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52回国会衆議院1966/07/26

体育振興に関する特別委員会オリンピック冬季札幌大会準備等に関する小委員会 第1号

発言数
58
登壇者
9
会派数
3
開催日
1966/07/26

会議録

島村一郎自由民主党

○島村小委員長代理 これよりオリンピック冬季札幌大会準備等に関する小委員会を開会いたします。  本日は小委員長所用のため出席せられませんので、私が、小委員長の指名により、小委員長の職務を行ないます。  オリンピック冬季札幌大会準備等に関する件について調査を行ないます。  本件調査のため、本日、参考人として、日本スキー連盟副会長伊黒正次君、日本スケート連盟理事長南洞邦夫君の両君の御出席をお願いいたしております。  この際、両参考人に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中にもかかわらず、本小委員会に御出席くださいまして、まことにありがとうございました。  御承知のとおり、今回札幌に冬季大会の決定を見ましたことは、まことに喜ばしいことと存じております。国民の期待にこたえて、今後、この大会が開催されるまで諸般の準備が進められることと存じますが、東京大会の成功の経験を土台としてりっぱな冬季大会が開催できるよう、本小委員会といたしましては、あらゆる機会を通じて協力し、援助をいたすつもりでございます。  本日は、冬季競技の選手強化対策に関する問題につきまして、それぞれの立場から忌憚のない御意見を伺えますれば幸いと存じます。  なお、御意見はお一人十分程度とし、そのあと、小委員からの質疑があれば、これにお答えを願うことといたします。  それでは、御意見を承ることといたします。初めに伊黒参考人にお願いいたします。

伊黒正次日本スキー連盟副会長

○伊黒参考人 ただいま御紹介にあずかりました伊黒でございます。  札幌の冬季オリンピックに対しまして、皆さまにかくもいろいろ御協力いただいておりますことは、私ども衷心より御礼を申し上げる次第でございます。  まず、大体日本のスキーの強さというものはどのくらいの地位にあるか、こう申しますと、残念ながら、いままで、一九五六年のイタリアのオリンピックで銀メダルを一つとりました以外には、目ぼしい成績があがっておりませんけれども、オリンピックではございませんが、ことしの二月の世界選手権では、ジャンプに二等をとっております。したがいまして、今度のグルノーブルの大会及び札幌の大会では、大体ジャンプでは少なくとも一、二、三位を争うクラスに入っているということは、世界各国のひとしく認めるところでございます。  ところが、ジャンプそのものは、施設というものが根本的に要りまして、施設のないところでは選手が全然できませんので、やはりスキーのほうの強化に関しましては、ジャンプ台の施設というものが非常に大きな要素を占める問題になるわけでございます。ところが、残念なことに、このジャンプ台の施設というのは、入場料をとって収支をまかなうということにはいきませんで、ひどく非生産的なものになっておりますので、日本の現状では、世界レベルクラスのりっぱな台というものは、いまのところまだ一つもないような状況でございます。  次に、走るほうでございますが、走るほうは、残念ながら、いまのところ、大体世界の一流国、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ソ連という四カ国に次ぐスイス、西ドイツ、イタリア、フランス、日本というようなところへ入っておりまして、世界の一流に達するにはちょっと時間がかかるような気がいたします。  これに対しまして、私どもどういうような施策を講ずればいいかと申しますと、いま世界の一流の走るランナーの強い状況を見ますと、やはり生活環境というものが、その選手に走ることを非常に強くさせておるような環境がございます。と申しますのは、森林労働者、雪国の郵便業務従事員あるいは鉱山の腕力労働者というような人たちがいずれもいいところに入賞しておりますので、私どもは、アマチュアリズムは尊重しながらも、走るほうの選手というものは生活環境を考えてやるところに大きな問題があるのじゃないかというふうに考えるわけでございます。この点など、アマチュアリズムを尊重しながら選手の職業というものを考えて、それでアマチュアのスポーツに一等をとらせるということはなかなか困難ではございますけれども、この問題はある程度の費用をかけても全うしなければならぬ問題だ、こう思っております。  次に、御承知のように、イタリアのコルチナで日本が銀メダルをとりました回転、滑降の競技というのは、ジャンプ以上に施設に費用がかかりまして、リフトをかけ、あるいはケーブルをかけて頂上までいく、あるいはコースの途中に水をまく施設をつくるというような、非常に大きな問題がございますけれども、たまたまそういう施設は職業的な、営業的なスキー場の経営とすぐ一致するわけではございますけれども残念ながら、営業的なスキー場ということになりますと、お客さんがしょっちゅうあって、選手が一つも練習できないということになりますので、どうしても札幌大会までには、一カ所ぐらい、選手だけが練習できて、ほかのお客さんは入ってこないという優秀な滑走場を設けたいものだというふうに考えておるわけでございます。これもジャンプ台以上に金のかかる問題でございまして、皆さま方の絶大なる御指導並びに御援助を得たいものだと思っております。  最後に、ヨーロッパと日本とのスキー競技の大きな差を申し上げますと、日本では専門のプロのコーチというものがおりません。みんな学校の先生とか、あるいは私どもとか、自分の職業を持っておりながら、会社を休んだり、つとめを休んだりしましてコーチをするというような状況になっておりますので、どうしてもプロ・コーチというものを養成しなければならないと思っております。プロ・コーチは、本人の生活を十分に保障いたしませんと、なかなかなれない問題でもございますし、また、すぐほかの職業を兼ねるということができない問題でございますので、プロ・コーチのほうもある程度の金をかけて、今後少なくとも二年後ぐらいには完成しまして、残りの四年間でもって強化をはかっていきたいというふうに考えておる次第でございます。  いずれまた御質疑のときに御説明申し上げることにいたしまして、私のお話はこれだけにしておきます。

島村一郎自由民主党

○島村小委員長代理 次に、南洞参考人にお願いいたします。

南洞邦夫日本スケート連盟理事長

○南洞参考人 南洞でございます。  今後六年間ございますが、物心両面にわたって議会関係の格段の御協力を得て、札幌のオリンピックでりっぱな成績をあげるために強化の面で最善を尽くしたい、そういうふうに考えておるわけでございます。  スケートの現在の状態、及び六年間に対します強化に関しまして現在考えておりますことをあらまし申し上げたいと思います。  スケートに関しましては、スピード競技、フィギュア競技、アイスホッケー競技の三種類がございますことは御存じだと存じます。一口にスケートと申しますが、この三種類の競技は全く異質の競技でございまして、スケート連盟といたしましては、三つの団体を内に持っておるというふうな考え方、強化につきましても、そういった三種類それぞれ別個な強化の方法が必要なわけでございます。  オリンピックの競技におきましてそれぞれのメダルに関係します種目を申し上げますと、スピード競技におきましては、男子の競技で四つの種目、したがいまして四つの金メダル、女子におきまして同じく四つの種目、したがいまして四つの金メダル。フィギュアにおきましては、シングル競技、すなわち、一人で演技します競技でございますが、これが男子及び女子にそれぞれございます。したがいまして、ここで二つのチャンス、それから同じくフィギュアにおきましては、男女が一人ずつ組みますペア競技、それから同じく男女が一人ずつ組みまして演技しますダンス競技、この四種類でございます。したがいまして、フィギュアにおいてやはり四つのチャンスがこれに関連してあるわけでございます。アイスホッケーの競技はもちろん男子だけでございますので、チームゲームとしまして参加のチームに対しましてはただ一つの金メダルのチャンス、こういうふうになっておるわけでございます。  現在のこの三つの種目の国際的なレベルについて申し上げますと、スピードの男子におきましては、過去のオリンピック大会あるいは世界選手権大会におきまして、短距離の五百メートル・レースにおきましては、三位内に入ったことはございませんが、四位、六位というあたりにはたびたび到達いたしておりまして、昨年、一昨年の同じ種目の五百メートル・レースでは日本の選手が優勝いたしております。ことしの世界選手権におきましては、残念ながら二位でございました。したがいまして、この種目におきますチャンスは非常に多いと考えております。残念ながら、男子の中、長距離においては相当開いておる、こういうふうに考えております。同じくスピードの女子の競技におきましては、前回、すなわち、六年前のアメリカのスコーバレーの大会におきましては、四種目の競技のうち三種目におきまして四位、五位、六位というふうに入っておりまして、札幌大会を想定しました場合、最もチャンスの多い競技種目というふうに考えております。  フィギュアにおきましては、本年の世界選手権でシングル競技の男子におきまして四位でございます。女子におきましてはもう少し下でございました。したがいまして、フィギュアのシングルの男女それぞれ入賞あるいは三位以内の可能性はあるものと、こういうふうに考えております。ペア及びダンスは、現在のレベルでは若干隔たりがあります。  次に、アイスホッケーでございますが、このほうにおきましては、残念ながら、現在のところ、六年前のアメリカのスコーバレーの冬季大会では七位でございまして、オリンピックにおきまして三位をねらうことには相当な努力が要る、こういうふうに感じておるわけでございます。  現在、スケート連盟におきましては、札幌冬季オリンピック競技本部をすでにスタートさせまして、現在の時点から六年先に参りますオリンピックに対する六カ年の強化計画の概案をすでに作成しつつあります。申すまでもなく、われわれ、東京大会におきまして、二十種目の競技が、いかに強化をして、その結果どうであったか、問題点が何であったかといいますいろいろなデータをたくさん握っておるわけでございまして、これらも参考にしつつ、われわれの強化に対する対策の万全を期したいというふうな努力をいたしております。  強化の主体になりますのは、あらまし大きく分けますれば、指導力の強化、これはコーチ、トレーナー、そういったもの一切に対する指導陣がまず強化されなくちゃいけないということが一つ、それから、現在の世界のレベルに追いつくには相当な科学的な研究を持ち込まなければいけない、そういったものを内容とします選手そのものに対する強化の手段、方法、これらの研究及び実施、三番目には、先ほどスキーでもお話の出ました強化に使いますところのトレーニング場所の確保ということでございます。三つの種目がございますが、そのうち、アイスホッケー及びフィギュアはインドアリンクを主たる練習場といたしておりますが、これが全部現在営業リンクでございまして、ここを練習場として使うには相当な費用が必要となっております。これに対して従来はほとんどが選手本人の負担、その一部が連盟によって調達されていたのでございますが、今後のわれわれの計画におきましては、ほとんど選手個人の負担ないしは選手を持っております母体の団体に依存するということは不可能に近い、これらは全部連盟で何らかの方法で調達しなければいけないという苦境に立っておるわけでございます。  最後に、強化の四番目として大きな問題は、国際交流の問題でございます。スケートの競技におきましては、アジア地区にはほとんど相手とすべき選手あるいはチームがないわけでございまして、ほとんどその相手をカナダ、アメリカあるいはヨーロッパ、特に北欧、ソ連、こういったところに求めなければならない状態でございます。東京大会でわれわれが痛切に経験したわけでございますが、オリンピックにおきまして日本が彼らと対等に戦うためには、十分国際交流をやりまして、技術あるいは訓練の度合い、あるいは競技のタクティクス、すべてについて豊富な経験を持たなければ勝つことが不可能であるということが立証されておるわけでございますが、これには申すまでもなく相当な費用がかかるわけであります。スピード、フィギュアの個人競技におきましてもそうでございますが、アイスホッケーにつきましては、特にこの分野で国際交流を考えますときには相当な費用がかかるわけでございます。  以上申し上げましたような強化の内容と関連しまして現在われわれの連盟で考えておりますことは、六カ年を通じまして少なくとも最低三億円くらいの予算を持たなければ、十分な強化の実をあげることは不可能ではないか、こんなふうに考えておるわけでございます。  こまかいこといろいろございますが、現在の状態のあらまし及び希望の一端を申し上げまして、以上をもって御説明といたします。

島村一郎自由民主党

○島村小委員長代理 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。     —————————————

島村一郎自由民主党

○島村小委員長代理 質疑の申し出がありますので、これを許します。砂田重民君。

砂田重民自由民主党

○砂田小委員 ただいま伊黒さん、南洞さんから両連盟の選手強化のいろいろな御計画を伺いまして、札幌へのオリンピック招致がきまりましてまだ日がございませんのに、着々と準備を進めておられるように伺って、たいへん意を強くいたしました。  実は、私ども当委員会の委員全員がそうでございますが、札幌にオリンピックの招致ができた、それのいろいろな施設等をやっていくことについては、これは急がなければなりませんけれども、まだ四十二年度予算から出発していってもいいんじゃないか、東京オリンピックもせっかくあれだけ成功したのですから、札幌オリンピックもりっぱなオリンピックとして成功さしたい、そういう気持ちが非常に強うございますけれども、心配いたしておりますのは選手強化の問題、日本の冬季競技が決していままで国際的に高いレベルにあると思えないということはわれわれ承知をいたしておりますだけに、その点を気がかりにしておりまして、大ぜいの委員から、今日のこの第一回の小委員会の冒頭に、両連盟の責任者においでをいただいて、選手強化の御計画等を伺ってみようということになったのでございます。  お二人の参考人にお伺いする前に、ひとつ文部省のほうに伺っておきたいと思うのですが、札幌オリンピックの招致というものは、四十一年度予算が決定したあとできまってきたのじゃないかと思う。したがって、四十一年度の予算の中には、文部省予算の中にも札幌オリンピック関係のものはほとんど含まれていないと思うのですが、オリンピック等がないときの、平時の場合の、体育協会への運営補助金というものが文部省から体協へ流れておりますが、それの文部省から体協へ、体協の中で各連盟への配分、この流れを、簡単でけっこうですから、ひとつ説明していただきたい。

赤石清悦文部事務官(体育局長)

○赤石政府委員 ことしの予算から申しますと、体協に対します運営費補助は三千万円でございます。いま砂田先生のお尋ねの、その三千万円の内訳がどうなっておるかという点につきまして、御質問の趣旨に沿うて各競技団体にどのように配分されているかにつきましては、ちょっと資料の持ち合わせがございませんので、至急調べましてあとでお答え申し上げたいと存じます。

砂田重民自由民主党

○砂田小委員 それじゃ、スキー連盟、スケート連盟、それぞれこの三千万円の中から体協の中で四十一年度は幾らずつ配分を受けておられますか。

南洞邦夫日本スケート連盟理事長

○南洞参考人 当年度のスケート連盟に対します体協からの強化のための補助費は三百二十万円でございます。スキーも同じなはずでございます。

砂田重民自由民主党

○砂田小委員 それでは、文部省にもう一つ伺いたいと思いますが、東京オリンピックのときの選手強化、これはいろいろ民間で集められた寄付金等も非常にたくさん選手強化に使われておりますけれども、東京オリンピックの際の選手強化に国の補助金が出ておりますか。

赤石清悦文部事務官(体育局長)

○赤石政府委員 ちょっとまたたいへん恐縮でございますが、選手強化という名目の金額のトータルについていま資料がないのでございますが、これもあとで調べてお答えいたしたいと思います。相当な金額が前回のオリンピックの場合は計上されておったと思います。

砂田重民自由民主党

○砂田小委員 ぼくは文部省はけしからぬと思う。きょうの小委員会はどういうことをやるか、初めから承知しておられたでしょう。きょうのオリンピック冬季札幌大会準備等に関する小委員会の案件というものは、選手強化、スキー連盟、スケート連盟の両連盟から責任者に来ていただいて、どういう計画を立てておられるかということを伺おうということを、初めから文部省は承知していたはずなんです。選手強化の裏づけになる予算等を、この選手強化を議論するときには当然私たちが承知をしておきたい。それくらいのことはなぜ勉強して出てこられないのですか。札幌オリンピックを文部省はやる気があるのかないのか、私はそれを疑いますよ。局長はかわられたばかりですが、しかし、古くからおられる方も文部省にはたくさんおられるのだから、どうしてそういう人を連れてきて的確な答弁ができないのか。札幌オリンピックのためにまだ組織委員会もできないし、当面は組織委員会づくりが急務なんだ、しかし、これこれこういった具体的な計画もございますというふうな、いろいろな資料を出されてこの前は説明をされたはずなんです。そんな机の上のおざなりのようなことだけでお茶を濁そうということは、私はもってのほかだと思う。参考人のおられるところで文部省にそんなに文句も言いたくないけれども、冒頭に私が申し上げたように、札幌オリンピックというものは四十一年度予算には何も関係がない。四十一年度予算を決定したあとでこれはきまってきている。それでは札幌オリンピックのすべての問題は四十二年度予算以降の問題としていったらいいかといえば、選手強化だけはそういうわけにはいかないとぼくは思うわけです。四十二年度の予算からでなければ国が選手強化に何の力もかしてあげられないということであるならば、ことしの冬のスキー、スケートの一シーズンというものは、もう一年棒に振ってしまう。そういうことをちっとも考えておられない。私が伺った一番初歩の基礎になることすら調べてもこないでここに出てこられるということは、私はとんでもないことだと思う。  そんな文句を言ってもしかたがないから、伺いたいことを聞きますが、相当な金を国費としても選手強化に使いましたというお話でしたけども、それでは、その金額がおわかりにならないならば、どういうふうに流されたか、どういうふうに末端の各連盟に流れていったか、その流れを説明していただきたい。

赤石清悦文部事務官(体育局長)

○赤石政府委員 たいへんおしかりを受けまして恐縮に存じております。きょうは参考人の御意見をわれわれも伺いまして、組織委員会が本日発足いたしますので——もちろん、文部省が独自に選手強化の予算を計上するわけにまいりませんで、いろいろ関係方面の御要望を十分しんしゃくの上で来年度予算以降から盛り込まなければならない、こういうふうに考えておったものですから、私どもきょうは十分参考人の先生方の御意見を伺いまして、いまちょうど予算編成期でございますから、それに大いに生かさせていただきたい、こう思って参ったのでございますが、たいへんおしかりを受けたわけでございますので、十分今後検討いたしたいと思います。  そこで、選手強化のあれでございますが、これは御承知と思いますが、文部省自身が選手強化に当たるものではございませんで、体育協会を通じて、体育協会に入っておりますそれぞれの競技団体に——体育協会を中心にしまして、各種目別の団体からの御要望を踏まえて体協全体で御検討される、したがって、文部省はそれらの御要望に対してどの程度差し上げるか、これを差し上げて、体協を通じて各団体にいっている、こういうふうに理解をいたしております。

砂田重民自由民主党

○砂田小委員 体育局長、その言いわけはだめだ。ぼくは東京オリンピックのときの選手強化にどういうふうに国の補助が流れたかということを伺ったので、札幌オリンピックの組織委員会ができたばかりだから、まだそっちのほうの話を聞いてないから考えていないという言いわけではだめです。東京オリンピックのときにはどういうふうにされたか、これが大きな前例になるから、このことを伺いたい。——わかりました。文部省は体協に流して、体協の下部機構の各競技団体に体協で配分した、そういうふうに承知をいたします。  今度の札幌オリンピックについても、私は同じような流し方をしていかれるのだと思うのですが、先ほど申し上げたように、さしあたってこの冬のシーズンの選手強化、これはスキー連盟もスケート連盟もいろいろと計画を——長期計画の中でも、初年度のことしの暮れあるいは来年の正月、二月のシーズンをどういうふうにしてやろうかという計画をお持ちだろうと思うのですが、何かさしあたっての今度のこのシーズンの選手強化、第一年目についての何か具体的な計画をお持ちでしたら、それぞれスキー連盟、スケート連盟から伺っておきたいと思います。

伊黒正次日本スキー連盟副会長

○伊黒参考人 ただいまのお話でございますが、私のほうとしましては、今年度といたしまして外国交流を考えております。向こうから四人ほど選手を呼んで、こちらからもまた勉強のために四人ほどやりたい。一人八十万かかりますので、行き帰り合わせますと大体六百四十万になるわけであります。そのほかに、先ほど申し上げましたジャンプ台のこまかいところの施設の拡充というものをいま盛んに計画を立てておりますけれども、最近私どもの手元に集まりましただけでは、ことしはもう八月でございますから、八月から工事をしても間に合いません分は除いて、間に合います分については大体八百万円ほど工事費がほしいものだという計算ができております。ただ、これは計算ができただけでございまして、どういうふうに実行に移すかはまだ問題があるわけでございます。  ただいま文部省のほうのお話がちょっと出ましたけれども、実はだいぶ前に文部省に呼ばれまして、非常に御熱心にいま私どもの計画しておるお話などを聞かれまして、御担当の方はずいぶん数字的にも押えていらっしゃるようでございますので、いま皆さんからお話が出ましたけれども、私の知っている限りでは、文部省はたいへん御熱心に計画には御援助いただいているように思いますので、あわせてちょっと申し上げておきます。

南洞邦夫日本スケート連盟理事長

○南洞参考人 ただいまの件でございますが、先ほど私が六カ年計画を編成してやるというように御説明申し上げましたが、そのうち第一年度と考えますのは、当然現在進行しつつあるシーズンでございます。したがいまして、現在の時点から、この冬すなわち三月までを第一年度と考えておるわけでございまして、強化六カ年計画では非常に重要な役割りを果たす、こういうふうに考えております。  現在、先ほど申し上げました三つのスケート内の各部門におきましては、それぞれ計画六カ年間の初年度としまして、相当緻密な計画を立案中でございます。すでに数回打ち合わせしたわけでございますが、三つの部門がそれぞれかねてからありました計画内容を検討しまして、今シーズンぜひやりたいという重要な問題は、やはり国際交流でございます。明年、シーズン的には明後年でございますが、グルノーブルで冬季オリンピックがあるわけでございまして、その前のシーズンに当たります今年度は非常に重要なシーズンであると、そういう面でも考えられるわけでございますが、それの対策につきまして、アイスホッケー競技におきましては、選手及び役員、コーチ二十六名をもちまして、カナダで約四十日の武者修行的強化訓練をやりたい、それに引き続きまして欧州に渡りまして、ここでやはり約十日間の強化訓練、それぞれの場所にあります外国チームと約二十回の競技会を持つ、それを終わりまして世界選手権大会に参加して帰ってくる、こういう内容でございますが、そういったものを含めまして、少なくとも二千万円を若干上回ります予算が必要となってまいります。これに対しましては、その一部は体協の国際交流の費用があるわけでございますが、これはわずかにそのうち十六名に対します旅費の半額でございます。また、スピードの競技におきましても、明後年にありますオリンピックを控えまして、本年の世界選手権に、役員を含めまして男女六名の選手を国際交流の目的のために派遣したい。世界選手権及びその前後、国際大会に参加するということでございます。スピードのほうにおきましては、それを含めまして千九百万円の予算が必要であるということでございます。また、フィギュアのほうにおきましても、本年度の世界選手権に男女選手の参加、並びに役員、国際審判員、それらを参加させる、これに必要な予算が千九百万円。合計約六千万円の、本シーズンどうしても必要であるというふうな数字が現在できておるわけでございます。

砂田重民自由民主党

○砂田小委員 これから六年先の札幌オリンピックのための選手強化の初年度の計画を大体伺ったのですが、確かに私は、スキー連盟にしてもスケート連盟にしても、日本の冬季競技は海外交流が非常に少ないと思うのです。まあスキー連盟、スケート連盟とも、そう申し上げてはたいへん失礼かもしれませんが、双方とも相当な貧乏連盟で、そのため資金的な力がなかったのであまり海外交流を活発に行なっておられない。特にアイスホッケーなどは、ここしばらく何年かの間は鎖国状態にあったのではないか。ことしの選手が必ずしも札幌オリンピックに出場する選手だとは私は思いません。ただ、札幌オリンピックに日本の代表選手として出ていかなければならない選手を直接指導するのは、ことしの冬の選手がその一番大きな役立ちをしてくれるだろう、またそうでなければならないと私は思うんです。そういたしますと、スキー連盟、スケート連盟が選手強化の計画を立てておられ、その第一年度の来年の三月までに、必要な資金というものは、それぞれ連盟でその資金集めに御努力をされると思います。  そこで、体育局長にもう一つ伺っておきたいのですが、いまお聞きのとおり、両参考人からのお話のとおり、来年の三月までの選手強化の初年度の計画がいろいろあるわけです。両連盟それぞれ体協の国際試合の予算等もある程度はとって、また、両連盟ともみずからその資金繰りに努力はされると思いますけれども、東京オリンピックの選手強化に相当な国の資金面の援助があったが、それと同じように、札幌オリンピックのための選手強化にも国の予算も使っていこうということであるならば、両連盟の来年の三月までの選手強化の初年度の計画というものは、四十一年度予算には何にもない。四十二年度予算では間に合わない。そういった点から、何か緊急措置的なことを文部省としてもお考えになっておられますか。もちろんこれは両連盟あるいは体協から、選手強化の具体的な計画は、詳しいことはまだ聞いていないというお話でしたけれども、国際試合のいろいろな体協としての資金についても、札幌オリンピックというものは考慮されていない。予算の総ワクの中で、両連盟にこれから配分をされていくんです。これも札幌オリンピックを予期していない金でやっていかなければならない。国の予算は今年度予算にもない。四十二年度予算では間に合わない。ですから、具体的に両連盟から、あるいは体協から、札幌オリンピックのための選手強化の初年度の計画がこれだけあるというふうな相談が文部省にあった場合には、四十一年度予算にもない、四十二年度では間に合わない、それじゃどうしようかというふうなお考えが文部省にございますか。

赤石清悦文部事務官(体育局長)

○赤石政府委員 ことしの予算で何か考えはないかというお尋ねでございますが、御承知のようにことしの予算といたしましては、すでに時期がおそいと思います。ただ考えられますことは、前回の例にかんがみまして、組織委員会の主要な運営に要する経費、これは一日もゆるがせにできないものでございます。これにつきまして、あるいは前回の例によりまして、予備費でお願いできるのではなかろうかと思っております。しかし、いま御指摘の選手強化は一日もゆるがせにできないという点は、まことにそのとおりでございまして、これはいずれ御訂正いただく必要があるいはあるかもしれませんが、私どもは、もし財源的に考えられるとするならば、資金財団もしくは公営企業、競輪その他から直接体協のほうにまいりますかなりの財源がございます。この選手強化のほうがより優先であるとするならば、そうした財源をこれらに振り向ける等の措置は、関係団体の内部においてできることではなかろうか、またそういう方面でこの方面を御検討いただいているのではなかろうか、こう考えております。

砂田重民自由民主党

○砂田小委員 組織委員会運営のために予備費を使われるのならば、予備費の使用について大蔵省とも折衝しようという気が文部省におありになるならば、選手強化についても組織委員会の運営と同列に文部省はやはり主張されるべきだ、私はそう思う。これはぜひやっていただきたい。それから同時に、オリンピック資金財団あるいは体協内部の金の配分の問題、これもひとつ体育局長は承知をしておいていただきたいと思うんですが、私は体育協会を悪く言うのではないのですが、体育協会の中でスケート連盟、スキー連盟というものの立場は、冬季競技というものは、長い間伝統的に特殊なものなんです。伊黒さん、南洞さんお二人を前に置いてたいへん失礼な言い方かもしれませんが、端的に言って、体協内部において、スケート連盟、スーキ連盟というものはまことに無力な連盟であると、私は少なくともそう承知をしておる。そういう点を十分文部省でも理解をされて、オリンピック資金財団の金の問題なんだから、体協の中でやればいいじゃないかということだけでは、私はたいへん不安に思うのです。しかも、そんなに長い時間をかけて体協の中で審議をしているような余裕はないはずなんです。さしあたっての問題でございますから、体協内のそういった資金の配分についても、あるいはオリンピック資金財団の資金をここに流すについても、十分文部省としては注意をしておいていただきたい。先ほど伊黒さんから、文部省の担当の方はたいへん親切に、たいへん熱心に自分たちの選手強化の計画を聞いてくれる、資金面についてもある程度つかんでおられるようだというお話があったのですが、そのとおりでありますならばまことにけっこうなことでございますが、文部省と関係のない場所での資金の配分だから、うまくやるだろうというふうなことではなしに、札幌オリンピックの選手強化の資金だけについては、あまり体協に文部省が口出しするのはぼくは好まないのですが、この問題に限ってはある程度の口出しをされたほうが、スキー連盟、スケート連盟の体協の中における長年の間の無力さからいって、両参考人を前に置いてたいへん失礼なことかもしれませんが、これは事実でございますから、十分そういう点を文部省としては注意をしていっていただきたい。先ほど申し上げた、組織委員会の運営のためのさしあたっての金だけを予備費でという考え、そういうあまりけちなことを考えないで、ことしの冬の選手強化にも——東京オリンピックの選手強化が出発するときの陸上競技連盟とか水泳連盟とか、そういった力のある連盟でやる選手強化ではないことを十二分に把握しておいていただきたい。それだけに、運営協議会の当面の運営費だけではなくて、選手強化についても予備費を使われるなり、あるいは補正の機会があったときにそれを計上するなり、ひとつぜひともこれは検討していただきたい。  このことを文部省に要望いたしまして、私の質問を終わります。

島村一郎自由民主党

○島村小委員長代理 この際、私から一言文部省にお願いしておきますけれども、いまお聞きのとおり、発言者の熱意あるいは御臨席の委員諸君のお気持ちは、もう文部省でもすっかり読み取っていただけたと思います。ことしのブランクをどうするかということは非常に大きな問題だと思いますので、予備費にかかわらずどちらからでもいいので、ひとつ何とか選手強化費を少しでも多額に支給されるようにお骨折りをいただきたい。それに対する私どもの努力に対しましては、決して労をいといませんから、お引き回しをいただくと同時に、協力いたしますから、ひとつ皆さんの希望をかなえさせていただくよう御協力を願いたいと、希望申し上げておきます。  前田榮之助君。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)小委員 本日お二人の参考人の方に出ていただいて、札幌に冬季オリンピックの招致が決定いたしまして、当委員会も非常に心配をいたしておりますが、専門的な立場からの御意見を聞かしてもらって、まことにありがとうございます。  当委員会は、私が説明するまでもなく、御承知のとおりに、東京オリンピックの際は東京オリンピック特別委員会が持たれまして、万全を期して、それの準備、運営に当たるようにいたしたのでありますが、今回は国会におきましても、さきのオリンピックのようなぐあいに、オリンピック冬期札幌大会特別委員会を設ける情勢にない実情のもとに、体育振興の当委員会が小委員会を設けまして、専門的な立場での研究を十分行ないまして、選手諸君はもちろんのこと、運営に当たられる方々にできるだけそそうのないようにいたしたいということで、進んでその第一回として本日この会議を持ったことになるのであります。したがいまして、お願いを申し上げておきたいことは、東京オリンピックの場合は、東京といっても全国民が、日本のすみずみに至るまで、日本国民のものとして最初から心がまえができておった。ところが、冬期オリンピックになりますと、これも冬季、冬季でないとの差はあるといたしましても、また札幌で行なわれても、日本国全般のスポーツに関する重大な祭典としての問題であることは間違いないのでありますけれども、どうもそこまで気分が盛り上がってくるだろうかどうだろうかということを、われわれ心配をいたしておるので、そこでお二方にも、どうかわれわれがそういうことを心配いたしておりますことを、今後とも念頭に置いていただいて、われわれの、いわゆる国民を代表しての国会の行動に、不十分の点がありはしないかということを、自分のこと、国民みずからのこととして、ひとつ遠慮なしに十分お力添えを願いたいことを、最初にお願いを申し上げておく次第であります。しろうとでございますわれわれといたしましても、お二方の最初の御説明は、大体そういうもんだろう、こういうことは、まんざら気がついていないわけではないのであります。ないのでありますけれども、さて、実際のものについて具体的にいろいろ検討を加えるということになりますると、やはり長年御苦労された方とわれわれとでは、相当の開きがあることは当然なことだと思うので、そういう点についてのわれわれの知識を啓発する意味において、一、二お尋ねを申し上げたいと思うのであります。  そこで、第一にお尋ね申し上げたいのは、なお六カ年あるといたしましても、その六カ年はそう長い期間ではないとわれわれは思うのであります。いわゆる普通の陸上競技その他の問題のように、年がら年じゅうというわけにいかない事情もございまするし、また、東京オリンピックもそうでございましたけれども、国際的なひのき舞台の競技を日本で行なうという問題になりますると、ある意味ではなかなか油断のならない事情もございまして、万全を期さなければならないと思うのであります。そこで、われわれが心配をいたしてまいった、いままで当委員会でも論議をいたしてまいった問題といたしましては、東京オリンピックのように、オリンピックの開催にすれすれに間に合うように競技場をつくる、こういうことであってはならぬ。少なくとも二年になりますか、三年になりますか、そのほんとうの国際的な競技場で日本の選手に十分な訓練を行なわしめて、そして万遺漏のない、悔いのない強化を行なった上で、世界各国の選手と思い切り戦ってもらいたい、こういうことに当然なると思うのであります。そこで、そういう点について専門的な立場で、大体競技場は何年くらいに完成してくれたらいいがな、こういう希望があろうと思うのですが、それをまず第一にお聞かせ願いたいと思う次第であります。

伊黒正次日本スキー連盟副会長

○伊黒参考人 どうもいろいろありがとうございました。率直に申しますと、一九六九年のシーズンにはぜひとも使いたいものだというふうに、前から考えております。一九六九年のシーズンと申しますと、一九六八年の十二月までに完成をしなければならないわけでございます。ただいまお話の選手を強化するための施設と申しますと、オリンピックの施設の中でも、たとえば宿舎だとか、その他の交通関係とかを抜きますので、一九六八年の十二月、再来年の十二月までにやるということは、必ずしもむずかしい問題ではないと思っております。しかし、もしどうしてもということでございましたならば、おそくも一九六九年には使えなかったら、おそらく日本のスキー関係の日の丸というものは上がらないのではないかというくらいに考えております。

南洞邦夫日本スケート連盟理事長

○南洞参考人 大会が一九七二年の二月が予定されておるわけでございます。従来におきましては、すべての冬季オリンピックにおきまして、その前年にプレオリンピックに相当します国際大会をやるのが慣習でございます。したがいまして、これは私の個人的な考えでございますが、一九七一年の一、二月には、当然この施設のうち主要部分が完成しておりまして、そこで国際大会が持たれる必要がある、こういうふうに考えるわけでございます。その計算でまいりますと、一九七〇年じゅうにはおそくても施設の基礎的な面についてはできている必要があるというふうに感ずるわけでございます。  スケートにおきましては、スピードの例で申し上げますと、現在北海道の地元に、公式に競技をやれる施設が皆無でございます。北海道の道内東部地区あるいは北部地区には、高い場所あるいはその他に天然の池、沼等がございますが、これは練習としてはある程度使えるわけでございますが、氷のコンディション維持その他非常にたいへんなことでございますので、ぜひいまの大会の会場そのものを、もっと早くつくり上げていただくか、あるいは十分練習に使えます別な練習用のリンクを道内に用意していただきたいというふうに考えるわけでございます。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)小委員 まことにありがとうございました。  それで、それにつけ加えましてお尋ね申し上げておきたいのは、私は、いま委員長席におられる島村委員と、昨年候補地を見に参りまして、つぶさに現地を視察いたしてきたのでありますが、スケート場とかジャンプ台その他競技の種類によって多少の違いもあろうと思うのでありますが、ことにジャンプや回転、滑降の競技等は、観覧席と競技場の二つに分けられるものならば、こういう二つにかりに分けてみました際に、観覧席は大会までにできればいいじゃないかということも言えると思うのです。しかし、申すまでもなく競技をやる回転にいたしましても、ジャンプにいたしましても三年前につくる、あるいは一九六八年の末ごろまでにつくるということの可能性は、私は十分御意思に沿われるのじゃないかと思うのでありまして、そういうことについても専門家のあなた方は、予算がどうであろうが、あるいは国の経済がどうであろうが、そういうことは一切念頭に置かずに、要求すべきものは組織委員会で要求されて、案をつくってもらうようにしてもらわなければ、われわれ当委員会として、あるいは決議を行ない、あるいは大蔵省と交渉を行なう、あるいは文部省を叱咤激励する、こういうことになる際においても、力強くやれる場合とやれない場合、あるいはわれわれが間違った方向で力を入れるなんというようなことは、これはあるべきことではないのでありまして、そういうこと等について、いま申し上げました観覧席とそれから競技をやる技術上の必要な条件の部面とを分けて考えられるか、いや、そんなことを言ったってそれはあまりいいことじゃないから、やるならすっきりとした考えでやってもらいたいとお考えになるのであろうか、そういう点について、もし御意見がございましたらお聞かせ願いたいと思うのであります。

伊黒正次日本スキー連盟副会長

○伊黒参考人 スキーの場合に関しましては、観覧席と競技場というものは完全に分けて考えることができます。ただいまお話のように、オリンピックの始まる前の年の十一月までに観覧席ができれば、まずまずということも考えられますが、競技場のほうだけは絶対に離して考えることはできますので、ぜひとも先ほどお話のように、おそくも六九年につくらせていただければたいへんありがたいと思うのでございます。ただ、いまこちらの南洞さんのほうの話と私のほうでは、ちょっと一年ばかりの食い違いがございますけれども、これは、スキーのほうには一つの特殊事情がございまして、スキーは、青森で練習しておいて北海道へ行って同じ成果をあげられるというものではございませんので、ジャンプにいたしましても、回転にいたしましても、その土地の事情は非常に大きな影響をいたします。ジャンプはまだでございますが、レースのほうと回転のほうは、その地形、そこの雪質、そこの天候その他がほとんど競技の七割までを支配しますので、私どものほうが一年早いということの事情を、ひとつ御了承願いたいと思います。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)小委員 私ども現地を見まして、風の方向がどうだろうかとか、いまおっしゃった雪の質がどういう質だろうかというようなことも、現地でいろいろ話題になりまして、地方の専門家の方々からもいろいろ御意見を聞いておるのであります。大体文部省の考えについては、砂田君からもお話がございましたが、今までもたびたびわれわれは、もっと角度の変わったところで、文部省へ注文をつけたりいろいろのことをいたしておるのでありますから、それは本日は申し上げないことにいたします。  そこで、選手強化の問題について砂田君からいろいろ御意見が出ましたが、これの予算等についても、やはりこれは財団法人から拠出してもらうものもあれば、また大蔵省から文部省を通じて出してもらうものもあり、いろいろあるのでありますが、これについても、実は昨日ユニバーシアードの顧問会がございまして、来年に迫ったこの競技の費用の予算等も内容を聞いてみましたが、われわれが想像以上にやはり金はかかるものだと思いました。たとえば、競技場は全部できておるのでそう大して金は要らぬじゃないか、ことに学生がやるんだから、学生らしい競技にするならばそう大した金はかからぬと思いましたけれども、これも十億円をこえる。私は内容を聞いて、十億円では足りないんだ、こういう見当をつけてみたのですが、ましてや今度の冬季オリンピックは、まず設備も全部新しく東京大会以上にしなきゃならぬ。また、その設備は東京大会のようでなくて、私らが札幌で要求したことは、これは札幌のものとしてつくってはいけない、やはり将来はいろいろな競技にしても国際的に日本が進出しなければならぬけれども、冬季の競技場のようなものが青森でもつくり、新潟でもつくるというように、そう簡単にできるものじゃないのであって、少なくとも札幌のものを、国際的水準のものについてはこれ以外にないんだというものをつくって、ことに、東京オリンピックで国際的に非常に信用を博した、それを多く全世界の国々の人々は期待をいたしておるようでありますから、そうしなきゃならぬ、こういうことを常に念頭に置きながら当委員会でも論議をいたし、また関係者にもそういう要求をいたしてまいっておるのでありまして、どうかお二人ともそのおつもりで今後とも十分な御検討をお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。

島村一郎自由民主党

○島村小委員長代理 高橋君。

高橋重信日本社会党

○高橋(重)小委員 両参考人にお尋ねいたしたいと思いますが、ここに誘致運動が効を奏しまして、めでたく決定されたわけでありますが、私は、特に日本スキー連盟あるいはスケート連盟、こういう団体が、今後成績をあげるには中心になっていただく、むしろ積極的にイニシアチブをとっていただく、こういうことが非常に大切になってくると思うのであります、したがって、特に本日の問題になっております選手強化対策でありますが、この問題につきましては、平年度においてもこれは御努力願ってきておると思うのでありますが、先ほど御答弁あるいは質問の中にもありましたように、団体としては非常に貧弱であり、経済的の面においても苦しい面があると思うわけでありますが、平年度において選手強化の経費としてはどのくらいを見ておられるかということを、両参考人にお尋ねをいたしたいと思うのであります。  そうして、このたび決定いたしまして、特に第一年目の本年度においては、先ほどお話がありましたように、相当の経費が要るということをおっしゃっておられるわけでありますが、平年度と比較いたしましてはたしてそれだけの、御説明になったような予算くらいでやっていけるものかどうかという点も、あわせて両参考人から御説明願いたいと思います。

伊黒正次日本スキー連盟副会長

○伊黒参考人 先ほど御質問がございましたときに、私、大体今年度は千五百万円くらいというふうに申し上げたのでございますけれども、先ほど前田さんのお話で、国の経済その他のことを考えずにベストの案をつくれということに対しましては、実は長い間このスポーツ界というのは、特に砂田さんの御指摘になられましたように、スキー、スケート連盟というものは、日本のスポーツ団体でもあまり日の目を見ない競技団体でございますので、豊かにお金をいただいた経験がほとんどないために、非常に貧乏性になっております。したがいまして、お金をと言ったってくれないんではないかという気持ちが非常に強うございまして、いまお話を聞いておりますうちに非常に私が感激いたしましたのは、国民を代表する国会の激励が不十分ではないかという心配があるというような、私いままでいろいろなお話を聞いたうちでも、これほど感激したお話はないような国会の激励をいただきましたが、実は先ほど申しましたように、スキーのジャンプのほう、レースのほう、その他いろいろ問題がございますけれども、さしあたって千五百万円というのは、私どものほうの非常に内気な数字でございまして、先ほど文部省との折衝云々でちょっと申し上げましたけれども、文部省と私のほうで過日いろいろお話をしましたのは、大体これの三倍くらいの数字を申し上げたはずでございます。先ほど、私もさしあたって来年の三月までということを申し上げましたけれども、申し上げた数字は、この数字の大体三倍くらいの数字を文部省のほうに申し上げているはずでございます。

南洞邦夫日本スケート連盟理事長

○南洞参考人 来年度どの程度強化のために費用を使っているかというような御質問でございましたが、大体平年度におきましては、外国遠征あるいは外国からのチーム及び選手招待、これは分けて取り扱っておるわけでございますが、そういった国際交流を除きまして、一年度に使われております強化の費用は、おおむねスケートにおきましては一千万から一千五百万くらいが現実に使われているというふうに考えております。それに対しまして体協からのこれに対する補助は、昨年度は年間約二百八十万円でございました。今シーズンにつきましては、先ほど申し上げましたように三百二十万円でございます。したがいまして、その足らざる分は、全部が選手の個人的負担、あるいは選手を持っております母体の団体の負担、ないしは連盟の寄付その他の方法によりましてつくっておるわけでございます。なお外国遠征、あるいは外国からの選手あるいはコーチの招待、招聘、これらにつきましてはシーズンによって異なっておりますが、少ないシーズンで五百万円、多いシーズンでおおむね一千万円くらいが必要というのが現在までの実情でございます。

高橋重信日本社会党

○高橋(重)小委員 そこで、先ほど文部当局とも話し合いがなされて、文部省当局は非常によく両連盟の意向等を組み入れている、こういうお話を参考人のほうから承ったのですが、いま内容を聞いてみますと、たとえばスキー連盟においては、四千五百万程度を文部省と話し合った、こういうお話だと思うわけでありますが、具体的にそういう数字が出ておる以上は、文部省としては四千五百万程度に対しては、予備費からどうのこうのというお話がありましたが、これを認められたのかどうか。またスケート連盟におきましても、選手の個人負担というようなことは、この大行事を迎えて私は好ましくないと思う。趣旨からいいましても、これは国家的な行事であるわけでありますので、やはり当然国で見て、あるいは各種の団体がそういうものを見まして、個人負担というものはなくしていきたい。そうしなければ優秀な選手強化というものはできない。内容を聞いてみましても、私、岐阜県でありますが、岐阜県は去年国体をやりましたが、選手強化の費用からいうと国体の費用よりも少ないというような、こんな費用でやっていてはたして優秀な成績がとれるかどうかということに対して、一まつの不安を持つわけであります。そういう面におきまして、文部省の姿勢もなっておらぬと思うのです。もっと前向きの姿勢で——きょう両参考人のお話を聞かれることもけっこうでありますが、もっと自主性を持って、この国際大会に文部当局としてはどう臨んでいくのだ、また第一年度においてはどういう方針をもっていくのだということを明らかにしてもらいたい。現在来年度の予算編成等も行なれておるわけでありますが、先般文部大臣と会いましたが、八月中にきまるんだというようなことも聞いておるわけでありますが、そういうときにおいて体育局長としてはどういう方針で臨まれておるかということも、この機会にあわせてお尋ねいたしたいと思います。

赤石清悦文部事務官(体育局長)

○赤石政府委員 この件につきまして、かねてより当委員会その他におきまして文部大臣が、実施される年度はかなり先であるけれども、この競技種目の特殊事情からいって、選手強化が非常に重視されるということをしばしば申し上げておったと思います。したがいまして、文部省としましてもできるだけ選手強化——というよりもむしろ選手養成から始めなければならぬかもしれませんけれども、そういう点について十分考えたいということで、文部省として全体をあげて考えている点でございます。  ただ、さしあたって当面の予算のことがしばしば出たものでございますので、この点につきましては、予算でございますので、なかなか直ちにお答えできるだけの段階にまだきておりませんけれども、組織委員会は本日出発いたしますので、組織委員会を中心にしまして、当面の年度内予算をどうするかにつきまして正式に私どもと検討を開始する、こういうことになると思いますので、予算につきましてはっきり申し上げにくい事情があったのでございますけれども、先ほど来お話がございますように、明年度以降につきましては、これは当然通常の予算において、選手強化につきましては十分政府としても考えなければならないと思いますが、ことしの点につきましてどうするかということは、先ほどもお話があったとおり、いろいろ両連盟が私どもの係官とお話し合いいただきまして、私どもの係のほうも十分理解しておる点でございますが、ただその数字が、私どもの係のほうで十分理解したことが、直ちに国費の形でもって出るというふうなたてまえになってないところに、本年度のやりくりのむずかしさがあると思います。  そこで、先ほど来申し上げましたように、予備費でどの程度お願いするか、これに選手強化の費目についても入るかどうかにつきましては、今後検討しなければならぬまず第一の点だと思います。同時にまた、前回の東京オリンピックの場合もそうであったと思いますが、選手強化の費用が一切国費でもってまかなわれたということではございません。選手強化関係の費用が十数億にわたって出ておりますが、このうち国費の分担する領域が、率から申しまして六億程度でございますし、他の費用につきましては、これは自己負担なり、資金財団の費用なり、他の寄付等によってまかなっておるのでございます。もちろん率は十分でないといたしましても、国費の占める重要性につきましては、これは先生方も御指摘のとおり無視できないものがあると思います。したがいまして、今後もこの冬季オリンピックは、特に選手養成については一段と考えなければならぬ点でございますので、政府としてはこの点で、幸いなることにと申してはあるいは失礼かもしれませんが、かなりまだ年月ございます。したがって、一方において施設の整備をすると同時に、そこにおいてわが日本の青少年がすばらしき活躍をすることを期待して、政府も万全の対策を講ずるというふうになろうかと考えております。

高橋重信日本社会党

○高橋(重)小委員 文部省は、いま御答弁になったように、前向きの姿勢でひとつがんばっていただきたいということを特に強調しておくわけです。  そこで、私ども小委員会といたしましては、七日から現地を視察するわけでありますが、幸い参考人の方がいらっしゃるので、この機会に率直なお気持ちを聞かしていただきたいと思うのですが、まず選手強化については、これは年月が六年もあるわけでありまして、年次計画等が立てられると思うのですが、何といいましても専門家の御両人でありますので、日本が優秀な成績をおさめるには、総合的に選手強化の総予算というものが大体どのくらい要るか、こういうことはわれわれも知っておく必要があるかと思いますので、率直に聞かせていただきたいと思うのです。いろいろな見方はあると思いますけれども、専門的な立場において、スキー連盟においてはどのくらい要るのだ、あるいはスケート連盟においては選手強化には総合的にどのくらい要るのだというような点を、まず聞かせていただきたいということが一つ。  もう一つは、現地を私ども視察に行きまして、現地の関係者等にも会っていろいろ意見等を聞き、またわれわれも視察してくるわけでありますが、そういう場合におきまして、いままで現地を見られた御両人としては、こういう点をもう少し改革をしていただきたいとか、あるいは要望事項がありましたら、またあると思うのですが、この機会に率直に聞かしておいていただきたいということ、以上二点であります。

伊黒正次日本スキー連盟副会長

○伊黒参考人 私ども世界各国をいろいろ見まして、やはり強い国の施設と日本の施設とは雲泥の差でございます。ノルウェーというところは世界で一番ジャンプが強い、こう言われておるのでございますけれども、ごらんになられた方もあると思いますが、オスロの郊外のホルメンコーレン、ちょうど日本でいいますと田園調布のような高級住宅のある山でございますが、この山には九十メートル飛べる大きな台が一つ、七十メートル飛べる中くらいの台が四つくらいございます。そのほかに至るところに、いわゆる小学生から始まりまして大選手まで使えますところの三十メートルくらいの台に至りましては、もう三十ないし四十くらいのものが山の中に散らばっております。オスロの町一つを見ましてもそのくらいでございますので、いわんやこれがノルウェー全体、あるいはまた同じような状態にございますところのスウェーデンとかフィンランドに至りましても同様のものでございますので、日本はせっかくことしの世界選手権でジャンプで二位に入りましたけれども、それを維持しもう一歩前進しますためには、やはりノルウェー級の大きな台あるいは小さい台を、日本の国じゅうにぜひつくらしていただきたいものだというふうに考えております。日本の国では、大体過去、北海道がほとんどその九割までジャンプの選手を出しておりましたけれども、これは何も北海道だけが飛ぶことがうまいということは少しもございませんで、たまたま北海道の小樽、札幌近所にジャンプ台に対してお金を出してくださる民間のスポンサーがおったものですから、が然強くなったわけでございまして、もしもジャンプ台を鳥取県につくる、あるいは岐阜県につくるということになりますと、鳥取県、岐阜県のほうからもジャンプの選手が出ないなどという理由は一つもございませんので、ぜひとも皆さまの御協力によりまして、札幌の国立競技場のほかに、内地に九十メートル飛べますような大きな台を二つばかりと、そのほかに小さい三十メートルクラスの台を、いまここに覚えておりますだけでも、日本全国で約三十カ所ばかりつくっていただきたいというような希望がございます。  それからアルペンの回転競技のほうでございますけれども、これはジャンプ以上に施設が全然ございません。と申しますことは、御承知のように、日本の山は全部火山系でございますので、全部すそのほうを引いております。ところが、ヨーロッパの山は全部絶壁でございますので、アルペン競技に使いますところの三十度前後の急斜面は至るところとれるのでありますけれども、日本の山は高さも低うございますし、アルペン競技の高さの差の八百メートルというところがなかなかとれませんので、かろうじて札幌の恵庭岳に八百メートルの落差のあるところをとっただけでございまして、あとはほとんど日本ではそういうような急峻の山が少ないために、ほとんど練習ができておりません。したがいまして、このアルペン競技場をニカ所ばかり、先ほど申しましたようなあまり一般の営業競技場でないようなところを設けませんと、諸外国と大差ができるのではなかろうかというように考えております。  それからヨーロッパの練習法の中に、走るほうの練習では夜の練習をやっておりまして、昼間はみっちり働いて夜は走る練習をするということを盛んにやっておりますので、レースのほうも夜の練習施設をつくりませんことには、昼間会社をでれでれ休んで練習しておるというようなことではなかなか成果があがりませんので、夜の練習場をつくりたいものだというふうに考えております。  以上、諸外国と日本との大差のありますところは、施設の面で大きな差がありますということをぜひ御認識いただきたいというように考えるわけでございます。  大体、札幌の国立競技場のジャンプ台は別といたしまして、現在日本でもって大きな台のありますところは、青森県、長野県が一番大きな台があるわけでございますけれども、これも世界クラスに比べますと、ほとんど体をなしていないくらいに古いスタイルでございます。したがいまして、これはあるというのは名ばかりでございまして、これに対しましても、やはり一カ所どういたしましても二、三千万の金をかけて改修をしなければならぬ。小さいほうのジャンプ台は、一カ所それほど金がかかるわけでございませんけれども、やはり百万くらいの金はどうしてもかかる点がございますので、六年間にその金を出すというのではもうおそいのでございますので、ジャンプ台の施設と、アルペン施設だけは、ここ二年間でもって大体二億くらいの金を出していただいてまとめてしまいませんと、どろぼうをつかまえてからなわをなうということになるのではないかと思う次第でありまして、できましたならば、金は必ず出してやるからどこかから借りてこいというような話でも出ますと、たいへんやりやすくなるのではないかと思います。

南洞邦夫日本スケート連盟理事長

○南洞参考人 ただいまの御質問でございますが、六カ年間を通じまして強化の予算はどの程度必要かという御質問でございますけれども、冒頭に私が申し上げましたように、現在私どもの連盟でつくっております六カ年計画では、概算三億弱でございます。先ほど申し上げましたように、スケートのほうはスピード、フィギュア、ホッケーと異質の三つの競技種目を持っておるわけでございまして、おのおのがつくりました資料が、それぞれ単価面とかその他違った点もありますので、これを一本化する作業を現在いたしておりますから、精密に予算を組みますためには若干日時がかかるかと思いますが、いずれにしましても、理想的な競技をいたしますには三億に近いものが希望されるわけでございます。  次に、競技場の施設関係についての御質問でございましたが、スケートのほうはスキーと違いまして、自然の山、谷、そういったものを利用する部分が非常に少ないわけでございまして、ほとんど一〇〇パーセントに近いものが人工的につくり上げることが可能でございます。したがいまして、どういう施設をどういうふうに配置するか、どういった内容を組み込むかは、これからの問題だというふうに考えるわけであります。招致のために地元におきましていろいろ設計図、あるいは本番の大会がこういうものになるであろうといったようなことを想定いたしまして、相当緻密な設計をつくっておるようでございます。でございますが、これのしさいな内容につきましては、現在までそう詳しくわれわれの連盟の技術担当者にまだ相談は受けておらないわけでございます。したがいまして、連盟内部には、いささかどういうものになろうかということを心配している向きもあるのでございますが、これらは組織委員会ができまして以後、十分御相談を持ち出されることと考えておるわけでございまして、われわれもその点若干の心配をしておるのでございますが、従来インスタント的に招致のためにつくりました計画にはあまりこだわらずに、もう一度十分な吟味をされる必要があるのじゃないかというふうに考える点が多々にあるわけでございます。  三種類の競技のうち、スピードスケートにつきましては、御案内のように、陸上に設けました大きな四百メートルのトラックでございまして、これにつきましては、氷の質をよくするために水質、それから、当然屋根がございませんので風の向き、それから札幌は非常に雪が多い場所でございますから、競技会をスムーズに運営するために除雪をどうする、それから急変する天候に備えて、夜間でもレースができるような照明施設、こういったものを十分考える必要があるわけでございます。これらにつきましては、地元では当然十分お考えかと思いますが、今後じっくり連盟の人間も相談にあずからしていただきたい、こういうふうに考えるわけでございます。  アイスホッケー及びフィギュアは、主レース場がインドアの屋根のあります、またスタンドも中にありますリンクを使うわけであります。これにつきましても十分な設計、特に冷凍キャパシティについては十分な検討が必要かと思うのでございますが、アイスホッケー及びフィギュアの多くの選手が参りますために予選の段階ないしは練習のための付属のリンク、これらに万全を期する必要があるというふうに感ずるわけでございます。これらにつきましては、現在までのところ、まだ精密な地元からの御説明を受けておりませんので、これらにつきましても今後の問題かと思うのでございます。  以上でございます。

伊黒正次日本スキー連盟副会長

○伊黒参考人 ちょっと補足さしていただきます。  スキー連盟ではただいま予算を集計中でございますけれども、大体私の想像いたしますところでは、この六年間の総計が四億五千万くらいになるのじゃないかというふうに考えております。そのうち、一つ私どもが非常に特色を持って考えておりますのは、どうしてスキー競技を世界各国からすぐれたものにするかということにつきましては、科学的な研究を非常に重視しておりまして、ただいまスキー連盟では、ほとんどスズメの涙ほどの金でございますけれども、東大の宇宙航空研究所の谷博士に風洞実験でもって、スキージャンプはどういうかっこうが一番浮力が出るかというようなことを盛んに研究していただいております。なお、東大のロケットで有名な植村博士が、ロケットの航跡を追跡するところの機械をもちまして、スキージャンプの空中の曲線を計算してくださいまして、その両方を合わせまして、私どもはどういうスタイルで飛べば一番遠くへ飛べるかという方法をいま研究中でございます。この両方の研究を本格的にやりますと、相当ばく大な金がかかるわけでございまして、その金などは選手強化費のうちでも最も成果があがって、なおかつ、もしもこれが成功いたしますと、普通の産業機械なんかにも応用できるの、じゃないかという面もございますので、どうかスキーの将来のためには、科学技術の研究の裏づけということに重点を置いているということをあわせてお認め願いまして、もしも将来予算を御審議くださいますようなときには、そういうようなことについて格別の御同情をいただきたいものだと思っております。

高橋重信日本社会党

○高橋(重)小委員 終わります。

島村一郎自由民主党

○島村小委員長代理 小平君。

小平忠民主社会党

○小平(忠)小委員 一九七二年の冬季オリンピック大会を札幌に誘致いたしましたことについては、両連盟ともたいへん御努力されまして、感謝いたしておるところでございます。きょうは、両連盟から御専門の両参考人においでいただきまして、いろいろ貴重なお話を承ったのであります。  私は、施設につきましては、やりようによって国際的にも恥ずかしくないものに持っていけると思うのですが、問題は選手強化にあると思うのです。せっかくの開催地が、国旗が一つも上がらなかったじゃ非常に——それはオリンピックは参加することに意義があるといいますけれども、やはり主催国として、国民の感情というものはそういうものじゃないと思うのです。そういう意味から私お伺いしようと思っておったときに、いま伊黒さんからたまたま話が出たのですが、やはり選手強化を具体的にどうすればいいのかということについて、これはあまり予算なんかにこだわらないで——詳しいことはもう時間がありませんし、無理ですから、ポイントだけでも聞きたいと思っておったのでありますが、いま伊黒さんのおっしゃった、結局東大の科学陣のお知恵を借りてどういうスタイルがジャンプが伸びるのかというようなことなんかも、私は非常に貴重な御意見だと思うのです。そういう意味で、現実に六年後ですから、対象はいまの高校生から中学の二年、三年を対象にして、いまから訓練していかなければならぬと思うのです。そういう意味で、どういうふうなことをすることが、いわゆる選手強化に最も役立つかというヒント、考え方、そのうち、こういう点については国費をひとつというようなことも出てくると思うのですが、あまり予算にこだわらないで、そういう点について何かお考えの点があったら、この際両参考人からお伺いしたいと思います。

伊黒正次日本スキー連盟副会長

○伊黒参考人 先ほど申しました科学技術のことのほかに、私ども自分の経験から、なぜ日本人がいま競技でもってあまり強くないかということを分析してみますと、私は、やはり最近いわれております精神面というものが一番よろしくないというふうに考えております。その精神面のよろしくないということの原因は何かと申しますと、どうも専門でない私がこういうことを申し上げますと、多分におしかりを受けるかもしれませんけれども、私は現在の中学生や高校生の教育の方法がどうもよくないのじゃないかと思います。日本の国はいい国でないというような教え方が非常に多うございまして、日本は悪い国だというようなことばかり教えているような気がしてならないのでございます。やはり小学生、中学生に日本の国は非常にいい国であるということをたたき込むということが、競技会に出ましたときに、劣等感を持たない選手を養成する非常に大きな点ではないか。ことし私はオスロの世界選手権に行きまして、日本の選手の中でもって一番心臓の強い選手に、何か悩みがないかと申しましたら、白人の前に出るとどうしても劣等感が出るのだ。これは子供のときから日本の国は悪い国だ、悪い国だという教え方が強いのではないかと思いまして、特に国会の皆さま方に、小学生、中学生に日本はいい国だということを教える教育を重視していただきますと、競技も非常に強くなるのじゃないかというふうに考えております。  次に、精神面のほかに肉体的な問題になりますと、肉体的な問題では、日本人はどうしても体力がヨーロッパ人よりも劣るということを普通いわれておりますけれども、大体競技をやりますのは、一般の人が出て競技をやるわけではなくて、選ばれた人間が競技をやるわけでございますので、たとえば相撲取りのような、ああいうようなヨーロッパ人以上の体格の者は日本じゅうにいるわけでございますから、日本の国の中から優秀なからだの子供を集めますと、決して体力が劣ることはないのじゃないかというふうに考えるわけでございます。そういたしますと、具体的にやはり日本人の食生活というものをある程度考えませんと、特に陸上競技では、短距離とマラソンのような両極端のものは強うございますけれども、まん中の中距離のほうに至りますとかいもくだめだということは、これはやはり何か瞬間的な爆発力をある程度長期に持続する体力は非常に少ないというように考えられますが、ちょうどスキーの走るのは、八百メートルを走っては休み、また八百メートル走っては休むというような競技でございますので、特に日本の長距離レースが弱いのは、私は何か日本人の食生活に問題があるのじゃないかというふうに考えますので、先ほどの科学技術に関連いたしまして、私は科学技術の中に日本人の食生活を改善するような、爆発的な力を出すためにはどういう食生活がいいかというようなことを織り込んで考えていきたいものだと思っております。  そのほか技術的な問題になりますと、これは全く私どもの責任でございまして、これは一般の人にとやかく言うべきではなくて、私どもスキー連盟の者が専心これを考えなければならぬ問題でございますので、この点についてはとやかく申し上げることはないと思います。私どもの責任で解決さしていただきたいと思います。  くどくど申し上げましたけれども、もう一回申しますと、科学技術の問題と、特に科学技術の中には食生活というものを織り込みたいということ。それから一番皆さんにお願いしたいと思うこと、また私どもの責任を感じておりますことは、日本人のプライドというものを持たない子供たちは、どんな国際競技会へ出ても、一時はいい成績をとりましても、必ずそれは持続することができなくて線香花火式なものであるので、どうか子供たちに日本人のプライドを植え付けるようなことを、まだ六年ございますので、あと三年間ぐらいでみっちりやっていきたいものだというふうに考えておりますことを申し上げておきたいと思います。

南洞邦夫日本スケート連盟理事長

○南洞参考人 強化について、私どもが重要な問題と考えております幾つかの問題があるわけでございます。  羅列的になりますが、これについて申し上げますと、まず私どものスケート連盟が、強化についてはすべての責任を持っておるというふうに実は考えておるわけでございますが、連盟内部の強化に関する組織の確立、これが基本的に重要な問題だという考えでございます。強化につきましては、当然多くのコーチが長期間にわたって選手のめんどうを見るわけでございますが、これについての身分が全く確立しておらない。これは東京大会で痛切に経験したことでございますが、冬の競技でございますので、シーズン中非常な訓練をするのはもちろんでございますが、現在やられるスポーツと同様年じゅう強化をやらなければいけないわけでございます。現にもう五月以降、地方ブロックに分かれまして相当な選手が、その地区のコーチに従って訓練をしておるわけでございますが、春、夏、秋、冬と通じて強化をやるわけでございまして、コーチがなかなかたいへんなのであります。それらの人はもちろんアマチュアでございますから、全く手弁当の奉仕でやっておるわけでございますが、いま言いましたように何が何でも札幌で旗を上げなければいけないということでございますと、従来の、単に好きで情熱があるからというだけではこの問題は解決しない。それ以上のことをやはり考えてやらなければ不可能であるというふうに考えておるわけでございまして、これに対してどういったサポートをわれわれがする必要があるか、可能であるかというと、これはもちろん内部的には物心両面の立場からものことも必要なんでございますが、そういう方面に対して具体的に現在研究いたしておるのでございますが、これにつきましてもまた御協力を得なければならない、そういうふうに考えるわけでございます。  次に、強化に関連いたしまして科学的なものを導入すべしということは、いまさら論議の余地がないわけでございます。スキーと同様、スケートのほうも非常にシャープな氷に繊細な技術が加味されておるわけでございまして、これには一般のスポーツと同様な要素以外に、ダイナミックな機械工学的な、あるいは力学的な要素が多々ある。そういった面での科学者、医学者あるいは心理学者、こういった人たちの協力も得なければならない。もちろん最後の勝利ということになりますと、これは何といいましても基礎体力、あるいはスケートに特有な体力、こういったものがきちっと結びついてその成果を発揮するわけでございまして、私どもがたびたび外国に参りまして本舞台を経験するたびに思うのでございますが、技術につきましては、現在におきましても外国の選手とはほとんど遜色がない、にもかかわらず勝てないということの根本には、やはり日本人の体力において非常に彼らと隔たりがある。これをいかにして強化するか、これが重要なテーマであることはもちろんでございます。これにいま申し上げました科学的なものを加えまして、この六カ年間にいかに体力つくりをやっていくか、これが非常に重要なテーマだ、こんなふうに考えるわけでございます。そういう点では、東京大会での貴重な経験もわれわれ見聞いたしておりますので、それに負けないような、それ以上のものを取り入れていく必要があろう、こんなふうに考えるわけでございます。  次に、選手をどう集めるか、どういうふうに引っぱり出すかという問題でございますが、現在スケートのいわゆるナショナルチーム・クラスの人間は、その主力は社会人が多いのでございます。現在の大学が四年制度になりまして、昔と違いまして大学あるいは高等学校を卒業しまして数年間の期間、これが選手の主力を占めておるわけでございますが、六年後ということを考えてみますと、現在の高校生あるいは大学生が六年先においてその主力を占めるであろうということは申すまでもないわけで、そういった高校生からいかに選手を発掘してくるか、連盟の組織をどう動かしてそれを発掘ないしは育成、強化するか、これについて万全な策をとりたいというふうに考えておるわけでございます。  なお、スケートのうちにフィギュア競技がございますが、これは非常に長い年月を必要とするわけでございますが、現在の世界的な情勢から見ますのに、相当若い男女選手がその主体を占めております。昭和十一年のドイツのオリンピックのときに、十一歳の稲田悦子選手が活躍した実績があるわけでございますが、したがいまして、このフィギュア競技におきましては、現在特に小学生ないしは中学生、これらのうちから選手の発掘が必要である、ないしはすでにその道に志しておる者を育成する必要があるということが痛切に感じられておるわけでございます。これは夏のオリンピックにおきまして、水泳などにつきましてその考慮が払われた経験があるわけでございますが、それと同様に、あるいはそれ以上に年少者に対する施策が必要だ。これに対しましては、現在小学生あるいは中学生に対してとられております文部省のもろもろの施策のうち、相当な考慮を加えていただくようにお願いしたい、また、これに対しましては遠からざる将来具体的にお願いをしたい、こういうふうに思っておりますが、これについての考慮をぜひお願いしておきたい。  最後に、国際交流の問題でございます。これは先ほど申し上げましたので重ねて申し上げませんが、これなくしては世界の第一線に挑戦する選手を鍛えあげることはほとんど不可能だと断言して間違いないわけでございまして、したがいまして、これに対する相当な費用、これはさっき言いました強化の予算として十分な考慮をお願いしたいと思うわけでございます。

小平忠民主社会党

○小平(忠)小委員 どうもいろいろありがとうございました。突然申し上げたので、さらにもっと具体的な選手強化の方策もあろうかと思うのですが、ともあれ、ウインタースポーツが国際水準から見ると日本は非常におくれておるというようなことから、やはり相当本腰を入れないと、六年後といいますけれどもその成果は期待できない、このように考えるので、さらにこの選手強化について、こういう方法がいいとか、アイデアがありましたら、われわれにもひとつ率直におっしゃっていただけば、政府を鞭撻いたしまして、関係者の御期待、国民の御期待に沿うようにしたいと思っておるわけです。  それからもう一つ、これも選手強化と重要な関係を持つ施設の強化拡充であります。札幌の大倉山、それから真駒内のスキー、スケートの競技場の施設ですが、今度のオリンピックの施設の青写真、計画ですが、これは既設の国際的にできておる施設と比較していかがでしょうか。優秀なものだと判断されますか、それともこれでは困るというふうに判断されますか、ちょっと御意見を両参考人にお伺いしたいと思います。

伊黒正次日本スキー連盟副会長

○伊黒参考人 たいへんむずかしい問題でございますけれども、札幌のオリンピックは、人為的にヨーロッパの五割増しくらいの努力をしないといいオリンピックはできないのじゃないか。人為的に五割増しの努力をしなければならぬということは、天然的にはだいぶ劣っているところがあると思うのでございます。これはまず、先ほど私もたびたび申しましたように、日本にはスキー競技に適した絶壁がないということが一つの問題でございますけれども、そのほかに、日本の冬というのは非常に陰うつな、毎日薄曇りの天気で吹雪が多い。招致の文書の中には、お天気が多くて心配ないとは書いてありますけれども、ヨーロッパの冬になりますと、いずれも日焼けどめクリームを塗ってお日さまに当たるというようなお天気のいい日が多いように思いますので、私はそういう点で、天候状況は人為的なフレンドシップでもって補っていきたいものだというように考えております。  次に地形でございますけれども、地形の問題になりますと、走るほうのレースには、私はいままでのいずれの競技会に比べましても劣ることのない地形を持っていると思います。この点では、決して御心配要らないと思います。それからジャンプの大倉山でございますけれども、大倉山は、ジャンプ台そのものは設計をすればいかようにもなりますので、大倉山のジャンプ台の場所というのは、いままでのヨーロッパのどこに比べましてもあまり負けることはございません。問題は、大倉山はやはり吹きさらしの中に立っておりますので、風に吹かれるということさえなければあまり問題はないと思っております。周囲の状況、景色その他からいきまして、あそこは、いままでのオリンピックのうちでは指折りのいい競技場になるのじゃないかと思っております。  次に、いま申しましたのは真駒内にレース競技場をつくる場合でございますけれども、真駒内付近にもしも選手村その他をつくりましたときにはどうなるかと申しますと、これまた在来のオリンピックをやったところと比較いたしますと、都心からあまり離れていない、しかも山の奥ではないという諸般の状況からいたしますと、私は場所的にもいいところじゃないか、こういうふうに考えております。いまや冬のオリンピックは、札幌くらいの町でないと全然できないのじゃないか。ところが、札幌のような大きな町の付近でオリンピックをやるというケースは、世界じゅうどこにもございませんので、そういう意味で非常にいい場所であろうと思います。  繰り返しますけれども、天候の問題がどうも根本的にヨーロッパと違うところにだいぶ心配があるというところをひとつよろしく御勘案の上——これはどうすることもできないのでございますので、ほかの点で補っていきたいと考えております。

南洞邦夫日本スケート連盟理事長

○南洞参考人 スケートに関してでございますが、いま伊黒さんが言われましたように、環境といたしましての札幌は、従来やりましたオリンピックのどこにも劣らないりっぱな環境だ、スケートの立場からはそう申し上げて誤りがないと思います。したがいまして、今後どういった建設を進めていくか、施設をつくるかということにかかっておると申し上げてもいいと思います。とるための方法として、やはり理想的なことを書いて持っていくのだという話も、いままで笑い話に出たのでございますが、きまったあとは、羊頭を掲げて狗肉を売るということでなしに、少なくとも従来われわれが各国に約束いたしましたもの以上のりっぱなものにしていただけばよろしいわけで、従来いろいろ聞かされておりました程度のものであれば、ほとんどどこへ出しても見劣りのしないりっぱなものであろうか、そんなふうに考えるわけでございます。

小平忠民主社会党

○小平(忠)小委員 私は率直に申し上げますが、これは青写真であるし、誘致のために一番いいのだ、これはわかりますけれども、しかし、それでさえも私の判断では幼稚だと思うのです。現に、大倉のシャンツェ一つ見ましても、収容人員四万でございましょう。別に観覧席云々じゃございませんが、せっかくつくるなら、オスロのホルメンコーレンの場合は十万人、これでは問題にならないわけですね。何もノルウェーあたりに負ける必要もないし、私も現地を見てまいりましたが、あれだけの自然の条件だって、結局やぐらを組んでいるのですから。大倉の場合は、天然の山があって山を利用していますからね。ですから、もっとこれなどは五十年、百年後のことを考えて、よく一九七二年にこれだけのものをやったものだといわれるようにしてもらいたい。結局、日本の国はもう三分の二は雪に埋もれて、冬期間というものはどうしても非常に運動不足になる。オリンピックを契機に国民の体位を向上するという大きな役割りを持っているのですから、一つの施設にくだらぬ金をかけるなんということを考えないでもらいたい。同時に、真駒内のスケートの施設の場合もしかりです。せっかくつくるのですから、当場の五年や十年や二十年後でなく、相当長期のことを考えて、いままでのはこれは計画だから、ひとつ本ぎまりの設計は、思い切って両連盟もてこ入れされまして、この組織委員会をバックアップしていただきたい。われわれも当然やりますけれども、そういう形でやってもらいたい。特にいま伊黒さんがおっしゃったように、スキーの場合には確かに地形、気候等、これはいい面もあるけれども悪い面もある。確かに八百メートルのいわゆる滑降の場所というものは、恵庭まで行かなければならぬ。私も地元の人間であり、大がいのところは歩いているのだけれども、恵庭だけは行っていないから、今度の調査にぜひ参加して見てきたいと思っているのですが、いずれにいたしましても札幌周辺は、それは天候は北欧から見るならば悪い点があるかもしれぬけれども、恵まれているのですよ。ですから、思い切って施設をやってもらいたい。  両参考人はいずれもエキスパートであり、専門家であります。伊黒さんなんか戦前、北大の伊黒といえば、あの大倉シャンツェで七十メートルの記録を立てたのは、まず北大の伊黒か早稲田の龍田かといわれたくらい名声を博した方が、いまや日本スキー連盟の副会長として活躍されているのですから、この際、スケールの大きいものを打ち出してもらいたい。  それからは、私先ほど体育局長にいろいろ意見を聞きましたが、少しなまぬるいですよ。国をあげて札幌誘致を決定して、やることにきまって、組織委員会もきょう発足、担当大臣もきめる。内閣に閣僚協議会も置くというときに、今シーズン指をくわえて見ている。予備費の流用くらいでは足らないのです。当然、臨時国会が持たれて補正予算を組むのなら補正予算を組んで、選手強化のためにも、施設拡充のためにも、まず補正予算にこの札幌オリンピックの予算を組むのだというくらいの要求を大蔵省にしてくださいよ、われわれもバックアップしますから。そうして、同時にそのことは、先ほど前田さんの質問にも答えられましたように、やはり一日も早く将来の選手候補者がその施設を利用するのだ、一九六八年には完成して一九六九年のシーズンには使用したいというのなら、本年からもうそういった準備をしなければ私は間に合わぬと思うのです。そんな簡単なものじゃありません。東京オリンピックの例があります。ですから体育局長、ひとつ陣頭指揮で施設の問題についてはいまから取り組んでもらいたい。これが私の意見ですが、最後に体育局長の所感をちょっとお伺いしまして質問を終わりたいと思います。

赤石清悦文部事務官(体育局長)

○赤石政府委員 たいへん激励を受けまして、私個人の気持ちは、いま先生のおっしゃったような気持ちと全く同じでございます。ただ、体育局長が陣頭指揮などとなりますと、すぐさままたいろいろとございますので、問題はどうして最終的にいい成果をあげるか。それには、全国民的にこの大会を積極的に後援する、こういう体制づくりがやはり大事だと思います。組織委員会その他いろいろの機関が設置されますので、それらの意見を待って、その上で十分検討し、推進してまいりたい。内々はいろいろと私どものほうで下調査もいたしておりますが…………。

小平忠民主社会党

○小平(忠)小委員 補正予算に組む用意はありませんか。

赤石清悦文部事務官(体育局長)

○赤石政府委員 補正予算の問題は、私の口からとやかくお答えしにくい問題でございますので、補正予算がかりに組まれずとも、たとえば、予備費あるいはその他一般民間、それから関係機関等の財源をできるだけ本年度活用して第一年度の準備がスタートできるのではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。

島村一郎自由民主党

○島村小委員長代理 泊谷君。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷小委員 きょうの小委員会は、選手強化対策に関する問題でありますから、これから申し上げるのはちょっとはずれるかもしれませんけれども、お許しをいただきたいと思います。  今度の札幌大会で、ここにきょう参考人でおいでになったスキー連盟、スケート連盟の皆さまは、たいへん重荷をしょい込んでおると思うのです。日の丸はあげろ、金はあげない、君らくふうをしてくれ、こういう話でありますから。そこで私は、実は体育局長にお願いがあるわけです。私は常々考えておるのですが、東京であれだけオリンピックが盛会をきわめて、国民のすべての人々が満足感を持って終結をした。だが、そのあとの始末が必ずしも芳しいと思っていない。今度冬のオリンピックの誘致に成功いたしまして、日本といたしましてはこれ以上のできごとはないわけです。ないので、ここに冬のオリンピックで日の丸の旗を上げたいということは私はよくわかるのでありますが、しかし文部省自体が——これは厚生省のことかもしれませんけれども、先日の統計を見ますと、一世帯の出生率は大体一・七という数字ですね。夫婦二人かかって一・七人しか日本人をつくれないということであれば、せっかく二人かかって二人生まれないようなきびしい条件の中で、せめて生まれてきた子供だけでもすくすくと育てるということについて、細心の気を配るべきだと私は思うのです。それをやろうとするのには、予算、予算とおっしゃるけれども、予算のことを前面に置かなくても考えられないだろうか。たとえば国家公務員、直接国が関与できる従業員に一日必ず一度——この委員会でも前田先生からも強く訴えられておりますし、それからいま委員長代理でおられます先生からもお話がありましたように、定期的に体操をやらせる。こういうことで基礎訓練をするとか、あるいは夏場には、ビニールハウスがこれだけ開拓されてきたのですから、わずかなあき地に子供のプールを簡略に備えつける。こういうことをとらえてみても、あるいはスキー、スケートにしましても、ゆるやかなスロープに紅白のさくをつけてやる。二百万か百万のものでありましょう。場所によっては十万もかからないでしょう。そこで子供たちがそりに乗ったり雪の中をころがっておる。こういう体制を国として考えて初めてスポーツ人口もふえ、日本人の体位強化ということも考えられることであって、いまのように、特定の人を何とかして世界水準に入れていこうということ、しかも国は何も関与しないで、特定のものの寄付行為だけでやらせておるということは、少し誤りをおかしておるのではないかと思うのであります。でありますから、こういう考え方がもし採用されるとするならば、まず国家公務員、自分らが直接関与できるものだけでも特別な立法措置をとって、その体位向上ということについて文部省は考えていいのではないかと思うのですけれども、世紀のオリンピックが東京で開催され、そしていままた冬季オリンピックが札幌で開催されようとしておりますのに、本質的のものについて体育局長のほうでお考えいただけないものだろうか。片や政治家は、北海道開発庁長官などは北海道に行ってばんばん、冬季オリンピックに六百億から一千億の金を調達します、そして空港も道路も、こうおっしゃっておるのだけれども、そのことよりも、まずこれが記念行事として、先行き国民の体位を向上するために私は当然考えられていいと思うのですが、体育局長は大臣にそういう考えを進達していただけるかどうか、そして次の国会にそういう立法措置を考慮することがまずいことなんだろうかどうか、あなたの考えをひとつ聞かせていただきたいと思います。

赤石清悦文部事務官(体育局長)

○赤石政府委員 この冬季オリンピック誘致成功の機会に、冬季スポーツを若き青少年に浸透し、大いにその人口をふやす、またそれを含んでそういう青少年の体力つくり、こういうものを高めていくことは、一般国民の啓蒙ということで、これは当然なさなければならないことではなかろうかと思っております。その具体的な方法をどうするか、まだ具体案が出ておるわけではございませんが、もちろん、この冬季オリンピックがわが国において六年後に開催されるということにつきましては、学校等教育機関を通じて十分啓蒙しなければならないことだと思っております。また、選手を発掘し養成することにつきましても、やはり広く指導者を養成し、そしてそうした選手ができるだけ漏れなくその能力を発揮していくような、機会と施設とそういう機運を高めることに努力しなければならないことではなかろうかと思っております。先生のいまのお話の、とりあえず公務員あたりにというお話について、ちょっと私まだ先生の御指摘の点よくわからない点がございますが、もし公務員でありますれば、公務員の所属の長が何か適当な機会に通達を出すとか、そういう措置はできるのではなかろうかと思いますが、先生の御提案の趣旨がちょっとわかりかねたのでございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷小委員 選手強化といったって、みんな腰弁で世話しているのです。伊黒さんも、それから私のほうの近くにいますスキーの矢崎さんにしても、スケートの久保さんにしてもみんな腰弁ですよ。あなた方は号令ばかりかけている。私がさしずめ公務員と言ったのは、二百人以下の職場には衛生管理者を置くことを法律できめているでしょう。しかし、からだの悪い者を勤務させるとか、後手後手の話なんです。それを、何名以上の職場には体育担当専任者を一名置くとか——民間の人に金を出さないで、体育振興に協力せよと言ったってできない相談ですよ。だから、まず国家公務員で直接国が関与できるものでやったらどうか。いまそれでなくても機械化、近代化されてきて、みんな頭を使う仕事が多くなったでしょう。昔のように伸び伸びとからだを伸ばすという職場から、神経を多く使う職場になってきているので、特にその点は体位保持上からも考えなければならぬし、全体のものにするのには、さしずめ役所につとめている連中に、それを専任とまではいかなくても、月に三日なら三日各職場の者を引き出して体操訓練をするとか、あるいは水泳に引き出すとか、そういうことが立法措置として考えられないかということなんです。  なお、この方針がまだ煮詰まらなくても、出るとすれば、たまたま来年は地方選挙でしょう。わずかのことで子供の遊び場などはできる。そういう時期をとらえて国民の耳にそれを強く訴えるということ自体がまたスポーツ人口を拡大し、体位向上の大きなステップになってくるというので、私は、このタイミング、時期というものを、来年などと言わずに早急に検討して答えを出してもらいたいという気持ちから申し上げたのですが、いかがですか。

赤石清悦文部事務官(体育局長)

○赤石政府委員 官庁を含めて職場の体育振興、職場スポーツ振興ということだと思いますが、これについては従来からある程度の指導、ある程度の体制づくりについては努力しておったと思うわけでございます。ただ御指摘のように、職場の人口に見合って体育指導者を必置しなければならないといったようなことは、まさしくこれは法律で解決しなければならない問題で、かりにもしそういうことをすべきであるということでございますれば、スポーツ振興法あたりでもう一ぺん検討しなければならぬ点ではなかろうかと思っております。職員の数に応じまして職場に全部専門家を置くということになりますと、これまたなかなかやっかいな問題もあろうかと思いますが、御指摘もございますので、十分検討さしていただきたいと思いますし、また先生方も十分御推進願いたいと存じます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷小委員 時間がないからこれでおしまいにしますが、同じことを申し上げるのですが、あなたの言う専門家配置なんて、そういうことを考えておるから問題が出てくるわけです。それは職場の中でスポーツの愛好者がいるんだから、その人を職場で指定すればいい。あなたはある程度の応援をしておると言うけれども、どんな選手強化だって文部省は一銭も出していませんよ。全部腰弁です。あなたがそんなきれいなことをおっしゃるなら、それならば職場のほうの勤務もあけてやる、そうしてその日の収入がカットされた人には何らかの補償をして、力を入れなさいというしかけになっているならいいんですけれども、あなた方のやるのはお得意の精神訓話だけなんです。何にも実がないのです。それよりは職場のスポーツに強い愛情を持っておる人に指導を願って、それを制度化するようにしていく。体育局長、国民の体位向上の責任者であるあなたが、あなた自身にその気持ちがないのかということを聞いておるのです。あるとすれば、それを役所の関係で上の人に相談しなければならぬのなら相談をして、次の国会あたりに考慮してもらえないか、こう申し上げておるのです。

赤石清悦文部事務官(体育局長)

○赤石政府委員 いろいろ先生のお話、具体的なお話もあると存じますので、従来いたしておることをちょっと御紹介しただけではまた不十分な点もございますし、私も就任早々でございますし、的確にいまお答えできない点もございますから、御趣旨を尊重いたしまして、部内で検討さしていただきたいと存じます。

島村一郎自由民主党

○島村小委員長代理 他に質疑はありませんか。——なければ、参考人に対する質疑はこれをもって終了いたします。  両参考人には、御多用中にもかかわらず貴重な御意見を承りまして、まことにありがとうございました。本小委員会の今後の調査に非常に参考になったことと存じます。ここに小委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

島村一郎自由民主党

○島村小委員長代理 速記を始めて。  本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。    午後零時五十七分散会

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