産業公害対策特別委員会 第4号
- 発言数
- 70 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1966/02/25
会議録
○理事(植木光教君) ただいまから産業公害対策特別委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。 本日、産業公害対策案件の調査のため、公害防止事業団理事長原文兵衛君から意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(植木光教君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたします。 —————————————
○理事(植木光教君) 次に、公害対策基本法案(衆第一四号)を議題とし、発議者から提案理由の説明を聴取いたします。衆議院議員中井徳次郎君。
○衆議院議員(中井徳次郎君) 私は、ただいま議題となりました公害対策基本法案の提案の理由、並びにその趣旨につきまして、日本社会党を代表して説明申し上げます。 戦後、日本経済は目ざましい発展を遂げ、とりわけ、昭和三十年以降の高度経済成長政策は急速な企業の繁栄をもたらしました。しかし、この目ざましい企業の発展は、同時に、かつては山紫水明の地であった日本の国土を荒廃させ、重大な公害問題を引き起こすという事態を発生せしめたのであります。この公害問題が、わが国においてやかましく論ぜられ、重大なる社会問題となりつつあることは、天下周知の事実であります。 大都市の住民は、ばいじんによごれた空気を吸い、亜硫酸ガスのために、気管支炎、ぜんそく、肺ガンなどで苦しんでおります。かつては魚を釣り、遊泳ができるほど澄んでいた川の水は、工場の廃液や家庭の汚水が流れ込んで、どぶ川と化し、ガスが発生して悪臭を放っている状態となっております。また、基地のジェット機や交通騒音のため、人々は絶えず神経を過敏にさせていなければなりません。そして工場や地域の住民は、地盤沈下のために浸水やガス爆発の危険にさらされております。このような公害が日本全国至るところで発生し、健康を害したり、生活権まで奪われているという重大な事態にまで問題が深刻化しているのであります。公害の大部分は、企業が利潤追求だけに追われて、適切な公害発生予防措置を講じないため、ばいじんや亜硫酸ガスを含んだ煙を出したり、有毒な廃液をまき散らしたりする等のために起こっているのであります。でありますから、公害とは、不可抗力の自然災害とは違って、適切かつ有効なる法的措置を講じれば根絶できる災害であります。 しかるに、この対策につきましては、ばい煙の排出の規制等に関する法律、公共用水域の水質の保全に関する法律、工場廃水等の規制に関する法律等、二、三の法律があるのみでありまして、問題の重要性に反して、その法的措置がはなはだ不備であります。したがって、それに基づく行政も、てんでんばらばらでありまして、効果の見るべきものはありません。政府は、さきの国会におきまして、わずかに公害防止事業団法案を提出して、その成立をみましたが、これも、公害が起こってしまってから、わずかの予算でそのあと始末をしようとするのでありまして、事実は、微々たる対策にすぎないのは残念であります。公害につきましては、もっと大局的見地より、抜本的、基本的立場に立って基本法を制定し、それを出発点として、各種の具体的な法案をそれに付属せしめて、その体系を整え、もって公害対策の完璧を期さねばならぬと私どもは考えます。そこで日本社会党は、ここに「公害対策基本法案」を提出いたしました。公害対策の基本についてその立場を明確にして、国民生活を公害から守り、これを排除し、風光明媚、白砂青松のみごとなこの日本の国土を温存していきたいと考えているのであります。 以下、その内容のおもなるものを説明いたします。 まず第一に、公害に対する企業の責任を明確にしろとうたっていることであります。公害に関するこれまでの各種の調査報告等によりますと、その原因が明らかであるにもかかわらず、この対策を企業がのがれ、またはのがれんとする傾向が残念ながらはなはだ強いのであります。逆に、原因を不明確にするようにつとめたり、明確であっても責任をのがれて時間かせぎをいたしたりする傾向さえあります。そこで、公害に関する企業の責任を、まず明確にいたしたいと存じた次第であります。 第二は、したがって、このうらはらとして、場合によりましては、事業主の営業の停止、事業の停止まで考えていきたい。そうしてそれを成文化いたしております。 第三は、公害によって生じた損害の賠償その他の手当等々につきましては、その対策といたしまして、これまでは結局司法的措置にゆだねられているのでありますが、この司法的措置にゆだねる前に、第一次的に処置し得るごとき前進的法文をうたいました。 第四には、公害に対する国の施策はもとよりでありまするが、地方住民の代表でありまする地方自治体、すなわち市町村及び府県にも公害排除に対する行政的責任を負荷して、これに対する財政的措置は、国が責任を原則として負うことにいたしております。すなわち、地方自治体の国と異なる面、都市計画、汚物処理、上下水道等の本来の諸計画を通じて、その行政的施策と責任を明らかにいたしております。 第五には、国は、これらの施策を進める上に、もちろん総合的かつ財政的施策を行なって、それに対する基本的事項を掲げております。すなわち、第十四条でございますが、「国及び地方公共団体は、事業者が公害の発生を防止するためにする設備その他の施設の設置等につき必要があると認める場合においては、これを助成するため、資金の確保及びあっせん、税制上の措置、補助金の交付等の必要な措置を講じなければならない。」といたしております。さらに、その実施機関といたしまして、若干名の委員よりなる行政委員会を設置することといたしました。そのもとに、各地方に分局及び研究所を置き、さらに専門のコンサルタントを常置いたしまして、国の公害排除の万全を期したいと考えております。そうして、この機関の構成その他については、別に法律にうたうことといたしておるのであります。 第六に、国は公害に対する十ヵ年計画を作成して、これを広く公表し、毎年その経過を国会に報告する義務を政府に課しておるのであります。 以上が、われわれの提出いたしました公害対策基本法案の概要でございます。 何とぞ慎重御審議の上御可決あらんことをお願いいたす次第でございます。
○理事(植木光教君) 本案の自後の審査は後日に譲ります。 —————————————
○理事(植木光教君) 次に、公害対策基本法案(衆第八号)を議題とし、発議者から提案理由の説明を聴取いたします。衆議院議員吉川兼光君。 —————————————
○衆議院議員(吉川兼光君) 私は、民主社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました公害対策基本法案の提案理由並びにその内容の概要につきまして御説明申し上げます。 今日の公害は、特定の都市のみに見られるというような特別の現象でなく、いまや、その程度に差こそあれ、全国普遍のものとなっていると思います。この公害による生活環境の悪化は、単に地域住民の生命並びに財産を損うだけでなく、それが産業自体に与える経済上の損失、さらに社会全般にわたる被害という点ではかり知れないものがあるのであります。したがって、公害の防止は、国民のよき生活環境を維持する上で、何をさておいても早急に解決されなければならない、国政上の最重要課題の一つであると確信いたしますが、現実は、その施策の裏づけたるべき法の整備が不十分なため、公害を全国的に野放しにする結果を招いているのであります。 すなわち、現行法制においては、第一に、公害と認定する統一された定まった基準がなく、どれが公害で、どの程度以上が規制の対象になるのか、全く明らかにされておりません。 第二に、公害の防止に関する最終責任は、国か、地方公共団体か、あるいは企業等の発生源にあるのか、その責任所在が明らかでなく、そのため、公害防止対策や被害に関する苦情処理等が円滑に処理されない事情にあります。 第三に、公害に関する基本的事項が定まっていないため、現在の公害関連法律はすべて事後法であり、事前にこれを防止するという十分な法的措置がとれない状態にあります。 以上の観点から、今日の事態は、公害を抜本的に防止するための基本法の制定を切実な問題として要請しており、本案を提出する理由もまさにここにあるのであります。 次に、法案の内容について、その概略を御説明申し上げます。 第一条では、ただいま申し述べましたことも含めまして、国及び地方自治体が中心的責任をにないつつ、公害を防止し、公共の福祉確保に当たることを、この法律の目的といたしました。 第二条は、今日、公害の概念がきわめて不明確である現状にかんがみ、これを、一、大気汚染、二、水質汚濁、三、悪臭、四、騒音、五、振動、六、地盤沈下と六種類に分類規定し、それぞれが多数の住民の健康並びに動植物の生育を害し、もしくは日常生活の障害、経済上の損失等を招き、またはそのおそれのあるものと定義づけた次第であります。 第三条では、公害の防止措置の実施を国の責務とし、そのための施策を国の責任において総合的に講ずべきことといたしました。 さらに、四条におきましても、国の施策に準じた地方公共団体もこれに協力する責務があることを明らかにした次第であります。 第五条は、事業者がその事業活動について、公害の発生を防止するための装置、施設の設置等、その必要な措置のとるべきことを責務とし、そのため国及び地方公共団体の施策に協力すべきことといたしました。 なお、これら装置、施設の普及については相当の費用を必要とするものでございますので、事業者の責務の円滑な遂行を期するため、第七条、第十七条におきまして、法制上、税・財政上・金融上等、政府の行なうべき助成の基本をここに明らかにいたしました。これら政府の行なうべき施策の具体案とその結果につきましては、第八条におきまして、これを毎年国会に報告すべきこととしております。 第二章は、国の行なうべき行政の基本を明らかにしたものございまして、第九条では、現在公害対策上最もおくれております公害の実態調査、公害防止の科学技術の研究開発等を政府が率先して積極的に行なうべきこととしました。 第十一条より第十六条までは、さきの定義で述べました六種類の公害について、それぞれの公害の許容限度を定め、それに伴って、個々の排出及び放散等についての必要な規制基準を設けるべきことといたしました。 第十八条では、都市計画の策定に際しての公害防止配慮、第十九条では、公害にかかわる救済制度の整備と、その必要規定を明らかにしてございます。 第三章では、公害防止行政の総合的な一元化のため、総理府の外局として公害防止庁を設置することといたしました。防止庁の組織並びに権限等の具体的内容につきましては、別途法律で定めることとし、本法でその詳細を規定することを避けましたが、その基本的性格につきましては、防止行政の総合企画と立案、公害の実態調査並びに通産、厚生の両省をはじめとする各省間の権限、事務の連絡調査を行なうことによって、行政の総合性と積極的推進の原動力とすることが、本法にいう防止庁の趣旨であることをここに明らかにしておきたいと存じます。 以上が、本案を提案する理由並びに法案の概要でございます。 何とぞ慎重審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○理事(植木光教君) 本案の自後の審査は後日に譲ります。 —————————————
○理事(植木光教君) 次に、産業公害対策に関する件を議題といたします。 まず、水質保全行政について、経済企画庁鈴木水資源局長から説明を聴取いたします。
○政府委員(鈴木喜治君) お手元にお配りしてございます横書きの「水質保全行政について」という資料で御説明いたします。 私どものほうは、調査並びに基準の設定が主体でございますので、予算的には大したものではございません。したがいまして、予算の背景となります法律その他の運用につきまして御説早いたします。 二ページのところをお開き願いたいと思いますが、水資保全関係の法律といたしましては、河川法その他非常にたくさんの法律があるわけでございますが、いずれも単純な防止法でございまして、われわれの所管しております水質保全法並びに通産省その他が所管しております工排法等、ここに書いてございます一連の関連法律が、単なる防止法ではなくて、基準を示して法的に規制する法律でございます。そのうち、経済企画庁が担当しております水質保全法は、問題のございます水域につきまして指定を行ない、同時に、当該水域にかかる水質基準を定めるわけでございます。その水質基準に従いまして工排法、下水道法その他が、具体的に工場、事業場等の規制をしていく、こういう仕組みになっております。したがいまして、水質保全法は、いわば水質保全関係の基本法的な役割りを果たしているわけでございます。 なお、水質保全法には、水域の指定、水質基準の設定のほか、水質汚濁をめぐる紛争につきまして、非常にこれが困果関係の究明あるいは被害の評価等につきましてむずかしい問題がございますので、一般の訴訟制度によらずに、和解、仲介の制度に基づいて行なえるような法律の規定がございます。その仕組みは、三ページの表にございますように、経済企画庁におきまして、問題のございます水域の水質調査をやるわけでございますが、昭和三十六年に調査の基本計画をつくって告示してございますが、それによりますと、四十五年までに百二十一の水域の調査に着手すると、こういうことになっておりまして、現在着々調査をやっておる次第でございます。この水質調査に基づきましたデータを分析いたしまして、企画庁の付属機関でございます水質審議会にはかりまして、水質基準の原案をつくるわけでございます。その結果、都道府県知事の意見も聞いた上で、指定水域の指定、水質基準の設定を見るわけでございます。これに基づきまして、工排法等で、関係各省が工場、事業場の具体的な規制をやるわけでございまして、この規制の内容としましては、相当強い規制といたしましては、場合によりますと、防除施設の改善命令、あるいは一時使用停止等の命令も含まれておるわけでございます。 四ページ目に移りまして、当面いたしますわれわれの水質保全行政の運用にあたりまして、やや新しい点を御紹介いたしたいと思います。 ただいま申し上げましたように、昭和三十六年に百二十一の水域を調査の対象として告示したわけでございますが、ただいままでのところでは、毎年相当複雑な念入りな調査をやっておりますので、五十一の水域が調査ができた現状でございまして、なお四十五年までに七十の水域の調査をしなければならぬ、こういう状況にあります。かたがた、昭和三十六年以降一全国の各地域におきまして、新たに水域調査をしていただきたいという問題の水域が出てまいりまして、ただいまわれわれの手元へ出ておりますので約五十数水域がございます。これらを今後調査いたしてまいりますのには、従来と同じような方式では、なかなか今後の五ヵ年には調査に着手できないというような事態に立ち至りましたので、四十一年度から、現在国会に提案して御審議願っております予算におきまして、この調査を五ヵ年で促進するという計画をつくりまして、ただいま検討しておる最中でございます。 調査の内容といたしましては、五ページにございますが、(a)(b)(c)と分類いたしました調査のうち、従来やっておりましたのは、(b)の「水質基準の設定に関する調査」でございまして、これは、初めから取り上げました水域については、水域の指定を行ない水質基準を設定するという前提で、一年間通年の調査をいたしまして、それを解析して水質基準の設定に運んでいくという非常に念入りな調査でございます。 これに対しまして、いままで調査した実績等から考えますと、必ずしも水質基準の設定を行なわなくても、他の方法によって具体的な水質保全問題が片づく場合もありますし、長年の間の状況の変化等もございますので、(a)に書いてございますように、まず、水域の指定に持ち込むかどうかという概括的な調査を行なうことを今後考えていきたいと、こう考えております。 それから(c)の「特殊問題に関する調査」でございますが、これは、現在の水質保全問題には非常に共通的な問題がたくさんあるわけでございまして、ここにもあがってございますように、たとえばパルプであるとか、でん粉等の問題につきましては、各水域において同じような被害を生じておると、こういう面もございますので、これらの共通的な事項について特別な調査をやっていく、これによって水質基準の設定を促進していこう、こういうことで、今後の調査につきましては、この(a)(b)(c)を組み合わして調査の促進をはかり、五ヵ年間で、大体最初に申し上げましたような水域の調査に着手したいと、こう考えておるわけでございます。 それから(ロ)としまして、ただいままでやってまいりました、水質基準を設定してまいりました場合にいろいろ問題がございまして、従来と同じような方式でいいかどうかというような問題もございますし、なお、もっと能率的な運用ができないか、あるいは、水質保全行政全般につきましていろいろ問題がございますので、水質審議会の中に総合部会を設置しまして、これらの検討を始めておりますが、その第一番目の問題としまして、従来の水質汚濁の問題は、一般の公害と違いまして、特定の産業と特定の産業の間の水を利用する点に関する利害の衝突というような問題が非常に多かったわけでございます。 したがいまして、それらの産業間の協和の結果として水質規制をしていく場合が多かったわけでございます。最近の状況を見ますと、特に大都市の河川につきましては、不特定多数の工場、事業場等、あるいは家庭等からの排水による被害、場合によりますと、かなり被害が入り組んでいるような事態がございますので、これらの事態に対処するために、特別な、われわれは一応「都市河川方式」と申しておりますが、特別な方式によって、これらの規制を行なっていきたい——これはもうすでに相当汚濁しておりまして、これが根本的な解決は非常に広域な下水道を設置することによる場合が多いわけでございますが、それらと並行いたしまして、下水道の整備が完成するまで、これ以上過密化し、汚濁をしないようにということで、特に新増設等についてきびしい規制を行なっていくという内容になっております。これらの都市河川方式をただいま検討しておりまして、すでに多摩川、大和川等については、こういう方式に近いかっこうでやっております。 それから三番目といたしまして、水質保全行政は、われわれがやっておりますのは、基準をつくり規制するということでございますが、最初に申し上げましたように、非常に各種の法律がございまして、完全に水質を保全していきますためには、各種の行政が促進されなければならぬわけでございますが、ただいま都市河川方式でも御説明いたしましたように、特に家庭の排水に対します、あるいは工場排水等に対します公共下水道の整備が基本的な重要性を持っておるわけでございます。こういうような見地から、昨年、企画庁長官から各省大臣に対しまして、特に指定水域にかかる公共下水道の整備促進等につきまして、勧告を行ないまして、幸いにしまして、四十年度予算の後半におきましては、これが追加、ないし四十一年度の予算の編成におきましては下水道の整備がはかられるような内容になりました。 以上、最近の水質保全行政の問題点を御説明いたしました。 次に、十ページに、経済企画庁にございます水質保全関係の予算が掲げてございますが、最初に御説明いたしましたように、主として調査費でございまして、昨年四十年度三千万に対しまして、四十一年度、現に御審議願っております予算は三千七百万でございます。そのうち、三番目の水質調査費、約三割の増加になっておりますが、この備考欄にございますように、従来、水質基準調査、これが非常に念入りな調査でございますが、これが毎年七水域ないし八水域、四十年度は七水域、四十一年度では五水域ございますが、これに対しまして、二番目の水域指定調査、これは新しい概況調査でございますが、新たに十六水域程度調査し、それからパルプ、でん粉等の特殊問題を横に並べて調査する、これは二項目で約十水域、こういう水域調査が主体になっております。 十一ページに移りまして、いままでの水質保全法の実施状況ございますが、 まず、調査のほうでは、四十年度までに調査を実施した水域が五十一水域ございます。四十一年度に調査を予定しておりますのは、ただいま予算で説明いたしましたもののほか、再調査がございますので、三十二水域となっております。そのおもな内容につきましては、内訳に書いておるような次第でございます。 それから、これらの調査に基づきまして、現在までに水域を指定し、水質基準の設定を見ておりますものが、(ロ)としまして十三水域ございます。これは、十二ページに書いてございますように、比較的問題の多い河川から取り上げてまいりましたので、数としては比較的少ないのでございますが、このうち、多摩川並びに四日市、鈴鹿地先海域につきましては、せんだっての水質審議会から答申を得まして、ただいま告示の準備中でございます。このほか、現に水質審議会に、特別な部会を設置して審議中のものが次に掲げた七水域でございます。 それから、水質保全法の中にございます和解仲介制度の実施状況が次に載っておりますが、三十四年に法律が施行されて以来、法律に基づく和解仲介の実績は、いままで申し立て件数三十に対しまして解決を見たものが二十五でございます。もちろん、これ以外に、法律に基づかずに実質的に和解仲介により解決した問題は多数ございます。 以上簡単でございますが……。 —————————————
○理事(植木光教君) 次に、公害防止事業団の事業概要について、原理事長から説明を聴取します。
○参考人(原文兵衛君) お手元に公害防止事業団について簡単な資料を差し上げてございますが、それに基づいて御説明申し上げます。 まず、設置の目的でございますが、当事業団は、産業が集中しており、大気の汚染や水質の汚濁などの公害が著しく、または著しくなるおそれがある地域における産業公害の防止に必要な業務を行ない、もって生活環境の維持改善と産業の健全な発展に資することを目的として設置されたのでございます。昨年の十月一日に発足いたしました。 業務の内容でございますが、これは公害防止事業団法第十八条に載っております。 まず、造成事業として、一番目に、共同利用の産業公害防止施設の設置、譲渡。第二に、共同利用建物の設置、譲渡。第三に、移転用工場敷地の造成、譲渡。四番目に、公害防止のための緩衝用施設——いわゆるグリーンベルトでございます、並びにその中に運動公園等の共同福利施設をつくります等の設置、譲渡これが造成事業となっております。 さらに、そのほかに融資事業も行なっております。これも、公害防止事業団法に基づく政令によりまして、共同利用の産業公害防止施設等の設置資金の融資ということになってございます。ただ、この政令は、四十一年度から個別企業に対する融資をあわせて実施することができるように改正される予定になっております。 次に、予算について御説明申し上げますと、事業団の事務費は一般会計で、事業費は財政投融資でまかなわれるようになっております。四十年度は一般会計三千三百八十九万七千円、事業費の財政投融資が二十億円となっております。四十一年度は、ただいま御審議されておりまする予算案で一般会計、事務費でございますが、これが一億七百七万六千円、事業費、財政投融資四十五億円として計上されております。 次に、事業計画でございますが、四十年度は、造成事業につきましては、阪神地区、京浜地区の工場アパートが約九億円、千葉県市原市の共同福利施設約五億円等を予定しまして、目下、計画の具体的推進をはかっているところでございます。四十一年度は、造成事業につきましては、四日市市の共同廃水処理施設、阪神地区の工場アパート並びに阪神地区の工業用地の造成、さらに千葉県市原市の共同福利施設が造成事業になっておりまして、そのほかに融資等を予定しております。 なお、融資につきましては、先ほど御説明申しましたように、共同処理施設のほかに、四十一年度におきましては新たに個別施設につきましても融資を行なう予定になっております。 なお、これら造成したものを譲渡して、年賦で償還を受ける場合並びに融資を年賦で償還を受ける場合の利率につきましては、現在は、中小企業七分、大企業七分五厘となっておりますが、これを四十一年度からは、当初三年間に限りまして、いずれも五厘の引き下げを行なうようにお願いしております。すなわち、中小企業は、七分が当初三年間は六分五厘、それ以後は七分、大企業が、当初三年間は七分に、それ以後は七分五厘に、いずれも当初三年間五厘ずつ引き下げていただくようにお願いしている次第でございます。 当事業団の組織と定員について申し上げますと、発足当初——現在もそうでございますが、役員五人、職員三十五人の、計四十人でございますが、四十一年度におきまして、このほかに新たに技術職員八人の増員をお願いしている次第でございます。組織につきましては、お手元の資料にございますように、理事長と、理事が三人、監事が一人、事務のほうを総務部、業務部の二部六課に組織して、着々といま事業を推進しようとしているところでございます。 きわめて簡単でございますが、公害防止事業団の概要につきまして、以上御説明申し上げました。 —————————————
○理事(植木光教君) この際、通商産業省当局から発言を求められておりますので、これを許します。中川産業立地部長。
○説明員(中川理一郎君) 前回の本委員会で、公害防止事業団の今回の貸し付け金利の改定に伴いまして、開銀、中小企業金融公庫はどうなったのかという御意見がございました。当日の状態では、まだ大蔵省との最終的な話がついておりませんために、御返事を未決定ということでいたしておったわけでございます。その翌日実は決定をいたしまして、開銀、中小企業金融公庫につきましても、公害防止事業団と同じように、貸し付け後三年間、大企業向け融資につきまして七分、それから中小企業向け貸し付けにつきまして六・五%ということで平氏が合う決定を正式に見ました。四十一年度からはこの金利で公害関係融資が行なわれることになります。この点、未決定の状況で御心配をかけておりましたので、御報告いたしておきます。
○理事(植木光教君) ただいまの説明に対して質疑のある方は順次御発言願います。
○相澤重明君 いまの通産省の補足説明、了解いたしました。やはり国会に提案するどきには、各省がそういう統一した方針で提案されることを今後とも希望いたしておきます。たいへん御苦労でした。 そこで、幸い事業団の理事長もおいでで、説明もいただいたし、厚生省、それに通産省、経済企画庁、それぞれ関係者がおりますが、特にいままでも公害防止についてたいへん努力をされておるわけであります。が、今年、新年度から個別融資を行なう、こういうお考えを新たに出されておるわけでありすまが、この問題について、どの程度までのことを……。実は、個別といっても、これはなかなか範囲が広いと私は思う。そういう意味で、まず個別融資を行なうというい方針をきめられた、そのお考え方をひとつ、いま少し御説明をいただきたいと思う。
○説明員(中川理一郎君) ごもっともな御質問でございます。実は、公害防止事法団に個別融資の道を開かなければいけないのではないかという考えが出てまいりました。また、事務的に私どもが持ちましたのと、かつまた、公害に御関心をお持ちの世論として、いろいろこの問題が出てまいりました背景は、以下に申し上げるようなことでございます。 一つは、実は事業団の四十年度までの業務の内容といたしましては、公害のはなはだしい地域につきまして、ことに中小企業に重点を置いて共同施設を考えていくというのが事業団発足のときの構想でございました。そう考えますと、実は共同処理ということ、共同施設に技術的になじみやすい公害問題と申しますのは排水関係の処理施設でございまして、実は排気関係の処理につきましては、一つの企業の工場が数工場同一の場所にございまして、これを集合煙突にして、拡散希釈するというようなことは考えられもいたしますし、また現実にもやっておることでございますけれども、企業の異なった間の排気関係の共同施設というものは、観念的には、レアケースとしては考えられ得るかもしれませんが、あまり一般的なことではない。ことに、最近におきましては、大気関係の問題が大きく問題になってきている。そういった場合に、大気汚染の防止に事業団が公害防止の中核的な事業団として活躍いたしますためには、少なくとも大気関係の処理をいたしますためには、個別融資ということを考えないと実効があがらないという問題が一つございます。 それからもう一つは、これは水の場合でも同様でございますけれども、ある水系を指定して、その水系をきれいにしたいということが公害防止の一つのねらいでございます。そのために共同施設をやりますときに、これは強制的にやるという形ではございません。参加していただく方を事業団のほうで足まめに説得してもらいまして、そして、共同施設のプロジェクトとして、ものにするという苦労をなすっているわけでございますが、たまたま地域的に共同施設にまとめ上げるには、やや離れ過ぎているという一工場が、どこかに残ったという場合があり得るわけでございます。しかも、ある川、ある海面をきれいにしたいという考え方からいたしますと、その工場をほうっておくというわけにはいかない。これはもちろん、現行の制度でも、その工場が開銀なり中小公庫に融資希望を持ち込みまして、そこで解決するということは可能でございますけれども、事業団が、一つの特定の地域を集中的にきれいにしたいということでお考えになってお仕事をなさる場合に、その離れた工場について開銀と中小公庫に話をつないでいくという、ややまだるっこしい融資よりは、直接事業団自身で融資ができるということができればいいんではなかろうか。 大体以上述べましたような考え方で、事業団にも個別融資のワクをとるべきだということでスタートしたわけでございます。 ただ、日本全体の公害問題の解消ということを考えますと、融資機関は、現状ではできるだけ広い状況であることが望ましいわけでございます。これは、一つには、事業団が昨年の十月に発足したばかりでございまして、まだ、人的にもあるいは融資というやや専門的な特殊な仕事に対しましての能力的な限界というものもございますし、望ましい姿は、おそらく将来一元的に公害融資を事業団がやるということではあろうと思いますけれども、経過的には、いままで御努力を願っております開銀、中小公庫のお世話にもならなければならない。そうなると、一体この金融機関と公害防止事業団との間の当面の経過的な個別融資の分担をどうするかという問題が出てまいります。率直に申しまして、いまのところ、まだ大蔵省とこの話し合いを進めておる段階でございまして、ファイナルにはきまっておりませんが、私どもの考え方は、事業団当初の目的から申しまして、やはり当面公害問題が非常に大きい、国の立場としてほうっておけないといった地域を、まず重点的にやってもらうという考え方で、地域別に分野調整をやるという考えで、私どもはこれから話を進めたいと思っております。したがいまして、私どもの頭にございますものは、京浜、阪神、四日市、北九州といったようなところは、これも事業団とし相当御努力を要すると思いますが、できる限りのことをやってもらって、他の地域については、開銀、中小公庫にお願いしたらいかがなものか、かように考えておるわけでございます。
○相澤重明君 構想の一端が明らかになって私も喜ぶわけですが、そこで、いまの、大都市というか、公害の最も多い地域、そういうものを、やはりブロック別につくって、積極的に進めていこうとい考えのようでございまして、たいへんけっこうでありますが、ただ、事業団の、ここに原理事長もおりますが、組織人員からいくと、きわめて貧弱——まあ、貧弱と言っちゃたいへん恐縮ですが、少ないわけですね。そこで、いまの開銀なり、中小公庫なりというところが従来のようなお手伝いをしていかざるを得ないという現状だと思うのですが、組織化をし、そして恒久的なそういう対策をつくるには、事業団自身も、地域社会に、いまのブロック的な地域に、やはり足をおろすというか、たとえば、これが出張所ということになるのか、経済企画庁が中心になっている全般のそういう地域的な問題をどこで把握するかという、こういうセンター的なものが地域の中になくてはいけないのじゃないかという気がするわけです。そういうような点について、何かそれぞれ、経済企画庁なり各省の中でお考えがあるのですか。あればお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(中川理一郎君) 事業団のいまの事務費関係の予算につきましては、いま厚生省のほうが主になってやっておるわけで、私どもは事業を中心に考えてみたいと思っております。実は、四十一年度にも、公害防止事業団の支所と申しますか、さようなものをどこかに置くことを厚生省とも御相談した段階がございます。考えた段階もございますが、何せ、去年の十月のことでございますので、少し実績を見まして……。まあ、一挙にたくさんの支所を持つというわけにもまいりません。かりに、数の少ないものだと考えますと、その所が一番仕事がありそうな所だという大まかなめどがつかなければいけないと思いますので、四十二年度の問題といたしまして、私ども厚生省と御相談の上で、いま相澤先生のおっしゃったようなことを考えていきたいと思っております。
○説明員(橋本道夫君) いま立地部長からお話のございましたように、厚生省におきましても同様の考えでございまして、実績のできた上で積極的に広げていくということで努力をいたしております。
○相澤重明君 次に、経済企画庁の先ほどの御説明をいただいて、まあ水質保全の方針でたいへん努力されておることを喜ぶわけですが、そこで、こういう水域の指定なり、あるいは検討をされておる大河川等についてはわかりました。ところが、公害の中で特に水質汚濁の問題として、いま社会的に言われておるのは、いわゆる家庭で使う洗剤の廃水ですね。これがまあ非常に大きな問題を提供しておるわけです。つまり、住宅地等から流される洗剤の廃水が河川に流れて、それがあぶく状を呈してしまって、実際には、もうその下のほうでは魚はとれない、あるいはそこでたまった水が蚊やなにかのいわゆる源泉になるというようなことで、都市の中に、そういう処理のまずさというものが、かえっていろいろ悪い面を露呈しておるということが議論をされておるのでありますが、そういう点について、これは産業公害については、特に通産省の皆さんの御努力をいただいておるわけでありますが、経済企画庁なり、厚生省なりが、そういう点についてはどういうふうにやっていこうとするのか、この点を少し御説明をいただきたいと思うんです。
○政府委員(鈴木喜治君) 厚生省に関係する問題もたくさんあると思いますが、私どもの関係する点について、若干、御説明いたします。 ただいま先生の御指摘の点、非常に水質保全上むずかしい、重要な問題でございます。御承知のように、水質保全法ないしこれの具体的な規制をいたします工排法等は、一応汚濁源泉でございます工場、事業場等を対象としておりまして、個々の家庭については対象になっておりません。したがいまして、個々の家庭の汚水の処理につきましては、もっぱら公共下水道の整備に待つ点があるわけでございます。先ほども御説明いたしましたように、企画庁といたしましても、建設省、厚生省等の下水道関係のところ、あるいは財政当局等に勧告をいたしまして、下水道の整備がほかの社会資本以上におくれておる状況でございますので、一日も早く整備されるように期待をしているわけでございます。幸いにしまして、四十一年度の予算におきましても、前年に対しまして一六、七%の予算の伸びでございますが、下水道関係は三〇%以上の伸びになっておる、こういう状況でございます。 なお、ただいまの先生のお話の中で、やや具体的な問題としまして合成洗剤等の問題がございましたが、これは、むしろ、厚生省からお答え願ったほうがいいのかもしれませんが、ただいまのところでは合成洗剤の化学的な究明の段階でございまして、下水処理上は、合成洗剤——現在のハード系のやつについてはなかなか問題が多い。しかし、医学的には、適当に使用すれば、問題がないというような中間的な報告をいただいております。それ以上詳しい点は厚生省のほうからお願いしたいと思います。
○説明長(橋本道夫君) いま経済企画庁から御説明のありました点と同様でありますが、厚生省におきましては、ほかの省庁とも合同いたしまして、ABSの問題につきましては、科学技術庁の研究所へやりまして調査をいたしておりますが、この毒性につきましては、私ども現在の段階では、使用法の注意によって決して心配はないという立場をとっておりますが、上水処理及び下水処理の面については、ハードの洗剤をソフトのほうに変えてほしいというふうに考えておりまして、厚生大臣がこれは国会の関係委員会でもお答えをしておりますので、その点だけお答えを申し上げておきます。
○相澤重明君 経済企画庁の提案をしておる中のこの都市河川方式、こういうものが私はやはり十分に検討をされていくならば、いまのような問題も包含をされるのではないかという気がするわけです。ですから、今後、もちろんこの事業団のお仕事と、それから全般にわたるこの水質保全、あるいは下水等の処理の問題については、これからも研究を要すると思うのでありますが、いま申し上げたようなことは、大都市においては、きわめて身近な問題として、家庭の奥さんたちからそういう非難がたいへん多く出ているわけであります。したがって、これを、いまの化学的にどうも害がないと、こう言われても、現実に自分たちのそばを流れている川が、あぶくのようなものであって、しかも、くさくなってくるというようなことでは、幾ら科学的にこれは大丈夫だと言われたところで、国民感情は許さないと思う。そういうことをなくしていく努力は、私はやはり、政府として基本的にとっていかなければならぬところだと思う。明るい町づくりとか、楽しい国土をつくるとかといっても、そういう具体的なお仕事に積極的に取り組まれなければいかぬだろう。こういう点で、実は、都市河川方式というものは、そういうようなこともやってもらえるのかどうかということも聞きたかったのです。そういう点について、もし、経済企画庁のほうでお考えがあれば、この際承っておきたい。
○政府委員(鈴木喜治君) ただいま先生の御指摘の点、非常にごもっともな点でございまして、われわれとしましても、都市河川方式の検討の際にも、こういう問題が非常に多く出ているわけでございます。ただ、われわれが直接所管しておりますのは、水域を指定して、それの水質基準を定め、排水を規制する、こういうことでございまして、現に、家庭から流れております洗剤の可否、あるいはその製造にタッチする点まではなかなか手が及ばぬ、こういうことでございます。 〔理事植木光教君退席、理事松澤兼人君着席〕 先ほど、厚生省の公害課長からも答弁がございましたように、上水あるいは下水処理等の場合に、汚濁の生物作用に、現在の合成ABSのハード・タイプのものが非常に障害のある点がございますので、なお、科学技術庁を主体にしてこの問題についてさらに検討し、実際の問題としましては、通産省においても御指導を願いたい、こう考えております。
○原田立君 水質のほうのことでお伺いしたいのですが、調査をして指定にまでいくには、大体どのくらいかかるのでございますか。
○政府委員(鈴木喜治君) 先ほど、今後の方向について御説明いたしましたように、今後、能率的にやっていかないと、百数十の水域——地方から要望されております百数十の水域について適時適切な処置がとれないといううらみがございますので、ただいま、その能率化について検討しておるわけでございますが、いままでの実績から申しますと、まことにお恥ずかしい次第でございますが、一年間——これは河川の流量が年間変化いたしますし、汚濁の発現の状況も、たとえば、夏が特にひどいとか、たとえばノリの場合には、ノリの成育期でございます十月以降について問題がある。こういうことがございまして、年間、通年の調査を原則として、いままではやってまいりました。したがいまして、調査が終わりますのに一年かかりまして、その後、解析の段階におきまして問題がございますと、さらに補足調査をやるというようなことで、従来の実績からいきますと、おおむね、二年ないし二年半程度の調査ないし解析の期間がかかっております。もちろん、非常に単純な汚濁の問題につきましては、いままででも一年の調査のあと、半年程度で基準の設定を見たものもございます。
○原田立君 この間も、ちょっと御質問しておいたのですが、福岡県の大牟田川のことで局長にもこの前お話ししたと思うのですが、大牟田川の汚濁にないての調査はもうしたのですか。それとも、これからやるのですか。
○政府委員(鈴木喜治君) 大牟田地区につきましては、実は、最初に全般的なお話をいたしましたときに、三十六年に調査の基本計画をつくったというお話をいたしましたが、その当時は、大牟田地区からの要望もございませんし、その調査の基本計画にあります百二十一の水域にも入っておりません。したがいまして、いままでのところ、調査には着手してございませんが、やはり、先ほど御説明いたしましたように、来年度以降五ヵ年間で調査を促進しようということで、この中には新規の水域も入れてございまして、さしあたり、大牟田地区につきましては、現在、御審議願っております四十一年度予算が成立いたしますれば、第一にこれを取り上げて調査したい。その調査の内容につきましては、直ちに水質基準の設定に至る調査従来と同じように非常に詳しい調査でございますが、それをやることにいたしまして、すでに県並びに通産局と打ち合わせ中でございます。
○原田立君 それでいまも調査して、どのくらいになったら指定ができるのかとお伺いしたわけなんです。もちろん、三十六年度のときに入ってないという御説明ですが、このほうの係の方ももうすでに実際に見て、局長のほうにもう報告があったろうと思うんですが、あれはひどい、まああんなのをそのままほったらかして、また調査して一年とか二年とかかかるだろうというのは、とんでもないことじゃないかと、実は私はこのように思う。これは大牟田川に関係するばかりでなしに、これと同じような条件できたなくなっている状況というものは日本全国に多々あるんじゃないかと、まあそういうふうなことで、ひとつ調査期間を、そんな長期にわたるというものでなしに、できるだけ短期に仕上げるように、せっかく努力願いたいと思うんです。
○政府委員(鈴木喜治君) もちろん、大牟田の状況につきましては、われわれのほうの担当官もただいま先生からお話のように、あらかじめ調査にまいっておりますし、四十一年度においてはぜひやりたいということで、ただいま設計中でございますが、調査の時期について問題がございまして、この調査を徹底的にやります場合には、たとえば大潮のときにやらなきゃならぬ、あるいは環境衛生上、八月の一番渇水のときにやらなきゃならぬ。あるいは大牟田地区の問題はノリの問題もございますので——というよりも、いまはノリの問題が相当問題になっておりますので、これはノリの漁期でございます十月、十一月ごろに調査しなきゃならない。こういうことでございますので、やはり調査の期間としてはおおむね一年はかかるんじゃないか。しかしながら、先生も御承知だと思いますが、大牟田の地区は、大牟田川というのは自然流量が雨のとき以外ほとんどない。もっぱら流れておりますのは、三井化学をはじめとします、三井系を主体とした金属その他の工場からの排水でございます。したがいまして、この調査の期間の間におきましても県並びに通産省等と連絡をとりまして、個別に三井化学その他について、いかに工場の廃水を処理したら適当かということを並行して検討してまいりたいと、こう考えております。
○原田立君 それで現地の事情なんですけれども、三井化学は何か自分のほうではもう工場廃液処理施設をつくっているから、私のほうには責任はないと、まあ、ほかのほうの会社の関係だというようなことをいっておるというんです。この川筋の三井系の会社は約七社か八社くらいあるわけですが、この大牟田川の汚濁というのは明らかに工場廃液が主原因であるということは、もうだれが見てもはっきりわかるわけなんです。で、こういうように工場廃液が主原因で河川が汚濁したときの責任、また今後の推進はどういうふうになさるんですか。
○政府委員(鈴木喜治君) 大牟田川につきましては、ただいま先生からもお話がございますように、これは特別なときにはやや水量が多くなるんです。それは大牟田川のやや上のほうにもう廃坑になっております三井鉱山から坑内水を出すときにはだいぶふえますが、ふだんは一日に約四万トン程度の水が流れているわけでございます。そのうち三井化学から二万五千トン程度の水が流れておりまして、内容は今後の調査に待つわけでございますが、排水量から見ましても三井化学をはじめとしまして、その辺の工場の排水が圧倒的に主原因になっているということは、ただいま簡単な調査をした結果でもわかると思います。そういうような状況のときには、当然に、企業に汚濁を防止する責任があるんだと、こういうふうに考えておりますが、この大牟田は、御承知のように、もともと三井鉱山をはじめといたします三井系の工場ができ、それの社宅等も含めてでき上がったような町でございまして、しかも、先ほど申しましたように、大牟田川自体は自然流量がほとんどない川だ、したがいまして、工場排水の排水路のようなかっこうになっているわけでございます。そういうような状況もございますので、当然に工場の排水の処理を中心にして問題の解決を急がなければならぬわけでございます。化学系統、特に染料等につきましては、それの環境衛生の問題は比較的簡単だと思いますが、ノリ等にどういう影響を与えるかという点につきましては、やはり相当検討を要する点があるんではないか。いずれにしましてもなるべく早く調査を終えまして水質基準の設定をはかる。その間におきましても、できるだけ通産省等と連絡をとりまして、工場の排水処理方法の検討を進めていきたい、こう考えております。
○原田立君 いままでのいろいろな説明等を聞いていると、事故が発生してから、まあどういうふうにするかというような事後の手段が大体おもだと思うのです、おたくのほうの仕事は、そうでなしに——それもたいへん大切なことではあると思いますが、もう一歩進めて、事前に打つ手はないのか。そういうような面で、おたくのほうの関係で予算もあんまり多くないようですけれども——もっと多額につけなければならぬと思いますけれども、事前に打つ手はないのかどうか、その点いかがですか。
○政府委員(鈴木喜治君) 御指摘のとおり、いままで水質基準を設定してまいりました水域につきましては、事後的な措置が大部分だということは認めざるを得ません。ただ法律上は水質保全法の第五条にもございますように、「関係産業に相当の損害が生じ、若しくは公衆衛生上看過し難い影響が生じているもの又はそれらのおそれのあるもの」ということでございまして、当然に、事前に相当のおそれのあるものについては、水域を指定し、水質基準を設定し得るようになっておりまして、先ほども御説明いたしましたように、都市河川方式等におきましては新増設を事前に事実上規制していくような水質基準をつくる内容で検討しております。現に多摩川、大和川等につきましては、そういうような内容になっております。また、水質保全法そのものではございませんが、たとえば大牟田のように新産業都市に指定されを地域におきましては、その基本計画につきましても、水質汚濁について加害度の高い業種については、立地を規制するような基本計画になっておる次第でございます。
○原田立君 これで終わりにしたいと思うのですが、こういうように、小さな川等であっても、おもに工場廃液等によって起きる汚濁あるいは海水、海産物等に対する被害、これは非常に大きな問題であります。経企庁当局としても、ただ事故が発生してから、便々として一年二年かかって手をつけるというのではなしに、もっと前向きな姿勢で、全国的な、こういう公害絶滅に御努力を願いたいと思うのであります。
○柳岡秋夫君 ちょっと、きょう説明を聞いた範囲でお伺いしておきたいのですが、先ほど公害防止のための施設に対する融質の問題で、事業団が個別融資を今度から始めるということでございます。去年、この事業団法が成立した段階で私どもが論議をした中で、この中小企業金融公庫の、公害の防止のための中小企業者の利用が非常に少ないということが若干論議されております。そういうことの一つの問題点としては利子が非常に高かった。こういうことがあると思うのですが、今回、中小企業に対して六分五厘という値下げを行なったということについては、非常にけっこうだと思うのですけれども、三年ということに限った理由は一体どこにありますか。
○説明員(中川理一郎君) これは金利といたしましては、低ければ低いほど公害防止の実効をあげる上に役立つわけでございます。ただ、そうは申しますものの、他の金利との均衡もございまして、絶対に幾らでなければならぬという議論は、本来非常にしにくい性質のものでございましたために、私どもとしては、この期限を付さない形での原案で折衝いたしたわけでございます。 三年という期限がつきましたのは、実はその六分五厘ということについて直ちに話がつくという状況ではございませでしたのと、それからまあ、金利全体を見ている側からの感じといたしましては、公害防止についてなるべく低い金利でやりたいという気持ちは十分わかる。それから、いまの公害の状況から見まして、新しい問題でありますだけに、早くこの問題を解決する、そうして公害防止施設をつけようという気持ちが促進されるような機運をつくって、いままでのように、あまり思わしい運びをしていなかった公害防止施設の設置というものをできるだけ促進する。そういう意味のインセンティブといたしましては、最初にそういう施設をつけるということに企業者側を踏み切らせるような誘い水があればいいのだというような考えもありました。これはごく平たく言えば妥協でございます。私どもは期限なしの六分五厘ということでお願いをしておったわけでございますが、当初施設をいたしまして——企業側の本来非生産的な投資でございます。この公害防止施設に投資するという上におきまして、少なくとも当初の三年くらい金利負担を軽減してやることが、十分促進に役立つのではないかという考え方で、ただいま、先ほど申しましたような三年という期限がついたわけでございます。
○柳岡秋夫君 通産省なり厚生省、あるいは事業団等で、無期限といいますか、終わりまで六分五厘なりあるいはそれ以下の低利でもって融資ができるという意見を反映したけれども、大蔵省が承知しなかったということであろうかと思いますが、そうすれば、いずれは大蔵大臣かあるいは大蔵省の関係者にも来てもらってやらなくちゃならぬと思うのですが、大体この財投の資金源というものは、ほとんど零細な低所得者の金が多いですね、労働者あるいはその他の国民から集められた金をもって積み立てられておるものでございまして、それを利用する際に、この六分五厘ということはいいとしても、七分なりあるいは七分五厘——大企業については私はとやかく言いませんけれども、中小企業に対する公害防止を積極的に進めようとするならば、やはりそういう面の種極的な政府の施策というものを考えていかなくちゃいけないのじゃないか、こういうふうに思います。これはまた、あとでもってやりたいと思います。 そこで事業団にちょっとお伺いいたしますが、個別融資を今度行なうというのですが、全体的にまずお伺いしたいことは、四十年度の事務費は別としまして、二十億円の予算の支出状況ですか、使用状況、こういう面をちょっと御説明願いたい。
○参考人(原文兵衛君) 二十億円の事業費につきましては、先ほど概要の御説明のときに、ちょっと申し上げましたが、現在、阪神地区の工場アパート、並びに千葉県市原市の副利施設につきまして、企業並びに地元側とこれを推進すべく話し合いを進めておるところでございまして、現実にはまだ支出しておりません。 それから融資につきましては、御承知のように四十年度は共同施設ということになっております。共同施設ということになりますと、企業側のほうでの話し合いがなかなかつきませんで、われわれのほうも鋭意努力をしておりますが、まだ、これも現実には支出しておらないというのが現状でございます。
○柳岡秋夫君 四十一年度の個別融資をするワクというものは、どのくらいを見込んでおるのですか。
○参考人(原文兵衛君) これは造成事業費と、それから融資のワクははっきりした限界がございません。全体のうちで、事業団法の成立の際の節もございまして、造成事業を主としてやるということになっております。したがいまして、造成事業のほうに三分の二前後を予定しているのでございます。しかしながら、これまた、申し上げましたように、造成事業も共同施設でございます。共同施設としては、御承知のように私どもは、企業のほうの話し合いがついて——もちろん、こちらから働きかけはいたしますけれども、注文がなければこちらで計画的に造成するというわけにまいりませんので、したがいまして、造成事業のほうが十分に運ばないで融資のほうの申し込みが非常に多いという場合には、四十五億の事業費のうち多くを融資のほうに回すということはございます。したがいまして、はっきりした限界はまだきまっておらないわけでございます。すべて注文によってやるのでございまして、計画して先行的にやるというわけにまいりません。そういう実情になっております。
○柳岡秋夫君 事業団は昨年の十月に発足したばかりですから、まだ緒につかないということはわかりますが、しかし、あの当時の論議の中でも、たとえば皮革工業地帯ですか、あそこの工場アパートですかこういうものをつくるという見通し、あるいは、この市原市に対する福利施設の問題等も具体的に説明があり、私どもは当然それに予算が使用されているものというふうに解しておったのでございますが、いまの説明ですと、なかなかその事業そのものがうまくいかない。こういうことでございますが、その原因等については、また、あとの機会に譲りたいと思いますけれども——そうしますと、この四十一年度の事業計画というものは、これは事業団としての計画でしょうけれども、実際にやるかやらぬかということは、まだわからぬ、こういうことになりますか。
○参考人(原文兵衛君) もちろん、四十年度にいたしましても、四十一年度にいたしましても、先ほど御説明申し上げましたような計画をもちまして、その計画の対象につきまして、行政官庁のほうにも強力な行政指導をしていただく。私どものほうも、いま皮屋の例がございましたが、皮屋さん等にもこういうふうにしてつくるべきではないかということを持ちかけて、いま話し合いを進めているところでございます。したがいまして、こちらはだまって待っているわけではございませんが、計画をもって話し合いをどんどん進めるわけでございます。この話は、一応いま、阪神の工場アパートなり市原地区の共同福利施設、これも非常に進みまして、近々に話し合いが終わって、計画ができる段階になると思います。隅田川沿岸の皮革工場、メッキ工場につきましても、いま非常に努力をして、もちろん業者の人たちともお会いをして、話し合いを進めている最中でございます。
○柳岡秋夫君 そうしますと、もっと具体的にお伺いしますが、四十一年度のそれぞれの事業計画について、どういうふうな予算の割合なり、あるいは具体的な計画について、もう少し詳しく説明していただにたいと思います。
○参考人(原文兵衛君) 四十一年度の計画につきましては、四日市地区について先ほど経済企画庁のほうから御説明がございましたが、近く四日市地区水域の水質基準が告示される予定になっております。その告示に基づきまして、あす、この工場からの排水等につきましてその処理施設をつくるべきであるということで、話を進めまして、共同の処理施設をつくるという予定になっておりますが、これはおおむね三億六千万程度でございます。 それから京浜地区につきまして——やはり京浜地区と申しますのは、先ほど申し上げました隅田川沿岸を主とするものでございます。これの工場排水の共同施設、これは約一億一千万ほどのものと、一億程度のものと、二つの計画がございます。 それから阪神地区に工場アパートをつくる、これは主として神戸でございますが、これが三億三千万。 それから千葉県市原地区の共同福利施設、これが五億三千数百万。これは継続事業でもって、もっと大きな額でございますが、四十二年度、三年度と継続してまいります。四十一年度の分として約五億三千三百万程度。 それから阪神地区の工業用地の造成をいたします。これは大阪市並びに——主として大阪市でございますが、その周辺のいわゆる町工場による騒音、振動等でもって、周辺の住民が非常に迷惑しておる。いわゆる鍛造とか、鉄工業でございますが、そういうような数十の鉄工業者を一つの団地に集めまして、するというための工場用地の造成、これが十一億四千万くらいになります。 それから貸し付け事業——融資事業といたしまして二十二億程度の予定をしておりまして、大体それで一応四十五億という——端数はある程度削っておりますが、予定をして、これに基づいて事業を推進する。ただし、これはこういう計画をつくりましても、相手の企業家の共同施設でございますから、企業家同士の負担区分とかなんとか非常にむずかしいものですけれども、強力に推進してまいりたいと思っておるわけであります。
○説明員(橋本道夫君) 公害防止事業団の事業計画につきましては、厚生省、通産省、両省が事業団と協力いたしまして、四十一年度の予算要求の時点におきましては、具体的に地元で考えられている計画、あるいはかなり根があるという計画を中心といたしまして予算要求をいたしたのでありますが、予算の最終の査定といたしまして四十一年度の財政額は四十五億ということになったわけでございます。この一つずつの事業につきまして、事業団発足以来、これは私ども厚生省、通産省、両省の者が事業団につきまして、全部、現地に参りまして、一つずつの事業を最終的にどこまでできるかということの確定を現在いたしておる段階でございます。事業団法によりまして、事業実施計画につきましては、大蔵省に協議をいたすということになっておりまして、いま原理事長が申されましたように、事業計画のこれは一つの案でございまして、この問題につきまして最終的な腹をきめて、大蔵省と協議を始める寸前というところに現在きております。そういうわけでございまして、大蔵省との間でも、現在、融資と造成との割合というものは、実施計画がどこまで具体的に固まって、それを四十年度末に協議をして承認をするかということによって最終確定をする。厚生、通産、大蔵及び事業団というところは事務的にそういう方針で現在臨んでおります。私ども一月も早く確定をいたしたいということで努力をいたしておりますが、先ほど事業団の理事長の申されましたような事情もございまして、現在まだはっきりした実施計画ということを申し上げられないことは非常に遺憾でございます。
○柳岡秋夫君 せっかく、こういう国会の中でも問題になり、あるいは厚生省としても積極的に国民の健康なりあるいは生活を守るという立場から事業団ができたわけですから、その事業団が発足して、まだ具体的な予算も使うことができないというようなことでは、私は非常に遺憾だと思うんですよ。ですから特に私は、通産省にこの各企業に対する行政指導をやはり強めていただかなければならぬと思うんですね。この前、事業団ができたときに、通産省、厚生省共管の事業団ということで、私は非常におかしいじゃないか、やはり事業団を育成するためには一つの省が力強くバックアップしていくということが、今後の事業団の発展のためにいいのではないかということを申し上げたんですけれども、まあ官庁の縄張り争いかどうか知りませんが、通産省、厚生省、こういう共管になっているわけです。したがいまして、私は、こういう企業と密接な関係がある通産省が、もっと事業団育成のために、あるいは公害防止をもっと進めるというために、積極的に企業に対する指導を強めて、公害防止の完全な施設ができるような指導を、ひとつお願いをいたしたいというふうに思います。 それからもう一つ、事業団にお聞きしたいんですが、簡単なことですけれども、四十一年度に職員が八人増員されてすべて、技術職員だというようなお話がございましたが、どういう技術をもっておられる職員でございますか。
○参考人(原文兵衛君) これは造成事業につきまして、建築とか土木とか電気とか、それからさらに融資事業、個別融資も入りますものですから、これもやはり一つの技術だと思いますが、融資の専門家というような、そういう種類のものでございます。
○柳岡秋夫君 あと一、二お聞きしますが、経済企画庁の水質保全の問題でございますが、先ほどの説明で三十六年から五ヵ年計画で百二十一水域をやりたいということで始めたけれども、五十一水域で終わっていて、まだ七十もそのままになっている。こういうことでございますが、この調査が進まない理由は一体どこにあるのか、今度まあ四十一年度から新たに新五ヵ年計画をつくってやっていきたいと、こういうことでございますけれども、いままでそのような状態であるとすれば、この新しく五ヵ年計画をつくっても、私は期待できないんじゃないかと思うんですけれども、一体どこにそういう隘路があるのか、その辺をひとつお聞きしたいことと、それからもう一つは、新規水域ですね、これはどのくらい見込まれているのですか。
○政府委員(鈴木喜治君) ただいま御質問の点でございますが、調査基本計画で百二十一水域の調査に着手するというのは、三十六年から四十五年ということになっております。したがいまして、いままでのところ非常なズレがあるわけではございませんが、調査基本計画に基づくテンポとしましても今後五ヵ年間に残った七十水域の調査ということはなかなか困難である。あわせまして、ただいま御質問の新規水域、これが五十程度各地方から要望されております。そういうことを考えますと、この際、従来の調査——従来の調査と申しますのは、先ほども御説明いたしましたが、直ちに水域を指定し基準を設定することを前提にしました調査でございますので、当然河川の流量等から考えまして、一年間の通年調査を行ない、必要に応じまして、さらに補足調査をやりまして、それの調査解析——この調査解析のことが実は非常に新しい分野でございますので、いろいろ、いままでは解析の方法等につきまして、問題がございましたが、ようやく最近に至りまして、なれてまいりましたので、こういうことも合わせまして今後新しい調査方法によって促進したい、こういうことでやっておる次第でございます。
○瓜生清君 私、ごく簡単なことを二つだけ質問したいんですが、一つは、公害対策の融資というのは、大ざっぱに言って、現在どの程度のものが出ておるのかということです。 もう一つは、皆さんが行政指導をなさっておって、いわゆる企業者の態度といいますかね、それがなかなかむずかしいと思いますけれども、少しは社会的責任において前向きにそういう問題と取り組まなければならないというような方向に——皆さんが見られて、どういうふうにお感じになっておるのか、その二つだけお答え願いたいと思います。
○説明員(中川理一郎君) いままでに、どれくらいの公害関係の融資があったか——いま全体的な数字は持っておりませんが、四十年度で見ますと、開銀は二十億円の公害融資ワクを用意しておりまして、ごく最近までのところは、大体二十億円消化するという状況でございます。来年度も、これは公害防止事業団が個別融資をやります関係で、かなりのものが防止事業団に移行するという前提の上に立ちまして、開銀に二十億の公害ワクを考えております。それから、中小公庫につきましては、いままでのところ、ほとんど実績がございませんでしたが、四十一年度は十億円の特ワクをつくって積極的にやりたい、こう考えております。 御質問の第二点は、企業側が公害防止施設をするということに対してどれぐらいの気がまえと認識でおるか、あるいはその実情はどうか、という御質問であったと思います。これは、公害問題という問題が社会的な問題として世論の上でも大きく取り上げられてきた最近の状況と、それ以前の状況では、私は相当変わっておると思います。ことに従来、何と申しますか、公害型の産業ということで苦労をしてきた業界、沿革的に申しますと、金属鉱山みたいなところは、これは昔から、字の違った鉱害があったわけでございます。それから、紙パルプといったような業界は、やはり水の使用量が非常に大きゅうございますので、昔からそういうことには苦労をしております。したがって、私どもが接しております企業経営者との感触で申しましても、業種によりまして非常に、なお隔たりがある。しかし、以前の隔たりが、最近の状況で非常に近づいてきておる、かように感じます。と申しますのは、平たく申しまして、会社の社長というような方々で公害問題に関心があったお方というのは、私の申しました公害型の産業のところは、前から社長さん自身その問題に取っ組んでおられた、社長になられる前に、工場長でずいぶん苦労してきたというような経験をお持ちの方が多いわけであります。最近のところでは、そうでないタイプの企業の経営者の中にも、この公害問題というものについて、企業の社会性という意味合いにおいて、できるだけのことはしなければいかぬのだという気持ちか、かなり一般均になってきたと、これは個人的な印象でございますけれども、私はそう思っております。また、そういう機運をつくることが私どもの任務でもあると考えておるわけでございます。 ただ、問題は、開銀と中小公庫のいままでの実績に見られますように、やはり、中小企業者側におきましては、問題の性質を理解していないということではないと思いますけれども、企業経営上、なかなか困難な問題に遭遇しておる状態でございますために、やろうと思っても、なかなかできないという感じが強いのではなかろうかと思います。そうしてまた、これらの層と申しますものは、通産省という、いわば産業官庁でございましても、個別のところまではなかなか直接に手の届かない業態でございますので、私どもが大企業を相手にして大体の感触を得とるのと違いまして、実態がどれくらいの認識であるかということは、大企業の場合に私がある程度実感を持ってお答えできるほど、その印象というものは、つかみ得ない形でございます。この分野につきましては、実は、地域問題として解決していくほうが、産業問題として取っ組んでいくよりも近道でございます。したがいまして、先ほどの公害防止事業団の仕事、これは、金融機間のように居すわっていて向こうからの借り入れ申し込みを待っておるという形では進まない仕事でございます。出向いていって相手を説得し、そうして複数の方々の話し合い、考え方をそろえてやっていくという、たいへんやっかいな仕事であります。 先ほどの御質問にありましたように、なかなか思うようにいかぬというところは、これは、私どもや厚生省、事業団の非力もございますけれども、仕事そのものの性質が非常にむずかしいということも、ひとつ御理解いただきたいと思います。その場合に、事業団は中小企業を中心にして運営していきたい、こういう考え方でございますので、大企業の場合は、私どもがかなり指導できる分野があると思います。ただ、中小企業につきましては、県市等の地方公共団体のほうの指導力のほうが、私どもの指導力よりも有効だと考えております。その意味合いにおきまして、事業団理事長のほうでも、中小企業の工場アパート、その他のプロジェクトにつきましては、現地にお出向き願っておりまして、そこで府県市等の方々の御協力を得て仕事を進める。中小企業問題は、私はかようにして進めていくのが一番実効があがると思います。その面におきましては、通産省も八ヵ所の通産局を持っておりまして、現地問題としてできるだけ地方自治体に協力し、かつ事業団に協力して、仕事が円滑に進められるように努力をさせておるつもりでございます。
○柳岡秋夫君 関連。通産省は大企業については把握できるが、中小企業はちょっとむずかしいから地方公共団体へ、というニュアンスの御答弁ですが、千葉県あたりでは、大企業が公害に対する責任を当然持つべきであるという考え方を持って地方公共団体が大企業に当たっておっても、大企業はなかなかうんと言わないというのが、いま事業団がなかなか仕事ができない一つの理由にもなっておるわけですよ。したがって、もう小し通産省が、産業優先でなくて、公害防止事業団を監督する官庁の一つとしては、やはりこの公害に対して、もっと積極的に大企業に対する指導を私はぜひやってもらわなくちゃならぬと思います。中小企業に対しても、当然これは、通産省の中に中小企業庁もあるわけですから、そういう面から、地方自治体ばかりにこの問題を押しつけるという、そういう態度でなくして、やっぱり行政官庁としての役割りはぜひやってもらいたい。いま、ちょっとお聞きしまして、何か逃げているような感じを私受けましたので、一言申し上げておきたいと思います。
○説明員(中川理一郎君) 逃げておるようなお感じを与えたといたしますと、私の答弁が非常に不十分な点があったわけであります。私ども本省におります人間がやります仕事といたしまして、実効をあげる上に、比較的な問題として、どちらのほうが有効かということを申し上げておったわけでございまして、府県側のみに仕事をやってもらうという気持ちでおることとは全く違うわけでございます。力の及ばないところもございますけれども、できる限りのことはやってきたつもりでおりますし、今後もやるつもりであります。なお至らぬところは十分あろうかと思いますが、それはひとつ御叱正賜わってけっこうでございます。
○紅露みつ君 たいへんに公害の問題はむずかしいということは、もうみんなわかっている問題でございますが、そのうちで、たいへん立ち入ったことを申し上げるようでございますけれども、窓口を一つにしてということは、ずっと事業団が出発する当時から、委員会としては御意見が出ていたわけでございますが、だんだんお話を伺いましても、どうも、通産省にしましても、厚生省にしましても、受け持つ分野がそれぞれ根本的には違うわけですね。そして一つの公害防止ということになるんでございますが、御指摘のように、事業団は、発足しまして間もないし、人員も少ないし、ということで、両省ともたいへん力を少れていただいているようでございますけれども、ときに食い違いの御答弁があるようなこともあるようですが、これからの事業を進める上におきましても、何か、御連絡がまちまちになって、ときどきに思いついたときに御連絡、というようなことでなく、定期的に公然とした機構——ということになると、また大げさでございましょうけれども、そういうようなぐあいに、ひとつお打ち合わせを、定期的にね、そして食い違わないように、事業団の仕事のしやすいように、通産省はもちろん、厚生省側はまたそれの、まあ言うてみれば、あと始末ですね、そういうような分担がありますけれども、厚生省も各県に対してたいへんにこのごろは行政指導をしているようでございますが、通産省はもちろん工業技術院を持っておりますし、それらについても密接な、御連絡をしていただいたほうがいいと思いますが、いまのところは、どういうことになっておりますか。定期的な打ち合わせの機関はございませんか。伺っておきたいと思います。
○説明員(中川理一郎君) 事業団の運営につきましては、通産、厚生、それぞれの分野で、事業団の指導と、事業団に対する協力をやっていかなければいかぬわけでございますので、現在のところ、事業団に両省が集まりまして、隔週、一週間おきということでございますが、定期的に打ち合わせ会をやっております。これはもちろん定期的な会合でございまして、その間にも、特殊な問題で打ち合わせを要する事項がございますと、両省から事業団に集まりまして相談をしている。かような状況でございます。
○紅露みつ君 それは、たいへんけっこうなことです。私が思いますよりも先に考えられておったことは、たいへんうれしいことでございますが、それをひとつ強化されていただきたいと思います。まあ、いろいろ施設をされてもコストに加算されないという、なかなか事業から言うと容易なことじゃないと思いますけれども、そこをやっぱり相当強力に指導しておあげにならなければいけないのが通産省だと思いますのですね。で、まあ厚生省は、あと片づけで、いろいろななにをかぶってまいりますから、それは各県に連絡をとってまっていらっしゃるようですが、具体的にどんなことしていらっしゃるんでしょうか。
○説明員(橋本道夫君) 公害防止事業団とは、先ほど立地部長がお話しになりましたように、各自私どものほうから参りまして、一本の省に集まるよりも、事業団を中心として一緒に話をしようという形で進めております。県のほうにつきましては、従来、厚生省のほうは衛生部関係、保健所などということでございまして、また公害部局は必ずしも衛生部ではございませんが、地方自治体のほうとの連絡は、住民の立場ということでは厚生省が最も努力をしなければならないと存じます。いずれ、事業団の業務方法書等が確定いたし、実施計画の策定が終わりましたならば、事業団と通産、厚生、この三つ一緒になりまして、地方自治体と合同の会議を開いて、そして足並みを一本にしていきたいということを考えております。自治体のほうにつきましては、私どものほうから積極的に出向いて指導もいたしております。
○紅露みつ君 それはたいへんいいことだと思います。それで思われますのは、厚生省のこれは何になりますか、しかしそう簡単に割り切れないだろうと思いますが、自動車の排気ガスの問題等も大気汚染の大きな問題になっておりますが、これらについては、どんなふうに動かれておるのですか。動こうとしておられるのか。そのこともちょっと……。
○説明員(橋本道夫君) ばい煙規制については、厚生、通産両省共管になっておりまして、厚生省は、地域指定の問題とか、あるいは環境とか影響という問題あるいはごみ処理場のばい煙問題を力点としておりまして、産業関係の施設につきましては、これは通産省が主管的な役割りを果たしておりますが、自治体としましては、都道府県知事が一本でやっておるわけでございまして、私どもは、むしろ自治体の資料をできるだけ集めて、意見を聞きまして、またその陳情書等を十分精査いたしまして、その整理をいたすということで現在いたしております。
○紅露みつ君 私、ちょっとことばが足りなかった。街頭における車の排気ガスを意味したのですが、あれをどんなにしていらっしゃるか、どうしようとしていらっしゃるか、ということです。
○説明員(橋本道夫君) 排気ガスの問題につきましては、ばい煙規制法が通りました当時に、附帯決議が国会で付せられまして、さっそく私どもが問題に取り組みまして、現在まで、環境汚染の調査と影響の調査を終わりまして、今度資料の提出の要求がございまして、私どもが今回実施いたしました自動車の排気ガスによる影響調査につきまして、詳しく御説明を申し上げたいと思っております。
○紅露みつ君 やっておりますの。
○説明員(橋本道夫君) 厚生省は環境汚染と影響でございますから、この問題につきましては、総理府の公害対策推進連絡会議というところが中心になりまして、そこで、通産省や運輸省、警察庁と一緒になりまして、自動車の排気ガスの問題を論議するという形でいたしております。すでに、一度積極的な方向で進めようということで、約一、二ヵ月前に持たれまして、現在その方針によりまして各省が進めておるということございます。それからまた、実態調査の結果、自動車の排気ガスの調査につきましては、やはり運輸省と警察のほうに関係がございますので、影響調査を実施するメンバーの中には、運輸省の車両課の人も加わっております。警察の関係は、東京都でございますので、東京都の警視庁の方が加わっておられまして、結果の検討につきましては共同でいたしております。そういう意味におきまして、結果の発表につきましては、警察の関係の方も運輸省の方も御承知の上で進めております。そういう形です。
○紅露みつ君 もう一つ。これは事業団に伺いたいのでございますが、四十年度の計画、四十一年度の計画、これは二つなんでございますね、打ち出されているのですが、四十年度の計画も四十一年度の計画も、これはあわせていま進めておられるように伺っているのですが、そういうことでございますか。四十年度の計画は、四十年度内に片づける、こういうことで優先させていらっしゃるのですか。そこのところは、どんなでございますか。
○参考人(原文兵衛君) 先ほど申し上げました、四十年度はできるだけ四十年度内に、少なくとも契約成立までに持っていきたいと思ってやっておりますが、ただ、時間的に、あとわずかございませんので……。しかし、この事業団の事業そのものは、四十年度と四十一年度と、ぽつんと切れるわけではございませんので、できるだけ四十年度内に、少なくとも契約は結びたいとして進んでおりますが、問に合わぬ場合には、そのまま四十一年度に繰り越して、ずれ込んで、四十一年度に実施していきたい。したがって、実質的には、むしろ四十年度、四十一年度一本の計画のような気持ちでやっておるわけでございます。
○紅露みつ君 いろいろ困難性が心配されるんでございますが、いままでの御経験で、ひどい抵抗がございませんで、予定どおりお進めになれるおつもりでございますか。
○参考人(原文兵衛君) 四十年度につきまして、まだ実際に契約も成立しておらないときに申し上げるのも恐縮なんですが、まあ幸いにして四十一年度には、金利の問題個別融資の問題も一応前進いたしますし、さらに水質保全法による指定水域も拡大され、厚生、通産両省の行政指導も非常に強力にやっていただけることになっておりますので、四十一年度の計画につきましては、私どもは十分これを実施できるという考えでもって進めております。
○理事(松澤兼人君) ほかに御発言もなければ、本件に対する質疑は、この程度にとどめたいと思います。 本日は、これにて散会いたします。