大蔵委員会 第25号
- 発言数
- 35 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1966/05/31
会議録
○委員長(徳永正利君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 それでは、租税特別措置法及び所得税法の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を聴取いたします。竹中大蔵政務次官。
○政府委員(竹中恒夫君) ただいま議題となりました租税特別措置法及び所得税法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 政府は、最近における地価の急激な上昇に対処するため総合的な対策を講ずることとしておりますが、その施策の重要な一環として、土地収用に関しその補償額算定の時期を原則として事業認定の告示の時に改めること等を内容とする土地収用法の一部を改正する法律案をさきに提出いたしました。これに対応して税制上におきましても、社会公共のために行なわれる土地収用に伴う譲渡所得について格段の特例を講じてその円滑化を促進するとともに、収用されない土地に実現した値上がり益に対する課税の合理化をはかる等の措置を行なうため、ここにこの法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして、その大要を申し上げます。 第一は、公共事業にかかる譲渡所得の課税について大幅な特別控除制度を設けていることであります。すなわち、土地収用法の一部を改正する法律の施行の日以後に収用等により資産を譲渡した場合において、その譲渡が買い取り等の申し出があった日から六月以内にされたときは、その譲渡所得の課税にあたっては、千二百万円の特別控除を行なうこととしております。なお、納税者の選択によっては、この特別控除制度にかえて、収用された資産の取得価額を代替資産の取得価額として引き継ぐこともできることといたしております。 第二は、公共事業の実施の結果一般にもたらされる土地の値上がりについて、その課税方法の一部を改正することであります。すなわち、三年をこえて保有していた土地、建物等の譲渡所得に対する所得税の課税にあたっては、現在その所得の二分の一を課税対象としておりますが、土地収用法の一部を改正する法律の施行の日以後に譲渡があった場合には、その譲渡所得のうち、収入金額の五〇%に相当する部分については現行どおり二分の一課税とし、それをこえる部分については全額課税とすることとしております。なお、急激な負担の変動を緩和する趣旨から、この二分の一課税の対象となる部分の割合を、昭和四十二年分にあっては収入金額の九〇%、昭和四十三年分にあっては収入金額の七〇%とする経過措置を講じております。 第三は、右に述べました第二の措置に伴って居住用財産についての譲渡所得の課税方法を改正することであります。すなわち、現在では居住用財産を譲渡したときは譲渡資産の取得価額を引き継ぐ制度を認めておりますが、昭和四十三年一月一日以後においては、居住用財産を買いかえまたは交換した場合の取得価額の引継ぎ制度にかえて、居住用財産を譲渡した場合または土地等を居住用財産に買いかえる場合の譲渡所得の課税にあたっては、九百万円の特別控除を行なう制度をとることといたしております。 第四は、通常の譲渡所得に関する控除額が、現在、所得金額に応じて三十万円から十五万円までとなっておりますのを、昭和四十二年一月一日以後の資産の譲渡について、これを一律に三十万円とすることとしております。 以上、租税特別措置法及び所得税法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由とその内容を申し述べました。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(徳永正利君) 引き続いて、補足説明を聴取いたします。塩崎主税局長。
○政府委員(塩崎潤君) 租税特別措置法及び所得税法の一部を改正する法律案につきまして、補足説明を申し上げます。 先ほど提案理由にもございましたように、今般、地価対策を大きな柱といたしまして、収用法が改正されることになったのでございます。その改正の大きな点は、御存じのように、これまで収用によりまして補償いたします金額は、収用裁決のときの価格であったわけでございます。そのようなために、事業認定がありました後公共事業が行なわれますと、その後の値上がりが相当激しいものがある。その値上がり益をめぐりまして、収用に応ずるかどうかにつきまして非常に争いもあり、またなかなかごね得とかいろんな弊害も生じておったわけでございますが、今般はこのような弊害をなくする意味で、思い切りまして、収用法は事業認定のときの価格で収用する補償金額を支払う、こういうふうに改正しようとするものであります。このように収用法が改正されることになりますと、租税では考慮しなければならない点が二点ばかりあるようでございます。 まず第一は、収用を受ける者の犠牲がこれまでの収用法の実施と比べまして大きくなった点でございます。事業認定時の価格で補償される裁決までの利益が今後は取れなくなるという点でございます。 第二は、収用を受ける者は、いま申しましたような犠牲を受けるわけでございますが、収用を受けないでその後自分の土地につきまして自由に譲渡する者につきましては、これまで自由価格で処分できる関係上、収用を受ける者に比べまして非常な利益を受ける、こういうことが考えられるわけでございます。これにつきましては、何らかの利益を社会的に還元するという意味におきまして、いまの所得税法の適用において考えなければならない、こういった点が第二の理由でございます。 その二つの理由から、租税特別措置法及び所得税法を改正しようとするものでございます。 改正点は四点ございまして、まず第一は三十三条の二でございます。先ほど申し上げました第一の理由に対応いたしまして、今般の収用法の改正に伴いまして、収用法の施行日以後に収用等によりまして土地を譲渡いたしました場合において、その譲渡を買い取りの申し出があった日から六カ月以内に行なわれるといったような人に対しましては、一千二百万円の控除をしよう、こういうふうにいたそうとするものでございます。現行制度は、御存じのように、特定公共事業につきましては、七百万円の控除があり、その残りの金額につきまして四分の一の課税が行なわれております。特定公共事業以外の収用につきましては、十五万の控除があり、残りが四分の一の課税でございます。なお、そのほかに、こういった四分の一の課税方式を選ばない方は買いかえの制度の選択があることは御存じのとおりでございます。大ざっぱに申せば、現行制度は以上のようなたてまえになっておりますが、今般の改正におきましては、特定公共事業あるいは一般の公共事業を問わず、いま申し上げましたような収用法によりますところの犠牲の大きくなったところを考えまして、一律に、七百万円、十五万円という控除金額を統一いたしまして千二百万円にしよう、こういうものでございます。その他の点につきましては大体現行制度を踏襲しよう、こういう考え方でございます。ともかく、もう収用法によりますところの収用は自分の意思によらない強制的な譲渡でございまして、こういった制度によりまして救済をはかっていこう、こういう考え方でございます。 第二は、三十条の三でございます。先ほど申し上げましたように、第二の改正の理由といたしましては、収用法の適用を受けない自分の土地を自由に処分できる方々の課税をどうするかという問題でございます。種々の考え方がございます。収用法の改正に伴いまして、むしろこういった譲渡の際に課税することよりも、土地を保有している間に、むしろ土地の供給を促進する意味から、たとえば空閑地税あるいは一種の評価課税を行なうことが適当ではないかというような御意見もございます。国会におきましても、そういった土地についての課税関係について附帯決議もございますが、実現する前の、譲渡する前の課税は種々の意味におきまして弊害があることを私どもは感ずるのでございます。まず第一には、現在のように都市計画が不十分である段階におきまして、空閑地であるかどうかの認定がなかなかむずかしいのでございます。さらにまた、第二には、土地を保有している間に大きな課税と申しますか、高い課税をすることは、支払い能力の点から問題でございます。そんなような観点から見まして、やはり土地につきましては、譲渡したときに、いわば実現したときに課税することを適当と考えるのでございます。現在の制度がなお反省すべき点があるかどうか考えてまいりますと、やはり個人の譲渡所得につきまして、三年をこえる資産につきまして半額課税をしている点に問題がある。やはり少し大きく値上がり益を享受する方には負担を増していって、収用法の適用を受けまして事業認定時の価格で収用を受けた方々とのバランスをとるということが適当と考えられるのでございます。そんなような意味で、三十条の三は、収入金額の半分をこえます譲渡処分につきましては全額課税を行なおうと、こういう考え方でございます。しかし、これも一挙にいたしてまいりますと、現行の制度との変革が非常に大きいものでございますので、昭和四十二年分につきましては十分の九までは依然といたしまして半額課税、昭和四十三年分につきましては十分の七までは半額課税、こういうふうにいたしておるのでございます。 第三点は、三十五条及び三十六条の改正でございます。現在、居住用財産につきましては買いかえの制度があることは御存じのとおりでございます。居住用財産につきまして、譲渡はいたしますがまた同じような居住用財産を購入したといった場合には、譲渡所得は実現しないものと見るという考え方があるわけでございます。この制度はよく考えてまいりますといろんな問題を含んでいるわけでございますが、今回の長期譲渡所得に対します先ほど御説明申し上げました第三十条の三から見ますと、なお問題が深刻になるような感じがするのでございます。 まず第一には、買いかえを行なわない方々が相当おり、その方々が三十条の三によりまして課税を受けるということが問題でございます。未亡人あるいはその他担税力がだんだん失われる方々が大きな家を売って小さな家に引っ込む、そういった際には現金を握るわけでございますから、その際は三十条の三によりまして重課を受けることは必ずしも適当でない。根本的に考えて、現ナマを握るか資産を握るか、これによって担税力の差がそんなにもないと考えられるわけでございます。さらにまた、買いかえ制度は、御存じのように、不必要な資産の需要の大きな原因にもなっている、そんなふうにも考えられますので、ひとつこの際買いかえ制度にかえまして新しく控除制度を設けよう、こういうことにいたしたのでございます。三十五条、三十六条は九百万円の特別控除を行なう、譲渡所得は九百万円までは課税をしない、こういったことによりまして、居住用財産についての負担を緩和しよう、むしろこのほうがほとんど居住用財産については課税にならないといったような結果になるわけでございます。もちろん譲渡所得の大きな居住用財産につきましては、買いかえを行ないましても課税になることはこの結果当然出てまいりますが、全般的に申しまして、居住用財産につきましては九百万円の控除でいったほうが、いま申し上げました弊害、つまり三十条の三によりますところの譲渡所得の全額課税の問題も救われる、こういった考え方でございます。 第四点は、所得税法の三十三条の改正でございます。現在譲渡所得は、いわゆる基礎控除と私ども申しておりますが、この基礎控除は原則といたしまして十五万円でございます。しかしながら、四十五万円までの譲渡所得につきましては三十万円まで控除いたしまして、それをこしますとだんだん基礎控除が減りまして、結局は十五万円にするような複雑な仕組みをとっております。今般三十条の三におきまして、譲渡所得を一部全額課税をするというようなシステムを設けますと、あまり小さな金額につきまして重課をすること自体適当ではございません。さらにまた、税制の簡素化も必要でございます。そんなような意味で、所得税法の三十三条を改正いたしまして、一律に三十万というふうに改正をしようと、こういう趣旨でございます。 以上が租税特別措置法及び所得税法の一部改正法律案の補足説明でございます。 この法律は土地収用法と一体をなしておりますので、施行期日は土地収用法の一部を改正する法律の施行の期日から施行することにいたしております。土地収用法は、御存じのように、「公布の日から起算して八月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。」、かようになっております。したがいまして、大体昭和四十二年分から適用することになろうと思います。ただし、居住用財産の買いかえにつきましては、いま申しましたように相当な変革でございます。そういうような意味で、もう一年おくらせまして四十三年から適用するような方法を考えております。 以上、簡単でございますが、補足説明を終わらせていただきます。
○委員長(徳永正利君) 本案につきましては、本日はこの程度にいたしたいと思います。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(徳永正利君) 速記を起こして。 —————————————
○委員長(徳永正利君) 次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、税務署の設置に関し承認を、求めるの件を議題とし、審査を進めます。 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○柴谷要君 これは税務署が二カ所できるのですね。これはまあ分割ということで、大森が雪谷に分割をされる。大森はそのまま残り、雪谷ができる。それから、もう一つは福岡に設けられる。二つ新設されるわけでございますね。ところが、これはあれですか、三十九年だと思うのですけれども、墨田の税務署が本所と向島に分かれましたね。この分かれたときの説明を聞きますと、付近住民の利便をはかるために、一カ所ではあまり広範な、範囲が広過ぎて一カ所ではいかぬから分割をして、まあ納税者のための利便をはかる、こういうことが言われたわけです。ところが、依然としてもとの墨田税務署という一カ所の中に、いわゆる向島と本所の税務署が存在をしているわけです。そうすると、分割する必要はないと、こう思う。ただ署長が二人できた、それに係員が幾人かふえた、こういう程度のことにしかなっていないわけなんですね、いま。これに対してどういうような国税庁としてはお考えになっておられるのか。それから、今度できょうとする福岡と雪谷は一体どうなるのか。そういう形ではなしに、初めから適当な場所にきちっと庁舎ができ、そして納税者の利便をはかる、それでこれに対する体制というものが確立をされていくのかどうか、これをひとつ説明を願いたいと思う。
○政府委員(泉美之松君) お話のように、昭和三十九年のときに分割いたしました本所税務署と向島税務署につきましては、当初の予定では他の場所に新築をいたしまして納税者の方の利便をはかるというつもりでおったわけでございますが、何ぶん土地の取得が非常に困難でございまして、やむを得ず同一場所に両税務署が併存しておるという形でございますが、これは私どもの本来の意図とは違うのでございまして、できますれば、しかるべき機会に土地を取得いたしまして、そこに庁舎を移転いたしたい、かように考えておるわけでございます。 で、今回大森税務署から雪谷税務署を分割すること、それから福岡税務署から西福岡税務署を分割すること、この点につきましては、幸いに土地の取得費、福岡は土地の取得費が要らないのでございますが、大森から分かれる雪谷につきましては土地の取得費が予算に計上されましたので、私どもといたしましては、本所、向島のようなことでなしに、その管轄区域内に庁舎をつくりまして納税者の利便をはかりたい、かように考えております。 なお、申し上げるまでもないことでございますが、税務署の分割を行なう場合には、納税者の利便ということが第一でございます。いま一つは、やはり納税者数があまり多くなりまして、それに対して職員数があまり多くなりますと、署長の管理の行き届かないような面も出てまいります。そういう面から、ある程度大きな税務署になりますと、分割をせざるを得ない。しかし、その場合にはできるだけその管轄地域内に税務署を新しくつくるのが望ましい方向であると考えております。今後ともそういった方向で進みたいと思っておるわけでございます。
○柴谷要君 まあ一つこの墨田の例をあげたんだけれども、分割をしてその趣旨が徹底をしないというようなことならば、むしろ墨田税務署は、墨田税務署の拡張工事をして、そしてそこに来る納税者の利便をはかってやったほうが、ぼくらはむしろ有効じゃないか。ところが、今度のやつは、雪谷税務署が、土地の購入費として七千五百九十万円、庁舎建設費として六千百八十一万三千円という金を予算化した、こういうことであるから、それはいいと思うんだが、従来分割をしてやったところの予算というのは取れなかったんですか。
○政府委員(泉美之松君) 従来は、庁舎建設費だけは予算を認めてもらえるのでありますが、土地の購入費につきましては予算の計上が認められなかったのであります。そういうことで、墨田税務署を分割して本所、向島を設けました際に非常に困りましたが、今回雪谷税務署新設につきましては、土地の取得費は予算に計上してもらうようにお願いしまして、それが初めて認められたということなのでございます。
○柴谷要君 そうすると、長官のお話によりますと、墨田の問題は当分解決されないで現状のままで推し進めていくと、こういうことですか。
○政府委員(泉美之松君) 現在のところ、すぐに解消する見通しが立っておりません。ただ、私どもといたしましては、他の国有財産との振りかえでも行ないまして、向島税務署管内に適当な土地を取得して、そこへ移築したいという考えは持っております。さしあたりすぐに実現できるという見通しはないのでございます。
○柴谷要君 そうなると、どうも三十九年に行なったこの分割というのは意味が非常に乏しいと思う。ただ、私も墨田の税務署は見てきていますけれども、署長さんが二人になって、そして係が別々になっただけで、多少改築費を使ってかっこうだけは整えたというだけで、納税者の利便をはかったという意味はさらさらないと思う。
○政府委員(泉美之松君) お話のように、納税者の利便という点からいたしますと、従来のところにあるわけでございますので、分割したということが納税者それ自身にはあまり役立っておらないという面がございますが、先ほども申し上げましたように、納税者の数が非常に多くなり、したがって職員の数が多くなりますと、なかなか仕事の量が多うございまして、処理に混乱を来たします。また、税務署の管理という点から申しましても、署長がそう多くの職員を管理することがなかなかできにくい。こういう点からいたしまして、分割をすることによってその管理をたやすくする。それと同時に、職員数が適当な数になると、納税者との関係もある程度スムーズにいく、こういうことがねらいでございます。しかし、これは本来納税者の利便ということを主として税務署の分割を考えるべきでございますので、そういった点からいたしますと、墨田の税務署を分割いたしましていま同じところにあるということにつきましては、問題があろうかと思っております。 ただ、これははなはだ恐縮でございますが、外国の事例なんかを見ますと、イギリスなんかでは、職員数が四十五人というのを基準にいたしております。したがいまして、同じ建物の中に税務署が二つも三つもあったり、そういったことをやっておるところもございます。もちろん、日本としましては、そういったことでなしに、できるだけ管轄区域内に税務署を置くということを理想と考えて、私どもはそれでやっていきたいと考えております。したがって、墨田税務署の分割の事例は、あまりいい結果でなかったということは思っております。したがって、機会がございますれば、できるだけこれを是正したいという念願は持っておるわけでございます。いかんせん、すぐに実現できるという見通しがないのでございます。
○柴谷要君 土地の取得ができないから、分割ができない。庁舎建設費は予算として組まれている、こういうのですがね。実は墨田区管内の地理的条件からいろいろ検討してみると、最近あれですね、トルコぶろのようなやつはどんどんできるのですね、土地を買ってね。それで、調べてみると、案外墨田地区内の土地の価格というのは安いのですよ。だから、税務署を適当な地域に分散をさせるという、その分割をする意味を実現させる方向としてはできるのじゃないか、こう思うのですよ。少し努力が足りないのじゃないでしょうか。それはお認めになりませんか。
○政府委員(泉美之松君) 国税庁の努力が足りないではないかとおっしゃれば、ごもっともでございます。ただ、それまでは国有財産などがございまして、その国有財産の交換といったような事柄で、土地の取得費を予算に計上するということはなかったわけでございます。これは公務員宿舎の設置の場合も同じでございまして、公務員宿舎の建設費は予算に計上いたしますけれども、土地の取得費は予算に計上しないということでずっとやってきております。ところが、だんだん国有財産がなくなってまいりましたものですから、最近になりますと、特に都会地の場合におきましては、まあ安いと申しましてもかなりの土地の値段でございますので、その予算が計上されておらないとなかなか土地の取得ができにくい、こういう事情がふえてきております。税務署の設置の場合もそうでございますし、公務員宿舎の設置の場合も同じような状況になっております。したがいまして、主計局としては今度雪谷の場合に初めて予算をつけることにしたわけでございます。今後こういった点については、従来の方針のまま過ごしていくことには困難が出てくるのではなかろうか、したがって、ある程度土地の取得費を予算化しなければならぬ場合がふえてくるのではなかろうか、私どもはこのように思って、また主計局にそのようにずっとお願いをしてきておるわけでございます。
○柴谷要君 たとえば、税務署を新設する場合には国会の承認を求める案件になっているわけですね。ところが、廃止の場合には何の音さたもないのですね。これ、ちょっとおかしいと思う。それが今度統合されるのが何カ所かありますね。これはスムーズにいっておりますか。
○政府委員(泉美之松君) これは柴谷委員御承知のとおり、地方自治法の規定は、地方自治というたてまえからいたしますと、そこに中央官庁の出先機関ができるということは地方自治の関係上いろいろ問題が出てくる。したがって、そういう中央官庁の出先機関ができる場合には承認を要する。しかし、中央機関の出先機関がなくなることは、地方自治のたてまえからいって好ましいことであるから、別段承認は要らないということで、この税務署の設置の場合におきましても、分割の場合だけ承認を求め、統合のほうは大蔵省令の改正で行なうということになっておりまして、国会に提出しないということでやってきておるわけでございます。 で、今回二税務署を分割するわけでございますが、国税庁といたしましては、人員の効率的な配置を考えまして、以前農業所得などが多かった時代に設けました税務署で、その後納税者がだんだんと最近の状況からいたしまして減ってまいりまして、職員数もきわめて少なくなってまいったような税務署が相当あるわけでございますが、そういった税務署のうち、全国で七税務署を廃止す予定をいたしております。それぞれの税務署につきまして地元といろいろ折衝をいたしているわけでございますが、当初地元としては、税務署が廃止されるということは何だかさびしいといったことから、反対のお話もあったわけでございますが、その後いろいろ折衝いたしました結果、まあやむを得ないというように話がだんだん落ちついてまいっております。現在のところ、七税務署の廃止は来たる七月一日をもって実施し得る見込みになっております。
○柴谷要君 その増設については円滑にいく、ところが廃止についてはなかなか難関にぶつかると思いましたが、いまの話を聞きますと、大体了解がついて円満に話ができそうだと、こういうお話ですから、けっこうでございますが……。 そこで、最後にいま一問聞いておきますが、雪谷税務署の土地購入費七千五百九十万円というのは、坪大体どのくらいの割りで買おうとしているのですか。
○政府委員(泉美之松君) これは実は相手方がありますので、単価を申すのは折衝上あまり得策でないのでありますが、やはり相当の——雪谷という地区の状況からごらんいただきましても、かなりの単価でないと買えないということでございまして、現在候補地が四、五カ所ございまして、そことこの御承認をいただいたあと直ちに折衝に移る予定にいたしております。いずれにいたしましても、大田区の中の雪谷という地区でございますから、かなりの値段のものと考えております。予算といたしましては、一応十三万円余りの単価で計上したわけでございますが、実際上ははたしてそのとおりいけるかどうかということは今後の折衝にかかっているわけでございます。
○中尾辰義君 納税事務に関係しまして、私の耳にちょっと入りましたので、この際お伺いしておきますけれども、この問題は武蔵野税務署に関係したことでございますけれども、北多摩郡久留米町の松島某という方ですが、この方が昨年おとうさんがなくなったんで、それでその相続税問題に関係して武蔵野税務署に相談に行ったというのですが、その際に、本人が交通事故で少し頭が弱っているので、ある銀行員を同行いたしまして、この二人で行ったというのです。そしてその納税事務についていろいろ相談したんでしょうが、聞くところによりますと、大体譲渡所得税と相続税合わせて九百万円くらいである。ところが、本人はいま申し上げたように自分で少し確信がないので、わざわざある銀行員と一緒に行ったにもかかわらず、その際に税務署員が親切に教えてくれなかった。それで、ある会計事務所を、あすこに行きなさいというわけで紹介をしてくれたということです。それでそこへ行った。ところが、さっそくその会計事務所から松島さんのうちに車で参りまして、そうして納税申告についていろいろと説明をし、また代行をしてくれた。ここまではいいのですが、そこで、本人が現金五百万円を渡した。そしてその後、税務署のほうには約束手形で三百万円入った。ところが、その約手の三百万円が不渡りになった。こういうことで、本人も非常に苦にしているわけです。こういう事件があるのですが、どうですか、あなたのほうは御存じですか。
○政府委員(泉美之松君) 私、実はいまのお話は初めて伺うわけでございますので、武蔵野税務署につきまして調査いたしました上でお答えいたしたいと思いますが、どういう事情があったか存じませんけれども、もしそういうことがあったとしますと、はなはだ遺憾なことのように思います。 まず第一の、銀行員の方と一緒に行ったときにあまり教えてくれなかったという点でございますが、これはまあ、しいて申し上げますと、この銀行員の方が税理士法で禁止されておりまする税理士類似行為を行なうようなことがあったかどうか。そのために、そういう人ではいけません、税理士法によりまして税理士の独占事業とされております税務代理のような行為はほかの人がやることはできません、こういうことで、あるいはその銀行員がおるところでは、その銀行員を通じてはあまり教えなかったことかと思います。そのために税理士の方を御紹介したのかと存じます。しかし、それにしましても、お金を五百万円渡して、それが不渡りになったということは、これは税理士のその人が適正な税理士業務を行なわなかったのではないかという疑いがあるわけでございますが、いずれにいたしましても、事実を十分調査いたしました上でお答えいたしたいと思います。
○中尾辰義君 そうしますと、税務署はそういう特定の税理士を、あそこに行きなさいと、こういうふうにちょこちょこ紹介しておるわけですか。
○政府委員(泉美之松君) それは、はなはだ私のことばが足りなかったために誤解を招くようなことになったかと存じますが、税務署といたしましては、別段税理士の方を御紹介するということはいたしておりません。ただ、納税者の方から依頼を受けまして、こういうことについて税理士の方にお願いしたいと思いますがどうでしょうかというようなお話がございますと、原則といたしまして、その地方の税務署管内の税理士会支部長を通じて、支部長の方が推薦される適当な方にお頼みになったらいいでしょうというようなことは申し上げておると思いますが、特定の税理士に依頼されたらいいでしょうというようなことは申さないというたてまえにいたしております。
○中尾辰義君 そうあればいいですが、私の聞いたところでは、会計事務所の所員が元税務署員であったと、こういうことになっているんですがね。そういうことで、税務署のほうと場合によってはぐるになっておるんじゃないか、こういう疑いもあるわけです。しかも、これは私のまた思い過ぎかもしれませんが、どうもそういうことがちょいちょいあって、税理士のほうから税務署署員が紹介料をもらってるんじゃないか、そういうことも疑われるわけですな。この点はいかがですか。おそらく、ありませんとお答えになるだろうと思いますけれども、これは新聞なんかにちょこちょこ出ておる問題でありまして、それをひとつお答え願いたい。
○政府委員(泉美之松君) お話の点でございますが、もちろん私どもといたしましては、税務署員が特定の税理士と結んで納税者の世話をするとかといったようなことはしないというたてまえをとっておるわけでございます。ただ、中尾委員も新聞でごらんになりますように、ときどき不心得な者がおりまして、税理士に悪用されたりなんかいたしまして、そういった不祥事件が起きておりますことは事実でございます。私どもははなはだ遺憾に思っております。そういったことのないように努力いたしたいと、このように考えておるわけでございます。
○中尾辰義君 それで、これはまたあとで調べてもらいたいんですが、その約束手形というのは一体だれの名義になっておったのか、納税者本人の名前になっておったのか、それともそこの会計事務所の振り出しになっておったのか。それから、何か申告書が二枚出ておったので、税務署員が本人のところに調査に行っておると、こういうことも聞いているんですが、それをひとつよく調査をして報告を願いたいと思います。 それから、これはまあ納税をする場合には、現金以外にはどういうのが認められておるのか、それをひとつ答えてください。
○政府委員(泉美之松君) 納税につきましては、もちろん現金が原則でございます。ただ、納期とそれから約束手形の満期との間にあまり差異がなくて、その約束手形をいただいておくことが将来の納税上安心できるというような場合に限りまして、約束手形をいただいておくということはいたしております。
○中尾辰義君 それでは、こちらのほうもひとつ後日調べてお願いしたいと思います。この法案と関連いたしましても、納税者の便利をはかるために税務署をもう一つふやすと、こういうことなんですが、やはり現実においてはいろいろとこういう不手ぎわな、非民主的なことがありますので、それはあなたのほうでひとつよく指導していただきたい、こういうふうに思います。終わります。
○委員長(徳永正利君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異認なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(徳永正利君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もないようでございますから、討論はないものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(徳永正利君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、税務署の設置に関し承認を求めるの件を問題に供します。本件に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(徳永正利君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(徳永正利君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、次回の委員会は六月二日(木曜日)午前十時からとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十八分散会 —————・—————