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51回国会参議院1966/03/16

予算委員会 第13号

発言数
507
登壇者
34
会派数
4
開催日
1966/03/16

会議録

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  十一日、羽生三七君が辞任され、その補欠として山本伊三郎君が選任され、十二日、柳田桃太郎君、杉原荒太君、植竹春彦君が辞任され、その補欠として梶原茂嘉君、藤田正明君、小山邦太郎君が選任され、十五日、和田鶴一君、田村賢作君、藤田正明君が辞任され、その補欠として青柳秀夫君、植竹春彦君、杉原荒太君が選任されました。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 昭和四十一年度一般会計予算、昭和四十一年度特別会計予算、昭和四十一年度政府関係機関予算、  以上三案を一括して議題といたします。  質疑に入るに先き立ちまして、一言御報告いたします。  御承知のように、去る十一日夕刻、鈴木強君の質疑の途中、沖縄の防衛問題に関連して委員会が中断し、今日に至ったのでありまするが、その間、委員長及び理事打合会を再三再四開会いたしまして、事態収拾のため慎重に協議を重ねてまいりましたところ、本日の打合会において結論を得ることができました。すなわち、鈴木強君が冒頭に質疑を行ない、佐藤総理大臣から答弁の後、総括質疑を続行することとなりましたから、御了承願います。鈴木強君。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 最初に総理大臣にお尋ねいたします。  沖縄問題における総理の発言を要約すると、沖縄が武力攻撃を受けた場合、わが自衛隊の出動があり得ると受けとられるような御答弁で、これは従来の発言を勘案すると、重大な変化と思いますが、重ねてその真意を明らかにしていただきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 十日、十一日にわたり、本予算委員会において問題となりましたような、沖縄に万々一武力攻撃が起きたような場合はどうするかという質問に対しまして、私は切実な国民感情から率直に申し上げたのであって、万々一の場合でも直ちにわが自衛隊が出動すると結論を下したわけではありません。いまのように施政権をアメリカが掌握している限り、憲法論、条約論、自衛隊法等によりまして、自衛権の発動、自衛隊の出動ができないことは当然であります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ただいま総理から御発言がございましたが、まる四日間お考えになった末の御所見でありますので、特に私どもが指摘しました問題について、憲法論、条約論あるいは自衛隊法等によって、自衛権の発動、自衛隊の出動ができない、こういうことでございますので、この点は、私どもも率直に認めます。  そこで、私はこの際、ぜひ総理に強いお願いをしたいことがございます。それは、いまベトナムの戦いがエスカレーションの方向に非常に、北爆再開以来、進んでまいっております。しかも、沖縄にはアメリカ軍の極東における最大の基地がございまして、これとの関係で、沖縄の同胞が非常に戦争の危倶、不安、焦燥にかられておることは、私は事実だと思います。したがって、そういう同胞の気持ちを除去するためには、やはり一日も早く施政権を日本に返還していただく、こういうことが私は前提にならなければならぬと思います。したがいまして、政府は今後、この目標達成のために、大いに努力をしていただきたいと思います。そして、おそらくそのことによって不安を解消するという立場に立ちますと、逐次恒常的にいま申し上げた目標への御努力をお願いするわけでありますが、特に最近琉球立法院において日本への参政権の獲得、国会への議席の確保、さらにまた国会の内部に特別委員会をつくっていただきたい、こういうことが満場一致きめられております。先般も沖縄の代表の方々が衆参両院においでいただきまして、沖縄同胞の切実な訴えをいたしておりますが、どうかこういった当面でき得ることは、一刻も早く実施していただいて、ひとつひとつその目的に向かって実績をつくり上げていただきたい、こう私は思います。そういうことをこの際、ぜひ総理に強く私は要望し、期待しておきたいと思います。  それから次の質問に移りますが、昨日来の新聞でも報道されておりますように、十四日の午後一時四十分ごろに済州島の西方共同規制水域内において、わが日本の漁船が三隻、韓国の警備艇によって臨検されております。そのうち、協栄水産所属の底びき船で第五三海洋丸というのが、船長以下、威嚇、射撃をされている。しかも、乱暴、ろうぜきを働かされて、あげくの果てに連行されたという、きわめて私は不祥事態が出ていることを遺憾に思います。日韓条約が効力を発生いたしまして、まだ三カ月たっておりません。こういうときに、このような事態ができましたことは、基地の漁民の方々はもちろん、全国民のたいへんなショックでございます。私はこの際、一体どうしてこういうことが起きたのか、そうして政府は今日までどういう措置をおとりになっておりますか、この点をまずお伺いをいたします。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中村寅太君) 十四日にいま鈴木委員が申されましたように、韓国の警備艇によりまして日本の漁船が連行されました事件は、これはきわめて韓国の警備艇がとりました処置は適正ならざる処置であると考えます。日本の私のほうとしましても、現地において厳重に交渉をいたしたのでございますが、仰せられますように、第五三が船長以下四名が連行された事件でございます。これはわが方としては、きわめて重大な事件でございますので、外交ルートを通じまして、韓国に即時船を返すように、乗り組み員を返すように抗議をいたしておる実情でございますが、詳細にわたりましては、政府委員からそのときの事情をお答えさしていただきます。

栃内一彦海上保安庁長官

○政府委員(栃内一彦君) ただいま大臣から御説明いたしました今回の事件の概要について御説明いたします。  三月十四日十三時四十分、済州島の西にある遮帰島から西十六・五海里——この地点は韓国の漁業に関する水域外四・五海里の共同規制水域内であります。この場所で底びき漁船第五三海洋丸が第五二海洋丸と操業中、韓国警備艇一〇六号艇により臨検されました。  巡視船「せんだい」が十五時に現場に到着し、一○六号艇に対し第五三海洋丸の釈放を交渉いたしました。この交渉がまとまらぬまま、二十一時十分に至り、一〇六号艇の申し入れにより、第五三海洋丸に移乗していた一〇六号艇の艇員二名と、一〇六号艇に移乗していた第五三海洋丸の船長をそれぞれ白船に帰すこととなり、荒天のため飛楊島の島陰に移動いたしました。  二十三時三十分ころから二度にわたり一〇六号艇と第五三海洋丸が接げんしようといたしましたが、同艇の武装艇員が第五三海洋丸に移乗する気配があったためなどの理由により、海洋丸が接げんを避けました。  十五日一時二十分、韓国警備艇八六五号艇が接近してまいりましたとき、巡視船「せんだい」からの指示によりまして、第五三海洋丸は巡視船「せんだい」に接げんしようといたしました。これに対し、一時四十分一〇六号艇が第五三海洋丸に強行接げんし、武器を携行した艇員二名が乗り込み、さきに移乗していました艇員二名と共に小銃二発、拳銃一発を発射し、また銃の尻で第五三海洋丸乗り組み員を殴打して、「せんだい」への接げんを妨害いたしました。その直後、第五三海洋丸の乗り組み員中九名が海に飛び込み、「せんだい」に収容されました。この間、第五二海洋丸は現場を離脱しました。  巡視船「せんだい」および現場に到着した巡視船「くさかき」は、その後も第五三海洋丸を連行中の一〇六号艇を追跡し、同艇に対し抗議および釈放要求を引き続き行ないましたが、午前三時過ぎ、韓国の領海付近でこれを中止いたしました。  第五三海洋丸は、十五日早朝一〇六号艇に連行され、済州島山地港に入港した模様でございます。  なお、外交ルートによる釈放交渉は、事件の起こりました十四日から始められまして、現在も引き続き外務省を通じて行なわれております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 外務大臣、一緒にやってください。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 漁船拿捕に関する状況は、ただいま海上保安庁長官から説明がありましたとおりに尽きるのでございます。私からは省略させていただきます。これに対してどういう措置をとったかということについて概要を申し述べたいと思います。  わがほうの巡視船「せんだい」が洋上で円満解決方折衝中に、海上保安庁からの依頼に基づきまして、十四日の夜、外務省から在京韓国大使館及び在ソウル日本大使館を通じて韓国外務部に対し、日本漁船は計器によって自己の位置を測定しながら操業していたので、漁業水域を侵犯することはあり得ない。したがって、事態の円満解決をはかるため漁船を釈放するように申し入れたのであります。  その後、韓国警備艇の艇員による発砲、殴打の後、第五三海洋丸を連行したことにもかんがみ、十五日午前、あらためてアジア局長から金大使に電話をもって、今回の事件を遺憾とし、船体及び乗り組み員の早期釈放を申し入れるとともに、安公使を招致いたしまして、事実関係を説明し、かたがた、わがほうの立場を詳細にわたって申し入れ、韓国政府の善処方を強く要求した次第であります。また、同様の趣旨を別途在韓の日本大使館を通じまして先方に申し入れてあります。  わがほうが強硬な抗議文書を手交するような形で今回の事件を特に荒立てるということは本意でないのでありまして、むしろ、過去三カ月の順調な漁業協定の実施にかんがみまして、早期に円満な解決を得るように希望していることは韓国側も十分に理解しておると信じます。したがって、韓国政府は至急事実関係の確認を行なうべく、鋭意努力中でございますので、近く、国交正常化後にせっかく増進を見ている日韓友好ムードの線に沿って、拿捕された漁船の釈放に至るものと期待しております。  かような状況でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 この問題は、日韓条約の審議の際にもきわめて重要な問題でありましたから論議がされております。私は、議事録を全部調べてみましたが、やはり漁業協定の中に、李承晩ラインがなくなるんだという解釈ですね。韓国側は依然として国内法として残るんだという解釈、こういうことがありましたから、私は地図をここへ持ってきて、共同規制区域について、当時の赤城農林大臣とかなり詳しくやったはずなんです。しかし、おそらく緯度、東経何度、西経何度、北緯何度ということですから、なかなか位置の測定ということがむずかしいと思います。だからいろいろなトラブルが起きないかということを、念には念を押しておいたのでございますが、だいじょうぶだという当時の農相の御答弁でありました。ところが、いまのような事態がすでに三カ月をたたずして起きてきているということは、やはりこれは問題だと思いますね。ですから、こういう漁業協定の成立後、いろいろ細部にわたって向こう側と打ち合わせをし、行き違いのないようにする措置は、当然私は、これは外交ルートを通ずるかどうかは別としても、とにかく意識統一をしておかなければならぬ問題だと思います。ところが、そういうことがなされておらないところに問題があったのじゃないかと私は思いますけれどもね、この点はまあ農林大臣の担当になりますかどうかわかりませんが、まあ外務大臣が、ひとつこの点はどうなったのでしょうか。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) この問題につきましては、わがほうとしては、この違反のないように、十分操業者に注意もし、また打ち合わせもいたし、それからまた、いろいろとこう話し合いも速めておりましたので、その点においては万々抜かりはないと、ないように確信いたしております。突然かような事態、事案が起こりまして、非常に驚いておるのでございますが、先ほど運輸大臣なり海上保安庁の御説明がありましたとおりのような事態がありました。で、私どもとしては、わがほうの漁船についての違反は、その報告によりますと、ないように思います。したがいまして、これらにつきましては、外交ルートを通じまして厳重に申し込みまして、今後かようなことのないように、最善の努力を払いたい、かように存じます次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ちょっと質問の趣旨が、これは違っているんですね、答弁がね。漁業協定を結んだあと、細部についてですね、いろいろ行き違いのないような相談をしましたかということを言っておるんです。できたら、いつ、どこでやったか。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) お答えいたしますが、こういう点につきましては、十分こちらとまた韓国側とも打ち合わせをいたしており、さらに、わがほうの漁業当事者のほうと、また韓国側の漁業者との間の打ち合わせもし、これは問題はまたいろいろの面にわたって、安全操業等についても民間同士においても、それらの話し合いをいたしておると、安全操業についての話し合いをいたしておりましたわけでございます。かようなわけで、十分その点については抜かりのない措置をとったつもりでございまするが、かような問題について、私どもは非常に遺憾に存じておる次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これはいま時間の関係がありますから、いつ、どういうふうな交渉を、どこでやったか、ひとつ記録にして出してくれませんか、お願いしておきます。  それから、事実関係で少し確かめておきたいのですが、五三海洋丸に乗り移ったときにですね、威嚇射撃をしたり、銃床でこづいたというようなことが、事実報告されておりますね。そういうようなことは、これはもうけしからぬ話であって、それによって負傷者の点とか、そういう点はまだわかっていないんですか。

栃内一彦海上保安庁長官

○政府委員(栃内一彦君) お答えいたしますが、発砲したということ、また、銃でもってなぐったということは、正確な報告が入っておりますが、負傷したかどうか、また負傷の程度につきましては、まだ詳報が入っておりませんので、そういうような状況でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それからですね、この臨検の際に韓国の警備艇が馬羅島というのですか、これは、馬羅島というところと晩才島を結ぶ線の二十七キロは、操業禁止区域になっているから停船せよ、こういうことを言ったそうであります。しかし、このことが日韓漁業協定の際に合意の事実があるのか、どうなのかですね、私はないと思うんですけれども、その点どうなんですか。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) お答えいたします。いま御指摘になりました現地におきます調査の際に、向こう側が答えたと伝えられておりますところの馬羅島と晩才島とを結ぶ線の外側十五マイルは禁止区域になっておる、その事実はございません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 こういうないことを向こう側がかってに言って、そうして拿捕するなんということは、これはけしからぬ話で、この点はひとつ農林大臣もよく肝に銘じておいてください。そうしてそういう不当な約束外のことを持ち出してやるなんということは、これはけしからぬことですから、この点はひとつ問題点として解決していただくようにお願いしておきます。  それからもう一つ、共同規制水域内での操業方法について問題がかりにあったとしても、取り締まりの方法は、これは旗国主義をとっておるわけですから、日本側が行なうということに協定ではきめられておる。ところが韓国側がそういうことをやるということは、これは不当じゃないですか。権限ないですよ、これは。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) 現在の報告のとおりでありまするとすれば、当然それは間違いでありまして、わがほうとしては旗国主義を厳然とこれを守っていきたい、かように考えておりまするので、さように御指摘のとおりであると思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それからもう一つですね、この韓国の警備艇にはロランとかあるいはレーダーという機器によって自分のいる位置を測定する機械がないというように聞いているわけですね。いまお話によりますと、わがほうの船はちゃんとその機器を持っておったわけですから、共同規制水域であるかどうかということは、はっきりしたわけですね。そういうことがあなたの言うように、もしさっき具体的に話をしておるとすれば、これはお互いに人間ですから、目測でやる場合あやまちがありますよ。これは飛行機の場合もそうです。ですから、そういう点もやはり外交折衝か、あなたのほうの折衝において、向こうもそういうロランやレーダーをつけてもらう、お互いに間違いのない、多少誤差はあったとしても測定をやるように、これは科学的に、そういうことくらいあなたやるべきじゃないですか。それをやっておかなかったということは、あなたはやったと言うけれども、交渉していないということを裏書きするものじゃないですか。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) 近く、この一緒に共同でやっておりました第五二海洋丸が帰ってまいりまするので、さらに真相をよく確かめたいと存じます。いまお話しのとおり、わがほうとしては、さような装置はいたしておるのでございまするが、韓国側のほうにおいてはそれらの装備が、十分装備をすることについての打ち合わせはもちろんいたしておりまするけれども、現実どうなっておるかという問題については、私どももはっきりいたしません、この具体的の事案につきましては。したがってこの第五二海洋丸が帰ってまいりますると、そういう点についても十分詳細にわかるのではないかと、こう考えておりまするので、善処いたしたいと考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それで私は二つ同じような立場で伺いたいのですが、外務省が非常に迅速に外交ルートに乗せていただいたことは、私も感謝いたしますが、ただ気になるのは、椎名外務大臣が、この問題はあまり大げさにしないで、できるだけ円満に、事を穏便にしたいという考え方なんです。しかし、この内容を聞いてみますと、きわめて不当、不法ですよ、これは。そんな適切であるかどうかなんということじゃなくて、これは明らかなんです、事実は。したがって、私はけさの新聞を見ますと、韓国側でもあなたが言ったようなことを言っているのです。これはどうかひとつ事を大きくしないでくれ、穏便にやってくれ、それをあなたが受けて言っているのじゃないかという、まあ私の誤解であれば解きますがね、そう思える。ですから、最初のことでもありますし、もちろん、私も好んでけんかしろとは言いませんけれどもね。やはり協定、条約等に基づいて日韓の正常化をやろうという段階における問題だけに、最初の事件だけに、私は再びこんなことのないように厳重な態度をもって日本は臨むべきではないか。とかく向こうに振り回されてしまうことがまた出てきますよ、向こうは李承晩ラインは撤廃しないと言っているのだから。必ずまた二度三度出てくると思うのです、私は。だからき然たる態度でこれは臨まなければいけないと思いますがね。この点はひとつはっきり答弁してもらいたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) ただ、こう書きもので抗議を申し入れるというような肩ひじを張った形はなるべく控えて、そのかわり言うべきことは言い、向こうの間違いはあくまで厳格にこれを指摘して、そして再びかようなことの起こらないように、向こうにも相当きびしくこの問題が響くようにやりたいと、こう思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 総理に最後にこの問題でちょっとお伺いしたいのですが、やはり日韓の国会であれだけ問題になりまして、一応批准ができたわけですね。しかし、こういった事態が起きたことは非常にわれわれは残念に思います。聞いてみますと、まだわがほうにおいても尽くすべき手段が多少抜けているように思います。ですから、この問題は非常にむずかしいことです、具体的に出てくる問題でありますから。それだけにいろんな角度から向こう側と折衝を重ねて、万行き違いのないような措置をとることが大事だと思います。そういう点をもっと積極的に、再びこんなことが起こらないように、ぜひ総理として各省大臣に厳重にひとっこれは指示していただいてやってもらいたいと思いますが、いかがですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 鈴木君のただいまの政府に対する御要望、私もそのとおりだと思います。日韓の国交回復して日ならずしてただいまのような事柄が起きた、それぞれ旗国主義等がきめられていながら、こういう事件が起きたということは、両国にとりましても、まことに重大なことだと、かように私考えております。ただいま外務大臣がその衝に当たって交渉しておりますが、ただいまお答えしたとおり、事柄の性質が性質でありますだけに、また今後より親交を重ねていき、間違いの起こらないようにするために、一切感情等が残らないように、これは実情に沿った交渉をしたいと、かように外務大臣が申しておりますので、外務大臣にただいまの折衝をまかしておるような次第でございます。もちろん私総理といたしまして、この事態の推移につき十分監視しながら、外務大臣の成果のあがる交渉を期待しております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 ちょっと……。非常に重要な突発事件でありますので、二点だけ確かめておきたいと思うのです。それは、日韓条約が締結されて、その際漁業協定に関する合意議事録が同時にできております。その3の(a)によりますと、こういう記載になっておる。もう一度思い出してほしい。「一方の国の監視船上にある権限を有する公務員は、他方の国の漁船が現に暫定的漁業規制措置に明らかに違反していると信ずるに足りる相当の理由のある事実を発見したときは、直ちにこれをその漁船の属する国の監視船上にある権限を有する公務員に通報することができる。当該他方の」、つまり通報を受けた、「他方の国の政府は、当該漁船の取締り及びこれに対する管轄権の行使に当たって、その通報を尊重することとし、その結果執られた措置を当該一方の国の政府に対し通報する。」と、こういう合意議事録が漁業協定の第四条にさらに付加されて具体的にきめられておるわけであります。  私は、本件に関しては漁業協定に違反しないと、諸般の情報を見て私たちはそう思います。かりに韓国側がそのような違反しておるという見解をとるにいたしましても、このただいま読み上げた合意議事録、この精神からいうならば、当然これは日本の監視船に通報をすべきものなんです。これは旗国主義の延長としてこういう規定が設けられておることは、これはもう当然なんです。「せんだい」という巡視船が——日本側の巡視船が近くにおるわけですね。だから私は、今回の措置は、まず第一には共同規制水域から専管水域に入ったか入らぬか、このことがもちろん基本的には一つの重大な問題です。私はまあ入らぬと思う。しかし、かりにそういうことがあったとしても、私はこの漁業協定四条並びにさらにそれを具体化しておるところの合意議事録、この二つの立場から見て、韓国の警備艇がとった措置は全く違法であり、はなはだ乱暴であると断定せざるを得ないわけです。だから私は、そういう意味で外務大臣は強い態度でこれはやってもらいたいと思う。この点が第一の点です。  それから第二の点は、いま鈴木さんからも御指摘がすでにありましたが、かりに韓国政府の言うように違反があったといたしましても、いま言ったような措置をとってほしいと思うのですが、それをとらなかった。はなはだけしからぬ。しかし、それにも増して取り調べ方ですね、発砲したり、銃床でなぐったり、これはもう全く言語道断だと思う。犯罪者に対してだってそういうことは許されません。で、問題は、計器類等が何か不備なようであって、何かそういう基本的な線がまず両国間の一つの言い争いになるんじゃないかと思いますが、そういうことで私はこの問題の本質をごまかしちゃいかぬと思う。それでは違反しておればこのような韓国側の措置がそれで許されるのかという問題です。私は、たとえ違反の事実があっても、この近くにおる日本の巡視船にも知らさない、しかも銃床でなぐったりしたような乱暴なやり方、絶対許されないと思う。だから基本的な線を越えたか越えぬかという問題にこの紛争を巻き込まれないようにして、いま私が指摘した二つの点ですね、これははっきりと指摘してほしい。なぜかならば、今後間違ってそれは日本船だって出過ぎる場合があるかもしれぬ、これはいいこととは申し上げません。間違って出る場合なきにしもあらずです。そういう場合のこれは前例になるわけです。前例になる。そういう意味で、私はいま二つ指摘した点について、総理大臣の決意ですね、これはもう重大な決意でもってひとつ対処してもらわなきゃならない。私の指摘した二つの点についての総理大臣のお答えを承っておきたい。問題全部をひっくるめて強い態度といったようなことじゃなしに、現に私が指摘したこと、どう総理大臣としてお考えなのかはっきりしてほしい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) まず第一、事実関係がどういうことか、この事実関係を十分調べなければいけないと私思います。ただいま言われるように、この問題の起きた場所、海域がどういうことであるのか、また、ただいま発砲あるいは銃床でなぐった云々等々が出ておりますが、こういう事実関係が明確になることがまず第一必要だと、そうしてただいま言われますように、この合意議事録、これはもうそのとおりでありますから、亀田君の主張のとおりであります。私は、今回の問題の起きたことにつきましても、当然正当な主張また正当な権利の保護、これはもう当然なさねばならない政府の責任だと、かように私考えておりますので、ただいまのように先ほどもお答えしたとおりであります。ただいまの外務大臣もそういう観点に立っていろいろお話をしておるわけであります。ただ、いまお話の、強い表現というか、そういう表現ばかりが問題を解決するゆえんでもないだろう、かように私思いますので、その表現のしかたその他は、まあ当局にひとつまかしていただきたいと思いますが、どこまでも正当な主張、また、わが国の国益、また、その地で操業しておる人たちの保護、これにつきましては万全を期するつもりであります。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 亀田君、簡単に。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 じゃもう一つお尋ねしますが、私が相当念を押して具体的に問題点を申し上げたんですが、やはり総理のほうじゃなかなかそう具体的にお答えがない。それで私のほうからひとつこういうふうにしてもらいたいということを提案をして、ひとつお答えを聞きたい。  その第一は、今回の韓国政府の措置は、漁業協定並びに合意議事録、これに反するものだ、これを両国間の交渉の過程においてはっきりと認めさすべき事案だと、こう考えるのです。はっきり認めさすべき事案だ。それからもう一つは、これによって被害を受けた漁民の方に完全な補償を韓国政府によってさすべきだ。第三は、今後このようなことはいたしません。この三つがそろわなければ、私は、初めて起きた問題であるだけに、この関係漁民の方々も納得しないと思う。その三つを取る覚悟で総理大臣は外務大臣にこの交渉をさせるおつもりがございますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま起きておりますのは、韓国政府云々ではなくて、現場の韓国の機関のやり方だと、かように思いますので、現場の事態について、これは十分当方が主張しておることをこれから納得さすということは、これは必要だろうと思います。また、漁民に対する不利益等、これが最初のことでございますが、十分補償されなければならない。また、将来に対するこの種の事柄が重ねて起こらない、こういう保証も必要だ、かように私は思いますが、ただいま外務省で折衝をしておりますのは、ただ単に抗議を申し込んだというだけではなくて、ただいま申しますようなかような事態が再び起こらないような、また、現実に損害を生じた場合にそれをどうするかというようなことも折衝の、交渉の項目になっておる、かように私は確信をしております。  詳細等につきましては、外務大臣からお答えさせます。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) いま総理からお答えがありましたので尽きると思いますが、十分に、領海内で一体漁業をやったのか、それとも領海以外の専管水域でやったのか、そういったような問題も同時に詳細に調べなければならないし、また、いやしくも監視船である以上は正確な計器を備えつけて、そうしてその計器に基づいて取り調べに当たってもらわないと、ただ目の子でやったのでは今後も非常に迷惑するのでありますから、そういったような問題がはたして十分に整備されておったかどうかというようなことも、事実関係はあらゆる点を十分に取り調べまして、そうして協定違反であるか、合意議事録による申し合わせに違反しておるかどうかという問題について十分に確定したいと思います。今後の問題については、新しく取りきめが必要であるか、それとも従来の取りきめの解釈等の運用の問題等について、さらに申し合わせる必要があるかどうかというようなことにつきましても十分に注意して、この問題の処理をいたしたいと、こう考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私は、いま亀田委員の言われたようなことを最後に要望して終わりたいと思っておったのですが、いまあなたの御発言を聞くと、まだ事実関係わかっておらぬと、違反であるか違反でないかわからぬというようなことを言っておるのですがね、一体、この新聞を見ると、十五日の正午に安光鎬という駐日韓国公使をあなたのところの小川アジア局長が招いて、これに対して抗議を申し入れている。この事実は事実でしょう。その中に、「日本漁船に韓国漁業水域侵犯の事実はない」「にもかかわらず韓国警備艇が臨検を行ったことは日韓漁業協定第四条違反であり、さらに発砲までしたことはきわめて遺憾である」、したがって「連行した漁船員を早急に釈放してほしい」、まあいま亀田君の言われたような補償の問題入っていませんがね、私も補償はやってもらいたいと思うのだが、そういうようにすでに相手方に正式に申し入れをしておいて、まだ事実がわからぬとかなんとかいうことは、外務大臣浮き上がっちゃっている。あなた大臣で何していた。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 小川局長のやっていることを私は水かけるわけでもない。とにかく今後こういう問題が再び起こらないようにするためには、これこれのことをやらなきゃいかぬという問題もありますし、向こうはおそらく専管水域でやったと言うかもしれない、あるいは、それじゃ追跡権がありませんから、領海でやっているというようなことを言うかもしれない、そういったような問題を、十分に向こうの言うことも聞いて、そして、これに対しても的確なこちらの準備をいたしまして、これに対して応酬をしたい、こういう心組みをしゃべったのであって、いままでやったことを否定するわけじゃありません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 あなたは問題をそらしちゃうんだよ。指摘されれば、今度は、相手方がどう言うかわからぬからと逃げているんだな。要するに、われわれの言っているのは、外務省としてはき然たる態度をもって阻止してもらいたい。それにはわれわれの態度はきまっているのですからね、向こうがどう言おうと。あなたこの態度を変えるのですか、向こうがそうだと言ったらロランもレーダーも持たないものが目測でやって、北緯何度、東経何度、西経何度なんと言って、それであなた認めるのですか。これは小川アジア局長にも聞きたいのです。そんな、あなた話をそらしちゃ困るよ。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) まだ向こうが完全な計器を備えておるかどうかもわかっていない。こちらのほうとしてはちゃんと計器を備えておりまして、そして北緯何度、東経何度ということを言っておりますが、向こうがはたして持ってないとすれば、これはますます向こうの言い分が分が悪いということになる。それはまあ、とにかく大いにやるという気持ちはいいことですけれども、あまりむちゃくちゃにこっちの言うことだけを言ったんでは、やっぱり感情論になってしまうから、この点ははっきりとものごとを確かめて、そして十分に抗議すべきことは抗議して、将来に戒めて、さようなことの起こらぬようにしなきゃいかぬと、そういう点でおそらく、十分な認識がもしないとすれば、この際、向こう側に、相当、現地の巡視船の係員にまだまだ抜かりがあるのではないかというような気もいたしますので、そういう点は将来の戒めのためにも十分にこれはやる必要がある、こういう考えでございます。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 局長のなにを求めますか……。

小川平四郎外務省アジア局長

○政府委員(小川平四郎君) ただいま大臣が申し述べられましたとおりでございまして、私どもは海上保安庁からいただいておりまする事実が、そのとおりの事実であろうと確信しておりますので、その旨を韓国側に通報してございます。それにつきまして、韓国側にこの事実を確認してもらう必要があるわけです。それをただいまソウルにおいて、先方とも折衝している次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ですから、外務省から正式にだと思いますがね、これは日本政府としての抗議文を申し入れたわけですから、ですからそういう申し入れをするからには、具体的な事実関係を確認した上に立っているわけですから、わがほうの態度は動かぬ。したがって、向こうがどう言おうと、そのことについては自信を持って当たらなければ、向こうが言ったらこっちが引っ込むようなことでは、これは困るということを私は言っているのですがね。そういう意味において、外務大臣が自信を持ってやってもらいたいということを言っているのですがね。  それから答えがよく出てこないのだが、これはどうしても早期に釈放してもらわなければ困ると思うのですね。それと同時に、漁民の方々に負担のかからないように、その補償はさせるということは、ちゃんとやっていますかね。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) もちろん言うをまたないことでございまして、早期に釈放して、そうしてその補償等につきましても、十分に抜かりのないように交渉してまいりたいと思っております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 もう一ぺん。どうもちょっとおかしい。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 簡単に。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 外務大臣のお答えを聞いておりますと、どうももう事実関係の確定とかそういうことに重点が置かれておるようであるが、これはもちろん必要なことなんです、問題を明らかにする意味で。ただ少なくとも、このいままで明らかになっておることだけについても、はっきりとした強いこの違法行為の事実を指摘しているのかどうかね、それを聞きたいわけなんです。かりに私がさっきから何べんも言っているように、韓国側が言うように、専管水域に入っておったとしても、なぜ近くにおる日本の監視船に通報しないのか、合意議事録に反するじゃないかとね。そういう点について、強いその抗議が出ているのか出ておらぬのか、それを明らかにしてほしい。そこまではまだ気がつかなかった、事実関係を明らかにしてからだというようなことなのかどうなのか、違反であろうがなかろうがね、ともかく旗国主義の精神から出ている合意議事録の線に沿って要求がされているのかどうか。それからいやしくもその負傷の結果という、程度はまだわからぬかもしれませんが、発砲したり銃床でなぐったりといったようなことは、これはもってのほかで、これは違反であるかないかと区別して強い抗議というものがされているのかどうか。この二点、もう一ぺん確かめておきたい。どうなんですか。

小川平四郎外務省アジア局長

○政府委員(小川平四郎君) 先方に申し入れましたときには、事実関係のみならず、ただいま御指摘の点、すなわち、専管水域にも入っていたとしても不当である。禁止区域であったとしても不当である。それから暴行を働いたこと、これは非常に不当である。すべて先方に申し述べたのでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それをまず第一に言わなきゃだめですよ。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 では次に移りますが、外務大臣、インドネシア政変が起きているのでございますが、これに対して政府はどういうふうに判断をされておるのでしょうか。それから在留邦人については何ら問題ない——影響ないかどうかですね。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) インドネシアの政変は、まだ流動的な状態を脱しておらないということが言えると思うのです。軍部が大体実権を掌握しているように思われますけれども、しかし、スカルノ大統領との関係、すなわち大統領との権限関係が、一体どういうふうになっているかというような点が、まず基本的にはっきりしておらぬ。したがって、これを中心として、まだいろいろ事情——問題があるのでありまして、いまだ流動的な状況を脱しておらぬ、こういうことが言えると思います。で、わが国といたしましては、従来インドネシアに対して友好的関係にあり、政変の結果どういうことになりましても、従来の友好関係を持続するというたてまえをとらざるを得ない、かように考えております。問題は、まだ静穏に帰しておらないという点で、もう少し事態を見守って、その結果によって考えるべきである、かように考えます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 在留邦人のほうはどうなんですか。何にも関係ない……。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 在留邦人はいまのところ全然無事でございます。昨日の情報によりまして何ら危害を加えられておらない、全部安全である、こういう情報でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 大臣の御答弁ですと、まだ流動的でありますから決定的な判断は下せないという趣旨の御答弁だと思います。ところで、きのうの閣議であなたがインドネシアの情勢について報告をされております。そこで、新政権から要請があっても、なくても、日本はそれに対して経済援助をすべきではないかというような趣旨の御意向が出されて、了承されているように聞いているわけですがね。これはいまのお話ですと、まだどういう性格のものか、形勢はどうか、よく私もわかりませんけどね、そういうやさきに、すでに積極的にこちらから経済援助を、まあ内容はどういうことかよくわかりませんが、しようという御方針を述べられたということは、ちょっと合いませんね。この点はどういう意図できのうの閣議に御報告をされたんでしょうか。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 九月三十日のあの事件のあとにおきましても、向こうの状況、経済事情が非常に困窮を来たしておる。それで、回教の正月を迎えるにあたって、せめても綿布類をという、これは軍のほうも大統領のほうも一致して日本の援助を求めてまいりました。で、これはやはり、従来の友好関係のたてまえから見て、この際はやるべきであるというので、これに対して約六百万ドルの援助を、経済協力をしたわけであります。その後はだんだん混乱がひどくなっておるというので、緊急援助もはたして受け付ける状態なのかどうかはっきりいたしませんので、いままで控えてまいりましたが、新政権がはっきりでき上がって、そうして向こうの要請があれば、従来の方針をさらに延長して緊急援助はすべきではないかという考え方を私から申し述べたことは事実であります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 斎藤大使を召還して現地の実情をよく伺って、それによって安定性、それから性格ですね、さらに承認するかしないか、こういう段取りになると思うんですがね。そうなりますと、少しあなたのお考え方は先に行っているように私は判断するんです。ですから、具体的に経済援助をする場合でも、これは金との関係でありますし、いろいろむずかしい問題があるわけです。外交権はもちろん政府がお持ちですから、私たちはとやかく言いませんけどね、そういう点でいかにもタイミングが合っておらないし、少し——前のスカルノさんがどういうふうになるのかわかりませんけれども、それとの延長的にものを考えて、政変があっても大体わが方に有利な政府ができるだろうというような判断であなたはおやりになったと思うんだが、しかし、これはきわめて軽率——というと少しことばがどうかわかりませんがね、もう少し慎重を期すべきではなかったかと私は思うのですがね。ですからそれはほんとうにどういう気持ちで言ったのか、率直なあなたのお考え、いまのところではちょっとわかりませんが、ですからもう少しこれはペンディングして、それからきめるべきだと思うのですね。それとも、新政権は斎藤さんが帰ってきていつごろ承認の方向にきちっと態度を出して、その上に立って日本政府はいろんな対策をやっていくのだということになるのですか。その点はいかがですか。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 別に政治的な意図を持っての発言ではないのでありまして、スカルノ大統領のもとに新政権が発足するのではないか、そういうことになれば、向こうの要請があれば、非常に向こうの経済の情勢が悪いのでありますから、ことに四月、五月を迎えて食糧の端境期になる、そういう状況もありますので、その程度のことは考えざるを得ないのではないか、向こうの要請があれば。そういうことを言っただけのことであります。新政権が日本に有利であるか、不利であるかというようなことまでに、頭を使ったわけじゃございません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 段取りはどうなんですか。斎藤さんが帰ってきたあと。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 段取りはこれから政府の内部でもちろん相談して、そして向こうからいずれ斎藤大使か、あるいは斎藤大使が現地を離れられないとすれば、それにかわる者が不日見えるはずでございます。その状況を聞いた上でいたしたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 まあ私はさっき申したような気持ちを、国民の一人として率直に持っておりますので、ですから経済援助の決定等についてはもう少し情勢全般の展望がわかった上で、お取り運びになったほうがよかろうという気持ちを持っておりますから、この点は率直に申し上げておきます。  それから次に移りますが、新東京国際空港の問題で、報道によりますと何かもう富里地区に態度をきめているのだが、そのことを表に出さないで、積極的にそういう立場に立って地元の説得に当たろうというようにとれるのですがね。その点はいかがですか。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中村寅太君) 新空港の予定地はいろいろの、新空港の備えておらなければならない条件等を技術的にも調査といたしました結果、地区は最も適当な地であるということに内定いたしているのでありまして、その内定の線に沿って正式決定に持っていきたいという考えを持って、地元の人の納得を取りつけているという過程でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうしますと少し話が違いますね。ちょうどこの委員会で加瀬委員があなたに御質問申し上げたときに、まだ現地へ一度も行っていない。国からも県からも運輸省からも。ですから地質の関係とか風速の関係とか、まあ気象の関係ですね、そういったものも含めてまだまだ調査をやっていないわけです。ですからそういう現地の調査が行なわれない限りは決定いたしませんというあなたは答弁をなさっている。にもかかわらず、国会にそういう答弁をしておきながらもうすでに内定してしまったということは、少し約束違いじゃないですか。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中村寅太君) 私は富里地区に対しましては、あらゆる調査をいたしているということは申しあげましたが、調査をしておらぬというよううなことを申し上げたことはないと考えておりますが、何かのそれは誤解じゃないかと思いますが、政府といたしましては、先ほども言いますように、あらゆる地区につきまして非常に精密な検討を続けたのであります。最初やはり富里地区には、かなりの人が生活しておられますので、そういう人たちに立ちのいてもらわなければならないという一つの条件がございますので、できるだけこれを避けたいという私は考え方のもとに、あらゆる候補地の調査を厳重にやったのでございますが、適当な場所を得ることができず、やはり新空港の予定地といたしましては、富里地区が最適当であるという調査の結果がそういうふうになったのでございまして、調査をしておらないというようなことを申し上げたことはございませんし、今後さらに地元の納得のいくような処置をしていくということは申し上げましたけれども、事実上の調査は完了いたしておるのでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 どうも話が食い違っておって了解できないんですけれども、私たちの知っている限りにおいては、まだ正式に県も国も地元へは一言もあいさつがない。地元は八ヵ町村が完全にスクラムを組んで反対をしているじゃないですか。そういう反対をしているところに、どういうかっこうで調査に行って、地元の地質がどうだとか、あるいは気象の条件がどうとかいうことをお調べになることができるのですか。これは不法に立ち入り執行していろいろな調査をしたということですか。具体的にやったならお示し願いたい。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中村寅太君) 富里地区の諸条件の調査は、相当の期間かかってやっておるのございまして、具体的にはいま鈴木委員の質問の中に、それがたしか見えておりませんでしたので、関係の者が来ておりませんので、どういう形で調査したという技術的な面のお答えは、私はいまやり得ないのですが、必要でございますれば、あとで係の者を呼んで、よくお答えさしたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは非常に大事な問題でして、やはり認識が全然違いますので、ぜひひとつどういう調査をなさって、現在どういう結果ができておるか、その測定の成果について、ぜひ聞かしてもらいたいと思います。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中村寅太君) あとでよく実情を御報告いたすように手続をいたします。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 ちょっと委員長、一つ。わずかの時間で、たいへん質問者も重大な問題について質問しにくいわけですが、ぜひそれを至急明らかにしてほしいと思います。そこが一つの大きな争点になってるんですから。たいした、地質、気象、一番重要なことですね、しないで、そうして強引にともかくやってくる、そういうところに非常に反感を受けてるわけです。けさの新聞を見ますとね、あの問題になった新島ね、新島、これもずいぶんここにつくるんだ、つくるんだと言っていたのが、どうも気象条件が悪いということで取りやめになる、こういう記事を私見たんですがね。私それを見た場合に、すぐこの富里の問題について、せんだって加瀬委員なり関係者が、気象も十分調べない、まあぼくとした調べはやったようですが、きちんとしたことはやっておらない。なるほどそういうことは十分あり得ることだというふうなことを新島のことで感じたんですがね。一体あれは、新島のやつはそういう理由で取り消しになったんでしょうか。これは明らかにしてほしい。もう結論だけでいいです。別個に聞きます。あれだけ騒がしといて最後のどたんばで、いやどうも気象が悪いからやめた、全くこれは人をばかにした話ですよ、これは。だからそれを結論だけ明らかして、一般質問なり、また別個にやります。それといまの富里と非常に私関係があるように思いますので、扱い方についてはなはだ私はずさんな感じを受けた。新島はどうなんですか、結論は。けさの新聞に出ている。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中村寅太君) 新島の問題、私よく報告を受けておりませんで、承知いたしておりませんが……。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 けさの朝日に出ている。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中村寅太君) その朝日も私きょう見ておりませんので、あとでよく調べてお答えいたします。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 じゃ委員長、それも含めて、ひとつ明らかにしてもらいたい。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 鈴木委員に申し上げますが、政府委員のほう手配しているようでございまするから、ちょっとあとにして、次の問題について続行していただきたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それではこの部分は留保しておきますから。  それで、これは運輸大臣もよく聞いておいてもらいたいんですが、昭和三十九年の参議院運輸委員会において、当時松浦運輸大臣が、反対が過半数あれば、地元の反対が過半数あればきめません、こういうことをおっしゃった。それから航空法三十九条の一項の五号に「飛行場にあっては、申請者が、その敷地について所有権その他の使用の権原を有するか、又はこれを確実に取得することができると認められること。」とこうあるわけでして、この規定は当然この空港許可の場合に適用されると思うのですが、要するに、敷地の中にある所有権ですね、使用権というものが確実に取得できると、こういう見通しがなければ飛行場の許可はできぬわけでしょう。こういうことがあるわけですから、いまの地元の反対ということを全然無視して、もう内定したと言うことは少し行き過ぎじゃないか。これはどうです。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中村寅太君) いまそれぞれ地元の人の協力を要請しておるところでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 聞くところによると、川島副総裁を表面に立てて、そしてまず友納千葉県知事を説得しようという段階だと思うのです。これは総理大臣どうなんでしょうか。いろいろ問題があるのに、そういう手続的なことや国会で答弁したことを全然考えないで話が進んでしまうということは、やはりわれわれも納得できないのですね。ですから、こういう手だてをこれこれこうやった、そしてその結果こうなったというやはり終始一貫したお話でないとなかなか理解しにくいわけですね。あれだけ反対をしているところへ無理やりに行けば、これは激突ですよ。そんなことまでしてやるということはいけないでしょう。ですから、何か主客転倒しているように思うんですけれども、その点は総理としてもかなり慎重に御検討されたと思うんです。そして川島さんを派遣されているようですからね、川島さんに犬馬の労をとってもらっておるようですから、ですから、そういう意味において、すでに友納さんと会っているなら、どういうふうになっているのか、そこらも少し聞かしてもらいたいと思う。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 富里空港と申しますか、新しい空港については、もう長い間懸案事項として、運輸審議会が中心になり、幾多の候補地があるにかかわらず、そのうちでだんだん狭まってまいりまして、そしてただいま富里が一番有力な候補になっておる。かつて言われました霞ケ浦あるいは木更津等々があるわけです。まだ一部そういう点にもやや残っておるところもある。もっとこの最終的決定をいたしますまでにはまだやや段階を必要とするんじゃないのかと、こういうものもございます。が、とにかく最も有力な候補地が富里だと、これはまあ運輸審議会、航空審議会その他もこれを言っておる。こういうことでございますから、ただいま運輸大臣が答えておるそのことは、別に私間違っておるとは思いません、はたで聞いておりましても。ただこれが富里だということで地元におきましてもなかなか反対が強い。これ必ずしも全部とは私思いませんけれども、しかし、この種の事柄が、地元の協力を得なくってこういう事柄ができるとは実は思わないのですから、どうしても協力を得る最善の努力は払わなければならない。ことに一そうこの問題を急がしておりますのが、最近の航空事故等から考えまして、とにかくこれは大事なことだ、こういう意味でひとつ国家的な事業として取り組もうじゃないか。過日もこの席で申したと思いますが、超党派でやはり取り組まないと、十分こういう問題は円満に——円満にとは言わなくても、とにかく結論が出しにくいのじゃないかと、かように思っておるのであります。そういう意味で、政府の部内におきましても、たとえば農地の補償、あるいは農民の処置の問題等で農林省の積極的協力を得なければならない。あるいは交通をいかに整備するかということで、建設省の協力も得なければならない。さらに、学校等の問題もございますし、あるいは防音等の施設から、文部省にもこの種の問題についての意見があるだろうし、あるいはまた排水、下水その他の関係で厚生省にもあるだろう。こういうことで、各省に関係するこれは大事業です。ひとり運輸省だけじゃない。そういう意味で、政府におきましても早急に結論を出し、その結論が出れば、それを完遂できるようなこういう体制を整えるということで、閣僚協議会も設けた。また、党におきましても、党の仕事としても、この種のものを政府ばかりにまかせておれない。こういうことで、積極的に党もひとつ政府の施策に協力し、また、地元民の協力を得るように措置をとろう、こういうことで、推進本部等も設けるというようなことで、いま自民党並びに内閣の体制といたしましては、ただいまの最も有力なる候補地のそれを実現するように、最善の努力をしておるわけであります。地元と申します以上、それはまず知事が問題になるだろう。また、関係町村長も問題になるだろうし、県議会も問題だし、また、町村議会も問題だし、こういうことで、各方面にわたりましてそれぞれ話し合いを続けていこう。まだもちろん地方でただ反対だと、こういう話はあるが、こういうようにしてくれればこれは理解できるのだというような、また、それは政府も困るだろう、困るだろうが、現場あるいは地元だけを犠牲にすると、こういうことでは困るのだ、そういうものに対してはどういうような考え方があるか、こういうような具体的な方法についても十分協議がされつつあります。まだしかし、結論を得た、こういう状況ではございません。問題は、どうしても地元の協力を得ない限り、この種の仕事は成果をあげるわけにいかない・のですから、そういう意味の協議をつけていくと、かような状態である、これが現段階の状況でございます。ただいまどういう事柄が行なわれておるとか一々お話しはいたしませんけれども、ただいま申し上げるような協力を求める方向であらゆる説明をしておる、あるいは具体的な検討をしておる、また、政府自身が考えなければならない問題もありますから、そういう点についてもいろいろ考慮を払っておる、こういう段階でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 非常に親切な総理の答弁でよくわかりましたが、ただ、われわれが聞いている中では、やはり友納さんを川島さんが説得してみても、県知事の覆うことを地元が聞かないのです。そういう情勢にあるわけです。ですから、あなたが言われるように、超党派でこれは考えなければならないという気持ちがあるなら、もう少し私は猶予を置いて、地元を刺激しないようにあらゆる角度からやってみる。まだ一回も国からも県からも地元へ行って、こうだという話をしていないでしょう。いや、それは調査に行ったというのは、調査に行ったので、地元にこの問題について説得に行ったことはないでしょう。そういうことがあるわけだから、もう少し慎重に扱ってほしいと私は思います。問題はまだありますけれども、さっき言ったところが留保になっておりますから、あとでこの問題は、私はまた続けますが、わかりましたか。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中村寅太君) 先ほどの関連の質問の新局の問題は、運輸省の所管でございませんで、防衛施設庁でございますから、そっちのほうからお答えいたします。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) 朝日の記事、私はけさあまり読んでおりませんが、新島問題であれば、おそらくその問題だろうと思います。それは、飛行機が新島に対しての気象情報を送る調査をいままでいたしておりますが、岸壁が高いということと風向が合わないということで、新島を水戸の射爆場というものの転換地域の一つとして調査をいたしましたが、その結果は必ずしも良好でないという問題がありますので、おそらくその問題をけさの朝日では取り上げているのじゃなかろうか。内容を、私、記事を読んでおりませんが、新島はそういう問題があります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 留保しておきます。  その次に移りますが、防衛庁長官に伺いますが、いまの自衛隊の力というのは、どのくらいあるのですか。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) 陸海空合わせて二十四万でございます、兵力は。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 旧陸海軍の力と比べてどっちが強いですか。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) 旧陸海軍の兵力も、平時編制がたしか四十万だと私は記憶しております。ある場合は三十五万といわれました。しかし、その力というものの比較が、どこで比較するかによって非常に違うと私は思います。もちろん定員だけじゃありません。昔の制度は昔の制度、いまは志願兵制度でありますので。ただその定員の数だけ言えば、いまの自衛隊のほうが非常に少ないということです。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 全体の力です、人数だけでなくて、

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) 飛行機の数を言えば、旧陸海軍は約三千機おりました。いまの自衛隊は約その半数であります。したがって、どこの比較を言うべきか、非常に私もその答弁に迷うのですが、総体の兵力でなのか、飛行機の数なのか。軍艦のトン数から誓えば、旧海軍の大体いまは八分の一です。約百五十万トン近くありました、いまは十四万トンですから、十分の一。飛行機の数は少ない、兵力は二十四万、この辺が一番いい数字じゃないかと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 じゃ旧陸海空軍の力を合わせたものといまの自衛隊とどっちが強いですか。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) それは旧陸海軍のほうは、御承知のごとく、うんと強い、いまの自衛隊はうんと弱いということです。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 昭和三十五年当時赤城官房長官は、旧陸海空軍より強いと、いまの自衛隊は。いつ弱くなったのですか。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) それは火力とか一つの兵器を取り上げれば旧陸海軍よりも強い。私がいま旧陸海軍より弱いと言ったのは、旧陸海軍はいわゆる渡洋爆撃とか外国ということも含めて相当大きな勢力があった。いまの自衛隊は、憲法によって非常に縮小されている。こういう意味から弱いと私は言った。一つの火力、一つの小隊の力というならば、これは非常に比べようがありません。したがって、強いかというのは、一つの兵器、五インチ砲一つを取り上げて、昔の陸軍といまとどっちが強いか、これは何倍もいまのほうが強いと思う。総体勢力といえば、私は、昔のようなものではない、こう言うのが正しい。まあできれば何か一つの例を出していただいて、それについてお答えするほうが議論がしいいんじゃないかと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私は、日本の防衛力というものをこれから聞いていくわけです。だから、赤城さんはとにかく強いとおっしゃったのだからね、もっとそれから強くなったと、こうぼくは見ておったわけだ。弱いと言うから、それがわからぬ。じゃ赤城さんは何を基準にしてここで強いと言ったのか、聞いてくださいよ。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) おそらく陸軍の歩兵勢力、歩兵の一連隊の兵力における戦闘力を言うならば、いまのほうが近代化されておる。それは言える。おそらくそれを比較して私は言ったんじゃなかろうかと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 議事録を読んでみてください、間違いなく言っているんですからね。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) 私も速記録はほとんど全部読んでおります。したがって、その一条一条は知りませんが、そのときは火力を言ったんです。戦力の中の火力を言ったんです。火力の話を例にとっております。一つの連隊におけるいわゆる大砲装備の力を言ったんです。装備の力、一つの連隊における装備、それは近代化されておりますから、当然こちらが、いまの自衛隊のほうがより近代化されて前進していると言えます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それはよく検討してみてください、どのくらいあるか。  それから、いまの日本を防衛している力というのは、日本とアメリカとやっているわけですね、その比率はどうなっておりますか。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) 比率と言われると非常に困るのですが……。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 アメリカが幾つで日本が幾つ。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) そういうものは、比率というものは取りにくい。かりに言うならば、国内における自衛力は全部日本であります。空におけるいまの平時防衛、これは全部自衛隊であります。海における、近海における、日本の沿岸における防衛力、これは皆自衛隊であります。その地域によってこれは違うのでありますから、日本の領海、領空、領土、これは全部自衛隊で、米軍との作戦というものはいまのところわれわれは全部自衛力でやっているというふうに私は限定していいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 安保条約を見ても、日本の兵力は国情に応じて漸増していくということがアメリカと約束されているわけでしょう。だから、いまアメリカと日本の力がどういう程度にあるのか、そうしてそれをどうふやしていけばアメリカの力を借りなくても自立できるのだということは防衛の基本じゃないですか、自衛力の。だから、そういうことはおわかりになっていないんですかね。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) 防衛力の限界というものがきまれば、鈴木委員のおっしゃるように、その限界と見通しは何年後にはここに到達するという見通しはつくでしょう。しかし、防衛力の限界というものは、これは御承知の相対的なものであります。憲法におきましても、あるいは今日の国連憲章におきましても、皆相対的なものである、個別的、自衛権というものは相対的なものである。その相対的なものなんですから、限度というものは相対的にきまるんです。そのきまるワク内で日本の自衛隊というものが活動する。その力の中で比率というものが言われれば言えましょうが、相対的なものがないときに比率を示せということは、それは私は天文学的なものじゃないかと思います。−私の答弁が非常に不正確ですから  。しかし、できれば何か質問も私の知識の範囲内でひとつわかるように質問を出していただけば、それに答ええないと、鈴木さんの知識はあっても私のほうに知識がないと答えられないですから、何か私のわかるような例を出していただいて、そうして質問を続けていただけば答えもそれに応じてやります。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 鈴木委員にちょっと申し上げますが、先ほど運輸省関係の政府側答弁も残っておりますし、少し時間を残されて、政府委員が参ったときに後刻続行することにしたほうがいいかと思うのでございますが。——ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 速記を始めて。  鈴木君の残りの質疑は後刻行なうことといたします。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 宮崎正義君

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 最初に、十四日の日にソ連の領土である沿海州の沖合いで、出漁しておった北海道の小樽市の底びきの漁船十六隻がソ連の監視船から漁場の退去命令を言われて、そしてやむなく全操業中の漁船は小樽港に帰っていった。公海上での操業を追われたということは、ことしになって三回目であるということを聞いておるのですが、この点について詳細御報告を願いたいと思います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) この問題は水産長官から答えさせます。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) お答えいたします。三月の十四日に北海道の小樽根拠の沖合い底びき船が十八隻でございますが、北緯四十四度東経百三十六度及び北緯四十四度東経百三十六度の地点で操業中、ソ連の軍艦が接近してまいりまして信号旗を上げましたので、船から船主あてに、これは読めない、ソ連の信号旗は読めなかったもんで、漁業無線局に依頼をいたしてきました。その旗は海軍という意味と退去ということを意味しておりました。ソ連の軍艦は三隻にその後なりまして、飛行機が一機飛来いたしまして、信号により、十五マイルの東に撤去せよという指示をしてきましたので、巨岩十五マイルか、現地点から十、五マイルかの判断、または同海域から東の方向は漁場価値はないことなどで、その措置について船主に依頼をいたしてきました。船主は、結論といたしましては、同海域を退去するように十五日に連絡をいたした、こういうケースでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 三回にわたっての三回目です。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) 今回報告を受けましたのはこの件でございます。前に一回これに類似するような件があったようでございます。昨年もこの時期におきまして、こういう件が数回あったと承知いたしております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 一月に一回、二月に一回、三月に一回、こう今度で三回目でありますが、その一回目二回目についての詳細の報告を願います。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) 一回、二回につきましては、ただいま詳細な報告書を持っておりませんが、ケースといたしましては、大体十五マイルの線の外に出るようにということが、軍艦からの指令といいますか指示でございまして、漁場を離脱いたした、こういうケースと承知いたしております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 一回、二回についても詳細お調べの上報告を願いたいと思います。  このように三回も沿海州沖でソ連の監視船から退去を命じられております。しかも、三回目はソ連の飛行機が上空にあらわれて、そして全く緊迫した空気だと、このようにも報道されておりますが、こういうソ連に対する政府はどのように、今回の件、三回を通じての件でどうソ連に申し入れをしたか、この点を伺っておきたいと思います。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) 本件につきましては、実は私どもに正式に入りましたのはごく最近でございまして、外交ルートを通じてソ連に折衝をするということは今日までいたしておりません。今回この報告が正式に参りましたのと、それからたび重なっておりますので、船主並びに船員からよく事情を聞きまして、現在ソ連にも人も行っておる際でございますので、要すればその面で公式にいろいろ打診をしてみたい。事情がよくわかりかねる点がございますので、そういう方法をとってまいりたいと、かように考えます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 一月に行なわれ、二月に行なわれ、三月に行なわれておるんですから、事情がよくわからないとおっしゃいますけれども、当然一月、二月の事情はわかっていなければならない、そして三回目は防止されなければならない、こういうふうに思うわけですが、非常に手ぬるいんじゃないかと私は考えるわけです。この点どうでしょうか。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) 漁場を離脱して他の地区において操業をする  十二マイルの領海がございますので、一つ想像でございますが、領海侵犯等でトラブルを起こしたくないという予防的な措置であるかと当初は考えた時期が一時あったわけでございますが、いま手ぬるいのではないかという点でございますが、私どもよく事情を調べまして、今後は適切な処置を考えたい、かように思います。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 地元民は、公海上の操業を奪われて、そしてこの責任をとってもらいたいと、こうも訴えております。また、そうした反面で、ソ連の漁船が三陸沖まで操業に来ている。こういう点に照らし合わせてみましても、こういう観点の上からいっても、政府はどういうふうなお考えでこれに臨まれていこうとするか、お伺いいたしたいと思います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) 先ほど水産庁長官からお答えいたしましたようなわけでございまして、三回ばかりございます。これらについて、私どもとしても道庁その他ともよく御相談を申し上げまして、なお外務省ともお話をいたしてまいりたいと思うのでございます。今日までのところ、昨年、一昨年もあったことを聞いておるわけでございまするが、漁業というものについての位置を変更したというようなことでございまして、その後の状態等については、この地元民からの問題等については、非常な、これらの点についてのこの交渉その他について十分まだ開いておりませんような関係でございます。したがいまして、今後さっそくこれらについて事情等を十分聴取いたしまして善処いたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 この際ついでに伺っておきたいと思うのですが、その監視船及び海上自衛隊の海上自衛艦等の巡回は、どのような区域に、海域ですか、巡視しているようですか。この点について御説明願いたいと思います。

栃内一彦海上保安庁長官

○政府委員(栃内一彦君) 海上保安庁の巡視船は、日本海の、沿海州付近まではパトロールをやっておりません。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 自衛隊。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) 自衛隊は、公海まででございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 領海についてはあとで御質問したいと思いますが、北方の安全操業についてでありますが、歯舞とか色丹、国後局周辺では安全操業を訴え続けて今日もおりますが、それに今回の沿海州沖合いでも一月、二月、三月と続けて毎月操業を追われておる。こうした事態が今後も繰り返せられるようですと、この北方で働く漁民の生活権を脅かす、こういうふうに思うわけでありますが、この点について農林大臣から伺っておきたいと思います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) 北方領域の問題につきましては、これは非常にいろいろの点において、相当こう慎重にこれは考えていくべき点が多々ありますのでございます。で、以前においてコンブの問題で、これらの問題を、ソ連との話し合いをずっとやっておりまして、非常によくこれらの問題が解決をしかかっておりましたわけでございまして、ごく最近これらが、その周辺の採取問題だけは、これらの解決をしたわけでございまするが、その他の点につきまして、実はイシコフが——向こうの、ソ連の漁業大臣がこちらへ来ることに実は話し合いがついておりまして、その際に十分話し合いをする、前農相と一緒に話をするということで、ちょうど前農相との引き継ぎもありまして、そういう予定をいたしておりましたところが、向こうの都合によりまして、こちらに参りますることが少しおくれたわけでございます。そういう際において、今度この日露漁業の協議会が行なわれるように相なりましたようなことで、その点が少しおくれておるようなわけでございます。この問題は非常に重要な問題でございまするので、私ども慎重に、またそうして友好的にこれらが解決できますることについては十分進めてまいりたいということを念願しておるわけでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 まあ大づかみのお話で、ちょっと納得のできかねるのですが、あとでまた日ソ漁業の問題については、日ソ漁業の条約につきましては後ほどお伺いいたしますので、国後、択捉、歯舞、色丹を結ぶ海域は、中に各島から十二海里以上離れた公海が存在しておるはずなんですが、その公海を領海と宣言して、そうして入れば拿捕されるというのが今日までの実情じゃないかと思うのです。こういう点について御説明を願います。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) お答えいたします。  歯舞、色丹をめぐります安全操業につきましては、先ほど大臣からお答えいたしましたように、昨年来いろいろと折衝を民間ベースでもやっておるわけでございます。いま先生御指摘のいわゆる三角水域の問題でございますが、各ソ連領から十二マイルで円を引きますと、まん中に三角水域ができます。これは公海ではないかというお話でございますが、まさしく公海として両方認め合っておるわけでございます。ただ、問題は、その水域に行きますのに遠回りをしなければならない。そこで、安全操業の一環の問題として、その三角地帯に行くのにももっと便法を話し合って話し合いをつける余地はないかと、こういう問題として三角水城という問題があるわけでございます。三角水域そのものが公海でありますことについては、両国の間に意見の相違はございません。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 漁船の拿捕なんですが、霧が深くてつい流されていってしまって、へさきだけ入ってもすぐ拿捕されるという事例がどっさりあるわけなんです。二十一年来から、おもに南千島や歯舞、色丹近海で日本漁船が捕えられ続けたのでありますが、これは共同宣言発効後も依然として今日まで続いている。これらの隻数は千隻、また、  一万人も拿捕されておる者がおる。いまも約十人ぐらいの人が拿捕されておる。こういう点について、どのような今日話し合いを進められておるのか、椎名外務大臣にお答えを願いたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) この問題につきまして、先般訪ソを私がいたしましたおりに、グロムイコ外相に両国の懸案の問題の一つとしてこの問題を提議をいたしております。これは、いま御指摘のとおりの状況でありまして、日本の漁民にとってきわめて深刻な問題である、ぜひ安全操業に対して何ぶんの協力をしていただきたい、こういうことを話したわけであります。ちょうどそのころイシコフ漁業大臣が日本に来てそれらの問題について話し合うことになっておったのでありますけれども、病気のために来れないという状況でありましたので、これは急ぐから、イシコフ大臣がもし来れないならば、日本から今度はそっちに参ってもよろしい、場合によってはイシコフ大臣の代理の方が日本に来てもらってもよろしい、早急にこの問題をひとつ両国の間で話し合って、しかるべき処置をしてもらいたいということを申し入れましたところが、この問題はよくわかった、なるべく御期待に沿うようにすると、こういうことで、まだどうも進んでおりませんので、外交折衝によってこれを督促したいと、こう考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 いま、沿海州の沖合いの問題、それから安全操業等につきまして私はいろいろ伺いましたのですが、総括して総理から沿海州の問題あるいは安全操業の問題について所見なりをお伺いしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど外務大臣並びに農林大臣等からお答えをいたしましたが、もうそれで尽きるのでございますが、私もかつて北海道開発庁長官をしまして、北海道の住民から、ただいま言われましたような漁業の安全操業、さらにまた、沿海州との貿易等は、これはどうもゆるがせにできない問題である。また、当時私自身も、北海道の農民の要望にこたえるという意味で、歯舞、色丹の墓参、さらに、藤山長官からは、樺太、国後、択捉等の墓参等につきましても積極的に発言をしていただいたのであります。ただいま宮崎君の言われるのは漁業の問題かと思いますが、漁業の問題だけではなく、縁故の深いこれらの地域に対してのわが国の本来の主張をもっと端的にわかるようにすべきじゃないか、こういう御発言だろうと思います。そういう意味で、まず、領海についての主張が違う。それがソ連の考え方ですべてがしいられる、これはどうも困るじゃないか。ことに国後、択捉、これは私は固有の領土だと考えておりますので、ソ連との懸案事項で最も大事なことはこの北方領土の問題を解決することではないか。それに関連しての安全操業あるいは墓参、ただいまの本来の領土そのものが解決すればいいですが、それをみるまでにただいまのような問題が次々に論議されているんじゃないだろうか。そういう意味の主張をし、また、ソ連の理解もある程度得てきたと思います。でありますから、歯舞、あの地域に対する墓参の問題も片づいたし、あるいは樺太、これは、サガレンの問題は、日本の放棄したところではございません。ただいまのように引き揚げの問題がやはり進んでおりますし、また、最近は、北サガレンの地下資源、ガスの輸入の問題も交渉中でございます。また、沿海州からの先ほどのような漁家に対する退去命令というものは、実は私は初耳でありまして、宮崎君から教えられたのであります。在来から、木材の輸入、それがいかだ輸送をする、そのために北海道沿岸の漁場が荒らされる。その保証の問題等がある。したがって、最近の木材輸入の額がふえますが、同時に、もういかだ輸送はやめる、こういう方向でありますから、この問題はまずない、かように思ったのであります。しかし、ただいま言われますように、漁場、安心して操業ができる、まだそういう状況でないような御注意でございますので、一そうそれらの点について国益保護の立場で公海上における当然の権利、これが拘束を受けるようでは困りますから、厳重に話をつけるようにいたしたいものだと思います。  いずれにいたしましても、たいへん大ざっぱな、まとまりの悪いお話をいたしましたが、北方諸地域、これは、北海道の人たちばかりじゃありません、わが国といたしまして在来からの古い因念のあるところでありますし、そういう意味で、国益をわれわれが守る、また、この国益を増進していくというように努力しなければならないものが、ひとり漁業ばかりではなくて、各方面にあると、かように思っておりますので、最善を尽くしていくようにいたしたいと思います。また、そういう意味で、具体的にこの点をと、こういうものを教えていただくと同時に、御鞭撻を賜わるようにお願いいたします。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 親切な御答弁をいただきまして、私が次から伺おうと思ったことも先にお答えしていただいたものですから、私の希望を申し上げたいと思うのですが、北方領土の返還、これは、私が申し上げるまでもなく、太平洋の憲章及びカイロ宣言で明らかにされておる領土の不拡大の原則に反している。こういう点からみましても、これはつど話し合いをしていかなければならぬ。幸いにも、いま、日ソ経済合同委員会のネステロフ団長が団員の方を遮れて委員会に来ておられます。こういう機会にも大いに話していただく。そしてまた、現在行なわれておる日ソ漁業協定等の話し合いの中にも大いに進めていただきたい。このことを一言申し上げまして、外相の御意見を伺って、この件については終わりたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 領土の問題については、この間の訪ソの際に、向こうの外務大臣及びコスイギン首相と十分に日本の立場を話したのでありますが、十分のもちろん成果を得られないで帰ったのです。しかし、われわれとしては、決して先方の説に属したわけではないので、短い滞在の間にこの問題をさらに討議するということは許されない条件であるので、われわれの考え方は、あくまで固有の領土であると、国民のすべてがそう了解していると、現在の状況は納得できないのだと、こういうことがひいては両国の間の問題に悪影響を及ぼすということを非常におそれるのであると、であるからして、この問題については、私は自分の説を保留して、さらに適当な機会にまた話し合いたいと、こう言って別れて来た状況であります。  それから、北方水域における安全操業の問題は、先ほど申し上げたとおりございます。ただいまの状況は、かような状態になっておるのであります。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 昨年、東京交渉でソ連側と日ソ漁業の話し合いをしているわけですが、昨年も、六五年はうんと規制していくんだという話がありまして、六六年のマス資源を回復するためには、B区域の日本側の出漁隻数を六五年の一〇%として、そして漁期を短縮して五月十五日から七月一日にするのだと、日本側がこの処置をとっていけば、ソ連側も計画量を大幅に削減する用意があると、こういったような文書を残して帰国してると思っているんですが、このような動きに対する政府の見通し等について御説明を願いたいと思います。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) お答えいたします。   昨年の第九回日ソ漁業委員会におきまして、ことし、つまり一九六六年のマス資源に両者間で言及いたしまして、最終的には六六年のことに触れずに、向こうの代表が帰ります際に、六六年の措置について日本でもよく研究しておいてくれという趣旨の手紙を置いて参ったことは、先生御指摘のとおりであります。で、私どもといたしましては、マスの六六年の資源につきまして、現在、本日ただいま、モスコーで科学者間同士で科学的な立場で議論をいたしておりますので、その科学的な結論の上に委員同士の交渉が行なわれるわけでございます。そういう昨年のソ連の意向にかかわらず、日本としては日本の立場で主張すべき点を主張する、こういう態度で現在臨んでおる次第でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 このB区域は、大手会社の母船が出漁するA区域と違いまして、流し網だとかはえなわ漁船の漁場であります。ここでは、中小及び零細の漁船が、私の調べたところによりますと、約二千三百隻ぐらい出漁しているということです。B区域の日本漁船の九割を減らそうというのがソ連から提案されているようですが、二千三百隻の線に確約をしてもらいたいということについては、どういうふうにお考えになっておられるでしょう。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) A区域とB区域を分けまして、B区域がマスの漁道に当たっておる。A区域はベニその他が主流をなしている。したがって、マスの資源を論じ合います際、あるいは規制を論じ合います際に、B区域が問題に相なる。B区域の操業の態様は、沿岸——日本の本土から比較的近いものでございますから、御指摘のとおり、日本基地独航で相当数が行っておる。で、そういう実情でございますから、規制の態様として、ソ連としてはきわめて簡単に船の数を減らしたらどうかということを言ったわけでございます。国柄が全く違うわけでございます。日本の漁業というのは、日本国では個人のリスク——企業として行なわれているわけでございますから、ソ連が言うように単純に船の数を減らす、そういう考え方は本来とり得ない性格のものである。かつ、漁期も、もうことしの六、七と迫っておりますので、そのような形には応じがたい、こういう基本方針で臨んでおる次第でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 二千三百の隻数は……。二千三百ですか。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) いま調べまして申し上げます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 二十八日の日本向け放送でモスクワ放送がありまして、モイセーエフソ連首席代表が、日ソ漁業条約を修正する必要があるのだ、この旨の談話が発表されたようでありますが、これについてどういうお考えか、農林大臣に伺いたい。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) 現在の日ソ漁業条約が、ちょうど御存じのとおり十二月で切れるわけでございます。そのときに、どちらの国からでも破棄を申し込めば、一年後に切れるということは御存じのとおりでございますが、その際において、この協定を改正するかどうかという問題、それからして、改定を申し込むかどうかという問題、それらについては、現在のところ、どちらがいいかというような点について、詳細に検討中でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 交渉の過程でございますから、これ以上申し上げてもしようがないと思いますが、現在の資源評価の方法は、ことしとれる二年魚が稚魚のときのソ連の河川への産卵回遊量から計算して、現在のソ連側の資料だけをたよりにしている、また、過去の漁獲結果をもとにしているということなんですが、現行条約は日ソ両国で北洋資源を永続的に利用するために、両国の学識経験者を含めて北洋資源の科学的共同調査を約束しているのにもかかわらず、いまだにこの実現を見ていないのであります。この点についてどういうふうにお考えになっておりますか、お伺いいたしたいと思います。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) 初めに、先ほど御質問のございましたB区域の船の数でございますが、二千三百六十五隻でございます。  それから、資源評価の問題でございますが、日ソ漁業条約そのものが、両国で資源を評価して合理的に漁獲をやろう、こういう立場でできましたもので、委員会の発足の第一回の委員会におきまして、資源評価の方法論を両国の学者間で非常に詰めまして、方法論は確定いたしておる。その方法をことしも使うか使わないかということについても、毎年の委員会で議論をして確認しているということで、ここ十数年の間、方法論は一定いたしております。その方法論は、一つは、公海におきます部分におきましてとれました魚の体長とか、年齢組成、そういう立場から資源を推定する分野からの接近と、それから川に上がりましたものあるいは下がりましたものの数から資源を評価するという方法を大きく二つの柱として評価をしておるわけでございます。そして、公海のほうでは日本側が現実にとっておりますし、調査船も十数はい出しております。資源の科学者が別に母船に八名乗っておりますので、調査船と合わせて十九名程度になります。そういう資料を日本側から持ち寄る。ソ連側からは川におきます資料を持ち寄る。こういう方法で、現在資源調査をお互いに両者交換をいたしておるわけでございます。現在、科学者間では、この調査方法を特に改める必要があるということには相なっておらないのでございます。  それから共同調査の問題でございますが、それはある意味からいいますと共同調査なんでございますが、それとは別に、技術協力等の問題等が先般赤城前農林大臣がモスコーに行きました際に意見の合意を見まして、これはサケに限りませず、北洋の底魚とかあるいはその他の魚種について、日本とソ連とでいろいろの意味の共同の調査をやろうという申し合わせができております。その実施方法については、現在両国間で打ち合わせ中でございます。具体的なまだ結論には至っておりません。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 いまサケの話が出ましたけれども、ソ連はサケが減る減ると言うけれども、そのふ化場なんかどういうふうになっておりますか。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) ソ連の側からいたしますと、上がってまいりますサケ、それからそれの降下するサケで資源が構成されることを認めておるわけでございますから、放流事業にもソ連は非常に熱心でございます。日本でも、ソ連の立場と並行いたしまして、放流事業には大いに努力をいたしておるわけでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 その実績等を、またあとでけっこうでございますが、資料でよろしくお願いします。  今回のカニ資源の問題にしても、両国の態度に相当食い違いがあるように思えるわけなんです。この食い違いが、北洋資源を永続的に利用するためには、両国の学識経験者を含めての科学的な共同調査をしなければいけないだろうと思うのです。こういう点について、はっきりと今回の交渉でやるかどうか、この点について伺っておきたいと思います。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) カニにつきましては、先ほど申しました今回の日ソ交渉の科学小委員会の第三日目におきまして、カニの資源の将来図につきまして若干両国の意見の相違がございましたが、最終的には、将来注意をして見守るべき資源であるということで意見の一致を見ました。それで、両国の学識経験者によってというお話でございますが、現在、ソ連の代表は、全連邦海洋漁業研究所長代理、それからそれと一緒に太平洋漁業研究所長ということでございまして、いわば向こうでは最大の学識経験者でございなすし、こちらからも水研その他いま私どもの予想し得る長い間この関係をやっておりますいわば第一級の学識経験者で委員を構成いたしておりますし、随員も構成いたしておりますので、その方々で委員会なり科学小委員会を構成してやっておるわけでございますので、現実にそうやっておるので、それ以外に特に学識経験者でもってというよりは、ベストメンバーであると、かように私ども考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 いま申し上げました共同調査の実施を可能にするとしますと、現行の条約を改定しなければならない、こう思うわけですが、その点はどうでしょうか。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) 現行条約は、漁業委員会でいろいろのことをきめるたてまえに相なっておりますので、漁業委員会できめることでございますれば、条約改定の問題とは関係ございません。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 モイセーエフソ連首席代表が条約修正の必要の談話があった関係上、この際わが国も共同規制の義務化だとか、そういったような条項を加わえていくという提案をして、これからまた条約が改正されようとされる点のことも考えあわせてやればいいじゃないかと、こういうふうに思うわけですが、この点について農林大臣からお願いいたしたいと思います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) お答えいたしますが、いま、その点については、先ほどお答え申しましたように、慎重検討中でございます。いま向こうで日ソ漁業委員会が開催中でありまするので、そういう点ともにらみ合わせまして慎重検討中でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 時間等の関係もありますので、このくらいでとめておきまして、ニュージーランドの専管水域共同提訴のことでお伺いしたいと思います。  昨年九月のニュージーランド国会で、ニュージーランド沿岸に十二海里の漁業専管水域を設定するという旨を発表して、漁業水域法を制定した。そうして、一月一日からこの実施に移っている。そのために紛争が起きて、そうしたわけでこのたびの共同提訴ということになると思うのですが、この見通し等について外務大臣にお願いしたい。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 御案内のとおり、専管水域の設定は、一方的にこれを宣言すべきものではない。日本がニュージーランドの区域で漁業をやっている実績がございますので、これに対して抗議を申し入れたところが、向こうもその趣旨を取り入れまして、そうして共同提訴をするということになったわけでありますが、それでただいま案文を調製中であります。その間漁業の実行はどうするかということでありますが、あまりまあ問題を荒立てないで、おだやかに従来のとおりに日本がその水域において漁業を実行する、漁業を行なうという了解に達しております。それで、いよいよ共同提訴になって判定が下るまでの間は、やはり従来の実績を尊重して、あまり問題を荒立てないで漁業を行なう、こういう状態であります。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 これはほんとうかどうかわかりませんが、聞くところによりますと、日韓条約による十二海里の漁業専管水域を認めたそのことによって、ニュージーランドもそれを追ってやっていくんだと、こういったようなことを聞いておるのですが、こういう設定をしていく、それに対してわが国は過去の漁業の実績を認めさしていこうとする、そのための、また向こうでは締め出しじゃないかというところから今回の処置になったと思うのですが、こういう点につきまして御説明願いたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 日韓漁業協定でお互いに十二海里の専管水域を認めるということになりましたが、これはお互いの間で合意して初めて両国の間で専管水域が認められるということになるわけであります。ニュージーランドは一方的にこれを設定して強制しようというたてまえをとったのでありますから、これは今日の国際法上許されない行為でございまするので、それでこちらから抗議を申し入れた結果、さっき御説明申し上げたような状況になったわけであります。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 ニュージーランドは海洋法の条約批准の加入国になっているようですが、大陸だなに関する条約の批准加入だけだと私は思うのですが、また、この海洋法の加入国等の現況について御説明願いたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 政府委員から……

北原秀雄外務省欧亜局長

○政府委員(北原秀雄君) お答え申し上げます。  大陸だなに関しまする条約に関しましては、立法的性格の条約でもございますので、わが国といたしましてはまだ検討中でございます。御指摘の領海及び接続水域に関しまする条約及び公海に関しまする条約につきましては 国際法及び国家間の慣行を成文化したものでございますので、これに関しましては、加入につきまして特別の問題はないと考えております。目下準備中でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 加入国等の詳細を御説明願いたい。

北原秀雄外務省欧亜局長

○政府委員(北原秀雄君) 私ここに詳細持ち合わせておりませんので、後刻、この加盟状況等を全部資料にいたしまして御説明いたしたいと思います。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 その資料が来ないとあれですが、次にまいります。  わが国の遠洋漁業の操業中のアフリカの海域だとか、あるいはインドネシアの海域等、諸国の海域で、今度はニュージーランドと同じように漁業専管水域を設定するように将来はだんだん、だんだんと考えてくると思うのですが、この点についてどう考えられておりますか、御答弁をお順いいたします。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) お答えいたします。  沿岸国が非常に百マイル、二百マイルという漁業水域を主張いたしますし、片方において領海以外は公海であるから自由である、この二つの議論が対立をいたしまして、一九五八年に国際会議が持たれ、六〇年に第二回が持たれ、そこに一つの国際条約案をつくろうとしたのですが、不成立に終わった。で、その後の動きといたしましては、一九六〇年にアメリカ及びカナダから提案されました十二マイルの案をバイラテラルにお互いの国同士できめよう、あるいは一方的に宣言しようと、こういう動きが強くなりつつありますことは御指摘のとおりであります。で、日本国といたしましては、十二マイルそのものを否定しませんが、一方的な法律で他国を強制するということには服し得ない。両国間の事情の上に、合意の上で設定すべきものは設定する、こういう態度で対処いたしておるわけでございます。一般的に傾向がそうなりつつある、十二マイルの傾向が大きくなりつつあるということは御指摘のとおりであります。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 アメリカも北太平洋海域に漁業専管水域を設けようとしているように聞いておるのですが、この点についてどういうふうに思われますか。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) アメリカにおきましても、議員提案としまして十二マイル法案が国会に上程されまして、現在審議中であります。まだ成立はいたしておりません。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 いまお話しのように、全海域において漁場をだんだん、だんだん狭まれていくような危惧が将来あるわけであります。わが国の遠洋漁業の将来性の見通し、また、これに対する対策等、総理大臣並びに農林大臣にお願いいたします。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) ただいま申されたように、各国とも非常にこの漁業法の問題に力が入るようになったことは事実であります。そういう関係でありまして、いわゆる漁業先進国でありまする日本が各方面に、各地帯の沿岸に対しての漁業をやっておりましたるそういう際でございまするので、その点についてはいろいろの問題が出てまいっておりますることは御指摘のとおりでございます。そういう関係でございまするので、これは一つは、いま申しましたとおりに、この各国とのいわゆる協調ということでありますが、二面は、やはり科学的な基礎に立つところの資源の保護という面に対して十分の力をもっていきたい。いわゆる科学的基礎の上に立って、共通の資源を十分擁護していきたいということ。しこうして、また、各国とも自発的規制といったようなことでなしに、十分これらの公海上におけるところのいわゆる資源の利用というものをお互いに均衡な立場で公平にそれを分かつということ、それからまた、従来のもちろん実績というものがものを言うのでございまするから、それらの、いわゆる三つの、大体簡単に申し上げますると、そういう原則に向かって、このいわゆる国際的な問題については、十分これらの問題を解決してまいりたいと、こう存じます。なお、その問題以外にわれわれといたしましては、この沿岸漁業の新漁場の開拓という問題についても十分調査をし、開拓を進めてまいりたい。いわゆるアフリカ地帯における新漁場の開拓と申しますか、数年前からやっておりまするけれども、さらにこれを拡充するというような方面に向かった努力をもちろんいたしております。  そのほか、なお、漁業全体についての問題は、これはここで差し控えますが、それらの問題について十分の力を伸ばしてまいりたい、こう考えております。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 御承知のように、水産資源は私どもの生活にとりましてもやはり重要なものでございますから、水産資源の確保をはかるまず沿岸漁業の振興法などもそういう意味で考えられております。しかし、この沿岸の漁業が受け持つ範囲はまことに小さいし、最近は困難な状態にあります。ただいま農林大臣が申しましたように、だんだん遠洋に出られる遠海漁業、こういう方向に向かってまいります。しかし、かつての水産王国であった日本も、外国の進出もなかなか盛んでありますし、また、ただいまお話のありましたようなことで、新漁場の開拓も非常に困難な状況にあります。また、国際的な規制もだんだん加わってくる。海洋法を中心にしてのいろいろの問題があると、かように思います。でありますから、一方で生産も拡充していかなきゃなりませんが、そのためには装備をよくする、あるいは海洋気象観測これを整備するとかいうようなこともいたしますが、同時にまた、魚族保存ということも力をいたさなければならない。ことに、ただいま農林大臣もそういう点でお答えしたと、かように思います。でありますから、国際規制が漁業資源の温存あるいは育成、そういう点にありますところの大陸だなの規制の法律など、これに参加するということにつきましては、いろいろ当方も真剣に研究しておるようでありますけれども、国際的な観点から見ればやはり資源の確保が非常に大事なことである、かように思いますので、関係国がお互いに話し合って、たとえば米、カナダ、日本等の漁業協定の問題もあるし、日ソの問題もあるし、あるいは南極の捕鯨の申し合わせがある、かように各国で協調をしていくということですが、同時に、水産王国としての私どもの日本の占めておるその地歩はぜひとも維持したい、かような意味でさらに努力してまいりたい、かように思っております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 いまお話がありましたのですが、わが国は海洋法の国際会議には出席しているのですが、この条約に——まだいずれの条約にも批准していないのです。今後これを海洋法の加盟国といいますか、そういうことについてどういうふうになさっていこうとするか、この点一点をお伺いして、次に移りたいと思います。

藤崎萬里外務省条約局長

○政府委員(藤崎萬里君) 海洋法会議でできました四つの条約のうち、公海に関する条約、領海及び接続水城に関する条約につきましては、大体従来の国際法を成文化した内容のものでございますので、これに参加するという方向で関係各省とも目下検討中でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 時間の関係等で、海難等の問題もあったのでございますが、次に移りまして、農薬の問題について少し伺っておきたいと思います。  去る九日の衆議院科学技術振興対策特別委員会で、水銀の農薬の使用が問題になっております。わが党の北條議員は、去る二月二十五日の農水の委員会でこの問題を取り上げております。水銀農薬をこのまま放置しておきますと、ますますとうとい人命を失う、また、ゆゆしい事態になってくるだろう、こういうことは、私は申し上げるまでもないことと思いますが、この際政府の、この農薬使用についての明確な所見を伺っておきたいと思います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) 農薬の問題につきましては、もちろん一番いま考えております点は、この毒性の少ない農薬をでき得る限り早急にふやしてまいりたいということが第一点でございます。現在大体七割程度が低毒性であるというふうに見られているのでございます。たとえば農薬のほうで、この燐性のものにつきましても、非常に程度の低いものができておりますのでございます。そういうことに向かっての努力は、これはもちろん重要であると思います。  それから、その使用方法等につきましても、収穫前、まあ物によって違いますけれども、あるいは二週間あるいは五週間という長いものになりますと、そういう限度の中において、その収穫前、それは使わせないというような問題、それからもちろんこれを使うところの使い方等についての指導者、並びに使う方々に対する手当て、そういうやり方といったような問題については、これは農政局において十分指導もし、通達もいたしております。また、これは衛生の関係もありまするので、厚生省の衛生局とも共通で通達を出しているわけでございます。最近はそういう点においてはだいぶ具体的に使うほうからの被害は非常に少ないということに相なっておりますが、さような状況でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 いまお話がありましたように、毒性の低いものを使っていかれようとしているのですが、低毒性の農薬の研究開発に努めているというお話ですが、どのような効果をおさめておりますか、具体的に説明をしていただきたいと思います。また、厚生省の発表による農薬によるところの中毒事故の調査件数等もあわせて報告願いたいと思います。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) お答えいたします。  毒性の低い農薬の研究開発につきましては、政府も力を入れまして、指導いたしているわけでございます。最近におきまするこの農薬の生産量の推移を見ておりますけれども、だんだん特別の毒性の強いもの、また、毒物に該当するものの量がだんだん減ってまいりまして、毒性の低い劇物あるいは普通物に該当するものの生産量がふえているわけでございます。昭和三十九年の割合を見てみますと、全体の生産量一〇〇に対しまして劇物、普通物、つまり毒性の低いものの量が約七〇%を占めております。劇物に該当するものが二七・二%、普通物に該当するものが四一・九%、こういうふうになっておりまして、特定毒物あるいは毒物というものは、両方合わせまして三〇・九%というぐあいに最近は毒性の低いものの生産がふえておるということでございます。これは開発研究が相当進んでおる、その効果があらわれておるということを立証するものだとみております。  それから、農薬事故の発生状況でございますが、だんだんこのほうも農薬の事故防止運動、これを推進いたしておりますることと、ただいまの毒性の低い農薬がだんだん使われるようになった、両面からの影響が明らかに出てきておりまして、昭和三十五年当時、誤用あるいは散布中の中毒であるとか、あるいは自殺、他殺そういうものに使われたもの、こういうものを合わせまして、三十五年には千五百四十七人でございましたが、昭和四十年には千三十五人、こういうぐあいに事故が減ってきております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 死亡率はどうでしょうか。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 死亡率は、昭和三十五年の八百六十四人に対しまして、昭和三十九年には八百十一人、四十年には八百八人、こういうぐあいに減ってきております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 七〇%程度と劇物が低くなっておるということなんですが、直接にこんなに多くの人たちが農薬によって事故死をしておるということは、これはゆゆしき問題だと思うのであります。そうして、私の調べたところによりますと、若干の差はございますが、これを申し上げますと時間がありませんので、またこの次等の時間に譲っておきたいと思いますが、低毒性の開発といいますけれども、異質の低毒性が重なった場合にはどういうふうな現象になりますか、この点についてお伺いします。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) きわめて専門的なことでございまするので、政府委員からお答えいたします。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○政府委員(坂元貞一郎君) お答えいたします。  低毒性の農薬というものが幾つも重なった場合、毒性の状況がどうなるかということでございますが、一般論といたしましては、低毒性の毒性のものが二つ三つ重なりますと、それだけ毒性がふえるということがあり得るわけでございますが、これは個々の毒物、いわゆる毒性を含むもの、あるいは劇性を含むもの等を個々に調べて、そうして結論を出すということにしなければ正確な結論は出ない、こういうふうに私どもは考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 それでは低毒性の毒物でも、異質のものが重なればその毒性というものは強くなるということは明らかでございますね。そういたしますと、いまの農薬はどのようなものが混合されておるか、この点についてお伺いします。

和田正明農林省農政局長

○政府委員(和田正明君) 農薬の混合形態がどういうものがあるかというお尋ねでございますが、実はききます病気あるいは殺す必要のございます薬に対応いたしまして、いろいろな配合形態がございますので、ちょっときわめて複雑でございますので、そういうことで御了承をいただきたいと思います。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 全く情けないと思います。これはゆゆしき問題でございますので、十分この点については速急に研究をされるように希望申し上げておきます。  先ほど農林大臣のお話の中で、収横前に一定期間——約二週間といわれましたんですが、それでは、たとえば米なんかにいたしますと、穂が出てからいもち病が多いということは、これはどういうわけでしょうか。枝梗いもちにつきましても、穂首いもちにしても、もみいもちにしても、そういういもち病が出るのは、どういう原因か。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) いまお答えする前に、申し上げますが、毒性がどの程度に重なるかという問題について、たとえば水銀剤を使ったりする研究でありますが、この水銀を使っておる、したがって、日本の米を食べておると、髪の毛の中に水銀が多いということはお聞きだろうと思う。ところが、そこまでは医学的にも全部わかっておるわけですけれども、そこに多いということは、発散するのであるか、蓄積であるかということが、これは私は専門家でないからわかりませんが、そこの点がはっきりしないという点があるわけです。そういう点は、しかし、まあこれは議論になるわけでございまするので、的確にこれはだめだというだめを押す。ポイントがはっきりしないと、実はきょうは専門家はおらぬわけでございまするが、そういういろいろな問題がございまするので、その点についてのいろいろの問題はさらに検討を要すると思います。  それから、たとえば、これは御質問ではありませんが、水俣病の問題でございますが、あれを、問題が起こると、農薬農薬というて、農薬に全部これを負わされる傾きがありますが、農薬であるならば、どこにでも水俣病ができなければならぬわけでございまするが、これは二カ所にきまっておる。水俣病は工場の廃液なんです。そういう問題がありまするけれども、農薬が非常に罪を負うということもあるわけで、しかし、こういうことを言ったからといって、私は安心をしておるわけではございませんので、十分……。いま一つは、毒性の少ないものをどんどん生産させることに十分の力をやっております。今度は、燐の問題にしても、パラチオンに対して——ちょっと名前を書いておきましたんですが、スミチオンとかマラソンとかブラストサイジンとか、こういうのが非常にいい。これについては住友のほうで両方ともやっておる。いよいよとなれば、そのほうに切りかえても別にそのほうの関係からいっても、問題は簡単であろうとも思う。こういういろいろな点からみてやらなければならぬが、ただ価格が多少高いということもあります。そういういろいろの点がありまするので、そういう点について、まだ検討の、研究の足らない部面がまああるわけでございます。しかし、それかといって、私はこれを安心しているわけでございません。でき得る限り低毒性のものを進めるということに努力を払ってまいりたいと、こう存じております。  それから、いもち病の問題でございますが、これは首いもちとも言い、いもちの出る時期が非常に多くいろいろありまして、特に首いもちが一番非常に害毒を持つわけであります。首を出したときでございます。それが済んでからの話になると思います。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 二週間前に使用しなければいいんだというのは、悪いからじゃないんですか。

和田正明農林省農政局長

○政府委員(和田正明君) お答え申し上げます。  ただいま農薬の使用禁止期間のことについて先ほど農業大臣がお答えをいたしましたのは、厚生省の所管でございます毒物及び劇物取締法の規定に基づきまして、特定毒物と推定をされている農薬の使用期間についての指導方針を御説明になりましたわけでございます。いま先生がいもちのことと関連してお尋ねでございますが、いもちには主として有機水銀剤を使用いたしておりますが、これは特定毒物ではございませんので、そういう使用禁止期間というような指導は現在はいたしておらないのでございます。なお、一般論といたしまして、農薬として使用をいたします有機水銀はフェニル水銀という化学構造を持ちました水銀でございますが、これが主として米等の農産物に残留をして、それが人体に被害を及ぼすのではないかということが最近問題になっておるわけでございますが、それがどの程度の数量になればどうなるかというようなことについては、厚生省のほうでいろいろ現在御検討をいただいておりますが、最終的な科学的な結論はまだ厚生省のほうで出ておらない段階でございます。ただ、あまり長期にそういうフェニル水銀の残留をいたしました食物を摂取をいたしますと危険があるだろうということは想像されておるようでございますので、ただいま農林大臣から御答弁申し上げましたように、たとえばブラストサイジンというような有機水銀剤にかわりますいもち病の農薬等もすでに研究開発が進みましたので、今後そういう水銀剤以外の低毒性の薬に切りかえていくように現在せっかく努力をいたしておる段階でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 いま答弁になりましたけれども、二月二十五日の会議録に、収穫前の一定期間には使用しないようにというような指導もいたしておりますという答弁があるんですが、いまのお話ですと、使用しないと——初めから使用しないというふうに聞いたのですが、この点どうなんでしょうか。

和田正明農林省農政局長

○政府委員(和田正明君) 薬の名前をあげて具体的に申し上げますと、特定毒物として指定をされております。パラチオン剤につきましては、収穫前二週間ないし三週間前に使用の禁止をいたします。それからメチルジメトン剤につきましては収穫前五週間前に禁止をいたします。それからモノフルオール酢酸アミドの製剤につきましては四週間前に使用禁止をいたします。これは薬務局長と農政局長との通達で昭和三十六年から指導をいたしておる実情でございます。で、なおこれらは、先ほどいもちというふうにおっしゃいましたが、いもちということではなくて、主として、果樹とか蔬菜とか、なま食をいたします農産物について規制をいたします農薬でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 いずれにしろ、悪いから規制しているのだと思うのですが、この点どうでしょう。

和田正明農林省農政局長

○政府委員(和田正明君) 劇物の取り締まりの法令で特定毒物というふうに指定をされておりますから、毒性の高いものでございます。ただ先ほど厚生大臣からもお答えございましたように、最近他の低毒性の農薬の開発で現段階における使用量は全体の中の六%程度にいま申しました品目は低下をいたしておりますが、今後も引き続き使用がほかのものとかわりますように指導してまいりたいと考えます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 当然そういうことがわかれば使用禁止というふうにならなければならないと思いますが、大体抗生物質等はだんだん免疫になっていくということは、これはいままでの経緯からみていっても明らかなんです。こういう点から考えていってもどうなんでしょう。

今泉吉郎農林水産技術会議事務局研究参事官

○説明員(今泉吉郎君) お話しのとおり、たとえば例をとりますと、稲のツマグロヨコバイにパラチオン剤のようなものを使った場合に、やはりその抵抗性が出てくるというような問題がございます。しかし、この問題は非常に最近発見された問題でございまして、現在、このたび技術会議といたしましては、高知県に特別の試験を助成いたしまして研究を進めることにいたしております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 農薬で病虫害の根元を断つということは、これは不可能になってくるのじゃないかと思うのですが、こう弊害が多くなっていることだけでも、この農薬によってとうとい人間を失っているということも先ほどの統計でも明らかであります。この責任をじゃだれがとるようになるのでしょうか。この点について農林大臣にお伺いいたします。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) だれが責任をとるかということになりますと、この奨励——奨励と申しますか、これを奨励しておりまする農林大臣が責任を負うています。ただし、死亡者の先ほど厚生大臣から発表されましたのは、間違いがございませんが、それは使用というよりも、それを飲んで自殺したのが多いのですね。それから  こういうこともそれはいいとは言いませんが、だからして、使用方法については十分注意をこれはさせておるわけでございます。  それから、この問題につきましては、でき得る限り、これは制毒、毒のないものをこれはつくるということは、何と申しましてもこれは第一でございます。  それから、もう一つ申したいことは、この病虫害の防除ということにつきましては、ほかの作物は別として、それも同様重要なものでありますが、お米のごときは終戦直後二千万石以上ふえておる。もちろんこれは病虫害だけの問題では、そのなんの結果ではありませんけれども、相当大きな実績を示しておることは言うまでもございません。そこで、これらの問題が弊害ばかりでなしに、非常な大きな功績はあるということは、これは認めていただかなけりゃならぬ。そこで、でき得る限り弊害のない使い方をし、そうしていきたいと、こういうことです。ところが、いま、そのものを食べた結果として害があるということになれば、それはいま言ったように、なまものについては二週間ないし五週間、その前には使わないということにしていけば、大体その弊害は救えることができるであろう、こういう問題です。そうして最後に、米なんかを食べると非常に水銀が多くなるんじゃないか、髪の毛に非常に多くなるという問題でございます。これもよくありません。しかし、結論がついていない。これは発散すの過程だというのとそうでないというのと、それらの問題の結論がついていない。これがはっきりつくまで、しからばそういうものを使っておっていいということじゃありませんけれども、さればといって、それを禁止してしまうということもできなかった。そこで、でき得る限り安全なものを生産し、そして可及的にこれをふやしていくということに力れて、そしてそれの使い方に十分注意いたさしめ、努力をいたし、そしていわゆるそういうあぶない毒物の強いものについては、これは消えたというところへもっていきたい。これは極力そういう方向に向かって努力をせざるを得ない、またすべきである、こういう点を強く責任を感じておるわけでございますので、御指摘のとおり十分努力をこの問題については払ってまいりたい、こう考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 まだこまかく細部にわたってお伺いしたいと思うのですが、次の問題等もあるので、はしょってまいりますが、アメリカでは一九五四年に上院議員のミラー氏が提出いたしました農薬残留規定法というのが発動しております。それから強い制限がされて、農作物への農薬残留量が一定の許容量をこえた場合にはその農産物の販売は禁ぜられるたてまえとなっている。こうやって水銀についてはアメリカはゼロというきびしさでありますが、わが国ではいわば野放しのような状態ではないか、こう思われるわけですが、こういう総括的な点につきまして総理からお伺いをしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) お答えいたしますが、私は農薬についてはしろうとです。しかし、質疑を聞いておりまして、ただいまのようにたいへん、害虫駆除あるいは病気をなおす、そういう意味においてこの農薬が働いておることはすばらしいと思います。しかし、どうもそれが働きがいいだけに、今度は人に害を与える、さらにまた益虫、益鳥、そういうものまでそれにやられる。もうたんぼやなにかに住んでいるドジョウもいなくなった、フナもいなくなった、こういう話も聞く。これはまあたいへんなことだと思います。  そこで、一定のやはりあり方について、これは重宝だというだけでこれを使う、野放しに使うというわけにもいかない。まあ在来から農林省におきましても、また厚生省におきましても、その利害得失、あるいは弊害ももちろんよく検討して、そしてただいまのように毒性の少ないものをなるべく使うように、かように進めてはおりますが、しかし、毒性のないものでそういうものが農薬としての効能をはたして果たし得るか、なかなかむずかしいことだと思います。それらの点ももっと科学的にさらに進めて、そしてこれが人体に害があるというなら、他の面におきましていかに効能がありましても、それはそのままにしてはおけない。その使用法等についても非常に厳重な制限が要るし、場合によったら禁止もやむを得ない、かように私は思いますので、お話の点もそういうことではないかと思うから、十分基本的な科学的な検討をさらに続けるように督励をしたい、かように思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 関連。いまの総理のお話で、禁止も考えている、人体に損傷を与えるようであれば禁止も考えたいということですが、これ容易にはつかめないだろうと思います。前のサリドマイドのときと同じように、実際具体例というものをつかまえるのは容易でない。むしろ、そういう疑いが指摘されているときに、西ドイツとかアメリカが行なっているように、科学的な態度でこれを禁止する、思い切って踏み切ってしまう。それが政治としての姿勢じゃないかと思うわけですが、かなり水銀がふえているということは、日本の国へ帰ってきたとたんに毛髪中に占める水銀はふえておるというような実例までふえてきております。その点について、もう政治姿勢として私は早々に禁止をすべきだと思いますが、そういう点について重ねて御答弁を願います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いま私がお話ししたように私は考えております。そこで、いま鈴木君からもお話がありました。これは一つの政治姿勢だし、また農業のあり方、農薬の扱い方、この問題だと思いますので、十分督励したい、かように思います。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 いずれにしましても、憲法を持ち出してどうかと思いますが、憲法第十三条に照らしても、生命の尊重というものはこれは当然憲法どおりにいかなければなりません。このままいくようになれば、当然憲法違反というようなことも言われてくるようになると思うのであります。そういう点から考えましても、予算等を見ましても、この問題を研究していく、あるいはその試験をしていくというところに対する処置のしかたというものが私は心もとないと思うんです。こういう点をより強力に、いま総理がお話しになりましたような行き方を私はすべきじゃないか、こう考えるわけですが、いかがでございましょう。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) どうも憲法論が出てくるとたいへん弱いんですが、しかし憲法を待つまでもなく、政治のあり方として先ほど来お答えしたとおりに私考えております。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) 私どもも同様に考えます。たとえば、現在のこういうときにおいても、厚生省と農林省においてどの基準でどういうふうに何するかということをずいぶん協議しまして、そうして使い方なりそういう問題の審議の結果、この程度というようなことで進めておるということをつけ加えて申し述べます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 この程度ということがどうも私は納得できませんが、いずれにしましても、時間がございませんので、また分科会等でやらしていただきますが、農協問題にちょっと触れてみたいと思うんですが、今日の、私が申し上げるまでもありませんが、農協の多くは農民生活の活動を中心としていかなければならぬ。そうしている状況にもかかわらず、大体考えますと、デパート、マーケット等のような販売事業または信用事業等に主体が傾斜しているんじゃないか、こういうふうに思うわけであります。しかも、その組織が政治の具に供されている、農協役員等が選挙の違反に問われているという事実等は、これは許される問題でないと思うのでありますが、このような農協では、転換期に立っているわが国の農業の中核となって農協がいけないんじゃないか、こう思いますが、この点について総理並びに農林大臣のお考えをまず伺っておきたいと思います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) この農業協同組合は、これは現在の日本農業は非常に小さいということでございまするので、したがって、農業協同組合というものの組織は絶対必要なものであるとさえ私は思っておる。非常に重要な問題であるということは、宮崎委員も御同感であることをたいへん喜ぶものであります。そういう関係でありまするが、その運営いかんというものについては、これはよほどやはり私どもといたしましても十分注意をしていかなければならぬのでございます。その点はいろいろとやはり考えておりまして、現在信用組合が非常に発展してほかのことはあまり発展しないようなふうなお話でございまするが、確かにある意味においては、その信用組合の利益金を購買組合なり事業協同組合等のほうに回しておったという、こういう傾向はございます。金利が低下いたしました現在、昨年の秋以来は、夏以来になりますか、これが非常に困難になっておりまするので、この信用事業だけにたよることでなしに、積極的にそれらの問題を進めていかなければならぬということは御指摘のとおりな実態にあることはあります。まあしかし、これは非常に極端に申しますと、いろいろ申しまするけれども、ところによってはそういう傾向もあると思います。これは非常にけっこうなことでありまして、農業協同組合の活動というものが、信用組合だけでなしに、その利益金によってほかの仕事がやれるということでなしに進み得ることにまいりますることはたいへんけっこうだと思って、その方向にわれわれも十分検討もし、指導もいたしておるようなわけでございます。  それから、いろいろな点においていかがわしい点もあるという問題でございまするが、それは一万以上ある組合の中には若干あると思います。これらについては、十分これは注意をしてまいりたいと、こう思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま農林大臣から詳細にお答えしたと思いますが、組合の必要なことは私もそのとおりだし、宮崎君もお認めになっていると思います。しかし、運営にあたりましてはよほど注意していただかないと、その本来の設立の趣旨から見ましても、本来の使命、これを達するように一そう力をいたしてもらいたいものだと、かように思います。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 そこで、農林大臣にお伺いいたしますが、農協が合併になりまして、助成法の有効期間が終わりましたのですが、現在合併した農協とそうでない農協との実態を示していただきたいと思います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) 農政局長から御答弁いたさせます。

和田正明農林省農政局長

○政府委員(和田正明君) お答え申し上げます。  農協の合併助成法は三十六年の四月一日から施行になりまして、昨年末で一応期限が切れたわけでございますが、当初計画をいたしましたのが七千三十八の組合の合併の計画を立てまして、昨年末までに六千三百、約九〇%が合併をいたしております。合併後の形態としては、地帯によっていろいろな、取り巻きます経済条件なり、地域社会でも条件が違いますので、一律には申し上げられませんが、合併後の組合の正組合員の数は、いずれも千人以上の組合になっております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 あとでけっこうですが、実態を、示していただきたいと思います。その当時、当初の解消した農協の基準をどこに置いて合併を進めたのか。

和田正明農林省農政局長

○政府委員(和田正明君) お答えを申し上げますが、三十五年度末におきまして、いわゆる総合農協の数が全国で一万二千ほどございました。それらのうち、すでに一市町村単位で一農協になっておりますものとか、実際には組合として設立をされたことになっておりますが全く事業をいたしておりませんものとか、あるいは漁村あるいは山村等の特殊な地帯にありますものとか、そういうものを差し引きました残りにつきまして、先ほど申しました七千三十八を合併の計画目標として定めたわけでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 私はい基準をお伺いしたのですが、その基準で合併の対象にされなかった農協というものに対してどういうふうなお考えなのか、その点もあわせて。

和田正明農林省農政局長

○政府委員(和田正明君) お答え申し上げますが、合併の基準と申しますのは、先ほどもちょっと触れましたように、それぞれの地帯の農協の事情が違いますこと、取り巻きます経済条件が違いますこと、その他地域社会のいろいろな条件が多種多様でございますので、一定の基準というものを設定いたしますことは実態としてはなかなか困難でございますけれども、大多数の府県が、主として一町村一農協の単位になるような方向で指導をしてまいりましたわけでございます。  それから、先ほど一万二千余りの総合農協の中から、合併計画対象の中から一応当初計画を立てますときにはずしました組合は、すでにその当時一町村一農協の単位になっておりますもの、それから実際には事業をすでにいたしておりませんもの等でございますので、特にそれらの農協について、実体がないようなもの、あるいはすでに合併の目標を達成しておるようなものがございますので、特別にそれに対して合併の指導ということはいたしておりません。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 いま伺ったのですが、そういう農協に対してどういうふうな手を打たれるかということを聞いたのです。

和田正明農林省農政局長

○政府委員(和田正明君) 当初の計画から除外いたしました、事業を実際に実施しておりません農協については、実体がないわけでございますから、それらについては今後解散の手続等をさせるといたしましても、役員もおりませんとか、そういうような事情でございますので、ちょっと手の打ちようはなかろうかと思います。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 いまの答弁はまことに私は心外でございます。いずれにしましても、時間が七分だし、次へ進んでいかなければならないので、移ってまいります。  合併した農協が新しく出発していこうとするものと、取り残された農協の中には、多くの私は不正事実が伏在しているということを聞いているのですが、先ほど農林大臣のお話がございましたけれども、一部分と仰せになって、そしてまた信用組合の利益金云々というふうに、利用をしているというふうに考えておるわけでありますが、もしそういうふうな不正な事実がある場合には、どのような指導監督をしようとするのか、農林大臣に伺っておきたいと思います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) ただいまそういう点について調査もずっと引き続きやっておるわけでございますが、大体一万何千のうち百くらいあれがございます。それから、全体として、信用事業をやっておるものについては、恒常的に毎年ずっと検査をやっております。これはこの単協については都道府県において行なう、連合会は農林省、それから中央会はもちろん農林省、こういう系統でやっております。そのほかに農協自身が自主的に、中央会が中心になってずっと自主的な検査もやっておるわけでございます。それから、この政府の検査につきましては、この違反事項に対し処理するという問題もさることである、もちろんそれも必要なことでありますが、それ以上に、これらの事業を助成するというのみならず、全般の運営に対してさようなことのないように注意を怠らずに進めてまいるという行き方で進めておるわけでございます。  それから、合併したものとしないものとの間の関係においては、先ほど農政局長からお話し申し上げましたとおり、大体当初の計画の九〇%程度は到達いたしておりまするので、この三月三十一日で切れる期限で一応打ちやめておきたい、こういう態度をとっているわけでございます。しかし、つまり合併の問題が非常におくれた少数のものについては、またそれぞれの理由がございます。それはそういうようないろいろな問題を、御指摘のような問題よりも、何となしに気が進まないで一というのは、役員の数が減るとかという、いなかのことですから、それでそういう問題とか、いろいろな問題が伏在しておりまして、法律があるなしにかかわらず、なかなかうまくいかないということでございまするので、もう九〇%以上いったから、これで一応この合併の法律はこの程度にしておきたい、こういう考えでおるわけでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 農林大臣の郷里のほうはわりあいに悪いようでございます。そして郷里に帰りになったときに、これをまた続けたいみたいなお話も談話でなさったそうですが、将来の農協合併に対する考え方を伺っておきたいと思います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) いまのところ、お答えどおり、申したとおりでいきたいと思います。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 簡潔に御答弁なさいまして……。こうした私がこれから申し上げようとするいろんな不正事件がございますが、こういうふうなことはみんな善良な農民が全部それらを負担させられてしまうような形になっていきますし、また反面、農家の人たちが融資を受けたいと思っても意のままに融資を受けられないという反面がある。こうした不合理な点をどういうふうにお考えになっていかれるのでしょうか。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) 先ほども検査その他についてお話を申したとおりでありますが、連合会よりも単協のほうでございます、単協のほうは直接は都道府県をしてやらしておるわけでございますので、都道府県の行き方について十分指導監督をいたしておるようなわけでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 いま単協のほうに多いと、言いますが、いま実例を私は申し上げてみたいと思うのです。三十九年度の、これは埼玉県下ですが、五十六の組合中の十組合で不正貸し出し二十二件、四十年度の埼玉県県下で、五十六組合中の二十組合で不正貸し出しが四十七件、ともにこれは倍のような不正事実が発生しております。しかも、一組合が四千万円とか、あるいは合併したばかりの組合が二千八百万円だとか、また一組合員で一億八十三万円というような額に達しているのもあります。また、岐阜県下では、農協組合の参事の三人の人が貸し付け証書を偽造して合計五千三百五十万以上にわたる使い込みをやって、目下県警の手によって取り調べを受けている。また、北海道でこのようなことがあります。開拓農業協同組合長が他のもう一つの組合長を兼ねている、開拓の助成金をもう一つの組合員に不正貸し付けをしている、ことしになって町の債務保証の裏づけを事後承諾させた、農林中央金庫よりそれらは融資を受けて開協が受けて他の組合に投資した、これは町議会でも問題になった。その他こういう例をあげれば数多くございます。いま一々私はこういうことを申し上げませんですが、このような不正事実を農林大臣は御存じなのでしょうか。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) 農政局にみなそれぞれ報告が参りますので、具体的に私はいま一つ一つ記憶いたしておりませんけれども、ございます。大体百ぐらいというふうに記憶いたしておるのでございます。これらに対して、先ほど申しましたように、都道府県をして十分の監督を進めるようにいたさせております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 農民の利益のための組合でありながら、先ほど総理の御答弁ございましたように、農業協同組合法第八条の規定にも反するような行為じゃないか、私はこう思うのですが、どうでしょうか。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) その具体的な問題は一々いま記憶しておりませんけれども、いま言ったようなことでございまするので、もしも司直の手にあうようなものがございますれば、もちろんそれはそういうさばきを受けるべきものでありましょうが、大体において貸し付け上のいろいろの問題が多かろう、こう思っておりまするので、検査等を通じてより以上十分指導監督につとめさせるようにいたします。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 だめを押すみたいな形なんですが、農業協同組合法の第九十四条の四項にも、すべての農協に年一回の検査をしなければならないと規定されてありますが、じゃ、どのように先ほど農林大臣がおっしゃられたような検査を実際行なってきているか、これをもう一度はっきり言っていただきたいと思うのです。私の調べたところによりますと、だいぶ事実と反しているような点があるのであります。この点についても、どのくらいのものが、どのように、どうした行き方でやっているかということを伺っておきたいと思います。

和田正明農林省農政局長

○政府委員(和田正明君) お答えを申し上げます。  農協の検査につきましては、先ほど農林大臣からお答えを申し上げましたように、単位農協につきましては都道府県知事に権限委任をいたし、連合会の段階につきましては農林省で検査をいたしております。で、都道府県のこの検査に対しましては、農林省から、主として検査に出かけますための旅費でございますが、それを毎年相当額助成をして実施をいたしておるわけであります。  なお、検査は、違法等の事実がございましたときに検査をいたしまするもののほかに、そういう事態になりませんように、また組合の経営を適切に指導をいたしますような定例の検査と、両方をやっておるわけでございます。で、毎年検査の結果の報告を受けておりますが、現在都道府県が実施をいたしております県下の総組合に対します割合は、三十五年以降逐次上昇させておりまして、三十九年では都道府県の調査は組合数四一%をこえておる。これは定例検査の比であります。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 いま御答弁になったとおりの実態でございます。また、会計検査院法二十三条の三号によりましても、これはやれるようになっているわけです。会計検査院のほうでも、どのような件数をどのような手を打って検査をしているか、こういう点もあわせて伺っておきたいと思います。

和田正明農林省農政局長

○政府委員(和田正明君) 会計検査の関係は、補助金等国の助成に関しますものの検査でございますので、農協自身の業務運営上の検査権限は会計検査院にはないわけでございます。先ほど大臣も申し上げましたように、また私が先ほどお答えをいたしましたような形で、行政庁による検査のほかに当然農協自身の内部検査がございまして、監事等による検査、あるいは農協中央会等による検査指導というようなものも並行して行なわれておるわけでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 会計検査院法二十三条の三号で、補助金を出している団体について、その金が正当に使われているかどうかを検査することができるとなっておりますが、どうでしょうか。

和田正明農林省農政局長

○政府委員(和田正明君) お答え申し上げます。   検査院の方がおられませんので、私から便宜お答えを申し上げますが、先ほども申しましたように、農協に補助金が出ております場合に、その補助金の使途について会計検査院が検査をすることはできますけれども、それと関係のございません組合の運営自体の会計検査をする権限は検査院にはないと、私は了解しております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 もっと論を進めていきたいのですが、いよいよ時間が切迫しましたので、これ以上申し上げませんが、大臣が仰せになったように、それらのほんの一部の幹部の行為が善良な多くの農民をさらに苦境に追いやっておるということは事実でございます。これのことについて総理のはっきりした所信をお伺いいたしますと同時に、行き詰まっております農業構造改善事業を実現するのには農協の体質改善が急務であります。生産より加工、流通に至る事業を体系化していくこと、これに乗り出す以外にないと思うのであります。また、機械器具など、旧来のように売りつけるのでなくて、貸与して協業化して日本農業の促進指導に寄与する等々、農協の、ビジョンなり、また運営なりに、農民の納得のいくような将来の指針等をあわせてお伺いいたして、私の質問を終わりたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) なかなか、その民主的な組合のあり方、こういう事柄は、日本人としてはまだなかなかなれない点がございます。そのために、本来の組合が考えた使命あるいは目的、それがときどきボス化する形がある、こういうことでは組合員全体の利益が確保されないのであります。そういう意味で、農林省も平素から、特に民主的な組合のあり方、また本来の使命はどこにあるか、また今後の農村の一つのビジョンを託すと、こういうような意味で指導もいたしておるのでございますが、しかし、宮崎君が御指摘のように、まだまだ実情はなかなかそれに沿いかねておる、かように私も思います。そういう意味で、今後とも、お話もありましたので、一そう努力して、本来の使命の、また成果があがるような働きをしてもらうように、一そう気をつけていきたい。どこまでも民主的な運営、いわゆる組合員全体の利益のためと、こういうことが望ましいと思います。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 宮崎君の質疑は終了いたしました。  午後三時再開することとし、これにて休憩いたします。    午後二時二十四分休憩      —————・—————    午後三時士五分開会

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  本日、杉原荒太君、山木伊三郎君が辞任され、その補欠として柳田桃太郎君、瀬谷英行君で選任されました。     —————————————

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 午前に引き続き、昭和四十一年度一般会計予算外二案を議題とし、質疑を行ないます。  まず、午前中に残されました鈴木君の質疑を行ないます。中村運輸大臣。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中村寅太君) 政府委員からお答えいたさせます。

佐藤光夫運輸省航空局長

○政府委員(佐藤光夫君) 新来京国際空港の予定地を富里に内定するまでにいかなる調査をしたかという御質疑でございます。  まず、調査の項目といたしまして、第一に航空管制上の調査でございますが、富里に新空港を設置した場合の航空管制上の諸問題、特に進入、出発の経路、待機空域の設定について検討を行ないました結果、既存の飛行場、すなわち羽田空港、防衛庁下総基地、百里基地等との管制上の調整は可能であり、その新空港としての機能を完全に発揮できることが明らかになった次第であります。  次に、富里の土質でございますが、富里の土質につきまして調査いたしました結果、富里の土質は、起伏の少ない洪積台地であり、地盤は良好で、工事上の難点はございません。この調査の基礎になりましたのは、昭和三十八年経済企画庁で発行いたしました全国地下水(深井戸)資料台帳その他のデータによったわけでございますが、これによりますと、富里地区の土質は良好でございます。特に、関東ローム層の堆積も五メートル前後で比較的薄く、その処理について難点がないという結論を得た次第でございます。  次に、気象でございますが、富里の気象につきましては、昭和三十八年の航空審議会におきまして、気象庁の予報部長が専門委員として参加をされまして、各種データに基づき総合的な判断を加えられた結果、問題はないということになった次第でございます。すなわち、その基礎になりましたのは、千葉県の布佐、銚子、千葉の測候所の、風向、風速についての観測データでございますが、結論といたしまして、富里地区にはいわゆる卓越風がございませんで、滑走路方向については相当弾力的な決定が可能であるという答えを得たわけでございます。また、霧、降雨量等についても、過去の観測データによりまして作成しました等日数図等の資料によりまして、空港の設置について特に問題はないという結論を得た次第でございます。  以上でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 いま航空局長のお話を伺いまして、私は非常に驚いたのですが、いずれも、述べられておられるのは、これは間接的な資料調査に基づくものであって、具体的に調査しておらない。特に人命保全の絶対条件として要求される空港の建設について、そのような間接的な資料をもとにして建設地をきめるということは、私はどうしても納得できません。そんなばかげたことはないと思いますよ。もっとあなた方は、具体的に現地に入って、立ち入って、精密な調査をした上において、そのデータに基づいて間違いないという自信を持ってきめるべきであって、こんなばかげた決定は、私はないと思います。ですから、総理、こんな根拠の調査不十分の上に立ってきめたということは問題です。ですから、まあ、これは問題かもしれませんが、いま、厚木とか横田とか、米軍の接収している地域もあるわけですから、そういう点も含めて、もう少し具体的な実地調査をした上でやってもらいたい。これが一つ。いかがですか。  もう一つ、田中幹事長が、十日の記者会見で、富里を中心とする新空港建設を強力に推進する、そのために、土地収用等の問題を含めた新空港建設法というべきものを立法措置したい、こういうことを言っておりますが、これは、力によって押えつけようというような考え方で、けしからぬと思いますが、政府は、これはまあ自民党の粋事長が言っていることですから、総理として、どう思いますか。二つだけ。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 基礎的調査には、米軍の飛行場等も調査の対象にしたのです。さらにまた、遠く浜松等につきましても、これを調査の対象にいたしたわけであります。したがいまして、いまさら、さらにつけ加えてというものはございません。一つ残っていると、かように考えるのは、ただいまの木更津の付近の埋め立てのもの、これについては、さらにデータ等を集めてみたい、かように思っておりますが、それが一つ残っている。  それから、その次に、特別立法をするかと、こういうお話でございますが、いま政府は、そこまで考えておりません。そのことだけ、はっきり申し上げておきます。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 鈴木君の質疑は終了いたしました。     —————————————

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 次に、小柳勇君。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私は、午前中の鈴木君の質問にさらに加えて二つの問題を質問いたします。  第一は、日本の漁船が韓国警備艇に拿捕された問題でありますが、午前中の答弁では、西日本などの水産業界は安心して今後の仕事ができませんので、確かめるわけであります。拿捕いたしました理由は、政府が司令を出したのか、警備隊の司令が拿捕の指令を出したのか、あるいは韓国の水産業界がそのような圧力をかけてそういう拿捕事件が発生したのか、いずれと判定しておられるか。外務大臣と農林大臣から答弁を伺います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) お答えしますが、いまのこの問題は、海上保安庁のほうからの通報を聞いておるわけでございます。それは、中央の、そこから出たというようなことではないのじゃないかと思っております。まだ、その点は私は存じません。外務大臣のほうからもまた答弁願います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 外務大臣が見えませんので、あとで外務大臣の見解は聞きますが、昨年の三月の二十四日の新聞でありますが、これは、ソウルで記者が会いました記録であります。釜山の海上警察隊の隊長——これは日本の大佐くらいの資格だと言っておりまするが、彼が記者に言明いたしましたことばがありますが、会談成立後、取り締まりについて旗国主義がとられるそうだが、違犯日本漁船の臨検権は当然韓国側にも与えるべきだ、したがってわれわれは、この李ラインは韓国の国防ラインとして警備するのだということを言明いたしておるところがあります。  農林大臣からまず聞いておきますが、外交交渉の中で、このようなことが耳に入っておるのかどうか、お聞きいたしておきます。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) この問題については、私は、共同規制水域の内部においては絶対に旗国主義をとるということで進んでおったわけでありますし、さように解釈もいたしております。さように信じておるものであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 外交折衝の問題は、あとで外務大臣に伺います。   補償の問題を農林大臣に聞きます。昨年の漁業協定できまりました四十億の補償——私の質問に対して農林大臣は七十五億と答弁いたしましたが、その後四十億に削減された。その四十億がなお補償されていないのであります。これは、いつどういう方法で補償するか、御答弁願います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) 拿捕漁船の船主及び乗り組み員に対するいわゆる特別給付金の問題でありますが、その四十億につきましては、これを支給する準備を整えておるのでありまして、ただ、これを確認すること、しこうしてまた、この確認というのは、いろいろの先例によって、一つ一つの面を確認するものでありますが、しかし、これについては至急支給できるように、関係府県に対して、これらの人々が申請をするための手続等についても通知をすることになっております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私が尋ねておるのは、具体的にどのような方法で支払うか、こういうことを聞いておるわけであります。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) お答えいたします。  支給が若干遅延いたしております点は遺憾に存ずるわけでございますが、関係府県及び関係者との話し合いで細目をいろいろきめておりますので時間を要したわけでございます。支給の方法といたしましては、支給基準の通知をいたしますと、それに本づきまして該当者が県知事に申請をする。知事がそれを審査いたしまして、農林大臣の承認を受けまして支給をする。その手続につきまして、近くそれを通達をするという段取りであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そういうことを聞いておるのじゃございません。四十億の金を、法人なり個人なりありますが……、それと、いままでおくれた原因も、お聞きいたします。あと、どういう方法で分けてまいるか、これを聞いておるわけであります。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) ことばが足らないで失礼いたしました。どういう方法でという点が、御説明が不十分でございましたが、船につきましては、その船のトン当たり、それから船の経過年数、保険の加入の有無、そういう件数等を添えて、一定の算定方法で船の分は算定いたすわけであります。  それから内容的には、船体と積み荷と、それから事件出費と操業できなかった間の損失の問題、それとは別に、乗り組み員に対する給付、こう分かれまして、それぞれにつきまして、申請すべき数字、額、これを、申請者が県の指導を受けまして積算をいたしまして県庁に申請をする、こういう段取りでございます。内容が相当こまかいものでございますので、県庁及び関係業界との打ち合わせのために日時を要した次第であります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私のほうから少し具体的に質問いたしますが、個人には見舞い金として支給するし、法人には、税金が取られるから、見舞い金としてやる方法がないから、圧縮記帳の方法などを考えてあるようでありまして、そういうもので支払いが遅延しておるということを聞いておりますが、その辺のいきさつを御説明願います。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) これに対します税金の扱いでございますが、個人に関します限りは、見舞い金でございますので、あまり問題はないわけでございますが、経営者が法人でございます際の処理につきまして、いま先生御指摘のとおり、いま大蔵省と打ち合わせ中の点が残っておりますので、したがって、それはそれとして解決しなければならない問題でございますが、このこととは並行いたしまして事務的な手続のほうは進めてまいっておった次第であります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大蔵大臣に質問いたしますが、補償を受ける人たちは一日千秋の思いで待っている。漁業協定については西日本の水産界は反対でありましたが、李ラインの問題、いまの補償の問題で妥協しているわけであります。支払いはいつごろになりましょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 支払いの時期は私のほうでは存じませんが、なるべく早く行なうことを期待いたしております。水産庁のほうから……。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) お答えいたします。  このお金は、予算は幸い繰り越し明許がついておりますので、四月に入りましたならば、できるだけ早く出させるように努力中でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 外務大臣に質問いたします。  冒頭に質問いたしました今度の拿捕事件は、警察機関の警備隊のその船長の意思ではないと思う。政府の意向か、あるいは水産業界の圧力か、あるいは警備隊司令の指示によってやったものと理解するが、いずれと判断いたしておられるか、外務大臣にお聞きいたします。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) とにかく、拿捕された事実はもちろんあるのであります。これがどういう意図に基づくものであるかというお尋ねでありますが、これは、普通の漁業専管水域を侵犯しているという認識のもとに警備艇が自分の自発的な行為によって起こされた行動であるか、それとも、その背後に何か、何ものかがあるということであるか、その点については、まだ的確にわかりませんけれども、私は、とにかく専管水域を四マイル半離れたところで起こったように思われますので、漁業専管水域の侵犯という認識のもとに行なわれたのではないかと一応考えております。しかし、事実関係につきましては、いませっかく厳密に調査を進めている状況でありますので、ただいまのところ、これ以上わかりません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 総理大臣にこの問題の見解を伺いますが、いま申し上げたとおり、これはもっと問題が深いと思います。西日本の水産業は安心してこれから漁業ができなくなると思いますので、総理の決意を聞いておきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 今回の事故、事件が起きたその原因が那辺にあるか、これはわかりません。しかし、日韓の漁業関係、両国の漁民、そういう立場に立ちまして、漁業協定は十分審議もされ、そうして固い約束もできているのであります。そういう意味で、この漁業協定を守り、また、それに書かれていること、この権利が尊重されるように、今後とも努力していきたいと、かように思います。今日、外務省において交渉しておるのもそういう点でありますし、両国の関係が円満にいくように、同時にまた、それには、基礎的に正当である、その権利が定められておりますから、そういうものが確認され、そうしてそれが確保されるよう交渉していくつもりであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私に言わしめますならば、海賊的行為です。海賊的行為に対して、けさからの質問によりますと、ほとんど外務大臣の交渉すらやられておらない。局長段階の交渉、それでは安心して操業できませんので、もっとしっかり、起こったら直ちに問題をとらえて、日本政府の問題として処理していただきたいと思います。  第二に、鈴木君の質問に関連いたしますが、インドネシアの賠償を担保に民間が貿易をやっている。現在の賠償の進捗状況、民間貿易が賠償担保でやっておる状況を通産省から御説明願います。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) 政府委員から答弁させます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 じゃ、次の質問に移りますから勉強しておいてもらいます。  外務大臣に質問をいたします。賠償を担保に民間の貿易がなされている。昨年の暮れに貿易がストップになりましたが、その後、スカルノ大統領の奥さんが日本に参りまして、一月六日の日に総理大臣に会っている。十日の日には、日本の建設会社と病院建設を約束して帰ったという新聞情報がありますが、外務省では、この情報がわかっておるかどうか、お聞きします。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 病院建設の問題について、何かほうぼうと話し合っているということは、世間のうわさとしては私は聞いておりますが、外務省にそういう問題が正式に持ち込まれたことはございません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 総理大臣に質問いたしますが、これは「週刊新潮」の一月二十二日号でありますが、これに総理大臣とデビ夫人の写真が載っておりますが、このときの会談の内容について御説明願います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 実は、私初めてデビ夫人と会ったのです。それで、スカルノ大統領の親書を持ってきておる。こういうことでありますので、それで私がお目にかかったのであります。会ったわけであります。そしてその親書もいただきました。その他、これに別に条件がましい話はなかった。初めての表敬、かように私はとっております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そのときの親書は……親書はまあ公表できませんでしょうが、話で、病院を建てたいとか、その後経済協力をやれとか、そういう話はございませんでしたか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) これは私に、インドネシアに近いうちぜひ訪問するようにという、そういう招待でございます。ただいまお尋ねのような、具体的な病院建設云々は全然ございません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私ども、一年半ばかり前にインドネシアに参りましたときに、スカルノ大統領は、母の名前で病院を建てたいといって自慢しておったから、総理大臣に話さぬはずはないと思いまするが、外務大臣、賠償担保で民間貿易をいたしましてそれが十二月には、東京銀行がストップしておるのに、日本はほとんど貿易をストップしておるのに、そういう話が民間で取り引きされるということは、外務省としてはどうでしょうか。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) これは、一定の年次計画で賠償の支払いを約束しておるのでございまして、その政府間の賠償支払いの約束を乱すものではない。それと別途に民間の間において信用の借款が行なわれる。それが払えないという場合には、賠償の支払いを受けた際に、その支払いに充当するという約束は、これは別に国家間の賠償に関する約束に抵触するものではございません。差しつかえないと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 総理大臣に見解を聞きますが、賠償を八年なり十年で払いますが、それは、その国の国民に対する、国民の苦痛と経済的な損失に対する賠償です。それを、個人あるいは時の権力者の利益のために賠償担保でいろいろ取り引きしてよろしいでしょうか。これはほかの国にも援用できますから、総理大臣に見解を聞いておきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの、権力者の利益のため——これは、その表現がどういうことを意味しているのか、そのことばどおりとると、どうも不都合のような気がします。気がします、でなくて、それは不都合だ、こう言ってもいいと思います。ただ、いま言われる権力者それ自身が、政府であるとか、あるいは国を代表している、こういう意味で、代表者としての資格においていろいろ計画すること、これは、そのつもりで受け取らなきゃいかぬ、かように私は思っております。ただいまの、権力者の利益というのは、どういう意味ですか、代表なのかどうなのか、そこらを十分考えて処理すべきだと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 外務省と通産省に、さっきも私が質問いたしました。賠償担保で貿易をやられておる、その数字を御説明願います。

西山昭外務省経済協力局長

○政府委員(西山昭君) お答えいたします。  インドネシアにつきましては、賠償担保で借款を与えておりますものが約五千六百万ドルでございます。それからフィリピンにつきましては、賠償担保で行ないましたものが約千四百万ドルでございます。四千四百万ドルほどございましたけれども、そのうちの一件は実施が行なわれませんで、現実に賠償担保として使用されたものが約千四百万ドルでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 最後の問題は、別途の機会にまた追及いたしますが、通産大臣、焦げつきなど、日本の貿易界の損失も相当あるようでありますが、いまの新しくできましたインドネシアの政権に対して、閣議でいろいろ論議があったようでありますが、貿易関係を今後どうするか、通産大臣の見解を聞いておきます。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) 御承知のように、まだ新内閣も組閣されておりませんし、かなり流動的な要素がインドネシアの現状にあるようであります。こういうふうなインドネシアの状態ともにらみ合わせて、政府としてはできるだけインドネシアに対する協力をしようという基本的な態度はあるわけでありますが、先方の政情ともにらみ合わせて今後検討することになると思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 これから私の質問に入りますが、第一は沖縄の、医療保険であります。七月一日から沖縄で新たに医療保険が実施されます。二十年間沖縄の国民は保険もなかったんでありますが、日本の厚生省の指導によって医療保険ができる。ところが、その医療保険が非常に劣悪でありまして、厚生大臣にその内容の概要について御説明を願いたいと思います。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) お答えいたします。  沖縄におきましては、昨年の九月に初めて医療保険制度が法的に成立を見たのでありまして、今年の十月から給付を始めることになる模様でございますが、その内容は、いま小柳さんが御指摘になりましたように、住民全体を対象とするものではございません。まだそこまでいっておりませんで、被用者を対象といたしましたところの医療保険制度でございまして、また、給付の内容につきましても、現金給付という仕組みをとっております。また、家族の給付は実施いたしませんで、世帯主だけの給付を行なう。こういうことでございまして、わが国の現在やっておりまする国民健康保険あるいは政府管掌健康保険その他の健康保険等に比べますと、非常に制度的にも、初めて発足をいたします関係もあり、まだ十分でないと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いま厚生大臣が報告されましたように、医療保険が発足いたしますが、非常に劣悪な条件でありまして、総報酬制をとっておる。この前日本で反対された総報酬制、それから現金支払いであります。療養中の生活保障の傷病手当金がないというようなものでありますが、総理大臣、沖縄から沖縄の県民が復帰してまいりますが、この、医療保険が七月一日から実施されるわけであります。日本の保険の、勘で言いますと、七割ぐらいの水準の保険が——後進国並みの保険が実施されようとするが、総理大臣どういう御見解でしょうか。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) ただいま小柳さんからお話がございましたように、総報酬制をとっておりまする点は、失業保険等の他の社会保険の関係が総報酬制を沖縄ではとっておる、というようなこと等もある模様でございます。政府といたしましては今日まで、いろいろこの制度を発足させますにつきまして、技術的な面でこれに協力をしてまいったものであります。私どもも今後この制度を育成をしてまいりまするために、財政的な援助の面も考えておるわけでございまして、昭和四十一年度におきましてもこれに対する財政的な援助を計上いたしておる次第でございます。私どもは、今後におきましては島民全体を対象としたところの医療保障制度が早く確立をいたしますように、十分努力をいたしてまいりたいと考えます。ただここで一足飛びに全体を対象としてできませんことは、医療機関が十分整備されておりません。そういう面でありますとか、いろんな問題点がございますので、それらを助成、育成をしながらその制度を拡充いたすように援助してまいりたいと考えております。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 小柳君にお答えいたします。  ただいま厚生大臣からお答えしたとおりですが、私は昨年参りまして一番これではと思ったことは、まず第一が医療施設の充実といいますか、それが充実されていない、お医者さんも足らないし、また看護要員も足らない、また施設自身も非常に不十分だということがまず第一であります。医療保険の前に、そういう意味で大学に医科をつくるようにしよう、こういうことでその方面に力を入れてまいりました。ただいまは鹿児島その他の大学で学生を預かり、医者をふやすといいますか、そういう方法を考えておる。また財政的に自治体が非常に貧弱でありますから、そういう意味の援助を国がする、これはアメリカが施政権者であり、アメリカ自身がやっておりますが、それだけでは不十分だ、そういう意味で日本政府の援助、こういうことを考えまして——アメリカも在来の資金だけでは不十分だ、そういう意味でプライス法の改正なども考えられておる、かようになって、いまからようやく充実しようと、こういう段階だと思います。ただいま御指摘のように、いろいろ医療制度の今後のあり方について注文もあり、批判もあるだろうと思いますが、しかしただいま、この実情自身が、ようやく始めようという、しかもあの自治体の貧弱な財政のもとで、また医療施設等の不十分なもとにおいて、これをやろうということでありますから、まだまだ今後の問題として内容を充実して、それに努力すべきものだと、かように私は考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 厚生大臣、総理大臣が言われるように、医療施設、医療機関も非常にまだ制度自身が進んでおりません。だからこの医療保険に非常に頼っておるわけです。喜んでおるわけです。それを厚生省の役人が、三十二年から延べ二十四人も行って指導して、そしてその審議会の経過を見てみますると、沖縄の審議会自体では、アメリカの政府にもっと強く当たって、アメリカからの援助を求めようではないかということまでいったのに、この本には、日本から行っておる指導官が反対した、あくまで保険主義である、お互い被用者同士で出し合ってやるべきであるという方向でまとまったと書いてある。国辱ものです、まさに。そういうことで、被用者十万人、家族が二十七万人でありまして、百万の沖縄県民の中のわずかに三割が適用される。七月から適用される人がそうであります。しかも日本の水準から七割のところで、医療保険が実施されますると、これは同胞復帰いたしました場合、あとの保険財政が——保険制度がたいへんではないかと思う。これは鈴木厚生大臣の責任ばかりではございませんが、将来どういうふうにやろうと考えておられるか、厚生大臣の見解を聞きます。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 新しく発足いたします制度につきまして、日本側から参りました技術的な援助団は、あくまで、事務的な今後の運営のしかた、あるいは給付にあたっての手続、そういう面の技術援助をやったわけでございまして、その給付の内容をどうするとか、また対象をどの程度の段階から始めるとか、そういうようなことは沖縄の政府が財政その他を勘案してきめたことでございまして、決して日本側がそういう内容にまで立ち入っての指導、あるいは干渉がましいことはいたしておりませんことを、この際、はっきりさしておきたいと思うわけでございます。  政府といたしましては、先ほども総理からお話がございましたように、沖縄における医療問題はきわめて住民福祉の上からも重要な問題でございますので、住民全体を対象とした医療保険制度にこれが育ってまいりまするように、あらゆる面から——技術的にも、あるいは医療機関の整備の面からも、あるいは医者その他の面からも、あらゆる面から援助をしてまいりたい。また、昭和四十一年度におきましては、この制度を育成してまいりますために、六千万円の援助をすることに決定をいたしておる次第であります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 厚生大臣はいまここで断言されましたが、昭和三十五年九月に日本の人権擁護委員会から調査団が派遣されておりまして、その報告があります、ここに。一冊の本となって出ておりまするから、これは別途の委員会でこまかく論争したいと思います。  大蔵大臣に質問いたしますが、いま日本から沖縄に対して援助資金として財政援助をどのくらいやっておりましょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 約六十億円でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 四十一年度から、五十九億五千万円でありますが、その中の社会福祉医療関係で十億九千八百万円も援助しておる。この医療保険を改善しようとするならば、この十億の金からでも援助できると思うが、厚生大臣どうでしょうか。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 沖縄に対する社会福祉関係の援助につきましては、それぞれの施設、事業につきまして個々に査定をいたし、また米側とも協議をいたしまして積み上げたのが十億九千万円ということでございまして、医療保険の問題につきましては、先ほど申し上げましたように六千万円を充てたい。また今後につきましては、さらに先ほど申し上げましたように、住民全体を対象とするようにこれを育成するために、できるだけの援助を行なっていきたい、かように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 細部の問題は、別の委員会でやりますが、最後に厚生大臣に質問いたしますが、沖縄県民が復帰いたしました場合、この医療保険は日本の現在の保険制度を引き下げる足かせにならぬということをここで言明してもらいます。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 沖縄がかりに復帰いたしました場合におきまして、そのために沖縄の医療保険制度にならって、いままでの医療保険制度の切り下げをやるというようなことは、絶対に私どもやらないつもりでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 総理大臣に、最後に質問いたしておきますが、また沖縄に行かれることもありましょうが、これは沖縄自治の問題でありますから、あまりこまかい問題はここで言及しませんが、日本も財政援助していることであるし、アメリカの政府にももっと強く当たって、そういう民生安定、保険などに、うんとアメリカが金を出して、日本並みの保険制度に早急になるように、総理からもひとつ、関係当局に働きかけてもらいたいと思うが、いかがでしょうか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いま施政権を持っているアメリカ、またその施政権下にある沖縄、これに対しましてわが国が財政的な援助をしておる、六十億に近い金を。しかし、この金もさらにふえるでしょう。私どもは、さような財政援助をするのは、沖縄が祖国に復帰した際に、国内と、同様の地域と、あまりかけ離れた生活、あるいは行政水準、こういうことであってはならないと、かように考えて、いまのうちから実は財政援助をしておるわけであります。これらのことは十分アメリカと協議をいたしまして、そうしてこの金が有効に行政水準を高めることに使われるように、また住民福祉のためにこれが使われるように、いろいろ協議をするわけであります。でありますから、ただいまの金の使い方も、すでにそういうワクに入っております。全体として、ただいま言われますように、沖縄についてさらに私どもがその同胞の立場に立って、もっと生活水準、また行政水準を高めるように努力する、これは当然のことであります。そういう意味で、施政権者であるアメリカとも十分によく相談していくつもりであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 次は、昨年参議院社会労働委員会で慎重に審議してまいっておりますガン対策について、結論的なことを関係大臣に質問いたします。  これは、二月十五日の日本医師会雑誌でありますが、この雑誌に、「ガン対策は一歩後退」という見出しで論文が載っております。あれだけ騒がれたガン対策に対して、ほとんど見るべきものがないという論調でありますが、厚生大臣の、今年度ガンに取り組んでおられる構想を御説明願います。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) ガン対策は非常に重要な問題であり、毎年ガンによって倒れております人々が十万人をこえておるというような深刻な社会問題にもなっておりまして、私どもこのガン対策につきましては、四十一年度の予算におきましては、十分とは申しませんけれども、いままでからみますれば、私は一つの政策の柱が立ったと。今後これを年次的に整備拡充してまいりまして、ガンの制圧が一日も早くできますように、努力を払っていきたいと考えておるわけであります。  そこで、四十一年度の予算に盛りました対策の骨格でございますが、まず第一は、ガン専門の、医療機関を整備するということでございます。これは中央のガンセンターを頂点といたしまして、ブロック別あるいは各府県にガン専門の医療網が整備されまするように、これを計画的に進めてまいる所存でございまして、その第一年度として十六億程度の施設整備費を計上いたしておるわけであります。  それから第二の点は、ガンの研究に対する助成でございますが、厚生省関係の予算といたしましては二億円を計上いたしておりますし、文部省におきましては、大学その他基礎的な研究を進めますために二億五千万円を計上いたしておるわけでございます。そのほかに、現在の段階といたしましては、早期発兄、早期治療ということがやはり必要でございまするので、集団検診をいたします際に、できるだけ負担を軽くして、そして集団検診が行なわれまするように、二億一千万円ほどの予算を計上いたしまして、全国各都道府県に一台の検診車、それに運営費をつけましてその措置を講じようといたしておるわけであります。その他、専門の技術者の研修あるいは関係各庁、各機関の連絡を密にいたしますための連絡費、そういうものを計上いたしまして、総合的にガン対策を進めようと考えておるわけであります。繰り返して申し上げますが、これはガン対策に対する総合的な施策の第一歩でございまして、今後、私どもは年次的に、計画的にこれを拡充整備してまいる所存でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 文部大臣に質問いたしますが、大学病院において、ことしも一般病院施設の整備費をとっておられるようでありますが、いま厚生大臣言われたように、ガン対策に対してはどういう姿勢をとっておられるか、お聞きいたしたいと思います。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(中村梅吉君) 一般の病院としての施設整備のほかに、いま厚生大臣が申し上げましたように、ガン対策としての学術研究費として二億五千万円ほどを計上いたしまして、学術的にこれを解明して、研究を進めるようにつとめておる次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私が申すまでもないことでありますが、アメリカのことしのこの予算は五百五十億円であります。日本の予算は二十三億円、これは文部省も厚生省もひっくるめまして二十三億円、厚生大臣は、この構想を非常にりっぱな構想と言われましたが、一体二十三億円でどういうことができましょうか。もう少し具体的に厚生大臣、御説明願います。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほども申し上げましたように、このガン対策につきましては、専門医療機関の整備のほかに、ガン専門の医師あるいは技術者の養成ということが大切でございます。したがいまして、一ぺんに膨大な予算を計上いたしましても、設備ができましても、専門の医師の確保ができないとか、いろいろな問題があるわけでございまして、私どもは、これを年次的に、長期の計画で進めることが最も着実な方法であると、かように考えておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 総理大臣も、再三再四、ガン対策に対して決意を披瀝しておられますが、総理大臣のガン対策に対する構想なり、御決意を聞いておきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま厚生大臣からお答えいたしましたとおり、私も大体厚生大臣と同じような考え方を持ってこの問題と取り組んでまいりたいと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そういう答弁では、だから医師会の雑誌で、政府はガン対策に取り組んでいないということを書いてあるわけであります。厚生大臣、予算だけ二十三億つきましても、長期的な展望、計画がなければこれは何にもならぬのではないかと思います。で、厚生大臣は新聞記者に四カ年計画の構想を発表されておりますが、四カ年でもガンが完全に原理的にあるいは治療態勢が整うと考えない。したがって、この際、ガン対策法とか、ガン医療助成法とか、そういうものを法律化いたしまして、総理大臣、厚生大臣がかわられても、あるいは担当の厚生省の役人がかわりましても、国が法律でもって恒久的に対策を立てるような方途があるかないか。これは厚生大臣並びに総理大臣から御答弁を願いたいと思います。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 参議院の社会労働委員会で、小柳前委員長が中心になりまして、非常に御熱心にこの法制化について御研究を進めておられましたことを私は承知をいたし、その御熱意に対して敬意を表しておったところでございます。ただ、御承知のように、結核でありますとか、あるいは精神病でありますとか、そういう非常に他に感染をするおそれがある、また、精神病のように、自分を傷つけたり、また、他人に害を及ぼしたり、そういうようなおそれのあるものにつきましては、これを病院等に強制的に収容措置いたす必要があるわけであります。そこで、結核予防法なり精神衛生法なり、そういう法制を整備いたしまして強制収容等の措置を講じているわけでありますが、ガンの場合には、これが他に伝染するとか、あるいは他に害を及ぼすとかというような性質の病気でないことは御承知のとおりでございまして、当面、政府といたしましては、ただいま申し上げましたように、予算面で、しかも、単年度だけの計画でなしに、長期的な展望の上に立って予算を確保いたしまして整備を進めていく、ガン対策を進めていくということを現段階では考えているわけでありますが、法制的な面につきましても、なお今後私どもも研究をしてみたいと考えております。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) まあ医学の進歩、これはもうたいへんだと思います。まあ私ども子供のときには結核、これはなかなかなおらない、かように、言ったものですが、いまや結核はおそれる病気ではない。あるいは、らい病、これなども、わが国のらい患者というものはほとんどいない。こういうように医学が進歩していきますと、いわゆる不治の病気というものもどんどん変わってくる。ただいま一番悩みに考えられるものがガンというもの、あるいは血管、まあ血圧、そういうような関係のもの、こういうものを一体どう今後科学技術の進歩、医学の進歩でこれを克服することができるか、これは一つのたいへんな問題だと思います。そういう意味で、ただいまガンは、これはもう刺激説、これでもう大体きまっておるようでございますが、しかし、なおビールス説が出ておる、かように考えますと、病理的にもまだまだこれは検討する必要があるのではないか。こういう病源を突き詰める、それにも力をいたさなければ私はならないと思います。また、これが今度は臨床的な問題で、収容のベッド数やなんかを見ると、まことに不十分である。また、外科的手術等におきましても、現状においてはたいへん不十分である、かように私は考えております。そこで、いろいろ予算的にもだんだんふやしてその収容設備を十分にしていく、これはまだしかし、なかなか努力を要する問題であります。私どもが、二十億やったからこれでもういいと、こういうようなものではございません。しかし、どうも国の財政の規模から申しますと、なかなか多額のものもこれにつぎ込めないという現状であります。そういう意味で、このガン、これをやっぱり国民の協力のもとにガンと真剣に取り組もう、こういう連動も展開されておる、これが対ガン協会であり、また、対ガン協会のなすいろいろの各種事業等である、かように私は理解しております。そういう意味で、真剣にこの問題と取り組んでいかなければならぬ。これが学究的にも、また、それぞれの治療の面におきましても努力をするもの、この方向は非常に広い、かように思います。  そういうところから、ただいま法律を制定したらと、こういう御提案があったと思います。私は、その法律も必要ならつくっていいと思いますが、ただいまのところ、法律よりも、その前に、一体国民がこの問題をいかに理解し、いかにこれと取り組むか、ただいま申し上げるような、いわゆる各界各層の協力を求めることがもっと必要ではないか、それによって初めて不治の病気、ただいまの悩み、これが実は解消できるのじゃなかろうか。外国の例を申してまことに恐縮ですが、アメリカでは、もうあまりガンはいま心配しない。しかし、イギリスでは、王室をはじめとして、たいへん真剣にガンの問題と取り組んでいる、こういうようなことです。そういう意味でいろいろ検討されておる。わが国におきましても、ただいまわれわれの生命、それに非常な不安を与えておるもの、病気ではただいまガンである、かように考えますので、もっとこれと真剣に取り組む、そのことが必要である。かように私は思います。ただいまの、前委員長としてたいへん熱意をもってこの問題に取り組んでおられます、こういうことですが、さらに今後とも御支援、御協力を、政府もせっかくいろいろの施策を立てようとしておりますから、御鞭撻賜わりますよう、お願い申し上げておきます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大蔵大臣にちょっと聞いておきたいのですが、早期診断といいましても、夫婦一緒に診断に行きますと、検診料約四千円かかる。それから、かかりまして治療いたしますと平均四十万円かかるわけです。病気が発見されますと健康保険になりますが、検診は健康保険を適用できないものですからそれだけかかる。そこで、四十歳なら四十歳になりましたら、必らず国が半額負担ぐらいで検診するようにという予算を出したところが、それが削られてしまっておるということであります。大蔵省としても、総理大臣があれだけ新聞で決意を披瀝しておるのになぜ協力しないかと、われわれは切歯扼腕しておるわけですが、もう少し厚生行政に対して、あるいはガン対策に対して大蔵省が真剣に取り組むべきだと思いますが、いまの総理の発言を受けて、大蔵大臣のお考えを聞いておきたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 確かに四十一年度は厚生省からはそういう要求があったわけであります。まあ大蔵省だけできめるわけじゃない、これは厚生大臣とよく相談いたしまして、どこに重点を置くかと、こういう問題なんであります。つまり一番重点を置くのは、何といっても施設と人員を整えることである、それから研究を助成することである、ここなんです。ここに重点を置いたわけです。  なお、検診車を都道府県に回す、こういう問題につきましては、これは各都道府県に一つずつ検診車を置く。これを個人にただでできるようにするかどうか、こういう問題になりますと、これはそこまでいく必要はないのじゃないか。まあこれは実施の状況なんかを見てやったらどうかという財政的な配慮、そういうものを考えまして、今回は検診車を回わして利便に供する、こういうことにしたのですが、今後の様子等を見まして厚生大臣とよく相談することにいたします。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 医師会が論文を書いておられるのもよくわかりますが、参考人を呼びまして、日本の権威者を呼びましていろいろお話を聞きますと、第一は、二百万円予算をつけたら医師会が使い切らぬだろうというようなことを厚生省は考えておらぬが、まあそこまで言っておられる。結核が減りましたが、それを調べてみますと、時の軍部が、日本の国民の結核を何とかしなければならぬということで真剣になったという歴史がありました。したがいまして、いま総理大臣が言われたように、もう少し真剣に取り組んでもらって、少なくとも年間二百億ぐらいの予算が組まるれば何とかしたいと、現在早期診断といいましても、ほんとうにこの早期にレントゲンがわかるお医者さんは、まあ大きな声で言えませんけれども、ごくわずかしかいないということを専門の、医者が言っておられるわけですから、もっと真剣に取り和んでいただきまして、法制化について早急に御検討願いたいと要望いたしまして次の問題に入ります。  次は、これも総理大臣が再三言明しておられる重度身体障害児、障害者の施設並びに今後の対策でありますが、先般衆議院本会議で伊藤代議士が詳しく質問いたしておるようでありますから、前段を省略いたしまして、結論のほうを質問いたしますが、総理大臣はこの施設をごらんになったことがございましょうか。あるいは厚生大臣、島田とか秋津がありますが、ごらんになったかどうか、まずそこからお聞きしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) まだ施設を見たことはありません。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、職業掌柄、あちこち見させていただいております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私どもも、口では重症身障者対策と言って論議しますから、私も見学してまいりました。一番問題は、五百三十の施設を今度つくりますが、看護婦さん、看護助手さんたちが一体喜んで来ていただけるだろうかという問題、この問題について厚生大臣はどういうお考えでしょうか。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) ただいま御指摘がございましたように、この看護職員の確保ということが、この重症心身障害児、あるいは障害者の対策の面で一番むずかしい困難な、しかも、最も重要な問題であると考えておるわけであります。重症心身障害児の施設を今度全国で十カ所国立を含むものをつくるわけでありますが、四十ベッドないし八十ベッドの施設におきましては、四十ベッドの場合には医者が三名程度、それに理学療法上等三名ぐらい、それに看護婦さんが二十名程度要るわけであります。それから、四十名の子供さんに対しまして三十名の看護職員が必要である、こういうことで、この養成並びに確保等につきましては、この施設をつくることと並行いたしまして、私ども一生懸命その問題に取っ組んでいかなければならないと、かように考えておるわけでございます。  そこで、もう一つの問題は待遇の問題でございます。ただいま特別な手当を出すようにいたしておりますが、さらに今後は国立の職員、施設の職員ということになりますので、調整号俸等の問題も、ただいま人事院と相談をいたしまして検討を進めておるわけでございます。看護婦あるいは看護助手、そういうような者の確保ということを、今後各方面と連絡をとりながら確保するように諸般の対策を進めておる段階でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 先般、島田療育園へ参りまして、院長にいろいろ聞きますと、百人看護助手の希望がまいりますと、実態を見て九十五人やめられる、五人しか残られないという話であります。したがって、いま言われた五百二十でありますが、新設五百二十、その看護婦、看護助手——看護婦は百三十、これはぜひそれだけやっていただきませんと療育できぬのであります。看護助手及び雑務炊事とか洗たく、雑務でありますが、こういう人に、私が委員長時代に炭鉱爆発に四回あいまして、その炭鉱爆発の罹災家族、遺家族で未亡人が約千人おられた。その人たちといろいろ懇談しておりますときに、若い人が、私どもでできるならばという声がありました。したがって、それからずっと検討いたしておりまして、希望者に特別な教育をしていただき、宿舎をつくり、それから十人なり二十人なり移住していただき、そうして献身的な看護助手の仕事ができないものであろうかということを寄り寄り相談してまいったのでありますが、労働大臣、職業訓練の問題、移住の問題など、炭鉱離職者並みの取り扱いができないものであろうか、見解をお聞きしたいと思います。

小平久雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(小平久雄君) お答え申し上げます。  重度身障者の看護補助者でございますが、厚生大臣のお話によりましても、これが非常に欠乏しておるようでございますから、もし先生のお話のように、炭鉱災害の罹災者の遺家族でそういう方面にぜひ働きたいと、こういう希望があられますならば、当面のことといたしましては、先生御承知のとおり、家事サービスの職業訓練所もございますから、そういう所でどういう訓練をしたらよろしいかという点については、厚生省とも十分連絡をいたしまして訓練をいたして、その就職をお世話する、ぜひそういうことをやりたい、かように考えます。  なお、援護措置につきましては炭鉱離職者並みということでございますが、遺族でございますから、離職者そのものというわけにはまいらぬと思いますが、検討はこれからいたしますが、当面は、私は、現在あります就職促進のためのいろいろな援助措置がございますから、これを十分活用してまいりたい、かように考えておるわけであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 今年度の予算は五百二十ベッドでありますが、将来計画と、それから、その五百二十が結核療養所内に今度新設するわけです。その免疫性が弱いとわれわれ判断する身体障害児が、結核療養所の中でその施設をつくるということについてはどうでしょうか、厚生大臣から聞きます。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) これは結核患者と同じような病棟に収容するのじゃございません。そこの療養所の地域内でございますけれども、特別な新しい施設を整備いたしまして収容する方針でございます。これは先ほど来問題になっております、医師あるいは看護職員の確保というような面も考えながらそういう対策、計画を立てていくわけでございますが、いま御心配になりますように、結核等に感染するような状態では絶対に収容しない、十分その点は配慮いたしておるのであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 結核療養所のベッドがあいているからということで結核療養所のほうに収容される。結核のほうはもっと収容しなければならない人があるのに結核療養所に収容されるのか、あるいは、また、新たに施設病棟をつくられるのか、その点を確かめておきます。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど御報告を申し上げましたように、施設整備費は四億四千八百万円四十一年度予算に計上いたしておりまして、一ベッド当たり約八十万円余りになるわけでございまして、この点は、いま申し上げましたように、結核ベッドの転床ではございません。新たにつくるのでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 結核に対する感染の問題については、後日また実態を見て議論したいと思います。  それから、総理大臣が大きな声で言われたから初めて五百二十ベッドができると思うが、将来計画、並びに、看護婦、看護助手が、私は先日話して、三号調整いたしますと言ったから、ほとんど調整されると思ったところが、結核の療養所の看護婦さんだけが三号調整される。現在、らい病看護婦なんかが六号調整されている。だから、結核の療養所にいまその施設がありますと、その施設の看護婦さんは一日六回おしめをかかえて、おふろにもかかえて入れて、御飯も自分でたいて食わせなければならない、これは非常にもうたいへんな仕事です。総理大臣も一ぺんぜひごらんになっていだたきたいと思いますが、そういたしますと、結核の病棟の看護婦さんとこの重度身障児施設の看護婦さんと同じ待遇では、もうこの看護婦さんはやれない。しかも、全治する希望がないでありましょう。全治する希望がない患者をたれが看護しましょうかということです。そういう問題について、私は三号調整すると聞いたものですから、これはいいと思ったら、現在、結核療養所の病棟の看護婦さんが三号調整、らい病棟の看護婦さんが六号調整ですが、少なくとも、その倍くらいの待遇をしなければ、ほんとうに献身する看護婦さん、看護助手さんはいなくなるのじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) ただいま御指摘のとおり、この重症心身障害児の看護をする仕事というものはたいへんな重労働であり、また、特別な肉体的、精神的な苦労の要る仕事であるということは私ども承知をいたしておりまして、重症児加算というものを現在やっておるわけでございますが、それだけでは不十分でございますので、先ほど申し上げましたように、調整号俸の実施ということをやる方針のもとに、ただいま人事院と、この特殊な看護職員ということを十分頭に置きまして、検討を進めておる段階でございます。で、国立の施設の職員に対する調整号俸がきまりますれば、それに準じまして、民間の施設に対しましてもそのような処遇の改善をいたす考えでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 これは十三日の新聞でございますが、目を放すと危険だからということで、帯で八年間ある重度身障児を柱にくくりつけて働いていた家族が発見されて、社会福祉司がいま動いている姿でございますが、五百二十ベッドできますけれども、約一万五千くらいの人がこうやって家の中に閉じこもっているわけです。総理大臣がしょっちゅう言われるように、一日も早くひとつ防衛費でも削って施設をつくって、看護婦さんの待遇をして、その残された家族が安心して仕事ができるような体制をつくっていただきたいと、こう思います。もう一回総理大臣の国民に対する見解、決意を披瀝してほしいと思うのです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 重度身障の収容所、これは私は見ませんが、最近私の家内が島田療育園を見てまいりまして、詳しく実は報告を受けました。また、つい最近行なわれました「あゆみの箱」のチャリティーショー、これはたいへんな盛会であった、かように聞いておりまして、重度心身障害者に対する世間の同情、これはたいへんなものだ、かように思います。私は、かねてから人間尊重を言い、また、生命を大事にすることを説いております。そういう意味で、ほんとうに恵まれない不幸なこれらの方々、これに対しましては同情を禁じ得ないものがあります。したがいまして、今回きわめて少数ではありましたが、まず第一に収容——それを中心にして、そうして収容施設を整備するということに取りかかったわけであります。ただいま話を聞いてみると、一万五千人のうち、その三分の一の五千ベッド、こういうものをまず整備しようと、こういうのが厚生省の計画のようでございます。そういう点がいまの民間の協力も同時に行なわれるのではないか。また、それを機会にできるだけ早くそういうものが実現するように、また、ただいま小柳君が御指摘になりました看護職員、同時に、また、保健婦、これはまあたいへんなことだと実は思います。自分の子供ということならば特別な恩愛もありましょうけれども、しかし、それでなしに、ほんとうに終生こういう重度身障児、これを養育する、看護する、これはたいへんな問題だ、とかように思いますが、そういう点に深い理解と同情をもって看護職員の待遇の改善にも努力していかなければならぬ、かように私は思っております。衆議院においての伊藤君の質問に対しましてもそういう点をお答えしたつもりでありますが、まず第一が、ただいまの収容能力、同時に、また、看護職員の待遇の改善、こういうことが今日の問題だと、かように思います。  さらに、また、基本的には、こういう重度心身障害者がどういう原因によるか、後天的な、いわゆる自動車事故、あるいは炭鉱災害その他のものについてはそれぞれ考えられますけれども、先天的なものが非常に多いのでありますから、そういうものもまた優生学的にいろいろ検討して、かような子供ができないような、生まれないような、不幸な状態をかもし出さないように一そう努力をしてまいりたい、かように思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 次の問題は中小企業の問題でありますが、先般、大蔵大臣は、ことしの公共事業の七割くらいを上半期に投入して景気を回復したいということを言っておられる。ストレートにまいりますと大企業にのみ公共事業が偏在いたしまして、中小企業はいま倒産に当面しておりまするが、なおひどくなりはせぬかと思いますが、公共事業に年間の予算、上半期に七割も繰り上げ投資するというときに、中小企業に対しては大蔵大臣どういう方策を持っておられるか、お聞きいたします。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 中小企業は、不況が長期化した関係上、非常に困窮しておると思うのです。つまり不況に対する長期抵抗力が大企業に対して少ない、そういうことで特別に気をつけなければならぬ問題だ。先般来、金融対策について特に気をつけてまいり、また、今回は、昭和四十一年度予算の一環として、特に減税は中小企業に重きを置く、こういう対策をとっております。しかし、さらに今回予算総体の規模が拡大すると、その予算の執行にあたりまして、中小企業にできるだけチャンスを与えていきたい、こういうふうに考えまして、ただいまその方策をどういうふうにするか、まあ中小企業が参加し得る資格の要件を緩和いたしますとか、あるいは大きな仕事でも分割して出せる方法はないかというような問題でありますとか、あるいは協同組合がいまでも随意契約ができるようになっておりまするが、なおさらに受注のチャンスを拡大する余地はないか、いろんな面にわたりまして検討を進めて実効をあげていきたい、かように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ただいまの問題に対して、通産大臣の対策をお聞きいたします。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) 今度の景気対策が大企業に偏重するということでは均衡な経済の回復はできないわけでございます。各省庁に対しても、中小企業の分野を確保してもらいたいということを強く要請しておるわけであります。いま大蔵大臣も言われたように、建設省のごときも、やはり幾つかの段階に分けて、格づけ、これを少し上げていって、中小企業もそういう公共事業に参加のできるような道を開く、あるいは、また、中小企業の分野というものを、あまり中小の工事に対しては大企業の進出をささないように、中小企業でやるようにする、こういう特別な配慮を建設省関係でも加えております。そういうことにして、できる限りこの景気対策が中小企業にも均てんするような努力を今後も続けていきたいと考えます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 民間事業に対しては政府の指令もなかなかきかぬと思いますが、官公需に対しましては、大蔵省なり通産省なりが本気になってやればできないことはないと思います。官公需連絡会議などもあるようでありますが、これに出席する委員の諸君は冷淡ではないかという声が相当あるわけであります。それならもう一回やり直して、本気になって中小企業に官公需をやるような者にメンバーを変えたらどうかという声があるが、官公需連絡会議は、これは主管はどこが——大蔵大臣でしょうね、あとでこれはまた質問いたします。通産大臣、これはきのうの新聞でございますが、中小企業への官公需要と書いて、特別立法は見送りと書いてある。通産大臣は、衆議院の予算委員会で、官公需をふやすために特別立法でもとかいうようなことであったけれども、大蔵大臣が反対して、ついにだめだということでありますが、そういうことでは、大蔵大臣、これはいまあなたの言ったことはうそになりますが、その点をひとつ明白にしてもらいたい。大蔵大臣、どうでしょう。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいま申し上げましたように、中小企業者の参加資格を緩和するとか、あるいはランク制を再検討する、あるいはその保証金を中小企業の業者については減免できるかどうか、あるいは協同組合の問題とか、そういういろんな問題をいま検討してやっておるのです。その中で、法令の改正の必要がある、こういうふうに考えたものにつきましては法令を改正しよう、しかし、運用でできるというのならば運用でいく、まだどっちにするという結論は出ていないのですが、とにかく実効をあげるということにつきましては、私も最善を尽くす方針でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 通産大臣。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) この官公需要は、役所のほうで相当やはりこれに対してはその気持ちであれば確保できるのですから、何とか私は立法化できないのかと考えておるのです、いまでも。実際問題としては、御承知のように、むずかしいのですがね、法律でやるということは。しかし、何とかできないか、そういうことで中小企業の分野を確保できることになれば、多少のざんぼうがあっても進歩ではないかということで、何とかできないかといって、いま検討を加えておるわけであります。それがいろいろむずかしいというような問題が立法上出てくれば別途の方法を考えていく。何とか中小企業の分野を確保するために、いまよりも強力な処置をとりたいという考えでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 総理大臣、八幡製鉄も東京製綱など、北九州も西日本もですよ。鉄鋼の操短——セメントはあんなふうであります。セメントは最近少しよくなりましたが、下請中小企業はたいへんです。いま大蔵大臣、通産大臣の話を聞いてみましても、たいした策はありません、これは。策はないわけですね。佐藤内閣として責任を持ってやらなければ中小企業の諸公がたいへんです、これは。総理大臣の方策をお聞きいたします。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) これは小柳君も鉄道におられたから御存じだと思いますが、現業官庁、あるいは鉄道だ、あるいは電電公社だ、あるいは郵政省だと、こういうようなところだと、工事規格によりまして、そして中小企業者が参加できる、大企業をむしろ排除していると、こういうものがあるわけですね。たとえば保線区の仕事はこういうランクのものがやると、その規格はいまなお残っている。また、建設省の関係でも災害復旧だとか、こういうようなもので、これはその地方の小さな業者だとか、こういうように工事あたりは比較的にわかりいいのであります。また、そのほうが能率的な場合がある。したがいまして、これは私どもの経験から見ましても、また、小柳君あたりが関係されたその範囲から見ましても、その辺はうまくいっていると思います。ただ、もう一つ問題なのは、いわゆる発注する、たとえば制服を発注するとか、あるいは繊維関係のものとか、そういうものになりますと、なかなかこれは大企業、大事業がどうも比較的入りやすい、どうも中小企業がオミットされる、こういうことで、その仕事の性格によりまして、こういう場合にどういうような処置で中小企業を育成強化するか、十分に発注できるか、この注文に応ぜられるか、こういうように考えていかなければならぬと私は考えておるのであります。ただいまの法律も法律ですが、ただいま私が一、二の例を取り上げて申し上げたように、現実に法律でなくてやっておる、工事関係などはそのほうが実際は早くて都合もよろしいのです。それは大企業に注文すれば、今度は必ず下請を使うということになる。これはもう中小企業と直接工事契約のできるようなもの、これがずいぶんあるのであります。そういう点をまずくふうしていただいて、扱うほうの担当者がそのつもりで考えられればうまくいくのじゃないか。また、大企業と中小企業との関係が、そういう意味では私はそれぞれ分野をきめ得ると、かように考えます。同時に、また、お互いに協力関係に立っておる部分もあると、かように思いますので、それぞれの仕事の性質によりまして、そして協力をするように、ただいま来年度の公共事業費については、早期に契約を完了しようと、こういうことになりますと、どうもまだこまかなところまでいっていないかと思います。どうしても大口のほうが先になっているだろうと、そういう意味でただいまのような御批判があるだろうと思いますが、私どもは大口を格別扱いをするつもりは毛頭ありませんし、実情に即して中小企業にももちろん御協力を願う、こういう立場で行政を進めていきたい、かように思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 関連して。ただいまの総理大臣のおっしゃることは、私は非常にもっともだと思うのですが、そこで、建設大臣にお伺いいたしますが、官庁営繕と建設省の仕事というのは、これは相当公共事業等、多いわけであります。これを発注する場合に大企業が落札する。その場合に、建設業者と施設関係業者、この施設関係業者というのは、暖房をやったり、衛生施設をやったり、こういうのが圧倒的にこれは中小企業なわけです。その場合に、建設業者が一括して落札をする、そうしてやらせるのは下請でやる。その場合に、設計では明らかに建設費と施設費と予算の査定がなされている。その査定をなされている施設費のピンはねをやるわけです、大建設業者がです。一割のピンはねをして、あと五分の採算でもってやれと言われても、これは中小企業としては非常に苦しいんであります、施設業者は。こういう実態がある。これに対して、別々に入札をさせて、そしてやるべきなんでありますが、一括でやる場合がある。また、そういう場合について、これに文句を言うと、たいへんな仕打ちを受けるんです、これは。ということは、床も天井も張ってしまってから管を通せというようなことで、意地悪をやるわけです。それで、もう中小企業者は、言いたくても、この大きな建設業者には絶対ものが言えない。言ったら意地悪をされる、仕事の上でできないようにさせられる。これが今日の実態です。こういうような実態について建設大臣はおわかりになっているのか  これは官庁営繕だけで私改善してもたいへんな中小企業のためになる、このように思うんですけれども、、こういう点についての実態をおわかりかどうか、またその点についてもしあるとするならば改善せられる意思がおありになるかどうか、この点をお伺いしておきます。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) いまお話の中に、営繕等について総合業者に請け負わして、その部分のたとえば特殊工事、配管とか配電とかをさらに中小企業に総合業者がピンはねをしてやらしておるというお話でありましたが、少なくとも公共事業の国等でやりますものは、主体工事は主体工事、配管、配電等は特殊工事で、別に発注をいたしているのが原則でございます。もしいまのようなことがありますと、これは法規上許されませんので、取り締まることにいたしたいと思います。民間においては、総体的に一業者に発注いたしまして、さらにその業者から特殊工事を別の中小企業に発注する、そういう事例がありますけれども、少なくとも国でやっておる面には現にさようなことはやっておりません。  それから、これは私お問いがありませんが、先ほど来小柳さんのお話の、いろいろ建設工事に対する中小企業、これは従来から私ども非常に配慮をいたしておりますが、なかなか思うとおりいっておりません。特に最近は、いわゆる民間設備投資の停滞あるいは民間の建築の減少、こういうことで、いわゆる大手業者が中小の公共事業に手を伸ばす、こういうことが相当ひどくなりまして、中小企業を圧迫するという事態がたまたま起こっております。これについては、私ども、先ほど来大蔵大臣等もお話しになりましたように、工事を急ぎませんものについては相当厳重な規制をつくりまして、特に中小企業の仕事の量は減らない、むしろふえるような措置を講じまして指導をいたしております。特にそういう準則をつくりまして、本年の三月七日、全国の管下に流した。また、地方公共団体等についても、同じ趣旨でやってもらいたい、またその他の公共事業を担当しておられるいわゆる国の行政機関等についても、同じような趣旨で扱ってもらいたいということを連絡をいたしております。御参考のために申し上げておきます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 関連。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) じゃあもう一つだけ。

北村暢日本社会党

○北村暢君 ただいまの、官庁営繕その他のことでは別々に発注するからない、民間ではそういうことがあるようでもあると、こういうことであったですが、これは大臣、建設業法か何かでそういう点は考えられないものか、また行政指導等においても、そういう明らかに中小企業が苦しむような形になって、これは関係業界から言いたくてしょうがないんだけれども、言い出すと必ずあとで仕打ちがくる、それでもう言いたくても言えないでいるわけなんです。だから、やはりこれは中小企業を保護するというたてまえからいけば、中小企業の分野を確保する意味においても、私はこれは建設大臣だけじゃないと思うんですが、通産関係にも関係してくる問題だろうと思うのですが、中小企業の分野確保の点からいっても何らかこれしないというと、これはもう必ず、事業はほしいし、わりあい過当競争ですしね、意地悪をされるので、言い出せば仕事がもらえない、まあそういうことで泣きの涙でやる、こういう実態はもうざらにある。したがって、政府はこの際ひとつ、建設業法の中で考えるか、あるいは強力な行政指導をされるか、この点をですね、あるようだでほうっておかれたのでは私は解決しないと思うので、もう一度ひとつ御答弁がいただきたい。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) 先ほど申し上げましたように、公共事業等においてはこれは発注機関が国あるいは地方公共団体でありますから、一括発注をする場合でも下請をするときにはこれはやっぱり認可を得なければならぬことになっております。先ほど営繕については申し上げましたが、ただ民間の建築等についてどういう発注をしなさいということはいまの憲法からいってちょっと無理であろうと思いますが、これはいまお話しのようなことは通産その他と中小企業全般の対策として検討をしなければならぬ問題だと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 官公需の連絡会議の実態なども明らかにしないまま前進することはまことに遺憾でありますが、わかりますか、官公需連絡会議の実態について御説明願います。

山本重信中小企業庁長官

○政府委員(山本重信君) お答え申し上げます。官公需の連絡会議は、中小企業庁が主催をいたしまして、関係各省の担当官に集まってもらいまして、中小企業向けの発注をどういうふうにしたらふやすことができるかということを相談しておるのでございます。必ずしも全部の人に集まってもらって総会的なかっこうでやるばかりではあまり効果がございませんので、随時個別にそのつど具体的な問題のある官庁と少人数の会合等も適当に織り込んでおりまして、特に最近は非常に問題が切実になっておりますので、随時かなりひんぱんに実施をいたしておるような実情でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大臣の答弁でも満足いたしませんが、別途の委員会にまた小さく論議することにいたしまして先に進みます。  次の問題は、日本の総合エネルギーの中で石炭エネルギーをどの程度見て石炭政策をやっておられるかという問題であります。通産大臣に質問いたしますが、日本の需要エネルギーの中で石炭エネルギーをどう見込んでこれからエネルギー政策を立てようと考えておられるか、見解を伺います。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) 御承知のように、現在エネルギー総合調査会で、石炭の位置づけというものを一体どう考えるか、このエネルギーの非常なやはり革命のような変化が起こっておるのですから、これを六月ころまでを目途として中間の報告を求めたいということでやっておるわけであります。現在のところは、御承知のように、五千五百万トンというこの目標は変えてはいない、しかし、最近におけるエネルギーは、原子力も出てくるし、重油の問題もあるし、いろいろな点で、もう少しやはりかなり長期的な石炭の位置づけをすることが石炭企業の定安のために必要であるということで、現在検討を加えてもらっているわけでございます。しかし、いずれにしても、国際収支の上からいったところで、エネルギーの安定確保の意味からいっても、あるいは地域社会の経済的な問題から考えても、あるいは雇用問題から考えても、ある一定の石炭はこれは長期にわたって確保しなければならない。その確保する数量というものをどう見るかということで検討を加えておるのが現状でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 中間答申は出ておりますが、正規の答申が六月を目途としておるようでありますが、それまでは五千五百万トンということで通産省は動いておる、こういう確認でよろしゅうございますか。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) この目標は、実際問題としては五千五百万トンにはいっていないけれども、この一つの目標というものはまだ変更はいたしていない。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 答申については、いつごろ出るような見込みでおられますか。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) いま言ったように、石炭の抜本策を講じたいと考えておりますから、石炭の位置づけという問題についてはいま言った六月ごろを目途にして答申を出してもらいたい。全体のエネルギーの問題というものはもう少し時間をかけなければならぬ。石炭というものをどう位置づけるかという問題については、全体のものが検討し尽くされなくても中間的な答申を求めたいということが、先ほど申した六月ということでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 六月に希望いたしておる、求めておる答申は、これも暫定答申ですか。総合エネルギーの中に占める石炭の位置づけはまた別途諮問する、このような答弁でございますか。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) それは石炭の抜本策の基礎になるわけですから、これは暫定というよりかは、相当やはり石炭の今後抜本策を講ずる基礎になる数字で、そういう暫定というふうな感じはしていないのです。一応のやはり施策の基礎にしたという数量を考えていきたいということです。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いま石炭産業が混迷しておる理由は、政府が石炭政策を答申に求めておって、その答申は、いま通産大臣が言われたように、それからなお石炭の位置づけをやるのだというようなところに石炭産業の一番混迷があると思うわけですが、中間答申は出ました。本答申が出なければ政府は石炭政策を持たない、こう確認してよろしいですか。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) 持たぬどころか、石炭というものは、政府がいろいろ、今年度の予算を通じても、抜本策を講ずるまでの間、できるだけつないでいきたいということで配慮を加えておるわけであります。したがって、そういうものが出ますれば、一方において石炭鉱業審議会で抜本策も一緒に検討を加えておるわけでありますから、そういうことで、政府の石炭対策というものに対する抜本的な対策を立てようということで、出ないということではない。これはいつまでも置いておけないことは御承知のとおりでありますから、この機会に石炭と取り組んで抜本策を講じないという決意のもとに、審議会にもはかり、通産省自体においても検討を加えておるのであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 通産大臣、中間答申で、いま石炭産業では大手筋で千二百億も赤字があるから、これは政府が何らかの方法で肩がわりをしなければならぬということが出ている。その問題についてはどのような見解を持っておられますか。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) 何らかの形で異常債務に対しては財政的な肩がわりが必要であると思っております。しかし、こういう問題は抜本策の根本に触れる問題であります、この問題は。したがって、この問題についてはもっと具体的に、財政的な肩がわりといえば、これは国民も納得するものでなくてはいかぬわけだ、国費を使うわけですから。そういう点で、いろいろな総合的な見地から、石炭鉱業審議会で、どうすれば石炭鉱業が立ち直るかという根本策に検討を加えておるわけであります。基本的な考えとしては、異常債務にある程度の財政的な肩がわりが必要である、これは一つの基本線であります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 五千五百万トン、一応現在の政策として、大手石炭産業が大ざっぱに見て六割とすると、四割は小山が持っている、中小企業の山が持っているわけですが、大手に対して千二百億を政府が責任を持とうとしておるときに、小山に対してはどのような態度を持っておられますか。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) 石炭の抜本策は、もう大手だけというのじゃない、全部一律に考えて中小炭鉱に対しても、大手だけを対象にして抜本策を講じようというのじゃなくて、その石炭が将来、抜本的な対策というものは、大手も中小も均霑される解決策が、均等にそういうふうな解決策の恩恵を受けるというものでなければならぬと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そういたしますと、異常債務千二百億を政府が考えると同様に、小山にも、中小炭鉱業者にも、それ相応の安定助成のための措置を考えておる、こう理解してよろしいですか。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) 異常債務を整理するときには、それは大手も中小も区別しないのだ、みな一律に考えて対策を立てる、こういうのが基本的な考え。それは一体、千二百億とか、これをどういうふうにするとか、この金額にしても、このやり方にしても、これは慎重にやっぱり検討しなければならぬので、いま石炭鉱業審議会で検討を加えておるというのが現状であります。どのような形になるかということは今後の検討にまたなければならぬが、その場合に中小炭鉱も区別をしない、これは基本的な態度でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 総理大臣、石炭産業の重要性については、いま通産大臣から聞きましたが、大手産業も中小炭鉱も平等に異常債務などを考えていくのだ、こういうことで政府の方針として理解してよろしゅうございますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いま通産大臣が答えたとおりであります。いま石炭鉱業審議会といいますか——が答申を出して、大体六月ごろだろう、かように言われておりますが、それで、その答申でわれわれ期待するもの、どういうものが出るか、やっぱり総合エネルギー、その立場に立っての石炭の位置づけ、さらにまた異常債務の扱い方、同時に大企業と中小炭鉱、これを合わしてのそれらの再建、あるいは育成方策、そういうものが必ず答申で出てくるだろう、かようにわれわれは期待しておるのであります。答申を待ちまして、それぞれ処置していくつもりであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 御存じのように、ただいま炭鉱労働者は希望が少ないような情勢であります。したがって、通産省では炭鉱労働者に対する特別年金制度を調査するべく、二百万円の予算を組んでおりまするが、この実情について、通産大臣から御説明願います。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) 炭鉱の労務者、これは確保が困難になっておることは、御承知のとおりです。そのためには、やはり石炭産業が安定するということが基礎です。不安であってはなかなか確保しにくい、それが基礎で、いまお答えしておるように、何とかこの問題を解決したいと取り組んでいる。それについて年金制度も、これはやはり考えなければならぬということで、いま関係各省との間に、これを何とか実現させたいという方向で検討を加えて、まだ成案を得ておりませんが、関係各省とのいま協議をしておる段階でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 年金法となりますと、厚生省の関係と思いますが、厚生大臣の見解も聞いておきます。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) ただいま通産大臣からお答えがありましたように、厚生省も、通産省、労働省一体になりて、できるだけ早くこれを実現する方向でせっかく努力中でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 次は、労働大臣に質問いたしますが、先般来、炭鉱爆発がありまして、一酸化炭素中毒患者がまだ現在入院中であります。医者の見解によりますと、脳神経が枯れてしまいまして、一生これは治らぬだろうというのが見解であります。将来の医療の発展は期待いたしておりますけれども、そういたしますと、当然一酸化炭素中毒に対してはじん肺以上に手厚い立法措置が必要であると思うが、一酸化炭素中毒に対する労働省の取り組みをお聞かせ願いたいと思います。

小平久雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(小平久雄君) 一酸化炭素中毒についての特別立法ということが各方面から御要望されておることは承知いたしますし、また非常にその患者の方が気の毒な立場にあるということも万々承知をいたしております。そこで、この一酸化炭素中毒患者に限って別個の法律をつくるということがはたしてまあ適当であるかどうかという点につきましては、先般総理からも衆議院で御答弁ございましたが、これだけについて特殊な法律をつくるということになりますと、やはり他との関連等もございますので、労働省といたしましてもいま直ちにとまでは踏み切り得ないでおるわけでございます。もちろん十分検討もいたしますし、現行の労災法等の運用につきましても、もうできる限りこれを最大限に活用いたしまして、患者の方々の実情に即してできるだけのまあごめんどうを見るというと語弊があるかしりませんが、善処をいたしていく、こういう考えで目下のところおるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 厚生大臣にも聞いておきますが、先般来、一酸化炭素中毒で入院している人たちの家族など陳情いたしまして、官庁を回りまして、労働省は非常に親切に対策について話をしていただいたが、厚生省は冷たかったと、あまりどうも対策もないというような話でありますが、厚生大臣の今後の取り組みを聞いておきたいと思います。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、その陳情の方々にお目にかかる機会を得なかったわけでございますが、厚生省として決してそういう冷たい態度をしたとは思っておりません。労働省とも十分協力いたしまして、できるだけのことをいたしたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 次は文部大臣に伺いますが、衆議院でも再三質問されておりますから、結論だけ質問しようと思います。  産炭地の学校でいま非行少年も相当にふえてまいります。あるいは生活保護が多いために、先生方が厚生省の仕事、生活保護の事務手続などをやっております。したがって、事務職員の定数増加と、それから生徒の学級定員の減少と、補導教員の増員について再三再四陳情いたしておりますが、現段階における文部大臣の御見解をお聞きいたします。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(中村梅吉君) 御承知のとおり、児童の激減に伴う過員を生じておりまするところに対しましては、過員の調整をいたしております。また、今年は、従来いわゆる児童生徒の急激に減ったところに対する最低保証率は九七・五%でございましたが、今回は一%上げまして九八・五%ということに改善をし、相当に、また特に児童生徒がいろいろな事情で激減をしたような、特に産炭地のようなところが該当するわけでありますが、これらに対しましては、人員の配置についてできるだけ調節をとり、不都合のないように努力をし、また一面充て指導主事の配置等につきましても十分に考慮を払ってまいりたいと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 時間が一分になりましたから、結論だけ質問しますが、労働力の需給問題で、労働省の見解によりますと、昭和四十五年、五十年になりますと、新規学卒は約五十万人不定である。経済企画庁のほうは若干数字が違うようでありますが、労働省の見解と対策、経済企画庁の見解と対策をお聞きいたします。

小平久雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(小平久雄君) 労働力の需給でございますが、ただいまお話がございましたように、労働省での推計によりますと、特に御指摘の新規の労働力の供給、すなわち学卒者でございますが、それとこの交代補充需要との関係でございますが、本年の三月には、学校を出て就職を希望する者が、全体で百五十六万ほどであろうと、こう推測をいたしております。これに対しまして、補充の需要は百四十三万、したがって十三万、これが補充だけについて考えれば余る、こういうことになります。それから四十五年について見まするというと、学校を出て就職を希望する者が百三十五万、それから一方補充需要が百五十六万でございますので、二十一万不足と、五十年について考えますと、新規の供給が百十八万、補充需要が百六十四万、したがって不足が四十六万、一応こういう見通しを持っておるわけでございます。  こういう点から考えましても御理解いただけますように、特にこの若年労働者は非常に減ってまいります。したがって、この若年労働者について、職業指導であるとか、紹介であるとか、あるいは訓練等に十分力をいたしまして、これが有効に活用できますように当然考えなければなりませんが、それにいたしましても、若年労働にだけたよるというわけにもまいりません。したがって、一方においては中高年者につきましても、やはり、就職促進のための訓練その他のやはり労働力、要するに有効活用のためのもろもろの施策を行ないまして、労働力全体としてこの質あるいは量の面で、両々相まって十分需給のバランスをとるということを心がけて、各般の施策を尽くしていかなければならぬ、かようにただいま考えておる次第でございます。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) 企画庁におきましては、労働力の統計というものは、総理府の統計を使っております。それから学卒の若年労働者の問題は、文部省の統計を使っております。企画庁自身がそういう独自の統計をつくっておるということはございません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 労働省のほうは労働力に対して、労働力の需給を考えていますが、経済企画庁は仕事だけ考えて、労働力はもう考えないまま経済計画をやっておるという点を言いたかったのでありますが、時間がございません。  なお、宇宙開発の問題と性病対策で関係各省に大臣要求いたしておりましたが、時間がないために質問できませんで、まことに申しわけないと存じますが、以上で私の質問を終わります。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 小柳君の質疑は終了いたしました。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 次に向井長年君。

向井長年民主社会党

○向井長年君 午前中の冒頭に、社会党の鈴木強君から沖縄防衛問題につきまして質問がございまして、これに対して総理が答弁されておりますが、一応了解はできますけれども、特にこの沖縄防衛に対しまして、わが党が一つの見解を出したのでございますが、この見解について総理はどう考えられますか、お尋ねをいたしたいと思います。  で、沖縄防衛に関するわが党の見解でございますが、三項目にわたって出しております。  一、沖縄はわが国の領土であり、憲法第九条がわが国の自衛措置まで禁止しているものでないと解する限り、基本的に沖縄に対するわが国の防衛権が存在することは当然である。  二、しかし、平和条約第三条によって沖縄の施政権をアメリカにゆだねている現状においては、わが国の沖縄に対する防衛の権利義務は停止されている。日米安保条約が沖縄を日米共同防衛地域から除外しているのも、この考えに基づくものである。  第三、したがって沖縄における施政権が返還されるか、またはアメリカが事実上沖縄を放棄したと認められる事態が起こった場合に限り、わが国の沖縄に対する防衛の権利義務は復活してくるものである。  この三項目に対しまして、わが党の見解を出しましたが、これに対して総理の見解をお聞きしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。  ただいまの民社党の見解でありますが、ただいま聞かされたのでありまして、まだ十分検討したと、こういうものではございません。したがいまして私の答弁も、そういうようにお聞き取りいただきたいと思いますが、ただいま伺ったところでは、基本的には大差ないように思うのでございます。しかし、詳しいことは、まだ研究を十分しておりませんから、その上で正確なことをお答えしたいと思いますが、ただいま申し上げた感じから申しまして、基本的にはどうも大差ないんじゃないか、かように私考えます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 大差ないということは一応了解できる、こういうように解釈してよろしいのですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) そうです。基本的には了解できるということでございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 次に進みますが、まず第一に、中共の核武装とわが国の安全保障についての問題でございますが、この問題につきましては、去る七日の当予算委員会におきまして、防衛庁長官から二つの重大な発言がなされております。その一つは、中共の核武装は、日本にとって重要な脅威であるということを言われておる。第二番目は、これに対処するため、中共を敵視はしないけれども、日本の防衛力の格段の変革を来たすであろう、こういう二点を言われておるわけでございます。これに対して総理は、防衛庁長官のこの答弁に対して、答弁を確認されますか。いやいや、総理が確認されるかと言っている。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) 先にお答えいたします。  私が、中共の核開発の話は、三年ぐらいであろうという話をしました。ちょうど同じ時期に、アメリカでは二年だとこう言われております。そのうちにフランスでは五年だと言われております。大体これは私の話しました三年程度というものが、核装備の開発の完成時期であろうということは予想されます。その場合の脅威ということは、核を持つということ、ことに兵器で持つということは、攻撃する能力を持つということであります。そうするとその範囲に入る近隣諸国は、その持つという逆な受け身で脅威を感ずるということでございます。したがって、敵対行為という意味でなしに、その能力が近隣に及ぶならば、近隣諸国はそれに対する脅威を感ずると、こういう意味で受けるほう、あるいはそれを受け取るほうで、ことばが違うかもしれませんが、同時にわれわれ防衛ということは、御承知のとおり国民すべていかなる場合にもいかなる国からも安全に守るというのが基本線だ。したがって防衛計画においても、それに対応する対策を立てるべきである。こう二つの話を私はいたしまして、おっしゃるとおりことばは多少——ニュアンスは違いますが、やはり平和を守る日本としては、その影響と脅威感というものは、私はゼロではないと思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 総理、認めるか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの防衛庁長官の答えのとおり、私も思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 防衛庁長官、総理がいま確認されておりますが、これは核の脅威は、いわゆる核攻撃の脅威というように解釈するのか、あるいは核を背景とする外交上の脅威、こういう考え方を持たれるのか、どちらですか。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) 核を開発し、それを装備するということは、攻撃する能力を持つということであろうと思います、開発する国からは。したがってそれに応ずる戦略的あるいは外交的なものは、有形無形に同じ方向に、これは発言というものは出てくるのではなかろうか、こう私は思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 私は中共の核武装のねらいは、私は三点あると思う。この一点は、まず第一に国内向けであろう  これは私の判断ですよ。国内向けにいわゆる大国意識の確立というか、自国の誇りというか、こういうところに一つはあり、第二番目は、中ソ対立の激化の中でやはり共産圏国の主導権の争いといいますか、そういう問題も大きな理由であろう。第三番目の問題は、近隣諸国に対する心理的ないわゆる圧力の増大、いわゆる外交的な、いわゆる圧力の増大、こういう三点だと思います。この点について、これはひとつ外務大臣、この点についてどういう脅威になるか、あるいはまた、私がいま申し上げました三点に対してどう考えられるか、外務大臣からまず答弁を願いたい。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 結局、核攻撃の能力ということを防衛長官が申されましたが、その能力を保有するということによって、政治的あるいは戦略的な圧力を感ぜざるを得ないと、こういうところが近隣に与える影響である、こう考えます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 外務大臣はっきりしないんですが、総理にひとつ、この私の判断の三点についてどう考えられますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど申しましたように、別に中共自身を私ども敵視すると、こういうものではございません。この点を、まず第一に前提にひとつ申し上げておきたいと思います。それから先はいろんな理由があるだろうと思います。おあげになったような三点が、その理由であるかもわからない。しかし、それは同時に絶対に攻撃的な力を持たないんだと、こういうものでは実はないだろうと、こういう意味で、やはり先ほどの松野君のような考え方、これを私は支持しておると、かように御理解をいただきたい。

向井長年民主社会党

○向井長年君 防衛庁長官、そうすると、先ほど答弁ございましたわが国の防衛に対しましても、格段の変革を来たすということは、具体的にどういうことなんですか。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) 核攻撃を受けないような外交上及び国際的な立場をとることも必要でありましょう。しかしそれと同時に、実際に現実に核攻撃を受けないようにその対策を立てる、この二つの面が外交、防衛上の二面になると私は思います。私の担当する防衛面においては、核攻撃を受けないようにするということが、今日の防衛の焦点になると私は思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 それはひとつ具体的に、受けないようにするということは、どういうことなんですか。これは外交上の問題と切り離して、防衛上の問題としてどうですか。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) 兵器の開発が進むならば、ミサイルが日本に到達しないうちにミサイルを防御する兵器が発達するなら、これは一つの防御兵器であろうと私は思います。ミサイルを防御するミサイル兵器というものが発達されるなら、これは日本の防衛にミサイル攻撃をみずから防ぐ力を持つことだと私は思います。もう一つは、(「核兵器を持ち込むのか」と呼ぶ者あり)これは核——もちろん核に対して核ではありません。いま開発されておる、予想されておるのは、通常弾頭においてミサイルを防御し得るという開発が、世界において行なわれております。これが完成するなら、これは日本の防空、防ミサイル兵器として装備され得る私は問題だと思います。もう一つは、やはり力によって、抑止力によってこれを心理的に、現実的に防御する、これが二つの防御政策じゃなかろうかと私は思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 そうすると、自衛力の増強ということを考えられるわけですね。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) 日本の防衛体制の整備と近代化と、即応化ということになりましょう。強くなるという——その兵力ふをやすのじゃありません。それに対応するだけの防空装備をするということになるかと思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 そうすると、ミサイルの防御のためにミサイルのいわゆる兵器を持つと、こう解釈していいですか。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) ミサイルを防ぐ防空兵器であります——というものが開発されるなら、これは一つの案であろう、夢の話ではないかもしれません。

向井長年民主社会党

○向井長年君 そうすると、国防第三次計画の中でそういう問題をいま取り入れてやろうとしておるのか、第三次計画が。そういう点についてどう判断されておるのか。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) ちょうどミサイルの開発と同じようにそれを防ぐ兵器というのが研究されております。したがって、これはまだ決定的なものではありません。まだそういうものは世界じゅうできておりません。しかし、そういうものはやはりミサイルが、反対側ができればそれを防ぐものも同じように開発と研究がされているというので、これはちょうど同じようにまだ未完成なものであります。どちらも。

向井長年民主社会党

○向井長年君 未完成であるけれども、そういうものを取り入れてやろう、こういう立場に立っておるのかどうかということを、質問しているのです。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) まだそこまで、現実問題としては検討しておりますが、まだお答えするまで現実のものができていません。

向井長年民主社会党

○向井長年君 総理にお聞きいたしますが、先ほど私が三点をあげまして判断を申し上げたのですが、いま防衛庁長官は、特に防衛上の問題として防御する、こういう増強しなければならぬ、こういう立場に立って言われたのか、総理は国防会議の議長でございますので、ひとつ総理の見解をお伺いいたします。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いま松野君から第一段のお話が出ましたが、これがただいま外国においてそういうものが研究されておるという話がありますけれども、それを日本に導入する、あるいはまた日本自身がそういう兵器を開発する、こういう段階にはまだ至っておりません。したがいまして、国防会議でそういうものはまだ持たれておりません。もう私が申し上げるまでもなく、防御的なものは許されるでしょうが、攻撃的な兵器を持つわけにはいかない、こういう意味で防御的な有効な方法はないか、そういう意味のいろいろの研究をしておる、かように思いますので、これは専門家の研究、その域を出ておらない、かように御了承をいただきたい。

向井長年民主社会党

○向井長年君 防衛庁長官、いま総理からそういう答弁がございましたが、先般の答弁の中では、わが国のいわゆる自衛力も格段の変革を来たすであろうと言うたことは、これはそうしなければならぬということでしょう。そういうふうに解釈するのですが、どうですか。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) そういう趣旨でございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 そうすると、ただいまのところは、攻撃じゃなくて、防御のためには外国の開発されたやつをいま導入するところまで至っておらない、こういうことを総理は言われましたが、これはそうしようとすれば導入しようということですか。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) まだ導入するようなものが完成しておりません、世界じゅうに。そこに非常な悩みがあるので、苦務しておるところでございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 防衛庁長官、格段の変革を来たすであろうということは、自分の気持ちをここで答弁されたと思うのですよ。それについていま聞いていると、何らそれに対する具体的措置がないということは、これは夢のようなことを言っておられるのですか、どういうことなんですか。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) 夢のような話、その兵器だけについて言うならば、まだ完成までは至っておりません。それは別として、その他防衛力というものの総体的なものは、やはりそれに相応するものに改善をしなければならない、どういう意味で二つのもの、組織及び増強はしなければならない。その中にこういうものができれば、日本が防衛として非常にに安全であるという中の一つが、ただいま申しました問題でございます。一般的には三次防において、より格段の進歩と近代化の装備をしなければならない、これは基本線。その中にそういう兵器が取り入れられるかどうかということの御質問だと、まだ世界に完成しておりませんから、入れようにも入れようがありません。こういう二つの問題を私は申し上げたのであります。

向井長年民主社会党

○向井長年君 どうも答弁が了解できませんが、私は特にこの問題について中共の核武装に対処する道は、何といってもこれは総理にもお聞きいただきたいのですが、いわゆるわが国において、国民が中共の核外交にこれは脅かされないという考え方、そういう中から国内的な基盤をやはり確立しなければならぬ。いわゆる日本の国民が二分するような論があることは、これは非常に大きな、そのほうが脅威だと思う。この点について、ひとつ総理から御答弁願いたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまのお尋ねが、実は総理として一番苦心の要るところであります。私にはいままで日本の国の安全というものは、その安全保障条約のもとにおいてこれが果たされていままできた、いわゆる戦争抑止力、こういうものがはっきり出ておる、かように実は理解しておるのであります。ただいま政府はその方針で実は取り組んでおる。そのこと自身はもうたびたび、十日以来実は御説明申し上げましたので、もうよくおわかりいただいておるのではないかと思いますが、私は、ただいま申すように戦争抑止力、それにたよっていく。したがいまして、ただいま中共が核兵器を持つとか、こういうことがありましても、ただいまのような新しい防御兵器が発見されるとか、具体化しておらない今日において、日本の安全は在来の考え方で、その戦争抑止力にたよる、こういうことがわが国の安全確保の方法ではないか、かように私は考えておる次第であります。

向井長年民主社会党

○向井長年君 私まだそれ質問してないのですが、いま質問しておることは、大体この脅威という問題ですね、中共核開発に対する。この問題について、国内においてそれに対する国民の意思が外交上脅かされないと、こういうことのいわゆる基盤をまずつくらにゃいかぬということを言っておるのです。したがってこの基盤を、特に一九七 ○年には安保改定時期になってまいりますが、この問題も問題がある。したがって、そういう基盤を今後どういうようにして確立し是正しようとしているのか、この点をお聞きしておるわけです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) たいへんむずかしいお話でありますが、とにかく私どもの平和に徹しておるこの外交あるいはこの国のあり方、これを国民の各界各層において十分理解していただくこと、そうして平和に徹した上でわれわれが絶対に危険はないのだ、安全なんだ、危険にさらされてないのだ、この確信のもとで行動していただくこと、これを国民に私は強く要望いたしますし、また私自身も、その信念でこの問題と取り組んでおります。

向井長年民主社会党

○向井長年君 これに伴って、特に隣国である韓国とかあるいはフィリピンとか、あるいは台湾とか、こういうところと集団安全保障の体制の確立をしようというような考え方は持っておりませんか。この点について外務大臣ですなこれは、外務大臣から御答弁願いたい。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 近隣諸国、特に自由陣営の韓国等と集団安全保障条約体制を、特にそのために結成する考えは持っておりません。

向井長年民主社会党

○向井長年君 今後もそれは持たないということを約束できますか。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) ただいまのところでは、今後もそういうような必要はないと、こう考えます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 次に、総理はしばしばわが国の独自の核兵器は持たないということを言明されております。しからば、先ほど若干答弁もございましたけれども、核の抑止力に依存しなければならぬ。いわゆる核の拡散防止の中から、いわゆる核において、戦争が起こらない立場の抑止力ですね、こういうものをどこに求めるのか、どういうところに求めるのか、ひとつ答弁願います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私は核の戦争抑止力とは答えなかったはずですが、その点を誤解されると、いろいろ問題が発展するようです。私は、日米安全保障条約これが戦争抑止力だ、こういうことを実は申し上げたのであります。この点は誤解のないように願います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 日米安全保障条約の中におきましては、アメリカと締結しておるわけですから、アメリカは核を持っておる。したがって、先般来も問題になりました核のかさという問題がございますが、こういう問題については、アメリカにそういう核兵器に対する抑止というもの依存しておるのかどうかということなんです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 昨年私がアメリカに参りまして、ジョンソン大統領話し合って、そうしてそのときに共同声明が出て、いわゆる日米安全保障条約では、アメリカが、外部からの攻撃を受けた場合に日本を防衛する、それをはっきり実は声明しておるわけであります。それで、この攻撃は、通常兵器であろうと核兵器であろうと、どういうものであろうと、とにかく外部からの攻撃に対して日本を守る、こういうことを言ってくれておるのであります。それが私の言う戦争抑止力だと、かように実は申しておるのであります。

向井長年民主社会党

○向井長年君 こういうこともあるのですね。米国だけではなくて、ソ連なり、英国なり、あるいはフランス等を含めた集団的な核抑止力の依存ということもあると思うんですよ。そういう問題については検討されましたか。そんなことは全然考えられませんか。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 特にその問題について、具体的に研究をしたというわけではございませんが、日米安保体制が、すべて予見し得る諸般の外部の圧力に対して十分に耐え得るものであるというふうに考えておりますので、そういう問題について、特に今後考究をするつもりはございません。

向井長年民主社会党

○向井長年君 今後もそういうことは考えない、一応安保条約によって、アメリカのこれに対する抑止力に依存する、こういうことですね、その問題は。  次にしからば、ちょうど去る七日、アメリカのマクナマラ国防長官が上下両院におきまして、原子力委員会の中で注目すべき発言をいたしております。これは総理御承知かと思いますが、この点について、まず外務大臣にお聞きしたいのですが、この発言等がなされておりますが、外務大臣はどう把握されておりますか。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) マクナマラ長官は、中共の核戦力は、ここ二、三年の間にある程度の貯蔵、それからこれを運搬する手段というものを開発して、そうして近隣諸国に対して、もしこれを使用すれば、これは攻撃するというような力を持つに至るであろうという発言をしておることが、最も注目すべき点であると、こう考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 三月八日ですかの朝日新聞に出ていましたが、そういうことではないでしょう。私の言っているのは、隣接国の安全保障を、中国の核脅威の問題として取り上げている問題なんです。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) それに対して、アメリカとしては、その攻撃に対して、安全を保障する能力ありということを言っているわけであります。

向井長年民主社会党

○向井長年君 外務大臣、そういうことともう一つあるでしょう。「中国に隣接する国に対しては、核兵器の保有を断念した場合には、その安全を守るためなんらかの保障をしてやる必要があり、時間がたつにつれその必要性は増大するであろう。これらの保障は究極的には国連もしくはその他多角的国家集団が与えるべきであろう。」、こういうことを言っておるわけですね。これに対して日本政府はどうなんですか。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) お答えいたします。  私は日本を中心にして考えてきておるのでありますが、日本の場合においては、常に、日米安保条約がございますので、日本としては、もうすでにこれに対する安全保障の道が確立されておる。ただ、核攻撃に対して何ら保障を受けておらない近隣諸国に対してのマクナマラ長官のいまの御指摘の証言ですね、そういう問題については、これはやはりわれわれとしては、さもありなんと、こう考えておるわけであります。

向井長年民主社会党

○向井長年君 アメリカと安保条約は、それはありますけれども、核の攻撃またはその脅威から守るときに、具体的な保障措置が必要だと言っておるのですが、これは具体的にどういうことなんですか。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) ちょっと聞き取れませんでした。もう一度。

向井長年民主社会党

○向井長年君 時間がなくなります。(笑声)

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) それじゃ、時間に入れませんから。

向井長年民主社会党

○向井長年君 こういうことを言っているのです。非核保有国を核攻撃またはその脅威から守るための保障措置とりきめが基本問題であると言っているのですよ。そうすると、日本は安保条約があるから、特段の、国防長官の言うことは必要ないという考え方なのか、あるいは、核に対する問題として特別の何らかの保障措置をとられようとしているのか、その点どうなんですか。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 核攻撃から保障されておらない国に対しては、何らかの新しい措置はとらるべきであると考えます。日本にとっては、これ以上新しい措置はとる必要はない、こう考えております。また、マクナマラ証言の意味するところも、私が申し上げるところと同じであろうと、こう考えます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 総理、どういう考えですか、これ……。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いま外務大臣が答えたとおりであります。新しいものとして、インドに対してジョンソン大統領の特別な保障を与えたということが報道されております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 そうすると、日本に対する安保条約はありますけれども、核に対する、いわゆる核攻撃に対するいわゆる日本の保障というものは、具体的にどういうことをアメリカとしようとしていますか。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) これは先ほど総理から申し上げたように、昨年の一月に佐藤・ジョンソン会談がございまして、共同声明に、いかなる外部からの攻撃があっても、アメリカは日本の安全のために万全の責任を果たす道を講ずると、こういうことを言っておるところによって明らかなとおり、その外部からの攻撃は、核兵器であろうと、しからざる一般兵器であろうと、それを問わない、それに対して十分に責任をもって責任を果たす、こういうことでございますから、いまあらためて核攻撃に対する措置をとる必要はない、こう考えます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 総理は、核兵器は開発しないし、核は持たない、あるいはまた、持ち込まさないということをたびたび言っておられるわけですね。そうすると、この問題については、アメリカにすべてがそういうかっこうで協定をしておる、安保条約がある、守るということならば、日本に核を持ち込むというおそれもあるのじゃないですか。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 今日の核兵器の技術的な高度に発達をしておる現状にかんがみまして、必ずしも日本に、国内に核兵器を持ち込んで核攻撃に対処するという必要はないと、こう考えます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 非常にかってなことですね、これは考えてみれば。日本のいわゆる防衛には、アメリカがすべて核の脅威に対しても守ろう、こういうことを言い、一方、核を持ってはいかぬと、こう言っておるのですね。日本の領土へ持ってこさせないと、こういうことになれば、私はどうも了解に苦しむのですよ。だから、日本の領土じゃないところで、核の問題は日本を守るためにあってもいい、こういう考え方ですか。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) NATOの諸国のうちにも、日本と同じような立場をとっておる数国がありまして、これは外部からの攻撃の兵器の種類いかんにかかわらず、アメリカはこれに対して安全を保障するという義務を負っておるのであります。日本が別に特殊の例ではないと思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 これはまた別な機会でもう少し具体的に一質問したいと思います。  次に、総理は、本委員会におきましてもたびたび、国防は長期計画であらなければならないということを言われております。で、安保条約等も場合によれば、自動的に、あるいは先般外務省の声明かなんかでは、共同声明をやってそのまま持続しちゃってというような新聞記事が出ておりましたが、これについて、安保条約についての再検討を私たちはしなければならぬ、こういう立場から質問を申し上げたいのでありますが、特にこれに対して再度私は総理から御答弁願いたいと思います。再検討し、国民の意思の上に立って、この問題を改定するか、あるいは持続するか、そういう問題をやられるかどうか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) この間からこの問題をめぐりまして、これもやっぱりその一つだったと思いますが、いろいろ当委員会におきましても論議がかわされました。しかし、私ははっきりした、かくかくするというような話までは実はしておらないと思います。また、これはよく速記録を読んでいただけばわかると思います。ただ、私が申し上げたことは、防衛、国防というようなものは、これは一年一年というようなものではいけない、やはり長期防衛計画というものが必要だ、そういう意味で、一つの立っておるものが必要である。そうして、みずからがみずからの力でみずからの国を守る、これが基本的な態度だということも実は申したと思います。しかしながら、現状において、わが国の防衛力、これは国情、国力に相応してやるのであります。これは日本の考え方、日本の国力、日本の国情に合った防衛力を持つのだ、したがいまして、外部の事情が変化してくると、なかなか追いついていけないものもあるわけであります。そういう意味で、過去においては、日米安全保障条約がわが国の安全確保の上に非常な大きな役割りを果たしております。このことを申し上げたと思います。そこで、今度、期限が到来したらどうなるかということでありますが、これは先のことでもありますし、また、それまでにいろいろ国内の国論も、また各界の御意見もあることでありますから、いま、それらのものを十分勘案いたしまして、その時期になって、ただいま態度をどういうふうにするかということをきめたい、かように思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 私は、この問題についても、これはまた、三点ですが、安保条約に対して国民が非常に疑念と不信を持っていると思うのです。これを具体的にやはり改正し、払拭しなければならないという一つの考え方、第二番目には、わが国の安全保障を確保しつつも、わが国の自主性をまず回復しなければならない。第三番目は、この条約の存在が、他国をしてわが国を敵視するような口実にならぬようにしなければならない。この主点を確立しなければ、国民の共通意識というものの確立はないと思います。この点について総理どうお考えになりますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの向井君のお説でありますが、そういう点もあろうかと思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 大体、現在あるいはまた今後においても、これがもし持続されるとするならば、いわゆる常時駐留というかっこうになるわけなんですか。これは常時駐留という現在の状態ですね、どれだけの価値があるのですか。防衛庁長官、ちょっとお答えください。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) 防衛力は常時駐留ということが一番効果的である。また、あるいは、民社党の有事駐留という御意見も拝聴しておりますが、まだ明細に私は存じませんので、民社党のことは別として、私は、防衛というものは、各条約、どこの国でも常時駐留という姿が一番効果的である、こう考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 現在、常時駐留で大体アメリカの陸海空、先般も質問が出ましたけれども、詳細、どれくらいの数字になるのですか。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) 今日在日米軍が三万四千人と記憶します。その中で一万八千人が空であります。陸と海は補給部隊。その空の二万八千人も、主として整備、補給。戦闘部隊としては二編隊、二つの編隊ぐらいがおるだけで、大きな駐留軍という戦力的なものは今日おりません。

向井長年民主社会党

○向井長年君 この兵力から見ましても、常時駐留しなければならぬと、たとえば日本が攻撃を受けた場合に、この兵力で守られますか。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) まあ戦闘の状況によりましょうが、もしかりに戦闘というときには、この兵力が非常な戦力だとは考えられません。

向井長年民主社会党

○向井長年君 しからば、別に常時じゃなくて、有事駐留に切りかえてもそう支障がないんじゃないかと、こう思うんですが、どうですか。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) そこが非常に私の考えと違うんです。そこが非常に違うんです。というのは、有事駐留というものは、有事の際にそこに部隊が来て有効な戦闘活動ができなければ意味のないことです。したがって、常時駐留という必要性はそこにある。有事駐留では補給ができない。地形を知らない 気候を知らない 飛べない。また、補給ができなければ戦闘行為ができません。それ過去の大戦争において各国が経験しております。したがって、NATO諸国も、言うなれば、直ちにその軍が来て一緒に戦闘行動ができる戦力をその国が持つなら、有事駐留で私は不可能じゃないと思います。しかし、日本の自衛隊は、米軍と戦闘力が違う、指揮系統が違う 命令が違う、弾薬の大きさが違うならば補給ができないということ、したがって、米軍の今日駐留というのは、その非常の際における補給及びすべてがそろえられるという意味で、補給部隊だけしかいない。しかし、非常な一朝の際にはこれがある。そこに有事駐留と常時駐留の違いがある。なお、御参考に、世界じゅうで軍事条約が約四十ばかり結んでおります。有事駐留というのは、わずかに共産国を入れて八つです。ワルシャワ条約も入れてです。あとの約四十のうち三十幾つは、常時駐留体制をとっております。これはワルシャワ条約も全部入れてです。その姿をごらんいただけば、私は、やはり防衛力の共同的な条約下においては、常時駐留体制が世界の必要である。その意味で、日本もその一環と私は思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 そのわずか三万余ですよ、それで事あるときは、それが地形もわかっている、あるいは、すべてわかっているからやれる、それだけで戦えるわけじゃないでしょう。おそらく、実際戦闘になれば、あるいはまた、攻撃を受ければ有事駐留のように補給しなければならぬでしょう。そういう点だったら、一緒じゃないですか、地形も何も。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) そこで、今日米軍のおりますのは、主として補給、修理部隊が常駐しているのであります。これがもしいなかったならば、その来日した軍は補給、修理が、ゼロだ、戦闘力がほとんど私は期待できないんじゃないかと思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 大体、現在。これはやはりアメリカの駐留軍はずっと減少していったでしょう、最初よりも。だから、これは、そうすると、常時駐留という規模はどれくらいが妥当だと考えておるのですか。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) 軍港における艦船の補給、航空部隊における飛行場の使用、これが主でありまして、陸においては、ほとんど今日問題になっておりません。

向井長年民主社会党

○向井長年君 時間がございませんから次に進みますが、なお、わが党は有事駐留、あるいはまた、基地の原則的な撤廃、まあ、こういう問題を打ち出しているわけです。あるいはまた、事前協議におけるわが国の拒否権、こういうものを確立しなければならぬ、まあ、こういう三点を中心に打ち出しておるのですが、この点について、特にわれわれは安保、安全保障の機能を低下させるとは考えない、これであっても。だから、政府はこのことについてですね、十分ひとつ、いま防衛庁長官がああいう答弁をされておりますが、検討する用意があるかないかですね、総理からひとつお伺いしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 民社党のまあ有事駐留、ただいまこれは有事駐留に切りかえても、日米安全保障条約の機能を低下ささない、こういうお話がありました。まあ、そういう意味ではどういうようなお考えなのか、さらに私ども検討してみる必要があると、かように思いますが、ただいま伺っただけでは、どうもまだすぐ、たいへんけっこうだとは言いかねるのでありまして、まあ先ほど来防衛庁長官がお答えしておるように、どうも常時駐留が一応の形である、かように私ども考えておることで、さらに説明を要し、またお話を聞く必要があるんだと、かように考えますが、いずれにしても、さらに検討してみることにいたしたいと思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 検討されるならけっこうでございますが、ただ、私たちは、三万余の、とれくらいの常時駐留がですね、ほんとうの攻撃を受けたときの防御にならぬ、こういう立場に立っておるわけなんです。したがって、今後、事あるときには、有事駐留によってやはり来てもらえばいいと、安保条約において、こういうことでその問題は今後また具体的に論議いたしたいと思いますが、ただ問題は、基地の問題も、これは総理、特に非常に反米感情が起きておる一番大きな問題は、やはり基地の問題が各所にあると思うんです。こういう問題もあわせて、やはり原則的な解決をしなければならぬ、そういうことが国内においての、先ほど申しました国論を二分するという問題、こういう問題もやはりそういうところからも起きてくる一般国民の感情なんですよ。そういう問題について十分真剣に取り組まなければならぬと思いますが、総理の見解いかがですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) この本来の住民あるいは国民の理解がない限り、外国の軍隊が日本におりましてもその使命を達することは非常にむずかしい、かように私は思います。したがいまして、この日米安全保障条約というものは、さらに国民にも理解していただきたいし、また、そういう意味の理解を得るようなことを政府自身考えなければならない、かように思いますし、せっかく日本の安全確保に非常な努力をし、また効果のある駐留軍が——駐在しておる軍が非常な国民から反感を持たれる。こういうようなことであってはならないと思いますし、それではたいへんアメリカに対しても済まないし、また、アメリカ兵自身もその目的を達することができない、かように私考えますので、さらに理解を深めるような処置をとりたいと思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 先ほど総理が、安保条約改定については国民の意思の上に立って真剣に検討したい、こういうことで一応きょうのところはこの問題は了解しておきます。  そこで次に、特に防衛庁長官にお聞きしたいのですが、自衛力の行使の限界でございます。これは自衛隊法第三条に規定されているように、わが国の防衛というのは、この表現は、実際の自衛権行使がどのような限界が妥当であるのか、この点非常に不明確なんです。この点明確にひとつしていただきたい。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) 日本の、平和と独立、もう少し砕いて言うならば日本の領土、領空、国民というものの、平和を守るということが限界である、一歩話を進めるならば、それを守るために必要な最小限度の自衛力である、したがって、行動範囲もそのことばによって範囲がきまると私は思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 問題になっている海外派兵の問題ですね、こういう問題につきましては、政府の答弁を聞いておると、領土より出てはいけない、こういうことがたびたび言われておるわけなんですが、これは国際法上は、特に、いわゆる何と申しますか、戦略守勢の防御あるいは——戦略守勢の防御というのは、戦略的にやはりわが領土が攻撃されたとすれば出てやる、それから専守防御といいますか水ぎわ防御、こういう問題と二つあると思うのですよ。これはどちらを日本政府はとろうとしておりますか、自衛隊隊法上。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) 一般的に自衛力と世界で今日共通的に使用されておりますのは、みずからの国を守る、みずからの部隊を守る、そのために必要な最小限度の攻撃、これは許されておると思います。しかし、日本の憲法ではもっと狭義に解釈して、要するに、日本の領土、領空を守るという範囲を非常に小さく憲法では規定されております。しかし一般的には、自分の国を攻撃するものを制止させるまでは自衛だというのが一般の今日までの世界じゅうの解釈であろうと私は思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 一般的にいわれておるというのは、国際法上といいますかね、そういうところが実際、局地の紛争なり、いわゆる現在ベトナムでそういうことがやられておりますが、そういういうことは日本ではやらない、あくまでも水ぎわ防御だ、こういう考え方ですか。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) 水ぎわと、こう向井さんに言われると、じゃ領海三海里以上出られないのか、そういうふうにとられると困るのですが、水ぎわを守る必要な最小のもの、船の場合はある程度公海へ出ますから、公海においてもそれは当然その意味で施行されるというので、地図で書くわけにまいりませんが、水ぎわを守るための直接関係のある最小限度の公の海、公の空、こういうことになると思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 まあ日本の領海、領空と申しますか、こういうことは自衛権の行使できる限界である、こういうことだと思いますが、そう言われますと、やはりこれはまた矛盾があるんですよ。昭和三十五年四月二十八日、安保特別委員会において岸前総理が答弁されておるのは、日本が攻撃されてこの基地をたたかなければ、日本に大きな致命的な損害があるとするならば、これは外国領土内の基地をたたくことも自衛権の行使である、こういうことを言われておるのです。この点どうなんですか。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) そのとおりたしか当参議院の委員会で答弁されたと私も速記録を読んでおります。それは当然自衛権の範囲であると私は思います。ただ、そこに問題になりますのは、外国の基地を制止させるための攻撃というのはどういう方法かということは、方法論まではそこで議論されていません。したがって、その問題はそのときは議論されていないので、海外派兵ということばはそこには出てこなかったと私は思います。したがって、それを制止させる、どうしたってそれをしなければ日本の国民があぶないんだというなら、その制止することまでは自衛権であるという解釈を当時されましたが、しかし、その方法まではそのときは議論されていなかったと私は思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 方法を聞いておるのではなくて、いわゆる自衛権の行使の限界というものを私は聞いておるのであるから、先ほど戦略守勢の防御であるのか、あるいは制止防御であるのかという、このどちらをとるんだといえば、防衛庁長官は、いや領空、領海内だ、こう言えばこれと矛盾するんじゃないんですか。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) ちょっと私のことばが足らないようですが、矛盾しないつもりで終始答弁したんです。日本の領土、領空を守る最小限度の範囲内においては、公海、公の空にまで出ていくことは、自衛権の範囲であります。そして、そのときは、確かに座して死を待つような場合には、これは国民のためにその攻撃を制止させること、ここまでは当然自衛権である、私も今日もそう考えております。少しも私は矛盾もなければ、私のことば毛注意してお話ししたと思っております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 総理、これは非常にまた問題かと思いますが、別に問題を起こそうとして私は言うておるのではないのです。はっきり限定をしてもらいたいという立場から言うておるのです。岸前総理は、この問題については、日本が攻撃される、非常に大きな致命的な打撃を受けるという場合においては、自衛権の行使の限界というものは、敵の基地まで行ってやってもいいのだということを、これは理論上書っておるのですよ。その問題はどうなんですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) これはあとで法制局長官に説明をさしたいと思いますが、いわゆる座して死を待つ、これはいけない。座して死を待つ——もうこれ以外に方法がない、生きる道がないのだ、こういう場合の許される行為だ、かように私は考えております。この防衛というものの大体の観念、これはこの前だいぶ議論したようですから、法制局長官から答弁させます。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) お答え申し上げます。  ただいま御引用になりましたように、自衛のために敵の基地をたたくことができるかという問題にからんで、当時非常に大きな論争を巻き起こしたことは御承知のとおりでございますが、要するに自衛の限界というのは非常に厳密な意味で申しておることは当然でございますが、とにかく、少なくも三つの要件があります。一つは、急迫不正の侵害がある、そうしてその侵害を阻止し排除するために他に全く手段がない、そういう場合にはやむを得ず実力の行使というものが認められるけれども、その実力の行使は必要最小限度において行なわれなければいけない、これが三つの一要件であります。で、これは松野長官がおっしゃったのもそれを、ことばは違いますが、そういうふうにおっしゃったものだと思います。  ただいま御指摘の敵の基地をたたくと、こういうもっぱら理論上の問題として議せられるわけでございますが、その場合には、まさにそれがいわゆる急迫不正の侵害があって、それを全く防ぐに他に方法がないという場合には、国民の安全と生存を維持するために唯一の方法として、それを防止するための措置をとる、これは自衛の概念の中に入るというのが当時の説明でもあり、いまもまたそういう説明がなされるわけです。海外派兵との関係についても、いま仰せになになりましたが、海外派兵ということばは、私が申すまでもなく、自衛の限界との関連において出てきた問題でございますので、いまの自衛ということからおのずとおわかりいただけると思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 自衛隊法の第三条なり七十六条、八十八条には、これは「わが国を防衛するため」という表現を使っておる、「わが国で」というかっこうではないわけですね。したがって、いま法制局長官が言われたように、この問題については、わが国が非常に致命的な打撃を受けるというように認定した場合においては、敵の基地まで出て行ってやるということは、これは自衛権の行使であると、こういう立場をとるということでしょう。そうすると、方法論は別として、先ほど私が申しましたいわゆる戦略防御ということを認めているということになるんですが、これはいいですか。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) 戦略防御というおことばをお使いになっているわけですが、われわれが口を開くことになりますと、おのずとそれがどういうものであるか、定義から重ねていかなければならぬわけでございますが、要するに、わが日本国憲法のもとでできるのは、先ほど申し上げたとおりであって、何かわが国の防衛を全うするために、さっき申し上げた自衛の厳格なる意味には入らないけれども、そのほうがさらに守るには有利であるというような見地から、先ほど申した意味の自衛の限度をこえて守るというようなことは、決してこれはわが憲法の認めるところではない、あくまでも国民の生存と安全を守るという必要やむにやまれぬ限りにおいて、その限度において行動することが認められている、これは憲法九条厳然としてございますわけですから、それはやはりそれを十分に守っていかなければならぬというのが私どもの考えでございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 それは大体おかしいのですよね。以前にも、これは国土内であるという答弁をされているし、あるいはまた岸前総理が、そういうようなときにはこうできるのだと、いま法制局長官が言われたように。これはね、結局まだ不統一だと私は見るのですよ。不統一というか、はっきりしないと。この問題はやはり完全に、いわゆる自衛権の行使というものはどういうところに限界があるということは、政府みずから明確に私はしなければならぬと思うのですよ。国民は知らぬですよ。国民は領土から一歩も出ちゃいかぬと、こういう感じですね。こういう問題について、致命的な打撃を受ける場合においては、敵の基地を先に攻撃することはあり得るのだということは、これは前岸総理も言っておりますが、明らかに私はこの問題はあり得ると思います。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松野頼三君) 日本の憲法は、一般的な世界に通用していることばよりももっと厳密に実は憲法の施行をしておりますので、一般的には向井さんの言われるような意見が、世界では戦略的に、戦時用語として使われております。しかし、日本の憲法はもっと狭義に解釈しております。いままでの政府の答弁も、もっと狭義に解釈して、他に方法がないという、国民を守る最小の手段ということに限定をしております。したがって、先制的という意味よりも、もっと防御的な私は解釈でいままで実行してきております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 この問題は、本委員会において、私はまだ了解できないので、適当な時期に再びこの問題は明らかにしたいと思うのですが、次に移りまして、時間もございませんから、特に経済問題でお伺いいたしますが、総理は今月の二日、経済関係閣僚協議会におきまして、繊維産業の根本的な立て直し、合理化対策を早急に検討しなさいということを通産大臣に言われたと思います。これは事実ですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) そういうことはありました。

向井長年民主社会党

○向井長年君 では、不況産業は繊維だけでなくてたくさんあるわけなんですが、特に繊維にこれを指示された根本は何ですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 御承知のように、先ほどもここで石炭産業、これ一つ問題になっております。また、それはもうすでに手がついております。また、中小企業対策というのが片一方でついております。ところが、その中小企業のうちでも倒産するものは繊維関係が非常に多いんです。ところが、わが国の繊維は、かつての花形産業であり、わが国の産業をささえていた、そうしてまた貿易もその大宗をなしていた、こういうものが最近非常に苦しい立場になっており、各方面からいろいろ、繊維を救え、繊維の滞貨を縮小する、また、カルテルを結成する、等々の動きが出ているわけです。で、これを今日、本来の立て直りといいますか、これに活を入れることによりまして、そうすると昔のようなりっぱな繊維産業に返るんじゃないか。英国においても、マンチェスターで一時火が消えたといわれておりましたが、最近はりっぱに繊維工業——産業が不況をかこたないといいますか、非常にただいま盛んになっておる状況で、ただいま新しい技術もどんどん開発されておるのでありますから、それに相応するような対策を立てるべきである、かように思いまして、ひとつ通産省で検討してみてくれ、かように実は申したのであります。その他の産業ももちろんこういう刺激を与えれば、それぞれの部面について、いかに振興させようかということを考えてまいりますが、繊維というものはとにかく取り組むべき筋のものだと思うわけであります。

向井長年民主社会党

○向井長年君 これは通産大臣でもいいのですが、特にそういう問題がある、各企業に。企業合同、合併というものが非常に強く出てきている。これは必ずしもわれわれ反対するものじゃございませんが、特に昭和三十八年五月の第四十三回国会において、特定産業振興措置法ですか、いわゆる特振法といっておりますが、たびたびこれが出されて、流れちゃって、この問題がいま消えているのですね。こういうことは、いま企業の合併、合同という問題とこれは大きな関連を持つと思う。そういう問題が現在出ている。この問題について、政府はそのままになっているが、どういうことなのですか。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) もうこれは消えた、消えているのであります。

向井長年民主社会党

○向井長年君 やはりそうすると、企業合同、合併というものはいわゆる国際競争力なり、こういう企業の近代化等から考えて政府は奨励しているのですか。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) やはり私はこういうふうに思うのです。企業が国際競争力をつけていくためには企業の合併というものが必要だ。どうしても日本の企業は、ものによったら単位が小さいですからね。しかし、そのイニシアチブはやはり民間がとったほうがいい。役所が出ていって、合同しなさい、合併しなさいということは私はよくない。だから、イニシアチブはやはり民間がとったらいいと思う。そういうことができやすいような、税制とか金融の面からそういうことを誘導するような政策はとっていいと思うのです。だけれども、それは例外なものはあるでしょう。しかし、全般的な行き方として合併とか合同とか、いろいろなものに対して、直接官庁の権力を介入させることはあまり私は好ましくない。民間の自主的な意思、それがやはりイニシアチブをとるべきだという考えです。だから、そういうことで合併とか合同についてもやっていったらいいという基本的な考えであります。

向井長年民主社会党

○向井長年君 そうすると、この企業が現在独禁法で許されている範囲内において、まあ特権的にかってにそういうことをやろうとするのですね。強いものだけがやれると、こういう状態であって、実際企業のいわゆる合理化というかっこう、あるいは国際競争力に勝つというかっこうになってこないのですよね。この点どうなんですか。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) 強いものばかりでなしに、中小企業でも非常に必要ですよ。いろんな合併とか、あるいは業務提携とか、そういうものに対しては、いわゆるそういうことができやすいような条件を政府がつくるべきです。いろいろ個々の企業に対して、これ合併しなさい、どうしなさいと言うことは好ましくないんじゃないか、そういうことがしやすい条件を政府はつくるべきだ、こういうふうに考えます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 したがって、企業合同なり合併について、政府はやはり行政指導、助成をしなきゃならぬのじゃないですか。税制の問題、金融の問題等、こういう問題についてやらなければならぬということにおいて特振法が前に出たんでしょう。それがもうだめだということになると、どうして行政指導しますか。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(三木武夫君) それはやはり第一番に、みんな企業は自己資金を持っているのですからね、こういう状態ではなかなか国際競争が激しくなってきたらやっていけぬであろうというようなことで、やはり企業自体の責任においていろいろ対処していくことを考えるのです。われわれもまた中小企業の場合は行政指導なぞが必要でしょう。そういうことで、ただこの権力をもって合併とかいうんじゃなしに、行政指導で、まあ世界の大勢はこうだ、こういうことじゃやっていきにくいから、ひとつもっと大きくなっていこうとか、そういうことはいいと、それはやらなきゃならぬ。しかし何か法律をつくって、そしてこうそういうふうなことは、特別な例外はいい、それは必要でしょう、そうでないもの、一般的なものとしては、やはり好ましくないということです。

向井長年民主社会党

○向井長年君 この問題また商工委員会でいろいろ具体的に繰り返します。  一点だけ大蔵大臣に聞いておきますが、これと同じように、いま銀行、金融機関、特に民間金融機関、信用金庫なり都市銀行、地方銀行におきましては、もう実にたくさん数多くあるわけですね。こういう問題こそやはり企業合同してサービスに協力しなければならぬ。特に地方においては支店等も増加してやらなければならぬと思う。非常に脆弱な金融機関がたくさんある。この点についてどうですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私もただいま通産大臣が申し上げたように、自然に環境ができて、そして金融機関でも合併合同が行なわれて能率のいい経営ができる、これが金利の引き下げなんかに大いに影響する、こういうふうに考えているわけです。特に私が考えておりますのは信用金庫ですね、これが五百幾つもあるわけです。その中には能率の非常にいいものもありまするが、能率の悪いものもあるわけであります。こういうところでは私は合併が行なわれて、近代化合理化が行なわれることが望ましい、そういうふうに考えております。そういう動きがありますれば、私どもは行政を通じて助長をしたい、かように考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 時間がございませんから、総務長官に一つお伺いしますが、公務員制度解議会の問題でございますが、この問題がいま審議されておるようでございますけれども、ようやく六月十四日に発効することになります。これについて答申のめどはどう考えておるか。

安井謙自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(安井謙君) 御承知のとおり公務員制度審議会は、十月一日に第一回目を発足いたしまして、その後非常に熱心に御検討を願っておるわけで、私どもはこれが六月十四日に間に合うように、何らかの結論をいただくことをいまでも期待いたしております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 六月十四日に答申が出なかった場合はどうですか。

安井謙自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(安井謙君) まあ政府としましては、これは六月十四日に条約発効のときには国内法もあわせて施行するのでなければ困るというたてまえをとっておるわけでございますが、まだこれは三ヵ月ございますので、いま非常に熱心に御検討の最中でございまするから、また答申の際にもあの部分、いわゆる延期された部分については早急の御答申を願うということを総理からも正式に諮問してありますので、私どもまあこの結果が出ることをいまでも期待しております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 さきの四十八国会で、これは三党の共同修正として出ておりますね。したがって、あくまでもこの中では審議会の答申を待ってやるということが決定されておりますので、これはひとつそういうことで要望しておきたいと思います。

安井謙自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(安井謙君) 要望ですか。

向井長年民主社会党

○向井長年君 答弁ありますか、あればやってください。  それから、労働大臣にお聞きしたいのですが、古い話でございますが、昭和二十八年に電気産業と石炭産業に対するスト規制法が実施されて、これは時限立法で、その後これが法文化されたのですが、ILO八十七号批准に伴う労働基本権という立場からこの問題はどう考えられるのか。それと同時に、これは実態からこういう状態が出たと思うのですが、どう判断されますか。

小平久雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(小平久雄君) ILO八十七号条約は、御承知のとおり直接的にはスト権には触れておらぬわけでございますが、しかし団結権の擁護という観点から、スト権ということも当然だと、こういう御見解もあるように私も伺っております。しかし、いずれにしましても、直接的にはスト権とは八十七号条約は関係が薄いと申しますか、直接的にはうたっておらぬ、こういう関係だと思います。しかし、いずれにいたしましても、いわゆるスト規制法というものは、先生のお示しのとおり、当時のストの状況から見まして、石炭産業あるいは電気事業というものが国民経済、国民生活に非常な影響がある、こういうところからあのスト規制法が生まれたということは事実であると、私もさように認識をいたしております。そこでその後、これはそこまでお尋ねなかったのでありますが、その後、これもいまお示しのとおり、最初は時限立法であったものが恒久立法に院の決議でなった、さらに四十六国会であったかと思いますが、電気事業法の改正の際に、参議院の商工委員会でもこれを廃止の方向で検討すべきだと、こういう附帯決議もございました。その後両院においてこれはもう廃止すべきじゃないかといった御質問が、これは前内閣の当時でございますが、再三出ましたが、その当時において、池田前総理なりあるいは歴代の労働大臣なりがお答え申しておりますところは、もうすでに御承知と思いますが、とにかく幸いにしてこの法律ができてから、当時のようなストもないという事実もありますし、またいまお話し申し上げました参議院の附帯決議もございますので、事務的には、今後もさらに引き続いて当時のようなこのスト規制法のいわば原因になったようなストが今後起こる心配がはたしてないであろうかどうか、あるいはまたスト規制法を廃止した場合において、特に、電気の供給等が確保されるであろうかどうか、こういったようなことを事務当局で検討はいたしておりまするが、しかし、また一面国民感情と申しますか、国民の安心感と申しますか、そういう点から考えますときに、いま直ちにこれを廃止するということはいかがであろうか、こういう考え方は現在私もやはり同様に実は考えておるのでございまして、いずれにいたしましても、今後引き続いて検討はいたしたいと思いますが、いま直ちにこれを廃止するという考えは持っておらないわけでございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 この問題については、池田総理の当時、あるいは大橋労働大臣当時に、実態から考えて廃止への前向きの姿勢で検討いたしましょう、こういう答弁をされているわけですよ。したがって、現在の実態からみれば当然そういう形がなされなければならぬと思うのです。なお、これは矛盾があるんですよ、三十七条に争議行為の予告期間というふうなことがあるんですよ。これをなぜなくしなかったのか、予告する必要はないんじゃないか、これは。あるいはまた労調法の三十五条は五十日間のいわゆる緊急調整期間があるのですね、これはどういうときに適用されるんですか。

小平久雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(小平久雄君) 事務当局から答弁させます。

三治重信労働省労政局長

○政府委員(三治重信君) 労調法の規定は、公益事業一般について規定しております。電気事業のほうについてのスト規制のほうは、電気の具体的な供給の禁止だけでございます。したがって、電気事業におきましても、例をあげれば事務スト、集金ストというようなものについてもこういう争議行為についての予告が適用になるということでございます。それからなお、五十日の予告期間、いわゆる緊急調整の問題も確かにございますけれども、これは電気事業みたいに瞬間的に非常に重大な影響があるという場合は非常にこれはなじまない制度だと思います。緊急調整というのは、相当ストライキが行なわれて、それが国民経済の運営に非常な影響がきて、これはどうしてもストの継続をとめなくちゃいかぬというふうな場合の規定でございますので、これにはちょっとなじまないかと思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 そんなことはわかっているのです。わかっているから、ストを規制しておきながら、こういうものは必要でないということを言っているのです。私は労働大臣ね、これは先ほど言ったように、実態論から出ているなら基本的な問題じゃなくて、争議が円満に解決するということが望ましい。したがって労使がいま話し合って解決しようということを望んでいるでしょう。したがって、この問題については労働基本権としてあるべき問題であって、それに対するストライキという問題については、公益事業である以上は予告期間十日あるいは労調法によって五十日の緊急調整という措置もある。したがって、こういう法律は要らぬではないか、実態がそういう実態ではないのじゃないか、こういうことを大橋労働大臣の当事も認められて、前向きの姿勢で検討しようと言っている。これに対してどうお考えですか。

小平久雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(小平久雄君) その点は先ほど申しましたとおり、もちろん前向きに検討はいたしてまいります。ただし、いま直ちに国民の安心感等の立場から考えて、いま直ちにどうもこれを廃止するというところまでは私は考えておりません、かように申しておるわけでございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 総理、内閣が変わればそういう方針は変わるのですか。とにかく当事そういう前向きの姿勢で検討したい、どれだけ検討されたのか、総理からちょっと一ぺん聞きたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) これは基本的な問題ですから、内閣が変わったからといって変わるようなことはございません。先ほど来労働大臣も変わっていない、何度もお答えしたように私は聞いておりました。

向井長年民主社会党

○向井長年君 変わっていないのじゃなくて、前向きの姿勢で検討するというのは、どこまで検討してどうしようという  この国会でやれとは私はいま言っていないのですよ。

小平久雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(小平久雄君) 基本的には私は変わっておらないということを先ほど来申しておるわけでございまして、もちろん先ほど申し上げましたとおり、参議院における御決議もありましたし、あるいはまたその後の、この法ができてからの事態というものも、当事この法をつくる理由となりましたようなストライキも起きておりませんししますから、そういう点も考え合わせながら十分今後検討いたしましょうと、こういうことを私は申し上げておるのでございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 労働大臣、そうすると今国会はまあ無理にしても、次の国会では大体具体的にこの問題について提案するか、答弁できますね。

小平久雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(小平久雄君) まあせっかくのお尋ねでありますが、そこまで、次の国会にはというようなお約束までは私はちょっと、ざっくばらんに申していたしかねます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 大橋労働大臣から現在の小平労働大臣まで何代労働大臣かわりましたか。そして何年たっていますか。

小平久雄自由民主党労働大臣

○国務大盛(小平久雄君) 大橋大臣からは、中間に石田君が大臣をやりました。三年ぐらいにはなるかと思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 三年間検討し続けてきたんですか。そうしたら何かの成果があるでしょう。何かの実態があると思うのですよ。その点どうですか。

小平久雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(小平久雄君) その点は先ほども申しましたが、この法律を廃止した場合において、はたしていいままでのように国民生活あるいは国民経済を脅かすようなストライキが起きないであろうか、どうであろうかとうような点やら、万一そういうストライキが起きた場合には一体どうしてこの、電力の供給を確保することができるかというような点やらを、これはまあ事務当局におきまして引き続き検討をいたしてまいったわけでございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 現在の、そうすると電気の労働組の実態はどういうことですか。労働大臣。

小平久雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(小平久雄君) 電気関係の組合は、今日の姿におきまして、私は非常に健全ないい組合になっておると、かように考えております。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 向井君に申し上げます。時間がまいりました。

向井長年民主社会党

○向井長年君 総理、ひとつこの問題については、そういう長い間検討されておるようでございますので、次期国会には何かの具体的な問題が出るように強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 向井君の質疑は終了いたしました。  明日は午前十時から公聴会を開会いたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後六時四十九分散会

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