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51回国会参議院1966/04/22

産業公害対策特別委員会 第9号

発言数
117
登壇者
12
会派数
3
開催日
1966/04/22

会議録

横山フク自由民主党

○委員長(横山フク君) ただいまから産業公害対策特別委員会を開会いたします。  理事の辞任についておはかりいたします。  植木光教君、大谷藤之助君から、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございましたが、これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

横山フク自由民主党

○委員長(横山フク君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。  つきましては、直ちにその補欠互選を行ないたいと存じますが、互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

横山フク自由民主党

○委員長(横山フク君) 御異議ないと認めます。  それでは理事に、柳田桃太郎君、黒木利克君を指名いたします。     —————————————

横山フク自由民主党

○委員長(横山フク君) 産業公害対策に関する件を議題といたします。  御質疑のある方は順次御発言を願います。  なお、政府側から、厚生省、通産省、経済企画庁、運輸省、建設省、農林水産技術会議当局が出席いたしております。

原田立公明党

○原田立君 初めに、自動車の排気ガスのことについてお伺いしたいと思うのですが、すでに新聞発表によってこれは知ったことですけれども、新型車の一酸化炭素の排出は三%以下に押えるように、こういうふうに今後していきたいという具体的な基準が発表されているんですが、これを実際、新設のもの、要するに新車あるいは既設の車、両方を含めて、いつごろまでにこの実現をはかっていくのか、その点を、まずお伺いしたいと思います。

中川理一郎通商産業省企業局産業立地部長

○説明員(中川理一郎君) いま原田先生御質問になりましたのは、昨日、衆議院のほうの公害特別委員会で決議が行なわれまして、自動車の排気ガスにつきましては、本年の秋から売り出されます新型車につきましては、排出される一酸化炭素の量は大体三彩以下に押える、それから明年の秋におきましては、新型車につきましては二・五%、それから新型車でない新造車、これにつきましては三%、それから以後は二%以下にすることを目途として規制をする、それから現在走っております車につきましては、整備基準を厳格にすることによって、その車がつくられましたときよりも——新車の状態で出ます一酸化炭素よりも三〇%増し以下のところで規制をしていくということが主眼になった決議が行なわれたのでございますが、これに対しまして、運輸省も通産省も、その目標を実現できるように精一ぱい努力をいたします、大体うまくいけばさように相なるものと考えております、という趣旨を答えているわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 この、三%の排気ガスが出るという、三%以下に押えるというようにきめてあるわけですけれども、この三%という基準ですね、これのきめ方なんですけれども、それは、いかがなんでしょう。

中川理一郎通商産業省企業局産業立地部長

○説明員(中川理一郎君) これは実は、どういう状態で車が走るかということと、どれぐらい一酸化炭素が出るかということが、非常に関連のある事柄でありまして、道路事情がよくて非常にスムーズに車が走るといったときには、出ます一酸化炭素の量は少なくなるわけでございます。いま三%と申しておりますものは、アメリカの規制値などに比べますと、少し数字が高いわけでございますけれども、これは、アメリカの規制値を日本の道路事情に引き直しまして、車が停滞する、その状態でどれくらい出るかということを置きかえてみた数字のようでございます。それと、もう一つは、技術的に、いまの自動車の生産面から申しまして、主としてこれはエンジンの設計を改良することによってこの一酸化炭素の排出量を押えたいという方向でございますので、ことしから努力をいたしまして、おおよそその程度のものならば技術的にもめどがついておる、かようなところからきまっておる数字でございます。したがいまして、数値といたしましては、アメリカの規制値よりは、三という数字は大きいのでございますけれども、エンジン設計の面においての技術といたしましては大体同等のものをねらっておる、かように御理解願えばよろしいんじゃないかと思います。

原田立公明党

○原田立君 そこのところを実は質問したかったわけなんだけれども、先に答えが出ちゃったんで、あれですけれども、アメリカのほうは、話に聞けば、一・五%ですか、そこまで、その内側で規制をしているように聞いているわけなんです。日本の場合は三%、いま部長の言っているように少し高い。その道路事情というようなお話、道路事情を勘案して引き直して三%、日本の三%はアメリカの一、五%と同じなんだというような説明なんだけれども、どうもそこら辺がまだはっきりしません。そこで、もう少しわかりやすく説明を、できたらやってもらいたいと思う。

中川理一郎通商産業省企業局産業立地部長

○説明員(中川理一郎君) これは運輸省のほうでお答え願ったほうが、専門的で正確なお答えができると思うのでございますが、私の承知している限りにおきましては、御承知のように、自動車の排気ガスの中で一番問題がございますのが一酸化炭素でございます。しかも、これは燃料が完全な燃焼をしないという結果出るわけでございまして、完全燃焼をさせるようにエンジンを考えていくのが一番適当なわけでございますけれども、車の設計をいたします場合には、普通のスピードで正常に走るという状態でなるべく一酸化炭素が出ないように、完全燃焼するようにという設計をいたすわけでございますけれども、かなりのスピードで走っていたものを減速する場合、それから停止していた場合から今度増速をしていく場合、それからエンジンを動かしながら車をとめているというアイドルの時間、このときに実は、車の生命とするエンジンからいたしますと、一番望ましい形でエンジンが働いておらぬわけでございますので、その場合にどうしても燃焼度が低下する。不完全燃焼が起こりやすい。かようなことでございますので、私の聞いているお話では、正常なスピードで走っているときと、いまの、私が申しましたような減速したり増速したり、もしくはアイドリングの状況というものと比較いたしますと、大体半分くらい正常な速力で走っているときのほうが一酸化炭素の出る量が少なくなる、かように聞いております。したがいまして、この排出量を計測いたしますときに、どのような試験方法でとるかという基準が一つ問題になるわけでございます。比較的日本の道路事情に合った、一定の距離を走るとゴーストップにひっかかる、それから多少混雑しているところでは渋滞する、そういう平均的な状態を念頭に置いた測定基準によって三%というものを押えていく、かようなことになるように聞いております。     —————————————

横山フク自由民主党

○委員長(横山フク君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、小平芳平君が委員を辞任され、その補欠として浅井亨君が選任されました。     —————————————

原田立公明党

○原田立君 運輸省のほう……。通産省のほうから、新車のことについて、いま御説明がありましたけれども、どうもはっきりしませんね。それは、三%に押えるのもけっこうだとは思うのですよ、よくわからないのだけれども。もう少しわかるように御説明願いたいと思うのです。ただ、日本の道路事情がこうだから、あるいは交通網がこうだからこのくらいでしょうがないじゃないかというような議論では、やはり根本的に自動車の排気ガスの処理ということはできないと思うのです。また、いわんや新車はどんどんふえていくということははっきり見られることなんですから、一番自動車産業の先進国であるアメリカでさえも一・五に押えているのですから、それにやはり近いような、なるほどこうなんだというようなことがはっきりしなければならぬ。それで、これは通産省のほうも、運輸省のほうも、要するに、三%に押えたという基礎をもう少しはっきりしてもらいたいと思うのです。

中川理一郎通商産業省企業局産業立地部長

○説明員(中川理一郎君) これは、あとで宮田部長から専門的な御説明があると思いますが、私の説明がやや不十分だったかと思いますが、いまの三%の数値の規制をいたしましたものを、たとえばアメリカに持ってまいりますと、大体アメリカの規制数値に合うところまでいく、技術的には同じところをねらっておる、かように御理解願えればおわかりかと思います。

宮田康久運輸省自動車局整備部長

○説明員(宮田康久君) いま三%のお話が出ておりましたが、アメリカでは、御承知のように、今回きめましたのはエンジンの大きさによりまして三段階に分けております。と申しますのは、エンジンが小さいほうが技術的に非常に困難な面がございますので、八〇〇ccから一六〇〇ccの間を二・三%の一酸化炭素の排出量の制限にいたしまして、それから一六〇〇ccから二三〇〇ccの間を二%にした。さらに二三〇〇ccをこえるものを一・五%、そういうような三段階の規制をしております。  そこで、私どものほうで今回三%という線を出しましたが、実は測定方法自体が違いまして、御承知のように、アメリカにおきましては高速で走っておりますので、日本と事情が違います。その点で、私どものほうの研究所でも、関係の官庁の研究所と共同でいろいろな調査をいたしました。日本の現状から申しますと、東京都の走行状態をごらんになりますと、制限速度四十キロでございます。そこで、大都市の公害がいま問題になっております。そこで、私どものほうの運輸省として、いま暫定案としてきめております測定方法は、まずこの実態を調べまして、アイドル、遊転でどれくらい、それから四十キロまで加速してどれくらい、それから四十キロの定速で運転をしてどれくらい、さらに四十キロから減速をしてどれくらい——それが実際に東京都内を走いております状態に合わせた状態で試験をするという方法でございまして、アメリカでやっております方法は、八十キロまで上げまして測定をするような方法をとっております。したがって、速度を上げますと、一酸化炭素の含有量は非常に減るわけでございまして、その辺で、先ほど通産省から御説明がありましたように、アメリカでの測定は日本での測定よりだいぶ低く出ておる。  そこで、三%にきめましたことは、先般の委員会でも御説明申し上げましたが、昨年、いま申しましたような方法で、日本でいま生産されております新型車につきまして多数の測定をいたしました。その結果、六%、七%程度の車が相当ございました。先般は、それを約半分程度に減らすという御説明をいたしましたが、その後いろいろ検討を加えまして、三%まではいけるということで、今回運輸省といたしましても、本年の九月から出ます新型車について三%の線で押える。さらに技術開発を大いに促進をさせまして、段階的に規制を強化していきたいと考えている次第であります。

原田立公明党

○原田立君 この自動車の排気ガスが非常に出て、ちょっと話の観点変わりますけれども、四・五%とか、あるいは五%とか、そういうふうに非常に排気ガスが多く出ている交差点とか、そういうふうな話を聞いておりますけれども、この前御説明をちょっと聞いたのですが、都内関係でそういう非常に排気ガスがたくさん出て危険な状態のところは何カ所ぐらいあるのですか。

橋本道夫厚生省環境衛生局公害課長

○説明員(橋本道夫君) 現在の御質問の、都内で何カ所あるかということにつきましては、私ども交通状態のすべての条件を存じているわけではございませんから、正確な数字は申しかねますが、現在厚生省ではかっておりますのは三カ所ではかっております。東京都が一カ所はかっております。そこらの数字の中で、一番汚染の激しかったのは、大原の交差点の数字でございます。また、大原の交差点は、冬期においては少し上がってまいります。大原の交差点とほぼ同様の点が東京都庁の前に見られる。こういったようなことでございまして、すぐさま危険かどうかということについては、私どもも学問的にすぐさま危険という言い方はいたしかねますが、かなり人命に対する、一酸化炭素、ヘモグロビンの結合の状態を見れば、いまの状態から減らすという方向を打ち出さなければならない、そういうふうに考えている次第でございます。

原田立公明党

○原田立君 結局、前回から何度も議論されているところですけれども、自動車は非常に今後ふえてきますし、そうなれば、当然自動車の排気ガスということは十分取り上げていかなければならない問題であります。きのうの衆議院の産業公害対策特別委員会では、本年九月以降発売されるものは、濃度三%以下とするというようなことになっておりますが、ちょっと、こそくな質問でたいへんおそれ入りますけれども、現在四月ですけれども、五、六、七、八月、この間は野放しの状態になっていく、九月以降はこうやって規制していく、こういうふうに理解してよろしいのですか。

宮田康久運輸省自動車局整備部長

○説明員(宮田康久君) 現在でも自動車を生産しておりますメーカーは、排気ガスの状態を改善する努力、技術開発の努力を盛んにやっておりますので、いま出ております車も、次々によくなってはきておりますが、先般も御説明いたしましたように、基本的な測定装置がまだ自動車製造メーカー全般に入っておりません。と申しますのは、実は、昨年やっと国産の測定装置ができまして、それがいま生産に入っております。ほぼこの夏までには、全自動車製造業者にこの測定装置が入ります。そこで確実な数値が自動車の製造業者も把握できるわけでございまして、そこで、九月からは、はっきりとした数値的な規制ができるというような段階に来ましたので、私どものほうも、本年の九月から、新型車についての規制を始めようといたしたわけであります。

柳田桃太郎自由民主党

○柳田桃太郎君 関連でございます。いま中川部長が、路面の状況が違うとおっしゃいましたが、むしろ、日本のほうがアイドリングが多いわけですから、最初からきめる基準を下げておかなければ非常に弊害が多いのじゃないかと思うのですけれども、もちろん、そのことは御承知の上で、この三%という基準を大体設けておられるというお話ですが、さらにこれを下げるように努力をしなければならないとともに、これは四十一年の三月十一日に配付をいただいた公害関係資料の中に、東京都における三カ所の調査が出ておりますが、少なくとも七大都市の主要交差点における自動車の交通量の増加量は、年々非常な顕著な数に上っており、すでに、そこに立哨しております交通警察官、あるいはパトカーの運転手が生理的な反応を訴えている状態になっております。そういう状態の中において、ここに書いてあります資料が正しいとすれば、まあ、アフターバーナーをつけるか、あるいはいろいろな方法があると思いますが、五万ないし六万円で再燃焼装置がつけられるとするならば、全部がつけるということは困難でありますけれども、特に排気量の多い車種並びに大型車については、車検のときからこれをつけさせるように、むしろ積極的な排気ガス対策を講じなければ、原田委員がちょっと御質問になりましたように、新車からつけるのだ、古いのについては当分の間そのまま改良さしていくのだということでは、先般御質問申し上げたように、人間本位の行政、人間本位の都市行政ということから見て、非常に緩慢ではないか。私は、昨日カナリヤを車に積みまして、そのカナリヤを世田谷まで持っていったのですが、途中でカナリヤが弱りまして、いまにも参りそうな状態になったのであります。カナリヤは非常に一酸化炭素に弱い鳥類でございますから、これはたいへんだと私は思った。昨日ちょうど五時ごろです。そういう状態になっておるのに、一日六十四万とか、ある交差点についてはもう一日七十万台以上のものが通過する所もあるのに、あまりに緩慢な対策ではないか。衆議院でせっかくそういうふうな決議をなさっておりますが、参議院のほうでは、もう少し人間らしい対策を排気ガスに対してはとるべきであるという考えでございます。  これは運輸省のほうにお聞きいたしますが、ある車種、大型車については、五万ないし六万で済むならば、これをもう少し早く、車検のときから取りつけさせるような方法は、技術的に、あるいは経済的に、可能であるかどうかということをお聞きしたいと思います。

宮田康久運輸省自動車局整備部長

○説明員(宮田康久君) ただいまお話しのように、アフターバーナーでございますとか、触媒を使いました装置でございますとか、によって排気ガスを処理する装置も、私どもも通産省とともにいろいろ技術開発を進めてまいっておりますが、日本の製品といたしましては、せいぜい五千キロか六千キロ程度の寿命のものしか、まだできておりません。また、価格も相当高いのでございます。一方、アメリカにおきましては、この問題は長い間やっておりまして、カリフォルニア州の御承知のようなロサンゼルスの問題がございまして、カリフォルニア州では型式認定をしております。中古車につけます装置を一型式実は型式認定をしております。その条件が、一万二千マイルは寿命が持つ、そういう条件で指定をしております。ところが、一万二千マイルですと、実際使用者の手に渡りまして非常に期間が短いわけでございまして、今回、五万マイルの寿命を保証しろということにカリフォルニア州でもきめました。さらに、全米に対しましてアメリカが来年の秋から御承知のようにいま規制をしようとしておりますけれども、それもやはり五万マイルの寿命の保証、五十ドル以下の価格の装置というような条件をつけておりまして、その条件に当てはまりますような装置がまだできておりませんので、現在では、先般も御説明いたしましたように、いま問題は、中古車についてはそういうことで、カリフォルニア州においても、中古車につきましての型式認定をされております型式が二型式以上できましたときに初めて強制をするという制度になっておりまして、まだ強制しておりません。したがいまして、話が前後いたしまして恐縮でございますが、アメリカ全国の規制を来年の秋からいたしますのも、も新車についての規制をいたすわけでございまして、そのかわり、五万マイルの保証をしろということでございます。そこで、アメリカの自動車メーカーはエンジン本体の設計変更等をいたしまして、もとからきれいなガスを出すような方向へいきまして技術開発を済ませ、いま、来年から出す準備をしておるわけであります。すでに製品もできておりまして、日本にも輸入いたしまして、いまテストをいたしております。  一方、東京都の実情を調べてみましても、車齢が二年未満の車が六〇%をこえておりまして、大都市におきましては新車が占めております割合が非常に多く、中古車は地方へ移動していきますので、私どもは、いま申しましたようないろいろな条件から考えまして、中古車対策もちろん大切下ございますので、それも進めておりますけれども、やはりおそいようで、新車からきれいなガスを出すような装置にさせるということが一番大別なことではないかと思いまして、さしあたり、新車に対しての規制をいま定めまして進めようとしておるわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 運輸省のほうへお伺いしたいのですけれども、東京都庁で自動車のアフターバーナーを取りつけて試走中であるということを聞きましたけれども、これは、その後連絡はとれているだろうと思いますけれども、どんなふうな状況であるか、おわかりになりますか。わかれば説明してもらいたいし、もしわからなければ資料を出してもらってもけっこうです。

宮田康久運輸省自動車局整備部長

○説明員(宮田康久君) 詳細のデーターは、いま手元にございませんので、後ほどお届けいたしますが、何型式かの装置をいまつけまして、三千キロ、五千キロ、一万キロと、走行キロの適当な間隔ごとにその性能等をチェックをいたしまして、寿命その他の測定をいたしておることを聞いております。

原田立公明党

○原田立君 厚生省環境衛生局長にお伺いしたいのですけれども、自動車の場合、現在三%の排気ガスに押えるということで通産省また運輸省できまったということは、もうお聞きのとおりだと思うのですが、厚生省、要するに被害者側のほうの代表として、その点は御了解になったということでよろしいのですか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) 現在の日本の汚染状況が、先ほど課長から申し上げましたように、相当進んだ状態でございまして、一酸化炭素だけをとってみますと、アメリカの大都市よりはやや状態が悪い。炭化水素のほうは、おおむねアメリカ並みでございますが、一酸化炭素はアメリカ以上に悪いという状態でございまして、これはわが国の特殊事情である、こういうことでございまして、その意味で、どうしても現状では困るということでございます。  それで、現状はどの程度の排気の状況かというと、おおむね七くらいかと思われます。したがって、これが三になれば、一応は従来の半分以下という計算になるわけでございますが、これも、先ほど来お話がございましたように、新車だけということでございますので、その影響は直ちには大きくはあらわれない、ただ、わが国は外国と違いまして、わりあい新車の回転が早いということから、二、三年の間には大部分これを取りつけた車になってしまうということから、二、三年後には、かなりな改善が期待できるわけであります。  そこで、そのような二、三年間も待てるかという具体的な問題になってまいりますが、これは、今日の状況がどの程度悪いかということを必ずしも端的に申し上げかねるのと、新車を三にした場合に、どの程度具体的に一酸化炭素の量が減るであろうかということを今日から予測することはなかなかむずかしいわけでございます。したがいまして、私どもとしては、できるだけ一酸化炭素の少なくなる政策を打ち立てていただきたい、かような気持ちを前々から持っておるわけでございます。したがいまして、三で満足しておるというような気持ちは毛頭ございませんが、これはでき得る限り最大限度一酸化炭素の少なくなる装置をつけていただきたいということは、前々から運輸省のほうにお話ししてあるわけでございます。この三%というものがきまりましたのは、総理府にございます各省連絡会議でいろいろの御相談の上で一応きまったことでございますので、私たちとしても、これで満足しておるわけじゃございませんが、当面はしかたがない、かように思っておる次第でございます。

原田立公明党

○原田立君 現状では、これで了承しなければいかぬのだろうというふうな御意見のようですが、情勢によって、どんどん変化し、内容が複雑になっていくから、いま一概にきめるというようなことはできないのじゃないかと思うのですが、いまきめて、それが半年、一年ぐらいたったときに、また態度が変わったというふうに、目の先がくるくる変わるようなきめ方では、ちょっと残念に思うのです。いまの環境衛生局長のお話も、やや了承するのですけれども、ただ、連絡会議できまって、この線で了承したんだというようなことでなしに、もう少し技術的な医学的な、そういうふうなデータも合わせ用いて、そして厚生省としてはこのくらいのものがぜひほしいんだというような確たる方針をひとつはっきり打ち立ててもらいたい。現在は三%だけれども、もう少し先になって、未知数の話ですけれども、二%のほうがいいんだとか、一%のほうがいいんだというようなことになって、日本の役所の主張がいつもくるくる変わるというのでは、これじゃ、ちょっと信頼を失っていくと思う。そういう点で、いまも申し上げたような、医学的な、技術的な研究の裏づけを伴った、自動車の排気ガス量はこのくらいにすべきだというふうな、そういう主張をひとつしてもらいたいと思う。通産省や運輸省のほうは大体お話でわかりましたけれども、そういう面で、厚生省のほうで研究したデータか何かありますか。

橋本道夫厚生省環境衛生局公害課長

○説明員(橋本道夫君) 厚生省の側の研究データということでございますが、影響調査の中のこまかい資料の検討をいたしてきましたときに、先ほど先生のおっしゃったような確定的な議論ということではございませんが、現在までのところ、私どもは一〇PPMをこえてほしくないといった考えを持っております。しかし、すぐさまそういうことが環境基準と言えるかどうかということは、今後審議会の結論を待って検討いたしたいということでございますが、どうしてそういう数字を出したのかと申しますと、一酸化炭素ヘモグロビンの量が五%をこえるのが一〇PPMの辺になっておるということが、そのときの根拠になっているわけです。そのほかの、一酸化炭素はどういう毒性があるのかということは、従来からかなり実験的なデータがございますから、いま新しくやるという性質のものではないと考えて、この問題に対処いたしております。そういうことで環境基準を設定していくということを私どもの目標といたしております。これは、私どもの調査と公害審議会の決定を待っていたしていく。また、この測定をいたしていきまして、はたして汚染が減るかどうかといったことを見まして、それによって環境基準と汚染の動向を合わせながら、排出の基準改訂がぜひ必要であるということになれば要求をしていく、そのような姿勢で現在臨んでおります。     —————————————

原田立公明党

○原田立君 次に、防賀野川の水銀問題でお伺いしたいと思うのですが、阿賀野川の水銀の中毒事件は工場側にあるとか、あるいは農薬であるとか、いろいろなことがさたされてきたわけですけれども、結局、結論は、工場廃液中の有機水銀が原因ではないかと、こういうふうに新聞報道では言われているわけですが、そこら辺のところの実態をひとつ御説明を願いたいと思うのです。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) 阿賀野川の下流におきます水銀中毒は、昭和三十九年の秋から四十年の春にかけて発生した問題でございます。で、この多数の患者並びに五名の死者は、初めのうちは他の疾病ということで扱われておったわけでございまして、これが水銀の中毒であろうかということが疑われ始めたのは四十年の五月の初めでございます。これに基づきまして、厚生省といたしましては、それ以来、鋭意その原因の究明に当たってきておるわけでございまして、その後、科学技術庁の特別調整費約一千万円をこれに投入していただきまして、科学技術庁を中心に各省連絡をとって、いま進めておるわけでございます。  そこで、先月の末に、厚生省関係のこの調査の三班が、いままでの調査結果を持ち寄りまして、一応中間報告というような形で意見をまとめたわけでございます。ただいま原田先生お話しのように、今日の段階では、まだはっきり、何が原因であると、つき詰めた答えが出切っていないわけでございますが、しかしながら、だいぶ問題がクローズアップされてまいりましたので、この際、その中間の意見を申し上げるわけでございますが、この患者は、間違いなくメチル水銀中毒であろう、こういうことがまずわかったわけであります。このメチル水銀が、それではどういう経路で患者へ入ったのだろうかということで疫学調査をいたしたわけでございますが、これも間違いなく魚から入ったに違いない、こういうことがわかったわけであります。  そこで、その魚が、どうしてそれではメチル水銀で汚染されたかという原因でございますが、その原因には、大別いたしまして二つが考えられる。一つは、工場廃水であり、一つは農薬である。ところが、あの阿賀野川の下流に入り得る場所にある工場の工場排水から考えて、想定いたしました工場ではメチル水銀は使っていない。無機水銀しか使ってない。しかも、その無機水銀を使って有機水銀をつくるというような工程はない。単なる触媒に使っているだけであると、こういうことであったわけであります。  それでは、メチル水銀そのものはどこが使っておるかというと、農薬としてメチル水銀そのものが使われておる、こういうことがわかったわけであります。ただ、この農薬として使われておるのは、それほど大きな量ではございませんで、大部分が酢酸フェニル水銀として、いもち病の対策に使われておるわけでありまして、メチル水銀は、ごく少量、もみの消毒に使われるというような事態もわかってまいりました。はたしてあの程度の少量のものが原因たり得るか。また、従来はメチル水銀ではなくて、別の形の有機水銀が消毒に使われておるのであって、すなわちエチル水銀が使われておるのであって、そのエチル水銀の中にメチル水銀がまじって入っておる可能性があるというようなことも判明してきたわけであります。もちろん、これらは原因たり得るわけでございますが、数量的に考えて、あるいはそれらが流入するというような経路から考えて、はたして原因たり得るかというような問題へ、いま逢着いたしておるわけであります。  いま一つ、工場廃水の中に、何らかのことで——その原因はまあ別にいたしまして、無機水銀を使ってはおるものの、それがどこかの過程で、何らかのことで有機水銀に変わっておるかもしれないということを考えまして、すでにそれらの工場は水銀を使う工程を一年以上の長きにわたってやめておりますが、そのやめた、廃止になった施設の中の残渣から有機水銀の残りが出てこないかということで調べたわけであります。その結果、ごく微量でございますが、メチル水銀を検出いたしたわけでございます。もしもこれが原因たり得るとすれば、川のどろの中、魚の中に出るはずであるということで、川のどろ並びに魚を、かなり広範にわたって調べてまいっておるわけでございますが、この中からは全然出てまいらないわけでございます。すなわち、もしもこういう事態が原因になりました場合に、間がつながらない、こういう状況でございます。したがって、目下のところ、以上の状況で中間報告がございましたので、さらに進んで、それから先の、いままで不明の問題を探究すべく、いま検討を進めておる、こういう状況でございます。

原田立公明党

○原田立君 大体概要はわかりましたが、四月上旬にあそこの川魚を食べた子ネコが中毒死しておるということが新聞に出て、局長も御存じだと思いますが、いまの御説明によると、非常に微量の水銀だということですが、微量でたまたまうまく合ってしまった、魚を食って子ネコが死んだということは、どうも納得がいかないわけです。やっぱり多量のものが流れているのではないか、含まれているのではないか、こんなふうに常識的に考えるのが普通ではないかと実は思うんですけれども、それで、有機水銀にもいろいろ種類がある。毒性の強いもの、弱いもの、あの阿賀野川の場合、どんなような水銀が出ておるか、あるいは中毒になったときの症状は一体どういうふうになるのか、あるいはまた、かかった場合の治療法はどういうふうにしていくのか、回復はどんなふうになっていくのか、完全になおっていくのかどうか、そこら辺をちょっと。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) 同じく有機水銀中毒で、今日ではメチル水銀中毒と推定せられますが、先般の水俣病のときには、必ずしもいい治療法が発見できなくて、治療効果はあまりあがらなかったわけでございます。お気の毒にも、今日においても、その当時の症状を持ち続けて病床に伏しておられる方が非常に多いわけでございますが、今回は、かなり早期に有機水銀中毒であろうという推定がつきましたので、早急に最も適当と思われる薬剤治療を進めたわけであります。これは新潟大学がこれに当たったわけでございますが、この薬品を使いますと、非常に多量に水銀がからだにたまっておったものが排出されるわけでございます。そのような治療法その他を続けることによりまして、かなり今回は病状の回復が見られております。したがいまして、水俣のときのような症状のものは、あのときほどはございませんが、しかし、五名は、そのことが判明する前にすでに死んでいるわけでございます。  それから、ただいまお尋ねのように、最近、ネコが阿賀野川の魚を食べたことが原因かということで死亡した例がございます。ただ、これがはたして水銀中毒であるかどうかということはまだ判明しておりませんし、その後連続的に、定期的に、阿賀野川の魚の水銀の含有量をずっと調べておるわけでございますが、漸次水銀量は減少いたしております。今日、それほど大きな中毒を起こすようなほどの含有量はない状況になってきておるわけでございまして、今後このような危険は、あの地区にはないものと、かように私は考えております。

原田立公明党

○原田立君 それで、水銀を含む工場廃液を出す会社、肥料関係、あるいはそのほかからも、何か製品をつくるための工場廃液が出ると思うんですが、そういうようなのは一体どのくらいあるのか。あるいは、それにどういうふうな規制措置、あるいは行政上の指導をなされておるか、その点はどうですか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) これがやや今日の行政上の盲点的なものでございまして、工場廃液の水銀を規制するというようなことをはっきりうたい上げる法律がないわけでございます。ただ、私どもとしては、もしも工場廃液が原因であっては困るということを考えまして、新潟の事件が起こりまして間もなく、全国的に調査をいたしまして、水銀を使用しておる工場の廃液によって汚染せられる可能性のある地域の健康調査をいたしたわけでございますが、目下のところ、その危険はございません。その心配はない状況でございます。で、新潟の、あるいは水俣におけるような水銀の使い方をしておる工場は漸次減ってまいりまして、今日では、全国的に見て、ほんの数カ所だけでございます。それは、この方式がかなり旧式なやり方でございまして、このごろでは、ほかの方式に切りかえる工場がだんだんふえてまいりました。水俣当時には十カ所前後ございましたものが、今日ではほんのわずかに減ってまいっておりますし、それぞれの工場におきましても、これを廃液の中から沈澱物として処置して、それほど濃厚でないものとして出す考慮をしておるようでございまして、ある程度の手は打たれておるわけでございます。これは水銀の問題でございますが、そのほかにも、もちろん諸種の重金属その他による人体の障害というものは将来起こらないという保証はないわけでございまして、これらに対しても、私どもとしては、どういう処置を講じていったらいいかということを検討しておるところでございます。

原田立公明党

○原田立君 微量のものが流れ出して、それで人体に非常に影響があるということですから、そうすると、その工場内、そこにつとめておる従業員、実際に直接従事している人たち、その衛生、体のぐあいですね。おそらくお調べだろうと思いますけれども、ぼくのほうでも二、三聞いた例で、これはあくまで確認したことではないんですけれども、聞いた例で、やはり水俣病みたいに変になって配置転換させられたという話を聞いたことがある。で、会社の内部であれば従業員問題、外へ流れ出せば産業公害問題と、どっちにころんでみても、これはなかなか困った問題です。それで、いまそれを取り締まっていく法律がないというようなお話ですけれども、やはり非常におそろしい病気でありますから、これは何らか厚生省のほうで立法措置を講ずるなり、強く被害者のほうの擁護の立場で、よくお考え願いたいと思う。  それで、専門的なことになると思うんですけれども、無機水銀が有機水銀に変化するんだというような話を一ペん前に聞いたことがあるんですけれども、化学的にそういうことはあり得るんですか。いままでの御説明も、実際工場を調べてみたら、無機水銀ばかりであったんだというような御説明であったんですが、無機から有機に変化するようなことがあるというような話を聞いたんですけれども、その点どうなんですか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) そこが一番のポイントでございまして、水俣のときにも使っております材料は無機でございます。従来の化学常識からいたしますと、無機水銀は、有機をつくるという目的のために何らかわれわれの従来やっていなかったような特別な操作でもしない限り、有機水銀というものはできないものである。これは単なる触媒として使っておりますので、そういうところで変化はあり得ない。触媒の本来の性質は、そのままで働くということでございまして、そのような変化はあり得べからざるものである、かように考えておったわけでございますが、今回調べてみますと、工場の反応炉の中からそういうものが発見できておりますし、それと同じ構造のものを試験的につくりましてやってみますと、やはり無機水銀を触媒に使った場合に、ごく微量ではございますが、有機水銀になる、こういう事実が判明したわけでございます。こういうことが従来わからなかったことは、非常に微量でございまして、これを分析検出する方法がわからなかったわけでございます。今回の研究班でも、前半の数カ月は、ほとんどその検出方法の研究に忙殺されて、ようやくその検出方法が明確になって、それを使い、初めて内容が明らかになってまいった、こういう事情でございまして、従来の化学では判明しなかった分野でございます。

原田立公明党

○原田立君 話が前後すると思うのですが、新聞に報道されている限りのことなんですが、三月三日あたりの新聞では「工場廃水説が有力である」、三月二十五日ごろの新聞には、「原因は工場廃液」というのが出ているわけなんです。明らかに工場廃液ではないか、こう思うのですが、先ほども法規制がないというようなことですけれども、いまのお話のように、また無機から有機に変わるような場合もあり得るというような話もありますし、これはやはりどうしても十分な法規制、まあ言ってみれば、ちょっと飛躍するかもしれないですけれども、放射能並みの規制をするような、そこまで突っ込んだものがなければだめなんじゃないか、こんなふうに思うのですがいかがですか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) 実は、水銀の問題は、わが国にとって、かなりゆゆしい問題でございまして、きわめて多量の水銀剤が常時農薬として使われているわけでございます。その数量も驚くべき多量であるわけでありまして、これがフェニル水銀として使われておりますので、メチル水銀ほどの巌性はございませんけれども、長期に使われておる間には人体に影響もございましょうし、また、これが土の上に蓄積されてまいり、いつの時期にか非常な危険な状態になるということで、私どもも前々から心配いたしておるところでございまして、このようなものに対して何らかの規制は、どうしても考えざるを得ないというようなことを考え、検討を進めておるところでございます。

原田立公明党

○原田立君 阿賀野川にはサケ、マスが去年の十月一日から解禁になっているそうですけれども、危険はありませんか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) 今回の研究の途上におきまして、いろいろの種類の魚をとって水銀の含有量を調べたわけでございます。それをいたしますと、魚の種類によって非常に水銀の量が違います。一番多いものは、ニゴイと申しまして川の底に住んでおりましてどろを食べておるような性質の魚でございまして、骨が多くてあまり商売としては売れないということで、これをとればたいてい近所の漁民が食べてしまうということで、おそらく今回の原因もこれではなかろうかというふうに推定されておるわけでございますが、それに対しまして、アユの稚魚というような、回遊して海から上がってきたと思われるものは、ほとんど水銀を含有しておらないわけでございまして、サケそのものも、とって調べたわけでございますが、やはり海から上がってまいりますので、ごく短期間あそこに住んでおるということから、食べものの関係というようなことから、アユは全然その危険はないということで解禁になったわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 ひとつ、そこのところは十分調べてもらいたいと思うのです。私も福岡ですけれども、熊本の水俣に行ったときには魚は食わないことにしているわけです。だいじょうぶだと言われておるけれども、危険だから食べない。ちょっと、そうなると産業公害から離れますけれども、やはり地元漁民が非常に困窮してくる。そこのところにも問題が発生してきますし、その点、事故が起きてから調べるというのでなしに、起きない前に、ひとつよくよく御処置願いたい。各工場において、廃液をその他の廃液と一緒に処理して、そうして不純物を沈でんさせて、上ずみのものだけ、さっと流すというような、ごく簡単なやり方じゃないかと思うんですが、私は専門家でないからよくわからないんですけれども、おそらく不完全な処理ではないのか、こういうふうに思っているんですけれども、そういうことを今後どういうふうに規制されていくのか、措置していくのか、その点はお考えですか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) これを扱う場合に、既存の法律でどういうものがあろうかということを私どもとしては一応検討したわけでございます。毒物及び劇物取締法というのがございまして、一応、工場の中から出てまいります毒物や劇物の処置はできる形にはなっておりますが、御承知のように、これは急性毒性のものを対象として扱われておるわけでございまして、ただいま先生のお尋ねのように、長期にわたってこれを摂取する場合に、慢性的に有毒というようなものはあまり対象として考えられていないわけでございまして、したがいまして、従来の考え方からすれば、そういうものに対する規制は、あるいは通産省の側で当然工場に対する何らかの施設をさせることが既存の法律でできるかもしれませんけれども、どうも適当な法律がないということでございまして、したがいまして、こういう長期にわたって慢性的に人を脅かすようなものを排出するおそれのあるものに対する法律規制でございますれば、どうしても新しく法律的な規制を考えざるを得ないということを考えております。  それでは、それはどんな形のものかということは、まだ私どもとしては検討の段階でございまして、できるだけ早期にそのような検討を終わりたい、かように考えておるところでございます。

原田立公明党

○原田立君 これで阿賀野川は一応終わりにしますけれども、もう一ぺん確認の意味でお伺いするんですけれども、先ほどお話しした、こういう農薬あるいは水銀を使う工場の従業員の衛生管理、これは地元で保健所やなにかでやるんだろうと思うんですけれども、そこら辺のところははっきりしていますか。これは、はっきりしておかないと重大な問題になると思うんですよ。それとあわせて、いまの不完全な処理ですね。それと一緒になると思う。阿賀野川の場合には、どろをしゃくってみたけれどもなかったということなんですけれども、これはちょっと話は別になりますけれども、阿賀野川以外のところですね。ほかの工場、たとえば横浜だって、東京だって、一、二のところを一ぺん調べたことがあるんですけれども、かなりの量の水銀が入っていたという話を聞いたこともあるんです。だから、要するに、工場で使ったやつをどういうふうに排出していくかという、そこら辺をやっぱり法規制しておかなければ、幾ら上ずみのところだけやっても、これはやっぱりだめだと思うんですよ。そういうような面を一応含んで、いまちょっとお聞きしている。そういう工場の従業員の衛生問題、衛生管理、これらは、きちんとなさっておられるかどうか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) 工場内部で働く勤労者に対する保護措置は、これは労働衛生といたしまして、現に労働省がやっておるところでございます。問題は、これは大気汚染の場合も同じでございまして、有毒ガスを工場が出す、その場合に、工場内部の従業員に対してどの程度の工場環境をつくらなければならないという規定があるわけでございまして、問題は、それがむしろ外へ出てどうなるか、外へ出た場合は、工場労働者よりは非常に弱い病人あり老人あり幼児ありというような、非常に抵抗の弱い者がそれの影響を受けるというのと、また、その工場の周囲の人たちは二十四時間その被害を受ける、工場労働者のほうは八時間だけで、うちへ帰ってしまう、したがって、工場の規定があるから外の人はもっと楽に暮らせるのではなくて、むしろ、そのほうが非常に危険であるということから、私どもとしては、工場の基準より、はるかに一般の環境基準というものはきびしく、大体私どものめどとしては、工場の基準の百分の一ということをめどにして考えることにいたしておるわけでありますが、その場合に、大気に対しましては、私どもとしては、現在厚生省みずからも測候所のようなステーションをつくりまして、常時大気の状況を調べておる。また、そういう主要な土地以外の地域に対しては、都道府県が測定点というものをつくって調べるということで指導しておるわけでございますが、水に対しては、それが必ずしも明確になっておらない。現在、水質汚濁防止法がありまして、経済企画庁がこれを所管し、それに基づく個々の規制は、工場排水規制法に基づきまして各省がその所管の事業所に対してやっておるような現状であります。川を常時調べて、有毒な物質が流れ、それが魚などに入り、あるいはそこで水浴びをする人間に障害を与える状態がないかどうかということは、常時監視するシステムがないわけでございまして、この点が、今般阿賀野川水銀問題が起こりまして、一番私どもが頭を悩ましておる問題でありまして、これは将来何とかして解決していかなければならない、かように考えておる次第でございます。     —————————————

原田立公明党

○原田立君 阿賀野川の問題は一応これで別にいたしまして、多摩川と隅田川の問題で、ちょっとお伺いしたいと思うのです。川のほうの関係。  実は、隅田川が、昔は魚が泳いでいて非常にきれいであった。これが、ああいうどろんこ船や、まわりの非常にきたないものが流れて、結局川が汚濁して、昔は川遊びなどをやって、非常にうららかな感じであったのが、いまは悪臭ふんぷんとしておって、そばにも寄れない、こういう実態はよく御承知だと思うのですが、この隅田川の汚染についての対策をいろいろ講じられたと思うのですが、調べただけでは何の意味もないと思うのです。調べて実際に施策して、どういうふうな効果があがったか、どのようにあがっているか、この点について、おわかりだったらお願いします。

鈴木喜治経済企画庁水資源局長

○政府委員(鈴木喜治君) 隅田川の件、いろいろ関係各省にまたがりますが、大体私の知っている限りのことをお答えしたいと思います。  ただいま先生の御質問では、調べただけではどうしようもないということでございますが、御承知のように、昨年、水質保全法に基づきまして隅田川の水質基準を設定したわけでございます。その水質基準の基礎になりました考え方でございますが、これは、御指摘のように、どうしようもない程度まで隅田川は汚染されてしまったわけでございますが、さしあたり、昔の川まで戻すことはなかなか困難でも、とりあえず、あのひどい悪臭だけは除こうということでございまして、したがいまして、悪臭の出ない状態、多少技術的になりますがBOD一〇PPM以下ということを目標にいたしまして、工場並びに下水道の規制をやったわけでございます。なお、それと並行しまして、先般、東京の上水道対策ということで、水資源開発公団が利根川、荒川を結びまして、秋ケ瀬のところがら新河岸川に浄化用水を流す装置をつくったわけでございますが、その後、一方、あの流域の下水道の整備等もございまして、ただいま持っております資料では、このいずれかがきいたということもございますが、以上の三つが合わさって、最近の状況でございますが、建設省が毎月調べております資料からいいますと、ことしの一月ごろの調査では、BODで八、DO、これは溶存酸素でございますが、わずかでございますが、一月二十一日現在では一・九、これは時期によって違いますので、これが毎月この程度ということは申し上げられませんが、BODは減少しまして、溶存酸素も認められるようになっておる、こういう状況でございます。

原田立公明党

○原田立君 板橋区、北区関係のほうで浮間処理場ができて、これを活用すると、たいへん隅田川もきれいになるということを新聞報道で見ましたけれども、この状況を、おわかりになったらお話し願いたいと思うのです。一期工事、二期工事、三期工事というふうに都でやっていることでございますが、国としても十分指導しているのかどうか、都独自でやっているのか、あるいはまた、国のほうから助成金なんか出すようにしているのかどうか、あるいは、こういうような試みが今後別にまた計画があるのか、そういうような点でお伺いしたいのです。

鈴木喜治経済企画庁水資源局長

○政府委員(鈴木喜治君) 建設省でおやりになっておりますので、正確なところは建設省からお答え願ったほうがいいと思いますが、御承知のように、新河岸川の浮間処理場と申しますか、あの周辺には非常に多くの零細な工場が集まっておりまして、その工場の一つ一つが処理施設をつくるということでは、経済的にも、技術的にも困難で、したがいまして、建設省関係の下水道によりまして中間的な処理をやっていく、その中間処理をしたやつを、将来は厚生省の終末処理で完全な下水道の恒久処理をやる、こういう二段がまえの計画でございますが、そのうち、建設省関係でやっております中間処理場につきましては、これは実は、ことしの四月から、全面的に工事を完成しまして、操業することになっておりましたのですが、その約半分と申しますか、六割程度が完成いたしまして、四月から操業をやっております。残りは、来年の一月ないし二月までには完成する、こういうことになっておりまして、その結果、あの付近の工場からの廃水は一括して一二〇PPMまでは処理できると、こういうことになっております。  それからなお財政的な問題でございますが、当然、これは建設省の下水道の問題でございますから、下水道の補助金がついておるわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 結局、川がきたなくなったのでは、いろいろと環境衛生にも影響がありますし、それと一緒に、多摩川ですね、多摩川は、現在非常に水もきれいですが、これも、ほったらかしておけば、第二の隅田川にならないとは断言できないと思います。それで、現在その対策は、都のほうの側で一体どのようになっておるのか。これは国の局長さんにお伺いしてもわからないでしょうが、もしわかれば、多摩川に対する対策ですね、これをお知らせ願いたい。

鈴木喜治経済企画庁水資源局長

○政府委員(鈴木喜治君) 東京都の分も含めまして、概要を、承知している限りお答えいたしますが、御指摘のように、多摩川につきましては、東京の上水道に相当使われておりますし、また、都民のリクリエーションの場としても使われておるわけでございますが、御指摘のように、水が非常に少ないというせいもございますが、あの付近には約六千くらいの工場が密集しておりますし、最近は、上流の各中小都市に住宅団地が次々にできておりまして、これからの家庭下水による汚濁ということも問題がございますので、われわれとしましては、この際、これ以上に汚濁をさせない、将来はあの付近の広域の下水道の完成を待って、きれいな川にしたい、こういう二段がまえによりまして、ことしの三月に多摩川の水質基準を設定したわけでございますが、それによりまして、ただいま流水水質はBODで八PPMでございますが、広域下水道が本格的に工事が始まります四十五年ごろ、それまでにもだんだん住宅団地等がふえていくわけでございますが、この八PPM程度は維持できると、こういう感じでございます。なお、東京都におきましても、それより前に東京都の公害条例に基づきまして相当厳格な基準を設定しまして、これは法律による規制ではございませんが、指導基準としまして指導をやっておられる、こういう状況でございます。それから、ただいま出ました広域下水道関係でございますが、これは建設省関係でございますが、四十年度に多摩川の流域下水道の調査を企画庁の調査室でやりまして、その計画がただいま策定中でございますので、来年度からはこれが本格的な工事に入る、こういう予定になっておると承っております。

原田立公明党

○原田立君 下水道を完備しなきゃならない、またぜひしてもらいたいというような要望が、これは非常に強い。来年からは何か使われるような話がいまありましたけれども、この産業公害の立場でいままでも何度も議論されていることですが、農薬なんかが流れ込んで非常に川が汚染しやしないかどうか、あるいはまた、シアンとか、クロムとか、フェノールとか、こういうようなのが流入して取水停止を行なった例がありますけれども、そういうような心配ははたしてないのかどうか、その点はいかがですか。

鈴木喜治経済企画庁水資源局長

○政府委員(鈴木喜治君) ことし三月に告示いたしました水質基準では、一つのねらいは多摩川の調布のところで取っております東京都の上水道が汚染するという問題が一つの目標でございますので、ただいま御指摘のようなクロム、シアン、フェノールというような危険なものにつきましても、今回の水質基準に織り込みまして、それぞれ排水の規制をやることにしているわけでございます。したがいまして一般的には、そういう問題は出てこないわけでございますが、従来ございましたのも、いままで聞いております例では大体事故によって、そういう場合が起こっておるわけでございますが、その辺は所管の省なり東京都なりによって工場の監督を厳格にやっていただく、こういうことにたよらざるを得ないのじゃないか、こういうふうに思っております。

原田立公明党

○原田立君 いまお伺いしていると、冒頭にも言ったんですが、調査ばかりしてもしようがないじゃないかということを申し上げたら、調査も大事だというお話もありましたが、やはり調査だけではまずいと思うのですよ。やはりおたくのほうで調べたもの、その意見が十分各省に反映されていかなければならない、ぼくはそう思うのです。それで、多摩川のような、きれいな川がまだ随所に残されていると思うのですが、これは通産省のほうにお伺いしたいと思うのですが、多摩川を沿岸にしての十工場が団結して、川沿いの住民に呼びかけて、多摩川をきれいにしようというような動きがある。これに対して通産省は積極的に応援するというふうに新聞記事ではなっているのですが、こういう民間の動きに対してどういうふうに援助をなさるのか、あるいはまた、この工場の排水を——ちょっと多摩川とは離れるかもしれませんが、やはり将来それは含めて工場の排水の監督を行なう主管行政官庁は一体どこなのか、そこら辺のお伺いをしたいのです。

中川理一郎通商産業省企業局産業立地部長

○説明員(中川理一郎君) ただいまの原田先生の御質問でございますが、御承知のように工場排水におきましては、所管業種別に、たとえば、でん粉工場でございますと農林省、酒の工場でございましたら大蔵省、こういう所管別の責任を各省が持って規制をいたしており、工場の数から申しますと当然、私のほうの通産省の所管工場の数が圧倒的に多いわけでございます。従来とも所管業種の工場についての排出規制——これは厳重に実施しているつもりでございます。  ただいまの多摩川のお話でございますが、御承知のように多摩川の汚濁の負荷量と申しますか、多摩川をよごしている原因を考えて見ますというと、BODで申しまして家庭下水が大体六四%、工場排水が三六%というふうに承知しております。この三六%のうちの相当部分が私のほうの役所の所管工場であるわけでございます。これには厳重な指導と監督をいたしておるわけでございます。ただ、私どもが強い指導をいたしておりましても、他の残った原因がきれいになっておりませんと、成果があがらないということもございまして、これらの工場が多摩川をきれいにするという趣旨で一緒になって、周辺の中小工場もしくは家庭下水といったものに対して、都民全体の——地域全体の問題として、川をきれいにしようではないかという呼びかけをしているというふうに承知しております。私どもが応援できますことは、監督の面を別にいたしますと、これらの処理施設についての融資上のあっせんをいたすことと、それから、これらの排水の公害防止施設というものに対しての税法上の特典を与える。この二つが、現在助成措置として講じているところでございます。税で申しますと、国税のほうにおきましては耐用年数の短縮を現に実施しておりますし、地方税としては固定資産税のほうは免除していただいておるわけでございます。これは処理技術がだんだん進んでまいりますと、いままでなかったような設備も出てくるわけでございますので、これは、その情勢に合わして、逐次設備の追加をお願いしておるわけでございます。これは必要なものが、大体いま充足されているというふうに私どもは考えております。融資につきましては開銀、中小公庫あるいは中小企業近代化資金ということで、使い得ます制度をフルに使っております。ことに、今年度からは公害施設につきましては金利を従来よりも〇・五%下げる、貸し付け後三年間という特典を与える措置を講じております。いま申しました金融と税制面からの助成と、片方、厳格なる取り締まりということをもって進めているわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 いま産業立地部長のお話で工場のほうは三十何%、一般住民は六四%ですか、そういうようなお話でありましたけれども、この一般のほうのごみあるいは汚水などについての整備——川をきれいにするための主管は、これは厚生省だと思うのですが、厚生省の側として、こういうふうな場合、一体どういうふうに対策を講じられるのですか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) 多摩川のBOD並びにCODの汚濁の負荷量は、先ほど通産省からも御報告がありましたが、最近は家庭汚水の比率が少し減ってきてはおりますが、いまなお負荷量としては、工場よりは家庭汚水のほうが率が高い、すなわち多摩川をよごしているのは第一に家庭汚水である、第二は工場排水であるというのが現状でございます。そこで多摩川をきれいにするためには、まず家庭汚水対策をする必要があるということでございます。現在、多摩川上流地域の下水道というものはかなりおくれておりまして、下水道がおくれているだけではなくて、し尿の処理槽も必ずしも十分でないし、また屠畜の排水というようなものも汚染源になっているということで、昨年来これを重点的に取り上げまして、私どもの省の中に特別対策委員会をつくりまして、多摩川の汚染源を明確にし、すみやかにこれを除くような計画を着々いま進めておるわけでございまして、一番理想的なのは、これらの地域に早く下水道を普及させるということでございます。ただ現に、東京都でさえも、下水道が普及しておるのは環状線の中、それよりはほんのわずか出ておる程度でございまして、世田谷、杉並、目黒、大田区というような多摩川沿いの地域は、ほとんど下水道もないという状況でございまして、したがって、ましてや都下の多摩郡というような地域に、そのようなものの普及は、直ちには望めないという現状でございますが、厚生省といたしましては、でき得る限り、建設省と共同で、すみやかにそういう汚物の処理の施設を普及させると同時に、既存の施設の管理がよくなくて、きたないままで出しておる現状があるわけでございます。こういうものも十分監督をいたしまして、汚染源を減らすような努力をいたしたい、かように考えております。

原田立公明党

○原田立君 ひとつ多摩川ばかりでなしに——日本はかつて、川あるいは海、海岸、いろいろきれいなところがたくさんあって、日本人の心のいこいの場所であったのが——産業が発達したのは非常にけっこうなことだけれども、たいへんきたなくなって、人殺し病みたいなものがはやるようになって、たいへん重大問題だ。これはひとつ厚生省としても多摩川ばかりではなしに、隅田川も、日本全国のいろいろな川も含めて、十分対策を講じていただきたいと思うのです。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 多摩川の水のうち、六十何%が家庭用下水に原因があるということなのですが、そうすると、あながち、工業用水の責任にばかり帰せられないわけなのですね。家庭用下水の処理、し尿処理、それから既存施設の不完備というような説明があったのですが、既存施設を整備してないというようなことは具体的にどんなことなのか。それから下水道なり、し尿処理の整備は、どこが責任を持って整備に当たることになるのか、それから下水道の整備については、まだまだ先の長いような話だったわけですが、先の長い話だとすると、多摩川は当分の間、汚染から解放されないということになるわけですね。予算上の措置としてどの程度進捗しているのか。都なんかもこれは関係してくると思うのですけれども、それらの状況を勘案すると一体、何年先に多摩川の浄化ということが実現できるのか、こういうような点、その間一体どうするかという問題、それらについてお聞きしたいということと、それから工業用水の問題ですけれども、先ほどちょっとお伺いすると、工場の種類によって担当が通産省であったり、あるいは、ほかの省であったりというようなのですが、その場合には各監督官庁ごとに工業用水の規制やあるいは税制上の特典とか、いろいろな処置があると思うのですが、各違った官庁で一斉に同じような指導要領で、この工業用水の規制について行ない得るのかどうか、その点の連絡はどんなふうに行なっておるのか、これもあわせて、お聞きしたいと思うのです。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) 多摩川の周辺の汚物処理の施設、これは処理施設といたしましては厚生省の所管でございます。下水道につきましては管渠——管の部分は建設省でございますが、最終的の処理場は厚生省がやっておるわけであります。また、くみ取りし尿の処理場、あるいは屠畜場の排水、ごみの処理場というようなところは、私どもが所管をいたしておるわけでございますが、従来、御承知のように、これは多摩川周辺に限らず、埼玉、千葉等、東京のベッドタウンとも言うべき地域は野菜の産地でございまして、これに東京都のし尿が肥料として大部分使われておったわけでございます。ところが最近は、ほとんど肥料として消費しない。従来これらは、単なる肥料だめへ持って行って、入れてあったわけでございまして、その肥料だめへ一度に入れたものを、少しずつ野菜にこれを使うという状況にあったわけでございますが、最近そのようなことがなくなっておる。急激にそのような事態が起こったということで、し尿の処理に困るという現状を生じたわけでございまして、そのために、東京都のし尿の大部分は海へ捨てるという現状であります。しかしながら周辺部におきましては、依然としてそれを肥料だめに入れるというようなこと、あるいは従来あったし尿処理施設へ入れるということをいたしておるわけでございます。ところが、そのし尿処理施設というのは、本来はその処理施設へ入れれば腐敗をいたしまして、分解をして安全な、きれいな水になりまして出てくるはずでございますけれども、古い施設はその機能が壊われておるということから、それほどきれいにならないままで出てくるという状態になるわけでございます。したがって、これはいち早く施設を直しまして、完全な処理をして出せば、川を汚染するということもなくて済むわけでございますが、これらは一挙に非常に多額な経費が要るということで、前々から隅田川、多摩川の周辺の市町村長を集めまして、その促進方を依頼をし、また東京都もその努力をいたしておるわけでございますが、なかなか急激に大きな資金が要るということから、市町村がこれに追いつかないという現状で、不適当な処理のものが流されておるのが現状でございます。これを促進するのにどうしたらいいかということでございますが、下水道の施設をふやす計画は、特別の立法をいたしまして五カ年計画をつくって、非常な勢いで全国的にふやしておるわけでございまして、その意味合いでこれらの地域の施設を早く完備するという方向に現在あるわけでございますが、これは補助率一〇〇%というわけでございませんので、これを受けて立ち上がる市町村の負担も非常に大きいということから、なかなか計画どおりに進まないというのが現状でございます。これは上流の市町村に対してはそれほどの痛痒でない、下流が被害を受けるということから、利害関係が必ずしも一致しないというところにも、この問題の促進が必ずしも円滑にいかないという部分があるわけでございまして、東京都が多摩川の下流で取る水に困るのであれば、東京都が——すなわち区部の東京都が少しは費用を負担したらいいじゃないかというような、感情的な議論も出てくるというような現状でございまして、これを実際促進しようとはかった場合には、なかなか円滑に、各市町村の議会も十分納得して早くやろうという気運がわき上がってきにくいという現状がございます。これらの施設を設置する責任者は市町村ということになっておりまして、これを都がプッシュし、それから厚生省があるいは建設省と一緒になりまして国庫補助をつけ融資をしていく、こういう措置をとっているわけでございますが、これに対しては年次計画をつくってやってほしいということでございますが、急速に、一、二年でこれが全部完備するというような計画がなかなかできませんので、やはり十カ年計画程度の長期計画にならざるを得ないという現状でございます。

竹内藤男建設省都市局長

○政府委員(竹内藤男君) 多摩川の下水道の問題につきまして、われわれのほうは管渠部分を担当しておるわけでございますが、ただいま厚生省のほうからお話がございましたように、厚生省と連絡をとりまして、まあいまのように各市町村必ずしも利害が同じでないというような問題もございますので、現在、大阪の寝屋川でやっておりますような広域下水道と申しますか、有機体の下水道を設置するのが適当ではないかということで、すでに調査をいたしまして、調査も完了いたしておりますので、四十二年度あたりからこれを本格的に取り上げたいと思いまして、検討いたしておるわけでございます。

鈴木喜治経済企画庁水資源局長

○政府委員(鈴木喜治君) 先ほど最後に御質問の点でございますが、工場の所管が各省にまたがっており、したがってバランスがとれないのじゃないか、あるいはいろいろな助成等について不ぞろいなんじゃないか、こういう御質問だと思います。御承知のように、水質関係につきましては二法ございますが、水質保全法というのがいわば基本法になっておりまして、それに基づきましてできました水質基準に従って工排法のほうが具体的な規制を行なう、工排法は実施法の関係になっております。したがって、工場排水の規制は同じ基準に従って工場の関係の各省が指導監督していかれる、こういうかっこうになっております。そういう関係でございますので、当然に財政上の助成措置あるいは税制上の措置等も同一の助成を受けておる、こういうかっこうでございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 下水道関係の特別立法で、これは全国的に処理をするということですが、これは何という法律で所管はどこがやっておるのですか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) これは生活環境施設整備緊急措置法という法律でございまして、第一年度を昭和三十八年度、最終年度を昭和四十二年度とします五カ年計画を策定しまして、急速に下水道、し尿処理場、ごみ処理場というようなものを整備しようという法律でございます。

柳田桃太郎自由民主党

○柳田桃太郎君 せっかく都市局長がおいでになっておりますから聞いておきますが、現在ある公害三法というものは、主として症状があらわれて、それを改良していこうという一つの措置に過ぎないのでございますが、前にできております都市計画法であるとか、あるいは建築基準法であるとか、あるいは新産業都市建設促進法であるとかいうような、建設関係の重要な法律の土地の用途指定などについて、ただ工業整備特別地域促進法といいますか、あれだけには、公害について特別の考慮を払わなければならないという規定が四条の二項にあるわけです。その他については、まだそういう規定がない時代に主としてできた法律です。ところが現在、広義に公害を防止していく、すなわち都市再開発のための大部分の仕事というものは、これらの法律に非常な関係があり、いままで考えておった緑地だとか、あるいは用途指定の問題とかは、いままでの原単位の規模を非常に広げて、新しい観点から都市計画をやり直さなければならない時代になっているわけです。しかるべき機会に都市計画法なり関係法令で、基本的にこの新しい産業形態に都市が合うように考慮を払われるような注意規定が必要ではないかと思いますが、このことをひとつお聞きしたい。というのは、ごく最近できました水島の都市計画などを見ますと、三菱化成の工場とその住宅地とは四キロ以上離れておるのですが、ちょうどそこは季節風の吹きだまりでありまして、自分の会社のばい煙、ガスが一番たまるところにりっぱな住宅団地がつくられておる。距離は四キロ離れておる。ただ距離からいえば、中間に田園地帯があるというようなものですけれども、これらは、やはり公害に対する特別考慮がなされずにつくられておる一つの例じゃないかと思います。幸いに非常に見識の高い方が局長に今度なられたのでありますが、何かそういう特別な考慮を今後の計画に払われて、あと始末を他の工場が引き受けるということにならないように、何らかの措置が必要かと思いますので、御意見を承っておきたい。

竹内藤男建設省都市局長

○政府委員(竹内藤男君) ただいま先生から御指摘がございましたように、従来の都市計画の、特に用途指定の地域の場合におきまして、公害に対する配慮が、過小評価と申しますか、少ないために、現在問題が起こっているというようなところがございます。特に最近の化学工業の発展に伴います亜硫酸ガスの問題というようなものも、実際今日のような高密度でそういうものができると——また、そういうような弊害が相当広く起こってくると、そういうような点についての検討が若干十分でなかったのではないかと思われる地域がございます。われわれも、いまの段階におきまして、公害が発生いたしますことを防止するために、各地の都市におきます都市計画の再検討をいたしております。ただいま御指摘になりました岡山の水島地区につきましても、現在厚生省当局の行なっております公害調査に基づきまして、用途地域の変更を含めます都市計画の再検討を行なっております。ただ、現在の都市計画法あるいは建築基準法の用途地域のもとにおきまする地域だけでは、やはりどうしても足りない面があるのであります。よく緩衝緑地を設けるということをいわれるのでありますけれども、そういうような家を一切建ててはいけないという緑地指定というものは、現在の規制のもとではなかなか行なえないという面がございます。現在の法律の規定のもとにおきまして、最大限そういうような努力を払うことは当然でございますけれども、やはりそういう特別な何か空地をとるような、そういうような地区というものは、当然これは補償とか、あるいは買い取りとかいうような問題を伴いますので、財源措置とからみ合って、そういうような地区の指定がなされなければならないというように考えるわけでございますが、われわれといたしましては、現在あります都市計画法の改正ということも現在検討、たしております。そういう将来の法律改正の段階におきまして、できれば財政措置とあわせまして検討いたしたいと、こういうふうに考えております。

横山フク自由民主党

○委員長(横山フク君) 舘林局長に伺うのですが、多摩川の上流の市町村がなかなかこれに協力しないということですが、排水の整備が完全にできるという形になるのは、一体何年くらい後になるのでしょう。そういう見通しが立つのか立たないのか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) 実は先ほど申しました五カ年計画の特別立法で、私どもとしては、やや机上プラン的に、促進的に強い計画をつくったわけであります。徳川時代以来、ほとんど放置状態にあったし尿を衛生的に、せめて処理するようにいたしたいという計画を立てたところが、実際なかなか思うように進まない。第一の難点は土地でございます。この処理場の場所をきめるということが二年毛三年も、問題によりましては四年も五年もかかる。現に東京都の、御承知の北区のごみ処理場は、いまだにきまらないという現状でございまして、そういうこともネックになりまして、なかなか処理の施設を早くつくるということが進まない現状でございまして、いまお尋ねのように、それでは多摩川上流の処理施設がいつ完備するかということは、計画としては一応東京都は昭和四十八年度というような計画を持っておりますけれども、なかなかそれまでに、はたして土地がきまり、住民が納得し、完成することができるかどうかということは非常に困難な事業でございます。

横山フク自由民主党

○委員長(横山フク君) 鈴木局長に伺いたいのですけれども、東京都の浄水場ですね、取り入れ口、ここではBODが何PPMになっていますか。

鈴木喜治経済企画庁水資源局長

○政府委員(鈴木喜治君) 先ほど御説明しました調布の取り入れ口の流水のほうの水質でございますが、平均しまして八PPM程度、そういうことになっております。

横山フク自由民主党

○委員長(横山フク君) 浄水場の取り入れ口ですね。

鈴木喜治経済企画庁水資源局長

○政府委員(鈴木喜治君) 取り入れ口の水が……。

横山フク自由民主党

○委員長(横山フク君) 八PPMですね。あれは限界点が五PPMと聞いておったんですけれども、これはどうなんですか。

鈴木喜治経済企画庁水資源局長

○政府委員(鈴木喜治君) 水道のほうからの要望される水質は、四ないし五程度が限界でございます。

横山フク自由民主党

○委員長(横山フク君) 現在は四ないし五を上回る、八PPMになっているわけですね。

鈴木喜治経済企画庁水資源局長

○政府委員(鈴木喜治君) したがいまして相当な薬品——ほかの上水道に比べますと、十倍程度の薬品が処理剤代としてかかるというような現状になっているわけでございます。

横山フク自由民主党

○委員長(横山フク君) 過去二年前には、ここの取り入れ口は何PPMになっていましたか。ということは、四十八年に、かりに机上プランだからこれは舘林局長は完成できないというようにもとれましたが、しかし過去二年前から今日までのこのよごれぐあいから類推していくと、これから八年後というのは相当のよごれぐあいというものが予想されると思うのです。これはどんなに薬品を投入しても、この上水というものは浄化し切れない限界点というものに来るんじゃないかということが言えるわけですね。そこら辺のところを、今度はこれはどういう形でこれを補おうとしているのかという問題になるわけです。これは鈴木局長の答弁というか——管轄の中か外か、ここのところは私はわからないんですけれども。

鈴木喜治経済企画庁水資源局長

○政府委員(鈴木喜治君) ただいま委員長から御指摘がありましたように、ちょうど二、三年前から非常によごれ始めたわけでございます。私どものほうで水質基準を、非常に多摩川には厳格な基準を今度はつくったわけでございます。そちらの内容から申し上げますと、いま下水道の一番高級の処理をやっておりますのが二〇PPMでございますが、多摩川につきましては新増設はもちろんのこと、既設につきましても大きい工場につきましては、二〇PPMで規制するということで三月に告示したわけでございます。これによりますと、今後上流等におきまして、工場は新増設はそういうことで規制しておりますから、二〇PPM以上の汚濁型の工場はなかなかとらないというかっこうになりますが、家庭のほうは逐次まだ団地がふえておりますので、先ほどもお話のありましたような、現在六四%程度の家庭下水がさらに多くなるというおそれがあるわけでございますが、そういうものの五年程度の将来の伸びを考えまして、五年後にも現状程度は少なくも維持できる、したがいまして五年後に八PPMを保持できるということで水質基準を設定したわけでございます。

横山フク自由民主党

○委員長(横山フク君) そこのところを何か疑問に思うのです。八PPMを五年後に保持できるかどうかということは、数字的に非常にむずかしい問題を持っておると思うのですけれども、時間がないから、私ここでいま詰めませんけれども、団地や何かできた場合、それで下水道や何かが処理できない場合に、これは工場のを二〇PPMに押えたからといって、八PPMを保持できるかどうか、むずかしい問題だと思うのですが、まあこれはいいです。

鈴木喜治経済企画庁水資源局長

○政府委員(鈴木喜治君) いまの委員長の御疑問の点は、水質基準をつくりますこの水質審議会の部会でも出まして、特に家庭下水のウエートが非常に高いものですから、部会のむしろ要望という形で、住宅団地あるいは今後できます工場団地については、それから排出される汚水の処理について強力な指導をやってくれと、こういう希望が出まして、東京都、神奈川県及び関係の各省にも御連絡して、この辺について万全の措置をとってもらう、現在東京都あたりでも、もうすでに住宅団地の建設等にあたっては、先ほどもちょっとお話をしました高級処理——二〇PPMの処理ということで団地の指導をやっておるわけでございますが、実際にはなかなかその辺に不徹底な点がございますので、この点はさらに関係の各省と御相談して、この水質基準の目標にしました水質が守られるように、努力したいと思っております。

横山フク自由民主党

○委員長(横山フク君) これは環境衛生局長のほうになると思うのですけれども、団地の下水の処理——簡易下水処理ですね。こういうものを重点的にやっていかなかったら、これは八PPMを保持するという点は困難になるだろうと思います。そういった予算関係か何かあるだろうと思うのですが、関連ですし、委員長ですから、あとでこの点は聞くとしまして、もう一つ、四日市のほうに入る前にちょっと伺わせていただきたいと思いますが、大気の監視所があって、それはやっておると——水のほうはしてないけれども、大気のほうはやっておるということです。現在ばい煙防止法というのがあるので、ばい煙については監視して、それに対しての法規制はできるけれども、大気汚染というのはばい煙だけじゃないのですから、監視所をつくったというだけでもって大気がきれいになるというのでは、答弁にならぬと思って、さっき聞いておったのですよ。だから、ばい煙防止法のほかに法律ができ、監視ができて、そしてかたがたして、初めて大気がきれいになるのであるから、ただ監視所をつくっております。それをやっておりますと言われただけでは、ちょっとあそこのところは欠けていたのじゃないかと思ったのですが、局長どうでしょう。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) 大気汚染に対しましては、ばい煙防止法があるわけでございます。したがいまして大気汚染の状況を常時監視をしまして、危険状態が迫れば、その地域を指定し、排出基準をきめるという筋書きにはなりますけれども——ところが排出基準をきめましても、施設の数がふえたり、あるいはいままで許可しておった施設がさらに拡張をして、排出量がどんどんふえていけば、幾らばい煙規制法に基づく地域指定をし、排出基準をきめたところで、汚染はとどまるところがないという状況が起こるわけでございまして、その点は御心配の点があるわけであります。したがって常時調べておって、それ以上汚染しそうならば、汚染源に対しまして法的にこれを阻止することは通常はできないわけであります。発電所等に対しましては、電力審議会においてその許可の際にいろいろ配慮ができるし、ガスにつきましてもガス規制法においてできる場合がありますけれども、そのほか一般的には、発生源を個々に押えることはできないという状況でございまして、その点は御指摘のとおりの心配な点がございます。それは将来ともに、どうしても環境基準というものを早くつくりまして措置する必要が出てまいるものと、かように思っております。     —————————————

原田立公明党

○原田立君 この三重県四日市での公害の問題ですが、三月二十六日の毎日新聞に出ている記事によると、約百七十五世帯が市長に申し入れて、集団移住をしたい、こういうようなことになったんですが、これは非常に重要な問題だと思うのです。そのために総理大臣も、この問題については、至急に対策を講ぜよと言われたのだろうと思いますが、この件について現在どのような進捗状況になっているか、お伺いしたい。

竹内藤男建設省都市局長

○政府委員(竹内藤男君) 四日市の集団移転の問題でございますが、新聞に出ました地区を含めまして全体についてちょっと御説明いたします。  四十一年度に建設省におきましてやっております事業は、一つは、塩浜地区というところがございますが、そこの地域におきまして遮断的な空地と申しますか、公共広場を造成し、さらに街路の拡幅をはかることによって、まあ避難を容易にするというような意味におきまして、九万二千坪の地区につきまして都市改造事業という名前で区画整理事業を行なっております。で、この区画整理事業は、四十一年度新しく始めるものでございますので、現在調査設計をいたしておりますが、この場合に一部を、飛び換地と申しますけれども、地区外に換地をつくりまして、そちらのほうに移転することができるかどうかということを、あわせて検討中でございます。  それからもう一つは、四日市火力発電所、大協石油を主体といたします第二コンビナートに近接いたしました午起地区高浜町というところでございますが、ここに既存の公営住宅がございます。これが非常に発電所に近いところでございますので、公害を受けているわけでございますが、これにつきましては別途郊外地区のほうに——外側の周辺の地区におきまして公営住宅を建設する予定でございますので、そこに移りたいという希望者につきましてはこれを収容いたしまして、その人がどいたあとには、あとを入れない、あるいは取りこわすというような形で解決するということで進めております。さらに塩浜地区よりもっと南に平和町というところがございます。石原産業に近接してスラム化しております平和町の住宅、これは昔、災害の公営住宅として建てたものが払い下げられまして、いまは一般住宅になっているところでございますが、ここにございます住宅を、住宅地区改良法というのがございますが、この住宅地区改良法の事業に基づまして、地区外に改良住宅を建てまして、そうしてそこを取りこわし、除却していくという事業でございます。それを四十一年度から実施いたしているわけでございます。こういうような段階でございますが、四日市全体の考え方といたしましては、公害を受けやすい地域につきましては、ある程度、都市計画の改定を、いまこれも検討いたしておりまして、今年の秋ぐらいまでに四日市の都市計画の改定をやろうと思っておりますが、公害を受けやすい地域につきましては、できる限り夜間の人口を減らすというような形で地域の指定をしていく。この四日市の公害を受けない外側の地域に、大きく住宅地を開発いたしまして、今後ふえてまいります人口、あるいは既存の市街地から移ってまいります人口を収容していこうということで、周辺部の住宅開発をやっているわけでございます。現に住宅公団におきまして泊山団地というようなものをやっております。  大体、建設省が四十一年度にやっております事業は以上のとおりで、先ほどお話に出た地区は三町ございますけれども、そのうち平和町の部分は、先ほど申し上げましたような施策を講じております。それ以外の地域につきましては、現在建設省としては取り上げていないという段階でございます。

原田立公明党

○原田立君 川尻町というようなところは、取り上げていかないのですか。

竹内藤男建設省都市局長

○政府委員(竹内藤男君) 現在取り上げておらない……。

原田立公明党

○原田立君 この川尻町や、あるいはまた、塩浜等に住んでいる人たちは、工場ができる以前からそこに住まっている。まあ極端なことばで言えば先祖代々に住まっているというような人ではないかと思うのですが、その点どうですか。

竹内藤男建設省都市局長

○政府委員(竹内藤男君) 大部分は従来から——先祖代々と言うのが適当かどうかわかりませんが、従来から住んでいたわけでございます。一部、工場用地が入ってきましたことから、移転に伴いまして入った人もございます。

原田立公明党

○原田立君 要するに、三重県四日市の場合も、工場があとから入り込んできて、そして前から住んでいた人がこういう公害で被害を受けている、こういうケースだと思うのです。これは免れがたいような——産業発展からいけばどうしようもない感じがしないこともないのですけれども、これはやっぱり先ほども柳田委員がちょっと質問しておりましたけれども、工場の立地条件、工場をつくっていく場合の計画、これがもっとはっきりしなければ、今後日本全国の都市においてこういう大企業が設置された場合に、どこでも、かしこでも集団移動をやらなければいけない、こんなふうになると思うのですが、こうなったのじゃ、そらおそろしいという感じがするわけなんです。この四日市の場合ですね、集団移動等も一応含めて、きちんとした計画のもとに工場が設置できたのかどうか、ごく簡単でけっこうですから、そこのところをお聞きします。

竹内藤男建設省都市局長

○政府委員(竹内藤男君) 四日市の都市計画は、昭和十一年にできておりまして、その後昭和二十七年に大改定をやっておりますが、先ほどちっょと柳田先生の御質問にお答えしましたときも申し上げましたように、実は、この臨海地区の石油化学工業の拡充というものの際に、端的に申し上げますと、これほど亜硫酸ガスの被害が大きくなるというような点についての検討が若干不十分であったということが一つございます。それから、この地区の内陸部にも石油化学工場が入っておりますけれども、内陸部の地区の指定に当たりましては、若干われわれ事務的には地元に対して御意見を申し上げたような経緯がございますけれども、用途指定は市町村の申し出によらなければできないということになっております関係もございまして、まあ検討不十分な点もございましたと思いますが、そういうことで内陸部とそれから臨海部に化学工場を設置してしまった、こういうような経緯で、特にその周辺にはさまれているような住居地区——従来からありました住居地区が、やはり被害をこうむるというようなことになったわけでございます。われわれといたしましては、先ほど申し上げましたように、現在の状況に合うような都市計画の再検討をやっていきたいと考えております。

原田立公明党

○原田立君 川尻町の移転を百七十五世帯が現実に市長に申し入れをしているのですけれども、これは国ではやらないのですか。

竹内藤男建設省都市局長

○政府委員(竹内藤男君) 現在、具体的に移転を強制する方策というのは、不良住宅地区改良事業という、いわゆるスラム・クリアランスに類するような事業以外にございません。したがいまして、民間の住宅を新たに強制的に移転していくというようなことはできないわけでございますが、都合があります場合に、その受け入れ先を整備するというようなことは、これはできるかと思いますけれども、一体として動かすという手法が現在のところないわけでございます、したがいまして、先ほど申し上げましたように、都市改造事業というような事業でございますとか、あるいは公共事業で緑地をとるというような事業とか、そういうような事業を現在やっておりまして、いれに伴って、できる限り移転を勧奨するというような対策を講じているわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 そうすると、この百七十五世帯の人は、市長に移転を申し込んだ。このようなことは、国としては、建設省としては、関知しないんだということですね。

竹内藤男建設省都市局長

○政府委員(竹内藤男君) 実は、この百七十五戸の問題につきましては、現在、市のほうが、四日市市のほうが対策を検討中でございまして、その対策が具体的な対策として上がってきておりませんものですから、ただいまやっていないというふうに、先ほど申し上げたわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 こういう性格のものについては、国としては取り扱うのですか、扱わないのですか。

川島博建設省住宅局調査官

○説明員(川島博君) ただいま市長に移転の申し入れの希望をしたのが全体で二百七十戸ございますが、このうち五十九戸は、いま都市局長が述べられました石原産業の隣の五十九戸の老朽住宅の住居者であろうと思います。この方々に対しましては、不良住宅地区改良法に基づきまして、別のところに改良住宅を建てて、そこに収容するということで、すでに本年から事業を開始して、四十二年までの二年間で完了いたしますので、これらの方々の移転希望は、今明年じゅうに解決することになると思います。  それから、まあある程度、国なり、地方公共団体が計画的に移転せしめ得るのは、そのほか公害危険地域内にございます既存の公営住宅、これが四百二十七戸ございます。これらの居住者につきましては、本人が移転を希望しさえすれば、別の個所に公営住宅を新築をいたしまして、これに収容することが行政的に可能なわけでございます。四日市地区につきましては、先に四十年度に市営住宅を七十戸、それから四十一年度は県営、市営をあわせまして百二十四戸の国庫補助による公営住宅を建設することになっておりますので、特に今年度建てます百二十四戸につきましては、先ほど申し上げました、公害の危険区域にある公営住宅の希望者がおりますれば、これらのものは優先的に収容できるわけでございます。しかしながら、私ども聞いておりますところでは、現在、危険区域にある市営住宅に四百二十七世帯入っているわけでございますが、これらについても現在及び将来において市が建設しようとしておる公営住宅には必ずしも入りたがらない、入る希望者が非常に少ないということを聞いております。これは一つには、今後建てられます公営住宅は、山の手のほうにまいりまして、現在よりは交通条件、買いものその他で、相当不便なところになるわけでございます。そういった関係でなかなか希望がないというのが実情であろうと思いますが、まあ、いずれにいたしましても、すでに危険な区域内の住民でございますので、できれば、公営住宅だけでも早く撤去をいたしまして、これを新しく建設する公営住宅に移すことが住民自身のためにもなろうかと思います。しかし、その辺は住民感情と市及び県の思惑とが必ずしも一致しない。移転については、いろいろと住民感情で去りがたい、あるいは経済的にも若干、負担を要するし、また、職業あるいは商売の関係でいろいろ不便があるということもからんでおると思いますけれども、少なくとも、公営住宅に住んでおられる方は、御本人が希望さえすれば、移転し得る措置は行政的に十分とり得ると考えておるわけでございます。  それから問題は、公営住宅でなくて、自分で一戸をかまえて住んでおられる方、これは家、土地ともに自分で所有している人もありましょうし、また大家さんから借りて、たな子で住んでおられる方もございましょう。これらの人が相当たくさんおられるのですが、これらの人の移転をどうするかという問題が、これからの大問題だろうと思います。  これにつきましては、都市局長からも先ほどお話がございましたように、現在、四日市全体といたしまして、これらの公害危険区域の住民を、どこに、どのような形で疎開させるか、そのための基本的な計画についてただいま検討中でございます。この青写真が本物になりますれば、建設省といたしましても、その移転地に公営住宅を建てるなり、あるいは昨年できました地方公営住宅供給公社というような事業主体に住宅金融公庫から資金を融通いたしまして、賃貸住宅あるいは分譲住宅というものを建設する。場合によりましては、自分で家を建てたいというものにつきましては、公庫の個人融資の道もあるわけでございますから、そういった資金を重点的につけまして、それぞれ持ち家のほしい人は持ち家、借家のほしい人は借家という形で、建物の建設も団地の造成にあわせまして建設をし、収容するということができるわけでございます。問題は、早く全体の計画を——住民を全部立ちのかせるなら立ちのかせるなり、あるいはある程度そこに置いても公害防止が十分できるというような地区につきましては、その地区はどうする、そういう基本的な態度を早くきめていただくということが必要であろうかと考えるわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 そうすると、この移転計画なんかの事業の実施主体は、市のほうでやる、それに対して国のほうもバックアップすると、こういうことに理解していいのですね。

川島博建設省住宅局調査官

○説明員(川島博君) これは、今後の計画がどういう形できまるかによりますけれども、ものによっては、ただいま住宅公団が一部お手伝いをしておりますが、住宅公団がやる場合もございましょうし、あるいは県がやる場合もありましょうし、市がやる場合もありましょう。その辺は今後の計画の内容と、国・県・市三者の打ち合ちせによりまして相談協議いたしまして、それぞれ分担をきめることになろうかと思います。

原田立公明党

○原田立君 それは簡単に言えば、住宅移転ということになりますが、移転するにはやはりお金がかかる。自分のいままでの家を持っていればお金はかからないが、移転先を自分でつくりたいと思えばお金もかかる。融資という道もあるけれども、融資といったって借金には違いないわけなんです。そうすると、そういうような移転の費用の負担なんかを国で多少持ってやるのか、地方公共団体でやるのか、あるいは加害責任者である企業が負担するのか、そこら辺のところの御研究はいかがですか。

川島博建設省住宅局調査官

○説明員(川島博君) 御指摘のように、そこが番むずかしい問題でございます。戦時中でございますれば国の力で無理やりこわしてしまうというようなこともあったわけでございますけれども、これはまあ本人が一体どういう環境の新しい住居を欲しておるか、また本人のふところぐあいはどうかというような、いろんな経済的の問題もからんできます。また法制的にも、現在こういった大規模な既存の市街地をごっそりそのまま、ほかの地区に、計画的に、しかもある程度強制を加えて移転をするというようなことは、わが国においては前例もございません。したがって、そのための法律制度というものは全然ないわけでございます。もちろん、これは私ども建設省だけではとてもしょい切れるものではございませんし、やはりそれをほんとうにやらにゃいかぬということになれば、政府全体、各省全体で知恵を出し合って対策を講ずる、場合によっては相当の予算措置——立法措置はもちろん、予算措置も必要なわけでございますが、それは今後この計画の固まり方と並行いたしまして、政府部内で検討をすべき問題であろうと、かように考えられる次第でございます。

原田立公明党

○原田立君 まあお考えを仰せになってもらってもけっこうですけれども、実際問題として、もういますでに、こういう集団移転なんという問題も起きているんです。戦争中の話もいま出ましたけれども、そんなこと、いまどきできるわけないんだし、本人たちが自主的に市長に申し入れしているという、こんなふうな情勢なんですから、そうなれば、先ほども申し上げたようにやっぱり費用の問題、まあ別の面でいえば、あそこに石油コンビナートを持っていった、国家的事業のもとにつくり上げたと、これは住んでいる人は、その国家的事業の弊害によるところの被害者なんだというふうな、ものの見方もあると思うんです。それで、工場は国のほうでかってにつくっちゃった、被害があったなら、住みたくなければどっか向こうのほうに行けというような、ほっぽりぱなしのようなやり方では、きめのこまかい政治ということは言えないんじゃないかと思うんですよ。そういう面で、もう時間もおそいから簡単でけっこうだから、具体的に、こういう問題についてはこういうふうにしていくんだというお金の問題、今後の計画の問題、そういうことを仰せいただきたいんですよ。

川島博建設省住宅局調査官

○説明員(川島博君) まさにお話のとおりでございますが、一体まあ今日の四日市の被害といいますか、状況をもたらした責任者はだれだろうか、むろんこれは国に責任のあることは否定するものではございませんけれども、しかし十数年前、この企業を一生懸命誘致した県、市も責任は免れ得ないだろう、また現にこの公害を発生せしめておる企業自体にも責任がある。住民自体におきましても、かつて十数年前にはこれらの工場の誘致を喜んで賛成し、喜んで相当の土地を処分して、相当の収入を得た人々も現にこの中にはおられるわけでございます。したがいまして私は、これは国、県、市、企業、それから住民、すべての責任じゃないか、その五者の責任を費用の分担においてどの程度にアロケートすることが適当であろうかという問題であろうと思います。経済の問題からいえば、これは従来前例もありませんし、制度的にも何らの道がないわけでございますから、これはこれからこの五者が協議をいたしまして、それぞれの費用分担といいますか、負担をどの程度にすることが、はたして適当であるかどうかということを、真剣に検討しなければならぬ。それじゃ、政府部内で一体どこが窓口になって、当たるのが適当であるかという問題でございますけれども、少なくともこれは建設省だけではできないことは間違いない。通産省、厚生省、自治省——たくさんの省が関係いたします。したがいまして、やはりこの問題に真剣に取り組むということになりますと、内閣なり総理府にやはり音頭をとっていただきまして研究をすることが一番適当ではないか、これはまだ私見でございますけれども、そう考えております。

原田立公明党

○原田立君 五者の責任とか何とかいうような話がいまありましたけれども、これは市町村あるいは国等で企業の誘致をする、そういうような段階のときには、国民に責任があるというのはちょっと過酷じゃないかと思うのですよ。だから、やっぱりこれは、もっと大もとの、工業、企業を誘致する、その工場の立地計画ですね、このほうがもっとはっきりすれば、こういうような事故は起きなかったのじゃないかと、こんなふうに思うのです。いま、このことで議論してもしようがないのですが、具体的に磯津町では四十九人、塩浜地区では四十八人、これは最もひどい地区ですが、川尻町を含めて、実際問題いまそこに住まちっゃいられないのだ、ぜひ移転したいのだと、市長にも申し込んでいるのだ、そういう段階なんですよ。だから、何度も指摘するように、こういうようなケースの損害補償なり、あるいはまた、移転の援助とか、こういうふうなことが具体的に検討されているかということを、さっきからお尋ねしているんですよ、局長どうですか。

竹内藤男建設省都市局長

○政府委員(竹内藤男君) 先ほど申し上げましたように、都市計画の改定につきまして、われわれ四日市市あるいは県と一緒に研究会を開いております。そこでやっぱり一番問題になりますのは、そういう計画ができた暁において、移転をどうするかという問題でございます。率直に申し上げまして、いま住宅局の調査官から御説明しましたような各種の手法によります融資とか、あるいはその他の道というものは既存の方法でございますから、これは当然活用していかなければならぬと思いますけれども、それ以上、これをどういうふうにして移転をさしていくかという対策については、検討をいたしておりますけれども、なかなかいい案が出てこないというのが現状でございますが、われわれは、これを秋までに改定をしようと思っておりますので、鋭意、その方策につきましては各省と毛打ち合わせして検討を進めていきたい、こういうふうに考えます。

原田立公明党

○原田立君 厚生省のほうでは、この問題については御検討ですか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) この問題は、公害のかなり基本問題に通ずる大きな事例でございます。公害の責任は何かということがこれで確立する一つの方針が示されるわけでありまして、大きな丁場立地計画を国が承認し、市町村がそれを了承し、都道府県毛その計画を進めるという場合に、それによって起こり得べき事態にはすべて責任々負うのだという道を立てるかどうかというのは、かなりゆゆしい問題であります。もし、いやしくも承認した限りは、そこへもってきて発生した——工場の周辺に及ぼした損害についてはすべて国が責任を負い、賠償するという事態が起こるとなれば、これはその基本承認のときから非常に慎重に将来を見通した、かなり重大な決定ということになるわけでございます。公害の責任をどこがとるかということは、この問題でかなり方針が示されるわけであります。従来から、政府としましては、公害を起こした、その公害の発生源がそもそもの第一次の責任者であるという方針は確立しておると申してもいいわけでございます。しかしながら、それでは国、都道府県、市町村が何らの責任がないかといえば、これは国は国、都道府県は都道府県、市町村は市町村として、できるだけの努力をすべきであるということも、またこれは政府としても、そのような方向で考えておるところでございまして、しばしばこの四日市のこの事態で、それをどう分担するか、どう処理するかという具体問題は、ただいま建設省からお話がございましたように、本年の重要課題でございまして、今日、この方針であるということを申し上げかねるわけでございますが、これを契機として、今後の将来の公害対策の基本にいたしたいという心がまえで進んでおるわけでございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 どうも結論がはっきりしないような気がするのですけれどもね。要するに、地元じゃ困っているということは事実である。それから地元では、おろおろしているというだけで、役所のほうでは、それぞれ関係者で相談をして、検討をしてみたいということだけであって、どこがイニシアチブをとって、いつまでにどういう裏付けで持っていくかといった筋道は、何かまだ確定してないような印象を受けるわけです。それで住民にあまり私は責任はないと思うのですね、迷惑をこうむっているのは住民なんだ、公害を招いたわけじゃないと思うのですよ。コンビナート招致ということで、地元に責任がまああるといえば、あるかもしれませんけれども、公害まで計算の上じゃなかっただろう。こういうものが発生して健康をそこねるということになると、これはあまりのんびりしていることはできない問題じゃないかという気がするのですけれどもね。やはり一番の責任者は、発生源であるとすると、その企業のほうにも相当の責任を持ってもらって、ある程度の負担もしてもらって、そして、そのどうにもならない地域を移転するなら移転する計画を立てて、実施をするということを、やらなければならぬ段階じゃないかと思うのです。私、四日市を視察したのは一昨年くらいになると思うのですよ。あのときは、たしか建設委員会で行ったように記憶しているのですけれども、その前から四日市の公害は問題になっておりながら、今日いまだに移転の問題も、あるいは公害対策の問題も、はっきりとした筋道がまだきまっておらぬような印象を受けるのは、どうもわからぬのですがね。これはあまりつっかけ持ちでもって、みなおれのせいじゃないという態度をそれぞれが持って、つっかけ持ちでやっておったんじゃ、いつまでたっても切りがつかぬような気がするのです。これはやはり手っとり早く処置するというためには、一体どういうふうになさるおつもりなのか、お伺いしたいと思います。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) 先ほど申し上げましたように、公害処理の基本的な問題に触れるということで、私どもとしては、この責任体制を目下公害審議会に諮問中でございまして、できるだけ早く答申をいただきたいということで、九月末ごろまでにはお答えがいただけるものと、かように期待をいたしております。なお政府として、ばらばらで推進の中心がないという御指摘は、そのとおりの点がございます。したがって、最近、総理府に例の公害対策推進連絡会議というのがございまして、従来この四日市の問題はこの連絡会議の中心議題になかったのでございますが、今回これを新たに中心議題に取り上げまして、総理府が中心になって各省の連絡調整をはかっていくということで、各省打って一丸となってこの処理に当たろうという体制が今日整っておるわけでございまして、したがいまして、この処理問題が具体的に進められるということが期待できると、かように私どもは思っておる次第でございます。

横山フク自由民主党

○委員長(横山フク君) 原田君の関連なんですけれども、四日市の問題も、こうして公害が出てから移転や都市計画を立てるということは、ばく大なものだと思うのですね。これは第二の四日市、第三の四日市ができないと保証はできないと思うのです。先ほど柳田さん承御質問になったように、水島だってすでにそういう問題があると思うのです。あるいは大分県の鶴崎だってそうだと思う。こういうのを事前に防止するという形は、これは建設省でもない、厚生省でもない、あるいは通産省の産業立地部の問題かもしれない、こういうのを一体どこが主体性をもってやっていくという形になるのか。あるいは、そういったものをつくるためのよるべき法律というものは、どういうものがあるのか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) 現在、工業特別地域には工特法がございまして、基本計画は関係大臣の承認が必要になるわけでございます。その承認の際に、まず公害が起こらないということのめどで十分審査をいたしまして、各省大臣が計画を承認するわけでございます。その上で、今度は実地にその計画に基づいて、どのような工場がどのような場所に進出するかという具体問題にかかってくるわけでございまして、この具体的な計画の指導監督に当たっておるのは、通産省並びに厚生省が主としてやっておるわけでございまして、したがって、ただいま御心配のように、将来公害が起こってきては、また四日市の二の舞になるということで、絶対に公害を起こさせないというめどで具体計画を指導し、そのために国が特別予算をとって事前調査をいたし、その調査の上でだいじょうぶというめどがついたものを、具体的な計画に進めてまいる、このような措置をこれからの開発地帯にはとってまいっておるわけでございまして、かなりむずかしい問題となりますのは、すでにかなり公害が発生しておる、相当程度進んでおるというところへ、さらに加重して公害発生施設をつくっていくという場合に、非常にむずかしい問題を惹起してくる。それほどでないにいたしましても、現実的に千葉の地帯、あるいは大阪の南の地帯というものに、いま申し上げましたようなむずかしい事態が起こってくる懸念があるわけでございまして、これらの既存の工業地帯に対しましても、将来大きな公害問題が起こらないように、事前に措置するように、いま指導をし、調査を進めておるところでございます。

横山フク自由民主党

○委員長(横山フク君) ちょっと伺いますけれども、いまの四日市から、これは離れて恐縮なんですけれども、これからのは各省大臣協議の上で、各省大臣が承認の上でするし、そうしてその結果通産省のほうでそれの導入すべき工場等をきめるという形になって、そういうふうに政府の行政のほうがそこに介入してくる限り、今後起こるべき公害問題に対しては、一切の責任は国にあるという形になりますね、これからは。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○政府委員(舘林宣夫君) 国が指導をし、監督をしたから、国がそれ以後の責任を全部負うという形よりは、公害が起こらないようできるだけの努力をするという国の十分な責任を感じまして、最近、特にその方向を強化をいたしておるわけでございまして、もちろん従来の施設によって今日起こっております公害に対しましても、十分国はその解決に努力をしなければなりませんし、将来に対しましても起こらないようにしなければならぬし、かりに起これば、もちろん、それを排除する最大の努力をしなければならないと、かように考えております。

横山フク自由民主党

○委員長(横山フク君) ちょっと伺いますけれども、環境衛生局長は国が責任を持つし、それに指導もしなければならぬ、監督もしなければならぬと言うし、先ほどの建設省の調査官の話では、これは国のほうでというよりも、その受け入れた市町村なんだし、民間なんだという形ですね、五つ並べ立てましたね。——そういう人たちのだと言うし、そこらのところにずいぶんニュアンスの違いがあると思うんです。それで瀬谷さんから質問があり、あるいは原田さんからも言われましたが、先ほど建設省の方から、住民もけっこうもうかっているのだから、住民も責任を持っていいだろうというような言い方があったと思うんですけれども、それは少し私は暴論だと思うんです。いまの環境衛生局長のような答弁だったらば、私たちはそれに納得というか、できるけれども、ここら辺のところに役所側の思想の統一というものができてないと思うんです。窓口やこれからの問題に対して、もう少しこれは住民の保護という形から思想統一をして——いまのお話だと、何というか、総理府の中に推進連絡会議があって、そこの窓口でやるという形であるというので、そこら辺に多少納得できるというか、今後のあり方等を私たちのほうでも監視しなければならぬと思うけれども、どこか食い足りない答弁のような気が、ここで聞いていて、するわけですけれどもね。

佐々木義武自由民主党厚生政務次官

○政府委員(佐々木義武君) 全くこれはむずかしい問題でございまして、これは前々から当委員会でもいろいろ議論したところでございますが、発生する原因が非常に多岐にわたっておるのみならず、その与える被害も多種多様でございまして、単純な観点じゃまいらぬわけでございます。そういうことからして、一応総理府に連絡会議を開きまして、ここで総合調整並びに施策の推進というものをやっているわけですが、いまのお話の賠償責任と申しますか、あるいはそれに類似した補償問題等、一体どこがどういうふうに扱うかということが一番お話の肝心なところだと思います。この原則から言いますと、もちろん——もちろんと言っちゃ語弊がありますが、損害を発生させた企業そのものが責任をとるのが筋だと思います。といっても、しからば国あるいは市町村、県等に全然責任がないかと申しますと、これはいままでの法理論からいいますと、いわゆる国の行為によって第三者に損害を与える場合には、故意、過失がある場合には、これは賠償責任に任ずるわけですが、こういう場合には必ずしもその規定にぴったりと該当するかと申しますと、そうは言えないと思います。ただ、そうはいえないからと言って、こういう新しい問題を処理するのに従来の法規のみで律して、そのままで過ごせるかというと、私はそういうものじゃなかろうという感じがいたします。たとえば無過失賠償責任という法理論が、御承知のように最近出てきまして、自動車の問題もしかり、なお特に先生も御存じの放射線による補償問題、これはまあ無過失なわけですから、企業も持ちますし、国も負担をするというような、ああいう特殊な法律ができました。無過失であるが損害が起きておる、だれが一体この責任を負うかという新しい事態に対する処理のしかたというものは、やっぱりこういう問題に対して相当真剣に研究してまいりませんと、やはり軽々には、私なかなか——過渡的に、便宜的に処理するということはできますといたしましても、基本的にどうするのだということになりますと、深い研究が必要ではなかろうかという感じがいたします。したがいまして、最近総理から、特にこの問題をひとつ研究しろということで、総理府の連絡会議が中心になりまして、ただいませっかく準備中でございますので、しばらくひとつ検討さしていただきたいというふうに考えております。

横山フク自由民主党

○委員長(横山フク君) 大体私は、厚生省が弱いと思うのです。やはり人命尊重とか、人というものの保健、健康管理という、その使命に徹したならば、ここまで来る前に、厚生省からもう少し強い意見というものが出ていいと私は思うのです。それが足らなかったと思う。あるいは、それを支持する雰囲気というものがなかったと言えば、それまでだけれども、もっと厚生省が、こういうような問題に対しては、通産省やあるいは建設省に対して、指導的な立場で引っ張っていくというくらいの気持ちがなければいけないのじゃないかと私は思う。そういう意味で、私、いままで厚生省は少し遠慮し過ぎていた。もっとこれは、企業か人かと言ったら、人が大事なんで、そういう点に対して、これは厚生省に強く要望して、まあ関連ですから、これで私はやめます。

原田立公明党

○原田立君 もう時間がおそいから、きょうはこのくらいで終わりにして、またこの次に、この四日市の問題をもっと掘り下げて扱いたいと思います、将来のことも含めてですね。それで、きょう特に言いたいのは、現実にいまもう——先の話じゃない、いまもう移転だなんていう声があるわけですよ。私は何も最初から補償をしろとか何とか、そんなことを言っているのじゃない。こういうような被害を受けて困っている人がいる。だから、これに対してどういうように、あたたかい、きめのこまかい政治を行なうのかということを、さっきから何度も聞いておるわけです。きょうの回答では、はなはだ不満足ということなんです。それで、できればこの次の当委員会までに、ある程度はっきりしたものが出せるものならば、それを御研究いただいて、お出しいただきたいと思うのです。  以上で終わります。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 四日市の資料として、四日市の地図と、工場の名前、それから風向きとか、問題になっている住宅地、こういうようなものを地図の中に入れたものを提出してもらったほうが審議をするときにやりやすいと思う。それで、一回私、現地に行ったとき、そういったようなものを見せてもらったような気がするのです。そういうものを作成して、配付していただけたら——それをひとつお願いしたいと思うのです。

横山フク自由民主党

○委員長(横山フク君) これはどこで提出願えますか。

竹内藤男建設省都市局長

○政府委員(竹内藤男君) 建設省のほうで御提出いたします。

横山フク自由民主党

○委員長(横山フク君) それではお願いいたします。  他に御発言もなければ、本件の調査は、本日はこの程度にとどめます。  本日は、これにて散会いたします。    午後三時五十八分散会      —————・—————

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