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51回国会参議院1966/03/17

文教委員会 第6号

発言数
51
登壇者
11
会派数
2
開催日
1966/03/17

会議録

二木謙吾自由民主党

○委員長(二木謙吾君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  委員の異動について報告をいたします。去る三月三日、辻武寿君が委員を辞任され、その補欠として山田徹一君が選任されました。  また、本日、柏原ヤス君が委員を辞任され、その補欠として鬼木勝利君が選任されました。

二木謙吾自由民主党

○委員長(二木謙吾君) 国立養護教諭養成所設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、文部大臣から提案の理由を聴取いたします。中村文部大臣。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(中村梅吉君) このたび政府から提出いたしました国立養護教諭養成所設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  この法案は、昭和四十一年度における国立養護教諭養成所の増設について定めようとするものであります。かねてから、文部省におきましては、公立の小学校及び中学校の養護教諭の確保をはかるため鋭意努力をいたしております。すなわち、大学、短期大学及び文部大臣の指定する養護教諭養成機関の卒業者の採用等により逐次その充実をはかっているほか、昭和四十年度は国立養護教諭養成所を二カ所創設し、また、公立学校に養護職員として勤務する者に対して昭和四十年度から資格付与講習会を開催して正規の資格を付与し、これを採用する道を開く等、各般の措置を講じております。さらに、養護教諭の供給を確保するため、昨年度に引き続き、昭和四十一年度において、弘前大学、大阪学芸大学及び熊本大学に養護教諭養成所の増設をはかることとした次第であります。  この法律は、昭和四十一年四月一日から施行することといたしております。  以上がこの法法律案の提案の理由及び内容であります。何とぞ、十分御審議の上、すみやかに御賛成くださいまするようお願い申し上げます。

二木謙吾自由民主党

○委員長(二木謙吾君) 以上で本法律案についての提案理由の説明聴取は終了いたしました。     ―――――――――――――

二木謙吾自由民主党

○委員長(二木謙吾君) 国立及び公立の学校の教員に対する研修手当の支給に関する法律案を議題といたします。  まず、発議者から提案理由の説明を願います。鈴木委員。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 ただいま議題となりました国立及び公立の学校の教員に対する研修手当の支給に関する法律案について、提案の理由と内容の概略を御説明申し上げます。  一般的にいって、教育においては教える人の問題がまことに重要であり、教育の発展が個々の教員の人格及び教育的、技術的資質に依存するものであることは申し上げるまでもありません。そして、これらの資質を向上させるためには、教員の研修が欠くべからざるものであることもまた多言を要しないところであります。したがいまして、すべての教育計画は、教員が自主的、積極的に研修を行ない得るよう十分な機会の提供がはかられるとともに、専門的職務への集中を可能ならしめる措置が含まれるものでなければなりません。わが国においても、このことはっとに認識され、教育公路員については、他の一般公務員制度の特例としての教育公務員特例法が昭和二十四年に制定され、特別の研修制度がしかれております。すなわち、他の一般公務員が当局の行なう研修を受動的に受けるのに対して、教育公務員の場合は能動的にみずから研修することを義務づけられているのであります。教育者の本質、使命からして当然のことでありましょう。しかしながら、このような教育者の使命もしくは義務の遂行も、教育者に対する待遇の考慮、研修費の提供、研修施設、設備の整備等の諸条件が確立されなければ、十分に期待できないことも、また言うをまたないところであります。かような点の理解があったればこそ、教育公務員特例法制定時においても、国会では、研修費に対する財政の裏づけの問題が真剣に討議され、法案修正の方針をきめたのでありましたが、当時は占領下のこととて、遺憾ながら国会の意思は貫けなかったのであります。  その後、十数年を経ましたが、その間の文部省の研修に対する施策を見ますと、文部省講習会の開催、教育研究団体に対する補助金の支出、教育会館、教育センターの設立等、文部省なりの努力のあとがうかがえますが、これらの予算や施設はほんの一部の教員が利用し得るのみで、すべての個々の教員が研修に打ち込む予算の裏づけ、機会の提供からはほど遠く、むしろ、今日、教育学界において問題になっている教育課程の統制的押しつけ、画一的な天下り教育研究の推進以外に何らの意味がなく、現場の大多数の教師にとってきわめて大きな不平不満の要因になっております。その結果は教育界に沈滞の風潮を招来し、日本の真の教育発展に対して大きな不安を与えているのであります。今日、教育公務員の待遇は他の公務員と比較しても決してよいとは申せません。また、研修費についても、国立大学には相当額の講座研究費や教官研究費が予算化されておりますが、高等学校以下には全然ありません。ところが、私どもの最近の実態調査では、高等学校以下の教員が、研修のために毎月自分で購入する図書の費用は約二千円という事例が最も多いのであります。また各種の研究会、講習会への参加や見学、研究のための出張、旅行等に要する費用と労力も相当なものに上がっております。なお、旅費については、予算上は教員一人当たり年間平均八千円程度でありますが、これは赴任旅費や校長、事務職員の事務連絡旅費等にほとんど食われてしまい、修学旅行、臨海学校、林間学校、対外試合等の付き添い旅費はPTA負担に依存している状況で、研修のための旅費は事実上皆無に近いのであります。  このような実情を考慮いたしまして、教員のすべてに研修を積極的に行なってもらうためには、この際、ぜひとも研修手当を支給する必要があるとして本法律案を提出した次第であります。  本法律案の内容といたしましては、第一に、国立の高等学校以下の常勤の教員に対して月額四千円を研修手当として支給すること、第二には、公立学校の教員の研修手当は、国立学校のそれを基準として定めること、第三には、施行期日を昭和四十一年四月一日としていること、第四には、附則において関係法律の改正を行ない、市町村立学校職員給与負担法の改正に伴って、義務教育諸学校の教員の研修手当の半額は国庫が負担することになることを特に付言いたしたいと思います。  以上でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。

二木謙吾自由民主党

○委員長(二木謙吾君) 以上で本法案についての提案理由の説明聴取は終わりました。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 次の議題に入ります前に資料要求をお願いしておきたいんですけれども、いま提案になった法案について、国立養護教諭養成所についての資料でございますが、それは三十七年に国立五カ所できましたわけですね、法案によらないでできたわけです。それから三十八年に三カ所、つまり法案によらないのが八ヵ所ございますね。これは看護婦の国家試験を通った者に対する一年間のあれは一級ということで、それから四十年にこれと同じような法律で国立が二カ所できている。それで今度まあ三カ所と、こういうふうな内容になっていますけれども、それについて、この合計十三カ所の養成所に入った生徒の数、卒業した数、それから卒業して養護教諭になった者、それからならないでほかへいった者はかなりおるわけです。その調査、これをお願いたしたいと思います。  それからもう一つは、五ヵ年計画に沿った充足という問題がございましたんですけれども、各県ではなかなか任用ができない状態がございますので、免許状を持っておりながら任用のできない者、その数を各県別にお願いしたい。これは三十九年までのはございますので四十年度をお願いしたいと思います。三十九年までのは昨年配付していただいております。  それからもう一つは、この法案にもございますけれども、資格のない者に講習をして資格を与えるということがございますが、初めてこれは四十年度に予算をとって実施したわけですが、その講習会場と、それから講習を受けた者、それから講習を受ける費用、本人負担か、あるいは何か公賢で出たのか、出張旅費で出たのか、そういう問題をちょっと資料としてお願いしたいと思います。

二木謙吾自由民主党

○委員長(二木謙吾君) いま千葉委員より資料の要求がありましたが、文部省のほう、ようございますか。

杉江清文部省大学学術局長

○政府委員(杉江清君) できるだけ御要望に沿いたいと思います。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 いまの千葉委員の資料要求に関連してお願いしたいんですが、いまの千葉委員のおっしゃったのでけっこうなんですが、それをも含めたことになるんですけれども、大体、小中高等学校における養護教諭の配置状況全体について、ちょっと一目でわかる一覧表をつくってもらえればありがたいと思うんですが、それもあわせてお願いしたい。

二木謙吾自由民主党

○委員長(二木謙吾君) 秋山委員からの要求、いいですね。

杉江清文部省大学学術局長

○政府委員(杉江清君) できるだけ、できるものは調製いたして差し上げたいと思います。

二木謙吾自由民主党

○委員長(二木謙吾君) 教育、文化及び学術に関する調査中、産炭地における教育問題に関する件を議題といたします。  まず、最近産炭地の現地の実情を視察になりました小野君から、現地の実情について説明をいた、だきたいと思います。小野委員。

小野明日本社会党

○小野明君 先般二月の二十日から二十四日まで五日間の日程によりまして、石炭対策特別委員会委員六名が石炭産業の実情調査のために長崎、福岡の両県に派遣をされましたが、そのうち久保委員と私小野の三名が加わりまして、この両県の灘・炭地域における教育の実情について調査をしてまいりました。その現地を見た結果、若干の感想といいますか、先ほどもめたのでありますが、産炭地の話をいたしまして若干の質問を加えたいと思っております。  われわれ一行は、まず長崎におきましては松浦市の今編中学校、調川小学校及び志佐小学校を訪れ、現場の校長、教師らの意見、声を聞き、次いで、松浦市公民館におきまして、松浦市及びその近隣の産炭地の市町村長、同教育長、学校長、教師、父兄代表者らと熱心な懇談会を持ちましてその陳情を聴取いたしたのであります。  福岡県におきましては、県当局から産炭地の教育事情の一般的な説明を聴取いたしました後に、嘉穂郡稻築東中学校と田川郡川崎中学校を訪れ、それぞれの地域における多くの関係者の集合を得まして、きわめて熱心ななまの声を聞くことができました。産炭地域の教育事情につきましては当委員会でもたびたび取り上げられているところでありますので、本日はその実情の概略と対策の必要性を痛感いたしました点について申し述べたいと存じます。  それに先立ちまして、本年一月現在の両県の産炭地域の範囲等について申し述べてみたいと存じます。長崎県について見ますと、関係のある市町村が一市八町、小中学校四十三校、児童生徒数二万七千六百三十一人であります。福岡県について見ますと、関係市町村は七市三十四町村、小中学校二百六十校、児童生徒数約二十万人であります。  御承知のとおり、石炭産業の不況によりまして炭鉱の休閉山が相次ぎ、多くの炭鉱離職者が発生いたしまして、若い者、技術のある者は他地域に転職をいたしましたのに対しまして、老齢者、病弱者、労働障害者、災害未亡人等が仕事がないまま産炭地域に残り、極端な貧困のもとに生活保護にたより、やっと生活している事態が発生いたしましてよりすでに久しいわけでありますが、国の産炭地振興策等の措置にかかわらず、多くの地域で事態はますます長期化、固定化いたしまして、一そう深刻化している状況にあります。  このような現状は子供たちの教育環境をきわめて悪く不安なものにいたしております。すなわち、まず第一に、児童生徒の異動がきわめて激しく、児童生徒の心理にきわめて不安を与えると同時に、教師が持ち上がりで子供を十分に把握して教育することをきわめて困難にしておるのであります。実例を申し上げますと、単に児童生徒の激減ばかりでなく、父兄の生活の不安定のため児童生徒の転校が多く、転校歴三‐五回の子供も多数いるとのことでありました。  第二には、きわめて貧困な家庭が多いことが教育のあらゆる面で悪影響を与えておるのであります。ちなみに産炭地域における、要保護、準要保護児童の全児童生徒数に占める割合を見ますと、長崎県では平均二〇%余りで最高に至っては六九・四%を示す学校もあります。福岡県では平均二六・五%で、最高に至っては七七・七%の高率であり、三〇%以上を占める学校は九十八校もある現状であります。しかも、後述いたしますが、市町村財政の窮迫等の理由によりまして準要保護児童生徒数にはワク、があるため、ボーダーライン層が相当数あり、これらを合わせますと、四、五〇%以上占める学校はきわめて多いとのことでありました。  第三には、このように貧困家庭がきわめて多いわけでありますから、生活保護に依存しながら、十年以上も生活保護に依存している者も相当多数存在しておるのでありますが、出かせぎ、日雇い、内職等々にきゅうきゅうとして、あすに何の希望もなく、かろうじて募らしている状況であります。また、いわゆるかぎっ子もきわめて多いのであります。このような家庭の崩壊といった状況のもとにありましては、子供に対する教育も勢い無関心、放任状態に置かれている現状にならざるを符ないのであります。  第四には、欠損家庭が非常に多いことであります。炭鉱災害によるものばかりでなく、家出、離婚が非常に多いため、父または母、あるいは両親のいない家庭が多いことであります。松浦市今福中学校では、生徒数七百七十三名中、両親欠損十六名、片親欠損百五十五名、あわせて二二%を占める状況であります。  以上申し述べましたような家庭環境の崩壊、社会環境の悪化は、子供の教育にきわめて悪い影響を与えております。すなわち、まず第一に、長期欠席、不就学の児童生徒が教師の努力にもかかわらず増加していることが目立っております。長欠児童生徒の数は、産炭地域外に比べて二倍以上にのぼっており、福岡県では二・七%の高卒を示す市村町があります。  第二には、最も重要な影響として、暴行、窃盗、万引、不純交友等の非行少年、問題児が激増し、次第にその非行内容が集団化、悪質化、そして低年齢化しているのであります。たとえば、松浦市では三十八年度に犯罪少年、触法少年  法に触れる触法少年が百十八人も発生しており、これ以外に問題児が潜在的に数多く存在するとのことでありました。福岡県の産炭地域の学校で、警察で判明した数だけでも小学校三千四百五十四人、中学校一万百四十八人の膨大な非行少年が発生をしている状況であります。  第三には、知能指数はかなりあるにしても、学力の低下がはなはだしく、一般的に怠惰、無気力、陰うつ、情緒不安定、虚言等の、傾向があり、教育の崩壊に近い現象もあらわれているのであります。また、児童生徒の体位も全国平均に比してかなり劣っており、衛生状態にも多くの問題を生じております。  以上申し述べましたような教育環境の悪条件のもとで、教職員の涙ぐましい努力が行なわれているのでありますが、その教育水準の維持をはかるため次のような強い要望がありました。まず第一に、生活指導をつかさどる教員、いわゆるカウンセラーの配置及びその制度的確立をはかられたいということであります。第二には、学級編制の標準及び養護教員、事務職員当の教職員設置の標準を引き下げてもらいたいということであります。まず、カウンセラーの配置についてでありますが、これについては、四十年度から充て指導主事の配当による生活指導主事が配置され、ある程度の成果を上げているとのことでありましたが、あまりにも非行少年、問題児の多い現状ではその数が少なく、数校かけ持ちで対処している現状で、きわめて不十分とのことであり、学校現場にカウンセラー必置を求める声が強いものがありました。したがいまして、福岡県では一部生活指導教員が独自に配置されているとのことでありましたが、大体、教師が学習指導とともに、生活指導に懸命に努力している実情でありました。その実情につきましては、一月何十回にもわたる夜間の家庭訪問、何カ月かの間、児童の登校から下校、食事に至るまでの世話、二年にわたって一週二、三回ずつ、夜間、一部落に子供の指導に出かけた教師など、その例は枚挙にいとまのないほどでありまして、過労におちいりながら児童生徒の教育に当たる現場の教師の切々たる声に胸を打たれたものであります。また非行事件の発生等により半音を中止するような事態もしばしばとのことでありました。特に、稲築東中学校のある数学教師の声によりますと、その担任学級で整数計算、九九計算等のできない者が相当数あり、分数の不能な生徒を含めますと三分の一以上の数にのぼり、英語ではアルファベットの読めない者、国語では読み書きが小学校三年生程度しかできない者がやはり三分の一以上ある現状で、授業は困難をきわめておりまして、このための努力ばかりでなく、家庭訪問、クラブ活動につとめ、帰宅はどうしてもおそくならざるを得なくなり、家庭に帰ると奥さんから自分の家庭、自分の子供の教育と、どちらが大切かと泣いて訴えられるが、教育者としては、かわいそうな子供のためどうしても努力しなければならないとの涙ながらの発言に、私たち二行は強く胸を打たれた次第でありました。この教師の説明、持っております学級は、いまお手元に一覧表があると思いますので、それを議事録にその表を残していただきたいと思っております。  このように、現場の教師は自分が楽をしようということでなく、努力をいとわないけれども、子供たちのためにカウンセラーの配置を強く要望しているのであります。  長期欠席児童生徒や非行少年に対する措置は、なるべく早く継続的に対処することがきわめて重要でありますが、対策は不十分であり、このような状態を放置いたしますと、将来、社会に対する大きな害毒となることは必至と思われる事態であります。このような現状にかんがみ、生活指導教員の配置が望ましいものの、当面は少なくとも生活指導主事の増員だけでも緊急にはかるべきものと痛感をいたしました。また、カウンセラーの職務内容も明確でなくその制度的確立を要望する声も強いものがありましたが、当面全国の研究集会等の開催についても必要と考えられました。また、学校全体が特殊学級化している事態も発生している現状にかんがみまして、特殊学級のワクの範囲内で、かつての促進学級のような特殊学級の特別措置も考慮すべきではないかと存じました。  次に、要保護、準要保護児童生徒の増大に伴い、事務量が大幅に増大している事態にかんがみ、事務職員の配置の要望についてであります。田川郡川崎中学校の例によりますと、毎月、生活扶助費の支給口には教員三名が町役場に出張いたしまして、机を並べて、生活扶助費を受けた父兄から教育扶助費を受け取るため四、五時間を費やしており、その上、準要保護生徒を含めて生徒ごとの帳簿の作成、学用品の購入、その帳簿整理等の実際を聞いたわけでありますが、その事務局の膨大さは想像を絶するものがあります。また、児童生徒の異動が激しく、そのための手続もまた相当な事務量とのことでありました。そのため、事務職員の増員をはかると同時に、少なくとも要保護、準要保護児童生徒が一定割り当て以上の学校については事務費を計上すべきである点を痛感いたしました。なお、準要保護児童生徒に対する就学奨励費の国庫補助率の引き上げの要望がありましたが、四十年度から産炭地域についてはかさ上けが行なわれているのに、まだ市町村当局には知られていない現状でありましたが、かかる対策のなるべく早急な実施の必要性を感じますと同時に、一段と市町村財政の窮迫の救済策の必要性が思われました。  最後に、産炭地域の市町村財政は、炭鉱の休閉山に伴って深刻な打撃を受けているばかりでなく、住民の減少による地方交付税の減額、生活扶助費等炭鉱廃止に関連する支出の増、また、石炭産業の隆盛時の児童生徒数の増大に対処するための校舎建築債の償還等もあって、きわめて窮迫した状況にあります。産炭地域の学校はいずれも老朽化しており、その改築経費がまた市町村財政を圧迫することになっております。松浦市の視察学校は、いずれも四十一年度改築する計画とのことでありましたが、きわめて苦しい財政事情とのことでありました。このような市町村財政の貧困が教育費を圧迫する危険性もまた強いわけであります。したがいまして、市町村財政当局から、校舎改築費に対する補助の増大、校舎建築債の償還利息を特別交付税の対象にすること、人口の急減については地方交付税の基準財政需要額の算定について特別に配慮すること等について要望がありました。  なお、今回の産炭地域の教育の事情の調査は、きわめて急なことでありまして、また、時間的にもきわめて窮屈でありましたために、その調査は必らずしも十分でなかったと思います。したがって、本委員会におかれましては、なるべく早い機会に、ぜひとも産炭地域の教育事情の総合的な調査をお取り上げくださいますようにお願いいたしたいと存じます。なお、あわせて本委員会におきまして、参考人の校長あるいは生活指導にあたる教員等の招致をお願いをいたしたい次第であります。  以上であります。大体、概略的にはいま申し上げた実情にあるわけでありますが、先般の本会議におきましても、文部大臣は、教育の機会均等という立場から、こういった貧困者に対する配慮というものについては特別にやっておるんだ、こういう御答弁もあっておったようであります。で、いま申し上げましたように、産炭地には生活保護あるいは準要保護児童生徒の増大、これに伴いまして教育的な環境というものが失われているんであります。で、まあ私ども、いま報告を申し上げましたけれども、現場の学校に行ってみますと、学校という環境ではなくて、職業安定所か、あるいは福祉事務所、こういった悪がするのであります。こういった見方から、従来もいろいろ委員会で、この産炭地教育の問題については御検討いただいておるのでありますけれども、現地に行きまして、長崎あるいは福岡の事情の深刻さに私ども驚かされているような状態であります。で、大臣の言われる、いわゆる機会均等という立場から、ぜひこの強力な施策というものが望ましいのでありますけれども、この委員会でも検討されておりますが、この産炭地教育につきまして、四十一年度の施策についてどのようなことがなされておるのか、まず最初にお尋ねをいたしたいと思います。

二木謙吾自由民主党

○委員長(二木謙吾君) ただいまの小野委員の説明に関連いたしまして、質疑のあるお方は順次御発言を願います。  なお、政府側から中村文部大臣、中野文部政務次官、斎藤初中局長が出席をしておいででございます。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 ちょっと大臣のお答えの前に、小野さんへちょっと……。この資料ですが、これの中学校何年生かということと、それから一つこの中に、一番右の「問題程度」、◎、△、〇とありますね、そういうあれがどういうことをあらわしているのか、ちょっと気のつく点を御説明しておいていただきたい。

小野明日本社会党

○小野明君 先ほどお話を、申し上げておる途中で、いまお手元にお配りしております表について議事録に載せていただくようにお願いをしたのですが、御了解をいただいたと思います。この表でありますが、これは中学二年生であります。で、このクラスは、五十三名であります。で、「問題程度」というのは、◎が非常に問題がある、こういうところです。その次、○△と、こういうわけですが、一番左側の「家庭環境」、これを見ましても、かなり問題になるところがあるのですが、まん中の「学業」のところでありますが、ここでは「SS」と書いてありますが、これは知能指数であります。知能指数検査の普通は、大体一〇〇、が普通程度の子供ということになっておるのです、が、この知能指数テストは五〇が普通程度のものということです。ですから二倍をしてごらんになっていただけばいいと思うのです。この点は、かなり知能指数はありますけれども、学習環境が劣悪でありますために、このような学力しかついていないというのを示しておるんですが、その上のほうの註に書いておりますように、数学ですが、整数計算ができない、あるいは九九算ができないというのが数学では×、これが十六くらいおるかと思います。それから英語のところではアルファベット、が読めないのが×、書けないのが△、国語のところでは、読み書きでありますが、小学校三年程度までしかできないというのが×、これが中学二年生であります。それから小学校五年程度までしかできないというのが△であります。なお、この際申し上げておきたいと思うのですが、そういった学力の状況にあるんでありますが、この子供たちが学校に参りまして、朝八時半か九時ごろから午後の三時ごろまで固い、腰かけにすわっておる。で、育ち盛りの子供でありますから、中学二年程度の指導が一斉指導では全然わからない。非常に窮屈なんですね。そうすると、放課後になりますと、勢いエネルギーがあふれるものですから、おもしろくない学校から解放される、したがって悪いことをする、こういうことになるのがこの表から見られるわけです。それをこの中学の教師がどう防いでおるかというと、この一群右のほうにありますクラブ活動、これによって、サッカーをやらせる、あるいは野球をやらせる、あるいは音楽の好きな者に音楽をやらせる、クラブ活動というのがきわめて非行化を救済するのに役立っておる。こういう状態、一言にしていいますと、こういう学級編制、学級の性格が産炭地では普通でありますけれども、一斉指導なんかとてもできない。ですから、なるべく一学級の子供の数を少なくするなり、あるいはクラブ活動ができるような教師を配置をしていく。こういった措置がほしいと思っておるところです。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 それからもう一つ、この五十三人一の生徒のうち男女の比率がわかりますか。大ざっぱでいいのですが、半々とか六、四とかいうぐらいのことでもいいのですが。

小野明日本社会党

○小野明君 大体半々に組織はしております。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 それで、これの説明をお聞きになったときに、大体問題点がいろいろあるのです、が、この問題点というのは、問題というのは常識としては男の子に多い感じがするのですが、そこらどうですか。どっちかに片寄っていますか。男女の性別は抜きにして、大体一般的にこういう問題の多い子供が多いということになりますか。

小野明日本社会党

○小野明君 やっぱり男のほうが多いようです。女の子は卒業しますとすぐ遠くに、福岡県外に、いわゆる飲み屋とか何とかに出かせぎに、近所では都合が悪いものですから、そういうところに出ていく。そういったところから、やっぱり基準法違反とか、あるいは人身売買というようなところまでは私もはっきりいたしておりませんけれども、それに近いようなことがあるのではないかということが推察されるわけです。

中村喜四郎自由民主党

○中村喜四郎君 小野一さんね、この五十三名の生徒中、進学する生徒が三十数名になっていますが、この学校の生徒たちの家庭状況が、産炭地全体で要保護家庭等が多いということですが、この学校の状況はどうでございますか。高校進学がだいぶ多いようなんですけれどもね、この学級の状況はどうなんですか、父兄の生活状況わかりませんか。

小野明日本社会党

○小野明君 やつ。はりそれは、いま高等学校に入るというのはもう常識のようになっているのですが、なるべく遊学をさせてやる、知能指数はあるわけですからね。そういう方向で学校も指導しているようですけれども、詳しいことはそのの点はっきりいたしておりません。

中村喜四郎自由民主党

○中村喜四郎君 そうですか、ありがとうございました。けっこうです。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○政府委員(斎藤正君) 産炭地域に対します教育振興のための施策の概要についてお答えいたします。産炭地における教育関係の対策といたしましては、昭和四十年度から要保護、準要保護児童生徒の対策、それから家庭指導主事による生徒児童の充実等の対策を講じてまいりました。第一点の要保護、準要保護児童の増加という問題でございます。これは先ほども御指摘がございましたように、全国平均で申しますならば、要保護、準要保護合わして一〇%でございます。これを産炭関係の特例法の十条市町村で申しますれば大体一五%、それから六条市川村に狭めますと一八%というように、要するに、産炭地の集約度のひどいところほど高いということは全般として言えるわけであります。また、先ほど先生から御指摘のありました長欠の問題あるいは非行の問題等も、数字をとってみますと全国よりは高いという数字を私ども承知しております。そこで第一には、上要保護、準要保護児童の関係につきましては、実は四十年度の当初に主管課長会議を招集いたしまして、これは御報告に、趣旨が徹底してないということの関連で申し上げるわけでございますが、これは要保護、準要保護に関する経費が不足するときは追加をする用意があるというのは、他のほうの余剰も出てまいりますから、申請のあるものを見られるようにするということ、それから六条関係の市町村につきましては特別措置、すなわち財政的なかさ上げをする用意があるということを示し、また七月になりまして、当時の初中局長が関各府県の教育長に対しまして同様のことの指示を徹底したのであります。そこで、そういうふうにいたしまして、その用意があるということは府県に知らしたのでございますが、具体的な事務処理の要領につきましては、四十一年の一月になりまして主管課長会議を招集いたしまして、さらに具体的な手続を説明いたしました。そして現在は事務処理要領の正式の文書が行っておりますので、先ほど御指摘のありました関係市町村がそれらの恩典を知らないということにつきましては、あるいは連絡の不十分があったかもしれませんけれども、文部省としては四十年度の予算成立以来の措置をとっておるわけでございます。それでこの要保護、準要保護の問題につきましては、とにかく産炭地におきまして市町村教育委員会が認定した者につきまして、教科苦、学用品費、修学旅行費、給食事務費、給食費等の援助費というものは国の補助がいかないということではなくて、その点はまかない得るのでありまして、四十一年度の予算におきましては、これはこれらの内容を漸次充実いたしまして、修学旅行費の問題等は充実いたしまして、そして四十一年度も産炭地の申請者がこれを受けられないということのないように十分に指導をいたすつもりであります。それからかさ上げにつきましては、財政力を勘案して、同様、十分の八までの補助を行なうことといたしております。  それから進学、高校進学の問題等でございますが、四十年度は、たとえば北九州の地区等におきましては、高等学校生徒の採用割り当て人員の増を行なっておりまして、これは特別に四百五名のワクを広げることをいたしております。この点につきましても、引き続き四十一年度では育英会においては産炭地の進学というものの状況を考えながら、運用において便宜をはかっていくというふうに考えております。で、ただいま御報告の中にありました進学率の問題でございますけれども、いま御指摘の学校は進学率七一%でございます。そこはちょうど私どもも調査をしておりますので、その点を申し上げておきます。  それから、炭鉱離職者の子弟で高等学校に在学する生徒の松栄につきましては、これは先般、小野先生、特別委員会で御質問のあった際にお答えいたしましたように、特別の便宜をはからうように指導を行なっておるわけでございます。  それからこの施設の関係でございますが、義務教育施設、それから幼稚園の園舎、それから中学校の産業教育の設備費、水泳プール等の補助につきましては、四十年度の補助事業に対して四十一年度の予算においてかさ上げをするということをいたしますので、その予算を計上してございます。  それから四十年度は、非行化等の傾向のために家庭指導主事を増配をいたしたのであります。従来、この問題につきまして、その定員上の問題というものが非常に強く叫ばれております。そこで四十一年度の予算におきまして、この定員上の問題がどうなっておるかということを御説明いたしたいと思います。で、これは産炭地でありますとか、同和でありますとか、特別の事由によって増配をするということは、これは標準法のたてまえからいたしておりません。しかし、四十一年度は中学校が特に急減をするという時期であります。一両におきましては、四十八人の学級規模を四十七人に押えるということで財政措置をいたしますから、そういう部分はふえても、なお絶対数の減ということで急減していく県がある。そこで、産炭地のように、生徒の数が減るために定数上の措置が急減をするというようなところが起こるわけでございますが、それにつきましては、この急減緩和のために従来、小学校については九八・一五%を補助し、それから中学校につきましては九七・五%を補助しておりましたものを、今回予算上の措置を講じ、近く政令を改めまして、中学校につきましても九十八・五%の急減緩和の措置をとるということにいたします。その結果、産炭地の関係府県におきまして、この急減緩和によりまして、九百二十四名の――要するに、通常の状態よりはこの緩和措置によって非常に有効に教員の定数が受けられるわけです。この最大の府県は福岡県でございまして、この中で四百九十六人というものが通常の教員の定数よりもふえるわけでございます。その次は山口県が多うございます。ただ、北海道につきましては、これは逆でございまして、急減緩和の恩典というものが受けられないような状況がございます。北海道につきましては、むしろ産炭地の問題だけでなくて、僻地小規模学校等を非常にかかえており、しかも、四十三年度の終末の定数に至る間に、四十一年度、四十二年度で終末に至るよりは少し落ち込むという事象があらわれてまいりましたので、この点につきましては、二百八十数名の定員の四十一年度について増加を行なう予算措置を講じ、これも近く政令で改正をいたします。これらを勘案いたしますと、いろいろ御要望のありました定員上の問題というものは県のワク内によって操作をして、そして、たとえば補導に専念をする教員というようなものは、そのワク内でやっていただきたいということで私どもは府県を指導をいたしております。それで、特にいろいろ、こられます教育長の方々に、私個人といたしましても、産炭地の問題のこういうふうな定数上の全般の措置があるので、産炭地については実情に応じて改憲していただきたいということを申しておるわけでございます。なお、福岡県等について見ますならば、さらに三十八年度の改正のときの過員は一挙に解決できないので、これの救済の措置というものが、いま申した数字のほかに百三一三名ございます。こういうものを合わして、減を相殺いたしましても、さらに定員の配置に気をつけますならば、産炭地に対して相当の手当てができる。また県もその中で、産炭地に対しては産炭地の基準を設けて特配をいたしているようであります。そういうことで、私どもは定員問題につきましては、一応これらの全国的な操作の中で府県の持つ定員でくふうをこらしていただきたいという考えであります。  それから充て指導主事の問題につきましては、これは産炭地につきまして、あるいは同和の問題、その他の生徒指導の問題等いろいろございます。これらをどういうふうに配分をして考えるかという問題でございます。四十一年度の予算では二百名の定員の増がございます。で、これをどういうふうに配当するかは、実はこの充て指導主事というものがどういうふうに使われておるかという実態をいま検討いたしております。と申しますのは、すでに四十年度までの予算におきまして千九百余の充て指導主事を持っているわけでございます。それらの問題、あるいは府県が当然その交付税の中でみておりますところの、県が独自に考えます指導主事の配置というものがどういうふうになっているかというような点等を勘案して充て指導主事の配分というものを考えていきたい、こういうふうに考えております。  以上が産炭地の問題について四十年度、四十一年度にわたってとってきた措置の概要でございます。

小野明日本社会党

○小野明君 いまいろいろお聞きしておりますと、福岡の場合、問題になるのは定員の問題だと思うのですが、定員配置に気をつけろ、定員配置が悪いから産炭地に滞留するのだというような説明のしかたがあったと思うのですが、そうですか、局長。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○政府委員(斎藤正君) ただいま申し上げましたのは、定員がほしいという要望がいろいろございました。しかし、一番要望のございました福岡県の定員について見ますならば、先ほど申しましたように、標準的な県の暫定定数よりも、急減緩和の措置によりまして五百四十三人、それから三十八年度当時の過員救済の百四十四人、六百八十七人というものが措置されておって、これが各府県に比較して、見れば、非常に大きな数字であるということを申して、こういうものがあるのだから、これによって措置をしてもらいたいということを申しておるのであります。いま御指摘の福岡県における定員配置の問題、いろいろ問題がございます。しかし、これをいま私が申し上げるのは差し控えたいと思います。と申しますのは、先般も私ども担当課長を派遣いたしまして見ましたけれども、そのことは、私が教育長なりあるいは教育委員長によく話をして、そうしてそれに対してどういう対策があるかということを考えていただく時期でございます、その一々の事象をいまここで申し上げることは差し控えたい。むしろ全般的に申しますならば、これは教員の異動、配置、それから学校間のアンバランスというような問題につきましていろいろの意見をわれわれは持っております。そうして教育委員会のそれに対する所見等も一部伺っておりますけれども、そのことはなおしばらく私どもと教育委員会の問題として話をしてまいりたいと思っております。

小野明日本社会党

○小野明君 非常に含みのある発言でありますが、まず福岡に特別措置をしたという六百名というのは、これは福岡だけの問題ではないのでしょう。該当県をおっしゃってみてくださいませんか。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○政府委員(斎藤正君) 御承知のように、現在の義務教育の標準法と申しますのは、個々の政策を立ててどうこうするというふうになっておりません。これは法律でぴしゃっと共通的なはじき方がきまり、ただ充て指導主事だけがその法律に基づかないで個々の予算できまっていく仕組みになっております。したがいまして、私が産炭地の関係府県について九百二十四名あると申しましたのは、これは急減緩和によって、この急減緩和の措置が非常に有効に働いているということを申したのであります。その最大のものは福岡県でございます。たとえば山口県が二百十六名に対しまして、福岡県は五百四十三人でございまするし、茨城県は百三十六人でございますし、それから佐賀は十五でありますし、長崎は十名であります。これは何も産炭地と直接はリンクいたしませんけれども、そういう産炭地によって急減をしていくという事情、そういうものに対してはこういう急減緩和の措置が有効に働くということを申したのであります。ただ、ここで福岡に次いで二番目に問題になります北海道の問題につきましては、産炭地ということだけでなくて、ほかの要素等もありまして、これは急減緩和が働かない。逆に通常の府県よりは、四十一年、四十二年度において定員配置に経過措置として問題があるということを発見いたしましたので、これに対しましては、別の主として僻地を多くかかえておる学校でございますが、北海道、青森、岩手等を含めまして四百二十七人の増をいたしました。これが北海道に一番有効に働いておるのであります。以上のような状況で、御指摘のとおり、産炭地のためにとったかと言われると、そういう仕組みになっておりません。しかし、それでは産炭地の府県、一番問題になっております神岡に対しまして、いま申しましたような共通的なルールというものが、五百四十三人プラス百四十四人というようなことで、一番有効に働いておるので、それによって問題の学校地域の配当は十分なし得るのではないかというふうに考えておるわけであります。

小野明日本社会党

○小野明君 だから産炭地、福岡だけの措置ではないということ、全般的にやられておるのだということを私ははっきりしてもらいたかったのですが、先ほど局長が、ここで申し上げるのを控えたいと言われたことがあるので、実は私のほうも、文部省の渋谷課長が現地視察をされたことについて多く問題を持っているわけなんです。私は渋谷課長が見られた学校全部が、文部省のお考えになっておるとおりの状態であったということは申しません。しかし、この調査は一体何のためにおやりになったのか、何のために派遣をされたのか、その目的に私は非常な疑問を持っているものであります。現地からあがってきております報告を見ますと、文部省が出されておる生徒指導の手引き、この本を読んだのですが、こういうふうにおやりになっておる。ところが現場の先生に言わせますと、それは昔の倫理学の初歩みたいなことを書いておるので、そんなことはとうにわかっておるのだ。しかし、産炭地のわれわれの学校における五十から六十、あるいは七十にのぼる生活保護、準要保護、そのために学力が低下しておる、この児童が非行に走ろうとしておる。こういうものを救済するのには、いままでの教育に対する考え方では処置できないのだ。こういう痛切な感じを持っておるのです。そういう本の押し売りのようなことを言われても、現地としては、やはり反発だけしか感じ得ない。こういうことを私は申し上げておきたいと思うのであります。そのほか学校で、この先生は年休が多いとか、あるいは出張旅費が片寄っておるとか、宿直をしていないじゃないか、小学校では補導教師は必要ないのだ。こういったような、それぞれその場で帳簿を出させて指摘をしておる。行政監査みたいなものですね。ここで、私は大臣に申し上げたいのですが、それは学力テストの問題なんかありまして、いわゆる研究団体に対する補助金等も削減をされまして、各県に比べまして福岡はわずか八十万円、全国平均が二百万円くらいでありますから、八十万円といえば、大県にかかわらず非常な小額なんですけれども、そういった面から見ますと、福岡の教師というのは、文部省から差別されておる、こういうひがみが強い、端的にいって。それに対してまた産炭地の教育状況を調査し、どう引き上げるかというような調査でなくして、やはり組合活動をどうやっておるのか、こういうふうな調査をやられますと、これじゃ私は非教育的な出張なり、あるいは監査的な視察であったということをこの際指摘をして、大臣おられますから、ひとつこの点を配慮願いたいと思うのであります。この点はこの程度にしておきたいと思います。  次に、充て指導主事の問題なんであります。この充て指導主事の問題は、これは長崎では、これを多く配置してもらいたい。福岡では、教育委員会、地教委のほうからはもっともらいたい。こういう要請があっておるのですけれども、これは長崎でもお聞きをしたのですけれども、警察から、さあ子供が引っ張られた。ところが自分は、担任は授業をしておる。四十人、五十人を教えておる。そうすると、この子供をほったらかして警察に自分が行くというわけにはいかない。その際充て指導主事が地教委におられますから、地教委に電話して来てもらう。ところが充て指導主事は何校かかけ持ちですから、その学校だけに行くわけにいかない。それでおられないということが多い。こういうことからやはり各学校に配置ということを、しかも充て指導主事という名前ではなくて、補導教員、ほんとうのカウンセラーというような名前のものを置いていただきたい。こういう要望が非常に強かったのであります。それから充て指導主事というのはきわめてあいまいなことばなんでありますけれども、二年ほど前からこの国会では、いわゆるカウンセラーということばで議論をされておるのであります。これは大臣も御承知であるかと思うのでありますが、第二次の有沢調査団が参りまして、この報告の中に、いわゆるカウンセラーなどの増員をはかり、これを重点校に配置するなど、極力非行少年対策上効果があがるよう措置する。こういう有沢調査団の報告があるわけです。いわゆるカウンセラーなどの増員をはかって、これを重点校に配置し、そして非行少年対策上効果があがるよう措置する。これを受けて衆議院の石炭対策特別委員会なり、あるいは参議院の石炭対策特別委員会で議論をされ、参議院の石炭対策特別委員会では、産炭地教育の振興に関する満場一致の決議まで昭和四十年の二月の十日にあがっています。この要点は前回も申し上げたかと思うのですが、すみやかに産炭地域の教育のために、財政上、行政上適切なる措置を講ずべきである。こういうふうに参議院の石炭対策特別委員会では決議があがっておるわけです。それからこの有沢調査団のいわゆるカウンセラーなどの問題を受けて議論をした議事録を調べてみますというと、こういうことが載っておるんです。愛知国務大臣、前文部大臣ですが、この答弁の中に、多賀谷委員の質問に対して次のようにあります。「それからカウンセラーについては、特にカウンセラーということばをあげて答申もせられておるわけでございますので、実はカウンセラーのほうについては、特にこの四十年度におきましても概算要求をしておるものに含まれない分がございますから、追加要求を四十年度の予算についていたす手続を、」――ちょっとこれはことばがあいまいで筋がダブったりしておりますけれども、これは愛知国務大臣の責任なんですが、中身をおとり願いたいと思うのですが、「現に報告書は正式に一昨日出ましたので、さっそく手続をいまとっておるところでございます。」、こういう答弁が一つあっております。それから次に多賀谷委員の質問の中にこういうのがあるのです。「私は、単に過員対策ということでなくて、もう少し積極的に産炭地教育を取り上げてもらいたいと思う。」、産炭地域では、全体がいわば特殊教育的な教育をやらなければならぬという実態のもとに、積極的に取り上げてもらいたいという多賀谷委員の質問、これを受けて、愛知文部大臣が、要約して要点だけ申し上げますが、「カウンセラーを中心にいたしまして、特にあらためて予算の追加要求等もいたしております。」「それから特殊の児童並びに特殊教育という問題は全く御同感なのでありまして、」、たとえば福岡県に例をとると県教委とも十分連絡をいたしておるはずでございますが、特殊学級といったようなものを増加していったらどうかと、こういう答弁、それから多賀谷委員はそれを受けて、特殊学級的に扱ってもらいたい。特殊学級とは言わないが、特殊学級的に扱ってもらいたい、こういうふうに言うておる、質問しておるんです。それで、次の愛知文部大臣の答弁、これが大事なんですが、「日本全国画一の方式をもってあてはめようと思っても、これはとても無理だということは私も十分認識ができるわけでございます。御趣旨に従いまして、さしあたり有沢報告が完全に実施できるように、まずそこから手始めに十分な努力をいたしたいと思っております。」と、こういうふうに言われておるのです。で、このようにカウンセラーというのが、非常に私は指摘しておるところはきわめて明確だと思うのですけれども、局長のほうでは、それを充て指導主事という形にとられておるんですが、これは有沢調査団の趣意なり、大臣答弁を曲げるものではないかと思うのですが、この点はどうですか。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○政府委員(斎藤正君) 調査団の報告は、まさに、補導を専任に担当すべき職員ということを申しておって、それが充て指導主事だというふうには私は考えておりません。しかし、現在、先ほども申しましたように、標準法の関係で、特別の政策で人数をとって国庫負担の対象にしていくというものは充て指導主事の制度しかございません。これは年々の予算折衝におきまして、法律の規定に基づく数を制限されることなく、そのときの予算措置によって数をきめ、それによってその国庫負担をするという制度でございます。で、カウンセラー、あるいは指導、補導教諭というようなことはひとつの研究課題であるということは、これは単に産炭地問題だけでなくて、中学校、高等学校等における職員構成の問題としてわれわれは検討しなければならない問題であるということは重々承知しておるわけでございます。そこで、現在そういうふうになっておりますから、それでは県の実情というものを見ますと、先ほど申しましたように、別に県に配当される定員、あるいは県がそれに基づいて各種学校に配置いたしますのは、学級なり、学科担任だけでなくて、いろいろな要素で諸問題がかかってくるわけです。それをどういうふうに活用されるかということは、これは教務主任というものを置いて、教務主任に力を入れる、あるいは専科というものに力を入れるか、あるいはそうではなくてその職業指導に専念をする、あるいは一般的な生徒指導に専念をさせるように配置するかということは、府県の政策としてできることでございます。先ほど御報告にありました学校につきましても、職業指導主事一名、補導教諭一名という積算で学校長はこれを運用しているようでございます。でございますから、現在の段階では、私どもは四十三年度、とにかくあの標準法の終末に近づけるための年々の努力の間というものは、その経過措置のいろいろな歩み方によって算定されます府県の定数をもってくふうを願いたい。そうして、その中学校や高等学校等における生徒指導を固有に担当すべき教員の職制等の問題は、私どもは今後の問題として検討をしてまいりたいと思います。いずれ定員の問題につきましては、現法律が完成する時期もございますから、そういう時期等ともにらみ合わせて、また一面には、これは近く発表されますと思いまするけれども、中央教育審議会において、後期中等教育の拡充という観点から、高等学校あるいは関連する問題としての中学校の問題というようなこと等の関連からも、なお生徒指導あるいは観察問題というようなものは出てくるであろうと思います。そういうものは、そういうような答申ともにらみ合わせながら、私どもも事務的に検討を進めてまいりたいと思います。  そこで、現在の制度にあっては、充て指導主事、これは単にカウンセラーに対する指導だけではございません。あらゆる教科その他の領域の問題について指導機能を強化する、しかも、それは府県にはすでに交付税で相当数の財政措置があって、しかし、それではなお足らないので、指導機能の強化という観点から、それ以外に、文部省は国庫負担金の中においてプラスの面で充て指導主事の増強ということをはかってきている。最近の一、二年はその中で特に非行化の問題、全体に非行化の問題等もございますから、充て指導主事を配置する場合に、その生徒指導を担当すべき者に重点を置くということをいたしておるのであります。今度の二百人の増員がさらに千九百数人のほかにプラスになります。例をあげて言いますれば、福岡県の場合には昨年三十人、合計八十一人という充て指導主事がすでに行っております。この問題は生徒指導というものを一つの重要な要素として、その場合に産炭地あるいは同和地区における問題等を考慮に入れながら私は配分を検討してまいりたいと思います。しかし、その前段階としては、一体、従来これまで力を入れてまいりました充て指導主事の配置というものが、府県間において、あるいは府県の内においてどういうふうに活用されているかという実態をもう一度よく洗ってみて、そうしてその欠陥を補い、また府県の努力というものが並行しながら、指導機能の強化ということに役立つような配分を考えたいと思いまして、せっかく、現在、各府県の実情というものを取り直しまして、現在検討中でございます。

小野明日本社会党

○小野明君 そうしますと、何か要領の得ないお話、答弁だったのですけれども、補導教員、補導教師というものについては、これは各県でやることを認める、やってもよろしい、やるべきなんだ、こういうふうに言われるわけですか。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○政府委員(斎藤正君) 現在、この指導教諭あるいは指導主事、補導教員というようなものは職制として特にきまっておりませんし、またそれを固有に見るという標準法のシステムをとっておらないのであります。ただ教科あるいは学級担任ということの数字ではなく、標準法の経過措置に従ってその教員の厚みの充足を年々はかっておるわけでございます。そういう過程におきまして、その府県に配当された、あるいは学校に配当された者をどういうふうな使い方をするかという場合に、特に青少年問題等について、問題のある学校につきましては府県できめました基準の定員をどういうふうに活用するか、それを教務職員、教務主任とかというような形で主として使うのがいいのか、それともそういうものの力をさいて、特に補導あるいは職業補導ということに重点を置いて時間をさくというような仕組みにするかは、これは府県の考え方でございます。現にそういうふうにして、府県によりましては補導を、そうして担当すべき教員ということで割り当てられておるものがあるわけでございますから、それが府県の定数の範囲内でありますれば、国庫負担金の対象として、当然に負担すべきものだと考えております。

久保勘一自由民主党

○久保勘一君 関連しまして。ただいま産炭地の教員の標準法との関係について、まあいろいろ議論があるわけですが、結論的に私の視察しました感じを申し上げますと、産炭地にカウンセラーというものが、名前は別としてカウンセラーというものが必要であるのかないのか、これはまあ文部省も必要であることは御認識のようです。そこで問題は、どの程度の数必要であるかということが問題であろうと思います。局長の話を承っておりますと、急減緩和の措置をとっておる、充て指導主事も配置しておる。したがって、それぞれの県にそういう措置によって現在配置しておる数をうまいぐあいに配当すれば、産炭地もまあまあいけるのじゃないか、こういう感じを持ってお話をいただいておるのではないか、こういうように私は思うわけです。そこで私どもも実は産炭地のいまの問題については、県の独自の標準法の範囲内でやりくりによって操作できるのじゃないか、こういう希望的な気持ちを持っております。今度参りまして、いろいろこまかな実情を承り、見聞してまいりますと、私はそういうふうなやりくりによって操作できる程度のものではない、ここが認識の違いだと思うのです。先ほど小野先生も説明されておりますように、それは深刻ですよ。いま学級を受け持っておる先生に、そういうことをやれといったら授業できませんね。そうでしょう、五十名おる生徒の中で、平均して四〇%としても二十名は非行少年ですよ。少くとも三五%はどの学校もおるのですね、産炭地のひどいところは。そうすると、正規の授業をやっているひまはありません。これは筑豊でも、ある中学校の先生が泣いて私どもに訴えました。ほんとうにいい授業をやりたい、一生懸命やりたいから、どうかひとつやるだけの時間を与えてほしい、こういう切実な訴えもあったくらいでして、多くを申しませんが、要はいまの産炭地の実情から見て、いまの標準法のやりくりの範囲内においては操作できない。やはりここで特殊な観点に立って、特殊な配置を考えなければならぬのじゃないか、こういうように結論的に思うのですよ。  そこで具体的な提案ですが、現場ではいま十二学級以上の学校には一名配置しろという具体的な数字も教育委員会から提示がありました。また、その根拠についても説明がございました。それ十二学級にするのか、何学級にするかは問題があるとしても、少くともその三〇%以上、その学級、その学校に要保護児童がおる、保護児童がおるというような学校については、これはたいへんな事態ですから、やはり何学級以上は一名カウンセラーを置くというようなことを、文部省は前向きにこの辺で検討する必要が私はあると思います。これはほうっておいたらたいへんです。もう父兄は、非常に失礼な言い方をしますと、子供の教育に対する意欲は全くない。自分たちにくる生活保護費も学校に渡すといけないというので、役場に直接乗り込んで、それで自分たちが直接もらうのですよ。それで、そういう生活保護を受けておる人たちが生活保護組合という組合をつくっておる。それで特殊な政党が、これをうしろでいろいろと指導しておる。それで役場は学校に子供の学用品代を渡したり、修学旅行費を渡したりするのは不都合だ、父兄に渡せ、こういうことを強く要望するのです。やむを得ぬから役場はやはり個人に渡す、学校側にいわせると、個人に渡すとしょうちゅう代その他になってしまって学用品代にならないから、支給される当日は、先ほど小野先生がおっしゃるように、学校から先生方が机、腰かけを持っていって役場の前に置いて、生活保護費をもらって帰る。千名近い父兄をつかまえて子供の学用品代をこっちへください、修学旅行代をこっちへくださいと一人一人からもらって、そうしてそれを郵貯金の一人一人の口座に入れて、学用品がなくなるとか、修学旅行がくれば一人一人の口座から出して仕事をしておる。もちろん非行の状態というものも、先ほど話があったように非常にひどいです。ですから、私は結論的に尋ねますが、ことしの予算も組まれておることであって、標準を直ちにここでいじってどうということはできませんでしょうが、ことし予算化されておる二百名の指導主事の配当について、産炭地はやはり特殊な見方で考えて、そうして大幅な配当をする。あるいは特殊学級が千学級ふえる予算が計上されております。これは要するに精薄児向けのものでして、これが直ちに産炭地に向かうものであるかどうかということは理論上疑問があると思いますけれども、そういうものも多少拡張をして、操作をして、そういう千学級の増を特に産炭地に多く認めるとか、何かここで具体的な手を打たなければ、いま配当しておる標準法の中で急減措置も講ぜられておるじゃないか、充て指導主事もやっておるのだから、県の教育委員会の配当をうまくやれば、これでうまくいけるのだというような御認識であると私はたいへんなことだと思う。ですから、そこらの認識の度合いの問題ですよ。これは要望として私は申し上げておきますけれども、二百名の充て指導主事の配当については特に産炭地を重点的に考慮する。特殊学級の千学級については問題があるでしょうが何とか産炭地を主体にして考えられないか、こういうこの二点についてまずお尋ねをしたい。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○政府委員(斎藤正君) 私ども先ほどから説明しておりますことは、別にその産炭地の個々の学校がすべて十分であるというふうな認識は毛頭持っておりません。ただ、その府県の教員定数、そうしてそれを国が措置するという観点から立てば、そこのところはもう少しくふうがあって、そうして地ならしがあって後に、いまのような特殊な問題が出てくるというならば、私どももよくわかるのであります。で、これは多くを私申しませんけれども、その点こそ、少し私どもは行政的な観点で、もう少し改善し、うまくローテーションができる方法はないかということを指導いたしたいと思います。ですから、どこの府県にありましても、個々の学校のある例をとっていえば、先生おっしゃるようなことは私は十分にあり得ると思います。ただ、いまそれを国庫負担にどうこうという観点でいろいろ要望されておりますから、その点につきましては、私は府県に配当された定員の状況というものが非常に違うの、だから、そこで私先ほど申しましたように、活用するのに活用の余地のないところにつきましては、私は単に産炭地の問題だけでなくて、僻地その他の問題等もありますから、これは事務的に大幅に定数の法の許す範囲内において措置した府県もあるわけであります。ただいまの府県の、先ほど申しました急減緩和あるいは過員吸収等の非常に有効に及ぶという府県につきまして、さらにそれはそのままであって、なお個々に困る問題だから国庫負担の対象にワクを広げるという新措置をといわれましても、これは全く私どもは率直に申しまして自信がないのであります。でございますから、いろいろな面が標準的に行なわれ、しかも、それでいま御指摘のありましたように、そういう姿であって、なおこれは産炭地だけでは私はないと思います。同和の地区その他の問題等もございます。そういうふうに、特に準要保護児童が非常に過大である、あるいは地域としての生徒の非行、長欠児童が非常に非行化しているということについて政策としていろいろ検討すべき問題がある。教員の組織においても検討すべき問題があるということは十分に認識しておりますが、現在歩んでおりますその府県の配当の形というものは、私はそれをそのままであって、つけ加えるものはつけ加えるということは非常に困難だという感じを持っております。それから充て指導主事の問題につきましては、先ほど申しましたように、十分に産炭地の問題につきましても同和の問題につきましても意識をいたします。意識をいたしますが、その前提として、従来、相当数配当いたしました充て指導主事の問題あるいは県が固有に持つべき指導主事がどういうふうになっているかということの実情等を勘案しなければ、これはまた非常に逆に将来に問題もあろうと思いますから、その関係をよく洗ってみて、そして問題の生徒指導上特に問題があって、それが一般よりも多く配慮がなされないという実態がありますならば、その配分にあたっては十分に考慮したいと思います。  また、いま久保先生から特殊学級的なものもお話がございました。これは確かに教育上の一つの問題点であります。特殊学級につきましては、これは精薄――ある限度の精薄なり、あるいはその他の心身上の事由による者を集めて教育をする、しかもそれはきわめて小規模の学級にし、それを国庫負担で見ていくというシステムになっております。そのほかに、それは教育上の問題といたしましてはいわゆる遅進児の問題、これをどうするかというような問題等があることは私どもも承知をしている。しかし、これをいま直ちに定数上の問題に持ってまいりますには、これは先ほど申しましたように、まずわれわれとしては、四十三年を目標といたします現行の四十五人の定数、それに現行法に定められております充足率というものを実現するための努力の過程でございますから、これらの問題はその推移とにらみ合わせながら検討していきたい、かように考えます。

久保勘一自由民主党

○久保勘一君 いまのお話ですと、過員をたくさん持っておる県は、それを操作することによってある程度の産炭地対策もできるんだ、そういう努力をしてほしいと、まあこういう御意見です。これは私はわかります。そういう努力はそれらの県はなすべきだと思います。しかしこれも、理屈を言うわけじゃないけれども、なぜそれならそういう県がそういう過員をかかえて今日に至っておるのかということを考えてみると、やはり過去においてそういう過員を認めて財政措置もしてきた時代があるわけですね。教育のそれが向上であり充実であるという観点に立って、標準以上に教員を置いた場合といえども、やはり国は財政措置を標準の範囲内と同じように措置してきたわけですよ。そういうことが奨励されたんですね、ある時代には。それが今度標準法の改正によってぴしゃっと一線を面して措置された。このことについてはいいか悪いか議論があるとしても、そういうとにかく歴史的な過程をとって、ここに過員を持っておる県といえども過員というものがここに出ておるわけです。ぽつりと去年から過員ができておるんじゃないんです。長い間にやはりそういう教育の充実という過程をとって出てきておるんですから、これを一ぺんになくしてしまうということになると、それはそれらの県はたいへんな教育の後退を来たす。そういう意味合いで文部省も――国もやはり急減緩和の措置というようなものを講ずるし、いろんな措置を講じてこれを緩和しておるわけです。そうでしょう。だから、そういう措置をとりながら、そのことをもって、そういうものをうまく扱えば産炭地といえどもうまくいけるんじゃないか、もう少し研究してもらいたい。一体いつまで研究すればいいの。産炭地の問題が出てからもう四、五年になる。このカウンセラーの問題が議論されてもう三、四年になる。いつまで検討すれば一体出るのかね。私はくどくは申しませんが、そういう過員を持っておる県はなるべく標準に近づけるように努力をしてもらうことは当然であります。それは文部省もいい指導をしてもらいたいと思いますが、そういう県ばかりじゃないの、だから、まじめにやはり標準法の範囲内でやっている県もあるのだから、特殊なものだけとらえて、だからこうだというようなことでは解決しない。先ほど言うように、ここで空なことを言ったって始まらないから具体的に申している。充て指導主事の二百名の配当、特殊学級の千名についてはそう理屈っぽいことばかり言わぬで産炭地の事情が理解されるならば、もう少し何とか研究してみよう、もう少しカウンセラーについても前向きで検討しましょうくらいな積極性がなければ、何かしら聞いていると配当はしているのだ、悪いのは県の数目の配置が適切でないのだ、とは言わぬけれども、何かそういう感じを受けるのですね。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 関連。私は全く久保さんの意見と同感ですね。過員についても、過員をむしろとってしまうなんという措置について、私どもは反対なわけです。やむや得ずああいうふうな措置が出てきたけれども、われわれは漸次ひとつまた元へ返して、ほしいという気持ちもあるわけですからね。制度制限を撤廃してもらいたいという気持ちもあるわけです。そこで、いま御答弁で地ならしをしなければいかぬ、各県の地ならしをやはり検討すべきだという、この意見も私は何も別に悪いとは思いませんよ。しかし、県も地ならしをしてくれ、国もこういうふうにやるという措置がなければ、それだけでは通らぬと思うのですよ。そこでいまお話のように、単に充て指導主事というものだけ、あるいは緩和措置だけじゃなくて、たとえば充て指導主事だって、事実上充て指導主事がほんとうの意味のカウンセラーのような目的のために配置をされていることについて、文部省自身がこれをそういうふうに指導もしていないという面も私はあると思うのですね。しかし、この問題はおいて、この際、国として措置をするために、それじゃ特別交付金なんというような制度も一体考えられるのかどうか。もっと具体的に、国もこういうことを考えたい、こういうふうな方法も研究すると、おっしゃるように私は初中局長がここではっきり答弁ができるとは思わないけれども、大臣もそこにいるわけですからね。だから、やはり大臣もいまお聞きになったことから考えてみて、地ならしも、文部省のいま言われたこと、初中局長の言っていることも私は全部が全部どう問題があるというようなことを言っていろのじゃなくて、ごもっともな御意見を言われている点もあるのだけれども、しかし、それだけでは解決しないという久保さんの意見は全くそのとおりなので、地ならしをさせるけれども、国として一体何をしてくれろのか、あわせてひとつそのことも含めて答弁をしてください。大臣もひとつ言ってくださいよ。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(中村梅吉君) 産炭地は父兄の生活状態も非常に窮迫している現状でありますから、特殊の現状として私どもも真剣に取り組んでいかなければならないと思っております。事務当局は事務当局なりに、これが合理的であると思ういろいろな研究をしているわけでありますが、私ども抽象的な御念としては、皆さんのいろいろ御指摘になっておりまする点はもっともの点も非常に多いので、十分今後ひとつ研究をきせまして、何とか御期待に沿うりように努力をしていきたいと思っております。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○政府委員(斎藤正君) 問題が私ども標準定数という観点だけで問題になってくるのでお答えがしづらいのであります。これは産炭地にいたしましても、その他、特有の生活環境がある、そのために教育上の措置をどう講ずべきかということについては、私どももいままでも検討してまいりましたし、今後も積極的に検討してまいりたい。地の問題についても同様でございますので、先ほど旧しました各般の財政上の問題等はやってきたのであります。ただ私、率直に申しまして、定員の配置そのものが過去の経緯がありますから、いま過員措置があるにはあるけれども、それまで法律上保障されているものを整理しろとか何とかいうことを毛頭申しておるわけではありません。そういうふうにあるので、現状としてこういう数字が出ているのだから、その数字の基礎に立って、定員上の問題として、百何名ということを教育委員会が言ってこられたから、それはどういうわけだということを私は申しているわけです。それはまずその困っている学校もあるし、それからもう少し活用すれば、たとえば専科の教員というものが同じ教科について相当たくさんいるというような実態であるならば、そのところは通常の学校並みに改めた上で、補導の教諭を、補導に専任するようなふうに職務を命令したらよかろうというようなこと等がなければ、私はなかなかこの専科の問題としてきめ切れないのじゃないかという感じを持っております。  それから、準要保護児童と要保護児童との問題につきましても、あるいはそれが非常に多くおるところの人員の問題、それからあるいはこの生徒指導、あるいは指導という観点でなくても、中学校や高等学校における要するに観察、指導という観点から、いま審議会においても非常に検討されておるわけでございますから、そういうものの審議をひとつにらみ合わせながら、私どもは将来の問題としては十分検討するつもりでおります。ただ御質問の点、あるいは従来問題にされた点が、ただ総定数との関係において問題にされますと、私どものほうにもいろいろな情勢の分析をしてみた結果、直ちに、それだからここによけいとかいうふうにはならない。先ほど久保先生から御指摘のありましたように、そういうところだけではなかろう、定員配置というものが府県ごとにどういうふうな状況になっているかというようなことは、私ども予算を要求する場合に常に頭にあるのであります。でありますから、ことしは特に相当問題にはなっておりません。社会的には問題になっておりませんけれども、事務的に検討した結果、相当問題の府県が三、四県あったので、そういうところはまた産炭地にも影響もありますので、その点は私は改善をしてきたつもりなんです。ですから私どもとしては十分いま大臣の御答弁のありましたような点について検討を進めてまいりたいと、かように考えております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 ちょっといまの答弁ですが、ぼくが局長からお聞きをしたいのは、そういうことをお聞きをすることもけっこうですが、これだけ議論を重ねたので局長からお聞きをしたいことは、とにかくいろいろ配置についても、地元として、各県として検討してもらわなければいけぬけれども、文部省として、とにかく国としても充て指導主事の配置のような問題について、現実にくふうをして、何らか具体的にそういうことができるように努力をするのか、しないのか、それをはっきりあなたから言っていただかないと、一般的な御説明、ごもっともな御意見は幾らもお話しの点、納得のいく点がたくさんあるわけなんですよ。しかし、結論的に、いまきめられている、文部省でそういうところのできるものについて考慮をして、その希望に沿うような措置をその範囲ではするつもりだというふうなことなのかどうなのかという、そこだけを聞かしてください。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○政府委員(斎藤正君) 現在予算上の措置の終わっております二百名の充て指導主事の配分にあたりましては、そういういまお話の出た点のような要素を十分勘案してやるつもりでおります。ただ、といって条件がつきますのは、その前提となります充て指弾主事自体の配置状況というものも、私どもは新たにこれは重ねるわけでございますから、従来二千人近くの充て指導主事がいっておるところに重ねる問題でございますから、その二千人の充て指道主事の配置の状況等をにらんで、そうして十分に問題のある地域に対する生徒指導というものが、普通の地区よりも厚く手当てをされるというような観点で配分の問題を考えたいと思います。

小野明日本社会党

○小野明君 最後に、お尋ねなり要望を申し上げたいと思うのですが、先ほどちょっと披露した渋谷課長の発言の中に、小学校にはカウンセラーは要らない、補導教師は要らないという発言がある。これはきわめて重大なんですが、初中局長、それは文部省の正式な態度ですか、どうですか。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○政府委員(斎藤正君) まず、渋谷課長が参りましたのは、義務教育費国庫負担法の事務というもの、それに伴う定員の配置というものがどうなっているかという観点で私が調査をさしたのであります。書類審査では十分ではございませんし、特に定員問題について非常な御要望のあった府県でありますから、私はその実情をよく見て来、しかもその結果をこれはよく教育長なり教育委員長に議してこいということを申したのであります。そこで……。

小野明日本社会党

○小野明君 いや、それを初めからずっとやりますと、私のほうもまた初めからずっとまあやらなければならぬわけですよ。こちらも持っておるわけですから。だからその点を、カウンセラーの問題がいま出ておるから、その小学校に非行化が若年化してきておるわけです。小学校にも移ってきておるのだから、小学校に補導教師は要らないということを言ったそうだが、それは事実かどうか、それは正式な見解か、それだけを言ってもらえばいい。あなたが言えばまたこっちもやらなきゃならぬ。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○政府委員(斎藤正君) その、小学校には要らないと申しておるわではございません。基地区におきまして、その小学校に六人もその充て指導主事が事実上小学校の段階で置いておるというようなこと、これは正確に申しますと非常に問題がありますから、そういう実情からみて、一体、充て指導主事の活用をする、あるいはその定数の範囲内で補導教諭というものをやるならば、重点をむしろ中学校にこそ注ぐべきであって、小学校にそういうふうな配置をするというのはおかしいじゃないかということを、学校長に、市町村の教育委員会にも申し上げ、それから県の教育委員会にも申し上げたのであります。小学校に要るか要らないか、あるいは将来、補導教諭という問題があった場合に、どっちを重点に心がくべきかということ等を考えますならば、それは地区によっては小学校にいるところもございましょうけれども、なぜ、せっかく配当された充て指導主事というものを小学校に重点を置いて配当しているのだ、それじゃ逆じゃないか、これは中学校にこそもっと大きな問題があるのだからということを申したのであります。

小野明日本社会党

○小野明君 その問題もどういうふうに実際の調査がされておるか、そこまで言われると私のほうも反論しなきゃならぬのですが、きょうのところは小学校に必要ないということは言われないようでありますから、この問題はまたあとに譲りたいと思います。  いまこのカウンセラーの問題が出ておるのですけれどもね。やっぱり局長が言われるように、定数という観点から見ると、これはまあ行政の立場ですから、それもまあ大事だと思うのですけれども、やっぱり、一学級のいま表をお配りしたが、実際の学習指導ができるのか。大臣も自分がこの学級の担当教師になったつもりで考えてみていただきたいと思うのです。考えてですね。実際これだけの者がおったら一せい指導なんてできないですよ。だから、この愛知文部大臣が有沢調査団の報告を受けて、完全実施する、特別措置をやるのだと、こういうふうにいわれておるわけです。でありますから、私はこの際大臣に、やはり産炭地域における特別措置と、前文部大臣の答弁のように、それをまず要請をしたいと思います。それから、その中に当然含まれますけれども、いま局長がカウンセラーの問題をいろいろ言われたんですけれども、有沢調査団が言っておる、カウンセラーを置くことと、こう言っているけれども、充て指導主事はそういう役目じゃないわけですよ。だからこのカウンセラー制度についてやはり新しく制度化する、補導教師という問題について新しく制度化するということでひとつ御検討を、実現の方向で真剣に御努力を願いたいと思う。この点を最後にお尋ねしたいと思うわけであります。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(中村梅吉君) その点十分検討さしていただきたいと思います。

久保勘一自由民主党

○久保勘一君 就学補助費用の問題についてごく簡単にお尋ねをしておきたいと思います。現地に参りますと、非常に先ほどから話が出ておるように、就学補助を受けておる子供が多いのですね。表を見ますと、ある学校では非常に多い。同じような条件であると思うのに、ある学校は非常に少ないのですね、生活保護を受けておる子供の数が。もちろんそれに準ずる準要保護の生徒の数も非常に少ない。非常にでこぼこがあるわけです。突っ込んで聞きますと、従来御承知のように、二分の一が町村の負担であって、町村の財政がきついものだから、教育委員会のほうで学校に要請をしまして非常にきびしい査定をするわけですよ。町村によってはそのために非常に少なくなっておるわけです。今度十分の八に格上げされたこの機会に、そういうことのないように教育委員会を指導してもらいたいということが一つ。それから、先ほど小野先生も触れられました十分の八に格上げされておるということを、現地の市町村に私ども行って調べても知らないところが多いのですよ。この点は先ほども話がありましたが、非常に不徹底で、これを知れば、町村長は、そういうワクをはめて窮屈にするようなことはしないと、こういうことであろうと思うが、この点を十分指導してもらいたいのが一つ。それからもう一つは、こういう補助費を渡しますのに非常な手数を踏んでおるわけです。先ほどもちょっと言うたように、父兄に渡せないもの、だから、学校の先生が役場に行って、一人一人のを受け取っておる。受け取ったものを今度は一人一人の子供の通帳に入れまして、そうして学用品の要るときには、また先生が一人一人出しておる。担任の先生はたいへんですよ。そこで、ある学校では女の先生が二人、そのために授業を持ちながらさらに兼任されているのです。どれくらいの時間かかりますかということを聞きますと、表も持ってきておりますけれども、それはたいへんな時間ですよ。そうでしょう、五割以上おるのですから。千名おる学校は五百名おるのですよ。五百名が貯金通帳を一冊一冊持っている。そうしてそれをみんな出し入れする。判こをもらってね。学用品を買うにも先生が行かなければ、子供を買いにやっても買ってこないわけです。親に渡すと、先ほど言ったようにしょうちゅう代になるわけですよ。そういうようなことで、たいへんな手数ですよ。で、現場では事務職員の増員について非常に強い要望があります。十二学級以上に何名置くべきだとか、六学級以上に川名置くべきだとか、数をあげての要望がございました。そういう点は、来年度の予算に関係してすぐには実現できないけれども、就学補助費を配分するについての事務費というか、これはぜひそういう特殊な地帯については考慮すべきじゃないか、もし事務職員の専任を置けないならば、やはりさっき育った補助費配分の事務費は必要である。これは町村の教育委員会も非常に要望しております。この点については答弁は要りませんが、研究してもらいたいと思うということを申し添えて質問を終わります。

小野明日本社会党

○小野明君 関連。ここでいろいろお願いし、説明いたしましても、結局は現地を見てこないといけないということです。この点われわれは産炭地ですからわかっているのですが、委員長も山口の御出身でよく御存じのはずです。しかし、やはり知らない委員の方もあると思うので、そういう方に見てもらうという機会をひとつ設けていただきたいということ、それからもう一つは、生活保護費を扱うのは、法によって校長にゆだねられている、このため職安とか、福祉事務所みたいなことを校長がやっているのです。それで、校長とか、充て指導主事、さっき大臣の言われた充て指導主事などを参考人として呼ぶことを、ここでひとつ、おはかり願いたい、おきめ願うよう配慮願いたいと思っております。

二木謙吾自由民主党

○委員長(二木謙吾君) それはできるだけ御期待に沿うように、ひとつまた努力いたします。  他に御発言がなければ、本件に対する本日の質疑はこの程度にいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十六分散会

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