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52回国会衆議院1966/11/10

地方行政委員会消防に関する小委員会 第1号

発言数
31
登壇者
7
会派数
2
開催日
1966/11/10

会議録

大西正男自由民主党

○大西小委員長 これより地方行政委員会消防に関する小委員会を開会いたします。  消防に関する件について調査を進めます。  この際、お手元に配付いたしてあります「消防の現況について、」消防庁から説明を求めます。佐久間消防庁長官。

佐久間彊消防庁長官

○佐久間説明員 お手元にお配りしてございますプリントに従いまして、消防の現況について御説明申し上げます。  第一は、火災の実態でございます。昭和四十年の火災の実態を見ますと、出火件数は五万四千百五十七件でございまして、十年前の昭和三十年を一〇〇といたしますと、一八一ということになっております。これは戦後最高でございます。  損害額は五百十二億円でございまして、前年に比較いたしますとやや減少はいたしておりますが、これも漸増の傾向にございまして、昭和三十年を一〇〇といたしますと、一六一になります。  死者は九百六十五人でございまして、この死者も逐年増加の傾向でございまして、昭和三十年に比較いたしますと、一三九になっておりまして、この数字は戦後最高でございます。  負傷者は九千三百八人でございまして、昭和三十年に比較いたしまして、一三八ということでございます。  いずれも十年前と比べまして著しく増大をいたしておるのでございます。この件数を一日当たりに換算いたしますと、毎日百四十八件の火災が起こっており、一億四千万円の財産が失われているという計算になるわけでございます。  次に、火災の大半を占める建物火災について見てみますと、十年前に比べまして、件数において四六%増加をいたしております。しかし、反面、焼損面積を見ますと、一三%の増にとどまっておりまするし、さらに一件当たりの焼損面積を見てみますと、二三%減少をいたしております。  なお、この一件当たりの焼損面積を地区別に見てまいりますと、東京都の二十三区におきましては、一件当たり二十九・六平方メートルでございます。全国の市部を平均いたしますと五十六・四平方メートル、郡部は百三十八・七平方メートルということになっております。これらの数字を見てみますと、出火件数が増加いたしておりまするけれども、消防力が漸次整備されてまいりましたのに伴いまして火災が初期の段階において鎮圧されております結果、一件当たりの焼損面積は次第に減少してきておるのでございます。特に消防力の整備が進んでおりまする大都市におきましては、出火件数は多うございまするけれども、一件当たりの焼損面積は少なくなっておる。東京の出火件数を一といたしますと、市部は二、さらに郡部は四以上というような割合になっておるわけでございます。私どもは、これらの数字を見まして、火災が漸増いたしますことは遺憾ではありますが、消防力の整備によりまして火災が起こった際の被害を最小限度に食いとめるという成果が、だんだんあがってきているというふうに見てよいと思うのでございまして、今後さらに整備を急速に進める必要があるというふうに考えておるものでございます。  次は、消防力の現況でございます。  常備消防について申しますと、昭和三十九年に消防本部署を設置すべき市町村を政令で指定する制度ができたわけでございますが、その後漸次指定市町村を増加いたしてまいりまして、四十年五月現在におきまして、消防本部が六百二十一、消防署が七百三十五、消防職員が四万八千人ということに相なっております。今後さらに政令指定の範囲を拡大するとともに、一部事務組合等の共同処理方式を活用いたしまして、常備体制を整備してまいりたいと考えておる次第でございます。  消防団の動向でございますが、消防団員は年々減少してまいっておりまして、十年前昭和三十年には百八十万余でございましたのが、昭和四十年には百三十三万人に減少をいたしております。しかし、この消防団の活動は、単に消火だけではなくて、水防あるいは山火事等につきまして重要な働きをいたしておりまするので、私どもといたしましては、この団員の減少の傾向に対しまして、一面では団員の処遇改善の充実をはかっていく等、団員の確保対策を進めるとともに、都市周辺におきましては、人口の都市集中に伴いまして団員の確保に特に困難を感じておりますので、そういう地域につきましては常備化を進めていくというような方途を講じてまいりたいと考えておる次第でございます。  次は、消防施設の整備の状況でございます。消防ポンプ自動車をはじめといたします通常の消防用機械器具あるいは消防水利等につきましては、昭和二十八年から消防施設強化促進法による国庫補助金の交付を行なっておりまして、逐次整備されてきておるのでございますが、全国市町村における現有施設は、私どもの考えております消防力の基準に照らしてみますと、なお六〇%程度充足されたにすぎない状況でございますので、今後早急に施設の整備をはかる必要があると考えておる次第でございます。最近におきましては、危険物施設、石油化学コンビナート地帯の増加、あるいは超高層ビル、地下街の増加等、消防対象物が量的に増大するとともに質的にも変化してまいりましたので、これらに対処するためには科学消防力の強化をはかることが必要でございますので、昭和四十年から科学消防力強化促進五ヵ年計画を樹立いたしまして、これの強化につきまして鋭意努力をいたしておるところでございます。  次は、救急業務でございますが、現在救急業務実施市町村は、政令で指定をして義務づけておりますのが百四市でございますが、そのほか自主的に実施をいたしておるところを含めますと三百五十六市町となっており、四千五百名の救急隊員と五百六十六台の救急車をもってこれに当たっておるのでございます。四十年中における救急出場件数は三十二万九千八百九十八件でございまして、火災件数の約六倍になっております。東京消防庁におきましては、救急出場件数が十二万一千八百六十五件でございまして、火災件数八千二百六十六の約十四、五倍に当たっておるわけでございます。これらの数字をごらんいただきましてもおわかりいただけますように、消防における救急業務の比重がとみに増大しつつあるわけでございます。救急事故は急病と交通事故が圧倒的に多いわけでございますが、最近の交通戦争の実態や高速道路の整備等の事情を考えますと、全国的に救急体制を早急に整備をしていく必要があるというふうに考えて、その方策についても検討いたしておるところでございます。  次は、予防行政でございます。火災の発生を予防し、被害の軽減をはかるには、消防力の強化とあわせて、一般国民の防火思想の向上と協力をいただくことが何よりも必要であることは、申すまでもないところでございます。このため、従来春秋二回の火災予防運動を実施いたしますほか、防火管理者の指導、婦人防火クラブ、少年消防クラブ等、民間防火組織による防火思想の普及徹底をはかっております。なお、消防法令につきましても、近年たびたび改正をいたしまして、予防行政の面の充実をはかってまいりました。昨年は、消防設備士の関係の制定を見たのでございますが、本年から実施に移っております。今日特に危険物規制の面で、さらにいろいろと検討改善すべき点があると考えられまするので、現在消防審議会にも諮問をいたして、検討願っておるところでございます。  次は、消防財政の点でございます。市町村消防費の決算状況を見てみますと、昭和三十九年度、総額五百九十一億円でございまして、市町村一般会計決算額に対する割合は、三・八%でございます。このパーセントは、大体ここ数年同じような比率でございまして、他の行政費と比較いたしまして、相当低位にあると考えておる次第でございます。  歳入歳出の構成の状況は別紙1にございます。別紙1の上欄をごらんいただきますと、消防の歳入におきましては、一般財源が、昭和一二十九年度で八八・八%ということで、自治体消防のたてまえでございまするので、こういう形による財源付与が一番多くなっておるわけでございまして、補助金はわずかに一・五%ということに相なっております。歳出の面では、人件費が六四・三%ということで、一番多くなっておりまするが、これは消防活動の中心になりますのは消防職員でございまするので、このような比率になっているわけでございます。それに対しまして、事業費が一五・七%で、相当低位にある状況でございます。  次の資料2でございますが、これは消防施設整備費の国庫補助金の状況でございます。昭和四十一年度におきましては、これは見込みでございますが、これらの補助金の合計が十億五千七百四十万円でございまして、このうち消防ポンプ等、通常の消防施設に対するものが七億五千万円でございまして、化学車、はしご車、救急車等、科学消防力に関するものが三億円ということになっております。  次は、資料3でございますが、これは消防関係の地方債の状況でございます。  昭和四十一年について申し上げますと、一番上欄が一般単独事業分となっておりますが、これは共済組合からの資金分でございまして、これが三億八千万。それから損保協会からの分が十七億五千万、市有物件費が十二億、町村有物件が三億二千万、合計三十六億五千五百四十万ということに相なっております。消防力を緊急に整備をいたします上からは、これらの財源につきましてさらに強化をする必要があり、特に国庫補助金の増額と起債ワクの拡大につきまして努力をいたす必要がある、かように考えておる次第でございます。

大西正男自由民主党

○大西小委員長 質疑の通告がありますので、順次これを許します。大石委員。

大石八治自由民主党

○大石(八)小委員 非常に素朴な質問で、この前も何かのときに関連してちょっと聞いた覚えがあるのですが、最近の建築物には窓が全くないといいますか、ことに通りに面したほうに窓がない。裏のほうにはあるけれども、非常に入りにくいような場所の建築物ができてきているのです。それから今度何か三十何階という建物ができる。そういう場合、はしご車なんというものは使いようもないようになると思うのですけれども、そういう窓のない建築物とか、いまのはしご車ではどうにもならないような建物というものが、消防の観点からどうなっているのか。建築法はそういうこととは関係ないのか。それは外国でも、ものすごい高い建物がありますから、そういう例とかみ合わせれば、日本にもあり得る建物には違いないと思うのですけれども、少しそういう点を消防庁のほうの立場から話を聞きたい。

佐久間彊消防庁長官

○佐久間説明員 第一点の窓の問題でございますか、最近起こります火災におきましては、建築の関係では、いわゆる耐火構造物といわれるものの中における死傷者が非常に多く出ております。それは耐火構造物は、外から延焼してきますものを防ぐには役に立つわけでございますが、概してお話の窓のない、無窓建築などが多いわけでございますから、中におきましては煙の逃げ道がないということで、煙に巻かれて逃げおくれて死ぬといりような事例が出てきております。特に昨年度、先ほど申しました九百名余りの多数の死者を出してたのでございますが、その死者の死に至った状況を調べてみますと、そういうようなケースが相当多いようでございます。  そこで、これにつきましてはどういう対策を講ずるかということを、私どもも取り上げて検討をいたしておるわけでございますが、消防の立場からいたしますと、そういう煙に巻かれて逃げおくれるような人に対して、一つは早く状況を確知させて避難をさせる方法を考えなければいかぬし、それと同時に避難する避難設備につきまして改善することにしなければいかぬ。この避難設備の問題につきましては、過般当委員会におきましても御指摘をいただきまして、それの改善について検討をいたしておりますが、防火対象物、特に避難設備を施設しなければならない義務づける範囲を、従来よりも拡大をいたそうということにいたしております。これは大体成案を得ましたので、近く政令改正をすることにいたしております。それからいまお話しの窓の点でございますが、これは建築構造の問題になりまするので、建設省の関係の所管になりまするが、私どもも最近のそういう耐火構造物における死傷の多い実情にかんがみまして、いろいろ建築基準法の面でも検討してもらいたいという点を現在建設省のほうに申し入れをして、検討していただいております。このただいま御指摘の点につきましても、検討の一つの事項としておりまするので、その結果、結論を得ましたならばまた御報告を申し上げたいと存じております。  それから第二番目の高層建築の問題でございますが、現在のはしご車は三十メートルが限度でございますから、それよりも高い、大体十一階以上のものになりましょうか、それにつきましては、はしご車は届かないわけでございます。そこで、そういうような場合においてどういうような対策を講じていくか、屋内に取りつけるべき消火器具、あるいは避難設備等については、規定がいろいろあるわけでございますが、率直に申しまして、現在ございます規定が決して十分だとは思っておりません。そこで、これらにつきましては技術的にもなお検討すべき点がいろいろ多いと思いまするし、それからまた建築の面と連絡をとって研究しなければならない問題もございますので、これは現在検討中の問題でございます。

大石八治自由民主党

○大石(八)小委員 答弁の意味はわかるのですが、検討中と言うけれども、それを検討している間に無窓のビルはどんどんできているし、それから十階とかそれ以上の建物はどんどんできているわけです、そういう問題について、大体そういう建物ができることについて、簡単に耐震とかなんかということでいいからやるのだというだけで許可されていることに、私は実は不審があるわけなんです。それでは手はつきませんという、そういう構造では、もう救急の人命救助とかそういうことには保証はございません、それは無窓の場合でも、超高層の場合でも、そういうことがある。それにもかかわらず、それはどんどん、耐震とかそういうこと、それからまたあとのビルを使う人の利用度とかそういう観点でそれがいいということになっているとすれば、それは少しおかしいのじゃないだろうか。皆さんが検討中と言うけれども、ああいう鉄官、鉄筋のビルができてしまったあとに、それに今度施設をしようと言ったって、そんな理想的な施設が、でき上がってしまった、あんなかたいものに一々できるものじゃないと思うのです。そこらの消防庁のテンポと建設省のテンポというのはまるっきり問題を一緒に考えていくというテンポじゃないように実は思うのですが、それか私はおかしいのじゃないかと思う。建物というものは人がいるのですから、地震に耐えるとか耐えないとかいうことだけで建築許可がおりるということについて疑問なんです。だから、片方はどんどんそういうものが進んでいるのに、あとから言ってみたって追いつかないのじゃないのかというふうに思うのですが、そこらはどうも消防庁として、消防とか人命救助等の立場からいって、それは向こうの権限だというふうなたてまえは、おかしいのじゃないかというふうに私は思うのです。現にそういうものはどんどんどんどんできているし、しかもいままでの法律ではそういう想定をしていない基準というものしかなかったとすれば、ちょっと待ってくれということで両者が本格的に検討をして、早急にそういうものはできなければならぬ、こういうふうに思うのですが、私の疑問のほうがおかしいのでしょうか、ちょっとお伺いしたい。

川合武消防庁次長

○川合説明員 御指摘の点、多々ごもっともなんでございますが、実は現在超高層、超高層と申しておりますのは、先ほどお話のありましたように、階数で申しますとおおむね十一階以上を俗にいっておりますが、それについて全然手当てと申しますか、考慮をいたしてないわけではございません。やや饒舌になりまして恐縮でございますけれども、御承知のように、それまでは高さの制限がございました。それが三年前でございましたか、建築のほうの基準法が改正になりまして、いわゆる摩天楼が、一定の制限内とは申せ、できるようになったわけでございます。それまでは消防のはしご単の高さと建築物の高さとがマッチしておりました。建設省のほうからも超高層に基準法を改正しますときに、いろいろ相談もございました。私のほうも、はしご車の高さから申しますと、外国で五十メートルというようなものができかかっているとはいいますけれども、大体において、いろいろな制約がございまして、現在の三十三メートル級が限度というふうに考えております。しかし、そうかといって、はしご車だけをもって建築の高さをきめるのも、その進歩というと大げさでございますが、どうかということでございます。それで、お答えでございますけれども、消すほうにつきましては、はしご車を用いずして消す方法が、大体私どもの技術並びに法令でできておるわけでございます。すなわち、予防的に申しますと、いわゆるスプリンクラーの設置を義務づけておるし、また、消防の使います消防用の器具といたしまして、屋内消火せん設備を置かす、あるいは連結送水管といっておりますが、要しまするに、外からでなくて、中へあらかじめはめ込んでおきまして、連結をする場合には一番下でもって操作しましてやる、こういうようなことで、消すほうにつきましては、技術の改善によりまして、はしご車をまたずしてできておるわけでございますが、問題は、先ほど長官が申しましたように、また御指摘のように、無窓、高層の場合に一番問題になりますのは、消すということと関連はございますけれども、人命の問題でございます。現在におきましては、それにつきましても、全然考慮がないというわけではございませんで、防火区画の点、あるいは内装の不燃化の点、いわゆる避難階段の点等につきまして、現在規定を、ことに先ほど申しました建築基準法を摩天楼にするために改正しましたときに、私ども協議いたしまして改正いたしまして、建築基準法のほうでもそれらの点についての規制をいたしたわけでございます。ただ、くどくなりますけれども、その後まただんだんいろいろなややっこしく、またむずかしい建物、かつまたいろいろな難燃性といっていますようなもの、中に塗ってありますものがかえって有損なガス的なものを出すとか、煙の問題等々というような難物がふえてきておりますし、消防のほうがそれにおくれるおそれなきにしもあらずというような感が非常に強くしておりますので、そこで、長官先ほどから申しましたわけでございますが、これらの超高層につきましては、私どものほうの規定もさらに整備し、また技術も練磨する。同時に建設省のほうとよく連絡もし、また私どもも注文もいたしまして、たとえば避難階段、これは従来から規定はございますが、これをもっと現実的に合理化し、強化していく。あるいは安全階の避難施設の問題、あるいは内装の制限の問題等につきまして、意見も言い、意見も交換しております。建設省もこれらの点について、昨今におきましては、私どものほうと非常に真剣に討議をいたしておるわけでございます。御指摘の点はございましたので、さらにそれらの点について努力を重ね、ピッチを上げていきたいと思っております。

大西正男自由民主党

○大西小委員長 安井委員。

安井吉典日本社会党

○安井小委員 大小、たくさん質問はあるのですけれども、きょうは一、二点だけ簡単に伺っておきたいと思うわけですが、先ほどの佐久間長官の御報告に関連しての問題ですが、一つは、常備消防増強の必要性についてお話があって、まざに同感であります。政令指定という形で逐次増強されているわけでありますが、しかし、それでもなお地方へ行ってまいりますと、現実の要求には遠いようであります。たとえばこういうふうな例も、この間、二、三年にしたわけでありますが、それは、すでに常備消防署を持って運用をしてきたところが、政令の指定では人口要件等相当きついものですから、それにはずれてしまって、現在まで消防署を持っていなかったところのほうが先に指定をされて、現実に消防署を持って運用していたほうが落とされている、こういう実態が若干あるようです。その問題は、政令指定をふやすという上においては予算総ワクの問題が当然あるわけでしょうから、そういうことで、消防庁のほうは指定基準にしぼりをかけて、そういうようなことで、現実に消防署を持っているところでも指定されないという事態が起きているのではないか、さように思うわけです。ところが、現実に消防署を持っているところは財源が非常に苦しくて、自治省の政令基準に合わないようなところであるにもかかわらず持っているという事実は、その地域において火災が多発するとか、あるいはまたそういうような事態が起こりやすいという、そういう何かの原因があってそういうものがあるのではないかと思うわけです。だから、この政令指定の内容を充実するためには、予算の総ワクをふやすということが一つありますね。それから第二番目には、何か特殊な理由を持っているところは、しゃくし定木の考え方ではなしに、そういうようなものも指定ができるような仕組みをつくるべきではないか、そういうふうなことを私は考えるわけですが、その点、どうでしょうか。

佐久間彊消防庁長官

○佐久間説明員 現在政令指定の一応の基準としておりまするのは、中心の人口の密集する地区の人口が一万以上、総人口が二万七千以上ということにいたしておりますが、これは別に法律に書いてある規定でもございませんので、運用によってさらに変更することも可能でございます。そこで、私は、かりにその要件に合致をいたしませんでも、お話の中にありましたような消防力を整備しなければならぬ特殊の事情を持ったところ、たとえば観光地の温泉街でありますとかいうようなところには、その基準を満たしておりませんでも消防本部署を政令指定をいたしますように考えてまいりたいと思っております。  それからなお、単独の町村ではその基準に達しませんけれども、三、四ヵ町村で事実上相当密接な連帯関係にありますようなところで、三、四ヵ町村合わせてみますればそれらの基準にほぼ該当するようなところでは、一部事務組合をつくらせて、そしてその上で指定をするというような方法を講じてまいりたい。いずれにいたしましても、これは、交付税の算定上、政令指定になりますると、所要財源とか、基準財政需要額に計上することになるわけでありますが、その点は常備化を推進するという方針を自治省としてもきめておりまするので、財政局と折衝をいたしまして、逐次増加をはかってまいりたい、かように思っておる次第でございます。

安井吉典日本社会党

○安井小委員 いまの問題は、いろいろな角度から考えることができるのですが、私が聞いた二、三の町村の場合は、やはり人口要件にひっかかるようです。ところが、ここで、この報告の中にも言われておりまするが、近年消防団の団員がどんどん滅っていくような傾向があって、消防団そのものの維持ができかねている、だから、この意味でも常備化が必要だ、こういうふうにさっき長官はおっしゃったわけです。全くそのとおりなわけです。したがって、人口要件という問題を特にウエートを置いた考え方にいたしますと、この二番目にいま長官がおっしゃったこととちょっと矛盾してくるわけです。つまり、農村、漁村の人口の減少、これはおおうことのできない事実であるわけです。だからこそ常備化が必要だということになれば、人口要件にあまりウエートを置いた考え方ではなしに——それはある程度のものはもちろん置かなければいかぬと思いますけれども、その地域が、今日まで財政が豊かでないにもかかわらず、なぜ常備消防署を置いて今日までやってきたかという、そういう特殊性の探究の中からひとつ結論を出すというふうなことが必要ではないかと重ねて申し上げておきたいのです。

佐久間彊消防庁長官

○佐久間説明員 おっしゃいました事情は、よく私も理解することができるのでございますが、ただ、人口要件を満たしておりながら、現在なお指定になっていないところが相当ございまして、早く指定してくれという要望も参っておりまするので、順序としては、そういうものをまず取り上げていくべきじゃないか。しかし、単独の市町村で、そういう要件を満たしておりませんのでも、おっしゃいましたような、何かそこで消防体制を特別に整備しなければならぬ特別の事情のありますところについては、人口要件に必ずしもこだわらずにこれは検討してまいりたい、このように考えております。

安井吉典日本社会党

○安井小委員 次に、御報告の最後にありました消防財政の拡充の問題でありますが、何をおいても自主財源の充実が一番望ましいわけです。そういう意味で、かつて消防審議会も答申をいたしております消防施設税の問、題について、あまり前進していないわけです。これは損保債との関連もないわけではないのですけれども、市町村の自主財源が、国の公債政策の結果一そう詰まってきているという現実から考えても、今度佐久間長官御就任記念に、ひとつこの際積極的にこの問題を押し上げて実現の方向にもっていかれる、そういうお気持ちはありませんか。

佐久間彊消防庁長官

○佐久間説明員 自主財源を増強をするということは、全く同感でございまするし、私も長官に就任いたしましてから、消防関係の財源をもっと拡充強化していかなければならぬということを痛感いたしております。  そこで、どういう方向で消防財源を強化をしていくかということになるわけでございますが、消防施設税もその有力な一つの方法であるというふうに考えまして、この問題を自治省としても取り上げていただいて検討をいたしておる状況でございます。ただ、これについては従来いろいろ経過もあったようでございまするし、私も税のほうは専門ではございませんので、税務局のほうにお願いをしてせっかく検討をしていただいておるわけでございますが、私としては、とにかくこの問題については前向きに取り組んでまいりたいという気持ちでおる次第でございます。

安井吉典日本社会党

○安井小委員 ぜひ、前向きの方向で検討したいとのお考えでございまするので、がんばっていただきたいと思います。  最後に、資料をお願いしておきたいのですが、防衛庁がいま第三次防衛計画を立てて近く閣議に持ち込みたいというふうな話でありますが、その中に、自衛隊の科学消防を、組織的にもあるいは装備の上でも拡充強化するという内容が含まれているということが、新聞にも報ぜられているわけでありますが、当然消防のほうにも、内容が内容である、だけに御相談があったものだと思うのですが、その内容について知れる限り詳しい資料を御提示いただきたいと思います。

佐久間彊消防庁長官

○佐久間説明員 三次防の問題につきましては、私どものほうにも非公式に連絡をいただいております。ただ、詳しい内容につきましては私まだ承知をいたしておりませんので、資料の点につきましては、防衛庁とよく相談をいたしまして御提出するようにいたしたいと思います。  基本的な考え方といたしましては、防衛庁が防衛庁の立場からの必要から、いわば自衛消防と申しますか、そういうような形で消防隊を整備するということでございますれば、私どもとしては格別意見はないわけでございますが、市町村消防の力が不足をしておるから、それを補うために常時消防力を整備しておくのだというような考え方がもしございますれば、それは私どもとしては反対せざるを得ない。こういうような気持ちで現在担当官と必要な連絡をとらせておる状況でございます。

大西正男自由民主党

○大西小委員長 亀山小委員。

亀山孝一自由民主党

○亀山小委員 過ぐる国会の地方行政委員会でも御質問申し上げたのですが、きょうあらためて繰り返してひとつ申し上げたいと思います。  先ほど佐久問長官から、いわゆる消防団員の減少問題に触れられましたが、実際、実情はそのとおりでございます。ことに、昼間人口が激減をしておる地方では、消防団員もしたがって数が激減している。火災の場合に困っておることは御案内のとおり。また、あわせていろいろ各町村等の消防器材を見ますと、どっちかというと、こまかく町村別になっているために、ダブるというとおかしいのですけれども、十分な性能の器材が購入できないというような実情も見聞するわけです。そこで道路が整備され、通信機関の整ってまいりました地方では、むしろ市町村というよりは、いわゆる行政区域にとらわれないで広域消防という組織を考えられるべきだと思うのですが、その点についてひとつ長官のお考えを伺い、また何かこの方面にお進みになる前向きのお考えがあれば一応のお考えを承りたい。

佐久間彊消防庁長官

○佐久間説明員 御指摘のように、単独の市町村の区域を越えて、もっと広い区域を対象として考えなければならない問題が、消防行政の上にも多々生起しておりますことはそのとおりでございます。  そこで、いわゆる広域消防の問題ということで提起をされておるのでございますが、これをどういうふうな方法で考えてまいるかという点でございますが、これにつきましては、一つは、もういっそ市町村の自治体消防をやめてしまって、府県単位の消防にもっていったらどうかというような意見も一部にあるようでございます。しかし、私は現在の消防組織法が、市町村の自治体消防というたてまえをとっておりますゆえんを考えてみますと、一つはあの制度が制定されました当時の地方行政全体に通ずる市町村自治を強化をしていこう、それによって地方行政の民主化をはかっていこう、こういう考え方でございまして、この考え方は今日においてもなお維持していかなければならない。それからまた消防行政の性質、性格上から考えてみましても、初期消火に対して迅速に対応の手段を講ずるというようなこと、あるいはまた消防団その他出間の防火活動などについて、一般住民の緊密な協力を求めていかなければならない、こういうような点から考えてみますと、やはり市町村自治体消防というたてまえは今日においてもこれをくずすべきでないというふうに私は考えておるのでございます。しかし単独の市町村だけでは有効に処理できない問題がだんだんと出てきておるわけでございまするから、それらに対する対策といたしましては、市町村消防を中心としながらお互いの協力によって方策を考えていくという考え方をまずとるべきじゃないか。これは市町村における他の行政についても同様でございまして、そのために市町村合併も行なわれておる。市町村合併も、これは広域消防を実現する上での一つの有効な手段であります。さらに、合併しませんでも相互応援協定を結んで、有事の際相互応援をする体制を整えていく、あるいはまた一歩進んで一部事務組合をつくって、緊密な連帯性のある数町村においては、消防は一本にしてやっていくというようないろいろな方法が考えられると思うのでございます。  そこで私どもとしては、特に明年度においては消防の一部事務組合をひとつ取り上げていきたいと思っております。消防の相互応援につきましては現在相当行きわたっております。さらに進んで一部事務組合を考えていきたい。その一部事務組合の対象とする地域におきましては、一つは、先ほど安井委員の御質問に対してもお答えいたしましたように、単独の市町村では政令指定の、要件を満たさぬけれども、三市町村一緒になれば政令の要件を満たせるというようなところ、あるいは、もう一つは、もうすでに消防本部署を持っておりますところでも、たとえばコンビナート地帯があるとか、あるいは大都市の周辺地区にある、そういうようなことで事実上社会的、経済的に見てみますと、消防活動を一体的に行なったほうがいいというようなところにおいても事務組合を検討していくべきじゃないか、かようなふうに考えておるわけでございます。そういうような方法を講じまして、しかし、なおどうしても市町村の刀では及ばないというような問題、これも、今後火災がだんだん複雑化してまいりますと、そういうような事態も起こるだろうと思いますが、そういうようなところは、府県が広域自治体としてこれを補完的にカバーをしていくというようなことも当然考えていかなければならぬじゃないか。しかし、あくまで、も市町村自治体消防のたてまえをとりながら広域化の要請に応じていく、こういう考え方で問題に対処してまいりたいというつもりでおるわけでございます。

亀山孝一自由民主党

○亀山小委員 いま大体消防庁長官のお考えはわかりましたが、広域消防のときにいま考えなければならぬのは、いまちょっとお触れになった問題ですが、救急業務ですね。現在の消防機関でやっておられる救急業務、これは国民は非常に感謝しておることです。ことに交通事故の際の場合、あるいは急病人の場合、こういう場合に、このいわゆる救急業務は心からみんな、感謝をしておることですが、それがやはりどうしても広域消防でないと、むだ骨にもなるだろうが、ほんとうの機能を発揮できないのじゃないか、こういうように考えざるを得ないのです。そこで、今後の救急業務についてのあなたの消防庁としてのそれと広域消防をどう結びつけていかれるおつもりであるか、それをひとつお伺いしたい。

佐久間彊消防庁長官

○佐久間説明員 これはまだ庁内におきましてもいろいろ検討の段階でございますが、救急業務は私はできるだけ早急に全国的に整備をしていきたいと思っております。  そこで、現在は人口十万以上の市が救急業務を行なわなければならない政令で指定されておる市になっておりますが、明年度は人口五万以上の市にこれを拡張をしていきたい。さらに漸を追うて、消防本部署を持っているような市には、やはりこの救急業務もあわせてやらせるようにもっていきたい。しかし、そういたしましても、またその間におきましても、救急業務を全然やってない市町村が生ずるわけでございますし、そうした市町村におきましても、最近におきましては高速道路あるいは一級国道等が発達いたしまして、そこに交通事故が発生をするというようなこともございます。そこで私は、市町村にできるだけやらせるようにいたしますが、しかしどうしても市町村がやることが無理な地域につきましては、補完的に府県が救急業務をやってよろしいというような道を開くことを考えていいのじゃなかろうかというようなことで、現在検討いたしておるところでございます。

亀山孝一自由民主党

○亀山小委員 私は、いま伺った消防庁のお考え、全く大賛成です。思い切ってこの救急業務のほうもひとつ力を入れていただいて、ことにいま最後に指摘された道路網の拡充、なかんずく高速自動車専用道路というような場合には、最近見学したのだけれども、もう少し早く救急車が来ておれば助かったかと思うような事例もあります。そういう面は、いま言われたように、関係の町村——おもに町村でしょうが、それができない場合には県でやるというようなこともひとつ頭に入れてやっていただきたい。  最後に、先ほど大石委員が触れられたのですが、高層建築もさることながら、地下道の火事、地下道の、煙、こういう問題に対する消火方法というものは十分研究されているようだが、上だけでない、下にも同じような危険があるのですからね、そういう研究はしておられますか。

佐久間彊消防庁長官

○佐久間説明員 現在、消防研究所で地下街における排煙、救命の技術について研究をいたしております。

亀山孝一自由民主党

○亀山小委員 それから、いまのにちょっと関達してつけ加えたくなったのですが、これはしばしば委員会でも論議されたことなんですが、例の港における消防の権限が、津壁を離れれば海上保安庁、岸壁にあればその市町村というのは、どうもあまりにいわゆるセクショナリズムに堕しているのじゃないか、何かそれに対してのお考えがありますか。というのは、最近だんだんああいうような火災が出てきておるように思うから、ちょっとそれに対しての御意見を伺いたい。

佐久間彊消防庁長官

○佐久間説明員 港湾における火災の責任をどちらが持ってやるかという問題でございますが、原則的には消防と海上保安庁とがその港の実情に応じて協定を結んで協力をしてやっていく、こういうたてまえでいくべきだと思っておりますが、しかし港の状況を見てみますと、現在船舶の交通が非常にふくそうしておるようなところにおきましては、どこからどこまでが消防の責任で、どこからどこまでが海上保安庁の責任だというような線を引くことが実情に合っておりません。そこで、そういうところにつきましては、実情に応じて消防が最も広範な責任を担当していっていいのじゃなかろうか、こんなふうに思っております。しかし、これはいろいろ検討すべき問題点がございますので、現在特にそういう問題が予想されます石油コンビナート地帯につきましては、そういう問題も含めまして消防審議会につい最近諮問もいたしました。そこで御審議をいただいて、その上で措置をするようにいたしたいと考えております。

大西正男自由民主党

○大西小委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

大西正男自由民主党

○大西小委員長 では速記を始めてください。  久保田委員。

久保田円次自由民主党

○久保田(円)小委員 これは過去においての経験から参考までにひとつ申し上げたい。というのは、私は群馬でございますけれども、かつて水上というところで、これは長官も御存じかもしれませんが、三十何名かの死者を一ぺんに出したわけです。ちょうど私のところに近いので、いろいろその状況も聞いておるわけですが、最近におきまして観光が非常に盛んになってきていおる。これはどこの観光地でも同じですが、旅館においての消防施設というものはある程度用意はしておるわけですね。ところが、ふだんの訓練がしてないために、そのせっかくできた計画にのっとって行動が起きなかったというところに原因があったわけです。たとえば、非常口もある、それから避難所もある、ところが、夜のできごとでありますから、火災になるというとまず第一番に暗くなるわけです。電気が消えてしまう。そうすると、昼間見るとその避難所には赤いしるしがあるわけです。ランプがついている。それが、暗くなっているからわからなくなってしまう。それから訓練がされてないから、結局警備員がその処置がとれないというところに最大の原因があったわけです。こういうふうなことは、これは義務消防あるいは常備消防におきましても、一年に何回か、要するに春秋二回ぐらい点検をしておるわけだけれども、これを何か行政指導でやるような方向に向けることが一点。  いま一つは、各旅館において、その後水上地区においては町長が中心になっていわゆる自衛消防というものをつくったわけです。これは全国で初めてではないかと思いますが、各旅館単位に消防組をつくって、消防団旗を町長が授与しまして相当活発な発会式をやったわけです。そのあとにおいても再び災害を繰り返してはならぬという考え方が、町にはいま非常に横溢しているわけでございますが、こういうふうなものは、全国的な観光地に向かってひとつ何か他山の石でなくてこれを生かしてやる、こういうことを長官は何らかの形で考えていただきたい、この点をちょっとお考えを聞きたい。

佐久間彊消防庁長官

○佐久間説明員 水上温泉の事故につきましては、私どもも非常に深い関心を持っており、今後そういうようなことを繰り返さないようにしてまいらなければならぬと思っておるのでございます。そこで、あの事件がございましてから、全国の旅館、ホテル関係の協会、連盟の方々と懇談もいたしまして、ただいま先生が御指摘になりましたような点について、それぞれ自主的に努力をしてほしいということを強く要望をいたしております。  それから、なお避難警報等につきまして法令上改正を要するような点につきましては、現在検討をいたしておりまして、避難の点については今月中にもある程度の措置を講じようかと思っております。  さらに、行政指導の面につきましては、今回十一月二十六日から秋の火災予防週間が始まりますが、この火災予防週間の重点実行項目の一つとして、旅難、ホテル等についてこの際避難設備の総点検をやらせよう、そして必要な避難訓練をやらせるようにしよう、こういうことで、すでに関係者のほうにお願いの文書も出しております。また消防機関のほうにもそのような指示をいたしております。

大西正男自由民主党

○大西小委員長 これより懇談に入ります。      ————◇—————   〔午後二時五十分懇談会に入る〕   〔午後二時五十八分懇談会を終わる〕      ————◇—————

大西正男自由民主党

○大西小委員長 これにて懇談を終わります。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十九分散会

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