産業公害対策特別委員会 第7号
- 発言数
- 80 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1966/03/25
会議録
○委員長(横山フク君) ただいまから産業公害対策特別委員会を開会いたします。 理事の辞任についておはかりいたします。 植木光教君から、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございましたが、これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(横山フク君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 つきましては、直ちにその補欠互選を行ないたいと存じますが、互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を第一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(横山フク君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に黒木利克君を指名いたします。 —————————————
○委員長(横山フク君) 産業公害対策樹立に関する調査を議題とし、まず、公害行政の責任体制に関する件の調査を進めます。 質疑のある方は順次御発言を願います。 なお、政府側から、安井総理府総務長官、堀本通商産業政務次官、舘林環境衛生局長、中川産業立地部長が出席しております。
○瀬谷英行君 昨日、公害対策推進連絡会議が持たれたようでありますが、昨日持たれました公害対策推進連絡会議で、どのようなことが議題となり、何が決定を見たか、長官から御報告をいただきたいと思います。
○国務大臣(安井謙君) 前回の特別委員会で、公害対策につきまして非常に強い御示唆や御質問、あるいは御参考になる御意見もありましたので、それに刺激されたと言っちゃあれでございますが、そういう意味も多分にありまして、実は昨日、政府において正式に設けられております公害対策推進連絡会議というものを開催いたしたわけでございます。これは、会長が総理府総務長官になっております。あと、関係各省の次官をもって組織されておる正規の会議でございます。 そこで、昨日は、まず第一に、せんだって問題になっております、公害対策に対する総合調整の機関というものはどうあるべきか、いまのままじゃ弱いんじゃないかというような御指摘もありまして、そういった点を、まず第一に検討いたしました。しかし、結果といたしましては、何と申しましても、これは各省がそれぞれ専門的な分野で検討を進め、対策を進めていくということが基本的には必要である、したがって、それを総合的に調整推進をしていくという問題がその次に必要になってくるのだというような趣旨から、現在のこの公害対策推進連絡会議をさらに活用することが、現在、新しい機構をつくるよりは、より早い道であるし、効果的であろうという結論に達しまして、この連絡会議を今後定期的に持って、各省から責任者が集まって十分今後も討議をしていく、という方針をきめました。 さらに、運営のやり方につきまして、従来の連絡会議では、いままで規制をしておった問題が一応形式的に片づいた問題については取り上げない、新しい問題を取り上げるという運営のしかたになっておりましたが、それも改めまして、現在規制を行なっておる部分につきましても、さらにそれがどういう程度に効果があがっており、どういうふうになっておるかという点を十分検討するため、いままで規制が行なわれておる部分もこの連絡会議で取り上げていく、こういう方向でその会議を進めることに決定をしたわけでございまして、前回の当委員会でいろいろ御議論のございました、機構をどうするという問題につきましては、このような考え方で今後も政府としては進めてまいりたいと思いまして、きょうの閣議でも、その方針の了解を得たわけでございます。 それから、内容的に申しますと、昨日の会議は、大気汚染に一応しぼりまして、大気汚染を中心に、各省の従来の施策、検討の結果の報告、さらに今後の進め方を検討したわけでございます。 大気汚染ということに相なりますと、第一に、煙突を通して出る煙の問題、第二には、自動車から出る排気ガス、この二つでございまして、きょうは、それぞれ各省の専門家も参っておりますので、そういった点から専門的に御説明もあろうかと思いますが、概略的に申し上げますと、煙突から出ます煙の場合は、じんあい、粉じんと申しますか、あのごみに類するものについては、これはいわゆるばい煙規制法によりまして相当な除去装置が今日でもできておる。 しかし、実際害毒を流す亜硫酸ガスというものの完全なる排除という問題につきましては、これは世界的にも、まだ完全な技術的方法が見つかっておらぬというのが現状のようでございます。したがいまして、これは、現在大きな工場における煙突をうんと高くして排気ガスを分散させる、あるいは工場の立地条件を考える、あるいはさらに、より精製した油を使うというふうな点によって、いまの亜硫酸ガスを排除するということに努力をする形になろうと思います。ただ、使います原油そのものから、いわゆる硫黄分を取ってしまうという方法ができれば、これは一応完ぺきなわけであります。これは、アメリカでは、何か、そういう技術が技術としてはできないことはない、しかし、いま日本の油に全部そういう装置を徹底して、原油から脱硫をしようということになりますと、油のコストが三割以上高くなるという経済的な問題がありまして、いまのままでこれを全面的に採用するわけにはいかないという実情のようでございます。それから車のほうにつきましては、やはりこれは、いま使っております油が、軽油、LPガス、ガソリンというようなことでございますので、それのほうの、いまの排気ガスの悪質度から申しますと、軽油が一番少ない。そうしてその次はLPガス、一番高いのがガソリン、こういうことになっておるようでございまして、それにつきまして、エンジンを徹底的に検査し整備することによって、現在から言えば、相当量の排気ガスの排除ができるであろう、それからさらに、エンジンを改良することによって、さらにそれが進められるであろう、しかし、このエンジンそのものについての絶対的な、これなら絶対もう排気ガスはだいじょうぶだというきめ手になるまでの改良技術は、まだ今日進んでいない、というようなのが現状のようでございます。これも、いろいろな条件がありまして、車が走ります際に、一度にスタートするとき、いわゆるふかすといったようなときに出る排気ガスの量というものが相当多い。したがって、ゴーストップというようなものの運転系統を緩和することによっても、いわゆる立体交差というようなものを強化することによっても、そういった害毒はある程度まで防げるというような問題、たくさん付帯した問題あるようでございますが、いずれにしろ、まだ根本的に、これならいわゆる排気ガス、炭化水素なり、一酸化炭素というものを、完全に除去し得るという技術的なものは、まだ世界じゅうどこにもきめ手はない。だから、あらゆる手を使って、さらにそういうものを少しでも少なくしていくという努力をすることが必要であろうということで、今後も、それぞれの問題をまた各省に持ち帰って検討をし、さらに推進をすることによりまして、まあ定期的にこの連絡会議で総合調整をやっていこう、こういうことに一応きまったわけでございます。
○瀬谷英行君 若干、新聞にも出ておりましたけれども、大気汚染の問題については、煙突を高くする——一口に言えばですね。自動車の排気ガスの問題についてはエンジンを改良する、こういうことが出ておりました。煙突を高くするということだけですと、何か炭坑節の文句みたいなもんで、あんまりいい知恵は出なかったという感じがするわけですよ。それから、エンジンの改良と言いましても、これは現実の問題として、なかなか、実施の面になるとたいへんなことになるだろうと思うんですけれども、いま報告をお聞きしたところによると、現状の分析を行なったというところまではわかりますが、対策を立てて方針をきめ、行政指導を行ない、担当機関を明らかにして予算を組むという、細部にわたるところまで決定をみておるのか、とりあえず現状の分析に終わっておるのか、その辺はどうなんですか。
○国務大臣(安井謙君) その点は、何と申しましても、現状分析して、よく事情を知るということがまず第一であることは間違いございませんが、それでとどまるのじゃないのでありまして、それじゃその時点からどういう対策を進めていくかという点についても、これからも強力な推進をやっていこう。いまの煙突の煙にいたしましても、まあ煙突を高くするというやつは、これで存外実際上は非常に効果あるようでございます。 それからもう一つ、それ以外に手はないのかと言われますが、これは、おそらく専門家からもお話があろうかと思いますが、原油そのものから脱硫をするという技術的な方法は必ずしもないわけじゃない。しかし、これをいま全面的に適用しようということに相なりますと、油のコストが三割ぐらい高くなるので、これはいますぐ全面的に実施するわけにいかない。そこで、いかに安く脱硫できるかという技術的な方法を、さらに突っ込んで鋭意検討していこう、まあ、そういうふうなことでございます。 それからエンジンにつきましても、一足飛びに、これなら完全だというものはございませんが、もうこれからの新車につきましては、運輸省等では、秋口から、新しい型の車については、少なくとも現段階より相当改善されたエンジンでなければ、もう使用を許さないというような規制を今後行政措置としてやっていく方針も、いまきめておるようでございます。それをさらに効果的に、これからも総合的に進めていきたいということで、決して現状分析だけに終わって手をあげているというわけじゃございません。相当前向きの対策がどんどんとられつつある。ただ、絶対にこれならだいじょうぶだという結論の出るところまでは、実情を申し上げまして、いっていないのが実情だと……。 それから予算につきましても、資料によって御説明、御報告してあろうかと思いますが、四十年度に比べまして、四十一年度は相当額の、それぞれ各省必要な予算を計上して、これも強力に進めるという体制をとっております。
○瀬谷英行君 煙突を高くするとか、エンジンをどうするとかという、具体的な問題については、きょうの議題で、後ほど触れることになりますから、一応それはおくといたしまして、先ほどのお話だと、総合調整機関について、いろいろと御意見も出たが、現在の連絡会議を活用するというところに落ちついたということであります。そうなりますと、公害対策のとりあえずの主管大臣といいますか、責任者は総理府の総務長官ということになる。これから公害対策の問題でひんぱんに委員会を開催し、あるいは視察を行なう、これを前向きというふうに言われましたが、前に向いただけじゃなくて、積極的に前進をするということになりますと、あなたが公害対策をもっぱら担当すると、いままで片手間だったけれども、今度は公害対策長官のようなかっこうになってくるわけでありますが、そういうふうに理解をしてもよろしいんですか。
○国務大臣(安井謙君) これは表現の問題でございますが、われわれの考え方といたしましては、何といっても、それぞれ各省——通産省がこれの研究、あるいは運輸省の行政措置、あるいは科学技術庁の研究、厚生省の全体の人体に与える被害者の側からの測定、こういうものはそれぞれの部署が責任を持ってやられるという体制は動かないわけでありまして、これを、それぞれの機関を集めて、何か、かわってやるというふうな機構は、これは必ずしも私は実際の効果をあげるものじゃない。しかし、各省それぞれの面で非常に努力はしてもらっておりますが、その総合的な連絡調整に欠ける点、あるいはまだこういう点で抜けておるんじゃないかといったような点につきまして連絡調整をやる。いわゆる公害対策推進連絡会議というものの議長は総務長官が当たるということは、昨年の三月の閣議できまっておるわけでございまして、これを、いままでは比較的各省へまかせきりになっておったものを、もっと強い連絡調整の機能をここで発揮をしようということで、何もかにも連絡会議の議長が実体的な責任を持って全部八面六臂でやれと言われても、これは少々無理な話だと思いますが、総合調整についてやる責任は連絡会議の議長が持つと、こういうふうに考えております。
○相澤重明君 いま総務長官の答弁があったけれども、やっぱりそういうところが、私は内閣の仕事の十分進まぬところじゃないかと思うんですよ。やはり悪いところがあれば、これはもう直すことはいいことでありますから、勇敢にやらなきゃいけないと思うんですよ。私、この資料をもらって、公害対策についての各省庁の予算というものも一とおり説明を受けたし、資料でも拝見をしたけれども、私は十年間決算ばかり専門にやってきたのだけれども、決算上から見ると、必ずしも予算の効率的な使用になっていない。これはやはり、国民の税金を政府が執行をするんでありますから、重点政策というものがあるはずなんですね。佐藤内閣は佐藤内閣としての特性を生かす重点政策があるはずです。その中でも、近代化の中でいま一番問題は、やっぱり産業公害だと思うのですよ。この公害問題を重点政策に取り上げるということが、私は佐藤内閣の大きな使命であっていいと思う。衆参両院にそういう特別委員会まで設置されたというのも、そういう意味ではあるし、内閣で、いま総務長官の答弁されたように、昨年から調整機関を持ったのも、そのためだと思うのですよ。ですから、従来はなかったけれども、そういう新機軸を出していくというのは、それなりの必要性を認めればこそできたのであったはずです。 私は当委員会に、まあ、ふだんなかなか出席しないのですが、ここ数回出てみて、どうもこれはいかぬと……、これは率直に言って。今度総務長官に出てもらって、機構の問題をひとつ議論しよう、機構の問題を。それでひとつ内閣全体として、いまの姿勢を少し前向きにするということばだけではなくて、機構上からも実行力のあるものをつくっていく必要があるのじゃないか。こういう面では、やはりこの公害対策というものに対する一つの行政機関というものがあっていいと思う。私は、各省の仕事は全然やっていないというのじゃないですよ。予算もそれぞれつけてもらって、かなりよくなっていっていることも認める。それは認めるけれども、追いつかない。そういう点で、この間もお話を聞いてみると、内閣のこの公害対策推進連絡会議というのは、予算はどのくらいあるのかと言ったら、四百万とかなんとか、お茶飲み話ぐらいしか会議がないそうですね。それは実際は、各省庁の、いわゆる関係機関で要求した予算をもって実行をすべきだと、いわゆる単なる連絡機関、お茶飲み会議と、こういうふうに私どもには受け取れたわけです。だから、それではだめだ。少なくとも、いわゆる内閣の中における発言権を持つ、しかもその責任体制のもとに、各省庁にこういうことをやりなさい、各省庁の予算はこういうふうに組もうじゃないかという、総理大臣を中心とした国務大臣がその予算編成の最高責任を持つという立場を、私は、この公害対策で持っていいと思う。それくらいの力がなくて、どうしてほんとうに前向きの仕事ができるだろうかと、こういう点を、実は、この間から数回私も当委員会に出席さしていただいて聞いておって、その感を深くしたわけです。 それからいま一つは、そういう面で、なぜそういう点を強調するかというと、先日衆議院においても、中村運輸大臣が、国際条約の批准について、日本政府がまだ批准の手続をとっておらなかった、こういうことを中村運輸大臣自身が反省のことばを含めながら述べておったわけです。それというのは、やはり、つっかけ持ちになる、ほんとうに公害対策についてどうしなければいかぬと、こういうことが内閣の中で議論がされない。そのために、その国際条約を、必要であるにもかかわらず批准の手続をとっておらない。つまり、河川汚濁の問題についてですね。そういうことを運輸省自身が、自分でやはり率直に認めているわけです。ということは、やはり内閣の中においても、各省庁に対して予算はつけても、実際に全体を掌握するところがない。こういうところが私は問題だったと思う。 もちろん、いまの形でいけば、中村運輸大臣は、いや今度はその条約批准の手続を積極的にとらしていただきますというようなことを言っておっても、これはやはり、条約批准とか法律とかいうことになれば、内閣全体の問題なんですから、そういう意味からいって、私は、先ほど瀬谷理事の言うような形がやはりとられていいのじゃないかと思う。だから、安井総務長官も、そういう点では、ずいぶんいままで各省の大臣も経験しているし、また、いまの立場からいっても発言はできるはずなんだから、この際佐藤内閣として真剣に取り組むと……。そういう点は、私は、いますぐここで、じゃこうしますということを、あなたに答弁してもらうのはむずかしいと思うけれども、少なくとも、内閣としてそれを検討すると言うくらいでないと……。いままでこれだけ産業公害特別委員会が議論をしても、一体どこが責任の省なのかと、だれが一体そういうことをやるのかと、こう言ったときに、みんな各省の……ということになってしまって、一つもポイントがない、こういうことが言われてきたのだが、この際は、まあ、昨日の御相談なり、きょうの閣議の了解事項なんということは、いまあなたから御説明を聞いたけれども、いま一歩踏み込んで、そういう機構の問題について、ひとつ御検討を願いたい。これは、検討できないということなら、いま一度激論をしなければいかぬと思うのだけれども、まあ、おそらく検討はもちろん願えることだと思うのだけれども、その点を長官からひとつお答えをいただきたい。
○国務大臣(安井謙君) 前回の委員会におきましても、そういう問題に触れまして、非常に真剣なる御議論をいただきましたし、また、ただいまも相澤議員から、そういう点で非常に積極的な御質問をいただいているわけでありまして、私ども、その点は重々考えなければならぬと思います。将来これを運営してまいります上で、さらに機構的なものにしたほうがよろしいというようなことになれば、それはそれとして、並行してやはり検討は今後もいたしていきたいと思います。 ただ私、いまの段階で考えておりまするのは、たとえば青少年問題については、その連絡調整を主とした役所として、総理府に今度青少年局というのができました。この青少年局は、この連絡調整だけじゃなくて、基本問題の検討、調査、あるいは他省でやれないような部門の実施といった実務を持つために、ああいう機構を実は今度は持ったわけでございます。したがいまして、公害対策も——いまの物価問題もある、交通安全もある、あるいはこういう公害対策、いずれをとりましても、非常に重要な問題であることは間違いございませんし、これは内閣全体としてかかっていかなければならぬ問題なんです。ただ、この公害対等の性格が非常に専門化されておる。たとえば排気ガスが自動車からどういう程度に出て、どういう程度の被害があるかという、ほんとうに科学的な調査あるいは科学的な測定値といったようなものも、まだまだ世界各国とも、これは不十分なもののようです。きのうも、各国の例等もあげて、世界にはないのかという質問もいろいろ出ましたが、世界各国を通じて、まだそういう技術的な検討が十分進んでないというのが現状のようであります。したがって、各省で、通産省あるいは運輸省あるいは科学技術庁その他におきまして専門的な研究をやっていく、その分野は、どうしても、あらゆるそこの省の機関を動員して、予算もふやしていくのでないと、実際の効果はあがっていかない。といって、それが各省ばらばらになっておるのじゃいかぬので、その全体の総合調整をやりますためには、この連絡会議が従来以上に能率的に積極的に動きだすことが、とりあえず必要であろうということで、いま、この間からの御意見等も十分伺いまして動き出しておるわけでございます。しかし、将来の問題として、さらに問題が進んでくれば、いまお話しのような点についても今後十分検討していかなければなるまいと思っておる次第であります。
○相澤重明君 長官ね、やっぱり研究する課題として一つ提案しておきたいと思うのであります。国で国立国会図書館を持っておって、各国の憲法、条約等もそろっております。私も、実は国家賠償法を変えなければいかぬということで、だいぶ六、七年前から検討をしたわけですよ。その中で、やっぱり公害問題で一審進んでおるのは、ドイツ、フランス、それからアメリカの連邦と州と両方あります。そういう問題で、実は私は池田内閣のときに、池田さんに、国家賠償法を改正しろということを、決算委員会を通じて、ずいぶん言ったんですよ。それというのは、御承知のように、国家賠償法というものは民法から来ているものですね。ところが、現在のこの近代化された社会生活の中では、いまの立法、法律によって国民の生命財産の被害を守ることが十分できていない。日本でやや法律的にいいのは、原子力損害賠償法です。これは、やや、法律体系としても、また内容的にもかなり進んできております。あとでできた関係もありますがね、そういうようなことを、私も、関係の教授グループ等のいろいろの研究を見せてもらった。そういうことからくると、まだいまの日本の国家賠償法というものは国民の生命財産を守るには不十分である。したがって、近代立法としてのいわゆる改正を行なうべきである。その一体根本は何かというと、公害というものに対して、一体だれが責任を持つのか——ないです。広く言えば、ないです。みんな逃げちゃう。 たとえば、京浜第二国道で砂利トラックと火薬自動車が衝突して、それでふっ飛んでしまった。人間は死んでしまった。相手の者にも大きな損害を与えた。周辺にも与えた。こういうのが、当時池田さんが通産大臣のときにあった。そのときのことを考えて、それからようやく保険という問題が発展をしてきた。火薬の取り締まりというものも発展をしてきた。これは私が緊急質問を本会議でやったことなんだから、はっきりしている。そういうことから、いまの空を飛ぶ飛行機の問題から、地上としては、住宅から流す汚水の問題、海には廃油の流れ、これら全体を含んで、公害というものは一ぱいあるんですよ。ところが、それは各省庁でそれぞれが、通産省なり、厚生省なり、運輸省なり、科学技術庁なり、そういうところで、みんなが、てんでんばらばらに、こいつは受け持っているわけだ。こういうところは、国民の泣きどころなんですよ。持っていけば、いやそれはそう言ったところで私のほうの行政監督はここまでです、それ以後のものはどこでやるか、ほかへ行って聞いてください——こういうふうになったのでは、これはいかん。だから、そういう各省の行政を国民のためにするのに、それをまとめるポイントがなければいかん。だから、内閣全体の行政の責任といえば総理大臣であることは間違いないし、各省庁についてはその責任の大臣であることは間違いないけれども、産業公害という問題にしぼってくると、どうも、そういう点が、さっきの長官のお話のように、それぞれ各省で専門家を動員して、予算も十分つけてやって、被害をなくするようにしていきたいということは研究している、また進めておるといっておっても、いま言ったポイントというものがはずれておる。こういうふうに私は受け取れるんですよ。 私は、ドイツのいわゆる炭鉱の問題や、アメリカの地すべりの法律の問題や、いろいろの法律を参考に出してもらって研究をしてみたのですが、どうもやはり、そういう面で日本の法律は不十分である。ですから、いま直ちに、じゃどういう法律を、どういう条約のもとにどうするのだというようなことは、十分検討しなければいけないことだし、いいものをつくらなければいけないと思うから、長官のお話のように、今後御検討されるということについては、私も全面的に賛意を表しておきたいと思う。思うけれども、国家賠償法の問題点として、法律体系の問題で、学者のグループの中でも二つあります。これはありますけれども、やはりもう古いから、それを守っていかなければいけないというのではなくて、やはり近代化される社会の中においては、それにマッチした体系というものはとっていかなければいかぬ。今日、衆参両院に特別委員会も設置されたし、内閣にも連絡会議を持たれたことなんだから、それをいま一歩進めていく、ひとつそれの検討の努力をしてもらいたい。これが早急につくられることを私は望んでいるわけです。 私も実は来月からオーストラリアで開かれる国際会議に出て、経済と社会と文化という関係を参議院は受け持つことになっているわけです。ですから、その帰りにアメリカに寄って、そういう問題も調べてきたいと思っているんですよ。ですから、ひとつ内閣でも、せっかくあなたが、いまのところは議長として、各省のそういう関係者を集めて、スタッフを集めて相談をする機関なんですから、それをひとつ、内閣でいま一度総理にも話し、各省大臣にも協力方を要請して、積極的に、どうしたらいいのかという——そういう私は専任相をつくれというくらいの気持ちを持っているんですよ、専任大臣を。それくらいのひとつ取り組み方で、予算もそういうふうにしぼって、重点施策として佐藤内閣が進められるように御検討いただきたい。これができたら、私はもう、ほかのこと——ほかのことをほうっていいということじゃなくて、それがほんとうに行政的に進められたら、佐藤内閣の一大功績だと思うんですよ、将来にわたって。そういう意味でも、いま日本の国民の一番悩んでいることなんですから、それをぜひお取り上げいただいて、できるだけ早い機会にひとつ成案を得るように御努力をいただきたい。これは私は、予算の効率的使用という面と、いま一つは、近代化社会の中における国民の生命財産を守るには、どうしてもそういう点が必要だということを痛感しておるわけです。私は国家賠償法の改正ということに手をつけてみて、そういう感を深くしているわけです。そういう点ぜひ御検討いただきたいのですが、長官の感想を聞いておきたい。
○国務大臣(安井謙君) 非常にごもっともな問題だと思いますし、この公害対策は、決してゆるがせにしているわけではなくて、佐藤総理自身も、これについては真剣に強く推進していけということを、再三にわたって言っておるような次第でございます。したがいまして、いまのような根本的な、また機構というようなもののあり方につきましても、これからも十分検討していきたいと思います。とりあえずは、いまのような、いわば次官会議にかわる関係省の次官を責任者にしました連絡会議、それを総括するのは総務長官ということでやりまして、その結論は常に内閣全体の問題として閣議へもはかって、そうして全体として強い力で進めていくという方法をとっていきますと同時に、いま言われますようないろいろな法律問題、あるいは機構問題等につきましても、今後も十分検討していきたいと思っております。
○瀬谷英行君 それでは、具体的な問題に入っていったほうがいいと思いますので、一応いまの問題について、もう一度お伺いしたいと思いますのは、この委員会の運営がやりにくい点があるわけですよ。つまり、いろいろな部門に分かれている。通産省があり、厚生省があり、科学技術庁があり、労働省があり、建設省もある。公害対策機関というものを総合病院にたとえてみますと、外科あり、内科あり、耳鼻科あり、婦人科あり、こういうふうになっておるわけです。なっておるけれども、各専門はあるけれども、病院長というのがだれだかわからない。つまり、病院長は、さしあたり総務長官が病院長みたいなかっこうになっておるけれども、それといっても専門の病院長じゃない。かけ持ちで、よその病院の、もっとでかい病院の院長もやっている。これは名前だけの病院長、まあそんなものなんです。だから、公害対策機関として、われわれが委員会として審議する場合も、どうもやりにくい。というのは、院長を呼んでこいというと、実はかけ持ち院長だ。それから受付が、総合病院の受付が、これまた、はっきりしないわけです。みんな同じように各部があって、どこが受付だかわからぬ。受付も、これまたかけ持ちみたいで、受付不在、院長不在というような観を呈しておる。だから、その点が、いま相澤さんからも指摘されたようなことで、要するに、専門の病院長がおらぬ。専門の病院長のいない総合病院、こういうかっこうになっておる。これはやはり、今後の公害対策を本気になって推し進める上に、一つの欠陥になりはせぬか、こういう気がいたします。これは、公害対策というものが片手間仕事で済んでいる間はいいけれども、これが片手間仕事で済んでいかないという深刻な問題になりますと、どうしても病院長を専門に置かなくちゃいかぬ。こういうことになってきます。だから、この点はやはり真剣に考えてもらわなければいかぬと思います。 さっきの報告によりますと、とりあえずは連絡会議を活用するということでありますけれども、連絡会議を活用した結果は、煙突を高くしたらいいだろうという程度の結論だけしか出てこない。炭坑節の文句みたいなことしか出てこないということになると、公害対策は、いささかこれは看板だけで、投げやりじゃないかというふうに世間に見られてもしかたがない。煙突を高くするということもいいことかもしれない、それは必要かもしれませんけれども、煙突を高くするという以上に、もっと根本的に取り組まなければならない問題があるわけですよ。煙の出どころの問題をもっと規制をしていくとか、煙突をどこに立てるか、立っている煙突を伸ばすということよりも、工場をどこにどういうふうに配置するというような根本の問題に触れてくると思うのです。そういう問題に触れて論議が行なわれないと、公害対策というものは、ほんとうに、できものにばんそうこうを張るようなことに終始してしまう、こういう気がいたします。根本的に解決を求める上で、いまのやり方では私は十分だという気がいたしませんから、その点についての検討と、それから、とりあえずの問題として連絡会議を活用して、定期的に会議をするということでありますけれども、その取りきめの具体的な内容、つまりその定期的な会合は、どういうメンバーで、どういう日に、何を議題としてやるのか、そういう取りきめの具体的な内容も、この際、委員会の運営の面と関係がありますから、明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(安井謙君) 煙突のばい煙の件で、煙突を高くする点がどうも少し強く響き過ぎまして、炭坑節になってはどうもならぬじゃないかというおしかりで、これはごもっともなんでありますが、ただ、いま申しましたのは、世界的に技術水準から見て、どういう状況にあるかという実情を申し上げたわけでありまして、これは、いま、病院長ができたり、責任者ができたからといって、この技術問題がすぐに片づく性質のものではないゆえんを申し上げたので、一番いいことは、原料の油からまず脱硫をするということになれば、これは、中小企業も煙突もちょうちんもないのでありまして、全部そういう亜硫酸ガスの被害というものは免れる、この技術をほんとうにやることが一番大事なことなんでありますが、これはいまでも、アメリカでその方法が技術的に可能であるという結論はあるようでありますが、これをいま日本で実際に応用、工業化しようとすると、燃料が三割方高くなるという実情が伴いますので、これがいま直ちには実現ができない。したがって、これが経済コストに合うように、また、そのある程度までは犠牲を負ってもやらなければいかぬじゃないかという積極的な検討をこれからも進めていくわけでありまして、よりいい技術ができて、これがコストに非常に影響しないというものになれば、まず、この問題は根本的に解決をする。もう一つは、油の性質で、輸入してくる場所、原産地の油の質によっても、これはかなり違うようであります。それからいま御指摘の工場都市、あるいは工場設置というような立地条件等についても、これもあわせて考えていかなければならぬ、こういうようなものもあわせて、これはもう共同で相談をいたし、また検討して対策を進めていくというふうにやりたいと思うのであります。しかし、煙突の問題もばかにならないので、やれることは早くやろうという趣旨で申し上げているような次第でございます。 それから、連絡会議は、それではどういう機関で、どういうふうな運営かというお尋ねでございます。先ほども簡単に申し上げましたが、もっと具体的に申し上げますと、会長が総理府総務長官、実は去年の三月と言いましたのは私の失言でございまして、三十九年の三月にこの連絡会議は持つということに決定をいたしているようでございます。会長が総理府総務長官で、出席者は、総理府が総理府総務副長官、行政管理庁事務次官、経済企画庁事務次官、科学技術庁官房会計課長、法務省事務次官、大蔵省の事務次官、厚生省も、これは官房審議官、農林省事務次官、通産省企業局産業立地部長、運輸省事務次官、労働省官房長、建設省事務次官、自治省官房長、警察庁次長、こういうような、大体次官をもって構成されておりまして、特に次官がどうしてもやむを得ない場合には、それにかわる室長であるとか、あるいは局長がかわって出席をするという仕組みで運営をされております。 そうして、前にどういう運営がやられているのかというお話につきましては、ちょっと話がこまかくなりますが、申し上げますと、こういう取りきめに相なっているわけであります。「近年における工業の急速な発展、工業都市における工場等の過密化、主要都市への人口集中等に伴い、これら都市において種々の公害が発生し、地域住民にとり重大な社会問題となりつつある。すなわち、ばい煙、自動車排気ガス等による大都市の大気汚染や工場排水等による河川、海洋等公共用水域の水質汚濁、さらには大都市における工場騒音、交通騒音、広告騒音等各種の騒音とその騒音による振動等の問題は地域住民の公衆衛生上の問題としてあるいは生活環境悪化の原因として深刻な問題となってきている。こうした種々の公害のうち、ばい煙による大気汚染と工場排水等による水質汚濁に対しては、「ばい煙の排出の規制等に関する法律」、「公共用水域の水質の保全に関する法律」、「工場排水等の規制に関する法律」等により規制が行なわれ、関係行政機関においてその対策が実施されているが、自動車排気ガスによる大気汚染、各種騒音等の問題については、主たる規制法律もなくその対策もほとんど講ぜられていない現状である。このような事態にかんがみ、公害対策推進連絡会議は、当面こうした規制ないし対策がほとんど行なわれていない公害問題について、所要の措置を講ずるため、関係行政機関相互の間の連絡を密にすることを重点として会議を運営していく」ということで、このもとに幹事会と称する各責任部局の局課長の、また同じようなこの構成による幹事会ができておるわけでありますが、昨日の会議で、この運営について、第三番目に申し上げました、従来規制が行なわれておる問題は取り上げないという点も、これじゃ不十分であろう、いままで一応規制は取り上げられて方向としては解決しておるというふうに見られておるものも、はたして実際にそのようになっておるかどうか、そういう意味では、現在施行されておる部面についても今後連絡会議では取り上げていこう、こういうふうな運営に、この強化をいたしたわけであります。
○柳岡秋夫君 関連。一つだけ。 私は、統一した公害防止のための行政を積極的に進めるために責任ある機関を一つ設けろということについて、しばしば皆さんとともに政府に要求しているわけですが、その前に、まず、一体政府は公害防止の基本的な理念というものをどう考えているのかということをお聞きしたい。 いま、各省の総合調整ということで推進連絡会議ができている。私どもがいままでの議論をずっと聞いておりまして、その総合調整というのは、政府のいままでの公害防止のための基本的な考え方、すなわち、ことしの通産大臣のあいさつの中にもありましたように、「生活環境の保全と産業の健全な発展との調和を求める」、こういう言い方をしておるわけですね。これは去年と変わっていないんです。したがって、そういう経済優先と申しますか、産業優先の、企業優先の考え方が非常に強く出ているんですよ。そういうために、そういうものとの総合調整をはかって公害防止対策を立てていこうという、そういう非常に積極的なかまえから一歩後退したような感じを私たちは受けるんですね。私は、国民の生活なり、あるいは健康が破壊されて何で産業の発展が優先するかと言いたくなるんですけれども、そういう意味で、一体この公害防止のための基本的な考え方をどこに置いておるのかということですね。通産大臣のあいさつは、これはわかりました。これ、ちゃんと出ていますからね。ことしのこの前の委員会で所信表明の中で言われた。これは明らかに産業優先の考え方が非常に強く出ているんです、通産省はですね。まあ、厚生省は、若干、多少生活環境の面から国民の健康を守るということに重点を置いているようです。だから、政府全体として一体どういう基本的な考え方を持っているのか。それが確立をしなければ、私は、いかにわれわれが国民の健康を守るための統一した機構をつくれと言っても、おそらく政府はなかなかつくれないんじゃないか。そこにまた、公害基本法がまだ出せないという一つの矛盾が出てきているんじゃないかと私は思うんですね。この際、まあ、いままで長官からそういうお話があったかどうか、ちょっとわかりませんけれども、ありましたら恐縮でございますけれども、もう一度基本的な考え方を一体どこに置くかということをお聞きしておきたいわけです。
○国務大臣(安井謙君) ごもっともな御指摘でございますが、現段階におきましては、やはりこの産業の発展と、それから人体の被害と、これを両方の側からながめて措置をしていかなきゃなるまいと思っておりまして、まあこれは、人体に被害があるのだから、どういう産業にどんな規制があってもいいから全面的にこれに網をかぶせて絶対やってしまうということには、ちょっとまだ社会全般の関係から申して、いきにくい面がある。しかし、何といっても人命尊重が一番大事でございます。厚生省の側は、そういうような被害の側から十分な検討をしてそれぞれの問題を提出して、これに対して、産業を取り締まっておる、あるいは指導しておる側、あるいはまた、そういった方面の行政の任に当たっておる運輸省、通産省、こういう側で、それにこたえて、現在の状況でやり得る最高のものはどうであろうかという点をあわせて考えていく必要があるのじゃなかろうかと思っておりまして、厚生省の調査によりまして、東京の大気汚染は、まあロンドンの大体八割、ニューヨークの大体二分の一ぐらいな現状にあるというようなお話もございます。まあ、そういうような状況を勘案しながら、より進まないよう、そうして少しでもよくなるような強い手を打っていきたいと考えます。
○柳岡秋夫君 そういう考え方が、私は、いまのような、ただ煙突を高くすればばい煙は幾らかでも防げるのだということになってくるのだと思うのですよ。なぜ、この煙突を高くする前に、現在のざる法といわれるばい煙規制法——基準なり、あるいはばい煙規制法ですか、こういうものをもっと強化して、ざる法でなく、ほんとうに意味のある規制法にしていくということに手をつけないのかと言いたいのです。それは、結局は、産業というか、企業もやっぱりかわいいし、企業をあまりいじめては困るからというような考え方があるのではないかと私は思うのです。私は、ほんとうに、いま大きな問題になっておる、国民の生活環境をよくして健康を守っていこうという立場に立つならば、これはもう、基準以上の、あるいはこれ以上のばい煙が出て国民の健康に影響があると考えられるなら、少しの間その企業をとめさせても、施設の改善をさせるとかなんとかするような強い態度をやっぱり持たなければ、ほんとうの公害対策にはならぬと、こういうふうに考えておるわけですよ。そういうことをやらずに、ただ煙突を高くすればいいんだと言うだけでは、これは、政府が、あるいは総理大臣が前々から言っておる、緊急に取り組まなければならない問題だというようなことばとは若干違うのではないか、こういうふうに思うのです。まあ、これは関連ですから、一応私の意見として申し上げておきます。
○国務大臣(安井謙君) ちょっと、いまの煙突——だいぶ煙突でにぎやかになりましたが、先ほども、まあこれは弁解じゃなくて申し上げましたように、煙突のばい煙というやつの亜硫酸ガスを徹底的に排除する方法は、技術的にまだ世界各国とも、ないというのが現実なんです。ですから、これをどうやってみても、これはいまのところいかぬ。そこで、原油から、この燃料である重油から、もとからこれを脱硫して、硫黄分を取ってしまえれば、これはもう完ぺきになるわけだが、それをやろうと思えば、いまも言ったように、三割も四割もコスト高になっていく。これをいますぐ、日本の現状で全面的に——世界でもそうだそうですが、全面的にこれを実用化して適用する方法はないということでありまして……。
○柳岡秋夫君 やらないよりやるほうがいいけれども、それよりも、ばい煙規制法のほうを、なぜもっと手をつけないかということ。
○国務大臣(安井謙君) ばい煙規制法は、じんあいとか粉じんとか、ああいったスモッグの材料になる、あれを規制する法律であり、これについては、かなりいま進んで、それに手をつけて、まだ十分とは言えませんが、相当これはやっておるわけです。しかし、実際に害毒を流す亜硫酸ガスというものを煙から排除するという技術、方法については、これは世界にまだないというのが、いま日本の専門家の調べておるあれで、しかし、ないからというて手をこまねいておるのではない。何とかならないかという研究をし、さらに原油をもっとより安く脱硫できないかという研究は、いま通産省でも鋭意進めておるというような状況でございます。
○原田立君 先ほどの長官のお話の中で、ちょっと気になることがあるんです。それは、とりあえず、こうこう、こういうふうにしているんだという、「とりあえず」というおことばなんです。「とりあえず」ということは、これは暫定的なことであって、最終的なものではない、そうすると、「とりあえず」というのは暫定的でありますから、今後こういうふうにいきたいという、何かプランがおありになるんじゃないかと、こういうふうに考えるわけですが、その点はどうなんです。機構の問題……。
○国務大臣(安井謙君) いま機構の問題で、私が「とりあえず」と申しましたのは、たとえば、新しい局なり部署をつくるということになりますと、御承知のように、予算措置から何から、全部かまえてやり直さなければできないわけです。しかし、いま考えられる最高の措置は、この連絡会議を強化するといいますか、フルに活用するということで、大体いま言われております所期の目的は、相当程度達せられるんじゃないかというふうに私どもは考えておりますので、一ぺんこれを——どっちかといいますと、昨年までは幹事会にある程度まかせておったといったような状況がございますが、今度はそれを正式に次官会議に準ずるような形でこれを取り上げる、そして問題ごとにこれを閣議にはかると、こういう運営に高めていこうということでやってみたい。しかし、先ほどから御質問もありましたように、まだそれだけじゃ不十分な面もあるかもしれないじゃないか、もっと機構なり何なりについても考えていく必要はないかというお話でございますので、それはそれとして、やはり並行して今後も検討をしていこう、いまやっておる点で、まだどうしてもいかぬという点があれば、それは次の適当な機会には直すことも考える、成案が必要とあれば考える、そういうつもりでやっております。
○原田立君 結局、長官のお考えは、これ以上やる気はないというような意味のように判断できるんです。そうであっちゃならないということは、さっきからしばしば言われているわけです。それは、そういう閉鎖的なものの考え方でなしに、もっとより前進的な面でお考え願いたいと思うんです。 それで、先ほど総理府の中に青少年局を置いたという具体例を仰せでありましたけれども、この公害問題は、ただ一つの省の中の局や部なんかにまかしてはおけない問題じゃないか、私は常々そう思っております。それで、これは一つの考え方として、内閣にもっと強力な庁というふうなの、そういうものを置いて一元化してみたらどうか。先ほどからの問題にある技術的な問題、これは各省でやっているんだと、これはぼくは非常にけっこうだと思うんです。技術的なことは各省にやらしても、それを推進していくものは、やっぱり内閣に直属のものでなければならない、強力な権力を持ってやるものでなければ推進できない。事実、三十九年の三月に連絡会議が開かれていたのに、いま長官も言われたように、去年までは幹事会くらいでお茶を濁しておった、 ことしになって、やっと次官会議でやるようになったと、こういうお話ですが、これなどもずいぶん——どうもことばが激しい言い方になりますけれども——国民を愚弄した考え方じゃないか、態度であったのじゃないか、世論がこんなふうにやかましくなってきたんで、やっと腰を上げたというのでは、産業公害対策については非常におそい、もっともっとそのおくれを取り戻す意味においても、もっとスピードをかけてやらなきゃならないんじゃないか、こんなふうに思うわけです。それとあわせて考えられるのは、中央がこうでありますから——各省ばらばらでありますから、地方にいくと、地方もやっぱり同じように、各部、各課というふうにばらばらになってやって、ほんの小さな県あるいは市なんかでも、統一されているものがありません。国全体としても、産業公害の姿勢を正す意味からいって、やっぱりもとがしっかり直らなければいけないと思う。そういう意味で、地方のほうの組織も弱体である、これを強化する意味でも、もっと中央は機構を根本的に改めていかなければならないのじゃないかと、こんなふうな意見なんです。お考えをお伺いしたい。
○国務大臣(安井謙君) 私は、非常にごもっともな御説だと思うんですが、この問題は、実際を扱います上からなかなか問題が多いんでありまして、たとえば、局で足りないから庁にする、あるいは、まさか省というわけにも実際問題としていかぬと思いますが、公害の問題も非常に大事です。同時に、物価の問題も非常に大事だ。こういう幾つかの大事な問題がある。しかし、それをそれぞれの各省が、その専門の畑で、その部門でやったものを、いかに総合連絡調整して推進をしていくかというやり方のほうが、いまの段階では私は大事なんじゃなかろうか。各省のいろんな推進機関の一部を集めて、一つの庁にして、強力な実施機関を設けるということも、確かにこれは私はすぐれたお考えの一つであろうと思いますが、日本の行政は、いま、御承知のように縦割り行政といいますか、それぞれに分かれています。こういう問題をもし一カ所に集めて、全部一つの機構へまとめるのだということになりますと、この問題だけじゃなくて、ほかにもそういう問題がたくさんあるわけです。そうすると、いまの行政機構全部をもう一回ばらばらにして、考え直さなけりゃならないという問題にまで発展する可能性もございます。しかし、いま御指摘のような、少なくとも庁ぐらいな外局にして、一つの強力な実行機関をつくってはどうかと、こういう御提案は、私は、それなりにやはり大事なお考えだと思いますので、いますぐこれを私どもは、右から左へ実施をするというお約束はできませんが、十分に検討させていただきたいと思っております。
○近藤信一君 関連。関連質問で瀬谷委員がどこかへ吹っ飛んじゃうようなんですが……先ほどからの瀬谷委員の煙突問答じゃないけれども、いま長官は煙突を高くすることも一つの方法だと、こう言われたけれども、私は煙突というものは、そんな簡単なものじゃないと思うのですよ。たとえば前には、石炭が相当利用された場合には、ばい煙が残って、煙突はなかなか問題になった。今度は石炭を使わずに重油を使うようになったら亜硫酸ガス問題——煙突を高くすればいいということになった。高くすれば、その周辺はいいかもしれませんけれども、高くなれば高くなったで、今度はほかのほうへ影響が与えられる。たとえば四日市で亜硫酸ガスが煙突からどんどん出ると、四日市の辺の風向きによって、愛知県の知多半島から渥美半島までも——年に二回くらいずつそういうことがあるわけですよ。原因不明だというけれども、原因不明じゃないのだ。このごろは、とても耐えられない臭気によって、その地方の人が、一体これは何だろうということで大騒ぎしておる問題があるわけです。だから、煙突を長くすれば、周辺はいいかもしらぬけれども、今度は遠くのほうへ悪影響というものを及ぼすわけです。また、排気ガスにしたって、長官も知っておられるように、宮城前のあの松、あれは松の色をしていないのですよ、だんだんとあれは枯れていく。ここのところ、ちょっとあれを取っかえっこしていますね、それで新しく植えた松は青々としている、いま宮城前を通りますと。そのほかの松は、もう死んだような色をしている。松の色をしてない、緑なんという色じゃない。そういうあらわれた部分的な現象だけで、ああでもない、こうでもない、あれも重要だ、これも重要だと言って、なるほど重要な問題ばかりなんです。だから、根本的には一体どこに原因があるのか、まず根本からこれを直していかなければならないのじゃないかと思うのです。根本から直すということになると、いま長官が言われましたように、長官は連絡会議の議長として、各省庁の報告を聞き、いろいろ打ち合わせや、ああでもない、こうでもないと、またいろいろと議論をされるでしょう。しかし、各省庁でやっているのは、自分のところの問題だけを研究しているわけですね。たとえば、先ほど柳岡委員が言われましたように、じゃあ人命が先か、生産が先かというような問題——それはやはり通産省ならば、やはり生産はしていかなけりゃならぬ。それで一方、公害は防止していかなければならぬ。この両方の上に立って研究していくわけなんですね。そうすると、各省庁で同じような研究——いま、ちょっとこれを見ますと、排気ガスの問題について厚生省もやっておれば、どこか、また二、三カ所の大学にもやらしておると、こういうことで、ばらばらだと思うのです。だから、先ほど来言われておるように、これを一つにまとめて、そして根本的な研究をやったらどうかと、こういうことが先ほど来しばしば言われておる。そのためには、一体どこがほんとうに窓口になってやらなければならんか、力を入れてやらなければならんか、こういうことになるわけです。その場合に、一体、研究のための現在の予算でいいのか悪いのか。研究々々といって、各省ばらばらで少ない予算でやっておれば、これはいつまでたっても私は根本的に解決されないと思う。だから、ここにひとつ大きな資金をもって根本的な研究をやって、 一日も早くこの公害を排除していく、ここに私は根本が置かれなきゃならぬと思う。そのためには一体だれが監督するかとなると、これは、いまの長官の言われましたところでは、各省庁でそれぞれやっておりますということになってしまうのです。長官は、よし、おれがひとつその窓口になってやってやろうと、こういうお気持ちになって、統轄して自分のところでやるというふうなお気持ちが長官にあるのかないのか、この点、ひとつお尋ねいたします。
○国務大臣(安井謙君) たいへんきびしい御激励といいますか。御叱咤で、まさにそのとおりだと思います。私も連絡会議の議長をやりまする限り、その点につきましては、従来、何といっても少し手が伸びてなかった、私自身も手が伸びてなかったことを認めますし、先だって来の会議等による御示唆もございまして、ひとつ大いに思い切って、これはとっかかっていきたいと思っておるような次第でございます。いま言われますように、総合調査機関なり研究機関にしたらいいじゃないかというのも、いまのお話と同様に一つの御意見だと思うのですが、これもこの前、科学技術庁長官がお答えしましたように、非常に多岐にわたって専門的になっているのです。煙突のばい煙、車の排気ガス、水質汚濁、あるいは地盤沈下、あるいはじんあい、そういったそれぞれの部門に分かれておるものですから——それからまた、出す原因にも、工場があり、自動車があり、あるいは船がある、そういったようなものはそれぞれ違うのですから、やはりある程度までは何といっても、各省それぞれの分野で専門的な検討を願う、また進めていただく。また、それを常に総合して、これを強力に、総合的に推進をしていくというやり方が必要じゃないかと思っております。しかし、いまの研究機関にしましても、私は御指摘のとおり、必ずしもいまの形が万全であるとは思いませんので、そういう点もさらに今後検討を進めていきたいと思っております。
○松澤兼人君 産業公害のこの特別委員会の中で、現実の問題と、それから将来どうあるべきかという二つの問題を中心として議論しているわけなんです。安井長官の話を聞いておりますと、やはり現状において各省庁に仕事がまたがっている。それを安井長官のもとにおいて推進連絡をすると、これが当面あるいは現実的な解決策であろうということであります。しかし、この委員会におきましては自民党の方々は、あまりそういう基本的、あるいは根本的な問題について御発言がありませんけれども、しかし現在のように、各省庁にばらばらに分かれているんでは、産業公害を防止するというその目的を達成することはできない、こういう御意見を持っていらっしゃる方が多いと思うのです。そこで、この委員会におきましては、どうしても現状では不満足であるから、将来こういうふうに変えたらいいじゃないかというふうに、そこに焦点を合わせて論議が行なわれるわけだと思うのです。この前も申しましたように、社会党としても、あるいは民主社会党としましても、産業公害基本法というものを提案しているわけです。これは将来、産業公害というものにはどういうふうにして考えていかなければならないかという基本的な態度を明らかにした。新聞によりますと、厚生省でも産業公害基本法というものを立案中であるとか、あるいは検討中であるとかいうお話を聞いておるわけです。現状でいいということは、もうだれも考えている人はない。ただ、いますぐにそういう機構を新たにこしらえることがいいか悪いかという問題だろうと思うのです。この委員会において、やはり食い違う点があると思う。その食い違う点というのは、将来のあるべき姿ということを目標にして私たちは議論します、安井長官はじめ現在各省庁の責任ある方々は、現状においてこういうふうにするということの答弁が主であって、将来どうこうということではなかろうと思う。その食い違いが、いつまでたっても産業公害基本対策の問題について一歩も先へ進まない一つの大きな原因だと思う。そこで、私たちは、将来は産業公害基本法というものを政府において立案される時期があると思うので、一方はそれを心の中に置きながら、現実の問題として排気ガスの問題やその他の問題について現実に取り上げていくということが、この委員会の使命だと思う。各省庁にわたるからこそ、衆議院及び参議院におきまして特別委員会というものを設置したので、もし厚生省だけの問題であるならば、社労委員会でこれを取り上げればいい。そういうことで、やはり各省庁の権限というものは、権限としてあるわけですけれども、われわれとしては全体的な立場から議論をする。それですから、安井長官は、やはりそこのところに重点を置いて——連絡調整推進するのだという、そこに重点を置いて、御答弁なりあるいはお考えを聞かせていただいたほうが、この委員会の運営というものはスムーズにいくのじゃないか、こう思うわけです。お考えをひとつ拝聴したい。
○国務大臣(安井謙君) これは全くそうだと思います。今までのなにが必ずしも十全でなかったし、また、いままで全部片づいていない問題に対する現状分析と弁解だけに終わっているのじゃ、これは問題は進まない。そういう意味では、これから何を取り上げてどういうふうにしていくかという問題については、お説のとおりに、これはもっとより積極的にやらなければなるまいと思っています。まあ、やるつもりでもございます。また、基本法等につきましても、これもやはり私どもも真剣に今後考えていかなければならぬ。いますぐどういう形でどう出す、これもいまお話のとおり、被害者の側を代表して保護する厚生省の立場だけでも問題は片づきませんし、それ以外の運輸とか通産、その他の各省にもそれぞれまたがる問題はあろうと思います。そういう問題についても、これから慎重に検討を進めていきたいと思っております。
○相澤重明君 そこで、たいへん長官からいい答弁が出始めてきましたので、ひとつ提案だけれどもね、これはあなたが先ほどから言われる公害対策推進連絡会議、当面これをやっていく。ところが国民の生活に大事な物価等の問題については、経済閣僚会議ですね。私は、いまの次官クラスで行なっている連絡会議を、いま一歩進めて、私どもの言っているのは、もう基本的に専任を置きなさい、責任体制を機構的にもはっきりしなさい、こう言っているのだけれども、それをやるには検討の機関がありますね。また、どういうものをつくるのかといういろいろな議論もあると思う。そこで、とりあえず私は、いまの次官クラスの連絡会議をいま一歩進めて閣僚会議にまでもっていったらいいじゃないですか、閣僚会議にまで。これは別にやっておかしくないですよ。これは内閣できめられることなんです。閣僚会議をもって、それでいま松澤理事の言う、たとえば産業公害基本法、あるいは、さきに衆議院で中村運輸大臣が今度やりたいという国際条約批准の問題、関係法律案、こういういわゆる条約、法律案等の問題やら、それに対する予算的な措置、こういうものはやはり閣僚会議でなければ、ほんとうのことはきまらぬです、これは。技術的なこと、事務的なことは局長、課長クラスで進められる、あるいは次官の連絡会議でいいかと思うのですが、やはり責任体制というものは閣僚だと思うんですよ。したがって、それは経済閣僚がいわゆる物価等の問題について持たれるわけでありますから、いま一歩、この産業公害等の問題について関係の閣僚会議を持つというくらいのことは、せっかく、あなたのよい答弁ですから、ひとつ持ってほしい。その点もひとつ、あわせてお聞かせをいただきたいのです。それからいま一つは、まあ、たいへん政府も努力していることは私も認めます。予算的にはわかった——各省庁がどうしたらこの公害をなくすかということに真剣に取り組んでいることはわかった。しかし原責——いわゆる原因責任が明らかなものについては、いま言ったそういう公害をなくそうとしているけれども、無過失のものについてはどうなのか。その責任はないじゃないか、無過失責任というものはない。こういうことからすると、先ほど私の申し上げた賠償というものは一体どうなのか、国民の生命財産に対する賠償というものは一体どうなのか。いわゆる政府機関におけるところの賠償は、狭い範囲の国家賠償はあっても、いまのような問題についてはないわけです。それは一体だれが、どこで、どういうふうにして扱うのか、こういうことになると全く今日ではその責任がない、そういう意味で、その点についても内閣としてどう考えているのか、この点も長官にお聞かせをいただきたいのですが、これもなかなかむずかしい点だと思うんですよ。私がこういうことを言っても、総務長官がいますぐその責任をとりますとか、あるいは通産大臣が責任をとります、厚生大臣が責任をとりますということには、なかなかならぬと思う。しかし、この無過失責任というものは——国民のそういう立場に立つ賠償というものは、どこでやるのかというようなことも、検討してもらいたいと私は思う。行政上はそういう二つの面がそろわないというと、ほんとうに国民の立場を守ることにならぬと私は思う。そういう意味で、もしお考えがあったらお答えをいただきたいし、今後ひとつ私としては御検討を願いたい、こう思うのですが、この二つの点を御答弁願いたい。
○国務大臣(安井謙君) 事務次官クラスの会議を、さらに閣僚会議にまで持ち上げちゃどうか、政治的に解決を進めちゃどうかと——ごもっともだと思います。ただ、いま私ども、これはさっきもあげましたように、十以上の各省庁にわたるものですから、いっそのこと、関係閣僚会議より閣議に持っていったほうが早いというので、実は、今度はこの関係次官会議の結果を常に閣議に持ち出して、総理の出席のもとで全体で検討していく、こういう体制にいまはしているわけでございます。きょうも第一回をやったわけですが、そういうこともありますが、しかし同時に、また、もう少し時間をかけて、全体の関係閣僚でやるほうがいいという場合もあろうかと思いますので、これはよく考えて、必要に応じてはやりたいと思います。 それから、いまの賠償の問題は、これはなかなか複雑な問題だと思いますが、これも念頭に置いて、先ほどの松澤さんのお話のように、まあ基本法というもの、そういうような問題もあわせて、今後十分検討していきたい。これはまあきょうも、いま国際条約の問題がありましたが、もうさっそく閣議で運輸大臣からもこういう問題について、水質汚濁の問題については相当積極的な発言があり、前向きで進める対策もとられておるようになっております。
○紅露みつ君 どうも自民党のほうは意見発表がないという御指摘でございますので、たいへん恐縮に思いますが、とにかく公害の問題は急激に社会問題化したものでございますから、これはなかなか扱いにくいということは、前委員長といたしまして私も十分わかっているところでございます。しかし、これが十分でないいまの体制、いまの状態でいこうというお考えでなくて、これを強化して前進していこう、そのために検討してみようという総務長官のお考えであり、また、たいへん根本問題について——機構についても、理念についても提案がたくさんなされたわけでございますから、これらを十分検討してという総務長官の御答弁でございますので、この問題はおよそもう問題が出尽くしたと思いますので、この辺でひとつ終止符を打っていただきたいと私は思います。で、皆さんの御提案にはずいぶん聞くべきものがございまして、たいへん傾聴いたしたわけでございますが、問題は非常に複雑でございますということ、それからもう一つは、あまり急激に問題化してきたというところに非常に行政面としても私は扱いにくいことがあると思うのでございまして、しばらく時間をかして、そうしてひとつ検討をしていただくと、こういうことにしていただきたいと私は思うわけでございます。
○委員長(横山フク君) 他に御発言がなければ、本件の質疑は本日はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(横山フク君) 次に、自動車の廃棄ガス対策に関する件の調査を行ないます。 御質疑のある方は順次御発言を願います。 なお、本件につきましては、政府側から、先ほど御報告の堀本政務次官、中川産業立地部長のほかに、通商産業省の赤澤重工業局次長と、運輸省の宮田自動車局整備部長が出席いたしております。
○原田立君 通産省のほうにちょっとお伺いしたいのですが、この前も指摘しておいたところですが、アメリカ向けの車には一部自動車の排気ガスを除去する装置が取り付けてある、そういう車も生産しておるということを申し上げたのですが、それは一体どのようなぐあいになっているのか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(赤澤璋一君) ただいまの御質問でございますが、国産車ではその一部にブローバイガスの防止装置をつけたものがございます。名前を申し上げますとニューセドリック等日産車の一部、それからトヨタのクラウンエイト、これには試験的にブローバイガスの防止装置が取りつけられております。
○原田立君 それで、それは一体どのくらいな効率があるのですか。
○政府委員(赤澤璋一君) 現在まだ、この装置自身が完全なものとは思われませんが、いずれにいたしましても、このブローバイガスをもう一度エンジンに還流して、もう一回燃焼させるという装置でございます。したがいまして、ブローバイガスの中に含まれております炭化水素を除去するわけでございますが、炭化水素の除去につきましては現在の装置では、ものによりまして違いますが、大体五〇%から一〇〇%まで、そのくらいな効率で排除をいたしておるというふうに聞いております。
○原田立君 いま五〇%から一〇〇%除去のできる効率があるというお話で、たいへんけっこうなものができたと思うのですが、それはどのくらいの費用でできるのですか。
○政府委員(赤澤璋一君) これも、ものによっていろいろ違いますが、エンジンに取りつけるわけでございまして、現在私ども聞いておるところでは、これは大型のエンジンでございますが、五百円前後というふうに聞いております。
○原田立君 五百円ですか。
○政府委員(赤澤璋一君) ちょっと説明が足りませんでしたので、補足させていただきますが、これはつける装置そのものは比較的に安いのでございます。ただこれをつけるためには、エンジンの一部を改造しなければなりません。それらを含めますと相当な金額になろうかと思います。
○原田立君 五百円で改造できるなんて聞いてびっくりしたわけですが、現在自動車の排気ガスによって非常な大気汚染、人体に対する影響で、非常に困っているということは、これは通産省のほうでも御承知だろうと思いますし、またアメリカなんかで一部規制しているところがあって、こういう研究もやむを得ないというようなところだろうと思うのですが、これはただ輸出ばかりでなしに、国民全体の公衆衛生面からいっても、これは大いに研究を進めるべきことだと思う。それの御答弁をいただいているのですが、たった五百円、ほんとうに五百円ならたいしたものだと思うのですけれども、ひとつまじめにお答え願いたいと思います。びっくりしているまつ最中なんですがね。それでアフターバーナーによる装置とか、あるいはエンジンに直接取りつける装置とかということを世界的にも研究しているのだろうと思いますが、もう少し日本の自動車界における研究の度合いは一体どのくらいに進んでいるのか、その点。
○政府委員(赤澤璋一君) いま、自動車から出ますガスでありますが、大きく分けましてクランクケース関係のブローバイガス、それからエンジンから出ます排気ガス、この二種類があるわけでございます。それで現状ではクランクケースが開放的な形式になっておりますので、それから出るブローバイガスにつきましてはある程度の研究が行なわれ、そらしてこのブローバイガスのほうは、いま申し上げましたように大型のエンジンを使っておりまする大型車、これには試験的にいま申し上げましたような車種に取りつけられる。これをやりますと、一面エンジンの出力が落ちるわけです。そういうことからエンジンの出力を落とさないで、かつ、このブローバイガスを完全に除去する、こういう装置はまだ完全にはできておりません。御質問のありました一方のアフターバーナーでございますとか、あるいはカタライザーを取りつけまして、触媒を用いて悪い成分を除去するといったのは、エンジンから出る排気ガスの面でございます。このほうは非常にむずかしい研究が必要でございまして、現在アメリカでは大型車につきましては大体三つぐらいの方式がほぼ確立をしていると申しますか、できておるというふうに聞いております。その一つはアフターバーナー、もう一回燃やすというやつでございます。それから第二は触媒式のコンバーター、触媒を通じて悪いガスを除去する、第三はエンジンの改造によりますもので、クライスラー方式というふうにいわれておりますが、こういったような大体三種類の方式で、エンジンから出ます排気ガスをそれぞれ除去しておる装置がアメリカではほぼ技術的にでき上がっておるということでございます。日本の場合には、いま申し上げましたように、クランクケースのブローバイガスにつきましては、これは試験的ではございますが、一部の車にエンジンの改造をいたしまして、取りつけることができておるようでありまするが、大部分の日本の車は、御存じのように小型車——二〇〇〇ccの小型車でございます。これにつきましては、そのほうの研究もまだ完全には行なわれておりません。なお、エンジンから出ます排気ガスこれに、つきましてのアフターバーナー式あるいは触媒式、あるいはエンジンそのものを改造するクライスラー式、こういったものにつきましては現在進行中でございまして、私どものほうで昨年以来、自動車工業会の技術委員会におきましていろいろと指導をしてまいっておりますが、現在のところブローバイガスの防止装置——第一に申しましたブローバイガスの防止装置につきましは、四十一年度末までにこれを完成をしたい、排気ガスの清浄化装置、これの実用品につきましては、四十二年度末までを目標にして研究開発を進めたい。かようなふうに自動車工業会のほうで一応の目標をきめまして、現在各社独自に、あるいは各社間の協調をはかりながら、これを進めておるという状態でございます。
○原田立君 技術研究が進められているということは、たいへんけっこうですが、元来そういう研究会は——自動車技術の、あるいは改造の研究会等は業界につながっているものでありますし、業界は何といってもコストを安くしてやればいい——生産性のほうに持っていくんだろうと思うのですが、そういうことでなしに、国民全体の健康、保健という面での研究、そこのほうにもう少し重点を置いていただきたいと思うのです。 そこで、運輸省のほうにお伺いしたいのですが、いま三つの方式がアメリカでとられているようですが、いま日本の国内では、運輸省あたりでは一体それはどういうふうに実際研究段階で取りつけてやっているのか、あるいはいないのか、やったならばどういうふうな結果が出たのか、その点お伺いしたい。
○説明員(宮田康久君) いまのお話で、排気ガスの処理といたしましては、先ほど通産省からお話がございましたが、ここ二、三年の間急速に、私どもも通産省とともに試作その他の技術開発を促進してまいりましたが、相当数のメーカーの浄化装置の試作品もできまして、実際その試験もやられたわけでありますけれども、先般もお話しいたしましたように、アメリカにおきましても、この排気ガス問題については先輩国でございますが、当初やはりこの浄化装置による除去——先ほどお話のありましたように、アフターバーナーでありますとか、触媒による装置でありますとか、それを進めてまいりましたが、非常に寿命が短いというような問題がありまして、最近アメリカ政府は、来年の秋から出ます六八年型についての規制をいまするということを申しておりますが、その際に、五万マイルはぜひ寿命を保証することという線を出しております。この五方マイルの線と申しますと、約八万キロになるわけですけれども、実際に車を使う人の手に渡りましてからの保証というものは非常に困難でありますので、メーカーとして初めから五万マイルを保証した装置を出すようにという考えでございます。それに対しまして、まだアメリカにおいてすらその装置が開発されておりません。カリフォルニア州では、さきに一万二千マイルという線で四型式くらいの認定をいたしましたが、さらにカリフォルニア州においては、実際やってみました結果、五万マイルの寿命はどうしても必要だということで、五万マイルの線まで上げましたけれども、それに見合うような浄化装置の開発ができない現状でございます。それで一方、先般もお話しいたしましたように、エンジンの本体自身で解決すると、気化装置でありますとか、あるいは点火装置でありますとか、エンジンの排気管等に新しい空気を送り込む装置でありますとか、そういうエンジン本体で解決いたしますほうが非常に安上がりでいけますし、非常に寿命も長くもつということでありまして、その開発がほぼアメリカの各社で一段落したところでございます。そこで、アメリカ政府も来年の秋から一定の基準を設けて、新車についての規制をしようと踏み切ったわけであります。日本でもそういうようなことで、日本の浄化装置についての開発をいろいろ進めてまいりましたけれども、まだアメリカの製品に及ばないというようなことでありまして、やはりアメリカがとってまいりましたようなエンジン本体で解決するというほうが寿命も長く、値段も安上がり——本質的な問題でありますので、その方向でいま各自動車メーカーは開発を進めているわけでございます。
○原田立君 その研究は自動車メーカーだけでやっているのですか。
○説明員(宮田康久君) この浄化装置につきましては、政府の研究機関でもその試験研究等をやはりやっております。
○原田立君 どのくらいの予算がついて、やっているのですか。
○説明員(宮田康久君) 政府自身の予算は、いまちょっと手元にございませんが——政府といたしましては、通産省、運輸省、それぞれこの排気ガスの除去装置についての補助金を支出して、こういう装置の各メーカーに援助をしております。その金額は、運輸省といたしましては、三十九年度に百七十五万円、四十年度に百二十五万円の研究補助というものを行なっております。
○原田立君 四十一年は……。
○説明員(宮田康久君) 四十一年は、まだこれからでございますので、未定でございます。
○説明員(中川理一郎君) 通産省は、過去のことは別にいたしまして、四十一年度予算として御審議願っております政府予算案の中におきます自動車関係の技術開発につきましては、機械試験所特別研究といたしまして、大気汚染の関係での内燃機関の排気改良技術、これについて千二百万円、それから資源技術試験所の特別研究といたしまして、自動車の排気ガス処理技術に八百万円、計二千万円を計上いたしております。四十年度も大体この二つのものにつきまして二千二百万円ぐらいのものでやっております。なお、そのほかに、関係業界に対する政府補助金といたしまして、三十九年度一件七百万円、四十年度二件千二百五十万円、これの支出を行なっております。
○原田立君 運輸省やあるいは通産省のを合算すれば、相当な額になるだろうと思うのですが、これでも日本の産業公害の一因と言われている自動車の排気ガスの研究費用としては私は非常に少ないのじゃないか、こういうふうに思うのです。担当係であるあなた方は、これで満足しておられるのかどうか。おそらく満足しておられないのじゃないかと思う、非常に費用が少ないのじゃないかと思うのですが、通産政務次官、こういう面での予算措置はもっと強力につけて、研究をもっとスピードをあげて解決すべきじゃないか、こういうふうに思うのです。それで運輸省のほうからも話があったけれども、アメリカのほうの開発ができていないから、まだ日本のほらもおくれているのだというお話だけれども、科学の分野では日本の科学力というものは、アメリカを凌駕しているほどのものがあるのですから、アメリカで研究できていないから、日本がおくれてあたりまえだという言い方は、ちょっとまずいと思う。むしろアメリカをリードするような研究内容が出てこなければならない。まあアメリカのロスアンゼルスのほうでも非常にやっているようですが、日本のこの過密都市では自動車の排気ガスによる障害が非常に大きい。ですから、もっと予算の措置もしっかりしてやり、研究も十分やらせ、アメリカなんかを追い越して成果がちゃんと出るように、そういうふうにしてもらいたい。また、そうすべきかと、こういうふうに思う。 そこで、でき上がった場合ですね、これをいわゆる法規制すべきであるというふうに私は思うんです。まあ、けさの新聞によると、すでに認可されている車については車検の際に点検をきびしくして、違反しているものには検査証を交付しないなどの措置を講ずると、こういうようなこと、あるいは新車についても多量にガスを排出する車は認可しない、許容量を明記するというような、こういうことが新聞記事に出ておりましたけれども、これはいつごろなさるのですか。それとも先の話なんですか。また許容量というのは、どのくらいのものを明記なさるのか。また、そのきめたものによって、はたして自動車の排気ガスによる公害が除去できるのかどうか、そこら辺をお伺いします。
○説明員(宮田康久君) 初めに、自動車の新車についての規制を申し上げますが、先般もお話しいたしましたように基礎的な連続分析装置が開発できましたので、本年は各自動車メーカーにその装置を早急に準備いたしまして、技術開発をさらに進めまして、本年秋から出ます新型車につきましては一定の基準を設けて排気ガスを規制していきたい、いま、その方針でおります。さらに、その基準値をどうするかというお話でございますが、いま運輸省として各省と御連絡をとりながら、試験方法を一案持っておりまして、それによっていま試験をやっておりますが、民間側の意見も十分聞きまして試験方法を最終決定いたし、それによりまして基準を明確化したいと思っております。今秋からいたしますものにつきましては、先般もお話しいたしましたとおり、昨年新型車についていろいろ調査をいたしました結果、非常なばらつきがございますので、少なくとも、いま新型車として出ております車の排気ガスを約二分の一程度にはきれいにするという目標で、この秋はまず出発いたしたいと思っております。 それから、現在出ております車についての規制でございますが、それにつきましてはエンジンの整備の良否で非常な違いがございまして、エンジンの整備をしっかりいたしますと、排気ガスの量が約六割減るわけでございまして、やはりエンジンの整備を定期的に良好にすることが非常に肝要でございます。その点で、さきに昭和三十八年に、道路運送車両法の改正をお願いいたしまして、それによりまして定期点検整備の制度を実施しております。さらにこれを十分確保いたしますためには、整備工場で使います簡易な測定装置が必要なわけでございますが、その試作品が昨年できました。いま、それを実用品にいたすことを促進しております。その実用品の測定装置ができましたときに、各整備工場にそれの備えつけをいたさせまして、それによりまして、いま申しましたように、現在走っております車についての整備を十分させるように進めていきたいと思っております。それからもう一つ、大都市におきましては、大体車齢が二年以下の車が約五割でございます。これは東京、大阪、名古屋がその例でございます。したがいまして、新車についての規制を促進いたしますことが一番手っとり早く、最終的に排気ガスをきれいにする手段にもなるわけでございまして、新車についての規制を、私どもとしても大いに進めてまいりたいと思っております。もちろん、この規制は、技術開発の進展とやはりにらみ合わせてやらなければなりませんので、段階的に規制を強めていきたいと考えております。
○説明員(中川理一郎君) ただいま運輸省のほうから御説明がございましたが、通産省も技術開発を精力的に、集中的に進めまして、これは技術の問題でございますので、段階的に規制を強めていくという運輸省のお考えと全く同じ気持ちでおりまして、両省で十分協議をして実情に合った可能な限度におきまして、できるだけ高い目標を掲げてやっていくということには異存はございません。
○原田立君 立地部長のいまの発言は非常に重要な意味を持っていると思うのですが、これは次官はやはりそれでよろしいですか。
○政府委員(堀本宜実君) ただいまお答えをいたしましたように、この自動車の排気ガスは——一般のばい煙規制の中でも、私は、やはりたいへんむずかしいものがあると思うのです。結局、一酸化炭素か、先ほど部長が話しましたブローバイガスというのかという問題だと思うのですが、一酸化炭素につきましては、自動車の——私の聞き誤りかもしれませんが、ゴー・ストップのときにたいへん黒い不燃焼ガスが出るのでありますが、それには一酸化炭素が大部分含まれているのかどうかということを聞いてみたことがあるのですけれども、あれは主として一酸化炭素でなくてブローバイガスであって、結局、炭化水素が大部分であるというようなことで、それに対する除去装置というものをつくって、しかも年度を追うて漸進的に、段階的にいこう、特に自動車の使用年齢等も大体二年以下が五〇%程度だということでございますので、新車からは取りつけるように指導をしていきたい、こういうことでございまして、先ほど運輸省からお話になりました計画と、通産省の計画は違っておりません。
○原田立君 自動車による排気ガスが非常に人体に影響があるということは、しばしば言われておるとおりでありますし、また、今後のそういう車両をつくるにあたっての計画に、通産省も運輸省も同じような考え方だということは、たいへんけっこうだと思うのです。先ほど柳岡委員も指摘したように、どうしても通産省の側でいえば、商売が第一義になって、採算制の問題のほうにいきましょう。自動車界も大いに発展はしていくだろうが、採算制の問題ばかり言っていたら、いまのような厚生、衛生面は非常に不十分になる。いま次官のお話で、運輸省と同じような考え方だということを聞いて、たいへん安心したわけですが、なお、これはひとつ、その基本方針は、業者、業界等からの圧力なんかに負けないようにして、ひとつ大いにその考え方を推進していってもらいたいと思うのです。以上でございます。
○瀬谷英行君 関連。運輸省と通産省で、たとえば自動車の排気ガスの問題でエンジンに新しいしかけをつくる、こういったような問題があるわけですね。これはなかなかたいへんなことだと思うのですよ、正直言って。その仕事の分野ですね、運輸省と通産省と、どういうふうにその分野を担当しているのか。運輸省がどういう点とどういう点、通産省がどういう点とどういう点、これらの点についてわかったらひとつ教えていただきたいと思うのです。
○説明員(宮田康久君) 自動車の生産は通産省がお持ちでございます。自動車の生産に関連しまして、車両のいろいろの研究開発等、これは通産省がやっておられます。私どものほう、運輸省としましては、自動車の保安上の規制、これは道路運送車両法に基づきまして、保安基準をきめまして、その基準に当てはまらない車は運行してはならない、走行してはならない、そういうような基準をきめますこと、並びに実際にその車両が整備されている必要がございますが、この整備関係の行政、それから車の定期的な検査をしております。並びに新しい車の検査もしております。そういう検査の面、これは運輸省の所管でございます。なお、実際に車を使います際の問題に関連しまして、私どもの研究所でも使用者側の立場からしました研究開発はもちろん実施しております。通産省とはもちろん日常緊密な連絡をとって実施しておるわけでございます。
○政府委員(赤澤璋一君) 先ほど運輸省からお答えのとおりでございまして、通産省は自動車の生産、流通、こういった面を中心にいたしておりまして、生産に関する技術につきましては、主として私どものほうの関係の研究機関、あるいは業界の会社の研究所、こういったところを私どもが所管をいたしているわけでございます。言ってみれば、生産そのものと申しましても、生産の面から言いますと、コストの問題あるいは販売価格の問題、こういった問題が出てまいります。また流通の面につきましても、たとえば、先般も運輸省と共同で告示を出しましたが、割賦の条件でありますとか、こういった面につきましては、運輸省と共同で規制をいたしております。運輸省のほうは、要するに、でき上がりました車が走るについていろいろな規制をしておられる、こういうことと了解いたしております。
○瀬谷英行君 運輸省のほうは保安、整備、検査を担当しておるということになるわけですね。通産省のほうは生産、流通ということになるわけですね。排気ガスの問題、この研究試験、こういうことは運輸省のこの資料によると、船舶技術研究所でやっておるわけですね。この排気ガスの公害対策の問題になると——排気ガスをいかに少なくするかといった問題になると、それじゃ船舶技術研究所で研究をして、そうしてたとえば、こういったようなものをエンジンに取りつけさせる、あるいはエンジンをこういうように改良すれば排気ガスはこれだけ少なくなるといったようなことも、それじゃ運輸省の担当になっているのかどうか。それはもし一応研究が完成をした場合には、通産省のほうで生産の問題になってくると思うわけですが、業者のほうは通産省になってくるわけですね。通産省のほうでは、たとえば公害対策の面で、こういうふうにするということがきまった場合には、通産省の監督でもって業者を指導するということになるのかどうか、その辺の経緯はどうなっているのか、お答えいただきたいと思います。
○説明員(宮田康久君) 私どものほうの研究所でやっております一番主眼は、実際に車を使っております状態での実態を把握する研究、並びに実際にそれを整備をいたします、あるいは検査をいたしますときに、やはりその整備の状態においてどう変わってくるかというような実態の把握、あるいは検査をいたしますときにどういう検査方法をするか、あるいはその検査装置をどうするか、そういったような問題、それから実際に使用者側での立場の研究をいたしておりますけれども、それによりまして、やはり使用者側から自動車のメーカーに対してこう改善してほしいという、いろいろの結論もそこから出てまいります。もちろんそういう場合には、実際にそのそれぞれのメーカーのほうにそういう注文を出すわけでありまして、やはり実際に生産されるほうも、実際に車を使うのに適した車の生産並びに車の技術開発をしておられるわけでありますけれども、実際これは使うほうの側の意見等を十分聞いて、それに適するような車の開発が必要なわけでありまして、やはり通産省側の生産の立場からのいろいろ技術研究と、私どもの使用者側の立場からの技術研究とは、やはり緊密な連絡をとってやりませんと、車の健全な発達ということができなくなるわけでありまして、まあそういう立場で私どもの研究所は研究をいたしております。
○政府委員(赤澤璋一君) ただいま御答弁のとおりでございまして、民間側の各自動車メーカーもそれぞれ研究所を持っております。こういったようなところを中心にいたしまして、自動車工業会に技術委員会というものを設けております。そこへ定期的にこれらの技術者の方々が集まられて、お互いに情報を交換いたしましたり、あるいは研究の成果を発表したりしておりますが、そこには通産省の関係のもののほかに運輸省の技術関係の方も一緒に入っていただいて、こういう席を通じまして民間、通産省、運輸省、それぞれのところが連絡をとりながら、いま言ったように生産の面、あるいは実際の運行の面、こういった面が相互に緊密に連絡をとりながら進めておるというのが実情でございます。そのほかに、もちろん個々の研究にあたりましては、たえず、お互いの間の連絡を緊密にするということはもちろんでございます。
○瀬谷英行君 先ほど排気ガスの問題で、五百円ほどかければできるようなお話があったのです。しかし、その点さっきの質問に対する答弁の際に、五百円だけじゃなくてそのためにはエンジンのほうも変えなければならないということでありましたけれども、新車を今度新しいしかけにするという場合には、じゃコストがいままでに比べて五百円上がるというだけで済むのか、あるいはエンジンその他すべてひっくるめて生産コストがどのくらい違ってくるのか、そういう点についてお答えいただきたいと思う。 それから、たとえば新車だけそういう構造にしてみたところで、新車はごくわずかしか初期は出回らないわけで、大多数の中古車のほうはそのまま走っているわけです。そういうものをも改造するということになると、改造費というものはすべてひっくるめてどのくらいかかるようなことになるのか、その点も参考までにお聞きしたいと思うのです。
○説明員(中川理一郎君) 先にちょっと——重工業局次長が答弁いたします前に、自動車の排気ガスの公害問題という角度で何が問題なのかという点につきまして、若干誤解があるといけませんのでお話しておきたいと思いますが、先ほど劈頭はロスの規制の話から、いまの五百円のブローバイガスの話にいったわけでございまして、これは前にこの委員会で、私、御答弁したと思うのでございますが、ロスアンゼルスは非常に恒常的な逆転層が上空にございまして、かつ太陽の光線が非常に強いというところからいたしましてクランクケースから漏れる炭化水素が大気内におきまして光合成をやりまして、ロス自身の特有の現象といたしまして非常に大きなスモッグ状態を起こしたわけでございます。そこで、ロスアンゼルスにおきましては、この炭化水素をとめることがロスアンゼルスの大気汚染にとって非常に大切だということで、いまブローバイガスを何とか除去する、その装置を問題にしましたわけでございまして、いまカリフォルニア州へ日本から自動車を輸出いたしております場合には、この装置をつけて出しておるわけでございます。ただ、日本で自動車の排気ガスが問題になりますのは、実は炭化水素ではございませんでして、交通量の非常に多い所、しかも交通の停滞する所において問題になりますのは、一酸化炭素でございます。一酸化炭素と申しますのは、エンジンにおける燃料の燃焼が不完全燃焼なものがありましたときに、どうしても出さなければならぬいわゆる排気ガスでございます。不完全燃焼のものをどうやって食いとめるのかというのが、先ほど運輸省からお話がございましたように、不完全燃焼で出ましたガスを、またもう一回燃やすという方法もありますし、できるだけ完全燃焼できるように、エンジンの設計そのものによって根本的に解決をはかるという方向もございます。後者のほうがいま本命であるということで手がけられておる。これについての見通しその他が先ほどお話があったわけでございます。そこで五百円でとまるというお話は、炭化水素の話でございまして、一酸化炭素問題についての解決はまた別個の問題であるということを、これは私どもの説明が不十分でございまして、あるいは双方混同されておるかもしれませんが、私から一言お答えしておきまして、あと化学問題は、重工業局次長から御説明願います。
○瀬谷英行君 一酸化炭素のほうも、どのくらいかけたらなくなるか。研究ができておったらひとつやってください。
○政府委員(赤澤璋一君) いま中川部長から申し上げましたように、炭化水素の問題でございますが、クランクケースから出ますブローバイガス、この面で申しますと、エンジンその他全部含めまして自動車から出ます炭化水素のうちで、いわゆるブローバイガスの除去装置をつけますと、エンジンを含む全体のいわゆるブローバイガスの炭化水素の発生は、約三割ぐらいが除去できるという感じだそうでございます。いま現に取りつけておりますが、あまりこれは輸出その他の面では言いたくないことのようですが、やっぱりエンジンの改造を伴いますので、エンジンのほうの出力が若干落ちるという、まあぐあいの悪い点があるようでございます。ただ、ロス等に出しますときには、これをつけませんと輸出ができませんので、これはつけておりますが、この面でもまだまだエンジンとの関連において十分な研究が進められなければならぬかと思います。御質問のエンジンの改造を含んでどのくらいかということは、私どもは実はまだ調べておりませんので、この次の機会に調べましてお答えしたいと思います。 それから一酸化炭素を排除いたしますいろいろな排気ガスの装置でございますが、アメリカで現在どのくらいの価格でこれができておるかという資料がございますので、御参考までに申し上げますと、アフターバーナー式のものが約五十ドル前後、触媒式のコンバーター、これを使って一酸化炭素を除去いたしますのが、七十ドルから百二十ドル前後、クライスラー式といいまして、エンジン改造方式といったようなものがございますが、これが二十ドルから二十五ドル前後というふうにアメリカではいっております。これも全部大型のエンジンでございまして、すぐそのまま日本には適用できないかと思います。それから先ほど運輸省からもお答えいたしましたように、触媒式の場合は、触媒の寿命の問題がございまして、まだアメリカでもこの寿命が非常に短くて、これを取り付けた場合にはしょっちゅうかえなければならぬ、こういうようなことになっておりまして、まだまだこれから先、経済的に、かつまた、自動車の価格等もあまり上げないで完全なものができるには、やはり両、三年ぐらいかかるのではなかろうかと考えておるわけでございます。
○相澤重明君 いまの問題で、堀本次官、私はこういう話を聞いているのですよ。三十九年の八月か九月ごろだったですか、排気ガス除去の機械を発明家が出しているのですよ。特許庁に申請をしておるわけなんです。ところがこれを実用化するには、特許権の移譲をしなければならぬ。先ほど原田君がそのことをはしなくも言っておったが、当時これは私も、その点いま少し積極的であったらよかったなと思って、いま反省しておるのですが、業界で——自動車工業会ですね、この人たちはその特許権をとるにはどのくらいかという話があったと、それは何か四、五百万という話であった。ところが、その人はとてもそんなことじゃおれの一生の研究だからできない、そんなことでは譲れないと、こういうので、何か一千万だったか二千万だったか、とにかく話を出されたことがあるんです。それで、とにかく日本の自動車の生産費が、いわゆるコストが比較的高いと、こういうので、安くしなければならぬというので、なかなかそういう問題について踏み切れない、業界自身が。そういうことを私実は、これは鎌倉で聞いたことがあるんです。その人がどういう人だったか、その値段が幾らで、だれが相手だったかということについてはつまびらかではないのですが、いま私も、それがはっきりしておれば文句がないんですが、はっきりしていないので調べてみたいと思うのですよ。その関係者がたしかおるはずですね。そこで、これはひとつ通産省に資料を提出してもらいたいんだが、特許庁に申請をしておる、この特許の申請ですね。この民間の発明家、研究家というものがかなり多く出しているわけです。自動車の排気ガス除去についての、そういうものについてどのぐらいいままであったか、ひとつこれは資料ですぐ出せると思う。年度別に——その中からおそらく割り出しがきくと思う、とこれはまあ警察じゃないけれども。これはいまになると、ほんとうにこれだけの重要問題になってきたんですから、当時は特許権の移譲の問題で——実は私はそういう話を聞いたことがあるのです。ですから業界がせっかくのよいものを、自分たちが量産をするのに、そのものをもし自分が買うとすれば、どうしてもコスト高になってしまう。こういうところで原田君の言うような心配が実はあったと私は思うのです。だから必ずしもアメリカが専売特許じゃなくて、日本の民間の発明家、研究家もかなり私は進んでおると思う。こういう点はあまり見くびってはいけないんじゃないかというように思うのです。私は、これは三十九年のたしか八月か九月だったと思うのです。鎌倉で私は聞いたことがある。そういう点でひとつ三十八年、九年、四十年、これに対していまの自動車の排気ガス等の問題の特許申請、あるいはこの研究家のそういうものが出されているものを、これは通産省で調べればわかるのだから、ひとつ出してくれませんか、資料を。
○政府委員(堀本宜実君) ただいま相澤委員から御指摘になりました、もうすでに発明をされて実行可能な状態に置かれておるものがあるのではないかということでございますが、いま係りの者に聞いてみますと、やはりそういう話はずいぶんあちこちに——あちこちにと言いましても、そう無数にあるわけではございますまいが、やはりうわさとしてはあちこちで聞くということでございます。御要求がございましたように、特許庁でこれはわかると思いますので、早急に調べて御提出をいたしたいと思います。
○奥村悦造君 政府委員にお尋ねいたしますが、この新車の問題は排気ガスはほとんど出ないと思いますが、車検のときには貨物自動車は一年、乗用車は二年、こういう期間になっております。道監で車体検査をされるときに、エンジンを一々ほどくとリングの減っているものから一番たくさん排気ガスが出るわけですが、現在の道監のあの人員ではたして排気ガスを防除する検査ができるのかできないのか。またマフラーをなくして黒いオイルと、なまのガソリンとがぽっぽと出ているやつ——あの取り締まりは道監がやるのか、警察がやるのか。こういう面から現在の自動車の車検そのものにある程度欠陥があるのじゃないか。また検査場へ持っていかずにやれる整備工場があるわけです。車を持っている者はなるべくエンジンのボーリングをやらないで、そのままシャシーあるいはその辺だけペンキを塗って受けに行く者が多いわけです。私は業者でございますので、そういうことはよくわかります。そういうことで、現在、排気ガスの問題がやかましく言われておりますが、この道監においてそのエンジンを一々あけて、リングが減ってオイルが漏れておる、あるいは悪い道に行ったときにマフラーが飛んでしまう。そういうときの車ばかりがこの排気ガスを出しているのであって、新しい車からは排気ガスは出ておりません。参考に申しますが、私、滋賀県ですが、東山トンネルのあの中をダンプカーが通ったあと、乗用車が通りますと、前が見えなくなる。そういうことで、おたくの担当の各府県の検査場ではエンジンをほどいて一々車検の許可をしておられるのか、おられないのか。ペンキを塗ってそのままくる、ほとんどそういうことになっているということが、これは排気ガスの最も大きい原因でございます。運輸省の担当の部長さんは、道監にそういう指令をしてやっておられるのかどうか。私は排気ガスの問題は重要な問題だと思うわけです。現在ボーリングをやりますと、金がかかるので、エンジンをほどかずに、エンジンを洗っただけで、そのまま試験を受ける。そうすると、それで検査が通る。その車が一番よけい排気ガスを出している。この排気ガスの問題は、おたくのほうに一番責任があるのではないか。通産省は新しい車をつくるだけであって、新しい車はトンネルの中へ入っても排気ガスはあまり出しておりません、白い煙がぽっぽと出ているだけです。おたくで検査された車はまっ黒な煙を出しているが、それでも新しい検査証を一年なり二年の有効期間で発行している。排気ガスを防除するためには道監で一々やっていかなければなかなか解決はつかない。アメリカだとかどこかでやっている、そんな問題は別です。いま当面やってもらわなければならないのは、おたくの各府県にある出張所です。エンジンをほどいて、リングが減っているからボーリングをやったり、修理をやるように指示してやらなければ、この自動車の排気ガスの問題は解決できない。現在、運輸省は道監に指令して、金づちでたたいて検査証を出している。自動車が暴走しないようにブレーキの調整とか、そういうものの検査——はたして道監にそういう技術者が何人いるかわからない。鉄道にいて切符を売っていた方が道監に入って、こんこんたたいて、それではたして自動車がわかるかどうか。それで人をひき逃げする問題についても、おたくのほうに大きい責任がある、取り締まりは警察がやるけれど。道監はただ車の車検をして、そしてバスだとかタクシーの許可だけしかできない。取り締まりは警察がやる。ここに私は、この自動車の排気ガスあるいは自動車に関する問題が大いにあるんじゃなかろうかと、私は考える。滋賀県あたりにおきましても、私は車を六十台ぐらい持っておりますが、ダンプカーの検査にいくときに、水で洗って、石けん水で洗ってペンキを塗っていけばそれで通ってしまう。そうして、ばんばんばんばんと大きい音を出して、町の中を走っておるという責任は、私はおたくに責任があると考える。これは私は業者でございますので、よくわかっております。さっきからおっしゃることを聞いていると、自動車の排気ガスの問題は、通産省の関係のほうから言うたが、新しい車検をおろされる権限はあなたのところにあるわけだ。それを十二分にやってもらわなければ、何ぼこれは議論しておっても、この排気ガスの問題はむずかしい。そんなことを言っておるよりも、リングだとか、そういうものを十二分に検査するだけの陣容を道監に配置して、そうして通産省から世話してもらって、自動車のわかる人に検査をさせなければこれはできませんよ。はたして道監におられる方で、自動車のエンジンをほどいて何から何までわかった人が何人おられるかということです。ただ鉄道につとめておった人が、金づちを持ってかんかんたたいておるようなことでは、この排気ガスのことは私はできないと思う。そういうことで、今後運輸省には十二分に道監の検査を厳密にやってもらわなければ解決しません。それは私から要望いたしておくわけでございます。よろしくお願いいたします。
○説明員(宮田康久君) まことに、私ども末端の陸運事務所の検査につきまして、大いに要員をふやし、あるいは検査員の教育を十分にして、大いにしっかりやれという御激励をいただきまして、ありがとうございました。 いまのお話でございますが、実際の道路上におきます取り締まりは、先生御承知のとおり、道路交通法に基づきまして、黒い煙等の取り締まりは警察がやっておりますが、私どものほうでは、検査場で、いまお話しのように定期検査をやっております。その際に、実際黒い煙を出しておりますものにつきましては、もちろんこれは検査を通しません。が、黒い煙を出します場合は、ほとんどディーゼル車でございまして、御承知のとおりでございますが、ガソリンにつきましては、実際に目に見えないガス、しかも有害なガスという問題でございまして、それにつきましては、先ほど御説明申し上げましたが、最近実際に測定する装置も漸次開発されてまいっておりますので、検査場でこれを実際に——検査場で一日たくさんな車両の検査をしておりますが、それに使いますような測定装置の開発もいま努力はしております。 それから先ほどお話ございましたが、何と申しましても、御専門で御承知のとおりでございますが、日常の整備が大切でございまして、実際に整備がいい悪いで六割も違うという結果が出ております。私どもとしましては、ぜひ、実際に車をお使いになる方々の定期点検の整備をしっかりやっていただきたいということで、先ほど申しましたような法律改正までいたして、いま努力をしている最中でございますので、よろしくお願いいたします。
○瀬谷英行君 要員の問題はどうなんですか。
○説明員(宮田康久君) 要員についてのお尋ねでございますが、実は、三十九年度から特別会計の制度にいたしまして、それ以来、検査場の施設面等の改良も特段に進展してまいっておりますが、要員の面におきましても、三十六年、七年、八年、この三年間、一般会計時代には年々六十名から五十名台の増員でございましたが、三十九年に八十名、四十年度が百十名、それから四十一年度は百七名の予定をしておりますが、いままでの一般会計時代に比べますと、ほぼ倍の要員をいま配置しております。さらに私ども大いに努力をいたしまして、的確な検査ができますようにいたしたいと考えております。 —————————————
○委員長(横山フク君) 次に、大気汚染対策に関する件の調査を議題といたします。
○相澤重明君 堀本次官、きょうは、どこの省でどういうふうにということについて、なかなかむずかしい点があると思うのですが、せっかく先ほど中川部長の答弁の一部にあったから、これは委員長に特に私から御要望しておきますが、政府側としても、ひとつ相談をして出してもらいたいのですが、スモッグ対策というのは、いまや大都市においては非常に大きな問題なわけです。先日も、当委員会のときに、私、そのスモッグ問題について少し質問をしたいということで瀬谷理事のほうに連絡をとったのでありますが、それはなぜかというと、ほとんど自動車等も満足に走れない、激しいときには、国鉄でさえ実は危険状態で、とめなければならない。こういうように、スモッグ問題というものは、いまや近代社会の中における一つの脅威にもなっておる。そこで、そういう被害者の立場では厚生省ももちろん担当するだろうし、また、気流などについては気象庁あたりもやるだろうし、また、排気等の問題については、通産省も先ほど御説明のあったような点もあるだろうと思う。しかし、どこが一体そういうスモッグ対策というものを現実に進めて、そうしてこの責任を持つのかということになると、先ほどの公害問題と同じように、なかなか複雑多岐な問題だと私は思うのです。そこで、スモッグの原因というものは一体何なのか、各省庁でこれについてどういう対策を持って、しかも調査研究ができておるか。研究の結果は一体どうなのか。その研究をしたならば、それに対する対策というものは一体どうなっているのかということがないと、私は、やはりあれは自然現象だなんというようなことで逃げられたのでは、これからの文化社会の中では意味がないと思うのですよ。産業のためにも大きなマイナスになるし、それから国民の生活問題にも影響を与えるわけですから、そういう点で各省庁がひとつ取り組んでもらいたい。 そこで、とりあえず次回に、一体これはどこがどういうことをやったのだ、どこまで研究が進んでいるのか、対策はどうなのかということを当委員会に報告をしてもらい、できたならば、その資料を提出してもらいたい。これは各省庁あると思う。そういう点を、私はきょうどなたというわけにもいかぬが、とりあえず政務次官の堀本君がここにおりますから、堀本政務次官から関係各省に連絡をとって、それで委員長の手元まで資料を提出してもらい、説明を次の機会にしてもらいたい、こう思うので、きょうは時間の関係がありますので、資料要求だけしておいて終わりたいと思います。委員長から、その点について確認をしておいてもらいたい。
○政府委員(堀本宜実君) 大気汚染対策の問題について、いろいろとございます。通産省におきましても、工場アパートでございますとか、あるいは公害防止のための共同処理場でございますとか、あるいは公害防止の設備のために公害防止事業団を設けて、明年度は六十億の予算を計上しておりますけれども、そういういろいろなことが各省にあろうかと存じます。それを早急に各省に伝達をいたしまして、資料をつくらせるようにいたしたいと思います。
○委員長(横山フク君) 委員長からもお願いいたしますが、運輸省関係では気象庁のほうも御関係があると思いますし、なお厚生省の橋本課長からもお願いしたいし、堀本次官からも、ここに出席以外の省庁で連絡のつくところは立地部長と御相談の上、お願いしたいと思います。 他に御発言もなければ、本件の質疑は、本日はこの程度にとどめます。 本日は、これにて散会いたします。 午後一時十九分散会