大臣の場合なら、そんなことを言わぬでしょう。

谷川和穗自由民主党文部政務次官

○谷川説明員 先ほど文部大臣がお答えを申し上げました事柄は、そういう事実があったので、大臣としてはその後の秘書官藤原三郎という方の行動を見ておったけれども、その後の行動において、この人ならばだいじょうぶだという気持ちを持ったので秘書官に採用したのだ、採用を推薦をしたのだ、こういうふうにお答えをしたように私は了解をいたしました。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 御本人がいないから……。日本の法律で一番守られていない法律は何だか知っていますか。局長、日本人の中で最も守られていない法律は何だか知っていますか。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○斎藤説明員 私、法律の領域について、どこが一番脱漏が多いかというようなことについての判断がまだございません。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 教えてあげますよ。公職選挙法と未成年者の禁酒、禁煙法だ。守ったやつが変人に見え、守らないのが常識に見える。法律一つ一つについて、一般の社会のあり方、政治のあり方によって評価は変わってくる。法律は生きているものだ。そうして政治のあり方について、法律の価値評価を間違って誤った指導をすることもある。現在教職員に関する組合についても、憲法の解釈で、大体二十年前文部省の局長が推薦のことばを書き、当時の課長が書いておる書物だって、ずっと調べてみると、政治の影響を受けて、二十年前の著書といまの著書はずいぶん解釈が違う。一つの法の解釈が違ってきている。だから私は、皆さんの識見を聞かなければならぬ、こう言うのです。現在の自民党が長く政権をとっておるために、教育の中立性を皆さん要求しているが、教育行政の中立性こそ守らなければならぬということになっております。守っていないじゃないですか。そして政治家の言うことによってしょっちゅう識見が変わっていく。姿勢を正しくしなければ大体教員も信頼しないと思う。先ほどの、何だか知らないけれども、文部省みずからが一万人の内簡を出した。あれは明治以来私は見たことがない、聞いたことがない。だから私は、十月二十一日に関しては、文部省が一々へんてこな処分ばかりに興味を持たないで、やはり政治においても欠陥があるのだ、われわれはあえてそういう処分を考えない。われわれも皆さんの生活を守るから、処分などしないでやるから大いにやってくれ、こういうことを見せるときだとぼくは見ている。それくらいの識見がなければ教員が奮起しませんよ。若い谷川政務次官あたりも、少なくともそういう気持ちを持って、わけがわからぬ大臣を教育しなければだめだ。秘書官のことばかり守って、りっぱだ、りっぱだと言う。教員だってみなりっぱですよ。一人一人は忠実な、一生懸命に教育しているのが九割九分なんだ。それを一生履歴書にきずを残すようなことをして、てん然として、しかもそれに喜びを感ずるような文部省では、永久に教師の現場と教育行政の共通の広場はなくなる。ほとんどなくなっているじゃないですか。教育行政と現場の間にパイプがあって、どこか息が通じて日本の国民教育が初めて振興するのだ。だんだんパイプを断ち切ろうとしているじゃないですか。もう少し識見を持って、今度の場合などは、処罰をすることに興味を持つような次元の低い教育行政はやめなさい。  御本人の大臣がいないから、私は、まず大臣の道徳教育の方針を聞いてから論議したいので、まあいないからやめましょう。やめますが、最後に、次官と局長、一言心境を述べなさい。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○斎藤説明員 最初に私から申し上げます。  私どもは、教育の向上のために全力を尽くします。いたずらに政治的な問題について顧慮するものではございません。私はそういう信念を持って仕事を進めたいと存じます。  ただ、一言申させていただきますれば、今回のことにつきましては、私は別に感情を交えたり、組合を弾圧するということではなくて、このこと自体は、むしろ、こうなればこうなるということを私たちははっきり当事者にも申して進めてきておるのでございまして、これをどうするかということは任命権者の判断でございますけれども、将来のために適切な措置が望ましいということを考えておるのでございます。

谷川和穗自由民主党文部政務次官

○谷川説明員 事、教育は民族の将来を決定する事柄でもありますし、きわめて重大な問題であると思いますし、その中における、特に生徒と日々接触いたしております教員の方々、この方々の問題というものは非常に重大な問題だと思いまするから、その方々の考え方について、あるいはその方々のなさる行為というものは、これは非常に影響の大きいことだと思いまするが、私は、こいねがわくは、そういう方々は、いやしくもいかなる事態に置かれても、いかなる考え方にあたっても、法を犯すということだけはないよう特に希望をいたします。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 出光丸の問題について、もう一つ質問しておきたいと思います。  まず最初に、初中局長にお尋ねしますが、出光興産の社長出光佐三氏は、たしか中央教育審議会の委員であったと思いますが、現在もそうですか。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○斎藤説明員 私、教育審議会のほうは直接所管しておりませんのでわかりませんが、臨時委員を、期待される人間像の審議中にやられておりまして御出席になったことを、私も傍聴しておって承知しております。現在のことは存じません。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 期待される人間像の際の臨時委員であったことは明白ですね。その出光社長が反日教組の教育振興会議というのにばく大な金を投じておるのです。そのことが一つ。それから、三十八年の十一月における文部教研の講師として講演をされておる。その中で、この今回の出光丸の見学の趣旨の中に出てくる文句が、そのまままたこの講演の中でも出ておるわけです。出光氏はこう言っておる。新憲法は皇室と国民を引き離すために、教育基本法は教育を破壊するために、労働三法は会社をつぶすためにつくられた、こういうことを昭和三十八年の文部教研において述べておられるわけです。そういう人が期待される人間像の委員であられた。そうして、民族の優秀性と、日本人の一致団結ということをしきりに強調されておるわけです。  でありますから、今回の出光丸の見学についてあっせんをすることは、期待される人間像の委員であったこと、反日教組の団体に対して金をたいへんたくさん出しておられること、そしてまた、述べているその考え方が、新憲法はこうだ、教育基本法は教育を破壊するためのものだ、労働三法は会社をつぶすためのものだ、こういう思想で貫かれている会社の社長がつくられたタンカーだから、ひとつ大いに宣伝しよう、こういうことになっておると思うのです。もう弁解は要りませんから、ひとつ三十八年のこの十一月の文部教研で出光さんが言われました講演の速記録を資料として出していただきたいと思います。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○斎藤説明員 当時私おりませんでしたけれども、至急さがさせて、御希望に沿うようにしたいと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 もう一つ局長にお尋ねしますが、先ほど私が言いました、憲法は皇室と国民を引き離すために、教育基本法は教育を破壊するために、労働三法は会社をつぶすためにつくられたものだ、こう言明された出光社長の考え方をどうお考えになりますか。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○斎藤説明員 それは、いまそういうふうに要約されておっしゃいましたけれども、どういうニュアンスで、どういうことを強調するためのことばとして、どういう表現で述べられておるかというようなことを拝見いたしませんと、いまのお尋ねは直ちにお答えしにくいかと思います。私どもは、いずれにいたしましても、憲法なり教育基本法を守って、そうして教育行政を進めたい、かように考えております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 いずれにいたしましても、こういう一企業に対するあっせんは、きわめて好ましくないということを申し上げておきたいと思います。  終わります。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 本日は、これにて散会いたします。    午後一時四十四分散会

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