産業公害対策特別委員会 第6号
- 発言数
- 75 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1966/03/18
会議録
○委員長(横山フク君) ただいまから産業公害対策特別委員会を開会いたします。 産業公害対策樹立に関する調査を議題とし、まず、公害行政の責任体制に関する件の調査を進めます。 御質疑のある方は順次御発言を願います。 なお、政府側からは、安井総理府総務長官、上原科学技術庁長官、佐々木厚生政務次官、舘林厚生省環境衛生局長、堀本通商産業政務次官、馬場工場技術院長、鈴木経済企画庁水資源局長、高橋科学技術庁研究調整局長、橘科学技術庁資源局長が出席いたしております。
○瀬谷英行君 前回の委員会で、公害対策特別委員会としては問題がたくさんあるのですけれども、一体どこが中心であるか、つまり、役所で言えば、どこの官庁が公害対策については中心になってやるのかというところが、どうもはっきりしなかった。その点を明らかにしていかないと、今後この委員会を開いて問題をいろいろ審議しても、どうもぐあいが悪いのじゃないかということを考えましたので、きょうは、総理府総務長官をはじめ、各省の方に出ていただいたわけであります。 そこで、あらためてお伺いいたします。公害行政の責任体制ですけれども、政府機関としては、どこが中心になって、所管大臣はだれになるのか、もし、きまっていないとすれば、だれになるのが至当と考えられるのか、その点からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(安井謙君) お話のとおりに、この公害対策と申しますと、各部門にわたっておりまして、どこかの省でこれを一つにとりまとめるということは非常に困難だと思います。御承知のとおり、大気汚染につきましては厚生、運輸、あるいは水質汚濁につきましては、これはまた経済企画庁、運輸、厚生、また地盤沈下については通産、建設、騒音については通産、運輸、建設、警察、その他評験研究調査の機関としては、科学技術庁その他で、それぞれの部門を担当してやっておるような次第でございまして、どこが主管に相なるかということになりますと、それぞれの専門部門に責任をもって御検討なり施策を願うという形になっておりますので、なかなかこれは申しにくいかと存じますが、ただ、その間のいろいろの連絡調整をやるという意味におきましては、内閣に公害対策推進連絡会議というものを設けておりまして、総務長官がその議長という資格でこの会議を進めて、全体の連絡調整に当たっておる、こういう仕組みになっております。
○瀬谷英行君 いままで対策としては公害対策推進連絡会議というものが設けられてきたということでありますけれども、じゃ、どういう構成で、いつ発足をして、その性格と権限がどんなものであって、今日までどんなことをやってきたのか、また成果はどういう面であがっておるのか、あがらなかったとすればその原因はどこにあるのか、これ一ぺんに聞いても無理かと思いますが、一つ一つお答えをいただきたいと思うのであります。
○国務大臣(安井謙君) 連絡会議は、先ほど申し上げましたように、会長が総理府総務長官ということになっておりまして、委員は、総理府の総務副長官及び関係各省の事務次官をもってこれに当てております。さらに、局課長クラスの直接担当者をもって幹事会というものをつくっております。昭和三十九年の三月に、閣議決定に基づいてこれが発足をいたしたわけでございまして、まあ従来、何回にもわたりまして、そういった会議を続けてきておるわけでございます。最近は、先ほど委員長から非公式でお話のこざいました、この排気ガスの問題、そういう問題につきまして特に重点的にこれを進めていこうという会議を持っておるわけでございます。また、河川汚濁等につきましては、いままでの各省の政策によりまして相当な実績をあげてきておるかと思っております。
○瀬谷英行君 相当な実績をあげられたということでありますけれども、今日、公害問題は日本国じゅう、ありとあらゆるところで非常に重要な問題になってきているわけであります。この対策のほうよりも、公害そのもののほうが、はるかに先行して、深刻な問題になってきているような気がするわけなんです。でありますから、やはり各省にまたがって連絡調整機関でもっていろいろ協議をしておるというだけでは間に合わなくなってきているんじゃないかという気がするわけなんです。そうなってくると、どこかが中心になって、予算なり権限なりというものもある程度持って、積極的に公害対策に乗り出さなければならないのではないかという気がするわけです。その点で、現状のままでよろしいのかどうか、責任体制をもっと強化する必要がないのかどうかという点が、われわれとしても、どうしても心配されるんでありますが、その点はどうでありますか。
○国務大臣(安井謙君) お話のように、公害の対策より公害そのもののほうが先行しておるじゃないかというお話も、これは非常にごもっともな点もあろうかと思います。また、公害の発生の原因につきましては、なかなかこの原因究明が完全にできていない部分も相当ございまます。また、ありましても、この対策について、これならどんぴしゃでいけるという確定した対策もまだ立ってない。たとえば排気ガスの問題にしましても、これならもうオール・マイティだという対策は、実は残念ながら、まだ確立されていないという状況でございます。したがいまして、もう少し、政府あるいは内閣全体として、強力にこれを推進する機構が必要じゃなかろうか、こういう御意見に対しましても、私どもも十分に考えていかなきゃなるまいと思っております。しかし、まず第一には、いまの推進連絡会議をフルに活用しまして、各省がそれぞれ責任をもって専門的な知識によってこの解決をはかっていく。これを、各省の公害対策一般というような形で何か特別のまとまった組織を持ちますことが、はたしてこの問題の十分な解決になるかどうか、この点にはまだ相当研究を要する余地があるんじゃなかろうかと、かように考えております。
○委員長(横山フク君) ただいま竹下官房副長官も出席いたしております。これを皆さまに御報告いたします。
○柳岡秋夫君 この行政の一元化につきまして、私も昨年の四十八国会で、公害防止事業団法の審議の際に、佐藤総理に対して質問いたしております。そのときの佐藤総理の答弁は、いまちょうど安井総務長官が言ったのと同じようなことを言っておるわけですね。しかも、ちょっと違うのは、公害対策推進連絡会議において十分現状把握あるいは将来のあり方等を見きわめて、早急に公害基本法をつくるかどうかという問題も含めてやっていきたい、こういうことを答弁しておるわけです。ところが、いま総理府総務長官は、三十九年の四月にこの会議を発足さしたと言われておりますが、その議長はまあ総理府総務長官ですが、会議の開催は一体どのくらいやったのか、具体的にお示し願うとわかると思いますけれども、そうした総理の緊急に取り組まなければならないという考え方に基づいての連絡会議の運営は、おそらくやっておられないのではないか、こういうように私は思うのですけれども、一体三十九年にこの連絡会議は何回持っておりますか。
○国務大臣(安井謙君) その回数等につきましては、関係政府委員から御説明申し上げます。 私いま申し上げましたのは、連絡会議だけではなかなかオール・マイティのような形で解決はできないという心情を赤裸々に申し上げたわけでございまして、佐藤総理が言われております、しかしこれはどっかでまとめる機関があって、それが中心になってこれを強力に推進していかなければならないじゃないかと、これはもう私どもも十分にそういうふうに考えております。また、昨年の末におきましても、特にこの連絡会議を中心にして強力に進めろという総理の指示もあったわけでございまして、そういう意味で、私ども今後も十分に、いま御指摘のような問題を強力に進めていくつもりでやっております。 何回やったかと、これは、いままでに十四回開いております。昭和四十年十二月三日に騒音対策を中心にやっておるわけでございますが、しかし、あの当時問題が出まして、特にいま委員長も御指摘になった排気ガス、この問題については、早急にさらにやらなければならぬじゃないかということで、公式の推進会議じゃございませんが、各省それぞれの関係者にお集まりを願って、排気ガスの問題についての検討を昨年からことしの初めにかけてもやっております。そしてさらに、私どもこの問題に特に集中をして、近い将来までに何か検討ができるという方向を見つけ出したいと思って目下努力中でございます。
○松澤兼人君 いま柳岡君から、回数について質問があったわけなんですが、私は、その議題――どういうことが議題になったか、それがどういうふうに処理されたか、今後この連絡会議というものの活動が期待できるかどうか、そしてまた、それがもし順調にいかないならば、これにかわるべき内閣としての機構を考えていくべきじゃないか――もちろん長官からでなくとも、幹事か事務局長みたいなものがいらっしゃるはずなんですから、一々議題となった点を、そしてどういうふうに処理されたかという点を明らかに、まあ事務的でけっこうですから……。
○説明員(荒川英夫君) 総理府参事官の荒川でございます。ただいま長官から御説明申し上げましたとおり、三十九年の閣議決定に基づきまして設置されたわけでございますが、そのもとにいわゆる幹事会というものが設けられまして、その幹事会におきましては、騒音、振動というものを当面取り上げるということで、過去十四回にわたりまして検討を続けてまいっておりますが、内容といたしましては、騒音、振動というのは一体どんな実情にあるんだろうかということ、一体いかなる対策を講じ得るんだろうかということ、それから各省でその点についてどういう研究が進められておるかという点を持ち寄りまして、われわれとしまして当面講ずべき対策というのは一体どういうものだろうか、また今後検討すべき事項はどういうものであろうかというような点につきまして検討を続けております。
○柳岡秋夫君 その推進連絡会議のあり方が、私どもの理解としては――行政の一元化をして積極的に公害防止にあたるべきではないか、こういう質問に対して、佐藤総理は、それは公害対策推進連絡会議というものがあるから、そこを中心にして根本的な公害防止の対策を立てていきたいと、こういうことなんです。いま、ばい煙防止をどうするか、排気ガスをどうするか、そういう具体的な問題であれば、これは、厚生省なり、あるいはその他の省で十分研究もしておりますし、もちろんそのことも必要かもしれませんけれども、そういう具体的な問題よりも、もっと全体的な、この公害の対策について基本的な政策をどうするかということを打ち立てるこの連絡会議でなければ、私たちが主張しておるようなものではないというふうに思うんです。しかも、その回数とか、あるいは内容についていまお話がございましたけれども、私の調べた範囲では、三十九年の四月に一回だけその連絡会議を持って、それで運営方針を協議しておる。あとは幹事会です。幹事会というのは、大体担当課長クラスが集まってやっておるのです。そして次の四十年度の予算をどうするか、騒音対策をどうするかと、こういう相談をしておるのです。こういう非常に内容のない――内容のないと言っては語弊がありますけれども、ほんとうにそれぞれの省の問題を一つにまとめて、そしてそこで基本的な公害防止の政策を打ち立てるというようなこの連絡会議の性格になっておらないわけです。その辺が私どもが不満とするところであるし、そういうものもやはり政府としてはつくらなければいけないんじゃないかということを主張しているわけです。この点について、依然として、先ほど長官の御説明を聞いておりましても、去年の通常国会と同じような答弁であり、その域を脱しておらないわけです。いかに政府がこの公害の問題について積極的なかまえをとっておらないかということを私は遺憾に思うのです。そういう点、これは長官ばかり責めてもしようがないんですけれども、ひとつ、きょう御出席の責任者に、それぞれ御意見をお聞きしたいと私は思うのです。
○近藤信一君 関連して。 いま柳岡委員からも言っておりましたが、三十九年三月にこの連絡会議が発足した。そして、もうこれ二年になるわけなんです。そういたしますると、その間の連絡会議は一回やって、あとは幹事会をやっておる。しかし、これは対策だけであって、二年かかって、まだ具体的な対策は立っていない。これまた私はおかしなことじゃないかと思うのです。今日、産業公害ということは、もういま始まった問題じゃないと思うのです。これはもう、産業が発展してくれば、だんだんとそういう公害が出てくることは必然的なことでございまして、通産省ではやはり通産省としていろいろと対策を立てられておるのですが、たとえば地下水のくみ上げによる地盤沈下の問題があるし、工場の廃液の問題等、これは、通産省は通産省としていろいろな対策を立てられ、また農林省は農林省として、いまいろいろと問題になっていますところの農薬の問題が出ておる。また、経済企画庁は経済企画庁なりでそれぞれの問題がある。運輸省は運輸省として排気ガスの問題がある。こういうふうに、いろいろと各省にわたって、そういう公害が実際上もう起こっておる。それをどうなくしていくかということが、これは各省で考えていかなきゃならぬ問題だろうと思うのです。 そこで、いま柳岡委員から、各省の責任者からそれぞれ答弁をせよ、こういうことでございますから、私も、各省は一体どういう具体的な対策を持って、それに対するところの予算の裏づけは一体どうなっておるか、こういう点を各省からそれぞれひとつ具体的に答弁をしていただきたいと思います。
○柳岡秋夫君 それは近藤先生の質問に対して答えていただきますが、やはり焦点を合わせていただきたいと思うのですけれども、行政の一元化あるいは責任体制を明確にしていくということについて、政府としての考え方が一つも去年から進歩しておらない、前進しておらないというところが不満なんです。そういうところを、総理大臣が来れば一番いいのですけれども、総理を呼ぶわけにもいかぬと思いますので、大臣でも……。
○国務大臣(安井謙君) いま御指摘の、推進連絡会議が総合的な対策を樹立する機関として非常に不十分な活動しかしていないじゃないかという御指摘は、私も率直に、ごもっともだと思います。そこで、それじゃこれはどういう形で実績を上げるかという問題は、なかなかむずかしい問題があろうと思います。それぞれ専門的な知識を要します。専門的な責任、解釈というものがありまして、やはり近藤さんの御指摘のような地盤沈下に対しましては、工業用水をやる、あるいは水質汚濁については工場の廃液をきれいにする、あるいは煙突のばい煙の浄化装置をやる、これも、いままで各省で熱心に実際問題を遂行してきている。また、ある程度まで相当の効果をおさめていると思いますが、全体としてまだ十分な対策になっていないじゃないか、あるいは総合的な対策が立ってないではないかという御指摘につきましては、私どももその欠陥を認めざるを得ないと思います。したがいまして、そういう組織が今後どうあるべきか、私ども、さらにきょうのような御指摘にもかんがみまして、推進連絡会議でもう少し根本的にこの対策を考えて、さらに要望の線に沿うように善処していきたいと思います。
○植木光教君 先ほどからお話を聞いておりますと、連絡会議というか、その性格が非常にあいまいであり、法律的な裏づけもない。したがって、権限も明確でない。具体的な公害対策については、各省でいろいろ専門的に対策を練って、そうしてそれを持ち寄って総合的に会議できめるというのもいいのでありますけれども、まず、先ほど来問題になっているのは、会議というものの性格をもっと明確化する、あるいは法律的な裏づけを持たせるというようなことでなければ、責任体制が確立しないじゃないか、そういう考え方でいろいろ御質問が出ていると思う。むしろこの際、責任体制を一元化し、確立するためにはどうすればよいかということについて連絡会議などで検討せられることが、まず第一番に必要じゃないかと思いますが、その点について御見解をお聞きしたい。
○国務大臣(安井謙君) 御指摘のような問題、これを法律化した一つの制度として、組織として考える必要もあるのではないかということも、私ども十分考えなければなるまいと思います。そういう問題を全部ひっくるめまして、まず連絡会議で検討いたしまして、今後ひとつ前向きの何らかの結論を出したいと思っております。
○瀬谷英行君 近藤さんからさっき質問がありましたが、一体各省でどのくらい予算を使っているかということなんでありますが、たとえば、公害対策推進連絡会議というものができ上がって、二年ほどたって、十四回会議を開いていろいろ相談をした。その相談の結果じゃ関係各省ではどの程度の予算を用いて、どういう組織、機構で仕事をやってきておるのか。これは各省別に、きょうは厚生、通産、科学技術、経済企画、農林ですか、それぞれ見えておると思いますから、各省別にひとつ御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(堀本宜実君) 通産省といたしましては、公害現象の発生源が企業の活動によりまして発生をするという、通商産業省の固有の仕事、いわゆる産業というものから発生する公害というものをやっておる。これに対する監督でありますとか、あるいは指導でありますとかいうものをやっておる。そうして、総合的な、ただいまの皆さんの御意見がございました対策を総合的に審議する機関が必要ではないかということにつきましては、ただいま安井総務長官がお答えになりましたように、ただいまの段階といたしましては、きわめて複雑多岐にわたる問題で、まだ産業公害というものの本質を十分きわめていないというようなうらみがあるのではないかというふうに考えて、その原因の究明ということにいま取り組んでおるという段階でございましょうが、将来は、やはり総合的な、しかも効率的な審議を、窓口を一本にいたしまして進めてまいるために、何らかの、この連絡会議の強化の問題でありますとか、あるいはその他の考えで、これを強力に進めていくような考え方を持たなければならないであろうというふうに私は考えます。その点については、十分に研究をすべきものであろう、こういうふうに考えるのでございます。 なお、予算についてでございますが、産業公害の予算全体を四十一年度で申し上げますと、七千四百九十四万円余でございまして、大体七千五百万という予算でございます。それから、工業技術院に大型プロジェクトによります研究施設といたしまして、五億七千百十七万一千円、五億七千万余りの予算を組みまして、排気ガスの除去に対しまする研究を今年から始めていくということに決定をいたしておる次第でございます。
○国務大臣(上原正吉君) 科学技術庁といたしましては、産業公害の中の各省庁に広く関係のあるものを選びまして、そして科学技術庁が持っておりまする予算のうち、この予算の中に実は特別研究調整費というのがございまして、各省庁に関係のある事柄を試験研究いたしますのに、その調整費を各省庁に配分して、そして御研究をいただいたことを総合いたしまして結論を出しておる、こういう手続でやっておるのでございまするが、これは、産業公害だけでなく、あらゆる試験その他研究に配分されますので、産業公害に支出されましたものだけを申し上げますと、昭和四十年度に六千二百万円支出いたしまして、公害研究をやっております。 その一つは、スモッグ現象の解析に関する総合研究、これに一千万円を投じまして、科学技術庁の研究所とそれから運輸省とで協力してやってまいっております。それから大気汚染防止に関する総合研究――スモッグだけでなく大気汚染、スモッグの現象が起こらなくても、この大気汚染というものが相当ひどくなっておりますのは御案内のとおりでございますので、この大気汚染防止に関する総合研究、これに一千八百万円を支出いたしまして、科学技術庁と厚生省と労働省と農林省、それぞれの研究機関で研究いたしております。それから騒音・振動防止に関する総合研究、これに一千七百万円を投じまして、科学技術庁、厚生省、労働省、この三省庁で研究を重ねてまいっております。それから新潟の水銀中毒、例の水俣病が新潟に発生いたしました。これを研究いたしますのに一千万円を投じまして、科学技術庁と厚生省と農林省と三省庁でそれぞれ分担して研究しております。それから沿岸埋め立てに伴う廃水拡散に関する総合研究、これを取り上げまして、これに七百万円を投じて科学技術庁、通産省、運輸省と、この三省庁で研究を重ねてまいっております。 それから昭和四十一年度、来年度でございますが、大気汚染防止に関する総合研究、これに三千五百万円を投ずる予定でございます。お願いします研究機関は、、科学技術庁のほかに、厚生省、労働省、農林省、運輸省、各省庁に御研究を願う予定になっております。それから騒音・振動防止に関する総合研究、これに千二百万円を投じまして、科学技術庁のほかに、厚生省、労働省、両省にお願いして研究していただくつもりでございます。 それから、この試験研究のために委託費を交付してこの試験研究を助成する、こういうことも設置法に基づいてやっております。水質汚濁防止に関する試験研究に五百万円を、資源科学研究所という、これは財団法人でございますけれども、ここへ支出して研究を願っております。これは四十年度で、四十一年度も同額、五百万円を投じて、資源科学研究所で、この水質汚濁防止に関する研究を続けていただくことになっております。 そしてまた、これらは、まだ全部結論を得ていないと、こういうことでございます。たいへん進捗がおそいのですが、試験研究というものの性質上、簡単に結論を出し得ない。あらゆる方面から、あらゆる技術を駆使して研究し、試験を重ねてまいるので、まだ、どれも結論が出ていない、こういうことでございます。
○政府委員(佐々木義武君) 厚生省のほうは、いろいろ予算項目が多うございますので、局長からひとつ……。
○政府委員(舘林宣夫君) 厚生省におきまする公害関係の予算は、昭和四十年度が一億四千三百万円、四十一年度が二億二千百万円を計上しております。関係職員は十三名をもってこれに専任いたしておりますが、そのほかに、研究費として約四千万円ございまして、これは、国立公衆衛生院に四部、二十九名がこれに当たっております。また、国立衛生試験所が一部、十名が公害関係の研究調査をいたしております。 で、厚生省のこの予算に基づきます事業といたしましては、公害の現状の把握、したがって公害の実態調査をいたしておるわけでございまして、その内容は、大気汚染の状況、あるいは大気汚染が人体にどのような影響を及ぼしておるかというようなこと、あるいは自動車の排気ガスの現状並びにそれらによって人体がどのような影響を受けておるかというようなこと、騒音につきましても、同じく騒音の実態並びにそれらによりまして人々がどのような障害を受けておるかというような調査をいたしておりますと同時に、公害に関する各種の特発的な障害について、国立研究機関、大学等に委託をいたしまして調査研究をいたしております。また、産業集中地域並びに将来産業が集中するおそれのある地域に対しまして、将来の公害の発生を予防するための事前調査ということもやっております。また、ばい煙防止法に基づきまして、防止地域の指定をする資料の収集のために、ばい煙による大気汚染の著しい都市の現状調査を進めておりまして、その実態のいかんによりましては、通産省と共管のばい煙防止法に基づきまして地域指定を行なっておるわけでございます。また、この法律に基づきまして、特定有害物質の指定をして、その規制をいたしておるわけでございまして、その特定有害物質の実態の調査もやっております。そのほか、公害防止事業団交付金を予算上計上いたし、公害防止事業団に公害防除にかかる各種施設に対する貸し付け、融資をやらせておる。あるいは公害防止事業団がみずから防止施設をつくり、企業側に譲渡をさせるということをいたしております。 なお、厚生省設置法に基づきまして、公害審議会を置きまして、この審議会は四十名の公害関係の学識経験者をもって編成いたしまして、厚生行政にかかわる公害防止対策という観点から、公害対策の基本施策、環境の基準あるいは公害に関する試験研究の施策というものを諮問をいたし、ただいままでに二十回開催いたしてまして御意見を伺っておるところでございます。
○政府委員(鈴木喜治君) 経済企画庁の水資源局におきまして扱っております公害問題でございますが、御承知のように、工排法あるいは下水道法、鉱山保安法及び水洗炭業法、こういう法律に基づきまして、各省が、工場、事業場等の排水規制を行なっておるわけでございますが、それの基礎になります水質基準の設定を、水質保全法に基づきまして企画庁の水資源局がやっておるわけでございます。 従来、昨年までのところ、五十一の水域の調査を終わりまして、十三の水質基準の設定を終わっておるわけでございますが、なお全国的に見ますと、百二、三十の水域につきまして調査の要望がございますので、四十一年度から四十五年度までの五ヵ年計画をもちまして、その調査の促進をはかるということで予算を要求いたしました。その結果、四十一年度におきましては、現に今国会で御審議中の予算におきまして三千八百万円の調査費が計上されておるわけでございます。これによりまして、昨年まで非常に綿密な調査のみを中心にして調査をやっておりましたが、今後は、いろいろな態様に応じまして、各種の調査方法によりまして、調査の促進をはかるということで、来年度は、ことしの七水域に対しまして三十一水域程度の調査が可能になる、四十五年度までには百二、三十の水域の調査に着手しようという計画になっております。 また、水質基準の設定につきましても、ただいま申しましたように、従来は、隅田川その他非常にむずかしい川についてやってきたぜいもございますが、いずれにしましても、十三の水質基準の設定にとどまっておりますが、最近の都市河川の汚濁の激しい状況にかんがみまして、いわば都市河川方式というような水質基準設定の方式を検討いたしまして、これによって水質基準の設定の促進をはかることにいたしまして、すでに多摩川等について、そういう方式でやっております。 その他、水質保全関係につきましては、経済企画庁以外におきましていろいろ問題がございますが、特に下水道の整備が最も根本的な問題でございますので、昨年の十月に、経済企画庁長官から関係各大臣に対しまして水質保全法に基づく勧告をいたしまして、その結果、と申しますと口幅ったいわけでございますが、昨年、すでに若干の下水道関係について追加がございましたし、約五十数億の事業費によりまして、隅田川、淀川といった最も汚濁問題の激しい河川につきましては仕越し工事を認められるとともに、本年度の予算は、一般会計の予算が十数%の伸びの際に、三十数%の伸びを示しておる、こういうような状況になった次第でございます。また、そのほか、水質保全関係につきましては、そういう水質保全法の運用の促進をはかるということも問題でございますが、なお基本的な問題もございますので、企画庁にあります水質審議会に、新たに昨年の暮れに総合部会を設置いたしまして、根本的な問題の検討にも取り組んでおります。
○瀬谷英行君 各省のそれぞれの概要を聞いてみますと、研究とか調査とか、そういう面では、それぞれ相当やっておられるような気がするわけなんです。ただ、問題は実行じゃないかと思うのですね。で、いままで各省別にいろいろな研究をやったり調査をやったりしてみても、それが実施に移されない。対策が確立をして行政指導が行なわれ、いろいろと必要な施策が実行されるということでないと、公害対策にならないわけです。その点で、やはり、どこか中心がなければ、実行の面ではそごを来たすのじゃないか。そごを来たすというよりも、事実上はかどらないのじゃないかという気がするわけです。 そこで、先ほどもちょっと御答弁にありましたけれども、この公害対策推進連絡会議というのができて、それから公害防止事業というのもできた。ちょっと、しろうとが耳にすると、公害防止事業団というのは、公害防止事業団というのができると、これがすべて公害防止の仕事をやってのけるような感じがするわけであります。しかし、これが厚生省なら厚生省における一部の機関であって、予算の面からいっても、日本国じゅうの公害対策を一手に引き受けるという能力は、とうていないという気がするわけです。事実それはないのじゃないですか。たとえば、鯨の背中をこするのに、カメの子だわし一つ備えた程度のものであって(笑声)、日本国じゅうの公害対策を一手に引き受けるところまでいっていないような気がするのですね。これでいいのかどうかという問題がやっぱり出てくると思う。だから、やはり機構はいままでどおりじゃまずいのじゃないかという気がするわけです。いままでどおりのことをやっておったのでは、やはり、小田原評定と言っちゃ悪いけれども、小田原評定を繰り返すということになるような気がするのですけれども、ここでやり方を改める、思い切ってやり方を改めて、実行できるような体制をつくるという考えがあっていいのじゃないかと思うのですが、その点はどうでしょうか。
○国務大臣(安井謙君) 先ほども申し上げましたように、いまの体制のままでは非常に非活動的だということは確かに言えると思います。また、事業団にしましても、カメの子だわしほどじゃありません、くまでくらいにはいくと思いますが、非常に不十分な点、これは、たとえば仕事の面につきましても、共同作業でなければいかぬ、個々のものには適用できないとか、あるいは金利、その他資金量につきましても、まだまだ問題が非常にあるということを私ども痛感しております。 そこで、仕組みをどう考えるかという問題ですが、最初に申し上げましたように、それぞれの所管省で相当専門的にやっていただくことが必要だ。これを全部一ヵ所へまとめるということはなかなか事実上困難だと思います。それからまた、へたにこれを総合統制しようと思って、各省の仕事がちぐはぐになって、かえってやりにくくなっても、これはいけまいと思いますが、しかし同時に、いまのような機構のままじゃ不十分だという点は、私ども痛感しております。きょうは、官房のほうからも副長官も見えておりますが、私ども、内閣官房とも十分今後相談をいたしまして、この仕組みについては検討したいと思っております。
○政府委員(竹下登君) ただいま総務長官からお答えになったことで尽きると思います。私どもは、内閣全体の官房、閣議にかかる重要事項の総合調整ということが、いわば仕事でありますので、国務大臣のお方の御答弁以上に出るところはないと思いますが、ただ、ただいま瀬谷先生はじめ、御鞭撻をいただいておりますが、実際問題として、公害対策の実施官庁、これは、おもなものとして十一省ございます。また、所管事項が二十五あります。関係法令が二十四ございます。法律に基づく審議会等が九つ、他に、ただいま総務長官からお話しいたしておりました連絡会議がございます。 そこで、私どもが今日までやってまいりました関係におきましては、この連絡会議でいろいろ御議論になり、そして各省から出てまいりました、いま御審議をいただいております予算案、これを大蔵省と各省それぞれ御折衝に相なり、中間に立って、とでも申しましょうか、総合調整の機能という意味におきまして、それをまとめまして、私どもの記憶にも残っておりますが、ただいまも御議論になっておりました公害防止事業団の金利の問題でありますとか、あるいは予算の問題でありますとか、について大蔵省と総合調整の機能を発揮しながら折衝していったということが、今日まで私どもが行ないました仕事の一つではなかろうかと思っております。しかしながら、基本的に、ただいま安井大臣のお話にもございましたごとく、公害防止事業団は発足いたしましたものの、実際それだけの仕事を消化する機構、人員等も不十分であります。また金利の問題、若干の特利を設けましたものの、依然として不十分であろうかと思います。そしてまた、資金量はもとよりであります。そしてこれが融資をするにいたしましても、その相手方みずからの企業の利益というものの考慮の中にそれを押し込んでいくというか、借りたくないものに金を貸すという意味でもございませんが、いささかそうした感情も持ちながら指導していかなければならない。種々問題点が多くございますので、ただいま安井大臣からお答えがございましたごとく、内閣官房、内閣全体といたしましても、これには先生方の御鞭撻にこたえるような総合調整の機能を発揮しながら真剣に対処してまいりたいと、このように考えております。
○近藤信一君 先ほど予算、面の答弁がございましたが、各省で現在は研究調査ということに重点が置かれております。そういう関係で、各省ともたいした予算じゃないと思うのであります。しかし、この産業公害というのは、私は、いわゆる被害者と加害者という立場におるということも、これは事実だと思うのです。たとえば、重化学工業が発展してまいりますれば、生産工場はだんだんといろんな化学的な生産方式がとられていく。また、化学工場ではいろいろな廃液その他ばい煙、亜硫酸ガス、そういういろんな問題が出てきて、これは、どっちかというと加害者の立場になり、ばあっと害をばらまくのでございますから、厚生省のほうから考えてみますると、これは被害者です。これは一般国民が、その公害によって受ける被害というものがあるわけなんでありますから、それに対して、ばらばらでいろいろと研究しておるというところに、私は問題があるのじゃないかと思うので、やはり責任的な立場に立ってこれを総括して研究していく。たとえば、通産省のいまの予算のあれを見ましても、これは重点的に工業技術院が研究しておられるわけなんで、大きな予算をいま持ってやっておられます。ところが、その他を見ますると、一億以上ということになりますと、厚生省だけです。厚生省は被害者のほうの立場でやっておられるので、これに今年は二億二千万ですか、そういうような予算を持っておられる。これを一つにまとめて研究していく、また研究の段階を終えたらそれを具体化していく――先ほど瀬谷委員が言われましたように、研究調査、研究調査と言っているうちに、被害というものは、公害というものは、どんどん蔓延していく、こういうことになろうと思うのです。 さらにもう一つは、先日も報告を聞いておりまして、自動車の排気ガスからくる被害、これを除去するために今度対策を立てていかなければならぬ。そうすると、除去装置というものを今度自動車にやらなければならない、こういうことが言われております。現在、研究して、それをやっておるところもある、つけておるところもあるというお話だったのです。そうすると、いま、国際競争力、自由化した自由体制下において国際競争力等を強化していかなければならぬ段階で、たとえば自動車がそうした装置をすることによって、五万円なり六万円なりという、また費用がかさんでくるわけです。そうすると、一方では国際競争力も強化をしていかなければならぬということで生産体制というものを確立しつつあるわけであります。いま通産省では、いろいろ行政指導によって企業の合併等も促進しておられる。そうすると、一方で、そうした公害に対するところの措置をしていくと、コストが高くなってくるということも出てくると思うのです。その場合、一体、だれがどこでそれに対するところの補助政策をとっていくか、こういうことを考えなければ、この国際競力、競争していくということについては、私は非常にそこに問題が起こってくるのじゃないかと思うのですが、こういった点は、一体内閣としてどういうふうに考えておられるのですか。
○瓜生清君 関連。先ほどの安井総務長官の御答弁のことでちょっとお伺いしたいのですが、私、衆議院の産業公害対策特別委員会に出されたこの資料を、いまちょっと見たのですけれども、予算面で、たとえば水だけをとりましても、水質調査は総理府の予算の中に入っている。それから水質の汚濁対策というのは厚生省、農林省、運輸省、建設省、これだけ項目がある。それから工場排水処理対策については通産省の所管になっている。こういう、水一つ考えてみましても、予算がいろいろなところに出ているので、われわれしろうとが考えましても、先ほどの公害対策の機構というものは、何とか、やはり、いまの近藤委員のお話のように、一本にまとめるほうがいいのじゃないかというような気がするわけですけれども、先ほどの安井総務長官のお答えでは、むしろ、いまそれぞれ各省に分かれておりますそういう関係部署というものはそのまま残しておいて、先ほどの総理府の総務長官が議長になっている推進連絡会議ですか、こういうものの機能というものを強力にするというようなお考え方のほうが強いように思うのですが、その点いかがですか。いわゆる一ところにあれして一本にまとめるということよりは、それぞれの各省に散らばっておるものの上にその推進連絡会議のようなものがあるわけですが、それの力というものを強めていくという、この二つの行き方があるわけですね。総務長官の答弁を聞いておると、どうも後者のような気がするのですが、そういう解釈でいいかどうか、お答え願います。
○国務大臣(安井謙君) これは非常にむずかしい問題だと思うのでありまして、総理府のほうへ予算で計上されておりましても、これは総理府が官制上予算を持っておるということでありまして、実際の実働機関る総理府が指揮命令してやっておるという実情じゃないわけでございます。しかし、試験研究機関というものをなるべく総合的に統合して効果あらしめるほうがよろしいということは、私そのとおりだと思うのでございますが、同時に、それぞれの専門分野がございます。それぞれの機関と制度を持っておるところで十分な能率をあげて、それをさらに総合的にやっていくほうが、よりいいのじゃなかろうかというふうに考えておりまして、この扱い方については、いろいろ、いま近藤さん、瓜生さんからも御指摘がありましたように、そういう線でもって、ものを早急に検討してみる必要があると思いますが、まあ、ちょっと一方的にきめかねる点がかなりあろうかと思います。
○瀬谷英行君 いままでの各委員の質問に対する答弁を聞いてみましても、公害対策ということになると、どこが中心かわからないのですよ。それで、総理府総務長官がマネージャーというところです、立場から言うと。マネージャーはいるけれども、キャプテンがいないわけですね。だから、この問題を取り上げるとなると、全部の各省大臣を予算委員会みたいにそろえないと、話ができないということになってしまう。総理府総務長官としても、あなただって公害対策が主たる仕事じゃないわけでしょう。言うなれば、もう片手間なんでしょう、総務長官の仕事の中の。各省の片手間仕事の寄せ集めが公害対策ということに現状ではなってしまっているような気がするのです。この片手間仕事の寄せ集めでは、今日のような進んだ公害をどうやっていくかということが、できるかという疑問が生じてくるわけですね。だから、そこでこのキャプテンをはっきりさせなければならないのじゃないかという質問が出てくるわけです。 それで、この推進連絡会議というものは、いままでお聞きしたところによると、二年たっておるけれども、実施の面では推進連絡会議が権限を持っているわけでもないようであります。調査なり研究は、それぞれ各省において別々にやっておるという感じなんです。推進連絡会議なるものは、各省事務次官を集めて相談をする、困ったものだという話をする、簡単に言えば。だけれども、じゃどうしたらいいかというきめ手が出てこない。柳岡委員から質問がありまして、たとえば当面の対策を今後どうするというような御答弁がありました。それじゃ、身がないじゃないかというふうに言われておるのであります。機構があって、その身がない。機構なり組織だけはあるけれども、どうも中身がない。山吹の花みたいなことになるわけですよ。できているものは、小田原評定じゃないけれども、おしゃべりばかりする場所だ。具体的にこれをやろうじゃないかといって予算的な裏づけを持って強力に推進していく中心がない、こんな感じがするわけですね。だから、そこでどこかが中心になって積極的に公害対策を推し進めていく機関がやはり必要じゃないか。各省別の機関、調査機関はあってもいいけれども、公害対策については責任を持つ、片手間じゃなくて、私が中心だというところがあっていいんじゃないか、こういう気がするのですよ。それは一体だれが適任なのかということも明らかにしていいんじゃないかと思う。たとえば科学技術庁長官といったようなところが。通産でもないし厚生でもない。どらも、ひまだからというわけじゃないけれども、わりあいとむずかしい、わけのわからない仕事を、原子力やら何やら、そういうむずかしい仕事じゃ、どうせひまだろうから、公害対策なんというものをやれば、ちょうどいいのじゃないかということになるから、今度は科学技術庁長官が中心になるということでいいと思う。厚生省にしたって、通産省にしたって、公害対策というものは主たる仕事というふうには見られないわけです。まあ、片手間までいかなくても、どの程度の片手間かは別として、主たる仕事ではないということは、はっきりしておるわけです。その点で、やはり中心をこしらえて、さっそくこの問題に積極的に取り組むという姿勢が私は必要じゃないかという気がするわけであります。だからその点、もし検討をされるならば、本気になって早いところ結論を出して、現状のような機構でよろしいのかどうかという点を検討したならば、積極的に取り組める体制を打ち立てる必要があるのじゃないかというふうに私は思うのです。だから、総理府総務長官にはさっきお聞きしましたが、きょう見えておる中には科学技術庁長官も見えておる。原子力の大臣がお見えになっておりますから、大臣の資格でもって、じゃおれがやってやるという気があるならば、そういうふうに言ってもらうし、あらためて別の考え方があるならば、その点もひとつこの際聞かしてもらいたいと思いますが、どうでしょう。
○国務大臣(上原正吉君) お話をだんだん伺っておりますと、それからまた総務長官の答弁を伺っておりますと、このままではいけないから何か専門の責任者が設置されたほうがいい、置かれたほうがいいと、こういうふうに聞こえます。それで私も、このように産業公害というものが激しくなってまいりますと、そういう必要があるのではないかとも考えておりますけれども、また一方から言いますと、公害と申しますものは、公害一つ一つみな原因が違い、それから対策が違うわけなんです、一つ一つについて。そしてまた、所管省が一つ一つ違っているわけなのでございます。その所管しておる省庁の研究所、試験所は、自分の所管の研究、試験についてはベテランをそろえて、予算も持って、スタッフ、施設も持っているわけでございまして、そういう施設を持っておるところで有能なスタッフによって研究をされないと対策が立たない、適切な対策が立たない、これもまた実情なのでございます。そこで、それをいかに調整していくのが公害防止に最も役立つか、こういうことになるのではないかと思うのでございます。 まあ一例をあげますると、たとえば、いま問題にされておりまする農薬によりまする水銀中毒がある。起こるおそれがある。これがそろそろ常識になってきたようでございまするけれども、そういうことはいままでだれも気がつかなかったので、ありはしないかということは考えておりましたが、どれほどのものかということはだれも知らなかったので、それが研究され試験されて初めて、これは捨てておけないと、こうなってくるのでございます。それからまた、新潟の地盤沈下も石油を掘るためではないか、こういうことはずっと前から言われておりましたが、石油を掘るためであると断定するだけの資料が得られない、証拠があがらない、こういうふうなことで、なかなか進捗しなかったのでございまするが、これは科学技術庁が試験しまして、どうも石油を掘るために違いないというふうな結論を下しまして対策が講じられてきた、こういう歴史もあるわけなのでございます。それぞれ各省庁に専門の研究者がおり、試験研究機関があるのでございまして、一カ所で責任を負うということも、なかなかむずかしいことではないかと思うわけでございます。 そういうわけで、まあ科学技術庁などは、ごく新しい役所でございまするから、試験研究の施設、スタッフ、こういうものにも十分だとは言えないのでございます。担任しておりまする、たとえば原子力であるとか、そういうもののスタッフは、かなりそろっておりまするけれども、何でも持ってこい、こういうことには、なかなかなりがたいのでございまして、ですから、まあ一がいに、だれか、どこかが責任を負って一手で引き受けろということにも困難があるように思いますので、これは総務長官が言うように、みな集まって閣内でも相談をいたしまして、新体制を打ち立てる、あるいは固める、こういうことが必要なのではないかと思っております。総理がかつておっしゃったように、それぞれの受け持ちの省庁でそれぞれの受け持ちの仕事を片づけてまいるのが、これが一番能率的ではございまするけれども、それだと、またそれだけの欠陥が生じてくるわけでございますので、どういうのがいいというのは、よく研究しなければならないと思います。 それからまた、公害と申しますものは、どれほどの害があるかということが何より先に大事なのでございます。たとえば、水質が汚濁する、水質が汚濁するとどれほどの害があるということを調べないと、そのほんとうの対策は立たない、こうなるわけでございます。濁っておっても、がまんすればいいということもありましょうし、あまり濁らなくても害があればがまんできないということになってきますから、どれほどの害が実際にあるのかということをまず調べ上げなければならぬ。そうなると、そのどれほどの害があるかということを調べ上げるのはたいへんなことになるわけでございます。そういうことを科学技術庁が引き受けても、全然スタッフがない。設備もない。そこで、人体にどれほどの害を及ぼすかということになると、専門である厚生省のお働きを願う以外に方法がない。こうなってくるのでございまして、なかなか簡単には片づかないのでございまするが、しかし、こうなってきますと、片づかないと言うだけでは片がつきませんから……。
○柳岡秋夫君 各大臣のお話を聞いておりまして、行政の一元化について、当然その衝に当たるべき公害対策推進連絡会議というものが不十分だということを認めていると思う。この「政府の窓」という昭和四十年五月一日号ですか、これには、「これら各種の対策が相互に矛盾なく、効率的に行なわれるために、総理府に「公害対策推進連絡会議」が設けられ、関係行政機関相互の緊密な連絡調整が図られている。」と国民に対して宣伝しているのです。こんな宣伝は、私はやるべきじゃないと思うのですね。ほんとうにできていないからこそ、私たちが、どうやって公害防止をすることができるかということを討議しているわけですけれども、こういうごまかしの宣伝をして、国民に、いかにも積極的に公害防止策をやっているようなことを私は言うべきじゃないと思う。一つ、そういう点を注意しておきたいと思うのです。 それからもう一つ。いままでのお話を聞いておりますと、何か、公害防止対策というものについての考え方、基本というものをどこに置くかということについての考え方の相違が私はあるような気がするのです。というのは、私たちは政治をやっているのですよ。政治というのは、何かといったら、健康な国民生活を守る、これが基本でしょう。そうであれば、当然、国民の健康を守り生活を守る、その主体を、責任をどこに置くかということに尽きるわけです。いまの公害防止対策というものは、発生源を対象にして対策ということを考えていると私は思うのです。それではならないと思うのです。発生源を対象にした対策ならば、それは各省庁に分かれることはあたりまえですよ。そうじゃなくて、私はやはり、公害防止のほんとうの積極的な、基本的な政策を立てるというならば、国民の健康を守り生活を守るというところに主点を置けば、私は、厚生省あたりは、これはさっき片手間の仕事だと言われておりましたが、そうじゃなくて、ほんとうに厚生省が中心になって公害防止の基本対策を打ち立てるべきだと思うんですよ。 で、厚生省は、公害審議会を昨年発足させて、公害基本法の諮問をしておりますね。これは一体どういうことなんですか。いまの行政の責任の一元化との関係については。厚生省は、自分のところがその責任者だという自覚を持ってこういう政府の基本政策を諮問したのか、それとも、公害対策推進連絡会議の中で、厚生省か、おまえ責任者になれと……。したがって、厚生省でつくった公害審議会に自分たちの考えを示しまして、そうして基本の政策をつくれ、こういうことになったのかどうか。その辺の関係をひとつお伺いしたい。
○政府委員(佐々木義武君) まことにごもっともな御議論でございますが、厚生省といたしましては厚生省の守るべき分野というか、設置法で与えられた権限がございます。お話のように、国民の健康なり、あるいは環境なりを整備していくというのが任務でございますが、そういう観点からいたしまして、この公害に対しまして、省といたしましてはなおざりにできませんので、できるだけひとつ、この問題と真剣に取り組もうというので、先ほど予算で御説明申し上げましたように、相当広範囲に取り入れてやっております。しかし、それだけでは、先ほども御指摘がありましたように、研究調査という段階でございますので、一歩進めまして、もう少し前進した歩みをしたいというので、公害対策審議会を設けまして、主として環境衛生にかかわるというか、その範囲内から見ました公害に関する重要事項、並びに水道その他の環境衛生にかかわる生活環境に関する重要事項等に関して、公害が人体に危険上どうであろうか、あるいは人体にどういうふうな害を与えるか、許容の限度は一体どういうところにあるか、それに対してはどういう対策を打ち立てるべきか――これは当然厚生省のみでやる次第でもない、そうなりますれば、それぞれの関係各省相談の上、具体的対策に入るのでございますけれども、ねらいとしましては、そういうことによりまして、ただいま進めております。
○松澤兼人君 いま厚生省の関係で公害審議会という問題がありました。もちろん厚生省が、厚生大臣の諮問機関として、公害審議会というものをつくられるということは、これは妥当かもしれませんけれども、諮問事項に公害防止の基本的政策というような諮問がされておるわけなんです。ところが、一方通産省は、産業構造審議会というものをつくっていらっしゃる。その中に産業公害部会というものをつくっていらっしゃる。さっき近藤君が言いましたように、煙を出すのはどっちかというと通産省の立場、それによって害を受けるのはどっちかというと厚生省の立場なんですね。その厚生省の立場で公害審議会というものがあって、そこから徹底的に煙を出すことをとめてしまえという、もし答申が出されたとしたら、それはどういうことになりますか。法律で、ばい煙規制法というものがありますけれども、徹底的に煙を出すことをとめよという答申が出たら、これは厚生省としても扱いにくいことだと思う。一方で、通産省のほうは、産業構造審議会というものがあって、少なくとも産業を後退させない程度に煙を出してもしようがないじゃないかという答申が通産省に出てくるでしょう。さらに、水質保全法の関係では、水質審議会というものがある。そうすると、各省に一つ一つ審議会があって、そうしてそれぞれその立場から大臣に都合のいいような答申を出したとしたら、結局どうなんですか。そこが私は問題だと思うのです。 それで私は、安井総務長官にお伺いしたいことは、内閣自体が、公害全般の問題に対して、非常に力のある、権限を持った、そういう公害審議会というようなものをおつくりになるというのであれば、あるいは厚生省の立場、あるいは通産省の立場、あるいは経済企画庁の立場というものを総合的に調和した答申もでき、それによって内閣が施策を行なう、来年度予算を組む、こういうことになると思いますけれども、いまのように各省が一つ一つ審議会を持っているということでは、これまた、官庁が分かれているように審議会も分かれる、そしてまた、その結論が分かれてくるということになれば、これはもう収拾のつかない状態になると思う。 そこで、いろいろ瀬谷君からお話があり、質問されているわけで、私も直ちに結論を急ぐということはどうかと思いますけれども、いずれは内閣としては公害基本法というものをおつくりにならなければならぬ。すでに社会党も出しております。民社党も出しております。社会党の案によると、総理府に行政委員会としての公害対策委員会という、ごく少数の権限を持った委員会を設置するということになっておりますし、民社党の案によりますと、総理府の外局に公害防止庁というものをこしらえて、そこが一元的に公害の問題を取り扱うというふうになっている。で、民社党も社会党も、そういう、片方は行政委員会、片方は庁でありますけれども、そういった行政的な機関を設けなければ、現在のようなばらばらの態度ではどうにもならぬということになっておるのですから、自民党と申しますか、政府としても、その基本的な態度に対して公害基本法というようなものを当然もうお考えにならなければならぬ。その公害基本法はどうあるべきかということを立案し、諮問し、答申を求めるということは、いま申しましたように、各省ばらばらの審議会では、権限もないし、また一方、片寄る危険もありますから、総理大臣直属の、そういう公害審議会というようなものをつくらなければ、これは基本法も先へ進んでいきませんから、そういう点をわれわれは非常に重要視しているわけです。この点については、これはもう総理大臣にもまた来ていただいて、御答弁いただかなければなりませんけれども、安井総務長官の御答弁を求めます。
○国務大臣(安井謙君) お話のとおりでありまして、先ほどからいろいろ御議論いただいておりますように、各省それぞれが担当している特殊の非常に異ったものを、それぞれ審議をする必要もありますので、各省に審議会が置かれているということも必要であろうかと思いますが、同時に、これを総合的にまとめるという機構が必要であろうと思います。これは今後の問題としまして私ども十分検討していきたいし、またあるいは中間的な措置としましては、そういった審議会の合同の審議といったような運び方も、過程においては一つの方法じゃなかろうか。そういうものもあわせて考えてまいりたいと思います。 先ほど、マネージャーはおるがキャプテンがいない――ごもっともだと思いますが、いまの仕組みは、キャプテンはやはり内閣総理大臣といりような形でやっておるわけでございますが、問題は、どういうふうに効率をあげていくか。柳岡さんから。いま「政府の窓」でおしかりをいただきまして、これも私のほうの所管の一つで、はなはだ恐縮でございます。というて、政府はやっておらぬわけじゃないんです。いろいろ、たとえば下水の問題にしましても、あるいは地盤沈下に対する工業用水にしましても、あるいはばい煙防止法その他につきましても、いままででも相当な効果をあげておる施薬もやっておる二とは間違いない。ただ、御指摘のように、これが総合的にほんとうにきりっとした総合政策を立て、総合プリンシプルを立てるという機構の運営に欠けておるじゃないかという点につきましては、私ども非常にごもっともだと思っておりますので、今後前向きで検討いたしたいと思います。
○柳岡秋夫君 公害から国民を守っていくという立場に立って、その責任の体制を明確化していくということが私たちのねらいなんです。ところが、各省庁にこれがずっと分かれておりますことは、これはもちろん、私もある程度やむを得ないものがあろうかと思います。発生源に対していろいろ研究をする分野というものは違ってくると思いますけれども、それにしても、やはり基本的に、公害から国民を守っていくという場合の政府の基本的な施策と申しますか、基本的な考え方、こういうものは、やはり国民の立場に立って、国民の側に立ってやらなくちゃいかぬと思うのですよ。各省庁でこれをいろいろ考えていく場合には、たとえば通産省なら通産省の場合は、どうしたって企業の立場が先に頭に来てしまう。ですから、国民の立場に立たない。あるいは農林省にしたって同じだと思います。その他の省庁にしても、そういう生産活動というものを非常に規制するようなことはまずい、どうしても、ゆるやかな規制しかできない、こういうことになってくるわけであって、そういうことでは、私は、ほんとうにこの公害から国民を守っていくという施策というものは出てこないと思います。ですから、そういうものを、ほんとうに国民の立場に立って、公害から国民を守るにはこうするのだ、そのために、各省庁は、この基本的な理念の上に立って、それぞれの発生源に対する規制なり、あるいは技術の開発についてやれ、こういうような指令を出すところが私はなければならぬと思います。ところが、いまそれがない。厚生省は、一応そういう考え方を持ってやろうとしても、予算も少ないし、あるいはそれほどの強力な大臣がなかなか厚生省には来ない。したがって、通産大臣の三木さんや、あるいは安井さんや、その他の大臣を動かして、おまえのところはこうしなければだめだ、こういうようなところまで、歴代の厚生大臣がはたしてやれるかどうかということも、私は疑問だと思います。しかし、私はやはり、一番国民の健康を常に守っていくという仕事をしている厚生省あたりが、この音頭をとって、そして中心になって、この技術の開発にしても、あるいはその他の基準をきめるにしても、中心になってやっていく、そしてそれを全体の発生源の対策に乗せていってもらう、こういうことをやってもらわないと、ほんとうの公害の積極的な防止策とは言えないのじゃないかというふうに思うわけです。 そこで、もう一つお伺いしたいのですけれども、まあ、科学技術庁じゃなく、通産省ですか、通産省で、公害防止をするためにはどうしても発生源に対する対策が第一義的になることは言うまでもないと思うですけれども、その場合に、技術開発の面で、まあそれぞれ、通産省にしても、あるいはその他の省庁にしても、調査研究をしているわけでございますけれども、特に、先ほど言った産業構造審議会ですか、ここに諮問をして、公害防止技術の開発のために国立の研究所を設けるべきじゃないか、そして組織的に統一された総合的な研究と技術の開発をすべきじゃないか、こういう答申がなされているわけです。ところが、これに対して、先ほどの話を聞いておりますと、予算面でも、ほとんど前と変わらない。それで、公害防止対策部ですか、何か技術部かなんか、部程度を設置してごまかしているということですね。この辺の技術開発というものは、やはり法的規制をする前の問題としてやらなければならぬ重要な問題でございますから、この答申は十分尊重してこそ、私は公害に対する積極的な姿勢というものが見られるのだと思うのですが、どうしてこれは、そういう予算面における、あるいは大蔵省との折衝の中で、そういうものができなかったのだろうか、その辺のことをひとつお伺いしたい。
○政府委員(堀本宜実君) 通産省は、先ほど御指摘もございましたように、たいへん複雑な関係がございますか、国民の生活環境の保全ということは、これは第一義に置かなければならぬと思うのでございます。しかし一方、健全な産業の発達ということも考えていかなければならぬ面もございますので、生活環境の保全並びに産業の健全な発達という二つを調和できる立場で当然考えていかなければならぬというふうに考えております。 なお、ただいま後段で御質問になりました問題については、工業技術院の院長が来ておりますので、工業技術院からお答えいたしたいと存じます。
○政府委員(馬場有政君) 御承知のとおり、この四十年度のときに、私どもといたしましては、新しく研究所をつくるという計画をいたしたわけでございます。その場合に、もちろん私どもの努力が足らなかったこととも考えておりますけれども、同時に、従来のこの方面に関する研究というものを、何らかすでに少しでも芽のあるところからやってまいりませんと、うまくいかないわけでございまます。そこで、その時点におきまして最もたくさん研究上の蓄積を持っております資源技術試験所に一つの部をつくることにいたしたわけでございます。 なお、予算の、ことにこの公害関係に関しまして従来までに使いましたものは、たとえば、古いところは省略いたしまして、大体三十九年度におきましては、これは特別研究費と経常研究費と両方ございますけれども、一億四千万程度でございます。それが四十年度におきましては三億四、五千万のところになっております。それから、四十一年度のいまお願いしております予算におきましては、経常研究費、それから特別研究費、このうちの大部分は、特別研究費、それから先ほど御説明ございましたところの大型研究の委託費でございますが、それを含めまして約七億と、逐年、予算のほうにおきましては二倍になるという経過を経ております。
○委員長(横山フク君) いまの馬場工業技術院長の御答弁は、柳岡委員の質問と、ちょっと違っているように伺ったのですけれども、速記録をごらんになって、後日また会を持つと思いますので、そのときに……。
○瀬谷英行君 問題が非常に間口が広いので、簡単に結論をつけられないんですよ。そうかといって、暗くなるまでやるわけにもまいりませんから、ひとつ資料提出の要求をして、若干の質問をして、次に移ったほうがいいと思いますが、公害対策についてどういう機関が、どれだけの予算でもって、何をいつから研究をしているのが、ということを一覧表にして、資料として出してもらいたいと思う。各省それぞれ、ばらばらにいろいろのことを言われてみても、比較をして見ないというと、なかなか審議をする場合にやりにくい。各省別のお答えが出ましたけれども、これを比較をして見る必要があると思いますから、いま申し上げましたように、各省におけるどういう機関が、どれだけの予算で、そして、どういうことをいつから研究しているか、そうして、その成果がどれだけあがっているのか、政策にどういうふうに反映をしているのか、というようなことを表にしていただきたいと思うのです。 それから、こういう資料を提出してもらいたいということにしましても、たとえばどこへ注文していいのかということになると、やりにくいわけです。そこで、総理府総務長官の立場というのは、プレーヤーじゃなくてマネージャーだと思うのです、あなたの立場は、片手間であるかもしれないけれども。それで、プレーヤーとマネージャーとがあって、キャプテンは、先ほどのお話によると総理大臣だと言いましたけれども、総理大臣は総監督か監督ぐらいなところだと思うのです。やはりマネージャーでもなければ、プレーヤーでもないと思う。実際に公害対策に必要なのは、国民がいま公害という火の粉を現実にかぶっているんですね。だから、それに対する対策としては、どうやっていったらいいかということになると、各人がバケツなりひしゃくなりを持ってそれぞれ水をかけてくれ、こういうことになっているんですよ。その決定的な威力を持った消防自動車というのはないわけです。だから、国民としては、まことに心もとない状態なんですね。それだから、ともかくプレーヤーのキャプテンをどこかにきめて、そうしてその強力な実施、公害対策の実行ということをやらなけりゃならぬ段階だと思う。だから、先ほど申し上げたような資料を出していただくこと、それから総務長官の御答弁によると、前向きでもって検討したいということですけれども、前向きの検討を何年も続けたんじゃ、これは間に合いませんから、次回の委員会までに、その前向きの答えを少しでも前進した形でもって答えを出していただくように要請をしたいと思うのです。きょうのところは、これ以上何回しゃべっても、同じ答弁を繰り返すだけで、らちがあかないと思いますから、そのことを要請したいと思うのです。 それから科学技術庁長官にもう一言お伺いしますけれども、科学技術庁の性格からいって、いろいろ研究をされておるということはわかります。研究されていることはわかりますけれども、研究機関だけじゃないと思うのです。やはり行政機関だと思うのです。行政機関であるとすると、行政機関としての機能を私は持っていると思う。だから、たいへん慎重な発言をされましたけれども、研究機関か行政機関かということになった場合には、行政的な機能を十分持っているのだから、科学技術庁としても、行政機関としての機能を公害対策の面で発揮をするという能力があるのじゃないか、権限を持ってもいいのじゃないかという気がしたので、それで科学技術庁長官にも御出席を願ったわけなんですから、その点、はたして科学技術庁がキャプテンになれるかなれないか、それはわかりませんけれども、公害対策についてのプレーヤーとしての行政機関としての機能を発揮できるのかどうか、そういう能力があるかないかということも、あわせてお伺いしたいと思うのです。
○国務大臣(安井謙君) 資料の点につきましては、大至急調製しまして提出いたします。また、前向き問題も、できるだけ早く結論を得るように努力いたします。
○国務大臣(上原正吉君) おっしゃるように、科学技術庁といえども行政機関の一つですから、行政能力は十分とは言いませんけれども、あるわけなんです。その使命は、新しい科学技術の研究開発にあるわけでございまして、これを実施するのは、各省庁あるいは民間事業所、こういうことになるわけですから、十分とは言えないまでも、行政機関の一つである以上、行政機能があるわけでありまするし、この公害問題に関しましても、先ほど御報告申し上げましたように、多少のことはやっておるわけなんです。しかし、従来、ほかの役所が先発しておりまして、先ほど申し上げたように専門のスタッフがたくさんそろっておって、りっぱな研究機関をお持ちになっていらっしゃる。そういうところで専管事項としておやりになることには手を出さない。手を出せないというのが実情でございますので、現行の設置法のままでは十分行政機関としての機能は果たし得ない、こう考えます。ですから、これをどうすべきかは、窮極的には国会でおきめを願うが、それまでは政府部内でよく検討しなければならない、かように考える次第でございます。
○柳岡秋夫君 きょうは関係の各省庁の方がおそろいでございますから、最後に私は一つだけお伺いしておきたいのですけれども、そして今後各省庁ごとにまたいろいろ論議をしていきたいと思いますが、去年の国会におきましても、たとえば現在ある公害防止のための、ばい煙規制法とか、あるいは水質二法についても、非常にしり抜けが多い、ざる法だ、だからこれを十分検討して、そうして適正な改正をしてやりたいと、こういう約束をしているのですね。その経過が一体どうなっているか、この国会に出すのかどうかですね。その辺もひとつ、ここで、おそろいのところでお聞きしておきたいのですが。
○政府委員(佐々木義武君) いまの法律は、御承知のように、通産省と厚生省の共管になっておりまして、お話のように、いろいろまだ不十分な点もございますので、両省でそれぞれ資料を持ち寄りまして検討中でございます。なお、どういうことを検討中かという問題につきましては、私のほうの局長から御答弁さしていただきます。
○政府委員(舘林宣夫君) 今日、ばい煙規制法の法施行によりまして、地域指定がだいぶん進んでおるわけでございます。地域指定が進んでおりましても、なおかつ大気の汚染状況は悪くなっていく傾向にあるわけでございます。したがいまして、現在の規制法のままでは十分規制し切れないという実態があるわけでございます。その原因は何であろうかということをいま両省で検討いたしておるわけでございまして、今日の法の規制のままでございますと、個々の施設の一定の排出基準ということで規制ができましても、それらの施設がどんどんふえていくことに対する規制はできない。あるいはそれらの施設が増設拡張されることに対する規制はできないというようなことで、環境の規制の基準というようなものが必要ではあるまいかというようなことが考えられておるわけでございまして、今後そのようなことを、どう、この法律の規制に識り込んでいくかということが大きな問題でございまして、これらの点に関しまして検討を進めておるわけでございます。
○政府委員(堀本宜実君) 産業立地部長からお答えいたします。
○説明員(中川理一郎君) いまの御質問の点でございますが、現在のばい煙規制法等では、大気汚染を十分思わしいほど防止できない、改善できないというところに問題があるというふうに私どもは解釈しておりまして、その問題につきましての厚生省の御意見は、いまお話しになったようなことであります。 確かに、産業活動が非常に活発になってきておりますので、他方、この法律に基づきまして地域指定を追加し、指定施設というものを広範囲にとりまして、さらにはまた、有毒なるガスの種類等も逐次規制を強化するという角度で追加しておるのでございますけれども、実態としての大気汚染というものが、工業活動の活発さから来ます問題もございまして、必ずしも十分なところへ来ていない。そこで、それが解決できないという事柄は、法律そのものの問題ではございませんで、通産省の考え方から申しますと、的確なる防止技術が確立していないからであるというふうに私どもは理解しておるわけでございます。したがいまして、先ほどから政務次官、工業技術院の院長からお答えいたしましたように、有効な防止施設の技術というものを開発することに、いま通産省は一生懸命になっているわけです。困るという実態があり、それを規制するという考えがございましても、これを的確に防止するための技術的な問題が解決されていない状態では困ってしまうわけでございまして、この点、一刻も早く技術問題を解決する、できれば私どものほうの立場としては、これが有効な防止施設として確立されるのが望ましい。そのために、いま大気汚染の防止ということにつきましても、通産省の関係の試験研究機関、さらには民間の研究能力まで動員いたしまして、大々的にこの問題を解決いたしたいと思っておるわけでございます。 法律そのものの問題といたしましては、先ほど厚生省からございました環境規制基準の問題もございましょうし、その他二、三検討しているものがございますけれども、より大きいのは、技術の開発を一日も早く促進するということじゃなかろうかと考えているわけでございます。
○委員長(横山フク君) 本問題につきましては、各委員の御発言のお申し出が多々あることでございますし、とうてい御満足する御答弁を政府側から得られないことは、よく委員長としても了承するわけでございますが、先ほど委員長・理事打ち合わせ会で打ち合わせしました時間もはるかに過ぎておりますので、本問題につきましては、本日はこの程度にとどめまして、いずれ次回になお慎重に審議するということにして、御協力を願いたいと思います。 ―――――――――――――
○委員長(横山フク君) 次に、自動車の排気ガス対策に関する件の調査を行ないたいと思います。 御質疑のある方は順次御発言を願います。 なお、本件につきましては、政府側から宮田運輸省自動車局整備部長、綾田警察庁交通局交通調査官が出席いたしております。
○植木光教君 時間がございませんから、簡単にお聞きします。 厚生省がこの自動車排気ガスの人体影響調査を行なわれ、その報告書が手元に届いておりますので、厚生省にまずお伺いいたしますが、自動車の排気ガスが死の排気ガスである、人体に影響ありというふうに断定できるくらいの調査が行なわれたと思うのでありますが、その点について、要点を要領よく、ちょっとお答えいただきたいと思います。
○政府委員(舘林宣夫君) 先般、厚生省が自動車の排気ガスの現状並びにそれが人体に及ぼしております状況の調査をいたしました要旨によりますと、この調査は、東京都内で最も自動車の排気ガスの影響の大きいと思われる個所を選んで調査をいたしたわけでございます。すなわち、七環と甲州街道が交差をいたします地点を選んだわけでございます。その結果、この交差点の中心部においては、従来考えられておった、この程度以上になればかなり人体に影響があると思われておりました基準量、これの数倍程度の濃度である、その交差点の過ぎたあたりでございますと、従来考えられておりました、これ以上では困るという基準量前後の量である、その交差点からかなり中へ入った、約五十メートル程度中へ入った住宅のところは一酸化炭素の量が相当上昇いたしている、という現状の数値があった。そうして、それらが人体に与えております影響は、これによって、目の粘膜への刺激でどの粘膜への刺激というようなものが、周囲の住民に、そういう影響のない地区に比べて、かなり多いという現状がございましたのと、従来大阪等において調査をされました交通巡査の実情から、そういう一酸化炭素量の非常に多い交差点の中心に立って長時間勤務しておる交通巡査は非常に疲れやすい、すなわち身体的に影響がある、それらの人々の血液を調べてみた結果、血液含有量の一割以上が一酸化炭素ヘモグロビンという状況、そういうものが含有されておるということで、これは健康上適当でない状況である、かような実態があったという調査結果が得られております。
○植木光教君 ちょうど警察庁の方も来ておられますので、警視庁、大阪警察本部等で、警察官の健康管理の意味もあって調査をせられたようでありますが、その結果について御報告いただきたいと思います。
○説明員(綾田文義君) 御回答申し上げます。 警視庁におきましては、警察庁と合同で、昭和三十七年、八年、九年と、東京大学の医学部の公衆衛生学教室に研究を依頼し、大阪府警におきましては、昭和三十七年、四十年と、大阪市立衛生研究所に委託いたしまして、主要交差点の中央部等における一酸化炭素の大気汚染の状況、それから白バイ、パトカー乗員、それから交差点で整理をする交通整理の警察官につきまして、その血液中の、先ほどお話がございました一酸化炭素ヘモグロビンの濃度の検査その他肝臓機能あるいは尿等につきまして検査を実施しております。交差点の中央部における一酸化炭素の濃度につきましては、先ほど厚生省からお話があったとおりでございます。 警察官の実際の血液検査の結果を簡単に申し上げますと、大阪府警で、昭和三十七年と昨年の月並びに六、七月ころに検査をした結果によりますと、先ほどもお話のように、大体平均が血液の一割以上、一〇%以上の一酸化炭素ヘモグロビンが血液に含まれておりまして、これを勤務前と勤務後に比較いたしますと、大体勤務後は勤務前に対して倍になっております。それからもう一つは、一月、三月等のいわゆるスモッグの時期におきましては、非常にこの濃度が高くなりまして、普通、労働生理学では一四%が限度だと言われておりますが、警察官の場合は、この一四%をはるかにこえる警察官がおったわけでございます。夏季におきます実施の結果につきましては、大体都会の生活者では、この濃度は五%以下だと言われておりますが、勤務後は勤務前の大体倍になっておりますけれども、それほど高くないという結果が出ております。警視庁の結果も同様に、やはり交差点の中央部において勤務する警察官のその濃度、それから白バイあるいはパトカーに乗務しておる者はそういうふうな濃度の状態でございます。したがいまして、自覚症状も、相当いろいろ自覚症状を訴えるというふうなデータも出ております。そういう状況でございますので、街頭におる警察官の身体的な機能を落とす、非常に健康状態を悪くするということと、実際仕事をする上におきましても機敏な動作とかあるいは的確な判断とかいうものが阻害されるという観点から、こういう検査をやっておるわけでございます。 対策につきましては、簡単に御説明いたしますと、勤務体制上の問題が一つと、それからもう一つは医学対策的なものが一つございまして、勤務対策上におきましては、大体長時間とにかく勤務をさせない。警視庁、大阪なんかでは、街頭の整理は大体一時間単位だというふうに言っておりますけれども、朝晩のラッシュでは二時間連続という場合もあるようでございますが、そういう激しい交差点での長期勤務者を配置転換するというふうな問題もございます。それから、いろいろ警笛を吹く際に、非常にたくさん一酸化炭素を吸い込むということで、そういう検討の問題、それから風上に立つとか、いろいろ問題がございます。 それから医学的対策では、これは警視庁におきましても、すでに三月の十二日から実施しておりますか、丸ノ内署をはじめ、三百七十人の警察官に酸素を吸入させております。大阪府警におきましても、来年度の予算で、概算延べ三千人でございますが、予算をとりまして、実際に仕事のあとで一日数回酸素を吸入さすというふうなことを行なう予定でございます。その他、いろいろ強肝剤の投与とか、あるいは特別検診とか、うがいとか、いろいろ方法がございますが、私どもとしては、とにかくこれは抜本的な対策ではなくて、そういう警察官の健康を守り、それから実際の業務を推進するという意味においての対策でございまして、やはり根本的には、自動車から出る排気ガスを、とにかくなくするということでございまして、この点は、運輸省等におかれましても十分研究しておるようでございます。 以上でございます。
○植木光教君 いまのお話で、厚生省の調査によっても人体に非常な影響があるということがわかった。交通警察官も神風特攻隊のような姿で交通ラッシュに当たっておるというような実態のようでありますが、新聞社をはじめマスコミが交通公害を防げということで、いろいろキャンペーンを張っておる中で、読売新聞が、この間「公害私害」というのを連載をいたしましたが、この中に、大田区の北馬込の小学校で非常にインフルエンザが流行する、これは環状七号線に面しているからだというようなことで、いろいろキャンペーン一をしておるわけでございます。ところが、やはりこの同じ「公害私害」の中で、通産省の工業技術院の資源技術試験所産業公害防止技術部の研究施設ができたときに、この試験所の松本という石油部長が講演をして、「自動車の排気ガスは、大気汚染の原因にはなっていないのではないでしょうか」というようなことを言ったというようなことが書かれているわけです。通産省あるいは運輸省は自動車業界に対していろいろ指導や育成、あるいは監督もしておられるわけなんでありますけれども、通産省がこういう認識をまだ、特に試験所の部長がこういう認識を持っておるようでは、通産省の公害行政というものは、特に自動車の排気ガスについての対策が早急に打たれることを国民すべてが待っている際、非常に問題だと思うのでありますが、この点について通産省の見解を聞きたいと思います。
○説明員(中川理一郎君) ただいまのお話、実は私初めて聞きましたのですが、とうていありようのない話だと私は考えております。工業技術院長にも、いまここにいらっしゃいますので聞いてみましたけれども、自動車の排気ガスがいま国民衛生上問題になっていることは、これはだれでも御承知のことでございますし、通産省におきましても、炭化水素、一酸化炭素の問題を技術的にどう解決していくかということに一生懸命取り組んでおる状況でございますので、さようなことは、私どもは、何かあり得ないではないかと思うんです。おそらく、これから先は私の想像でございますけれども、一酸化炭素の問題と亜硫酸ガスの問題とが同時にいま世間の問題になっておりますので、大気汚染と言いましたときには、どちらかと言いますと、亜硫酸ガス問題としてとらえておるわけでございます。自動車の排気ガスの問題、これらはもちろん問題でございますので、これも問題にしておるわけでございますが、いまお聞きしただけの話では、私は、両者を区別して、対策がおのずと別でなければいかぬ、技術的な問題としては別であるということでも言ったんではなかろうかという感じがするのでございますが、これが問題にならないことであるなどということは、通産省のこれに携わっております職員のだれもが、さようなことを考えておるはずはないと信じております。
○植木光教君 いまのお話ならば、たいへんけっこうなことでありますが、運輸省の方も来ておられるようでありますので、先ほど質問の中にもありましたけれども、自動車の排気ガスを防止するためには防除装置をつけなければいかぬ。アメリカでは、ロサンゼルス、カリフォルニア州、あるいは連邦政府がそのための施策を講じておるということでありますが、一体運輸省では、この排気ガスについての研究をどの程度進めておられ、そして、それに対する防除装置その他の対策について、どのような手を打ってきておられるか、その点についてお伺いしたいと思います。
○説明員(宮田康久君) いまののお尋ねでございますが、昭和三十八年度に、私ども関係官庁と十分御連絡をとりまして、排気ガスの防止の対策の長期計画を立てました。その線によりまして、三十八年度に、科学技術庁の研究調整費をいただきまして、私どものほうの研究所に、いままでわが国には測定装置すらありませんでしたので、基礎的な測定分析装置を急遽輸入をいたしました。それによりまして、三十九年度に基礎的な各般の調査をいたし、四十年度、昨年度は、わが国でつくっております国産車につきまして、四十型式をこえたと思いますが、の基礎調査をいたしました。それによりまして一酸化炭素等の実際の排出状態を見ますと、非常にきれいなエンジンもありますし、自動車もあります。また、相当程度よごれているものもあります。と申しますのは、実は、自動車メーカー自体が、そういうような基礎的な測定装置を持っておらなかったわけでありまして、その点、国産で基礎的な測定装置ができますように、大いに関係各省とともに促進をいたしまして、昨年、国産でも十分いける装置かできました。それをいま自動車全メーカに購入させております。今年のできるだけ早い機会に全メーカーにそれを入れまして、これによりまして、それから自動車の設計それ自体、気化器でありますとか、点火装置でありますとか、その他自動車のエンジン本体につきましての改良をいたしますことによって、相当程度きれいになるわけであります。その点は、先ほど浄化装置のお話もございましたが、アメリカにおきましても、大気汚染については先輩国でありますので、長年浄化装置についての研究もいたしてきておりますが、最近におきましては、エンジンから出てきましたガスを浄化するよりも、エンジン本体で解決する、元でガスをきれいにするということが一番大切だという、ほぼ結論が出まして、各自動車メーカーは、その線で新しいエンジン開発等をしているわけでありまして、日本におきましても、やはり元をただすことが一番大切な問題でございますので、その線で、ことしの秋から来年の早々にかけて、各自動車メーカーがいま生産しております車のすべてを一ぺんにやるわけにいきませんけれども、最も重要なものから急速に、まず、きれいなガスが出るように、そういうふうな燃焼状態を得られますように、エンジンの開発を急速させるということが一番大切だと思っております。それによりまして一定の線にそろえたい、また、アメリカその他で国際的な基準設定の動きもございますし、また、国内の自動車の走行状態もいろいろ条件が違いますが、それも勘案いたしまして、一定の基準値を明確にしたい、そういうふうに考えております。
○植木光教君 いまの、四十一年の秋以降にできるだけつけさせるようにすると言われたその装置というものは、一体いまの価格で幾らぐらいするものであるか、どういうものなんであるか。
○説明員(宮田康久君) いま御説明が足りませんでしたけれども、国内でも浄化装置等の開発を、いろいろのメーカーがやっておりますけれども、信頼性、実用性の点で十分なものが必ずしもできておりません。また、アメリカにおきましても長い間やっておりますけれども、必ずしも十分でない。それよりも、先ほど御説明が足りませんでしたが、エンジン本体で、気化器、点火装置、あるいは吸入、排気管の改造、あるいは新しい空気をそこに入れるとか、いろいろの方法をとりまして、エンジンの本体での燃焼状態をきれいにする、それが本質的によろしいという方向に、いまアメリカでは来ておりまして、日本でもその線で、ぜひきれいな燃焼状態にするように、先ほど申しましたように、本年早々、すべてのメーカーに測定装置を入れさせまして、技術指導をいたしたいと考えております。
○植木光教君 いまのお話を聞くと、何か、まだだいぶ先のようなお話なんですね。たとえば、浄化装置は、アメリカの場合、ブローバイというのですか、というものを使えば二五%浄化できる、あるいはアフターバーナーというのは七五%浄化できる、そういうことで、法的には強制をしている。そういうことがはっきりしているなら、なぜ、すぐわが国でもおやりにならないのかということについて、ひとつ……。
○説明員(宮田康久君) アメリカでも、実は六八年型からは、炭化水素、それから一酸化炭素を一定の基準値以下に規制するというような案をいま出しておりますが、それは、いま申しましたように、エンジン本体の燃焼状態をきれいにして、その基準値の中に入れば、それでよろしいわけでありまして、各自動車メーカーは、その線でいまいっております。 ただ、ただいまのお尋ねに関連しまして、古い車、すでに走っております車に対しての対策いかんという問題がございますが、その点では、アメリカ――ロサンゼルスでは、これが装置の規制等もいま進めておりますけれども、米国全州での規制ということは、いま考えておらないようです。ただ、先ほどお話ございましたブローバイ装置でございますけれども、これは、エンジンから未燃焼のガス、あるいは不完全燃焼のガス、炭化水素を中心にしたガスが出るわけでありますが、これは全体の炭化水素の量の二割程度でございまして、七割以上のものはエンジンのほうから排気管を通りまして外に出るわけでありまして、こちらのほうの処置をいたしますことが一番肝要ではないかと考えております。
○植木光教君 どうも、お話を聞いておりますと、何か、いまどんどん車が走っている、毎年二〇%ずつ車がふえている、しかも、道路事情も悪いものですから、たとえば停車にしても、発進にしても、徐行にしても、たいへんな排気ガスをまき散らしている、そうして、人体にも直接的な影響を与えているということが、先ほどの報告の中でもはっきりしている。ところが、あなたのほうでは研究開発というようなことを盛んに言っておられるけれども、たとい一〇%であっても、二〇%であっても、排気ガスを浄化するという措置は、できることならば、それを即刻やるべきである。そのために法的な規制が必要であるならば、法律もつくったらいいと思うのです。そういう努力がないと、この問題、直接的にいま国民がたいへんに心配をしているところなんですから、その心配が解消できないですね。もう少しあなたのところで強い決意をこめた御答弁をいただきたいと思います。
○説明員(宮田康久君) 先ほどお話しいたしました一あるいは御説明が足らなかったかもしれませんが、根本的には、いま申しましたように、エンジン自体で……。たとえば、昨年私どもの研究所のほうで測定いたしました結果でも、炭酸ガス、一酸化炭素が一%程度のものから四%程度のものまで幅があるわけであります。そこで努力をいたしますれば、それぞれのエンジンについて一%程度までできるはずでございます。ところが、自動車メーカーは測定装置すら、いままで備えてなかったわけでありまして、その測定装置を、先ほどお話しいたしましたように、各自動車メーカーに本年急速入れさせまして、それによってエンジン自体を、先ほど申しました一酸化炭素で申しますと一%程度までに努力をいたしますことが一番肝心ではないかということを申し上げたわけであります。 それから、先ほど申し上げました浄化装置でございますけれども、アメリカにおきましても、ロサンゼルスで、実ははじめ、一型式のアフターバーナーを型式認定をしたわけでございますけれども、それがあとのテストで不十分でございまして不合格になったようなことで、ただいまのところ認定品がございません。二型式以上の指定がない限り、古い車についてのアフターバーナー等の浄化装置をつける規制はしないというロサンゼルスの法律の規制でありますので、現在はやっておりません。ただ、中古卓につきましては、アメリカの測定結果でもそうでございますが、日本の測定の結果でも、気化器の調整、エンジンの整備によりまして六割近く一酸化炭素等の有害ガスが減るわけでございまして、その点につきましては、先年、車両法を改正いたしまして、定期点検、整備の制度を義務づけしました。それによりましてエンジンの整備を励行させるように、いま大いに行政指導をやっているわけでございます。 それからもう一つ申し上げますが、たとえば東京におきましては、車齢が二年程度までの、新車に類するものが約五割でございます。と申しますのは、中古車はすべて地方に流れてまいりまして、大都市は新車のウエイトが非常に高いわけであります。したがって、私どもとしては、新車からまずきれいなガスを出すような装置をさせるということが一番大切であると考えて、その点を強力にいま行政指導をしている最中でございます。
○原田立君 先ほどから何度も説明を聞いているのですけれども、聞けば聞くほどよくわからなくなる。その規制をするのかしないのか。端的に言って、アメリカでも、一時は、そうやって規制をしようという動きがあった。現在、日本国内においても、自動車の排気ガスが非常に人体に悪い影響がある。こういうことはもう世論ですね。だから、したがって法規制をすべきだという声が非常に多いわけです。だから、それに対して一体どうなのかということをお聞きしているのです。
○説明員(宮田康久君) 先ほども申し上げましたが、私どものほうで、いま、道路運送車両法に保安基準というのがございまして、そこに抽象的な規定が実はあるわけでございますが、明確な基準はきめてございません。その基準をきめるのに、先ほど申しましたように、本年の秋から来年早々を目標に、一定の線まで各メーカーにエンジンの設計等の改良をさせまして、きれいなガスの出る燃焼状態になりますように努力をさせまして、その結果、一定の線にそろいました際に、国際的な基準、あるいは国内の実際の走っている状態――と申しますのは、アメリカで走っております状態と日本の自動車の走っております状態と、必ずしも一致しておりませんので、その辺を勘案して、一定の基準をきめまして、はっきり法規制をしたいと考えておるわけであります。
○委員長(横山フク君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(横山フク君) 速記を始めて。
○原田立君 それでは、時間があまりないようですから、厚生省から先ほど調査結果の御報告があったわけですが、その調査結果が出て、それに対する結論として、一体どういうふうにこの問題を解消していくというお考えなんでしょうか。たとえて言えば、もっとほかの省のほうにも法規制に協力してもらいたいというような要望を、そういうことを強くしていくのいかないのか、その点はいかがですか
○政府委員(舘林宣夫君) 自動車の排気ガスによる障害は、実は調査をする前の予想よりは、調査をした結果のほうが悪かったわけであります。というのは、わが国の自動車の台数は、アメリカ等の、自動車を非常に使う国に比べて、はるかに少ないわけでありまして、したがって、被害も非常に少ないかということを前は考えておったわけであります。ところが、調べてみますると、自動車は、走っておるよりは、とまっておるときのほうが、アイドリングのほうが悪いガスを出すという事情もございまして、日本のような立体交差でない交差点でたくさんの自動車が渋滞するという事態が、非常に悪いガスを出す原因でございますので、日本の自動車の排気ガスの事情は意外によくないわけでございます。アメリカ等における自動車の通過台数に比べて、よくないわけでございます。ただ、このような事態がかなり急速に出現をいたしたのかと思われるわけでございまして、したがいまして、ただいま運輸省からお話がございましたように、それに対応する企業側の対策も、これに沿っていないという事情もございます。また、アメリカ等におきましても、最近ようやくロサンゼルスの規制が本年度から行なわれるとか、アメリカ政府買い入れの自動車の規制が一九六八年から実施されるというように、このごろになって、ようやくそのような厳しい規制が行なわれ始めたということもありまして、この方面の技術開発が必ずしも進んでない状況でございますが、厚生省といたしましては、最近の自動車の増加傾向並びに私どもの調査した結果等から判断をいたしまして、排気ガスが有毒ガスを含まないような対策を、できるだけすみやかに実施していただきたい、かような希望を持っているわけでございます。もちろん、その実施に対しましては、実際の研究調査受け入れの事態もございましょうが、できるだけすみやかにやっていただきたい、かような希望を持っております。
○原田立君 通産省のほうにちょっとお伺いしたいのですが、自動車のそういう製造等の大元締めは通産省のほうでやっておられるのだろうと思うのですが、新聞によりますと、アメリカ向けの自動車には装置をつけていて、国内向けには装置が何にもついてない、こういうようなことが書かれているのですが、これはほんとうでしょうか、どうでしょうか。
○説明員(中川理一郎君) いまの自動車の排気ガスの問題につきましては、近来とみに国民保健上問題になってきておりますし、それから輸出問題等もございますし、社会的な問題を解決すること自身が自動車の伸びをもたらすことでもございますので、この問題には真剣に取り組んでおるわけでございます。ただいまお尋ねの、輸出車につけている云々というお話でございますけれども、ただいま重工業局長が見えましたので、あとで正確なところをお話し願えると思いますが、私の承知しておりますところでは、これはブローバイガス防止装置のことではあるまいかと思うわけでございます。これは、先ほど運輸省のほうから話がございましたように、ロサンゼルスにおきます特殊な気象条件、つまり、経常的に逆転層がある、そして非常に光線が強いために、このガスが、ロサンゼルスでは、光合成の結果、非常に大きなスモッグの発生原因になっているという特殊なところから、これに対しての規制措置がとられたようでございますので、そちらのほう向けの輸出のものについては、その規制に従ったものをつけておるのではないかと思うわけでございます。
○原田立君 アメリカ向けには装置がついており、国内向けには装置が何にもついていなくても通用するということはおかしい、抽象的なことですが、これだけのことなんです。これが、たとえばニューヨークであろうと、ほかのところであろうと、そういうようなことは、はなはだおかしいと思う。厚生省のほうでも、こういう自動車の排気ガスが非常に人体に悪影響があるということで順次法規制を促しておるし、また、自動車のほうの部長さんのお話も、法規制はやりたいというお考えですし、これはひとつ通産省としても、この実態をよく知って、厳重に指導してもらいたいと思うのです。もう時間がないようですから、これで終わりにしたいと思うのですが、自動車の排気ガスによっての人体への影響ということは、もう周知の事実です。これに対して法規制をして、何らか、もっときれいにしてもらいたいという声は国民の要望だと思うのです。これをひとつ、当局のほうとしては十分受け入れて、何らかの措置を講じなければいかぬ。運輸大臣は、四十二年にはやるというようなお話をしておるようだけれども、そういうような、一年も二年も待って、のんびりしておる問題じゃないと思う。厚生省のほうでも、あるいは運輸省のほうでも、どちらでも、もっとしっかりした音頭をとって早急に解決あることを希望します。
○説明員(中川理一郎君) 先ほどの答弁、不正確な点がございましたので、ちょっと補足しておきますが、いまの点は、私申しましたように、ロサンゼルスの特殊事情にかんがみまして行なわれておる法律との関係で、ロス向けの輸出車だけがブローバイガスの装置をつけて輸出する、これはアメリカ全土ではございません。
○委員長(横山フク君) 本件の質疑は、本日はこの程度にとどめます。 本日は、これにて散会いたします。 午後五時四分散会