予算委員会 第6号
- 発言数
- 370 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1966/02/21
会議録
○委員長(石原幹市郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 二月十四日、鬼木勝利君、塩見俊二君が辞任され、その補欠として宮崎正義君、大谷贇雄君が選任され、同月十七日、市川房枝君が辞任され、その補欠として山高しげり君が選任され、同月十九日、春日正一君が辞任され、その補欠として岩間正男君が選任されました。 —————————————
○委員長(石原幹市郎君) 次に、理事の辞任許可についておはかりいたします。 亀田得治君から都合により理事を辞任したい旨の申し出がございましたが、これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 次に、理事の補欠互選についておはかりいたします。 ただいま辞任されました理事の補欠と、他に一名欠員になっております理事の補欠互選を行ないます。 互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に鈴木強君、白井勇君を指名いたします。 —————————————
○委員長(石原幹市郎君) 次に、昭和四十年度政府関係機関補正予算(機第3号)を議題といたします。 先般来、委員長及び理事打合会におきまして、本補正予算の取り扱いについて協議を行なってまいりましたので、その要旨について御報告いたします。 審査日数は、本日及び明日の二日間とし、特段の事情のない限り、明日審査を議了する予定でございます。 質疑時間の各党への割り当ては、自由民主党及び社会党はそれぞれ百十分、公明党三十五分、民主社会党、共産党及び第二院クラブはそれぞれ十分といたしました。 質疑順位は、社会党、自由民主党、社会党、自由民主党、社会党、自由民主党、公明党、社会党、自由民主党、社会党、自由民主党、公明党、民主社会党、共産党、第二院クラブの順といたしました。 以上、御報告いたしましたとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 それでは、これより質疑に入ります。鈴木強君。
○鈴木強君 ただいまから機第3号の審議に入るわけでありますが、最初に私は大蔵大臣にお尋ねしたいのでありますが、これは議事進行上必要でありますからお尋ねします。 先般、大臣からこの委員会に御説明のございました補正予算案につきましては、この二百六十二億円の国鉄特別債の発行は、三月十五日よりこの運賃法が改正になって新料金になるという前提で実は提案されているわけであります。ところが、現実には十五日に通っておりませんね。したがって、この根拠がくずれてきていると私は思う。したがって、前に提案されたその姿で質疑をすることになりますと、これは問題でありますから、その辺についてはずれた分、これはいつになるかわかりません。おそらく公定料金としての国鉄料金でありますので、物価の値上げの中で論議のあるのは当然でありまして、いつになるかわかりませんが、そういう場合、この補正予算では合わないわけでありますから、その際、政府としてはどういう御措置をとろうとしているのか、これをまずひとつ伺っておきたい。
○国務大臣(福田赳夫君) ただいまはたいへん適切なお話を承ったのであります。私は進んで申し上げたいと存じておったのであります。すなわち今度御審議をお願いしております補正予算案は、国鉄の運賃が二月十五日に引き上げ実施になる、こういう前提でございます。ところが補正予算の審議がおくれておる。なおまたそれと一体の関係にある運賃法の審議がおくれておる。これを一体どうするかということについて、政府といたしましては苦慮いたしておる次第でございます。まあいろいろ検討はしておりまするが、これらの運賃法また補正予算の成立が数日間おくれるという程度でありますれば、不用財産の払い下げなど、極力運賃法遅延に基づく財源補てんのための努力をいたしまして、何とかやりくりをいたす、こういう考えでございます。したがいまして、そういう事情の変化は来たしておりまするけれども、ただいま御審議をお願いいたしておりまする補正予算、これはこの形で御審議をお願いしたい、かように存じております。
○鈴木強君 詳しいことはまた私あとで伺いますが、そうしますと、数日間ということになりますと、一日から十日の間だと思うんですが、一日約五億近い収入になるのでありますから、かりにこれが十日過ぎた一これは仮定の話で恐縮なんですが、二けた単位になったような場合には、当然第四次ですか、国鉄の場合は補正をもう一回出すということに理解しておいてよろしゅうございますか。それとも何か別途借入金制度もあるわけですから、そういった運用上においてやりくりができるのかどうなのか。いずれにしても、これは借金になるわけですが、その点どうですか。
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま数日というのは一日から十日だというふうなお話ですが、まあそういうことかと思います。その程度のことであれば、ただいま申し上げましたような方向において何とかやりくりをいたしたいというので、ただいま鋭意その方向を詰めておる次第でございます。それ以上のことにつきましては、ただいま私どもは予想しておりませんが、その際、そう万一そういうことになったという際には、これはどうするか。これは改めて考えてみなければならぬ、かように考えております。
○鈴木強君 これはちょっと仮定の話になるので大臣もお答えにくいと思うのですが、しかし、現実問題としていま考えた場合、おそらくあなたが考えるような数日内において運賃法が通るという情勢じゃないと思うのですよ。したがって、もっと深刻に考えておかなきゃならぬと思います。国鉄のほうは、まあ総裁以下御苦労なされていると思うのですが、そちらのほうでもどうなるかということは、これは非常に心配になりますしね。運輸省もそうだと思うのですよ。ですから、はっきりした見通しというものについて御見解を承っておかぬと、われわれも何か架空というか、ちぐはぐな内容が変わったものを審議するわけですから、非常に自信が持てないというので、私はくどいようですが、申し上げているわけです。だから、やはり補正なら補正でちゃんとめんどうを見てやるのだ、国鉄経営に支障ないように政府は責任を持ってやるのだ、こういう点を私は明確にあなたからお答えを聞けば、多少やり方は別として納得がいくわけですから、その点をもう一回ひとつ。
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま補正第四号を提案申し上げる考えは持っておりません。まああらゆる事態に応じまして、国鉄の運営には支障ないように善処したいと思いますが、ただいまのところは、そういう事態にならないように、国会において急速に御審議くださるものと御期待を申し上げるのみでございます。
○鈴木強君 それから——それはそれでいいです。 その次、もう一つ官房長官にお尋ねしたいんですが、かねて、現在のテレビ、ラジオの大交通整理をしようというために審議会が持たれた放送法と電波法のことですが、これは非常に提案がおくれていると思うのですけれども、これはいつごろ御提案になりますか。郵政大臣の御所見は、この前逓信委員会で伺っておりますが、法制局と郵政省との間の事務的な問題についての準備がなかなか進まぬというお話でありますから、根本的にこの法律改正に対する要項がきまっているようですから、そうであれば早うこれは出してもらいたい、こう思うのですが、その見通しをひとつ。
○政府委員(高辻正巳君) お話にございますように、放送法をただいま法制局で審議中でございます。私どものほうはいろいろな法律案が殺到してまいっておるものでございますから、それぞれのスケジュールをつくりまして、その線に沿ってやっておりまして、どうにか予算関係法律案が、私どものほうの手に関しましては、ほぼ終わらんとしている状況でございますので、それに応じまして、ほかの法律案につきましても、放送法といわず、すべての法律案について大いに努力をして、少しも早く提出できるようにいたしたいと思っております。
○鈴木強君 いつごろになるのですか、見通しは大体。
○政府委員(高辻正巳君) ただいまちょっとそのスケジュールがいつであったか存じませんが、ともかくも少しでも早く大いに努力をして出すようにいたしたいと思っております。
○鈴木強君 政府のほうでは予算関係法案とそうでない法案とを分けてやっておられるようなんですが、これはまあ一応わかります。そこで、閣議のほうで何か三月の二十何日、二十二日でございますか、最終的な補正を伴わない法案の提出のめどをきめているようなんですが、ちっとおそくはないでしょうか。ですから、そこまで待たされるのですか、もっと早くなるのですか、もう少し見通しを聞いているのですから、はっきりしてください。
○政府委員(橋本登美三郎君) 具体的に御説明申し上げますと、予算関係法案でまだ提出に至っておりませんのが相当ありますが、すでに閣議決定をして、なお本日に提案するものもありますが、閣議決定の済みましたものは、租税特別法、それから踏切道改良促進法、国民金融公庫法、地方税法一部改正法案、戦傷病者戦没者遺族等援護に関する一部改正法律案、農業近代化資金助成法の一部改正法律案、そのうち、租税特別法と農業近代化法案は本日提出をいたしました。残りは閣議決定で印刷ができ次第、これは提出をいたします。 なお、それ以外に関係法案で残っておりますのが内閣法の一部改正法案、性病予防法の一部改正、農業信用協会法の一部改正、通商産業省設置法の一部改正、中小企業近代化資金助成法、自動車損害賠償法、雇用対策法案、地方公営企業法案の一部改正法案。 そこで、これは御承知のように、昨年臨時国会がだいぶおそくまであり、かつまた通常国会に入りましても、御承知のように、補正予算の審議等がありまして、非常な多忙の中にも督励をいたしまして、二月十五日までには閣議決定を終われる、予算関係法案は二月十五日に閣議決定を終われるようにという促進方をいたしてまいりまして、以上の事情を考慮いたしますというと、例年に比して、まあ予定期日に出す法案はかなり成績はよくなっております。もちろん、これは二月十五日にできるだけ出せということから見れば、何法案かがおくれておりますことは申しわけないと思っておりますが、かような事情で、かなり関係当局も督励して、そして急いで出すような方針をとってまいっておるというようなわけであります。 なお、その他の、関係法案でない、予算に関係しない法案については、三月二十五日をめどにして、最終は三月二十五日ということですが、出すように、こういう方針で昼下督励をいたしておりますので、鈴木さんの御意思に合うように、できるだけ官房としては早く最後の努力をいたしたい、かように考えております。
○鈴木強君 それでは、私は次に、早稲田大学の紛争問題についてお尋ねいたします。いずれ党は本会議でも質問をする予定になっておりますから、きょうは簡単に二、三だけお尋ねしておきたいと思います。(「議事進行かどうか、わけがわからぬじゃないか」と呼ぶ者あり)いや、違う。これは本問題だ。 御承知のとおり、学費の値上げ、それから会館の運営等について約一カ月間くらい紛争が続いておったんでありますが、これは学園における問題だけに、非常に国民も重大関心を持ち、平和的な解決を望んでおったわけでありますが、ときあたかも卒業期を控え、しかも二十四日には十万人近い志願者が受験すると、こういう時期だけに、今朝警察官の導入等がございまして、非常な最悪な事態に立ち至りましたことは、非常に遺憾に思います。もちろん私学での問題でありますから、政府が面接介入するということはできませんし、問題がありますしするので、やや消極的になるのはこれはやむを得ないと思いますが、どうもこの事態について、根本的な私学経営の現状の困難をどうするかというような問題に欠けておるところにこの事態が起きた。それともう一つは、早稲田の学生と教授とのいろんな問題もあるでございましょう。そういった根の深い問題だけに、政府といたしましても、大所高所から、この私学振興の面において果たすべき任務があったと思うんですね。この点、政府としてはどういう立場でこの問題を考えてきたのか。これをひとつ伺いたいと思います。
○国務大臣(中村梅吉君) 早稲田大学がああいう紛争を生じておりますことは、私もまことに遺憾にたえないところで、心配をいたしておりますが、政府として、これに対して積極的にどうするという方法も困難でありまするので、同時にできるだけ自主的に解決されることが望ましいのでありますから、自主的な解決を期待いたしておる次第であります。私学振興につきましては、御承知のとおりで、かねてから政府としても意を用いてまいったところで、逐年私学振興を強化してきておりまして、昭和四十一年度も前年に比較しますと、私学振興会が私学振興のために援助をいたしまする資金量もほぼ倍額にいたしておるのでありますが、これでは不十分であることは、私どももそう思っております。しかし、私学振興は、文部省とか政府がこうしよう、ああしようということよりも、むしろできるだけこの私学のあり方というものについても考慮をめぐらしつつ進めなきゃならない問題でありますから、昨年、私学振興方策調査会を制度上設けまして、自来鋭意この私学振興のあり方、あるいは国として援助をするとすれば、どういうしかるべき方法がよろしいか、こういう点につきまして、目下掘り下げて検討を続けておる最中でございます。 なお、昭和四十一年度としましては、最近各大学で、まあ時勢にも応じまして、校舎の改築とか設備の増築とか、いろいろこんなことを進めてこられまして、銀行融資等、金融機関から借りておるいわば高利債に属するものもありますから、これらを何とか荷を軽くしてやったらどうかということで、四十一年度の施策としましては、最近まで文部省で、いろいろ了解を得てまいるのに時間がかかりましたが、約三十億円ほどは高利債の借りかえに振り当てて、そして、期限のきておるもの、あるいは高い利子を負担しておるものを年七分の私学振興会の融資に切りかえる、こういうような道も実は具体的に進めておるような次第でございます。したがいまして、私どもとしましては、私学振興方策調査会の結論を得ることについて、できるだけ委員の各位にも御勉強願って促進をしてまいりたい、かように存じておる次第でございます。 早稲田大学の事態につきましては、直接われわれが関与すべき事項でもありませんし、早稲田大学からは国会にも大ぜいの卒業生がおりまして、この稲門会の方々も御心配をいただいておりますから、こういう方々によって調停が行なわれて、無事に事態の収拾をされることを実は心から期待をいたしておるような現状でございます。
○鈴木強君 まあ遺憾であるという前提に立っていろいろ当面の施策についてのお考え方を伺いました。しかし、私は、いずれの場合でもそうでありますが、事が起きないとなかなか政府は真剣に取っ組んでくれない、こういうふうなきらいがあるのではないかと私は思うのですがね。ですから、今日までのこの私学経営というものはどうなっているのか。戦後の、いま大学生が非常にふえているという問題について、学校の実情は一体どうなのか、これはやはり大臣としてもっと私は積極的に取っ組む必要があると思うのです。これは教育基本法にいたしましても、あるいは学校教育法を見ましても、あなたの所轄になっている。国民等しく教育を受ける権利があるわけでありますから、そういう意味において、政府が積極的にこの私学問題に対して取り組む姿勢が先だと思うのです。もちろん紛争が出たものについての介入というのは、これは大臣のおっしゃるとおりだと思うのです。しかしまた、そういう紛争が起きたのには原因があるわけですから、そういう原因を除去する努力が足りなかったことについての反省であれば、もっともっと私は積極的に私学問題に対して取っ組んでもらいたい、こう思うのです。まあこれはまたいずれの機会があると思いますから、私は深く触れませんが、総理に締めくくりというような形で伺っておきたいのは、お聞き取りのとおり、非常に私は、どうも学園に二千五百名の警察官が動員されたというようなことは日本国の恥だと思うのですね。ですから、そういうふうな事態が起こらないような施策をもっともっと積極的にやる御決意というものをここに披瀝していただくと同時に、また、そういうふうに具体的にやってもらいたいと思うのですね。ほとんど大体百億の借りかえですか。ことしは三十億程度をめんどうをみてもらえるようですけれども、これじゃとても問題の解決にならぬと思うのです。ですから総理としても、非常にこの問題については心を痛めていると思います。そういった御心境を含めてひとつ承わりたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 御承知のように、私学が教育上果たす役割りの非常に大きいということは政府も十分認めておるところであります。また、そういう意味におきまして、私学振興会の活動も願っておるし、また、政府がいろいろのおせわもいたしております。しかしながら、ただいま起きましたような問題、これはどこまでも大学が自お的に大学自治の範囲において片づけるべき問題であるし、また、さような問題を起こしてはならない問題である、かように私思っておりますので、そういう意味で、政府自身が干渉しない、こういう態度でみてまいったのであります。しかしながら、最終的には政府自身に治安を確保する責任がある、これはどう批判されようとも果たさなければならない問題であります。ただ、そういうところへ持っていかないで、その事前に問題が解決されることが望ましいのでありますから、そういう意味で政府も慎重にこれに取り組んでいくということであります。御指摘になりました点は、私学の教育上果たす役割りの大きいところに思いをいたして、政府においても十分注意をしろ、こういうことだと思いますが、政府もさような立場で真剣に取り組んでいくつもりでございます。
○鈴木強君 次に、政治姿勢の問題で少しく大臣にお尋ねいたします。 佐藤さんが政権につかれて、ちょうどもう一年と少し過ぎたわけでありますが、その間、顧みますといろいろな問題があったと思います。私は、ごく最近起きました副議長秘書のピストル売買事件、昨年参議院選挙の岡村君、小林君の選挙違反の問題、新潟県知事の選挙違反の問題、東京都議会の議長の選挙にまつわる問題、非常にこれは自由民主党の当然公認であり、所属である方々の政治家としての国民からひんしゅくを受ける問題がたくさん出ております。さらにまた、これは直接あなたと関係はございませんでしょうが、楢橋元運輸大臣の有罪の判決、それから、まあ、これは私はあまり言いたくないのですけれども、厚生省とかあるいは専売公社関係の選挙違反の上級公務員諸君の汚職の問題、それから人事院が発表いたしました高級公務員の営利企業への就職の承認に関する年次報告書を見ましても、いずれも相当に考えさせる問題であり、国民からひんしゅくを受ける問題がたくさんあろうと思うのです。こういうことについて、やはり総理が姿勢を正す、えりを正すという御所信が組閣以来非常に強く言われておるのでございますが、なかなかこういう問題が消えないことは遺憾に思うわけであります。こういうことが政治に対する不信を買い、政治家に対して軽べつをするような形になるわけでありまして、民主主義の危機だと思います。一体こういう問題について、抽象論でなくて、具体的に総理はどういうふうにされたらいいとお考えですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 最近の世相につきまして、鋭い御批判がありました。たとえば国会の副議長秘書の問題だとか、あるいはその他幾つもの選挙違反行為であるとか、あるいはまた公務員の特別な汚職、その他綱紀の乱れ等について御指摘があったと思います。私はこの種の問題につきましては、これは政治以前の問題として真剣に正さなければならない、そういう意味で政府はもちろんのこと、また、いやしくも政治家という以上、みずからが国民にえりを正して自粛自戒すべきことだと、かように申し上げてまいったのであります。事柄の性質といたしまして、抽象的ではございますが、全般的に各界の協力を得て、初めてこの種の姿勢は正せることだと思います。それにつきましても、政府自身が率先してえりを正さなければならない、これは御指摘のとおりであります。そういう意味で努力してまいりました。また、選挙等につきましては、ただいま選挙制度審議会におきましても、いかにすれば選挙の公正が保てるか、また清い選挙ができるか等々の御審議もいただいております。また、公務員の綱紀粛正につきましては、私は機会あるごとに綱紀を正せと、かような態度でこれに取り組んでおる次第でございます。
○鈴木強君 たいへん立ち入った質問で恐縮に存じますが、私はあなたの御所信はわかりましたが、具体的に一つ二つお伺いしたいことは、たとえば同僚議員でありますが、岡村文四郎君が選挙違反を犯した。現在出納責任者の逮捕令状が出て全国指名手配されておりますね。こういう方々が一たん自民党を離党されて、すでに復党されておるわけですね。これは副議長の場合でも離党されております。こういうことは、私はやはり総理のそういう御所信があるならば、やはり、き然として問題の解決するまで党を離れていることが当然じゃないでしょうか。こういうことを大体認めるところに、国民は何と総理が言おうとも具体的な問題としておかしいじゃないかということに私はなると思うのです。新潟県知事の場合は、塚田さんがおやめになる御所信を発表されておりますから、政治家はやはり自分の悪いことがあれば、みずからやめていく、そういう点は国民は理解できます。ですからもう少しそういう点、具体的な問題を私は聞きたいのですけれども、そういう点にえりを正すところはないのでしょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま鈴木君の御指摘のとおりに、こういう問題は基本的な考え方から、同時に具体的な問題の処理につきまして、正した形が、形の上で国民に納得のいくような形で出ることが必要なのであります。塚田君の問題につきましては、しばしば国会におきましても質問をされました。私は国民の全体に納得のいくような処置をいたしますと、かように申し上げてまいったのであります。今日、塚田君が適当な時期にやめるという申し出をしております。これでこの問題は一応の片がついたことになるのじゃないかと、かように思います。また、ただいま岡村君や小林君等のお話がございましたが、ただいま私が小林君を自民党に入れないということにつきましても、これなども、もうすでにその時期はいいじゃないかというような話もありますけれども、ただいま国民から言われますのは、最も選挙が公正、清らかな選挙が行なわれるという立場で、選挙違反についての批判は非常にきびしい、こういうことを特にわれわれとして考えなければならぬということで、小林君には気の毒ですが、ただいまはまだ自民党の籍を持たない、かような考えでございます。 また最近、選挙違反の判決を受け、そうして復職するという事態がございます。これはいかに扱うかというような場合でございますが、これなども内閣自身が直接関与するような人事ではございませんので、この際は気の毒だが、しばらくこういうことについて、みずからが自粛しておる、こういうことを国民に示すべきだ、こういうことで再就職につきましても、私は特に指示しておるような次第でございます。いずれにいたしましても、もうすでにきまった問題がある。そういう生活の根拠を奪うようなことはいたしたくございませんが、また法律上は、このことは可能だと、かように申しましても、政治の姿勢として、いわゆる法律論ではなくて、さらに自粛すべきものがある、かように私は思いますので、具体的事例につきましても、十分政府が考えていく考えでございます。せんだっての科学技術庁の関係の復職、就職、それを拒みましたのも、ただいま申し上げるような気持ちからでございます。
○鈴木強君 具体的な問題一つ一つをよく国民にわかるようにお示しいただくと、総理の言われるえりを正すということが多少でも前進していくという感じを受けますけれども、なかなかいまの段階ではそういう気持ちは持てないので、特に公務員関係の問題については直接総理の監督下においてできることでございますから、強く私は意見を出したわけなんです。この私企業への就職の承認等についても原則としてはできないのですね。しかし、所属長が申請をして人事院が認めた場合にはよろしいと、こういうただし書きがあるわけですが、原則はいけないのです。ところが、百二十五人もの方々が四十年度にも天下りといわれるような私企業への転出をしておられる。しかも、それをわれわれが詳細に見てみますと、自分が過去奉職しておったときの職責とつながりがあるのです、これは。つながりのあるところに承認している。これは人事院が承認したのだからと総理はお逃げになるかもしれませんけれども、やはりこういう問題は、この内容をよく見ますと、ほとんどがそう指摘されておりますね。ですから、私はもう少し人事院を督励して、この私企業への天下りについてとかく世間から批判される問題等についても、なお一そうひとつ総理の御監督のもとに厳重な規制をしていただきたい、こう思いますが。
○国務大臣(佐藤榮作君) この際に鈴木君の御意見はよく伺っておきたいと思います。
○鈴木強君 それから、もう一つ伺っておきたいのは、総理大臣も池田さんのなくなられたあとたいへん苦労されていると思います。病気で政権交代したわけですから、選挙もまだやっておらないという中で御苦労だと思いますが、しかし、過去自由民主党の内閣ですからね、これはいずれも。ですから、池田さんがおやりになろうが、だれがおやりになろうが、やはりこれは自由党の政策として総理が受けとめておられると思うのです。私が非常に遺憾に思うのは、ずっとあなたの御意見を承っているのですが、どうもそういう点における高度経済成長政策に対する率直な党としての自己批判といいますか、総理としてのそういう御所信がうかがわれないような気がするのです。これは私のもし偏見であれば正しますけれども、そういうふうに感ずるから申し上げたのです。したがって、中期経済計画もくずれて、これからさらに新しい長期経済計画をつくるというこういう段階で、あなたもお述べになっておられるように、ことしはもう不況を克服する、経済を立て直す、これにすべてをかけるのだというあなたの御決意でございますね。私はそうあらねばならないと思いますが、しかし、さきの政治の姿勢と同じように、いかに総理が決意だとこうおっしゃいましても、具体的な政策の中でその問題が過去の批判の上に立ってこういくべきだと思うのですね。そういうものが出てこないと納得できないのであります。今日まだ、新経済政策というのは四月か五月までかかるそうでありまして、とりあえず三カ年間の方針について私たちも拝見しておりますが、これでは少しもの足りないと思うのであります。そういう中で、とにかくことし大型予算を組んで景気の回復に力を入れているのですが、一体、具体的に過去の批判の上に立って総理はどういうふうにこの克服をしようとするのか、そういう問題について承りたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私が申し上げるまでもなく、経済政策そのものは、そのときの経済情勢に対応して、そうして樹立されるものであります。もちろん、相当長期にわたる経済対策というものが国としてはなければならない。しかし、それを立案いたします際には、そのときの経済情勢に応じて考えるのであります。戦後のわが国の経済情勢等を見まして、これを早急に発展させ、繁栄への道をとる、こういう意味で過去におきまして所得倍増計画あるいは高度経済成長政策、こういうものはその意味において十分役割りは果たしたと思います。しかしながら、その後の経済情勢の変化から見ますると、これだけで押し続けていくことは不適当だと思いますし、またこの政策がかもし出したいろいろな弊害等も出てまいったのであります。私が政権を、政局を担当するようになりまして、ただいまこの過去の経済政策からかもし出した長所よりも今度はその弊害を是正していく、こういうことがただいまの経済情勢では大事だ、かように思いまして、ただいまのような政策の変更をいたしておるわけであります。 しかして、ただいま言われますように、同じ政党の責任じゃないか、この意味において過去についての十分の批判も必要なんだ、こういう御指摘でありますが、私はただいま申し上げますように、経済政策そのものは経済情勢に対応する政策でございますから、そういう意味で御理解をいただけば、今日私どもがとっておる政策、それは過去の経済成長、所得倍増計画そのままを踏襲しておりませんけれども、同じように経済安定成長、成長への道を歩んでおる、かように御理解をいただきたいと、かように思います。
○鈴木強君 やはりこれは抽象的でありまして、よく理解できませんが、もちろんこれはたいへん大きな問題でありますので、いまこの補正予算の段階でこれ以上私もあなたにいろいろな施策について聞く時間がありませんから、いずれまたあらためて本予算の場合に伺うことにいたしますが、ただ、国民が非常に心配しているのは、一体こういう経済政策の手直しをされて佐藤さんが取っ組んでくれておるが、ことしあなたがおっしゃるように景気がうまく立ち直っていくかどうか。これは見通しですから、なかなかむずかしいと思いますが、一説によると、総理は九月ごろまでには何とかやりたいのだ、こういう強い御決意もある。できればもっと早くなればけっこうなんだが、それは早くするということは当然でありましょう。しかしながら、ほんとうにこれはむずかしい問題でありますから、ここでいつからだということは言えないと思いますけれども、国民はおおよそ大体どの程度になるだろうかと、こういうふうな気持ちを率直に持っていると思います。ですから、その辺の見当はどう判断されますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの御指摘でございますが、これはことしの経済成長というものを一応目標を立てております。御承知のように、安定経済成長といえば、大体七、八%、これが大体のねらいであります。そうして御承のように、この種の問題は政府だけで、政府ががんばる、そうしてそれだけで直ちに成果をあげ得ると、かようには言い得るものではございません。国民各階各層の協力が大事だと思います。ことに、ただいま私どもが採用しておりますのは自由経済のこの原則に立ってでございます。いわゆる統制経済あるいは計画経済、かように銘打つようなものではございませんので、それだけになお一そう各階の協力が必要だ、かように私は呼びかけ、またお願いもしているのであります。 幸いにいたしまして、今回とりました大型予算というものは、国民各階各層におきましても非常に好感をもって迎えられておる。私は、これならばただいまの国民の協力を求め得る、こういう意味においてまず第一歩はできておる、かように思っておるのであります。そういう意味でこの七・五%の成長目標をことしは必ず実現する、またそれを期待する、こういうような立場であります。この七・五%といえば、もうすでに四十一年度に入る前から、もう四十年度末からやはりそういう形のものが出てこなければならないと思います。そういう意味で十分気をつけておるのでありますが、ただいまは一月の各種の指標にいたしましても、悪いというほうのものは出ておりません。しかし、いいというほうのデータが非常に積極的に伸びておるという状況ではまだございませんので、なお十分警戒もし、そうしてなお指導もし、そのときどきに適切な処置をとっていくということをいたしますが、おおむねただいまの目標を達成することができるのではないかと、かように期待しておるような次第でございます。
○鈴木強君 これはまあ大いに努力してもらうことにいたしまして、また、これも国民の中にあることですから率直に向いたいのですが、たとえばいまの景気の回復と問題をマッチさして考えているようですが、総理が政権をとられてから解散がない、したがってある時期に総選挙があるだろうと、これはみな考えておるわけです。総理はそんなことよりも景気を立て直すことが先なんだから、わしはそれに全力を尽くすんだというお答えを聞いております。しかしながら、現実に町に流れている、地方に流れているうわさは、依然としてやはり早期解散ということがあるわけですね。現にあなたのほうの所属の代議士諸君でも、選挙区に帰って盛んにやっておるというような状況があるやに私たち見るわけですね。したがって、この点は非常に大事なことだと思いますが、私は一回ぜひ機会があったら承っておきたいと思っておりましたから、この点と、それからもう一つは、川島さんが言っているように、総理は六月ごろに内閣の改造をするというお話をどっかで言われているのですね。これは一年ごとに内閣改造をしておりますから、そういうことも考えて言ったと思うのですが、総理は、いや、私は一年後改造なんということはあまり好まないのだということを、私たちはまた一面で見ているわけですが、これはどうなんですか。ただ単なるうわさですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 解散並びに内閣改造についてのお尋ねでありますが、私は、いままでお答えいたしましたように、解散をやる考え方はない、どうか落ちついて経済の安定成長への道を歩むように御協力を願いたいと実は申しておるのであります。しかし、たいへん御心配のようでありますが、そういう事態が起これば、政府はもちろん解散権を持っておりますから、御油断は召さるな、かように申しますが、しかし、参議院の皆さん方は解散にはちょっと縁が遠いようであります。 私がかようなことを申しますのは、もともと最近の民主政治、そのもとにおいては当然の選挙でありますが、選挙がほんとうに多いのじゃないか。これはもう地方選挙が次々にあります。それらのことを考え、そうして解散といえば、これは総選挙になりますから、全国あげての選挙でございますから、そのために一カ月以上の政治の、行政の空白ができる。こういうことを考えますと、こういうことはもう非常に必要な場合ならともかくも、普通の状態においては云々すべきではない。また、そういうことがあってはならない。ための政治をする態度から見ると、そういうことはできるだけ避けるべきだと、かように私はいまなお思っておるのでありまして、そういう考えでございますから、それが新聞に出ていると思います。 また、内閣改造等につきましても、そのときになって私が考える。これは六月がそのときだと申すわけではございません。いわゆる改造の時期になれば、それは総理が考えることだと思いますが、しかしながら、いままで私自身は何も言ったことはございません。総理は云々と言われますが、私自身は言ったことはございません。ただいまの解散権や、あるいは内閣改造にいたしましても、私自身の本来なすべき仕事といいますか、権限だと、かように私は考えておりますが、ただいま私は黙っているのですが、権限を持たない方面から解散論が出たり内閣改造論が出たりしておりますので、国民の皆さんにも、とにかくだれが何と言おうが、総理が言わない限りそういうことに御心配をなさらないようにお願いいたしたいと思います。
○鈴木強君 その点はわかりました。 次に進みますが、大蔵大臣に最初にお尋ねしたいのは、せんだって第一次補正で、財源が足りないからというので、二千九百五十億国債を特に発行することを認めたのですが、その後お聞きすると、少し税の伸びが出てきて、二百億くらいは上がってきそうだという話を聞いているのですが、こういうのは一体われわれ国会で審議しておりまして非常に奇異に感ずるのですが、これだけ足りないから補正してくれと、こう言っておきながら、余分な——余分なというとあれですが、二百億余分にふえてきた。出てきた。何かこう割り切れないですね。これはもちろん見通しですから、その点はわかりますが、しかし、二百億も、もっとこれはふえるかもしれませんが、そういう狂いがくるということは、ちょっと私はわれわれ審議する側から見ると奇異な感じをするのですね。それはふえることはけっこうですから、二百億が三百億でもいいと思うのですが、こういったことは一体どこから狂ってきたわけですかね。それからまた、二百億と一応いわれておりますが、それがさらにずっとふえていくかどうか。まあこれは見通しだからむずかしいと思いますが、どんなふうないまの段階で見通しでしょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) 補正予算をお願いいたしてきたときの見通しと比べまして、法人税が幾らか、まあ気分程度のものでありますが、調子がよさそうな感じがするのです。それはなぜかと申しますと、分析いたしますと、いま金利が非常に安い。だもんですから、税を滞っておいて、日歩あれ何銭でしたかという高いのを納めるよりは、金を借りて納めちゃおう、こういう空気があるのじゃあるまいかと、こういうふうに想像するのです。それから、もう一つは、昨年の十月にビールの価格改定があったわけであります。そういうので十月ごろビールの売れ行きがよかった。その収入がその後出てきておる。こういう二つのことが考えられるわけであります。総合いたしまして二千五百九十億円の財源欠陥だった、それに対して公債を出すのだ、こういうお願いをいたしまして、万一それが切れるような状態であるとか、さらに落ち込むのだというような状態であったらたいへんだといって心配いたしておったのでありますが、ただいまはそういう心配はまあない。まあどっちかといえば、幾らか心持ち増加するのじゃないかというような結論でありますが、その原因の分析はただいまのような状況でありますので、一体三月になってどうなるか、こういうようなことを考えますと、まあそうそう予定が狂っているような状態でもないのであります。
○鈴木強君 まあ大蔵大臣はたいしたことじゃねえというようなお話ですが、やはりわれわれから見ると、二百億の国債発行するかしないかの問題にからんでくるわけですから、おそらくあなたのほうではふえた分はこれから発行される国債を差引かれていくことになるのだろうと思いますが、だから、そう簡単に言われても困るのですが、しかし、これからいろいろお伺いする徴税上の問題等についてももう少しはっきりした所信をもってもらえば、もっとふえてくると思います。昭和三十九年度の会計検査院の不当事項を私は拝見しました。そうしますと、ことしだけで税の徴収不足として検査院から指摘されたものが、税額五十万円以上のもので百八十件、額にして二億七千万円あるわけですね。これはあなた方の税務署の人たちが計算上の間違いから、徴収不足としてもう令書を出してしまったものを指摘されているのですね。こういうような事件が起きている。これはあとから詳しく聞きますが、いずれにしても、現在まで各年度を通じて税金の取り立てができなかったという額は幾らいまありますか。
○国務大臣(福田赳夫君) 会計検査院から指摘を受けました徴収不足の額は、昭和二十四年度が一億八千百万円、二十五年度が一億二千五百万円、それから二十六年度が一億四千二百万円、二十七年度が二億二千百万円、二十八年度が三億六千四百万円、二十九年度が三億三千四百万円、三十年度が四億三千七百万円、三十一年度が三億四千二百万円、三十二年度が四億六千三百万円、三十三年度が四億五千三百万円、三十四年度が三億一千六百万円、三十五年度が二億七千百万円、三十六年度が三億四千五百万円、三十七年度が四億九百万円、三十八年度が四億六千四百万円、三十九年度が四億四千七百万円であります。
○鈴木強君 私はそれを聞いているのじゃないですよ。そういうふうにいろいろ指摘されたでしょう。それは徴収不足として指摘された額なんですから、実際に令書を出して納めろと、こう納税者に通知をして、それで納められないでいま残っている額は幾らあるかということをトータルで聞いたのです。
○国務大臣(福田赳夫君) 滞納ですね。
○鈴木強君 ええ、滞納です。
○国務大臣(福田赳夫君) 政府委員からお答え申し上げます。
○政府委員(泉美之松君) お答えいたします。 滞納総額は、四十年十三月末現在の統計が一番新しい統計でございますが、それによりますと、八百五億四千六百万円と相なっております。
○鈴木強君 その中には森脇の脱税事件は入っておるのですか。
○政府委員(泉美之松君) さようでございます。森脇文庫の九月末現存のときの徴収決定税額は約五十億でございますが……
○鈴木強君 いま百億です。
○政府委員(泉美之松君) 現在は七十七億に相なっております。九月末現在におきましては、五十億に対しまして、当時徴収されておりましたのが約十五億でございまして、残りの三十五億が滞納となっておるのであります。
○鈴木強君 これは総理も大蔵大臣も聞いておいてもらいたいのですが、実際こういうふうに会計検査院が指摘した分を、これは大臣御説明になったから皆さんわかっていただいたと思うのですが、相当な額になっておりますね。と同時に、これは会計検査院が大体、全部見ておりませんから、全部見たらもう少し出てくると思うのですが、そういう額だと見なければならぬのです。だから、こういうふうな徴税上の手違いからして、行政上の手違いからして徴税不足を来たしておるというようなことについては、毎年毎年指摘をし、毎年毎年善処すると、こう皆さんはこの報告書でわれわれに対してしておるにもかかわらず、一向減っていないですね。だから、私は、そういうふうな事態をもっと真剣に考えなければならぬと同時に、国の機関、すなわち各省庁において税金のむだ使いをするのが多過ぎるでしょう。私がこう調べただけで、昭和二十四年から三十九年の間に、これは十六年間会計検査院から大体八%ぐらい指摘をされておる、書類で。それでわかったむだ使いの額は千四百十九億円という額にのぼっておる。そのほかにまだ職員が不正をして国に迷惑をかけて、なおかつそれが払われないで国に迷惑をかけておるのが相当にありますよ。データを持っておりますが、これは不正ですね。そういう徴税上あるいは国費の問題について、もう少し徹底した私は綱紀粛正と改善策を考えてもらわなければいけないと思うのです。森脇なんかの事件だって、ああいうふうに百億もの脱税をしたことがあとでわかった。これは税務署の人たちの、人の少ないところで御苦労されておるのはわかります。わかりますけれども、それとこれとは違いますよ。人が少ないから適当にできなかったということは、これは許しませんよ。ですから、私はベストを尽くしておると思いますけれども、なおかつこういうことが一向毎年減っていかない。 そこで、私はこういう点について具体的に聞きたいのです。一体この原因は、管理体制が悪いのか、定員等の不足からして事務処理が能力的にできないのか、それから税に対するいろいろなむずかしさがありますから、そういう毎年毎年変わっていく税法の改正等についての知識を十分にその職員が知ることができないのかどうか、そういった指導をやっておるのかどうか。もちろん、そういうものに対する講習会なりいろいろの指導ということについての問題も含めてでございますよ。それから監督の徹底ということですね、そういうことは一体具体的にどういうふうに今日までやってこられたか、どういう成果をおさめておりますか。
○国務大臣(福田赳夫君) 税の徴収につきましては、とにかく税の執行の衝に当たる職員の能力を向上させることが第一である、そういうふうに考えまして、税務大学校をつくるとか、その他一連の要員養成機構をつくりまして、ずいぶん努力をしておるわけであります。ところが、景気がよくなりますと、税務職員が民間に引っぱられるような傾向があるわけであります。これが抑制というか、逃げないようにというための努力がまた容易ならざるものがあるわけであります。とにかく要員を確保し、その要員の能力を向上するというためには、国税庁の重要な任務としてこれに努力をいたしておるわけであります。 一面、問題があると私が考えておりますのは、税務法規が非常に複雑であります。所得税の納税なんかにつきましても、私もその申告をどうするかということにずいぶん頭をひねらなければできないというような複雑な税制なのであります。これは私は、税制を簡素化するということを今後は特に気をつけていかなければならぬ、そういうふうに考えております。そういうことから税制調査会に政府の税法についてお願いしておりますが、これが従来はおおむね減税、増税である、そういうことでございまするが、今後は、長期的な意味におきまして、税法をどういうふうに簡素化して、国民の税制だ、国民の税法だというような形をつくるべきかということに真剣に取り組んでいきたいというふうに考えております。 また、他面歳出の面につきましても、同様な問題があるのじゃないかゆ行政事務が非常に複雑になってきております。これもなるべく簡素化せねばならぬというふうに考えております。許認可の事項があまりにも多いというような問題もありますが、ともかく並行いたしまして、綱紀の粛正ということもこれはせなけりゃならぬ、これも常に心がけておるのですが、お話まことにごもっともでございますので、今後とも最大の努力を尽くしていきたいと、かように考えております。
○鈴木強君 時間の関係もありますから、私はいま申し上げた管理体制以下の問題については、具体的に大蔵省がどういう処置をとっておられるか、文書であとで出してください。 それから、もう一つは、八百五億円余の滞納税額、税金については、一体今日までどういう努力をしてきたのか、なぜこういうふうなものがあるのか、徴収でできないのか、そういったことについて伺いたい。
○国務大臣(福田赳夫君) 税の決定は適正にきめるということを旨として行なわれておるわけでございます。しかし、会社もたくさん数ありますから、そういうようなものを一々現地調査をしてというわけにもまいらない場合が多いのであります。 それから、個人につきましても、ずいぶん数が多いわけでありますから、もちろんこれは会社のようにも行き届かない。そういうような結果、あとで調べてみるとでこぼこがあるというような状態が、これが会計検査院の指摘というふうにあらわれてきておると思うのでありますけれども、先ほど申し上げましたように、税務職員の確保、それから能率の向上、また一面に税法を簡素化して適正な決定ができるように、またお話の管理体制、これにも十分意を用いて、だんだん御指摘のようなことがないように善処していきたいと、かように考えております。
○鈴木強君 八百億の滞納をどうしたか。
○国務大臣(福田赳夫君) 滞納につきましては、整理にいろいろ努力をしておりますが、これも一般の経済情勢がずいぶん影響するのです。ことに金利ですね、滞納しておくほうが金を借りているよりはましだというような金利情勢でありますと、どうも滞納の傾向が強いわけでありますが、今日は、先ほども申し上げましたが、金利が安い、それゆえ銀行から金を借りて税を払ったほうがいい、こういうような気分にいきおいなっていきますので、最近は滞納が減少する傾向を示しておるわけでございます。その他、一般の状況はそうでありまするが、個々の場合におきましては、経済の状況が回復するという状況になりますれば、これはもう一段と変わってくるような形勢になると思います。きめられた税が徴収されない状態であるということは遺憾なことでありますので、滞納の整理につきましては、個々につきまして、まあ、あまりむちゃなこともできない気の毒な状況の人もあります。そういう点も考えまして、弾力的に、しかも滞納が減少するようにという心がけでやっていきたいと思います。
○鈴木強君 これは抽象的でわかりませんから、八百五億円の滞納額について、この中にはこれこれこういう理由によっておくれていることがわかるわけでありますから、そういう荒筋だけでもいいですから、あとで資料で出してください。それはいいですか、出してください。
○国務大臣(福田赳夫君) あとで提出するようにいたします。
○鈴木強君 それから、第二次補正で、公共事業関係をちょっと伺いたいのですが、約千億債務負担行為をやりまして、総理の御方針のように、公共事業に非常に力を入れておられるのですが、どうも一月、二月の工事の進捗状況を見ますと、大蔵省の金の払いっぷりから見て、どうも総理の思うように進んでいないと思うのですが、一体それはどこに原因があるのか。
○国務大臣(福田赳夫君) まず、公共事業費等の政府歳出につきましては、これは地方財政が非常に響いたと思うのです。地方財政が途中で財源が落ち込むというような事情がありましたので、中央、地方一体でやるべき仕事がおくれてきた、こういうふうなことであります。ことに地方財政の財源措置は完全にとられたわけでありますが、それが財特法の成立が一月にまで延びたというような関係がありまして、非常にこれが影響いたしておるというふうに考えます。しかし、そういう関係のない財政投融資計画につきましては、予定以上の進捗を示しておるわけであります。また、債務負担行為につきましては、すでにおおむね支出許可をいたしておる、かような状況でございます。
○鈴木強君 昨年の七月、政府が公共事業費一割削減ということをやられましたね。こういうことは今度のやつに関係はないんですか、工事がおくれているということに対する影響は。
○国務大臣(福田赳夫君) 昨年の夏から秋にかけての段階では、一割削減をいたし、それをまた復元をするということからの混乱はあったようでありますが、今日はもうそういう響きは消えておるわけであります。まあ地方財政の関係ですね、これが一番響いておる、今日は。そう見ております。しかし、昨年の十二月を契機といたしまして、公共事業費も非常に活発化いたしておるのであります。年度末にかけましては、国の支出が相当大きく動いて民間に金が出ていく時期になり、また、それがずれて四月になるものも相当多いだろう、こういうふうに見ております。
○鈴木強君 私は、この七月の公共事業費の一割削減ということは非常に問題を起こしていると思うのですよ。それぞれプロを組んで、実行に移ろうという段階において計画変更を全部させられた。そのためにまたやり直しです。そういうような方針の変更を年度中途にやって、関係の諸君はかなり苦労をされた。それがために計画がおくれ、冬季に入った。工事は進まない。こういうふうに、政府みずからの施策の中に問題があったのじゃないですか。そういう点は、はっきり悪い点は悪いとして指摘されて、どう直していくかということをやりませんと、七月に一割削減をやって、今度一千億の公共事業の債務負担行為をやるというちぐはぐなことでは納得できませんよ。どうです、これは。
○国務大臣(福田赳夫君) これは五月でございますが、五月に一割削減というものが行なわれたわけであります。それを七月になって復元をする、こういうことにしたわけです。その間、非常に私は混乱があったと思います。しかし、その混乱の状態は目下解消はされまして、これから順調に動く、こういうふうに考えております。
○鈴木強君 私は、時間の関係で、実はこれから二兆五千億の公共事業費を来年投じてやろうという、その景気てこ入れの基本をここに置いているわけでありますが、はたして現在の状態の中で、これから一月、二月、三月という実績を見ないとはっきりわかりませんけれども、これを見ただけでも、なかなかそういくまいという心配を持っているのです。それには、一つには工事能力の問題もあるでしょうし、また、一つには地方財政、受け入れ側の財源措置の問題も大きな問題だと思います。ですから、そういった大勢をはたして政府は全部つかんで、これをうまく消化できるというように判断しておられるかどうか、非常に疑問に思うのです。たとえば建設省、農林省あたりの公共事業費を見ても、この中で指摘されているように、たとえば何十件という工事の不正、言うなれば国費のむだづかい、こういったものがこれだけある。こういう問題についても毎年ですよ、いま始まったことじゃない。毎年毎年、欠陥がある、それを是正します、そう言っておきながら、ひとつも工事というものはうまくいっていない。ですから、はたして二兆五千億というものが政府の方針どおりうまくいけるかどうか。まあ知事会議を開いて、先に手を打って協力体制を頼んでおりますが、こういうものについて私はほんとに心配なんです。よほど各官庁、各地方自治庁の協力がないと、さっき総理も、協力してくれそうだというような話でしたけれども、なかなかそう簡単にいかない要因があるのです。これらの点を十分考えてやりませんと、また来年も批判されることになると思うのです。こういう点を整理してやることを総理はやってくれますか。それをやらなければ、だめですよ、これは。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの御指摘は、片一方で工事予算の使い方の進捗をはかり、同時に、それが放漫になって、会計検査院でまた非常な指摘を受けるじゃないか。ただいま言われますように、とうとい税でございますから、税のむだづかい、これは絶対に避けなければなりませんし、不正不当な使途というようなことは、これはどういうことであろうと、やってはならないことであります。そこで、そういう点をも考えまして、ぜひとも景気を克服し、また、物価を安定さす、この二つの目的を同時に成果をあげよう、こういうことで公共事業の推進本部長を設けまして、そうして積極的に取り組んでいるわけであります。一番大事なことは、在来の考え方ともう考え方を一変しないと今回の問題には取り組めないのであります。過去の予算の使い方などを実績で見る、それを今度は変えまして、上半期に契約ベースで六〇%やろう、こういうのでありますから、いまだかってない考え方であります。 そこで、自治体におきましても、これに対応するように予算の編成も早くしてもらわなければなりませんし、また、同時に、この使い方等も積極的にやってもらわなければならないということであります。また、各省の関係も、ただいまはようやくその気持ちになっておりまして、今回の政府の考えていることを実施するためには、在来の考え方を根本的に変えていくことが絶対に必要だ、こういうようなことで、事務能率も上げるように、また、協議その他のことも非常に急ぐという形で成果をあげていくつもりであります。そういう場合に、御指摘になりましたように、放漫でルーズな使い方にならないように、とうとい税はどこまでもむだづかいをしないようにいたさなければならない、かように思っておりますので、ただいまの御注意もありますので、一そうそういうつもりでやっていくつもりであります。
○鈴木強君 どうぞお願いします。 それから、次に物価の問題ですが、米価、私鉄、続いて国鉄、郵便料金と、こういうふうに政府は値上げをきめておりますが、一体これ以上このほかに公共料金の値上げされる問題について、たとえば電報電話料金、北陸電力の九%の電力料金、東京都営のバス、都電、トロリー等々、平均二七%の引き上げ、それから、東京の大手私営バスの九社三一・九%、そのほか高校の教科書一〇%等、もろもろの物価の値上がりが予定されておるのですが、これは総理の言われるような、公共料金についても、便乗的なものはやらぬという御方針とこれは違うように思います。この中には、すでに運輸省等に料金値上げの申請を済ましたところもあるようでありますが、一体これは総理の御方針と違うのじゃないですか。これは一体どうしようとするのですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま具体的な問題を次々にあげられましたが、これは後ほど経済企画庁からお答えいたしたいと思いますが、だいぶん実施計画その他持っていないものまであげていらっしゃるようでありますから、これは実情はだいぶ違うと思います。基本的には、私がしばしば声明いたしておりますように、いわゆる便乗値上げと目されるもの、これは許しません。そうして政府はその態度で臨みます。そういう意味で、これは権限は別になかったと思いますが、製粉業者に対しましても値上げを一切しないようにとめた、この一事でも御了承はいただけるだろうと思います。詳細は経済企画庁長官から申し上げます。
○国務大臣(藤山愛一郎君) ただいま政府が直接関係しておりますものにつきましては電信電話がございます。これは本年度は値上げをいたさないことにいたしております。その他相談をいたしたものの中で、たとえば国立大学の授業料の値上げ、こういうものもことしはいたさないことにいたしております。 また、いまお話のような民間のものにつきまして、あるいは公共団体のものにつきましては、それぞれ理由があると思います。したがって、それらにつきまして、今日の経済状況を勘案しながら、できるだけ慎重な審査をいたしまして、そうしてそれに対処し、押えるものは押え、あるいは値段を下げ、どうしても事情からいって許可しなければならぬようなものがございますれば、若干許可せざるを得ないかと思います。したがって、そういう点については個別に審査を十分にいたした上でやってまいるということでございます。 北陸電力の問題につきましては、まだ通産省に申請が出ておりません。したがって、通産省に申請が出ましたら、通産行政の上で審査されると同時に、私どもも意見を申し述べることにいたしたいと、こう考えております。
○鈴木強君 非常に便乗値上げかどうかということについての藤山企画庁長官の考え方がはっきり出ておりませんが、これはまたいずれ、あらためてやりますが、特にこれは福田大蔵大臣にお伺いしたいのですが、閣議で公共料金のきまったあと、あなたがた記者会見で、電報電話料金については、これはまだ問題があるというような御発表をなさったのですね。これはどういう意図でやられたのですか。それはあったんですか、なかったんですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 米も上がった、あるいは私鉄も国鉄も郵便料金もというが、こういうものは今後どうなるのだというお話がありましたので、私は、重要な公共料金、つまり国鉄、私鉄、あるいは郵便料金、今回値上げになるから、これはもう当分再値上げというようなことにはなりますまい。ただ、問題になるのは電電の関係が残っておる。これは今回やっておらないが、今後いずれ問題になってくる傾向だと、こういうことを申し上げたわけであります。
○鈴木強君 この点は、電電公社の総裁は見えておりますか。われわれが拝見しますと、まだ電電経営は黒字になっておるわけですね。ところが、いまからもう電報電話料金を上げるんだという御方針のようでいろいろやっておられるようです。なるほど電報は三百億くらい赤字になることは私ども知っておりますが、これは電話によってカバーされておる。ですから、どうしてそういう料金を上げなければならぬのか、ちょっと時期が時期だけに、私たちには合点がいかない。どういう理由か、ひとつ総裁から先に聞きたい。
○説明員(米沢滋君) 御質問にお答えいたします。電信電話公社といたしましては、過去十三年間実は料金値上げをいたしておりません。それから、また、昭和四十一年度におきましても借り入れ金を使いまして、料金の値上げはいたさないことといたしております。実は少し詳しく申し上げるといいのでございますが、現在、電話の申し込みのたまっておりますのが百六十七万たまっております。しかも、また毎月十二、三万の新しい申し込みがございまして、本年度は補正予算を入れまして百三万の加入電話がある。明年度は百二十三万という架設をいたすのでありますけれども、なおそれでも積滞は一そうふえるということになっております。しかも、この電話電信というものは他に代替するものがございませんので、この積滞をいかにして架設で消化していくかということが問題になると思います。 それから、その次に電報でございますが、電報につきましては、過去十年間、たとえば中継の機械化等をやりまして、非常に年経費の節減、サービスの向上をはかりましたが、しかも、なお収入百億に対しまして支出が四百億になると、こういうふうな状態であります。しかも、だんだん人件費が上がりますので、合理化を進めたにもかかわらず、この三百億の赤字がなおふえていくという傾向にございます。 それから、もう一つは債務償還の問題でありますが、四十一年度末におきます借金が約一兆七百億ということになっておりまして、この利払い、並びに、特に昭和四十五年になりますと、加入者債券、これが借金の大部分を占めておるのでありますが、それが千五百億も返さなければならぬ。その次が千八百億、さらに二千三百億というふうにふえてまいります。こういうために、公社といたしまして、この経営基盤をいかにして確立するかということで、一昨年の十月に電信電話調査会というものを設けまして、学識経験者三十人にお願いいたしまして、会長には佐藤喜一郎氏が選ばれたのであります。そこでいろいろ将来の電信電話の経営問題について審議していただいた次第であります。私たちはその審議結果を尊重いたしまして、いま将来の長期計画についていろいろ案を練っておるところでございます。
○鈴木強君 しかし、そういう点がよく国民にわかっておらない。だから黒字であるのに電話料金を上げるのはけしからぬという、そういう世論が強いわけですね。ですから、もう少し慎重に私はやってほしいし、また、実態というものをできるだけ国民に知らしてもらうという努力もひとつお願いしておきたいと思います。 それから、いまの総裁の答弁を受けて郵政大臣にも伺っておきたいのですが、大蔵大臣の御所見もありましたが、大臣としては、電電公社のいまの総裁のような御意見もありますが、一体、電報電話料金についてはどういう御所見か。それから、もう一つNHKのテレビ、ラジオの聴視料、聴取料については、かつて古池郵政大臣のときに、値上げをするどころか、もう少し料金を下げてもいいじゃないかというような御所見もあったやに聞くのですね。したがって、これはいま非常に物価の上がる時期でありますから、このテレビ、ラジオの聴取料を動かすか、どうか、値上げをするような考え方があるかどうか、これもひとつ念のために伺っておきたいと思う。
○国務大臣(郡祐一君) 電信電話につきましては、ただいま総裁がお答えいたしましたように、公社においていろいろと案を検討いたしております。私も、四十一年度では二百二十六億という収支差額を得ておりまするけれども、将来の財政状況についてはいろいろ検討しなければいかぬと思っております。ただ、今後景気動向等とにらみ合わせまして、電話に対する需要がいかようになってまいるか、これらの点は政府としても十分考えたいと思いますから、公社案を見ました上でとくと考えたいと思います。 それから、御指摘のNHKについては、四十一年度の予算をつくるにあたりまして考えてみますと、ラジオ、テレビの甲のほうでは八十五万ふえておりますが、乙のラジオだけについては三十三万減っております。傾向といたしましては、次第に加入件数が頭打ちの状況には相なっております。しかし、まだ現に伸びを持っております。したがいまして、ただいまNHKの受信料については、これを増額いたすというようなことは考えておりません。
○鈴木強君 私は、一般消費者物価の問題についてもいろいろ承りたいのですが、ちょっと時間がなくなりましたので、これはまた……。 最近非常に、一月以降の諸統計を見ましても、物価はかなり上がっておりますから、国民生活は圧迫をされておると思うのです。そこで、一つの歯どめとしてきょう特に伺っておきたいのは、五・五%という目標を立てられておりますが、それではたして済むかどうか。われわれはもっと上がるのじゃないかという心配もいたしておりますが、そういう中で、総理は、公取に対するこの取り締まりの強化ですね、こういう点を施政方針でも述べられておるのですが、私は非常にけっこうだと思います。とかくこの公取というものが横すみにおるようなかっこうがあったのじゃないかと思うのですが、そういう意味で独禁法違反等の取り締まりは厳重にやってもらいたい、私はこういうことには賛成であります。 そこで、公取委員長きょうおいでいただいておりまするが、この公取としては、最近の——これは時間がありませんから、一、二の例だけ伺いますが、一月二十一日に、育児用粉ミルクの定価価格を卸者、小売り業者に強制したという、例の森永と明治の両商事会社の独禁法違反の問題でありますが、これは審判に回っておるのですが、その後どういうところまでいっておりますか、これが一つ。 もう一つは、不況カルテルが盛んに結ばれておるのですが、これが物価の引き下げどころか、現状維持ないしは引き上げのてこになっておるのじゃないか、こういうような批判もあるわけです。詳細には聞きませんが、そこで、日清紡は今度の不況カルテルの延長に対して猛烈に反対している。それから、鐘紡も反対している。一体、これについては、通産省の指導と、それから、公取の考え方とは、多少これは違うように思うのですが、この点はひとつ三木通産大臣からも、これは一体どういうふうにするのか、伺っておきたいと思います。 それから、もう一つ、テレビやラジオのコマーシャル放送の中で、過大な懸賞とか、あるいは景品ですね、あるいは誇大広告というようなものが一体やられているのかどうなのかということについて、公取は過去いろいろな御調査をなさったことがあるかどうか。これだけ伺います。
○政府委員(北島武雄君) お答え申し上げます。 まず、第一点の、明治商事及び森永商事の粉ミルクの再販売価格維持行為についての監督に対しましての問題でございます。昨年の幕れ、独占禁止法違反ということで、公正取引委員会で排除の勧告をいたしましたところ、これに対して応諾しなかったので審判開始決定いたしまして、近く審判の開始がある予定でございます。 それから、不況カルテルー——綿紡についてお話がございましたが、これは私どものほうは、認可の申請がありましてからそこで検討する段階でございまして、まだ私のほうでただいまいろいろ申し上げる段階ではございません。 それから、テレビ、ラジオなどの過大な懸賞、あるいは誇大な広告でございますが、非常に目に余る過大な懸賞がございますけれども、不当景品類及び不当表示防止法では、取引に付随した懸賞でないとぐあいが悪いのでございまして、そのものを買った者に対してくじでもって過大な懸賞をやるという、こういうことが取り締まりになりまして、ただ一般的に聴視者に対して懸賞募集してやる場合には、これは実は規制の対象になっておりません。それから、もちろん誇大な広告でございますと、これは不当表示のほうでもって取り締まることができるわけであります。
○鈴木強君 いや、それをやったかどうかということです、いままで。
○政府委員(北島武雄君) 誇大広告の取り締まりにつきましては、公正取引委員会におきましても非常に力を入れておりまして、特に宅地建物の取引、不動産屋の誇大広告につきましては、三十七年法制定以来、極力力を入れております。ただいままでに正式に排除命令いたしましたのが、たしか四十件ございます。そのほか、厳重に文書でもって注意いたしまして不当行為を排除いたしましたのが、百数十件でございます。
○国務大臣(三木武夫君) 不況カルテルが価格のつり上げになっていないかという御質問でございます。御承知のように、不況カルテルを組成する要件は、きわめてきびしい要件があるわけであります。生産費を割るような状態が起こって、そしてそれをそのまま放置をすれば企業が大部分やっていけないような、そういう緊急な事態に不況カルテル組成を認めてあるわけでありますから、そのことが価格のつり上げというような、そういうところまでいってないわけであります。非常なやはり日本経済としての健全な発展のために、もう必要やむを得ない場合に、だけこれを許すわけでありますから、いま御指摘のような価格のつり上げというような、そういうものであれば許すわけはないのでありますから、私はそういう開運においての弊害はないと考えております。 また、御指摘の日清紡その他のいわゆる紡績に対する不況カルテルの問題でありますが、これはまだ業界内部においてもいろいろと話し合いをしておるようでありまして、やはり自主的に全部が不況カルテルを継続したいと、こういうことがなければ不況カルテルは成立しないのであります。そういうことが三月の末に切れるわけでありますから、まず、いま業界自体でいろいろ用談している段階でございます。むろん不況カルテルは漫然とこれを延ばすということではいけないわけであります。非常にこの緊急な事態に対処するわけでありますから、市況が正常な状態に返れば、これは早くやめるべき性質のものであります。他の期限の切れる不況カルテルは、そういう申請業界の自主的ないろいろな情勢、それを行って判断をしたいと思います。
○鈴木強君 どうも時間がないので、運賃のほうがありますから、外交問題について、私は残念ですけれども、はしょりたいと思います。ただ、一つだけ、三月の二十二日に南ベトナムのグエン・カオ・キ首相が日本の招きで来日されるということがございます。これは現存の日本がベトナム和平交渉のイニシアチブをとるようなかっこうで、横山特派大使も出かけておるようですね。そういう段階で、どうも感情として時期的に私はどうもまずいように思うのです。どうしてもこれが二十二日の日にお呼びしなければならぬという理由はどこにあるのですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) これは、そもそも話の起こりが、先般グエンカ・オ・キ首相が韓国に要務を帯びて訪問をされたときに、日本をその途次に訪れたいという意向を示しておりまして、ちょうど昨年の十一月のことでございました。いろいろ日韓の問題に関連して、ベトナム問題について各方面の批判、あるいは質問等があったわけでありますが、かえってよけいな推測をさせる根拠を与えるということはどうかと思っておりましたところが、向こうのほうからは、今回はもう少し延ばしたいというような話がありまして、このことは実現しないで終わったのであります。その話の続きと申しますか、いずれ日本を訪れて、総理に敬意を表したいという気があったのでございます。それが、いま新聞等で伝えられておるように、これはまだきまったわけじゃございません。別に、特別、グエン・カオ・キ首相と日本の政府とが話し合わなければならぬという用件はございません。主として表敬だろうと考えております。まだきまったわけではございません。その実現性は、まあ、あるともないとも、いま申し上げる段階ではございません。おそらくないと思います。
○鈴木強君 おそらく来ないだろうということですから、もう私はこれ以上質問をいたしません。非常に時期的に悪いと思いましたから伺ったのです。 それから、総理がこの前沖繩に行かれましたときに、テレビが宮古、八重山両諸島には見えないというので約束されてきたわけですね。テレビ貯金までやって向こうの人たちは待ちわびている。これは一体、もっと早く私はしてもらいたかったんですが、どうなっているんでしょうか。
○国務大臣(安井謙君) 昨年八月、総理が沖繩に行かれましたときに、先島にテレビの施設を設置するという約束をされました。それ以来、鋭意準備は進めております。来年度の予算にも、もう一部を計上いたしまして……。
○鈴木強君 幾らですか。
○国務大臣(安井謙君) 金額の計上は二億一千万円でございますが、来年度じゆうにも手配の三分の二ぐらいはできる。いわゆる債務負担行為ということでやりまして、少なくとも、来年六月ぐらいから試験放送もでき、来年いっぱいぐらいには実現をするという運びで進めております。
○鈴木強君 これは、沖繩の二つの民間テレビ会社のどちらかにやってもらうことになるのですか。それとも、琉球政府の特別な経営でやるのですか。
○国務大臣(安井謙君) いま、沖繩の放送につきましては、やはり沖繩籍を持っておる法人にやらせるというたてまえに沖繩自身の政府の法律がなっておりますので、まあやはり、沖繩政府がいろいろ今後経営のやり方を検討してきめることであろうと思います。日本から支社のようなものを設けて、直接経営をやるというようなことは、これは困難だろうと思います。
○鈴木強君 これはまた、私は別途、逓信委員会等で詳細に伺いたいと思います。 そこで、先だっての琉球立法院が満場一致できめた日本への参政権の問題、これは四度目なんですがね。それともう一つは、特別委員会の設置の問題について、これは、総理、どうでしょう、そういった立法院の趣旨に沿って、国会の中に設けるようなことを、総裁として率直にこの際考えていただけませんか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの特別委員会というのは、日本の国会内にと、こういうお尋ねだろうと思います。これはまあ、いろいろ各党の間で協議をしておると思いますが、私自身は、ただいま沖繩の問題は、それぞれの委員会で、それそれ審議されておりますので、特別な委員会を設ける必要はないんではないだろうか、かように私は思っておりますが、なお十分各党の御意見を聞きまして、その上で最終的な、どうするかの決定を見たいと思います。
○鈴木強君 それから自治大臣に伺いたいんですが、お話によりますと、地方公務員に対する定年制を実施しようということで、地方公務員法の改正を今国会に提出しようというような動きがあるようですが、これはどうなっておりますか。
○国務大臣(永山忠則君) 地方公務員の中には、その年齢構成が極端に老齢化いたしまして、人事の停滞に悩んでおるものが相当多数存在しておりますし、全国市長会、全国町村会等、地方自治団体からも定年制の実施について多年にわたって強い要望がきれておりますので、定年制を必要とする地方団体に定年制を設ける道を開くために、地方公務員法の改正を現在検討中でございます。その内容は、地方団体に定年制の採用を一律に強制するものではございませんで、地方公共団体が条例によって自主的に定めるたてまえをつくりたいと考えておるのでございます。定年制は、新陳代謝の促進、長期計画的な視野に立った昇進、採用管理の実施等、人事管理の必要に応ずるものでありまして、これをいま検討をいたしておるのでございます。
○鈴木強君 これは、時間がありませんから、きょうは具体的な内容についての論議は私は避けますが、とにかく、国家公務員の問題とか、あるいは公共企業体の関係の職員の問題とか、日本の平均寿命の問題とか、あるいは老後の保障の問題とか、いろいろ問題はあると思います。私は、いきなり法律によって、こういう定年制を自治省が考えるというところが、どうしても納得ができない。したがって、ILO八十七号条約等も批准をされて、いませっかく制度審議会の中で公務員の労働甚六権の問題についても論議されておるときですから、そういう段階において、こういう地方財政の逼迫のしわ寄せというものを一部の高年齢層の方々に押しつけるような考え方の上に立って出てくるのが、私はいけないと思うのです。ですから、もう少し、労働組合もあるわけですし、話し合いをして、慎重にやりませんといけないので、私は、今期国会への提案は見合わせてもらいたいと思う。そういう強い意見を持っておりますから、その点をひとつ大臣は肝に銘じておいていただきたい。
○国務大臣(永山忠則君) 地方団体には、五十六歳以上の者の占める率が、一〇%以上のものが四百四十五団体、さらに一五%から二〇%占めるものが九十七団体、さらに二〇%以上占めるものが二十四団体、合わせて五百六十六団体等もございまして、地方自治体の要望にこたえるために鋭意検討を続けて、今国会に提案いたしたいと考えておる次第でございます。いま内部で調整をいたしておるところでございます。
○鈴木強君 これは総理大臣、もう少し……。いまピンぼけな答弁しておるのです。質問の趣旨と合わないのだが、さつき申し上げたようないろんな客観情勢というのが、まだないんですね。整理されていないんですよ。そういう段階で地方公務員だけにやるということは、やっぱりまずいと思いますから、総体的に、やはり国の問題、あるいは民間の問題、いろいろ総合的な立場に立って検討してもらわなければならないので、これからの調整があると思いますから、そういう点をよく肝に銘じておいていただきたい。私は、いまは時期じゃないと思うのですよ。もう少し慎重を期すべき問題だ、こう思いますから、その点、総理も含んでおいてもらいたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) 政府部内におきましては、ただいま言われるような点も十分調査して、そうして成案を得る、こういうことでただいま急いでおると思います。そうして提案されて国会に持ち込まれる際には、十分御審議をいただきたいと思います。
○鈴木強君 それは、審議してくれと言ったって、なかなかいま、そういうことを、われわれは、よろしゅうございますと言えませんよ。むしろ、出さないほうがいいですよ。いま出すとたいへんだから、もう少しいろんな問題を整理してから出してくださいと言っているんだから、御趣旨を体して検討します、こう言えばいいわけです。こういうことを私は要望しておるのです。もう少し含みを持たせて……。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま御指摘になりましたような点も、十分政府部内におきましても検討しておる最中でございます。ただいまの御要望は御要望として伺っておきますが、政府の意思が決定いたしまして、もし御要望に沿えないというような事態ができても、どうか御審議をいただきたいということを申し上げたのであります。
○鈴木強君 そうはいきません。だから、出さないようにということを、私は特にここでまた強く要請しておきます。時間がないから……。 宮内庁長官、長く待たせましたが、新宮殿の建設工事にからんで、あなたは、新宮殿が完成したときに皇室の古いしきたりというのはこの際直して、再検討したい、で日本の象徴にふさわしい新しい皇室づくりの内規を新設したい、同時に、皇室と国民との間をもう少し密接に接触できるようにしたい、こういう御所信を持っておられるように聞いておりますが、この際ひとつお聞きしたいと思います。
○説明員(宇佐美毅君) ただいまの御質問は、新聞でごらんになったのであろうと推測いたしますが……。
○鈴木強君 そうです。
○説明員(宇佐美毅君) 昨年の暮れに、記者クラブの人たちと会いまして、いろいろ質問があって答えておったわけでございますが、それを、ある新聞が、非常にいろいろな材料を集めまして、たいへんな大方針を立てるがごとく第一面に書かれました。私は、そういう大きな大上段で言った覚えもないのでございます。そのことは、ほかの新聞には、ほとんど記事にならなかったということからも御想像いただけると思いますが、そういう経過は一応別といたしまして、新宮殿ができました暁に、いろいろな制度を考えなければならないというようなことは、私は、国民と皇室との関係をいよいよ深くいたしますとか、あるいは国民のために、あるいは国家のために皇室の行なわれます言動というような問題につきましても、法制的にも、いろいろな面でも、なお検討を要することはあろうと思います。しかし、それは新宮殿というような契機を待たずに、私は、大政策を掲げるということでなく、日常の間にそういうものが自然に進んでいくべきもの、だと考えております。ただ、新宮殿につきましては、いまの仮宮殿とはいろいろ態様も違いますので、いろいろなやり方も変わってくる、だろうと思います。そういう点はもちろん影響があろうかと思いますが、平素において、いろいろの行事でございますとか、接触のしかた、いろいろな面について検討すべきものがあろうと考えておるわけでございます。新聞に出ました中に、いろいろ警備の問題、これは警察庁の問題でございますが、その他、お供ぞろえの問題であるとか、いろいろな問題については、それぞれやはり、ああいうような趣旨で考える点もあろうと思います。これらは、社会情勢、いろいろな一般の人たちの受け取り方、そういうものともよく見合っていたさ・なければならないと思っておるのでございまして、それは不断の努力としていたすべきものと考えておるわけでございます。
○鈴木強君 多くの時間は費やしませんが、私は新聞の記事を見まして、なかなか宮内庁も進歩的な考え方を持ってきたと、こう思っておったのですが、むしろ、われわれがずっと見ておりますと、天皇と国民の間を離反するようないろいろなことを考えるのは宮内庁で、——言い過ぎかもしれませんが、こういう感じを持っておりました。ですから、その燕を反省されて、もっと愛される天皇ですね。という気持ちの中に置かれるような——天皇のほんとうの気持ちは、国民ともっと密接にありたいということですね。接触したいというお気持ちだと思うのです。ですから、そういう点もくんでやったのだと思ったのですが、聞いてみると、どうも小手先だけのようにとれるから、ちょっと私はがっかりしたのですが、もっとそういう点、十分国民の気持ちを体してやっていただきたいということを要望しておきます。
○委員長(石原幹市郎君) 答弁、要りますか。
○鈴木強君 ええ。どうですか。
○説明員(宇佐美毅君) ただいま御指摘がありましたことにつきましては、私どもといたしましても、平素もっと反省し、心得べきことがたくさんあると思います。御趣旨にのっとりまして、先ほど申し上げましたとおりに、毎日毎日のことを、私どもはその気持ちで進みたいと思います。抽象的議論でなく、具体的に一つ一つ解決したいと思います。
○鈴木強君 運輸大臣に、これから国鉄関係について尋ねするのですが、その前にひとつ、全日空の遺体捜索の問題で伺っておきたいのですが、まだ二十四遺体、が見つからないわけであります。遺族の方のお気持ちはさぞかしと私も思うのでありますが、それと関連をして、いま、事故原因の究明をなされております。しかし、私がここで指摘しなければならないのは、この前四十年度の第二次補正の際に、運輸省関係の予算の中で、政府の既定経費三百三十億節減というのに呼応しまして、運輸省関係では、航空機の検査機器購入費というものを五十九万三千円、それから航空保安施設、飛行検査庁費、これが四百九十六万八千円、それから航空官署の点で、空港照明施設維持費が千四百七万一千円、それから航空路照明施設維持費が二十二万円、いずれもこれは削減されておるわけですね。私は、あの事故のあと、航空管制官の方ですか、新聞に投書を出しておるのを拝見しましたが、その中に、地上の管制上の機器その他における設備の不十分さ、それから職場環境の問題に関連して、勤務の問題だとか、あるいは要員の問題だとか、あるいは特に非常に機能のすぐれた飛行機が入ってまいりますと、その飛行機が一体どういう性能を持っておるかというところまで、その管制官が知っておらないと、十分な管制ができないそうであります。そういった点について、施策が欠けておるという投書を私は見ました。それと関連をして、こういう、事もあろうに、総理の言う、安全保安が先決だという、炭鉱事業に対する、石炭産業に対する御方針もあるわけでありまして−私は、既定経費を節減したりするということは、できるだけ節約すること、賛成であります。しかしながら、事もあろうに、こういう保安関係の金まで削るということは、これは私は納得できない。こういう点は、厚生省にも通産省にもまだある。一体、こういうことが直接間接の原因になっておると私は思うのだが、金を減らすときにも、もう少し考えてやらないといけないと私は思います。事故原因等については、またいずれ、技術調査団等も設けられてやっておるようでありますから、その結果を待って私は聞きたいと思いますが、こういったことは考慮してもらいたいと私は思います。 それから、最後のお一人まで遺体を捜索する、こういうことを大臣もおっしゃっておりますが、ひとつ私も、この委員会において、あらためて遺族にもかわり、国民にもかわって、最後までその点はやっていただきたい。こういう強いお願いをしておきたいんですが、御所見を伺いたい。
○国務大臣(中村寅太君) 最初申し出のございました航空機の保安施設あるいは検査機器等の予算が少し減らされたといいますのは、これは、予算の収入減によりまして、各省一〇%の軽減の際にとられた措置でございます。しかし、航空上安全を確保するためには、いろいろ緊急度の薄いやつを翌年度に繰り入れる等いたしまして、安全を確保するという点においては十分の配慮をしてやっておるわけでございます。 それから、後段に申し述べられました遺体の引き揚げ等につきましては、私が再々申し上げておりますように、一人の収容残りもないように万全を尽くしたいと考えておるわけでございますが、現在までに引き揚げておりますのが百九体でございまして、あと二十数体残っておるような実情でございますが、今後とも全機能を発揮して万全の措置を進めてまいりたいと思います。
○鈴木強君 次に、国鉄の四十年度の予算を拝見しますと、損益勘定で料金収入が六千九百三十一億円ときまっております。ところが、当初、大蔵省に国鉄が要求した六千七百五十八億円から見ると、百七十三億円の増額査定がされている。経済の見通しの上に立って国鉄が検討いたしまして、国鉄、運輸大臣を経由し、大蔵大臣と協議をしたと思いますが、これはどうして——大蔵省の意見でこうなったと思うのですが、百七十三億円の増額査定をしたのか。そうして逆に今度は収入が減って、四百五十三億円の補正をしなければならぬというような、ばかげたことは納得できないのですが、それはどういうわけですか。いきさつをお伺いしたい。
○国務大臣(福田赳夫君) 各省が出してきまする概算の御要求と、最後的にきまるものとにつきましては、相当の開きがある場合が多いのでございます。それは、国鉄につきましても、あるいは電電公社につきましても、例外ではないのでありまして、それは結局、経済の見通し、それに伴いまして運賃収入が一体どうなるか、こういうような見方の問題に基づく場合が多いわけであります。まあ大蔵省、政府側は、企画庁とも相談いたしまして、経済の見通しを論議をしてずっとやってくるわけでありまするが、国鉄に比べれば、そういう資料が的確で、またかつ多いわけであります。そういうことで、国鉄が、まあ国鉄の見方から大体想像した数字と、政府の諸計画に基づくところから見た数字とが、やや違ってくるということは、これはもう往々、というか、もう毎年のようにあるわけでありまして、そういうことかと思います。
○鈴木強君 四百五十三億円の収入減の内訳はどうなっているのですか。
○国務大臣(中村寅太君) 四百五十三億円の減収の内訳は、新幹線の関係で百七十三億円でございます。これは、新幹線を開業しました当初、路盤等をさらに技術的に検討しなければならぬ必要が生じました関係、当初の運行計画が実施できなかったことによる収入減でございます。それから貨物等の運賃収入が二百一億円でございまして、これは、景気の停滞に基づく輸送の鈍化あるいは輸送量の減少等によりまして二百一億円でございます。それから一般旅客の減収が七十九億、合計四百五十三億円でございます。
○鈴木強君 国鉄総裁、いらしていると思いますが、閣議の了解、経済閣僚懇談会の決定による国鉄の新長期七カ年計画、第三次七カ年計画と申しますか、これを拝見しますと、計画その他について詳細に述べられておりますが、問題は、資金調達の計画というものがこの中にないわけであります。財源をどうしてするかという点ですね。これがちょっと見当たらないので、どこかにあるならば教えてもらいたいし、四十年一月二十二日の閣議においては、国鉄の財源等については、資金の確保に努力をするという点だけ書いてあるのですね。これは一体、どういうふうに、二兆何ぼという金を調達しようとしているのでございましょうか。
○説明員(石田禮助君) お答えいたします。 国鉄七カ年計画の資金の問題でございますが、そのうちの、この通勤、通学の約五千二百億、それから輸送安全装置に関するもの五千億以上、合計して一兆以上になるのでありますが、これは、金はかかるが収入はそれに沿うておらぬ。したがって、緯線における輸送力増強と違って、金利のかかる金をもってしては、とてもこれは、もう国鉄は借金の重圧によって、にっちもさっちもいかない。どうしたって、これは自己資金をもってやらねばならぬ。そこで結局、運賃の値上げ——私は運賃の是正と申しておりますが、それによって大部分をまかなう。さらに同時に、国鉄というものは、御承知のとおり、政府の政策のために公共負担というものをやっております。四十年においては約九百億にのぼる、三十二年から三十九年までは五千二百六十億にのぼるのであります。だからして、運賃の是正とともに、公共負担の是正もひとつやってもらわねばならぬ。その一環として、通勤問題について割引率を改定する。ただ、この公共負担の問題につきましては、歴史的のものであり、ずいぶん古くからやっておるのでありまして、今日一ぺんに、一網打尽にこれを是正するということはできない。だから、まずひとつ、お手やわらかにやらにやならぬ。こういうことで、運賃の是正とともに公共負担の是正をいたしまして、それによって、四十一年度に千六百三十億円の収入増をはかっていこうと、こういう……
○鈴木強君 自己資金、何ぼですか。
○説明員(石田禮助君) 千六百五十億です。ということで、今度の計画を組んだのでありまして、残りのものは、これはどっちかというと、幹線の増強と輸送力増強というものに対しては、これは借金をもってしても十分ペイいたしますので、これは借金をもってやる。こういう気持ちで今度の七カ年計画を立てておる次第であります。
○鈴木強君 いま、総裁の御説明で、ちょっとわからないのですけれども、四十年から四十六年まで二兆九千七百億という設備投資の計画はわかりましたが、これをどう調達するかということについての詳細な計画はありますかということを聞いたわけです。その際、自己資金が幾ら、外部資金はどういうふうにするかということを承りたかったのです。
○説明員(石田禮助君) 七カ年全体でいきますというと、もしも運賃の値上げ、公共負担の是正をしないということになりますると、現在、四十年度の末における国鉄の負債というものは、約一兆一千億円になるのでありまするが、それが四兆円になる。それを、できるだけ自己資金を作成することによって借金の重圧を防ぐということで、四十六年の末におきましては、国鉄の借金というものは約三兆円、こういうようなことになるのであります。
○委員長(石原幹市郎君) 鈴木さん、あなたの時間は、大体……。
○鈴木強君 これ、時間が来ましたから、私はここで質問できませんので、たいへん恐縮ですけれども、もし資金計画がきまっておりましたら、資料で七カ年間の見込みを出していただきたいと思います。自己資金と外部資金とを分けて。お願いします。
○委員長(石原幹市郎君) 鈴木君の質疑は終了いたしました。 午後一時四十五分再開することとし、これにて休憩いたします。 午後零時四十九分休憩 —————・————— 午後二時一分開会
○委員長(石原幹市郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 先刻、亀田得治君が辞任され、その補欠として瀬谷英行君が選任されました。 —————————————
○委員長(石原幹市郎君) 午前に引き続き、昭和四十年度政府関係機関補正予算(機第3条)を議題とし質疑を行ないます。日高広為君。
○日高広為君 最初に佐藤総理にお伺いをいたしたいと思います。 二、三日前の新聞によりますと、ベトナムを視察いたしました米下院議員団の使節団が報告書を出しておりますが、これによりますと、十七日、米下院議員使節団の報告書が公表されておりますが、その内容におきまして、日米間には特にベトナム政策をめぐって幾つかの重大な意見の相違があると指摘いたしまして、さらに次のように述べております。日本政府はアメリカのベトナム政策を公式には支持しているが、日本の新聞はほとんどが批判している。その結果、ベトナムでのアメリカの努力に対する日本国民の支持を高めることはほとんどできずにいる。日本国民の間には一般に平和主義の気持ちがあり、戦争が大幅に拡大して日本が巻き込まれる危険を国民の多数が懸念している。こうした態度は、バランスを失った不正確な新聞報道や、野党の事実歪曲で裏書きされている。ベトナムでのアメリカの目的、アメリカが平和交渉を望んでいること、ベトナム問題が日本自身の運命とも関係していること、ベトコンの残虐なテロ行為、南ベトナムでの戦いに対するハノイの指令などについて、日本国民は一般に認識が足らない。このような報道が出ておるわけであります。これに対しまして、もしこのような報告が外務省あたりにでも入手されておるのか。さらにまた、そうであるといたしますれば、これに対する佐藤総理の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) ベトナムに対する米国の下院調査団の報告のテキストは、私まだ読んでおりません。外務大臣からこれにつきまして何かお答えができるようにしたい、答えさしたいと思います。
○国務大臣(椎名悦三郎君) ザブロッキー議員は米国下院外交委員会の極東小委員会の委員長でございまして、昨年の十一月、他の委員会メンバー七名とともに、日本を含むアジア諸国、すなわち、フィリピン、台湾、韓国、香港、タイ、南ベトナム、インド、パキスタン、こういう国々を歴訪して現地視察を行なったのであります。日本には十一月の十一日から十六日まで潜在いたしまして、この間、日本の国会議員有志の方々とも会談をいたしました。その後、沖繩を訪問しております。で、ザブロッキー議員の報告は、まだ全文についてこれは承知しておりません。これは国会に対する報告でございまして、必ずしも一般に配布あるいは周知させるというような方法がとられないかもしれません。これは結局、日本外交政策を批判するという性質のものでもなく、また、アメリカの対日政策というものに対して勧告を行なうというような性質のものでもない。ただ同氏の一行が以上申し上げた国々を訪問して見聞した実情についての視察をそのまま述べておるというものにほかならないように考えられますので、日本政府としては、特に見解をこれに対して表明するというようなことは差し控えるべきであると、こう考えておる次第でございますが、しかし、いま御指摘になりましたアメリカのベトナム政策に対して日本の国民は支持をしないというような点、その原因としていろいろな諸点を述べておられますけれども、そういったような事柄に関しましては、日本政府としては、必ずしも同調あるいはこれに同意する、同意見であるというようなことはかなり少ないように考えますし、これ以上の批判は差し控えたいと思っております。
○日高広為君 この報道によりますと、日本世論というものが認識不足であるというようなことが言われておるようでありますので、この点につきましては、今後さらにまた、外務省当局におかれましても、よく認識できるようなPRその他活動をするようにお願いいたしたいと思います。 次に、先般不祥の事故が出まして、御承知のように、全日空が前代未聞の事故を起こしたわけでございますが、これに対しまして、現段階におきまして原因の真相というものがどの程度追及されておるか。調査委員会ができましてすでに活動を開始しておるようでございますので、その現段階における真相の状況、並びに遺体を今後とも全部収容するまでこれの捜索を続けられるのかどうか。この点につきましてお伺いをいたしたいと思います。運輸大臣……。
○国務大臣(中村寅太君) 全日空は御承知のように、今日まで遺体の収容を第一義的に考えて四日以後努力を続けておったのでございますが、大体約百体ぐらいまで引き上げましたときに、その後、遺体の収容がなかなか伸びませんので、応機材の下等に遺体があるような懸念もございましたので、機材を一応引き上げてしまって、そのあと、底びきで全体あの一帯をさがしておるのでございますが、今日まで百九体あがりまして、あと二十四休が残っております。引き続いて底びきや全面的に使いまして、あの一帯全体、底からさがしておりますけれども、まだあとがなかなか収容が伸びない状態でございます。しかし、引き続いて最後の一体まで残さないように全力をあげておる実情でございます。
○日高広為君 原因の真相……。
○国務大臣(中村寅太君) 技術調査団が現在これに当たりまして、機材を引き上げていろいろ調査をしておるのでございますが、現段階では、まだ明らかな事故原因が発表できる段階になっておりませんようでありますが、さらに続けて、あらゆる技術を動員して検討しておる途中でございます。
○日高広為君 今回提出せられました補正予算(機第3号)につきましてお伺いをいたします。 国鉄は四十年度に四百五十三億円の減収がございまして、運賃値上げを行なっても、なおかつ二百六十二億円の運賃収入の不足となるということでありますが、国鉄は三十九年度にも三百億円の赤字を出しておるようであります。このような毎年連続的に赤字を出しておりますという理由につきまして、この際、明確に御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(中村寅太君) 政府委員から詳細に答えさせます。
○政府委員(堀武夫君) 三十九年度と三十八年度とを比較してみますと、どのように変化があるかということを申しますと、収入が全体として三百八億しかふえないのに対しまして、経費が千百八十二億ふえております。これが三十八年度が五百七十四億黒字であったのが、三十九年度に三百億赤字になった一番大きな原因であります。それで、経費のうちでどういうものがふえたかということを見ますと、人件費が約一九%、それから修繕費が二五%ふえております。減価償却費が三六%、それから利子及債務取扱諸費というものとが五三%もはね上がっております。こういうような、いま申しましたように、利子、いわゆる資本コストと申しますか、そういうものと人件費、それから修繕費、こういうものがふえた、非常に激増したということが、一番大きな最近の赤字の原因であります。
○日高広為君 次にお伺いいたしますけれども、国鉄の運賃の引き上げは、物価対策の見地から非常に大きな問題となっているということは言うまでもないことでございますが、政府は物価対策に対しまして真剣に取り組んで、当面の物価対策といたしまして、野菜とか鮮魚、食肉などの生鮮食料品対策を立てるとか、あるいは流通機構を改善するなどの諸対策をとっておるわけでありますが、一方では、米価とか鉄道運賃その他の公共料金を引き上げるというように、一見矛盾したようなやり方をやっているように見受けられるのであります。このため、政府には物価対策がないとか、あるいは四十一年度は物価対策不在の年であるとか、いろいろ非難の声があるようであります。しかしながら、これは政府の公共料金に対する考え方なり政策なりが十分理解されていないために、あたかも政府に一貫した物価対策がないかのような誤解を招いているのではないかと思うわけであります。政府はこの際、どうしても是正を必要とする公共料金の範囲を明らかにいたしまして、そうして、これだけをやれば今後当分の間は公共料金の引き上げはやらないとかいうようなことを言明されれば、次から次へと際限もなく公共料金が引き上げられるとの不安が一掃されるのではないかと思うわけであります。この際、公共料金に対する政府の態度、方針を明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 公共料金には、国が直接関与しておりますものと、御承知のとおり地方公共団体が経営しておりますもの、それから私立のもの、こういう三つがあると考えていただきたいと思います。で、政府のものにつきましては、先ほども御答弁申し上げましたように、当面の問題としては、本年はこれ以上引き上げないということでございまして、郵便料金を終わりにして引き上げるということでございます。他の地方公共団体のものにつきましては、今日、名都市におきます公営事業につきまして、それぞれ過去の経理上の問題からいたしまして、これを解消するという立場に立って、それぞれ値上げを検討してもらいたいというような、ある申請等が出るような段階になっておるものもございます。これらの問題につきましては、その経理内容の実情と、そうして、それをいかなる時期にやるのが適当であるか、かりに値上げを許すとすれば、いかなる時期にやるべきかということを考えてまいらなければなりませんし、また、その経理内容のいかんによっては、当分の間自粛してもらう、そうして経営の合理化によって進めていく、こういう考えでございます。私立の公共事業についても、同じような考え方を持っておるのでございます。
○国務大臣(中村寅太君) ただいま御質問の中の国鉄の問題でございますが、国鉄運賃の値上げに際しましても、国民の生活に非常に密接な関係を有する品物とか、あるいは、たとえて申しますと、農業生産物の中の生鮮食料品等の値上げにつきましては、特別の考慮をいたしまして、上がっていきます率をできるだけ押える措置をとって、一般の生活に影響をできるだけ与えないようにという配慮をいたしておる次第でございます。
○日高広為君 先ほど運輸審議会におきまして答申されました内容そのままを今回の改定案として出されておるのか、それが第一点。 それから私鉄の運賃値上げがすでに実施されておりますが、これらによりまして、どれくらいの大体増収が運賃として見込まれるのか。 さらにまた、第三点といたしましては、今回の国鉄、私鉄の運賃値上げの問題に関連いたしまして、家計費に対しましてどれくらいのはね返りがあるのかどうか。物価との関係がございますので、この点、両大臣から御指摘いただきたいと思います。
○国務大臣(中村寅太君) 今回の運賃改定にあたりましては、運輸審議会の答申を尊重してきめております。 それから私鉄関係の値上げによりまして国民の負担増になります金額は、およそ三百億と踏んでおるところでございます。物価に与える影響は、経済企画庁長官からお答えいたします。
○国務大臣(藤山愛一郎君) CPIに対しまして米価は〇・七、国鉄、が〇・三、私鉄が〇・〇七、郵便が〇・〇六と、大体こういうCPIに対する影響でございます。なお、家計費に対しては、国鉄の場合におきまして〇・五ぐらいな、若干CPIより高いようなものになろうかと思います。
○日高広為君 次に、運賃改正の内容につきましてお尋ね申し上げます。 国鉄は、国民に輸送サービスを提供することが最大の任務でありますが、ことに今度は、その輸送サービスの改善のためとはいえ、運賃の値上げをやるということでありますから、運賃の値上げと同時に、運賃制度とか、あるいは運賃体系とかにつきましても、これを十分に合理化することによって、国民によりよきサービスの提供ができるということでなければならないと思うのであります。こういう立場から考えますと、今度の改正で、三十二年度以来ずっと行なわれてまいりました農林水産物や鉱産物に対するいわゆる暫定割引、この制度を廃止する意思があるのかどうか、これはそのようになっているのかどうか、もしそういうことになっておりますといたしますれば、今後廃止することによってどのような方法を検討するのか。さらにまた、国民生活に悪影響を及ぼすおそれがないかどうか、これにつきましてお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(中村寅太君) 今回の運賃改定につきまして、農産物その他の特別措置につきましては、今回は改正をしておりません。やはり特別の配慮をしています。将来も、いまのところこれを改定するということを現時点では考えておりません。
○日高広為君 本問題につきましては、現時点では考えておらないということでございますので、了解いたしますが、次に旅客運賃の問題でございますけれども、これにつきまして若干お伺いいたしたいと思います。 今回の改正で、普通旅客運賃については、遠距離逓減制を、これを廃止いたしまして、距離比例制に近づけておるようであります。さらにまた、定期運賃の割引率を引き下げたりするようでありますが、急激な負担増加を来たさないかどうか、それらの事情を御説明お願いいたしたいと思います。
○国務大臣(中村寅太君) 運賃法は、遠距離逓減制を距離比例制に変えていくというのが、大体世界各国の情勢等を見ましてもそうなっているのでありますが、これを一気に改定しますと、非常に遠距離の方に多くの負担をかけるようなことになりますので、今回は、いままで第一地帯三百キロまででございましたが、四百キロまで延長いたしまして、従前は三百キロまで二円七十五銭でありましたのを三円六十五銭に引き上げると、三百キロ以上いままで一円三十五銭でございましたのを一円八十銭に上げるという措置をとったのであります。さらに、このために今回は、御承知のように、遠距離逓減制を修正の形で改定いたしたのでありますが、遠距離の方に負担増になる傾向がございますので、往復運賃の割引制度を強化いたしまして、その点遠距離の人の運賃が急激に上がらないような配慮をいたしておる次第でございます。
○日高広為君 次にお伺いいたしたいことは、大都市の通勤乗車は、今後ますますその距離が延びてくるだろうと思うわけであります。かなりの距離を通勤しなければならないということが、都市膨脹に伴いまして——これは宅地政策の見地から考えますと、非常に分散してもらうことはけっこうでありますが、一種の公害だといわれるわけであります。こういう場合に、通勤定期の割引率が相当に高いのも、社会政策的な意味を含んでいると思われるわけであります。その意味で、割引率の引き下げと基本運賃の引き上げで、今回平均六八%というような通勤定期の値上げ福は大き過ぎるというような見方があるようでございますが、これに対しましての御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(中村寅太君) 通勤、通学に対しましては、いままで相当高額の割引をやってまいったのでございますが、御承知のように、最近における交通逼迫の情勢から、都市の中の通勤通学が、ラッシュ特等はほんとうに危険を感ずるほどの状態まで逼迫いたしておりますので、こういうのを改正いたしてまいりますためには、やはり利用者にもある程度の負担をしていただかなければならぬ、こういう事情でございますので、通勤通学——通学は今回は割引率は扱っておりませんのでございますが、通勤に対しましては多少の負担をしていただくことになっております。まあ通勤も、これもあまり上げないほうがいいことは承知いたしておりますけれども、諸般の事情から、ある程度値上げさせていただかなければならぬということでございます。これは多少は雇用者が負担するというようなことにもなっていること等を勘案いたしまして、少し負担率をふやしている次第でございます。
○日高広為君 ただいま通学の問題につきましては上げておらないということでございますが、通学の定期は非常に高い割引率になっておりまして、これは合同もそのままということでありますから、今回据え置かれることになっておりますけれども、同じ年ごろでございますところの勤労青年——同じ年配の方がいらっしゃるわけです。その場合について同様な優遇措置を講じたらどうかというような主張についてはどういうふうにお考えになっているか、これが第一点。 第二点は、無料パスの制限と顔パスの取り締まりについてでありますが、大体大手私鉄が調査したところによりますと、無料パスと顔パスとで、平日でも乗客の五%にのぼるという結果が出ているようでございます。もしこれが真相であるというならば、三十九年度の国鉄の旅客収入は三千三百億円であるから百六十五億円、大手私鉄の十四社の旅客収入が千百億円で、五十五億円以上の運賃がただになっているという計算になるわけであります。無料パスはどの範囲に出されているのか、その範囲の制限をするつもりはないのか、あるいは交通労働者の相互間の顔パスについてはどのように指導をしていかれるのか、厳重に取り締まるべきではなかろうかと思いますが、これに対しまして御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(中村寅太君) 最初に勤労青少年に対する特別措置でございますが、これは仰せられますように、一般学生には特別割引制度がございますし、勤労青少年にはそれがございませんので、これに対して割引を考慮するということは適正な主張であると思いまして、目下その方向で検討中でございます。 それから、顔パスあるいは無料パス等につきましては、これを合理化するように強く指導をいたしておりますが、地方私鉄あるいは国鉄等の間における全面的な通勤——身分証明書等によっての便宜をはかり合っておったという慣習に対しましては、これを至急廃止するような方向で強く指導をいたしておる次第でございます。
○日高広為君 無料パスの範囲。
○国務大臣(中村寅太君) 政府委員から詳しくお答えいたします。
○政府委員(堀武夫君) 無料パスがどれくらい出ているか、非常にたいした数でもないと思いますが、できるだけ減らしていくように指導してまいりたいと思います。
○日高広為君 どのくらいか聞いてる。
○政府委員(堀武夫君) 国鉄から答えていただくことにいたします。
○説明員(遠藤鉄二君) 無料パスの件は、非常に長いこと社会的に問題になりましておったわけでありますが、そのうちの数量的からいいますと家族のパスが大部分でございまして、これは数年前に全廃をいたしましたけれども、ただいま割引の切符を発行するようにいたしております。それから職員のパスは、これは世界的にどこの国でも出ておるわけでございまして、今後もこれを廃止することはちょっとできないことかと思います。残りますところは部外の方に対する優待パスでございますけれども、これは国鉄から仕事を、たとえば国鉄の諮問委員会の委員でございますとか、そういう仕事をお願いいたしました方には差し上げておりますけれども、その他一般の方には出ていないのでございまして、枚数の総数は私いま記憶いたしておりませんけれども、非常に少ない数でございます。
○日高広為君 家族の全廃に対しまして割引ということでございますが、まあ非常にけっこうだと思いますけれども、先ほどどのくらいの数になるかということを質問いたしましたわけでございますけれども、もし資料がございましたならば——家族以外ですね、国鉄の職員家族以外でどれぐらい部外者に出ているか、数がわかりましたらお教えいただきたいと思います。——わかりませんか。
○説明員(遠藤鉄二君) ただいま持っておりませんので、後刻提出いたします。
○日高広為君 あとで資料でけっこうです。 そこで、今回提出されておりますところの国鉄の第三次長期計画の進捗状況につきましてお伺いいたしたいと思いますが、国鉄の輸送能力がいまや限界に達しまして、輸送需要に追いつき得ないということは、周知のとおりでざいますが、そこで国鉄は、輸送力増強のため、四十年度から第三次長期計画を実施中でありますが、その初年度でございますところの四十年度もすでに終わりに近づいておるわけであります。この一年間の計画の進捗状況を、年度末までの実績見込みも含めて、この際御報告お願いいたしたいと思います。
○説明員(遠藤鉄二君) 七カ年間の総工事費は二兆九千七百二十億円でありますが、年度別にはだんだんしり上がりになるのが自然のかっこうでございまして、四十年度は三千二百二十億円の予算で執行中でございます。全部契約を終わりまして、まあ決算は相当順調にいくのではないかと思っておりますけれども、いまのところは予定どおり順調に進んでおります。
○日高広為君 予定どおり進んでおるということで、まことにけっこうでございますが、この機会にお伺いいたしたいのは、国鉄の第三次長期計画は四十年度から始まりまして四十六年度までの七カ年計画でございまして、その経費の総額は大体三兆円にのぼるということでありますが、今回の運賃値上げでこの長期計画の資金収入はどうなっていくのか。資金のうち借り入れ金等外部資金と自己資金との割合はどうなっているか。午前中鈴木委員からも御指摘があったようでありますが、また計画の最終年度における債務残高、年間の元利支払い額はどのくらいになるのか、これらの点について御説明をお願いいたしたいと思います。
○政府委員(堀武夫君) 七年間の大よその見積もりでございますが、この七年間で工事費といたしましては二兆九千七百二十億、それからこの七年間の間に借金を返すものがございますから、これが約一兆億でございます。とにもかくにも七年間で必要な金が三兆九千七百四十六億ということであります。この金をどういうふうに調達するかと申しますと、このたびの運賃是正によって約一兆二千億七年間で増収があると思われますが、それらを経費等に充てた残りの八千五百六十三億というものがこの工事に自己資金として回るわけであります。あと足りない分は約三兆九百六十四億というものは外部資金をもってまかなう、さらに足らない二百億ばかりの金は自己の資産の売却等によって充てる、このようにいたしまして約四兆に近い必要な資金を調達する予定に考えております。それで、四十六年度末におきましてどのくらい長期債務が残るか、残高でございますが、約三兆に近い長期負債が残るという見通しでございます。
○日高広為君 計画の内容につきましては、ただいまの説明で了解いたしますが、次にお伺いいたしたいのは、第三次長期計画は、将来の需要増加を見越しましての先行投資というような余裕のあるものではなくて、過密ダイヤ緩和のためのぎりぎり一ぱいの投資であると言われておりますが、資金の調達その他困難は多いにいたしましても、そのような計画ではすぐに行き詰まりになるのではないかと思いますが、これに対しまして運輸大臣の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(中村寅太君) 大体第三次長期計画で、一応現在の過密度が二四〇%くらいまでは緩和される。この第三次長期計雨後のいわゆる輸送需要に対しましては、客車をふやすとかあるいは回数をふやすというようなことで一応解決していくものと考えております。
○日高広為君 次にお伺いいたしたいことは、この第三次長期計画の総額の約三兆億円という投資の規模は、昭和三十八年度の物価水準を基礎にいたしまして計算されたものであって、三十九年度以降の物価上昇をほとんど見込んでいないというようなことでありますが、それでは予定の計画が完全に実施できないというおそれはないのかどうか、御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(中村寅太君) この第三次長期計画の実施中の卸売り物価の変動はそれほどないものと考えられますので、大体計画どおり進行し得るものと思っております。
○日高広為君 次に、二つの点についてお伺いいたしたいと思います、この第三次計画には、国鉄職員の賃金引き上げによる人件費の増加を見込んであるのかどうか。あるいは経営の合理化によって、人件費の増加をかなりの程度まで吸収することができるのかどうか。 第二点といたしましては、この第三次計画が完了するまでは、運賃の値上げはしないと衆議院の運輸委員会で言っておられたようでございますが、右のような事情にある以上、再び値上げを必要とするのではないかと思われるのでありますが、そのような場合には、計画を縮小することもあり得るのかどうか。この点につきまして御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(中村寅太君) 第三次計画の中には、人件費の上昇率は七%ぐらいを計算に入れておるわけでございます。それから、完了するまでは大体いろいろの条件を考えまするし、さらに企業努力によりまして、いろいろの悪条件を吸収するように努力いたしてまいりまして、大体運賃の値上げは、現時点においては考えておらないということでございます。
○日高広為君 一応国鉄関係の問題につきましては、その程度におきまして、先ほど藤山経済企画庁長官から、郵政関係におきましても、公共料金の引き上げは考えておるんだというようなことも、あわせて御答弁があったようでございますが、この機会に郵政大臣にお伺いをいたしたいと思います。 まず第一点は、郵便料金を引き上げなければならないということをしばしば耳にするのでございますけれども、なぜ郵便料金を引き上げなければならないのか。引き上げるといたしますれば、どの程度引き上げるつもりなのか、この点についてお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(郡祐一君) 郵便料金につきましては、昭和二十六年に全般的な料金の改定をいたしました。それ以来三十六年にごくわずかな改定をいたしただけで今日に至っております。それがようやくささえられてまいりましたのは、その間の景気の動向もございまして、収入が比較的順調に伸びておった状態であります。ところが第一には、四十年度の予算を組みまする際に、すでに赤字になりました。五十六億の持ち越しを使ってようやく四十年度の予算を組んだ次第でございます。そしていま申しましたように、物の減少、物の増加率の減少、これが非常に顕著になってまいりまして、収入がなかなか予定どおり期待できないという状態であります。さらに第三には、郵便事業の性質上これはどこの国でもそうだと思いますが、ほとんど九〇%まで人件費に依存をいたす事業でございます。したがいまして、とにかく十五年をささえてまいりましたが、この際は改定をお願いしなければならなくなったのであります。上げ幅につきましては、事業の性質上総括原価主義をとっておりますから、平均いたしまして二八・八%ということを予定いたしておりまするが、文化的なり、社会的な意味を考えまして、特に学術雑誌について四種扱いをする、低料にいたしまするとか、あるいは書籍について、全国均一の小包の制度を設けるとか、中身につきましては、それぞれくふうをいたしておる次第でございます。
○日高広為君 その場合に、料金改正によるところの増収額というものを、どの程度考えておるか。また、その使途はどういうような方向でお使いなさるのか、そのことについてお尋ねいたします。
○国務大臣(郡祐一君) 昭和四十一年度において二百八十六億の増収を期待いたしております。その使途は、第一には、先ほど申しましたような持ち越し赤字を持っております。これを解消いたさなければなりません。第二には、積極的にサービスの向上をはからなきゃいけませんので、サービスを高めてまいりますために、郵便事業の近代化と申しまするか、可能な限り航空便を、速達でなくても利用いたす。あるいは近距離のところの輸送手段、自動車等の充実をいたす。それから窓口の機械化をいたす。こういうようないままで考えられました各般の運送速度を高めますこと。それから、居合が非常に狭隘にもなり、古くもなっておりますので局舎の改善。それから、先ほど申しましたような要員の充実が事業の性質上必要であります、必要な要員を確保する。こういうことが使途になっております。
○日高広為君 この問題につきましては、国鉄の場合にも適応することでありまして、あとで質問いたしたいと思いますが、値上げ抑制のために、料金だけを上げないで、一般会計から赤字補てんのための繰り入れ金はできないものかどうか。これに対しまして大臣はどのようなお考えであるか。さらにまた、大蔵大臣はこれに対しましてどのような御見解をお持ちでありますか、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(郡祐一君) 確かに郵便事業の会計でも、繰り入れをいたした時代がございます。昭和二十六年度の料金を改定いたしますまでは、繰り入れをいたしておりました。しかしながら考えてみますると、会計自体が独立採算をたてまえとすべきものでありまするし、また、借り入れ金等をいたしますると、利息のついた金を借りて経理いたしますならば、後年度の時代に、利用者に利息まで加えて負担をしてもらわなければならない。後年度において、非常に大きい負担を残すということがございます。さらに、郵便の収入を分けて考えてみますると、およそ一般の家庭と申しまするか、普通の家庭生活をしていらっしゃる方が利用する分が一割五分ないし二割くらい、あとは大企業がこれを利用いたしておる状態でございます。さようにいたしますならば、これを料金によらず、申さば国民の税金からこれを埋めてまいるということは、どうしても会計の性質上不堅実だ。このような考えで料金改定をお願いいたしておるような次第でございます。
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま郵政大臣からお答えしたとおりでございます。
○日高広為君 そこで、これは国鉄の場合でも同じことでございますけれども、郵便料金の値上げが国民生活に与える影響はどのようであるのか。物価に、一般にはね返る影響というものはどのようなものであるか、お伺いいたします。
○国務大臣(郡祐一君) 三十九年度の家計費調査を見ますと、〇・一四でございます。これは御承知のように、家計費調査が年々総支出の額が変わってまいりまするから、郵便料金の支出額も幾らか異同がございましても、ここ数年常に〇・一四という家計費調査の結果が出ております。したがいまして、このたび郵便料金の、先ほど申し上げましたような値上げ福をいたしましても、〇・〇二ないし〇・〇三、ほとんど一般家計に響くところは出てまいらないように考える次第でございます。しかし、さらにそれに加えて、私どもといたしましては、先ほど申しました郵便速度を早める等のことによって、そうして便宜をはかってまいる。こうした形でなるべく国民の皆様方に実際上影響の及ばないような努力をあわせてしてまいりたいと思っております。
○日高広為君 先ほど郵便料金の場合におきまして、一般会計からの赤字補てんの問題についてお伺いをいたしましたが、この機会に、運輸大臣に国鉄の資金調達の問題に関連いたしましてお伺いをいたしたいと思います。 第一点は、財投とか縁故債等によりまして、国鉄の借り入れ金はすでに一兆円に及んでいるようであります。その元利返還だけでも年間約一千億円をこえる状態であると思われます。このような借り入れ金依存の経営を改善する道はないのか、たとえば、国鉄への国庫補助などは全然考えられておらないのかどうか。この点につきましてお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(中村寅太君) 御承知のように、国鉄の経常の主体は、独立採算性ということが主体でございますし、国鉄の経営の資金をすべてと申しますか、いま日高君が仰せられる国の一般会計から入れる金、あるいは借り入れ金、それから運賃による利用者負担、この三本の線があると思いますが、現存の国家財政等の事情から、国から金を導入していくという行き方には、いろいろ困難がございますので、今回の改正は第三次計画の方向といたしましては、借り入れ金と一般運賃の是正によります収入増によって、金利のつかない自己資金を強化していくという方針をとっておる次第でございます。
○日高広為君 さらにお伺いいたしますが、国鉄の公共性を考えてまいりますと、赤字線の維持も必要であろうし、あるいは収益性の悪い新線の建設もやらなければならないというような実情があるわけでありますが、赤字線の維持費とか、あるいは新線建設につきましては、その経費の一部を国が負担することも考えてよいのじゃなかろうかと思いますが、これに対する御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(中村寅太君) 採算の見通しがつかないような新線で、しかし地域開発等のたてまえから、どうしても必要な新線は、やはり建設していかなければならないという事情が相当にあるのでございますが、そういう点につきましては、鉄道建設公団によってやるようにいたしまして、そうして、国鉄のほうとしては赤字がたくさん出てどうにもならないような新線等につきましては、無償でこれを貸与するというような処置も考えておる次第でございます。
○日高広為君 さらにまた、国債の発行によりまして、相当に民間資金を吸い上げることになりますが、国鉄の借り入れ金というものは、予定どおり借り入れることができるかどうか。借り入れ先の資金事情はどうなっているか。この点につきましてもお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(中村寅太君) 国鉄が借り入れ方法としてとっております利用債あるいは特別債等につきましては、地方公共団体等の経済を圧迫しないように配慮をいたしておるわけでございます。
○日高広為君 以上で大体私の質問することにつきましては、御答弁いただいたわけでありますが、最後にお伺いいたしたいのは、運賃値上げの実施が二月十五日からかなりずれることになるようでございますが、それによってどのくらいの収入減が予想されるのか、その財政措置というものはどうするのか、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(中村寅太君) 大体一日に運賃収入として予定しております金額は、大よそ四億かそこらでございますが、当初二月十五日に実施という目途で国会審議をお願いいたしておったのでございますが、御承知のように、その日にちは過ぎまして、今日に至っております。先ほど大蔵大臣も答えておりましたように、国鉄の企業努力等によって吸収できる範囲、あるいは物品等の処理によって消化し得る範囲の点で赤字を押えていきたい。一日も早くこの案を審議を進めていただいて、そして財政措置等をすることなくして、国鉄の企業努力、あるいは不要の品物を処理する等のことによって処理できる範囲で、ひとつ本案を通していただきたいと、目下努力している次第でございます。
○日高広為君 この問題につきまして、午前中鈴木委員の質問に対しまして、大蔵大臣は、補正予算第4号を出す意見はないというような御答弁をいただいたわけであります。ただいま中村運輸大臣から、それに対しましてはお触れにならなかったと思うのですが、やはり補正予算を提出するという意思はないのでございますか、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(中村寅太君) 補正予算を提出することをしないでいいように、なるべく早く通していただきたいと、目下努力中でございます。
○日高広為君 次に、運賃引き上げの問題が、消費者物価に対しましてどのような影響を及ぼすか、この点ににつきましてお伺いいたしたいと思います。政府は、物価政策のためにあらゆる施策を傾注いたしまして、四十一年度の消費者物価の上昇率を五・五%にとどめるということでありますが、もちろんこの五・五%というのは、国鉄運賃の引き上げ分もすでに織り込んだ数字であると思います。一体、今度の国鉄運賃の二五%引き上げが、消費者物価に及ぼす影響はどのくらいのものであるか、先ほどの御説明いただきましたが、公共料金の引き上げというのは、それ自体で消費者物価に影響を及ぼすと同時に、その他の料金や物価に波及し、それが重なり合って物価を押し上げるのではないかというような懸念もあると思うのでありますが、過去における国鉄運賃の値上げによって、物価が実際にどのような影響を受けたか、実際に物価がどの程度上がったか、過去の実例について御説明いただきたいと思います。 次に、運賃引き上げは、もちろん一時的には消費者物価に対しまして悪い影響を与えることは事実でありますが、しかし、長い目で見ますれば、物資の輸送を円滑にいたしまして、流通経費を節減することによりまして、物価の上昇を押える作用を持つものであると思います。長期的には、一種の構造的な消費者物価政策とも考えられるのではないかと思いますが、かような点につきまして、どのような御見解を持っておられますか、経済企画庁長官の御意見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 貨物運賃引き上げにつきましては、個々の物価、物資に対してどのような影響があるかということは、非常に多岐にわたっております。したがいまして、計算ができません。ですから私ども個々の物資が運賃によってどのように変動していくかということは、過去の例から見ましても、承知しかねるところでございます。しかし、運賃そのものが上がることは、やはり精神的、あるいは経済人の心理の上には、相当の便乗的な考えを持つ場合があることは、これは当然でございます。したがって、そういうものに対しては、われわれも厳に、便乗値上げは総理も言っておられますように、押えたい、こういう考え方でおります。
○日高広為君 次に、佐藤総理にお伺いいたしたいと思います。昨年の秋ごろから不況が次第に深刻となりまして、昨年七月には、財政支出の繰り上げとか二千百億円にのぼる財政投融資の追加とか、財政面から景気てこ入れが行なわれたのであります。年末には二千六百億円の歳入補てんの公債を発行され、第三次補正予算も成立をいたしたわけでありますが、四十一年度予算は、言うまでもなく本格的な公債政策を導入した大型積極予算であるといわれております。これらの一連の不況対策は一体いつごろからその効果があらわれ、景気が回復に向かうこととなるのか。政府の経済見通しによりますと、四十一年度の経済成長率は、実質で七・五%ということでありますけれども、それが実現されるためには、四十一年度はかなり早い時期に景気が上向かなければならないと思うのでありますが、政府といたしましては、どのような経過を経て、いつごろから景気が回復するという見通しを持っているのか。総理大臣並びに経済企画庁長官の御所見を承りたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) 午前中にもお答えしているのでございますが、ただいま言われるように、四十一年度は七・五%の成長率、この目標を達成するためにはもう四十一年、この正月以来、四十年度ではありますが、もうすでにそういう徴候が出てこないと困るのであります。そこで、この夏の景気対策につきましても十分成果をあげるように各官庁、また地方自治体の協力を求めましたが、今度の予算も早期に、契約ベースにおきまして六割程度のものを上半期に消化したいということで自治体の長とも相談いたしまして、これらの協力を求めているわけであります。後に企画庁長官からお答えするだろうと思いますが、この一月以来もうすでに景気の変動が見受けられるのであります。悪いほうの材料は大体ございません。しかし、いいほうの材料にいたしましても、まだ活発なものが見受けられるわけではありません。そういう意味で今後の情勢の推移などを十分見きわめて、そうして七・五の成長率を達成するように各界にも協力を求め、当方におきましてもそういう目標を達成するように努力する、かような考えでございます。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 御承知のとおり、本年の成長率は二・六%程度、ごく低い成長率でございます。それがそのまま四十一年度に移行していきますと、上半期においては相当低い成長率、そうすると下半期だけで七・五%を達成しようということでは、非常に下半期が勢いづいてしまいまして、そういう断層ができますことは好ましいことではございません。したがって、四月から始まります年度の初めから相当な、今日組みました予算の財政需要が出ていかなければならない。そうして今日の状態のような二・六%程度の成長率を上回った成長率でスタートからいかないと、平均して七・五%はいかないと思います。そこで本年度の、本年度と申しますか四十年度の、いままでどちらかと申すと秋に予算の執行あるいは実施が若干おくれてきたことは事実でございますが、ここへきてそれを集中的に出す、なお予算外国庫負担の契約を一千億円ぐらいここで出してまいりますので、そういうものによって四十年度の最後の四半期も相当な民間に対する需要の関係を喚起してまいる。そうして四十一年度に入りまして、ただいま大蔵大臣が中心になってそうして予算の執行を早めていく、こういうことの努力をいたしております。御承知のとおり、従来の例からいいますと、第一、第二四半期でもって約二九%程度のものしか出ておらない。それではいけませんから、今度は第一、第二四半期で契約ベースで六〇%、支払いベースで、でき得べくんば四〇%前後の支払いベースで政府の財政支出を活用していく、こういうことをやってまいるわけでございます。これ、がうまく順調に進んでまいりますれば、私は、おおむね夏ごろから秋ごろにかけては景気が回復してくる状況になる。ただ景気が回復してくるというのは、過去におきますような非常な十河%も成長した、実質一三・四%も成長したというような景気を想像されますと、それはそういうような意味での景気の回復は出てないことは事実ですが、健実な景気が回復していく、こう考えております。
○日高広為君 最後に、意見を申し上げまして御答弁をお願いいたしたいと思います。社会党さんの提案によりますと、国鉄運賃の引き上げを取りやめまして、そのかわり国鉄の鉄道施設設備に要する経費の三分の一を財政負担でまかなえというようなことのようでございますけれども、財政負担といいましても、国民の負担であることに変わりはないのでありますから、財政負担で国民全体の負担とするか、それとも利用者の負担とするかは、鉄道そのものの本質に照らしまして慎重に決定しなければならない問題だと思うのであります。かりに、国鉄輸送力強化をすべて税金でやるということにいたしますと、国鉄の利用者、不利用者の別なく負担を強制されることになりまして、かえって公平を欠くというような結果にもなりかねないのであります。やはり、原則といたしましては利用者負担によるのが筋ではないかと思うのであります。かようなわけで、国鉄は公共企業体であり、かつ、独立採算制をたてまえといたしておるものでありますから、借り入れ金等のほか所要資金の一部をまかなうため、適当な限度における利用者負担の運賃値上げはやむを得ないところと思われるのであります。実際現行の国鉄運賃は長い間きわめて低く押えられてきた結果、他の物価と比べましてきわめて低位に置かれており、このことがかえって国鉄の健全な運営と発展をはばむ要因となっておるのであります。すなわち、運賃の引き上げが極端に押えられるというようなことになりますと、主として偏り入れ金に依存するほかなく、そうなりますと、長期債務がおびただしく累積いたしまして、利子の支払い及び借り入れ金の元金返済に要する経費がかさみ、これが非常に経営を圧迫するということにならざるを得ないのであります。国鉄の経営を見ますると、現在でもかなり、いま申し上げましたような傾向が強いのでありますから、したがって、国鉄経営のあり方については、なるべく早い機会に長期的な見通しに立って基本的な対策を立てる必要があると思われるのであります。少なくとも国鉄の公共負担については、適正化をはかるとか、国鉄運賃形成の基準、つまり運賃政策の基本を確立するとか、そういう基本的な問題について抜本的な対策を確立しまして、国鉄が安定した基盤の上でその機能をフルに発揮できるようにする必要があるのではないかと思うのであります。最後にこの最も基本的な問題についての当局の御所見をただしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(中村寅太君) 国鉄は、御承知のように、独立採算制を原則としておりますし、さらに、そういうたてまえでございますから、そのたてまえの上に立って、現在国鉄経営の資金の要素は借り入れ金と、それから利用者負担による運賃の収入、それから国家財政から投入します資金、この三本の調和をはかりながら、健全な国鉄経営の体制を整えて、第三次長期計画の完全実施によりまして国民の必要としております輸送需要に対処してまいる方針でございます。
○委員長(石原幹市郎君) 日高君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(石原幹市郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。 先刻向井長年君が辞任され、その補欠として中沢伊登子君が選任されました。 —————————————
○委員長(石原幹市郎君) 次に稲葉誠一君。
○稲葉誠一君 総理、私は経済はしろうとといますか、あまりよくわからないんですが、それで国民の素朴に考えている疑問をあなたにお尋ねしたいと、こう思います。ぼくの質問は短いんですよね。ですから何を聞いているのかよく御判断を願ってお答え願いたいと、こう思うんですがね。 それで物価の問題ですが、物価が上がるというのはいいことなんですか、悪いことなんですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 国民のほうから疑問を起こすような値上がりはいいことではございません。国民がもっともだと納得のいくようなことなら、これは別にいいとか悪いとかいうことではございません。
○稲葉誠一君 物価には卸売り物価と消費者物価があるわけでしょう。池田さんの言うのは、卸売り物価が大事なんだと、輸出にも響くし。消費者物価のほうはそれほど大きな問題ではないと、こういままで池田さんは言っていたわけですよね。その二つに分けて御説明を願いたいわけです。いま国民が疑惑を持つような上がり方はよくないと言われましたね。現在の物価の上がっているのは、国民の疑惑を持つような上り方なんですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの卸売り物価は、これは経済の全般的な動向を見るには卸売り物価が、これが説明をする際に一番いいだろうと思います。しかし、国民から申せば、卸売り物価で生活をしておるわけではないので、やはり最終消費価格と申しますか、小売り価格で生活との関係が生ずるものでありますから、この点で国民生活を圧迫すると、それに影響を与えるとか、こういう点はこれは問題になると思います。先ほどお答えしたとおりでありますが、ただいまの物価はそれではどうかと、かようにお尋ねになりました。私は現状におきましては、これは異常な物価の値上がりだと、かように考えております。だからこそ、ことしは物価を安定さす、これが政治上の課題だと、かように私も呼びかけておるわけであります。
○稲葉誠一君 ことしは物価を解決するのが最大の課題だと言われたのですけれども、去年の正月もあなたはそういうふうに言われたんじゃないですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) まあ去年以来引き続いての問題であります。
○稲葉誠一君 去年の一月二十日の記者会見でも、それから施政方針演説でも、そのことを言われておるわけですよね。その言われた後に、一体どういうことをいままでやってきたのかね。どういうそれが効果をあげたのか。効果をあげなかったとすればその原因はどこにあるのか。こういう点をやはり説明していただかないと国民は納得できないのじゃないかと思う。その答えによっては、かえってあなた方のほうに有利というと語弊がありますけれども、そういうようなものもあるかもしれませんけれども、それはあってもいいと思うのですね。それはやっぱり明らかにしていただいたほうがいいんじゃないかと思う。
○国務大臣(佐藤榮作君) この物価そのものにつきましていろいろの角度から見なきゃならない。まあ先ほど卸売り物価と小売り物価との関係が一つ出てまいりました。また、そこにもつてきて公共料金の問題も、われわれが頭を悩ます一つの問題である。同時に、小売り物価にいたしましても、いわゆる消費者物価といいますか、生活物資ことに生鮮食料品と、こういうような問題があるわけであります。ことに、この生鮮食料品が価格の面でときに暴騰する、あるいは暴落する、かような状態でありますから、生産者にとりましても非常な問題であろうし、消費者にとりましては、もちろん暴騰の場合には非常に困る。暴落の場合には生産者が困る、こういうことであります。昨年の年当初におけるこの消費者物価の変動は、ただいま申し上げるような生鮮食料品、その面に非常に出てきたと、かように考えております。これらの点は、それぞれの担当官庁等におきまして真剣に取り組んでこれの鎮静を期するように、また、供給の安定的供給と申しますか、円滑なる供給、あるいはこの野菜が少なければ特定の地域を指定して、そうして野菜の、蔬菜づくり等を指導するとか、あるいは特に食肉等が非常に価格が暴騰すると、こういえば輸入をしたり、あるいはその他関税政策等ともあわせてこれの供給の円滑化をはかっていく。そこでまあ物価の変動をできるだけ幅を小さくする、こういうような努力もしておるのであります。
○稲葉誠一君 私の聞いているのはそんなこと聞いてないのですね。具体的にどういうことをやったかということをまずお聞きしたわけですね。具体的にやったことを、ずっとこまかい資料で出してくれませんか。そうして、それがどういう効果をあげたのか、あげないのかと聞いているわけですよ。あげなかったらあげなかった原因があるわけでしょう。それを明らかにしないと、ただ、そういま総理が言われたように、相当長く話されましたけれども、国民は納得しないと思うのですね。それは、国民はむずかしい経済学の話や経済政策を聞きたがっているのじゃないとぼくは思うのですよ。やはり皮膚で感じているわけですから、やはり端的に私の質問にお答え願いたい、こう思うのですね。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまやっております事柄については、事務当局から説明させます。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 中西政府委員から御説明申し上げます。——中西国民生活局長はいまちょっと別のあれに行きまして……、いままでおったんですが。ですから後ほどお答えいたします。
○委員長(石原幹市郎君) どうですか、稲葉さん、それ答弁がないと次に行けませんか、いま別の委員会か何かに行っておるようで、間もなく来るそうですが。
○稲葉誠一君 農林大臣でもいいですよ。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 農林省の関係は、農林大臣から御説明いたすことができると思います。
○国務大臣(坂田英一君) それでは、お答えいたします。 生鮮食料品の問題であったと思いますが、たとえば、かりに野菜という問題になります。そうしますと、その総括的なことはいま総理からお話しのとおりでございますが、それを詳細に申しますとこれはなかなか長くなりますから、ごくそれも端的に申しますと、現在、産地をそろえておるわけです。それは、いわゆる指定産地をそろえる。それからまた、上がっても下がっても困るけれども、暴落をすると今度はだれもつくらなくなりますから、そこで、暴落をせぬという制度をやっておるわけです。それから消費地帯に対する需要の関係をよく調べて、これはいろいろの機関でもってやるわけですが、それに即応した生産をやらなければいけませんから、それをやるわけです。そのほか、こまかく従来もやっておることをずっと拡充強化をことしはやっていくわけでございまするが、さらに、生産性をうんと上げるという意味においてどういうことをやるかと申しますと、今度それについてことし特に力を入れていきたいと思うのは、産地の集団化をやるわけです、できるだけ。これは、できないところまでやろうとするのじゃない。指定産地なら指定産地を集団化して、非常に仕事をやりやすくするわけです。それから、野菜は、御存じのとおりに、干ばつになったりいろいろなことでできたりできなかったりするから、そういう意味において、スプリンクラーをつくるとか、そういうぐあいでかん水制度を十分今度はやっていこう、こういう問題が一つございます。それから出荷の問題なり生産の問題、そのほかのいろいろのそういうことを近代化していく、いわゆる集荷場とかそれから出荷場とか、そういうものについての合理化的な仕事をやっていく。病虫害の防除とかいったようなことについても、従来ともやっていますが、特にそういう防除機だとかいうものの共同的な使用というものを進めていく。こういうぐあいで、一口で言うと、生産の合理化ないし近代化をはかるということでございますが、そういう点が一ぺんにはなかなかむずかしいのは農業の特質でありますが、そういう方向に力を入れる。こういうことで、従来はわずかに三億ちょっとでそれらの問題を全部やっておるようなふうでございましたが、今度は、土地改良の点も全部入れますと十二億から十二億三千万くらいのものになると思いますが、そういうことで力をそのほうへ入れていこう、こういうことであります。ただし、もっと私の言いたいのは、蔬菜の農家の手取りと消費者の支払う値段との格差は非常にあいておる、これは御存じのとおりであると思います。青森のリンゴ一つ四円くらいだが、東京で買いますとやはり四十円か五十円か、そういう関係でありまするので、これは生産の問題のみでなしに、そういうふうに流通過程の問題及び小売り関係の近代化合理化をはからないとやはりこれは十分できませんので、そういう両面に向かってこれらの問題に努力をしていこう。しかし、野菜の問題は、実は私もずっと二十年前にずいぶん力を入れたことがありますが、なかなかむずかしいのです、これは確かに。しかし、今度はうんと力を入れてみようと、こう考えております。
○稲葉誠一君 野菜の問題だけ聞いているんじゃなくて、物価政策全般について——去年の一月に、総理は、もう物価が最大の課題なんだ、これに積極的に取り組むんだと、こう言っておられたわけでしょう、施政方針演説でも。総理ね、ですから、一年間に一体何をやったのか、具体的に明らかにしてほしい。明らかにした中で、これをやった、これはやらなかった、これはやったけれどもこれだけきき目があった、きき目がなかったならばそれはどこに原因があるのか、これを明らかにしなければ、物価の問題は今後どうにもならないんじゃないですか。農林大臣は野菜の問題ばかり言っているんですけれどもね。あなたが出てくると、こんなちっちゃな子供がとっても喜ぶんですね。女の人なんか、家庭の奥さんなんか、非常ににこやかで、あなたの答弁を聞いていると非常に喜ぶんですけれども、喜んでいるだけでは解決しないわけですね。ぼくは全般的な問題を聞いているわけです。そういう具体的のものをもっと明らかにしてくださいよ。ただ抽象論を聞いたってためですよ。——いやいや、あなたじゃなくてね、企画庁から全般的なものを具体的にいままで一年間何をやってきたのか、どういう効果があったのか、効果がなかったとすればどこに原因があるか、そういう自己反省というか、はっきりしたものがなければだめですよ、これは。それを聞いているわけですよ。
○説明員(矢野智雄君) お答えいたします。 物価の問題につきましては、昨年来幾つかの重要な項目を立てて推進してきてまいっておりますが、それには、まず第一は、経済全体を安定成長に導くということでございますが、この点につきましては、経済全体を軌道に乗せるという一般的な問題でありますので、もう少しあと具体的な幾つかの項目について申し上げます。 一つは、物価、特に消費者物価が上がってまいりました基本的な要因は、何といいましても、おくれた部門、つまり、具体的には、中小企業、あるいは農産物、あるいは流通、サービス部門、こうしたところの価格が上がっておるということがその問題の焦点でありますので、したがいまして、対策の方向といたしましても昨年度来こうしたところに重点を置いてきております。 その一つは、先ほど農林大臣からお答えがございましたように、野菜、あるいは魚、あるいは肉類についての諸対策でありますが、そのほかのものにつきましてお答えいたしますと、一つは中小企業の合理化、近代化でございますが、この点につきましては、中小企業近代化資金あるいは高度化資金をもちましてそれぞれ指定の業種の近代化のためのプランをつくっていくということでございます。この点につきましては、すでに昨年度におきましても、中小企業近代化のための資金といたしまして約五十億円財政投融資から出してまいっておりますし、こうした資金を個々の業種につきましてその近代化のプランと合わせてその資金を投入し、こういう面でコストが上がらないようにしてまいっておるというのがその一つの具体的な方策であります。 こうした中小企業に対して資金を投入するといいますのが、その効果としてどの程度物価に影響したかということでございますが、この点は、中小企業を合理化いたします場合に、それが即座にその半年の間あるいは数カ月の間にすぐそれが価格に結びつくということは、なかなか測定が困難であります。問題は、そういう中小企業の価格が上がりました原因が、そうしたところの合理化、近代化、がそう簡単に進み得ないいろいろ社会的、経済的条件がございましたので、それを基本的に改めていくという努力を一つ一つ積み重ねていくということが半年あるいは一年たつにつれて漸次効果を発揮していくということがねらいでありまして、すぐそれが本年度においてどれだけ効果があがったかということは、非常に測定が困難であります。その点におきましては、先ほど農林大臣がお答えなりましたように、野菜の指定産地を育成するとか、こうしたことはむしろその年度においてかなり端的に価格に響いてきておる一番有力なものだと思います。具体的に申しますと、野菜の価格は昨年の四月に非常に暴騰いたしましたが、その後、夏から秋にかけてかなりこれが下がってきております。これはもちろん天候等の条件もございますが、一つには、そうした野菜の生産地の拡大、こういったものが効果を漸次あらわしてきておる。もちろん、この場合に、非常に変動がいたずらに大きくなるというだけでは安定したものになりませんので、さらにこの点については、来年度も、指定生産地を拡大すると同時に、それの生産あるいは出荷を合理的にやっていくということ、あるいはそこに安定基金を使っていくとか、いろいろ諸施策をまってさらにこれを進めてまいるわけでございますが、端的に本年度における効果ということにつきましては、やはりそうした野菜の近代化と指定産地の育成ということが相当大きな効果をあげてきており、それが年度の途中から消費者物価を何がしかやはり安定さしてきておる。一時は、一年前に比べて八%、高いときは九%ぐらい上回っておりました消費者物価指数が、最近では七%あるいは六%ぐらいに前年度比が落ちついてきたという一つの原因は、こうしたやはり何と申しましても生鮮食品の動きにあると思います。したがって、そのほかのいまの中小企業の近代化、あるいはさらに小売りにつきましても、中小企業の一環でありますが、これもいろいろ近代化資金を出していくとかいうことで合理化の方向をたどっておりますが、こちらのほうはやはり若干時間がかかると見なければなりません。そうした努力を逐次積み重ねていくことによって、漸次、来年度は五・五%に押える、あるいは三年以内には三%台にする、こうした多少長期的に時間をかげながら努力を積み重ねていくという以外に即効的な効果は——こうしたいろんな物価対策の基本であります構造的な対策につきましては、すぐ即効的にその年度内に全部の効果を発揮するということはちょっと困難な問題ではないかというように考えております。 したがいまして、そうしたおくれた部門の近代化、中小企業の近代化、小売りの近代化とか、こういったことが昨年度どれだけの効果を発揮したかという御質問に対しましては、先ほどの農林大臣がお答えいたしました野菜とかこういう生鮮食品以外では、若干やはり時間をかけてみませんと、一気に大きな効果を消費者物価の上にあげたということはちょっと言えないかと思います。
○稲葉誠一君 具体的に一年間に物価対策として何をやってきたかということを、はっきりした表にしてなり何なりにして資料として出してほしいわけです。そうでないと、国民が納得しないわけですね。 いまの農林大臣の言われたことですけれども、それに関連して、企画庁の中西生活局長ですかが、いまあなたが言われた野菜の生産地制度が値段の安定に大きな効果を期待できるかと、これは朝日新聞であれがありましたね。それに対する答えの中で、きき目があると思うと、ただし四、五カ町村での一指定産地に対してわずか三十万円の補助金ではどうにもならないと、こう答えているんですね。経済企画庁でこういうふうに答えているんですから、たいした効果があがっていないということを企画庁では認めているんじゃないですか。生活局長です、これは農林大臣じゃなくて。そう言っていますよ、はっきり。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 昨年の物価問題に対しまして、御承知のように、閣議でもって十項目というものをつくりまして、これを推進していく。その中には、いま申し上げましたような農林対策、あるいは中小企業の対策、あるいは土地に対する対策等々、それから緊急輸入の問題、そうした問題が盛り込まれておったわけです。 緊急輸入の問題は、これは物価が上がりましたときに緊急輸入をして需給関係や調節するということによってそれは効果が出てまいります。 それから農林物資につきます指定三の集団栽培に対する指定等につきましては、これは、先ほど申し上げましたように、まだ本年も引き続き指定産地を増加してまいる予算をつくっておりますが、必ずしも十分ではございません。したがって、これはもっと推進してまいらなければならぬことは当然のことでございまして、したがって、その指定産地の数におきましても、あるいは助成の方法につきましても、もっとさらに一そう力を入れていかなければならぬという反省はわれわれいたしております。 それから土地問題については、実は昨年一年は十分な手が打ててなかったと、こういうことでございまして、われわれもそれを反省いたしております。建設大臣が、御就任以来、この問題については地価安定のためにできるだけの方策をしようと、近く国会等にもそれぞれ案を出して御審議をわずらわすことになっておるわけでございます。 以上、そういうような方向に向かって努力してまいったわけでございますが、いまも申し上げましたように、必ずしも十分でないものと、あるいは緊急対策のようにすぐに効果が出てくるものと、いろいろございますので、それぞれにつきましてわれわれもそれらの施策の効果をみな見て、そうして今後の物価政策の上にそれを十分に活用していくというつもりでおります。
○稲葉誠一君 話がちょっとこまかいところへ入っちゃったので、もとへ戻します。 預金なり貯金の総額は、いまどのくらいあるんですか。
○国務大臣(郡祐一君) 預貯金と申しますから、貯金たけ申しましょうか。——二兆六千六百五十億円ございます。
○稲葉誠一君 簡易保険は入っているの。保険は入っていないんでしょう。
○国務大臣(福田赳夫君) 政府委員からお答え申し上げます。
○政府委員(谷村裕君) 突然のお尋ねで、全体の額はわかりませんが、全国銀行、それから相互銀行、信用金庫等等を含めて、たしか現在十二月末までで二十四、五億じゃなかったかと思いますが、もし正確を期するのであれは——二十四、五兆ですか。ちょっと私よく記憶しておりませんから、後ほどお答えいたします。
○稲葉誠一君 二十九兆幾らでしょう、郵便が人って。
○政府委員(谷村裕君) 民間銀行、信用金庫等でございます。
○稲葉誠一君 こまかい点は、私は、政府委員のあれでけっこうですよ。無理に大臣の答弁を求めているわけではございません。 そうすると、いまの郵便貯金なり何なりで、どういう目的で貯金に入ったり簡易保険なりに入ったりするのか、資料があるでしょう。それを説明願いたい。
○国務大臣(郡祐一君) 郵便貯金につきましては、一番大きいのがやはり不時の出費であります。二番目に大きいのが子供の養育のためでございます。この二つが何と申しましても郵便貯金の利用目的の大宗を占めております。
○稲葉誠一君 もう少し詳しく説明してください。もっと詳しく資料があるでしょう。
○国務大臣(郡祐一君) 郵便貯金につきましての世論調査をいたしたものがございますが、不時の出費が四八・二%、子供の養育費が三三・三%、老後の安定一五・八%、物品購入一四・一%、事業費金七・六%、組婚資金六・五%、住宅資金五・八%、レクリエーション五・三%、その他となっております。
○稲葉誠一君 それから厚生大臣に伺いますが、国民の栄養状態の調査したものがございますね。これは、カロリー計算などで標準との関係は国民の栄養の状態はどういうふうになっていますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 三十九年度の調査の資料はまだ完全に集計ができておりませんが、二千二百二十二・六カロリーで、これは栄養審議会の昭和四十五年度の目標二千三百カロリーにだいぶ近づいてきております。
○稲葉誠一君 どうもぼくの質問がどういうことを聞いているかということがだんだんわかってきたのかもしれませんですけれども、そこをずっとぼやかして答弁しているような印象を与えるのですが、ぼくの聞いているのは、たとえば「国民栄養の現状」で三十八年度の調査をやったでしょう。その中で総論として出ているのじゃないですか。所要量が二千五百カロリーで、それに達しないのはどの程度あるかというあれがあるでしょう。そいつを聞いているわけです。ぼくの聞き方が悪かったのですけれども、資料に基づいて答えてくださいよ。
○国務大臣(鈴木善幸君) 政府委員から答弁いたします。
○政府委員(中原龍之助君) お答えいたします。 栄養調査の結果に基づきましてただいま大臣から申し上げましたけれども、まだ三十九年度は全部集計ができておりませんので、途中までのあれでございますけれども、国民一人当たりの摂取カロリー数は、昭和三十八年が二千八十三カロリーでございましたものが、三十九年は約二千二百二十二・六カロリーというふうになってきております。これを内訳を見てみますと、大体におきまして、たん白、それから動物性たん白、植物性たん白、脂肪ともに増加しておりまして、たとえて申しますならば、三十八年がたん白質量でございますと七〇・六グラムでありましたのが、大体七四・四グラム、それから動物性たん白摂取量が三十八年が二七・七グラムでありましたのが、それが三十九年度は二八・七グラム、それから植物性たん質摂取量が四二・九グラムであったのが、四五・六グラム、それから脂肪につきましては、三十八年が二九・二グラムありましたものが、三四・三グラム、これが現在のところわかった範囲でございます。
○稲葉誠一君 いまのも、どうも自分のほうに不利だと思うとそいつを避けて答えるんですが、悪いくせですね。「熱量の摂取量がその所要量(二、五〇〇カロリー)に達しない世帯数は、総数で六二・七%、生産者世帯で六六・三%、消費者世帯で六一・五%で過半数を占め、」ていると、こうはっきり言っているわけでしょう。これは間違いないわけでしょう。——間違いないんでしょう。いまのに答えてください。政府委員でいいですよ、答えてください。
○政府委員(中原龍之助君) お答えいたします。 ただいまの問題、全世帯のカロリーのいわゆる分布でございますけれども、これにつきましては、いままだ計算途中でございますので、ここまで行っておりません。
○稲葉誠一君 出ておるじゃないの、三十八年度のは。
○政府委員(中原龍之助君) これは三十八年でございますが。
○稲葉誠一君 それを聞いているので、それでいいんですよ、一番新しいので。
○政府委員(中原龍之助君) 三十八年は、生産者世帯で六六・三%、消費者世帯で六一・五%、これは成人一日当たりの熱量の分布を見た場合に、摂取量が二千五百カロリーに達しない世帯数のパーセントでございます。
○稲葉誠一君 総理ね、約二十九兆預貯金しているわけでしょう。そうすると、物価が上がったことによって、それは預けた人が上がった分だけ貨幣価値が下がるわけですね。それだけ損をしたことになるわけですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 大蔵大臣に答えさせます。
○稲葉誠一君 おかしい、どうして総理が答えないのか。
○国務大臣(福田赳夫君) 物価が上がる上がると申しますが、これは消費者物価で、しかも、その消費者物価の上がる要因は、三五%ぐらいが生鮮食料品ですね。それからサービス料がやはり三二、三%になります。ですから、貯金が、その金がどういうふうに使われるか、野菜だとかお魚だとかを買うという人につきましては、それだけ価値が減る。しかしながら、耐久家庭用品というようなものは下がっております。ですから、そういうものを買う場合におきましては、これは価値が上がっておる、こういう解釈になります。
○稲葉誠一君 それは内容をこまかく分けた場合の話であって、たとえば三年間に二〇%上がったというんです、消費者物価が。それならば、あなた、その金を引き出して買うときに、算術平均でいえば二〇%だけ貨幣価値が下がったことになるじゃないですか。算術平均でいくやつがこれはすなおな解釈じゃないですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 貨幣価値が下がったかどうかというのは、これはまたもう少し問題が複雑なんですが、これは卸売り物価もあります。これは横ばいでありまするから、卸売り物価で買う面におきましては下がってはおらない。消費者物資を買う場合におきましてはただいま申し上げましたようなウエートで下がるものもあるし、また、耐久消費物資のように上がるものもある、こういうことであります。しかし、かりに、いま統計に出ておるように、消費者物価指数のような内容で生活をするというものに対しましては、消費者物価が上がっただけ下がるのだと、こういうことになります。
○稲葉誠一君 なぜ、そういう点、そういうふうに回りくどく問題を晦渋にするんですかね。だって、貨幣価値は、対外的なものと対内的なものがありますね。対内的なものは、物を買う力でしょう。平均的に三年間に二割物価が上がったとなれば、物価を買う力がそれだけ減ったことになるのですから、算術的にいって、あたりまえに二割なら二割貨幣価値が下がったのだと、こう言えるのじゃないですか。それはあたりまえじゃないですか。それは預貯金全部が消費者物資だけを買われるというのじゃないという理屈は立つかもわかりませんけれども、消費者物価の問題に限定して言えば、当然そういうふうに学問的にも考えられるでしょう。あたりまえじゃないですか。ちょっと不思議ですね、なぜそういうふうに違うように言うのか。貨幣価値が下がったんだということは認められるわけですね、物価が上がれば。
○国務大臣(福田赳夫君) 消費者価格に関する限り、貨幣価値が下がっておるということは認めます。そのとおりです。しかし、いまお尋ねのことは、これを的確に答えますと、ただいま私が申し上げたようなことになる、かようなことでございます。
○稲葉誠一君 そうすると、結局、日本の国民は、ヨーロッパやアメリカと比べて、非常に低い栄養——これはカロリーだけで栄養の計算をするというのはちょっと問題点があると私も思いますけれども、いずれにしても、標準の栄養よりも非常に低い栄養でがまんをして、そして、老後が不安定であるとか不時の出費が足りないとかこういうことで郵便貯金をしたり簡易保険に入ったり預金をしたり——預金は当座や何かありますから、必ずしもそうじゃないのもありますけれども、こういうようなことになってきているんじゃないですか。結局、そういうようなことで消費者物価が上がってきて、消費者物価にする限りでは国民はそれだけ大きな損をしていると、こういうのが結論ではないですか、理論的な。これはやはり認めなくちゃいけないんじゃないですか。認めて、そこから問題を出発させないといけないんじゃないですか。だから、物価問題の重要性というものがさっぱりわからないで適当なことでやってしまうと、こういうことになるんじゃないですか。ぼくはそういうふうに思いますがね。 それでは、総理に。国民が貯金や何かする理由は、不時の出費に非常に足らないということでしょう。不時の出費に憂いがあるとか、あるいは学費が非常にあれだとか、老後の安定のためだとか、こういうようなことで貯金をするんですね。貯金した結果、貨幣価値が下がって損をしちゃうのですね。なぜ、そういうふうに国民は、何といいますか、ひどい目にあわなければならないか。ことばは悪いかもわかりませんよ。ことばは悪いかもわからぬけれども、それは社会保障が非常に日本の場合に不備だからです。そうあなたはお考えになりませんか。それと同時に、だから、世界各国との関係において日本の社会保障がどういう地位にあるか、これはやはり明らかにしていただきたいと、こう思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 稲葉君にひとつ基本的にものの考え方が違っておりますということを申し上げたいのですが、それは、ただいま、物価が非常に上がっているじゃないか、貨幣価値はそれだけ下落しておる、そこで、国民は、貯金はしておるけれども、これはたいへん損をしているんだと、こういうことの御指摘です。そこで、先ほどのように大蔵大臣から答えて、そう簡単にものごとを言ってもらっちゃ困るというのを大蔵大臣からお答えしたわけなんです。今日、いわゆるインフレの方向へ行っているのかどうなのか、かように考えてみますると、私はまだインフレだとは考えておりません。したがいまして、国民の貯蓄性向は非常に高い。国民自身が、ただいま稲葉君が言われるように、ばかをみる、損をしていると、こういうことなら、貯蓄や貯金をするはずはないんです。だから、いまの世相というものに対しまして国民のほうはもっと健全であり、落ちついた見方をしておりまして、そうして三十兆に近い、まあ二十九兆の預貯金をしていると、こういうことに実はなっておると思います。でありますから、いまの経済の問題を、たいへん物価が高くなっておると、そういう意味で国民は損をする——いわゆるまあインフレ的な状況になれば、稲葉君の言われるとおりだろうと私も思いますが、ただいまの状態はそうでないのです。この点だけひとつ認識していただきたい。 また、ただいま言われますように、社会保障制度、わが国の制度がまだ中途はんぱだと、こう言われること、いまその充実の過程にある、これは私も認めます。したがいまして、こういう点にも力を入れなきゃならないと、かように思いますが、まあその両々相まってただいまのような国民生活の充実がはかれる、かように思う次第でございます。その点では、結論は同一だと思いますが、道行きがやや違っておるように思います。
○稲葉誠一君 社会保障の国際的比較の説明をしてください。
○国務大臣(鈴木善幸君) お答えをいたします。 国民所得に対する社会保障給付費の割合でお答えをしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○稲葉誠一君 ええ。
○国務大臣(鈴木善幸君) 日本は六・四%・・・
○稲葉誠一君 何です、それは。
○国務大臣(鈴木善幸君) 国民所得に対する社会保障給付費の割合でございます。日本は六・四%イギリスは、一九六〇年の統計しかございませんが、一二・九%、スウェーデンが二・六%、イタリアが一五・二%、そういう状況でございます。
○稲葉誠一君 「厚生白書」の中に、「主要諸国における社会保障の事故別給付水準(対国民所得比)」という表があるわけですね。そうすると、全体の中で日本は、ベルギー、カナダ、フランス、西ドイツ、イタリア、オランダ、ニュージーランド、スウェーデン、イギリス、アメリカと、これらに比べて日本は一番ビリになっておりますよ。老齢、廃疾、遺族の問題になってくると、日本はほかの国と比べて極端に最下位になっておるわけでしょう。これは「中央公論」の中で「日本の税金は高いか」というのを経済企画庁の調査局の吉富君というのが書いているんですが、はっきりその統計が出ているんですよ。これははっきりそういう数字があるんじゃないですか。企画庁のほうでわかっておれば、また説明なさってもいいですけれどもね。調査局というのですか、調査局長でもだれでもいいですけれども。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 私ただいま存じておりませんから、事務当局からわかっておりますだけ……。
○政府委員(中西一郎君) 社会保障医療費等、まあ総括的に先ほど厚生大臣からお話がございました。総括的に見れば、先進諸国の水準に比べて低いということは言えると思います。具体的な数字は、いま手元に持っておりません。 なお、医療費を除けばどうかという観点から見ても同様であろうかと思います。
○稲葉誠一君 いまのは、これはあなたのところの調査局の吉富君がはっきり書いておりますから、これは個人として書いたのかわからないけれども、経済企画庁で統計をはっきり出していただきたい、こう思います、あとで。 そこで、いま私が聞いたのは、社会保障が世界的に見て日本は不備だと、完備していない。ことに老齢、廃疾、遺族の問題については極端に悪いんですね、ほかの国と比べて、これによると。これは厚生白書とほかから引っぱっておるのですが、だから、国民は、しようがないから、国がやってくれないから、しようがないから、自分で防衛するために貯金したりなんかするわけでしょう。貯金をすれば、貨幣価値が下がっちゃって損をする、こういう結論に私はなると思う。あなたは、半分認めたような、半分認めないようなことですから、これはあとでまた本予算のときに論議すべき大きな問題として残しておきたい、こういうふうに考えます。 そこで、問題は、ことしは五・五%ですか、その次三%というようなことを言われますね。その具体的な根拠、これがわからないというのですね。それがはっきりしないものですから、何となく、これがどうも私らはわからないのですね。国民もわからないのです。その点を明らかにしてもらいたいと、こう思う。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 五・五%は、大体本年の初頭にありましたげたと、ことしすべきげたとの間に一%の差ができておりますので、まず二%程度の引き下げを行なえば五%台に落ちると思います。ですから、一%というのが努力目標。二、三年以内に三%台に落とすということは、私どもは、今日の日本の現状から申しまして、アメリカ等の一・五%というようなところには急速には、私は正直に言って、なかなか持っていけないのじゃないか。それは経済がとにかく成長率にいたしましても非常な大きな勢いで伸びておりまして、三%ないし四%というようなところにはとどまらないと思います。したがって、若干そういう点において高目になるのはやむを得ない。しかし、少なくもそれは三%以内に押えて、二%台に持っていかなければいけないのじゃないかということを私どもまず第一に考える。そこで、それに持っていくのにはどうしたらよいかといえば、私は今日の現状から申して、たとえば需給上の関係その他から来ておりますだけでなしに、構造上の問題から今日来ているところが非常に多いのでございますから、それを逐次解決してまいらなければ、なかなかそこに落ちてまいらないと思います。したがって、農業におきましても、中小企業においても、あるいは流通過程につきましても、それらの施策を固めてまいりまして、そこに落としていくということを考えておるのでございます。したがって、農業の対策にしてもあるいは中小企業の対策にしても、流通対策にしても、それぞれ内容はいろいろな各部面がたくさんございます。それらのものを生産性の向上なりあるいは合理化の過程に乗せて、一つ一つそれらのものを解決していくということによって、その目標を達成していきたい、こういうのが私の考え方でございます。
○稲葉誠一君 この五・五%というふうなものが出てきた根拠というものは、具体的にあとで資料としてぼくは提出願いたいと、こう思います。 そこで、中西生活局長は、これは朝日の座談会ですか、はっきり言っているのは、「五・五%という数字は非常に困難な努力目標と理解いただきたい。」と、こう言っていますね。非常に困難な目標なんですか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) むろん努力をしていかなければならぬので、ただ黙っていてすべてそこへ行くとはわれわれは思いません。したがってその努力をする過程においては、困難な問題もたくさん解決していかなければならない部面があると思います。たとえば、何と申しますか、潮風に乗って値上げをしなければならないというものも、場合によっては押えていかなければならない、そういういろいろ困難なこともあると思います。したがって、困難でないということは申し上げかねると思いますが、それをおかしてやっていく。しかし、それくらいの目標はあるし、努力目標は達成するだけの努力はしてまいらなければならない。それくらいの困難はわれわれは乗り越えていかなければならない、こう思っております。
○稲葉誠一君 そうすると、三%なら三%ということは、結局、国民総生産がどういうふうになるとか、予算規模がどうだとか、税収はどういうふうに伸びるとか、こういう全体との関連で考えられて出てくることではないですか。三%に来年するというようなことのそこら辺はどういうふうになっておるのか。これは大蔵大臣は、ある会ですがね、国民政治研究会で一月二十六日の会のときにですね、藤山さんは二%にしたいということを言っておる、こういう質問に対してあなたは、その辺根拠はないことで常識的に言っておるのでしょうがね、こう言っておりますね。根拠はないのですか、そう言っておるのですがね。
○国務大臣(福田赳夫君) 経済企画庁長官は二%と言ったことはございません。したがいまして、根拠はないわけでございます。経済企画庁長官から二%という数字を伺ったことはございません。
○稲葉誠一君 あなたは、三%ということは言っております。
○国務大臣(福田赳夫君) 三%ということは言っております。これは七・五・三ということ、しかし、これは三%というのは来年、再来年のことですから、これはそう具体性を持ったことではないので、これは努力に努力をする、そのし得る目標である、そういう意味のことを私は申し上げたのだろうと思います。
○国務大臣(藤山愛一郎君) いま稲葉さんのお話しのように、個々の対策をいま申し上げたようにやってきた。しかし、三%台に落ち着かせるためには、ここ二、三年経済成長率を七・五%前後、八%になる場合もある、七%になるかもしれませんが、七・五%前後にとどめていく。そういうような財政の運営が望ましいことは、私はバック・グラウンドとしてそういうものがあることは申し上げるまでもございません。そうして、その中でなお個々に先ほど申し上げたような手を打っていかなければならない。片一方の経済は一五%、二〇%伸びた、そのままほうっておいて三%ということではございません。
○稲葉誠一君 そうすると、藤山さんに言わせると、あなたのような経済成長率でいった場合に、あれですか、不況を克服し、脱出できると、こういうことならば、具体的な根拠をお示し願いたいと思います。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 私は、日本経済の発展におきまして非常に大きな成長をするということは、過去においてあったわけです。しかし、これは大きな成長をするという場合に、何に力があるかというと、やはり大きな企業が力を持っていくことになろうと思います。やはり政府の施策としては、今日の命題としては、中小企業なり農業なりの構造改革をやる、あるいは育成を、中小企業の近代化、合理化をやる、そういうふうにいかなければならないと思います。しかし、中小企業や農業の合理化というものは、そう成長率を私は高めるものだとは思いません、投資効果からして。大企業であれば大きな何億という工場をつくる、したがって、民間設備投資というものが四兆五千億が非常にのぼっていった場合に、そののぼっていったものが過去のように五兆にもなっていくという場合に、その中の民間設備投資というものができるだけ中小企業や農業に振り向けられて、今日過剰生産と申しますか、過剰設備で困っている大きな企業というものは若干足踏みをしていただいて、そうしていまの稼働率が六〇%なり七〇%なのを、できるだけ八〇%、九〇%に持っていくことによって達成せられるので、設備投資によって膨張するのではない。そういういき方が私は七・五%をやる上において適当ではないか、これは私の考え方でございますが、そういう考え方でおるわけでございます。ですから、いまお話しのように、それを適切にやってまいりますれば、物価の上にも影響があります経済成長も、ゆがみのない成長ができ上がっていく、こういうふうに私は考えているのです。なるべくそういう方向に向かってやっていきたい。大蔵大臣も大体私どものように考えて、三年くらいは、この間から申し上げておりますように、七、八%の成長率で指導していきたい、こういうことでございます。
○稲葉誠一君 中小企業なり農林漁業の近代化というか、そういうふうなことは、一体自由主義経済の中でどれだけできるのか。その限界というものはぼくはあるのじゃないか、こう思いますが、そこら辺のところをどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 私は中小企業の近代化あるいは農業の近代化ということも自由主義経済の中でできるので、それは国営方式による統制経済でなければできないとは考えておりません。しかし、その中で政府が行ないます。政府がただ放置しておくというわけにはいきませんから、政府が指導的立場に立ちまして、自由主義経済の中における政府の持っている指導性というものを発揮することによってその運営をしていく。こういうことでなければならぬと思います。
○稲葉誠一君 非常に議論のあるところですが、そうすると、この話は別にしますけれども、中期経済計画は、これはあれですか、廃止したのですか。その間の事情を明らかにしていただきたい。なぜかというと、去年の一月の施政方針演説では、中期経済計画にのっとって経済を運営して安定成長に持っていくんだとあなたは言われたのでしょう。それがどういうわけで廃止になってきたのか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 御承知のように、今度の予算は積極大型の予算で、公債も発行する、こういうことに踏み切りまして、これはどこまでも経済の状況に対応した施策でございます。中期経済計画はさような点を全然予想しておらない。それだけ事情が変わってまいった。こういうことでございましたので、その情勢の変化は、経済の情勢、これが中期経済計画で予想したときの情勢と違うんだ、かように御了承をいただきたい。
○稲葉誠一君 そうすると、中期計画の中で、三十九年から四十三年まで公共事業の投資は十七兆八千億が限度だ、こういうふうに書かれているわけです。これはどうするんですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま、中期経済計画はやめてそうして新しいものを実施しよう、これがまず四十一年度の予算として御審議をいただくということでありますが、しかし、政府としては、全然継続的な計画なしにこの方向で進めるわけにいきませんので、この中期経済計画にかわるものも同時にできるだけ早く策定したい、かように思います。
○国務大臣(藤山愛一郎君) いま総理がお答えになりましたように、われわれとしては、中期経済計画を廃止すると同時に新推計が出そろってまいりましたから、その新しい統計の上に立ちまして統計を整備した上で今後の計画を立ててまいりたい、そうして財政なり経済の運営の指針にしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○稲葉誠一君 私の聞きたいのは、今後公共投資というか、それが具体的にどういうようになってくるのかということを聞きたいわけです。 それから、中期計画では十七兆八千億ということだったんですか、それが具体的にどうなってくるかということ、それが物価にはね上がってきて、三%というようなことの値上がりでは無理ではないかと当然考えられてくると私は思うんですが、そこをお聞きしたいと思っているわけです。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 中期経済計画では、御承知のとおり、公債を出さないという立場に立っておって、今度は公債を出すという立場に立って計画を考えてまいらなければなりません。したがって公共投資その他につきましても、公債を出した場合と税金に依存しておった場合とは、おのずから数字が、限度が違ってくると思います。そういう意味からいいまして、今後公共投資のやり方につきまして、やはりいまお話しのように、たとえば国民総生産は、三十兆にもなったというときに、最初の中期経済計画の元の計画である所得倍増計画のときは十三兆六千億が国民総生産であったわけなんです。そのときと三十兆とでは、貨物の輸送にいたしましても、すべてのものが違ってきております。したがって、それに対応するような道路がはたしてどの程度にできていくことが望ましいかということを念頭に置いて考えてまいらなければならぬ。いま非常に立ちおくれているものを急速に取り返していくために、中期経済計画におきましても、そういう観点に立って問題を抜かったと思いますけれども、公債発行でなくて、財政で、税金でまかなうという立場をとっておりますから、いま、限度がある、それが最大限だと言われたことも、今後の公債発行の状況その他を勘案しながら考えて新しくそういうものを推算してまいりたい、こう考えております。
○稲葉誠一君 私の聞くのは、その公共事業がどんどんふえてくるんだろう、来年、再来年からずっとね、それは明らかでしょう。そうなってくれば、当然それが物価の値上がりということにはね返ってくることは火を見るより明らかではないかと、こう聞いておるわけですよね。それを計算に入れてあなたが三%というようなことを言われるなら、五・五とか、三とか言われるならまた話は別ですけれども、それがどういうふうに計算に入っておるのかということをお聞きしておるわけです。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 非常に正確な計算はまだいたしておるわけではございません。しかし、いままで御説明申し上げましたように、たとえば、輸送の状態が円滑を欠くことによって物価の上に非常に大きな影響を持っておりますものが非常に多うございます。先ほど農林大臣が例を引かれたと思いますが、たとえば青森のリンゴと東京の市場のリンゴとの値の違いというのは、もしかりに国鉄が東北線が複線化されまして、そうして輸送ができる、あるいは中央道路ができまして自動車輸送もきくということになって、流通の面が解決してまいりますれば、市場と産地との格差というものを輸送の面から私は解決し得るものだと思います。また、たとえば道路が舗装されるということになってくる。あるいは拡幅されるということになれば、自動車の運行賃というのが非常に下がってまいります。ガソリンの消費量も下がってくる。そうして時間的にも短縮してくるということになれば、それは決して物価に悪い影響を与えていくとは思いません。今日の物価形成の上でそういうものが流通過程における非常なやはり障害をなしているということは認めざるを得ないんでございますから、そういう建設計画をする。ただその間に建設資材等が値上がりするというような問題をどう技術的改善によって克服していくかという問題はございます。したがって、われわれも心配しておりますのは、住宅を非常に大きく計画して建てていく場合に、住宅そのものは充足してまいりますけれども、家賃が上がって充足されるんではならないと思いますので、できるだけ低い家賃でもって住宅数が充足されるようなことに進めてまいらなければならない。それには地価の問題もございます。そこらのものを総合して考えていくことによって、いまお話しのように、物価に悪い影響は私は出てこないんじゃないか、こういうふうに考えております。
○稲葉誠一君 そうすると、公共事業を今後、たとえば三年なら三年、五年のうちにどの程度やっていくという大まかな計画はないんですか、いま。その点はどうなんですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 昭和四十一年度予算、これは公共事業が大いにふえたわけですが、ふやしましたのは、民間の設備投資活動が非常に低調である、それを公共事業で補おう。つまり、民間で資金が入らないこの時期に、その民間が使うべかりしその資金を使って、社会資本の立ちおくれを取り戻そう、こういう考え方なんです。今後考えてみますと、同じ状態がまあ二、三年は続く、こういうふうに思います。そういう時期には公共投資は積極的にやっていきたい、かように考えております。
○稲葉誠一君 だから、いま大蔵大臣のようなことを言われれば、それは藤山さんの言われるように、物価の値上がりを吸収する部分も確かにありますね。あることはありますけれども、全般的にいわゆるある程度の過熱ができてきて、そうして物価が上がるということは、ぼくは火を見るよりも明らかなんで、だから、この次三%とかなんとかいうことは、これはもう根拠がなくなってくるんじゃないかと私は思うんですがね。これは議論のあるところだと思います。これはいずれもっと研究をして、ぼくは議論したいと思います。これはそういうふうに言っておるのですよ。これは企画庁でそういうことを言っておる人がはっきりありますから、その人の説をそのまま受けておるのじゃありませんけれども、ぼくは問題だと思います。 それから別のことですけれども、公共料金に関係して、財政法の三条、この特例がありますね。この特例はどういうものであって、これを廃止するというつもりはないのか。このことをまずお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 大体重要なものは第三条でやっておりますが、特例も認められておるわけです。その一番大きなものは、これは米でございます。米につきましては、これは政府が米価審議会の意見を聞いてきめる、こういうことになっております。そういう特例的な措置がありますが、しかし、そういう措置でも、食糧管理法というような法律に根拠を持っておりますので、まあ適切なことかと思いますが、今後といえども第三条の趣旨は尊重しますが、これを廃止だとかあるいはこれを変えていく、こういう考え方は持っておりませんのです。
○稲葉誠一君 これは昭和二十三年に異常な経済状態のもとだからというので三条の特例を設けたわけでしょう。異常な経済状態というのは、二十三年からなら、もうなくなっておのででしょう。やはり本筋に戻って三条の本条を生かしていって、そうして国会の承認を得ることをふやしていくというふうにするのがこれは当然じゃないですか。おかしいと思いませんか。
○国務大臣(福田赳夫君) ものによるのだろうと思うのです。大体重要なものは国会の承認を得ております。しかし、得ておらないものも法に根拠を置いておるわけであります。その法自体が国会のまた承認を得る、こういうことになっておりますので、私はこの三条は今日といえどもこの態勢で済むのじゃあるまいかと存じております。しかし、三条というものの議論は、最近あまり行なわれておりません。おりませんので、今後も研究はいたしていきたい、こういう考えであります。
○稲葉誠一君 では、物価統制令がまだ残っておるわけでしょう。物価統制令が残っておるから、だから、その限度において三条の特例を残していくのだと、こういう考え方をとっておられるわけですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 政府委員がお答えいたします。
○政府委員(谷村裕君) 御指摘のとおり、財政法第三条は物価統制令の存続する間特例が存続すると、かように相なっております。
○稲葉誠一君 これはあまり議論は価値がないと思いますけれども、物価統制令が現実にどういう働きをしておるのでありますか、いま。
○政府委員(谷村裕君) ちょっと所管が物価統制令の所管でないのでございますが、財政法第三条との関連において私が調べたところでは、ただいま物価統制令によっていわゆる統制額が定められておりますものは、米とそれからアルコールの販売価格と公衆浴場の入浴料金というものについては。物価統制令によって統制額が定まっておると思います。
○稲葉誠一君 議論がちょっと横道にそれましたが、そこでいまの公共料金のことで、もうさっきの質問では、ことし一年はほかのものは上げない、考えられておるものはこれだ、それ以外のものはことし一年は上げないというもうさっきのお話でしたね。ところが大蔵大臣は、これは一月二十六日に国民政治研究会の月曜会で言っておるのは、いろいろないままでのうみがあるのだ——うみって変なことばですけれども、いろいろなうみがあって、いままでのうみみたいなものをここでひとつ出してしまうと、どうせろくなことは言われないのだから、言われついでに私鉄も郵便もみんな取り上げると、そうすると、これから五年ぐらいはだいじょうぶですと、こう言っているのですね。そうすると、ことし上げるものは上げちゃうと、——まあ上げていいというのじゃないのですよ、とにかくそういうふうになると、そうすればその後五年間は、まあ五年ぐらいか、五年ぐらいはもう上げなくて済むのだと、こういうふうに承ってよろしいですか。そうならば国民はそれで非常に喜ぶわけですね。そこのところどうなんですか。そう承ってよろしいですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 今度改定をいたします国鉄ですね、また郵便料金、こういうものにつきましては、五年ぐらいは改定の必要はなかろうと、こういうふうに考えてます。
○稲葉誠一君 そうすると、あなたの言われるのは、今度上げるのは国鉄と郵便だけですね。これを見るとそうじゃないので、私鉄も郵便もみんな取り上げると、まあ私鉄も入っておりますけれども、あるいはミスかもわかりませんが、そうすると、国鉄と郵便の関係は今後は五年間は上げないと、こういうふうに約束を国民の前にできるわけですか。これは総理から。
○国務大臣(佐藤榮作君) 公共料金は国民生活に多大の影響を与えるものですから、こういうものをたびたび変えることはよくない。だから、ただいま大蔵大臣の答えたとおりです。私は五年ぐらいはこれは上げない、かように考えております。
○稲葉誠一君 まあそういうことはそういうこととして承っておきます。 そこで、もうさっきから盛んに地価対策の問題が出てくるわけですね。で、地価対策についてどういうふうなことをいままで、まあ考えたというより、どうしていままでできなかったのですか。これは去年の一月にもうやることになっていたのじゃないですか。できなかったのじゃないですか。この政府の企画庁の人、こういうふうに言っていますよ。いいですか。まあいろいろ言って、「住宅建設が国際的レベルに達していないことは表1にみた通りだし、戦災による住宅の破壊も大きかった。そうして何よりも土地問題に対する政府の態度は文字通り無為無策で、住宅問題を尖鋭化させている。」と、こう言っているのですね。これは政府の人ね、企画庁の人、この人に責任とらしちゃいけませんよ。この人が自分の意見で言っているのですからね。これはもうまあそんなことしては気の毒ですけれども、まあ無為無策は議論のあるところとしてもですね、なぜ地価対策というものがいままで組めなかったか。いまはぐんと上がっちゃったところでしょう。上がっちゃったところで地価対策をいまごろやるというのはおそいのじゃないですか。まあ無為無策は別としてね、その点はどうなんですか。だれに聞いたらいいのかな。
○国務大臣(藤山愛一郎君) こまかい点については建設大臣からお話があると思いますが、地価対策はどうしてもやらなければならぬ問題であることは当然でございます。ただ、非常に関係するところ広範でございまして、しかも、なかなかきめ手が見つからないのじゃないかということで、いろいろ考慮されておったことも事実でございます。しかし、今日では一つの方針を、建設大臣御説明になろうと思いますけれども、立てて、そうして進んでいくという方向に固まってまいったわけでございまして、まあ過去においてはそういう経緯からいろいろむずかしい点があったと思います。
○稲葉誠一君 建設大臣はまああとでいいですけれども、総理、地価が物価問題の非常に根本的な問題であると、これはもう前から言われておったことですね。それは去年の一月のこれは二十日の新聞がありますが——そうじゃないか。そのころにですか、いつでしたっけね、去年一月ころにも何かそういうようなものをやったのじゃないですか。いろいろな会合を持ってやることにきめておったと、それがいままでどうしてできなかったのですか。そこに問題がぼくはあると思うのですよね。そこですよね、問題ね。それ総理はどうお考えになのか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 地価問題は各方面でいろいろ論議はされてまいりました。しかし、これ真剣に取り組んでみますると、あちらこちらにいろいろの問題と関連する事柄があるわけであります。まあ政府といたしましては、できるだけ各方面の理解のできる、そういう対策を立てようと、こういうことでその調整にずいぶん時間をかける、そういう実情でございます。
○稲葉誠一君 具体的にどこにどういう問題があったのですか。これは確かにむずかしい問題があるかと思いますけれども、これが根本だと言っていてやらなかったのですから、一年間やらなかったことは認めるのでしょう。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま、やらなかったと言われるけれども、準備したということなんで、とにかくおくれたということは認めますが、とにかく非常に各方面にまたがる問題ですから十分慎重に対案を立てる、こういう意味で時間を要した、かように私考えております。
○稲葉誠一君 いや、私の聞くのは、どこにどういう問題点があったのかと言うのですよ、各方面じゃなくて。
○国務大臣(瀬戸山三男君) 地価問題についていろいろどこにどういう問題点があったかと言われますと、一番の根本問題は私は憲法解釈であったと思います。憲法二十九条の私有財産権に対する補償という問題の解釈が、稲葉さん御承知でありますが、「正当な補償」、こういうところにあって、しかも私有財産権、特に土地の私有財産権に対する基本的な考え方が、率直に申して社会生活、国民生活にあまり適当でない解釈がせられてきた、これがすべてのガンであったと私は思います。
○稲葉誠一君 いま瀬戸山さんの言った憲法解釈というのは解決したんですか。
○国務大臣(瀬戸山三男君) 憲法解釈は解決したということは言えませんけれども、最近の趨勢と申しますか、社会情勢と申しますか、土地と人間との関係というもの、基本的に土地を離れて生活ができないこの人間との関係と申しますか、しかも現実に地価の上昇というものは、先ほどお話がありましたように、すべての物価の問題、生活の問題、社会環境の問題、こういうものといろいろアンバランスの状態を来たしておる、こういうことが私は世間にも認識を深くいたしたと思いますが、多くの法律学者にも再検討しようという空気が強くなっていると思います。この問題を解決することは国会であろうと私は思っております。
○稲葉誠一君 そうすると、それはそれとして、土地収用法の問題があるわけですね。これは私は私の議論がありますが別として、収用を受けた人に比べると、近所の人は、地価が上がって非常にもうかるわけですね。そういう人に対して特別の税金をかける、こういうことがきまっているのですか。かけたいというのですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 大体そういう方向の方針をきめておりますが、まだ具体的な細目をきめておりません。今国会に御審議をお願いするつもりでおります。
○稲葉誠一君 これはあげ足取りみたいになって恐縮ですけれども、企画庁の国民生活局長は「地価対策にもまたがる問題として、総合的な交通ビジョンが全く出来ていないことをあげたい。国鉄、私鉄、建設省と、どこもバラバラに仕事をやっている。」、こういうふうに言っていますね、朝日の座談会の中で。これは具体的にどういうことをさしているのですか。これはまず企画庁長官からお答え願って、あとはだれでも……。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 道路計画、住宅計画、都市計画等が相並行してまいらなければならぬと思うのです。たとえば非常に大きな団地をつくりましても、そこに道路がついていない。あるいは生活の必要とする環境の整備が整っておらぬ。いわば団地をつくっただけで効果があるものとは思いません。したがって、今後の施策としては、やはり団地をつくる、あるいは新都市を形成するという場合には、それらに対する交通事情その他を勘案して、そうしてやはり整備をしていくということが必要になってくると思います。中西君の言ったところもその点にあろうと思います。
○稲葉誠一君 具体的にどうなんですか。具体的にどこにどういう例があったの。
○政府委員(中西一郎君) これはいままでのところに重点を置いたといいますよりも、将来の経済企画庁なり関係各省の仕事のあり方として、そういう点に十分配慮する必要があるんじゃないかという趣旨でございます。たとえて申しますと、建設省の数字でございますが、昭和五十五年までに宅地造成を五億三千三百万坪する必要があるというようなお話があります。そこで大ざっぱに考えますと、非常に大きな何十力都市というようなのが百近くもできるという話に相なります。そういうことを考えますと、将来の物資の流通、通勤通学のあり方等に関連しまして、よほど統一的な一体的なマスター・プランがないとむだな投資が起こるということにもなりかねない。そういう意味で、そういう発言をしたのでありますが、現在のやっておることについての認識の上に立ってのことでございます。
○稲葉誠一君 あまりあれしても気の毒ですから……。 藤山さんの言っている中で、物価の値下げの問題に関連して、たとえば生鮮食料品のような問題で供給を平均化できる調節的な機能を農協や農村団体や食料品会社が持たなければならない、政府がそういう機関を特別に考えてもいいじゃないか、これは別に何も統制じゃないんだ、こういうふうに言われていますね。そうするとあれですか、生鮮食料品の値下げの問題に関連して、いま言ったような政府の考えておる調節的な機能、供給を平均化する機能とはどういうものですか、どの程度考えておるんですか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 御承知のように、値段の高下がございますと、従来の例から見まして、非常に野菜が、たとえば白菜なら白菜が高いというと、その次には作付面積が非常にふえる、そうして暴落をするという状態が起こってくる。暴落をすると、その次の年には暴落をしたものはなるべくつくらぬというようなことで、今度はまた暴騰する。これは天候にも影響されることでございますが、そういうことになる。それはやはり消費者に対する野菜の供給というようなものは、家庭の主婦の家計での支払いの上からいってもできるだけ安定的な価格で供給されることが望ましいので、ですから、そういう意味において生産の指導をしていただく。そうして同時に、価格が暴騰暴落しないように調節をする。それを農協でやられますか、あるいは事業団でやられますか、今度の予算の中にも事業団でやっていただくものがあるようでございますが、そういうことによりまして非常に安くはならぬかもしれないけれども、非常に高くない一定の安定的な値段で数年続いてまいるということになりますれば、主婦の家計の支払いを目標を置いてやっていくということ、予算化することができるわけでございます。そういうことが望ましいことだ、また、そういう方法で農林省もおやりになるように最近努力をしておられるということでございます。
○稲葉誠一君 それは具体的にどういう形になってあらわれてきているんですか。それが一つと、ついでだからずっと聞きますけれども、いわゆる非常に高い収益や何かをあげている部門に対して、政府が製品価格の値下げの勧告をできるようにしてはどうかということが考えられていますね。これは企画庁あたりでもそういう考えがあるんじゃないかと思いますが、非常に収益をあげている部門に対しては値段を下げろということを政府が勧告したらどうなんです。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 問題は必ずしも野菜だけではないと思います。たとえば、再販価格の問題の場合に、その朝日の中に、伊東さんの御意見で、報告制度というのがございますね、ああいうものは私ども再販価格の問題をどうするかいろいろ考えておりました。伊東さんのそういう案などは一つの私は案ではないかと、こう思います。そうして、消費者には一定の定価でもってどこの店に行っても同じような値段で買える、しかし、その定価が生産の増大、品質の向上に伴って下がっていくという方法をとるためには、再販契約した人に対しては報告義務を負わせるというようなことは、一つの私は方法だと思います。こういう問題については、今後の物価対策をやっていく上において十分検討に値する議論だと思ってわれわれも考えていかなきゃならぬ、こう思っております。
○国務大臣(坂田英一君) 先ほどお話のありました問題でありますが、たとえば、卵のようなものについては、団体が生産調整をやりながら価格の安定をはかるというので、基金制度のようなものを去年の夏ごろからつくっておりましたが、それに対して、国も助成をいたしておる。それから、肉のごときものは、畜産事業団において、これは貯蔵するということが目的ではもちろんありませんが、いわゆる最低、最高の安定帯価格をきめて、その範囲内で豚肉の動きを調整すると、そういうのでありますから、それよりも高くなったときは放出する。なお、高くなる場合には、時によりますと輸入をいたすと、こういうことを。それから安くなりましたときは、買い取るというので、豚肉のごときは相当安定をいたしております。 それから、この生鮮のうちの大衆魚について、ことしから特にやりたいと思うのは、産地における大衆魚を冷凍いたしまして、今度は試験的でありますから、東京と大阪だけにやってみよう、それは大きな倉庫がございますから、冷蔵倉庫が。そこに持ってきて置くわけでございます。そしてちょうど高くなる時期にそれを放出する。こういうことを団体にそれをやらす。こういうことでございます。その保管料その他について国が助成する。こういう制度をことしから試験的に東京と大阪だけにやっていく、こういうことでございます。大体そんなことであります。
○稲葉誠一君 ほかの問題に移りたいものですから要点だけ聞いていきますが、そうすると、電力だとかガス、鉄道、バス、そういうような公益事業については、急にこう何か上げるという形ではなくて、料金の値上げとはまあ関係なしに、定期的に経理内容を公表して国民の前に明らかにすると、こういう義務づけをやったらどうかと、こういうふうに考えるんですが、そうすると、国民は相当公共料金に対する監視というか、それができると思うんですが、この点はいかがですか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 私は再販価格の問題についてはいまのような伊東さんの御提案に対しては十分検討に値すると思いますけれども、いまのガス、電気等につきましては、経営者の良識に待って運営してもらうのが、適当でございますし、また、その内容等の改善を質的に十分達成してもらうことが当面の急務ではないかと思います。
○稲葉誠一君 いまのは、そういうことをやったらどうかというのは、あなたのところは国民生活局長が言っているんですよ、これは勝手に言ったのかもしれませんけれども。それはやっぱり必要なんじゃないかと、こう思います。 それから、カルテルの問題で、カルテルがあるので値段が下るのを押えていると、こうなってきますと、あなたが何かトップマネージメント・セミナーで言ったように、緊急避難的な状況、不況カルテルまで押える気はないとしても、中小企業協同組合の中には、十年から十二年も続いている合理化カルテルがある、これは、そのような長い間かかっても合理化の努力が実らなかったわけで、政府にも責任がある、このとおりにいくかどうか別ですが、こういう意味のことを言われておる。これは具体的にどういうことをさして言っているかということが一つと、そういうような不況カルテルのようなものに便乗しているカルテルがあれば、これはやめさすということ、それによって物価が下がるわけですから、ある程度かもしれませんが、そういう行き方を当然とるべきだと思うのですが、こういう点についてはいかがですか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 今日中小企業団体法その他では、いわゆる合理化カルテルという種類のものが非常に数多くございます。そしていま御指摘のように、十年も続いて——やはり政府が合理化をしろということでするためのカルテルを認めた以上は、少なくとも資金面においても、技術面においても、それに援助を与えて、二、三年のうちに合理化をして、そしてそれぞれの中小企業の方が生産性の向上ができて、価格の合理化カルテルをやめるというのが本筋じゃないかと思うのです。それが十年も続いていること自体、われわれも考え直してみなければならぬ、それから、不況カルテルの場合は、これは不況カルテルを形成します要因としては、平均生産費を割ったと、こういうことが一つの大きな理由になっております。したがって、平均生産費を割るような状態にあります状況において、それにある程度緊急避難的なカルテルをつくらして、そしてそれを直していくということは、私はこれは必要だと思うのでございます。ですから、そのことは卸売り物価をつり上げるというより、むしろある程度認められている物価の水準まで持っていくという範囲内であろうと、ですから、これはその限りにおいては、十分厳選する必要はございます。数も限らなければならぬと思います。また、時期等も、できるだけ早くカルテルの目的を達して解除しなければなりませんけれども、ある場合にそれはやむを得ぬことであって、経済全般を見て必要なことだと、こう申しておったわけです。
○稲葉誠一君 ですから、カルテルの中にも、もう当然廃止すべきものがある、そうなってくれば、価格がこういうところでとまっているのですから、下がるわけですから……だから、九百幾つあるのですから、そのカルテルを全面的に再検討して廃止すべきものは廃止するという方向に当然私はいくべきだと思うのです。そういう検討をするつもりか、企画庁ですか、あるかどうか。通産省ですか、どちらですか、そういう点をお聞きするわけです。どちらですか、これは。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 直接の監督官庁は通産省でございますので、私どもの意見は通産大臣等にも申し上げております。通産大臣も御同感で、その方向に進まれることだと思いますが、詳しいことは通産大臣から。
○国務大臣(三木武夫君) 中小企業団体法による合理化カルテル、価格カルテルというものはほとんどないわけです。輸出入関係だけ、これについては、御説のように非常に長いのがある、これは再検討を加えてみたいと思います。
○稲葉誠一君 物価の問題は、非常に重要な問題だと思います。それについて、いままでお聞きしてきましたけれども、それは根本的な解決策というものはなかなかないかもわからない、これは資本主義経済、自由主義経済のもとでなかなかむずかしいことだと私は思いますけれども、そこであらためて、いままで、去年も物価と取り組むと言ってきた、ことしも取り組むと言ってきている、総理としては具体的にどういうふうに取り組んで、どういう効果をこの物価問題でことし中にあげたいのか、あらためてその決意をぼくはお聞きしたいと思うのです。
○国務大臣(佐藤榮作君) 稲葉君からほとんど全質問を物価問題に集中された。そうして政府のやっていることについて種々お聞きになりました。それでもうおわかりいただいたと思うのは、物価問題は、これは総合的対策なんです。もうこれ一つというようなものが実はあるわけじゃない。各方面の各省の関係全部によりまして総合的施策を行なって初めてできる。そうしてこれは何よりも国民の各界各層の協力を得ないと、成果はなかなか上がらないのであります。私はそういう意味で、別に転嫁するわけではございませんが、昨年来政府が経験したところから申しましても、今度は国民の協力を得るように、そういう施策を推進していく、かように考えておりまして、各方面をただいま督励している最中でございます。
○稲葉誠一君 ぼくは、自由主義経済というのは、うまくいけば、政府の指導がよかったんだというし、悪ければ、政府の力には限界があるのだと、国民の協力が足りなかったのだというふうに責任転嫁のあれが多いわけですよ。それはぼくはいかぬと思うのですよ。そういうことは絶対しないでいただきたいということ、これは要望します。その点について一言何かあればお答え願いたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま私の申したのも、国民の協力を得るような、協力ができるような施策をやるということでありまして、絶対に転嫁するような考えではございません。その意味においては、稲葉君の御指摘のとおり、十分注意して進んでいくつもりであります。
○稲葉誠一君 物価問題は、いずれにいたしましても、また三月にあらためて詳細にお聞きしたいと思います。問題を別にいたします。 安保条約の問題を次にお聞きしたいと思います。日米安保条約があることによって、日本にどんなプラスがあるのですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 日米安保条約、これはもう今日まで締結してきたその関係におきまして、日本はどういうような利益があるか、これは申すまでもないところですが、わが国の自衛力、これは国力、国情に応じた自衛力を持つということでございますが、最近の国際の軍事関係は、なかなか目ざましい発達をしております。私は一国の安全は、ただいま申すような、一国だけではできないんだと、ことに日本のような敗戦国で、それで立ち上がっておる国におきまして、このわが国の安全を確保する、こういう場合には、どうしても集団防衛体制、その中に入らざるを得ない、かように考えておるのであります。そういう意味で日米安保条約は十分役割りを果たしておる、かように思っております。わが国の経済的繁栄も、そのもとにおいて初めて行なわれたと思います。また、これがいわゆる戦争抑止の力を持っている、かように私は思うのでありまして、十分その効果、それは評価すべきものだと、かように思っております。
○稲葉誠一君 安保条約が戦争抑止の力を持っているということ、これはぼくはよくわからないのですよ、あまりむずかしいことばで。具体的にわかるようにひとつ御説明願いたいのです。安保条約が戦争抑止の力を持っているのだと、だからそれが日本にとってプラスだとか、効果があると、こうおっしゃるのでしょう。よく説明をひとつしてくださいませんか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま申しましたように、わが国の安全を一国だけでこれを確保するということは、ただいまの日本の力ではできないように思っております。私はこの集団防衛体制の一員である、こういうことが、今日はやむを得ない体制じゃないか。最近の軍事的な発達の面から見まして、この集団防衛体制というのは、好むと好まざるにかかわらず、そういう方向に行っておると、かように思っております。この防衛体制そのものは、ことばをかえれば、いわゆる戦争抑止の力だと、かように私は思います。
○稲葉誠一君 だから安保条約があるから、どういう戦争が、どういうふうに抑止しているのですか。そこがよくわからないのですがね。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま申し上げますように、この戦争抑止の力、これはいわゆる均衡のとれた、バランスがとれると戦争はなかなか起こらない、かように私は思っておりますが、そういう意味で均衡がとれる、バランスがとれる、こういう考え方でございます。
○稲葉誠一君 どことどことがバランスがとれているのですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 大きく申せば、いわゆる東西の冷戦といいますか、東西の力がバランスがとれている、それで国際の平和が保たれる、かような状況であります。
○稲葉誠一君 日本は東西のどっちですか、日本は東西のどっちにいるのですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 日本は、自由主義陣営の一員でございます。
○稲葉誠一君 そうするとどっちのほうですか、西ですか。まあそれは冗談として。そうすると問題はわからないのですよ。バランスがとれているというのですが、安保条約があることによって、東全部と西全部とがバランスがとれているという考え方じゃないでしょう、まさか。日米と、それと関連をするある東のところとバランスがとれているのだと、これでなくては論理が合わないじゃないですか。だからもう少し説明してください。ぼくの時間がなくなっちゃうから、あなたのほうから説明を聞きたいわけだ。抑止力とは一体何なのかということなんですよ。もう一つは、そうすると、それがあることによって戦争が遠のいているとか、戦争が起きないことに力があるのですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま申し上げるように、まさかわが国を侵略しようというような国はないだろうと思いますが、しかし、わが国自身の安全は、ただいまたよるところといいますか、これならばというものは、実は自衛力では十分でない、かように思っておるのでありまして、そういう意味では日米安全保障条約、これによってりっぱな力が出てくる。これは安全保障条約が示しておりますように、これは攻撃的なものではございません。どこまでも防衛的なものでございます。そこに日本が侵略されないで済むと、こういう状況でございます。
○稲葉誠一君 そうすると、日米安保がなくなると、何かあなたの言うバランスですね、このバランスというのよくわかりませんけれども、バランスが失われて、そうしてどうなるというのですか。それが日本にどういう影響があるというのですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 日本がこういう力を持たないと、この国は侵略されることもあるだろう、そういうことが心配でございます。私は、それが全然心配がない、かような状態でありたいと思いますが、国際情勢はそうもいかない。あらゆる場合を私自身考えざるを得ない。私は、ただいま総理として、この国の安全をどうしたら確保できるかということで一ぱいでございます。そういう意味から考えますと、あらゆる場合を予想するというのは言い過ぎでありますが、あらゆる場合を考えまして、それに対する対策を立てる、こういうことであります。
○稲葉誠一君 あなたが日本の防衛についてお考えのように、私どもも考えているわけです、お互いにまじめにね、見解は違いますけれども。そうすると安保がなくなると、力のバランスが失われて、どっかのところから、場合によっては侵略があるかもしれない、こういうことですね。この侵略というのは具体的内容はどんなことでしょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) この侵略、あるいは直接侵略、あるいは間接侵略というような表現にあらわされておりますが、少なくとも、そういう侵略が積極的にあらわれるか、それは別として、侵略の危険にさらされると、こういうことは言えるだろう、かように思います。
○稲葉誠一君 安保条約があると、その侵略の危険性にさらされないという理論の根拠は抑止力だと、こういうことですか。珍しい議論ですね。そうすると、話、別にしましょう。 そうすると、あくまで力のバランスということを中心に考える、こういうわけですね。そうすると、日本の予定している、あるところがバランスの力がうんと強くなってきたら、こっちのほうも強くならないと、バランスがとれないですね。これは常識でしょう。
○国務大臣(佐藤榮作君) そのとおりだと思います。
○稲葉誠一君 そうするとある日本と逆なところの力が強くなってくるという可能性はあるわけですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) いろいろうわさされておるようでございます。
○稲葉誠一君 日本のぼくは国益の問題もありますから、あまりそういう点についてかえって聞くことがあれだと思いますから、ぼくは常識としてあれですけれども、ある程度遠慮しますけれども、そこで、日本をそうしようとする脅威というようなものの緊急性はあるのですか、いま。緊急性ですよ。
○国務大臣(佐藤榮作君) 緊急性と申しますか、国際情勢、なかなかわかりかねるといいますか、判断しかねる。まあ、たとえばいまのベトナム問題一つを例にとりましても、こういう問題がございますから、緊急性があるといえば緊急性がある。ただいまの状態で落ちついておるといえば落ちついておる、これは見方によって、その表現はそれぞれ違っておるだろうと、かように思います。
○稲葉誠一君 ベトナムの問題が緊急性があるということは、日本に対しての関係でしょう。そういうことも考えられるのですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ベトナムの問題をいま例にとりましたのは、いわゆる世界——国際的の一般の緊急性というものがあるか、こういう意味にお尋ねを私が理解したものですから、それでいまのベトナム問題を一つ出したわけであります。私は、ベトナム問題が日本に対する緊急性ありと、かようにただいま断ずるわけにはいきません。
○稲葉誠一君 ベトナムの問題で、アメリカが北爆していると、それが日本の安全に関係してくる、防衛に関係してくるというのは、どういうふうになったときに、日本の防衛なり安全に関係してくるわけですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 本来いえば、ベトナム問題はベトナムの問題だけでありまして、日本はこれに関係はないわけなんで、ことに日本の憲法のもとから申しましても、日米安全保障条約から申しましてもベトナム問題に巻き込まれると私は思いません。だからいわゆる日本の場合においては、これは問題はない、かように考えますが、一部で言われるところのものをもってすれば、このベトナムの紛争がさらに国際的な発展をすれば、日本もその中に巻き込まれるのじゃないか、かようなことが言われております。むしろ私よりも社会党の皆さんのほうが、この点は明快に御説明ができるんじゃないかと思います。
○稲葉誠一君 ベトナムの問題が世界的に発展をすれば、日本が戦争に巻き込まれるかもわからない、それはぼくの言うこと違いますか。ベトナム問題が世界的に発展すれば、日本がその中に巻き込まれる危険性があるということは、政府は言っていないのだというのですか、社会党だけがそういうことを言っているというのですか、こういうふうなことですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、ベトナムの問題はベトナムの問題だ、日本はこれに関係するようなものでもない。日米安全保障条約も、また日本の憲法も、日本の行動はそこまで出かけるようにはしておらない、こういうことをはっきり申しておるわけであります。
○稲葉誠一君 日本がベトナムへ出かけてなくても、世界情勢の発展によって、日本にアメリカの基地があれば、そうすればそこへ攻撃が加えられるということになってくる、そうすると安保によって日本が戦争に巻き込まれる危険性がある、こういう論理に発展してくるんじゃないですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) その論理なんですが、そういうことだと——アメリカの兵隊が出ていくことがあちらこちらにあるでしょう。そういうところの攻撃を受けたら一体どうなるのか。ただいま言われます日米安全保障条約から見れば、日本における米軍が攻撃を受ける、そういう場合においては、日米安全保障条約は働きだす、これはそのとおりでございます。ただいま申し上げるように、日本にいる米軍が攻撃を受けるという、それこそ積極的な侵略じゃないか、かように私は断ずるのであります。
○稲葉誠一君 安保条約があって、日本にアメリカ軍がいるから、アメリカがある国と戦争して、それが世界的に拡大してくれば、日本が攻撃を受ける危険性があるんじゃないですか。安保条約がなくて、日本にアメリカの基地なり何なりがなければ、アメリカとある国との間のそれが発展してきたとしても、日本が攻撃を受ける危険性というものはないんじゃないですか。その部分においてはそうじゃないですか、ほかの部分に議論はあっても別として、それだけを見れば、そういうふうになるんじゃないですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 日米安全保障条約は、申すまでもなく防衛的なもの、日本の防衛的なものである。したがって、ただいま言われるように、アメリカ兵がここにおりましても、またその基地がありましても、これがベトナム紛争に積極的に使われる、いわゆる軍事基地として、作戦基地として行動するようなことはない。日本はそれははっきりアメリカにも断わっておりますし、そういうことは日米安全保障条約ではやらないことなんで、できないことなんです。だから日本におります米軍というものが、ただ米軍であるがゆえに攻撃を受けるということは、これは普通の場合と違う、かように私は思うので、それは日本の安全保障条約、その関係においてのみ米軍がいるわけでありますから、その意味においては、その攻撃はいわゆる米軍の攻撃としては当たらない、かように私は申しておるわけであります。これは申せば、米軍自身が作戦基地として行動しておる、こういう場合だと、私の説明では理解されないだろう。しかしこれは、さようなことは許さない。かような状態でございますので、普通の場合とこれは明らかに、いわゆる米兵がいる、いわゆる沖繩の場合とは、はっきり区別して考うべきじゃないかと、私かように思います。
○稲葉誠一君 よくわからないのですが、アメリカとある国が戦争して、拡大してきた。日本に安保条約がなければ、日本は全く関係ないわけでしょう。アメリカとある国の戦いに対して、それに対して日本が攻撃されるとか何とかされる危険性は何もないわけですね。安保条約があって、そのアメリカとある国との戦争の拡大の、当事者であるアメリカが日本にいるわけですから、そこから作戦基地だろうと何であろうと、戦争に参加することになれば、直接、間接参加するとなれば、ここが爆撃を受けることはあり得るわけじゃないですか。安保条約があることによって、かえって日本は戦争に巻き込まれるということになってくるんじゃないですか、ない場合と比べた場合に。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、この日米安全保障条約、これで日本がアメリカの兵隊を常駐さしておる、そういう意味で基地を提供しておる。しかし、ベトナム紛争について、この日本にいる米軍がもしも参加するということがあれば、日本に事前協議をするわけであります。日本はその場合に、そういうことをしてはいかぬ、断わるということであります。したがいまして、いわゆる米軍、米軍という範疇に入らないんじゃないのか、私どもは、この土地から、日本を基地にして、そうしてその攻撃的な行動をしないんですから、そういうものに対する攻撃、これはどうしても理解できないということであります。だから、ただいま言われますように、日米安全保障条約、そこで米軍がいるから、米軍はベトナムで戦争しておると、これから米軍はどういうところにおろうと、どういう仕事をしておろうと、攻撃をするのは当然だと、こういうことを言われますが、私はそういうことは国際的には許されないことだと、かように私は言っておるのであります。
○稲葉誠一君 どうも私は納得いきませんけれども、時間がなくなっちゃったものですから、非常に重要なところだと思いますが、それでは別のことをお聞きしましょうか。 そうすると、日本の憲法——あなたは憲法のことを言うといやがるけれども、架空の論理だとおこられるかもわかりませんが、架空ではない。日本の憲法では、アメリカが核兵器を持ち込むということを、これを日本の憲法では認められるのですか。——いや、法制局長官ではない、総理に聞いているのです。認められますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) これは法制局長官が答えるといいのですが、私の考えるところでも、これは憲法の問題は、これは日本に適用するのでありますから、アメリカの兵隊の問題については、日本の憲法は適用ないだろうと思います。ただ、しかし、いま言われるような核兵器の持ち込みという場合だと、これは当然事前協議の対象になります。その場合に、あらゆる場合に、そういう申し出がありましても、お断わりいたします、こういうことをはっきり政府は申しておるのであります。これは憲法の問題から日本政府が一つの結論を出しておる。そうしてただいま申し上げますように、核兵器の持ち込みはお断わりいたします。これはどんな場合でも事前協議の対象で、はっきりお断わりする、かように申しております。
○政府委員(高辻正巳君) この点はかつて稲葉委員の御質疑に対してお答えしたと記憶しておりますが、憲法九条のアメリカ駐留軍に対する関係いかんということにつきましては、むろん御指摘のような問題がございまして、例の砂川判決もその点に触れた最高裁の判断が出ております。私どももやはり最高裁の考え方と同じでございまして、日本の憲法の九条、これが禁止しておりますのは日本国、日本国民の管理、支配する力そのものについて規定しておる。で、それ以外の力については、これは政治上どう判断すべきかという問題はむろんございますが、憲法九条が直接規定しているところではないというのが考え方でございます。むろん日本の国権の範囲内における問題でございますから、日本国はアメリカの装備について、たとえば核兵器の持ち込みについてはといって、一定の制約を付するというようなことはむろんできますけれども、それは憲法九条から直ちにそうであるという必要はない。日本国自身がそのことを考えればよろしいという見解でございます。
○稲葉誠一君 そうすると、アメリカの核兵器持ち込みということは、日本の憲法の範囲外だということですな。
○政府委員(高辻正巳君) 少なくもただいま申しましたように、憲法が、九条が直接に規定するところではない。日本国がその主権において判断すればよいことである、こういう考えでございます。
○稲葉誠一君 日本国が主権によって判断をするということは、具体的にどういうことなんですか。憲法が関与しない。憲法の問題外で、なおかつ日本国の主権によって判断するというのは、具体的にどういうことなんですか。
○政府委員(高辻正巳君) これは釈迦に説法みたいなことでございますが、憲法に規定がないこと、すべて自由であるというわけではございませんで、日本の主権の作用として、あるいは日本の国権の作用として、外国軍隊の駐留について日本国が、たとえば駐留を認めるとか、あるいは認めるにしても、こういうものについてはどうだとかいうようなことは、むろん日本の国権の作用として、それを限定したいと思えば限定できるわけでございます。安保条約自身が、アメリカと日本との国権の作用としての協定である。そのことからいっても当然であろうと思います。
○稲葉誠一君 アメリカ軍が日本からベトナムへの戦争で作戦的に行動するとか、あるいは核兵器の持ち込みとか、こういうふうなことについて、こういうことはしないということは、あなたは言うかもわかりませんけれども、それはあれじゃないですか、閣議で決定したことでも何でもないし、自由民主党の党是でもないし、閣議の決定でもないし、国会の議決でもないですね。そういうことですね。単に政策の問題ですね。どうなんです。
○国務大臣(佐藤榮作君) 核兵器の持ち込みにつきましては、いずれの内閣も、これは事前協議の問題だ、協議を受けたら、そういう場合に日本政府としてはお断わりをいたします、こういうことを申し上げてきたと、私ども思っております。また、私になりましてからも、この答弁はしばしばいたしておるのでございまして、ただいま言われますように、これは国民とともに、核武装に対する私どもが誓った問題ではないか、かように思います。もう唯一の被爆国として、そうして核兵器だけは持たないし、またこれの持ち込みも許さないのだと、かように私は国民とともに誓った、かように思っております。ただいまもう一つの問題は、日米安全保障条約が締結されておって、これが作戦基地、ベトナムの作戦基地として使うことはごめんこうむるということで、今日もそれは厳重に守られております。
○稲葉誠一君 いまの二つは、だからあなたの政策として国会で言っているのはわかります。あなたの党の中では、そうじゃないという意見を述べる人が一ぱいいるわけです。だからぼくは聞いているわけですがね。そうすると、それは自由民主党の党是として承ってよろしいかというのが一つ。それから、内閣の閣議決定として承ってよろしいかということが一つ。これははっきりさせておかなくちゃいかぬと思うのですよ。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私が自民党の総裁でございますし、また内閣総理大臣でもございますので、一部におきましていろいろなことを言っておる人があると、かように私も聞いておりますが、また知っておりますけれども、さようなものではございません。責任の地位において私がはっきり申し上げるのでございます。
○稲葉誠一君 日本とアメリカとの関係の貿易の状況と、アメリカの外資がいろいろな形で日本に入ってきておりますね。どの程度どういう形で入ってきているかという実情を御説明願いたい。これは詳細に御説明願いたい。
○国務大臣(福田赳夫君) 政府委員に御答弁いたさせます。
○政府委員(鈴木秀雄君) まずお尋ねの第一段の日米貿易の数字でございますが、外資はアメリカの外資が幾ら入っているかということかと思いますが、いまちょっと数字が現在高で幾ら入っているかということにつきましては、正確な数字を持っておりません。形態といたしましては、一つは直接投資というかっこうで入っておるものがあります。それからもう一つは、銀行等が日本の民間企業等に貸し付けておるもの、もう一つは外資と申しまして、輸入に伴いまして銀行等が借りております輸入ユーザンス、それから最後に、政府等がアメリカの輸出入銀行等から借りておりますもの、あるいは外債をニューヨーク市場で出したものでございますが、この現在高が幾らあるかということにつきましては、実は認可ベースの数字はございますが、これは累積したり、返したりするものでございますから、現在国別の数字を持っておりませんので、御了承願います。
○稲葉誠一君 アメリカの外資がいろいろな形で入ってきているという、その形別に資料を詳細に調べたものを出してほしいわけです。なぜこういうことを言うかといえば、それによって日本の経済の自立が害されるのではないかという危険性があるから私どもは聞くわけですから、ですから、いまの段階で、外資に関する法律というのがあるわけでしょう。これでは日本の経済の自立を害されるということになっているわけですね。どんどんどんどんアメリカから外資が入ってくれば、日本の経済的な支配をアメリカにある程度握られる危険が出てくるわけですよ。だから、ぼくらは聞くわけですから、具体的な内容というものをぜひ明らかにしていただきたい、こういうふうに思うわけです。そして、その後においての問題は、私はあらためて三月の予算の中でもう一ぺんお尋ねをいたします。これは非常に大きな問題だと思うのです。ぼくは、非常に大きな問題になりつつあると、こう思うわけです。これはまああとでお尋ねをします。 きょうはいま言ったことで終わりますけれども、私は、ことに憲法上の問題から、安保の問題についての時間がなかったので残念ですけれども、総理の見解には、私は賛成はできません。これはもっともっと、ぼくは、防衛問題は自民党、社会党、そういうことを抜きにして、国民的基盤でもっと論議しなければならない問題だと思っております。きょうの答弁にはぼくは納得しませんから、あらためて、さらに問題を深めて三月に論議をしたい、こういうふうに考えて、きょうは時間がきましたから、これで終わります。
○委員長(石原幹市郎君) 稲葉君の質疑は終了いたしました。 明二十二日は午前十時開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十二分散会 —————・—————