地方行政委員会 第3号
- 発言数
- 81 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1966/10/11
会議録
○岡崎委員長 これより会議を開きます。 この際、伊東自治政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。伊東自治政務次官。
○伊東説明員 伊東隆治でございます。 私、このたび、はからずも自治政務次官を仰せつかりました。何ぶんにもふなれでございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 —————————————
○岡崎委員長 次に、警察に関する件について調査を進めます。 道路交通対策に関する問題について質疑の通告がありますので、これを許します。阪上安太郎君。
○阪上委員 私は、きょうは交通事故防止対策について質問いたしたいと思います。 御案内のように、きょうから交通安全週間に入るわけでありますが、交通戦争はことしに入ってから戦後最高の記録を示しているようであります。この交通戦争は長期戦の様相を呈しておる、こういうふうにいわれております。自動車の台数が、現在は八百万台、十年前に比べて約五倍となっておるわけであります。そして交通事故は、自動車一千台当たり死亡者の数は、米国では〇・五%、それからフランスでは一%、西ドイツでは一・七%、わが国では何と三・三%というおそるべき死亡率を示しているわけであります。この九月の二十五日の結果によりますると、すでに一万人の死者を突破した、こういう状態であります。こういう状態で、年末までにこの統計は約四千人の死者をさらに積み重ねていく、統計はこういうような物語りをいたしているわけでありまして、これはたいへんなことだと私思うわけであります。そして、父を失った子供であるとか、あるいは子供を失った母であるとか、夫を失った妻であるとか、これらの人々から、交通安全対策を完ぺきに進めてもらいたいという非常に痛切な叫びがあがっておる、こういう状態でございます。 車両を含めた交通違反の件数が四十年度上半期で、一月から六月の間でありますが、二百四十五万六千八百件、こういうような膨大な数にのぼっておるわけであります。これに対しまして政府の施策をながめてみますると、非常な決意でもってこの問題に当たっておることは事実でございます。そして交通基本問題調査会、これが交通事故防止の徹底をはかるための緊急対策、こういうようなものをぶち出しているわけでございます。これはこの一月の十三日、この緊急対策に対し七交通対策本部はこれを決定いたしておりますし、同時に、交通関係閣僚協議会もこれを了承しておる、こういうことでかなりな熱意を政府は示しておる。そしてこの緊急対策をながめてみますと、一つは道路及び交通環境の整備拡充、それから交通秩序の確立、被害者救済対策の確立、交通安全活動の推進、交通事故防止に関する総合的な研究、そして最後には交通安全国民会議の開催、こういうようにいたしまして努力はいたしておるのでありますが、はたしてどの程度までこれらが実を結びつつあるか、なお非常に疑問とするところであります。 要するに、最近の交通事故というものは、かつてはそれぞれが何か他人のことのような気をいたしておったのでありますけれども、最近では全く自分たちの身近に迫ってきておるというような状態になってきているわけでございます。そこでどうしても、恒久対策はもちろん必要でありますけれども、この際便々として日月をかけているひまはない。この際やはり緊急対策に端的に取り組んでいかなければならぬ、こういうようなことを痛切に感ずるわけでございます。 そこで、きょうは最初に、この緊急対策、これにつきまして先ほどあげましたような項目がすでに出ており、閣議も了承している、そして実際的に進めておるというのでありますが、一体どの程度にこれが進められておるかということにつきまして、総理府あるいは警察庁のほうからひとつ説明をいただきたい、こういうように思います。それから、あと個々の問題につきまして、あまり基本的な大質問をやっておりましてもどうかと思いますので、具体的な問題をつかまえて、こういう問題点があるのだ、これを一体どうするのだ、こういうことで質問を続けていきたいと思いますが、最初にひとつ、先ほど言いました点をお答え願いたい。
○内海説明員 お答えを申し上げます。 交通事故の現状につきましては、ただいま阪上委員からお話のありましたとおりでございます。すでに本年の九月二十五日には死者が一万人をこすというふうな状態でございます。私どもとしましても何とか積極的な事故防止対策をとり、被害の極減につとめたい、かように考えておる次第です。 ただいま御質問のございました政府におきます主として交通事故防止対策としての緊急措置の進捗状況でございますが、これはむしろ総理府のほうから総合的に答えられるべきものと存じますが、私も関係いたしておりますものとしましてお答えを申し上げたいと存じます。 まず道路環境の整備の問題でございますが、この最も中心はやはり安全施設をどのように設けていくかという問題でございます。御存じのように、当委員会におきましても審議をいただきました交通安全施設の緊急整備に関する措置法がさきの国会で成立いたしました。今年度におきまして私どものほうで約八億、さらに建設省のほうにおきまして百億、大体百八億円余のものを今年度の予算としまして、主として交通安全施設あるいは交通安全のための道路の改善ということに使われることになっております。私ども警察庁としましては、すでにできるだけ早い時期に信号機の整備あるいは道路標示の整備というふうなことに努力をいたしておるわけでありますが、まだそれが十分に効果を発揮するというふうな段階までは至っておりません。 被害者の対策につきましては政府もあげていろいろその策を進めておりますが、とりわけ何と申しましても交通事故にかかった場合における被害者の生命の救済あるいは負傷をできるだけ最小限度にとどめる必要がある。こういうふうな観点から、私どもは強く救急医療の施設あるいは器材の整備、充実を要望してきておるわけでございますが、この点につきましても厚生省その他を中心としまして仕事を進めておるところでございます。 また被害者の交通事故の相談等につきましては、内閣におきましても積極的に来年度の予算で各都道府県に何とかしっかりとした相談所を設置したいというふうな意向を示しておりますが、現在の段階におきましては、主として私ども警察関係で、あるいは警察署、あるいは交通安全協会に弁護士を委嘱した交通相談所を設けましてその相談に当たっており、これも在来以上に有効に利用され、それぞれ実情に応じた相談に応じておりますが、これとてもなお被害者の実情に照らし合わせますと十分でなく、今後さらに強化拡充していく必要があろうかと考えておるわけでございます。 安全対策につきましては、先ほども申しましたように、何と申しましても施設の整備ということが最も必要であろうと思いますし、他方における安全教育というもの、あるいは安全思想の身にしみ込むような徹底ということがこの際きわめて必要であろうと存じます。 施設の面につきましては、先ほど申したとおりでございますが、現在私どもは交通安全という問題を、先ほどの阪上委員のお話のように、何か彼岸にある問題として見ていたわけでございますが、いまは交通事故は自分のからだのそばまできているわけでございますから、私どもは、きょうから始まる交通安全運動などにおきましても、その住んでおる地域において事故を起こさせない、その地域に住んでおる人は外へ行って事故を起こさない、こういうところまでしみ込むような安全運動といいますか、安全教育、そういうふうなことに徹していきたい、こういうことで運動を展開しておるわけでございます。 総合的な事故防止対策というものは、やはり道路あるいは自動車さらに運転者あるいは歩行者というふうなものが相寄って事故防止ということに徹しない限り、なかなかその効果を発掘できませんので、私どもは事故防止対策本部を中心としながら、行政面におきましては各省庁それぞれの所管することにつきまして緊密な連絡をとりながら、累次の会合を催しまして施策を進めておるところであります。数日前も緊急に対策本部の幹事会を開催いたしまして、今後さらにいかに事故防止を進めるかということについての対策を協議し、その実施に移すことを考えておるところでございます。来年度の予算におきましては、できるだけ事故防止というふうなものを中心にした予算を編成して国会にも提案いたしたい、かように考えておるところでございます。 以上、はなはだざっぱくでございますが、取りまとめましてお答えといたします。
○阪上委員 ただいま伺ったところによりますと、大体道路交通安全のための整備拡充という問題については、かなり取り組んでいると思う。しかしながら予算関係から見ますと、建設関係で百 一億、いま警察では八億、こういうことでありますが、建設関係で伺うと、やはりそういった交通安全施設は一千ヵ所くらいさらに増設する必要がある、こういうことをいっております。ところが、たとえば児童公園の増設を考えてみても、わずかに本年五十ヵ所しか増設しない、こういうことでありまして、予算はかなり組んでいるようでありますが、とてものことに焼け石に水のような予算になっている、こういうことのようであります。それから救急画の整備、これも五ヵ年計画で本年は五〇%増、こういうことになっております。現在全国では約五百の救急車、都市の数にしたら一台未満であるという状態であって、五〇%増にしてみたって大したことじゃない、こういうようなことが出てくるわけであります。それから救急センターの施設あるいはことに救急病院、これが非常に不足しておりますが、こういったものにつきましても進められているようでありますが、具体的にまだはっきりしたものは出てきていない。それから交通安全教育の問題ですが、警察は、警察の研究所か何かで児童の交通公園をつくって非常に本格的な取り組みをやっておる。これは昭和三十七年のときの交通小委員会でやかましくいわれた問題であります。しかしそれはただ単に一ヵ所設置されているにすぎないというようなことで、十分でない。交通安全国民会議は第三回の開催をすでにやった、こういうことで、国民の非常な協力を求めているという段階でありますが、交通事故防止に関する総合的な研究、これはどういうふうに持っていくかということについて、まだ必ずしも具体策を得ていない、こういう状態であります。いずれにいたしましても、こういった根本的な問題につきましての取り組みというのはわかるのであります。しかしいま必要なことは、先ほども言いましたように、緊急に一体どうするかということであります。そしてこの緊急の対策として、交通のルールを守るというこの問題が一つ出てくるわけであります。ところが現在の道交法の内容を見ますると、必ずしもこれらの点について完全に取り締まりその他ができているというかっこうにはなっていない、非常な欠陥を持っているのじゃないか、こういうふうに思うわけであります。 そこで、ただいまから、私が気がつきました事故原因、これについて一体どう対策を進めていくべきかというような問題点、こういったものを逐一拾い上げてみたいと思いますが、まず最初にスピード事故防止、これについてひとつ伺っておきたいと思います。 最近各所でキャンペーンが行なわれておりますが、それらのものをながめてみますると、交通事故のうちでスーピード事故、これを防止する対策が欠けているんじゃないかという国民の声であります。そこでいろいろと身近に被害を受けた人々が、ああでもない、こうでもないといろいろな対策を具申してきておる、こういうことだと思うのでありますが、その中に、速度監視装置をつけるべきである、こういうような意見が出ております。この速度監視装置はいろいろあろうと思いますが、この前の小委員会のときにも問題になった例のタコグラフの問題であります。これについては、これを取りつけて実施しているところが少ない。なるほど品川のあるタクシー会社では、社長が先頭に立って、自分のところのタクシーには全部タコグラフをつけている、こういうような奇特な人もありますけれども、ほとんどこれを実施しているところは少ないのじゃないか、こういうふうに思います。ところがタコグラフでは、御案内のように外部からこれを監視することはできない、あるいは事故が起こってから初めて調べてみるというような役割りしか果たさない。ただしその間において、運転者として、そういったものがついておりますれば、やはり運転に注意をするということだけは言えると思うのでありますが、十分じゃない。最近のこの凶悪なスピード違反、こういうようなものについては、違った意味の新しい装置がやはり必要じゃなかろうか、こういうことでありまして、そのためには何かタコグラフと同じような原理であるけれども、外部に見えるように持っていく。したがってスピードが五十キロの場合には電灯が点滅する、一つぱっとつく、それから六十キロないし七十キロをこえたときには二つぱっぱっと点滅する、それ以上になればつけっぱなしで、だれが見てもこれはスピード違反だということがすぐわかる、そういうような装置をつける必要があるのじゃないか。御承知のように百キロメートルで走っている車は、運転者が気がついて足がブレーキに行くまでに〇・五秒ないし〇・八秒くらいかかる。それから急停車をする。そうしますと、車が五十二、三メートル、それだけばっとすべってしまう、こういうような状態になっておる。これは非常に危険だということがわかるわけでありますが、何かそういった装置を法で規制してつけさすというようなことが一つの問題点じゃなかろうかと思うのです。これに対して政府筋の見通しなり御意見をひとつ伺っておきたい。
○内海説明員 スピードが事故の原因になっております実情は、私どもが事故の起こったときに原因を追及します場合に、いずれの場合においても非常に明らかになるわけであります。いまお話しのような、特にハイスピードを出して、しかも荷物を非常に多く積んでおる大型の車のような場合には、たとえば目の前にある程度の距離を置いて歩行者が横断しておる状態を発見しましても、もうどうにも間に合わないというふうなことで事故になっておる例が決して少なくないわけであります。このようなスピードを出させない方法はどうするのがいいのかということを私どももずいぶんいろいろ考えてまいっておりますが、結局在来は一方において運転する人の自覚に待つとともに、他方において取り締まりという手段によってこれを確保しようとつとめてまいりましたが、依然としてスピードオーバーの事故というものは絶えません。そこで問題になりますのは、機械装置によってこの問題を解決する方法があるかないかということで、これにつきましてもいろいろアイデアが出ております。たとえば一定のスピードになりますと自然にもう機械がそれ以上には出ないように働いていくというふうな装置、あるいはいま言われましたように、現に出しておる速度を外に出すというようなもの等、いろいろございますが、現在非常に論議されておりますのはいわゆるタコグラフ、速度記録計というものと、それからそれを外側に表示する装置をつけさせてはどうかということで、私ども関係の省庁におきましても、もはや事ここにまいりますと消極的な考え方では事の解決ができない、むしろそういうふうなことで有効な装置が考えられるのであればそれを装着するということで積極的に考えていこうじゃないかということで論議を進めております。ただこの場合、タコグラフにつきましては労務管理その他の面で非常に有効な実績があるということは、ある程度われわれも聞いておりますが、現に出しておる速度を外部に表示する、そういう装置はいかなるものがいいのか、いろいろアイデアは私どものところにもきておりますけれども、どれが最も合理的であり、しかも法律上考えても無理のないものであるかというその選定につきましては、なお相当考慮の余地があるようにも考えられますので、目下のところは技術的にそういうふうなものが現にあるかどうか、またつくるとすればどういうものがいいかというふうなことを検討しておるところでございます。でき得べくんば、できるだけ早い機会にそのようなものを装置するような方向で、目下検討いたしております。
○阪上委員 いろいろと質問をさらに関連して進めたいのですが、きょうは問題点だけをひとつ問いただしていきたいと思います。 次に免許証交付でありますが、これは前の道交法のときにもかなり問題になったのであります。もっときびしくすべきじゃないかという声がちまたにわき起こっております。現在免許人口というものは全国で二千五百万人、これがいろいろな免許をとりますので、免許件数としては三千七百万、こういう膨大な実は免許が出ているわけなんです。東京だけでも百二十万人で、しかも毎日千五百件警視庁で発行しておる、こういうことになっているわけであります。しかもこの一年間に違反で検挙されて免許を取り上げられておるのが約五百万、人を殺して血がにじみついたような免許がその中で約五十万ある。たいへんなことだと私は思うのであります。この場合、思い切って道交法等を改正して、免許証の不交付、これはいろいろ問題がありましょうが、人命尊重のたてまえからいえば一挙に踏み切らなければならぬ段階にきているのじゃないか、こういうふうに考えるわけであります。そして免許の欠格でありますけれども、これは道交法八十八条一項の一号であります。そこにずらっと書いてありますが、大体年齢によって大型車、小型車あるいは特殊車両というようなもので十八歳未満であるとか十六歳未満であるとかという制限がある。あるいは身体障害者あるいは精神病者、こういった者には非常にきびしくなっております。最近の事故を見ますると、とんでもない無謀者、乱暴者、これが大きな事故を起こしておる、こういうことなんであります。これに対して免許証が、先ほど言いましたような欠格者には出されていないが、こういった者についてはどんどん免許証を渡しておる。こういうことになっておりますが、これが大きな交通事故の原因になっているのじゃないか。これはそういった乱暴者、無謀者というものについてはなかなか判断を下しにくいという欠点がありますが、その盲点をついてきている、こういうことが言えると思うのであります。盲点をつかれっぱなしで黙っているという手はないので、免許証交付についてもっと厳格な規制が必要ではないか、こういうふうに思うのですが、この点についての考え方をひとつ承っておきたいと思います。
○内海説明員 免許証の交付に関しましても御意見のとおりでございまして、すでに前の道路交通法が全面的に改正されました際もいろいろ当委員会でも論議をいただきました。私どももできるだけ免許証の発行につきましては適格な人に交付できるようにという努力をいたしておりますが、何しろ御存じのように免許証を求める人は年々増加いたしておりますし、反面免許証を交付するに際しては自動車を運転する能力と一定の法規を理解しておる、そういう実情と、さらに身体的な欠陥がなければこれに交付せざるを得ないという前提に立っておりますために、おっしゃるように結果的にはあるいは渡さないほうがいいと思われる者にも免許証が渡っておることもあろうかと思います。ただ御存じのように、たとえば性格が粗暴な人、あるいは酒を飲んでいろいろあばれたりどうこうする人というような者にはでき得るならば免許証を渡したくないわけでございますけれども、そういうことを判定することは現在の試験制度のもとにおいては非常に困難であります。そういうものを判定できるようにしようとするならば、これは相当いろいろな面から考えなければ容易に実現できない。しかし私どもとしてはそういうことも今後考えなければならないとは思っておりますけれども、非常に困難が伴っておる。反面いま申し上げましたような人たちに免許を出さない場合には、無免許運転が非常に多くなるわけであります。現在私どもが違反を検挙しあるいは交通事故を見ました場合も、無免許運転による事故あるいは無免許運転をやっておる違反というものが非常に大きな部分を占めております。もし今後免許証の発行ということが一方において厳格になってくると、実情から判断しますと、他方において無免許運転というものが非常に増加するおそれもあるというふうなことがおそらく世界各国におきましても悩みの種で、むしろ一定限界において免許証を与えて免許を持つ者としてとらえておいて、いろいろ対策を立てていくということも必要であるというふうに考えられておるわけでありますが、日本の場合、現状から考えまして、お説のようにさらに今後対策を考えていきたいと思っております。 なお、先ほど御指摘の身体あるいは精神上の欠格事項につきましては、今後もさらに諸般の手当てをいたしまして、こういう者には絶対に免許証を交付することのないような措置をとっていきたいということで、目下法令上の措置も検討いたしておるところでございます。御意見につきましては全く同感でございます。
○阪上委員 道交法では御案内のように政令で基準を定め、そしてやはりこういった者に運転させては危険であると公安委員会が認めた場合は免許を与えない、受け付けない、こういうことになっておるのですが、免許事務のいろいろな繁雑さから、案外この点の十二分な規制がおろそかになっているのじゃないかという点が私は一つあると思います。いずれにしても、一方で免許交付を厳格にすると無免許運転が出てくるというようなこともあるいは考えられるかもしれない。そうなれば次にやはり問題点となるのは、免許の取り消しを今度はきびしくすべきではないか、こういうことだと思うのであります。幾ら人を殺しても免許証は一年たてば再交付ができる。しかもその免許証には前科が入っていない。これは憲法上の問題もいろいろあるかと思います。そういう関係からなかなか免許の取り消し、これがそう簡単にいかないということになっているのではないかと思いますけれども、これらの点はひとつ思い切ってやるべきじゃないか。この免許停止にしても、最高は六ヵ月でありましょう。こんなものはきびしくやらないと事故防止の対策の基本的な問題にはならないのではないかというふうに考えるわけであります。おとといでありますか、上高井戸で、小型ダンプを運転しておった工藤勇治郎、これは前科が三犯ぐらいある運転手であります。これがどこか道路にぶつかって行けないということがわかったので急速度でバックしてきた、その下に小さな二歳の子供がおって、これがひき殺されてしまった、こういうような事故が現実に起こっておるわけです。この事故に対してやはり同じように、運転免許の取り消しについて当局はもっと厳格に踏み切ったらどうか、こういう強い声が実は出ているわけであります。ところが、私もいろいろ調べてみたのでありますが、行政処分でもってぱっとやれる範囲というものはきわめて狭い範囲であります。事故が大きくなればなるほど、これは裁判にかけてやっていかなければならぬ一そうすると裁判にかけている間は措置ができない、こういうことになっている。しかも裁判が二ヵ月も三ヵ月もかかっている、あるいは四ヵ月も五ヵ月もかかるかもしれない。その間彼らは運転をやっていくことができる。裁判の結果が出ても、それじゃ直ちに行政処分ができるかというとそうでもない。聴聞会にかけてみたりいろいろなことをやって、これまた二、三ヵ月かかる。 〔委員長退席、渡海委員長代理着席〕 やはりこういった法の盲点というものがあるわけなんで、これらの点でやはりいろいろなことはあるけれども、この緊急の場合を切り抜けていくためには思い切って免許の取り消しをきびしくする必要がある。諸外国では、これは米国あたりだと思いますけれども、あのゼブラのところ、横断歩道あたりで事故を起こして人を殺したら永久に免許を取り上げているじゃないですか。やはりそういうことがいま国民世論の中できびしく要求されてきておる。われわれもやはりこういった点について十二分に考慮する必要があるのではないか。これではあまりにもやわらか過ぎるのではないか、こういうふうに考えられるのですが、この点についてお考えになったこと、あるいは今後どうするかというようなことについて御意見があれば承っておきたい。
○内海説明員 免許の取り消し、停止に関しましては、これは私どもも在来から非常に頭を悩ましておる問題であります。一方におきまして、違反あるいは事故があったような場合におきましては、的確に免許を停止あるいは取り消すという措置をとりたいと思いますが、反面またその免許の上に生活をし、生計をささえておるという事情もありまして、その間の調和を保ちながら、やはり免許の行政処分というものの基準を設定せなければならない、こういうようなことで在来まいっておるわけでありますが、しかしながら、それはどこまでも基本的な原則でございまして、いま言われましたように、特に死亡あるいは重傷というふうな大きな事故を起こした者につきましては、一刻も早く免許を停止し、あるいは取り消す、場合によれば、人によっては、そういう人には今後もはや運転するということ自体をあきらめさせるということも、むしろその人のために必要な場合もあると考えられますので、現在私どももその点からする検討を始めておるわけであります。 その一つの具体的な方策としまして、これもいままですでに御説明は申し上げたことがございますが、運転者管理センター、電子計算機を導入いたしました中央機構を私どものところに設けまして、全国いずれの場所においても、違反をし、または事故を起こした場合においては、必ず直ちに私どものところに送ってきて、一人ずつの運転者についてその経歴が明確になるように措置をすべく、目下その設備を急いでおるわけであります。これが完成いたしますと、免許を持っておる一人ずつについて、その人のいわば違反歴あるいは事故歴というものがはっきりとしてまいりますので、免許の停止あるいは取り消しということもきわめて合理化してくると思います。 それから次の問題で、事故を起こした場合に、いまは少なくとも手続のために最低三週間くらいはどうしても必要でございますが、こういうものについては法律上の手続をしまして、場合によれば事故を起こしたときに一時かりに運転を停止させておいて、その間に諸般の手続を進めていくというふうなことをして、とりあえず危険な運転者を道路の上から排除していくということも考えなければならないと思っております。 ただ、冒頭申しましたように、運転免許に関します場合、その免許の上に生活がささえられてあるという実情もございますので、私どもとしては、最も実情に適し、事故防止に最も効果のある、合理的な行所処分というものの方策を打ち出していきたいと考えておるところでございます。
○阪上委員 そのほかに、呼び出しをしても出てこない、これは法的にどうにもならぬということをいわれておるのですが、次から次へとサボタージュをやる。その間に運転を続けるというような問題もあります。いま少しくこの免許取り消しについては徹底した取り締まりがやはり必要だ。そのためには法規の改正が必要じゃないかと思います。 それから次に、いわゆる交通三悪であります。俗にいわれておる交通三悪、酔っぱらい運転、無免許運転、引き逃げ、これはもうどう考えてみても私は故意だという感じがするわけなんであります。なるほど、道路が完備しなければいけない、交通安全施設が完備されなければ、こういったものに対して厳罰を加えられないのだという意見が一部にありますけれども、私はそうではないと思います。こんなものは明らかに故意だと思います。こういった故意の殺人が殺人罪として適用されていないということについて、非常に私は荷異に感ずるわけなんです。たとえば酒気帯び運転は、その罰則が道交法によりますと、「一年以下の懲役又は五万円以下の罰金」ということになっておる。引き逃げは「三年以下の懲役又は十万円以下の罰金」それから、これは無免許運転も含めて六十四条で罰則がきまっておるのですが、この罰則が「六月以下の懲役又は五万円以下の罰金」こういうことになっておる。故意でもってこういうことをやっておって、しかもこの刑たるやきわめてゆるやかである。私は何も罰則でもってすべて交通違反を取り締まれという言い方はしないのですけれども、しかしこれはあまりにもひどいじゃないか、こういうふうに考えるわけでありまして、殺人罪を適用することができるかどうか、適用すべきであるかどうか。単なる過失致死というような扱い方ではいけないのじゃないか、こういうように思うわけでありまして、この点はひとつ上村さんも見えておりますし、それから自治省の政務次官も見えておりますから、あなた方の御意見も伺っておきたいと思います。警察からも重ねてこの点について意見を聞いてみたいと思います。 それから同時に、無免許事故が御承知のように全体の事故のうち六%でありましょう。かなりの数に上っておると思うのでありますが、こういった者に対する防止策として、無免許で運転しておるということが一目瞭然とわかるような何かのくふうが必要じゃないかというように実はいわれておるわけなんであります。もう事故にあった人はいろいろな案を出してきておるようでありまして、何かにじの免許証、七色の免許証、事故を起こした者についていろいろ色を変えていく、そしてそれをどこかのガラス窓に張りつけておいて、この人間はこの程度の事故をやった男であるということがわかるようにしておく、これは私は少し行き過ぎだと思いますが、そこまでやはりこういった無免許で事故を受けた人々は思い詰めておるということだと思うのであります。せめて免許証を、一色でもいいから、無免許じゃないということを、簡単な、たとえばプラスチックか何かで窓に差し込んでおいて外から見えるようにする、こんなことはふていさいな話でありましょうけれども、人間の命を守るためには、いまとなってはしかたがないのじゃないか、こういうふうに思うのでありますが、こういった点についての考え方、それから先ほどの殺人罪適用はどうかという問題でありますが、ひとつ御答弁を願いたいと思います。
○内海説明員 交通法上の最も悪い違反としまして、いま言われました酔っぱらい、無免許、そして引き逃げ、こういうものがあげられるわけでございます。これらがいずれも、酔っぱらい、無免許の場合は大きな事故の原因になっておりますし、引き逃げに至りましては、よその国におきましてはいずれもこれは刑法上の犯罪になっておるわけでございます。これらのものの罰則の強化につきましては、さきに道交法を全面的に改正いたしました場合にも論議をいただいて、それ以前に比べますと相当引き上げたわけでございますが、現状から考えますと、これらにつきましてはさらに強化の余地といいますよりも、強化しなければならないものではなかろうかと私も考えております。 それから殺人罪適用の問題でございますけれども、過去におきましても殺人罪を適用した例が全くないわけではございませんが、ただ御存じのように、刑法理論上殺人の意思という問題が非常にむずかしく論ぜられ、道路交通の場合にはいわゆる未必の故意ということで、あるいはそういうことが起こるかもしれないということを知りながらやった、あるいは酒を飲んだというふうなことで、未必の故意ということから殺人罪を適用された例があるわけでございます。私どもの期待といたしましては、実はこの前の国会で刑法の一部改正として、業務上過失致死傷罪の罰を引き上げることが法務省から提案されておったわけでありますが、審議が未了になりましたが、こういう面からも、いわゆる業務上過失致死あるいは業務上過失傷害罪というものを刑法上、場合によればこれを交通事故というものに限定してその処罰を引き上げていくというふうなことも考えてしかるべきではなかろうか。また場合によりましては道路交通法の中において、特にひき逃げなどという犯罪につきましては、刑法上の処罰に準ずるような形で業務上過失致死傷罪との関係をつけまして、法律上の措置をしていくということも必要ではなかろうかというふうなことも考えております。いずれにしましても、私どもとしましてはこうした最悪の犯罪につきましては、やはりこの罰を強化し、しかもその付された罰にふさわしい裁判結果が出るようにということを考えております。
○上村説明員 総理府が交通対策本部を主管をいたしておりまする関係上、阪上先生の御質問につきましてお答えを申し上げたいと思います。 免許証をフロントグラスのところへ、何らかの適当な場所に掲示させるということの案につきましては、実はこの前、陸上交通安全調査室というのが総理府にございまするが、交通対策の幹事会を開いた席でも総務長官からその点を強く一つの試案としまして打ち出しております。と申しますのは、現実に起きておる交通事故につきましては、無免許運転がたぶん六%あるかと思います。いまの交通事故の中で無免許運転というものが占めておる位置は非常に高くなっておりまして、これが何らかの対策を講ずる必要があるというわけで、阪上先住がおっしゃったことにつきましては非常にごもっともなことでございます。いま検討中でございます。 なお先生も御案内のように、実は本年九月二十五日に交通事故による死者というものが一万人を突破いたしましたし、なお九月末現在では死者が一万二百二十四人というわけで、昨年よりも現時点におきまして一五・三%増加をいたしております。なお負傷者も三十六万二千七百七十四人で、昨年同期に比して一七・六%増加いたしております。これは阪上先生が先ほどいろいろと御意見を申されておられたとおり、もう一つの新しい部面、新しい局面に交通対策というものが立ち至っておるということを統計上如実に示しておりますので、道交法の関係につきましてもいろいろ検討をいたすべき時期にいたっておるということを痛感して、関係当局ともこれが対策を協議いたしておるというのが実情でございます。 なお、酔っぱらいとか無免許あるいはひき逃げというような交通三悪の点につきまして、故意犯として処分できる点がありはしないかという御意見、これは全くごもっともでございまして、従来の刑法理論と申しますと犯罪行為の事実に関連しての認識、こういうような点で、故意というような意味で非常に範囲が狭くなっておりますが、最近の判例並びに交通事故の現実の実態に即しまして、もっと未必の故意という理論構成に先生のおっしゃる点で近づくべきではなかろうか、もう少し踏み切っていいのではないかというふうに感じておるわけでございます。
○阪上委員 どうかいまの未必の故意という考え方を取り入れて、ぜひひとつ検討してもらいたい、このように思います。 それから、次に強制保険でありますが、これについては最近何か自動車につきまして額をふやされたようでありまして、これは非常にけっこうなことだと思います。在来百五十万であったものが今度は三百万であったか何かにふやされたように私聞いております。ところが、十月の一日からモーターバイクでありますが、これにつきましてもこれを適用するようになったということであります。現在百二十五CC以下のバイクというものは大体七百万台、こういうふうに言われております。これが百五十万円の保険に加入しなければならぬ、こういうことになっておりますが、何かこれは総理府でありましたかどこかの統計推定見込みでは、これをやっても一〇%ないし二〇%くらいは加入さすことができるであろう、あとのものはやはり把握できないのではないか、こういうふうに言われておるのですが、この点についてどうこれを処理していくかということだと思うのであります。最近モーターバイクによるところの事故が非常に多いと私は思うのでありまして、この点をひとつ伺っておきたい。 それから同時に、賠償について被害者が手続がよくわからない、その結果泣き寝入りになってしまうというような場合が非常に多いようであります。あるいは示談でもってきわめて不当に処理されておるというようなケースが非常に多いということであります。この点についても総理府では配慮され検討されておるようであります。措置をいたしておるようであります。しかし、あの相談所というような程度のものではなまぬるいのではないか。法務関係でもって例の保護司というものがありますけれども、この場合交通保護司というようなもう少し権力のあるそういう制度を確立する必要があるのではなかろうか、こういうふうに考えるわけでありますが、上村さんの御意見をひとつ伺っておきたい。
○上村説明員 阪上先生からいまのお話でありますが、強制保険の点につきましては百五十万を三百万というのは、まだそういうふうになったわけではございませんが、そういうふうに至急検討してはどうかということになっておるわけでございます。と申しますのは、大体現在の日本におきますところの保険金額は非常に低くなっておりまして、これが被害者の立場に立ちましても加害者の立場に立ちましても、現実の問題としてもっと金額をふやしておく必要がありはせぬか。大体いわゆる先進国と言われておるところの保険金額は日本円に換算して約一千万円かと思うのでございます。まあそのままのところまで持っていくというのは日本の実情には合わぬから、せめて三分の一というようなところから見て三百万くらいはどうだろうかというような案を出しておって、至急にこれが検討を進めようという段階になっておるわけでございます。でございますので、たぶんこれは金額は政令事項かと存ずるわけでございまして、その点がいま検討中というところで御了承を賜わりたいと思います。 なお、交通相談の問題でございますが、これは先生の御案内のように、いわゆる事件屋というようなものが入る余地が現在のところでは非常に多いわけでございまして、どこへ金が消えていったかわからぬというような意味におきまして苦情も相当出ておるようですから、何らか国家機関において適切な相談機構というものを確立する必要があるというわけで、これもまた検討中でございますが、いま先生もおっしゃったように保護司の点につきまして、交通保護司というような構想のもとに相当広範囲な、民間の有識者の全面的協力というような体制のもとに相談機関を設置するほうがいいのではなかろうかという有力な意見も出ておるわけでございますが、現在の段階としましてはまだ結論が出ておるというわけではございません。
○阪上委員 次に、大都市近郊地区の事故防止対策でありますが、御案内のように、この間の国勢調査の結果を見ましても、東海道メガロポリスに人口がどんどん集中している。ことに大都市周辺については、人口と産業が非常な集中をいたしておる。しかも、市街地の人口がむしろ減少して、ドーナツ型に周辺にふえてきておる。そしてそういった要求に応ずるために、そこにバイパスであるとか、あるいはその他きわめて高度な道路政策がぶっつけられている。道路がよくなればなったで交通事故がなくなるかというと、交通事故のほうは逆であって、今度はそういったところに最近交通事故がむしろ逆に頻発しておる。こういうような妙な現象が出てきておるわけです。これについては、いま少しくこれらの問題を真剣に私は取り上げてもらいたいと思うのです。一般に、道路がよくなれば交通事故は少なくなるのだということがいわれておりますが、現実の出てくる問題は逆の方向をたどっているのじゃないか。妙な現象だと私は思うのであります。やはりスピードその他に事故の原因があるんだと思います。最近、ことにマンモス団地等で、きわめて道路がよくなっておるというようなところでかえって事故が起っておるというような現象も出てきておる。したがって、団地等の住宅市街地に対していま少しく交通制限を強化すべきじゃないか。これについては、公安委員会が適当と認めれば当然やることができるのでありますから、思い切ってそういうところで制限を加えていく。こういうことは簡単にできる仕事なんでありますし、もっと迅速果敢にこの点を取り上げてもらいたい、私はこう思うのです。この点についてはどうでしょうか。簡単にできることじゃないかと思います。
○内海説明員 お説のとおりでございますが、ただ、住宅地域等に対する大型車両等の通行につきましては、閣議におきましても国家公安委員長から発言をいたしまして、関係大臣からも御理解を得たところでございまして、私どもで目下その具体案を検討中でございますが、ただ、この場合におきましても、やはり住宅地に移転していく人あるいはそこから出ていく人、そこに荷物をいろいろ運び込む人、いろいろ必要性がありますので、一律にこれを律するということになりますと、また都会生活の上に与える影響もございますので、私どもは基本的には、住宅地域等に対する道路と見合わない大型車両等の進入することについては規制をいたしたいと考えておりますが、それの実施方策につきましては、実際生活の上においてできるだけ支障が生じないように、しかも交通事故が防止できるようにというふうなことを考えて実施方策を立てたいと、目下その案をすでに具体的に検討をしておるところでございます。
○阪上委員 これは重ねて言いますけれども、公安委員会が安全のために必要と認めた場合には徐行しなければならぬということは、標示すればそれでできることですから、せめてそのぐらいのことはやってもらいたいと思います。なお、その団地をつくるものの側から言っても、もう少しく立体交差的な団地内の交通というようなことを考える必要があると思います。一般市街地では、あちらこちらで目の前に見せつけられている問題であるにもかかわらず、団地をつくる場合にそういった点が考えられていない、こういうことだと思うのでありまして、これもあわせて研究する必要があろうかと思います。 次にもう一つ、脳傷対策でありますが、これは前々から言われている問題なのであります。厚生省は来ていないそうでありますが、総理府でも、いま救急脳傷対策のための救急センターというのをあちらこちらにつくっておる。また自治体においても、力のあるところはつくっているというわけでございます。私は救急センターも必要だけれども、そこまで行く間の問題が一つあるのではないか。最近大都市周辺の、先ほど言いましたような郊外地における事故が非常に多い。そうして交通が非常に混雑いたしておりますので、救急センターをどこか一ヵ所つくったとしても、そこまで持っていくということはたいへんなことじゃないか、ヘリコプターで準備しても必ずしもうまくいかないんじゃないというくらいに思うわけであります。したがって、随所に救急病院というものを増設しなければならぬ。ところが、最近の救急病院の状態を見ますと、ただ名前だけとって病院の格を引き上げているという程度である。実際、三交代等で終夜準備を整えて、いつやってきても受け入れ体制ができているんだということにはなっていないんじゃないかと思う。これに対しては病院としてもかなり負担の多いことでありますので、やはり思い切った補助が必要じゃないか。財政援助も非常に必要じゃないか。これに対してわずかな財政援助で完備しようといったって、できるものじゃない。こういった点について将来どうしていくつもりか、お伺いしたいと思います。
○上村説明員 実はこの脳外科の対策につきましては、二つの考え方を持っておるわけであります。いま先生のおっしゃったように、大都市にこれが医療のセンターをつくっていく。が、急に起きた場合には、その脳外科その他の特殊な器具を貸し与えると申しましょうか、そういうものを持っておる機関をつくっておりまして、必要な場合には直ちにそれを貸与できるような、普通のお医者さんのところでもすぐできるような処置をしようとして、いろいろな対策を練っておるわけであります。すでに着手しておる面もありますが、これは予算措置の問題につきまして、画期的な交通事故対策の局面をむかえてきておるんだから、これが各省ばらばらであったんでは強力な施策はできない。従来、阪上先生もおっしゃったようなことにつきましては、厚生省なりその他の方面で出ておるわけでございますが、しかし交通対策の問題につきましては、御案内のように自治省も関連をし、労働省も関連する。あるいは建設省も関連すれば厚生省も関連する。法務省も関連すれば文部省も関連するというように、きわめて広範なものでございます。これが一元的な一つの機関をつくって、そうしてこれが交通対策という面におきまして強力に予算措置ができるようにして——従来のいろんなよい案、計画が出ておるものが実施がおくれてしまう、これでは役に立たない。いま計画よりも、現実に事故のほうがどんどんふえてきまして、そうして御指摘のようないまの事態になっておるという点を考えますれば、計画を一刻も早く実施に移す必要がある。そのためには結局予算措置も強力に実施する必要があろうというわけで、いまの脳外科の問題につきましても相当詳細なプランがございまして、係のほうからその詳細な点につきまして御説明をさせますが、総理府のほうといたしましては、いま言ったような考え方のもとに強力に実施に移さなければならぬというわけで、検討を進めておるというのが現状でございます。
○日出説明員 救急医療体制の整備につきましては、ただいま厚生省におきまして、四十二年度の予算要求をいたしておるわけでございます。この内容のおもなるものは、救急医療センターの整備といたしまして五億七千四百万円を要求いたしております。それから救急医療の施設でございます。ただいまお話のありました病院等に対する報償の補助でございますが、こういうものにつきまして四億二千二百万円を要求いたしております。それから医師の協力体制の確立とか、あるいはその研修に要する経費といたしまして千九百万円、それから救急医療対策の検討費等につきまして千五百万円、こういう金額でただいま大蔵省に対して概算要求をいたしておるところでございます。
○阪上委員 時間がありませんので簡単にお答え願いたいと思いますが、いま一つの問題としては交通安全施設に対するところの予算といいますか、財政的な裏づけ、それから自動車税は御案内のように、世界でも一台の自動車にかかる税金というものはばく大なものでありまして、たいへんな金を実は税金として吸い上げている。しかし、それが目的税的な形をとって、しかもその目的が道路建設というような方向に重点が注がれておる、こういうことだと思うのです。これが応急的な安全施設、立体橋であるとかあるいはガードレールであるとか、その他いろいろな交通安全施設、そういったものに振り向けられる額というものは非常に少ない、こういうことだと思うのであります。そのほかに罰金——罰金でそういったものをやれということは、競輪競馬でもって学校をつくれということかもしれないと思うのでありますけれども、それにしても地方であがってくる罰金が四十一年度で二百億を突破している。これは前の年も問題になったのでありますが、こういった金をいま言ったような救急病院であるとかあるいは交通安全、その他の安全施設等に目的税的にこれを使っていく方向というものはないものかということで、前々からこれは問題になっている問題であります。要するに税金や罰金をとるわりに、そういった施設に対して振り向けられる金が少ない、こういうことでありまして、建設省関係あたりでも三千万円くらいだろう、こういわれている。いま伺ってみても、病院関係でもわずかな金しか実は出てない。こういった点について、かつてこの委員会において、ひとつこれを地方自治体に還元して、そうして思い切ってこういう交通安全施設に振り向けさしたらどうかということがあって、たいへんむずかしい問題でありますが検討いたします、こういうことになっておるのであります。おそらく大蔵省あたりで反対するのじゃないかと思うのでありますが、この点について自治政務次官さん、あなたはさっきからひまのようですが、この問題はどうすればいいか、ぜひひとつ御答弁願いたいと思うのであります。
○伊東説明員 御説ごもっともでございますが、いまの段階では目的税の形をとっておりませんので、それに差し向けることができませんけれども、大体そういう方向にこれから持っていくことは非常に有利だと思っております。
○阪上委員 これで大体質問を終わりたいと思います。きょうは恒久対策につきましては触れておりませんけれども、もちろん恒久対策が進められることは非常に大切であります。しかし現在のせっぱ詰まった状態におきましてはむしろ緊急対策を速急に進めることが必要だと思うのであります。 〔渡海委員長代理退席、委員長着席〕 先ほど申し上げましたような問題点を解決するだけでも事故防止に大きな役割りを果たすのではないか、かように考えております。そのほかに、子供を輪禍から守る施策につきましても必ずしも十分じゃない。あるいは踏み切り事故が依然として多発しておる。なおまた、原因の大きな根本問題の一つとして、労務対策、これが非常に過労であるというような点も出てきております。これは前の道交法の改正のときにそれぞれ新しく入ってきた問題でありますけれども、しかしながら、条文ができたといたしましても、なおこれが十二分に実施されていない、こういう問題があります。こういったふうにいたしまして、あわせてこの際国会としても、衆議院としても、政府だけにこれをまかせておかないで、やはりこれをバックアップしてやる、あるいは推進していく、こういう強力な体制が必要じゃなかろうか、かように私は思うわけであります。 そこで、質問はこれで終わりますが、最後に委員長にお願いいたしたいのは、かって私どもが三十七年に交通事故防止の問題を取り上げまして、そうして直ちに小委員会をつくりまして、これが、初歩的な問題でありましたけれども、交通安全施設の整備のために大きな役割りを果たしたということを自負いたしております。それによって多少事故がなくなってきたのであります。再び今度は戦後最大の事故記録を出してきているというような持久戦の体制になってきているわけなんであります。ぜひこの際ひとつ委員長において善処されまして、そういった交通事故、交通安全対策に対する小委員会等を設けられまして、強力に衆議院としてもこの問題について世論にこたえていくという体制をつくっていただくことが必要ではなかろうか、かように思いますので、よろしくお願い申し上げたい。 以上をもちまして私の質問を終わります。
○岡崎委員長 門司亮君。
○門司委員 私は、あとで質問個所がありますので、簡単に資料要求だけいたしておきます。そうして次の小委員会に提出していただいたらけっこうだと思います。主としてこれは総理府にお願いしますが、いまいろいろ議論されておりますのは、結局起こった現象についてどう対処するかというようなことがかなり大きな世論になっているようであります。私は、それよりも、いませっかく総理府に対策本部をおこしらえになっておりますので、そこでどういう仕事をやられるかということについて資料をいただきたいと思うのです。 私の一つの考え方として、資料を出していただきたいのは、現在の鉄道の踏み切りの構造が必ずしも交通事故に関係がないということは言えない。むしろこれは多いのであります。日本の踏み切りは大体道路より高くなっております。そしてその回りはでこぼこでどうにもならないで、踏み切り上のエンストがかなりたくさんある。そういうことが原因だと思う。この踏み切りに対する対策をどういうふうにお立てになって、どういうふうに解決されようとするのか。 それからもう一つの問題は道路構造の問題であります。道路構造は、御承知のようにまん中だけが舗装してあって、両側は車も通れない、人も通れないような状態になっている。道路を歩行者も車も全部十分に利用することができるような道路構造にしておけば、ある程度交通事故の防止はできると私は思います。そういう道路構造に対していままでどういうふうな措置をとられているのか、また今後どういう処置をとられようとなさるのか。 それから、その次に問題になるのは、車の運行に対する許可あるいは認可の問題であります。先ほど阪上委員からもお話がありましたが、具体的に、オーバーに言えば、道の幅より広いような大きなバスが平気で走っている。これがかなり大きな運行上の障害になっているという問題、これらの問題について、建設省とそれから通産省の関係がありますが、通産省その他の関係は一体どうなっているか。 それからその次にお聞きいたしたいと思いますることは、これは警察関係でひとつ考えておいていただきたいのだが、いま教習所でやっていることが、たとえば六十キロならば六十キロを一応限度として教習をやっている。しかし、実際通れるところは、八十キロを出せるところもあれば百キロ出せるところもある。こういうことについて一体どう考えておるか。六十キロしか教習を受けておらないのが八十キロ走る、あるいは百キロ走るところに行けば、その間の運転の技術、運転の見通し、あるいはブレーキの踏み方というものについてかなり大きな障害になると思う。そういうことがなされていない。そして取り締まるほうはそれで取り締まる。こういう問題についてどういうふうに一体考えておられるか。 もう一つの問題は、同じような運行上の問題として、たとえば最近の事故を詳細に調べてみれば、大量の死者あるいは負傷者を出した場合の多くはバスの事故が多いようであります。これらの問題をさらに検討してみると、わりあいにその地域のバスの事故でありまするが、実際は外部から入ってきたバス、あるいは運転者の土地カンというものがかなり大きく影響してはいないか。そういう問題について、一応法律上のたてまえとしては、運行する場所については前に下検分しておけということになっておると思いますけれども、これはなかなかそう簡単にいかないと思う。その運転者が車で一応見て回るというようなことは困難だ。また一ぺんくらい歩いても土地カンというものは生まれてこない。道路の構造、道路のカーブと傾斜の関係とかございまして、そう簡単にいかぬと思う。これらの問題に対してどう一体指導されているのかというような問題、こういう幾つかの外部要因から事故の発生の率がかなり多いんじゃないかと思う。 それから、さらにもう少しいえば、道路構造の一つとして、たとえばわりあいにスリップのしやすいアスファルトが使ってある。いわゆる油の量の多いようなものが考えられる。これらを全部コンクリートで、そうしていつでもブレーキがきいてスリップしないような道路構造になっておれば、ある程度事故は防止できるというようなことがかなりたくさんあろうかと私は思う。そういう外部からくる、いわゆる運転者の不注意、運転者の未熟というようないろいろな問題からくる問題でなくして、当然外部的に改良してあったならば、そういう事故は起こらなかったであろう事故はかなりたくさんあると思う。だから、こういう問題に対して一体だれが責任を負うか。そうして事故が起これば運転者の責任であるというような形で処理されておる。あるいは被害者の救助をどうするかということは、これは国民感情としては当然出てくる。その前段にわれわれが考えなければならない、また政府が行なわなければならない政府の仕事がたくさん残っておる。踏切は、道の幅より実際は狭い、そして坂になっておって、踏切の頂上まで行かなければ見通しがきかないというような踏切がたくさんある。国鉄関係はやや減ったようでありますが、ことに私鉄関係にはまだ道路と平面的に交差しているのがたくさんある。こういう問題に対して、一体政府はどう取り組むかということが当面非常に大きな問題だと思う。しかし、この問題は議論いたしましても速急にできる問題ではないと私は思うが、しかし、それは政府の責任において行なうべきであって、これをすべて運転者のあやまちだというふうな見方をすることは誤りだと思う。基本的にそういうものを直してもらいたい。そうしてそれには当然、事故その他の場合には道路の管理者の責任というようなものを私は度外視するわけにはいかぬと思う。ところが、これは道路といっても、通れない端のほうも、全部舗装してあれば完全に通れるかもしれない。しかし、それは困難であるというような現状のときに事故が起こっても、それは運転者の責任であり、被害者は非常に大きな迷惑をする。しかし、救急についての責任はだれかといえば、道路管理者である。道路管理者はだれかといえば、国であり自治体である。私はもう少し政治の姿というものが、この種の問題に対しては政府が真剣に取り組むべきであると思うが、この点についていま申し上げましたようなことについて、きょう時間がございませんから答弁は要求いたしませんが、この次の小委員会までに政府がとられておりまする施策、あるいは今日まで行なわれたことについて総理府側から詳細なデータを出していただきたいという要求をいたしておきます。
○上村説明員 先生のおっしゃる資料でございますが、実施の各省がございまして、総理府でこれが調整をいたしておりますので、私のほうといたしまして、先ほどの資料を取りまとめまして提出をさせていただきたいと思います。御了承賜わりたいと思います。
○岡崎委員長 華山親義君。
○華山委員 道路交通問題につきまして根本的に承りたいと思いますが、この前の公営企業の際に出された資料によりますと、都会における道路の面積はほとんど増加しておらない。車は加速度的に増加している。こういうふうな点におきまして、車と道路の均衡というものはこのままでは破れていくばかりです。しかし、道路の面積を増すことはたいへんな経費が要るし、急速にできない問題だと思うのです。この問題は交通禍の問題と関連があると私は思う。とにかく狭いところに水が流れてくれば当然洪水が起きるように、道路におきましては交通禍が起きてくる。この車と道との調整、こういうことについて国は考えておられるのでしょうか、お聞きいたしたい。
○上村説明員 いまの点でございますが、きわめて重要な問題でございます。それで建設省初めこれが対策につきまして取っ組んでおるわけでございますが、恒久対策と緊急対策というものに分けられるかと思います。それで当面道路関係におきまして、特に交通事故対策上急速に改修すべき点、あるいはそういう個所につきましては予算づけをいたしまして処置を進めていく。それから最近の自動車の増加率と道路の比率ということになりますれば、これは自動車のほうが追い越してきているような状況でございまするが、これが恒久的な点につきましては、もちろんいまのような点におきまして検討しますけれども、ただいまの予算のつけ方といたしましては、緊急的な対策として道路その他については処置をいたしておるというのが実情でございます。
○華山委員 私はそのことを政府が考えておられるのかどうかということなんですけれども、緊急対策として、しからば、道路は増せないならば、単の交通量というものを制限する考え方をしなければだめじゃないかと思うのですが、そういう点についてお考えがございますか。
○上村説明員 その問題につきましては、まだはっきりした検討はいたしていないというふうに思いますが、しかし、そういうお考えにつきましては、きわめて同感であるというふうに申し上げる次第でございます。
○華山委員 それでなければ、この問題は、緊急対策はもちろん必要でございますけれども、私は恒久的な問題としては解決しないと思う。このようにオーバーしているといまおっしゃいましたけれども、そんなものじゃございません。たいへんな自動車の増加量に比例して道路の面積はほとんどふえておらない。それで車はもう道じゅうに一ぱいになっておる。そこに私は交通禍の原因があると思う。道路がふやせないということになれば、車の交通量をある程度制限していくより方法がないと思う。この点について私の考え方を申し上げておきますが、その辺をお考えいただきたい。 もう一つの問題でございますけれども、交通問題につきまして、輸血というものが非常に大切なことは言うまでもない。ところが、現在血液量というものは非常に少ない。この点につきまして根本の問題として、間接のことではございますけれども血液量をどうするかということが私は問題だと思います。ところが、現実におきまして私を非常におこらせることは、若い連中の集まっておるところの、労働組合とは言わないけれども、労働者の集まり、そういう人々が一緒になって献血をしようというふうな動きがある。その場合に、ただだれでもちょこっと職場でできるものではない。ある一定の時間にそれだけの専門の機関なりお医者なりが来て、そうして集団的にやらなければ、どこどこに来てもらいたいと言ったってそう行けるものではない。むしろ簡単にするには、職場に自動車でも持っていってやるということが一番私はいいと思うのです。強要するわけじゃありませんが、そういう希望が出てもらいたいと思う。しかるに現在私を憤慨させることは、これは地方の新聞に出ておることでございますけれども、ことに官庁方面に多いのでございますけれども、そういうふうなことをやろうとすると賃金カットをする。時間外といったってそんなにできるものじゃない。昼休みの時間は、血をとるほうだって休みなのです。執務時間外であれば、やはり血をとるほうだって休みなのです。時間内に献血をしようと思う。同僚が交通事故でたいへんだ、みんなひとつ集まって献血しようじゃないか、——そういたしますと、時間内のことだというので賃金カットをする、そういうふうなことが行なわれている。こういうことは各省にまたがる事項であります。労働省、それから厚生省、各省にまたがることでもございますので、時間内等におきましてそういう面につきましては、賃金カットなどということでせっかくの志、好意を無にしないように、なまの血が集まるようにひとつ御処置を願いたいと思いますが、御所見を伺いたい。
○上村説明員 何が大切かといいましても人命ほど大切なものはございません。そういう意味からいたしまして、いまの御指摘の点は非常に重要な問題であると思いますので、今後の連絡会議で、各省連絡会議をこちらが主管をいたしておりますので、それを話題にいたしまして対策を進めていきたい、こう思います。 ————◇—————
○岡崎委員長 次に、小委員会設置の件についておはかりいたします。 交通安全対策について調査のため、小委員十名からなる交通安全対策に関する小委員会を設置いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次に、小委員及び小委員長の選任につきましておはかりいたします。 小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡崎委員長 御異議なしと認めます。それでは、小委員に 大石 八治君 大西 正男君 亀山 孝一君 登坂重次郎君 森下 元晴君 和爾俊二郎君 秋山 徳雄君 阪上安太郎君 重盛 寿治君 門司 亮君を指名いたします。小委員長には亀山孝一君を指名いたします。 なお、おはかりいたします。 ただいま設置いたしました小委員会の小委員及び小委員長の辞任の許可及び補欠選任等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○岡崎委員長 次に、地方自治及び地方財政に関する件について調査を進めます。 地方公務員の給与改定に関する問題等について質疑の通告がありますので、順次これを許します。秋山徳雄君。
○秋山委員 ただいま委員長の御発言にありましたように、問題はたくさんありますけれども、いまちまたでいろいろなことが相談をされたり、あるいはまた話題を投げかけておると思います。これは当面何を意味するかということになりますと、御存じのように、例年のようにことしも人事院から勧告が出されております。それにつきまして質疑を行ないたいと思います。 いま世間で言われておりまするように、ことしこそはILOの八十七号条約が批准をされた当年の初めの年度といたしましても、公務員の諸君の人たちに、ことしこそは何とか人事院勧告が勧告されたとおりに実施をしていただきたい、こういう強い要望がありますことは、委員長をはじめとして委員各位も御存じのことと思います。そこで、公務員の人たちにつきましては、いろいろな関係からいたしまして各種の労働組合もありますし、同時にまたこれらの人たちが、公務員共闘という形で、共闘会議をつくっていろいろのことを相談をし合いながら、こういう方々から政府のそれぞれの機関に向かってこういう要望が強く出されていることもいなめない事実だろうと思います。特にこの人たちからいろいろの話を聞いてみても、あるいはまた私たちがつぶさに人事院勧告そのものを検討いたしましても、公務員の人たちをはじめとして、地方公務員の諸君も同様にこの勧告そのものに対してもいろいろな不満があるようであります。しかし、私たちがこういう席でお話を進めていく段階の中において、いま人事院勧告が出されたので、それを基調として私たちもともどもに考えながら、これらの問題と取り組んでいかねばならない大きな任務があることは御存じのとおりだと思います。 そこで、まず第一にお尋ねをしてみたいことは、適当な方はだれかわかりませんけれども、この問題はおそらく人事局長さんではないかとも思いますが、あるいはまた自治省の関係の人でもけっこうでございます。これらについていま総じて言えることは、この問題を中心といたしまして、これをいままでのように五月実施ということが強く叫ばれておると思いますが、これについて各労働組合の人たちは、ことしこそは、先ほど申し上げましたような理由のほかにもいろいろ理由がありましょうけれども、ようやく自分たちが、不満がありましょうけれども、それでもやむを得ないので、当面の問題としては人事院勧告がそのまま実施されるように、もしそうでなければ実力行使もかまえてこれを自分たちのものとしていきたい、こういう気運が非常に高まりつつあることは、新聞紙を通じ、あるいはテレビ、ラジオを通じて私たちも十分考えなければならぬことだろうと思います。 そこで、私はまず第一に人事局長さんにお尋ね申し上げたいことは、官公労の組合にどういう組合があるか、同時にまた、全国の自治体労働者の人たちがつくっております組合もあると聞いておりますが、これらについてそのとおりであるかどうか、どうした組合がありますか、そういうこともこういう機会にもう一度確かめておく必要があろうかと思いますので、これらについてお答えをいただければ幸いだと思います。
○増子説明員 ただいまのお尋ねは官公労関係の組合についてでございますが、範囲が非常にばく然といたしておりますので、私からお答えするのが適当かどうかやや疑問でございますけれども、私の承知しておる限りにおいて申し上げたいと思います。 一般に官公労と申しますと、国家公務員と地方公務員というふうに一応大別いたしますが、なお国家公務員の関係では、さらに三公社等も加えて考えることもあるわけでございます。そういうふうにいろいろと範囲がございますが、大ざっぱに申し上げますと、現在大体これらの官公労関係の組合のいわば一つの統一的な組織といいますか、共通の組織として言えますことは、総評系について言いますと、公務員労働組合共闘会議、いわゆる公務員共闘と称しておるものでございます。この中にはいわゆる国家公務員だけの国家公務員共闘会議というのが一部入っております。そのほかに、一般の自治体の職員の組合の連合体でございます自治労というもの、それからさらに教職員の組合の全国団体としましての日教組、それにいわゆる国公共闘に組織されていない、あるいは加盟していない国家公務員もございます。それから中立の組合もあり、また先ほど申し上げました三公社五現業等の総括としてのいわゆる公労協というのがございます。大体全般的に申しますと、そういうような組織でございます。 国家公務員についてさらに詳しく申し上げますと、大体各省単位でそれぞれ職員労働組合がございます。 以上でございます。
○秋山委員 実はきょうは自治大臣も留守ですし、あるいはまた給与担当の大臣、大蔵大臣もお留守でありますのでやむを得ないので、そうした人たちに対しての質疑は来週もう一度お開きをいただいて、その席をかりて質疑をしてまいりたいと思いますので、あらかじめ委員長のほうでも御配慮をいただければ幸いだと思います。 そこで、いまるるあげていただいたわけですけれども、これらの総体的な人員はどれほどになりますか。総体でけっこうですが、概略お示しを願います。
○増子説明員 いまその関係の資料が手元にございませんので、正確なことは調べました上でお答えいたしたいと思いますが、概略二百二、三十万程度だと存じます。
○秋山委員 先ほど申し上げましたように、これらの組合の多くの人たちは、毎年のように人事院勧告がなされているにもかかわらず、それが完全に実施をされないということを言われております。もしそうだとすると、これがいいことか悪いことか、いろいろ考えさせられる面がたくさんあるわけであります。私どもが承知をしていることによりますれば、人事院ができたときの経緯あるいはまたそこから出された勧告、報告、こうしたものの取り扱い、同時にまた、いま御答弁がありましたように、これらに関係のある人たちがかなり多いにもかかわらず、その実数も頭の中に入っていない、こういうことを考えたときに、やはりどこかに政府の人たちは、自分たちを中心とした、国民生活と密着をした各種の仕事をなさっている人たちに対して、あたたかい思いやりの気持ちが少し足りないのじゃないか、こういう気がしてならないわけであります。そうでなければ、こういう簡単なことであるから、私が質問したときにおきましても、総理府ぐらいは、給与担当のところであるとするならば、そこで概略、この組合はどのくらいだろう、そしてまたこういう人事院勧告の扱い方によって迷惑をこうむったりなぞするのはおよそ何人ぐらいだろう、こういうことは常時念頭に置いていかなければ、問題がもつれていくのもしかたない状態ではないかとも思うわけであります。そういうことごとを考えてみると、何か政府の人たちは部下やあるいはそういう態度に出ている人たちの上に対して思いやりが欠けているのじゃないか、こういうことが私はいろいろなことを想定して考えたときに考えられることだろうと思います。いま新聞紙でいろいろ報道されておりますように、国家公務員の人や地方公務員の人は、政府が約束や法律を履行しないならば、自分たちもやはりそれに対応する立場から実力行使もしかたないのだ、こういう心持ちが出てくるのも私は当然ではないかと思う。私は普通の常識を持ち、普通の国民の一人として、まずそう考えてもやむを得ないことだろうと思います。ところが、そこに降ってわいたように、先般の九月二十六日付で各都道府県総務部長あてに、自治省の行政局公務員課長森清さんの名前で、いわゆる俗にいう内簡というものが出されております。これを見てまいりますと、中にはこういうことまで書いてある。「とくにILO八十七号条約の発効およびこれに伴なう改正法律の施行により一段と正常な労使関係を確立すべきときに、あえて違法行為を企図することの責任は、まことに重大であるといわざるを得ません。」こういうことばが書いてあります。こういうことばを読んでまいりますと、どちらが先に約束を守らないか、どちらが先に法律違反をするか、こういうことではないかとも読み取れるわけであります。それならばまず政府の人たちがえりを正して、ここにも書いてあるとおり、こういうことをはっきり守っていかなければならない。それでなおかついろいろな問題が起こったりするならば、これは労働組合に関係する人たちの責任であるかもわからない。そうでなかった場合には、その責めはあげて政府が負わなければならないと考えなければならないと思います。 そこで私は、きょうは人事院の総裁はお見えになりませんけれども、給与局長が見えておりますので、基本的な考え方をまず自分たちがまとめていくためには、先ほど申し上げましたように人事院が生まれるときの心がまえと、また同時に人事院の人たちはそういう背後に重大な問題を控えておりますがために生まれてくるいろいろなことを想定していると思います。したがって、そういうことを含めて、人事院がどうしてできてきたのか、そして、どういう資料に基づいて人事院の調査が進められ、同時にまた、人事院勧告はどういう形でなされ、したがって、人事院としてはどういう責任を持ってこの勧告、報告がなされたか、そういう経緯についてあらましのことを御報告いただければ幸いだと思いますし、もう一つは、ついでのことでありますので、昭和二十三年十二月以来何回か勧告がなされておりますし、同時に政府は、いろいろな財政的な考え方などをいろいろ考えのうちに入れてそれを実施しておるはずでありますが、あまり古いことを聞いてもどうかとも思いますので、せめて過去五年間くらいにわたって、どういう勧告、報告がなされておって、それに対して何年には政府がどういう実施をしたか、こういうことごとについて、あらましでけっこうですから、こういう機会に御報告をいただきたいと思います。
○尾崎説明員 御承知のとおり人事院の勧告は、公務員法二十八条に基づきましてなされておるのでございます。つまり、二十八条の第二項には、「人事院は、毎年、少くとも一回、俸給表が適当であるかどうかについて国会及び内閣に同時に報告しなければならない。給与を決定する諸条件の変化により、俸給表に定める給与を百分の五以上増減する必要が生じたと認められるときは、人事院は、その報告にあわせて、国会及び内閣に適当な勧告をしなければならない。」という条項に基づいておるのでございます。この条項は、昭和二十三年にいわゆるマッカーサー書簡に基づきまして、政令二百一号が制定されました。その際に、団体交渉権の制限とあわせまして、新たに挿入されたことでございます。そういう関係で、人事院といたしましては、その後におきましても、公務員の団体交渉権が制限されておるという関係とうらはらにおきまして、この条項が強化されたという関係を十分尊重をいたしまして、民間の調査を行ないまして、官民給与の関係を、絶えずバランスがとれているかどうかということを調べているのでございます。今年におきましても、四月時点におきまして、民間の給与調査をいたしまして、公務員の給与と比較をいたしましたところが、五・二%の格差がございます。さらに、それ以外にいわゆる春闘のおくれがございまして、それによって四月に遡及をして実施されるという関係がかなりございますので、その関係をばさらに調査をいたしまして、それによって考慮すべきものを一・七%というふうに見込んだのでございます。合計いたしまして、六・九%の格差があるということにいたしまして、その中を俸給表及び諸手当という関係で改正をしてもらいたいという関係の勧告を先般いたしたのでございます。この勧告の基礎になっております時点は、先ほど申し上げましたように、四月調査が基礎になっておりますので、少なくとも五月からは実施していただきたいということになっておるのでございます。そういう趣旨におきまして、人事院といたしましては、この勧告は内容ばかりでなく、実施時期につきましても勧告どおり実施していただきたいということを衷心からお願いいたしたいということでございます。 なお、最近の勧告の取り扱いについてお話がございましたが、最近五年間と申しますと三十六年からでございますが、三十六年には七・三%の格差がございまして、その関係によって俸給表の改正等の勧告をいたしました。その勧告はやはり五月からということを申し上げておったのでございますが、実施は十月からということになっているのでございます。次の年は、俸給表の改正を主とした改正をいたしたのでございますが、格差は九・三%でございましたのですが、それにつきましても同様に十月からということになっております。それから三十八年におきましては、官民格差は七・五%ということになっていたのでございますが、俸給表を中心とした改正に基づきまして、勧告をいたしましたのがやはり十月ということになったのでございます。三十九年におきましては、俸給表で七・九%の改正を行ないました。その中身は、三十九年からは御承知のとおり一月前進をいたしまして、九月からということになったのでございます。昨年もその関係は同様でございまして、俸給表につきましては、約六・四%という関係を中心にしました改定の勧告をいたしたのでございますが、同様に九月から実施されているという経過でございます。本年におきましては、先ほど申し上げましたように、勧告どおり実現していただくようにお願いしたいということでございます。
○秋山委員 いま御答弁の中で、民間給与と官公庁との人たちとあまり差がないようにということはわかるのですが、だからこういう勧告をして、そういうふうにしてもらいたい。してもらいたいということばでありましたけれども、これはそうすべきものであるというようにも受け取れますが、その点いかがでしょうか。もう一たびその点だけでよろしいですから……。
○尾崎説明員 実施時期の問題につきましては、ことしの勧告の中に書いてございますように、事柄の性質上、四月時点におきまして調査をしておりますので、四月、少なくとも五月からは実施せらるべきものと考えるということでございます。
○秋山委員 そこでいま答弁にもありましたように、今度は人事局長さんにお尋ね申し上げたいと思いますが、いま人事院からいろいろ御説明をいただいたわけですけれども、とりもなおさず団体交渉権を非常に制約をされて、それにかわって人事院をつくり、給与の公平を期しておる、こういう趣旨だったと思いますが、そこでもう一つ、これに付帯をして考えたいことは、日本政府がILOの八十七号条約を批准するにあたりまして、その以前にILOの本部からドライヤーさんとかいう方が参りまして、日本のいろいろな実質的な調査をいたしまして、何か報告がなされておると聞いておりますが、私たちが知っているところでは、このドライヤーさんという人も、やはりいま人事院から報告がありましたように、そういう実態の中から生まれた人事院なんだから、これは当然できるだけ早い期間に完全に実施をしてやるべきものじゃないか、こういうことが言われていると聞いております。日本政府に向かってもドライヤー報告というものがなされているはずでありますが、その内容と、これに合致したところの、あるいはこれに合うようなところの字句はどういうことで報告がなされておりますか、こういう機会にお答えをいただきます。
○増子説明員 人事院の勧告の趣旨なりこれが設けられましたいきさつ等につきましては、先ほどお話もありました点でございますが、いずれにしましても、公務員のいわゆる労働権につきまして、その特殊な身分から制約があり、その制約に対応しましてこうした特殊な救済制度といいますか、対応した措置が設けられておるわけでありまして、そういう点からいいまして、この給与改定の勧告が最大限に尊重されてその趣旨が生かされることが望ましいというふうに私ども考えているのであります。 いまお話の中でドライヤー委員会の報告に触れられた点がございますが、御承知のように、このドライヤー委員会が調査をいたしましたのは、日本の官公労と申しますか、いわゆる公共部門における労働関係の問題でございますが、百七十九号のケースとしましていろいろな組合からの提訴事案を取り扱っておるわけであります。それらの事案につきましていろいろ調査検討した結果を盛っておるのがドライヤーの、いわゆる私どもドライヤー報告と称しておるものでございます。その中では、もちろんいわゆる公共部門における労働関係につきましてのいろいろな問題を取り上げておりますけれども、御指摘の人事院の勧告そのものについての具体的な提案といいますか、勧告というようなものはございません。と申しますのは、この百七十九号事件として取りまとめられたものの中には、直接に人事院勧告制度を対象にした提訴というものがなかったからでございます。ただし、一般的に、先ほど来も話がありましたように、公務員の争議権が制限される場合には、それの代償措置としての仕組みがとられるのが通常の場合であるというような記述はもちろんございます。それから日本政府に対して、そういったことについての注意を喚起するということもございました。それからなお、地方公務員関係につきましては、多少具体的な問題がありましたために、いわゆる人事委員会とか公平委員会の問題について一部触れておる点がございます。たとえばその委員会の委員の選任の問題でありますとか、あるいはそこから出されておる勧告等があまり実施されていないというようなことは、地方公務員に関連してのくだりはございます。具体的に人事院勧告の取り扱いについては、いま申しましたように、具体的な文言としては触れておりません。しかしながら、一般的な全体的な考え方としましては、人事院勧告につきましても、地方の人事委員会のそれと同じように考えておるというふうに私どもは考えております。
○秋山委員 私たちもそうだと思います。そこでそういうことを基調に考えてまいりますと、おことばの中にもありましたように、現在の問題としては人事院があり、府県などには人事委員会があります。府県の人事委員会においても、国のほうで実施時期も含めて定まってまいりますと、それを基調として右へならえをしていくことが間々行なわれつつあるようであります。その問題はそのとおりとしまして、いまおことばの中にもありますように、はっきりと人事院とささないまでも、当然国際条約の上から見れば、それにかわるものをつくっていく、そして不公平が起こらないようにしていきたい、こういう趣旨に私は変わりはないと思う。そういうことを基にして考えますと、いままで何年も長い間にわたって政府を担当しておる皆さん方は、それには忠実ではなかったということが言えると思います。特に私はちょうど八月の段階におきましては外国旅行をしておりましたので、こまかく新聞を見ておりませんでしたけれども、それらをいろいろこうして集めてまいりますと、人事院のほうからも先ほどおことばがありましたように、強いといいましょうか、実施時期も含めて完全に実施がされるように、ことしは特に強い希望があるように全部の新聞が報道しているようであります。したがって、先ほど人事院の方から答弁がありましたように、おそらくこの報道も私は誤りがないと思います。そういうことごとを考えてまいりますと、せっかく国際条約も国会で承認をし、批准ができたときでもありますので、こういうときを契機として、いままでの補いをつけろとは言いませんけれども、せめて勧告に対しては完全に実施ができるようにすべきものではないかとも思います。同時に、こういうことごとをいろいろ聞いてみたり、自分がまた検討したりなどしてまいりますと、金のあるなしにかかわらず、実施すべきものは実施する責任があるのじゃないか、こういうことに考え方ができると思います。しかるにもかかわらず、いままでの経緯をいろいろ考えてまいりますと、最後には金がないからと、こういうふうなことでいつもどこかへすっ飛んでしまっていく、こういうことではなかろうかと思います。したがって、私もできれば財政的措置というものも当然せねばならぬことも承知をしております。しかし、民間の人たちにいたしましても、国家公務員や地方公務員にいたしましても、当然生まれてくるものはどういうことかということになりますと、昔から私どもが教えられたことばの一つに、役人は予算をよけい取ることが使命なんだ、それができないような役人はもう役人のくずなんだ、こういうふうに長年にわたって指導されてきたことを忘れておりません。そういうことを端的に考えてまいりますと、いまの政府の人たちはほんとうに無能に近いと言っても過言じゃないような気もするわけであります。しかし、私はここでそういうふうなことばを使って、あなた方に一体何をしているんだ、おまえらはばかと同じじゃないかということばは使いたくはありません。少なくもいまいろいろ聞いた段階におきましても、人事院ができた経緯から見ても、あるいは国際条約の上から見ても、当然やってやらねばならない、そういう気持ちがあるならば——民間の人たちがものをつくる場合に、材料だけではできやしない、やはり労働力という膨大なものがそこに考えられてこなければならない、そういうもろもろのことを計算の上に入れて、計算が成り立ってくるのじゃないかと思います。国家予算もあるいは地方予算も同じように、やはり人がやってくれるんだから、その要素というものは忘れてはならないはずであります。それにもかかわらず、先ほど来いろいろ質疑の中にもありましたように、何かそこらに欠けているものがあるのじゃないか、こういう気がしてならないわけです。もっとあなた方も熱心にこの問題と取り組んで、自分たちが企画した、自分たちが計画をしたことなどを実施してくれる人たちに向かって、もっと忠実につとめていかなければならない義務があろうかと思います。時、たまたまこの問題が非常に大きく浮かんでまいっておる時期でもありますので、そういうことを十分に考慮に入れて、その金は優先的に大蔵省に向かってはじき出してこい、こういう心がまえがなくてはならないかと思います。 そこで、約束の時間がぼつぼつ来ておりますので、この場合、簡単に質疑を続けなければなりませんけれども、大蔵省から秋吉主計官がお見えになっているようでありますので、これからの税収入をはじめとした歳入面について一言、二言お尋ね申し上げたいと思っております。 私がいろいろのところから聞いてみたところによりますと、先月なんかの段階におきましては、大体自然増といわれているものが一千億から一千五百億程度、こういうことがいわれておったようでありますが、内々私がいろいろ聞いてみますと、どうやら今年度は、昨年と違って不景気だ、不景気だといいながらも、ベトナム戦争を中心としたあの戦争のさなかにあって、あの非常に裕福たといわれているアメリカでさえも、膨大な戦費を注ぎ込み、同時に人命を失っており、また、長年にわたって戦争資材を蓄積したと思いますけれども、これもとっくの昔に底をついてしまった、こういう関係からして、日米の間柄を考え、同盟国といわれている日本にかなり多くの特需が来ていると思います。これはなまやさしい金額ではないと聞いております。それからはね返ってくる勢いとして、どうやら最近少し景気が上向いてきた、どうやら景気を持ち直すだろう、こういう希望的な意見が各所で述べられるようになってまいりました。これは、いままでの日本の平和産業だけでは足りなくて、ベトナムヘの協力体制の上に立った特需関係の膨大なものによってどうやら景気が少し上向いた、こう言っても私は過言ではないような気もするわけであります。そういう角度からいろいろ聞いてまいりますと、ことしは大体四千億円から四千五百億円程度あるはずだということであります。どんなに内輪に見ても三千五百億円は下らないだろう、こういうことがいわれているようであります。ところが、自然増収ということばを使ってみると、これも最近生まれてきたことばであって、本来からいけば、大蔵省がほんとうにしっかりしているものならば、年度中におおよその見当がつかなければならないはずであります。日本の国は、御存じのように、統計数字というものを見てまいりますと、ほかの民間などで発表する数字と役所で発表する数字とかなり食い違いはありましょうけれども、統計の基礎はやはり国家統計にあるといっても過言ではありません。その中で各種の業態をとらえ、各種の生活状態を考えなどしていけば、おそらくかなりの見通しが立てられるはずであります。にもかかわらず、自分たちの能力を忘れてしまって、使いいいことばとして使ってきたことばが自然増収ということばだろうと思います。昔ならば、これほど違った数字が出てくれば、責任者は責任をとったはずでありますが、最近の人たちはそれがない。何とか新しいことばを生み出して自分の責任をのがれていこうとする。なるほど自然増収というと非常に聞こえはいいかもしらぬけれども、私はそういう性質だろうと思う。それを基調として年度予算を組んでいるはずであります。そしてまた、人事院勧告に触れてみても同じことが言えるのではないかとも思います。年々歳々、先ほど来話をしてみましたように、人事院勧告というものはほとんど出されない年は最近ではなかったはずであります。したがって、どのくらいになるかというはっきりした数字はつかめないまでも、いままでの各労働組合の人たちの春闘を見たり、あるいはいま申し上げましたような特需の問題にしても想像がつかないはずはないはずであります。そういうことなどを考えてみれば、民間給与はおよそどのくらいになるだろうか、あるいは人事院勧告で発表するよりも多少の違いはあっても、そのくらいの目安はついているはずであります。それをいままで年度予算の中に少しも考慮されてないというところに問題があろうかと私は思います。背の役所だったら、そんなことだったら、さっそくあなた、おられませんよ。いまでこそどうやら大きな顔をしておられるのじゃないかと思っても私は間違いではないという気がします。だから、いまの状態において、どの程度俗にいう自然増収が見込まれるかということも、こういう際に一応事務的に聞いておく必要があろうかと思います。先ほど委員長さんにも要望しましたように、今月の十八日にはもう一度委員会を開いて、関係大臣に全部来ていただいて、これらの問題を討議し、そしてまた私たちも強い要望を申し上げたいとも思っておりますので、これらの問題はさておきますけれども、そういう考えの上に立って現状における税の関係をお示しいただきたいと思います。
○秋吉説明員 お答えいたします。 先生は、三千あるいは数千億の自然増収がいろいろの客観的な資料等から推測されるのではないか、事務的にはどの程度と考えるかということでございますが、御承知のように、八月までの収入は出ました。それから今後どのような見通しを立てるかという問題でございますが、御承知のように、何せ一番この自然増収のもとになるものは法人税だと思います。そこで、法人税の大宗は、やはり九月決算を見ないとわからないわけでございますから、もっぱら九月決算で左右するが、その九月決算はいつわかるかということになりますと、これは私当該者ではありませんが、大蔵省主計局の方々の話によりますと、どうしても十一月の初めにならないとわからないということでございまして、はなはだ失礼ではございますが、いま事務的に幾らの自然増収があるかということについての的確なお答えは、責任ある御答弁はいたしかねることを御了承いただきたいと思います。
○秋山委員 昔は、歳入がむずかしくなってくる、しかしどうしてもやらねばならぬ問題もある、こういう場合には、えてして歳入繰り上げをやったことも記憶しております。本来こういったものを考えるときには、そのくらいの気がまえがあってしかるべきだと私は思うわけです。ところが、今日までそういうことは毛頭考えないで、ほかのことに使用するのは問題にしていない。私は、こうした心がまえからちょっと狂っているのではないか、こういう気がするわけです。先ほど来この委員会でも交通問題でいろいろ議論、討議がなされましたけれども、これもやはり言うなれば国家統計があまりしっかりしてない、そしてまた、いろいろな施策が自動車の増加や乗りもの類の増加に比例して行なわれていかない、そういうことに原因があろうかと私は思います。いまやっていることを見ていくと、すべてそういうことばかりなんです。そしてその反面見ていけば、いやなことだけれども、私どもがいま選挙区や何かをときどき歩いてみますけれども、いつも言われることは何だといえば、おまえ、まさか田中彰治みたいなことやってないだろうな、これが一番先に言われることばですよ。そういうのはどこから生まれてくるか。これもやはり、私たちはこういう問題が起こったときにこそ、みんなと一緒に考え合っていくべきじゃないかと思います。それだけじゃなくして、金融関係を見ても、いま参議院でいろいろ問題になっておるようでありますけれども、自分が何とかしてやらねばならない、そういうところにだけ重点的にお金がどんどん流れていく。その反面、公営企業のような大事な問題には少しも金を出そうとしない。ここらに政府の中心の人たちが、どこかセンターがよそにいっているんじゃないか、こういう気がしてならないわけです。だから、こういう問題が起こったときにこそ、官民一体となって自分たちのやってきたことや、これからなさんとすることにつきましても、みんなが反省をし合ってやるべきだと思うわけです。 いま会社の問題に触れましたけれども、私はいつもみんなに言っているわけです。そこらを走っている自動車で白ナンバーがついているのは、みんな税金が走っているんだ、こう言っても過言じゃありません。世間では何と言っているか。税金で取られるよりも車を買ったほうがいいんだ、それを乗り回したほうがいいんだ、こういう実態です。こういうところでは適切じゃないかもしれませんけれども、ちなみにバーや料理屋へいってごらんなさい。個人が自分のさいふから払っている者が何人ありますか。ほとんどありゃしませんよ。そういうお客だけを相手にしていたんじゃその店はもたない。人の給与だけじゃなくて、自分たちの給料のことを考えても同じことが言えると思います。いつも、国会議員はいい給料もらっているんだからたいしたものだ、こう言われます。実態はなかなかそうでもなさそうです。しからばどの人たちと比べて給与がいいか悪いか、こういうこともやはりこういう機会に考える必要がある。役所の人が退職をして、高級官僚がやめられて一番困るのは何かと言えば、必ず足の問題だとだれでも言います。これは一人も間違いなくそういうことを言う。役所の車を乗り回していたのが今度はそうでなくなったのだから不便でしょう。これはだれもが言うことばです。同様に、会社の重役さんを見てごらんなさい。日本での一流会社といわれる会社の役員だということになれば、全部、私たちが想像ができないようなりっぱな外車を使っています。運転手はもちろんついています。交際費はいま言ったように広告、宣伝だとか、あるいは大手業者との話し合いだとか、いろいろな理屈をつけながら、料亭やバーやキャバレーのお金はどんどんそこから払っている。そういうものを含めて日本の一流会社では、社長は一体どのくらい金を使うだろうか。そのもののほかに純然としてふところへ入る給料は一体どのくらいなんだろう。それと比べて国会議員はどうなんだろう。あるいは地方議員はどうなんだろう。こういうことも当然考えてみる必要があるはずです。そういうものは考えないで、税法の抜け道を使って、聞きなれた、いま言ったようなことごとを行なっているとしたならば、一体どういうことになるか。そういうことも十分考えのうちに入れてみてほしいと思います。そういうことごとを考えたときに、やはり私どもは、組合の人たちが言っているように、不満だけれども、しかたがないから、最小限度として人事院勧告は完全実施をしてもらわなければいけない。先ほど来給与局長からも話があったし、人事院からも話がありましたように、ストライキをやろうと思ってもできない人たち、そういう人たちが今度はもうやむにやまれないのだから何とかせにゃならぬ、そういうさ中に、先ほど読み上げましたけれども、森さんからこういう書簡が出ている。その先をもっと読んでいくと、ストライキをやってもいいぞ、やるぞ、そうでもしなければ政府は考え直してくれない、皆さん方はどういう考えを持っているか、みんな一人々々が投票を積み重ねていってみようじゃないか、こういう心持ちに立って——これはストライキ行為じゃない。ただ組合員全般にどういう考えがあるか確かめようという投票です。それにもかかわらず、それもけしからぬことだ、こう言われる。それで府県の総務部長から各市町村にもこの旨を伝えろ、こういうことを言っている。自分たちのことはたなに上げちゃって、ほかの人だけに力をもっていろいろ圧迫を加えようとする。そういう世相が世の中に流れていればこそ、自動車の運転手さんだって、自分だけよければいいのだ、人さまのことは考えない。だから交通事故がふえてくる。こういうことが悪循環となってこう回ってきているのです。それについて一体自治省の——きょうは幹部はいないけれども、森さんはどういう考えをもってこういう書簡を出したのですか。越権行為じゃありませんか。
○森説明員 お答えをいたします。 地方公務員法第三十七条には「職員は、地方公共団体の機関が代表する使用者としての住民に対して同盟罷業、怠業その他の争議行為をし、又は地方公共団体の機関の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。又、何人も、このような違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおってはならない。」このように国会で御制定になった法律が現に施行されておるわけでございます。したがいまして、私は、争議行為はその原因やあるいは事情がいかなるものであってもこれはやはりやっちゃいけないのであります。また、単にこれは地方公務員法で禁止し懲戒の対象になるのみならず、さらにある特定の行為については刑事罰さえかかっている行為でございます。したがいまして、善良で正しく公務員活動をしておる人が、そういうことを知らないで違法行為に出て、最終的に責任を問われるということのないように、事前に警告をすることが私の職責上当然やるべきことである、このように考えて内簡を出した次第でございます。
○秋山委員 あなた、いま条文を読んだけれども、そのどれに該当するのですか。みんなの意見をまとめて、みんなが投票していこうということだ。不平不満が出れば、みんなの声として上がってくるのは当然のことなんだよ。だれが教唆しておるのでも扇動しておることでもない。そういうことはよけいなことなんですよ。そうじゃないですか。そういうことであるにもかかわらず、もっともらしい理由をつけて、自分のやったことだけを合理化していこう、そういった悪質な考えがあなた、一番いけないのですよ。そういうのが悪というのだよ。それじゃなかったら悪なんということばは要らない。のうのうと大きな声であなた読み上げて、こういう法律があるのだからこれは忠実に守らさなければいけないのだ。そういうことを盗人たけだけしいということばで言うのですよ。あなたがそういうことを言うものだから私もそういういやなことばを使いたくなる。あなた、そんなもんじゃないですよ。いいですか。いま組合の人たちはどういう考えを持っておるか。私は新聞でこういうことを読んだ。おとうさんが春闘といってはち巻きをかけて、一生懸命、生活が苦しいから給与を上げてもらおう、こういう運動をしてわずか二千円か三千円上げてもらった。しかし物価はどんどん上がっていっちゃった。追いつかない。これは家計を預かる者としてはたいへんだ。一奥さんから投書があった。しかし、金を預かる主婦よりももっと主人のほうが気の毒だ。家計費のほうに取られてしまえば、いままでの小づかいも減らしてもらわなければならない。そういう記事を読んだときに、私はほんとうに気の毒だなと思った。涙も出てきた。そういうことをあなた考えたことありませんか。あなたはあるいは電車に乗らない、タクシーも乗らない、役所の車を使っているかもしれない。しかし、だからといって世間の人はみんなそうじゃないはずだ。そういうことを忘れて、こういう内簡を出しておいて、それをもっともらしく合理化しようなんというのはとんでもないことだ。反省の用意がありますか、ありませんか。
○森説明員 私は正しい公務員秩序を守る意味において通達を出したのでございますので、その通達に関する限り間違ったことをしたとは思っておりません。
○秋山委員 もし公式にそういうことが必要であるならば、大臣なりそういう人が出すべきものなんだ。内簡なんというかってなものをこしらえるからいけないのだ。こういうことが起こる、不都合ではありませんか。正当なるものを正当なる立場に立って指導するなら指導するらしく、あなたが起案するのはけっこうです。あなたが起案をしても、大臣なりあるいは事務的な責任のある事務次官なりの名前で出すのならともかくも、こんな重要なことを内簡でやるということは、私はどうかと思いますよ。内簡なんというものは価値がないものなんだ。こんなものはほんとう言えば価値あるものじゃありませんよ。価値がないのだからやってもしかたがないのだという議論もあるかもしれない。そういうことはとりもなおさず越権行為なんだ。あなたが考え直さなければ私も考えますよ。将来ともあなたがそういう人間だと断定をして、このことは全部関係しますよ。
○森説明員 この内簡につきましては、ただいまのような御指摘があったわけでございますが、政府部内におきまして種々検討がなされまして、九月三十日付をもって総理府総務長官の談話が出ております。内容、趣旨においてはただいまの内簡と同様なことでございます。さらにそれを受けまして、九月三十日付で自治事務次官名をもって正式に各都道府県知事あて通達を出しておるところでございます。私が内簡をそれにさかのぼって二十六日に出しましたゆえんのものは、自治労等がその準備行為というのが相当進んでおりまして、九月三十日に出す予定が大体わかりましたので、それでは職員に到達するのがおそくなる、できる限りそういうことが正式に出るならば早く知らせてあげるということのほうが、何百万という公務員の秩序維持のために必要ではないか、このような意味であらかじめ二十六日付で内簡を出しました。そのことがほとんどそのまま成文となりまして、九月三十日自治公第六十五号で事務次官から各都道府県知事に通達されたところでございます。
○秋山委員 そういう考えが官僚主義というのだよ。国家公務員の人は、地方公務員の人は、自分は公務員だから公務員法ぐらいみんな知っているんだよ。知らないのじゃないのだよ。それをおれだけがりこうで知っているけれども、ほかの人は知らないのだということで、そんなものを書くからおかしくなってしまうのだよ。そうじゃありませんか。そういうふうに何でも人があまりりこうに見えない、そういう思想が間々あなた方のクラスにはかなり多いということなんだよ。そういうことは一日も早く考え方を改めてもらわなければ困りますよ、いいですか。 委員長、この問題はあとでまたいろいろ起こってこようかと思いますので、きょうは約束の時間も過ぎましたので、十八日には人事院勧告だけの問題を取り上げてもけっこうですから、再度お開き願うことを希望いたしまして、きょうの質問は一時これで打ち切ります。
○岡崎委員長 華山親義君。
○華山委員 人事院のほうにお伺いいたしますが、地方には人事委員会がございます。人事委員会と人事院とは何か職権上あるいはそういう方面で何らの関係も法律上はないと思いますが、いかがですか。
○志村説明員 お尋ねの件でありますが、法律上は人事委員会と人事院というものは直接の関係はございません。
○華山委員 自治省の方にお伺いいたしますが、地方の人事委員会と自治省というものはどういう法律的な関係がございますか。
○志村説明員 お尋ねの件でございますが、地方公務員法の規定におきまして、自治省といたしましては、地方公共団体の人事行政が地方公務員法で確立されました人事行政の原則というものにのっとって運営されるように技術的な助言、協力をする、こういうことになっておるわけであります。したがいまして、そういうような観点から、人事委員会と自治省との関連、こういったものが生まれてくる、かように考えておるわけであります。
○華山委員 人事院は労使の中間に立つ純然たる独立の機関だと私は考えておりますけれども、そういう性格、性質のものであるかどうか、そういう性格のものであるとすれば、それは地方の人事委員会にもそういう観念が当てはまるものなのかどうか、伺っておきたい。
○志村説明員 人事院のことにつきましては、これは私どもの所管上ちょっとお答えしかねるわけでございますが、人事委員会につきましては、これはやはり先生お尋ねのような中立的な、第三者的な機関である、かように私ども理解をしておるわけでございます。
○華山委員 先ほど秋山委員に対するお答えに、自治省の方が、ストライキ等のことは、これは違法だからやらないほうがいいというふうなことを、法律をわざわざお読みになって出された。それでそういうふうなことが行なわれる。やってはいけないということのほかに、それをとめるべき方策があってもいいと思うのでございますけれども、自治省のほうでは、ただ法律違反だからやめろということであって、それをとめるような何か積極的な方途をお考えになっておりますか。
○志村説明員 先生のお尋ねは、いわゆる争議行為等をやめさせる方法を講ずるということでございましょうか。それにつきましては、私どもといたしましては、先ほど森公務員課長の内簡につきまして秋山先生からいろいろおしかりをいただいたわけでございますが、先ほど申し上げましたように、地方公共団体の人事行政というものは、やはり地方公務員法で確立されました人事行政の原則というものにのっとって正しく運用されなければならぬということでございますので、そういったような観点から、あるいは個々の職員につきましては十分御承知のことかもしれませんが、三十七条等の関係からいたしまして争議行為というものは禁止をされておる、また何人もそういった違法行為の教唆、扇動というものは禁止をされておるから十分そういったものは心得てもらいたい、こういった内簡を出したわけであります。さらに引き続きまして、三十日に事務次官名をもちまして都道府県知事あてに出しまして、そこにおきましては、そういった違法行為の中止というものを強くお願いをしたいということもひっくるめて都道府県知事あてにいろいろお願いをしておる、こういう状況でございます。
○華山委員 昨今おおむね各府県におきまして人事委員会は知事に対しまして勧告を出しておる。それは大体におきまして国の人事院と同じような勧告であり、かつ五月から実施すべきだということを出しておる、そういうことについてこれを順法しろ、これを尊重しろということが一面にあって、片方のほうでは、ストライキはやめてもらいたい、やめるべきだ、こういうことでなければおかしいじゃないかと思うのですけれども、法律を一つ一つとるならば、片方のほうの府県当局あるいは市町村当局が人事委員会の勧告を尊重すべきだということをどうして出さないのですか。片手落ちじゃありませんか。お伺いしたい。
○志村説明員 地方公務員法三十七条の規定によりまして、先ほど公務員課長からもお答えいたしましたように、理由等は別といたしまして、やはり争議行為等は禁止をされておるわけでございます。 それからもう一つ人事委員会の問題でございますが、やはりこれにつきましては当然地方公共団体におきましては尊重する、こういうたてまえであるべきものと存ずるのでありますが、やはり財源等の関係もございますし、さらには国家公務員に準ずるというのが地方公務員法でもって規定をされておりますところの給与決定の原則でございます。こういった面からいたしますと、国が決定いたしますとそれにならって実施をする、こういうことにならざるを得ない状況にあるわけでございます。
○華山委員 それはあなたの独断でしょう。国家公務員に準ずるということの一面に、地方の人事委員会の勧告を尊重するという原則がある。自治省のほうは国家公務員に準ずるのだということを優先されることは、法律的な根拠がないはずだ。二つの規定がある。地方の人事委員会の勧告を尊重するという原則があり、片方ではあなたの言われるような国家公務員に準ずるのだという原則がある。それを国家公務員に準ずるほうが優先するのだとあなたは言われるけれども、法律的な根拠を伺いたい。なぜそういうことを言われるのか。
○志村説明員 いま先生の御指摘の点、なかなかむずかしい問題かと存ずるわけでございますが、これは先生御承知のように、地方公勝負法第二十四条第三項におきまして、給与決定にあたりましては生計費であるとか、あるいは民間企業の従業員の給与であるとか、国あるいは他の地方公共団体の公務員の給与その他の事情を考慮してきめなければならぬ、こういう規定があるわけでございます。私どもそれを土台にいたしまして、地方公務員の給与というものは国家公務員に準ずるのだ、こういう考え方でおるわけでございまして、この第二十四条第三項の規定と申しますのは、同時に人事委員会が勧告をいたします場合におきましても、やはり準拠いたしますところの規定になろうかと思いますので、その観点から、やはり国家公務員に準ずる、こういう結論になるのではなかろうか、かように考えておるわけでございます。
○華山委員 あなたの言うことがわからないのですけれども、そうしますと、国家公務員のやり方がわかってからでなければ、地方の人事委員会は、一般の者との公平の問題もあるから、勧告を出せないことになりますか。
○志村説明員 理屈だけから申しますれば、必ずしもそういうことにならぬかと存じますが、ただ、実際問題といたしまして、地方公共団体におきましては、毎年十一月あるいは十二月というころに勧告をするのが普通でございます。またそのデータにつきましては、私ども承知をしておるところでは、人事院と共同いたしまして調査をするというような面があるわけでございます。そういたしますと、やはり人事院といたしまして、八月なら八月に勧告をする、人事委員会のほうはそれからおくれまして十一月、十二月ということになりますと、おのずからいま先生がおっしゃいましたような点につきましては、国家公務員の勧告の内容と申しますか、そういったものも、当然やはり人事委員会におきましては頭に入れて勧告をいたすのが通常ではなかろうか、かように思っておるわけでございます。
○華山委員 それですから、大体国の人事院と同じような勧告を現在やっておるわけです。それは尊重しよう。片方のほうでは国家公務員に準じろ、それではやりようがないじゃないですか。大体自治省というものは、それだったら、そういう点は各地方にそれをまかせたらどうなんですか、それでもちろん国のほうでは、地方のほうに対しまして、いろいろな財政の考慮をしなければいけない。その際に国家公務員に準ずるような程度においてこれを考える、それは私はわかります。わからないことはない。しかし、もう国家公務員と同じにやるのだ。片方のほうでは人事委員会の勧告がある。それだったら、人事委員会の勧告なんかやめたらどうか。初めから国家公務員と同じにやる、こう言っておればいいじゃないですか。片方において人事委員会の勧告を尊重しようという法律を立てておいて、それによって知事がやりたいというならばやらしたらどうなんですか。ただ、それについての財政は、国としては国家公務員に準ずる程度しか見ませんよということは、私はわからないこともない。私は、そういうふうな点におきまして、最近地方自治というものがほとんどもう国家権力によって縛られて何もできない。自分の考えでものを処理できない。こういう実態があるから、私は言うのです。自治省は自治体を守るべきです。国のとおりにやる、国のとおりにやるというようなことは、私はどうかと思うのですよ。そういうふうに何も国家公務員に準じなかったといったって、これは別に違法ではない。片方のほうでは勧告をしているのです。そういうふうな矛盾をどう解決なさるか。
○志村説明員 やはり先ほど申し上げましたように、地方公共団体におきましては、人事委員会の勧告がございますればこれを尊重するというのが、通常のたてまえであろうかと思います。ただ、尊重すると申しましても、具体的にその勧告どおりこれが実施できるかどうかということになりますと、これはやはり地方公共団体におきましては財政その他の事情がございますので、やはりそれを考えてやる、こういうことになるのが通常ではなかろうか、かように思っております。
○華山委員 考えた結果、国家公務員のとおりにはできないという場合もあるかもしらぬが、知事の考えでは、国家公務員よりは少しプラスアルファをつけたほうがいいと思うような考え方もあるかもしれない。そうすると、プラスアルファをつけるのは絶対いけない、こういうことですか。知事あるいは市町村長は人事委員会の勧告を尊重してやるのですよ。
○志村説明員 プラスアルファの問題につきましては、やはり私ども地方公務員の給与は国家公務員に準ずるということでございますので、そういったものさしでもって考えていく、こういうことでございます。
○華山委員 まあ何を言ってもしょうがないのですけれども、それはあなたの独断ですよ。もう地方の人事委員会の権能というものをまるで無視している。地方人事委員会の勧告を尊重しようとする地方自治体の首長の考えを没却している。こんなことで地方自治はできないと私は思う。 それからもう一つ伺いますが、最近のILOの国内法の問題につきまして、地方によってその管理職の範囲について程度に差が出てくる、これは私は当然だと思う。従来の労使慣行がおのおの違っている。また同じ職名であっても、それに与えるところの権能、分掌は同じであっても、たとえば管理職というものについて、人事の面ではほとんど権能を与えていないところもある。出先につきましても、こまかい出先をたくさんつくっているところもあれば、出先というものをできるだけ少数にして、これを一つのところにまとめているところもある。地方ではまちまちなんだ。それにつきまして、最近話を聞くところによりますと、何か人事委員会の事務局長等を自治省で呼んで、いろいろなことを聞くだけでなしに、いろいろなことで注文をつける。こういうふうに持っていってもらいたいという話——事実かどうか私は存じませんよ。そういうことを聞きますけれども、そういうことはいままでの委員会の会議録を見ても、そういうことが出てくるはずはないと思う。ボーダーラインの面につきましては、実際に基づいて各地方の人事委員会がきめればいい、こういうふうに言っている。また自治省の出した通達は、これは見本なんだ、こう言っている。サンプルだと言っている。サンプルに合わせなければいけないことはないでしょう。その地方、地方の独自のものの実情があるし、その実情に合わせてやれということを答弁している。まさかどこでも部長まで労働組合の中に入れているところもないでしょう。このボーダーラインになったら、そういうふうなこまかい点は地方の人事委員会にまかせるべきだ、そう思うのでございますけれども、そうでないような話も私の耳に入りますが、自治省は、そういう方針で何かあのサンプルに全国をまとめてしまいたい、こういうふうな方針でいられるのかどうか、伺っておきたい。
○志村説明員 お尋ねの管理職員等の範囲でございますが、これは御指摘のように、やはり地方公共団体におきますところの職制あるいは権限の分配の実態、こういったものにかんがみまして、客観的にきめるべきもの、かように思っておるわけであります。それからまた、その決定にあたりましては、人事委員会が自主的に人事委員会規則を制定する、これも御指摘のとおりであろうかと思います。しかしながら、同時に、やはりそういった規則の内容につきましては、当然法律の規定あるいはその規定の趣旨というものに従って、適法であるという点はもちろん、妥当の内容をもってつくらなければならないわけでございますので、私ども、そういったような観点から通達も出し、指導しているわけでございます。そしてまた、現にすでに制定済みのものにつきましては、いろいろその条例あるいは規則の中身等につきまして調査等もしているわけでございますが、決して人事委員会に対しまして干渉する、こういう考え方は持っておらない次第でございます。
○華山委員 御勉強のために事情をいろいろお聞きになることは、私のほうでやめろとは言いませんけれども、勉強のためにお聞きになることはいいと思いますが、干渉はしないということは、そのとおり私これを受け取ってよろしゅうございますか。お聞きしなくてもいいのですけれども、そういうふうに干渉はしないというふうにそのまま受け取ります。重ねて申しますが、自治省は、その名の示すとおり、現在中央棄権に縛られて、憲法に定められた自治の本旨というものが失われつつある、それを守るのが私は自治省のほんとうの仕事じゃないかと思う。そういう意味で、できるだけそういうふうなものは地方の機関にまかせてもらいたい。目に余るようなことがあって非常な弊害でも起きるということならば、答弁なすったとおり、技術的の指導、そういうことはいいだろうと思いますけれども、私はやめていただきたいと思うのです。 それから、具体的に申しますが、課長補佐の問題にいたしましても、この問題につきまして、たとえばいままではいろいろなところの課の課長補佐が人事のことまでやっておったけれども、もうそういうようなことは、人事のことは課長だけでよろしい、課長補佐につきましてはもっぱら仕事のことをやってもらいたい、こういうふうなものの考え方が知事にあって、またそういうふうな方針で人事委員会が規則をきめたという場合だって、あり得るわけです。課長補佐はどこでも人事のことはやるべきだなどという原則を、自治省は立てるべきじゃない。これは一例でございますが、私から申し上げて、そういう点で干渉はやめてもらうことにして了解いたします。
○岡崎委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後一時三十三分散会