内閣委員会 第2号
- 発言数
- 168 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1966/07/28
会議録
○辻委員長代理 これより会議を開きます、委員長が所用のため、委員長の指名により私が委員長の職務を行ないます。 ————◇—————
○辻委員長代理 理事補欠選任の件についておはかりいたします。理事松津雄藏君が委員を辞任いたしましたので、理事一名が欠員となっております。その補欠選任につきましては、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○辻委員長代理 御異議なしと認めます。よって、岩動道行君を理事に指名いたします。 ————◇—————
○辻委員長代理 これより請願の審査に入ります。本委員会に付託されました請願は、本日の請願日程に記載してあるとおり、二十七件であります。請願日程第一から第二七までを一括して議題といたします。まず、審査の方法についておはかりいたします。各請願の内容につきましては、配付されております文書表で御承知のことでもありますし、また先ほど理事各位にも御検討願ったところでもありますので、この際、各請願について紹介議員の説明並びに政府の所見聴取等は省略し、直ちにその採否の決定に入りたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○辻委員長代理 御異議なしと認めます。よってそのように決しました。 これにより採決いたします。 本日の請願日程中、第一二、第一五ないし第二一、第二四ないし第二七の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○辻委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。なお、ただいま議決いたし、ました各請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○辻委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 〔報告書は付録に掲載〕 —————————————
○辻委員長代理 なお、今国会におきまして、本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付してあるとおり十八件であります。念のため御報告申し上げます。 ————◇—————
○辻委員長代理 次に、閉会中審査に関する件についておはかりいたします。先ほどの理事会で協議決定いたしましたとおり、本委員会といたしましては、 一、連合国占領軍等の行為等による被害者等に対する給付金の支給に関する法律の一部を改正する法律案。 二、行政機構並びにその運営に関する件 三、恩給及び法制一般に関する件 四、国の防衛に関する件 五、公務員の制度及び給与に関する件 六、栄典に関する件以上の各案件について閉会中もなお審査を行なうことができますよう、議長に対し閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○辻委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○辻委員長代理 次に、委員派遣承認信性の件についておはかりいたします。閉会中審査案件が付託になりまして、現地調査の必要が生じました際には、委員長において適宜委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○辻委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。なお、派遣地、派遣期間、派遣委員の選定等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○辻委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○辻委員長代理 公務員の制度及び給与に関する件について、調査を行います。質疑の申し出がありますので、これを許します。田口誠治君。
○田口(誠)委員 今年も公務員の給与の引き上げについて人事院のほうでたいへん作業を急いでいただいておって、御苦労をかけておりますことに対して、心から敬意を表します。そこで、お聞きをいたしたいと思いますことは、先日衆衆議院の予算委員会で、勧告の出される時期を大体八月の十日を目途にという、こういう答弁があったようでございますが、そのように承知しておいてよろしいですか。あらためて答弁をいただきたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 大体ただいまの給与関係の作業は例年どおりの手順で進んでおります。したがいまして、そういう点からまいりますと、推測をいたしますると八月の十日、ぴったり十日というわけにはいきますまいが、去年は十三日でございましたが、十日、十三日、その辺のところには何とかまとまるのじゃないか、こういう見通しを持っておるわけで、あります。
○田口(誠)委員 総務長官がお見えにならないとちょっとぐあいが悪いのですけれども、まあ人事院のほうにお尋ねをしておきたいと思いますが、今年も勧告を出されますると一番問題になるのは実施時期であろうと思います。したがって、この実施時期の問題については、従来附帯決議をつけたり、あるいは与野党とも強い要請をいたしておるわけであります。したがって、人事院としては、これに対して関与する限界はあろうと思いまするけれども、従来の実態にかんがみまして、この完全実施をすることについて、何か変わった勧告の内容とかあるいは働き方をされる作業を進めておられるかどうか、この点についてまず人事院総裁のほうからお聞きをいたしたいと思います。総務長官、いまおいでにならなかったので、いま人事院総裁からお答えになることをあわせて答弁をいただかなくてはなりませんから、ひとつ聞いていただきたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 勧告の完全実施は私どもの多年の念願でございます。しかるにかかわらず、いまだかつて完全に時期的に実施されたことがないという、きわめて残念な情勢が続いております。したがいまして、私どもの立場としては、いまのおことばにもありましたように、何が何としても完全実施以外には手がないような方法というものが考えられないか、そういう気持ちになるのは当然のことであります。また、そのように努力しておりますけれども、なかなかそういった面からの名案がございません。したがいまして、当面はやはり従来以上に政府にもお願いを強くいたしますし、また国会のお力をもさらにお願いしたいという気持ちでおるわけでございます。
○田口(誠)委員 それでは、政府の態度を総務長官のほうからひとつお示しをいただきたいと思います。
○安井国務大臣 給与に関する人事院勧告につきましては、政府としては極力尊重しなければならぬというたてまえをとって、いままでもやってきたわけであります。しかし、御承知のように、財政事情その他でやむを得ず日限が必ずしも勧告どおりいかないということは遺憾でございます。今後ともこれはできるだけ尊重するという線で努力をしたいと思っております。
○田口(誠)委員 そこで、先ほど前ことばとして申し上げておきましたけれども、従来この種の問題について一番問題になっておりましたのが実施時期であったわけです。したがって、実施時期の問題については、委員会で附帯決議をつけ、またこのことは与野党一致をして政府に強く要望をしてきたわけであります。したがって、今年人事院の勧告が出された場合には、最大限に努力をしていただくことは当然であろうと思いまするけれども、やはり本年は完全実施をしてもらうというたてまえで私どももいろいろと要求もいたしたいと思いまするし、公務員労働者もそういう考え方で強く行動も行なうと思いまするので、もう少し具体的にお示しをいただきたいと思います。 それにつきまして「公務員に関する改革意見、」臨時行政調査会からこの問題に関連をする幾つかの条項について触れておられるわけですが、それで一口に申し上げますなれば、今日までの公務員の給与というものは、国の財政事情とか、あるいは給与法定主義、国民感情というようなことに左右されて、そうしてほんとうに人事院が労働三権の代償として設置をされ、その精神の上に立って勧告をされた勧告の内容が十分に果たされておらないことが、公務員の善良な国民の奉仕者としての執務を十分に発揮できないから、これのできるような対策を国としても進んでやってもらいたいというのが集約内容であるわけでございます。したがってこの「公務員に関する改革意見」の「基本的な問題点」の中の(6)を見ますると、「安んじて公務に専念せしめる配慮が不足している。」という点を、ただいま私の申し上げましたことについて一筆入れておるわけなんです。したがって、総理府としても人事院としても、この臨調の答申をこの際どういうように消化をされつつあるのか、この点を承りたいと思います。これは総務長官からお聞きしたほうがいいんじゃないかと思います。
○安井国務大臣 公務員の勤務条件と申しますか、給与その他につきましては、御承知のとおりこれは政府自身が雇用者の立場からかってにものをきめるということじゃなく、特殊の事情にかんがみまして、人事院という第三者機関によってあらゆる条件を検討してもらって、そしてそれを政府は原則的に尊重していくというたてまえをとっておるのであります。あるいは給与、あるいはベースアップその他の条件につきまして、政府が先んじていろいろな条件をきめる、意見を出すとかいう点については、御指摘のように積極的にないという点もあろうかと思います。しかし、これはいまのこういうたてまえ上、仕組み上、そうであったほうがより合理的であろうということから、そういうふうになっておるわけでございます。しかし、公務員全体の生活条件、勤務条件等に対する全体としての配慮、そういうものは常に怠っちゃいかぬということで、私ども、全体の趨勢あいは状況というものについては、極力注意をいたしておるようなわけでございます。また、いわゆる勤務条件と異なった、たとえば福祉的な施設であるとか、共済的な施設であるとか、そういうようなものについては、これは別途に政府独自にいろいろ考えていきたいと思っております。
○佐藤(達)政府委員 いま臨時行政調査会の報告の中の、特に安んじて公務に専念できるようにという点を強調されてのおことばであったわけでありますが、私どもは、かねがね人事院の大きな使命の一つとして、公務員各位をして安んじて職務に専念していただく、これをどうしたら確保できるかということを念願しながらまいっておるわけで、当面の給与出題などは、その中の最も大きなポイントになるものと私どもは意識をしておるわけであります。そういう意味で、あらゆる面についての人事院の活動において努力を続けてまいっておる、こういうことであります。
○田口(誠)委員 総務長官の答弁は、従来答弁をいただいたような程度の答弁であるわけなんです。きょうは、もう少し積極的に答弁をいただきたいと思いますことは、特に私は、臨調が取り上げて問題点として基本方針に出され、あるいは勧告の中に入れております内容からいきますと、ただいまの答弁を聞いておりましても、給与の関係、労働条件の関係は、人事院の勧告待ち、人事院まかせ、こういうような気持ちが政府の中にあるような気がするわけです。したがって、人事院がいま総裁が答弁になったような考え方に立って勧告をされた場合に、また勧告の時期がずらされて価引きをされる、こういうことから、公務員労働者がほんとうに安んじて大切な国民の奉仕者としての執務に専念することができないというのがいまの実態であり、第三者から見られた考え方がこの臨調の答申欠の中に盛られておるのであるから、どうしても完全実施という形を打ち出すには、どういうようなお考え方と施策を持っておられるかということをいまから考えてもらい、また、いまから対策を立ててもらっておかなければならないのではないか、こう思って重ねてお聞きをするわけです。 そこで、特にこの基本方針の中で、先ほど(6)のほんの一行を申し上げましたけれども、その中には「政府は、職員の勤務条件をみずから改善する積極性に欠け」——積極性が欠けておるという指摘をいたしておるわけです。このことは、先ほど来私の申しましたように、公務員の労働条件なり賃金というものは、人事院まかせというような考え方を持っておられるので、勧告が出て初めて積極的に取り組むというのがいまの、実態であるわけなんで、始終公務員を多く持っておられる政府は、公務員の労働条件あるいは賃金の問題については、平素も心にかけていただいて、そうして民間企業との格差、あるいはあらゆる面についての考慮をしていただいておらなければならないのでございますけれども、現在ではそうでないわけなんで、この辺でいままでの考え方を大きく転換をしていただいて、積極性を出していただかなければならないと思います。私は、この臨調の基本方針にも明記されているとおりがいまの実態であろうと思うのです。この臨調の答申というのは、第三者が見てこの基本方針なり答申の中に盛られておるのでありますから、もう少し積極的な考え方をこの際述べていただくわけにはいかないものか、かように考えて再度答弁をお願いをいたしたい。
○安井国務大臣 政府の当局者が、その公務員の一身上の環境あるいは給与状態というものに常に十分に気をつけて考えていかなければいかぬじゃないか、こういう御趣旨につきましては、私ども全くそうしなければなるまいと思っております。ただ、具体的な扱いとしましては、これは考え方が二つあるわけでございまして、一つは、政府自身が責任を持って公務員の給与をきめていく当事者になるというか、むしろなったほうがいいのではないかという御意見も、これはいままででもあるわけなんです。しかし、そういう制度にしていくか、あるいは第三者機関である人事院に公平に客観的に給与条件その他についてまかして、そうしてその判定によって政府はそれをできるだけ忠実に実行していくという方法、どちらがいいかという問題に帰すると思うのであります。いまの田口さんのお話のようなものを極端に詰めていきますと、これは人事院の機能なり権能をある程度無視して、政府独自でものをきめるというところまでいかなければ徹底しないと思うのです。そうなると、いまの制度の立て方の問題になってまいりますので、ちょっとにわかに判断いたしかねる。しかし、最初お話しのように、当事者が常に公務員の給与、身分状況について注意と配慮を持って当たっていかなければならないのではないか、そういう意味の考え方といいますか、態度、姿勢というものにつきましては、今後も十分に気をつけていきたいと思っています。
○田口(誠)委員 いまのおことばでございますが、私の申し上げますのは、毎年人事院の勧告が出されたときに完全実施のできないという、ことは——これは自然増収とか補正予算によってまかなう、こういう方式をとっているわけです。したがって、年によっては相当災害等が出まして、補正予算の額が大きくそのほうへ流れていくというようなことから、公務員への完全実施が犠牲になっているというような感じを受けるわけなんです。したがって、人事院の制度が設けられて、そうして勧告制度が行なわれるということになっておりますことの内容は、民間企業との格差が五%以上できたとき、それから消費者物価等の指数も勘案をして、そして勧告をされるのであるから、最低限度五%は賃金の上昇分に引き当てる予算として予算化をしていただいておいても、これは何ら行き過ぎにもならないと思います。ふだんの公務員の労働条件なり生活のことを案じていただいておるなら、毎年問題になっておるのだから、せめて引き当て予算ぐらいの最低限度のものはとっていただいておくことが私どもは必要であろう、かように考えて、昨年の勧告後の委員会においてもそういう点を強く要請をしておいたわけなんです。したがって、大蔵省としては、これは災害のときの引き当て資金とは違って、少し内容が異なっておるから、ちょっと研究もさせていただきたいというような答弁もありましたが、これは研究はしてみていただいても、事の内容は同じことだろうと思います。昭和四十一年度の予算の内容を見ましても、引き当ての予算化というのはないわけでございますので、私はいま長官のほうから答弁されました、公務員を思っていただいておる考え方からいきますれば、四十一年度には給与引き上げの引き当て予算は当然要求をされるべきであったろうと思うわけなんです。こういう点がとられておらないということを非常に遺憾と思うわけなんですが、こういう点について非常に困難性があったのか。そこまで考えなかったのか。考えたけれども、中途で非常に困難に、ぶつかって貫徹することができなかったのか。そういうような点をもう少しひとつ公務員が了解のできるような答弁をいただきたいと思います。
○安井国務大臣 ベースアップに対する財源措置につきましては、当委員会でもしばしば強い御勧告等もございますし、また政府としましても、できだけ合理的な方法をとって、本来の趣旨に沿えるようにということで始終検討もいたしたわけであります。 まず第一には、勧告の時期等を変えることによって完全実施をやりやすい方法はある古いか、こういった点も具体案としていろいろ考えてみたわけでありますが、いずれも一長一短、なかなか思わしい案が生まれてこなかったというのが実情でございます。したがいまして、一番手っとり早い方法としては、次年度の予算を組まれる際、あらかじめ五%なり何なりの程度を予測して予算に組んでおけばいいじゃないかという一つのお考えもあったわけです。また、私どもそういう点についても十分な考慮をしたわけでございますが、何ぶんいまのたてまえが、予算編成の時期から申しますと、翌年度の四月末というようなものを対象として、その時点における民間給与との差額を検討した結果、勧告が出るというたてまえでございますので、あらかじめこれがこの程度上がるであろうということを予測して、不確定要素としてこれを予算に盛り込むということについては、財政法上の疑義も非常に強くてなかなかやりにくい。 もう一つの問題は、予備費等にある程度これを含ませておくという考え方もありましょうが、これも限度のある問題でございまして、あらかじめきまっておるものなら予算に組むべきであるし、全然きまらないものを、ただ膨大なものを初めから予備費に組んで、予備費の中にこういうものがございますというふうには、これまたなかなか実際問題としては不可能だ。そこらのかね合いで、でき得る限りその予備費等で、できればゆとりのある措置がとられることが一番好もしいと思うのですが、予備費に入れてしまうという明確な態度もとりかねるようなことから、思い切った措置がいま遺憾ながらまだ見つかり得ないということでありまして、五十一国会においての当委員会でのいろいろな附帯決議といったようなものにつきましても、十分その御趣旨は尊重いたしまして検討したのでありますが、これで十分な措置だというものは、まだなかなかとり得ないというのが今日の現状でございます。
○田口(誠)委員 まだ今日の段階では人事院の勧告も出されておりませんし、またこれに対する政府の提案もなされておりませんので、あまり先走った質疑もどうかと思いまするけれども、いまの御答弁の内容からいきますると、政治でございまするから、政治は見通しというものをある程度立ててやらなければならない。そうなりますると、天災地変の関係なんかは、これはまあ毎年あるといえばあるわけでございますけれども、この災害の引き当て予備費というようなものは毎年とられておるわけです。そうなりますと、一年として中止されたことのない人事院の勧告は、まず例年あると見なくてはならないわけなんです。だから災害と同じように、給与の引き上げに引き当てするところの財源を予備費としてとっておかれることが、これは最も妥当であり、またそうやらなければ、なかなか完全実施ということに政府が踏み切っていただくに財源上困難を来たすのではないか。このことは過去の実例から私どもは判断ができるわけなんです。したがって、公務員の給与だから来年度どうなるかわからぬから、引き当て資金の原資をとっておくことができないということは、これはまあ答弁としての詭弁にすぎないわけでありまして、ほんとうに完全実施をするという考え方であり、委員会の与野党全員の強い要望、そうして公務員の強い要望を政府が消化しようとすれば、何らかここに解決策を考えてもらわなくては、平々凡々と毎年人事院の勧告が出てから、あわてて取り組むというようなことでは、おそきに失するのではないか、かように私は考えておるわけでございまするので、同じような質問で恐縮ですけれども、ただいま申しました点についてどういうようにお考えか、もう一度御答弁をいただきたいと思います。
○安井国務大臣 いや、ごもっともの御趣旨だと思います。私どももそういうふうにありたいということなんですが、最初申し上げましたように、あらかじめ確定しない要素を予算として組むことにはなかなか困難が伴う、あるいはまた、春闘相場をあらかじめ見こすといったような逆の作用もあるというようなことから、見込みでこれを予算に組むことはなかなか困難だ。したがって、組み込むとすれば、財政全般の立場から、予備費というようなものをある程度ふくらませることによって考えられる。しかし、その予備費をふくらませて考えるということは、これは災害用であるとか、これは給与引き上げ用であるというふうに確定をすることは、予備費の性格上これも困難です。だから実際の措置として、財政全体に含みを持たせて、予備費なら予備費で、ある程度のものを見ていくということを暫時とっていく、実際上とっていくということ以外に方法はなかろうと思うのですが、私どもそういう線で、財政法のたてまえもありましょうし、なかなか困難な面もありますが、そういう方向で今後もできるだけ努力を続けていきたいと思っておるわけであります。
○田口(誠)委員 大体同じような答弁でございますので、今年完全実施がなされぬということになりますと、公務員の闘争というものが相当熾烈に行なわれると思うわけなんです。したがって、戦いが行なわれる場合には、好ましくはございませんけれども、現在ある国内法を逸脱するような行為にまで発展するというような、非常な憂えられることも私どもは考えておるわけなんでございます。したがって、そういうことのなきように、今年度は政府としては人事院の勧告に取り組む場合には、とにかく一番問題になるのは完全実施でございますから、この完全実施は完全にやるのだということを頭に置いていただいて、そして人君院の勧告に対しての政府の提案をその時点で行なっていただくことを強く要望をいたしておきたいと思います。 それからなお、臨時行政調査会がそれぞれ幾つかの各省に対しての答申を行なっておりまするが、これは非常に権威ある調査会としての答申であるから、次から次へと実施の方向に向けていっておるわけなんでございます。したがって、私は時間の関係上、この公務員の給与に関する問題についての臨調の基本方針なり、あるいは答申内容は読み上げませんけれども、この中に盛られておるものは、一番最初に私が申しましたように、従来の公務員の給与というものは、国の財政事情とか、あるいは給与表の制定主義とか、国民感情というようなものに左右をされて、満足なものは出されておらないというような点が強く指摘をされ、そして、これについて公務員はそういう状態であるから十分に能力一ぱいの国民へのサービスの執務を行なうことができない状態にあるのだという、きわめて深刻な内容のものが盛られておるわけなんです。だから、この臨調の答申を十分に尊重をしていただくたてまえにおきましても、今年度は完全実施ということに踏み切っていただくことをこの際強く要望を申し上げておきたいと思います。 この点について何回質問を繰り返しておきましても、まだ政府としての態度のきまっておらない段階において、総務長官が総務長官としての意見を出されることをだいぶんちゅうちょされておるようでございますので、総務長官自身としては従来の公務員賃金の審議の過程を十分に知っておいでになりまするので、これは完全実施をやらなければならない義務があるのだということは十分に存じておいでになろうと思いまするので、その窓口になられる総理府としては、ひとつ政府のほうへ強い働きかけをいまからかけていただいて、そして完全実施が行なえるような体制をつくっていただくことを重ねて強く要望をいたして次の質問に移りたいと思います。 なお、この点について、あとから関連してわが党から質問があるかとも思いまするので、その点はひとつ保留をさしていただきたいと思います。そこで、人事院のほうにお伺いをいたしたいと思いまするが、ずっとここ数年間の三公社五現業の仲裁裁定の内容を見てみますると、賃金の引き上げのパーセンテージにいたしましても、また完全実施にいたしましても、公労協の労働者の人たちはこれに満足はいたしておりませんけれども、ある程度の数字は出ておるわけなんでございまするので、こうしたものを大きく下回ったものが勧告として出されますると、これはまた問題にもなろうと思いまするし、人事院の勧告は、それぞれ勧告された金額の裏づけ、理論づけはなされておるとは思いまするけれども、やはり大ざっぱに考えまして、この三公社五現業というものと大きく下回ったものが出されるということは、これは私は非常に問題があろうと思いますので、こういう点についての配慮を行なっていただきたい。これは答弁は要りませんが、私のほうから強く要請をいたしておきたいと思います。 そこで、いままでの人事院勧告を出していただくまでの作業の内容、それから民間企業の賃金との比較をしていただく内容でございますが、給与表を見ましても、給与表というのは、長い間この給与表に基づいてなされておりますが、非常に不満を持っておられる力は——ほんの紙一重で係長になれない、主任になれない、あるいは等級が上に上がれない人たちの場合、いつまでも冷やめし扱いをされておる。いわゆる昇給の年月日に関係があるというようなことから非常に格差が出てきておるわけです。したがって、ここで一つお聞きをいたしたいと思いますのは、行政職俸給表(一)でいきますると、たとえば七等級の四号に書いてあります二万三千八百円というのは、これは六等級のトップに入っておるわけなんですね。そうなりますると、結局二万三千八百円以下十一ほどの格差がつけられておる人たちが、先ほど申しましたように非常に冷やめし扱いがされておる。そのことも学歴、学校差とか、あるいはほんの紙一重で等級が上がった上がらないというようなことから置き去りになっておるわけでございまするので、したがって私は、こういう点から考えてみますると、この等級表をこの際再検討をしていただく必要があるのではないか。したがって、ただいま申しました七等級の二万三千八百円というところを六等級のトップと比較をいたしました以下の十一ほどに該当する人たちは、非常にこれは冷やめし扱いになっておるわけでございまするので、こういう点を何とか解消する方法を考えていただく必要があるのではないかと思うわけなんですが、これは専門の局長のほうはどういうようにお考えになっておるのか。いままでのこうした人たちの不満をどういうように人事院としては把握されておるのか、一言御答弁をいただきたいと思います。
○瀧本政府委員 ただいま御質問の点でございますが、従来一つの等級におきまして昇給する金額、昇給同差額、これは初号の辺から、だんだん号数がふえて末号に至りますに従いまして、金額が漸減しておるというような状況に相なっておったのであります。これはこれとして意味があるわけでございますけれども、ただいま御指摘のように、現在下位等級におられる方々の生活を考えてみますと、やはり昇給金額自体が漸減していくということは実態に適しないというようなことで、これは両三回の人事院勧告におきまして、号が進むに従って昇給間差額が漸減していくという方法をなるべく改め、できるだけ高位号俸まで同一金額で昇給し得るというように努力してまいっておるのでございます。ただいま御指摘の点は、上の等級に昇格した者と下の等級に残った者とが漸次開いていくじゃないかということ、これはやはり職務の段階に応じまして多少違いがあるということは当然のことでございますけれども、御指摘の点等も十分われわれ理解できまするので、下位等級におりましても、なおかつ上位等級とそれほど懸隔のないように、少なくとも下位の等級につきましてはそういう考慮でやってまいったのでございます。今回もそういうことは十分考慮してまいりたい、このように考えております。
○田口(誠)委員 これは前もって私、通告をしておりませんのんで、数字的にはわからぬかもしれませんし、わかっておるかもしれませんが、ただいま問題になっておりますオーバーラップ人員是正、これの四等級から七等級までくらいの人員、何万円から何万円までの者が何%くらいおってというようなことは、ちょっとそこではきょうは答弁できませんか。
○瀧本政府委員 ただいま集計したものを手元に持っておりませんので、行政(一)表について申し上げてみますと、行政(一)表は在職者が二十三万九千、約二十四万人おります。その中で、上のほうから申しますと、一等級が約千人、二等級が三千八百人、三等級が三千四百人でございますので、四等級以下の在職者がもう圧倒的に多いということは、ただいま申し上げた限りにおきましても十分御了承願える点だと思います。ほかの俸給表につきましても、それぞれ数字ばございますけれども、大体の状況は行政(一)表と同じだと思います。
○田口(誠)委員 私が聞き出そうと思うパーセンテージまではお示しが困難のようですから、それはいつかの機会にそうしたこともお聞きをいたしたいと思いますけれども、ただいま申しましたオーバーラップ人員是正の関係は、局長のほうもやはり頭を痛めておられるようでございます。私どもも、これを少し何とかしなければ、多くおる下級者の公務員の諸君が非常に不利であるというようなことから、任命権のある人事院においてもこれは十分に研究をしていただいて、できればこうした問題も勧告のときに出していただくように、強く要望を申し上げておきたいと思います。 それから次に、中だるみの是正、これはいつもの国会で問題になり、また、ときによっては付帯的なものも出されておるわけでございますが、その中で調べてみますと、中途採用者の待遇が非常に悪いわけなんです。しかも、この中途採用者というのが、員数的に相当あるわけなんですが、この点は、この間ちょっと人事院のほうにも教字をお聞きするということを予告しておきましたので、たぶん数字が出ておると思いますが、この中途採用者というのは、三十年以降でも三十二年以降でも、その数字の取り方はいつでもよろしいですけれども、おわかりになりましたらひとつお示しをいただきたいと思います。
○瀧本政府委員 中途採用者ということがどういうことか、ちょっとはっきりしないところもございますが、われわれのほうで想像いたしまして、いわゆる、学校を卒業しましてすぐ役所に採用される以外の者、すなわち、何らかの経験を持って、学校を——中学校なり高等学校なりあるいは大学でもいいのでありますが、卒業して、とにかく民間等に勤務して、ある経験を持って入ってこられた、このように考えまして、そういうことで申してみまと、昭和三十一年以降昨年までの採用者は、約十五万八千人でありますが、その中で六万五千人がこういう中途採用者ということに相なるのでございます。この六万五千人のうちには、いわゆる常勤労働者の定員内繰り入れというものが相当ございます。それを差し引きますと、約二万五千人というものが、常勤労務者の繰り入れ以外に昭和三十二年以降に入ってまいったいわゆる中途採用者、こういうことに相なろうと思います。その中の大部分は行政(二)表の適用職員であります。
○田口(誠)委員 お示しをいただいた十五万八千の中で六万五千という数字も出ておりますが、約十万近い人の場合は、これはいわゆる労働省が非常に対策に真剣に取り組んでおります中高年齢層の採用問題との関連があるわけなんです。したがって、相当他に経験を持ち、そうして中途で公務員に採用された場合に、いままで経験をしてきた技術の年齢というものが全く除外をされてそのときの初任給というものがきめられておるということから、いわゆる、私の申し上げる中高年齢層の、また中途採用者の待遇が悪いということなんです。したがって、私の申し上げておる約十万人に近い中途採用者の待遇の悪い人たちは、これはりっぱに家庭を持ち、妻子を持っておる人たちであるから、ある一定の収入がなければ生計を維持していくことのでないという人たちであるわけなんです。したがって、こういう人たちに食える賃金を与えるということは、これは終戦後からの日本の賃金と取り組んできた精神にもやはり関係のあることでございますので、他に十年なり十二年なり経験を持って公務員に入った場合、その他民間につとめておるときの技術の経験というようなものが年限的に採用されておらないところに問題があろうと思うわけです。したがって、こうした問題についてどういうように把握されておるか、私のいま質問申し上げたことが、そのままぴんとそちらのほうへ伝わったかどうかはわかりませんけれども、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○瀧本政府委員 ただいまも申し上げましたように、十万という御表現でございまするけれども、常労以外で実際に行(二)に入っておりますのが、三十一、年以降二万五千人ぐらいでございます。そこで、いわゆる技能労務職員というような方々は、これは従来とても学校を卒業して、たとえば高等学校、中学校等を卒業してすぐ入ってこられる方もないわけではございませんけれども、おおむね民間においてある種の業務に従事されておって、しかる後に公務に入ってまいるといった場合が多いのでございます。これは従前は、その職場で長く仕事をやっております者と中途から入ってくる者につきましては、同じ仕事とは言いながら、その経験の度合なり、仕事の上で発揮いたします力量の違いというようなこともあるわけでございまして、同じ職場で長くやっております者が優遇されるという考え方は、一般的にあったわけでございます。しかしながら、最近のように労務需給が逼迫してまいりまして、学卒者の初任給は上がり、中途採用の方々の給与というものも、一般労務需給の逼迫に伴いまして漸次上がってくるということになりますると、従前とっておった制度というものをいつまでも維持することは困難であるということになるわけでございまして、御指摘のようなことは、現在あるわけでございます。 そこで、われわれといたしましては、たとえば行(二)につきましては、初任給の幅をずっと伸ばしまして、おっしゃるように経験等を勘案する余地を従前よりも増していくということでここ二、三年来やってまいっております。現在われわれは御趣旨に従ってやっておるのでございまして、たとえば従来は一つの等級に採りまするときに、初号制限——計算上上位等級の初号以上になる場合には、上位等級の初号に相当いたしまする金額でとどめるというようなことをやっておりましたが、そういうことも漸次はずしてまいりまして、行(二)の技能免許職員、自動車運転手等につきましては、そういうことをどんどん進めております。また教育職、お医者さん、こういう方々につきましても、そういう制限を緩和いたしまして、実情に即するように現在進めておりまするが、さらにこういうやり方は今後も順次進めてまいりたい、このように考えております。
○田口(誠)委員 人事院としても、ただいま私の質問申しました内容のことは把握されており、その点については少しずつであるけれども向上の方向に向けていただいておるわけでございますけれども、今日現在、この中途採用者の低給が非常に問題になっております。したがって、先ほど来申しましたように、やはりどこにつとめていても、妻子を持った者は食える賃金というものが得られなければならないということから、これは一つの社会問題、労働問題として取り上げられておるわけでございますので、人事院においても、ただいまそうした考えがございますれば、なお一そうこの点にひとつ力を入れていただいて、そしてこの種の関係の公務員労働者が安心して職務に専念できるような体制をつくっていただくことを強く要望を申し上げたいと思います。 そこで、次にお聞きをいたしたいと思いますることは、この人事院勧告を出す場合には、官民格差の是正ということから、民間の給与の平均を公務員に合わせていただいておるわけです。そうなりますると、問題になりますることは、現在のところ教職員と医療職の職員の給与表は、一般職の公務員より優位にあるわけです。したがって、なぜ優位にあるかといえば、これは教職員の場合には、二千八百円ベース当時でございましたか、なかなか教職員を得ることができないので、初任給を上げなくてはならないというので、たしか二号俸かどれだけか上げてあると思うわけです。それから医務職員は、職務の関係からしかりでございまするし、厚生省もなお、看護婦等の不足から、医務職員の給与を思い切って上げてもらいたいという要諦も出たということを新聞で拝聴いたしたわけです。そこで、民間給与と比較をする場合の対象を、いま申しましたように、人を得るために、雇用困難のために給与を上げてあるという現在の状態の教職員とか、あるいは医務職員という人たちも、一般職とつっ込みにして平均を出すということは、私は間違いでないかと思うわけです。また不利になるのではないかと思うわけです。したがって、公安職員とか税務職員と同じように、この比較対照をするときには除外をして、一般職の職員は、一般職の職員の平均と民同の平均とを比較対照して引き上げのパーセンテージを出していただかなければ、これは本物でないのではないかと思うわけです。この辺はどういうようにお考えですか。私の申し上げるように、そうした特殊な関係から給与表が高くなっておる、優位になっておるその職務も含めるのでなくて、税務職員とか公安職員と同じように、この比較対照をするときには除外をして、この引き上げのパーセンテージを出していただくことが妥当であるというように考えるわけですが、この点をどういうようにお考えになっておるか、承りたいと思います。
○瀧本政府委員 ただいまお示しのような考え方もあると思います。ただ、ただいまお示しの考え方に従いますると、公務が民間より低いものだけを問題にしろ、こういうような表現にも相なろうかと思うのでございまして、これはまた別の面から——公務の中に長岡よりも高いものもあり低いものもある、公務員全体を総合して民間とどういう格差を保持したらいいか、こういうこともやはり一つの考え方としてあり得るのでございます。現在人事院がとっております考え方は、そういうことでございまして、やはりいろいろな方々の御納得をいただきますためには、公務員全体が民間とバランスしておる、こういう一つの考え方に従ってやっておるわけでございます。お示しのような考え方もあると存じます。将来の問題としては十分考える必要があろうかと思いまするけれども、現在はそういうことでやっておる次第でございます。
○田口(誠)委員 私は、ただいま局長のお話になりました低いものだけとって民間と比較することはまた問題があろう思うという、その意見については、それはわかります。わかりますが、現在ですら税務職員とか公使職員等は除外をしておりますね。したがって、雇用する場合に初任給を上げておかなければ定員を確保することができないというような関係から初任給が高いという職種のものは、これはやはり除外をしたとて、現在ですら税務職長、公安職員が除外をされておるのだから、そんなに人事院として気にしていただく必要はないと思います。したがって、ここに問題があるということを人事院のほうでもお認めになっておるのであるから、今後こうした問題についても、ほんとうに公務員が有利な、またほんとうに公平な民間との比較対照のできるようなとり方をしていただかなくてはならないと思うわけなんです。それで、本年も実施時期がやはり、問題になるのです。そこで、実施時期を解決するということは、根本的に政府が真剣に取り組んでいただかなければこれはなかなかむずかしい面があろうと思いまするので、人事院としてはそういうようなことも頭の中に描いていただいて、そうして医務職員とかあるいは教職員とかというのをその比較対照のときにのけてパーセンテージを出しても、これは絶対に矛盾ということにはならないと思いまするので、こうした点に気をつかっていただいておる点は十分にわかりまするから、今後の期待を私どもはかけるわけでございまするので、こういう点にも大きく意をつかっていただいて、そして私のいま要望申しました、質問申しましたような内容を実現化していただくように強く要請をいたしておきたいと思います。 時間がございませんので、簡単にして次へ移りたいと思いまするが、公務員の諸手当の関係の中で、扶養手当でございます。この扶養手当の関係は、たしか昭和二十三年に六百円と四百円が決定されたきり、今日まで続いておるわけなんです。このことも民間との比較をいたしてみますると、これは千円近い格差があろうと思うわけです。それでこのことも大きな問題になっておりまするので、これをどういうように取り組んでおられるのか、ひとつ承りたいと思います。もし現在取り組んでおられないとすれば、この問題についてどういうようなお考え方でおられるのか、この点お伺いをいたしたいと思うわけです。
○瀧本政府委員 お示しのように、現在公務員の扶養手当は、配偶者、第一子が六百円、それから、第二子以下が、これはもう制限なしに何人おりましても四百円を加算していく、こういうことになっております。その結果、公務員一人当たり扶養手当がどれくらいになっておるかというと、約九百円でございます。そこで民間では、お示しのように配偶者等につきまして、たとえば千円をこえる額等が設定されておる場合もございます。しかし、扶養手当、家族手当のない場合もあるのでございまして、民間を平均いたしてみますると、民間の従業員一人当たりの家族手当はやはり九百円程度になるのであります。その意味におきましては、バランスがとれておるということでございます。 それからまた、最近の家族構成を見てみますると、大部分の人はある年齢に達しますと結婚いたしまして配偶者がございまするし、また子供も二人、三人というくらいのことは大体あるのであります。いわゆる扶養家族が三人ないし四人というところは、非常に多くの公務員につきまして共通の事情でございます。そういう一般的な問題でございまするので、やはりそういうものが手当として処理されるのが適当であるかどうかということは、これは非常に問題があるところでございます。一般的なそういう事情があるならば、それは本俸で処理されてしかるべきものじゃないか、例外的にあるようなものに対してのみ手当でそこを補正していくという考え方があるのじゃないか、こういう考え方もございます。ただいま考え方を申したのでございまするが、本年も民間職種別給与調査の中におきまして、扶養手当の状況がどうなっておるかというのを調べております。その結果が近々出てまいる予定でございまするので、そういうものを見ました上で十分真剣に考えてみなければならない問題だろう、このように考えます。
○田口(誠)委員 この点についても人事院は調査をしておいでになりまするので、調査をされますると、民間との格差は相当あるということは間違いがございませんので、したがって、私はこれを引き上げる必要があるという意見でございまするので、その線に沿って今後御配慮をいただきたいと思います。 最後に、もう一問だけで終わりたいと思います。人事院としては、定期昇給の財源を何%にするかということについては、これは公労協は公労協として一つの線が出ておりまするけれども、この積算基礎というものを何に求めておられるのか、どこに見積もりを出されておられるのか、これがあまり当委員会でも質問されておりませんので、この点もお聞きをしておかなければ、これは全体的な公務員の収入の面にやはり関連がございますので、ひとつお聞きをいたしておきたいと思います。
○瀧本政府委員 定期昇給の財源の問題は、これはむしろ財政当局において所管いたすところでございますので、そちらのほうから詳しくはお聞き願いたいと思いまするけれども、現在はおおむね予算上三%程度の昇給原資が見込まれておるように聞いております。そうすると、現実の問題といたしましては、新陳代謝等も相当あることでございまするので、各人別に見てみますると、制度的には昇給率は約四%程度になるのでございますけれども、新陳代謝等もある関係上、現在の定期昇給原資を見込んでいただいておる範囲で別に不都合なく運営が行なわれておる、このように存じております。
○田口(誠)委員 時間がございませんので、これで終わります。 ただいままでいろいろと質問を申し上げ、要求申し上げましたように、人事院の勧告を千日を目途に出していただくということと、それから勧告は絶対に政府の圧力とかそういう政治性を持たないで、完全に理論的な裏づけのある勧告を出していただくことを強く要望申し上げておきまするし、勧告の出し方でも、先ほど来質問の中で申しましたような、平均賃金の出し方によって相当差ができてきまするので、いずれにいたしましても今日までの公務員労働者は、完全実施ができておらないということから冷やめし扱いをされておるのでございまするから、そういう点についてひとつ十分に御配慮をいただきたいと思います。これは総務長官にも人事院の総裁にも重ねてお願いをしておきたいと思いますることは、問題になりまする完全実施の問題については、これは今年は完全に完全実施をしていただくような配慮を、いまからひとつその作業を進めていただくように強く要望を申し上げたいと思います。 なお、中途で申し上げましたところのオーバーラップ人員是正、すなわち下級職員の勤務意欲を発揮できるような給与表をこの際つくっていただく必要があろうと思いますので、こういう点についても考えていただいておるようでございまするので、十分に検討していただいて、私の質問を申し上げました内容、また要望を申しました内容が実視できるように御配慮をいただくことを最後に希望申し上げまして、私の質問を終わります。
○辻委員長代理 大出俊君。
○大出委員 私はILOを中心にということになっているのですが、賃金関係につきましても、いまの御答弁の中身と関連をいたしまして五、六点質問をいたしたいと思いまするので、時間を逆にいたしますので、総裁以下人事院の皆さんに恐縮なんですが、総務長官の時間が一町までというお話でございますので、ILO関係のほうはともかく総務長官においでいただかぬことには話ができませんので、時間を多少そこで人事院の皆さんにむだをさせることになりますけれども、ごかんべんを願います。 まず一番最初の問題は、公務員制度審議会が、自爆あるいは空中分解という表現が使われているのでありますが、ともかくこれはいわく因縁故事来歴があってでき上がった公務員制度審議会でありますから、そのままでいいということにはどう考えてもならぬと私は思うのでありますが、まずもって当面の責任者である総務長官のほうで一体どう考えているかという点を、明確にしていただきたいと思います。
○安井国務大臣 ILO関係の審議会につきましては、先般一応の答申をいただいたわけでございます。しかし、その答申が出ます際に、組合側といいますか、団体側代表の方の出席が願えなかったということは、たいへん遺憾に存じております。しかし、まあ全体として手続上に瑕疵があったものとは、私ども考えていないのであります。しかし、一応ああいったいきさつもございまして、答申を出されましたあとで会長が辞意を表明されておるような事情もございます。しかし、これは一身上の都合でございましょうが、まだ、いまお話のとおりに、審議会自身の任務が全般的に終わったわけじゃないと思います。また、この時期に会長がかわられることはいいことでもないと思いますので、私どもはその辞意は翻意していただくというふうなつもりでおります。ただ、会長は現在外国へ公務出張中でございますので、その結論がまだはっきり出ておりませんが、私どもは、全員従来のままの形で今後できるだけ早い時期に再開をして、その後のいろいろの問題についても御審議を願いたいと考えております。
○大出委員 いまの長官の答弁に、私はいささかひっかかる点があるのであります。他意はないというならばそれでいいのでありますが、まず一つは、労働者側が出席をしなかったことが遺憾である、こう言うわけでありますが、遺憾であるというのは、この公務員制度審議会の会長である前田さんがそう言うならばまた話は別でありますが、あなたのほうは再三再四一切ノータッチで、公務員制度審議会には何ら干渉しなかったはずでありまして、まかせた以上は、自主性は公務員制度審議会になければならぬ。あなたが遺憾だと言うことになると、あなたは前田会長に早く出せ、早く出せといって書簡などをお出しになっておった。政府のほうでそういうことをしているものだから、労働者側委員が出席しないとどうもかっこうがつかぬ、だから遺憾だ、こうとれる。そうしますと、あなたの前回の答弁に食い違いを生ずる。つまりノータッチで全く無干渉でやっていただいた、自主性はすべて公務員制度審議会にあるんだ、こうなりますと、いま言われた労働者側委員が出席しなかったのは遺徳であるというのは、筋が通らない。公務員制度審議会の運営は、制度審議会自体がきめてお進めになったことですから、したがって、公務員制度審議会の運営の責任者は会長の前田さんなんですから、前田さんが遺憾であると言うなら私はわかるけれども、そうでなければ、どうも少し勘ぐらざるを得ませんので、そこらあたりもう一ぺん言い直してください。
○安井国務大臣 まあごく常識的な意味で申したわけでございまして、これはもう委員会の運営については会長以下委員会の全責任でやられたことでございまして、別に他意があって申したわけじゃありません。
○大出委員 そうしますと、儀礼的に遺憾であると言うてみたということですね。
○安井国務大臣 まあそういうことです。
○大出委員 そこで、答弁をされることと腹の中と、こうあるわけでありますが、前田会長が外遊中というのでありますけれども、東京都知事に前田会長をかつぎ出そうというお話が、新聞その他にも出たようであります。特に総務長官は御熱心だということを仄聞するわけでありますが、いまのお話からすると、どうも会長は外遊中なん、だが、制度審議会があのままというのはどうもというお話なので、公務員制度審議会が与えられている国際的な立場から見て、そういう一つの使命というものを考えた場合には、労使双方にいろいろな意見がありましょう。ありましょうけれども、人事局長が握っているのかどうか知りませんが、前田会長の辞表が出たような話を聞きますが、おやめになってはいないのでありまして、そうだとすると、現職の会長なんですから、そこらあたりのところをこれまた私の勘ぐりならば、そのように御答弁いただけばいいのですけれども、もし総務長官が真剣に国際的な立場等も勘案をされて、公務員制度審議会の再開をというお気持ちがあるとするならば、前田さんについてのものの考え方、見方というものは、慎重にこれはお願いせなければいかぬというふうに思っておるわけでございまして、そこらあたりのところを公務員制度審議会の会長である前田さんの御意思というものを含めて——総務長官がおいてになっているときに、ここで私が前田さんに質問をしたことがあるわけです。そのときの答弁もございます。したがって、それらを含めて、私の知りたいのは、公務員制度審議会というものをどこまで政府要路の皆さんが重視をされておられるのかという点を知りたいのです。そこらのところと関連をいたしますから、率直に御答弁をいただきたいわけであります。
○安井国務大臣 公務員制度審議会につきましては、政府はまず第一義的には公務員あるいは公労協関係、中央地方を通じましてのそういった関係の方々の労働の基本に関する問題について、全般的な答申を期待しておるわけでございます。これはもう非常に今後の公務員のあり方あるいは団体と当局者のあり方というものについても根本的に重要な問題でございますので、私どもはあくまでこの審議会が本来の御審議を願い、そうして所期の答申をいただくことを期待をしておるような次第でございます。
○大出委員 そこで重ねて承りたいのですが、この公務員制度審議会が設置されることが国会できまりまして——きまるについては、つまり衆議院側から修正提案を参議院に何人かの衆議院代表の皆さんが行って御説明になっておりますが、このときに佐藤総理から答弁が行なわれております。社会党参議院議員である小林武さんその他の方々の質問に答えて、また岡田宗司さんの質問にも答えておられますが、その総理答弁の中身といたしまして、中心点は、公務員制度、審議会ができた、ところで、ドライヤー調査団が来ていろいろの調査をされて、政府はそれを受け入れたんだが、このこと自体恥ずべきことである。外国から日本の国内における公務員労使関係についていろいろな御指摘をいただいた結果として公務員制度審議会ができた、つまりこれはたいへん恥ずべきで、恥ずかしいといわなければならない。しかし、現実的な問題として、このことを契機に労使の信頼を高め合うという意味で新しい労使慣行をつくりたい、そういう意味で公務員制度審議会を重視し、かつその結果について尊重していきたい、こういう答弁をされておるわけですね。このことは、同じ意味のことを公務員制度審議会の最初の、総理かお出になって諮問をいたしたときのあいさつでも、育っておられるわけであります。この考え方は、つまり新しい労使慣行というものをつくり上げる、そして相互信頼の度合いを高める、そのイニシアチブは政府がとれというふうになっておるわけでありますから、総理として当然な発言だと私は思うのでありますが、その考え方が政府として今日ただいま変わっていないかどうかという点を確かめておきたいわけです。
○安井国務大臣 その考え方は、全く変わっておりません。
○大出委員 ということになると、何らかの措置を講じなければならぬということになるわけでありますから、このままでほっておけば、世の中の第三者の見方としては、政府側に有利であるなどという人もいます。なぜならば、ドライヤーの報告なども出されていて、審議会に与えられている場などというものがありますから、かくかくしかじかの問題は公務員制度審議会の中において十分検討されたいなんて書いてありますから、そうすると、このままで置いておけば、検討の余地がないということになるわけであります。したがって、第三者のそういう意見はうなずける点もある。しかし、それでは信頼の回復はできない。したがって、いま長官の御発言なり佐藤総理のものの考え方は、変わっていない。そうだとすると、何らかの措置をここで講じて公務員制度審議会というものを再開させるという方向を考えなければならぬと私は思うのでありますけれども、そこらあたりを一体どのような方向で、あるいはどのようなことを考えてというふうに、つまりいま長官が答弁をされているようにお考えならば、あわせてその辺もこれは御検討いただいておってしかるべきだ、日にちがたっておりますから、こう思いますから、そこらについての御答弁をいただきたい。
○安井国務大臣 公務員制度審議会はドライヤー勧告の勧告を受けてつくったというような考え方につきましては、若干いろいろ議論の余地もあろうかと思います。あれは国会でああいうふうな制度がきめられたわけでございます。そこでいま、さっきも申し上げましたように、本来は公務員関係の労働の基本に関する問題を検討していただく、そして答申をいただくというのが、まず第一義的なあの委員会の目的でございますので、そういう意味では、私どもはこれからの審議会はいろいろ御審議を願う重要な段階があるのだと心得ております。ただ、あの直後から、会長が外遊といいますか、公務で出張されておりまして、近くお帰りになるというふうに伺っておりますが、留守なものですから、辞意を表明されましたが、それは困る、あくまで現職にとどまって本来の会長の仕事をやっていただきたいという政府側の意思表示をしてお6次第でありまして、近くお帰りになりましたら、ひとつ会長の御意向も十分ただし、御留任を願い、そして今後の進め方について積極的にやっていきたいと思っております。
○大出委員 いま私が申し上げましたのは、あとから具体的に言いますけれども、ドライヤー報告の二千二百二項などに、政府がジュネーブに行っていろいろお話しにたったことなども含まれておりまして、この中で「公務員制度審議会によって検討されるべきことを勧告する。」これは政府答弁を受けているわけですよ。そういう項目がある。つまり政府のほうが公務員制度審議会をつくって、そこで検討したいということを言っているわけです。だから、それを受けて、ドライヤーがそういう言い方をしている。そうすると、私がいま申し上げたのを否定されるやに聞こえる御答弁がありましたが、私か申し上げているのは、当然公務員制度審議会は、政府がジュネーブで諮問を受けて答えている。それでやってきて調査をされた。その結果として、ドライヤーがものを言った。報告書を出した。二千二百二項のようなものかあるとなると、そういう意味で国際的にあるいは政府の責任を含めて公務員制度審議会の検討という一つの分野、範囲というものが明確になっているということを私は申し上げているのですから、その点は誤解のないようにひとつはっきり御認識をいた、だいておきたいわけであります。 そこで、会長がおられぬからというわけでありますけれども、御存じのとおり、国会が、いま御答弁があったようにきめたことです。ところでああいう形になった。担当はやはり総理府の所管になる。そうだとすると、所管官庁の立場からして、何がしかの公務員制度審議会発足にあたっても労使の間でいろいろな話し合いが行なわれてここまで来ていることは事実なんですから、そうすると、そういうものを再び軌道に乗せる責任がある。なぜならば、出発点は、政府が受けておられる、認めておられる、ドライヤーの在日中にものを言っているところの、政府の最高責任者のイニシアチブによって信頼の回復をはかるべきだということにあるのだから、してみると、やはり政府側のイニシアチブというものが前面に出てきて、今日置かれている最悪の事態と考えなければならぬ、大きなみぞを深めたというふうに考えなければならぬこの問題について、何らかの前進方向というものを労使関係の間につくり出す、そういうイニシアをおとりになる必要があるのではないか。私は、これは時の政府として当然だと思うのですよ。だから、そういう意味の政府の御見解を何らかここで承っておきませんと、われわれ国会できめたほうの側にも責任があるわけですから、そうだとすると、きめたほうの側でものを言うにあたって、政府の側に何らお考えがないとなったのでは話の持っていきようがないわけですから、そういう意味でもう一ぺんそこのところをお答えをいただきたい。
○安井国務大臣 いま申し上げましたように、たまたまあの直後から会長は公務で外国へ行っておられます。それからもう一つは、正直な話、ああいった緊迫した空気の結果出てきた事態でございますから、若干冷却期間を置いたほうがいいのであろうという感じも、実はいたしておるわけであります。しかし、決してこれは政府は冷淡になっておるわけじゃありません。この問題については、近く会長も帰られるということでございますから、さっそくまず辞意を翻意をしてもらい、そうして会長という場をきめた上で、それぞれの団体といいますか、委員方とも御相談をして、早急にひとつ再開できるような運びをとりたいと思っておるわけであります。
○大出委員 総務長官はたいへん仕事をたくさんみごとにお仕上げになったから留任をするなんという話なども世の中にあるわけですから、ひとつ公務員制度審議会くらいは——これは御本人かお言いになったのか世の中が言っているのか知りませんけれども、やはり残っている仕事ですから、何とか締めくくっていただくという意味で、夏休みも近づいてまいりましたし、冷却期間とおっしゃられた期間は、だいぶみごとに冷却してきているのじゃないかと思うわけですから……。 そこで、二つばかり申し上げておきたいのですが、定期会見などのような形のものが、ドライヤー氏が日本に来られた結果として、信頼の回復という意味を含めて行なわれてきたわけでありますが、これもどうも一とんざをしている形になっている。それから日教組の側から文部省に会見の申し入れをしているわけでありますが、この人員の頭数について、文部省、日教組間に人員が合わない。ここで一つぶつかり合っている。こういうふうな形が当面出てきているわけですね。その間に、一方で制度審議会が労働者側不出席のままで結果が得られたというようなことから、さらにもう一つ問題が出てきている。こういうわけなんですね。だから、その辺で、いま長官の言われるように、長官の腹の中というのは、何らかの方法を講じて必要な根回しは行ないながら、ここでまたひとつ労使がその意味で顔合わせをする、そういう場というものをつくったらというお気持ちがあるように私はいまのお話で感ずるのですが、私もそう考えている一人なんです。 ところで、そういう一番てっぺんの話し合いを再開する、こういうことについてどうやったら一体再開ができるかという問題が一つあると思うのです。そのためには、いままででもいろいろなその衝に当たられる方々の相互間に意見交換があって、お互いに譲るべきものは譲り、認め合うものは認め合って、そういう場所が持たれているわけですから、そういう意味では、そういう形の接触のしかたというものがもうそろそろあってしかるべきではないか。私は、二の改正法律をきめた衝に当たっていたILO特別委員会等におりました一員としてそう考えるわけなんですから、そこらあたりの御努力のほどを、あなたは慕情を一番よく御存じのわけですから、そういうかっこうでお進めになる、このあたりのところをひとつ——とはいってみても、どうも新しい顔ぶれが動き始める世の中だからそんな時間はないのだということになれば、それはまた別でありますが、よしんばそうであったとしても、やはりそのくらいの道筋はおつけおきいただくことが、この際ものごとのけじめという意味で必要ではないかというふうに思うわけですが、そこらあたりの、多少希望意見でもけっこうですから、御意見をいただいておきたいわけです。
○安井国務大臣 大出さんの、本気で政府がそう言うなら、そういうような手だてを考えたらどうか、こういうお話ごもっともだと思うのです。いま申し上げましたように、若干冷却期間を置いたほうがよりいいんじゃないかと思ったこと、それから会長がいま留守中であるということで、なまじっか政府が手を出すといいますか、行動するのもいかがかと思って差し控えておったようなわけであります。それに御承知のように、改造もあるということになれば、ちょっと成り行きを見た上で——私がどういうふうにあろうとも、こういう問題は議員としても関係のあることでございますから、今後もひとつこれの再開といいますか、円満な進行のためにいろいろ努力をしていきたいと思っております。
○大出委員 どっちがどっちということを申し上げておるわけではありませんので、そこのところをお考え願いたいのですが、ともかく私の意見としても、あれだけ長い経過があることですから、やはり再開の方向づけはすべきことであろうと、同意見なんです。ついては、前田会長がこの席にお見えになって私の質問にお答えになった中で、一体なぜたな上げになっておりますものをおろしてきてこれを政令で出すという手続にのせたかということについて、前田会長の率直に言われておることは、ほっておけば政府の皆さんは政令を出すとおっしゃっている。だから、何もしないで政令でたなからおりてくるよりは、公益委員側の想見であろうとも、そのことを付しておいたほうがよりベータであるとおれは考える、こういう趣旨の答弁。ある意味ではごもっともな話にも受け取れる面があるわけであります。それからもう一つ重要な点は、この際たなからおろしてしまったことについても、公務員制度審渡会はなお検討を加える必要が当然あるはずなんだ。だから、実施されたことについても公務員制度審議会としては検討する余地が十二分にある、こういう趣旨の答弁をされているわけであります。それから三点目は、管理職の範囲等について、前田さんの言っておられるのは、労使双方にいろんな言い分があるけれども、政府がというのではなくて、私が、管理職の範囲という問題は、政府が今日いろいろ言われていること、組合の言われていることを私が聞いてみて、両者の話し合いという形でもう少しゆとりを持たせていく必要がありはせぬかという会長としての考え方がありました。ありましたから、例の答申を政府に差し上げるために出かけたときに、口頭で相当長い時間にわたって管理職の範囲の問題については私の会長としての意見を十分申し上げてあります、こういう趣旨の答弁をこの席でされているわけであります。議事録に残っております。そこで、それらの点を考えますと、今日政府が政令をお出しになって実施されてきた幾多の問題がございますが、この中身についても、そういう公務員制度審議会のものの考え方で出されたものなのだという理解のもとに——要約して申し上げれば、単にたなからおろしてきたのではなくて、公益委員側の意見、考え方が一々述べられて答申が出されている、この事実。それから管理職の範囲についても、会長みずからが言っておられるような、つまり双方の主張の中におけるどの辺でという意味のゆとりというものを持って進めていくべきだという考え方。これらのことを勘案されながら、本来ならば現実の労使関係は動いていかなければならぬ、こういう筋合いのものだというふうに大ざっぱに私は理解するわけです。つまり交渉方式一つつかまえましても、おのおの公益側の意見がついて、こういうふうに運営をされておるのだ、こう言っておるわけでありますから、それらが十分に尊重されなければいかぬと思うのですが、そこらの点、政府のお考えを承っておきたい。
○安井国務大臣 まず、国内法の施行にあたりましては、これは総理大臣も閣議でも印しておりますように、でき得る限り円滑に、そうして合理的にこれをやるようにというふうな指示もいたしまして、またそれを含んで、法の精神あるいは政令の精神によってそれぞれの部門で処置しておるという事情であります。 それから、たなおろしをするにつきましては、まだ公益側の委員として、それぞれの意見も必ずしも全部熟し切っておるわけでもない、こういうことも答申の際に私ども漏れ伺っております。この問題等については、いずれ今後根本問題が審議をされることでありますので、その根本問題の審議と関連して、そういう問題にもさらに触れることがあるかもしれません。その場合には答申を尊重してほしいという御意向でございます。答申として出てまいれば、私どもこれを十分に尊重するというっもりでございます。
○大出委員 いまの御答弁は要約すれば二点で、今後の問題が一つと、それから当面の問題も、いろいろ意見があったところだから、その意見は尊重する、こういう趣旨のお答えだと思います。したがって、全国各組織、各使用者の側で、特に自治労、日教組などのように職場が全国にわたるようなところは、自治体がおのおの介在いたしておりますから、いろいろな問題が起こってきておるわけであります。それについて、時間がございませんから長い質問はいたしかねるわけでありまして、できるだけ簡略に個条的に承っていきたいのでありますが、ところで、自治省の方にお見えをいただくように委員部のほうにお願いしておったのでありますが、どなたかお見えになっておりますか。
○辻委員長代理 行政局長が来ております。
○大出委員 そこで まず第一の問題点は、人事院が、職員団体関係で人事院規則一七−〇になるのですか、これを出しておられますが、これは時間がございませんので、後刻こまかい点について人事院総裁以下に承るということにとりあえずしておきまして、自治省の関係の点について少し承っておきたいのであります。七月九日に自治省の参考例ということで規則案という通達が出ておりますが、これは一体どういう御意図のもとにお出しになったのですか。
○長野政府委員 管理職の範囲等につきまして、参考例といたしまして、県市町村の管理職についての一例を参考のために地方団体に連絡をしたわけであります。
○大出委員 ところで、人事委員会あるいは公平委員会というものは、私は一つの独自性を持っておる機関であると理解しておるのですが、どうお考えになりますか。
○長野政府委員 いまの参考例との関係でのお尋ねかと思いますが、人事委員会あるいは公平委員会は、中立的な第三者機関ということで、お話しのとおり独立性を持っておるものと考えております。
○大出委員 となりますと、まさに中立的な公平な第三者機関、まさに名のとおり公平委員会のはずなんであります。不公平委員会ではないわけでありますから、そうなりますと、そこに自治省から参考例として規則案を通達をするということ自体が、どうも私はわからないのですが、どういう意図でございますか。
○長野政府委員 自治省といたしましては、新しい公務員制度の施行にあたりまして、地方団体に対しまして、その円満な実施が確保されますために、地方団体に協力をいたして、あるいは技術的な助言をするということで出しておるわけであります。
○大出委員 円満な実施が確保される、こういうことなんですが、いま私がただしましたように、人市委員会、公平委員会が代償機関としての中立的であり、第三者であるというILO条約等に基づく趣旨からいたしますと、それに何らかの制約を与えるようなことを——公平委員会あるいは人事委員会が持っておりますのは、その地域に対する責任の範囲が明らかなのでありますから、それに対して国の行政機関か何がしかの制約に類する行為を行なうということは、いまお話に出た一応の理屈があるいはあるといたしましても、筋が通らぬという気がするのでありますが、いま申し上げた意味で、どうお考えになりますか。
○長野政府委員 管理職等の範囲につきましては、お話のとおり、各地方公共団体におきまして、人事委員会あるいは公平委員会がそれぞれ規則で、その範囲を客観的にきめるわけであります。地方団体ごとに職制なりあるいは権限の分配の実態というものは必ずしも同一ではないという場合もあるわけでございましょうから、そういう意味で、人事委員会や公平委員会がきめます場合に、地方団体ごとに必ず同一でなければならぬということにも、必ずしもならないと思います。が、しかし、県・市・町・村がそれぞれ大体同質の行政を行なっておるわけでございますので、それについての組織、あるいは職制、あるいは職制にかかわる権限の分配というようなことにつきましては、大体類似性、共通性もあるわけでございます。そういうこともありますので、新しい考え方というわけでもございませんけれども、制度の実施にあたりまして、県・市・町(村)の例を参考として連絡をいたしまして、そしてその適正な執行を期待するということも必要ではなかろうかと考えておるわけであります。
○大出委員 全国の自治体、市町村というのは——市町村は大体三千五百八くらいありますね。私かつて調べたら、そのくらいありました。そうすると、これはドライヤー報告にあるとおり千差万別ですね。まさにドライヤー報告にも千差万別と書いてあります。そうなりますと、職務権限なんというのは、同じ課長、係長ということになりましても、大いに違いがある、むしろあり過ぎるわけです。管理職の範囲というものは、あくまでも権限の範囲、ワクというものが、一つの基準になっているわけです。これが千差万別というところに、一つの基準を与えてそれでやれといったって、これはむちゃくちゃな話であります。先ほどの中立性というものとあわせ考えますときに——ここがポイントですから、ちょっと聞いておいていただきたいのですが、いまあなたのほうで出してしまったものを、七月九日ですから、出さなかったことにしろといったって、出したものは消えるわけじゃないですから、その意味では私はやぼなことは言いませんけれども、はっきりここで念を押しておきたいのは、全くもって単なる参考だということ、千差万別、同じ名称の役職であっても権限が違う。——もし必要なら例をあげますが、違いますから、その意味では、あなた方が出したのは単なる参考である、こういうふうに私は厳密にはっきりさしておきたいと思うのですが、あなたのほうのお考えをひとつ聞かしていただきたい。
○長野政府委員 先ほど来申し上げましたとおり、これは参考例でございまして、その趣旨につきましては、七月九日の通知の中にもその旨を明らかにしております。「この参考例は、都道府県、市および町村別に一例を示したものであり、各地方公共団体の人事委員会または公平委員会が管理職員等の範囲を定めるにあたっては、各地方公共団体における職制及び権限の分配の実態に基づき決定すべきものであることはいうまでもない。」ということを念のために書き添えておるわけでございます。お説のとおり、地方団体それぞれ千差万別の実態があるわけでございます。その場合に、その範囲を一つの例をもって全体を律するということは、困難だと思います。しかし、先ほど来申し上げておりますとおり、そうでありますけれども、また一面、それぞれ地方公共団体としての任務なり、組織なり、あれに基づきますところの職制あるいはそれの権限の分配というようなものも、これは類似性、共通性も相当持っておりますので、そういう意味で、管理職の範囲をきめるにあたっての参考例として、通知をしておるわけでございます。実態が違えば、また当然に管理職の範囲等もそれぞれ地方団体で職制に応じて違うということも、また当然であります。
○大出委員 長く言うといろいろ横道にそれますから、ずばり聞きたいのですが、全くの参考例ということでいいですな、もう一ぺん答えてください。
○長野政府委員 先ほど来申し上げておりますとおり、参考例でございまして、具体的な範囲は、それぞれの団体の特性に応じて決定をするということでございます。
○大出委員 それでは、その点は、いまここで申し上げても時間がありませんので、各自治体の自主性によってということでありますから、それだけを確認しておきまして、自主性阻害の例が出ましたら、それがいまあなたが言われる参考例に基づくものだということになった場合には、自治省のほうの責任の所在という問題になってまいりますから、あなたのほうがしかるべく善処する責任がある、私はこういうふうに思いますので、この点はひとつ後刻に譲りまして、具体的な例を時間があれば後ほどあげます。 次に、これは自治省にもう一つ聞いておきたいのでありますが、あなたのほうのいわゆるモデル条例、これまたいまの筋道からいけば、これは同じく参考例だと解釈をしなければならぬと私は思うわけでありますけれども、そこらについてどのようにお考えになりますか。
○長野政府委員 お話は、行為の制限の特例に関する条例について準則を示しましたことについてのことかと思いますが、もちろんこれは、そういうお話の意味では一面参考例でございます。ただ、これは、法律の解釈といたしまして当然こう解されるべきものだというものとしての意味を含めまして、準則を出しておるわけであります。
○大出委員 たとえば地公法第五十五条の二の六項というのがございます。これは二つ違ったほうにも聞いておきたいのですが、安井さんにひとつ承っておきたいのですけれど——増子さんがうしろにおられるか、あなたが出ておられたのですね。答申が出る出ないの騒ぎの最後の段階で、この在籍専従に関する部分のたな上げという問題とからんで、人事院規則または地方条例に定める場合を除き給与を受けながら組合活動に従事してはならないという条項、これが入って再たな上げになっているのかという質問をした委員は、当時の労働側委員の宝樹と安養寺さんと二人であります。このときに公益委員側を代表して山内委員が入っておられまして、立ち会い人は、人事局長、東村参事官、あと何人かおられたようでありますが、この席上で山内公益委員から、明らかにこの条項も入って再たな上げをされていると答えているわけであります。つまり具体的条文で申し上げれば、いま私が口にいたしました地公法五十五条の二の六項であります。ところがこれは、政令の中身からいたしますと、この山内公益委員の答弁とは全く逆に、入って再たな上げをされたということではなくて、政令に含まれて出てしまったという結果になってしまった。ここのところを一体どういうふうにまずお考えになりますか。
○増子政府委員 解議会の審議の過程における問題としてお尋ねでございますので、その意味でお答え申し上げるわけでありますが、ただいま御指摘の点は、実は審議会の会議そのものの席ではございませんでした。公益委員と労働者側委員の、いわば事実上の懇談といいますか、お話し合いがあった、その際のやりとりでございます。したがいまして、いわゆる確実な記録というものもございません、そういう意味の話し合いでございますが、その中で私ども承知しておりますのでは、いわゆる在籍専従制度は再たな上げだということの意味あるいはそれの法律的な取り扱いについてどうなるのかという御質問があり、公益委員の中でこの問題といいますか、答申の素案を執筆された山内委員が一応便宜お答えになったという経過でございますが、その際には、実は法律的な、いわゆる法律技術として、問題の、御指摘の第一項から六項まで全部施行を延期にするのか、あるいはそのうち一部は施行するのか、そういった法律技術の問題についてはいろいろありますけれども、ひとつおまかせください。考え方といたしましては、従来の制度が大体そのとおり行なわれるというふうに考えていただいていいと思います、こういうことを山内委員が言われたという事実はございます。しかし、それは一応その席のやりとりでございまして、それが審議会全体としての意向とかなんとかいうことで確認されたわけではございませんが、そういう過程でそういう質疑応答があったということでございます。
○大出委員 そこで私は、本委員会に前田会長をはじめとして、関係のある山内委員等の御出席も願うべく実はいろいろお願いもしたわけですが、ついに御出席にならぬ、こういうかっこうに今日なっております。いろいろな事情で出席を認めたくないという方々がおったようでございますが、しかし、いま増子人事局長もお認めになっているように、この公務員制度審議会というものは旧来の運営経緯をながめてみますと、必ずしもものごとを公式的に処理をされていない。あるいは研究会という名をつけてみたり、いろいろ政治的な分野がありますから、そういう運営をしてきている。してみると、少なくとも執筆の責めに当たっておった山内さんが出ておられて、六項を含む従来の形というふうにお受け取りをいただきたいという御回答があったということは、つまり一項から六項までがたな上げということです。六項もたな上げしているという趣旨です。いまあなたがおっしゃった従来のとおり云々というのは、つまり六項を含めてたな上げをされているということが従来のとおりなんであって、六項がたな上げされていなければ、従来とは変わるのです。たとえは苦情処理だとか、福利厚生だとか、文化体育だとかいうような短期専従の形のものは、旧来の労使慣行で認められてきていたわけでございます。ところが、六項はたなに上げるのか、上げないのかという質問に対して、全部だという趣旨の答弁、いま増子さんのお話では、したがって従来とは変わらぬという趣旨のことを言ったというのでありますが、だとすると、そのことは、皆さんの側はそれが多少非公式めいた会合であったということはあっても、例の審議会の今日までの運営の経過からかんがみまして、当然それは尊重さるべきもの、こうわれわれは理解をするわけであります。当時宝樹、安養寺両委員からこの間の説明を聞いている私どもとしては、当然これは同じく町たな上げされていてしかるべきもの、こう理解をしているわけでありますけれども、そこのところを、なぜ一体あなたのほうはそれを承知で政令でお出しになったかという点を、もう一ぺん御答弁願います。
○増子政府委員 私の先ほど申し上げました点について多少誤解があるようでありますが、いまの規定の第一項から第六項までをたな上げにするのだ、そういう決定的な意味で山内委員が答えたとは、私とも理解していなかったわけです。つまり法律技術的に一項から六項までとなるのかどうか、そういう点については法制局ともいろいろありますから、ひとつおまかせくださいということを言われたというふうに私ども承知しております。したがって、そこで一項から六項までをたな上げにしますという趣旨で答えられたのではないということでございます。
○大出委員 こまかい点で恐縮だが、いまの答弁は先ほどの答弁とは違うのであります。一項から六項まで法律技術的に切り離すのはどうもいかがなものかということで、しかしおまかせくださいと言ったのでしょう。そのあとであなたの答弁は、従来とは変わらないのだということを言った。さっきそう言ったじゃないですか。いま議事録に残っていますよ。従来と変わらないというのは、専従という制度はたな上げをした。これは旧来と変わらない。専従という制度は五十五条の二の一項から六項までなんです。だからこそ、法律技術的に五項まではたな上げして、六項ということにはならぬという趣旨のことを言って、おまかせください、旧来のとおりのようなことになりますから。あなたはいま旧来のとおりにというふうに答弁をされているのだから、それをいま抜かしてしまって、誤解があると言われても、そこのところはしごく迷惑なんで、さっきの答弁はどういうわけですか。
○増子政府委員 私、最初申し上げました点は、いわゆる山内委員の発言の趣旨を申し上げたわけでございます。つまり一項から五項までにするのか、一項から六項までにするのか、そういう点についてはいろいろ法律的な技術上の問題もありますので、ここではいずれとも回答できないという意味で、おまかせくださいというふうに山内委員は言われたというふうに承知しておるわけなんです。ただ、その際、在籍専従制度について再たな上げということが答申の素案として出ておりますが、それは従来の制度をそのままだという意味ですというふうに言われたというふうに理解しておるわけです。
○大出委員 水かけ論をやる気はないですがね。筋からいけば、五十五条の二の一項から六項までが専従の制度なんですね。そう理解しなければならぬ。そういう趣旨の質問をしているから、したがって、山内委員のほうも、法律的に答えるべきものは答えているわけであります。旧来のようにお考えいただければいいという意味は、六項まで入って再たな上げされているというふうに理解するのがあたりまえです。五十五条の二の五まで認めて六を切っちまうということは、だれも考えていない。ところが、この点はすぱっとあなたのほうは六だけ切り離して政令を出してきている。こういうばかげたことをするから、問題が複雑になり、政府の意図が那辺にありやなどと疑われる結果になる。こういう点は、あなた方はものごとをもう少しフェアに考えていただかなければならぬと思いますが、もう出てしまった結果ですから、私はその点の問題の指摘だけに終わります。 さて、自治省に伺いますが、こういうようにだいぶ問題がこじれて、特例その他の問題に発展してきているのだが、したがって、単にあなたのほうで県と言ってみたって、自治体と言ってみたって、いろいろな形の旧来の労使慣行の形が存在する。したがって、これを一律にどうだと言ってしまうわけにいかない。だから、私がさっきから申し上げておるように、法律の理解ということはわからないわけではないが、しからば条例の中で、あなたのほうが第一号交渉の期間だとか、第二号休日だとか、休暇だとか、休職の期間だとか、あるいは第三号を設けるとか設けないとか、たとえば、そういうものをあなた方がどういうふうに基準を示されても、つまり自治体が条例をもってものをきめれば、それが法律違反だということには即ならない。そう私どもは理解しておる。したがって、あなたのほうが示されているのは、あくまでもモデルであって、あとの条例そのものの具体的な内容等は、自治体にまかすべきものである、こういうふうに考えているわけでありますから、そこのところをもう一ぺん答弁していただきたい。
○長野政府委員 個々の地方団体で条例をつくります場合に、条例の範囲を地方団体が自主的にきめられるのではないかというようなお考えのように承りますが、法律の解釈としまして、やはり「条例で定める場合を除く」という「条例」にどういうものが含まれるべきものであるか。給与を受けながら団体のための活動に従事してはならぬ、ただし、条例で定める場合は別だという条例は、ある面で非常に限定的な、条例での特例規定というものを認めておるわけでありまして、非常に抽象的、包括的な特例を条例で定めることを認めている趣旨ではないということは、出てくるのじゃないかと思います。
○大出委員 そこが問題なんで、条例制定権があるから特例条例的なものが出てくるわけでありまして、だから、そこのところが、それまであなたのほうで押えるとなれば、これは自治権の侵害です。具体的にいって、それじゃその例をあげていただきたいのだが、全国の自治体が条例制定権があっていろいろ条例を制定しておるのだけれども、あなたのほうからいろいろな指導をされておる。一々これはいけない、あれはいけないということをあなたのほうは各自治体に対してやっておるでしょう。どういう例かありましたか。
○長野政府委員 特例の条例をつくりますにあたりまして、新しいことでございますので、地方団体から意見を求められることは、始終ございます。そういう場合に自治省としましては、それに対してどういうふうに定めるべきものだと思うという意見を申し述べておるわけであります。特にこうしてはならぬ、ああしてやるべきだということで干渉をするようなことは、いたしておりません。
○大出委員 あなたはきれいごとを言ってはいかぬですよ。ある市で、市長が、労使関係の旧来の慣行その他もあり、いろいろ取り扱い上新しい問題だからということで、第一号交渉の期間、第二号休日、休暇、休職の期間というもののほかに、第三号をつくって、「その他任命権者が特に必要と認めた場合」、この第三号を入れた。あなたのほうは、地方課を通じてこれをとうとう削除させた。何も干渉していないのですか。具体的にやっているじゃないですか。それはどういう意味ですか。事実やっておるじゃないですか。
○森説明員 私が担当いたしておりますので、私から経過を御報告申し上げます。 福島市で仰せのような条例が提案されたということを地方課長から聞きまして、それについてはどのように考えるべきかという相談がありましたので、それは特に任命権者が定める場合というのはどういう場合を予想しておるだろうか。その予想しておる場合が、この法律の趣旨なりあるいは——そのときはまだきまっておりませんでしたが、国家公務員法の場合は人事院規則で定まっておるわけでございますが、そういう場合と比較検討いたしまして、非常に広範なといいますか、あるいはむしろ職員団体の活動そのものについて、給与を受けながら活動を認めるというふうな趣旨ならば、法律の精神に反するのではないかということを地方課のほうには申し上げておったわけでございます。その後、これは非公式に私が報告を受けたことでございますが、市長は、自治省からのモデル準則というものが自分の手元にきたのが提案後であった。したがって、十分その点も検討せずに出したので、さらにモデル準則というものも勘案して、次の市会にあらためて検討し直したもので出したい、こういうことで撤回をされた。このように伺っておるわけでございます。
○大出委員 中身のよしあしはともかくとして、私がそういう例があったら例示してくれと言ったら、特にこういうしのをつくっちゃいかぬとか、ああいうものをつくってはいかぬとかいうことをあなたのほうは言っていない、先ほどそういう答弁をされたのだが、具体的事実をあげれば、あなたのほうはそういうことがあったと言う。そういうことでなしに、やはり事実は事実で言ってもらわぬと、話がかみ合わぬですから……。ところで、現地の方々は、あなたのようなきれいごとでやっていない。現地の理事者のほうは、自治省のモデル準則が出てきておることは百も承知。しかし、市長権限で、どういう場合が起こるかわからぬからということで、第三号を設けた。ところが、みなさんのほうは、その第三号をそっちのほうに持っていかれてしまいはせぬかというとで、必要以上に気をつかって、一生懸命、これはだめです、違反になりますとやかましく言われたものだから、自治省というのはとかく起債云々で引っかかってくるところですから、だから、しょうがない、万やむを得ず三号というものは抜いた。何も第三号の中に組合活動そのものを規定しているのじゃない。「その他任命権者が特に必要と認めた場合」と入っているだけです。そこまで押えてしまったら、旧来の慣行もヘチマも何もなくなってしまう。しかも千差万別、さっき申し上げたように三千幾つもある自治体でしょう。そこまであなた方がやるというのは、この法律のたてまえからいっても、私は越権だと思う。だから、そこらのことをさっき私が念を押しておるのだから、あなたのほうがそこまでやるとおっしゃるならば、これは自治省相手にあらゆる委員会を通じてやらなければならぬと思うのだけれども、あなたのほうは、こういう何をというふうに明確に規定されていなくても、「その他任命権者が特に必要と認めた場合」こういう条例ができても、明確に法律違反だとあなたはおっしゃるのですか、はっきり答えていただきたい。
○長野政府委員 いまの場合に、任命権者が特に必要と認めた場合という規定のしかたは、やはり広範な規定でありまして、そういう例外の場合には、給与を受けながら団体のために活動に従事できるということは、やはり法律の規定の精神に反するものと考えます。
○大出委員 この内容、中身というのは、何と何と何を対象にしているというふうにしてるのじゃないですよ。問題は、この条例ができて、どういうものを当てはめるかというときに問題が起こるという場合はあり得るかもしれぬ。これはそういう理解をしなければ、何をと規定しているのじゃないのですから、即これはあなた方が法律違反だというならば、これは大きな問題ですよ。これは裁判でもやらなければならぬ。
○森説明員 五十五条の二の第六項という規定は、職員団体のために活動する場合の例外でございまして、それ以外のために職務専念義務が免除される、あるいは、その職務専念役務免除がされた場合に、その給料を払うとか払わないというふうなことは、五十五条の二の六項の問題ではなくて、三十五条の職務専念義務及びその免除、あるいはそういう形を総合的に受けた給与条例の問題でございます。いま問題になっています五十五条の二の第六項というのは、まさしく職員団体のために活動する場合に、あるものは給与をカットしない場合もある。その場合はどういう場合かということを条例に書けということで、私たちの指導方針といたしましては、国家公務員の場合も同様でございますし、また、民間の労働組合においても確立された、あるいはそれが法定化されておりますが、適法な交渉を行なう場合には給与をカットをしないということでありますから、そのほかには、いま勤務時間が具体的にない場合、勤務を拘束されておらない場合、これは休日とか休職の場合でありますが、それ以外は考えられないのじゃないか。もしそれ以外に、たとえば組合の役員会であるとか組合大会であるとか、そういうものについてまで給与を受けながらそういう活動ができるということを認めるならば、それはこの法律をつくった趣旨に反するのではないか。したがって、任命権者が定める場合というのは、具体的にどういうものがあるのかということを予想しなければ条例につくる意味がないわけでありまして、そういう場合については、技術的に聞かれましたならば、それでは任命権者の定める場合はどういう場合ですかということをよく聞きまして、もしも組合役員会をするに、給与をもらいながら役員会をやらしたいんだ、こういうことならば、それは法律の趣旨に反することでしょう、こういうことを申し上げたのであります。
○大出委員 それならば話が多少わかるのだけれども、つまりあなたは、「その他任命権者が特に必要と認めた場合」というそのことずばりをとやかく言うのじゃなくて、予想するものはどういうものかということをあなたのほうは自治体に対して聞いたというわけですな。そうしてその中身から、こうこういう場合あるいはこうこういう場合は、つまり五十五条の二の六項というものとからんで、それはよろしくない、こういうことをあなたが言った。いまの話はこういうわけですか。もう一ぺんはっきりしてください。
○森説明員 具体問題がありましたのは福島市の問題でございますから、福島市の場合について聴取いたしましたところ、組合役員会、組合大会をやる場合に、給与を受けながらそういうことをやらすために認める、こういうことでございましたので、それは法律の趣旨に反する、このように申し上げたのであります。
○大出委員 そうなりますと、それは別の問題でありまして、あなたがいま言ったように、地公法三十五条の職務専念義務免除の条例、これとのからみ合いになってくるわけです、いまあなたがあげられる例ならば。これも確かにある県では、組合の会議出席を認めないで処分の対象になるということでがたがたもめているところがあります。それはその狂うが当然争いになる。したがって、私は、先ほどの——理事者が何と言ったか、それは私はその衝に当たっていないから知らぬが、しかし、先ほどの第三番目の条例を設けた場合に、これは調べてみると、いろいろな例がある。そのすべてがすべてとは言い切れない。だから、あなたが言われるように、予測されるものかこれこれだということになった場合に、そのこれこれの中には、実はこの節三号が問題でなくて、職務専念義務免除というかっこうの三十五条のほうの問題になって入ってくる問題がたくさんある。だから、三十五条の問題でものを言うのだということになるとすれば、これは新しい論争をしなければならぬことになる。ところで、あなたのほうの三十五条の例の職務専念義務免除の職免条例、この場合で問題になりますのは、旧来の慣行があって、いろんな形の組合活動が職場で行なわれている。六項というものをさっきの話のようにたな上げしないで流してしまったところに、そこがすべていま末端の職場における争いの中心点になっておるわけです。したがって、私は先ほどのように、まず人事局長のほうにものを言っているのだけれども、われわれの側の認識として——私がいま論議しているものの結論はどこに持ち込むかというと、これは公務員制度審議会との関係でこうなってきているわけだから、あらためてその中で本来これは論議してもらわなければならない筋合いである。長官、これはひとつ聞いておきたいのですが、こういう問題もあるからこそ、公務員制度審議会の前田会長の言い分ではないが、あの答申が出たとたんに問題になりましたのは、五十五条の二の六項の問題について、短い間にたとえば福利厚生だとか、やれ運動だとかなんとかいう場合のもの、そういうものについて、旧来認められてきたもの、それをここのところで再たな上げをするのかしないのかというやりとりがあって、組合側の二人の委員、安養寺、宝樹両委員が、山内委員から明らかにこれは六項だけ切り離すのじゃなくて、含めて再たな上げなんだというふうに確かめたわけです。その席上に人事局長がおったというわけだ。にもかかわらず、政令で出たのはどういうわけだ、こうい言い方になっているわけですね。だから、当然のこと、前田会長のほうは、政令で出されたものであっても、公務員制度審議会として論議しなければならぬ、こう言っておるわけです。今日公務員制度審議会が開かれておれば、この問題はその中で、山内委員はじめみんな関係者がいるわけだから、当時どういういきさつにあったのかということが明らかになる。ところが、いまの形のままになっておったのでは、そういう責めを果たせない。そこで、今日至るところで、各自治体の中でこの問題が論争の焦点になってきている。これは現実です。そうだとすれば、なおのことやはり制度審議会を担当される総理府の責任ということになる。一体どうこれを理解して、どうさばくべきかという現実の争いなんですから、そこらあたりのことを私は先ほど一つの伏線として、制度審議会というものを一体どう考えるのか。これをきめた国会の責任、所管の総理府の責任から言って、そんなにゆうちょうに、あのままでしかたがないということでほうっておくわけにいかない、現実的に起こっている問題なんですから。そういうふうに理解しなければならぬと私は思っているわけなんです。したがって、そういう争いのもとに出発している問題ですから、これは自治省の側が今日出されているような形の、つまり先ほど二つの例をあげているのでありますけれども、そういう扱い方をおやりになるとなりますと、全国三千七百もある自治体ですから、至るところに紛争の種が起こってしまう。だから、そこらあたりは、大きいところも小さいところもあるのですから——それは実際問題として仕事の面からいっても、省としてやっても忙しいところ、人が足らぬところもあれば、そうでないところもある。旧来の慣行がみんな違う。違うところで新しいことを、自治体がこうだというのを強引に上から押えようとすれば、さらに問題は紛糾する。こういうわけですから、そこらあたりは、あなた方のほうも参考だというなら参考、モデルというならモデル、この限度にとどめておいて、そして現実に起こった問題をひとつ時間をかけてどういうふうにするかについて、私どものほうもあわせて公務員制度審議会の問題を考えなければいけませんから、そういう中で処理をするということにしないと、つまりここに労使間の無理がきているわけです。だから、なおのこと不信は増大をする傾向しか持たないわけですから、そういう意味で、皆さんのほうの指導面でもこれは十分に御配慮をいただかぬと、さっき申しましたように、人事委員会、公平委員会の独自の立場というものもこれは十分尊重してもらわなければ、何か知らぬけれども、あなたのほうからやいやい参考あるいはそれに類する通達なんというものが出てきますと、ますますもって紛糾を重ねることになる。そこらのところは慎重にやっていただきたい、こう私は思うわけであります。その点について何か……。
○安井国務大臣 いろいろ問題もあるようでございます。できるだけ最初の御趣旨のとおり公務員制度審議会がなるべく早く開かれ、所期の目的を達するようにいろいろ努力をしたいと思っております。
○大出委員 舞台が変わりますからなかなか腰が落ちつかぬようだけれども、しかし、おやりになってきた経過があるのですから、その責任だけは、どういうことになりましょうとも、やはり御努力を願わなければならぬ筋合いですから、その点だけを申し上げておきます。 管理職の範囲についてひとつ承りたいことがあるのですが、昭和二十四年の六月に現行法が施行をされたわけですが、このときに現在の地方公務員法による職員の大部分の方々は、労組法適用者であったわけなんです。そこで、この当時は、地労委で労組法第二条の一号によりまして、いわゆる利益代表者という、利益代表者という意味の範囲に含まれている。——唐突ですからもうちょっと御説明申し上げますと、この二条の一号というのは、「役員、雇入解雇昇進又は異動に関して」云々というところから、「使用者の労働関係についての計画と方針とに関する機密の事項に接し、」というところ、それから「職務上の義務と責任とが当該労働組合の組合員としての誠意と責任とに直接にてい触する監督的地位にある労働者その他使用者の利益を代表する者の参加を許すもの」、つまり利益代表的解釈だったのですね。この考え方からいたしますと、例の地労委の認定書というのが当時出されているわけですが、認定書の中身というものは、主として県等におきましては課長以上、出先機関の場合にはそれと同等の権限のある者というのが、当時の認定基準だった。ところで、今回の自治省の全く参考だという例の参考例を見ますと、これはだいぶワクが拡大をされているわけです。そのワクの拡大の理由について、どういうふうにお考えになっているのかを簡単に承っておきたいわけであります。
○長野政府委員 労働組合法の使用者の利益を代表する者というのと、地方公務員法の管理監督の地位にあるいわゆる管理職の地位の範囲というものとは、大体共通した考え方じゃないだろうかというお考えではないかと思いますが、趣旨はまさにそのとおりであろうと思います。ただ、あの当時、労働組合法が適用になりました当時と現在、地方公務員法が適用になり、さらに現在の事態を考えますと、その当時の地方公共団体の職制なり権限分配の実態と、その後整備されたあとの実態とは、相当変わってきております。また、労働関係の問題も、非常に重要性が厚くなり、深くなってきていることも明らかなことでありますので、現在の職制なり権限の分配の実態について考えました場合には、労働組合法の施行当時の考え方と変わってくるのは、これは当然じゃないだろうかというふうに考えております。
○大出委員 確かめておきたいのですが、いまの御答弁からいきますと、権限が拡大された、厚くなった。深くなった、こういうことになるわけですね。そういうことですね。
○長野政府委員 その当時の職制のあり方というものは、どちらかと言いますと、非常にきめがあらいといいますか、そういうものであったのでございますが、自後だんだん職制は整備されますし、権限の分配の実態も非常に明らかになってまいりました。そういう実態のもとで考えました場合とその当時考えました場合とでは、非常に範囲が異なることは当然ではないだろうかというふうに思います。
○大出委員 当然でないのもだいぶありましてね。当時の課長の権限というのは、おっしゃるとおり非常にきめがあらいですから、雇用人の任命権だとかなんだとかというとんでもない権限を係長が持っておったりしたわけです。整理されまして、だんだん明確に権限というのは区分されてきている。機構が多くなったですからね。そうすると、おのおの持っておる課長の権限というのは、当時非常に幅の広いものがだんだん狭くなってくる。そういう面の懸隔が実際のところ多い。これは非常に大きなあなた方との見解の相違です。 〔辻委員長代理退席、伊能委員長代理着席〕 しかし、これは詰める時間がない。だから、ここであなたに聞いておきたいのですが、例の参考例でいきますと、どのぐらいの人員がこの参考例に基づいて非組合員ということになるのか、その辺のあなた方の見当のほどを聞かしておいてください。
○森説明員 私のほうで示しました参考例は、あくまでも参考例でございますので、これをつくりますときには、数県、数市町村の実態を調査いたしまして、その実態に基づきまして、一応その調査した点から推測される全国的な蒸溜水といいますか、無色透明にいたしまして、この程度であろうということを考えたわけでございます。さらにそれを具体的に当てはめまして、その県でどれぐらいのものが管理職になるかという数字までは、つかんでおらないわけでございます。また、今後各県、各市町村の人事委員会、公平委員会で、具体的に管理職の範囲が決定されます。その数字は実は何%ぐらいになるかということはつかみかねますが、大体非常に大まかな見当を申し上げますと、まあ七、八%から一割内外というぐらいにおさまるのではないかというふうに推測はできますが、これはいま申し上げましたように、全くの推測でございますので、自信を持ってお答えできる数出じゃございません。
○大出委員 時間がございませんから、念を押しておきますけれども、これも総務長官がおられたときのほうがいいのでありますが、管理職の範囲についてのドライヤー報告が出ておるのは、御存じのとおりでしょう。このドライヤー報告でいう結社の自由委員会が、管理職という概念についてものを言っておるのでありますが、「通常団結権が与えられているカテゴリーに属する数千名の人々をカバーする程広い意味で日本では適用されている」これはILOの五十四次報告、これはかって私、ILO特別委員会の席上で、佐久間さんだったと思いますけれども、質問したことがありますが、これを受けて、ジュネーブでこれについての堺町が行なわれて、それをさらに受けてドライヤー報告が出ているわけであります。そうすると、この中で言っているのは、いまあなたが言われている権限の拡大云々という、これはもっと深い資料があるいはあるのかもしれませんけれども、どういう理由でここまで参考例を広げたかという理由について、いま答弁をされているだけの範囲でいうならば、二十四年当時とはだいぶ違って、層も厚くなっただろう、範囲も広くなっただろうなんというふうに解釈をされると、ドライヤーが言うように、職員団体に組織され得るべき人間を数千人も引き抜いてしまって、組合を弱めようというふうに考えている、これに該当する結果になりかねない。このことは、結果的に公務員制度審議会によって検討さるべきこと、こういうふうになっておるわけです。ところが、公務員制度審議会は、御存じのとおり検討していない。していないままに政令が出ている、こういう現実なんですから、したがって、なおのこと私は、参考例というのは全く単なる参考例であって、実態に即して労使が話し合う、さらには公平委員会、人事委員会が検討をする、こういうふうに進めていただいて、公務員制度審議会というものを捨ておけないということを総務長官も答えておるわけですから、そこで検討しろとドライヤーも言っているのですから、政府もジュネーブでそう答弁しているわけだから、そういう手が尽くされていないうちにやると、参考例だ云々だの面を強く押し過ぎると、混乱を生ずるということになりますから、そういう意味で、これはあくまでも人事委員会、公平委員会の自主性というものを皆さんの側も十二分に尊重をして事に当たっていくという態度をおとりいただきたいと思うのでありますが、その点について念のため御答弁をいただきたい。
○長野政府委員 さいぜんから申し上げておりますとおり、県・市・町村の実態に即しましてつくりました参考例でございます。したがいまして、地方公共団体ごとに、いまの職制のあり方あるいは職制に結びつく権限のあり方の問題につきまして、具体的には人事委員会や公平委員会が客観的に管理職の範囲を定めるべきものでございます。そういう意味では、参考例でございます。自主的な決定権は、公平委員会、人事委員会にあります。
○大出委員 それでわかりました。時間がありませんから要点だけ申し上げたのですが、最後に人事院の佐藤総裁に数点、時間がますますなくなりましたので、御質問を申し上げておきたいのでありますが、まず一つ承りたいのは、ことしの春闘の民間の各事業所等の、これはおそらく昨年の調査例等でおやりになるのだろうと思うのでありますが、賃金上昇分、これをあなたのほうはどのくらいにいま見ておりますか。
○佐藤(達)政府委員 もとになります四月調査そのものの結果が、まだ集計中でございまして、これは例年どおり八月のごく初めぐらいにならないとわからないということで、私どもは、かつてここで申し上げたと思いますが、その調査に付帯いたしまして、一種の予備的な記入欄を設けて、そうしてこの春闘の結果おくれて妥結されたというようなものを拾うような措置をしているわけであります。肝心かなめのその調査結果の集計がまとまっておりませんために、これはまあ新聞紙上に出ているようなところで、ああもあろうか、こうもあろうかと想像をたくましくしている段階にまだとどまっております。
○大出委員 えらいどうもうまいことを言うので、その総裁の答弁方式で言いますと、すべてこれは、調査はしているけれども結論は出ておりませんということになる。そこで、私は一つずつ聞きます。 去年の勧告の概要の面からいきますと、「本年四月の消費者物価は、委節商品の一時的高騰による影響もあるが、昨年四月に対し九%強の上昇を示し、また、生計費は全国では七・七%、東京では一・五%の増加となっている。」こういっておりますね。このあたりの物価上昇等については、ついこの間の国会等でも数字が出されて論戦をせられているのですが、どうですか。これがわからぬことはないでしょう。
○佐藤(達)政府委員 物価のほうは、これはもちろんわかっておりますので、物価関係あるいは生活関係の面は、これはわかります。これはデータは外から出ておりますからわかりますが、いまお尋ねの春闘の積み残しがどのくらいあるかということは、これは全く暗中模索の段階である、こういうわけでございます。
○大出委員 給与局長に一つ承りたいのですが、人事院のほうは、去年の勧告では、昨年の四月に対して、つまり一昨年四月に対しての意味ですが、九%の上昇を示し、生計費は全国で七・七%東京では一二・五%の増加になっている。これをことしの場合どういうふうにお受け取りになりますか、本年四月を昨年と比べて。
○瀧本政府委員 ただいま御指摘の点は、これは総理府統計局の消費者物価指数、あるいは生計費調査というようなものでございます。それにつきましては、もう数字は出ております。出ておりますが、御記憶もあろうかと思いますけれども、昨年の四月は、野菜が非常に季節的に高騰したということがございます。そこで、われわれのほうのものの言い方は、昨年四月対前年四月、こういうことで昨年はものを言ったわけでございます。一般的に世間でいわれておりますのは、年度の平均で消費者物価が幾ら上がったか、こういうことを問題にされて、世間で一般に議論されております。そこで、消費者物価が、それでは本年の四月対昨年の四月でどれだけ上がっておるかと申しますと、全都市では四・六%、これは昨年の四月の数字が非常に高かったためにそういう数字が出ております。われわれの去年言いました数字になぞらえまして本年その数字を見ますと、ただいま申し上げたような数字になるのでございます。生計費につきましても、昨年は東京で一二・五%、こういうことを申し上げました。五万以上の都市につきましては八・三%と申したのでありますか、同様の事情がございまして、本年の四月対昨年の四月という数字では、生計費において東京では四%、こういう数字になっております。こういう数字を言うとちょっと皮肉な感じがいたすのでありますけれども、しかし、全体的に消費者物価が上がっておるという一般的な感情というものは無視できない、そういうことは十分心得ておるつもりでございます。
○大出委員 これはいま気がついたのですが、これを質問していきますと、いま十五分ということになったのですが、とてもじゃないかこれだけで二、三十分かかってしまいそうな感じなので……。いまのように言われると、昨年のあなたのほうの勧告の出足が——この一に書いてある、一以下二、これをずっと当たっていきまして、皆さんに意見を言ってもらえば、どのくらいの勧告か見当がついてしまう。お逃げにならないでお話をいただければ……。実は私、ずっと端から聞いていって、わからぬところはチェックしていって、わからぬところは新聞の伝えるところによれば、あるいは仄聞するところによれば、こうなるじゃないか、あなたのほうが当たらずといえども遠からずということになれば、おおむね見当がついてしまう。そこで、その上であなたのほうとひとつ論争をしよう、こう思っておったのですが、残念ながら時間がない。 ところで、いま一番目のあなたの言ったことからすると、どうもいささか去年どころじゃない、人事院にたくさんの公務員の方々がすわり込んででもいないことには、とてもじゃないが心配だということになりかねない御説明のように聞こえるわけなんです。そこで私は、全体的に聞いておきたいのでありますが、一番最後にたいへんに物価が上がったというふうに国民諸君が、あるいは公務員諸君が考えている事実はいなめないということをあなたはおっしゃったわけですか、そのことは、たいへん生活が窮迫をしている。だから、生活防衛ということをわれわれは唱えて、企業防衛という使用者の方々との間の争いが起こったことを知っておる。それで、民間企業そのものが、実際には日経連その他がお考えになったのとははるかに比較にならぬ賃金引き上げが行なわれたという事実を知っておる。そこで私は、それらのことを勘案して、ここまで月日がたっておりまして、来月の十日前後あるいは十三日までの間に勧告される、こうおっしゃっているのだから、してみると、全体的に見て、民間賃金の上昇その他を見て、ことしの貸金勧告というものは、昨年等と比べまして、生活の窮迫の実態その他からいって、公務員が民間からおくれないためには、大体傾向として、どういうことになりそうかくらいのことは言うておいていただかぬと、いまの数字だけではまことに迷惑なんで、このあたりをひとつ給与局長なり総裁なりからお答えをいただきたいわけなんであります。
○佐藤(達)政府委員 何から何まで大出委員十分御承知の上でのお尋ねなんで、お答えがかえって非常にしにくいのでありますが、公式的に私どもとしてはお答えせざるを得ないので、要するに四月調査の結果の民間の水準というものが出まして、われわれのほうの公務員の水準と突き合わせて、その格差がどのくらいあるか、これは完全に埋めていただきたいというたてまえでおります関係上、いま軽率なことを申し上げるべき段階にはないと思います。新聞紙上にいろいろな推測が出ております。幸か不幸か、各紙の推測はみな違っておるというようなことでございます。
○大出委員 お約束の時間になりましたのでこれで終わります。 ところで、一つ総裁、局長、それからおいでになる人事院の方々に申し上げておきますが、ここのところ数日にわたりまして、人事院に公務員の方々が心配をしていろいろお伺いをして、皆さんとやりとりをしておるように思うわけでありますが、例年のことでありますから、ひとつあまり公務員の方々にたいへんな費用をかけさせたり、それからたいへんな労力を使わせたりということは、社会現象一般からながめてみてあまりいいことではないわけでありますから、そういう意味で、言うべきこと、言える限りのことは言っていただいて、公務員の方々がひとつ民間に取り残されないように、職務専念の義務というものを持っておる公務員でありますから、先ほどの質問ではありませんが、安心ができるということで人事院におまかせ願う、こういうふうなことになるように、ひとつここ数日間、最後のところのようでありますから、極力御努力を願って、ひとつ人事院の持ち分を生かしていただきたい、そういうことだけ申し上げまして、お約束の時間でありますから終わります。
○伊能委員長代理 山内広君。
○山内委員 私は、ただ一点航空行政にしぼってお尋ねをいたします。実はあのとおり三つの大きな事故が続きまして、この委員会でも大きく取り上げられ、ああいう社会的世論をバックにして、また国会も非常に激励鞭撻するという立場から、あなた方にはかなり幅の広いいろいろな施設の改善なり航空の安全ということに万全を期する体制を、私どもは希望しておったわけてあります。しかし、事故は忘れたころやってくるのでありまして、最近いろいろ忙しいことから、飛行機も利用しておりますけれども、必ずしも改善のあとが見えたとは、私のしろうとの口には映らないのであります。そこで、いま申し上げたようないろいろな問題をバックとして、この航空事故の絶滅、絶対にああいう問題を再び繰り返さないという立場から、どういう解決を現在やったのか、これからやろうとしておるのか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 航空管制官の仕事についての重要性は、近年特に世間の関心を引いてまいりまして、私どもといたしましても、昨年、一昨年あたりからだいぶこれに注目をして、できるだけの手当てをしてまいったつもりでございます。たとえば等級別定数の扱いの上で専門職の扱いに特にしてあげる、係長あるいは課長というような組織上の役職につかない方々も、管制官の地位のまま八等級から三等級まで昇格できるというような扱いもしております。その他いろいろな特殊勤務手当その他の面でも、たまたまことしの事故のちょうど前後でありますかにも一つ措置をやりましたという例もございまして、わりあいに恥ずかしい顔をしないでお答えできるのでありますが、しかし、これらの方々のお仕事の特殊性というものは、ずっとわれわれとして見詰めていかなければならぬ、そういう態度で臨んでおります。
○山内委員 職員の待遇については、総裁のほうに責任がありますから、御答弁いただくつもりでありましたが、まず、般空局長がおいでになっておりますから、そちらのほうから御答弁をいただきます。
○堀政府委員 ことしの二月四日に全日空の事故があり、さらに一月くらいたちまして、外国航空機の二件にわたる事故がございました。われわれといたしましても、こういう事故がこう重なってあったということは、非常に残念だと思います。今後はそういうことのないようにということで、いろいろな措置をしておるわけでございます。それで第一に、まず航空保安関係の施設を整備しなければならぬ。これも急速にやるために、次年度の予算編成を待たないで予備費でもってこれをある程度やるということで、約九億の予備費をもちまして航空保安関係施設の整備を直ちにやるということで、いま進めております。なお、航空関係の要員の手不足という面でいろいろ問題がありますので、これも急速に埋めるということで、百三十三人の要員の充足をはかるということになっております。その他直接航空局の関係ではございませんが、航空気象関係の整備につきましても、今後適切な措置をする、かようなことになっております。なお、従来とも航空関係の行政の組織が、最近における航空業務の急激な増大にあまりマッチしてないというふうにわれわれは考えておりますので、この航空関係の行政組織の整備強化をするということにつきまして、いま検討をいたしておるような次第でございます。
○山内委員 ただいま人事院総裁からは、まあかなり職員の優遇の問題も考えて、肩を振って、と言いましたか、歩けるようなことをしておると言いましたが、そのことはお認めになりますか。
○堀政府委員 航空関係職員の待遇改善につきましては、これはずいぶん前からの問題でございます。管制官なりあるいは操縦士なり、いろいろな航空関係の専門の職員が、航空局におります。これらは、いずれも非常に責任の重い、しかも非常に複雑、そして非常に神経を使う。そういう仕事に携わっておりますので、何とかこの職員の待遇を改善したいということで、数年来にわたって努力をしてきたわけでありますが、現在調整額としてつけていただいておりますのは、管制官の調整の二と、あるいはパイロットにつきましては調整の三ということでやっておりますが、航空局としてはこれでもなお十分ではない、そのような考えを持ちまして、さらに人事院にお願いをいたして、もっと調整をふやしていただくようにお願いをいたしておるという段階でございます。
○山内委員 総裁、いま航空局長はそういうお話なんですが、今度の、来月勧告される中身の中に、そういうことはうたって勧告されますか。方針だけでいいのです。
○佐藤(達)政府委員 先ほども申し上げましたように、私どもとしても、その仕事の特殊性、重要性には十分理解を持っておるつもりでありますので、いまの航空局長の御要望等もかねがねあるところでございますし、あわせて十分慎重に検討していきたい、こういう段階でございます。
○山内委員 航空局長、いま勤務の特殊性ということをうたわれたのですが、私どもも羽田の実際も見てきたわけです。そこで、この週四十四時間という勤務は、非常にこれは不当な、特殊性から見て過労に過ぎて事故の原因になり得るという判断から、もっと短縮せよということもここで指摘したはずですが、これはどういうふうにお考えですか。
○堀政府委員 非常に責任の重い、そして複雑、そして非常に神経をすり減らすような仕事でありますので、できるだけ職員の勤務時間というものは、そういう非常に気を使っておる時間というものはなるべく短いほうが、いろいろの事故を防ぐというような意味から好ましいことだと思います。いま四十四時間というふうにおっしゃいましたが、実際に勤務についておる、いわゆる管制のシートについておる時間というのは、四十時間ということになっております。
○山内委員 これは、人事院規則は四十四時間になっておるでしょう。私は規則のことを言っておるのです。
○堀政府委員 四十時間であと帰るということではございませんで、あとの四時間は、いま申しました直接管制の仕事に関連したデスクの仕事ということに携わっておるということでございます。
○山内委員 そういう御問答を聞くと、ちっとも改善されていないという結論になるのですよ。いま四十時間というのは、あなた方の勤務もそうしてやろうと思って私ども努力している最中なんです。そういう特殊性をうたいなから——もうこういう勤務は、三十時間くらいでいいんじゃないか。しかし、こういう世の中ですから、他との振り合いもあるだろうし、少なくとも規則上の四十四時間というものをやめて、徹夜勤務交代でいえば、国鉄あたり考えても三十五、六時間になっているんじゃないかと思うのです。そういうふうで、これは私は事故の対策としては、大事なことだと思うのです。そういう意味で、人事院規則も、もう四十四時間なんという古い規定をはずして、そうして実情に合うものをつくるべきである、こういうふうに考えております。 それから、時間がありませんから続いて申し上げますが、百三十三名の定員をとった。これは不足だとは思いますけれども、それよりも大事なことは、やめようやめようとしているこの潜在の離職を希望している人——民間との待遇か非常に差があるんですから、これを押えることを考えないと、経験を積んだ者がみんな逃げられていったら——こういう特殊性から、非常に訓練あるいは経験を第一としているところに、もう浮き足立って、長く勤めるという意欲を失っておるということに問題があると思うのです。そういう意味ではどうお考えですか。
○堀政府委員 全く先生のおっしゃると同じような心配を、われわれもいたしておりなす。で、これらの人を足どめしていくためにはどうやったらいいかということには、非常な苦心、苦労をいたしております。今後もできるだけ待遇改善をしまして、これらの人に引き続き勤務していただくように努力をいたしたいと思います。
○山内委員 先にも触れましたが、調整額という便利な制度もあるのですから、そこは人事院総裁ともよく話し合って、もう少し待遇してやりませんと、みんな逃げられてしまいますよ。国会も、再び事故があれば責任を食わなければならぬいまの状態だと思うのです。これは国会といわず、当面のあなた方ももちろんのこと、これは全部日本の責任ですから、ひとつ事故については万全を期して対策を考えていただきたい。できたら人事院総裁も十日の勧告の中に織り込んで——そういう勤務の問題とか処遇の問題で事故を起こしていったら、これはちょっと恥ずかしいことになると思うのです。この点希望を申し上げ、また詳しい具体的なことはこの次にお尋ねしたいと思います。終わります。
○伊能委員長代理 受田新吉君。
○受田委員 時間が進行しておりましてたいへん気の毒ですが、総裁、五、六分か十分程度がまんしていただきます。何か大事な投降ですから、早目に切り上げさしてもらいます。 総裁、多年給与の勧告をされる人事院の御苦労については、私自身としても終始感謝しているわけですが、しかし、だんだん勧告に政治性が盛られてくるという批判も出てくるし、また今度のILO論争の過程においても、人事院として、管理職の範囲などについて相当大幅な拡大方針をおとりになってきた。もともと教頭などというものは管理職として扱うべきでないという人事院の多年の主張であったものが、文部省のほうの圧力で、途中から教頭にまで管理職手当を出すようなことに規則を改正された歴史もあるわけです。また大学の総長の処遇に関しての文部省の単独の法案提出をめぐって、最終的には人事院がそれを容認するような答えになってきたいきさつも、私、関与しておりましてはっきり遺憾の意を表したいと思っておったのです。特に文部省などから圧力をかけられて人事院が動くという形でなくして、人事院が積極的に大学の総長とかあるいは管理職とかいうものを自発的に勧告をされて、それに基づいて文部省が措置するというような形にいくべきことが、主客転倒しているという歴史があるわけですね。これは総裁、御理解いただいておると思うのです。こういう行き方では、人事院の権威に関することだし、私たちとしても、人事院の権威を温存するために、長い同政治的にお手伝いをしてきたつもりでございますけれども、事ここに至りまして、この機会に総裁として人事院が国家公務員法に基づいて強大なる権能を持っているこれを、他のいかなる政治的圧力に屈することなく、良心的な勧告と、それに伴う規則等の制定をされるように希望したいと思うのです。これをまずお伺い二して、総裁の所見を承りたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 いろいろな例をあげられましたけれども、これはわれわれの奮起を促すために特にそういうふうな例として取り上げられたというものだと思います。私どもはいままで、いまおあげになりましたような諸般の事柄についても、よそからの圧力に屈して心ならずもやったというような覚えは全然ございません。前から私どもは私どもとしての独自の自主的な立場を貫いてまいっておるつもりでございますし、今後もそのかまえでずっと勇往邁進していきたいと思っております。
○受田委員 しかし、事実文部省から押し込められて、最後に人事院が動いたということになっておりますね。大学の総長の任免、給与の特例の場合などでも、人事院のほうへ、先に総長の給与をきめて、指定職のような形で特別のワクをとって、むしろ人事院が勧告すべきであると私は多年提唱してきたわけです。ところが、文部省からああいうくだらぬ法律を出されて、それに伴って人事院が最後に動いたという結果になっている。これは一つの例です。教頭職やあとから追加されましたそういった行き方は、これは人事院から先に提案してやられる筋合いが、逆に文部省のほうからああいう法案をお出しになって、それに伴って翌年の措置を人事院がされるという、その前に措置すべきことを慮ったために、政治的圧力が結局人事院を動かした。死せる孔明生ける仲達を走らすという事例を引くまでもなく、どこかに人事院にのんきなところがあったと思うのです。全然良心に恥じないとおっしゃるけれども、事実問題として先へ手を打つべきものが、向こうから出されて、あとから追っかけられて措置をしたという歴史があるわけです。これはもう総裁十分御承知でございまするが、私はそのときにも、特にこの問題を指摘して、人事院よ、まず人事院からこの問題に積極的に取り組まれたいと提案したことがおくれたわけです。今度の場合など、管理職の問題などにつきましては、また非常に広範な範囲にわたってその分野が拡大されておるのでございますけれども、これに伴って、いろいろと管理職手当の率の問題等も起こってくると思うのでございますが、管理職手当の率、中央、地方を通じての段階というものも、すでに今度の参考事例としておあげになった問題について用意されておるのでございますか。
○瀧本政府委員 御存じのように、一般職給与法に特別調整額の規定がございます。これは管理監督の任にある方々に対して、必要がある場合には特別調整額を支給するというたてまえになっております。したがいまして、この特別調整額の支給の範囲と、それからいわゆる今回の管理職の範囲というものは、考え方に多少の違いがあるんじゃなかろうかという、給与の事務的担当の部局の者はそのように考えております。これは非常に重複する部分が多いことも事実でございます。われわれといたしましては、やはり給与法に規定いたしますところに従いまして、この問題は、今後にわたって必要があれば処理する、こういう問題であろうと思います。
○受田委員 時間の関係でお尋ねを繰り返しません。新しい問題点に触れます。 今後人事院が勧告されるであろう中身については、目下最終的な御検討の段階ですから、私は、ここでその中身を、中間報告を要求するようなことはいたしませんけれども、方向として、ひとつ私たち多年の主張をこの段階に十分採用していただかなければならぬ問題があると思います。 その一つ、かつて、何年前でしたか、おととしかその前の勧告の中に、住宅手当に対するところの報告の部門に、行政的な措置を期待する意味の一項がありました。このことにつきましては、今回この住宅難解消、公務員に安住の家を与えるという趣旨から、住宅対策に手当か、あるいは何らかの形で、公務員宿舎を持つ人とのアンバランス是正という方針を用意されているかどうか、これは私方向としてお聞きしていいと思います。
○佐藤(達)政府委員 住宅手当の問題は、もうここ数年来の非常に深刻な問題でございまして、私どもも苦慮しているところでございます。したがいまして、また民間の調査についても、歴年引き続いて住宅手当についての民同調査をやっております。ことしもやっているわけであります。ただし、私どものほうから、いわゆる民間を基準にして考えておりますそういう立場から申しますと、民間調査の結果は、圧倒的多数の事業体が住宅手当を支給しているという段階にはまだほど遠いという数字が出ております。したがいまして、ことしの調査結果がどうなりますか、飛躍的にことしふえるかどうか、ここもちょっと疑念のあるところでございます。したがいまして、そういう面をにらみながら、民間で圧倒的多数の会社や事業体が住宅手当を出すようになっておれば格別、そうでなければ、公務員だけ先がけて出すということにも踏み切れない。しからば、それで腕をこまねいているのかというと、いま御指摘のような公務員宿舎というものが一方にあって、そのほうに入っている人とのアンバランスということも、これは当然無視できないことでございますから、私どもとしては、住宅手当もさることながら、ぜひその実体の施設のほうを大いに拡充していただきたいということを、かつてはその旨の要望書として特に総理のほうにも出したことがございます。これも歴年、少なくとも口頭では強お願いして、そうして、少なくとも予算上の実績では、だんだんとそれがふえつつあるという意味で多少希望は見られます。しかし、なおこのほうはこのほうとして努力しなければならぬという覚悟でいるわけでございます。
○受田委員 住宅については、手当制度と宿舎提供制度、現物支給制度の二通りあると思うのですが、公務員の中で、あるいは行政職、指定職の一等、二等、三等という等級別に見た場合、等級の高い者に対しての公務員宿舎の充足率は相当高いのではないかと私は思うのです。低い者には低い、高い者には高いという結果が出ているか、御調査の結果をアウトラインだけでけっこうですから……。
○佐藤(達)政府委員 御承知のように国設宿舎法のたえてまえが、職務上の必要ということを相当強くうたっているものでございますから、そういう面からただいまのような傾向があることは否認できないと思います。しかし、幸いにして最近の情勢は、下のほうということばが適切かどうか知りませんけれども、若いほうの人々にもだいぶ行き渡りつつある。それから、もう一つ私どもが特に強調したいのは、いわゆる独身寮、これを大いに各省で手分けしてひとつ拡充していただきたい。われわれが試験の願書を受けつけておりまして、公務員志望者がやってくる。この省には独身寮がありますか、残念ながらここにはありません、はいさようならということで、みすみす志望者を逃がしておる例をまのあたりに見ておるものでありますから、そういう面とあわせて、宿舎の拡充に努力していきたい、こういう考えでおります。
○受田委員 現実を御確認の上で対策を用意されておる。これが勧告の上にあらわれるかどうかは、まだお答えが出ていないと思いますけれども、その方向に持っていこうという勧告の中身にある程度期待していいんじゃないかと私は思います。よろしゅうございますか。期待していいですか。ちょっとそれを。
○佐藤(達)政府委員 十分承って、気持ちは先ほど申しましたような気持ちでおるということでございます。
○受田委員 それで今度は住宅と通勤手当というのが非常に関連性があるのですけれども、通勤手当というものは、これはできれば実際は実費弁償のかっこうをとるべきであると私は思うのです。その方向へ持っていこうという御計画があるか。同時にもう一つ、通勤手当に課税をするということはちょっとおかしい話しなんですが、通勤手当を課税対象にするというのはどういう理由かがわからないのです。これを削除していただきたい。
○佐藤(達)政府委員 通勤手当をできるだけ拡充の方向に持っていきたいということは全く御同感で、われわれはやはり民間の情勢ともにらみ合わせながら前進をしてまいりたい、こういうか交えでおります。 課税のほうは、残念ながらそれは大蔵省のほうの所管でありまして、私どものほうとしてはお願いするほうの立場にある。しかし、そのお願いのほうも非常に熱心に、強力に続けてまいっておるわけであります。
○受田委員 話はテンポを速めております。非常に明快です。政府として、これは大蔵省の所管でございまするが、人事局長、その点はいかがですか。
○増子政府委員 ただいま人事院総裁からお答えがありましたように、大蔵省の税制の問題でございますが、その問題としましては、実は通勤手当というのは、御承知のように、一応給与ということになっておるわけでございます。したがいまして、原則的には、当然課税の対象になるわけでございます。しかしながら、現在は、いわゆる扱いの問題としまして、少額の給与といいますか、そういうものにつきまして非課税の措置を一般にとっておるので、その限度におきまして、通勤手当も、一定の限度でございますが、非課税扱いになっておるわけでございます。そういった点を今後どのように考えていくかということは、いまも申し上げましたように、税制の問題の一環として考えらるべきことであろうと思いますし、職員の立場からいいますれば、お説のように、全額非課税ということが、これは非常に望ましいことであることは、言うまでもないことでございます。
○受田委員 あと一、二点。今度勧告をされる対象としては、依然として規模百人、裏業所別五十人という、おととしからの改正点をそのまま踏襲されますか。
○佐藤(達)政府委員 そのとおりでやっております。
○受田委員 公務員の場合は、私ここでかつて指摘したことがあるのですけれども、大企業の対象になる組織体、大企業と比較すべき組織体だと私は思うのです。したがって、百人とか二百人とかということでなくして、むしろ五百人以上くらいの規模を持つ事業所、そういうかっこうで調査の対象にされるという方向へ持っていくべきじゃないか。仲裁裁定を基準にされて、おととしから規模としては百人とされたのでございますけれども、方向としては五百人程度というものを目途として、漸次その方向へ持っていくことが、大企業に相当する多くの人員をかかえた官庁職員でございますから、そういう方向をたどる筋と私は判断するのですが、その筋は違っているかどうか、総裁の御所見を承りたい。
○佐藤(達)政府委員 個人的には、非常に望ましい筋だと思います。もっとも、大企業だから有利かどうか、これはものによってまた違いますから、何とも申し上げかねますけれども、国ほど大きな企業体はないということからすれば、これはあるいは最高の企業をめどにして、その上に、それを踏み台にして、さらに公務員の給与を積み上げるような世の中が来たらさぞかしいいだろうというような気持ちは持っておりますけれども、現在の情勢では、国民の大半の勤労者の方々とそう違った特権的な待遇を公務員が受けるというのも、また別の観点から考え方、批判があり得ることでございますから、一般民間の、少なくとも過半数を占めるような数の企業体をつかまえて、その水準に合わせていこう、これが今日のところでは一番適切な方法ではないか、そういう気持ちでおるわけです。
○受田委員 方向としては好ましいということでございます。それに沿う今後の御努力を私からも要望しておきます。 いま一つ、今度は、この俸給表のつくり方、手当の制度の問題で一、二点一応総括的にお尋ねします。総括的にお答えいただいてけっこうですけれども、手当制度というものの中で、たとえば管理職手当と超過勤務手当というものがよく似たようなものである。管理職手当は今度は拡大強化するかっこうになってくるわけでありますけれども、対象が広がってくるわけです。超過勤務手当と、管理職になったということの管理職手当との間にあまり差がないような形をやはり考慮しなければ、この手当の性格からいって、非常にアンバランスが出てくると思うのです。これを、超過勤務手当と管理職手当と漸次接近させていく方向をたどろうとされるかどうか。 また、もう一つ、期末手当と勤勉手当、これは私からしばしば指摘していることでございまするが、勤勉手当の比率は非常に少ないけれども、これをときどきぽこりぽこりとたまに増額される措置をされているのですが、勤勉手当は漸次期末手当に吸収していく方向をとるべきではないか。そうして、もし勤勉手当を残すとしても、勤勉手当部分の増額はやめて、期末手当部分のみの増額を考えていく方向をとるべきではないかと思うのです。ここまでちょっとお答えを願います。
○佐藤(達)政府委員 情理職手当の問題は、公務員法そのものが、最終の理想といいますか、ねらいとしております職階に即しての給与ということになりますれば、当然職階に即して本来の給与の中に溶け込むべき性格のものであって、管理職手当などというものが別にあるのはおかしいという考え方から、これが漸次解消していくということはあり得ると思いますけれども、これも遠い夢物語で、当面とてもそこまではいかないと思う。したがって、この超過勤務手当の制度が残っているわけであります。また、超過勤務手当をやめて管理職手当に移そうという場合に、これはきわめて現実的な問題でありますけれども、現在超過勤務が非常に多いためにたくさん超過勤務手出をおもらいになっておった方が、一定率の管理職手当に切りかえられたために、非常に損失といいますか、不利益を受けられるというような事情は案外大きなものになっておりまして、なかなか理論どおりには事は簡単にはいかない。先ほど、今度の管理職の範囲の指定の問題を管理職手当に結びつけてのお尋ねがございましたけれども、これは、先ほど給与局長からお答えいたしましたとおり、全然別系統の事柄とわれわれは考えておりますが、それとの関連においての問題というふうには考えておらぬということをはっきり申し上げておきます。 それから期末、勤勉の関係は、期末に統一すべきではないか、あるいは勤勉のほうへ統一すべきではないか、そういう両方の御議論があることは十分承知しております。われわれは、どちらにも理屈があるということで、ほどのよいところでバランスをとってずっと善処してきているという気持ちで、どっちかに統一したいという気持ちはまだ確定的には持っておりません。
○受田委員 そうしますと、今度の勧告の中に、勤勉手当の分も増額する可能性はあるわけですか。
○佐藤(達)政府委員 これは、手当関係は、民間のほうは別にちゃんと調べをとりますから、それをとった上で、どれだけの違い、格差が出るか、どれくらいに割り振ったらいいかということは、これからの勉強になるわけです。
○受田委員 今後の御勉強のささえに、民間の給与の中で、期末手当部分と勤勉手当部分を分けてやっておるような形で調査しておられると思うのですけれども、そういう方向ですか、給与局長。
○瀧本政府委員 われわれは直接民間給与調査では、いわゆるボーナスということで調べております。そこでは勤勉手当、期末手当と分けて調査いたしておりません。ただ民間でその種の手当はどれほど成績というものが加味されておるかということは、別途いろいろ研究をいたしております。
○受田委員 勤勉手当と期末手当というのを分けていない企業が大半だと私は思うのです。そういう意味から、勤勉手当部分がこれ、期末手当部分がこれというような出し方をするのは、そこへ人事院のある程度の政策的なものが入ってくると私は思うのですね。それをいま、これはお立場が違う場合の答えが出されるということであれば、私はもう何をか言わんやだけれども、方向として私の主張をお聞き取り願っておきたい。 それからもう一つ、特別勤務手当、特殊勤務手当という制度が一つある。しかし、これはもう寒冷地手当のようなかっこうで政令で片づけられるような制度になっておる。そういうことであっさり片づけてしまえばそれまででございますが、たとえばピストルを持って勤務する職員、警察官、税関の職員、こういう人たちがピストルを用意するということは、身の危険がある職種であるわけですね。非常に危険な職務をやっている。きのうの朝も松田という警察官が、ピストルをどろぼうしようというどろぼうにぶつかって、それを追っかけて、非常に厳正な勤務ぶりでついに命を失っておる。このピストルを持って勤務する人に対する手当というものを、何らかの形で人事院もひとつ考えていただかないと、こういう危険な職務をする人の平素の勤務にゆるみができてくると思うのですピストル保持は危険な職種であるということを前提にした特殊勤務手当というものを考えるべきではないか。(「反対」と呼ぶ者あり)しかし、現にそういう身の危険のある職務を担当する立場の人に、人事院としてどう考えるか、人事局長としてどう考えるか、お二人から。反対の声もあるようでございますが、私としては、別の意味で、危険な職務を担当する人々に対する処遇というものは考えるべきだと思うのです。
○瀧本政府委員 御指摘のように、治安の維持に任じておられる警察官、こういう方々の勤務の労苦というものは非常なものがございます。そのために公安職俸給表という、これは一般行政職俸給表に比べますと水準の高い俸給表があるわけであります。われわれはそういうところでそういう問題は全面的に解決さるべき問題だろうと思いますし、また、御指摘のように、特殊勤務手当という制度もございます。これはこれなりにやはり危険とか不快とかあるいは健康に有害である、そういう事情によりまして、部分的にそういう必要かある場合には対処してまいる、こういうことでございますので、今後十分検討してまいりたいと思います。
○受田委員 十分検討するそうだから、それでひとつ検討してもらうことにしましょう。 それから今度俸給表の問題で、たとえば税務職員のような場合、昭和二十三年当時は二五%の税務特別手当というのが出ておったのが、それが本俸に繰り入れられた。今日見ると非常に号俸の若いところは一五%程度の格差を持っておるわけでございまするが、ずっと上位に進むに従って、 一0%をぐっと下がって、七%まで下がっておる。これは非常に大きな変化を来たしておるわけですが、税務職員の職務の内容が、今日徴税事務などしようとすると、これを隠匿してなかなか出さないとか、あるいは思想的な関係で妨害が出るとか、いろいろと苦労は従来に倍していると思うのでございますけれども、これが逆にこの格差が下がってきておるという原因はどこにあるか。そしてこれに対して、税務職員の特に三等級、四等級、五等級の辺には、わっと八割もそこへ職員が滞っておるわけでございます。この頭打ちというか、中ぶくれというか、どういうことばで表現したらいいか、この現象を解消して、さらに新しい一つの等級を新設してでも、希望ある体系をつくるという方向でもって解決するか、何かの方法でこの問題を処理しなければならぬと思うのですけれども、これに対するお答えをお願いしたいと思うのです。
○瀧本政府委員 従前二五%あるということが卒然といわれるわけでございますが、これも見方がございまして、いろいろの見方があるようでございます。ただいま御指摘の問題等につきましては、国税庁の当局からも非常に強い御指摘がございまして、われわれも十分勉強いたしております。ところが、現在の俸給表の体系におきましては、一つの等級の中で号俸が上がってまいりますと、昇給間差額が下がるという現象があるわけでございます。これはそれなりに理屈があることでございますけれども、先ほどもいろいろ御議論がございましてお答え申したところでございますが、われわれは一つの等級において号俸が先へまいりましても、間差額が下がらないようにという努力を二、三年続けておるわけでございますし、今後も続けたいと思っております。そういうこととも多少関係がございます。しかしながら、税務職員について見ますと、これは御指摘のように、税務職員が非常に徴税技術に練達されたというようなこともございまして、上位の職務に進んでいただくというような措置も現実に実行上やっております。その結果、従前からおられた方のいわゆる水準差と申しますか、それほど下がっていないのであります。ただ俸給表の制度上の問題としてこれを見ますと、やはり下がる傾向に自然になるのでありまして、これは号俸が進むにつれて下がります。そこで、やはりそういうことのないようにする必要があろうか、ただいまいろいろ苦心をしてそういう辺の研究をいたして、できるだけこれは下がらないようにつとめる努力を考えております。
○受田委員 上級職に合格した諸君はどんどんと若い号俸で昇級昇格していく、一方では、練達の士がいつまでも下積みで頭打ちされておるということについては、勤務上の急欲を失ってくる危険もあると思うのです。こういうところにひとつこの問題を打開する新方法を研究していただきたい。いろしゅうございますね。 それで、今度の新しい俸給表を作成されるときに、医療職のように民間給与が三割も四割も高いところ、それから教育職のように、私立学校は大学から高等学校に至るまで、中小学校も同じことですが、民間給与のほうが逆に公務員よりも低いところ、こういうところにはどこに一つの禍根があるかを十分検討されて、これを国家公務員と民間給与と比較の意味においては、お医者さんのような民間給与ばかり高いところをさらに高めていくという努力をすると同時に、なぜ民間給与で学校関係の職員が低いところにおるか、こういうところを検討して、教育職については、一つの指標としてかかる体系がいいのだということを、私立学校などにも十分指示をするための俸給表をつくっておくということが必要だと思います。この点、人事院がある程度人事院の配慮で、民間給与の比較を無視した形でここに俸給表がつくられてくるわけでございますが、こういう極端に民間給与と差のある問題の扱いについての基本的な考え方はどこにあるのか、これをどういう方向へ持っていこうとされておるのか、多年この道に御努力をされておる瀧本先生、ひとつお答え願いたい。
○瀧本政府委員 御指摘のように、診療に従事されておりますお医者さんの民間の給与が非常に高い、ところが、一方におきまして、最近問題になっております無給医局員というような問題もございまして、やはりこれはわれわれのほうで幾ら追っかけていってもなかなか手が届かぬという面もあるのでございます。やはりこれは医療関係の内部におきまして問題が進展してまいりませんとなかなかむずかしいという面がございます。しかしながら、そうは申しましても、公務に従事していただきます、たとえば国立病院あるいは療養所等のお医者さんの確保の上におきましても、あるいはそういう方々のお仕事の際に士気が上がらないというようなことがあってはなりませんので、われわれとしてはまあ従来努力したつもりでございますけれども、いつもその努力が中途はんぱになっておるということもございます。で、今後はそれをできるだけひとつそういうことの少ないように努力を重ねてまいりたいというように思っております。 それから、大学の先生につきましては、これは国立大学がほとんど大部分でありまして、私立大学もございますけれども、やはり数から言い、現在の状況から申しまして、私立大学を模範として国立大学を定めるというわけにもまいりません。いろいろ私立大学の経営上の問題もあるようでございます。したがいまして、われわれは、同種のものが間にあるのでありますから、一応調べて、全体の官民格差を見ます場合には一応問題にいたしますけれども、それは個々にその数字を直ちにもって国立大学の先生の給与をきめる指標にはいたさないのでございます。御指摘のように、やはり研究、教育ということが非常に大切であるということは申すまでもございません。人事院が特にそういうことで政策的な発言をしようとは思いませんけれども、やはりそういうことは十分考えまして、大学教職員の給与の、これは大学教職員だけではございません、教育全般でありますが、そういう給与水準の引き上げには十分努力してまいりたいと思っております。
○受田委員 これで終わりにします。お答えは願わなくてもいいです、ここに答えをする人がおらぬから。あなた方全体でお考えを願いたいのですが、看護婦さんの場合には民同企業のほうがこれまた低い。ところが、お医者さまは民間企業は高い。これは民間の診療所とか、あるいは一般の事業所の診療所みたいなところで、お医者さんはばかに優遇するが、看護婦はばかに冷遇しておるという驚くべき雇用関係が行なわれておるのです。これは政治の力で直していかなければならぬ。看護婦のような力の弱い者には待遇を低くして、お医者さんだけばかに優遇して金もうけ三義に考えていくというようなシステムを解消する政治力が要ると思うのです。そうして給与政策の上で、人事局長は、それらの民間の給与に対してどこに欠陥があるかを十分他省にも連絡し、総理府ですからね、総理府としてアンバランスを是正する立場の行政上の統合整理調整の責任を果たしていただきたい。責任がないですか。
○増子政府委員 先生の御主張は、民間企業といいますか、民間における医者と看護婦の待遇の問題を言われたように思うのでありますが、民間の医療従事者、医者なり看護婦の給与がいかにあるべきかということにつきましては、実はこれは民間労働者の賃金政策全般の問題と関連しようかと思います。私の所管の国家公務員の人事行政という面では、これは範囲外かと思うわけであります。
○受田委員 範囲外でないのですよ。つまり民間給与との比較をする場合に、国家公務員の給与をきめる基準としてこれらにはね返ってくるわけですから、国家公務員の給与がきまると民間の給与もまた引き上げられてくる。そこへだんだんしわ寄せる方向へ持っていく指導力が、人事局長に要ると思うのです。それなしに、ただ民間給与の比較だけで議論しておるのでなくて、民間給与を国家公務員の給与に漸次指導していく方向がやはり給与政策に必要だと思うのです。民間と平行線でいってはいけないと思うのです。民間給与、たとえば私立学校などの先生の給与が低ければ、それは国家公務員がこういう基準をして、これに近づけようという一つの指標になってくるのですね、公務員の給与の体系というものは。給与行政の上でやはり政府が民間のそういうアンバラを是正する方向に持っていくような給与政策をとっていく必要があると思うのです。無関係じゃないですよ。ワク外じゃない。これは相互関係があるのです。民間給与は国家公務員の給与を基準にすると必ず言うわけですから、国家公務員の給与を適正妥当にしておけば民間給与はついてくるですよ。そういう方向に御努力願いたいと希望しておるわけです。いかがですか。
○増子政府委員 そういう意味で国家公務員の給与が適正なものになっていくということは非常に望ましいことだと思います。そういう意味で努力をいたしたいと思います。
○伊能委員長代理 本日はこれにて散会いたします。 午後二時六分散会