法務委員会 第6号
- 発言数
- 242 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1966/02/15
会議録
○理事(山田徹一君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 本日は、検察及び裁判の運営等に関する調査を議題としまず、選挙違反事件に関する件等について調査を行いないます。稲葉君。
○稲葉誠一君 去年の参議院の全国区の選挙ですが、山内一郎という人の選挙違反が、兵庫県において相当大きく出たわけですが、この選挙違反の概要なり現在の状況について概略の御説明を願いたいと思います。
○政府委員(津田實君) ただいまお尋ねになりました件は、昨年七月四日施行されました参議院議員通常選挙に際しまして、当時兵庫県議会議長でありました石井武夫が、全国候補山内一郎の当選を得せしめる目的で、同県議会議員多数に対して同候補のための選挙運動を依頼して、その報酬等として金品を供与した事件であると思われますが、この事件につきしては、神戸地方検察庁において、右に申し上げました、石井武夫をはじめ現職の来談会議員三十人を含む七十人を買収等の容疑で取り調べをいたしまして、昨年九月十日までに、来議会議員十七人を含む二十五人について公判請求をいたし、その余は不起訴処分に付しておるわけでございます。 この事件は、昨年の七月二十七日、八月八日、八月二十一日、九月十日、それぞれ公判請求をいたしました事件にかかるものでありまして、石井武夫が供与いたしました総額は約二百五十万円に達しておるわけでございます。それぞれ当該供与に関します供与を受けた者が起訴されておりまして、その総数が先ほど申しました二十五人ということになっておる次第でございます。
○稲葉誠一君 この捜査の端緒というものを差しつかえない範囲でお聞かせ願いたいと、こう思うのですが、これは警察のほうですか。
○政府委員(日原正雄君) 捜査の端緒と申しますと、違反容疑上の聞き込みやら投書やらあるわけでございますけれども、 この事件につきましては、公判の関係もございますので、差し控えさしていただきたいと思います。
○稲葉誠一君 県会議員が起訴されたのが十七名で、そのほかに八名いるわけですか。そのほかの八名というのは何なんですか。
○政府委員(日原正雄君) 元の県会議員とか市会議員とか、その他の者でございます。
○稲葉誠一君 石井というのが、これがその選挙のときはそうでなかったんですが、六月二十八日までは県会議長をやっていたのだということですか。そこで、議長室なり、あるいは県議会本の会館があるのですか、そこで金品の授与が行なわれたと、こういう起訴事実になっておるわけですか。
○政府委員(津田實君) 場所の点でありますが、神戸市生田区下山手通五丁目一番地兵庫県庁旧館三階会議室、それから兵庫県議会議事堂内議長室、それから兵庫県議会会館、それから川西市の農協組合事務所、大体そういうところでございます。
○稲葉誠一君 県会議長が建設次官であった山内氏の運動のために金を集めて県会議員に金を贈ったわけですが、建設次官であった人の運動をするについて何か特別の理由というものがそこにあったわけですか。
○政府委員(津田實君) この石井武夫は兵庫県内の山内派の責任者ということになっておったということでありますが、その責任者となったいきさつについては現在私どもは承知いたしておりません。
○稲葉誠一君 この人は職業は何をやっておる人なんですか。ぼくの聞いているのは、土木建築関係に関係しておる人かどうか、建設業に関係しておる人かどうかという意味のことを聞いているわけです。
○政府委員(日原正雄君) 調べておりませんのでよくわかりませんが、一応その兵庫県との関係では、山内のほうは姫路中学、姫路高等学校の出身で、兵庫県が第二の故郷みたいになっておるということを先ほどのあれに付け加えておきます。
○稲葉誠一君 まあその候補者が姫路中学から姫路高等学校を出たと、第二の故郷であるとして、その人の応援を県会全部があげてするようになった経緯というのがやはり一つ問題にならざるを得ないと、こう思うわけですがね。これは、あれですか、建設省のほうから、今度立候補するから、県会としても県内の土建業者を網羅して全面的に応援してほしいというような話があったんじゃないかと、こう常識的に考えられるのですがね。その点はどうなんですかね。そうでなくてただぽつんと選挙運動がこんな大々的に始まるわけはないと思いますね。あったってそれは選挙違反も何でもないし、不思議なことでもないと思いますがね。
○政府委員(津田實君) 山内候補と石井武夫の関係が、先ほど申し上げましたように県内の責任者になったわけですけれども、それがどういういきさつでなったか、その辺はいま現存私の手元ではわかっておりませんです。もし御必要ならば、その間の事情は調査いたしまして報告いたします。
○稲葉誠一君 これは、常識的に考えられるのは、建設省のほうから、次官をやってた人がやめて立候補するのだと、だから県のほうでもよろしく頼むとか、県内の土建業者に対してよろしく頼むという話があったと考えられるのですがね。別にあって悪いこともないと思いますが、その関係のことが明らかでないと、本件の発展というか、筋が十分理解できないように考えられるので、これはあとで調べていただきたいと思います。 そこで、問題になってまいりますのは、次官が在任中に兵庫県へ行って、業者の集まりなりあるいは県会議長なりに、自分が立候補するからよろしく頼むと、こういうふうな関係がそこにあったんではないかと思われるのですが、その点はどうなんですか。
○政府委員(日原正雄君) さしあたり手元にあります資料では、一月七日次官を退官して、二月十六日に自民党公認候補に決定されておりますが、二月二十六日から三月二日まで退官あいさつをして各地を回っているというような資料がございますが、それ以外の点はわかりません。
○稲葉誠一君 この金の授受ですね、県会議長室なり何なりで石井という県会議長から県会議員その他に金が渡った日時なり金額はどうなっているのですか。特に日時が問題だと思いますが。
○政府委員(津田實君) 県会議員関係の日時を申し上げますと、昭和四十年五月二十六日ごろというのが九人あります。供与を受けた者について九人であります。それから六月上旬ごろというのが二人、六月中旬ごろというのが四人、それから六月下旬ごろというのが一人、大体こういうことになっておりますが、五月二十七日ごろ受けた人については、さらに二回日に六月中句ごろ受けた者もあります。大体そういう日時であります。
○稲葉誠一君 ただ金を渡したって選挙違反にならないわけでしょう。どういう趣旨で渡した場合に選挙違反になるのですか。本件の場合は、どういうような趣旨で渡したということで起訴されているわけですか。
○政府委員(津田實君) 石井はこの山内一郎の選挙運動者でありますところ、この候補者に当選を得せしめる目的で、候補者のための投票並びに投票取りまとめなどの選挙運動を依頼して、その報酬として渡した、こういう趣旨になっております。
○稲葉誠一君 その石井という人が、県内の土木業者から金を集めたわけですね。これはその日時はいつごろなんですか。
○政府委員(津田實君) 昭和四十年五月下旬ころから六月中旬ごろまでの間というふうに考えられます。
○稲葉誠一君 参議院の全国区の法定費用は幾らですか。
○政府委員(長野士郎君) 六百五十万円でございます。
○稲葉誠一君 六百五十万って、ラウンドナンバーですか。
○政府委員(長野士郎君) そのとおりでございます。
○稲葉誠一君 このときに兵庫県会で山内派の責任者としての石井県会議長が業者から集めた金額ですね、これは全部で幾らになっていますか。私の調査では、全部で九百四十万円になっていますがね、十三団体で。まあ十三業者というか、正式には十二業者、一つは建設業協会の姫路支部、合わせて九百四十万となっていますが。
○政府委員(津田實君) 検察庁の調べによりましても九百四十万円となっております。
○稲葉誠一君 九百四十万円は何に使ったのですか。何に使う目的で金を集めたわけですか。
○政府委員(津田實君) 山内派の選挙運動資金ということで集めたと申しますか、寄付を受けたということのようであります。
○稲葉誠一君 どういうような経過からこの九百四十万円を二十業者・一団体――一団体というのは県の建設業協会の姫路支部ですが、ここから集めるようこなったのですかね。だれがやったのですか、この集め方は。どういう基準に基づいてこの割り当てなりあるいは集めるようなことをやり出したのですか。
○政府委員(津田實君) これは、当時の県会議長でありました石井武夫らの求めに応じまして県内の業者が選挙に関する寄付金として石井に提供したということはわかっておりますが、詳細のいきさつはいま私の手元ではわかっておりませんです。
○稲葉誠一君 選挙に関連してその業者に資金を求めたという場合に、選挙違反になる場合と違反にならない場合と――求めたほうとそれから渡したほうと、それは選挙違反になる場合とならない場合とあるわけですか。どういう場合に選挙違反になるのですか。
○政府委員(津田實君) 特定寄付の禁止――公職選挙法の二百四十八条第一項、百九十九条の第一項に当たる場合には違反になると思います。で、本件につきましては、それが問題になった事件であるわけであります。
○稲葉誠一君 いまの特定寄付というのはどういうのか、ちょっと具体的に説明を願いたいのですけれども。
○政府委員(津田實君) 公職選挙法の百九十九条でありますが、「衆議院議員及び参議院議員の選挙に関しては国又は公共企業体と、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に関しては当該地方公共団体と、請負その他の特別の利益を伴う契約の当事者である昔は、当該選挙に関し、寄附をしてはならない。」と、これに対しましてこれを「受けてはならない。」ということがありまして、それによるわけであります。
○稲葉誠一君 そうすると、いまの点で、九百四十万円寄付したと、これはたとえば荒井組というのが百万、松田組が百万からずっとありますけれども、それらを受けたほうですね、受けたのは石井一人が受けたようですが、これはいまの百九十九条の「(特定の寄付の禁止)」ですね、この関係で起訴されているんですか。
○政府委員(津田實君) この関係は、捜査の結果、石井につきましては、これらの業者が、公職選挙法上の選挙運動資金の寄付が禁止されている、すなわち、国又は公共団体と請負その他特別な利益を伴う契約の当事者になっていたということの認識を欠いていたという理由によりまして、この点は犯罪の嫌疑不十分ということになっております。
○稲葉誠一君 そうすると、百九十九条で、罰則が二百四十八条ですね、この場合の公職選挙法違反としての故意はどういうふうなことが要件になってくるんですか。そういうような「特別の利益を伴う契約の当事者」云々ということが故意の用件になってくるんですか。そうなれば、これは全部これで逃げられちゃうわけですね。意味がなくなっちゃうわけですね、この条文は。
○政府委員(津田實君) 相手方の業者がそういう状態にあるという認識が必要であるというふうに考えております。
○稲葉誠一君 そうすると、それは、両面的に必要なんですか、片面的でもいいんですか。業者なら業者のほうがそういう認識があったんだ、片一方はなかったんだと、こういう場合にはこれは成立するんですか。
○政府委員(津田實君) 業者については、これは議論がありまするけれども、業者がその意味からそういう契約にあるという認識をもって寄付をすれば足るというふうに解釈しております。しかしながら、寄付を受ける者の側は、そういう状態にある業者であるということの認識がなければ成立しないというふうに解釈しております。
○稲葉誠一君 そうすると、本件の場合の各業者は、県と特別な取引関係といいますか、契約の当事者であったということは間違いないでしょう。そうでないものもありますけれども、三十万円の献金した王子建設、十万円の松村組というのは、これは三十九年度中において指名もないし落札もないわけですが、そのほかの業者は全部指名があって、それから落札も行なわれているんじゃないですか。たとえば荒井組というのは、三十九年度中に、九十二回の指名があって、落札は九回ある、こういう形になっているのじゃないですか。これはぼくは表があるから全部読み上げてもいいけれども、それではあれかと思ってちょっと遠慮しますけれども、大体、指名回数、落札回数に応じてその献金額がきまっているのじゃないですか、大ざっぱに言って。ですから、当然この土建業者が県との間に「請負その他特別の利益を伴う契約の当事者である」ということは、これはもう明らかなんじゃないですか。少なくとも業者にとっては明らかじゃないんですか。そういう認識が業者にないというのはおかしいんで、本件の場合は、そういう認識が業者にあったんだと、だけれども罰するまででないからというので起訴猶予にしたと、こういうのですか、あるいは、全然業者のほうにそういう認識がないから、犯罪の嫌疑がないとか、あるいは犯罪が成立しないとか、こういう形になったのですか、業者のほうでは。
○政府委員(津田實君) 業者につきましては認識があると判断されております。したがいまして、この業者は起訴されておりませんが、それは、返還をしたとか、諸般の事情によって起訴猶予にしておるわけであります。ただ、 この百九十九条は、契約の当事者であるということが必要でありますので、その当事者である期間だけがこれは禁止されておるということになるわけであります。したがいまして、その期間がいつかということが一番問題になると思うのであります。
○稲葉誠一君 ちょっとよくわからなかったんですがね。期間というと、何ですか、ちょっとはっきりしませんが、契約の当事者である間は寄付をしちゃいけないのですか、契約当事者でなければいいというわけですか。
○政府委員(津田實君) 業者自体とそれから国なり公共企業体と請負契約は断続的にあるわけですね。断続的にあるわけですが、その断続――つまり断っておるということ、契約状態にないときは差しつかえないということになるわけであります。
○稲葉誠一君 それなら、これは法として全く意味がないですね。この条文は。断続的といったって、指名業者として県で指定するわけじゃないですか。指名業者として指定されている間には、当然これは寄付をしてはいけないことになるのじゃないですか。ぼくはそう思いますがね。それはあなたのような法律解釈が正しいかどうか、これはぼくのほうも検討しなくちゃいけないと思うが、そういう解釈だったら、全く意味がない。いくらでも抜け穴はできると、こりいうふうに考えます。 それはまあそれとして、そこで、これらの業者に対して、これは金を割り当てたのですか。百万円、百万円、百五十万円、百万円、百五十万円と、百五十万が二件ありますね。これらはほとんどが県の仕事の指名を受けている業者ですよ。大体指名の回数なり落札回数に応じて県会議長がそれらの業者を呼んでか何か知りませんけれども献金されているのですが、これは、あれですか、県会議長がどういうような形で業者に対して献金を要請したんでしょうか。土建業界なら土建業界の幹部を呼んでか、あるいは行ってか、そこで土建業界に対して要請したのか、個別にこれらの業者に幾らずつ出してほしいということを要求したのか、てこのところはどういうふうになっているのですか。
○政府委員(津田實君) その点は、先ほどちょっと申し上げましたか、詳細はわかっておりません。どういういきさつで寄付を受け、あるいは寄付を出すようになったかということについては、いま私の手元にはわかっておりません。
○稲葉誠一君 これはよく調べていただきたいと思うのですが、これは一つ大きな問題だと思うんです。これは法律的に違反になるならないということよりも、むしろ――そのことも大事ですけれども、建設次官をやっていた。で、そいつをやめた。それで今度立候補する。それについて、土建業者を集めてか、あるいは土建業者に要請をして、非常な寄付を出させる。しかも、集まった金は兵庫県だけで九百四十万。あるいはほかの県にもあるかもしれませんが、少なくとも九百四十万。これだけで法定費用をもう超過しておるわけです。それだけの金を集めている、その集め方が非常に私は問題だと、こう思うわけですね。綱紀粛正というか、そういう政治の姿勢の意味からいっても、 この金の集め方が、どういう形で集められたか、私は大きな問題になると、こう思います。これはあなたのほうでいまわかっていないということですから、まあ私は土曜日にもわざわざ連絡をして、詳細にこの点を開くから神戸地検のほうとも打ち合わせをしてくれ、場合によっては神戸地検の人をこっちへ呼んでおいてくれてもいいというよりなこと言ったんですけれども、それがわかっていないとすれば、別な、予算委員会なり何なりでもっと詳しく聞きたい、こういうふうに考えるんです。問題は、こういうふうなことに県会議長という風な食を通じて、建設時間をやっていた人なんだから、その人のためにやらないというと今後不利になるということから、おそらくある程度のまあ強制というか要請がそこで行なわれたんだと、こういうふうに考えられるので、その点を疑問に思って聞くわけです。 そこで、九百四十万円献金があった。そうすると、法定費用は六百五十万だといま言われましたね。そうすると、これだけの金が選挙に使われたとすると、どうなんですか、これは。法定費用超過で失格という問題が起きてくるんですか。
○政府委員(長野士郎君) 法定選挙費用を、全国区の参議院議員につきましては、現在のところ、先ほど申し上げました六百五十万円という最高限をとっておるかっこうになっております。で、お話のような兵庫県下における金が、そういう候補者なり出納責任者と意思を通じて受け取られたり支出をしましたり、そしてまた、その金がそういう意味で選挙運動に用いられたということになれば――その金のすべてが――そういうことであれは、それはいまの六百五十万円を超過するという問題が起きるだろうと思います。
○稲葉誠一君 なにかだいぶ歯切れが悪いですけれども……。(笑声)だから、九百四十万円が出納責任者なり候補者と意思を通じて選挙運動に使われれば、それは法定費用超過で失格ということもあり得ると、まあ結論は簡単で、これはもう常識的な結論だと思いますが、そういうことでしょう。
○政府委員(長野士郎君) そのとおりであります。
○稲葉誠一君 この選挙違反事件で、警察なり検察庁で、出納責任者なり候補者なりを調べたことはあるんですか、参考人としてなり何なりで。
○政府委員(津田實君) その点はいまわかりませんです。
○稲葉誠一君 いや、わからないといったって、それはぼくも詳しくこの事件でこういう点がポイントだ、こういう点がポイントだといって教えなかったのが――教えるというと、ことばか悪いけれども――悪いかもわかりませんが、当然そこへ行かなきゃおかしいんじゃないですか。いま言ったように、九百四十万円の選挙に関連をする献金があって、これは片面的にしろ選挙違反だということになってくれば、それが出納責任者なり候補者なりあるいは総括主宰者と意思を通じたかどうか、当然その点の調べかなきゃならぬわけでしょう。ないとすれば、手を抜いたというか、遠慮をしたというか、それしか考えられないのですが、石井という人はどういう立場に認定したわけですか。総括主宰者だという認定なんですか。総括主宰者というのは、法律的な問題じゃありませんから、認定の問題になると思いますが、ここはどうなっているのですか。
○政府委員(津田實君) 先ほども起訴事実を申し上げましたが、選挙運動者としての石井ということであります。
○稲葉誠一君 総括主宰者だって選挙運動者だと思うのですがね。この場合の総括主宰者とは、一体だれになっているのですか。これは全国区ですから、兵庫県だけの問題をとって総括主宰者がだれだということはちょっと言えないと思いますけれども、そうなってくると、全国区の場合は総括主宰者が一人しかいないということも変な話なんで、総括主宰者は必ずしも一人じゃなくていいと思いますがね。この辺は自治省あたりはどういうふうな見解をとっていますか。総括主宰者は必ず一人でなければいかぬという見解ですか。そういうことはないのじゃないかと思いますがね。
○政府委員(長野士郎君) 総括主宰者は、原則として、選挙運動の総括主宰という意味では一人だろうと思うのでありますか、ただ、選挙法のいろいろな組み立ての中で、選挙の区域を三カ所ぐらいに分けて、そういうところの責任者というような考え方も出ておりますから、ある面でその地区担当的な者に責任があるという地位を認めているところは十分考えられると思います。
○稲葉誠一君 そうすると、検察庁なりあるいは何なりでは、本件全体について総括主宰者というものか認められるのかどうか、それから全国区の山内派の選挙の中で総括主宰者を一体だれと認定しているわけですか。これは失格の問題が出てくるのじゃないですか、連座の規定が出てきますしね。
○政府委員(津田實君) 選挙運動の総括主宰者は、特定候補者の選挙運動が行なわれる全地域にわたるという解釈をいたしておりますし、判例にもそういう解釈になっているようでありますけれども、県単位の総括主宰者というものは考えておりません。
○稲葉誠一君 参議院の全国区の場合には総括主宰者は一人かと聞いたら、一人だろうと思うと、こう言っていて、結局、地域を三つぐらいに分ける場合もあるから、そういう場合には地域ごとに総括主宰者というのが出てくるだろうというふうにいま聞いたのですが、こうなってくると、兵庫県が第二の故郷でやっていて、これだけ九百四十万も金を集めて選挙をやっていて、何票ぐらい票が出たのですか。ぼくはそこまで調べておりませんし、あまりそこまで聞くのもあれかと思って、票が何票が出たか聞きませんけれども、現実に兵庫県の中における総括主宰者が全国区選挙の総括主宰者であり得るということも当然考えられてくるのじゃないですか。 何票出たのですか。聞いて悪いけれども、兵庫県で何票出たんですか、この山内さんというのは。
○政府委員(長野士郎君) 得票数は、資料を持っておりませんので、さっそく連絡をしお答えいたします。
○稲葉誠一君 連座の規定は、総括主宰者だと、候補者が意思を通じてなければいけないわけですか。どうなっていましたっけ。
○政府委員(長野士郎君) 候補者または出納責任者と意思を通じて出したということがたてまえになっております。
○稲葉誠一君 いま言った九百四十万円が土建業者から献金されたわけですか、このうち――これは十三社ですね。一社は建設業協会姫路支部となっておりますから、これを除くと、十二になるわけですが、公選法違反で送検をされたのはそのうちのどれなんですか。全部じゃないようですね。
○政府委員(日原正雄君) 七社でございます。国と契約の当事者である七社でございます。
○稲葉誠一君 この場合は、国と契約の当事者でないと公選法違反にならないわけですか。県と契約の当事者の場合には違反にはならないわけですか。
○政府委員(日原正雄君) これは参議院議員の選挙でございますから、県との関係は法文上……。(「おかしい」「野放しと同じだ」と呼ぶ者あり)百九十九条でございますが、「衆議院議員及び参議院議員の選挙に関しては国又は公共企業体――公共企業体と申しますのは、国有鉄道と専売公社と電信電話公社ですね――と、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に関しては当該地方公共団体と、請負その他特別の利益を伴う契約の当事者である者は、」と、こういう条文になっているわけでございます。
○稲葉誠一君 そうすると、参議院なり衆議院の場合は、県と特別な契約の当事者であるところからいくら寄付をもらっても、法律上犯罪を構成しない、 こういうことになるわけですね。あなたの解釈からいうと、そういうわけですね。
○政府委員(日原正雄君) 県とやって同時に国とやっておれば別問題でございますが、そうでない限りは百九十九条の第一項には当たらないわけでございます。
○稲葉誠一君 公職選挙法というのはなかなか考えてできているんだね。だれがつくるのか知らないけれども、いろいろなことを考えている。まあよけいなことだけれども……。 そこで、問題となっているのは、七社ですか、七社が公選法違反で送検されたのだが、これは全部不起訴になっておりますね。これはどういうわけなんですか。
○政府委員(津田實君) 九社であると思うのですが、九社につきましては、先ほどもちょっと触れましたが、寄付金の全部を返還しているというような事実等を見まして起訴猶予にしているわけであります。あとの四社は、国または公共企業体との請負契約の当事者でありませんから、四社は関係はないわけであります。
○政府委員(日原正雄君) 先ほど七社と申し上げましたのは、九社でございます。
○稲葉誠一君 その不起訴になったのは、事実は認められるというのですか、あるいは認められないと、こういうのですか。起訴猶予というのですか、あるいは嫌疑なしというのですか、あるいは嫌疑不十分というのか、そこはどういうのですか。
○政府委員(津田實君) この寄付したほうの側につきましては、起訴猶予であります。事実は認まる。
○稲葉誠一君 そうすると、寄付をしたほうは、事実は認まるけれども、罪状は軽微だというので起訴猶予。それを受けたほうは認識がなかったからというので、その点については嫌疑なしと、こういうことですか。
○政府委員(津田實君) 受けたほうは、この認識の点について証拠を発見するすことができませんので、嫌疑不十分になっております。
○稲葉誠一君 県会議員は県内の業者の実態について相当知っておるわけだと思いますが、だからぼくは県会議長かどういう職業の人かということを聞いたわけですけれども、わからないと言うから、あとで調べてもらえばいいと思いますが、県内の業者が国との契約をやっておるかどうかということをその県の県会議長が知らないというのはおかしいと、こう思うのですが、そうすると、県会議長としてはその業者九社が国との間に契約――土木建築ですか、その工事の契約があるということを知らなかったと、こういうのですか。単に国との間に土木建築の契約があって当事者だということを知っていたというだけでは足りないのですか。
○政府委員(津田實君) 現に国あるいは公共企業体との請負契約の当事者であるということを知っておれば、もちろん成立いたします。
○稲葉誠一君 だから、その点については知らなかったというのですか。
○政府委員(津田實君) その点は知っていたという証拠を発見するに至らなかったので、嫌疑不十分になっております。
○稲葉誠一君 法律解釈としては、現にということなんで、過去にあったのではいけない、それからそこから推測して将来あり得るということの認識でもいけないと、こういう法律解釈だと言われるのですから、それはそういう法律解釈がいいか悪いか、あまり拡大することも問題があると思いますから、これは問題として伏せておきます。 なぜ不起訴になったかというのは、どういうのですか、罪状が軽微だからというのですか。県会議長から要請されたら、結局業者の立場としては断わり切れないというので消極的に出したのだということ、こういうことからして罪状が軽いのか、そういう意味で不起訴になった、起訴猶予になったと、こういう意味ですか。どういうわけでこれは罪状が軽微なんですか。
○政府委員(津田實君) この寄付金の大半は返還を受けております。その他の情状ということになります。
○稲葉誠一君 いや、返したというのは、事件が発覚後返還したのでしょう。だから、献金を受けた日とそれでは返した日とを明らかにしてもらいたいと思うのです。返してないところもありますよ。たとえば荒井組というのはその後返しました。松田組も返した。川島も返した。熊田も返した。大橋組の百五十万円、曽根組の百万円というのは返してないのじゃありませんか。日本国土開発の五十万、これも返してないのじゃないですか。返してないのあるでしょう。九百四十万献金を受けて、返したのは六百三十万でしょう。いまの大橋組百五十万、曽根組百万、日本国土開発五十万、これは返してないのじゃないですか。
○政府委員(津田實君) 返還を受けた総額は、ただいま御指摘のとおり六百三十万であります。大橋組は国とは関係がありませんので、これはまあ問題にならないわけですが、そのほか、返っていないものといたしましては、ただいま御指摘の曽根組あるいは国土開発、大体その二つであろうと思います。あとは、関係のない、九業者でない人であります。
○稲葉誠一君 そうすると、三つは百九十九条に関係がないと言われましたね。九つが関係があって、三つは関係がないと。一つはこれは建設業協会の姫路支部だから、ちょっと別格なのかもわかりませんが、国との契約で関係がないというのは、どれとどれなんですか。
○政府委員(津田實君) 株式会社大橋組、それからいま御指摘の兵庫県建設業協会姫路支部、それから王子建設株式会社、株式会社松村組であります。
○稲葉誠一君 そうすると、曽根組というのは関係があるんですか。
○政府委員(津田實君) 関係あります。
○稲葉誠一君 それは、しかし、百万円は返してないでしょう。
○政府委員(津田實君) 返しておりません。
○稲葉誠一君 返しておらない場合でもそれは不起訴になったんですか返したから不起訴になったという話はいま聞いたんですけれども、返してないものも全部不起訴になったんですね。
○政府委員(津田實君) 返したことがおもな理由でありますが、その他諸般の情状をしんしゃくした上ということになっておりますので、一々はそういうことにはなっておりません。
○稲葉誠一君 その返したのは、あれですか、事件が発覚してからでしょう。いつですか、返したのは。もらったのは五月か六号ですね。
○政府委員(津田實君) 返還を受けた日時は、ただいまここでははっきりいたしておりません。
○稲葉誠一君 いや、はっきりしないのは、何月何日という点ははっきりしないとしても、事件が発覚して県会議員が逮捕されてから返したんでしょう。その点ははっきりしているんじゃないですか。
○政府委員(津田實君) その点は、いま手元では明らかではございません。
○稲葉誠一君 ちょっと前へ戻るのですけれども、二月二十六日から三月二日まで退官あいさつと称して回ったわけですね、山内さんが。これはどこを回ろうと本人の自由といえば自由ですけれども、どこを回ったんですか。何のために回ったんですか。
○政府委員(日原正雄君) いわゆる事前運動としての容疑で得た情報でございませんので、場所、日にちはまだ詳しく報告を受けておりません。
○稲葉誠一君 私の聞きたいのは、いまここで九百四十万金をもらっていますね、十二社、一支部から。ここのところへも回ったんですか。回ったとすれば、そのとき何らかの話があったんじゃないですか。まあなぞをかけたかどうかは別として、それなりに御本人が石井という県会議長に対してその金を集めてほしいという意味のことがそこにあったんじゃないですか。そういう点については調べがしてないんですか。業者からこれだけの金が来たから、こういう選挙違反が起きたわけでしょう。そうすれば、一体どういうことで二月二十六日から三月二日まで退官あいさつと称して回ったのか、一体どこを回ったのか、この業者のところを回ったのかということとか、それから事実上の兵庫県における主宰者のような石井県会議長に対して御本人が会っていなきゃならぬわけでしょう、何らかの形で。どういう話があったのか、その点がポイントじゃないですかその点を調べなければ、その選挙違反の実態というものはつかめないんじゃないですか。その点は全然調べてないわけですか。
○政府委員(日原正雄君) 資金を集めた、あるいは寄付を受けたという事件の関係については一応徹底的に調べたわけでございますが、山内議員との共犯関係というのは出てまいりませんでした。
○稲葉誠一君 いや、出ている出ていないよりも、石井という人がどうしてこういうようなことで九百四十万の金を集めるようになったかというその経過の中で当然御本人との間に何らかの話があったとか何とかということが出てこなきやならないわけじゃないですかそういう結果が出たかどうかは別として、そういう点に力を入れて石井という県会議長を調べたのか調べなかったのか。調べたのだけれども出なかったというんならまた話は別ですけれども、初めからそこは放っちゃったんですか。
○政府委員(日原正雄君) 石井議長には、先ほど申しましたとおり、その点の共犯関係の突っ込みをし、調べたが、出てこなかった、こういうことであります。
○稲葉誠一君 石井県会議長にその点の突っ込みをしたというと、何をしたんですか。
○政府委員(日原正雄君) 金を集めること、あるいは寄付を受けることについての面からの共犯関係の有無でございます。
○稲葉誠一君 金を集めること、共犯関係について、常識的に考えられるのは、どういう点が考えられるのですか。ちょっといじの悪い質問ですが。
○政府委員(日原正雄君) 結局、寄付付制限の違反事件についてのほかに共犯がおるかどうかという点でございます。
○稲葉誠一君 警察庁長官がほかへ行かれるそうですから、ちょっとお聞きしたいのですが、神戸の地検のほうでは、選挙違反ですし、いわゆる報告事件として、これは大阪高検なり最高検なりあるいは法務省へ事件報告をするわけでしょう。こういう場合は神戸地検としてはどこへ事件報告をするんですか。
○政府委員(津田實君) 特定の事件についてどういう報告をしたかということではありませんが、一般的にいわゆる三長官報告ということで、その事件を管轄している検事長、それから検事総長及び法務大臣に報告をする。結局、三通同じ報告書を出すということになっております。
○稲葉誠一君 その報告書というのは、これは秘密文書だと思うのですけれども、当然法務省へも来ているわけですか、神戸地検から。
○政府委員(津田實君) 報告書は、選挙事件については、いろいろ基準がございますが、来ておるものもあります。
○稲葉誠一君 歯切れが悪いですね。この事件に関連して神戸地検から報告書が来ているのかと聞いているんですよ。
○政府委員(津田實君) この事件については来ております。
○稲葉誠一君 その報告雷の中に、本件について兵庫県警が何といいますか協力的でなかったということが書いてあるというんですよ。それを見たという人がいる。そういう意味のことが響いてあると、こういうんですがね。その事実があるかないかを聞いても、あなたのほうではなかなか言わないでしょうけれども、普通そこまでは書かないのですが、書いたのを見たという人もいるものですから、そこで聞いているわけですけれどもね。そういう報告書を出してもらえば、そんなことは書いてなかったということがはっきりするでしょうけれども、どうもそういうようなことを言っている人もいるんですよ。これは、その中にそういう意味のことが書いてあるかないか、その点はお答え願えますか。
○政府委員(津田實君) 具体的な報告の内容については申し上げることを差し控えさしていただきたいのですけれども、私はそういうことは知りませんです。報告書に書いてあるかどうかという問題でも、そういう事実は全然聞いておりませんから、したがいまして、私の耳には入っていないということ、あるいは私の目には触れていないというふうに御了承願います。
○稲葉誠一君 まあそれは見たという人があって、その原稿を見たのかあるいは原本を見たのか、それはあれですけれども、そういう人がいるものですから特に聞いておるわけですけれども、いずれにしても、こういう県会議員を十何名逮捕するという形になってくると、警察としては非常にやりにくいわけですね、率直な話は。そういう点、検察庁のほうで積極的にやったということは考えられるんですが、どうもその中で警察があまり熱意を示さなかったというようなことが検察庁で言われておる。あるいは報告書の中にあるのか、非公式な話の中で出たのか、これはちょっとあれですけれども、いずれにしてもそういうことが言われておるわけです。その報告書というものの具体的な内容というのは、これは来ておることは来ておるけれども、それは明らかにはできない、こうおっしゃるわけですか。
○政府委員(津田實君) ただいまお尋ねがありまして申し上げておることは、その報告書によっておることでありますので、お尋ねに従いましてお答えを申し上げたいと思います。
○稲葉誠一君 警察長長官がほかへ行かれるということですから、これは別に質問ということでなくてもいいと思うんですけれども、えてして、県会議員とか、あるいは都会議員の選挙とか、こういうものになるというと、やはり予算の関係とかいろいろあると思うのですけれども、その県の警察がなかなかやりづらいというか、実際にあまり積極的でないということが現実に言われておるわけだし、そういうことが常識的にも考えられておるわけです。ぼくはそういうふうな疑いというものを警察が持たれておることはよくないと、こう思うんですね。ですから、そういうような点についても遠慮をしないで徹底的にやるように、やるべきものはやるように、こういうふうにしてもらいたいと、こう思いますが、いまの関係で兵庫県警の協力が不十分だったということか地検の報告書には書いてあるというんです。それを見たという人かいるんですよ。だからぼくは聞いておるわけなんです。そういう意味のことがはっきり書いてあるかどうかは別として、それに近いことは書いてあったというのだが、見たというんです、その人は。だから聞いておるわけですけれども、警察庁長官としても、県会議員や何かのときに、警察があまり熱意を示さない、やりにくい、こういうことがないように、ひとつやるべきものは全力をふるってやってほしい、これは要望しておきます。特段のお答えがあれば、答えて、ほかへ行ってくださってけっこうです。
○政府委員(新井裕君) いまお話がございました兵庫県の事件につきましては、県会議員が御承知のように十七人つかまっておりますが、そのうちの十三人までは警察で逮捕いたしまして、その後一人を逮捕しまして、あと三人を不拘束で検察庁で調べております。したがいまして、この事件について警察がたいへんちゅうちょしたということは、事実においてもないと思います。ただ、こういうような事件を慎重にやるということが必要でありますけれども、そういうために左右されるということは、私は私のいままで見ている限りにおいてはないと思いますし、少なくともこの兵庫県の事件につきましては、数字の上でもそういうことはないと思います。今後のこととして御注意をいただいたと思っておりますが、この事件についてはそういうことであることを御了承を願いたいと思います。
○稲葉誠一君 これはほんとうは、もっとその点を究明すれば、これらの者を逮捕して一体幾ら警察で身柄を置いていたか、早く検事のほうで身柄を引き取ったか引き取らないか。普通なら、代用監獄で元へ戻して拝察が調べるのがほんとうでしょうけれども、そういう点がどうなっているのか、こういう点を確かめなければいけないと思いますけれども、まああまりこまかくなりますから、一応その点はあれしておきます。 そこで、起訴されておる者の中で、三名は逮捕しなかったわけですね。田中という人と藤井、山中、この三名の県会議員は逮捕しなかったわけですね。逮捕しないでやる捜査が原則であることは間違いありませんけれども、ほかの者を全部逮捕していて、この三名を逮捕しなかったというのは、どういう理由なんですか。
○政府委員(津田實君) 逮捕しなかった理由というのは承知いたしておりませんが、まあ公式なお答えをしてもつまりませんから、それは法律上の要件に当てはまらなくて、その必要がないだろうということであったというふうに現在私は推測するくらいしかございません。
○稲葉誠一君 そうすると、これは初めから任意出頭か何かで調べられたときに事実を認めたんですかな。そうすると、よくわかりませんけれども、警察で任意出願をかけて調べたというのじゃなくて、ほかの人たちが逮捕されて検察庁へ勾留されている。その中から出てきたんで、検察庁で直接呼んで調べたんですか、そこまではちょっとわかりませんか。
○政府委員(津田實君) 詳しくはわかりませんが、あるいはその当時そういう事情で直ちに認めたというようなことから逮捕しなかったというようなこと、あるいは裏づけと全く合致するような事実関係を認めたというようなことではないかというふうに想像しておるわけであります。
○稲葉誠一君 身柄は不拘束のまま取り調べを受けて起訴されておらない者は相当いるわけですね。これは全部で三十名ですか県会議員は三十名調べたんですか。
○政府委員(津田實君) 全体といたしまして県会議員について取り調べを行なった者は三十人でありますが、その三十人について身柄はどういう関係になっておったか、ちょっといまわかりません。
○稲葉誠一君 その中で、もちろん身柄不拘束であってそして起訴されていない人の中に、県会の副議長をやっている岡沢という人がいるんですね。これは石井から五万円もらったということを認めているのじゃないですか。この人が不起訴になったということでだいぶ疑惑の種みたいになっているのじゃないですか。
○政府委員(津田實君) 岡沢というのは県会議員の中におりますが、この関係の分につきましては、犯罪の嫌疑不十分になっております。
○稲葉誠一君 そうすると、身柄不拘束のまま取り調べを受けて起訴されていない者は十三人いるわけですね。これは、全部、あれですか、犯罪の嫌疑なしですか。
○政府委員(津田實君) 御指摘のとおり、十三人いるわけでありますが、これは、捜査の結果、まあ五万円ないし二十万円の供応を受けたという容疑で取り調べをしたのでありますが、その容疑を認むるに足る証拠がありませんので、嫌疑不十分として処置をしております。
○稲葉誠一君 しかし、それを調べるについては、ただやみくもに調べたわけじゃないでしょう。一応の証拠があって、そして身柄不拘束にしろ呼んで調べたわけでしょう。一応の証拠というのは、石井という人がやったということを言っているのじゃないですか。だからそれだけの人が調べられたわけじゃないですか。何らの関係がない人が調べられるわけがありませんからね。だから、片面的にしろ、金をやったという証拠があるのじゃないですか。
○政府委員(津田實君) 証拠関係の具体的なことはわかりませんが、あるいはそれを疑うに足る証拠と申しますか資料があったから取り調べたということは間違いないと思いますけれども、結局、この容疑を認めるに足る証拠がなかったということになると思います。
○稲葉誠一君 ですから、一応被疑者になったんでしょう。被疑者になったについては、これは選挙違反ですから、金をやったというのともらったのと、もらわない、あるいはもらったけれども趣旨が違うという形になってきたかもわかりませんけれども、調べるにしたって、やったという人がいたわけですね。九百四十万円金を集めたのですから、やったという人はこれは石井一人なわけですね。ですから、この人がやったと言った事実があって、そうしてこれが被疑者になったと、こう思うんですね。それらが全部嫌疑不十分になるということはどうも理解できないわけですよ。石井がでたらめを言ったというのならまた話は別ですけれども、これはメモがあるのじゃないですか、石井メモというのが。これが押収されたのじゃないですか、そうでしょう。石井メモに全部出ていたのじゃないですか。それで発展していったのでしょう。ですから、それで十三名の人が不起訴になっちゃったというのは非常におかしいんですよ。これは検察審査会に持ち出そうとしてやっているわけですよ。だれがどういうふうに不起訴になったのかはっきりしないもんで地元で困っているんですけれども、ぼくの手元では名前がわかっておりますが、不起訴になった人を一応ここで名前を一々あげるというのは、えげつなくやればやれますけれども、ぼくはそこまでやりたくありませんから、名前をあげませんから、一、二代表的なものをあげているわけです。だから、これはおかしいですね。何らかの証拠があってはじめて被疑者になるわけですから、本件の場合は石井がやったと言うのですから、石井がやったということがあとで間違いだったといって撤回してきたとかなんとかいうのならまた話は別ですが、だから、十七名は起訴した、あとはいい、あまりやると非常に困るという形で適当にしちゃったのじゃないですか。適当と言うとちょっとことばは悪いんですけれ一ども、深く掘り下げないで、事件はただ弁解を簡単に聞いて不起訴にしちゃったのじゃないですか、少くともいまの不起訴になった十三名を嫌疑なしだとして。応のやったという証拠はあったんでしょう。だから被疑者にしたんでしょう。それはそうでしょう。
○政府委員(津田實君) 御承知のとおり、やったという証拠あるいは何らかの資料があって取り調べを始めたかもしれません。あるいは情報によって調べたかもしれませんが、ただいまおっしゃるように、一々お互いにやりとりがそう簡単にわかる性質のものではなかったというふうに私どもは聞いております。したがいまして、十分取り調べをした結果、嫌疑不十分であるという結論になったと思います。 なお、具体的に一々どういう証拠があって、それがどうであるということは、現在公判進行中でありますので、これはちょっと申し上げかねるわけであります。
○稲葉誠一君 いや、ことばじりをつかまえることはぼくはあまりやりたくありませんけれども、情報によってやったというけれども、情報によって人が被疑者になるわけはないですよ。そんなことをされたらたいへんですよ。みな被疑者になっちゃって、えらい騒ぎになっちゃいますよ。そうじゃなくて、やはり石井メモというものがあって、これらのものから石井メモの中で金を受け取ったことがはっきり出ているのじゃないですか。だから検察庁は被疑者にしたのじゃないですか。呼んで調べたらそういう証拠がなかったとか、あるいはもらったけれども趣旨が違うとか、もう十七名起訴してやればいいじゃないか、あまりやるとまずいというような一つの判断が加わって、そこでこれらの十三名というものが不起訴になったんじゃないですか。嫌疑不十分という形で不起訴にしたのじゃないですか。だから、ぼくは納得できないのは、警察が被疑者にしたのか検察庁で被疑者にしたのかわかりませんけれども、それにはそれ相応の証拠があったはずですよ。その証拠が簡単にくつがえるのはおかしいと思うんですよ。かりに片一方に証拠があって、そうでないということを言っていれば、いままでの例からいえば、証拠隠滅でいくらでも逮捕していた、いままでの選挙違反のやり方からいえば。何も逮捕するのを奨励するわけじゃありませんけれども、それをあえてやらないというのは、適当にここら辺でやめちゃおうというのは、そこらに圧力が加わったのか政治的判断が加わったのかわかりませんが、それ以外に考えられないのじゃないですか。だから、公判進行中だといっても、公判にかかっている人のことならいま公判の進行中ですけれども、これは公判にかかっていない人のことですからね。
○政府委員(津田實君) ただいま石井メモというものがあるということをおっしゃいましたが、その存否あるいは内容についてはここで申し上げることを差し控えますが、いずれにいたしましても、それらの何らかの資料があって始めたことは間違いないと思います。しかしながら、その資料があったらすでに犯罪が確認されるという性質のものでないことは御承知のとおりであります。したがいまして、反対証拠が出るし、あるいは否認の内容があるし、アリバイの主張もあるし、そういうものを一々取り調べた結果、嫌疑は認めることができないという結論に達したものというふうに考えておりますが、具体的に一々のどれがどういう証拠によってということは私もいまだ聞いておりませんから承知いたしませんが、大体の状況はそういう状況であったというふうに承知しております。
○政府委員(日原正雄君) だいぶお疑いをかけられるようでございますが、決してそういうつもりはございませんので、公正にやってまいっております。お話のように、やったほうの供述があるような場合には非常に強い疑いが出てくるわけで、この場合にそういうようなことはあり得ないことでございます。しかし、お話のように、被疑者として、参考人としてでも、とにかく呼び出すには、呼び出すだけの資料があったわけでございますが、その資料は、先ほど来申されておりますように、やはり公判対策の問題から明らかにできないわけでございますけれども、その資料と申しましても、その資料だけですぐにそれじゃ両方が否認をしている場合にそれで立証できるかと申しますと、非常にむずかしい問題でございます。たとえば、これはほんとうの例で申し上げるわけでございますか、やる予定の場合もあり得るわけでございまするし、やったという証拠がほかにもっと確実な証拠が出ておりますれば別問題でございますけれども、資料としては一応疑いはかけられるけれども証拠不十分ということはたくさんあり得るわけでございます。まあそういうような場合ではないかというふうに、いまの段階ではその程度で、公判が終わってからでないとちょっと申し上げられないと思います。
○稲葉誠一君 あらゆる事件にそういう態度をとるならぼくも了解するのですけれども、都合のいいときはそういう態度をとられて、都合の悪いときは逆な態度をとるから、あぶなくてしようがないんですね。あぶなくてしょうがないというのもおかしなことばですが。 すでに集めた九百四十万円、それをどういうふうに使ったかということはわかったんですか。返したのは事件発覚後返したのですから、九百四十万円をどういうふうに使ったかということは全部わかったんですか。
○政府委員(日原正雄君) そこまでまだ報告を受けてまいっておりません。
○稲葉誠一君 いや、報告を受けたか受けないかは別として、とにかく土建業者から九百四十万円の金を集めたでしょう。これは間違いないでしょう。それで法定費用は六百五十万円なんですから、全部使えば、意思を通じておれば失格だし、意思を通じてなかったとしても、意思を通じたという推定などもできるわけですよ。だから、九百四十万円が一体どういうふうに使われたのかということを調べるのが本件の事件の一番大きなポイントになるわけです。これは警察なりあるいは検察庁なりでその九百四十万円はどういうふうに使われたのかということが明らかになっているのじゃないですか。
○政府委員(津田實君) 全部がこまかく当たられておったかどうか、あるいは当たった金が完全に一致するかどうかわかりませんけれども、まあ買収金に使われた、それから印刷費、その他雑支出に使われた、あるいは事務処理に使われたというものがあるようであります。
○稲葉誠一君 それには違いないですよね。それはもうそうなんで、九百四十万というものが幾らが何に使われてどうなったかということは、当然これは調べる筋のものです、捜査として。その中でわかったものはここまで、あとはこれだけわからないのだ――わからなければしようがないです。ここまでわかったんだ、わかった中にはこういうふうに使われているんだ、あとのところはわからなかったんだ、これは当然締めくくりとして出てきているわけです。それをぼくは聞いているんで、わからないところを無理にわからせるわけにはいきませんから、しょうがないですけれども、その点を聞いているんです。
○政府委員(津田實君) もちろん突き合わないものもあるわけでありますけれども、その内容はほとんど解明されておりますけれども、それは本件の、本件と申しますか、起訴している事件の公訴維持に必要でありますので、その点はあらかじめ明らかにすることは差し控えたいと思います。
○稲葉誠一君 公訴維持に必要だということ、これは裁判の進行は――起訴が四回に分けて起訴しているのですか、去年の七月から、八月、九月と。それで裁判の進行はどういうふうになっているんですか。これは公訴事実を否認しているのですか、金を送ったことを否認しているのか、受け取ったけれども趣旨が違うと否認しているのか、いろいろ否認のしかたもありますけれども、どうなっているのですか。
○政府委員(津田實君) 昨年の十二月九日に第一回公判が開かれておりまして、起訴状朗読だけが行なわれて、次回は今月の十八日でございます。
○稲葉誠一君 それなら、起訴状朗読だけで、罪状認否は行なわれていないわけですか。
○政府委員(津田實君) そのようになっております。
○稲葉誠一君 それなら、罪状認否が行なわれていないとすれば、ちょっと進行もおそいように思いますけれども、被告人の数も多いからそれもやむを得ないかもわかりませんが、罪状認否が行なわれていない段階であまり証拠の内容的なものを聞くのは、私もそれはやはり国会と司法権の関係がありますから、それは差し控えますけれども、九百四十万円がどういうふうに使われたかということについての取り調べということは、そこに主眼が置かれてやられたことは、これは問違いないでしょう、これは捜査の本道ですから。その中でも未解明の部分もあるわけですか。金がどこに行ったかわからない部分もあるのですか。そこはどうなっているのですか。
○政府委員(津田實君) それはあると思います。
○稲葉誠一君 それから友田という人に対しては石井は二十万円渡したと、こういうことを言っているのじゃないのですか、もらったほうは否認しているけれども。
○政府委員(津田實君) 友田に対しては、金が贈られた、供与したという容疑で取り調べたことがあります。
○稲葉誠一君 ですから、そういう容疑があったならば、やったということがあり得るわけです。これは石井が二十万円やったというふうにぼくは聞いておるんです。片っ方はもらわないと言っている。もらわないと言った人は、そこまで調べたけれども、そこでパーになって不起訴になっちゃった。もらったと正直に言った者だけ起訴されておる。これでは公正を害するわけです。そこら辺の調べがどういうふうになっているのか問題があると思いますが、念を押しますと、身柄不拘束のままで取り調べを受けて起訴されていない十三名は、参考人ではない、被疑者として調べられたんだ。被疑者として調べられるについての容疑というものはある程度あったんだ。しかし、それは捜査の段階で認められなかったんだ。捜査の段階で認められないという場合、身柄を逮捕勾留するということはしなかった。普通なら、証拠隠滅のおそれがあるということで逮捕し勾留するのがよく例があるのですけれども、そういう手はとらなかったのだ。結果として、嫌疑不十分ですか、嫌疑なしですか、どちらかで全部不起訴になっていると、こういうことにお聞きしてよろしいですか。これは検察審査会に申し立てる関係があるわけですから、名前もわかっておりますが、被疑者の名誉からも考えなければなりませんから、ことに不起訴事件ですから、ここではこれ以上言いませんけれども、そういうことですか。参考人じゃないわけですね。
○政府委員(津田實君) 嫌疑不十分で十三名がなったことは事実であります。 それからその者の身柄関係は、こちらでいまわかっておりません。
○稲葉誠一君 それならば、嫌疑不十分ですか、嫌疑なしですか。
○政府委員(津田實君) 嫌疑不十分であります。
○稲葉誠一君 本件に関連をして、ある自民党の代義士が仲に立って、そうして土建業者から受け取った金を返すように働きかけた。その結果、石井がもらったものを返した。事件発覚後ですよ。ずっとあとになって返したわけですね。こういう事実があるようですね。ある自民党の代議士から警察なりあるいは検察庁なりに働きかけがあったかどうか、あるいはこの事件そのものにその人が内容的にタッチして金を返すということについてのあっせんなどをしたかどうか、こういう点はどういうふうにわかっておりますか。
○政府委員(津田實君) その点は全然承知しておりません。
○稲葉誠一君 そうすると、金をあとで返しましたね、事件発覚後。この日時はあとで明らかにしてもらいたいと思いますが、金を返すときに、ある自民党の代議士が仲に入ってそういうふうにした、こう聞いている。そこで、問題は、返した金というのは、六百三十万円でしたっけ、この金はどうしてつくったのですか。それまで石井が持っておったのですか、九百四十万円集めて。六百三十万円金を持っておったとすると、変なものですね、熱心に選挙をやらないということになるしですね。六百三十万を返した日時と、その金はどこからどういうふうにして集めてきたのか、手持ちしておったのか、九百四十万円を使わないで持っておったのか、そこのところはどうなんですか
○政府委員(津田實君) その点はわかりませんです。
○稲葉誠一君 いろいろ詳細に私のほうはお聞きするということで通告しておいたわけですけれども、しかし、そう内容的に一々こまかくこういう点を聞くのだこういう点を聞くのだということは言えませんから、そういう点は通告してありませんけれども、まあ土曜日にもぼくはわざわざ連絡して、神戸地検へ連絡するなり、あるいは場合によっては神戸地検の人に来てもらうなり何なりしてよく内容を聞いておきなさいよ、こまかく聞きますよと言って念を押しておいたのですが、それに対して十分でないのが非常に残念です、全体として、ぼくはあらためて、場合によってはこの委員会なりあるいは予算委員会で、これと、ほかの問題もあります、こういう問題について聞きたいと、こう思っておるのですが、本件について解明されておらないのは、一つは建設省との関係ですね。建設省の役人なり何なりが具体的にどのように本件に関与しておるか、あるいは山内という人が在任中なりあるいは退官のあいさつの中で本件にどのような直接間接の関与がなされておるかということが明らかにされていないわけです。これはもっと明らかにしなくちゃいかないことだと、こういうふうに思うわけです。それから業者との、九百四十万円の金を献金を求めたという経過か十分明らかでありません。積極的に求めたのか、何らかこれを求めてそれを業者が断わり切れないような理由があったのかどうか、こういうふうな点。そこに強制が行なわれたのではないかという点。それから不起訴の関係者について、十七名ですかもう起訴しておるから、それ以上起訴したり何かすると兵庫県の県政が麻痺するというようなことを考えたりなどして、そこで政治的な判断なり力が加わってこのあとの人たちが不起訴になったのではないかという疑いがあります。同時に、それに関連をして土木の業者が全面的に不起訴になったわけですが、これは九社ですか、これらが不起訴になる経緯について自民党のある代議士が関与をしておるということが相当言われておる疑いもそこにある。その点についてのまだまだこれは追及か足りないわけですし、それから警察側が一生懸命やったのでしょうけれども、県会議員の逮捕勾留事件となった場合には率直に言ってなかなかやりづらい事件であることはこれはもうよくわかりますが、それで警察があまり協力的でなかったということは報告書の中に出ておる。地検からの本省あてその他の報告書に出ておる。あるいはそういうような話があったということがある県会議員から直接私のところに来ているわけですが、こういう点の問題の解明などがまだまだ私は不十分であると考えます。 そこで、自治省の選挙局長がここにおられますから聞くのですけれども、山内派の政治資金の収支の決算報告書が出ておりますね。この中には、九百四十万円の関係の入金は出ているのですか、出ていないのですか出ているのはどれとどれが出ているのですか。
○政府委員(長野士郎君) 参議院選挙の結果に基づきます選挙費用の報告というのがございますが、その分が出ております。これは……
○稲葉誠一君 そこに入っているかどうかということですよ、九百四十万円が。
○政府委員(長野士郎君) それによりますと、これは十二月二十八日の官報に載っておりますが、寄付金は二百十万円、それ以外はその他の収入になっております。そして、収入が合計で六百六十万円。そして、支出は、いろいろこう書いてありますが、合計で四百四十一万一千二百二十六円となっております。
○稲葉誠一君 いまの六百六十万円収入があって四百四十一万円使ったとなると、約二百万以上の収入があったということですけれども、収入があったと言うのはおかしいですけれども、その六百六十万円の収入の中に、本件の兵庫県における寄付は入っているのですか、入っていないのですか。
○政府委員(長野士郎君) お話のような九百何十万円というものはこの中に見当たりません。
○稲葉誠一君 いや、九百何十万円が入っているというのじゃなくて、その中に入っている十三名があるわけでしょう、その者からの寄付は載っていないわけですか。
○政府委員(長野士郎君) そのいまお話が出ておりますところの業者からの寄付というようなかっこうのものはございません。
○稲葉誠一君 これは、政治資金の届け出は、選挙の収支の届け出は、あれは自治省に置いていてだれでも閲覧できるのですか。どんなふうになっていましたっけね。
○政府委員(長野士郎君) だれでも閲覧できます。
○稲葉誠一君 ちょうど十二時で、時間ですから、約束を守ってあれしますが、私がいま言ったような四点――五点ですか、こういう点については、ほかの場所で、おそらく予算委員会になると思いますが、本件だけという意味じゃなくて、ほかのものも含めた形で聞くことになると思いますから、これは十分調べておいてください。そうでないというと、あそこでまたあまりみっともないようなかっこうになるのはこれは私としても本意じゃありませんから、あまりそういうことをやりたくないものですから、調べておいてください。これはやっぱり問題のポイントが本件については十分何かこう解明されていないのですね。それから国会の中でそういうものを出しにくい点もあるのはよくわかりますけれども、出すべきものは出して、解明すべきものは解明して、綱紀粛正といいますか、こういう選挙のあり方に対してしっかりした対策というものを立てなくちゃいけないと、こう考えるわけです。 あとの機会に再度やるということで、私はきょうの質問はこれで終わります。
○政府委員(長野士郎君) 先ほどお尋ねのありました山内一郎議員の兵庫県の得票数は、五万四千六百九十四・一〇〇票でございます。総得票数は六十三万一千七百七十・一七一ということになっております。
○理事(山田徹一君) 速記をちょっととめて。 〔速記中止〕
○理事(山田徹一君) 速記をつけて。 ―――――――――――――
○理事(山田徹一君) それでは、次に、森脇事件に関する件等について調査を行ないます。大森君。
○大森創造君 前回の委員会で森脇・吹原問題についてお尋ねをした。どうしても私納得できないのは、検事の冒頭陳述ですね、これはどうして委員会のほうに提出できないのか、私の手元に提出できないのか、その理由が私は納得できない。もう一回説明してくれませんか。
○政府委員(津田實君) 冒頭陳述は、検事が公判廷においていたすものでありますが、陳述の内容を明らかにするために書面をつけることもあります。しかしながら、冒頭陳述は、検事が法廷で述べたあるいはその引用した内容が冒頭陳述となるわけで、そこで、冒頭陳述書そのものを本件について作成しておるようであります。それは、現在におきましては、訴訟記録の一部として裁判所に提出されておるわけで、裁判所の訴訟記録になっておるわけであります。そこで、その訴訟語録の内容につきましては、これはそのもの自体が原本でありますので、その訴訟記録の内容について直接国会から裁判所に御要求していただくのが筋だというふうに考えております。
○大森創造君 私は法律のことはあまり詳しくないのだが、私の感じでは、日本の裁判というのは公開制度ですね。公開の法廷で行なっている。で、忍法の第八十二条の精神からしてなるほど公開法廷でやったけれども、森脇・吹原の問題については、検事は、あまりに長いためか何か知らぬけれども、全部は読んでおりませんね。要だけを読み上げたのですか、一切省いたのですか、その点はいかがですか。
○政府委員(津田實君) これは法廷でいかなる形で読み上げられたか、ちょっといま私はその場で調査いたしておりませんので承知いたしておりませんが、大体の形といたしまして、法廷で冒頭陳述の全文を朗読する、あるいは冒頭陳述所に沿った陳述をするというのが普通であろうと思います。したがいまして、あるいは場合によって略式として冒頭陳述書を当事者全部に渡してこの内容を陳述したことにするというような便宜の扱いがなされたことは例としてはあるかもしれぬと思いまするけれども、本件につきましてどういう形で冒頭陳述がなされたかは、いま私は承知いたしておりません。要するに、法廷に本件について提出されたものであることは間違いないわけであります。
○大森創造君 私の聞いた範囲では、森脇事件については公開の法廷で行なった、これは間違いない。そこで、あまりに長いので、その要旨を読んだということになっている。それで、刑事局長のほうでは、私のほうにその要旨を持ってこられた。だから、要旨を持ってこられるほどならば、全文の写しを私のほうに御提出願うことはさしつかえないと思うのだが、どうでしょうか。
○政府委員(津田實君) 要旨そのものは、冒頭陳述の内容をいわば編集したようなものでありまして、これは一般的にも冒頭陳述の内容を知りたい新聞関係にも渡しておると思うのであります。ところが、冒頭陳述書そのものは、当該訴訟のために作成した文書であって、当該訴訟のために裁判所に提出したものであります。したがいまして、それは裁判所に提出したものが唯一の冒頭陳述書というか、これは法定の文章ではありませんが、そういう意味のものでありますので、そのもの自体は訴訟記録の一部になっているというふうに私どもは考えております。
○大森創造君 そこで、要旨だけを読み上げて、それでいま新聞記者などに発表したといふううなことをお答えですが、発表していないと私は思うのです。そこで、私の感じでは、たてまえは公開であるけれども、実質はこれは森脇の裁判というものは秘密ということになってしまうのではないかと思うのです。国会で要求しても出ないということになるというと、要旨だけを読み上げて、あとは全部わかりませんから、これは実質は秘密裁判みたいな形になって、法廷の公開ということに反するという気がするんですよ。これはどうしてもだめですか。これは法制局のほうから御見解をいただきたいと思う。
○政府委員(真田秀夫君) お答え申し上げます。 どういう事件について御要求がございましたのか、私は全然存じませんので、一般論として法律的な見解をお答えするわけでございますが、冒頭陳述が書面にしたためられまして裁判所に提出されますと、当然刑事事件の訴訟記録の一部に相なるものでございます。ただいま、憲法八十二条の規定による刑事裁判の公開の原則があるから、当然それは見せるべきであるというような観点からの御質問であろうと存じますけれども、刑事裁判の公開の原則と申しますのは、手続の公開でございまして、訴訟記録の内容を公開するというふうには直ちにはならないというふうに考えるわけでございます。刑事訴訟法を見ますと、事件の終結後は何人も訴訟記録を閲覧することができるというふうに相なっております。といいますことは、事件が係属中は訴訟記録そのものを公開するというふうには相なっておらないというふうに思えるわけでございますが、記録そのものの中身は、したがいまして、訴訟法の規定によって、訴訟関係人が閲覧することができる。一般に記録を直ちに公開しなければならないというものではないというふうに考える次第でございます。
○大森創造君 それで、津田さんにまたお伺いをしますけれども、あなたの見解では、参議院として、国会として、それを代表するのはこの法務委員会だろうと思うのだが、法務委員会のほうで正式に裁判所のほうに手続をとったならば、これはどうなんですか、直ちにその資料を提出していただけますね。
○政府委員(津田實君) 国会から裁判所に資料を要求し得るということは当然だと思います。しかしながら、裁判所がその要求に応ずるかどうかということは、当該裁判所がきめる問題であろうと思います。したがいまして、この問題に関して当該具体的に森脇事件を扱っている裁判所がどういう判断をいたすかということは、これは私のほうではわからないわけでございます。その裁判所の判断に私どもは従うという意味、つまり裁判所が直接その判断をしておきめになるということを私としては申し上げたいわけであります。
○大森創造君 よくわかりました。 それでは、国税庁のほうについて、これは私がいろいろ勉強した結果、国税庁のほうはいまのやっとはだいぶニュアンスが違ってすなおに出せるのじゃないかと思うのだけれども、差押物件とか、あるいはいわゆる念書だとかそれから貸付証書とかいうようなもの、これは出せるのですか、国税庁のほうにお答え願います。
○説明員(中嶋晴雄君) 過日もお答え申し上げましたが、公務員に課せられております守秘義務、特に税務署の職員には特に重い守秘義務が課されておりますが、私どもこの内容そのものが非常に取引先に与える影響等も考えまして、具体的な内容につきましては、書類の提出、明細の提出を差し控えたいと、かように考えております。お許しを願いたいと思います。
○大森創造君 私は参議院の法制局でヒヤリングをやったのですが、冒頭陳述より以上にこれは出しやすい、拒否する理由が乏しいという見解なんですね、きのう聞いてきた段階では。そこで、これは押し問答していても始まらないから、ひとつ委員長・理事にお願いしたいと思います。前段のほうについては、裁判所のほうに提出方を要求していただきたい。それから税務署のほうで占有している物件ですが、先ほど申しました手形とか貸付証書とかそういうものについても同様な取扱手続をおとり願いたいということを申し上げて、森協問題についてはこれで打ち切ります。 その次に、司法修習生についての問題ですが……
○理事(山田徹一君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(山田徹一君) 速記をつけて。
○大森創造君 この前資料要求したのだけれども、「司法修習生の司法研修所における教科科目調、最高裁判所事務総局」、これを御提出願いました。これを見ますというと、憲法の講義があることはあるんです。あることはあるのだけれども、少いね。どうです。
○最高裁判所長官代理者(矢崎憲正君) 御趣旨のように、合併講義と申しまして、講義はもちろんあるわけでございます。御質疑の趣旨を、私は、教科として載せているかどうかというような趣旨に伺ったものでございますから、あのようにお答え申し上げましたけれども、合併講義と申しまして、修習生全員を集めまして、そして大学教授等適当な方を招聘いたしまして、講義はこのとおりやっておるわけでございます。また、セミナーにも憲法訴訟というものがございます。
○大森創造君 ところが、やってないのだ。私の調べたところではない。やってないのです。これは、いまからでも電話をかけて聞いてほしいと思います。これはあなたよくごらんください、この書類を。これは「昭和四十一年三月十四日人事局」と書いてありますね。十四日というと、きのうですね。きのう私の手元にこれを持ってきたのです。そうすると、「昭和三十八年四月採用の司法修習生について」と、こう書いてある。なぜ三十八年というのを持ってきたのですか。
○最高裁判所長官代理者(矢崎憲正君) 昭和三十八年の四月に採用された司法修習生が、二年間の修習を経まして、三十九年、四十年と、四十年に修了するわけでございます。ですから、修了された一番新しい修習生についての資料をお持ちしたわけでございます。
○大森創造君 三十九年、四十年に司法修習生に入っている人もこれと同じ講義の内容ですか。
○最高裁判所長官代理者(矢崎憲正君) ほぼ同じような内容のものでございます。
○大森創造君 私の調査と違うんですね。これは、あなたのほうでは、昭和三十八年の四月採用の司法修習生について合併講義に「憲法について」というものがあるから、これを持ってきたのと違いますかこれは私は調べてほしいのだが、現在やっている講義の中には、憲法というものはないらしいですよ。これは調査すればわかることだが、可法修得生がそう言っておりますよ。
○最高裁判所長官代理者(矢崎憲正君) これは、御承知のように、修習全体を通じての問題でございます。ですから、あるいは本年最終の段階にきております修習生につきましては、あるいはこれからの日程に入っていることになるのかもしれませんですけれども、この日程というものは、問題が起きたからすぐそういう日程を入れるというようなことはできませんもので、あらかじめずっと計画をきめまして、将来何カ月なら何カ月ということの時間割りで実施しているわけでございます。三十八年度採用の司法修習生について申し上げますと、従来は、合併講義といたしまして、「憲法について」それから「憲法と裁判について」というようなことで行なっているわけでございますが、講師は、従来お願いいたしました方々を申し上げますと、宮沢俊義教授、これは立教大学の教授でございます。それから高柳賢三教授、これは東大の名誉教授でございます。それから岡義武教授、これはやはり東大の名答教授でございます。それから伊藤正巳教授、同氏も莫大の教授でございます。それから小林直樹教授、同氏も東大の教授でございます。それから佐藤功教授、同氏は成蹊大学の教授でございますが、これらの方々に依頼いたしまして、これらの方々を講師として憲法の講義をしていただいている、こういうことでございます。
○大森創造君 私の調査では、憲法の講義は全くない修習生があるんですよ。これは私の間違いかあなた方の間違いかわかりませんけれども、これは調査すればわかることですが、現に修得生が何人もきて言っているんです。私は憲法の講義を受けていないと。そこで、いろいろとクラスに分かれているので、あなたのほうの出した資料には憲法という講義が合併講義の中に入っているけれども、現実に憲法の講義を受けていない修得生があるということの実態をひとつお調べいただきたいと思います。修習生は私はうそを言うはずはないと思います。
○最高裁判所長官代理者(矢崎憲正君) 私どものほうは修習住は必ずこういう講義を受けているというふうに承知いたしておりますけれども、いま御指摘のようなことがあるかないか、十分調査いたしたいと存じます。
○大森創造君 私の勘ぐりかもしれないが、四十年なり三十九年に入った人なり、あるいはクラスの中で全く憲法の講義を受けてない人がいるので、そこで、意地悪く昭和三十八年の四月採用の司法修習生の教科課程を出したのじゃなかろうかと推察したのだけれども……。
○最高裁判所長官代理者(矢崎憲正君) 決してそんなことはございませんで、十分調査をして、事実に基づいたことだけ申し上げております。したがいまして、そういう御不審がございますようでしたらば、さらに調査いたしまして御回答申し上げたいと存じます。
○大森創造君 そうしてください。私の見解と違します。 そこで、これはほんとうは法務大臣に聞かなければいかぬが、鈴木忠一さん、司法研修所の所長ですね。この前伺ったとおり、人格高潔でりっぱだということ。人格が高潔であろうとなかろうと、そんなことは関係ないのですが、そこで、この講話の内容を見ると、これは施政方針演説みたいなものだな。これを全部を読んでみますと、内容を誤りだとは言わないけれども、欲求不満に満ち満ちているんじゃないか。どういうことだというと、現在の弁護士というものを非常に何というか、今の検事や判事のほうが待遇が悪いということが書いてありますね。そして、弁護士のほうがいいように、何というか、どうもそういうもので意地悪さに満ち満ちているんだな。フラストレーションだな。欲求不満みたいなもので満ち満ちている。そこで、これは社会党が三百代言であるということが書いてありますけれども、これはそれほど私は重要度は置かない。だけれども、これを読むというと非常にまずいということはお認めになったんですね、こういうことは。そうですね。こういうことはまずいということを。
○最高裁判所長官代理者(矢崎憲正君) 私が前回申し上げましたのは、ただいま大森委員がおっしゃいました、別に問題としていないというような事柄について、それはまずかったということは申し上げたのでございますけれども、その講話全体につきまして――実はできましたならば大森委員のお持ちのその資料を見せていただければけっこうだと存ずるのでございますが、私どものほうはその資料を全然拝見いたしておりませんので、どういうような趣旨で書かれてありますのか、それすらも内容がわかりませんので、その点についてはどうだとおっしゃられましても、もう少し内容を読ましていただいて申し上げたいと思います。
○大森創造君 ちょっと前回の答弁と違うんだね。こういうことをあなたかどなたかおっしゃいましたよ。これは、鈴木忠一所長はりっぱな人であるけれども、この内容については不適当なので、旧年中に最高裁なりあるいはあなたのほうなりに行ってこのことについては誤りであったと、こういうことを言うて、そして今度は年明けて一月何日かに全司法修習生を集めてこのことを取り消されたと、こういう回答をされましたね、この
○最高裁判所長官代理者(矢崎憲正君) それは、ただいま申しました趣旨はでございますね、社会党云々という点が衆議院の法務委員会で問題になりまして、そしてその点につきまして鈴木研修所長からいろいろと私のほうで事情を伺ったわけでございますが、その社会党云々と言った点について、これは困るではないかという御意見が横山委員からございました。それにつきまして私どものほうで鈴木研修所長の意見を聞きましたところが、それはもうまずかったので、早々とにかく研修所に修習生の全員が集まった機会において釈明し訂正するということで、本年の一月十四日に鈴木研修所長が非訟事件についての講義をいたしました際に全修習生に対しまして釈明し訂正したと、こういうことになったわけでございます。
○大森創造君 これは前回の速記を見ればわかりますけれども、あなたかどなたかからの答弁は、社会党云々ということでなくて、こういう講話をしたことが不適当であったと、こういう趣旨で取り消されたのではありませんか。そういう答弁になっていますよ。
○最高裁判所長官代理者(矢崎憲正君) 速記録をごらんいただけばはっきりすると思いますけれども、私が申し上げた内容といたしましては、全体についてまずかったというような趣旨で訂正したというようには申し上げていなかったと思うのでございますけれども、いずれにせよ、速記録をごらんいただきますれば、そういう趣旨では申し上げなかったと、こう私自身は考えておるわけでございます。
○大森創造君 そういう趣旨でなくて、私がいま申し上げましたように、この全体が不適当であったというふうにお認めの上、そして所長が取り消されたというふうに私は聞いている。これは速記を調べればわかることですから、やりとりはこれ以上いたしません。しかし、私の考えは、これは不適当だと思うんですよ。社会党云々なんということは、横山委員が言われたかもしれぬけれども、これは一種の比喩ですよ。これは、この文章を見るというと、全体の思想が間違っておりますね。非常な偏見に満ちておりますよ。これは用語が不適当と。この用語が不適当といううちに社会党云々が入るんでしょう。しかし、私の考えからすると、これは内容は民主的司法制度全般を否定しておりますよ。それから弁護士制度というものを批判しておる。こういう講義をされたら、司法修習生は迷っちゃいますよね。全司法修習生は迷っています。こういうことを所長に講話されるということは、これは施政方針演説というか、そういうものだろうと思うんですよ。十一月の二十九日に司法研修所の講堂でやったんですがね、全職員と司法修習生を集めて。検事総長だとかそれから最高裁の判事だとかそういう卵を集めてこれはやったんですから、そこで私はこの内容は不適当だと思う。これはこの内容について吟味したことはないですか。社会党の横山委員が衆議院で問題にしたから、社会党の三百代言云々というところだけ問題にしたのでしょうかそうでないでしょう。全文を、全部の考え方、思想、こういうものをあなたのほうでとうに吟味されたはずですね。いかがですか。
○最高裁判所長官代理者(矢崎憲正君) 私のほうで吟味いたしましたのは、ただいま御指摘の社会党云々という点についてでございまして、これは大森委員の御指摘ではこれは比喩だということについて御了解いただきまして、非常に私ども安心したわけでございますが、そのとおりの内容の発言だったと聞いておるわけでございます。しかしながら、全体につきましては、私どものほうではまだ調査ができておりませんのでございます。できましたらば、お持ちのそこにありますスピーチの内容について拝見さしていただきますれば、どういうような内容の事柄について言われておるかということについて十分検討できると思うのでございますけれども、全体の事柄については十分な検討をいたしていないのが現在でございます。
○大森創造君 私はね、社会党が三百代言伝々というのは、これは用語ですよ、この文章全体を見るというと。で、私はこれは非常に重大だから申し上げておきますが、前回あなたのほうの答弁では、全体が間違っていたと、その考え方そのものが所長として不適当な講義をしたと、だからこれを取り消したと、こういうふうにお答えになったと理解しておる。そこで、私は、この前の私とのやりとりいかんにかかわらず、この思想の持ち主ではいかに人格が高潔であっても困るということです。非常に妙な例を申し上げてなんですが、東條英機さんでは困るということですよ。荒木大将では困るということですよ。あなた方がいかに鈴木忠一所長を信頼されようと、こういう思想の持ち主は現在の司法修得生の所長としては不適当であるというふうに私は考えておる。それから、こういう思想は、まあ取り消すということはできない。施政方針演説そのものを取り消すなんということはできませんから、登録取り消しと違いますから、免許証の取り消しと違うから、そういう点を問題にしたい。この点はよくひとつ覚えておいていただきたいと思います。おわかりになったら、これでこの修習生の問題は終わります。
○藤原道子君 関連。ただいまの御答弁を伺っておりまして、ちょっと納得がいかないのです。私も資料を取り寄せまして拝見いたしまして、内容は非常に重大だというふうに理解いたしました。それが、あなたのほうで、昨年十一月の講話の内容がこれだけ問題になっているのに、いまだにその内容を知りませんということは、私は納得がいかない。で、こちらの大森君の資料を見せてもらわなければ所長の講話の内容がわからないということでは、私は納得がまいりません。もう御存じの上での御答弁かと思いますが、とにかく十分にお調べになっていただきたい。私もこの問題については何かの機会に発言したいと考えております。
○大森創造君 藤原さんのおっしゃるとおり、これは、事、思想、考え方の問題ですから、それで、いまおっしゃったとおり、この委員会で問題になり、この中の三百代言云々ということについて取り消すというところのそういう事務を扱ったほどならば、内容についてとうに吟味しているはずですよ、あなたのほうは。これはひとつ即刻御調査の上、こういう趣旨を述べることが適当かどうか、この点をひとつ吟味していただきたいと思います。 その次に……
○最高裁判所長官代理者(岸盛一君) 事務総長ですが、ちょっと発言をお許し願いたいと思います。 鈴木所長の講義内容の問題でたいへんお騒がせをしておるようでございます。先ほど来の質疑応答にもございましたとおり、この問題が起こりましたのは、昨年の暮れ近く、衆議院の法務委員会で横山委員から先ほどのような御質問がありました。で、そのときの問題の焦点は、天下の公党である社会党に対して三百代言呼ばわりするとは何事かと、そういうようなことがもっぱら中心でございました。そこで、私は、そのときは国会に出る機会はございませんでしたが、さっそく鈴木所長に私の部屋に来てもらいまして、こういうことで問題になって騒がしておるんだが、一体どういう趣旨の話をしたのか。講義の内容は、二時間か三時間かかっておりますから、非常に長いもののはずでございます。しかし、ごく簡単にいえばどういう趣旨のことをあなたは言おうとしたのかということを尋ねました。そうしましたら、修習が終わっていよいよこれから二回試験を受けて裁判官なり検察官なり弁護士になろうとする人たちに、この際、修習の締めくくりとして、現在の日本の法曹、つまり、裁判官、検察官、弁護士、それに学者も加わっておったようですが、そういう人たちがほんとうに日本の国民のための司法を築くためにはどういう心がまえでなければならぬか、それを説こうとしたんだ。そうして、先ほどは弁護士だけに対する批判が非常に強く聞こえましたが、弁護士だけじゃなくて、検察官も含め、裁判官も含めて、そういう法曹のものの考え方というのは少しおかしいところがあるのじゃないか。つまり、ある理論を打ち立てるときには、全く考えられないような、まれに起こるような例を持ってきて、こういう例の場合にはこれが当てはまらぬのじゃないかとか、とかく法律家というものはそういう間違いを起こしやすい。現に、自分もうっかりするとそういう間違いを起こすことがある。そういうことでは、ほんとうに識見の豊かな円満な常識的な司法の運営ということはできない。そういうことを言うのが主眼であった。しかし、たまたまそのものの考え方ということを話しているときに、先ほど大森委員の非常に御理解あるおことばがございましたが、社会党云々とそういうことばが出た。そこで、自分も、なるほどそういうふうなことばは悪かった、妥当じゃない、これはぜひ近い――そのときはもう修習生はみんな御里に帰っておりました。それで、最も近い機会に修得生を集めてその点を是正したい。それで、一月の十四日に修習生全部を集めて、あのときの自分のことばの中には非常によろしくない点があったということを率直に認めたと、そういうような経過で来ておりまして、先ほどお尋ねのように全般についてどうのこうのということは、この前は問題になっておりませんし、また、その点についてはお答えするはずもないと思います。 そこで、全般についてその人の思想がどうかこうかは、いやしくも最高裁判所が司法研修所長を命じておる人なんですから、よほど慎重にその人の講義の内容を検討した上でなければ、これは軽軽しくそういう判断はできないと思います。私どものほうでそのときの講義の内容を具体的にキャッチしておりません。できますならば――それはおそらくその講義の一部一部を抜いたメモだと思うのです。それがはたして正確なものであるのかどうかということも調べてわれわれに検討さしていただきたい、かように思います。
○藤原道子君 関連。確かに私も衆議院の速記録を拝見いたしました。衆議院の横山さんの質問は、そちらでおっしゃるように、社会党の三百代言云々がとらえられての質問でございましたけれども、私が漏れ伺うところによりますと、録音もあるのでございます。私たちも近く聞こうと思うのです。それを御検討になっていないということは私にはどうも納得がいかない。その点も十分にお聞きになっていただきたい。 それで、国民の思想の問題から、裁判官、特に弁護士、学者等に対しての、非常に私たちでは納得できないような言辞があるようでございます。十分そちらでもお調べになっていただきたい。私は鈴木さんは非常に人格的にはすぐれた方だというふうに伺っておりますけれども、人格がすぐれていても、思想が片寄っているのではこれは重大問題だと、こういうふうに私は理解いたしております。
○最高裁判所長官代理者(岸盛一君) ごもっともでございます。その点はよくわかりました。録音を調べることを怠ったと言われれば、なるほどそのとおり申しわけございませんが、先年そういうことで衆議院のほうの法務委員会の御納得も得たものですから、ついうっかりして今日まで来たわけです。相当大部なものだと思いますので、それを正式の文書にしてよく検討いたしまして、ほんとうに思想的にそういう地位に置けない人物であるかどうかということはこれは大問題で、それはちょっとしたメモやなんかでは判断できないと思うのでございます。
○大森創造君 いまのお答え、そのとおりだと思うのです。ひとつ録音などをとって、思想、考え方、これが私もメモだと言われればメモかもしれないけれども、大体こういう要旨だろうと思いますから、その録音なるものがあれば私もお聞かせいただきたい。当委員会でもその録音を聞いて判断の資料にしたいと思います。私は、どうもこのメモによるというと、このメモを拡大したような思想でやるということになると、とんでもないことだと思うんですよ、思想的に。そこで、司法修習生が私のところに参りますけれども、これも憶測、推測と言われればそれまでですが、全司法修習生が非常に不安動揺しておるということは事実なんです。ですから、いま藤原さんのおっしゃったような意味において吟味していただきたいと思います。 それから次に移ります。茨城県の常陸太田というところで起こった事件でございます。これは、この市の選挙管理委員会が主催で選挙啓発の講演会を行ないました。それは四十一年の二月二日でございます。そこで、その講師には、四十一年の十一月、ことしの十一月の市長改選に立候補が完全に予定されております現市長の宮田重文氏、自民党所偶で、本院にも議席を置かれた方、それから来年四月に改選の県会議員の立候補者、現在の自民党県連幹事長の方、この二人の方を委嘱して、そうして、明るく正しい選挙重点モデル地区――自治省指定、それによる委託費か補助があるんでしょう、そういうものを利用して、悪質な事前運動とおぼしきものを行なった。 ちなみに言いますが、梶山県議のほうは、三十年の総選挙で、これは河野派だと思いますが、川崎三蔵という人の選挙違反で買収犯で本人が逮捕されております。それから宮田重文さんも、三十四年ですかの参議院選挙で自派の有力参謀が買収で逮捕されている。どちらも、現職の市長であり、現職の県会議員である。違反の事実がりっぱにある。 それで、市の選挙管理委員会がそういう二人に講演を行なわせしめた。何百人か集まったんです。さらに、ごていねいに、全市に録音放送して流したという事件がございます。こういう問題について、これは私は一太田市の問題ではないと思う。こんなことをやられたら、かなわないですよ。私は茨城地方区の参議院議員であるけれども、名前も顔も通らないけれども、県の選挙管理委員会のほうで何千人か集めてくれて、費用は委託費なり補助費なり市の費用でもって講演会やって、そうして全県に私の名前でもって録音放送するなんということをやってもらいたいと思う。こういうことはどういうことなんでしょうか、あなたのほうでお調べになった限りでけっこうですから、ひとつ一応の御説明をいただきたい。
○政府委員(長野士郎君) お話の茨城県の常陸太田市におきまして、二月の二日に、助言者の研修会というのを開催をいたしているようでございます。この助言者と申しますのは、いわゆる明るく正しい選挙運動のためにいろいろ話し合い活動その他をいたしておるわけでございますが、そういうときの助言者になるような人々ということで考えられておる形だと思います。常陸太田市では、そういう助言者に話し合いの場におきましていろんな新しい話題が必要であるということが起こりまして、常に選挙違反のないようにとか選挙を正しくということは、抽象論としては十分わかっておりましても、そういう話だけでございますと、なかなか話し合い活動というものが十分行なわれないという関係から、ときどきそういう助言者に対しまして新しい知識を注入するといいますか、そういう時事問題、あるいは県政上の問題とか、そういうものを紹介をして話し合いの資料にするという意味を含めてであったと思いますが、そこで、お話のように、常陸太田市長と梶山という同市選出の県会議員を招きまして、県北部の地一城開発計画というものを聞く会というものを開催したようであります。これが、いまお話のございましたように、市長が次の市長の候補者であり、県会議員が次の立候補の県会議員であるということで、事前運動類似の問題があるのじゃないかということで地元でもいろいろと問題になったということを聞いておりますが、開催いたしましたのはそういう意味で、結果においていろいろ問題を起こすといいますかそういうことになったことは非常に遺憾であると思いますが、ちょうど市長が、いわゆる県北の振興協議会の――何かそういう協議会があるそうでございますが、協議会の責任者、会長ということのようでございまして、そういう意味でこの常陸太田市を中心といたします開発計画につきましての話を聞くための講師として市長を選び、同市選出の県会議員を講師として選んだということであると思います。
○大森創造君 あなたはどうもおかしいですね、これは。これはおそらく太田市の市長側の話を聞いたんだろうと思うが、それから選挙管理委員長などの見解を聞いたんだろうと思うが、どうも私はそれはおかしいと思う。いいですか。その県北地域開発計画を聞く会、これは開催することは許されていると思います。市長がたとえば座談会なんかをやるのはいい。これを見ますと、市がモデル地区として自治省から委託費を受けた、その委託費を使って常陸太田市の選挙管理委員会が計画すべき筋合いのものではないでしょう、県北地域開発計画を聞く会というのは。公職選挙法の六条によるというと、「選挙が公明且つ適正に行われるように、常にあらゆる機会を通じて選挙人の政治常識の向上に努める」ことになっている。こう書いてあるが、泉北地域開発計画を聞く会というものがそれに該当しますか。その関連性はどうですか。
○政府委員(長野士郎君) 県北地域開発計画と選挙管理委員会が行ないますところの啓発事業とはどういう関係にあるか、この二つを並べて議論になりますと、多少そういうふうなおよそ無関係なことを意識的にあるいはある集団を通じてやったのではないかというお疑いがありますことは、これはごもっともだと私は思います。ただ、先ほど申し上げましたように、この選挙の啓発事業といいますものが、やはり地域社会の一般的な関心というものを高めるということを含めまして、そして政治なり行政なり非常に抽象的な議論ではなくて、その地域の開発とか、地域の地方出始の振興でありますとか、あるいはそういう意味での県政上の問題でありますとか、市町村の建設の問題でありますとか、水道計画とか、道路の整備とか、教育施設の充実とかいうものを通じましてそうして政治というものに対する関心を深めるということ、まあ日常行なわれておりますところの話し合い活動としてはむしろそういう取り上げ方をしておるのが実態でございます。したがいまして、そういう助言者というものの集まりにおきましてそういう新しい所思を提供するというような形で――この常陸太田市が泉北の地域開発計画の一つの中心だろうと思いますが、その中心点であるところの太田市としてそういういまの計画の内容なり計画の目標なりというものを助言者に聞かしましてそうして話し合い活動の中に入っていくということであれば、これはある程度認められることだろうと私は思います。ただし、現実の実態というものを私どもは十分承知しておりませんからわかりませんが、こういうそれがいかにも事前運動をカムフラージュするために企図され、計画されたというようなことでありますというと、これは私どもの考え方とははなはだ違った形で、まことに適当でないということになりますけれども、明るく正しい選挙運動のためにその地域のそういう責任者である市長を呼ぶ、そういうことが政治的に利用されるおそれがあるから全然いけないということになるかといえば、これは場合とやり方と方法といろいろ内容にも問題はあるかと思いますが、これは一がいにはそういうことは言えないんじゃないか。この場合は、いまお話しのようにいろいろあるのかもしれませんが、形の上ではそういう一つの明るく正しい選挙運動というものは結局明るく正しい社会づくりを目ざすというようなことからそういう会合を主宰したということであれば、それはそれなりとして考えられることだというふうに思っております。
○大森創造君 そういう理解が私はおかしいと思う。婦人会の総会などで特定の社会党の議員と自民党の議員などを呼んでいろいろと政治上の問題の話を聞くことはいいと思うが、選挙管理委員会が、ことしの十一月に改選を予定されている市長と、それから来年の四月に確実に立候補の予定されている、しかも本人は買収やなどで逮捕された経歴のある人を人選するということは、私が聞いた範囲では、県の選挙管理委員会でも、それからあなたの部下の方かきのうかおとといおいでになったけれども、これはおかしいと言っている。こういう人選は適当だと思いますか。それなら私もやりますよ。おかしいでしょう。これは選挙管理委員会ですよ。市長やあるいは県会議員が婦人会や青年会などに行っていろいろ自分の主張を言うことは差しつかえないことです。たとえば、社会党は三百代言だなどと言うことはいいんですよ。事実、自民党などは、私の見るところでは三百代言的な節もありますからね。それはいいと思うんだ。しかし、市の選挙管理委員会でこの人選をしたということは、その人選があなた適当と思いますか。
○政府委員(長野士郎君) 私が申し上げておりますのは、一般的に選挙の啓発事業というものが、非常に狭い内容として問題を取り上げるということに限定は必ずしもされていない。やはり地域社会のいろいろな関心のある問題を取り上げて、それから政治とか選挙というものについてのあり方、選挙民としての意識というものを高めていくと、こういうやり方というのが常時行なわれているやり方であります。そういうことから考えまして、そのやり方の中でその市長がたまたま開発協議会の会長であるとすればそれが一番ふさわしい人であると、こう認定したことにいまのお話であれば事前運動ということが非常に強く出ているとすれば、これは適当でないと思いますけれども、そういうことだけからものを考えるのはどう、だろうか。やはり、そういうそれが一番ふさわしい人であったとすれば、そういう人の話を聞くということもこれはあり得ると、こういう気が実はいたしておるわけでございますが、ただ、ベースはそういう土台でございますから、そういう上でその場所において現在の時点においてそういう会合というものが非常にいまお話しのような事前運動をカモフラージュをするような形という印象を多く与えるというのでありますならば、それはもちろん適当ではないということは申し上げられます。
○大森創造君 事実はこうなんですよ。茨城の県版の各新聞が扱っておる。常陸太田市政対策協議会というのがあって、それが、寺門主一郎氏という人が会長で、一部市議と市政に関心を持つ市民で構成されている。これは超党派的なものなんです。社会党もいるし、自民党もいる。寺門主一郎氏、この人か会長で、自民党です。「寺門会長、今泉剛副会長らは四日、同市役所に江幡邦之介同市選管委員長をたずね、同委員長らが特定の者の選挙事前運動に選管を利用した、と激しく非難して同委員長の即時辞職を文書で要求した。同選管は二日市役所に市内九地区の「明るく正しい選挙重点啓発地区」の代表を集め、宮田重文同市長と同市出身の梶山静六県議を講師に「県北地域開発計画を聞く会」を開いた。」と、こうなっている。そこで、事実を申し上げますが、あなたは常陸太田市に行っていないでしょう。この現地では、自民党に籍を置いた会長の孝門主一郎氏や超党派的なそういう会が、こういうことは不適当であるということで選挙管理委員会に申し入れをした。それで、県庁の地方課の係のほうに聞いてみたら、こういう人選は全く不適当だと。あなたの部下の人にもずいぶん聞いてみた。こんなことは、これは意識的か無意識かわからぬけれども、こんなことではけしからぬ、こんな指導は自治省はいたしておりませんと、こういうことを言っているんです。どうなんですか。現地の事情はこういう事情なんですよ。選挙違反のおそれ十分ありということで、そういうことで自然発生的にこういう抗議が行なわれている。そういう場合、どうなんです
○政府委員(長野士郎君) 私は、市長とか知事とか議員とか公職にある人たちというものがそのときの一つの選挙の啓発事業の中へまあ講師なりアドバイザーなりという形で入ってくる、あるいは入れてくるということが、全く不適当だ、常にあらゆる場合に不過当だというふうな狭い考え方は必ずしもとるべきでない、こういう気が私はしておるわけであります。したがって、具体的な場合になってそれが事前運動と誤解を受けるようなことであれば、これは当然その主宰者として考えるべきことでありまして、そういうことは避けるべきだということは、これは先生のお話と私と考え方がそれほど違うとは私は思わぬのであります。その場合その場合の条件で、もしその場合が非常にそういう誤解を受けるような事情であれば、それはもう全く不適当だと言わざるを得ないと思います。
○大森創造君 そこで、あなたの言われるように、抽象的には市長あるいは自民党の県連の幹事長、そういう人か不適当であるということは言えないと思うんですよ。問題は、常陸太田市がどういう受け取り方をしたかということであると思うのです。知事であってもあるいは市長であってもいいと思うのですよ。しかし、こういう場合、現実に常陸太田市でことしの十一月に改選が予定される現市長が、ずっといままで何十年か選挙運動をやってきた人ですよ。そうして違反になっているんですよ。片方は、本人か逮捕されている自民党の現県会議員ですよ。来年改選が予想されている。この市長、県会議員というものが選挙管理委員会の人選によって選ばれるということは、選挙管理委員会が不適当な人選をしたのではないかということを言っているんですよ。一般的抽象的にはあなたの言うことはわかるけれども、常陸太田市の場合には不適当ではなかったかというんです。これが適当だということならば、私も考える。何でもできますからね。何でもできますよ、これは。これは私は気のせいか知らぬけれども、茨城県のあれを見るというと、今年改選になるような市長で自民党系の人のところをモデル地区にしているように見えるんだね。これはいくらでもできますよ。 これはあとからお伺いしたいと思うのですけれども、自治省のほうに常陸太田市の選挙管理委員会から届け出ているやつがあって、その中に、去年の九月に、長野県の篠ノ井市の東部町というところに、選挙管理委員が四人と市長と事務局三人と運転手二人というのが先進地視察という名目で行っております。こういうものをあなたのほうに届け出ている。委託費ですか補助の中からその旅費などを出しているということは私は不適当だと思う。これはいかぬと思うんです。
○政府委員(長野士郎君) この明るく正しい選挙の啓発事業といいますものにつきましては、いまお話がございましたように、モデル地区とか重点地区というようなこともいたしておりまして、そこで、そういう意味で、いろいろな県でいろいろ熱心にそういうことをやっております地域があるものでございまして、それらのところがお互いに連動方法なり話し合いの進め方なりというものを比較したり資料を交換いたしましたり相互に訪問いたしましたりいたしまして、そうしてさらにまあ前進をはかるというようなことは、これは啓発事業の有効な方法の一つといたしまして認めておるところでございます。したがいまして、そういう意味でこの先進地域とか他の県のやり方とかいうものを視察するということも、これはあり得ることとして考えております。ただ、いまお話にありましたが、それは選挙管理委員会とかあるいは民間の明るく正しい選挙の推進委員というような方々がその主になるのが当然でございまして、お話のように市長がそれと一緒になるというようなことは、これはもう適当だとは思いません。
○大森創造君 先進地の視察について市長が同行することは適当でないということならば、この旅費などをあなたのほうの委託費というか補助金というか、その中から使用するということは不適当でしょう。いかがです。
○政府委員(長野士郎君) この啓発事業というもののやり方につきましては、県や市町村の選挙管理委員会と、それから民間の団体といたしまして行府県には県単位に地域の有識者あるいは民主的団体の代表者等の集まりました推進協議会という会合がございます。おそらく市にもそういう会合があると思いますが、そういう人たちが、指導者といいますかそういう助言者という形でいろいろとお話等を進めますときに、やはりいろんな地区のやり方なり方法なりを参考にしたいということが要求としてあるわけでございまして、私どももそういうものについて私どものほうからの委託費をたくさん振り向けるということは適当とは思いませんけれども、必要な経費としてそれを全然認めないということもいかがかと思います。振り合いを見て、そういう計画を立てるところについてはまあ適当だと思われる範囲ではあまり拘束をしないという形をとっておるわけであります。
○大森創造君 いまの答弁はよくわからないのだが、不適当のような不適当でないような答弁をしておるけれども、私はいまの先進地の旅行についての旅費の問題よりも、講師にこういう人を選んだという選挙管理委員会の態度が間違っていると思う、善意であろうと悪意であろうと。これは現地調査をしなければわかりませんよ。このことをあなたはお認めになりませんか。県北地域振興開発計画の責任者が市長である、たまたまこういうことは選挙の啓発のために市長を呼んでもいいという議論はわかりますよ、抽象的には。しかし、前段私が御説明申し上げましたように自民党にりっぱに党籍を置いて何十年という政治活動をしてきて、これは臭気ふんぷんですね。ことしの十一月限りでまた立候補するし、梶山県会議員は自民党の県連の幹事長ですよ。そして来年の四月に改選予定されている。そして、本人は逮捕されたという実績のある人、これが講師に選ばれた。その人選は、厳正公正であるべき選挙管理委員会が人選をしたとすれば、善意であろうとなかろうと、これが適当な人選でなかったと思いませんか。
○政府委員(長野士郎君) 先ほどもその点についてはまあ申し上げたつもりでおりますが、一般的に開発計画というようなものを話題にするような会合を啓発事業の一環として開く、このことはお認め願いたいと思います。しかし、これがたまたまそういう意味で選挙の問題と関連をいたしましてそれに呼ばれる講師というものがその事前運動だというふうに疑われるような人を選挙管理委員会が主宰して会合を開くとすれば、そのこと自身は決していいことだとは私は思いません。
○大森創造君 いいことだとは思わないなどというより、これはまずいことでしょう。繰り返しますが、そういう人選をしたことは、善意であろうと、間違った措置でしょう。そうあなたのほうの答弁がないと私は納得できませんね。いかがですか。
○政府委員(長野士郎君) 現地の具体的な反応を私どももよく存じ上げないものですから、不十分なことしか申し上げられないのでありますが、私も、もしそういうような非常に強い疑いが持たれるような会合であったとすれば、これはまことに不適当であったというふうに思います。
○大森創造君 そこで、私はいろいろ質問をこの問題について用意したんですよ。だけれども、いまの局長とのやりとりではこれ以上発展しませんから――これは私は小さい問題とはとっていないんです。さっき稲葉委員の選挙違反の問題がありましたけれども、現実にこんなことをやろうとすればできるのですから、そうするというと、正しく明るい選手なんていうことは行なわれなくなりますから、これは法律にも書いてございますから、モデルケースとして参考人をひとつ本委員会に私は要求したいと思うのです。その事情を現地の者に聞いてみなければわからない。局長だって現地でどれだけのことを調べたかおわかりにならないでしょうから、あとで私は委員長・理事のほうにお願いをしますが、関係者をここに呼んでいただくということと、それから法律の中にも書いてございますが、現地調査ということがございますね。まだ現地調査をしていないはずですから。ここにこう書いてありますね。これは公職選挙法施行令の百三十五条です。「自治大臣は、選挙に関する常時啓発事業の委託を受けたものに対し、当該選挙に関する常時啓発事業の実施について必要な指示を行い、若しくは報告書の提出を求め、又は部下の職員をして実地に調査させることができる。」ということなんだから、これはひとつこのことをやっていただきたい、あなたも実情おわかりにならないんだから。きょうは太田市の人が来ておりますよ。ここで発言を求めると事情がぱっとわかるんですから、これはひとつあなたのほうでもお約束していただきたい。実情を調べてみてください。いかがです。
○政府委員(長野士郎君) できるだけ早い機会に調査いたします。
○大森創造君 私は、その県北地域開発計画を聞く会というものはいわゆる法律的にまずいものである、そういうことになると思う。そういう報告書などの内容があなたのほうに届け出されておるかどうか。私は、公職選挙法の第六条の「選挙が公明且つ適正に行われるように、」というくだりと、それから常陸太田市で行なったその問題とは開運がないから、その問題に使った費用などは当然自治省のほうに返還されてしかるべきものだと思う。それから、さっきあなたがお答えしたように、市長などが先進県の視察と称して使った旅費などは、私は返還すべきものだと思っているんだけれども、これは一般論や抽象論でございませんから、これはがっちりひとつあなたのほうにお願いしますよ。あなたも暗中模索で実態がおわかりにならないんでしょうから、現地のほうに職員を行かしてしっかりと調べてもらうということ。それから私のほうでも後ほど委員長・理事打合会のほうへ必要とあればこれこれの人に来てもらいたいという措置をとりたいと思います。これはどうしても私の感じではこういう人選をしたということは不適当である。これが適当ならば、こんなことはかなわぬ。このことを局長があくまで適当であるというふうにお認めになるならば、法制局長官なりあるいは自治大臣に私はたださなければいかぬ。常陸太田市だけの問題ではありません。 それからもう一つのお順いは、こういうふうに事前運動に悪用されているというようなケースが太田市ばかりでないということ。私の想像では、すきがあったら何でもやるんですよ。さっきの稲葉さんのお話ではありませんが、すきがあったらどんなことでもやるんだというのが政治家です。この機会に選挙のモデル地区について全国的に調査していただきたい、常陸太田市に似たようなケースがあるかどうかわからないから。政治家というのは下から上までやるんですよ、なまぐさいやつばかりそろっているんですから。いかがですか。
○政府委員(長野士郎君) 啓発事業のいまのお話の事前運動というようなことで疑いを受けるというようなことは、これはもちろんあってはならないことでございまして、きびしく戒めておるところではございますが、おっしゃいますようなケースがまだたくさんあるかどうか全部調べろと。私どももその実態把握には注意したいと思っておりますが、そういうことのないように今後とも調べられるだけはもちろん調べるつもりでございます。十分に実態の把握につとめまして、誤解のないようにぜひいたしたい、こう思っております。
○大森創造君 最後に。これは一太田市の問題ではないでしょう。そういうことが公然と許されている。初めに局長が言われたように、こんなことは悪いことでないと。私が申し上げた善意であってもこれは不適当な人選でしょうということを前段お認めにならなかったようだけれども、だから、実際にあなたのほうの職員を派遣して現地調査すること、同時に私のほうで何がしかの人を参考人としてお呼びいたしたいと思いますから、そのことを御了承願えるならばこれで打ち切ります。委員長いかがですか。
○理事(山田徹一君) 理事会へはかって協議いたします。
○大森創造君 あなたのほうは部下を派遣して調査するね。
○政府委員(長野士郎君) 調査をいたします。
○大森創造君 いつまでにやるですか。
○政府委員(長野士郎君) なるべく早くいたします。
○理事(山田徹一君) 本日はこれにて散会いたします。 午後二時十分散会