科学技術振興対策特別委員会 第8号
- 発言数
- 40 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1966/06/24
会議録
○委員長(大森創造君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。 委員の異動について報告いたします。 六月十日、向井長年君が委員を辞任され、その補欠として片山武夫君が選任されました。 また、六月十四日、片山武夫君が委員を辞任され、その補欠として中沢伊登子君が選任されました。 また、六月二十二日、佐多忠隆君及び中沢伊登子君が委員を辞任され、その補欠として光村甚助君及び向井長年君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(大森創造君) 森元治郎君から、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございましたが、これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大森創造君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。 つきましては、直ちにその補欠互選を行ないたいと存じます。 互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大森創造君) 御異議ないと認めます。 それでは理事に森勝治君を指名いたします。 ―――――――――――――
○委員長(大森創造君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。 本日、原子力政策に関する件について、原子燃料公社理事長今井美材君を参考人として出席を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大森創造君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(大森創造君) 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。 御質疑のある方は、順次御発言願います。
○船田譲君 私は、今国会で、いま現実には科学技術特別委員会に法案がかかっておりませんけれども、科学技術の進歩は非常に最近テンポが早うございますし、私どもしろうとでございまして、しばらくこういう問題に触れておりませんと、進歩の概観をも見失うおそれがあると思いまして、たいへんしろうとくさい質問でございますけれども、主として動力炉の導入と、その国内開発の問題を中心にいたしましてお伺いいたしたいと考えます。 まず第一番目に、動力炉の導入と国内開発に関してでございますが、総合エネルギー政策から見まして、原子力エネルギーの利用の今後の趨勢はどういうふうになってくるかということについて、次の数点についてお聞きしたいと思います。 第一番目は、わが国の国民総生産の伸びに比べまして、エネルギー需要の伸びはさらに著しく、その中でも電力の需要の伸びが一段と大きいのでありますけれども、今後十年くらいの間のその推移は、どういうふうになっていくと関係者のほうは予見をしておられるか、そのことをお聞きしたい。また、その電力に占める原子力エネルギーの割合は今後どのように伸びていくか、こういうことも、あわせてお聞きしたいと思います。
○政府委員(村田浩君) 政府では、先般中期経済計画を一応廃棄いたしまして、いま新しい経済計画を策定中でございますが、まだそのほうができ上がっておりませんので、一応中期計画当時に検討しました数字をもととして、現在原子力関係で検討いたしておりますものを申し上げてみたいと思います。 総合エネルギー調査会に原子力部会というのがございまして、ここの計画小委員会では、この七、八月ごろを目標に、現在原子力関係の種々の数字をまとめておりまするが、その際の検討の材料となりました、これからの国民総生産の伸び、あるいはそれに対する電力需要の伸び、その両者の間の弾性値等につきましては、ただいま船田先生から御質問がございましたように、非常に電力需要の伸びが大きいということで考えているわけでありますが、若干の数字をあげて見ますと、昭和三十四年から三十九年までの五カ年間につきましての実績は、GNPが一一・三%、これに対しまして電力需要の伸びは一・三三%、したがいまして、弾性値は一・一八となっております。その後、昭和三十九年から以降でございますが、中期計画の最終年次でございます四十五年までの計画の推移としましては、GNPの年の伸びが八・八%に対し、電力需要の伸びは依然これを上回る九四%、すなわち、弾性値としまして一・〇七という値を出して、これを、今後のエネルギー需給のバランスを見る上の基礎の数字としてきておるわけであります。もちろん、このような電力需要の非常に大きな伸びが、今後さらに四十六年以降どのくらい続きますか、この点については、いろいろと議論のあるところでございまして、おそらく昭和五十年ごろになりますと、ほぼ七・二%とか、あるいは八%以下になるのではないかという見方が非常に大きいようでございますが、四十六年から五十年くらいは、平均しますと、やはり八・一%ぐらいにはなろうかと思われます。 このような非常に大きな電力需要の伸びに対しまして、当然、これに必要なエネルギー資源の量も非常に大きくなるわけでありますが、御案内のとおり、わが国の水力資源につきましては、これまでに非常に大きな部分が開発されておりますし、今後経済的に開発可能と見られる量を少しく多目に見ましても、とうてい償うには足らないわけでありまして、したがって、残余はもっぱら石油で補うか、あるいは原子力でカバーするか、こういうことに相なるわけであります。この場合に、石油の今後の入手の見通しといいましょうか、その価格の推移等は、世界的な石油ブームの影響もありまして、ここ十年、十五年は、その価格も、そう大幅に上がらないと見られております。したがいまして、原子力をもって将来の電力需要を大幅にまかなっていくためには、何といいましても、この石油を使っての発電に対応して経済性の点で十分競争できるかどうかということに相なるわけであります。 幸い、過去十年以来の各国の開発努力によりまして、最近では、非常に大型の原子力発電所、動力炉が実用化されてまいっております。具体的には、軽水型動力炉、あるいは天然ウラン・ガス冷却型動力炉というものが、今日世界の各国でも多数建設され実用化されつつあるわけであります。まあ、わが国におけるこのような動力炉による原子力発電の経済性の見通しでありますが、これは、重油火力発電所と比較していつごろ十分競争可能になるかという見通しをいろいろ立ててみますと、昭和三十六年の二月に原子力委員会でおまとめになりました長期計画では、昭和四十五、六年ごろには大体競争可能になるのではないかという見通しであります。で、そのときの発電コストとしては、キロワット時当たり三円から二円四十銭くらいの間に入るだろう、石油火力におきましても、ほぼその間ぐらいになるだろうということであったわけでありますが、その後の見通しといたしましては、石油火力のほうがやや当時の見積もりより下回っております。もうすでに現在運転開始をされるようなものでも、大型の石油火力発電所では二円三、四十銭という数字が出てきております。これに対応しまして、原子力発電のほうも従来の見通し以上に安くならなければならないわけでありますが、この点につきましても、四十六年から七、八年にかけまして、おそくも五十年の前には相当なコストダウンが期待されております。具体的には、たとえば一つの試算でありますが、最近の試算によりますと、昭和五十年度あたりに完成します出力五十万キロワット程度の発電所を考えましたときに、これを重油でやりました場合のコストが、大体二円四銭から二円二十九銭・キロワット時くらいと見られますのに対して、原子力の場合でございますと、これはいろいろ前提条件がございますが、一応考えられる前提条件としますときには、最低で申しますと、一円九十三銭から二円二十銭くらいというような非常に安い見積もりも出てきておるわけであります。したがいまして、出力五十万キロあるいはそれ以上のような大型の発電所におきましては、原子力のほうがより安い発電コストで運転できるという見通しが明らかになってきておるわけであります。こういう情勢を反映いたしまして、ただいま総合エネルギー調査会の原子力部会でも、冒頭に申しましたように、今後の原子力発電の開発規模の見通し等は検討しておられ、原子力委員会におきましても、本年末を予定しております長期計画の改定の際に新しい今後の開発の見通しを立てたい、このように考えております。 この両方の政府機関における開発規模の見通しは、まだそういうわけでございますから、正式にはさまっておらないわけでございますが、これまで私どもの手元に集めておりますいろいろな資料からいたしまして、若干参考になるかと思います点を申し上げておきますと、昨年の暮れ十二月に、民間の電気事業者が集まりまして検討いたしております中央電力協議会でまとめております数字によりますと、昭和五十年度における原子力発電の開発規模は約四百八十万キロワット、これが昭和五十五年には約千五百万キロワットになるであろうという予想を立てております。一方また、これにメーカー関係の方も入りまして日本原子力産業会議におきまして開発計画委員会というものをつくられましたわけですが、その委員会がいろいろ御検討になった数字がことしの一月に発表されております。これによりますと、昭和五十年度につきましては、ただいまの中央電力協議会の数字と同じく四百八十万キロワットくらいになっておりますが、昭和六十年度になりますと約四千三百万キロワット、さらに西暦二〇〇〇年、昭和七十五年、相当先ではございますが、決して夢物語でない、いまから三十数年先におきましては、原子力発電の規模が一億六千四百万キロワットに達するであろうという想定を出しておられます。 これらの数字は、その年次におきますところの全発電設備容量、水力それから火力、石炭火力、石油火力等を含め、それに原子力を含めました全発電設備容量に対しまして、昭和五十年度においては六・一%、六十年度においては二七・〇%、さらに七十五年になりますと全体の四六・六%に達するであろうという想定が出ております。これは設備の面から見た比率でございますが、御案内のとおり、原子力発電を運転いたします場合には、できるだけベースロード用に充てるということが、その技術的性格上特色でございますので、そのような使い方をされるものと予想されますが、そういたしますと、発電量、つまり電力の生産量の面におきましては、設備の比率よりより大きなパーセントを占めるわけであります。すなわち、昭和五十年度におきましては、設備容量では六・一%程度でありますが、発電量のほうから見ますと七・九%、六十年度は、設備の比率で二七%に対して発電量の比率では三九・五%、さらに七十五年度におきましては、設備の比率が四六・六%に対して発電量としては六六・四%、すなわち、全発電量の三分の二は原子力でまかなえる、こういう事態が来ることを予測いたしておるわけであります。政府のほうで行なっております需給バランスの推定は、先ほど申し上げますとおり、現在検討が進行中でございますが、エネルギー調査会のほうの中間段階における数字で申しますと、ほぼ、ただいま申し上げました線と並行しておりまして、五十年度においての原子力発電の規模は約五百万キロワット、六十年度には三千万ないし四千万キロワットに達するものという数字を現在検討の根拠といたしておるわけであります。 以上が、現状並びに今後の見通しでございます。
○船田譲君 詳しい御説明ありがとうございました。 ただ、十年くらい前でしたか、ハートレー報告というので、石油資源が、いまの割合で需要が伸びていくと、三十年くらいしかもたないということで、あの当時、原子力に切りかえるということを非常に探刻に考えておったようでありますが、何か、最近の調査によると、逆に、天然ガスを含めた場合、石油資源はほぼ無尽蔵だと考えてもいいだろう、それに対して核燃料物質のほうの資源については、どうもいまの探査の状況では、十年か二十年で尽きてしまうのではないか――応経済的な線でいった場合ですね。特にウランは現在はかなり安いようでありますけれども、一九七 ○年代に入ると、ウランの価格が著しく騰貴するのじゃないかというような、原子力発電にとってはあまり明るくない説を立てる人がいるのですが、それについてどうお考えか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○政府委員(村田浩君) ただいまお話がございましたように、ヨーロッパの現在OECDと言っておりますところでエネルギー問題の委員会がございまして、ハートレー報告あるはロビンソン報告というのを出しておりますが、確かにハートレー報告時代に考えられましたことから見ますと、その後の石油資源――天然ガスを含めまして、の開発は非常な勢いで進んでおります。その一例としては、黒海の海の中から多量の天然ガスあるいは石油資源が開発されつつあるというようなこと、あるいはアフリカからの石油あるいは天然ガスの運搬が可能になってきておる、こういうことで、ヨーロッパの立場から見ますと、非常に石油資源の見通しが明るくなってきておるというのが実情であろうかと思うのです。 これに対して、原子力のほうの燃料でございますウラン資源でありますが、ただいま船田先生のお話にもございましたように、これもOECDの中の一つの機関でございます欧州原子力機関――ENEAと言っておりますが、ENEAが昨年出しました見通しによりますと、自由諸国圏内におきまして、U3O8、この配化ウランの換算にしまして一ポンド当たりの建て値が五ドルないし十ドルという範囲、これが現在の一応の市価になっておるわけでありますが、この価格で採掘可能な量は、自由諸国圏内で六十万トン程度という数字を出しております。しかし、これは現在わかっております埋蔵量をもとにして推定したものでありまして、今後探鉱というものが進めば、ほぼ六十数万トンに見合うくらいの五ドルないし十ドルくらいの燃料が見つかるだろうということも、あわせて言っております。さらに、一ポンド当たりの建て値が十ドルをこして、たとえば十ドルないし十五ドルという値段までを考えますと、その埋蔵量は一躍また倍増いたすわけであります。したがいまして、ウラン資源につきましても、今後の探査の進展によって新たなる鉱床がどのように開発されていくか、これは、ある意味では、やはり石油資源の場合と同じような傾向をたどるのではないかと考えます。 それから第二には、原子力の場合は石油と違いまして、発電コストの中に占めます燃料費というものが一般に低いという特色を持つ。石油火力でございますと、発電コストの大部分が石油の価格になるわけでございまするから、石油の値上がりは直ちに発電コストの上昇に響く。一方、原子力の場合は、その響き方が非常に違うわけであります。したがって、ある程度高い燃料でも十分経済的な発電が可能である、こういう特色が一つある。さらに、今後動力炉が開発されてまいりますと、現在実用化されております軽水炉に比べて、燃料の利用度がさらに高い動力炉というものができる。その最終の姿は高速増殖炉でございますが、このような形の動力炉ができますと、ウランの価格というものがほとんど関係なくなってくる。つまり、使用した燃料以上の新しい燃料がその炉の中に出てくるわけでありますから、いわゆる燃料費というものはほとんどゼロと見てもいいようなことになります。そうなりますと、ウランの価格は相当高くても十分経済的な発電が可能になる、こういう見通しを立てられるわけであります。ここに、原子力の非常な大きな特色があるわけでございまして、もちろん、ウラン、トリウム等の核燃料資源も、一つの鉱物資源でございますから、無尽蔵というわけにはまいらないと思います。しかし、一方で動力炉の開発が進みますと、あるいは海水中にそれこそ無尽蔵に含まれておるといわれるウランをも利用可能なところまで達し得るものという予想もできるわけでございまして、もちろん、核原料物質の探査、探鉱ということを大いに進めなくてはなりませんけれども、それだけではない。技術の進展ということが、さらに原子力発電の将来を大きく変えていく要素を持っておるということを申し上げておきたいと思います。
○船田譲君 その次に、動力炉を導入していくのに関しまして――しろうとですからいろいろわからないところがありますが、私なりに問題点と思われるところを二、三お聞きしたいと思います。 第一番目は、原電の東海にある一号炉の営業発電が、ちょっと発足のときに、つまずいたように承知しておりますが、そのために、一部に、導入した炉に対する不安が起こっておるというのが事実のようであります。その後の原電一号炉の営業運転の実情はどういうふうになっておるか、簡単でけっこうですから、教えていただきたいことが一つと、それからさらに、原電の二号炉、さらに関西電力あるいは東京電力等が、主として軽水炉をお入れになるわけでございますけれども、その建設にあたって、特に耐震性の問題、安全性の問題を考えて、いよいよ営業運転をした場合に、たとえば原電一号炉のような――たいへんこれは失礼になるかもしれませんけれども、営業運転に手間どるようなことがあったり、あるいは故障修理というようなものが順調にいかないと、それに付随して安全性の問題に心配が出るというようなことはないかというようなことを聞きたいと思います。
○政府委員(村田浩君) 東海村にございます原電一号炉の営業運転が、当初計画から大幅に延びておるということは、私どもといたしましても非常に残念なことだと存じております。 最近の状況がどういうふうになっておるかということでございますが、前に、この委員会でも一部御説明申し上げたと記憶いたしますが、ことしの初めに炉の出力上昇試験というものに入りまして、当初順調に出力上昇試験を行なっておったわけでございますけれども、八万キロワット程度の出力に達しましたときに、熱交換器のほうから蒸気の漏洩が見られまして、その関係の原因追究を行ないましたところ、これが、ただ一時的なパイプの加工上の問題で亀裂ができたというようなことではなくて、いろいろ構造上本質的な問題があるのではないかという疑問が出てまいりましたので、その点を根本的に究明すべく、イギリスからも原子力公社、あるいはもちろんメーカーのほうからも専門家が参りまして、国内からも大学の先生方あるいは火力発電技術の専門家等にも御参加願って、その根本的原因の究明に当たってまいったわけであります。その結果、いまから約一月あまり前になりますか、蒸気発生機――これはあの原子炉ではございませんで、原子炉で生産された高い温度の炭酸ガスによって水を蒸気にかえる、いわば一種のボイラーでございますが、その構造が振動を起こすことと関係があるようでございまして、運転中にだんだん炉の出力を高めますと、中を通ります炭酸ガスの速度及び温度が高くなってまいります。そういうことから振動が生じて、そうして亀裂を生ずる、で、蒸気が漏洩する、こういうことであるということが科学技術的に究明されました。その対策としては、そこの振動をとめるような方法を講ずればよいということがわかりまして、そのような手当てをいたした結果、最近再び出力上昇試験に取りかかれるようになりました。先般、私ども被害を受けましたところでは、当初予定であります十二万キロワットまでの出力上昇試験に成功しておるようでございます。さらにこれは竣工検査等、官庁の試験検査も受けまして、予定では七月の半ばごろから営業運転に入りたい。ただ、初めての経験でもございますので、設計の出力は十六万キロワットでございますが、当初、当分はそれより内輪の出力、たとえば十万キロワットとか、そういった出力で営業運転にまず入っていきたい、こういう計画で、せっかく最終的な検討を煮詰めておるところでございます。 それから第二、第三の原子力発電所の計画でございますが、すでに御案内のことと思いますが、日本原子力発電株式会社では、同社の第二号発電所としまして福井県の敦賀地区に出力三十二万五千キロワットの原子力発電所を建設すべく、その設置許可の申請を昨年十月にしてまいりましたが、ことし四月にその審査を終わって政府の許可が出ました。それで、ただいまその許可に従って現地における建設工事がすでに開始されておるところでございます。この原子炉は、船田先生のお話にもございましたが、いわゆる軽水型原子炉でありまして、同じ軽水型の中でも沸騰水型といわれておるものでございます。この沸騰水型原子炉は、元来、米国のゼネラルエレクトリック会社が開発した技術によるものでございまして、この敦賀発電所の設計、建設は、アメリカのGE会社が主契約者となって当たることに相なっております。もちろん、この主契約者のもとに、日本側から日立、東芝を中心に、主要な部分を下請けして国内でできるだけ製造していくという方向をとっております。その比率は、大体金額にいたしますと、国内で行なわれる分が五五ないし六〇%程度であります。 それから第三番目の原子力発電所の計画としましては、つい最近、関西電力株式会社から、同じく福井県の敦賀の近くにございます美浜に、出力三十四万キロワットの発電所を設置したいということで政府に正式な設置許可の申請を出してきております。この発電所の原子炉もいわゆる軽水型でございますが、沸騰水型と違いまして、加圧水型と呼ばれておる炉であります。加圧水型炉といいますのは、原子力潜水艦等に使用されて、過去にすでにたくさんの原子炉をつくってきておりますウエスチングハウス社が技術を開発した炉でございまして、この場合には、原子炉部分はウエスチングハウス社が主契約者となり、タービン、発電機等、いわゆる在来部分につきましては、三菱原子力工業が主契約者となるという形で建設を進めることに相なっております。このほうは、ただいま原子力委員会及び局で安全審査の手続を進めておるところでございまして、安全審査が終了しまして設置許可がおりましたならば、直ちに建設に入るということになろうかと思います。 さらに、これに続きまして、ただいま計画中で、近く設置の許可申請を出してまいることに相なっておりますのが東京電力の計画でございまして、これは、福島県の大熊町と双葉町の隣接地にあります場所に建設を予定しておりますが、ただいま私どもの聞いております情報によりますと、電気出力で四十万キロワットの同じく軽水型、この場合は沸騰水型に相なりますから、原電の敦賀発電所と同じ系統になりますが、沸騰水型の四十万キロワットの原子力発電所を建設したいということで設置許可申請の準備を進めておられるところであります。これも、設置許可申請が出てまいりましたならば、安全審査をいたしまして、安全審査で許可が出ますれば直ちに建設にかかるということになろうかと思います。 これらの、現在建設着手中あるいは建設計画中のものは、見通しとしましては、原電の場合が四十四年の九月、関電及び東電のものが四十四年の末までに一応完成を予定して計画を進めておるわけでございます。
○船田譲君 いまの東海一号炉の燃料の問題なんですけれども、私もしろうとでよくわかりませんが、マグノックスの中にペレットを詰めてやる、あの型というのが、本国のイギリスですでに営業的にはつくっておらぬということで、あの炉をつくるときに特別に頼んだ、そのかわり十年間は契約をして必ず買うというようなことがあったという話を聞いておるのですが、そういった場合に、一つの、何といいますか、燃料の供給において自由取引でないということにより割り高なものを買わされる。同じようなことが、軽水炉三つ入るようでございますが、燃料である濃縮ウランの場合、もちろん日本に濃縮工場がございませんから、いわゆるアメリカが意図しておるといわれておるシングルパッケージ・フュエルサービスに乗っかってしまって、こちらとしては売り手市場で燃料を買わされるのじゃないかというような心配を私持っておりますが、いまのことと、それに関連して、戦後、同じように被占領国から復活した西ドイツでは、どのようにこの問題を進めておるかというようなこともあわせてお聞きしたいと思います。
○政府委員(村田浩君) ただいまの御質問にお答えします前に、先ほどの質問で私一つ落としたと思ったので……。これからつくる軽水型の動力炉による原子力発電所の振動の問題がございまして、まあ、東海原子力発電所のような、でき上がりの際にごたごたするようなことはないだろうか、こういう御心配のお話があったと思うのですが、もちろん、国内で初めての大型の軽水型の動力炉でございますから、やってみなければわからぬとは言えましょうけれども、ただこの場合、一つ、原電の場合と違いまして、すでに政府のほうで同じ軽水型の動力炉の小型のものを東海村の原子力研究所に建設し、運転しております。例のJPDRと言われるものでございますが、この経験を持っておりますので、これには、わが国における耐震設計等の問題も含めて、いろいろ設計、製作したわけでございます。大きさが非常に違いますから、それに伴った問題はございましょうけれども、一応同じ系統の原子炉を建設して運転をしておる経験を持っておるという点で、現在の東海発電所のようなことはないのではないかというふうに思っております。 それから燃料の話でございますが、東海発電所の場合の燃料は、御案内のとおり、天然ウランの金属を燃料としておりまして、棒状に成型しましたものを、マグノックス、すなわちマグネシウム合金の被覆材の中に納めまして、それを漸次グラファイトのチャネルの中に納めてあるのですが、ただいまのお話の、イギリスで製作していないと申しますのは、わが国の原子力発電所用の燃料は、いわゆる中空型燃料と呼ばれるものでございまして、燃料口の中心に穴があいている。実際にはグラファイトが詰めてございますが、そういう中空型の燃料を使っております。これは、燃料工学的に、普通の一般の棒状のソリッドのものよりも効率が高いということから、そういう設計を採用したわけでありますが、イギリス本国におきましては、その方面のいろいろ研究もしておられる、開発もしておられましたけれども、現在イギリスにございます約五百万キロワットにのぼる同じ天然ウラン型の発電所用の燃料としては、わが国のような中空型を使っておりません。いずれも通常の棒状のソリッドのものを使っている。そういう意味では、大量生産がされておらないというのは、そのとおりでございます。そういうこともございまして、原電では、この建設をいたしますときに、十年のいわば長期供給契約を結ばれたわけでありますが、その契約を結びます際に、政府のほうとも相談していただきまして、今後国内で同じ設計の燃料を製造するという場合のことも考えまして、そのような計画が出てきた場合には、ただいまの燃料契約を一部変えまして、そうして必ずしも十年と言わないでも、向こうからの供給を打ち切ることができる、そのような条項を織り込んでございます。ただ、残念なことには、この天然ウラン型の原子力発電所の建設計画は、ただいまのところ東海炉に続いてはございませんので、年間の取りかえ燃料の所要量からしまして、これだけでは企業化するのはむずかしい。コストが高いという状況がございます。 それから軽水型の動力炉用の燃料でございますが、確かに、この沸騰水型と加圧水型では、詳細な点で燃料要素が違っております。しかし、その原料になります濃縮酸化ウランペレットの製造という点では共通の技術を使っております。六沸化ウランから酸化ウランなどへの転換も共通なことでございます。そうして今後このように相当大型の発電所が国内で建設されるということになりますと、それに必要な燃料要素の量もふえますので、そういった点から、政府としましても、できるだけ早くこの燃料は国内で製造されるようにしたい、このように考えて、その点での民間産業の助成を心がけております。すでにこれまでも、その種の燃料要素の製作につきまして補助金を出しております。また、製作されました燃料要素を炉の中に入れて照射する試験についても、相当の補助をしてまいってきております。問題は、それにもかかわらず、軽水型の燃料を使うものがふえますと、いわゆるシングルパッケージ・サービスということになって、わが国の燃料政策上自主性がそこなわれるのではないかという、この点でございますが、原子力委員会のほうの御方針にも明らかにされておりますように、わが国では、残念ながら、国内ではそう多量のウラン資源がございませんし、御指摘のように、ウランの濃縮工場もございません。したがいまして、濃縮ウランの原料としては、やはりアメリカ等から入手せざるを得ないわけでありますけれども、海外依存度をできるだけ少なくしたい、こういう趣旨から、国内における核燃料サイクルの確立ということを非常に大きな政策として掲げております。その趣旨は、外国から入りました濃縮ウランの原料はできるだけ国内で有効に使う、したがって、それだけ外国から入れる量を減らす、こういうことでありまして、具体的には、使用済み燃料の再処理工場を国内につくりまして、そうしてその使用済み燃料中にございます減損ウラン及びプルトニウムを回収して、減損ウラン、プルトニウムを新しく動力炉の燃料につくり直しまして炉に入れる、こういうような燃料サイクルを国内につくることによりまして外国への依存度をできるだけ減らしたい、こういうふうに考えておるわけであります。ただいま御指摘のシングルパッケージ・サービスと申しますのは、新しい燃料の供給と、古い燃料、つまり使用済みの燃料の引き取り等をこみにして契約をする方式でありまして、そういうふうにいたしますと、電気事業者としては非常に簡便でよろしいわけでありますが、ただいま申しましたような国内における燃料サイクルの確立という点からは、全くその趣旨に合いませんので、政府としては、ただいま原子燃料公社に再処理工場の建設を進めております。これができました暁には、使用済みの燃料は国内の再処理工場で再処理をするという方針を確立して、ただいま御指摘のようなシングルパッケージ・サービスというようなことにならないように指導してまいりたいと思います。
○船田譲君 いま、再処理工場の国内建設の問題が出ましたので、それに触れたいと思うのですが、たしか四十一年度の予算では、一般会計が三億幾ら、それから国庫債務負担行為を入れて十二億ぐらいでございましたね。そのときに財政当局では、再処理工場あるいは燃料加工工場はむしろ民間にまかせてしまえ、あるいは、あえて国内でつくる必要はないじゃないかというような考えがあるというふうに承っておるのですが、まあ、ここで政府部内の感触をお聞きするのは恐縮ですけれども、科学技術庁のほうとしては、どういうふうに説得の目安を立てておられるか、ちょっとお漏らしを願いたいと思います。
○政府委員(村田浩君) 再処理工場の建設につきまして、まあ、財務当局から原子力発電の実施主体が民間の電気事業者であるとすれば、このあと始末をやります再処理ということも民間の責任でやらすというのが一つの筋ではないか、こういう話があったのは事実でございますが、それはすでに、今日から申しますと、一昨年から昨年にかけての本計画の検討の際の議論でございまして、昨年末四十一年度予算を計上しますときの仕切りとしましては、国の機関においてこれを建設していく、少なくとも現在計画しております一日当たり処理量〇・七トンの再処理工場を原子燃料公社で建設するということについては、すでに確定いたしております。ただ過去の経緯として、そういう議論があったのは事実でございますが、まあ、遠い将来は別といたしまして、いかに原子力発電それ自体が民間の電気事業者によって経営されましても、この使用済み燃料の処理ということは、また違ういろいろな重要な要素を持っております。 まず第一に、一つ一つの発電所に対して一つ一つ再処理工場をつくるというようなことは非常に不経済なことでありまして、相当の発電量に対して再処理工場は一つあればよろしい。再処理工場としましても、経済的に運営するために、できるだけ規模の大きいほうが望ましいわけでありますから、幾つかの発電所がみな別々におつくりになり、発電所から出ますものをみんな自分で再処理をするというわけにはなかなかまいらない。そういった点からも、一カ所にまとめるということが必要だと思います。さらに、安全性の面、それから国際的な安全保障の面、そういった点の制約というのが非常に大きいわけであります。それから先ほど申しました国内における核燃料サイクルの確立のためには、そこから生産されますプルトニウムの活用をはからなければなりませんが、そういった技術の開発ということも、民間では、ここ当分非常にむずかしい問題でございます。 そのような幾つかの重要な問題がございますので、結局財務当局も、わが国における少なくとも最初に建設される再処理工場は原子燃料公社において建設するということを確認いたしたわけであります。
○船田譲君 いまの再処理工場は原燃公社の敷地におつくりになり、原燃公社がおやりになるということですが、地元に、いまの安全性の問題について、かなり不安の念を持って反対される向きがあると聞いておりますが、その後どういうふうに推移しておられるか、伺いたいのが一つと、それから、使用済み燃料の中の減損ウランそのものはそれほど問題ないにいたしましても、いま申されたプルトニウムが特に危険だというわけで、いまのお話を伺っておりますと、今後各地に動力炉ができまして、原子力発電所ができましても、その使用済み燃料はやはり一カ所にまとめて、容量の大きな再処理工場でやるということになりますと、輸送とか、持ってきたものを貯蔵するとかというようなことで、その地域の人々に不安を与えるのじゃないかという心配がありますが、それに対する対策はどうなっているのか。 それからさらに、昨年の九月のIAEAの、これは決議ですか、日本も参加しまして、プルトニウムの再処理工場の査察ということをきめたようでありますけれども、その査察にたえ得るようなりっぱな再処理工場をつくる目安と申しますか、自信のほどをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(村田浩君) 第一に、原子燃料公社で建設計画を進めております再処理工場の安全性に関連しまして、地元との関係でございますが、御案内のとおり、原子燃料公社は東海村に公社の用地を持っておりまして、すでに再処理工場用の予定地として買収した土地も含めてあるわけでございます。現在、そこを予定して詳細設計を進めております。これに関連しまして、その場所が、一つには、ただいま問題になっております水戸射爆場に隣接しておるというようなこと、それから、再処理工場というのがわが国で初めてのこの種の施設であって、そのために安全性等についていろいと疑問が感ぜられておる、そういったようなことから、まあ地元でいろいろ不安感を持っておられるのは事実でございます。 そこで問題は、まず技術的な面にあるわけでありますが、再処理施設というものの安全性、技術的な安全性という点につきまして、どのような措置を講じたらよいかということは重要な問題でございますから、政府のほうからは、一昨年になりますか、原子力局のほうで、燃料公社、原子力研究所、その他大学関係から専門の方で、安全の調査のための調査団を派遣しまして、諸外国におけるこの種再処理工場における安全技術の状況、そのポイント等をつぶさに勉強していただきまして、さらに原子力委員会に再処理施設の安全専門部会というのを設けまして、ここに東大の向坊教授を部会長といたします専門家に集まっていただきまして、再処理施設の安全面についての問題を、過去一年余り、そこで研究を続けてきていただいておるわけであります。この再処理工場の詳細設計ができますと、その詳細設計も、ただいまの安全専門部会にかけまして、その審査を十分受けまして、安全性の面で確認をされて初めて建設に取りかかる、このような手順を考えております。この点は、原子炉の設置の場合と全く同様に、十分慎重にしてまいりたいと思います。 他方、射爆場の問題でございますが、これは前々からこの委員会でも問題とされているわけでありますが、長官初め、原子力委員会のほうでも、その点につきましては、所管の防衛庁及び防衛施設庁に前々から十分に申し入れるとともに、米側とも非公式な折衝をいたしまして、できるだけ早く水戸射爆場が他の土地へ移転するように、そのほうの努力を続けておりますが、現在の計画でも、工場が完成いたし稼働に入りますのは昭和四十六年度でございます。それまでの間にさらに努力いたしまして、その点の不安がないようにいたしたいと思っております。技術的には、実は射爆場が隣にありましても、お金をかければ十分安全な工場はできるわけでありますけれども、にもかかわらず、一般的なそういう不安というものがあります以上、やはりそれに対する最大の要請としては移転していただくことである、こういうふうに考えております。 それから、将来幾つも国内に原子力発電所ができまして、そこから再処理工場へ使用済みの燃料を輸送する際の安全の問題でありますが、これは確かに、御指摘のとおり、非常に重要な問題であります。私どもとしましては、技術的には、再処理工場自身の安全ということよりも、こういった輸送の際の安全というほうにより大きな努力が必要なんじゃなかろうかと思っております。と申しますのは、輸送の際には、発電所から、これを、キャスクといいますか、鉛の内張りをしました、がんじょうな箱の中に納めまして、そうして非常に重いものを安全に再処理工場まで種々の輸送手段を用いて送り届けなくちゃならぬわけでございますから、そのに点つきましては、まず第一に、その際の輸送容器の規格、この点についての安全審査を十分にやったものを法律で定めまして、それを使うようにする。さらに、輸送上の規則につきまして、現在運輸省の所管になっておりますが、国際的な基準に照らして、十分な上にも十分な規制が行なわれるように規則を適用させていくというようなことを、ただいま漸次準備を進めておりまして、実際に再処理工場が稼働するまでには、それらの点につきましても万全を期するようにいたしたい所存であります。 それから最後に、昨年のIAEA東京総会におきまして、わがほうの代表からも発言があったわけでありますが、IAEAの憲章に定められました機能の一つである国際的な安全保障措置の適用、これにIAEAが責任を持つという点につきましては、原子炉についてはさきの総会でその適用の規則が定まったわけでございますが、その面でより重要な再処理設備についてはまだ何もなかった。そこで、わが国の代表からも、その点について今後の努力が要請されたわけでありますが、幸い、国際原子力機関のほうでも、このような要請を重く見られまして、昨年の暮れからことしの初めにかけまして、IAEAの中に、このための特別のワーキンググループがつくられました。そのワーキンググループの中には、他の国の専門家と合わせて、わが国からも専門家を出席させまして、審議に参画し、先般一応の再処理施設に対する安全保障措置の規則の案というものがワーキンググループとしてでき上がりました。今月IAEAの理事会がウィーンで開かれておりまして、この理事会でそのワーキンググループの原案が検討されることになっております。理事会の検討を経まして、内容についての了承が得られましたならば、ことしの秋に予定されておりますIAEAの総会にその案が提出され、先般の原子炉における安全保障措置の規則と同様に、再処理施設についての安全保障措置規則の原案が採択されることに相なろうかと思います。まあ、今月の理事会の動きを見ないと確定的には申せませんけれども、一応、昨年の東京総会で発言されました趣旨が着々と実現の方向へ向かっておることは事実でございます。
○船田譲君 次に、動力炉の国内開発についてお聞きしたいと思うのでありますが、しばしば、動力炉開発懇談会から、高速増殖炉並びに新型転換炉の開発計画のタイムスケジュールはいただいておりますので、詳しいことはけっこうでございますけれども、わが国における新型転換炉並びに高速増殖炉の開発体制をどういうふうにつくっていくか、どこが主体になっていかれるか、また、その主体ができるまでの間の準備段階はどこでおやりになるのか、というようなことを、まずお聞きしたいと思います。
○政府委員(村田浩君) 原子力委員会では、去る五月十八日に、わが国における動力炉開発の基本方針を内定されました。引き続いて、この基本方針に沿って、実施計画及びその推進を一日も早く進めていくための臨時の組織としての、動力炉開発臨時推進本部というものの設置についての方針を決定されました。ただいまお話しございました動力炉開発についての機構でありますが、五月十八日に内定しました基本方針の中で委員会が定めました新型転換炉並びに高速増殖炉の開発計画を国のプロジェクトとして推進するということは、わが国としましては、戦後かかる大規模な開発プロジェクトを国が責任をもって推進したという経験もございません。そういった点から、特に政府・民間の総力を結集して覚悟を新たにして取り組む必要があるということから、昭和四十二年度を目途に特殊法人を新設して、この新しい特殊法人に、いわば全責任を持たして、その実施計画の策定並びに推進をはかっていきたい、こういう基本的な考え方を示しておられるわけであります。しかしながら、特殊法人を新設するとなりますと、予算措置も必要でございますし、さらにそのための法律をつくらなければなりませんので、どんなに急ぎましても、四十二年度の後半というようなことに相なろうかと思います。しかし、他方、動力炉の開発ということは一刻もゆるがせにできないという原子力委員会の御判断で、それまでの準備並びに、できる仕事は着々と進めていく必要があるということから、先ほど申し述べましたような臨時推進本部を――法律に基づかない暫定機関でございますが、設置しまして、実施へ一日も早くスタートしたい、こういう考え方でいるわけであります。そのために、今月の、六月の九日であったと思いますが、動力炉開発臨時推進本部が発足いたしまして、そうしてすでに今日まで三回にわたり会議を持っております。 動力炉開発臨時推進本部の組織としましては、関係各界の学識経験者の代表、この代表が七名でありますが、それと、原子力研究所の理事長並びに原子燃料公社の理事長、合わせて九名をもって構成いたす本部委員会と、これを技術的に補佐する幹事会とから構成されております。本部委員会のほうは、ただいまの九名の委員のほかに、原子力委員会のほうから委員二名と原子力局長が必ず出席しまして、そして審議に参画いたすことに相なっております。かつまた、その委員は原子力委員会が委嘱するということで、いわば、原子力委員会の基本方針に基づいて、原子力委員会の仕事を、実施、計画等、細部にわたって請け負ってやっていくというような形をとっております。その下に置かれます幹事会につきましては、つい先週発足したばかりでありますが、これまた、関係各界の専門家、技術的な専門家三十二名をお願いいたしまして、これも原子力委員会から幹事に委嘱いたしまして、それに科学技術庁原子力局並びに通産省のほうから担当の課長が参加いたしまして幹事会を構成する、幹事会と推進本部の間は、代表幹事という者がおりまして、代表幹事が連絡の衝に当たるというような形をとっております。 申しおくれましたが、臨時推進本部は、置く場所としましては、予算等の関係もございまして、原子力委員会ではなく、原子力研究所に置くことにいたしております。そういう関係もございまして、推進本部の議長には丹羽原子力研究所理事長にお願いするということを原子力委員会でおきめいただいております。
○船田譲君 いま伺っておりましたことをタイムテーブルで見てみますと、高速増殖炉の研究関発と新型転換炉の研究関発を並行的に進めていかれるように理解しておるのですけれども、世界のレベルでの進歩の状況を見ていきますと、初めから本命である高速増殖炉に焦点をしぼったほうがいいのじゃないか、つまり、新型転換炉がわが国で国内開発されても出る幕がないのじゃないかというような心配をする向きもございます。また最近、先ほども申しましたように、石油資源の埋蔵状況、あるいは日本へ持ってきましてのコストに関しましても、さらに企業努力などで下げていけるのじゃないか、特に重油をたかないで、少し日本は重油が割高でございますから、原油を生までたいてしまえば、もっと安くいくのじゃないか、さらに、これはたしか通産省で大型プロジェクトとして予算をとっておられておるようでありますが、例のMHD発電のようなものが今後開発されていきますと、かなり効率のいいものができてくる、そういうものに、日本で開発する新型転換炉が競合しても、むしろ負けてしまうのじゃないか、それなら初めから努力を、最終的な高速増殖炉にしぼったらどうかというような意見がございますけれども、それについて、どなたからでもけっこうですから……。
○説明員(駒形作次君) ただいま御質問がございました高速増殖炉というのは、お話がございましたように、これは動力炉の本命というものでございます。でございますからこれに対して、わが国はもちろんのこと、各国におきましても非常な努力を払っておるのが現状でございます。しかしながら、それだけになかなか問題がございまして、まず、これの実用化の時期といたしましては、今後十五年ないし二十年くらいはどうしても必要であろうという、そういう見通しを一般に持っておるほどでございます。先ほどもいろいろお話がございましたように、核燃料の量――先ほどいろいろお話がございましたが、わが国といたしましては、わが国に入ってくる燃料を有効に利用しなければならない。こういう立場から考えましても、いわゆる在来炉というようなものでは、やはりその使用量というものが非常に大きくなる。でございますから、その十五年ないし二十年の間におきましても、その有効利用の線に沿うような熱中性子炉というものをわが国の原子力発電計画に組みむということは非常に必要なことになるのでございます。もう一つは、そういう新しい新型転換炉というものの経済性を考えてみますというと、やはり在来炉に比較しては経済性も上がるであろうという、そういう考え方も十分成り立つのでございますから、新型転換炉というものを、そういう意味でわが国の発電計画の中に組み入れるべくわれわれまた努力をする必要がある。新型転換炉のその実用化の時期というものは、私どもは十年ぐらいに一応考えておるのでございます。そうして、将来、それでは高速炉が本命であるから、十五年、二十年たちますと、すべて高速炉に切りかわるかといいますと、決してそういうことは考えられません。おそらく、そのときにまで稼働しておりますものは、やはり熱中性子炉が多いわけでございますから、なるべく早く新型転換炉のようなものを、わが国におきまして発電計画の中に組み入れておけば、それと高速増殖炉とを組み合わせて、ずっとその後のわが国の原子力発電計画というものがうまくまいるという、そういうことになる。そういう観点から、この二つの炉を同時に研究し、国のプロジェクトとして取り上げていくべきである、そういうふうに考ている次第でございます。で、言ってみますというと、この二つのものを同時に取り上げましたけれども、それのターゲットというものは、新型転換炉のほうは手前にございます。高速増殖炉のほうは、それからさらに先にあるのでございまして、この二つのプロジェクトといたしましては、原子力委員会のほうで考えました案といたしましては、新型転換炉のほうは四十年代の半ばまでに原型炉の建設に着手する。それから高速増殖炉のほうは四十年代の後半に原型炉の建設に着手する、こういうようなぐあいに時期的には考えておる次第であります。 それから、いまお話がございましたMHDでございますけれども、お話のように、確かにMHD発電というものは、やはり新しい技術として相当有望なものであると、そういうふうに考えております。通産省が今度MHDを大型プロジェクトというようなものの一つとして取り上げられましたことも、けっこうなことだと思うのでありますけれども、これもまだ、すぐに大きな容量のものが実用化されるという段階まで行き着くというようなことは、なかなか言い得ない事柄でございます。先ほどもいろいろお話がありましたように、わが国のエルネギー量が昭和六十年で三千万ないし四千万キロワットというような大きなことになることを考えますというと、エネルギーの発生の多様化というものは、非常に必要なことだろうと思うのでありまして、その研究はその研究として大いに進めるべきであるというふうに考えております。 なお、つけ加えて申しますというと、MHD発電がうまくまいりますならば、これは非常に高温の、何と申しますか、プラズマ、そういうものでもって発電することになるわけでございますけれども、原子力の高温というものとMHDの技術というものを組み合わせました、原子炉から出る高温ガスをもってMHD発電の様式というものを成立させることも可能になってまいるわけでございます。しかし、これは今後の問題でございますので、そういうふうになれば、また二つの技術は、その時点におきまして手を握り合うような形にもなるかと存ずる次第であります。
○船田譲君 どうもありがとうございました。 それから在来型の原子炉は大体今後国産化を進めていく方針で、それは、どちらかといえば民間にまかせてやるということでありましょうが、いまの新型転換炉、高速増殖炉は国が相当力を入れて開発を進めていくことになってまいりますと、今度は、民間も含めたいわゆる発電のコストの問題、あるいはいろいろな経済情勢の問題、企業の問題まで入ってまいりますので、そういった開発を促進し、また、次々に出てきた新しい形の炉の実用化という問題のときに、いろいろやはり条件を正しくきめていく必要があると思うのです。そういうためには、その元締めにある原子力委員会を、もっと権限を強化しなければならないと私は思うのでありますけれども、そういうことは必要であるかどうか、ちょっとお話し願いたいと思います。
○説明員(駒形作次君) 在来型が国産化され、さらに、いまお話がございましたような新型転換炉並びに高速増殖炉というものがこの中に組み入れられ、そうしてわが国の原子力発電計画というものが全体うまく運営されていくということは、これは非常に重要なことでございます。現在の発電事業というものは、民間で身を入れて行なわれておるのでございますが、いろいろと、燃料問題、安全性の問題その他がありまして、民間企業だけの考え方で進めていくという範囲以外のものがそこにあるということも、これは事実であろうと思います。原子力委員会の機能というものが、現在それに対して不十分であるというふうに言われておるのでございますけれども、これは、私ども現在与えられている権限を十分に行ないますならば、私は、まだまだ相当程度のことはできるものであり、現実の問題として、今後新型転換炉、高速増殖炉というものが出てきたときには、それは発揮されるものだと考えております。そういう観点から、私どもも、今後におきましてもさらに十分注意を向けてまいりたいと考えております。
○船田譲君 次に、核燃料物質の問題について二、三お聞きしたいと思います。 これは、三月の核原料物質開発促進臨時措置法のときにも、ちょっとお聞きいたしたのでありますけれども、日米原子力協定が四十三年の十二月に期限がまいりますが、そのときの御答弁で、たしか、その四十三年の三月批准をめどにして改定をしたい、その改定のときにあたっては、いわゆる特殊核燃料物質の民有化の動向を含めて改定をしたいということでございますが、その後の折衝はどのように進んでおられ、また、これに関しての国内法をどう整備されるか、簡単でけっこうでございますから……。
○政府委員(村田浩君) 日米原子力協定の改定についての折衝状況でございますが、これはまあ、いわば外交折衝に属しますので、中間段階で詳しく申し上げるべきかどうか、ちょっと問題があるかと思います。しかし、実際の、どういう考え方で先方と折衝しようとしておるかという、こちらの考え方を申し上げておきたいと思うのであります。 前に委員会で申し上げましたように、四十三年十二月に期限のまいります日米原子力協定を改定いたします最大の要点は二つあるわけでありまして、一つは、ただいま御指摘の、現在の協定で政府所有を義務づけられております条項がございます。第七条のD項であったと思いますが、これを削除するということが一つ。それからもう一つは、現在の協定では、協定に基づいてわが国が入手できます濃縮ウランの量が、ウラン二三五にいたしまして二・七トンというワクが設定されておりますが、これだけのワクでは、先ほど御説明しましたような、今後発展していくわが国の原子力発電の計画を可能にすることはできないわけでありまして、少なくとも、ここ当分、五年なり十年なりというものの計画の実施に必要な濃縮ウランの量の供給のワクを、米国政府から協定の形で取りつけておくという必要があります。つまり、ワクの拡大であります。これがもう一つの点であります。 それで、実際の米国政府との交渉は外務省を通じて行なうわけでありますが、内容を担当いたします私どもといたしましては、すでにワシントンには科学アタッシェ二名が行っておりますし、また当方の担当課長を先般ワシントンまで派遣いたしました機会に、米国の、これまた内容を担当しております原子力委員会の事務当局と非公式ながら接触をさせまして、ただいま申し述べました二つの点についてのわがほうの考え方を詳細に申し伝えてあります。私どもの了解しますところでは、私どもの考えておりますところに対し、米国の原子力委員会としては、基本的には異論がないということであります。しかしながら、実際の協定は、この協定の案文そのものの折衝というのはなかなかたいへんなことでございまして、このような事務的な折衝は、外務当局を通じまして、これから漸次進められていくわけでございます。
○船田譲君 次に、最近新聞で知ったのですが、日立、東芝と外国のメーカーと提携いたしまして、国内に燃料加工の工場を設立する計画が発表されているようでありますけれども、核原料物質の探査、採鉱、製錬、それに一貫して燃料加工ということからいって、原燃公社では燃料の加工の工場をおやりになる計画がないのかということが一つと、それから先ほど申し上げましたように、一応いまの探査の状況では、一九七〇年ごろにウランの市場価格が上がるのではないかと言われておる際でもありまするから、燃料公社として、国内の探査はもちろんでありますけれども、まだ手のついていない世界の各地方のウラン資源の探査に、俗なことばで言えば、先につばつけておいたほうがいいのではないかという感がいたしますが、原燃公社としてどうお考えですか。
○参考人(今井美材君) 初めの問題は、最近民間が、実用動力炉の燃料の製造を実施いたしますために工場新設の予定のようでありますが、核燃料の業務に広く携わっておる公社はそれにいかように関係づけられるかというお尋ねかと存じまするが、今日の動力炉の燃料、あるいは研究炉の燃料に及んでもけっこうでございますが、原子燃料公社がやってまいりました実績を申し上げますならば、一つには、原子力研究所の国産動力炉等のウランの金属をつくることはいち早くやりまして、それ以来ずっと燃料ウランの金属ウランの供給をいたしております。次に、酸化物燃料という部類に属しますのは、これは、今回の二工場新設されます軽水炉の燃料に主として関係がございますが、これの技術開発につきましては、この十年来、政府におかれては、民間に主としてプライオリティを与えていくという御方針でございました。それゆえに、私たちは、これらの問題につきましては、主としてでき上がったものの検査をどうする、あるいはまた、民間でしごくむだな投資になるような部分等につきまして開発的な研究をやってまいりましたけれども、酸化物燃料をみずから生産するという方向に走っていくことには携わってまいりませんでした。また一方から申しまして、そのような必要があるかどうかという観点から申しますならば、すでに民間各社におかれては相当の経験を持っておられますることでありまするゆえに、この生産について公社は関与する必要はないだろうと思います。ただし、一番いま必要と思われますのは、生産をした燃料は必ず安全等の問題に関係いたしまして、いろいろの原子炉の中でできるだけ長期間テストをいたしまして、そうしてしかも安全であるということを証明する必要がございます。いわゆる照射試験でございます。このような面につきましては、今後に残っておる問題がきわめて広い範囲にわたると思いまするが、そのことにつきましては、原子燃料公社も、すでに先年来、民間が照射計画をもって外国の原子炉などをお使いになる場合におきましては、原子力委員会のおすすめもありまして、原子燃料公社が取りまとめ役のごときものをやって今日に至った。それゆえに、そのような方面で今後役立つことは十分あり得ると思いますし、またそうしたいと思います。 しかしながら、そのような燃料の製作のような問題におきまして、原子燃料公社が何をするかと申しますと、それは、先ほど来の核燃料サイクルの問題に関しまして、一たん炉で使って出てきたプルトニウムの燃料、その燃料につきましては、民間各社も、まだ、将来の非常に先物の投資を好まない点もありまして、原子燃料公社が開発にもっぱら関与することを望んでおられるとも思われまするので、国の方針とも一致させまして、この燃料の開発に専心いたしたいと考えております。 次に、不足になるであろうウランの値上がり等の問題はどう考えるかということについて申し上げまするならば、最近に至りまして、ことにアメリカが核燃料物質の民有化ということをきめまして以来、言ってみれば、資源獲得競争がすでに始まっておると言ってよろしいと思うのであります。そのような事態に相なりましたので、まだ、わいてまいったわけではありませんが、各方面で、資源の獲得について、かなりの手が打たれた。当然のことでありまするが、ウランの値段は今後のぼりぎみに転ずるであろうと思います。したがいまして、民間で、これらの値上がり傾向等の調査等も非常に真剣にやっておられる。その結果は一々一致するわけでもございませんので、多少の相違がございますけれども、言ってみれば、いま谷であります。いまが底でありまして、今後わりあい早く値段が上がるだろう。 ちなみに、ただいまどのくらいの値段かと申しますと、ウランのイエローケーキの値段は、およそ五ドルであります。一ポンド五ドルであります。それは、たとえばカナダ政府の買い上げ値段が一ポンド四ドル九〇であります。その辺から見て、およそ五ドルというのが常識であります。しかしながら、これが六ドル、七ドルになるのは、わりあいに早いであろう。たとえば、一九七〇年と申しますると、ただいまから五年ばかりの後になりまするが、そのころには六ドル、七ドルになるであろうと想像せられる向きが多いと思います。そのあと十年の後には、八ドルとか十ドルとかという線にまでのぼるであろうという説が多いのであります。しかしながら、多くの説では、それ以上急激にさらにのぼるということは、ただいま考えられておりません。と申すのは、他面、資源の全体量がそれほど欠乏しておるというふうには、世界的のトレンドとしては考えられておらないのであります。それゆえ、この資源の問題は、全体量が不足して原子力発電に支障を生ずるかという問題と、そうではない、経済的な観点から幾らのスピードで値上がりをするから、これをいつの時期にか獲得をして、先ほどの、つばをつけておくことが重要であるかどうかということにかかっております。後段で申し上げましたのが、ただいま世界の関心を集めている問題で、全体としましては、だんだんその方面の景気がわいてくる時期ではないかと考えるのであります。 さて、最後の問題は、そのようなことであるから、国内の探鉱努力継続するのはあたりまえであるけれども そのほか、国外の問題にも目を転ずる必要がないかというお尋ねでありまするが、仰せのとおりでありまして、私ども、国内でまだまだ資源は出るであろうとは存じます。しかしながら、あえて申すならば、いまわれわれが当面しておる問題は量の問題であるけれども、同時に質の問題、当面、先ほど申し上げましたごとく、取りっこ競争は経済問題としていま出ておるので、セキュリティーの問題とは少し違っておるわけであります。そういう関連もございまして、国内の資源を獲得するのは、これは遠い将来をも考慮に入れて、できるだけ大量獲得するのでありますけれども、当面の問題は、その上になお、あまり高いものでないものが必要であります。高いものでないということは、とりもなおさず、品位のよいものということになります。そのような点になりますと、日本のこれからの資源探査も、あまり有望であるとは言えないと思います。それゆえ、海外の資源を考えることは、きわめて必要であると思います。 この問題を考えますのはきわめて複雑でございますけれども、原子燃料公社は、今年、わずかながら、そのような方面に調査をすべしという予算などもいただいており、現に調査は進めておりますわけでございますが、この海外の資源をどう獲得するかということになりますと、実行上、はなはだむずかしい、いろいろの問題がございます。大まかに申しますならば、当面、何かはしいというならば、外国に、いまたくさんの鉱区を持って、いつでも売ってやろうという態勢のものがあるわけでございますから、それはもう、ほんとうに商業行為として長期買い付けをすれば、それもひとつの方法であります。しかしながら、おそらくそれは非常に長期の先物はできないであろう、それはリスクが増大いたしまするので。そのような観点からまいりますなら、何かしら、国自身も海外に鉱区なども獲得し、それを開発し、製品にし、そうして日本に持ってくることが一番根本的ではないかということになります。このことに相なりますると相当時間がかかりますので、つまり、鉱区を獲得をしてから製品にするまでには相当の時間がかかりますので、いま、早いんではないかという問題については、おのずから答えが出るであろうと思います。そのような観点から申しまして、国外の資源については、内外非常に強い関心をお持ちいただきまして、いまからその準備をする必要があると思っております。
○船田譲君 次に、原子力船の開発について、まとめて二、三お聞きしたいと思います。 第一番目には、当初の開発計画から少しおくれているように思いますけれども、特にこれが、政府の腹づもりと国内のメーカーの見積もりとの差が大きかったということにあるようでありますので、それに関して、西ドイツのあるメーカーから、かなり安い価格での見積もりが出ている、あるいは引き合いが出ているというような話も聞きますけれども、それについては、西ドイツメーカーの設計にいろいろとアンノーンファクターがあって、どうもある程度危険があるのじゃないかというような反論もございます。そういう点をいろいろ総合して考えてみますると、これは非常にことばが過ぎるかもしれませんけれども、国内メーカーの見積もりが少し企業としての経済の安全率をかけ過ぎた見積もりを出しているのじゃないかというような――これは揣摩憶測にすぎませんけれども、そういう考えがありますので、それについてのお考えをちょっとお聞きしたい。それが一つでございます。 それから、いまのは炉の部分でございますけれども、エンジンの部分でございますけれども、船体の部分については、何にも問題はないのかということでございます。 それから第三番目には、原子力船ができましたときには、当然専用の埠頭なり、港湾というものが必要だと思います。現在でも、原潜がたまに寄港することにおきましても、やはり多少の不安を持つ方々がおられるわけでありまするから、常時その根拠地となるところならば、もっと、いわば安全性についての心配が出てくるわけでありますが、そういった安全性の問題はどうかということ。 それから、それに付属をいたしまして、港湾施設なり――まあ、まず最初に、その港湾をどこにきめるかということが問題でありますが、それはどういうふうな考えを持っておられるか、また、その港湾施設なり、陸上の施設をどういうふうにしていかれるか、簡単でけっこうでございますから、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(村田浩君) まず最初に、原子力第一船の建造契約のその後の状況でございますが、すでにこの委員会でも前々御説明申し上げたと思いますが、昨年の七月に原子力船開発事業団が、民間側の造船業者並びに原子炉メーカーと御折衝の結果、原子力第一船の船価として約六十億円という見積もりでまいったわけであります。これに対して予算上措置しておりましたのは三十六億円ということで、ここに非常な差が出てきたわけであります。そこで、この内容の食い違い等を、初めての経験でもございますし、少し慎重に、技術的、経済的両面から検討すべきであろうという原子力委員会の御判断をいただきまして、自来今日まで、そのための検討を進めておるわけでありますが、問題は、ただ船価が多くなったということだけではございませんで、船田先生のお話にもございましたように、多くなっておる原因は何かという点であります。もちろん、三十六億円の見積もりをしましたときと今日までの間のいろんな事情の変化ということがありまして、ただに材料費とか人件費の高騰もございますが、それ以上に、安全基準というようなものが、国際条約ができたことによって変わってきた、こういったことに、高くなる要素も、一つにはあるわけであります。 しかし、調べてみますと、その大きな部分が、技術上、まだ経験がないために十分確定できないとメーカー側で見ておられる、いわゆる不確定要素というのがございまして、これが幾らでできるかわからないために、いわば安全率を見ておると、こういうことのために船価が著しく向上しておると見られる節があったわけであります。で、特に原子力委員会の原子力船懇談会では、このような点を御検討になりました結果、何と言いましても、舶用原子炉というのは、世界でも、軍艦用を別とすれば、そう、つくられた経験がないわけであります。アメリカで申しますと、潜水艦等をつくってきましたウエスチングハウス社と、サバンナ号をつくりましたバブコック・アンド・ウイルコクス社と、二つしかございません。ドイツでは、その中のバブコック・アンド・ウイルコクス社と提携いたしまして、ドイツのバブコック社がドイツのGKSSというところがら発注を受けて製作いたしておるわけであります。これに対して、わが国の計画は、ウエスチングハウス社と包括的な技術提携をいたしております三菱原子力工業が炉の設計をしてやってまいっておりますが、技術的な不確定要素を減らすためには、こういう技術提携のもとであります会社のいわば保証というものが非常に大きな要素になるわけでございます。その点で、米国政府が、昨年の二月以来、若干舶用炉に対する外国への輸出政策を変えまして、非常に厳重な政府の審査をやることになっております。そういうこともございまして、三菱炉の場合、ウエスチングハウス社がその技術上のいわばアドバイスができないという形になっておる。そういうことが不確定要素を大きくしておる大きな原因とも考えられております。そういった点を十分アメリカ側と折衝して、技術援助が得られる形にするということが、一つ大きな問題ではなかろうか、安全性を確保する上に大きな問題ではなかろうかということが一つ。と同時に、あわせてドイツですでにそういう建造を行なっておりますバブコック社、これは海外へ炉技術を輸出した実績があるわけでありますから、その社に依頼して設計したらどうなるかということもやはり並行して検討しておったということで、現在その線での検討が進められております。予定では、すでに五月中には、両社からの、政府から要請しました線に基づいた再見積もりというものが出てくることになっておったのでございますが、作業の都合もありまして、今日現在、まだそろっておりません。予定では、今月末ぎりぎりか、あるいは来月早々に出そろうことになろうかと思います。両方からの資料が出そろいましたら、さっそく原子力委員会のほうにも相談しまして、四十二年度予算以降どのようにこれを計上さしていきますか、そのような方針を至急決定いたしまして、軌道に早く乗せるようにいたしたいと考えております。 それから最後にお話がございました、基地と言いますか、港湾の問題ですが、このことは、先生御指摘のとおり、非常に重要な問題でございまして、原子力船をつくりました場合に、これをどこで、たとえば燃料の取りかえ等の重要な補修作業等を行なうか一これを私ども、サービスサイトと呼んでおりますが、これを至急にきめなければならないわけであります。そしてサービスサイトを建設しますに必要な予算も、来年度あたりから組んでまいらなければならないわけであります。この原子力船の設計がきまりますと、安全審査をやるわけでありますが、その安全審査の際にも、サービスサイトをどこにするかということも含めて安全審査をすることを一応のたてまえとしておりますので、そういった点からも、サービスサイトの決定を急いでおるわけであります。しかしながら、この点に関しては、いろいろ考慮すべき条件がございますので、現在せっかく事業団が中心になりまして、関係方面と相談しつつ、幾つかの候補地について当たっているところでございます。今日のところで、ここをということが、まだ残念ながら申し上げられないわけであります。 原子力船につきましては、すでにアメリカが、サバンナ号という原子力貨客船を建造し、運航した実績を持っております。サバンナ号が、これまでニューヨークはじめ、ヨーロッパの主要な港湾にも入っております。その際に安全性の面でどのような配慮が行なわれたか、どういうような基準に基づいて安全性の確保をはかったかというようなことは、全部詳細に調べております。これを一つの指針としまして、現在、原子力委員会に原子力船安全基準部会というのを設けまして、ここで、わが国における原子力船の港湾への入港等についての安全基準を一応御検討願っております。ほぼ結論を得る段階まで至っております。 それから先ほどの御質問の中で、ドイツのバブコックからいろいろ申し入れがあるというお話でございますが、確かに、昨年の十月ごろでございましたか、わが国から、政府のほうから、原子力船の問題につきまして調査団をドイツ及びアメリカへ派遣しました際に、ドイツ側から非常に積極的な意向が申し出られたことは事実でございますが、これは、ドイツで現在オットーハーン号を建設いたしておりますドイツのバブコック・アンド・ウイルコクス社が、ひとつ日本の計画に協力したいという趣旨であったわけでありますが、その後調べてみますと、ドイツのバブコックは、イギリスのバブコックを仲介としまして、アメリカのバブコック社の技術を入れているわけでございます。それで、その契約によりますと、ドイツのバブコックが将来その技術を輸出できるのはヨーロッパのほうに限られておりまして、日本へは、現在の契約の条件ですと、直接輸出できない形になっております。そういうようなことから、先ほど申し述べましたように、日本の場合には、直接親元であるアメリカのバブコックからの見積もりをとるようにいたしております。申し落としました。つけ加えさしていただきます。
○船田譲君 最後に、せっかく科学技術庁長官がおいででございますので、これは、質問というよりも、お願い、要望でございますが、動力炉の開発をはじめ、総合エネルギー政策上から見ました原子力の利用、開発につきましては、非常な先行投資的な巨額な資金が要るわけでございまして、もちろん、民間の企業の努力もさることながら、いろいろなリスクを考えますと、なかなか民間企業としても踏み切れない面もあるわけでございます。さっきの再処理工場なんか、そうだと思いますけれども、その意味で、わが国の総研究投資における政府の投下資金というものの比率が三〇%にすぎないということは、どう考えても非常に残念なことでありまして、欧米諸国並みに、ぜひ六〇%台には引き上げていただきたい。今年度の科学技術庁の総予算が、たしか二百五億でございましたか、いろいろと予算書を見てみますと、通産省の予算の中の総合エネルギー対策費が大体そのくらいの額になっております。その中でも、石炭対策費が大体百九十九億何千万、約二百億でございます。こういうことを申しますと産炭地の方にたいへんおこられるかもしれませんけれども、いわば撤退と言いますか、終戦処理的な石炭政策に二百億投じているのでありますから、前向きのこの総合エネルギー対策の長期の見通しに立った場合の本命でありますところの原子力開発ということに、もっと国の予算が出てもいいじゃないかと思います。その意味で、どうかひとつ、科学技術庁長官の今後の御奮闘をお願いする次第でありますが、その点についての所信を、ちょっと簡単にお聞きしておきます。
○国務大臣(上原正吉君) 全くおっしゃるとおりでございまして、エネルギー政策の確立のためには、国としても、もう少し――もう少しじゃなくて、もっともっと投資を行なう必要があると感じておりますので、今後まあ、どこにおりましても、あとう限りの努力をいたさなければならぬと、この原子力の開発にお役に立つことができればと、かように存じておる次第でございます。
○委員長(大森創造君) 他に御質疑もございませんようですから、本件につきましては、本日はこの程度にとどめます。 ―――――――――――――
○委員長(大森創造君) 継続調査要求についておはかりいたします。 科学技術振興対策樹立に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大森創造君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大森創造君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(大森創造君) 委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。 科学技術振興対策樹立に関する調査のため、閉会中委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大森創造君) 御異議ないと認めます。 つきましては、派遣委員の人選、派遣地、派遣期間等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大森創造君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後三時三分散会