農林水産委員会 第15号
- 発言数
- 54 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1966/04/01
会議録
○委員長(山崎斉君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 農林水産政策に関する調査を議題とし、まず、食糧需給計画及び外米輸入問題等に関する件について質疑を行ないます。
○中村波男君 きょうは食糧、特に米の需給関係を中心にしてお尋ねをいたしたいと思うのであります。 最初に私が考えますのは、農業基本法の底に流れておるものといたしまして、米麦等の主食政策は、米麦は輸入したほうが安くつく。さらに低開発地域への輸出を増大するためには、その見返りとして第一次産品、特に米の輸入というものをはかる必要があるという財界等の意向が反映いたしまして、したがって、米麦作の阻害、食糧の外国依存に政策の基本が置かれまして、まあそこから編み出されたのが農業構造改善政策であると私は見ておるのであります。しかるに、この構想は見事、率直な言い方をいたしますなら失敗をいたしました。一昨年から昨年にかけまして米の不足という非常事態を招き、そこに追い込まれまして、あわてて打ち出されたのが、いわゆる坂田農政の一枚看板でありまする米麦の生産対策ではないかと私は思うのであります。そこでお尋ねいたしたいのは、二・二六事件ではありませんけれども、いまからでもおそらくありませんから、ひとつ腰をすえて米麦の自給度を高める対策を進めてもらいたいと願うものであります。したがって、最初に農林大臣からこれに対する所見なり今後の構想を具体的にお聞きいたしまして、次に質問へ移ってまいりたいと思うわけであります。
○国務大臣(坂田英一君) この構造改善のもとをなしておりまする農業基本法というものが、いま申されたことに根拠を置くものではないと思いますが、これはまた別の議論といたしまして、この米の需給関係については、ちょうど日本国内において三年ほど前から若干生産が落ち、若干のものですが、落ちる傾向が見えております。それで、そういうことからもありまするが、やはり一番この農産物としてもきわめて重要でありまするし、また生産の方面の農家からいたしましても、地方によって若干の軽重はあるかもしれませんが、ともかく全般的に見まして、きわめて重要な農産物であり、また一面、国民全体から見ても非常に重要な食糧の中心でありまする最も大切なものであると思われまするので、かような傾向を続けるということは非常にこれは考えなければならぬことであることはお話しのとおりでございます。もっとも最近の米が減るということについては、いろいろの原因がございますが、これはまあ別といたしまして、私どもとしてはできるだけ米については自給できる態勢をとりたい、こういうふうに考えております。で、現在のところもごくわずかな程度の不足である、これは非常な生産の発展で、終戦直後においても大体六千三、四百万石程度の普通作というものが、現在は八千三百万石というようなところまで伸びておるわけでございまするので、いままでも相当伸びている。ごく最近になって低下の現象が若干見えておるということでございます。で、これらについてはもう十分考えてまいるべきものでありまして、私どもは国民食糧の中核的な、大切な食糧でもあるし、その点からも、また農家のいわゆる農業者の面から見ましても、消費者の面から見ても非常に重要な作物でございまするので、どちらから見てもきわめてこれは重要でありまするので、これらの食糧、この重要な米作については特に力を注いでまいりたい。そしてごくわずかな不足程度でございまするので、これらについてもでき得る限り自給の方向に進めてまいりたいと、かように存じておるわけでございます。 麦の問題につきましても考え方は同様の考え方でございまするが、最近特に非常な生産の減を見ておりますことは御了承のとおりでございます。これらにつきましてはいろいろ施策を講じておるわけでございまするが、特に世界的な食糧作物としてきわめて現在のところ、日本のものと世界的な相場との開きもあったりいたしまして、十分これらが日本の国内において増産あるいは生産の維持というものは困難な実情になっておりますることも御了承のとおりでございます。これらについてはでき得る限り無理からぬ姿において、できる限りの生産の維持をはかってまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○渡辺勘吉君 いま、大臣の答弁の中に、まず、米については、ここ二、三年とおっしゃったと思いますが、生産が多少減少ぎみであると、その原因はともかくとしてということで、次のお話に移られたようでありまするが、私は、米なら米の食糧の自給度を維持すると、向上というところまでは明らかに理解しがたい従来の大臣の答弁でありましたが、かりに維持するということにおきましても、なぜこれが減少したかという理由をもとより大臣は明らかに踏まえておられると思うのでありますから、その減少の理由というものをいかように分析し、その現状認識の上に立って具体的な施策はどういうものであるかということを、この際明らかにしていただきたいのであります。具体的に言えば、いわゆる農業白書でも明らかにいたしておりますように、十アール当たりの収量が、三十七年はたしか四百七キログラム、翌年の三十八年は四百キログラム、三十九年度に至ってこれが三百九十六キログラム、四十年度では三百九十キログラムというものが、これは白書でもこれは実態として報告をしておるわけであります。過去四年の間で少なくとも十アール当たりで十七キロも減少しておるというと、逐年の減少傾向というものは、よほどこれはその原因というものを究明した上に立って、現実に即した施策がなければ、自給度を向上することはおろか、維持することもきわめて困難ではなかろうかと思いますので、その減少の原因をどういうふうに理解され、その理解の上に立って、具体的にはどういう施策を講じられようとしておるのかを、この機会に明らかにしてほしいのであります。 麦についても、いろいろ生産についても答弁がありましたが、これも私は農林省が発表した農業白書をそのまま見ましても、たとえば、この冬作物であるところの麦を中心とする作付面積が大幅に減少しておる、しかもその減少しておる面積の中で、栽培農家の経済的な理由を中心として作付を放棄した、その面積というものは、今度の四十年度の白書ではその面積を発表しておりません。したがって、われわれとしては、三十九年度の実態をもって判断しなければならぬのでありますが、少なくとも三十九年度の農業白書でも、作付ができるのにかかわらず作付をしない面積がたしか百五十四万ヘクタールの多きに達しておったはずであります。また、それよりも面積は拡大しておると、白書では触れておるわけであります。そしてさらに白書では、この休んでおる裏作の作付を私は放棄しておると理解するのでありますが、これに対する十全なやはり積極的な対策を立てなければならぬと、白書も述べておる。それが一体どういう施策をもってこの怒濤のように輸入してきておる外麦に対処されていくつもりか。この二点を関連して明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(坂田英一君) この米麦の最近の減少のおもな原因を見ますると、やはり一つは気象条件がやや異常であったということ、特に四十年度のごときは、さような点から見て非常な凶作にならぬかという心配を、昨年の三月ごろから非常にこの点は国民全体で心配しておった点でございまするが、幸いにいたしまして、農民各位の、また指導者全般の協力と見てよかろうと思いますが、それによりましてとにかく十七、八万トン程度の減少でもってこれを防ぎ得たという事態にあるわけでございます。要するに、気象条件が一つの大きな原因であったと思います。それからさらに、いままで生産が非常に大きく伸びたことは事実でありまして、それはこまかく申し上げなくても従前、ずっと以前に六千三、四百万石程度が平年作であったのが、現在は八千三百万石以上というものが平年作になったと。いわゆるここ十数年のうちに二千万石の生産が日本の国内において増産されるようになったという、そういう過去からの状況を見ますというと、非常な技術の普及等によって発展してまいった結果がさようなことに相なったわけでございまするが、これらのまあ早植えとかその他の技術普及がやはり一巡したということが一つだろうと思います。そこで今度、労働力の量的、質的変化に伴いまして、追肥あるいは分肥技術の粗放化といったようなこと、一部技術の活用が低下したというようなこと等が行なわれること等に基因いたしまして、最近米の生産が停滞する傾向に相なったというふうに思われるのでございます。したがいまして、この問題に対しましては生産基盤の整備を行なう、そういうことから十カ年計画によるところのいわゆるこの生産基盤の整備を今度実行することにいたしておりまするし、また、土壌の改良あるいは水管理の合理化という、いわゆる総合的に生産対策を強化するということ、さような方向に向かって努力をいたしてまいるのでございます。 なお、さらに、技術面といたしましてもこの労働力の減少という点も考えなければなりませんのでありまするので、この労働力の減少というものを埋め合わすためのいわゆる機械力、いわゆる農機具の改良、発展というものにも期待する必要がありますし、また、この労働の、いわゆる集団栽培といったような、そういう経営上のいわゆる構造改善の面から見ての政策も伴いながらそれらの問題を推進していくということで進んでまいりたい、かように存じておるわけでございます。
○渡辺勘吉君 麦はどうですか。
○国務大臣(坂田英一君) さようなことで進んでおりまするが、麦作につきましては非常に減少いたしておりまするので、この問題については十分検討すべき必要がございますので、いろいろの政策はやってはおります。これは後ほど申し上げますが、やってはおりますが、本質的にこれらの問題をどうするかという問題、そして効果のあがる方策については目下検討中でございます。
○中村波男君 では、「農産物の需要と生産の長期見通し」をずっと見まして、水稲の項を見てみますと、いろいろプラスとマイナスをあげまして、時間がありませんから結論だけ申し上げてみますと、反当収量については、三十四年に比べ一割ほど増加し、上昇趨勢の鈍化のゆるやかな場合は四百四十五キログラム、鈍化の強い場合は約四百三十五キログラムとし、その伸び率は一二・一%ないし一四・七%と見込んでおります。それから作付面積につきましては三百十三万一千ヘクタールが三百二十一万一千ヘクタールと、わずかながらも二・六%ふえる、生産量のところでは、三十四年が千二百十五万八千トン、四十六年は千三百九十六万八千トンないしは千四百二十八万九千トンと踏みまして、一四・九%ないし一七・五%の伸び率を見込んでおるわけであります。そこで、昨年お出しになりました実績についての中間検討を見ましても、誤りというのですか、見込み違いについては、一応述べておりますが、それに対する見通しについてははっきり述べておらないようでありますから、いま申し上げました三つの項目についてそれぞれひとつ担当局長から、今日までの趨勢と、長期の見通しに立つ今後の見込みをお聞かせいただきたいと思うわけであります。
○説明員(小暮光美君) いまの御質問のは、中間検討の数字は御了承の上で、今後の見通しということでございますか。見通しにつきましては、現在なお省内で慎重に検討中でございますので、農林省としての正式のあれでございませんが、検討の結果と申しますか、そういう角度から私から申し上げたいと思います。 土地改良の長期計画を、農林省として作成いたします際に、面積の点につきましては農地局長からすでに御説明があったと思いますけれども、現状の水稲の作付面積とほぼ同程度の面積を昭和五十年にも作付けいたしたい。したがって、四十九年までに壊廃が予想されます水田面積にほぼ見合う程度の面積をさらに確保するというような方向でものを考えております。それから反当収量でございますが、この点は、先ほどから御指摘ございますように、気象の問題を別といたしましても、技術のいろいろな段階を想定いたしますことと、さらに経営と申しますか、兼業農家なり、専業農家なりの経営の姿を見通すということと、両面ございますので、なお慎重に検討中でございます。ただ、これまでのここ一両年の反収の経過、これをそのまま将来に向かって想定するという考え方はございません。これまでの長期見通しの段階で見込んでおりましたような年率ではたしていけるかどうかという点につきましては、いま申しましたように技術の問題、さらに経営の問題という角度から、むしろ全国一本でなしに、それぞれの農区ごとに試験場等も集めましていろいろ検討いたしております。これらのものを総合いたしまして、今後農林省としての考え方をはっきりさせたいと思っておりますけれども、しかし、少なくとも十年間におおむね一割程度の反当収量の増大を期待することができるのではないかというふうなめどで、むしろ具体的に検討いたしております。 なお、昨年実施いたしました農家の意識についての調査というようなことで見ましても、やはり専業的な農家と申しますか、比較的農業的な地域の、しかも経営規模の比較的大きい農家から答えておりますところと、さらに比較的農業が、衰退というと言い過ぎでございますが、広く問題に到達している地帯から出てまいりました答えとの間に、かなりはっきりと差がございますけれども、しかし、営農に精進しようという意欲もあり、現実の条件も整っておりますような農家からの回答では、今後五年間におおむね七、八%程度の反収の増を期待し、さらに、十年間に一二%程度の反収の増を期待するというようなものも調査の中から出ております。これは、二種兼業農家その他全部を含めて考えます場合には、もちろん割り引かなければならない数字でございますけれども、先ほど申しましたように、おおむね十年間に一割程度の増ということをめどに検討を続けておるわけでございます。したがいまして、面積についておおむね現状を維持し、反収においては、かりにいま申しましたように、十年間に一割の増強ということができますれば、十年後の収量は千四百万トンをやや上回る数字になるのではないかというふうに考えます。
○中村波男君 大体、中間検討の方向というものはわかったわけでありますが、そこで作付け面積の点で、大体いまお話でありますと、壌廃分をいわゆる造成して拡張と見合うのだというお話でありますが、まあ四十年度の総耕地面積が六百万四千ヘクタールというふうに承知しておるわけでありますが、前年に比べて三万八千ヘクタール減少した。そこで、今後も宅地その他の壌廃等も相当進むのでありましょうし、また、実際問題として耕地の放棄という形での減反というものも見こまなければならぬのではないかと思うわけでありますが、したがって、壌廃する分をいわゆる拡張できるのだという話でありますが、その拡張するのをどこに求めていかれるのか、具体的に計画がありましたらお聞かせいただきたいと思うわけです。
○政府委員(大和田啓気君) お答え申し上げます。 最近閣議決定いたしました土地改良長期計画によりますと、十年間で農地が三十五万町歩、草地が約四十万町歩の造成ということになっております。現在開拓事業は国営、県営、団体営で相当広範囲にやっておりますし、長期計画は四十年度からでございますけれども、予算の作成にあたりましては、実質的には四十一年度の予算の作成が長期計画と関連いたしておりますので、四十一年度の予算編成におきましても、国営事業が相当大きな、パイロット事業の調査、あるいは全体に自主設計について相当大がかりの個所をふやして採択いたしております。 それで、大ざっぱに申し上げますと、開拓と干拓ということでございますけれども、干拓は現在八郎潟で水田面積約一万三千町歩の造成がまさに農地として活用される段階になろうといたしておりますが、その後の状態を申し上げますと、長崎でありますとか、あるいは鳥取、島根にわたる中海でございますとか、相当大規模なものがございますけれども、八郎潟に匹敵するような大ものはおそらくないであろうと思います。 しかし、開拓のほうは、北海道、東北等を中心にして、まだまだ相当な面積があろうかというふうに思っております。したがいまして、ことし採択いたしました国営なり、あるいは県営事業でも、決して北海道、東北だけではございません。九州にも四国にも北陸にもございますけれども、大体大どころといたしましては北海道、東北というふうに考えております。
○中村波男君 開拓、干拓計画の概要を承ってわかったわけですが、私がまあお聞きしたがったのは、干拓計画というのが相当今度の十年計画の中に入っておるのじゃないかということを考えまして、特にお聞きしたわけでありますが、それはどういうことかといいますと、週刑朝日の四十年の九月十日号に、大臣が語っておられるのでありますが、その中に、面積のほうはまだまだふやせますと、干拓の適地は日本中にたくさんある、こういうようなことを言っておられますので、干拓というのがいわゆる水田、水稲の作付を拡張する大きな対象になっておるのじゃないかというふうに考えまして、お尋ねをいたしたわけであります。 それはまあそれといたしまして、そこで、さらに突っ込んだ御質問をいたしたいと思うのでありますが、自給をどこに目標を置かれるかということであります。大臣は、米についてはほんのわずか足らないのだとおっしゃいまするけれども、そのわずか足らないのが重大問題でありまして、したがって、私たちといたしましては、少なくとも、主食というのは国内の自給態勢を急がなければならぬし、早くまあ確立をしなければならない、こう主張し、そう要求を申し上げたいのでありますが、したがって、自給をどこに置くかということは、いわゆる需要に見合う自給でありますから、需要というものが今後どう働くかということをまずお聞きをいたしたいと思うわけであります。
○説明員(小暮光美君) 御承知のように、三十七年に公表いたしました需要と生産の長期見通しにおきましても、米については、一人当たりの消費量については、長期的にこれを見ますと、漸減の傾向が認められるのではないかと、こういう考え方でございます。その後の中間検討におきまして申し上げましたように、実績を見てまいりますと、やはり何年ごろからそういう形になるかという点につきましては、もちろん若干のずれがございますけれども、傾向としては、近年一人当たりの消費量がやや減少の傾向にございます。しかし、人口が年々一%弱の増勢を続けております。あるいは消費生活の向上等に伴いまして酒米の消費量がふえる、その他、菓子用の消費がふえる、原料の需要がかなりのテンポでふえております。これまでの姿では、一人当たりの消費の漸減と、人口上あるいは加工上の増というものが相殺されまして、むしろわずかながら米の需要量がふえるというような形になっております。しかし、今後十年間ということで考えますと、やはりでん粉質からどれだけのカロリーをとるかと、まあ俗にでん粉質カロリー率と申しておりますけれども、この趨勢をいろいろの角度から検討してみますと、過去十年間に起こったほどの早さででん粉質カロリー率が下がるかどうか、これにはかなり議論があるところと思いますけれども、どうも十年後には五〇%をやや上回る程度のでん粉質カロリー比率になるのではなかろうかというようなことが、事務的の検討としては予測されるわけでございます。そういった姿から、さらに米麦等にこれを分けて、それぞれの品目ごとの需要の動向から推計いたしますと、やはり昭和五十年ごろの米の一人当たりの消費量というものは、年間一人当たりで依然として百キロをこえてはいると思いますけれども、三十八、九年当時の百十六キロあるいは百十五キロといったような姿ではなくて、百キロをやや上回る程度になるのではないかというふうに思います。いずれもまだ検討中でございますので、正確な数字として申し上げるわけにはまいりません。それと、先ほど申しました人口増、こういうものと加工需要の増等を考えてまいりますと、やはり十年後においても先ほど申しました生産の仮の見込み、十年後の需要のまだ検討中の仮の見込みというものがほぼ照合するのではないかというふうに見ております。
○中村波男君 それで、今度はこまかい問題でおそれ入りますが、四十年産米の政府の買い入れ数量というのは、最も近い時期でどれだけ買い入れられたか御報告を願いたいと思います。
○政府委員(武田誠三君) 最近現在で七百十五万トンでございます。
○中村波男君 そこで今度は、七百十五万トンということは、買い入れば史上最高ではなかったかと思うのでありますが、しかし、生産のほうでは、私も承知しておるのは六番目か七番目と思うわけであります。そこで、しろうと考えには、なぜことしはそんなに政府の売り渡し米がふえたのかということが疑問に思うのでありまして、それらについて長官としてどういうふうにこれを分析し、把握をしていらっしゃるかどうか、時間がありませんからあわせてもうひとつお聞きいたしますが、最近の配給米の売れ行きが鈍化しているというふうに聞いておるのでありますが、その実勢についてあわせ御報告をいただき、二つをあわせ考えまして、いま十年後の見通しを大体承ったのでありますが、この珍現象といいますか予測しない事態というのが一時的なものなのか、あるいは食生活の変化が構造的に来たのかということまでわかっておりますれば御説明をいただきたい、こう思うわけであります。
○政府委員(武田誠三君) 政府の買い入れが昨年産米の実収高が下がっておりますのにかかわらず七百十五万トンというような史上最高の集荷になったわけでありますが、これの主たる原因として私ども考えておりますのは、昨年の米の収量が特に悪かった地域というのが関西、東海を中心といたしますいわゆる米の主産地ではない、いわば兼業農家と申しますか、あるいは二種兼業農家等が非常に大きな地位を占めております零細な米作地帯に特に被害が多い。で、東北あるいは九州、北海道も一部北のほうは冷害がございましたけれども、北海道におきます主産地あるいは北陸等におきましては、史上最高の生産量を記録した地域もございますし、おおむねの地域が平年作以上の収量を得ております。そのような米の販売農家、米を売ります農家が非常に中心地帯の米産地の作柄は決して悪くなかったというようなことから、集荷が非常に進んだのではないかというようにいま考えております。 それから消費の問題でございますが、例年二、三月というのは、不需要期と申しますか、例年ともお米の需要というものが必ずしも多い月ではないのでございます。本年はその傾向よりもやや一部の地域につきまして米の需要が落ちているというようなところもございますけれども、これはあるいは不況の影響等であるというようなことを言う人もありますけれども、決定的な米の需要が、基本的に需要の姿が変わってきておるというふうには、必ずしも考えておりませんし、いましばらくの推移をいろいろ見守ってまいりませんと、その分析と申しますか、こういった傾向がどういうふうになっていくか、また、どういう原因であるかということは、ちょっとつかみがたい現状でございます。
○中村波男君 そこで、もう一つお尋ねをしておきたいと思いますことは、四十一米穀年度における外米買い付け計画ですか、輸入計画、それから買い付けをすでに終わっておるものもあるように聞くのであります。その内容についてこの際承っておきたいと思います。
○政府委員(武田誠三君) 輸入米につきましての本米穀年度の予定は、いわゆる準内地米につきまして八十二万トンを予定いたしております。そのうち、現在まですでに買い付け契約と申しますか、約束のできておりますもの、ないしすでに済んでこちらに到着いたしましたもの、いわば確定をいたしておりますものを申し上げますと、韓国米につきまして六万トンでございます。それからアメリカからの米が二十二万トン、それから中国からの、これは中共からの米でございますが、これが三十万トン、それから台湾からのものは十五万トンということで、全部合計いたしますと、七十三万トン程度のものをすでに買い付けを終わっているわけでございます。このほかに、今後台湾の本年とれます本年の一期米を中心にいたしまして、さらにある程度のものは確実に買い付けができるものというようにいま考えておりまして、八十二万トンの輸入計画は順調に達成できるというふうに考えております。 それから、なお、普通外米でございますが、これにつきましては三万トンないし三万五千トン程度の買い付けを予定いたしております。 それから、砕け米につきまして十万トン程度の買い付けを予定いたしております。
○中村波男君 まあたいへんことしは手ぎわよく輸入計画をお立てになりまして、まあ端境期も過去のような心配はないのではないかと思うのでありますが、さらにお尋ねしておきたいと思っておりますのは、いわゆる世界の流通量の半分以上を日本がいま買っておるということ、したがって、買うところはどこでも買えるものではありませんから、大体きまっておって、ことし新しく中国から入れられるということは、いままでに例がなかったと思うのでありますが、これだけたくさん入るのは例がなかったと思うのでありますが、そこで、価額が去年と比べてどのようになっておるかということを御報告いただきたいと思うわけであります。
○政府委員(武田誠三君) 輸入米の価格につきましては、各地域とも昨年に比べますと一、二の例外を除きまして、やや本年契約をいたしましたものは上がりぎみでございまして、全体的に申し上げますと、大体三%ないし四%程度の上昇ということに相なっております。
○中村波男君 時間がありませんから、いろいろお尋ねする計画でおりましたけれども、この辺でこの問題は終わって、次に移りたいと思うのであります。 そこで、農林大臣に確認をしておきたいと思いますのは、坂田農政というのは、農業基本法農政に基づく選択的拡大政策というものを修正をされまして、米に完全自給を目標として、そのために土地改良十カ年計画を出発せられたのではないかというふうに理解をしておったのでありますが、そういうふうに理解をして間違いがないのかどうかということを確認をしておきたいと思うわけであります。
○国務大臣(坂田英一君) 別に坂田農政というものはないと存じます。まあ坂田農林大臣だから、やっておる間は坂田農政と言われればそうかもしれませんが、別に変わったこともなかろうと思うのであります。 ただ、私ばかりでないと思いますが、やはり日本の国に、いわゆる気候その他において最も適するものは、これはやはり増強すべきものであるということを考えておる一人でございます。日本の気候、風土、その他経済的に見てよく適しておるというものにやはり十分力を入れていくべきものではないかということを考えておるのでございます。 それからもう一つは、これは別に私であるがゆえに変わったわけでもありませんが、特に農村の問題といたしまして、単に経済問題、これは一番重要な問題でありましょう。それはいなむものではありませんけれども、この農村のいわゆる生活の充実とか、あるいは農村の、簡単に言えば住宅問題とか、あるいは水道問題とかというような、単に生産とかいろいろの問題だけでなしに、そういう農村生活という点から見ての充実をはかる必要があるのではないか。したがって、農村生活の、名前はどういう名前かどうかしりませんが、農村生活というものの充実というものについて、やはり、角度を変えてそれらを考えていくべきものではないかと、かように考えておるようなわけでございます。 断庁的でございまして、恐縮でございますが、さような考えを持っております。
○中村波男君 端的にお答えいただきたいと思ったのですが、特にきょうは米を中心に質問しておりますが、米の完全自給という、ことばが悪ければ、自給度を引き上げていくといいますか、今日よりもさらに一そう高めていく、そのためにいろいろな土地改良十カ年計画等々の政策を打ち出された、こう理解しておるのでありますが、そういう理解でいいか悪いかということ、いいのか、悪いのかということをお答えをいただければけっこうです。
○国務大臣(坂田英一君) そう別に変わったようにも思っておりませんのでございますが、いま申しましたように、やはり食糧としては、日本の米は日本人にとってきわめて重要なものであるということであり、そうして、現実においてやはり、食糧というものができ得る限り自給し得るならばいいのです。そういう方向に向かって全部が全部というわけにはこれはいくはずのものではないのでありますから、いわゆる国民生活、それぞれの民族の生活から見て、これは重点的に充実すべきものであるということであるならば、そういうものについては十分考えていくべきものではないか、かように考えるものでございます。したがいまして、日本の国内においても、少なくとも米については自給し得る努力は特に必要である、かように考えておるのでございます。
○渡辺勘吉君 関連して。そうしますと、いまの中村君の質問については、こういうふうに理解していいですか。四十年度を初年度として十カ年の土地改良長期計画が閣議でも確認をされたということは、十年の展望に立って米について——私は農産物一般についてはもう言いません。米については、四十九年度には完全に、土地改良十カ年計画を踏まえて完全自給の目標でこれらの諸施策が裏づけされるのだ、こう理解していいのですか。
○国務大臣(坂田英一君) 土地改良の十カ年計画と申しまするのは、もちろん、それも含まれておるでしょうけれども、これはやはり日本の食糧全体をながめておるのでございまして、たとえば食生活……。
○渡辺勘吉君 結論だけでいい。
○国務大臣(坂田英一君) ここが非常に大事なんです。食糧の構成から見ても、たとえば畜産物、あるいは肉類とか、あるいは牛乳といったようなものの増強が非常に必要になっておることは、米が必要であるからといって、また側面にはその必要性を否認するという考えは毛頭ないのであって、そういうぐあいで、肉類あるいは乳製品あるいは今度は一面においてはくだもの、蔬菜、米、こういった重要な、日本人から見て必要なものは、これはまたこれらのもののうちで特に需要の増強するものもあるのでありますから、それらの需給に即して将来ずっとそれらの増産ができ得るように土地基盤の整備、土地のいわゆる改良、基盤の整備、造成ということに力を入れていくべきものであること、これは言うまでもございません。したがって、今度の土地改良においても草地四十万町歩の増強を見ておりまするし、水田三十五万町歩、耕地についても、畑地も水田も両方合わせて、これらの造成を見ておるということでございまするので、一つだけとらえてひょっとやられますとたいへん困るので、やはり総合的に全体をながめて、そしてこれらの問題の増強をはかっていこうと、こういう考えでございます。
○渡辺勘吉君 私の聞き方が悪かったから、もう簡単に答えてください。米は四十九年度には完全に自給度を達成するというふうに大臣ははっきりとこれは考えておる、こういうことですか、どうですか。あるいはさらに、これは輸出国にまで発展するということですか、あるいは四十九年度でもまだ自給度は完全に達成しないと考えているか、この三つのうちのどれですか。
○鶴園哲夫君 関連。いまの渡辺委員の質問と関連しまして、これは大臣でなくてもよろしいのでございますが、三十七年の千三百万トン、だから一%か二%、まあ二%くらい増産すればこれは自給できると思うのですね。また、今日のような何とか開発会議だとか、つまらぬ話、農業に完全にしわ寄せた開発会議なんとかいう妙な話、農業開発会議というのが問題になっていますね。そんなものはなくてもいいと思うのですよ。だから十年といわないで、この一%か二%ぐらい、二%ぐらいの増産ですよ。そんなことは私は技術的に可能だと思うのですよ。やる気がないのじゃないかと思うのです。あるのかないのか。二%や一%の増産ができないということはないです、技術的にいって。やる気がないんじゃないか。大臣のお話を聞いていると、いや畜産はこうだとかどうだとか、話が飛びましてすっきりしないので、いま米の問題をやっているのですから、しかも米はこれは自給しようと思えばできると思うのですけれども、だから二%ぐらい増産すればいいんだから技術的に可能なのかどうかということ、やる気があるのかないのかということ、この二つを聞いておきます。
○国務大臣(坂田英一君) 米の自給はおおむね可能であると考えていますし、また、そういう考え方をもって進んでおるわけでございます。 それから、ただここで申し上げておきたいことは、米だけでなしに、米だけがえらい増産に力を入れておると誤解されると困りますから、この際付け加えて申し上げるのでありますが、肉類、牛乳それから野菜、こういうものについても増強をはかっていく、特にそのほうの需要が非常に伸びておるものでございまするから、それらについても力を入れてまいることは言うまでもございません。
○中村波男君 それでは、その問題はまた別な機会に譲りまして、新聞の報道によりますと、四月の六日、七日に東京で東南アジア開発閣僚会議が開かれまして、そして政府はその閣僚会議に農業開発会議を提唱される、こういうふうに新聞は書いておるのでありまするが、きまったと思うのでありますが、この具体的な経過と、提案をされます内要について、外務省、通産省等いろいろお立場もあり態度もあるだろうと思いますので、それぞれひとつ御説明をいただきたいと、こう思うわけなんです。
○政府委員(大口駿一君) 四月六日及び七日に東南アジア開発閣僚会議が開催されるわけでありまするが、その際にいろいろ討議される問題等を、現在各省で事務的に整理をしたり、また出席を予定せられておる閣僚の間で、現在準備のための意見の交換中でございまするので、まだ最終的に固まっておりませんが、現在のところで議論されておりまする経過をあらまし申し上げますると、今度の東南アジア開発会議を契機といたしまして、日本を含めた東南アジア諸国との経済協力を一段と緊密にしていこうという一つの大きなねらいがあるわけでありまするが、その中で、東南アジア諸国との経済関係を今後どういうふうに持っていくかということについて、現在各省それぞれの立場からいろいろの意見が出ております。中でもアジア地域における農業開発に力を入れるべきではないかという種類の議論が出ておるわけでありまして、農林省としてこの農業開発の問題についての基本的な考え方といたしましては、将来東南アジア諸国が、人口の異常なる早さの増加というものにこれら諸国の農業生産が追いつかないということが見通されますので、今度きわめて近い将来において、これら地域の諸国が、食糧が非常に足りなくなるということが考えられるわけでありまするので、わが国が農業先進国としてこれらの諸国に農業の面で力を貸す場合には、これら諸国の農業生産力を高めることによって、将来の食糧用輸入量というものをいささかなりとも軽減をするように寄与したいという根本的な姿勢で、農業開発の問題を討議をする所存でございます。 詳細は、時間の関係もありまするので、もし必要があれば補足をいたしまするが、基本的なものの考え方は以上のとおりでございます。
○中村波男君 朝日新聞の社説に取り上げておるわけでありますが、それによりますると、米を長期継続的に買い入れようとするものである。従来、農林省と通産省あるいは外務省との間で米の輸入ということについては意見の一致がなかったわけでありますが、それを佐藤総理が断を下した、こう指摘をいたしておりますが、そのような事実はないですか、あるのですか。
○国務大臣(坂田英一君) それはありません。しこうして今度参りまする国は、いわゆる準内地米の生産国ではないわけでございまして、いわゆる長細いほんとうの外米をつくる国でありますから、そこらから輸入しても、現在の日本の食生活から見て、これをおそらく食べる人がないのではないか。もしそれを使用するとしても、何か菓子の原料とか、砕きものにして何か使う、そういうことになるか、先ほど食糧庁長官から、大体七十三万トンの買い付けの何ができ、そうしてまた将来も八十二万トンの買い付けができる見込みであるということを申しましたのも、これは日本酒になるところのいわゆる準内地米というものの買い付けのことでございます。さような関係がございまするので、そういうもののこの何を依頼したり、つくらしたり、そういうことは考えておりません。これはその当時の話にはまだなっておりませんが、できるならば、私はむしろトウモロコシとかマイロのような家畜の飼料という問題が生産される場合において、日本はそういう飼料の自給ということは容易ではないと、こう思いまするので、そのほうはこれはむしろ考え得られるのではないか。まだ結論にはもちろんなっておりませんので、そこまではまだ結論を申し上げることはできぬにしても、そういうこともできるのではないか。現にタイのほうからはトウモロコシ、マイロといったようなものの輸入をいたしておるのであります。そういう考え方はできるのでありますが、米についてはできませんと申し上げることができると思います。
○中村波男君 まあ農林大臣のいまの御説明、また農林省の立場として、このような問題について唯々諾々と賛成をされるとは思いません。しかし、少なくとも朝日新聞が社説できまったと、佐藤総理が調整をして断を下したと、こう書いておるのでありますが、これは全く事実無根で、このようなことは絶対にないということが言明できるかどうか。したがって、まあ大臣の立場はよくわかりますから、せっかくきょう外務省と通産省の関係官においでをいただいておりますので、外務省としてそういうことがないのか。通産省もそれらについてはあずかり知らないかということをお聞きしておきたいと思うわけであります。
○説明員(伊藤博教君) 農業開発会議につきましては、これはもう皆さん御承知のとおり、今度参ります国々、これは大体農業国でございます。したがいまして、そういう生活水準を向上するというためには、農業振興が必要だという点が一点ございますし、もう一つ、先ほど農林省のほうから御指摘がありましたように、ただいまアジアのほうは非常に食糧不足という点で困っておるわけでございまするので、私たちが考えておりますこの農業開発会議といいますのは、そういう点でこれらの国の農業振興あるいは食糧の増産、そういう面を考えまして、各国と十分話し合いをしていきたいと、そういう趣旨に出たものでございます。
○鶴園哲夫君 関連いたしまして。いま大臣は、米の長期輸入というのですかね、あるいは長期輸入計画というのですか、東南アジアからの。米の長期輸入計画という点について総理が断を下したことはない、下していないという御答弁なんですが、そのとおりであるかどうか。新聞が報道いたしておりますのは、おそらく四囲の情勢等からそうなるに違いないという判断をしたのかどうか。これはまあ大臣があずかり知らぬところですが、私はそういう感じを持たない。四囲の情勢からいってそういうことになるだろうという断定を新聞社の方がされたのだろうという感じがするのですが、ただ、総理がそういう指示を農林大臣に対しておるのか、という報道も行なわれたわけです、そういう点について。
○国務大臣(坂田英一君) ございません。
○渡辺勘吉君 関連して。いま伊藤参事官のお説の最後に、食糧増産を指導的に日本がやる、これもわかるのですが、その食糧増産と、バーターを見込んでの長期契約という構想はないのですか。これは通産省その他、明瞭に答弁をしてください。
○説明員(伊藤博教君) 外務省のほうから申し上げます。今度の閣僚会議につきましても、私たちのほうから米の長期契約、そういうふうな問題を持ち出すつもりはもちろんございませんし、もし、万一向こう側からそういう話が出ました場合に、これは日本の農業政策と非常に密接な関係のあることでございますので、農林省のほうと十分に協議をして、慎重に対処したいと考えております。
○渡辺勘吉君 通産省どうですか。
○説明員(牟田口道夫君) 通産省のほうの輸入は、事農林物資に関しましては、特に食管物資については、非常に農林省とは密接な連絡をとっておりまして、農林省の御計画なり、需給計画に見合う輸入だけをいたす方針でございます。従来その方針で参りましたし、今後もその方針で参ることに変わりはございません。したがいまして、今度の東南アジア閣僚会議に対しましても、それが日本の農産物輸入及びそれによる問題が起こるような行き方にはならないように心をいたすことはもちろんでございますけれども、事務的には、目下この会議をどういうふうなぐあいにいたしますかは、各省間及び私どもの省内で目下協議中でございまして、最終的態度は私どもとしてはまだ決定をいたしておりません。大筋の考えは、そういうぐあいでございます。
○渡辺勘吉君 ちょっと……。私の聞いておるのは、非常に早口で簡単に言いましたが、バーター等によってそういうものを長期的に契約する意図がないかということは、御承知のように、東南アジアは農業国である、片貿易の実態である。工業を中心にして新興国の発展という方向をたどるとすれば、当然これは輸入は工業製品であり、片貿易を規制するためにも、これらの国の一次産品というものの貿易というものが当然提起されるのじゃないですか。そういうものを一体通産省はどう受けとめて、農林省の基本的な計画を尊重するのか、あるいはそういう大きな一つの路線に立って、わが国の食糧政策というものを規制する方向にまでこれが行くのか、その点を聞いておるわけですよ。
○説明員(牟田口道夫君) お説のとおり、農業国と申しますか、後進国の場合は、日本が出超の場合が多うございます。そのために、バーター等を約束いたして日本の工業品を出し、農業品をたくさん入れるという方針は必ずしもとりません。特に農産物の場合は、もし許される範囲内において農産物を輸入される可能性があるならばそれを輸入して、輸出が増強できるようにという努力はいたしたいと思いますけれども、たとえば、先ほどの農林大臣の御指摘の、飼料等の点について検討の余地があるとするならば、そういうようなものについても考えるというようにいたしたいと存じますけれども、農産物の輸入の犠牲において工業品の輸出を伸ばしていくという考えは、必ずしもとっておりません。
○中村波男君 まあ大臣を初め関係各省の責任のある方々から、こういう事実はない、また、大臣からそういうことには農林省としては賛成するわけにいかないという言明をいただきましたので、この問題はこの辺で質問を打ち切りたいと思うのでありますが、大臣に最後にお訴えをいたしておきたいと思いますのは、いわゆる高能率、高収穫すなわち労働の生産性と土地の生産性を上げるというキャッチフレーズで打ち出された水稲の増産対策に対しまして、やはり各府県で、あるいは各関係団体、各市町村で、米の増産運動というものがすでに巻き起こりつつあるのであります。そういうところへ、今度の東南アジア閣僚会議に、長期継続的に米を輸入することを佐藤総理が断を下した、こういう新聞記事が出たことによって、私は水を大きくぶっかけたと思うわけです。したがって、朝令暮改もはなはだしい政策でありますから、これらの地域から輸入するといたしましても、いまおっしゃるとおり、いわゆる円粒型の米をつくっておるところはほとんどないんでありますから、これらを買うといっても、いまのところ買っても食用にならないということでありますから、したがって、技術援助なり、品種改良なり、二十年、三十年かけなければものにならないのではないかということも聞いておるのでありますが、したがって、長期計画的に輸入するということがいわれてきた理由ではなかろうかというふうに思うわけです。したがって、これらの政策と国内のいわゆる米の自給計画とは相反する、矛盾する政策でございますので、したがって、せっかく米だけは、とにかく食糧の自給をはかるんだという土地改良十カ年計画が打ち出されて、また見通しとして、十年後には大体需給がとんとんになる、そういう前向きの姿勢が出たのでありますから、したがって、これを逆戻りさせないように、これらのいろいろな諸般の事情から、東南アジアのいわゆる後進性からいいまして、第一次産品を輸入しなければ日本の貿易が伸びないという立場からいうならば、通産省としては貿易を拡大しなければならないという立場があろうかと思うわけであります。また、外務省としては外務省の立場があろうと思うわけであります。しかし、これはただ農林省の立場だけの政策ではないのでありますから、断固としてひとつ米の自給政策を貫いていただきたいということをお願いするわけでありまして、その意味でもう一度万古不動の——農林大臣の好きでお使いになります万古不動の所信を伺って終わりたいと思います。
○国務大臣(坂田英一君) ただいまお話しのとおりでございますが、ただこの際、ちょっと申し上げておきたいことは、トウモロコシとかマイロのようなものを——えさのようなものですね、なこれはやはり国内で自給を完全にするということは容易でないと思います。私はやはり牛やそういうものの草類は国内でどうしてもつくらざるを得ぬですけれども、穀類とか、そういうものによるところの、えさ類は、これはできるだけ自給が、畜産としてはいいでしょうけれども、やはりこれは輸入しなければならない。そういうものについては、東南アジアでこれが生産に適した地帯もあるわけでございますから、そういう方面からその輸入をしていくということでございます。 日本のいまの米の問題については、日本人の好まざる米を輸入するわけにもいきませんし、国内の自給を、これはもう少しで自給できるのでありますから、最も自給しやすい、また、し得る農産物でございますから、これらの問題については私どもほんとうによく考えていかなければならないと存じておりますので、その点については同感でございます点をあらためて申し上げてお答えにいたす次第でございます。
○梶原茂嘉君 ちょっと関連して。坂田農政ということばが私はあると思いますが、その中の一つとしては、どうしても米の自給自足、これだけは是が非でも貫徹するのだということがあるべきであろうと私は思うのです。今度の十年間の二兆六千億の土地改良計画等も、先ほどのお話では、いろいろ必要な農産物、選択的な拡大に応ずる増産が入っておるというのですが、しかし、先ほど言われたように、十年先に米の自給をつくり上げるのは、これはそう簡単な仕事じゃないと思うのです。たいへんな仕事だと思う。いまの農村の状況、これも安定成長になるようですが、これから先の十年間のいろいろな変化等を考えまして、これは容易ならざる努力を農林省が農政の中に打ち立てなければならないというと、私は目的を達することは困難であろう、よほどこれは腹を据えて真剣に取っ組んでもらわなければ、いままでのような状況ですと、現在のような状況じゃ、とうてい期待ができないというふうな見方を私自身はしておるのです。これはほんとうに馬力をかけて真剣にやってもらってでき上がる仕事である、大事業だと思います。これはぜひその基礎だけは坂田農林大臣の間につくってもらいたいと思うのであります。 それから、先ほどの東南アジアの農業諸国との農産物の長期輸入に関連する問題であります。基本的には大臣の言われたとおりだろうと思います。ただ、少し問題が具体的になるのですけれども、一応御意見を聞き、検討をお願いしたいと思うのは、モチ米の輸入の問題であります。これは戦前からも相当、米ではありまするけれども、原材料用の関係でタイあたりから輸入されてきた御承知のような状況にあります。最近でもタイから若干の輸入をしておるのであります。モチ米の需要は、もちろん一般家庭のおもちとしての消費量は相当ありますけれども、それ以外にいろいろの原材料用の需要があるわけであります。モチ米の価格の計算の方法が、ウルチと違いまして毎年こういうものが上がっていくわけです。そういう方面の価格政策の安定からいってもいろいろ問題があるわけであります。これは立地条件、いろいろで違うと思いますが、でき得るところは、国内におけるモチ米の生産を、本来のウルチに転換し得るところは転換をはかっていって、そうしてタイあたりのモチ米もある程度長期のとりきめをしていく、これは大きな数量ではない、せいぜい三万から五万トン見当の量だろうと思います。そういうふうなものはむしろおそらくタイでも希望するだろう、現実の問題として、やはり安定したある程度長期の取りきめをしていくということが、これは両国のためにいいのじゃないか、わがほうの米の自給の状況から見ましてもそのほうがむしろ好ましいのじゃないか、別段こちらに悪い影響を与えるわけでもあるまい、こう思うのであります。特に本年あたりの東南アジアの米の需給情勢が、インドにおきましては、御承知のように、千二、三百万トンの不足でたいへんな騒ぎでございます。インドネシアはインドネシアで相当食糧情勢が険悪である、かれこれこういうことを考えまするというと、タイ自体においてもこれから先そうゆとりが出ていくものかどうか、若干心配である。かれこれそういうことを考え合わせますというと、そういうふうな問題についてはひとつ検討をしてみる価値があるのではなかろうか、こう思うのですけれども、ひとつお考えを承りたいと思います。
○政府委員(武田誠三君) タイからのモチ米の輸入の問題でございますが、これにつきましては、年々ある程度の数量を買い付けをいたしております。これにつきまして長期契約というようなことについては、いまの段階で私どもとしては考えておりませんし、特定の国との長期契約を結ぶということにつきましては、その関係が当該国だけの問題に限定して考えられないというようなことも予想しておかなければなりませんし、そう簡単な問題ではないというように思います。で、モチ米の輸入につきましては、国内でのモチの生産は相当量あるわけでありまして、必要のつど、従来のような考え方で対処をしてまいりたいというように現段階では考えております。
○委員長(山崎斉君) 渡辺君、簡単に願います。
○渡辺勘吉君 関連。大臣のお話の中で、外米、砕け米の長期契約はしない、今度の東南アジアの会議で、今後もしない、それはわかりましたが、答弁の中にトウモロコシ云々という話があったのですが、こういうものについては長期契約をするのですか、しないのですか。また、大臣もとくと御承知のように、最近の流通量は逐年この輸入依存度が高まってきておる、流通の半ば以上占めておる、そういう状態の中で、自給度を高めることが、やはりこのえさの問題についてもきわめてこれは重大な国内の農政課題のはずであります。したがって、聞き違えればそれまででありますが、こういうトウモロコシその他についても長期契約等を結ぶ意思はないのであるか、あるいはそれについては結ぶのか、結ぶとした場合に、従来の絶対量をさらに圧縮する前提の中で、輸入国の一つの輸入先を東南アジアにこれを切りかえるという内容なのか、そこら辺を明確にひとつしておきたいと思うのです。いずれこれは関係の法案その他の際に、とくとまた質疑をもって明らかにしたいと思いますが、答弁をそのまま聞き流したのでは、そういうふうな問題を是認して、きょう終わるということではいかぬので、念のためその点を確かめておきたい。
○国務大臣(坂田英一君) トウモロコシ、マイロについては、この飼料作物はタイの国から輸入をいたしておるわけでございます。これはしかし、政府でどうというわけではございませんので、そういう面について現在のところ政府が買い入れを長期的にやるといったようなのではありませんで、これはいま、たとえばえさは全部国内で自給するということは私は無理だと思っているのです。これは実はできるだけの国内自給はやる必要はあるであろうと思いますが、しかし、そういう意味から、私はできるだけそういう東南アジアなりその他必要な地帯から、やはり内地の生産と見合いながらそれらの問題の、輸入という問題、したがって、そうすれば先方の生産という問題にもからんでまいりまするから、そういう点については検討を加えていくことがいいのではないかと、かように考えておるのであって、政府が買うということではありませんから、したがって、長期という問題とは結びついていないわけですから、その点は誤解のないようにお願いいたします。
○委員長(山崎斉君) 農林水産政策に関する調査は、本日はこの程度にとどめ、散会いたします。 午後二時四十五分散会