議院運営委員会 第8号
- 発言数
- 45 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1966/02/01
会議録
○理事(鍋島直紹君) 議院運営委員会を開会いたします。 本日は委員長所用のため、その委託によりまして、私が本日の会議を主宰させていただきます。 本院議員秘書の院内における短銃売買事故に関し、大矢君から発言を求められておりますので、これを許します。大矢君。
○大矢正君 ただいま委員長代理からお話がありました、昨日の各紙に掲載されました当参議院副議長室におけるピストルの売買取引に関して、警察当局にお尋ねいたしたいと思います。 まず、新聞に掲載をされた内容によりますると、重政前副議長の秘書が、副議長室内において、二丁のピストルを暴力団から受け、さらに新たな暴力団にこれの受け渡しを行ない、そのことによって、それを行なった当事者である藤野はもちろんのこと、売買をいたしましたそれぞれの暴力団員というものが起訴され、また起訴途中にあると、こういう情報でありますが、この際ひとつ、その間の事情を御説明いただきたいと思います。また、特にきょうは、緊急に当委員会に出て、質問にお答えいただきますことを、心からお礼申し上げたいと思います。
○政府委員(浜中英二君) 藤野秘書の短銃密売の概況について申し上げます。 岡山県警では、かねてから暴力団の構成員二名を拳銃の不法所持で逮捕いたしました。拳銃二丁と実包百発余を押収して、その入手経路を追及中でございましたが、該拳銃と実包は、昭和三十八年十月ごろ、参議院副議長秘書室において、参議院議員重政庸徳秘書藤野淳介より譲り受けたことが判明いたしましたので、一月二十六日、同人を拳銃不法所持で逮捕したものであります。 これまでの取り調べによりますと、藤野秘書は、さきに逮捕した暴力団員に拳銃の入手を依頼されたので、松葉会の若林敏雄から拳銃二丁と実包百発余を入手し、昭和三十八年十月ごろ参議院副議長秘書室において手渡したものであります。なお、代金三十万円は、藤野秘書を通じ、前記若林に支払われております。現在まで判明いたしましたところでは、以上のような概況であります。
○大矢正君 いまの官房長の説明に対して、説明員として来ておられる捜査第二課長のほうから、さらに補足して御説明願いたい。
○説明員(関根広文君) ただいま概況を官房長から御説明申し上げましたが、特に補足して御説明申し上げることはございません。
○大矢正君 いまの御説明ですと、副議長秘書室において云々ということばが使われておりますが、これは、私どもは、副議長秘書室なるものは実は知らぬわけです。あれはあくまで副議長室という解釈をしている。たまたま秘書がそこにいるとすれば、それは秘書がおったというだけのことで、副議長秘書室という名称のものは私はないのじゃないかと思う。あくまで副議長室において行なわれたというふうに解釈せざるを得ない。そういうことは出てこないはずだと思うのです。どういうわけで、その副議長秘書室なるものが出てきたか。
○政府委員(浜中英二君) 副議長秘書室ということばは、関係人の調べによりまして、事実上そういうふうなことが判明いたしたわけでございます。正式にどういうような名称を用いておりますかはわかりませんが、取り調べの結果では、副議長秘書室というふうに承知いたしておるわけでございます。
○大矢正君 これは事務当局にお尋ねをしますが、まず、藤野は一体、重政前副議長の秘書をいつからやっておられるのかということ、これをこの際御説明願いたいと思います。それによって、またさらに質問いたします。
○事務総長(宮坂完孝君) 重政庸徳議員の秘書藤野淳介は、重政議員が参議院議員に当選されました二十八年五月三日に秘書に採用いたされております。それで三十七年八月六日、重政庸徳議員が副議長に当選なされましたときには、議院事務局法第七条の二の「副議長の秘書事務を掌る参事」として、副議長の申し出によりまして、事務総長はこれを任命いたしました。自来二年十一カ月は、秘書参事といたしまして在任いたしております。それから重政副議長は議員の任期が満了になりまして、副議長の職が消滅しましたが、そのあとは、再び御当選なされました四十年七月四日に、また、議員秘書として採用されている、こういう関係でございます。
○大矢正君 私は、昭和三十一年に参議院に出てきたわけでありまして、かれこれ十年近くなっていますが、私が当選をして出てきた当時から、藤野は、暴力団松葉会に関係がある、関係があるだけではない、その幹部の一員である、あるいは会員の一員であるということは、国会の中では知らぬ者がないくらいはっきりしておったのであります。当時から、しばしば藤野は、国会の中に暴力団とおぼしき者を導き入れていたという事実も、われわれ見ているわけです。そこで、事務当局にお尋ねしたいのは、いま総長がかわられましたから、あなたが直接の当事者ではないが、あなたが次長のときであったと思うので、おそらく記憶があると思うのですけれども、おそらくあなた自身の耳にも、当時から藤野なる者が暴力団松葉会に関係をしておったという事実は、私は知らぬはずはないと思う。そこで、そういう事実を知らないはずがないのに、藤野なる者が参事として議員の秘書になることについて、——これはあくまでも私が申し上げるのは、重政前副議長が、藤野が暴力団に関係をしていた、そういう事実は知らなかったという前提に立って話をしてみても、国会の中で藤野なる者が暴力団に関係があるということは、もう天下公知の事実であったのです。その際にあなたは、こういう者は副議長の秘書として適材ではないというようなことを申したのではないか、私そういうような感じがするのです。その点いかがです。
○事務総長(宮坂完孝君) 藤野淳介を、当時、重政議員が副議長に御当選なされた直後、事務総長に対しまして秘書参事として任命してくれというお申し出に接しましたときは、私も事務次長といたしまして、そのような立場におきまして事務総長を補佐いたしておりましたのですが、私たちはさような暴力団の背後関係を持っておるというようなことは、全然関知いたしておりません。重政副議長を十分信用を申し上げまして任命をいたしたわけでございます。
○大矢正君 藤野は暴力団松葉会に以前から関係があったということは、警察当局でも私はおそらく知っておられることだと思うのだが、まあ暴力事犯、暴力団体等を調べておられる当局としては、その名簿の中におそらく藤野なる者の名前が私は載っていたものと解釈をしておるのであります。過去の経歴を見ても、たとえば暴力団の葬儀があると必ず藤野はそこに花輪を出している。ほとんどの暴力団の葬儀には藤野は必ず花輪を出していた。それから、あるときは重政前副議長の名前を使い、あるときは自分の名前を出したこともあるでしょうが、そういう事実行為がある。そういう点から解釈すれば、警察当局としても、藤野なる者は暴力団に関係があったというふうに私は判断をされているものと思うが、その点についてはいかがですか。
○政府委員(浜中英二君) 刑事事件に関係した事件がございませんでしたので、私のほうといたしまして、藤野は、はっきりと暴力団と関係があるというようなことにつきまして、前々から対象としてリストに載せておったというようなことはございませんでした。
○大矢正君 それで、あなたのほうでは、おそらくまあ暴力団対策にはここ数年来非常に力を入れておられると思うのです。そういたしますると、かりに暴力団の葬儀があった際に、一体どういう人から花輪が来ているかというようなことについても、関心をもってそれぞれお調べになっておられると思うのであります。私は過去において、重政参議院議員、あるいは藤野なる者が、花輪を暴力団の葬儀の際に出していたという事実を一、二聞き込んでいるわけでありますが、警察当局はそういう事実を調べたことがあるかどうか。私は必ずあると思う。そうでなければ、暴力団と、それから暴力団がどういうものに関連をしているかということの根元がつかめないはずですから。暴力団がどういうところに関連を持っているかということを表象的にあらわすのは、彼らが行なう葬儀その他であります。ですから、そういうときに、どういうところから花輪が来ているかということを調べれば、それは明瞭である。たとえば、一説によると、松葉会の重要な人のなくなったときは、重政さんは花輪を出しているという事実があるわけです。その点についてはいかがですか。
○政府委員(浜中英二君) そういうような事実そのものにつきましては、第一線の警察といたしましてもわからないわけはないわけでございますが、ただ、そのことだけをもって云々するということはどうかというふうにも思われますので、ただそれだけで、これが暴力団とどうだとかこうだとかいうような角度では、見ておらないわけでございます。
○柳岡秋夫君 先ほど、大矢委員が言われましたように、警察庁としての右翼の暴力団に対する対策については、先般も検事総長の談話にもありましたし、また法務大臣からも、そういうことが言われたと思うのですよ。これは今度だけではなくて、数年前から暴力団に対する対策をもっときびしくするということを、国会の答弁の中でも言われているわけですね。そういう中にありながら、何か事件を起こさなければ、その人の名前は名簿に載せないのだと、こういうことでは、一体、暴力団に対する対策として十分だというふうに私は思えないのです。ふだんから、そういう人について十分監視をし、あるいは注意をしていく。そういう中で初めて、事件をあらかじめ予防し得る措置ができるのであって、明らかに藤野が松葉会の会員であるということがわかっておりながら、それが全然名簿に載らないということについて、どうしても納得できませんので、もう一回、その辺の警察当局の暴力団に対する対策なり、考え方というものをお聞かせを願いたいと思います。
○説明員(関根広文君) ただいま御質問のございました暴力団員の実態把握、あるいは暴力団員にどういう人がいるのかというふうなことは、犯罪を犯さなければ一々名簿に登録されない、そういうことではございませんので、いろいろな実態に応じまして、平素から、暴力団の構成員がどういうことをしておるかということはマークしているわけでございます。ただ、先ほど来申し上げておりますのは、個々の人間が何々暴力団の組員であるかどうかというふうなことにつきましては、犯罪を犯した際に、その犯罪に関係して氏名が公表されるということがございますけれども、一般の犯罪に関係していない、いわゆる実態把握の段階で警察が把握している個々の人名につきましては、これが暴力団の組員であるかどうか、どんな実態かということについては、公表をすることはいたさない、かように考えているということでございます。
○山崎昇君 いま説明があったのですが、どうもよくわからないのです。そこで、もう一ぺん聞きますが、それは今度、藤野を取り調べたところでは——暴力団の関係はかなり取り調べを進めておるんじゃないかと思うのですが、そういう取り調べの中で、一体、藤野はいつから松葉会と関係をし、どういう関係にあったのかという点について、どの程度まで調べられておるのか、聞きたいと思うわけです。
○説明員(関根広文君) 私どものほうは、今度の拳銃不法所持の事件につきまして、拳銃の不法所持の、いわゆる流れたルートがどういうことであるか、それが銃砲刀剣類所持等取締法に触れる範囲で、だれからだれに渡されたかということは、確実に把握しておるわけであります。それ以外に、藤野秘書が、いつごろから松葉会のだれと、どういう関係にあったかということは、直接事件に関係しておりませんので、一応事情は把握しておりますけれども、公表をすることはできない、かように考えております。
○山崎昇君 そんなばかな答弁はないと思うんだね。警察は調査をすれば、必ず背後——あるいは、そういうことが動機としていつから起きたのか、そういうことは当然調べなきゃならぬと思う。ただ、やりとりがいつあったかどうかだけで、警察の取り調べが終わっていることはないと私は思うのだ。したがって、弔う少し、それらの点について明確にしてもらいたい。
○大矢正君 警察当局が非常な努力をされて、こういう事態を世の中に明らかにして、二度と再びこういうことがないことのために御努力されておられることについては、非常にわれわれも感謝しております。ただやはり、このあいまいな姿で、これをそのままにしてしまうと、あとあと、やはり重大な問題が残ることになるわけですね。われわれが、国会の中でいろいろ昔から聞いていた中においても、藤野なる者は、これは松葉会と関連がある、暴力団に正式に会員として名前が登記されているという話を聞いているわけですね。ですから、やはりそういう点について、警察当局も、事実であれば事実として、この際お認めいただかなければ——あいまいな御答弁じゃ困るわけですがね。決して私どもは、あなた方に文句を言っているのではなくて——まあ、けんかを吹っかけるとか、そういう意味で言っているのじゃなくて、もう一度お尋ねいたしますが、この際、明らかなものは明らかにしてもらわないと困るですね。
○政府委員(浜中英二君) 私どもといたしまして、暴力団の取り締まりということは、警察の非常に大きな重点目標にいたしておりますので、そういう点から、事柄をあいまいにしていこうというような気持ちは毛頭持っておりません。こういう機会に、いろいろな問題について十分に捜査を進めまして、その根絶を期していきたいという気持ちで臨んでおるわけでございます。ただ現在、この事件は、いろいろと関係人を取り調べ中でもございますし、また公判前でもございますので、いろいろな交友関係、そういうふうな問題については、私どもが把握はいたしておりますけれども、ここで申し上げることが適当でないというふうに考えましたので、さよう御了承をお願いいたしたいと思っております。
○大矢正君 あなた方のほうは、たとえばどういう暴力団であって、それは人数がどのくらいあるとか、会員がどれくらいあるとかと、調べはされておられると思います。ですから、そういうものを集計して、日本の国には暴力団と称されるものがこのくらいあり、人数はどれくらいだということも、私は、答弁ができると思います。私がある筋から聞いたところによると、最近はそうじゃないと思うが、かつては重政さんそれ自身がある暴力団の顧問をしておった、正式に名前を登記したことがあると、こういうことを聞いておるわけです。そういう話を聞いたことが、過去においてなかったか、あるいは過去に、あなた方がかような事態を調査している際に、そういうものがなかったかどうか、その点をお伺いいたします。
○政府委員(浜中英二君) 私自身、承知いたしておりません。
○瀬谷英行君 もう少しはっきり答えてもらいたいと思うのですが、答えられなければ答えられないでいいのですよ。いままでいろいろ質問されたことは、藤野が松葉会とどういう関係にあったのか、前々から会員であったのかどうか。それらのことは、逮捕されて調べられて、初めてわかったのか、あるいは前からわかっておったのかということなんです。わかっておったにもかかわらず、何らかの事情で、そのことは明らかにしなかったのか、あるいは、わかっておったけれども、今日そのことについて公表したくない事情があるというのならば、そういうふうに答えてもらいたい。わからなかったのか。今度初めてわかったというのか。わかっておったけれども、どうも公表しにくいと——こういう席上では言いたくはないというならしようがない。それならそうというふうに言ってもらいたい、描象的でなく。 それから、先ほどの副議長秘書室の話ですけれども、これは関係人の調査の結果出てきたことばなのかどうか。関係人の調査の結果出てきたのが副議長秘書室ということばであって、実質的には、副議長室のほかに、また別室があって秘書室があるというふうに——私らはそういうことを知らないわけです。そうすると、事実上はここの副議長室ということであるけれども、多少でも外聞をはばかって、聞こえをよく——よくもならぬけれども、多少でもそういう聞こえをよくするために、副議長の権威のために副議長秘書室ということばを使われたのかどうか。その点は、いまさらごまかしたってしょうがない。事実上、副議長室なら、副議長室だというふうに言っていただきたい。
○政府委員(浜中英二君) 事実上は副議長のおられる隣の部屋に当たりますが、その秘書室ということでございます。 それから松葉会との関係につきましては、本人が入っておったかどうかということは、それはいままでのところ明確ではございません。ただ、松葉会と何らかの交友が続けられておったということは把握いたしておりましたようでございます。ただ、だれとどういう関係で、いつから親交を続けていたかというような問題につきましては、この際は申し上げることを遠慮さしていただきたいと思います。
○瀬谷英行君 それじゃ、松葉会との前からの関係があったということはわかっている。しかし、具体的なことはこの際遠慮さしてもらいたいと、こういうことなんですね。
○政府委員(浜中英二君) さようでございます。
○瀬谷英行君 それからいま一つ、副議長秘書室にこだわるようだけれども、いまの御答弁でも、やはり副議長の秘書室、隣の部屋だと、こういうのでありますが、そこで、今度は事務総長にお伺いしますけれども、取り調べの過程で出てきたことばが副議長のいる隣の部屋で秘書室だというんだけれども、この院内において、部屋としては、副議長室と、あるいは副議長秘書室と、別にはなっていないと思う、これは、看板は副議長室になっていると思いますが、そうすれば、隣は仕切りがあっても、要するに部屋としては副議長室だというふうに理解してよろしいですか。
○事務総長(宮坂完孝君) 副議長さんがお使いになっている部屋は、従来は二部屋を一人でお使いになっておったのでございますが、戦後、参議院ができまして、副議長を補佐する職員がいろいろとふえたものでございますから、これらが執務する部屋は、通常の呼び方で副議長秘書室というふうに呼んでおります。
○瀬谷英行君 そういうふうに書いてありますか。
○大矢正君 まあ事務総長はそういうことばを使われるが、あそこに書いてあるのは副議長室と書いてあるだけであって、この部屋は秘書の部屋であるという看板はない。ですから、そこはあくまでも副議長室なんです。たまたまどこでやったか、それは秘書室で必ずやりましたという証拠だってないのでしょう。そうすれば、副議長室でやったということにならざるを得ないわけですね。これは、問題は、あなたが何回もおかしな答弁をしてもしようがない。 そこで、私が聞きたいことは、どうもこの藤野は、しばしば国会の中に暴力団とおぼしき者を入れておったという話を聞いておるわけです。問題のこのピストルの受け渡しを行なった時期において、暴力団員というもの、あるいは今度の、名前が出ているこういう連中が、事実、国会の中を出入りしていたのかどうか、その点ちょっと伺います。
○事務総長(宮坂完孝君) 私たちの事務的範囲におきましては、議長警察権を補佐する立場といたしましては、警務部の報告を常に聞いておるわけです。警務部長の報告においては、さような報告は一度もなかったのであります。それからまた、私のほうといたしましては、副議長のお申し出による秘書参事は藤野を任命いたしておりまするが、事務局から一人、副議長秘書参事を任命いたしておったわけでありまして、この秘書参事の身分につきましては、私たちの権限はもちろんございますけれども、副議長のお申し出による参事と立場が違った意味において私たちはいろいろ指導をいたしておるわけでございます。これからも何ら報告がなかったのであります。
○大矢正君 私の聞いているのは、今度ピストルの受け渡し問題をめぐって問題になっている暴力団員——藤野を除く三名、この三名がしばしば国会に出入りをしていたのではないか、こういう点を警務部その他を通じて調べた結果は、どういう結果が出ているのかということを聞いているわけです。もちろん、このピストルを実際に購入をした岡山県の二人の暴力団員は、地理的に遠いわけですから、国会の中にしばしば来るということは不可能であったと思うけれども、しかし、売ったほうの若林某なる松葉会の会員というものは、東京にいるわけですから、国会の中にかなりの回数出入りしておったということが言えるのじゃないかと思うのです。その間の調べた結果はどうかということです。
○事務総長(宮坂完孝君) そうした面会人の範囲につきましては、警務部長のほうから報告いたします。
○参事(二見次夫君) 当時、暴力団員のような者がしばしば出入りしていたというお話であったのでございまして、そういう事実があったということでございますが、端的に申しまして、よくわからないと申し上げるよりほかございません。ただ、そういう事実があったかどうかは、三十八年の十月につきまして調べましたところでは、新聞に出ております名前の二人につきましては全然面会人の名簿には出ておりません。それから、若林という者の名前については、十一月、十二月に、合わせて九回面会人名簿に名前が出ているということでございます。
○大矢正君 松葉会の会員である若林なる者は、この藤野に頼まれてピストルを持って来た。この者は、いま言われたとおり、取引が行なわれたと思われる十一月、十二月にかけて九回、この公式の記録に残っているところでさえ、副議長室に入っているという事実、これはこのくらいの数では私はないと思う。それからもう一つは、この若林という名前が新聞に出た、その名前で調べただけで九回も、とにかく十一月、十二月にかけて副議長室に出入りしている。そうすると、他の松葉会その他の暴力関係団体の会員なり組員なんというものは、かなりの数出てきて、副議長室その他院内に入ってきているということは間違いないわけです。それからもう一つは、いま言われているのは、あくまで議員面会所を通して自分の姓名を書き、住所を書いて、成規の手続で入ってくる者は、そういう登録をされているけれども、副議長室にある面会証を持って迎えに行って、それを渡して連れてきた問題については、名前が出ないわけですから、そういうものをあわせ考えると、たいへんな数の人たちが——暴力団員が、副議長室に出入りしていたということを、われわれは判断せざるを得ないわけです。あなたの部下になると思うが、副議長室にいる参事その他が、具体的にはそういう暴力団の動きというものは、ある程度察知していたのではないか、出入りしているという現実は。こういうふうに私は解釈せざるを得ないのだが、この点について、この問題が発生してから、当時おった者にその事情を聞いたことがあるかどうか。あったとすればどういうことを聞いたか。
○事務総長(宮坂完孝君) 事務局が任命いたしました秘書参事につきましては、その後、いろいろ話を聞いているのでございますが、何ぶん、議長、副議長の事務的なお手伝いをいたすことで、政務のほうについてはなるべく関与しないようにというようなことでございまして、本人から別段に暴力団が出入しておるというような報告も聞いていないし、また、そういうような件については知らぬと、こう申しております。
○柳岡秋夫君 院内に、ある人が来て、これは暴力団の組員であるということを察知することは、これはなかなかむずかしいと思うのですが、しかし、国会の中における警察権の問題からすると、議長の要請がなければできないということからして、当然、警察庁と国会の警務部、そういう間で、暴力団取り締まりという立場からしても、暴力団のそうしたリストなり何かについて十分な把握がなければならないんじゃないかと私は思うのです。したがって、事務当局として、こういう者についてどういうような把握をし、あるいは対策を立てておったのか、それがないのかどうか、その点の説明をひとつ。
○事務総長(宮坂完孝君) 院内の警備につきましては、常に警務部が意を用いておるのでございますけれども、外からの面会人につきましては、面会を求められて、これを指示する方を御信用申し上げておるわけでございまして、特に傍聴人規則と異なりまして、これらは直接指示なされました方の御指示によるわけでございまするから、われわれといたしましては、その点については、単に何の紹介もない傍聴人等とは違った、安心した取り扱いを実はまあやっておるのでございます。しかしながら、たとえ面会証を持って通行する面会人でありましても、これが怪しい者であるというふうに見たり、あるいは危険物を不法に所持をいたしておりますれば、これは警務部に連絡し、衛視が立ちどころに捕え、また、その疑いがあれば院内に入ることを拒否いたしております。それらの点につきましては、そういう方針で従来やっておるわけでございますが、このような不祥事が起こりましたことは、まことに申しわけないと存じております。
○瀬谷英行君 いままでのお話によると、特別な扱いもしておった、この松葉会、あるいはそういったような暴力団関係の人間が出入りしておったということも確かなようであります。たまたま今度は、警察のほうでつかまえて取り調べの結果、ピストルの売買ということが発覚をしただけであって、これが発覚をしなければわからなかったわけですよ。かにり議長なり、あるいは——議長を引き合いに出しちゃ悪いけれども、議長なり副議長なりの秘書にそういった人がおった場合には、院内に持ち込むのは、ピストルを持ち込もうと、機関銃を持ち込もうと——むき出しにすればわかるかもしれぬが、入れものに入れて持ち込まれればわからないわけですね。あるいは極端な話が、麻薬の売買をされようと、そういう刀剣類、銃砲類の売買取引をされようと、これはわからぬ。わからなかったということになってしまうのですね。その点は、いままでのところどうにも方法がなかったと、こういうことになるわけですか。
○事務総長(宮坂完孝君) それらの点につきましては、特に面会を求められてこれを指示した方を御信用申し上げまして、われわれは取り扱っておったのでございますが、それらの点につきましては目が届かなかったということを申し上げる以外にないわけでありまして、私どもといたしましては、こういう点につきましては一そう監視の目を光らせまして、隠れ持っておる、あるいはそれらの者の不審な態度から察知いたしまして、これを予防いたすように心がけるよりないわけでありまして、なお一そう監督を強化いたしまして、それら面会の指示による面会につきましても厳重にやっていきたい、こう思うわけであります。
○大矢正君 きょう私どもがこの議運委員会を開いていただき、かつ警察当局から来ていただきました目的は、昨日の新聞に発表になった副議長秘書のピストル取引事件が副議長室において行なわれたという新聞記事が、もちろんわれわれも初耳でしたが、これが事実であるかどうか、まあ言うならば、事実関係を明らかにしたいということが主たる目的で、委員会を開いてもらったわけで、そういう意味においては新聞に出ました内容は全くそのとおりであるということが明らかになったので、この上は、われわれとしてどうするかということを、帰って十分検討しなければならぬと思うのでありますが、ただこの際、特においでいただいた警察の御当局にお願いしたいことは、私は、いままでの経過からいって、暴力団が院内を自由に通行している姿というものは過去においてもしばしば見られたことである。ただ、われわれは司法権がありませんから、それを捜査するということができないから、今日まで言うことができないでおりましたが、やはり単にこれだけではなく、まだほかにも、いろんなものが私はあると思うので、ひとつ警察庁当局にも、圧力に負けないで、どんどん実態をあばき出してもらいたいことを強くお願いをいたしたいと思います。 それから、これはこういう事態になりますると、当然、院の権威を保持する立場からみて、議長にやはり重大な責任があると私は思うのであります。したがいまして、今日の時点における議長の心境だけを承っておいて、この問題を今後どうするかということは、われわれも十分これから検討したいと思うのでありますが、日本の国会始まって、これ以上の不祥事は私はないと思うのであります。言ってみれば、たとえば警視総監の部屋で、その警視総監の秘書がピストルを売ったり買ったりしたというようなものです。なぜ私はそう言うかといえば、院内に関する限り議長に警察権があるのであって、それは今日の警察といえども、院内に入る際には議長の許可なくして院内に入ることもできないし、院内において警察権を行使することもできない。警察権の一切は議長の手元にある。言ってみれば、警視総監の部屋でピストルの取引をされたと同じことであります。その際には、おそらく私は、たとえ自分の秘書がやったことであっても、警視総監はみずからその責任をとると思うのであります。ところが議員の場合には往々にして責任をとらない。議員だけはまるきり別な立場にいるような考え方が今日横行している。たとえば小林章君の問題についてもしかり、専売公社の総裁が首になっても自分はやめる気にはならない。専売公社の総裁が自分は自主的にやめるといっても、本人はやめると言わない。こういうことが今日、多くの不信感を国民に与えているわけであります。私は、これほど重大な問題はありませんし、こういうように、国民から、参議院とは一体何なんだ、小林章君の問題はとうとう、うやむやになり、また今度の問題もそうなるんではないかという、そういう非常な不信感を国民は持っていると思う。私は、この際、この二度にわたって起こりました参議院に対する国民の批判なり不信感というものを払拭して、やはり参議院はあくまでも良識の府であるという長い歴史を、この際、守らなければならないし、失墜した参議院の権威というものを回復しなきゃならぬと、こう思うのであります。私は、議長にどういう責任がある云々ということをいま申し上げるのではないのでありまするが、この際、この時点において、議長は何を考えておられるのか、これほど失墜された参議院の権威の回復という問題を、ほんとうに考えておられるのかどうか、この点についてお尋ねしておきたいと思います。
○議長(重宗雄三君) ただいまお尋ねもあったのでありますが、このたびの事件につきましては、議院の権威の保持の上からまことに遺憾千万に存じております。議長といたしましても、深くその責任を痛感しておるのでありまして、参議院の名誉回復のために、今後各派皆さま方の御協力を得て、万全の策を講じたいと念願しておるのであります。一応御了承願いたいと思います。
○理事(鍋島直紹君) 暫時休憩いたします。 午後三時二十二分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕