P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
52回国会衆議院1966/07/27

農林水産委員会 第2号

発言数
293
登壇者
12
会派数
2
開催日
1966/07/27

会議録

中川俊思自由民主党

○中川委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 畜産局長にお尋ねしますが、最近における特に市乳の生産者取引価格の状態並びに加工原料乳の取引価格の状態等について、どのような現況であるか、その点をまずお尋ねしておきます。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 本年度の乳価の決定あるいはその交渉の現状を申し上げますと、まず加工原料乳の取引価格につきましては、申し上げるまでもなく、政府が決定をいたしました基準取引価格がございますので、これが基本的な取引価格として当事者間で容認をされておるということは全国一般でございまして、前回の当委員会でも御説明を申し上げましたように、現段階における乳製品の市況等の状況からする、さらにメーカー側に支払い能力がある場合の農民側への還元と申しますか、プラスアルファの問題は、これは当事者間の折衝であるということでございますが、芳賀先生ももうお聞き及びかと思いますが、加工原料乳につきましては、北海道の指定生乳生産者団体と大手三社の交渉が熟しますれば、おおむね全国の問題は解決したと見ていいわけでございます。北海道の団体と乳業者との折衝につきましては、現地での折衝がはかばかしくないということで、今月中旬に北海道の生乳生産者団体の代表者が東京に交渉場所を移しまして乳業本社との折衝をするということで、私もその話し合いをとり進めるためにあっせんの労をとったのでございますが、北海道生乳生産者団体との間では、加工原料乳についての取引条件については、交渉の条件の細部に至っては決定をするまでにいかなかったのですが、交渉として軌道に乗ったので、東京での交渉を打ち切って現地での詳細の交渉に移るということで、私どもにも丁重なあいさつをいたしまして、交渉員は引き揚げたのでございます。でございますので、その内容がいかなるものであるかは、私どもいずれの側からも明らかにされませんし、また、乳価というものは、どうもそういう性格を持っておりまして、わかりかねるのでありますが、加工原料乳の取引の条件についての大筋はついたと理解をいたしておるのでございます。  飲用乳につきましては、これも地区ごとにいろいろ事情が違うのでございまして、前回当委員会で御説明申し上げました当時に比べますと、数個の県について取引条件が相当に煮詰まってきておるということがうかがわれるのでございますが、大勢から申しますと、はかばかしく進んでいない、はかばかしく進んでおりませんのは、一つは、指定生乳生産者団体が地方における交渉の立場というものをはっきりまだ持ち得ない状態にあるということがあると思うのでございます。それから、そのために、中央指導団体でございます中央酪農会議が、交渉の立場をお互いに明らかにし合うため、意識統一ということを大メーカーとの間で進めてまいったのでございますが、現段階ではまだ完全に意識統一の点で一致していないという問題がやはり間接的には影響をいたしておるかと思うのでございますが、ただいま申し上げましたように、前回から比べますと若干の事態の進展はございましたけれども、全面的な妥結の方向というものは見通しがつかない状態でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 先般の委員会においても、畜産局長から、乳価の交渉については、必要な場合にはやはり畜産局長が行政的な指導介入をせざるを得ない段階にきておるというような発言があったわけです。それで、聞くところによりますと、七月の二十二日に畜産局長が大メーカー四社の社長を個別に呼んで、取引乳価の問題について話し合いをたということが報ぜられておるわけでありますが、この四大メーカーの社長と局長との話し合いの内容あるいはその結果というものはどういうことになっていますか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 現在の膠着状態を打破いたしますためには、指導官庁でございます畜産局としても、交渉の前進のため、また円滑な妥結を見ますために、指導をすべきであるということは、前回申し上げたとおり、私どもさよう心得ておるのでございます。七月十三日から十四日、十五日と三日にわたりまして、四社の社長に私自身個別に話し合いをいたしまして、現状の打開、またその打開するための飲用乳価の形成の考え方について、農林省としての見解も示しまして、まず中央団体である中央酪農会議と大メーカーとの意識統一の問題に誠意を持ってやってもらいたい、同時に、地方における具体的な乳価交渉というものに誠意を持って当たり、急速に解決をするように努力をしてもらいたいということを要請をいたしたのでございます。その結果、メーカー側の考え方については、一応局長から話を聞きましたので、あらためて態度を表明に参りますということで、四社長がそろって参りましたのが七月の二十二日でございます。七月二十二日に参りました際に、実は私のほうから、中央で意識統一をすべき基本的な考え方というのは、中央酪農会議が一つの意見を表明いたしておるのでございますが、農林省としても、飲用原料乳価の取りきめをするにあたりましては、新乳価制度の趣旨に沿いまして適正な用途別乳価を形成するということを根本の考え方として、基本的な意識統一を行なって、当事者相互間の立場を尊重しつつ誠意を持って早期かつ円滑な妥結が行なわれるようにつとめてもらいたい、その基本的な考え方の柱としては、現在の牛乳の生産、流通、消費の実態から見まして、乳価の取りきめについて、双方とも牛乳の生産なりあるいは消費の安定に資するように十分配慮をする、そういう考え方をとること、それから、乳価水準の指標を求めるにあたりましては、かねて農林省からもあるいは農業団体からも見解を明らかにしておりますように、市販牛乳の現行卸売りの建値からの逆算方式というものを基礎に検討をする、そういうことを基本にしながら、現実の取引乳価を取りきめるにあたりましては、地域ごとの牛乳の需給事情なり生乳の生産、流通の実態なりあるいは受け入れ工場の設備なり操業内容等の経済事情というものを勘案をし、これを反映した形でお互いに納得をした上で決定をするというふうにしてもらいたいというのが農林省の考え方であるということを申しておったのでございますが、それに対しまして乳業四社の社長が応答してまいりましたときの私への返事といいますか、乳業者の立場というのは、飲用原料乳価の取りきめについて、基本的に農林省の考えておることに反対をするものでもないし、また早期円満な妥結をはかりたいという意思においても変わりはない。で、私どもからこういう考え方でやってもらいたいと申した中で、向こう側がどうしてもこの段階において了解事項あるいは申し合わせ事項として業者としてのむことがむずかしいという点は、ただ一点だけでございまして、いわゆる飲用乳の価格形成の理論は市価逆算方式であるということをここで直ちに明らかにすることについては、業者としてはのめない。のめないというのには各社ごとに少しずつニュアンスが違うのでございまして、理論的には市価逆算方式のほかに飲用乳の価格形成の論理を持つかという質問に対しては、私どもは答えるすべがございませんので、理論としてはよくわかります、しかしながら、現実の乳価というのは、過去のいろいろな経緯を経、また取引の重なった条件の累積があるから、ここでそういう単純な論理一辺倒でやられたんでは、われわれは全国的に円満な乳価を解決する自信がないということから、現実問題として、逆算方式ということをお互いに了解する時期は逆算方式を通し得るような時期まで待ってもらいたい、つまり、市乳価格の改定等、従来の乳価ひずみを是正をするといいますか、そういうことをする時期まで待ってもらいたいというような意向を持つところと、やはり理論的には反対をするものではないが、農林省の試算がすこぶる独断的かつ過酷であって、それがくっついておる限りのめないというところがございますし、また非常に強硬というか、農林省から距離のある乳業者は、乳価にそういう理屈を持ち込むことはむだである、これは自由取引の価格であるから、お互いに話し合いをしてやるということで十分である、したがって、その部分を除いた農林省の要請についてはおおむね異を唱えるものではないという話であったのでございます。  私どもは、市価逆算方式が飲用乳の価格形成の基本的な考え方であるという点は譲るわけにいかぬ、その点はさらに検討してもらいたいが、農林省はメーカーと交渉する相手方ではない、指導の方針として考え方を述べたのであるから、要は中酪との誠意ある交渉を行なうということについて返事がほしいということで、その点は話し合いを避ける気持ちはございませんということで、私どものあっせんで、昨日中央酪農会議の森会長以下の理事者と四社の社長との話し合いが行なわれることになったのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そういたしますと、局長と四大メーカーの社長との話し合いにおいての一つの結論というものは、基本的には農林省の指示するいわゆる逆算方式ですね、飲用乳の卸売り価格から飲用乳の加工経費を引いた残りがいわゆる飲用乳の生産者乳価である、こういう方式、これは理論的には原則論としては了承するということになったんですね。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 先ほどもややくどくどと御説明申し上げましたが、四社のうちには、個別に会って話をいたしますとそういう態度のところもあるということを申し上げたのでございますが、四社が協議をいたしますと、その部分はとうていのめないという言い方に変わってくるというのが実態でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これはいまの新乳価制度から見ても重要な点なわけです。たとえば加工原料乳の場合は、これは乳製品の市場価格からいわゆる逆算方式で基準取引乳価というものがきめられているわけですからして、これはメーカー側は全面的に了承しているわけですね。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 さようでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 了承するしないにかかわらず、これは制度によって行なうわけだから、それが現実に行なわれておるわけですからして、結局、その方式を飲用牛乳に適合させるということは、これは少しも矛盾はないわけですね。ですから、これを農林省としてあくまでも貫いて指導を進めるということでないと、この原則だけは安易な妥協というのは絶対許されないとわれわれは判断しておるが、局長はどう考えておりますか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 前回もお答え申し上げましたように、加工原料乳について法律に基づいて乳価形成の理論がはっきりしているわけでございます。したがいまして、飲用乳についても、飲用乳の価格形成の論理は何であるかということがはっきりいたしませんと、用途別取引というものの価格形成は適正に行なわれ得ないわけでございますから、私どもはその点ははっきりすべきである。はっきりするということになりますれば、自由な価格形成、末端における自由な価格形成が行なわれているということであります限り、市価、つまり、卸売り価格からの逆算方式以外に乳価形成の理論は私どもはないというふうに信じておりますので、これはメーカー側が表面上反対をするということでありましても、私どものほうはこれを訂正をするあるいは妥協するという気持ちは毛頭ございまん。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうなると、結局は、乳価の解決ということになれば、農林省としてはあくまでも逆算方式を指導的な理論としてこれを進めていく。会社は言を左右にして時間かせぎをやっておるということになれば、結局夏場の時期というものは過ぎるおそれがあるわけですね。したがって、いつをめどにして問題の解決をはかるかということは、これは行政庁としても非常に大事な点だと思うわけです。そのおおよその大メーカーが中心となった乳価の妥結の時点というものをどこに求めるかということですね。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 乳価妥結の時点をなるべく早い時期にいたしたいということはメーカー側も言っておるわけでございます。ただ、どういう考え方で妥結をするかという点が食い違っておるということで、実は地方の生乳生産者の団体によりましては、中央の意識統一を待って本格的交渉をしようという姿勢をとっておるところがかなりあるわけでございます。これは、へたをいたしますと、いたずらに時日が遷延して結果的に当事者双方に好ましからざる結果を招く、なかんずく生産者側にとって不利な条件がだんだん重なるというおそれがあるわけでございます。昨日も、両者の話し合いのあと、中央酪農会議の事務当局とも相談、協議をいたしまして、中央交渉はあくまで従来の考え方に基づき交渉を進めていくが、同時に、中央における統一的な考え方に立脚をして、地方では具体的な乳価交渉というものを強力に直ちに進めるということをやりたい、つまり、地方各取引当事者間の問題と中央の意識統一とを並行的に進めなければどうも実効があがりにくいというふうに考えておるのでございまして、私ども、都道府県を通じまして、若干中央まかせというような気風に傾いております点はお互いに反省をいたしまして、現地での強力な乳価交渉というものを進めるようにいたしてまいりたい。相手方のあることでございますから、いつまでというふうに期限を切りますことの是非というのはいずれ側にもあると思うのでございますが、なるべく早期にという考え方でございますので、私どもも、指導の方向としては、おおむね全国の飲用乳等の価格決定は八月中旬までには大勢を見出すようにいたしたい。御承知のように、売り手側が最も有利な位置に立ちます時期というのは大体九月の末には終わるわけでございますので、そういう時期を失することのないように配慮してまいりたいというふうに思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 時期的には八月に入るということは、決して生産者側から見れば好ましい状態でないと思うのです。  そこで、逆算方式というのは、乳製品の場合も飲用牛乳の場合も、末端消費者価格を据え置く、そういう配慮の上に立っておるわけですね。末端価格を上げない、これは乳製品についてもそういう考えで進めておるし、また飲用牛乳についても、逆算方式をとるということは、飲用牛乳の末端小売り価格を現在は引き上げるべきでないという政府の方針に立っておるわけでしょう。その点はどうですか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 飲用原料乳の価格形成の論理は市価逆算方式であるということと、市乳の価格を変更するかどうかということとは、直接には関係のない問題である。逆算方式というのは、現実の卸売り価格というものが、地域的にほぼ統一的といいますか、一定の水準で明らかになっておるわけでございますから、それに立脚をいたしまして、処理、加工、販売等の経費、さらに平均的利潤を留保をするという考え方でやれば、当然支払い乳価の水準が出るはずであるという考え方でございます。本年度につきまして市乳末端価格を上げることが妥当であるかどうかは、かなり前から異論があったのでございまして、メーカー側は、この際市乳の価格を引き上げて、さらに卸売り価格が引き上げられる、そうすれば支払い余力というものがふえるから、そういう余裕のある姿で本年の乳価問題を解決したいという意思を表示してまいったのでございますが、末端市乳価格というのは、御承知のように、何ら統制的な価格でも、厳密な意味での管理価格でもないわけでございます。ただ農林省としてはそのときどきの経済事情に応じて行政指導を加えておるにすぎない。本年の事情は芳賀先生も十分御承知のことと思いますが、春から夏の初めにかけまして非常に天候が不順であった、それから生乳の生産も昨年に比べますと若干持ち直してきておるというような事情もありまして、三十九年当時のような需給の窮屈な事情が実は起こってこない。したがって、末端では、飲用乳の争奪であるとかあるいは実勢として飲用乳の価格が上がろうという傾向というのは全く見受けられない。むしろ、メーカーといいますか、あるいは販売店と申しますか、販売競争というものがかなり熾烈でございまして、建て値以下の値くずれの状態がある。そういう状態で本年度市乳価格の引き上げというようなことを実行しようといたしましても、それは混乱なしにはとうてい実行できるものではないということでございまして、いわば市乳価格の改定をすべき条件が熟していないということを私どもは指摘をしてまいったのでございます。その点については、販売を実際やっております飲用乳の小売り商業協同組合の全国連合会においても、今年度は価格を引き上げるべき条件がないということを決議をいたしておるような次第でございまして、私は、市乳の価格がいつまでも現段階に据え置かるべきもの、あるいは据え置かれることが可能であるというふうには考えていないのでございますが、少なくともことしは、ただいま申し上げましたような事情から、市乳の価格を改定する条件というものはないというふうに考えておるのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 われわれ社会党としては、市価からの逆算方式というものは、賛成もしておらぬし、支持もしておらないのですよ。たとえば、生産者価格というものは当然生産費あるいは自家労働を中心とした所得を補償する価格にして、そして、加工乳にしてもあるいは飲用乳にしても、それには必要な経費等を加算して、そうして市価を形成さすべきである、こういう考え方は変わりはないわけですが、問題は、なぜ農林省が乳製品にしてもあるいは飲用乳についても市価逆算方式をとるかということは、やはり価格政策の面で末端消費価格というものを変更させない、そういう基本的な考え方の上に立っておるとわれわれは見ておるわけですよ。そうでないということであれば、この逆算方式というものは結局メーカー擁護の算定方式ということにしかならぬと思うのですね。その点はどうですか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 乳製品にいたしましても、飲用乳にいたしましても、末端における消費価格の安定ないしはその安定を通じての消費の増進ということを当然念頭に置くべきであり、私どもは基本的にそういう考え方を持っておるのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 だから、需給関係からいえば、結局需要がどんどん伸びておるが、供給がそれに対応できないという、そういう状態でしょう。したがって、自由経済のもとにおいては、供給が非常に不足しておるわけですからして、市価形成の上からいえば、小売り価格、消費者価格というものは、相当上昇する可能性というものは具備しておるわけですね。それを政策的に物価問題等をからめて、乳製品にしても飲用牛乳にしても、消費者価格というものはできるだけ押えるという方針の上に立っておるわけでしょう。そうじゃないですか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 最終の消費者価格がどうなるかということは、私は、需給の関係からおのずからきまってくることであって、これをある限度までは行政指導あるいは関係者の自発的な意思というものでコントロールするということはあり得ると思いますが、ある限度を越せば、これはとうてい単なる行政指導あるいは関係者の意思等では押え切れないという事態がくるのでございまして、三十九年に飲用乳価の改定を行ないました際に、農林省として現段階においては改定はやむを得ないという結論を出しましたのも、需給の実態がすでに単に行政意思だけで押えるというような事態ではないという判断をいたしたからでございまして、私どもは、消費の増進に支障が起こるとか、あるいは末端価格における安定性を害するというような、人為的なといいますか、条件の成熟しない形での末端価格の引き上げという問題は、行政指導を通じて抑制をしてまいりたいという考え方を持っておるのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 問題は、メーカー側がどうして一番有利な逆算方式を直ちに了承しないかという点にあると思うんですよ。乳製品の場合は、逆算方式によって基準取引価格というものは非常にメーカー側から見ると予想外に安くきめられておるわけだから、これはもう無条件で喜んでおるでしょう。ところが、飲用牛乳のほうは、国からの不足払い等の措置がないということになると、逆算方式をとった場合も、同じ加工経費等を計算した農林省においても、乳製品の部分についての経費というのは相当弾力性を持たしてやっておるけれども、飲用乳のほうは、まだ余裕はあるかもしれぬが、大体われわれが見ても、上限、下限の幅というものはある程度ありますけれども、妥当な経費というものを計算しておるわけですね。そこにメーカー側の異論があるんじゃないですか。どうですか、四大メーカーの社長なんかと話した場合ですね。われわれとしては、逆算方式を大メーカーが直ちに了解しないということが理解できないのですよ、乳製品のほうはそれでよろしい、飲用乳のほうは困るという趣旨がわからないわけですね。原則的には反論はしないという程度で全面的に了解しない原因がどこにあるか、その点をもう少し詳しく説明願いたいと思う。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 私の聞き違いがございましたらお許しを願いたいと思いますが、メーカーが市価逆算方式をのまない理由の一つに、加工原料乳のコストについては農林省が甘くやっておるからのんでおる、飲用乳については渋くやっておるからのまないのではないかというふうな御質問があったように思うのでございますが、そういうことは私どもは絶対にないと思っております。同じ畜産局が行政の良心に基づいてはじいたものでございますから、そういうものは絶対にないと断言してはばからないのでございます。ただ、しいて申せば、加工原料乳の加工経費の調査は制度に基づく調査でございますから、いわば統計処理的にも容認をされるだけのカバー率をもって調査をいたしております。それに対して、飲用乳の工場数は全体で三千工場程度あるのでございますが、私ども、代表的と思われる工場二十六工場の調査しかできてないということから、資料についての厚薄は認めざるを得ないと思うのでございますけれども、はじいた数字につきましては、それぞれ具体的な根拠に立ってはじいておるのでございまして、私どもは、あの数字自身に何らの作為を加えたつもりはございません。  メーカーがなぜ飲用牛乳について市価逆算方式をのまないかということは、一社一社についてそれぞれニュアンスが違うので一口に言いにくいのでございますが、通観をして私どもが感じますことは、飲用乳の取引については、これは畜産局長も国会で言明をしておるとおり自由取引の価格である、自由取引の価格に市価逆算方式というような方式を持ち込まれることは、法規に基づかないで統制を受けるという形になることで、自由企業のたてまえから容認しにくいということが、ほぼどの社も言うことばでございます。そのほかに、市価逆算方式ということになれば、現実の建値から飲用乳の支払い価格を算出します根拠を生産者団体に明らかにしなければいけないという義務を負う、それはいやだという主張もしておるのでございます。自由企業のふところへ手を突っ込んで、おまえのふところには幾ら金があるというようなことをやられるのは、われわれとしてはとうてい忍びないというような言い方もいたしておるのでございます。はっきり申しませんで、私ども推測いたしますのは、市価逆算方式ということが確立されますれば、将来にわたって、卸売り価格の改定があるたびに、メーカーに留保される額というものは機械的に出てしまうということで、そういう市価の変動を通ずるうまみというものが全くなくなるということを最もきらっておるのではないかというふうに私は思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは現在の不足払いの制度そのものにも欠陥があるわけですね。われわれ社会党としては、用途別に区分して乳製品部分だけを法律の対象にするのは問題がある、こういうことは世界に例もないということをたびたび指摘したわけですが、政府としては確信があるということで実行段階に入ったわけですが、いまになってみれば、これは非常に問題があると思うのですよ。同じ乳製品、飲用乳の企業を同一会社が行なっておりながら、乳製品部分については、法律制度によって行なわれるので心配はない、安心できると言いながら、飲用部分については、これは全く自由企業であるから拘束を受くべきものでない、そういう矛盾した意見を述べるところにも、会社側の不勉強というか、社会性のなさが端的にあらわれておるわけですが、これはやはり、あくまでも政府の責任において、そういう頑迷な会社側の考えというものは矯正できると思うのですが、どうですか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 先ほど申し上げましたように、農林省としての指導の考え方は変更する気持ちは毛頭ございませんので、これが正しくかつ常識に合致をしたものの考え方であるというふうに思っておりますので、根強く説得をいたしたい。また、同時に、この問題は、生産者団体にとっても将来にわたる基本的な問題でもございますので、生産者側によるこの基本的な考え方の意思統一という点もあわせて引き続き強力に根強く進めてまいるように指導してまいりたいというふうに思っております。私は、最終的には農林省の考え方というのは、乳業者も実質的に拒否することはできないようになるだろうというふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、あなたの言う逆算方式で、妥結の時期は八月中旬になるとしても、この方式を基礎にして全面的な解決ができる、そういう見通しと確信はあるわけですね。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 私は、基本的なものの考え方に立った妥結というのははかり得るというふうに思うのでございますが、この基本的な考え方に立って具体的な数字を、これが正しいのであるということが双方理解ができるという段階に達するのには若干の時間がかかると思うのです。その点は、メーカー側のいやがらせでもないと思うのですが、指摘するのでございますが、逆算方式をとれば、地域によっては従来より安い乳価になるが、いいかというようなことを言うのでございますが、これは、自由な取引の段階におきまして、一定の価格形成の理論がございましても、将来の経済活動のためにいろいろな配慮が加えられるということはあり得るわけでございます。その辺のことも含め、市価逆算方式というものが考え方としては私はそんなに時間のかかる問題であるとは思いませんが、それに基づいた具体的な乳価水準というものについて、双方がほんとうに、これ以上は出すこともできないし、これ以上要求することも妥当でないという認識を得るまでには、まだ時間がかかるだろう、それは一種の試行錯誤的な経過をたどっていかざるを得ないだろうというふうに私は思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ですから、一番大事なことは、生産者団体とメーカー側においてこの問題を短期間に解決することはできないと思うのです。生産者側が全面的に敗退する状態になれば別ですが、あくまでも一括交渉でこれをまとめるということになれば、メーカーと生産者の現在の力関係と申しますか、交渉体制から言っても、なかなか簡単に解決はできないと思うのです。そうなると、結局、農林省が中心になって、畜産局長が中心になって、できる限りの行政介入を行なって、そうして理論的に自信があるとするならば、逆算方式に基づいてのきめさせるということでなければいけないと思うのです。生産者団体も、われわれの判断から見れば、やはり農林省の最終的な努力というものに相当期待し、依存しておるのではないかと思われるわけです。それを、いよいよぎりぎりの段階になって、いいかげんな態度で煙幕を張って逃げるということになると、これは取り返しのつかないことになると思うのです。その点をわれわれ心配しておるわけです。その点、農林省としてどの程度確固たる方針の上に立って当初からの指導方針というものを貫いて問題をまとめ上げるかということです。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 先刻来申し上げておりますとおり、農林省としても、どこまで私どもの努力が実るかということは、これまた私どもの力にもよることと思うのでございますが、少なくとも新制度のもとで適正な飲用乳価格水準が形成されるように、それが合理的な形で合理的な立場で決定をされるように最後まで努力をするつもりでございます。途中で農林省が誠意を失うというようなことをする考えは絶対にないのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 われわれ委員会としても期待している点は、この方式がたとえば逆算方式であっても積み上げ方式であっても、問題は、飲用牛乳の卸売り段階における価格の形成の中で、一体生産者が手取りすべき乳価がどれだけであって、メーカー側が当然主張しなければならぬ加工経費であるとか適正な利潤というものはどの程度のものであるかということが、この逆算方式が実行されることによって明確になるわけですね。そうだと思うのですよ。これはやはり、将来の乳価の問題あるいは乳製品の問題にしても、それから一般の国民から見た牛乳の価格形成というものはどういう内容のものであるかということに対しても、相当明確な価格上の区分を示すことにもなるんじゃないかと思われるわけです。これはやはり一つの進歩だと思うわけですね。だから、やはりこの点は、農林省としてもそこに十分重点を置いて今後強力にやってもらいたいと思うのですよ。この目標というものがなければ、ただ妥協の所産としてことしの乳価がきまったということではいけないと思うのです。これに関する局長の見解はどうですか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 従来の乳価の決定につきましては、私どもといたしましても、あるいは世間一般から見ましても、いかなる立場で現実の乳価がきまったのかということが明確でなかったと思うのでございます。私どもがいま指導方針として掲げております考え方に立ちますれば、お話のように、飲用原料乳についての価格の形成、またメーカーがなぜそれだけの処理加工費を要するのか、またそれが社会的にも妥当とされる水準のものであるというようなことが次第に明確になってくるはずでございまして、お話のように、現段階において乳価問題の前進の方向としてはきわめて重要な基本的な問題であると思っておるのでございます。御指摘のように、私どもとしては、その点はあくまで貫いていくように指導をし、また、必要な助言をするようにいたしてまいりたいというふうに思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次に、昨日中央酪農会議の首脳部と四大メーカーの社長の会見が行なわれたということを局長からも話があったわけですが、これは結局メーカー側においても、中央酪農会議なるものをいわゆる団体交渉をやる場合の中央団体として事実上認めたということになるわけですね。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 メーカー側あるいは中央酪農会議それぞれ、ただいまお話のありました点については、具体的な乳価の交渉は当然取引当事者において行なわれるわけでございますから、具体的乳価の交渉団体であるとは思っておらないのでございますが、乳価の交渉をするにあたって、基本的な共通の問題を話し合いをする場といいますか、相手方として、乳業者も中央酪農会議の位置を認めたということは間違いがございません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 先般の委員会においても、契約当事者として中央酪農会議というものが認められるということはわれわれも考えていないのです。ただそのメーカー側と生産者側が中央において一括交渉の形で折衝をする場合、生産者側の代表機関として中央酪農会議というものがある。そのあり方については、先般の委員会においても、畜産局長としても、中央酪農会議が生産者団体を代表する共通の問題の話し合いの機関として活躍することについては期待を持っているというような話がされたわけですからして、具体的な契約を締結する場合には、制度上から言うと都道府県単位の指定生産者団体というものがあるわけですが、この中央における一括交渉の生産者側の代表機関として中央酪農会議がメーカー側と正式な交渉を行なっておるという理解は、メーカー側もしておるわけですか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 ただいまも申し上げましたように、乳価の決定についての共通的な基本問題の話し合いの相手方として、メーカー側も中央酪農会議の位置を認めておるのでありまして、生産者団体の中央機構か大手乳業者の最高責任者と合同で話し合いをしたということは、私は一つの前例のない事実であるというふうに思うのでございます。その点については、今後とも、乳業者もそこまで認識が進んだわけでございますので、中央酪農会議のそういう交渉というものをさらに継続していくという点については、私ども配慮をしてまいりたいというふうに思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 全国の都道府県単位の指定生産者団体は、まだ発足後日も浅いし、体制的にもまだ未熟な点が非常に多いと思うんです。その点、原料乳の取引価格の交渉についても、今回の飲用牛乳の価格交渉についても、やはり体制上未熟な点があるということは、結局メーカー側との力関係においてもまだ対等の折衝とか戦いができないというところに問題が残っておるわけですが、これを相当の期間育成するという努力というものは政府においてもなされなければならぬと思いますし、したがって、この中央における交渉機関というものは、やはり中央酪農会議というものが主体になって、あくまでも今後の乳価交渉等については基本的には一括交渉という形でやらぬと、分裂作戦にまた乗ぜられると従来と同じようなことになると思いますので、この点は農林省としても十分な配慮が必要だと思いますが、局長の見解はどうですか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 御指摘のように、全国の都道府県に新しく設置されました指定生乳生産者団体は、一がいに言うことは問題でございますけれども、発足早々でもございますし、その体制なりあるいは交渉力なりにおいて十分でないということは認めざるを得ないと思います。この指定生乳生産者団体の体質を強化してまいるということが、とりもなおさず乳価交渉においてメーカーと対等の交渉をなし得ることになる道であるという点は、私も先生と見解を同一にするものでございます。また、そのことが中央酪農会議の交渉力、折衝力というものを強めるゆえんでもございますので、今後私どもは、中央、地方を通じまして、ただいま御指摘になりましたように、その育成強化という点については十全の慮配をしてまいりたいというふうに思っておるのであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 最後に、具体的な問題でありますが、畜産局長が指示しておるいわゆる逆算方式に基づく標準的な経費を飲用乳の卸価格から引いた場合の、結局生産者の手取り乳価ということになるわけですが、その場合のあるべき取引乳価というものは、おおよそどのくらいになると考えておられますか。もちろん加工牛乳は幅がございますから、その場合の上限あるいは下限を採用した場合、当然取引乳価にも幅が出てくるわけですが、その点について、この際具体的に数字をあげてもらいたいと思います。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 まず私どもの試算をいたしましたデーターの問題について、若干御理解を得ておきたいと思うのでございますが、私ども、この工場の製造経費等の調査をいたします際の考え方として、市乳地帯におけるといいますか、飲用乳の価格の形成指導についてのデータをとりたいという考え方でございましたので、二十六工場がおおむね市乳地帯もしくは準市乳地帯の工場かとられておるのでございます。そういう地帯での工場を調査いたしまして、その中で、一日百八十CCびん五千本以下の処理工場は標準的経費を求める工場としては適当でないということで除外をした。それから、調査の結果、どうもこれだけ経費がかかるのであれば年間常に赤字を出しておることになるというような工場の経費については、標準的経費をはじくものとして適当でなく、またその信憑性についても問題がございますので、除外をした。残りました工場について平均的な処理経費を算出し、それに上下の幅に一シグマを加え、もしくは引いたという作業をいたしたのでございます。  これは前回も申し上げましたように、普通牛乳については、製造販売経費は、平均的に申し上げまして三円三十三銭、それにプラス・マイナス三十八銭の幅がある、平均利潤を二・五%というふうに見ますれば、二十九銭というものが平均利潤になる、合計しまして三円六十二銭に上下三十八銭の幅だ、加工牛乳につきましては、製造販売経費の平均が三円七十四銭、変動幅が四十八銭、平均的利潤が三十二銭ということで、合計平均四円六銭にプラス・マイナス四十八銭という幅がこの調査では出ておるということを指示をいたしておるわけでございます。  それを具体的に飲用向け原料乳について当てはめるとどんなことになるかということでございますが、一応東京の建て値を前提に置きまして、いまの数字を当てはめて飲用向け原料乳に支払い得る価額を計算いたしてみますと、これはいろいろな条件が加わって計算をしておるのでございますが、平均的に見ますと、一合当たり八円四十一銭ということになりまして、上下幅四十三銭、したがって、最低限が七円九十八銭、最高限が八円八十四銭という数字が試算から求められるのであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これにはやはり脂肪スライドは含まっているわけですか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 脂肪スライドは、これはメーカーのところでも私のところでも非常な激論があったところでございますが、普通牛乳については、おおむね脂肪分三・〇もしくはそれにわずかにアローアンスがある程度というような見方をいたしまして、脂肪スライドをいたしております。加工乳につきましては、これはほとんどいわゆる中間脱脂をいたしておりませんので、これは脂肪スライドをしないという前提を置いて計算したものでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次に、生産者団体がいわゆる農林省の逆算方式の加工経費というものを大体支持した形で交渉を行なっておるわけですが、その場合の試算上の取引価格というのはどういうことになっておりますか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 たいへん不勉強といいますか、申しわけないのですが、農業団体の試算というのは、実は私は詳細を存じませんので、御了承いただきたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 松本課長……。

松本作衛農林事務官(畜産局牛乳乳製品課長)

○松本説明員 生産者団体が各地域、各県ごとに要求をしている事例は幾つかあろうと思いますけれども、一応中央酪農会議が各県の指定団体に対して出しました資料によりますと、試算をいたしました結果八十八円六十銭という計算を出しております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうしますと、畜産局長の言われたいわゆる取引乳価の幅の上限の八円八十四銭、これは一升にすれば大体八十八円四十銭ということになるのですが、それと似通っているということになるわけですね。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 いま牛乳乳製品課長の申し上げた数字と対比いたしますと、私どもの試算に基づく最高限とほぼ似通った数字になっておるようであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうなれば、たいした問題はないと思うのです。大体生産者団体と農林省の試算が、これは完全に一致ということは言えぬが、そう大きな懸隔はないと見受けられるわけですから、この現実的な生産者の主張する価格あるいはまた畜産局の逆算方式によるあるべき乳価というものを十分適合させるような努力を行なって、ぜひ近い時点で――八月中旬というのはどう考えてもちょっとおそ過ぎると思うのです。もう八月を過ぎれば、これは夏場が過ぎてしまうわけでしょう。だから、われわれとしては、少なくとも七月の下旬までには、畜産局長が先頭に立って努力して、これはたいしてむずかしくなくきまるというふうな期待を持っておったのが、また半月以上も延びるということになると、これは期待に沿わぬ事態ということにもなるわけですから、悲観的に八月中旬までかかるということでなくて、今月一ぱいということになればもうちょっと無理かもしらぬが、八月早々には完全に決定が行なわれるようにするということを目標に努力すべきと思いますが、いかがですか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 できる限り早期に、円満かつ妥当な交渉が行なわれ、その結論が出るように、ひとつ努力をしてまいりたいというふうに思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そこで、申すまでもありませんが、妥結の時期が延びた場合も、妥結価格適用の時期というものは当然さかのぼるということは通例ですが、今回の場合には農林省としてはどういう考えでおるのですか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 妥結すべき乳価水準は、当然、昭和四十一年度の乳価水準でございますから、四月一日以降の乳量について適用すべきものだ、そういうふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その点は了解しました。  最後に一点、加工乳の取引価格のきめ方について、まあ北海道が全体の四割くらいになると思いますが、原則的に北海道の生産者団体と中央のメーカー代表との話し合いがついたということは、結局、取引価格は基準取引価格に乳製品の市価の幅、価格差というものを反映させるということになれば、基準取引価格に上積みして、そうして取引価格をきめるということに原則的な同意が成り立ったということですね。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 加工原料乳に対する現実の取引条件の決定につきましては、乳製品の最大のメーカーとホクレンとの間で決定された条件は、他の二社もそれと同様の条件をのむということを私に明確にいたしております。同時に、メーカー側からは、この決定の条件は主要な内地における加工原料乳についても基本的には同一条件を適用する考えであるということを言っております。で、まだ最終的にどういう内容で取りきめをしたというところまでいっておらないのでございまして、私が報告を受けた限りにおきましては、基本乳価としては基準取引価格によるが、それに市況の好調によるメーカーの支払い余力というものを何らかの形でプラスアルファするというような基本的な考え方について意見の一致を見たということのようであります。具体的な内容は双方とも私に明らかにいたしておりません。あるいは現段階では明らかになっていないのかもしれません。したがって、まあ乳価につきましては、いろんなテクニカルの問題もございますので、われわれ行政庁に対しては何もかも明らかにするということは通例いたさないという慣行があるようでございますので、その点は私どももあまり深追いをする気持ちがないのでございますが、基本的な考え方としては、私どもが指導といいますが、考えておりました方向におそらく沿っておるものというふうに考えておる次第でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そこが何だか奥歯にものがはさまったような調子じゃないですか。私が聞いておるのは、原則的な話し合いがついたということを局長が冒頭に言っておるわけですね。したがって、その原則というものは、政府が告示してある基準取引価格に市価の好況部分というものを反映させるということになれば、当然基準取引価格にたとえば一升について二円とかあるいは五円上積みをしたものが実際の取引価格ということになるわけですよ。だから、基準価格に上積みされた価格をもって取引価格を契約するということがいわゆる原則的な話し合いの決定線であるというふうに、それ以外に理解する方法がないじゃないですか。そういうことなんでしょう。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 ただいま申し上げましたように、牛乳の取引条件の決定にはいろいろなテクニカルな方法が用いられるわけでございまして、基準取引価格の上に何らかのプラスアルファを行なうという点は、どうも双方で話が合い、その点の了解が行なわれたようでございますが、それをいかなる形にするかということは私も聞いておりませんし、あるいはまだそこまで煮詰まっていないのかもしれないということを申し上げておるのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その点が一番大事な点なんですよ。これは、当委員会において、新制度の審議の場合、その後の運営に対して検討を加えた場合においても、取引価格というものは必ずしも基準取引価格をいうものではない。したがって、政府が乳製品の市場価格から逆算した基準取引価格と、つまり主要乳製品価格と、平均的な乳製品の市価との間において相当の価格差があり得るわけですから、現在のあり得る姿というのは、これは市価が主要乳製品価格よりも相当上回って持続しておるわけだから、いわゆる好況が継続しておるわけですね。それはもちろん基準取引価格の上積みという形で生産者に乳価として支払われなければならぬわけですよ。それは支払いをしないということになればメーカー側の不当利潤が増大するということになるわけだから、これは何らかの形で出すなんというものではないのですよ。当然基準価格に上積みをして正式に取引価格として契約されて、それによって公正な取引が行なわれるということでなければいかないわけでしょう。どうしてその点が局長として明快にできないのですか。これは、われわれが即断すれば、かつて問題にしました松本君のいわゆる松本発言の要旨なるものは、この取引価格というものは基準取引価格を上回ってはならぬとか、上回って取引価格がきめられることは制度上好ましくないというような発言が行なわれたときがあるわけです。それは、その後当委員会において局長からそういう意味ではなかったという弁明があったので、われわれは了承したわけですが、その点が明快にされないと、原則的な話し合いがついたらしいといっても、何がついたかわからぬということになるわけですよ。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 乳製品の市価の好況を反映させた形で取引条件の決定をするということは、両者で話し合いがついたというふうに私ども見ておるのでございますが、もちろん、前回申し上げましたように、基準取引価格の上に乳価としてプラスアルファを加えたものを現実の取引価格にするということは何ら差しつかえはない。私のほうは現在でもそう思っておるわけでございます。ただ、乳製品の市況は常に変動をするものでございまして、現段階では、前回私が御答弁を申し上げました当時に比べますと、乳製品の市価はかなり落ちついておる状態なのでございます。そういう、変動常ならないとまで言うのは極端かもしれませんが、とにかく変動する乳製品の市況を反映させる方法というのは、やはり取引条件にいろいろ技術的なくふうが当事者間でなされることが考えられるのでありますから、その点は現段階では私どもも承知をいたしておりませんし、また、その点についてはっきりとしたものであるかどうかも明確でないのでございますので、お答えをいたしかねるのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その点が畜産局長として明確にできないのはおかしいじゃないですか。変動常ならずといっても、主要乳製品価格より下回った市場価格というのは現出しておらぬでしょう。若干の変動幅があっても、それは絶えず主要乳製品価格を上回って持続しておるわけですから、その上回っておる好況部分というものは、これは当然生産者の乳価の上にも配分されるべきものだと思うのです。それは、理由のつかぬ、明らかにされない状態で支払うということではなくて、当然政府がきめた基準取引価格の上にプラスアルファというものは加算されて、そうして公正な取引価格というものが生産者団体並びにメーカー側において契約されなければならぬ。最初からそういう点は法律審議の場合においても明確になっておるわけなんですよ。だから、それを指導できないというのはおかしいじゃないですか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 乳製品の好況によるメーカーの支払い能力の増大という事実があるのであるから、その事実に立って、基準取引価格のほかに指定生乳生産者団体に対する支払いというものを考慮すべきであるということは、私も指導をしてまいっておるのでございます。したがって、最終的にどういう文書上の契約が行なわれるか知りませんが、ただそのつどの契約外のつかみというようなことであれば、私もそれは適当でないと思うのでございますが、支払いの条件としてどういうようなことを約するかという点はやはり当事者にゆだねざるを得ない。そこまで政府が干渉をいたしますことは、ちょっと責任を負いかねるのでございまして、それぞれの団体の事情もあるわけでございますので、市況好況の利益がメーカーにもっぱら留保されるというようなことは、私も容認をいたしがたいというように思っておるのでございますが、ただいま御質問の、どんな形でその話がついたのかという点は、先ほど来申し上げておりますとおり、私も承知いたしておりませんので、お答えをいたしかねるわけでございます。今後とも、いままで申し上げました基本的な立場で、当事者について適正な条件が決定されるよう配慮をしてまいりたいというふうに思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この点は非常に大事な点なんですよ。それで、基準取引価格即取引価格ということであれば別ですよ。そういうことであれば、基準取引価格において必ず取引をしなければならぬというふうに法律ができておればいいわけですが、そうじゃないわけでしょう。基準取引価格というのは、あくまでも、これ以上下がってはならぬ、基準取引価格以下で取引価格がきめられてはならぬということが第一の点ですね。基準取引価格以下の取引価格というものはあり得ないわけですからして、これが第一の点。そのかわり、基準取引価格以上の取引価格というのは、いまの法律の仕組みでは当然あり得るということになっておるわけですね。だから、基準取引価格を上回る取引価格があり得るということは、結局、主要乳製品価格よりも乳製品の市価というものが継続的に上回っておるという好況部分が反映された場合には、基準取引価格を上回った取引というものは、正式に契約の形で実行されるのが当然でしょう。だから、私の言うのは、原則的な同意というものは、市況の好況部分というものが当然基準取引価格の上に上積みとして加算された取引価格というものが契約されるということの可能性、現実性というものが当事者間において了解されたというふうに、先ほど局長の冒頭の説明を聞いておったわけです。それがどうもあなたの答弁の中で、そうでもないような要素も感ぜられるわけでありますから、この点はあくまでも明確にしておいてもらいたい。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 現段階で私が報告を受けた範囲内で明確にし得ますことは、基準取引価格のほかに、メーカーから乳製品市況の好況を反映したプラスアルファの支払いを行なうという点について当事者間の了解が成立をしたということでございまして、それ以上のことは報告を受けておりませんので、明らかにいたし得ないのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ですから、それは具体的に基準取引価格にプラスアルファとして加算された金額で取引価格というものがきめられる、こういうことであればいいのです。それならわかるんですよ。そうなんですか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 その点は、最終的に当事者間で、先ほど来申し上げておりますように、取引条件のいろいろな技術的くふうというものが当然あり得るわけでございますので、今後の推移を見ませんと、ここでどういうふうになるということを私からはっきり申し上げるわけにまいらないのでございまして、いずれにしましても、好況を反映する支払いというものだけは当事者間で了解が得られておるということで、基本的に、乳製品市況の好況の利益をもっぱらメーカーが留保するというようなことは避け得られる、避け得られるといいますか、そういう不合理な形にはならないということだけは明確になったと理解をいたしております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ですから、その好況部分の反映というものが、恩恵的にメーカーから生産者に支払われるとか、メーカー側の意思によってそれがいつでも中断されるとか、履行されなくてもそれは生産者側においていたし方がないというような状態の上積みというものは、われわれは取引価格のあり方ではないと思うのですよ。そういうことしかできないということであれば、むしろ基準取引価格を改定したほうがいいわけです。そうすれば、これはいやおうなしに基準取引価格を現在よりもある程度引き上げて、これを下回って取引をしてはいけないということでいったほうが、強力な取引ができるということになるのですよ。しかし、基準取引価格というのは牛乳年度内においてみだりに変更をしない、よほど大きな経済変動がない限り変更しないということであれば、その一年間の期間内における好況の反映というものは、当然取引価格というその価格の中に包括されて、基準取引価格の上積みということで処理されなければならぬじゃないですか。その点を繰り返し繰り返し私は言っておるのですよ。あたりまえのこと、当然なことが実行されないというのがいまの酪農問題なわけですから、この点は、局長としてもう少し明快にできないことはないと思うのですがね。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 畜産局長自身が取引当事者、契約当事者でございませんので、現段階でどの程度のお話になっておるかも、先ほど申し上げました基本的な了解点以上のことを了知しておらないのであります。ただ、先生の御指摘の中で、私ども十分指導上の注意を必要とすると考えますのは、好況を反映して基準取引価格のほかに支払いが行なわれるという場合でも、それはメーカーのお仕着せ的な、あるいは契約外の何らかの恩恵的措置というようなものに終わってはならないという点は、私も同感でございまして、契約上の支払いということにすべきものであるという点は、今後十分留意をしてまいりたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、農林省の指導的な方針として、乳製品の市況の好況部分というものは当然基準取引価格に上積みされて取引価格として実行されるべきものである、この点は農林省の方針としては間違いないわけでしょう。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 私は、乳製品の市価の好況による支払い能力の増大というものが、農民の生産意欲を向上させるということのために、追加支払いとして還元をすべき性質を持っておるという点については同意見でございますが、ただ、あの制度自身の中にも、安定指標価格水準から一定の上下の幅だけはメーカーの採算リスクの中で変動あるべしという考え方をとっておりますので、その点はやはり制度全体の仕組みの中で頭に入れつつ、お話のような方針を指導の方向として持ってまいりたいというふうに思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それじゃ基準取引価格によって取引価格をきめるという理論になる。そういうことしか考えてないのですか。取引価格というものは基準取引価格をもってすべきであるというふうに、いま方針が変わっているのですか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 基準取引価格以下の取引は法律上許されないというたてまえをとっておるのでありまして、基準取引価格のほかにメーカーの支払い余力があるのに、それ以上の取引を認めないなんということは考えてない。その点は、前回以来申し上げておるとおり、農林省としては方針は変わっておるわけではございません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ですから、基準取引価格に上積みをされた価格で取引価格がきめられるという場合には、それを阻害するなんという考えは毛頭ないのでしょう。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 そういう取りきめが行なわれ、農家のために有利な条件が付加されるという場合に、農林省としては、それを妨害する、阻止するというようなことはやるべきでもないし、そういうことを考えてはおりません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ですから、上積みされる取引価格というものは、契約的には、乳製品の指標価格よりも市価が持続的に好調であるという場合には、やはりメーカー側において基準取引価格より上回った取引契約がなされるのは当然であるということになるわけでしょう。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 市価が好況の場合に、その好況を反映して、基準取引価格のほかに追加支払いといいますか、プラスアルファが行なわれるのが至当であるというふうに私は思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ですから、プラスアルファが行なわれて、それが正式な取引価格として当事者間で決定され、実行されることは、これはいまの制度から見て当然なんでしょう。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 私は、実質的な議論としては、先生のおっしゃるとおりであると思うのであります。ただ、生乳の取引については、取引条件のきめ方というのは、それぞれの団体なり当事者間のくふうが行なわれることはあり得るということを申し上げておるのであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ですから、それは取引価格の契約の内容にわたる問題でしょう。契約上の技術的な問題でしょう。だから、基本的な方針あるいは原則としては基準取引価格に上積みされた取引価格というものがあるということは、現実的に当然なことですから、乳製品の市況が好調であるという場合には、当然基準取引価格より相当上回った取引価格は現実に契約として実行されるわけでしょう。あたりまえのことを繰り返して聞いておるわけなんですよ。そうならそうだというように言ってくれれば、もう質問は終わるのですよ。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 何度も繰り返すようでございますが、契約に基づいて乳製品の好況を反映した取引条件を決定すべきであるという点については、先生と何ら意見を異にしておるわけではございませんので、その取引条件の内容につきましては、当事者間においてそれぞれいろいろなくふうが行なわれましょうから、その点は当事者間の決定にゆだねるべきである、そこまで行政当局が関与すべきではないというふうに考えておるのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ではきょうはこの程度にして、あとすみやかに八月早々に飲用乳等の関係については農林省としての最大の努力を行なって、そうしてその成果というものを当委員会にまた報告してもらいたいと思います。いいですか。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 ただいま御質問のございました御趣旨に沿いまして努力をいたし、その結果につきましては、追って御報告申し上げるようにいたしたいと思います。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時十九分休憩      ――――◇―――――    午後一時四十五分開議

中川俊思自由民主党

○中川委員長 休憩前に引き続いて会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について質疑を続行いたします。兒玉末男君。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 岡田部長にお聞きしたいのですが、今回の農安法の一部改正に関連しまして、現在のカンショの原料基準価格の公表の期限を十月二十日とすることに改定をしてありますけれども、実際には南九州地区においては、ほとんど九月の下旬から十月の上旬、中旬にかけて四割近くのカンショの生産がなされるわけでありますが、これを十月二十日としたのはどういうふうな根拠に基づくものか、お聞かせいただきたいと思います。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 基準価格の決定について、できるだけ早くというふうな御要望があったわけでございまして、いろいろ検討いたしたわけでございますが、現在の価格の決定方式につきましては、需給事情を参酌することになっておるわけでございます。したがいまして、需給事情を参酌いたしますについては、作柄なり予想収穫高というもの、か明らかにならないと、需給事情を参酌するということができないわけでございます。そういう点から、予想収穫高の調査がどの程度早められるかということを検討いたしたわけでございますが、どうしても現在の情勢のもとにおきましては、十月の初旬でないと予想収穫高の調査が完了いたさないわけでございます。そういう点から、従来十月三十一日であったものを十月二十日ということにいたしたわけでございます。形式上は十月二十日ということになっておりますが、実際にはできるだけ早めてきめるように努力をいたしたいというふうに考えておるわけであります。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 それでは、本年度の米なり麦、なたね等農産物の価価の状況を見てみますと、どの部門においてもある程度の値上げをいたしておるわけです。カンショの場合におきましても、今回の農安法の改正によって、その趣旨から考えましても、少なくとも昨年の価格よりも下回る基準価格というのは、絶対にあり得ないのではないかというふうに判断いたします、か、特に需給の関係から申しましても、先般の当委員会における私の質問に対しても、特にでん粉はかなりの数量が不足する、こういうふうな状況等から判断しましても、本年度の基準価格というものは、少なくともある程度の引き上げということは当然予想されようかと思うのです、か、現時点において農林省としてはどういうふうな考えをお持ちか、お聞かせをいただきたい。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 今年の基準価格でございますけれども、現在まだパリティも明らかになっておりませんし、生産がどの程度行なわれておるかということにつきましても、まだ的確な資料がそろっておらない事情でございますので、どのような価格になるかということにつきまして、現段階では何とも申し上げかねるわけでございますが、先般農安法の改正がございました。また、それに基づきまして政令が公布されることになっておりますので、その趣旨にのっとりまして、妥当な価格が決定されるようにいたしたいというふうに考えております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 昨年三十二円という線が確立されまして、実際の生産地における取引は、確かにこの基準価格を上回る価格でほとんどが取引されていると思うのですが、やはり過去十年間前後のカンショ価格の推移というものを見てまいりますと、たとえば歩どまりの点から申しましても、実際の基準価格の推移から見ましても、ほとんど横ばいの状態に置かれている。しかも本年度は、生産者米価の問題、麦、なたね等におきましてもある程度の引き上げをしておるという、この客観的な情勢というものをやはりわれわれは十分とらえながら、対処していくべきであり、しかも需給関係でも先般部長がはっきり答弁されましたとおり、とにかく価格が現行よりも上がらなければいけない要素はあったにしても、据え置きなりあるいは下がるということは全然ないと私は思うのです。その辺もう少し前向きの姿勢で取り組むというようなことで、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 ただいま申し上げましたように、パリティがわからないことと、生産量がどの程度になっておりますか、まあこれは、毎年生産量の変動というのはやはり相当な幅があるわけでございます。したがいまして、そういう点からどのようになっているか、あるいは生産費がどういうふうになるかというようなことも、これは参酌要素になっておりますので、そういう点をよく見ませんと何とも申し上げかねる、こういうふうに思うわけでございます。ことしあたりは相当取引価格は上がってまいっておる。需給関係から申し上げますと、相当供給量が不足しておるという形から、現実の取引価格は高くなっておるわけでございます。最近の価格はやや一服という形だと思いますけれども、今後どのように推移いたしますか、今後の生産状況によりまして取引価格もかなりの変化があるのではなかろうかというふうに考えるわけでございますが、ただいまのところ、先ほど申し上げましたような事情で、的確にお答えすることはできない状態でございますので、御了承をお願いしたいと思います。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 それから今回の法律改正で、第八条の二の第一項に、「(只甘しょ又は馬鈴しょの価格に関する勧告)」、いわゆる原料基準価格に達しない価格で取引がされ、あるいは買い入れるというような場合においては、都道府県知事なり大臣が勧告するということになったわけでありますが、いまの部長の答弁にもありましたが、少なくともこの法律の適用は、やはり政府の原料基準価格というものが公表をされた時点で、初めて私は勧告の意義というものがあると思うのですが、そういう点から考えますと、カンショ生産地においては、この法律が定める十月二十日がぎりぎりでありますけれども、実際にはその以前に相当数量が取引をされる。その場合、この勧告の意義というものは、私はきわめて薄いものじゃないかと思うのですが、その辺の関連はどういうふうにお考えになっておるのかお聞かせいただきたいと思います。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 勧告の適用の問題でございますが、この問題につきまして、もちろん、価格がきまりますれば、それに基づきまして勧告をするということになるわけでございます。したがいまして、できるだけ価格の決定を早める必要があるというふうに考えておりますので、できるだけ早くきまるように努力をいたしたいと思いますが、しかし、それ以前にも取引があるわけでございます。そのような場合には、価格がきまったあとにおいても、すでに行なわれた取引について適正なあと払いをするような勧告も不可能ではないわけでございますので、その辺はそのときの情勢に応じましてしかるべき運用をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 やはりこれはせっかく勧告の規定が明らかにされたわけでありますから、その価格については、たとえ基準価格の設定がおくれましても、この八条の二の精神からいうならば、これはやはり遡及して適用すべきであり、また事前にそのような行政指導というものを的確に行なう必要があるんじゃないかと私は思うのですが、この辺はどういうふうにお考えになっておりますか、お聞かせいただきたいと思います。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 お話のとおりでございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 統計調査部長にお伺いしたいのでありますが、先ほど岡田部長からも御答弁がありましたが、今回カンショ、バレイショの基準価格の公表の期限は十月二十日で、いままでより十日間繰り上げになったわけですけれども、それでも私たちは実際はおそいと思う。もちろん、部長はできるだけ早い機会にきめるということを申されましたが、特に作柄なりあるいは予想収穫等々がなかなか早急に把握できない、こういうことが一つの原因のようでありますけれども、大体カンショの生産地なり、またいろんな生産条件、気象条件等、そういう予想というものは、相当以前に把握できるのじゃないかと思うのですが、現在統計調査部において何が一番の隘路になっているのか、この点ひとつ時期がなかなか早くできないというのはどういうところに原因があるのか、また収穫予想等はどういう形において調査をするのか、この辺の調査の状況についてお聞かせいただきたいと思います。

松田寿郎農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○松田説明員 私、まだ参りまして間がございませんので、よくお答えができるかどうかわかりませんが、予想収穫高の時期を定めますのには、主として生育を判断いたしまする技術的な観点から、この時期をきめておるというふうに聞いております。したがいまして、おっしゃるとおり、いろいろな経済問題からまいりますと、なるべく早いほうがよろしいということでございますけれども、技術的には、あとの実収高の調査とそう狂うような予想でございますと、これまたたいへん問題がございますので、技術的にぎりぎりのところをきめましたのは、カンショで十月五日、バレイショで十月十日、こういう時期が選ばれておる、こういうふうに承知いたしております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 いま統計調査部長の答弁によりますと、大体十月五日ごろには総体的な調査結果がまとまる、こういうふうに確認してよろしゅうございますか。

松田寿郎農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○松田説明員 そのとおりでございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 それでは岡田部長にお伺いしたいのですが、いま統計調査部の答弁がありましたとおり、大体十月五日にはまとまるということでございますが、そういう点から判断しますと、並行的に作業を進めていくならば、やはり十月十日前後に過去においても基準価格を公表した実績もあるわけですけれども、一体これを二十日とした理由は、いまの統計調査部長の答弁から判断しますならば、私はまだ繰り上げる可能性というものが十分あるのじゃないかと思うのですが、その辺はいかがでございますか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 統計調査部長からお話がありましたように、十月五日ということになっておるわけですが、従来は十五日ごろに出ておったわけでございます。それをできるだけ早くということで、一昨年から十月五日前後に統計を出していただきたいということにお願いしたわけです。したがいまして、五日ごろに出ますと、それから並行的に価格の計算はできるわけでございますけれども、御承知のように、価格決定についてはいろいろな問題がございますので、若干の余裕をとりまして二十日ということにいたしたわけでございます。実際には、昨年、一昨年も十日前後にきめるということに努力をしておるわけでございます。形式的には二十日になっておりますけれども、十日前後にきめるように努力をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 松田部長にお伺いしたいのですが、いままでの収穫予想高と実収高との誤差といいますか、これは全体の数量から見てどの程度の誤差があるのか、この点、もしわかっておりますならばお聞かせをいただきたいと思います。

松田寿郎農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○松田説明員 まだその数字は手元にございませんので、何でしたら取り寄せましてお答えいたします。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 次に、この前の委員会で、川崎委員の質問に対して部長が答弁されておりましたが、大体コーンスターチが本年度は約九万トン程度余分に買い入れをせざるを得ないだろう、こういうようなことがありましたが、少なくともやはりカンショの作付というものは、価格が非常に低いために、毎年減反の方向にある。しかしながら、これはやはり価格が安定していくならば、国内におけるでん粉の自給度というものはまだまだ高めていくことができるのじゃないか。こういう点から考えますと、昨年の国会で、関税定率が十八万トン以上は二五%、こういうことにきまりましたが、この中身というものを見てまいりますと、これは関税率審議会において、一〇%の適用を受ける量というものは自由に変更できる仕組みになっておるということを実は私この前聞きまして、びっくりしたのでありますけれども、やはりそういう一つの抜け穴みたいな法律でありますけれども、これは無制限に緩和すべき筋ではないと思うのです。少なくとも政府は、これから拡大するコンスのいわゆる需給関係、特に供給する対象というものを野放しにすべきではないと思うのです。やはりある程度政府がきちんとコントロールしていかないと、コンスの分野が無制限に拡大されていきますと、今後、私はカンショでん粉に対する影響というものはきわめて甚大だと思うのですが、コンスの供給先について全く野放しにやるのか、ある程度コントロールする必要があるのじゃないかと私は思うのですが、その辺どういうふうな御所見をお持ちか、お伺いしたいと思います。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 コーンスターチにつきましては、御承知のように、コーンスターチ固有の消費の分野があるわけであります。したがいまして、原則としまして、コーンスターチの本来の用途に使用されるような指導をいたしております。もちろん、甘味原料につきましても、不足する分につきましては、ある程度供給せざるを得ないかと思いますけれども、原則といたしまして、本来の用途に使用されるような行政指導をいたしてまいっておるわけでございます。今後もそういう考えで指導してまいりたいと考えております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 現在のコンスの大体の供給先といいますか、用途といいますか、どういうものが一番多いのか、その点、わかっておりましたらひとつお聞かせをいただきたい。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 コンスの主たる用途は、加工でん粉、繊維、制製紙等が重点になっておるわけでございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 まだ国内のバレイショ、カンショでん粉がどの程度の生産量かはっきり把握できないと思うのですけれども、先般の部長の答弁によりますと、コンス大体二十七万トン、こういうことが発表されましたが、これからさらにふえるところの可能性、こういうものはないかどうか、また、その場合においても、特にいま申し上げたような供給先の規制ということをますます強めていく必要があると思うのですけれども、さらに二十七万トンを上回るような状態というものは全然予想されないかどうか、この点お聞かせをいただきたい。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 でん粉の生産状況によりますので、一がいに申し上げられないわけでございます。したがいまして、まあ国内に一定量のでん粉の消費が必要である限りは、ある程度それに供給せざるを得ない、こういうことになりますので、量的に国内でん粉が減れば、コーンスターチをふやすということも考えられますけれども、現在のところは、本年の生産がどのようになるかということについて明白な見通しがないわけでございますから、特に一次関税割当をふやそうというようなことは考えておらないわけでございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 それでは一〇%適用の分は一応二十七万トンに押える、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 そういうふうに了解していただけばけっこうだと思います。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 これで質問を終わりますが、特に御要望申し上げたいのは、このカンショ価格に対して、特に生産県である南九州なり千葉県、茨城県等は相当期待を持っておるわけであります。もちろん、私たちはこの価格がべらぼうに高くなってもいいということではなくて、安定した価格で生産農民が生産に従事する、このことがきわめて大事じゃなかろうかと思うのです。特に現在の情勢から判断しましても、先ほども申し上げましたが、特に米、麦、なたね等、すべての農産物がある程度の価格の引き上げをしている。こういう点から考えましても、またカンショの価格の推移というものから判断しましても、少なくとも昨年よりも当然ある程度価格を上げるべきだ、こういうことを私は常に考えておるわけですけれども、この辺のことを十分ひとつ考慮していただいて、しかも価格の設定をできる限り早目にして、価格の公表をしていただきたいということを最後に要望申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 松浦定義君。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 農産物価格安定法の一部が改正になって、それぞれ政令の制定等にいろいろ努力されておるようでありますが、きょうは各委員からいろいろその立場立場で御質問があろうかと思いますが、私二、三の問題だけ簡単に質問をいたしたいと思うわけであります。  今度、農産物価格安定法が改定されたことについては、カンでん並びにバでんの原料生産者は非常な期待を持っておるわけです。なぜそういうことに期待を持つかといえば、昨年の十月の価格決定のときに非常に混乱をした。そこで、政府並びに与党も、これは何とかせなければならぬというふうなことで、次年度、すなわち今年は、価格安定法の一部を改正しなければ農民の要求するような価格にならない、こういう決断のもとに、昨年私どもとしては、まあ上がったとは思わぬけれども、大体横ばいの状態でかろうじてこれを食いとめたということになったわけです。今度の安定法ができまして、先般もいろいろ議論をいたしたわけでありますが、いずれにしても、期間がないという関係から、十分な討議はしておらないわけであります。そこで重要な問題は、物価の問題をどういうふうに価格安定の基礎に入れるかということは、いろいろ改定の中にもあったわけです。   〔委員長代席、田口(長)委員長代理着席〕  それから一番問題になっておる、生産者が圃場から工場へ運ぶ原料運賃、こういうものも、明らかにこれは加工費の中に入れるべきである、こういうことを昨年度からそれぞれ主張しておったが、一応入ったことになった。  そこで、私率直に伺いますが、いま兒玉委員からいろいろ御質問がありましたが、このような状態でいった場合に、ことしの十月二十日ということでありますが、そのときの価格の発表は、昨年とどのような変わりがあるのか、法律に基づいて農林省のほうで算定した場合ですよ。その点を率直に御意見として承りたいと思います。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 先ほど兒玉先生から御質問ございました点でございますが、実は現段階では、パリティがどのようになるか、あるいは物価がどのようになるか、生産がどのようになるかということにつきまして、資料が全然そろっていないという状況でございますので、どのような価格になるかということを現段階において申し上げるのは非常に困難だというふうに考えておるわけでございます。いずれにいたしましても、法律が改正になりまして、政令で算式を一応つくったわけでございます。法律の改正の趣旨にのっとりまして、適正な価格がきまるようにつとめてまいりたいというふうに考えておるわけであります。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 昨年の価格決定のときに、大体据え置きでいくというような状態ですと、政府はあらゆる価格決定の場合にもそういうことを発表するわけですが、まあ一割、二割下げてくる、ことしはいろいろな条件が悪いから下げると、こう言うんですね。それじゃ困ると言うと、ちょうど最初の考えどおり平均そのままでいく、こういうことになるわけです。今度の場合はそうはいかないと思うのです。法律は改定されたのですからね。しかも物価の上昇を考慮するということは、あの法案の決定する直前においては、閣議でもって藤山長官が非常な反対をしておる。しかもこれは相当新聞なりテレビで発表しましたものですから、全国でもそれを聞いておるのです。そうしますと、あれだけ反対をしたものが一応議員立法で通ったんですから、反対するということは、上がるから反対するのであって、それが通ってしまっても、いま政府のほうでは、まだそういうことで状態がわからないといったようなことでは、藤山長官の反対の理由というものは何ら根拠がないのじゃないか。しかし、反対する限りにおいては、これは上がるのだということであれば、物価というものが入り、あるいは運賃というものが入った場合には、それは昨年よりはどの程度ぐらいは上がりますということが言えないだけで、腹の中にはあるのじゃないかと思うのです。われわれの推定では、たとえば物価の問題は、いろいろパリティの問題等あるし、あるいは生産量等ありましょうが、これが現行のままでいいというあれではないのです。これは上がるわけです。ましてや運賃なんというものになりますれば、これは明らかなんです。私ども自分のところで生産するものを見ておりましても、最低これはもう三十円から四十円、最高でありますと八十円から百円くらいのものはもう現に農民が負担をしておるわけです。そうしますと、それがもう入るのですから、そのうちの何割かという状況ではないのです。これは平均でとるかどうかは別としても、この分だけでも相当上がることになるのですが、そういう調査が今日まだできておらぬ。したがって、法案が改正された限りにおいては、やはりその趣旨に沿って努力するということならば、明らかにその点はもう現実の問題として今日わかると私は思うのですが、いまいろいろのお話を聞きまして、なるほど諸情勢を調査しなければわからぬとおっしゃいますけれども、それじゃ昨年より下がるのか、現行どおりなのか、あるいは上がるのか、この三つの点について、どのような見解があるかということを率直にひとつ言っていただきたいと思います。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 今度の改正で、パリティ価格を基準にしてということになって、そのほか生産費なり、それから需給事情、物価、経済事情を参酌するという形に改正された。そういう形で、パリティ価格を基準にしてその他の要素を参酌するということになるわけでございますが、そこで、基準とするパリティ価格につきましては、昨年度の基準価格をパリティで上げるということになるわけです。したがいまして、基準となります価格の要素につきましては、パリティが上がれば、その分だけ上がるということになってまいる。参酌要素につきましては、先ほど申し上げましたように、物価、需給事情、生産費、経済事情というものを参酌するわけでございます。それがどういうふうな形になるかということは、一応資料がそろいませんと、その参酌要素につきましては、現段階でどのようになるかということを申し上げるのはちょっと困難ではないかというふうに考えております。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 そうしますと、この法案を昨年の懸案事項として改正をしよう、こういうことで、与党の責任においていろいろやられたわけですね。しかし、あのときの内容を見ますと、それは政府当局は反対しておる面は多少ありましたけれども、与党として昨年農民に約束をした立場から、あるいは他の物価から見た場合においては、これは当然変えるべきである。だから、その中心になる法律の内容を変えなければいかぬということで検討されたわけです。ところが、いま私どもが主張しておりますことは、与党の責任ばかりでなく、やはり三党共同でもってこれを改正したわけです。われわれ日本社会党が考えておりました、たとえば物価の問題とか、あるいは運賃の問題というのを新しく入れたわけですよ。そうしたら、いまのお説ですら、何らこれは回答として満足するものがない、三党共同でなく、与党だけの考え方でもしこの法律が通ったとしたら、全然私は問題にならぬと思うのです。そうなんでしょう。そうなのでも、約束だからといってあの当時努力されたことは私は多といたしますけれども、何とか体面をつくろうということでおやりになった。しかし、われわれはただ単なる体面をつくろうだけではいけない。実質的に価格の適正を期するためということで、物価の問題を入れたり、あるいは運賃加算を適正にするということでやったわけです。そうしますと、あれが入らないでも、与党としてはあれは精一ぱいの法改正だったと私は思うのです。あれでは私は問題にならぬと思うのですよ。いまの御説明を聞いても、何ら前進しないということでありますから、それではむろん農家も原料生産者も納得いたしませんし、政府の考え方としても私は適正ではないと思うのです。いまここで部長が、それじゃこうします、高くなりますということを言えないことは私もよくわかりますけれども、少なくとも法案が改正されたときに、法案が改正されましたからこの点とこの点が入ります、だから現在よりもこうなりますということを、私ははっきとすべきであると思うのです。ところが、従来と同じでしょう。あの改正のときに、社会党が何らそれを改正することをせずして、与党だけでも通すのだということで、もしほかの法案と同じように強行してでもあれを通したら何が残るかということぐらいは、私は少し政府としても責任を感じてほしいと思うのです。法案を改正したときには、農林大臣もちゃんと、議員立法であってもきまったら政府の責任においてやります、善処いたします、努力いたします、通例のことばとはいいながらそう言われた。内容においては、先ほど言ったように、藤山長官が反対しておるのですが、反対するということは、上がるから反対する、他の物価に影響があるからということで明らかにしておるのですよ。ところが、いまの部長のお考えですと、一つも関係がない。上がらない、前のとおりなんです。これじゃ藤山さんなんか何を言っているかと私は言いたくなるのです。藤山さんが反対したら、反対の理由は、これだけ上がります、それは国会で決定されたのだから当然だと思いますということぐらいは、所管の責任者としたらやはりここで発表してもらわぬと、十月二十日になっていろいろ議論がありましても、出てきたものは何ら問題にならぬ。また去年と同じように、法案が改正されてなったのではなくして、脱党だとかなんとかいう行動がその考え方をきめたということになるんじゃないですか。私は今度はそういうことは絶対許しませんよ。前だっておかしいですけれども、過ぎたことだから黙っていますが、法律というものはそういうものじゃないですよ。脱党ということは党員が減ることなんです。二百人が百五十人になったって、それは何でもないですよ、ものをつくったり何かするということは。国会できめたことはきめたとおりにやってもらいたいと思う。今度の場合は、そういう懸案のもとにできた改正法律に基づいて、まだ今日依然としてあれがなければ、この資料がなければということで――それはそれでいいのですよ。私は、たとえば一円でも二円でも上がらないのかどうかということを率直に聞いているのです。それでなかったら、われわれが議員立法としてこれは適正だということで、政府が出さないものをやったという国会の権威にもかかわるんじゃないですか。その点をひとつ明らかにしていただきたい。金額は要りませんよ。上がるなら上がります、現行より上がりますということぐらいは言っていいと思うのです。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 御承知のように、法律改正になりまして、従来はパリティ価格、生産費、経済事情を参酌してということで、パリティ価格は独立の要素としては扱われてなかった、並列的に考えられておったのです。ところが、今回の法律改正で、パリティ価格を基準としてその他を参酌するという形に変わった。参酌要素の中に物価というものが入ってきた。そういう意味から、前の扱い方とは当然違ってくるわけです。そういうことで、政令もその法律の趣旨にのっとって、方式を一つつくりまして、一つは基準としての方式、一つは参酌要素としての方式ということにいたしたわけであります。したがいまして、従来のやり方とはかなり変わってきておるわけでございます。そういう趣旨で価格を決定さしていただきたいと考えておるわけでございますが、具体的には、お話のように資料がございませんので、どの程度上がるか、どういう形になるかということにつきまして、現在の段階で私たちが申し上げるということはちょっと困難ではないかというふうに考えております。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 やはり総理大臣でなければだめなような答弁なんですね。これは農林大臣が責任あることになると思いますが、とにかく私どもは、どんなことがあっても最低百円はもう上がるんだというふうに考えているわけなんですよ。だから、そういう点は、これからの資料を法律改正に沿うようなまとめ方をしてもらいたい。私はそういうふうにひとつお願いをいたしておきます。  それからことしの北海道――きょうは九州から関東から全国ですから、私は北海道のバレイショの問題だけお尋ねいたしますが、どうもまだ調査が不十分で、ことしの反別が昨年と比較してあまりふえていないのじゃないか、むしろ減っておると私は思うのですが、これはそちらのほうではどのような調査の結果ですか。ことしのバレイショの作付面積をちょっと知らしてください。

松田寿郎農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○松田説明員 作付面積は、八月一日現在の調査になっておりますので、現在わかっておりません。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 八月一日が一番最初のあれですか。――そういうことだから、私は価格決定がおくれると思うのですよ。五月の二十日以降にまいたってもうだめなんですよ。三ヵ月もしてもまだ資料が集まらぬということはないでしょう。私は農林省の責任を聞いておるのですよ。そうしますと、わからないわけですね。五月二十日に農家はまいてしまう。六月ごろまいたら、たとえば三分作くらいしかとれないと思いながらもやっておる。そういう貴重な実態がまだ今日わからない。八月にならないからお調べになれないと思うかもしらぬけれども、たとえばそれがきまりまして、それからいろいろな資料が出てくる。また災害があったとか、いろいろな問題で、北海道はいまたいへんなんですけれども、そういうものを考慮に入れますと、今度の政令で十月二十日になったけれども、平常にいったって、これが十月二十日にきまるようなことはこの状態ではとてもないわけですね。水田なんかの問題でこんな調査をやっておったらたいへんなんですよ。畑作の調査だけが八月にならなければできぬ。七月ごろに第一回をやって、八月の末に第二回をやる、こういうことがどうしてできないのですか。

松田寿郎農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○松田説明員 御承知のように、作付面積が冬作と夏作に分けまして、それぞれ年に一回、冬作は四月一日、夏作は八月一日に一斉に調査をいたしております。といいますのは、作付は、調査をいたしますときは、畑の全体のいろいろな作物別の作付を一斉に調査いたしませんと、なかなか調査が完全にまいりませんので、そういう関係上、夏作は八月一日現在で全国一斉に調査をする、こういうことに従来からなっておるのでございます。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 そういうやり方は、それはいつからやっておるのですか。ずっと何十年も前からでしょう。何十年ぐらい前からそれはきまったのですか。

松田寿郎農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○松田説明員 私もまだ十分承知しておりませんが、もう四、五十年あるいは明治以来かと存じております。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 それは歴代の部長、われわれの生まれたころからおそらくもうそのままできておるのでしょう。そういうことだから、価格の決定のときだけ資料をひねくり回したって、資料をどんどんひっくり返したって、いい結果は出てこないと思うのですよ。大体農業経営がいま変わってきたのですよ。地帯別にも、構造改善や何かといって、適材適所あるいは構造改善で作物の選択的云々といって、いろいろなものを変えてきているのですよ。そうなったら、そのときに応じた調査をし、取りまとめをしてもらわないと、いまおっしゃったように、四十年も五十年も前から、提出する期限に基づいて調査を進めるのですから、それをやることによって――極端なことを言えば、皆さん忙しいから遊んでおられるわけじゃないけれども、そんなものはちゃんと現地の道庁なり県庁なりがやれば、もうすぐ集まってくるわけでしょう。災害でもあってみなさい。もう一週間できまりますよ。何が何ぼつくってあって、何がどれだけ被害があったということは、三日目くらいに大体方針が出て、一週間もしたらりっぱな資料が出てくるのですよ。そういうように農業経営全体を調査し、そういうものをやらなければならぬ。ただまきっぱなし、とりっぱなしではない。それによって農家が生活をしていくのですから、その基準に基づいて、間違いのない価格の決定をいつどこでやるかということに農家は一番関心を持っておるわけです。そういうものが、四十年も五十年も前から提出期限――提出期限ということは、調査はそれまででよろしいということですから、いま言ったように、一週間でできるようなことを、何カ月も遊んでおってもいいということになる。複雑になることは、皆さんの手が非常にたいへんだと思います。しかし、そういうこともあわせて改善をしてもらわぬと私はいかぬと思います。そういうことが日本農業の行き詰まりをさらに複雑にしておる原因ではないかと私は思うのです。しかも畑作の問題は、いまおっしゃったとおり、たいへん複雑で、水田なんかなら品種別とかあるいはなんとかいうことで、わずかの時間でそれはきまりましょうけれども、畑作の場合はそうはいきませんから、たいへんなことはわかりますけれども、たいへんならたいへんのように、そういう改正できるようなことを私はやっていただきたいと思います。七月二十日くらいに第一回、八月の二十日ごろに第二回、最終決定は九月の末、もうとってしまったらその時分にやるのはあたりまえですが、少なくとも三回は一つのあれでやってもらわなければ、その間に何が起こるかわからない。それに対処する資料がまとまらぬじゃないですか。農林省のどこへ行ってもわからぬ。特に統計のほうではこれはいろいろのことに使う。税金の対策にも使いますし、今後の経営の改善等にも使いますから、貴重な資料です。そのまとめ方がいまのような何十年も前にきめたとおりでやるということは、私はくどいようだけれども、ひとつ早急に御検討をいただきたいと思います。

松田寿郎農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○松田説明員 御承知のように、作付面積は終戦後非常に問題になりまして、現在やっております作付面積の調査は、サンプルをとりまして、それについては、出張所の職員が現実に実地調査をやっておるような状況でございます。現在では相当な仕事の量になっております。したがいまして、夏作の間に何度もこれをやるというほどの人手が現在ございませんので、それで夏作として大体あらゆる作物が現実につかめる時期ということになってまいりますと、八月一日というのが一番適当だということで、そういうやり方をやっております。お話のようにこれを何度かやるということになりますと、御要望にも沿えるのでありますけれども、そういう人手との関係で、現在夏作一回、冬作一回、こういうことになっておるわけであります。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 私の三回というのは、反別は一回でいいのです。大体不測の事態が起こらない限り変更はないのですから、反別の場合は、五月一ぱいで終わるものについては、七月の二十日にきめたものはもう動きはないと思う。ただ、作況の関係がありますから、それでいま言うように、作況の関係が結局価格の決定を動かすわけですから、これは二回くらい、ものによっては三回くらいはできるならやってもいいのじゃないか、こういうふうに私は申し上げておるのです。

松田寿郎農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○松田説明員 私が先生の御質問をちょっと取り違えておりまして、作況は原則として隔月十五日ごろにやっておりますので、御承知のように、一つの作物について二、三回作況をとっております。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 そういう点もひとつ十分検討していただくようにお願いしたいと思います。  まだ北海道なら北海道のバレイショの作付面積がわからないということですが、おそらく昨年より相当反別も減っております。私のおります十勝も、百五十万俵あるいは二百万俵といったようなものを消化するに足る大工場が二つも三つもあるわけですけれども、去年はむしろ消化し切れなくて、ことしの春四月まで貯蔵をして、四月にまたでん粉を製造したというくらいまで多量にとれたわけです。ところがことしは、いまの集計では、むしろ足りない、能力一ぱいで、とにかく原料がない、こういう状態なんです。御承知でありましょうが、今日の北海道は非常に低温であって、凶作でないかというふうな心配がある。ただし、バレイショとかあるいはビートの場合には、このような状態のほうがむしろ気候的にはいいではないかといわれておりますけれども、三十度くらいになったり、十五度くらいになったりじますから、場合によると二次生長なんかやる危険が非常に多いわけです。しかも先般のひょう害等でだいぶ痛められたところがあります。いずれにいたしましても、そう好材料ではないわけです。ですから、価格の問題につきましても、確かにそうした面からいけば原料不足で、やはり製品が不足いたしますから、価格維持の点についても、皆さんのほうで心配するような去年より価格が高くならないのではないかということでなしに、私が先ほど言ったような形よりも、そういう条件とからんで、むしろ価格はなお高くなるのではないかというふうな見方も実は私はしておるわけです。そういう点は、十分資料が出ましてからひとつ検討していただきたいと思います。  それから先ほども児玉委員から質問がありましたが、今度の政令では、価格発表の時期が十月二十日であるわけでしょう。場合によっては五日か十日にはできるという話ですが、やはりいま考えてみますと、その調査が八月にでき、それから作況は十五日、十五日でおやりになっておると存じますけれども、十五日、十五日にやっておっても、反別がきまらなければ、どこでそれをまとめて基準にするかということがわからぬわけでしょう。そこのところを私はどうも納得がいかないのです。やはり反別があって、作況がこうだからどのくらい収量がある、そういうものがまとまってきて、初めて最終的にいくのですが、積み上げがそういう形ですから、やはりいまの状態では十月の二十日でもできないのじゃないか。これは少なくとも九月の十日ごろにはやってもらわなくてはいかぬ。八月にやってもらいたいというのは生産者の意向です。これは米の場合でしたら八月でも七月でもやっていいわけです。どうして米以外のものがこんなにおくれるかということになれば、やはり調査が十分できないからでしょう。調査ができればこれはいつでもできるわけですよ。そういう点で、私は、十月二十日ということについても、いまのような反別調査なり、あるいは作況のそれに伴う報告等をまとめておられれば――物価の問題なんか、農林省が何ぼがんばっておったって、最終的にはそこだけではまとまらぬわけですから、それは藤山さんのほうにも心配してもらえばいいと思うのです。だから農林省が農林省としてやってもらうためには、どうも調査があまり十分でないと思います。かりに八月ということは、いまの状態からいって無理としても、九月の十日にはやらないと、北海道あたりでは、早いところでは、病気でも出るときでありますと、イモを早く堀らなければいけないということで八月二十五、六日からやります。九月の五日となったらほとんどの工場がかかるわけです。十月の末、十一月になったら凍結いたします。そういうことがありますから、九月の二十日になっても、自分のイモはことしはどのくらいになるかということくらいわからないのでは、農家だってちょっとやる気がなくなる。それが十月二十日、三十日になったら、その時分にはもうほとんど農家の手からはイモが出てしまっておる。大体自分の農業経営の計算を胸算用ではじいて、ことしの農業はどうなるかということぐらいやるわけです。これから努力されても、どうしても九月の十日ないし十五日に発表するということにはならないのですか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 先ほど統計調査部からもお話がございましたように、資料がそろいますのが大体十月の上旬ということになりますので、それに基づいて価格を算定するということになります。したがいまして、それを幾ら早めましても、まあ十月の十日前後というのがぎりぎりでございまして、それ以前に早めるということはなかなかむずかしいのではないかというふうに考えております。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 ちょっとくどいようですが、米の場合は、四月、五月で植えつけをやって、そしておそくも六月から七月の初めにはきまるわけでしょう。これは資料があるからきまるわけでしょう。資料なしにはきまらないわけです。米から見たら、金額においても反別においても量においても、カンショ、バレイショ合わせても問題にならないですよ。こういうものは収穫時期が同じですよ。それにもかかわらず、なぜそれができないのですか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 御承知のように、ビートなどは作付前にきめておる。カンショ、バレイショについても、出回りの時期というものがあるわけでありますが、一つは、価格の算定要素の中に、ビート加工については、需給事情というものが入っておらないし、バレイショ、カンショについては、需給事情というものが価格決定の参酌要素になっておるということになっております。したがって、需給事情を参酌するということになりますと、どうしても生産量がどの程度であるかということが明らかにならない限りは算定できない、こういうことになりまして、価格決定のしかたの相違によって期日が変わってくる、こういうことになろうかと思います。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 需給事情の参酌と言いますけれども、米なんかでも足りないわけでしょう。米は足りないから、輸入までして何とかしょうということですよ。カンショあるいはバレイショのでん粉でも、コーンスターチなんかどんどん入れてくるわけでしょう。余るなら余るで安いなら農家だって満足しますよ。それが足りないから入れてくるのですから、そういうよそからどんどん入れてくるものを片一方では持ちながら、一方では生産を需給事情に合わせなければならないということは矛盾しておると思います。何も農家がよけいな要らないものをつくって買えというわけではないので、何ぼつくっても足りないから輸入されるのですから、安いから高いからということは、いまの政府は、農民は苦しんでもよいから、安いものを買ってきて貿易の自由化政策でやっておられるから、これでは議論にならないと思います。とにかく日本の農民がつくったものをなぜ日本で消化できないのか、こういう根拠から、素朴な農民の立場からいけば、需給事情なんというものは、これは絶対に足りないのです。だから、現在日本に、たとえば今年度の生産はどのくらいあるかということは反別によって大体わかりますから、それによって私は、需給事情の算定が十月の二十日にならなければわからないということはないと思います。いまでも大体の方針はわかると思います。むしろ、こちらの需給事情というか、生産量をきめるということよりも、コーンスターチを入れることのほうがずっと早いでしょう。そっちのほうは一年も二年も前からきめてしまう。そのくらいまで業者といいますか、政府も一生懸命でそっちのほうに協力されて、農民の生産するものについては、そういうことで非常に影響をさせるというようなことでは農業政策ではない。コーンスターチなんか入れるのは農業政策でも何でもないんですよ。それは向こうの生産する農民にしてみれば政策かもしれないが、日本にしてみれば政策でも何でもない。農林省は農業政策として、バレイショをつくらせ、カンショをつくらせ、ビートをつくらせ、豆をつくらせていると言っているが、私はきょうは時間がありませんから、幅を広げたらたいへんだと思いますが、豆なんかやったら問題じゃないですよ。少ない日本の生産に膨大な輸入豆をどんどん入れておるから、こういうものを調整してくれれば、農民がむしろ旗で農林省に押しかけるとかいうようなことはないと思います。黙っておっても、いま言われたように、やはり指導に基づいてやっておるわけですから、そういう点をひとつ――これはあまり部長をいじめるのもどうかと思いますが、やってもらいたいと思います。できれば日本の食糧は自給自足にするという方針を大臣も言っておりますが、そういう反面に、いまのような価格一つきめるのでも、需給事情を参酌して、そういうことを考慮しなければできないから、十月二十日で手一ぱいだとおっしゃる。米の場合ならば、そういうことを一つも考えないで、さっと六月にあんなに大動員してきめてしまうわけですよ。わずかなものがきまらない。これはやはりやり方さえ変えればできると私は思うのですよ。農林省も昔のようなことばかりやらないで、若い人もどんどん勉強されて出てこられるのですから、やはり農民も喜ぶような思い切ったやり方をやってもらいたい。法律も改正されたんだし、価格も相当上がる、だから安心せよということで、十月二十日のやつを十日間繰り上げたのでなしに、少なくとも九月に決定するというくらいまでくれば、これはもうだまされたと思って、また来年は一生懸命でやるのがやはり農民心理ですから、農林省さまさまになりますので、そういう点で、十分、今年のこのでん粉価格の決定につきましては――私は去年のようなことは繰り返してもらいたくないと思います。脱党するからとかなんとかということをやらなければ価格が上がらぬというようなことだったら、私は国会できめなくてもいいと思うんですよ。国会できめなくたって適正な――あなた方、国会できめなくていいと思っているんじゃないかな。もしそれがいいというのなら、全員脱党してでも何してでも価格決定をやられたら、もう日本の予算なんて何ぼあったって足りませんよ。それぞれの議員がそれぞれの立場でやったらとてもかないませんよ。ほかの良識ある人はそういうことをやらないから、まだあるだけですよ。せっかく法案ができて、りっぱに法案に基づいて、価格がこれだけになったんだ、百円上がったとか、八十円でしかたがなかったとか、そういうような結果にならなければ、私は、国会で、皆さん忙しいのにこうして出ておられて答弁される必要は何にもないと思うのです。どうぞひとつ、ことしの価格決定は法案改正に基づいて、私が先ほどから申し上げておるように、多少日にちのズレはやむを得ませんけれども、来年度からもう少し早く、全国から資料が集まり、そういうものの作業を進めていただくことを条件として、今年度の価格決定は、十月二十日のやつを、せめて五日でも十日でもいいから少し早く発表してもらう、非公式発表でもよろしいから発表してもらう、そういうようにして、あまり問題のないように、農民の要求する価格が算出できまするように努力していただきたいと思います。ひとつ御見解をお聞きしたいと思います。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 そういう趣旨で努力をいたしたいと思います。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 終わります。

田口長治郎自由民主党

○田口(長)委員長代理 桜井茂尚君。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 統計部長にお伺いいたしますが、ただいま同僚議員が御質問いたしました中で、ちょっと気づいた点がありましたので、もう一度簡単にお伺いいたします。  作況は毎月十五日に調べる。ですから、カンショ、バレイショの場合、九月十五日に調べるのですね。

松田寿郎農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○松田説明員 カンショの場合は、作柄のほうは九月一日に調べております。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 では、九月一日で作柄の調査は終わりですか。

松田寿郎農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○松田説明員 九月一日以後になりますと、九月二十日現在でもう予想収穫高を出しますので、その場合にもう一度作柄を調べます。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 九月二十日に予想収穫高の調査があって、その集計に幾日かかるのですか。

松田寿郎農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○松田説明員 これの集計並びに本省で集めました全体の見込みを出しますのに、大体二週間くらいかかります。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 一昨々年あたりと今日でも同じでございますか、そのスピードは……。

松田寿郎農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○松田説明員 私、まだその点詳細に存じませんが、多少早くなっておるのではないかと思いますが……。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 統計機械が非常に発達いたしました。そしてまた電話の自動化が進んでおります。そして末端の統計を取り扱っている皆さん方にお伺いいたしますと、ほとんど即日農林省のほうに報告している、こう申しております。この点は事実でございますか。

松田寿郎農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○松田説明員 現在では、主要な事務所からは、テレックスを備えまして機械電信ですぐに送ってまいるのは事実でございます。ただ、二週間程度と申し上げましたのは、むしろ、その送信の期間ではございませんで、まとめました問題を、たとえば草だけであるとかいろいろな点を総合いたしまして、収量の予想を出します、そういう検討の時間がその程度要る、こういうことでございます。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 かなり前のことだったと思いますが、たしか十月二日か三日ごろにカンショ価格の決定をいたしたことがございます。その当時に比較いたしますれば、今日のそういう統計技術というものは非常なる発展をしている。またしなければおかしい。これが今日の日本の姿でございます。そうするならば、当然のこととして二十日にほとんどわかる。おそくても二十一日にはほとんど集計される。そうしてあとはそれを操作するだけである。もし徹夜でおやりになるということになれば、技術的にそんなに時間はかからぬ、こう私は思います。その点いかがでございますか。

松田寿郎農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○松田説明員 私、まだその技術的の詳細を実は存じませんので、そういう点でございましたら、むしろ技術の担当課長に御説明させたほうがわかるかと思いますが、私の聞いておりますところでは、そういう先生のおっしゃるような御趣旨もわかりますけれども、やはり過去のいろいろな資料と現在の調査の各要点を比較して、そして大体予想収穫を出すという検討にこの程度はかかるということを聞いております。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 くどくは申しませんけれども、学校の試験でもマル・バツ、チョン・チョンでやっております。過去と比較などということは、私も調査は専門でやっておったことでございますから、十分知っておるのです。満鉄の調査局で私は統計をやっておりました。したがって、そういうものを比較なさってほんとうにデータをつくって準備をしておくならば、そんなものはわけないのです。ほんとうにわけない。それが部長さんのお話ですと、統計技術上たくさんかかるのだとか、技術的にできないから時期がおくれるのだ、こういうことは私は言いのがれにならぬと思います。それならば、また次の何かの機会に課長さんに来ていただいて、統計技術について私は御質問いたします。少なくとも部長さんが、その点について統計技術上のことを言いのがれにいたしておりますので、その点を明らかにしたいと思います。とにかくそこで明確に期日が早まる、技術的に早まるのだという前提にもし立つならば、価格の発表は、部長さんはいつごろなさるおつもりでありますか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 私どもの価格の決定は、先ほど申し上げましたようなデータが整えば、幾らでも早めるということにいたしておりますので、十月二十日ということにあえてこだわるつもりはないわけでございます。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 わかりました。  次に、私はカンショ価格のスライド制の問題についてお伺いいたします。  この前も私御質問申し上げたのでございますが、私は千葉県でございますが、千葉県のほうでは「沖縄」が非常に多いので、歩どまりは非常に悪いのでございます。しかるに、鹿児島のほうにおきましては二七、八%から三〇%をこすものもある。それが二四%が上限になっている。こういうことでこういきますと、鹿児島と関東におきまして、非常な差が出てまいります。その結果、安い九州のでん粉が関東に流れ込んでくる。それに太刀打ちするために、関東のでん粉業者も農民から安く買わなければ引き合わない。こういうことで、順繰りにめぐりめぐって、九州の農民が安く買われることが、関東の農民が安く買われる根源をなしております。このことは、農林省におきましてカンショの品種の改良をやり、高でん粉価のイモを奨励している趣旨にも反すると思います。いいイモをつくるようにすれば、上限が二四%だということでは、農民にしても張り合いがない。そればかりではございません。このきめ方には合理性がございません。したがって、憲法十四条の国民の平等の原則、これに私は反するものだと思いますが、この点どのようにお考えでございますか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 イモの歩どまりの問題でございますが、これはたびたびお話を承っておるわけでございます。高でん粉質のイモを奨励しておるわけでございますが、関東におきましては比較的低でん粉質のイモが植えつけられる。収量から申しますと、高でん粉質の九州でつくられておりますものよりは、千葉、茨城でつくられておるカンショのほうが収量は非常に多いわけでございます。そういう関係から、千葉、茨城等につきましては、でん粉質はやや劣るけれども、歩どまりは下がっておりますけれども、収量が多い。こういうことで作付が行なわれておると思うのでございます。問題は、農家の収入が問題になってまいるわけでございますが、そういうふうなことで、九州の南部と関東とは、農民の作物の作付に対する適応のしかたが異なっておるわけでございます。歩どまりはそういうふうに南と北で違っておるわけでございますが、歩どまりスライドの問題につきましては、いろいろお話もございまして、われわれも検討いたして、調整団体等にも意見を聞いておるわけでございますけれども、まだ的確な結論が得られないわけでございます。なお検討はいたしておるわけでございます。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 私の質問していることは、農林省で高でん粉価のイモの奨励をしているということの方針に反するではないかということが一つ、もう一つは、憲法第十四条の国民の平等の原則に反しないか、この二つであります。私はこまかいことをごちゃごちゃお伺いしているのではありません。この二つについて、反してないかどうか、それだけお答え願います。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 一応基準価格としてきめましたものは、二四%ということでございますが、それぞれ歩どまりに応じまして自由な価格の取引が行なわれるということでございますから、憲法に違反するものではないというふうに考えております。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 自由な取引をしているのは民間であります。政府の決定することにそういう不公平な、不平等なことをして、そして憲法の原則に反しないかと聞いているのです。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 二四%のものにつきまして、それを下る場合には国が介入をするという形にしておるわけでございます。歩どまりが下がるものにつきましては、それぞれ下がるものにつきまして価格をきめておるわけでございます。憲法に違反するとは考えておりません。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 地域が違うので、運賃その他によって合理的にこれこれこういう理由があるから違うのだということならわかります。だが、いまも御説明のとおり、二四%以下の説明だけをいたしましたが、以上の説明をいたしておりません。とにかく根拠のない非合理な、そして不平等なものを国民に押しつけて、そうして憲法の原則に反しないとほんとうにお思いですか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 憲法に違反するとは考えておりません。二四%以上のものにつきましては、それぞれ自由な価格で取引されることが現在行なわれておる実情でありまして、政府としては、二四%のものにつきまして、基準価格以下に下がる場合に買い上げるという支持をいたしておるわけで、決して憲法に違反するとは考えておりません。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 私の申しておるのは、法律できめて、政令でやる。政府がその間に関与しているのであります。政府の行なう価格発表に際して、非合理的な要素があって差しつかえないかどうか、それが政府の自由に取り扱う――売買されておるかどうかという事実問題ではない。そういう下にはスライドして、上にはスライドせぬ、こういうことが憲法の精神に反しないか、こう聞いているのであります。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 農安法は、御承知のように、自由な取引を前提といたしまして、一定の価格水準以下に下がった場合に国が支持するという考え方をしておるわけであります。したがいまして、国が最低として支持するのが、二四%で一定の価格で支持をする。ただし、歩どまりの低いものについては買いたたかれるおそれもありますので、そういうものを最低価格の趣旨を明らかにする意味で、下限のものにつきましては、歩どまりによります価格をきめておるわけでございまして、したがって、これが憲法に違反するというふうなことは考えておりません。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 不足状態におきましては、もちろんそれでよろしいでしょう。しかし、いま申されましたとおり、過剰状態で買いたたかれるというような場合に、下のほうの二四%以下の人に対しては、これはこういう順序でもって保護しておるのだ、ところが、二四%以上のものが買いたたかれた場合、それに対する保護のしかたが、下のものと上のものとでは違うじゃないか、保護のあり方が違うじゃないか。この点どうです。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 先ほど来申し上げておりますように、歩どまりによりまして自由な価格形成が行なわれておるわけであります。一定のところへきましたときに、最低のところを政府が支持するという考え方をしておりますから、必ずしもこれが不合理だというふうには考えておりません。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 私の質問に答えていただきたい。二四%以下の人に、それが買いたかれたときにはスライドでもって保護がある。上の人が買いたたかれたときにはその保護がない。ここに差がないかということを質問しているのです。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 それはお話のように、基準価格の上と下の扱いが違っておりますから、当然そこは違うわけです。違いますけれども、一応基準価格のところで支持をするというふうな考え方でおるわけでございます。したがいまして、基準価格のところまで下がってくれば、当然支持をするわけでございます。それで一応基準価格だけで支持をするという考え方もあり得ると思うのです。しかし、歩どまりの低い場合には、特に買いたたきというものが強いわけですから、したがって、そういうものについてもうそれ以下でたたいて買うものについては、政府は買わない、こういうふうなことで、下限価格以下の場合が特にそういうことが行なわれやすいということで、下限価格以下の場合について特別な取り扱いをいたしているわけでございます。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 下限価格以下のものが買いたたきされやすい、関東じゃ買いたたきされて、九州じゃ買いたたきされない、そういう性質のものですか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 買いたたきがないとは申しませんけれども、歩どまりが低いものにつきまして、特にそういう形が多いというふうに思われるわけです。そういうことで、歩どまりが高いところは、とにかく二四%のところで押えておるわけです。押えておるわけですけれども、歩どまりが低いものにつきましては、それ以下極端に下へ下がってくるわけですから、そこは押えておこうというのが、下限以下のところで歩どまりにつきまして価格をきめておるという理由でございます。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 二四%から以下のところも支持価格がちゃんとそれなりにきまっているので、結局二四%のところで二〇%のものが売られておるわけじゃないのです。それですから、今度は逆の場合を考えれば、保護される部面が、二四%以下のところは保護される、二四%以上のところは保護されない、こういう形になる。同じ国民でありながら、保護の度合いが違う。これで憲法の条章に反しませんか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 たびたび申し上げましたように、二四%のところ以下には下げないということで、そこは支持しておるわけです。それ以上のものにつきましては、歩どまりによります自由な取引というものが行なわれるというふうに考えております。二四%以下のものにつきましては、支持価格をきめませんととまるところがないわけです。そこで、歩どまりが下がるごとに価格が幾らかということで支持をしようというふうに考えておるわけです。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 もうくどくは申しませんが、とにかく保護のあり方について差があるということはお認めになりますね。いずれにしても、私は、この問題は、憲法の十四条の平等の原則に反する、しかも政府がきめることですから、明らかに反している、このように考えます。その点については、またあらためて、より法律的に専門に調べてからもう一度御質問いたします。  次に、先ほど、価格をおきめになるときに、生産費と物価、需給事情、こういうようなものを考えておきめになる、このように申されておりましたが、そのとおりでございますか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 今度の法律改正によりまして、パリティ価格を基準として、生産費、物価、需給事情その他の経済事情を参酌してきめるというふうにいたしております。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 そこで、もう一つお伺いいたしますが、今度の法律によりますと、「農家所得の安定」ということが書いてあります。カンショ、バレイショのようなイモに関して、兼業であるとか、ほかの都市に労働に行くとかなんとか、そういうことで得る労賃を含めての農家所得の安定、こういうことを私は質問しているのじゃございません。限定いたしました。カンショ、バレイショ等イモに関して農家所得の安定ということは、どうしたら期することができるとお考えでございますか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 農家所得の安定をはかるために、一定の水準から価格が低落することを防止する、それによりまして農家所得の安定をはかりたいというふうに考えております。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 一定の水準とは何によって引きますか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 一定の水準と申しますのは、この法律自体において価格をこのようにきめるという方式が規定されておるわけでございます。その方式によりまして農家所得の安定をはかる、こういうことだと思います。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 方式によって計算をする、そして価格がきめられる、それが結果論的に農家所得の安定である、こういうことですね。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 これは法律の目的にもございますように、適正な水準から低落することを防止して、農家所得の安定に資する、こういうことになるわけでございます。したがいまして、適正な水準から低落することを防止することによって目的を達する、こういうことになっております。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 適正な水準というのが、先ほど申されました一定の算定方式だろうと思います。そこで、その一定の算定方式をとるといたしまして、もう一つお伺いしておきたいのは、この法律では再生産を確保することを目的としております。そうしますと、再生産を確保するにはどうしたらよろしいのでありますか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 価格の決定につきまして、いろいろな参酌要素があるわけであります。その参酌をどのように参酌するかという問題になってくるわけであります。その際も、農家所得の再生産を確保することを旨として参酌する、こういうことになろうかと思います。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 そういたしますと、先ほど来お話のとおり、当然生産費を参酌するわけですね。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 そうでございます。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 私が三十九年六月十七日に、この問題について御質問いたしましたときに、そのときおいでになりました久我統計調査部長が申されておるのでありますが、「食糧庁でも、イモの価格をおきめになるときには別に生産費調査をお使いになっておりません」こう説明なさっております。それから私が、生産費調査が、これはイモの産地というものが非常に限定されておる。たとえば茨城、埼玉、千葉、静岡、愛知、三重、愛媛、高知、長崎熊本、宮崎、鹿児島、これらが産地である。それ以外のところにおきましては、比較的自家用のものあるいは蔬菜としての販売用のものが多い。したがって、統計面からいきまして、それを全般的に平均にしてしまいますと、非常に異なったものが出てくる。しかも自給農家の場合においては、生産費などというようなことは別にそう心配する必要はないので、したがって、こういうものを計算に入れますと違ってしまうのだ、こういうように申し上げたのであります。そうしたら、そのとおりだ。先ほど申しましたとおり、食糧庁は生産費調査をお使いになっていないのだ。いまのような状態では、「行政にお使いになれないのではないか、将来それらの点につきましては、せっかく拡充強化をしていきたい、かように考えております。」こう答弁しております。そういたしますと、生産費調査を使わずに生産費を考慮するということはどういうことなのか、使っているのか、使っていないのか、この点をお伺いいたします。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 従来の改正前の農安法の政令二条に明らかになっておりますように、「毎年農林大臣の行う生産費調査の結果による甘しょ、馬鈴しょ、なたね又は大豆の生産費及び経済事情を参しゃくして定めるものとする。」ということになっております。生産費は当然に参酌をしております。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 その生産費を参酌するための基礎になるところの統計ができていない。それでどのようにして参酌したのでありますか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 統計調査部でカンショ、バレイショの生産費の調査はいたしております。それを利用して参酌をいたしておるわけでございます。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 久我統計調査部長は、これは食糧庁では使っていない、そして行政には役立たぬ統計である、こうおっしゃっておりましたが、今度の統計調査部長さんはどのようにお考えでありますか。

松田寿郎農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○松田説明員 この久我さんのお話、私は存じませんけれども、現在は毎年これを調査いたしまして、そして他の生産物と同様に考慮いたしております。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 きょうは、その問題について私は深く突っ込んで議論しようとは思いませんが、いま統計調査部のほうで出していらっしゃる生産費調査なるものは行政の役に立たぬ調査である、この点につきましては、またあらためてお伺いいたしますが、とにかくそういう状況であります。これが専門である統計調査部長さんがその点がおわかりにならないとしたならば、ますますもっておかしいのでありまして、これは議論が長くなりますからきょうはよしますが、いずれにしても、生産費を統計に基づいてきちんと出さなければならぬ。その場合に、先ほど私が触れた農家所得の安定ということ、再生産の確保ということは、結局農業の場合におきましては、労賃をどう計算するかということが大問題であると思います。そこでその労賃がすでに非常に上がっておる。この点につきまして、もちろん、パリティ計算におきましてこれは考慮されている、まずもって考慮されているのだということでございましょうけれども、先ほど申しましたとおり、三十九年に私が質問したときには、役に立たぬ統計に基づいてはじいたのが前のイモの価格になっておりますから、したがって、それに基づくところのパリティ計算なるものも、これまたインチキなものにならざるを得ぬ、こういうことになるのであります。したがって、そのパリティ計算というものを基礎にして、そうしてもう一度生産費を考えるということになれば、前のイモの価格というものを生産費に基づいて再検討しなければならぬ。ですから、そういうことをおやりになるつもりはありますか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 ちょっといま先生のおっしゃること、理解しかねたのでございますけれども……。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 ではもう一度繰り返して申し上げます。三十九年に私が質問したときには、久我統計調査部長は――これは速記録ですから、私は速記録を読み上げたのです。イモの価格の決定に際しては、統計調査部で出しておるところの生産費調査を参酌していなかった、こう言っている。そうすると、そのときのイモの値段というものが基礎になっておって、そうしてパリティが毎年計算されておるから、したがって、ことしのパリティを出しても来年のパリティを出しても、基礎が狂っておるのではないか、基礎が狂っておるから、今度はほんとうに生産費というものをしんしゃくいたしますというならば、このパリティそのものを基礎に従って計算し直さなければならぬ、こういうことになるのですが、その点を計算し直すお考えはございますか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 統計調査部長がそういうお話をされたということを私実は初めてお伺いしたわけでございますけれども、どういう事情でそういうお話をされたのかよくわかりませんが、この農安法ができましてから、政令には、生産費調査の結果による生産費を参酌するということになっておるわけですから、食糧庁といたしましては、当然生産費の調査を参酌しておったというふうに考えるのであります。おそらく統計調査部長は価格の決定に対しましては直接関与されておらないわけでございますから、ちょっとわかりかねるわけでございますけれども、食糧庁といたしましては、法律にあります限りにおきまして、当然それは参酌しておるというふうに考えておるわけであります。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 その点は、くどいようですけれども、私が統計の基礎そのものについてくどくどとこまかに御質問いたしました結果、実はそういう回答になってしまったのであって、その当時においては、公式の委員会の席上においてそういう回答があったのであります。だから一その点を申し上げておるのでありまして、ですから、もし生産費をほんとうに参酌するのだということなら、本気になってそれを検討していただきたい、こういうことを申し上げておるのでありますが、本気になって生産費を参酌する気がございますか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 先ほど申し上げましたように、われわれとしましては参酌いたしております。今後も参酌するつもりでおります。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 それから労賃の値上がりもさることながら、運賃の値上がりが激しいのであります。国鉄運賃、私鉄運賃、その他一切の運賃改定がありましたが、今後は特に運賃を加算するということになっておりますが、この運賃を加算する場合に、それは庭先価格でございますか、それともどこか集荷場か何か部落に置いて、そこのところまで持っていって、それから先だ、こういうようなかっこうでございますか。その点の御質問をいたします。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 運賃につきましては、法律改正の際に新しくつけ加えたのであります。したがいまして、運賃の取り扱いをどのように考えるべきかということは、現在検討中でありまして、まだ結論が出ておりません。なお早急に詰めまして結論を出したいというふうに考えております。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 それから新しい法律に基づきますと、必要な時期に必要な数量を買い入れる、こう書いてありますが、今度の政令の中にはそれが入ってないような気がするのですが、金利とか倉敷料というようなものの明示がございませんと、非常に不便で困ることになると思うのですが、この点はどのようにお考えでございますか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 法律に、調整団体から買い入れます場合に、金利、倉敷料を加算することができるという明白な規定があるわけでございます。したがいまして、法律に明記されておる以上、政令等にそれを書く必要はないというふうに考えます。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 もうやめますが、最後にお伺いいたしますけれども、コンスターチのことで、先ほどだいぶ御議論がありました。それで、このコーンスターチの規制についての関税定率法は、四十二年三月三十一日で切れる時限立法でございます。そうしますと、来年でございます。これについて、今後どのようにするつもりか、お考えのほどをおっしゃってください。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 お話のように、三月三十一日で関税割り当て制度を一応終わることになります。その後どうするかという御質問でございますが、今後のでん粉の生産事情だとか、需給事情だとかいうものを考慮いたしまして、でん粉の経済が不安定にならないように十分考えて対処したい、こういうふうに考えております。

桜井茂尚日本社会党

○桜井委員 農民はこの点につきましても非常に不安に思っておりますので、どうか一刻も早くその考えをまとめて、次の通常国会にきちんとしたものとして出していただくことを要望いたしまして、私の質問を終わることといたします。

田口長治郎自由民主党

○田口(長)委員長代理 芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この際、農産物価格安定法が前国会で改正になったわけですが、この改正に伴う農産物価格安定法の政令の改正部分等について、改正案を起草しました当委員会において明らかにしてもらいたいと思います。そのことは、これは委員会提案で農安法の改正をやったわけでありますからして、提案者である当委員会の改正の趣旨に政令等の改正が合致したかどうかということを確認しないと、改正案をつくった農林委員会の精神と逆行したような政令をもし政府がつくったとすれば、これは非常に問題でありますので、この点を岡田部長から明らかにしてもらいたいと思います。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 法律の趣旨に沿って政令を制定さしていただいているというふうに判断いたしております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 結局、現在の政令と全度の改正された政令を比較して、改正によって従来の政令の内容がこのように変わったとか、今後の運用がこう変わるという点について、これは委員会に配付してないのですか、この政令の改正点。あればみんなに配付して、私だけではなくて、各委員諸君にも政令の改正部分を明らかにしてもらいたいと思います。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 いま手持ちがございませんので、直ちにお配りできませんが、印刷いたしましてお配りしたいと思います。  それでは主として改正をいたしました点を申し上げますと、現行政令と改正案でございますが、カンショ、バレイショの基準価格の算定方法につきまして、その算定にあたって、基準とする農業パリティ指数に基づき算出する価格の算式を定めるということと、参酌いたします物価、需給事情等につきまして、指数化算式を定めておるというところが、従来と異なるところでございます。  それからカンショ、バレイショの原料基準価格の公表の期限が十月三十一日となっておったわけでございますが、これを十月二十日にいたしました。  それからカンショ、バレイショの価格に関する勧告が新しく制定されたわけでございますが、それにつきましては、都道府県知事と農林大臣が勧告をすることになっておりますので、それぞれ都道府県知事または農林大臣がどのようなときに行なうかというふうな点を明らかにいたしたわけでございます。  以上が、改正されました法律に基づきましてつくりました政令が、従来の政令と異なっておるところでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そこで、改正点の第一は、政令の第二条の原料基準価格でありますが、これを検討いたしますと、新しい政令の基準価格算定の基本は、第一には、附録第一におきまして、パリティ価格を基準として原料基準価格の基準になる価格をきめる。この点は、しかも前年度の政府が告示しました原料基準価格を基礎にして、過去一年間の平均パリティ指数と価格決定時の月のパリティ指数によって当年度のパリティ価格をきめるということは、これは私どもの趣旨に合致した点だと思うのです。次には、生産費調査ですね。農林大臣が毎年行なり生産費調査の結果による生産費と、それから第三は、いわゆる附録第二の算式、第四には、新たに改正点に加えました再生産確保、これらの要素というものが、結局附録第一のパリティ価格を基準とした価格に対して、二、三、四が勘案要素として加味されるというふうな内容分析になるようでありますが、その点は間違いありませんか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 そのとおりであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そこで、附録第一の次の生産費調査による生産費ですね。この内容については、従来同様の方法でやるのか、今度の農安法の改正の精神に基づいた農林大臣の行なう生産費調査によって行なうのか、その点はいかがですか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 従来から出しております統計調査部の生産費調査に基づいて行なうというふうに考えておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この農林省が行なっておる生産費調査の内容は、毎年農安法におきましても、米価決定の場合においても、あるいはてん菜の価格決定においても、なま乳の価格決定においても非常な非難のまとになっておるわけで、それは、生産費調査の中における農家の自家労働の評価というものが、従来は農林省が農業日雇い労賃を生産費調査の中に用いておるわけですね。問題は、この日雇い労賃によるところの生産費調査というものが、たとえば農産物価格安定法においても、食糧管理法においても、砂糖価格安定法においても、あるいは牛乳の不足払い法においても、それぞれ農林大臣の行なう生産費調査というものが勘案事項として条文に記載されておるわけですが、この適応性というか、現実性というか、この点が非常に疑問にされておるわけですね。問題は、日雇い労賃を加えた生産費なるものが、各それぞれの法律によるイモあるいはでん粉価格、なま乳の価格あるいは米価、麦価、てん菜の最低生産者価格、決定された価格の中において、それでは日雇い労賃の算定というものが生かされておるかというと、そうではないわけでしょう。ですから、現実性のない農林大臣の行なう生産費調査というものを、わざわざこの政令の中で、参酌事項ではありますけれども、価格決定に重要な影響を与える調査の方式として従来どおり用いるということに対しては、大きな疑問があると思うのです。この点は、生産費調査による生産者価格に重点を置くのか。今度の政令におきましては、生産者価格というものを一応附録第二で想定することになっておりますが、それは過去三カ年間の生産者価格に物価指数を乗ずるということになっておるわけでありますが、一体政府が考えておる生産者価格というものをどの程度に評価しておるか、あるいは位置づけしておるか、その点、これは岡田部長でもよろしいし、あるいは統計調査部長からでもいいが、重要な点ですから、明らかにしてもらいたい。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 附録第二で考えております生産者価格と申しますのは、現実に取引をされました結果、農家の手取りがどうなっているかということを見まして、それをもとにいたしまして考えるということにしておりますので、生産費そのものというふうには考えておらないわけでございまして、従来と同様な考え方でございます。生産費というのは、参酌要素の中で、それとは別に、生産費そのものを参酌要素にするというふうに考えておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは農林大臣が行なう生産費調査は、附録第二とは関係なしに、別個に参酌要素として、生産費の動向、趨勢値というものを参酌に用いるということですか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 第二条にございますように、附録第一の算式によって算出されます価格を基準といたしまして、それから毎年農林大臣が行なう生産費調査の結果による生産費というのが一つ、それから附録第二の算式によって算出されます価格というのが二つ、そのほか、経済事情というのが参酌要素になっておりまして、生産費調査で行ないます生産費というのは、附録第二の算式によって算出する価格とは別に、独立の要素として参酌をするというふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、生産費調査による生産費というのは、これは毎年の生産費調査の結果にあらわれる、いわゆる生産費の上昇傾向といいますか、最近の統計調査の結果、生産費は毎年上昇指数をたどっているわけです。そういう傾向値というものを使うということですね。統計調査部のいわゆる生産費調査による価格、金額を用いるのじゃなくて、毎年の生産費の上昇値というものを参酌要素にして用いるということですか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 生産費の上昇傾向であるとか、必ずしもそういうことではございませんで、出ました生産費から生産量がわかりますので、要するに、生産費の推定が可能になるわけでございます。それぞれ物価の上昇だとか、いろいろな点から生産費の推定が可能になるわけでございますので、推定生産費を一応参酌するということにいたしておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうすると、推定生産者価格ということになるのですか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 価格ということではなくて、推定生産費になるわけでございます。それは価格の一つの決定のための要素であるというふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その点が現実性あるいは適応性があるかどうかということを私が先ほど尋ねたわけであります。たとえば、これは具体的な例をあげますと、昭和四十年の産米の生産費――四十一年のは、政府買い上げ価格は決定になったが、統計調査部の四十一年産米の生産興はもちろんまだ出ていない。四十年産米の生産費は今年の六月二十八日に公表になっているわけです。この公表された結果に基づくと、百五十キロ当たりの生産費が九千八百四十七円、六十キロ、一俵当たりにすると三千九百三十九円、これがいわゆる農林大臣が行なった調査の結果に基づく米の生産費ということになるわけです。ところが、昨年は、政府の買い入れ価格は生産費・所得補償方式をたてまえにしてどうきまっているかというと、これは百五十キロ当たり一万六千三百七十五円です。政府が食管法の規定に基づいて計算した場合には百五十キロで一万六千三百七十五円、農林省が統計調査部で行なった生産費調査の結果は九千八百四十七円、六十キロということになれば、政府の買い上げ価格が昨年は六千五百五十円で、生産費調査の結果は三千九百三十九円、そうすると、この統計調査部の米の生産費調査の結果というものは、政府が食管法に基づいて決定した生産者米価に対して、大体六〇%程度の生産費にしかなっていないことになるわけですね。それでは政府の買い上げ価格というものが過大かというと、そうじゃないわけです。これはあくまでも低米価であるという非難は今日においても免れていないわけですから、したがって、米価においても六〇%程度の生産費調査による結果しか出ていないということになると、実際にこれを価格決定の相当大きな参酌要素としてこのまま採用するということにはならないと思うのですね。これを無理に使う気になれば、結局パリティ基準価格の足をひっぱるということにしかならないわけです。そういうことは農安法の改正を提案した当農林委員会としては好んでいないわけです。  それから次に、米だけではいけませんから、カンショ、バレイショの点について、これはまだ四十年の生産費調査の結果が出ておりませんから、やむを得ず、昭和三十九年のカンショ、バレイショの生産費調査によりますと、三十九年は、農産物価格安定法に基づいて農林大臣が定めた三十七・五キロ当たりのカンショの原料基準価格は、三百円であります。バレイショの基準価格が二百三十円、これに対して生産費調査の結果がどうなったかというと、カンショについては三十七・五キロで二百七十円、バレイショについては二百二十三円と、米ほどの大きな差はありませんけれども、いずれもカンショについてもバレイショについても、農安法において農林大臣が定める価格よりも、統計調査部の生産費調査の結果というものは非常に低い数字になっておるということであります。これを米と同じ生産費・所得補償方式で計算いたしますと、三十九年のカンショは三十七・五キロで三百九十八円、農安法方式の三百円に比べると、九十八円高くなって出るわけです。バレイショについては、農安法価格の二百三十円について、米価方式によるとこれは二百五十九円、こういうことになるわけですね。もう一つ、昨年までは甘味資源振興法によってきめられたわけでありまして、これも四十年のてん菜の生産費調査はまだ持ち合わせがありませんので、三十九年の調査の結果を申しますと、甘味法に基づいて政府が決定した最低生産者価格は一トン当たり六千五百五十円、それから生産者と会社間において決定しました取引価格がトン当たり七千二百円、これに対して統計調査部の行なった生産費調査によると、トン当たり六千二百五十五円、こういうことになっておるわけです。ですから、私が指摘しましたとおり、農林大臣の行なう統計調査、生産費調査というものは、全くいまの時点では妥当性がないのです。適応性を持っておらぬ。その最大の原因は、依然として農業日雇い労賃を採用しておるというところで、農家の自家労働の評価の面で非常な懸隔が出てくるわけですね。農業の自家労働というものを農業日雇い労賃にしなければならぬという根拠は、法律上の規定の上にもこれは何らないわけです。ないにもかかわらず、農林省が恣意的に最も安い賃金というものを採用して、農業日雇い労賃というものをわざわざでっち上げて、そうして不当に低い生産費調査というものを毎年発表しておる。だからこれは使いようがないのです。先ほど同僚の桜井委員が言ったとおり、前の統計調査部長の久我さんの発言は――農林委員会ではないのですよ。農林委員会ではそういうことはなかなか言えないわけですが、他の委員会へ行くと、平気でそういうことが言えるわけです。商工委員会の議事録にちゃんと載っておるのです。私もいま見たわけです。だから、使い道がないから使わないということだと思うのです。久我さんは非常に正直な方であったから、そういう日雇い労賃で農家の自家労働を評価して使えるなんというものではないわけですから、食糧庁もしたがって使わない、使ってないというのがほんとうだと思うわけです。ですから、いま第二部長が言われるとおり、生産費の傾向値を求めるために、過去三カ年なら三カ年の生産費調査の結果を対比して、そこから一定の上昇係数というものを求めるということであれば、これは価格決定上相当参考になる要素にはなりますけれども、いわゆる想定生産者価格というようなものを引き合いに出して、そうしてパリティ基準価格にマイナスの作用を与えるということであれば、これはこの法律改正の趣旨に反するということになるわけですから、この点を明確にしてもらいたいと思うのです。院議を尊重してきめるつもりか、尊重しないつもりか。これはもう農林大臣が、六月二十七日の参議院の農林水産委員会で五回発言しているのですよ。必ず院議を尊重して、改正された農安法というものは運営しますと言っている。その点を明確にしてもらいたい。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 先ほど先生お話しになりました、たとえばバレイショ、カンショ、それからビート等の価格と生産費調査の結果というものは、必ずしも同じではございませんが、これは、生産費は価格を決定する参酌要素の一つでございます。そういう関係から、いろいろな要素を参酌しまして価格が決定されるということになりますので、生産費調査の結果と価格が同一であるということはないのではないかというふうに考えておるわけでございます。  生産費の問題につきましては、従来から統計調査部でやっております生産費調査というものを使いまして、その年の生産費がどうであるかということになるわけでございますけれども、これにつきましては、推定をするよりほかに方法がないわけでございまして、その推定のしかたといたしまして、単に傾向的にどうであるかということよりは、むしろそれぞれの生産費を構成しております項目につきまして、どのように物価が上がっているかというようなことを考慮しまして、推定したほうが、妥当な生産費が出るのではないかというふうに実は考えて、各項目ごとにこまかに推定をいたしておるわけでございます。推定をいたしました結果は、おおむね妥当なものではないかというふうに考えておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 今回の政令改正については、苦心のあとはわれわれも認めておるわけです。ただ、いよいよ具体的な運営ということになると、最初は苦心したらしいと思っても、結果的にどこか抜けているところがあるといけませんから、そのときになってまた委員会で騒ぎ立てても時期がおそいですから、この際、問題になるような点だけを指摘しておきたいと思うわけです。  最近におきましても、生産費の動向は、大体年間六%ないし九%程度は、各作目によって違いますけれども、生産費が上昇傾向をたどっておる。これはやはり賃金面からくる上昇というものが反映されておるので、当然なことだと思うわけですから、生産費調査の結果を参酌する場合には、そういう傾向というものをむしろ参酌要素に使わるべきであるというふうに思うわけで、またわれわれとしても、そういうことで、この改正点に生産費なるものを明らかにしてあるわけです。  それから附録第二の方式ですが、これは部長の答弁でわかりましたが、過去三カ年間の毎年の生産者販売価格ですね。原料イモの生産者販売価格の三カ年間の平均価格に、三年間の物価指数を分母にして、決定年の物価指数を分子にして、これを乗じた価格、こういうことだと思いますが、いかがですか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 さようでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 法律の中にも、明らかに物価指数は含まれておるわけですから、これを過去三カ年間の実績平均販売価格に反映さしたことは、これは妥当と考えられるわけです。  次に、需給事情の取り方について、これは従来も問題があるわけなんですね。需給事情ということになると、結局需要の動向と供給の動向というものと対比させなければならぬにもかかわらず、従来の附録算式においては、この供給事情だけを算式に用いて、需要の動向というものは全然取り上げていないわけですね。ここに欠点があったと思うわけです。ですから、今回の場合も、改正政令の内容を見ても、需要の変化とか増大傾向というものを、附録第二でやれば、第二の算式の中でどういうふうに取り入れてあるのか。われわれの見受けるところ、それはないわけなんですね。この点を説明してもらいたいと思う。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 過去何年かにわたりまして、価格が数量との関係でどういうふうに変動するかというのを調査して、その変動指数というもの、rを出しておるわけでございます。その場合に、需要がどのように変わるかということは、その調査をしてrを出します場合に、一応その需要の変化とそれから供給の変化というものがからみ合いまして、供給の数量の変化が価格にどういうふうに影響を及ぼすかということで係数が出されたわけでございます。したがいまして、rを使います場合におきましては、供給のQという数字を使いましてrをかけますと、そこで当然需給事情というものが反映をしているのではないかというふうに考えておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その点がちょっと逃げているのじゃないですか。だから、一方においては、明確に、過去三カ年間の供給の事情ですね、平均値を出しておる。あるいはまた決定年の供給数量というものでまた数値を出しているわけですから、この供給面の事情というものは大体推定できるわけですが、最近は特に需要の増大というものは大きな変遷をたどっておるわけですね。それは先ほども同僚の児玉委員から指摘があったとおり、コーンスターチの生産数量というものも三十万トンをこえるようなことになっておるわけですから、結局、その需要、むしろ国内における消費の動向というものは、国内の供給力だけではもう追いつかぬということになっておるわけでしょう。だから、不足分は、好ましくはないが外国から原料を求めてコーンスターチの生産が行なわれておる。それでようやく需給がバランスを保つということになるわけですから、結局、国の農業政策上の目標というものが、今度の改正によっても原料バレイショ、原料カンショの生産の確保をはかるという前向きの目的が打ち出されておりますし、価格決定の場合にも国内における生産拡大、生産の確保をはかるためには、価格決定の時点においても再生産を確保することが可能になる算定上の要素を使いなさいということが、わざわざこれは条文にも明確にしてあるわけですから、やはりこの際、農林大臣の定めるいわゆる価格弾性値ですね、rなるものによってそれは十分包蔵されておるということでは、あまりにも抽象的だと思うのです。したがって、需要の動向、需要数値というものと供給数値というものをどういうふうに対応さして、そうしてパリティ基準価格に反映させるかということが、われわれとしては非常に期待したところなんですよ。法律にそういうことを全部書くわけにはいきませんから、法律の精神を体するということになれば、需要の増大の部面、あるいは輸入原料によるコーンスターチの生産がどんどん伸びて結果的には国産でん粉を圧迫するというこの状態を是正しなければならぬわけで、今度の農安法の改正はそこに相当主眼を置いてあるわけでありますから、この点、政令の内容だけを見ると、非常にわれわれはここが不満なんです。ですから、運用上の問題もあわせて、岡田部長から責任のある見解を示してもらいたい。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 ただいまのお話の点でございますけれども、需要の的確な数量の把握というのは、実は非常に困難でございます。昨年あたりも、たとえばカンでんが非常に高くなってきた、ことしも相当高くなっておるわけでございますが、需要数量といたしましてはそれほどの変化はないのではないかというふうに実は考えて需給計画等もつくっておるわけでございます。ところが、かなり高い価格になった。それでは一体どこにどういうふうに使われているのかということを調べてみましても、それぞれの業界におきまして、それほどふえていないというふうに皆さんお話しになる。実は、でん粉を使用するものは非常に零細なものが多くて、しかも広範である、こういうことから、需要というものを的確に把握するということは非常に困難であるというふうに考えます。そこで、需要の数字そのままを使うということはなかなかむずかしいのではないかというふうにわれわれは考えておるわけでございます。そこで、先ほど申し上げましたように、rを出しますときに、要するに供給数量というものと需要との関係におきまして、価格がきまっておるというふうな状態にあるわけでございます。そこで、rに需要と供給とに関係におきまして弾性値が出ておるのではないかというふうに考えるわけでございまして、そこで、この弾性値を使いまして計算をする。供給数量はもちろんこれはかなり的確にわかるわけでございます。そこで、供給数量を使いましてこの価格弾性値を使えば、需要の関係も当然入りまして弾性値が出てくるわけであるというふうに考えるわけでございます。そういう意味でこの方式を踏襲いたしたわけでございまして、特に需要というものを的確にはかる方法がないものでございますから、それを使うということは非常に危険ではないかというふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 従来からrなるものはくせものなんですね。これは今度の政令でも、rはカンショまたはバレイショの供給量と価格との間の弾力性係数に基づき農林大臣の定める数値と、ほとんどこれは無条件で農林大臣にまかしてあるのですよ。だから、逆算方式で原料基準価格を、今度はそういうごまかしはあまりできないが、従来の附録算式によると、このrによってどういう価格でも出せるわけですね。今度は附録第一でとにかくパリティ基準価格というものは明確に独立して打ち出されるわけですから、あまりrの乱用ということはできないと思うが、部長の言ったとおり、この中でももうすべて需給関係から一切が包括されているということになると、もう少しこのrの内容というものを明確化しておかないと、ただ第二部長や大臣にまかせるというわけにはいかない。これを白紙委任状でまかしては、何もこの法律改正の意味がないということになる。この点はもう少し、今度の改正政令に基づいてやる場合、このrというものをどういうふうに組み立ててやるかということをこの際明確にしてもらいたいと思うのです。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 このrというのは、毎年変えるという数字ではないわけです。従来からrというのは一定の数値ということで使っておるわけでございます。したがいまして、価格の参酌のために自由にrを変えるというふうなことは考えておらない。過去の一定期間の供給数量と価格との相関関係からrというものを出しております。その際には、当然需要事情が反映して価格が形成されておるわけでございますから、このrというものは、当然需要と供給との関係から価格がきまってくるということから相関関係としまして出てまいるわけでございますから、それは常に一定ということで処理をいたしておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そういうことであれば、カンショまたはバレイショの供給量ということでなくて、カンショまたはバレイショの需要と供給とそれから価格との総合した弾性値というものを策定して、そうして農林大臣の定める数値というふうに、これは需要というものを入れたっていいじゃないですか。供給しか入れられないというのはおかしいと思うのです。価格というのは需給関係の中から生まれるわけでしょう。特に、農安法というのは、国が方針をきめて、その価格で絶対に取引しなければまかりならぬというものではないわけですから、多分に自由経済の上に運用される価格の最低限をささえるということですからね。だから、自由経済の原則からいえば、需給関係の中から価格というのは生まれてくるわけですからね。それを、片一方の供給量だけから弾性値を求めるというのはおかしいと思うのですよ。そうじゃないですか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 それは、ただいま申し上げましたように、需要量というものを的確に把握して、それで係数を出すということはなかなかできないわけです。供給量というのは、一定の供給量があるということはわかるわけですから、その供給量によって価格がどういうふうに変わるかというのが、過去におきまして調査した結果出ておる。それには、需要も伸びておるわけでありますけれども、その需要というのは、その供給量で需給関係を考えまして価格がどういうふうに変わるかというのを見るわけでありますから、当然その需要関係も入っておると思うのでございます。そこで、その需要の数量というものをはっきりつかむわけにまいらぬものでございますから、それを供給量ということで考えまして、その供給量によりまして価格がどういうふうに変化するかというのを見ようというのがこの数式になるわけでございます。需要の数字というものが的確に把握できますれば、需要というものについてのやり方も考えられないことはないのではないかと思いますけれども、結局、供給を通じまして、その需要がどういうふうに変わっておるか、それが価格の上にどういうふうに反映しておるかということからrを出しておるということになるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これはわれわれとしてはあくまで安心のできない点なんです。しかし、きょうは、これは政令の内容に基づいた議論になるわけですから、実際に数字をここへ当てはめて四十一年の原料基準価格をどうするという、そういう差し迫った時点ではないが、従来一番問題にされた点ですから、この数字はみだりに変えるわけにはいかぬ、従前同様ということになれば、これは多分にマイナスの作用をしてきているわけですからね。そうすると、まだこれはマイナス要素で残すのかということになるのですよ。絶対変えようがないというのは、これはおかしいじゃないですか。もう五年前といまでは需給事情というのは全く変わっておりますからね。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 このrというのは、過去において相当の作業をして出されているわけです。そこで、需給事情が根本的に変わってまいれば、これはrというものは問題はあろうかと思います。しかし、現在の段階でそれほど変えなければならない必要もないのではなかろうかというふうに考えておるわけでございまして、結局Qという数量がどういうふうに変化するかということで、これは三カ年というものを一応とっておりますので、極端な変動がないようにということで三年間を考えておるわけでございます。今後も検討をすべき問題ではあるかと思いますけれども、今度の政令におきましては従来のrをそのまま使うことにいたしておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ですから、需給関係についても、たとえば四十一年度にきめるという場合、これは原料基準価格決定の時点がおそ過ぎるのですからね。先ほども松浦委員から意見がありましたとおりです。だから、大体予想収穫が把握できる場合は、これは供給数量というのはやや正確につかめることは間違いがないが、しかし、必ずしもその年度の需給というものを的確にしなければ生産者価格ができないということではないですよ。たとえば米価にしても、ことしの作況の動向がどうなるか全然わからぬうちに買い入れ価格はきまる。てん菜の場合においても、てん菜のまきつけが始まらぬうちに最低生産者価格はきまる。牛乳の場合においても、牛乳年度の当初においてこれはきめるわけですね。畜肉についてもそうです。ですから、イモでん粉だけどうしてその年の収量が把握できなければ――そのことは、供給数量というものが正確にならなければきめられぬという思想から出発しておると思うのですよ。ですから、需要はわからぬ、供給だけわかってこれが正確だという考えは、これは間違いだと思うのです。むしろ、前年度の実績なら実績というものを基礎にして、それにおよその、あまり狂いのない変化率をかけるならかけるということで調整して、正確に需要と供給の数値というものを価格にも反映させるということのほうが正しいし、算式としても一歩前進したものではないかと考えられるわけです。これはくどいようですが、この点はわれわれとして非常に不満なわけなんですよ。需要の伸びとかその数値というものが、全然附録第二等の算式に反映されていないということ。これはQだけ使ったってしょうがないと思うのです。Q1、Q2だけでそんな正確なものが出るわけじゃないと思うのですが、どうですか、岡田さん。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 おっしゃるように、需給事情を考えるとすれば、需要がどんなふうに伸びるかということは当然考えられると思うのですけれども、先ほど申し上げましたように、需要の事情をつかむということはなかなかむずかしい。私のほうで、毎年関係業界と集まりまして、需要がどうであろうかということを検討いたしまして需要事情を想定いたしておるわけであります。たとえば、今イモ年度等につきましては、価格がかなり高いという関係から、需要はそうは伸びないのではないかというふうな見通しを一般的に持っておられます。そういうことで、ほぼ前年度と同じような需要だというふうな想定をして実は需給計画をつくったわけでございます。しかし、その価格は非常に高くなるということは、要するに、需要と供給との関係からきまるわけでございますから、あるいは供給が不足であるというふうなことも考えられるわけであります。しかし、一体何ぼ不足であるかということにつきまして、つかむということはなかなかむずかしいわけであります。需要というものの数字からきめるということはなかなかむずかしいわけでございますから、そこで、過去の一定期間の経験から、需要の変動もあるし、供給の変動もある、それが端的にrという数字になっておるわけでございますから、そこで、その際、供給量というものがはっきりして、供給量がどれだけであればどういうふうな価格の変化があるかということがつかまえられるわけでございますから、それを使ってやっていいのではないかというふうに考えるわけであります。需要の数字がなかなか把握しがたいというところに非常に問題があるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この点は保留しておいて、次の機会に、もう少し内容的に、過去のrの使い方がどういう影響とか作用を及ぼしたかということをもう少し検討して論議したいと思うわけです。  もう一点、今度は再生産確保というのが基準価格決定上どうしても用いなければならぬ要素になるわけですが、これはどういうふうに使いますか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 これは、第二条にございますように、一応数式化されるものにつきましては数式にしたほうがいいのではないかということで附録第一と附録第二の算式をつくったわけでございますが、そのほか、経済事情等につきましては、これは数式化されるわけにはまいらぬ。再生産を確保するということも、もちろん数式化されるわけではございません。したがいまして、この数式化されるものにつきましては数式にしましてそれを使う、それ以外のものにつきましては、それぞれの事情をしんしゃくしてやるということでございますが、結局、いろいろ参酌をしてきめます価格が再生産を確保するということに合致しておればいいのではないかというふうに考えておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、数式化できないものはどういうふうに使うつもりでございますか。たとえは、以前は畜産物価格安定法に基づいて――いまは不足払い法によるわけですが、一昨年までは畜産物価格安定法に基づいて加工原料乳の価格をきめたわけですね。その場合、生乳の場合には、やはり国内の需給の動向から見ると、需要が伸びて、供給がなかなかそれに対応できない、そういう関係に置かれておるわけです。最近のイモでん粉と大体似たような傾向ですが、その場合、再生産確保によって供給をもっと促進させる必要があるということで、これも農林省の一つの算式ですが、再生産確保あるいは供給促進の作用を具体的に数値にあらわすために、当時、供給促進係数ですか、生産促進係数ですか、そういう数値を用いたのです。これは当然プラスになる役割りを持つわけですから、やるつもりであれば、絶対数値の用いようがないというわけじゃないのです。ですから、再生産確保というものをどういうふうに数値化するか、どの程度のプラスアルファの作用を持たすかということはむずかしい点があると思うが、いずれにしても、この数値の用いようがないとか、ただそれが法律とか政令にうたってあるだけでは済まぬと思うのです。こういう点こそ、農林大臣が、われわれはまかせるわけだから、政策的に数値を用いる必要があるのじゃないですか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 いまお話しのように、参酌をしまして、再生産を確保することを旨として定めるわけでございますから、これは参酌はいたしましても、どの程度参酌するかという問題があるわけでございます。参酌してきめます価格が再生産を確保することになるかどうかということになるわけでございまして、その点は、現在のところ、再生産を確保するための係数というようなものについてはまだ考えておらないわけでございますけれども、価格をきめます場合において、これをどういうふうに考えるかということはきめなければいかぬだろうというふうに考えておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、これは政策上の問題ですから、明日農林大臣が出席されるわけですから、農林大臣が行なう生産費調査の方法は以前から議論の的でありますから、単に農安法だけの問題ではないわけです。日雇い労賃をとるかとらざるかという点と、それから、この法律では、経済事情というものについてどういう数値を用いるかという点とか、いまの再生産確保、これは政策的に検討の必要があるとすれば、農林大臣にこの点をただしておきたいと思うわけです。もう一点は、告示の期日の問題です。十月二十日なんということは、これは運営面ではいままでよりもおそくすることで、たいてい従来は十月十日前後にきめておるわけだから、努力するということであれば、少なくとも十月十日以前に告示するということでなければ意味がないわけです。十月二十日なんて、こんなにおそくきめた日はないわけだから、この点、先ほど言ったとおり、どうしても予想収穫高をつかまなければ農安法による基準価格はきめることができないのかどうか、この点をこの際明確にしておいてもらいたいと思います。  これは、第八条の二の勧告の問題と関係があるわけです。勧告の発動は、やはり四十一年のカンショ、バレイショの基準価格が告示されなければ発動できないということになるでしょう。だから、取引はもう九月早々から行なわれておるということになれば、もう一カ月以上も経過してから大臣の告示価格が出るということになって、それ以前の取引というものは一体どうするかということになるわけですね。その間この規定というものを効果的にするためには、やはり取引開始の直前までに政府が価格を決定して告示して、それを基礎にして公正な取引を行なうように、必要な場合には農林大臣や当該地域の知事が勧告を発動するということでなければ、第八条の二の規定というものはあまり十分な効果をあげることができないと思うのです。そのために、われわれとしては、どうしても告示の時期というものを、今度は勧告の条文との関係を考慮して早めるべきである、バレイショについては八月下旬、カンショについてはおそくとも九月の中旬ごろまでにはきめる必要があるということを指摘しておるわけですが、この十月二十日というのは、われわれとしては非常に意に沿わない期日なんですけれども、この点について……。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 価格決定の時期について、できるだけ早急にという御要望が、団体からも出ておりますし、御指摘にもあったわけでございますが、私たちとしましても、できるだけ早いほうがいいというふうには思っておるわけでございます。いつまでに早められるかということでいろいろ検討いたしたわけでございますが、先ほどからもたびたび申し上げたわけでございますけれども、一応需給事情というものを参酌するということにいたしておりますので、予想収穫高調査がいつに早められるかということを検討していただいたわけでございますが、どうしても十月の上旬以前にさかのぼってやるということはなかなかむずかしいということでもございます。したがいまして、それを基礎にいたしまして、価格をきめることにつきましてはいろいろ問題もございますので、できるだけ法律違反をするようなことのないようにいたしたいというふうに考えまして、若干のアローアンスを見て十月二十日ということにいたしたわけでございます。現実には、昨年、一昨年とも十月十日前後にきめておるわけでございますから、今後におきましても、十月十日前後、できるだけ早くきめるようにいたしたいというふうに考えておるわけでございます。  それから、勧告の問題でございますが、勧告につきましては、原料基準価格がきまりませんと、もちろん勧告するというわけにはまいらぬわけでございます。そこで、価格はできるだけ早くきめる必要があるということになるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、著しく早めるということがなかなかむずかしいという事情でございますので、もうやむを得ないと思いますが、この勧告制度につきましては、価格がきまりましたあとにおきましても、さかのぼって、この原料基準価格に達しない価格で買っているようなものに対しましては、追加して払うように勧告もできることになるわけでございますので、できるだけ法の目的が十分生かされますように、この勧告制度を活用していきたいというふうに考えておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次に、今度の改正で、政府の買い入れでん粉をきめる場合に、従来の加工経費に、新たに原料の運賃を加算して、でん粉の買い入れ価格をきめるということに改正したわけであります。これは政令も省令も何も関係がないわけですが、この原料運賃にしても、相当早期に調査とかその運賃の的確な基準になる金額の把握を作業として進めてもらわぬと、その時期になってさあどうするかといっても、なかなかあわただしいと思うわけです。ですから、この運賃の把握というものについては、ぜひ早期に作業を進めておいてもらいたいと思うわけですが、その点はどういうことになっておりますか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 法律改正になりまして運賃の問題が規定されましたので、法律の趣旨に沿って考えなければならぬということで、現在調査を進めております。まあ急なことでございますので、ことしの価格につきましてどの程度的確に反映できるかということについては、調査の結果によると思うわけでございまして、そういうふうな形で、できるだけ的確な形で運賃がきめられるというふうなことで調査をし、努力していきたいというふうに考えておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 農安法の政令関係は、これで本日はとどめておきます。  これとの関係で一点心配になる点がありますので、この機会にお尋ねしておきますが、先般経済企画庁長官の諮問機関である物価問題懇談会の勧告が出まして、その中で、国産大豆、国産の砂糖類については、端的に表現すれば、これは政策転換をして、生産を圧縮するか、あるいは原料については作付転換をすべきであるという趣旨の勧告が出たわけですね。米価問題以来物価問題懇談会は何を目的にしてこういうことをやっているか、直接まだ内容を検討しておらぬので、ここで議論する必要はありませんが、しかし、農林省の農業政策あるいは農業行政の面から見て、同じ政府部内の一つの機関としての審議会がこういう農政無視のような勧告を相次いで出すということは全くけしからぬ話であると思いますが、大豆にしても砂糖類にしても、これはいずれも食糧庁のしかも第二部に関係のある点ですからして、これは岡田部長としても無関心ではないと思うわけですね。どうお考えですか、これについて。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 先般、しょうゆととうふ、それから、パンについて、物価問題としまして取り上げられて検討がなされたわけでございます。その結果としまして勧告がなされたわけでございますが、これにつきましては、いま砂糖のお話がございましたけれども、砂糖は特に入っておりません。特に問題としてあげられましたのは、小麦価格と塩の価格それから大豆の関税の引き下げ、三つが中心になりまして、その前に原則的な問題が書かれておるわけでございますが、これはいまちょっと的確なことばを覚えておりません。けれども、輸入代替産業として成り立ち得ないものについて、価格が非常に高くなって消費者価格をつり上げるというようなものにつきましてはいろいろ考えろ、保護政策について考えろということになっておりまして、保護政策という意味は必ずしも明らかでないわけでございます。最初のころは、たとえば不足払いにつきましてもかような話もあったわけでございますけれども、これは、そもそも不足払いというものは価格を上げるという作用をしておるわけではございませんし、そういう意味から、そういうことは適正でないということで、これは削られたわけでございます。関税等につきましては、さらに考える点はなきにしもあらず、こういうことで、そういう点が中心になってあれは書かれておるように考えられるわけでございます。したがいまして、われわれといたしまして、特にたとえば大豆、なたねについて、その勧告の結果保護政策を変更するとか、そういうふうなことは考えておらないわけでございます。これは、地域の農業として必要な面につきましては支持をしなければならぬ、当然しなければならぬというふうに考えておりまして、この勧告から直接、保護政策を廃止するとか、そういうふうなことは考えておらないわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この物懇の傾向というのは、何でも安いものは外国から入れろ、国内農業はもう壊滅してもかまわぬというような、全く近視眼的な考え方の上に立っておるわけです。経済企画庁長官もたいしたものではないが、こういう諮問機関みたいなものをつくって宣伝的にただ勧告をどんどん打ち出させて、実効が何も伴わないわけでしょう。あなたに文句をつけるわけじゃないですけれども。そして、大企業の管理価格とか不況カルテルとか、そういうものには一指も触れることができないで、農業部面だけに対して攻撃を加えるような態度については、これは農林大臣にあす言いますが、何を言われても農林省が黙っているというのはおかしいじゃないですか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 何を言われても黙っているというわけじゃございませんで、まあ物価問題懇談会としましては、物価問題を取り上げているわけですから、そういう観点からの主張が強くなってくるのであろうと思います。しかし、一方、農業政策の立場からどうこうという検討はしていないわけでございますから、そこで、農業政策の立場からどう考えるかということになりますとまた別な問題も出てくるわけでございます。したがいまして、あの勧告自体から、たとえば大豆の保護政策を廃止するというようなことはちっとも考えていない。そこまではそれに入っていないというふうに思うわけです。ただ、大豆の関税の引き下げ、この問題につきましては、具体的な例としてもあげられております。これはそういうことで検討をしてみるというふうには考えておるわけでございます。まあ、私たちは私たちなりに、妥当な勧告が出るようなことを期待をいたしておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そこで、甘味関係でありますが、農林省としては、現在の国産の砂糖類あるいは国内の糖価事情とかあるいは糖業界の最近の情勢等から見て、制度的に砂糖価格安定法あるいは甘味資源特別措置法等の制度がありますが、これはこのままの状態で放置することがいいか、やはり制度の根本検討を行なう時期に当面しておるのではないかと考えられるが、その点については担当の食糧庁としてどう考えておりますか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 最近糖価がきわめて低落いたしまして問題になっておるわけでございます。糖価安定法が成立いたしまして約一年になりますが、この法律につきましても、まだ完全な運用をしておるとも言えないような状態であろうと思います。もちろん、糖価が下落し不安定であるということは、製糖業界の過当競争に基づく結果でございまして、なかなかむずかしい問題を含んでおりまして、どういうふうに解決するかということについて、現在製糖企業につきましての懇談会を開催いたしまして、学識経験者の御意見も承っておるところでございまして、やがて結論が出ると思うのでございますけれども結論が出ますと、その結論に従いまして行政指導を行ないたいというふうに考えておるわけでございます。なお、法律を完全に運用してない面もございまして、もう少し検討してみたいというふうに考えておるわけでございます。なおうまくいかないということになりますと、また根本的に考え直さなければならぬのじゃないかというふうにも考えておるわけでございますが、さしあたっては、法律の運用をひとつ適切にやってみたいというふうに考えておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そこで、輸入糖関係のメーカーの過当競争というか、不況カルテルに基づいた操短はやっていますが、実績はあがらないわけでしょう。われわれが見ても、問題は、生産数量の規制というものは、法律を基礎にするか、行政的な指導にまつか、何らかの形で行なわれなければ、糖価の安定というものは期しがたいと思うんですね。それは国民の側から見れば砂糖の価格が安いにこしたことはないのですよ。しかし、問題は、卸価格が非常に安くて、小売り価格はあまり下がっていないわけでしょう。いまでも小売り価格はキロ百三十五円くらいで、卸が百円から九十五円くらいのところを低迷しておるわけですが、消費者の側から見てもこれはあまりありがたくないんですね。むしろ問題は、そういうふうに卸価格が安いのであれば、どうして卸と小売り価格の間に三十五円も四十円もの格差がなければならぬのかというところに疑問があるわけですね。こんな点は物価問題懇談会で十分やればいいと思うんですけれどもね。  それで、食糧庁としては、精製糖の生産規制というものを国民経済に悪影響を与えない限度でどうしてもやられるべきだと思いますが、いまの糖安法の制度から見ると、そういう強力な発動がなかなかできがたいと思っておるわけですか、やれば指示に基づいてできると思っておるか、どうですか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 昨年の七月から不況カルテルを実施したのです。不況カルテルを実施しますときに、やり方といたしまして、数量規制というようなことと、それから操業日数の制限と、二つあるわけであります。それで、数量規制をやるということになりますと、各社のシェアを確定しなければ数量規制できないわけでございます。急なことでございまして、各社のシェアをきめるということはなかなかむずかしいわけであります。そこで、やむを得ず日数制限ということで、まあその月によって違うわけでございますけれども、十五日ないし十三日程度で日数制限をやったわけでございますが、日数制限をやりますと、できるだけその日数の間にフル操業をするということになってきまして、供給量がふえてくる、したがいまして糖価がまた下落するというふうなことを続けてまいりまして、第一次不況カルテルは終わったわけであります。第二次不況カルテルは昨年の十二月から始めまして、第一次不況カルテルの経験にかんがみまして、どうも日数制限ではよくない、数量規制をやらなければいけないということの反省が出まして、それで各社のシェアをきめるということになったわけでございます。まあ、シェアをきめますと、これは企業にとりましては経営の死命を制するということにもなるものですから、なかなかきまらないということで、相当の日数を経てきたわけでございますが、最近大体各社のシェアというものもきまっておる、したがいまして、第三次の不況カルテルを申請したいというふうな状況になっておるわけでございます。  指示カルテルの点につきましては、これは農林大臣が一方的に指示をしてカルテル行為をやらせることになっておるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、この法律自体で強制をいたしましても、罰則一本ないわけでございます。そういう点からは、しりが抜けておるということも言えるわけでございますけれども、こういうふうな客観的な情勢になりまして、各社とも、何らかの形で数量規制をしなければそれぞれの企業が成り立っていかないという状態が明らかになるし、そういう反省ができてまいっておりまして、シェアも確定したという状態になっておりますので、問題は、必要に応じて不況カルテルをやるか指示カルテルをやるかという問題になってくるわけであります。数量規制ということになれば、その数量の程度にもよりますけれども、まあ妥当な価格が実現する可能性は十分にあるというふうに考えておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それじゃ、当分の間は農林大臣のいわゆる権限としての指示カルテルは行ないがたいとすれば、これは事業団の業務ということになるが、現在は課徴金制度ですね。これは、法律の改正の必要はあるが、むしろ輸入粗糖については事業団が一括買い入れをするということにして、事業団の買い入れた粗糖を、政府の方針によって、毎月の払い下げ数量とかあるいはまた払い下げ価格というものを大体農林大臣が目標を定めて、それによって行なうということのほうが効果的ではないですか。これは業界の反撃なんかはあると思うが、せっかく事業団があるわけだから。関連した問題としては、先般畜産物価格安定法の改正をやって、一括買い入れではないが、畜産振興事業団の業務の中に、従来行なわれなかった輸入牛肉の買い入れ業務を加えるということを法律改正でやった実例もあるわけですから、まあいまの状態でなかなか業界が良心的に動かぬ、国民経済というものを十分協力体制で見きわめていかぬということであれば、事業団に権限を与えて粗糖の一括輸入をやらせるというところまでいく必要があるのじゃないかと思いますが、いかがですか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 まあ、やり方としましては、もちろん糖価を安定するための方法はいろいろなことが考えられるわけでございますが、どれが妥当かということになってくるわけです。いま先生のおっしゃいましたようなやり方も一つの方法であろうかと思うのでございますけれども、これは、三十八年に自由化をいたしまして、自由化をしたということで国際社会に入っておるわけでございます。したがいまして、輸入独占をやるということになってきますと、国際問題が一つはあるわけでございます。そういうふうな点から、現実の問題としてはなかなかむずかしいのじゃなかろうかというふうに考えておるわけでございます。まあそのほかいろいろなことも、もとへ返すとなれば幾らでももとへ返せるわけでございますが、これもまた、国際社会の問題、国際情勢の問題もございまして、なかなかそう簡単にはいかないわけでございます。いずれにしましても、自由化ということを前提にいたしまして、そのもとでどのようにやれば最もうまくいくかということでございまして、糖価安定法は、まあこれは完全であるとは思わないわけでありますけれども、その当時としては考えられる一番妥当な方法ではないかということで出発をいたしたわけでございますけれども、現在のところ必ずしも十分な効果を発揮してないという事態でございますから、先ほど申し上げましたような手がまだ残されておるわけでございますから、そういう方法をやりまして、その結果どうしてもこうしてもやっていけないということになれば、また別途考慮せざるを得ないということになるのではなかろうかというふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 いまの事業団が一括輸入するということは、これは事業団も政府の機関ですから、政府の機関が一括輸入業務をやるということになるわけだから、いままでと形は変わるが、しかし、それが国際的に国家管理貿易としての非難を受けるということは当を得ないと思うのです。国内事情によって事業団に粗糖の輸入業務をやらせるということは内政問題ですからね。これは、いまの政府は誇大に、だから逆戻りはできないんだとか、事業団の業務としてはできないということを盛んに言うが、これはそういうものじゃないと思うんです。ここで、あなたといま議論するいとまはないが、そういうことだけで、できないできないということになれば、いつまでたっても問題の解決はできないと思うのですよ。  それで、次に原料価格ですね。てん菜にしても、甘蔗にしても、原料価格の二本立てというものはやはりある時点で解決すべきではないかと思うのです。その点はどう考えていますか。最低生産者価格と、それから当事者間における取引価格の二本立てですが、やはりこれは一本に統一できる方向に進むべきであるし、いまのような砂糖事情から言った場合は、なおさらすみやかに一本化の体制に改むべきではないかと思いますが、どうですか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 先生御承知のように、法律的には、最低生産者価格と取引価格というものは別に存在しているということになっております。現在最低生産者価格と取引価格というものが違った形になっておる。たまたま糖価が非常に低落しておりますために、製糖業者もなかなか払いにくくなっている、こういうことだろうと思うわけでございますが、そこで、糖価の事情によりまして、取引価格というものと最低生産者価格というものが一致したりしなかったりするということがたてまえでありますので、必ず一致させなければならぬという問題ではないのではないかと私は思っておるわけでございます。ただ、最近のような事情になってまいりますと、製糖業者が苦しいということで問題にはなるわけでございます。今後価格等きめます場合はどういうふうに考えていくかということは問題になると思うのでございますけれども、原理的に言って、必ず一致しなければならないというふうには考えていないわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 現在、原料取引をやる場合、それでは政府のきめた最低生産者価格で生産者が納得して生産の確保をやるかというと、これはできないのです。それは岡田部長も承知しておると思うのですよ。ですから、実行不可能な、生産者が同意できないような不当に低い最低生産者価格そのものに問題があるのですよ。ですから、最低生産者価格というものが、生産者に対しても生産の刺激になって生産が拡大され、あるいは原料が一定量を確保されるという価格水準が最低生産者価格の中で実行されていれば別ですよ。しかし、それは作為的にやらないで――非常に低い最低価格をきめて、取引価格は別途にあっても差しつかえないので、そのほうで当事者間できめるという、こういう政府の行政態度というものに問題があるわけですよ。私の一本化しろとか統一すべきであるというのは、最低生産者価格そのものが実態に合致した価格形成でなければならぬじゃないか、その趣旨に基づいて最低生産者価格というものを再検討して、ことしは間に合わないとしても、次の時点からは配慮して決定すべきではないかということを言っておるわけです。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 ことしは先般きめさしてもらったわけですけれども、来年につきましてまた生産者価格をどうするのかということで問題になるわけでございます。たとえば競合農作物といったものとの価格関係等も考慮して一応最低生産者価格をきめるという形になっておるわけでございます。そこで、高いか低いか、いろいろ議論の分かれるところだと思うのでございますけれども、一応法律の方式によりましていろいろなものを参酌してきめてまいってきておるわけでございますから、そこで、物価の事情だとかその他の参酌要素の変化によりまして妥当な価格をきめていくということにせざるを得ないのじゃないかというふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 生産者価格が速急に改善されないと、問題は別な形に発展してくる。たとえば生産者に対するいわゆる不足払いですね。牛乳とか大豆のように、むしろ原料部面に対して政府が直接制度的に不足払いを行なうべきではないかという、そういう議論もだんだん出てくるわけです。これもやはり一長一短があるからして、それがいいとか悪いとかいうことを論ずるわけじゃないが、中途はんぱの基準になる取引価格というものをきめておいた場合は、むしろそういうふうに別な形で価格政策というものは発展する。そういう要素というのは多分にあるわけです。むしろそのほうがすっきりしている場合もありますが、しかし、政府としては、いま直ちにそれではそれを検討して実行しましょうというふんぎりはなかなかっかないでしょう。そういう点もやはり配慮に入れて、最低生産者価格の決定方式というものはこの際再検討すべきであるというふうに考えるわけです。いかがですか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 率直に申し上げまして、昨年糖価安定法を制定いたしますときに、何といいましても中心は国産糖の問題でございますから、国産糖をいかにすべきであるかということで、われわれもいろいろな方式について検討をしてみたわけでございます。不足払い方式というものにつきましても、もちろん制度としてはあり得るわけでございますけれども、検討いたしたわけでございます。現在世界的にビートについての不足払い制度をとっておりますのはカナダだけでございます。カナダのビートの生産というものは、どちらかというとむしろ減退の方向にある、こういうふうなことも言われておるわけでございます。そのほかの国につきましては、むしろ砂糖の価格で支持をするという形をとっておるわけでございます。そういうふうな点から考えまして、やはり砂糖の価格で支持をしたほうが妥当なのではないかというふうな判断もいたしまして、それで昨年糖価安定法という形をとったわけでございますけれども、先ほどから申し上げますように、製糖側の事情、非常に過当な競争というものが解消しませんと、なかなか糖価安定というものはむずかしいと思うのでございますが、できるだけそっちの方向へ持っていくということにいたしまして、できるだけ砂糖の価格で支持をする、できるだけうまくやっていくという努力をすべきではないかというふうに考えておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 最後に、国産糖の安定に対しては、政府としても、政府から直接支出する分と事業団から国産糖に対して交付する分と合わせると相当の額になるわけですね。それが有効に使われなければならぬということは言うまでもないわけです。  それで、もう一つの問題は、いま瞬間タッチですからね。政府が買い入れする価格というものはきまっておるわけです。その場合の市価参酌の問題については、ことしの春当委員会で問題提起をして、結局二分の一を参酌するということでこれは運営されておるわけですが、この点についても、現行の方式は、輸入粗糖の価格というものを基礎にして、国内の砂糖価格、いわゆる市価というものは参酌要素に使うということになっておるが、この関係は今後どう考えておりますか。あくまでも輸入粗糖価格というものを基礎にして国内糖価というものを参酌要素にするか、あるいはその逆に考えるかという問題があると思うのです。それは部長の見解はどうですか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 法律は、輸入糖の売り渡し価格を基準にして国内市価を参酌してきめるということになっておりますので、たてまえとしてはそういう形で進まざるを得ない。ただ、糖価が安定しておればその点はあまり問題はないわけですけれども、いまのように下がってまいりますと、二分の一は国が負担する、二分の一は企業が負担するという形になっておりますから、糖価が下がれば下がるほど問題が出てまいるわけでございます。何と申しましても、糖価をできるだけ早く安定させるということ以外にはさしあたってはないのではないかというふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 きょうは甘味関係は関連の質問ですからこの程度にとどめておきますが、次の機会に、根本的に国産糖の制度の問題あるいは甘味政策全体の問題についても十分委員会としても検討を進めたいと思うわけです。その点、あなたはいつまで第二部長だかわからぬですが、農林省としてはやらなければならぬ仕事だと思うわけです。  あと明日重要問題については農林大臣から直接伺うことにいたします。

田口長治郎自由民主党

○田口(長)委員長代理 川崎君。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 先ほどの芳賀委員の質問に関連をして、このrの問題、これは要するに、供給量と価格の関係ということになれば、過去の経験からすれば、供給量がふえれば価格が下がる、供給量が減れば上がる、こういうことになるわけですね、需給均衡価格ですから。それでは、この農家の所得安定、こういうことについては食い違ってくるわけです。そこで、私は、もういまこのことを議論しません。過去三年間の実数をひとつ資料として出してもらいたいと思います。この附録算式に基づいた計算の数値を具体的に資料として出してもらいたい。これをお願いします。いいですね。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 今度の新しい方式で……。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 いや、だから、いままでの附録算式の過去三カ年間の分を……。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 いままでの、過去三カ年間で決定した価格が附録算式でどういうふうにはじかれたかということでございますか――はい。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 それじゃ、今回の政令改正に基づいて具体的にお尋ねしたいのですが、原料用カンショ基準価格、これは圃場価格ですか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 基準価格につきましては、生産されました同一市町村内における取引価格、こういうことになっております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 同一市町村内ということになると、工場も圃場もすべて含んで、そこで平均されてくる、そういうことですか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 現実のイモの取引は、工場持ち込みもありますし、農家の圃場で売り渡すという場合もあるし、それから一定の集荷所に集めて買うという場合も、いろいろ現実には形態があるわけであります。そこで、一義的にどこということがなかなか言えないわけであります。そこで、同一市町村内におきましては、どこで取引されるかということとは関係なく、取引価格が基準価格である、こういう基準価格がその同一市町村内の取引価格である、こういうことです。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 これは農家の圃場価格というふうにすべきだと思うのです。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 そこで、今回法律が改正されまして、運賃をどうするかという問題で運賃が入った。したがいまして、いままでは流通形態がそういう複雑な形態をしているものですから、そこは何もかちっときめなかったわけです。そのときどきの情勢に応じて、どういうふうに取引されるかという取引の実態にまかしておったわけです。ところが、今回は法律改正で運賃というものが入りましたから、運賃というものをどういうふうに観念するか、こういうことになるわけです。そこで、現在、先ほど申し上げましたように、運賃についての調査をいたしまして、その結果、運賃というものをどういうふうに観念するかということをきめてまいりたいというふうに考えております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 次に、買い入れの問題ですが、必要の時期に必要な数量、こういうふうに法律で明記されたわけでありますけれども、必要のときということについては、当然、この法律の趣旨から言って、カンショでん粉あるいはカンショなま切り干しの市場価格が政府買い入れ基準価格を下回った、著しくとか云々とかということでなくて、下回ったということで明示できますか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 原則的にはおっしゃるとおりでございますけれども、相場商品でございますから、価格変動というものは、絶えず上がったり下がったりしておるわけであります。一日下がった、翌日上がった、そういう場合にそれでは買うのかということになりますと、それは問題がある。そこで、基準価格を割りまして長期に価格が低落するというようなことの見通しがつけば、それは必要なときということになるわけでございます。その点は豊林大臣が認定することになるわけでございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 それから、生産者団体が調整販売計画を立てますね。その中から残量が出てくる、こういうふうな場合もあるわけですが、そういう場合には、価格の安定を貫くというためには、先ほど言った基準価格を下回ったときとか、それは一日や二日という問題でなくて、いままでだと大体相当に下がってしまってから買い上げが発動になっておるわけだけれども、そうではなくて、早くささえていくということをやらなければなりませんから、そのつど生産者団体が期別に販売調整計画というものを立ててやっておる場合に、そこから残量が出てくるというふうなときには買い上げるということを明確にしておくべきものだと思うのですが、どうですか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 価格が低落しないで高い状態にあって売らないという状態、そういう状態であれば、政府が買い上げるというわけにはまいらぬだろう。しかし、もう価格が低落して、持っておりますものを売れば当然価格は下がるということになりますから、そういう場合にはもちろん買い上げということもあると思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 後者の残量が出た場合。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 そこで、要するに、価格が下がって、基準価格から下がってきておるというような状態があれば、それは一体幾ら買えば価格が基準価格以上に復するかということの判断の問題になってくるわけであります。したがいまして、必要な時期において必要な量というのは、要するに、基準価格が維持されるような状態になるために必要な数量を買う、こういうことになろうと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 そうすると、改正前の法律と今回の法律とで、その点が機能的にどれだけ強く働きますか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 改正前におきましては、農林大臣が一定の数量をきめて、一定の数量の範囲内で買うということになっております。ところが、今回改正されました法律に基づきましては、とにかく量的に一定の数量ということはあらかじめきめない、そのつど必要に応じまして必要な量を買い上げていく、こういうことになっております。その点が異なってきておるわけであります。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 次に移ります。先ほど芳賀委員のほうからも勧告の問題が出ました。さかのぼるというような話も出たわけですが、勧告した、しかし下がったそこに当然損失も出てくるわけですね。そうすると、勧告した数量については政府買い上げということは明確になるわけですね。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 勧告をしたから勧告した数量を買うということには必ずしもならない。とにかく基準価格を維持するということが目的でございますから、基準価格より下がっておるという事態があれば、基準価格で買います、イモの価格から計算しましたでん粉の価格が基準価格を割るようになれば買い上げます、こういうことになるわけであります。両方で法律の本来の目的を達成するということになるのではないかと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 次に、原料カンショあるいはなま切り干しの基準価格を公表する。その際に、金利とか保管料の加算額というものについてもあわせて公表するということはできませんか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 法律には、生産者団体から買う場合には金利、倉敷料を加算することができるようになっております。したがって、金利、倉敷料というのは、調整保管をしておるものの中からどれだけ買うかということできまってまいりますので、あらかじめ金利、倉敷料は幾らであるということをきめておくことはむずかしいというふうに考えます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 次に、コンスの問題。先ほど来出ておりますが、これは根本的に足らない。足らないから、しかたがないからコンスで埋めようということになる。そこで、問題になることは需要増大の傾向。これは先般部長も答弁された。そうすると、積極的に供給をふやす、つまり国内産のでん粉を保護したりあるいは振興するという立場からいえば、供給量の増大が必要だと思うのです。現実には足らない足らないということで、コンスはぐいぐい入ってきて、カンでんなりバでんなりに食い込んでいく。こういうことを繰り返して、むしろ拡大してきておるということになるのですが、根本的な方針として、供給量を増大させるという方針を立てるかどうか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 これは、地域農産物としましてカンショ、バレイショが生産されております。そこで、その地域農産物の適地につきましては、合理化をしながら生産をふやしていくことは当然考えられるわけであります。コンスをふやしたためカンでんなりバでんに食い込んでいくということではなくて、需給計画上足らないからやはりある程度調整する必要がある、こういうことをわれわれとしては基本的な観念として考えておるわけでございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 コンス規制については、この間も繰り返しやりましたけれども、やはりこれは、国内産のイモを保護するという立場からすれば、規制を強めていかなければいかぬと思うのです。しかし、実際には需給関係でしょうがないという現実の面にむしろ押されているということになります。だから、どうすればコンスの規制ができると根本的に考えておるわけですか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 コンスにつきましては、現在関税割り当て制度がとられておるわけですが、関税割り当て制度で目的は達しておるのではないかというふうに考えておるわけでございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 たいへん時間が過ぎておりますから、次に移ります。  先般もお尋ねしたのでありますが、四十二年度の予算編成の概算要求の時期に入っておるわけです。そこで、カンショの生産いうのがきわめて主産地化され、集約化されてまいっております。集約化されてきておるカンショの生産振興ということについて、この間も園芸局長のほうから幾つかの事例をあげておるわけであります。主産地形成についての根本的な方針をひとつお願いします。

小林誠一農林事務官(園芸局長)

○小林(誠)政府委員 御説のように、カンショの作付面積がだんだん主産地のほうに固まってきております。そういう意味で三十九年から四十年にかけて作付面積は減っておるのでありますが、原料用カンショを主としてつくりますところにおきましてはその現象は少ないのであります。したがって、御説のように主産地化されてきつつあるということが言われると思うのでございます。それらについては、この前にお答え申し上げましたように、原種原々種の確保という観点から、それらの圃場についての補助助成をやっておるわけでございます。また、現在の情勢からいたしましても、労力は次第に減ってくる傾向にあるわけでございます。そういう意味から、やはり栽培を合理化する必要があるということで、合理化推進の実験集落の設置についての助成をいたしておるようなわけであります。いずれにしても、これらの主産地におきましては、農家の所得の面からいきましても、農家経済の面からいきましても、カンショは非常に重要な作物でございます。私たちといたしましては、明年度もそれらの姿についてできるだけの助成を行ないたいということで、寄り寄り農林省の中で現在相談をいたしておるような段階でございます。方向といたしましては、農家所得を減らさずに、しかも労働があまりかからないという栽培の合理化という方向に沿っていきたいというふうに考えておる次第でございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 ただいま御答弁になりました実験集落というのは、四十一年度で全国何カ所で、四十二年度にはどういう方向に持っていこうとしておられますか。

小林誠一農林事務官(園芸局長)

○小林(誠)政府委員 四十二年度の問題については、カンショについてどういうふうに予算要求をするかということはまだ固まっておりまんので、ここでは申し上げられないのでありますが、四十一年度におきましては、カンショの栽培合理化推進実験集落につきましては、これが平地と段地によって導入いたします機械も違うわけでございます。したがって、平地の実験集落は、新規が九、継続が九ということで十八カ所、段地の実験集落は、新規が五、継続が五の十カ所であります。さらに、カンショの早期栽培についても実験集落を設置する必要がございますので、新たに四十一年度に二カ所。合わせて三十カ所になろうかと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 これは全国的にずっとばらまいておるわけですね。大体規模はどのくらいでやっておりますか。

小林誠一農林事務官(園芸局長)

○小林(誠)政府委員 これにつきましては、先ほど申しました主産地に重点的に配分いたしております。全国各県平等にといいますか、一カ所、二カ所というふうに平等に配分するということではございません。主産地に重点的に配分しておるような次第でございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 しかし、こういう実験の集落を一つ二つつくってみたって、これでその地域全体が主産地として形成をされ、さらに合理化をして生産性を上げていくということについては、およそ百年河清を待つことになると思うのです。その点、特産農業近代化地域ということで、特殊産物の近代化地域としてもっと広範にこれを進めていくということがなされなければ、いまおっしゃられたような、きわめて小さな規模のものをぽつんぽつんと落としてみたって、その地域全体の生産性を上げていくということには、もうとうてい追いつかないと思います。ですから、もっと大規模に財政投融資をやっていく、そういうふうなことは考えていないわけですか。

小林誠一農林事務官(園芸局長)

○小林(誠)政府委員 カンショに限りませず、特産物につきまして、いろいろその地域の実態に合う振興策はどういう方法があるかということにつきましては、これは十分検討しなければならぬ問題だというふうに私たちは考えておるのでございますけれども、まだ結論が出ておりませんので、その点についての答弁は御容赦願いたいと存じます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 それは答弁が出たようなかっこうになりますが、先般私がここで、甘味資源の作物として生産地域指定、そういうむしろ積極的な方向に持っていけないかと言ったことに対しては、現在の制度下ではだめだ、こういうことになったわけですが、しかし、仮谷次官でしたか、初めての提起として検討はしていきたい、こういうふうな答弁にはなっているわけです。その点、いまの御答弁ともあわせて、産地全体の振興ということで、甘味資源作物としての主産地形成として振興の方策が出ませんか。

小林誠一農林事務官(園芸局長)

○小林(誠)政府委員 いまお話のございました点も含みまして、十分検討させていただきたいと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 終わります。

田口長治郎自由民主党

○田口(長)委員長代理 次会は明二十八日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時十四分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗