P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
51回国会参議院1966/04/14

災害対策特別委員会 第5号

発言数
67
登壇者
15
会派数
4
開催日
1966/04/14

会議録

大倉精一日本社会党

○委員長(大倉精一君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告申し上げます。  本日、斎藤昇君、米田正文君、吉田忠三郎君、中村英男君、白木義一郎君が委員を辞任され、その補欠として小山邦太郎君、青木一男君、羽生三七君、林虎雄君、黒柳明君が選任されました。     —————————————

大倉精一日本社会党

○委員長(大倉精一君) 次に、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。  松代地震に関する調査のため、本日、東京大学教授、東京大学地震研究所長萩原尊礼君、長野県知事西沢権一郎君、長野県松代町長中村兼治郎君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大倉精一日本社会党

○委員長(大倉精一君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたします。     —————————————

大倉精一日本社会党

○委員長(大倉精一君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  本日は、松代地震について調査を進めます。  最初に、長野県知事西沢権一郎君から、現地の実情について説明を聴取いたします。西沢君。

西沢権一郎長野県知事

○参考人(西沢権一郎君) 私、ただいま御紹介をいただきました長野県知事西沢でございます。本委員会におきまして、松代を中心として発生いたしております地震につきまして陳述の機会をお与えいただきまして、まことにありがとうございます。  なお、この松代地震につきましては、当委員会におかれましていち早くこの問題をお取り上げいただきまして、委員会を開催され、あるいはまた、現地にはるばるお出かけをいただきまして対策を講ぜられ、あるいは地震と戦っておるところの住民に対し慰問をされ、激励をされる等、数々の御高配を賜わっておる次第でありまして、この機会に衷心お礼を申し上げる次第でございます。なお、国会におかれましても、あるいはまた各党におかれても、また政府におかれても、この問題につきまして格別の御配慮をいただいておる次第でございまして、中央防災会議もこの問題を取り上げて、連絡協議会を設置される等をはじめといたしまして、数々の対策を講ぜられておる次第でありまして、この点私ども現地の者といたしまして感謝にたえない次第でございます。  地震の発生いたしましたのは、御承知をいただいておりますように、昨年の八月の初めでございます。順次回数等が増加をいたしまして、心配をいたしたのでありますが、しかしこれも十一月ごろを一つの頂点といたしまして、その後だいぶ下り坂になったのでありまして、観測所等の予報によりますというと、この分で順次終末に近づく、大体三月ないし四月ごろにおいては終わりを告げるのではなかろうかというようなもっぱらの予測、予報でございまして、私どももそのようになることを念願をいたしたり、またそういうふうに信じておったのでありますけれども、三月の中ごろから事態は全く急変をいたしまして、下り坂どころか横ばいもおろか急激に上昇をいたしまして、最近におきましては非常に危険な状態にあるということが、もっぱらの一致した意見のようでございまして、現地の者といたしましても、たいへん驚くと同時に心配をいたしておるというのが現状でございます。  どうしてこういうことになったかということを——私どもしろうとでありますけれども、専門家の話によりますと、新しいエネルギーがそこに加わったものである、こういうことでありまして、新しい勢力がそこに加わった、エネルギーが加わったということになると、戦争にたとえますというと、新しい部隊がそれに加わっていくことになるから、こちらの防衛、防備の体制というものも、いろいろな新しい角度によってやらなければならぬ、そういうきわめて重大な事態に立ち至ったというふうに想像いたします。  お手元に差し上げてございますけれども、地震の回数は今日まで非常に増加いたしまして、地震計に感じたもの二十一万回、人体に感ずるものでも二万回をこえておるということで、毎日の最高は先日、有感回数で六百四十回。これは表にございますけれども、非常な何といいますか、たいへんな事態になっておる。それを裏書きするように、先般、これもこの表に——「予想される被害地域」という地図を差し上げてございますけれども、その中で、松代町が中心でしたけれども、松代町の隣の若穂町というところを中心にした、震源地とした震度五という地震が起きまして、相当な被害をもたらした次第でございます。松代等の人々は、そのとき松代は震度四でありましたから、これはことによると、地震の中心がほかへ移動をしたのだというような安易感と言ってはなんでございますけれども、そういうようなことも流布されたりいたしましたところが、今度十一日にはまた松代のほうに逆戻りいたしまして、松代を中心としてやはり震度五という地震が発生いたしまして、相当な被害を及ぼしておる。その後続いておりまして、昨晩——私はこちらに参っておりましたけれども、昨晩も、今度は千曲川——松代から申しますというと、千曲川を渡りまして川中島平の更北村というところに震度四くらいの地震が起きた、そういうことでございまして震源地のようなものも、だいぶあの地帯を松代を中心にして移っているという、そういう非常に心配すべき状態でございます。  これに対処する県のかまえでございますけれども、これはいままでのことにつきましては、当委員会におきましても県の防災対策等を御説明申し上げてあると思いますし、また県へお出かけのときにも、防災対策について御説明申し上げましたけれども、その後の変わったことについて申し上げたいと思いますけれども、前に御心配をいただきましたおりには、被害が予想される地域というのは、松代を中心として二十市町村であったのであります。ところが、先刻申しましたように非常に危険な状態になってきておるし、エネルギーが加わったということになって、二十市町村の防備体制では十分ではないということのようでありまして、三十六市町村に拡大をいたした次第でございます。この二十市町村においては、それぞれ連絡協議会というものをつくっておりまして、対策もそうでありますし、あるいは中央方面への陳情等においても、お互いに一致協力をしたというか、歩調を一にしたというか、そういう体制をとったほうがよろしいということで、まちまちな行動はしないということで、私がその連絡協議会長になりまして統制をとっておるのでありますが、それに新たに十六カ町村が加わりまして、これもお手元に申し上げてございますけれども、三十六の市町村ということで、いままでの二十カ町村で立てておりました対策というようなものを、三十六市町村に広めたということが一つでございます。それに伴いまして、これもお手元に差し上げてございますけれども、昨年来御承知をいただいております松代地震対策計画というこの計画を三十六市町村に直したということと、なお若干の手直し等をいたしまして、最も新しい計画がお手元に差し上げてありますところの松代地震対策計画でございまして、これに基づいて万全の対策を立てていこうというかまえでございます。もちろん、これは県独自でなくて、協力をしていただくところの関係機関等と相はかりましての計画でございまして、またただいまにおきましても、協力をしていただくところのそれぞれの機関と連絡、緊密な関係をとりつつある次第でございます。たとえば警察などはもちろんでありますけれども、自衛隊であるとか、あるいは鉄道であるとか、あるいは営林局の関係であるとか、あるいは電電公社の関係であるとか、電力会社の関係、まあそのほかたくさんございますけれども、そういうものと連絡をとり、それぞれ相談をいたしたところの計画でございまして、引き続いて連絡体制をとりつつある次第でございます。  それから、お手元にもう一つ申し上げてございます陳情書、それに付属したところの書類がございますけれども、この陳情につきましては、実は昨年四十年度にもたいへん御心配をいただいておりますそのことを踏襲するといいますか継続するということ、それをさらに拡充するということ、それが中心でございますけれども、市町村で申しますというと、消防関係であるとか教育関係であるとか、公共施設関係その他となっておりまして、大体は昨年来御心配をいただいたことの継続のようなことでございますけれども、ただこの中で特にお願いを申し上げたいことは、「その他」というその項目の中に、個人の住宅を守るという、また守ってやらなければいけないのではないかという、そういう新しい事態が発生をしてきたということでございます。まあ普通の常識から申しますというと、個人の住宅というものは、個人の責任において守るべきものであって、まあ生活保護法の適用を受けるとかという、そういう家庭は別でありますし、あるいはまた特にボーダーライン層で世帯更生資金を貸し与えるとかという、そういうところは別でありますけれども、大体の常識といいますか原則といいますか、地方自治体の守備範囲というのは、個人の住宅の保全ということには及ばないというのが常識でありますけれども、しかし今度のこの地震は、そういうことでは済まされないというふうな気持ちがいたすのであります。ということは、やはり個人の住宅を守って倒壊するものを防ぐ、そういうことが火災発生などを非常に少なくすることになるだろうというふうに思います。だから私の問題ではなくて、これも公の問題のような気がいたす次第でございまして、このごろ私ども二十カ村あるいは三十六カ村の会議のときにも、どうしても自治体としては個人的な住宅、特にボーダーライン層に対しては心配するいろいろな問題があると思いますけれども、そういう手を打って個人の住宅をできるだけ守ってやりたい、これを国のほうに特にお願いいたしたい。極端に言えば、国に見てもらえないからといってこれをやらないといって済まされそうもない、そういう事態でありまして、これが新たに発生した事態であります。そのほかこまかいことといいますか、こまかくないかもしれませんけれども、町とか村によっては大きいことかもしれませんが、かわらをトタンに取りかえることによって防ぐことができるとか、いろいろそういうようなケースもございますようなことで、そうようなことなど新しく発生した事態でございまして、そういうことを特にお願いを含めまして市町村関係においては、そこにございますように事業としてとりあえず五億一千万余円という、こういう事業をやっていきたい。それから県のほうといたしましては、別に申し上げてございますけれども、所要額二億三千六百万ということを、いま予算が、また新年度の予算が通過し成立したところでありますので、それらの中には傾斜流用というのでございますか、そういうようなことを含めまして二億三千、合せて七億数千万ぐらいの仕事を、この際地震対策としてやっていきたいということでありまして、内容につきましては時間もございませんから申し上げませんけれども、国庫補助をいただくもの、起債をつけていただくもの、その起債も災害起債という方法で将来交付税で見ていただくというようなことをやってもらっておりますけれども、そういうようなもちろん足らないところといいますか、それは特別交付税等の措置によってやっていただくというようなことがそれぞれ内容になっておりますけれども、何ぶんにも、もう県もそうでありますけれども、特に市町村はもう疲れ果てておりますし、財政的にもともと貧弱な市町村であって、財政不如意な市町村が多いのでありますので、自力でやるということにもいかないのが大部分でありますので、いままでもやってもらっておりますけれども、特にあたたかい手を差しのべていただきたいということであります。そこで地元で申しますというと、こういった私どもは見えざる敵と戦っているというふうに表現しておりますけれども、敵がどういう状態で出てくるかわからないけれども、とにかくしかし、あるいは機関銃か大砲が出るかもしれぬ、いままでは小銃ぐらいであるけれども、あるいは機関銃、大砲が出るかもしれない。そういう機関銃や大砲までの備えをしないで、小銃だけの備えをして、あと大砲が出て被害を受けるということになると、これは天災じゃなくて人災であるという非難をこうむるのじゃないか。非難をこうむるというか、そういうことじゃ済まされないのじゃないかという私どもの気持ちでございます。前ぶれがなくて災害がどかっと起きたことになれば、これは自然現象といいますか、天災で、いかんともしかたがないということになるけれども、これだけの前ぶれがあり、それからこのごろ、東大の萩原先生がおいででございますけれども、一致した予報としては非常にあぶない、震度六が来る公算が非常に多いということになっていますから、そういう前ぶれがあるにもかかわらず、これを備えが不十分であったということになるというと、これは天災であったということで済まされないのじゃないか、人災ということになるので、人災はこの際起こしたくない。こういうことでありまして、できるだけの体制を整えたい。そこで私、午前中も衆議院の災害対策の委員会で申し上げたわけでありますけれども、国においてもたいへんいろいろ心配をしてもらっているので私どもありがたいけれども、この際ひとつ、もう戦時体制のようなものであるのだから、あまり法規がどうであるとか何とか、そういうむずかしいこと、それから査定官が来て査定するとか何とかということで、じんぜん日を経るというようなことになれば、そのことによって時期を失したことによって災害を発生するおそれもあるのだから、ひとつ相当大幅な権限というようなものを知事にまかせていただいて、私にまかせるようにお願いをいただきたい。まあ市町村に行ってみますと、金はないけれども、しかしやらなくちゃならないということは、私が先ほど申し上げましたようにいろいろあります。私どももまたどうしてもやらなければならないと判断するものがありますけれども、しかし、国のほうから金が出るか出ないかによって、これをやるやらないということを決定しているのでは、どうも済まされないように思いますから、私は現地に行きまして、必要なことはやるよりほかにないのだ、金がないからやれないということでは済まされないのだ、病人があるけれども金がないから入院させないというわけにはいかない、金がなくてもやはり入院はさせるべきである、金はあとで心配するというよりほかにないんじゃないですか、だから地震対策として必要なことはこの際どうしてもやりましょう。しかしその金がどうしてもない場合には、これは国にすがって心配してもらうよりほかにないんじゃないですかと、こういう非常事態だから、そういうふうに私申しておりまして、それにはある程度私に財政的な支出、そういうふうなものはよろしいと、これをやってよろしいということでまかせでいただくと、これは非常にありがたい。私はまかされたからといって、むちゃくちゃなことをやろうという気持ちもありませんし、それからまた、国に連絡をしないというようなことは考えておらないので、絶えず連絡してやりますけれども、少なくとも知事にまあある権限をまかせたということになれば、心理的な影響といいますか、やはり地震と毎日戦っている者が、国のほうにいかないと通じないということが、知事の腹でというか、知事の考え方でできるようになったということになれば、そのこと一つをもってみても非常に安定するというか、安心するというか、そういうことの効果があるんじゃないかというふうに思います。私はまかせてもらったからといって、この際何かそれを乱用するとか何とか、そんなことは全然毛頭も考えておりませんけれども、ただそういう心理的な効果も含めまして、ある程度の財政支出とか、こういうようなものをやってよろしいのだというような権限をまかせてもらうというようなことにしていただければたいへんありがたいということを、午前中も申し上げたのでありますけれども、再びここでもってお願いを申し上げる次第でございます。  それからなお、この恒久の対策としまして、これは国においてもたいへん心配をされているようでありますけれども、さらに科学的な調査をされて、そうして統一見解のようなものを発表していただきたいということ、これは地元のほうの要望でございますし、それからいま問題になっているようでありますけれども、地震に関する保険制度というものを確立していただくこと、こういうようなことも私ども地元としての要望でありますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。  時間もございませんので、大体飛び飛びに申し上げたのでありますけれども、重ねて今日までの御高配に対して御礼を申し上げると同時に、今後一そうのまた御配慮をいただきたいと思ってお願いを申し上げまして、私の陳述を終わりたいと思います。

大倉精一日本社会党

○委員長(大倉精一君) 次に、松代町長中村兼治郎君から現地の事情について説明をお願いいたします。

中村兼治郎長野県松代町長

○参考人(中村兼治郎君) 私が松代町長の中村でございます。本日はお招きをいただいて、地元の地震の状況を申し上げることのできますことをたいへん光栄に存じておるのであります。  ただいま知事さんのほうからるるお話がございましたが、松代町が地震の中心地で震源地であるというような関係から、すでに九カ月に入っておるというような実情でございまして、町民ひとしくほんとうに心身ともに疲労をいたしておるというのが現状でございます。そこで気象庁あるいは東大の地震研究所の今日までのお話では、四月の花の咲くころはやまるだろう、こういうことで、一応町民も安心もし、私どもも地震対策に対する本年度の予算はさらに組んでおらないやさきでございました。  突如として三月の十日近辺から毎日千五百回を上回るとような震度がございまして、特に三月の末になりましては毎日二千回をこえ、四月に入りましてぐんぐんと伸びてまいりまして、四千五百回以上というような地震計にあらわれた数字が出るというようなことでございました。毎日地震観測所からの情報を入れまして、戦々恐々といたしておるおりから、この四月の五日、また四月の十一日の払暁ことごとく四度、五度というようなのがまいりまして、その前に必ず震度三というようなものが四、五回襲った上に立ってそういうものが襲ってくるということでございました。そこで今日まではいろいろ御配慮をいただいたために、屋根のかわらの落ちるというような状況もなかったものが、先ほど来知事さんからもお話のございますように、二十二万回をただいまこえておるわけでありまして、そのうち有感回数というものが二万二千回、ちょうど有感回数は地震の回数の一割に相当したものでございまして、こういうふうに毎日ゆすられて、大体これを計算いたしてみますと、七分間に一回ぐらいずつ有感地震があるということでございまして、その有感の感度が毎日ふるっておるのでございますから、これをささえ補強をいたしましたものもゆるんでくる。あるいは補強をいたさなくてもよろしいという家屋も痛んでくる。そうしてこの十一日の払暁の震度五に対してはばく大な損害がございまして、大体役場に届け出たものだけで被害の合計を見ますと約一億四千八百四十五万というような被害の総額でございました。その内訳を申し上げますと、建物の被害が四千六百五十件でございまして、一億二千九百八十万余円、土木におきましては九件の八十四万六千円ばかりでございます。農林土木におきまして百六件の千七百八十万、こういうようなぐあいに被害が起きた次第でございますが、先ほど来申し上げますように、約九カ月になんなんとする時日でございますので、町民ひとしく戦々恐々といたして、ほとんどぼう然自失ということばは、私ども町の町民ではないかと、かように存じておるような次第でございます。そこで急遽十一日の午前十時から緊急町会を招集いたしまして、さていままでの情報によりますというと、東大の地震研究所でも、あるいは気象庁のお話をお聞きしても、いままでの情報で四月ごろにはやむだろう、こういう情報は一切御破算だという情報でございました。一切いままで言ったことは間違っていた、これは御破算で、知事さんからお話のあったように、新しい地震が起きてきたと、こういうお話でございますから、長いこの心配と疲れと今度はこみ上げてきて、ただいま申し上げたようにほんとうにぼう然自失とは、私はこのことである。そこでいろいろ元気を出して協議をいたしました結果は、まあいろいろ町民から私に要請もございます。一体こうやって長くゆすれているのに、固定資産税を取るということはどういうのだ、町は固定といっているけれども、固定しているものから資産税をとるということなのに、それを毎日ゆすれているところがら固定資産税を取るということは、はなはだ町長腑に落ちないという、これはほんとうに真に迫まった私はことばだと思って、これを慰めるとか、あるいはそれを押しとめておくだけの勇気が実はございません、こういう実情でございます。そこでいろいろ協議いたしましたが、固定資産のうちにございます、いわゆる償却資産も固定資産税のうちに入っておりますが、中小企業はシリンダーがひっかけちゃう、いつ地震が起こるかわからないから休むわけにもまいりませんから、中小企業が運転をしておるところにがたがたとくるというとシャフトがひっかけてしまう。そうすると、そのシャフトを取りかえるのに時間がかかる。その間は四、五十人の従業員というものは休まなければならないということでございますから生産が減ってくる、この償却資産はやはり固定資産税のうちに加わっておるのだが、これは一体どうしてくれるのだ、シャフトを取りかえればいいようなものではあるけれども、機械も痛んでくるし仕事が第一あがっていかないということでございます。したがって、これはやがて町税に影響することでございましょうが、そういう実情でございます。そこで、今度は私どもはこの地震の災害に対してぜひ忠実に報告をしてくれ、こういうことで町民に呼びかけておるのでございますが、町民は最近ちっとでも報告してくれない。どうして報告してくれないのだというと、お見舞い金をくれるでなし、報告しても何とも言ってこないようなところへ報告して何のためになる、こういうことを申して、実は私どももそれに返すことばがないわけでございますが、町会等におきましては見舞い金をこの際出せ、ところがその被害の程度が違っておるので、この見舞い金をどういう方法にして出すかということにさえも、まだ態度をきめかねておるような次第でございます。しかしこの家屋のゆすれておるところの税金というものと、それからただいま申し上げましたような償却資産というようなものは、当然大幅な減額をして課税をしていくか、あるいは見舞い金の意味をもって固定資産税のうちの家屋というものだけはこれは抜かなければならないのではないかというようなせっぱ詰まった事情、差し迫まっておるような事情でございます。  そこで一面気象庁と東大の研究所のお話では、今後なおマグニチュード六というようなものが発生するおそれが十分にある、こういうお話でございまして、もしそれがありとするならば、松代町の家屋というものは約三〇%というものは倒れるだろうというお話でございました。五千戸あるものを三〇%と申しますと千五百戸というものは、これはもうどうしても早急に補強していかなければならない。今日までも県の建築士協会の御協力を得、県あるいは郡の建築士を動員していただきまして、いままで長く続いておった地震に対しても一戸も倒れたうちがない、ここまで私も御協力を得て努力してまいりましたが、これでマグニチュード六というものが襲うということになれば、三〇%というものは倒壊する。幾ら火の用心をいたしましても、必ずこれは一カ所からもあるいは二カ所からも火の出ることは、これもいなむことはできないことになるんではないかと思うのでございます。そこでこの三〇%の家屋をどうしても早急に補強してやらなければならないということに腹をきめまして、知事さんのほうへもお願いをして、そうして今回のお話にもそれは加えていただくことにいたしたのでございますが、私はすでにどのくらいの石数があればよろしいかということの調査もいたしてまいりました。それはこのほども県のほうで申し上げたんでございますが、最小限一石要るのでございます。多いところはあるいは三石のものもあり、四石のものもあり、あるいは五石のものもあるんでございますが、それらを平均いたして二戸当たり何としても三石平均には要るだろう。こういうことでございまして、私の松代町の木材の市価というものは、大体小売りが石で六千五百円、いたしております。これを大量に購入いたすとすれば五百円ぐらいはまけてもらえるだろうと存じまして、六千円必要である。これを平均いたしますると、平均一万八千円の千五百戸というものは、早急にこれを補強して、材木を与えてやるから、手間賃その他の費用はおまえさんたちがお持ちなさいということで、見舞いかたがたこれらをしてやらなければならない。こういうことによって、やがてくる、予想されますところの震度六の防災をこの際協力いたしてまいりたいという念願で、町民に安心感を得させたいと存じておるような次第でございます。  それから学校の校舎のことでございますが、一応補強をいたしまして、それぞれ災害を防除することができました。あるいはまたプレハブの校舎を御配慮いただきましたことに対しましては、ほんとうに心から感謝を申し上げる次第でございますが、毎日毎日先ほど申し上げましたようにゆすっておって、だんだん家屋を脆弱にすることは申し上げるまでもございませんが、頭の重いことがいけない、こういう考え方を起こしまして、小学校が六校ございますが、このかわらを全部撤去してトタン屋根にしてしまいたい。これが大体坪六百五十円かかるのでございます。これも入れさせてみたのでございますが、約六千七百坪ばかりの屋根坪を、全部これをかわらを撤去してそうしてやってまいりたい。かようにいたしまして、この公営建物、いわゆる小学校の校舎の保全をしてまいりたいという考え方でございます。  かようなことをいたして、特に震度六に耐えたいと思うのでございますが、まことにいろいろな御規則がございまして、これをお願いいたしても、なかなか窓口でつっかかってしまって、実に私どもは先般困難をいたしました。いずれ最後には見ていただくことになってはおりますけれども、これは昨年四十年度にお願いをしたことでございますが、忠実に私どもはこの防災をして災害を少なからしめるために働いたわけでございます。その総額が六千二百三十七万円かかっておるのでございます。そのうち国に補助していただいたものが二千六百三万円でございます。県で百七十万、あとは起債で千五百六十万、特交で千七百九十三万というものをいただいたということで、地元といたしましては百十万程度のものをこれに加えたということでございますけれども、千五百六十万というものは、これは自治体の借金でございます。地方債というものはいただいたんじゃない、いずれにしても借金で利息を払っていかなければならない。こういう利息まで払わせる金を私ども松代の地震の影響のある者だけが、特別にこういうような借金をしょわせられて——と申してははなはだ恐縮でありますが、——負ってその利息も自分で出していかなきゃならないということは、容易なことではない。そこで町民の方々がノイローゼになったばかりでなく、私がすでに最近ノイローゼになりかかっておりますが、まあ薬のおかげで幾らか元気を出しておるというわけでございますが、全くもう午前三時ごろから夜明けまで眠れません。いつどういう災害が起きるかわかりませんから、私はもうすでに用意をいたして、寝るときにもまくら元へ電話を持ってさておいて、私は寝ておるというわけであります。いざといえばすぐに飛び出していって総指揮官をしなけりゃならん。このほども午前の六時にあった地震にも、私は直ちに出かけてまいって、総指揮をいたしました。そしてそれぞれ調査をし、その災害を取りまとめて県等へ御報告をし、あるいは警察との連絡もしたということでございまして、全くもう疲れ果てて、身も世もなく疲れてまいった、こういうことが現状でございまして、この際、ぜひ先生方の御配慮によりまして、一日も早く何らかの方法によって地域住民が安心して、そのおのおのの生業について働けるように御配慮を切にお願い申し上げたいと存じます。はなはだどうもぶしつけなお願いをいたしたわけでございますが、こういう方法によらざれば、この防災はできないという私は長い間の地震の経験の上からお願いを申し上げる次第でございますが、よろしく御検討をいただきまして、御高配を仰ぎたく存ずる次第でございます。  はなはだ簡単でございますが、以上申し述べまして私の意見の開陳をいたした次第でございます。

大倉精一日本社会党

○委員長(大倉精一君) 次に、東京大学教授、東京大学地震研究所長萩原尊礼君に、松代町周辺における地震の現況と今後の動向について御意見を拝聴いたします。

萩原尊礼東京大学教授東京大学地震研究所長

○参考人(萩原尊礼君) 去る四月の二日に、地震研究所と気象庁と合同で総合所見を公開いたしました。この所見は、今日現在も変わるところがございませんので、大体この所見に従って御説明したいと思います。  松代地区を中心にしまして頻発しておりました地震は、三月の中ごろになりまして急にその活動の規模及び範囲を拡大してまいりました。松代及びその周辺の地震計のとらえる回数は、最盛期といわれた昨年の十一月の二倍以上にのぼってまいりました。こういう事実は、新しいエネルギーが供給されたものと考えざるを得ないのでございます。二月以降、それまで地震の起こります深さがせいぜい深いほうで七、八キロ、一番起こっているところは三、四キロのところでたくさん起こっていたのでありますが、それが十キロ、十一キロの深さでも起こるようになってきたのであります。また震源は、例の皆神山のまわりばかりでなく、若穂町、東村、須坂市、更北村、川中島町、篠ノ井市及び更埴市方面に広がりつつあります。また新たに上田付近に三カ月間に三十センチという非常に大きな異常隆起が発見されました。また、松代地域は依然として隆起を続けておりまして、これは松代地域の地震のたくさん起こっておるところが刻々に盛り上がっておるわけでありますが、今度はその範囲が広がり、その隆起の中心部がやや北のほうに移動しているように見られます。また皆神山、長野を結ぶ方向に、数ケ月間に十センチ以上に及ぶ土地の伸びが観測されております。また豊野、中野地域に地磁気の局地的な変化が認められております。以上のことを総合いたしますと、南北数十キロにわたる北信地域の地下に、大規模な変動が起こっているものと解釈されます。またこのような異常現象が、直ちに大地震に結びつくかどうかということは、一〇〇%そうであるというふうには申し上げることはできないのでありますが、やはり十分これは警戒を要するものと思うのでございます。現在の活動は、今後多少の消長はあると思いますが、相当長期間続いていくものと思います。  地震研究所におきましては、気象庁と国土地理院などと連絡をとりまして、この広い地域にわたって地震の観測、それから水準測量、それから土地の伸び縮みの測定、それから地磁気の測定あるいは松代町の松代地震観測所の構内の傾斜計等の観測を続けてまいりまして、そうしただんだんと広がりつつある地震域の中の活動の状態がどういうふうになっていくかということの監視を続けていきたいと思っております。

大倉精一日本社会党

○委員長(大倉精一君) ありがとうございました。  それではこれより質疑を行ないます。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。なお萩原先生が非常にお忙しいので、萩原先生に対する質疑のおありの方は、先にひとつお願いいたします。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 参考人のお三人の方から、それぞれ実情及び地震の原因、見通し等について承ったのでありますが、総合して考えてみますと、今日の段階では、松代地震というよりも、もう長野県の北信一帯の地震と、そういう規模のようになってきておる感がいたすわけであります。いま萩原先生の御意見を承ったわけでありますが、最近の地盤の隆起あるいは新しいエネルギーの発生というようなことで、まあ今後の大地震の予想というものが、何か不気味な感をいたすのでありますけれども、萩原先生は、先般例の国土地理院で発表いたしました地盤の隆起ですね、あの現象についての日経新聞に出ておりました先生の談話でありますが、まあそれによりますと、大きな地震が起こるとすれば、その前に必ず微小の地震が起こるだろうということが新聞に出ておるわけでありますが、その微小地震が起こると大地震の前提であるというふうに考える場合に、先月の末から今月にかけて、とみに顕著に大きくなってまいりました、また、頻度も多くなってまいりました地震を見ますと、これが大地震の起とる前提と考えられておりますかどうですか、その点を最初に承りたい。

萩原尊礼東京大学教授東京大学地震研究所長

○参考人(萩原尊礼君) 松代町周辺に起こっております頻発地震は、これは私ども地震群と、こういう名前をつけておりまして、これは非常に小さい地震が頻発して、そうしてまたその中にかなり大きい地震が——実際現在までに起こったような状態はこれでございますが——ときどき起こる。こういうのでございまして、このいま松代の付近で起こっている頻発地震、これがすぐその場所の大地震の前兆と、——大地震と申しますのは、非常にいまよりもさらに規模の大きい地震のことでございますが——それの前兆であるというふうには考えてはおりませんが、ただ、この地震の起こっている地域がだんだんと広がっていっております。だんだんと広がっております。また別の場所で、たとえばこの間の若穂町の北部で起こりました地震のように、いままでわりあいなかったようなところに地震が起こるようになった。そうしてああいう大きな地震が起こってまいった。こういう前に起こった小さい地震、これはその前兆と考えてよろしいのではないかと思います。それですから、だんだんと広がってまいります。そうして、その広がっていったところで大きい地震が起こる。そういう場所から見ますと、いままで起こってなかったところで小さい地震が起こり出すとこれは前兆と、そういうふうに考えていいと思います。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 この県から発表された対策、計画の一番最初にありますように、長野の地方気象台は、去年の暮れの発表では、エネルギーがだいぶ弱まってまいったので、大体暮れの地震がピークで、逐次下降線をたどるだろうというふうな予想をされたわけでありますが、最近になりまして、いま萩原先生のお話のように、逆な見通しも発表されておるわけでありますが、その地震の予知について、この下降線をたどっていると言われたり、とれから大きな地震があるだろうというふうに言われますと、人心がますます動揺するわけでありますが、これに対して学問的な予知というものは、もう少し進歩的な予知というものは、この見通しはできないもんですか。この点いかがですか。

萩原尊礼東京大学教授東京大学地震研究所長

○参考人(萩原尊礼君) 地震予知につきましては、数年前からいろいろと計画が立てられまして、地震予知の研究の推進については、日本学術会議からも政府に対して勧告が出ましたし、また文部省の測地学審議会は新たに地震予知部会を設けまして、実際のそういう具体的な計画を検討する等、地震予知の研究の推進に対しては、最近、急速に進められまして、昭和四十年度を第一年度としまして、そのための予算も認められ、四十一年度、ことしは第二年度になりますが、一応、第一次の五カ年計画として着々としてその研究の推進は行なわれております。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 先生お忙しいと思いますから、もう一つだけお聞きいたしたいと思います。国土地理院におきまして、昨年の十一月から長野県の北部を中心に特別の水準測量が行なわれたということでありますが、これによりますと、長野県北部一帯の地盤に異常隆起があらわれておる、異常隆起の現象があらわれておる、こういうことでありますが、まあ新聞によりますと、長野市豊野町付近で二十八ミリ、豊野町、中野市では最高八十ミリ、一番大きいところですが。平均して六十八ミリの隆起をしておるといわれておりますが、これは地震との関係は、どんなふうに考えればいいわけでありますか。

萩原尊礼東京大学教授東京大学地震研究所長

○参考人(萩原尊礼君) こういう水準測量によって検出されます土地の上がり下がり、これは私ども、地殻の変動あるいは地殻運動と申しておりますが、これと地震の起こるということとは非常に密接な関係がございます。大きい地震の起こる前に、異常な土地のそういう上がり下がりといったものがあらわれるということになっております。で、それはたとえば昨年の——昨年ではございませんが、新潟地震の場合も、その前に水準測量によって、震源地付近の土地が異常な変化をしていたという例もございます。いままではこの水準測量というものは、国土地理院におきましては地図をつくるという目的のために行なわれておりましたので、三十年に一回の繰り返しでございまして、短い期間の繰り返しという経験が非常に少ないのでございますので、こういう変動が起こったときにどういうようなことが起こるというようなことに対するわれわれの知識は、非常に乏しいのでありますが、とにかく、こういう地殻の変動と地震とは結びついたものであると考えてよろしいと思います。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 長野県の北部の地震は、他の地方の地震と非常に性質が異なるのではないかというような説もあるようであります。例のフォッサマグナ地帯に発生しておるのでございまして、中央構造線と申しますか、糸魚川——静岡構造線といいますか、その地帯で起こっておるのでありまして、したがって、新潟地震もこのフォッサマグナの地帯のような感じがいたすわけでありますが、フォッサマグナの地帯の中で起こっておる一つの地殻の変動であるということになりますと、将来どのような事態になるかという予想が、非常におそろしい予想も出るわけでありますが、この点はいかがですか。

萩原尊礼東京大学教授東京大学地震研究所長

○参考人(萩原尊礼君) 長野県北部で起こりました非常に大きな地震と申しますと、例の弘化四年の善光寺地震でございます。これはマグニチュード七・四という七をこえた地震でございます。こうした七をこえた地震が、過去において二回長野市付近で起こっております。北信地域における二つの、ただ二つの例、マグニチュード七程度以上の地震が起こった例でございますが、このほかはみなマグニチュードにしまして六あるいは六より少し大きいという程度のものがございます。それで問題はマグニチュード七程度の地震が起こるか起こらないかというのでございますが、ああいう善光寺地震のような大断層を伴った規模の大きい地震は、千年に一回ということが言われております。まだ善光寺の地震が起こりまして百何年しかたっておりませんので、また再びあの善光寺地震そのものが繰り返して起こるということは非常に考えにくいのでありますが、その延長、たとえば南のほうの延長、そういうところでは起こり得る可能性はあると思います。でありますから、この松代地震がだんだん拡大していきまして、そういう地震になるという可能性は考えられます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 萩原先生にお願いします。私も、昨年の末に当委員会が開かれまして、そのときは、むしろ人心、町民に動揺を与えちゃいけない、こういう角度で、起こる可能性はあるけれども、それよりも町のあるいは県の対策を信じていなさい、こういうような気配が強かったように私自体感ずるわけですが、いまの知事の話、あるいは町長の話、あるいは先生のお話をお聞きしますと非常に危険な状態にある、こういうふうな印象を受けるわけでございますが、それで先生の各所でいろいろなお話を私新聞あるいは地元にいる者ですからお伺いしておりますのですが、いまも言われましたように、マグニチュード七が起こる、そういう最悪の場合も考えられる、あるいは大地震が起こるのは六分四分の率で考えられるとか、あるいはある場合には五分五分の率であるとか、決して起こる可能性が少ないということは先生おっしゃっていられないわけです。起こる可能性が多いという発言のほうが、過去は非常にあるわけですから、結局つい三、四カ月前まではいまも申しましたように、人心の動揺を防ぐ面において、いまは県知事のほうからもお話がありましたように、緊急事態だから、先ほども統一見解を出してほしいという話がございましたが、むしろ起こるか起こらないかわからないにせよ、最悪の場合を想定してすべての準備をしておかなければならない、こう思うわけです。その根拠になるところは、何といっても科学的データであり、その中心は、先生の御判断あるいは先生のお話が一番の根拠になるんじゃないか、こう思うわけでございますが、それについていままでのような何といいますか、失礼な話ですが、何となく起こるのだか起こらないのだか、これは非常に微妙な問題なんだろうと思うのですけれども、何といったって一つの根拠は、先ほどから西沢知事が言われましたように、私に全権をゆだねるならば県民も町民も安心するだろう、それ以上に心理的に安心するのは、先生の御発言、先生の確固たる話、発言じゃないかとこう思うわけですが、それがほんとうにいまの町民に対しての心理的なあるいは物質的な援助を、裏づけをつける唯一の大きな力じゃないか、こう思うわけでございますが、だから起こるのだ、だから危険なんだ、こういうことも非常に発言すること自体問題だと思うのですが、何かそこにもう一本しっかりした、しっかりしたといいますか、科学的に見てもう一歩町民、県民に対してこういう事態なんだ、こう言えるような資料あるいは材料、こんなものはございませんでしょうか、何か抽象的な質問で申しわけございませんが。

萩原尊礼東京大学教授東京大学地震研究所長

○参考人(萩原尊礼君) 私は科学者でございますから、ただ六感に頼ってあるとかないとかいうことは申すべきでない、あくまでも機械による観測の結果、あるいは測量の結果そういうものをできるだけ早く知って、そして適切な判断を下したいと思っております。そのためには、先ほども申し上げましたように、広い地域にわたっていま地震の観測を行なうようにいたしておりますが、そのほか水準測量、それから地磯気の測量あるいは土地の伸縮の測量、それから傾斜計の観測というものもございます。中でも一番そういう判断をする場合にもとになるのは、水準測量だと思っています。それに次いで地震の観測ですね、小さい地震まで含めて、いまどこどこで起こっている、どこどこでは起こっていないという、そういうことだと思っております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 またもう一問お願いしたいと思いますが、結局いままでは火災も起こっておりませんし、また幸いなことに、人命も多少のけがはあったと思うんですが、無事だったと思うんです。この次起こった場合には五秒が争われる、最初の三十秒だ、これが勝負だと言われておりますが、大体病人、老人が三百人、四百人ぐらい疎開していると、こういう話も聞いておりますが、二万一千人の人、あるいは松代だけでなくて三十一町村にわたっては人口が相当多いわけです。少なくとも松代の一番の中心地の人たちが、有無言わさず、老人なり小学校の生徒なり、学童、児童、そういう人たちが緊急に避難をしなければならないと、私はこういうふうに思うんです。あるいは政府も県も、そのくらいな応急措置を講じなければならないと思うんですが、先生は今後の地震の起こる可能性と、その緊急事態を要する人間の生命、緊急避難、こういう両方のバランスを考えてみた場合にどのような——というのは新聞で、あるいは地元で聞きましても、何とかどこかに行きたい、行きたいけれども行くところがない、あるいはある人は先祖から住んでいるところだから、起こるか起こらないかわからないのだから、いままでこれだけだらだらしていたのだから、起こらないことも考えられる、こんなことを言っている人もおります。だけれども、大半の意見は、何とかできるものならどこかに行ってもみたい、こういうふうなことを言っている人が非常に多く新聞でも見ます、私のところにも相当手紙も来ております。じかに聞いてもおりますが、起こる可能性——それは何たって人の命は大切だと思うんです。その人たちをいま避難させなければならないんじゃないか、こう思うんですが、非常にこれも答えをいただくのにはくだらない質問かと思うんですが、先生の科学的な判断と見解から、ほんとうは必要なんじゃないかと私は思うんですが、先生の御見解はいかがでしょうか。

萩原尊礼東京大学教授東京大学地震研究所長

○参考人(萩原尊礼君) いまそういう老人の方が、松代の町におきまして非常にお困りになっているということは重々察しられますが、といってこの地震の問題が非常に短期間に解決するならば、あるいはどこか別のところに避難するということも考えられますが、これは相当長期間続くものと考えられますので、実際問題として、はなはだ長期間そういうふうに疎開するというようなことは不可能だと思います。また、それではどこに疎開したらいいか、地震の起こらないところはどこがいいかと聞かれました場合に、やはりどこがいいということは答えられないのでございます。日本のような場所では、たまたまいま松代ではああいう頻発地震という形で地震が目の前に起こっており、非常にそのためにいろんな測定機械があそこに集中されまして、いろいろそれが推移していく状態が監視されておりますが、地震予知研究計画というものは、まだ踏み出したばかりでありまして、日本じゅうにそういう観測施設もたくさんございませんし、また水準測量の繰り返しというものも、日本全域にわたって短い期間に繰り返し行なわれるということは、まだ実現しておらない状態でありまして、大きな地震は日本のどこでも、北海道のまん中から北のほう、あるいは九州の一部、こういうところを除いて、本州、四国ではいつ地震が起こるかわからない状態でありまして、日本に住む以上、これはいつ地震の襲撃を受けるかわからないという心がまえで暮らしていく以外に道はないのでございます。

青木一男自由民主党

○青木一男君 ちょっと二点ばかりお伺いしたいと思いますが、松代地震は、世界の地震の歴史の上において、先例のない長期にわたる現象であると聞いておりますが、世界の歴史においてこれに  番近い、つまり長きにわたって地震が継続したという一番長い例は、一体どういう例があるのかということを伺いたい。  それから、こういう先例のないようなゆれ方を、地震の原因からどういうふうに判断されておるのでありましょうか。たとえば地殻の変動としても、普通、短期間にくるのが、こういうふうに長く継続されるということは、地震の原因から見て、学問的にどういうふうに判断しておられるかということを、まず伺いたいと思うのであります。

萩原尊礼東京大学教授東京大学地震研究所長

○参考人(萩原尊礼君) いわゆる頻発地震、小さい地震がある期間続いて起こる、こういうのは非常に小さい地震、人のからだには感じないで機械でだけ感じるような地震、こういうものまで含めまして期間は一カ月ぐらい、こういう規模の小さい頻発地震というものは、日本ではたびたび起こっております。おそらく現在においても、日本のどこかで数カ所は起こっていると思います。で、いままで非常に規模の大きかったと申しますか、長期間続いた地震の例は、昭和八年の伊豆伊東で起こりました地震群でございます。これはその年の二月に始まりまして、三月が最盛期、四月になって大体終息いたしまして、五月にちょっとまた盛り返しましたがすぐ終わりました。これがいままで経験されました——大昔にはあったかもしれませんが、それは記録に残っていない、日本に地震学が生まれましてから一番長期間続いたと申しますか、そういうはでな頻発地震というのは伊東地震でございまして、今回の松代地震のようなのは全く初めての経験でございます。ただ、一日に有感地震が二回か三回起こるという程度の地震群でございますと、和歌山地方が相当長い年月にわたって続いた例がございます。  またこういう地震群の原因でございますが、これは非常にもろい岩石に力が加わったときに生じる現象でございまして、非常にこまかい破壊がたくさん起こる、そうしてそれがまたたくさん起こったあとで大きな破壊が起こる——これは実験室における実験でもわかりますように、非常にもろい性質の岩石のところに力が加わった場合に発生するのでございます。ただこの松代の付近、ああいう善光寺平一体は、両側から——東及び西側から強く圧力を受けたところだとされておりますが、ところが、どうしてではそういう場合に、松代だけにああいうことが起こったかということでございますが、これは松代だけの付近の岩石が、非常に他よりももろい性質を持っているというふうに考えればよろしいわけでありますが、しかし、それはそういう特定のところだけ岩石が特別な性質を持っているということは、なかなか考えにくいのでありまして、そのためにはやはりそういうものにプラスして、下から何か力が加わるそういう力、それは下のほうにある溶岩の圧力が増すというようなことを考えなければならなくなるわけであります。こういうようなところがら、この松代地震は、構造性であるとかあるいは火山性であるとか、そういうことがいわれてくるのでありまして、とにかく松代及びその付近は非常な力が、東西から圧縮するように加わっている。南北には伸ばすような力が加わっている、そうしてそういうものにプラスして、地下から何かまた別な大きな力が加わっている。そういうふうに考えているのでございます。

青木一男自由民主党

○青木一男君 もう一点伺いたいのですが、この地震の場合の影響力といいますか、被害の程度の観測でございますが、この地図を見まするというと、この松代町の属する地域は、いわゆる沖積層に当たる部分がむしろ少なくて、そうでない部分が多いように思うのです。地震のあった場合に、その震源地と距離とそれから地盤の強弱との影響力の関係を伺いたいのですが、これを見ますと、もし相当に大きな地震があった場合、地盤の弱いと思われる沖積層は、むしろ川中島地帯、長野に至るこの川中島地帯のほうが非常に多くの部分を占めるのじゃないかと、しろうと考えに思われるのでございますが、震源地からの距離とそれから地盤の強弱とは、一体どっちが多く作用するものか、大体伺っておきたいと思うのです。

萩原尊礼東京大学教授東京大学地震研究所長

○参考人(萩原尊礼君) それは地震の影響と申しますものは、距離とともに減りますから、遠いところほど影響は少ないわけでありますが、それにも増してこの地盤の影響というものは、大きいものであります。で、極端な場合を申しますと、これは昭和の初期に埼玉地震あるいは秩父地震といわれた地震が起こりましたが、これは震源地は秩父の山の中で、その震源地付近にあります辺の村落は全然、ほとんど被害がない。まあ、壁もあまり落ちない程度、障子は破れない、かわらも落ちない程度。しかし、それから相当の距離の離れた例の東北線でしょうか、あの鴻巣駅がございますが、あの付近は非常に被害受けて、たしか鴻巣の駅はつぶれたと思います。これは、こういうふうに震源地のほうでは何ともなくて、相当何十キロも離れたところでつぶれ家が出る。そういうところは相当の厚さの沖積層の場所でありますが、そういう例は非常にたくさんございます。

大倉精一日本社会党

○委員長(大倉精一君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

大倉精一日本社会党

○委員長(大倉精一君) 速記をつけて。  先生に一言ごあいさつを申し上げます。本日はたいへんお忙しいところを当委員会に出席をいかだきまして、貴重な御意見を拝聴させていただ勇まして、厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)  引き続き質疑を続行いたします。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 政府に話がある前に、私は知事とちょっとあるんですが、知事にちょっとお尋ねしたいのですが、大体万一の地震が起こった場合、一週間分のあらゆる対策を立てておられるような報告でございますが、震度七というのは、福井の地震は何ぼであったか私は知りませんけれども、ああいう大地震があった場合に、長野県に食糧の確保する場所とか、そういう個人のあらゆるものを確保するような、地域のなにがあるのかないのか、建築物として。その点はどうですか。

西沢権一郎長野県知事

○参考人(西沢権一郎君) それはあります。ただいまのお尋ね、震度七という、震度六ということをいま言われておりますけれども、震度六で大体三割ぐらい倒壊するんじゃないか、それが標準といいますか目標といいますか、そういうことでやっております。それはだいじょうぶでございますが、しかし、それ以上のものがきた場合の食糧の確保とかそういうことにつきましては、これは全体的に見ると、橋が落ちたりいろいろなことで局部的にはいろいろ困難なところがあると思いますけれども、全体的に見て食糧の確保に事を欠くということはないと思います。だいじょうぶでございます。

大倉精一日本社会党

○委員長(大倉精一君) 速記やめて。   〔速記中止〕

大倉精一日本社会党

○委員長(大倉精一君) 速記を起こして。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 政府に対して対策について承りたいと思います。いままでも国のほうでは異例の措置を松代地震に対してとっていただきまして、対策もそれぞれ講じられておるわけでありますが、いままでと違いまして新たな事態が発生したといいますか、これから予想される新たな事態に直面いたしまして、従来の考え方をさらに一歩進めた対策を立てなければならないのではないか、このように思うわけであります。そこで先ほど来、地元の知事、町長さん等からそれぞれ要望等が出たわけでございますが、すでに政府のほうでは学校の場合、小中学校の場合に非常に校舎が危険であるというので、まず児童を守らなければならないということから、軽量鉄骨の校舎をつくって仮校舎ができまして、一応その点は安心をしておるわけでありますが、町長からも言われましたように、屋根がかわらである従来の校舎は、大きな地震があれば非常に危険であります。危険でありますので、この際かわらを撤去してトタンぶきにふきかえたい、こういうふうに言われておりますし、そのとおりであろうと思います。そこで国としては、これに対して従来と同じように特別の措置で対策を講じられるべきであると思いますが、この点どのように考えておられますか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) 実は昨年の地震がたいへん続きました場合に対策本部をつくりまして、私が本部長ということで現地調査等いたしまして対策を立て、またそれを実施に移しました。その際は、地震研究所のその当時の観測が御承知のとおり震度五をこすようなことはあるまい、こういう見解でありました。まあしかし、私どもはこれはまあ予測できないことでありますから、政治的判断では、震度五という科学者の意見ならば震度六を想定して対策を立てるべきである。特に学校、保育所等いわゆる公共的集会所等については、震度六を想定していろいろな対策を立てて今日まできているわけであります。震度今度は六というような問題が起こりますと、またそれ以上大きなものであると、もうとてもなかなか対策の方法がないのじゃないかと思っております。検討を要する必要がある、かように考えておりますが、総理府のほうでいまいろいろ協議しておりますから、総理府のほうからお答え願いたいと思います。

細田吉藏自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(細田吉藏君) 総理府といたしましては、御案内の実は去年の秋から松代地震連絡協議会を持っておりますが、この四月五日、新しい形のより強いものが起こってまいりましたので、さっそく六日に会議を開きまして、さらに十三日、昨日でございますが、地元からの御要望が追加して出てまいりましたので、それを中心に昨日午後会議を開いたような次第でございます。全体的に申しますると、これまでやっておりましたことは、たとえばプレハブの校舎の問題などは、今回の地震でも非常に有効であったという報告をちょうだいいたしております。しかし、今回は先ほど来お話がございましたように二十カ市町村が三十六カ市町村と北のほうに上がってまいりましたので、そこでこれまでとりました対策を、地域的に拡大する必要が生じてまいっております。これらについては各省で直ちに手配することにいたしております。なお、さらに新たにいろいろな問題が出ているのでございまして、ただいまお話がございました校舎を軽くするという意味からかわらをトタン屋根にしたい、それに対してプレハブと同様な国の補助をしてくれ、こういう御要望は実は昨日私ども県知事さん、また関係の市町村長さんから伺ったようなわけでございまして、昨日もいろいろ打ち合せをいたしましたが、実はまだ結論が出ておりませんので、早急にそれに対しましていかがいたすか、これはまあ非常に有効であるという地元のお話でございますので、これに対しまして関係各省で相談をいたしまして、これはどうせおやりになるということでございますが、これに対して国がいかにいたすかという点については、前向きの姿勢で各省と相談して対処してまいる、こういうような計画であるわけでございます。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 まだ国でどうするという結論出ないようですが、総理府のほうで各省の考え方をまとめておられると思いますが、大蔵次官もお見えになっておられますが、こうした異常のいまだかつて例のないような事態に直面して、第一線に立っている町長さん、あるいは知事さん等の立場もよく理解はされると思いますので、ほんとうの政治というものはこういうときにこそ、いままでの例がなくても思い切って措置するのが、国のよき政治ではなかろうかというふうに思いますので、この点文部省のほうも関係ありましょうが、ぜひ実現するように計らっていただきたいものであると思います。  それからそれに関連しまして、これも先ほど来お話がありましたが、自治省のほうが中心になりますか、総理府のほうが中心になりますか知りませんが、一般民家がたび重なる地震のために予想以上に破損がはなはだしいようであります。へいがこわれ、屋根がわらが飛び、壁は落ちる、柱はゆがむというような状態で、柱と壁の間にすき間のない家は皆無とすら言われておるむざんな姿をしておるようであります。したがって、地元民としても、たびたびの被害で、復旧のための自分の経済力というものについては、限界に来ているのではないかと思う。しかも、国並びに地方自治に対する何かしてもらいたいという希望が、特にここに行き渡っておらないだけに、自治不信というような——不安動揺のときでありますから、無理もない。そういう気持ちに一般の人たちはなっておる。こういうやさきでありますから、先ほど知事さんからも意見が述べられたと思いますけれども、地元の補修といいますか、家屋の修理というものに対して、おそらく地元の町村あるいは県は、何らかの形で見てやらなければいけないのではないかと、これはもう実際問題として理屈を抜きに見てやらなければならないと思う。こういうせっぱ詰まった立場に、理事者は立っておると思うわけであります。これがまた人心を落ちつかせる上にも適切な措置ではなかろうかというふうに思います。ところが、地方財政は御承知のような事態でありますから、一応地方としてはこれを補助の——どういう形にしようと出す場合に、国のほうでめんどう見てやらなければ、やりたくもできないということになるわけでありますから、この対象について、たとえば民間の住宅の補強工事に対する財政的なものは、当該自治体で補助するにしても、財政的な裏づけを国のほうでは心配してもらいたい。こういうふうに言っておりますが、この点どのように考えておられますか。

細田吉藏自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(細田吉藏君) この問題につきまして在来とっておりました方法は御案内のように住宅金融公庫からの融資ということで、これはかなり貸し出しの実績もあがっておるようでございます。しかし、それだけではなかなか解決しないということで、今回地方からきわめて強い御要望として出てきました問題でございます。そこで、分けて申し上げますと、生活保護世帯、あるいはこの世帯更生資金の貸し付けの対象になるような場合、そういう場合にはこれは方法があるということだけは、はっきりいたしておるわけでございます。それから在来のものはもちろんできる。ところが、その中間にあって現に現地の市町村長さん方は、これはどうしてもあとはどうあろうと、とにかくやらなければいかぬ。こういうようなお話を承っておるわけでございます。これはごもっともだと思います。特に私はきのうの会議でも主張いたしておりますのは、これは個人災害、個人に対するものというのは、いまの災害の関係の法規の体系では融資ということになっておるわけなんでございますが、しかし、今度の場合は、これは家がこわれて火事でも起これば、それは非常に公の大きな被災になるという可能性を持っておるのじゃないか、そこらで特別な考え方ができないかどうか、こういうことをきのうの会議でも諮問をしまして、せっかくいろいろそういう点についても、関係のところで検討していただいておるわけでございます。  なお、現地から国有林の払い下げを安くできんだろうかというような御要望もございます。そういう点もあわせまして相談を早急に詰めたいと、かように存じておるような次第でございます。たいへんどうもなまぬるいような御返事で申しわけございませんが、昨日午後ちょうどやったばかりでございまして、率直にその状況を申し上げると、そういうことでございます。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 まあ国の場合には、いまのお答えのような立場で申されるとは思います。公共災害でないからということでありますが、実際今度の地震などは、一時的に火災とかあるいは一時的に大きな地震に見舞われて、あとは復旧すればいいというのとはだいぶ趣が違っておるのでありまして、個人災害、いまの家屋の破損したのは、公共災害と同じように考えていいのではないかと思います。しかし、国として個々の問題としてこれを考えることは無理だと思いますから、一番地元の事情に明るい地方自治体がこの対策を、その痛み方の事情に応じて補助金なりあるいは何かの助成をすると思いますが、したがって、その財源の裏づけを特別交付税などで見ればいいのではないか。責任は地元にまかせて、そうして、国としては地元の財政事情を考慮して、特交その他で考慮すべきではないか。そうすれば、別に公共災害だ、個人災害だという考え方は一応持たないでいいのではないかと思いますが、この点についてお答えをお願いいたします。

竹中恒夫自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(竹中恒夫君) 先刻来地元の方々の切々たる実情の御報告をちょうだいいたしまして、非常に何と申しまするか、おなぐさめ申し上げるようなことばもないような心境で私おるわけでございます。いま林先生御指摘の特交の問題でございまするが、実は御承知のように、前年度は学校校舎等につきましても、プレハブ住宅の六千五百万円というものを国が負担して、全工事費の大体六割程度というものをもって救援対策の一助といたしたわけでございます。その後、いま御指摘のように新しいような状況に立ち至ったのであります。したがって、新しく考えろという先生の御意見十二分にわかるわけでございまするが、前年度のあの当時の考え方といたしましては、かわらぶきその他のものにつきましては、補強工事については一応管理、実施の立場に立って地方自治体において自主的にやっていただきたいというようなことで、六千五百万円一応出したわけでございます。ただ今日におきましては、はたしてそれでいいのだ、前年どおりでいいのだということを言い切り得る状態で私もないと思いまするが、その他の災害の諸要因を含めまして、前年度は特交のほうにおいて、その要因も含めて特交のほうにおいては御承知のように一億七千万円というものを出したわけでございます。この点につきましては、自治大臣の御意見なりあるいは建設大臣なり、あるいは防災協議会その他各方面の機関とも十二分に御相談申し上げなければ、ここで責任のある御回答はいたしかねまするが、一応前年はそういうことで補強、補修等につきましては地方団体において、自主的に管理なりを補修していただきたい。こういう気持ちで前年度は処理いたしました。したがいまして、新しい事態が発生したという場合において、軽率にこれを直ちに全額国が持つのだというようなことは申し上げかねまするが、一応前年度はそういうことであったということと同時に、新しい事態に対しましては、また十二分に協議をいたしたいという考えであるということを、率直に申し上げておきたいと思うわけであります。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 関連。建設大臣、松代地震の対策本部はもうはや解散してないのですか。

細田吉藏自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(細田吉藏君) 松代地震につきましては、実は政府の中に対策本部なり、あるいは対策連絡協議会というようなものをつくるかどうかということを昨年の秋の段階で相談いたしました。ところが、昨年の秋の段階では、ここで非常に大がかりなかっこうでやるということは、かえって逆に非常な不安も招くんじゃないかということで、実質上、各省庁の連絡会議という形でずうっと開いているわけでございます。したがって、これは閣議の了解とか決定とか、そういうものをとったものではございません。一応総理まで報告はしてございます。そのつど報告もいたしておるわけでございますが、実質上そういう形でやったわけでございます。しかし、四月二日に東大地震研究所長と気象庁の地震課長とが新たな警告を発しているわけでございます。五日に起こります前に、いま萩原先生から御報告がありましたあの声明がなされたわけでございます。で、その後の事態は、先ほど来御報告があったとおりでございますので、この時点に立って民心の影響等も考えなければなりませんけれども、私どもといたしましては、あらためて閣議了解なり閣議決定をとったものをつくらなければならぬじゃなかろうか。とりあえずはとにかく開こうというわけで、引き続いて、先ほど申し上げましたように地震の起こりました次の日の六日と昨日と開いた。これはいま私個人のあれといたしましては、置かなければいかぬのじゃないか、かように思っている状況でございます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それをなぜお尋ねしたかといいますと、いまの林委員が質問したような問題、またこれから質問を続けられるでしょうが、また、あとの委員からも御質問あるだろうと思う。そういう問題を総合していって、さらに、先ほど来西沢知事、中村町長等のお話を承ってみて、結局そういう個々の対策をやる場合、現行法でどれだけやれるか、その手続が非常な長い時間がかかる。あるいは特別立法をやるといったってそう簡単ではない。そうすると、結局特交ということに、大蔵政務次官のお話がありましたが、そういう問題が出てくるわけです。で、よくことわざに、一文惜しみの百失いということがあるが、いま対策をやらなかったら、これはもし大災害が起こった場合には、いま政府が出す金の何十倍出しても足りないような事態が起こるかもしれない。もし起こらなかったら、その問人心が安心しておれればそれだけでも非常に大きなプラス要因です。起こらなければこんな幸いなことはない。ですから、事前のそういう対策をやるについては、ある程度の権限を与えてもらわなければ、一々書類を出して、決裁に二カ月、三カ月かかっておるうちに、もしあしたでも、十日先でも、きたらどうなるかという切実な問題があればこそ、私はこのきょうの対策委員会も開いていると思うんですね。でありますから、それでなぜ私、対策本部があるかないかお尋ねしたかというと、そういう意味の終局的な責任を持って、ある程度の権限というものを知事に与えてくれて、しかし、それを無責任に独断なことをやらない。国と何の連絡なしでは困りますが、おそらく事後に検討して一〇〇%妥当だという正確なルールにのっとって責任者はやっていく場合、そういう意味の弾力的な大幅な権限を与えてもらうということを考えてもらわなければ、これから一つ一つのケースで次から次と書類をつくってやっておって問に合うような状況でないわけです。それがきょうの問題なので、どなたにこれは申し入れしたら、最終的なそういう問題についての決定を得られるのかというそれを私考えるので、その問題を伺ったわけであります。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) 対策本部長といいますか、その当時一応対策というものが先ほど申し上げましたようなことで立ちましたので、しかも、その後ある程度鎮静をしたと、こういうことで消滅といいますか、解任といいますか、終わっております。しかし、先ほど来参考人等の意見あるいは皆さんのお考え、こういう特別な前例のないケースで、起こらなければ一番よろしい。ですから、まあ非常にざっくばらんに申し上げると、捨て金になってもこれは非常に助かるのだと私も個人的に考えております。国務大臣という形で申し上げておりますが、そういう意味で、早急に閣議等の話題といたしまして、これはなかなかいまの現行法だけでまかなえません。また、そういうことを協議しておる段階でもないと思います。もちろんその点から協議を進めますけれども、早く結論を出して、相当大幅に地元にまかせるという程度の態度をとらなければいけない。この前のときには、知事さんもおられますが、便乗は一切排するということで、県も非常に真剣に御検討願って、まず地元の満足できる対策ができた、こういう点もありますので、早急に御趣旨のような点を検討したい、かように考えております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 もう一点だけ注文つけておきます。建設大臣から前向きの御見解をいただいて、非常に幸いだと思いますが、いずれにしても、こんな席で批判をしちゃいかぬけれども、まあ政治や行政の一つの盲点は、ありとあらゆるところと相談をし検討をし協議の上と、こういうことになっちゃって、さっぱり当面の早急の間に合わぬということがありますので、どうかいまのお話のように前向きの姿勢で、あとから後悔しない、政府は事前によくやってくれたという感謝の念に迎えられるような、そういう前向きの姿勢で、事を進めていただくことを特に要望をいたしておきます。  あとまた、自治大臣等の御出席があれば重ねて大臣にも伺いますが……。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 建設大臣ちょうどおいでですから承りたいのは、この地震は、先ほどの萩原先生のお話のように、どうなるか見当つかないわけです。どのような変動を見るかもしれないという異常の地震の災害でありますから、例の激甚災害に対処するための特別援助の法律の適用については、この地震に関してどのようにお考えになっておられますか。

細田吉藏自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(細田吉藏君) 激甚災害法の現行法をこの災害にいまの段階で適用するということは、この法律のできておりますたてまえからはむずかしいのじゃないか。私どもが対策を立てます心がまえとしまして、これは実は災害の中で非常な異例な問題でございますので、法律の適用云々ということよりは、その法律はございますので、その法律補助その他の問題がございます。あるいは起債の問題等ございますので、そういう点を考えて対策を特別なものをつくらなければいかぬ。これは新しく立法するということになるわけでしょうが、立法しておったのじゃ間に合わぬ。したがって、昨年のプレハブなんかの場合も、予算補助といたしまして六割の補助をいたしたわけでございまして、そういう形で実質上県の御当局なり、あるいはその市町村の非常に困っておる財政というようなことを考えて事に当たっていきたい、こういうふうに実は考えておるわけでございます。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 これも先ほど町長さんのほうから要望があった点ですが、固定しておらない固定資産税ですか、この家屋とそれから償却資産等については、おそらく町としてはかなり大幅に軽減せざるを得ないという事態のようであります。したがいまして、税の減収を来たすことは必至であるとまあ考えられるわけでありますが、これはどのように普通の交付税で財政需要額の計算のうちへ入れられますかどうか知りませんけれども、歳入欠陥が当然できるから、その補てんを国としてはその場合に考えるべきだというふうに思いますが、自治省のほう、おりませんかしら。

佐々木喜久治自治省財政局財政課長

○説明員(佐々木喜久治君) 税の減免につきましては、その減収補てんの措置としまして、現在は、激甚災害の指定があります場合には、減収補てん債の措置によりまして、その年度分の減収措置を講ずることにいたしております。それ以外の災害につきましては、特にその対策の措置というものはないわけでありますけれども、ただ、特別交付税の算定にあたりまして、その市町村の実情と財政の実態を考慮いたしまして必要な措置をとることになると存じます。

林虎雄日本社会党

○林虎雄君 最後に一点だけ総理府のほうへ要望しておきますが、二十カ町村から三十カ町村という広範囲に策定を立てなければならなくなったということでありまして、したがって、いろいろの今後事態が起こるとすれば、一々国のほうへ飛んで来て、しかも各省へ陳情するということではらちがあきませんから、おそらく総理府でまとめてはいただくと思いますけれども、西沢知事さんも言われましたように、可能な限りは、むしろ国の窓口を県のほうまで出向いた形にして、知事にある程度はまかせて、そして即座に応急の措置をとらせるような体制を国として検討していただく必要があるではないか。これは財政的な問題等でそう簡単にはいかない問題もありましょうけれども、知事にまかせて、知事としては非常識なことはやるはずはありませんから、国のほうでもこの程度ならということに結果的にはなると思いますから、応急緊急の対策は、もう東京まで陳情に来ないで即座に解決できるというような非常体制をひとつ確立するために、総理府でも各省との検討をしていただきまして、できるだけ権限を——権限といいますか、措置を知事にまかせるような方向をひとつ検討し、よき結論を出していただきたい、こう思っておりますが、いかがですか。

細田吉藏自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(細田吉藏君) 御案内のとおり、総理府の中には審議室があり、災害の対策の専門家もおりまして、各種の災害につきまして、日常の仕事といたしまして、各省の窓口、また取りまとめをいたしておるのでございまして、この点につきましては、県と昨年の秋以来もう十分な連絡をとっていろいろやらせていただいているわけでございまして、今後ともそういう点については、わざわざしばしば出ておいでになると、こういうようなことがないようにどうしてもいたしたい。まあ現地へ出向いておりますよりは、あるいは東京におって、むしろ長野県事務所の方々が御連絡いただくなり電話でいただいたほうが、大蔵省と話しするとか自治省と話しするとかいうことがございますから、そういう点は要するにおくれては困るということでございますので、十分な措置をとりたい。また、知事さんにおまかせする部面は、先ほど瀬戸山建設大臣からもお答えございましたが、できるだけそういうことにして、対策がスピーディーにいくようにして、関係各省一々回らなきゃいかぬということはないようにいたしたい、かように考えております。

小山邦太郎自由民主党

○小山邦太郎君 もう、申し上げようと思うことは——大体羽生君の意見と私は同じ意見でありますから多くを申し上げませんが、ごく簡単に三分ばかり。それは、私は地元の関係でもありますので、特にこの機会にお礼も申し上げたい。大臣をはじめ、今度の処置に対しては——今度ではない、この前の、九月から始まって一月までの処置は、私はおおむねけっこうであったと思うのです、いままでに法規慣例にとらわれないでやるということでやったんだから。ただ、実績から見ると、そういう気持ちは上の方には持っておっても、下の方へいくというとどうもそれが徹底しておらないきらいがあった。今度はそれよりも規模が大きく範囲も広くなっておる。そこでどのぐらい金が要るかというと、これですべてではないと思うが、およそ十億足らず、七億か幾ら。これはまあ法律によっていかなければならぬということもあるけれども、これはあと回しで、当面これを見舞い金としてひとつ出すぐらいの気持ちで、そうして、さっきのお話もそうだが、これはむだになるかもしれないが、むだになればなおけっこうだということで、使った金が今日まで、まあ起債まで合わせてわずかに三億ぐらいだ、国のほうの起債は四千六百、そのほかの金が二億幾ら。新潟の災害にどのぐらい金を使ったかというと二百億。これは今度長野の、万一のことがあって、小規模で済むと言えないのではないかと思われるようなさっきの地震研究所長のお話もあるのです。これは前の実績から見ると、文部省などはまあ出先で——きのうも長野で聞いたり松代で闘いたが、八十点ぐらいの点を申し上げなきゃいけないというくらいに非常に満足しておった。消防のほうからいくと、どうもこれはいかぬと、これはいま少し何とかやらないと、今度大きな地震で火事があちこちに起きるとえらいことになる。それがために小さい貯水池を幾つかこしらえようということを要望しておったけれども、それがうまくいっていない。これをあなたのこの間の説明、きょうも私は衆議院で聞いておりましたが、その何リットルでどうだこうだ——でかい、何トンというものもいいけれども、小さいものでも、大きくならないうちに早く消しちゃうということも大事な点で、これらはひとつ十分地元と研究をして、従来の法規やいろいろなものだけでいかないので、従来も研究を基礎としてそういう判断が出たのでありましょうが、これらもひとつ十分御研究をわずらわしたい。究極するところ、十億足らずのものなんだ。これもひとつ先ほどのお話のことで十分ですから、これが下部にまで徹底するように、そうして私は、むしろ常時知事の相談相手になれるようなだれかを——大臣は幾たびもおいでになったからもう大臣行く必要はない。今度は実際事務をとる者がスムーズにさっさといくようにするには、常時相談相手を出していただくほうがよくはないかと、あるいは、ある意味においては調査の必要もあろうし、あなたのいまお話を伺うと、それよりは電話で連絡とってもらえば、なお各方面の省との連絡もこちらですぐとれるからよろしいというお話だが、実績さえあがればその形を問うわけではございません。どうかひとつその点は十分当面の問題を片づけてもらいたい。  さらに、当面であり、そうして将来に及ぶであろうと思うが、これは時期が長くなると、もう松代を見ても、将来がどうなるんだという——いま疎開にどうやったらいい——疎開されるようになったら、人心はますます沈滞する。そうでなくても、いま商工会であれしたのだが、地震になる前には、一割二分か一割五分販売総額はふえておる。それから中小企業、小さな工場でも、生産力は二割ぐらいふえておった。八月からとたんに二割ぐらい減っておって、そうして一月ごろまでは三割も減った。そうすると、二月に今度は少しよくなって一割五分に回復したのです。ところが、三月はまだ出ておらないが、おそらく非常に減るだろう。そうすれば、税はあがらない、金はよけいかかるのだ。とても、激甚地の法律でどうだこうだと言っておるが、そういうようなもので間に合うかどうかわからぬ。ひとつ、法律のことはわれわれもあとでよく研究いたしますが、福井の例を見ても、それから新潟の例を見ても、あれは用意しようと思っても用意できなかったのだろうが、今日ぐらい——さっき知事もおっしゃるように、予測しておるのに用意していないんでこのざまは何だと言われたらたいへんなんだから、それも政府の理解の上に、ひとつ法規慣例によらないでいこうというその腹がまえは——当面は十億足らずでいいのですから、ひとつこれを適切に、先ほど来の希望は全員が一致しております。この点は、衆議院においても同じ意見でございますから、ひとつ政府はいままでの心がまえを下部に徹底させるように、そして具体的な調査もおやりくださっているようですから、それらがどうなったかということを、今度は委員長のほうに御研究の結果を書面をもって御報告を願うことを希望します。  質問を終わります。

細田吉藏自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(細田吉藏君) ただいま小山先生のおっしゃいましたような気持ちでわれわれ全力をあげたいと思っております。  なお、いろいろきまりましたこと、その他につきましては、委員長を通じまして、あるいは委員会が開かれました場合は委員会に出まして、逐一御報告を申し上げたいと思います。

青木一男自由民主党

○青木一男君 昨年松代地震の問題を内閣が初めて取り上げたとき、私は各省の皆さんに申し上げたのですが、災害対策の現行法というものは、災害が起きたあとの善後処理の法律である、それから各省の行政の救済措置も、地震が起きたあとの処理については経験をお持ちだけれども、今回は将来予測される地震に対してあらかじめ行なう対策であるから、法律その他において、このまま当てはまる法律がないことはあたりまえなのです。しかしながら、ほうっておくことができないことはやはり同様である。しかも緊急であるからして、そういう法規の末にこだわることなく十分法律を生かして、行政措置によってこれを十分運用してもらうように私は強く要望したことがあるのでございますが、いま小山先生が言われたとおり、昨年の措置は大体において私は手ぎわよくいっていると思います。あのくらい政府の仕事で迅速に実行された例はまあ少ないのではないかと思っておりまして、その点は、政府の御処置に私どもも感謝しております。しかしながら、今回は相当変わってきております。まず、大体地震も下火だろうと思ったのが、また再び活動を始めて、しかも、それはいつまでという見当も今度はつかないということであります。それから地震の震度にいたしましても、どうもいままでのような五というような程度では済まないのではないか、こういう点、それから地域も相当これは広くなってきておるようでございます。私は、そういう見地から見ますと、政府は地震自体に応じて一段と力を入れて迅速な対策を実行される必要があると思います。私は率直に言って、今度は震度六に耐える措置をひとつぜひこの際至急とっていただきたい。これが私の具体的な要望であります。  松代については、先ほど総理府から非常に理解のある私はお考えも伺った。たとえば木材にしても、国有林を安く払い下げるような道も当然考えていきたい、それからまた個人の住宅その他の家の倒壊を防ぐということは、私はやはり火災の予防措置であると思います。関東震災の例を見ても、あの大部分の災害は、あれは火災の災害であるわけでございまして、そういう点から見ましても、家の倒れないようにすることは、公共の私は安全と申しますか、施策として考えていい。必ずしも個人の財産を守るということではなくて、公共の利益を守る道に私はなると思う。先ほどそういうような御発言を伺って私は非常に意を強うした次第でございます。考えようによって幾らでも道はある。現行法の範囲においても、十分今回の長野県の要望を達成されることは私はできると思います。財政の規模からいってもまことにこれは小さな金額であるし、それでありますからして、私は昨年政府がとられました措置を一歩前進して、地震自体に応ずるように迅速なる措置をとっていただきたいということを重ねて要望して、お答えは要りませんが、私の発言を終わります。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 もう一つ要望をしておきます。  いまの青木先生の御意見全く同感でありますが同時に、最大限に現行法を生かしてやっていく場合でも、時間がかかります、場合によると。もし地震が急に起こったときにはこれでは間に合わない。そこで、先ほど来申し上げているように、ある程度の権限を地方自治体に与えて、しかも、それは確実にルールに乗って行なわれることを私は要望したわけであります。そこで、実は総理府の細田さんその他御臨席の皆さんに非常にお骨折りいただいたことは感謝します。しかし、最高責任者はだれになるのかということになってくると、たまたまいま建設大臣が国務大臣としてここに列席して発言するということでお答えをいただいかので、これに意を強くしているわけです。自治大臣の実は御出席を求めたのは、特交のあと始末についてある程度確約がないと権限委譲といって本から手形で、権限委譲なんということはあり得ないので、金でどう始末するかということになりますから、最終的に自治大臣の御出席を求めたのですが、何か町村合併でどうしても抜けられないということで御列席いただけなかったわけですが、幸いにして閣僚の一人として御列席いただいていまのようなお答えをいただいたので、なおかつ、いまお答えになっていただいたようなお考えで、今後ともひとつ万事お取りまとめいただくことを要望しておきます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 時間がおそいですから、簡単に質問したいと思います。  私も諸先生の御意見に全く同感でございます。ただ一つ根本的に間違っている点があるのじゃないか、こう思うわけです。昨年の十二月一日本委員会を開きまして、私はそのとき質問したわけです。その時点において、すでに地元の観測所と、あるいは向こうの端にいらっしゃる気象庁長官も、すでに五が起こる可能性があるものならば、六に対し、あるいは七に対しての万全な準備をすべきだと、すでにそういうことが意見として発言されているわけです。ただ、それから今日まで四カ月、まあ幸か不幸か大きい地震がないわけです。それで一応等閑視されたということはないのですが、一応適切な措置をとられながらも今日に至ったわけです。そうして先ほど総理府の方がおっしゃいましたように、いま萩原先生が言われたように、六は起こるから緊急に対策を立てているのだ、これはちょっと政府の見方が甘かったのじゃないか。もうすでに今日の事態というものは前から、去年のうちから予測され、それに対する万全の措置はとられなければならなかったというようなことを私は強く感ずるわけです。まあ過去のことは過去のこととして、もうすぐにでも、先ほど羽生先生のお話のような最悪の事態が起こる可能性があるわけです。それに対して万全の措置をとってもらいたいと同時に、建設大臣にお尋ねしたいのですが、公共建築物は六になると全部倒壊の可能性がある、こういう建設省の発表であり、また県の防災課の意見なんです。そうなりますと、また一般の建物も三〇%は崩壊するだろう、こういう予測なんですが、そうなりますと、それに伴って橋梁あるいは道路、そういうものに対してどのような耐震度があるか、こういうことも当然検討され、また対策も講じられていると思うのでありますが、その点についてはいかがでありますか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) 昨年の対策以来、あそこの千曲川、犀川は、御承知のとおり、善光寺地震のとき川の流域の崩壊、それから貯溜、その流出、これらの災害が非常に大きくて歴史的に知られているような人命の損傷があった、こういう地帯でありますから、私どもは昨年の地震の継続以来、川にたくさんの砂防ダムがありますし、また発電ダムがありますが、こういう問題についてもずっと慎重な対策と検討を続けております。  なお、最近震度が激しくなりまして、松代地域に一部亀裂を生じておる、これは千曲川ですが、そういう点についても、直ちに全川にわたって補強をする。問題は橋であります。橋の多くは、最近つくりますのは潜函工法という、ずっと地に埋めてありますから、震度六程度は計算をしてやっております。ただ、新潟の地震の際の万代橋の問題もあります。橋台がずるとか、あるいは橋脚がずった、こういう経験がありますから、そういう問題を検討して、これの対策をいま講じつつあります。あるいは橋と橋をつなぐというようなことをやっておりますが、これはいわば地震でありますから、人間の力がどうしても及ばぬ場合があるかもしれませんが、そういう観点からいま現に調査をし、対策を進めておる次第でございます。それこそこれは長い間のあれでありますから、全力をあげて水害等の起こらないようにしたいと考えます。  それから参考までに申し上げておきますが、砂防ダムはまわりは低いのでありまして、地すべり地帯にダムがあるところがございます。こういうところは、これは安全ダムでありますけれども、あらかじめ減水をしておく、かりに崩壊して入った場合でも急激な流水をしない、こういう処置もちゃんと連絡してとっております。できるだけの事前の措置はとりたい、かように考えております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 私の知るところによりますと、国道十八号、二十号線は、五から六の震度があると使用不可能になる。あるいは千曲川、犀川の鉄橋、木橋は、木の場合は五・五、鉄の場合は六、また、先ほども言いましたように公共の建物は六が起こると大体大半は崩壊、こういうようなことになりますと、先ほどおっしゃいましたように、六に対しての対策を立てる、その対策は、いま言いましたように、もし六が起こったら道路もだめになる、橋もだめになる、建物も大半つぶれる、そういう事態がいまがいまでも起こる可能性が非常にあるのです。それに対しての対策を立てる、検討するということは、それ自体政治は非常に複雑ですし、たいへんだと思うのですが、よほどのことを緊急に、先ほどから法の範囲をこえて、こういうことばを使われておりますが、これはよほど、この前こういう事態があったときに自治大臣に出席していただきましたが、その翌日新聞に出たのを私は読んだのですが、長野・松代地震に対して緊急対策がとられた、こういうことを新聞紙上で読みました。委員会がそういう方向に持っていったと一がいに言えないと思うのですが、きょうの委員会でのことを一片の話にしたら、知事や町長が来たのがこれは無意味になると思う。六に対しての予防措置を講ずるというならば、くどいようですが、道路あるいは建物、橋梁の検討をするとかなんとかいう段階じゃないと思うのです。じゃどうすればいいか。たとえば、松本の自衛隊を緊急事態が起こったら呼ぶと書いてある。緊急事態がもう起こっていると言っていいと思うのです。であるならば、常時駐屯させるということもどうかと思いますが、自治省とか、国務大臣としてそういうところに働きかけて、民衆の、町民の安心のためにもあそこに自衛隊の人がいるということは非常に心強い。また、いて道路を直し、現に道路だって非常に不備です。私見てまいりました。まだまだ中途半ぱな工事になっております。あれは夜地震が起こると、この前も同じことを言ったが、まだ不備なんです。夜光灯の設備もないのです。夜になって、いまは家を出るなと言っておりますが、家を出るなと言っても家を出る人もあると思う。その道路工事の穴に入ってしまったらかえってうくまない。道路工事をしているために人命的災害を起こす可能性がある。ですから、そういう道路を早急に直す。それからいま修理中の橋もある、それを直す。そういう自衛隊の姿を見せれば、いつも自衛隊というのは災害があったあとに復旧するのが自衛隊だ、こういう自衛隊の姿が今度は二歩も三歩も進んで——こういうことを言うのは申しわけございませんが、管轄が違うと思いますが、そういう総合的な判断もできるのじゃないか。また、今度火災が非常に大切だ。ここにパンフレットがありますけれども、これはこの次に言いたいと思います。  県知事にも要望したいと思いますけれども、パンフレットを見ますと、これは非常に困ると思うのです。なぜかといいますと、一番上がこれは地震対策本部、その次が郵便局、その次が中部電力、みんな見えるところに張っておけと書いてある。これをばらばらばらばら張った日にはたいへんがと思うのです。だから、このパンフレットなんか統一した形で、これこそ人心を惑わさないような方法にしなければならないのじゃないか。いまの災害対策の場合においても、化学消防車は長野市に一台しかない。全県に十七台ですか、いざとなったら動員するといったって、はたして火事を消せるかどうか。であるならば、いまのうちから国としてあるいは何かの処置を講じて、松代なり長野市なり、もっと化学消防車を置いておく、こういうことはできないのだろうか。あるいはそういうことを町民、県民は要望しているのじゃないか、こういうことも考えられるわけなんですが、当然緊急事態が起こる以前において、いま起こっておると、こういうことを考えて、防災に対しての当然消防体制、化学消防車が非常に必要だと思います。これはここにも、長くなりますけれども、非常にLPガスとか火薬庫とか石油タンクとか、危険な状態にある、こう新聞でも報道せられております。こういう事態に対しては、化学消防車が非常に不備です。そういうようなことをまとめてすぐ対策を講じなければならない、こういうふうに思うのですが、取りとめない質問やら意見やらになったんですが、大臣の御感想はいかがですか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) 地震でありますから、道路等の崩壊があると思います。そういう問題も別に調査をし研究するということじゃなしに、そういうことを想定して諸般の措置を講じておる。これは県知事さんおられますが、真剣そのものでございます。まあ県あたりでも、橋梁の落ちる場合もあり得ますから、鉄の橋梁を用意しておるとか、いろいろやっておられるわけであります。  自衛隊の問題も、昨年も駐留すべきかどうか検討したわけでありますが、あまりに刺激的にやって、そういうことがないのに非常に不安な状態をかもすのもどうか、常に待機している、現在でもそうだと思いますが、そういう状況であります。これはむしろ東京というよりも現地の知事さんあたりは、全く神経過敏というくらいにいろいろやっておられる。それは手落ちはあるかもしれません。御注意は御注意としてよく承りまして措置をとりたい、かように考えます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 おことばを返すようでまことに申しわけございませんが、それは当然県知事は真剣ですし、町長は死にもの狂いでやっておると思うのですが、私は、国としての対策、先ほどもだれか連絡員なり相談員なり出せと、こういう御意見もございましたけれどもね、地元県は真剣だと思うのですね。それに対して国のバックアップがなければ、実際に不備だと思うのです。さっき萩原先生もおっしゃったんですが、日本中どこに行ったって地震はあるのだと、こう言ってしまえば、何のために論議をやっておるのか、的はずれだと思うのです。参考人ですから、そういうことを言っても失礼だと思うのですが、いま考えているのは、松代地震、長野地震のことを考えている。そんなことを言ったら、それはアメリカのことだってありますけれども、それは全然観点が違う。いまやっておるのは、松代で困っておる人たちをどうするか、疎開ということも当然考えられるじゃないかということを言ったわけです。まあ大臣の観点とこういった観点が若干違うんじゃないかと、こう思うわけです。まあ地震はいつ起こるかわからない。それはいつ起こるかわかりませんけれどもね、くどいようですけれども、地元の真剣さにプラス国がそれ以上に対策を立てなきゃならない緊急事態です。それに対して不備な点があるのです。万全だと言われるけれども、万全じゃございませんよ。いまもし地震が起こって火事になってごらんなさい、どんどん燃えてしまいますよ。これは大臣現場に行って見てこられたと思うから、これは御存じだと思うのです。化学消防車一台しかございません。貯水池はまだつくられていないのです。まして、そういうことで家の中に閉じこもっておりなさいという。パンフレットが全部配られておるのです。これを信じて、皆それぞれタンスの陰に隠れておりますよ、これは非常に純真ですから。それでは火事が起こって焼け死んでしまいますよ、極端なことを言えば。パンフレットに全部書いてあるんです。外に出るな、一番家の中でしっかりした物の陰に隠れなさいと書いておる。デマに迷うなと書いてある。これはほかのことを言われたってデマだと、絶対安全だと、これは極論かもわかりませんけれどもね。これはほんとうに笑いごとじゃないと思います。いま言ったように防災体制なり、あるいは道路の問題、橋梁の問題なんか、ほんとうに真剣になって考えていただきたいと思います。まあほんとうにくだらない質問やら意見やらで御迷惑だと思うのですが、まあ緊急にほんとうに心から長野県のために、あるいは町民のために、すべての範疇を越えて、いまがいまでもできる限りのことをやっていただきたい、こういうふうに最後に要望するものでございます。ほんとうに取りとめもないことで申しわけございませんでした。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 最後に、これは政府当局の早急な善処方を要望したいわけでありますが、いままでの質問の中にも出まして、政府の答弁の中にもありましたが、防災対策本部はあったけれども、松代対策本部という具体的なものはいまのところない、早急に何とかしたいというような意味にとれる答弁がありましたが、まだ明確にはその答弁を私どもは伺っておりませんので、この際、明確な答弁をいただきたいと思うわけでありますが、今日までは何とかしてこれでずっとまいりましたが、御案内のとおり、まだ強震はずっとひどくなろうかというものでありますから、もう現下の急務だろうと私は思うのでありますが、そこで責任を持った、具体的に行動できる本部というものがないと私は困ると思いますので、早急に政府の部内に、この松代対策と申しますか、この問題の地震の災害対策本部ですね、松代地震対策本部と申しますか、それを早急につくってもらいたい。これを明確にひとつ政府のほうで確約をしていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

細田吉藏自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(細田吉藏君) 正式な閣議の議を経た連絡協議会というものを設置をいたす方向でこれからさっそく大臣と相談いたしたいと思います。いま瀬戸山建設大臣に相談したら、つくれ、こういうお話でございますが、私どものほうの長官、それから関係大臣、明日ちょうど閣議がございますので、御相談を申し上げまして、そういうふうに進めさしていただきたい、かように思います。

大倉精一日本社会党

○委員長(大倉精一君) ほかに御質疑がなければ、本件に関する質疑は、本日はこの程度にいたします。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

大倉精一日本社会党

○委員長(大倉精一君) 速記を始めて。  この際、本委員会の決議に関する件についておはかりをいたします。  まず、決議の案文を朗読をいたします。    長局県松代町周辺の地震災害対策に関する件   松代町及びその周辺における地震は、最近異常な状態となり、各方面に被害を惹起し人心に重大な不安を与えている。かかる現状にかんがみ、政府は、これが防災並びに復旧に関し、総合的対策を講ずると共に、特に左の事項について万全を期すべきである。  一、助災法等の不備な現状を改善するため、早急に立法措骨を図ると共に、政府は、「激甚災警に対処するための特別の財政援助等に関する法律」に照らし適切なる財政措置を講ずること。  一、今後なお強震も予想されている今日、早急に防災対策を講ずることは、刻下の急務である。このため国との緊密な連繋のもと地方公共団体の長(知事)に弾力的権限を認め、適切な措置をとり得るよう考慮すること。  右決議する。  本決議案を本委員会の決議をすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大倉精一日本社会党

○委員長(大倉精一君) 御異議ないものと認めます。さよう決定いたします。  なお、本決議案の取り扱いにつきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大倉精一日本社会党

○委員長(大倉精一君) 御異議ないものと認めます。  ただいまの決議に対して、政府から発言を求められております。これを許します。細田君。

細田吉藏自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(細田吉藏君) ただいまの本委員会の御決議、御趣旨を十二分に尊重いたしまして、先ほど来質疑にもございましたが、すみやかな対策を確立いたし実施いたしたい、かように存じておる次第でございます。

大倉精一日本社会党

○委員長(大倉精一君) それでは、この際西沢、中村両参考人に対しまして一言お礼申し上げます。  たいへん激しい現地の情勢の中で、心身ともに御疲労の中をあえて本委員会に御出席を賜わりまして、現地の非常に切実な実情のお話を承りまして、心から厚くお礼申し上げる次第であります。本委員会におきましても、なお一そう政府を督励をいたしまして、現地の皆さん方の御要望にこたえるように万全を期していきたい、かように考えておるわけであります。どうも本日はありがとうございました。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十六分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗