外務委員会 第15号
- 発言数
- 79 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1966/06/07
会議録
○委員長(木内四郎君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 アジア開発銀行を設立する協定の締結について承認を求めるの件を議題とし、これより質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○森元治郎君 今月に入ってから、総理大臣がインドネシアに三千万ドルの円借款を供与するということがきまったようです。片方では、アジア開発銀行というものができて、たいへん繁雑な慎重な手続きをとって金を貸す、それで開発に資そうという銀行利用の考えが実現しようとしております。どうも、片方はどさっと大きな金を一ぺんで貸す、片方はかたい銀行、政府の、この二国間の援助というものに対する態度と、アジア開発銀行というものを通じてじみちに気長に着実に援助をしていこうというのと、それに対する政府の態度というものをまず根本的に伺います。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 従来低開発国に対する経済協力というのを、分野をあげて、アジアに関する限りは開発銀行にこれをまかせるというような、そういう考え方は、もちろん、実際に照らしてこれは適当ではございません。それで、二国間の経済協力の問題は、それはそれとして、アジア開銀はもっぱら国際金融機関として、金融機関が担当すべき——といいますと、結局、回収能力があるということ、そしてその。プロジェクトならプロジェクトというものがほんとうに利益をあげ得るものであるかどうかというような観点から問題を取り上げて、開銀が開銀としての立場からアジアの開発に協力する、こういうたてまえでございまして、おのずから分野がきまっていくものと考えております。二国間の経済協力の中にも、銀行が取り上げて借款を供与し得るというものもありましょうし、銀行が取り上げにくいものもあるだろうと思います。まあ、そういったようなことでございまして、画然とこの線を引くということは、これはむずかしい問題だと思います。そこで、まずインドネシアの三千万ドルの借款供与の問題でありますが、これなどは、かりにアジア開銀ができておったとしても、どっちかというと、インドネシアが非常な債務超過におちいりまして、国際貿易もきわめて不円滑になっておる。そして、国内も経済状況がかなり困窮しておるという、こういう非常事態に対して、その関係国が国際債権者会議を開いて、これに組織的に救援の手を伸べる前の一時的な緊急需要というものを満たす意味において、特に日本に対して借款の申し入れがございまして、日本といたしましては、インドネシアと日本との関係から見て、どうも黙って見ているわけにいかない、こういうことで、やや政治的な考えをも入れて、そして六月、七月、八月、この三カ月の緊急需要に充てるために三千万ドルの借款供与に踏み切ったような次第でございまして、こういったようなものは、本来こういうアジア開銀のような国際金融機関の取り上げるものにしてはきわめて不適当な似合わしからぬものである、こう考えるわけでございます。
○森元治郎君 アジア開銀に出資し参加している後進国から見て、金を借りる場合の手続なんかたいへんむずかしいのだけれども、片方は借金もたくさんかかえていて払う能力もない、そこへは裏のほうから金が借りられるとなれば、アジア開銀に対する期待というものが、その他の東南アジアの国々については少しく割り切れない気持ちが残るんじゃないか。この点はどんなふうにお考えになりますか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) いまのインドネシアは一時的に経済が混乱しておりますが、インドネシアの資源の状況から見て、決して将来にわたってこれが焦げつきになるというふうにきまったものではない。やはり、適当な方法によって経済を整理してまいりますれば、支払い能力は漸次出てくる、そういう望みがあるのでありまして、三カ月間の緊急需要をまかなう意味において先方が日本に対して特に借款の申し入れをした、こういう状況でございまして、他の債権国のごく一あるいは二国くらいにもこういう緊急借款の申し入れをするようであります。その他の国は別にそういう問題に対して意欲があるわけでもない、日本が緊急借款に応じたからといって特別の代償を求めておるというわけでもない。そういうわけでございまして、他の国との関係においては何ら摩擦を生ずるようなことはございません。 それから、アジア開銀というものが正式に成立するのは十一月早々から開店するわけであります。そういうことで、現実にアジア開銀の領域を侵すというようなことはあり得ない。のみならず、先ほども申し上げましたとおり、こういったような、多分に政治的な意味を持っておる緊急借款の供与というような問題は、もともとアジア開銀の仕事にはふさわしからぬ、こう考えております。
○森元治郎君 この三千万ドル供与にあたって、聞くところによれば、政府部内でもいろいろ意見がありまして、大蔵省などは非常にきびしい態度で一千万ドルの当座のつなぎ融資でいいじゃないか、通産省は三千万ドル、外務省は一番強気で四千万ドルだ、こういうような主張が述べられたと聞いております。この金額を逆に見れば、それだけ、いま大臣がおっしゃった、先行きインドネシアの政局、経済情勢が安定するという見通し、少してこ入れすれば安定するのだという楽観的、また逆に言えば、積極的な支援態勢、ところが、金庫番の大蔵省はそうは見ないで一千万ドル、通産省は商売をやる、あるいは通商関係を取り締まっている立場から渋い線を出しているといったような感じを受けるわけです。インドネシアの現状に対する認識がこういうふうに変わっているために、援助額の算定のしかたもそういう違いが出てきたのだと思うのです。そうして、佐藤総理が、関係閣僚会議で話し合いがつかないので、三千万ドルというのをきめたと聞いておりますが、外務省は楽観的、大蔵省が悲観的といいますか、消極的という、この態度をどういうふうに御説明になりますか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) これは、佐藤総理が各省の意見の不一致を、総理によってきまったというのではなくて、もうこれは大蔵省がむしろ向こうの大蔵大臣と直接折衝をして十分に納得してこの三千万ドルというものは決定されたわけであります。
○森元治郎君 そうすると、新聞その他に大きく報道されておる福田さんの発言その他がだいぶ渋いように見えるのですが、それは事情が違う、こういうことですね。
○国務大臣(椎名悦三郎君) まあ、いつも大蔵省は初めには渋いことを言っているのです。予算の査定でも、初めはもうゼロ回答から始まるので、そういったようなことを特に新聞が報道したかもしれませんが、これはもう十分に納得してきめた線でございます。
○森元治郎君 そうすれば、三千万ドルのこの返済の計画とか使い道ですね、それから融資の方法というものは、およそきまっておると思います。それは福田さんが向こうの大蔵当局との話し合いもしたんですから、数字に明るい、渋い大蔵大臣としては、この間のおよそのめどをつけたと思うが、どうなっておりますか。
○政府委員(西山昭君) 三千万ドルの新規緊急借款につきましては、三千万ドルの金額を確定いたしまして、それから、その使途につきましては、インドネシアの経済再建計画の説明によりますと、非常に緊急な、たとえば食糧増産用だとか、あるいは現存します工場の不足をしておりますそういう部品の補給であるとか、輸出の奨励用の物資でありますとか、あるいは産業の増産の意欲を助長します農民に対しまする奨励物資であるとか、そういうものに限られておりまして、そういうものをインドネシア政府から品目のリストの提出がありまして、それに基づきまして日本側で三千万ドルの内容に合うような品目の決定をインドネシア側と相談してきめるようになっております。 それから条件につきましては、実は、ブオノ副首相一行が見えましたときには詳細に打ち合わせするひまもございませんでしたし、これからインドネシア側と話し合いできめる段階になっております。
○森元治郎君 財界のほうや何かでは、こまかいことを言うじゃないと雑誌に書いてあったのを見ると、どこかの、戦前有名だった、南方で働いた実業家は、一年に一億ドルくらいは出せ、十年間十億ドル、そのくらいを捨てるくらいのつもりで出せと、浪花節的に、金は出すのだ、債務が残っている、取り立てが不可能だ、焦げついたなんということを言っているのは、ほんとうの東南アジアの応援にはならないのだというのも、つかみ金といいますか、大胆、あるいはむちゃなそういう態度は、どうも金銭の貸し借りのときに、政府のそういう気分が反映して貸し借りに慎重さを欠いているような感じがするんです。何かにせっつかれて、早くやらぬと、インドネシアの情勢は流動的であって、必ずしもいまのスハルト陸相に率いられる新しい権力者の力が、逼塞したと見られる共産党及びスカルノの勢力に完全に取ってかわったのではないから、早くやらなければならぬといったような様子がそこに見えると思うのです。大臣は、さっき、安定するようなお話でしたが、もういまのスハルト政権がやっておる外交政策、いわゆる西寄り——国連復帰も口にし、国連の関係機関に入る、マレーシアとも仲よくするという、こういうものはもう確立して、再び混乱が起きることはないという確信がおありですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 大体の見通しは、私は、もうほとんどついたものと考えております。ただ、国内において大統領の権限と新政権との関係、そういったようなものについていま行なわれておる状況が必ずしも合憲的でない——憲法に合っているわけでもない。そしてかなりせんじ詰めていくと非常にあいまいな点があるというようなこともあるようでございます。そういったような問題は、近く開かれる、十七日から開かれる暫定国民協議会においてはっきりさし、そして、そのはっきりさした基盤の上に今後新政権が政情の安定を保っていくということになっておるようでございますから、そういったようなこともあわせ考えますというと、大体新政権がインドネシアの今後の政情をおさめていく、そういうふうな見通しを私どもは立てておるわけであります。
○森元治郎君 こまかくなりますが、この三千万ドルだけで本年度の緊急援助は終わりになるんですか。また、この三カ月終った九月以降、年内になお五千万ドルを出すんだという説等——新聞記事でありますが、大蔵省ではあと残り二千万ドル出せばいいんだ、全部で年内は五千万ドルなんだという話がありますが、どういう事情にありますか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 八月一ぱいまでこれは緊急需要として日本その他一、二カ国に借款の申し入れをしておると、そして九月からいよいよ国際債権者会議を開いて、そして従来の債権をたな上げすること、それからまた、たな上げするばかりではだめなんで、やっぱりここで車が回り始めるためには、なお若干の新借款を必要とする。それが九月から——局長から申し上げますが、新借款とそれから従来の旧債をたな上げ、延期する、この二つの項目について国際会議が開かれて、そしてそこで決定する。その結果日本がさらにどういう新借款を引き受けることになるか、それはコンソーシアムによって決定される問題でございますので、いま予断するわけにはまいらない。しかし、向こうとしては、インドネシアとしては、五千万ドルぐらいを予定しておるようでありますが、こういった問題は、両国の外務大臣の会談によって、大蔵省も十分に承知しておるところでございます。
○政府委員(西山昭君) インドネシアの代表団の説明によりますと、六九年の末まで、本年を入れまして四カ年ぐらいを緊急の経済の再建計画の期間と考えておりまして、その間に新規の、経済的な価値の乏しいような新規計画はやめるし、また現在進行中の計画でも、絶対に必要と考えられないようなものは中断する、あるいは延期する、そうして、この当面の施策としましては、最も必要な現存の施設を回復し、かつインドネシアの民生に寄与し、輸出を増大させる趣旨の経済の施策に最重点を置きまして、その間に経済状態を通常の状態に返すということを一応の計画としているようでございます。そうして七一年以後に本格的な経済の発展を企図するということでございまして、債務の償還その他につきましても、七一年を過ぎまして支払いを行ないたい。その間といえども、もちろん七〇年、七一年には部分的に返済をいたしますが、それまでの間におきまして、外貨が非常に不足しておりますし、それまでのつなぎの金が要る。そういう意味におきまして、インドネシア政府はインドネシア政府として一応計画を立てまして、暫定的に、本格的な経済の再建の時期に至るまでの新規の借款をほしいということを申しております。これが合計約十三億ドルでございますが、その新規の借款が入りますれば、インドネシア政府は、それ以前といえども再建計画に従いまして返済を行なうという思想でございまして、両々相まちまして返済計画が具体的に動きますれば、ネットの四年間の新規の借款の需要は約八億ドルぐらいに彼らは推定しておりまするが、もちろん、これらの数字及びその基礎になりまする経済再建計画、そういうようなものはインドネシア政府の一方的な説明でございますが、私どもといたしましては、本格的にインドネシアの経済の再建を実現いたしますためには、日本のみならず関係国が多数協力して、なかんずく国際機関でありまするIMF等の助言と指導を得まして、これをやらなければ実効は期しがたいということでございまして、この点はインドネシア政府といえどもよく了解いたしておりまして、その意味におきまして、なるべく早く関係国の会議を開きまして、そうしてIMF等の専門的な知識も入れまして、再建計画が地についたものができました場合には、それをもとにしまして債務の返済計画及び所要の新規借款計画というようなものをあわせて考えまして、そのときに具体的にどれぐらいの数字が必要かという結論が出るように考えております。その意味におきまして、いまの考えといたしましては、早く国際会議を開きましてそういう方向に進むようにインドネシア政府と話を進めていくことが必要であると思いますが、それまでの緊急のつなぎといたしまして、さしあたり日本は三千万ドルの借款を承諾したわけでございます。もちろん、これはほかの国も同様の趣旨の協力をすることをインドネシア政府も期待しております。そういう意味におきまして、今後どれぐらいの新規借款が要るか、また、各国がどのようにそれを分担するか等は、現状におきましてはまだきまっていないのが実情でございます。
○森元治郎君 アメリカはどういう援助をこの際しようとしているのか、したのか。アメリカはどうなっていますか。
○政府委員(西山昭君) これは外国のことでありますので、私から申し上げるのもどうかと思いますが、私どもが了解しております限りにおきましては、アメリカは目下綿花を供給いたしまして、インドネシアの工場の雇用も兼ねまして、加工能力のある綿布工場に相当数量の綿花を供給する話し合いをいま行なっておると了解しております。
○森元治郎君 金額にしてどのくらいになりますか。
○政府委員(西山昭君) 私の知っておりまするところでは、七万五千俵でございます。
○森元治郎君 債権国会議というのは、だれがイニシアチブをとるのですか。それが一つ。それから七月の半ばごろ開かれると言うが、どこで開いてどんな国が参加するんだろうか。日本がイニシアチブをとって各国に働きかけるのか。どういう関係になりますか。
○政府委員(西山昭君) インドネシアの政府は、御承知のとおり、目下関係の西欧各国に使節団を派遣いたしまして、インドネシアの経済の現状の説明を行なっておる段階でございます。インドネシア側といたしましては、債権国会議というのはもちろん異議ないわけでございますが、礼儀上、各国の意向を承知いたしまして、その上で最終的にインドネシア側の結論を出したい、こう申しておりまして、現状におきましては、いずれの国がそれを招集するか、あるいはいつこれを招集するか、そういうものはまだきまっていないのが実情でございます。
○森元治郎君 まず債権国会議に参加しそうな国と思われるような国はどういう国々ですか。
○政府委員(西山昭君) ただいま申し上げましたように、その債権国会議の招集の話し合いが具体的に詳細に各国間でまだ行なわれていない状況でございますので、いずれの国がそういう会議に出席しますか、その点申し上げかねる実情でございますが、関係国は、なかんずく西欧各国は、そういう国際的な会合でインドネシアに対するマルティラテラルな協議を必要とするということは大体異議ないように考えております。
○森元治郎君 ソビエトもインドネシアにだいぶ古い鉄砲みたいなものを売っていたんでしょうが、今度ソ連がこれに入りそうな資格といいますか、立場にありますか。
○政府委員(西山昭君) 御承知のように、インドネシアの債務の約半分は軍事援助でございますが、これを供給いたしましたソ連及び東欧圏諸国がそういう会議に入るか入らないか、その辺につきましては、まだ何ら具体的な話し合いは行なわれておりません。
○森元治郎君 日本は、この債権国会議を開くことにつきましてイニシアチブをとる立場にあるのですか。
○政府委員(西山昭君) この辺もまだ最終的にきまっているわけじゃございませんで、インドネシアの使節団が各国を回りまして、あるいはその間の過程におきまして、そういう問題が表面に出てき、また解決を要する段階になると考えております。
○森元治郎君 債権者が集まって相談するのだから、債権者のほうの中の一番関係の深いと思われる日本がイニシアチブをとるのが当然じゃないですか。
○政府委員(西山昭君) 通常、たとえばアルゼンチンだとか、ブラジルの場合のような債権繰り延べの会議でありますと、債権国だけの会合でございます。しかし、インドネシアの場合は、先ほど申し上げましたように、債権国のみならず、いろいろの新しい協力の必要もございますし、従来債権の支払いの遅滞だとか、あるいは債権が非常に少ない国でありましても、新規の借款等の関係もございますし、必ずしもいわゆる債権国に限る必要はないかとも考えられまして、従来と若干考え方が違ってしかるべきでないかと私どもは考えておる次第でございます。
○森元治郎君 これを要するに、大臣、どうですか。こんな信用の不安な、だれが見ても信用の不安なることはわかっているし、融資の対象としては最もこれは悪い対象だと思う。しかし、まあ緊急だということで、研究もなく、向こうとの打ち合わせもなく、借款の条件の話もなく、どかっと貸す。債権国会議を開催することも賛成でたいへん身を入れているのは、インドネシアがいわゆる北京寄りから離れたということ、この機を逸せず、この橋頭塗を自由陣営のほうに取り込むのだというふうに、まあ、だれが見ても見られると思うのです。そこで、こんなことがあったと思うのですが、これはコミュニケにもありましたが、インドネシアの国連への復帰、国際機関への参加というようなことが書かれていましたが、国連に戻りますというそういう約束、国際社会に戻りますという約束、その約束をするんなら、金も、こっちもつらいんだが貸してやろうと、こういうふうに出たんだと想像をします。インドネシアの国連復帰ということは当然確約があったと思うのですが、ここで日本政府も踏み切って肩を入れたと思うのですが、どういうふうな事情になっておりますか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) インドネシアと日本との関係は、もう従来からすでに非常に緊密な関係に置かれておりまして、経済協力についてもこの点は同じでございます。それでへ先般の九月三十日以来のインドネシアの混乱等につきましても、利害関係のある各国は、もうすべて日本の大使館についていろいろな情報を得たというような状況でございまして、きわめて緊密な関係がある。そういうことで、インドネシアとしても債権国まあ武器援助の国はしばらくおくといたしまして、通常の経済援助の関係にあった諸国の意向だけは大体打診して、そうして、まず日本から使節団の訪問を始めた、こういう状況でございまして、別に急いで自由陣営の橋頭堡を築いたというようなそういう行動は、別にとっておりません。 それから、向こうの政情ということが、非常に将来のインドネシアの経済再建の上においてきわめて重要な問題であります。でありますから、マレーシア粉砕政策というようなものをやはり依然としてやるのか、これはたいへんな軍費を使っているようでございますが、だいぶ国の経済が非常な困窮をしておるにかかわらず、こういう政策を一体まだ続けるつもりであるのかどうか。それからまた、マレーシアが安保理事会の非常任理事国になったからといって急激にあそこを脱退したんですが、したがって、IMF等国連の国際経済の部面を担当しているような国と全部離れておる、こういう状況でございまして、そういうようなものに対する考え方はどういう考え方であるかというようなことは当然聞いたわけです。こういうことをやるなら考えるというような、そういう言い方はもちろんいたしません。ハメンク・ブオノ副首相が見えて、そしてこっちから要求するまでもなく、インドネシアの将来の政治の持っていき方、見通し、そういういろいろなものを詳しく向こうから聞いたわけでございまして、特にそういうことを押しつけたというような経過は一つもございません。
○森元治郎君 国際連合に復帰する、こういうことは、その話の過程の中でどういうふうに向こうはインドネシアの態度を説明したか、それを伺いたいのであります。インドネシア政府の新聞発表であったと思うのですが、しかるべき筋——国連に駐在するインドネシアの政府代表の人が、ウ・タントかだれかとその点で話をしておる最中であるというような新聞ニュースも聞いたと思うのですが、復帰をするという確約はありましたか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 復帰をするという意思があればこれはきわめて簡単な手続によって復帰ができそうだというような報告がありました。その点は、だいぶ手を打っておるようでございます。
○森元治郎君 そうすると、だいぶインドネシア関係はえらいスピードで動いているようですが、来たるべき九月二十日ですか、今度の二十一国連総会には簡単な手続で議席にすわるということも想像して行き過ぎではない、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 九月の総会には復帰ができるように手続を進めておるという話でございます。
○森元治郎君 そうすれば、このアジア開発銀行に当然参加をしてもよい気楽な立場にあると思うのですが、この点についての意向は確かめられましたか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 国連復帰をせんでも、入ろうと思えば入れるようでございます。でありますから、アジア会議に参加をするという問題については、話は、私の知る限りにおいては、出なかったようでございます。これは当然入ることになるであろうということを期待して差しつかえないのじゃないかと考えます。
○森元治郎君 そのインドネシアの国連復帰ですが、一たん出たものが入るという場合の国連の規約という明快なものはないように聞いておるのです。そこで、戻って来ましたよと言って、やあ、しばらくと言って席にすわってしまえばそれで済むようなものか。その間の手続上の話をこの際専門家に承りたい。
○政府委員(滝川正久君) 手続的なことでございますので、私から……。脱退の規定も国連憲章にはないのでありますが、そういう事情でございますから、いわんや、一たん脱退した国が帰る場合についての規定も、先ほど先生の御指摘のとおり、ないわけでございます。そこで、今度復帰する場合の手続はどうなるかということは、実は明文上はっきりきまっておらないのでありますが、別な国が新しく加盟するという場合の手続をとりますと、これは、いままでの総会の三分の二と、それから安全保障理事会の五大国を含む九票というものをこれを必要とするわけでございますが、今度の場合は必ずしもそれによらないのではないか。あるいはそれによるという形をとるかもしれませんけれども、ほとんどの国がまず賛成するというコンセンテイニアスがあります場合には、関係国の了解を得て簡単な手続で復帰さしてやろうというようなことで事務局で検討しておるわけでございます。しかし、これはすべて加盟国の意思にかかる問題でございまして、事務局案が最終的に採択されるかどうか、それは何とも言えないわけでございますが、そういう方法で検討しておるように聞いております。
○森元治郎君 関係国間で話をするという関係国ということと、簡単な手続とは、事務総長あたりの何か発意で過去の経過を報告し、「本日ここにインドネシア代表を再び迎えることはわれわれの最も欣快とするところ」というくらいのことを言って終わってしまうのかな。
○政府委員(滝川正久君) そういう方法も一案だろうと思います。しかし、そういうふうに確定しておるわけではございません。
○羽生三七君 いまのに関連して。インドネシアがこういうたくさんな債務をかかえるようになった理由は、それは九月三十日事件の影響も非常に大きいでしょうが、それ以前から外貨不足あるいはいろいろな経済困難に悩まされておったんですが、その事情はどうなのか。また、それはいまのような援助で、はたして本質的な改善が可能なのかどうか、その辺の見当はどうなんでしょう。
○政府委員(西山昭君) 御指摘のとおりに、インドネシア経済が急速度に悪くなりましたのは、九月三十日以前から始まっておりまして、ここ一両年にそういう傾向が強くなりました。九月三十日事件のあとは、そういうものに対する国内的な情勢から対策がまた特にとりにくくなったというような事情がございまして、状況は加速度的に悪くなったような次第でございます。これに対しまして、一体はたしてうまくいくかどうか、援助でうまく乗り切れるかどうかという問題がございます。もちろん、インドネシア自身が政府がしっかりいたしまして、経済にもう少し——もう少しといいますか、非常な重点を置きまして、挙国的に経済の再建につきまして、行政面のみならず、いろいろの面におきましてそういう努力を続けることが、私どもは先決だろうと考えております。現在の政権はそういう意味の努力を続ける——すでに始めておるように見受けられますし、また、インドネシア自身の努力だけでもなかなかうまくいかない。そういう意味におきまして、関係国が応援をしてやる。両々相まって、このインドネシアの経済というものが通常あるいは通常以上に発展するチャンスがつかめるものと了解しております。
○羽生三七君 いまの問題ですが、それはみんなの協力で援助の成果があがることを期待するのは、それはわかりますが、国民のたくさんの金を使うのですから、それはわかりますけれども、その原因を確かめて、それを解消するにはどうしたらいいかという政策がなければだめですね・それですから、インドネシアの内政上の問題について、特に外交上、政治上の問題についてかれこれ言う必要はないと思うのです。ただしかし、経済の問題につきましては、金を援助してやるのですから、これはあなたのほうではどういう再建計画をもってそれを達成することが可能かどうかは、そういう意味の発言は幾らやってもかまわぬと思うのです、政治的にとらわれさえしなければ。そういう意味の計画を十分持って対処しているのかどうかということ、これを伺っているわけです。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 従来の政権のやり方を批判しようとは思いませんが、しかし、マレーシア粉砕計画というものは一体何をねらっておるのか。ただ国内の、国民の士気を鼓舞するためにああいう大げさなことをやって、非常に多額の軍事費を使っておったのではないかというふうな考え方を各国ともみんな持っております。経済がこういうふうに混乱してしまって、なおかつ、あの粉砕政策というものを続けるかどうかということは、これは債権国がその復興に協力するかしないかという大きな私はやっぱり要素だと考える。ところが、向こうからそういうことを自発的に申し出たので、なおいろんな詳しい話し合いをいたしまして、大体そういうめどを持って努力すると、そうすれば必ずこの問題は解決するものと、そういう見通しをわれわれはつけることができたわけです。それからもう一つは、新興国で、やっぱりどこの国だって国際連合に加入して、そしてIMFその他の協力を得ておるような状況でございます。これをみずから振り切って脱退をしたと、この関係は一体どういうふうになっているかということもひとしく債権国の関心の的であったのでありますが、それももうすでにそのことは手を打っておると、そして見通しもついたと、いま答弁で申し上げたようなそういうことを聞きましたので、あとは、さしあたり経済復興にあまり役立たない建築であるとか、その他の造営物を建設するとかというようなことは、当然これは繰り延べるような計画であるようでございます。でありますから、新政権が固まるにつれて、そういう経済以前の政治的な基盤というものをつくり上げるのではないか、そして今度は借款の問題を具体的に検討する場合に、それぞれの関係国が、これはまあ当然借金をするんですから、どうして返すんだということを問いただすことは一向差しつかえない。そういうような出方をすれば、十分に、あの国の豊富な資源から見て、私は復興する可能性大いにありと、こう私は考えております。
○杉原荒太君 前回の委員会で、森委員の質問に対して外務大臣から、この協定にソ連が入ることを期待しているという意味の御答弁があったように思います。低開発国問題、いわゆる南北問題について、この種の、ことにソ連が協力するということは一つの新しい政策を示すものであって望ましいことだとは思うが、外務大臣の言われた、その期待しておるという中身は、そういうことを日本として希望しておるというだけの意味なのか、それとも、現実にいままでソ連側と内面的の折衝等において、近く加盟するであろうという期待する根拠があっての話なのかどっちなのか、その点を私伺いたい。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 開銀の設立に関する準備会議がしばしば開かれておりますが、それにはソ連のほうから出席をしております。そういうことが一つ。それから、信託基金に参加の可能性があるということをエカフェの事務局長が述べておるのでございます。この二つの事実から、ソ連が参加する——少なくとも参加を拒否するような態度ではない、で、こちらから話しかければ何らかの形において参加するという可能性があるのではないかと、こう思っている次第でございます。
○杉原荒太君 参加する場合ですね、参加というか加盟というか、一体こういうものに関する規定が、この協定、ぼくは実に不備だと思うのだが、現在でき上がっているこの「署名及び寄託」、「批准又は受諾」、「効力発生」、この辺のところの規定を見ると、一体この現行の規定それ自体にのっとっては加盟しようにも加盟できないように思うのだが、それはこの協定の規定とは別個な手続によってそういうふうになるのですか、どうなんですか。
○政府委員(滝川正久君) 協定によりますと、銀行への加盟国の地位はいろいろあるのでございますが、エカフェの加盟国ということを第一に書いているわけでございます。現在ソ連はエカフェの加盟国でございますので、これに該当する……
○杉原荒太君 いや、私の言うのは、そういう一般的なことじゃなく、具体的に君、ここの「署名及び寄託」、「批准又は受諾」、「効力発生」、この辺の具体的な条項を見てごらんなさい。これらのどれによってそれは具体的にやるのです。
○羽生三七君 いまの問題は、設立総会が済んでいるのですから、新たな加盟という場合の手続規定……
○杉原荒太君 その場合にしても、ここに加盟というか、加盟のための手続の条項がなくちゃならぬですが、それが、この現行規定ではそれに適用できるような規定がないでしょう。どうやってやるのです。
○政府委員(滝川正久君) 第三条の2項の規定がそれに該当するものではないかというのがわれわれの解釈であります。第1項におきまして、加盟国の地位につきまして規定いたしまして、エカフェの加盟国、準加盟国、それからその他の……
○杉原荒太君 それは原則をきめてあって、そのあとのほうの、君、手続規定のところにはそれがないじゃないか。
○政府委員(滝川正久君) 1項のそれを受けまして2項に書いてあります。「1の規定に基づいて加盟国の地位を得る資格を有する国であって第六十四条の規定に従って加盟国とならないものは、銀行が決定する条件に従い、かつ、総務の総数の三分の二以上の多数であって加盟国の総投票権数の四分の三以上を代表するものによる賛成の表決をもつて、銀行への加盟を承認される。」と、六十四条の規定で加盟しない場合にも、そのあとでこの要件、これを満たしますと入れるのでございます。
○杉原荒太君 ああそうですが。それはわかった。 それから、インドネシアとビルマがこれに加盟してない。いろいろアジア的性格というのを非常に強調しているのだけれども、あなた、ビルマとインドネシアが入っていないというと、いわゆるアジア的性格に非常に大きな穴があく。さっき外務大臣のお話によると、そのうちのインドネシアについては、これは入るのが当然だと思っておるというお話だが、しかし、当然だとこちらで思っておっても、それは向こうさんはほんとうにどうなのか。話してみての上の話なのか。日本としては、こういうことについて、いよいよ国会の承認を求める、さらに批准の手続をとろうとする場合に、その時点において、少なくとも入る入らぬは向こうさんの自由だけれども、はたしてどうかということを確かめておく措置は必要だと思う。その確かめる措置はこれからとられるのでありますか。
○政府委員(滝川正久君) インドネシアにつきましては、大臣のおっしゃったとおりでございまして、まあ可能性はあるのではないか。ビルマは、実際問題として、ビルマの現在の政策から見まして私は可能性は乏しいと思いますが、いずれにしても、今後そういう点をもっとよく確かめてみたいと思います。
○杉原荒太君 それは確かめるのは、やはりここでこういった重要な措置を日本として意思決定をしようというときだから……。その前にわれわれも承知したいのですね。 それから、この協定の効力の発生時期と、それから批准書の寄託時期との関係ですが、批准書の寄託時期は具体的にきめてありますね。これに限定してありますね。それから、効力の発生期日はそれとは別個にきめてある。それは必ず全部の寄託がなくても、それ以前においても、この六十五条だとかにきめてあるこの要件を備えておればこれは効力を発生すると、こういう趣旨だろうと思う。そうすると、個々の批准書の寄託時期が九月三十日以前である、批准書の寄託が。九月三十日も含むんだろうが、一体それまでに——九月三十日以前において、この六十五条の要件を満たした場合でもこの条約は効力を発生するということが予見されますか、どうですか。
○説明員(大和田渉君) 規定上から申し上げますと、先生のおっしゃいますとおり、批准書の寄託は九月三十日まで、効力の発生は、域内の十カ国以上を含む十五カ国の署名国であり、かつ、授権資本の六五%以上のものが、それぞれの批准書または受諾書の寄託を完了した場合には効力を発生する、こうなっておりますので、規定上から申し上げますと、先生のおっしゃいますとおり、九月三十日以前にその効力を発生するという可能性があるわけでございます。ただ、実際問題といたしましては、関係各国——まあ現在三十一カ国が署名しておりますが、おそらく一斉に寄託するのではないかというふうに想像されるわけでございます。したがって、繰り返して申し上げますと、理論上は、規定上は先生のおっしゃいますとおりに、九月三十日以前に効力を発生するという可能性があるわけでございます。ただ、実際上は九月三十日になる、あるいはそれ以前になる可能性もありますが、おそらくこれを批准しようという国が一斉に批准書を寄託するということになるのではないかというふうに考えております。
○杉原荒太君 私の聞きたい点は、その実際上の状態を聞きたいのだ。現在すでに国内的には批准を了しておる国がありますか。また、批准書の寄託までいく国がありますか。
○説明員(大和田渉君) 現在までに批准書を寄託した国はまだございませんです。
○杉原荒太君 寄託はしないけれども批准をした国があるかというのです。国内の批准手続を了した国があるか批准までいかぬでも。もう一つこまかく言うと、国会の承認を得るということ——憲法のある国で国会の承認を経ている国があるか。
○説明員(大和田渉君) 私承知しておりますところでは、米国、韓国、フィリピンが国内手続をすでに了しております。
○杉原荒太君 そうして、少なくとも九月三十日くらいまでの間には、この六十五条の要件を満たすだけの批准書寄託というものが間違いなくできるという見込みは十分立て得る状況にあるかどうかということです。
○説明員(大和田渉君) 従来この銀行設立のために現在署名しております三十一カ国が、協力してまいりまして、その結果でき上がりましたこの協定でございます。したがいまして、内容的にも十分納得の上で署名いたしておりますので、われわれの見通しといたしましては、この六十五条の要件を満たして必ず効力は発生するというふうに考えております。
○杉原荒太君 それならけっこうだが、しかし、それをやっているのは政府ですから、それぞれの国の国内事情、国会というものがあるのだから、現にフィリピンのごとき日本人の関与した問題もああいう事態になっていることであるし、はたして、その辺のところは外務省でずっと心しておられるだろうと思うけれども、日本は批准した、しかし、よその国は予想に反してしないんじゃないかというようなことがあってはいかぬから聞いておりますけれども。
○説明員(大和田渉君) われわれといたしましては、今後とも各国の国内手続の進捗状況というものはチェックするつもりではおりますが、現在どう考えるかという御質問に対しましては、日本としては、あるいは日本の政府と申し上げたほうが正しいかと思いますが、必ず効力を発生するというふうに考えております。
○羽生三七君 ちょっと杉原さんの質問に関連して、いま杉原さんはインドネシアとビルマのことを問題にされましたが、エカフェ加盟国がこの加入の原則になっておりますけれども「たとえば北鮮とか北ベトナムが加入しないのは、これはエカフェ加盟国でないからこれはやむを得ないとして、インドネシアとビルマは問題だと思う。ところがビルマは、先日の新聞によると、近く首相が訪日するということを受諾したというのですが、これは事実ですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) それは、日本とビルマと協議いたしまして同時発表いたしました。間違いありません。
○羽生三七君 これは私は非常に興味ある問題だと思う。というのは、あれほど閉鎖的であったビルマが、日本に首相が来るということは、これは非常に珍しい問題だと思います。ですから、そういう場合に、やはりそういう問題についても十分話し合ったらいいと思うし、それからグロムイコ外相が来たときにも、ソ連にもそういう問題を話し合ったらいいと思うのでありますが、その点はどうですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) ここでお約束するということは適当ではございませんが、そういう気持ちを持っております。
○森元治郎君 二つの点だけ伺いますが、一つは、こういうふうなつかみ金みたいな、緊急だというので、つかみ金で貸してくれる、貸してもらう条件はあとできめるということになれば、今度のアジア開発銀行に加盟した国々、ことに後進国の場合——金を借りるほうの側ですね、金を借りるほうの側の国々はアジア開銀に多くの期待を寄せない、こういうおそれはないのですか。そういうことになれば、このアジア開発銀行の権威というものが——できないうちからそれの権威、期待が薄くなってしまうのじゃないかということが一つ。 それから金の出し方も、変なひもつきに見られるおそれも多分にある場合、アジア開発銀行の中にも、通常業務のほかに信託基金というのがあるので、この開銀のような機関を通じて開銀参加の理事国はこれが取り扱いについては、その内容をよく承知して、変な貸し方はしないのだということで、みんなが、この東南アジアの国々にも見せながら、そうしてインドネシアに融資をしていくという方法も、こういう銀行をつくった以上たいへんいいことではないかと思うのです。その点についてはいかがですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) まあ、個人の場合もそうですが、銀行があって、銀行から借りられる場合はそれはいいんですが、そうじゃない場合もある。銀行ができたから銀行に来いと言っても、銀行は銀行の立場から貸せない場合がある。でありますから、個人の場合と同じように、政治的な意味を持った緊急援助借款というようなものを私は禁ずる必要はない、禁ずると言っては少しことばが強過ぎるかもしらぬが、そういうものに対して制約を加えるという必要は私はないと思います。
○森元治郎君 第二点の、銀行を通じて信託基金とかいう制度もあるようですから、そういうものに振り込んで、そうして今回のようなインドネシアへの借款を処理していくということは、参加加盟国、後進国にも内容、条件を見せながら、きわめて公正な貸し方ではないか。同時に、開発銀行に対する権威を増すのではないか。ついでだからもう一つつけ加えれば、私は銀行というのは大きらいで、今度のアジア開発銀行は中小企業金融公庫みたいなもので問題になりませんことはわかります。銀行という全くいやらしい貸す機関じゃなくて、国際的な別な、IMFというか何といいますか、別な形でのお金をプールして、全世界がみんなインチキな貸し方はしないんだと、こういうような機関をつくってやるほうがほんとうだと思うのですが、どうもアメリカ式——ドルのにおいが強い銀行の制度というものはおもしろくないと思うのですがね、この二点。
○国務大臣(椎名悦三郎君) とにかく、相当返済能力が十分に確認されてそれで銀行から借りられるという場合には、それはもうおそらくアジア開銀というものをみな利用するだろうと思います。しかし、そういう場合でもおのずから資金量に制限がありますから、なかなかそうすべての国の意向を十分満たすわけにはいかない。そうすると今度は、特殊の関係のある国の援助、協力ということになるわけであります。でありますから、そういう場合でも直接やらないで、とにかくアジア開銀の窓口を通して、そうして信託基金に振り込んで、そうして今度その信託基金のほうから、貸す条件があるかないかということを吟味さして、そうして開銀としては、返済能力がない、だから開銀の名誉にかけて取りつぶすわけにいかない、こういうような場合にはそれでもいい、こういうような関係であれば、それでもいいでしょう。しかしながら、やはり生きた人間と人間との関係と同じように、国と国との関係はいろいろございますから、そういう場合にその二国間の問題処理にまかせちゃいかぬという考え方は、私はどうも実際的じゃないように思われます。
○森元治郎君 そうすると、このアジア開発銀行というものは、まあたいしたことない銀行だ、資金量は少ないし、銭借りに行けば、市中銀行と同じで、こうるさくて、貸付係に頭を下げて、担保は取られるわ、もうとても借りに行くところはなくなっちまう。これはどうですか。たいへんな期待は持てない、こういうふうに見てよろしゅうございますか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) まあ、開銀に行ってもりっぱに大いばりでこれは必ず貸してくれるという自信のあるプロジェクトを持った国は大いに利用すればよいと思います。
○委員長(木内四郎君) 他に御発言がなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度にいたしたいと思います。 本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十六分散会