物価等対策特別委員会 第9号
- 発言数
- 58 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1966/06/03
会議録
○委員長(吉江勝保君) ただいまから物価等対策特別委員会を開きます。 委員の異動について報告いたします。 六月一日付をもって中沢伊登子君及び岸田幸雄君が委員を辞任され、その補欠として高山恒雄君及び梶原茂嘉君が委員に選任されました。六月二日付をもって山本杉君、野上元君及び松永忠二君が辞任され、その補欠として岸田幸雄君、川村清一君及び秋山長造君が委員に選任されました。 —————————————
○委員長(吉江勝保君) 本特別委員会は、生鮮食料品の価格について調査を進めるため、去る三月十一日に青果物の価格等について、三月十八日は食肉の価格等について、四月六日には水産物の価格等について、それぞれ関係業界及び消費者団体の代表者に参考人として出席を求め、率直な意見を聴取した次第でございます。このように本特別委員会は、生鮮食料品の価格等について参考人の意見を聴取してまいりましたので、この際、これらの生鮮食料品の価格等について、政府当局の考えております対策について説明を聴取した後、参考人の方々から提出されました物価問題についての問題点等を中心として御質疑をお願いしたいと存じます。 では、これより青果物、食肉及び水産物の価格等に関する件を議題とし、本件についてまず農林省当局から説明を聴取することにいたします。
○政府委員(後藤義隆君) 農林省所管にかかる食料品価格の動向並びに本年度における施策について事務当局より説明いたさせます。
○説明員(小暮光美君) お手元に「生鮮食料品の需給と価格の動向」ということで、横長の資料をお配りいたしております。ごく簡潔に最近の動向を申し上げ、今年度の施策の御説明を申し上げたいと存じます。 まず、生鮮食料品の需給と価格の動向でございます。野菜、食肉、水産物等、生鮮食料品につきまして、近年需要のきわめて著しい伸びがございます。これに対応いたしまして生産も総体としてはかなりの増大を見ているわけでございますが、需要の内容が急激に変化しながら増大いたしておりますので、具体的な品目につきましてはどうも需要に生産が対応し切れないという面が随所に見られております。しかもこれに加えまして、生産が自然条件に左右されるという生鮮食料品の特殊性もございます。流通面におきますいろいろの問題とあわせまして、生鮮食料品価格の上昇と変動を見ておりますことは、まことに遺憾に存ずる次第でございます。近年の生鮮食料品の消費者価格の全体の推移を眺めてまいりますと、三十五年から四十年までの期間を通じまして、野菜が九六・六%、肉類が三八・二%、乳卵が一三・五%……
○委員長(吉江勝保君) 資料があるのですか。資料に基づくのですか。——そうすると、ページを言ってくれると見やすい。なるべく資料に基づいて説明してもらいたいのです。どうぞ。
○説明員(小暮光美君) 失礼しました。一ページの半ばのところから御説明申し上げます。近年における生鮮食料品の価格の動向を見てまいりますと、三十五年から四十年にかけまして、野菜が九六・六%、あるいは九八・六と印刷した資料があるかと思いますが間違いでございまして、九六.六%、肉類が三八・二%、乳卵が二二・五%、生鮮魚介七六・九%の上昇となっております。この間の消費者物価の上昇率は三五・二%、年率で六・二%でございますが、食料品総合では四一・八%、年率七・二%、それから穀類が三二・八%で、年率として五・八%でございます。 野菜につきましては、その生産量は、中間地帯、遠隔地帯における新興産地の成立と不時栽培等、周年供給化の発展によりまして、生産量は年々増大いたしておりますけれども、需要もこれを上回るテンポで増大しているものと判断されます。 野菜価格は、従来から騰落を繰り返しながら趨勢的に上昇傾向をたどってきておりますが、これは消費支出の増大による需要の堅調によることは言うまでもありませんが、特に生産地の遠隔化、労賃の上昇等に伴う生産費や流通経費等コスト面の増大にも起因するものと考えられます。 近年の価格の動向を見ますと、三十八年秋から三十九年春にかけての暖冬異変による価格の暴落がございます。ところが三十九年秋から四十年春にかけましては、前年同期の安値から作付面積が減少したことや異常気象などがあって、価格は逆に急上昇しております。梅雨期以降その出回りが本格化するにつれて価格はまた下落するというようなことでございまして、年々騰落を繰り返しております。ごく最近の状況を見ますと、本年四月にわせカンランのとう立ちという問題がございまして、年度末から四月にかけて、ちょうど端境期でございますが、その端境期に葉もの類を中心にかなりの価格の上昇を見ております。しかし、五月以降はむしろ一部に安値に推移するといったような品目を見るようになっております。このように野菜の価格の変動が著しいことは、野菜が零細多数の生産者によって生産されており、出荷の組織化が十分に進んでいないこと、気象条件等による作柄の変動が大きいこと等が中心的な原因ではなかろうかと考えております。 次に、畜産物でございますが、食肉の生産は三十五年から三十九年までの間に約一・八倍という伸びを示しておりますが、品目別には牛肉が一・六倍、豚肉二倍、鶏肉二・四倍となっております。鶏肉の伸びが特に著しいようでございます。その後も豚肉、鶏肉は順調に増加いたしておりますが、牛肉は実は資源の食いつぶしのような形で強い需要に引きずられてまいっておりまして、四十年には若干生産が減少に向かっているはずであります。 一方、食肉の需要は、食生活の高度化によりまして年々増大を続け、三十九年には八十二万トンを越えるに至っております。このような食肉需要に対し、現在まで豚肉及び鶏肉の生産の順調な伸び、羊肉、馬肉の輸入増大と肉牛資源の食いつぶしによって対応してきたというのが偽らざる実態であろうかと思います。価格につきましては、豚肉は、おおむね安定価格帯の幅の中で推移いたしておりますが、最近生産出荷の増大によって安定基準価格を下回る値下がりを見せ、畜産振興事業団による買い入れが行なわれたような状況でございます。なお、鶏肉の価格はこれらの品目の中では比較的穏やかな推移を示しております。 一方、牛肉は四十年に入り供給不足が顕在化し、同年には一万トンの輸入公表を行ないましたが、なお上昇を続け、今後も国内飼養頭数の減少傾向及び国際的な牛肉需給の引き締まり等を考えますと、価格が沈静する見込みが、残念ながら、ないような状況でございます。 鶏卵につきましては、生産の伸びがきわめて順調でございまして、三十五年から三十九年の間に約一・九倍となっております。一方、需要も畜産物の中でも伸びが著しく、年間一人当たり約九キログラムの消費量に達しております。 鶏卵の価格は従来主要な畜産物の中では最も上昇率が低く安定的に推移してきております。生産体制の合理化により生産が拡大しつつある一方、いま申しました年間一人当たり約九キログラムという消費が、かなり現状では手いっぱいのところに近づいたのではないかというような形で、鈍化のきざしがございます。一昨年夏以来、これまでと異った動きが出てまいりました。約一年の長きにわたって価格の低迷をみたわけでございます。昨年七月以降回復して、本年に入りましても比較的堅調に推移しておりますが、昨年十月以降、餌付け羽数が非常に増加の傾向にございますので、最近卵価がまた弱含みというような形に相なっております。 水産物につきましては、国内生産が、一方では生産手段の発達、増養殖技術の進歩等もございますけれども、他方では資源の制約、あるいは国際規制の強化等の事情がありまして、三十七年をピークにして、その後減少に転じ、一方、輸入は三十三年を境に増加しております。三十九年には国内生産量の一割近い輸入をいたしているような状況でございます。 一方、水産物の需要は、高級魚や高次加工品の需要の増大あるいはミール等の飼料向けの需要増加も含めて全体に堅調でございます。今後も強含みに推移するのではないかというふうに思われます。 一方、価格は、このような需給事情を反映して、趨勢的に上昇を続け、消費者物価指数でみますと、生鮮魚介で三十五年を一〇〇として四十年には一七六・九というふうに相なりました。 以上のような状況でございますので、その価格の安定をはかるための対策といたしましては、第一に需要の動向に即して生産の安定的増大をはかることがまず基本であるというふうに考えております。この場合、先ほど申しましたけれども、零細多数の生産者が生産、出荷するという事情がございますので、生産性の向上をはかると同時に、生産、出荷の体制の整備につとめるという考え方でございます。第二に、流通機構を改善いたしまして、中間経費の節減等流通の合理化につとめる必要があることは申すまでもございません。第三に需給の動向に即し、また、国内に対する影響等も十分配意いたしながら、弾力的に輸入をするということが、物価対策上必要であろうというふうに考えております。 具体的に野菜につきましては、従来野菜指定生産地制度の実施、価格補てんを内容とする生産出荷、安定事業の実施を中心に対策を進めてまいっておりますが、これらの対策を一そう拡充強化いたしまして、主要な野菜について、逐次計画的に生産及び物価の安定をはかることを主眼といたしております。そこで、主要野菜について四大消費地域における需要見通しを作成すること、それから野菜指定産地の対象品目を増加いたしまして、計画的に野菜指定産地を指定するとともに、生産出荷近代化計画を生産地の農協につくっていただきまして、これについて、土地改良事業、共同利用施設の設置等の助成を行なうことを計画いたしております。また、産地の指導員等の経費を助成する等、生産出荷体制の指導について措置する考えでございます。なお、対象品目を増加するとともに、安値補てんの資金の国の負担割合を引き上げます等、生産安定事業の拡充強化をはかることにいたしております。これらに関連する本年度の予算は、野菜対策としまして約六億三千二百万円、このほかに農地局等でいろいろやります経費が一億七千万円、野菜の生産合理化のための改良事業ということで計上いたしてございます。なお、これらの施策に関連いたしまして、現在、野菜生産出荷安定法案を提出して御審議を願っておるわけでございます。 畜産物につきましては、まず豚肉でございますが、価格が一定の安定帯の範囲で安定するよう畜産振興事業団による売買操作を行なうという制度がございます。価格が高騰した場合に、畜産振興事業団が豚肉を輸入いたしまして、弾力関税制度の運用と相まって、価格の安定をはかるということに、さらに事業団の性格を強化いたしたいという考えでございます。 牛肉につきましては、先ほど申し上げましたように、資源の枯渇という基礎的な問題がございますので、本年は肉用牛の繁殖育成センターの設置及び肉用繁殖、元牛の購入助成という資源対策的な面に特に力を入れたいというふうに考えております。そのほか、草地改良事業の充実、寒冷地等の対象とした肉用牛導入助成、あるいは肉用肥育、元牛の導入資金の利子補給等、これまでも行ないました生産施策をさらに強化いたしたいと考えております。しかし、当面ある程度の輸入をいたしませんと、国内の資源の枯渇に拍車をかけることになろうかと考えますので、畜産振興事業団をして計画的輸入と適時適量の国内放出を行なわせ、弾力的な牛肉の需給調整を行なうという考え方で、畜産物の価格安定等に関する法律の一部改正案を国会に御提案申し上げております。この法案につきましては五月二十七日参議院で御承認をいただきまして、今後衆議院において御審議願うこととなっております。 なお、食肉につきましては、引き続き生産地における食肉センターの設置、消費地における食肉共同処理施設等の設置を助成いたしますとともに、家畜市場の再編整備につきましても指導助成を加え、食肉流通機構の改善を推進いたしたい考えでございます。肉牛の基礎を固めるという趣旨での対策を中心といたしまして肉牛対策費四億二千七百万円、このほかに自給飼料の基盤整備のための予算がございます。 鶏卵につきましては、卵価の安定対策が当面の問題でございます。全国、ブロック、都道府県の三段階における需給調整会議を通じまして、生産者の自主的な生産調整を指導するとともに、畜産物の価格安定等に関する法律に基づく現行の調整保管制度を補完するために、卵価低落時に生産者に価格補てんを行なう全国鶏卵価格安定基金、まだ仮称でございますが、これに対して畜産振興事業団から二億円の出資をいたしたいというふうに考えております。鶏卵生産出荷調整関係の予算といたしましては四百八十七万六千円でございます。 水産物の価格安定のためには、生産、流通、加工にわたる施策を総合的に講ずる必要があるわけでございますが、特に生産対策の面では、漁業生産基盤の整備、沿岸及び中小漁業の近代化、水産資源の保護培養等の基礎的な施策がやはり価格安定のための前提になろうかと思います。 直接流通加工面の対策といたしましては、従来の産地及び消費地の冷蔵庫の建設、これらを消費地と結びます冷蔵自動車の配置、水産加工施設の整備に対する助成を引き続き行ないますとともに、冷凍魚の普及をやってまいる考えでございます。四十一年度におきましては、新たに産地において冷凍した多獲性魚を消費地の冷蔵庫等に保管いたしまして、消費地の需給状況を見ましてこれを適時放出するという事業を生産者団体等に実施させることを計画いたしております。これらに関連いたします予算が三億五千百万円でございます。 それから中央卸売市場の整備につきましては、特にその施設の拡充整備が施策の基本と相なります。そのほかに市場取引の改善措置につきましても引き続き指導をいたす考えでございます。 また、末端の流通機構でございます生鮮食料品の小売り業、これの近代化のために、特にこれは中小企業特有の困難な問題を含むわけでございまするので、関係業界にお集まりいただきまして、むしろ自主的に近代化のあり方等を役所と議論するというような形で、施策を展開してまいりたいと考えておりまして、これに要する経費を計上いたしております。そのほかに、中小企業庁のほうにお願いいたしまして設備近代化のための融資についても別途配意いたしてございます。 以上でございます。
○委員長(吉江勝保君) ただいまの説明に対しまして、質疑のおありの方の御発言を願います。なお、藤山経済企画庁長官も御出席になっております。
○大竹平八郎君 長官にごく簡単にお尋ねいたしたいのですが、最近の物価の関係で一番当面の問題としては、いま説明のありました生鮮食料品が大体中心のようでありますが、そこで、政府として、その安定の緩和策の一つとしてとられるのに、いま御説明の中に食肉の輸入という問題があったのですが、それは単に食肉に限らず相当輸入をすべき問題がたくさんあるのじゃないか。それにはやはり関税等の関係、現在、野菜あるいは食肉あるいは果実、こういうものが相当量輸入をされておるわけです。中には、果実によりましては主食に近いようなものも入っておるし、これは関税関係の上からいうと、ほとんど禁止関税に近いようなものもかけてある。そうして、あるいは関税率審議会でその不当を再三なじっても、一向に大蔵省は取り上げておらないというような状態もあるわけなんです。 そこで、現在たとえば、野菜の不足の分を台湾から相当仰いでいる。玉ネギだとかあるいはショウガだとか、中には日本古来の食料品といわれておる梅干しの材料の梅まで相当量買っておるというような状況から考えて、ここでやはり物価対策の政府の大きな柱として考えるべきものは、輸入と同時に関税の引き下げという問題が、大きく取り上げられるべきときにきておるのじゃないかと思うのですが、この点に対しまして、物価の総元締めであります藤山大臣からひとつ御意見を承りたい。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 物価対策として、不足物資につきましては、輸入に仰ぐということは当然考えてまいらなければならぬ点でございまして、そういう意味からいいまして、食品に関する輸入というものが需給関係の調節上大きな役割りをすると思います。ただその際、むろん関税等の問題を考慮してまいらなければならぬ点がございます。同時に、物価対策というものが農村に対して非常に大きな圧力になるということは適当でございませんので、できるだけ農村の経済にも円滑に対応していく。つまり、農村の価格が安定されることによって、農村生産品が安定していくということが望ましいことでございます。ですからそういう意味において、関税を適宜に、物価問題のありましたとき、需給関係の逼迫しておりますようなとき、そうしてそのために著しく高騰してまいるというようなときに、関税を、何と申しますか、それに適応するように随時調節的な作用を持たせるということは、ある程度、私ども必要じゃないかと思います。それについては、やはり関税そのものの問題もございますが、同時に、農産物その他に対する問題もございますから、十分慎重に考えながら、われわれもその問題について、いま検討をいたしておるわけでございます。
○大竹平八郎君 食糧に対する関税の問題は、いま長官のおっしゃられたように、主として国内生産者を保護するという、大体、そういう立場で私どもスタートし、また現実においてそれが行なわれておると思うのですけれども、しかし、こう物価問題が政府の大きな一つの施策となってきている以上は、これは、われわれは全面的に、野放図に入れろとはむろん申しません。国内の生産の状況も考え、また、国内の生産費を押えるような行き過ぎであってはむろんいかんと思うのですけれども、どうも、現状においては、何かそういう意欲が足らぬような気がするんですが、むろん、一つくだものを入れるということになれば、圧力団体が出てまいって、そうしてこれを防ぐために必死になってやっておられるという事情もよくわかり、それが与党あるいは政府に大きな刺激にもなってきておるということはわかるのですけれども、しかし、これくらい大きな問題になってきておるのですから、もうこの辺で、もう一歩政府が政治的に考えていくべきではないかと私は思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 御指摘のとおりです。物価問題は、経済の基本的な問題になっておりまして、物価が高騰するということは農村の人たちにもいい影響は与えるものではなくって、生活の上からいって悪い影響を与える。したがって、その面からいえば、農村が置かれている非常に大きな問題だと私は思います。が、同時に、農村の方が生産するものと輸入物資との関連というものも、これは無視するわけにはまいらんと思います。ですから、ただ単に圧力団体からわれわれが左右されるという状況でなしに、真にこれらのものが育成過程において、将来、ある時期に必ず育成されていくんだというようなものについては、問題をやはりその面から考えていかなきゃならぬところがあると思います。ただ、しかし、今日のような状況でもって、非常に需給関係がいろいろ問題になっておりまするし、その結果として著しく高騰したような場合に、それを調節するためには、関税をある程度流動的に考えていくということは、私もこれまた必要なことじゃないかと基本的には考えております。したがって、そういう問題については、われわれも、将来、単に農産品とばかりは申しませんけれども、そういう面について大蔵省とも相談し、また、あるいは現に農産物資については農林省なり、通産物資については通産省なり、それらのものが流動的に時期時期によって動かせるようなことも考えていかなければならぬのじゃないか、こう思っております。
○大竹平八郎君 そこでこれはもう私の全く個人的な考え方なんですが、最近政府の方針によって物価担当官が各省に置かれるようになったわけであります。従来は企画庁でやっておられましても、やはり物価は各省にばらばらであっただけに、これを取りまとめていくことは相当困難があったと思うのです。そういう意味において私は、物価担当官が設置されるということになったら、これは非常に一歩大きな前進だと思うのですが、そこで、いまのこの食糧輸入の関税並びにそれに関連をいたしまして国内の生産の保護、こういう両々相まった立場から考えて、やはりこれは政府としても、財政的な負担というものは、ある程度、そういう意味において考えていかなければならぬと思うのですが、そこでせっかく物価担当官も置かれるのですが、どうですか、生活安定の特別会計というようなものをおつくりになられて、ひとつやられる御意思はございませんでしょうか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 物価が今日のような状況で、種々緊急に手を打たなければならぬ問題がございます。また、状況によっては、施設等に対して新たな施設をつくっていくということを推進してまいらなければならぬ場合もございます。したがって、予定されておりました予算の範囲内で必ずしもできないときには、今日では予備費等の活用によりましてやってまいるということにいたしておるのでございまして、物価関係の何か一括したワクを予備費的にとるかどうかということにつきましては、いま考えておりませんけれども、予備費等の活用につきましては、予算編成の際に、大蔵大臣の了承を得ておりまして、物価に関しては特に予備費を出してもらうという了解のもとに、私ども仕事をやっておる次第でございます。
○大竹平八郎君 いまの問題に関連いたしまして、政府の部内に、これは現にあなたがたしか本部長か何かで対策本部というものがあると思うのですが、もう少しあれを大きくして、政府の中に物価緊急対策本部というようなものをつくる話というものは、いままで出たことはないのですか。また、今後やる御意思はないのでしょうか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 物価対策本部的な考え方が政府の部内にもないわけではございません。そうして、ちょうど公共事業推進本部みたいな形でつくったらいかがという議論がございます。ただ、私どもから考えますと、物価の問題は各省の行政そのものに直結いたしておるのでありまして、単に公共事業の予算を促進して出すというような促進運動とは違って、各省行政の中の性格の問題が加わっております。そうでありますから、推進本部というようなものをつくりまして、企画庁長官がその木部長になりましても、局地の権限を持っていない場合には、なかなかこれは動いてまいらぬと思います。ですから、私どもからいえば、今度つくりました物価担当官というものが、各省の中にできまして、各省の行政の中で特に日常、朝から晩まで物価をにらめている、そういう方を通じ、またそういう方の省内における状況を判断してやっていきますことが、一番適当な推進的役割りを果たしていくし、あるいは政府全体の行政が物価行政として統一していけるのじゃないか、こういうふうに考えまして、今回物価対策本部的な考えもございますけれども、物価担当官ということにいたして、その担当官会議を開きまして、そうして仕事を進めていくと、こういう考え方で発足いたしたわけでございます。
○大竹平八郎君 いま一つお伺いいたしたいのは、私どもが地方に参りまして、生産者あるいは仲買い、小売りの各市場機構の方々、それからさらに消費者代表の方々、まあ各地——主要都市で、至るところで懇談会をいたした経験から申しまして、これは少し言い過ぎかもしれませんけれども、やはり政府の消費者を教育といいますか、あるいは実情をよく消費者代表に知らせて、各地域の官公庁で連絡をするということを非常に痛感したわけなんですが、たとえてみまするならば、東京の築地に例を一つとりましても、一番問題になるのはやはりアジ、サバが一円高い、二円高いということが大きく取り上げられるので、高い物資というものについては、そう大きなあれはないんです。ところが、築地市場のごく、最近は知りませんが、去年の秋あたりまでの例を見ますと、その一番対象になる大衆魚が小売り屋段階においては一番余るのです、当時としては。大体平均三割くらい余る。そうして一番売れるのは高級品だというんです。これはいろいろ天候等の関係もあって、産地からくるんですから、そう早くに情報がわかるわけではありませんから、したがって、前日くらいのものは一応わかるので、アジが多いとか、サバが多いとかいうような場合には、NHKあたりでもやっておりますが、一般には、なかなか消費者に徹底しないのである。そういう点で非常に魚も大衆魚が余る。そうして大衆魚が一番物価値上げの対象になって、これがいつも問題になる。こういう点でこれはよほど、むしろ政府のほうがほんとうに指導的立場に立って、そういう点を消費者との間に緊密な連絡をとる必要があるということをわれわれは痛感したんですが、そこで、消費者教育ということばは悪いかもしれませんが、そういうことも、ひとつの魚の例ですが、ほかの一段日常物資に対しても、そういう例は非常に多いと思うが、そこで、消費者教育というような問題について、長官はどういうようなお考えを持っておられるか、この際、ひとつお聞きしておきたい。
○国務大臣(藤山愛一郎君) ただいまお話のございました点については二つあると思います。一つは、いまお話のように、前段のお話のような点でございますけれども、たとえば、東京市場にどのくらいな生鮮魚介類が入ってきた、種類はどういうものが多く入ってきた。そうして種類の多さ、少なさによって値段がどう動いているかということをできるだけ早い機会に消費者に知らせるということが非常に必要なことじゃないか、そういう知識を持たれて消費者の方々が買物をされるというようなことが必要じゃないか。そういう点について、やはり消費者の方々に情報を提供するという仕事がもう少し何か考えられるのではないかということで、いろいろこれはやり方もあると思います。テレビとかラジオを通じて、毎日の市況を報告するということも一つの方法でございましょうし、あるいは店頭に掲示するとかいうような方法が取り入れられ、あるいはその他いろいろな新しい考案も考えられるわけでございまして、そういう点については、目下われわれとしても、その面がいままでのところ十分でないという点にかんがみまして、そういう点をやっていきたい。 後段にお話になりました消費者教育ということ、これも非常に私も大事なことだと思いまして、国民生活局ができてから、その面については国民生活局の一つの仕事として活動を開始し、消費者団体その他とも連絡して、そうして消費者に対して、あるべき現代の消費者の姿というものを描いて、そうしてそれをやっていく。たとえば、消費者の方々が配達を待たないで、自分自身が買いものに行っていただくというようなことによって、諸般の経費が下がってくるわけでございまして、たとえば、クリーニング等について、一々配達をする、あるいは集めて歩くというようなことなしに、消費者の方がそとへ行って委託するというようなことによって、配達の料金というものが低減されれば、それに伴います業者の経費というものも節減されるわけでございまして、きょうの新聞にも出ておりましたように、団地等で一括して牛乳を置いていけば、わりあいに経費が少なくなるというようなこともございます。ですから、消費者自身がそういう面についてやはり新しい時代の生活態度というものに習熟していただきまして、それはどなたも常識的には考えられることなんですが、しかし、やはり習慣もございますから、そういう点に習熟していただくように、われわれも消費者の方々を、教育すると言えば語弊があるかもしれませんけれども、教育していくということの必要は痛感をいたしております。
○大竹平八郎君 いま一点お尋ねしたいんですが、公設市場の問題ですね、大阪あたりは非常に多いんですけれども、東京は非常に少ない。特に大阪は私設市場あたりは非常に多いわけですね。東京はもうほとんど公設市場というのは二つか三つしかないわけですが、これは何ですか、将来方針としまして市場をふやしていくというような考えを政府はお持ちでしょうか。まあスーパーマーケットみたいなものは東京にどんどんできておりますけれども、いうところの公設市場というものは東京にはあまりに少ないんですがね、これは将来政府としてはどんどん増設していく御意思があるかどうか、その点伺いたい。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 大体概観してみますと、東京の小売り商の方々よりも、あるいは問屋の方々よりも大阪のほうがまあ進取的と申しますか、新しい方式を十分取り入れて、そしてある場合には共同動作をとってやられるという業者自身の意欲が相当強いようでございます。そういうところに東京あるいは大阪との、業者の性格と申しますか、そういうものの違いがありますから、東京から見ますと、大阪がはるかにそういう点では進取的だと思います。そこで、いま御指摘のような問題については、われわれも十分考えてまいらなければならぬ点でございますから、農林省において御検討を願うことにいたしておりまして、農林省も御検討いただいておると考えております。
○木村美智男君 長官あまり時間がないようですし、それにあとからまだ質問をぜひ長官にしたいという委員の方もおられるので、私も三点ばかりできるだけ簡潔にこの際伺っておきたいと思う。 実は、いま農林省のほうから御説明のあった問題については、あとから伺うことにしたいんですが、少し物価対策の基本的な考え方について、長官にぜひ伺いたいと思うのは、最近経済企画庁の中でも物価懇談会であるとか、そしてまた懇談会はそれなりに、これについてはまた意見を述べたいと思うんですが、物価担当官を設置をして、行政面におけるコントロールをはかっていくというような、そういうことも出してきていますが、いろいろのことをやっておるというふうに、この点はある程度熱意をもってやっておるんだろうとは思うんですけれども、しかし結果として、ものが、そういういろいろの機関を設置して政府がやっておるにかかわらず、結論としては、いわゆる目ざしている物価安定ということにちっともなっていない。なっていないというのはあるいは酷かもしれませんけれども、物価が横ばいか下がってきていれば、私はこれは十分な効果があり、対策として効力を持ってきている、したがって、その努力も大いに認めたいわけですけれども、残念ながら結果としては現実に物価が上がっていっておるということを考えてみますと、ほんとうに今日とられている政府の物価対策というものが、物の値上がりを押えて、そして国民の生活を安定させるのだという基本方針に一体立っておるのかどうかというところに、実は私は基本的に問題があるように感ずるわけです。この点考え方の問題として、これはいやそうではないのだ、それはおまえの言うとおりだというふうにあるいはおっしゃられるかもしれませんが、実際問題として、私はいろいろの政府が打ち出してくる対策はやっているというその姿はなるほど見えるけれども、実効があがっていないという点からいうと、ほんとうにそこに本腰を入れて具体的な対策をとっているのかどうかという点については、これは私だけじゃなしに、国民全体が現実に物価が値上がりしているという立場で、そういう現実の状況の中で、やはり同じような考え方を持っておられると思うのです。まず、この基本的な考え方を長官にひとつ伺いたいと思います。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 政府は、今日物価問題が最大の課題の一つであって、これをどうしても安定さしていかなければならぬということについては、強い姿勢をもって臨んでおるところでございます。むろん過去数年の現状から申しまして、必ずしも政府の施策が十分であったと私ども言えないところがございます。しかし、今日は景気の対策とあわせて物価問題というのは政府部内におきます最大の課題の一つ、あるいは景気に対する対策というのは一応出てまいりまして、若干景気の安定を見つつあるときでございますから、むしろ物価がこれ以上上昇するような傾向にないように努力していく、施策をそこに集中していくということが今日の政府の姿勢だと思います。たとえば、政府が物価担当官を置いて、各省の行政の中に、物価問題について、従来率直に申し上げれば、各省はそれぞれ生産行政の立場に立って物事を運営していただいたわけですが、しかし、今日では生産行政とあわせて物価行政というものを国民生活の立場から考えていただかなければならぬのでありまして、そういう点について各省がそういう方向に向かって進んでいくように、われわれも担当官の制度をつくったわけでありまして、いたずらに担当官をつくって、そうして屋上屋を重ねるような組織いじりだけをいたしておるわけではございません。そういうことで、率直に申し上げまして、政府各省の今日物価問題に対する関心というもの、あるいは政策についての努力というものが、ようやくここで私はその方向に向かって足並みがそろって進んできつつあるということが言えると思います。そこで、そういうような態勢になりました上に立って、個々の物価問題をどうしていくかということを全体的、総体的な見地に立ちまして推進していくという問題に取り組めるわけでありまして、そういう取り組み方の上に立って今後問題をやってまいりたい、こう思っておるのでございまして、かねて申し上げておりますように、今日の物価現象というものは、何か頓服薬があって、きょうこういう手を打てばあしたはおさまるというものではございませんから、したがって、見ていらっしゃる方はまだるっこしいとお思いになるでしょうし、私自身やっておりましてまだるっこしい感じもいたしますけれども、しかし、かねて申しておりますように、少なくもあと本明年のうちに三%近いところまで物価を安定さしていくという方向につきましては、必ずしも私は悲観をいたしておるわけではございません。そうかといって楽観をいたしておるわけでございませんし、うっかり楽観をして努力の手をゆるめますれば、やはりこれはいけないわけでありますから、そういう意味において、各省の方にもそれぞれかなり無理なわれわれとしては注文でございますけれども、そういう無理な注文をしながら、物価問題の重大性を認識いただきまして、そうして効果のあがるような姿勢でもって進んでおるわけでございます。
○木村美智男君 長官のお答えを伺っておって、政府がいま物価問題を相当重要な当面の施策の一つとして取り上げて取り組んでおるという姿勢というものは、ある程度わかるような気もするんです。しかし、いま長官もいみじくもお話されましたけれども、景気がやや上昇をしてきておるというんです。いま私は少なくとも一面において不況対策を掲げ、一面で物価対策を掲げるときに、これはある程度のコントロールということは、これは可能だとは思いますけれども、基本的には私は物価対策というものと不況対策というものは、これはある程度矛盾をするんじゃないかというふうに原則的に考えている。もちろん現実の施策の中では、ある程度の調整はしますけれども、これがもし、たとえば、不況対策ということになれば、これは有効需要を刺激をしていくためには、ある程度の資金投入をやっていくということが重点になっていくわけです。それが多かれ少かれ物価対策の面から考えてみれば、むしろ物価の値上がりをある程度刺激をするという関係になるので、原則的にはそれは矛盾しておると思うんですけれども、そういうものの一連の物価対策が、ある程度効果をあらわしてきたというのは、私もそう大体見ておるんです。これで景気が安定したなんということは、とんでもない話ですけれども、しかし、一時から見れば、非常にこれがいいほうに向きつつあるような長官の述べられたような傾向にある、これはそういうふうに感じている。という意味は、逆に見れば物価対策についてある程度これは力がその間抜けていたというふうに考えざるを得ない。そういう意味で、長官は相当物価対策と不況対策というものをコントロールをする努力をされていることはわかりますけれども、多少ウエートが不況対策のほうに今日の施策はかかってきたんじゃないか。そういうことだから、どうしても物価の面では基本的にこの上昇傾向というのがなかなかとまってこないというふうに大筋は、これはなっているのじゃないか。長官は今明年中に三%くらいにとどめたい、こういわれておるんですけれども、私はいまのような状況ならば、五・五%——ほんとうはこれ自体が私は問題だと思うんですよ。ゼロに押えたいという物価対策なら、これは基本的に問題が私はないと思うけれども、いま政府のいっていることは五・五%に何とかことしは押えたいというのが基本方針でしょう。そこで、言いかえたら五・五%まで上がったってしょうがないんだということに実はなっているわけですね。ここに根本問題がある。これはしばらくおくとしても、ほんとうに三%程度に押えていくという熱意でやっていただくんですけれども、長官、この五・五%という問題について、ある程度自信があり、見通しがあって、何回も言っておられるのか、物価対策の総元締めだから、個人的には長官に何の感情もありませんけれども、あなたは今日経済企画庁長官として、この一年間に五・五%より上がったら私は大臣責任とってやめますという決意があるかどうか、それぐらいのことであなたがこの問題を今日やっておられるかどうか。なぜそういうことを言うかといったら、五・五%というのは、少なくともこれは定期預金の一年ものの利息と同じですよ、そういう余裕のあるものですから、物価の値上がりには利息で食っていけなくなっている、ましてや貯金のできない連中はどうなるのかということになれば、これは買う値段が所得のいかんによってきまるわけではないので、月間百万円も持っている者だって、一本千円の大根食うわけではない、そうしてみれば、低所得層ほど物価によって生活が苦しくなるわけですから、そういう意味でいえば、この五・五というのは、単なる数字の問題でなしに、何でもかんでもここでひとつ、ことしはこの程度の、どうしても長官が押えるという決意があるか、そういう意味で、私は先ほど、それより以上上がったらどうするかというところまで言ったのですが、そこは本意ではない。ほんとうに大体今日の施策の中から、ある程度、五・五で押えられる展望なり見通しというものを持ちつつあるのか、それとも、そういうところのことをどの程度長官自身把握をして今日物価対策を進められているか、そこをひとつお伺いしたい。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 物価対策が景気対策よりもおくれたんではないかということでございますが、若干その点はございます。景気対策を、予算関係もございまして先行してきたというところがあるし、景気を早く回復しなければならぬというところがございますから、物価が若干おくれたようなお感じを持たれたあれがおありだろうと思います。われわれもそういう点に対しては極力やってきておるのでございますし、また同時に、この段階にきましては、むしろ物価対策のほうが強く打ち出されて、政府としてもきておるのでございまして、そういう意味からいいまして、政府の姿勢としては、先ほど申したように持っておるわけでございます。そこで、御指摘のように、まあ物価を対前年度比ゼロまで持っていくことは、これは理想でございますけれども、今日のような物価現象から見まして、昨年七一四%になったものでございますから、いかに努力目標としても私はゼロまで持っていくと言う勇気はこれはございません。そこで、五・五%という努力目標を置きまして、この努力目標そのものは、われわれが努力していけば必ずしも私は不可能な数字ではないと思います。むろん五・五%が若干動くことはございましょうけれども、必ずしも不可能な数字だとは考えないからこそ、努力目標として置いたわけなんでございます。ですから、そういう意味において、われわれが今後非常な努力をしてまいりますれば、必ずしも達成できない努力目標じゃない、こういうふうに考えております。御承知のように、昨年は、四十年の四月と、四十一年の四月と比べてみますと、全国では昨年は九・九、本年は四・六ということでございまして、そこから出発いたしておるわけであります。ただ私が一番心配しておりますのは、昨年は大体四月からずっと年度末のほうにかけて大体下り坂の傾向できております。ですから、九・九から出発したのが七・四に平均で落ちたということになるわけです。ことしはわりあい対前年度比からいえば低い数字で出発しておりますが、ことしの状況を考えてみますと、やはり秋口からむしろ冬にかけて昨年とは逆に低い数字から高いほうの傾向にいきはしないかというような感じもいたしますので、そこをわれわれが最大な努力でもっていろいろな面から押え込んでいかなければならぬと、こういうふうに思っておるのでございまして、したがって、今日あらわれてきておる数字だけで、私は、喜んで五・五%ができるだろうという楽観ムードになって、政府の姿勢も、あるいは政策の手の打ち方もおくれては相ならぬと思います。ですから、この辺から、あるいは大体昨年の傾向を見ましても、また本年の予想としましても、七、八月くらいまではそう対前年度比は大幅には上がりませんし、むしろ四月から見ると七、八月くらいまでは若干下がってくる傾向にあろうかと思います。東京で比べてみましても、約四月と五月では〇・九%平均では下がっております。ですから、ただ秋口以後の問題が、いろいろな押えておりますものに対する反動もございますし、またゆるめますれば、いわゆる便乗値上げというものも出てこないとも限りません。いま私は楽観はいたしておりません。政府全体もいまの数字で楽観して手をゆるめたらたいへんだ、ですから最大の努力を少なくともこれから続けていって、そうして五・五%の目標を達成するように努力をしていくということが、一番私は大事なことだと思います。そうしてみて、結果がどうなるかということに対しては、われわれもある程度の責任は持たなければならぬので、われわれの努力が足りなくて、どうも十分にいかなかったといって皆さんにあやまらなければならぬか、どうやら努力の結果がこうなったということを申し上げられるようになり得るかということは、われわれ今後の努力をそういう面に集中していくことによって御報告できるのではないかと、このように考えております。
○木村美智男君 長官、非常に率直なお答えなんで、その限りでは、これからの長官の努力に期待したいのですが、問題は、たとえば、先ほど報告になった食肉の問題にしろ、あるいは野菜にしろ、生鮮魚介類の問題にしろ、非常にこれは今日の流通機構の問題やなんかと関連もして、物価対策としては、この手の打ち方というのは非常にむずかしい問題になっておりますね、しかし、一番私どもが納得のできないのは、政府がある程度物価を押えるんだという方針に立ちながら、一番押えやすい、手を打ちやすい公共料金についてだけは、ここ軒並みに野放しに上げる方針をとったということが、これはほんとうに、本心から物価対策に本気になっているかどうかと、そういう疑問を持たなければならぬ、最大の理由はそこにあるのです。今日も私ども反対をしたわけですけれども、郵便料金がまた上がりました。やはりこの公共料金の問題は、過去の統計から見て、とにかく三十九年度、あの公共料金引き上げ一年ストップしたときの物価の値上がりというものは、大体二%近く、この全体の値上がりがひっかかったことだけはこれは間違いないです。そういう意味からいけば、公共料金の引き上げというものが、物価の問題に非常に大きなウエートを持っていることは間違いないと思うのです。そういう点で、今日郵便料の値上げが一応ここの段階でいったとして、今後の方向ですが、長官が、いみじくも心配しているように、おそらく国鉄運賃の値上げの影響、あるいはこの郵便の値上げの影響というものは、九月、十月ごろに本格的にあらわれてくるのではないかと思うのです。そこで、いまは低いが、将来に向けて気はゆるめられぬということを答えられたと思う。そういう点からいって、これからさらに公共料金の問題について一体どういう方針なのか、ことしは一切もう、郵便料で終わりということに政府は考えられているのか、いや、まだ多少上げなきゃつり合いがとれないというふうに考えられているのか、その辺を一応明らかにしてもらいたい。
○国務大臣(藤山愛一郎君) ただ単に公共料金をつり合い上、上げるというようなことは考えておりませんし、いまお話のございましたように、あと電話の問題がございますけれども、これは本年度内はいたさないことにいたしておりますので、本年度内においては主たる公共料金というものはもうすでに片がついている。また、同時に、われわれはそれを織り込みながら今日の物価対策をやっておるのでございまして、そういう意味において、今後われわれとしては最大の努力をしていくということに焦点をしぼっておるわけでございます。
○北村暢君 私は、先ほど大竹さんが触れられました物価の行政の問題についてお伺いしますが、臨時物価対策閣僚協議会というものがあり、そして、最近また物価担当官というものを置いてやるということでございますが、そのほかに、きょうの議題であります生鮮食料品の物価対策については、臨時生鮮食料品物価対策協議会というものがあるようです。そして、とんでもない官房長官が野菜大臣と称して、それの主宰をやったりしているようですね。そして、藤山さんの私設機関である物価問題懇談会は、この前も生鮮食料品のうちの魚介類についての改善対策を、これはまた勧告をするといっているんですが、この性格の問題について私は非常に疑問を持っておる。一体、政府は物価対策について思い思いのことをやっておって、さっぱり統制がない。生鮮食料品の物価対策なんかは、これは農林大臣がやらなけりゃならないのに、力がないせいか官房長官に取られちゃう。物価の大元締めである藤山さんは、これを黙っていて、同じ閣議でそういうことが報告されても、それを黙って聞いているというのもおかしな話なんですがね。大体政府では物価についてだれが責任をもってやろうとしているのか。われわれはこれ、新聞見ていてわからなくなる。五月二十七日には行政管理庁が監察報告を出しておる。まあ行政管理庁は、これは監察する任務があるんですからいいんですけれども、一体物価行政について、いままで消費者行政というものが非常に微弱で、企画庁に国民生活局という消費者保護のための局ができた、これはいいと思うんですけれども、とにかく、物価の問題は企画庁が各省を統轄して調整をとる、こういうことになっているはずです。したがって、この点について、私は、非常に混乱しているんじゃないか、そして結局は責任のなすり合いをやっているんじゃないか、こういうふうに受け取れるんです。したがって、この物価問題に対する強力な機構というものが、やはり権限を持った機構というものができなけりゃいけないと思う。これについて一体どんな考え方を持っているのか。大竹さんは、いま、物価対策本部というんですか、強力な権限を持った調整機能を持って、しかも、企画庁が各省に遠慮しておるようなことでは物価問題は解決しない、強力なやはり物価対策推進の本部なり何なりを設ける必要がある、これは大竹さんの意見と私は大同小異だと思うんですよ。行政面についての責任の所在なり、行政に対する根本的な考え方をまずお伺いしておきたい。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 物価に対する基本的な立場というものは、それを扱っていくのは国民生活局を中心にしました企画庁であることはむろんでございます。ただ、物価問題が、先ほど来も御指摘のように、政府の姿勢の問題、あるいは政府内部でもあせりもございまして、そうして、官房長官が意見を述べられたというような問題が起こったわけでございますけれども、しかし、それは、御承知のように、外部に対していたずらに混迷を来たすようなことになります。そうして私は、物価対策本部というのは、先ほど大竹さんにもお答え申し上げましたように、必ずしも適当だと思いませんので、そこで、そういうものをすっきりさせるために、物価担当官というものを置いて、そしてこれが中心になって各省の連絡をやり、企画庁が中心になってまたその仕事を推進していくと、こういうことに整えてまいったわけでございます。で、物価担当官ができますと、企画庁の考えておりますことを担当官を通じて各省に伝達することもできますし、また、同時に、各省の物価担当官が、各省内で現に起こりつつある、あるいは起こると予想されるような問題について、いち早く企画庁に連絡をしていただきまして、物価の観点からお互いに協議しながらどう考えていくかということをやってまいらないといけないのでございまして、従来から申しますと、必ずしも個々の物価問題について企画庁が十分事前に承知しておらないような、ほとんどまぎわになって、こういうふうになりそうだというふうな情報をキャッチすることがございます。それでは相ならぬと思うのでありまして、やはり物価担当官の方々が各省の中にあって、物価に関係するような各省の行政上の中の問題についていち早く問題としてお考えをいただくと同時に、企画庁等にも連絡をしていただきまして、総合的にこれらの問題をどう解決するかということをやっていくということであろうかと思います。御承知のように、閣議もしくは臨時物価対策閣僚協議会等でもってある程度きめましたものを、それぞれの大臣が本省にお帰りになりまして、当該局長にこういう問題がきまったからと言っても、その局の中でも、やはり物価の関係は必ずしも一つの局だけに限られていない問題がございます。そういうことでございますから、必ずしも省内に、率直に申せば行き渡らぬ点もございます。そういうものを責任をもって物価担当官が省内各方面に周知さしていただき、また、同時に、各局それぞれの担当行政の中における物価問題に関連する問題を担当参事官を通じてまとめていただいて、常時われわれに連絡していただく、そして対策を協議していくという形にいたしたわけでございまして、今後は比較的すっきりした形の中で運営がされてまいると思います。 それから、物価問題懇談会のことでございますが、これはまあ私的機関というとまことにあれでございますが、企画庁の中に、法律上の設置法の問題の御決定をいただかないでつくったわけでありますから、まあ私的機関という形になりましょう。これは、私の考え方では、各界各層の方々にお集まりを願って、そして今日の物価の問題について、政府の案を審議していただくのでなくて、各界各層の関係者の方にお集まりいただいて、それぞれの立場からごらんになった問題の解決点なりあり方なり、あるいはそれの影響なり等について率直にお話し合いの上でまとめていただいて出していただく、そして企画庁長官に勧告をしていただき、同時にそれを政府の臨時物価対策閣僚協議会に報告をいたしまして、閣内全体でひとつ考えていくのでございますから、過去幾多の勧告を物価問題懇談会からいただいておりますが、これは全く新しい、従来の行政的立場でなくて、新しい立場に立ってこれらの問題を見たり、考えたりした結論がある程度出て、したがってその結論の中には若干矛盾がある問題もございます。それはそれぞれ農村の方の立場、消費者の立場あるいは労働組合の立場、あるいは経営者の立場、金融業者の立場と、いろいろな立場の方々がおられまして討論をされ、その最大公約数をまとめたものでございますけれども、若干意見の角度が違ったところもございます。が、しかし、こういう新しい観点に立って、これはわれわれが行政上マンネリズムになっておりました考え方に、何らかの新しい考え方の面に立って御批評いただくことが、私はやはり物価行政を改善していく上において非常に有効じゃないか。 したがって、現実に行政を担当しておられる方々の御意見ではございませんから、少なくともそれが直ちに行政に即日移せるものと移せないものとがございます。あるいは法制上の問題その他いろいろな諸般の問題からきて、若干の時間をかけて調整をしなければならぬところもございます。が、しかし、あの懇談会の意見が政府勧告として出まして、それが公表されて、それを契機として世論がいろいろな意味で、それぞれの問題についての意見の開陳が私は活発な議論として出ておると思います。それは賛成の議論も反対の議論もいろいろございます。しかし、今日やはり物価問題に非常に取り組んでまいりますのには、一般世論の中でそういういろいろな議論が出て、そしてそれがおのずから一つの大きな方向をきめていく、世論の趨勢がそういう議論の中から固まっていく、こういうことになろうと私は思うのでありまして、したがって、今日まで約十回の総会を開き、三つの分科会でもってそれぞれ熱心に御検討をいただいておりますものが出てきますことは、そして皆さん方も非常に物価問題の重要性にかんがみられて、熱心な議論として出てきておる問題でございますから、私はこの物価問題懇談会、いわゆる従来の、政府の原案をつくって諮問して、これがいいとか悪いとかいうことでない関係で、熱意をもって運用していただくようにしておりますので、これは将来の問題として、大きな効果が行政上出てくる、反映されてくるのじゃないか、こういうふうに期待をいたし、また楽しみにいたしておるわけでございます。
○北村暢君 まず第一点の行政機構の問題ですけれども、そうするとこの物価の担当官というのは、各省の参事官クラス、局長の下のクラスの人が担当すると、こういうことになるんですが、臨時生鮮食料品対策協議会は各省の次官、局長クラスを官房長官、直接集めてやっているわけですよ。そうすると、本格的な物価を審議する担当官よりも、局長とか次官クラスが直接呼びつけられて対策協議会を持ってやっていく、これはなくなるんですか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) なくなりました。担当官をつくりましてなくしました。
○北村暢君 それならそれでよろしゅうございますが、まあそうすると官房長官の主宰するものはなくなるわけですね。
○国務大臣(藤山愛一郎君) そうです。
○北村暢君 それならそれでいいです。それから物価問題懇談会は、これは明らかにこの問の都市交通の料金の勧告並びに生鮮魚介の価格についての勧告の際に、勧告ということばを使っているんですよ。そうして明らかに日本経済新聞にも、藤山経済企画庁長官の私的——私的ですよ、諮問機関である物価問題懇談会、こうはっきり言われているんですね。私的機関、こういうふうに言っておる。私的といっても、藤山さん個人でこの経費を出してやっておるわけじゃないんでしょうけれども、企画庁の庁議なり何なりできめてやっているんでしょうけれども、そういうもので自由に意見を述べられ案をつくられるという、そういう着想について私とやかく言っているんではない、非常にいいことだろうと思うのです、長官のおっしゃるように。しかしながら、この私設的な機関というものが勧告をして、そうして都市交通の料金等については特に画期的な勧告をし、しかもそれについて行政庁がどういうふうに実施したかを——解説を見ると、実施結果について報告を求めてやる、こういうことになっているんですよね。これは私設機関が勧告をして、それでなくてもなわ張り争いの激しい行政官庁が、私設機関が勧告をして、そうしてそれに対して実施の状況を報告するなんて、大体役所は言うことを聞きませんわ、そんなこと。企画庁長官どんなに期待したって、それは私はそういうふうな結果にならない、またそれに応ずる法的根拠は何ものもない。何にもない。ただ私はその物価問題懇談会が——これは山本委員も前に行政管理庁とやり合っている問題なんです。こういう私物のものを認めていいのかどうか、行政管理庁長官は黙っているのかということで問題になっているんですよ。いま私がここで問題にするだけでなしに問題になっておる。したがって、私はやはり物価安定なり何なりの、法律根拠に基づいて、この物価問題懇談会なり何なりというものを置く、そうしてその内容的なものが、いま企画庁長官の言われたような、非常に自由な立場で、あらゆる意見を総合して、役所らしい案でなくして、ほんとうに実態に応じた案をつくってもらう、これはけっこうなことだと思うけれども、これはやはり藤山さんは民間人から来られた大臣であるから、非常にそういう面、あまり役所的にしゃくし定木に考えないで、大ざっぱに考えられておられるかもしれませんけれども、しかしこの勧告だなんということばは、私物の懇談会で勧告とはおこがましいと言われれば、それっ切りのものだと私は思うんです。したがってこういう面はやはりはっきりさせないというと、この点はやはり物価問題に対する私は行政の面としてはっきりしないというと、権限問題が出てきて、うるさくなったときにこれは必ず問題になるだろうと思うんです。 ですから私は、法的根拠を持ってやはり物価政策なり、臨む政府の態度というものがはっきりしない限り、これは将来禍根を残すことになる、このように思うんですが、したがって、この物価問題懇談会は、長官の御意思でありますけれども、私どもはこれは認めるわけにいきません、認めるわけにいかない。そういう立場でありまするので、今後の対策なり考え方なりをお伺いしたい。
○国務大臣(藤山愛一郎君) ただいま勧告というお話がございましたけれども、物価問題懇談会としては提案ということでございます。それから、それについて実施の状況を報告しろということでございますけれども、今回の鉄道その他につきましての提案の中には、つまりこういう考え方が現実に即してやれるのかやれないのか、そういう問題についてそれぞれ意見があるだろうから、そういう意見を、やれるものはやれる、やれないものはこういう点に難点があるからなかなかできにくいのだという状況を、もう一ぺん報告してもらって、その上でわれわれもさらに検討してみよう。こういうことなんでございまして、これを必ず勧告をして実施しろ、実施したものの実施状況を報告しろ、こういうことではございません。したがいまして、その意味において各省も御協力いただけるものだし、また、今日までも御協力をいただいてきておるわけでございます。 将来の問題としては、もちろんこの問題は、比較的短期にある程度そういうすべての問題についていろいろの意見を出して、そして将来の施策の上にあれするという、臨時的な応急の処置であったわけでございまして、もし物価が安定し、あるいはそういうような御意見が出た上で今後やってまいりますれば、あるいは経済審議会なり国民生活審議会というものがございます、法的な根拠を持った。そういうところにその内容を移していっても差しつかえない問題だと思いますし、今日、応急にいろいろな問題について各方面の意見を聞く。そして、それはかなり、過去の行政にとらわれない立場に立って意見を開陳してもらうということが望ましいことで、私どもの参考になるのじゃないかという意味でございますから、御了承いただきます。
○山本伊三郎君 関連。実は私きょう質問するつもりで来たものじゃないのですが、いまぼくの名前も出たのですが、物価問題懇談会について相当強い意見を持っておるのです。この前の内閣委員会で、北村さんが言ったように、福田さんに相当話を聞いたのです。私は着想として時宜に適した物価問題懇談会ということは承認しておるのですが、法的根拠として、これはいつも内閣委員会で国家行政組織法の八条の問題で論議をされるのです。特に物価問題というのは、今日、現時非常に国民的の視聴を集めているときでありますから、個々に私的に意見を聞いて、それをまとめるような行政的な機関ではないことはもちろんです。しかし、やはり国民が注視しておるような問題を取り上げる際に、やはり法的根拠のある審議会なり懇談会なり、名前はけっこうでございますけれども、やるべきではなかろうか。この問題、物価問題、おそらく一年、二年では解消できない。政府も三年ぐらいかかるということで一応押えていこうという趣旨でございますから、やはりそのメンバーをそろえる上においても、国家行政組織法八条によるものをつくられたほうがいいんじゃないか。しかも、聞きますると、やはり、車代か謝礼か知りませんけれども、集まった際には若干の謝礼を出しておる。法律的根拠なくして国費を出すということについては、やはり根本的に問題がある。したがって、すぐそういう手続がとれなくても、今後はそういう方向にこれを切りかえていくべきではないか。 もちろん、法律の制定となると、経済企画庁のいわゆる設置法の改正をしなければいかぬ。したがって時間的に間に合わなければ、一応懇談会で発足するけれども、事の重要性によって、国家行政組織法八条によってやるという、そういう考え方があるのかどうかということをただした。この物価問題懇談会については、閣議で了承されました、あなたも閣僚の一人じゃないか、そういう話が出たら藤山さんが、それはいかぬじゃないかとなぜ言わなかったのか。しかし、そのときには急を要したので、とにかく一応つくった、こういうことですが、したがって、そういう権威ある懇談会にする必要があるのじゃないかというのが私の意見ですが、その点はどうですか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) お話のように、昨年の暮れ、物価問題、非常に重要でございますし、私ども予算編成にあたって、相次いで公共料金の値上げ等にも参画をいたしました。したがって、これらの問題をやはり基本的に、いろいろ民間各方面の有識者の御意見を早急に伺うことが適当だと思って、私的な会議という意味で、企画庁の中にそういうブレーンの方に集まっていただいて座談会をするという意味で、急速に一月十日から出発をいたしたわけでございます。 で、これはいま申し上げたようなことですから、先ほども申しましたように、ある程度物価問題についても総括的な御意見が出てくると、必ずしも現実の一々の物価をどう押えるとか、こう押えるという問題よりも、この問題については、かねて申し上げておりまするように、基本的なあり方、また過去の行政についてのいろいろな御批判等を承って、そうしてあるところまでいけばそれが終わってもいいような考え方でやりましたし、同時に、そういうものが、何と申しますか、ある程度政府の施策の上に反映してくるということになってまいりますれば、常時の状態としては国民生活審議会なり、あるいは経済審議会等で取り上げていただいてけっこうであります。また同時に、今日のような物価状況の非常に重大な場合であり、かつまた物価問題懇談会等の成果が現実に上がってくれば、あるいは将来また物価問題として必要が永続的に特にあるという場合ならば、それはそのときにいわゆる行政組織法上の問題としてお考えいただいてもいいのじゃないか、こういうような考え方で急速に出発したわけでございまして、私どももそういう意味からいいますと、組織法上の懇談会としなかったことについては、行政運営の上からいえば、あるいは若干の疑義があったと思います。しかし心持ち、あるいは精神はそういうところでありますから、御了承願いたいと思います。
○委員長(吉江勝保君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(吉江勝保君) 速記を起こして。
○北村暢君 一つだけそれじゃお伺いしますが、中央卸売市場の整備の問題なんですが、この間の懇談会の報告ですか、によりましても、大都市周辺の中央卸売市場や産地市場を整備する、こういうことで中央卸売市場が非常に込んでおるから整備するということが出ておるのであります。ところが、先ほどの農林省の説明を聞きまして、中央卸売市場の整備の補助金五億五千万円の予算が盛られておりますが、一体この五億五千万円の整備というのは、どういうふうに四十一年度使われるのか。それと、最近、東京周辺には民間の総合卸売市場が府中等に、年間約百億の予定で建設されて、ことしの暮れごろ開設をする。あるいは埼玉県等においても、浦和方面においてもすでに非常に大きなものができておる。これは私は今後そのほかの問題で、建設省はいま流通センターの整備の法案を今国会に出しておる、こういうようなことで、そういう場合に、中央卸売市場というものを、流通センターの整備法なりに基づいて、用地を確保し、今後整備をしていく、そういうものになると思うのでありますが、その場合、私設のものがどんどんできてくるということになると、これは中央卸売市場を通じての生鮮食料品の流通という問題について非常に大きな混乱を来たすのじゃないかというふうに思うのであります。現実に民間のこういうものがどんどんできるという状態にある中において、これは私はやはり中央卸売市場の大都市周辺における整備というものがおくれているから、当然私設でやっても採算がとれるという見通し、将来の見通しからこういうものがどんどんできるのだと思うのですよ。こういうものに対しての一体行政当局としていろいろな対策出しているのだけれども、こういう点について、どのように対策を講じていこうとしておるのか、政策的にどういうふうな政策を持っておるのか、この点だけひとつお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(中西一郎君) お話しのとおりに、府中に相当大規模なものができるという計画も聞いております。現に深大寺、埼玉——大宮、その他、約九カ所ばかり私設の総合卸売市場というものが数年前からできております。いずれにしましても、中央卸売市場法の適用のある中央卸売市場ではないわけで、二十三区の外に大体位置しておるのであります。しかし周辺部に人口がどんどんふえ、住宅がどんどんこれから建設されていきます。そういう意味で、集散市場というものが配置されなければならないということは、これは当然のことだと思っております。そのために今度の流通団地法案などが有効に働いていくのではないかと思います。 その場合に、もう一つの問題は、中央卸売市場法というのが、東京でいいますと、人口四、五百万くらいを目途にした考え方で、東京市でございましたが、を中心にした建設ということででき上がった。ところが今日になりますと、神田、築地に入るもののうち、三割も四割も外へ出ていくというようなことで、初めつくったときの機能と現在の機能とがだいぶ変わってきておるというふうな点にも配慮をいたさなければならないと思います。そういう意味では、単なる施設の問題をこえまして、制度といいますか、仕組みの問題も今日考えなければならない、そういう段階にきておるのじゃないか。施設につきましては、先ほどのように流通団地法案等で進められておりますが、制度の問題等については、なお農林省などとよく相談しながら、農林省を中心にして考えていく必要があるのじゃないか、こういうふうに考えております。
○委員長(吉江勝保君) いいですか。
○北村暢君 まことに不満だな、あんな答弁じゃ……。
○田代富士男君 いま委員長のほうからまだあと質疑されるお方がいらっしゃるからというわけで、三問だけ藤山長官にお尋ねしたいと思います。 この前の新聞を見ましたら、われわれの国民生活の状態がどうであるかという全国的な世論調査がなされたわけなんです。その世論調査の新聞を見ておりますと、今日、百人のうち五十二人が前の年よりも暮しが苦しくなった。このような一応の数字の上でありますが、結果が出ております。また、この五十二人という数字の中におきまして、何が一番生活の中で苦しくなっているかと、それは食料品関係である、そういうようなことも言われておるわけなんです。 それで藤山長官は物価のお目付役としていろいろ手を打っていらっしゃるわけなんです。まあ数字の上からいきますと、年間七%台の大幅な消費者物価上昇をもたらした原因につきましては、いろいろあると思います。ところが、まず一つは、農業や、あるいは中小企業などの生産能率の低い部門で急速に賃金が高くなった。あるいはこれを生産能率の向上で吸収し切れずに、値上げに結びついたことになると、こういうことも原因じゃないかと思うわけです。それよりまして、生産能率の高い大企業の製品価格など、下がるべきものが下がってない。しかも大幅なマージンを取っている流通機構の不合理さにも原因があるんじゃなかろうか。特に生鮮食料品につきましては、生産地から消費者に渡るまでには、その銘柄によりまして違いがありますが、三段階あるいは四段階あるいは五段階の経路があります。こういうような流通機構の不合理な面にも解決すべき問題点があるんじゃないかと思いますが、この点についてまず最初にお願いしたいと思います。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 流通機構の改善ということは、これはやはり今日の物価問題を考えておりまして、私どもはやはりまあ近代的と申しますか、あるいは新しい時代に即応するようなものの流れというようなものをやはり考えていかなければならんと思います。過去におきまして、それぞれ流通機構の分担をしておるそれぞれの職責というものは、過去においてはやはりそれぞれあった場合はございます。しかし必ずしも、今日そういうような段階が省略されていいものもございますし、また、あるいは省略できないものもございますけれども、省略されていいものがないとは私は申せないと思います。また同時に、その流通機構そのものの改善というような問題についても考え直していかなければならぬ点が多分にございます。ですから流通機構の問題は、物価問題を取り扱っておりまして、非常に重要な問題だと思います。 ただそうした十分な検討をしないで、単に小売り商人がもうけているんだというようなことだけで問題をやりますと、零細販売業者をいじめるというような形になるわけでございまして・そういう点についてはわれわれも十分注意をしながら、あるいは協業化の問題なり、あるいは段階を減らしていく問題なり、あるいは流通そのものの過程における経費の節約なり・また消費者自身も流通経費の節約に対して協力していただくなり、そういう問題についていろいろ問題があろうと思います。ですからこの問題は、やはり物価問題を短期的に考えます場合もそうでございますけれども、長期的にです、日本の産業構造の変化その他とあわせて、流通機構の改善という問題は、これは当然長期的にも考えていかなければならない、こういうふうに考えております。
○田代富士男君 いまの流通機構の問題につきましては、ここで一時間、二時間議論しても、これは結論の出ない問題じゃないかと思うのです。そこでこの問題も、その部門だけでは解決できないと思いますし、解決できるところからこれは手をつけていかなければならないじゃないかと思います。 そこでひとつ最近の物価高の原因を掘り下げてみると、まあ根本的に政府の政策、すなわち大企業優先、産業保護政策の結果がこういうところに出て、消費者に対する対策というものは二の次、三の次になった、こういう対策にも一つの原因があるんじゃなかろうかと思うわけなんです。すなわち、一つの例をとってみますと、バナナあるいは砂糖等も一つのよき例じゃないかと思うわけなんです。私が言うまでもなく、バナナ等は御存じのとおり七〇%が税金であります。これとても国内のリンゴの栽培業者を保護するという面においてこういう施策がとられているとは思いますけれども、また砂糖におきましては、一キロ当たり二十四円くらいで輸入した砂糖を、関税、砂糖消費税をかけてわざわざ高くして、いま百四十円くらいですかね、ちょっとこれはなんでございますが、そのくらいじゃないかと思いますが、そのようにして国内の砂糖業者を保護していると、こういう点で消費者に対する保護政策というものが確固としたものがありません。こういう点に対して政府自身の消費者対策というものが欠如し、大企業優先の政治姿勢自身にも対決していくならば、今回の物価高の原因を改めることにもなるんじゃないかと思いますが、この点、消費者の代表である経企庁長官としてのお考えをお願いしたいと思います。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 御指摘のように輸入物資につきます関税の問題等については、先ほど大竹委員からお話がございまして、これらの問題については十分検討をする必要があろうかと思います。 御承知のとおり砂糖等の関税、消費税は、財政収入の目的でつくられておるわけでございまして、過去におきましては相当大きな財政収入の源であったわけでございます。ただ、今日のような段階になってまいりますと、はたして関税収入にウエートを置くのか、あるいは消費者の見地に立って、そういうものに対して考えを新たにするのかという問題もございます。が、同時に、これは国内におきます甘味資源の育成という、いわゆるビート問題その他とも関連しております。したがって、それらの問題をどう切り離して、国内の甘味資源であるビート糖については別個の助成方法を講じて、そうして輸入砂糖との関係を切り離すということも考えられないわけではございません。ですから、そういう点については、やはり政府全体として、こうした問題については新たな観点に立って、国内甘味資源の涵養というものも、単に甘味資源の問題を別にいたしましても、ビート糖は、畜産を振興してまいります場合に、その飼料としてビートのしぼりかすが非常に有効な飼料でございます。ですから、そういう面もあわせ考えて、農業政策の上で新たな観点に立っていくことも私は必要なことだと思います。これは地域的な農業振興の上において十分問題として考えなければならぬ点だと思います。ですから、そういう点については総括的にいろいろな問題をあわせ考えていくということが必要であろうと思います。 リンゴとバナナの問題は、これはなかなか、やはり出回り期に貯蔵しておいたリンゴが出てきて、ちょうどバナナの輸入期にぶつかるものですから、リンゴ等の栽培業者のリンゴ価格に影響するという問題が多分にございます。しかし、これらの問題につきましても、ある程度可能な調整を将来は考える必要もあろうかと思います。一がいにただリンゴはほうっとけ、リンゴ栽培業者のあれはかまわないから、バナナだけ安くしろというわけにも、日本の構造改革の上に立った農業の経営の上からいえば申し得ないことでございます。そこいらはなかなかデリケートな問題がいろいろございますから、十分慎重に考えていかなければならぬ問題だと思います。
○田代富士男君 三番目は、卸売り物価の高騰の問題でございますが、最近特に著しく目立ってきておりますし、藤山長官もこれに対しては注意を要すべきであると、このように言っていらっしゃいますが、このように卸売り物価の上昇というものは、為替相場を不安定にし、あるいは開放体制のもとで日本経済が成長していくための足場がふらついてしまうのじゃなかろうかという、こういう心配もあるわけなんです。そこで卸売り物価の高騰に対して、どのようなお考えを持ち、どのような対策を講じようとしていらっしゃるか、お聞かせ願いたいと思うのです。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 御承知のように、卸売り物価が、消費者物価の高騰と合わせて卸売り物価の上昇が急激にもし進んで参りますれば、そのこと自体は非常に危険なことだということで、われわれも消費者物価をながめているばかりでなく、卸売り物価においても十分なる注意をしてまいらなければならぬところだと思います。ただ御承知のとおり、卸売り物価は、過去において比較的横ばいの傾向を保ってまいりましたので、一般的には関心が薄かったわけでございますが、御承知のとおり、銅の国際価格が上がった、それにつれてアルミが上がってくるというような状況に誘発されまして、卸売り物価が昨年の暮れから本年の春にかけまして若干騰勢を続けてきた。ただいまのところ一服いたしておりますので、それがほんとうの一服であるか、あるいは将来騰勢を続ける間の一服であるかというようなことについては、十分関心を持って見てまいらなければならぬと思う。 ただ、卸売り物価を見てまいります場合に、耐久消費財的な生産工業におきましては、御承知のように、今日能力に対する稼働率というものが著しく低下をいたしております。したがって、そのこと自体がコストに影響してくることはもちろん、そこで不況期にあたりまして、各事業主体というものが、その一面からいえば需要減に対する、あるいは製造減に対する負担というものが非常に増してまいり、あるいはそれが計数上のマイナスになって出てくるというようなことから、非常な事業の経営困難という事態を招いておるわけです。で、これが緊急避難的なカルテル行為によってある時期それをささえるという業種も出てまいったわけです。しかし、景気がかりによくなってまいりまして、そうして消費活動が、これは個人消費ばかりでなく、いわゆる社会全体としての消費活動が伴ってまいりますと、稼働率というものは相当上昇してこなければならぬ。上昇してきますれば、コストに当然影響してくることでございまして、百の能率ある工場を持っているものは、五十の生産をしていたらコストは非常に高くなる、高く売らざるを得ない。しかし、それが六十になり七十になってくれば、コストは当然下がってくるわけでございますから、そう価格そのものを上昇させなくとも、利益としては確保できるような状態ですから、その意味からいえば、景気がある程度回復する状態になってまいりますと、もし稼働率の上で十分な回復を見てまいりますれば、必ずしもそのこと自体が卸売り物価の押し上げにはなってこないのではないかということが考えられます。 ただ、ただいまの段階におきましては、景気が一応安定しているとは申しましても、業種別にマクロ的に見れば安定しつつあるといいましても、ミクロ的に見れば業種業種によってまだ波及的な効果が十分出ていないものもございますから、そういう点においては、引き続き不況カルテル的な方法をとっていくというような問題もございますので、そのこと自体が若干の押し上げをしているという点もございます。また同時に、そういうようないわゆる耐久消費財的なものでなくて、国内の食料品関係のものがやはり全体の卸売り物価の上でも押し上げの傾向にございます。これはやはり生産を安定さした生産の上に持ってまいりまして、そうしていくという方法によって、そういう種類の卸売り物価の安定というものは、消費者物価の安定と並行して考えてまいらなければならぬところでございまして、そういう点については、やはり卸売り物価対策は同じような意味において対策がとられてくる。ですから、これは消費者物価の対策と必ずしも全然別個の対策でなく、同じような対策の進行によって、ある程度私は緩和していけるものじゃないかと思います。ですから、方法としては必ずしも考えられないということではございませんし、このまま卸売り物価が正しく上昇傾向に出てくるかどうかということについては、まだ疑問がございますが、先ほど申しましたように、国際価格の高騰というようなものの影響も日本の国内産業には影響をしてまいります。それですから、そういう影響からくる突き上げというものもございますので、そういう点についてやはり今後の卸売り物価の動向というものについては、消費者物価の緊急的な問題とあわせながら、日本経済が健全に発展していくために、われわれはこれを全然視野の外に置いておくというわけにはまいりませんし、それに対してとるべき対策が、もし上昇傾向が続くようであれば、とりあえずの対策としてはとらざるを得ない点があるのではないかと思います。
○高山恒雄君 長官にちょっとお伺いしたいのですが、昨日お尋ねいたしましたから、一つか二つお聞きしたいと思うのですが、先ほどから聞いておりますと、物価の問題に対しては即効薬がないというわけですね。したがって、畜産にしても野菜にしても、いまからつくった法律で、何とか拡充生産をやっていこうと、こういうことだと思うのです。ところが政府は、前回九州から船で輸送されたという体験をやられたわけですが、この効果も私は十分聞いておりませんけれども、どだいこういう不況に向かって、しかもこれだけの東京のマンモス化した大都市に国民の一割もおるという現状から考えてみて、私はいかなる法律でやっていっても非常にむずかしいじゃないか、こう考えるのですよ。ところが、いろいろ統計を見ますと、生鮮食料品が一番高く上がっておる。その次にサービス業、その次には食料の加工品で、加工も上がっておるわけですね。 私は、日本の食料加工工場はあまりにも零細企業過ぎると思うのですよ。こういうものをなぜ日本の政府はもっと力を入れないのか。先ほど申しますように、国民の一割が密集しておるという立場から言えば、これは生鮮そのものをみんなに満足して食べてもらおうというようなことは、これはなかなか困難だと思うのですね。これもまた東京にこうした消費者が集まってきたということも、食うためには農村では食えないから都市へ都市へと集中した。これも政策の誤まりだと思うのですね。したがって、地域開発をもっとやって、特に中小企業、衣食住という産業を地域にもっと散在させるというやり方をすれば、これはもっと私は緩和されたと思っておるんですよ。したがって、いまの段階で考えますならば、宮崎から船で輸送されたというのも一つの方法でしょうけれども、これがいいということであるならば、私は一ぺんこれは原価計算をやったことがあるのですが、名古屋から往復の大型トラックで、往復とも荷物があるということになれば、約二割安く生鮮食料品が入ります。これは計算上やってみたのですから、ただし往復の荷物がなければいけません。これも一つの方法でしょうが、多少それには同じ生鮮食料品と言っても、あるいは包装その他かなり問題の点も残りましょう。したがって私はそういうものをもっと運輸省あたりと協議されて変える方法はないか。船だけではこれからつくらなければいかぬでしょう。あるいは現在ある大型トラックでいけるのじゃないかという私は感じがいたしております。 なお、加工ですが、もっと農林省あたりで研究させて、加工食料というものを大型化して、そうして地方で加工させる、それを大都市に運ぶ、こういうふうに私はもっと軌道に乗った行き方を政府はやるべきだと思うのです。それには政府が相当腰を据えて、そうしてこの加工食料工場、そういうものを援助してやる。そうしなければ、この畜産にいたしましても、これは農林省の失敗でしょうが、九十万頭からの不足をしている、ふえるはずが逆に減っている。生鮮食料品は御承知のように、いまのままでいきますと、結果的には価格の安定を完全にやらなければ、一年はつくってもまたつくらぬ。農村はいわゆる人手不足で、これから減る一方です。年間八十万人出ております。こういう事態を現実につかんで、そうして並行的な行き方をすべきだと私は考えるのだが、政府の加工食料品に対する考え方というのは全然ないのか、あるいはまた、それらの特別の措置をしようという考えがあるのか、お聞かせ願いたい。
○政府委員(中西一郎君) お話の点ごもっともな点が多いのですが、いま何ぶんそういう零細なものが多いわけで、一挙にそれを近代化してまいるというわけにもまいらないわけですが、しかし外国との競争も起こっておりますし、いつまでもいまのままでいいというふうには当然考えられません。そういった意味で、業種によりましては、近代化計画をつくりまして、数年の間にできるだけ規模の利益なり、技術革新の利益なり導入しようということで進んでおります。そうでない業種、たとえば、とうふなどでも新しい企業形態が生まれてきております。そういうことで、自然発生的にもあらわれておる新しい芽ばえを伸ばしていく必要があるのではないか、そういう意味で中小企業の近代化資金なり、あるいは高度化資金の総ワクの問題、あるいはそれの融資をします場合の中央あるいは地方の行政機関での仕事のやり方を反省する必要があると実は考えております。いままでは業種にまんべんなく資金が配られて、その業種の中で進められて、総花的になっている。近代化のほうにうまくそれが働かないというような傾向がございます。そういう点もここのところ力強く推し進めていく必要があるのではないかというふうに考えております。
○高山恒雄君 いま生鮮食料品の解決策として、先ほど私もちょっと触れましたように、九州方面、四国方面、これから直接往復の運送を研究して入れるという方法を研究すべきだと私は考えます。そういうお考えはないかどうか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) この物価対策の面から申しましても、南九州方面あるいは土佐方面、そういう方面から東京、もしくは大阪に生鮮食料品を送ってくる。先般、宮崎県が試みにやられました。引き続きもう一回やられるようでございますが、同時に科学技術庁としましても、これは研究を続けておられるわけであります。御承知のとおり、これは冷蔵ではなくて、冷温輸送でございますが、野菜によっては、どの野菜はどの程度の冷温で輸送することが一番鮮度を維持しながら輸送できるかというような品質の問題がございます。それからもう一つは、輸送の船の大きさなり速力の問題、これらの問題を十分検討しなければならぬと思いますが、このこと自体は野菜の価格の上にも好影響を与えることでございましょうし、先ほどお話のありました帰りの荷物でありますが、私は、しかし、帰りの荷物は、南九州なり何なりならばあり得るのではないか、やり方によって。そう考えております。 で、これは単に物価問題を中心にした野菜の問題だけでなしに、いわゆる地域開発の問題として、南九州方面が工業よりも農業で今日立っております。その農業を、しかも、温帯農業とまでは言えませんけれども、暖地農業で、相当な促成その他やれることになっております。したがって、そういうものの地域開発の意味から言いましても、非常に重要な問題だと思いますので、われわれは科学技術庁を中心にして、いまのような技術的な問題を解決しながら実行に移していくという方向にただいま推進しておるわけでございます。
○梶原茂嘉君 時間の関係で、非常に無理かと思うのでありますけれども、一、二、お伺いしたい。 第一の問題は、これは非常にめんどうで困難な問題ですけれども、藤山長官、どういうお考えでおられるか伺いたいのですが、いわゆる所得政策の問題でございますね。いろいろ物価の問題を考えていく場合に、最近のというか、これまでの日本の経済の成長の過程、今後とを考えてみますると、いわゆる所得政策というものについての考え方に触れざるを得ないわけなんです。長官としてどういうお考え方であろうかということをお伺いしたい。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 私ども、所得政策というものは、単純な賃金ストップ問題よりも、所得生活というものはもう少し広範囲な問題であろうかと思います。したがって、所得政策という問題がすぐに賃金ストップとつながるような考え方で議論をしては相ならぬのではないか、これが前提でございます。 そこで日本のような、昔の経済からいま急速に近代経済に移りつつある過程でございまして、それぞれの面において改善を要しなければならぬ状態が山積いたしております。そうして、また、一方では賃金の水準化という動きが一つあるわけでございます。これは当然新しい時代に対応してそうあるべきことは当然なことであって、地域格差がもとのような状態であることがいいということは、国民生活全般の上から見て考えられないと思います。ですから、そういう水準化の上に立って問題を考えていかなければなりませんが、御承知のように、日本の物価問題を扱って見ましても、構造上の問題として、生産性の向上が可能なところでは賃金の上昇を吸収しております。が、しかし、それが生産性の向上に追いつかず、近代化が行なわれていないというところは吸収できない形ですから、まず私は、やはりそういう面について事業、産業自体が近代化、合理化の道をもうちょっと進めていくことが、まず私は前提じゃないかと、そうしてその上に立って初めて、広義の意味の所得政策と申しますか、単に労働賃金だけを云々するのではなくして、広義の意味の所得政策というものを考えていくということが必要ではないかと思います。 ただ、非常にある部面を考えてまいりますれば、たとえば非常に零細企業等でもって、賃金が水準化をしていっても、なおかつ、まだ十分になっていないという面について、社会保障的な面からこれを補なっていく面がございますから、そういう面もやはりあわせ考えていかなければならぬ。所得政策というものは非常に大きな問題として、われわれは取り組んでいかなければならぬ。将来の日本の近代経営の上に立っての問題として考えていきたい、こういうふうに私は考えておるのでございます。
○梶原茂嘉君 お考えの考え方といいますかは、一応理解はできるわけです。ただ、比較的短い期間の間に近代化の方向に進むと、そういう場合における賃金のあり方等が非常な物価の上にも影響を持つことは、これは当然なことです。そういう面から、今日の日本の物価の個々の現象としてあらわれる面が相当あろうと思います。したがって、お話のようにこの問題は、少し将来の問題としてということになれば、その間に一つのギャップがやはりできて、そのギャップの段階においては物価が上がるということに一つの必然さがあるということが言い得るのではなかろうかという見方もあるわけなんであります。しかし、この問題は、お話のように、なかなか、単に賃金とかというだけの問題じゃなくて、非常に広い問題ですから、簡単に結論を出してどうこうという筋合いのものでは、これはお話のようにないと思います。今後のひとつ大きな課題であろうかと思います。 それから第二の点は、先ほどもちょっといろいろ議論になった問題でありますが、私は、生鮮食料品を通じて言えるのですけれども、特に野菜に限りたいと思うのですが、工業生産の面は、先ほど長官も言われましたように、日本自体においても、設備過剰の問題は別としても、生産を増し得る力は十分ある、いまそれを待機してじっとしているわけですね。世界的に見ても、私は、欧米を通じましても、そう工業生産の面における能力がフルには動いていない、相当ゆとりを持っていると思うのです。ところが、この農業、特に野菜に限定をして考えましても、これは工業製品の場合と全然性格が違うわけなんです。先ほど農林省事務当局から御説明があったわけですけれども、野菜の需給の実態は、総体的に見れば、若干生産は増しているけれども、供給は増しているけれども、需要の伸びと考え合わせるというと、そこにアンバランスのといいますか、徴候があると、私はそのとおりだと思うのです。 ところで、やはり物価の問題は、あらわれた現象の基礎にはいろいろな基本的な問題がもちろんあるわけですけれども、その中の一つとして、やはり私は需給のバランスというのが基本的な問題の一つだと思うのです。通貨量の問題等いろいろありますけれども、一つだと思う。ところが、日本の野菜の生産と、先ほど御説明ありましたように需要の実態と比べれば、そこに需給の均衡が失なわれつつあるということであれば——私もそうだと思うのです。そうだとすれば、流通の問題も私は非常に大事だと思うのです。これまで物価の問題というと、すぐに流通の問題のほうにウエートといいますか、そこに重点がぽっと行っている感じがします。いまの状況でいきますると、日本の野菜の生産というものは私は減っていく方向に行くであろう。麦がそうですね。雑穀がそうだし、いろいろの農産物がここのところ急激に減る方向に行きつつある、それは海外から入れればいいじゃないかという見方もある。それは私はいい悪いを言うわけじゃありません。かろうじて米だけは何といいますか、まずまずといいながら、一つのまた需給の見通しからいえば窮屈の方向に傾かんとしておる。日本人の野菜の消費量は一人当たり、私は欧米を通じまして一、二だろうと思うのですね。アメリカ以上ですね。ヨーロッパでも、あるいはフランスが上かもわかりませんけれども、一、二である。これはやはり食生活も将来変わりましょうけれども、日本の生産立地の条件、いろいろからきておるかと思います。 それで、これは農林大臣の問題かもわかりませんけれども、藤山長官にぼくは聞きたいのですが、将来の野菜の生産ですね、もちろんいろいろ案があります。しかし、見方はきわめて不十分だと思うのです。ああいうことでは、そのうちに大根がずっと姿を消していくとかいうことが起こらぬとも限らない。これはあるいはこの前の三十五年の長期計画ですね、その場合、それから近く新しく長期計画をおつくりになる、その長期計画をつくるときの考え方に一つ問題があるかもわからない、こう思いますけれども、一体いまの農業における生産の悪条件は、これはよくわかるのですよ。それを考え合わせながら、一体そういう生産の将来を長官としてはどういうふうにお考えになるのだろうかという問題なんですよ。ひとつこれも非常にめんどうな問題ですけれども、この機会が適当とは思いませんけれども、ひとつお考え方を承りたい。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 非常に大きな問題でございまして、私がすぐここで結論的に御回答申し上げることが、あるいは私自身も若干迷わざるを得ないところでございます。むろん日本の国民の一方では需要としての食生活の変わり方によって、野菜消費が減るだろうか、ふえるだろうかという、消費の面から考えてみまして、私はやはり肉類等が非常にとられてまいりましても、穀物についてはあるいは消費が減退すると、総体としては人口が増加しますからふえますけれども、個々の人において、穀物においてはあるいは私は変わってくるかもしれないけれども、肉類をとることによって野菜消費は減るよりも、むしろ並行的に上がっていくのじゃないかと、これは全くの医学的でも栄養学的でもない立場でございますけれども、一般的に常識的な判断でございますが、私はそういうふうに考えております。したがって、穀物に代替するものが肉類であるけれども、野菜はそう代替しないのじゃないかと、こういうような考え方でございますね。 それですから、野菜の消費というものは相当ふえていくというふうに見て、ただそれがあるいは日本のように果実類が、非常にいい果実類が出てくるということによって、ある程度果実類によってそれが補われていくということと、非常に豊富な果実類の生産というものによって、ある程度のその方面でとることによってあれもされるかと思いますが、全体としてやはり野菜をとる量というものは減ろうとは考えない、やはりふえていくのじゃないか、食生活の将来考えてみてそう思います。この需要を、生産の面から申しますと、御承知のとおり日本は非常に国土も狭いわけですし、工業が非常に伸びていって、都市周辺におきます畑地、栽培地というものがかなり工業生産のために制約されてくることにもなろうと思います。それから、いわゆる野菜をつくる専業農家というものが、都市周辺ではやはり必ずしも専業農家というものでもないですから、技術的革新が十分行なわれても、必ずしも野菜の供給が長期にわたって非常にふえていくかどうかというような面につきましては、私は必ずしも十分な見通しができないと思います。ただ天候等のあれによりまして、価格調整の面からいっても、野菜の貯蔵ということが技術的にもう少し解決される。たとえばアメリカにおきまして、ホウレンソウのようなものはほとんどかん詰めで、一流のホテルに行きましてもかん詰め使っていると、あるいはグリーン・ピースなんというもの、あるいはサヤエンドウというようなものはみんなそういうもんで使っているという状態になりますれば、生産を拡大して、保存食品としての機能を科学的に研究していけばそういうことになると思いますけれども、しかし、大きな傾向からいえば、私は必ずしもそう思うようにふえていくとは思わない。むろん価格安定その他によって生産者の意欲を刺激していきますし、平均的生産によって農村の利潤を確保していくという道はとってまいらなければなりませんが、まあここしばらくの間そういう状況が起ころうとは思いませんけれども、二十年、三十年の将来に向かって必ずしも国内の、あるいは都市周辺の野菜の農家等の供給によって、確定的に充足されるのだということには、これはしろうとでございますし、私の全くの推定でございますが、考えることがなかなかむずかしいのじゃないかと、したがって、やはり野菜等につきましても、保存食品として保存の機能を発揮すると同時に、ある場合にはそういう形において海外からの輸入というものも考えられる面があるのではないかというふうに考えます。 しかし、これは非常に長期な展望にわたっているので、ここ五年や十年でそういう状態が現出するとは思いませんけれども、しかし、ごく長いことをいえば、人口の増加も相当大きくございます。今後工業活動というものも相当日本としてはまた将来伸びていくと思いますから、そういう意味における農業の状況というものが、必ずしも農家自身の経済は十分に充足していきましても、農業生産物そのものが非常に拡大していくかどうかということについては若干の疑問を私は持っております。
○梶原茂嘉君 お考えは私もそう無理とは思わないのです。ただ、これまで農政の上でも、過去を考えましても、蔬菜の生産、あるいは生産を増強するとかいうふうなことについての配慮がほとんどなかったかと思うのです。ということは、野菜の需給に将来不安が出てくる、足りなくなるぞというふうな考え方、見方ですね、またそういう事態が全然なかったわけですね。そのとしどしの、あるいはその季節季節の状況によってマーケットに出るのが多かったり少なかったり、価格の動きが非常に多いというようなことがしばしば論議され、生産の動向ということはあまり実態的に懸念される必要がなかったわけですね。ところが、最近の状況から見れば、野菜価格の安定ということも、これは非常に大事だけれども、一体生産の将来がどうなるのかということが、あるいはそれ以上に大事かもわかりません。いかにマーケットで価格が安定しても、事実減ってくれば、これは必然的に上がらざるを得ない。そういう条件のほうが、言いかえるならば、野菜が上がる条件のほうが冷静に考えると多いんじゃないか。今度野菜法案でいろいろの生産活動の施策もあるようですけれども、そういう問題をやはり今度長期計画というか、長期の見通しを立ててお考えになる場合に、長官としてもお考えをいただきたいと思います。私の質問はこれで終わります。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 今回立てます長期計画というものは、一応五年くらいを締めくくりにして立てますと、十年あるいは二十年の将来を考えてわれわれも問題を考えておかなければなりません。したがって、そういう点について、やはり仕事をしている者としては、かりに今回の長期計画に入れられなくても、やはり将来の日本の長い食生活の上において、そういう問題を考える必要があると思う。科学技術の進歩がどのくらいになりますか、われわれもこれらの問題については、たとえば南極でもって今度の南極越冬隊が野菜の栽培をあそこでやるということがあって、卵なんかももうすでに養鶏でなくて工場生産に近いものになっておる。あるいは鳥がそういう状態になるのと同じような問題で、将来少なくともお葉みたいなものは水栽培で、何階かの高いビルディングをつくって栽培できるという新しい科学技術の発展ということがないとも言えないと思いますが、そういう問題については、十分われわれも考えながらやっていきたいと思います。
○委員長(吉江勝保君) どうもありがとうございました。藤山長官、それではどうぞ。 なお、引き続きまして、きょう配付、説明がありました資料に基づいて、また口述の問題を中心にして、農林省当局に質問をする予定でございますが、きょうはだいぶ長時間にもなりましたので、次の十日の定例日に、きょう説明がありましたこの資料に基づきまして質疑を行ないたいと思うのです。その節には農林省におきましては、ぜひ大臣の出席をいただきたいと思います。あるいはそのとき、まだ確定はいたしませんが、米価の問題も取り上げられるかもわかりませんので、追って通知いたしますが、との次には農林大臣の出席を要望いたしておきます。 別に御発言もなければ、本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十五分散会