決算委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 275 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1966/06/29
会議録
○委員長(鶴園哲夫君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 これより昭和三十九年度決算外二件を議題といたし、総括質疑を行ないます。 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○大森創造君 いわゆる再販売価格制度について経済企画庁長官及び公取委員長にお尋ねをいたします。 私は、四月二十日の当委員会において粗鋼減産カルテルの問題を取り上げたときに、あわせて縦のカルテル問題、いわゆる再販問題を取り上げる予定でございましたけれども、時間切れとなりましたので、その意を尽くしませんでした。しかし、その後、この問題に関する国民の関心はますます高まってまいりましたし、その結果、最近物価問題懇談会の意見書、衆議院物価対策特別委員会における与野党一致の決議として結晶することに至っておることは、御承知のとおりであります。けだし、この問題は、国民の日常生活に重大な影響のある価格問題でございまして、政府としても、真剣に、かつ抜本的にこの問題と取り組んで、すみやかに問題を解決すべき時期に来ていると考えます。そこで、本日の私の質問に対して、おざなりの、検討中とか、あるいは研究中とか、そういう答弁でなく、具体的かつ率直に現在の所信をお述べいただきたいと思うんです。 再販制度が昭和二十八年に独禁法に導入されたときは、確かに化粧品、薬品業界で適当な乱売競争があって、多くの小売店に経営上の困難があり、消費者の利益をそこなうおそれもあったと思いますが、しかし、当時においても一部で懸念されたように、現在ではこの制度は大メーカーの独占利潤の保証のたてとなっておる、そういうふうに私は考える。説明があればあとで御説明を求めますけれども、たとえば資生堂のバランスシートを見ても、年商が約五百億円ございます。また、あれだけ大きな設備投資を行なっていながら、借り入れ金はわずか千数百万円にすぎません。こういうような企業はあまり聞いたこともないし、日本にも一つか二つしか私はないと思う。これは全部とは言わないが、その大部分が再販維持制度による、独占利潤によるものだと私は考えております。また、再販価格のきめ方はどういうふうにきめているのか、この点もお伺いしたいと思います。 そこで、この制度の弊害面が最近は強くなっているので、また小売り業界の実情も昭和二十八年ころの状況とは相当に異なってきておることからも、私は、この際思い切って独禁法二十四条の二の規定は廃止をするか、または抜本的な大改正をする必要があると思う。もとよりこれは立法論であって、経済企画庁やその他の行政庁の方針の問題ではございません、これは私も知っております。しかし、企画庁及び公取において、このような私の見解に対し、どのような考えを持っておるかお伺いしたいと思います。また、このような考えで法律改正のための作業を具体的に行なっておるか、端的にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(藤山愛一郎君) ただいま再販価格維持制度の問題が問題になっていますことは、ただいま御指摘のとおりでございます。お話が大森委員からありましたように、再販価格維持制度というものができましたのは、むろんこの過当な競争によってそれぞれ困難な経営状態に各種の状態がおちいった、それをある程度改善していかなければならぬということです。それからもう一つ、私ども率直に考えまして、再販維持制度というある価格が、定価あるいは定価売りと申しますか——があるということは、全然消費者に不便だとは考えられません。消費者がAの店に行ったら百円だと、Bの店に行ったら九十円だ、Cの店に行ったら八十九円だということで、消費者が右往左往しながら店を買い歩く、そうして安い店にぶつかったと——まあこの間もその話をある団体の方と話していたのですが、そういう喜びもあるということでございましたが、そういう面もあるかもしれませんが、同時にずいぶんあちらの店こちらの店と買い歩くということは不便なことも多いことでありますから、再販維持制度が公正に運用されてまいりますなら、私ども必ずしもこれを全然廃止するということが適当だとは今日考えておりません。ただ、しかし、再販制度ができましてすでに十年以上になっておりまして、その現行のあり方については私ども改善を要する面が非常にたくさんあると考えます。先般、物価問題懇談会から、いろいろな角度から御意見が出ましたのも、そういう点が十分指摘されておるのでございまして、たとえばリベートの問題でありますとか、広告の問題でございますとか、あるいは得意先の招待というものが、あまりに大げさと申しますか、あるいは海外旅行まで連れていくというようなことがあるとか、あるいは全然値幅がなくて消費組合等に対する措置というような問題、いろいろそういう点について問題がございます。したがって、物価問題懇談会でも、それらの点についての御意見が大体われわれに対して開陳されたわけでございます。これらの点については、私どもも今日の実情から見まして相当改善をする必要があるのではないか、そうして本来消費者のために便益であって、そうしてメーカーも安心して消費者のためにいい品物をサービスしていくというようなことになれるような方向に持ってまいらなければならぬと思います。特に化粧品等につきましては、日本の消費者もさらに一そう自覚していただかなければならぬのは、自由化等のために外国から相当のものが入ってまいります。外国の商品がいいと、あるいは高くてもそのほうがいいんだというような感じは、消費者自身も、私ども国民生活上としても、商品の判別その他について御協力を願いながら、消費者のそういう面についての知識の向上とか、判断力の養成と、そういうものについてつとめてまいって、そうしていたずらに自由化の波に乗って入ってまいります外国商品を使わないということも考えていかなければならぬ、それこれこれらの問題についていろいろ問題点がございます。したがって、これは、提起されました今日の問題につきまして、私といたしましては改善すべきものは相当大巾な改善をしていかなければならぬ、こう考えております。当面の行政をあずかっておられる公正取引委員会等に対して物価問題懇談会の御意見を伝達いたしまして、まずそのお考えをきめていただいて、だんだんにそれらについての措置を考えていただく、同時にその過程において私ども御相談を受けますれば、いま申し上げたような点について弊害を除去するような方法を取り進めていきたいという意見を公正取引委員会のほうにも申し上げたい、こう思っておる次第でございます。
○説明員(北島武雄君) わが国の独占禁止法に再販売価格の維持契約制度が認められましたのは昭和二十八年の改正でございますが、もともとこの再販売価格維持契約の公認という問題につきましては、これは実は独禁法からはちょっと質の変わった問題でございます。先ほどお話がありましたように、いわば縦の価格カルテル協定、それを認めるわけでございますから、よほどの理由がなければいけないわけでございます。独占禁止法の本家でありますアメリカにおきましても、当初独禁法ができましたのは一八九〇年、シャーマン法でごさいますが、一九三七年——たしか三七年でございましたが、この独禁法の改正を行ないまして、再販売価格維持契約の制度というものを法律で認めたわけでございます。その後、戦後独占禁止法ができました英、独、フランスにおきましても、再販売価格維持契約の制度を例外的に認めておる。これは私どもはどういうわけかなといいますので、公取に参りましていろいろ勉強をしたわけでございますが、いろいろ研究してみますと、再販売価格維持契約というのは、結局商標品のメーカーののれんを保護するということが主たる目的である。それから、こういった商標品については、その価格とか品質について直接メーカーが責任を負うべきものである。したがって、これらの商標品についておとり廉売などが行なわれた場合には、メーカーの信用を不当に傷つけることになるわけでありますので、これらのメーカーの利益が不当に損ぜられることがないよう、それからまた消費者に対しましては、もしメーカー間の競争が自由に行なわれるならば、あえてそう大きな迷惑はかけないはずだということでできた制度でございまして、私どもも、再販売価格維持契約制度というものの世界各国の歴史等を考えますと、一応その存在の理由はわかるような気がするのでございます。しかし、最近のような物価問題になってまいりますと、これは消費者の見地からいえばたいへん問題の多い制度であることは申すまでもないわけでございますので、日本におきましても再販売価格維持契約制度が認められましたのは昭和二十八年でございますが、それが当初は化粧品のほか医薬品のごく一部メーカーだけについて行なわれてまいりまして、たいして本格的には行なわれなかったわけでありますが、昭和三十八年以後、特に医薬品のメーカーが再販売価格維持契約制度をとるのがふえまして、最近のような事態になっているわけでございます。私どもといたしましては、この再販売価格維持契約制度は消費者に対してたいへん確かに問題である制度でございます。一方、メーカーの信用を保護するとか、あるいは本来メーカーが品質、価格について直接責任を負うべきものだ、こういう考えもあえて否定はいたしませんが、やはり消費者に対して大きな問題がある。そこで、私どもといたしましても、昨年来、はなはだ乏しい陣容ではございますが、再販売価格維持契約制度の検討に取り組んでまいったわけでございますが、いかんせん非常な手薄の陣容でございまして、お恥ずかしい話でございますが、再販売価格維持契約制度の実施を担当しております職員がたった二名でございますので、ほんとうに手が回りかねる。そこで、本年度におきまして若干の増員を要求いたしまして、ただいま人員もおおむね整備されましたので、目下再販売価格維持契約制度の再検討に取り組んでおります。その方法といたしましては、遺憾ながらまず実態が十分つかめておらない。これはたいへん申しわけないことでございますが、実態を十分つかんでおらない。それは一つには、再販売価格維持契約制度は、公正取引委員会の指定する商品について届け出によって、届け出さえすればいいわけでございますが、その届け出規則が不備でありますために、その実施状況、運用状況が十分つかめていないことが第一点。それから、いろいろ調査してまいりますと、再販売価格維持契約に伴って各種の付帯契約があります。こういうものの調査もしていないということでございますが、まずその届け出規則というものを改正いたしまして、実態を十分把握するようにいたしたい、こういうふうに目下着々いたしておりまして、最近まず届け出規則を改正しようじゃないかということで、成案もできる見込みでございます。そういったことから手がかりに取っ組んでまいりまして、再販売価格維持契約制度の実質的な検討をいたしております。なお、検討の過程におきましていろいろな問題も出てまいりますので、これらについては先般の物価問題懇談会の御答申も十分に参照いたしまして成案を得たい、こう考えておるわけでございます。
○大森創造君 藤山さんの御意見、それから北島委員長の御意見も、大体私は了承いたします。私の言わんとする趣旨に大体において同感だろうと考えますけれども、問題はそれをいかに進めるかということだろうと思う。さっき例を申し上げましたけれども、資生堂は年商五百億で、そうして設備投資も相当やっていながら千数百万円の借金しかないのですね。こういう企業は日本全国で一つか二つしかないと思うので、それが再販維持制度によるというところが非常に多いと思う。そこで、御説明のように、昭和二十八年の当時とは客観情勢がだいぶ変化しておりますから、経済情勢が変わっておりますから、再検討の要があると思います。そのことは北島さんも藤山長官も肯定をされました。しかし、それだけでは済まされないので、さらにひとつ煮詰めた御答弁をいただきたいと思います。 そこで、問題の二十四条の二を廃止するということは、これはどうなんですか。検討中なのでございますか、それともむずかしいという判断でございますか。
○説明員(北島武雄君) 再販売価格維持契約制度を全部禁止してしまって、例外を全然認めないということにつきましては、これは私どもまだそこまでの結論に達しておりません。この点は十分検討いたさなければなりませんが、たとえば著作物とかいうものについては、これは世界各国どこにおいても再販売価格維持制度を認めておる。こういうものまですべて定価をつけて売ることができないなんということになると、これはたいへん問題のあるところで、いろいろ問題の点もございますので、そういう点は慎重にひとつ検討いたしたいと考えております。
○大森創造君 そうすると、公取のほうでは二十四条の二を廃止するということはむずかしいということだが、再販問題を根本的に解決するためには、やはり二十四条の二を抜本的に直す必要があると私は考える。そうでないとできないと思うのです。どんなところを直すかといえば、私の考えていることを二、三申し上げますから、これについてひとつお答えいただきたいと思います。 一つは、再販売価格維持契約の認容は、現行の指定商品による届け出制をやめて認可制として、公取が認可権を持つことにしたらいかがでしょう。これについてどう考えますか。
○説明員(北島武雄君) そういう御意見も確かにあることでございます。そういう点も十分頭に入れて今後検討をしたいと思います。
○大森創造君 その次に、これは私の考えでございますが、認可要件については、不況カルテル認可の際の要件、これは私から申し上げるまでもなく、関連産業が倒産に近い、不況で販売店が倒れそうなときに不況カルテルを許しておりますが、その不況カルテル認可の際の要件に近い要件をつけるということについては、北島委員長、いかがお考えですか。
○説明員(北島武雄君) これは不況カルテルと再販売価格維持契約制度とは、ちょっと根本的に性質が違いますので、再販売価格の不況カルテルは、御承知のとおり、ほんとうに緊急避難、需給の著しい不均衡によりまして当該商品の価格が平均生産費を下回る、そのままほうっておけば当該事業者の相当部分の事業の継続が困難であるといった場合に不況カルテルをやります。したがって、そんな条件でございますから、一時的な、緊急避難的なもので、厳格に期間を限っております。再販売価格維持契約というのはそういうような緊急避難的なものではございません。その点は私はちょっと違うのじゃないか、こう考えております。
○大森創造君 その点わかりました。 それではこういうことはいかがでしょうか。認可された再販価格の内容、すなわち、これは御承知だと思いますが、価格とか、あるいは契約取引条件とか、マージンとか、商品名、会社名、こんなものの内容を公開することはいかがでしょうか。
○説明員(北島武雄君) その点については、先般の物価問題懇談会におきましても、マージンとかコスト、こういったものについて、登録、閲覧等消費者その他の第三者に台帳を公開する、こういう御意見がございます。これも一つの重要な御意見として検討してまいりたい、こう考えております。
○大森創造君 大体いま申し上げたことは、重要な問題として検討するということでございまして、その点は了承いたします。 その次、私はこういう考えを持っておりますが、この点いかがでしょう。いま認可期間が無制限ですね。これは私は不合理だと思うのです。経済情勢がまるきり変わったときに、昭和二十八年に施行したそういうもののために膨大な利潤をあげていて、そうして消費者に決してその利潤がもたらされないというような場合に、認可期間を限定しないというのはおかしいと思うので、これを一年をこえないようにすること。まあ必要があれば再申請ということは可能でしょう。これをやったらいかがですか。
○説明員(北島武雄君) そういう御意見も、傾聴に値する意見でございます。部内にもそういう意見がございますが、まだ公取としては成案を得ておりません。
○大森創造君 それでは、これはいかがですか。認可された再販契約実施過程において、小売り商もしくは一般消費者に不当に不利益を与える事態が起きたとき、もしくは認可内容のワクを不当に逸脱した行為のあるときには、公取はいつでも認可取り消しができるようにしたらいかがですか。
○説明員(北島武雄君) それは、現行法におきましても、一般消費者の利益を不当に害することがある場合はその限りではないということになっております。独占禁止法の適用除外からさらにはずれて独禁法をまともに受けるわけでありますから、一般消費者の利益を不当に害することになった場合には、その行為は違法行為ということになっておりまして、現行法でも取り締まることはできることになっております。ただし、いままでその点の監視が十分に行き届いておりませんので、その点については一般消費者の利益を不当に害することとなる場合にはその限りではないというこの法律の条文を十分に生かして運用してまいりたい、こう考えております。
○大森創造君 それでは、これはいかがですか。味の素だとか、自動車だとか、電気製品だとか、乳糖品なんかは、再販売類似行為ですね。こういうものは非常に重大だと思うのだけれども、こんなものを禁止する意思がございますか。
○説明員(北島武雄君) 再販売価格維持行為の類似行為、これがまたどの範囲であるかということは実際たいへんむずかしいことでありまして、その実態をただいま調査いたしております。ただ、メーカーが希望する推奨価格と申しますか、メーカーとしてはその値段で売ってもらいたいという、単にそういう意味の不当価格でございますと、直ちに独禁法違反ということにはならない、こういう感じもいたします。この点は個々のケース・バイ・ケースによっていろいろまた考えていかなければならないかと思いますが、ただ希望価格だけではどうも現在の場合は独禁法に違法ということにはならないと思います。
○大森創造君 一応いままでにお聞きいたしましたけれども、先日の物価問題懇談会が藤山長官のほうに提出された意見書に盛られている再販問題のための提案について企画庁及び公取がどう受け取るか、大体いままでの問答でわかったようでございますが、具体的対策を用意されておるかどうか、本日の時点で判明していることを端的にひとつあらためてもう一回お伺いしたいと思います。 再販問題が論議されて久しいから、その間にそれぞれ事務当局において種々検討が行なわれておるだろうと思いますが、最終的な結論を出すのはまだ時間がかかるだろうと思います。本日は、その中間報告の形でもよろしいから、ある程度はっきりしたお答えをいただきたい。また、最終結論が出るのはいつごろになるのか、これをあわせてお答えをいただきたい。聞くところによると、意見書が出ても、政府も物価担当官会議もあまり熱がないという話も漏れ承っておる。これは重大問題だと思う。その理由がわからぬでもありませんけれども、そういうことならば重大問題だと思う。いままでの問答の繰り返しになりますが、こういう物価問題懇談会の答申を受けて、それから私のいま申し上げたような点を受けて、藤山経済企画庁長官と北島委員長は現段階においてこの程度のことはできるということをお示しをいただきたいと思います。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 政府としましては、物価問題懇談会からあらゆる角度から諸種の問題について率直な御意見をいただいておるわけでございます。われわれとしても、この懇談会の意見を可能な範囲内でもって実現さしていくということは必要だと思うのでありまして、その意味において、私は企画庁という立場に立ちまして、消費者行政を主として扱っております者からすれば、これらの答申の重要な点を生かしてまいりたいと思います。ただ問題は、非常に慎重な検討を要するものがございまして、ただいまお話しのように自動車だとかテレビだとかというようなものの価格なども、月賦販売というものがこれから多くなってまいりますと、月賦販売との価格の調整ということである程度値段を指示する、そうしてそれから月賦販売の価格を算出するという問題もございます。したがって、実情に十分即して検討していかないと、かえって消費者の月賦販売制度その他に影響を及ぼす場合もございます。したがって、われわれとしては、消費者の立場に立ちまして、今日まで、先ほど申し上げましたように、問題点でございます経理内容の問題、あるいは品質の状況、あるいはどうして硬直価格化しているかという問題、あるいは誇大な広告、あるいは誇大ではないけれども非常に広告に費用を使う、あるいはリベートの問題、そういうような問題についてはある程度前進した処置をとっていくことが適当じゃないかということで、われわれ検討をしなければならぬと思っておりますが、主として第一次的には公取でもってそれらの実情を十分勘案して成案をつくっていただきまして、そうしてそれによって生産行政のほうとの調整を考えながら、私としてはできるだけ消費者の立場の上に立って善処していきたい、こう考えておるのでございまして、これは長く放置すべき問題ではございませんから、こういうような機会にこれらの問題を解決していくことが一番大事ではないかという立場に立って問題を扱っていきたいと思っております。
○説明員(北島武雄君) 公正取引委員会といたしましては、先ほど申し上げましたようなはなはだ貧弱な陣容ではございますけれども、一応とにかくまず実態の究明に当たっていこうということで取っかかっております。そうして第一着といたしまして、この二月に従来指定されておりました九品目の中で実際上あまり行なわれておらなかった四品目について指定の取り消しをいたしました。これについては、ほとんど行なわれていないんだから指定取り消しも必要ないじゃないかという御意見もございますが、とにかくあまり行なわれていないものについては、メーカーの了承を得たことは事実でございますが、得ませんと既得権の侵害になりますから、了承を得て、とりあえず取り消して、将来穴をふさぐという考えでいたしますと、私は結果においてはそれはよかったと思います。と申しますのは、最近の医薬品、現在指定されておる商品については、再販売価格維持契約制度が問題となりますと、大急ぎで実施するというメーカーも相当ございますので、もしこの穴をふさがなかったならば、そのほとんど行なわれておらなかった四品目についても相当いままでやるものが出てきたと、こう考える。第一番として四品目の指定を取り消したことはいいことだったと思います。その後実態調査にあたりまして、私も考えましたのは、まず第一に、先ほど申しましたように、指定商品について契約が成立しましたならば、公正取引委員会に届け出ることになっておりますが、その届け出規則の内容が実ははなはだ不備でございまして、当初の届け出はとりましても、その後の運用状況がはっきりわからなかった。これはいかぬというので、まず運用状況をはっきりさせる届け出規則に変えよう。それからまた、調べてみますと、いろいろ付帯する契約がございます。再販売価格維持契約に伴って、これに付帯する契約がいろいろございます。これは独禁法上問題があるものも相当あると考えております。こういうものについて、付帯する契約についての届け出もあわせて考える、こういうことも考えております。これはごく近々に取り扱い規則を改正するつもりでございます。それから、私どものほうとしては、とにかくできることからやるということで、そういうふうにいたしておりますが、調査いたしてまいりますと、指定商品で、そうして実際に再販売価格維持契約制度を行なっておるけれども、届け出ておらないものがだいぶ見つかりました。これは急いで届け出させておる。それから、実際当たってみますと、再販売価格維持契約の類似行為のあるものがときどきあがっております。これは審査等の部門に移して検討していく、こういうことをやっております。目下やっと陣容もある程度増員になりましたので、この陣容をもちまして、さらにまた、十分ではございませんけれども、まず実態を把握してその上で対策を立てる、そしてできることから着々実行する、こういうたてまえで現在やっておる次第でございます。ただ、これを最終的にどうするかという問題につきましては、もっと具体的な調査が出てみませんと、これは軽々に私はそう結論が出せないんじゃないか。これは世界各国の再販売価格維持契約に対する規制の方法、実施の状況等々も十分考えてみる必要もございますし、そういうことを十分検討の上で、最後的な結論を出したいと思っております。できるものから再販売価格維持契約制度が消費者に対して不利になる点はどしどし規制していきたい、こう考えております。
○大森創造君 わかりますけれども、私の考えでは、再販制というのは、全国的に商標商品を売り出して、大々的に全国的に力のある大メーカーの独占利潤を保証して、再販制度を実施する力のない中小企業メーカーの商権を圧迫していく、大メーカーの市場の占有率をますます高めていくのが現状だ、これは冷静に見ると。化粧品、洗剤、歯みがきの各業界で資生堂、花王石鹸、ライオン歯磨などのトップ・メーカのシェアを見るというと、すでに数十%から五〇%前後のシェアを持っている。そこで、公取委員長はおわかりだと思うのですが、過剰なほどの宣伝広告を行なって、そしてその支配的地位を再販売価格維持制度によって高めていく、これが現状だと思う。そこで私は思い出すのは、昭和三十年に公取が審決をした野田醤油の問題と比較した場合、これは少しおかしくないかと思うのです。野田醤油の場合は高等裁判で審決をされて、一四%のシェアしか持っていないのにもかかわらず、私的独占を成立させる客観的条件を十分満たすものとしてこれを敗訴させた。それから考えてみますと、現在再販制度を実施している大メーカは、すでに独禁法の指示する独占と同じ力を持って、いわゆる有効競争を排除していると私は考えている。こういうことは、当然二十四条の二の立法趣旨に反することであるから、この際こういう大メーカーの再販制度を許さない行政措置を構じたらどうかと思う。すなわち、再販売価格維持契約をしている商品の販売量ないし販売額が同種商品に占めるシェアが何%以上をこえた場合は、その商品を指定商品からはずす必要があると私は考えている。これは現行法のワクの中でもできると考えるが、これについて公取はどう考えますか。
○説明員(北島武雄君) お話のように、再販売価格維持契約制度を実施いたしております会社は、お話のような大企業ばかりではございません。リストをごらんになりますと、化粧品、医薬品についても中小メーカーが並んでおる。もちろん大メーカーも実施しておるわけであります。そこで、要件としては、はたして特定の商品について自由な競争が行なわれているかどうかというようなことが問題かと思います。これについて、先ほど野田醤油の審決の例を御引用なさいましたが、これは全く野田醤油のあのしょう油の値段がきまりさえすれば、他の丸金等の商品の直ちにそれは価格にはね返ってくるというので、野田醤油が再販売価格維持契約制度を、非公式な再販価格維持行為をやっておったわけでございます。そのときに、再販売価格維持契約は不当な取引、不公正な取引方法ということでこれはやめさしたのではなくて、それは同時に独占になるということで審決を下しているわけでございます。それが直ちに業界の「一定の取引分野における競争を実質的に制限すること。」となるという私的の独占の禁止の条項に基づいてやったわけでございます。ただいまお話しのようなことが現在他の商品にありますれば——現在公正取引委員会の指定する商品についてありますれば、これは当然私どもとしても取り消さなければならない。そういう問題については、私ども実態調査をいたしております。具体的な商品について、はたしてだれがどの程度プライス・リーダーになっているかというような点について、具体的な調査を進めております。もしそれが自由な競争を制限しているというようなことになりますと、これは指定の条件に当てはまりませんので、指定の取り消しということも考えられます。
○大森創造君 それでは、こういう問題いかがですか。物価問題懇談会の意見書が出ておりますけれども、いわゆる再販商品の出すリベートは禁止することとしたらどうかと思うんです。これは申すまでもなく、再販商品のリベートは、本来大量販売によって生ずべきこの価格の引き下げによって消費者が受け取るべき利益を、再販制度をかくれみのにしてメーカーと販売店が横取りしている。しかも、メーカーは再販価格を守らなければリベートをやらない旨を契約に明示して、堂々とリベート制を再販制の維持の強力の武器としてやっていることは、論外だと私は思う。物価問題の意見書のこの機会に、はっきりリベートは禁止の方針を打ち出したらいかがでしょう。
○説明員(北島武雄君) まだ、公正取引委員会といたしましては、そこまでの結論は出しておりません。物価問題懇談会でこういう貴重な御意見をいただいておりますので、これを十分にひとつ検討いたしたいと思っております。
○大森創造君 藤山長官、その問題についていかがお考えですか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) リベートの問題については、現状から見ますと、いろいろ問題があるようでございます。もちろん、物価問題懇談会でも御指摘がございました。こういう問題についてはどういうふうにするかということについては、私ども第一次的には、公正取引委員会の御意見をきめていただきまして、それに基づいて政府部内の意見の調整をやっていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○大森創造君 それでは、物価問題懇談会の意見では、ボランタリーチェーン、スーパーマーケットなどでは、再販価格に値幅をつけて、そのワク内での値下げを認めるようにせよ、こう言っておりますね、新聞に。私は、すべての小売店に対してもかような値下げの自由を認めるようにすべきである、少なくとも小売店でも合理化が進んでいるところでは値下げ幅を認めていいのではないかというふうに考えているんですが、いかがでしょうか。
○説明員(北島武雄君) たとえば、再販売価格維持契約制度については、一定の価格で固定させないで、その何%の範囲内でもって値引してもいいという再販売価格維持契約はどうか、こういうことではないかと思います。そういう御意見は、ごもっともな点もございます。これについては、内部でもいろいろ議論がございまして、今後ひとつ十分検討したいと思っております。
○大森創造君 物価問題懇談会の意見書でも、再販商品のコスト、マージンについて公取の事前審査、実施後の定期監査、それから登録、一般人の閲覧制なども触れております。これはいわゆる公開登録制のことではないかと思うのです。公開登録制については、公取、企画庁の事務当局の内部でいろいろ研究されていると思いますけれども、どのようなものでありますか、わかりやすくひとつお教えいただきたい。
○説明員(北島武雄君) これは、先ほど申しましたように、まだ結論を出すのは早いのでありまして、こういう御意見を私ども十分尊重しながら、実態を調査して、その上で適切な案を立てたい、こう考えておりますので、いま直ちにどういう制度であるということを申し上げることは、私ども当事者としては軽率な感じがいたします。十分実態を調査してからほんとうに自信のある制度にしたい、こう考えております。
○大森創造君 この再販問題というのは国民が非常な関心を持っておりますから、これは御承知のように、企画庁と公取は相互に協力して、関係各省庁とも協議して一日も早く国民の納得のいくような行政措置を打ち出すように格段の努力をしていただきたいと思います。 それにつけても、さっきのお話のように、再販維持制度のいろいろな問題を扱うのにたった二名とはいかがなものですか。これではできない。絶対できないでしょう。二十名ぐらいは要るでしょう。いかにいいことを言われても、これでは手がつきませんよ。そうするというと、経済企画庁を含めて、政府の取り組み方が甘くならざるを得ない。いくら国会で答弁をされても、これは二名では実施できない。これについて、北島委員長と、それから有力閣僚である藤山さんの御意見を伺いたい。いかに御託を並べても、二名ではできませよ。取り組み方が弱いと思うが、これは確約を願いたい。二名を二十名にしなさい。物価問題に大きく響きますよ。
○説明員(北島武雄君) まさにお話のように、昭和四十年度までは二名で担当いたしておりました。はなはだ貧弱な陣容でございます。公正取引委員会の仕事は、再販売価格維持契約制度だけではございませんで、他にいろいろ重要な問題もかかえております。一例を申し上げましても、再販売価格維持契約制度に対して二名しか当たっていない、こういう状況であるわけであります。四十一年度におきましては、現在四十年度の定員二百七十七人に対しまして、三十名の増加を認めていただいたわけでありまして、この三十名の増加の中で、広島地方事務所に六人程度人を加え、その他下請代金支払遅延等防止法にも人を加え、あるいは管理価格の調査にも人を加えるというようなことで、再販売価格維持契約制度に対する増員は五名と考えております。もっともいままでの二名と合わせて七名では足りないというお話でありますが、この点については、四十一年度は予算もきまったわけでありますから、与えられた範囲内でできるだけ部内職員を機動的に使ってこれを実際に実施していきたい、こう考えております。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 物価問題を扱っておりまして、消費者の立場に対して協力していく行政機構というものが、全体としての政府行政機構の中で十分でないということは、私自身も承知しております。したがって、行政費をいたずらに増大させることは、この際国債発行下であるので厳に慎んでいかなければなりませんが、しかし、公取のような今日の実情から見まして、私は公取の機構あるいは人員等が十分でないことに対して十分同感できるわけでございまして、陰ながらそれらについて私ども努力をしてまいりたいと思います。今後ともやはり他の方面を減らしても——全体の人員をふやさないというたてまえをとっておりますけれども、他の方面を減らしましても、公取の機能をもう少し生かすように人員の増加あるいは機構の整備というようなことを考えて、私ども自由な競争をたてまえとする自由主義経済の立場に立っておりますから、自由な競争ができるようなことにしなければならない、それにはやはり公正な自由な競争を公取が絶えず監視していくということが必要だと思いますけれども、さらに一そうの内容の充実と人員の増加、機構の整備ということがこの際一番必要じゃないかと考えております。それに向かって努力をしていきたいと思っております。
○大森創造君 重大問題で、いろんな基礎調査もしなければならぬし、これから物価問題懇談会の答申を受けてひとつ結論を出すということになれば、二名では足りるはずがない、いかに北島委員長、藤山長官が力説されてもできるはずはないですから、これはひとつ、近く臨時国会も開かれるようですから、大急ぎで用意をして増員をしたらいいと思います。そうでないと、物価に対する取り組みが実際やってないというそしりを免れません。これはもうぜひそうしてほしいと思います。以上で再販問題に関する質疑は終わりますが、今後の推移を私は見守りたいと思います。 そこで、この際一つだけ公取委員長にお伺いしたいことがございます。それは、四月二十日の当委員会において、北島さんおいでになりませんでしたが、通産当局及び公取事務局長に対して、通産省の行政指導による実質的なカルテルの認容、特に粗鋼の勧告操短は独禁法の趣旨と公取の職責から見ても不当であって不法であるから、これを早期に正すべきだということを述べて所信をただしました。そのときに、公取事務局長はこういうことを言っておる。「通産省の責任と指導でやるということだからまかしているが、独禁法のたてまえからいって不本意である」という趣旨の答弁をされておる。通産省のほうは、「法律にだけよっていては行政庁として責任が持てないからやっている」と述べた。昭和二十八年の独禁法の大改正の際に、時の通産大臣は、「独禁法に不況カルテルが導入された以上勧告操短はしない」ということをはっきり言明いたしましたことは、おわかりのとおりであります。池田内閣では勧告操短をやめたことは、周知のとおり。それが昨年来復活したのは、どうも私は通産官僚の独善ではないかと思う。独禁法があって、公取がありながら、不況カルテルの要件に合わない操短カルテルというものを通産省がなお強引に指導しているようなことは、私はどうも法のたてまえ上も許されないだろうと思う。そこで、三木通産大臣は粗鋼の操短をさらに延長すると言明されましたが、そのことは別に、これは私は、独禁法の筋を貫くこと、鉄鋼業がいかに基幹産業であっても、独禁法の筋を貫くことがこの際非常に重大だと私は考えている。衆議院の物価対策委員会でも、与野党満場一致で不況カルテルはあくまで緊急避難的なものだとする旨を決議して、カルテル問題に対する強い態度を打ち出しております。この際公取は大勇気をふるい起こして、粗鋼勧告操短をはじめ石油操短などについても延長を阻止するようなことをしたらどうか、公取委員長の決意のほどを承りたい。通産省おいでになれば、お答えいただきたい。
○説明員(北島武雄君) 行政指導による生産調整ということは、これは独禁法とはお話のとおり異質なものでございます。独禁法の昭和二十八年の改正の際、先ほど話がありましたが、たしか飛島田さんでしたか、時の通産大臣に、「こういう不況カルテルなどという制度が認められているならば、通産省はむしろ行政勧告操短などはすべきではない」ということに対しまして、通産大臣は、「今後いたしません」と、こう申されておったのでありますが、その後間もなくいろんな行政指導による勧告操短が相次いで行なわれたのであります。一時は三十近くも勧告操短が行なわれたと思います。これに対しまして、公正取引委員会といたしましては、「それはやはり独禁法上不況カルテルという制度があるのであるから、もしそれに乗るならば、普通の独禁法上不況カルテルとして乗せるべきである、いやしくも競争制限的な効果をもたらす行政指導による勧告操短は思わしくない、好ましくない」ということで年々申してまいりました。そのため勧告操短もゼロになっておりましたところ、昨年御承知のような粗鋼の勧告操短になったのであります。この際におきましては、私当時は在任しておりませんでしたが、やはり公取といたしましては、不況カルテルの要件に合いそうだから独禁法上の不況カルテルにしたらどうかということを強く申し入れたのでございますが、その当時通産省としては、何といっても会社が八十数社あって急には話がまとまらない、しかも粗鋼の景気回復をてことして日本の景気回復をはかるのだと、こういう考え方で、早急に実施する必要があるというので、通産省の権限と責任においてやるということでただいまなっておるわけでございます。公取としては、事態の推移を見守って、もしそれが一般消費者や関連事業に不当に悪影響を及ぼす場合には申し入れるということにただいまなっておるわけであります。私どもといたしましては、こういう勧告操短はできるだけ早くやめるべきだ、こういうふうに考えておるわけでありまして、そういう点は強く通産省にも常々申し入れて、今後も申し入れるつもりであります。
○大森創造君 それではやめます。 —————————————
○委員長(鶴園哲夫君) 委員の異動について報告いたします。 本日、佐野芳雄君、達田龍彦君が委員を辞任され、その補欠として小柳勇君、稲葉誠一君が選任されました。 —————————————
○小柳勇君 私は、西日本短期大学に対する国有財産払い下げ問題について質問いたします。 去る二月十六日の本委員会で第一回の質問をしたのでありますが、その後の大蔵省の処理及び文部省の見解について質問するのが重要な私の本日の課題であります。 まず、各委員にも知っていただきたいので、事件の概要を申し上げます。前の委員会でも申し上げたのでありますが、若干その後の地元の動きについても御報告申し上げたあとで御質問申し上げたいと思います。 事件の概要は、福岡県八女市岡山区亀甲にある元岡山研修所あと国有財産土地一万六千四十坪五一、建物千四百九十七坪四七を、去る昭和三十四年十一月二十四日、北九州財務局久留米出張所が西日本短期大学理事長江口繁君に、国有財産特別措置法第三条により減額五割の値段九百十三万二千七百九十八円で払い下げたのであります。この土地建物は、大東亜戦争の末期飛行場建設のため民有地を犠牲的価格で提供し、旧八女郡市一帯の地元の人たちが勤労奉仕して全くの戦争遂行の国策としてとうとい数人の犠牲を払いながら建設されたものであります。終戦後昭和三十四年一月七日、八女市は岡山、八幡両中学校の統合と公園などの用地として払い下げを申請いたしたのでありますが、これは国から払い下げておりません。しかるに、昭和三十四年九月二十三日、西日本大学(四年制大学)の誘致の話が持ち上がり、八女市も四年制大学誘致であればということで賛成をして、これに同意をいたしたところであります。ところが、四年制大学の設置は文部省が許しませんで、付属高等学校も県の不許可になったところであります。そこで、四年制大学を短期大学と付属高等学校に切りかえて申請がなされた。申請したときは四年制の大学と付属高等学校であったのが、そのままの処理で短期大学と高等学校に申請がえがなされておる。この点が、地元で問題にいたしておる第一点であります。その間種々の疑惑が生まれ、世論がわき立ち、市議会には昭和三十四年十一月二十一日西日本短期大学処理特別委員会が設置され、また昭和三十八年五月に改選後の市会議員によって調査特別委員会が設置されたところであります。また、昭和三十五年四月十一日には、国有財産払い下げ処分取り消しの上契約解除の訴願書が市民代表から関係当局に提出されているところでございます。 現在の実情は、短期大学と付属高等学校をこの土地で経営いたしております。学校生徒の数は、高等学校が、三十九年度八十九名、四十年度八十九名、現在の生徒数は不明であります。短期大学は、三十九年十五名、四十年十五名、四十一年はこれも不詳であります。こういう学校が運営されておるのでありますが、なお用途指定として大蔵省の払い下げは七年の期限でありますが、それが昭和三十六年十一月から用途指定として学校経営がなされておる。したがって、昭和四十三年十一月になりますと、その大蔵省が払い下げた用途指定による期限が切れるということになるのであります。 以上が大体この事件の概要でありますが、私がさきの委員会で申し上げたように、質問いたしておる目的は三つあります。 第一は、使用目的に合致しない払い下げ国有財産をどう処理するのか、これが第一点であります。 第二は、昭和三十四年以来の地元民の疑惑を解いて市議会などの混乱を防がなければならない。すなわち、この限乱にピリオドを打ちたい、これが第二の問題であります。 第三は、払い下げの趣旨を完全に生かす教育がなさるべきである。現在の教育はそのような方向になされておるかどうか。地元では国有財産を払い下げてもらって私利私欲のために一応名義上学校経営をしているのではないかという疑惑がありますから、文部省はこの学校教育についてどのような指導をなされているか。 この三つの問題を明らかにするために前回質問いたしたのでありますが、質問いたしましたあと、地元にも相当の反響がありまして、地元市議会は再三委員会を開き、先般満場一致で次のように決議いたしたのであります。「元国有財産払い下げに関することについて」「西日本短期大学に払い下げられた元国有財産に関し昭和四十一年三月二十九日八女市議会において別紙写のとおり決議しました。」その写しのほうには次のように書いてあります。「元国有財産に関する決議」「西日本短期大学に払下げられた元国有財産が二月十六日の参議院決算委員会において、大蔵省に一部返還も考慮されているよしであるので、八女市としては公共施設用地として払下げを受けることを決議する。昭和四十一年三月二十九日八女市議会」すなわち、大蔵省が一部返還するならば、八女市としては公共施設用地としてこれの払い下げを受けるという決議を満場一致いたしております。これが第一の反響であります。 第二の反響は、この学校を経営をいたしておる当事者でありますが、西日本短期大学理事長江口繁、西日本短期大学長宇賀田順三、西日本短期大学付属高等学校長国武忠男、三氏の署名によります文書が方々に流されました。その最後のほうにこういうことが書いてあるのであります。「八女市議会に「西大問題特別処理委員会」というのが設置され、当学園の払い下げ問題に関する事情調査に乗り出し、大蔵省や文部省に行って詳しく調査したものの、委員会が意図したようなことは全く出て来ないので遂に解散してしまい、結局特定の議員個人が参議院某を通じて、新聞掲載の演出を行ったわけであります。」云々、あとのほうをもう少し読んでおきますと、「当学園の学生、生徒募集期の大切な時期をねらい、その名誉権益を不当にじゅうりんして、募集を妨害し、恰も八女地区市民の利益を計るかの如き擬装の中で、私利のための地盤を固めたかの如き疑いを抱かざるを得ません。損得を離れて、誠意をもって当らねばならぬ教育事業に対し、かかる悪意をもって立向われたことは、全く心外に堪えないものがあります。」こういう文書を各方面にばらまいております。この点についてはあとで問題を明らかにしてまいりますが、こういう事実があるのであります。 第三は、地元勤労者あるいは地元民の反響としては、各地方紙によって一斉にこれが報道されまして、昭和三十四年以来の問題がこの際参議院決算委員会において解決されるのを期待する、この参議院決算委員会の審議と大蔵省、文部省のその後の措置について重大な関心を抱いておるという報道がなされているところであります。 以上、二月十六日の私が質問いたしましたあと、そのような反響があるのでありますが、まず問題点の質問に入ります前に、この問題点を明らかにしておかなければなりません。その問題点は、第一は、払い下げに対する事務的な疑惑が現在なお地元では払拭されておりません。払い下げのときの事務的な疑惑、そういうものがまだ十分に解明されておりませんから、こういうものも大蔵省としてはこの決算委員会を通じて解明する必要があろうと思います。 それから第二の問題は、学校経営の見通しについて、文部省の学術局長は、私があとで述べるように、非常に非観的な見通しをなされておる。地元民もそのように見ているわけです。広い土地に短期大学、同付属高等学校を経営しておるが、付属高等学校のほうはまあまあでありますが、短期大学のほうはなかなか困難ではないかという見通しであります。この問題が一つであります。 第三は、その払い下げました国有財産の中には私有財産が数点点在しておる。この問題は未解決のまま放置されておる。したがって、この問題をどうするか。 それから第四点は、昭和四十三年の十一月に用途指定、使用の期限が切れるのであるが、それが切れたら一体どうなるのか、これは個人の財産になってしまうのではないか、したがって大蔵省、文部省ともにこれをどう処理するのか。 この五つの問題点を本日のこの委員会で解明しなければなりません。 その質問に入ります前に、私はこの西日本短期大学江口繁理事長ほか二名の人でばらまかれた書面なるものについて問題を明らかにしておかなければなりませんが、第一の問題は、西大問題特別処理委員会が解散された理由は、九月定例市議会における西大調査特別委員会委員長報告というものがございます。これによりますれば、次のように書いてあるのであります。「慎重審議いたしました結果、委員九名、五対四にて本日をもって終結するということに決定いたしました。理由は本委員会の調査により、西日本短大との交渉を果たすべきであろう、また参議院決算審査委員会に調査願いを出すという結論を得たのでこの際終結すべきであるという意見が五、」——そういう意見が五人、「継続すべきだという理由は参議院決算委員会に調査願いを出した以上その経過、回答を待つべきであろうという理由の者が四」、以上九名でありまして、この調査特別委員会を開催いたしましたのは、大蔵省や文部省が調査したけれども何にも問題がなかったから解散したのではないということをこの決算委員会でも明らかにしておかなければならぬ。でないと、もう西大調査特別委員会は解散されて、それはもう何にも問題がないから解散されたのだと、こう書面に書いてありますから、これでは市民をごまかすことになりますから、これは明らかにしておかなければならぬ。 それから第二の問題は、「生徒募集時期の大切な時期をねらって決算委員会で問題にしたのは、入学を妨害したのだ」、こういうふうなことを書いてある。これはまことに許しがたいことでありますが、この決算委員会で取り上げましたのは、私が冒頭言いました三つの問題を解決するために質問いたしたのでありまして、決して学校をつぶすというたてまえでないということ、学校教育に対しては地元市民も非常に歓迎をいたしております。しかしながら、学校教育ということを看板にして将来私有財産になることを目途としておるのではないかという疑惑があるから、この決算委員会で問題にしておるのだということ、私が質問の冒頭にも、学校教育をもう少し前向きにするためにはこの問題を解決しなければならぬということを発言しておるのでありまして、その発言があるにもかかわらず、このような書面を学校教育者が一方的に誤解をしてばらまくということについては、許しがたいことでありますが、これは別途の方法で明らかにしなければならぬが、一応この決算委員会ではそのことを明らかにしておきたいと思うのであります。 そこで、私はただいまから、まず文部省に質問をいたしていきたいと思います。この前の決算委員会で、学術局長の杉江君が次のように答弁をいたしております。「ただ、このような生徒数では、おそらく経営は非常に困難であろうし、将来経営の面からかなり大きな困難が出てまいるということは十分予想されます。」。これは私が、「このような地方短大の育成強化についてどのような態度をしておられるのか、お考えをお聞きいたします。」、こういう質問に対する回答でありますが、「で、その際にまあどういう措置を法人として考えられるかということは、まず第一に法人としての御判断にかかる問題でございます。ただ国としては、その経営の困難ということから、設置基準を著しく下回り、短大なり高等学校としての教育の実質が確保されないというようなことになれば、これはまたそれとして別の判断があるわけでございますが、しかし経営困難に対しては、できるだけ、一般的に申すならば、各種の助成が強化さるべきだろう、こういうことは言えるだろうと思います。しかし、問題になっておりますこの学校においては、あまり定員が少ないという事態は、私はそういった単なる助成ではたして今後健全な経営の見通しが持てるかどうかという点については、かなり疑問を持っているわけでありますけれども、一般的には、今後私立学校の助成という点については、非常に努力しなければならぬ、かように思っております。」という答弁がなされております。したがって、それから半年たったのでありますが、昭和四十一年度の生徒も募集されていることでありますが、現在文部省としては西日本短期大学に対してどのような把握をしておられるか、経営の見通しなりについてお伺いいたします。
○説明員(木田宏君) この西日本短大の経営問題について、特に個別に経営の指導の方法ということを考えているという状態にはまだ至っておりません。
○小柳勇君 私が聞いているのは、この三十九年、四十年、生徒数を教育しているのでありますが、現在の教育状況について実態を把握しておられるかどうか、そういうことを聞いておる。
○説明員(木田宏君) 現在の在学生の状況につきましては、一年次三百六十四名、二年次三百四十一名、合わせて七百五名が西日本短期大学の在学生であるということを承知しております。
○小柳勇君 それはどこの調査ですか、三百六十何名というのは。
○説明員(木田宏君) ただいま申し上げました数字は、この年度になりまして口頭で連絡を受けた数字でございます。
○小柳勇君 私さっき申し上げましたように、二年生というのは昨年の一年生ですから、これは十五名しかいないのですよ。西日本短期大学は、御存じでもあろうが、直方市と福岡市と八女市と同じ名前のものが三カ所にある。したがって、西日本短期大学全部の数字ではないかと思いますが、ここで問題になっているのは、八女市にいま経営している短期大学のことを問題にしているわけです。福岡市のことを私は問題にしておりませんので、八女市のものを報告してください。
○説明員(木田宏君) 八女のものにつきましては、ことしの一年次は百九名でございまして、去年一年でございまして、ことし二年に上がっておりますものが十七名という数字を報告を受けております。
○小柳勇君 直方市、福岡市の同じ名前の短期大学の生徒は何名に把握しておられますか。
○説明員(木田宏君) 福岡市にありましては、一年次が百六十九名、二年次が二百三十一名、それから直方市にありましては、一年次が六十二名、二年次が五十四名というふうに承知をいたしております。
○小柳勇君 付属高等学校の八女の生徒は何名と掌握しておられますか。
○説明員(説田三郎君) 高等学校の生徒は二百九十一名でございます。
○小柳勇君 何年ですか、それは全部……。
○説明員(説田三郎君) 全部でございます。要するに、三年生が九十五名、それから二年生が七十七名、一年生が百十九名でございます。
○小柳勇君 短期大学と高等学校が申請されたときの定員については何名になると掌握されておりますか。
○説明員(説田三郎君) 申請のときの定員は、第一部百五十名、第二部百五十名ということでございまして、これは入学定員でございまするので、短期大学といたしましては、総定員昼、夜それぞれ三百名ずつの合計六百名ということになっております。
○小柳勇君 短期大学は六百名。高等学校の定員は何名ですか。
○説明員(説田三郎君) 高等学校は定員が二百名でございますので、三年でございますので六百名。
○小柳勇君 短期大学六百、高等学校六百としてこの土地と建物を払い下げ申請した、こう理解してよろしゅうございますか。
○説明員(説田三郎君) それでよろしゅうございます。
○小柳勇君 百九名と十七名でありますから、現在の短期大学生徒が百二十六名、高等学校はいまおっしゃったように二百数十名でありますが、短期大学の六百、高等学校の六百として、土地、建物の基準ですね、私立の大学の用地の基準についてはどうなっておりますか。
○説明員(説田三郎君) 短大につきましては、先般の委員会で杉江局長から申し上げましたとおり、最低基準という意味で三千七百五十坪でございますが、それから高等学校につきましては四千三百二十坪ということになっておりまして、合計で八千七十坪ということでございます。いずれも最低という意味でございます。
○小柳勇君 最低基準といたしまして八千七十坪、先般竹中政務次官は、広いのは多々ますます弁ずるのだという御答弁がございましたが、最低基準、これが定員、短期大学六百、高等学校六百にいたしまして、八千七十坪あればいいわけであります。それを土地は一万六千四十坪払い下げておる。建物については、これは多々ますます弁ずるでございましょうが、最小の基準などございましょうか。
○説明員(説田三郎君) 建物につきましては、短期大学が七百五十坪、高等学校が八百六十四坪、合計千六百十四坪ということになります。
○小柳勇君 建物のほうは、払い下げた坪数は千四百九十七坪でありますから、基準に達しないわけであります。現在、定数が一ぱいでありませんし、生徒数が少ないので、それで建物としてやっていくのでありましょうが、そこで問題は、多々ますます弁ずるといいましても、この土地を、この前の文部省の意見では、現在の生徒数——将来は定員数までいくでしょうが、現在の生徒数に比べましたら、三分の一くらいでやっていけるのだという話でございましたが、文部省として、現在これはふえてまいりまして百九名になっておりまするが、あの土地における短期大学の将来性についていろいろお話がなされたことがあるか、お聞きいたします。
○説明員(説田三郎君) 先般の委員会後におきまして、西日本短期大学の理事長から、口頭でございますが、申し入れがございまして、現在拡充計画をもって整備に努力したい、こういうことを表明されております。
○小柳勇君 この前の杉江君の答弁は、さっき読み上げたとおりです。非常に悲観的でした。それだけの生徒数で、またあの土地で、教授のことなども考えられたんでありましょうが、非常に悲観的でありました。その後、この理事長から文部省に、口頭ではあるけれども、一生懸命に生徒数をふやしてがんばるということを申し出てきたと、こういうことでございますか。
○説明員(説田三郎君) 具体的には何名ふやすというようなこまかいことまでの申し出はございませんが、新しい学科、たとえば農業関係の学科を増設したいとかいうようなことで、現在検討をしておる、そういう方向で整備していきたいというお話がございます。
○小柳勇君 文部省として、正式にですね、向こうのほうの学校関係者を呼んで調べたり、指導したという事実がございますか。
○説明員(説田三郎君) 正式に文部省に来ていただいて伺ったというかっこうはとっておりません。大学のほうから自主的にお申し出をいただいているわけでございます。
○小柳勇君 決算委員会あるいは文教委員会などで、私立学校の経営などが問題になりました場合、責任をもって指導したり、あるいは監督したりするという必要はないのでしょうかね。
○説明員(木田宏君) ただいま課長が申し上げましたのは、書面で招集をかけたという意味で呼んだという形をとっていないという趣旨でございまして、こちらから話を聞きたいからお越しいただけないかというお願いを、こちらの気持ちも伝えまして、先方から出ていただいて、大学のほうの話を聞いたというわけでございます。
○小柳勇君 何か検察庁みたいになって悪いんですがね。私もこうやって問題にしますと、地元では毀誉褒貶いろいろあるわけですよ。何かためにするためにと、あるいは自分の名のために問題にしているようにとられてはたいへんですけれども、しかも、私が先般あれだけ事実をあげて質問したところが、文部省としては悲観的なことを述べられた。そうであれば、当然まだ問題になるんですから、正式に調べるなり指導するなりすることが必要ではないかと思うんですが、いかがですかね。
○説明員(木田宏君) こういう委員会の席で御指摘がございましたものにつきましては、私どもといたしましても、できるだけその実態を把握し、またフォローしていかなきゃならぬことでございますから、その運びにつきまして、私どもその事実を知るということからスタートさせていただいておるわけでございます。そういう趣旨で、なお、いろいろと書面で照会をいたしておることもございますし、そうした事柄に関しまして、また、しかるべき機会に東京で話を聞くということを事実上御連絡申し上げまして、その後の動きにつきましても、今年度の学生数のこと等、いろいろと処置を進めておるわけでございます。事柄といたしまして、どうしてもそういうやり方で十分に目的を達し得ない、まだ不十分であるというような場合に、また別途の方法を考えていかなければならないかと思いますけれども、先ほど正式でないということが、事実の上からしますと、お話を聞く聞き方として、出頭を求めたという形でないという意味でございまして、私どもも話を正式に聞いてないというのも、これまた少し違うかと思っております。要は、実態を承知いたすにつきまして、関係者にお越しいただくいただき方、あるいは必要な材料を求めるにつきまして、書面その他の、あるいは口頭で御連絡をいたしまして、文部省の事務当局としての実態の把握を行なっておる、こういうつもりでございます。
○小柳勇君 きょうは学術局長も病気だそうで、出ておられぬし、その問題は、あと文部大臣を呼んで聞くことにいたしましょう。この百九名の数字につきましては、正式に書面で受けられたのでしょうか。
○説明員(説田三郎君) 書面による御報告をいただいております。
○小柳勇君 私のほうの調査は少し数字が違いますものですから、確かめておるわけでして、書面であれば、あとでそれは見せていただきます。なぜ私がいまきつく言っているかといいますと、文部省に申請をして、初め四年制大学が不許可になった、次に、これは短期大学として許可になって、初めと同じような土地建物が払い下げになっておる。で、その後、短期大学については文部省としては非常に悲観的であるということで、地元では問題にしておる。短期大学が、あるいは付属高等学校が隆々として将来発展するとなれば、地元の考え方は当然変わってくるわけでしょう。したがって、文部省の把握があやふやでは問題にならないのですよ。大蔵省としては、文部省が大学として認めておりますし、将来があると言いますから、これはそのままですと言えば、それで終わりなわけですね。だから、文部省でいま問題にしている、特に私がいま問題にしているのは、この前の二月十六日の決算委員会の杉江君の証言というのがあるからです。ですから、悲観的ですから、学校のこの設置の基準にしても広過ぎるし、しかも、生徒数からいっても、将来なかなかあすこでは短期大学の運営は困難でしょうという証言だから問題にしているわけです。そうであるならば、あの広い土地を個人のものにしないで、要るだけはそこに残してでもいいから、要らない分は市に返して、ほかに学校なり、あるいは公園なり、住宅なりということを市ではちゃんと決議しているのだから、したがって、これは問題にしているわけですからね。だから、もう少し正確に、しかも、正式に情勢を把握いただきたいと思うのです。これは決算委員会の私は委員長にお願いしておきたいと思う。近い将来にこれは正式に大臣にも出てもらって、また参考人も呼んで、これは正式にしなきゃなりませんので、これは委員長にお願いしておきます。 このような、口頭でついでに話を聞きましたでは問題にならないのですね。したがって、文部省の問題はこれは保留にしておきまして、近い将来に、もっと正確な調査がなされた上で、大臣に答弁を求めます。その事実の問題と、もう一つは、この決算委員会で問題になりましたものを、半年間調査をしないでほうっておくという文部省の態度はけしからぬのですよ。これはこの点について委員長の見解なり、委員長おはかりを願いたいと思います。
○柴谷要君 関連して。 きょう出席を要求しておる初等中等教育局長、それから大学学術局長、体育局長、三人とも局長が出席できないで、審議官なり課長なりの出席ということは、文部省はどういうわけだ。その三局長が出席できない理由をひとつ聞かしてもらいたい。あなた方にわからぬか、それは。
○説明員(木田宏君) いまお尋ねの事情につきましては、私ちょっとお答え申し上げるような事情を承知いたしておりません。
○柴谷要君 局長が出席ができない、そのかわりに出ろと、こういうことであなた方は下命で来たのだろう。それでは局長はどういう理由で来られないのか。ほかは、大蔵省は政務次官以下局長全部出られている。文部省だけだ、三人の局長を要求しておるにもかかわらず、一人の局長も来ておらぬというのは、一体どういうわけだ、理由があるだろう。また大学学術局長は病気だという話だから、病気の人を無理に出ろとは言わぬ。しかし、そのほかの局長はどういう理由で出られないのか、あなた方はどういう命令で出てきたのか、そのくらいのことはわかるだろう。ただ決算委員会に行ってみろというだけじゃないはずだ。
○説明員(木田宏君) たいへん私的なことで恐縮でございますが、私も旅先からけさ帰ってまいりましてまっすぐこちらへ伺ったような事情でございまして、そのお呼びいただいておりました局長等の事情を全然承知いたしておりませんので、恐縮でございますが、そのようにお答え申し上げたわけでございます。
○委員長(鶴園哲夫君) いま柴谷委員からも発言がありますように、文部省へ三局長の出席を要求したのですが、三局長ともお見えにならない。新聞によると、けさ、たしか異動の辞令が出ておるようですが、そういう関係もあるかもしれませんですが、とにかく出席要求の場合は、ぜひひとつ、出席しない場合ははっきり理由をつけて、それから小柳委員が質問いたしましたように、至急この問題について文部省として調査をされて、しっかりした資料で御答弁いただくように。
○説明員(木田宏君) ただいまの局長の出席につきましては、官房のほうから委員長のところへ、さっそくにでも事情を御連絡申し上げるように、私からも取り計らいたいと思います。 それから、小柳委員からの御指摘のございました調査の点でございますが、多少説明をちょっと補足させていただきたいのでございますけれども、先ほど課長から申し上げました短期大学、それから高等学校の定員に基づきます設置基準は、課長も申しましたように、最低の基準でございまして、校舎坪数だけを計算してやっております。これはいろんな短期大学等の場合に、この本件もそうでございますが、併設その他の事情とか、いろいろなこともございますので、ぎりぎりの最低でいたしておりますが、短期大学として考えてみました場合に、このほかに体育館であるとか、講堂であるとか、もっと十分な運動場であるとかいうことが、当然定員数に応じた計算として出てくるのでございます。この西日本短期大学の場合におきましても、そうした体育館、運動場等をこの定員のもとで計算をしていきますと、三千七百に対しまして約六千ほどプラスの数字は出てまいるのでございますが、大学の設置認可の最低の基準といたしまして三千七百、約四千、それにプラス五千幾らというようなのが望ましいけれども、設置の際の、スタートの際の最低の基準として要求しているものでないという実情がございます。ですから、大学等をおつくりいただきましても、一、二年の間になかなか十分に定員が充足すとかいうような大学ばかりでもございませんので、何がしかの年数を見て大学のほうのお骨折りを考えていかねばなるまいという事情も私どもも考えるわけでございます。ただ、この西日本短大の場合、設立いたしましてから若干の年数もたっておることでございますから、その間の経緯を考えまして、杉江局長等からも、将来性についてやや暗い見通しの気持ちを先般お答え申し上げたかと思いますけれども、去年、ことし等急増期間後、また最近一年一年短大あるいは大学等への進学率がかなり地方においても高まってきておる動きもございます。私どもも、去年、ことしのデータ等も勘案しながら、この大学の将来については、もう少し研究もしてみたい、このように考えておるわけでございます。 少しよけいな御答弁だったかと思いますけれども、ちょっと補足をさしていただいた次第でございます。
○小柳勇君 文部省のやつは根本的には正式の調査を待って質問しますが、木田審議官は八女市の西日本短期大学の実態については十分御存じでしょうか。
○説明員(木田宏君) 承知しておると言うことができないのでございます。
○小柳勇君 さっき一身上の都合をおっしゃいましたが、旅先からここにかけつけられて課長からの助言答弁をしておられる。それでは、あまりにも決算委員会軽視ですよ。そういうもので決算委員会なり予算委員会が論議をされては、国民に対して申しわけないですよ。もっとほんとうに、ちゃんときのうも文部省には通告しておるのですから、この問題の実態を知りたい、将来の予想を含んで一それを、十分の打ち合わせもなく、しかも、あなた御存じならいいですよ、私は知っておりますがこうですというならいいです。そうでないのにここで答弁するというのは、これはちょっと委員会軽視でしょう。したがって、文部省に対する質問は、きょうは保留いたします。 次に、大蔵省に質問いたしますが、大蔵省はこの前の答弁、これは竹中政務次官と、それから磯江説明員が説明しておられますが、磯江君の答弁は、「国有財産の処分にあたりましては、御承知のように、用途指定を三十九年以降付しておるわけでございますが、この用途指定した用途に、すなわち国がその払い下げをいたしましたときの意図にはたして適切に供されているかどうかという点につきましては、特に最近におきましては国有地も少なくなってきて、また土地の価値が高くなってきたというようなことから、十分慎重に事後におきまして監視する必要があるということで、最近におきまして大蔵省といたしましても、払い下げをいたしました国有財産の指定用途につきましては、出先財務局を督励いたしまして十分監査をするということをやらしております。」と答弁をいたしております。二月の決算委員会で質問いたしておるのでございますから、その後、久留米の出張所などを通じて十分監視し、あるいは実態を調査されたかどうか、答弁をお伺いいたします。
○説明員(松永勇君) 用途調査いたしたところでございます。
○小柳勇君 その調査の結果について、学校経営の実態なり、あるいは将来についてどういうふうな御見解を持っておられるか。
○説明員(松永勇君) 本件につきましては、まず先ほど先生が使用目的違反ではないかという第一の点を御指摘ありました、それに触れるかと思いますが、使用の実態を見れば、当初国が払い下げた当時に予想した状態に至っていないという実情は厳然とした事実だろうと思っております。ただ、その後、学校当局において学生の募集、経営等について相当努力されているという事情は、これを認めることができるわけでございます。学校の学生につきましては、先ほど文部省のほうからお答えがあり、なお正確な資料を今後調査するということでございますので、私のほうの調査がこれ正しいかどうかわかりません。また、私のほうは大学の当局から聞き、さらに、聞いたものを、実際の授業料を払っている授業料の台帳を見まして、大学当局の言っておる数字と比較したような点で、この辺に実際に若干の違いがあるようでございますが、先ほど先生が述べられたように、四十一年度につきましては、一年生の募集は相当大幅に行なわれておる、先ほど文部省は百九人ということを言っておられますが、大体それに近いような数字が現実にも授業料を払っておる人としておるという状況になっております。したがいまして、当初のこの払い下げ当時に予想いたしました短期大学、夜間を入れて六百、昼間三百ということ、それから高校六百という数字にはなおほど遠い現状であるという状況でございます。今後この国有財産が、当初払い下げた目的どおり十全に使用されていないという実情にあることも現在事実でございますが、こういう相手が学校教育に携わっているものでございますし、また、今後、そういう努力をされているという実情から、私たちとしても、今後の学校経営、学校の成長等を見守ってまいりたい、これを結論的に申し上げまして失礼でございますが、そういう観点から、現段階においては、完全な用途指定に供しているとは言えないが、将来の状況等を見て今後の措置をきめなければならぬ、もちろん、そういう際には、学校教育を扱っておられる文部省の御意見等も十分聞いた上で措置しなければならないというふうに考えておりますが、現段階から見まして、用途指定が四十三年に満期になります。四十三年の状況を考えてみまして、なお現状から見て用途指定をさらに延ばすべきではないかということの結論に達しまして、先般六月十六日付をもって相手方と交渉いたしました結果、これを五カ年延長し、四十八年十一月の二十三日までの用途指定を延長するという措置を講じまして、相手方と調印いたした次第であります。
○小柳勇君 大蔵省の努力に敬意を表するところであります。ただ、学校の生徒数が、ことしは伸びたようであります。このことも私は喜ばしいことだと思う。若干文部省が言われた数字と私どもの調査と違いますものですから問題にいたしておりますが、それにしても、初めの三百名、昼間三百名、夜間三百名にほど遠いわけですね。これが三年にしてなるか、五年にしてなるか、このことも非常に問題であると思う。そこで、最後の結論のほうは最後に質問いたしますが、その用途指定以外に使用させないということについては確認できますか。
○説明員(松永勇君) これは国の国有財産を売り払った用途指定そのものに供していただきたい。また、いただくことを契約で調印いたしておるわけでございます、相手方に対して。相手方もその用に供していただけるものと思っております。もちろん、契約違反になった場合の措置は契約条項に定めております。
○小柳勇君 現在の大蔵省の見解としては、ことしは短期大学の生徒数の入学がふえた、したがって、もう少しこの実態を見たい、そのためには、四十三年十一月で用途指定の期限が切れるから、これから五カ年延ばしたい、そのことについては、当事者である短大の理事長は、どういうような見識で大蔵省にこの五カ年延長を求めておるのでしょうか。
○説明員(松永勇君) これはいまの現状等を調べた結果、相手方と話し合い、また、相手方も快くこれを受け入れ、今後の学校経営に努力をするということで延ばした延ばし方は、契約書の一部更改ということで、契約の調印という形になっております。
○小柳勇君 その写しはこの委員会に参考文書として渡していただけますか。
○説明員(松永勇君) 御要望あれば直ちに提出いたします。
○小柳勇君 もう一点は、この払い下げました土地の中に市の財産が数件介在しておるということでありますが、このことは大蔵省にもわかっておったのであるかどうか。もしこれがあるとすれば、将来どのような措置をしてこの問題を解決するようにされるのか。
○説明員(松永勇君) この払い下げした土地の中に市有財産、市の財産として建物八棟ばかりがあるということは承知いたしております。この建物払い下げいたしましたのは、実は大蔵省ではなくて、郵政省時代に郵政省が払い下げておったものでございます。しかし、いずれにしろ、その学校の敷地内に市の財産があるという状態は、これは学校の運営上好ましくないというか、支障がある点であろうと私も思います。それで、この財産の処理につきましては、学校当局と市との間でいろいろ従来から話し合いを続けているというふうに聞いておりますが、結局は、市の財産と学校の財産との関係でございまして、これを何らかの形において円満に解決すべきものであろうと思います。また、その努力が続けられているという状態だと承知いたしております。
○小柳勇君 売買契約のときには、この介在する市の財産については問題にならなかったのでしょうか。
○説明員(松永勇君) 実はこの払い下げをいたしましたのが、先ほど先生のおっしゃったように、財務局財務出張所でございます。おそらく、地元としては、現場を見れば、その財産にすでに国有財産でない建物があったということは承知しておったのではないかと思うのでございますが、また、私も当時、その建物は市に払い下げをいたしましたが、学校に参りますれば、市から建物を払い下げ受けるということで、この学校の設立が進んでおったというふうに聞いておりますが、ところが、いまのような状態で市と学校当局との間に対立があったために、現在までこの解決が延びておるということは、非常に残念なことだと思います。しかし、これは何とか今後解決していかなければならない問題であろうと思いますし、学校当局者と市の当局者との間で十分話し合いをしていただきたいというふうに希望いたしております。
○小柳勇君 一応の方向はわかりましたが、定員に対する実際の生徒数も少ないし、払い下げた用途指定の目的は半分か三分の一しか果たされておらないわけですね。このような国有財産の払い下げについても問題はあると思うのです。初めの構想からうんとずれてきたのですからね。しかし、まあ将来また学校が伸びるかもしれぬからこれからひとつしばらく見守っていきたいというような方針のようであります。ただ、最終的には、私はやはり文部省の認定のしかたが一番問題であろうかと思いますので、この問題については、文部省の正式な調査を待った上で、またあとで質問さしていただきたいと思うわけでありますから、きょうはこれで私は質問を終わりますが、最終的に、きょうのところの結論として、竹中次官に大臣にかわって私は確認をしておきたい。 一つは、用途指定以外には絶対に使用させないのだ、国有財産というものは国の財産であるから、ちゃんと用途指定以外には使用させない、特にこの学校教育で五割減で払い下げている、特別措置で払い下げている財産でありますから、その用途指定を十分に守らせるのだ、したがって、あと二年で期限が切れるから五カ年間延長させる、この契約をいたしましたと、そして学校教育の西日本短期大学の将来を見守っていきたい、これが繁栄することを祈りながら見守っていきたい、本日は、大蔵省としてはそういうふうに処理いたしました、こういうふうに確認してよろしゅうございますか。
○説明員(竹中恒夫君) 国有財産の処理、あるいは管理等につきましては、十二分にわれわれは慎重な態度で臨まなければならないことは、お説のとおりでございまして、特に払い下げにあたりましては、使用目的、あるいは評価、あるいは払い下げ後の監視と申しまするか、使用目的に対する契約違反等の事態等につきましても、十二分に監察をしようといたしておるわけであります。特に、先ほど御指摘のように、払い下げの土地の中に市有財産があるというようなことも、いろいろ将来に問題を残すわけでございまするが、そうしたことも十二分に今後は考えなければならない、かように考えております。したがいまして、ただいま御質問の用途指定以外には使用させないということは、これは法律の明示であり、契約違反にもなりますので、厳重に、使用目的以外には使用させない。もしそういう契約違反がありましたならば、これに対処するだけの用意があるということをお答え申し上げて、あわせて五カ年の用途指定の延期につきましては、やはり教育的な見地から学校の将来性を考えまして、いま少しくこれを見守ってやるという、われわれは気持ちがあるということをお答え申し上げまして、大臣にかわって答弁さしていただきます。
○小柳勇君 私の質問を終わります。
○委員長(鶴園哲夫君) 重ねて文部省に申し上げておきますが、小柳委員の質問は五日ほど前に連絡をいたしておるわけでありますから、きょうのようなことがないように注意をしていただきたいと思います。 他に御発言がなければ、午前中の、審議は、この程度にとどめたいと存じます。午後一時まで休憩いたします。 午後零時十二分休憩 —————・————— 午後一時二十分開会
○委員長(鶴園哲夫君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、昭和三十九年度決算外二件を議題といたし、総括質疑を行ないます。 質疑のある方は、順次御発言願います。
○二宮文造君 三十九年度決算の審議に入るのですが、この会計検査院の三十九年度の決算検査報告を見ましても、いま非常に問題になっております国有財産について、非常に会計検査院としては私、異例と申し上げたらどうかと思うのですが、異例と思われるほどの精力的な調査をされているわけです。検査報告を見ますと、十ページ以上にわたりまして、是正改善の措置を要求し、あるいは意見を付して関係当局にも回されているわけです。そういう事態の中で、私どもこの委員会で、かつては国有財産に関する小委員会もありましたし、その中で種々審議をされてまいりましたが、その一つ一つの問題について、その後の経過を伺って、三十九年度の決算審議の参考にしてまいりたい、こう私願うわけです。そこで、きょうは時間がございませんので、これまでの経過を概略的に各関係者のほうから報告を願うような形で進めてまいりたいと思います。 まず最初に、大蔵省関係になりますが、昨年の八月以来問題にしてまいりました元陸軍経理学校あと地の問題につきましては、すでに昨年の九月に、これは中野四郎氏から返還を求めて、ほんとうに払い下げをする、そういう大綱を示されておるわけですが、その後の経過について、大蔵省のほうからお伺いしたいと思います。
○説明員(竹中恒夫君) 若松町の問題につきましては、ただいま仰せのように、九月に一応その大綱は決定いたしたわけでございます。 その後の経過につきましてでございまするが、住宅地区改良法に基づきまして改良地区に指定されました暁におきましては、その土地に現存いたしまする建物を建てかえることを第一点とし、第二点としては、そこに現住しておられる住民の方々を優先的にそこに入っていただくという方針を立ててまいったわけでございます。聞くところによりますると、この七月中に、東京都におきまして都市計画審議会が開催されまして、そこで改良地区に指定されるやに聞き及んでおりますので、その運びに近く相なることと存ずるのでございます。その際におきましては、国有財産局といたしましては、同胞援護会のほうには従来の土地返還を求め、その土地に対しましては、東京都に払い下げる、こういう方針でもって近くこれが実施するという段階でございます。 以上御報告申し上げます。
○二宮文造君 二、三補足してお伺いしたいのですが、聞くところによりますと、同胞援護会から返還を受けるにつきましては、たとえ、それが契約はいままでになかったとしても、過去の経緯の上から、あるいは幾ばくの、何といいますか、補償のようなものを同胞援護会に対して支払わなければならぬのだというふうな話もちらほらと出ておるわけですが、その点はどう試算をされるのかということが一点。 もう一点は、現在その地に所在しておりまする建物に住んでいる人が優先的に入居するとしますと、相当家賃の問題については制約があろうかと思います。したがって、そこに都営住宅を建設していく都としましても、その払い下げの金額については、相当程度の要望もあろうかと思いますが、この都に払い下げますところの価格決定の考え方、これが第二点、この二つについてお伺いしておきたいと思います。
○説明員(松永勇君) 第一点の、現貸し付けの相手先、中野四郎氏に対しては、都市計画審議会で決定を受けた場合においては、この返還を求める、すなわち、契約の解除をいたすという考え方に立っております。 で、契約を解除いたしますのは、先般も説明いたしましたように、国有財産法二十四条の規定に基づいて解除を求める。したがいまして、国有財産法二十四条及び二十五条の条項に照らし、補償すべきものがあれば補償するという考え方でございます。今後、そういう返還の事務の際に処理いたしたいと思っております。 第二点の、現居住者の入居ということは、これは改良住宅法に基づいて東京都が行なうことになっております。その際の手続等も東京都がこれを行なう、したがって、家賃等につきましても、従来、東京都が改良住宅を行なう場合に実施しておるやり方、補償等もその手続によって行なわれることになろうと思います。この土地を、そういう改良住宅地区として国から払い下げる場合の価格等につきましては、国有財産特別措置法第六条の二に規定がございまして、その敷地は、当該公営住宅等の建設に要する費用にかかる標準建設費をもって払い下げるということが規定されております。この標準建設費は、建設大臣が毎年定めております時価に比較すれば非常に安い、私の大体の感じでは、時価のおそらくは十分の一程度の価格になっているんじゃないかと思います。そのくらいの価格でもって払い下げをするということになっております。
○二宮文造君 私、国有財産の二十四条、二十五条と言われまして、ちょっととっさに条文を持っておりませんのでぴんと来ませんが、契約を解除するという局長のお話でございますが、かつて小委員会で問題になりましたときには、未契約の状態、契約を破棄されたまま今日に至っていると思うのですが、われわれの考え方からいきますと、これは契約もされていない、したがって、不法占拠の形式をとっている、こういう判断も出てくるわけですが、大蔵省の考え方は、やはり契約はなくても、契約はかつてあったからその延長である、こういう見解をおとりになるのですか。
○説明員(松永勇君) 私たち、この前の委員会におきましても説明いたしましたように、不法占拠というものと、契約未済というものを区別しております。本件のような事例は、形式上はなるほど契約は三十一年であったかと思いますが、更新の形式手続がとられていないことになっておりますけれども、いわゆる契約未済ということで、実体的には契約の手続を完済すべきである。その間借料等もいただいておるわけでございます。契約としては、不法に占拠しているという観念のものではなくて、契約手続が未済である、完全な形の契約関係は成立していないという事柄の性質から見て、契約未済の手続をとっているというふうに考えておる次第でございます。
○二宮文造君 いまの答弁を聞いておりまして、私、どうも納得がいかない点が出てくるわけです。といいますのは、普通一般市井の人であるならば、契約未済という状態はあまり続かないわけです。すでにかつてたびたびこの国会でも、経理学校のあと地の問題につきましては、二回ないし三回、私、過去に問題になったと思うんですが、そういう経過があって、契約未済という形がとられたわけでして、いまは借料として、その後も契約未済のまま借料をもらっておった、こういうふうな局長の答弁ですが、前回の答弁では、これは借料ではない、弁償金だというふうなお話でございました。弁償金として取ったという考え方と、それから契約未済ではあるけれども、不法占拠ではない、したがってまた、しかも借料を取っておったという考え方の場合には、補償金を支払う場合の積算の根拠がだいぶ変わってくるのじゃないかと思うんですが、この点はいかがですか。
○説明員(松永勇君) 私、いま借料ということばを使いましたが、これは歳入科目としては弁償金ということで取っておると思います。形式的な契約が成立していない関係上、弁償金という形で取っておると思いますので、借料ということばは、ちょっと実体と形式とを混同いたしておりまして、訂正さしていただきたいと思います。 いまのような形で、契約というか続いておる状態のもとで補償しますということは、従来ございます契約書の中に、国が契約を解除する場合の規定もございます。これは国有財産法二十四条、及び、二十四条に相当する規定が契約書の条文の中にございまして、その契約条項を使って国が解除した場合には国が補償するということも規定がございます。それらの契約上の補償条項に従って補償をするということになるわけであります。
○二宮文造君 次の問題がありますから、これはまたこの後に具体的にそういう問題が煮詰まってまいりましたときに、新たな観点からまた説明をお願いしたいと思います。いずれにしましても、同胞援護会というものが、その当初からその法人格が疑義を持たれるような性格のものでありましたし、また、代表者の身分が国会議員でもあります関係から、あえて世の中の批判を浴びないように、中野氏の名誉に関してでもそういうことが絶対にないような処理のしかたを、私は強く要望しておきます。 次に、きょう午前中にも問題になりましたが、用途指定の問題です。具体的には虎の門の公園あと地の問題でございますが、これも転売をしてはならない、五年間使わなければならないという用途指定、非常にばく然とした用途指定ですが、いずれにしても、五年間は所有し、それを使用するという、その契約条項を生かして、丸紅に転売をされようとしましたこの土地が、朝日土地に戻ったということでございます。私どもは、あの契約をたんねんに見てまいりました場合には、現在の状況でさえも、あの契約書のとおりにあと地が使用されていない、現に空地になっておりまして、駐車場になっておりますと報告を受けております。ですから、虎の門公園あと地は、大蔵省としては、丸紅の手を引かしたから、これは契約が生きているのだという見解ですが、私どもは、国有財産に対する姿勢をもっとはっきりさせる意味で、そういうことでとどめおかないで、もっと強く改善していく必要があるのではないか。現に朝日土地興業株式会社はもうすでにあと二年か三年かたちますと、自由に転売が許されるような状態になります。これを防止する意図があるかどうか、あるいは丸紅が手を引いたのでそれでよろしいと、契約書どおりであると理解されているかどうか、この点をお伺いしたい。
○説明員(松永勇君) 国有財産を売り払う場合の用途指定につきましては、三十九年の法律改正、さらに昨年以来のまあ国有財産の姿勢を正すと申しますか、そういう関係で用途指定のつけ方については非常に厳重になってまいっております。これは先生も御承知のとおりでございます。国がある政策意図を持って払い下げるというものにつきましては、その用途を明確にし、状況によっては買い戻し権を付して売り払うということをいたしておることは、先般来御報告申し上げているとおりでございます。本件につきましては、その用途指定というのが、御承知のように、みずから所有し使用するという条項になっております。いわば最近私たちが考えているような用途指定とは若干違う用途指定になっております。この点につきましては、ここで前回にも申し上げましたように、本件の払い下げということが裁判上の和解ということから生じたことで、当時としてやむを得ない措置であるということで、用途指定のつけ方もそのようになっておるわけでございます。したがいまして、みずから所有し使用するという条項に対しましては、法律上現在のところ、違反はないということで見解を持っております。 ただ、最近のような国有財産の払い下げに対する厳重なやり方から見れば、手ぬるいのではないかというような御批判はあろうかと思いますが、すでに成立した私法上の契約でございます。その契約というのも、先ほど申しましたようないきさつからできた契約でございます。私たちとしては、すでに手放した国有財産というものが、今後国民経済的により有効に使われることを念願するという状態に置かれている状況でございます。
○二宮文造君 けさほどの西日本短期大学の問題も、これはたしか三十四年、いわゆる局長がいま答弁をなすった三十九年、四十年の時代とは違った用途指定の考え方のもとになされているわけです。ただ、私、仄聞しますと、西日本短期大学の場合には、これはまあ学校を育成していくというふうな、そのための用地であるという具体的な表示があったから、五年間さらに延長をした、こう答弁されると私は予想します。しかし、この問題の土地も、この委員会で種々問題になりましたから、この程度に食いとどまったのであって、いわば払い下げを受けた当事者は、相手方は、当初から契約書をそのとおり履行する誠意はなかったわけです。これはもう前回も、前々回の委員会でもたびたび指摘を受けましたから、あえてここで繰り返す必要はないと思うのですが、むしろ、そういう点におきましては、西日本短期大学のほうが忠実に契約書を守ってきたと、極論であるかもしれませんが、私はそういう言い方ができる。一方、虎の門の公園あと地の問題は、会社ごと合併していったり、あるいは、担保に入れますと言って入れてなかったり、あるいは、大蔵省の知らないうちに根抵当権を設定して、危うく第三者の手に移るようになっておった、その経緯を見ますと、ここで相手方に対して、虎の門公園あと地をもっと契約書の意味に忠実な使い方をしなさいと強く申し出て、用途指定の期日を延ばすなり何なりの策もとれないことはないと思うんですが、これは大蔵省としてはとろうとなさいませんか。
○説明員(松永勇君) 先生のおことばでございますが、西日本短大の場合には、先ほどの委員会でも御答弁しましたように、これは五割減額で払い下げるのです。要するに、国がそういう政策を推進したいということで、五割の値段で払い下げておる、したがって、用途のつけ方も、厳格に学校の施設に使うんだということを明示しておるわけでございます。そういう状態が現在の状態で、完全にその契約をした当時の学校の施設に十全に使われているかどうか。すなわち、学校以外に使われていないことは事実でございますが、学校の用途に供するということが、払い下げ当時に予想されたほど充実された状態で使われていないということに、われわれとしても、必ずしも十分なる契約の責任を果たしているというふうには認めがたい事情があるわけです。したがいまして、契約の解除ということも形式的には考えられるわけですけれども、事柄が学校のことではあるし、将来それを育成していきたい、また、学校もそれの努力を続けようという現段階においては、期限を延長して、さらに長い目でこれを見てやっていきたい、そういう考え方から、用途の指定期間の延長という措置をとったわけでございます。しかし、虎の門の公園の問題につきましては、これは国が、先ほど申しましたように、裁判上の和解ということからああいう処理をしてくる、しかも、その土地を国としては、用途の指定といたしまして、みずから所有し利用するということを条件としておるのでございまして、これをどういう目的、どういう用途に使わなければならないかというような政策意図をはっきり打ち出したものではございません。そういう観点から、契約というものが有効に成立し厳存している現在において、この契約をさらに改めるということは、現段階から見れば、ここに新たに国有財産を処理いたします状態のもとでは、確かにそういうことが考えられるわけでございますけれども、すでに行なった有効なる法律行為というものは厳として存し、それが有効にある限り、国としてこの契約を解除する云々ということはなかなか困難であろうというふうに考えております。
○二宮文造君 西日本短大の場合は五割減額である、さらにこれが裁判上の和議から来たものであって、そこに制約があった、こういう二点を強調されるようですが、西日本短大が五割というのであれば、虎の門公園の場合も、地上権を認めて二割減額をしております。また、和議というものを非常に強調されますけれども、それでは、和議に至る状態はどうであったか、なぜ和議に至ったか。確かに、ニューエンパイヤモーター株式会社が、ここには建物もある、数百人の従業員がいる、これを撤去することは相ならぬ、したがって、ここにおいて、従業員の生活権の問題もあるし、いわゆる会社の営業という問題もあるから、したがって、払い下げをしてもらいたい、これが有力な根拠になって和議が成立したわけです。しかも、売買されて十日の間に社名変更があり、半年の間に会社ごと身売りしてしまう、その間に、あれほど有力な根拠として裁判所に申し出ておった建物なり工場施設なり一切をこわしてしまう、これは明らかに、局長がいま答弁された、減額だから、あるいは和議だからという説明を根底からくつがえす材料になる。私がたびたび申しますのは、相手方に誠意が認められない、そこにわれわれとしては納得のいくものがない、したがって、大蔵省としても、この問題がぺてんにかけられたようなかっこうになっておりますから、姿勢を正しくしなければ、国の権威に関するのではないか、また、今後の払い下げの問題についても、こういうふうなやり方が、合法的な脱法行為がやられるんではないかと私どもは心配をしておりますから、あえてこの問題を繰り返すわけです。私の、和議に至る条件、状況として申し上げたことは事実と違いますか、この点はいかがですか。 それからまた、地上権として二〇%の減額を認めた条件は同じだろうと思うのですが、どうでしょうか。
○説明員(松永勇君) 借地権として二〇%を引いたということと、先ほど、学校施設として売り払う場合に五割減額ということとは、私たちは違って考えております。財産の時価、適正なる対価というものを評価いたします場合に、いわゆる借地権等があるものは、それを引いた残りのものが適正な地価であり対価であるというふうに見ております。もしそれが学校の用途に供される場合には、そこからすなわち二割減額をしたものからさらに五割を引くという措置がとられるわけです。二割を引いたというのは、当然いわゆる適正な対価のうちであるというふうに見ております。 なお、本件につきましては、先生おっしゃいますような和解の経過から、必ずしも私たちが当初和解に応じ払い下げをした状態とは予想しなかったような事態が現出した、その点は私たちとして遺憾であったということは、昨年来の委員会の説明で申し上げております。そういう実情ではございますが、したがって、国有財産の払い下げというものについて姿勢を正すということを昨年の秋以来続けてまいりまして、いまのような用途の指定の方法、それから買い戻し権を付するというような点も、十分姿勢を改めてまいったわけでございます。本件については、そういう点では、なお心残りな点はございますけれども、現に私法上の契約として成立している契約の条項から、われわれとしては今後の処理についての教訓を学び得たということで満足しなければしかたがないという実情だというふうに考えております。
○二宮文造君 厚生大臣がお見えになったようですから、次の問題に入りたいと思いますが、例の碑文谷のマンションの件でございますが、これは国から訴訟を提起して、その後、前回のお話では、二回ばかり公判が開かれた。また、国の利益を保全するために楽石社の建物の抵当権を設定をするように法務省のほうに請求しております。こういうところで現状はとどまっておりますが、まず、国有財産局長のほうから、その後の問題について状況をお伺いしたいと思います。
○説明員(松永勇君) 本件につきましては、楽石社の行為が不当であるということで訴訟を提起いたしましたことは、前回の国会で申し述べたとおりでございます七現在、訴訟は当然地方裁判所において係属いたしております。裁判所では、すでに数回の口頭弁論があり、途中で裁判官等の変更がございまして、若干遅延しているようでございますが、今後、法務省の協力を得て、この訴訟を遂行いたしたい。なお、訴訟として訴えておりますのは、特別違約金として九千四百万円ばかり、すでにもらったものを差し引きしまして、差し引き合計約五千万円というものと、今後生ずる利子というものを要求いたしておるところでございます。 それから、なお、楽石社自身が所有しておる文京区第六天町に所在する土地建物につきまして仮差し押えをいたしておるところでございます。
○二宮文造君 厚生省のほうにお伺いしますが、たまたま、この碑文谷のマンションの件につきましては、三十九年度の決算検査報告にも、補助金の支給が、建設計画が当を得ないため、補助の目的を達していない、こういうふうな指摘を受けておりますが、これまでにも、私、内々厚生省のほうから説明を受けてまいりまして、日本ベル福祉協会が、この問題の楽石社から転売を受けた。いま訴訟になっておりますのは楽石社でございますけれども、それを受けた福祉法人の日本ベル福祉協会が、いわゆる丸紅飯田と一緒になってマンションを建てて物議をかもしたわけです。それに対して、三千万の建設費の補助が出ております。はたして、この三千万円の補助金が、その目的を果たしているかいなか。ここに指摘を受けたところを見ますと、どうも、一千万円ばかりの施設をすると、こうなっておるのに、四十年の四月三十日までには三百九十七万円の設備を購入したにとどまっている、こういう会計検査院の指摘です。また、私伺ったところによりますと、まだベル福祉協会では事業がスムーズに進んでおりませんで、利用者もごく微々たるものであるというふうな説明を受けたつもりでございますが、厚生省としては、会計検査院のこのような指摘を受け、また、その土地については、種々物議をかもした土地であり、さらにまた、マンションを建てたということで、世の批判も受けた、こういう日本ベル福祉協会のあり方について、厚生省はどうお考えなのか、総まとめにしてお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) ただいまお尋ねがありましたベル福祉会館の建設につきまして、厚生省から、ろうあ者の福祉の向上をはかるという観点から、適切な事業であると認めまして、三千万円の補助金を昭和三十六年に予算に計上し交付をいたしたのでありますが、しかるところ、土地の選定でありますとか、あるいは資金計画上のそこでございますとか、そういうような事情等がありまして、建設計画が意外に遅延をいたしました。四十年にようやくこれが完成をし、ただいま設立の趣旨に沿いましての運営がなされておるところでございます。聴能の訓練でありますとか、いろいろ、ろうあ者の福祉に沿うような事業がただいま行なわれておるのでありまして、厚生省も当初の建設の目的が十分に達成できまするように、できるだけの指導をいたしておるところでございます。 なお、現在の運営の状況につきましては、社会局長から詳細に御報告をいたしたいと思います。
○説明員(今村譲君) 現在の事業運営につきまして御報告申し上げます。 第一点の、この会館の一番大きな特色といいますか、職能訓練、子供の非常に耳の弱い人、それに関連して、ろうあ者、ろうあの問題が一つある、どもりとか唖の問題がありますが、そういうものをひっくるめまして、研究といいますか、訓練室というふうなものをつくっておりますが、それは、現在までに始めましたのが、この一月から——形式上は去年の十二月からでありますが、現在二百八十七名が登録しておりまして、日々こっちに通ってきておる、こういうふうな状況でございます。この技術者は各大学の専門家の先生が来てくれる、こういうかっこうになっております。 それから、第二点の、身体障害者、ろうあ者の収容授産施設でありますが、これは定員三十名、そこに泊めて女子に和裁を教えるという計画で、この四月から始めたわけでありますが、これは募集手続その他がいろいろ手おくれになりまして、ろう学校の卒業生が身の振り方がきまる以前に手を打つべきであったのでありますけれども、そごいたしまして、現在入っておりますのは、定員三十名に対して五名。ところが、六月一ぱい、七月それぞれ八、九名ずつ入ってくる。秋までには定員三十名は全部一ぱいになると、こういうふうな予定で人選をいたしておりますので、この点ひとつ、現在まだまだ五名にすぎませんが、できるだけ早く規定どおりの授産事業が行なえるというふうにいたしたいと指導いたしております。 それからもう一つは、ろうあ者の会館というような意味もございまして、いろいろ大会があったり、研究集会があったりというようなことで東京に出てまいります。それの宿泊部というような事業もやっております。これは開きましてから、千三百人ぐらい泊まっておる。宿泊料、泊まるだけでありますが、五百円ぐらいというようなかっこうで、ろうあ関係の団体からも利用されつつあるというふうな状況でございます。簡単でございますが。
○二宮文造君 その利用状況についての資料、報告資料を私どものほうへ御提出願いたいと思うのです。 それから、一点答弁がございませんでしたが、会計検査院は四十年の四月三十日までに三百九十七万円の設備の購入をしているだけだと、また、十月末現在においても事業を開始していない状況であると、こう指摘をしておりますが、厚生省への報告は、施設としてはどれほどの設備をやっておりますか。
○説明員(今村譲君) お答え申し上げます。 ただいま先生おっしゃいました三百九十何万円というようなものは、厚生省の三千万だけでできたものじゃなしに、財界その他からいろいろ金を集めてやっておりまして、たとえば聴能訓練関係の電気機械その他だけでも数千万円になるということでございますが、現実にそこに出ておりますのは、国庫補助三千万円の内訳で、建築関係が二千六百四十万円、それから工事事務費が五十二万八千円、これは一・何%とかいうことになるわけでありますが、それから初度設備費が三百七万二千円という補助をやっておりますが、それに相当する部分を取り出されたのだろうというふうに存じます。実際買いましたものは、電気機械その他いろいろの備品類というものでありまして、ちょっと詳細な資料は持ってまいりませんでしたが、三、四千万円になっております。
○二宮文造君 いまの分についても、ひとつ概略をあとで資料としてお出し願いたいと思います。 それからもう一点、最初の申請書と、それから建設されて現在使用されておる使用計画といいますか、いわゆる申請書と実際の食い違いが、坪数においても、あるいは施設においても、相当の食い違いがあると思うのです。その辺も参照して御提出願いたいと思うのです。この問題につきましては、私実地にも参っておりますので、厚生省の審議を始めますときに、もっと詳細にわたって当局の説明を受けたいと思います。 次に、高輪の元東久邇宮御殿と称せられておりました土地に関する京浜急行との払い下げ、これはまだ払い下げられておりません。売買されておりませんが、前回、二月だと思いましたが、そのときにお伺いしましたときには、国有財産審議会では、申請者に売り渡すのがよろしいと、こういう決定がされておるけれども、その後、いろいろな都合で延びておる。また、私のほうで指摘した金額につきましても、それは単なる試算であって、評価についてはもっと綿密に世の批判を受けないように検討してまいります、こういう答弁のまま終わっておるわけですが、この通称高輪御殿の売り渡しの問題につきましてのその後の経緯を大蔵省のほうからお伺いしたいと思います。
○説明員(竹中恒夫君) 旧高輪の御用邸の処理につきましては、従来から御答弁申し上げ御承知のとおり、公務員の宿舎用地が非常に不足しておるということに対しまして、京浜急行からこれの土地を提供さして交換するという目的で、この問題が具体化してまいったわけでございます。その後、御指摘のようないろいろな問題が起きてまいりましたので、現在におきましては、国民の疑惑を招いたり、あるいは適正を欠くということのないように慎重に処理いたしたいということで、いましばらく時日をおかしいただきますならば、御納得いくような御報告ができると確信をいたしておるわけでございますが、なお、詳細につきましては、局長から必要がありますれば御答弁いたさせたい、かように思います。
○二宮文造君 慎重に審議をしたいという政務次官のいまの御答弁でございますが、これは国有財産審議会の決定を生かした上で慎重に審議されるのか、あるいは、審議会でももう決定はすでに相当以前にされておるので、新たな時点に立って慎重に審議しようというのか、この点についてはどうでしょうか。
○説明員(竹中恒夫君) われわれの姿勢といたしましては、もとより審議会の答申を尊重した線において出すべきでございまするが、御指摘のように、その後急激な変化等がございまする場合におきましては、そういう認定に立ちました場合におきましては、再諮問をするとか、あるいは再諮問の必要のない場合におきましても、十分に連絡等によって善処いたしたいということも含めて慎重に処理いたしたい、かように存じておるわけでございます。
○二宮文造君 現在この土地はどこが管理しておりますか。
○説明員(松永勇君) 関東財務局で管理しておりますが、実際は京浜急行に対して管理を委託しておるのであります。
○二宮文造君 その管理を委託したものを解除される御意向はありませんか。
○説明員(松永勇君) この処理を検討している間は管理を委託する考えでございます。
○二宮文造君 そうしますと、一方では世論の動向というものも考えて慎重に審議する、場合によっては国有財産審議会に再諮問をするかもわからない、そういう必要があればそうするというふうな政務次官の御答弁と、それから、いまの局長の答弁によりますと、これが決定するまでは京浜急行に管理を委託するのだということとは、ちょっと食い違うように私は思うのですが、京浜急行のいままでの立場というのは非常に微妙なものがあります。私、もしこの委員会で許されるならば、関係者に参考人ないしは証人としてこの席においでを願って、過去の経緯にさかのぼって国民の皆さんの疑念を晴らすような問題をお伺いしたい、こうも思っておる次第なんです。したがって、こういう微妙な問題が含まれておる現在におきまして、京浜急行にこの土地の管理を委託するという姿勢そのものが、私はとかくの疑念を生む原因ではないかと思うのですが、これはそうお考えになりませんか。
○説明員(松永勇君) 財産の管理ということと、その財産をどう処分するかということとは別でございます。もちろん、関東財務局に十分なる定員がございましたらば、直接職員をもって管理するということもしかるべきだろうと思いますが、現在の定員等を考慮いたしまして、管理を委託するということで委託しておるところでございます。
○二宮文造君 管理料は払っておりますか。
○説明員(松永勇君) 管理料は払っております。
○二宮文造君 こまかい問題ですが、幾らお支払いになっておりますか。
○説明員(松永勇君) 管理の委託費用は一カ月三万七千五百円でございます。
○二宮文造君 これは管理を委託するのであって、その土地を使用するという契約にはなってないでしょうね。
○説明員(松永勇君) そのとおりでございまして、あるいは管理委託ということばがちょっと適切でなかったので、実は警備依頼、警備委託というか、そこの財産が不法に侵奪されないように警備を依頼するという趣旨の契約でございます。
○二宮文造君 もう一つ立ち入ってお伺いしたいのですが、かりに京浜急行と、それから東久道家との間に、この土地を対象とする契約のようなものがあって、そこに、かりにですよ、金銭の授受が行なわれているとしますと、この場合の売り渡しに影響がありますか、それとも、国としては全然関知しないという立場を堅持されますか、この点はいかがですか。
○説明員(松永勇君) 国といたしましては、この土地は国有財産であり、国が管理しているというふうに考えております。
○二宮文造君 ですから、私、いま仮説ですが、仮定の問題で答弁しにくいかもわかりませんが、かりにとあえて申し上げておきますが、京浜急行と東久邇家の間に、この土地に関連して金銭の授受がある、それが、国が京浜急行に払い下げる場合の何か制約になるか、あるいは、それを考慮しなければならない条件になるかと私ども心配しておるわけですが、国としては、そういうことは一切条件としては関知しない、こうお考えを統一されますか。その点はっきり答弁願いたいと思います。
○説明員(松永勇君) 私たちは、この財産が国有地であり、普通財産として大蔵省所管の財産であるというたてまえで、この財産をいかに処理するかという観点から、関東地方国有財産地方審議会に諮問し、その答申を得ているところでございますから、国有財産としての処理をそのようにはかってまいるという観点に立っておるわけであります。
○二宮文造君 私の質問に対する答弁は、なんですか、国が管理するという観点に立っているということで、したがって、そういうふうなことが内々行なわれていても、国としては全然関知しない、こういう立場を堅持されるということですか。、イエスかノーかでけっこうです。
○説明員(松永勇君) 国有の土地について第三者がどういう契約をなさるかということは、国としてはこれは関知しないところでございます。先ほど申しましたように、私たちは、国の国有地として、国の財産としてこれを管理しているという観点でございまして、第三者がどういう契約をなさったかということは、詳しくは承知もしておりませんし、関係のないことではないかというふうに考えております。
○二宮文造君 第三者とはあえて言えないと思うのです。 もう一つお伺いしますが、国と東久邇家との間にありました関係というのは、これは東久道家が借地をしておった、借家をしておったという考え方をとりますか。あるいは、ただ一時しのぎに、どこかへ住居をきめなければならぬ、適当な場所がないので、一時しのぎにそこへ入ったという考えをとるのか。契約はないけれども、借地借家契約があったという考え方をおとりになるのか、これはどうですか。
○説明員(松永勇君) 本件は、普通財産となりましてから大蔵省が引き継いだものでございます。東久邇さんがお住まいになっておったということは、これは皇室財産であった時代のことでございますが、したがいまして、東久邇さんがそこにお住まいになった経緯なり、どういう考え方でそこに皇室用財産の使用を認めておったかということは、これは私のほうが答弁申し上げる筋合いではなくて、宮内庁が答弁を申し上げる筋合いになるものではないかと考えております。
○二宮文造君 それではお伺いしますが、皇室財産から普通財産に所管がえになりますときに、この問題の土地についてはこうこうこういう経緯があって東久邇さんは入っておりましたという引き継ぎを受けましたか。
○説明員(松永勇君) その具体的な問題については、私いま承知いたしておりませんので、取り調べて、当時引き継ぎを受けた人の関係、関東財務局関係でございますが、調べてお答え申し上げます。
○二宮文造君 それじゃ大蔵省の立場をお伺いしますが、大蔵省の立場としては、これは現在普通財産である、したがって、この普通財産には借地契約も借家契約もない、こういう立場でいまおられますか。
○説明員(松永勇君) これは具体的なその処理を進めます際に、評価等の問題の際に、そういう権利があったかなかったかということが評価上の問題として入ってくると思います。私のほうといたしましても、この処理をはかります際には、そういう点を慎重に、正確に調べて処理をはかりたいという考え方でございます。
○二宮文造君 どうですか、いま普通財産でしょう。国のいわゆる大蔵省所管にかかる普通財産の上に権利義務があるかどうかという問題については、それが払い下げになるときでなければ問題にならないのですか。それでは現状の管理が正しくなされていないということになるんじゃないですか。現状において、そこに何か借地借家にかかる権利義務が発生しているから、払い下げのときの評価に際して問題になってくるのであって、いま問題がないかわからないけれども、払い下げのときにそういうことが問題になるということでは、ちょっと自語相違になると思うが、この点はっきりしておいていただきたい。
○説明員(松永勇君) 私が御答弁申し上げたのは、現在これから——調査してあるかないかということではなくて、事が相当重要でございます、私たちは一応こういうふうに考えているがというようなことで申し上げましても、当委員会における正式のお尋ねでございますので、十分調べてというふうに申し上げたつもりでございます。
○二宮文造君 申し合わせの時間がついに来てしまいましたので、私も同僚の議員の方に御迷惑をかけるわけにいきませんので、これで終わりたいと思いますが、明日また当委員会があるようでございますので、できればその機会にまたこれを引き続いてやらせていただきたいと思います。御調査ができれば、それまでに明確な御答弁が受けられるようなひとつ努力をなさっていただきたい、こう思います。
○柴谷要君 先ほど二宮委員から、ベル福祉協会の問題について質問がなされ、厚生大臣は、着々と目的に向かって事業を行なわせるということでやっております、こういうことでありますが、閣僚中で一番信任の厚い厚生大臣のことですから、その点を最もわれわれ高く評価して、ぜひそういう目的でやっていただくようにお願いしたいと思います。 そこで、先ほど局長さんのほうから答弁がありましたが、いままでに宿泊利用は千三百人あった、こういうお話ですが、開所されてからまだ日が浅いのですが、この数字はあまりにも膨大過ぎるので、実は信用しかねる。そこでひとつ詳細な資料をもらいたいことが一つ。 それからベル福祉協会に対して助成金といいますか、補助金といいますか、三千万円出された、これを決定された年次は大体三十六年でございましたか、当時の厚生大臣はどなたであったか。それから政務次官はどなたであったか、それから三十七年のこの予算を受け取るときにやっておられた厚生大臣、それから政務次官はどなたであったか、おわかりになればお答えいただきたいと思います。
○説明員(今村譲君) 第一点の宿泊利用につきましては、至急、何月にどういう団体が何名というのを、資料を提出いたします。 それから大臣、政務次官はちょっとやはり不正確な記憶しかございませんので、もう一ぺん確かめましてから至急出したいと思います。
○柴谷要君 このベル福祉協会理事長は山下春江さんです。ところが、その年次ごろ山下さんが厚生政務次官であったというふうに私は記憶している。これは間違いであればけっこうなんです。そうなると疑点が疑点を生んでくるわけです。実はこの問題は、私は目黒区に居住しておりますが、目黒区の区議会で取り上げた、そうして区議会の議決によって——私は大蔵委員会で、実はいま自民党の幹事長であります田中幹事長に、当時大蔵大臣であった氏に御質問申し上げた。これが始まりなんです。このときに楽石社なるものに対して、厳重に、違法の行為があるから処置をする、こういうことで、いま大蔵省はそれを続けられていると思う。まことにけっこうなことだと思う。ところが、ベル福祉協会は、つい最近でございます、私のところへも招待状が来たのでございますが、私ちょっと用事があって行けなかった。その後、近いものですから、目黒の保健所へ行く用件があり、そのすぐそばですから、マンションのぐあいがどうなっておるか、それから一体理事長室なるものがどういうものであるか、そういうことでいろいろながめておるんですが、どうも先ほどの御答弁のような状態にはまだまだいってないような気がする。ですから、最もわれわれが尊敬もしております実力者である厚生大臣が先ほど言われたように、これからやるとおっしゃるんですから、これからでもけっこうだと思う。どうかひとつ、ろうあ者のためにあのせっかくできた、ベル福祉協会であろうと何であろうと、ろうあ者のためにこれは有効に使われればけっこうなんでございますから、そういう点について、より一そう厚生省としてはお力添えをいただきたい、こういうことを申し上げて、また時期がありましたら、先ほど私がお願いしたことについて御答弁をいただく機会があろうかと思いますので、きょうはこれで終わっておきますが、ぜひひとつ力を入れてやっていただくことをお願いいたしておきたいと思います。
○相澤重明君 最初に竹中政務次官に、先ほど二宮君からも御質問がありましたが、昨年の国有財産に関する小委員会で取り上げた事案ですね、これをやはり政府として十分相談をされてどう処理をしたかという報告を私は提出をしてもらいたいと思う。これは国有財産局ばかりでなくて、他の問題もあろうと思うのですが、とにかく大蔵省として、やはり国有財産に関する問題はそのままに放任をしておってはいけないと思いますから、調査室でまとめた資料をひとつよく審査をして、そうして、どう処理をしたかということを書面で私は報告をしてもらいたい。まず最初にこれをお願いしておきたいと思います。
○説明員(竹中恒夫君) 御要望の点は、文書による資料として提出いたします。
○相澤重明君 次に、きょうの私の質問の中心は、厚生省に対する国立武蔵療養所の案件を中心としたものであります。最初に、厚生省から全般的な問題として、この国立武蔵療養所と同じような精神科等のいわゆるベッド数というものは、全国でどのくらいあるか、どことどこにそういう療養施設があるのか、現在はどのくらいの患者を収容しておるのか、今後どのくらいの必要があると考えられるのか、それを先に報告をしてください。
○説明員(若松栄一君) 精神療養所につきましては、国立療養所の中の一部門としてございまして、専門の精神療養所は現在武蔵療養所、下総療養所、肥前療養所がございまして、そのほかに三重県に、転換して専門の療養所としてやっております榊原療養所という、四つの療養所が現在精神の専門の療養所でございまして、武蔵療養所が七百ベッドでございまして、これは現在改築を計画いたしておりまして、改築後には千ベッドにしたいという所存でございます。なお、ほかの療養所につきましては、ベッド数その他現在正確な資料を持ち合わせてございませんが、武蔵及び肥前が昔の専門療養所で比較的大きなもの、榊原療養所は比較的小さい療養所でございます。
○相澤重明君 これから精神科の患者数はふえると考えて、いまのベッド数を増加するという考えなのか、それとも、もう大体この程度で国立関係としては足りると、こうお考えになっておるのか、その点いかがですか。
○説明員(若松栄一君) 精神のベッドは全国的になお不足しております。しかも、近年におきましては、国及び都道府県の設置いたします公立の療養所のベッドのふえ方が非常に少ないのに対して、民間のベッドが非常な勢いでふえております。私ども、昭和四十五年ごろまでに二十一万床程度の精神ベッドをつくりたいという計画を持っておりますが、現在のところ約十七万床程度。しかも、国立及び公立のベッドの比率がだんだん少なくなってまいっております。こういう点は私どもとしては必ずしも適当でないというふうに考えておりまして、できるだけ公立のベッドをふやしたい、しかも、精神医療は比較的新しい分野でございますので、新しい医療の方法を開拓し、また、医療面から社会復帰に至るための中間施設——中間施設と申しますと、病院と家庭との中間というふうに考えていただければいいわけでございますが、そのような試験的な施設あるいは社会復帰を円滑に行なうためのリハビリテーション施設というようなものを将来設けてまいりたい、そういうための試験的あるいはパイオニア的な施設でございますので、できるだけ公的な病院にそのような任務を持たせたいという考えでおります。
○相澤重明君 この国立武蔵療養所は、戦前におけるいわゆる傷病者の、旧軍の施設のように承っておるんですが、そういうことですか。
○説明員(若松栄一君) 旧傷痍軍人療養所の中の精神療養所でございました。
○相澤重明君 これは終戦後はどういうことになったんですか。厚生省の行政財産あるいは大蔵省の普通財産に変わったことがあるんですか。これは大蔵省の国有財産局長と厚生省の両方から御説明をいただきたい。
○説明員(若松栄一君) 精神病院に転換いたしますれば、当然これは厚生省の行政財産になりますので、転換いたしたのはいつか、正確に覚えておりませんが、ほかに所属したことがございませんので、当然終戦後直ちに厚生省の行政財産になっていたものと思っています。
○説明員(松永勇君) 本件は普通財産になったことはなく、旧軍から厚生省が引き継いで使用されたというふうに聞いておりますので、いま正確には確かめていませんが、担当者の記憶では、そのような状況でございます。
○相澤重明君 この旧軍財産が厚生省に移管をされて行政財産になる、その引き継ぎの年月日をあとで報告をしてもらいたい。 次に、旧軍財産が厚生省のいわゆる行政財産となったその土地建物はどのくらいのものですか。
○説明員(若松栄一君) 現在の敷地は約八万坪でございます。建物の坪数については、いま正確に覚えておりません。また、その値段等につきましては、これは昔のままの帳簿価格でそのまま現在まで引き継がれているものと存じております。
○相澤重明君 この沿革を見ると、昭和二十一年四月一日に旧軍から引き継いだようになっておるようです。一般国民にも開放することで国立武蔵療養所と改称したというふうになっております。そこで、いまのこの土地が約八万坪、建物が約七千坪からあるようでございますが、この土地について厚生省としては何か変更目的を持ったことがございますか。
○説明員(若松栄一君) 厚生省は現在これに対して特別に用途を変更しようという気持ちはございません。この施設は非常に古い施設でございますので、これを建てかえて近代的な精神病院にしようという計画を持っておりまして、現在すでに第一期工事が終了いたしました。これから引き続いて第二期、三期の工事をし、そうして、これを精神療養所として最も近代的なものにしたい、そのために現在の七百ベッド程度のものを千ベッド程度にふやしたい、また、そのベッドのほかに、いわゆるリハビリテーション施設としての作業療法やら、いろいろなものを行なう施設もここに付置したい、また、精神の作業療法というものは、現在、屋内の作業並びに屋外のいろいろな作業を行なって、いわゆる精神障害者の社会適応をはかる方法が一般的治療方法となってまいりましたので、土地その他も十分あることでございますので、できるだけそのようなものを利用して、本来の最も進んだ治療方法を行なえるような施設に持っていきたいというふうに考えております。
○相澤重明君 厚生大臣、いまの局長の答弁を聞いておるのですが、厚生大臣も局長の答弁のように現在お考えですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) この療養所の運営の目的にありますように、これらの行政財産は、いま局長から申し上げましたような目的に合致するように今後とも運営をしてまいりたい、かように考えております。
○相澤重明君 大蔵省にお尋ねいたしますが、国有財産局では、この療養所の土地の一部を公園として使用すると、こういうようなことを聞いておりますか。
○説明員(松永勇君) 一部が公園に指定されているというふうに聞いております。
○相澤重明君 そうすると、厚生省はいかがですか。いま、公園ということになると、これは普通財産にしなければいかぬと思う。そうすると、いまの局長の答弁、大臣の答弁を聞いておると、いわゆる七百ベッドでは足りない、千ベッドくらいにしたい、しかも、十分な土地の利用も考えておる、第一期工事も終わり、第二期、第三期工事をやるというのが、いまの局長の答弁でしたね。そうすると、その用地を公園として大蔵省に移管をするということになるのですか。
○説明員(若松栄一君) 実は先ほど申しましたのは、非常に広大な土地を持っておりますので、そのような計画をしても十分の土地があるという前提で申しましたが、お話のように、現地で、小平市との間に七千坪程度の緑地を確保していただきたいという話が出ておりまして、そのために、建築計画に直接関係のない一番はじの地域を緑地として保存しよう、そのために、その一部としての約七千坪程度のものは、これは大蔵省に、行政財産から普通財産に移管をするという話が出ております。これはその後、現地のほうでいろいろまた事情が変わりまして、といいますのは、所長が交代いたしまして、新しい所長がまた違った角度でさらに研究的な施設も付加したい、そのためには、普通財産に移して緑地として保存するという地域が、どうしてもほかの研究所等に使いたいということから、現地では、現在予定されている西側といいますか、西側のはじの地域を、むしろ、南側の現在の自然林的な地域が約七千坪程度ございますので、それをむしろ緑地として現在のままの武蔵野の自然林というような形のもので残したほうが適当ではないかということで、現地で、前の地域と現在新しい地域を交換しようというような話が進んでおります。
○相澤重明君 その交換をしようという土地は、それはやはり行政財産からはずして普通財産に移しかえをするということですか。
○説明員(若松栄一君) これは緑地として保存したいということで、これは緑地として保存するということでは、これは厚生省の行政財産として確保しておく意味がございませんので、これは大蔵省に普通財産として移管するというたてまえでございます。
○相澤重明君 そうすると、だいぶ話が違ってくるのじゃないですか。いまのそのお話を聞いておると、現在の第一期工事がほぼ終わり、第二期、第三期計画というものを厚生省自身でつくったでしょう、国立ですから。その小平市が七千坪ほど緑地にしたいというそこは、第三期工事まで入るでしょう。実際にそこの用地を緑地にしたならば、建物は建たない、厚生省の建物は建たないということですよ。厚生大臣、私はいまの局長の答弁を別に疑うわけではないが、私、実は図面を持っておる、ここに。この図面を見ると、これがもう正面から見ればわかるけれども、この赤いワクの中がすでに第一期工事でできておるところです。ここに第二期、第三期工事が計画されておる。その計画されておるところを公園にやると、こういうのです。厚生省はどうしてそんな無計画なものを計画したのですか。これはいま若松局長がはしなくも、その計画を今度は、これでは、公園に取られては計画が完成しないから、この土地七千坪という話をしたものをこちらに移しかえをすると、こういうのでしょう。そこで、緑地を残すということは、私は、国会においても緑地保全という先日法律を通したのですから、賛成なわけです。しかし、緑地を残すというと、普通財産と行政財産との違いというものを私ははっきりしなければいかぬと思う。まあ一般公園にするならば、これは普通財産に移しかえをしてもらわなければならぬ。厚生省が患者のために使う、厚生省の実際の業務の上に必要であるならば、私は行政財産でよろしい。それが一体、先ほど作業場とか、あるいは、そういう患者を十分なおってもらって、そういうよくしていくという場所に、いこいの場所に緑地として使うと、こういうことなのか、一般に開放するということなのか、これをはっきりしないと、厚生省が一体、財産をどう管理運営するかという基本的な問題になってくる。私はいまのような局長の答弁を聞いておると、厚生省無計画じゃないか、こういうふうに思えるので、これはひとつ大臣から御答弁願っておきたい。
○国務大臣(鈴木善幸君) この問題につきましては、いろいろいきさつがございます。と申しますことは、現在の敷地の約八万坪のうち、三万二千五百坪を昭和三十七年の七月に、建設省の告示によりまして、小平市前沢公園として緑地指定がなされておるのであります。厚生省としては、いろいろ整備の計画がございましたので、四十年一月二十九日に、厚生省の医務局長から東京都知事あてに、公園指定地域の解除につきまして申請をいたしたのであります。そして昭和四十年五月に精神病棟の起工式を行ないまして、新築工事に着工いたしましたところ、地元から都市計画法を無視したとして異議の申し立てが出てまいったのであります。そこで、関係者が集まりまして協議をいたしました結果、四十年六月になりまして、緑地指定を受けました三万二千五百坪のうち、約七千坪を残すことで四者の関係者の了解が成立をいたしたのであります。そういうような事情で、これは緑地指定を受けたという前提がそこにあるわけでございます。そこで、厚生省としては、やむを得ず、このうち七千坪だけを緑地として一般に開放する、こういうことにならざるを得なかった。そこで、いまの行政財産から普通財産にこれを移管をする、こういうことになった次第でございます。
○相澤重明君 だから、この七千坪を公園に移しかえをするということになると、この建物は建てないということですね。厚生省は計画を取りやめるという解釈ですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) そこで、七千坪につきまして、今度は工事の関係を考慮いたしまして、相澤さん御指摘がありました、その地図の下の部分、そこは雑木林でございますが、面積も大体似ておりますので、さきに四者の間で了解をし決定をいたしました七千坪と場所を振りかえると、そういうことにいたしますれば、厚生省のほうの建設計画も予定どおり行なえると、そういうことにいたしたいといういま話し合いの段階でございます。
○相澤重明君 そうすると、厚生省はこの七百ベッドを千ベッドにするという基本計画には変わりはないと、それから第一期工事から第三期工事まではそれは遂行するということですね。そこで、小平市や都と話し合った用地については、他のところと転換をすると、基本的には。こういうことで公園指定というものを解除するという方針には変わりはないですか。このいままでの公園に指定をされた、先ほど答弁がありましたように、そこの場所は解除するということになるんですが、その解除はしたんですか、これからするというんですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) そういう方針でただいま大蔵省と話し合いを進めようと準備をいたしておる段階でございます。
○相澤重明君 大蔵省は、いま厚生大臣が答弁をされましたが、そういうすでに緑地公園指定ということについて、建設省や厚生省と公園解除の手続を、そういういま話し合いをしているところですか、これはどうなんですか。話し合いというものはなくて、ただそういううわさを聞いている、こういうことですか。それとも、やはりいま厚生大臣の言われるように、関係省間において話を進めている、こういうことですか、いかがですか。
○説明員(松永勇君) この公園解除の手続等につきましては、これは建設省が行なうところでございます。具体的には東京都の都市計画審議会にかかった上でそういうことになるという姿になろうと思います。したがいまして、私のほうとしては、この建物と、すなわち全体の整備計画が協議として参っております。その協議の段階でいまのような事情は承知しております。また、先ほど厚生大臣がお答えになった線で事務的には進んでいるというふうに承知いたしております。
○相澤重明君 それでは、いまのこの緑地指定と、いわゆる緑地を保存をするということと、行政財産でそれができるのか、普通財産にしなければできないのか、この点はたいへん微妙なところでありますから、これはいま協議中ということであるから、おそらくたの結論を見なければ答弁ができないと私は思うけれども、基本的に厚生大臣どう考えているか。これはもう行政財産から普通財産に移しかえをする厚生省としては必要がない、こういうふうにお考えですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私も専門家じゃございませんからよくわかりませんが、いままでのいきさつを見ておりますと、行政財産でありましても、都市計画法上これを緑地指定ができる、こういうことのようでございます。そこで、三万二千坪を緑地指定を受けておった、こういうことでございますが、これを先ほど申し上げましたように、一時話が四者の間でつきました七千坪の場所を厚生省としてはぜひ使いたいということで、この使用目的上からいって不適当と考える雑木林の地域を約七千坪、これと振りかえてもらう。そこで、そうなりますれば、そこが緑地に指定をされるわけでございますから、行政財産のままでも指定は受けられるとは思いますけれども、それを普通財産のほうに移管をしたい、こういうぐあいに考えております。
○相澤重明君 私なぜそうしつこくそれを聞いているかというとですね、普通財産に移しかえをして、そうして、この都なり、あるいは地元の小平市にこれの管理をまかす、こういうことになった場合に、私はやはり将来に問題が起きはしないかという心配をしているんですよ。先ほど二宮委員から、虎の門公園のあと地の問題で松永局長に質問をしたのも実はそこなんですよ。東京都に公園用地として虎の門あと地を実は貸したわけです。ところが、いつの間にか、これは占領中のこともあったけれども、建物ができ、いわゆる会社がそこを占有した、それはけしからぬというので——実に昭和二十四年以来——それで二十八年から具体的に国は裁判をしてまで、この問題は今日まで尾を引いたわけです。ようやく解決の端を私ども決算委員会は昨年つけたわけです。先ほど国有財産局長が答弁したとおり、公園用地というのは、いかに管理のしかたによっては問題が起きるかということを私は心配しているわけです。このいま公園の場所にしようというところに工場地帯があるわけです。そういうことから考えていくと、公園なるものがいつ化けてくるかわからぬ。私は、国有財産が、いわゆる国民の財産が、特定の者に利用されたり利権化してはいかぬということが基本的な問題なんです。そこで私は、できるならば各省庁において、行政財産の目的を持っておるものならば、行政財産として管理を運営すべきじゃないか、なぜその一部だけを特に普通財産に移しかえして、そうして他に転貸しなければならぬか、こういうことが実に問題になってくるわけです。私は、小平市と東京都と建設省なり厚生省が、その四者会議というものがどのようにして公園指定をしたか知りません。しかし、おそらく地元から陳情書がたくさん出ておると思うのです。その陳情書を、厚生省に出ておったら私は提出してもらいたい、書類を。どういう人たちが陳情書を出したのか、これは行政の目的を明らかにしなければなりませんから、姿勢を正さなければ、いま言ったように、もし一歩誤ったならば、たいへんな、虎の門の二の舞いになってくるのじゃないか、こうおそれるわけです。そこで、厚生大臣がせっかく誠意をもって御答弁なされて、厚生省の基本計画は変わりがない、こう言うのでありますからそれは了とします。了とするが、それが行政財産として緑地保全というものが、普通財産にしなければ緑地保全ができないのかどうか、私はそうではないと思う。先ほどの答弁のように、緑地というものはそこに建物を建てたり、あるいは自然を破壊するようなことがあってはいかぬから、これは住民のために緑地を保全をするのである、それを名目によってもし変えて、そうして、これが一部の利権化されることになったらたいへんだと思う。そうじゃないですよ。ですけれども、虎の門公園で、いやというほど、国会ではこれは議論になった問題なんです。そのことがあるから、私はその点はきつく申し上げておかなければいかぬと思う。そこで、先ほども大臣の御答弁のように、行政財産でも緑地保全ということなら私は可能である、こう思うので、大臣せっかく御答弁いただいたが、方針として緑地保全は行政財産の中で可能のように御努力をいただく、こういうふうに思うのだが、いま一つ大臣の御答弁を願っておきたい。
○国務大臣(鈴木善幸君) 緑地指定は都市計画法の上で、行政財産のままでもこれが指定ができるということは先ほど申し上げたとおりでございますが、この点につきましては、緑地指定を受けました際に、先ほども触れましたように、小平市の前沢公園にするということで緑地指定になったいきさつがございます。そこで、これを公園として事業を施行をし、そして、これを一般に公開をする、こういう場合には、普通財産として東京都に無償移管をする、こういうことのほうが適当な扱いではなかろうか、ただ指定だけをして雑木林のままで置くのでありますならば、これは行政財産のままでもいいと思うのでありますけれども、これを公園として事業を施行し、これを一般に開放する、こういうことでありますれば、いま申し上げたように処理をするということが普通の扱いではなかろうか、かように考える次第でございます。
○相澤重明君 くどいようだけれども、虎の門公園あと地もそれなんですよ。東京都に公園用地として無償貸与した、そこで、無償貸与したところが、自後問題が提起されたから、そして衆参両院の国会はこれはけしからぬじゃないかというのが今日までの問題なんですよ、厚生大臣。私は、厚生省が行政財産で公園を、たとえば緑地をつくって、その緑地の保全にどのくらいの費用がかかるのですか、私はそうたいした金はかからないと思うんですよ。そこに建物を建てたり、施設をつくるということになればかかると思う。緑地保全だけなら、そんなに費用はかかるものではないはずです、と思うのです。そういう意味で、行政財産で緑地保全というものは可能であるわけですから、私はむしろ、将来の問題としては、この武蔵療養所がほんとうに厚生省の目的に沿って患者をなおし、そして将来一日も早く社会復帰できるような、そういうアフターケアの問題も含んで、私は進められることが望ましいと思うのですよ。そういうことでなければ、まさに厚生省が病院の切り売り等をして、そして実際には、先ほど局長が答弁されたけれども、民間の施設にまかせるよりしかたがない。こういう方針と、全く厚生省の考え方と逆になっていくと思う。そういう意味で、くどいようだが申し上げました。これは時間の関係で、あと答弁要りませんが、これから相談されるようですから、関係省間で十分御相談をいただいて、その目的に沿うように努力願いたい。 その次に、いま一つ問題があるのです。先ほど若松局長は千ベッドにふやすと言われましたね、第一期工事から第三期工事までやると言われた。そこで、いまのこの用地を、あと公園のほか何か考えているものありますか。公園のほかに厚生省としては、この土地を切り売りをすると、売ってしまうという考えはありませんか、局長いかがですか。
○説明員(若松栄一君) あるいは先生も御承知かとも思いますが、昔はいなかであったので、八万坪という非常に広大な土地を持っておりました。そして傷痍軍人療養所でございましたため、職員が全部官舎に入るたてまえになっておりまして、したがって、その官舎街が現在約一万坪ございます。一万坪に官舎が点在しております。このようなことでは非常に不経済でもございますし、いたずらにこの都市化した地域を占有していることになりますので、私どもの計画といたしましては、その官舎街は現在の敷地の中で十分にまかなえますので、高層化して官舎を建てまして、そして現在の一万坪の土地は、これは大蔵省に引き継いで、そして、それに見合う資金を建設費としていただくというような考え方を持っております。
○相澤重明君 大蔵省はいまの厚生省の話のようなことを聞いておりますか。
○説明員(松永勇君) 先ほど相澤先生からこれを切り売りするかどうかというお話がございました。切り売りするということは、結局、厚生省でこれを処分するということはできません。現在の法律のたてまえ上、私のほうが引き継いで普通財産としてこれを処分するということが、法律的に許された道でございます。しかし、先ほど厚生省がお答えになりましたように、これを普通財産とするということは、いまの公園の問題が少し残っておりますが、それ以外はこれは行政財産として存置するというたてまえで進んでおられるようでございます。私たちはそのように了解しております。
○相澤重明君 若松局長の答弁ではちょっと違うのではないですか、厚生大臣、いま官舎が約一万坪の中に散らばってあると、したがって、その官舎は現在の病院の建物のほうに新しく高層建築をして、そして官舎のあるところはいわゆる普通財産にして切り売りをすると、こういう答弁じゃないですか。これは先ほどの厚生大臣の答弁とまるっきり違うじゃないですか。厚生大臣は七百人のベッドを千人、千人以上、まあ千人くらいにふやしたい、そして、できるだけ私立のものでなくて、公立のものを多くして、国もできるだけ精神科の患者を収容することができるようにしていきたいという、先ほど厚生省の基本方針があったでしょう。そうすると、土地を狭くしてしまって、先ほど局長がりっぱな答弁をしたけれども、実際には、なおった人たちのそういう作業場とか、あるいは散歩する場所とか、とにかく心身を鍛練するような場所をなくしてしまうということに通ずるじゃないですか。それが一万坪か、二万坪か、五万坪か、私は知らぬ。知らぬが、そういう方針がいまの厚生省の方針なのか。これは先ほどの局長の答弁はまるっきりうそだ。いま言ったことと、前段言ったことと、まるっきり違うじゃないか。そういうむちゃくちゃの方針というものを厚生省は持っているのか。これは局長の答弁要らぬ。厚生大臣の答弁を求める。
○国務大臣(鈴木善幸君) その点につきましては、先ほどお答えを申し上げましたように、この国立武蔵療養所は精神病院として、またさらに、社会復帰へのいろいろな訓練をここでやる、そういうような精神病関係の総合施設として整備をいたしたい、こういう基本方針には変わりがないのでございます。局長からいま答弁申し上げました中に、現在官舎に使っておりまする敷地の一部を高層建築にこれを整理統合すれば、余分なところが出てくるから、その分につきまして、前段で申し上げました精神病院としての整備費に一部充てるために、普通財産に移管をし処分をしたい、こういうことを申し上げたのでありますが、これは私も申し上げたが、この全体の使用目的の計画を一部削減をしてまで土地を処分しよう、そういうふうな考えは毛頭ございません。私どもが考えておりまする総合施設としての計画を満たし得るような用地は十分一〇〇%確保いたしまして、そして官舎に使っておる一部、余分なところを普通財産に移管をし処分をして、その資金を整備費に充てたい、こういうことでございまして、私が申し上げた基本方針に決して違背をするというものではないのでございます。
○相澤重明君 厚生大臣が先ほどから言われておるのは、少なくとも国立療養所の中では一番よい場所である、センター的な役割りも果たしたい、こういうことであれば、よい土地があれば、なおさらそこを十分活用することが必要ではないですか。こういうことは政府の財政的ないわゆる立案のしかたに問題があるのじゃないですか。あなたのほうで厚生省の予算はこれだけだ、どうしても国から出すことができないから、これは厚生省自体がそういう切り売りをしても、立ちのきをさせてもやらなければならぬ、こういうどうしても国の予算でなければできないというところに、そういう問題が出てくるのじゃないですか。私は、厚生大臣が一生懸命いままでやられておることは、これを決して認めていないわけじゃない、認めているわけです。認めておるけれども、いまのあなたの話を聞いていると、日本のセンターともなるべきこの療養所の土地を少し切り売りして、その建築資金を生み出すなんていう、みみっちいことをやらなければならないというのは、どこに隘路があるのですか。実際言うこととやることは、結果論では全く別じゃないですか。私は、五億や十億の金を大蔵省と話して、そうして、これからふえようとするし、なお必要とする精神科の患者を一日も早くなおしていくという全努力をそこに集中したらいいと思う。そのくらいの予算がとれないはずはないと思うのです。要は、その予算がとれないということを前提に、いまの切り売りをして建築費用に充てたいということになるのでしょう、率直に言って。そこは厚生大臣もひとつよく関係者間と話をして、予算をとって、そういうむだなことのないように、この行政財産をりっぱに、この目的に沿うようにひとつ努力してもらいたいと思う。そうでなければ、いままで答弁されておることは、実は目的は十分説明はできたけれども、実際に言うこととなすこととは食い違って、しり抜けをしていく、こういうことに終わってしまうと思う。きょうだけで結論はもちろん出ませんけれども、私は、特に国立武蔵療養所の問題については、公園についても、これは行政財産として利用はできるし、それから、いまの広大な用地を日本の精神患者の中心センターにも利用できる、こういう将来計画をもって、なまじっかの切り売りなんかをしない、そういうふうにすべきだと私は思う。これを普通財産に移して、松永局長のところで公開入札するかどうか知りませんが、民間に移す。たとえば、そこで入札をした場合には、どんなものをつくってもしかたがない。先ほどからいろいろ条件をつけても、現実にその条件というものが満たされたものがありますか。私は、そういう点で、病院の周囲にもしいかがわしいもの、あるいは、それにふさわしくないものが建ったらどうしますか。これが国有財産を払い下げる条件だから、絶対にそこにそういう建物を建てちゃいけませんというわけにはいかないでしょう。買った人の使用目的というものは、たとえば普通財産に出されても、今度は建物が建った現時点では違ってくるというのが、いままでの決算委員会で指摘をされた点じゃないですか。私は、緑地保全ということと、それから全国の中でも全く少ないりっぱな病院を東京の中に整備する、そういう計画をお持ちの厚生省が、はしなくも金がない、やりくりがつかないということで切り売りをされるというようなことは、これはぜひやめてほしい、こういうふうに私は思う。まあ、いずれ決算委員会でも、その後政府がどういうふうに処置をとったかということについて御報告を受けます。受けますが、私の希望としては、そういう点を特に厚生大臣に申し上げておきたいと思うのです。この普通財産の取り扱いについては、先ほどから申し上げましたように、私どもは幾つかの事例を見ておりますから、そういう点で、松永局長に、昨年の国有財産小委員会に対する問題点をどう扱ったかということについて報告を求めることに先ほどなりましたから、その回答をもって皆さんにも十分これはわかってもらえると思うのです。病院の周囲がもし問題を起こすような他のものになったら、どうするのでしょうか。そうならないと一体だれが保証することができるか、こういう点を私は心配するから、そういう点で特に厚生大臣にその点を希望申し上げておきますが、御感想があったらお答え願います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 相澤委員の私どもに対する非常に適切な御助言をちょうだいいたしまして、十分今後の行政運営の上に参考にしてやってまいりたい、かように考えております。
○相澤重明君 次に、昨日の台風四号の関係でございまして、実は私の住んでおる横浜の土地もだいぶがけくずれ等で家屋が倒壊した、死者が出たようでありますが、その中で、多摩川、鶴見川、矢上川、帷子川、こういうような河川の改修、いわゆる災害をなくすということについての基本的な問題を建設省に、こういう台風があったときに、し尿処理、伝染病予防、こういうことをどうやるのか、この点を厚生省にお答えいただきたい。 それから河川改修に伴ういわゆる不法占拠等の問題が今日まであとを断たないと思う。どうしたらこういう災害時における問題を解決することができるか。これはやはり不法占拠を正しくしていかなければいかぬ、そうして河川の目的を達するように直しておかなければいけない、こういうふうに思うのです。そういう点で、今回国鉄が全部とまってしまったり、自動車も昨日は全く、道路の上に水がたくさん出まして走れない、道路の上がまるで川なんです。私のところなんかは、多くの死亡者も出ましたし、負傷者も出、あるいは床上浸水も多いし、床下浸水はほとんどです。こういう昨日の台風四号の経過から見て、懸案事項であります台風時の多摩川について、建設省はどう考えておるのか。あるいは、同時にまた、きのうはんらんをいたしました帷子川、矢上川、鶴見川、こういう改修計画というものは具体的にあるのかないのか。それから不法占拠、そういうものはどう処置をするのか。厚生省は、この床上浸水、床下浸水等に伴う伝染病等の予防について、こういう場合にどう措置をされるのか。あわせて両者から御回答いただきたい。
○説明員(青木義雄君) お答え申し上げます。昨日の台風第四号によります被害につきましては、目下、地方建設局及び各関係県から報告を求めまして、被害の状況の収集中でございます。とりあえず、昨日の夜の八時現在におきましては、直轄河川につきましては、百六カ所、八億八百万円、道路につきましては、現在まだ調査中でございますが、補助河川につきまして、千百七十六カ所、二十三億八千百十五万三千円、合計千二百八十二カ所、三十一億八千九百十五万三千円に相なっております。引き続きまして、被害の状況を調査しておりますので、被害額はなお相当ふえるものと考えられます。きょう午後、建設大臣が河川局長を帯同いたしまして神奈川県に出張いたしまして、被害状況を視察いたしておる状況でございます。 建設省関係の公共土木災害の復旧につきましては、現在、直轄河川につきましては、内地につきましては二カ年、北海道につきましては三カ年、補助河川につきましては、緊要事業につきまして三カ年、その他のものにつきまして四カ年復旧ということで復旧をするたてまえになっておりますけれども、状況によりまして、再度災害のおそれのある個所等につきましては、改良を含めました災害関連事業等として採択いたしまして、すみやかなる復旧と、将来災害の起こらないような方法等につきまして適用を進め、工事を促進するというたてまえをとっております。 次に、多摩川の河川敷地等におきます不法占用につきましては、これを放置することが、河川管理に悪い影響を及ぼすこともちろんでございますし、適正な河川管理の障害に相なります関係上、すみやかに撤去を求めるとか、その他、関係者に交渉いたしまして円満な方法で敷地を退去していただくような方向で進めております。しかし、たまたま行く場所もないといったような人々につきましては、地方公共団体等にもお願いいたしまして、他の公営住宅あるいはその他の仮設住宅といったようなものにあっせん等も依頼いたしまして移っていただくというようなこともあわせまして、なるべく河川敷の洪水処理に遺憾のないようにいたしたいということで進めておるわけでございます。なかなかすぐ解決をいたさないケースも多うございまして、関係者が悩んでおる点でございます。 それから、多摩川の河川敷地の公園緑地等への開放につきましては、たびたび当委員会でも御指摘がございますし、私どももその線に沿いまして、一般公衆の利用に供し得るようになるべく多く、なるべく早く開放するような計画を進めて、いまこの計画を具体的に検討中でございます。直轄事業といたしまして、今年、河川整備事業といたしまして、約四十ヘクタールの河川敷を造成いたしまして、一般市民への開放という事業も進めまして、すでに今月初旬契約を付したという状況でございます。全部でございませんが、大部分の地区について進めたような状況でございます。なお、日野橋から下流に至る間を対象といたしまして、既存の、現在占用されております、他の、たとえば公園とか公共の運動場以外の占用物件等につきましても、計画的に開放をいたすべく、現在詳細な計画を樹立いたしますとともに、たとえば学校、会社、工場等の運動場につきましても、特定の日にちを指定いたしまして、この日だけは一般公衆にも使わすといったような、準開放と申しますか、そういうような方途も講じまして、初め五カ年計画ということでありましたけれども、各方面の要望もございまして、三カ年ぐらいに繰り上げるようなことで、おおむね七割ぐらいに相当するものを、公園緑地等に開放するような計画を進めておる状況でございます。
○説明員(中原龍之助君) 災害地等におきます伝染病予防対策につきましてお答えを申し上げたいと思います。災害地におきまして、床下浸水あるいは床上浸水、またいろいろのこと等によりまして汚物が流れ、したがいましてそれによるいわゆる伝染病の発生ということも危惧されますので、すでにそういう際におきましては伝染病予防法に基づきまして汚物等の処理、いわゆる清潔方法、そういうものを行ないますとともに、消毒も厳重に行ないます。なお、その上その地区の住民に伝染病の発生があっては、これを見のがすことによって蔓延をするというおそれもありますので、検病調査というものもいたしまして、患者の早期発見につとめて、そうして蔓延を防止するというような措置に努力いたしまして、災害地における伝染病発生に万全を期すような心がまえで従前ともやっております。
○相澤重明君 これで私の質問を終わりますが、厚生省はいまの伝染病予防対策に万全を期すと、こういうことでありますが、国と自治体の費用の負担はどのくらいの割合ですか。それをお答えいただくことと、建設省は先ほどの河川はんらん等による被害というものが非常に多い。特にけさのテレビでも出ておりましたように、私の横浜の地元では、戸塚の倉田というところに住宅公団の建物がある。これが柏尾川がはんらんしてほとんどこれは水浸しになってしまった。せっかくよいうちをつくってもらって東京へ通勤する多くのつとめ人は、そこに入れてもらったんだけれども、きのうのあの災害によって、ほとんどが水浸しになってしまった。自動車なんかもまるきり埋没してしまう。こういうことは、私は建築法の問題から言っても非常に問題が残るのじゃないかと思う。どうしたらそういうことがなく、つとめておる人たちが安心をして職務に精励することができるか、住宅公団としてもこれは考えてもらいたい。その大元締めである建設省がそういうことを考えなければ、私はいかぬと思う。どうして今後そういうことをなくするか。これは戸塚上倉田の住宅公団の例をあげたのですが、そういう点もひとつあとで調べて報告を願いたい。それから、まあ近いところだけで恐縮ですが、多摩川、鶴見川、矢上川、帷子川、柏尾川そういうところのいまの改修計画というものは何カ年計画でやるのか、そういうことをなくすることをやるのか、いわゆる不法占拠されておるものはどのくらいの計画でそういうものをなくすのか、そういう計画を金額なり、あるいは年数なり、そういうものをあわせてひとつ報告を願いたい。以上によって私の質問を終わります。それぞれ御回答をいただきたい。
○説明員(中原龍之助君) 伝染病予防費の通常の負担割合は国が三分の一、県が三分の一、市町村が三分の一という形になっておりますけれども、激甚災になりますと、これが変わってまいりまして、市町村が負担しないで国と県で負担するという形になっております。
○説明員(青木義雄君) ただいま先生の資料の御要求につきまして、さっそく調査いたしまして、至急その結果を御報告いたします。
○藤原道子君 私は厚生省に対しましてまず第一に、最近、伝染病、特に赤痢、チブスの集団発生を相次いで起こしている。私は、四月中の新聞報道だけを見ましても、朝倉病院の、これは精神病院でございますが、患者の死亡事件あるいは新宿の日赤病院の乳児結核事件、精神関係、心身障害者等の家庭的な悲劇、あるいは雑司ケ谷病院の集団赤痢、目黒の洋菓子店における集団赤痢というものが、もう枚挙にいとまがないくらい四月中の新聞だけでも載せられておりますが、すべてこれは厚生省の関係でございます。またしばしば私が取り上げてまいりました腸炎ビブリオによります食中毒のごときも、四月末現在でもうすでに前年度は七百人であったのが、ことしは二千九百人に達している。こういうことになりますたびに厚生省は、五月一日付けで発表いたしておりますのも、ことしは爆発的な流行と見て万全の対策を呼びかけて、大いに励行するということを言っておいでになりましたが、また、たまたま今回の葛飾区における各小学校の集団赤痢の発生となっておる。きょうまで万全の対策を立てると言われましたことについて、具体的にはどのような対策を立ててこられたか、このことをひとつまず最初にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) この赤痢患者の発生の状況でございますが、昭和三十五年をピークにいたしまして漸次減少をいたしておったのであります。昭和三十五年に約九万四千人ほど発生をいたし、これが逐次減少いたしまして、昨年四十年には四万八千人というぐあいに減少いたしたのでありますが、今年に入りましてこの減少傾向が変化を示しまして、この六月までに二万九千人ほど患者が発生をいたしておるのであります。この原因にはいろいろあるようでございますが、そのおもなものは接触による感染、それから食物による感染、水によるところの感染、この三つが主たるものであるように見受けられるのでございます。したがいまして、この対策といたしましては、感染経路を早く的確にこれを調査し把握いたしまして、感染経路の遮断対策をやるということがその一つであります。それから伝染源に対するところの対策を強化する、こういうことが必要であると思うのでありまして、伝染病予防対策要綱に基づきまして今日まで各都道府県を通じ、関係機関の指導督励に当たってまいったのでありますが、さらに先般東京都下の文化村等におきまして集団発生が見られました。そういうようなことから厚生省といたしましても、公衆衛生局長、環境衛生局長の両局長命でもちまして、特に最近都市の急速な膨張等によるところの環境衛生施設の整備の立ちおくれが目立っている、そのために専用水道とかあるいは水の関係等から、赤痢等の集団発生が出ておりますので、そういう面の衛生の管理指導を強化するように通牒を出しておるのであります。またただいま御指摘がありましたように、最近におきましては学校給食等におけるところの集団発生が出ておりますので、この点につきましては閣議におきまして私も最近の状況を報告をし、注意を喚起いたしますと同時に、文部大臣とも十分連絡をとりまして、学校給食等につきましての指導に万全を期するようにいたしておるところでございます。
○藤原道子君 私はこの前にも質問いたしたときに、耐性菌が非常にふえてきた、あるいはまた赤痢による死亡率が非常に減ってきたために、一般に安心感がある、抗生物質を自由に服用するために耐性菌がふえている、これが非常におそるべきものであるというようなことをいつも言われる。ところが、これに対して抗生物質を自由に使えるような状態に放置しておいて、それで耐性菌がふえて云々というようなことには、私は了解できないのですが、こういう接触による感染が非常に多いようでございますけれども、これらの安易な治療をしておるその結果、保菌者が野放しになって、これが赤痢の大きな発生原因になっているのじゃないかというようなことを伺って、答弁もされ、私たちもいろいろ調査すると、そういうふうに理解しておるのでございますが、この抗生物質が自由に販売される、入手できるというようなことを放置しておかれるのは、私には納得いかないのですが、これに対しては何か手を打っておいでになるでしょうか。
○説明員(坂元貞一郎君) ただいま御指摘のありました抗生物質の問題でございますが、この抗生物質の販売につきましては、先生も御存じのように、私どものほうの薬事法に基づきまして、自由に一般の国民の方が薬局等で購入、使用できないように薬事法のたてまえとしましては、要指示医薬品というような厳重な規制を設けておるわけでございますが、その要指示医薬品というものに指定をしているわけでございます。したがいまして、要指示医薬品という指定をされますと、法律の条文にもございますように、一般の薬局等では医師の処方せんなりあるいは医師の指示、こういうものがなければ、簡単に販売できないような仕組みに法律上なっているわけでございます。ただ、ただいま先生御指摘のように、一般的にはわれわれのほうの末端の薬局、薬店等のいわゆる小売り販売業におきまして、この法律の趣旨というものが必ずしも法の精神どおり順守されていないという面が、前から指摘されていたわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、そのような現実の販売の実態というものを十分重視しまして、先般来いろいろ販売の規制ということについて、関係団体等に自粛を促してきているわけでございます。法の精神どおり医師の処方せんなり指示等がなければ、自由に一般消費者に販売しないようにということで業界方面に呼びかけましてやってきているわけでございます。それからもう一つは、また一般の国民の方といいますか、消費者の方も抗生物質が薬局等でそういうふうに安易に手に入るというようなふうにお考えになって、薬局等でいろいろ使用上の注意なり何なりを指導をいたしているわけでございますが、なかなかその面の徹底も不十分な面が一部においてあるようでございますので、私どもはいま法の精神を規定どおりに薬局等が守るということが第一点、それから一般の消費者の方も、十分抗生物質等のような副作用の大きい医薬品についての正しい薬の用い方、薬の使用方法、こういうことについて十分気をつけていくように、いろいろな機会に啓蒙していく、こういう実情になっているわけでございます。ただいま御指摘のように一般の医薬品と違いまして、副作用も非常に多いような医薬品に属しますので、この薬の使用方法等については、今後とも十分薬局、薬店等の小売販売業、それからまた一般の消費者の方にも、そういう面から指導を徹底していきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○藤原道子君 私はそういう御答弁はたびたび聞くんですよ。要指示薬品になっていることは、私も承知しております。けれどもそれが守られていないじゃありませんか。守られていないところに性病においても耐性菌がふえてきておる。これは現実にそういうことはお認めでございましょう。それが守られていないならば、それをどうするか、それに対する対策はどうしておられるかを私は聞きたいんです。製薬業者は売らんかなですよ、テレビその他でさんざん宣伝しているでしょう。買いに行けば簡単に薬局は売っていますよ。まさかあなた御存じないはずはない。そうした法律に違反した行為をした場合に、どういう態度をとってこられたか、またとろうとしておるのか、これを聞かせてください。
○説明員(坂元貞一郎君) 法律の規定と申しますか、精神どおり現実の姿が十分正しいものになっていないという点は、まことに私どももさようだと思って、従来からいろいろ指導を徹底いたしているわけでございます。で、この要指示薬品制度というものは確かに先生もお気づきだと思いますが、制度の問題ももちろん根本にあろうかと思います。現在のような医師の処方せんなりあるいは医師の指示というようなものに基づいて販売しなければならぬというこの制度の立て方についても、十分われわれは大臣の指示もございまして、いま検討を進めているわけでございますが、なかなか一挙に解決できない面もございますので、ただいまのところは、運用面で十分関係の団体等も自粛反省をするように指導し、またそういうような観点からわれわれのほうの薬事監視というものも、重点事項を医薬品の要指示薬制度に置きまして、昨年から今年度にかけて特に実施をしている。つい最近も薬事監視の四十一年度の重点事項を、この要指示薬制度というものに置きまして、各都道府県に強い指示をしたばかりでございます。で、ただいま御指摘のように耐性菌等の問題が抗生物質の乱用によって起きている事実も、私ども十分承知しております。それからこういう法律の精神に違反して、現実に不適正な販売をやった場合は、従来から行政処分ということで厚生大臣の処分をやっている。大体一週間から一カ月ぐらいの幅の営業停止というものを当該薬局、薬店等に行なってきている、こういう実情に相なっております。
○藤原道子君 あなたのほうで三十四年、このときには赤痢対策の推進について、三十八年には赤痢集団発生対策の強化について、そうしてまた四十一年の四月九日には、赤痢等の集団発生に対する対策の強化促進について、りっぱなものを出しているんですよ。だけれども、それがどう守られたかというようなことに対しての対策といいますか、集約が欠けているんじゃないか、いまあなたは営業停止というようなことで対処している、行政措置をしていると言われましたが、どの程度のものが行政措置をされておりますか。
○説明員(坂元貞一郎君) 大体年間平均しましてこの要指示医薬品の制度の違反というものは非常に帳簿、台帳等の記載のしかたが悪いとかいうような法律上軽微な、いわゆる形式的な事項の違反というのが、非常に多いわけでございます。そういう形式的な事犯のほかに、先ほど申し上げました医師の処方せんなり、あるいは指示等がなくして要指示医薬品を販売いたしている、こういうようなものにつきましては、私どもは大体年間平均しまして十五件から二十件ぐらいを行政処分をいたしている、こういうことでございます。
○藤原道子君 それは全国でしょう。全国で十や二十の行政措置をしたって、そんなものはやってないにひとしいですよ。どこの薬局に行ったって売りますよ。こういうことはわかり切っていて、そういう手ぬるいことをしていらっしゃるからこういう結果になる、結局は。三十八年度ですか、非常に減っていますね。減っているとは言われるけれども、諸外国に比べては非常に高いのですね、まだ。ということはどう考えているか。減ったから手抜きをしている、こういうふうに私たちはひがまざるを得ないのです。そこで、いま薬事監視員というものを強化してやっていると言いますが、薬事監視員は全国で何人ぐらいいるのですか。この際、あわせて非常に重要な役割りを果たすべき保健所、あるいはまた食品衛生監視員、これらの充足状況、これをまずお聞かせ願いたい。
○説明員(坂元貞一郎君) 薬事監視員の状況でございますが、大体全国的に見ますると、いまちょうど二千人、全国に配属をしているわけでございます。県の本庁なり、あるいは保健所等にいるわけでありますが、これの年間の異動はここしばらく少しずつ増員がなされている、こういうような過去の趨勢になっているわけでございます。
○説明員(中原龍之助君) 保健所の職員について申し上げますと、全国の保健所の職員の充足についてでございますが、かねがね努力はしているところでございますけれども、昭和四十年度末におきまして約七三%の充足率でございます。で、充足率を引き上げるためといたしまして、四十一年度予算におきましては、国庫補助基準単価を前年度に比しまして、医師は七五%、それからその他の職員につきましては三四%引き上げまして、職員のいわゆる獲得を容易にするという措置を講じたのでありますが、なお医師につきましては特にわれわれ痛感をいたしておりますので、大学と保健所との連携の強化、あるいは保健所長における海外事情の勉強、あるいは保健所の医師に対する調査研究手当の支給、あるいはまた医学生に対する公衆衛生修学費の貸与、こういう面をいろいろ考慮いたしまして、確保につとめているところでございます。今後とも一そうこの面について努力してまいりたい。ただ充足率につきましては、全体が七三%でございますけれども、医師につきましては、大体医師が四四%、歯科医師が約四八・九%というふうな状況でございます。
○説明員(舘林宣夫君) 食品衛生監視員は、補助対象、職員でなくて、地方交付税の基準財政需要額で計算をして算定をいたしておるわけでございまして、その基本数値は千九百六十七人という数字でございますが、それに対しまして現在の充足状況は五千九十七名、内訳は専従者九百二十五名、兼務で勤務いたしております者が四千百七十二名でございます。
○藤原道子君 私は保健衛生の先端を承る保健所において、医師の充足率は四四・一%、精神衛生相談員、いま非常に大切なこの充足率が三五・二%です。助産婦のごときは二一・五%、重要な役割りを果たす保健婦においてさえ七二・八%という、こういう陣容なんです。これで一体どれだけのことができるか、大臣によくお考えを願いたい。こういう状態だから保健所は弱体である、無能である、こういうことを言われる。これらの充足できない理由はどこにあるんでしょうか。今後これをどうして充足さしていこうとお考えになっておられるか、御所信を伺いたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 保健所の活動が公衆衛生あるいは環境衛生の行政推進の上で非常に重要な役割りを持っておりますことは、いま御指摘のとおりでございます。そこで私は就任以来、保健所の職員の確保充足につきまして及ばずながら努力をいたしておるところでありますが、昭和四十一年度の予算編成にあたりましても、御承知のように、医師につきましては七五%の待遇の改善をやり、その他の職員につきましても三四%の給与の引き上げをはかった。私はこれで十分とは考えておりません、あらゆる対策を総合的に進めまして、そうしてこの大切な保健所の仕事に、喜んで医師はじめ保健婦や看護婦さん等必要な技術者の方々に来ていただけますように、そういう気持ちで努力をいたしておるところでございます。ただ、まだまだその対策が不十分でございますので、今後とも一そう待遇の改善なりあるいは設備の充実なり、そういう面につきまして十分努力をしていきたい、かように考えております。
○藤原道子君 まだ十分でないから、今後努力をするとおっしゃいますけれども、何年たつかわからない。あきるほど私は社労でこの問題追及してきておるんです。ところが、いつまでたっても御答弁が同じことでございまして、大臣その他の当局はそれでいいかもわかりませんよ、そのために病魔に襲われる国民大衆はたまったものじゃないです。前の対策として給費生制度をとって、保健所の医師の確保をはかるんだ、こういうことでございましたが、その後この給費生制度、これによっての定着率、こういうものはどのようになっているでしょうか。
○説明員(中原龍之助君) いまここに正確な数字の持ち合わせございませんけれども、大体就学生のいままでの卒業して公衆衛生の面に入ってきた定着率と申しますと、約三〇%でございます。
○藤原道子君 私は公衆衛生に対しての当局の熱意が足りないと思うのです。どうして集まらないか、どうして定着ができないか、こういうことに対して十分検討していただいて、一日も早くその使命が達成されるようにしてもらう。ことに、保健所の担当人員、人口というのですか、非常に多いのですね。最初は十万人くらいであったけれども、いまは幾らになっておりますか。そこに対して過少な人員でどうして使命が果たされますか、この点、私鈴木厚生大臣に十分お考えを願い、あなたの手で、こういう問題を早く目的を達成していただかなければならないと思います。この保健所の充足がこういう程度、さらに続いて環境衛生、食品衛生等関係職員ですね、これらはまた非常に足りないんですね。でございますから、ここに資料を見てみましても、この食品店など、あるいは菓子の製造業、乳の処理業その他、十二回は年間監視して歩かなければならないということのたてまえであるのに、年間を通じてその監視している回数は一・三回くらいしか行ってない。これで一体食品衛生が万全と言えるでございましょうか。ほとんど野放しといってもいいくらいな状態に置かれておる。ことに食品衛生関係でも、これはもとは補助金だったのですね。これが交付税に改められた。したがって、その金がこれに必ずしも使われるわけにはいかない。そういうことがこの人員の弱小を来たす原因になっているのじゃないか、こう思いますが、これであなたの担当のお仕事が十二分にできるとお考えでしょうか。もし、これが不安であるとお考えになるならば、これをどう改めておいでになるお考えであるか。これから伝染病が多発に向かう今日において、いま現状を見るときに、国民は非常に不安にかられておる。これらに対してどういう処置をお考えになっておるか、これを伺いたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 最近、特に都市に対する人口の集中傾向、また都市周辺に対する住宅地、その他の急激な膨張、そういうようなわれわれの生活環境が大きく変わってきております。したがいまして、いま御指摘にございましたように、従来、こういうところの保健所等を担当する公衆衛生なり環境衛生なり、さらに食品衛生なりの分野における仕事の過重ということは、御指摘のとおりであります。そういう急激な生活環境や社会情勢の変化に即応して、保健所等の配置分布というものも適正にはかっていかなければならない。またその要員につきましても、そういうことを十分頭に入れて人員の確保をはかるということが必要でありますことは、ただいま御指摘があったとおりであります。そこで厚生省といたしましては、都道府県と十分話し合いをいたし、そういう面の特に緊急を要する面につきましては、それに対するところの所要の措置を講ずるようにということで、都道府県等を督励をいたしておるところでございます。 なお、これを一般交付税の中に入れないで、これを補助職員としてはっきりしたほうが、定員の確保その他からいってそうすべきではないかという御指摘がございましたが、そういう面につきましても、厚生省としても十分検討し、自治省、大蔵省とも協議を遂げて、できるだけ御趣旨に沿うように努力いたしたい、かように考えております。
○藤原道子君 特に私がこの点を心配いたしますのは、最近冷凍魚がふえてきたあるいは何というのですか、ポリエチレンですか、あの袋に入れた食品が非常に売り出された、あれに入っておるものはだいじょうぶだという考えを持って、それを家庭の主婦は購入するわけです。ところが、最近ときどきそれにかびがはえていたり、においがひどくて食べられなかったものを、私の家庭自身が買ってきてびっくりしている。こういうところの監視が行き届いていない大きな原因があるのじゃないか。したがって、もし国民の健康保持を担当される厚生大臣において、この事実を十分お考えいただきまして、早急に手を打ってもらわなければ、安心した生活はできないと思うのです。幾ら口で赤痢の多発に対して何回りっぱな指令をお出しになっても、内容を一つ一つ検討してみますと、まことにお寒いものでございます。この点について特段の努力をしていただかなければならない。あなたのお役目は命を守るお役目でございますから、特にこの点を強く要望いたします。 そこで、先ほどの抗生物質の問題でございますが、指導が一貫しているのかどうかということなんですが、これは山梨県の北巨摩郡で発生した保育園の集団赤痢の問題でございますが、これはたしか四月ごろだったかと思います。園児が四十二名おる中に二十八人発生したわけです。ところが県の予防課では、今回の発生のとき抗生物質を使ったために、一時的に全快したかに見えたが、抗生物質の乱用が再発を招いたと見て、みだりにこれを使ってはいけない、使わないようにという警告を出しておる。ところがそこの保育所の——これは農村センターですから。そこの院長をしていらっしゃる吉村という先生は、赤痢が多発した以上は、続発を防ぐために発病前に、患者に接した家族などに抗生物質を予防的に使うべきだと主張して対立しておる、こういうことなんでございますが、これは厚生省の指導はどのように行なわれておるか。抗生物質でこれを押えてしまう、ところが菌がすでにうつっていて発病前に見のがした。それがまたほどへてこれが発病に至った、こういう例だと、県の予防課では言っておる。ところが担当の医師は、多発を防ぐためには抗生物質を予防的に使うべきだ、これが正しいのだということを主張しておいでになる。こういう場合は一体厚生省はどのように指導しておいでになるのか。
○説明員(中原龍之助君) 抗生物質の予防内服の問題についてお答えを申し上げたいと思います。一時、予防内服というのが用いられた時期がございます。で、私どもといたしましては、予防内服の問題は、これは原則的にはやらないという方法をとっておりますけれども、場合によりまして、特別の場合があった場合におきましては、ケース・バイ・ケースによって判断してやるという事例もございました。原則的にやらないという方針をとっておるわけでございます。
○藤原道子君 山梨県の報告はあったでしょう。県の予防課ではそれをやっちゃいけない。ところが、病院のほうではやるべきだと、こういう対立があったときにはどうなるんです。
○説明員(中原龍之助君) 山梨県の場合にはやらせないようにいたしました。
○藤原道子君 ケース・バイ・ケースとおっしゃるけれども、接触した場合に、すでに感染しているかもわからないときに、そういうことをすると、山梨県の予防課が言われたように、非常にかえって保菌者を野放しにしていくわけですから、私ども危険だと思いますね。こういう点で指導を一貫してほしいと、私は特に要望しておきたいと思います。 それから、最近、学校とか、病院とか、保育所とか、こういうところに集団的に発生しております。特に病院あたりで非常に発生する場合が多いように、新聞等で拝見するんです。結局、あのどこに原因があるか、集団発生の。私はここに、給食というんでしょうか、そういうものがみな行なわれていると思う。そういうときに、そこに、給食あるいは調理をする人たちに健康診断はどの程度に行なっておいでになるのか。その給食担当者の健康診断、これは絶えず行なわなければ危険だと思うんですが、どの程度に健康診断を実行しておるか伺いたいと思います。
○説明員(中原龍之助君) 給食が原因になりまして集団発生になる面というのが、非常に多いわけでございますので、したがいまして、給食のいわゆる調理、そういうものに従事する者の健康診断ということを重視いたしまして、その健康診断の督励方を、私どもとしては府県関係者に通知をしているわけでございます。 で、大体給食関係者といいますか、そういうような調理をする者につきましては、まあ一月に一ぺんは検便をするようにというような指示をやっているのでございます。しかし、全部がもちろん一月に一ぺんやっているかどうかという問題は、多少やってないところもあると思いますけれども、私はわりあいに励行されているように聞いております。しかし、やらないところももちろんございます。 それで、どのくらいの一体検査をやっておるのかと申しますと、昭和三十九年でやりましたいわゆる検査件数にいたしますと、給食施設では百三十八万二千百三十九件全国でやっております。それから、そのほかに食品の関係従事者、これが約二百三十三万一千三百三件、それからあとは水道や給食関係、これは全国でございますけれども、七万五千二百六十五件、その他が約六十四万七千件ぐらいやっております。
○藤原道子君 私は月にどのくらいやっているか、まあどのくらいをやることになっているか、これをやっているかを伺ったので、全国で何万人やった、何千人やったって、膨大な人員でしょう、給食だって調理だって。やってるところもあり、やってないところもある。そんなことでいいんですか、健康管理が。その点を私は伺いたいんですよ。
○説明員(舘林宣夫君) 数字の持ち合わせが東京都についてございますので、一応申し上げてみますと、東京都の食品関係施設、各種食品を販売しておる施設並びに学校給食、事業所の給食施設等、合わせまして約二十三万カ所、それらにおきまして給食、調理等に従事しておる人々の数は、おおむね百万人程度あると思われるわけでございますが、それに対しまして、東京都が一年間に実施いたしております数は約七十万件、したがいまして、ただいま先生お尋ねのように、私どもの指導は月に一回以上検査を受けるようにという指導をいたしておりますけれども、実際に各施設ごとでは、年に三回程度は受けておるわけでございますけれども、全従業員という意味合いから言えば、はるかに私どもの期待に遠いものでございまして、東京都としましては、一応重点主義を用いて目標を立てて実施をいたしております。一応の第一次目標は五十万人という目標を立てて実施しておりまして、数の上では確かに五十万人をこえた七十万人程度、昨年は実施をいたしたわけでございますが、ただいま申し上げますように、従業員の数が非常に多うございますので、目標の数値からはかなり低いもの、こういう現状でございます。
○藤原道子君 話にならないほど低いわけですね。そういう場合には、指導を重ねてやっていられるのですか。月に一回ぐらいやることを目標にしていらっしゃるのでしょう。ところが、やっている現実ははるかに少ない。だから、それに対してはやらなきゃいけないというふうに指導しておいでになるのですか。まあ五十万人やっていれば、七十万人やっていればまあまあというようなことで済ましていらっしゃる。結局耐性菌がふえて、いつそれが体内に入るか、あるいは手についているかわからない。その人たちが調理したものを一律に食べさせられる。それで今回のように集団発生されれば、学校変じて野戦病院というような状態、こういう悲劇をなくするためには、あなた方がしっかりしてくれなきゃ困る。どういう指導をしていらっしゃるのか、重ねてお伺いいたします。
○説明員(舘林宣夫君) 先ほど来お話のございましたように、今年は特に普通の許可営業をいたしております飲食店関係者よりは、むしろ許可を必要としないというような事業所、学校等の給食施設からの集団発生が非常に多いわけでございまして、本年春、すでに通達も出し、あるいは五月七日に至りまして、特段にこれらの施設に対して指導監督を厳重にするように通達を出しましたけれども、先ほど来先生からお話がございましたように、実際のその通達どおりなかなか動かないという実態があるわけでございます。で、現在までのところ、このような検査を受けるということは法的には強制ではございませんけれども、当然、人の健康に非常に関係の深い飲食店営業をいたしておる者としては、最も必要なことであるという指導を重ねてきております。その指導の徹底が不十分でありますことと、先ほど来先生お話がございましたように、監視員の職員の数も少ないという実態がございまして、必ずしも十分な結果を得ておらぬわけでございまして、私どもとしては特段にこの方面に重点的に努力をいたしたいと、都道府県を督励して防疫活動を実施してまいりたい、かように思っておる次第でございます。
○藤原道子君 話を聞けば聞くほど、さびしくなりますよ。食品衛生監視員も年に十二回は監視に回るべきだということになっているようですね。ところが、実際は一回か一回半ぐらいしきゃ行っていない。月に一回は健康診断しなきゃいけないというものも、一年に一回とか、二年に一回ぐらいやっているかいないかわからない。それがまかり通っているところに、今日の事態が起こる要因があると思う。大臣、この問題につきましては何かいい知恵がございますか。このままでおやりになるつもりでございますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 給食担当者の健康管理の問題でありますが、これはただいま関係局長から御説明を申し上げましたように、結核予防法によりまして、健康診断を必ずやらなければいけない、また公衆衛生局長の通牒によりまして月一ぺんは検便をやらなければいけない、こういう指導をいたしておるわけでありますが、何ぶんにも食品関係の仕事に従事をいたしておりまする給食担当者といいますか、食品関係の従業員の数というものは、広範かつ多数にのぼっております。それでもこの環境衛生営業関係のものにつきましては、営業許可等との関係もあります関係から、比較的私はこの健康診断なり検便なりということはわりあいに励行されておるのではないか。しかるに一方におきまして許可を要しないところの集団給食をやっておりまする工場でありますとか、あるいは学校でありますとか、そういうところに集団発住が出ておる、こういう最近の事例というものにつきましては、私も非常に憂慮をし、これに大きな関心を持っておりまして、昨日の閣議におきましても、特に文部大臣にもこの点を私強調いたしまして、そしてそういう面の給食担当者の健康管理の強化ということを両省が力をあわせて十分徹底するようにしたいということを申し上げておるようなわけでありまして、今後とも厚生省といたしましてもさらに努力をいたしたい、こう考えております。
○藤原道子君 あなたのほうの義務づけられてないところよりも、ほかのほうが発生が多いということでございますが、ちょっとここの手元にあります資料を見ましても、保育所あたりでも三十七年は五十四件、三十八年は百六件、三十九年はやはり百六件ですか、四十年度は百四十五件とふえているのですね。あるいは精薄施設でもあれだし、それから養護施設のごときも、やはり三十七年は一件だったのが四十年度には八件というふうに、児童福祉施設関係だけでも百六十件、四十年度では集団発生をしているのです。だから、あなたのほうの根本の食品関係とか、根本のものができてないから監督すべき対象でないところにも発生する。基本はやはり厚生省に責任がある。と同時に、あなたの直接管理下にあるところの集団発生が年々ふえているということは、これはどういうわけですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私はそういうところに多く集団発生が見られる、このことを重視をし、それに対する対策を特に急がなければならない、こういうことを申し上げておるわけでございます。いま御指摘になりました厚生省所管でありますけれども、保育所等の給食も実は食品衛生の面からの許可を受けてやっておるところではない。こういう制度上もいろいろ再検討を要する点があるように思うわけでありまして、制度的にもまた実際の給食担当者の健康管理の指導等につきましても、非常に不十分な点が具体的な事例から出てきておりますので、特に今後力を入れて改善をはかりたい、こう考えます。
○藤原道子君 許可を要しないところだからといって児童施設がこんなことでは困りますので、この点は十分注意していただきたい。 そこで病気が出た場合の問題でございます。最近伝染病の施設ですね、入院施設、これはどのようになっておりますか。だんだん全国的に減ってきているんじゃないでしょうか。だから今度のような集団発生があると、てんやわんやの大騒ぎ、どういうふうになっておるか、ちょっとその点をお聞かせ願いたい。
○説明員(中原龍之助君) 伝染病院、隔離病舎の整備につきましては、昭和二十六年に整備要綱をつくりまして、従来いわゆる避病院といわれましたそういういわゆる伝染病院の形態をなくして、近代的な看護の届く病院にしたいということで整備をはかってきたわけでございます。自来これに基づきまして、現在これによって整備されましたのが約二万九千床ございます。なお目標といたしましては、全部で約三万八千床ばかりを目標といたしまして整備に現在つとめておるところでございます。
○藤原道子君 大体人口何万に対して何床というのが世界的通例なんでしょうか。
○説明員(中原龍之助君) この伝染病院につきましては、私どもこの計画を立てました場合に、この伝染病の年間の発生の状況と、それに見合ういわゆる病床数ということでやったわけでございまして、もちろん日本におきましては赤痢の患者が多いので、あるいは国々によりまして一律ないわゆる伝染病のベッドというものについてのあれは国によりましておそらく違うと思います。しかし、われわれ日本の現状からいたしまして、大体年間のいわゆる罹病率というものを見まして、一応その人口に見合うベッドを確保しようということで進んだわけでございます。たとえて言いますならば、人口一万未満ならば十ベッドは常に整備しておく、あるいは十万から十三万くらいでありますと三十五ベッドは準備しておくというようないわゆる基準をつくりまして、それによっていわゆる整備をはかっておるわけでございます。で、大体伝染病院というものは常に一ぱい、ほかの病人を入れておきますとそれは必要のときに使えないというのでありますので、これはできるだけあけておくという形になっております。大体現在まで過去の状態を見ますと、平均をいたしまして伝染病のいわゆる病床利用率、これが大体ほぼ二〇%から三〇%というような状況になってございます。
○藤原道子君 隔離病院は病人がなければあけておくというのはあたりまえですね。そこに問題があるんじゃないかと思うのです。私は東京都の場合を見ましても、赤痢がことしは多発するということがいわれているとき、四月に都立豊多摩病院ですか、新宿の。これが閉鎖になったですね、閉鎖になった。東京都では、この豊多摩病院は、医療法による定床は三百二十床、ところが職員が八十九名、これが閉鎖になった。その直後に東村山の文化村の集団赤痢が発生している。それできのうも都議会でだいぶ問題になったらしいですけれども、東京都は予算の関係もあって、豊多摩病院は閉鎖したけれども、これをさらに新しく建設する考えはない、こういうことを言っていらっしゃる。ところが、国の人口の一割以上を占める東京都で、いまどのくらいというと、ほんとうに予算定床は四百床くらいといわれている。医療法による定床は、それは千百三十四床ということになる。だけれども医療法による定床と予算定床とはまた別なんだそうですね。ですから東京都の予算定床は四百床、これは一体妥当なものでございましょうか、私はこういうところに問題がある。結局病院がこういう態度をとらざるを得ないのは、結局独立採算制がガンになっているんじゃないか、全国的に独立採算制というものがガンになっていると私は思うけれども、幾らガンになっているとはいっても、あの膨大な予算を持っておる東京都で、医療法による定床が千百三十四床、予算定床は四百床というのは、あまりひどいと思うのですけれども、これはどうなんでしょうか。
○説明員(中原龍之助君) ちょっと予算定床という意味が私にはわかりかねるのですけれども、いわゆる伝染病院というものにつきまして、最近のいわゆる伝染病院は、親病院に併設していくというような形でつくっておるわけでございます。したがってもちろん医師の問題とかそういうものがいろいろございますので、いわゆる親病院というものがありまして、それにベッドをつくっていく。したがってそのベッドは、いわゆる伝染病のベッドでございまして、おそらくそこで予算ベッドといいますのは、単独で伝染病院だけやっているような病院であろうというふうに解釈しております。それでありますと、東京都では、いわゆる荏原病院がそれに該当するわけです。ほかの病院は、ほかのほうの伝染病床は一般の病院にいわゆる併設をやっておりまして、やはりこれは、いわゆる伝染病予防法で設置したベッドでございまして、実質的には同じでございます。
○藤原道子君 それでは実質的には同じだというところの、実際の医療法でなしに、予算でそれに対する看護婦とか医者とか、いろいろな予算を計上しているのは何床になっておりますか。荏原、駒込、豊島、墨東、この四病院、四つで幾らになりますか。 〔委員長退席理事相澤重明君着席〕
○理事(相澤重明君) それでは委員長交代いたしました。暫時私が委員長の職務を行ないます。
○説明員(中原龍之助君) いまの予算ベッドというものについて申し上げますと、いわゆるベッド数は、総数は多いのでございますけれども、平生それにいわゆる準備して、常にそのベッドに見合うだけの人員を整備しておくというベッド数というものが、そこにある実際のベッド数というものよりも少ない。そのベッド数に相当するものが、いわゆる人員その他を整備しておくベッド数というものが、総ベッド数の何ベッドであるかということをおそらく予算ベッドと東京都は称しているのだろうと思います。患者がもちろんそこに入りますればほかのほうから、他のほうから医師なりあるいは看護婦なりというものに来てもらいまして、そして患者の治療に当たるというような仕組みになっているのでございます。
○藤原道子君 だからそれが予算ベッドというものであるとすれば四百床しかないでしょう。東京都はそれだけしか予算とってないのです。だからごらんなさい。今度のように学校が集団発生をすればてんやわんやじゃございませんか。
○説明員(中原龍之助君) これは伝染病が発生をいたしまして収容した場合におきましての医師なり、看護婦なりのそういうものの必要な、その他の医薬品また経費というものは、これは全部伝染病予防法によって支払われるわけでございますので、この点は私は支障がないのじゃないかというふうに考えて、常時いわゆる整備をしておくというふうなものを予算ベッドと称しているのだと思います。
○藤原道子君 そんならそう承っておきましょう。ところがいま現に医師が足りない、看護婦が足りないのですよ。看護婦のごときは一カ月十五日からの夜勤をさしているのですよ。そういうふうな働きをさせておいて、病人が出たらそこに看護婦を呼ぶのだ、医者を呼ぶのだ、これで運営ができますか、正しく。私は病院というものは救急病院と同じですよ、隔離病院でも。突発したときにいまのような、今度の葛飾の学校なんかごらんなさい。氷まくら足りない。接触している家族が出かけてきても手をふく消毒薬も用意されていない。子供が廊下に出て吐いて、そこをうろちょろ見舞いにきた者としている。これじゃ菌をばらまいてくれというような状態じゃないですか。だからこそ、大都市においては相当数の病院、たとえ平素は遊んでいても用意しておくのがたえまえじゃないですか。人口一千万をこえているのですよ、東京は。そこで予算ベッドが四百床、かりに医療法による定床といたしましても千百三十四床です。こういう状態で不時の流行に備えて万全であるということが言えますか。
○理事(相澤重明君) これは厚生大臣に答弁さしたほうがいいね。鈴木厚生大臣。
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど来担当局長から御説明を申し上げておりますように、この集団発生の際におきましては、臨時の伝染病院を仮設をいたしまして、そしてその治療に当たるわけでございますが、最近における、都下における学校給食等による集団発生に対しましても、そのような措置を講じておるわけでございます。しかし、そういう集団発生は別といたしまして赤痢等の伝染病のベッドの確保、整備ということにつきましても、従前は隔離病院という制度を中心に整備をはかってまいったのでありますが、近年におきましてはこれを病院に併設をする。こういう方向でその整備をはかるということにいたしておるわけであります。まだ全国的にこれを見ました場合におきまして、伝染病の病院が十分整備はされておりませんけれども、都道府県と連絡をとりながら、そういう方向で今後の整備をはかっていきたいと、かように考えております。
○藤原道子君 私は時間をせかれておりますから、答弁も要領よくやってください。 私はこれが地方で起こった問題ならばあまり問題にしないんです。東京のまん中ですよ。東京のまん中で相次いで小学校から赤痢が発生した。ところが、一昼夜もコンクリートの床にござをひいて、家から持ち込んできた毛布その他で一夜を明かす、氷まくらも足りなかった、吐くものも用意されてない、消毒薬も用意されてない、こういう状態でよろしいかどうかというんです。いざというときには、総合病院の一部をそういうことに充ててあるとおっしゃるのだけれども、いざというときでございますから、いとけない子供をコンクリの床の上に一晩寝かしておくというようなことはしなくて済んだはずだと思います。消毒薬の用意すらも間に合わなかった、これでよろしいのでしょうか。東京のまん中ですよ。大臣のお答えを願います。
○国務大臣(鈴木善幸君) いろいろ御指摘のような事態がありますことは、まことに恐縮にたえないところでありますが、厚生省といたしましても、区なり、あるいはその他の県でありますれば市町村なり、そういう直接その防疫なり、あるいは患者の収容、治療等に当たる面と連絡をとりながら、できるだけ厚生省といたしましても、これに協力をし、督励をしてやってまいる、こういうように心がけておるのでございます。実は先日も千葉県の君津郡の富津町で集団発生いたしました際にも、その情報が入りましたので、私は直ちに係官を出張させまして、現地を指導督励をする、こういうようなことにつきましても、できるだけのことをやっておるわけであります。厚生省が直接そういうものを一つ一つ担当して世話をやく、こういうことはなかなか困難でございますけれども、第一線の市町村なり、区なり、そういうものと連携をとりながら、これを指導し、督励をしておる、やっていく。ただいま御指摘にありました点等につきましては、非常に遺憾な事態でありまして、今後十分気をつけていきたいと思います。
○藤原道子君 厚生省については、食品問題その他資料持ってきましたけれども、時間がございませんので、次回の厚生省のときに譲りたいと思います。 文部省にお伺いしたいと思います。最近学校とか幼稚園で集団発生が、悲しいけれども相次いで起こっているわけなんです。これに対して、学校としては、給食の指導あるいは給食係というのですか、それらの人の衛生管理、こういうものはどのようにしておいでになるか、伺いたい。それが一つ。 それからまた給食室の係員の給与待遇等はどのようになっておるか。いまちょっと申し上げられたように、いまの騒ぎでは、教室が変じて野戦病院の状態になっているといわれておりますが、あとあとの消毒もたいへんだと思うけれども、いつもこのような状態では困ると思いますが、衛生管理についてどういうふうにしておいでになるかということを一つ伺わしてほしいと思います。私どもも友人が現地へ行って見てきたそのままを都会議員から聞いたんでございますが、土間の上に一晩過ごした子供、氷嚢も間に合わなくて熱で浮かれている子供、廊下へやっと飛び出してきて吐いている子供、病院に出入りする父兄に対しての二次感染を防ぐ消毒薬の用意さえもしていなかった、こういうふうな状態で見るに耐えなくて涙が出た、こういうことを現地へ行って見てまいりました都会議員から私は報告を聞いておりますが、どういう状態にあるのか、今後どういう対策をお立てになるか、これについて伺いたいと思います。
○説明員(赤石清悦君) 今回葛飾区の二つの小学校におきまして、大ぜいの学童が赤痢にかかりまして、現在苦しみかつ学業を放棄し、もしくは休校しておる状態につきましては、まことに文部省としては残念に思っているところでございます。かつまた、先ほど来お話が出ましたように、衛生当局にも多大の心労をわずらわしている点でございますし、この機会にいろいろと私どもとしても、さらに一そう注意し、検討を加えたいと、こう思っておる次第でございますが、お尋ねのまず第一点でございますが、従来学校給食に当たっております職員の健康管理がどうやっておるかという点でございますが、先ほど来、厚生省のほうからもお話がございましたように、年一回の健康診断あるいはまた検便その他につきましては、学校給食が、未成熟な学童にかかわりのあるものでございますので、特に一そうこうした学校給食の従事者につきましての健康管理等につきましては、詳細に指導を加えておる点でございます。具体的に申せば、健康診断は年三回はやってほしい、検便は月一ぺん以上、少なくとも一ぺんはやってほしい、あるいはまた、学校給食に当たります場合の手を洗うこととか、食品の扱い方とか等々につきましては、詳細に通達を出し、また指導基準もつくりまして、都道府県教育委員会を通じまして、指導を加えている点でございます。したがって、この際多少余談になりますけれども、先ほどからのお話を伺っておりまして、今回の大量の赤痢の集団発生が、こうした給食従事者の健康管理に原因があるかのごとく印象づけられて、先生いらっしゃるように存じますけれども、まあ何が原因でありますかにつきましては、現在東京都の衛生当局が慎重に検討しておりますので、私どもいまの段階において、何が原因であるらしいということは申し上げかねますけれども、こうした一般職員に原因があったかどうかにつきましては、まだ私ども疑問に存じておるのでございます。従来も、若干学校給食につきましては、こうしたことが発生いたしまして、間々学校給食従事者に原因があるのじゃなかろうかと思われる点がございましたが、今回のごとく、一ぺんに二百人、三百人の集団発生を見るということにつきまして、その原因は何であるかにつきましては、なお正確に検討していただき、それの上において対策を講じなければなるまいと、こういうふうに考えておる点でございます。 それからお尋ねの、こうした学校給食従事者の給与の点でございますけれども、学校給食の重要性にかんがみまして、逐次こうした職員の待遇につきましては、制度化しつつあるわけでございます。現在は、地方交付税におきまして小学校何人、中学校何人というふうに、一応の基準に基づきまして、財政上の措置をいたしております。給与の平均月額は、昨年の資料によりますと、これは十分なことではございませんが、小学校は、公費負担者が一万七千五百八十九円、ほとんど公費負担者でございますが、一万七千五百八十九円。中学校はちょっと落ちておりますが、一万三千三百九十三円でございます。平均いたしまして一万七千二百二十二円でございます。 それから第三の、最後のお尋ねは、何か、患者の学童の姿のことだったようでございますが、ちょっと御質問の趣旨を……。
○藤原道子君 いや、こういう悲惨な状態があったと聞いておりますが、全部病院収容は完了したのでしょうか。こういう悲惨な状態に一昼夜も二昼夜も放置されたと伺いましたけれども、その後、児童は完全に病院に収容できましたか。
○説明員(赤石清悦君) まだ詳細に私ども正確に知っているということでございませんが、先ほど来厚生当局からお話ございますように、確かに予想せざる一時の大量の患者が発生いたしましたものですから、周囲の衛生当局等におきまして、それに対して直ちに対策を講ずるということは、あるいはできがたかったために、そういう状態があったかもしれませんが、その後におきまして、関係方面が一致団結いたしまして、非常な、昼夜を分かたず対策を講じているようでございます。ただ、収容力の関係でございまして、病院につれていくことのできる学童もございますし、また病気の程度によりまして、動かすよりもそこの、現在おる学校を休校いたしておりますから、そこに衛生施設を至急にむしろ施設することによって、そこにおいて臨時の隔離病舎のような措置をしたほうがいいということで、便宜そこでやっているということでございまして、逐次平静に向かいつつあるように、私ども報告を受けております。
○藤原道子君 私は、給食者から感染したと申し上げたわけではないのです。けれども、そういう場合もございますので、給食していらっしゃる方の衛生管理というものを、特に気をつけていただきたいという意味から、お尋ねした。聞くところによると、葛飾区では共同購入しているそうですね、給食というものを。ところが、発生したのは二つの学校、まあ三つに飛び火したと聞いておりますけれども、そこに限られておりますので、その点もちょっと心配でございますが、それは時間がございませんので、この程度にいたしますが、給食に従事する人の健康管理というものは、やはりその原因が、今回その原因である、ないにかかわらず、そこから発生する場合も多々ございますので、なお一そう健康管理には注意してほしいということを要望いたします。さっき、年に三回とおっしゃったのですか、年に三回。それから検便が月に一回ですか、健康診断が年に三回、私は年に三回では少ないように思いますから、それもよく御相談いただきたいと思います。 次に、建設省にちょっとお伺いしたいと思います。最近の赤痢の発生の原因の中に、汚水によるもの、下水の不完全から、井戸水に浸透したもの、こういうのが、だいぶ例としてあげられているようでございます。何と申しましても、環境衛生の上からいきましても、下水道の完備ということは急を要する問題だと思いますが、だいぶ鳴りもの入りで宣伝なさいましたけれども、下水の完備の見通しは、いつごろになっているか、この点が一つ。 それから、下水の完備と同時に、終末処理とあわせ行なわなければならないと思いますが、終末処理場の状況、これが完備、これらが両省あわせて相談の上で進んでいるのかどうか、この点を伺いたい。 それから、宅地造成が非常に安易に過ぎているのじゃないかというふうに考えられるわけなんです。雨が降ればがけくずれで人命を失い、それから適当でないところへ造成を許しましたために、そこでは水がない。さあ水を使わなければならない。井戸を掘らなければならない。井戸を掘ると、そこにまた汚水が流れ込んでくる。こういう因果関係が連鎖的に起こっているように思うのでございますが、建設省として、これらについてのお考え方、今後の対策等をお伺いしておきたいと思います。
○説明員(竹内藤男君) 下水道整備が完備するのはいつごろかというお尋ねでございますが、現在、第一次五カ年計画として、四十二年まで、三千三百億の事業費で仕事を進めておりますが、このあと、引き続きまして計画を立てまして、われわれといたしましては、昭和五十五年までに、市街地につきまして下水道を完備したい、こういうような目標を立てて、計画を練っている段階でございます。 第二番目の、処理場のほうは、むしろ厚生省のほうから御説明を願ったほうがいいかと思いますので、省略いたします。 三番目の宅地造成の問題でございますが、宅地造成につきましては、宅地造成規制法あるいは住宅地造成事業法というような法律がございまして、がけくずれ等のおそれのあるところにつきましては、特別にきびしい条件で許可基準をつくっているわけでございます。それから一般的な排水その他の問題につきましては、一定規模以上の面積の住宅地をつくります場合においては、住宅地造成事業法によりまして、知事の認可を得なければならんというようなことで規制をいたしているわけでございます。しかしながら、これも執行は都道府県で行なっておりますが、なかなか手が回りかねて、実際の監督面において十分にいっていないというような面がございますので、現在、私の局の所管ではございませんけれども、計画局におきまして、規制の強化という点で、指導を、しばしば直接本省の人間が行きまして指導する等のことをいたしまして、指導の強化にはつとめているところでございます。
○説明員(舘林宣夫君) 下水の排水を浄化するための終末処理施設の設置につきましては、建設省と連携をとりまして、五カ年計画も共同で作成し、その工事の進展も、お互いに連絡をとりながら進めておりまして、近くまたこの五カ年計画を改めまし三新五カ年計画等をつくって進みたい、かように計画をいたしているわけでございまして、お尋ねのように、処理場が不完全でございますと、汚水が河川その他を汚染をする。これが伝染病のもとになるということでございますので、施設の基準を厳格にするとともに、その排水を常時検査をして、十分なる管理監督を行なわしめるように、今後とも努力をしてまいりたいと、かように考えます。
○藤原道子君 いつごろでき上がるのですか。
○説明員(舘林宣夫君) 下水道はいま計画を策定中でございまして、これは当然経済企画庁の公共事業全体の計画の中に織り込んだ上できまるわけでございますが、ただ下水道を含めまして全国民の水洗便所化という目標は、私どもとしては一応昭和六十年度までには完成したいということ、これ一億人いかなるいなかといえども水洗便所が使えるように持っていきたい。もちろん下水道はそれより早く完成をはかるという目標で進んでおるわけでございます。
○藤原道子君 六十年というと、どうも私が生きているうちにはあぶないような気がしてがっかりいたしますが、なお急いでこの問題をやってほしいのです。何をおいても命くらい大事なものはないという考え方で急いでいただきたい。五カ年計画立てても、また新五カ年計画、また新五カ年計画ではばかをみるのは国民でございます。その点特にお願いしておきたいと思います。 いま稲葉さんが放棄されましたのでもうちょっと。そこでですね、し尿処理が完全に行なわれてないですよね。で、さっきちょっと触れましたけれども、腸炎ビブリオですか、これがこのごろ大いに跳梁しておるというように聞いている。これは申し上げるまでもなく対策を立てなければ、食中毒の六〇%以上が腸炎ビブリオ病だといわれているということになると、その原因はし尿の海洋投棄ですよ、し尿の海洋投棄が原因しておる。これは下水が完備し、終末処理場ができれば海洋投棄はしなくても済むはずです。と同時に、現状でも監督よろしきを得れば、私はこの災害は防げると思う。十二海里沖へ投棄しなければならないということになってますね。ところが、これが請負でやらしていらっしゃるから、十二海里まで行かないで、近くでこれを投棄して帰ってくる。これが結局原因です、食中毒の。これからますます蔓延するであろう食中毒の六〇%以上がこれだといわれているということであれば、これで命を失う人、あるいは病床に苦しむ人、これらを考えるときに、し尿処理に対してあなた方はどういう手を打たれるのか。あるいは腸炎ビブリオはしかたがないんだということで、下水、終末処理場の完備まで手をつかねて見ておいでになるのか、この点をちょっと最後に伺わしておいていただきたいと思います。
○説明員(舘林宣夫君) 昭和三十八年度を初年度といたします五カ年計画は、昭和四十二年度終了するわけでございます。この計画そのものは、ただいまお尋ねのようなし尿が不衛生に処理されるということで、この五カ年計画で完全になくすということを目標に実は進めておるわけでございます。ただ、この計画によりまして、し尿処理場は漸次むしろ町村部のほうにできるようになりまして、大都市がややおくれておるくらい。と、申しますのは、町村部はなかなか水洗便所にならないし、下水道は普及しないということで、汲み取りし尿を浄化するという装置をつくり始めたわけでございます。大都市は間もなく下水道になるので、そのし尿処理施設をつくるということはむだになるおそれがあるから、むしろ下水道のほうをということで、やや工事が延びておる現状でございまして、したがいまして、東京のような大都市では、依然として汲み取り便所であるし、汲み取った便の大部分を海に捨てておるという驚くべき現状であるわけであります。で、私どもとしては、これは下水道は、これは急がなければなりませんが、それまでの暫定措置として、あるいはやむを得ないかもしれませんが、お尋ねのように海に捨てる場合は十二海里沖合に必ず捨てなければならないという規定を設けまして、それを実施せしめておるわけでございますが、従来これを請け負った者等が、必ずしも十二海里まで行かない間に海に流すという事態が見られたわけでありまして、近年これらの船には必ず地方公共団体の職員を乗せて、それが監督して投棄せしめるということで、近年はそのような事例は、一応従来のようには見られないという事態になっております。しかしながら、ただいま最後に先生が仰せられましたように、腸炎ビブリオの問題が、非常にわが国の食中毒の大きな問題でございます。これが近年、はたして海からくるか、陸の保菌者から来るかというのは、だいぶ問題にはなっておりますけれども、私どもとしても、海洋から来る汚染ということは、十分考えてまいらなければなりませんので、当分これはある程度は続かざるを得ない、この海洋投棄は。特に厳重に監督をしてまいりたい、かように考えております。
○藤原道子君 終わりますが、次の質問の資料としてちょっとお伺いしておきたいのですがね。食品違反という中の一番多いのがデヒドロ醋酸というものがあるのですけれども、このデヒドロ醋酸というものはどういうものですか。
○説明員(舘林宣夫君) それは食品添加物の中のカビの発生防止剤でございます。
○藤原道子君 そうすると、このデヒドロ醋酸というのはカビの発生を予防するわけですね。これが入ると食品に害があるのですか、どうなんですか。
○説明員(舘林宣夫君) 食品に各種防腐剤それから色素その他いろいろ添加物が使われておるわけでございますが、これらのものが多量でございますと——あらゆる薬品がおそらくそうだろうと思いますが、ある程度人体に毒性があるわけでございます。それがごく微量であれば、毒性は、全く人体に影響することはないということでございまして、その絶対に安全である量の範囲内で防腐剤を使わしておるというのが現状であるわけでございまして、デヒドロ醋酸を使うあるいはサルチル酸を使うという事例は、いずれも安全量を十分試験をしまして、使用量の規制をして使用せしめておる、かような状態でございます。
○藤原道子君 これが、このいただいた資料を見ると、違反が起こっておるのは清原飲料水とか発酵乳とかそれから乳酸菌を入れておる飲み物ですね、これが一番違反がある。これは許容量を越したものであると思う、違反としてあげられているということになると。ということになると、これらを喜んで飲むのは子供なんですよ。この資料を見るとこれのところが一番多いように私は思うのであります。特にその対象が子供である、病人である、こういう者が多いのでありますから、その点ちょっと心配で特にお伺いしましたが、このごろ非常にこういうものがふえてまいりました。そこへ持ってきて食品衛生監視員の数が少ないのですから、まことに心配でございますから、特にこの点は御留意をお願いいたします。以上でございます。
○説明員(舘林宣夫君) お尋ねのように、最近保存食品が非常に多くなってまいっております。特に防腐剤その他カビどめ用の長期食品保存用の添加物が非常に多くなっておるということで、私ども心配いたしております。厳重に取り締まりをし、また不必要なものは許可しないし、従来許可しておったものでも許可を取り消すというような方針で進んでおりまして、先生の仰せられましたように、間違いのない措置をとってまいりたい、かように思っております。
○藤原道子君 最後に大臣から御決意を伺いたい。いまあれやこれやと取りまぜたことになりましたけれども、赤痢の問題で、チフスの問題で、あるいは食中毒の問題で、事は日常生活上非常に不安でございます。ところがいま保健所の人員にしても、あるいは衛生監視員にしても、薬事監視員にしても非常に待遇が悪くて人手が少ない、充足率が非常に悪い。それで今後この夏場へかかるわけです。そして異常な集団発生を見ておるわけです。これに対して大臣はどう対処していただけるのか。それから抗生物質の乱用ですね、これに対しては該当する法規があるわけでございます。これを厳重に行使していただいて、そうして少なくとも法に反してこれを自由販売をしていく、医者の指示がなくとも簡単に入手できる、こういう悪弊は直ちになくするようにしていただきたいと思います。大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私どもの生活環境、食生活を初めといたしまして、日常の保健衛生を十分徹底をし、伝染病等の発生を防止をする、そのために、保健所を中心とする衛生関係の指導監督機関の人員の確保、充足率をさらに高めていくと、こういう面につきましては、先ほどお答えを申し上げましたように、今日まで、待遇の面等できわめて不十分な点があったと思います。そこで、昭和四十一年度に、医師やその他の職員の待遇改善につきまして、従来から見ますれば相当大幅な改善をはかったわけでありますが、私は決してそれでもって十分とは考えておりません。今後とも待遇の改善、あるいはそういう、医師初め保健婦その他の養成の面等々につきましても、総合的な対策を強化していきたい、このように考えるわけであります。 薬の問題でありますが、御指摘のとおり、私は薬の製造等にあたりましての副作用の問題等につきましては、相当世論もきびしく、またいろんな事件が発生をいたしましたこと等にかんがみまして、だいぶ監督を厳重にし、指導の徹底をはかりまして、そういう面では改善をされてきたと思うのでありますが、流通の面、またこれを消費者である国民が薬局なりあるいは薬店なりから入手をし、これを服用する、そういう面にあたりましては、薬事法上から見ても遺憾の点が多々あると思います。これはどうしても行政の監督、指導の面を一そう強化をする必要がありますし、また関係団体の反省と協力をお願いをせにゃいかぬ何もあるわけであります。と同時に、国民が薬に対するところの安易感を、この際やはり根本から改めてもらう、薬に対する正しい理解を持たせることが必要である。そういう各般の施策を今後強く進めてまいりまして、薬に対するところのいまのようなそれから起こってくる悪影響というものをぜひなくするように、改善の方途を講じていきたい、かように考えます。
○理事(相澤重明君) 委員長から申し上げておきますが、赤石文部省官房長、まだ新任ですから、そういう答弁がありましたけれども、少し不十分のようです。それから厚生省は先ほどの子供を学校の庭に収容した赤痢対策について、ベッド数等に藤原委員の質問が続けられたのでありますが、日ごろから地域的条件というものを文部省でもよく相談をして、そういう非常時の場合には、どこの病院にどういうふうにして対策をつくっておくかということを考えておくように。そうでないと、ただベッドがあります、大病院が併設をしますからだいじょうぶですということだけでは、これはもうなかなか国民感情許さぬし、人権問題になりますから、そういうことのないように、これは文部省並びに厚生省に希望を申しておきます。その点はぜひしていただきたい。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(相澤重明君) 速記を起こして。 他に御発言がなければ、本日の審査はこの程度にとどめたいと存じます。 本日は、これにて散会をいたします。 午後五時六分散会