逓信委員会 第11号
- 発言数
- 293 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1966/03/24
会議録
○委員長(田中一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。 まず、委員長及び理事打合会の協議事項について御報告いたします。 本日も、前回に引き続き、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査を行なうことになりましたので、御了承願います。 なお、十二時ごろ一たん休憩し、午後二時から再開する予定でありますので、あらかじめ御承知願います。 —————————————
○委員長(田中一君) それでは、これより議事に入ります。 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。 質疑のある方は、順次御発言願います。
○新谷寅三郎君 放送政策についてのいろいろな問題がたくさんあるわけですが、これは政府から放送法の一部改正法律案等が提案されておりますので、そういう将来の政策に関する問題は、法律案の審議の際に十分に発言したいと思いますので、その際に譲ることにいたしまして、きょうは、ただいま議題になっておりますNHKの予算、収支予算等に関する案件を中心にいたしまして、時間の許す範囲で若干質問をしたいと思いますが、ただ一つ、これは政策にも関係があることですので伺っておきたいと思いますことは、第一に、NHKの公共放送機関としての使命は、放送法第七条に書いてあるとおりでありまして、この放送法が制定せられまして以来、NHKは全国の国民に対しまして、あまねく電波を伝えるような措置をするという方針を、これを憲法として今日まで事業をやってこられた。相当に成果があがりまして、ラジオではほとんど九九%、テレビにおきましても九〇%をこえる聴視率が生まれてきているということは、まことにけっこうなことでございます。しかし、最近の状態を見てみますと、実は、この放送法を制定いたしました当時には、民間の放送がどの程度伸びるかということについては、ほとんどだれもが確信を持てなかったのであります。民放に関する規定が放送法にはほとんど盛られていないということも、そういう理由から来ておるものであります。しかし、今日の状態は、民放がどんどん伸びてきております。全国民に、これは目的は多少違うにいたしましても、全国民がだんだん民放もあわせて聞いたり見たりできるような状態になってきておることは、御承知のとおりでありますが、そういたしますと、放送法の第七条に書いてあるNHKの金科玉条としておられる全国民にあまねく電波を伝えなきゃならぬというこの規定も、だんだんこれはNHKだけの特殊性ではなくて、現実的な問題としては、民放とNHKとの差が縮まってきておるというのが現実の姿だろうと思うのです。一般国民は、NHKはもちろん聞いたり見たりできる。同時に、民放についても、見ることもできるし、聞くこともできるという状態になりつつある。また、そうあってほしいとわれわれも希望するわけです。そうなりますと、NHKが公共放送機関として考えてもらいたいことが出てくるわけです。一方は広告放送によって収支をまかなっておる。一方は、これは性質については、法律上いろいろの議論はあるにいたしましても、まあ公共負担ともいうべき、国民全体から、受信機、受像機を持っていれば契約をしなければならないという条文によりまして、いわば、ことばは悪いかもしれませんが、強制的に聴視料を取って、それで経営しておるという種類のものであります。これは性質が違う。しかし、現実にやっておることは、これも第七条だけをもとにすると、だんだん差がなくなってきておるというのが現実でありますから、NHKとしましては、公共放送機関として法律上義務づけられておる権利義務というふうなもののほかに、一体、今後の公共放送機関としては、どういうことを考え、どういう方面に力を尽くすべきかということは、民放と違って何か特色のある公共的な放送を行なわなきゃならぬという点については、これは覚悟もしておられるだろうし、将来に対する考え方も持っておられなきゃならぬと思う。放送法の一部改正案では、それに関して一部規定があるようでありますけれども、この法律の規定のあるとなしとにかかわらず、公共放送機関としては、将来に対する覚悟を持っておられなきゃならぬと思うのですが、その点について、まずNHKの会長から御意見を伺いたいと思います。
○参考人(前田義徳君) ただいま新谷先生の御意見は、私どもも全く同感でございます。日本放送協会に関する第七条の規定と申しますのは、私どもは実は、率直にこれはわれわれの責任の、ミニマムをきめているものであるという考え方を持ち、したがって、これを土台として、私どもとしては、各般にわたって公共放送としての社会的責任、あるいは聴視者の皆さんの全体の機関としての社会的責任は、ひとり国内においてのみでなく、日本という国益を中心としても、そのことを純粋に考え、それに対する責任と義務の遂行をより完全に行なえるよう努力すべきであるということを考えております。したがいまして、お説のとおり、ここ十数年間にわたって民放の分野においても、たとえばカバレージという点においては、ほとんど一般的には大差がなくなってきておると考えるのでありますが、この点についても、私どもは、全国民の機関であるという考え方に立って、残された少数の方々のためにも全力を尽くして、たとえ物理的な、いわゆる完全性はなかなか困難だとしても、この道は永久に続けていかなければならないということも考えております。 それから、また同時に、ただいま御指摘の、性格のいかんを問わず、一般的には国民の一人一人の負担によってこの協会が維持され、この協会のただいま申し上げたような責任を果たす役割りを要求されているという点からは、その聴視料の使途が全くこの目的にかなった範囲においてのみ支出さるべきであるという厳粛な考え方も持っております。また、放送の主たる内容をなす番組の問題につきましても、ただいま申し上げましたような放送法を基礎とする、より広範な社会的責任というものを痛感しながら、私どもとしては、番組の適正と、そうして同時に、それが聴視者、したがって、国民、国家の福祉の向上と文化の発展並びに国益の確保に役立つように、一段と努力すべきであるという考え方でおります。
○新谷寅三郎君 いろいろとお考えを伺いましたが、あまりこの問題について深く入りましても、これは放送法の改正案に触れてくる問題かもしれませんから、ここではあまり深くは触れませんが、私はいまお話になった番組の内容ですね、これはNHK、民放問わず、いま会長が言われたようなたてまえで放送をやってもらわなければならぬと思うのです。しかし、NHKには、いま申したように、特別の公共的な使命があるわけですから、民放ではどうしてもできないけれども、NHKが放送界全体のために、NHKならできるというようなものがあるだろうと思うのです。私はそういう問題に、いまの法律の規定からまいりますと、多少程度が過ぎるかもしれませんが、そういう方面に向かって、もっと経費もかけ、努力もされておやりにならないと、聴視料、あるいは広告放送というような収入の財源は違うけれども、やっていることはあまり変わらないというようなことになっては、法律の精神から見ていかがかと思われますから、一例をあげておきます。私ども、これはごく、何といいますか、考えの足りない卑見としてお聞き願いたいと思いますが、放送に関するいろいろの技術の進歩が最近目ざましい。せんだって鈴木委員からも御質問がありましたが、たとえば衛星を使って放送をするというような技術の開発がいま各国でも行なわれておるし、日本でもそれに手をつけようとしておる。それが国民の利益に合致するものであれば、私はNHKは、民放は一つ一つやれませんから、郵政省のいろいろな機関とも連絡をとられて、NHKが相当の経費を出してもそういう技術を開発されて、その結果を日本の放送事業全体が使えるようにしてもらいたいと思うのですね。そういうことが、私は第七条プラス新しい時代における公共放送の使命になってくるように思えるのです。そういった問題は他にも私はあると思いますが、一例をあげればそういう問題です。 ところが、これに対してはNHKが、これはまあ将来のNHKの放送がどうあるべきかということをまず第一にお考えになるのはけっこうですけれども、日本の民間放送もあわせて、そういう時代に立ち入った場合に、どうあるべきかということも考えながら、そういう問題と取り組んでいくのが、放送のいわゆる中核体としての当然の責務だろうと私は思っておるのですが、どんなものでしょうか。そういう問題がなお他にもありましょうから、私は一例をあげたにすぎませんが、そういったことに対して、もっと積極的に取り組んでもらいたいというのが私の意見でございます。
○参考人(前田義徳君) ただいま新谷先生がお取り上げになられました一つの例につきまして、私といたしましては全く同感でございます。そういう意味で、実は雑談的な会合でしたが、去年じゅうにすでに二、三回民放経営者の首脳の人たちと話し合いまして、私自身としては、そういう考え方を明らかにしております。それからまた、御審議いただくこの予算書の中にも、まことに額は少ないのでありますが、そういう考え方の上に立って放送衛星そのものの開発研究をいたしたいという考えを持っておりますので、今後もその面では私どもは全国的視野に立って、ただ単にNHKの利益ということ以上のことを考えながら前進させていただきたいと思います。
○新谷寅三郎君 ぜひ、そういうふうなお考えで放送事業全体の利益になるような方向で仕事を進めていただきたいということを希望しておきます。 それから、こまかい問題に入りますが、NHKの経営委員会の問題でございます。定款に規定があり、まあ法律にはもちろん規定があります。定款にも規定があり、NHKの中でも経営委員会の運営について内規をつくっておられるようであります。法律のたてまえからいくと、申し上げるまでもなく、経営委員会というものはNHKの一番重要な機関であり、しかも、現行法によりますと、各分野からの代表も出、各地域からの代表も出ておりまして、まあこれがほんとうに国民各界各層の意見であるということはできないかもしれませんが、そういう考え方も取り入れた選任のしかたをしておるわけでありますから、この放送協会における経営委員会というものについては、NHKはいろいろな重要な問題をきめる場合にその意見を最も重要視しなきゃならない、まあいわば最高の機関であるというふうにも考えるのでありますが、私のいま言ったような方針に沿って運営しておられるかどうかについては、いろいろ世間で非難が出ているようです。この経営委員会のNHKの内規、こういったものを見ましても、経営委員会に付議する事項というものは、どうも法律に掲げられた事項を、ただ形式的にかけるというような感じが出てきておるのでありまして、ほんとうにそういう最高機関であれば、いまのように非常にむずかしい状況のもとにおいては、NHKはもっと経営委員会というものを活用し、その意見を重要視して、経営の指針にするという考え方でこの経営委員会の運営を考えていかなければならぬと思うのですが、そういう点について、欠けるところはないのでしょうか、現状は。会長から御意見を伺いたいと思います。
○参考人(前田義徳君) お説の点につきましては、第一に、会長たるものはすべて経営委員会の任命にかかっておりますので、そういう点でも、執行機関並びに職員一同は、細心の注意を払っていることは事実でございます。経営委員会の基本的な任務が法定されておるということだけで、定款あるいは内規は、主として法律的な用語を使用して、これを内部的な運営の基礎としておるわけではございますが、しかし、ただいま劈頭に申し上げたような精神で、私どもとしては万全を期したいという努力をしていることは事実でございます。たとえば、現在の実情を申し上げましても、現在は、御承知のように、昭和三十四年の放送法の改正によりまして、全国地域から選ばれた方のほかに、地域を持たない四人の方がおられるわけで、その意味では、重要な数の方々が東京に常住しておられるという点もありまして、一週間に一日ないし二日——これは大体、経営委員会のほうできめていただくわけでありますが、定期的な会合を行ない、必要があれば、私以下課長に至るまで、その経営委員会の会合に出席して、御要望をいただいて、あらゆる問題を御説明申し上げているというのが実情であり、その他、私どもといたしましてはできるだけ、執行機関に指示された仕事の内容についても、接触を深めていく、また、経営委員会のためには特別の設備もし、また、特別の職員を経営委員会担当として任命しておる。それからまた、経営委員会との関係において、やはり経営委員会によって任命される監事についても、たとえば放送法は、理事会は、理事がメンバーとして理事会が開かれるということにはなっておりますが、先般申し上げましたように、私としては、国民の機関であるNHKの経営は、経営についての放送法の条項は、原則的な、最小限度のものを法制化したものであるという考え方から、監事についても、すべての理事会に出席を願っているというような状況で、もとより私ども、至らないところが多いかと思いますし、不敏でございますが、今後も、御趣旨の方向に向かって努力を傾けてまいりたい、このように考えております。
○新谷寅三郎君 お話のとおりに、ほんとうにそのとおりに運用されておれば、われわれの耳にも、それに反対のような希望なり意見なりは出てこないと思うのです。これはこまかいことで、こういう席で申し上げるのがいいかどうか、わかりませんが、私の聞いているところによりますと、NHKは、経営委員会というものはこれは最高の機関で非常に大事なものだとおっしゃりながら、経営委員会の委員の人たちには、十分調べをしたり、調査をしたりするような部屋もあてがってない。あっても、何か大部屋か何かで、そこにただ雑然といすが並べてある。一人一人の机さえもない。そのいすさえも、だれがすわるかきまっていない。ただ、来た人がそこに、いすにただすわっているだけだというような事実ですね。それから、経営委員会が何か調べをしたり、勉強しょうとしたりしても、ほとんど手助けになるようなスタッフが置いてない。もちろん、それは経営委員ですから、局長や部長を呼んで説明を聞くことは可能でしょう。しかし、われわれ国会議員でも、なかなか自分だけでは、すべてのことを調べて、すべてのことを読んでということはむずかしい。いわんや、いま選ばれているような経営委員の方々では、そういうことはなかなかむずかしいだろうと思うのです。少なくとも、それに必要なスタッフは置いておかなければならぬという気もするのです。あまりこまかいことに立ち入るわけじゃありませんが、現実は、いま前田会長が言われたことと違って、何か経営委員というのは名ばかりだ。部屋さえもない、すわるところもない、机も渡してないというような状況で、それは事実とすれば——事実でないかもしれません、私の耳にはそう入っている。事実とすれば、あなたのおっしゃったような趣旨で、経営委員会を重視しているということにはならないと思うのです。もし、ほんとうに私の申し上げたようなことが事実とすれば、これは速急に改められて、ほんとうに経営委員会は、理事者にとっては、場合によっては苦いことも言うでしょう。理事者の思うとおりにならぬ場合もあるでしょう。それが、私は非常にいい薬になると思うのです。そういうことを、どんどんと思うことを言ってもらって、自分の所信を述べてもらって、そうして、NHKの事業を間違いなく正しい方向へ発展させていこうというために経営委員会というものはあると思いますから、ただ、理事者の言うとおりになっているのが経営委員じゃないと思うのです。そういう意味において、調査研究、勉強というものが大いにできるように仕組んでいかなければ、経営委員会制度をこしらえた目的からそれてくると私は思うのです。そういう事実はどうでしょうか。
○参考人(前田義徳君) その点は、お互いに人間でございますので、人間のフィーリングの錯綜の中でいろいろの問題が生じ、それが外界との関係において、いかにも経営委員会は何もしておらず、執行機関は、経営委員会に対してきわめて冷淡であるというような印象が起こるかと思いますが、その点は私どもの至らざるところで、まことに遺憾だと思っております。ただ、私、もちろん机が必要ならば机を提供すべきであり、そういう事務的な問題については、至らざるところは直ちに改めたい、このように考えております。 ただ、私どもの理解するところでは、経営委員会、経営委員というものの法律的な地位と執行機関との関係、これをどう処理するかということが、おそらく新しい放送法制でも御検討いただけるのではないかと考えておりますが、経営委員は、御承知のように、いろいろな免責条項があり、したがって、それから来ているかどうか、私は法律のことはあまり知識はございませんが、いわゆる常勤者ではないという、従来事務機関が考え方をいたしていたかと思います。この点について、設備その他が不備であり、そういう誤解のもとに、いま御指摘をいただいたような欠陥があらわれているのではないかということを私は痛感いたしております。ただ、私といたしましては、これはまあ先生は、ある意味では放送法の生みの親で、よく御承知のことと思いますが、昭和三十四年の改定以前においては、会長は同時に経営委員のメンバーであると、それが三十四年の改定後、会長がメンバーからはずれたというような関係が、多少あるいは大もとでの接触関係を悪くしているかもしれないというようなことは、私も率直に感じられ、そういうことのないように努力をしてまいっているということも事実でございます。ただ、私どもとしては、この三十四年の改正以来、私どもがただ単に形式的に、執行機関はそれぞれの手続に従って経営委員会によって任命されるという形式的な考え方を持っているだけではなくて、実は経営委員会の事務機関は同時に協会の執行機関であるという考え方も、私としては持っているわけでございます。したがいまして、私としては、全力をあげて、経営委員会の誤解、あるいはその相互の関係が客観的に誤解されることのないように努力をしてまいりたいと考えておりますし、ただいまの机の問題その他については、これは何もむずかしい問題ではございませんので、処理いたしたいと考えております。
○新谷寅三郎君 まあいろいろの観点の相違で、あなたの言われるように——われわれに小言を言ってきている人もあるのですけれども、見方の相違かもしれません。しかし、常識的に考えましてね、この経営委員というものはこういうものだと法律に書いてある、第十四条に書いてある仕事をやればいいのだ、月に一回ぐらい集まればそれでいいのだから、一時間もあれば用事が足りるというような考え方でこの経営委員会というものを見ていかれると、これから先、私はNHKの全体の運営から見て困る問題が起こってくるように思うのです。ほかにあなた方はいろいろな政府機関の監督を受けちゃ困ると、どこまでも自主独立でいきたいという、こういう考え方を一方で持っておられる。それに対して、国民の意見を代表しまして、われわれは国会において予算案の審議をしたりいたします。これはしかしそれだけのものである。常時、協会の事業の運営に関して、国民的な立場から意見を述べたり、希望を述べたりということで、間違いのないように持っていこうとするのはこの経営委員会だと、それ以外にないのです。ですから、私は、経営委員会というものは、今度の新しい法律ではどういうふうになっているか、これから説明を聞かなければわかりませんけれども、いままでよりももっともっと、NHK全体の、大きな意味において、NHKの全体の運営というものについての責任を負わせるようにしなければならぬだろうと思うのですが、これは立法論になるからここでは言いませんけれども、しかし、少なくとも、そういう観点から経営委員会というものをながめてみると、いまおっしゃたように、見方の相違はあるにしても、やっぱり行って見ても、大部屋にただ、いすだけ並べてあるということで、経営委員会にひとつ仕事をしてくれ、しっかりこれを見てくれと言っても私は無理だと思う。現に、私はよく知りませんが、経営委員会のうちの何人か、たとえば東京在住の人たちは常勤ということではないけれども、常時——常時といいますか、随時といいますか、集まって、いろいろ正式にあなた方が経営委員会にはかられる議題以外に、あるいは、その準備にいろいろ仕事をしておられるということも聞いておるのです。そういうふうになってこざるを得ないだろうと思うのです、これを重要視して扱うとすれば。そして、その事態に応じた経営委員会を尊重して、ほんとうに経営委員会が本来の使命を発揮してもらえるような措置を、協会自身もおとりにならないといけないのではないかということを考えたものですから、あえてこういうことを申し上げておきたいと思います。いずれ、この問題は、法律案の審議の際に、もっと具体的に詳しく、またお互いに議論をしてみたいと思いますが、その点をひとつお含みおき願いたいと思います。 それから郵政省おられなくなったのですか、政務次官呼んでください。——郵政省監理局長おられますね。 郵政省に対しまして、このNHKの予算等に関連する問題で三つほど聞きたいことがあるのですが、時間があまりなくなったので、簡単に申しますが、一つは、いま非常に世間を騒がしているFMの問題なんです。まあFMにつきましては、ほとんど全部がNHKと言ってもいいくらい、若干民間にも許しておられるようですが、まあ実験という形でNHKにFM放送を許していると。それがですね、もう実は何年も何年もたっているわけですね、そういうことを始めてから。NHKのほうは、これは実用化のための試験だということで、毎年非常にたくさんな数のFM放送局を各地に設置する方針をとっておられる。この予算にもそれは出ておるわけです。私は、いま新しい放送法が出てきまして、これらの問題に対する基本的な処理方針をきめていこうとしておられる際だから、いまここで、いままでの方針を急に変えろと言っても、これは無理かもしらぬということはよくわかるのですけれども、いまのようにして、実験だ実験だと言っても、実験というのは一体何の実験かということを考えざるを得ないのですね。技術的な意味でどういうふうにしたらいいのかということについての実験であれば、もうすでに今日何十局、あるいは何百局というふうにやっておるとすれば、その技術的な方面における試験研究というもの、実験というものは、大体これはもう済んでいるのじゃないか、今日の段階ではですね。いまこれからNHKに対して許そうとしておる、また四十一年度においても百何十局ですか、認めようとしておるそういう実験というものは何の実験か。もちろん、NHKがFM放送をやるとなれば、その土地その土地で若干FM放送の受信機がふえるということは、これは事実でしょうね。だから、その意味はありますけれども、郵政省がFMの受信機をふやすためにNHKの方々でやらせておるのかということになりますね。これは受信機をふやすなら受信機をふやすような方法が他にあるのではないかということも考えなければならない。新しいチャンネルプランをつくられるときに、おそらく、FM放送というものはどうあるべきか、いまのようにしてNHKがかりにですよ、これを何年か続けていって、FM放送がNHKの手で全国に何百局とできたとしますね、それも実験だと。そうすると、新しいチャンネルプランでFM放送というのはこうするのだということをきめた場合に、NHKの広がってしまったFM放送というものの実験はどうされるのか、実験局はどうされるのかというようなことを私は心配をするわけです。ですから、このFM放送についていまここで具体的にどうしたらいいということは、私は申し上げる段階でないと思うから差し控えますけれども、たとえば非常に明瞭な話は、非常に混信の多いところとか、そういう意味で聞こえにくいような条件のある場合は、特に外国の混信が多いところなんかは、どうしたってFMでないとだめだというようなことを言われております。これは私はよくわかるのです。そういう場所でどういうふうにしたらいいか、どこに置いたらいいかというようなことについて試験研究されるのは大いに必要でしょうと思います。そういう問題がないにかかわらず、全国的に、いま申し上げたように、実験局だ、実験局だというので毎年広げていかれることは、すでにFMに対する方針が郵政省ではどこかできまっているのじゃないか。そういうきまった上に今度はチャンネルプランという形で乗っけていこうというような意図を持っておられるのじゃないかというような疑いを世間では持つわけです。そういうふうに、もしかりになった場合には、いまのラジオ放送の二波あるわけです、NHKは二波ありますね、それとFMとの関係をどういうふうにするつもりだということになってくるわけです。そこまでの一体お考えがあるのかないのか。先を見てそこまで考えておられるのか、おられないのか。もしおられるとすれば、その際のNHKの音声のほうの放送というものはどういうふうな態様になってくるのか、また、したいと思っているのかということを聞かざるを得ないのですね。もしわかっておったらお聞かせ願いたい。
○政府委員(上田弘之君) ただいまの先生の御指摘の問題は、FMのバンド、いわゆる超短波放送のバンドの使用に関する基本的な問題だと考えます。従来、実験局並びに実用化試験局ということで現在のような置局をいたしておりますが、この中の主要な問題点といたしましては、特にほとんど現在は実用化試験局になっておりますけれども、受信機の普及ということが一つございます。それから伝搬上の問題がやはり一つございます。その伝搬の実験の中には、もちろんサービスエリアの問題とか、あるいは混信の問題と、それからスポラディック・イーソーによるところのいろいろな伝搬上の問題からまいりますところの混信というようなことも含まれておるわけであります。そういうようなことで従来やってきたと思いますが、御指摘のありましたように、どこを限度としてそういう実験というものは完了したと考えるかどうかという点は、いろいろ見解の相違もあるかと思いますし、また、聞いておりますところによりますと、国会において長期にわたっての計画をお立てになっておるということもあるように伺っておりますので、そういうような点からいたしましても、将来のこういうFM放送というものの普及の場合に十分役に立つような準備というようなものを考えておるということが言えるのじゃないかと思います。しかしながら、一方におきまして、将来のこのFM放送というものについてどういうチャンネルプランというものを立てるべきかということに関しましては、はっきり申しまして、現在のところ、郵政省といたしましては、確立されたところのチャンネルプランというものの案を持っておりません。しかしながら、研究中でございます。中波の外国混信によるところの救済ということは、これは当然考えなければならないことでございますのと同時に、FMの持つところの性格を十分生かしまして、良質な放送というものを国民に提供しようということも、これもこれまで考えてきた一つの大きな方針といたしまして、この点も取り上げなければならないかと思います。そうしてまた、同時に非常に大事なことは、中波の混信を避けるためにFMのほうに移したといたしましても、中波というものを一体将来どうすべきかということが非常に大きな問題でございますので、そこいらのところを十分兼ね考えまして、そして音声放送というものの体系のあり方ということを現在は実は一生懸命に研究中でございます。まあそういうような状態でございますので、御指摘のような面ももちろんございますが、従来の長期にわたるところの計画というものにのっとりまして、次の普及段階というようなことのために、現在は置局の計画を進めておるということでございます。
○新谷寅三郎君 このFMの問題も、次に申し上げようと思っておりますが、カラーテレビの問題も同じような性格を持っておると思うのですけれども、私は、いまあなた方が将来にわたってちゃんとした計画をお持ちになって、それでやつておられるとは思わないのですよ。しかし、NHKに対してFMをいまのようにして毎年百局も許しているというような、百局ですか幾らか知りませんが、そのくらいの非常にたくさんの局を認めていくということになりますと、それを毎年続けておられると、いかにもそれはもう、いわゆるチャンネルプランがFMについてもちゃんときまっておって、その上に乗っけてやっているというふうにしか考えられない。だから、実験放送ということになってくると、もっと大事なところで、いまあなたが言われたように、外国の電波をはたしてうまくとらえるかどうかというようなところを選んでおやりになるとか、あるいは技術的に研究しなければならぬ、送信機も受信機も入れて、そういった問題があるところでおやりになるのなら、数が多くってもしようがないと思うのです。そうじゃなくて、FMの放送というものを、NHKが、いまの第一、第二に並べてFM放送というものを各府県で全国に対して漏れなく提供するのだというような考え方に立って置局をしておられるような印象を与える許可のしかたは、免許のしかたというものは、まだそこにあなた方が踏み切るのには早いし、それについての方針も伺ったことはないし、いつの間にか、そういう事実ができてしまうということは、あなた方が将来困るのじゃないかと思うものですから、決してこれは足を引っぱる意味で言っているわけじゃないんだけれども、ちゃんとした全国的な、これは大事な波なんですよ、最後の波ですからね、その波をどう有効に使うかという考え方をまず進めて、そういう基本方針のもとにお進みになるんなら、何も私はそれを問題にしませんが、それができないうちからどんどんどんどん既成事実をつくるようなかっこうで毎年毎年同じようなことをやっているということについては、あなた方にいまのような苦言を呈せざるを得ないのです。それはよく大臣にもお伝えを願いたいと思うのです。したがって、四十一年度においてそういう問題を取り扱う場合には、よく私の言っているようなことをあなた方も考えられて、そういう基本的な計画というものを頭に置いての上で処理をせられたほうがいいということを、これは私の意見として申し上げておきますから、よく大臣にもその点をお伝えください。
○政府委員(亀岡高夫君) FM放送について、新谷先生からいろいろ御指摘をいただいた点につきましては、ほんとうに残された貴重な電波、周波数帯でもございますので、ただいまの数々の御指摘の線を十二分に尊重いたしまして、今後のチャンネルプラン等の作成の場合には、十二分に勘案いたしまして、そうして御趣旨の線にはずれることのないように善処してまいるようにいたしたい。 なお、大臣にもこの点よく申し上げまして、誤りなきを期したいと思う次第でございます。
○新谷寅三郎君 FMの問題は、大体申し上げている意味もよくおわかりになっていると思うから、この程度にいたします。 実はきのう、カラーテレビの展示会があったものですから、私ちょっと三十分ほど時間があったので会場へ参りまして、日本のカラーテレビの一端でしょうが、ほんとうに、はしくれだけのぞいてきたわけです。この前に、昨年の予算審議のときでしたか、申し上げました。私は、カラーテレビについては、何よりも国民がやはりカラーテレビの受像機をもっと買えるようにしておかないと、そういう措置をとるのが先決で、そういうことをしないで、ただカラーテレビを全国に伸ばすんだ、伸ばすんだと言って、伸ばすほうの設備だけ先やってみても、国民のほうは一向無関心であるし、見向きもしないというかっこうじゃまずいんじゃないか。もう少しいろんな施策を並行して実行されるようにしたらどうかということをさんざん申し上げたんです。これに対しては、郵政当局もNHKも、それはもっともだと、そういうふうに努力をいたしますということは、去年もお答えになっておるんですが、一年たってみましても、なるほど、きのう見た受像機というものは若干よくなっていると私は思います。思いますが、それだけじゃないんですね。私はまあ一番しろうとですが、申し上げると、なるべく調整が簡単で、だれにでも調整ができるようなものでないと普及しないだろうということ、それから値段が、私、最近聞きましたが、大体まあ一インチ一万円というところまで来てるんですか、よく知りませんが。初め白黒のテレビやったときに、ごく初めのときには一インチ一万円と言ったですね。だんだんそれに近寄ってきているというんですが、これじゃ、しかし、まだ十九インチの受像機はなかなか国民の手には入らないし、去年六万台とおっしゃってましたが、六万台が何万台になってますか、それを伺いたいし、それから去年以来、必ずそういった方向で処置をしますとお約束なさったが、その後どういうことをおやりになったか、郵政省及びNHKがどんなことを具体的におやりになったか、それも聞かしていただきたいと思うんです。というのは、これは時間がないから言ってしまいますが、先般、われわれの党でも、物品税の軽減問題で取り組んだわけですね、税制改正で。そのときに、どうもカラーテレビの受像機についての要望というものはありましたけれども、非常に小さかった、声が。一方、電電公社に対しましては、ほとんど現在どこの地区でも、カラーテレビの番組を送れるようにマイクロウエーブだけはちゃんと整備さしたでしょう。いまマイクロウエーブ、どうなっているか、これは一部は通信用に使っているようですがね。しかし、相当程度これは使わないで、いわゆる遊休施設のようなかっ、こうになっているのがあるわけです。そういう、一方では国民にうんと普及しなきゃならないような措置をとるのに非常にちゅうちょしながら、二方に遊休施設というようなものにえらい力を入れて急がしておる。私はどうも政策としては非常にちんばじゃないか、どこかに欠陥があるのじゃないかと思うのです。本気でやるのなら、いまの段階では、受像機にもっと真剣に取り組んで、国民が——国民と言っても、もう一般の大衆が受けとめられるような状態において受像機を提供するように、あらゆる援助もし、指導もするというのが、これはもう第一だと思うのです。それに対する措置が、これは郵政省だけじゃできないかもしれませんね。通産省にも関係がありますが、しかし、通産省に言ったって、こういう放送政策に関する問題はやってくれませんからね。やはり郵政省が主体にならなきゃいけますまい。これは郵政省としてどういうことをやったか。これはNHKの研究所ですね。私はいつもそれを問題にするのですけれども、これはほかに知らないからそういうことばかり言うのですけれどもね。かつて、この前も申し上げたのですけれども、日本の終戦直後のラジオをもっと早く国民全体に普及しようという点から、スーパーの受信機を、われわれはアメリカへ行きまして向こうの状態を見て、何とかしてくれということでNHKにやかましく依頼をして、非常に性能のいい機械、その当時三千円ぐらいでこれならまあできる。市販で買うともう一万円こえていましたがね。まあ技術的には三千円でできるというような結論が出されて、メーカーも非常に刺激されてスーパーが非常に普及したというような例もあるわけですが、私はカラーテレビの受像機に関しても、NHKがメーカーと一緒になって、そういう努力をもっと具体的にされると、いませっかくつくったマイクロウエーブなんかが遊ばないでも済むのじゃないか。で、国民もやはりそれは白黒よりもカラーのほうがいいにきまっていますよ、うまくいけばですね。受像機についてはまだまだ私は研究の余地もあるし、これから改善の余地もあると思うのですが、どうしてそこまでいくのにこんなに時間がかかり、こんなに苦労されるのかという気がしてならないのですよ。両方から、いまの問題についてお答えを願いたいと思います。
○政府委員(上田弘之君) ただいま御指摘のありました受像機の普及ということが、やはりカラーテレビの一番の大きな問題だと思います。ただ、このカラーの問題は、私も実は専門でございませんのでよくわかりませんけれども、実は非常にむずかしいものであるという感じがいたします。現在非常に大きな努力が払われているにかかわらず、やはり出てきましたところの成果というものが遅々とした進歩であるように思いますが、このことは、やはり技術的に考えまして、根本的にいまのようなシステムそのものがよろしいかどうかということに、やはり一つはかかっておるのじゃないかと思います。しかしながら、一方におきましては、白黒に比べまして、やはりカラーに対するところの要求というものが強いことは当然でございまして、これは映画界のほうから考えましても、ああいう過去の実績を考えましても、当然白黒からカラーに移るべきであるということはよくわかるのでございますが、それに対してどうして飛びつかないのかということは、やはりカラーの質というものと、それからもう一つは、先ほど御指摘のありました値段の問題価格の問題ということがあるかと思うのでございます。したがいまして、どういうぐあいにして受像機の数をふやすかということが一番当面の大きな問題と思います。 それから現在の台数は何台かという御質問でございましたけれども、大体現在では十二万台と聞いております。 それからカラーについて、マイクロ回線だけを準備して一向に受信機の普及というものに対して手を打ってないじゃないかということでございまして、このマイクロ回線につきまして、なぜそういうことにつきましては、私現在のところ、つまびらかじゃございませんので、よく調べましてから御返答申し上げたいと思いますが、郵政省としまして、このカラーの受信機につきましていろいろ努力いたしましたことは、先ほどお話のありました物品税の問題、こういうものも一三%に据え置こうということになりましたようなこともありますし、また、放送連合におきまして、このカラー関係の委員会というようなものがありまして、そこにも郵政省からも委員が出席いたしましていろいろと意見を言いましたり、御意見も聞いておるというようなことでございます。いろいろ努力はしておりますけれども、実が十分に伴っていないというのが結論的に言えることかと思います。今後、大いにこの点につきましてはもっと努力すべきであると考えております。
○参考人(前田義徳君) ただいま御質問の項について、技術的な問題は担当から説明させたいと思いますが、私どもの考え方といたしましては、まず第一に、電電公社のマイクロウエーブの問題については、私どもは率直に、全国カラーマイクロ網が一日も早く完成することを期待しておりまして、この点については、NHKは、御承知のように、全国組織でございますので、一部の聴視者にだけカラー番組を提供することは妥当でないという考え方を持っているわけでございます。カラーの将来につきましては、御指摘のごとく、当然白黒からカラーへの移行発展というものは考えるべきでございますので、私どもは現在の長期計画を立てるにあたりましても、カラー放送時間の計画的延長というものを考えてまいったわけで、御審議いただく明年度予算の中でも、カラー放送の時間を三十分程度延ばしまして、定時番組として一日三時間、その他局外中継を加えますと、スポーツその他を通じて、おおよそ明年度は一日四時間ぐらいになるであろう。それからまた、私どもといたしましては、受像機の低廉ということにも研究所を中心にして努力をしてまいりまして、現在の受像機は研究所の研究を土台として、かなり低廉化されてきている。しかし、この程度では、御指摘のごとく、まだわれわれの側から見ても妥当でないという考え方を持っており、研究所としては、引き続きこの低廉化と簡素化に努力を続けてまいっております。 マイクロウエーブの遊休施設というお考え方に対しては、実は、私どもNHKだけでございますが、放送事業者の面から見ると、必ずしも遊休施設ではないんじゃないか。と申しますのは、カラー施設の拡充強化に伴いまして、率直に申して、白黒の放送の場合も私どもは実は一八%の値上がりにこたえたわけでございます。そういう意味では、NHKの限度においてはあれを遊休化してはいけないという考え方も持っているわけでございます。はなはだ不十分でございますが、技術的な面については担当から答えさせます。
○参考人(三熊文雄君) 技術的な面から御説明いたします。 まず、マイクロ回線の問題ですが、御承知のとおり、いままで使っていました白黒のマイクロ回線そのままではカラーに向かないというので、その白黒に使いましたマイクロ回線の機械を直しまして、そしてカラーに使う。したがって、マイクロ回線自体は、カラーでない時間には白黒を使っています。そういう意味から言いますと、遊休施設でなしに、常にずっと使っておる、特性が前よりもよくなったというような方向になっていることをまず最初に申し上げます。 それから引き続きまして、その回線を通しまして、現在日本全部カラーが三月二十日をもちまして通るようになりました。ただ、名瀬から徳之島、あちらの方向、四放送局だけがまだカラーができないという現状でございます。 もう一つは、われわれのほうといたしましては、御承知のとおり、オリンピックを契機といたしまして、非常にカラーに対する関心が深まってきたわけでございます。したがって、送り出すほうの機械につきましては、御承知のとおり、いろいろと改良いたしまして、世界で初めてというような二つのイメージオルシコンを持つような分離輝度方式を考えまして、送るほうに対しても相当努力をして、いい絵を出す、こういう方向になっております。 一方、受像機のほうに関しましては、御承知かと思いますが、角型のいわゆる現在使っておりますシャドーマスクというものは、日本で初めてNHKの技研がつくったわけです。RCAは丸型しかできなかった。その当時初めて日本がつくりまして、それ以後日本の一つの大きな技術として、アメリカも角型のいわゆるシャドーマスクタイプというのは、日本の技術をまねしたというようなぐあいに、たいへん自負しておるのですが、それがだんだんと製造面におきまして、できるだけコストを安くする。ただ、現在におきましては、御承知のとおり、歩どまりがあまりよくないのです。何とかして歩どまりをよくすれば、一番の生命でありますブラウン管が安くなる、そこに研究は重点を置いておりまして、できるだけ歩どまりをよくする方向の研究を現在研究所で進めております。それがメーカーの方々と一緒になりましていろいろな研究を進めておりますので、早晩安いブラウン管ができるのじゃないかと、こう考えております。 一方、回路のほうにおきましても、いろいろ簡単な、しかも、調整個所のでき得る限り少ない回路をいま研究しておるわけなんでして、御承知の、色がいろいろと調整個所が多いものですから変わってくるのですが、それもずいぶん近ごろの受像機は、ごらんになりますとおり、よくなって、昔と違って相当調整も楽になったと思いますが、もっともっとこれを簡易化するような研究を進めていきたい、こう考えております。
○新谷寅三郎君 時間がだんだんなくなってくるので、そのくらいにしておきますけれども、郵政大臣ね、いまカラーテレビの問題でお尋ねしておったのです。大体お答えがあったから、あとで電波監理局長からFM問題とカラーテレビの問題を聞いていただきたいのですが、どうもいろいろな体制はできた、しかし一向に伸びない、これは私はいろいろな問題があるのでしょうが、やはり受像機の問題だと思うのです。受像機を国民が手に入れやすいように、これはいろいろなあらゆる手を打ってやっていかないと、ここまで来ると、カラーテレビも、もう政府が責任を持ってカラーテレビを伸ばしていくという方向で、あらゆる努力をしなければならぬ段階に来ておると思うのです。受像機を安く、性能のいい調整の楽な、だいぶ自動調整なんかできたらしくて楽になったようですが、まだしかし、あれじゃ国民は飛びつきませんね。だから、この問題、税金問題もあるし、いろいろな問題ありますから、技術の問題から生産の問題、税金の問題、一連の問題として、一ペんすっかり掘り下げて、こういうふうにやらなければだめだというようなものを郵政省が中心になってつくり上げてもらって、それで、ひとつ政府のあらゆる部門に協力さしてやってもらうという以外に、いま方法はないのじゃないかという気がするものですから、あなたが来られる前にそういう話をしておったのですが、あとでよく聞いてください。 それから、これは法律の問題ですけれども、どなたからでもけっこうだから、監理局長でもお答えになれればなってけっこうなんですが、まあ先般来、この放送法の改正案が出るというので、いろいろ勉強しておった際に、放送法の三十七条に「協会は、毎事業年度の収支予算、事業計画及び資金計画を作成し、郵政大臣に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。」と書いてあるのです。第二項には「郵政大臣が前項の収支予算、事業計画及び資金計画を受理したときは、これを検討して意見を附し、内閣を経て国会に提出し、その承認を受けなければならない。」という規定があるのですね。これでいまここに議案が出ているわけです。この一項の後段のほうの「これを変更しようとするときも、同様とする。」とあるのですね。この二つ私は問題があると思うのです。 一つは、変更しようとしたときにも、これは国会にお出しになるのか、第二項受けて。第二項には「郵政大臣が前項の」と書いてありますから、後段のほうの、変更した場合の収支予算等も含んでいるというふうに見なければならぬと思うのですが、変更したときにもやはり国会にお出しになるのかということが第一点ですね。 それから第二点は、一体、毎年それは予算なり、事業計画なり、資金計画というものは実行上変わるのですね、必ず変わります。それはいまだかつて国会に出したことはないですよ。郵政大臣のほうに出しておられるのかどうか、もし、さっき初めに申し上げたように、そういう変更があった場合、国会に出すという原則を貫くなら、変更があった場合には国会にお出しにならなければ法律に反するのじゃないかという疑いもあるのですよ。これはいままであまり議論されたことはないのですけれども、勉強しておった最中、そういうものがわかって、まあそういう解釈でいけば、何か法制局もそれは当然だということらしいのですね。で、そういうことであれば、そういう読み方にして、これから運用されたらいいと思うのですが、その点どうなんでしょうね。
○政府委員(上田弘之君) お答え申し上げます。 第一点の御質問でございますけれども、国会に提出するというふうなぐあいに考えております。 それから第二番目の問題でございますけれども、この問題につきましては、予算総則を含めまして予算を提出しておるわけでございまして、その中で流用ができないというものは給与に限っておりますので、給与以外で流用のできるものは、この予算の中でやれるというたてまえをとっております。 それからもう一つは、年度の途中におきまして、事業が非常に大きな変更を来たしまして、そうして受信料というものにも及ぶような場合、こういうような場合でございますが、こういう場合につきましては、もう一度郵政大臣の認可を得て国会に提出するという形をとるべきだと考えております。あとにあげましたような例としては、実は過去に一回あるということを聞いております。
○新谷寅三郎君 一応三十七条の解釈の問題は、実は十二時までに質問を終わってくれということになっておりまして、時間がないから、またいずれ、放送法の改正案のときにもう少し詳しく議論をして、国会との関係ですから、これはもっと明瞭にしておきたいと思うのですよ。出したり出さなかったりじゃ困る。変更があった場合というのは、変更しようとするときは一体何だということも、もう少し議論しておかなければならないと思うのです。それで、もうきょうは、いま一応聞いただけにしておきますが、最後にNHKにお聞きしたい点が二点あります。 それは一つは、私はこの前の決算を審査したときにも申し上げたので、郵政大臣もNHKの会長も、まあそれは趣旨はよくわかる、その方向に向かってひとつわれわれも大いに考究いたしますと言われた問題は、その予算総則の問題なんです。予算総則については、十分おまえの言うことはよくわかる、検討いたしますというような意味のことを答弁されておるわけですがね。この検討の結果どうなったのか。また同じものが出てきているわけですね。これでよろしいのかということが一つです。 それから、それに関連して、もう時間がないから言ってしまいますけれども、私は、今度の問題になっている収支予算案を見まして、実はこれはいままでにここまで研究も進まなかったのですが、妙なことを発見して、これは一体どうなるのだろうというので疑いを持っているのは、繰り越し収支剰余金の問題なんです。剰余金はいつでもゼロになっているわけですね、予算書では。予算書ではゼロになっている。これはいままで単純に聞いておったのですが、前年度の収支剰余金をここに出してくるわけです、前期の剰余金をね。そうすると、予算をつくるときには、まだ前年度の剰余金が幾らかわからない。したがって、書きようがないからゼロにしておく、こういうことでいままで来ているわけです。これについての扱い方は、いままでの実績を見てみますと、毎年とにかく、多いときは十何億というような剰余金もあるわけですからわからないことはないと思うのです。しかも、NHKじゃ毎年毎年収支計算をしているそうですからわからないことはないと思う。ある程度見当をつけて出したほうがいいのじゃないかという気もするのですけれども、それは別としまして、この剰余金が出た場合に、予算総則でどう扱っているかと言いますと、第八条ですが、「前年度の決算において収支剰余金があった場合は、これを本年度の前期繰越収支剰余金に計上し、経営委員会の議決を経て、借入金の返還または設備の新設、改善に充てることができる」という規定がある。これはこれで長い間やってきているので、私はこれが悪いとは思わないのです。むしろ、われわれが大いに主張して、剰余金があった場合には、経営を合理化するために、借り入れ金の返還とか、必要な設備の新設、改善をやったらどうかということで、われわれがむしろこれを主張して入れたようなものですから、これについては異論がないのですが、いまの前の期、たとえばいま四十一年度のやつをやっていますね、予算をね。四十一年度の剰余金というものは、まあ決算期の五月か六月にならないとわからない。だからゼロにしてある。そうすると、かりに十億なら十億の剰余金が出たとすると、そうすると、今度は実際、実行上この予算に組み入れてしまうわけでしょう、国会の承認を得た予算に。それにプラスの剰余金が入ってくるわけです。これにはゼロと書いてあるのですけれども、ゼロじゃない。十億なら十億入ってくるわけです。それをどういうふうにして扱っているかというと、おそらく、この規定でいくと、四十一年度において、経営委員会の議決を経た上で、借り入れ金の返還を幾らかやるでしょう。また、設備の新設、改善も幾らかやるでしょう。そういうふうに「充てることができる。」と書いてあるので、充てるでしょうね。それでもなおまだ剰余金が出るのですね。たとえば十億の中で五億だけはそういうふうに充てたというふうなことをやっているわけですね。あと残り五億あるわけです。これは一体どうなるのだろうかということですね。これは国会から言いますとね、国会はノータッチなんです。それには、予算をやっていると言いながら、国会の知らないうちに組み入れられているわけです。しかも、剰余金が出ても、これはどこでわかってくるかというと、決算へいって初めてわかってくるわけです、決算へいって。そういうやり方がいいかどうかということについては、NHKは、予算というものは国会が見るんだ、事業計画も国会が見ているんだからいいじゃないかという議論が、一部にありますけれども、そういう、国会にも全然審議の対象にならないような形で予算が動かされているということは、これは予算総則にどこかに欠陥がある。私は、建設的に、こうしたらいいという意見を持っているのですが、いまそれをここでいってもお困りでしょうから言いません。言いませんが、これは私は、この次は、この点について検討されたかどうか知りませんが、必ずその点について、国会側として、それならばそういう方法をとられるならよろしいというような感じで、国会が審議に臨めるような方法を、この次までに必ずとってもらわぬと困るのじゃないかという気がするのです。決算になって初めてわかるようなことでは困る。
○参考人(前田義徳君) 御指摘の、総則の検討はいたしました。検討いたしました結果、むしろ、当面これを変えることには、かなりの問題点があるという、実は率直に申し上げまして、私どもといたしましては、そういう見方に立ったわけで、したがって、明年度予算提出までには、その点について、放送法の原則とも照らしながら、明年度については、従来の形式をとって、御審議をお願い申し上げたいということであります。これは、第二の御質問の点とも関係するわけで、また、先ほどの予算変更の問題とも関係してくる問題かと考えます。この予算変更の場合は、私は、法律に従ってNHKの運営をあずかっているわけでございますが、先ほど電監局長からお話がありましたように、この三十七条の本質的な問題は、要するに、当該年度の予算の御審議をいただいて、一応御承認を得たあとで、新しい状態が起こって、その御承認をいただいた予算の執行の目的以外の問題が生じたときに、あらためて予算を編成し、これを、郵政大臣を通じて国会に出していただき、さらに御承認をいただくということでございます。先ほど電監局長から、一回だけ前例があるというお話がありましたが、それは昭和二十七年十二月の国会に、二十七年三月に御承認いただいた予算の大幅変更をしたときであります。それは、テレビジョンの開局、放送開始と関連する問題でございまして、その当時は、年度当初の年間予算においては、テレビジョンの放送開始ということが予期できなかったわけで、したがいまして、これは三十七条の原則に基づき、さらに二項の手続をとって、国会に新たに予算書として提出いたしまして、そして御審議、御承認をいただいたわけでございます。 先ほど電監局長から、たてまえとして、現行法によって予算を再提出する場合の例示がございましたが、いま御審議いただいております予算総則においても、人件費の総額については絶対に流用を許さず、したがって、人件費が予算書以上にこえるような事態が起きた場合には、ただいま私が申し上げましたように、昭和二十七年のテレビ開局の際と同じ手続をとって、当委員会で御審議、御承認をいただかなければならないと思います。その他の項目については、現行の予算総則がもっとも一まあNHKのような、一種の社会情勢の変化にも応じながら、基本原則を恪守し、しかも、御審議の趣旨を体して、予算を実施するにあたって必要な条項としての総則という考えをただしていただきまして、したがって、御審議いただいています四十一年度予算につきましても、総則の項についてはこの方式をとらざるを得ないという、検討の結果として実は提出申し上げたわけでございます。 これには二つの問題がございます。 第一点は、御指摘のように、目の流用について、国会がその予算実施の期間を通じて知ることがない、この問題をどう処理するかという点にかかわるかと思いますが、これは、はなはだ形式的な考え方を申し述べる結果になることをおそれるわけでございますが、これを、予算総則の第七条などによって、いわゆる、何と申しますか、伸縮的な取り扱いは、あらかじめ国会においてお許しをいただいている、という考え方に立つわけでございます。 第二点の、その年度の剰余金について、次年度の予算書に記載されないという問題につきましては、実際上の問題として、幾多の御審議の場において問題が出てくることは、私どもも理解できます。ただ、これについても、第七条は、その年度の剰余金についての処理の原則がございまして、そうして、その以外の剰余金について、次年度に盛り得るかどうかというその点では、わりあいに技術的な問題と関連する問題かと思います。 この最終点につきましては、実は予算の編成時期と決算の締めくくりの時期が数カ月にわたってかけ離れているというところに、一つの問題点があるのではないかと、御趣旨を承りながら、実は私自身が感じていたところでございますが、これは将来、先生方の御指示あるいは郵政当局の御指導をいただきながら、この問題についても、私ども自身も研究させていただきたい、このように考えております。
○新谷寅三郎君 だんだん時間がないのですが、法律三十七条の問題まで出されますと、ちょっと、いまのようなお答えでは、私はいろいろ意見があるのです。だから、その点から言うと、三十分や一時間じゃ、これはなかなか済まないのですけれども、それはまた委員長にお願いをして、また機会があったら、この案を審議する場合に、時間があればもう少し補足して、前田さんとその点についてだいぶ見解が違うから質疑をしたいと思います。 しかし、こういうことだけは、いま時間がないから簡単に言いますが、この剰余金の問題の扱い方ですね。これは、前年度四十年度に剰余金が、かりに、さっき申し上げたように十億出た。それを四十一年度に繰り入れるのです。繰り入れるのは、ここで国会が承認した予算案によると、剰余金はゼロなんです。だから、ここに書いてあるように、経営委員会の議決を経て、その剰余金を借り入れ金の返済に充当するとか、あるいは設備の新設、改善に充てるということは認められているのです。それはいいんですがね。そこまではいいんですよ。ところが、一つは、これは国会は全然知らないのです。決算まで知らないのです。それと、もしその十億を、使っちまえ使っちまえでもってね、これは設備の新設、改善に全部使っちまうという、不急不要のものにまで投資される必要はない。そうなると、十億剰余金があったけれども、五億だけは借り入れ金の返済とかなんかに使おう、五億は余ったと。余ったものはどうされるかというと、これはね、いままでの予算の一部変更になりはしませんか、五億にしろ三億にしろ。
○参考人(前田義徳君) 先ほど御説の放送法自体の問題については、私は専門家でもございませんので、この点は言及したことをお許しいただきたいと思います。 それから、ただいまの問題については、実際に処理の責任を担当している副会長からひとつ答えさせていただきたいと思います。
○参考人(小野吉郎君) 剰余金の御質問でございますが、これにつきましては、新谷先生の申されることもよくわかります。在来の扱いといたしましては、予算の単年度予算、こういうような一つの骨格がございますし、それと、一応何がしかの、これは年度によって違いますけれども、剰余金があるであろうということは予想できます。この問題を新年度の予算に計上をいたしませんことは、基本的には予算は単年度ということで歩むべきだと思いますし、そういう基本的性格と、いま一つ、技術的な問題といたしましては、予算編成時には、はたしてどれだけの剰余金があるであろうかが、時期のズレの問題で確定できません。そういうようなことで、いずれは、これは決算で明確になるわけでございますけれども、予算として計上をしない。あるいは、これは理由にならないと、こういうようなお感じをお持ちであろうと思います。と申しますことは、支出の面については、いろいろ具体的計画に裏づけられた経費を計上いたしておりますけれども、予算の収入の面につきましては、これは国家の一般の予算についても同様でございますけれども、見積もりにすぎません。はたしてそれ以上とってはいけない、こういうものでもございませんし、また、それ以下になる場合もあり得るわけでございます。そういう意味で、受信料収入等は予算に収入予想として計上してございますけれども、これは予想にすぎません。それだけの収入がはたしてあり得るか、あるいは、それ以上になるか、こういう場合もあり得るわけでございます。剰余金につきましては、かりにこの関係が、金額が予算編成時に確定できないという技術的な問題だけでなしに、第二点の問題といたしまして、まあこの点を重点に考えておるわけでございますけれども、この関係が、いわゆる財源といたしまして翌年度の事業計画のすべてに使い得るような金でありますならば、これは、受信料収入を予定しますと同様に、次年度の支出をささえる全般財源の一部をなすものでございますので、計上すべきであろうと思います。しかしながら、予算総則によって、この剰余金の使途はきわめて局限され、限定されております。そういったような関係もございますので、収支予算の御承認に際しましては、そういった予算総則上のある種の弾力についてもお認めをいただくわけでございますが、そういうような状況で、しかもこれは、執行部がかってにはできないことでございますし、経営委員会の一々の同意を得なければならないわけでございますので、そういった関係からいたしまして、当初予算には計上をいたさないで、決算上明確にするということでございます。 しからば、予算の執行上において、この剰余金を、総則の関係があるので、借り入れ金の返還並びに施設の改善、拡充等の関係に全部自由に使ってしまうかと申しますと、なかなかそうはまいらないのでございまして、現在いろいろ剰余金を生んでおりますそれも、当該年度限りにおいて生ずる十五、六億の剰余金ではございません。いろいろ前々から集積されて持っておるものでございますので、よくよくの必要がある場合にのみ充当をするというような総則上の運用をいたしておるわけでございます。まあ大体以上のような気持ちで、年度当初の予算の上に計上をいたしておらないというようなことになっております。
○新谷寅三郎君 ちょっと時間が過ぎて恐縮でございますが、結末だけはつけて。そうなりますと、私はますますこの予算総則というものについて、もう少し考え直さないと、非常に困ると思うのは、こういうことなんですが。小野君の言われたのは、たとえば四十年度の、さっき申し上げたように、十億の剰余金が出た。そうすると、その中で設備の改善とか、あるいは借り入れ金の返還に五億だけ充てた。あと五億出ますね。その五億は総則の八条からいいますと、「借入金の返還または設備の新設、改善に充てることができる。」というので、ほかの費目に充てることができるということは何も書いてないのですね。そうすると、剰余金は剰余金でとっておくのですか。四十年度の分は、四十一年度においてもですよ、また剰余金がたまった。三十九年度分も剰余金として置いておくのですか、三十九年度分の余りも。これは一体どこにそれがあらわれてくるのですか。その剰余金の出てくるのは、これは資本勘定からも出てくるかもしらぬし、あるいは事業収支からも出てくるかもしらぬし、方々から出てくるものでしょうね、おそらく。それはそれぞれに使う方向というものはきめられると思いますけれども、予算総則に何もないものだから、剰余金は剰余金でとっておくのだ、いざというときにそれを使うのだということなんですが、毎年毎年累積しておくものですか、剰余金は。
○委員長(田中一君) 関連して聞きますが、八条には、「収支剰余金があった場合は、これを本年度の前期繰越収支剰余金に計上し、」そういうものは一項目あるわけです、予算以外に。それを「経営委員会の議決を経て、借入金」云々ということで、そういうことですが、別に予算以外に本年度の前期繰り越し剰余金というものがあって、それに計上して、そして「経営委員会の議決を経て、借入金の返還または設備の新設、改善に充てる」、こうなっておりますね、八条は。その意味はそういうわけですか。
○参考人(小野吉郎君) そのとおりでございます。それと、いま一つ、いまの剰余金の出所につきましては、単一ではございません。いろいろございまして、あるいは年度内に完成する予定の工事で、いろんな事情で翌年度に工事が繰り越される場合がございます。その繰り越しは、別に予算総則に条項がございますから、これも剰余金の中に入るわけでございます。また、いろいろ支出項目の中で、いろいろ運用上におきまして何がしかの予算の残を生じます。こういったものも剰余金になるわけでございます。工事の繰り越しに伴いますものは、工事は継続しておりますし、ただ完成の時期がずれますので、支払いが翌年度に回るということで、この剰余金の中のその部分は、翌年度そう遠くない時期に出てまいるものでございます。そうでない剰余金につきましては、設備の拡充、改善、あるいは借り入れ金の返還に充て得るわけでございますけれども、在来の例から申しますと、それは全部翌年度に処置してしまうというようなことには処置いたしておりません。
○野上元君 ちょっと関連して。 どうも私にもよくわからないのだがね、たとえば、すでに四十一年度の予算が出ておるわけですね、その場合には繰り越し金はゼロになっている。ゼロですね。しかし、予算総則の中には、剰余金が出たときには長期借り入れ金の返済、あるいはまた設備の改善に使うことができるというだけであって、要するに、そのことと予算の編成とはまた別の問題だと思うのですよ。ただ、それは剰余金の使途を局限した、制限しただけなんですね。予算総則、これには使うことができますよということを書いてあるだけであって、それはいいわけです。ところが、使うということになると、四十一年度の予算にゼロになっているから、新谷さんが言われたように、十億なら十億、二十億なら二十億の剰余が出た場合には、四十一年の予算の中に繰り入れて使うということになれば、当然、それは一億であろうが二億であろうが、予算を修正することになるのじゃないか、こういう質問だと思うのですね。だから、小野さんの話を聞いてみると、その剰余金のものも四十一年度の中に設備改善なんかにずっと入っていっているのだ。まあいわばNHKもゴーイング・コンサーンですからね。単年度の会計になっておるけれども、ほんとうは、これは私は誤りだと思うのですね。こういう事業会計というものは単年度では、全部続いておるのですからね。だから、その点がはっきりしないと思うのですが、いずれにしても、剰余金が出たときに、それを使うことができるというふうに、予算総則で許されてはおるけれども、そのことと予算の編成とはまた別じゃないか。したがって、十億四十年度の決算で余ったということになれば、その金は四十一年度の中のどこに出てくるのか。もし出てくるとするならば、いまゼロなんですから、いまわからぬわけですからゼロにしてあるわけでしょう。それがわかった段階において、四十一年度の中に繰り入れられるということは、どうしてもわれわれは納得できない、了解できないわけですね。そういうことがどういうからくりになっておるのか、それが了解できない。もしも、それが四十一年度の予算の中にあらためて繰り入れられて計画が立てられるとするならば、それは明らかに予算の修正になるのじゃないか。その場合には、当然経営委員会はもちろんのこと、国会の承認も必要になるのじゃないかというのが、私は新谷さんの真意じゃないかと思うのですが、その点がなかなかよくわからないのです。
○参考人(小野吉郎君) ただいま野上元先生からのお話もございましたが、そういったような予算の変更とかいうようなことでなく、予算を総則の原則に従って使い得るような条項、しかも、予算を組んである当年度の予算のほかに何がしかの剰余金はあるであろう、出るかもわからないということを予想し、これを変更に扱わなくて、実行上においてそれを翌年度に措置し得ることを予定した総則が、ただいま御指摘の総則でございますので、それは予算の変更ではなく、当然に四十一年度なら四十一年度中の収支の、その年度限りの収支の予算のほかに、四十年度から持ち越しの金もあるのだ、その金はその総則によって翌年度に、ある一定の使途を限って使い得るんだと、それには経営委員会の同意を得て使いなさい、こういう総則のたてまえになっておりますので、それは必ずしも予算の変更という事態にはならないわけでございます。
○新谷寅三郎君 それ、どうもよくわからないのですよ。それで、そうすると、三十九年度でやっぱり同じようなことがあるとしますね。四十年度にあるとしますね。そうすると、その剰余金というものは別に剰余金として積み立ててあるのですか。それは、まあ四十年度に出した金、四十年度のさっき言ったようなケースで、五億だけ残った、使い切れなかったという場合に、その五億というのは四十一年度の予算ではどういう扱いをしているのですか。四十一年度の予算ですよ、これは。決算をして十億出たのですよね、十億出た。五億だけは総則の八条によって、いろいろ返還をしたり、設側を改善したりした。それでも使い切れなかった。五億だけ残ったと、まだ。その五億というのは、この予算上はどういうふうになるのですか。
○参考人(小野吉郎君) 予算におきましては、この収支予算が御承認を受けますと、年度当初に実行の計画を立てます。これは各部局に改算をいたさなければなりませんし、そういう対象にはこの繰り越し金は充当してございません。別途にとってございます。年度の進行に伴ってそれを借り入れ金の返還に、あるいは設備の予算に予定しなかった拡充、改善に充てる必要が起きました場合に、経営委員会の同意を得て剰余金を予算の総則の許すところに従って措置をするということになるわけでございます。
○新谷寅三郎君 そうしますと、毎年それをやつでいると、たとえばいまの五億、四十年度は五億だった、三十九年度は三億だったと、いろいろ数字が出てきますね、毎年。それはそうすると別にとってあるわけですね、予算外として。予算外としてとってあるわけですか。そうして、それはいまおっしゃったように、使い方は八条のここに書いてあるような方向で使うということだけは、これはさまっているので、いつ使うかは、それは、経営委員会がよろしいと言えば、その年度に、どの年度の剰余金であっても、これは累積してためてあってそれを使っていく、こういうことですか。
○参考人(小野吉郎君) そのとおりでございます。
○新谷寅三郎君 ですから、私はそうでないかと思ったものですから申し上げているのです。予算総則の八条にそういうことは書いてありますけれども、毎年出てきた剰余金は別に積み立てておいて、そして国会の予算審議とは全然関係なく、経営委員会の同意さえあれば、設備の改善に充てたり、借り入れ金の返還に充てるということを自由にやっているということになるわけですね。私はそういうふうな、つまり、かってに——かってにということですね、経営委員会にそこまで、われわれが実はこの予算総則を審議する際に、そこまで経営委員会にまかせようという気持ちは実は私は持っていなかったのです。やっぱり予算全体について見るというのだから、そういう前期の剰余金というものを、国の会計であれば、これは前期、前の年度の剰余金というのはこう使うんだということはちゃんと、これは財政法にも規定があるし、そういう方向で使っているわけです。これも、いやしくも政府が、前の年の剰余だからこれは政府のほうで持っておって、かってに使いますなんていうことはないでしょう。だから、NHKがもしそういうことをやっているとすれば、私はいまここで四十一年度の予算審議にあたって、この総則を変えてくれとは申しませんが、しかし、この問題については、この委員会でもよく相談をして、やっぱり国会の意思に沿って予算総則の運用について考えるべきものは考えるということにしてやっていってもらわなければ困るんじゃないかということを考えますので、この点は、質問としてはそれ以上言ってもしょうがないからこの程度にしておきますが、これはよくNHKも、そういうことはあまり感心したものじゃないんだから、よく処理方について考えておかれたほうがいいんじゃないかと思いますから、会長に特にその点検討をお願いいたしておきます。 それからもう一つ簡単に、これで私の質問終わりますから、時間も過ぎましたがお許しいただきたい。 まあ、この予算にしても、私は一番、つまり、ラジオの聴取者がどんどん減っていくということが非常にこれは気になって前から見ているのですよ。今度もやはり、いわゆる乙契約ですか、このほうがどんどん減ってくるという状況ですね、ここに書いてあるのを見ますとね。しかし、現実に見てみますと、テレビを見ておってラジオはもう聞かないのだというような人は非常に私は少ないだろうと思うのですよ。せっかく法律で契約をしなきゃならぬ、今度の新しい法律案によると、支払わなければならぬというように書いて、支払い義務を負わしておりますけれども、これはどう運用されているかというと、NHKのほうで、市場開拓みたいに、契約してください、契約してくださいと言って回る人もあるし、料金を集めて回る人もあるでしょうね。これは非常な苦労だと思いますけれども、そういうことについて、もう少し私はNHKが真剣に取り組んで、そして何といいますか、料金、法律で与えられた特権ですね、これは。それが十分に満足のいく状態で料金を徴収できるような体制を整える必要があるのじゃないかということを痛感するんですよ。こんなにラジオのほうが減るはずがないと思っているんです、常識で考えて。一例として、これはだれもがそう思うと思うんですが、この前も同僚の委員から質問があって、NHKからあまりはっきりとした答弁はなかったんですけれどもね。自動車ですね、これは実につかまえにくいだろうと思うんです。しかし、私の知ってるある会社に、最近ちょっと聞いてみたんですけれども、私のところは払ってませんと言うんですね。そういったものは一切払ってませんと言うのです。何もそういったことについて、自動車のラジオの聴取料を取りに来たことはありませんと、こう言ってるんですね。と思うと、私の知ってる者が、だれか、いまの集金人じゃありません、何というんですか、市場開拓をする人でしょうね、何か回っている請負人がいるでしょう。そういう人が来て、あんたのところは二台持ってるんだから、一台ぐらい出しなさいと、こう言って帰ったと。それで一台出していると。自動車の番号もなければ、何もない。何に払っているかわからぬ。というかと思うと、一方では、自動車は二年に一ぺんくらい入れかえますからね。今度は取りに来なくなっちゃったというようなことばかり聞くんですね。ですからね、私はそれを一つ一つとらえてどうこう言うんじゃありませんよ。しかし、これはNHKに与えられた特権であると同時に、そういうもので維持している団体なんですからね。これはまあ税金じゃないけれども、税は公平をもってたっとしとなすのですよ。あるものは取ってる、あるものは取らぬというかっこうでおやりになることは、NHKにとってもよくない。法律のたてまえから言ってもよくない。ほんとうに必要なものなら、もっと自動車なんかに対して、東京でたとえば百万台ある。まあそのうち乗用車が五十万台だとかりにしますね、五十万台のうちで何台取っているか。どこに自動車が、乗用車があって、どういうふうに取っているかということぐらいは、やっぱりNHKの、これは会長の仕事じゃないでしょう、ないでしょうが、だれかが、NHKの中で責任者が考えて、そして、その料金を公平に徴収するような措置を真剣にお考えにならないと、これじゃもうだんだん、あの車は払ってないんだから、おれのところも払えないよというようなのがふえてきましてね、今度は家庭における受信料も、これはほとんどゼロに近いところまで落ちていくんじゃないかという心配があるんですよ。何かお考えになりませんか。
○参考人(長沢泰治君) お答えいたします。 確かにラジオの問題は、正当な条件を持っておりましても契約をしていないというのが相当あるのが実情でございます。そこで、いろいろな施策を講じておりまして、いままでやっておったんです。一方、いろんな問題を含んでおりまして、成果があがりませんが、あくまでも公平に負担していただくという精神から言いまして、特に自動車の台帳のチェックとか、あるいは新設自動車の中に請求書等を入れるなど、いろいろな総合した取り組み方をして、今後も一そう努力しないと、非常に大きな問題になると、こう考えて、積極的に処置をしてまいりたい。もう少し正当な条件を持った方々から受信契約を適切にしていただくという努力をしたいと考えております。
○新谷寅三郎君 まあこれでやめますから。いまのお答えにとやかく言うのじゃありませんが、これは考えたって、料金が集まるわけじゃないのですね。ですから、これはこの機会でなくてもいいです。他の機会でもいいですから、いまのラジオの聴取料の徴収のしかたについて、私はNHKのほうが真剣じゃないと思うのですよ。そういう感じがしてならないのです。まあ言い過ぎたらこれは取り消してもいいのですが、私はそういう感じを持っている。特に取りにくいところには、これはもう初めから投げてかかっている。そういう態度では困ると思うのですね。だから、どんどん減っていくばかりです。だから、私は他の機会でいいですから、ラジオの料金を徴収するのに、具体的にどういう方法をとって、これからこんな方法でやろうとしておりますという腹案をまとめて出していただきたい。それについて、われわれは及ばずながら意見も申し上げて協力をしたいと思うのですよ。この国会中でいいですから、ぜひ、そういうふうな腹案をお出しになって、みんなでひとつ協力をして、公平に無理もなく徴収できるような方法が案出されれば一番けっこうだと思うのです。ぜひお願いします。
○参考人(長沢泰治君) 御指摘の問題は、私ども自体の大きな問題でございますので、積極的に計画をさらに立てまして実施したいと思います。
○委員長(田中一君) ちょっと私から郵政大臣にお願いしておきますがね。いま新谷委員からの質問の問題は、承認案件であるので、単に、予算の一環としての剰余金の使途というものは、当然予算外の支出であるわけですからね。これは当然決算だけでいいというわけじゃないと思うので、この予算総則の中でもって国会に、ある時期にそうした剰余金が確定されますと、経営委員会のほうで、どう使うかという問題もこれはおそらくきまるでしょう。その際には、郵政大臣を経て国会の承認を——承認というか、これはほんとうは承認を求めるということが一番いいのですけれども、それが法律改正じゃ困るならば、了解を得るような報告をするような措置をとるように、ひとつ法律上の問題も含めて、調べておいていただきたいと思うのです。
○国務大臣(郡祐一君) 予算総則の問題は将来長い問題でもございます。また、私も、何か当委員会でお答えしておったこともあったかと思いますが、ひとつ十分NHKと一緒に研究させていただきたいと思います。
○久保等君 ちょっと委員長。その点、なんだったら資料をぼくは要求してみたいと思うのですが、昭和三十七年から第二次六カ年計画を実施せられておるのですが、第二次六カ年計画の初年度といえば三十七年度ですから、三十七年度から今日までの剰余金額を各年度別に、どの程度どの程度と、金額で出してもらって、それを実際使ったのはどういう形で使ったのか、年度別のそういった経過を、四年間になると思うのですが、それらの御報告というか、資料を出してもらいたいと思うのですが。
○委員長(田中一君) 承知しました。それじゃ前田会長、いま久保委員から要求の資料は、午後の委員会までに御調製願いたいと思います。
○久保等君 まあ、きょうできなければ……。
○参考人(前田義徳君) 努力いたしたいと思いますが、ちょっと二時までに間に合うかどうか。間に合わなかったらあとは引き続き……。
○久保等君 ええ。私はけっこうです、あすでも、あさってでも。
○委員長(田中一君) 午前はこの程度とし、午後二時まで休憩いたします。 午後零時二十八分休憩 —————・————— 午後二時十分開会
○委員長(田中一君) 休憩前に引き続きまして、委員会を再開いたします。 質疑のある方は、順次御発言を順います。
○野上元君 郵政当局に質問したいのですが、まず最初に、十二チャンネルの問題で少し質問したいと思いますが、昨日、同僚鈴木君からいろいろとこの問題について質問されたそうであります。私、たまたま欠席をしておりましたので、あるいは質問が重複するかもしれません。できるだけ重複を避けて質問したいと思いますけれども、その点ひとつお含みおきの上、御了承をいただきたいと思います。 御承知のように、いま十二チャンネルの問題が非常に大きく取り上げられておりますが、この十二チャンネルの問題の内容について、郵政当局としてはどれくらい把握されておるのか、まず、その点をお聞きしたいと思うのです。
○国務大臣(郡祐一君) 十二チャンネルにつきましては、昨年再免許をいたしまする際に、事業計画を十分現実に立てるように、かつ、その事業計画に基づいて普通協力費が計画のとおり入るならば維持し得るという判断をいたしたのでありまするけれども、その後の状況、ことに最近に至りまして、その経営状態というのがまことに好ましくなくなってまいりました。それで、民法上の監督権に基づいて資料の提出を要求いたしまして、一昨二十二日にその資料の概要の提出がございました。それに基づいて、電波監理局で現在検討いたしておりますが、さらに関係者を呼ぶなりいたしまして調査をいたそうという段階になっております。
○野上元君 この問題は、免許官庁である郵政当局の私は電波行政上の大きな失敗だと思うのですね。この十二チャンネルを郵政当局が免許したときに、はたして日本のような社会情勢の中でこういう事業が成り立つかどうかという問題については、だれが見ても当時非常に問題になったのですが、それをあえて郵政当局がこれを免許した、しかも、再免許までしておるということは、明らかに電波行政上の重大なミスだと思うのですが、その点は郵政当局としてはどのようにお考えになっていますか。
○国務大臣(郡祐一君) 科学技術の放送があるということ、テレビがあるということ、これは事柄として別に是非を論ずべきことではないと、ただ、その経営の形態が、確かに民法上の法人でありますることに問題点はあったと思います。これは昨日も科学技術庁からお答えを申しましたようなぐあいに、両省共管をいたしておるのであります。これは両省の責任において十分今後事態を検討してまいらなければいかぬ、このように考えております。
○野上元君 当然、十二チャンネルがこのような状態になったのですから、監督官庁であり、かつ免許官庁である郵政当局が、これについて適当な再建策に対するアドバイスをするということは、これは当然なことだと思うのです。こういう事態を引き起こしたこと自体に問題があると思うのです。たとえば、今日日本の放送事業の形態を見てみますというと、NHKはいわゆる受信料で経営が成り立っている。その他の民放については、これは広告費で成り立っておる。で、この十二チャンネルの場合には、主として寄付でやろうとしたわけなんですが、こういう放送の内容を持つ十二チャンネルのようなものが、今日の日本の放送界の中で、はたして採算がとれるかどうかというような問題は当然予見できたと思うのですが、当時の計画から見て、郵政当局としては十分にこれでやっていけるというふうに判断されたかどうか、あるいは再免許のときにおいても、十分再建できるというふうな見通しを持たれたのかどうか、その上で免許されたのかどうか、その点をお聞きしておきたいと思うのです。
○国務大臣(郡祐一君) これは野上さん御承知のように、それぞれの国のそれぞれのテレビ事業の経営というものは、いろいろに分類いたしますれば四つか五つの形態があると思います。したがいまして、NHKのような国民から受信料を取る形態、もしくはスポンサーによる収入、それ以外に形態があり得ないということの考えではなく、協力費のような形で事業ができるならば、それが計画どおりにできるならば、むしろ、科学技術というようなテレビを担当するものとしては適当だという判断に立ちましたからこそ、免許もいたし、再免許もいたしたことでございますが、その間の状況に、判断を下します上に不十分だった点があるということは、率直に認めなければいかぬと思います。
○野上元君 それじゃ具体的に聞きますが、十二チャンネルは現在相当大きな負債を背負って苦悩しておるということが、新聞紙上に報ぜられておるのですが、ある人は二十五億と言い、ある人は四十億と言っているのですが、一体、どれくらいの借金をいま持っているのですか。
○政府委員(上田弘之君) お答え申し上げます。 流動負債としまして十四億八千五百万円、それから固定負債としまして三十一億一千四百万円、こういう状態でございます。したがいまして……
○野上元君 合計で幾らですか。
○政府委員(上田弘之君) 合計で五十一億二千百万円でございます。
○野上元君 目下、この問題について再建策が講ぜられておるのですが、この負債五十一億二千万円というものは、一体だれがこれを穴埋めする予定なんですか。
○政府委員(上田弘之君) その点につきましては、これからもっと詳細に当局としましては関係者から聞こうと考えております。
○野上元君 この負債の返済について、世上とかくのうわさがあるわけです。おそらく、きのう鈴木君もその点に触れられたと思います。私も新聞紙上で、比較的具体的に、関係当局の個人的な名前までもあげて、すでに折衝が進んでおるのだ、まあこういうような話を聞いて実はびっくりしたわけですが、これをはっきりさしておかないと、不必要な悪評がちまたに流れていくという心配が十分にあるわけです。したがって、この際、はっきりしてもらいたいと思うのですが、これは当然、財界が強引に十二チャンネルを獲得をして、そしてユニークな放送をやるのだというもとに開始をした。ところが、実際には五十一億数千万円の赤字を出した。そして新聞紙上等を見ますると、当時十二チャンネルの建設をした有力な実力者が退団してしまっておる、こういうふうなことも言われておるわけです。その新聞の記事に関する限り、非常に私は財界の態度は無責任きわまるものだと思うのです。いわんや、国民の電波をこのように食い散らすということは許されないことだと思うのだが、当然私は、この五十一億数千万円の赤字は、事業団体である十二チャンネルを持つ科学技術振興財団が負うべきものだ、こういうふうに考えておりますが、その点は郵政大臣としてはどういうふうにお考えになっていますか。
○国務大臣(郡祐一君) 先ほども申しましたように、二十二日に出てまいりました報告によりますると、収支の関係では、収入月額が一億円とし、支出としては、制作費三千二百万円、人件費二千五百万円、管理費千五十五万円、技術費八百五十万円、こういう収支の計画を出してきております。しかし、これはその計画を見ましても、さしあたっての事態をしのぐための計画でありまするから、当然再建計画というものは別途持つはずでありまするから、それらの計画の細部につきましては、先ほど申しましたように、電波監理局においても調べておりまするし、認可をいたしました両省において、詳細を確かめようということをしております。その場合におきまして、負っております負債につきましては、財団が当然それに対する対策を講じなければいけないことは、当然財団の性質としてさように相なっております。
○野上元君 ただいまそういうお話を聞いて一応了承できるわけですが、新聞等で報ずるところによりますと、御承知のように、NHKが毎月一億円の穴埋めをしていくんだということについて、関係省当局の間で話し合いがついているというような、まことしやかな報道が流れていることは、非常にわれわれとしては意外に思いましたし、国民から見ても、けしからぬ話だというふうに思われると思うのですが、そういうことは全然ございませんか。言うべきじゃないと思いますが、どうですか。
○国務大臣(郡祐一君) これはどうも、ちょうどNHKの会長がおられますから、会長からお答えいただいたほうが正確かと思いまするけれども、NHKの現在の、現に御承認をお願いしております予算なりからごらんいただきましても、そのようなことは考えられもせず、また、NHKの当局においても考えておられないことと存じます。
○参考人(前田義徳君) そのような事実はございません。
○野上元君 この問題も鈴木君が聞いておりますが、今後の改正によって、NHKが関係事業団に投資することができるという条項が今度新しく生まれるということで、これもこの問題と引っからめていろいろと論ずる人もあるわけであります。いま私が穴埋めとしてNHKが毎月一億円ずつ出していくんだという問い方をしたのですが、これは別の角度から今後十二チャンネルを援助する、あるいは関連事業とみなして、これに投資ができるのだという考え方ができるならば、将来そういう問題が起こり得るかどうか、その点を明らかにしておきたいと思いますが、この点、前田会長どうですか。
○参考人(前田義徳君) 投資条項につきましては、NHKは、放送法制調査会の意見を求められた際、ある種の厳密な制限のもとにおける投資条項は必要であるという意見を述べております。この必要だという理由は、NHKの経営の合理化のために、NHKが直接行なうべき事業であっても、これを別の団体で行なう場合にはより効果をあげ得るという種のもの、たとえば技術センターのごときものには投資さしていただきたいという考え方と、それから過去の経験から申しまして、たとえば東京、名古屋、札幌等における共同の鉄塔の建設に際して、NHKは投資が不可能であったために、部分的な所有権という形での協力はできましたけれども、その鉄塔運営全体に関してのNHKの立場、NHKの利益を守ることは不可能でございまして、したがいまして、私たちが考えている投資の要望はその限度にとどまるものでございます。
○横川正市君 ちょっと関連。これはNHKの持っている使命の中で、この一チャンネルと三チャンネルの放送時間に見合った放送内容で、科学技術等の特別な任務を持った放送が十分に行なわれていると考えているのかどうか。もし科学技術振興財団が持ったような一つの目的と理想を持ったものが、もう一チャンネルNHKにあったとしたら、より使命を達成できるのではないかという点については、どういうお考えを持っておりますか。
○参考人(前田義徳君) 科学技術という番組の内容が何であるかということは、私どもが現在している放送の中にも科学技術に関するものはかなり十分にあるわけでございます。したがいまして、別の観点から、将来のNHKの放送網はどうあるべきかという場合には、また、別の観点からの私どもの考え方がございますが、少なくとも、十二チャンネルとの関連においては、NHKは現在の長期計画に基づく番組編成計画、これによって一応その目的を達しつつあるということが言えると思います。
○野上元君 この十二チャンネルの問題が起こったときに、各界の専門家がこの問題に言及してそれぞれ新聞紙上で意見を述べているのですが、その中で、電波監理審議会の会長、である澁沢秀雄氏が、学校放送であるとか、あるいは純然たる科学技術の放送であるとか、そういうものを放送する場合に、経営としては非常に困難である、したがって、NHKの受信料をこのような面に流用することは好ましいことではないか、こういうふうに言っております。これは単なる評論家が言っているならばまた別の問題であります。たまたま、澁沢さんは電波監理審議会の会長であります。この人がこういう発言をしているのでありますが、これについて郵政当局ではどのようにこの問題を考えておられますか。
○政府委員(上田弘之君) そのようなことを実は聞いておりません。
○野上元君 直接澁沢さんからあなたのほうにそういう話があったわけではないと思います。これは私は新聞紙上で澁沢さんの意見を見たわけです。その中に、いま私が申し上げましたような意見を述べているわけでございます。その人が電波監理審議会の会長でありますから、きわめてその発言は重要だと思うのですが、こういうふうに、純然たる学校放送であるとか、あるいは科学技術に関する純然たる技術の放送であるとか、そういうものは当然今日のコマーシャルベースには乗らないだろうということは、これはしろうとでもわかるわけです。したがって、そういうものを放送する場合には、NHKの受信料を割愛してもこれを育成すべきじゃないか、そういう道が開かれるべきじゃないだろうか、こういうふうな意見を述べておられるんですが、その意見に対して郵政省はどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(郡祐一君) 私もその記事をつまびらかにしておりません。また、NHKの受信料云々と言われたのはどういう意味で言われましたか、いずれ、澁沢さんにはしばしば会う機会がございますから、私も確かめてみましょう、それから電波監理局のほうからも、至急、どういう気持ちで言われたか、気持ちは聞いてみようと思います。
○野上元君 これは何日の新聞でしたか——三月十六日の東京新聞の朝刊です。したがって、今日すでに十日以上たっておるわけです。私でさえ、この問題について大きな関心を払っておるのに、電波監理の総元締めである郵政当局がまだそれを知らないなんていうことは許されないですよ。当然、澁沢氏の真意を聞くべきじゃないですか、こういう場合には。これは重大な問題ですよ。NHKにとっても重大な影響を与えるわけです。それについて私が質問すると、何もいま聞いておらぬなんていうのは、電波監理当局の怠慢ですよ。そういうことは許されないですよ。だからこそ、十二チャンネルに対する考えがあなた方全然まとまらないんじゃないですか。この点について意見を聞きたい。
○政府委員(上田弘之君) どうも申しわけございませんが、さっそく調べてみたいと思います。
○野上元君 知らぬものを幾ら突ついてみたってしょうがないんで、まことに残念に思いますが、さらにまた、この十二チャンネルが五時間半という、放送時間を短縮したために、二百人の人が離職させられたわけですが、これなどは、明らかに経営者の失敗によって、あるいはまた、郵政当局の免許の誤りによって犠牲をこうむった人だと思うのです。こういう状態が起きていることについて、郵政当局はどう考えておられますか。
○政府委員(上田弘之君) いまの人員整理の問題につきましても、つまびらかにいたしませんので、よくこの点を確かめてみたいと思います。
○野上元君 こんなあなたけしからぬ答弁をしておって許されるんですか心あなたのほうは監督官庁で、いま十二チャンネルが重大な問題に当面しておるのに、これから調べるというような、そんな態度が許されるんですか。郵政大臣、一体どういう監督をされているんですか。これは非常に怠慢じゃないですか。
○国務大臣(郡祐一君) 私は、昨日もその点繰り返して申し上げましたように、二十二日に状況を聞き、それから事前の連絡がなかったことでありますので、現に部内において調査もいたし、それから先ほども申し上げましたように、呼び寄せて、これは根本は財団のほうに入っていかなければならない問題であるから、科学技術庁とも現在相談をいたしまして、そうして、これの監督機関である両省においていたす、これは昨日申し上げましたとおりでございます。
○野上元君 昨日の質問に対する答弁ならそれでいいですが、実際にもう十日も前に起こって、きわめて大きな社会問題になっておるのにかかわらず、まだまだその内容がつかめないということは非常に私は残念に思います。したがって、この問題をあんまりそう長くやっておる時間もないんで、残念ですが、もう一つ聞いておきたいのは、放送時間をいままでの三分の一に減らして五時間半にすると、こういうわけです。実際にフルに使えば、一日十八時間、十九時間というふうに、効率的にこの波は使えるわけなんですが、これを五時間半に短縮すること自体に、私は電波行政上問題があると思うのだけれども、電波監理当局は五時間半は当面やむを得ない、こういうふうにお考えですか、あるいは一体いつまで許しておくつもりですか。
○政府委員(上田弘之君) ただいま先生の御指摘になりました点は、確かに時間の長さという点からして問題があるかと思いますけれども、現在の法律の上では、放送時間というものにつきましては、年度の初めに届け出をするということになっておりまして、法律の面だけから申しますと、そういう形でございます。ただし、先生のいま御指摘になりましたような問題は、確かにどうすべきかという問題は残るかと思います。
○野上元君 法律的な問題は私もわかります。わかりますが、しかし、電波監理の立場から見て、フルに使えば十八時間も使え、しかも、これは業者にとっては垂涎おくあたわざるところなんですね。それを五時間半で当面は糊塗していくというようなことは、法律的には別として、電波監理上あるいは電波の行政上許せることじゃないと思うんですが、その点の監理局の基本的態度を聞きたいんです。
○政府委員(上田弘之君) この十二チャンネルの問題が現在再建ということをめぐりまして、できるだけの努力をしているときでございますので、そういう意味におきまして、もう少し事態を見ていくということが必要かと存じます。
○野上元君 それでは、あなたはこういうことを知っていますか。もう十二チャンネルは、すでに娯楽番組を他のテレビの会社にどんどん譲り渡しているんですがね。そういう実情を知っておりますか。
○政府委員(上田弘之君) ただいま出してまいりましたところのものから見ますれば、もちろんそういうことになると思いますし、それから現在どういうような実態で移しつつあるかということにつきましては、詳細につきましては、まだ十分調査いたしておりません。これからだんだんと調査してみたいと思います。
○野上元君 とにかく、あなたのほうは調査がまだ不十分のようです。だから、私が質問しても的確な御答弁をいただけないので、非常に残念に思っておりますが、すでに幾つかの有名な番組が他のテレビ会社のほうに移しかえられているという事実を新聞等でも流しているわけなんですが、その点については、今後の再建策ときわめて大きな関連があるので質問したんですが、よく調べてもらいたいと思うんです。 それから再建策には幾つかの方法があると思います。どれが一番いいか、監督官庁の立場、電波行政の責任者としての立場を聞いておきたいんですが、たとえばNHKがこのあとを引き受けるという問題が世上に云々されている。したがって、NHKの第三の放送として生まれかわるという考え方もあると思います。これが一つの方法だと思います。もう一つの方法は、完全な民放に切りかえる。そうして主として広告費でこの事業を経営していく他の民放と同様な経営方式をとる。第三の点は、寄付行為によってやっていく、寄付によってこれをまかなっていく、この三つの方法が大体あろうかと思います。あるいは、その混合方式もあろうかと思いますが、電波行政の立場から見て、十二チャンネルの再建策としては、どれが一番よろしいと考えておられるのか、あるいは、十二チャンネルに対してあなたのほうでは何かサゼスチョンをすることがあるのかどうか、あるとすればどういう案をされるのか、その点を聞いておきたい。
○政府委員(上田弘之君) この再建の問題につきましては、当事者が一生懸命いま再建をすべく努力中でございますし、また、これに対するところの影響というものも、先ほどから先生が御指摘になりましたように、いろいろと影響も大きいことかと思います。また、郵政当局といたしましては、免許いたしまして、また再免許いたしましたときから考えておりますのは、もちろん寄付行為によりまして健全な放送というものを維持していけるようにということで考えてまいったのでございまして、それがうまく再建できることを期待しておるという段階でございますので、そういうようなことを総合いたしまして、今後十分に慎重に考えていきたいと思いますので、ただいま御指摘になりましたような方法につきまして、どれがよろしいかということのお答えは控えさしていただきたいと思います。
○野上元君 せっかく当該事業団が再建の途中であるので、それをあなたのほうは見守っていきたいと、こう言っておられるんですが、それならば、現在の事業団の再建策というのはどういうものですか、それをちょっとお聞かせ願いたい。どういう基本的態度で再建をされようとしておるのか。
○政府委員(上田弘之君) 十二チャンネルのほうから申し出してまいりましたところの案は、申し上げますと、基本方針といたしまして、まず科学技術専門教育局に徹する、それから商業放送は一切行なわない、これを基本方針といたしまして、基本番組計画としましては、三つに分けておりますが、第一は通信制の工業高校向けの番組、それから第二番目は科学技術教育及び一般教育番組、それから第三番目は報道番組、こういうことを計画しております。それから放送時間といたしましては、原則として一日の放送時間を五時間半とする、こういうことにしております。それから第四番目には、事業計画と資金収支でございますが、これにつきましては、事業収入といたしましては月一億でございまして、そうしてそれを、制作費、技術費、業務費、管理費、人件費、営業外の費用、それから償却費、開業費の償却等としておりますが、ただし、その中で営業外の費用と償却費、それから開業費償却については、これは考えて、と申しますか、考えておらないようでございます。そういうような計画を報告してまいっております。
○野上元君 商業放送をやめるということはどういうことなんですか、具体的には。
○政府委員(上田弘之君) スポンサーをつけましたところの放送を行なわない、要するにスポンサー料を取って行なうような放送はやらないことと了解いたします。
○野上元君 私はそれは経営上非常に問題があると思うんですね。要するに、一般の民放はスポンサーからの広告費によって経営が成り立っておるわけなんですね。したがって、十二チャンネルもやはり同様だと思うんです。財源の、収入の源泉から見れば、このスポンサーからの広告費というものが一番大きいんじゃないかと思うんですね。にもかかわらず、これをやめて純然たる科学技術の専門局になるということになると、経営上はますます苦しくなるんじゃないでしょうか。その点はどういうふうにあなたのほうでは判断されておりますか。
○政府委員(上田弘之君) ただいま御指摘がございました商業放送ということ、それからスポンサーの、もちろん広告費ということは、実態は、実はいままでの民放というものが、ほとんど例外なしにそういうことをやっておると思いますけれども、法律の面におきましては、実にそういうことはうたっておりません。広告という文字は出ておるところもございますけれども、収入として、いま御指摘になりましたようなものをもって充てなければいけないというようなことは、実はないのでございます。そういうことでございますので、この十二チャンネルの問題につきましては、すでに初めの計画から寄付金に仰ぐということを申し出してきておりますので、そのことも初めから十分承知の上でやっておるわけでございます。 それから、今後の経営がますます苦しくなるのではないかという御指摘につきましては確かに同感でございますので、一体将来どういうぐあいにやっていくのかということにつきまして、われわれ非常に不安でございます。また、これに対するところの説明というものも十分尽くされていないというぐあいに了解しております。したがいまして、昨日大臣も申しておりましたが、これは一時のつなぎと申しますか、そういうような意味合いのものではなかろうか。したがいまして、将来どういうような恒久的なやり方としてやっていくのかということにつきましては、まだ不明確であるので、事業者を呼びまして十分この点は大臣からも聞きたいということを申し上げた次第でございます。
○野上元君 いままで十二チャンネルの場合には、寄付金というのは毎月定まったものは一億円ずつ入る予定だったんじゃないでしょうか。
○政府委員(上田弘之君) 再免許のときにおきましての寄付によりますところの収入は、一月当たり五千万でございます。
○野上元君 十二チャンネルを許可するときに、もう初めからそういう方向で許可されたわけですね。そして事業団のほうとしてはこれで十分やっていける、こういうことであなたのほうは免許をしたわけだ。ところが三十九年にスタートしたのだけれども、早くも五十一億数千万円という膨大な金が借金として残った。その借金の内容を検討すればわかると思うのですが、結局寄付金があまり集まらないということが、一つの大きな原因だと思うのです。今回また、五千万円でも集まらぬのに、今度一億円ぐらいの寄付でやろうというのでしょう。そして五時間半で一日やろうというのでしょう。これではやれっこないんじゃないですか。先ほど来問題にしておりますように、一つのチャンネルを、波を五時間半しか使えないというようなことは、とうてい将来許されないと思うのです。しかも商業方針を全く捨てて、純然たる科学技術局として再スタートする場合に、これを十五時間、十六時間、十八時間とやっていく場合に、寄付は一億円では済まない、おそらく二億円も三億円も、それ以上も必要になるだろうと思うのです。そういうことを考えながらこの再建策をやっていっては、また前轍を踏むことになるのじゃないか、また同じことを繰り返すのじゃないかということを心配しておるわけなんです。そうすると、恥の上塗りということになるわけですね。とりもなおさず、これは監督官庁であるあなた方の失政の問題につながってくるわけなんだから、あなたのほうもよほど内容を検討してアドバイスすべきところはアドバイスし、どの道が一番将来再建に役立つ道かということを真剣に考慮しなければならぬのではないでしょうか。そうして、両者が不当介入にならない程度で親切に協議を続けていくということが、この際私は必要だと思うのです。最近新聞の資料で発表されておる再建案などは、再建案には私はならないと思う。こういうことをやっていると、再びこういう混乱が起きるということになると非常に問題になるので、いまのうちにその芽をつみ取らなければならない、こういうふうに私は思うのだが、郵政当局としては、この再建案で将来やっていける見通しがあるのか。あるいはまた、波を一日十八時間も使うようになった場合に、はたして寄付だけでやっていけるかどうか、そういう点でひとつ意見を伺っておきたい。
○政府委員(上田弘之君) 実は再免許のときの収支と申しますか、を考えてみますと、実は収入がたしか十七億であったかと思います。そして負債が……。
○委員長(田中一君) 上田君、声をもう少し大きく願います。
○政府委員(上田弘之君) 失礼いたしました。再免許の当時の収入は一年当たり十七億でありましたのが、支出が三十億ということでございまして、したがいまして、この支出が予想外に多過ぎたということが、この赤字を生む原因であったわけでございます。したがいまして、その支出の多過ぎた理由は何かと申しますと、実は制作番組の、番組の制作費が非常に大き過ぎたということでございます。したがいまして再免許のときにあたりましては、できるだけこの支出をしぼっていくということを考えたわけでございまして、そういうやり方をするならば、だいじょうぶやっていけるであろうというような計画に基づいて再免許をやっていったわけでございます。ところが、その後の状態を考えてみますと、先ほどありましたように、協力費の徴収がうまくいかなかった、協力費を十分集めることができなかったというところに、大きな失敗と申しますか、いままでうまくいかなかった原因があるように思われます。で、今度の再建案の骨子になっておりますことは、いま申しましたところの協力費というものを、相当確かに徴収することができるようになるということを前提として考えているというぐあいに考えます。
○野上元君 再免許のときすでに収入が十七億で支出が三十億ということになっているのですから、差し引きも十三億赤字なのですね、そのときに。あなたのほうとしては相当慎重な態度で再免許に臨むべきであったと思うのですが、いまからそれを言ってもしかたがない。しかし、今度の再建案を私どもが心配しているのは、非常に縮小再生産なのですね、形が。要するに支出を切り詰めるのはいいが、放送もやめてしまう。それではあまり意味がない。再建案にならないと思うのです。放送業者の、この事業団の何といいますか、メルクマールといいますか、それは放送事業なんですからね。それをやめて、人間を減らして、時間を減らして、そして再建策でございます。これではほんとうの再建策ではないと思うのです。私は番組を充実して、そうしてしかも、収支バランスがとれるというのが再建策でなければならぬと思うのです。こういうようなのは、明らかに再建策とは言えない。一時的なその場しのぎだと思うのです。したがって、いつまでもこういうことは許されないと思いますから、あなたのほうとしても、早急にこの問題については十分な検討を加えて再建ができるような方策をぜひともに心配をして実現するように、この際私は希望をしておきます。これは昨日鈴木君からいろいろと質問をされて重複質問になったと思います。非常にその点恐縮しておりますが、まあ心配のあまり質問したわけですから、その点了解してもらって、ひとつあなたのほうも本腰を入れて、国民の波だと、こう言われているのですから、国民の波をいかに正しく使うかという点について、さらに努力をしてもらいたいと思ます。 たまたま最近財界の動き等を見ておりますと、たとえば航空面についても、日本には日航とそれから全日空輸とそれから国内航空があるわけですね。大体日航と全日空輸で日本の航空はまかなえると思うのです。にもかかわらず財界が割り込んできて、国内航空なんというような大きなものをつくった。そうしてじゃんじゃん事故を起こした。そうして赤字がかさんでいよいよどうするかというような問題になり、そうしてそのしりぬぐいを日航に持ち込んだ、あるいは全日空に持ち込んだのですね。今回の電波の中においても同じじゃないですか。これだけの競争が行なわれている中へ無理やりに割り込んできて、そういう赤字を出して、そうしてその赤字をあわよくばNHKにしりぬぐいしてもらおうというような考え方は、明らかに私は誤りだと思うのです。この点は郵政大臣は国務大臣の一人なんですから、こういう財界の軽率な動きについては、十分ひとつチェックするようにということを希望しておきます。
○光村甚助君 関連。大臣にお願いしておきますが、十二チャンネルの問題ですね。きのうからのお話で、最近聞かれた——きのうきょうと逓信委員の追及に、聞いたばかりで知らないと、こういう御答弁ですが、次の委員会までには、二十九日のはずですから、だいぶ間がありますから、その事情をもっと詳しくお調べになって答弁していただきたいと思うのです。繰り返しになりますが、二百何十人の人がこれは首になる問題ですから、おととい聞いたのだというようなごまかしでは、やはりわれわれも納得できませんので、もう少しとうするのだというひとつ根本にまで入って——納得しないかもしれませんけれども、ある程度納得のできるような答弁を用意しておいていただきたいということをお願いしておきます。
○国務大臣(郡祐一君) これは昨日も鈴木さんからお話がありまして、科学技術庁からも来ておりましたので、そのときにも話しましたのは、監督をいたします両省において共同して調査をいたす。問題点は、このようなその場しのぎの計画を出したけれども、再建策という形で出てきておらぬのだ。そこに根本の問題がある。それに何を持っているかということを確かめなければならぬ。しかし、それは相手のあることだから、相手のここはこうやってしのぎます、こうやって再建しますということを聞かなければ判断ができぬじゃないかということを申しまして、そうして両省において、報告をもとにして話を聞き、それから必要に応じては両大臣会って、そうして相談をいたそうというぐあいにいたしておりますから、段取りはそれぞれ事務のほうでもいたしておりますから、私はまあ現にこれだけのつなぎだけしか持ってこなかったところを見ると、再建策がさしあたって生み出せないで、こういうつなぎの形になっておるかと思いますが、私のほうでも、これから時々状況がわかりますに従って申し上げていくようにいたしたいと思います。
○野上元君 この問題は打ち切ります。 次の問題に入りたいと思いますが、今度放送法が改正をされるわけです。放送法は本委員会にまだ付託されておりませんから、その内容について、私も全部それに触れようとは思いません。が、せっかくこの放送法ができ上がったんですから、それとNHKの四十一年度の予算とがどういう関係があるかという点についてのみ、ちょっとお聞きしておきたいと思います。それで改正放送法の内容を読んでみますと、将来は、NHKと民放との二本建てにするのだ、こういうふうにはっきりうたわれております。そして全国的な放送網についてはNHKが今後担当していく。民放はできるだけ地方の放送を行なう。ローカル放送のほうに重点を置く、こういうふうにうたっておるわけであります。ところが、この四十一年度のNHKの予算編成の重点の中に、ローカル通信の充実ということをうたわれておるのですが、これは調査会の答申の意思とはだいぶ違うのじゃないかという気がするのですね。調査会の答申によれば、ローカル通信は民放でやれ、NHKは全国的規模でやれ、こういうふうになっておるのですが、NHKが四十一年度予算編成にあたっては、ローカル通信にも力を入れるのだ。こういうことになると、いよいよまた民放と競合が激しくなるのじゃないか。また答申の内容にもそぐわないことになるのじゃないか、こういうように思うのですが、郵政当局としては、その点についてどういうふうにお考えなんですか。
○国務大臣(郡祐一君) これもかねがね当委員会でも、委員各位の御意向を承っておったわけでありまして、NHKが全国的な規模における事業を営む、同時に民放は今度の法律では事業区域ということばを言うておりますが、一定の限られた地域においてその事業を営む。これをはっきり二本建てにするようにというのは、御意向を常に承っておったところであり、そのような意味合いで法律の改正をいたしております。したがいまして、いま野上さんのおっしゃるように、民放について、地方の自然的、経済的、社会的な環境に応じた放送をいたすように、いわゆるローカル放送でございましょうか、いたすようにいたしてはおります。しかし二本建てといたしました意味合いは、あまねく全国に協会の電波が届くようにいたしますし、同時に地方において民放を、原則として二つの波を聴視者が受けることができるようにこうした仕組みを土台でこさえております。そうしてNHKと民放とがともに全国あまねく、しかし民放というのはそれぞれ事業区域を持ちながらいたしておる、こういうことでございます。しかしながらNHKが全国あまねくと申しまして全国同じような放送をいたしておるのでは、これは聴視者へのその責任を果たしておるわけではございません。NHKが全国あまねくと申しますのは、民放と競争しなさいということを私決して申すのではなく、民放に、特にローカル放送の意味を、法律上新しい規定を言うてはおりませんが、NHK自身が全国あまねくという中には、それぞれの地域の特殊性に応じた、十分サービスを提供いたさなければならぬことと思いますから、法律上NHKがこのたび御承認いただく予算に考えておりますることで、私は適切なことであると理解しております。
○野上元君 いまの問題についてNHK当局としてですね、この答申にからむ問題として、ローカル放送の強化ということについてですね、なぜこの四十一年度の中に特に打ち出したのか、その真意をお聞きしたいんですがね。
○参考人(前田義徳君) 私どももNHKの使命は、ただいま郵政大臣から御説明あった立場に立つべきであるという考え方を持っており、新しい放送法の内容についても、仄聞する限度において、当然この大方針は政策として変わっておらないと、私は受け取っているわけでございますが、その意味におきましては、従来もいわゆる全国放送とローカル放送の調和並びに聴視者に奉仕するという点では、ローカル放送も非常に大事な柱の一つであるという考え方をとってきているわけでございます。したがいまして明年度予算の特性として、テレビジョンのローカル放送の強化もしくは報道網の強化という点を取り上げているのですが、従来もたてまえとしては同じ方向に向いております。ただ、今回御審議をいただく明年度予算の中で、特にこの柱を強調いたしましたのは、テレビジョンのローカル放送が、長期計画に従って明年度から内容充実のために、それからまた地域住民との直結の方法として、これを機械的にも機器の上でも強化するというたてまえを明らかにしたわけでございます。
○野上元君 それはわかるのですが、それまでNHKに乗り出されてはね、民放のいわゆる存在価値がなくなるんじゃないか。だからこそ、調査会としてはですね、全国的な規模における放送はNHKにやってもらう。ローカル通信はできるだけ民放にやってもらうんだ。そこにまあ民放の存在価値を一応規定しておるわけなんですがね。したがってもしもそれを是認されるならね、むしろNHKとしてはローカルカラーに特に力を入れるというのは、この調査会のが出た今日ただいまの情勢から見て、適当じゃないんじゃないか。つまらぬ疑惑を生むんじゃないかというような気がするのですが、その点は全然考慮されなかったんですか。
○参考人(前田義徳君) 私どもの理解いたします限度においては、そのおそれはなく、またNHKとしてもそのおそれのあるような、または誤解されるような、何と申しますか、限界を越えたことはいたしたくないという考え方を持っております。ただ私どもの理解するのは、事業体としての存在の基礎がNHKは全国的であり、民放は地域を中心とする事業体であるというように考えるわけでございまして、したがいまして放送事業者、まあ職人として申し述べさせていただきますと、商業放送は全国一つの企業体ではない。全国各地域に事業区域を持つ独立の企業体であり、したがって全国的に複数のそのような企業体はあり得る。ただしこれを全国網にするかどうかは、各企業体間の共同動作が、いわゆるネットワークの形でどのようなことになるかという問題ではないかと、私どもは理解しているわけでございます。したがいまして、調査会のこの答申、並びにこれに基づく私どもの仄聞いたします新しい法体制も、私どもの既往の考え方と抵触はいたさないと、このように考えておる次第でございます。
○野上元君 まあNHKとしては私は当然だと思うのです。事業経営者として、そうして国民の波を使って国民にそれを還元していくという考え方が、当然考えられてしかるべきだと思うけれども、しかし無秩序な競争は困るというのが、この調査会の意思だと思うのです。したがって、そこでお互いの職域をできるだけ区別しよう、こういうことになったのだと思うのですが、その点をくんで、ひとつNHKとしても慎重な態度でやっていただきたいと思います。 それから今度は、従来とかく問題になっておりましたNHKの受信料が法定化されるわけですが、いままでのように契約の上に成り立った受信料というものと、今度のように法定化された受信料というものは、おのずから性格が違うと思うのですね。いままでは受信料という名前ではあったけれども、その性格は一体何なんだということで非常に論争のあったところなんです。したがって、未収金の問題等についても、やはり態度が変わってくると思うのですが、この点についてNHKではどういうふうにお考えになっておりますか。たとえば受信料が法定化されたために料金の徴収が非常にやりやすくなった。したがって従来の未収金をこのことによって減ずることができるということになるのか。そうしていままでたまっておった未収金に対する取り立てについても、非常にやりやすくなるというようなことがあるのかどうか、そういうような点について影響をひとつお聞かせを願いたい。
○参考人(前田義徳君) 新しい改正法案の中に、受信料についての性格について最終的に判断を下された条項がある。その点については、現行放送法はNHKの放送を聞き得る者あるいは見得る受信機を持つ者は契約しなければならない、これに対して受信料は支払わなければならないということになっております。私は、NHKの本質と法律との関係においては、当然NHKの性格が新しい改正法案の条項によってきわめてはっきりしてくるということを私は思っております。ただ、これを実際運営はどうであるかという点に、御質問の趣旨がつながるかと考えますが、この点については、私どもとしては、受信料の性格が明らかになったことのみに満足すべきではないと考えております。したがいまして、聴視者とわれわれとの関係をさらにこの際前進させまして、法律上の問題であるとか、あるいは強制的な態度の発露とか、そういうことは私どもとしましては厳に戒めながら、この性格の明らかになった聴視料の徴収については、より具体的に、そしてまた聴視者との関係において私はやるべきであって、法律の条項のみで私としては徴収が容易になり、そして未払いがなくなるとは考えておりません。
○野上元君 ひねくれた質問をするわけですが、受信料を法定化する前の条文の中に、いま会長が読まれた、NHKのテレビを見、かつラジオを聞き得る設備を持ったものは受信料を支払わなければならない、こういうことになっておりますね。もしも、それじゃNHKのテレビなりあるいはラジオを受信できないような機械をつくった場合には、どういうことになるのですか。
○参考人(前田義徳君) 現行法においては、NHKを見、もしくは聞けない場合には、契約を結ぶことは不可能になるというのが、法理的な解釈だと思います。
○野上元君 そうしますと、機械を買ってきて、受像機あるいは受信機を買ってきて、NHKのところだけ見られぬようにしておく、それでほかは見えるようにしておくというような技術的な手を施した機械を持っている場合には、これは契約の対象にならないですか。
○参考人(小野吉郎君) この点につきましては、在来の判例並びに私どもの扱いといたしまして、契約の対象として扱っております。と申しますことは、そのときにおいてはNHKが見れないようになっておりますけれども、手をちょっと加えれば、いつでも聞き得るような状態になるわけでございまして、そういう状態のものにつきましては、いま現にいまの時点でNHKのチャンネルのところは出ないようになっておりましても、これを多少の工作によってさらに一チャンネルが出るような状態にあるものについては、これは聞き得る状態にあると、こういう解釈に立っております。かっての判例もそのようなことになっております。
○野上元君 そうしますと、受像機メーカーが、あるいは受信機メーカーがNHKのやつは見れない、聞こえない機械をつくって売り出した場合には、それを使っておる分には、そうすると受信料は払わんでいいのですか。
○参考人(小野吉郎君) 仮定といたしましては、そういうことも考えられますけれども、現実の事態といたしましては、おそらく起こり得ない事態であろうと思います。と申しますのは、NHKのチャンネルは全国を通じて同一チャンネルでなくて、いろいろ地域ごとに混信を起こさないような配意のためにチャンネルはそれぞれ違っております。したがって、一本全国を貫いたNHKのチャンネルのものはないわけでございまして、東京なら東京のNHKを聞えないようになりますと、あるいは同じ波が地方では民放で使われております。そうしますと、放送界に非常な混乱を来たしますので、メーカーとしてはとてもそういうような措置に出ることは起こり得ない、このように考えております。
○野上元君 よくわかりました。なぜああいう条文を入れたのか、無理にあんなもの入れなくてもいいのじゃないかという気がしたので、ちょっと聞いてみたのですが、よくわかりました。 それで、四十一年度におきましては、テレビの普及率はどのくらいになるのですか。これ、資料を見ればすぐわかると思うのですが、読んでいると時間がかかるので教えていただきたいのですが。
○参考人(小野吉郎君) おそらくいまの御質問の趣旨は、カバレージの問題ではなく、各世帯にテレビがつけられておるパーセンテージだと思います。それは現在七六%になっております。
○野上元君 あと残っておる二四%というのは、四十二年度以降の対策として残されるわけですね。そして、結局は最終的にあなたのほうのねらいとしては、一〇〇%近いものに持っていく、こういうことになるわけですか。その場合に、受信料が非常にいま問題になっておるのは、従来テレビは金持ち階級がこれを見ておった、したがって受信料が高くても大して問題にはならなかった。しかし、いまや七六%の普及率ということになりますと、いわゆる最低生活者も持つに至った。これがさらに将来九〇%、九五%になっていきますと、これはもう税金を納めておる人は全部受信料を払う、こういうことにもなるわけです。そうしますと、普及すればするほど、受信料というものは税金の性格を帯びてくるわけです。しかも最も悪い税金になる。そういうことになろうかと思うのです。将来必ず私はこれが問題になるような気がするのですが、特に受信料はみな等価で、そして人頭割りのようなものです。しかも、都会はたくさんのチャンネルを回してたくさんの放送を聞くことができるけれどもやはり三百三十円、いなかは一チャンネルか二チャンネルしか見れない、しかしやはり三百三十円、こういうことになる。これはもう何といいますか、最も悪質の大衆課税だと言われるおそれが十分にある。そういう状態になりつつあると思うのですが、その点について、NHKとしては一つのかまえをつくっておかなければならぬと思うのです。受信料に対する正当性というものを早く身につけておかなければならぬと思うのです。そういう場合にどういうふうにお考えになりますか。
○参考人(前田義徳君) ごもっともな御趣旨であると思います。私どもはやはり国民の立場にあられる聴視者との関係というものから、この法律上の責任と義務を遂行するたてまえでございますので、私どもといたしましては、これは前会長以来、当委員会でも申し上げておるわけですが、まず第一に、われわれの放送する放送は技術的にもりっぱなものであり、そしてその中身としての番組も見るに値すべきものを提供すべきである、この精神的根拠に立って、ただいまのような起こり得る御批判を理解を持って受けとめていただく。したがって私どもとしましては、単に法理解釈によってNHKを経営するのではなく、法理的には皆さんの放送であるというたてまえでの料金に関する条項と理解し、この条項に共感していただくためには、私どもの出す放送が技術的にも中身においても必要であって、かつ有効であるという努力をすべきであり、またそういう方針のもとに、われわれは職員一同聴視者との接触においてもこれを強化しながら、その理解をいただく努力を最大の力をもって継続すべきである、このような考え方に立って、単に法律上の問題であるとか、あるいは法的性格の問題ということのみで私はNHKを経営してまいろうとは考えておりません。
○野上元君 前田会長の御意向はよくわかります。よくわかりますが、いま私が申し上げましたようにテレビというのは、とかくぜいたく品であるると言われた時代はもう過ぎ去ったわけです。そしてやがて普及率はすばらしい飛躍を見ようとしているわけです。その場合に、受信料というものが性格が変わってくるというのです。その基本的な考え方は会長が言われたようでけっこうだと思うのです。というのは、これが全部かりに一〇〇%普及したとすると、これは明らかにもう全世帯が三百三十円払うわけですね。そうしますと、金持ちも貧乏人も全部三百三十円払うわけです。それはNHKとの共同体的な考え方で払えと言われる気持ちはわかります。しかしそれを税金を例にとってみますと、税金を納めるということは、われわれの所得の源泉である国家の繁栄をもたらすために税金を払うわけなんです。それでも所得の再配分ということが行なわれておって、所得の低い人には免税ということになっているわけです。あるいはまた累進課税という制度が設けられておる、そうして所得の再配分をやっておるわけですね。税金の場合、これは国家の存立に関する問題であっても、なおかっこのような配分が考えられておるとするならば、NHKと一体共同的な考え方に立てと言われても、国民の立場からしてみれば、これはいわゆる大衆課税じゃないかという考え方に立つのじゃないかと思うのです。したがって、たとえば具体的に私が提案するとするならば、東京のようにたくさんのチャンネルを見れるところ、あるいは一チャンネルか二チャンネルしか見れないところ、こういうところには料金の差別をつける、あるいは税金において、免税者はテレビを持ってもラジオを持っても、この受信料は免除するというような、そういう考え方に将来大方の人の意見が向けられてくるのじゃないかというふうに思うのですが、それに対するNHKの考え方はどうですか。
○参考人(前田義徳君) 将来の発展に伴ってこのようなケースもあり得るかもしれない、それに対してどう思うかという御趣旨だと思います。私どもも、たてまえとしてはその点でもやはり常に慎重に検討し、それからまた将来の社会的変化にも応じ得る検討を続けるべきであり、また続けるつもりでおりますが、たとえば貧困の度によって、何といいますか、この文明の利器を使い得ないという方々に対しましては、現行法においてもすでに免税の可能性はあるわけでございます。これは郵政大臣の特別の認可を必要といたしますにしても、そのような状態はあり得るわけであります。したがいまして、その次のたとえば均等割り的なものを、何といいますか、貧富の差に応じてあるいは地域的にこれをどうすべきかという問題については、これは今後の検討に待たなければならないと率直には考えますけれども、NHKの受信料は、実際的に申しますと、私どもの主観が中心になるかもしれませんが、少なくとも生活必需品としては最低の料金であるというような考え方を持っております。その意味においては、将来これを値下げすべきか値上げすべきかという基礎的料金の高低の問題は、起きてくるかもしれないと考えておりますが、NHKだけを中心にして考えますと、やはりこの受信料の性格からいって、これを特別に個々の世帯の中身に立ち入ってこの問題を取り扱うべき性質のものではない、ただし社会政策的な面ではすでに実行しているところであり、その方向に従うものは今後もこれを検討していくべきである、それ以後のさらにもう一歩二十年後になりますか三十年後になりますか、この問題については社会の変遷と料金、NHKの性格というような点から検討を続けていく程度にとどまるのではないかというように考えております。
○野上元君 確かに私も仮定の問題としてお尋ねしたのですから、仮定の問題として答えられたと思うのですが、しかしその仮定の問題にあなた方は近づこうとして努力しているわけですから、偶然にくるわけじゃない、あなた方の努力によってそういう状態がくるわけなんです。そのときに必ず私は問題になると思うのです。だからその点をいまお聞きしておいたのですが、巷間こういうふうに言われているのですね。いまのテレビの聴視者の数を見ますと、大体NHKは全国的に見て一八%見られておる、あとの八二%は民放を見ておるのだ、こういう問題もあるわけですね。これは民放のほうから見ると、そういう執拗にその問題が繰り返されるわけですが、しかもNHKの場合には、もう普及率は九〇%になったということになれば、大体もう税金と同じような状態にある。こういう状態が来ることが、これは仮定の問題であっても来るだろうと私は見ているわけです。そのときにあなた方としては十分に対処されるべきではないかというふうに思うし、いま私が申し上げましたような一つの案を出してみたのですが、そういう問題も一応検討してもらいたいと思うのですが、たとえば水のごときは、人間が生きていくためには不可欠のものですが、これも現在日本では有料なんですね、残念ながら。しかし最低料金としてやろうと思えばやれる。ぜいたくな人はどんどん使えばそれだけよけい払うとか、電車でもしかり、列車でもしかし、最低料金がきめてあるわけです。回数が多い人はよけい払えばいい、電灯もそうです。すべての消費生活においてそうだと思うのです。ただNHKの受信料のみが均等割りになってしまうというようなことになった場合には、私はなかなかこれはむずかしい問題になってくるんじゃないかというふうに考えておるわけです。だからその点ひとつ検討しておいてもらいたいと思うのです。 それから今度の四十一年度の予算で、大まかに言って、たとえば建設資金に何%あるいは番組編成に何%、管理費に何%、あるいは予備費に何%、どういう率で組まれておるか、その率は出ておりますか。
○参考人(志賀正信君) 借り入れ金を含めました建設費を総体にいたした資料は、いま手元にございません。後ほどごらんに入れたいと思います。
○野上元君 建設資金には幾ら出されておるのですか。
○参考人(志賀正信君) 四十一年度の建設費は百八十億円でございます。
○野上元君 番組編成は幾らですか。
○参考人(志賀正信君) お手元の資料の中の国内放送費の総額は百、一千一億でございますが、そのうちで番組制作費が百十億でございます。
○野上元君 これは総支出の額に占めるパーセンテージからいくとどのくらいになりますか。その番組編成費というのは一五%くらいですか。
○参考人(志賀正信君) 国内放送費は約三〇%になります。
○野上元君 私がちょっと調べたところによりますと、NHKで昨年に家庭にパンフレットを配られましたね。そのパンフレットの内容を読んでみますと、三百三十円の受信料の使い道が書いてあるわけです。いま私が簡単に読み上げてみますると、番組には四四・六%使っております。それから集金その他のサービスには二・三%、調査研究のためには二・九%、施設の改善拡充のためには一七・五%、借入金返済のためには一一・四%、経営の管理のために一〇・三%、合計一〇〇%ということになっておるのですが、いまあなたがちょっと答弁されたやつを見ても、このパンフレットとはだいぶ傾向が違うんじゃないですか。たとえば施設の改善拡充のためというのは、おそらくこれは建設費を含められておると思いますが、これは一七・五%になっている。しかし実際には百八十億円ですから百十三億が三〇%とすると、これは相当な額になるわけですね。そうしますと逆転しているんじゃないですか、番組には非常に金を使っておらないで、建設のほうにのみ重点を置いて金を使っておるんじゃないか、こういうそしりは免かれないんじゃないですか。
○参考人(志賀正信君) 説明がちょっと足りなかったかと思いますが、先ほど申し上げましたのは、国内放送費として計上いたしておりますお手元の予算の数字で申し上げましたが、いま御指摘の資料につきましては、給与をこれに配分をいたしまして、各費目ごとに給与がどれだけ配分されているかというものを、配分いたしましたものでこの図表ができていると記憶いたしております。
○野上元君 たとえばイギリスのBBCなどを見てみますと、番組編成には約五〇%かけるというのが、ひとつの大きな原則になっておるというふうに言われておるのですが、ある書物を読んでみますと、わがNHKは残念ながら二〇%しかかけていない、これは明らかに建設の行き過ぎだと言っておる人もあるが、この批判に対してNHKとしてお答えいただきたい。
○参考人(前田義徳君) ただいまの担当の説明はきわめて不備だと思います。御質問の趣旨にお答え申し上げますと、御審議をいただいている明年度予算におきましても、その年度内におけるNHKの受信料との関係における建設費はおよそ八十何億かと記憶いたしております。またこの建設費の中には番組制作に直接関係のある機器をも含んでおります。したがって、費目の仕分けをどうするかによってその額はだいぶ変わってまいります。たとえば中継車であるとか、簡単にいって録音装置であるとか、こういうものもNHKの費目の仕分けとしては建設費の中に入っております。たとえば回線問題にしても一部さようでございます。したがいまして、これを実際的に番組のための使用目標の仕分けという点に立って考えますと、少なくとも今年度ないし前年度におきましてはパンフレットに所載したものが妥当な数字であり、しかもそのパンフレットの所載の三三%という番組関係費は、ただいま申し上げましたように、番組制作に直接必要とする機器その他のものを含んでおらないという意味では、ほほ実質的にはBBCの仕分けに従えば、同じパーセンテージに近づいてくるということを申し上げたいと思います。
○野上元君 すべての経費は、この番組編成に関係あると思う、会長の言われるように言うと。しかし建設費の中にも当然番組編成の中に含まれる部分があるのだと言われればそのとおりです。その他すべての経費は番組編成が主体なんですから、それに集中して求心的にそこに、ある部分に集まってくるのは当然だと思います。しかしそういう分け方をしておっては、なかなかわからないと思います。純然たる番組経費として一体何%ぐらい支払っておるのが一番正しいのかというと、いろいろ議論のあるところだと思います。私も正確な数字を持っていないので、あなたのお話を反論できないが、ただ建設費が百へ十億円ですから、これは全体に占めるパーセンテージが相当大きいと思います。これはあなた方がパンフレットで国民に宣伝されたものとはだいぶ違うように思いますが、この点はどうですか。
○参考人(前田義徳君) 繰り返すようですが、違いはないと思っております。ただ、私が建設費の一部の中にと申し上げましたのは、たとえば送信機とか局舎とか演奏所とか鉄塔とかいうものは含んでおりません。建設費の中のたとえばポータブルの録音機にしましても、その種のものはすべてNHKの仕訳としては建設費の中に入っている。この点については、私自身もこの仕訳のしかたについては、常に実はこれを改善いたしたいと、純粋番組制作に直結するものは、その方向に入れるべきだという実は考え方を持っておるわけです。それから人件費の総額にしましても、御審議いただく総額は百七十数億になっておりますが、そのうちで少なくとも約三分の一は、直接番組制作を担当する者の給与であるというようなことを考えてまいりますと、私としては、むしろそのパンフレットのパーセンテージはもっと低過ぎるというようなことも考えるのですが、御趣旨の点についてはやはり私も同感でございまして、極力努力をいたしたいと思います。
○野上元君 私もあなたを追及するほど数字を克明に調べておらないので、残念ながらこれ以上追及できないのですが、たまたま国民に配ったパンフレットがあったものですから、それを見て、いまのこの予算と見比べてみると、少し看板に偽りがありというような気がしたので、どういうことでこうなっておるのかと、それと、NHKとしては一体支出の経費の中で何に一番重点を置かれようとしておるのか将来構想として、それだけをお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(前田義徳君) 番組に主力を注いでまいりたいと思います。
○野上元君 それから建設費ですが、ここにあなたのほうから資料としてお出しいただきましたのがございます。これによりますると、三十八年度から急増いたしております。そして例年百八十億円ないし百九十億円を上下しておるわけです。ところが、収入のほうを見ますと、今後予想される収入の傾向は、残念ながら漸減の傾向をたどっていくわけです。したがって、このような収入の状況から見て、この建設費のあり方は、ますます過重になってくるのじゃないか、経営上そういうふうに思うのですが、この点はどういうふうにお考えになっておりますか。たとえば建設費というのは受信料の中で何%ぐらい占めておるのが正しいのかというような一つのめどはございますか。
○参考人(前田義徳君) 御審議いただきます予算は、御承知のように三十七年から実施いたしました第二次六ケ年計画の第五年目になります。第一次長期計画並びに第二次長期計画の主たる目標の一つは、要するにNHK四十年を越える歴史の中で、科学投術の発展と関連して、非常に陳腐化した演奏所並びに機器の取りかえあるいは建設というところに、一つの柱が置かれていたわけでございます。したがいまして、第二次六カ年計画の終了までにはやや建設費がかさんでくる、また同時に、放送法のNHKの基本的責任から申しましても、ここ十三年の間に新たにテレビジョンというものが開発されて、これを全国普及するという義務から考えましても、この第二次六カ年計画の最終目標に至るまでは、その面からも建設費が増高してくるということをあらかじめ考えました。ただし、その最終年度における形態はどうなるか、また実質上受信料の消長はどうなるかということ、また社会的変化とその基礎となる社会経済生活の変化が、今後数年間にどのような物価の状態を招来するであろうかというようなことも、私どもの可能な能力の範囲において計算いたしまして、そうしてこの計画を立てたわけです。したがいまして、もう一つの長期計画の目標は、できるだけ事務を機械化することを中心として経営の合理化をはかっていくといういき方でございます。したがいまして、この急激な社会的発展と科学技術の革新的な開発に即応してテレビジョンを中心とする聴視者に御満足を与えるために、その年度の受信料の使い方に多少従来考えておったものとは異った方法をとりました。これは当該年度の受信料から何%かを新規建設に繰り入れるという方法でございます。この原則に立ちまして、明年度予算案を御審議いただくわけでありますが、これが大体私どもの現在の想定では予定どおり四十二年度末には一応この大きな柱の目標の完成が到達するという考え方であります。そのときにおける総収入、これは借り入れを含まない総収入と建設費とのパーセンテージはどうなるかという問題に帰着するわけでありますが、これは後ほど担当からも説明いたさせたいと考えておりますが、私が経営の責任者としてほぼ予想しておる点は、大体最大限度四十二年度以降の建設費は当該年度の収入に比べて約六分の一というところに限界を置いておるわけでございます。
○参考人(志賀正信君) ただいまの会長の説明に補足いたしまして、今後の、まず四十一年度のお手元の資料に建設費が百八十億というふうにいたしてございますが、このうちで受信料から直接回しますものが百十八億でございます。残りにつきましては、外部からの資金がおもな収入になっておりまして、受信料からの直接は百十八億でございます。今後の見通しといたしましては、お説のように受信料もこれは増加分が逓減をしてまいりますので、これに合わせまして今後の事業計画というものを立てていかなければならぬと思いますが、この自己資金と申しますか、受信料から回します分につきましては、いま会長から申し上げましたとおり、主として減価償却費を中心にいたしましてこの百十億台というもので推移をしていくのが妥当ではないかといま考えておるところであります。したがいまして、四十二年度のこの第二次六カ年計画以降の建設につきましても、まだまだ難聴解消を含めましてやるべきことがたくさんございますが、建設費の総額につきましても、現在よりは多少総ワクが下回わるのじゃないかというふうに考えております。
○野上元君 放送センターの第二期工事というのは、いつから始まっていつ終わるのですか。
○参考人(三熊文雄君) 第二期工事は御承知のとおり、第一期工事が終わりまして、前からの計画にのっとりまして現在つくりつつあるわけなんですが、現在は昨年の十二月に土工事を始めまして、現在設計を行ないつつあります。したがって、設計の終わるのがいまの見通しでは四月の終わりの予定です。それから企業体とのネゴシエーションに入りまして大体六月から工事にかかって、四十三年の三月には工事を終えたいと、こう考えております。
○野上元君 そうしますと、四十二年度末までかかる、こういう計算になりますね。
○参考人(三熊文雄君) さようでございます。
○野上元君 そうしますと、四十一年度においては放送センターに要する建設費は六十二億九千二百万円となっているわけですね、あなたのほうの資料によりますと。そうすると四十二年度においても、やはりこれくらいのものはかかるのですか、あるいはこれ以上のものがかかるのですか。
○参考人(三熊文雄君) 第二期工事の全体の総費用は、いまのところ約百十億の予定でございます。
○野上元君 百十億としますと、四十一年度に計上されておる六十二億を百十億から引いたその差額が四十二年度の放送センターの第二期建設費、こういうことになりますか。
○参考人(三熊文雄君) そのつもりでございます。
○野上元君 そうしますと約十億くらいことしより減るということになりますね。そうすると、ことしは百八十億ですからこのままでいけば来年は百七十億になる、こういうふうに考えてよろしいですか。
○参考人(志賀正信君) 放送センターの第二期工事につきましては、ただいま進捗中でございますが、百十億で四十三年の初頭までかかる予定でございます。それからいまお尋ねの四十一年度の放送センター分の予算につきましては、三十億でございまして、ただいま御指摘にございました六十一億は地方の演奏所も含めました関係の総額でございまして、そのうちの三十億が放送センター分でございます。四十二年度には五十億円の計上が必要かと思いますが、四十三年度に残りの十二億円程度を計上いたしまして、百十億で完成をさせたいというふうに考えております。
○野上元君 第二期の放送センターの所要経費は、総需要は百十億と言われましたね。そうして四十一年の放送センターに要する経費は三十億ですね。そうするとあと八十億残るわけです。そういう勘定になりますね。そうするとその八十億というのは四十二年度に回るのですか。
○参考人(志賀正信君) ちょっと御説明がややこしかったと思いますが、百十億の総額の年度配分につきましてあらためて申し上げますと、予定といたしましては、この四十年度にすでに着手をいたしてございますが、すでに御承認をいただきましたことしの予算で十七億がございます。十七億七千万でございます。それから明年度に三十億を新たに計上いたしましていま御審議をいただいております。それから明後年度の四十二年度には五十億の計上が必要かというふうに考えております。最後の四十三年度に十二億、こういうことで百十億でございます。
○野上元君 そうしますと、来年度は、放送センターの第二期はことしよりも二十億円ふえるということになりますね。
○参考人(志賀正信君) さようでございます。
○野上元君 そうしますと、総体として建設費は百八十億の中ではとどまらないのじゃないですか。現在のNHKのカバレージ拡張の方針からいって、考えてもかえって延びていくのじゃないですか。
○参考人(志賀正信君) 先ほど六十一億の数字が出ましたが、地方の演奏所につきましては御承知のとおりただいま馬力をかけて土上げをやっておりますので、これが徐々に完成を見ております。おそらく明年度はことしの予算とは入れかわりに、放送センターのほうが最大のピークになりまして、地方のほうが徐々に完成しておりますので、予算的には地方が少なくなりまして、東京へ重点が置かれるという形になってまいります。
○野上元君 よそが早くなって東京がおそくなる、そういうことはあまり関係ないじゃないですか。総需要との関係から見れば、よそが早くなろうが東京がおそくなろうが、総需要としては関係ないじゃないですか。結局四十二年度においては、私の聞きたいのは、百八十億の建設費では済まなくなるのじゃないかという——多くなるのじゃないですか。
○参考人(前田義徳君) ただいまのところ、私どもはさらにこの第二次六カ年計画の最終年度四十二年度を中心として検討を続けております。で、私の見通しといたしましては、漸次その額、たとえば今年度は、御承知のように御承認を得ました基礎的数字は百八十五億になっていたと記憶しておりますが、明年度御審議を願うその相当分は百八十億でございまして、ただいま志賀理事から御説明申し上げましたようなことを勘案いたしますと、置局の問題をスローダウンすることなくして、建設費総額は逐年縮小されてくるというのが、私の考え方でございます。建設費、たとえば中継局の問題につきましても、今度は主としてカバレージの小さいところを建設するわけでございますので、その一局当たりの建設単価はかなり下がってくる、こういう見通しが出ておるわけでございまして、いま確定数字を申し上げるわけにはまいりませんけれども、逐年建設費のバランスは下がってくるというように考えております。
○野上元君 会長たいへん気を使って答弁されておるようですがね、私はふえても減っても問題じゃないと思うのですよ。ただテレビの伸びが非常にダウンしてきておるというような状況から見て、建設費が伸びていけばそれだけ総支出の中に占める建設費の率は高くなる。ということは、番組編成のほうが犠牲になる、あるいは他の部門が犠牲ということになるだろうと思うから聞いておるわけですが、もう一つお聞きしたいのは、これは四十八国会で衆議院の逓信委員会でどなたかが答弁されておりますが、テレビ普及の増加の見通しについて答弁されておるわけです。それを見ますと、三十九年度は百三十万件ふえた、四十年度は九十八万件、四十一年度は八十五万、四十二年度は七十五万、四十三年は六十七万、四十四年は六十万、四十五年は五十五万、四十六年は五十二万というふうに漸次下降線をたどっておるわけです。そういうことを考えますると、建設費が今日よりもさらにふえていくということになると、経営内容としては不健全なものになるのじゃないか、不必要な建設が行なわれることになるのじゃないかという気がするのでお聞きしたのですが、いま私が申し上げました普及率の見通しですね、これは今日の段階においても修正する必要ないですか。
○参考人(志賀正信君) ただいまのところでは、これは将来の見通しでございますが、いま先生からお話しのとおりの見通しで考えておるところであります。
○野上元君 四十年度は九十八万となっておりますが、これは実数とどうですか。
○参考人(志賀正信君) お手元の予算では四十年度を百万と見て四十一年度をさらに八十五万ふえるというふうにいたしてございます。したがいまして、ただいまのお話しの九十八万よりは実績が多少増加するものと見て、四十年度を修正いたしまして四十一年度の予算のもとにいたしてございます。おおよそいまこの線で進捗いたしております。
○野上元君 そうしますと、やはり漸減傾向というものは、いかんともすべから、ざる実勢であるということになりますと、いま私が申し上げましたような危惧も当然起きてくるわけですから、この点はひとつ十分に考慮してもらいたいと思います。世上、放送センターのあのりっぱなのを見て巨人の宝石と、こういうふうに形容しておる人もおります。まことに巨人の宝石にふさわしいと、こういうわけです。そういうことを言われておるのは、皮肉で言ったのでしょうけれども、そういう考え方も一般の人の中にはあるということですから、その点は慎重にひとつお願いしたいと思います。 それから、いま会長は、将来のカバレージを延ばしていく場合には比較的小さいので、建設費はそういままでのようにたくさんかからない、こういうふうに言われたのですが、一%のカバレージを広げるために、テレビ、ラジオ部門でどれくらいかかるのですか。
○参考人(志賀正信君) ただいま手元に三十九年度、四十年度の実績がございますので御説明申し上げたいと思いますが、三十九年度には八十九局を置局いたしまして、カバレージが三%上がっております。すなわち総合、教育ともに八七から九〇になっております。で、これを置局いたしますのに二十六億三千七百万かかっておりますので、算術的に申しますと、一%引き上げるのに八億七千九百万かかったということになるかと思います。それから四十年度はただいま進捗中でございますが、一応百五十局程度をいま完成させるつもりで努力をいたしております。これがやはり九〇%からおおよそ九三%までカバレージが引き上がるというふうに考えております。この面で三十七億三千四百万の経費がかかるものというふうに考えておりますので、一%引き上げますのに十二億四千五百万という数字が出てまいります。
○野上元君 そうすると、いまの数字をお聞きしても、年を追うに従ってカバレージは小さいものにならないで逆にふえてるんじゃないですか。たとえば三十九年度においては一%のカバレージのために八億七千万円必要だったのが、四十年度には一%のカバレージ拡張で十二億数千万円かかるというと、逆にふえてるんじゃないですか。
○参考人(前田義徳君) いまの担当の説明の方法をとりますとそういう印象になりますが、御承知かと思いますが、三十九年度はいわゆる第一次プランの残りと第二次プラン、したがって同じ一%、まあ細分してどういうことになるか、私にも実はうまく説明できないんですが、わりあいに範囲の広いものでございます。今年度はその第二次プランを全部完成するという方向にきておりますので、したがって機械設備もかなり膨大なものである。それからまた同時に、これもまあ問題にならないかと思いますが、総合テレビと教育テレビ、両方を含んだものではないかと、私は説明を聞きながら思っているわけでございますが、したがいまして将来の問題としては、非常に世帯数の少ない地帯を今後は穴埋め的にやらなければならないと考えております。でこの際に、従来第一次プランないし第二次プランをカバーするために必要な機械設備は必要でなくなる。そのためには同時に技術研究所において最も格安で効果のあがる、いわゆる中継設備の研究を目下進めてもらっているという状況でございます。
○野上元君 この一%、視聴率一%を増すということはカバレージの問題だろうと思いますが、言いかえれば。その場合には、世帯数が一つの基準になるんですか。土地の広さが基準になるのか。対象の人間が基準になるのか、どちらですか。
○参考人(三熊文雄君) 世帯数が基準になっております。
○野上元君 そうしますと、あなた方の計算によると一%の視聴率というのは何万人ですか。
○参考人(三熊文雄君) 現在では二十四万と思います。
○野上元君 私が読んだ本では七十五万となってるんだがね。一%七十五万と見る、こういうふうにいわれておるのですが、だいぶ開きがあるんだが、その点間違いないですか。
○参考人(三熊文雄君) それは聴視率の方法だと思います。世帯数のほうで見ますと一%二十四万ということです。
○野上元君 そうすると、頭数でいくと七十五万くらいになるわけですか。
○参考人(前田義徳君) ただいま三熊技師長の説明の中で二十四万といいますのは、二十四万世帯でございます。七十五万と申しますのは七十五万人でございます。
○野上元君 それではっきりよくわかりました。大体合うようなんですが、これはしかし、いままでのカバレージの計算でいくと、人口の稠密度の高いところでは、そういう数字が出てくると思いますが、いま会長が言われておるように、カバレージの小さいという意味は、その一%の対象世帯数がだんだん減っていくのじゃないかと思いますが、最近における一%のカバレージ世帯数はどれくらいですか。
○参考人(三熊文雄君) 一%自体を考えますと、いまお話ししたとおりなんですが、御説のとおり、たとえてみますと、ある部落千世帯というところにつきまして一つの放送局を置くという問題もあれば、たとえば五百のところに置き、また少し離れた五百のところに置くというように、二つの局を置くというような場合もあります。したがって先ほど会長から申し上げました、これからの局がだんだん小さくなるというのは、いままでたとえてみますと、三十ワットというような機械でもって三千世帯をカバーしておったというような状況が、来年度の予定では千五百世帯をまず目標にいたしまして、それでカバーするためには大体十ワット以下という勘定をわれわれいたしております。したがってまだ先になりますと、それが一ワットというようなぐあいにだんだん小さくなってきます。その一ワットでカバーするのにどのくらいな、場所によっていろいろ違うわけですが、一ワットあれば、いえば一千世帯くらいはカバーでき得ると思うのです。しかしながら稠密の度からいいまして、なかなか山ばかり多くて、実際は、たとえてみますと、二百か三百というようなものしかカバーできないという場合もあり得る。稠密の度はおっしゃるとおりだんだん悪くなる、こう考えております。
○野上元君 そうしますと、何といいますか、資本効率といいますか、資本効率は今後だんだん低くなっていく、こういうふうに見られますね。
○参考人(三熊文雄君) そのとおりでございます。
○野上元君 これもある本で読んだんですが、NHKは第三次十カ年計画というものをひそかに計画をされておる、こういう記事を読んだんですが、これは事実ですか。
○参考人(前田義徳君) 先ほど申し上げましたように、いまのところ実行しておりますのは、第二次六カ年計画でございまして、その最終年度は昭和四十二年度になります。したがいまして、実際上は昭和四十三年三月末ということになるわけです。御設問にもございましたが、将来のいろいろの環境を考えた場合に、やはりその後に続くわれわれの経営の基本的な考え方を決定することが絶対に必要だと考えます。その意味で、私は担当当局に対してさらに七年ないし十カ年間の基礎的検討を開始すべきであるということを、昨年じゅうに指示してあります。
○野上元君 そうすると、私のニュースソースというのは、比較的確度が高いですね。(笑声)
○参考人(前田義徳君) 年月の長さでは、必ずしも正確ではないように思います。(笑声)
○野上元君 そのことがあったので、実は建設計画を聞いてみたのですが、そういうふうな計画があって、国民のだれでも同じ波を聞けるというふうにされるという気持は十分にわかる。わかるけれども、やはりアンバランスになっては困ると思うのですね、いまの経済成長みたいに。やはり安定成長でなくちゃいかぬと思うのですね。そういう意味で実は心配したわけなんです。こういう何もありますよ。国際的に見て、日本全体のいわゆる経済状態というものは、必ずしも高い水準ではない、平均の数字はですね、経済全般として見れば。しかしNHKは世界ではトップレベルだ、このNHKだけ飛び抜けて日本の中の産業でも頭角をあらわしておる、こういうふうに表現をする人もおるわけです。したがって、NHKは少し設備投資をあまりにも多くやり過ぎているのじゃないか、経済の実態に沿わないのじゃないか、こういう言い方をする人もあるわけです。したがってその人が言うことには、放送センターのごときは巨人の宝石だと、こう言うわけですね。決して国民のものじゃないのだ、こういう言い方をする人もおります。それはいろいろととり方はあると思いますが、そういう心配もあるわけですから、ひとつその点は十分に慎重にやっていただきたいということを特にお願いをしておきたいと思います。 それからラジオの問題ですが、ラジオは四十一年度の末の最終契約数は幾らですか。これも調べてみればわかるのですが……。
○参考人(長沢泰治君) 三月末で百五十万でございます。
○野上元君 お聞きしたいのですが、たとえば個人のうちで二つのラジオを持つという場合には、そのラジオは一つ分を払えばいいのですか、受信料。
○参考人(長沢泰治君) さようでございます。
○野上元君 たとえば、そうすると、旅館のごときで各部屋に全部一つありますが、ああいうようなのは全部払わなければなりませんか。
○参考人(長沢泰治君) さようでございます。
○野上元君 あれは割引なしでとにかく三百三十円ずつ払うのですか。
○参考人(長沢泰治君) 前納制度がございます。半年、一年前納してくだされば、半カ月分もしくは一カ月分の割引がございます。毎期でございましたら三百三十円、ラジオでは五十円でございます。
○野上元君 自動車の場合ですね、個人が自動車を持って、そうしてそれにはたいていラジオがついておりますが、その場合は無料ですか。
○参考人(長沢泰治君) ちょうだいいたします。
○野上元君 タクシー会社が持っておるタクシーについておるラジオ、これは全部有料ですね。
○参考人(長沢泰治君) さようでございます。
○野上元君 そうしますと、自家用車、タクシーを合わせて、いまラジオのついていない四輪車というのはほとんどないと思うのですがね。この登録してある自動車の、自家用車の台数というのは一体どれくらいありますか。
○参考人(長沢泰治君) 運輸省の調べを参考にして申し上げますと、自動車ラジオを設置可能の車は大体四百五十万前後だというふうに承知しております。
○野上元君 その四百五十万の自動車に取りつけられたラジオは、全部有料ということになるわけですね。その場合に、先ほどあなたが御答弁になった昭和四十一年度最終の契約数が百五十万だというのですが、これはラジオだけの単独のが百五十万だと、こういうことになるのですか。
○参考人(長沢泰治君) 先ほど申しました百五十万は四十年度末でございます。本年度末でございます。それも各家庭のものと移動体の自動車等についているのも入れまして申し上げました数字でございます。
○野上元君 自動車に設備可能なものが四百五十万台あるわけですね。したがってこれは当然受信料の対象になるわけです。そうして家庭のも入れて、全部を引っくるめて百五十万の契約しかないのですね。そうすると、流れているものは、いわゆるロスしているものはおおむねどれくらいになっておるのですか。その実数は把握できるのですか。
○参考人(長沢泰治君) 先ほど申しました四百五十万車両のうち、七〇%くらいは一応現在もついているのではないかと推定いたしております。
○野上元君 問題は、それがついているやつが受信料をNHKに払っておるかどうかが問題なんですが、その点はどうなんですか。
○参考人(長沢泰治君) 午前中も御指摘がございましたが、極力努力いたしておりますけれども、現在契約の条件を持っている自動車で、まだ未契約のものが残っております。
○野上元君 一ぺんに答えられてけっこうなんですが、私はどれくらい実際に未契約のものがあるか、それを知りたいのですよ。特にラジオの場合ですね、年々なくなっていっている。先ほど新谷委員が質問されたように、おしまいにはゼロになってしまうのじゃないかというように心配しておるわけです。しかし今度は法律で受信料を支払わなければならぬということになったわけですから、そのことから考えてみても、NHKがこのロスを見のがすということは、経営上から見ておかしいのじゃないかと思うし、払っておる人は正直者はばかをみたということになるわけですから、その点はあなた方の責任だと思うのですね。したがって、実数を把握して手を打っていかなければならないと思うのですよ。第一、いまラジオはどれくらいつけられておって、どれだけ受信料が払われておるかということがわかりますか。
○参考人(長沢泰治君) 実数は調査したことはございませんが、その可能世帯数とにらみ合わせて契約を進めております。現在のところ、ラジオのその方面の移動体の、自動車ラジオを申し上げますと、十八万くらいが契約いたしております。
○野上元君 四百五十万台のうち約七〇%くらいが設備可能の車であるということになると、おおむね三百万台くらいの設備可能の自動車があるわけです。そのうち十八万が受信料を払っておって、あとの二百八十二万は無料で走っておる、こういうことになるのですね。そうすると無料のほうが多いじゃないですか。無法国家じゃないですか。無法地帯です。法律があって、払っておるほうが圧倒的に少なくて、払ってないほうが圧倒的に多いというのは、これはどういうことなんですか。何か方法はないのですか。
○参考人(志賀正信君) ちょっとただいまの説明に補足して申し上げますが、設備可能の現在の自動車が約四百五十万と見られております。そのうちでラジオ受信機を備えつけておる割合を一応調査をいたしました。これは大手ディーラー等への問い合わせの結果によりますが、普通車が五%、営業用乗用車五%それから乗り合い用の自家用車が二〇%というような統計が出ておりまして、およそ四百五十万台のうちで三十四万台がラジオのある自動車であるというふうに推定をいたしております。いま申し上げました約十八万はこれの五二%に当たります。 最近の傾向といたしましては、自動車についておるラジオがまたすっと抜いて家庭に持ち帰れるという、家庭用と兼用の場合が非常に多うございまして、残る四八%については、契約の対象になるかならぬかということについていま御説明いたしましたように努力をいたしておるわけですが、非常に可搬型が多くなってまいりましたので、いまのところ契約数といたしましては約十八万ということで、なお努力をしておるところであります。
○野上元君 いままでのようにテレビが非常に成長率の高いときには、ややもするとラジオのほうは見捨てられてきたわけですね。またそれでも十分経営は成り立っていったと思うのですが、テレビもだんだんと成長がとまっていくということになると、将来やはり大問題になると思う。また一方ではラジオが全然ゼロに近くなっておるということになると、ますますこれは重大問題になるわけですね。しかもこれは法律できまっておって、払っておる人もあるし、払っておらぬ人もある。払っておらぬ人のほうが多いということじゃ、これはやっぱり問題になりますね。その点の施策を、もう少し合理的にかつ厳格にやる必要があるのじゃないでしょうか、公平のために。
○参考人(小野吉郎君) 御指摘のとおりでございます。御質問に対しまして、現状に照らして、私どもの答弁もまことにつらいところでございます。ただいま、実態は長沢理事並びに志賀理事からお答えを申し上げたとおりでございますが、これにはひとつ制度の上にもいろいろな不備があろうかと思います。と申しますのは、世帯におきましては、何台ありましてもこれは世帯単位で一契約です。ただし、移動体の自動車を持っておれば、これについては、世帯の契約のほかに、別のものといたしまして契約対象に扱ってきておるわけでございますけれども、そのカーラジオなるものの定義が、自動車に固定をして取りはずしのできないもの、こういうような実は扱いを在来してまいったわけでございます。最近の自動車メーカー方面の製作の実態を見ますと、必ずしもこれは自動車に固定して自動車の一部になっておるのでなく、同時に停車中にこれを自動車から取りはずして携帯用になり得るようなものが、非常に最近の製作では大勢を占めております。そういうところに、私どもの扱いの制度のたてまえと実態との間に非常な矛盾があるわけでございます。そういった面で、まことに奇怪な答弁であるとおしかりを受けると思いますし、今日、自動車の中にラジオのないカーはないと思います。乗用車であればすべてあると思いますけれども、いまのような固定をしておるかどうか。NHKのたてまえは固定したものに取るというところに一つの矛盾がありまして、この点に対しましては、将来の検討問題であろうとも思いますし、一面、決してこの方面の契約並びに料金徴収を怠っておるわけではございません。いろいろあとう限りの努力をいたしておるわけでございますけれども、そういった面の受信料徴収の制度をたてまえを正しますことと同時に、またこれをいかに正しましても、移動体の関係で、固定の世帯等の関係に比し非常に把握しにくい、運輸省等の関係で調査いたしますと、登録の関係では明確なんでございますけれども、これの所在等についてのそれが非常な問題でございます。すべてこれが自分の家に車庫を持っておるような場合には、これが容易でございますけれども、いろいろな街頭、駐車あるいはその他の専門の駐車場に入れてあるというようなこともございまして、現在の私どもの努力といたしましては、非常にその実態を把握することが困難であるような事情も合わせ重なっておるようでございます。いずれにしましても、この問題につきましては、いろいろ制度根本についての検討と同時に、徴収の不公平を来たしませんように、一そうの努力を重ねてまいりたいと思います。
○光村甚助君 関連。小野さんに苦衷を訴えられると、質問の追及ができなくなりますがね、トランジスターを持って自動車の中へ入って、それを今度持って出たら、それは同一家庭の持ち込みだから要らないと。自動車に取りつけてある分はもらうと、こういうことなんですか。
○参考人(小野吉郎君) 自動車製作の一部としまして、自動車に固定して取りつけてありますものは、カーラジオとして契約対象とする、実はこのように扱ってまいっておるわけであります。
○光村甚助君 本格的な質問は私の時間にやりたいと思いますが、去年私が質問したのですが、まあホテルのテレビ、それから自動車の中のテレビとかというようなものはどうなんですか。これは代金を取るのですか。
○参考人(長沢泰治君) 現在のところ、自動車の中のテレビは、おおむね五百台以上と契約いたしております。
○光村甚助君 会社の寄宿舎の中のテレビはどうなんですか。これは自分の親元にテレビがあって、払っておれば払わなくてもいいわけですか。
○参考人(長沢泰治君) 会社の寄宿舎のテレビもちょうだいいたします。
○光村甚助君 郵政大臣 室にあるテレビとか、郵政政府委員室にテレビありますね、もらっていますか。
○参考人(長沢泰治君) ちょっと記憶がございませんが、当然いただいておるはずでございます。
○光村甚助君 払っていないところが大部分です。またそういう詭弁は答弁しないほうがいいですがね。だから去年も私が質問したのですが、努力が足りないね、NHKは。現に私も大阪に一つ、議員宿舎に一つ持っています。一ぺんも請求したことを聞いたこともございません。だから正直者がばかをみている。ただNHKは、いま七百何十億という金が入ってくるものだから、安易に流れているのだということを去年も質問しましたが、現に議員の宿舎、議員会館、会社の寄宿舎、これはほとんど払っていませんね。だからこの次に質問しますけれどもね、ただ安易に流れちゃいけない。ただその場その場の答弁でごまかしてもらっては困ると思うのです。そういう点は、もう一段の努力をしてもらうように、きょうは関連質問ですからこの程度にいたしておきますが、議員宿舎などは当然取るべきですよ。議員会館にもたくさんあります。全然これ取っていない。こんなことでは正直者がばかをみると言いますよ、しまいには。どうです会長、私の意見は。
○参考人(前田義徳君) 全くごもっともだと思います。おそらく逓信委員の方々、郵政大臣は、おそらく営業担当は業務用に準ずるものと、こう考えたのではないかと思いますが、御説全くごもっともで努力いたしたいと思います。
○野上元君 その点はそれじゃあその程度でやめたいと思います。非常にむずかしい問題ですから、まあ今後とも十分努力していただきたいと思いますが、郵政省にちょっとお聞きしたいのですが、経営委員ですね、電波監理局長、経営委員になれる資格というのはどういうのですか。たとえば国会議員はこれになれますか。
○政府委員(上田弘之君) なれません。
○野上元君 どうなんですか。理由は何ですか。その法文を読んでみてください。
○政府委員(上田弘之君) 「4左の各号の一に該当する者は、委員となることができない。一 禁こ以上の刑に処せられた者二 国家公務員として懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者三 国家公務員(審議会、協議会等の委員その他これに準ずる地位にある者であって非常勤のものを除く。)四 政党の役員(任命の日以前一年間においてこれに該当した者を含む。)五 放送用の送信機若しくは放送受信用の受信機の製造業者若しくは販売業者又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わずこれと同等以上の職権若しくは支配力を有する者を含む。以下この条中同じ。)若しくはその法人の議決権の十分の一以上を有する者(任命の日以前一年間においてこれらに該当した者を含む。)六 放送事業者若しくは新聞社、通信者その他ニュース若しくは情報の頒布を業とする事業者又はこれらの事業者が法人であるときはその役員若しくは職員若しくはその法人の議決権の十分の一以上を有する者七前二号に掲げる事業者の団体の役員」でございます。
○野上元君 その欠格条項を読んでみても、国会議員は欠格条項ないんじゃありませんか。当てはまらない。
○政府委員(上田弘之君) 私、間違えたと思います。「政党の役員」となっております。
○野上元君 私たちは政党の役員でも何でもない、一政党員ではあるけれども。政党の役員じゃない者は、国会議員であった場合にはそれはなれるのですか。
○政府委員(館野繁君) 現在、経営委員会の委員の任命につきましては、放送法第十六条に規定してございます。
○野上元君 どれに該当するのですか。
○政府委員(館野繁君) 欠格事由といたしましては「政党の役員」ということがございます。それから「国家公務員」、ただし非常勤のものを除くということになっております。
○野上元君 国会議員は国家公務員じゃないでしょう。
○政府委員(館野繁君) お答えいたします。いろいろの法律によって、その法律自体の目的によって国家公務員という場合の範囲が定められておるのが通例でございまするけれども、放送法におきましては、従来は国会の議員は特別職の国家公務員と解釈してまいりました。
○野上元君 だからそこの法文にいう「国家公務員」じゃないと思う。純然たる国家公務員じゃなくて、特別公務員だと思うのですね。その場合に、特別公務員も含むというようなことが書いてないと、やっぱり適用されたということにならぬのだな、私も一ぺん立候補してみたいと思うんだけど。裁判に訴えてひとつ結末をつけましょう、この問題は、あなたとけんかしても始まらないから。 それから番組費についてちょっと聞いておきたいのですが、私も「義経」のファンなんですが、「義経」の制作費というのは幾らぐらいかかるのですか。
○参考人(浅沼博君) 二百三十三万でございます。
○野上元君 その中に、たとえば深夜にわった超過勤務手当であるとか、あるいは自動車代だとか、夕食代だとか、あるいは音楽——管絃楽団を使うとか、あるいはまたその他いろいろなものを使うと思うんですが、それらの費用は入っているんですか。
○参考人(浅沼博君) 内訳を申し上げます。ただいまお尋ねの人件費は入っておりません。役者の出演費は入っております。出演料が七十三万四千円、それから大道具、小道具の美術費が約百七万九千円、それから、ロケ費とかあるいは時代考証、それから台本の作成費と申しまして台本をつくり上げる費用、これが合わせて二十八万九千円、それから脚色料と音楽料が、二つ合わせまして二十三万四千円、計二百三十三万六千円という勘定になっております。職員の人件費はこれに含まれておりません。
○野上元君 これを民放なら民放でつくったらどのくらいかかりますか。
○参考人(浅沼博君) 民放の場合には出演料が若干違うのじゃないかと思いますが、私、民放の出演料がどのくらいのものかよく存じませんが、出演料がちょっと違うという点と、これにやはり民放の場合には制作費の中に人件費等が入ると思います。したがってこれよりは高くなる勘定でございます。それから、それを売り渡す場合には、これに民放の場合には電波料というものが加算されます。そんなところで、純粋の制作費よりははるかに高くなるということになるだろうと思われます。
○野上元君 先ほど私が言いましたような付属経費といいますかね、そういうものを入れないと、ほんとの制作費というのはわからないような気がするのですが、付属費というのはどれくらい実際にはかかるのですか。
○参考人(浅沼博君) 大体、人件費を入れますと全部で二百八十万円、大体二百八十万円ぐらいになると思います。
○野上元君 今度NHKでは教育放送が義務制になりましたね。これはどういうことになるんですか。この場合の教育放送を義務制にした内容、あるいは実行したかどうかに対する監査の問題だとか、そういう点はどういうふうになっていますか。
○参考人(浅沼博君) NHKは、御承知のように公共放送といたしまして、教育番組につきましては、かねてから多年にわたりまして学校放送をはじめ、それから青少年並びに一般社会人を対象とする通信教育番組とか、あるいは社会教育番組をずっと拡充強化してまいりました。またその利用につきましても、積極的な施策を行なってまいりまして、こういった基本的な姿勢は、今後とも続けるつもりでございます。したがいまして、教育番組の義務づけの有無によって、いままでの方針を変更するようなことはないと思います。
○野上元君 教育放送が義務制になったからといって、NHKとしてはいままでと全然変わらないのですか。
○参考人(前田義徳君) 法律上の問題は、私どもとしては、現在のところ仄聞しているという段階でございますので、法律的にどういう行政形態がとられるかということについては、私どもは答弁いたしかねると思いますが、実質的に私どもが従来やってきた経験から申しますと、いま浅沼総局長が御説明申し上げましたように、実質的に変化のある部分といえば、この教育放送とは何ぞやという問題と、これと関連して教育放送番組審議会ができるという点だけでございます。
○野上元君 これをNHKに適用した場合には、われわれが見ると第三チャンネル、これに該当するのですか。
○参考人(前田義徳君) 大部分がそれに該当することになると思います。
○野上元君 それからカラーテレビの問題について、きのう新谷さんからも質問があったようですが、今度NHKで何か画期的な技術革新をやった、したがって、今後カラーテレビとしては、受像機の改良によって相当成長するだろう、こういう新聞記事をちょっと見たのですが、どういう技術革新があったのですか。たとえば、この食堂にもカラーテレビは置いてあります、御承知のように。あの受像機を見て、あれがカラーだと思う人は一人もいないですね。あれをかける人は一人もいない、みんな白黒のほうを見ているのですね。これは前からも言うのですが、どういう点を改良されたのか。映画なんかを見ている関係で、映画のカラー、あれをすぐ連想するものですから、テレビの場合のカラーは非常にその点が劣るので、なかなか伸びないのじゃないかと私は見ておるのですが、どういう技術改良が行なわれたのですか。それをちょっと簡単に御説明願いたい。
○参考人(三熊文雄君) 新聞に出ましたカラーの色の補正の問題ですが、これは御承知のなま番組の場合はそう悪くないのですけれども、いわゆる録画いたしますと、録画によって出るカラーが、なまよりも悪いという送り出し側のポイントにおきまして、いろいろそこに苦心を要したわけです。改良いたしましたポイントは、その録画の場合に、いかになまと同じようにいい色を出すかという点を改良いたしまして、いわゆる録画にしますと、テープが伸び縮みいたします。その伸び縮みに応じて色ずれとか、色割れとか、そういうことをいたすものでして、それを電気的にそういうことのないようにしたのがこの間の新聞に出た方式で、いわゆる送り出し側の一つの対策を申し上げたわけでして、受信側の問題ではないわけです。ただ、ただいまのお話の受信側の問題につきましては、午前中にもお話しいたしましたとおり、ずいぶんよくはなっています。たまたまこちらでといいますか、あるのが古い型だと思うのですが、現在の新しい型でありますと、いわゆる調整個所もわりに楽になっていますし、いろいろの意味で相当よくなっておる、こう考えております。
○野上元君 いまお話をお聞きしますと、送信側の技術改良であって、受信側の技術改良でないということになると、やはりいまの受像機をもってしては、やっぱり従来とあまり変わらぬということですね。
○参考人(三熊文雄君) いわゆる、まあ簡単に申し上げまして、ここ二、三年というよりも、去年オリンピック以後につくられておるカラー受像機は、いままでと違いまして、相当質がよくなった、こう私は思います。実際問題としましても、ごらんになったかと思いますが、ある程度御承知のとおり、カラーを見る場合には暗くしないといい色が出ない点がありますので、そういう点に不便を感じておるわけなんですが、しかしながら、受像機自体も非常によくなったというふうに感じております。
○野上元君 それは当局者から聞くと、非常によくなったよくなったと聞くのだけども、われわれが見たら、ちっともよくなっていないのだね。全然カラーでないでしょう。ほとんど顔の周囲のほうだけちょっと赤くなっちゃって、まん中のほうは黒いので、これはカラーテレビではない。だから、私はカラーを見るよりも白黒を見ているほうが、ずっとすっきりしているというので、みんなカラーなんかだれも見ようとしない、せっかくカラーをやっておっても。それでは全然伸びるということが考えられないと思うのですよ。その点についてはあなた方もよく地方に出てみて、NHKの中ばかりにおらぬで、あそこに行くと、確かにきれいなカラーが映るわけです。私も映してもらってびっくりしたのですが、ところが地方に行ったら、あんなカラーテレビなんか全然ありませんよ。色がかすかについているかついていないかというようなカラーテレビのほうが多いのですね。それを見ておるものですから、なかなかあれに飛びつかない。そして二十万円もするのじゃ、なかなか伸びないと思う。将来NHKはやはり何年か後には、何十年か後には全部カラーに切りかえるつもりがあるのですか。それとも白黒のほうはあくまでも当分残しておくつもりなんですか。
○参考人(三熊文雄君) いろいろカラー受像機の問題はあるかと思うのですが、技術的な点から申し上げますと、白黒の場合と違いまして、いわゆるいろいろの反射その他によりまして、色ずれも起こします。したがって、カラーの受像機にはわれわれは必ずアンテナをちゃんとつけてほしいということを言っていますし、同時にカラー受像機を置かれる場合には、もよりの放送局に言ってくれれば、カラー専門の、十分わかった技術者を派遣いたしまして、そしてまずセットする場合に、そのセットする場所に応じてもまた変わってきます。調整その他非常にむずかしいものですから、一度セットしてしまえば、十分その点見やすくなると思いますが、そういう意味で、できるだけの置かれる場所につきましてのサービスという点も考えております。同時に、いまお話になりますとおり、電波の弱いところにおきましては、白黒の場合よりも相当カラーになりますと受信がむずかしいという点がありますので、そこらにつきましてのいろいろな技術的指導は十分にやっていきたい、こう考えております。
○野上元君 新谷さんも心配されたように、送信のほうばかり幾ら張り切っても、実際にそれを受け取るほうが、受信のほうがさっぱり進歩しないのでは、これはいたずらに送信側の経費が増高するばかりであって、それこそむだ金と思うのです。したがって、むだ金を使わないように、あなたのほうもひとつ業者等督励して、十分ひとつ改良につとめてもらいたいと思うのです。 それからオリンピックのときに、いろいろな施設をやりましたね。そのときもオリンピックオンリーだということで、だいぶわれわれ問題にしたのですが、この施設はいまどうなっておりますか。どういうふうに有効に使われておりますか。
○参考人(三熊文雄君) オリンピックのときにいろいろなテレビ並びにラジオのものをつくりました。たとえてみますと、中継車、テレビの中継車というものを新しく四台つくって、地方からのものを集めまして十九台その当時使ったわけですが、新しい四台につきましては、たとえてみますと釧路、青森、岡山、高知というように、地方の局へ全部それを配付し、いわゆるオリンピックで新しくつくったものは、予定は二年後に配付する予定だったものを、オリンピックで二年先に早くつくりまして、そうしてそういう機器は全部地方の局の番組内容をよくするために配付してきたというのが現状でございます。
○野上元君 次に、国際放送についてお聞きしたいのですが、これも毎回問題になっておりますが、今度の場合も、収支予算書の中では国際放送に関して六億八千万円をつぎ込んでおられるのですが、実際の交付金というのは一億数千万円で、実際には五億四千三百万円の赤字になっておりますが、この傾向はいつまで続くのですか。たとえば、現在十八方向ですかをやっておられるようですが、これが限度ですか。さらにまだどんどん伸ばしていく予定があるのですか、NHKとして。
○参考人(松井一郎君) 私からお答えいたします。 大体、方向として十八というふうなアンテナの向かっている方向、つまり電波というものは指向性を持っておりますので、いろいろだんだん方向をずらしておる。まあ十八の方向があれば、大体全世界に対してカバーできるというわけで、方向自身をこれからさらにふやすということは当面考えられない。しかし、その方向の中において、時間数をふやしていくということは、これは将来考えられると思います。
○野上元君 国際放送の場合どこが一番喜ばれるのですか。どこが一番反響が強いのですか。
○参考人(松井一郎君) 私のところへ参ります外国の聴取者からの連絡というものを総合いたしますと、アジア地域というものは、これは圧倒的に過半数を占めております。あとは、日本の海外にいる方々としては、南米の方々あるいは北米西部の方々というのがありますが、外国人からくる圧倒的な数字は、アジア地域及び次いでオセアニア地域ということになっております。
○野上元君 インドネシアには特派員はおるのですか。
○参考人(松井一郎君) ただいまおります。
○野上元君 そうすると、現地からの放送は全部禁止されておるわけですか。
○参考人(松井一郎君) いまおっしゃることばは、向こうのNHKの特派員という意味ですか。NHKの特派員はおります。ですから、もちろん一般の国際通信電報なり電話をもって連絡しているわけです。
○野上元君 予算総則を見ますと、第十二条に、業務に関係ある調査研究等に対し、交付金、補助金等の収入があるときは、この金額は調査研究所に関係ある経費の支出に充てることができる、こういう条文がございます。そして予算書の中には、調査研究費として十二億九千九百万円が計上されているわけですが、実際にこういう交付金あるいは補助金の収入というのはあるんですか。
○参考人(志賀正信君) ただいままで第十二条の適用をいたしますような調査研究をいたしたことはございません。
○野上元君 そういう交付金ないし補助金は、かつて受け入れたことはないと言われるわけですか。
○参考人(志賀正信君) さようでございます。
○野上元君 これはあり得るとしてこの条文はつくられておるのですか。それともたまたまこういう条文をつくったけれども、実際にはないという、実際に不必要な条文なんですか。それとも必要な条文なんですか、これは。
○参考人(志賀正信君) 現行法にも、NHKがこういうことに対しまして命令を受けてやることができるような関連の規定がございますので、今後とも可能性はあるかと思いますが、ただいまのところまでは実例はございません。
○野上元君 この十一条も、国際放送あるいは選挙放送に関して交付金が予算額を上回ったというような場合には云々、こういう条項があるんですが、こういう事実もないんじゃないですか。
○参考人(志賀正信君) 第十一条に関しましては、選挙放送の関係で、お手元の新年度の予算につきましても、おおよその予定で補欠選挙等の費用を見込んでおります。補欠選挙等の自治庁からの収入を見込んでございますが、過去にも例がございましたが、突発的に総選挙というようなことになりますと、改めてその際、選挙放送関係の収入がございますので、この十一条を発動いたしております。
○野上元君 それは選挙の放送に関しては、交付金が予算額に比し増加することがある。しかしこの国際放送についてはそういう事実はないでしょう。いままでずっと赤字じゃないですか。それとも政府の命令だけをやっておれば、その交付金の中で十分にやれるんですか。
○参考人(志賀正信君) 先生のおっしゃいますように、国際放送につきましては、いままで例がございませんでしたが、選挙放送につきましては三十五年、三十八年に実例がございました。
○野上元君 この国際放送の場合、政府が命令するというのは、具体的にどういう命令なんですか。一ぺんその命令書というのを見せてくれませんか。それに対して交付金というのが出ているでしょう。ですから、その命令書の範囲内で国際放送をやっていれば、当然交付金の中でできるということになるんですか。それともそれでも足らないということですか。補助金的なものですか。
○参考人(前田義徳君) この命令自体については、郵政御当局の問題だと思いますが、私どもの受け取り方は、従来郵政当局の御命令は、交付金に見合う御命令であるというように解釈しております。
○野上元君 そうしますと、交付金の中でやろうと思えばやれないことはない。しかし、NHKの使命にかんがみて、若干の受信料を使って、海外の邦人のために、公共の目的のためにやっておる。それが赤字の原因なんだ、こういうことになりますか。
○参考人(前田義徳君) 御承知のとおり、昭和三十四年に放送法の一部改正がございまして、この改正によりまして、すでに現行放送法におきましても、国際放送は一応NHKがやることになっております。その意味におきましてこの放送法の改正と関連して、いわゆる命令放送というものとNHK自体がやるべき放送というものの区別がかなり明らかになってきたわけであります。で、そういうたてまえから申しますと、NHKは政府命令を受けて、政府命令の交付金が少ないから赤字を忍んでやっているという意味とも違うわけでございます。その意味におきまして、政府が命令を下す場合には、おそらく私どもの受け取り方は、交付金に見合う限度の御命令である、そのように考えているわけでございます。
○野上元君 そうしますと、先ほど松井専務理事からの御答弁がありましたように、大体いまのところ十八方向でカバーできる。ただ、放送時間を長くすることはあり得ると、こういうふうに答弁されたのですが、当分そういう考えで国際放送には対処されるわけですか。
○参考人(前田義徳君) 先ほど来から関連して申し上げましたが、少なくとも昭和四十二年度末、すなわち昭和四十三年三月末までは、私といたしましては、方向並びに時間増は考えておりません。
○野上元君 この予算書にあります事業支出の部で、一番最後の項にあります関連経費というのが三十二億円計上されておるのですが、この関連経費というのは、これは一体どういうものを指して言っておるのですか。
○参考人(志賀正信君) 関連経費の中のおもなものにつきましては、全部で三十二億五千二百万円でございますが、主たるものにつきましては、支払い利息でございます。これがこのうちで二十九億円になっております。それから未収受信料の問題につきまして、将来の欠損の予定額といたしまして、当年度の受信料から一応償却を予定いたしておりますものが五億八千万ばかりございます。そのほか放送債券を発行いたします際に、割引額で発行いたしますので、その差額については放送債券の期間の将来にわたって年賦償却をいたしますので、この分の償却費がございます。おもなものはこういうものでございます。
○野上元君 時間が参りましたので、最後に一つだけお聞きしておきたいと思いますが、編集権といいますか、番組編成権といいますか、この問題をよくわれわれは論ずるのですが、なかなかその所在がはっきりしないのですね。この番組編成権というものは、どなたがお持ちになっておりますか。
○参考人(前田義徳君) 執行の最高機関として、編集権の実施の最高責任者は私でございます。
○野上元君 形式的には前田会長になっておると思いますが、実際にこれを行使しておる人、それはどなたですか。
○参考人(前田義徳君) 私の最終責任を第一次的に総括的に代行している者は、私の指名によりまして放送総局長ということになっております。
○野上元君 たとえば具体的にお尋ねしますが、時事放送、解説が九時二十分ですか、からございますね。あのときに解説者のお話を聞いておりますと、五分前、あるいは十分前のいわゆるホット・ニュースを直ちに解説する、こういうことに大体気をつけておる、こういうふうに言っておりました。それが国民のためだと思うし、できるだけあったかいニュース、こういうことでやっておられるということになると、あれの放送されるときに、その内容はどなたが検査されますか、事後承諾ですか。
○参考人(前田義徳君) 今度は総局の細部的な担務になりますが、これと関連しましては、解説放送は解説委員長、事務的に申しますと解説室長という者がその部門における第二次的、すなわち直接現場との関係における責任を分担するわけでございます。したがいまして、解説委員室はそれぞれ一つの方針を解説委員全員との話し合いで立てているわけでございます。したがいまして、いまのようなケース——問題は要するに、突如として起ったホットニュースと、それに関する解説という点に重点が注がれるかと思いますが、大体それを担当する解説者についても、その直前に会議を開いて、解説室長がこれを指名し、解説の具体的な方針、これについても聴取し、また必要あれば、解説室長がこれを指示して、それに従って解説を行なうという仕組みになっております。
○野上元君 そうしますと、解説の場合には、毎日毎日解説室長が中心になって、その日のニュースを吟味をして、そして割り振ってんですか。それとも、一週間ずうっともうあらかじめ割り振られておるんですか。
○参考人(前田義徳君) たてまえは、大体一週間の分担をまずきめております。それから、いまのようなケースの場合には、緊急に会議を開きまして、担当者を変える場合もきわめてひんぱんにございます。
○野上元君 そうしますと、その番組編成権といいますか、編集権というのは、一番下の段階の編集権者はだれですか。部長ですか、副部長ですか。
○参考人(前田義徳君) いわゆる内部組織として申しますと、編集権の最終の実施者は部長ということになります。
○野上元君 そうしますと、部長の一つの何といいますか、考え方によって、裁量によってその日の番組を少し変えることはできるのですか。
○参考人(前田義徳君) 番組自体を変えることはできないと思います。ただ、編集の方針として、その大原則にのっとってその日のニュースの軽重の度を測定して、そして何を重しとし、何をその次に持ってくるかということは、その当日、その場、その時の部長の権限にまかしてあるわけであります。
○野上元君 もう時間が来ましたから、私はこれで終わります。
○久保等君 ちょっと資料のことで。午前中の資料要求で、NHKに剰余金の一覧を出してもらうことになっているのですが、その資料をひとつ早急に出してもらいましょう。
○委員長(田中一君) 久保委員から要求されている資料を、次回の委員会までに、その前でもけっこうですが、お出し願いたい。 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度といたします。 次回の委員会は、三月二十九日火曜日午前十時を予定とし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時四分散会