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52回国会衆議院1966/07/26

農林水産委員会 第1号

発言数
87
登壇者
6
会派数
2
開催日
1966/07/26

会議録

中川俊思自由民主党

○中川委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。  すなわち、  一、農林水産業の振興に関する事項  二、農林水産物に関する事項  三、農林水産業団体に関する事項  四、農林水産金融に関する事項  五、農業災害補償制度に関する事項  以上の各事項につきまして、衆議院規則第九十四条により、議長に対し国政調査の承認を求めることとし、その手続につきましては委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中川俊思自由民主党

○中川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたしました。      ————◇—————

中川俊思自由民主党

○中川委員長 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  まず、去る七月十五日から十八日までの新潟地方における集中豪雨による農作物の被害状況等について説明を聴取いたします。来正参事官。

来正秀雄農林事務官(大臣官房参事官)

○来正説明員 新潟の豪雨につきまして御報告申し上げます。  これは七月二十五日現在の県報告でございますが、おもな被害は、農作物と農地、農業用施設が大きな被害を受けております。そのうち、農林水産物関係では、農作物が六十億になっておりまして、その他若干のものを合わせまして六十二億、それから農地、農業用施設等か五十九億という数字が出ております。そのほか、公共施設関係では、公共施設が一億程度、総合計いたしまして、全部の被害が百二十八億というふうに相なっております。これは新潟県だけでございますが、それ以外にも被害がございまして、他の県も合わせますと百四十八億というものが県の報告と相なっております。  特に新潟県につきましては、加治川の堤防が決壊いたしまして、これの復旧に建設省が努力いたしておる次第でございますが、新潟県の被害面積は大体二万二千ヘクタール程度のものが冠水をいたしました。現在まだ六千町歩程度の冠水が残っております。これはすでに一週間程度経過いたしましたために、この六千町歩程度の面積はおそらく収穫が皆無に近いものになるという推定がされております。  それで、農林省といたしましては、ただいまとれます施策といたしましては、六千町歩の浸水地は別といたしまして、それ以外の地域につきましては、すでに水が引けておりますので、そこにつきましては、農林水産航空協会からヘリコプターのチャーターをいたしまして、これの補助を二分の一することになっておりますが、十五機が現地で農薬の散布をいたしております。  なお、これは当然農業共済の問題といたしまして、仮払い、概算払いの措置等を講ずることにしております。  それから災害復旧につきましては、浸水いたしましてまだ災害復旧ができない面が多分にございますが、農林省といたしましては、水が引き次第、直ちに緊急の査定を行ない、直ちにやらなければならないものは、査定の前に事前着工も認めるという措置をとるように現地指導をいたしております。災害が起こりましてから、農林省といたしましては、直ちに最も関係の深い災害復旧課長、農産課長を現地に派遣いたしました。それから北陸農政局のほうから六名現地派遣をいたしまして、現在は局長も数日前から現地に参っておるこいうことで、現地の整理につきまして鋭意努力中でございます。なお、今後被害の判明次第、天災融資法の発動、あるいは公共施設の災害復旧、あるいは農地、農業用施設の災害復旧につきまして、直ちに着手いたしまして、復旧に努力いたしたいというふうに考えております。  以上でございます。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 以上で説明は終わりました。     —————————————

中川俊思自由民主党

○中川委員長 引き続き農林水産業の振興に関する件について質疑を行ないます。湯山勇君。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 私は、先般本会議でもわが党から質問がございましたし、また、予算委員会におきましてもいろいろ質問のありました米価につきまして、おもな点を四点ばかりお尋ねいたしたいと思います。  第一は、四十年産米の計算方式あるいは政府が採用した指数化方式が、はたして生産費及び所得補償方式によって算定されたかどうかという問題、第二は、米作増産対策費五十億についてのお尋ね、第三は、消費者米価との関係、第四は、米審と米価決定の方法、この四つのことについてお尋ねいたしたいのですけれども、順序はそのとおりではなくて、一番お聞きしたい問題から先にお尋ねいたしたいと思います。  まず、米作増産対策費五十億の問題ですが、これにつきましては、次の臨時国会で補正予算で予算化され、それ以後の支出になるということですが、その見通しは大体どういう状態なのか、お伺いいたしたいと思います。

仮谷忠男自由民主党農林政務次官

○仮谷政府委員 これはしばしば予算委員会、本会議等でも大臣より御答弁申し上げておるとおり、いずれにしても補正予算で計上をするということで、そうして増産対策費としてこれを支出するということでありまして、ただ、どういう形で、どういう方法でという問題については、内容を検討中である、こういう答弁を大臣等もいたしておるとおりであります。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 政務次官に重ねてお尋ねいたしますが、これは四十一年産米についてですか、四十二年産米についてですか。

仮谷忠男自由民主党農林政務次官

○仮谷政府委員 今後の米作対策、こういうふうに私どもは解釈をいたしております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 お尋ねしておるのは、四十一年産米についての増産対策費か、四十二年産米についての増産対策費か。それを補正予算でわざわざ出すというのですから、四十五年、六年ということではなかろうと思うのです。どちらでしょう。

仮谷忠男自由民主党農林政務次官

○仮谷政府委員 補正予算の計上ですから、四十一年度産米が主として対象になるということは当然だと思います。ただ、米作増産対策でありますから、それが結局は四十二年にもずっと影響いたしてくるということは当然考えられます。主として四十一年度産米を対象とするということは当然考えられるのではないかと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 四十一年産米を対象にするとすれば、四十一年産米の増産対策というものはいつごろまでに完了しなければ間に合わない、これは政務次官ならよくおわかりのとおりです。いつごろでしょう。

仮谷忠男自由民主党農林政務次官

○仮谷政府委員 四十一年米価といえば、もうすでに御承知のとおりであります。ただしかし、やはりこれからまだ実際の刈り取りが行なわれるまでには、たとえば病虫害対策、風水害対策等いろいろ出てまいりましょうから、そういう問題はいろいろ考えられると思います。そういう観点から考えられる。ただ、私ども率直に申し上げまして、これはまわりの者の話を申し上げますが、五十億の増産対策費というものについては、いろいろ考え方、見方があるし、それからそれによって受け取り方もいろいろあるわけなんであります。したがって、これをどういう形において使用するかということによって、おのずからまたいま先生がおっしゃったような問題等についても限界ができてくるんじゃないかと思うわけです。率直に申し上げまして、それをどういう形で、どういう方法でやるかということ自体を私自体がここで答弁申し上げるのには、少し荷の重い答弁だと思っておるわけであります。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 そういうことをお尋ねしたいから申しておるので、どうせことしの米に間に合わないことはわかり切っております。文字どおり米作増産対策費ということに使おうとすれば、間に合わないことは、政務次官も百も承知の上のお話なんで、そうすると、そこで、四十一年産米か四十二年産米かというのは、これは政治的な判断で、政務次官はどちらだと判断しておられますか。

仮谷忠男自由民主党農林政務次官

○仮谷政府委員 私は率直に言って、米価決定の際に、政府のいろいろ関係者の会議をいたしましたときに、私が、米価には少なくとも食管制度を実施していく限り限界があるはずだ、だから根本的な生産対策費を計上すべし、この際、米価は一応限界にきているんだからして、あらためて根本的な米価対策というものを、米作対策費を農業政策費として組むべきだというのが私の主張でありました。そういう観点からいって、たとえば土地基盤整備の問題とか、あるいは場合によっては農民年金の問題とか、あるいは本年非常に論議された例の水銀農薬問題、これを少なくとも四十三年までには転換しなければならぬ、その転換対策費の問題、そのような重要な取り上げなければならない問題がたくさんあるから、むしろそれを思い切って時間をかけて取り上げて、この際、米価決定に一つのはっきりした筋を通すべきではないかというのが私の主張でございました。もちろん、そういうことは通らなかったわけでありますけれども、結論的には、それに似たようなものが最後に五十億組まれたというふうに私どもは見ておりまして、これには御承知のとおり、農業団体や農民の側から考えると、むしろ米価に対する積み上げだという解釈をいたしておりますが、あるいはそういう解釈をせられるような節も私はあったと思うのです。そういうことによって最後の米価の問題がおさまったというふうにも考えております。ただ、政府側からいうと、これはあくまでも米価ではないという主張をいたしておりますし、したがって、その五十億の使途をどういう形にするかという問題は、今後いろいろ政治的な影響もあると思うのでありまして、したがって、その問題は今後十分に検討して決定しなければならぬということに現在相なっておるのではないか。したがって、具体的な問題について、いますぐここで御答弁申し上げることについては、私自体としてはいささかまだ煮詰まっていないという感じがいたしておるわけであります。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 御答弁の御苦心の存するところもよくわかります。わかりますけれども、もう八月にはそれぞれ来年度予算の骨子が大体各省別にできる段階です。特に米の増産対策費ならば、来年度予算でやっても必ずしも季節的に間に合わないということではないと思うのです。それを特に今度の補正予算で五十億つけるということは、四十一年産米を対象にしなければそういう構想は出てこないのじゃないか。増産対策、構造改善、あるいは農道とか、いろいろなお話も出ておったようですけれども、それならば、何もいま組んでおる上に五十億という補正をしなければならないという緊急性はないわけで、政府としてこれをこの際補正予算でもって出すという、その政治的な判断としては、四十一年産米に何とかしよう、あるいは四十一年産米になるべく——あの申し合わせについていた了解事項によれば、供出農家に均等に渡るようにしようということであれば、使った農薬、その一部をあと払いにして国が負担するというようなこともできると思うのです。そこで、特に今年度内の補正、予算のたてまえは年度予算がたてまえですから、年度内の補正というこの措置から考えれば、どう考えたって、四十二年産米対象というのでは筋が通らない、四十一年産米が対象だという判断は、私は当然しなければならない点だと思います。そうじゃないでしょうか。

仮谷忠男自由民主党農林政務次官

○仮谷政府委員 そういう御意見のような判断も私はできると思うのですが、ただ、四十二年度ほんとうの産米対策と申しますか、米作対策と申しますか、そういうことを今年から引き続いてやろうということになれば、来年度に影響する施策にしても、今年度予算に計上していかなければならぬということも一応考えられるわけでありますが、五十億の支出というものを考えたほんとうのねらいというものは、四十一年産米米価対策というものが主にして考えられたということは、一応御想像のとおりと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 政務次官の御答弁けっこうです。長官、いかがですか。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 五十億の問題でございますが、これはいま政務次官から御答弁ございましたように、ことしの米の価格をきめるという過程において、関連して出てきた問題であることは御承知のとおりでございます。この五十億の性格につきましては、稲作の生産性向上あるいは増産対策というようなことにポイントを置いた政策費であるというように私どもは理解しております。したがいまして、これをどういうふうな内容のものにいたしますか、今後の検討を詰めてまいらなければならない問題でございますけれども、それがただ単に四十一年産米あるいは四十二年産米というふうに限定された姿で、それ限りにおいて効果をあらわすというような筋合いに限定して考える必要もないかというように考えておるわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 それはまたおかしいことになったので、それじゃ、いまおっしゃったように、生産性向上とか、あるいは農道にしても、あるいは病虫害防除にしても、四十一年に間に合いますか。あるいは四十一、四十二とあとずっと尾を引くとしても、農道なら農道をつくれば、それはあとまで使えるじゃないかというようなこともありましょうけれども、四十一年産米に増産対策費として間に合いますか。合わないでしょう。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 四十一年産米は、御承知のように、早いものは八月の末に刈り入れに相なります。おそいものでも十一月一ぱいにはほぼ刈り入れ収穫に相なると思います。したがいまして、四十一年産米を対象にしてその五十億というものを云々ということは、非常にむずかしいことであるというように思います。さればと申しまして、四十二年産米のことだけを考えて措置するという筋合いのものでもないのであろう。今後の稲作の生産性を——ともかく全体として自給の段階までにはまだ至っておりませんわけですから、これをできるだけ早い時期に自給体制というものを整えていくということのためにも、また来年産米の問題として、先生のお話のように、四十二年度予算で計上してもいいという議論もございますけれども、稲作それ自身というものが、四月一日から始まるというわけでもございませんし、事前準備ということもありますし、稲作の生産性を向上していくというためのいろいろな施策というものは、単年度限りというふうにも理解できない面もあるわけでございますから、できるだけ早い時期に間に合う稲作それ自身から、順次生産性が上がるような方向で措置がとれるようにいたしたい、こういうことでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 そういうことの議論は、この際はしないほうがいいと思うのです。そういたしませんと、これは六菖十菊ということもあるし、けんか過ぎての棒ちぎれというのもあるし、そういうものじゃなくて、食糧庁長官の判断としては、やはり四十一年産米も対象にしているという判断なのかどうなのか。政務次官は、いまのような政治判断から見て、当然四十一年産米を対象にしているという御答弁があったわけですが、それは政務次官の御判断。直接その事務を担当して今日まで運んできた長官の御判断も同様かどうかということについてだけ御答弁をいただければ、それでいいと思うのです。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 それじゃ簡単に申し上げますが、私どもとしては、予算支出の時期その他からいたしまして、四十二年産米が主たる対象になってまいるものだというように思います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 これはこれだけ政務次官と食糧庁長官とが食い違ったのでは、この質問を終わるわけにはまいらないのです。そうかといって、お二人に聞いておれば、どこまでいっても歩み寄りは見られないと思いますから、暫時御相談を願って、その上で統一見解を御答弁いただくかどうかしなければならないということなんですが、はからいは委員長に御一任いたします。

仮谷忠男自由民主党農林政務次官

○仮谷政府委員 おっしゃるとおりでございまして、そういう議論が現在政府の内部あるいは与党の内部に実はまだあるわけであります。これは率直に申し上げます。食糧庁としては、いわゆる指数化方式に基づいて一定の指数を出しておりますから、それ以上のものは米価としては出ないというのが最後までの主張であったことは、御承知のとおりであります。しかし、米価決定にあたっては、御承知のとおり、いろいろああいうふうな問題、たいへん大きな農民の運動等が起こったわけで、そこで、政府・与党のいわゆる最高の政治判断に基づいて、結論が五十億というものが出たわけであります。したがって、これをどういう形において使うかということが、やはり残された一つの問題に相なっておるわけでありまして、したがって、総理の答弁も、米価でないということだけははっきり申し上げたが、しかし、その使途についてはただいま検討中という御答弁を実は申し上げておるわけであります。したがって、それをどういう形において使うかということによって、おのずからその判断がきまってくる問題ではないか。ただいま事務当局には御承知のとおりの考え方があり、これは食糧庁長官の答弁としては当然の意見だと思っております。ただ、政治的に大きく判断をする場合において、それをあくまでも食糧庁長官の考え方のように使途するかどうかという問題については、これは決して私どもはそのことがすべてであろうとは考えておりません。それが今後の与党内の調整であるというふうに私どもは考え、したがって、ただいま検討をいたしておりますという御答弁を申し上げておる次第でございますから、御了承いただきたいと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 政務次官の御答弁ですから了解したいのですが、その点については了解いたしかねます。と申しますのは、きまったのは七月の八日だと思います。今日まで約二十日間経過しております。しかも予約が非常に順調に進んでおるというのが農林省の発表です。そのときに、いま予約しておる農民が、一体これが何年産米価にかぶってくるのか、それさえわからない、何のために補正予算で組むようにしたのか、それもわからない、そういう状態において予約を進めていく。これが一体ほんとに農民を考えた農政かどうか。農林省が農民の味方になってやらなければ一体だれが味方になりますか。そこで、これが一体いつのにどうするのか。大体四十一年度のものからにしたいというそれぐらいの意思表示がなければ、とてもじゃないが、農民はそのことだけでも失望すると思うのです。そこで、大きい方向、どういう形で出すか、農薬補助で出すのか、あるいは農道で出すのか、あるいはもっと違った形で出すのか、それはまとまってないといえばおっしゃるとおりです。実際には文字どおりいけば四十一年には間に合いますまい。それをどうやってやるかという御苦労はよくわかりますから、どういう形で出すかということを聞いておるのじゃないのですから、いつのに適用しようとしているのかということだけで、食糧庁長官ともあろう者がまだそういう御答弁では困るし、せっかくおいでいただいたお二人がここで食い違っておるのが当然だという御答弁じゃ、私は了解できかねます。いかがでしょうか。

仮谷忠男自由民主党農林政務次官

○仮谷政府委員 湯山先生のおっしゃるお気持ちはよくわかるのですが、しかし、私は率直に申し上げまして、米価決定というものが毎年同じことを繰り返して、そして一つの限界と申しますか、そういうところまできておるのじゃないかと思うのです。したがって、この問題を何らかの形で今後方向づけていかなければならぬということは、湯山先生自体もお考えいただける問題ではないかと思うのです。そういう意味において、五十億の使途がいろいろ議論があり、まだ今後検討の余地はあるといたしましても、一つの新しい姿として生まれたものであって、考え方によっては、農政の非常な前進を約束するものではないかという見方を私どもは実はいたしております。したがって、この本年度の五十億がどういう形によって使途されるということ自体が、今後の農政を非常に大きく発展せしめるかどうかという問題点になるのじゃないかという考え方を実は持っておるわけで、むしろ逆に、われわれはこれをさらに大きく発展させて、そしてほんとうに農業の根本的な問題にまでこれを発展せしめたいという考え方を私は持っておるわけです。そういう観点から考えますと、この五十億を直ちに四十一年度に適用するか、四十二年度に適用するかという目先の問題でなくして、今後の農政の新しい方向として、根本的に検討するものを考えていきたいという観点から、五十億そのものの補正予算の計上の時期もまだかなり先ではないかと思われますし、その予算計上の時期までに今後の方向を十分検討して考えていきたい、そういうように私は思っておるわけでありまして、ただいま私と長官との考え方、若干ニュアンスは違っておりますけれども、そういう問題もいずれその時期には十分に統一して政府の統一見解として申し上げる時期がくると思うのであります。そういう点でひとつ御了承いただくわけにはまいらぬかと思うわけであります。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 お答え、どうも納得しかねるのです、非常に残念ですけれども。政務次官のおっしゃるような意味のことは、私どもも考えております。現在の構造改善事業が決してうまくいっていないという具体的な事実もあるししますけれども、この五十億はそういうものとは若干性格を異にしている。政務次官のような意味づけをするとすれば、将来の米価決定の方向にある示唆を与えるものだということにおいては、私は五十億というものを了解します。そういう意味で今度の米価決定の段階でこれが出てきたということであれば、この五十億でおっしゃるような効果がすぐ出てくるようなものでももちろんないのですから、ここにはもっと手近な意味合いが含まれていると思うのです。したがって、政務次官のおっしゃったのは、それは土地改良だって二兆六千億を十カ年でやろう、そうすれば年間にして二千六百億、そういう大きな土地改良の中で、その二千六百億がかりに二千六百五十億になったところで、これは天下の大勢に影響のあるものじゃありません。構造改善も同じだと思うのです。それよりも、この問題は、ことしの米価を処理するためのねらい、将来の米価算定の内容を何とかしていかなければならないというようなものがあるから、農政局長ではなくて、食糧庁長官にお尋ねしても、決してこれは方向違いのお尋ねじゃないと思うわけです。  そこで、要望と言っては悪いのですけれども、判断として、この五十億というものは、何らかの形で四十一年産米に影響させよう、させるためのいろいろな方法を検討していく、研究しなければならない、そういう立場に農林省もあるということだけなら、お二人の意見は一致するのじゃないでしょうか。もう一度申しますと、そういうそういう段階にあるのだということならば、お二人の意見は一致していいのじゃないかと思いますが、それはいかがでしょうか。経過を経て出てきた五十億だから、四十一年産米に何らかの形で影響させる、そういう方向について具体的にさらに検討する。

仮谷忠男自由民主党農林政務次官

○仮谷政府委員 私はやはり米価決定のいきさつから考えると、何らかの形で影響をさせるという方法を考えないと、党も農民も納得しないのじゃないかという感じがいまいたしております。ただしかし、さきにも話しましたように、この五十億だけで問題の解決をつけるのじゃなくて、五十億をさらに大きく発展させて、将来は百億にも二百億にも三百億にもなって、これが根本的な稲作対策の方向に進展する方策として、その基本方針がこれによって立てられるとすれば、それであるいは与党も農民も納得することができるかもしれないと思います。そういうことを考えれば、必ずしもそれが四十一年度の米にそのものずばりで影響しなくても、あるいは私は納得することができるのではないかと思います。だから、その立て方については、やはり相当検討を要する問題ではないかと私は思っております。ただ、現実の問題としては、やはりある程度影響させないと、これは社会情勢がおさまらないのじゃないかという判断を私は政治的にいたしております。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 いま政務次官からお話がございましたようなことでございますが、いずれにしても、私どもとしては、今後の検討問題として、具体的にどういうふうな内容のものをどういうふうにしていくかということについては、まだはっきりした成案を得ておるわけではございません。その過程におきまして、いろいろな問題を十分勘案してきめてまいりたいというふうに考えております。   〔委員長退席、本名委員長代理着席〕

湯山勇日本社会党

○湯山委員 いま検討するとおっしゃったのは、いまの政務次官の御答弁の趣旨も含めてですか。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 いろいろな経緯がございまして、五十億の支出ということになったわけでございますから、それらの経緯ということも当然念頭に置かざるを得ないというように思いますが、最終的な決定がどういうふうな姿に相なりますか、いまの段階ではちょっと申し上げかねると思います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 いまの答弁はそれで了解いたします。  ただ、長官に申し上げておきたいことは、これがかりに農薬の補助とかあるいは基盤整備とか、そういうことに回ったとしても、個々の供出農家になるべく均籍するようにという条件がついておる以上は、それだけ生産費が低下するということもあり得ると思うのです。生産費がそういうことで低下したということになれば、次年度からの米価で引き下げ要因として働いてくる。そういうことになれば、何のことかわからなくなりますので、いま御答弁のあったような、米価決定の段階でいろいろな経緯を経てきまったものですから、そういう点を十分御配慮願いたいということを申し添えておきます。  なお、いまの問題に関連しては、御答弁いただきたい点もたくさんあるのです。しかし、こういう段階ですから、そういうことを申し上げるだけにとどめたいと思います。  次は、消費者米価です。当分上げないということで、当分は当分だということですが、ことしの一月に消費者米価を上げましたですね。その理由はどういう理由であったか、ひとつおさらいをしたいと思いますから、長官からお答え願います。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 ことしの消費者米価の値上げにつきましては、御承知のように、昨年の生産者米価引き上げというような問題とも関連をいたしますが、一つは、食糧管理という面からまいりまして、逆ざや関係というものはできるだけ防止いたしたい、特に末端におきます消費者米価と生産者米価との関係が逆ざやになるということは、食糧管理を正常に進めていきます上からいっても問題があるのではないかということが一つでございます。同時に、家計費の伸びなり何なりを十分勘案いたしまして、本年の一月の消費者米価改定に踏み切ったということであります。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 いま御答弁になったおもなる理由、末端逆ざやということは食管制度の運営上支障があるから、特に一月一日の消費者米価値上げに踏み切ったという御答弁なんです。ことしの四十一年生産者米価がいまの一万七千八百七十七円とかりに——特にかりにという名前をつけますが、かりにそうだとして、末端逆ざやは幾らくらいになりますか。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 昨年産米との研ぎ上げ額は大体千五百円でございますが、ほぼそれに近い数字が逆ざやという形で生じてまいっております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 その逆ざやは、食管制度の運営にあまり支障にはなりませんか。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 食管制度を運営してまいります上に、こういう状態が長らく続きますことにつきましては、私はやはり支障が出てまいるというふうに考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 長らくとは何カ月くらいでしょう。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 何カ月というふうに時限を限ることは非常にむずかしいと思いますけれども、何年というようなぐあいに逆ざや関係が続いていく、たとえば麦におきますような状態が継続するというようなことは、必ずしも好ましいこととは思っておりません。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 好ましい好ましくないという問題ではなくて、制度の運営に支障があるということで、ことしの一月一日に消費者米価を引き上げた。それと同じような、あるいはそれよりももっと大きい末端逆ざやが今日生じておる。これはしんぼうするんだ、何年も続くとぐあい悪いけれども、当分の間はしんぼうする、こういうことですね。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 御承知のように、物価の問題その他、いろいろ緊急と申しますか、大きな問題が一方にあるわけでございます。したがいまして、何カ月こういう事態が続くのがいいか悪いかという、時間を限っての判断は非常にむずかしいと思いますけれども、一方でのいろいろな物価対策というようなものとの彼此勘案と申しますか、秤量の問題がそこに出てまいるであろうというように思いますけれども、長期間にわたってのこういう姿は、やはり食管制度というもの自体考え直さねばならないというようなところに追い込まれていくことになろうというように思います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 一般論じゃなくて、何カ月という期間の設定は、米価に関する限りは、そんなにむずかしいものではないと思うのです。ある程度できると思います。そうすると、ことしの一月には、物価はとにかく押えなければならないという至上命令のようなものがあったにもかかわらず、末端逆ざやということを理由にして消費者米価を上げた。今日それ以上の逆ざやが生じている。しかしながら、政府は当分上げないんだということを明らかにしている。もしいまの政府がとっている態度が正しいとすれば、ことしの一月一日の消費者米価の値上げというものは、薄弱な根拠によってなされたものだということになりますし、どちらかが間違っているとは言いませんけれども、そういうことを口実にして利用して、そのときそのとき都合のいいようにやっていっている、そういう印象を消費者に与える、こういうことを私は憂えておるわけですが、いかがですか。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 私は、いまの食管法のたてまえあるいは食糧管理制度というものからまいりますと、やはり生産者米価と消費者米価というものは、いろいろ御議論はございますけれども、基本的には関連を持つものであろうというように思っております。消費者米価の問題につきましても、そういう意味で、生産者米価の改定というものがございますれば、すなおな姿では、やはり消費者米価を引き上げていくというのが当然であろう。ただ、その際に、家計費の伸びなり可処分所得の伸びなりというものを当然一つの限界として考えていくというのがいまのたてまえでございます。ただ、その場合に、一般物価の抑制なり何なりというような別の一つの大きな問題というものが政策的にとられまして、その結果として、一時的に逆ざや関係というものが生じるというようなことは、これはやはり一つの流れの中の一時的な現象として起こり得ることだろうというように思いますが、基本的には、やはり生産者米価と消費者米価との間というものは、一つのバランスのとれた姿というものが、いまの食管制度の運営のたてまえとしては正しいものであろうというように考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 私は、そういう解釈には反対です。なぜかといいますと、食管法はそういうことを規定してはおりません。ただ、大きく国の予算というようなものを行政府としては考えていかなければならないという判断の場合にのみ、そういうことが必要であって、食糧を管理するという面から消費者米価と生産者米価を関連づけるということは、それはたいへんな間違いだと思います。だからこそ、いまのような逆ざやができても、それはそれなりにしんぼうしてやっていくということもできるし、あるいはいまのようにそれができたからというのですぐに消費者米価を上げる、こういう算段をするという場合もあり得る。ただ、大きい判断から言えば、この一月一日の消費者米価引き上げのときに、米価審議会は、やむを得ないとしても、上げ幅なんかは政府の考えておるようなことじゃいけないという答申があったはずです。それほど物価の状態というものは悪い状態にあった。それをあえて逆ざやに名をかりて、政府の当初考えておったとおりをやったものですから、それで、米価審議会は大臣に対して抗議を申し込んだことを長官は御存じかどうか。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 消費者米価の決定に際しまして、消費者米価をきめましたあとで、一部の委員から米審の会長のほうへお申し出があったようでございまして、それに関連をいたしまして、今後の米価審議会におきます答申の取り扱い等について十分注意をするようにという文書の申し出がありましたことについては、承知をいたしております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 これは、今回の決定は遺憾である、今後はこういう注意をされたいということで、それほどの状態のときに、あえて逆ざやということをおもなる理由にして、家計米価の範囲内で引き上げるということで、政府案を強行しました。したがって、いま物価政策上据え置きできるということであれば、ことしの一月一日の消費者米価の引き上げというのは不当な引き上げであった、少なくとも上げないで済むものを上げたんだということを、私はあらためて指摘しておきたいと思います。  そこで、それじゃ一体食管会計の赤字をどうするかという問題ですが、これはごく常識的なことですから、政務次官のほうへお尋ねしなければなるまいと思います。  食管会計に赤字と称するものがかなりできてきております。消費者にかけるのと、それから一般会計から埋めるのと、どちらがいまの時点、今日の状態では適当かという問題です。二つの観点から政務次官の御判断をいただきたいと思いますが、一つは、社会政策の面です。消費者米価を上げるということは、配給を受ける人口が七千万あるといいますが、所得税の減税の恩典も受けない低所得者あるいは扶養家族、そういう人たちがもろに消費者米価の値上げの影響を受けております。こういう形で低所得者や扶養家族にこれをかぶせるということが、一体社会政策として適当かどうか、これが判断の一点です。  第二点は、消費者米価を値上げすれば、消費者米価だけで消費者物価が上がると予想したその上がり幅よりも、あるいは精神的な影響もあって波及効果があって、常に消費者米価だけで上がる消費者物価の値上がりよりも、消費者米価が上がったときには、大幅に消費者物価全体が上がっております。つまり、消費者米価の値上がりというのは、そういうかなり大きな波及効果を持っている。これは過去三回ともそういう事実が出ております。そうすると、いまの政府としては、消費者物価を抑制しなければならないという最高命題をかかえておって、それをあえて消費者米価にかぶせて消費者物価を上げていく、こういうことをとることが賢明なのか。同じ国民の負担だからという言い方をしておりますけれども、やはり一般会計から埋めて、せめてそういう波及効果だけでも防いでいって、物価の値上がりを押えていく、こういう社会政策と物価対策、両面から考えて、かりに食管の赤字と称するものがかなりの額にのぼったとしても、それは一般財源で見ていく、こういうことをやるべきではないかと思いますが、政務次官の御判断はいかがでしょう。

仮谷忠男自由民主党農林政務次官

○仮谷政府委員 生産者米価は、生産者のためにできるだけ高く買ってやったほうがいいし、消費者米価は、消費者の家計を守るためにできるだけ安くしてやったほうがいいということは、常識的に当然なことだと思う。私は、問題は限界だと思う。いまの場合、物価問題が大きく取り上げられておる。これが内閣の至上命題として進められたときに、消費者米価を上げる——産者米価も同じですが、消費者米価を上げるということは、いろいろな面に大きく影響する。これは当然なことであって、できる限り消費者米価は据え置きたいという考えは、私は政府も同じ考えではないかと思う。ただ、結論的に申しますと、限界の問題じゃないですか。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 そうなると、問題になるので、およそ値上げの幅とかあるいは会計というものは、そんなに限界あるいはその幅というようなもので律し切れないようなワク外に出る、一兆円にも二兆円にもなるというようなことはあり得ないわけです。かりに二千億の赤字があったにしても、それくらいな赤字は、過去においても時期的には出たことがあります。そういうものを消費者米価でまかなうのがいいのか。原則として、むやみに大きいというのではなくて、それはおっしゃる程度はあると思いますけれども、できるだけ一般会計で埋めていく、そのことのほうが、社会政策から見ても物価政策から見ても、今日の時点においては適当ではないかということなんですから……。

仮谷忠男自由民主党農林政務次官

○仮谷政府委員 今日の時点においては、できるだけ一般会計によってまかなうということが、私は、政治の判断から申しましても適当だと思います。ただ、少し問題が、同じことが何年もずっと続いていった場合に、一体どうなるかという問題ですね。だから、私は限界のことを言っておるわけです。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 政務次官の言われる意味、よくわかりました。  そこで、同じようなことが何年も続くか続かないか、そのことに関連して長官にお尋ねします。米審はいま生きておるのですか、生きていないのですか。成立しておるのか、していないのか、どうなんです。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 米価審議会は現在ございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 辞任した方は、あれは本人が承諾してなっておるのですから、やめると言えばしょうがないのじゃないですか。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 任命行為としては、農林大臣が御承諾を得て任命しておるわけでありますが、これの辞任を承認するかどうかということは、これまた農林大臣の判断でございまして、辞任の承任という段階には至っておりません。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 辞任は承認が要りますか。少し厳密に御答弁願います。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 任期が切れました場合は、これは別でございますけれども、途中での辞任につきましては、発令行為が必要であるというふうに考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 私は、やめる分については要らないと思うのです。たとえば本人がいやだと言えば、とめる方法はないと思うのです。これは官吏等の任免とは趣を異にしていますから。だから実際には、辞任を申し出た人がもう審議会に出席しないということになれば、審議会というものは実際は成立しない、存在しないということになりませんか。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 現在の米価審議会につきましては、いわゆる米価審議会の委員の定数というものが二十五名以内ということに相なっております。したがいまして、米価審議会が、これは形式論みたいなことになるかもしれませんけれども、かりに全員の方が辞任されない状態にある、五人でも六人でも残っていらっしゃるという場合には、二十五名以内ということで、形式的には存続し、かつ成立し得るものであろうというように思いますけれども、それをもって実質的に米価審議会が公正な諮問機関として機能し得るかどうかということになりますと、これはまた別の判断というものがあり得るかと思いますけれども、形式論としては、いま申し上げたようなことではなかろうかと思っております。この点につきましては、法律の解釈なり運用上の問題でございますから、さらによく検討はいたしてみたいというふうに思います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 そこで、これまた政務次官になるのですが、いまからお尋ねする問題ともからみますが、従来はいろいろなわけのわからぬ加算のようなものがあったにしても、たいていは一つで済みました。しかし、今度は三百九十円という妙なものがついて、その上にいまでもお二人の間で意思統一ができていない五十億というものがくっついて、まず米価もこれで行くところまで行っておるし、それから審議会も空中分解のようなかっこうになっておるし、いまのような状態がこれから先三年も五年も続くという判断をしておる人は、おそらく生産者にも消費者にもあるいは関係者にもないと思います。ここで何か抜本的な方法を考えなければならないという段階にきておると思うのですが、そういう前提に立てば、さっきへ返りますが、現在出ておる赤字というものは、もうそんなにいまのようなことはないのだから、一般会計で見ても何年も続くということはないということになりますから、当然そうなる、こういうことになると思いますが、いまの二点、米価決定の方法、これは当然早急に考えなければならないと思います。その点といまの点、いかがですか。

仮谷忠男自由民主党農林政務次官

○仮谷政府委員 これはごく常識的な私のお答えになるかもしれませんけれども、現在のような米価決定の姿というものは今後続けるべきじゃないという考え方は、私は率直に申してできると思います。それから現在の米審のあり方自体も十分に検討しなければならない。いまのような姿では、これはほんとうの本来の機能といいますか、そういうものを発揮することはできないのじゃないかというような感じもいたします。だから、米審のあり方についての検討、それと同時に、米価決定についての今後の根本的な考え方というものは、少なくとも来年の米価決定までには政府の方針をきめるべきじゃないかという考え方を私は持っております。だから消費者米価据え置きでいいじゃないかという理論につなぐことは、いささか話が飛躍しているかと思いますけれども、現在の時点において、消費者米価を上げるということとは、物価政策の至上命題からいって好ましくないという考えを私は持っております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 この問題は、いま議論するには早過ぎると思います。いずれその時期があると思います。ただ、この五十億だって、かりに出ても、補正予算で相当国会の論議を経てきまると思います。ところが、特に一千億あるいはそれ以上支出を要するようになる米価の決定が、ただ行政府だけでやられているというところにも問題があるわけで、金額だけからいっても、これは当然国会できめるべきものだと私は思っておりますので、佐藤さんは、国会できめるのは反対だとかなんとか言われたようですけれども、私はそうじゃないと思いますから、これは意見として申し上げたいと思います。  それから最後に、これは長官と議論をうんとしたい問題なんで、あとに回したわけですが、一体、諮問で、ことしの米価の算定は生産費・所得補償方式でやる、それについての留意すべき事項、こういう御諮問があって、それから指数化方式、その説明では、生産費・所得補償方式の考え方に基づく指数化方式で計算した、これは違いますね。生産費・所得補償方式と、生産費・所得補償の考え方に基づく指数化方式で計算した、この二つは違うでしょう。これはどうですか。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 生産費及び所得補償という考え方に立脚をいたしまして、現実の生産者米価を算定をいたします算出方式として、積み上げ方式という方式もあり、同時にまた、指数化方式と呼ばれておりますような計算のしかたもあるというように心得ております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 同じか違うかを聞いているのです。いまの御答弁だと、生産費・所得補償方式と、それから生産費・所得補償の考え方に基づく指数化方式、これはことばでいえば違うでしょう。こういう考え方に基づいた指数化方式と、端的に生産費・所得補償方式と、これは違いますね。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 生産費・所得補償方式というものが単に積み上げ計算方式だけであるというふうには考えておりません。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 何々方式というものと、そういう考え方によるかくかく方式という場合は、その両者は違うでしょう。これは抽象論ですが、そこから出発したほうがよくわかりますが、武田長官の方式というのと、武田長官の考え方による——考え方はそうです。しかし、そのものじゃなくて、仮谷方式というものとは違うでしょう。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 生産費・所得補償方式というものが単一の計算方式であるというようには私ども理解をいたしておりませんので、生産費・所得補償方式というものの中に、積み上げ計算方式あるいは指数化による計算方式というものが、さらに細分と申しますか、考え得る方式としてあるというふうに考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 そういうことではなくて、生産費・所得補償方式というものには既成の概念があったわけです。生産費を補償する、所得を補償する、それは積み上げる、従来はそういう名前のものが積み上げ方式と称されていたわけです。そういう考え方は持って、しかもそれを直接積み上げるのじゃなくて、指数でいく、それとは違うでしょうということを申し上げているのですから、これはもう当然違うわけで、どうおっしゃっても違わざるを得ないのですが、そうじゃないですか。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 生産費及び所得補償の考え方に基づきます米価の算定方式として、生産費及び所得補償方式というものがある。その算定のしかたについては、積み上げ計算というやり方もあるし、指数化によります計算方式もあるというように私ども考えておるので、必ずしも湯山先生のおっしゃるようには私どもとしては考えておりませんので、まことに申しわけないと思っております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 それじゃ今度は具体的にお尋ねいたします。  たとえば臨時特別加算の五百五十円、これは生産費の補償ですか、所得の補償になっているのですか。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 五百五十円というものにつきましては、すでに先生方御承知のように、これについて五百五十円を加算いたしましたときに、それ自身が明確な内訳を持っているのではございません。したがいまして、それが所得部分、いわゆる自家労賃の換算部分にどれだけいくのであるか、あるいは物財費、地代その他にどれだけ五百五十円部分が振り合っていくかということにつきましては、これは明確な基礎が特にあるものではございませんが、特に三十九年産米の価格としては、五百五十円を含めましたものを、生産費・所得補償の考え方に基づいた一つの実現された米価であるというように観念をいたしております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 ですから、これは不純な要素が入っているので、ほかの、たとえば物財費のこまかいものに至るまで指数によって対応されますね。指数によってパリティされるわけです。この五百五十円には対応するという指数はないでしょう。これがどう変わっていく、そういうものがないわけ  ですね。たとえば農薬ならば、今度農薬はこうなったという、年を追っての対応があるわけです。パリティがあるわけです。五百五十というのは、三十九年は五百五十であった。しかし、これは当然いまのようなわけのわからぬものですから、それに対応する部分の四十一年はこうであるというものがないですね。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 肥料、農薬あるいは雇用労賃、自家労賃といったような意味での対応は、先生のおっしゃるようにございません。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 それがなければ、生産費・所得の補償にならないわけです。指数というのは、基準年次に比べて、いま算定しようという年次のその変化を指数であらわす。その中の要素というものは、みなそう変わっていかなきゃならないはずなんです。そうでなければ指数化は意味がないわけです。指数になってないのです。この五百五十というものは対応する指数がないのです。そんなものがまぎれ込んでいる。それはもう生産費・所得のワク外のもの、こうなっていると私は思います。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 五百五十円につきましては、先生のお話のように、対応いたします指標というものは具体的にはないわけですが、指数化の上での計算といたしましては、御承知のように、三十九年におきます自家労賃部分とそれ以外の部分とを、御承知のW1あるいはW2というウエートで分割をいたしております。そういう意味合いにおいて、五百五十円というものを分解をいたしますれば、そのうちの六五%何がしの部分が自家労賃部分に付加される、残りの三四・九%というものが物財関係に投入をされるというような結果に相なるわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 それは逆算でそういうことになるわけで、それは生産費・所得補償にはなっておりません。これもひとつ指摘だけしておきます。そのとおりお認めになられたわけですから、議論する必要もないと思いますので、それ以上申し上げる必要もないと思いますが、これは是否は別として、地代とかあるいは租税公課、こういうものも実際には第一次生産費外の分です。こういうものも対応するものを持っていないのです。その指数を持っていないのです。そうなっていますね。これはいかがですか。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 お話のように、地代部分あるいは租税公課の部分につきましては、それに対応する指数をそれだけをつかまえ出さずに、物財の伸びというものをもって代用をいたしておるということでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 だから、それらは実情に合っていないということでしょう。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 指数化方式につきましては、先生の御承知のように、一つの変化というものをできるだけ簡素化した姿での指数に引き直していくということでございます。したがいまして、指数化によりまして算出されましたものを、常にこれは検証をしていくということも、一方で必要であろうというようには私ども考えております。したがいまして、地代でありますとか、租税公課といったものが現実にどういうふうに変化をしていくかということも、一方では検証をしてまいる必要があろうというようには考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 そういう要素のそれぞれを指数にして、正確な指数を出して、それならば、まだ幾らか生産費・所得の要素が多い指数化になると思いますけれども、いまのように、五百五十円にしても、あるいはその他の、とにかく一マイナス何ですか、それであらわされた部分というものは、非常にあいまいなものであって、一々対応する指数を計算して、それを集計して操作したものではない。そこに非常に問題があるわけで、そういう意味で、私は、この方式は生産費・所得補償方式という範疇からはみ出しているということを指摘したわけです。したがって、たとえば生産費・所得補償方式でいえば、一万七千四百八十四円が正しいのか、一万七千八百七十七円が正しいのか、どっちが正しいのですか。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 生産費・所得補償という考え方を基本にいたしまして、そのときの物価その他の経済事情あるいは生産事情といったようなものを参酌いたしまして、米価というものが年々きめられておるものであろうというように思います。したがいまして、生産費・所得補償という考え方による一定の算式で算出されましたものについては、指数化方式で算出をしたものが一万七千四百八十四円といった数字が出てまいります。それから一方で積み上げ計算方式というもので計算をいたしました場合に、これは先生の御承知のように、地代というものを、特に自作地の地代をどういうふうに観念をするか、あるいはまたそのほかの個々の要素につきまして多くの議論があるわけであります。それはついてどのような考え方をとるかによりまして、計算としてはいろいろな計算が出てまいる、こういうように思います。ただ、各要素についてどういう考え方をするのがいまの段階において最も妥当かということの判断がここは入ってまいると思いますが、それを従来のような三十九年産米ないしそれ以前の米の生産費をきめますときに、いろいろ政府としてとりましたような算定方式で計算をいたしてまいりますれば、一万七千四百八十四円をはるかに下回るというような計算に相なるわけでございます。したがいまして、生産費・所得補償方式によりまして、指数化方式にせよあるいは積み上げ方式にせよ、出てまいります答えというものが一本でしかあり得ないというようなことは、積み上げ計算方式におきましてはなかなかきめがたい面を常に持っておるように理解をいたしております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 お尋ねしたのはちょっと違っているのです。私のほうが違ったのか、そちらが違ったのかわかりませんが、一万七千八百七十七円の最終決定と称するもの、これと、試算で指数化で出したもの、一体どちらが生産費・所得補償方式になっておるのかということをお尋ねしているので、積み上げで計算したのが一万七千四百八十四円より低いということは、実際には五百五十円の計算がついていない。これは私は少しひきょうなやり方だと思う。こちらはこれがついているし、一方ではそれを裸にして比べても比較にならないと思います。ですから、そのことはいま申し上げているのではなく、一万七千八百七十七円というものがはたして生産費・所得補償方式にかなっておるのかどうか。かなっている、いない、簡単にお答え願いたいと思います。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 先生の御質問の趣旨がちょっとのみ込めない点があるわけでありますが、一万七千八百七十七円というのは、生産費・所得補償方式の考え方に基づきまして算出されましたものに、三百九十数円というものを加算して最終的にきめられた米価だ、したがいまして、生産費・所得補償方式という考え方は十分にカバーしているというふうに考えます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 大は小を兼ねるというのがありますが、そういうことでなく、三百九十三円というものは、これは生産費にも入らない、所得補償にも入らない、こういうことですか。

武田誠三食糧庁長官

○武田政府委員 生産費及び所得補償という考え方をそのまま適用いたします場合に、先ほど申し上げましたように、いろいろ個々の要素については問題があるわけでありますが、私は、一万七千四百八十四円という指数化で算出されましたものが、従来の意味における生産費・所得補償の考え方によって算出されたものとしては、一つの妥当な価格として考え得るものであるというふうに考えます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 質問を終わりたいと思いますけれども、最後に、要望と御指摘を申し上げたいと思います。  おとりになった指数化方式というものは、いま御答弁いただきましたように、諮問の趣旨ともそれていますし、しかもずいぶんあいまいな要素をたくさん含んでいる。こういうものをとったことが、今日米価混乱の一つの要因をなしたということは、大いに政府としても反省を願いたい点である、これが一点です。  第二点は、米作増産対策費の五十億というものは、これは先ほど御確認願ったように、四十一年産米価についても適用されるように具体的な御検討をわずらわしたい、これが第二点。  第三点は、いまの消費者米価に対する御態度、これからいえば、ことしの一月一日の消費者米価の値上げの根拠は薄弱である。当然、社会政策、物価対策から見て、これは一般会計で補てんすべきものだ、こういうことについて御確認をいただいたような形になったわけですが、ぜひそうあってほしいと思います。  第四点は、当然、抜本的な米価の決定のしかた、それからこの根底には大きく農政全体の問題が横たわっておると思いますので、それらを含めて、すみやかに妥当な、しかもさっきのような反農民的でない立場で、ぜひ御検討をわずらわしたい。  以上で質問を終わります。(拍手)

本名武自由民主党

○本名委員長代理 次会は明二十七日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十一分散会

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