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52回国会衆議院1966/07/13

産業公害対策特別委員会 第1号

発言数
60
登壇者
9
会派数
2
開催日
1966/07/13

会議録

堀川恭平自由民主党

○堀川委員 これより会議を開きます。  私が年長者でありますので、衆議院規則第百一一条第四項の規定によりまして、委員長が選任されるまで、委員長の職務を行なうことにいたします。  これより委員長の互選を行ないます。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員 動議を提出いたします。  委員長の互選は、投票によらないで、井手以誠君を委員長に推薦いたしたいと思います。

堀川恭平自由民主党

○堀川委員 ただいまの丹羽兵助君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀川恭平自由民主党

○堀川委員 御異議なしと認めます。よって、井手以誠君が委員長に御当選になりました。(拍手)  委員長井手以誠君に本席を譲ることにいたします。   〔井手委員長、委員長席に着く〕

井手以誠日本社会党

○井手委員長 この際、一言ごあいさつを申し上げます。  ただいま委員各位の御推挙によりまして、不肖私が引き続き委員長の重責をになうことに相なりました。  委員会の運営にあたりましては、皆さまの御支援をいただきまして万全を期したいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)      ————◇—————

井手以誠日本社会党

○井手委員長 これより理事の互選を行ないます。  理事の員数及び互選の方法についておはかりいたします。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員 動議を提出いたします。  理事は、その数を八名とし、委員長において指名せられんことを望みます。

井手以誠日本社会党

○井手委員長 ただいまの丹羽兵助君の動議に御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井手以誠日本社会党

○井手委員長 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。  委員長は、理事に、       奥野 誠亮君    小山 省二君       丹羽 兵助君    保科善四郎君       南  好雄君    重盛 寿治君       中井徳次郎君    野間千代三君 を指名いたします。      ————◇—————

井手以誠日本社会党

○井手委員長 産業公害対策に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますのでこれを許します。中井徳次郎君。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 臨時国会の中の特別委員会でありまして、臨時国会も二十日ばかりで、私ども前国会で一応公害対策の特別委員会としてきわめて効果的な運営をしてきたように自負いたしておるのでありますが、今国会の中でさらに引き続き熱心な審議を続けねばならぬわけでありますけれども、二百日に近い長い前国会でございましたので、ちょっと中だるみというような感じで、私自身も召集に応じて出てまいったのであります。したがいまして、きょうは私は、一般論はまた次の通常国会等に譲ることにいたしまして、特にここ二、三日来新聞に大きく報ぜられました問題、四日市における公害病の問題にしぼりまして、一、二点政府にお尋ねいたしておきたいと思うのであります。  質疑に入ります前に、自治省からだれか来ておりますか。——それでは委員長、自治省のだれか来ませんことには、来るまでしばらくこのままにしておきます。

井手以誠日本社会党

○井手委員長 速記をとめて。   〔速記中止〕

井手以誠日本社会党

○井手委員長 速記を始めて。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 それでは自治省から係官が見えたようでありますから、質問いたします。  去る十日の午後一時ごろに三重県四日市市の稲葉町二丁目に住んでおります木平卯三郎さんという人が自殺をいたしました。そうしてその遺書を調べてみますと、ぜんそくが苦しくて困る、薬は高い。公害病患者と認定をされまして、市内の病院に入院をしておったが、入院をしている間はほかの収入はありませんし、またそれに付き添いの看護婦その他必要でありますので、そういう経費もかかるし、家のほうもあまり豊かでないというので死ぬる、こういうことになれば、今度はこれで高い薬も買わずに楽になれる。こういうことで仏さまになるというのであります。この四日市の公害につきましては、この委員会におきましてもしばしば議論になりました。戦前からあります尼崎とか川崎とか、あるいは東京の江東地区とか、大阪のそういった密集地帯と異なって、戦後急激に、しかも新しい産業でありますところの石油コンビナートという形で急激に発達をいたし、しかも日本の大企業が集中をしておるという特殊な事態の中で起こりました。そうしてそれはおもにSO2硫黄による公害、亜硫酸ガス、こういうことでありますので、典型的なものとして問題になっておるのでございますが、とうとうこういう事態にまで追い込まれたというのが、私が新聞を見ました率直な感じであります。この十日の事件でありますが、公害病でございますから、主務官庁は厚生省だと思うのでありますが、厚生省にどういう報告が来ておりますか、まずそれを伺ってみたいと思います。

舘林宣夫厚生技官(環境衛生局長)

○舘林政府委員 お尋ねの患者は、三重県四日市市稲葉町に住んでおります木平卯三郎という七十四歳の方で、この方は昭和四十年、昨年の七月二十二日に公害患者の認定を受けまして、同七月三十日に築港病院に入院いたしまして入院治療中でございましたが、ことしの一月末にそこを退院いたしまして、二月末まで約一月間通院をしておりましたが、それ以降通院をやめているという方でございます。家族は、長男が貨物自動車の運転手、長男の妻が映画館の売店の勤務、そのほか本人の次女が無職で三十二歳、孫の十五歳のが映画の助手をしている、孫の十歳のが小学校に行っているという方々のほかに、本人の妻の七十歳の方が中気で病臥中であるという七人家族でございます。  この家族の方々は、昭和三十六年にこの四日市へ移ってきて住んでおりました。それまでは津におったわけでございますが、三十六年から四日市に住んでいるわけでございます。  本人は、四日市に移り住んでから一年ぐらいたちましてからぜんそくのような症状を起こし始めたということでございまして、病院に入院中の診断名は、ぜんそくで、しかも肺気腫を起こしている。すなわち、かなり慢性的に固定化した状況でございます。そのほかに高血圧症を併発しているという状況でございます。  家庭的に非常に不幸な状態でございまして、入院中は長男の嫁が看護に通っておったわけでございますが、そのうちにこの方のつれ合いのおばあさんが中気で倒れましたので、長男の嫁が通うこともできないという状況で、病院に看護の手もなくて長く入院しておることは適当でないと本人は考え、自宅へ無理に退院してしまった、そういう状況であったわけでございます。退院後通院しておったのでございますが、通院の距離は五百メートルほどでございました。どういう理由で通院をやめたか、その点は調査をいたしましたが、必ずしも明確でございません。ことしの三月から通院をやめておったわけでございます。  医療費の関係を申しますと、この患者は、長男が自動車会社へつとめておりますので、貨物自動車の運転手をしておられますので、健康保険の家族として健康保険から二分の一の支給があるわけでございますが、残りは四日市市の公害対策の特別の治療費の支給を受けておる。したがいまして、入院並びに通院中の医療機関に対する治療費は無料であったわけでございます。しかしながら、入院中もときどき売薬などを買ったようでございますが、退院いたしまして通院をやめて以来は売薬にたよっておるということで、売薬の費用が相当かかっておったのではなかろうか、かように思います。この方のためにいままで市が負担をしておりました金額は十一万四千百十一円に達しております。  なお、この方の家庭の収入は、所得としましては年額八十万円台くらいはございますし、また、この方自身が、昭和三十六年以来年額十二万円ほどの年金を受けておりますので、百万円近い所得はあったものと思われますが、家族数が七名でございますので、決して豊かな暮らしでなかったように思われます。  以上が、私どもが受けております報告でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 だんだんと伺いましたけれども、いずれにいたしましても、当人の原因でありません、いわゆる産業公害でもってここまで追い込まれたということは、やはり社会的に大きな問題であると私は思います。そういたしまして、いまも御答弁の中にありましたが、四日市市は、この公害病に対して年額相当な経費を出しておる、こういうことでありますが、私の調査するところによりますと、去年一年で大体二千万円、患者が二百六十人前後だというふうに記憶をいたしておりまするが、そういう程度ですか。ちょっと……。

舘林宣夫厚生技官(環境衛生局長)

○舘林政府委員 四日市市が市の費用といたしまして公害患者の治療に乗り出しましたのは昭和三十九年度からでございました。そのときには、その対象の地域をかなり限りまして、公害が特にひどい地域、磯津地区のような地域だけにつきまして、患者の治療費を負担するというような制度をとっておりましたが、昨年度からは地域をずっと広げまして、また取り扱い医療機関も、四日市所在の公的医療機関ばかりでなく、一般開業医の方方も対象の医療機関に指定して、広く公害の患者の治療対策を進めておったわけでございます。昭和四十年度は、取り扱いました入院患者が実人員四十二名、通院患者実人員で百六十六名、治療の費用の決算といたしましては四百九万三千七百四十六円を支出いたしております。この支出のしかたは各種保険、公的扶助等のございますものはそちらを優先する。残りました患者負担分について市が一切負担をする、こういう形をとっておったわけでございまして、公害患者としての認定は、特別な審査会を設けまして、これが公害患者であるかどうかということを認定して支給をいたしておったわけでございます。四十一年度はこのための予算を一千万円計上いたしております。  現在までの認定患者を住居別に見ますと、磯津、塩浜が特に多くて、それから目下認定をいたしまして治療をいたしております患者数は、ただいま先生が仰せられましたように二百六十二名でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 とにかくここ数年来の問題でございまするので、市当局といたしましても、いま政府委員から答弁があったように、当面の措置といたしまして、ことしは一千万円の予算、私のところへ参っております資料によりますると、昨年は二千万円、こういう経費を使っておるということになっておりまするが、私がお尋ねいたしたいのは、市がとにかくここまで努力をいたしておるのであります。市といたしましては、何もこの公害病だけじゃありません。ほかの施設その他にも相当な経費を使っておると思いますが、これに対しまして国が一体どういうことをしておるか。この一千万円ないし二千万円、直接的な経費を市が補助いたしておることに対しまして、国といたしまして、この公害に対してどういう手を打っておるか、これをまず尋ねておきます。

舘林宣夫厚生技官(環境衛生局長)

○舘林政府委員 公害に対します各種の施策があるわけでございますが、それらの中で現に公害の発生いたしております四日市市におきましては、ただいま先生仰せられましたように、昨年度は二千万円以上の支出を各方面にいたしておるわけでございますが、国がはたして現段階でどのような措置をとっておるかというお尋ねでございますが、本来この公害の患者の措置というものをどう扱うかという問題が前々から検討の対象でございまして、もちろん原則的には公害を発生させた企業側の負担であるというのが筋合いでございますけれども、それだけで片づく問題ではなくて、やはり国なり県なり市なりがある部分を負担してもいい筋のものであるということで、私どもとしましても、国の負担の部分というものにつきまして、前前から検討いたし、ただいま公害審議会で審議中でございまして、審議の結果を見まして、国としての負担を明確にいたしたい、かような考えで、明年度にはその結果を織り込んだ予算要求をするつもりでおるわけでございますが、ただいままでの現実に発生いたしております四日市の患者の検査という部分を、しかもその全面的な患者の発見ということではございませんで、ある一部の検査費を国が分担をいたしておる程度にすぎないわけでございます。  そのほか土地の改造といいますか、都市の改造とかあるいは企業側に公害防除の施設をするための援護というような意味合いでの負担といたしましては、いままでに直接国が負担をしたという形のものはございませんで、公害防止事業団あるいは開銀の融資というような形でそれらの企業負担を援護する体制はとっておりますけれども、いまそれらの計画が進められておるにすぎなくて、実際上負担が支出されておる状況ではごいません。また、都市改造につきましても、これは国の都市改造計画に乗れば、かなり大幅な補助が出ることになるわけでございますが、ただいまこれは調査中でございまして、実際に改造計画が遂行される段階にはまだ至っておりません。したがいまして、国のお金がこれに支出されるという状況には至っておらない状況でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 それだから問題になるので、国が一体公害に対して何をしているのだということになりますと、四日市の場合だって黒川調査団というのが四、五年前に来ましたが、なかなか一応りっぱな調査報告を私も読みました。これはあと何かばい煙規制法の適用をやったということだけであって、現実に財政的にはこれだけの問題について国が一銭も措置しておらぬ。ここに問題がある。いまの調査する、調査するというので、また何とか審議会にかけております。これは一体どうなんです。国民の不満というのはこういうところに現実にある。あなたのいまの御答弁の中にも、企業側が負担すべきものもあるでしょう、そのとおりなんだ。しかし、現実にはやっていない。企業は企業で、法でぴちっとしてもらわなくてはやりようがない。現地の企業は企業で、おれたちは法人税やらその他国税を年額二百億かなんか納めている。しかるに還元は、少しでもやってみたらいいじゃないかというふてくされ的発言がしばしば新聞なんかに出る。それから、政府のほうは政府のほうで、こういう事件が起こったりなんかすると、政府の高官が視察をするとか、あるいは総理が閣議の席上で四日市のことをよく調べろと言ったとか、そんなことだけ大きく出るのだ。それでそれじまいだ。何かどうも、これは何十回こんなことをやっても何ともしようがない。  そこで、具体的に聞きたいと思っていま聞いたのだが、要するに四日市が一千万なり二千万、ことしの予算を一千万出しておるが、何も国はそれについてその四分の一を持つとか、三分の一を持つとか、二分の一を持つとか、あるいは企業にその全額を負担させるような行政指導はできないのかもしれません。できないのかもしれませんが、法の措置はありませんから、何か措置をするとか、さらに四日市がずっと前から言っておりますいわゆる公害基本法をつくってそういう形を整えていくとか、こういう前進がないのだ。病気のことだからと思って厚生省に聞きましたが、厚生省のほうもそういうことであるし、これはこの間の通常国会で、私どもは参考人を招致をいたしまして、公害に対する見解を聞きましたときに、三重県の三重大学の教授の吉田博士が、二百数十名の患者のうちで、三十数名は肺気腫でもう回復しないというふうなことをはっきりここで言っております。その一人だと私は思うのですが、そういうことを放置をしておるということがどうも納得できないのです。これは政府の怠慢といわなければならぬと私は思うのです。まさしく怠慢です。この事件が、一人の老人が死んだということが大きく取り上げられ、きのうも私は朝日新聞を見たら、天声人語にずっとこのことを書いておりましたが、その中で私は非常にショックを受けましたのは、日本の有力な企業家が、日本は戦前は低賃金でもって日本の企業の繁栄をもたらした。戦後は公害の施策をしないことでやっているのだというふうなことさえ言っておる。「ある産業人が、「日本の工業は、かっては低賃金で、現在では公害対策に費用を投じないことで、繁栄の基礎をつくっている」」、こういうことを産業人自身が言っておるということは、政府はよほど間抜けですね。住民の側に立ってものを考えない。いつも産業側にある。これは厚生省でありませんで、きょう御出席をいただいておる通産省の私は領域だろうと思うのですが、こういうことさえ産業人が放言をしておるのに、政府自体がおっとりとしておられては、国民がはなはだ迷惑をするのであります。いまの、金額にいたしましたらわずか一千万円かもしれませんが、市はそれを出しておる。市はやかましく言われるから出しておる。それに対して企業が、それは申しわけないからというので四日市市に寄付をしておりますかどうですか、その辺のところをおわかりなら、どなたでもけっこうです。これは自治省の人でもけっこうですし、あるいは通産省の方でもけっこうです。役所と企業との関係、自治体と企業との関係、そういうものについてちょっと伺っておきたい。

舘林宣夫厚生技官(環境衛生局長)

○舘林政府委員 私ども、公害患者の治療に関して、企業側が四日市で負担をしておるということを聞いておりません。

馬場一也通商産業事務官(企業局産業立地部長)

○馬場説明員 企業の負担の問題につきましては、私どもただいま厚生省から御答弁のありましたように、そういうことであるというふうに承知しております。

岡田純夫自治事務官(大臣官房参事官)

○岡田説明員 私も、そういう点については寄付があったというふうには聞いておりません。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 これは非常に問題なんです。数年前にある大企業で、付近の住民の洗たくものに穴があいた、これはばい煙の中に相当入っている亜硫酸ガスで穴があくので、非常に困るといったら、洗たく機を買って、それをトラックに乗せて巡回をして、ただでやりましょうというふうなことで、それでもやらないよりはましだといって、一部の人にはありがたいことだという、非常に古い考えの人にはそういうことをやったことも私は聞いておりますが、そうなことは全部一時のがれのことでありまして、私はいま舘林君が言われましたように、企業にも責任があるということになると、企業のほうに県なり市役所なりが、これは寄付なり負担金なりを、強制的にはともかくとして、強い要求をすべきだと思う。特に東京とか川崎とかいうふうな、たくさんの群小のものが昔からあるという、なかなかむずかしいところはあります。江東区あたりは何千軒とあります。ところが、四日市などはもうきまっている。二十くらいの大きな企業なんです。そうしていまあげた数字のごときは問題でない。にもかかわりませず、それさえやっておらない。そうしていたずらに新聞記事をにぎわしておるだけであるというところに非常な政治のふまじめさというか、そういうものを私は非常に感じるのです。企業にとりましても何でもないことです。  これについて私は、自治省の岡田参事官に、地元負担ということについて、今度四日市でも二十四億ばかりかけまして、緑地帯をつくるか、あるいは土地の整備をするわけでございますが、それについて国が三分の二を持つ、あとの三分の一の八億は地元が持つ。地元が持つというので、県で持つか市で持つか、この間からけんかしておって、新聞を見ると、何か折半になったとかいうことを私は聞いておりますが、こういうことは八億とも企業に持たして、と私は思う。八億全額でいけなくとも、少なくともある程度まではこんなもの当然の措置であると思うのだが、そのことが論じられておらぬというところに私は問題があると思うのですが、岡田参事官はそういうことをどういうふうに考えておられるか。地元負担について法制的にどういうことになっておるのであるか、これを伺っておきます。

岡田純夫自治事務官(大臣官房参事官)

○岡田説明員 公害問題は、私ども経済成長のひずみであるというふうに考えております。したがいまして、こういう問題についてこれは自治省だけで考えるべき性質のものでなくて、厚生省、通産省、それぞれお願いして考え、政府として考えるべき問題であると思っておりますが、やはり第一次的には、私どもは企業の責任というものをどういうふうに考えるかということをひとつ明らかにしなければならぬのではないか。それからさらに、企業だけの責任には帰せられない面、要するに法的規制の問題もございます。先般法律になりました土地利用計画の作成というふうな構想といいますか、考え方も織り込まなければならぬという意味から、法的規制の問題もございますので、ここら辺を全部含めました基本的な法制というものがやはり必要じゃないだろうか。その中でこういうふうな問題を根本的に取り上げる必要がある。企業、国あるいは地方団体、あるいは民間、三者ないし四者の責任範囲といいますか、考えというものを明らかにして、その上に立って必要な資金的な配慮あるいはまた地方団体に対する財政的な配慮といったようなことを考えるべきものじゃないか、こう思っております。私どもそういう問題についても検討さしておりまして、昨日でありましたか、一部の新聞に、その研究のまだほんとうのプロセスのものが出たのであります。その点はちょっと残念なんでありますが、その点の研究を進めております。しかしながら、現地の地方団体としましては、そういったような基本的法制もさることながら、現実問題に迫られ、おっしゃるようないろいろ経費負担等いたしております。  一方、具体的な四日市だけ見てみますというと、こういうふうな企業が立地している団体でありますだけに、いわゆる税収等があることはございます。そして一応財政的には不交付団体というふうに位置づけはされておる。しかしながら、不交付団体でありましても、それなりに、そういうふうな公害地区であるからに、さらに一そうそういうふうな法的な、施設についての整備をしなければならぬというふうな、財政負担に追われているということも事実でございます。自治省といたしましては、見るに見かねるという言い方はおかしいかもしれませんけれども、特別交付税においてある程度のものを配慮いたしております。しかしながら、これはあくまでも暫定的な措置でありまして、やはりこういうふうな問題は特別交付税のようなものでもって措置すべき性質のものでない。国自身あるいは地方団体あるいはまた企業が具体的にどういうふうに負担すべきかということを明らかにして、軌道に乗せるべき性質のものであるというふうに考えております。  そういうふうな観点から、現在検討を早急に進めながら、かたがた当面の措置としては、全くやむを得ない暫定的な措置として、いまのようなことも配慮しておるというのが、自治省の現状の態度でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 岡田さん、長々と御答弁になって、わからぬわけではないのだ。ないのだけれども、私が聞いたのは、地元負担をきめるときに地方自治体はどうしているのだ、たとえば道路なら道路を一キロ舗装する、県が二分の一、市が四分の一、あとの四分の一は地元負担という場合に、その地元負担はどうきめておるのか、それについて法規があるのか、準則があるのかということを伺っておる。

岡田純夫自治事務官(大臣官房参事官)

○岡田説明員 法規等で県負担あるいはまた市負担等をきめられております場合には、それに基づいて、あくまでも補助事業の範囲の問題でありますれば、地方団体から補助申請してまいる場合、自分のほうでどれだけ持つかということを明らかにして補助申請してくるだろう。また、そういうふうなことをせざるを得ないだろうという現実問題はございますけれども、手続としては、そういうふうな補助条件なり、あるいはまた法規によりまして負担すべきものを明らかにして団体のほうから申請してくる、こういうことでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 ぼくの質問に答えておられぬ。具体的に聞きましょう。たとえば、一億円の県道なり府道の補修をやる。五千万円は東京都が出す、二千五百万円は武蔵野市なら武蔵野市が出し、あと二千五百万円は地元負担という場合に、それに商店があれば商店街にかけるとか、あるいはまた土地の所有者にかけるとかいうことになりましょう。そのかけ方や何かについて、法制的なきちっとしたものがあるのかないのか、こういうことを聞いておる。

岡田純夫自治事務官(大臣官房参事官)

○岡田説明員 御質問の趣旨をたいへん取り違えまして、申しわけございません。そういうことについての具体的な法的措置ないし体制はないというふうに考えております。事実上の折衝によって相談しているということであろうかと思います。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 そこで、そうならばいまでも企業に負担さすことができるわけだな。たとえば国が二十四億円の仕事をする、そうして三分の二は国が出す、三分の一は地元で出す、県と市が半分ずつという、その半分ずつを県は全部企業から寄付してもらうとか、市が全部企業から出してもらうということは十分可能だね、それを聞いておる。

岡田純夫自治事務官(大臣官房参事官)

○岡田説明員 受益者負担という概念に入ります場合には可能であるかと思います。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 受益者負担じゃなくて、害を与えるものでなにするわけだ。それは確実ではないにしても、たとえば二十なら二十企業があって、それから出しているということは確実なんだな。その場合に、二十にどう割るかは企業の自由である。しかし、市及び県は、君たち出せ、こういうことは十分可能だし、現在の世論からいって当然のことだ、そういうことがありませんことにはこの公害対策は進まないからぼくは言っている、どうでしょう。

岡田純夫自治事務官(大臣官房参事官)

○岡田説明員 私が受益者負担と申しましたのは、形式的な、現行の法の考え方でございますので、やはりそれは広く解釈すべきである。したがっていまのような御趣旨の点明らかでございますならば、そういう広い解釈のもとにやはり徴収可能であるかと存じます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 この点について、通産省の産業立地部長なんかの率直な見解を伺っておきたい。  いま日本で一般的になにされておりますことは、そういう問題が起きると、包み金とか涙金とかそでの下とか、そういうことで非常にごまかされている。そうしてそれが一寸延ばし五分延ばしになりまして、かえって企業のほうも金がかかる。毎年そんなものをけちけち出す、そんなことをせずに堂々と出して、経費に計上して、そうしてその間税金の対策や何か考えてもらってやればいいとぼくは思うのだが、その点についてどうです。

馬場一也通商産業事務官(企業局産業立地部長)

○馬場説明員 具体的に、たとえば都市改造をやりますときの受益者負担とかいろんな場合があろうかと思います。私も、公害に関する企業の責任ということにつきまして、こういうぐあいに考えております。たとえばそのために病人が出た、その場合の療養費をどうするか、あるいはそのために住宅が移転をする、その場合にその移転をやる、都市改造をやる、その場合の負担をどうするかというようなときには、ある程度いまの都市改造でありますとか、そういう既存の制度がございます。それに対して企業の負担はこれだけだというはっきりした基準ができれば、先生のおっしゃいますように、その個々の場合に涙金とかなんとかいうようなわけのわからない名目で出すよりは、はっきりけじめをつけてきまるものならばきめたほうがよろしいというぐあいに考えております。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 きまるものならきめたらいい、区別がつけられるなら、こういうところに問題があるのです。それはやはり私は社会通念できまると思うのです。明治、大正時代の社会通念であると、直接ほんとうに関係のあるものでなければ出さない、裁判するとかなんとかいうことになって逃げてしまう。しかし、これだけ公害がやかましくなって、そこに新しく工場が来たためにそういう問題が起こるということになれば、私は、これはいまの時点におきましては、たとえばあそこに三菱モンサントというのがあります。あるいは東海ガス化成なんというのがあります。それはみんな昭和四日市石油の関連でコンビナートでやっておりますが、そのうちどれがどういうものを出すか、二十ばかりあるうちで、時期によってまた石原が出すかもしれない。それをだれがどこでいつというふうにやっておっては、それははっきりするかもしれませんが、むしろ逆に大問題が起こってくる。私はこの休会中に、ちょうどひまでありましたので、そのうちの二大会社を呼びつけて聞きました。たとえば昭和四日市石油は、ここ二、三年来十二億五千万円かけて公害に対する装置をかくかくいたしました、こういうのであります。大協石油も、初めは二億ばかりと言っておりましたが、そんな額ばかりではどうだと言ったら、今度は七億やりましたといろいろな数字をあげて説明をいたしております。これはやはり世論というものからこういうことにきたと思いますので、月間何百億の売り上げをするような大企業ばかりでございますから、たとえばいまの四日市の八億くらいは、その気になれば何でもない。この間も私はここで、あなたの前任者の中川君でしたかをひやかしたのですが、こういう企業は、さっきの開銀の融資だとか公害防止事業団に頼みなさいと言ったら、先生、もう頼もうと思えばリヤカーに一ぱい資料を出せと言われる、いやだから私のところは直接銀行に電話をかけたら、電話一本で貸してくれた、借りてやりましたなんというようなことを言っておる。これは真相ですから、率直に申し上げます。だから、こういう地元負担なんというものはそういう面で押し込んでいく。通産省なり自治省あたりに問い合わせがあったときには、皆さんが積極的に大いにそういうものを推進すべきである、私はこういうふうに思いますが、ひとつその点お尋ねをいたしておきます。

馬場一也通商産業事務官(企業局産業立地部長)

○馬場説明員 先生の御意見のとおりかと思います。四日市につきましては、御承知のように調査結果が出まして以来、いろいろな企業が自分の施設につきまして、ただいま申されましたように相当の経費をかけてやってきた。そういう公害といいますか、ガスを出す企業は、まず自分の力でどれだけガスを少なくし得るか、あるいは出さないかということについて、これはもう明らかに企業の責任としてきめられたことをやるというのが非常にはっきりしておりますし、これは金がかかりましても、きめられた基準を守るということは当然のことであります。そのほかに、やはりそれだけでは片づきませんで、たとえばそのために住居を移転するとか、あるいは病人が出るとかいうような問題につきまして、一体地元社会のほうで具体的にどういう御計画をお持ちになり、それに対して地元の県なり市なり、一般の事業としてどれだけのものをおやりになれて、企業としてはこれに対してどの程度の寄与をすべきであるというはっきりした計画ができまして、それに対して企業のほうにお話がございますれば、非常にはっきりした話ならば、企業は受けて立つべきものと私は思っております。ただ、そういう都市改造でございますとか、あるいは病院の療養というようなことは、企業自身がみずから都市改造を、やりますとか、あるいは病院をつくるということは、企業自身イニシアチブをとれない仕事でございますので、地域社会のほうでそれぞれ適当のことをお考えいただきまして、それに対してどの程度企業がどうすべきかということは、なるべく明確な基準でおきめいただいて、実情に即して、解決すべきだ、私はかように思っております。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 とにかくこういう問題は国民の側に立って、徹底した考え方でやっていただきたい。私どもは、政府が公害基本法をつくると言っておりまするから、それを大いに期待しておるのでありますが、これはつくりましたら、だんだん筋ができてきましょう。しかし、できるまでにやはり二、三年かかりゃせぬかと私は思いまするので、これはいまの間に積極的にひとつやってもらいたい、いまの答弁のようにやってもらいたいと思う。  それから、最後に、厚生省に伺いますが、空気清浄の装置といいますか、そういうものがいま四日市にありますか、どうですか。

橋本道夫厚生技官(環境衛生局公害課長)

○橋本説明員 四日市の空気清浄病棟の問題につきましては、県立の塩浜病院に二十床でございましたか、清浄化病室を設けております。これは県の予算で行なわれたものでございますが、公害患者の医療の一部がその中でも行なわれております。  私ども昨年調査研究費を入れまして、空気清浄化病棟の効果ということについてやってみましたら、確かにある程度効果があるということは明らかでございますが、患者が出入りをするといったような問題等もございまして、それで完全なきめ手になる対策はなかなかむずかしいのではないかといったような調査結果も出ております。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 空気清浄化装置というのは、そう経費がかかるものでもないし、いま日本全国の各種の工場あたりでも、ちょっと気のきいたところはみなやっているのですが、これは県立の病院でそういうものを設置して、二十ベッドですか、そんなことじゃなくて、もっと思い切ったことをやってもらいたい。  それから、そういうことをやります側に対して、国からやはり助成金が出るのですか。

舘林宣夫厚生技官(環境衛生局長)

○舘林政府委員 ただいまお尋ねのように、病院のみならず、学校等にもそのような施設が望ましいと思います。ただいまの制度では、国がこれに対して助成するという制度はございません。ただ、私どもとしては、国が何らかこれに対して助成してはどうかということで、明年度予算で検討中でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 ぜひ明年度はそれをやってもらいたい。これは電電公社の電話分室などはちゃんとやってますよ。私の意見も大いに取り入れてくれて、今度できます四日市の塩浜分室なんというのは空気清浄化装置ができる。こんなのはたいした経費じゃないのだから、積極的に進められることを私は強く要望いたしまして、丹羽先生も御質問があるそうですから、どうぞ……。

井手以誠日本社会党

○井手委員長 丹羽兵助君。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員 中井委員からたいへん詳しくお尋ねがありまして、それぞれ御答弁があったのでありますが、私はこの機会に自治省にちょっとお尋ねを申し上げたい。  それは、知事が選挙で選出されます。あるいはまた市町村長が選挙で選出される。こういう仕組みになっておる関係で、やはり地方の発展のために、また地方財政を助けるためにいろいろと工場を誘致する、あるいはまたその他の施設、宅地の開発なんかをやる。これはやはり将来のことを考えておやりくださることには間違いないと思いますが、それが一つの人気政策になっておる。そのために、あとのことも考えずに、もうむちゃくちゃいろいろの施設を誘致するわけなんです。これが知事なりあるいは市長の選挙に大きな影響を与えておる。これはもうお認めいただけると思うのです。さて、そうした施設を誘致いたしますると、いま中井先生のおっしゃいましたように、いろいろと産業公害的なものが生じてくるわけです。それをできるだけ解決していくためには大きな財政負担というものがそこに生じてくるわけなんでありますが、将来においては——当面の公害問題はさておいて、将来大きな財政的な貢献はその産業から与えてくれることは間違いない。けれども、それが当面大きな公害を与えるためにいろいろの施設をやっていかなくちゃならない。そこでその当該地方団体というものは財政に非常に困ってくる。そうなりますると、交付税を当てにしてみたり、あるいはその他の起債等というものを当てにしておるのですが、それが十分いかないがために市町村並びに県においても行き詰まっておることはもうお認め願えると思うのです。そうした施設を誘致するとき、あるいはまたそういうような事業を誘致するときに、昔といまとは違っておるかもしれませんが、当然そういう問題が生じてくるんですから、これは通産省なら通産省とよく打ち合わせをして、その上その財政負担の問題等について十分自治省と相談をして——大きな施設を地方自治体が引き受けて、あとはもうにっちもさっちもならぬということはもう当然起きる現象なんですから、そういう問題は十分自治省と打ち合わせをしてやっておるのか。かってに誘致して、大きな公害を与えて、そうして何ともならぬからというので国へ持ってきておるのか。現実は一体どうなっているのか。私は、いまの四日市にしたって、あるいは政府がやっておられるところの大きな団地の造成にしたって、そうした住民に被害を与えないためにいろんな施設をやっていけば、町村の財政負担というのはもう負い切れないと思う。この現象ははっきりしている。だから、そういうものを建設省が認可するとき、あるいは通産省が工場の許可をなさるときに、市町村が負い得る負担であるかどうかということはわかっておる。だから、これを許可するときには、必ずお世話をいただかねばならない自治省と相談をした上にやっておると思うのです。いまやれやれといったって、地方は非常に困っているんじゃないか。そういう点、一体何らの関係もなく一つの省だけで許可をしたり、あるいはまたこれを認めたりするようなやり方であったならば、私は地方の財政的な破綻を来たす大きなものになってくると思う。それが、さきに申し上げたように、知事の選挙があったり、市町村長の選挙があったりすると、人気とりのために、地方の財政能力というものも考えずにむちゃくちゃやる。だから手当てができない。住民は文句を言う。文句を言うどころか、生命にまで大きな危害を及ぼしてくるという結果になると思うのですよ。だから、そういう点は十分ひとつ打ち合わせてやってこられたものか、もしいままでそうでなかったならば、今後自治省は監督というと悪いけれども、ほんとうに国民の健康が保たれ、健全な地方の発展という意味から、当然これは干渉して——干渉というか関心を持っていただくべきだと思うのですが、その点どうなっているか、ひとつお聞かせ願いたい。

岡田純夫自治事務官(大臣官房参事官)

○岡田説明員 ただいまの御質問ないし御意見、まことにもっともと申しますか、重要な点であろうかと考えております。  最初の、各県でやはり新産都市の育成であるとか、いわゆる企業の誘致について非常に熱心であるということもまた事実でありますが、しかし同時に、企業を誘致すれば、大なり小なりある程度公害というものに結びついてくるということも当然考えておかなければならない問題であります。したがいまして、新産業都市あるいは工業整備特別地域をはじめとして、そうしたような地域の振興にあたっては、そういう問題をあわせて考えるべきであるというふうな指導等は、自治省はもとより、企画庁とも相談いたしましていたしております。具体的な問題としては、現在都市計画その他立法もございますけれども、それだけでは不十分である。特に公害あたりは、都市計画の対象になる行政区域を越えた問題でもありますので、むしろ広域的な土地利用計画を立てるべきである。それには、それなりの体制が必要であるというような長期的な考え方についても進めておりますし、また相談もいたしております。  しかし、第二点と申しますか、地方団体のほうから十分に自治省に相談があるのかという点につきましては、最近は、そういうようなこともございますので、事前に私どものところに連絡があるように相当程度なってまいっておると考えております。しかしながら、過去におきましては必ずしもそのようにまいっておらなかった。端的に言いますと、やはり事業を進めようとされるところの各省と、事業をやりたいというところの地方団体との間でもって事実上ある程度話が進行しておって、しかしそこには住民との問題であるとかいろいろフリクションがございまして、いわゆるかけ込み訴えという姿でもって自治省に話がまいる。自治省としても、いまごろ何であるかということがありますけれども、これは黙っておるわけにまいりません。最終の段階でもって自治省として発言をいたしまして、いろいろ調整の労をとっております。したがいまして、何だここまで仕事が進みながらというふうな一部の批判もありますが、あえてやっておる。しかし、それではいかぬのであって、やはり起こり得る問題については、事前に十分自治省に相談してもらい、公正な角度から自治省としてものを言いたいと考えておりまして、各省にも申し入れをいたしております。あるいはまた地方団体にも機会あるごとに、事前に問題のある点については十分相談してくるようにということを申しております。この点につきましては、各省の協力もぜひ強くお願いしなければならぬ問題でありまして、それを各省に対して強く要請しながら、自治省としては、事前に起こり得るところの問題については十分相談にくるようにということを強く指導してまいりたいというふうに考えております。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員 その答弁で、考え方というのはわかるのですけれども、これはもっと積極的に自治省が出ないと、地方の自治というものは破壊されてしまうのですよ。なるほど、中央集権でなくて地方の自治体が独自の行政をしていくというたてまえにはなっておりますけれども、一つの工場を誘致する、あるいは一つの事業を誘致発展させるのだという考え方に立って、あと先の財政負担能力というものを考えずにおやりいただくと、いま中井先生のおっしゃったように、当面の施設に対する地元負担だとか、あるいは企業者負担というものが起きてくることは当然なんですが、やがては大きく国民の関心を抱いておる産業公害の問題というものが出てくるのです。こうなってまいりますと、これはにっちもさっちもならぬようになってしまう。もう小さな市町村あるいは財政能力の乏しい規模の小さい県においては、これは何とも処置できないようなことになってしまうのです。そこでいま参事官のおっしゃったように、問題が起きたときに、それは黙って見ておれないから十分手当てもするように協力はしておる、その点は私も認めますが、そういう問題が無統制のもとに起きてしまって、何ともならぬようになってから手当てをするということになる。国がそれだけの十分な負担をして手当てをするだけの力があればこれは別なんですが、地方交付税にしたって、わずかふやすのにわあわあ騒がなければならない。起債にしたって、われわれが頼みに行くのにずいぶん無理なことをおっしゃる、無理というか、きびしいことをおっしゃる。そういう中でどんどん地方で起きた問題を解決しろといったって私は解決できないと思う。それよりも、いまちょっとおことばがあったように、それぞれの省が、地方等から相談があって、これを誘致したいとか、こういう施設を設けたい、それにはどの程度の負担が地方にかかるのか、あるいは将来産業公害防止としてどの程度の金の手当てが見込まれていくのかということぐらいは、十分あなたのほうと、監督というよりも連絡をとるべきだと私は思うのです。これは違うかもしれませんが、最後は自治省が財政を担当すべきじゃないですか。何というんですか、交付金の問題にしたって起債の問題にしたって、最後は自治省がめんどうを見なくちゃならぬでしょう。それが、やってしまってからあと相談を受けて、地方の行政も国の行政の一部にあるんだ、そういう考え方でめんどうを見てやらなくちゃならぬ、解決はつけてやらなくちゃならぬという、その親切な気持ちはわかるけれども、そんなあとになってからそれをやるなんて、私は間違っておると思うんですよ。やはりこれからは無統制な国の発展というものはない。だから、そういうものを誘致しようとか建設しようとかいうとき、それらの地方がどれだけの財政負担を負わなくちゃならぬ、あるいは産業公害の問題が将来起きてくる、これにはどれだけの金がかかって、はたしてその地方公共団体が負担し得るかどうかということは—それはほしいんですよ、どこの村だってどこの県だって、いろいろ施設を誘致して、知事は人気を取りたいし、あるいは市町村長は人気を取りたい、やがてはにっちもさっちもいかぬときには自分がやめればいいということでは、健全な地方の発展ということは考えられない。産業は大事だ、しかし、はたしてそこの市町村なり県なりが財政負担を負い得るかどうかということを、国がもっと親切に検討しなければいかぬと私は思う。これだけのものは負えるんだ、これだけは国が手当てをしよう、こういう見通しを立ててやって、初めて私は健全な産業の発展があると思うのです。そしてまた地方団体もそれによって安心していくことができると思うのです。だからいまのようなたるい、と言っては恐縮なんですが、あとで相談を受けて、ほっておくわけにいかぬからめんどうを見てやりますというようなやり方、そうして、そういうようなことを各省に通達をしておるとか、協力を求めておる。かってにやって、あとは自治省がやるだけのことはやってやるが、やれないところは自治体が破壊されようがやむを得ない、片一方は人気取りでそれをやる、地方は手当てがつかぬから産業公害で苦しむ、財政は破壊する、こんなばかなやり方が一体あるですか。だから私はあなたに強く申し上げて御意見を聞きたいのは、今後健全なる地方の発展、そしてまた地方の産業の発展のために、これからひとつ地方が考えておること、あるいは各省が考えておることが、財政的に負担を負い得るものかどうか、国ではどれだけのことをやってやる、それ以上のことはできない、こういう点をもっと自治省は検討すべきだ。してないと思うんですよ。かってなことをやられておる。あなたのほうが、地方の財政に何ら関係がない、どういうぐあいに地方が財政的に破壊されようとも関係しないというなら別ですけれども、そうじゃないんでしょう。だから、もっと自治省はそういう観点に立って、地方の財政というものを健全に保っていくという立場に立って、自治省はもっと真剣というか積極的に各省に働きかけ、地方庁にも働きかけて、むちゃなことはやらせない、そうして国民を公害から守っていく、こういう立場に立って私はものを申しておるのですが、どうですか。もっと積極的にやるという意思はありませんか、どうぞその点をはっきりさせてください。

岡田純夫自治事務官(大臣官房参事官)

○岡田説明員 この問題は、おっしゃいますように十分事前に、財政負担の見通しなり起り得る問題等についていかに検討を先にやるかという方途につきまして、内部で提案いたしまして、自治省としてとるべき、何といいますか強い態度について検討さしていただきたいと思います。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員 そんなことではだめなんだ。それはだめですよ、私に言わしてみたら。じゃ、いまのあなたのような考え方だったら、かってにやって全部あと始末するのですか。できぬでしょう。できぬならば、地方財政というものはあなた方が責任あるのですから、今後どういうものをやるにしても——私は中央集権という言い方はしてない、もっと指導せよとか、もっと強力な行政指導をせよという意味ですが、かってにやって、あと始末はしてあげましょうというなら幾らでもやりますよ。そしてあなた方がやってくれなかったら住民は大きな産業公害で苦しまなくちゃならない。また地方行政というものは財政に窮乏を来たして破壊してしまうのですよ。そういう行き方じゃなくて、これからはもっと健全な地方の発展、健全な産業の発展という意味から考えて、あなたのほうが、やる前にずっと、地方の財政の負担はどうなってくるのだということ、これだけのものはやれるけれどもそれ以上はやれませんからおきなさいというようなことくらい、もっとやらなくちゃだめじゃないですか。参事官どうですか、たるいですね。できたものはひとつできるだけのことを考えますなんて言っておらずに、ほんとうにこれからのために、もうできておるものはしかたがないですが、これから計画されるもの、これからやろうとするものには、もっとあなたのほうが口を出して、こんな無理なことをやったってやれないからやめろ、こんな無理なことをしたってあなたのほうには財政負担能力はないのだ、国としても考えられないからおけというくらいなことは、これはかわいかったら言うべきじゃないですか。地方自治体というものの世話をし、地方自治体が健全な発展をしていくためには、あなたのところは責任があるのですよ。それを無統制にやらしているから、今後はそんなことをやらせませんとなぜ言い切れない、それは当然じゃないですか。それをひとつもう一ぺん聞かしてください。

岡田純夫自治事務官(大臣官房参事官)

○岡田説明員 ただいまおっしゃいましたように、今後そういうことをやらせない方向において具体案について検討さしていただきます。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員 検討というよりも積極的にやらせるとなぜ言わないのですか。検討なんてだめだ、それは検討なんて逃げ口上です。実際そうですよ。われわれこういう産業公害でやかましく言っているのは、あなたのほうが無統制に、四日市なんか御存じでしょうが、どこに行かれたって地方の財政の力からいって負担できない、やってやらなくちゃならないけれどもやれない、そしてみんな、きょうのような自殺する人まで出てくるのですよ。だから私は、そういうことが計画されたときに、これはだめだとか、能力があるとかいうことをもう少し積極的に自治省が指導すべきだ。それでなかったら地方がいまのようにむちゃくちゃをやりますよ。そしてむちゃくちゃやって知事はやめる、むちゃくちゃやって町村長はやめる、そしてそのあとは住民が苦しむ、企業のほうは平気な顔をしてやってくる、それじゃだめじゃないですか。地方自治体はそれでいいとおっしゃるのですか。私は、それよりも国がほんとうに地方自治体というものを考えておるならば、もっと親切に、これはだめだというくらいなことは、これは干渉じゃない。当然地方の財政に責任を持っておるあなた方としては言い得るのじゃないですか。そういう点から私は言っておる。そんなむちゃな、かってな人気取りのようなことばかりやって住民を苦しませるようなことをやっているのですから、それをやらせないとなぜ言えないか、検討なんていうことじゃ私は下がりませんから、もっとはっきり言ってください。

岡田純夫自治事務官(大臣官房参事官)

○岡田説明員 どうも表現がお気に召さないで、その点は申しわけございませんが、端的に申し上げまして、御趣旨に沿うようにいたします。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 だんだんと丹羽先生からのお話で、ごもっともな点ばかりでございますが、具体的な問題の四日市の場合も、実はこれはちょっと説明を要するのですが、戦前の海軍燃料廠のあとをどうするかということで、もちろん四日市市にも県にも大いに責任がありますけれども、結局は、その当時通産省がこれを指導したのであります。そういたしまして、もっと詳しい話をいたしますと、海軍燃料廠の膨大な地域に石油コンビナートを持ってくるにつきまして、どの系統の財閥のものを持ってくるかで二年も三年もけんかをしている。三菱系が来るか、どの系統が来るかというふうなことでけんかをして、公害はどこかに行ってしまった。そして結局三菱系統のものが出てきた。それに対して地場産業といいますか、新潟のほうの地方産業といいますか、日本資本の大協石油というのがもう少し離れたところで独立して始めてしまった。こういうことでありまして、国から県から市まで公害のことを忘れてしまった。同時にまた、これは私は悪口を言っているのですが、戦後の新しい傾向だからわからなかったといえないこともない。しかし、とにかく人口稠密なところでああいう膨大な施設をやるときに、だれもそういうことについてあまり関心を持たなかった。さらに一番悪いのは、それができましてからもなおかつ、十二キロの四日市の海岸のまん中の六キロ目の午起というところで中部電力が膨大な火力発電所をどかんと置いた。これなど実にひどいと思う。これは実はその土地は県の土地であります。県が高く売った。それが今日の事態でありまして、市民は全く公害の町四日市でモルモットになっておるわけです。この間も例がありました姫路の出光の出てきます問題については、四日市の例のおかげでこれは助かった。三島・沼津もそのおかげで助かった。全くモルモットになっておる。そこで四日市はどうだといいますと、そういうコンビナートができまして、数年間は非常な勢いで人口が増加いたしました。いま二十四万ぐらいになっておると思いますが、それで去年、おととしあたりから人口増加がとまりました。公害の町なんかだれが行くものかということで、全部名古屋から通ったり、近所の都市の人口がどんどんふえておる。さらにそのほか津というところがありますが、この市長は都市計画を変更いたしまして、海岸を工場地帯にして八幡製鉄でも誘致しようというのをやめました。そうして昔の海水浴場にするという発表を一月ほど前にいたしまして、まだ県ともめております。まだ県が黙っておるようなこともあってもめておりますが、非常なヒットだというので市民からかっさいを受けておるわけであります。しかしながら、それはそれとして、肝心の四日市をそのままにしておけませんから、私はこの四日市の公害の問題はもう峠を越えさせなければいかぬ、これだけやかましくいわれたのですから、具体的な施策をすることによって峠を越えさせなければいかぬという観点から先ほど来お尋ねをいたしておるわけであります。したがいまして、今後の施策につきましても、先ほど丹羽さんからお話がありましたが、ほんとうに積極的に指導してもらう。地方自治の破壊であるとか干渉であるとかいうことも、場合によってはあるいは言われるかもしれませんが、それくらいの馬力で、そうして、そういうところへ持っていくのはいけない、こうだということで、これはおそらく通産省の産業立地部、それから自治省共同で——やはりこれまでの状況だと、私は案外自治省に合議が回っていないのじゃないかと思うのです。通産省だけで、どこかの火力発電所オーケー、こうやってしまう。この間も堺に二百万キロ、武豊か何かに百数十万キロ、それから舞鶴に非常な設置をやるわけでありますが、そういう場合に自治省と通産省は連絡をとっておられるのかどうか、これを最後にちょっと伺っておきたいと思います。

馬場一也通商産業事務官(企業局産業立地部長)

○馬場説明員 いろいろな工場を各地に県が誘致をいたしましたり、あるいはみずから場所をきめましたり、いろいろなケースがあるわけでございます。工場が建ちますときに、百のケースのうち百まで全部、所管官庁でございます通産省に必ずしも事前に十分連絡があるとも限りません。しかし、たとえば発電所のような公益事業につきましては、御承知のようにそれ相当の審議会がございまして、そこでその計画を認めておりますが、そういう発電所がどこに建つかということにつきましては、通産省は事前に知り得るケースももちろんあります。そういう場合に一々、いまの地域社会に与える影響とか、どういうことになるかということにつきまして自治省に事前に御意見を承るということは、政府としては、私どもは現在やっておらないのであります。ただ、先生のおっしゃいますように、これからだんだん大きな工場もできるようになりますし、公害問題その他いろいろ地域社会にごやっかいになるのでございますから、そういうケースにつきましては、先ほど来自治省のほうからもお話がございましたように、できるだけ連絡を密にいたしまして統一性のある行政を国としてやっていきたいという考え方を通産省としては持っております。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 いま率直な御答弁でわかったわけですが、これは一定のワクをつくって、群小のものまでみんなやれとは言っておりませんし、おそらく東京まで出てこないのがたくさんありましょうが、石油業法だとか、あるいは電気事業法だとか、そういうものに関連したものにつきましては、これは私はすべて官庁の事務を煩瑣にやれとすすめたくはありません。すすめたくはありませんけれども、今日のごとく大企業が自治体をゆさぶる事態になりましたら、これはほうっておけない、こういうことを痛切に感じますから、いまのようなことがありましたら、さっそく今後はそういうことのないように、ひとつこれは通産省と自治省で十分連絡してもらいたい。これは丹羽さんの御質問に補足をする意味で率直に私は申し上げておきます。この点佐々木さんどうですか。

井手以誠日本社会党

○井手委員長 では、この際、ただいままでの質問で公害病に関する欠陥も明らかになってまいりましたし、公害を発生するおそれのある企業の設置についての各省連絡の不十分も明らかになってまいりましたので、この二点について、公害病については特に緊急性もありますから、政府に何らかの対策、方針がありまするならば明確にしていただきたいと存じます。

佐々木義武自由民主党厚生政務次官

○佐々木(義)政府委員 この前この委員会でも答弁申し上げましたが、私考えますのに、基本対策と申しますか、根本対策の問題と、当面いま起きておる事項をどういうふうに処置するかという当面の対策の二つに分かれると私は思います。根本対策のほうの問題は、先生たちからも御指摘がございましたように、最近の公害問題というのは、どちらかと申しますと、いままで気がつかなかったと申しますか、そこまで配慮が及ばなかった。しかし、新しい産業革命には、プラスの面はたくさんありますけれども、それに付帯して出てくるこういうふうなマイナスの面がございまして、ただいま問題になっておる石油工業の亜硫酸ガスの問題とか、あるいは自動車の一酸化炭素の問題とか、あるいは農業で申しますと農薬の問題とか、あるいはジェットが発達いたしますと騒音の問題が起きてくるとか、原子力が発達しますと放射線の公害問題というのが問題になるとかいったように、新しい科学が発達いたしますと、それに伴いましてマイナスの面が出てまいります。このマイナスの面をどういうふうにして排除するかという問題を解決しませんと、私、新しい産業というものは進んでいかないのじゃないかという感じがいたします。したがいまして、こういう問題に対しては、事前にこれを防止する処置を講ずるのはもちろんでありますが、起きた場合に、それに対する損害等の負担区分、だれが負担するかという問題になりますと、なかなかどうもむずかしい問題がたくさん出てまいりまして、いまの国家賠償法とかあるいは民法に規定する損害賠償規定だけでは措置のできない問題に相なってくるのじゃなかろうかと私は思います。原子力等でもこういう問題がありまして、無過失補償の問題が出まして、私、たいへん苦労した経験を持っておりますが、そういう問題まで含めて、非常に国としても大きい問題でありますので、基本法等の立案にあたりまして、一生懸命そういう問題も検討しながら、早く問題の解決に当たるべきじゃないかというふうに考えます。  第二点の当面の問題でありますけれども、いま起きている問題をはたして一体どうするのだということでございますが、これは事前からわかっておれば予算等にもあるいはいろいろ考える余地もあろうかと存じますが、もう予算も御承知のように執行中でございまして、来年度の予算原案を作成すると申しますか、そういう最中でございますので、そういう面に盛り得れば、できるだけ中央といわずあるいは地方財政といわず、何らかの措置を講ずるようなくふうをこらして大蔵省に当たってみたいというふうに考えておるのでございますが、いまの当面の問題の一つといたしまして、そういう財政問題のみならず、各省がもっと連絡して、企業許可あるいは都市計画等にあたってもう少し連絡を密にして事前に措置を講じられないかという御指摘はまことにごもっともだと思います。私どもは厚生省でございますから、微力でございますけれども、自治省、通産省、運輸省等と十分御相談の上、個別個別であっても、公害の有無という点を許可の吟味の最大の問題点として連絡をとりながら検討してやっていただければたいへん幸甚だというふうに考えておる次第でございます。

井手以誠日本社会党

○井手委員長 政務次官に私からもう一点お伺いをいたしたいと思いますが、四日市のこのいわゆる公害病について、公害審議会に相談をしておりますので、来年の予算には何らかの対策が立てられる見込みであるというお話がございましたが、緊急のものについては予備費支出の点もありましょうし、やろうという熱意があればできないこともないと思います。対策の欠陥は、先刻来の質問で明らかになっております。企業の問題も出てまいりましたから、そういうものを含めて緊急に各省御相談の上に、何らかの対策が近々のうちに立てられる見込みがあるかどうか、その点を政務次官からお答えをいただきたいと思います。

佐々木義武自由民主党厚生政務次官

○佐々木(義)政府委員 先ほど申しましたように、ただいま予算の執行中でございます。予備費等からというお話でございましたけれども、なかなかこれはむずかしい問題かと存じますが、国、地方団体のみがこれを負担する問題かどうかという点も考慮の余地のある点だろうと思いますので、各省真剣にひとつ検討してみたいと思います。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員 中井先生から産業公害を中心として地方財政負担のことにまで深く立ち入ってお尋ねがあり、また御意見を述べられ、政府側からもこれに対するお答えがあって、中井先生のお尋ねの中から出てまいりました御意見に沿うような御答弁もあったのであります。その一例をあげますと、通産省から、その企業を許可することによって公害問題が起きるおそれがあるときには十分他の役所とも連絡をとって、また、それを防止するための地方に及ぼす財政負担についても自治省ともよく相談をして今後十分注意していく、こういうお話があった。なおまた自治省からは、そうしたことが今後起こらないように地方団体というものを育成していくたてまえから十分関心を持っていく、こういうようなお答えがあって、ほぼこれからは——全く不統一のような形で、片一方は工場をつくればよろしい、施設を誘致すればよろしい、それでできたものは財政負担が何ともならないからそのままほうってあるというようなことで、私どもは非常に遺憾な点があったのですが、きょうの委員会でだいぶそういう点は詰めていただきまして、今後無統制なそういうことは起きてこないと思いますが、そのために自治省に私はひとつお願いしておきたい。  いま通産省もそう言っておるし、厚生省も政務次官がおいでになってそう言っていらっしゃる。だからもとは金なんですよ。ほんとうに地方団体というものが大切である、民主主義はそういうところから育っていくのだ、こういうことでございましたら、あなたのほうは積極的に各省に相談をしていただく、今後何をやるにしても十分財政負担能力があるかどうかということを考えて、あるいはこの手当てができるかどうかということを十分考えた上に許可をしていくとか、方針を定めるとかいうその連絡を自治省が責任を持ってつけなければならない。そこで、きょうはあなたのところの政務次官来ておりませんけれども、必要があればこの次の委員会に政務次官なり大臣に来ていただいて、中井先生のおっしゃったようなことを中心にして私は尋ねたいし、また要望もしたいと思いますから、いまこの委員会で出た各先生方の御意見、また役所の御答弁を中心として積極的に自治省は考えていただきたい。その態度をとっていくのだということを次の委員会までに大臣、政務次官に御相談いただいてひとつはっきりしていただきたい。どういう方針でむちゃくちゃな無統制なことをやっておるのを統制をとっていくか、それによって健全な地方行政、地方自治体の発展を期していくのだ、こういう人気取りのようなむちゃくちゃなことをやって、やったらあとは何とかなるだろうというようなことではこれはだめだと思いますから、そういうことを今後はやらせない、財政の面から押えていくのだ、こういう点をしっかり態度をきめていただいて、次の委員会に大臣なり次官に来ていただいて御報告を願いたい。そういう点をひとつつけ加えて要望しておきますから、お願いをいたします。

井手以誠日本社会党

○井手委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十九分散会

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