社会労働委員会 第5号
- 発言数
- 22 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1966/02/17
会議録
○委員長(阿部竹松君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 委員の異動についてお知らせいたします。二月四日、石原幹市郎君が辞任され、その補欠として重宗雄三君が選任されました。また、二月九日、亀田得泊君が委員を辞任され、その補欠として杉山善太郎君が選任されました。
○委員長(阿部竹松君) 労働問題に関する調査を議題とし、タンカー事故に関する件について調査を行ないます。 本件に関し、まず政府より事情の説明を聴取いたします。
○説明員(藤繩正勝君) 石川島播磨重工業株式会社の名古屋造船所におきます船内火災事故につきまして、現在までに判明いたしたところを御説明申し上げます。 事故の概要でございますが、昨日午前十一時三十分ごろ、名古屋造船所内第二艤装岸壁の新造船第三ブリヂストン丸内の第三船倉内におきまして火災が発生いたしました。その結果、不幸にも、労働者十五名が死亡いたしたわけでございます。で、被災労働者は、同船の艤装工事の請負をいたしております明星工業株式会社の労働者であるという報告を受けております。 災害に対しましてとりました措置でございますが、現在とっておる措置といたしまして、災害の二原因を究明するために、労働省の労災防止対策部長を現地に派遣いたしまして、その指揮のもとに、ただいま愛知労働基準局長以下現場におもむきまして、詳細調査中でございます。また、本日早朝から、労働基準局、警察、消防の合同検証を行なう予定になっております。 死亡者の災害補償につきましては、遺族年金、葬祭料等の支払いについて、さっそくに準備中でございます。 以上簡単でございますが……。
○委員長(阿部竹松君) 本件に関し、質疑のある方は、順次発言を願います。
○藤田藤太郎君 よく事情がわからぬのですけれども、港に着いている船の中でどういう油が爆発したのか。それから、その爆発した状態はどういうかっこうのものか、一人逃げたというんですが、そういうものなのか、一挙に爆発したのか、何か煙が出て逃げたのか、そこらあたりの事情。それから、何か石川島重工業何とかおっしゃったが、よく聞こえなかったんですが、その会社から下がっていって、明星工業の従業員だと、こういうわけですが、労災保険の手続はどういうぐあいになるのか。労災保険にかかっているのか、そこらのそういう下請、下請、下請というようなかっこうの——新聞に出ているのを見ると、大阪府、それから神奈川県、そこらの人夫だと、こういわれている。そこらあたりの労災の手続はどうなっているのか。人を一日でも動かすときは、労災の保険の、要するに人をちゃんと指定して、登録によって、労災保険というものは常時どういう状態で加入されているのかどうか、そこのところあたりが便宜主義になっているのかどうか。事故が起きたから労災保険をとって補償するというような便宜的なやり方をやっているのか。そこらあたりの手続上の——昔にもよくあったと私は記憶するんですけれども、木材業で山の中でけがをした、死んだ、労災保険をやらなければ会社はつぶれてしまう、だから、ひとつさかのぼって加入さしてくれ、そして補償はひとつ頼むというような話を私はよく聞いたわけでありますが、そういうことであったのかどうか。また、全般的なそういう下請、下請というような労災の関係はどうなっているのですか。死んだ労働者は、家族を含めて、非常に困るわけですから、そこらあたり、手続を明確にひとつ話してください。
○説明員(藤繩正勝君) 事故のなお詳細な技術的な面につきましては、安全課長がおりますので、後ほど安全課長から説明をしていただきますが、ただいま先生が最後におっしゃいました労災保険の関係でございますが、これにつきまして私どもは一番心配をいたしまして、その点をいま現地に確認を求めましたところが、被災労働者は全部明星工業株式会社の直用、労災関係は直接の適用関係になっておるということの報告が入ってまいりました。その点は一応、安堵をいたしておる次第でございます。
○説明員(住谷自省君) 事故の状況はまだ詳細にわかっておりませんが、この船はLPGガスを輸送するタンカーで、そのタンクの保冷材、断熱材でございます、断熱材になるポリウレタンという泡沫——よく味の素なんかの下に敷いてあるような、ああいうものであろうと思いますが、それの張りつけ作業をしておったときに火災を生じたという報告を受けております。爆発ではなくて、火災であったようでございます。その火の元、火源がどういうものであるかというようなことは、目下調査中でございます。 以上でございます。
○委員長(阿部竹松君) 説明員の方、たいへん恐縮ですが、もう少し声を大きくしてひとつ御説明願います。
○藤田藤太郎君 その爆発した動機については、もうちょっと調査しなければ、その原因をここであなたに聞いてみても、せっかく調査に行っておられるのですから、これはそれから明確にして書類か何かで出していただいて、われわれがよくわかるようにしていただきたいと思います。ただ、いま労災課長の言われた、明星工業の従業員として労災保険がたまたまかけておったんで安心したというお話がありました。私は、まあ実態はそういうことじゃないかと思うので、労災補償課、労災補償部ですね、労災の特別会計の各業間のメリット制があるわけですから、いまのように、こういう下請工業がたまたまかけていたからいいようなものの、かけてなかった場合にはたいへんなんです、これ。平生どういうぐあいにしてその指導や把握、それから、昨年の労災保険の改正で、強制と任意適用を一本にしたわけですから、そこらでどういうぐあいに把握しているのか、日常どうやっているかということを、この際、私は聞いておきたいと思います。
○高山恒雄君 関連。放送では日雇いの臨時だということを盛んに言っておるのですがね。それでも労災保険が適用できるという資格は持っておる、こういうふうにおっしゃるのだが、臨時工といえども、そういう資格を得る方法、入る方法があるのか。私はおそらくないというような気がするのですが、その点がわかっておればもっと詳しく説明してください。
○説明員(藤繩正勝君) ただいま藤田先生から労災補償課長と言われましたのですが、私、監督課長でございまして、実は、とりあえずいま呼ばれて参りました。労災保険の関係は所掌ではございませんが、ただいま御質問の出ました点につきまして、存じております範囲で御説明申し上げます。 先生御指摘のとおり、昨年労災保険法改正をいたしまして、われわれといたしましては、近き将来において全産業全面適用という方向で労災保険の行政を進めてまいりたいということで、御承知のように、できるだけ強制適用の範囲を広めますと同時に、任意適用の面につきましても、事務組合制度その他におきまして、漸次広めてまいりたいという方向でこれは確立をいたしておるわけでございます。 それから、お話がありましたような点につきましても、よく問題の起こりがちな点でございますから、われわれとしまして、できるだけそういった直用形式において、少なくとも労災保険の面におきまして適用漏れのないように進めていっておるわけでございます。 ただいま御質問のありました臨時についてはどうかという点につきましては、特に臨時だから、日雇いだからという、区別はいたしておりません。できるだけ広範にカバーできるようにつとめておる次第でございます。
○藤田藤太郎君 だから、——いま名古屋で起きた、まあ名古屋ばかりでなしに、そういう作業は、臨時とか社外工とか、いろいろ複雑な名称のついた労働者が、請負契約をしたその下請、下請、三段階くらいの下請で作業をしているのが多いと思う。たまたま明星工業で労災保険がかかっておったというわけで、いみじくも監督課長自身が言っているように、ほとんどのものは放任状態、そうして最低基準が、起きたって労災保険並みには事業主は払わなければいかぬでしょうけれども、しかし、事業主が払えないといったときには、どこにそれじゃ賠償責任があるかというと、ない。そのために労災保険というものがあると思うのですね。それじゃそれが平生の監督行政でその労災保険に加入する手続、加入さす手続行政というものが、私は、まあその事故が起きたとたんに、新聞を読んだとたんにそれをまず心配した。これはどうなっているであろうか。結局おっぱなしになりゃせぬかという心配を私はしたわけです。非常に高い賃金で働いておるといってもそういう危険な状態だから、じゃ高い賃金で働いておったら高い補償をするかといっても、そのときに出すところがない、その補償をする賠償責任の相手がですね。たまたまその資力が会社にあればいいけれども、資力が会社になければそのままになってしまう。そうすると、下積みになる労働者ほどその保護も何にもないという、まあこれは私は非常に突っ込んだ心配をしたわけですが、その点の心配をせいでもいいようにしておくのが労働行政ではないかと私は思う。だから、いま事務組合をつくって云々というお話で、努力される気持ち、過程はよろしゅうございますが、しかし、危険な作業に当たる事業というものは、私は、やっぱし昨年の労災法の改正からくる精神というものは、さしあたって任意適用のところはぼちぼち——あまり災害がないわけですから。しかし、危険な作業をやっているところは、これはもう旬日にして把握して実行するというやはり労働省にある程度の自信があってこそ労災保険法の改正というものはできた。私はその努力に対して、法律ができたときにむしろ協力したほうなんです。ところが、どうも私の感じでは、まだまだそこらあたりまで手が届いていないような気がするから、爆発したときに、関係しているわれわれが一二番心配をしなければならぬということになっているのが現実だと、こう思う。だから、そういう点は、監督課長としてはその詳しいことはわからぬと最後はおっしゃると思うのだが、次官がおいでになるわけですから、次官の決意のほどをひとつ聞いておきたいと私は思う。
○政府委員(天野光晴君) 私もこまかい点、まだ勉強不足でございまして、申しわけございませんが、労災保険の基本的な考え方からいって、一人でも保険に加入していないという状態はやはり問題だと思いますし、そういう点で総括的にそうしたものを強制的に加入せしめるような処置を現在講じている段階でございますが、全面的な加入というところまでまだいっていないようでありますが、事務的にこうした不測の事態に対する意味におきましても、今後努力をいたしまして、万全を期するように処置いたしたいと思いますので、御了承願いたいと思います。
○藤田藤太郎君 いまの次官のお気持ちはわかりました。そこで、その雇用形態、それから請負形態というものの、ただ、労働者にとってみたら、働いているんですから補償をもらえるというのが大前提ですから、その大前提に沿うように、たとえば一番上の契約機関の事業者に全部責任を持たすのか、一番下のところに持たして、その日限りで人夫を集めてきて仕事をさせたところに、そこに責任があるなんということになれば、言うはやすしでありますけれども、実行はしがたいということになるわけでありますから、そういう点はちゃんとやはりそういう事業をやる、仕事をやる拠約を、労災保険としてメリット制があるわけですから、きちっと責任を持って労災補償ができるようなシステムのうちにそういうものを責任を持たしてやるように、ぜひしていただきたいということをこれはお願いしておきます。
○委員長(阿部竹松君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(阿部竹松君) 速記を起こして。
○大橋和孝君 じゃ私、ちょっといまのに関連があるわけですが、最近特にほかの事業にもそういう例があったわけですが、特に建築方面であって、たとえば下請、下請ということになって、たとえばダンプの事故なんですが、そのことなんかも、これが個人で経営をしておるために補償する相手がなくなる。今度のこの問題でも、やはり下請、下請であって、そういうことが起こり得る状態にあるので、私は、特にそういう方面なんかについては、今度の問題とも少し関連はしておるだけでありますけれども、そういう監督の面から特にその点はどういうふうになっておるか、一応聞いておきたいと思うのです。
○説明員(藤繩正勝君) 先ほども御説明いたしましたように、建設業、その他非常に災害の多い事業場でたまたま下請、下請——規模か零細なために、実際上補償措置がとれないというようなことがあってはいけませんので、私どもとしては、できるだけそういったところをきちんと米加入のないように、当然これは強制適用事業でございますから、建設事業の場合、監督をしてまいりたいと思いますし、それから、また、先般の労災保険法の改正で、たとえば一人親方というような、普通労使関係のないものにつきましても任意加入の道を開いておるということで、近き将来において全面的な適用が実現できるような方向で強くやっておる次第であります。
○大橋和孝君 それ全面強制加入でなくて云々とありますけれども、実際問題として、そういう人がもっと何といいますか、大きい事業の中で、一人の自分が事業主であって、しかも、何というか、そういうふうな中に入っておるという場合、何かこれは任意加入でなしに、もっと強制的に、たとえば工事なら工事をどこかの組から受けて、それを下に流しておるわけですね。そういうときには上のほうでもっと何か受けとめるような受けとめ方はないのですか。その点をちょっと……。
○説明員(藤繩正勝君) ただいま御質問の場合は、一人で大きな事業の中に入っていって働いておる場合、いわゆる一人親方でございまして、大工とか建築とかいう場合によく見られる形態でございます。労災保険法は、本来、労使関係のあることを前提といたしております関係で、一人親方は、理論上は、他の保険の対象ならばともかくも、労災保険には本来なじまない。しかし、そういう理屈では事が済みませんから、先般の労災保険法の改正で、特にそういう者について特別加入の道を講じたと、こういうわけでございます。
○委員長(阿部竹松君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(阿部竹松君) 速記を起こしてください。 ほかに御発言もなければ、本件に関する質疑は、本日はこの程度にとどめておきます。 次回の委員会につきましては、委員長に御一任願うこととし、追って公報をもってお知らせいたします。 他に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。 午前十時四十九分散会 —————————————