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51回国会参議院1966/03/17

建設委員会 第7号

発言数
89
登壇者
11
会派数
3
開催日
1966/03/17

会議録

中村順造日本社会党

○委員長(中村順造君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  昭和四十一年度建設省関係、首都圏整備委員会、近畿圏整備本部及び北海道開発庁の施策及び予算に関する件を議題といたします。  本件につきましては、すでに説明を聴取いたしておりますので、これより質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言願います。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 大臣にお尋ねをいたしますが、河川法第四条第二項、三項、これには一級河川を政令で指定する場合、河川審議会及び関係都道府県知事の意見を聞かなければならない。また、これに付随をいたしまして知事が意見を述べる場合に、県議会の議決を経なければならないとなっております。特にこの知事の意見を聞かなければならないという表現でありますが、この表現を私どもが理解をいたす場合には、地元の知事の意見を尊重する、このように理解をするわけでありますけれども、その尊重をするという程度の問題について、大臣のお考えを、まず管理権者としてのお考えをお伺いしたい。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) 河川というものは御承知のとおり、地元といいますか、河川流域の皆さんの利害関係がきわめて密接であります。そういう意味で河川法は、その河川の流域を持っております都道府県知事の意見を聞く、あるいは都道府県知事が議会の議決を経て意見を述べる、まあこういうふうになっておると思います。したがって、その河川に関する地元の事情というものを判断の材料にする、こういう意味で意見を聞くというたてまえになっておると思います。したがって、意見はできるだけ尊重しなければなりませんが、必ずしもその意見が尊重されないことも、河川の全般から考えてその意見が適当であるかどうかという最終の判断は、もちろん建設大臣がやるべきものである、かように考えております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 その問題につきましては、後ほど具体的に具体例を引きまして質問をしたいと思いますが、さらに三十五条の中に、第二十七条第一項の許可をする場合は、当該行政機関の長と協議をすることとなっておる、こういう表現でございますが、この「協議しなければならない」という理解は、協議決定を必要とするという意味も含まれておるかどうかという点であります。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) いま三十五条の利水については、「関係行政機関の長に協議しなければならない。」、これは農林とか厚生、通産等非常に関係のある省庁の機関と協議をする、こういうことだと解釈いたしております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 この「協議」をする場合に、協議をするということは、先ほどの大臣の答弁ではございませんが、諸種の情勢を判断いたしまして、主管大臣の権限を行使するというような意味をなすものであるのかどうかですね。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) ちょっともう一ぺん。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 つまり協議をしたけれども、しかし、諸般の事情から考えて協議をいたしましたという程度のものなのか、あるいは協議をしたということは、了承を得る、決定をする、こういう内容も含まっておるのかどうかということであります。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) まあ各種の法律にかような規定があるわけでありますが、協議をするということは、ただ一片の相談をしてみること以上の意味があると思います。やはりそれぞれの行政機関には、それぞれの利水等について考えがあるわけでありますから、最終決定は建設大臣がいたしますけれども、できるだけ協議がととのう、これが私はこの法律のたてまえであろうと思います。しかし、どうしても協議がととのわない場合に、これを決定をしないというわけにこれはまいりませんから、最終判断は建設大臣がする、かように考えておるわけでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 そうしますと、ただいまの大臣のお考えというのは、単に協議をするということではなくて、協議がととのうように努力をする、そして協議がととのうようにすることに意義がある、このようなお気持ちであるということに理解していいですか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) 私は、こういう場合に協議をするということは、やはりこれは協議を、各省の意見がありますから、それを調和して協議をととのえることが、この法律の私はねらいであろうと思います。しかし、ものごとにはどうしてもいかぬこともありましょうから、それを判断をしないで放任するということは、やはり河川のみならず、すべての行政において最終の責任者が判断を下すということは、これは当然であろうと思いますが、しかし、それには多くの場合は、原則として、意見を何と申しますか、調和して協議がととのうということが法律のねらいであろうと、私はかように考えております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 前に戻るわけでありますが、この四条の二項、三項の持つ意味も、ただいま申されました地元の意見を聞く、そのものと同じように理解できるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) 厳密な意味においては、意見を聞くというのと協議をするというのは、やや軽重があると思います。やはり意見を聞くという書き方と協議をするという書き方には、軽重というとやや語弊があるかもしれませんが、多少ニュアンスの違いがあると思います。  先ほど申し上げましたように、意見を聞くというのは、関係しておる地元にはいろいろな事情がありますから、やはりその事情を勘案して決定をするという意味において知恵を借りるといいますか、考え方を聞くということだと思いますが、協議をするということになりますと、ややそれよりも突き進んだといいますか、深い意味がある、ちょっと表現が悪いかもしれませんけれども、さような違いがあると私は考えております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 私も新しく国会に出てきたわけでありますから、河川法の改正の際におきます論議については、多少の記録に基づいて考える以外にないわけでありますが、その際の記録を見てみますると、この水問題は、地方自治の行政の問題でもあるし、政治的に解決せられる場合が非常に多い。したがって、利害関係者に対する合理的な措置が必要である、大臣の河川関係の権限を一方的に行使すべきではないのではないか、こういう論議がなされたと聞くわけであります。また、私もそう理解するのでありますが、大臣の見解はどうでありますか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) 先ほど来申し上げておりますように、水に関しては、なかなかむずかしいと申しますか、深刻な問題がどこでもありますから、そういう意味において、先ほど来申し上げておりますように、四条の水系指定についても、地元の意見を聞く、十分に聞く。十分に聞くということは、必ずそれを採用するというのじゃありませんけれども、事情を勘案してやっぱり方針を決定すべきだ、そういうことは当然であろうと思っております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 法文上の解釈は、私も、この条文の中からはいま大臣がお答えになったようなこときり出てこないような気がいたします。しかし、この二項、三項がここに出てまいりましたその原因、法の精神といいますか、それを考えた場合には、ただいまも論議をいたしましたが、地方公共団体の積極的な協力がなくしては事業実施面にも大きな混乱を起こすものであろうし、あくまでも地方自治を尊重する、利害関係にあるところの地域住民の問題を尊重する、そういうところからこの二項、三項というものが出てまいったと思うのでありますが、そうした場合に、表現上の問題はともかくといたしましても、この意見を聞くというそのことに非常な重みを実は感ずるわけです。もしかりに、この四条の二項、三項がなければ、おそらく河川法というものが今日このような状態にあるかどうかということは、当時河野建設大臣が、この法律を通すためには、いわゆる地元の意見というものを最大限尊重するということがなければ解決しないのではないかというようなことを話されておったということを聞いておるわけでありますが、その点はどうでありますか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) 最大限という意味はいろいろあると思いますが、できるだけ尊重しなければならぬ、そういう意味で意見を聞くのだという法律になっておると思います。ただ、具体的な問題になりますといろいろありまして、河川法がやはり、大局的ということばが適当であるかどうか、やや疑問がありますけれども、川というもの、あるいは水というもの、これはやはり国民全体から考えて判断をすべきという要素が非常に強い、したがって、それを流域だけの利害関係で判断をしては適当でない、こういう意味も河川法に大きく流れておるわけでありますから、そういう両方といいますか、大局的なものと部分的なものとの判断、調和をどこにとるかということが河川行政で一番大切なところである、かように考えておるわけでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 そうしますと、その理想はわかりますけれども、しかし、運営の面におきましては決して無理をしないんだ、このように理解してよろしゅうございますか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) 無理ということが具体的な場合でないとちょっとわかりませんけれども、そう無理をすべきものじゃないと思います。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 それでは、関連して次の問題に入りますが、三月十五日、河川審議会において、諮問案四十水系の指定に関する答申ですか、これが決定されたと聞きましたが、新聞で見るとおりでございますか。

古賀雷四郎建設省河川局長

○政府委員(古賀雷四郎君) 三月十五日に河川審議会が開かれまして、四十水系の指定に関しましては、新聞にごらんになるような答申がありました。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 一部に、附帯決議がついたと聞いていますけれども、その内容ですね、ずばり申し上げてもいいのでありますが、順を追うて申し上げたいと思うのですが。

古賀雷四郎建設省河川局長

○政府委員(古賀雷四郎君) この政令に指定する答申につきましては、附帯決議はついておりません。ただ、発言の中に、水の処分については十分慎重に検討するようにという発言がありました。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 そういう発言だけでございますか。ざっくばらんに申し上げますが、阿賀野川水系の問題について、地元の意見として何か出されたと聞いておりますが、その全体的な水の問題だけでということでありますか。

古賀雷四郎建設省河川局長

○政府委員(古賀雷四郎君) 河川審議会とされましては、特に私のほうから、阿賀野川の一級河川指定に関しまして、福島、新潟両県知事からの意見あるいは群馬県からの意見等もありまして、そういう問題を、県の御意見をお話ししたわけです。その御意見は、新潟、福島県の御意見は、両県の意向に反して水の処分がなされないという保証がない限り、一級河川の指定につきましては同意できないというのが趣旨でございます。ただ、水利権の問題は、先ほど三十五条、三十六条におきまして、水利権の処分のときに、具体的に十分協議をしなくちゃいかぬようになっております。したがいまして、一級河川の指定に関しまして、指定の段階で附帯意見その他の、あるいは附帯決議というものは審議会においてはなされませんでした。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 わかりました。そこで、遊休水利権ですか、遊んでおる水利権、こういう意味でありましょうが、この遊休水利権というものの定義ですね、これは何かございますか。

古賀雷四郎建設省河川局長

○政府委員(古賀雷四郎君) 遊休水利権の定義は非常にむずかしいのでございますが、非常にわかりやすくいけば、水利権だけもらっておいて、それを使う目的がなくて、使う意思がなくて、水利権をそのまま存置した場合、そういうのはまさに遊休水利権だと判定されます。ただ、使う意思があってもなかなか周囲の条件が整わないために行使できないという水利権もありまして、それが一応遊休しているという意見もあるわけであります。したがいまして、そういった場合に遊休水利権というかどうか、その辺、いまわれわれのほうでも研究いたしておりますし、その遊休水利権の考え方について、現在検討中でございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 その検討の経過を、まあ早い機会に結論を出していただいて、お伺いをいたしてみたいと思いますが、少なくとも具体的に申し上げますると、許可申請をいたしまして、許可がおりたと、そういたしまして期間が切れて更新をする、同じことを三回も四回も更新をして五十年になんなんとするようなものにつきましては、常識的にどのようにお考えになりますか。

古賀雷四郎建設省河川局長

○政府委員(古賀雷四郎君) 尾瀬沼の水利権のことだと思いますが、これにつきましては、大正十一年に認可されまして、水利権が設定されております。その後、いまから約十年前に期間を更新いたしまして、更新してから十年たって今年三月三十一日に期間が切れます。それで、こういう水利権は遊休かどうかという問題は非常にむずかしい問題で、先ほど申し上げましたように、河川審議会におきまして、水利調整部会で、そういった一般的問題として御審議を願っております。その水利権がどうかという話になりますと、まあいままでわれわれの調整した結果によりますと、東京電力の水利権でございますが、東電は開発の意思がありまして、そのために約一億二千万程度の調査費も突っ込んでおるというような状況でございまして、そういった開発の意思がある場合に、遊休になるかどうかという問題もあります。  それから諸般の情勢は、たとえば尾瀬沼の観光資源としての、あるいは文化財としてのいろいろな制約等もございまして、そういうすべての状況をいまお話しいたしまして、そういう一般的な問題と関連をしてお話しを願っておるわけでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 それでは遊休水利権の問題は、これはまあ常識論といいますか、感覚論になりますから、この程度にやめておきますけれども、少なくとも五十年になんなんとして、確かに計画は明らかになっておるかもしれませんが、しかし、それが遂行されたことがないということは、私のほうからの常識からするならば、これは遊休水利権である、こう理解をするのでありますが、その問題はこれでやめます。  そこで、いまのおことばにもありましたが、まあ尾瀬の問題であろう、確かに尾瀬の分水の問題について私もお聞きをしたいと、こう思っておったのでありますけれども、そのものずばりに入りまして、ただいま尾瀬沼の分水問題は、福島、新潟、そうして群馬を中心とする——表面的には群馬県ということになりましょうが、この三県の間に、分水問題で、紛争というと大げさでありましょうが、いろいろと聞くところがあるわけでありますが、その内容はおそらく御存じだろうと思います。御存じなければ説明を申し上げますが、承知でありますか。

古賀雷四郎建設省河川局長

○政府委員(古賀雷四郎君) ほぼ承知しております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 先ほど大臣は、国家的な要請に基づく場合、こういうような一級河川指定あるいはその水利権許可について、そのような考えを述べられたわけでありますけれども、この分水問題はどのように理解をなさっておりますか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) 分水問題のこまかい点については、私、まだよく承知をいたしておりません。いろいろ問題があるということは、各県知事さんからも、あるいはその他からも承っております。先ほど一級水系のお話や、あるいは利水についての協議の問題等お話がありましたが、私ども、これは一級水系指定の問題と利水の問題は別の立場で考えておるわけであります。一級水系は御承知のように、第四条でありますが、これは大規模な、経済上も防災上も非常に重要な河川、こういうものを国家的に取り上げて取り扱う、建設大臣の所管にする、こういう法律になっておるわけであります。阿賀野川を具体的に申し上げて、全国で、大体そういうデータから見ますると、まあ利根川を第一にして十六、七番目に位する大河川の部類に属しておりますから、河川審議会等においても、これを一級水系にすべきであるという判断を下されておる。私どももさような考えを持っておる。したがって、一級水系に近く指定をしようと思っておるわけです、率直に言って。ただ、その水の利用をどうするか、具体的に大正十一年ですか、から水利権があるという問題もありますが、それから社会情勢、経済情勢、地方開発の問題、いろいろ情勢の変化もあることでありますから、そういう各県の開発、水の利用、あるいは関東地域における水の利用、必要性、こういうすべてを勘案してどうあるべきかということは、今後やはり、それこそ、先ほどお話しになりましたように各地元の考え方、計画、あるいは各行政機関の意見、こういうものを総合して、できるだけ皆さんが納得ずる結論に判断を下すべきものである、かように考えておるわけでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 そうしますと、ただいまの大臣発言は、今度の尾瀬分水問題というのは、単に東電の発電用の水利の問題ではない、かような意味ですか。それとも、単に東電から申請をされておる問題だけのものであるかどうか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) 先ほど申し上げましたように、こまかい点はよく聞いておりませんが、私どもは、一級水系の指定と、その水をどう利用するかということは別な観点から考えるべき問題である、こういうふうに思っております。そこで、今度判断を、かりに三月三十一日までに現在管理者である福島、新潟あるいは群馬、こういう皆さんが協議の上判断をされれば一番望ましいことでありますが、まあしかし、なかなかそういかない場合は、指定後は、建設大臣が処理すべき案件になってまいりますから、そういう場合には、先ほど申し上げましたような諸般の要素をよく十分検討していかに処理すべきか、こういう判断を下したい、こういうことでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 そうしますと、やはり何回聞いても同じでありますが、単に東電の発電用の水利ということではなくて、東京都周辺の水の問題も考えながら利水をはかっていく、この観点に立つということでありますか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) 東京電力の水利権の内容を私は承知いたしておりません、率直に申しまして。水利権を持っているということは知っておりますけれども、どういう水量でどういう計画であるということを知っておりません。その前提でお答えいたします。それだけで判断を下していいものかどうか。ただ、東京電力の水利権を認めれば、それで全部が阿賀野川の利水として適当であるかどうか、こういう判断でよろしいかどうか、こういうことは諸般の情勢を、水の問題全体を考えて判断すべきものである、かように考えておるわけでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 それではもう少し私は論議を発展させたいと考えておりましたが、大臣自身、今日問題になっております分水問題、これについて深く検討なさっておらないようでありますから、いずれ機会をあらためましてもう一度いろいろとお伺いをしてみたい、こう思います。ただ私は、ここで申し上げたいことは、この東電の水利の問題である、あるいは東京都周辺、関東全体の利水の問題である、こういうことによって私どもの考え方、見方というものが変わってくるような気を私は持っておるわけでありますから、そういう意味ではその辺のところを明らかにしてもらいたいと思います。さらにこの問題は、私も河川法の成立経過をいろいろ見てみましたけれども、確かに建設大臣が管理権を持たれるとはいいながら、地元の意向を無視するわけにはいかぬ、こういう内容が相当含まっておるわけです。したがいまして、いまここで私は分水が反対であるとか、あるいは賛成であるとかいう意見を述べませんけれども、大きな政治問題になっているわけです、これは水争いということでありますか。そうしますると、四条二項、三項に基づいて、まあ無理はしたくない、とのお気持ちを最後までお持ちになって、そして三県が完全に合意するまでは、いわゆる権限行使は慎重にしよう、こうすべきであろうと私は考えるわけでありますが、大臣はどのように考えるか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) いろいろ三県に考え方はあると思います。詳しくは直接聞いておりません。事務当局では、各県の考え方等ある程度はいろいろ伺わしておりますが、私はまだ直接聞いておりません。いま建設大臣の所管に入っているわけではございません、御承知のとおり。まあ各県ができるだけ協議をしてもらって御判断を願いたいというのが現状でございます。もしこれを建設大臣が最終的に判断すべき立場になりましたときには、私は、基本的には無理押しすべきではない、こういう考え方を持っております。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 ちょっと法律案の扱いについて簡単にお聞きしておきますが、建設省は国会に法律案を提出をされる——正式に省議決定する前に、私どもに説明をするということは、そういう態度はとらない方針ですか。

鶴海良一郎建設大臣官房長

○政府要員(鶴海良一郎君) 法案の取り扱いでございますけれども、省として最終案を決定する前には、どこにも出しておりません。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 出していない。——それは実は土地収用法の一部改正案は正式にきまっておりませんけれども、新聞その他で報じておりますから、私は今月一日でしたか、政府委員室にそのアウトラインでも説明してもらいたいと言ったら、いま言われたように、まだできておらぬといって断わられた。それですから、お役人だから、正式にきまるまではなかなか言えないものかと思って、そういう点は了承しておりましたら、三月十一日の東京商工会議所の東商新聞、それによりますと、三月三日に計画局の参事官が東商の首都委員会に出向きまして、この収用法の改正案についての説明をし、懇談をしておるという記事が載っております。そこで十五日に、私また政府委員室に電話をかけまして、一ぺん断わっておいて、商工会議所には説明できるが、国会では説明できないか、こう申しましたら、夕方、二月十日、計画局の総務課で出しました法律の改正要綱なるものが届けられました。私は会いませんでしたけれども、それで、あのときには間違ったとかなんとか説明して置いていったのですが、どうも一貫しておらないんじゃないですか、どうもいまの官房長の説明と。

志村清一建設省計画局長

○政府委員(志村清一君) 私どもの不手ぎわはあったようでございますが、実は、土地収用法そのものについて、法案もまだ確定を見ておりません。ただ法案の行く方向につきまして、骨子とか大要とかいうものをつくりまして、それに基づきまして、法案の作成をいま鋭意やっております。そういう意味におきまして、法案そのものがまだできておらないので御説明いたしかねる、こう申し上げたかと存じますが、要旨、骨子等につきましては、できるだけ諸先生方にも御説明申し上げて、御了解を、事前の御了解と申しますか、趣旨の御説明は申し上げたい、こう考えておるわけでございます。参事官が会合に行きまして、いろいろお話をいたしたということも、おそらくその骨子、大要といったような、今後の土地収用法改正の方向につきましていま考えておることを、あるいは説明したのではないかと存じます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 いま計画局長が言われたような趣旨を私はあらかじめお聞きしておきたい、非常に建設省としても重要法案として扱われておりますから、そういうお尋ねをしたら、そういうお答えがあった。しかし、同じことが商工会議所で説明されておるというのですから、だから私は納得できない。それであらためて言いましたら、二月十日にできているものを届けられた。そういう建設省の態度が私はどうも納得がいかないから、あえて扱い方についてはっきりしておきたいんですが、官房長の説明と計画局長の説明とでは、ちょっと食い違いがあるんじゃないですか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) そういういきさつは私は全然知りませんけれども、法案をつくります場合には、いろいろな考え方を集めて、そうしていろいろなディスカッションをするわけで、おおよそこういう考え方でどうであろうかという場合には、いろいろ学識経験者のまた意見を聞いたり、どうだと言われたときには、そこに出向いて説明をして、さらにまた民間の意見を聞いたりする場合があります。ですから、先生の場合は、あるいは法案ができておらないからという考え方でさようなことを申し上げたかと思いますが、それなら御了承が願えると思います。  ただ、いまどんな考え方でおるんだとかいうようなときに、それを申し上げることは、あちこちやっておることでありますから、そういうことを、何かの手違いといいますか、誤解があったのではないかと思います。法案が出ない前に法案らしいものがよく出まして、非常に混乱することがありますから、お役人さんたちは、まだ未熟なものを外に出して、いろいろまだ考え方が固まっておらぬのを、たたかれるというとおかしいのですけれども、いろいろ言われることは非常に気にする習性がありますから、そういう点があったのではないかと思いますが、御了承を願いたいと思います。

春日正一日本共産党

○春日正一君 私は、きょうはおもに住宅の政策ですね、特に公営住宅の問題をお聞きしたいんですけれども、一番先に、政府の発表された住宅五カ年計画、これについて、この計画が計画どおり行っても「一世帯一住宅」にはならぬじゃないかという気がするんですわ。それで幾つかお聞きしますけれども、この前本会議のときにも質問があって、建設大臣お答えになったんですけれども、最初七百大十万戸建設が必要だという数字があって、しかも、それを六百七十万戸というように減らして、これで五ヵ年でやるんだというふうに言われた。それについて、あのときの大臣の説明では、一世帯三・七人で計算したのを三・八人に変えたから数が約九十万ぐらい減ったんだという説明だったと思います。これは数字の上からいえばそういうことですけれども、この三・七人を三・八人に変えるということですね、これはどういう根拠でやられたのか。つまり予算の都合で六百七十万に縮めなければならぬから〇・一人ふやせというような基準でやられたんじゃないかというような気もするんですけれども、そこら辺少し説明してほしいんです。

尚明

○政府委員(尚明君) ただいまお話のありました普通世帯一世帯を構成する人員についての推測でございますけれども、御承知のようにわが国の普通世帯の一世帯当たりの構成は、大正時代から昭和三十年程度までは、いずれもおおむね五人でございました。しかるに、産業経済の急速な発達につれまして、三十年以後逐次これが減ってまいっておりまして、たとえば昭和三十五年の調査によりますと、四・五人になっております。この原因は、都市に人口が移動しますことと、それから新しい家族構成の考え方が戦後行なわれました。それが経済的に若干のゆとりができるために親のもとを離れて、新しく世帯を組むというような傾向になりました。そういう傾向がおそらく三十年以後可能になってきたということで世帯分離が行なわれたと思います。そこで私どもは、今後のカーブにつきまして、まあ在来の変化してくるカーブを延長いたしまして、四十五年には三・七人になるであろうという推測をいたしたわけでございます。それに対しまして、他のいろいろな関係各省で協議いたしました結果、そのときの議論として、三十年以後は特に経済高度成長、人口集中というようなものが特にきわめて著しかった十年であるので、そのカーブをそのまま延長するということは、今後安定成長期に入ってくるのに、同様のカーブでやることは少し角度がきつ過ぎはしないかという議論が出てきた。いろいろ議論のありました結果、結局、将来五年の推測でございますから、決定的なことは将来の問題でございますが、そこで私どもも、在来の傾向そのままを見るより、こうした多少世帯細分化の傾向は、今後の五年は、在来のカーブよりも幾らか援和するだろう、そういうことで三・八というのできめようということにいたしたわけでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 そういうきわめて推定で三十五年が四・五で、最近は、四十年というようなのはわかっていないのですか。

尚明

○政府委員(尚明君) 三十八年の住宅調査の結果で四・二というのが途中でわかっております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 この六百七十万という数字の中でも、私どもいろいろ調べてみると、かなり手心が加えられているという感じがするのですけれども、たとえば住宅不足数ということの中に、たとえば要大修理住宅の七割、あるいは狭小過密住宅の四割というような約二百万戸というようなものが、四十年の建設白書に出ておったと思いますが、排除されている。これは当然住宅の必要なほうの数に入るべきもの、これが排除されている。あるいは不良住宅三百十万戸、こういうのが、たとえば炊事場、便所の共用だとかなんとかとなっていたのが、数の中に入っていない、そういう計算ですね、それがある。それからついでに言ってしまいますが、三十九年、四十年の住宅建設戸数百八十一万戸と見込んでいる。これは少し大き過ぎるのじゃないかという感じもするのですけれども、そういうふうな意味で六百七十万という数字がかなり手心を加えられた数字なんじゃないかということですね、どうですか、その点。

尚明

○政府委員(尚明君) 私ども住宅不足数を推算いたしますときに、ただいまお話がありました住宅の水準の目標というのが大きな問題になるわけでございまして、私どもは、四十五年に「一世帯一住宅」を実現するというときに置きました基準は、広さの基準でございまして、二人ないし三人家族、いわゆる小世帯と申しておりますが、これは九畳以上の家に住む、それから四人家族以上の普通の一般世帯は十二畳以上の住宅に住む。実はこれについてはいろいろ御議論はあるかもしれませんけれども、いまの段階で考えられます水準といたしましては、もっぱらその広さという問題に重きを置きまして、実は御承知のように、将来また長期計画を立てるとするならば、さらにいまおっしゃられました、便所が独立であるか、あるいは浴室がついているかということも問題に入るわけでございますが、今回は、正直申しまして、その設備の水準までは実は入れておりません。ともかく広さの確保ということを水準といたしました。そこでそういう水準のもとに、たとえばいま御指摘がございましたように、私どもは、たとえば狭小過密居住と申しておりますのは、いまの広さに達しないで住んでいる方の数でございますが、それがおおむね三百万ございますが、その六割の百八十三万を不足数と推定の計算に入れました。残りの四割はどうなるかという問題があるのでございますが、これは私どもの一つの推算でございますけれども、その水準に達する構造の住宅あるいは民間住宅が建てられて、そこがあくとするならば、そのあとにたとえば一人世帯の方がお入りになる、あるいはひとり者がお使いになるということになれば、普通世帯がお使いになっている場合でも、一人世帯がお使いになっていれば、これはいま申しました六畳一間も、一応いま目ざしている住宅水準としてはまあ容認すべきやむを得ないものであろう。したがって、たとえば狭小過密居住というのは、たとえばいま六畳、三畳で九畳の家に五人家族で住んでいる、そうすると、いまの私どもの水準の五人家族ですから、当然十二畳以上を目標にしているわけであります。したがって、狭小過密でございますが、その方が出たあとに夫婦だけの方で、いわゆる二人ないし三人、二人世帯が入っていただけば、一応九畳があるので合格といいますか、水準以上になる。そういうふうな意味で残りの四割は入れかわりによって一応使える住宅である、こういうような推算をいたしたわけであります。それが多いか少ないかということは、いろいろな社会的動向で、今後で判断しなければならない問題は含んでおりますが、一応そういう考え方でいまの狭小過密も、この三百万戸全部とらず、六割をとったという計算をいたしたわけでございます。  それから二年間で百八十一万戸というのは、これは正確に申しまして四十年度の一番終わりの数字はまだ出ていないわけでございますが、おおむねいままでの建築統計その他から見て、約百八十一万戸はまず必ず建つであろう、水準以上の家として建つであろうという推算はわりあい固い数字で出ております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 それはそのくらいにいたしまして、公営住宅について、政府施策住宅三十万四千戸、そのうち公営住宅七万二千戸、これは絶対数から見て、住宅困窮者の階層比率から見ても非常に少な過ぎるのじゃないか、もっとたくさん建てなければ、実際ほしい人が入れないのじゃないかというふうに思うのですけれども、たとえば三十五年度の東京都の住宅実態調査の結果を見ると、住宅困窮者の八〇%が月収四万円以下の低所得者である、この傾向はいまでも変わらない、東京都の発行した文書でいっているのです。住宅を一番ほしがっているのは、月収四万円以下というような低所得者、こういう人たちは公営住宅に入るよりかほかに手がないと思うのですけれども、ところが政府の計算では、むしろ公団アパートとか、あるいは建て売りだとか、そういった形でもっとゆとりがあって家が買える、高い家賃のところに入る人のほうをよけいとっている。一番困っている方が七万二千というのでは、これは住宅全体から考えて、私らも公団住宅必要だと思うけれども、しかし、公営住宅の比率がこんなに低いということで、実際上そういう低所得者の人が入れるのかどうか、少な過ぎるのじゃないか、この点の考え方——私らに言わせれば、もっと公営住宅の比率を、政府施策住宅の中でもっと高めていかなければならぬ、こういうふうに考えるのですが、どうですか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) 私は春日さんのお考えのとおりに思っております。ことしは——ことしと申しますか、いま住宅建設が政府の第一の課題だと考えております。率直に申し上げて、戦後の諸般の経営がなかなか、ああいう実情でありましたから困難でありました。ようやく今日の経済状態にまで立ち上がりました。その間において、少なくとも今後五年間の推計のしかたに多少議論がありますけれども、まだまだ六百七十万、五年間に建てなければいかない、これは適当な状態ではない、そういうことで住宅に力を入れよう、これは御理解が願えると思います。その数の多寡は、これは議論があることも承知しております。そこで、しからば一体、一番住宅をやりたいけれどもやれないという人、これを最大のねらいとしなければいかない、そういう考え方に私どもも同じ考えを持っているのであります。ただ、まあこれはほかのことをやめてやればいいじゃないかということもありますけれども、なかなか一挙にいかない。とにかく、昨年に比べますと、国の財政事情からいいますれば、これに一番力を入れておると私ども考えております。これで十分だとは決して申し上げません。七千億余のいわゆる国債まで発行してあるのだからもっとやったらどうかという御意見も出れば、全くそうですと言いたいくらいの気持ちであります。ですから、今度の五ヵ年計画では、まず第一義として、いまおっしゃるいわゆる公営住宅の、こう言っては失礼でありますけれども、所得の低い方を第一義にすると。これはまあこういう案を立てますときには、各省いろいろ、財政当局との間でいろいろ意見が違いますけれども、何はともあれ、住というものが安定しなければ社会は安定しないんだと、この考え方が政府はもとより国民に徹底しなければ住宅問題の解決はなかなかむずかしいと、こういう基本的な考えを持っております。したがって、四十一年度は、昨年に比べてみますと、相当ふえておりますけれども、こういうふえ方では、いわゆる五ヵ年計画は充足されないばかりでなくて、五ヵ年計画を公庫や公団、あるいは民間を入れての政府施策住宅だけでも、公庫、公団住宅の数をこなすことはそれほど困難でないと思います。一番大切な公営住宅、これをこなすことが一番困難だと思います。したがって、五ヵ年計画の内容は目下検討中で、今後きめますけれども、これに大きなウエートを置くべきだと、まあこういうつもりでいま私どもせっかく努力をしております。四十一年度は、いまおっしゃったとおりこれで、こういうスピードでは私どもはいま公営住宅の必要の部分を解消することはできませんから、今後はこれらに最重点を置くという考え方で進みたいと思います。率直に申し上げておきます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 ぜひそういうふうにして公営住宅を大量に建てるというふうにしてほしいと思うのですけれども、しかし、この七万二千戸のうちでもまだ問題がいろいろある、不安があるのですわ。改良住宅という指定を受けて建てるところもありますけれども、あれを受けないで、一般の建てかえ分というものがどのくらい見込まれているのですか。

尚明

○政府委員(尚明君) 最近におきまして公営住宅の建てかえ事業が各公共団体で行なわれておりますけれども、その数は大体年間、古くなってこわしますので、木造住宅が約千戸程度、それから、それにかわって建てますこれは、おおむね三倍くらいそこへ入ります、おおむね三千戸くらいの鉄筋コンクリート・アパートがその場所に建てかえられる。おそらくことしも、まだ詳細には各部署に当たっておりませんけれども、おおむねその程度の計画になるというふうに考えております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 東京都の鳥山の都営第七住宅の場合を見ますと、現在百七十九戸あって、建てかえ後二百八十戸になり、百戸ふえるわけですけれども、このうち百戸が改良住宅ということになると、まあ改良住宅を除くとイコールになっちゃうのですね。それから、それじゃ四十一年度計画の建てられる保証ですけれども、これは全国の建設事業を、いままでのを見てみまして、私ども調べたのでは、三十五年から三十九年の五年間に、計画戸数二十七万一千戸のうち七万七千三百六十七戸、これは繰り越しということになっていますね、建ってない。東京都の場合なんかことにひどい。オリンピックの年なんかゼロというのが出ていますよ。そうして七万二千戸というのが、実際建つのかどうかという不安が出てくるわけですけれども、その点保証はどうなんですか。

尚明

○政府委員(尚明君) 工事の実施状況の問題でございますが、御指摘のとおり、確かに東京都に限りましては非常に繰り越しが多いのでございます。これは、私どもも非常に、指導が十分でない、残念に思います。最近各公共団体の工事をやっている様子を見てみますと、おおむね前年のうちに土地の取得をいたし、もしくは四月早々に土地買収費を払えるまで全部話を煮詰めてございまして、そうしてその上の建物の設計等もすでにもうすべてでき上がっているのが、大部分の公共団体であるのでございます。そういたしまして、直ちに工事にかかるところが大部分でございますが、東京都に限りましては、前年の土地の手当てが十分至っておりません。特にオリンピックのときに、財政の理由があったのか、翌年の土地を買うことについて十分な資金が当てられていなかったということが事実ございます。したがいまして、その年になってから土地を買い、鉄筋コンクリートのものを建てていきますと、どうしても工事期間として、その年中の三月末日までに入居に至るということになりません。その問題で私どもも東京都と常に強く協議をいたしておりまして、東京都につきましては、早くそのおくれを取り戻して、前年度のうちに土地をできるだけ多く買っておくようにということをいたしております。前年に土地を買いましても、補助金はその土地について翌年つけられます。それで東京都のほうも最近に至りまして、やはり退勢を挽回するために、前年のうちに土地を取得しておくことが重要だということで、昨年は交付公債の認可を得て、急遽土地のあらかじめの取得ということに力を入れ始めた問題でございます。いまなお御指摘のように十分に解決しているわけでございませんけれども、今後一、二年のうちにぜひ前年手当てのほうへ徹底させるように指導してまいりたいと思っております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 特に東京都ということで、全体の公営住宅のほうの比重というのは東京都は非常に高いわけですから、ここがうんとおくれるということになると、計画が狂ってくる。東京だけでなくて、六大都市、ほかのああいう都市になると、おおむねそういう傾向があるのじゃないですか。たとえば京都の場合、三十五年から三十九年の計画千六百四十二尺繰り越し六百二十六戸というのが京都でも出ている。ほかは、私全国調べていますけれども、大体そういう例を見ても、東京だけというわけじゃなく、大都市では多かれ少なかれそういう傾向がある。この問題を解決しないと、七万二千戸の少ないものさえ実現できないということになってしまう。ここらにひとつ問題があると思います。  それから建たない理由ですけれども、やはり超過負担といいますか、政府の補助してくれる建設基準、あるいは地価というようなものが非常に低くて、そのために実際自治体の支払う金というものが非常に多くなっている。このことがやはり十分公営住宅を建てられないネックになっているわけです。だから、実際東京の場合をいいますと、第一種で実際経費が百二十七万二千円、国の補助基本額が九十万円、だから都の持ち出し分、これが三十六万六千円ということになっているのですね。そうしますと、この負担というものが非常に大きい。だから法律の規定でいえば、国が三分の一なり、三分の二なり補助するという規定になっているのだから、なっているとしたら、実際かかるものを補助しなければ、これはうそついたことになって、国が地方自治体をだましたことになってしまう。だから、その点は政府として、実際にかかったものに補助するということにしていくというお考えがあるのかどうか、この点はっきりしておいていただきたい。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) 公営住宅の消化は、京都の場合はあとで御説明申し上げますが、全国的に見ては非常によくいっております。東京都の場合、先ほど御説明申し上げましたが、私は、東京都、一番必要なところが一番おくれる。正直申し上げまして、四十年度二十三億、この公営住宅の費用を使いこなせない残でございます。それをきわめて残念に思っておるわけでありますが、東京都は一番大きな財政の問題と、それから先ほど御説明申し上げました用地の問題、これが非常に困難を来たしております。しかし、東京都も最近非常に住宅の問題に熱意を持たれるようになって、私は感謝しておるわけでありますが、一般的に申し上げまして、いまお話しのとおり、他の公共事業に比して建築単価、これは金融公庫にも問題がありますが、それから用地の単価、これは実際に合わない。そのために、率直に申し上げて、地方公共団体が道路費は何とか苦面したいと、住宅についてまでも持ち出しがなかなか困難である、こういう傾向があって非常に苦しんでおる。それにしても、いろいろ苦面をして充足をしておる、こういうことは政治の間違いだと思います、私率直に申し上げます。そういうことで、政府の住宅に対する姿勢を先ほど申し上げましたが、幾ら国で計画しても、機構が伴わなければ実行は不可能であります。そういう点を政府内部にも認識を高めてもらうようにして、三十九年度が——四十年度の場合も幾らか建築単価、用地費は上がりました。今年度も建築費として、これはいろいろ建築の種類によって違いますけれども、建築単価は七%から一六%まで引き上げておる。これは完全に解消というところまでいかないが、おおむね一これは平均でありますが、そう地方が従来ほど困らない。用地のほうは、昨年度に比べて一五%の予算増をいたしております。これも全国平均であります。東京都は、あるいは大都市付近は、用地はまだまだ高いですから、これは平均からいたしますと、相当ウエートを変えております。用地の場合はまだまだおおむね解消というところまでこれでいきません。大蔵省とも相談いたしまして、なかなか財政の問題もありますから、こういう問題を二年間で解消する、こういう計画で実は進めておるわけであります。四十二年度の予算までには、そういういわゆる地方公共団体の超過負担という困難を加えるということはどうしても解消していく、こういう計画でございます。そこで従来の、御承知のとおりに、地元負担についてはなかなか、住宅についてそれほど地方公共団体が余裕があるわけじゃございませんから、起債——借金でやるわけであります。これはもちろん交付税等でありますけれども、その起債の充当率というものが、四五%しか起債を許しておらない、地方の負担分の四五%。それではとうていできない、そういうことで、四十一年度から地方負担分の九〇%は起債を認める、こういう財政計画を立てておりますから、従来に見ましては、これで非常に楽とはいえませんけれども、相当に従来に比べますと楽になる、こういうことを計画をいたしておるわけであります。もう一年はどうしても用地関係の是正にはかかる。一面においてはもちろん地価対策等しなければなりませんけれども、これも直ちに手のひら返したように効果があがるとは思いませんから、そういうものを総合して、いまおっしゃったようなことをよく承知して、率直に言って私は、政府の今日までの国と地方とのこの計画というものには誠意がなかったと、ずさんさがあったと、こういうことを率直に認めております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 まあ大臣のほうで、四十二年度にはそういう持ち出しというようなことにならぬように措置したいと言っておられるので、ぜひそうしてほしいと思うのですが、それから宅地の問題、東京なんかで一番住宅建設で隘路になっているのは宅地の問題ですけれども、大体六百七十万戸建設に要する宅地というものですね、大体どのくらい必要なのか。特に政府施策住宅二百七十万戸分に当たる宅地、これがどのくらいのものか、大体これをどうして確保するかという点ですね、これがはっきりしなければ結局絵にかいたもちになってしまう。それが問題ですからそこをひとつ説明してほしいのですが。

志村清一建設省計画局長

○政府委員(志村清一君) 六百七十万戸の家を建てます場合の、先ほど住宅局長から御説明申し上げましたように、老朽の建てかえというものが含まれております。そういった建てかえ分につきましては、用地は要らぬわけでございます。また建てかえましても、公営住宅の場合のように従来、一戸建っておったものが、高くすることによって三戸、四戸入り得るという場合と、土地のいわゆる高度利用ということによって解消するものもあります。また既存の宅地でございますが、東京都の二十三区の中でも、いわゆる純宅地と称する用地が数千万坪あるわけでございますが、そういった空地を利用するというようなこと等、従来の実績を大体勘案いたしまして考えますと、新しく宅地を造成する必要があろうと思われる戸数が、推定でございますが、二百九十万戸くらいではないかと、こう考えております。それに要します坪数等でございますが、従来の公営住宅では四十坪ちょっとでございましたが、もう少し広くいたしたいということで、五十坪程度に見積もりますと、おおよそでございますが、一億四千万坪くらいの新規の宅地の開発がありますと一応カバーできるのじゃないか、こう思っているわけでございます。その中身につきましては、公的な、すなわち公団とかあるいは公共団体が、あるいは国みずから、府県みずからが土地を造成するという公的宅地の開発、それから民間の方々、土地区画整理組合が従来宅地でなかったところを宅地にするという組合の事業、あるいは民間の宅地造成業者の事業等従来の実績を勘案してまいりまして、相当大幅に公的な宅地造成をやりましても、おそらく半分くらいであろう、一億四千万坪のうち七千万坪ちょっとくらいは民間の自力で相当いけると思いますが、残りの七千万坪程度は、公的の色彩の土地造成というものが必要であろうと、そういう意味におきまして、公団、公庫の融資あるいは造成等につきましての予算を逐次増加していく、それから公共団体の土地区画整理に対する起債の総ワクを考えていくというふうなことで進めたい、こう考えておるわけでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 宅地問題でいえば土地の面積も非常に大事なんですけれども、結局地価がどんどん上がっていくということで、そのために実際に家が建たないというようなことがあるのですけれども、いわゆる一番原因になっている土地の騰貴、これに手をつけないで地価の安定をはかるということで、区画整理、建てかえ、その他いろいろやるというようなことをやったんでは、悪いものを野放しにしておいて弱いものに犠牲をかぶせるということになるわけですけれども、その点の考え方はどうなんですか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) おっしゃるとおりでありまして、一番の問題は宅地であります。宅地以外でも、御承知のとおり、道路その他国民の生活基盤と申しますか、これに国家は膨大な投資を今後ますます増大しなければならない、こういう際に、土地を離れて仕事をすることはできません。したがって、土地所有権を、春日さんとは率直に言ってやや立場が違うかもしれませんけれども、所有権を認めはいたしますけれども、所有権に限界があるべきだ。特に土地を離れてわれわれは生活できない。そういう特殊な、いわゆる基盤でありますから、これについて所有権の限界といいますか、土地によって格別な利益を得るという、この旧来のあり方と申しますか、これをどうしても是正しなければならない。これにはやはり国民の皆さんの御理解がどうしても必要でありますが、一々御理解を求めておるといういとまはございませんから、今度土地収用法を改正して、従来のように、計画後いろいろ値上がりするということは御遠慮願う。ことばはおかしゅうございますが、そういう意味の改正をしたい。と同時に、土地収用法以外のところでも、従来のような土地でもうけるということは今後不可能になります。あまり御期待は持てませんという、税制面からいわゆる不動産、土地譲渡税の改正をすることをいま準備を進めております。土地を買っておけば騰貴をしてもうかるということは、期待されても、できない、そういう税制の改正をいま準備をいたしております。それで万全なるかどうかということについては、現在ではやや疑問がある。やや疑問がありますけれども、いまの社会情勢、今日までの土地所有権に対する習慣、これを全然無視して政治はできませんから、多少の懸念は私持っております。今度措置いたします——国会でぜひ御審議を願って、そういう制度を確立してもらいたいと思っておりますが、それでなおかつまだまだ不適当な事態が起これば、土地の根本的な考え方を改める制度をやはりもう一歩前進させなければならない、かように考えておるわけでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 その点についてはだいぶ問題があると思うんです。しかし、これは土地収用法、公営住宅法の改正といいますか、そういう問題のときにやるとして、あれしますけれども、ただ一番問題になるのは、やはり政府の態度が、大きいものには弱い、小さいものにはきついということですね。たとえば砧のゴルフ場の問題なんかについても、多摩川の河川敷の問題についても、もう去年から佐藤総理大臣は、河川敷は国民に開放するのだと言っておって、すぐなるかと思うと、いままで投資したからどうとかこうとか言われて手がつかぬというようなことをしておいでになる。あるいは第三国道の多摩川の補償の問題も、三千年分の地代を補償したとまで言われている。そういうひどいことを一方しておきながら、一方では小さな、立ちのかされて、よそへ行ったんじゃ、その補償金だけじゃ店も開けぬようなところへ、評価額でどうしても出て行け、土地収用法だというような——草加のバイパスなんかもそうです。そういうやり方ですね。むしろ現実に見て、十坪の家をこれだけ補償してもらったって、よそへ行ったら補償金だけでは、いまのように生きていけない。この人のめんどうは見てやらなくてはならぬけれども、何十億、何百億という大資本を持った連中に、何でそんなに遠慮する必要があるのか、そこらの政府の態度が変わらぬ限り、どうしたって問題は片づかぬのではないか。この点、私、ぜひ大臣に言っておきたいと思うのです。  それから、そういう問題と関連して、例の多摩弾薬庫の敷地の問題ですね、あれは防衛庁が米軍ゴルフ場にするといって、もう仕事にかかっているというような状態になっていますけれども、これは大問題になって、結局最近明らかになってきたのが、建設省が指定した住宅専用地区だというようなことが明らかになって、東京都議会あたりでも満場一致で住宅にすべきだと言っている、そういう状態。ここへ自衛隊のミサイル基地ができる。地元でもみな反対している。都議会でも、自民党を含めて反対しているというような状態。こういう状態のもとでは、やはり建設大臣としても、この弾薬庫の用地というようなものを返還を求めて、ここを計画どおり住宅地にしていくというようなことをほんとうにやってのけなければ、そういう機運にいかなければ、この東京での住宅問題、宅地問題は片がつかないと思うのですが、その点の覚悟はどうですか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) 多摩の弾薬庫のあとの問題は、予算委員会等でも議論がありました。これは一応ほかの省の所管になっておりますから、私はここで議論をいたしませんが、やはりそういう面から根本的に考えを改めるということは、私はきわめて必要だと考えております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 それで、家賃の問題ですけれども、新しく建てられる公営住宅の家賃、これは東京の場合で言って、どのくらいになるものですか。それからついでに、新しくでき公団住宅の家賃ですね、これはどのくらい、まあ東京の標準でいいと思うのですが、どのくらいになりますか。

尚明

○政府委員(尚明君) 家賃の実際でございますが、まず公団から申し上げますと、四十一年度の家賃は、十五・五坪のアパートで、おおむね一万二千円ぐらいになる予定でございます。それから東京都の場合は、公営住宅で、一種が八千円、二種が五千円くらいになるのではないかと思います。これは鉄筋アパートの場合でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 この家賃というのは、公営住宅の居住者の収入に比べては、きわめて高過ぎるというふうに考えるのですが、これは引き下げるべきだと思うのです。たとえば、私の聞いているところでは、東京都で第二種住宅に入るためには、月収二万円以下というような制限がある。それから、第一種住宅は二万円から三万六千円、こういったような制限がある。この資格で入って、月収二万円、五人家族といえば、東京でいえば生活保護以下でしょう。家賃をただにすべき性質に属する人たちですよ。だからそのうち五千円取ったら、四分の一を家賃で取ってしまうということになるのですから、五千円というのは一般から比べれば安いのだけれども、実際収入、そういうものから見れば、非常に高いものになる、この点どうですか。

尚明

○政府委員(尚明君) ただいまお話のありました、公営住宅の一種及び二種の入居資格における収入でございますが、実はこの収入の計算法は、別に政令できめられておりまして、ただいまお話のありました、たとえば二万円あるいは三万六千円というものは、年間の家族の収入の合計から、所得税法にならいましての勤労控除というのをいたしまして、それからさらに扶養家族一人について二千円を除きまして、そうしたすべて除いたものが三万六千円以下あるいは二万円以下という計算でございまして、これをたとえば標準の夫婦と子供二人という四人家族で見ますと、この三万六千円という数字は、四十一年度で相当いたしますと五万五千五百五十五円でございます。それから二種の二万円と申しておりますのは——三万五千八百三十三円に相当いたすのでございます。したがいまして、実際の総収入としては、これだけの収入のある方に対する入居資格ということになるわけでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 まあそういうことで、私の聞いておったよりも少しゆとりが出てくるわけですがね、そういうことにしても、とにかく公営としてやるという場合にやはり八千円、五千円というと、人によってやはり高いということには変わりないと思うのです。で、こういう問題もあるわけですね。いま東京で、まあ収入調査をやって収入超過したものは、公団住宅でもどこでも移ってくれというような問題が出ていますね。ところで、まあ新聞なんかに出ているように、東京都の高級公務員で部長だとか課長だとか、そういうような人ならそれはいいだろうけれども、一般の場合でいいますと、いま言った二万円、三万六千円というような基準が切れて、しかも、公団住宅に入る場合には公団住宅として、たとえば家賃の五・五倍とかあるいは四・五倍とかというような、今度は収入の下限の制限があるわけですね。これ以上収入のない者は入れないという。そうすると、都営住宅からほうり出されて公団住宅の下限に達しない者は、一体どこへ入るかという問題が出てくるわけですわ。そういう問題ないですか。

尚明

○政府委員(尚明君) いまの収入基準をこえて、そうして他の住宅に移る努力をする、地方公共団体は他の住宅へ移りやすいようにあっせんをする、それからまあ、移れない場合は、収入超過者として割り増し賃料を払う、この基準は、先ほど申しました、たとえば一種でいうと、入居の資格のときは三万六千円にいたしておりますが、この収入超過者の基準は、それからさらに上げて四万五千円をこえた場合ということになっております。それから二種の二万円は二万五千円をこえた場合に収入超過者になる、こういうふうにいたしております。その結果、先ほど申しました計算法で、総収入として考えますと、一種の四万五千円は六万六千五百五十五円に相当し、二種の二万五千円は四万二千八十三円に相当するということが標準家族で計算されるわけでございます。そこで、いまやっておりますのは、まず公団住宅ができました場合に、その団地の一割もしくは二割程度について、公営住宅の収入超過者の方がお移りになる場合は優先的に入居させるということで募集をいたしております。これによって毎年全国で千家族ぐらいの方に移っていただいております。これは公団住宅だけでございませんで、公庫関係のアパートも利用しておりますが、そういうことで移っていただいております。そこで、いまお話がありました一種なりの収入超過になって——まあ少し収入超過であって、そうして今度公団のほうからいうと、収入資格のほうからはずされてしまうと、こういうようなことは、在来はその懸念はほとんどございませんでした。ということは、住宅公団のほうの家賃が、これは在来の住宅公団のほうの面積がそう十五坪半などと大きくございません関係で、おおむね九千円か一万円くらいでございました。したがいまして、五・五倍云々がございましても、公営のほうの収入基準をこえておる方は、公団の入居資格もあるような数字になっております。最近になりまして、公団住宅の質の向上によりまして、場合によりましては若干家賃が高くなって、その間が開く——というようなことの懸念される例が皆無でなくなったわけでございます。これは御指摘のとおりでございます。したがいまして、いま私どもは、そういう場合の公団の収入基準をいかなる場合でも五・五にするということが適当かどうかということで検討いたしております。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) それに関連して、これはまだ結論を得ておるわけでありませんで、検討を事務当局に命じておる問題でございます。これは皆さんのお知恵を借りればいいと思って申し上げるのですが、いま申し上げました二万円あるいは三万六千円、これはいろいろなものを引いた残りの基準になりますけれども、それが六万円以上あるいは六万近くでありますか、これは全国同じであります。そこで、東京とか大阪という大都市は、もっと同じ家におって生活するにも経費がかかる、率直に申し上げて。その同じ基準でそれでいいかどうか問題があると、私は思うのです。だから東京の場合は、公営住宅でも、もう少し収入が多い人も、これはいろいろな経費が日常要るわけですから、その基準を全国一律にしておることは不適当ではないか、こういう感じをいま私は持っている。ただ問題は、どこで——東京だけならば簡単ですけれども、どこでその基準を切るかということに非常に問題点がある。六大都市同じでいいかどうか、なかなか差をつけるというと問題点がありますから、簡単に結論出せないでおるわけでありますが、非常に理論的にいいますと、東京が五万円、地方も五万円ということは、どうも公営住宅における基準としては必ずしも合理的でないという問題があるわけであります。検討を命じておりますが、結論を出すのは必ずしもなかなか簡単ではない。こういう問題があることを、よけいなことでありますけれども、そこまでいろいろ苦心をしておるということでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 結局東京で五万円、六万円といったって、楽な生活じゃないですよ、皆さん御承知のとおり。だから、そういう制限を設けるということよりも、公営住宅をもっと二十万戸でも三十万戸でも建てて、制限なしに入れるということにしなければこの問題解決がつかないのですね。  そこで最後に、建てかえの問題ですけれども、これは政府の方針でも、自治体でもそうだけれども、宅地問題とも関連して、古い平家の住宅を建てかえて高層にするということが方々でやられているわけです。この場合、当然居住者の利益あるいはいままでの権利、こういうものが十分尊重されなければならぬし、それから居住者の理解と納得の上でそういうことが行なわれるべきだというふうに考えるのですけれども、大臣のお考え方はどうですか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) 御承知のとおり、土地が非常に払底いたしております。と同時に、前に建てました家はもう大体不適当になって、居住環境もよくない。立体的にすると同時に、もう少し居住環境をよくしたい、こういう私どもは考えと希望を持っております。そういうことでありますから、家を動くとか家を建てかえるということは、日常生活に支障がありますから、現に住んでおる方は、なかなか——そのほうがいいかもしれぬけれども、あるいはやっかいなところもある、こういう気持ちもよくわかるのでありますが、しかし、土地の利用からいっても、居住環境からいっても、前に建てました木造の平家等が適当でございませんから、何とかこれを建てかえたい、これにはぜひ御協力願いたいと、こう思っておるわけであります。ただ、いまお話のとおり、もちろん皆さんの御理解を得なければならぬ、そこにおられた方はそこに優先的におってもらう、こういうたてまえをとりたいと、かように考えておるわけでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 当然、本人の希望でなくて国の政策としてやるということになれば、いままでの居住しておった条件、これが著しく変わって生活が圧迫されるとかというようなことにはならぬということを保証されなきゃ、だれだって承知しなくなると思います。  そこで、具体的な事実でひとつお聞きしますけれども、東京都営のさっき言った鳥山の第七住宅、それから川崎市の前田住宅の場合ですね、これは聞いてみますと、いずれも一方的に、当局のほうで建てかえをきめて、居住者に納得されないままに、東京都の場合は、一方的に工事して建てかえをやるというのです。前田住宅の場合なんかは、一日前に速達か何かで通知をよこしておいて、いきなり大きなくいをトラックで持ち込んでくるというようなやり方をしてるんですね。これは決して納得においてとかなんとかというようなことじゃないんですね。全く居住者を無視した乱暴なやり方ですよ。だから、こういうことをやられたんでは、公営住宅の居住者は安心して暮らせない。だから、こういうことは当然やってはならぬことだと思うんですよ。ところで、もっとあれしますと、前田住宅の場合、これは建設省の監督官庁としての責任の問題もからんでくると思うんですけれども、ここは字土腐というところで、昔からの沼地を埋め立ててつくって、初めから浸水することがわかっておった。それで川崎市の建築局長——当時の住宅課長も、その当時、初めから水につかるということはわかっておったのだということを言うておる。これほど水につかっているんですね、見ていただきたいと思うんです。ですから、毎年床上、床下の浸水で苦労しておる。それで住民が、——これは昭和三十二年の建設だと思いますけれども、何とか土盛りしてくれ、土盛りしてくれということで三十八年八月に請願した。そうしたら三十九年当初予算で建てかえというのを計上して、そうして、この四十年の八月にこういうコンクリートの壁をようやくつくってくれたんですね。そうして今度は十二月二十八日には、川崎市議会の緊急建設委員会において、この年内に建設に着工しないと、四十年度内に着工しないと補助金が打ち切られるということで、一月には、さっき言ったように、二日前に郵便で通知しておいて、いきなり材料を持ち込むというようなことをやって、トラブルを起こしているわけですね。  そこで、お聞きしたいんですけれども、初めから浸水するとわかっておるところに公営住宅を建てるということを建設省は許可して、それに補助金を出すのかどうか、この問題が一つ。当然、公営住宅法による補助金申請の手続がしてあると思うのですけれども、どんな申請書を出して、建設省は許可したのか。そこのところをひとつ調べてほしいと思うのです。これが第一点です。  それから第二点は、建設省は建てかえにあたって、さっき大臣も言われたように、もう古くなって住みにくいから建てかえるというならわかるけれども、これはその基準があると思うのですよ、木造なら何年と。私聞いたところでは十年と聞いたんですけれども、大体そんなところですか、もっとおいておきますか。

尚明

○政府委員(尚明君) ただいまの問題についてお答えいたします。まず、公営住宅の建設の立地でございますが、もちろん私どもは、申請を認めて補助を交付する場合には、災害等の危険のないところを選ばせております。そこで、ここの場合も、聞くところによりますと、建てられましてから初めのころは比較的浸水がなかった。しかるに、周辺にやはり居住地をつくようになってきてから、いろんな排水関係やなんかから、近年に至っては、大きな雨、台風等がありますと、必ず出るようになってしまっているというのが実情だそうであります。で、その辺について見通しの誤りがあったということは、この場合は言えると思います。建設省としては、大体においては書面審査としてやるわけでございまして、まあその辺が十分見抜けなかったという点はあると思います。  それから、建てかえのおおむねの基準として、建てかえるのは、一般的に申しまして、耐用年数のおおむね半分である十年くらいを経てから建てかえるように指導しております。ただし、実際問題としまして、災害で団地のうちの大部分がこわれてしまうとかなんとかという場合は、場合によっては十年に満たないでも、これは十年を待っているよりも早くやってしまうのもやむを得ないというようなときには、多少十年を切れても建てかえてよろしいというふうにいたしております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 それで、前田住宅の場合、三十二年に建てたといいますから、三十八年に建てかえをきめたときまで、わずか七年しかたっていないのですね。そういう水の出るところで、住民もいろいろ苦労して、ようやく七、八年住んで、住みならしてきたというところで、建てかえだということなんですね。だから実際には、耐用年数の三分の一ぐらいな期間しかたっていないし、あと三分の二を残して建てかえる、それにまた政府が補助金出しておるということなんですね。すると、最初にとにかくうそをついて申請したという問題がある、これは建設省としては、書面審査だから、市役所を信用したということになるかもわからぬけれども、とにかくできてきている事実から見れば、初めからもう水のつくそういう地形のところへ建てた、そして、今度は三分の一くらいな期間しかたたぬのに、また建てかえると言って申請書を出してきて、これは建設省が許可している。どういう申請書を川崎市が今度の建てかえで出してきているか、その申請書をひとつ出して見せてほしいと思うのですがね。

尚明

○政府委員(尚明君) 確かに、この住宅についての建てかえを認めたのは、最初の第一棟を建てる年次は、やや在来の例より短いわけです。これには二つの理由がございます。一つは、御承知のように、建てかえをいたしますのに、たとえば数十戸ございますと、これが大体四、五年かかるわけでございます。と申しますのは、順繰りに建てて移っていただきまして、あき地のできたところへまた建てていただく。そうしますと、この仕事も、川崎市はたしか四、五年がかりでやろうという計画のようにして申請してきたと記憶いたしております。そういたしますと、つまりおしまいのほうになりますと、もう十何年たつようなことになってしまいます。私どもとしては、しょっちゅう水のつかるようなところは、より早く環境をよくしなければならぬ。それから川崎市の環境を聞きますと、入居者の方からも早く——この場合の水というのは、床下浸水がおもだったと思いますが、しかし、毎回の大雨で水のおそれがないように早くしてもらいたいということを入居者からもせつかれる。つまり川崎市としては、この場合、水につかるという問題を一日も早く解決いたしたい。一方、建てかえるといっても、数十戸を一挙にできないので、四年くらいかかる、そうすると、もうぼつぼつ、実際問題として三十九年の事業で実は始まっております。私どもに申請が参りましたのは、三十九年と申しましても、これはほんとうに入って入れかわるのは四十年になりますが、そういうことを全部そろばんに入れて、もうぼつぼつ第一回はかからなければならぬ、そういう計画でもってやってきておるわけでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 私ども聞いたのでは、川崎市は、これは使用に耐えないから建てかえるというような形で申請を出しているというように聞いているのですけれども、とにかく住宅ができて、八年間ようやく住みよくなってきたというところで建てかえだということになれば、これは住民は当然反対するわけだし、しかも、家賃が上がる、いままで千三百円のが五千円に上がる、経過措置はとるそうですけれども、そういうふうな形。それから鳥山住宅の場合でも、三十一年建設ですから、九年目にそれが持ち出されてきておる。四十年二月一日に建てかえを、一方的に工事してこれを強行しようということで、住民がいま反対している。しかも、ここで非常に問題になるのは、住んでいる人たちが、建てかえられるとか、出ていくという了解ではないのです。大体いままで公営住宅に、横浜の場合でもそうですけれども、入る場合には、二十年も住んだら安く払い下げてあなた方のものになるのだから、大事に使ってくださいよという訓示を受けてみな入っているわけですから、だから、大体これは二十年も住んだら自分のものになるというつもりで入っているわけですね。それを十年たってだいぶ住みなれてきて、そろそろ自分のものになりそうだというときに、建てかえだ、移ってゆけというようなことになったら、これは承知しないのはあたりまえですよ。この点は東京都庁の役人も、そういうことを言ったことはないとか言っておったけれども、結局それは言ったかもしらぬというところまでは認めるところまでいっておる。そういうふうな形で、この建てかえということの中で、いままでの既得権が全部御破算されてしまう。しかも、それは国策に協力という形でやられるということになったら、一番最初に私が申したように、既得権というものをきちんと保証してやり、そうして前よりもよくなるということなら承知するかもしらぬけれども、前より幾らかでも悪くなるといったら、これは承知できるものじゃない。だからここらの辺、特に川崎の前田住宅の場合には、武装警官二十人も出して、そうしてその写真にもあるように、いきなり大きなトラックでくいをぶち込んでくるというような乱暴をやる、こういうことは許されるべきことじゃないと思うんですね。建設省としてはどうなんですか。それがやむを得ないとおっしゃるのですか。

尚明

○政府委員(尚明君) まあ、武装警官が警戒して工事に入ったというようなことは、実は私、きょう初めて承ったわけですが、この問題が実は三十八年当時から非常にございまして、川崎市役所としては、市の建設関係の委員会等でも取り上げられて、そうしてその委員会としても、いろいろ入居者の意見を聞いたり、そうしてまた川崎市の入居者に対して、このやり方についての説明会等を何回か呼びかけたりなんかしたのだそうでございますけれども、説明会をしようというときには入居者は出席しない。そうして今度は別の形で陳情に来る。それから委員会で仲立ちしてあげようとして、委員長か何かが、たしかぜひ出頭するようにといってお呼びかけしたときにも、おいでにならないというようなことで、かなりそこまで至る間の経緯には、突然でない何かいろいろやり繰りがあったようなことを報告を受けております。  それで、そのいまの事故が起きましたのは、こういうふうになっていると聞いております。結局、川崎市としては、とりあえずの建てかえ工事をするよりも、とりあえず回りに障壁等を築いて水がなるべく入りにくくしてくれというようなお話があって、それではそれはやりましょうと、たしか十五項目くらいの要求があったようです。それでその十五項目の要求はやりましょうと。しかし、それは将来とも万全の保証をするものではないのだから、やはり建てかえをしなければ万全のものにはならない。したがって、十五項目とりあえずやって数年間しのげることにいたしますが、建てかえはします、という、建てかえをするという方針は変えないでやります、ということで、市のほうはそういう工事をやったというふうに申しているわけでございます。そうしていよいよ工事にかかる段取りとしては、まず初めから建物を取り除くのでなく、あき地の家の建っていない部分を、たしか二戸ぐらいはひっかかるというような話はちょっと聞いておりましたが、そこでとりあえず工事を始めよう、つまりそれは入居者の家を取りつぶす方法でなく、とりあえず、あいているところから建てていくということをやろうとしたらしい。そのときに入居者の方が、まあその工事について阻止されたということで、それから入居者の方にそこで事故があって、若干けが人等が出たという話を聞いております。そうしておいて、入居者の方は仮処分の申請をされて、工事をしないように現状維持の仮処分をされた。一方これに対して、その後の経緯があったが、川崎市のほうは、工事の執行の妨害をしないような停止と、それから工事部分について立ち入り禁止ということを、川崎市のほうがまた訴え、申請した。その結果、いま横浜地裁に取り上げられて係争中だということになっております。したがいまして、この経緯は、この裁判の中でいろいろはっきりすると思いますので、いま私としては、その川崎市から聞いている経過の報告以上にもっといろいろデリケートなものがあったのじゃないかと思いますので、ここでちょっと判断は下しにくいわけでございます。いま係争中になっているということを報告申し上げます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 これは、川崎市のほうから聞けばそういうふうに何げなくすっと言うのだけれども、そんなものじゃないですよ。とにかく、さっきから言ったように、初めから水がつくというところですからね。もう八年にわたって何とかしてくれという陳情はしょっちゅうやって、それでもなかなかやらなくて、ようやく、さっき言ったように、防水のあれをつくったというのは去年の八月ですよ。去年の八月にようやくこれをつくっておいて、つくって半年たたぬうちに建てかえ強行をきめてくいを持ち込んでくるというのだから、そこに住んでいる人との間に十分な話し合いもなければ、意思の疎通もない。ただ、とにかく方針だからやるのだという形で強行しているということは、これは明らかだと思うのですよ。何年か前に、あなたがさつき言われたように、壁をつくって一時水を防いで、何年かはそれで防げるけれども、しかし、いつまでもというわけにいかぬから将来建てかえなければならぬというようなものじゃなくて、去年の八月壁をつくって、ことしの一月十日にはもう強制執行みたいな形で出てくるのだから、半年ぐらいでそんな——だから川崎市はよろしくないと言う。お役所がだまかしているのですよ。そんなきれい事じゃないのですよ。明らかにペテンにかけるようなやり方、住民から道理を突かれればしようがないから、じゃ水を防ぎましょう、しかし、一方ですぐ建てかえるというようなやり方ですね。だから、私はさっきから言うように、家に入るとき、特にそういう問題、これはどこでもあることですけれども、私の知っている人でも、そう言って横浜の市営住宅に入っておりますよ、瀬谷の住宅。あれ二十年もたったら安く自分のものになるのだ、だから自分の家だと思ってと言って大事にして住んでいる人いますよ。みんなそうなんですよ。公営住宅、平家に入っている人たちの大部分のケースがそうやって約束しておいて、それで十年たったら、宅地が足りない、建てかえる、だから立ちのけとか、あるいは平家にいたところが四階建てに上がっていけと言われたら、これは抵抗するのはあたりまえですよ。だから、当然こういう場合には、既得権も、どうしても建てかえしなければならぬ場合には、全部補償して、いささかの損害もかけないというようなたてまえに立たなければ、家賃は上げます、平家からは四階には追い上げられますというような形になってしまったら、これはそう簡単にいくものじゃないし、そういう住民の協力がなければ、結局建設省が善意でもってどうしようと思っても、それは抵抗が起こるし、トラブルが起こると、計画は途中でいかない。この一番いい例が農業構造改善でしょう。百姓の土地を取り上げるったってそう簡単にいくものじゃないのだから、結局失敗してしまっている。だから、そういう点からみれば、こういう問題の処理について、ほんとうに血の通った政治というものがされなければいけないのじゃないか。だから、そういう意味でいけば、川崎の場合なんか、土盛りをして防水工事をしてくれ、それしましょうということできたのだから、それをやってやる。それで建てかえ計画というようなものも、強行するのじゃなくて、そうしてとにかくいままで八年間水の中に住んできた、住ませてきたという点を川崎市が反省して、既得権を尊重してやるというような形で解決をつけてほしい。将来の建てかえというような問題になれば、いま言ったような考えで住民とよく話し合っていくというふうにして、円満に片をつけるというふうにしなければ、いたずらにトラブルを起こすということになるのではないでしょうか。そういう意味で建設省として当然、そういう指導があってしかるべきだと思うのです。その点どうですか。

尚明

○政府委員(尚明君) おっしゃるとおりでございまして、公営住宅の建てかえは、全体の政策として見れば、都市の不燃立体化あるいは宅地政策という国策の線だと思います。しかし、居住者である入居者にとってみれば、自分の住んでいる環境がその工事のために、一時といえども、在来の状態が維持できなくなるわけでございます。したがいまして、私どもこの問題を円滑に行なうためには、先生のおっしゃられましたように、入居者も十分納得できるような条件で、そうして公共の事業に協力していただけるような方式、具体的に言いますと、たとえば工事中の問題をどうするか。それから新しい家に移った場合の家賃をどうするか。たとえば一度に上げないで段階的に上げていくとか、そういう点を納得していただく。それから在来の家より必ず面積がある程度大きくなって、できれば浴室等も全部ついた家に今度変わって質的にも改善が同時にできるとか、そういうような点をいろいろ含ませてやるべきだと思います。全国では、先ほど申しましたように、毎年千何がしの古い公営住宅をつぶして新しいものに建てかえておりますが、所によりましては逆にひっ張りだこであって、早く自分の団地のほうを建てかえてくれという陳情を受けつつやっているような公共団体もあるわけでございます。これは、おそらくいま申し上げたような問題について円満な方法をやっていると思います。私どもとしてこの問題を取り上げる以上、もっとその点の経験その他よく調べまして、究極には住んでいる方にきわめて著しい支障がないようにして、公共の事業に協力していただけるような方途を指導いたしたい。また、これに法律等も必要な場合は、そういう点を加味して法律をつくりたいというふうに考えている次第でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 そういう点で建設省として十分監督もし、とにかく住民が納得してできるということで無理な強制等はやらぬというようにしていただくことを、くれぐれも希望してきょうの質問は終わりたいと思います。

大森久司自由民主党

○大森久司君 近畿圏と首都圏と関連があると思いますが、この問題について大臣に、首都圏あるいは近畿圏の本部長をやってもらっておりますので、お伺いしたいと思います。過密都市緩和と調整をしながら、その近畿圏の発展をはかるというのが目的であるとわれわれは考えておるわけであります。そういうような意味で非常に協力すべくその心がまえで進めておるのでありますが、近畿圏におきましても、近郊整備区域に対する補助、あるいは都市開発区域に対する補助が非常に違っておる。こういうことに対しまして私たちは非常に疑問を持つわけであります。また、近郊整備区域は非常に早く工場が移っていき、人が、家屋が増設されていく。だから利益である、こういうぐあいに考えておられますが、実は私の県のように非常に貧弱な県であり、そうして貧弱町村があり、そうしてそういうような貧弱町村は、そういうような団地あるいはまた住宅団地、工場団地が来るに対しましては、学校を建てなければいかぬ、あるいは下水もやらなければいかぬ、あるいは上水道も道路も排水もやらなければいかぬ、こういうような先行投資をどうしてもやらなければならぬ。しかるに、非常に貧困であるというために困っているわけであります。現在におきましても、私の県では、七十万坪あるいは三十万坪あるいは十万坪あるいは五万坪というようなものが各所に計画を進められております。ところが、大蔵省と自治省とのこれに対する利子補給にいたしましても、自治省は新産、工特の利子補給をとっておられます。ところが大蔵省は、これの二十分の一ぐらいしか考えておらない。あるいはまた補助率にしても、自治省の二分の一である。こういうような政府の施策を進めていく上における考え方に非常に差額がある、こういうようなものは、大蔵省のような考え方であるなれば、地元はどうしても協力できない。ついていけないというのが現実であります。私たちのほうでほとんどの人が大阪に通っておる。そうして団地ができましてもみんな大阪に通っていく。そうして税金は大阪が非常に安いから大阪に家を持った形にしておる。そうすると、われわれのほうはいろいろな犠牲を払いながら、一方において自治省にしても、あるいは大蔵省にしても、利益があるじゃないかと言われるが、全く利益はない。いわゆる被害地であるというのが現在における実情であります。だから、私たちはこういうようなものに対しまして、いわゆる都市近郊区域の中にも貧弱県があり貧弱町村があるということを、もっと緻密に調査していただきまして、そうしてこういうようなものに協力のできるようにしていただくということが最も必要である。ことに大蔵省のような考え方でやられるならば、とても協力できないどころか、拒否しなければならぬということが現実にあると思うのであります。そういうような意味に対しまして、大臣は本部長をしておられますので、これができるようなお考えをお聞かせ願いたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(瀬戸山三男君) いまお話の問題は、自治省、大蔵省、私のほうといま相談中でございます。おっしゃるとおりに、大蔵省はいつでもそうでありますが、さいふのひもを締めたいほうで、えらいきびしいと申しますか、案を出しておりますけれども、そういうことでは実効が伴わない。こういうことで、いま大蔵省の案ではのみ切れませんから、やはり実効の伴うような制度をつくりたい、こういうことで、いま話し合い中でありますから、もうしばらくお待ちを願いたいと思います。

大森久司自由民主党

○大森久司君 いま大臣の御答弁でよくわかりましたが、実情を申し上げますと、私のほうの区域に一メートルぐらいの川がありまして、そしてその川を隔てたらもう大阪府であります。そうすると、一メートルの川の違いによって、片一方は地方税を倍払っておる、片一方は地方税は半分である、こういうようなことになっておって、これは政治が末端まで行き届いておらないということになるのであると思いますが、事実において、住んでおる人は何もそういうことは知らないわけであります。そうして、そういうような補助率にしても、すべての問題に対して非常に差額が生ずる、そして補助率なんかは回顧であるということではやりきれないというのが、こういうのが現実であると思います。で、大臣が非常に御理解ある御答弁でありますので、ひとつぜひやれるようにしていただきたい。そして、もう一つお願い申し上げたいのは、住宅あるいは工場がやってまいりますと、どうしても水が必要である。あるいは下水が必要である。しかるに、この案の中には、ダムあるいは河川が除外されておるということになっております。こういうようなことでは、とても団地が形成されても、それがどういうぐあいでそういうもとの河川なりで使っていけないか。少なくとも何万というような人工都市がそこにできるわけであります。そういうような場合に、やはりそういうようなものに対する補助あるいはまた利子補給というものを考えてもらわなかったならば、とうていやりきれない、私はこう思います。そういうような意味で、ダム、河川をこの中に入れていただくというようにぜひしていただきたい、かように思っておるわけでございます。

上田稔建設省住宅局長

○政府委員(上田稔君) お答え申し上げます。ただいま自治省と大蔵省と折衝中でございますが、その中に、現在の案では一応いま先生が申されましたものは抜けておるのでございますが、まあそういうものについてもぜひ入れてもらうように目下折衝をしてもらっております。

大森久司自由民主党

○大森久司君 実は、私のほうに近鉄が経営します団地があります。そこに少なくとも二百ぐらいのビルのアパートができておるわけなんです。ところが、河川が昔のなりである。それで上から流れる汚水とか、いわゆる廃水によって河川が絶えず上のほうではんらんして困っておるという現実があるわけであります。でありますから、こういうものは河川法によると、河川は下から改修していくのが順序であります。これは河川のたてまえであると思いまするが、現実において、上のほうの山は木が切り取られて、そうして裸になる。しかも、そこに大きな住宅がたくさんできるということになると、頭でっかちといいますか、そういうようなかっこうになって、にわかに水が出て、そうして付近の人が迷惑をしているというのが現実でありますので、こういうような点に対しましては、今後特にお考え願って、そうしてそれをぜひ入れていただくようにしていただくことが、こういうふうな事業を推進していく上に必要であるとともに、各市町村並びに県が協力し得るものであると、私たちは考えるわけでありますので、よろしく。

中村順造日本社会党

○委員長(中村順造君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。  これにて散会いたします。    午後零時五十三分散会     —————————————

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