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51回国会参議院1966/03/25

農林水産委員会 第12号

発言数
118
登壇者
10
会派数
3
開催日
1966/03/25

会議録

山崎斉自由民主党

○委員長(山崎斉君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、森中守義君が委員を辞任され、北村暢君が選任されました。     —————————————

山崎斉自由民主党

○委員長(山崎斉君) まず、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。  農林水産政策に関する調査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山崎斉自由民主党

○委員長(山崎斉君) 御異議ないと認めます。  それでは、本日、参考人として畜産振興事業団理事長須賀賢二君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山崎斉自由民主党

○委員長(山崎斉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

山崎斉自由民主党

○委員長(山崎斉君) 次に、国有林野の経営に関する件について質疑を行ないます。渡辺君。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 国有林経営の問題につきましては、すでに本委員会においてもしばしば質疑を通じてきた経過があるわけでありますが、この際、大臣としての責任ある答弁を承りたい。  国有林経営のあり方については、政府におきましては、中央森林審議会から出された答申について、これを尊重し、具体化について目下検討中であるという言明にとどまっております。しかしながら、この問題は、国有林野事業の今後の方向いかんによって、多くの労働者、地域農民、木材関係中小企業者にとっては、きわめて重大な影響を持つものであります。したがって、今日、国有林野事業の民主的経営について多大の関心が寄せられている段階で、中央森林審議会の答申の検討にあたって、その前提となる基本姿勢について、この際明らかにしてほしいのであります。特に国有林野事業を遂行するにあたって、その基本である直営直用を、いかに拡大の方向を考えているのか、また、労働者の雇用安定をいかに考えていくのかを、この際明確に大臣の答弁を求めます。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) お答えいたします。  国有林経営のあり方については、中央森林審議会の答申もあり、目下、鋭意検討中であるが、原則として、直営直用で国有林野事業を行なうことにより、雇用の安定をはかることについても、積極的に検討を進めてまいりたいと考えます。  なお、雇用の通年化については、今後ともできる限りの努力をしてまいりたい。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 ただいまの大臣の答弁によって、国有林の経営についての基本姿勢として、直営直用を原則とする、これを鉄則にして積極的に拡大し、雇用の安定をはかる。また、雇用の通年化についても、最善の努力を尽くすという大臣の答弁でありますので、今後、時移り人かわっても、この国有林経営に対する確固不動たるその方針を明らかに確認をいたしまして、私のこの質問は打ち切ります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 関連。

山崎斉自由民主党

○委員長(山崎斉君) 簡単に願います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 いまの大臣の答弁の中に、積極的に検討をするとおっしゃいましたね。それは積極的に拡大をしということではないですか。読み違えているのじゃないですかな。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) 積極的に拡大することに検討をするという意味でございます。     —————————————

山崎斉自由民主党

○委員長(山崎斉君) 次に、乳価の不足払いに関する件について質疑を行ないます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 いわゆる不足払い法なるものがいよいよ四月一日から実施される段階に入る直前にあたりまして、私は農林大臣に基本的な問題を若干提起して、政府の見解を明らかにいたしたいのであります。  このいわゆる暫定的な不足払い法というものは、たとえてみれば、これはもろ刃のやいばのようなものであって、酪農民の立場と、また乳業者の立場との間に立って、農林大臣はこの行政上からいいましても、価格の設定、すなわち保証価格なり、あるいは安定指標価格なり、取引基準価格なりを客観的な内容の上に設定をいたしませんと、国民が期待するものとはおよそほど遠い、怨嗟を受ける対象にもなりかねまじき、きわめて重大な問題を内蔵しておると思うのであります。それで、資料も急いでまあ提出をお願いいたしましたので、提出された資料はきわめて不十分に出ております。これはまあしかし時間の都合でやむを得ないと思いますが、まずこれは事務当局からでもけっこうでありますが伺いたいのは、農林省が調査をいたしておりますこの牛乳の生産費についてであります。この生産費を見ますと、三十八年の十月から三十九年の九月までの一カ年と、三十九年七月から四十年六月までの一カ年の、それぞれの生産費調査があるのでありますが、この二つの同じ農林省の統計調査の数字で、きわめて理解しにくい点を一、二しぼってまずお尋ねをいたしますが、第一は、三十八年から三十九年までの間の農林省の生産費調査によりますと、一頭当たりの年間の労働時間が七百四十二・六時間、それは搾乳牛換算一頭当たりの調査でありますが、一頭当たり年間に七百四十二・六時間働いておる。しかるに、次に年次を異にして出た資料を見ますと、四百五十九・七時間に、およそ一頭当たりに投下する労働時間が三百時間近くも低下をしておる。これは一体どう理由をつげるのか、その点を伺いたい。したがって、一頭一時間当たりの労賃が変わってくる、こういうことにいろいろ関係が出てくるわけであります。この大幅な労働時間の短縮というものは、一体どう説明するのかということであります。  それから、この資料に基づく問題の第二点は、三十八年の調査によりますと、純収益をあげる飼養頭数は七頭以上でなければ黒字にならない。六頭未満は、これは差し引き損失を来たしておる。こういう数字でありますが、一年後の統計を見ますと、逆に四頭以上は黒字になっておる。逆に言えば、三頭以下が赤字である。酪振法の改正によって酪農近代化の計画等が立てられ、その基本も多頭飼育の方向づけを意欲的に出しておるようでありますが、そういう方向とは別に、一年の間で七頭以上なければ黒字にならないというのが、一年後には四頭以上にその頭数の位置というものが変貌しておる。したがって、私の疑問とするところは、一体、方向としてそういうことが統計に出ておるが、これを政府当局はどう理解して畜産行政に資せんとするのか。この二点について、まあ事務的な質問でありますから、明確に事務的に答えていただきたい。

堀江亮次農林省農林経済局統計調査部経済調査課長

○説明員(堀江亮次君) お答えいたします。  ただいま農林省の生産費調査におきまする前年の調査と、それから、その次年度の調査の間におきまして、これは全体の平均でございますが、労働時間が大幅に下がっておる、これは一体どういうことか、こういう御質問であったかと思います。統計調査部で実施しております牛乳の生産費につきまして、調査約束あるいは労働時間の計算方法、そのものは全く前年とは同じでございます。ただ一つには、ここに先ほど若干お示しになりましたような多頭化の影響ということによりまする労働時間の効率化という点もございます。  それからもう一つは、やはり平均法というものにつきまして、三十八年の場合、三十九年の場合と、同じことは同じなんでございますが、やはり加重平均をいたします場合、このウエートの関係でやはり最近の多頭化飼育の傾向と相まちまして、ある二つの飼育階層の場合、前年の結果によりますと、何と申しますか、平均の生産費を、たとえば一頭当たりの飼育時間というふうなものにつきまして、一頭当たりの生産費用のほうは各飼育階層別の戸数によって加重平均いたしますが、前年の場合へ非常に戸数が少ない階層がございまして、その階層のフレというふうなものによります影響が一つにはあるんではないか。この点にかんがみまして、統計調査部では、各階層別に加重平均を行なえるよう……、加重平均される調査戸数が少ない場合ですと、信頼度の少ないものが大幅に拡大されるおそれがある。この点を昨年度から、四十年度に公表いたしましたものから若干訂正いたしまして、どの階層にもまんべんなく加重平均された場合でもフレの少ないようにいたしました。それが多頭化と相まちまして、従来の調査上まずい点を改善した結果が出ておる、こういう二点がおもな労働時間の変遷理由でございます。  それから、生産費そのものにつきましては、やはり労働費の単価そのものは上がっておりますが、労働時間の影響というふうなことが入ってまいりまして、若干そこに御指摘のような点はあったかと存じます。  簡単でございますが、以上でございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 あなたの説明では、私はもう全然納得ができない。多頭化の方向にいくということが、いわゆる経済性というものが逆に低下をしておるのですよ、農林省の調査が。もう一回言えば、三十八年の調査によると、家族労働時間が七百四十二時間かかっておる。そうして七百四十二時間も働いている酪農家のその経済採算は、六頭以下が赤字である。ところが、一年後の調査では、労働時間が三百時間も減った四百五十九時間の労働時間に圧縮されておるのに、その黒字になる農家は四頭以上の飼養農家になる。逆行した一つの結果が出ておる。これ以上説明員からもう貴重な時間に私は説明を聞きませんが、問題は、こういう非常に生産費調査の中における問題点をさらに踏まえて、政府は四月一日から保証価格を設定しようとしておる。おそらくこれは畜産行政としても統計調査部の資料を使っているのだと思うのですが、それは使っていないで、別個な資料があるのか。まずこの点から、保証価格算定のそのデータは何に基づいて一体計算するのか、まず伺いたい。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) 今回、審議会に私のほうが諮問をいたします際に、毎度算式を出しまして、それでそれに基づいて試算をいたしておるわけでございますが、御承知のとおり、ただいまの先生の御質問は保証価格の問題だと思いますが、保証価格は法律の第十一条の第一項の第一号で、「生乳の生産条件及び需給事情その他の経済事情を考慮し、生産される生乳の相当部分が加工原料乳であると認められる地域における生乳の再生産を確保することを旨として農林大臣が定める金額」こういうふうに規定をされております。そこで、われわれが主要加工原料乳地域における四十年度の生産費をもとにいたしまして、四十一年度の推定生産費というものを出しまして、まあ主要加工原料乳地帯とは、一応北海道、青森、岩手、山形、福島、長野及び鳥取の一道六県でございますが、この六県の四十年度の生産費を出しまして、これを四十一年度に推定して、これはいずれも四十年度の生産費につきましては、統計調査部の生産費調査の結果を用いて四十一年度にこれを伸ばしまして、四十年の十一月から四十一年の一月の季節修正済みの農村物価、賃金指数によりまして評価がえをした変化率を織り込んだもので推定生産費を出しまして、それに集送乳経費を加えて保証価格をお出しいたしておるような次第でございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 いまの答弁にも明らかなように、何としても、その四十年の場合は統計調査部の資料を使ったということ、当然でありましょう。その統計が、いま言ったように、一年前と四十年とではこんな非常にアンバランスなものがいろいろな約束ごとの上でつくられた統計の上から矛盾が出ておるということを、まずこれははっきりと確認してもらいたいと思うのであります。  そこで、私はいまの太田参事官の答弁に一、二さらに触れて伺いたいのは、生産費については四十年の資料を使って、四十一年に評価がえをした、伸ばした。これはわかります。それなら、なぜ一体あんた方が今度審議会に諮問する場合に、基準取引価格なり、あるいは安定指標価格を過去四年の長きにわたる基準年をとったかということであります。これは私から申し上げるまでもなく、最近のこの異常な市況というもの、これは酪農の大きな問題を内蔵しておる結果出てきた現象で、これは年を追うてこういう需給のアンバランスというものが歴然としてきておる。しかるに、この基準取引価格なり、あるいは安定指標価格をとる際に、生産費は四十年のデータに四十一年に伸ばしながら、安定基準価格あるいは取引基準価格は四年の過去にさかのぼった基準年をとるということは、大体政府のデータの出し方は科学性がない。なぜ最近の四十年を基準年にとって、そうして四十一年に評価がえをしないのか。こういうことは一体理屈があるのですか。どうなんですか。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) 先生も御承知のとおり、従来試算をいたしておりました場合には、過去におきます乳製品の需給と価格の動向について見ますと、一応七年間を基準期間として採用して、この期間に二回の変動周期があるということで、平均三・五年を一サイクルと考えて、二サイクルというところで七年というようなことで試算をしていたことは御承知のとおりだろうと思います。しかしながら、今後、過去の変動周期を繰り返すということを前提とすることは、制度のたてまえ上妥当とは考えられませんし、それに加えまして、審議会等の御意見におきましても、できる限り直近の期間をとったらどうかというような御意見もございまして、今回四年間、過去四年間を、安定指標価格を定めます場合、あるいはそれから導き出す基準取引価格を定めます場合に、基礎になります安定指標価格の四年をとりましたことは、昭和三十七年と三十八年が不況年でございまして、乳製品の市況からみまして価格の低落時である。それから三十九年、四十年は価格の高騰時であるということでございまして、実態上明確にそういったことがうかがわれますので、その平均水準をもちまして安定の指標として用いることが最も妥当であるというふうに考えて出したわけでございまして、単年度だけでお出しするということは、やはりこういった価格をきめてまいります場合に多少無理ではないか。なお、従来の七年では長過ぎるというようなことから四年間をとった、こういうことでございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 いろいろ理屈はまあつけようですけれども、私から見ると、どうも政策意欲というものが先行して、その意欲された一つの生産価格に合わせるために、内容としては四年をとってつじつまをつけたというふうにしか理解ができないのです。そうじゃないというならば、七年を四年に縮めるも、三年に縮めるも、これは縮め方は同じですから、三年に縮めたならば一体基準取引価格はどうなりますか。政府の試算は四年に基準を広げて出した結果、一つの試算としては一・八七五キロ当たり五十九円六十四銭というものが出ておる。これは生産者がきわめて注目をしておる保証価格と決して無縁なものではないことは申し上げるまでもないことであり、あなた方から見ればひとつの予算単価がありましょう、不足払い——現実にいま取引されている原料乳のメーカーが払っている価格は、あなたが言うところの一道六県ではどういう価格で取引されておるか。そういう点を見れば、青森では原料乳の、加工原料乳の価格は六十円平均であります。岩手では六十二円、秋田では六十一円五十銭、山形では六十一円で、現実の冬乳価が取引の価格になっておる。長野においては混合乳価でありますが六十七円三銭という価格が出ておる。しかし、長野の混合乳価といえどもその販売するものの七割まで原料乳でありますから、そういう点からいえば、長野でも原料乳にこれを大体当てはめれば六十四円は下らない。そういう現実の取引があるのに、政府が今回審議会に諮問すると称する参考資料は、六十円を割るようなものが出ておる。だから私は勘ぐりたくなるのであります。もろ刃のやいばであるというのは、保証価格が生産者が期待するように、その酪農に投下した生産資材を全部価格で取り上げ、なお投下された労働を正しく評価がえをして、その所得を補償するものが、これは農民の素朴に期待する保証価格の内容であることは、大臣もとくと承知のはずであります。私は、いずれこの内容についてだんだんに大臣を中心にお尋ねをいたしますけれども、まず指標の取り方が、生産費だけは単年度をとりながら、これらの基準取引価格なり、あるいは安定指標価格、これは従来の上位価格、下位価格がなくなって、その中間の多少上回ったところに置くというような意向の中に、世間注目の基準取引価格というものがどう設定されるかということが関心の的であるが、それは過去四年を基準年として計算をするということでは、どんなに政府が答弁を巧妙にされても、われわれとしては納得するわけにはいかない。かりに百歩譲って、単年に基準年を基準取引価の場合に直した場合は、一体その業者に最低価格として責任を持たせる取引基準価格は何になりますか。単年にこれを直して、これを計算したならば、百歩譲って三年というものに直したらどういう計算が出ますか。これはあなた方はいろいろな場合を試算しているはずだ。審議会に参考資料として出すまでの経過の中に。それをこの際に明らかにしてほしい。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) 私、手元に三年の場合、一年の場合の試算の数字を実は持っておりませんので、果たして基準取引価格が幾らになるのかという場合のお答えができないわけでございますが、きょうの審議会等でそういった資料の御要求があると思いますので、そういった結果出ますれば御報告申し上げたい、かように思います。ちょっと聞いたところによりますと、過去三年の試算では、現在の政府が出しております四年の基準取引価格より若干下がるというふうに聞いております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 それでは、いずれ審議会が開かれたら、それは同僚委員から資料要求をして、審議会でその点も明らかにしたい点でありますから、高いからそれを出すとか安いから出すということじゃなくて、私は、生産費だけは単年を取りながら、こういう乳製品の取り方が四年も長いところをとるということがおかしいというんです。最近の異常な相場というものはことしだけの現象ではない。あとで参考人からも聞きますけれども、脱粉の輸入がさらに大幅に伸びなければ、国内の乳製品を満たすに至らないという一つの展望も四十一年度ではある。そういう段階に置いたならば、これは少なくとも単年を基準として取引基準価格を算出するのが、これがより現実に即した、これは価格設定のあり方である、こういう、これは意見だけを申し上げておきます。  いろいろそういう点についても、細かく伺いたいのでありますが、きょうは大臣の都合もありますので、ひとつ保証価格にしぼって、具体的にさらに伺っていきたいと思います。保証価格を出す際に、いま政府が答弁したように、一道六県をとった。北海道、青森、岩手、山形、福島、鳥取、そういう六県をとったということであります。さらに私が畜産物価格審議会でいろいろ意見を申しましたように、一体何を基準としてその六県に限定したかということであります。これは何を基準として、全国酪農主要県が二十三の都道府県にまたがっておるのに、この六県だけに生産費調査を集約したか。その根拠はどこにありますか。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) 先ほど朗読いたしましたように、法律で保証価格につきましては、「生産される生乳の相当部分が加工原料乳であると認められる地域における生乳の再生産を確保することを旨として」と、こうございます。そこで、今回一道六県をとりましたのは、三十七年から三十九年の過去三カ年間におきまして飲用向け生乳の数量が五〇%以下の県を拾いまして、三カ年とも継続してそういった状況になっている県ということで一道六県を選んだと、これを主要加工原料乳地域ということで、従来とも県単位でこういった地域をきめておりますので、いまの一道六県をとったと、こういうことでございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 これも私はおかしいと思うのですね。生産費の調査は四十年をとりながら、その原料乳の主産県という見方を三年に延ばしたということもおかしい。もっとすなおに、私はあえてとらわれて言うのじゃありませんが、少なくとも去年畜産物価格審議会で政府が答弁した趣旨は、五〇%以上が原料乳として占められておる県ということであったはずであります。そういう点から見ますと、三十九年に五〇%以上が原料乳の割合を占めている県は一政府がとり上げた一道六県を除きますと、そのほかに熊本が五二%、あるいは徳島が五八・五%、こういうものが落ちておる。だから、まあざっくばらんにいえば、北海道の生産費は、これは大規模酪農地帯でありますから、生産費が低い。その低い北海道の生産費の占める割合が内地の五〇%以上を占める酪農県の数を減らすことによって生産費全体が低くなる。ここにまた私は非常に意図的なものを感ぜざるを得ないのであります。だから、その計算の根拠を四十年単年度をとるんだから、四十年度現在で五〇%以上原料乳の占める県を生産費調査の対象にすることがより合理的だと思うのですがどうなんですか。それとも四十一年度中には私があげた八県は、そのうちもう五〇%を割る県が出るという想定等も加えて、これはまあ一つの推定でしょうが、そういう根拠でもあるのですか。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) いま先生がおっしゃった熊本と徳島ですか、その県が四十年度にはどうなるかということにつきまして、ここに資料がございませんのでちょっとわからないわけでございますが、従来ともこういった加工原料乳価格を出します場合の県をとります場合には、一応統計の連続性というような問題もございまして、三カ年間ぐらい引き続いてそういった状況が続いたという県をとっているような次第でございまして、まあ今回もそういった趣旨から一応一道六県を採用したと、こういうことでございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 こう言えばああ言うというふうにまあ答弁はできるのですが、もう少し、従来あなたがやったことにこだわらないで、私も個人として言うておるのじゃなくて、私の背後には全国の酪農民の声があるということをあなたはとにかく尊重して聞いてもらわなきゃいかぬですよ。それで繰り返しますが、生産費調査だけは四十年をとるならば原料乳の主産県を全部生産費の調査の対象にしたほうがいいのじゃないか、そうじゃないですか、素朴に。それはまあいろいろへ理屈はつければつけるでしょうが、そうして、まあはじき出すというやっぱりこれは計算をしてみる必要があるのですよ。そこで、いまそういう計算をしてもまあ始まらぬ、時間的にもないでしょうから次に伺いますが、きょう午後に資料として私が拝見した審議会に提出する参考資料を見ますと、飼育労働日が四十一年度の推計生産費で八百八十五円というものが出ていますがね、これは評価がえをして。一体この根拠になっておる脂肪率三・二%に換算した乳量が何千何キロなのか。  一度に聞きますよ。そうして、これに投下された労働時間は何時間か。その一時間当たりの労賃は単価をどう計算したか。この三つをお答えください。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) 今回の四十一年度の推定生産費を出す場合の基礎になりました四十年度の主要加工原料乳、要するに一道六県の生乳生産費の調査で申し上げますと、乳量は四千五百七十一キログラム。それから飼育時間が四百五時間。時間当たり家族労働報酬は百四円十銭と、こういうことに相なっております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 三・二%に換算した乳量が四千五百七十一キログラム、その年間労働時間が四百五時間、一時間当たりが百四円十銭、こういう報告でありますが、さらにこの内訳を聞きますと、一頭一日当たりの労働時間は何時間ですか。  関連してずっと聞きますが、百キログラム当たりの労働時間は何時間か。またこれを一・八七五キログラム当たりに換算した場合の労働時間が何時間か。一頭一日当たりの労働時間が何時間か。一頭一日当たりの労賃は、したがって、何円か。これをあわせてひとつ答弁してください。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) 四十一年度の推定生産費で用いました労働時間は、飼育労働時間といたしまして八・八六時間ということに相なっております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 百キロですか。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) 百キロでございます。  それから、それ以外の、いま先生のおっしゃった資料につきましては、ちょっと数字につきましては現在手元にございませんので、よく伺いまして、後ほど答弁させていただきたいと思います。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 それでは、それが出ないと一頭一日当たりの労賃も出ませんから、なかなか私の質問が進まぬのでありますが、時間の節約をはかりまして、それが出たら、またその点をさらに伺うことにいたしまして、次の問題を伺いたいのであります。  この一頭一時間当たりの労賃の百四円十銭というのは、これは明らかに原料乳地域における農業以外の従事者の労賃に基づいた金額だろうと思うんですが、どうなんですか。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) これは年度の主要加工原料乳地域における生乳生産費の四百七十八戸の集計をいたしましたものの総平均の数字で、百キログラム当たり百四円十銭と、こういう数字が出ておるわけでございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 そうすれば、これは統計調査部の労賃をとったということですね。そのとおりですね。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) そのとおりでございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 そのとおりだとすれば、これは非常に大きな政治問題であると指摘せざるを得ないわけです。去年も私が畜産物価格審議会でいろいろ質疑をした際に、統計調査部長は、明らかにこの統計調査にあらわれている生産費の中の労賃部分は、農村における日雇い労賃のものであるという答弁がはっきりされておるわけであります。したがって、これは日雇い労賃で計算をしたものである。だとすれば、これは私といたしましては、参議院におきましても断じてこれは聞きのがすことのできない問題になるということを指摘せざるを得ない。この評価が、あなた方が——われわれが国会で国民の声を代表して、選択的拡大というからには、その酪農の評価のしかたというものは、米と同じように、その投下された労働というものを、他産業の従事者と同じようにこれは評価をすべきであるという意見を出したはずだ。最初は畜産局長は、何回それを指摘しても、日雇い労賃というものにとらわれておった。ところが、だんだんこの不足払い法案なるものが会期末のぎりぎりの段階で、その段階で、私は当時の赤城農林大臣とこれはいろいろ質疑をかわした結果の記録があるわけです。  いま衆議院の本会議で、大臣が退席したようでありますから、これは大臣が来てから取り上げます。したがって、これは一時保留しておきます。  この問題は次としまして、私は大臣がいない間に、次の問題をいろいろ伺っていくことにします。  それは、大体いまのこの乳製品の市況というものが上位価格を上回って取り引きされておる、これは御承知のとおりです。だから、そういう点から見ますと、現在の市況はバターが大体六百六十円、上位価格を六十円も上回っておる、あるいは脱粉については四千六百円、これはバターと脱粉はセットでつくり出されるわけであり、その割合もおおよそフィフティー・フィフティーになっておる。この市況から逆算をいたしますと、中小メーカーの生乳の計算というものは七十六円六十五銭ということになる。大手筋の計算でいけば、七十一円九十銭という生乳の原料乳価格が出てくる。また、バターと脱、練とを現在の市況で逆算をいたしますと、中小メーカーの原料乳、いわゆるコストは八十二円十八銭というものが出ておる。大手筋が七十六円三十一銭というものが算出される、あるいは全練については中小メーカーでは七十六円七十一銭、大手筋では七十二円四十五銭というものが出ておる、こういう現実のいまの乳製品の市況から、われわれ酪農民が逆算して期待する受け取り価格というものが、この点から見ても八十二円、あるいは七十六円というものがまあある。これは一つの計算の方法ですから、これをもって保証価格にせよと私は言うものではないが、少なくとも、いまの市況というものがそう状態にあるということであります。そこで、私は畜産振興事業団の理事長さんにわざわざ出てもらいましたのは、この不足払いというものを実施する際に、これは一般会計の中で輸入差益というものをこれは当て込んでおるわけでありますから、一体、きのう資材要求をいたしましたように、事業団が脱粉なり、あるいはバターなりを輸入して、そうしてこれを放出するという過去の実績というものが、銘柄別に、最高価格はどうであったのか、最低価格はどうであったのか、その買い取り価格と放出価格両方について、及び年間の平均価格はどうであったのか、こういう資料要求をしておったのでありますが、それは出ていますか。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) 先ほどお配りしたかと思いますが、お配りした資料の八ページに、いままで事業団が輸入をいたしました脱脂粉乳、バター、無水バターを売り渡しましたそれぞれの品目についての値段をお出しいたしております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 これはいきなり資料を見て伺うのですから、的をはずれるかもしれませんから、そういうところはひとつお教えをいただいて、具体的に答えてもらいたいのですが、この表によって、たとえば脱脂粉乳というものを見れば、加重平均では三十七年は九万八千三百二十五円、四十年は十五万九千五百五十五円、こういう買い入れ価格が出ておる。これはまたアメリカのいろいな情勢の変化によって単価が変わってきたのだと思うのですが、これが放出された直接のそのつながりで見た場合に、その間に一体どれだけの輸入差益というものが出るかということを、この表をもとにして出したのをお答えを願いたいわけです。

須賀賢二畜産振興事業団理事長

○参考人(須賀賢二君) お答えを申し上げます。  ただいまお手元に差し上げております資料では、その点が必ずしも明確に御了解いただけないと思いますが、従来私どものほうで輸入いたしました脱脂粉乳なりバターなりを扱いました経験から概括的に申し上げたいと思います。それによりますと、大体、脱脂粉乳につきましては、千トンにつきまして概略一億円程度の輸入差益が出てまいります。それからバターにつきましては、輸入をいたしまして保管に時間をかけませんで、直ちに売却をいたしました場合は若干の益が出る場合がございますが、ある程度の期間国内で保管をして売却をするというような場合には、収支とんとんないし若干の差損が出るのでございまして、輸入バターについてはあまり差益は出ておりません。むしろ過去の場合は、輸入をいたしまして相当期間国内で保管をした、そういうことに経費を要しまして、かえって差損を生じておるような場合がございます。脱粉につきましては、ごく最近のような市況になりますと、やや差益がふえてまいりますが、従来売ってまいりました市価水準によりますれば、大体千トンについて一億円というところが実績じゃなかろうかと思います。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 それでは、しろうとでありますから、きのうも資料要求で詳しく伺うことを申し入れておるのですが、きのう事業団では現実に脱粉を放出しましたね。落札したでしょう。その放出価格と、この放出したもの自体のいわゆる事業団の買い入れ価格、この買い入れ価格に至るまでの商社のマージンなり、あるいはその他のいろいろな諸掛かりを内訳別にこれを明らかにしてほしいということを、きのう前もって要求しておったわけでありますから、これこれの要素で買い入れ価格が構成されたのだ、それをきのう入札をした結果幾らにこれが倉前渡しで取引をされたということの内容を、詳細ひとつこの際明らかにしていただきたい。

須賀賢二畜産振興事業団理事長

○参考人(須賀賢二君) 昨日、本年第二回目の輸入脱粉の放出をいたしましたが、その数量は千五百四十五トンでございます。これは法律に基づきまして一般競争入札の方法によって売却をいたしました。その結果、入札に参加をいたしましたものは百名でありましたが、そのうち三十名の業者が落札をいたしたわけでございます。この脱粉は事業団で輸入をいたしました。最近輸入をいたしたものが九百四十四トン、それからかねて学校給食会に貸し付けをいたしておりましたものの最近返還を受けましたものが六百トンでございまして、ちょっと端数がつきますが、両方合わせまして千五百四十五トン強ということになるわけでございます。それで、これの事業団の仕入れ原価と申しますか、事業団がこの脱粉につきまして従来掛けておりまするコストは、九百四十四トンにつきましては一億五千二百八万八千円でございます。それから六百トンの口につきましては、この分のコストが一億四千二百七万七千円でございます。したがいまして、この千五百四十五トンの総買い入れ原価は二億九千四百十六万五千円ということになっております。これに対しまして昨日入札をいたしました結果は、落札価格の総合計が六億一千四百七十一万八千円となっております。したがいまして、先ほどの買い入れ原価との差を出しますと差額が三億二千五十五万三千円という計算になるわけでございます。したがいまして、今回の場合には千五百四十五トンに対して約三億二千万円の差益が出たわけでございまして、先ほど私が申し上げました千トンについて一億という計算から比較いたしますと、非常に多くなっておりますが、これは今回の場合、非常に落札価格が予想外に高かった結果こういう結果が出たわけでございまして、私が先ほど千トンにつき一億だと申し上げましたのは、大体通常の市価で落札をされます場合の基準で申し上げておる次第でございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 九百四十四トンの仕入れ価格一億五千二百八万八千円の内訳を聞いているわけですよ。この中にはいわゆる商社のマージンもあるし、あるいは金利、倉敷もあるし、いろいろなそのほかの経費があるわけですから、それは一体どういうのか、具体的にきのうの落札したこの脱粉について内訳を聞きたい、こういうことを言っているでしょう。振興事業団に、きのう私がここではっきりと委員会で資料要求の際に言うているのだから、その内訳を一々聞かなければ答弁できないような、時間をかけないですんなりと質問を全部答えて下さいよ。

須賀賢二畜産振興事業団理事長

○参考人(須賀賢二君) 私どもの手元まで、実はそこまでの御質問が十分に伝わっておらなかったように聞いておりますが、いまの御質問に対しましてお答えいたしますと、九百四十四トンの分につきまして輸入価格が一億五千七十七万四千円でございます。それから保管料が九十六万三千八百六十六円、それから買い入れ及び売り渡しの事務費が三十五万円でございます。商社のマージン等はこの輸入価格の一億五千七十七四千万円の中に含まれておるわけでありますが、マージンは、私どもが買い入れを入札の形式でやります際にマージンの率をきめまして、三%のマージンを織り込んで買い入れをいたしております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 おおよそわかりました。そこで、さっきの、全体については脱粉千トンで一億ぐらいの利益が上がるということですが、実際にきのう落札した千五百トンの実態を見ると大体その倍ぐらいな一つの利益が上がっておるということがはっきりしたわけであります。そこで、これは政府に伺いますが、四十一年度はおおよそこの脱粉なり、あるいはバターなりの事業団に一元的に扱わせる輸入の見通しはどういうふうに立てておられますか。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) 先生のお手元に、先生がお持ちの四十一年度の保証価格等の算定説明参考資料に、明年度の需給の数字が出ておるはずでございます。先生お持ちでございますか。それの一七ページと一八ページをごらんいただきたいのでございますが、明年度の供給量はそこに書いてございますように、一七ページの一番右の下の欄三百四十八万六千トンというふうに、これはいろいろな乳牛等の飼養頭数の現状等から推定いたしましてこまかい算式ではじいたものであります。それに対しまして需要のあれを見てまいりますと、まず飲用牛乳一般用と学童給食用に分けまして、一般用は所得弾性等に基づきましてはじきまして、これが百八十二万一千トン、それから学校給食用は御承知のように予算で十八万八千トンと予定いたしておりますので、合わせまして二百万九千トン。その次に、御承知のとおり加工原料乳の交付金の対象になっていない乳製品でございます。これは御承知のとおり調粉、その他、アイスクリームその他の乳製品でございます。これが合わせましてそこに出ておりますように二十六万三千トン、それから農家の自家消費用がございます。子牛に飲ましたり自分のところにおいて消費する分が二十二万一千トン、そういうものを全部差し引きますと供給量、いわゆる特定乳製品としての供給量が九十九万三千トン、そういうことになります。それに対しまして需要量は、特定乳製品につきまして、これも過去の数値等を基礎にはじいたわけでございますが、百五万二千トンということになっておりまして、差し引き五万九千トンの不足になるわけでございます。一七ページの表を見ていただきますとわかりますように、その関係をバターのところと脱粉のところで調整をとっておるわけでございまして、バターにつきましては約三万トン、それから脱粉につきましては二方九千トン、それぞれ製品に換算いたしますと、バターにつきましては約二千トン、脱粉につきましては約四千トン、こういう数字を明年畜産振興事業団で一元的に輸入したい、かように考えております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 脱粉幾らですか。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) 四千トンでございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 バターは。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) 二千トンでございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 しかし、実際はこの需給計画とは別に、この需給計画自体がまたいろいろ問題を内在しておるわけですが、現実には、四十一年度は少なくとも四半期別に計算をしました結果、大体脱粉については一万トン近くが必要であるという業界筋の見方があるわけであります。バターもかなり政府の需給を上回った見通しを立てている、これはまあ政府も万々御承知のことだろうと思うのです。したがって、この需給の見通しということ自体に大きな問題があるわけでありますが、特に、最近はこの酪農が大きな曲がりかどに立っている現象の一つとしては、若年労働力が喪失することもそうでありますし、肉牛の払底等から乳牛を屠殺するという傾向がかなり近年顕著になっておる。私はこの統計資料は要求はしませんでした。毎年毎年この乳牛の屠殺が増加をしておる、こういう状態の中では、私は何といっても、いまのような輸入依存というものがさらに拡大する方向をたどるのじゃないか、これは一年たって政府が出した需給見通しと実績との比較で、これは判断するよりほかはないのでありますけれども、従来の経過を踏まえて四十一年度を展望すると、こういう甘いような結果は出てこないというふうに、これは断言しても間違いがないんじゃないかというふうに思うのであります。したがって、これらを解決するにはいろいろな抜本的な施策が必要でありましょうが、何といっても保証価格の設定ということが大きな関心になる。もとより保証価格に要するいろいろな生産費をコストダウンするために、依存する購入濃厚飼料の割合を自給度を高める問題もありましょう。そのためには草地造成というものに政府も取っ組んでおる。これもわれわれは認めるにやぶさかではないのでありますが、しかし現実に、たとえば政府がその手持ちのふすまを、あるいは麦を、あるいはトウモロコシを政府みずからが四月からこれが値上げを踏み切っているでしょう。こういうような事態で、いまここに大きな乳価決定の時期を迎えておるわけです。それであなた方が非常に知能犯だと私はあえて言うのは、去年も私は指摘をしたんでありますが、生産費調査の中に、たとえば資本利子というようなものが繰り延べ可能経費というような、世にもふしぎなことばを使って、一弁当たり十円以上のピンはねをしている。それは北海道の現実の当時の乳価を踏まえて、そうして五十六円ぐらいな呼び値を出して、そして審議会のわれわれの意見にもかかわらず、その参考資料を中心として、審議会終了後に自民党といろいろ話をつけて、そこに多少、一円上げたような原料乳価格を告示しておる。ことしはもうそういうことは許されない段階である。新しい暫定法ではあるが、市乳を目途として、今後あるべき方向を、とりあえず原料乳について暫定的に一つの助成措置を講じよう、こういうことでスタートしたわけでありますから、そういう従来の繰り延べ可能経費などというふざけた要素を私は指摘した。これはそこにおった、やはり自民党の衆議院の谷垣君も、あるいはあなた方の先輩である安田善一郎前畜産局長も、全くそれは渡辺委員の言うとおりだ、何でこんなくだらぬことを考え出すのかと言って、審議会全体がこれを全く冷笑し去った経過があるわけですね。ことしはさすがにそういう繰り延べ可能経費などという、全く答弁もできないようなしろものは出さずに済んだけれども、ここで私はやはり大きく取り上げなければならないのは、これは保証価格、これはいずれ大臣が来たらいろいろ伺いますけれども、この不足払いをするために政府が準備する予算の中で輸入差益をどれぐらい期待をしておるか。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) 一応予算の積算の基礎といたしまして、御承知のとおり、今回支払います予算の準備は、明年度の加工原料乳のうちの四月から十二月までの分でございますので、一応三億というふうに予定をいたしております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 三十億でしょう。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) 三億であります、差益金は。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 そうすると差益も含めて全体で三十億を見まして、その不足払いの財源を……。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) 三十三億でございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 三十三億を見て、この輸入差益が現実にもっとふえた場合にはどうなるのですか。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) 不足払いの対象になります数量等につきましても、一応現在考えております数量と現実に出た数量との違いもありましょうし、やはり事業団の資金繰り等の問題も考えまして、私どもといたしましては、それが出ますれば、出たものとして、一応現在三億とは考えておりますが、明年度等の財源に充てたらどうかというふうに考えております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 明年度というのは四十一年度の財源ということですか。すなわち三十三億を一般会計三十億円に輸入差益三億を見てスタートするのだが、これはあなたの説明によると、四月から十二月までの期間を踏まえて見ておる。それ以上に輸入差益がふえれば、この三億にふえた分をプラスする、こういうことですか。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) われわれは、今回四十一年度の予算を編成する場合に、予算の説明等でも申し上げたかとも思いますが、年間を通じて不足払いの総額は四十四億ないし四十五億と申し上げておるわけでございます。そのうち、これは先生も御承知かとも思いますが、数量認定が四・四半期の分は四十二年の四月に行なわれるということでございますので、現実に事業団が支払うべき債務の確定がおくれるわけでございますので、その分は四十二年度に措置する、大体いままでの経験値によりますと、全体の対象になる数量のうちの二六・四%程度が四・四半期の分であろうということで、先ほど申し上げました四月から十二月までの分をはじきますと、三十三億ということになったわけでございます。そのうち確実に大体見込まれるという輸入差益を三億と押えまして、一般会計からの交付金三十億、こういうことにいたした次第でございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 それでは私伺いますが、いま事業団の理事長が言うように、現実に予想した倍の差益がきのう一回の取引で出ておる、三億をこしておる、千五百トンに対して。そういう財源確保の、四十一年度に入る前に輸入差益が出てきておる、そういう財源は何に使うのですか。

須賀賢二畜産振興事業団理事長

○参考人(須賀賢二君) 現在の四月一日以降からは制度は変わりますが、この四十年度中に売りました輸入脱粉による差益は、これは事業団の一般勘定に帰属いたします。それで事業団の仕事は、御承知のように豚の買い入れ等いわゆる相当の赤字になります事業の部面がございますので、そういうものの補てんに使われておるわけでございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 そのけじめはそれなりにわかりましたが、私は想定した期間の想定した利益というものが三億と見ておるが、おそらくこの農林省が考えておるような安定指標価格では非常に輸入が、極端に言えば怒濤のように入るような心配がするわけです。安定指標価格いままでのような畜安法による上位価格というものがなくなる、そうしてここに安定指標価格が出る、安定指標価格というものをいろいろ検討してみれば、どうも非常に低きに失しておるというふうに考えられる。たとえば、脱粉については四千二百二十九円とか、あるいはバターについては一キロ当たり五百七十三円十銭というものがある。現在の市況は幾らかといえば六百六十円もしておる、こういう事態の中で安定指標価格が設定される。輸入を事業団がやる場合のめどはどこに置いて政府は指導しようとしますか。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) 御承知のとおり、先ほど申し上げた需給計画、これはいろいろ問題もあるかと思いますが、一応、現在立てました需給計画では、先ほど申し上げましたように生乳にいたしまして五万九千トン、製品にいたしますと、一応、バターで約二千トン、脱粉で四千トンというようなことにもなっておるわけでございまして、今回制度が変わりまして、御承知のとおり、安定指標価格に、政令で定める一定の割合を乗じて得た額を加えて得た額をこえて騰貴し、または騰貴するおそれがある場合に輸入をする、あるいは売り渡すというようなことにもなっております。指定乳製品の輸入は、指定乳製品の価格が安定指標価格をこえて騰貴し、または騰貴するおそれがあると認められる場合には、農林大臣の承認を受けて、乳製品を輸入することができるということにもなっておりますし、従来のような上位価格と違いまして、一応、安定指標価格が基準になって、輸入が行なわれるということでございます。  そこでわれわれのほうといたしましては、当面の需給を見てまいりますと、上半期が非常に不足するのではないかというふうに考えておりますので、その期間に、ひとつ事業団に脱粉の輸入をしてもらうということで、現在考えております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 具体的にはどこに、一つの輸入規制価格を設定するのですか。安定指標価格というものは、いろいろな問題を含みながら、四月一日に告示しますね。  あなた方の一つの試算をしたものを見れば、脱粉については十二・五キログラムあたり四千二百二十九円。全練については二十四・五キログラムあたり四千六百七十七円。脱練については二十五・五キログラムあたり四千二百四円。バターについては一キログラムあたり五百七十三円十銭、こういう、あなた方は一つの試算を出して、この試算自体に、私はまず異論を持つのであります。  基準年を四年に延ばしたということ、これはまあ別として、あなた方はこういう試算を出した。この安定指標価格をこえて、著しく暴騰する、あるいは暴騰するおそれのある場合、どこに一つのめどを置いて、事業団に輸入買発動をさせようとするのか。これを明確にしておかぬと、私がいま言いましたように、非常におそろしいことが起きてくる。市況はますます、これは上向きである。ますます市況は、堅調の方向の中に、いまここで安定指標価格が、私から言えばかくも不適当な価格にきめられようとしておる。その場合に、一体、輸入をさせるめどという、指導価格、行政価格、これはき然としたものがなければならぬはずであります。それは一体どこに置こうとするのか。この置き方によって、国内の酪農家にとっては、われわれが期待したはずの、この不足払い法なるものが逆にみずからを安楽死させるような、一つの頓服剤になりかねない。そういう問題を内在しておるだけに、現実にこれを輸入して、相場を冷やすという操作を、どういう価格をめどにして、行政指導しようとするのか。行政庁の一つの、輸入価格規制をどこに置こうとするのか。政府がいま考えておるような安定指標価格を、まあ一応たてまえとしたならば、脱粉については、現在ここに政府が考えておる四千二百二十九円の安定指標価格が、かりに生まれた場合に、これを一体どういう一つの価格規制で輸入を行なわせようとするのか。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) 法律の第十三条に明らかなとおり、事業団は、指定乳製品の価格が安定指標価格をこえて騰貴しまたは騰貴するおそれがあると認められる場合には一農林大臣の承認を受けて輸入することができるというふうになっておりまして、今回定める安定指標価格、どういうふうにきまりますか、審議会等の御審議の結果、最終的には四月一日までにきめたいというふうに考えておりますが、その安定指標価格をこえて騰貴しまたは騰貴するおそれがあるということで、また、そのときの需給等の事情もございますが、原則としては、安定指標価格というものを基準にして輸入の承認をするということに相なるかと思います。一方、指定乳製品の売り渡しにつきましては、やはり十六条にございまして、この安定指標価格に相当する額に、これに政令で定める割合を乗じて得た額を加えて得た額をこえて騰貴しまたは騰貴するおそれがあると認められる場合には、政令で定めるところにより売り渡すものとする。買い入れの場合はこれと同様に、やはり一定の幅を設けて買い入れるということに相なっておりまして、現在、これをいかなる幅でやるかということにつきまして、検討いたしているような段階でございまして、一応、輸入につきましては、安定指標価格というものが基準になるということになっております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 いや、もう少し、しろうとにわかるようにひとつ説明してもらいたいのは、結局、バターは、畜産審議会の意見を尊重するといいますが、私がこの畜産物価格審議会の委員に出ておった、あるいは米価審議会の委員に出ているが、審議会というのは行政庁のかくれみのになっているのじゃないですか、現実は、本来ならば、政府の独断専行を規制するために、審議会があるはずだ。しかるに現実は、審議会でどんなにぼくらが主張しても、柳に風と受け流して、政府が出した試算をとにかく強行している経過があるのじゃないですか。  私はことしは畜産物の価格審議会の委員じゃないのです。ことしから太田参事官が畜産局にきたのを機会に、審議会の意見をほんとうに尊重してくれることを、前向きに理解しますが、従来はそうじゃない。そうして、このわれわれというのは、ちょうどサル芝居のサルのような役割を演じているというような経過がありますから、私は聞くのでありますが、バターでは五百七十三円というものを出そうとしているのでしょう。基準年を一年に縮めて計算してくれれば別なものが出る。それから脱粉については四千二百二十九円、現在は四千六百円でしょう、市況は。そのときに、安定指標価格をこえた場合輸入させるということに、もう直接そう受け取っていいのですか。安定指標価格を上回った市況になったら輸入して、国内のそういう市況を冷させるのだ、振興事業団に。そこは、どうなるのですか。もっとわかりやすく説明してください。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) 今回の安定指標価格というものは、非常に重要な意味を持っているわけでございまして、安定指標価格を基準として、今後一カ年間における農家とメーカーとの加工原料乳の取引価格が、これによって規制されるわけでございまして、結局、この価格を、何とかとにかくその価格に落ちつかせるということが、われわれのこの価格安定制度の大きなねらいでもあるわけでございますので、いま申し上げましたように、通常の場合には、安定指標価格をこえるというような事態、あるいはこえるようなおそれがあるような事態の場合には、承認を受けてもらいまして、輸入をするというのがたてまえであるというふうに考えます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 やっとはっきりしました。いろいろあれこれと答弁ありましたが、四月に設定される安定指標価格というものが出る。それを、安定指標価格をこえた場合には輸入をして、安定指標価格を上回る市況を押える、こういうことだとすれば、これは非常に心配される点は、現実に試算される、バターが五百七十三円だ、いまの市況は幾らかといえば、六百六十円、脱粉は、現在の市況は四千六百円だ。きのうの落札価格から見ても、そういう市況が強気を反映している。しかるに告示価格は四千二百三十円程度です。だとすると、もう十二・五キロで脱粉が三百円も安定指標価格と現実の市況との開きがあるとなれば、これは四月になったってこういう市況は冷えないのです、いまの乳製品不足の現況から言って。あなた方は脱粉が四千トンぐらいの輸入で足りるというけれども、しかし、商売に敏感な大手筋は、もうこれは一万七百トンぐらいを大体想定している。一万トンはこえると言うている。そういう一つの業界の見通し、期待と、現在政府が考えている安定指標価格と市況というものとの開きをみると、怒濤のようにこれは乳製品の輸入が国内の酪農を脅かす。また加えてこの市況と安定指標価格との差額が輸入差益の財源にもなる。大幅な輸入差益が出る。そうしてこの大幅な輸入差益は一般会計に上積みをされるならまだいいけれども、いままでの政府の答弁によると、輸入差益がふえる分だけ一般会計の負担が減ると言うておる。そうなると、期待するこの不足払いというものは、この価格の設定の低さによってみずからを脅かす一つの敵対物になるということを、私はあらためて指摘せざるを得ないのであります。それならば、もっとこの安定指標価格を適正なものに、現在の市況等を勘案して上げれば、あなたがいま言うたように、取引基準価格を上げなければならない。取引基準価格を上げることは、大手メーカーを中心として政府に対しても大きなこれはブレーキをかけている。私は現実にその傾向も知っている。政府がきょう畜産物審議会に出した資料で、一番損なうき目を見るのは、これは生産者です。生産者が二十三日と二十四日に全国大会を開いて、四月一日に保証価格をどうきめるかということをかたずをのんで見守っている、審議会の動向を、あるいはわれわれの参議院のこの審議の内容を、政府が最終的に決定するであろうその価格の方向というものを、期待と不安の両方の立場で見守っている。少なくともその期待にこたえるような方向であるべきものを、私は不足払い法案の際に問題として指摘をしたはずであります。しかるに、政府が出したものは、取引基準価格は大体端数を切り上げれば六十円、現在の原料乳地帯の——私は岩手でありますが、岩手のこの現実に受け取っている原料乳の契約価格は六十二円。現在の取引が六十二円なのに取引基準価格が六十円にきまったら、その二円というものはメーカーのこれは所得になるでしょう。そういう形が当然出てくる。これはどこからくるかといえば、安定指標価格の計算から逆算して出てくるものです。そうすると、安定指標価格はもっと上位に置かなければ、輸入規制の問題からいっても、あるいは生産者が期待するメーカーとの現実の取引の実態の上からいっても、これは後退した一つの価格政策であると指摘をせざるを得ない。後退をしておる、明らかに。それからもう一つここで指摘をしなければならぬのは、いろいろ御苦心をされて予算を確保されたことも、私たちはこれを認めるにやぶさかではありません。野党といえども単に批判をしているだけではないつもりであります。しかしながら、この確保した三十三億という予算単価にしばられて、その保証価格と取引基準価格との間における不足払いの単価を固定させるということは、これはまた大きな問題があると思うのであります。その対象乳量もあなた方は九十万トンと称し、あるいは九十五万トンと称する。それが私のほうで計算をしますと、どうみても九十万トンにはなりそうがない。対象乳量が減少し、あるいは増加し、いろいろな変動が現実の取引で出てくるでありましょう。そういう場合にもしも全数量を加工原料乳の不足払いの対象として知事がこれを指定し、メーカーの仕向け先数量によってこれは決定するわけでありますが、した場合に、財源が不足する場合に、政府はこれを補正予算までも組むということでこの不足払いの財源に対応するのか、あるいは固定したものとしてこれをあるいはキログラム当たり丁八七九、キログラム当たりの補助払い、不足払い単価というものを固定して、その範囲でこれをきめようとするのか、その辺は一体どうなんですか。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) 基準取引価格が幾らにきまり、保証価格が幾らにきまって、いわゆる不足払い金額が幾らにきまるか、あるいは限度数量が幾らになるかというようなことによって動き得るわけでございますが、われわれとしては一応年間四十四億ないし四十五億ということで足りるであろうという想定をいたして、その過程におきまして、先ほど申し上げたような計算で三十億という一般会計の交付金を計上いたしたわけでございますが、審議会等の審議の結果、いま申し上げたように変動し得る要素が幾らかあるわけでございますが、いずれにいたしましてもその場合にどういうことになりますかと申しますと、われわれが現在考えておりますのは、政府の原案とえらい開きが出ますといろいろ問題があるかと思いますが、要するに四十一年度に計上しました予算といたしましては、四十一年の四月から四十一年の十二月までの加工原料乳でございますので、四十二年一月から四十二年三月までの分につきましては、いずれにいたしましても四十二年度予算に計上いたすことになりますので、補正予算を組まなければならないというような事態は起こらないのではないかというふうに現在のところ考えておるわけでございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 そうすれば現在の予算にとらわれずにかなり単力的にこれは適応するというふうに期待していいですか。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) われわれとしては、予算のときに申し上げましたように、四十四億ないし四十五億ということでおさまることを期待をいたしておるわけでございますが、しかし、まあこれはいずれ審議会等の御答申をいただいて決定することでございますので、先ほど申し上げたように、もちろんこれ以上びた一文云々というようなことはないわけでございますが、一応、補正の問題との関連におきましては、先ほど申し上げたような理由で補正予算ということにはならないのではないか、こういうふうに考えております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 それでは、これ以上この点はお伺いしませんが、農林大臣は答弁をかつてやられたように、予算単価は一キロ五円ということで予算を組んだ経過は、われわれも国会で答弁を受けてわかっておるのでありますが、あくまでもこれは予算を組むときの一つの基準であったはずで、その運用は、たとえば、この保証価格が政府の考えたものとは違った価格できまる、取引基準価格もこれは保証価格とは別に安定指標価格から逆算して別な金額がきまる、それによってここで不足払いの一つのキログラム当たり五円というものが、あるいは五円八十銭になるとか、いろいろ変更する場合も当然出てくる。それを硬直して保証価格と基準取引価格というものをあたかも予算できめた単価というものの幅にこれを動かそうとするから、私の言うようにどうも勘ぐりたくなるわけです。実際はそうではないのに、保証価格を政府は一升当たり六十八円十六銭に考えておる。取引基準価格を五十九円幾らに考えているんだと、五十九円六十四銭ですか、五十九円六十四銭。それでまあ端数は切り上げて六十円にする。保証価格も端数をまるめて六十九円にする。あたかも手品師が手品を使うように、ここに予算単価の一升当たりの九円というものが出てくる。こういうものを政策価格としてながめれば、これからまた逆算を、さらにもとに返した計算をして、安定指標価格というものを、バターが五百七十三円、あるいは脱粉が四千二百二十九円というものが出てくる、こういうふうに勘ぐりたくなるわけです。だから、そういうことには全然関係なく考えなければ、私は、非常に大きなこれは深刻な問題が出てくることを政府に警告をします。大きな問題は、たとえば先ほど来指摘しているように、安定指標価格を上回れば輸入をして国内出回りをふやさせる。現在の市況とはなはだしく低過ぎる価格が農林省によって試算される。したがって、輸入を規制するためにも、現実の取引を踏まえた安定指標価格を上向きに考えるということになれば、メーカーからあなた方が恨みつらみを言われる、圧力をかけられるということで、この安定指標価格と基準取引価格及び農家が期待する保証価格というものが、三すくみの状態になっておる。  私は、大臣が見えましたから、先ほどにさかのぼって、保証価格のこの労賃評価についてお伺いをいたしたいのであります。で、先ほど来政府当局から答弁を聞いておりますと、今回四十年の一道六県の生産費の中に労働賃金というものが、農村の日雇い労賃で見ているということでありますが、この保証価格六十八円十六銭を生産費調査で出すにあたって、農林大臣は、この投下された労働量を農村の日雇い労賃で計算してこうなるということを承知の上で、きょう審議会に諮問する参考資料として出したのかどうか。このことをひとつ大臣としてとっくり納得のいく答弁をまずしてください。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) この自家労賃の計算は、先ほど政府委員から説明いたしましたとおり、一時間九十九円八十九銭、これで計算したものでございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 九十九円じゃない。百四円十銭と言ったでしょう。どっちがほんとうですか。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) 先ほど申し上げました数字は、時間当たり家族労働報酬で申し上げたわけです、四十年度の。それで、今回出しましたその自家労賃の評価は、主産地における農業臨時雇い平均賃金、これは生産費の実績による場合ですが、これを基準としてはじいたわけでございますが、正確に申し上げますと、三十九年七月から四十年六月までの一時間当たりの賃金が、この主要加工原料乳地帯におきましては、九十円六銭ということになっております。そこで、三十九年七月から四十年六月までの農業賃金の上昇率を分母といたしまして、ごく最近までとりたいということで、四十年十一月から四十一年一月までの農業労賃の上昇率、これが一・一〇九でございます。で、これを乗じまして、四十一年度の推定ということで、いま大臣がお答えになりました九十九円八十九銭というものを自家労賃の評価に使った、こういうことでございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 この点については、私はもう遺憾というよりも、最高責任者である農林大臣の責任を追及せざるを得ない。この問題が法案として国会に出されました際に、衆議院でもこの労働賃金の評価について、かなり突っ込んだ意見があった。かなり期待する前向きの当時の赤城農林大臣の答弁があった、参議院に回ってきましたこの法律が。そうして六月一日の農林水産委員会、この委員会で、私がこの労賃評価のために特に赤城農林大臣にお尋ねをした。その間は、同僚矢山君の質疑に対して、局長は、農村の日雇い労賃で計算をします、不足払いが出た場合の保証価格は。——その点を一歩も出なかった。しかし大臣は、選択的拡大というこの酪農については、農村の日雇い労賃で計算することを必ずしも妥当としないといういろいろな答弁がありまして、私は関連して次のように質問したのですよ。いいですか、大臣よく聞いてください。これはもう大臣ひとつ卒直にこの経過を、参議院におけるですよ、よその衆議院の審議は審議として。参議院におけるこの不足払いのいまの問題になっておる農村の臨時雇用労賃について、私が尋ねたのだ。赤城農林大臣にこういうことを言うておる。「問題は、日雇い労賃というものは、」「記憶にして誤りがなければ、大体最低が一日五百円から農繁期では千二百円ぐらい、平均して七百円という数字が出ているはずです。それから同じ地方の他産業の労賃というものは、大体これの倍になっておる。千四百円ぐらいになっているはずです。それで、それは資料がないというなら、大臣の答弁は、資料を整備して、大臣の考えるような方向に、私はそうありたいという答弁ですけれども、それを局長あたりの答弁と並行して確認するのじゃなくて、少なくとも大臣のその考えというものは、大臣個人の考えというふうに理解すべきじゃない。私はやはり大きな政治責任の座にある大臣はこうだ、局長はこうだなんて、そういう分立した答弁をされちゃかなわぬです。これは少なくとも大臣は、私が掌握しているデータは、少なくとも日雇い労賃と同一地域における他産業の労賃というものが、大体指数にして倍近いものが出ておるから、そういう具体的な資料がなければないなりに、すみやかに整備して、この保証価格を制定するまでの間には総動員をして、そうして大臣が衆議院で答弁したことを、保証価格算定にこれをはっきりと算入するということを、大臣は約束できますか。」、赤城農林大臣はこれに対して次のように答弁をしております。「いま統計とか実態の把握がありませんから、この保証価格をきめるまでには、実態を把握するように私は督励いたしたい、こう思います。」こういう答弁です。そこで私は重ねて、「把握するように調査をさせるんじゃなくて、調査を完了し、この発動ができるまでにそれを価格の算入に正確に織り込むということを、大臣は約束できますかどうかを聞いておる。」これに対して赤城農林大臣は、「実態の把握いかんによりますが、私はそういうふうにしたいと、こう思います。」こういう答弁をしておる、赤城農林大臣は。そのあとを継いだ坂田農林大臣は、引き継ぎはないとは言わせない。なければないなりの政治的なこれは大きな問題である。あったと、当然前提を置きます。あったなら大臣の座において、あなたを取り巻く官僚は別として、国会においてこれだけの責任ある答弁をした赤城農林大臣を受けたあなたは、原料乳地帯の他産業労務者の労賃の実態調査をさせましたかどうですか。させたが、まだその統計がまとまらぬのですか、全然させないのですか。

太田康二農林省畜産局参事官

○説明員(太田康二君) 大臣がおっしゃる前に、私から事務的に申し上げたいと思うのでございますが、製造業の労賃を水準として把握するために、先生と前の赤城大臣との間にそういったやりとりがありましたことは、速記録に明らかでございまして、われわれといたしましても、加工原料乳地帯においても各事業の製造業が存在していることが必要であるということで、まあ保証価格の算定基礎となる加工原料乳の主要生産地の生産費対象農家というものを考えてみた場合に、この農家は純然たる農村地帯に多くいるわけでございまして、これら地域におきましては、製造業賃金として調査するに適当な工場というものは少ないというふうに考えた次第でございますし、したがって、調査をするにいたしましても、たまたま当該地域に存在する工場の特殊性が調査結果に強く反映するというようなことで、こういったものを直ちに労賃の水準として把握するということは非常に困難であるというような結論に達した次第でございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 私はそんなへ理屈を聞いているんじゃない。農村の日雇い労賃というものはどういうものか、大臣も知っているでしょう。農業だけでは食っていけないので日銭かせぎをしておる。あくまでも農家収入においては従たるものですね。日雇い労賃というものは日銭だ。その日銭を、酪農に投下した労働に評価するということは、選択的拡大という農業基本法の看板をおろしたことになる。選択的拡大という政策課題をおろしたことになる。まず、それをおろしましたか。あなた方はこういうような数字を出した結果として、選択的拡大というのは大衆をあやまらした誇大妄想的なこれは政策課題であった、あやまります。農業基本法もこれは撤回します。選択的拡大のキャッチフレーズも撤回します。国民に謝罪しますか。できないでしょう。私はそういううしろ向きなことを期待するつもりはない。あくまでも選択的拡大という重大なる策目として政府が酪農というものを考えるならば、そういう副次的な農村の日雇い労賃で労働力を評価するということは、これは断じて認めるわけにはいかない。一体この農業というものをどう評価するのかということは、いろいろな評価のしかたはありましょうが、農業に従事する者もひとしく働く者であります。世界各国を見ても、資本家のいない国はあるが労働者のいない国はない。その労働を他産業の労働者とひとしく尊重するかしないかということが、私はこの価格決定の大きな考え方の分かれ目だと思う。少なくとも農業というものに従事する者の生活水準の均衡をはかると、農業基本法の第一条に言うておることに誠実に立ち向かおうとするならば、ささやかな農民の希望であるところの生産費所得補償方式というものを、米に次ぐ重要作物として酪農の価格算定になぜ計算ができないか。やる気がなければできるものもできない。調査をすると言っている、赤城農林大臣は。太田君の答弁なんかの段階じゃないんだ、これは。赤城農林大臣は、この不足払い法案を成立させたいために、やりもしないことを国会において国民に約束したとは私は理解しない。そんなインチキな大臣ではなかったはずであります。少なくとも赤城農林大臣は、われわれの、国民の意思を体して、この投下された労働時間は他産業従事者の労賃とひとしく評価をするように調査をし、その調査の実態に基づいて保証価格を発動するように努力をするという答弁をしておる。その努力を——大臣の座にある者が、あなたが使っておる官僚にそれを号令してやらせたという努力の経過がありますか。その経過をまず私は聞いておる。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) ただいまの御指摘の点でございますが、赤城大臣からは、直接はもちろんこの問題は受け継いではおりません、けれども、しかし、権威のある国会の速記録によりまして、ただいまの質疑応答等をもよく読んでおりますので、その点は十分尊重してまいりたいと、こう存じておるのでございます。しかし、これを、現在この価格という問題については、いま申しましたように非常に統計上の問題もむずかしい点もありまするし、調査の点においても、そう安定した確定的なものであるかどうかという問題もございまするし、十分な調査もありませんので、現在、先ほど申しましたように、農業労賃として一応確定しておりまする賃金をもって換算の方法に充てることにしようということで進んでおるわけでございます。これらにつきまして、私も赤城前農林大臣の趣旨には賛成すべきものであると思いまするし、そうであると思うのでありますが、かような問題はやはりなかなか専門的なものでもありますし、統計の問題は。しこうして、また酪農の現段階において特殊の面を考慮しなければならない幾多の問題もございまするので、当分はこの価格で進みたい、かように存じておるわけでございます。  この不足払いの制度につきましては、皆さんの非常な協力によりまして、とにかく日本としても最初の試みであり、ぜひともこれらの制度を完備していきたいという熱情につきましては、十分皆さんの御趣旨に即応して進みたい、こう存ずるわけでございまするが、いま申したようにいろいろの情勢をも検討を加えまして、当分この自家労働の評価という問題については、現在のような行き方でいったらどうかという考え方で進んでおるというわけでございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 私は、いまの答弁にはもう絶対に納得できない。しどろもどろじゃないですか、あなたの答弁は。当分、しかもこれでやろうなどとは、よくも恥ずかしくなく言えたものだ。また、審議会もこれはあることでありますから、審議会でも審議するでありましょうが、国会で、いやしくも政府の最高責任者が答弁したことをくつがえして、そうして、当分この日雇い労賃で評価をするということになったら、全国の酪農民の憤りは、あなた予想できますか。そういうことでいけば、確かにあなた方がそのはじき出したような六十八円十六銭という価格になるでしょう。少なくとも労働省が統計をとっておる毎月勤労統計というものをとっても、常用男女込みで平均の製造業賃金というものは一時間当たり百七十五円六十七銭というものがある。こういうものをとってみても、赤城農林大臣の答弁に答える計算が出るじゃないですか。それをとる意思がないですか、大臣。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) もちろん審議会は当然のことでありますが、当分この行き方で進んでいきたいと存じます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 全然これは私は納得しません。これは、大臣の予算委員会にとられる都合もあるようですから、時間の関係で私はこれを返上しまして、大臣の答弁、あらためてこれは法案審議の際にやりますから、そのためにいろいろ政府が期待するように法律の審議が進まなくともこれは政府の責任であるということを十分わきまえて、次の機会にはもっと期待のできるような姿勢で臨んでもらいたい。断じて承服はできない。

山崎斉自由民主党

○委員長(山崎斉君) 本件についての質疑は、本日はこの程度にとめます。  なお、ただいま農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。

坂田英一自由民主党農林大臣

○国務大臣(坂田英一君) 先ほどの渡辺委員の質問に対する答弁が、若干不正確な点があったので——この国有林の問題ですが、さらに申し述べておきます。  国有林の経営については、中央森林審議会の答申もあり、目下鋭意検討中であるが、国有林の経営の基本的姿勢として、直営直用を原則として、これを積極的に拡大し、雇用の安定をはかることを前提として検討してまいりたい。なお、通年化については努力してまいりたい。かようでございます。

山崎斉自由民主党

○委員長(山崎斉君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

山崎斉自由民主党

○委員長(山崎斉君) 速記を起こして。     —————————————

山崎斉自由民主党

○委員長(山崎斉君) 次に、北太平洋の公海漁業に関する国際条約に関する件につき質疑を行ないます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 北太平洋国際漁業に関する日米加の漁業条約の見通しにつきまして、参事官のほうからお願いしたい。そしてまた、それらに対する水産庁としての計画等について、まず最初にお伺いいたしたいと思います。

中島信之外務省北米局外務参事官

○説明員(中島信之君) 日米加漁業条約の改定交渉の見通しの問題でございますが、一昨年の三十九年の九月、第三回の会議をオタワでいたしまして、その後特別の会議を開かないままに今日に至っております。それで、これは日米加三国間の交渉でございまして、それぞれの国が持っております問題がございまして、その国内的な諸般の関係もあり、それぞれ各国でオタワ会議での結論をもとに検討を続けているというのが現状でございまして、いまだ三国集まって第四回の会合を開く状態にまで至っていないということでございます。  それで、次の会議がいつごろ開かれるかということにつきましては、いま、ことにアメリカにおきまして、業界、政府、その他関係方面の意向の調整ということにつきまして努力中の模様でございまして、その辺の国内的な意思の統一ということがいつごろできるかということで、アメリカ側の態度の決定ということになるかと存じております。ただ、ただいまのところアメリカ側としても鋭意その辺の検討に努力しており、趣旨は、一昨日の武内・マン会談の際にも先方から示されておりますが、それがいつごろ見通しを得るかということにつきましては、先方としてもまだわがほうにはっきり提示する状態には立ち至っていないという模様でございます。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) 日米加の漁業条約の現状につきましては、いま外務省からお話があったとおりでございます。特に、昨年の十一月の定例会議に引き続いて改定交渉をやりたいと、当方は考えたわけでございますが、カナダの選挙、いまお話のございましたアメリカの国内調整の問題等がきまりませんで、昨年ついに開くわけにいかなかった。いま外交ルートを通じまして、いろいろの見当、目鼻をつけながら、そしてできるだけ早い機会に改定交渉を実行いたしたい、かように私どもは考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 水産庁の計画性について。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) 計画性についてという御質問でございますが、御承知のとおり、この条約は日ソ条約等と異なりまして、数量をきめておるわけでございませんので、西経百七十五度、ウエストでアブステーンするという形の条約でございますので、かつ、それから条約が破棄されておりませんで、数量の制限のある条約でもございませんので、本年度も日ソ間の漁業交渉がまとまりますれば、在来どおりの形において出漁するということでございます。ちょっと質問の趣旨の、計画性という点がわかりかねるわけでございますが、実行は差しつかえない、かように考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 御存じのように操業開始が五月六月になってくるわけでございますが、もうま近でありますし、一昨年からのようなあのボイコットされたような状態が多分に起きるんじゃないか。そういうようなことを考えますと、これからの漁獲高及び操業に対して大きな支障を来たすのじゃないか。そういう観点からいま方針なりを伺ったわけでございますが、こういう点について伺ってみたいと思います。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) アメリカ系の漁業者におきまして、現在の西経百七十五度で、日本の以西で日本国が取っておりますことに対して、ブリストル系、アメリカ系のサケを取っておるのだからそれが不満である、したがって、この条約を改定すべきである。そして日本が現在のようなやり方をしている限りにおいて日本の製品に対してボイコットをやるという運動が昨年あったわけでございます。そういうような事情もございますので、かつ、日本側から見まして、この日米加漁業条約そのものも不満でございますので、改定交渉が過去三回にわたり行なわれ、さらに続けようといたしております。本年度の問題といたしまして、日本が日ソ間で話し合いがついて母船団を出しまして、いまの線以西で操業いたしていく過程におきまして直ちに大きな問題が起こるというふうには現在考えておらないわけでございますが、できるだけその関係をなめらかにいたしたいという立場で、先ほどもお話がございましたように、政府間レベルにおきましては、大使と国務省との間の話し合いが行なわれておるわけでございます。私どもといたしましては、ボイコット問題等も起こらないという保証はないわけでございますが、操業そのものは可能であると、かように存じております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 その操業そのものが問題なんですが、先ほど参事官のお話がありました三月二十二日に米国国務省のマン経済担当次官ですかの武内駐米大使とのお話し合いがあったというお話ですが、この内容についてもう少し詳しくわかりましたらお願いしたい。

中島信之外務省北米局外務参事官

○説明員(中島信之君) マン・武内会談の内容につきましては、実は先方との了解事項でというのは、内輪のと申しますか、外部に発表しないという前提で行なわれております話し合いでございましてこの席で詳細について御報告申し上げかねるのでございますが、とにかく先方といたしましては、水産庁長官からもちょっと御言及ございましたように、鋭意アメリカとしての問題解決に向かっての決定に努力していくということを申しておるわけでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 水産庁長官にお伺いしますが、サケ・マス、オヒョウ等の漁獲減についてどう考えておられるか、また、この海域で操業しようとしている漁民の生活権、そういった擁護をどうするかということが、今後規制がきびしくなれば起きてくると思います。現に漁獲高も少ないと、こういう事態にあるときに、このままの条約を今度は自動的に二年間継続して、満三年になろうとしているこの条約を締結していこうとされるのか、その点について外務省と長官にお伺いをしたいと思います。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) 先生十分御承知のとおり、日ソ間におきましては、西経百七十五度以西におきまして取りますサケの量について取りきめをいたし、現在折衝中でございます。それから、いわゆる日米加漁業条約はその量の規制ではなくて、要するにアブステーンといいますか、抑止原則の上に立ちまして、日本の船がそちらへ行って取らないというたてまえの、その線を越して取らないというたてまえのものでございまして、したがいまして、日本の漁民が取ります量の問題は、もっぱらかかって対ソの関係におきます漁獲重いかんによって左右されてまいるわけでございます。それから御承知のとおり、昨年はブリストル系、アメリカ、カナダ系のサケが非常に豊漁で、日本の漁船もその水域では——いま申した水域でございますが、相当量を取ったわけであります。本年度は結局ソ連との交渉いかんによりまして数量がきまり、それが漁民の収入にからんでまいる。科学的根拠に立ちまして合理的な数量を日ソ交渉においてきめる、こういう立場で現在折衝中でございます。御承知のとおり、鮭鱒の漁業は、今日までのところ、年々の量の変動は豊漁年、不漁年ございますが、比較的収入を高くあげておりまして、その他の内地の他の漁業に比べますれば、相対的にはうまくいっている漁業だと、かように私ども考えておる次第でございます。したがいまして、今後の、現在の段階におきましては、漁民への影響を極力少なくするという立場において、対ソ交渉にいま重点を置いておる次第でございます。

中島信之外務省北米局外務参事官

○説明員(中島信之君) 日米加の漁業協定につきましては、先ほどから申し上げてまいっておりますように、現在の抑止原則の上に立ちます協定の形におきまして、わが国としても不満があるということで、これも改定を交渉してまいっておる次第でございます。それで、その改定ができますまでの間は、目下交渉中でございまして、現在の協定によってお互いの規制を続けるという形で、新しい改定についての合意につきましては、先ほどからも御説明申し上げてまいっておりますように、三国それぞれの立場でできるだけの努力を続けているということでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 長官の言われた漁獲量ということについて、ちょっと私の言っていることと違っておるんですが、紅サケを中心にして六十年から六十五年までの間の漁獲数ですか、そういう変動がどういうふうになっているかお答え願いたいと思います。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) この海域は主として紅サケが中心でございますが、ブリストル湾系の沿岸にサケが泳いでいきます量、その部分の回遊中に日本が一部とっておるわけでございますが、日本のとったものと向こうで沖合いでとり、さらに川を遡上したもの全部合わせて申し上げますと、六十年には四千万尾で、以下年々申しますと、翌年が二千四百万尾、六十二年が千百五十万尾、それから六十三年が七百八十万尾、六十四年が千百万尾、昨年が、御承知のとおり、非常に豊漁でございまして、一応の推定として五千八百九十万尾という推定でございます。これでもおわかりのように、五年目ごとにそのサークルを描いているという実態でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 日本側の分をちょっと言ってください。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) いまの数字の中に含まれておりますところの日本でとったサケは、六十年が四百万尾、六十一年が六百四十万尾、六十二年が百三十万尾、それから六十三年が百万尾、六十四年が六十万尾で、六十五年が六百万尾という推定をとっております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 あまり影響がない、よくなっていると言われますが、いま発表になりましたように、決していいということじゃないと思うんです。昨年はなるほど六百万尾になっておりますが、これは六十一年のときのものとほぼ同じなんで、五年目ごとによくなるとか、四年目ごとによくなるというんじゃなくて、西径百七十五度に引かれたその線からどうするかということが問題だと思うのです。ですから、その点を先ほどから申し上げておるので、それを出ていくか出ていかないか。その線から出ていけばよけいとれるというふうにも言われているわけですが、こういう観点から考えていって、その条約そのものを、満三年になっていくのにずるずる延ばそうとしている。じゃなくてもう少し日本側の提出した抑止案件といいますか、それを強引に推し進めていくべきじゃないか、こういうふうに私は思うわけなんですが、どうなんでしょうか。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) 御承知のとおり、サケは川で生まれまして、育ちまして帰る。したがって、川でいろいろと養うための施設を講じておるのであるから、自分たちがそうやって育てたものであるから、外国が海の上でとることは反対である、これがアメリカ・サイドにおきますところの漁業者の問題でございます。日本側の立場としては、いま先生の御指摘のとおり、太平洋のまん中に線が引かれまして、そこから先にいくのは抑止するという考え方は不満である、そういうことで、米加は御承知のとおりアブステーンの原則の上に立って、ブリストル湾系のサケは自分たちがフルに使うべきである、ここが本交渉の最大の対立点であり、問題点であるわけでございます。日本側の立場といたしましては、先生御指摘のとおり、もっと向こうに立ち入ってでもとってしかるべきではないか、こういう立場で在来からまいってきておるわけでありますが、アメリカ内部、カナダ内部の事情としては、漁民はとんでもない、ここに本交渉の非常にむずかしい点があるわけでございまして、向こうのほうはむしろ線をもっと西に寄せるべきである、アジア系のサケだけをとればいいのじゃないかというのが向こう側の言い分でございます。したがいまして、われわれも鋭意努力をいたしておりますが、問題は、国内にそれぞれ問題をかかえております。相手方もかかえておりますので、その間の関係の調整ということがやはりそれぞれの国の国内事情としては大いにあるわけでございます。そういう点を含めまして、外交ルートを通じていまアプローチ、接触をいたしておる次第でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 向こうの事情も、選挙のことがからみまして、水産界から突き上げられたということも一部報道されていることは聞いているわけですが、ともかくもこの条約を締結した時代と、今日の時代がまた大きく変化しております。こういった状況下において弱腰外交では、私はこれは絶対いかんと思うのです。あくまでも公海の自由を強く訴えていかなければならないと思います。そうじゃなくても、だんだんこれからは操業が複雑化してくる。アフリカの西岸のトロール問題とか、あるいは大西洋のマグロ、北洋の捕鯨等がいずれもわが国の漁船団が出漁している。その海域だけでも陰に陽に何となくからみ合って紛争が起きてくる。そうも考えていきますと、この海域をめぐっているところの大きな漁業問題というものは、新しい海洋の新出漁というものを打ち出していくためにも、私は強力にやるべきじゃないか、こう思うわけですが、この点について。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) 日米加漁業条約につきましては、先ほど来申しておりますとおり、日本の立場は立場として大いに主張し、折衝を続けておるわけでございます。いまお話が北洋の鯨あるいはアフリカの底引き等に御言及になったわけでございますが、私どもの基本的な考えは、日米加も含めまして、やはり魚は大事に資源の保護はする必要がある。そして、長きにわたって人類が利用するという立場で、やみくもに、ただとればいいという考え方をとっているわけではなくて、したがいまして、国際的な協調の上に、資源保護の方法がリーズナブルである、合理的であり、かつ平等であるならば、それに乗っかっていって、一緒になって保護をしながら長きにわたって魚をとっていこう、こういう考え方でずっと進んでいるわけでございまして、したがいまして、北洋の鯨の問題等の関係国が集まりまして、たとえば日ソ競争してとりまくっておっても非常に不安があるという立場で、長きにわたって鯨をとっていける方法はどうか、こういう立場で話し合いをいたしましたし、いまも話し合いを続けておる段階でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 長官が言われましたけれども、今日までの日本の行き方というのは、とれるだけとっていこうというみたいな漁業方式じゃなかったかと思うのです。したがって、領海とか国際海洋法等で加盟国がふえてきて、だんだんと公海そのものが規制されていくようなかっこうになっている。そういうことを考えていきますと、先ほど私が申しましたような心配される点が出てくるわけです。したがいまして、これは総括質問のときにも私が申し上げましたのですが、海洋法等についてはどういうふうにしていくのか、こういうふうな質問をいたしまして、海洋法の二つだけは大体考えていこうというような回答があったように思えるわけですが、いま長官が言われているように、資源の問題というものは、これは当然全世界の沿岸諸国のものが考えていかなければなりません。これはあたりまえのことですが、しかしながら、今日までの日本の遠洋漁業の行き方からすれば、大陸だなの問題とか、あるいは漁業資源の問題とか、海洋法に指定されているものに参加しないとすれば、やはり積極的な行き方というものがある線までは押し進めていかなければならない。じゃなかったならば全部締め出しを食ってしまうという結果になっていくということを私は申し上げるわけであります。御存じのように、農林省の食糧需給表にも発表になっていますように、日本人の一人一日当たりのカロリーの摂取量というものは大体二千三百四十五カロリーであるとかいう、まあ欧州方面に比べれば劣っておりますけれども、いずれにせよその魚介類と鯨というものが七九・二%もカロリーを持っているのだ。たん白質においても魚介類がいかに大きなものを持っているかという点から考えていきましても、より強力な私は外交を押し進めていかなければならないということを言うわけなんですが、いま申し上げましたことは、この問題についてはこれでとどめますけれども、最後にもう一度、今後の方針あるいはこの日米加の条約の進め方についてもう一回お伺いしておきたいと思います。   〔委員長退席、理事和田鶴一君着席〕

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) 五八年に一応できました四つの条約のうち、公海に関します条約と、それから領海及び接続水域に関する条約は、この前も本予算委員会等で条約局長から御答弁もありましたわけですが、すでにでき上がっております国際慣習を成文化した法律でございます。新しい思想を織り込んだというものではないのでございますので、私どもも政府内部でよりより相談中でございますが、適当な機会に処理する立場にある。ただ、大陸だなに関します条約及び漁業及び公海の生物資源の保存に関する条約、これはいわば創設的な立場での条約でございまして、ここに非常に沿岸国の主張が取り入れられておるわけであります。水深二百メートルまでならば、大陸だなについては沿岸国が非常に強い権利を持つということ、あるいは生物資源の条約に関しましても、沿岸国が強い立場を持つという条約でございます。先ほど公海の自由のお話も出ましたが、資源の保護ということは、先刻申し上げましたとおり尊重してやるべきでありますが、この二つの条約に盛られました形におきまして沿岸国の立場を認めるということは、われわれとしてはいかがかという立場に現在立って内部で検討がなされておるわけでございます。このことは、資源保護という立場で国際的な規制を相ともどもやっていこうという精神を毛頭否定するものでございませんで、大西洋の鯨のお話も出ましたが、そういったものに積極的に入っていく姿勢をとっておるわけであります。したがいまして、そういう立場で世界の各国と協調して漁業をやり、国際的な孤児になるようなことは絶対に避けてまいりたい、かように存じております。日米加につきましても、いま申しましたような意味におきまして、サケという魚は川にのぼるというところに非常に特殊な問題を含んでおるわけでございますけれども、沿岸国の川で生まれたものだから自分のものだという思想にはどうしても承服いたしかねる点がある。資源が大事であるから共同的に資源保護をやろうというならば一緒にやろうという立場で対処をいたしておるわけでありまして、御縦樋を受けましたが、今後も強力に日米加の問題に対しては対処いたしてまいりたい、かように思っております。   〔理事和田鶴一君退席、委員長着席〕

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 もう一つだけ、いまお話ありました水深二百メートル以下の深海資源、深海魚、その問題についてはどういうふうにお考えになっておりますか。確かに水深二百メートルまでは規制されていますが……。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) 大陸だなに関します条約は、「これらの条項の適用上、「大陸棚」とは、(a)沿岸に隣接しているが領海の外にある海底の区域の海床及び地下であって上部水域の水深が二百メートルまでのもの又はその限度をこえる場合には上部水域の水深が海底の区域の天然資源の開発を可能とするところまでのもの」をいうということで、そこに主権的権利——「大陸棚に対して大陸棚を探索し、及びその天然資源を開発するための主権的権利」を沿岸国に認めると、御承知のとおりなっておるわけでございますが、その二条の四項で、天然資源とはという問題点につきまして、「海床及び地下の鉱物その他の非生物資源並びに定着種族に属する生物」ということばを使っております。そこで定着種族に属する生物とは何かというのも非常に問題の存するところでございまして、これを広義に使おうとする立場の国は、カニもこれを使おうといたしておるわけでございまして、考え方そのものが問題でございます。水深二百メートルの地域までの海床にあるものとは何か、主として鉱物を中心とする条約でございますが、定着種族には主権が及ぶんだ、こういう条約でございます。御質問の御趣旨を取り違えましたらあらためてお答え申し上げたいと思います。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 終わりにしようと思ったのですが、そのお話が出ましたので、この大陸だなに協調し合ってから資源保護をしていく、それをするためにはお互いに条約国の中に入っていく、その行き方がいいのか、あるいは条約国に入らないで、わが国の漁業はわが道を行くで行く、そういう事態を繰り返しておって、今後どういうふうな見通しの上に話し合いをしていこうとされるのか、この海洋法をめぐっての御見解をひとつ伺っておきたいと思います。いまの大陸だなの問題と、もう一つの漁業及び公海の生物資源の保存に関する条約、この二つですね、この二つの条約の加盟国、だんだん加盟国がふえておりますが、日本が加盟したほうがいいのか、あるいは加盟しないで、先ほどいいましたようにわが道を行くのがいいのかという見解をひとつ伺っておきたいと思います。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) 具体的実例といたしましては、カニにつきまして、たとえば日米間におきましてはカニの資源を大事にする心要があるという立場で、とる量はお互いに減らすという話し合いをいたしておるわけでございます。大陸だなだからわしのほうが減らすというのではなくて、カニの資源論の問題としてたてまえをそれぞれ保留いたしまして、資源保護の立場で量的な話し合いをいたしておる。日ソ間におきましても、大陸だなだから日本が遠慮するということではなくて、両国の生物学者が集まって、カニの資源を十分吟味いたしまして、資源的に注意を要するという場合には、その量を話し合いで適当な数字にしていこう、適当という意味は、持続的にとっていくのに一番いい数字にしようということを科学者間でやっておるわけでございます。私どもの考え方として、沿岸国の立場で、非常に沿岸国が大きな権利を持つのだという条約に入ることなく、しかし、一方、資源は非常に温存すべきである、これは人類の共通の財産だから温存すべきであるという立場は尊重して、そこの点は十分話し合いをしていく、しかし、沿岸国に特定の権利を与える条約には入る必要はない、こういう立場で今日まではまいってきておるわけでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 今後の……。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) 今後の問題でございますが、私自身といたしましてはこの方式が妥当と考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 もう一つだけ。今後この問題については相当複雑になってくるのではないか、国際情勢から判断していきまして、操業上の問題等でこれが大きな論争点になってくると思う。ですから、いつまでも同じような考え方でいいかどうかということが心配されるわけすが、日本の遠洋漁業という大きな私たちの孫子の代までにも間違いのない行き方を進めていかなければならないのが、現在の私ども生きている者の与えられた使命でございますので、その先をよく考えていただいて、加入すべきがいいのか、加入すべきでないのがいいのか、資源はどうやって保っていったらいいのかという点について十分検討なさって進んでいっていただきたいと思います。

丹羽雅次郎水産庁長官

○政府委員(丹羽雅次郎君) 御意見を十分拝聴いたしましたので、そういう考え方を含めまして検討いたしたいと思います。

山崎斉自由民主党

○委員長(山崎斉君) 本件についての質疑は、本日はこの程度にとどめ、散会いたします。    午後三時五十六分散会

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