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52回国会衆議院1966/09/12

建設委員会 第3号

発言数
40
登壇者
8
会派数
2
開催日
1966/09/12

会議録

田村元自由民主党

○田村委員長 これより会議を開きます。  建設行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、建設大臣に就任されました橋本登美三郎君から発言を求められておりますので、これを許します。橋本建設大臣。

橋本登美三郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○橋本国務大臣 このたび、内閣改造に際しまして建設大臣を拝命いたしましたが、何といたしましても私はその方面は全くのしろうとであります。この前しばらくやりましたけれども、勉強する期間なくしてかわったものでありますから、しろうとと申し上げてあえて謙遜ではなく、そのとおりでありまして、皆さんのような専門家にはいろいろ教えを請わなければならぬと思っております。日ごろ建設委員の皆さんには建設行政に対して非常な御高配をいただいて、つつがなく建設行政が歴代ともに進められてまいりましたのも皆さんの御協力のおかげでありまして、心から御礼を申し上げる次第であります。どうか今後私の建設行政につきましても、ぜひひとつ御協力と御支援あらんことを心からお願い申し上げまして、ごあいさつにかえる次第であります。  なお、この機会に、まだ未熟なものではありますが、建設行政に対する私の所信を一応申し上げて、御協力かつまた御批判をいただきたいと考えております。  私は、建設行政の使命は、農村地域と都市地域の均衡ある開発に留意しつつ、道路、河川、住宅、下水道、公園等の公共施設の整備拡充を中心とする総合的な施策を推進することにより、産業経済及び国民生活の基礎をつちかい、もって豊かな住みよい国土を建設することにあると考えますが、これは、政府の最重点政策であるところの社会開発の中核をなすものでありまして、その責務の重大さを痛感する次第であります。  このような使命を達成するためには、産業活動及び国民生活の今後予想される著しい変化に対応し、長期的展望のもとに諸施策を推進する必要がありますので、先般、今後の所管行政の指針として、国土建設の長期構想についての試案を取りまとめた次第であります。  すなわち、およそ二十年後には、わが国の国民総生産は約百四十兆円に達し、一人当たり国民所得は現在の西欧水準をこえるものと考えられ、この間に産業構造は急速に高度化し、全国を通じて都市化が進行するものと推定されますが、このような都市化の進展と地域間交流の増大に適切に対処するためには、都市化に伴う地域発展の趨勢を正しく評価し、そのエネルギーを計画的に誘導し、秩序づけながら国土全体の効率的な開発をはかる必要がありますので、大都市地域にあっては過密の弊害を避けつつ国民経済及び国際経済に占める高次の役割りを十分に発揮させ、地方中枢都市その他地方都市においても都市化のエネルギーを分担させて積極的に発展をはかるとともに、特に地方の住民の福祉を確保することを重視することといたしまして、農村地域においては、農村関連都市を充実させるとともに、農業の近代化を促進するため、日常生活及び産業の基礎的条件を整備する必要があると考えるのであります。  また、経済活動の広域化を促進し、地方の産業活動を効率化するため、地域間の交通条件を改善して、住民の生活及び産業の諸活動の機会を増大させ、国土全体の利用度の向上をはからなければならないと考える次第であります。  このような長期的構想に基づいて今後施策を進めていく所存でありますが、以下当面の施策につきまして申し述べます。  住宅は、国民生活の基礎でありますので、住宅事情を改善し、国民の要望にこたえることは、政府に課せられた重大な使命であると考えております。  御承知のように、政府は、さきの通常国会で成立いたしました住宅建設計画法に基づいて、先般住宅建設五ヵ年計画を閣議決定いたしましたが、今後この計画に基づく住宅建設を積極的に推進するため、公的資金による住宅の供給の着実な実施を期するとともに、民間自力による住宅の建設を積極的に促進し、あわせて質の向上をはかる所存であります。  すなわち、公的資金による住宅につきましては、低所得者に対する公営住宅並びに都市勤労者に対する公庫融資の賃貸住宅及び公団賃貸住宅の建設の拡充をはかるとともに、スラム地区の解消のための住宅地区改良事業の推進に努力いたす所存であります。  また、持ち家の取得を促進するため、住宅金融公庫の個人住宅融資、公庫、公団の分譲住宅等の拡充をはかりたいと存じますが、特に農山漁村における住生活の近代化をはかるため農山漁村向けの住宅融資を増大していく考えであります。  国土の総合的な開発と均衡ある発展をはかるためには、道路の整備が緊要であり、その推進につとめているところでありますが、高速自動車国道につきましては、さきの通常国会において成立いたしました国土開発幹線自動車道建設法において定められました予定路線のうち、東北縦貫自動車道外五道については、すでに整備計画を決定し、日本道路公団に施行命令を発し、事業の促進をはかっておる次第であります。  さらに、道路交通需要の量的拡大と質的変化の趨勢に対処し、輸送能力の画期的拡大をはかり、もって国土の有効利用、流通の合理化及び交通難の解消等国民の生活環境の改善に寄与するため、この際現行の道路整備五ヵ年計画を根本的に改定して、新たに昭和四十二年度を初年度とする道路整備五ヵ年計画を策定したいと考えております。  この計画におきましては、産業基盤施設としての高速自動車国道、一般国道及び都道府県道の整備を促進するとともに、流通改善のための道路、地域住民の日常生活に密接な関係のある市町村道につきましても十分配意する所存であります。  申すまでもなく治水は国政の基礎であり、民生の安定をはかり、国民経済の繁栄の基盤を確立するためには、災害のない国土の建設が必要であります。  最近における激甚な災害の発生と、河川の流域における人口、資産等の急増に対処するため、特に中小河川に重点を置いて、治水事業を積極的に実施するとともに、災害復旧事業の早期完成、水防体制の整備、河川管理の強化等について所要の措置を講ずる所存であります。  また、増大する水需要に応じ、水資源の積極的な開発をはかるとともに、広域的な水利調査を推進し、国土開発の前提となる水資源開発の長期計画を策定するなど、河川行政各般にわたり積極的な施策を講ずる所存であります。  近年における地価の高騰が、公共投資の効率を低下させ、国民生活の安定と国民経済の発展をはかる上で重大な障害になっていることにかんがみ、地価の高騰を抑制し、その安定をはかるための諸施策を強力に推進する所存であります。  このため、住宅金融公庫の宅地造成融資の拡充、土地区画整理による宅地開発の推進等公的な宅地供給の推進をはかるとともに、民間による宅地開発の助成措置の強化を行なう所存でありますが、さらに、公共施設の整備された良好な宅地の開発と既成市街地の環境整備及び高度利用を強力に行なうため、新たに公的機関の体制の整備をはかりたい考えでおります。  また、これらの施策をより効果あらしめるためには、土地収用法の改正、土地についての税制の改正などの総合的な施策を強力に推進する必要のあることは申すまでもないことと存じますので、これらのすみやかな実現を期待いたしておる次第であります。  産業構造の高度化に伴う人口及び産業の都市への集中は必然の趨勢であり、都市対策は現在及び将来における重要な課題であると考えます。  都市問題を解決するための基本的方策として、土地利用計画の確立をはかり、必要な規制を強力に行なうための法制の整備を行なう所存であり、特に既成市街地の土地利用の合理化及び都市機能の増進をはかるため、広域かつ総合的な都市再開発事業を充実するための制度を検討いたしたいと考えております。  また、立ちおくれの著しい下水道の整備を促進し、都市の生活環境の改善をはかるため、新たに昭和四十二年度を初年度とする第二次下水道整備五ヵ年計画を策定いたしたい所存であり、あわせて、緑地を確保し、児童の遊び場を整備し、青少年の体力の向上に資するため、児童公園、運動公園及び河川敷緑地等の整備を促進する所存であります。  なお、大気汚染、水質汚濁、地盤沈下等の公害の発生の著しい都市につきましては、公害防除のための都市計画を策定して、具体的な公害対策を推進する所存であります。  以上、建設行政に関する当面の施策の概要について申し述べましたが、豊かな住みよい国土を建設するために微力を傾ける所存でありますので、委員各位におかれましても、よろしく御支援、御協力あらんことをお願い申し上げます。(拍手)

田村元自由民主党

○田村委員長 次に、建設政務次官に就任されました澁谷直藏君から発言を求められておりますので、これを許します。澁谷建設政務次官。

澁谷直藏自由民主党建設政務次官

○渋谷説明員 今回建設政務次官を拝命いたしました澁谷直藏でございます。  現下きわめて重大な使命を持ちます建設行政の推進のために真剣に努力を傾けてまいりたいと考えております。委員各位の格段の御指導、御協力をお願い申し上げる次第であります。(拍手)     ―――――――――――――

田村元自由民主党

○田村委員長 質疑の通告かありますので、これを許します。岡本隆一君。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 ただいま大臣から建設行政をこれから進められるにあたっての基本的な考え方を承ったのでございます。道路、地価対策あるいは都市問題といろいろ承りましたが、大臣がこの中で一番重点的に自分はこの大臣の期間に何をやり遂げたい、この問題と一番真剣に取り組んでいきたいというふうな一番大きな大黒柱と申しますか、そういったようなものを何かお持ちであろうと思うのであります。いま承りました範囲の中では平板的な感じを受けるように思うのでございますが、特にこの問題はやりたいというふうな点をひとつ御披瀝願いたいと存ずるのでございます。

橋本登美三郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○橋本国務大臣 たいへん御質問が重要であるといえば重要でありますけれども、私も建設大臣を拝命した以上は何かやっぱりこの期間にやりたい仕事はありますが、ただ、御承知のように、建設関係は、住宅問題を取り上げましても道路問題をあげましても、どれもこれも最重点のものだけである。しかしながら、そうは言いましても、建設大臣個人としては何に関心を持っておるか、こういうようなお気持ちであろうと思います。もちろん予算は各方面にわたって多くちょうだいするよりに御協力願わなくちゃなりませんが、何といっても、衣食住と従来言われておりますけれども、その中で衣食は足りたとは申しませんけれどもいいかげんのところまで国民の努力によって進んでおるように考えます。結局衣食住のうちで足らざるものは住であろう。これは極端に足りない。各国の例から考えましても、また現実にわれわれ足元を見ましても住は足りない。そういう意味でひとつ住の問題はまず最重点の一つであろうと思う。もう一つは、御承知のように、そうは言いましても、産業基盤の育成というものがやはりこれからの国民生活の向上のためには国としての重要な施策であります。したがって道路を思い切って拡充する。これもまた重大施策の柱の一つである。こう考えますと、幾つも柱が出てまいりまして恐縮でありますが、同時に、また、天災を少なからしむるための河川行政、こういうところにやっぱり重点が置かれなければならぬ、かように考えております。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 ということになると、どれもこれも大事、こういうことになってくると思うのでございますが、たとえば前の瀬戸山さんはいわゆる瀬戸山構想なるものを発表されました。そしてとにかく自分の大臣をやっている間に何とか地価の問題に目鼻をつけたい、こういう非常な意気込みで地価問題に取り組まれました。瀬戸山構想は十分には実らなかったと思うのです。しかし、私は十分な成果をあげることはできなかったとしても、瀬戸山さんがこれと取り組まれた意気、それからまたこれに取り組まれた情熱、これはみごとなもりだったと思うのです。そういう意味では、私は瀬戸山さん一年の間に、なるほど十分な成果はめげることはできなかったが、しかしそれに対して残されたところの、まかれた種は大きかったと思うのです。そういう意味では、私は瀬戸山建設大臣の一年間というものは決して無意義なものではない、大きな足跡を残しておるように思うのであります。したがって、私はこの瀬戸山構想がこれからどう実っていくかということに重要な関心を持っておる。私は大臣にお願いしたいのですが、前の大臣のやったことのしりぬぐいなんておれはいやだ、こういうふうな考え方に立たないで、せっかく瀬戸山さんが日本の建設行政の方向として、とにかく地価の安定が何より大事だ――いま大臣がおっしゃいました三本の柱、住宅にいたしましてもいまは住宅問題じゃないのです。住宅は土地問題なんです。また道路にいたしましても、幾ら道路予算をつけましても、ほとんどが用地費にとられてしまって、事業費に回るものは幾らにもならないというふうに、地価問題は道路問題、道路行政の中にもものすごく深く食い込んでいるわけです。また河川の問題にいたしましても同様であって、いろいろな水害の防御のための堤防の強化にいたしましても、用地買収がついて回ります。あるいはまたダムの施設をつくるにもやはり用地の問題がついてくる。そしてそのために膨大な用地費を食われるために事業がなかなか伸びないというふうに、地価問題はいまの日本の建設行政の中のガンであるともいえると私は思うのです。だからこの問題を取り除かない限り、私は円満なる、円滑なる建設行政の発展はない、こういうふうにも考えます。だからいま一番私は建設省としてまた建設大臣として真剣に取り組んでいただかなければならないのは地価対策である、こういうふうに思いますし、またこのことは、これはひとり瀬戸山さんが取り組まれたというふうなことではなくて、建設省としても一つの基本的な方針として瀬戸山さんの時代に一歩踏み出したのだ、こういう理解の上に立っております。そういう理解の上に立って、大臣もこの問題を真剣に取り上げて推し進めていただきたいと思うのでございますが、それについての大臣の御所信を承りたいと思うのです。

橋本登美三郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○橋本国務大臣 岡本さんのおっしゃるとおりであります。私が特に宅地問題を言わなかったのは、土地問題を言わなかったのは、あえて土地問題を軽視しておるわけではありません。瀬戸山前大臣が土地問題について閣僚協議会を設置したいということについて、私も心から賛同して、閣僚協議会を設置して、土地収用法の一部改正その他の税法関係を私が幹事として処理をいたした経験もありますので、もちろん土地問題は非常に重要問題であり、全般の前提ともなるべきものである、かように考えております。したがって、この問題につきましては皆さんにもたいへんお世話なっております土地収用法の一部改正あるいは、大蔵委員会でありますが、それに伴うところの税制改正等を今後とも強力に進めてまいりたいと考えております。  ただ、私、地価問題はいろいろな観点から、前大臣のごとく土地は商品にあらずという哲学的な考え方、これを私は考え方としてはそのとおりであると思いますが、ただしかし、現実には商品として使われており、これをどう規制するかという問題であろうと思います。御承知のように、たとえばこれはまあ国が大きい、小さいという問題もあろうし、いろいろな条件もありますが、ニューヨークのブロードウェーの一角が日本の東京の銀座の一坪に対して大体十分の一である、あるいはニューヨークの郊外もしくはロサンゼルスの郊外が東京の郊外の十分の一もしくは十五分の一、なぜこういうふうな、同じ資本主義の国と比べ価格がこんなにも違いがあるのか、これにはいろいろな事情がございます。先ほど申しましたような、日本では土地が狭いということも大きな原因でありましょう。同町にもう一つは、やはり土地の造成といいますか、その考え方において日本はおくれておったのではないか。土地の造成に先行するものは道路であります。たとえばニューヨークでもロサンゼルスでもそうでありますが、少なくとも六車線もしくは八車線というものが五十キロ、百キロと突っ走っておる。したがっていわゆる距離感が土地価格をある程度押えております。そういう点が、日本の場合、従来の区画の問題といいましょうか、地方公共団体の制度の関係もあって、その間における調整が非常にむずかしかった。そういういろいろな点がぶつかって、かような奇形的な地価の問題が出てきておる。これは当然今後大きな観点から地価対策というものを考えていかなければならぬ。もちろん法制上からも皆さんの御協力を得て改正すると同時に、宅地もしくは土地を造成するということ、これを思い切って、やることによって、土地の平均化を生も出していく、こういうことも一つの方法であろうと思いますが、岡本委員のおっしゃるとおり、私も前大臣の既定方針、大きな方針を十分に堅持して、最善の努力を尽くしたい、かように考えております。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 大臣の御説明は、わりあいに河野さんの考え方に似ていると思います。河野さんの時代には、地価対策は、道路をつくればいいのだ、道路をつくって、利用できるような土地をどんどん提供すれば地価は下がるのだ、こういうふうな考え方で進められておったと思うのです。しかしながら、地価の高騰の原因というものは、そんなことだけではなかな解決ついないと思うのです。一つのなにとしては、なるほどいまのところ道路をどんどんつくりましても、公共投資をして道路をつくれば、そこのところはどんどん買い占められて、そこのところがどんどん上がってくる。そこで便利になればなるだけ、その内容はもうそれだけ土地の所有者にどんどん吸い上げられていく、これが現状です。一つには、日本は住宅が木造であり、非常に低層に横に広がりますから、だから勢い同じ住居をつくるにいたしましても、非常にたくさんの土地がものすごく平板に広がっていくということ、そこにも一つの原因があると思うのです。しかし同時にまた、そういうことで地価が上がるものだから、思惑買いをやるというふうに、土地が投機の対象になっているということもあると思う。大きな理由としてはそれらの点があげられると思うのでございますが、その一つ一つ全部に手を打たなければ道路だけ幾らつくったって私は無理だと思うのです。だからそういう意味においては、やはり従来から瀬戸山さんがせっかく着手されたいろいろな地価対策、そしてまた衆議院でもその地価対策として院議をもって早くきちんとした地価抑制施策をやれということを決議いたしましたが、そういうふうな方針にのっとった地価対策というものを強力に進めていかなければならないと私は思う。そこで、そういふ地価対策を進めていただく第一の方法といたしましては、もちろん土地収用法の改正案は前会審議未了になりまして、これには全面的な努力をしていただかなければならぬと思うのでございますが、これは御承知のように修正されております。その修正によりましてせっかく建設省で立てられたねらいが少し効果を落としております。それにいたしましても土地収用法をどう処理していただけるか。前は大臣も官房長官として法律全般についての成立のためにいろいろお骨折りになりましたから、土地収用法がなぜ成立しなかったか、この点についてはよく御承知であろうと思うのです。これはやはり土地所有者あるいは不動産業者、そういった方面からの猛烈な抵抗が継続審査に追い込まれたという一つの大きな理由になっておると思うのでありますが、今度は一体この土地収用法をどのようにしていただけるか、修正されたままでお出しになるのか。衆議院はとにかく通ったのですが、もう一ぺんそのままの形でお出しになるのか。あるいは建設省としては最初の所信に基づいてもう一度原案でお出しになりますか、その辺について私はお考えを承りたいと思います。

橋本登美三郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○橋本国務大臣 いま岡本さんのお話でありますが、政府はいま法案を国会に出して参議院で継続審議になっております。したがってこれは国会でどういうふうにお扱いになるか。政府としてはもうすでに法案は提出済みでありまして、その処置は国会で御処理願いたい、かように思っております。その点御了承願います。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 そのとおり。私もちょっと錯覚しておりました。これは国会できめるよりしかたがないと思います。しかしそれについては政府のほうでも足らざるものを補う方法を何かしていただかなければならぬと思うのです。せっかく政府が出しておりながら、たとえばあの構想の中の租税特別措置法の中で、いわゆる公共施設によって出てくる起業利益を税として吸い上げていこうという土地増価税的なものを付加していこうという考え方がありましたが、もちろんそれは法律の成立後買収したものについてはそういうふうな措置が講じられるが、それ以前から持っているものについては土地増価税的なものはほとんどかからないというふうな形に変わってまいっておりますけれども、そういうふうな面についてはそれにかわる何らかの措置を講じられるお考えがありますか。

橋本登美三郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○橋本国務大臣 これは、御承知のように税関係は当委員会ではありませんで、大蔵委員会でやりますが、大蔵委員会では与野党共同で修正が行なわれまして、政府といたしましては必ずしも賛成ではないけれども、国会が満場一致で修正点をつくり上げて修正案ができたものでありますから、政府はこれを了承して衆議院を通過しておるわけであります。この修正された部分はいろいろの問題があろうと思います。しかし良識ある国会の府において各党共同で修正されたのでありますから、政府としてはこれは尊重してまいりたい、かように考えております。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 あの修正の経過は、きょうは時間がないですからあらためてまた次の機会に議論したいと思いますが、私はあまり良識ある修正の姿ではなかったと思うのです。だからそういう面においては今後何らかの形で、政府としてせっかく立てられた案がゆがめられたのであれば、やはりそれを補強していくような方針というものを考えていただく必要があるのではないか、こういうふうに思います。  それと同時に、あの中には土地利用区分の問題が出ておらなかった。ところが最近新聞に建設省の考え方として、都市周辺においては土地利用区分を確立していくのだ、こういうような考え方が方針として打ち出されてまいっております。これについては政府としてどういうふうな範囲において、どういうふうな地域において、どの程度の土地利用区分を考えておられるのか、その点について。また土地利用区分の問題はいままでずいぶんやろうとしてなかなかやれなかった。ところがいま政府はそれをやろうというふうな方針を打ち出し始めておられます。このことは瀬戸山さんがやりたくてやれなかった税制改正の問題、たとえば未利用地税、土地利用区分の方針の中にも出ておったと思いますが、未利用地に対するところの利用促進の税金あるいはまた土地の増価分に対するところの土地増価税の考え方、こんなものが地価対策として有効な役割りを果たすものであるにかかわらず、その一方の土地増価税も十分な成果をあげさせることができないで政府は腰くだけになっておるようです。だからそういうような面において、今度は建設大臣はいかなる決意を持ってこの重要な課題に取り組んでいただけるのか、そういう点を御披瀝願いたしと思います。

橋本登美三郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○橋本国務大臣 事務当局のほうで、いま申しました土地の未利用地区の活用の点については検討を加えておるようであります。しかし土地の種類にも非常にたくさんの区別がありまして、それだけに従来もたとえば空閑地税とかあるいは未利用地税というのを考えられておったようでありますが、ただ考え方としては、こういうものをいかにして活用するかということは十分検討しなければなりませんが、その点、事務当局のほうからその考え方――まだ具体案ができておるわけじゃありませんので、考え方について都市局長から説明をさせたいと思います。

竹内藤男建設事務官(都市局長)

○竹内説明員 ただいま宅地審議会の土地利用部会というので、都市地域の土地利用の区分あるいはそれに基づきます土地の開発につきましてのコントロールの問題というのを御審議いただいておりまして、専門委員会を開いていま原案をつくるべく作業中でございますが、その原案の原案ともいうべき試案というのをこの前専門委員会に出したわけでございます。したがいましてまだほんとうに検討の段階でございまして、これが専門委員会で検討されあるいは土地利用部会で検討され、さらに審議会で検討されまして、そして宅地審議会の答申になって出てまいると思います。その結果によりまして、われわれといたしましても慎重に検討した上で法案の作成に入りたい、こういうようなつもりであるわけでございます。ておりますのは、これもいろいろ議論がありまして、たとえば首都圏、近畿圏とか、新産、工特というような地域のみに限るのかあるいはその他の一般都市にも及ぼすのかというような点については、対象とする地域をどういうふうにするかというのをまだ検討中の段階でございます。  それから御指摘の利用区分をきめまして市街化すべき地域をきめましても、その地域がなかなか利用されないというような現実の事態もございますので、そういうものに対しまして利用を促進するためにこの間は未利用地税というような形を出しましたけれども、はたして税金でいくのがいいのかあるいは収用法というような手段でいくのがいいのか、そのほかいろいろな手法が考えられると思いますので、それらすべて検討中でございますので、まだその考え方を述べるという段階に立ち至っていないのじゃないかと思います。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 私も試案を見せていただきました。その試案によりますと、大体首都圏、近畿圏、中部圏というところが対象にされて、そういう地域について既成市街地、市街化地域、市街化調整地域、開発保留地域、保存地域、こういうふうにお分けになる。私も、この構想はなかなか緻密な考え方に立っておると思います。そしてまたそういう意味では、われわれが大まかに考えていたよりも、より一歩こまかい配慮が行なわれている、こういうふうには思います。  そこで私は大臣にお伺いしたいのですが、こういう試案が出ております以上、大臣も御相談に乗っておられると思うのですが、ほんとうにこれはやる気でこの試案と取り組んでおられるのか、あるいはそれは当然だとおっしゃるに違いないとは思うのでございますが、これは瀬戸山さんの瀬戸山構想――土地収用法を改正して、それを手がかりにしてこういうところへ入っていくという考え方だと思うのです。だから瀬戸山さんの瀬戸山構想を一歩進めた大きな地価対策だと私は思うのです。私はこれを非常に高く評価しております。だから、地価対策としてのいまの土地利用計画に対して、大臣はどういう気持ちで取り組んでいただいているか、瀬戸山さんのように、ほんとうにこれを実らすつもりで真剣にやっていただけるかどうか、大臣がこれにどれだけの関心を持っておられるか――こまかい点についてはきょうは議論する時間もございませんが、一応きょうは、この案に対してどう取り組むかという気がまえをここでお述べいただきたいと思います。

橋本登美三郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○橋本国務大臣 お話のごとく審議会でいろいろ検討を加えておるのみならず、首都圏整備委員会あるいは近畿圏整備委員会、中部圏整備委員会等で私からも指示をいたしまして、二十年後の首都圏はどうあるべきか、あるいは近畿圏はどうあるべきか、中部圏はどうあるべきか、その中でいわゆる管理センターとなるべき、たとえば首都圏でいえば旧東京、近畿圏でいえば旧大阪、あるいは中部圏でいえばいまの名古屋市、これは管理センターとしての役割りも十分にあると思います。それと圏内との関係、たとえば文教学園都市とか工場地帯の設定、どこにどう設定されることがいいのか、もちろんこれには基礎的にはそこに入るべき人口をどの程度まで想定するか、従来の推定人口から計算しますと、人口問題研究所の検討では、首都圏は三千五百万、それから三千七百万、四千百万という三つの案を出しております。また中部圏もしくは近畿圏でも同様人口問題研究所の想定では一応の人口が出ております。ただ問題は、従来の発展過程における人口の増大と、今後二十年間の全国の人口配分あるいは都市化の傾向、産業配分等から考えて、首都圏をどの程度で押えることが妥当であるか、こういう最終的な結論をまだ得ておりません。その人口の割合等から考え、これは水資源とかその他いろいろの事情がありますが、そういうものから総合的な判断をして、そこで押えられた人口をどこにどう配分するか、こういう計画が必要であります。その計画に基づいて、いわゆる土地の利用計画というものができてくる。その利用計画というものをどういう形で今度は地価問題と結びつけるか。おっしゃるように土地収用法の問題もありましょうし、あるいはもう少し都市計画法を改定しまして都市計画法の中でとらえるという方法もあろうと思います。いずれにせよ、できるだけ早い機会にこれらの点を究明しまして、できれば私は次の国会で、土地利用計画を含んだ意味での都市問題の解決の一端になるべき法案を用意いたしたいと考えておりますので、その際はまた御協力を得なければならぬと思っておりますが、どうぞよろしくお願いいたします。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 土地利用計画の策定にあたっては、農地法、都市計画法、土地区画整理法等、たくさんの法律に関連をしておりまして大作業であると思います。しかしながらその前に、やはり土地利用計画というものは、土地の所有権を大幅に制限するという大英断がなければやれない。だから、そういう意味においてはそういうことを前提とした土地利用計画に基づくところの大きな法体系が必要であると思うのです。またここに並べられておるような地域指定ということは利用規制なんです。だから、そういうことをやっていくのには、やっぱり相当大きな立法体系が私は必要であると思うのです。そういう意味においては、ほんとうに真剣にこの問題と取り組むためには各省との折衝がまたたいへんなことになってくると思うのです。だから、もしこの次の通常国会に出していただくとするならば、早急にそういうふうな作業に入っていただかなければならない。  ところが、いま都市局長のお話を聞いておりますと、試案であって検討段階だとか。そうすると、大臣の気魄と局長の作業段階との間に大きなズレがあると思うのです。しかしながら、私は別にそれがどうだとは申しません。大臣のお気持ちがぜひ次の通常国会にそれを出したいということであるなれば、私は局長を大いに督促して、試案の段階を早急に法律案の段階にまで作業を進めていただくようにお願いをいたしておきたいと思います。  先ほどの大臣の御所信の中で、住宅問題が一番おくれておる、これが一番大切だ、こういうことでございましたが、その住宅問題の解決のために、今度五ヵ年計画が閣議決定されました。その五ヵ年計画を見ますと、六百七十万戸、そのうち四百万戸は民間で建てさせる、二百七十万戸は政府施策でやるということでございます。そういたしますと、大体六〇%は民間自力建設、四〇%は政府施策住宅、こういうことになっております。そこで私は、この住宅建設の五ヵ年計画というものは、三十八年に発表されたところの住宅統計調査に基づいて策定されたものではないか、それを出発点としているのではないかと思うのです。政府は五年ごとに住宅統計調査をやっておられます。非常に膨大な統計調査で、そういう意味では、あの統計調査はなかなか敬服に値する大きな作業です。その統計調査の結果をきちんと施策の上に生かしていただかなければ、何ぼ統計をつくっていただいても無意味だと思います。  そこで私はお尋ねいたしたいと思いますが、昭和三十三年の統計調査と三十八年の統計調査との間には、大まかにいって大体どういうような相違点が出てきておりますか。

三橋信一建設事務官(住宅局長)

○三橋説明員 お答え申し上げます。  ただいまの三十三年度の統計調査と三十八年度の統計調査とにどういう相違があるかという点でございますが、まず世帯の数及び住宅難の世帯の数、これを申し上げますと、三十三年度におきましては全国て普通世帯の数は千八百十七万世帯ということになっておりました。これに対しまして住宅難世帯の数は二百二十六万世帯、住宅難率、つまり普通世帯に対します住宅難世帯数、これが  一二・五%ということになっておりました。それが三十八年度の統計におきましては、普通世帯数は二千百十一万世帯、住宅難世帯数は二百十二万世帯、住宅難率が一〇・一%ということになっております。  この住宅難世帯というのはどういうとり方をしたかという点が問題でございますけれども、この住宅統計調査におきましては、非住宅居住あるいは同居、老朽住宅居住、それから狭小過密居住、これは使用畳数が九畳未満で、かつ一人当たり二・五畳未満のものを狭小過密居住と申しております。これらの世帯に該当しますものを住宅難世帯というふうに申しております。これが大ざっぱに申しました住宅難世帯の状況でございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 住宅難世帯が減ったといういい面だけを出しておられますが、その統計調査を見ますと、まず第一に目につくことは持ち家の減少です。三十三年には七一・二%であった持ち家率が六四・三%に減っておる。したがってやはり貸し家に住んでいる人がそれだけ多いということですね。その民間貸し家が非常にふえてきておる。一八・六%であった民間貸し家が二四・一%にふえておる。それから公的な貸し家、これは公営住宅その他公団住宅も含まれると思うのですが、それが三・五%が四・六%、これは少しふえておりますが、大体横ばい状態。それから給与住宅も六・七%が七%になりまして横ばい状態。そういうようなところで一連の変化を見ていきますと、持ち家が減って貸し家率がふえておる、借家に住んでおる人かふえておる、しかも民間借家に住んでおる人がふえておるということがこの住宅統計調査の五ヵ年間の変化としてあらわれてきておるわけであります。だからこういうふうな現象というものはどこから出てきたかといえは、これはもう住宅建設費が非常に高くなってきて、ということは地価が上がってきたということですね。だから庶民の手には住宅建設というものがだんだんほど遠いものになっていく傾向があるということを示しておると思うのです。いま局長かお示しになりました数字の中にも、住宅難の率は一〇・一%に減りました、しかしながら住宅難世帯の狭小過密で困っておるという人たちは二百二十六万が二百十二万で、やはり相変わらず同じ程度に存在しておるということです。だから二百十二万の住宅難世帯というものに、さらに世帯分離によって住宅難というものがこれからどんどんふえてくるわけです。だからそういうふうな一連の情勢を見ておりますと、住宅難世帯というものは現在のような事情の中ではなかなか減っていかない。全国二百万という住宅難世帯というものをどう処理するつもりであるか、少なくも五ヵ年の間にはもっと住宅難世帯というものが減らなければならぬのが減っておらないという現状、こういうふうな状態に基づいて住宅建設五ヵ年計画というものが立てられなければならなかったのではないか。そういうことになってまいりますと、みずから住宅建設の力のない者には貸し家を提供しなければならない。ところがこの中にあるところの民間貸し家の状態というものを見ていきますと、これはもう統計を見なくても、ふとした感じでも大臣おわかりになると思うのです。民間の貸し家というものは二階建ての重層のアパートです。今日建っておる民間の貸し家というものはこれがほとんどです。二戸建ての貸し家というものはほとんどない。貸し家というものはほとんど全部といっていいほどアパートです。こういうふうなものがいまどんどん建ちつつあるということです。だから民間貸し家によってどうにかいまある程度はきびしい住宅難というものが緩和されつつあるというものの、しかしながら実質的にはそれが狭小過密住宅を再生産しているにすぎない。だからそういう点から今度の住宅建設五ヵ年計画というものは、公的な貸し家、特に公営住宅というものを軽視しておるという点で私はきわめて不満足なものであると思うのでありますが、大臣は、これは住宅建設五ヵ年計画をきめたところですぐそんな改定ということはうかうかおっしゃれないかもしれませんが、しかしながらそういう方向で進まなければならない。この住宅難を解決するためには公営住宅の建設以外にはないのだ、こういう点について大臣ははっきりそれを認識していただいているのかどうか、また今後そういう方向へ五ヵ年計画を改定していくというお気持ちを持っていただいておられるのかどうか、そういう点について大臣の御所信を承りたいと思います。

橋本登美三郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○橋本国務大臣 私がこの前建設大臣を拝命した際に、住宅問題を初めて計画的に手がけたのは昭和三十五年であります。そのときに第一次五ヵ年計画をつくりまして、そこで十ヵ年の構想として一世帯一住宅というものを当時一つのスローガンにした。当時は何といいましても住宅問題は重大でありましたが、なお食生活あるいは衣の生活というものが最重要でありましたために、住宅施策というものが日本ではおくれたといってもいいと思います。今回第二次五ヵ年計画をつくりましたのは、先ほど来局長が説明いたしましたように、昭和三十八年における住宅統計調査を基礎にして、そこで政府関係機関住宅が二百七十五尺民間四百万戸ということを一つの目標にして計画を立てた。岡本さんがおっしゃいます最も中心は、四百万戸という民間住宅が無理がありはしないか、のみならずいわゆる低所得者階層は五ヶ年間にはほとんど横ばい状態で減っておらないじゃないか、二百十二万戸というものか低所得の住宅困窮者である、そういうものを考えれば今度の第二次五ヶ年計画も不十分ではないか、こういう御意見であろうと思います。もちろん五ヵ年計画としてこれを閣議決定をしてもらいましたが、この五ヵ年計画にいたしましても、いまおっしゃるようにこれはもう永久不変のものではありません。社会情勢の変化、特に産業開発の進歩、たとえば道路等でお考えになってもおわかりになりますように、今度第五次五ヵ年計画を策定したいと思っておりまするが、建設省の案としては昭和四十二年から五ヵ年で七兆三千億円を要求しよう、これはまあ決定したわけではない、要求しよう、これらでもまたまる三年足らずしてそういう計画を変更せざるを得ないということは、日本の産業経済の発展、国民生活のいわゆる向上等からして、必ずしもこの五ヵ年計画というものを固定的なものに考える必要はない。学者たちに言わしますと、一応五ヵ年計画をあらゆる問題について立てましても、毎年それを検討して、必要あらば変えることが最も正しいのだ、こういう意見を言う人もあります。ただ毎年変更するとなると意味がありませんからその必要はありませんが、それくらいに日本の経済の発展、社会環境の変化というものは非常にすさまじいという一つの例証だろうと思います。そういう意味で、決定いたしました五ヵ年計画を今後永久に変えないというわけではありませんけれども 経済企画庁がいま検討中の長期経済計画等もにらみ合わせて、そこで一応五ヵ年間にこれだけのものをやっていこう。その間変化があれは、もちろんこれを改定するにやぶさかではありませんが、いまの状態から言えば、あの五ヵ年計画をもってやっていくことによって、困窮者の住宅等をも解決ができる、こういう予定でござまいす。問題はやはり四百万戸の民間自力住宅をどう処理していくか、これからの問題があります。ただ先ほど三橋局長から説明いたしましたように、この計画で四百万戸を一応計画したのは、過去五ヵ年間において民間のいわゆる自力建設というものは平均一〇%ずつ増加をしておる。そこで昭和四十二年から国民所得の増大等を考えれば、一一%の増を考えても無理はない。過去の建設状況から見て無理はない、こういうことで一一%という増の基礎を置いて、そこで四百万戸という数字を出したわけてあります。ただ御質問の問題は、全体はそれてよろしいとしましても、困窮者が増大するのではないか、したがっていわゆる政府施策住宅の二百七十万戸では不足を来たしはしないか、そういう御意見たろうと思う。これは今後の経済発展かとういう形になって出てくるか、ある程度安定経済といいましょうか、経済の安定成長によって国民一人一人の所得もある程度伸びていくのか、あるいは一部の議論のように、金持ち階級といいますか、そういう階級は伸びるかもしれぬが、一部の人は所得の低下を来たすのではないか、いろいろ議論があります。そういう個々の問題は別といたしまして、少なくとも長期構想から言いましても、国民の総所得は二十年間に百四十兆円になるであろう。これはいままでの積み重ねでありますけれども、そういう一つの想定から言えば、現在のわれわれ国民の収入というものも、二十年後には現在のヨーロッパの水準をはかるに越える、まだアメリカには追いつきませんが、はるかに越えるであろう。そういう点から考えますというと、自力建設という面でも必ずしも非観する必要はない。ただ現在としてはそれをやる場合によりよき質のいい民間自力の自営の建設をやっていくためには、あるいは融資の面において、また佐藤総理がせんだって大蔵大臣に希望したそうでありまするが、持ち家住宅に対する税金の減税の問題、こういうこともあわせて考えておく必要があるのではないかということで、建設省といたしましても生命保険会社その他あるいは住宅協会といいますか、貸し家住宅をやっておりまする協会等の関係者を呼びまして、政府の考えておる考え方を述べて、ぜひこれが協力を頼むということで、少なくとも四百万戸というものは、質的にも環境的にも整備されたものをつくりたい、こういう意欲を持って積極的に取り組む所存でおる、かように考えております。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 時間がありませんから、この問題については深く議論をいたしませんが、大臣ひとつお願いをしておきたいと思います。「建設月報」の五月号、これの一番初めの論文に尾関さんという日経の論説委員が書いた「住宅対策への期待」というのがあります。これは建設省が出しておられる雑誌です。これに西ドイツの住宅事情が書いてございます。この尾関さんが行って西ドイツで経験されたなにですが、月収大体六万三千円の公務員が九千円の家賃の家に住んでおる。その九千円の家賃の家というのは、政府管掌の住宅会社のアパート、こういう表現がしてございますから、政府は貸し家業を営んでおる業者に融資しておると思うのですね。だから家賃もある程度規制しておると思うのですが、そういう形でやっておるところの住宅会社のアパートに住んでおる。そのアパートというものがどんな内容のものかと言えば、三寝室とそれから居間兼応接、バス、トイレつき、こういうことです。だから日本での住宅公団の三DKです。しかも向こうの一室の大きさは、日本の団地サイズとは違います。団地サイズどころか寝台とかいろいろな家具調度を使いますから、おそらく一部屋が二、三倍の大きさを持っておると思うのです。だからこの状態でありますと、面積、坪数、広さで言いますと、日本の公団住宅のおよそらく三倍程度の住宅、そして鉄筋のアパートに住んで、それでもって月収六万三千円の者が九千円の家賃。日本の住宅公団の家よりもずっと安いのです。こういうような住宅事情でもって、西ドイツは住宅難が大体解消されておる。そしてそれはどういう理由によるものかと言えば、戦後十年の間に七百万世帯分の住宅建設を、政府が一生懸命で精力的にやった、その結果だということが書かれております。そういうことと比べますと日本の住宅政策というものがあまりにお粗末しごくだということを、この人は「建設月報」に載せている。大臣ひとつこれを読んでください。  それからもう一つ、「住宅金融月報」、これは住宅金融公庫から出ておる雑誌、パンフレットですが、その七月号に、建設省の住宅総務課長角田さんが、イギリスに行って調べてきておられる、そのイギリスの住宅の大体の建設状況というものを報告していられますが、労働党が政権をとっておった一九四五年から五一年までの七年間に建てた住宅の建設状況というものは、一八五%が政府施策であって一五%が民間建設であった。それから保守党にかわりましてから持ち家政策に――やはり保守党は持ち家主義になるのでしょう、日本の自民党と一緒ですね。持ち家政策をとり始めた。しかしそれでも五二年から五九年の八年間の統計か、政府施策が六五%で民間建設が三五%。こういうふうにイギリスですら政府施策住宅というものか非常に大きな比重を占めておって、それだけいわば住宅政策というものには政府が財政投資を大きくやっておる、こういうことを示しておる。しかも御承知のようにイギリスの住宅は鉄筋コンクリート、日本の住宅は木造、だからロンドンやその他のところが戦災を受けたといっても、東京や大阪のように焼き尽くされておらない、爆弾で破壊されただけです。だから部分的な破壊はあっても町が焦土に化したことはない。そういうふうな、戦後の住宅復興というものに日本ほど努力を要しなかったところであって、なおすら政府は住宅への公共投資、政府資金の投資にこれだけの力を入れておるということ、このことはやはり大臣は大きく学んでいただかなければならない。もはや戦後でないということは衣食だけでなしに住宅についても言われなければならぬのに、住宅だけは戦後のままと言ってもいいくらい、いま困窮状態が続いておるのでありますから、日本の住宅政策というものは大きな改定の時期にきているのではないか。高度成長、高度成長といい、まあそのうちにはうんと成長して、経済の成長が二十年後には非常に大きなものになるだろうから、その時分には何も心配要らぬようになりますよというふうないまのお話でありますが、私はそうは甘くとってはいけないと思います。だから、そういう意味におきましては、ひとつ住宅建設計画に大きな改定をしていただいて、政府が今度――あなたも佐藤さんのもとで官房長官をしておられ、俗に言うことばでは、佐藤さんの一の子分という形になっておるのですから、そういう意味では、あなたはやっぱり佐藤さんによく進言をされて、住宅政策というものは、これは国民の生活基盤の中の一番の基礎をなすものだから、もっと力を入れなければいけませんよということをよく説いていただいて、住宅政策には大転換をひとつしていただくようにお願いいたしたいと思うのですが、いかがでしょう。

橋本登美三郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○橋本国務大臣 佐藤総理には岡本さんの強い要望をよく伝えておきたいと思います。事実また佐藤総理は、昨年の社会開発懇談会でも、いろいろの問題がありますけれども、いまは住宅が重大であるということで、社会開発懇談会の答申は、住宅問題を中心に答申をされております。先ほどちょっと御披露申したように、大蔵大臣に総理みずから、私が頼んだわけではないのですが、総理はやはり自分で感じているのでしょう、やはり住宅は必要だというので、減税の点を考えろ、こういうことを申し入れてあるくらいに、佐藤総理は非常に熱心であります。  ただ、ここでひとつ、岡本さんは予算委員会等でもなかなか財政通でありますから、御承知であろうし、私のほうがこれは間違った数字を申しますから、あとで直してもらうことがあるかもしれませんけれども、ただ感じだけを申し上げるのですが、御承知のように、わが国の社会資本の投下というものは、戦前から考えましても非常に少なかった。先ほど西ドイツもしくはイギリスの例を引かれましたが、イギリスにいたしましても、古くから社会資本の投資というものが行なわれておりましたために、今日では大体そういう方面の投資というものは二〇%以下で済んでおる。西ドイツもそんなものでしょう。ところが日本はそれとは逆に、何もかも一緒に始まりましたものですから、四〇%近いものをそういう方面に投ぜざるを得ない。そういうところがたくさんあります。道路があり、下水があり、河川があり、港湾がある。こういうものに雑多に同じ時期に多くの社会資本の投下が始まったために、なかなか住宅なら住宅というものを取り上げて、それに絶対額というものが――それでも最近は非常に多いのですよ。多いのですが、絶対額がなかなか他には及はない場合もあります。先進国はほとんど道路問題は解決がついて、そのほかの問題に手をつけられる。日本の場合は道路からしていまやまさに花盛りである。そこに住宅から社会保障、いろいろ出てまいっておるものでありますからして、なかなかわれわれが意図するようなことは、実際に皆さんとともにやってまいっておるのですが、十分を期し得ない。ただ来年度の予算要求におきましても、私は何といいましても住宅問題が非常に大事である、これは生活の根拠でありますから、民生安定の上からも住宅は大事であるということで、御承知のように閣議は、各省が三〇%をこえるべからず、こういう申し合わせをいたしております。したがって、建設省の中で操作をしなくちゃなりませんが、建設省の中で三〇%をこえないようにして、なおかつ住宅に対してはいろいろの.面を加えまして、公団等は多少制限から出てもいいわけでありますからして、そういうことからいいますと、政府関係住宅施策費というものは約二〇〇%――二〇〇%というとおかしいですが、要するに十割増しといいますか、三〇%増しを一〇〇%増しという予算要求をしておるような次第であります。これをどこまで大蔵省が認めるか、まだわれわれの努力と皆さまの御協力の結果によるわけでありますが、少なくともそのくらい熱は入れておる。特に私としては、この際、住宅大臣という名前をちょうだいするくらいのつもりで住宅問題の解決をやってまいりたい、かように考えておりますので、ひとつ極力御支援あらんことをお願いいたします。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 政府の財政投資の中に、社会資本への投資のワクがあるから、そうあっちもこっちもというわけにはいかぬので、勢い住宅投資のワクが狭まる、こういうような御意見でありますが、これはやっぱり自民党の政策の無方針のたまものだと私は思うのです。たとえていえば、今日の設備の過剰投資ですね、そのために不景気がきた、こういうふうなことをいわれておりますが、やっぱり民間設備投資にはそれだけのものをどんどんいろいろな形で投資させておる。だから、そういうふうな考え方からいけば、そういう過剰投資をするような、そんな資金をぐっと締めて、これを住宅投資に回させればよかったのですね。ドイツの場合なんかは、民間にそういう住宅会社というものを奨励して、そこへどんどん政府が金を貸してやって、それで、政府資金によって民間の貸し家建設業を育成しつつ、その中でじょうずに民間資金を引き出して、政府資金でそれを薄めて、それで採算が合うような形で民間の貸し家建設というものをうまく育てているわけです。この角田さんの報告の中にもありますが、大体イギリスですら、民間の貸し家建設というものは、なまの形のままではとても採算ベースに乗らない、ということは、貸し家住まいをしなければならぬような勤労者は、その建設費を償却できるような家賃はとても払えないのだ、だから公的な資金による資し家建設をやらなければ、貸し家提供をしなければ、とても住宅政策としてはうまくいかないのだ、だからイギリスの住宅政策も一つの転換期にきておるというようなことを書いておられましたが、日本なんかことにそうなんですよ、さっきから議論しているようにね。だから、そういう意味においては、公的資金を住宅建設の方向へ、うまくそういうふうな形に持っていかなければいかぬということもありますし、同時にまた、私は、民間の生命保険会社あるいは信託会社ですね、そういうふうな長期に寝かせる資金、こんなものは、本来なら、法律で規制してでも、どんどん住宅建設に振り向けるべきなんですね。これをどんどん設備投資に向けさせてしまったから、設備過剰の生産過剰、在庫がものすごくふえて困らなければならぬ、こういうことが出てくるわけですね。だから、そういうふうな政府の資金の動かし方というものについての放漫さというもの、無計画さというものが、私は今日の日本の住宅難の一つの大きな原因をなしておると思うのですね。しかし、こういうことは、きょうのなにの中では、まあ私もそういう問題についてはしろうとでございますから、もう少し勉強してから、もう一ぺん議論をしたいと思いますが、とにかくそういう点で、日本の住宅投資というもののあり方の中に、私は問題があると思うのです。だから、そういう点で、佐藤内閣がほんとうに住宅政策と真剣に取り組むのなら、政府もうんと金を出すが、しかしながら民間資金というものもうんとそこに動員してくる。同時にまた、一面では、いま民間資金は動員されております。どういう方面に動員されておるかといえば、もう細い細い柱――普通、柱というのは、三五といって三寸五分角です。それが三寸の角です、このごろ民間の建てておるのは。あんなものは風にうんと弱いですね。あんなものでどんどん建てる建て売り住宅、ものすごく質の悪い建て売り住宅、あるいは二階建ての重層アパート、そんなものに民間資金が流れていって、スラムの再建をどんどんやっておるというのが今日の住宅建設の現状です。それならもっと耐久性のある、また安全な住宅建設へ政府が政府資金も投入してやるし、同時にまた民間の資金、生保あるいはその他の信託等の長期資金をうんとそこへ法律的な規制でもって引き込んでいくというふうな措置をとれば、私は住宅建設は促進できると思うのです。  また景気の立て直しにいたしましても、必ずしも産業の再建というようなことばかり考えなくても、住宅建設というものをどんどん進めれば住宅関連のものすごいあれが――住宅建設というものは非常な総合的な事業ですから、そういう意味においては、住宅建設をどんどん進めれば、日本の不景気を吹っ飛ばせるのですよ。だからそういう考え方に立って、これから佐藤内閣が住宅問題と取り組まれるならば、私は、佐藤さんの榮ちゃんと呼ばれたいというそのなにが、やはりそういうふうに呼ぶ人も出てくるかもしれませんし、二八%を切りつつあるという佐藤さんの支持率、まあ新聞では史上最低の支持率などといわれておりますが、そういうふうなこともやっぱりそういう配慮がないから出てくるわけです。ほんとうに庶民の求めていることは何か。まず物価の安定です。物価の中で一番高いものは何か、住居費です。だからそれをきちんとしてやることの中から庶民に愛される佐藤内閣になると思いますから、ひとつぜひそういう点でがんばってもらいたいと思います。  それからこの間新聞を見ておりましたら、琶琵湖の開発についての新しい構想が発表されております。それについてひとつ、大体どういうふうな計画を持っておられるのか、ごく大ざっぱでけっこうですから御説明願いたいと思います。   〔委員長退席、服部委員長代理着席〕

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀説明員 琵琶湖は湖面積が六百八十平方キロございます。その流域面積は三千八百平方キロでございます。その中には約二百七十五億トンの水がございます。しかもその流域面積の三千八百平方キロから年間五十二億トン程度の水が流れ込んでおります。そのために琵琶湖の沿岸地域におきましては、過去の最大で申しますと五千六百町歩程度の浸水被害をこうむっております。さらにそういった水を利用されまして、下流水需要地帯に相当量の水を流しております。しかしながらこれらの水を利用的に考えますと、下流ではさらに膨大な水利用が必要でございます。先ほど申し上げましたように、琵琶湖沿岸の治水対策も講じなければいかぬ。  そこで琵琶湖開発計画といたしましては、第一点に治水計画でございますが、これにつきましては、流域の沿岸の浸水対策を講ずるために、従来の夏期制限水位をゼロメーターとしておりましたけれども、さらにこれをマイナス三十センチまで下げる、これを原洪水位にします。そういうことにしまして、夏期流入してくる洪水を琵琶湖でできるだけ調節する。下流に対する安全な流下をなすために調整していくということを考えております。それによりまして、平均約三千六百ヘクタールに及ぶ洪水の湛水被害を防除するということが治水上の目的であります。  第二点といたしまして、水の需給計画の問題でございますが、淀川の下流地域の水需要は、昭和四十五年でおよそ五十六トン必要でございます。さらに昭和五十年には約八十トン程度の新規利水を要とすることになっております。これらの需要に対応するためすでに完成いたしました長柄可動堰で、これは淀川の毛馬と関連した可動堰でございますが、それによる緊急水利、現在工事中の高山ダム、青蓮寺ダム、そういったものによって補給を行なうほか、猪名川あるいは桂川の開発計画の具体化を鋭意進めているわけでございます。これはさらにほかの水系からも水の補給計画を検討中でございますが、いずれも琵琶湖の膨大な水量を利用するということは必要でございまして、昭和四十五年には約二十トン程度を琵琶湖から下流の水需要地帯に考えていきたい。さらに四十七年には四十数トン程度の水利用を考えていきたいと思っております。  そういう治水と水需要の関係でございますが、これは水需要なりあるいはこれを行なうためにはどうしても水位を下げなくちゃいかぬという関係でございます。したがいまして琵琶湖周辺における港湾機能の減少とかあるいはそれの水位低下に伴う漁業補償の問題、いろいろ困難な問題がたくさんございます。そういった問題を今後十分詰めまして、開発の基本計画を来年度実施計画調査費でやっていきたいというふうにわれわれ考えております。いままでの計画の概要はそのとおりでございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 大体今度の計画は、従来夏の制限水位を、いわゆる鳥居川の水位でゼロメートルからマイナス〇・三メートル、三十センチ引き下げよう、つまりいわば夏も三十センチ低いところまで水を使おう、こういうことだと思うのです。さらにまたもう一つは、この計画なるものを見せていただきました。「琵琶湖総合開発の構想」というのを四十年の十一月に立てておられます。これを見ますと、いわゆる堅田締め切り案で南湖北湖に分けるが、その堅田締め切りの堰堤をうんと低くして水没させて、それでマイナスの一メートル四十ですか、一メートル四十までは全湖を利用していく、あとはどんどんポンプアップしてマイナス三メートルまで琵琶湖の水を使うんだ、こういうふうな案の模様です。そういたしますと、それに伴って琵琶湖周辺に非常な渇水が起こります。マイナス三メートルといえばそれはたいへんな渇水状態です。だから干害の影響が非常に起こるから、琵琶湖周辺にひとつずっと堤防をつくろう、堤防の外側に川を、クリークのようなものをつくって、そうして水をどんどん入れては還流させて、それでもって周囲の干害を防ごうというような構想のように承っております。そういたしますと、これは以前の堅田締め切り案、これはそういうふうな湖の周囲に対する何の手当てもなしに広げていく、仕上げていくというような考え方に対して、琵琶湖の周辺に対するところの手当てをしつつ、琵琶湖の水をくみあげるという案のようです。だからドーナツ案ですね。ドーナツ案と、それから堅田締め切り案とを折衷した案のような形であります。  そういうふうなことで琵琶湖の水をどんどんマイナス三メートルまで使おうという計画でございますが、私はこの計画の中に考えられておる思想、ものの考え方、これに一つの大きな誤りがあるのではないか。とにかく琵琶湖は天然のダムだ、だからたまっている水は渇水期には使えるだけ使え、夏になったらどうせ洪水でもとへ戻るんだからという考え方でございます。しかしながら、それも琵琶湖の水をもっとたくさんためるという、水をつくるという考え方の上に立たないで、あるものをとことんまで略奪的に使っていく、そして下流の用に供するという考え方でありますが、そういうことになってまいりますと、一応周囲への干害の影響は取り除かれるといたしましても、私は、一番問題になるのは景観の問題だと思うのです。琵琶湖がマイナス三メートルまでになにされますと、ずっと水位が低くなりますから、琵琶湖の周囲というものはすっかり湖底が露出されてまいります。まん中のほうに水がちょぼんとある琵琶湖というふうなものが冬はでき上がるわけです。そういうことになって、日本では富士山と琵琶湖、それに瀬戸内海でしょうか、一番大きな天然の観光資源ともいえる施設ですね。それがそんな小河内ダムが干し上げられたような形にされてしまってそれでいいのかどうかということが私は一つあると思うのです。  その次がやっぱり琵琶湖の中の船の運航とかいうふうな交通の問題もありますし、さらにまた交通は、それは周囲に道路をつけて、ぐるりと回ればいいじゃないか、琵琶湖大橋もかかったからいいじゃないか、そういう考え方もあるかもしれませんが、やはり漁業の問題もあると思います。あそこはアユの養殖でずいぶん有名なところですね。だからいろいろな面で大きな影響があるのに、水づくりを考えないで、使うことばかり考えていくという、いわゆる略奪的水の利用というふうな考え方でいいのかどうかということを、これは日本の、ことに近畿圏におけるところの水の使い方の基本的なあり方ということになりますが、私はこんな考え方でいいのかどうか、ひとつ建設大臣に御所信を承りたいと思うのです。

橋本登美三郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○橋本国務大臣 岡本さんが琵琶湖総合開発計画はたいへんりっぱな計画だとほめられるかと思って聞いておったんですが、そうじゃないようでありますけれども、私は、これはいまおっしゃるように、私も霞ヶ浦のほとりに生まれて、従来この霞ヶ浦の埋め立て計画というものについては、私は原則として賛成しなかった。しかし一部は埋め立てが行なわれましたけれども、一つの天然の大きいものをつくるということはほとんど不可能に近いんですね。富士山をもう一つつくれといっても、これはできるものではない。同じく琵琶湖をもう一つつくれといっても、これはできることではない。したがって天然自然を破壊するようなことは非常に困る。ただ今度の計画はそれとは違って、その天然自然のものを十分にひとつ増幅して使おう。いま岡本さんは〇・三メートル引き下げたらからびつになってしまうんではないかというようなお話でありますが(岡本委員「〇・三メートルじゃない、三メートルですよ」と呼ぶ)決してそれほどの状態には私はならないのではないかと思います。いまのドーナツ案でもってまわりのかんがい用水を確保する。そこで総合では、いまの状態で考えれば六百億でしたか、六百億というような金をかける価値のあるものであるということで、私は岡本さんの御心配になるようなことが行なわれないという前提で、十分にこの琵琶湖の資源をそこなわず、観光資源としてまたより以上のプラスアルファがつき、その上に水資源として十分活用できるような総合案をつくりたい。いまおっしゃったような御心配については最善これなきをつとめて、皆さんが納得できて、これこそりっぱな案であるというものをつくってから実施するようにいたしたいと思います。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 それでは局長にお尋ねしますが、冬季の渇水期に三メートルまで水をくみあげて使った場合、一体湖底はゼロメートルのときと比べてどの程度露出するようになるか、そういう点について調査されたことがありますか。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀説明員 ちょっとその御質問に答える前に、誤解があるといけませんので。堅田の締め切り案は当初一メートル四十で湖中ぜきをつくるということで進めまして、マイナス三メートルまでコンパクトしていくという考え方でございました。マイナス三メートルまで下げるためには、いままで過去の実例をとっていきますと、二十年に一回ぐらい起こる。それもごく短期間である。これはもう過去の資料で十分検討しまして、三メートルにするのが、下流の水需要とかいろいろのものを考えてみますと、大体二十年に一回起こる程度でございます。それもごく短期間であります。しかしながらマイナス三メートルまで下げるということは非常に問題がたくさんあります。漁業補償の問題、港湾運航の問題、いろいろございますので、われわれとしましてはとりあえず二十トンの水をどうとるかというようなことを一応検討いたしまして、もちろん護岸堤等もあわせてつくらなくちゃいけませんので、そういったことをあわせて今後逐次どういうぐあいにしていくかということを検討してまいりたい。一応琵琶湖総合開発計画としては、その最悪の場合はマイナス三メートルまで上げざるを得ないでしょうけれども、実際の水利事情によりますと、ほとんどそういうことは起こらないだろうと思いますが、今後これをどういうぐあいにかみくだいていくか、今後の問題になろうと思います。したがいまして、これらの問題を十分考えていきながら計画を練っていきたいと思います。  マイナス三メートルまで下げた場合にどうなるかはちょっと詳細な資料が手元に見つからないものですから、あとで御報告申し上げたいと思います。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 あなたのほうのこの資料によりますと、三十センチ低下させることによって三千六百ヘクタールの洪水の防御ができる、こういうわけですが、同じ傾斜であると仮定すれば、三十センチ下げれば三千六百ヘクタールだ。そうすると、それが十倍になりますから、三万六千ヘクタールという湖面がばあっと出てくる、こういう大まかな見方ですが、できるわけです。だから、そういう点になってきますと、やはり琵琶湖周辺が、相当広い帯のような形で見にくい渇水の湖底が出てきて、これは異常渇水でも、たとえばここにある一別の資料を見ましても、明治の初めから現在までの一番最高の渇水がマイナス一・〇三メートルです。この一・〇三メートルに次いで出てまいっておるのが昭和三十八年一月三日、このときは非常に騒がれたときです。琵琶湖の渇水がものすごい渇水だ、そのために船も船着き場に着けなくて、それでどうにもならないということで大騒ぎをされた渇水でございましたが、これが〇・八五メートルです。とにかく一メートルの渇水にならない程度でもって琵琶湖はばあっと底をついて、船着き場は遠くはるかかなたの沖にある。平水であれば船着き場のところまで船が横づけにできたものが、かなた沖に船着き場があるというふうな状態に一メートルでなっておるわけです。それが三メートルも低くなりましたら、はるかかなた、望遠鏡で見なきゃならぬというふうな船着き場になるのではないか。そういうふうな姿を想像するときに、建設大臣は、いまたいしたことないでしょうというふうな気楽な御弁答でございますが、それはそんなものではないと私は思うのです。だから、私が言いますものは、建設大臣が言われるのと同じ考え方に立っているのです。近畿圏整備法におけるところのこれは保全地域なんです。だから、近畿圏整備法における保全地域がそのような形に開発利用されていいのか。近畿圏整備法におけるところの保全という考え方と、それから琵琶湖の水利用計画は真正面から衝突しているわけです。この問題について大臣はどうお考えになるか。保全地域をそのような状態にまで変えてしまうほどに水を渇水状態に置いていいのかという点について、私はこの計画が再検討されるべきではないかということを申し上げるのです。  それからもう一つ。そういうことで水がどれだけ必要なのか。そうすると、最後のくだりを見ますと、大体引き上げることによって三十八トンの水を予定しておられる。琵琶湖によるところの水を秒三十八トン予定しておられる。ところがこの表を見ていきますと、高山ダム、青蓮寺ダムそれから正蓮寺川利水、この三つのいわゆる河川の施設によりまして十六トンの水が生まれるのです。だから、一応三十八トンという水を生み出すのなら、七つ八つのダムとか、その他の施設をつくればそれに対する身がわりはできるのではないか。そうすると費用もあまり変わらないと思うのです。それの予算というものは四百二十億。そうすると、七十億のダムを六つつくれば、六七、四十二、四百二十億でしょう。それでもって同じ程度の水づくりができるのではないか。だから、そういう点で、ここまでの渇水状態に琵琶湖を置こうなどという考え方は、これは全く自然を犠牲にし、近畿圏の保全ということ、それからまた大衆の非常な娯楽の、レクリエーションの機関の琵琶湖周辺がそういう意味において開発されてきておりますものを奪ってまでこの琵琶湖開発計画というものを立てなければならないのか。これは私は一つの検討を要する問題だと思うのですが、大臣のお考えを承りたい。

橋本登美三郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○橋本国務大臣 いろいろ地元にも要望があるようでありますから、岡本さんもその要望に沿うて御意見が開陳されたものと思います。なるほど三メートル、そこまで二十年に一ぺんといえどもそういう事態が出るということはやはり問題でありますね。十分これは検討した上で、少なくとも地元の皆さんがまあまあこれくらいならしかたがないという程度のものができれば一ただ分散ダムというお話がありますが、なかなかダムの地点はそうたくさんあるわけではありませんので、今後とも水利用が国の産業が進むに従ってなお一そうだんだんと必要になってまいりますのでいつかは琵琶湖の水を使わざるを得ないだろうと思います。しかし急激に事を運ぶ必要もありませんから、来年の予算は調査予算でありまして設計予算ではありませんので、十分慎重に検討した上地元の諸君が理解のできる点において話し合いがつきますれば将来計画に進みたいし、また、いま言った分散ダムの点につきましても、今後なお十分に検討した上、できますればもちろんそのこともたいへんけっこうだろうと思います。それらも含めて慎重にやってまいりたいと考えております。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 私は滋賀県出身ではございませんし、私は何ら陳情も受けておりません。私は大所高所から考えて、私は京都府ですが、近畿圏の中の一員として近畿圏におけるところの琵琶湖の占める地位、また琵琶湖の水の果たす役割り、こういうふうなものを考えて私自身の見解として私は申し述べておる。またそのことも一国会議員として真剣にこういう場で討議する必要がある、こういう考え方に立って私は申し上げておるので、これはだれからのどういうふうな意見を代表するとか、どういう人たちの意見を代表してというのではなしに、私自身が琵琶湖問題について考えておることを申し上げているんだという点を御理解を願っておきたいと思うのです。  そこで、私前から申しておりますが、琵琶湖の開発の方法は、やはり琵琶湖の水をもっと――洪水になりますと堅田洗いぜきを締め切ります。洗いぜきを締め切って琵琶湖の周辺はいまは湛水されるにまかされているのです。これは明治時代にそういう条件で淀川の改良工事が行なわれ、琵琶湖から出ておる瀬田川の非常に狭さくになっておった部分を開さくした。開さくする前までは琵琶湖の最高水位はものすごく高かったのです。その開さくをやりますまでは、高いときには明治二十九年九月に鳥居川の水位で三・七六メートルという大洪水があった。鳥居川の三・七六メートルというのは、大津なんかでも全部屋根までつかっていただろうと思われるような大洪水が琵琶湖周辺にあったわけです。そういうようなことにかんがみて明治三十一、二年ごろから琵琶湖の第一期改良工事が行なわれまして、そのときに琵琶湖の瀬田の流れ出る流出口を広げたのです。広げたことのためにどんどん水が流れて、そのために下流に水害が起こってはいかぬというので、琵琶湖の下流を洪水から守るようにというので締め切るという洗いぜきというものができたわけであります。だから、そういうふうな経緯から考えて、琵琶湖の水をもっとたくわえるような水づくりということを考えるべきじゃないか。そのためには琵琶湖の周辺に堤防をつくりなさい、堤防をつくりなさいというよりも、琵琶湖の周辺は洪水常襲地帯なんです。その洪水常襲地帯の一部を掘り下げて、それで土をまくし上げて水害のない琵琶湖にしてしまいなさい。そのことによって琵琶湖周辺を近畿圏の中の臨湖工業地帯として発展させたらどうか。工業地帯としての土地造成によってそういう費用が生まれてくる。だから琵琶湖開発公団のようなものをつくって土地の造成をやって、水害のない琵琶湖周辺にする。それでそういう費用の中から琵琶湖の湛水量をずっと大きくすることによって水づくりをやる。それによって近畿圏に対する水の供給をやればいいじゃないか、こういうことを私は言っておるのです。しかし、それだけでは水の量が足りないかもしれません。足りなければ補足的にそれは淀川水系でも、あるいは琵琶湖周辺にも幾らでもダムサイトはあると思う。そういうところにダムの開発をやっていけば、あわせて近畿の水が使えるのではないか。いま局長は二十年に一ぺんよりそんなマイナス三メートルまではいかないんだ、こういうことを言われます。しかし、マイナス三メートルまで使ってもいいというような施設ができましたら、これは水需要が予想外に急速に伸びた場合にはどんどん使っていくと思うのです。そんなものは使いませんという保証はどこにもないのです。だから琵琶湖がそういうふうな状態に置かれる危険性は、それは局長はここでどのような約束をされましても、将来水需要が高まったときに、ほかの水がなければどんどんそういう状態に置かれるということは十分想像し得ることなんです。だからそういう点についてのお話は私は信用することはできない。そういう意味で、私は、せっかく堤防をつくられるなら――いまこの説明によりますと二メートルですか、とにかくそういうふうな堤防をつくられるとするなら、もう少し堤防を高く広く強化することによって、その湛水量をふやすという考え方もあるでしょう。またその周辺にクリークをつくられるということであります。しかしクリークをつくられますと、せっかくつくられた道路が、まあ自動車専用道路として使うには家が寄りつかないためにかえっていいという考え方もあります、しかし、一面せっかく道路ができたその開発効果というものはないわけです。だから、それをもう少し幅広くずっと土を盛り上げていけば、琵琶湖に面した住宅地帯でも工業地帯でも造成することができるわけですね。またそういうものをつくることによって、そういうふうな建設費用をある程度カバーしていけるのではないか。だからその案もひとつ置いてみてもらって、琵琶湖の周辺というものを臨湖工業地帯として、水の必要な、たとえば冷却用水なんか相当大量に必要だというふうな工業を阪神からどんどんひっこ抜いて琵琶湖へ持ってきて、滋賀県も一つの工業地帯として発展させていくというふうな構想をひとつ立てていただいたらどうか。これは前にも私はこの委員会で言っておるのですが、なかなかどういうかげんか、岡本の言うことなんぞ夢みたいなことを言いやがってということかもしれません。しかし、ひとつもう一ぺん真剣にそういう問題を取り上げて検討してみていただきたいと思います。

橋本登美三郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○橋本国務大臣 なかなか名言卓説であって、十分これは取り入れる価値のある御意見だと思いますので、十分検討して善処したいと思います。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 それでは、もう時間もだいぶたちましたから、もう一問だけお尋ねしておきますが、それは瀬戸大橋の架橋の問題です。これはいまかなり政治問題に発展してきて、誘致運動が至るところで行なわれております。直截にお尋ねいたしますが、私はこの架橋の本来の目的というものは建設省でも建設大臣もお考えであると思います。だから、何をねらいとしているか、その一番大きな目的をやはり貫くような架橋をやらなければいかぬと思うのです。そうするとおのずから大体方向は出てくると思うのです。いま五つのルートがございます。しかしながら五つのルートがあって、五つのルートの間でもって陳情合戦、さまざまな取り合い、奪い合いが行なわれておりますが、建設大臣として、ただ本土と四国とを連絡するだけだというふうなことだけではないと思うのです。そのことによって一体国は何をしようと思っているのか、こういうことを私はこの機会に明らかにしておいていただきたいと思うのでございますが、その点について大臣からひとつ御説明願いたいと思います。

橋本登美三郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○橋本国務大臣 いろいろの目的がありましょうが、まず一つには、経済効果というものが一つのねらいだろうと思います。第二には、やはり四国というのは大きな島ですから、本土といいますか、それから見れば文化の相違もありますから、文化的格差をなくす、同時に、先ほど申しました経済効果ということは、一つには四国の経済発展のためにもならなくちゃいかぬ、こういうことであります。ただ、どれをどうということになりますと、いま岡本さんのおっしゃったようになかなかむずかしいときでありますから、その点は明言する限りでもありませんし、のみならず技術的調査も目下進めておるようでありますが、それら等をあわせまして最終的にはきめたいと、かように考えております。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 技術的調査の現段階も、私は専門家でございません、しかしながら調査の現段階は、七月につくられた資料を見ますと、どのルートでも建設可能だ、費用の問題については変動があるかもしれませんが、大体そのような見通しで、しかもそれは外国の技術によらなくても、日本の技術、また日本の工場によってつくられる鉄材その他、そういうふうなものも大体日本の技術によって建設可能だというふうなことが方向として出ておる模様でございます。ただ、それをどのような設計に持っていくべきかということについていま進められておると思うのでありますが、五本の一つ一つについて、それは淡路-徳島ルートは橋二つでございまけれども、いま小鳴門が一つできていますから、小鳴門でいいのか知りませんけれども、いま二つでありますが、しかしその他については多数の橋が必要であります。設計としても膨大な作業だと思うのです。そういうむだなことをやらなくても、大まかな方向を建設大臣としてお出しになってもいいのじゃないか。別にいまそんなものを出せといって私は要求するのではございません。しかしながら、この橋をかけることにどういうふうなねらいがあるのか、そういうふうなことを国民みずからが良識を持って判断する中から、おのずからルートが大体きまってくるのではないか、私はこのように思っております。直截に申すなら、やはり国土の均衡のある発展をはからなければならぬと思います。だから、四国と阪神とを結びつけるということは、阪神の過密を招く――あるいはそれはあなたがおっしゃる格差是正においては、阪神の進んだ文化が直接四国へ入っていくというふうな考え方もあるかもしれません、しかしながら、そういうことによって阪神の過密状態を一そう強くするよりも、むしろ中国、四国の間に一つの経済圏をつくることによって阪神の過密化を防止する、そしてこれに新しい経済圏を発展させる、こういうふうな考え方も私はあると思うのです。私は近畿圏の中に住む人間です。近畿圏の中に住む人間ですが、やはりそれには近畿圏の整備ということも考えていかなければならない。近畿圏をあまり過密にしていくということにも私は問題があると思うのです。だから国土の至るところ、やはりこれからの国土保全の開発、幹線自動車道というふうなものもできてまいります。そういうふうなことの中から、やはり国土の至るところに繁栄の中心地になるところを持って、東京なり大阪なり、どんどん人間が集まり過ぎるという今日のこの現象を防ぐということが必要ではないか、私はこういう考え方を持っております。だから、そういう意味からいけば、私はこの四国架橋の目的も、国土の均衡ある発展ということに重点を、ある程度考え方を置くべきでないか、こういうふうに私は私なりの考え方を持っておるのでありますが、私は建設大臣も、やはり何らかの、いやそんなことではないんだとか、あるいはそういう考え方も重要であるとか、私はやはり建設大臣としたら、この四国架橋というものが、政府がこれをもって何を一番ねらいにしておるか、どういう点に一番重点を置いておるのか、またそういうものを持っておって、それを表に出さずに、いたずらに競争さしておるというふうなことなら、それは私はひきょうだと思うのですよ。またそういうものを持たずに四国架橋の問題と取り組んでおられるとするならば、これは私は不見識だと思うのです。だから、もう何にも遠慮は要らぬ、何人にも遠慮は要らない。やはり政府としてはどういう考え方の上に立って本土――四国架橋を進めていくんだ、こういうような基本的なかまえというようものを持つべきであるし、またいまにして示すべきでないか。その上に立って私は建設の計画を設計その他についてもむだを省いていくべきでないか、いまのようにいたずらに政争の具に使われているというようなことでは、これはまずいと思うのですが、建設大臣のお考えを承りたいと思うのです。

橋本登美三郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○橋本国務大臣 岡本さんのようなお考えの方もあると思うし、また他の考え方の人もありましょうし、それらいろいろな見解を十分検討した上で正確に判断し、そして国民の期待にこたえる、こういう考えでおりますので、どうぞ御了承願いたいと思います。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 さすがは前官房長官らしい御答弁でございます。いまあなたとしてはそれはその程度のことよりおっしゃれないと思います。それはわかります。しかし、私はいたずらにくだらぬ競争をさしたり、そんなことをするよりも、そういう基本的な問題についてぴしゃっと短い期間の間に結論をお出しになって、そういう構想を発表される必要がある、このことだけをきょうの結論としてお願いしておきたいと思います。

服部安司自由民主党

○服部委員長代理 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十四分散会

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