災害対策特別委員会 第7号
- 発言数
- 160 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1966/10/07
会議録
○日野委員長 これより会議を開きます。 災害対策に関する件について調査を進めます。 まず、昭和四十一年八月及び九月の豪雨等による被害状況等調査のため現地に派遣されました委員から報告を聴取することといたします。 まず、第二班につきまして、便宜この席から私が報告を申し上げます。 第二班の調査の概要につきまして簡単に御報告申し上げます。 派遣委員は、渡辺栄一君と私の二名、ほかに地元選出議員多数の御参加を得て、去る九月二十七日から十月一日までの五日間、北海道における昭和四十一年八月及び九月の豪雨等による被害状況につきまして、つぶさに調査を行なってまいったのであります。 内容の詳細につきましては、後ほど委員会にはかって、本委員会の会議録に参照として掲載するよう取り計らいたいと存じますが、数々の被災現場を拝見し、現地の声を聞いてまいりました印象を一言申し述べますと、北海道の今次八月の豪雨による災害は、被害総額百七十億五千万円に及んでいるのであります。さらに、いまだ最終的な結論は出されておりませんが、冷害による農作物の作況は、予想外に深刻なものがあるやに見受けられたのであります。また、北海道は連年災害を受けており、およそ考えられる災害要因のほとんどすべてをあわせ有していると言っても過言ではないのでありまして、今次災害が、道の経済はもとより、道民の生活に及ぼす影響はまことに深刻なものがあると痛感いたしてまいった次第であります。 天災融資法はすでに発動されたとのことでありますが、地元の強い要望の一端を御紹介いたしますと、 その第一は、今次災害に対して、八月及び九月の他の府県の災害をあわせて、ぜひとも激甚災害法を適用せられたいとのことでありました。 第二に、中小河川の改修促進をはじめ、治水治山事業の推進が要望せられ、特に改良復旧と復旧年次の短縮について強い訴えがなされていたのであります。 第三に、災害融資について、融資ワクの拡大が強く望まれ、特に、一部の地方では、打ち続く連年災害により、既借り入れ分の返済能力すらない者も多いという実情で、この際抜本的な長期かつ低利の資金融通制度の新設を望む声も聞かれたのであります。 その他数多くの切実な要望がなされたのでありますが、特に、北海道はこれからますます寒気きびしい冬を迎えるにあたり、被災地の復旧につきましては、一日も早く可能な限りの国家のあたたかい援助の手を差し伸べるべきであると痛感いたしてまいった次第であります。 御報告を終わります。(拍手) 次に、第一班の報告を天野光晴君。
○天野(光)委員 第一班の調査の概要につきまして申し上げます。 派遣委員は、日本社会党の山口丈太郎君、民主社会党の稲富稜人君及び不肖私と三名でありますが、地元選出議員多数の御参加を得まして、宮崎県、大分県及び山口県を、去る九月二十六日から三十日まで、昭和四十一年八月及び九月の豪雨等による被害の実情をつぶさに調査してまいったのであります。 調査の詳細につきましては、本委員会の会議録に参照掲載していただくこととし、きわめて簡単に調査の概要を御報告いたします。 調査団は、宮崎県、大分県、山口県のそれぞれの県庁等において、知事その他関係部長等から災害の状況等につきまして説明を聴取し、災害現地に参りまして被害状況を視察するとともに、災害地の市町村役場等におきまして要望事項を承ってまいったのであります。 宮崎、大分の両県下におきましては、八月、九月の台風第十三号、第十五号、第十九号によりまして、それぞれ時間雨量にして五十ミリから百ミリの集中豪雨に見舞われ、山口県におきましても、わずか四時間に二百七十五ミリを記録しているのでありまして、これがため、山腹崩壊が至るところに発生し、中小河川は異常な増水のためはんらんし、家屋の浸水、道路、橋梁の流失をはじめ、農地、農作物に甚大なる被害を発生しているのであります。しかもわずか一ヵ月足らずの間に三度も台風に襲われ、そのつど災害が重なって被害を一そう激甚なものにしており、各県の被害総額は、宮崎県四十六億円、大分県五十三億円、山口県五十五億円に達しているのであります。 災害現地から数多くの要望を承ってまいりましたが、まず、いずれの県、市町村に参りましても、今次の災害を激甚災害として指定してもらいたいとの強い要望がなされたのであります。同地方は台風常襲地帯であり、地域的に狭い範囲にきわめて激甚なる災害が発生しているのでありまして、被災住民の苦境を思うとき、一日も早く災害から立ち上がらせるために国の強力な援助が待ち望まれるところでありますので、この際、八月及び九月の災害を一括して激甚災害法の適用をすべきであると痛感いたしてまいった次第であります。 以上、一言申し上げまして報告を終わります。(拍手)
○日野委員長 なお、ただいま報告がありました両班の派遣委員から、内容の詳細について委員長の手元にその調査報告書が提出されておりますので、これを会議録の末尾に参照として掲載いたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○日野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、台風第二十四号及び第二十六号による被害状況等調査のため現地に派遣されました委員から報告を聴取いたします。第一班竹谷源太郎君。
○竹谷委員 第一班の調査の概要につきまして御報告申し上げます。 派遣委員は、日野吉夫委員長、藤井勝志君、私並びに委員中川一郎君、ほかに地元選出議員の御参加を得まして、静岡県における台風第二十四号及び第二十六号による被害状況等につきまして、つぶさに調査をいたしてまいったのであります。 まず概況を申し上げますと、九月二十四日二十三時五十八分来襲した台風二十六号は、猛スピードで静岡県に上陸し、御前崎では瞬間最大風速五〇・五メートルという史上まれに見る暴風で、県中東部一円にわたり、収穫期を目前にした水稲はその大半が倒伏し、県特産であるミカンは落果し、温室、ビニールハウス等の施設は全滅し、農民はぼう然自失、加えて、猛烈な高潮は、焼津市以東吉原市に至る駿河湾沿岸において、防潮堤の決壊、全壊家屋続出の惨状を呈したのであります。また、安倍川上流梅ヶ島温泉においては、瞬時の洪水により多数のとうとい人命が奪われ、道路は寸断され、したがって救援活動は意のごとくならず、遺家族の悲嘆は筆舌に尽くし得ない甚大な被害をもたらしたのであります。県側の報告によりますと、罹災人員二万二千七百五人、死者四十九人、行くえ不明三人、重軽傷首五百八人、家屋の全半壊二千九百三十五戸、浸水家屋二千五百四十一戸、学校関係三百八十一件、被害額は、土木建設関係約十七億二千万円、土地改良関係約二億六千万円、林務関係約三億五千万円、教育関係約二億一千万円、衛生関係約二千万円、農業水産関係約七十億四千万円、商工関係約二十三億九千万円、その他約一千万円で、総額約百二十億三千万円の巨額にのぼっているのであります。 県及び市町村は、自衛隊、消防関係者等の応援を得て、全力をあげてこれら復興に努力し、被災民もまた懸命に立ち上がろうとしておりました。 以上は概況であります。 次に、調査コースに従って概要を申し上げます。 まず、第一日の十月五日、静岡県庁におきまして被害概要の説明を聴取いたしたのでありますが、その説明によりますと、県に上陸を予想し災害対策本部を開設、また水防体制を整えたのでありますが、台風二十六号は予想よりはるかに早く上陸し、満潮時と重なり、上陸直前は時速七十キロメートルにも及ぶものでありました。九月二十五日各地の雨量は、静岡百二十ミリ、御殿場百五十七ミリ、天城山百三十一ミリであり、最大瞬間風速は、静岡で四十メートル、御前崎ではさきに述べました五〇・五メートルという史上まれに見る暴風であったのであります。 五十九市町村には災害対策本部を設置して、その対策に万全を期するとともに、被害を最小限に食いとめるよう努力したのでありますが、それでもなおかつ以上のような甚大なる被害をこうむったのであります。 二十四日に陸上自衛隊第三十四普通科連隊に連絡、幹部及び偵察班の派遣を要請、二十五日には同連隊に吉原市、富士市、梅ヶ島村に対する災害派遣を要請し、また二十六日には、交通途絶によって航空自衛隊に梅ヶ島村災害地に対する物資輸送、重傷者輸送のためそれぞれヘリコプターの派遣を要請するとともに、自衛隊の増援を要請したのであります。 これら災害のため人的及び住家の被害等多数にのぼり、一般港湾、漁港、海岸防潮堤の公共施設、河川関係等の被害も各所に起こり、これらについては調査中とのことであります。また、農作物についても、水稲の倒伏がはなはだしく、果樹、蔬菜等についても目下詳細は調査中であるとのことであります。特に被害のあった吉原市、富士市、焼津市、富士宮市、御殿場市、富士川町、鷹岡町、梅ヶ島村等八市町村には災害救助法を発動し、県及び県民もその復興に努力しておるとの言に接し、意を強うしてまいったのであります。 なお、相模湾、駿河湾等の防波堤が今次災害により各所に損壊があり、これらの復旧につきましては、管轄を各省一本にまとめて施行するよう、特定海岸の指定を強く要望しておったのであります。 次に吉原市鈴川海岸の被災地を視察してまいったのでありますが、市の説明によりますと、二十五日十二時に消防パトロールのときは波は平穏であったそうでありますが、その後四十五、六分の後に急に最大風速四十三メートルの暴風に見舞われ、同時に高波が押し寄せ、満潮時と重なって高さ十三メートルの防波堤を二メートルの高さで浸水し、一瞬にして六百十八戸の住宅の全半壊、死者十三名、行くえ不明一名、重軽傷者百五十二名、浸水家屋六十戸、非住家屋全半壊千四百五十三戸、公共建物被害七千八百万円、耕地被害二千八百二十ヘクタール、防波堤の決壊その他甚大なる被害をこうむったのであります。私たちが視察いたしましたときにも、防波林が至るところに倒伏し、家屋の全半壊によるその残骸がいまだに当時のおそろしさをまざまざと露呈いたしておったのであります。この防波林の被害は二キロに及んでいるそうであります。海岸のすぐそばに小学校、幼稚園がありましたが、幼稚園の教材は流失し、学校の屋根がわらはほとんど飛び散っておりました。また、パトロール中の警察官一名が波によって流され殉職されたとのことであります。 この視察後、吉原市役所におきまして、清水市、吉原市、富士市、富士宮市、御殿場市、蒲原町、鷹岡町、富士川町の順に各市町の当局者より説明を聴取し、陳情を受けたのであります。その陳情につきましては、御説明申し上げるべきでありますが、非常に長くなりますので、速記録にこの原稿をとどめていただくようにお願いいたしたいと存じます。 ………………………………… 〔参照〕 その陳情につきまして御説明申し上げますと、 まず、清水市につきましては、三保から沼津市までの海岸堤防の完全な施設の設置、国道迂回路がないので台風時に交通が途絶するので、側道の早急設置、及び温室のガラス十五万枚の被害、イチゴ苗等数億円の被災があり、農業災害全体で十二億円に及ぶため、激甚災害の指定について要請せられたのであります。 次に、吉原市におきましては、海岸堤防の前面が前の台風で埋まっておった、これら砂の堆積の問題の解決、港湾の灯台の突堤が毎年被災しているので、恒久的な復旧、海岸堤防の所管が各省に分掌されているが、できれば一本で取り扱うこと、及び医療補償及び病院に収容された被災民の補助がないので、これらを救済する災害救助法の改正を考慮していただきたいとの要望を受けたのであります。 富士市におきましては、防潮堤復旧を早急に施行し、復旧については改良的に施行していただきたいとのことであります。 次に富士宮市におきましては、災害復旧はすみやかに調査査定を行ない、直ちに復旧工事に着手できるよう国庫補助の方途を講じ、また、補助範囲の拡大、中小企業者に対する災害復旧融資について、長期返済、低利率の融資措置及び個人災害に対する救済措置を講ぜられたいとの陳情を受けたのであります。 次に、蒲原町におきましては、側道の建設にあたっては、越波しないような海岸道路兼用の堤防をつくるよう処置されたいとのことでありました。 富士川町におきましては、災害時のために県と市町村間の無線電話の施設の設置、災害復旧用建築資材の確保、たとえばトタン、かわら等が容易に入手できるようあっせん、個人災害の補助及び小災害の救済、中小河川改修の促進の要望がありました。 最後に、鷹岡町におきましては、災害時停電等で困惑するので、緊急用として火力発電施設の設置及び災害時のための無線電話の設置の要望があったのであります。 ………………………………… 次いで、富士市の三四軒屋海岸を視察しましたが、防波堤の決壊が三百メートルに及び、防波林は倒伏し、そのさまは実にものすごかったのであります。 次に、蒲原海岸に参ったのでありますが、この地の被害も防潮堤の浸水により町営住宅多数が全半壊いたしておったのであります。 次いで三保の海岸に参りましたが、この防波堤も損壊し、防波林二百本に及ぶ倒伏や枝折れがあり、すぐ近くの民家の前にその惨状を呈しておったのであります。 翌六日には梅ヶ島村に向かい、途中山腹崩壊が各所に見られました。役場における村当局の説明によりますと、二十四日は土曜日の関係で温泉客が平常より多かったこと、最高時雨量百三十五ミリ、これらによる被害、行くえ不明二十六人中死者確認二十二人、家屋の全半壊十一戸、村に通ずる県道延長十五キロ中、決壊流失、崩土五十ヵ所、他に農林関係で幾多の被害をこうむったのであります。これら救援のため、村内各機関全員、県警機動隊、自衛隊二百六十名、玉川村、静岡市消防団の協力を得て、罹災者救援並びに温泉客中不幸にして泥土にのまれて死亡した方々の死体発掘、死体収容作業を進めて、大かた判明いたしたそうでありますが、四名の死体の捜査は、目下自衛隊、機動隊、消防団、一般住民の協力で続けられているそうであります。 次いで、これら被害の陳情を受けたのでありますが、緊急なる災害復旧、安倍川上流部の治山治水計画の実施、特に予防治山事業を願いたいとの要望を受け、次いで梅ヶ島温泉郷に参りました。 その惨状、目をおおうような実に惨たんたるもの でありました。安倍川の上流に位置し、狭い谷間 にあるこの温泉郷は、一瞬にして流失壊滅状態におちいったのであります。平常安倍川は道路わき十メートル下を流れていたのが、現在では岩石のため二メートルくらいになっており、半壊の旅館の中は当時の岩石で満ちており、旅館の外には五、六トンの大きな石が幾つもあり、その復旧の困難さを物語っておりました。これらの災害にもめげず、その復旧に立ち上がる村民の姿をまのあたり見て、心を打たれてまいりました。 次いで大河内村の中学校を視察してまいりましたが、集中豪雨による堆積瓦れきの崩落により校舎一むねが埋没し、職員室も損壊、現在生徒は小学校の講堂を区切って授業を受けている状態であります。また、付近の畑も埋没し、村当局の説明によりますと、このような堆積瓦れきの崩落は四ヵ所に及び、村民の財政源であるワサビ、茶の生産は半減し、もともと財政難の上にさらに困難を加えておる現状であります。 以上が、私たちが視察してまいった概要であります。 これら災害につきまして感じましたことは、今次災害の特徴は、台風のスピードが予想以上に速く、かつ勢力が強く、さらに満潮時と重なり、また短時間の間に集中的な雨をもたらしたことなど、悪条件が重なったこととはいえ、全く平常予想できない激甚な被害が発生しているのでありまして、これらの災害を契機として、国をあげて二度と災害の起こらない万全の対策をとる必要を痛感してまいった次第であります。 最後に、県の要望事項について御報告申し上げますが、詳細は県からの要望書にありますので、ごらんをいただくこととし、ただいまは項目だけ申し上げますと、激甚災害特別財政援助法の適用、次に公共施設等の復旧整備、第三は罹災者の救済援助、第四に地方公共団体に対する財政援助、以上の四項目であります。 これで今次調査の報告を終わるのでありますが、被災民に対するあたたかい援助措置、当面緊急を要する対策及び予防措置等について早急に進められんことを要望し、また、本調査にあたって御協力をいただきました関係各位に深甚なる感謝の意を表しまして、御報告を終わる次第であります。(拍手)
○日野委員長 御苦労さまでした。第一班を終わります。 第二班を稻葉修君お願いします。
○稻葉委員 第二班は、台風第二十四号及び二十六号による被害状況の実情調査のため、十月五、六日の両日にわたり山梨県に派遣されたのでありますが、派遣委員を代表して、調査の概要について御報告をいたします。 派遣委員は、自由民主党壽原正一君、日本社会党山口丈太郎君、並びに私の三名であり、その他山梨県選出議員多数の臨時参加を得て、被害状況をつぶさに調査してまいったのであります。 まず初めに、今次災害の原因となりました台風の状況及び被害の発生状況について申し上げます。 台風第二十六号は、猛スピードで二十五日午前零時ごろ静岡県御前崎付近に上陸し、午前一時ごろ山梨県南部に入り、富士山の西側から西湖、塩山、三富を通過して埼玉県に抜けたのでありますが、山梨県にとっては最悪のコースをとり、県下全域にわたって暴風雨圏に入り、瞬間最大風速四〇・一メートル、雨量において三百ミリ強に達し、一時間最大雨量は、船津で六八・二ミリ、山岳地帯で百ミリをこえ、二十一日以来の県下全域における降雨と台風通過時の集中豪雨による雨量とともに、脆弱化した地盤を崩壊させたこと、超スピードで来襲したため避難対策が十分とれなかったこと、来襲が夜間であったこと等の悪条件が重なり、各地に山津波や小河川のはんらんが続発し、根場、西湖部落、芦川村をはじめ、御坂山系寄りの各市町村の道路、水路、耕地に壊滅的な被害をもたらすとともに、多数のとうとい人命を奪うという悲惨な結果を招いたのであります。このため、県内における被害は、死者百四十名、行くえ不明三十五名、重軽傷者二百九名、住家全壊三百三十一月、住家半壊六百五十五戸、床上浸水二千六百六十八戸、床下浸水一万二千四百九十六戸、住家一部破損三千八十八戸、非住家被害二千七十二むね、罹災世帯一万七千八百三十一世帯、罹災者数七万三千五百六十七名、道路、橋梁、堤防の流失決壊等土木関係七十四億円、耕地の流失埋没、果樹、蔬菜、稲等倒伏冠水など農業関係三十四億円、林業関係九十八億円、商工関係四億円、建物関係その他四十億円、被害総額二百五十億円にのぼっておるのであります。ことに、いまだ発見されない遺体が三十も残っておるような次第でありまして、全力をあげて遺体捜査に従事している苦労を痛感いたしました。 次に調査のコースに従って御報告申し上げるべきでありますが、詳細にわたりますので、速記録にとどめていただくことにいたします。 ………………………………… 〔参照〕 私ども調査団は、五日午前七時に新宿を出発し、八時三十分大月駅に到着、直ちに南都留郡足和田村に参り、西湖、根場部落の被災現場を視察したのであります。 西湖と御坂山系のふところに抱かれた山紫水明の平和郷であった根場部落、西湖部落は、台風の接返とともに先が見えないような集中豪雨により、西湖に流入する三沢川、東入川、西入川が、御坂山系の脆弱化した花こう岩の地盤と河床を削り、一挙に土石流を部落に落としたため、午前一時より三十分の間に阿鼻叫喚の地獄絵と変わり、一瞬のうちに部落の大半を流し去るとともに、材木、岩石が押し重なり、父祖伝来の家屋敷、財産、農地の大半が埋没、流失し、多数のとうとい人命を奪ったのでありまして、被災地を視察いたしました私どもは、あまりの惨状に胸の痛むのを感じました。 足和田村における被害は、死者八十一名、行くえ不明十三名、重軽傷者八十名、躍災世帯百十一世帯の多きに達し、両部落は壊滅的な打撃を受け、判明した被害額だけで二十四億円をこえる実情であります。 災害が発生するや、直ちに救援活動が開始され、自衛隊第一師団の北富士駐とん部隊三百十一名は、災害対策本部の要請に応じて、二十五日早暁足和田村に到着、直ちに遺体の収容、行くえ不明者の捜索、給水、緊急土木工事等の作業を行ない、堆積土砂をもとの地盤まで発掘するとともに、西湖の湖底を捜索して、なお行くえ不明者の発見及び遺体の収容に必死の努力を続けており、自衛隊の被災地における救援活動は、足和田村のみならず、各般にわたって重要な役割りを果たしてきております。 また、警察署は、台風の接近とともに警備本部を設置し、災害が発生するや、午前五時四十五分、署長が部下を帯同して根場部落に入り、救出活動を行ない、さらに西湖部落の被災地に向かい、被害者の救出に全力を尽くす等、災害発生より今日までの自衛隊、警察、村役場関係者の涙ぐましい御尽力は非常に心打たれるものがありました。 このように、壊滅的な打撃を受けた両部落の総力をあげての応急対策と復旧に努力している姿を見て、非常に心強く思うと同時に、治山、砂防事業を強力に推進し、二度とかかる惨害を繰り返してはならないと痛感いたすものであります。 なお、足和田村当局から、今次災害の復旧について、個人災害の救済措置についての対策、異常豪雨により荒廃した河川の特殊緊急砂防及び治山事業の特別措置、両部落の中央縦貫河川の新設とその用地並びに住家の移転措置、農耕地の早期復旧、両部落の集団移転のための青木ヶ原県有地の無償払い下げ、国立公園法に基づく特別指定地域の解除等の措置を講ぜられたいとの要望があったのであります。 次に、自衛隊のヘリコプターを利用して芦川村に参り鶯宿の被災現場を視察したのでありますが、三百ミリをこす雨量の集中豪雨により、里道川上流の山の崩壊により一挙に山津波を起こし、死者十三名、行くえ不明三名、罹災世帯六十世帯の多きに達し、悲惨な状況を呈しており、道路、橋梁、堤防の流失、決壊による被害だけでも同村で五億をこえている実情であります。特に死者、行くえ不明は、山津波による家屋の倒壊、流失によるものであり、今日なお三名の行くえ不明については、芦川の川下等に必死の捜査を続けているのでありました。 次に、芦川村から引き続きヘリコプターを利用して芦川に沿って上空より上九一色村、甲西町、市川大門町及びその一帯の被害地を視察したのでありますが、異常豪雨による山はだの崩壊と土砂による渓流の荒廃がまざまざと見られ、砂防及び治山対策の強力な推進を痛感いたしたものであります。 次いで、翌六日は、初めに中巨摩郡甲西町に参り、町役場で中巨摩郡及び甲西町当局より被災状況の説明を聴取した後、滝沢川の決壊個所、秋山川、堰野川、市之瀬川合流点等を視察したのであります。 甲西町当局の説明によりますと、甲西町は、西部山岳地帯及び中央平坦地より流出する大雨量を一手に受け、重要河川の滝沢川、堰野川等天井川を次々に決壊し、濁流は沃野を圧し、昨日まで豊作を確実視されていた水稲をはじめとしてあらゆる作物を流失、埋没あるいは浸冠水して広漠たるどろ沼と化し、加えて、西部山岳及び山つき地帯の荒廃はまたむざんなものでありまして、山くずれ、がけくずれが至るところに起こり、これが各沢、小河川に岩石、土砂、木材等を押し出し、護岸、橋梁及び農業用施設を損壊して付近の耕地にまで流出し、すさまじいばかりの荒野原を露呈いたし、このため住家一むねが一瞬にして流失したほか、床上、床下浸水等、人家にまでその被害を及ぼし、同町の被害総額は三億円を突破するという被害であったとのことであります。 視察した滝沢川の決壊個所は、上流が改修されて、下流の未改修の部分が狭いために、その部分の右岸が決壊し、天井川のため、濁流は広範囲にわたって水田、桑園等を冠水させたのであり、その決壊個所をつぶさに見て、町当局からこれら河川の改修、特に市之瀬川、堰野川、秋山川の三川の合流する坪川の早期改修の要望を受けたのであります。 次に、三珠町役場において、西八代郡、三珠町及び市川大門町当局から被災状況の説明を聴取したのでありますが、当局の説明によりますと、三珠町は山岳、丘陵地が多く、おもに芦川流域に沿って点在する部落で、渓流の多い個所に住居をかまえているため、今回の豪雨による山地の崩壊により至るところの渓流がはんらんして土砂を押し流し、沿線の住家をほとんど埋没状態とし、また、わずかにあった田畑は流失、決壊等のため水稲など全滅の状態であるとのことでありました。 なお、市川大門町も同様に山間地が多く、林野等における崩落が激しく、河川のはんらんによる人命の犠牲者をはじめ、家屋の全壊、半壊、床上、床下浸水、田畑の流失、埋没並びに主要道路の中断、橋梁の流失等、被害総額一億六千万円にのぼるとのことでありました。 さらに、説明を聴取した後、芦川をさかのぼって被災個所を視察しながら古宿-三帳間の道路への土砂くずれ現場に参り、崩落現場を視察したのでありますが、がけ上の田が陥没し、亀裂が生じ、がけは常に崩落を続けているため、上九一色村に通する道路はこれがため通行が遮断されている状況でありまして、早急に措置する必要があると思うのであります。 ………………………………… 最後に、県の要望事項等について、そのおもなるものを申し上げます。 第一は、激甚災害特別財政援助法の適用をされたい。今回の被害は特に個人災害が多くありますので、現在の法律ではいかんともしがたい点が多くございますが、これは本委員会の特段な配慮によって何らかの救助の新立法をする余地がないかどうか、強い要望がございます。 被災町村は辺地が多く、財政力はきわめて脆弱であるため、財政措置に特段の配慮をせられたい。 未発見遺体の発見につき特段なる措置を講ぜられたい。 自作農維持資金の災害ワクの拡大措置を講ぜられたい。 応急仮設住宅の設置、住宅の応急修理、埋葬等に要する限度額について大幅に引き上げられたい。 以上が要望の概要でありますが、詳細につきましては、県及び市町村から陳情書が委員長に提出してありますので、それを御参照願いたいと存じます。 また、今回の調査の結果、私ども派遣委員といたしましては、かくのごとき地形にある全国の危険地帯がきわめて多かろうと思うのであります。あれだけの雨が降りまして土砂が一ぺんに山くずれとともに流れてきたのでは、逃げるよりほかに手がないように思うのでございます。したがいまして、建設省国土地理院は、全国これと同じような地形のところを調査し、危険地帯をあらかじめ指定して、警察庁、気象庁等と連絡の上、たとえば五十ミリ以上の雨が降り、一時間も続いておる、なお続く見込みであるというような場合には、強制退避命令を出して、人命の損傷のないよう今後措置すべきであると痛感をいたしておる次第であります。この点は特に申し添えておきます。 さらに委員長に一言、本日山梨県下の新聞を見ますと、五分間の調査で何がわかるかということが書いてございます。われわれの調査はまことにずさんであって、話にならぬという意味の記事が多数出ておりますが、マスコミのこういったような虚偽の報道は、わが委員会を侮辱するものである、派遣委員に対する侮辱である、こう思うものでございますので、強く委員長において各新聞社あて抗議をせられるよう望みます。 以上で御報告を終わりますが、本委員会におかれても、十分に罹災民の要望をお取り上げ願いまして、一日も早く適切な措置を講ぜられますよう強く要望いたしますとともに、私たちの調査に対し御協力をいただきました関係各位に対し、深く謝意を表する次第であります。 最後に、とうとい犠牲となった死者に対し、心からつつしんで御冥福を祈って、報告を終わります。(拍手)
○日野委員長 これにて派遣委員からの報告は終わりました。 派遣委員各位にはまことに御苦労さまでございました。 ――――◇―――――
○日野委員長 昭和四十一年八月及び九月の豪雨による災害対策並びに台風第二十四号及び第二十六号による災害対策について調査を進めます。 この際、台風第二十四号及び第二十六号による被害状況等につきまして政府当局から説明を聴取いたします。澁谷非常災害対策副本部長。
○澁谷説明員 本部長の総務長官が、ただいま閣議でございまして、間もなく御出席になる予定でございますが、私かわりまして御報告申し上げます。 台風第二十四号及び第二十六号の被害状況等の概要につきましては、九月二十六日の本委員会におきまして簡単に御説明申し上げましたが、その後に判明いたしました被害と、政府のとっております措置につき御説明申し上げます。なお、詳細につきましては、お手元へお配りしました資料で御承知おきいただきたいと思います。 まず、被害の状況でありますが、十月六日現在で、死者二百七十四名、行くえ不明者四十四名を数え、罹災世帯数約二万四千、罹災者数約九万八千人であります。また、施設等被害額については、現在なお集計中でありますが、県からの報告によれば、公共土木施設関係約二百十六億円、農作物等約二百三十億円、農地、農業用施設が約五十七億円等となっており、合計約七百三十億円にのぼっております。 政府は、九月二十六日、災害対策基本法に基づき、総理府に、総務長官を本部長とする、昭和四十一年台風第二十四号及び第二十六号非常災害対策本部を設置し、災害応急対策を強力に推進することとし、即日本部会議を開催し、当面必要な応急対策を中心に協議するとともに、被害の大きい山梨、静岡、埼玉、群馬の各県に本部長及び副本部長を団長とする政府調査団を派遣することを決定し、九月二十七日被災地を視察し、被災された方々に対してお見舞いと激励をするとともに、被災の状況及び災害の原因等について調査いたしました。 今回の台風は、予想以上のスピードをもって深夜に来襲し、しかも山津波等が各地に起きましたため大きな被害が発生したのでありますが、災害発生と同時に、地元は言うに及ばず、自衛隊、警察及び消防団が協力し、一体となりまして警備及び救助活動に従事し、また、罹災者の救援につきましても、食糧、飲料水の供給、被服、寝具、医薬品の供与等、災害救助法に基づく災害救助を迅速に進めてまいったのであります。 非常災害対策本部は、本日までに三回の本部会議を開催し、政府調査団の調査報告並びに問題点を中心に必要な対策を協議してまいったのであります。 まず、被災者の救出につきましては、本日なお四十四名の行くえ不明者があり、警察、自衛隊、地元消防団が協力して捜索中であります。 また、災害救助法の適用は、山梨県ほか五県の合計百十九市町村でありますが、山梨県足和田村には同法の期間延長をしております。 次に、文教対策につきましては、罹災により新たに要保護児童生徒及び準要保護児童生徒と認定された者については、就学援助費、給食費、医療費等の補助金を交付するとともに、罹災により学資の支弁が困難となった学生生徒について授業料等の減免措置等、就学援助措置を講じてまいっております。 農林関係につきましては、被災した稲及び果樹樹体の回復のためには、農業改良普及員が指導を行なっております。 さらに、天災融資法の発動につきましては、今月中に実施する方向で作業を進めております。 また、国鉄身延線の復旧につきましては、十月三日運輸大臣が現場を視察、督励されたのでありますが、関係者は鋭意復旧につとめておるところでございまして、十月六日現在の不通個所は身延―下部間のみでありますが、この区間にはバス等による代行運送を行ない、同時に、復旧工事にも最大限の努力を払っておりますが、全線開通は十月中旬になる予定であります。建設関係では、砂防堰堤、望潮楼の設置をすることとし、また、災害復興住宅資金の貸し付け限度額の引き上げについても検討中であります。 また、救援物資につきましては、国鉄運賃の災害割引、郵送料の免除等の措置を講じておるところであります。 なお、各種復旧資材につきましては、関係業者に対して被災地への優先出荷を要請し、被災地の資材不足は解消しております。 通信の確保、電力の復旧等も完了し、防疫対策にも万全を期しております。 政府関係金融機関の貸し付け条件の緩和等中小企業対策、及び税の減免、普通交付税の繰り上げ交付、資金運用部資金、簡保資金によるつなぎ融資等の財政金融対策につきましても十分な配慮を行なっておるところであります。 もちろん、災害復旧につきましても、早期査定、早期着工につとめております。 なお、今回の台風第二十四号、第二十六号災害を激甚災害として指定し、公共土木施設等、農地等、共同利用施設、公立社会教育施設、私立学校施設に関する災害復旧事業補助の特例、私立学校振興会業務の特例、罹災者公営住宅建設事業に対する補助の特例及び小災害元利補給をとるべき措置として指定すべく現在作業中でございます。 以上、御報告申し上げます。
○日野委員長 これにて説明は終わりました。 ―――――――――――――
○日野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。天野光晴君。
○天野(光)委員 きょうは農林大臣が見えておりませんが、災害対策本部長がお見えですから、基本的なものについて二、三お尋ねをしたいと思います。 まず第一に、先ほど稻葉委員からの報告の中にもございましたように、今度の災害の特殊性は、個人災害が非常に多い。要するに、市町村災害に該当するもの、特に個人災害が非常に多いのでありまして、激甚災の適用をできるかできないかという問題が各所に起きているわけであります。激甚災を指定する際の法律の基本的な内容はわかっておるわけでありますが、一つの例として、これは宮崎県の、一千六百万ばかりの税収きりないある町村の被害の実態でありますが、四年前に一億の町村災害をこうむって激甚災の指定を受けた、今度は二億をこす災害をこうむったが、激甚災の指定が非常に危ぶまれているという話をされておりましたので、いわゆる激甚災の改正をどうするかという、先ほど稻葉委員からの報告もございましたが、この際根本的に災害に対する法律の内容を改正する意思があるかどうか、もし意思がないとすれば、今次の災害をでき得るだけ高度に弾力性のあるものにして激甚災の適用をやるという意思があるかどうか、この二点、とりあえずお聞きいたします。
○森国務大臣 天野さんの御質問でございますが、私どもは、いまの法律でやり得ることは、何とか誠意をもって、しかも愛情を込めて解決したいと思っております。しかし、いまの法律でどうも不備な点があるならば、それは変えるにやぶさかではございません。ただし、私は、今回の災害に対して、災害対策の本部長となって、一地区ではございましたが、山梨県下並びに静岡県下を見て回りまして、いま天野さんの御指摘のように、足の裏をきりか何かできりもんだような、そういう災害の場所が非常に多いために、あえて私は、同行の諸君とも相談をいたしました結果、何とかしてこの際個人の災害に対する手当て、これをひとつ立法化してみたらどうかという考え方をもちまして、いま鋭意努力中でございますけれども、もちろんこれはそう簡単にできるものでもないことはよくわかっておりますし、さらに加えて、現在までの間でも、こうした問題はしばしば問題になって、なかなか成案を得なかった問題でございますので、与党のほうとも、実は政調会等にも相談をいたしまして、お互いの間で何か抜本的な姿勢のもとにこれを解決する方法はないか、そういう具体的な案はないかということで鋭意努力をしておるわけであります。激甚災害の指定をするかしないかということは、目下研究中でございまして、先ほどの副本部長の御説明の中にもありましたように、今月中には何とか結論を得たい、こう思っております。
○天野(光)委員 森総務長官の御答弁でその誠意のほどはわかるのでありますが、過去においても災害対策関係でいろいろ議論をしておるわけでありますが、実際あれほど大きな災害をこうむった個人に対しての、補償というか、その救済の方法は一体どうやるかというと、天災融資法の措置以外に農村関係ではないわけであります。それも非常に金利が高くて、普通の場合六分五厘、それから激甚災で三分五厘であったわけでありますが、これは私は、普通の場合五分、あるいは激甚災の指定を受けたものに対しては無利子でいいのじゃないか。農村に対する融資というものは、ともかくも完全に回収のついているものです。そういう点で無利子を主張したのでありますが、大蔵省の強い反論がございまして、ようやく三分にだけなったところでありまして、いわゆる個人の災害にもう少しあたたかい態度で臨むべきでないかという感じがいたしておるのでありますが、いまの本部長の御意見では、できるだけ愛情のある考え方でそういう措置を講ずるように考慮中であり、折衝中であるという話でございますので、ひとつそれを強力に推進するようにこの際希望を申し上げておきたいと思います。 ちょうどいま建設大臣がお見えになりましたので、建設大臣にちょっとお伺いしておきたいと思います。 今度の災害を見てまいりまして、非常に予期せざる雨が降った、これは雨の責任でありますが、いままでの常識的に判断のできない雨量の結果ああした災害が起きた。既設の堤防等は存在価値がなかった。堤防の上をオーバーすること一メートルから一メートル五十もという状態であったということであります。水が出たために個人の家屋等は非常に損害をこうむったが、水がひけてしまった。ところが、その河川はその災害のあとかたもないという状態になっておる。これは一体どうしてこのあとの災害を防ぐかといえば、いまの状態では改良工事きりない、こういうことであります。 もう一つは、せっかくいままで永久橋であったが、それが流れて半分くらい決壊した。決壊したが、その橋をそのまま復旧しても、要するに一方交通のような――実に重要な橋梁ではあるが、永久橋なるがゆえに、それを復旧するのは原形復旧である。全体流れたならば新たな企画でかえることができると思いますが、そうでなくて一部が流れたということになると、災害の考え方でいくと原形復旧だ。原形復旧になってしまって、今度は流れないりっぱな橋になった。ところが、それが都市の中心であるにもかかわらず、その交差が禁止されているというような橋があるわけであります。これは当然近い将来においてその都市計画なりあるいは道路関係で新たなる架橋をする段階になっておるのであるが、この際そういうものをからめて、改良と災害と一本にしてそれをやるという意思はないか。 もう一つは、河川の災害でありますが、どうしても原形復旧ではなくて改良と一つにしてやらねばならない問題が数多くある。予算の関係もあると思いますが、この際一挙にそういう将来の災害を防止するというたてまえから、改良を含めて橋梁あるいは道路あるいは河川というものに対して建設省はやってくださる意思はないか。
○橋本国務大臣 台風第二十四号及び第二十六号の被害を受けられました各地方に対し、かつまた、なくなられた方々及びけがをされた方々に対して深く御同情申し上げる次第であります。 ただいまの御質問でありますが、従来もこれはやってまいっておるのでありますが、おっしゃるとおり原形復旧だけではなくて、改良並びに災害関連事業をあわせましてそうしてしっかりしたものをつくっていきたい。また、つくってまいる。ただ、おっしゃるように、これを半年か一年でやれ、こういうことを言われましても、実は工事の予算の関係等もありますけれども、予算のほうは別といたしましても、工事それ自体も、早期完成を目的といたしましても、やはり二年とかあるいはそれ以上かかる場合もあり得るのでありますが、できるだけ御趣旨に沿うような方針で建設省としてはやってまいりたい、かように考えております。
○天野(光)委員 それでは農林省の関係、相当あるのですが、一点だけ、これは災害対策本部長にも関係がありますから、森総務長官もお聞き願いたいと思うのですが、農村災害の原形復旧、要するに耕地の復旧をやるわけでありますが、御承知のように、水田稲作地帯等は一年一回きりやらないという地域が多いわけであります。そういう点で、今年度ようやく収穫期にきたのが皆無になってしまった、その原形復旧が来年度の作付期までにできないということになりますと、これは農民にとりまして致命的打撃であります。これを救済する何ものもないということになりますと、これは問題であります。そういう点で、積雪地帯等は十一月以降積雪期に入るわけでありますから、この調査査定を急ぎまして、来年度の植えつけ時期までにその災害地の耕地が復旧できるような処置を講ずるという方針で臨んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○森国務大臣 天野さんのおっしゃるとおりの問題は十分あると思いますので、私ども本部といたしましても十分その点を考慮いたしまして善処いたします。
○天野(光)委員 それから国有林関係の管理等について相当問題があるものがあったのですが、これはやはり大臣でないと、政治的な問題ですから、問題があると思いますので、私の質問はこれだけにして後日に譲ることにいたします。
○日野委員長 次に、山口丈太郎君。
○山口(丈)委員 私はきわめて簡単に二、三の要点についてお伺いをいたします。 まず、森長官にお伺いをいたしますが、きょうの新聞報道によりますと、事務次官会議で、一月から九月までに発生した風水害による被害を受けた農業用地、公共施設の復旧のために、四十一年度の一般会計予備費及び特別会計の予備費の中から災害地に対する復旧諸経費を支出する、こういうことをきめられたかに報道せられておるわけでありますけれども、それは今次の台風等によります被害を除く一般被害に対するものでありますか、それとも、それらすべてを総合したものでありますか、お聞きしたいと思います。
○森国務大臣 山口さんの御質問、大蔵省からお答えいたします。
○長岡説明員 お答え申し上げます。 このたび災害関係の予備費を約二十八億円支出するということにいたしてございますが、これは本年発生いたしましたもろもろの災害につきまして、査定を終了したものから逐次予備費を出していくわけでございます。したがいまして、今回措置をいたします分につきましても、過去の災害がいろいろな種類のものが含まれておる――と申しますのは、一つの災害の査定が全部終わるまで待っておりますと非常におくれるものでございますから、すべての本年発生の災害につきまして、査定の結果がある程度まとまりますと、そのつど至急予備費で措置いたしていく、こういう性質のものでございます。 御参考までに申し上げますと、今回の予備費を含めまして、本年に入りまして災害関係の予備費の支出は累計約百十四億円になるわけでございます。
○山口(丈)委員 そこで、政策面からひとつ大蔵省にお伺いをいたしますが、本委員会におきましては、災害が発生をいたしまして、本査定を待っていては、次にいつ豪雨その他の災害が発生する状況が生まれるかわからぬ、したがって、そういう緊急予防を必要とする災害個所につきましては、本査定、仮査定を待たず、その地方公共団体等が行ないますものにつきましては、査定前でありましても復旧工事を実施せよ、また、それを考慮に入れて実施をするということがたびたび言明せられておるのであります。私どももそれを全幅的に信頼しておるわけでありますけれども、やはり現地におきます出先の所管庁あるいはその査定に当たります査定官等におきましても、あるいは自治省の末端におきましても、いまだそういった面が徹底していない。したがって、各所を回ってみますと、あるところは非常に積極的にそれに協力をしておるが、ある地域におきましては拱手傍観の形をとっておるところもないとは言えないのであります。こういうようにアンバランスな行政が行なわれては、著しく不公平であります。また、当該災害地におきます被災住民は、たとえ査定が終わっていなくても、それは官庁の仕事であって、たとえば農地にどんどん流入しております流水を堤防の仮締め切りあるいは応急復旧工事によって一日も早くとめてもらいたい、そういう強い要望があるにもかかわらず、まだ査定が済んでいないので流しぱなしになっておるところが、宮崎県、大分県においてもしばしば見受けられるのであります。これはまことに遺憾なことでありまして、ここで質疑応答の中において答弁をされたその政治的措置というものは、そのまま施行されなければ、私は用をなさないと思うのであります。中央においては非常に努力をされておると思うのでありますけれども、まず、大蔵省関係として、査定の事情、どういう指示をされておりますか。また、建設大臣にお伺いいたしますが、そういった実情にあることをどういうように今後迅速に処理されようとなさいますか、罹災民が非常に不安がっておりますから、ひとつ的確に御答弁を願うとともに、ただここで答弁を願うということではなしに、それを現地においてどういうように浸透し、今後実行されますか、冬場を迎えましてたいへん動揺しておるのでありますから、ひとつ民心の安定上からも、行政施策上からも、的確な御答弁を願いたいと思います。
○橋本国務大臣 お話のようなことがあるいはあるかもしれませんが、実際問題として、たとえば建設省で申し上げますれば、直轄事業につきましては、直ちに応急復旧というものがあります。応急復旧という項目があって、そこで、たとえば国道が途絶をしたという場合には、少なくとも一車線は確保する、こういう形で、早いものは数時間、長いものでも、今度の災害等に関しましては、せいぜい一日、二日、三日程度で一車線だけは確保する。これは応急復旧工事であります。 査定の問題ですが、査定の場合におきましては、もちろん、本査定が済みますれば復旧と同時に改良工事並びに災害関連工事を加えて本格的なりっぱなものをつくり上げるということの前提として査定が行なわれるわけでありますが、査定前でありましても、いま申したように、直轄関係については建設省は直ちに応急復旧をやっております。必要な橋にいたしましても、それが直轄の橋でありますれば、少なくとも必要なものは仮橋でもつくるということも直ちにやる、こういう方針になっております。補助事業関係は、これは県当局、また市町村工事は市町村当局が積極的にそれをやるべきことになっておるのでありますけれども、あるいは工事人の都合もあったり、あるいは地形等が直ちに工事ができないという場合もあり得るかもしれません。たとえば土砂流出等によって、その場合になかなかそこに仮橋をつくるとかいうようなことのできない場合もあるかもしれませんが、方針としては、いま申し上げましたように、補助事業は県もしくは市町村において直ちに応急復旧工事を行なう、そうして査定が済んでから本式な、いわゆる改良費並びに災害関連事業費というものを加えて、そしてりっぱなものをつくり上げる、こういう方針でやっております。しかし、おっしゃるようなことが重々あるかもしれませんので、なおその点に関しましては地方当局に対して強く指示いたしまして、人心の安定を期したい、かように考えております。
○小沢説明員 大蔵省のほうでも、ただいま建設大臣がおっしゃったように、応急工事につきましてはどんどんひとつやっていただきたいと思いますし、同時に、それの必要な資金につきましては、各地方財務局を通じまして財務部のほうへ緊急融資分の措置は十分とってあるのでございます。したがいまして、地方の末端にこれがよく伝達されて円滑に実施するようにという御注意でございますので、私どもも建設省に協力を申し上げて御趣旨に沿うように末端によくその趣旨が伝わるようにいたしたいと思います。
○山口(丈)委員 そこでひとつ、厚生省関係にもなるわけですが、総務長官にお伺いをいたします。自治省にもお伺いをしたいと思いますが、今度の災害の特徴は、河川でこれを申しまするならば、大河川のほうの被害は非常に軽微であります。これは私は現地でもあいさつの中でも言ってきたのでありますが、政府の非常な努力等によりまして大河川の改修が非常に進んでおることを意味しておると私は考える。ところが、だんだんと災害は上流のほうの小河川に移行しておる。現在の河川法等によりますと、おおむね地方公共団体の責任において行なわれるような河川であります。したがって、これの復旧につきましては、もう限度をはるかに越しておるのであります。たとえば各町村にこれを見ますと、山梨県等におきましても、大分県等におきましても、あるいは山口県等におきましても、したがって主として災害地は山村であります。この山村の基本税収に比べまして、災害総額というものは数十倍あるいは百倍以上にも達するような大災害を受けておるのであります。こういうようなものは、従来の観念においては、とうてい復旧することは不可能である。したがって、これに対しては、国が従来の観念で行なっていた復旧あるいは改良、そういった工事と同等の処理をしてやらなければ、とうてい復旧することはできないと私は思うのです。たとえば山梨県の甲西町のごときも、基本税収はわずかに二千六百万円であります。これに対して災害は三億をはるかにオーバーしておるのであります。しかも、これは足和田にしてもそうでありますが、人的損害もまたおびただしいものである。また一村ほとんど全滅であります。どうしてこれが復旧をする能力があるか、私は疑わざるを得ません。したがって、いままで大きな河川あるいは公共土木につきまして復旧をしてまいりましたが、従来のような観念で今次の災害の復旧は不可能であるように考えるわけでありますが、政府は基本的にはどういう考えを持たれるか。基本法やあるいは激甚指定など、しゃくし定木の通り一ぺんの法規によって責任をのがれることはできないと思う。本年発生いたしました累次の災害、ただ二十四、二十六号だけではなくて、本年度発生いたしましたすべての災害、集中豪雨の被害の特徴はここにあるわけでありますから、それに対処するに閣議等においてどういう決意で臨まれておるのか、基本的にひとつお伺いをしたいと思います。
○森国務大臣 山口さんのおっしゃったとおりに、今度の災害は、私は災害としてはほんとうに新しい事態のような気がするのであります。特に、いまおっしゃった山梨県下あるいは静岡県北部地区におきましては、きわめて新しい災害の例がここに生み出されたような気がいたします。そこで、政府の考え方といたしましても、いままで大きな河川等に対しましては十分な――十分とは言えないかもしれませんけれども、とにかくある程度の整備ができた。しかし、そういうもののできていないいわゆる山ひだあるいは中小河川の上流等におきまして今度の事件は起きておりますので、これには新しい視野のもとに新しい施策を講じなければならぬのではないか、こういうことでわれわれはいま研究を続けておりますが、特にその問題につきましては、関係の建設大臣もおられることでございますから、寄り寄り相談もいたしましたことを建設大臣から御答弁願ったほうがさらに的確だと思います。
○橋本国務大臣 山口さんのお話は、大きく分けて二つくらいの問題になろうと思います。一つは、公共土木事業の復旧に対して、地方市町村、あるいは県でもいいと思うのですが、地方公共団体のいわゆる負担が最近の災害の状況から非常に増加しておる。これをどうすべきかということ。それからもう一つは、お話の中に含まっておる気持ちは、個人の災害も大きいじゃないか、こういうものも政府は何と考えるかというような二つの問題があろうと思います。 公共土木関係は、これは私が申すまでもなく御承知のように、災害復旧は、これは直轄であれ、補助事業であれ、その地方公共団体の収入の二分の一までの災害を受けた場合は三分の二、それをこえるものに対しては四分の三、直轄及び補助事業を問わず、国が負担いたしております。収入の二倍以上をこえる場合は、全額国が災害復旧費を持つ、こういう形が現行法律であります。これは激甚地指定は別であります。そういう形で、これは建設省関係を問わず、あるいは農林省関係も同様ですが、それらに対しては、皆さんの協賛を経て、その災害に対して完全とは言い切れないかもしれませんが、できるだけの措置を国が見ることに方針ができております。ただ問題は、最近の災害を見ますると、お話のように、いわゆる直轄関係の災害は少なくて、補助災害が多いのではないか、こういうお話でありますが、われわれもさように感じます。しかし、実は最近の五年間の統計を見ますと、補助事業においての災害と直轄事業においての災害の割合は、最近直轄事業に関する災害のほうの金額がだんだんとふえておるのです。なぜそうなったかといいますと、御承知のように、この三、四年来、河川事業にいたしましても、道路にいたしましても、直轄事業に繰り上げるものがだんだん増加をしてきておる。河川におきましても、一級河川が、かつては二、三十であったのが、いまや五十幾つというふうにふえておりますから、したがって、直轄事業のほうが、実際は災害の金額はふえております。というのは、数字で申しますと、過去五年間における直轄災害の補助災害に対する割合を申しますと、大体八・五%くらいになっております。ことしの状態を見ますと、九月一ぱいまでの状態を見ますと、直轄事業の災害のパーセンテージは一四・一%になります。いままでの補助災害に対する直轄災害の割合を見ますと、八・五%くらいが五年間の大体平均のところでありますが、本年はこれが一四・一%に直轄災害がふえておる。ということは、地方がいままでやっておりました補助事業が相当直轄事業に繰り入れられた。道路もそうです。河川もそうです。かようなことからそういう数字が出ております。 ところが、それにもかかわらず、なぜ地方においては地方財政上大きな影響があるかといいますと、最近の災害の原因をただしますと、集中豪雨ということで、いわゆる個人の収入を阻害すような状態、たとえば農村における農作物がかなり大規模にやられるとか、いわゆる面の災害が多くなってきているわけであります。集中豪雨というような理由から、面の災害が多くなってきておる。したがって、その町村から見ますと、ことに個人の立場から見ますと、災害が非常に大きくなってきておる。さような結果になっておる。そういうことからして、皆さんの間にも、あるいは識者の間にも、いわゆる公共災害だけを中心に考えて立法措置が行なわれておるが、個人災害も何らか考えるべきではないか、こういう御意見があるやに承っておる。ただ、この問題にいたしますと、いろいろのむずかしい問題がありますので、私はここでどうすべきかという意見を申し上げる自由を持っておりませんが、事実そういうような結果になっておることはわれわれも承知しておる。ただ、公共土木につきましては、いま申し上げましたように、その地方公共団体の収入に応じて、あるいは三分の二、あるいは四分の三というぐあいに、補助率をアップする形式が現行法でもとられておる。そういうことだけを申し上げておきます。
○山口(丈)委員 どうもいまの答弁では……。今次の災害は、先に申したように、日本の産業構造でいいましたら、特に一番レベルの低いところなんです。一番レベルの低い、低収入の地帯なんです。というのは、ああいう山間の農村などというものは、日本では農業と工業の従事者の収入格差にはなはだしいものがあるということはどなたも認めておられると私は思うが、その一番底辺のところがやられておるわけです。そうでなくてもどんどん若い者は都市のほうへ移動してしまって、人口はほんとうに激減しつつある。これを何とか食いとめて、日本の基幹産業である農業というものをもっと大切にしなければいけない。それが一番なおざりにされておるのではないかとさえ思われる。決してそういうわけではないでしょうが、そういうように思われるくらい農民というものは底辺にあるわけです。それがほとんど新しい村づくりをしなければならないほどの大災害を受けておる。これをしも個人災害であるとか何とか言っていられるような場合ではないと私は思う。もし法規上それができないというのでありましたならば、これは政府の力によって、直ちに法を改正してでも、これらの者を救済する措置を私は基本的に考えてもらわなければならぬと思うのですが、これはどういうお考えですか。
○橋本国務大臣 ちょっと山口さん、答弁不十分であるいは誤解なさっておられるかもしれませんが、山間地における、これは農林省の仕事としてとってよろしいのですが、そういう耕地が破壊された、これは公共土木事業でありますから、もちろん災害の対象になりますが、集中豪雨で平面的にずっと農作物が腐ってしまって、あぜ道も道路も何もほとんど手を入れることができない、こういう場合になると、公共土木事業の災害の対象にはならない。けれども、その農民から見れば、あるべき収入がなくなる、逆にまた出費も出るのですから、したがって個人としての非常な損害であることは間違いない。この問題が最近か考えられるべきではないかということがいわれておるのであろうと申し上げたのであって、耕地がこわされたことに対しては、当然応急復旧の対象になる、また本格的な復旧の対象になる、これは御承知のとおりであります。
○山口(丈)委員 農地復旧その他についての大体の方向を仰せのとおりさらに進めてもらいたい。そうでなければ、とうていこれは復旧できません。 それから、基本的なものだけを、お尋ねしますから、お答えを願いたいと思うのですが、新しい村づくりとして山梨県で遭遇したわけでありますけれども、あの富士山麓のいわゆる樹海地帯は、国立公園になっておるようであります。ところが、所有は県にあるようであります。県有地が国立公園として、富士山麓――富士のすそ野とでもいいますか、富士の付近は国立公園に指定されておるのであります。ところが、この根場部落、それからその周辺は、これは集落を形成しているところは山のすそでありまして、今度の災害は、あれは当然私は起こるべき地帯で起こってきたというふうにさえ感じます。前の国立公園に指定されておるところに集落をつくっておれば、これは私は何十年、何百年たったって全然無災害でいけると私は思う。人命尊重の今日、たとえそれが国立公園でありましょうとも、将来の子孫に対する住居の安全幸基本にし、国が人命の尊重ということを基本に考えるならば、国立公園などは、極端に言えばどうでもいい。国立公園の一部をこういう部落の集団移転に対して解除する用意があるかどうか。また、それに対して私は相当の補助等の国の援助をしてやらなければいけないと思うのです。ただ通り一ぺんの条文や法律にこだわって人命を犠牲にするというようなことがあっては、これは国の行政上とるべきではないと思うのですが、これについてどういうふうにお考えか。非常に人心が動揺しておるのですから、これは的確な御答弁を願って、現地の動揺しておる住民を一日も早く安心させるようにいたしたいと思いますから、御答弁を願いたいと思います。
○今村説明員 お答え申し上げます。 実は、国立公園局長が参っておりませんので、私、前に関係いたしましたので、申し上げたいと思います。いまのお話しのように、場所はまだはっきりしませんが、青木ヶ原というのは、国立公園の地域の中に入っておりまして、非常に程度の高い、絶対にあそこは手をつけないんだというふうな、むずかしい地域に入っておると思います。ただ、その地域を一般の住家あるいは農耕地というようなものなどにするにつきましては、国立公園法によりまして国立公園審議会というものがございまして、県側なり何なりから申請がまいりましたものをその審議会で検討の上で、これはけっこう、これはいい、これは国でつくる、こういうものはつくらないというような検討をここでいたしまして、厚生大臣が許可をする、こういうかっこうになっておりますので、今度のような災害におきまして、いまおっしゃいましたように人命の問題だということになりますならば、その辺も含んで当然国立公園審議会というものが御審議になるのじゃないか、こういうふうに考えます。
○山口(丈)委員 そんな手続は、いまさら説明してもらわぬでも、知っておるのですよ。そんなことを超越して解除してやるという基本方針をちゃんと立てなければ、そんなものはどうにもなりませんよ。あなた方役人さんは、それは国会でつくった原則があるんだからと言うだろうけれども、そんな議論じゃありませんよ。法は人間を縛るものじゃありません。人間が法を縛るものなんだ。人間が法を運営するものなんです。そんなものははずそうと思えば直ちにはずれるものなんです。それにそういうしゃくし定木な答弁を私は聞こうとはしていない。ですから、政治的に行政的にどういうふうにされるか、私は、総務長官か、建設大臣か、厚生省か知らぬが、担当の責任者から十分の答弁をいただきたい。
○橋本国務大臣 お話しの具体的問題でありますが、実はせんだって、山梨県知事、関係当局を呼びまして、地元において安全地帯に集団的に移動する計画があるやに聞いておる――私のほうはまだ具体的にその申し入れを受けておりませんが、もしあるならば、これは至急やってもらいたい。それに対して所要の手続は当方でさっそくとらせるからして、そういうような意向であるならば――無理にこれは移動せよというわけにはいきませんから、そういう希望があるならば、所要の手続は政府において迅速にこれを行なうから、具体的な計画をまとめてもらいたいということを強く指示しておりますので、山口さんのおっしゃるような趣旨に沿うことができると思います。
○山口(丈)委員 いま答弁ありましたが、ひとつそういう精神でぜひやってもらいたい。そうでないと、非常に動揺している住民を安定させることができないと思う。そういう場合には、特別のケースでありますから、いわば新しい土地を開拓するようなものでありますから、これに対しては相当思い切った助成をしてやる必要があると思うのです。これについてはいかがですか。防災とか何とかいう関係においてもひとつ御答弁願いたい。
○橋本国務大臣 この問題はいろいろ具体的なケースで変わってまいりますが、この前の西谷村の場合は災害復旧費というものが出ておりますので、それらをあわせまして、県当局の計画に従ってそれらの災害者に迷惑をかけないような措置で移転計画ができております。ただ根場の場合ですか、そういうようなものが可能かどうか、これも県当局と十分に打ち合わせて、県当局のほうではその点を十分つまびらかにして、できるならば地元の人に迷惑をかけない方法でやりたい、かように考えております。
○山口(丈)委員 現地の実際を被災地の先生方から詳しく質問をしていただきますから、原則だけにとどめますけれども、一つは、厚生省に尋ねますが、応急仮設住宅というものが建設されていくわけですけれども、大蔵省のほうもこれは認められると思うのだが、応急仮設住宅なんというものは、いままでは、何坪に制限する、それから、床は張っても畳は入れてはいけない、あるいは電灯をつけてはいけないとか、応急仮設住宅の設定につきましてはいろいろ制限があるのですね。罹災者も人間ですから、特にその人間性を尊重する現在において、そういうようなことでは、私はほんとうに罹災者を救済する応急措置にはならないと思う。したがって、その仮設住宅についてはどういう考えを持たれるか。もしそれが経費の問題その他において何するというならば大蔵省の問題になるわけであるが、一体どういうふうに考えておられるか。あまりにもしゃくし定木なそういうことでは、罹災者救済にならないと思う。人間扱いをしてもらわなければ困ると思います。 もう一つ、今度の特徴は、集落が一ぺんにやられたものですから、したがって気の毒な罹災孤児というものが非常に多いのです。それからまた、年寄りが若い者を失って路頭に迷っている、こういう非常にお気の毒な人があるわけです。これに対してはどういう救済措置を講じようとしておられるか。 時間がありませんから、たばねて質問しますから、お答えを願いたい。 これは自治省関係になるのかわかりませんが、激甚地の指定でありますけれども、さきに申したように、各市町村の実情を見ましても、たとえば九州の津久見市ですが、ここでは基本税収がわずか二億五千万しかない。ところが、災害総額は何十倍にもなっているわけです。七億五千八百万というようなばく大な数字になっている。それでも、激甚指定の基準に合うとか合わないとか言っているそうですけれども、私は、こういうような市町地というものは災害地だから、やはり激甚地に指定をしてすみやかに安心をさしてやってもらいたい。これは行政上非常に重要なことではないかと思う。 これらについて一応全部まとめて御答弁をそれぞれから願いたい。
○松山説明員 ただいまの御質問でございますが、いまの応急仮設住宅と申しますのは、あくまでも急場の雨露をしのぐといったたてまえでやるものでございますので、粗末であるということはやむを得ないと思うのでございますが、いままで実施されております範囲内では、けっこうこれを各地でたいへん喜んでおられるということを私どもは聞いているわけでございます。そして、いまのお話にございました、電灯を入れてはいけない、畳を入れてはいけないというようなことはないと思うのでございまして、現に畳も電灯もいままで実施しているところには入っているのが普通と私は聞いているのでございます。 それから、不幸にいたしましてこのたびの災害等で孤児になられたお子さん方につきましては、それぞれの親戚知人等に引き取られているわけでして、また、そういう引き取り手がない場合には、いろいろと児童福祉司あるいは児童委員、そういった方々の意見を聞きまして、そして養護施設へ入れるというような措置がとられるわけでございまして、老人の場合も同じように措置されるわけでございます。
○森国務大臣 自治省も、先ほど何人かの方々が話に触れたと思いますけれども、今月一ばいでともかく激甚地の指定をしようと思って鋭意努力中でございます。御趣旨はよく体しまして、私もなるべくそうしたケース・バイ・ケースで前向きな解決をするのが当然だと思いますので、そういう方向で努力をするようにいたします。 それからさらに申し上げますが、先ほど厚生省に御質問のありました、畳や電気の入らないという仮設住宅でございます。これは私は本部長として、もしそういうことがあればゆゆしい問題だと思いまして、直ちに調査をいたしまして――一定の額の中でやるので、場合によっては電灯、畳が その金額の中に入らない、はみ出たときにはそういうこともあり得るのじゃないか、こういうことで調べてみましたところが、今回の災害ではそうした事態は起きないし、特に私は本部長として、将来とも、かりに予算が足りないからといって人道を無視したような、畳をなくすとか電気をつけないというようなことは絶対やらないように厳命をしておりますから、そういう御心配はないと思います。
○山口(丈)委員 私、これで大体基本線をお伺いし、また次の機会に質問をいたすことにしまして、将来の問題として希望を申し上げておきますが、先日総務長官にも、わが党から、私、災害対策特別委員長という資格においてお願いをしておいたわけでありますけれども、特に痛感いたしますことは、事前に、こういう山間地の危険地域を調査いたしまして危険地域を指定する、そうして降雨量がどれだけになればこの地域はあらかじめ避難の準備をせよとか、そういったことをやっておけば、今度のように夜間にそういう事件がありましても、もっと人的災害だけでも防ぎ得るのではないかというように私は考えます。したがって、そういう点をひとつ御研究願ってやっていただきたい。 それからもう一つは、それと関連して、今度の地域を視察してまいりましたが、どうも砂防指定地域というものが非常に少ないようであります。しかも現在砂防指定地域に指定されている地域よりもなお危険な地域が大多数であります。したがって、ただ、砂防地域指定の申請をしておらぬからとかなんとかということでなく、もっと国が積極的に進んでこういった地域の調査を行ないまして、砂防の指定地域、それから保安林の設定、こういったことにひとつ格段の御努力を願いたい。私はこれが山間防災の唯一の手段であると思いますので、こういった点につきましては将来ひとつ十分の御勘案を願いますようにお願いを申し上げたいと思います。
○森国務大臣 かねがね山口さんから私の手元に災害に対するさまざまな貴重な御意見が出ましたので、私はそれをさっそく会議にもかけましたし、関係の大臣との間でも連絡をとりまして――ただいまの御質問は主として建設大臣でございますが、私も建設大臣にも個別にお会いいたしまして、さらに参議院の災害対策特別委員会でもこの問題が取り上げられましたので、そこですでにそういう指示を建設大臣からも下部に対して発してありまして、本格的ではございませんけれども、とりあえずはそうした考え方のもとに危険区域の指定あるいは砂防区域の指定等を広げるように徹底的な調査の段階に入りましたということを申し上げておきます。
○日野委員長 午後は一時半から再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時二十七分休憩 ――――◇――――― 午後一時四十三分開議
○日野委員長 それでは、休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。 この際、前回の委員会において井出一太郎君の質疑に対し気象庁の答弁漏れがありましたので、発言を許します。柴田気象庁長官。
○柴田説明員 前回の九月二十六日の本委員会におきまして井出先生から御質問がございました。その前委員会の会議録を拝見いたしましてお答、えいたしたいと存じます。 この会議録によりますと、質問のうちの最初の御質問といたしまして、「米軍のレーダーに映った台風の目とか何か、いろいろな写真を見たのですが、」ということになっておりまして、レーダーの観測の整備のことではないかと考えるので、レーダーの観測の整備につきましてお答え申し上げたいと思います。 気象レーダーというのは、御承知のように、全般的な天気の監視だとか、台風あるいは不連続線の動向把握に有効な測器でございますので、気象庁といたしましても、昭和二十八年度以来この整備を実施してきたのでございます。現在、大阪、福岡、東京、名瀬、種子島、四国の室戸、名古屋、新潟、函館、仙台、札幌、富士山、福井、松江というように、十四地点にレーダーを整備いたしまして、なお、昭和四十二年度におきましては広島にも整備をする計画を進めております。今後もなお必要と考えられるところとしまして九州の福江、北海道の釧路につきましても整備をし、また、最初に整備をしましたのはもう十数年前でございますので、そのときのレーダーはもうだいぶ古くなっておりますので、そういった古いレーダーの更新を検討しております。できるだけ早い機会にこういった気象レーダーの整備をしたいと考えております。 なお、本年進水しました気象庁の観測船に凌風丸という観測船がございますが、これが本年進水した新造船でございまして、この観測船にも気象レーダーを整備しましたし、また、四十一年度で建造が認められております海上保安庁の大型巡視船、トン数は二千トンでございますが、これにも気象観測用のレーダーが整備されることになっております。そういうようにしまして、気象庁といたしましては、年次計画を立てまして、できるだけその整備の完ぺきを期したいというふうに考えておるのでございます。 なお、この件につきまして会議録を拝見いたしますと、「いまの気象観測」――というのは、このレーダーの気象観測のことだと思うのでございますが、「いまの気象観測の体制というものは米軍の力等をほとんど借りずにやっておられるのかどうか、これをちょっと専門の方からお聞きしたい」というような御質問がございます。このレーダーの観測網に関する限りは、現在米軍の力はほとんど借りておりません。米軍としましては、沖繩だとか、そのほか二、三ヵ所に気象観測レーダーを持っておりますけれども、現在気象庁としましては、ほとんど気象庁独自のレーダーで台風予報その他の予報をやっておる次第でございます。 次の御質問の点は、定点観測の配備がはたして十分であるかどうかというような御質問であるように拝見するのでございますが、その定点観測につきましてお答え申し上げたいと思います。 定点観測は、現在、潮岬南方四百キロの地点で、御承知のように台風及び梅雨前線の観測のために毎年五月から十一月までの約半年間実施しております。このほか、鳥島の観測を御承知のように中止しておりますので、そのかわりにチャーター船を用いまして必要な期間鳥島付近の定点観測を行なっております。また、昨年のマリアナ海難に関係いたしまして、先ほど申しました海上保安庁の二千トンの巡視船に気象レーダーを設置しまして、南方海域の台風の観測を行なうことになっております。なお、将来建造される巡視船あるいは気象庁の観測船にはレーダーをぜひつけたいというように考えております。定点観測船としては現在で完ぺきの状態ということは申し上げることはできませんが、本件についても年次計画を立てまして、四十三年度以降に気象庁独自の定点観測船というものを建造する考えでおります。 以上をもちまして井出先生の御質問に対するお答えといたしたいと思います。
○日野委員長 なお井出君からいまの点に対する質問等あれば次会にお答え願うことにして、きょうはこの程度で速記録にとどめておいて、あとの問題としたいと思います。 引き続き質疑に入ります。壽原正一君。
○壽原委員 災害問題で質問する前に、きょうは前官房長官であられた橋本建設大臣もお見えになっておりますから、政府、いわゆる各省の態度というものをちょっと聞いておきたいと思う。 実は北海道あたりは毎年冷害に見舞われておる。そこで、農業災害が一番大きいので、査定官というものが各地に派遣される。農林省に査定官と称する方々は何人おりますか。
○檜垣説明員 査定官という名前は、災害の査定に当たる担当職員という意味でございます。査定官という特殊の職種があるわけではございません。でございますので、災害の規模等によりまして、派遣されるいわゆる査定官の数は変わるわけでございます。査定官何名というふうにきまっておるわけではございません。
○壽原委員 あなた方は査定官を派遣するときにどういう訓練をしてやるか知らぬが、私がたまたま地元へ帰って各地方を視察している途中に、これは昨年のことでしたが、乗用車が十台ほど並んでずっと温泉場へ入っていった。あれは何だと聞いたところが、きょうは農林省の査定官が入ってきておるので、各町村議会はもちろん、町村長、これらの者が全部サービスに行くんだ、こういう答えです。そこで私は、前官房長官であられた橋本建設大臣にこの点を政府の態度として妥当であるかどうかということも聞いてみなければいかぬ。また、われわれとその査定官なる者が会っても、私らが声をかけても、満足な答えをしたやつは一人もおらぬ。全く横暴きわまる態度、あたかも、それらに頭を下げなければ正しい査定がしてもらえぬというような印象を与えていることは、まことに遺憾千万と私は思う。これからも各災害地に派遣される査定官の態度というものは必ず正しくなければならぬというふうに私は考えております。きょうは初めてこの委員会で私はそういう綱紀粛正問題に対しての質問をするのですから、名前は申し上げません。ただし、農林省の役人であったことだけは間違いない。その査定官のさじかげんによって、正しい報告がなされておるかどうかという問題は、まことに疑問とせざるを得ない。将来そのような態度でもって各災害地を回るということは断じて許されない問題であるのみならず、政府としても、そういう役人の傲慢きわまる態度だけは絶対改めてもらわなければならぬと私は思うのですが、前官房長官であられた橋本建設相にも、その態度のいいか悪いかというよりも、政府全体としてどう考えておるかということをひとつ……。農林省も、きょうは大臣は外遊中でお見えになりませんが、責任ある官房長が来ておられるようですから、はっきりした御返事を国民の前に示してもらいたい。
○橋本国務大臣 前官房長官の資格でお答えをするというより、やはり建設省も査定官を派遣しておりますので、したがって、建設大臣として、あるいは国務大臣として、査定官のあるべき態度、大体これは農林省においても、各省においても同様だろうと思うので、私の立場からお答え申し上げたいと存じます。 実は、われわれの出張の場合でもそうでありますが、特に災害の場合の出張については、建設省では、やかましく、できるだけ地元には迷惑序をかけないよう、これがまず第一です。したがって、そうした大名行列といいますか、さようなことのないよう、かつまた、地元の罹災者の立場に立って公正な査定を行なうようにということが、私の査定に行く者に対する注意事項であります。ただ、現地に参りまして、あるいは災害個所が幾つもあったりするために、連合的に関係者が集まるような場合もあるいはあるのではなかろうか、それがために事務がふえる場合があるのじゃないかと考えますが、不必要なことは厳にこれは慎まなければならぬ。また、態度の問題ですが、これは壽原さんがおっしゃるとおり、当然である。国家公務員及び地方公務員は国民の公僕であって、使用者ではない。使用者は国民である。したがって、その態度は、当然これはすなおな態度をもって処理する――卑下する必要はありませんけれども、すなおな態度をもってこれに当たることが当然でありますからして、さようなことにつきましては今後とも十分注意をし、みずから反省をいたしたい、かように考えております。
○檜垣説明員 被災地におもむきます公務員のあるべき心がけあるいは態度というものの基本的な考え方につきましては、ただいま建設大臣が表明されました御意向と私ども全く同様でございます。農林省といたしましても、過去から現在に至りますまで、およそ被災地へ参ります調査あるいは視察等の場合には、被災地の住民の方々のお気持ちをくんで、厳粛な気持ち、公正な態度で臨むように指示を与えてまいっておるのでございます。特に査定官は、申すまでもなく、災害復旧等の事業費の根幹になります量を確認いたしてまいる役目でございますから、特に公正な査定を行なうよう、厳重にその気持ち並びに態度を慎むべしということでまいっておるのでございます。近来私どもそういうようなことで非難を受けたということを聞き及んでいないのでございますが、ただいま御指摘のような事実があるとすれば、私どもも非常に責任を痛感いたしますので、自後厳重に慎むよう指導いたし、また、御指摘がございますれば、必要な監督上の措置をいたしたいというふうに考えております。
○壽原委員 政府の基本的な態度はよくわかりました。そこで、これの問題については、各町村ともいかぬだろうと思う節もあります。こういうことで、今後査定官を現地へ派遣になる場合は、各村町に厳重にそういうことのないよう、これは本人ばかりでなくて、各町村に向かってそういう指示をしてもらいたい。 それから災害地の視察問題ですが、私らも昨年あたりまでは何台かの乗用者で行ったのでございますが、今年度から私も、石炭災害あるいは石炭調査、それらの問題で行くときには、全部バスを使用いたしております。バスだとほとんど一台で問に合ってしまう。そういうことで、経済的にも非常に便利であり、それからバスの中であらゆる説明をするのにも都合がいいということもあげられますから、政府当局は御研究をなさって、そういう災害地に向かうときには、外見から見てあまりけばけばしくないような様相で調査に当たるように心がけてもらいたいと要望しておきます。 そこで、今次台風の問題でございますが、二十四号、二十六号、それに関連して八月の台風十三号のいわゆる集中豪雨というものは、これはもういろいろわれわれも報告を受けており、また調べておるのでございますが、北海道をはじめ各県において非常な災害があった。先ほど午前中に各委員からいろいろこの関連した問題で御質問がございましたが、概数において三百五十三億というような被害が出ておるように記憶しております。そこで、九月の台風も含めるとおそらく一千億以上をこえるんじゃないか、こういうような大災害になっており、ここで各地で望んでおることは、いわゆる激甚災害の指定をしてもらいたいというのが全国の合いことばではないかと私は思うのです。先ほど総務長官がお出ましになって、ゆるゆる協議をしておるというようなお答えがあったのでございますが、あまり災害地の各地に気をもませないで、政府としては一刻も早くこの答えを出さなければならぬもの、だろうと私は思う。そこで、この答えを出すのについても、どうも銭を持っているほうがあまりいい返事をしないようだ。大蔵省というのがあまりいい返事をしないようだ。大蔵省としては、政府が激甚法の指定をするということになったならば、あまりちびらぬで、そうして十分な手当てのできるようにやっていただけるかどうか。これは大蔵省からの答え。それから総理府に対しては、今次災害に対して激甚法の指定をやってもらえるかどうか。あいまいな返事でなく、ある程度国民がこれならばやってもらえるという納得する御返事ができるか、この二点をお伺いしたい。
○上村説明員 壽原さんからいまごもっともな御質問がございまして、激甚災害の指定につきましては、該当する場合におきましてはきわめて迅速にしていく、こういうことでございます。壽原さんも御承知のように、激甚災害指定は、昭和三十七年十二月七日の中央防災会議でその基準を決定いたしておるわけでございます。それで、一定の基準に達しませんと激甚災害指定ができない現行法のたてまえになっておるわけでございます。それだからといいまして、激湛災害指定がないからといいましても、そのいろいろな被災者に対しまする処置というものにつきましては、これはあたたかい立場で迅速に適切なる措置をすることは当然でございましょうが、その激甚災害指定という点にしぼりますと、以上のようなわけでございます。 それで、この八月の台風及び豪雨による災害についてでございます。これは、先ほどお話しのように相当の被害が全国的に出ておるわけです。これを激甚災害にするものならば、早くしたらどうだという御意向があるわけであります。政府としましても、基準に達しますれば直ちにする用意があるわけでございますが、ここに一ついま検討中の問題がございますのは、立法の趣旨としまして、一つの災害についてこれだけの被害の金額に達した場合においては激甚災害に指定するというたてまえになっております。そうすると、一つの災害というものはどういう点を基準にするのか。これは気象現象が一つであるということになりますれば、これはもうもちろんいいわけでございますが、気象現象が分かれておるというような場合は一つの災害といえるかどうか。それから、それかといいまして、気象現象が異なっておりましても、同一地域におきまして二つの気象現象に基づく災害が併発したと考えますれば、たとえ気象現象が二つになっておりましても、受けたところの方々、地域としましては当然一つと見られるということにもなりますし、また、それのダブリ方が、一部でダブる場合と全部でダブる場合というようなことがございまして、激甚災害の指定という問題につきましていろいろ問題点があるわけでございます。これは壽原さんも御案内のとおりと思います。この点をいま早く煮詰めてそして一刻も早く御期待に沿うような処置をとるべきものであろう、総理府としましてはそういう考えでございます。 それから二十四号、二十六号の台風につきましては、大体一括して扱っておるわけでございまして、これは二十四号、二十六号につきましての非常災害対策本部というものができてやっておりまして、この部分につきましては、すでに御説明申し上げておるかどうかは存じませんけれども、この激甚災出、古特別財政援助法の対象事業としまして、個別なものとしましては、五条、六条、十六条、十七条、十八条、二十二条、二十四条というような項目につきましては、これはもうその基準に達しておりまするので、御期待のように早急にやるべきものであろうというふうに考えております。それからプール方式としましては、第二章のものが当てはまるかと思いまして、これが措置につきましては、もたもたしておるのでは悪うございますので、なるたけ早い時期にやるべきものだ、こういうふうに思っておるわけでございます。
○小沢説明員 率直に申し上げまして、壽原先生のお尋ねは、八月の北海道における豪雨、これを激甚災害として取り扱うかどうか、ずばり言えばそういう御質問じゃないかと思います。これは事務的に考えますと、いま総理府の副長官のお話がございましたように、北海道の八月の豪雨そのものを切り離して考えました場合に、激甚災害の指定にすぐなるかどうかは、たいへん事務的にはめんどうな問題でございます。したがいまして、これはやはり政治的な決断の問題だと思います。しかも、他の前後のいろいろな災害を合わせて、合わせて一本といいますか、激甚災害の中へ取り込み得るような政治的な決断をするかどうかだと私は思いますので、大蔵省は、もちろん関係各省のいろいろな要望によってそれの協議にあずかるわけでございますが、十日の日の夕方には大臣がお帰りになりますので、大臣に御趣旨を私から十分伝えまして、来週中には大蔵大臣としての政治的な決断を前向きに出していただくように善処いたしたいと思います。
○壽原委員 総理府副長官、これはいろいろ回りくどくやかましく言うとそういうことになるだろうが、実は気象状況がどうだとかこうだとかいう議論よりも、これはもう政治を行なっておるんだから、政治家としての立場、これをやらなければならぬという心がまえになってもらわなければならぬ。それに今年その例がある。台風四号、六月十九日から二十四日まで、また三十日から七月二日までの豪雨、それから七月七日から二十二日までの断続した豪雨、それから六月下旬並びに七月のひょう害、このときにこれは激甚地指定を受けておる。こういう前例がある。事務的にものを考えてむずかしいとかなんとかというよりも、いま国民の待望しておることは政治にたよる以外には何ものもないというふうにものを考えておる。あなた方が、政務次官になったから、大臣になったからといって、そう役人の言うことばかり聞いておったのでは、こんなことは解決しない。一日も早く政治家の本来の姿の考えでものを処理してもらわなければならない。 そこで、一昨日私は山梨に行ってまいりました。そういう激甚地指定という問題についてこれはもう各町村とも泣いて騒いでおる。また、災害を受けた各府県等も全部そういうような状態であるから、この結論は一日も早く出していただくよう善処を要望すると同時に、やはり国民の災害の頼みの綱は政府ですから、その政府がもたもたしておったのでは、いまあまり評判のよくない自民党政府がなお評判が悪くなってしまうから、こういう問題は一刻も早く解決していかなければならぬ。 そこで、この問題に関連はいたしませんが、北海道では今年は冷害の年と呼ばれておる。これからまた四百億あるいは五百億に近い冷害が発生するやに想像されます。これらの問題も、いずれ詳細な数字的な問題は皆さんによく示しますが、今次災害のような、いわゆる八月集中豪雨並びに九月の災害、これらを合わして一日も早く激甚の指定を行なうことは私も強く要望しておきたいと思います。それで、きょうは建設大臣も出ておりますので、閣僚会議がございましたならば――災害対策全体として各地を全部回っております。これら罹災民の気持ちになったときには、やはり一日も早く、作業はおそくても、ことばだけでも早くやってやるのが、いわゆる情けではないかと私は思う。そういうことで、どうか大臣におかれましても、閣僚会議の席上にいち早くこの問題を出していただいて、そうして激甚地指定をしていただくことを私は望んでおきます。また、八月の問題はともかくとして、この問題には、ぜひとも九月の災害問題も含んだ激甚法の指定をしていただくよう、特に、北海道のみならず、各府県における状態がそのような状態でございますから、その点をよく含んでいただいて早く国民の待望におこたえできるような善処を望んで、私の質問を終わりたいと思います。
○日野委員長 次に、関連して中川一郎君。
○中川(一)委員 いま壽原委員から御質問があったわけでありますけれども、もう一つ激甚災害と一般災害との関係において国民の声としてあるのは、全国的な広がりを持たなくても、地域的な規模は小さくても、個々のものをとってみると非常に激甚な災害を受けておる、こういうものも激甚災害として見るべきではないか。地域的な広がりが大きく、あるいは全国的な規模が大きければ、被害の程度が少なくても手厚い保護を受ける、こういった矛盾に対する声があちらこちらで出ておるわけでありますが、今回の災害を機会にというわけじゃありませんけれども、財政その他も考慮して、そろそろ、そういった規模としては小さいけれども被害程度の強いものについては激甚災害に入れてやるのだという法律制度改正を考えるべき時期に来ておるのではないかというふうに考えますが、この点について総理府あるいは建設省当局等の考え方をこの機会にお伺いしておきたいと存じます。
○上村説明員 今回の二十四号、二十六号の台風のいろんな事情、あるいは八月の台風、集中豪雨の事情、その他いろいろ考えますと、ただいまおっしゃったような点が非常に感じられるわけです。そして現在の法律だけで措置をするという場合におきましては、たとえば個人災害の問題の点につきましても、衆参の各委員の方々からもそういう御要望が出てきたり、実情に沿わないというような点もあるわけですね。それで、こういう問題につきましては、いま一つ国民の方々の期待に沿うように前向きに検討をしようじゃないかというわけで、いま検討をいたしております。考え方だけを申し上げました。
○中川(一)委員 ぜひともひとつその検討が実現いたしますように、これはもうどこへ参りましても、あるいは、心ある人はみんな矛盾であるということを申しておる現下の情勢でありますので、ぜひとも改正をしていただきたいと御要望申し上げておきます。 次に、農林関係の災害について御質問をいたしたいのでありますが、北海道は三十九年に非常な冷害であった。さらに一年経ましてことしも三十九年以上の冷害が予想される。大体決定的だといわれておりますが、そういった連年の災害に対する対策というものが、現行の天災融資法をもってしてはとてもこれは救い得るものではないと私どもは見ております。たとえば三十九年に天災融資法の改正をいたしました。融資ワクの拡大も若干ながらいたしたわけでありますけれども、ことし災害を受けますと、一月当たりのワクの制限があって、天災融資法の恩恵を受けることができないという農家が相当出てくるであろうと想像されるわけでありますが、すでに農林省も北海道の災害を知らないわけはないわけでありまして、ことしの夏以来大騒ぎをしておる実情でございますので、おそらくは法律改正等も用意をされておるのではないかと思いますが、この点についての農林省の考え方をお聞きしておきたいと思います。
○檜垣説明員 北海道の過去におきます災害の事情、また本年の冷害による不作の状態は私ども承知をしております。それで、天災融資法の貸し付け限度につきましては、農林漁業金融公庫の業務方法書によって措置をされておりますが、現在の制度では、一農家当たり累積総額で五十万円を限度としておるのでございます。一般論から申せば、私どもとしては、五十万円の限度額は、一般的な農家の生産額あるいは所得等を考えますと、ほぼ妥当な線ではないかと思いますが、北海道等におきます経営規模の問題なり、あるいは既往におきます貸し付け額の残額がどういう事情にあるかということを調査いたしまして、ただいま御質問にございました限度の引き上げ等については前向きに検討いたしたいというふうに考えておるのでございます。――ただいま天災融資と申し上げましたが、自作農維持資金でございます。
○中川(一)委員 天災融資法による資金の手当ては、三十九年、一般災害の場合は二十万円から三十五万円に引き上げをし、激甚災害の場合は二十五万円から四十万円に、これは北海道についてでありますけれども、改正をしていただいたわけです。しかしながら、この融資の額は、三十九年度においてもうすでに借り切ってしまって、今度災害をこうむっても、貸し付け限度にきておるので借りられないと承ったわけでありますが、この点についてあらためてひとつお考え方を聞いておきたいと思います。
○檜垣説明員 天災融資法の貸し付け限度額は、お話のように、現在法律によって最高限がきめられておるわけでございます。でございますので、その後の法改正以後の農家経営の事情なり、あるいは累年災害の実態なりというものの上に立ちましてこの点は慎重に検討をいたしたい。立法事項でございますので、この席でどうということはお答えいたしかねますが、慎重に検討させていただきたいと存じます。
○中川(一)委員 実はこの前、この天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議として、「政府は、速やかに左記各項の実現を図るべきである。一、本法施行と同時に本年七月一日以降の天災及びこれによる災害に対する融資わくを実情に見合うよう増額すること。二、次期通常国会において貸付金利、償還期限等の貸付条件の改善を含む制度の抜本改正を行なうとともに、この場合において改正規定が本年七月一日以降の天災及びこれによる災害に対しても遡及適用できるようあわせ考慮すること。」 ということが三十九年十二月十八日に決議されておるわけでありまして、この天災融資法の条件緩和については、附帯決議もあり、また政府も、これに従って措置をいたしますという、大臣か政務次官かわかりませんが、責任ある人の回答が得られておるわけでありまして、これに基づく改正はそれでは一体どうなっておるか、この機会に承っておきたいと存じます。
○檜垣説明員 災害制度融資につきましてただいまのような御決議がございましたことは、私ども承知をいたしております。ただ、制度金融の貸し付け条件の問題は、災害融資のみならず、一般的に現段階においては問題となっておるわけでございまして、農林省におきましても、制度金融に関します金融問題の研究会を民間有識者に委嘱いたしまして現在とり進めておるところでございます。また、関係方面と申しますか、与党の機関におきましても御検討をいただいておる段階でございまして、災害融資の貸し付け条件を含め、それらの検討の結果を待って近い将来に措置をいたしたいというふうに考えておるのでございます。
○中川(一)委員 農林省は検討いたすということでありますから、農林省を信頼申し上げてこれ以上追及はいたしませんが、北海道が六分作という場合には、収入が六分じゃなくて、かけた金を差し引くと一銭も残らない、月給取りでいうならば、月給が九割減俸になったというのと同じ被害なのでありまして、しかも北海道で困りますことは、寒地農業確立の恒久対策をやるべきだといっておるけれども、この政策も十分に行なわれておらない。したがって、一番冷害に弱い水田がいまどんどんつくられておる、あるいは投機的作物であるアズキがつくられておる。これは冷害の恒久対策が欠けておるということに基因いたすわけでありまして、こういった恒久対策とあわせて、あすの生活資金のない北海道農民のことを――あるいは東北農民も同じでありますけれども、北海道といって名前は変わっておっても、同じ日本国民であることをひとつ御認識いただきまして、検討というようなおことばではなくて、これを機会に抜本的な思い切った措置を御要望申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○日野委員長 次に、田邉國男君。
○田邉委員 午前中に、調査団長の稻葉委員から山梨県の二十六号災害に対する詳細なる御報告がございました。私は山梨でございますが、昭和三十四年の災害以上の大きな災害でございまして、十月四日現在で総被害額二百五十億に達しております。しかも死者、行くえ不明合わせまして百七十五名、昭和三十四年災の場合は百四十五名でございまして、それを上回る被害で、しかも全壊、半壊の住宅、住むことの不可能な住宅が八百六十九世帯に及んでおります。そこで、いまの山梨県の現状において、いわゆる激甚地の指定というものをいつやってくれるのだ、時期はいつだということを盛んに言っております。この指定を受けなければすべての問題がどうしても運び得ないという現状でございます。その点につきまして政府はどういう考えを持って、大体いつごろおやりになるのか、その点をひとつお答えいただきたいと思います。
○上村説明員 田邉先生からのお話でございますが、この激甚災害指定の対象事項につきましては、先ほど壽原委員の御質問の際にお答えいたしましたが、御案内のように、一定の基準額に達した場合においては急速にやるということでございますが、いま基準額に達しておるものにつきましては、来週中にはこれを指定するというような段取りになっております。それは、五条の農地、農業用施設、林道、六条の農林水産業共同利用施設、それから第十六条の公立社会教育施設、十七条の私立学校施設、十八条の私立学校振興会の業務の特例、それから二十二条の罹災者用公営住宅建設の補助の特例、二十四条の小災害復旧事業地方債の元利補給、それから第二章のプール方式のもの、公共土木施設災害復旧事業あるいは公共土木施設災害関連事業、公立学校施設災害復旧、公営住宅、生活保護施設、児童福祉施設、それから身体障害者更生援護施設、精神薄弱者の援護施設、婦人保護施設、伝染病院等伝染病予防施設、それから堆積土砂排除事業、湛水排除事業というようなものでございます。これらはもう基準に達しておりますから、急速に指定をするということでございます。
○田邉委員 来週中には御指定をしていただけるというお話でありますが、一日も早く指定をしていただくことをお願い申し上げます。 その次に治山治水の対策でございますが、建設大臣はすでに山梨県の三十四年災の際にも十分御視察をしていただきましたし、今回の二十六号台風についてもつぶさにその状況を御存じだと思っております。すでに稻葉視察団長から御報告がございましたので、私こまかいことは申し上げませんが、先ほど稻葉団長からも御報告がございましたように、足和田村の根場という地区の災害は、扇状の傾斜地、そこが一瞬にして土砂崩壊、そのために、その地域住民が、災害復旧をしていただいても再びこの地域に住むという希望を失った。これは森総務長官がおいでになったときにもその村の実情が訴えられたわけでございますが、私の聞くところによりますと、一昨年か昨年、災害のためにその地域に再び住まないで集団移住をした例があるということであります。そこで、一体集団移住をする場合、たとえば公共施設の問題、公共建物、それから水道、住宅、そういうものに対してどういうふうな配慮のもとに集団移住をさしておるのか。その例があると私は聞いておりますので、その説明を伺いたい。あわせて、山梨県の根場部落、西湖、上九一色の、一瞬にして流れた地域に対してそれを充当していただきたい、私はかように考えるわけでございます。
○橋本国務大臣 具体的な例は事務当局から詳しく御説明申し上げます。 ただいまお話しの件ですが、せんだって、山梨県知事及び土木部長等にも来てもらいまして、私から、現場の皆さんの中に、この際将来をも考えて安全なところに集団移住をしたいという希望があるやに聞いておる、県当局において、そういう点についての話があれば、これは具体的にその計画をまとめてもらいたい、それに対する費用等については、もちろんこれは形式的には直接国が持つとか県が持つとかいうことは別にいたしまして、いわゆる補償方式といいますか、損害補償、そういう点で考えられる点は十分に考える、なお不十分な点については、長期の起債等をも考えよう、いずれにせよ、住民各位にそのような希望があるならば、それは具体的にひとつ県においてまとめてもらいたいということを要望いたしてあります。先ほどこれに関連しての、これは山口さんからの御質問だったと思いますが、国立公園地帯に入りたいという意向のようですが、手続上これはいろいろの点があろうけれども、しかしながら、人命尊重、安全地帯をつくるという意味においては、事務的にはこれを十分簡素化して行なう用意があるということを申し述べてあります。 いま申しましたそれらについての費用の点あるいは過去における例等は、関係事務官からこれが御報告をさせます。
○三橋説明員 お答え申し上げます。 ただいまの集団移転の実例等があるかという御質問でございます。ただいま問題になっておりますのは、福井県の有名な西谷村の問題がございます。これはただいまいろいろ話を進めている段階でございまして、はたしてどういうふうに移転していくか、どういう結末になるか、そこいらはまだちょっとはっきりいたしておりません。島根県で一つただいまのような例があったのでございますが、これは集団移転の話がやはりまとまりませんで途中で立ち消えになっております。それで、住宅の問題につきまして、そのような集団移転が行なわれるというふうに話がまとまりました場合には、私どものほうといたしましては、住宅金融公庫の融資なり、あるいは低所得者につきましては公営住宅なり、そういうような方法でこれのバックアップをしてまいるというふうに考えておりますが、いずれにしても、いま西谷村についてはまだ話が進行中でありまして、そこまで熟しておりません。 なお、その他の農地等についてはまた別途……。
○小川説明員 いまの御質問の集団移住の実例でございますが、昭和三十六年の六月の梅雨前線豪雨による長野県の伊那谷の災害の場合にその実例がございます。御承知のように、当時は大鹿村を中心といたしまして非常に大きな災害がございましたが、その災害を受けました農地及び農業用施設は、たとえこれを復旧しても再び災害をこうむるおそれがあるということで、大鹿村を中心といたしまして総計二百三十四戸が集団移転をいたしております。これに要しました費用は、元来の農地及び農業用施設の復旧に要する費用が一億四千九百万円余りございましたが、これを翌三十七年に予算総則にうたいまして、自治省のほうに移用いたしました。長野県が直接その移住に当たって、これに対する補助というかっこうで自治省から交付されていると記憶いたしております。 以上でございます。
○田邉委員 私の聞いている範囲におきましては、この根場という今回の大災害を受けた地域は、先ほど山口委員からも言われたように、国立公園のある、現在ユースホステルのあるところに実は移住をしたということを、足和田村を通して再三厚生省に申し出がしてあるはずです。ところが、国立公園の地域であるからこれはだめだということで、すげなく断わられている。これは事実そういうことを役場で私どもに訴えておる。もし以前においてこういう問題が解決しておれば、こんなことは実は起きておらなかったかもしれない、こういうことも言えるわけでございます。そういう意味で、これは過去のことで、いまここで議論をしてもどうにもなるものではないけれども、これは一つの大事な今後検討すべき問題として、全国にこういう問題が起こり得るだろうと思う。現在の地形上住むのは非常に危険だ、地すべりをしておる、それから住宅としては非常に適しない、そういうところの移住をしたい、その場合、たまたまこれが国有地である、県有地である、こういうところの問題については、地元の町村の要望、住民の声を十分聞いて取り上げていくということでないと、災害が起きたときに初めてそれを考えるということはまことにおかしい。これは今回国立公園の指定地域に移りたいということでなくて、過去においてこういう問題は数回出ておる。ですから、今回その地域に移動をしたいというならば、いま局長から話しました伊那谷の農業用施設に使う費用の一億四千万、そういうようなものをそこへ投資するよりも、集団移住のためにそれを使ったほうがより効果がある、こういう場合があるわけでございますから、根場部落、それから西湖部落、上九一色の部落等についてはそういうことを真剣にお考えいただきたい、かように考えるわけでございます。 なお、建設大臣に私は伺いたいのですが、山梨県の三富という村があります。これは埼玉県との県境でございます。そこに甲府-熊谷線の路線がいま盛んに着々と工事を進められておる。その三富村の上に永久橋が道路にかかっておる。その永久橋が実は片方は八メートルぐらい、片方は十メートルぐらいの橋が二本かかっております。その下に部落が約十五戸ほどあるが、永久橋の下にピアというものが入っておる。そのために、上に堰堤があるのですが、堰堤を落ちてきた土砂、流木がその永久橋のピアにかかってしまった。そこでそれが一つのダムの形になり、あふれて一瞬にしてその上を越え、その下にあった部落は一瞬にして、七戸ですか、流失をして、そこで約九人死んでしまった。私はこれを見て、非常に狭い永久橋というもの、十メートルや十二メートルぐらいのものは、ピアを入れないと非常に経費がかかるという話なんですが、しかし、このピアがあるために、土砂が通るべきものが全部詰まってしまう。これは同じ例が実は笹子トンネルのところにある。今度国道二十号線というのが笹子峠の上をおりてきて、大和村の日影という部落があって、ここにもやはり十メートルほどの永久橋がかかっておるけれども、それにもピアが入っておる。そこへ上からおりて来た土砂、流木が詰まりまして、そうしてあと五分多く流れておったら、約四十戸の日影部落は全滅しただろうといわれておる。そういうことを考えると、今後橋梁というものに対する改善すべき点が私は多々あるように思います。経費を節減するにはピアがあったほうがいい。しかし、ピアがあることによって一部落が一瞬にして流れる危険がある。ですから、そういう地形というものを十分配慮して、今後橋梁をかける場合一つの配慮をしていただきたい。そういうことが今後建設省として十分検討していただけるかどうか、伺いたい。
○橋本国務大臣 ごもっともなお話であります。 ただ、その橋がいつごろできたか、ちょっと私見当がつきませんが、最近の橋梁技術からいいまして、必ずしもピアを立てたほうが安い、スパンが広いほうが高いということでもないと思います、ことに十メートルとか十五メートルのものであれば。したがって、建設年度の古いものは、いまのつり橋方式といいますか、そういうものが十分でなかった時代にできたものにさようなこともあろうかと思いますが、今後は、もちろん、そういう危険個所については、おっしゃるような方法で、これは経費が多少高いとか安いという問題ではないのでありますから、やっていきたいと思います。ただ、すでにでき上がっておる橋が相当あるわけでありますが、これに対して、これはお互いに注意しなければなりませんけれども――お互いというのは役所関係ですが、最近山林地帯の橋が流されるのは、大体流木ですね、こういうものが障害物となって圧力がかかって倒されるという例が非常に多い。したがって、農林省、林野庁とともに、この点については、いわゆる流木をいかに整理していくかということもあわせて考えて、既設のさようなスパンの狭い、ピアのある橋に対しての保護政策といいますか、そういうことも今後検討してまいりたい、かように考えております。
○田邉委員 もう一つ建設大臣に伺いたいのですが、実は山梨県の甲府から南に三珠町というのがございます。これは、一番ひどい上九一色という今度流れた地域、その下が下九一色という旧村で、合併しまして三珠町、その下九一色の地域に、ちょうど昨日現地視察をいたしましたら、四日の夜から地すべりが始まったということで、いま出席されておられる山口委員も同行いたしまして実はその現場を見たわけでございますが、ちょうど三珠町の、芦川という川に沿っておりました古宿と三帳の間に土砂崩壊が始まった。そして約二百メートルほど上に耕地がございますが、その耕地の四畝ぐらいの畑のちょうど中央に大きな亀裂が生じまして、そしてすべったところと、もとの地形とでは約一尺五寸ぐらいの差が出ております。その土砂は約二万立米といわれております。これがもし芦川へ流れ込んだら、これはまた大きな災害を起こすだろう、こういうことで、昨日私どもの視察によりますと、これは早期に建設省で緊急砂防工事をしてもらいたい、こういうことでございます。 そこで私どもお願いをすることは、現地は、芦川-上九一色という大事な通路が遮断されておる、そこでみんなしょいこで食糧を運んでおるというのが現状でございます。そこで、仮設の橋を対岸にかけてそして通路をとってもらうことはやってもらうのですが、同時にその地すべりを早急にとめるということをしないと、あの地域の住民が非常に不安がっておる、救助法も適用されてない、地すべりはそのままになっておる、一体これをどうしてくれるんだというのが、地元の人たちが泣いて調査団に訴えた実情でございます。私は、建設省においてぜひ早急にこの現地を見ていただいて、そしてその地すべりをとめることをひとつやっていただきたい、かように考えるわけでございます。これは当然やっていただけると思いますので、あえてお答えはいただきませんが、急いでひとつ派遣をしていただきたいと思います。――答弁してくれますか。
○古賀説明員 いま田邉先生の三帳における地すべりの問題、けさ報告を受けたばかりでございます。いずれにしても、通路もふさがれておりますし、それから、芦川のところにこの土砂があふれ出ればたいへんなことになります。早急に処置するようにしたいと思います。
○豊田説明員 道路関係からの連絡を申し上げますと、ただいまの件について、いま非常に危険状態になっておるので、上流のほうへの物資運搬路を、裏を回りまして、上芦川-甲府線、それから上芦川-上九一色線、すなわち裏側でございますね、それの開通が今夕方までにでき上がることになりまして、そちらのほうから物資輸送が入るようになるという連絡でございます。いま先生お話しの点につきましては、人道のみは、対岸のほうに仮橋をかけまして人は歩けるように現在はしてございます。そういう点の処置はしてございます。 以上でございます。
○田邉委員 橋は人間が歩く程度のものはかけてあります。これはもう非常に応急的なものです。ただ、その上に大きな部落がありますから、ぜひひとつ早急に車の通る橋をかけなければ、人間が運ぶのでは、とても上の復旧工事ができないと私は思うのです。これは芦川という部落を回って上からおりるのですが、これも非常に幅が狭い。小さいジープがかろうじて入る程度ですから、私は、下からやはり入れていかなければ無理だと思います。そういう意味でお願いをしたい。 それからもう一つは、甲府の南に甲西町というのがございます。甲西町のうちの特に南湖、昔から非常に水の出る湿地帯です。ここに天井川というのが何木も流れておる。これは甲府の釜無川の右岸の東南斜面と申しますか、これが非常に山の質が悪いものですから、土砂を伴って流れてきて、それがだんだん川の底を上げていく。そこで坪川とか滝沢川とかいう川が甲西町に入っておる。それがしかも同じところへ四本も入っておる。その滝沢川という川が、しりへ行きますと富士川へ入っております。その富士川へ入るところの約二キロの距離でございますが、これが、毎年復旧工事をやっておるのですが、約三百万ずつ入れておるそうです。ところが、三十四年災に約二キロ上のところを二、三千万入れて直した。しかし、その天井川が全部集まってくるこの滝沢川の約二キロの間は、最も広がるべきところがわずか三メートルそこそこで、しかも両方に堤防も入っていない。普通の土手になっている。それで大水が出れば必ず決壊するようになっている。甲西町は山梨県で蔬菜の生産地でそれから非常に穀倉地帯なんです。これが一瞬にして湖に化しております。私は、坪川、滝沢川の改修というものを建設省が本気でひとつやってもらいたい。これは毎年三百万くらいの改修工事をやっておったならば、いつになってもだめです。しかもこれはここで切れるような形をとって、富士川へ入るのを、逆流してくるのを防ぐ意味で、わざわざ工事を不確実と申しますか、切れるような装置にしてあるんだと、地元では非常におこっておる。私どもは調査団とともに行きまして、山口委員もここにおられますが、これはまことにけしからぬ、こういう話でございます。あの坪川と滝沢川の問題は建設省は十分御存じだと思いますが、これに対してどういうようにお考えになっておられるか、伺いたいと思います。
○古賀説明員 坪川と滝沢川、その他、横川とか五明川とか、たくさんの河川が並んでおります。そして立体交差もいたしておるわけでございます。その関係で非常に排水問題はむずかしいわけでございます。私どものほうとしましては、富士川の合流点の関係を処理するために導流溝を施工しまして、これは来年終わる予定でございます。その導流溝ができる段階で上流の処理ができるわけでございまして、われわれとしましても、導流溝が完成しますので、早急に滝沢川、坪川等につきまして処理いたしたいと思っております。特に、御指摘のように、滝沢川につきましては上流が広くて下流のほうが狭いというような実情でございまして、この点につきましても格段の促進をはかるようにいたしたいと思います。決してそこで切れるようなことはわれわれとしましては処置していませんので、若干改修がおくれているということでございまして、現在四十一年度につきまして約五千万近くの金をこの坪川一連の河川について注いでおりまして、早急に改修をしたいと思っております。
○田邉委員 ただいまの局長のお話ですが、建設大臣、ぜひひとつ現地をよく見ていただきたい。そして、昨日参りましたここにおられる山口委員、それから地元の金丸委員も、これはもうたいへんなことだ、ぜひひとつ早くやってもらいたい、こういうことでございますから、いまおっしゃったようなことを、ただことばの上だけでなくして、根本的にこれを調査して処理していただきたいことをお願いするわけでございます。 次に、中小企業の問題でございますが、実は先般の四号台風、それから今回の二十六号台風等で、甲府市の商店街に大きな商品の水浸し、それから鰍沢という町の商店街が一瞬にして水浸し、こういうものに対する特別の財政援助の措置というものが非常にむずかしい。というのは、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律、これの中小企業者に対する適用基準というのがあって、全国の中小企業者の推定所得の二%の被害をこうむった場合、それから激甚地の場合には一%、そうしますと、全国で二十二億にならなければだめだ、一%の場合には十一億だ、こういうことで、地域の中小企業の人たちはもう非常に泣いておるわけです。そこで、全国の所得の二%というものは二十二億に相当するのですから、一町村の街全体が水浸しになっても、四億だとか五億では該当しない。これは非常に矛盾しておると私は思うのです。そういうことに対する特別措置というものは政府においてできないのか、こういうことを考えるのですが、その点は……。
○本田説明員 お答え申し上げます。 中小企業者が災害を受けました際に、復旧その他のために資金需要が生ずるわけでございます。その資金需要に対しましては、災害融資ということで中小企業金融公庫、国民金融公庫あるいは商工中金、これらの政府系の三機関は、災害を受けた人に対しては、融資限度額のほかに災害融資のための融資を上積みしてできるということになっておる。これは、金利につきましては普通の金利、通常金利で上乗せの融資を行なう。担保等につきましてもできるだけ緩和いたしますし、必要な場合には、保証協会の保証につきまして保証料の引き下げ、あるいは県等の援助等がありますと、それによって担保も軽くなるということでやっておるわけであります。災害が非常に大きくなりますと、やはり国民経済的にもあるいは地域経済に対する影響も大きいということで、そうした際には、特に金利について少し低い金利を適用しようということになっておりまして、そういう際に、いまの激甚地災害の指定がございますと、低いほうの金利が適用されるということになっております。一般的には、災害に伴う資金需要に対しましては、普通金利で上乗せの融資ができるという制度で運用いたしております。いまお話しのように、激甚災害の指定のためには、総被害が二%といいますと実は二百数十億でございまして、三百億近いぐらいの被害になるわけであります。あるいは七十四億ぐらいの被害がある場合は、その県の中小企業推定所得額の二%相当額以上の被害があると、先ほど上村副長官からお話がありました認定基準に該当するわけでありますが、先般の山梨の場合には非常に局部的な短時間の出水でございまして、被害額としてはそれほどなかったということでございましたので、三機関に対しまして災害融資を実施するということで、災害に伴う資金需要を充足するようにいたしたというような経緯になっております。
○田邉委員 もう一度伺いますが、中小企業金融公庫と国民金融公庫は、災害融資の機関としての扱いをするのですか。
○本田説明員 そうでございます。
○田邉委員 間違いありませんね。
○本田説明員 間違いありません。
○田邉委員 各県とも、罹災者、特に農家の方たちに、自作農維持資金を使いたいという要望が非常に強い。ところが、この自作農維持資金のワクというものは各県にありますが、今回の災害は通常と違うわけでございますから、これについて災害ワクをひとつ拡大してもらいたい。そうすることによって個人災害というものをカバーしなければならない。この点について、一体拡大をする用意があるのかどうか、その点を伺いたいと思います。
○檜垣説明員 自創資金のワクにつきましては、御案内のとおり、一般自作農維持のための資金、それから災害時の救済的な意味を持ちます自作農資金ワクというものをそれぞれ設けまして対処いたしておるのでございます。自作農資金の貸し出しワクにつきましては、天災融資法の貸し出しワクとそれから被害の総額、そういうものをにらみまして、一定の算定方式で府県別に割り当てをするというやり方をやっておるわけでございます。現在の段階では、全体としての自作農維持資金ワクの拡大ということは、これは予算措置を要するわけでございまして、そこまでのことを考えておりませんが、今後の災害の推移によりまして、自作農資金の総ワクが極端に不足をするというような場合には、政府内部で検討いたしたいというふうに思いますけれども、現段階では、そこまでのことを考えておりません。
○田邉委員 農作物の被害に対する救済の問題でございますが、実は現行の農業共済の早期支払い、これは例を山梨にとれば、早く支払うということを農林省が言っておるという話で、この点については私非常に敬意を払うわけでございますが、ただ、現在の農業共済でも、たとえば養蚕の繭そのものには共済がある。ところが、先ほどお話したように、一瞬にして川がはんらんをいたしますと、山梨は非常に養蚕地帯が多いので、そういうところの桑園は全部やられてしまう。それで、冠水したところの桑というものは全部枯れてしまう。上のほうがわずかに残っておる。ところが、一週間たって水が引くと、遠くから見た目では、全然災害を受けておらないように見える。たとえば、ここに図面がございますが、さきの滝沢川の下流の右岸、これは全部桑園地帯ですが、これが全部流れてしまった。ところが、水が引くと、これはちゃんと桑園そのままに見える。こういうところの被害は、これはもう個人災害でどうにもならない。そして共済の対象にもならない。そこで私のお願いすることは、こういう共済について、桑の木自体への被害、それに対して共済というものが及ぶようなことはできないものか、この点なんです。
○檜垣説明員 田邉先生御承知のとおり、農業共済制度は農業災害補償法に基づいて運営をされておるわけでございます。したがいまして、共済事項の範囲も法律によって規定をされておるわけでございます。現行のもとでは、蚕繭共済は繭の生産共済でございまして、桑の被害というものは共済の対象とされていないわけでございます。でございますので、現段階におきまして桑の被害を共済事項として共済金を支払うということは不可能でございます。ただ、今後蚕繭共済のあり方として桑園の被害も含め得るかどうかは、私ども事務的に検討すべき事項であろうというふうに考えております。これは共済のことでございますから、かりにそれを共済事項というふうに法律を改正しまして含めるということに相なりますれば、これは共済掛け金の面でも、保険設計の変動に伴いまして変化があるということにならざるを得ないというふうに思っております。
○田邉委員 なお、果樹の被害も非常にひどいわけです。ちょうど出荷する直前に集中豪雨で、全部ブドウがやられてしまい、それからリンゴが全部落ちる。そういうことを考えた場合に、果樹共済制度というものは農林省等も非常に積極的に検討はしておるけれども、これは一日も早く共済制制度というものを制度化する必要がある。できれば次の国会あたりにこれを出す用意があるか、ひとつその点もお伺いしたい。
○檜垣説明員 果樹共済は長年の懸案でございまして、農林省も慎重に果樹共済の実施に関する必要なデータの収集、調査を進めてまいったのでございます。農林省といたしましては、なし得れば次期国会に果樹共済の実施に関する法律改正をいたしたいという考え方で準備を取り進めておるのでございます。
○田邉委員 大体私の質問はこれで終わるわけでございますが、ただいま質問を申し上げましたように、山梨県の被害は激甚地に指定をしていただいて、そして公共土木、それから農林その他治山治水の問題についてもすみやかな措置を講じていただくように心からお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
○日野委員長 要望に沿うよう努力いたします。
○山口(丈)委員 建設大臣が見えましたから、ちょっと田邉委員の質問に関連して、重大なことですから、お答えを願いたいのですが、河川局長もひとつ、できたら御答弁願いたい。 それはいまの地すべりの問題です。いま田邉委員がおっしゃいましたが、これは大体二万立米くらいじゃないかと言っておりますけれども、私は、あれが落ちたらば二万立米どころでは済まぬのじゃないかと思うのです。それで、地すべりは私のほうも経験があって、建設省から派遣していただいてほとんど地すべりはとまりまして、私の地方では非常に安心して感謝しておりますが、あのときの地すべりとは全然様相を異にしています。そして常に動いて、下が切り立った断面になっております。上に耕地がありまして、それからなだらかではなくてほとんど急傾斜で川におりている。その下に道路がある。そしてその断面のところは、大体五分か十分おきには岩石がごろごろ落ちる、そして大きな崩壊をときどき起こしている、こういうような状態ですが、もしあれが今度大きな集中豪雨でもありまして一気にそれが川に落ちましたら、それこそもうたいへんなダム状態になってしまいます。ところが、あの土質を私見ておりまして、これも増水しておるのですかり、その土砂が一気に川に落ちますと、たちまちめふれてこれを押し流すに間違いありません。そりいたしますと、大洪水を下流のほうに起こすわけであります。したがって、これは容易ならぬ事態を惹起しつつあるわけであります。現地のほうでは、所長が必死になって観測をし、いろいろやっておるわけですけれども、何といっても地方のことでありますから、観測陣についても規模は小さくて、とうていあれでは私は緊急の処置はとれぬのじゃないかと見てきました。そこで、建設省では至急に専門の技術員を私のほうに派遣していただいたように派遣していただいて、これは建設省の直轄工事でひとつ至急に応急措置をしていただかないと、たいへんな災害を起こすわけであります。建設大臣よくこれを耳にとめていただいて、そして河川局長もひとつ適切な、いま申したような措置をとっていただきたい。専門家をすぐ派遣していただいて、そして現場でその指揮に当たっていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか、そういう考えがありましょうか。
○古賀説明員 先ほど御答弁申し上げましたように、いずれにしても通路もさらされておりますし、それから、これがまた二万立米もあそこに落ちますと、御指摘のとおりたいへんなことになります。早急に係官を派遣いたしまして具体的な措置をとりたいと思います。
○橋本国務大臣 ただいま河川局長から答弁いたしましたが、これは地すべりとおっしゃっておるけれども、山の崩壊ですよ。地震学的にいうと地すべりじゃないだろうと思うのですが、いずれにしても、最近の長雨でもって上がゆるんでいるのだろうと思うのです。こういう実情を現地に行って技師が見ませんと、どういう対策をとったらいいかということも見当がつきませんが、いまおっしゃっているように、ちょっとやそっとの対策ではだめだということになれば、これは要注意報を出して危険に対する警戒体制をとるなり、あるいは緊急の措置である程度これを食いとめることができるならば、さっそくやらなくてはいかぬと思います。あしたにでも係員を派遣してさっそく対策をとりますから、その点御了承願いたい。
○山口(丈)委員 これはほんとうにやってもらわぬと、現地でも消防ポンプを出してその亀裂へ水をつぎ込んで落としてしまおうという意見と、それをやられては困る、そんなことをされたのではたいへんだからというので、意見が分かれている。現場の建設省から派遣されておる所長さんは、そんなことをされてはかなわぬから、とにかく水は入れないでくれ。ところが、県の土木のほうでは、水を入れて一気にくずしてしまえというふうに、意見が分かれておるのだそうです。そして谷の水をといで引いてきてまさに落とそうとしている。片方は消防ポンプを動員していって注入しようとする。両方からやろうとするけれども、それを待ってくれというので、非常に意見が分かれているわけです。あれはやはり早く専門家を派遣して、その意見を統一して、そうして何とか緊急措置をしてあげないと、それはもうたいへんな災害を起こすことになりますので、その点ひとつ重ねてお願いいたしたいと思います。
○橋本国務大臣 承知しました。
○日野委員長 金丸徳重君。
○金丸(徳)委員 だいぶ時間が過ぎてしまいました。また建設大臣も総務副長官もお忙しいようでありますので、なるべく要点だけお伺いをいたしまして、他のことにつきましては、それぞれまた専門の委員会のほうででもお伺いをいたすことといたします。 ただ私は、今度の二十六号の災害を最も激しく受けた山梨県の出身議員といたしまして、一言お礼を申し上げたり、それからお願いをさせていただくのでありますが、今次災害につきましては、もう私から申し上げるまでもございません、わが県の歴史始まって初めてのような激しい深刻な災害を受けております。その間、政府におきましては、いち早くこれが救済の措置、善後措置などにつきまして非常なあたたかい心配りをちょうだいいたしまして、県民一同たいへん感謝いたしておるところであります。 そういう意味におきましてさらにお願いを申し上げたいことは、実はいまの地すべりといいますか、崩壊地区について緊急に御措置願いたいということが、きょう私が質問の冒頭にいたしたいことでありましたが、いまの御答弁によりまして了解いたしました。ただ、私も昨日実は調査団に加わって見てきたところによりますと、その原因がはっきりしないということと、この措置を誤ると、上流に取り残された数千の、二十五日に起きた被害の善後措置もまだ講じられないような人々の生活を脅かす。うしろのほうから物を運ぶ道ができたからいいとはいいながら、それはほんとうの応急のものであって、仮設住宅の資材さえも運べないような道である。したがって、一刻も早くこの道を開かなければならないばかりでなくて、もしこの措置を誤りますと、下流の数千の生命あるいは住宅、田地田畑を荒らすようなことになる危険が十分認められるのであります。ですから私は、あすといわず、けさにもその対策を練っていただいて措置を講じていただきたかったのであります。それで、実はそういうことでありますから、現地では消防隊を総動員いたしておりますが、とても消防隊の力をもってしてはできませんので、もしできますならば、私は、特別の措置として自衛隊でも派遣していただいて、自衛隊の機動力などをフルに使っていただいて、何とかこれを措置していただきたいと思うのであります。実は自衛隊につきましては、根場、西湖のあれの措置について多数の人を派遣していただいて、非常に現地の者は感激いたしておりましたが、途中その人たちが引き揚げられまして、いまはわずかの人々が、まだ見つからないところの死体捜索に、現地の人々を手伝っておるというようなことでありました。私は実はせんだっての建設委員会におきましてもこれについてお願いをいたしておったのでありますが、せっかく現地の感謝感激のもとに働いておられる自衛隊の人々が、途中で引き揚げるというようなことによって、画竜点睛を欠くというようなことのないように、九仭の功を一簣に欠くと言ってはいけませんけれども、そういうようなことのないようにしていただきたいというお願いをいたしておったのでありますが、昨日その地すべり地帯、崩壊地帯を見るにつけまして、もし災害のあとの善後措置のために働く自衛隊の力を災害の前に払うことができたならば、もっとそれは効果的ではないか、もっと感謝感激の的になるであろう、こんなに思うものでありますが、現にまだ災害は続いております。しかもその災害はこれからどう大きくなるかもわからないというような状態につきまして、自衛隊使用などについて政府はどういうお考えを持っておられますか。これは建設大臣から、今後のこともあろうと思いますので御所懐を承っておきたい。
○橋本国務大臣 ただいまのお話の件ですが、大規模な山腹崩壊と思います。道路に面しておりますので、当然建設省がこれが対策を直ちに講ずる方針でありまして、私は先ほどあしたと言いましたが、きょうこれから直ちに派遣いたします。同時に、甲府における出張所員等当方の専門家を加えまして、本日中に調べまして、明朝、これが実地を調査しました結果、自衛隊を派遣する必要があれば、建設省のほうから総理府を通じて派遣方をお願いするようにいたしたいと思っております。 何せ現場を実際のところまだ知っておりませんので、いま直ちに自衛隊を派遣するかどうかということは御返事しかねますが、従来、防衛庁長官との話し合いで、必要があればいかなるときでも出すという話し合いになっておりますので、その必要があれば直ちにその行為に移りたい、かように考えております。
○金丸(徳)委員 ぜひそのようにお願いをいたすのであります。といいますのは、私少しくどいのでありますが、実は現地の人々にとりましては、まあ寝ても眠れぬということばがあるのでありますが、全く寝ても眠れぬような思いをもって一昨日来これに臨んでおります。私はたまたま昨日その現場を見ただけに現地の人々及び上流、下流の人々の気持ちをくんで、くどきに過ぎるかもしれませんけれども、あえてお願いをいたしたのであります。 そこで、建設大臣お忙しいようでありますから、もう一点だけお伺いをいたしておきます。 今次災害につきまして特に顕著なものは、山つき地帯における小災害、しかしながら、範囲は狭いけれども非常に深刻な災害を多数起こしておる。わが県だけを数えても、県の発表によりますと、八百ヵ所に及んでおるというのであります。そして、これは後刻またお伺いすることになるのでありますが、個人災害を何とかしなければならないというような事態をかもし出すほどに、いままでの災害とはまた特別な事態をかもし出しておるのでありますが、同時に、これの原因を見てみますと、やはり山に対する措置が欠けておったのではないか。実は災害以来各専門家が各大学から出向いてくれまして、現地において地質の調査などをさらに進めておられるようでありまして、累次これが発表されております。きのうも津屋博士がその結果を、これは新聞でありますか、報告いたしております。それを聞きますと、地質がそういう状況になっており、こうした災害が起こることはもう予見できたのだとまで言っておるのであります。これらのことを総合して考えますと、今次、局部的ではあるけれども多発した、しかもそれは非常な深刻な災害を起こしたという意味におきまして、午前中の当委員会における森長官のおことばをかりますれば、まさにわが国は新しい災害の事態を迎えたということであります。新しい災害の事態を迎えた、ほんとうにそうだと思います。そこで建設大臣、そうした新しい災害の事態を迎えた、地質的にいきましても、あるいは気象的にいきましても、今後全国各地においてこのような新しい事態の災害を迎えるということになるとしますれば、これに対する対策というものを、国土保全の責任を持たれる建設大臣として持っていただかなければならないと思うのでありますが、はたしていかがでありますか。
○橋本国務大臣 新しい事態に対処するといいましょうか、確かに、最近の災害の原因、いわゆる集中豪雨というものが、従来考えておったものとは比較にならぬ割合で増加しております。山梨県の場合も、激甚な災害の起きました地域については、三十五年に新しい砂防ダムを八基つくって大体この災害に備えたはずでありましたが、今回の二十六号台風の持ってきた雨は、御承知のように一時間百ミリをこえる、しかもこれが三、四時間の間に三百ミリ近い隻中豪雨になった。これが二日三日かかって降った雨ならば、あのような災害は起きなかったろうと思います。そういう意味で、今後これが続くのかどうかは別といたしまして、最近三、四年この方集中豪雨という新しい気象現象が出てまいった、そういうことからして、いわゆる災害に対する新しい観点という議論も成り立ちますけれども、原則としては、何といっても治山治水の事業であります。現在第二次としてやっております治山治水の五ヵ年事業計画は、総額で一兆一千億円、そのうち八千五百億円が基本的な費用で、一千億円が予備費とし、なお千五百億円が災害復旧費として計算されて、一兆一千億円という五ヵ年計画の案ができてこれを実施してまいっております。実はこの五ヵ年計画をつくる当時におきましても、日本は山岳地帯が非常に多いということで、いわゆる渓谷地域が多いので、山腹砂防あるいは渓流砂防の金額が全体に比してなおもっと割合を多く充てるべきではないか、こういう御意見があって、同時に、建設省がつくりました案に多少プラスいたしまして割合を変えまして、いわゆる渓流もしくはダム予算というものを増加したわけであります。現在の五ヵ年計画は、いわゆる渓流砂防といいますか、砂防に対する総額は大体千六百億ぐらいであります。全体の予算の八千五百億円に対しては二一%を占めておる。また、治水ダム及び多目的ダム、これらは約二〇%でありますからして、河川改修事業の約半数に近い金は、そうした方面に、上流あるいは中流の防災に投ぜられておるわけであります。しかし、それであるにかかわらず、なおこのような災害が起きてきておるので、いわゆる砂防といいますか、砂防ダムについてはなお一そうの力を入れなければならぬ。それにおいても、いわゆる予備費一千億円の中からこれの割り当てを変更すればよろしいのでありますからして、来年度の予算につきましては、中小河川あるいは防災ダム等につきましてはより積極的な予算をつけて、新しい事態に対処するという考え方でやってまいりたい。要するに、国土保全の仕事はもちろん国がなすべきことであります。したがって、国並びに地方団体が国土保全の責任を負わなければならぬ。個人に責任を負わすべきものではありません。したがって、先ほど来いろいろお話が出ておりますが、災害に対する復旧にいたしましても、国並びに地方団体が復旧の費用を持って、個人には持たせておりません。公共土木に対しては個人は持っておりません。しかしながら、いま申したような国土保全というものは、国が国づくりをやるというたてまえからいえば、災害があれば――実はこれは個人的見解でありますが、国が全体的な予算をもってやることのほうが一元的ではあります。けれども、いまの税制のたてまえその他の面からして、国が一切を持つという状態でもございませんので、その一部を地方公共団体が持って災害復旧を行なう、こういうたてまえをとっております。ただ、個人の災害をどうするかという問題は、先ほど来お話がありましたように、金融の面において、あるいは税制の面において、自治省のほうからいえば特別交付税という面におきましては地方公共団体が持つ、一つの対策としてこれも考えられておる、こういうことでやってまいっておりますが、基本的には、おっしゃるように、国づくりの基本は国でありますからして、これら防災あるいは災害復旧に対しましても、その中心は国でなければならぬ、その考え方をもって今後とも強く前進してまいりたい、かように考えておりますので、皆さんの御協力も十分に得たいと思います。
○金丸(徳)委員 建設大臣の国土保全の責任感の強さに敬意を表しますと同時に、いまのような新しい災害の事態を迎え――それも私は、私の県だけの見解でありますから、あるいは言い過ぎになるかもしれませんけれども、今度の災害を私の県だけで判断いたしてみますと、雨量が多かったという以上に、その雨量にプラス土石あるいは木根というような夾雑物が入ってしまい、雨量百ミリのエネルギーに、さらにそれを十倍したような力をもって下流に押し寄せてきたというようなことが、非常に災害を激甚ならしめたことであろうと思います。したがって、従来のように渓流砂防工事をやる、あるいは砂防ダムをつくるというようなことの以前に、もう少しさらにさかのぼって、山はだの保全のための国策というものを強力に進めていかなければいけないのではないか、こんなに思うのであります。現にそのことが行なわれたところにおいては、同じ百ミリもしくは百五十ミリの雨量にも耐えておった。それを怠っておった、あるいは木を引きずりおろしたがために山復をこわしてしまったというようななところ、もしくは切って切りっぱなしの根っこをそのままにしておいた、あるいはいまぶら下がっておるところの岩石を、これを早く取り除けばよかったのを、そのままにしておいたというような、山はだに対するきめこまかな政策なり対策が行なわれなかったばっかりに、たいへんな災害を起こしてしまったという例は随所にあるのであります。 そこで、私は、これは建設大臣に御要請申し上げたいのでありますが、いままでの治山の考え方、治水の考え方からさらに一歩を進めて、その根本に対して相当の金をつぎ込む、あるいは人員なり何なりをつぎ込んで、そうして山の頂上からの国土の監視、国土の状態の査察というものをやっていかなければならないときがまいったのではないかと思うのであります。こういうことにつきまして、いま建設大臣は数字をあげて、こうやっておる、来年度予算についても相当の配慮をしておると言うのでありますが、従来の考え方もしくは従来の方針によってそれが一割増した、二割増したということでなくて、思い切って新しい事態に処するための新しい心がまえからの予算の措置というものを考えられる、あるいはまた、機構などにつきましても、その必要がありますれば考えられるお心がまえがおありかどうか。私どもは現地において被害を受けた、またこれからも被害を受けなければならないような条件の中に現に住んでおる者の一人といたしまして、建設大臣のお心がまえを承りたいのであります。
○橋本国務大臣 お話の件はよくわかります。要するに、山腹保全の問題もやはり大きな問題として考えるべきであろうということだろうと思いますが、その点につきましては、今回の災害にかんがみるまでもなく、当然建設省と農林省との間に――治山は治水であり、治水は治山でありますからして、当然十分な連絡と協定あるいは調整がなされなければならなかった、また、やってまいったつもりでありますけれども、種々の点において必ずしも万全であったとは考えておりません。それがために、最近建設省から砂防関係の幹部を二名農林省に派遣し、農林省から二名これを呼びまして、そこでそういう問題、たとえば――いまおっしゃっていることは、伐採についても、非常に広面積にわたって独立採算制のたてまえからやることに無理がありはしないか、こういうことも含まれてのお話だろうと思うのです。これが原因であるかどうか、調べなければわかりませんけれども、確かに、いわゆる切らないところはそのまま異常がなく、相当大幅に切られたところにいわゆる山の崩壊あるいは地すべり式のものが起きておるのでありますからして、何ら関係がないとは言えないように考えられます。私は技術者でないからわかりませんが、そういう点にかんがみまして、一応独立採算制という林野庁の方針は別としまして、今度はいわゆる一般会計で持てるものはできるだけ一般会計で持つ、そこで無理のない治山政策あるいは山腹保全の政策をも考えていきたい、かような意味から、建設省から向こうに二名やり、向こうから二名もらって、そこで十分なる協定によって新しい治山あるいは治水、こういうものに検討を加えていきたい、かように前向きの姿勢でやっておることもひとつ御理解を願いたいと思います。
○金丸(徳)委員 大臣もお忙しいようでありますから、これでやめますが、ただ私は、こういうことについてぜひ前向き以上の前向きの努力を払っていただかなければならないだろう、こういうことを申し上げておきます。
○橋本国務大臣 承知いたしました。
○金丸(徳)委員 それでは総務副長官にお伺いするのでありますが、実は森長官が災害直後現地をおたずねくださって、現地の罹災民といたしましては、まさに地獄で仏を得たような感を持ちました。特に、長官が視察後の感想として述べられた一言、それは、個人災害について国が本気になって考えるときが来た、個人災害についても十分措置するから、みんな安心してがんばれということであったのであります。私は、長官がただ現地の見るに忍びざる惨状を前にして、一時の衝動的なことでこのことばを言ったとは思いません。その後東京へ帰られてもそのことを繰り返しておられるようでありまして、すみやかに個人災害に対する国の基本的方針、対策などをお示しあることが、その地獄で仏に会ったほどに喜んでおる現地罹災民に対する非常な大事な心配りだと私は思うのであります。ただ、けさほど長官からのお答えを聞いておりますると、そうは思うけれども、実際に取りかかるとなかなかむずかしいということでありました。確かに、個人災害のすべてに向かってあたたかい国の手を公平に、平等に伸ばすということについてはむずかしかろうと思います。思いますが、それと同時に、これはなるほど気の毒だ、こういうことについては何とかしなければならないというようなことについては御検討になって、もうすでにお漏らしになってもよろしいのではないかと思うのでありますが、いかがでありますか。政府におきましても、その後、やがて二週間になんなんといたしておりまするので、こまかく、かゆいところに手が届くというところまでには至らないけれども、この程度のものについてはこういう措置を講ずる腹がまえだというようなことを本日承ることができますれば、私どもは現地に行ってさらに激励もし、慰問もすることができるのであります。何かそういうことについて今日まで検討されたことについて、具体的にお話を承ることができますればしあわせであります。
○上村説明員 ただいま先生がおっしゃったとおり、現地の災害をこうむられた方々におきまして、あるいはその方々にじかに接しておられる先生方とされましては、ほんとうに切実な問題であろうかと思うのでございます。この個人災害の問題につきましては、参議院の災害対策特別委員会あるいは衆議院の災害対策特別委員会、すべての先生方が、皆さん全員と申していいくらい、御要望の強い点でございます。それで、実はきょう先生がおっしゃったようなことが、この点、この点と申し上げる段階に立ち至っておりますれば非常に幸いかと思うのでございますが、率直なことを申し上げまして、その段階にまだ立ち至っておりません。と申しますのは、この前も非常災害対策本部の各種のお打ち合わせの際におきましても、本部長である森総務長官から、ただいまの先生の御趣旨のことは強くお話されまして、そして各省におきまして至急これが対策について案を出してほしいというようなことも申されておりますし、私どものほうとしましても、事務当局を督励いたしまして、そして至急にこれが対策を練るような配慮を進めておりまするが、個人災害という問題につきますというと、従来のわが国の災害対策の基本的な姿勢にも関連をいたしてまいりまして、個人災害にどういうふうに一体特別措置をするか、たとえば公害の問題も生ずるでしょうし、今後交通災害というものも起きてくるであろう、これをどういうふうにするか、あるいは台風とか集中豪雨みたいな気象の変化に基づく災害にたとえば限定するにしましても、その態様をどうするかというようなことで、非常に多岐にわたりまして、いま熱意を持って前向きに検討はいたしておりまするが、現時点におきましてどういう具体的な点があるかということになりますと、非常に申しわけございませんが、御説明、御報告を申し上げる段階まで至っておりません。ただ、非常に強い御要望がございますので、現行法の体制におきまして何とか処置のできるものは処置するような体制でいってはどうか。先ほど建設大臣もお触れになりましたが、個人融資の問題それから税制の問題、要するに課税の問題とか、あるいは各自治団体におきましておとり賜わった処置につきまして、交付税の面におきましてできるだけ大幅に考えるとかいうような、とりあえず現行法の体制において個人の災害の方々に対する対策というものを強力に進めていこう、他面、基本的な対策として個人災害という問題について取っ組んでいこうというわけで、関連各省のほうへは本部長から強くその点をお話してある、また総理府の内部におきましてもこれの検討を進めておるということでございまして、熱意は十分あるわけでございますが、非常に多岐にわたっておりますので、現時点におきましては、非常に申しわけございませんが、この点がこうだということを御報告申し上げる段階に立ち至っていないのが、率直な実情でございます。
○金丸(徳)委員 そういうお答えよりはかなかろうかと思います。思いますが、ただ、私は少ししつこいとおしかりを受けるかもしれませんけれども、実は個人災害についていままで全然触れていなかったかといえば、触れているのですね。さっきも建設大臣のお答えの中にちょっと触れてありましたように、たとえば被害田地田畑などにつきましては大体もとどおりに――これは公共施設ばかりではございませんで、個人のたんぼ、個人の畑としてもとのように直してやっておるのですね。まさにこれは個人災害に対する救済手段の顕著な例だと私は思います。ですから、全部の個人災害についてということになりますと、それは公害はどうするのだとか、いや冷害の場合はどうするのだとか、いろいろと出てくると思います。思いますが、今度のように集中豪雨、台風というようなことで田地田畑、宅地、家屋のみならず、生命までも失ってしまった――一家全滅したというようなところについては救済の方法もないわけですけれども、うちはこわれてしまった、宅地はつぶれてしまった、桑畑もたんぼもすべて瓦れきの下に沈んでしまったというような者については、田畑がもとのように直してもらえるならば、おそらく、その人の気持ちからしますれば、また国民全体の感情からいきましても、宅地はもとのとおりにしてやってほしいのだ、住めるうちぐらいはつくってやってほしいのだというのが国民感情ではないかと思います。だから、すべてのことについて一挙に一ならしに取りかかれと、こうお願いすれば、それは無理だと言われて私も引き下がらざるを得ませんけれども、そうした生活の根拠のすべてを失ったようなひどい者につきましては、何かうちぐらいはつくってやるとかいうことの措置がすみやかに講ぜられ、その方針ぐらいは見せていただくということになりますれば、これからについて被災民も希望を持って何とか方法を講ずる気にもなりましょう。ところが、その方針がないとしますれば――集団移住については先ほど伊那谷の例もありましたようで、一億数千万円使ってこの間生活の一応の根拠はやったこともありますが、一軒一軒沢の下でもって、うちも失ってしまった、田畑も失ってしまった、どこかへ移らなければどうにもならない、何にもないという者について、ただ単に融資のことを考える、これではあまりに情けないじゃないかと思います。新しい事態を迎えた、森さんはそう言われております。個人災害についても考えるべきときがきた。私は、わが国の国民は、このような非常に見るにたえないようなものについては何らかの手を差し伸べたいという気持ちで一ぱいだと思います。政府がそこに立って、よろしい、うちだけはつくってやろう、宅地だけはもとのとおりにしてやろう、田地田畑と同じような方法をとってやろうというようなことになりますれば、どこかへ移らなければならない、都会へ出て四畳半の仮住まいをしなければならぬと思っておる人々も、再びそこに、先祖伝来の土地に向かって闘志を燃やすこともできるであろうじゃないかと思うものですから、私は具体的に、住宅について何とかならぬものでしょうか、宅地について何とかならぬものでしょうかということを、まあその程度のことは最低限としてもよかろうじゃないかと思うものですから、お願いをいたしたのです。いかがでありますか。
○上村説明員 先生のおっしゃるお心持ち並びに国民感情はそうであろうと思うのでございます。でございますので、とにかく現在の実情、また、従来の体制並びに今後の新しい体制におきましてできると申しますか、あらゆる方法を考えながら、その御希望に沿うように配慮していきたいというふうな姿勢でやっておるわけであります。たとえば、家をどうしても早くつくらなければというような場合には、融資過程でやっていっても、そのときに返還の能力とか、そういうようなものを一々検討しておったならばできはしませんから、何かそこに、ここで明白に申し上げて御報告する段階じゃないけれども、しかし、何とかいま先生が御心配をされておるようなことが現実に実現できるような方向で行くべきであろうが、しかし、現行法もございまして、あるいは法律の可能な限度ということもございますので、その点も考えながら先ほど御報告申し上げておるわけです。心持ちは、いま先生がおっしゃったような方針で、できることなら、また、できる方法も考えながらやっていこうという点でございますることを御了承賜わりたいと思います。
○金丸(徳)委員 これ以上いろいろなにしてもいけませんから、ただ、すみやかにできるだけの措置を講じていただいて、新しい事態には新しい措置が講ぜられたという実例をお示し願えれば非常にありがたいことであります。 自治省のほうにお伺いをするのでありますが、今度の災害の特徴は、いまのように個人災害が激甚であるということと同時に、災害が非常に山合いの貧窮町村に集中しておるように私どもには思えるのであります。そこで私は、こうした災害を受けることによって貧窮町村はますます貧窮するのじゃないかと思う。これを救済する道は、基本的に私は地方交付税なんかの算定基準というものをもう少し考えてもらわなければならぬと思うのであります。元来が地方交付税交付金の配分基準などは住民を基本にして考えておったことが、今度のようなことになる原因の一つにもなっておるのじゃないかと思うのであります。山つきの人々は非常に広い山をかかえておりまして、何かにつけて災害は受けるけれども、山の利益というものはなかなか得られないということであります。もしこれに山の看視をするための経費が行き渡っているとか、広いがゆえにさぞや地方行政の苦労も多かろうという、せめてそういう意味における地方交付税の配分が考慮されておりまするならば、もう少し地方団体というものは楽な財政の中で国土保全にも協力できたと思うのでありますが、それが行なわれておりません。これからこういう災害の新しい事態を迎えて、山というものはもう荒れる寸前にあると見なければならないのであります。これは私は後刻、林野庁といいますか、農林省のほうにもお伺いするのでありますが、いまわれわれが一番気にすることは、いままであまり目のかけられなかったところの、人跡まれなる山に対して国策の目を向けてもらうということであり、具体的には、山を歩く現地の人々とともにそういう山の保全、山の看視、山の状態を見て直ちに警報が発せられるような条件をつくっておくことが必要ではなかろうかと思うのであります。自治省はこういうことについて地方の自治団体の財政の窮迫を救う何らかの措置を講ぜられる腹がおありかどうか。あわせて、もう時間がありませんからあれですけれども、林野庁、農林省のほうからのお答えをいただきたいのでありますが、こういう事態を迎えまして、山はだの保全などについて来年度予算に特に強力に何か要求なさるような準備がおありかどうか、承りたいのであります。
○中村説明員 自治省から御説明申し上げます。 お話のございましたように、まずさしあたっての災害につきましての市町村の負担につきましては、起債の充当を十分引き上げて配慮いたしますと同時に、交付税の配分につきましても格別の配慮をいたす所存でございます。それから、先生のお話のございました今後の特殊な山村市町村の財政刀豆化という点につきましては、お話のように、災害の事態に対処し新しい財政需要が非常にあるという御指摘でございますので、これらが織り込めますような交付税体系を十分配慮いたす予定でございます。
○高桑説明員 治山事業の計画につきましては、先ほど建設大臣もお触れになりましたように、治山治水五ヵ年計画の中でただいま実施をしているわけでございまして、本年度はその二年目になっておるわけでございます。最近のこういった、従来とは非常に趣を新たにした災害の発生という事態を私どもも衷心より銘肝いたしまして、来年度の予算につきましては、約三百億の予算でございますけれども、この中で特に予防の治山、これを従来に格段してただいま財務当局と折衝中でございます。 また、先ほど先生のおっしゃいました山の取り扱いの問題でございますけれども、これは昭和三十九年度に保安林整備臨時措置法というものが改定されまして、これをさらに十ヵ年延長の時限法で、これに基づきましていま保安林の新しい整備計画を進めつつあるところでございまして、ただいま全国で申し上げますと、四百万ヘクタール程度の保安林面積でございますけれども、さらに二百六十万程度の――これは国有林、民有林両方合わせましてのことでございますけれども、二百六十万程度の保安林の増加ということを計画いたしまして、終局的には六百六十万ヘクタール程度の保安林を新たに計画いたして、かようなことで治山事業を推進してまいりますと同時に、山の保全の面におきましても、そういった保安林の新しい配慮に基づいて、再びこういう災害を惹起しないということを私どもも銘肝しながら考えておるような次第でございます。
○金丸(徳)委員 だいぶ時間が過ぎまして、実は私はさらに詳しくお伺いすべき事項を現地の罹災民から託されておるのでありますが、これらの多くは午前中からの各先生の御質疑の中にも出てまいりましたし、また後刻それぞれの委員会において、私がきょう承りたいと思っておりましたようなことにつきましてのこさいのことについてはお伺いをいたすことといたします。 最後に、質問を閉ずるにあたりまして副長宮にお願いをいたしたいのでございます。 繰り返すようでございますが、災害は新しくなりました。深刻になりました。また多発の傾向があります。こうした事態に処しまして、政府のほうでは真剣に、全く新しい態度をもって臨んでいただかなければならないのでありますが、その一つとして、先ほど例にあげられました私のところの甲西町というところは、実はたいへんな災害を受けたにもかかわらず、災害救助法の適用地になっておらぬ。これはいろいろ法律上の説明はできると思いますが、実際の災害を受けた個人、農民などにつきましては何とも了解しがたいようなところであります。これらのところを――これは一つの例でございますが、見てみますると、現行の法律は、新しい事態に処すべく幾多の欠陥といいますか、足らざるところを持ってきたのではないか、こう思います。そういう意味におきまして、すみやかにこれが根本的な対策、改善の方法を講じていただきたい、その方向が示されることによりまして、いまもうあすの生活をさえも心配しておる多くの罹災民というものは、そこに一るの希望を持ちながらまた再起の熱意を燃やすことと思います。私は、もっぱら、政府が前向きということばだけの前向きではなくして、行動上の、政策実施上の熱意をお示しくださることであろうかと思います。くどいようでありますが、以上お願い申し上げまして、私のこの場の質疑は終わらせていただきます。
○日野委員長 森田重次郎君。
○森田委員 青森県におきまして、八月中における豪雨によりまして非常な災害を受けたのであります。約百六億円にのぼるといわれております。その詳細なる資料はいまここにございますけれども、一々これに触れておったのでは時間が非常にかかります。いま一つだけここに取り上げてみますと、平川という川があるのであります。それが急にはんらんいたしまして、大鰐町と碇ヶ関村が水害に見舞われ、両町村合わせて、家屋の全壊が十八棟、半壊四十八棟、床上、床下浸水千三十一戸、特にわれわれの重大視しておるのは、橋梁の落ちたもの――相当強いと思われておった橋梁が十三ヵ所もこの川で落ちているのであります。道路の決壊が四十三ヵ所、河川の堤防の決壊が百ヵ所、こうなっておるのであります。こういうようなわけでありまして、この川だけについても約十七億円の損害が起きた、こういうことになっているのであります。 そこで、まだこれは詳細に申し上げたいのですが、いま申し上げたとおり、とにかくこれで省略いたしまして、われわれの希望といたしましては、いろいろの方法もありましょうけれども、激甚災法の適用をぜひわれわれのいまのこの災害に適用してほしい、これが罹災者のこぞっての願いなのであります。これは御検討の上ぜひこれを適用するようにしていただきたい、こう思いますが、これに対して御意見を伺っておきたい。
○上村説明員 二十四号、二十六号台風の関係につきましては、前の諸先生からお話のあった激甚災害の指定について、来週中には、先ほど御報告申し上げましたような点につきましては指定するというわけであります。 先生のおっしゃっておる災害は、八月災害かと存じます。八月災害の点につきましては、壽原委員からの御質問あるいは中川委員からの御質問につきましてお答えをいたしたような次第でございまするが、ただいまいろいろと問題点があるわけでございます。問題点はどういう点にあるかと申しますと、先生も御承知のごとくに、激甚災害の指定につきましては、昭和三十七年十二月の中央防災会議で決定いたしました指定基準というものがございます。そしてその指定基準は、立法趣旨に基づきまして、解釈もほぼ統一されておりますが、一つの災害ということになり、一つの災害について一定基準額の被害が生じた場合に指定をするということに相なっておるわけでございます。その一つの災害という場合に、気象条件などが非常に大きな問題になってくるわけでございます。けれども、二つの気象条件が同一地区に同時にあらわれてくる、あるいは期間が接近してあらわれてくる場合におきましては、気象条件が違いましても、現実におきまして一つの災害として見ていいんじゃないかというような点が出てくるわけです。八月の災害につきましては、気象条件におきましては、一つの気象条件とは見られない点が多くございますし、気象庁もそういう御見解を持っております。でございまするけれども、現実の被害をこうむっておられる地域あるいは被害をこうむっておられる方々におきましては、気象条件が単一でないからといって、被害は単一に見るべきものであるというような点でございまして、いま御趣旨に沿うように、八月の台風並びに集中豪雨も全部が激甚災害指定の基準に達するならば、ひとつこれは指定したほうがいいというような見解も強く出ておりまして、壽原委員の御質問の中にもありましたが、これは一つの解釈というよりも、政治的な決断力というものにかかってまいります。そしてもう政治的な決断をするという段階でございます。その政治的決断に対しましては、大蔵省も、金のことでございますので、いろいろと御見解もある。先ほど大蔵政務次官もお答えになっておられましたが、大蔵大臣ただいま不在でございますので、帰り次第直ちに御相談しまして大蔵省のほうの態度を決定するというわけでございます。政府のほうとしましては、いま先生のおっしゃるような方向へ向かって一刻も早く激甚災害の指定ができ得るように努力しておるということに相なっておりますが、現行法上のいろいろな点もございますので、ただいまの段階としましては、前向きで検討中というふうに申し上げておきたい、こう思うわけでございます。
○森田委員 いまの御答弁の内容にもありますように、立法というものはどうしても片寄り、ある一面だけを規定していて、総合的な見解というものは案外おろそかになるおそれがあることは、もう御存じのとおりであります。われわれとしては、あれだけ大きい災害を受けてまだ激甚災害法が適用されないならば、一体何に適用する法律なのか、こういうふうに言いたいところなのであります。しかし、十分御検討を願いまして、ぜひ地元の要望が達成せられますようひとつお願い申し上げます。 そこで、平川の問題なんでございますが、これはもうたいへんなことだと思うのです。六ヵ年計画で、そして洪水がこないように工事を進めた、そのやり方を見てみますと、なかなか徹底しているのであります。いまここに郷里の新聞があります。ちょっと読んでみると、こう書いてあるのです。「平川の治水事業は三十五年から災害復旧助成事業(三十五年八月水害)として着手され、六ヵ年計画六億六千四百万円の事業費で平川支川の三ツ目内川、折紙川、虹貝川、不動川、相沢川も対象に川底を掘り下げることにしていた。しかし三十六年、川の中にある建て物十四軒の移転整理」をいたしまして、結局三千八百メートルの護岸工事を施して、その上に高さ八十センチのパラペット――私にはよくわからないのですが、ここに 「鉄筋コンクリートの胸壁」と書いてあります。これを積み上げることに計画変更いたしまして、そうしてこれを改修して、事務所を撤去したのがことしの四月なんです。それが今度の災害で全部こわれてしまった。一体これはどういうようなことかと私は思うのだ。六億数千万の金と六ヵ年の日月を要してやったのが、完工したというので事務所を撤去して四ヵ月か幾らでこれが全部こわれてしまう、しかもこれは大洪水の惨害をこうむった、こういうことならば、私は、一体この川の性格というものを建設省は十分見抜いてそれでおやりになったのかどうかということに根本的な疑いを持たせられるのです。この点に対して一体どんな見解をお持ちになるのか、これは技術のほうの問題でありましょうから、ひとつお答えを願いたい。
○古賀説明員 今回八月の豪雨で平川がたいへんな災害を受けました。これは先ほど申し上げたとおり、大鰐の周辺における災害助成事業であります。それは対象雨量は百三十八ミリでやっております。今回の豪雨を見てみますと、日雨量は二百ミリ、連続雨量にして四百ミリ近く降っております。したがいまして、これで計算いたしますと、約五割増し程度の雨量だった。青森県の岩木川につきましては、そのような大きな雨は経験的になかったわけであります。したがいまして、従来の河川改修計画というものは、大体において最高の日雨量とかあるいは四時間雨量とか、そういった雨量をとりまして計画するわけでございますが、それ以上の雨が降ったということになるわけです。最近集中豪雨というものをいろいろとって日雨量を調べてみますと、相当量ふえております。この平川地区に降った雨もそういうことでございます。これらにつきまして新しく計画を練り直さなければいかぬという段階にきているのではないかとわれわれは考えております。 それで、私も現地に行ってまいりましたけれども、なるほど、溢水しまして家屋の浸水等がありました。しかし、パラペットのところは、一部こわれたところがございましたけれども、全部が全部こわれているということではないのでございまして、特に大鰐の上の碇ヶ関というところで川の中にプールをつくってある、それが障害になって、その突き当たりのところの旅館が四、五軒こわれている。プールは従来なかったそうでございますが、そういった実情もあるようでございます。この辺、河川管理上の問題とも関連してくるかと思いますけれども、いずれにしても対象雨量が非常に大きかったということは、謙虚に私は考え直さなくちゃいかぬのではないかと思います。まあ全体的な治水計画の検討と関連しますので、とりあえずはこれらにつきましては調査を進めております。たとえば上流に防災ダムをつくれないかということ、それから下流の河道拡幅でいったほうがいいのか、あるいは放水路をつくったほうがいいのか、いろいろなことを検討して、もうおっつけ青森県から煮詰まった見解が出てくるだろうと私は思います。それらを十分検討した上で処理したい、こういうふうに考えます。
○森田委員 御答弁でございますが、県のほうにまかして云々というような問題ではないように実は私は思うのです。建設省の河川局でもっと専門的な研究をしてもらわなくては、またこれと似たようなことが起こるのではないか。 そこで、この河川の歴史をちょっとあなたに申し上げて御見解を聞きたい。 大正九年の八月に百七十二ミリの降雨があって大被害を受けた。それから昭和十年の八月二十一日から二十四日までのあれで四百三十九ミリの雨量があって、これが空前の大水害を与えている。「死者行くえ不明二十五、負傷者九十二、家屋浸水床上八千百九十五、床下九千八百二十九、全壊流失百三十三、半壊百七十五に達したが、うち平川上流の大鰐町は全町濁流にのまれ死者十八、行くえ不明二、青柳橋、中の橋、月見橋、夏沢橋、虹貝橋が流失した。」三十年六月二十二日にやはり洪水の被害を受けて、浸水一千戸になっております。三十三年八月十二日にまた大鰐で床上浸水千五十戸になっております。それから二年たって三十五年の八月二、三日に、これもまた集中豪雨によりまして、「大鰐町、碇ヶ関村の被害が大きく五十一戸流失、床上浸水千三百十戸、損害八億三千三百万円。」こうあるわけであります。三十八年にまたやっている。七月二十五日、流失家屋八、床上浸水六百七十六、損害二億二千四百万円、こういうようなことがあるばかりではなく、今度は鉄道の鉄橋までだめになっちゃって、そして長い間汽車が通ることができなかった。それから本線のほうは浅虫のあれで全然とまったというので、青森は全く陸上の孤島みたいなかっこうになってしまった。五能線がいいだろうといって五能線を回すようにしていたら、これもまた土砂崩壊でだめになったということで、今度はえらい被害を受けているわけなんです。 今度のこの水の出方などを見ておりますと、町民などはまるきり知らないでいるところへ突然その水が上がったというので、非常に困った現象が起こっている。 そこで、古い記録によって見ますと、こう書いてあるのです。これはぜひ御参考にしていただきたい。「弘化元年(一八四四)七月八-十日碇ヶ関川(平川)に“不思議なる”突然の出水があって大鰐村は全村流失、残った家は神官の家ばかり。対岸の蔵館村も三分の一が流失、死者四十九、けが人数知れず、馬二百頭水死、家屋流失百四、家屋倒壊百七十四、橋の流失百十、道路決壊七十八、田畑埋没二百二十五ヘクタールなど。」これは津軽歴代記類巻之五に出ているものを新聞に載せていた。 これで見ますと、今度ちょうどそのふしぎなる水が出たというのが共通しているのです。だから、普通の調査でおやりになったのでは、またこれと似たようなことが起こるのじゃないかと私は思うのです。こういう点等をよくお考えくださって、ぜひ何か別なものを考えてもらいたい。実際、大鰐町などというところは温泉街ですから、どうしたってそこから押されて川幅が狭くなるわけです。それを上のほうから一斉にやってくるものでありますから、あそこが洪水にならないのがふしぎなくらいだと私は思う。それゆえにこれは抜本的にお考えくださって、どこか別なところへもう一本分水するような計画などはどういうものだろう。これは私のしろうとの見方でありますが、一つの考え方であります。 それともう一つは、これはどう考えても防災ダムが必要じゃないか。この惨害の原因となっているのを見ると、山の上の整列している木が崩壊してそのまま川の中へ流れてきたので、それが橋などにたまって、先ほど田邉委員からお話があったように、一つの小さいダムをつくったようなかっこうになったというのが問題らしいのです。 そういう点等を考えますと、これはどうも旧来から歴史的にこれだけの惨害がひんぱんに起こっている。あなた方が自信を持って六ヵ年計画でやったものが、四ヵ月たった間に全くこわされてしまったということでは、建設省の面目にもかかわることでもあるし、それから、土木技術の科学的な進歩が非常に顕著だといわれているときにこういうことが起こるということは、私らとしてはどうも残念なことだと思うのです。そこで、新しく大体どういうようなことをお考えになっておるか、これはまだ確定していないのだろうと思いますけれども、しかし大体の方向について局長の御答弁を願いたい。
○古賀説明員 先ほど申し上げましたとおりに、今回の豪雨は、われわれの計画した豪雨よりも相当大きかったわけであります。したがいまして、それらの対策といたしましては、いろいろ方法があるわけでございますが、いま森田先生がおっしゃったように、上流に防災ダムをつくるという問題が一つあります。これにつきましては、地質的な問題とか、いろいろな問題を調べなくてはいけない。これは青森県にお願いして調査いたしております。航空写真その他を準備していま検討しておるわけであります。ただ、私はこの前現地に行きまして、地質が悪いから、洪水とか材木を一時調節するような穴あきダムをつくったらどうかということを指導しておきました。 それから、もしもそのダムができなければどうするかという問題でございますが、碇ヶ関のところは今回の流出量大体七百トンから八百トンと推定されますが、このくらいの水はのめるような方法はできる。若干の家をのけていただかなければいけません。それは大体地元の町長とも話しまして、のけることについて異存がない。もちろん、川のまん中にあるプールなんかは全然のけていただかないと困るわけでありまして、これは強く町長に申したわけでございます。 それから、碇ヶ関の下の平川のところをどうするかという問題があると思うのです。もしもダムができなければ、そこに七百トンの水がくるわけです。その場合に、トンネル案と放水路案と二つある。片一方の山のほうをトンネルで抜く案、あるいは片一方の平地のところを鉄道の下を通るとか、いろいろありますが、温泉地帯でもありますし、河床を下げれば私は一番いいんじゃないかと思いますけれども、河床を下げると温泉の湧出に関係が出てくるだろうと想定されます。したがいまして、河床をむやみに下げるわけにはいかない。そこで、放水路といっても、新しく用地買収をやらなければいけないので早急にできないといりことで、いまいろいろ検討している段階でございます。そこで、とりあえずわれわれとしましては碇ヶ関の分は処理できるとしましても、大鰐の部分につきましてはパラペットの若干のかさ上げをやって、暫定的に一応計画が固まるまで処理しなければいけない。計画ができましてもそう簡単にできないわけでございます。したがいまして、その間を処置するためにいまのパラペットのかさ上げをやっておきたいというふうに考えております。私らは決して県にまかせるという考えはありません。岩木川は御承知のとおり一級河川でございます。われわれは計画に全責任を持っているわけでございます。私は、この前視察に行ったときも、そういう計画の指導並びに今後の施行方針について打ち合わせに行ったわけでありまして、決しておろそかにしているわけではございません。御了解願いたいと思います。
○森田委員 これは大きな政治問題だと思います。そこで、いまの御答弁にもございますが、建設省としては、もっと近代的な技術陣営を動員してぜひ新しい計画をお立てになって、再びこういうことの起こらないようにしてもらいたい、こう思いますから、政務次官からひとつ御答弁願います。
○澁谷説明員 ただいま御質問にもございましたし、また河川局長の答弁の中にもあったわけでございますが、確かに、最近の集中豪雨等のあとを振り返ってみますと、従来河川局なりで想定しておった雨量をはるかに上回った雨量が、しかも集中的に降っておる、こういう事例が非常に多いわけでございます。したがいまして、先ほどの御質問にもございましたが、ある意味では新しい事態がここにあらわれてきておる、このように考える時期にきておるのではないかと考えます。したがいまして、建設省といたしましては、御承知のように現在河川五ヵ年計画が進行中でございますが、このような事態に対処するためには、この現行の五ヵ年計画ではとうてい不十分でございますので、来年度はこれの繰り上げ実施をいたしまして、そして新しい五ヵ年計画を策定いたしましてこの新しい事態に十分対処する体制を整備する必要がある、このように考えておる次第でございます。先生の御質問に全く同感でございまして、そういったような事態に十分対処できるように私ども力を尽くしてまいりたいと考えております。
○森田委員 ぜひひとつそういうふうにお願いいたしたい。 次の問題に入ります。 旧来、台風がくると大体風水害がつきものだということで、これにはずいぶん注目いたしております。また、高潮がくるんじゃないかということでも注目をいたしておって、相当行政庁としても御用心なすっておいでのようでございましたが、どういうものか、近ごろ、ただいまの政務次官の御意見にもありましたとおり、集中豪雨というものがわれわれの考えていたものをさらにオーバーするようなかっこうで出てくる。したがって、がけくずれのようなもの、あるいは山津波のようなものが頻発しているというのが現状だと思う。どういうものか、風水害や高潮のほうへは非常に注意が向くが、がけくずれや山津波に対しては少し手薄じゃないか、こんなふうな感を国民の一人として持つのですが、この点についてはどんなふうにお考えになっておいでになりますか。
○古賀説明員 がけくずれの災害は未知の災害に属するわけでございます。台風四号におきましても相当がけくずれができましたし、それから集中豪雨等によりましても各所にがけくずれが起きて、とうとい人命が損傷いたしております。特に、新しく宅地造成されるところは宅地造成規制法等によってやられますけれども、従来から古い家のあったところ、この家ががけの下にあるというようなところにおいてがけくずれが生じております。それから山津波等につきましては、最近、たとえば九州からずっと北海道まで起きているわけでございまして、球磨川の上流の川辺川のところ、あるいは西谷の上流、あるいは背中合わせの木曽川の上流の徳山地点、各所に起きております。そして家が流され、あるいはとうとい人命が失われておりまして、これらの対策につきましては、われわれもいままで危険地帯というものをいろいろ考えながら五ヵ年計画を練ってきまして、それの施行順位に従ってやっていったわけでございますけれども、従来の経験にかんがみまして、地理的にあるいは地形的に問題があるところにつきましては早急に調査しまして、災害の危険地といったものを早く探し出すということで、ことし調査いたしたいと思っております。そういうことによりまして、そういうところにつきましては予防砂防というようなものを実施していきまして、さらに、なかなか予算的に処理できない場合には、避難体制の確立とか、いろいろな問題につきましては、関係各省と打ち合わせまして具体的にやっていきたいというふうにただいま考えております。
○森田委員 そこで、いまのがけくずれ、山津波などが起こる危険性のある場所、そういうようなものは、大体日本全体をしさいに検討してみると、何ヵ所かに限定されるであろうと思うのです。そういうようなものを、ここが危険だぞというようなことを前もって研究して事前に手を打つということをやるのが私は将来必要だと思う。それには相当科学技術陣営を動員する、そしてそれを検討する、と同時に、これは事が起こると、すぐ自衛隊がどう、あるいは消防隊がどうというようなことになるわけでありますから、専門的な早期診断といいますか、それは技術の専門家がやっていいでしょうが、常に消防などと連絡しておって、そして危険が起こりそうだという危険性のあることをすみやかにそこの住民に告知する、この方法を早くとるのでなければ、今回の山梨県や静岡県で起こったような惨状を起こすことは将来だって私はあり得ると思う。そういう点から、やはりこれは何としても地元の消防というものと十分連携をとる必要がある。こういうものについては、一体どんなふうにお考えになっておいでになるのか、あるいはまた、消防庁の方きょうお見えでしたら、そういうようなことについて一体どんな注意を払っておいでになるのか、それをひとつ御答弁をお願いいたしたい。
○川合説明員 御指摘の点、私どもも全く痛感をいたしておりまして、実は一昨日でございましたか、建設省のほうからも連絡がありまして、この問題について私どもと相携えて力を尽くしていく。もちろん、技術的にはこれは建設省等の基本的ないろいろな調査もございますけれども、何せ、御指摘になりましたように、最近は日本全国各所でもって非常にこういう山くずれ、地すべり等の事態が起きまして、そうした場合に、いわゆる現場診断と申しますか、人命に関連しました避難の問題と関連して現場診断、こういうものをやりますには、私ども百四十万の消防吏団員がおるわけであります。それらに対して技術講習もやりまして、そしてさようなことを進めるべきではないかと痛感をいたしております。実は、御承知のように、水につきましては私ども消防関係はずっと長い歴史を持ってパトロールをやっております。それからまた、こういうがけくずれにつきましても、たとえば横浜、これは正直に言ってああいう土地柄に住んでおりますので、数年このがけくずれの調査を、雨量等の関係で三段階に危険地域を分けましてパトロールして診断をやっております。ことしの六月の雨で大小まぜまして横浜市内で五百ぐらいのがけくずれがございましたが、このうち三分の一は前から見立てておったものでございます。まだ不十分でございますけれども、しかし相当努力を横浜等ではやっております。これは全国的にこういうことを消防関係としてもやるべきではないか、そして昨今の現象に対処すべきではないか。建設省等ともいろいろ連絡いたしまして、かつ、そういう点の見立て方の技術等もよく講習等をいたしまして、さような点について努力をいたしたい、かように考えております。
○森田委員 何か新しい科学的な設備等もできておるやに聞いておりますので、これらの点につきましては十分ひとつ御留意くださって、設備等を十分整えて危険防止の一助にしてもらいたい、こういう希望を申し上げておきます。 次に、北海道の問題でちょっとお伺いいたしたいのですが、この間、私、農林水産常任委員として視察に行ってきて一番考えさせられたのは、稲作の問題です。農林省としては稲作の耐冷品種をつくろうというのでありますが、大体地域的に考えて稲作の限界点というものを北海道では一体どんなふうに考えておるのか、これについて農林省の指導方針をひとつ承っておきたいと思います。
○原説明員 ただいま森田先生から御質問がございました北海道水稲の本年の冷害に関連した品種改良の問題でございますが、御承知のように、品種改良の結果非常に北日本の稲作が急速に安定してまいりましたことは、先生の御郷里の青森県をはじめといたしまして、私ら非常に喜んでおる次第でございます。北海道に関しましては、三十九年、四十年、本年と非常に異常な気象状態に遭遇いたしまして、気象庁長官もいらしゃいますけれども、たいへん変わった年が続いたわけでございます。したがいまして、ここ三年間の状況をもちまして、現在の品種が適当であるのかどうか、あるいは限界地であるかどうかという点等につきまして、早急に判断をするということはなかなかむずかしい。それからもう一点といたしましては、御承知のように、同じ地域におきましても、先生ごらんのように、人によりまして、また、たんぼによりまして非常にできが違う。冷害は天然の災害ではございますけれども、あわせて人為をもっていろいろにそれが変わってまいるということもございまするので、先生御質問の、限界地かどうかということにつきましては、今後われわれといたしましても十分に研究はいたしますけれども、そういった基準、判定ということはなかなかむずかしい問題ではなかろうかというふうにいま考えておるわけでございます。 なお、品種改良につきましては、その効果が特に北日本においては顕著でございますので、北海道に関しましては、去る三十九、四十年の経験に基づきまして、四十一年からは上川の試験場にさらに国の助成をもちまして品種改良の拠点をつくって、ただいま鋭意研究を拡充しているという段階でございます。
○森田委員 大体そういう御見解でございましょう。私が行って調べてみますと、大体明治二十一、二年ごろ屯田兵が行って、そのころは、北海道は稲作は全然やってはいけないという政令までつくって、そうして稲作をする者は厳罰に処すというようなことまでやったという歴史があるようであります。それが農民諸君の意欲によってここまで進んできた。それに農林当局の新品種創成の問題等も一致して、今日ほとんど北見あたりまでこれが伸びているというような形になっているのでありまして、私はこれはひとえに科学的な研究の結果、だと考えまして、心強く考えてまいったのであります。 〔委員長退席、山口(丈)委員長代理着席〕 この間上川の支所へ行って設備を見たのですが、あの設備では、学者が幾ら努力してみても、相当の年期を入れないと結果が出てこないような設備になっておる。私は、非常に素朴的な試験設備だとしか考えられない。あれでは、ただ経験の累積からくる結果が出るという、だけでありまして、ほんとうの意味の科学的な試験をやっているとは考えられない。せっかくりっぱな学者などをあそこへ入れておって、設備が不十分だということでは、私は国のためにも非常な損だと実は考えているのです。 北海道はわれわれ東北のほうと共通なものがございます。過般藤坂の試験場では農林当局のお考えによって新しい設備が設けられて、地元としては非常に感謝いたしているわけでありますが、北海道はわれわれのほうとはまた別な一つの傾向あるいは条件があるようであります。したがいまして、私は、上川の支所に対しても、藤坂に類似したような、北海道独自の新品種創成の試験場を設ける必要があるのではないかという考えを持って帰ってきたのですが、これに対して農林当局は何か御施策なりあるいは予算要求等があるのでございましょうか、この点を承っておきたい。
○原説明員 ただいま森田先生から御指摘がございました品種改良の設備あるいは研究施設の関係でございますが、御指摘のとおり、設備の充実が非常に重要でございます。と同時に、私ら考えますのは、やはり品種改良あるいは栽培法の改善が非常に的確な効果を発揮いたしますためには、北日本全体といいましょうか、あるいは関係地域の試験場がそれぞれ分担をし協力をしてまいることが同時に必要だろうと存じます。その観点からいたしますと、その第一着手といたしまして、ただいま国立北海道農業試験場が月寒に移転の途中でございますが、人工気象室をすでにつくり上げておるわけでございます。まず私らの対応のいたしかたとしましては、国立の拠点におきまして人工的に科学的に冷害の検定あるいは研究をできる装置からやってまいりたいということで、すでに着手完成をいたしたのであります。 なお、現場におきます上川の設備につきましても、何らか設備拡充をいたしたいということで、目下来年度予算等におきましてもできるだけ努力をいたしたいという所存でございます。
○森田委員 それはぜひひとつやっていただきたいと思うのでありますが、もう一つ北海道の畑作の問題、これもどうもいま大豆の問題が基準価格の問題などですぐひっかかってきますし、輸入関係、自由化の問題とどう一体関連性を持つか等で相当な問題だと思う。そこで、行って見ますと、やはり冷害にかかっている実情等を見てまいりました。しかし、御存じのとおり、北海道は稲作にも限界がありますし、そうすれば畑作に依存するよりほかしかたがない。畑作だけではなかなか農業者として立っていけないというような問題が出てくる。そういう点等から考えて、私は、やはり大豆なりあるいはビートなり、その他サヤエンドウなり、そういうようなものを品種改良する意味の試験場が北海道独自の立場から一つ必要ではないか、こういうふうに考えてまいったのですが、これらに対する御見解はどうなんですか。
○原説明員 畑作物に関しまする品種改良でございますが、御説のとおり、やはり水稲に次いで非常に重要な問題でございます。国といたしましては、北海道の道立の試験場と協力をいたしまして、大豆、豆類等につきましては、十勝にございます国立並びに道立試験場で、あるいは今回四十一年度からは北海道の中央農業試験場におきましても、大豆の品種改良に現に着手いたしておる次第でございまして、大いに努力をいたしてできるだけ早い機会に成果をあげてまいりたい、かように思います。 なお、てん菜につきましては、御承知のように、北海道には特殊法人日本てん菜振興会の研究所がございまして、すでに若干の成績をあげておることは、御案内のとおりでございます。
○森田委員 そこで結論に入りたいのでありますが、北海道全体を通観して見てまいりますと、これはどうもどこになるかわかりませんけれども、農業というものの限界を一線を画さなければならないのではないかと思われる節がある。そこで、これは地元の希望等もあって、冒険したいという人もいるでありましょうから、そう画一的に行政権で云々するわけにもまいりますまいが、しかし、何かしら限界があるのだ、そういう点等から考えますと、やはり畑作にもあまり向かない、それから稲作はむろんだめだというような地点があるように思いますので、これは十分科学的な検討を遂げた上に、指導の方向としては、これらの危険な農業をやっている方々を思い切ってひとつ酪農に転換させるか、あるいは肉牛などの方面に転換させるような指導方針を立てて、ひとつ大がかりな酪農奨励をやったらどんなものだろうという、私のべっ見からきた私案でございますが、この点に対して農林省はどんなお考えを持っておいでになるか、伺っておきます。
○檜垣説明員 北海道の作目の将来の選択の方向、また、それに対する指導の方向についての御質問でございますが、先生の御指摘にもございましたように、北海道は特異な気象条件あるいは特異な土壌を持った地域でございますので、総体的に安定的な農業経営ということに相なりますと、酪農あるいは肉牛生産ということに相なるかと思うのでございまして、農林省といたしましても、昨年全国的な酪農振興のための六ヵ年計画を立てたのでございますが、北海道については、わが国で最も要重な、かつ最も重点的な酪農振興地域としての計画を示しておるのでございます。また、道自体といたしましても、道の開発計画の上で、酪農の振興を重要な施策の一環として考えておるということでございます。そのために、国といたしましても、酪農生産基盤でございます草地の改良造成の事業について、北海道につきましては内地以上の補助率を取りきめてございます。また、生乳の価格対策といたしましても、本年四月から実施されました加工原料乳の不足払い制度というものによって、乳製品価格の価格変動にもかかわらず、加工原料乳については生産費を補償するという制度を立てておるのでございまして、私どもは、それらの諸制度の整備、また、今後国及び道の指導の方向を明確にすることによって、北海道は、わが国で最も安定的といいますか、重要な酪農地帯化するであろうというふうに考えておるのでございます。
○森田委員 そこでもう一つ、私の私見を申し上げて御意見をお伺いしたい。 それは、北海道へ行ってみて農家の経営ぶりを見ますと、何かしら、はっきりした確信があるのかどうか――畑作のことをいま聞いているのですが、ちょっと疑わしいような感を持って帰ってきた。これはやはり営農試験場というようなものを設けて、――つまり畑作の総合営農ですが、営農試験場というものを設けて、指導者に全責任を持ってもらって、その結果がよくて、農民がそれを学習するというかっこうで指導する必要があるように考える。ずいぶん脱落してどんどん出ていく農民等もいるのでございますから、農林省はもう少しそういう方面の指導をする必要があるんじゃないか。かつてわれわれの地方にも営農試験場がありましたが、あれは昭和二十七年かにマッカーサーの指令か何かで廃止になりました。ところが、実際問題として、この営農ほどめんどうなものはない。営農がうまくいったら農家が立っていくことはあたりまえなんだ。ところが、農林省は営農指導ができないのじゃないか、こういうことなんです。何か責任を回避するようなかっこうだ。それはそうでしょう。役人が行って営農試験場長になって、そこで何人かの人を使って具体的な営農をやるということになりますと、結果がすぐ出てきますから、その結果が、さっぱりだめじゃないか、こう言われたのでは、これは役人としてもいろいろ面目もあるしというようなことなどがある程度考えられているのじゃあるまいか。しかし、農林省がほんとうに将来の北海道の畑作を指導していこうというのならば、何も役人でなくたっていいのですから、練達たんのうの、実験を経た、指導者になり得る人が何人も、選べばいるはずでありますから、そういう人を選んで、北海道の営農というものを幾つかのグループに分けて、こういう条件のところではこういう営農をやれ、こういう条件のところではこんな方式でというふうな、三つなり四つなりの営農のやり方を考えて、その結果が非常に優秀なんだ、したがってこの方法でやってくださいというような指導方針を立てる時代がもうきているのではないか。あのまま放置しておいたら、北海道の畑作なんというものは滅亡に瀕するときがくるとまで私は考えてきた。開拓民などの間からどんどん脱落していっているでしょう。これは営農指導が足りないからだと私は考える。そういう点から、営農試験場というものを設けて、ただ役人が学問の上で、まだ、実験の経験を持たないような人などが行ったのではしようがありませんから、もう少し実際的な指導者を選んでそういう試験などをやってみせるということが必要だと私は考えてきた。そういう気がまえがありませんでしょうか、それをひとつ伺っておきたい。
○檜垣説明員 農林省の農業指導の根幹をなしておりますものは、御承知のとおり農業改良普及事業でございます。普及事業は、内容としては農業に関する知識及び技術の普及ということに相なっておりまして、総合的な経営指導という点につきましては、御指摘のように、十分行なわれておるとは言い切れないのでございます。これはいろいろ見解が分かれるところでございますが、行政機構によって営農指導をするということにつきましては、その結果、つまり経済的結果というものについてなかなか責任を負い切れないという問題があるわけでございます。それがややわれわれを憶病にいたしておるわけでありますが、経営自身の研究につきましては、国立農業試験場にそれぞれ経営部というものも設けまして、経営諸要素の分析あるいは組み合わせというものを研究いたしておるわけでございます。最近私どもも、新しい農業経営のタイプについては、国の試験研究あるいは改良普及事業だけでは十分ではないのじゃないかという点を感じまして、畜産につきましては畜産コンサルタント制度というもので、農業団体による民間技術者あるいは学識経験者というものを糾合いたしました総合指導の方法をとりまして、経営の診断ないし処方せんを書き、それをアフターケアしていくというやり方を試みておるわけでございます。これを畑作の面まで広げていきますのには、なお私どもも内部的に準備を要する点がございますので、いま御指摘の点は、私どもも、農政指導上の一つの欠けた点ではなかろうか、また、今後その点を補正していき充実していく必要のある部門であろうというふうに考えておりますので、いましばらく私どもも検討の時間をいただきたいというふうに考えます。 〔山口(丈)委員長代理退席、委員長着席〕
○森田委員 あと一つで終わりますが、私は、日本の農業界全体を通じて見まして、試験場がどうも軽視されているように考えられてならない。もうここまでまいりますと、合理化ということよりほかにしかたがない。合理化というのは、科学的な管理あるいは科学的実験に基づいていかなければならないのでありますから、ただ意欲的な農民としての信念だけではもう間に合わない段階にきているように私は思う。したがって、農林省はもっと試験場を重視すべきだ。予算の取り方なども非常に少な過ぎるという感を私は持つのです。これは御存じのとおり政治問題としてはきわめて重要な価値を持っているのだけれども、必ずしもその試験場にいる方々は試験場を大事にしてくださいなどとは言えないようないまの政治のたてまえになっている。ここに私は非常に大きい問題があると思う。それでは日本の農業というものは非常な時代おくれになる。とにかく、農業生産品が自由化されて以来ほとんどだめでしょう。大豆のごときも耕作面積がどんどん減っているし、なたねのごときも、昭和三十一年度の耕作面積と昨年の耕作面積を比べると三分の一に減っている。そういうようなわけでございまして、これは何としても私は試験研究というもので――むろん、それ一つだけでいいというのではありませんが、まずその第一番目に着眼すべきものは試験場の重視だ、そうして、そこからあがった効果を農民のほうに回して成績をあげるようにせなければならないものだと考えて、きょうは、営農試験場の問題、上川の試験場に冷害対策の新品種創成の実験場を設けてもらいたいというようなことを申し上げたわけであります。特に北海道の畑作の品種改良の問題などもきわめて重要な問題であるが、何としても設備が不十分だ。いまのようなかっこうでは、時間だけかかる。先ほど申し上げましたとおり、ただ一年に一ぺんの結果を累積して、その上から大体の方向をきめるというような方法なんですが、私は、そういうところに日本の農業の一つの大きい問題があるように思う。しかし、これはおそらくは、農林当局にお願い申し上げましても、われわれも同じ考えを持っているのだけれども、予算がなかなか出ないので遠慮しているという答弁になるだろうと思うのです。幸い、農村問題には非常に理解のある大蔵政務次官がきょうここにおいでになっておりますから、農林当局からいまのような予算要求が出たときに、あなたは削るような方向に賛成してもらっては困ると私は思うから、その点について、あなたのほうからむしろ農林当局を激励して予算をどんどん通せるような形に持っていかなければいかぬもののように私は考えますので、政務次官の御見解をお伺いいたしたいと思います。
○小沢説明員 北海道の冷害、風水害、こういう現地をごらんいただきまして、災害関係の対策についていろいろお考えいただくと同時に、それを契機にして北海道の農業というものを将来一体どうすべきかということをいろいろと御勘案いただきまして、なお、それに関連し、日本の農業全体の試験研究――というよりも、総合的な営農の面で合理的な指導を加えつつ日本の農業の発展をはかるべきだという、先生の、私どもの大先輩の御高見をいまいろいろ承っておりまして、非常に私も勉強になったわけでございます。 農林関係の試験場の予算につきましては、実は昭和四十一年度の関係では、私、先ほど聞きましたところ、いろいろなものを合わせまして百五億円の研究費が計上されている。たしか農林試験研究の整備費が約八十五億、林野庁、水産庁それぞれ十億というようなことで、合計百五億というふうに聞いております。これは他の官庁の試験研究施設の整備費と比較いたしまして必ずしも実は少ないわけではございません。しかしながら、先生おっしゃいますように日本の農業というものの将来を考えますと、これでは十分でないことは、先生の御指摘のとおりでございまして、私どもは、やはり先生おっしゃるような根本的な、しかも総合的な営農という面からする指導というものを、よく農林省の意見も聞きまして、予算編成にあたりましてはできるだけ先生の御趣旨に沿うように私も努力したいと思います。ただ、御承知と思いますが、なかなか試験研究費にはスポンサーが少ないのでございまして、先生のような御熱意のある方が、私率直に言いまして実は少ないように思うのでございます。私どももできるだけ努力はいたしますが、今後とも党内にありましてもまた御協力を賜われば、たいへんありがたいと思います。
○森田委員 以上で私の質問を終わります。たいへん明快な御答弁を受けて満足いたしました。どうかすぐ実行に移していただきたいと思います。
○日野委員長 たいへん御苦労さんでした。 次は、亀岡高夫君。
○亀岡委員 だいぶ時間も過ぎましたので、ごく簡単に要点だけお聞きしますので、答弁のほうも要点をひとつお願いいたします。重複を避けまして御質問いたしますので、ごく簡単に、イエスかノーかというような答弁をお願いしたいと思います。 実はことしの春から非常に異常天候で一般に稲作は非常におくれておったところへ、八月、九月の初めと天候が回復して、これならもうだいじょうぶと思っておったところへ、二十六号台風がやってまいったわけです。ちょうど時期別格差適用期間の第一期ということで農家も張り込んでいたところへ、九月二十五日の台風ということで冠水したりあるいは流されたりで、非常に売り渡しがおくれておるわけです。そこでこの二十六号台風が致命的に稲作地帯の売り渡しに影響したというところから、二期、三期の時期別格差適用期間を延長されるおつもりがあるかどうか、農林省当局にお伺いいたしたい。
○檜垣説明員 本年度の稲作につきましては、天候の不順ないし災害の関係で地域によりまして脱穀調製等の遅延を来たし、あるいは供出がおくれておるという事実があるわけでございます。先般、第一期の早期供出奨励金の支払い期限につきましては、災害による遅延と認められます栃木県及び新潟県について二日間の延期をいたしたのでございます。その後、遅延をいたしております各県から、二期、三期の期限延長の要請、陳情があるわけでございますが、私ども、現段階におきましては、食糧庁といたしまして、全国的な米穀の需給操作上の必要性の観点、それから通常年に比較いたしまして当該県の供出実績がどういう事情になっておるかということの対比、それから供出遅延の原因が不可避なものであるかどうかというような観点を総合的に検討いたしまして、各県の具体的事情に応じて措置をいたしたいというふうに考えておるのでございます。
○亀岡委員 十二分に検討をして対処したいという御答弁でありますが、東北地方は、去年の実績から比べますと、第一期の売り渡し量が半分以下になっておると聞いております。したがって、二期、三期も相当影響するのじゃないか。特に今度の災害で農業の施設災害、農道、林道あるいはこれに伴う橋梁が非常に数多く流失いたしておりまして、こういう面も、米の収穫に非常な遅延条件をなしておるわけでございます。こういう点も考慮されまして、災害で収入が減り、また、せっかくの政府の時期別格差の適用というような特別措置を講じてあるわけでありますので、こういう線がほんとうに生産農家に行き渡るような気持ちでひとつ今後進めていただきたいと思う次第でございます。 それから、農林省についてはあとはいままでの質問でほとんど尽きておりますので、次に消防庁にお伺いしたいと思います。 今回の二十四号、二十六号の台風を見ておりますと、自衛隊あるいは警察、消防団の活躍はまことに目ざましいものがあるわけでございまして、この点ほんとうに敬意を表するわけでございますが、特に私感じましたことは、自衛隊、警察官――警察官も一人か殉職が出ておるようでありますが、消防団員の殉職が非常に多いということ、これにはいろいろ理由があろうと思います。警察官は非常に人員が少ない。自衛隊は、どちらかというと、知事なり市長から緊急出動の要請があったあとに出かけていくというような立場から、ほんとうにひどいまっただ中に身をさらして防災に献身するというのが消防団員であろう。したがって自然犠牲も多くなるのじゃないか、こんなふうに私考えておるわけでありますが、それにいたしましても、いろいろ現場の事情を聞いてみますと、やはり日ごろの訓練、教育というような面において遺憾なく行なわれているのであろうかどうかという点に疑念を持たざるを得ないわけであります。やはり夜道を消防自動車で飛ばしていく、そういう場合にはどういう注意をしなければならぬぞというようなことをふだん教育しておけば、あるいは避けられたのじゃないかと思われるような節もあるわけでございます。したがって消防庁として、火災に対する消防団員の教育は非常に徹底しているようでありますが、水防という面においてのいわゆる一般消防団員、自治体消防団員に対する教育、指導というような面をどういうふうにやっておられるか、また、そのための予算措置等はどんなふうになっておるか、ひとつ御説明を願いたいと思います。
○川合説明員 御指摘のとおり、私どもの関係、消防の吏団員の関係の殉職者は、平均いたしまして年間約四十名でございまして、今回の二十四号、二十六号でも多数の殉職者を出した次第でございます。御指摘のように、日ごろの訓練と申しますか、技術指導あるいは装備という点につきまして、心はいたしておりますものの、なお足らざるところは多々あるのではないか。私ども殉職の報を受けますたびに、その精神力というものは非常に必要とは思いますが、また同時にさような点にも心をいたさなければならないと思っております。今後とも、さような技術の練摩の点におきまして、また装備の点につきまして、私ども努力をいたしたい、かように思います。
○亀岡委員 いざ集中豪雨だ、水害だということになりますと、一番先に飛び出して応急対策に身を挺するのは消防団員でございます。しかもこれがほとんど自治体消防ということになるわけでありますが、この自治体消防のただいま言われたような教育、訓練をやっていくための経費は、窮迫しておる地方自治体にとっては、やりたくともなかなかできないという情勢にあることは私ども実は承知をいたしておるわけでございます。そこで、いつも私遺憾に思いますことは、地方交付税の中で消防行政費というものが非常に実態にそぐわないような取り扱いを受けておるという点があるわけでございまして、こういう点を是正してまいることも、私は殉職された消防の方々に対するわれわれのつとめじゃないかとさえ考えるわけでございます。この点、自治省も、また消防庁も、そういう崇高な使命を持って仕事に挺身しております消防団員の実態をよく把握されて、経費が少ないために犠牲者が出るというようなことのないような強力なる指導をお願いしたいと同時に、殉職された消防団員の家族の方々に対する措置も制度的にはできておるようでございますが、これもほんとうにスズメの涙というような状況でございますので、こういう点についても消防庁はどういうふうに今後持っていかれようとしておるのか、お伺いをしたいわけであります。
○川合説明員 消防の地方交付税の問題につきましては、御注意をよく体しまして、今後努力を重ねていく所存でございます。 殉職消防団員の遺族に対します問題は、現在は、今年度から遺族年金制度を創設いたしまして、たとえば従来の平均値で計算しますと、年間十四万円-いろいろな種別がございますが、十四万円というような数字でございます。なお、賞じゅつ金といたしましては、国から出しておりますのは百万円、七十五円、五十万円という三種類に分かれております。私ども消防団の性格、本質からいたしまして、義勇奉公の精神をかたく維持していく、その反面、さような殉職せられましたときには、さらに今後遺族の補償と申しますか、それに報いる方途についてもっと努力をいたしたい、かように思います。
○亀岡委員 あと一つで終わりますが、午前中以来、最近の災害は形が変わってきたという森総務長官のお話もございましたし、また森田委員からは、ふしぎな水が出てくるというような表現で最近の災害の様相を御指摘になったわけでありますが、法律の上におきましては、国土調査法という法律がありまして、この法律の第一条で、午前中以来非常に疑問を投げられたような問題は政府は当然やっておらなければならないはずでございます。したがいまして、この問題について少し突っ込んでお聞きしてみたいと思う次第でございます。 今回非常にとうとい人命を瞬間になくした山津波、がけくずれ等を出した山梨県の足和田村、芦川村、上九一色村というのですか、それから静岡県の梅ケ島村、この四ヵ村、これは国土調査法に基づく調査がなされておったかどうか、まずそれをお聞きしたい。
○牧野説明員 いまおっしゃいました災害の地点につきまして、足和田村につきまして、三十二年から三十九年までで一応計画を終わりまして国土調査は終わっております。ただ、国土調査といいましても、実施いたしましたのは地籍調査だけでございます。御承知のとおり、国土調査には土地分類調査などもございますけれども、終わりましたのは地籍調査だけでございます。その他の調査につきましては実施されておりません。
○亀岡委員 地籍の調査だけ……。ところが、国土調査法には、国土の開発、保全、利用の高度化等をはかっていくために土地の利用状況、これは地籍調査の面になるわけですね。それから土性、土壌の物理的及び化学的性質、それから浸食の状況、その他、自然的要素を十二分に調査しなさい、こういうふうに立法化してあるわけでございます。もしもこの足和田村で、地籍調査をされたので、地籍調査と同時にこういう調査が進められておったとしたならば、あるいは今回のような災害の起きる要因というようなものがわかっていたかもしれない、こう思えるわけですね。国会がこういう仕事をしなければならぬぞといってもうすでに十七、八年前に法律にきちっときめてあるにもかかわらず、どうしてこういう調査が行なわれておらないのか、その理由をひとつ聞かしてもらいたい。
○牧野説明員 御質問の点につきましてお答えいたします。 お話のとおり、国土調査には、地籍調査のほかに、おっしゃられますような土地の自然条件を調べることがきめられております。 実施の過去のことをちょっと振り返ってみますと、言われましたとおり、二十六年に国土調査法が制定されまして、そういう国土の実態を調べるという方針で法律が制定されまして、それから三年間実施されたのでございます。されましたうち、地籍調査のほう――地籍と申しますと、土地の物理的とか化学的とかそういう自然条件は入りません。土地の台帳と申しますか、土地の籍、地籍の問題であります。そちらのほうは比較的進んだのでございますけれども、あとのほうにつきましては、実施方法その他につきましてサンプル調査程度しか行なわれなかったのでございます。それで、昭和三十七年になりまして、これではいけないということから、国土調査促進特別措置法というものが制定を見まして、三十八年度から、国土調査十ヵ年計画というもので、全国の緊急を要するところについて地籍調査並びに土地分類調査、いま言われました土地の自然条件を調査するということの十ヵ年計画を定めて、緊急を要するところから実施しろという促進法ができまして、それに基づきまして十ヵ年計画が三十八年にできまして、それから実施してまいっておるのでございます。現在までの進捗といたしまして、それまでの十ヵ年になされたよりももっと早い進度で現在実施中でございます。 なお、数字的に申し上げますと、資料を見ずに申し上げて端数が間違っているかもしれませんが、十ヵ年計画ができます前にできました地籍調査が、七千四百方キロでございます。三十八年度に十ヵ年計画ができましてから、四十一年度、ことしの分も含めましてやる分は、九千四百方キロでございます。国土調査十ヵ年計画できめられました地籍調査は、四万二千方キロでございます。したがいまして、十ヵ年計画ができましてから現在までに進捗は約二二%ということで、過去に比べてまだ進んでおるのでございますけれども、全体の四万二千方キロ、なお国土全体から見ますと、国土は約三十七万方キロでございますから、〇・一二%程度にしかならない。まだわずかでございますけれども、前から見れば進んでおります。ただし、これでもまだ十分でありません。したがって、企画庁におきましても重要政策ということに取り上げられまして、年々これを実施するようになっております。ただ、土地分類につきまして、先ほどおっしゃいました土地の自然条件調査、これにつきましてでありますけれども、この調査の内容には基本調査と細部調査がございまして、基本調査というのは、全国土を実施するわけにはまいらないものですから、十ヵ年計画で全国の一万六千方キロをやれということできめられまして、それに基づきまして現在大体予定どおり進めております。それから問題の細部調査でございますけれども、これのほうは、三十七年までに実施されましたが、十数方キロしかできていないのであります。十ヵ年計画ができまして、四十年度になりましてやっと、補助事業ということで四十年度から取り上げられまして、去年からことしにかけまして鋭意急速に伸ばすべくやっております。したがいまして進捗率は非常に少のうございますけれども、着手しまして、伸び率は大きくなるように現在企画庁としても取り上げてやっておりまして、大蔵省と交渉中でございます。 進捗につきましては、いま申し上げましたように、過去やれなかったものを、三十八年から十ヵ年計画で取り上げられて、それに従って現在実施中でございます。今後も伸ばすつもりであります。ただ、その中で、この間の災害で御不幸のあった町村について、地籍調査のほうがやられまして、細部調査のほうは実施されませんでした。これにつきまして、四十年度からかかったばかりでございまして、ほかの緊急を要する地区ということで実施しておりまして、そこにもその地区が入っておらなかったということで、今後実施に際しまして、県並びに町村にもっと緊急を要する地点の考え方を指導したいと思います。ただ地籍しかできなかったということは事実でございます。
○亀岡委員 いま十ヵ年計画で国土調査を急速に進めたいということで、さらに強力な法律をつくっておやりになっていただいておるわけですが、その十ヵ年計画のうちの、いわゆる国土調査法に基づく国土の開発と保全という面と、それから利用の高度化、この三つの面がございますね、そのうちで、国土の保全という面にはその十ヵ年計画の中で何方キロくらいの計画を持たれておるのか、この三つの部門の大体の割合をひとつ聞かしていただきたい。
○牧野説明員 いま土地保全だけ取り上げられましたけれども、先ほど来申しております地籍調査と違います土地分類調査、この中に、土地保全あるいは利用の高度化あるいは土壌の調査――調査項目がたくさんございますが、それがいま申し上げました土地分類というものに入っておるわけでございます。その土地分類の中の調査項目準則にたくさんきめております、あるいは地すべりとか、冠水とか、過去にできた土地の成因とか、そういうものを全部調べておるのでございますが、いま土地分類調査をしておると申しました面積は、全部それも含めてやっておるわけでございます。
○亀岡委員 そうした場合に、先ほど森田委員からも、また各委員からも、いわゆる山はだの調査というような面が非常に強く指摘されたわけでございますが、そういう調査対象の町村をきめていく場合には、町村から申し出のあったところをやっていくわけですか、それとも、各省とも緊密な連絡の上に、どの地帯がこれはどうしても調査が必要である、急速に防災上あるいは国土保全上必要であるというようなところを上からきめていくのか、その点ひとつ明快にお答えいただきたい。
○牧野説明員 先ほどちょっと申しましたように、調査には基本調査と細部調査とありまして、基本調査は全額国の予算で実施しております。これをどこの地区を実施するかということにつきましては、各省、並びに審議会の中に専門委員というのがありまして、先生方におはかりして、どこの地区をやるということできめて実施しております。 それから、一筆ごとの土地条件を調べます細部調査が問題であるように先生おっしゃっておられると思いますが、そちらのほうにつきましては、あくまでも町村営で実施するというたてまえでありまして、町村のほうから県知事に申請が出まして、知事が申請を受けまして、それからこちらのほうへ承認を求めてくる。それで法律の内容には、変更した場合とか、変更を承認した場合とか、いろいろ細部につきましてはございますけれども、大綱はそういう筋になっております。
○亀岡委員 大体こういう災害、非常に大きな山くずれとか山津波とかが起きる地帯は、いわゆる僻村といわれておる地区が多いわけですね。先ほど来のお話にもあったように、起きた災害を復旧する余裕もない、非常に町村財政の貧困な地帯が多いわけです。そういうところに町村の負担で細部調査をやれということは、企画庁として現実に仕事を進められた経験から見て、それで妥当だとお思いになっておりますか、あるいは、法律改正をしなければならぬとお考えになっておりますか、その点をはっきり聞かしていただきたい。
○牧野説明員 いまおっしゃられました面につきましては、非常にむずかしい問題もあろうかと思います。ただ、漸進的に、土地分類調査の細部調査が進まなかったものを、四十年度から補助事業に取り上げられて、それを全額町村の金でやったわけです。そして県には指導費も事務費も補助費が一部いっておったわけです。四十年度から補助事業に取り上げられまして、一応、定額ではありますけれども、約三分の二に相当する金額を補助金として流しております。そしてその自治体は、町村が自分の手で、お百姓さんが自分の手で指導員の指導を得てやっておるという体制を整えております。まあ限度はあろうかと思いますけれども、われわれとしましては、他に比べて相当な高率の補助ではあろうというふうに思っております。 それから、申し忘れましたけれども、先ほど申しました基本調査につきまして――基本調査というものは、山地、耕地全部含めて、参謀本部から発行されている五万分の一の図面についてやっておるわけでございます。これは過去の資料並びに現地について調査をいたしております。そういう調査には、もちろん各省の意向も全部含めてやっておりますが、そういう地すべりとか何とかという点についても調べております。
○亀岡委員 いま五万分の一の地図で基本調査を進められておるということは、これは非常に問題があると私は思う。地籍調査はたしか千分の一でやっておられますね。大体五万分の一の地図くらいあてにならぬ地図はないといわれているほどなんです。というのは、山林面積にしても、林野庁で調べた面積と、それから自治省の土地台帳で調べた面積との間に五百万ヘクタールの差がある、こういうふういわれているわけですね。それほど差がある。したがって、近代国家といわれている日本が、国土の現状と国土の実態と地籍――山は山としての籍があるはずですね。そういう事態がわかっておらない。それで、それをわからせようということで、すべての開発面においても、あるいは土地の利用の面においても、あるいはいろいろ道路をつくったりダムをつくったりする面においても、この国土調査ができてないために日本が財政上いかにむだをしておるかというような点を考えて終戦直後この国土調査法ができたことは、私が申し上げるまでもないわけです。その大事な部門を担当しておる経済企画庁が、戦後二十年間、ほんとうにすみっこのほうで片手間にこの大事な仕事をこそこそとやっておる。予算の上から見ると、四兆六千億円の予算の中でほんとうに耳かきでほじくるぐらいの予算でこつこつとやっておるというところに私は大きな問題があろうと思うわけです。したがって、先ほど来、知らない間にふしぎな水が出てくるとか、あるいは災害の形が変わってきたとかというようなことの一番大きな原因は、私は、日本の国土の実態というものを、学者も、また行政庁も、またわれわれ政治家も、ほんとうにすみからすみまでつかむだけの資料が整えられてないというところに非常に大きな問題があるだろうと思います。したがって、今度の台風なんかでも七百億もの損害を出しておるという点から見ますと、この国土調査というものはもうほんとうに力を入れて速急につくり上げなければいかぬと思うわけです。かつて日本が朝鮮あるいは台湾、満州等に進出した経緯があるわけでありますけれども、あのときは、まっ先に地籍、それから国土調査というようなものを行なったわけですね。ところが、日本の場合には、どういうかげんか、肝心のいわゆる国土調査、地籍調査というものが戦前に行なわれておらなかったという点が、国土の開発の面においても、利用の面においても、あるいは保全の面においても非常におくれてきた大きな原因だろうと思うわけです。こういう点、思わざるところに大きな人命を損傷するような災害が今後も予想されないとは限らぬわけでありますので、そういう観点から、企画庁はひとつふんどしを締め直して遠慮せずにこの国土調査という面を進めていただきたい。しかもその際には、開発利用という面も重要でありますけれども、保全の緊急を要する地区というようなものについては、もうおそらく専門家が見れば大体見当がつくんだろうと思うので、そういう点にはひとつ重点的にしかも優先的に調査を進めていただいて、もう二度と貴重な人命が山津波やあるいはがけくずれによって失われるようなことのないような基礎データをしっかりとっくり上げてもらいたいということを希望して、私の質問を終わります。
○日野委員長 本日は、長時間熱心に審議され、御協力賜わったことに感謝申し上げます。 これにて散会いたします。 午後五時三十六分散会 ――――◇―――――