予算委員会第二分科会 第3号
- 発言数
- 344 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1966/02/26
会議録
○愛知主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。 昭和四十一年度一般会計予算中大蔵省所管、昭和四十一年度特別会計予算中大蔵省所管、昭和四十一年度政府関係機関予算中大蔵省関係を議題とし、質疑を行ないます。 この際、分科員各位に申し上げます。質疑の持ち時間は一応本務員は一時間程度、兼務員もしくは交代して分科員となられた方は三十分程度にとどめ、議事進行に御協力願いたいと存じます。 なお、政府当局に申し上げます。質疑時間が限られておりますので、答弁は的確に要領よく、簡潔に行なうよう特に御注意申し上げます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。上林山榮吉君。
○上林山分科員 私は与党である関係上、予算委員会の本委員会で発言の機会がございませんでしたので、本分科会で大蔵大臣外各位に若干質疑を試みたいのであります。 まず第一は、御承知のように不況である、あるいは物価高であるといわれながら、また確かにその一面がありながら貯蓄が順調に伸びているのは一体どういうところに原因があるのか、あるいは政府はその実態をどういうふうに把握しておるのか、この点を率直に、この議場を通じて国民がわかるように説明せられることが必要ではないだろうか、こういうふうに私は考えるのであります。御承知のように、昨年の十二月の貯蓄の状況を見ますと、当座預金を除いて、一昨年に比べて約二九%上回って貯蓄が伸びておる。しかも郵便貯金のごときも、定期貯金を中心として相当堅実な伸びを示しておるのが目立つわけでございます。ことに貯蓄増強中央委員会が世論調査を行なった結果は、大臣もよく御承知と思いますが、この中には一部、貯蓄が減る、あるいは貯蓄ができない、あるいはわからない、こういう人々もおりますけれども、総体的に見ますと相当の伸びを示している。ことに全国の普通世帯の預金高を見ますと、これは純預貯金に限らず、たとえば保険等も含めまして少なくとも八九・二%、こういうような高率を示しておる。だから、何らかの形で十軒に九軒くらいは貯蓄をしておるという状況でございます。ことに勤労者の貯蓄を考えてみましても、日本の場合は、都市勤労者の貯蓄率はその所得の約一五%を示しておる。先進国のその例を見ますと、御承知のように一〇%である。こういうことから見ますと、不況である、あるいは物価高である、また確かにその一面があることは、私はこれを認むるにやぶさかではございませんが、これを必要以上に国民が感得していくことは、萎縮してしまうのであります。将来の経済の建て直しの上からいっても、あるいはまた貯蓄の状況を堅調ならしむる面からいきましても、当議場を通じていままでいろいろと貯蓄の問題について問答が繰り返されましたけれども、先ほど申し上げたように、この際、国民大衆がといいましょうか、あるいは庶民大衆がといいましょうか、そういうところに触れた答弁、大学を出た学士連中が公開の席上で論文式に問答しているのではなくて、いま申し上げたような感覚で私は説明を求めたいのでございます。この点は大蔵大臣からまずお答え願いたい。
○福田(赳)国務大臣 さすがに与党のファーストバッターの質問でありますので、非常に重要な点に触れられておると思います。私は、この貯蓄というものはほんとうに国を興す力であり、経済を発展せしむる力である、これが金融財政を動かす主軸である、これに重点を置かなければならぬというふうな基本的な考え方をしておるわけなんです。幸いに今日の貯蓄性向は日本では非常に高い。それは何といってもインフレ、インフレというようなことばが言われますが、日本の経済の前途はそういう状態じゃない。国民全体が日本の通貨価値に対し、日本の経済の成長発展に対し非常に大きな期待と信頼を持っておるという、これが貯蓄が伸びる基本である、こういうふうに思うのです。 最近どうも私は非常に残念に思いますのは、インフレということばが非常に簡単に使われる。インフレとは何ぞや、これは学問的には貨幣価値が下がることです。しかし、われわれが生活の実感として持つインフレということばは、貨幣価値が下がって、とめどもなくなってしまうという絶望的な意味の傾向を称してインフレというのです。そういう意味からいえば、いまはインフレでも何でもないのです。日本の経済の成長発展の過程において消費者物価が上がってきておる。いまは構造的な変革の途上である、こういうことなんですね。私は、いまの日本の貯蓄性向を見て、日本の今後に私自身がまた国民と同様に期待と確信を持ち得るというふうに思うわけです。 それで、貯蓄がどうして伸びるかということを考えてみますると、これは、やはり好ましくない理由も相当あると思うのです。つまり保険的意味でありますとか、あるいはうちに金を置いたら物騒だという保護預かり的な意味、そういうものもあります。ありますが、国民の基調が少し変わってきておる。戦後はともかく廃墟の中からはい出すというような国民の姿でありました。もう日本の国の運命がどうなるかもしれぬ、自分の生活もあしたはわからぬ、使っちゃえ、飲んでしまえ、食ってしまえ、そういうせつな主義、瞬間主義という風潮が国を支配した時代だったと思います。そういうもとにおいて貯蓄というものは考えられないわけです。それがだんだんだんだん落ちついてくる。そこへ経済の異常な発展というものが加わってきた。そういうせつな主義、瞬間主義と経済の発展とが混合して、そこにレジャー、バカンスというふうな風潮が生じた。私は非常にこれを心配しておったのです。これがまた経済的に見ると、何というか、貯蓄精神というものを根こそぎ押し流してしまいやしないか、そんなことになったらたいへんだというふうに思ったのですが、さすが日本の国民の長い間つちかってきた貯蓄の精神、そういうものがよみがえってきつつある。それが今日の貯蓄性向という数字にあらわれてきておる。これが根本であるというふうに思うのです。私は、今日あってあしたを知らないというような、こういう生活態度は人生の生き方として非常に価値のないものである。やはりわれわれの価値のある生活というものは、将来を見つめて、将来に設計を持つ、つまり、子供ができたらひとつどういう教育をして大学まで出そう、あるいはひとつピアノを買おう、あるいはさらに五十坪の土地を求め、二十坪の家を建てよう、そうして、そういうビジョンを見つめながら営々として働く意欲というものが出てくる、その一部をビジョンを実現するためにたくわえておく、これがほんとうの意味の貯蓄だと思うのです。しかし、まだそこまでなり切っておりませんが、そういう風潮がもう出てきておるし、これをほんとうのものにしなければならぬ。これが財政金融政策のかなめである。そうすれば、貯蓄さえあれば幾らでも日本の国の産業資金あるいは財政資金というものは充足せられるわけであります。そういう際には、減税、国民負担の軽減を大いに進めることができるわけであります。また同時に、海外に伸びるための産業基盤というものをつちかうことができる、そういうふうに思いますので、この貯蓄の問題というものには最重大な関心を持って私臨んでいきたい、かように考えております。
○上林山分科員 私はいまの大臣の答弁を、それこそ全国放送を通じて国民一人一人の胸に響くような機会がほしいなあと思った次第でございます。私は論理的なそういう御説明に加えて、ことに庶民的な感覚を織り込まれたこの答弁は非常にいいと思うのです。政府の答弁というものは論理的にもしっかりしていなければならぬが、同時にそれよりも大事なことは、国民の多くにわからせる方法なりことばなりというものが大事なんですね。私はそういう意味で、これは与党であるからという理由だけであなたを持ち上げるのではなくて、ほんとうに各大臣が、総理はじめそういうような態度で答弁をされるならば、もっともっと政府は国民から理解されるであろう、こう私は思う次第です。だから一口で言うならば、インフレになる、そのおそれがある、すでにインフレではないかと言う人も一部ある。けれども、これを解消するには、あるいはそういう状態に置かないようにするには、何といってもまず貯蓄なんだ。貯蓄に国民が協力をするならば、インフレなどという病気は経済界にはほとんど起こらないでも済む状態なんだ、貯蓄をすればインフレにならない、こういうような簡単なことば、庶民的なことばというものが私は最も大事だと思うのです。昔は、一円を笑う者は一円に泣く、こういわれたものです。一円を笑う者は一円に泣く、これはいまの時代にも私は生きておると思うのです。御承知のように、多少の波はありますけれども、幸い相当の伸びを堅実に示しているし、しかも一世帯当たり、最近の状態では六十六万円の貯蓄をしておる。貯蓄の内容も、さっき大臣が言われたように、一番多いのは、病気になったときどうするかというための貯蓄が一番多い。その次には、子供を学校にやる、娘をお嫁にやる、そういう目的のために貯蓄をするんだというもの、最近は老人の貯蓄というものが、社会保障がだんだん進んできたせいもあってある程度減っておりますが、それよりもふえてきておるのは、ちょうど中堅層の人たちの自分で家を持とう、土地を持とうとする意味の貯蓄が、非常に世論調査でふえていることです。これは大臣の答弁と符合しております。いままでここ七、八年来、十年以来と申し上げましようか、十年以来、農村といわず都会といわず、いわゆるまず家財道具、電気製品、こうしたような生活用品というものに非常に所得の中から多くのものが費やされていった、それが一通り出回った、あるいは整った、こういうところで、いま言ったようにまじめなといいましょうか、もっと掘り下げた堅実な貯蓄の意欲が出てきたのです。だからそこを見のがさずに、インフレ論と結びつけて、貯蓄の奨励ということを一段と力を入れてやるべきではないか、こういうようにかたく信ずる者の一人でございます。貯蓄の問題については、まだ申し上げたいこともたくさんございますが、この程度にいたしておきたいと思います。 その次にお伺いいたしたいのは、国債の個人消化の結果が非常によかった。これはスタートとしてまことによかったのではないか、こういうように思って、私どもは賛意を表しておるわけでございます。ただ一時的にせよ、ほんのわずかばかりでございましたが、電電債あるいは鉄道債、こうしたようなものの市場の相場が少し下がった。これは、しかしもう回復をいたしました。けっこうなことであったと思いますが、そこにちょっとだけあらわれたきざしは、今後悪い条件は何も起こらないかということが一点。それから、政府がもっと国債の消化について緻密な手をお打ちにならなければ、国民感情というものは、せっかく国債に関心を持ちかけてきて、これを買った。ところが、公債の方は利率が六分五厘であった、あるいは手取りが七分幾らである、こういうことにかりになった場合、だんだんとその習慣はいわゆる啓蒙されて、目を広く開かせられて、公債のほうに目を向けやしないか。公債のほうに目を向けた場合は、特にいわゆる個人の国債の消化が思ったようにいくかどうか、この辺が私は慎重に考えていかなければならぬ将来の問題だと思います。ただいまのところは申し上げるような材料はございません。ほんのちびっと傾向があらわれたというだけでございますから、言うほどのことはないが、これに対してどういうようにお考えになりますか。将来も心配はない、国債で国民の啓蒙をやったが、公社債に目を多く振り向けることはなかろう、その調整は十分に各角度からとるつもりであるという何らかの具体的方針があるかどうか、そこまではまだ考えていないかどうか、この点をひとつお示し願いたい。
○福田(赳)国務大臣 国債の消化という場合には、政府としては国債だけのことを考えているのじゃないのです。国債と同時に準国債、つまり政府保証債が出るわけです。その中に電電なんかも入るわけです。それから地方債も出ます。さらに事業債、金融債が出るわけです。それら全部をひっくるめて大体予定どおり消化されるということにならなければ、国債は消化されたとは言えない。二兆円もあるそういういろいろな公募債の中で七千億の消化なんか、ほかのことをかまわなければ、そうむずかしいことじゃございません。全部が全部消化されましてはじめて国債も完全に消化された、こういう基本的な考えでやっておるのです。よく、国債が出ると、市中のそういう他のものに影響があるのじゃないかという説をなす人があります。ありますが、これは税で取りましても、あるいは市中消化の公債で金を集めましても、民間にある金を政府が集めるということでは同じことなんです。その金は税で集めましても、あるいは公債で集めましても、また政府の歳出として国民の中に返っていくわけです。ですから、そういう点では違いはないのですが、ただ問題は、今度大きくなっております。大きくなっておるものですから、民間から吸収する量が多いわけです。その吸収いたしました多い量の金を放出するのは数カ月後になるわけです。その間にギャップが出てくる。ほっておけばこれはえらい金詰まりになるわけです。そこで、経過措置についてはよほど慎重に考えなければならぬ一そこに日本銀行の金融操作というものが働いておるわけです。それから、今度は予算でいま御審議を願っておりますが、大蔵省証券を増発する権限を五千億まで拡大いたしたいと思っておるのです。それで日本銀行が操作をする。それでもどうも窮屈だという際には、まず日本銀行引き受けで大蔵省証券を発行する。つまり札を日本銀行から政府が受け取るわけです。そして、それを使うわけです。そうすると市中に金がずっと流れていく。その流れた状態を見て公債にこれを置きかえていく、こういうことも考えておるわけであります。いずれにいたしましても、公債を発行する以上は、低金利政策、今日の金利の状態を安定しておくという考え方、方針は貫いていかなければならぬ。これに間違いさえなければ、ただいま御心配のような事態はない。これは準備ができておるのか、できていないのかというお話でありますが、万全の準備がありまして、心配をかけないようにいたしたいと存じております。
○上林山分科員 経過措置は慎重にやらなければならないが、慎重にやった結果、万全の備えがある、こういうことで私も安心いたしておりますが、要は、こういうものが出ますと、一時的にはほかの方面のものが売れないということにもなり、今度はそれとは反対に、さっき申し上げたように、金利の闘いいわゆる公社債のほうに目を向けて、せっかくの計画の次々に発行される国債が頭打ちになってしまう。これも庶民的感覚でございますが、そういうふうになってくる。だから経過的措置については、いまおっしゃるように慎重の上にも慎重を重ねていかなければならぬのじゃないか。せっかくいまスタートラインに立ったばかりでございますので、私は大臣の答弁を信頼申し上げて、今回はこの問題についてはこの程度にとどめておきたいと思います。 次に伺いたいのは、質問に入る前に事務当局からお答え願っておきたいのですが、証券の問題に関連してお尋ねいたします。 共同証券が持っている保有株高はいま幾らでございますか。
○松井政府委員 取得原価ベースで千九百億でございます。
○上林山分科員 大臣も御承知のように、不況を反映して、一時株価がダウ平均で千円を割るのじゃないかというところまで追い詰められて、そして二週間くらい前はこれが千五百円台に戻った。しかも昨日の状態は、御承知のように千四百九十一円七十六銭でございますか、そういうところに落ちついておる。動きというものが、千円そこそこから千四百円ないし千五百円のところに落ちついたような形をもってきた。これはいわゆる産業界のありのままの姿を反映しておるものであるかどうか、きわめて妥当な——これはむずかしい答弁になるかと思いますけれども、まあまあ妥当なダウ平均である。千四百何十円ならば、大体今日の日本の底入れの産業界がやや上向きに向いてくるこの機会の反映としては、大体妥当じゃないだろうか、いや、それはちょっと株式市場の操作が悪いために、投機的なものであるから、そういうようなものもあまりにも多く加わって、ほんとうは千三百円台なんだけれども、少しオーバーしているんじゃないかという受け取り方をしておられるのかどうか、この点はまことに微妙で、御答弁もどうかと思われますけれども、この点は、これまた庶民が聞きたがっておるわけです。大蔵大臣の言というのは慎重でなければならぬのですが、しかし、これは庶民の聞きたがっておるところだから、この辺のお答えをひとつ願っておきたい。
○福田(赳)国務大臣 ただいま、株の相場が非常に回復しております。お話のように、この一年間に四割から五割の騰貴をしているわけです。いま私の意見を国民が聞きたがっておるという話でありますが、逆に、その国民の気持ちがこの株価の中にあらわれておる。つまりこの株価は、日本の経済の前途に対して大いに信頼と希望を持ち始めたということを国民自体がはだに感じ、これを表現しておる、そういう相場がここに出てきておる、そういうふうに思うわけです。それと同時に、もう一つの副次的な要因がある。といいますのは、昨年の夏以来とられました証券対策です。その証券対策の中で、特に株式の発行を抑制する考え方がとられてきておるわけであります。それからまた、その株式の供給量をその他の、たとえば共同証券あるいは保有組合というような形で押えるという政策がとられておる。つまり株式自体の商品としての需給です。この二つが私はこの株価には大きく反映しておると思うのですが、基本的には、国民が経済の前途に対して、株価の先見性ということがいわれますが、その先見性というものがここに大きく反映している、こういうふうに見ておるわけです。私どもはしさいに見ておりますが、そう不当な投機的要因は、この株価の中にはありません。
○上林山分科員 国民が先見的な感覚で、日本の産業界が活発になってきたので、それを見越して健全な思想から投資をしている。だから、まず妥当な現在のダウ平均じゃないだろうか。もちろんこれは政府がつくるのではなくて、国民がそういうものを信頼してつくっていくんだ。決して投機的な株界の操作の結果ではない。こういう答弁であったようでございますが、私は、その意味において一応安心はいたしますものの、どうしてもそういう方向で証券界も堅実な歩みというものをして、ひとつさらに一そう自粛していかるべきものではなかろうか、こういうように考えるのであります。 そういう立場から、一応株界が相当活発になってきた、こういうことになりますというと、その活発にならしめるために、御承知の日本証券保有組合あるいはさっきお話にも出ました共同証券の問題ですが、日本証券保有組合の手持ち株が大体二千二、三百億円ではないか、あるいは共同証券の保有株高がお答えになったとおり一千九百億円、いまの価格を維持するためには、あるいは株界の信用というものを回復するためには、国民の先見性や、あるいは産業界のいわゆる自粛、発展や、そうしたものが原因するわけでありますけれども、こういう時期になってくれば、共同証券の保有株、あるいはまた日本証券保有組合の手持ち株、こういうものを除々に買い戻すといいましょうか、そういうような方向に解放していかなければならないのではないか、こう思いますが、まだその時期は数年後であると、こういうふうにお考えなのかどうか。それとも、ぼつぼつ株界は活発になってきたから、この時期に、その操作のために共同証券なりあるいは日本証券保有組合なりができたわけですから、これをゆるめるというか、なしくずしでゆるめていくというような手が打たれていかなければならぬ時期が、現在あるいは数年後に来るんじゃないか、こう思うのでございますが、この大筋の話に対してどういうふうにごらんになっているかということを承りたい。
○福田(赳)国務大臣 株価対策として、株の需給を調整しようという考え方があったわけであります。それで共同証券の、あるいは保有組合の創立というようなことになったわけですが、その共同証券なり保有組合が持っておる株式をどうするかということは、今日になってみますと、これは組合なり共同証券の自主的な判断にまちたい。政府がその操作に関与するということは、政府が株価を操作するようなことになり適当でない、こういう考え方を持っておるのです。しかし、お話のように株価が非常に上がってきておる、またこれが相当堅実な動きである、こういうようなことを見詰めて、業界自体、特に共同証券あるいは保有組合の保有しておる証券をどうしようかという動きが見られるような状態であります。特にその中でも、保有組合が保有しておる証券のうち、会社から買い戻し条件つきで買ったものがあるのです。これは五百億円くらいのものがあります。そのうち一部をぽつぽつ売り戻そうじゃないか、こういうことが具体的な問題として話題にのぼってきておるようなわけであります。お話しのような傾向に漸を追うて乗っていくのではあるまいか、そういうふうに見ております。
○上林山分科員 これは政府が一から十までやることでないんだから、いつからこれがそういう方向になるということは、非常に答弁も慎重になられるのはやむを得ないと思いますが、しかし、たとえば、伝えられるごとき証券基金ですか、ほんとうに証券界もしくは大蔵省が協力して、そうしたような方向に制度化しよう、そういうものがつくられるべきである、いや、もう一歩具体的に、研究の段階を離れた、こういうようなところに行っているのか行ってないのか。これは、せっかくいま千五百円程度にダウ平均がなりつつあるのに、このやり方いかんによっては株価に直ちに影響してくる。これは純経済的な考えは別として、少なくとも、庶民のはだに触れるものといいましょうか、そうしたようなものが直ちにダウ平均株価というものに反映して、これが相当のところまで落ちてしまうじゃないか。これがイタチごっこになって、さらに副作用を起こして経済界に悪影響を及ぼしてくる危険はないかどうか。そういう意味から、いわゆる伝えられるごとき基金制度がとられるものかどうか。この見通しは、私は、きわめて大事だし、あるいはまたそのやり方は、あらゆる角度から御勉強にならなければならないきわめて大きな問題ではないだろうか、こういうように考えているのです。この辺を大臣から御答弁願って、あるいは事務的に何か事務当局のほうで監督していることがあれば——監督というとちょっと語弊がありますが、承知していることがあれば、ひとつお知らせを願っておきたいと思います。
○松井政府委員 大臣からお答えになります前に、補足的に事実関係だけを申し上げておきたいと思います。 基金制度ということはよく新聞に出ておりますが、われわれといたしましては、どういう性質のものか、何を目的にしたものか、まだ業界から、あるいは発意をされた人から直接には聞いておりませんが、保有組合の組合規約の中に、証券業者が買い戻しいたしますものは別といたしまして、先生のおっしゃいました二千三百億のうちの大部分の千八百億は、投資信託から市場を通じて買ったものでございます。これを将来市場に放出しましたときに、譲渡益が出たときには、全部組合員に帰属するのではなしに、その半額は資本市場育成のために供出しますということが組合規約の中にすでに明記されております。 それから保有組合は、一応存立期間は三年間としておりまして、市況の模様によってはまだ延長することもあり得べしということではございますが、一応有期限である。利益が出たならば資本市場一般のために供出しようという組合規約になっておりますので、そういうときに、相当な譲渡益が出れば、市場全般のために使える基金のようなものができないことはないというふうにわれわれは考えております。 一方、共同証券のほうは、これは株主は、御存じのとおり、市中銀行、信託銀行、生命保険会社、その他証券業者等の百三十でございましたかが組織いたしております純粋の民間の株式会社でございまして、一介の非会員たる証券業者であります。したがって、損益の帰属というものは、法律的から言いますと、原則として株主が負担する。損があっても株主が負担する、利益があっても株主が負担するということに相なっております。 この共同証券は、将来どういうふうに持っておる株を放出するか、あるいはどんな形で組織自体が発展的解消するか、いろいろ案もあるようでありますが、いまのところはまだそれを論ずるには早いと思いますが、共同証券につきましても、株式の処分のあり方等につきまして、市況全体に悪影響がないように十分責任をとってもらうことにする必要がありましょうし、ばく大な譲渡益が出た場合に、単に株主だけに帰属さしていいものかどうか。ここは株式会社でありますので、政府からあれこれ指示するわけにはまいりませんが、この設立の趣旨からいいまして、資本市場の育成、安定の回復ということでつくられたものでありますので、大かたの株主の御賛同を得まして、資本市場の将来の堅実な発展のために資するような方法で処分が行なわれるであろうことを期待したいと思っております。
○上林山分科員 政府としては、できるだけ誤解を受けないような答弁をされるのもやむを得ないと思いますが、大臣、いま局長が答弁したように、これは設立の趣旨がいわゆる株価の安定であり、いわゆる資本市場の育成であったわけですから、その趣旨を生かして、保有組合と共同証券とを一緒にするのかどうかわかりませんが、一緒にしないでも、一緒にするにしても、ことに買い入れ資金のごときには直ちにそれぞれの手を打たなければならぬだろうと思われるし、あるいはまた、その運営のしかたによっては、せっかく安定した株にも悪影響があるということになるのでありますから、ひとつこれもまた慎重な扱いを希望しておきたいと思います。 次に、私は運用預かりのことについて聞きたいのでありますが、運用預かりの総額は現在で幾らぐらいになっておりますか。
○松井政府委員 これの一番のピークというか、それが昨年の四月末でございまして、それが二千九百三十二億でありました。その後、山一の再建計画発表後いろいろ引き出しもございまして、不安が起こったわけでありますが、鋭意、この証券界の信用維持と運用預かりの健全な運用をはかる意味におきまして指導してまいりまして、四十年十二月末には二千六百五十八億ということに相なっております。
○上林山分科員 それからさらに数字を伺っておきたいのですが、投資信託で満期がきたけれども、元本を割っておるために支払いを延期しておるものが相当ございますね。この額は総額幾らでございますか。
○松井政府委員 正確にはいまここに資料を——さがせばあるかと思いますが、昨年じゅうに五年目、償還時期が参りまして一年延長したユニットの元本——どんどん毎月減っておりますが、元本で、昨年十二月末の繰り越し額がおおよそ五百億だったと思っております。
○上林山分科員 これは事務当局に聞いてみたいと思うのですが、正確にはわかりませんけれども、大体これくらいあるだろう、こういうふうにお答えになるのですが、これはいま資料がそこになかったというだけですね。
○松井政府委員 いま資料がございましたので……。十二月末の残存元本五百億と申し上げましたが、それは一月末の元本で申し上げまして四百五十七億でございます。
○上林山分科員 大臣、これはあなたにも私はある機会に申し上げたことがあるのですが、私が政府の答弁を聞いておりましてちょっとことばが一言足りないなと思ったのは、こういう投資信託などに投資しておるものは、非常に多くの国民大衆といいましょうか、それこそ家庭の主婦なりあるいは安サラリーマンなりあるいは勤労者なり労働者なり、こうしたように庶民大衆がだいぶ投資しているのです。大実業家とか大資本家とかいうものは、もうあなたが知っているとおり、それは別の考え方で操作し、やっているわけですね。ほとんど多くが国民大衆だ。しかも庶民階級が多いのだ。それであれば、もう政府としてはこれらの指導、監督、こういうものがしっかりしていなければならないんだ、こういうことになると思うのです。だから、山一の問題が出た場合に、山一の問題は、それ自体経営がずさんであったし、これには責めらるべき多くの点があります。しかし、その悪影響が連鎖反応的にどういうふうに及ぼしてくるか、あるいはまた大衆投資家の保護は一体何にもやらぬでもいいのか、こういうことになってくる。ああいうものに対して相当の突っかい棒をしていかなければならないということになるのであって、ただ単に形式的に、山一に突っかい棒したのはだめであるというように、頭から一から十まできめられない。非常に国全体としての考え方というものが必要になってきた。悪いのは悪い。しかし、悪いからといってすべてをほうってはおけない。それは大衆投資家というものを保護していかなければならぬからであるというところにやはりピントを合わして、今後もそういうような対策を考えていっていただく。これは庶民になりかわって監督し、育成し、誘導していくべきものではなかろうかと思うのでございます。この投資信託に対しては特にそうだと思います。 そこで、私がいまお聞きしたところによりますと、満期がきて元本が割れて、そうして一年延期して繰り越しになったものが、四十一年一月現在で四百五十七億もある。その大部分は庶民のものです。内容を調べてごらんなさい、ほとんど庶民のものです。だから、こういう問題については、どうですか、局長でけっこうでございますが、この四百五十七億円のうち、一年たって元本に戻るものがこれの何%ですか。
○松井政府委員 今後どう市況が動くか、あるいは運用者が責任を感じまして、新しく設定するファンドよりもこういうものについて特別に力を入れるといいますか、運用の努力次第によって変わってまいることで、固定的にいずれも全部五千円を回復するということは言い得ないにいたしましても、運用者としては相当責任を感じて一生懸命に運用するだろうと思います。あわせて証券業者なりあるいは信託銀行なりあるいは運用者なり、いわゆるファンドから報酬をもらうという規定がありますが、どうしても五年過ぎましてあと一年延長する分につきましては、投資家のために運用者も信託銀行も報酬はもうもらわないというぐらい力を入れる、誠必誠意運用したいと、こう思っておりますので、ほかの一般の投資信託よりもおそらく、まあ市況いかんでもありますけれども、もっと慎重に、もっと大事に、もっと力を入れて運用するであろうことは間違いないと信じております。
○上林山分科員 間違いのない運用をして、そしてほとんど大部分のものは、せめて元本だけは一年延期してもらえば投資者に返っていくであろう、それを固く信じておる、こういう精神訓話的御答弁であるけれども、私は、そのことばの裏をもっと深く信頼して多くを申し上げませんが、これはほんとうに大衆投資家が大部分であるのだ。大資本家がこういうふうにしているんじゃないんだ。ほんとうに指を切られるような思いがしておるんですよ、私も知っておる人がたくさんおりますが。そういうような状態ですから、ひとついま局長御答弁のとおり、それこれ行政指導によって、あるいはまた与えられた監督できる範囲内のことにおいて、これはほんとうに真剣に取り組んでもらわなければならぬ点だと私は思うのであります。この点をひとつ私は強く大臣に期待をいたしておきたいと思います。 次に、先ほど一言触れました運用預かりの高が現在二千六百五十八億円、四十年の十二月現在こういうことになっておりますが、この運用預かりのうちで非常に被害を受けた人が、個々の人には多いんですがね。小さい証券会社になりますと、もうほとんど倒産して、刑事事件になっているものもあるんじゃないかといわれております。また、私が知っているあるところの人は、その会社の責任者が逃げておらぬとか、あるいは首をつって死んだとかいうような関係で、ほとんどそれが取れなかった、こういう被害もかつては出たのです。これは最近ではございませんけれども、かつて出たわけでありますが、そういうようなことでは困るんだ。それで、私が総括的に聞きたいことは、この二千六百五十八億円のうち、不適正な運用の範疇に属するものと見られるものは幾らくらいですか。二千六百五十八億円のうち幾らくらいそれがあるか。
○松井政府委員 最初にお断わり申し上げておきますが、小証券で相当被害を受けたというお話がございましたが、おそらくそれは運用預かり以外の保護預かり、単純寄託契約に基づくものであって、証券業者がつぶれまして、株主も債権者も預けた人も被害を受けたというものであろうと思います。運用預かりにつきましては、十九社の兼業承認を与えておりまして、相当の資格のあるものでないと許しておりません。現在非常に不幸なことでございましたが、山一事件にからみまして日銀特融もございましたが、運用預かり自身につきましては、投資家に損害を与えた事実は皆無でございます。そこで、二千六百億円のうち不適正な運用をしておるものはないかどうかということでありますが、運用預かりを承認いたしますときには条件をつけてございまして、これは、法律的にはお客さんからの寄託契約でございますが、証券業者も結局担保力をつけるために、証券、特に金融債が大部分でありますが、預かるのです。これは売り払ってはいけない、借り入れの担保に使うのはよろしいが売ってしまってはいけないという規約が一つと、それから、いつでも返還要求があるときに備えるために、支払い準備として、預かった運用預かりの総額の二割以上を手元に現品の形で置きなさいという規定があります。違法、不当とおっしゃるのは、おそらくその二つの点に反したものがないかどうかという御意味だろうと私は想定いたしておりますが、二つとも、最近までの検査の結果につきましては、違反の事実はありません。二割以上手元に流動準備をしなさいという指導基準につきましては、現在ではむしろ三割近い支払い準備を持っているというところまで、これが保管及び運用の預かり状況は改善されておるということが言い得ると思います。
○上林山分科員 時間がきたようでございますので、私はこの辺で質問をやめますけれども、この運用預かりの制度については、もう一皮むいてしばらく論議をかわしたかったのでありますけれども、残念ながら時間がありません。 そこで、最後に一言大臣から答弁願いたいのは、この運用預かりの制度は、いま事務当局が答弁されるとおり、それぞれの保証制度というものをとっておられる、だから、投資者に対して被害を及ぼすことが少ない、あるいは皆無である、こういう話でございますが、私は、この制度というものは国民が不安がっておる、あるいはまた投資者も不安がっておる。だから、これは慎重に検討した上、改正して存置するのか、あるいはもう改正しないでこれを廃止するのかどうか、こうしたような問題も、政治的判断を下すべき時期がきておるのではなかろうか、こういうように考えますが、これに対してどういうふうにごらんになっておりますか。
○福田(赳)国務大臣 運用預かりにつきましては、もうすでにこれは適当な制度ではない、こういう方針をきめております。だんだんとこれを整理する方向でいきたい。これは、御承知のように、この制度自体が証券会社の金繰りの手段としてできてきたわけなんです。別途、証券金融というものを整えれば、この必要はなくなるわけであります。そういう制度的な改正と見合いながら、逐次これを廃止の方向に持っていきたい、こういう方針であります。
○愛知主査 次に高田富之君。
○高田分科員 入場税に関する問題につきまして、一点だけ簡単に御質問を申し上げたいと思いますので、簡潔に御答弁をいただきたいと思います。 入場税は、もともといわば一種の戦時課税のようなものでありまして、昭和十三年、娯楽やぜいたく追放というような雰囲気の中でできた税金であると承知しておるわけでありますが、今日、これが何回か改正はされましたが、依然として残っておるということは非常にちぐはぐな感じがすることでありまして、今回もいろいろ減税措置が講ぜられておりますおりにもかかわらず、なお入場税が撤廃されておらぬというわけでありまして、この入場税の撤廃についての要請は、地方自治体なんかでも相当たくさん議決が行なわれております。最近でも、昭和四十年十二月には、東京都議会におきましても、入場税撤廃の決議が与野党全会一致で通過しておりますし、その他相当たくさんの自治体でも、同様の決議を見ておるような状況でございますが、この入場税の撤廃という要望に対しまして、政府はどういうふうに現在お考えになっておられるか、まずその点をお伺いしておきたいと思います。
○福田(赳)国務大臣 主税局長よりお答えいたさせます。
○塩崎政府委員 入場税につきまして、ただいま高田分科員のお話のありましたような御要望の出ておることは、もう十分存じております。御承知のように、入場税は確かに過去において地方税でございましたものを昭和十五年に国税に移管いたしまして、さらにまた昭和二十二年に地方税に移管いたし、昭和二十九年から再び国税に移管したのでございます。このように、国税、地方税の間を何回か往来したような税金でございますが、何と申しましても、現在の課税体系のうちでは、一つの消費の中である程度高級と申しますか、必要最小限度の消費と申しますか、普通の消費を越えるような消費につきまして担税力を見出しまして課税するのが、現在の税体系でございます。所得税あるいは相続税の単一税論がすぐれておるというような考え方もございますけれども、やはり所得税あるいは相続税の単一税論では、全体の担税力を正確に把握することもできませんし、また非常に資産の蓄積も阻害する、勤労意欲も阻害する。そんなこんなを考えますと、ある程度こういった趣味、あるいは現実と関連いたしましても高級な消費に対しまして若干の税負担を求めるのは、現在の税制ではしかたがないと思うのでございます。しかし、その税率が問題でございます。この税率も非常に変遷がございまして、昭和二十九年には最高五割ぐらいな税率でございましたが、昭和三十七年から一〇%の税率にいたしておりまして、現在の状況のもとでは、この程度の負担は——所得税あるいは法人税につきまして減税の要求が強いおりからでございます。この程度の税負担は、いまの段階ではひとつごしんぼう願いたい、こんなような気持ちを持っておるのでございます。
○高田分科員 そういう要望が非常に強いということを御承知のようでありますので、なお今後一段と御努力を願いまして、早く全廃の方向に持っていけることを強く希望しておきたいと思うのです。 次に、これと関連いたしまして、従来は、入場税の中でも音楽、舞踊、美術展覧会といったようなものと映画、演劇とが区別した扱いを受けておった。昭和二十五年の改正のときでありますが、映画、演劇の半分の税率が音楽、舞踊、美術展覧会などには課せられていた、こういうふうな区別があったわけですね。三十七年の改正のときにこれが一律になりまして、税率は引き下げられたわけですが、一律一〇%、こういうことになった。これが区別のない一律課税ということについては相当問題があるのではないかということで、これまた関係団体その他各方面から強く要望が出されて今日に至っておるわけでございます。舞踊とか音楽というものにつきましては、なま身で演出をするわけでありまして、フィルムや何かでつくっておいて、これを何べんでも再生できるという性質のものではありません。そういう性質からいっても非常に違いますし、また資本家的な大きな資本経営をやっていくというものにも適していないというような、性格的な違いもあるわけでございます。そういうような問題から、やはり何とかこれにはある程度の従前の区別をつけて考えた考え方というものが筋が通るというふうにわれわれには考えられるわけです。しかるにその後、いま申しましたうち、美術展覧会については免除になった。これは昭和三十七年の改正ですか、それだけは全廃されておるようであります。したがって、音楽、舞踊等が美術展覧会などとも区別されて最後に残っているというのが現状でございますが、この点は義務教育でやっております小、中学校の課目におきましても、音楽、絵画、図工というようなものは大体並べて同じような取り扱いを受けておりますし、また芸術関係の大学などでも、音楽、美術というものは大体併置されているというような関係にありますので、これを区別するのもいかがかと思われるわけでございます。そういうふうな関係から、特に音楽、舞踊、オペラ、バレエ、能楽といったような種類のものにつきましては、特別に配慮して免税するのが至当なのではないか。特に先ほど申しましたように映画、演劇などの営利的な大資本経営には全く向かないもので、現在におきましても、実情は、音楽、舞踊等々におきましては、出演者とかあるいは関係者などの非常な犠牲、努力によって行なわれている実態であります。それもよく実情は把握しておられると思うのでありますが、美術家の芸術発表会と大体似たようなもので、こういうものが行なわれます場合は、おおむねこれは赤字です。これを埋めますために、演出者や関係団体が相当の苦労をしておるというような実情にあるわけであります。こういうふうなことで、実は諸外国の例などを調査してみますと、この種のものにつきましては、おおむね無税になっている。それのみでなくて、むしろ英米あるいは西独、イタリア、フランスその他相当多くの国々におきましては、音楽だとかバレエ、オペラ、そういったようなものにつきまして、相当国や地方自治体から補助しているというような実情にあるようでございます。したがいまして、こういう事情を考えますと、文化国家としてすでに戦後二十年、これまでに国力が回復しておりますのに、文化国家の名に恥ずるような税制が残っているというのはいかがかと思うのでありますが、音楽や舞踊等に関する入場税だけは一応他と区別をいたしまして免税するということが至当ではないかと思うのですが、この点についてのお考えをひとつお聞きしたいと思います。
○塩崎政府委員 確かに高田先生の御指摘のように、過去におきましては純音楽、純舞踊については、一般の映画、演芸と区別いたしまして、格差のあるような軽減税率を用いたことがございます。私も、国税移管後、担当課長といたしましてその事務に携わったことがございます。そのときの思想は、やはり入場税の高さと関連しておったようでございます。非常に高い五〇%という入場税のもとで純音楽、純舞踊につきまして同じような負担を求めること自体が、高田先生のおっしゃったように収益性等の見地から見ていいかどうか、こんなふうな観点から軽減税率の制度が設けられておったのでございます。しかし、そのときにおきましても、演劇は軽減税率じゃない。したがって、純音楽、純舞踊との間の区別はどこであろうか、その競争性の関係からどうであろうかというような議論が多分にございましたし、その純音楽あるいはまた純舞踊等の区分につきまして、その判定に苦しんだことが非常に多かったのでございます。幸いにいたしまして財政事情の許すところとなりまして、昭和三十七年に一〇%に軽減されることになったのでございますが、そんなような関係で、一〇%という税率ならば、このむずかしい、さらにまた演劇等の競合性で問題になりますような軽減税率を設けること自体どうであろうかということで、やはり競争性の関係を考えまして、現在のところ同じ負担にしておるのでございます。しかし、いろいろな問題がございますので、なお今後検討すべき問題かと思っております。
○高田分科員 現在、映画、演劇などを除きました音楽、舞踊等々の入場税は、総額おおむねどのくらいになっておりますか。
○塩崎政府委員 お答え申し上げます。 舞踊は滞納にわかりませんが、音楽は五億七千五百万でございまして、入場税の総額が百六億五千五百万円でございます。
○高田分科員 入場税総額百六億のうち五億七千五百万というのですから、非常にわずかなものでもありますし、先ほど申しましたように、関係者は、映画、演劇などとは全然違いまして、収入の点では、映画、演劇の出演者などの収入の何十分の一か百分の一かというほどで、問題にならぬ。大体において赤字でやっている場合がほとんどであって、中にはアルバイトをやってそれを埋めているとか、ふだんは保険の外交員をやっているとかいうような例さえも非常に多いわけでありますし、事情がまるきり違うので、わずか五億幾らの税金であるならば、こういうものは思い切って免除して、むしろ逆に補助奨励していく、助成していくというようなことが国の施策として望ましいのじゃないかと思うのです。 この際、御参考までに承っておきたいのですが、先ほど私が聞き知ったことでありますが、おもな諸外国でこの種のものに対して免税措置をとり、なおかつその上に補助助成をしているという例をちょっとお知らせ願いたい。
○塩崎政府委員 現在資料を持ち合わせておりませんが、アメリカに入場税と同じ性格の税がございます。イギリスもございましたが、映画の関係で先般入場税全般につきまして廃止したような事情でございます。ヨーロッパ諸国は、御存じのように、こういう特殊な消費税はございません。多分に売り上げ税というかっこうで課税せられておるのが消費税の体系でございますので、特殊な消費、入場という興行の利用という特殊な消費をつかまえまして課税する税目は、国税としては少ないようで、地方税としてございます。その中で、西ドイツの地方税では、オペラについては免税しておるように見受けられます。その結果、全般的な取引金額については課税になりますけれども、オペラの入場とか、あるいは映画の入場についての消費税は、国税としてはヨーロッパ諸国には少ないようでございます。 なお、オペラ等についての補助金の問題は、各国におきましてそれぞれ特殊な事情があって行なわれているというふうに承っております。
○高田分科員 そこで、さしあたり免税をすぐやる意向でないということであるとしましても、そういう事情はおわかりでございますので、せめて、たとえばこの種のものについては免税点を大幅に引き上げる、あるいは徴税面におきまして前納制というようなことはやらないとか、みなし課税はやらないとか、音楽、舞踊関係の必要経費控除率を引き上げるとかいったような措置を講じて、この特殊な事情にあるものに対して適切な措置をとるというようなことはいかがでしょう。
○塩崎政府委員 四十一年度の税制改正案は、御存じのように所得税、法人税、相続税が中心でございましたし、各方面の御要望は、まさしくそういった直接税にあろうかと思います。しかし、物品税につきましては、現在の経済状況から見まして特に取り上げられまして現在に至りました。間税税につきましてまだまだ問題点があることは、入場税のみならず、その他の税目にも非常に多いのでございまして、その点は高田先生の御指摘のとおりでございます。入場税につきましても、三十円の免税点がはたして現在の入場税の性格から見て適当であるかどうか、このあたり非常に問題でございます。私どもといたしましても、こういった問題は、ひとつ税制調査会あたりで取り上げていただきまして、今後間接税全般につきまして新しい角度から検討してまいりたい、かように考えております。
○高田分科員 それじゃこの質問はこれで終わりますが、大臣に一つお伺いしたいのです。 昭和三十八年の大蔵委員会におきまして、横山委員から当時の田中大蔵大臣に対しまして、この問題で質問があったわけでございます。いま私が申し上げたような質問に対しまして、田中大蔵大臣はこのように答えておる。「御承知の通りこの入場税の問題は、昨年の非常に大きな地方税、間接税の第三次目の税制改革で、これを取り上げたわけでございます。私も当時自由民主党の政策責任者でありましたので、最後には演劇も取り入れてもらうように政府との間に合意に達して改正案を認めたわけでございます。そういう意味で、一律画一的な引き下げということでありましたが、その当時どうして演劇を入れておって音楽を入れなかったかという問題、これは今日になってみれば、これもあわせて行なうべきだったろうというふうに、個人としては考えております。だからこの次の税制の改正、特に減税問題に対しては、当然考えていかなければならぬ問題だと思います。」というようなことで、そのほかずっと純音楽、純演劇、純舞踊について述べておるわけでありまして、検討して何とかそういうふうにしたいというような意思表示があったわけです。この機会に大臣のお考えをひとつ承りたいと思います。
○福田(赳)国務大臣 ただいま主税局長からもるる申し上げましたが、いろいろ権衡上なんかの問題もあります。そういうようなことで、間接税全般についてまた検討することになろうと思いますが、そういう際にとくとこの問題を含めて検討していきたいと思っております。
○高田分科員 これはちょっと別の問題ではございますが、あわせてこの機会にお尋ねしておきたいのですが、昭和三十年の物品税改正の際に、楽器に対する物品税が大幅に免税範囲を拡大されておる。これは音楽教育の面で、音楽を専修している大学、高校の教師及び生徒の使用するピアノにまで免税措置が広げられた、こういうことでありまして、当時職業的な音楽演奏家に対しましてもやはりピアノの免税の問題というのが相当問題になっておったようでありますが、そのころの主税局長の言明したところによりますと、そういう職業的な音楽演奏家のピアノに対する免税は、その職業的な演奏家団体ができていないので、どうもばらばらで大ぜいでやって、取り扱い上困難があるので、免税ということにできないというような言明があったとかいう話であります。そういうことであったのでありますが、その後、いろいろとこれらの職業演奏家の結集体もでき上ってまいりまして、昨年におきまして安川第五郎氏を会長といたします社団法人日本演奏連盟、九百三十五人の現会員を持つりっぱな団体もできたわけであります。したがいまして、御承知のとおり職業演奏家は、その専門とする楽器が何でありましても、ピアノだけは欠くことのできないものであり、また在学中は副科としてのピアノの学習はみなやっておるわけでありますから、教師、学生まで広げられましたとすれば、卒業後業務用として用いられる場合にも免税してしかるべきではないかというような、これまた相当この声は大蔵省当局も耳に入れておられることと思うのでありますが、幸いにしてこういうような団体もできたわけでありますので、この業務用のピアノの免税、物品税の免税ということも措置されることが至当ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○塩崎政府委員 私も、当時税制第二課長といたしまして三十年八月ちょっと前までこの物品税の問題を扱っておりまして、音楽関係の教師及び生徒の購入するピアノにつきましての免税につきまして、種々の要望があり、これについて措置したことを記憶しております。ただ、演奏家の団体ができたならば職業音楽家のピアノについて免税するということの話は、私は記憶はございません。ただ、雑談的に何とか演奏場に設けられるようなピアノについて、個人の財産じゃない、そういったところに備えつけるものについて免税できないかというような話があったように記憶しております。現在のところ、団体ができたからといって免税するということは、私はなかなかむずかしいような感じがいたします。現在でもピアノにつきまして種々の問題点がございます。こんなような関係で現在まで実施しておりませんが、今回幸いに物品税の減税がございまして、ピアノも二〇%から一五%に引き下げられるようになっております。なお技術的に、いろいろな職業的な器具につきまして選択性がないという理由から、消費税として課税することにつきましては、確かに税の理論といたしまして問題のあることは十分承知しております。しかし、これに伴いますところの種々の負担あるいはまた取り締まり上むだが重なりましても、また国民経済上むだでございますし、個人財産となりますものにつきまして、どういうふうな方法でこれを取り扱っていくか、今後の検討問題といたしてまいりたい、かように考えております。
○高田分科員 ぜひひとつこれは十分検討されまして、でき得るならばそうした要請にこたえていただきたいということをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○愛知主査 次に石田宥全君。
○石田(宥)分科員 私は、豪雪地帯における各種の課税問題について大蔵省並びに自治省の方にお伺いをしたいと思うのでありますが、最初に大臣にお伺いをいたします。 大臣、最初にあなたにお伺いをするのですが、課税については応能原則、応益原則というようなものがそれぞれありまして、応益原則としては目的税というようなものもあるわけでありますが、何と申しましても、税はやはり公平でなければならない、これは動かすべからざる税の前提でなければならないと思うのであります。ただいま申し上げました豪雪地帯における課税の状況は、必ずしも公平なものとは言いがたい点が多々ございまするので、これについては、それぞれ主税局長並びに自治省の参事官などから伺いたいと思うのでありまするけれども、その大前提についての大臣の所見を承りたいと思います。
○福田(赳)国務大臣 税は、法律段階におきましても、また執行段階におきましても、これはもう公平が一番の根本原則であります。そういうふうに考えます。全く同感であります。
○石田(宥)分科員 いま申しましたような豪雪地帯は、その特殊な気象条件によりまして、産業の発展が停滞をいたし、住民の所得水準も低位にとどまっております。その担税力も著しく弱い実情にあるのであります。一方積雪による不可避的な経費増加の特殊事情は、税制上十分考慮されていないために、住民の税負担は相対的に過重といわなければならないのであります。豪雪地帯対策審議会は、特に小委員会を設けまして検討の結果、豪雪対策として交通通信施設、国土保全施設整備等の各種事業の推進と並行して、税制上においても特別の配慮を行なうことが、豪雪地帯における産業の振興と民生の安定向上のため、さらに他地域との格差是正のための必須の条件なりとの結論を得まして、総理大臣に答申をいたしておるのであります。交通対策や国土保全施設等には、不十分ながらも予算の措置が行なわれつつあるのでありますが、税対策にはまだ見るべきもののないことははなはだ遺憾であります。以下、私は国税と地方税に分けて質問を申し上げたいと思います。 所得税についてでありますが、豪雪地帯においては、はなはだしい積雪のため、雪囲い費、雪どめ費、除雪労力費、除雪設備費、家屋等の維持管理費、被服費、暖房費等の支出増を余儀なくされております。したがって、豪雪の程度の新しい地域については、豪雪の度合いに応じて前記諸経費が所得の一定割合をこえるものについて、所得から豪雪地帯については特別に要する経費を控除する豪雪控除の制度を設けるべきであろうと思うのでありますが、主税局長の見解をただしたいと思います。 〔主査退席、登坂主査代理着席〕
○塩崎政府委員 お答え申し上げます。 石田委員もすでに専門家でいらっしゃいますのでよく御存じのとおり、所得税に、大きく申し上げまして事業所得と、事業所得以外の主として給与所得と申しますか、雇用によって生ずる所得がございます。事業所得のほうは、その計算上、石田委員のおっしゃったように、事業用の資産につきまして種々の豪雪に関する経費が伴いますれば、事業の収入をあげるに必要な範囲においての経費は、費用として控除されることになりますので、事業所得上の計算上、当然これが認められることは、もう御存じのとおりでございます。問題は、給与所得のように、事業に関係のない部面の所得についての算定の問題だと思うのでございます。そこで、これにつきまして、豪雪によりますところの種々の費用を控除したらどうか。御提案になりましたのは、現在所得税法の七十二条に雑損控除という制度がございまして、これに見合ったような制度の御提案があったのでございますが、この点につきまして若干申し上げたいと思います。費用というものはやはり収入をあげるに必要な範囲において控除されるべきというのが、どこの国でもとられておる所得の定義でございまして、収入と関係のない個人的な家計の資産にかかわるものについての種々の修繕費あるいは改良費、これらにつきまして費用といたしまして引くということは、御存じのように、所得の課税計算上見てないのが通例でございます。しかし、一般的に申し上げまして、担税力を減殺するような場合には、何らかの形で、費用という観念じゃなくして引くべきであるというのが、最近のように譲渡所得まで、資産の利益まで課税するような、いわゆる準資産増価税的な立場に立ちましたところの所得税においてとられる制度でございます。こういった考え方から、昭和二十五年からこの雑損控除の制度ができ上がっておりまして、災害によりまして資産に損失を受けましたときには、その所得金額の一割をこえる分につきましてこれを所得から控除するといった制度で、お話のような担税力の減殺費用という面を離れました担税力の減殺を救済しておるのが実情でございまして、これが広く運用されているのだと思うのでございます。そのほか、御存じのように、四十一年度の税制改正の一環といたしまして、災害減免法という——この雑損控除制度によって大体救われるのでございますが、もう少し簡単な、ラフな、たとえば所得が百万円以下ならば、家屋、資産について半分以上の災害を受けるならば、損失を受けるならば全免という、ラフな、そのかわり簡便な、そんなような方法によりまして、その担税力の減殺は救っているような状況でございます。 そこで問題は、これをこえまして、豪雪的なものに対して特別な控除を認めるということがまず何を意味するか、なかなかむずかしいところでございますが、私どもといたしましては、やはりこういつた一般的な制度によりまして、資産にかかわるところの災害の損失を控除するのが、税制といたしまして最も執行も容易であり、公平であり、計算可能である、かように考えておる次第でございます。
○石田(宥)分科員 いまお話しになりました雑損控除にも、実はいろいろ問題がございます。あとでまた少し触れたいと思うのでございますけれども、現行所得税法においては、一般的に最低生活費には課税しないという趣旨のもとに基礎控除が行なわれておる。また、扶養家族の数に応じて扶養控除の制度が設けられております。また特別な出費に対しては、いわゆる雑損控除、医療控除、それから社会保険料控除、生命保険料控除などのように、所得税の負担を軽減する措置があります。このうち、基礎控除については、最低生活費は全国各地の諸条件によって千差万別であるにもかかわらず控除額は単一であるので、豪雪地帯のみについてこの特例を設けるよりも、現行の特別出費に対する控除の対象と同様の性質のものと考えられる豪雪地帯の特別の増加経費について、所得税法上特別の控除措置として、豪雪控除の制度を設けることが妥当であると私は考えておるのであります。なお、いまお述べになりました事業所得の必要経費については、豪雪地帯の実情に応じて算定されることが必要であり、また山林所得についても、その特殊性から、概算経費率について十分な調査を行なって、実態に即した適切な措置をとる必要があると思うのであります。雑損控除についての制度が設けられたことは、救済措置としては妥当であると思うのでありますけれども、これは個々の所得の少ない納税者などが、一々税務署との交渉の過程においていろいろ繁雑な手続を要するものでありまして、税についての予備知識を持っておる者ならば、この問題は相当大幅に認めてもらうことができるのでありますけれども、税制というものについては、一般の人たちが十分理解をしておらないというところに盲点がございます。特に豪雪地帯の低所得階層にとって、さっきちょっとお触れになりましたような簡単な制度上何らかの対策が必要ではないかということを、私は指摘をいたしたいのであります。
○塩崎政府委員 おっしゃるように、税制上の盲点が非常にむずかしい点にあることは、私どもも十分存じ、また今後そういったことのないように種々くふうをこらしておるところでございます。しかし、もう一つ別な制度を設けることによるところの複雑さ、これもまた問題でございますし、私どもは、やはりこの雑損控除というのは、制度といたしまして非常に合理的な制度だと思います。おっしゃる点、確かに私どもといたしまして反省しなければいかぬ点がございますので、これにつきましてはわかりやすく、納税者が十分利用できるようなPRあるいは制度の簡素化等を考えてまいりたい、かように思っております。 なお、簡便法につきましては、先ほど申し上げました災害減免法というものがもう古くからございます。これは非常に簡便でございますが、しかし、軽減のしかたといたしましてはラフでございまして、担税力に即する制度といたしましては、雑損控除のほうが簡便でございます。しかし、災害減免法は、所得が百万円以下ならば全免とか、それをこえますと、二分の一あるいは四分の一というような減免の方法を講じておりますので、こんなような方法をなお併合をいたしまして、あるいは併用をさしていただきまして豪雪地帯におきますところの担税力の減殺に対しまして何らかの救済措置を講じたい、こういうように考えております。
○石田(宥)分科員 何ぶんにも雑損控除というのは、総収入の一〇%以上というようなことでありまして、総収入の把握にも一つ問題があり、同時にこれは一〇%以上であるか以下であるかというようなところには、非常なむずかしさがあるわけでありますから、災害減免のようなだれにでもわかりやすい制度をおとり願わないことには、特に豪雪地帯などではなかなかこれが大きな問題になるのでありまして、私は、降雪地帯といえばかなり広範でございますから、降雪地帯全体とは申し上げませんので、いわゆる豪雪地帯——今日、新潟県の一部では三メートルも四メートルも雪が積もっておるところもあるわけでありまして、五月になってもまだ雪が相当残っておるような年がしばしばございます。先年豪雪のときに、五月に入りましてから衆議院の農林委員会から調査に行ってもらいました。たまたま奈良県から選出された議員の方がおられまして、石田君、一体あんなところに住んでいるのはおかしいじゃないか、こういう話を受けて私もあ然としたのでありますが、しかしながら、やはり豪雪地帯には豪雪地帯のよさもあり、簡単に無雪地帯に移動をするというようなことができるはずのものではございません。十日町のような特殊な産業もまた持っておりますし、いろいろな気象条件として不利な条件がありましても、やはりそこに住まなければならないような人たちに対しては、税公平の原則に照らして、だれにでも適用のできるような、ラフな制度をひとつ御検討を願いたい、重ねて要望をいたしておきます。
○塩崎政府委員 私どもは、雑損控除も複雑でございますが、税制全般に多分に複雑な点があり、制度としてはうまくできておりましても、納税者からなかなか利用しにくいというお話をよく伺うのでございます。今度の四月から、ぜひ税制調査会におきましても、制度の簡素化、しかもまた国民に利用できるような仕組みにどうすればなるかという点を、ひとつ広範な角度から検討をしていただきたい、かように考えております。そして国民の税法というものに仕上げたい、かように思っておりますが、その一環といたしましては、石田分科員のおっしゃいました豪雪地帯におけるところの雑損控除の適用、あるいは災害減免法の利用、これらにつきまして十分検討してまいりたい、かように考えております。
○石田(宥)分科員 次に、法人税についてお伺いをしたいと思いますが、豪雪地帯の固定資産については、はなはだしい積雪のために雪割れや凍害、過湿による腐朽等によって耐用年数が短い実情にあるので、固定資産税にかかる評価については、積雪地帯における家屋の経年減価補正の措置に照応して、法人税についても法定耐用年数の短縮の措置を講ずべきであると思うのであります。現在、特別の事由に該当する場合は耐用年数短縮の道が開かれていますが、これは個々の事例について国税庁長官の承認を受けることとなっております。したがって、実効を期しがたいと思われますので、豪雪地帯については、その度合いに応じ一律に法定耐用年数を短縮することが適当であると思われるのでありますが、耐用年数についてはしばしば改正が行なわれておりますけれども、豪雪地帯に対する特別措置というものが考慮されておらないことをはなはだ遺憾に存じますので、この点についてのお考えを承りたいと思います。
○塩崎政府委員 この点も、石田分科員も十分御承知のところでございますので、詳しく申し上げる必要はないかと思います。なお、昭和四十年におきましては、この耐用年数の承認制度の改正をいたしまして、特に豪雪地帯と申しますか、寒冷のひどいところの地域の建物の耐用年数の短縮の必要性を意識いたしまして、御存じの法人税法施行令の五十七条の第一項の四号にその規定が追加されたわけでございます。問題は、こういった規定があり、しかもそれが承認にかかっておるためになかなか利用ができない。さて、承認制度がいいのか、一般的な制度がいいのか、この問題だと思うのでございます。御存じのように、耐用年数というものは法定すべきものではなくて、本来は個々の機械の使い方に基づきますところの——企業によって、あるいは事業によって使い方が違います結果、個別的に違うのが本質的な耐用年数の考え方でございます。そうは申しましても、なかなか納税者にそういうことを要求するのは無理であるというわけで、やむを得ない措置といたしまして現在の法定耐用年数をとっておるのでございます。そこで、これで救われないものは、やはり特別承認の制度によりまして、個別的な事情に即応しようというのが承認制度の考え方でございまして、いま申されましたように、その利用について必ずしもうまくいっていない。その点は、いろいろな手がございましょう。しかし、最近国税庁におきまして、硫黄の吹き出しますような温泉地帯等につきましては、一括いたしまして承認するというようなことで、ようやくその承認制度も動き出したような状況に見受けられます。しかし、なお広範な地域の降雪地帯におきますところの建物であり、耐用年数でございますので、これがどういうふうにすれば先ほど来石田分科員の御指摘になりますように利用ができるかという点につきまして、今後実施面とあわせ、また制度面とあわせましてひとつ研究してまいりたい、かように考えております。
○石田(宥)分科員 御説のとおりなのでありまして、その承認制度ということは一歩前進の形ではありますけれども、先ほど来申し上げておりますような困難さがございますし、やはり大蔵省としてある一定のワクを下のほうへ下げて、その一定のワクの中ではこれは審査を必要としないというような基準をお示しを願わないと、どうも有効適切に行なわれがたい点があると考えるのです。この点は、たとえば土地改良費の問題なども、当初、計算が非常にむずかしいので、千五百円までは内容の審査を省略して認めるということになった。昨年は、三千円までは内容の審査を省略することができるということになった。それがために、基盤整備事業をやる農民は、いま非常に救われておるわけです。実際はそれ以上かかりましても、あの内容の審査がなかなかむずかしいものでありますから、それを一々税務署と交渉して、実際かかった額だけ減免させるということはほとんど不可能に近いのです。それを一定の限度額までは内容の審査を省略してよろしい、こういうことを大蔵省でお示しを願えると、これがみんな平らに均てんができるのでありますし、その費目のないところは、これは当然該当しないことでありますから、そういう対策をぜひひとつお考えを願わなければならないところであると考えるのでありまして、もう一歩進めて——承認制度ができたことは一歩前進であるけれども、もう一歩進めて、豪雪地帯の住民に公平の原則が適用されるような御尽力を願いたいと思うのです。
○塩崎政府委員 個別承認制度がなかなか証明その他におきまして難点があり、利用ができないこと、私も十分存じております。したがいまして、私ども内部におきましても、一定の承認基準等をつくりまして、種々の簡便化をはかっていることも、その他の点についてもございますが、耐用年数につきましては、はたしてそれが適用するかどうか、いま石田分科員の御提案を含めて今後検討してまいりたい、かように考えております。
○石田(宥)分科員 自治省の参事官にお伺いをしたいのでありますが、固定資産税について伺いたいと思います。 固定資産については、かつては収益還元方式をとっておった。私どもは、固定資産の評価というものは、収益還元方式によることが最も妥当なものであると考えてまいりました。しかるにこれがやがて収益還元方式を売買実例価額ということに改められたわけであります。これはいろいろ事情もあったでございましょうけれども、少なくとも農業経営をやる者にとって、あるいはまた低所得階層にとっては、非常に深刻な打撃を受けることになるわけでありまして、私どもはこの評価がえの撤回を実は求めておったわけであります。しかし新しい評価が行なわれましたが、その際に、当時池田内閣のもとで早川さんが自治大臣をやっておられましたときに、特に私はこの問題を重大視いたしまして、少なくとも評価がえはいたしても、農地に対する固定資産税が上がってはならないという強い私どもの主張で、農地に対しては特例を設け、またその他の固定資産に対しても一定の比率で押えるというところの特例ができたわけです。ところが、その特例が昭和三十九年度から四十一年度まであったにもかかわらず、今年度までその比率は動かさないということになっておったにもかかわらず、本年度の予算では、再び都市計画税と固定資産税の税率を引き上げるという措置をおとりになったわけであります。これは、一体固定資産税というものが、ほかの税金と比較して安いからそういう措置をおとりになったのか、あるいはまた地方財政が困窮をしておって、地方財政のためにこれを上げようという措置をおとりになったのか、またいま予算委員会でこれが問題になっておりまして、はたしてどう結着がつくかは、これは自由民主党と日本社会党の間に話が持ち込まれておるようでありまするけれども、自治省自身がやはり一たん評価をかえて、そして税率についての特例を設けて、その特例が四十一年度までであるにもかかわらず、四十一年度において変えるというような措置は、これは自治省がいさぎよく撤回すべきであると考えておるのでありますが、それらの事情を承りたいと思います。
○宮沢説明員 固定資産税につきまして、ただいま石田委員御指摘のように、現在は三十九、四十、四十一と、三カ年の暫定措置が講じられているわけでございますが、御質問の要旨は、今回政府がその暫定措置にかえて新しい措置をとるということについての理由は一体どこにあるかというのが御質問の要旨であろうと思うのでございます。現在の措置は、ただいま申し上げましたように、三十九年に新評価をいたしまして、新評価に伴うとりあえずの税負担の緩和の暫定措置であったわけでございます。したがいまして、新評価に伴う恒久的な考え方をどうするかというのを、その後政府部内におきましても、税制調査会においても検討いたしまして、税制調査会の答申等もございまして、今回御提案をいたそうとしているのでございます。 その理由と申しましては、幾つかの理由をあげることができると思うのでございますが、第一番目には、やはり現在の国、地方を通ずる財政事情と申しますか、国といたしましても大幅な国債を発行しながら、同時に大幅な減税を行なって公共投資をやっていくというような、非常な財政構造の変革期を迎えたわけでございまして、地方財政も国の財政と一体となって運営をされているものでございますので、そういうような、以前に予測できなかったような財政経済事情の変化というものに即応いたしまして、この暫定措置もあらためて検討し直す必要がある、こういうふうに感じましたことが第一点でございます。それから、なお御承知のように、ここ数年来地域開発あるいは都市開発ということが非常に強く叫ばれているわけでございますが、地域開発、都市開発のための各種の施設の整備というものにつきましては、現在財源の調達に非常に困難をいたしているわけでございます。都市開発、地域開発が行なわれますならば、また土地の価値自身も上がってくる、こういう関係にも相なるわけでありますので、そういう地域開発、都市開発の最近における緊急の事情、こういうものを勘案する必要もあろうと思うのでございます。それから税制自身といたしましては、これは当初からそういうことがいわれていたのでございますが、御承知のように三十九年の措置は、旧評価に対して新評価の上がる倍率のいかんにかかわらず、端的に申しますと、三十八年の評価に対して新評価が二倍になったところも三倍になったところも、あるいは十倍になりましたところもすべて一律二割増しの税負担、これは農地を除いた土地でございますが、二割増しの税負担に押えていくということは、これはいかにも土地の税負担の相互間に非常に不均衡を生ずるわけでございます。そういう実情も勘案をしなければならなかったわけでございます。 以上のような諸事情がございまして、今回国、地方を通じて所得課税について大幅な減税が行なわれる時期でもございますので、この際従来の暫定措置にかえて新しい措置をとりたい、政府といたしましてはそういうふうに考えている次第でございます。
○石田(宥)分科員 一応理由はそういうところにあろうと思うのでありますけれども、これは、根本的にいまの税制自体の問題なのであって、取りやすい、甘みのあるところは全部国が吸い上げてしまって、地方団体にはかすをなめさせるというような態勢にある、その結果としてそうなるのは当然なんです。だからといって弱い者いじめをするような自治省の態度というものは、われわれは納得がいかないのですよ。こういう点はあげればきりがありません。たとえば国民健康保険の問題などを考えてごらんなさい。最近非常に負担が過重になっておる。ところが、国民健康保険法の六十九条では、事務人件費は国が負担するとなっておる。ところが国は半分も負担していない。そういうところに地方財政の窮迫の原因があるんじゃないですか。そういう点にメスを入れようとしないで、弱い者いじめをして農民を苦しめたり、あるいは低所得階層の宅地の値上がりを招来するようなこの税の取り方というものは、われわれは納得がいかない。これは、やはりあなた方はそういう実態をおわかりなんだから、弱い者にしわ寄せがいかないような配慮が望ましいのであって、安易な、弱い者いじめ的な対策というものは、今後これは厳に戒めてもらわなければならないと思うのです。先ほど申し上げたように、自治省の内部ではどうなんです。いま予算委員会でああいうふうにがたがたもんでおって、結着がつきそうもないのですが、何か別の方法で、これはひとつ特例どおりにことしは値上げをしないということで、いさぎよく撤回をされるようなお話し合いはないのですか。
○宮沢説明員 現在の税制自身に根本の問題があるのではないかという御指摘でございました。その点は私も同感を申し上げる点が多々あろうと思います。やはり現在の地方財政を見ました場合に、自主財源でございます税収の占める割合というものがかなり低いわけでございます。地方自治、特に地方財政を確立いたしますためには、やはり自主税財源というものを充実をしていかなければならないと思います。この点につきましては、税制調査会等においても方向としては同意見でございます。ただ、現在の国、地方を通じて地方の税財源を充実をする、国税なり何なりから地方に税源を移譲するということになりました場合に、もちろん国民の租税の総負担をふやすわけにまいりませんので、結局国税から地方に移譲するという形になるわけでございますが、やはりこの場合には、国、地方を通ずる事務、事業の再配分でございますとか、補助金の整備というようなものを伴っていかないといけないわけでございます。これは政府の税制調査会でも、そういう方向で今後検討することになっております。私どもも、やはり一日も早く、また一歩一歩でも石田委員御指摘のように地方の税源の充実というものをはかっていきたいと思うのでございます。しかし、ただいま御指摘の固定資産税の問題でございますが、なるほどこれは一般の地方税源の議論のワクの中ではございますけれども、先ほど申し上げましたような事情、あるいはこれは世界各国どこを見ましても、やはり地方自治体というものは財産課税というものを税収入の一つの大宗といたしているわけでございますし、それから現在の土地に対する税負担というものが、やはりほかの資産に比べまして比較的軽いというような事情もあるわけでございます。したがいまして、おっしゃいます根本の地方税源の充実、これは御趣旨まことに私どももそのとおりだと思いますし、今後も努力をしてまいりたいと思うのでございますが、今回の措置自身は、やはりその措置を行なうことによって、税としての負担の均衡の問題でございますとか、あるいは地方財政固有の財源を充実をするということにもなろうと思うのでございます。ただいま御指摘のように、現在予算委員会等で与野党でいろいろお話し合いのあることは私どもも承知はいたしているわけでございますけれども、政府といたしましては、現在御提案を申し上げようとしております案をこの際撤回をするというような考え方は、ただいまのところ持っておりません。
○石田(宥)分科員 次に、豪雪地帯における固定資産税の問題についてお伺いをしたいと思うのでありますが、豪雪地帯の家屋については、積雪の重量に耐え得る堅固な建材の必要と、豪雪地帯の特殊な生活様式からくる建坪の増加によって建築費が増高することとなり、これは当該家屋の評価に反映されるものです。また、農作物の冬期格納庫、冬期作業場、建物間の連絡廊下などの施設が必要なために、無雪地帯に比較してより多くの税負担がなされておる実情であります。特に、一昨年、豪雪審議会税金対策小委員会において指摘されましたように、木造建物の耐用年数は著しく短く、国鉄の豪雪地帯と無雪地帯と同質資材による建物が、その損耗率が七五%にも及ぶとの実証がありますので、豪雪地帯の耐用年限特別法をつくるべきであるということが一致した意見と相なったのであります。山林にいたしましても、融雪後の雪掘り、苗起こしなどが七、八年にも及ぶ上に、木の根元が一メートルくらい根曲がりになっておることは周知の事実であります。こういう点を考慮いたしまするならば、これに対して課税標準等についての特例を設け、軽減措置をはかるべきであると思いますが、御所見を伺いたいと思います。これは、もはや自治省でも十分御論議になっておるところであろうと思いますので、明快な答弁を要求したいと思います。
○宮沢説明員 豪雪地帯の固定資産税、特にいま家屋と山林のお話がございましたが、家屋につきましては、石田委員御承知のように、一般に家屋の評価は再建築費を基準にいたしまして、経過年数に応じて減点補正をいたすわけでございますが、豪雪地帯におきましては、ただいま御指摘のようないろいろ損耗の度合いが激しいとか、その他特別な事情があるわけでございますので、通常のただいま申しましたような平年における減点補正をいたしまして出ました価額に、特に豪雪地帯につきましては最高さらに二五%ですかの割り落としの減点補正をいたしているわけでございます。この二五%は、従前は一五%であったわけでございますが、新しい評価基準に基づきまして最高二五%までの豪雪に対する損耗の度合い等を考慮いたしました減点補正をいたしているわけでございまして、いわば一種の課税標準の特例と同じ効果を与えていると私ども考えている次第でございます。 それから山林のお話があったわけでございますが、山林も一般の土地と同じように、正常の売買価格を基準にして評価をいたすわけでございます。正常の価格でございますので、売り急ぎとか買い急ぎというような不正常な要素は除去いたしました正常な売買価格を基準にいたしているわけでございます。したがいまして、この正常な売買価格の中には、ただいま御指摘になりましたように、豪雪地帯は、山林の素地にいたしましても、そのほかの地域に比べまして条件が劣悪なことはあろうと思うのでございますが、そういう条件の悪さというものは、ただいま申しましたような正常な売買価格の中に入って価格が形成をされているというふうに私ども考えているわけでございます。山林の固定資産税は、御承知のように素地価格に対する課税でございますが、山林の経営の面から申しますれば、いまおっしゃいましたようないろいろなものは経費として所得課税の面では見られるだろうと思うのでございますが、財産課税としての固定資産税におきましては、ただいま申しましたように、豪雪地帯におけるいろいろなほかに比べての悪条件というようなものは、現在の正常な売買価格の中に包含されているのじゃなかろうか、こういうふうに私ども考えているわけでございます。
○石田(宥)分科員 損耗率の問題は、実は最近の新しい資料もあるのでありますけれども、やはり政府機関か何かでないと権威のないものであると考えて、いささか古いのでありますけれども、国鉄が建てた同質、同材、同規模の建物を、無雪地帯と豪雪地帯で比較した資料がございまして、それは七五%の損耗率、非常な損耗率なんです。一五%を二五%にされたということはありがたい話であるけれども、積雪地帯ほど湿度が高いものでありまするし、それから寒暖の差が激しいものでありまするから、やはり損耗が激しくなるので、この点はさらに御検討を願われれば幸いだと思います。 それから山林のほうでありますが、実は売買実例価額ならば適正なものになって、やはり豪雪地帯はずっと低くなるであろうということが常織としては考えられるのでありまするけれども、実情はなかなかそうはいかないのであります。最近、一部ではもう耕作を放棄しているところがたくさん出てまいりました。耕作を放棄して、それならば山林に植林をしたならばどうか、苗は国が補助するから植林をしたらどうかと言っても、労賃が高いものでありますから、植林をしても引き合わないのです。しかし、それならば評価額が豪雪地帯はうんと低いかというと、やはり低くもない。そういうところに矛盾があるのですね。だから、私はやはり山林などについても収益還元方式という昔の方式に基づいて、そうして日照時間がどうとか、寒冷度がどうとか、湿度がどうとかというような、そういう気象条件が反映されるように修正をするというのがやはり適当であったのではないかと考えておるわけでありまして、そういう点から見ますると、いまの山林に対する評価というものについては、まだまだ実態に即さないものがあるように見受けられるのでありまして、これについてもひとつ今後十分御配慮を願いたいと考えるわけであります。 時間がまいったようでありまするから、最後にもう一問だけ……。これは地方交付税のことでありまするけれども、前段いろいろ申し述べましたような地方税の減収補てんについて、普通交付税の寒冷補正のうち、積雪度による補正については、適用費目及び積雪による特殊増加需要額の算定の合理化などにより逐年改善されておりますが、まだ適正を得ない実情でありますことは、いまいろいろお述べになりました事柄とあわせて、これは問題があるところであります。したがって、道路、橋梁費における延長を測定単位とするもの、及びその他経費における面積を測定単位とするものを、新たに積雪度による補正適用費目とするなどの方法を検討し、その拡大をはかるとともに、現在補正の行なわれているものについても、実際の需要額に一致せしめるような措置をとるべきであると考えるのであります。この点は地方議会等で、大蔵省に対しても、あるいは自治省に対してもやかましく要請をいたしておるところでありまするので、これは大蔵省は主税局長の管轄ではないかもしれませんが、大蔵省並びに自治省のお考えを承りたいと思います。
○宮沢説明員 前に御要望のありました点につきましては、御趣旨もございますので、私どもなお研究をさせていただきたいと思います。 それから交付税の問題でございますが、恐縮でございますけれども、私、税の担当をしておりまして、財政の担当をしておりません。ただ現状は、御承知のように、積寒地帯につきましては給与を中心に補正をいたしておるわけでございます。ただいまの御趣旨、御提案もございますので、関係者によくお伝えいたしまして研究をいたしたいと思います。
○石田(宥)分科員 局長にはかねて私のほうから実は要求しておらないのでありますから、この地方交付税の問題については別の機会に譲ることにいたしまして、以上で私の質問を終わります。
○登坂主査代理 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時二十七分休憩 ————◇————— 午後一時三十六分開議
○登坂主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 大蔵省所管について質疑を続行いたします。田口誠治君
○田口(誠)分科員 一問だけお伺いをいたしたいと思います。 それは、中小企業に対する金融をやっておる主として信用金庫の運営の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 御承知のとおり、現在大企業は設備資金の融資を受けて機械の近代化をするとともに、事業の拡大強化をはかっておりまするし、この中で、中小企業は何だかひとり取り残されたような形になっておるというのが実態であるわけであります。したがって、中小企業も何とか機械の近代化を行なって生産性を上げ、この経済発展に伴う態勢をつくらなければならない、またそうした設備をつくらなければならないということになっておりまするが、しかし、この機械の近代化一つやりましても、中小企業の場合には、近代化資金というのはうんと制限がなされておりまして、なかなか思うようにいかないというのが実態であるわけです。したがって、大企業のほうは政府からの融資、あるいは銀行を通じていろいろな融資を行なって、しかも日本銀行を通じての比較的低利な資金供給を受けておるというのが実態であるわけでございます。そういうようなことを考えてみますると、現在の産業構造の変貌に伴って近代化を急がなければならないとするなれば、この中小企業の金融は依然として困難になっておるのだから、これを何とか打開をしてやらなければならない、こういうことになるわけでございます。 そこで、信用金庫は、御案内のとおり中小企業等の金融、融資を行なう機関でありまして、しかもこの中小企業の金融には非常に協力して、最大の力を入れております。ところがその実態を見ますると、金融機関の宿命ともいいまするか、原資がコスト高になっておるというのが実態であります。こういうところを解消してやらなければ、中小企業の近代化ということも非常にむずかしいと思いまするので、私はこの際、信用金庫も、小さな金庫もありますけれども、非常に大きく成長もいたしておりますので、日本銀行よりの資金の供給をしてもらうべきではないか、こういう形をとって、中小企業の近代化に寄与さすべきではないか、こう考えておるわけでございます。したがって、現在は日銀からの金融ということにつきましては、全国信用金庫連合会の組織を通じて資金の供給を受けておるというのが実態でありますが、そうでなしに、これを、手放しではいけないかもわかりませんが、大きいところは直接にこの信用金庫への金融供給がなされるような措置を講ずべきではないか、こういうように考えております。したがって、そういうことから、この信用金庫に対するところの日銀の、ただいま申しましたような隘路を打開することが可能か可能でないかということをまず伺っておかなければならないと思います。その点について、ひとつ御説明をいただきたいと思います。
○佐竹政府委員 ただいまのお話のように、信用金庫の中で日銀との取引という点でございますが、日銀取引の中にも二つの種類がございまして、預金取引をいたしますのと、それから信用取引をいたしますもの。現状事実関係だけを申しますと、現在日銀との間に預金取引をいたしておりますのは、信用金庫の中ですでに三十四金庫ございます。これは、ただいま先生御指摘の、つまり信用金庫の中でも大きいものというのは実はこの中に大体含まれておるわけでございます。ただ次の信用取引の点になりますと、これは、現在では行なっておるところはございません。ただその点は、先生も御承知のように、実は信用金庫の資金繰りが、むしろ資金に余裕がございまして、コールその他に放出して運用するという形でございますものですから、実際上、日銀から資金を借り入れなければ金繰りがつかない、そういう状態に立ち至っておらないために、実はそうなっておるわけでございます。その点はそういう状態でございますので、御理解いただきたいと思います。
○田口(誠)分科員 端的に言って、いま銀行には金がだぶついておる。中小企業は、何とか低利で長期返済という形で事業の近代化を行ないたいと思いましても、なかなかそれができない。銀行に金があっても、それを利用することが中小企業としては非常に困難であるというのがいまの実態であるわけでございます。そこで私は、そういうような中で何とか中小企業の金融対策の緩和をはかりたいと思うのですが、実際に信用金庫、相互銀行、その他地方銀行等を管理指導しておられる大蔵省の立場からいえば、手放しでいろいろこちらから要請をすることにこたえられぬ面があろうと思いますけれども、ただここで考えられますことは、信用金庫行政として地域拡張の関係がどうかということです。それは、信用金庫の事業は、非常に地域的に規定が定められておりまして、地域が制限を受けておるわけです。そういうようなところから、伸びようと思ってもある程度の限度がある、こういう実態であるわけなんです。したがって、先ほど来申しておりますように、中小企業等からいろいろと金融の相談を持ち込まれた場合にも、今日のような、従来とは変わった産業立地の変貌に対応できないというのが現在の金庫の実態であるようでございます。したがって、中小企業の高度化に即応した貸し出しが困難であるから、これを何とか緩和をしてやらなければならないのじゃないか、こう思うわけです。そこで大蔵省は、中小企業のこういう金融対策ということについては、何か別に案を持っておいでになるのか、その点をひとつ承りたいと思います。
○佐竹政府委員 御指摘の点、まことにごもっともな面があると存じます。この信用金庫の営業区域が制限をされておりますから、これはやはり経済の実勢の変化に応じて、それに即して若干弾力的に考えていかなければならぬ、かように思いまして、実は先般来この点につきましては、かなり実行上弾力的に動かしていこうという方針でまいっております。実は今後とも、最近のように、また金融情勢が大きく変わってまいりまして、それに即応して信用金庫のほうはやはりコストを低下させなければならぬ。つまり、先生御指摘の貸し出し金利を少しでも引き下げていくという意味で、経営の合理化、コストダウンということが非常に必要でございます。その場合に、企業内の経費の節減等の努力のみでは対処し得ない。つまり営業区域というものがどうしてもやはり問題になってまいりますので、そういう意味で、今後ともその営業区域の問題につきましては、経済の実情に即しながら弾力的に動かしてまいりたい、かような方針で考えております。
○田口(誠)分科員 数字の持ち合わせがあるかどうかわかりませんが、いま全国で信用金庫の数というのはどの程度になっておりますか。
○佐竹政府委員 五百二十六でございます。
○田口(誠)分科員 大小があると思いますが、一番大きいところ、小さいところがわかりましたら、ひとつ教えていただきたい。
○佐竹政府委員 一番大きいところは東京都内でございますが、資金量で申しまして約千二、三百億円程度でございます。それから一番小さいところになりますと、約二億足らず、つまり上は千二百億から下は二億足らずというところで、実は非常に大きな幅の中で分布いたしております。
○田口(誠)分科員 お聞きをいたしますと、相当格差がございまして、これを一律に規制したり、また一律な管理のしかたということは技術的にむずかしい点が出てくると思います。そこで考えられることは、信用金庫の合同促進です。この点はあまり大蔵省が出しゃばり過ぎても、いまの自主性を持っておる金庫に対してどうかと思いまするけれども、方向としては、こうした大小ある信用金庫の合同ということも非常にこれは大切ではないか、こう考えられまするし、信用金庫の経営基盤を強化することは、すなわち中小企業の育成強化にも大きな寄与をさせることになるのであって、そういう点から考えてみますると、この際思い切ったというところまではいかなくとも、中小企業の育成強化をさせるために弱小中小企業の合同、あるいは大きな中小企業のもとに合同させるという方向を行政指導としてやられることが非常に大切な問題ではないか、現時点としてはそれが隘路ではないか、こう考えておるのですが、その点についてのお答えをいただきたいと思います。
○佐竹政府委員 基本的な方向といたしましては、もう全く先生御指摘のとおりだと思います。実情を見ましても、ここ両三年来、信用金庫の業界におきましては合併の動きがございまして、過去三年間で約二十近い金庫が合併をいたしました。その結果、数が半減いたしたというような状態でございますし、現在時点におきましても、実は合併の話が進行中というようなものもございます。逐次そういう業界内部におきまして、むしろ自主的に、お互いに話し合ってひとつ一緒になっていこうじゃないかというような機運が、やはりこういう金融正常化が進んでまいりますと一そう促進されてきておるのが実情でございます。それに対しまして大蔵省といたしましては、かねて大蔵大臣からもお話がございましたように、基本的にはそういう方向で——ただ大蔵省があまり介入をいたしまして、合併をあまり無理に進めるというようなことは、これは避けなければならぬと思います。しかし、当事者間におきまして円満に話し合いがつきまして、そしてその合併の結果、合理化の効果があがる、そうして、中小企業のための金利負担の軽減に寄与する、こういう場合におきましては、私どもといたしましては歓迎をいたしまして、むしろお産婆役のお手伝いをしたい、かように実は考えておる次第でございます。
○田口(誠)分科員 まあ信用金庫の企業合同については、合併については基本的に賛成であり、できるなら積極的に出て産婆役もやりたいというお気持ちであるようでありますので、そのように陰に陽に指導協力をしてもらいたいと思いまするが、そこで、ちょっとここでお聞きをしておかなければなりませんことは、二十社ほど合同をしたその後の実績というものは、これはよくなったのか悪くなったのか、わかりましたらひとつここでお示しをいただきたい。
○佐竹政府委員 全般といたしまして、やはり改善の方向で動いております。
○田口(誠)分科員 良好ということですね。そこで良好ということは、経営内容ということももちろんありましょうし、私の申し上げておることは、そうしたいい状況に入っていくことが中小企業の金融対策に大きく寄与してもらえるんじゃないかという、こういう望みからただいまのことを申し上げておるのであって、そうした方面のことについても、これは従来よりは良好であるというように受け取っていてよろしいですか。
○佐竹政府委員 合併の結果、それだけ資金量が拡大をいたしますし、同時にまた営業区域としても拡大をいたすわけでございますから、その意味で、中小企業の需要にこたえる力が一段と増してくるわけでございます。そういう意味では、全体として改善の方向に向かっている、かように申し上げたわけでございます。
○田口(誠)分科員 ここで大臣にもお答えをいただきたいと思いまするが、今度の公債発行については信用金庫にも銀行並みの取り扱いで割り当てをされて、それぞれ金庫はその割り当てを受けて立って政府の対策に協力をしておる、したがって、そういうことからいきますると、現在日銀と直接取引をしておる信用金庫というのは二十数社あると思うのですが、それの数字をちょっと……。
○佐竹政府委員 先ほどお答え申し上げましたように三十四でございます。三十四金庫が日銀と預金取引をいたしております。
○田口(誠)分科員 三十四取引はされておるのですが、そこで取引されておらないところも、今後の経済規模の変貌あるいはここ二、三年に大きく変わってきました日本経済の実態、こういう点から考えてみますると、この信用金庫に対する取引の拡大を考慮してもらう必要があるんではないか、それには現在の三十四社だけでなしに、その他の金庫にもどこかに線を引いて取引をしていただく必要が出てきておるのではないか、一人前の取り扱いをしてもらう必要があるのではないか、こう考えるわけですが、その点はどういうようにお考えですか。
○福田(赳)国務大臣 田口さんから、信用金庫についていろいろな角度から御熱心なお話を承ったわけです。信用金庫は、ただいま局長から申し上げましたように、その数も五百余りある、したがいまして、その中にはいろいろな態様のものがあるわけでありまして、中には非常に成績がよくて、資金コストなんかも大銀行のような合理的な運営をしておるものもある。反面におきまして、コストが非常に高い、九分以上のコストであるというようなところもあるようでありますが、しかし、全体として見ますると非常な改善をしてまいりまして、いま国債を割り当てるというお話でございますが、割り当ては一切いたしませんが、金庫のほうから進んでシンジケートに入りたい、こういうような熱意まで示しておるわけであります。そういう状態でありますので、私どもは数多い金庫が、その中の上ランクの金庫のような合理的、近代的経営ができるように、そして資金のコストを下げ得るようになるように行政指導で努力していきたい、こういうふうに考えております。そういう角度から考えます場合に、御指摘の営業地域の問題だとか、あるいは一件当たりの貸し出しの問題でありますとか、あるいは日本銀行との関係をどういうふうにするとか、いろいろの問題があります。総合的にひとつ金庫をどういうふうに近代化、合理化、育成をするか、そういうことに新しい国債発行下の金融体制ということで検討してみたい、かように考えております。
○田口(誠)分科員 公債の割り当て云々という点については、これはまあ割り当てであっても要望してであっても、それは方法はいろいろありますから、どこから手を回してどうするという方法があるのだから、同じようなものですが、ただ私の申し上げたいことは、一般の地方銀行と同じように、公社債の消化もしておるし、一般公金の取り扱い、納税のための各種預金制度というようなものもやっておりますし、そうなりますと、信用金庫だといってそう別扱いをすることもおかしくなったのじゃないか、こう考えられるわけなんです。 そこで、先ほど御答弁のありました三十四という日銀と取引をしておる信用金庫は、線の引き方は資金量の何か二百億か三百億か、そういうようなところで線を引いてあるのか、それとも資本金の関係なのか、その点をちょっと……。
○佐竹政府委員 これは、実は日本銀行が定めるものでございますが、日本銀行の内部におきまして一つの基準を持って見ております。基準は、ただいま先生御指摘のような資金量というものも一つの要素になるわけでありますが、それだけではございません。資本の額でございますとか、あるいは経営の内容でございますとか、いろいろなファクターを加味いたしましてきめるということで、日銀はやっておりますが、特にその中で、やはり規模の点が比較的実行上は重点が置かれておるように見受けられます。
○田口(誠)分科員 規模というのは、ちょっと取り方がいろいろありますが、先ほど申しましたように、資金量とか、あるいは経済圏の関係とか、規模と一口に言っても、ちょっと取り方がいろいろあるので、その点をこまかく説明をしてもらいたいと思います。
○佐竹政府委員 はなはだことばが足りなくて失礼を申し上げましたが、やはり資金量でございましよう。
○田口(誠)分科員 資金量というと、大体現在のところでは二百億でしたか、百億でしたか。
○佐竹政府委員 これは、大体百五十億見当が実行上問題になっておるように見受けられます。
○田口(誠)分科員 それで、先ほど大臣にもお伺いをいたしましたが、最近は信用金庫も非常に大きく成長をして、内容も充実をし、また、これが中小企業の唯一の金融機関として利用をされておるわけです。したがって、中身を見ましても、公社債の消化もしておるし、それから公金の取り扱いのための納税貯金、こういうようなものもやって、結局国家的な要請にこたえておると言えるわけなんです。したがって、こういう実態であるから、特に日本銀行との取引ということが話題になって、問題になって出てくるわけなんです。したがって、日本銀行との取引のないために、その他取り扱いの円滑を欠いたり業務の遂行に支障を来たしたり、不便を来たしたりするということは、これは当然あるべきことであるから、先ほど御答弁のありましたように、資金量が百五十億のところで一応線を引いて、そしてその金庫の経営内容がよくて、そしてまた中小企業の利用度も、非常にまじめな利用方法を講じておるという優秀なところについては、百五十億という線を百億ぐらいまでに下げて、少しワクを拡大してもらったらどうだ、こういうことが大臣に聞いた私の気持ちなんです。全部に開放しようというのじゃなしに、現在のところでは、この経済の変貌に伴って中小企業の近代化ということも非常に重要な問題になってくるし、そうなりますと、問題は金であるわけです。金ということになりますと、その他のほうで借りる金というのは、これは一つの規制がございますから、そうしますと、地方銀行よりも信用金庫へと、こういうぐあいにいくわけでございますから、そういう要請にこたえられるような体制をとらせるには、現在の百五十億という資金量のワクを、百万、八十万とは言いませんけれども、どれだけか緩和をする必要があるのじゃないか、こうお尋ねをしておるので、その点についてお答えをいただきたい。
○福田(赳)国務大臣 これは、大蔵省の考えばかりではいかないわけなんで、日本銀行の方針もありますから、ここで結論的なことを申し上げるわけにはまいりませんけれども、いま田口さんの言われる論点はよくわかりました。私どもはそういう方向で日本銀行と相談をいたしてみる、そういうふうに御了承を願います。
○田口(誠)分科員 私がただいままで質問申し上げたことについての内容は大臣もわかっていただき、検討をしていただくということでございますので、それには期待をしておきたいと思いますが、こういうことはどうですか。いまでもあります、各省にもあることですが、それぞれの大臣の諮問機関としていろいろな審議会とか調査会とか協議会とか、こういうものを持って、諮問をしておられるわけです。中には権威のある審議会があって、ほとんどその答申内容というものは拘束をするというくらいなものもあるわけなんですが、いま大臣のお答えになったようなお考えがあるとするなれば、これは一般学識経験者、あるいは業界の経験者、そういうような人を網羅したところの審査会でも調査会でも、こういうようなものを設けて、ただいま私の申し上げたようなことも検討をしてもらうというようなことは、いまの時代に適した一つの政治のコースになっております。だから、そういうような考え方はいままでにも持っておられなかったのか、いま私が言うたことについてどうお考えになっておられるか、この点をひとつお答えをいただきたいと思います。
○福田(赳)国務大臣 いま田口さんからおっしゃられるような諸問題は、もう学識経験者を集めて論議をするという段階じゃないんです。もう判断を下して、実行するかしないか、こういう問題なんです。私どもは相当手早く実行しようという段階まできておりますので、いまさら人を集めて意見を聞くという必要はない問題であるというふうに考えております。
○田口(誠)分科員 大蔵大臣は実力者だから、ずばりとそういう答弁をされるので、まことにそれはけっこうなことだと思うし、いままでの質疑応答を聞いて共鳴もいただいたのだから、ひとつ大臣の手元で決断を下すような方向を打ち出していただきたいと思います。 それじゃ時間もきましたので、きょうはこの程度で遠慮さしていただきます。
○登坂主査代理 田口さん、御苦労さまでした。 次に、芳賀貢君。
○芳賀分科員 大蔵大臣にお尋ねする点は、きょうは主として酒類の販売と製造たばこの販売の免許、許可の問題に対してであります。これらの所管は、それぞれ国税庁あるいは専売公社ということになっておるわけでありますが、行政的な監督指導はもちろん大臣がやっておられるので、それで大臣の所見も伺っておきたいと思うわけであります。 時間の関係で特に実例をあげて、農業協同組合が行なう購買事業の中で、当然酒類あるいは製造たばこ等の取り扱いはできるわけでありますが、この許可あるいは免許は、いずれも国税庁あるいは専売公社の権限によって許可されあるいは免許をされて初めて取り扱いができるということになっておるわけですが、この点がどうも一般の個人の小売り業者等と比べると、許可の手続等において非常な差別的な扱いが行なわれておるということが随所に見受けられるわけであります。特に昨年の八月十一日の農林水産委員会において、たばこの販売問題について取り上げて指摘した経過があるわけでありますが、きょうは酒類とたばこの問題についてお尋ねしたいと思います。 順序として、酒類の販売免許の問題ですが、これは法律の根拠としては、酒税法の第九条、第十条等において酒類の販売の免許の条件とか、そういう規定があるわけでありますから、当然この規定に基づいて所轄の税務署長が適宜な判断で取り扱っておられるわけでありますが、農業協同組合に対しては地元の税務署長の権限でこれを免許することはできないということになっておるようであります。そうなるとこれは法律違反ということにもなると思うのです。法律では差別的な扱いをしなければならぬということにはなっていないわけです。酒類の製造の免許にしても販売の免許にしても、税務署長の権限においてこれを処理するということになっておるわけですが、どういうわけで農業協同組合に対しては、税務署長の権限でこれを免許することができないのか、まずその点を明らかにしていただきたいと思います。
○松本説明員 お答えいたします。税務署長が免許いたすわけでございますが、農協の免許申請がございましたときは、ほかにいろいろむずかしい問題もある場合が多うございますので、国税局長に相談いたしまして、その意見も聞いた上で税務署長が免許する、こういうことにいたしております。
○芳賀分科員 私が聞いているのは、いかなる理由で農業協同組合の酒類の販売については、税務署長の権限でこれを処理することができないかという点であります。
○松本説明員 一般には税務署長で免許いたしておるわけでございますが、農協に限りませんで、たとえばスーパーでございますとか、そういったふうにいろいろむずかしい問題が関連がございますときには、監督官庁でございます国税局長に上申いたしまして、その上で免許をする、あるいは免許をしないということを決定することにいたしております。農協の場合もそういうむずかしい事情がございますときには、いま申したような手続をとりますが、そういった事情がございませんときは税務署長限りで判断し、免許するものは免許する、こういうことにいたしております。いずれにいたしましても、免許は税務署長がいたしておるわけでございます。
○芳賀分科員 大蔵大臣は、かつて農林大臣を二年ほどやられて、相当名声を博しておられる経過があるわけですから、特に農協の問題については、単なる大蔵大臣としてではなくて、相当認識があるとわれわれは信頼しておるわけです。現実に、たとえばすでに農協として酒類の販売をやっておる個所は相当多いわけであります。しかし、新たに許可を得ようとする場合には、ほとんど例外なしに販売許可をしない、こういう扱いになっておるわけなんです。ですから、たとえば農業協同組合が地元の税務署にまいりましても、農協に対しては、私の権限ではこれは許可できないことになっておる、これは国税局長の特認事項ということになっておるので、どうしようもないということで、申請書を持って行ってもすぐ返す、こういうことを実際はやっておるわけなんです。これはまことに不当な取り扱いであると思うわけなんです。かって戦時中は、いまの農協の姿ではありませんが、その前身である農業会等には、むしろ国の代行的な役割りとして、酒類の配給とか取り扱いをさせた、そういう時代もあるわけです。その後は登録制を採用して、地元の住民の任意に基づいて農協から酒を買いたいという場合には登録する。一定の消費者の数に達した場合には、自動的に資格ができたという時代もあったわけでありますが、そのまま免許制ということになって、ここ数年、特に農協に対しては事実上免許しない。こういうようなやり方が、地方の国税局長あるいは税務署長に徹底しているわけなんです。こういうような事実が明白になった場合に、大蔵大臣としてはいかような行政指導を通じてこれを是正されるか。あるいはそれはやむを得ぬということで放任されるお考えか、いかがですか。
○福田(赳)国務大臣 先ほどお話がありましたが、農協といえども、また個人といえども、たてまえは別に差別ということにはなっていないのです。問題があったなら局長に相談せよというので、芳賀さんなんかもずいぶんそういう事例にぶつかっていると思いますが、個人でも、持ってきて免許をすぐ受けつけますなんということはほとんどありません。まず条件をよく調べるわけです。何キロ以内のところに同じような店はないかとか、あるいは今度新しく開く店にどのくらいの人口が買いに行くだろうかとか、いろいろなことをして、申請を出しても、大体認可になりそうだというのに対して初めてやっておるわけなんです。そういう状態で、決して農協が取り扱い上差別を受けているということではないのであります。農協が申請を出し、それが受け付けられないというのは、そういういろいろな角度から見て、おそらく何か他の小売り店との競合関係が出るとか、あるいは農協は組合員の機関でありますから、その組合員の数が条件に合わないのだとか、そういうような事情があってのことじゃないかと思うのです。決して農協を差別するなんて、そういう方針はどこにもないわけなんです。
○芳賀分科員 事実上は差別しておられるわけなんです。これは大臣がお調べになればわかることです。特にわれわれの承知している範囲では、酒類販売業免許等取扱要領というものが出ているわけですね。おそらくこの要領に基づいて事務的な扱いというものが行なわれておるのだろうと思うのです。根拠は酒税法にあるわけですけれども、この国税庁長官通達による酒類販売業免許等取扱要領、私は大蔵関係はいま離れておるのでつまびらかでありませんが、おそらく三十八年一月十四日付の長官通達で、この要領が三十八年二月一日から実施されておると思うのです。その後また改定等があれば説明してもらいたいと思いますが、この取扱要領によっても、協同組合等の免許は地方の国税局長の認可事項であるということが明記されておるわけなんですね。ですからいまの説明のごとく、問題がなければ税務署長権限で許可できる、そういう原則の上に立っている、しかし、問題があるような場合に限って、国税局長に相談して伺いをたてて適宜な措置をする、こういうこととはおよそ違うわけなんですね。この点をもう少し明快にしてもらいたいと思います。
○松本説明員 酒類の販売業免許でございますが、これは酒類の需給が均衡して流通が保たれ、酒税の保全に支障がないこと、それから消費者の利便をはかること、この二つを基本的な考え方としてやっております。このような方針にのっとりまして、現在全国大体十一万くらい、全酒類の小売り免許があるわけでございますが、農協につきましては全国のうちで二千五百四十七場あります。そのうち北海道では三百十一場になっております。こういう状況でございます。 農協につきましては、その設立の趣旨からかんがみまして、員外利用というものがある一定の限度に制限されております。そういった点も考えまして、構成員の大半がその申請販売場に入る地域に居住しておって、そのあたりにおる人が農協の組合員である方々が非常に多い。そしてその周辺に全酒類の販売業者がない、そういうことで消費者も酒類の購入に不便を来たしておる、こういった場合は農協から申請がございました場合免許する、こういうことにいたしておるわけでございます。
○芳賀分科員 おそらく農協のことや農村のことを知らない政府委員の場合は、議論してもなかなか結論が出ないと思うのですよ。この種の問題は、何も大蔵大臣がじきじきに出席して答弁に当たるべき筋合いのものではないと思うが、先ほど言ったとおり、大蔵大臣はかって農林大臣をやられておる。相当卓見を持って行なったということを私も知っておるのです。ですから、役人が原則論的にとやかく言っても、実際に農村の実態とか、農協の置かれておる購買事業の使命というものが理解されれば、こういう問題はたちまち解決がつくと思うのです。ただ事務的に——農協の事務所の所在はほとんど農村においても市街地の中心的な場所に位置があるわけです。そういうところに地位を占めておかないと、事業が円滑にいかないという大きな理由があるからで、しかし実際に農業協同組合を利用するものは農民であり、正組合員が主体になっていますね。例外的に、員外利用をたとえば二〇%以内にとどめなければならないというような規定はありますが、しかしあくまでも主体は正組合員であり、その地域内の農民が組合員であるということになっておるわけですからして、農協の行なう販売事業にしても、購買事業にしても、あるいは金融事業にしても、共同利用事業にしても、当然対象は構成員である組合員を対象にして商品の購買事業等は行なう。普通の商店ですと物品を売るのにそれを購売事業なんということは言わないですよ。しかし農協の場合には、商品を組合員にあっせん販売する仕事は、これは購買事業というでしょう。組合員が生産して農協を通じて農産物を処理する事業を販売事業というわけです。この辺から認識が非常に大蔵省の役人の諸君は狂ってくるのではないかと思うのです。ですから、ただ単に農協の事務所の所在、あるいは店舗の所在とか、一般の小売り業者との距離が基準の何メートル以内であるとか、そういうことだけで律するわけにはいかないと思うのです。どうしたならば構成員である組合員に対して最大の利便を提供することができるかというところに事業の目的があるわけですからして、当然構成員を対象にして酒類の販売を行なう、あるいは製造たばこ販売を行なうという場合においては、ことさらにこれを制限するとか許可しないということではなくて、むしろそういう特別の目的とか性格というものを十分考慮して、そうして優遇するということでなければ適当でないと思いますが、この点は大蔵大臣としてどうお考えですか。
○福田(赳)国務大臣 農協の性格は、芳賀さんのおっしゃるとおりです。農協には政府はいろいろな仕事なんかもお願いしたりいたしており、これを大いに育成する方針をとっておるわけです。ただ同時に、中小企業問題というのがあります。これもまた芳賀さんも御関心のあることだろうと思います。実際の酒の小売りなんか見ておりますれば、これは組合員だから二里も三里も農協事務所まで行って買うという状態ではないと思う。やはり組合員でありましても、近くのところへ行って買う、こういうようなことになるだろうと思うのです。ですからそういうことを考えますと、やはり近傍、どのくらいの距離のところに既存の店があるかというような条件も考えなければならぬ。またそのあたりの人口の密度というようなことも考えなければならぬ。要するにそういう中小企業の問題、また農協の立場というようなものをよくこなして調和をとってやっていくというところが実際的じゃあるまいか。そういうことによって、先ほど政府委員から申し上げましたように、需給関係も保たれ、酒の税の保全ということも貫けるのではないか、理屈めいたことをいいますが、理屈からいえばそういうことになるのです。これを実際的にどうやっていくか、要はそういうところにあると思うのですが、実際面につきましては、私どもなお御意見等もありますので、できる限り気をつけてやってまいりたいと思います。
○芳賀分科員 私は決して農協だけに特別に許可をしろとか、優先的に許可しろというのではないのです。現在は扱いが非常に不平等である。意識的に農協に許可しないという行政態度をもって臨んでおるのがけしからぬということを指摘しておるわけです。しかし、国税庁当局、あるいは大蔵大臣の考えが、決してそういう精神でやっておるのではないということになれば、たまたま現地においてその趣旨に反するような取り扱いが行なわれておるということであれば、これは大蔵大臣、あるいは国税庁長官の適正な指導によって、そういう現地における行政上の手違いとか誤りというものは正せるわけですから、不正というべきものでもないと思いますが、これはぜひ厳正にやってもらいたいと思います。なおそれでも是正されないような場合は、またあらためて具体的な事実をあげて、そういう問題の解決をしてもらいたいと思うわけです。 それからもう一つ、農業協同組合としては酒類の販売をする資格がある場合、最近こういう事例がふえてきておるわけです。農協の合併促進法等の成果が上がりまして、一方において町村合併等も進んだ関係もありますから、単協、単位の総合農協においても相当大型化していることは、大臣も御承知のとおりであります。そうなると、酒類販売はできるのであるが、いまの規定からいうと、当初許可をしてもらった販売の場所以外で酒類の取り扱いをしていけないということになるわけですね。数個の農協が合併して新農協ができた場合に、かつて販売許可を確保したその場所で売ることはできるが、農協が非常に広くなって、旧農協が今度は形を変えて支所というような立場でその事業をしているという場合に、その支所とか出張所まで酒類を計画的にそこまで持っていって、そうして組合員に利便を供するという事業は当然なことであるが、これができないのですね。これはまことに窮屈なやり方だと思うのです。農協の事業所の範囲であるならば、数個の農協が合併した。その中ですでに販売の認可を持っている根拠があるわけですから、出張所とか支所になったその店舗に、適宜に計画的に酒をそこまで運んで、陳列して、そうしてその近所の組合員の利便に供するということは、農協の仕事として当然なことであるが、これができない、ということよりも、そうさせないというのがいまの現状なわけです。これは非常に窮屈なやり方じゃないかと思いますが、この点は大臣としていかようにお考えですか。
○福田(赳)国務大臣 それは具体的な個々の場合に従って考うべきものだと思います。北海道のようなところはずいぶん広いところで、それが大農協として合併しても、不便なケースがずいぶん多いんじゃないかと思います。そういうところと、また非常に人口稠密なところの場合とは、おのずから違うんじゃないかと思いますが、なお具体的なことは間税部長から……。
○松本説明員 支所になりましたところが、従来免許を受けておりましたところ、つまり酒類の小売り販売の免許を受けて、そこで販売してよろしいということになっておりました場所でありますれば、引き続いてその場所で小売りの販売を継続していただいて一向差しつかえございません。ただ、新しく支所ができて、そこで小売りをやりたいという場合には、これは新しく免許を受けてもらわなくてはならないことでございます。また、本部のようなところができまして、そこが末端の支所のところに酒類を配達なんかいたしますことが、もし実態から考えまして卸業になるというふうな場合には、新しく卸の免許を受けてもらわなくてはならないということになるわけでございます。
○芳賀分科員 それはおかしいじゃないですか、卸業というのは、小売り業との相対関係にあって、特に卸業の免許を行なうわけでしょう。同じ農業協同組合の中に、ここに本所がある、地理的な条件で幾つかの支所があるという場合、本所と支所の関係は卸売り、小売りのそういう関係に置かれるなんていうことは、全くナンセンスじゃないですか。あなたはそういう認識で免許の事務を扱っているのですか。
○松本説明員 一つの事業体の中でございますから、いま申し上げましたようなことはおそらくないとは思いますが、あるいは独立採算というようなことになっておったりするような場合もあるかもしれぬと思いまして、念のため、もし実態が卸ということになっておるならば、新しく免許を受けてもらわなくてはならない、こういうふうに申し上げたわけであります。
○芳賀分科員 私の言っているのは、合併前の農協がすでに販売の実績を持っておった。それが合併によって今度はそこが支所という、そういう立場で仕事をやっておるという場合、これは何も問題ないのですよ。既得権があるわけですからね。それを言っておるのではない。本所があって、支所になった旧農協の場合おいても、酒類販売の資格を持ってない農協もあった。それが今度は合併によって一個の協同組合ができて、もちろん本所が中心になって運営するわけですが、その各数個の支所に対しても、やはり組合員に利便を供するために酒類を配給して、その近在の組合員はその支所から酒を買ってくる。わざわざ何も本所まで行かなければならぬということはないと思う。それは大蔵大臣も言われたとおりなんです。ですから、そういう扱いについては、一個の単一の協同組合内における聖業所において販売する場合においては、それは一々事業所ごとの新しい免許を得なければできないという問題じゃないと思うのです。必要であれば、こことここの支所が販売しますということを税務署に届け出して、そうして認定してもらうという程度の手続でいいと思いますが、いかがですか。
○松本説明員 小売り業免許をいたしますときには、その場所というものが非常に大きな意味を持っておるわけでございます。と申しますのは、そこに従来からほかに別個の小売り店がすでにある、こういった場合には、新しく免許いたしますときには免許基準によりましてある一定の距離がないといかぬ、そういうふうにきめております。そういうわけでございますので、従来ありましたところ、それはその当時免許を受けておりましたところ、そこは従来どおり小売り業を行なわれても、もちろん一向差しつかえないわけでありますが、支所になったところで従来は免許を受けておらなかったという場所につきましては、やはり新しく免許を受けていただく。その場合には、距離基準でありますとか、そういったことと、またそこでどの程度酒類が販売されていくかどうか、そういうことを十分よく検討いたしました上で免許するかしないかをきめる、こういうことにいたさなくてはならないと思います。
○芳賀分科員 そうではなくて、そういうやり方をいましておるのがこれは不合理だ、だから、すみやかに改善すべきでないかということをこちらから指摘しておるのですよ。いまの間違った、そういう矛盾だらけのやり方の説明を聞いておるのではないですよ。こういうところに問題があるから、これはすみやかに是正すべきであるということを私は実例をあげて言っておるのですよ。いいですか。 それでは、そういうふうに一定の販売すべき場所というものをもう固定して考えて、それ以外の場所では売ってはならぬとか、取引してはならぬということになる場合、こういうことはどう考えているか。たとえば個人の酒類の小売り業者が、これはもちろん善意にサービスの面からやっておることでありますからして、別にわれわれは非難するわけではないが、一般の住民から注文とか電話で申し込みがあった場合、それを車で運んで戸別配達をする、そういうようなことは、これはどういうようなふうに理解しておられるわけですか。
○松本説明員 先ほど申しましたように、その場所を考えて免許しておるわけでございますが、それはその近辺のすでに免許を受けておる小売り業者がありました場合、新しくそういう小売りをできる場所が近所にもしできるということになりますと、どうしても従来の店は販売数量等につきましていろいろ影響を受けるわけでございます。その場合に、おそらくそういった酒類の小売り店というのは中小企業でございましょうし、そういうことになってまいりますと、経営もむずかしくなってくるおそれがございます。もしそういうふうになってまいりますと、代金の回収とかそういったことが思わしくない。それがひいては酒税の保全にも心配な事態が生じてまいるおそれがございますので、そういったことがないように、やはり従来から新しく免許いたしますときには、新しくそういったものを一つ認めても、従来の店も、新しい店もともに経営が成り立っていくかどうか、そういったことを考えた上で、新しい申請に対して免許するかしないかをきめる、こういう考え方でいっております。 それから注文に応じまして配達するという場合でございますが、これはやはり免許しました販売場、そこが店でありまして、そうして電話で注文がくる。そこから店員が注文をされたところへ運んでいくということでありまして、やはり商売の本拠は、その免許を受けた場所でございますから、差しつかえない、こういうふうに考えております。
○芳賀分科員 そうすると、たとえば協同組合の場合も、組合員から注文をとったり申し込みがある場合は、その農協の区域というのは、これは法律に基づいてきまっておるわけですから、区域内の組合員に対しては、支所に持っていって販売することはできないが、組合員の個々に、申し込み基づいて配達販売するということは、これは差しつかえないわけですね。それは大いにやりなさいということですね。
○松本説明員 距離がかなり延びましても、注文に応じて、そしてその免許を受けた場所から品物を運んでいくという場合でございますれば、ちょうど町の中で小売り屋さんがやっているのとやり方は同じでございますから、それは支障がないことと考えております。
○芳賀分科員 農協にそういうことをしてはいけないという通達を出した経過はないですか。
○松本説明員 農協にそういうことと申しますと……。
○芳賀分科員 農協は配達販売はしてはいけない、そういう通達か指示を出していないですか。
○松本説明員 出しておらぬと私は思います。
○芳賀分科員 そういう場合は、地方の局長とか税務署長の権限で出せますか。農協は絶対に配達販売をしてはいけない。そういう事実がもしあれば、これはどういうふうな処分をするわけですか、大蔵大臣としては。あなた方が何も知らぬことが現実に行なわれている場合ですね。
○松本説明員 酒類の販売につきましては、やはりあちこち店がございますと、どうしても競争になってまいります。その競争も、正常な程度でございますれば一向差しつかえない。むしろそういったことがあるべき姿でございますが、とかく過度な競争になりがちでございます。過度な競争になってまいりますと、販売店の経営も思わしくなくなってくる。ひいては酒税の保全にも影響してくる、こういうことになりますので、そういった過度な競争はなるべくさせないように注意も喚起し、また私どものほうも行政指導をいたしておるわけでありますが、お話のようなことが、農協が自動車で組合員のうちへ品物を運ぶということがありましても、それが近辺の小売り店に非常に大きな影響を与えまして、それじゃそちらのほうの小売り店も、そういうふうに遠くまで自動車で運んでいくということになりますと、非常に競争がはなはだしくなっていくといったような場合には、あるいはときとして、そういった場合には、現地におきましてそういった過度の競争はやめるようにしたらどうかというふうな指導をする場合もあろうかと思いますが、そういった事情がございませんでしたら、農協が組合員からの注文に応じて、自動車で品物を組合員のうちへ運ぶということは一向差しつかえないことだ、またそういったことにつきまして、やってはいかぬというふうなことを現地におきまして申しておることはおそらくないのではないか、こういうふうに思っております。
○芳賀分科員 それでは、農協の支所に対してはなかなか簡単に認めるわけにいかぬが、組合員個々に農協が直接配達をすることは大いにけっこうである。こういうことですね。
○松本説明員 一般論としては差しつかえないことでございます。ただ、それによりまして、近辺にもいろいろ小売り店がございまして、それが競争上、それじゃ自分たちもそういうふうに遠くまで運ばなければならぬというふうなことになりまして、非常に過当な競争になってくるといった場合になりますと、そういった過当な競争はなるべく避けるようにという指導をする場合もあると思います。
○芳賀分科員 大臣にお尋ねをしますが、農協というのは、そんなに経営が楽で過剰サービスをやるなんというゆとりはないのですね。あるいは購買品を組合員に届ける場合であっても、何も酒やビールの注文だけとって配達するなんということは、これはしてないのですよ。一般の購買品とか生産資材を、農家の繁忙時期等については、組合員がわざわざ本所まで買いにくるわけにはいかないですから、それで、こちらから出向いて、組合員の注文に応じて、生産資材とかあるいは生活用品を配達するということを、これは当然の仕事としてやっておるわけですからね。過当競争とか過度のサービスを行なって類似の小売り店を圧迫するなんという、そういうけちなことを考えてやっておるような農協というのはないのですよ。どうもあなた方の説明を聞いていると、協同組合を敵視したような考えでものごとを判断しておるのじゃないですか。いかにも中小企業とか小売り人が権限上優位であって、農協に許可するとか免許することが何か不当である、巨大な力のある者に対して免許することは差しつかえがあるというような、そういう考え方の上に立って行政をやっているのじゃないですか。
○松本説明員 決してそのような考え方でやっておるわけではございません。先ほど申しましたように、その地域に住んでいる方々は、ほとんど大部分が協同組合の組合員であって、部外の人はきわめて少ない、そしてまた、近所にも既存の小売り店がない、こういったような場合に、新しく免許申請が出てまいりまして、それによりまして消費者も利便をこうむる、従来のような不便がなくなるということでございますれば、そういった場合には免許をすることにいたしておりまして、すでに、先ほど数字で申し上げましたように、北海道につきましては、三百十一免許をしておるわけでございます。ことに、交通不便な山間僻地等におきましては、そういった場所に農業協同組合の支部のような、そういった出先がありますような場合には、そういったところで酒類を販売してもらうということは、酒類の消費を伸ばしていきます上にも、また、消費者の利便をはかります上にも、非常に大切なことでございます。そういった場合には、免許するような方針で私ども事を進めておるわけでございます。
○芳賀分科員 それでは大蔵大臣に申し上げますが、先ほども大臣からお話のあったとおり、これは元来自由販売を行なっているわけですからね。ただ、酒税の捕捉上、あるいはアルコール飲料の保管とか管理上、特にこれは国税庁の免許という事業になっておるわけであって、実態はこれは自由販売の内容ですからね。だから、税金が間違いなく取れるとか、アルコール飲料としてその取り扱いとか保管等に何ら差しつかえない、こういう原則というものが条件として具備された場合においては、差別待遇というものはすべきでない。したがって、新たに手続が行なわれた場合は、やはり税務署長段階において十分その実情というものを調査をして、しかも協同組合としての特質というものを十分念頭に置いて、そうして許可、不許可の処分をすべきであると思うわけです。この点が一点。 もう一つは、農協の合併等によって単協が広域化しておるわけですから、自然そこには支所という事業の場所というものが存在するわけです。ですから、本所、支所間の購買品の配給の場合とか、販売等については、その場所ごとに新たな認可を得なきやならぬというような、そういう現在のやり方について、この際すみやかに再検討を行なって、そうして適正な措置を講ずべきである。 この二点について、大蔵大臣として特に責任ある答弁を願っておきたいのです。
○福田(赳)国務大臣 農協を別に差別をするというふうに申し上げたわけではないのです。差別はいたしません、こういうことを申し上げておるわけです。たとえば、いまの自動車の配達なんかも、これはその税務署の区域で個人にも農協にも使えないようにしようじゃないか、こういう勧告をすることがあるんじゃないかと思うのです。いま話を聞いておって私感ずるのですが、またみんな使うならみんな使いなさい、こういうふうな指導をする場合もあろうか思うのです。ですから、そういう差別をしないということは、私は厳守していかなきゃならないと思います。 それから合併の場合の話は、どうも芳賀さんのお話、ちょっと無理かと思うのですが、合併した場合に、もとの建物を支所に使う。その隣に酒屋があったために、支所が農協であったころ免許の申請を持っていっても許可にならなかった。今度は支所になったから許可になるんだ、こういう形になるのは、私はこれはぐあいが悪いんじゃないかと思うのです。ですから、合併した後におきまして、北海道なんかは特に広いのでありますから、改めて申請をしても、それが大体条件にかなっておるというときにおきましては、これは税務署はその基準に合っておるものを拒否する理由はないのであります。そういうことでやっていくのが一貫した態度じゃないか、こういうふうに考えます。
○芳賀分科員 本所、支所の関係は、組合員の家庭に戸別配達できるとすれば、その中間における支所へ一定の数量の酒を置くということは差しつかえないと思うのです。その各戸別に配達するのはそれはかまわぬ、中間に置くのはいけなというようなのはおかしいじゃないですか。そこを私は言っているのです。一経営体として最も組合員に利便を与えることができるという条件の場所に酒を置いて、そこまでは取りに来てもらうということは、一向に差しつかえないと思うのです。戸別配達の場合はいいが、中間に置いて、そこで他の商品と同様に売るのはうまくない、一軒、一軒について認可を得なきゃだめだというのは、これはちょっとおかしいと思うのです。それが大蔵省流といえばそういうことになるわけですが、その辺を再検討して、後日また機会を得てもう一度この問題を取り上げてみたいと思うのです。 最後に、たばこの問題ですが、これは先ほど申したとおり、昨年の八月十一日の農林委員会で、当時専売公社の理事の牧野販売部長に出席してもらって、十分実情は調査したわけです。これは酒と違って、現在全国に総合農協の単協の数が九千百三十五あるわけでありますが、そのうち製造たばこの販売を普通小売り人あるいは特定小売り人のそれぞれの資格を具備して販売を行っておる農協の数は、三百四十七カ所しかないわけです。パーセントにすると全体の三・六%ということになって、これは酒の場合とは違うようです。この点についても、どうも農協に対しては、たばこの販売許可の面において差別待遇が行なわれておる。去年は特に小林章君の空前の選挙違反というものがあった関係もあった直後ですから、弊害の原因がどこにあるかということもある程度追及したわけなんですが、そういうことで農協に対してこれまた国税庁と同じように敵視しておるということで、これは改善すべきであるということで委員会としても指摘したわけですが、その後、北海道等においては相当改善の実はあがっておるわけです。いままで許可されなかったものが小売り人としての許可を得たとか、あるいは普通小売り人としては困難であっても、特定小売り人——外へ販売する、たとえば店舗の前にたばこの看板を出して売るのは普通小売り人のやり方なんです。特定小売り人というのは、外に表示はしないが、内部でたばこの販売ができるというのが特定小売り人。私もこれでだいぶ勉強して来たのですよ。そういうものを入れて申請したものに対しては随時許可が拡大されておるということを、北海道においては見受けておるわけであります。しかし、全国的に専売公社としてどのような指導方針を立てて、全国の支局あるいは地方局、出張所等に対して、この取り扱いに対して指導をされて、全国的にどういうような実績とか改善の実があがっておるかということを、これは専売公社のほうから御説明願いたい。
○服部説明員 ただいまの御質問でございますが、全国的にいいましても、北海道と全く同じでございまして、農協であるからと申して別な扱いはしておりません。ただ、その実績につきましては、特に農協と一般の小売り店というものを差別をつけておりませんので、統計として別にとっておりません。先生のお手元にある七月の資料、それが最近の資料でございます。特に御必要でございますれば、あらためて最近の実績をとってみたいと思います。
○登坂主査代理 芳賀君に申し上げますが、結論をお急ぎ願います。
○芳賀分科員 ぼつぼつ結論に移ります。 この点は大蔵大臣にも参考までに言っておきますが、高崎に地方局というのがあって、群馬県がその管轄に入っておるのです。専売公社から七月一日現在で出された資料によると、群馬県では、農協としてたばこの販売を行なっている数は、群馬全県の農協で二組合しかない。こういうことですから、群馬県は大蔵大臣が出ておるからしようがないと言ってあきらめておるのかもしれぬが、たとえば、昨年農協の連合会である全購連が全国のアンケートを取りまとめたわけでありますが、それでは農協がたばこ販売の希望がないかというと、そうでない。九千三百の総合農協の中で、大体六〇%以上がたばこの扱いができるのであれば販売したいという希望を持っておるが、実際は許可がないから販売できないのですよ。だから、アンケートをとったところも、そんな答えを出してもどうせ専売公社は許可しないんだからばかばかしいと、希望を出さなかった組合も相当あると思うのですよ。だから、こういう点についても、たとえば、一般の普通小売人としての資格を与えることに幾分無理があるということであれば、特別小売り人——事業所の中で販売できるような道があるわけですからして、農協から申請が出たような場合においては、事前に地方の局とか出張所等についても適正な指導通達を流して、そういうものは受け付けて十分審査して、可能なものは迅速に許可するということでいくべきだと思うのですよ。それがせめて選挙違反の罪の償いの一半ぐらいになるのじゃないかとわれわれは考えておるのですが、いかがですか。
○福田(赳)国務大臣 ただいま専売公社のほうから答えがあったように、適正にやっているということでございますが、いまお話の特定のほうですね、そっちのほうなんかはそうむずかしく私は考える必要はないだろうと思います。専売公社もおそらくそういう考えだろうと思います。
○芳賀分科員 大体わかりました。 それで、最後に一点尋ねておきたいことは、現在行政不服審査法というのがある。そういう法律があるのですね。これは権限に基づいて行政によって処理された問題について、国民として不服がある、あるいは異議があるという場合には、不服の申し立てあるいは異議の申し立てが行政不服審査法に基づいて行なえるという、そういう権限を国民にも与えてあるわけです。 そこで、この審査法との関連において、たとえば、これは農協だけ言うわけではありませんが、酒類販売の申請を行なったけれども、それが不許可になった、不免許の処分が行なわれたけれども、なかなか納得できない、どういう理由で許可しなかったということを、これは行政上明らかにしてもらいたいとか、あるいはたばこの販売の申請の場合においてもそういうような処分が行なわれた場合の異議とか不服ですね、これは一般国民はしろうとですから、どういうふうな手続で行なえばいいかということがなかなかわからぬわけです。ですから、この審査法に基づく、たとえば酒類販売に対する異議、不服の申し立てをする場合、あるいは製造たばこ販売に対する処分についての不服あるいは異議の申し立てをする場合の行政庁ですね、これはどこへ出すべきかという点についても、この際親切に——これは私にというより国民に対して明確にしてもらいたい。私はこれはわかっておりますけれども、それを国会を通じて国民に明らかにしてもらいたいと思います。
○佐々木説明員 異議の申し立てにつきましては、御指摘のとおりに、上級官庁が主務官庁になるかどうかというところで持って行き先が違ったり、まことに複雑な面がございます。このような事項につきましては、関係者によく了解をいたさせまして、国民の権利義務に関するこちら側の処分につきまして不適当なものがありますような場合におきましては、迅速に直すようにやってまいりたいと考えておる次第でございます。
○登坂主査代理 芳賀さん、結論をお願いします。
○芳賀分科員 私の聞いておるのは、もう少し具体的に、たとえば酒類販売の申請を農協が出した場合、これは許可できないという通知が来るでしょう。その場合に、不許可の処分というのはけしからぬ、了承できないという場合、その手続としては、普通は申請書というのは税務署長に出すわけです。ですから、その不許可が来た場合、今度は申し立てをする官庁というものは、国税庁の場合にはどこへ出すか、専売公社の場合はどこへ出すか、その点を聞いておるわけです。
○佐々木説明員 専売公社の場合で申し上げますと、小売りの指定の権限は他方局長にございますので、審査請求は総裁に出していただくことになっております。
○芳賀分科員 酒はどこですか。
○松本説明員 国税局長でございます。
○芳賀分科員 地元の国税局長ですか。
○松本説明員 はい。
○芳賀分科員 わかりました。
○登坂主査代理 華山親義君。
○華山分科員 中小企業の歩積みの問題についてお伺いをいたしたいと思います。 私が中小企業の歩積みの問題をお尋ねするにつきましては、いままでの経過がございます。二年前に田中大蔵大臣に対しまして歩積みの問題を追及いたしまして、歩積みが三〇%というのは非常に高いのではないか。あの当時、堅実な中小企業でも大体三〇%というのが基準であった、高過ぎるのではないかということを田中大蔵大臣に申したところが、田中大蔵大臣は、こう然として、それは高い、一〇%でいいのだということを私に言ったのでございます。私は、むしろそのとき、私の期待よりも強いことをおっしゃいましたのでびっくりいたしました。ところが、その後間もなく銀行局長の通達でしょうか、そういうものを見ますと、三〇%ないし一〇%と言っている。その前に私は、多くの人々に対して歩積みは一〇%に下がるのだということを言っていた。ところが、そういう通牒が出た。大臣などというものの言うことがいかにあてにならないかということで、私はびっくりした。私は昨年の国会においてこの点について田中大蔵大臣に聞きましたところ、田中大蔵大臣は言を左右にして前言を確認しない。確認しないじゃない、前言について責任を負わない。当然私はそれを追及しましたところ、とにかく一〇%まで下げるのだということを目途にして、大蔵省は最大の努力をするというところまで追い詰めたわけでございます。 そういうふうな経過をいたしまして、いままで私は三度もびっくりしている。一度は、田中さんが一〇%まででいいのだと言ったこと。二番目には、数カ月後にはそれをひっくり返して、銀行局長が三〇%でもいいというふうなことを出した。三番目には、田中大蔵大臣が私の追及に対して、ついには責任を負うようなことを言いましたけれども、明確なことを言わない、こういうふうな状態でございます。それで、その積み重ねの上で、大臣もかわられましたので私はお伺いするのでございますが、簡単にお答えを願いたい。歩積みを一〇%まで下げる、そういうことを目途にして努力していただけるかどうか、簡単に御答弁願いたい。
○福田(赳)国務大臣 ただいま伺っておりますと、田中大臣のとき、いろいろいきさつがあるようであります。私もうっかりしたことを言うと、またあとでおしかりを受けますから、慎重にならざるを得ないわけですが、御承知のとおり、歩積みは根担保的な性格を持つものでありますから、その企業の内容いかんということが非常に影響してくると思うのです。場合によれば、これは一〇%といわず、全部だってかまわないわけです。それくらいの信用があれば何も担保は要らぬじゃないかという企業もあるわけでありますが、一〇%といいますと、おそらくそういうような会社も相当あると思います。しかし、そういう程度までの信用状態に至らないものもありますので、平均してどういう線にということを目途にしますか、あんまり私も、平均ということじゃ意味はないと思いますが、できる限りよけいには、根担保的な性格以上のものはとらない、こういうことを旨として引き下げに努力していかなければならぬ、こういうふうに考えます。
○華山分科員 貸し倒れ引き当て金につきましては免税までしているわけです。そういうことまでやって、貸し倒れに対する保護も十分にやっているわけです。いま重ねてここで、一〇%程度のものは認められるとしましても、三〇%までもとらなければいかぬというふうなことは、私は高過ぎるのではないかと思う。大体私の経験から言いますれば、私は会社を経併しておりますが、私の会社につきまして、現在非常に苦境にはありますけれども、その当時から言いますれば決して間違いのない会社だった。それでもちゃんと三〇%はとられている。三〇%といえば、銀行のほうでは、いずれも三〇%まで上げるということは、これはもう政府がああいう通牒を出した以上は当然のことである。とにかく、あの通牒を、一〇%なら一〇%、一五%なら一五%にする、ただし例外的に、あぶないところは三〇%までは上げてもよろしいという程度まで緩和さるべきじゃないか、こういうふうに考えます。大臣の所見を伺いたい。あのままでは全部三〇%になります。
○福田(赳)国務大臣 通牒を出した趣旨は、お話のとおりの趣旨で出したのだ、こういうふうにいま銀行局長が申しておりますが、なおそういう響きがないという状態でありますれば考えてみます。
○華山分科員 その趣旨であるならば、その趣旨を各銀行に徹底していただきたい。それは、私もその当時仕事をしましたけれども、あの通牒によって銀行に交渉をして、そしていろいろなことにつきまして、預金をしている利子を上げる、そういうことにどれだけ苦労したかしれません。実情はそういう事情です。銀行局長がそういう御趣旨であるならば、あの一番最後の末項に注釈を加えて、三〇%というものは一番最悪のことをいっているのだという趣旨を徹底していただきたい。お願いいたします。
○佐竹政府委員 ただいま大臣からお答えがございましたように、実はこの通達の趣旨は全くそういうことでございまして、やはりその信用度の度合いいかんによってこれは当然変わるべきものだ。したがって、私どもも検査に臨みまして、実際にあたりました場合、いかにも必要以上に不当にとっているというものについては、是正を命ずるようにいたしております。現実の拘束預金の割合も、先生御承知のように、実はここ一年半来相当下がってきております。また、同時に、金利措置をいたしておるようなものも相当ございます。先生のおっしゃった、いまの両建てのほうの金利を下げるということ、その割合はだんだんふえておりまして、なお今後とも先生の御趣旨を体しまして、十分厳重に監督をいたしてまいりたいと思います。
○華山分科員 私は、過去の体験から生まれてくる話でございますので、その点お許しを願いたいのでございますが、地方財政と金融との関係でございます。 地方金融機関は、農業関係は別といたしまして、いろいろな地方銀行、相互銀行、それらは地方産業、地方中小企業に金融をするというのが当然の目的であることは私から申し上げるまでもない。ところが、はたしてその目的が達せられているかといいますと、そういうことではない。私の経験を申し上げますと、これは大臣も御承知のとおり、私はある県の副知事をいたしておりましたが、その際に、その県は、御承知のような非常なこの前の地方財政の危機でございます。それを、毎日あるいは毎月をわたるために、地方銀行から一時金を借りて過ごしてきた。その際に、中小企業者が銀行に行って金を借りるというときになりますと一断わる言いぐさが、県庁がたくさん金を借りるからあなた方には貸す金がない、こういうことを言うわけです。しかし、一面においては、東京にはコールでどんどん流れていく。私は、当時池田さんが大蔵大臣でいられたときに、地方長官会議のときにこの現実をとらえて、東京に——東京といいますか、都市銀行にコールで流れるということは、地方銀行の目的を阻害するものじゃないか、そういうことは抑制するように御努力を願いたいということを申し上げた。池田さんは、華山の言うとおりだから、そのとおりいたします、こう言った。これが、その当時の記録によれば、経済新聞等に大きく取り上げられて、私も池田さんもたたかれた、そういう経緯がある。その後におきましても、私は見ておりますけれども、コールというものは、あるいは大きく、あるいは小さく中央に流れることはやまない。一昨々年、平常の金融の場合に地方の金融機関から都市銀行に流れたところのコールの金は五千億円、一昨年金融が梗塞をいたしまして都市銀行の金が不足した、日銀が締め出した際の地方の金融機関から流れたところのコールは一兆一千億に達した。このようにして、いっでも地方の中小企業者というものは、地方銀行に金がないということで金が借りられない、そういう実態でございます。銀行といたしましては、都市銀行に金を流す、あるいは県庁等の起債に応ずる、それは一番コストのかからない便法でしょう。しかし、そういうことでは、私は中小企業というものは立たないと思う。今日、都市と地方との格差というものはなぜあるのか、いろんな点がありますけれども、金が中央に地方から流れてくるということが非常な原因じゃないか、こういうふうに私は考えます。 しからば、今度の場合どうなるのか、車の両輪ということでございますから、地方財政は地方金融機関から金を集めるでしょう。そのほかに、よくいわれますけれども、国鉄の利用債というものがある。国鉄の利用債というものを地方財政で引き受けるわけにはまいりませんから、その地方の金融機関に応募してもらって、そうして、その利子の差額を地方が負担するというのがやり方なんです。私の地方で言えば、奥羽本線の複線化に伴う利用債を持て、こういうふうな話、たいへんなものでございますよ。その結果、一番安易な方法で地方銀行がそういう方面に金を流す結果が、地方の中小企業には金が流れないということになってくるのです。私は、これは十何年来言い続けてきたわけでございますが、大臣のそういうことのないようにというふうな方針、そういう方針で言われるならば、具体的にその方策をお示し願いたい。
○福田(赳)国務大臣 経済情勢が、華山さんが副知事をやられたころと、だいぶというか、根本的にもう変わってきているのです。つまり、あのころは資金需要の非常に旺盛な時期である、設備投資が主軸となって経済を動かす時期なんです。したがって、大企業のほうの金が要りますものですから、中小企業になかなか回りかねるというような、資金の窮迫する状態があったと思います。今日はそうじゃない、貯蓄はどんどんと進むことは御承知のとおりです。ところが、資金のほうは、産業界のほうはそう要らない、設備投資が大体横ばいの勢いである、こういうようなことです。したがって金が非常に余るのです。さようなことであることが一つ。 それから、そういう状態でありますものですから、金利の関係は非常に動いてきております。今日は非常な低金利の状態で、当時に比べると変わってきておるわけです。ですから、地方の金融状態を見ますと、総体として資金需要が少ない。その上にもとのようにコールで中央に出しても妙味がない。したがって、地方に資金が滞留するという傾向を持つようにいまなってきておるわけであります。しかし、それにしても、コールに出しておる人はあります。ありますが、傾向としては、コールに出ししぶるという傾向にいまなってきております。したがって、今日は資金の配分から見ますと、非常に地方に有利に立ち働いておる、こういうふうに考えます。金融政策の方針としては、この傾向、つまり資金緩和の傾向をどこまでも持続しまして、資金が均衡を失わないで流れるように、配分されるように心がけていたきい、かように考えます。
○華山分科員 具体的にお聞きいたしますが、各府県あるいは各府県の市町村は、その金融圏内におきまして所要資金を集める、こういう原則でございますか。
○福田(赳)国務大臣 大体そういう実際の運営であります。
○華山分科員 その際におきまして、各県の事情なり、いろいろな点が非常に違うと思う。そういう場合には、何かとにかくまとめていろいろな指導をなさる、あるいは銀行を指導する、そういうことをお考えでございますか。
○福田(赳)国務大臣 各財務局の管内ごとに、財務局が世話人となりまして、金融団体、銀行、相互銀行、信用金庫、そういうところと地方団体との間の懇談会といいますか、協議会といいますか、そういうようなものを設けて、資金の調達が円滑にいくようにしたい、さような考えであります。
○華山分科員 いっそ国で一まとめにされたらどうですか。国で一まとめになされて、そして無理のないように、ある地方で余るものならば、たとえば福島県の銀行であっても山形県に流す、山形県のほうで余るようならば秋田県に流すというふうな、中央で一つの統制——統制といってはおかしいけれども、調整をなすって、いろいろなところに過不足のないように流すというふうな方向をおとりになったほうがいいのじゃないか。地方地方にまかす、各県だけで単独にやるということでは、私は過不足ができると思う。その点はいかがでございますか。
○福田(赳)国務大臣 大体、全局的な資金の流れは、日本銀行がその支店を各地に持っておりますので、そういう支店網を通じまして、流れ方はつぶさに調査し、観察をしておるわけです。日本銀行は、各銀行に対しましてそれぞれ連絡がありますから、言わず語らずのうちに、そういう調整は大体においてできるわけなのでございます。
○華山分科員 ただいま日銀の話が出ましたけれども、この問題に関する限り、地方銀行あるいは相互銀行、そういうものと日銀との間の直接の取引というものができるようにおやりになりますか。
○福田(赳)国務大臣 地方銀行は全部直接の関係を持っております。それから相互銀行も相当数持っております。それから信用金庫は、まだその数の一割にも足りませんが、しかしこれは、いずれも足らないところは、新しい金融情勢でありますので、拡大をしていこう、そういう考えを持っております。
○華山分科員 最近株価の値上がりというものは、地方の金融機関が余った金といいますか、それで株を買う、そういうことで株の市場の資金といいますか、そういうものがふえたので株価の値上がりがあるというふうにいわれますが、それは事実でございますか。
○佐竹政府委員 御指摘のような点は、さして動いておらぬというふうに承知をいたしております。
○華山分科員 私はいろいろな点でアンバランスができることを心配いたしますし、地方で集められた金は——何も地方分権的なことを言うわけではありませんけれども、地方で集められた金はなるべく地方で使って、そして、その産業なり地方なりの発達に資するという方向に指導していただきたい。そういう意味で、私は、このたびの地方財政と地方の金融機関との関連、いろいろな問題が起きると思いますので、御善処をお願いいたしたい。 次に、政府短期証券のことをお伺いいたしたい。 その前に伺いますが、日銀利子の公定歩合はいま日歩一銭五厘、コールレートの申し合わせ歩合が一銭六厘、政府短期証券の予算の上で計上されたものが日歩一銭五厘五毛、こういうふうに了承してよろしゅうございますか。
○佐竹政府委員 そのとおりでございます。
○華山分科員 政府短期証券の日歩一銭五厘五毛というのは、去年と同じでございますね。
○佐竹政府委員 さようでございます。
○華山分科員 公定歩合が昨年三厘程度下がったのに、なぜ政府短期証券は日歩が下がらないのですか。
○佐竹政府委員 それは、政府短期証券金利が、先生御承知のように、従来ども非常に低位の水準にございまして、公定歩合と比べましても別してそう問題のない水準でございますので、これで据え置いたわけでございますが、同時にこれは金融調節手段として、政府短期証券を用いて、これを市中に消化をはかって運用するということも頭にございましたものですから、このまま据え置いたわけでございます。
○華山分科員 いま市中ということを申されましたが、福田さんは古い大蔵省の俊才でいらしたから、国庫のこともおやりになったと思います。若い人は御存じないかもしれませんけれども、戦前は、とにかく政府短期証券というものは入札に付したのです。入札に付して、一番安いものに買わせたのです。それで余ったものは、その当時はこういう名前は使いませんでしたけれども、今日の資金運用部で買い取った。なおかつ余った分は、やむを得ざる手段として日銀に持たせたのです。今日では逆なのです。とにかく日銀に持て。日銀では手続上公告はするかもしれませんけれども、日銀が持っている。今度は資金運用部のほうの資金が余りますと、それをただおくわけにはいかぬものですから、日銀に行ってそれを買い取ってきて日歩をかせいでいる、こういうのが現実じゃありませんか。現在はそうでしょう。
○佐竹政府委員 確かに戦前は、先生のおっしゃるように、市中で公募されて出ておりました。戦後はそこまではいっておりませんで、正常を欠く姿になっております。ですから、正常な姿は、先生の御指摘のように、本来ならこういう政府短期証券というものは市中で公募して、入札して売っていくということが一番筋だと思います。ただ、それには、おそらくはコールレートとの関係できまりますから、コールレートが二銭とか一銭八厘というときに、これを公募入札に付しますならば、政府短期証券金利というものは非常に高いものになってしまいます。そこでやむなく——実は市中消化が思うように進まなかった。ここへ参りましてだんだんとコールレートが下がってまいりました。今後は、やはりコールレートが低位に安定してまいりますならば、先金のおっしゃるような姿にだんだん向かっていくべきもの、かように思います。
○華山分科員 だんだん向かっていくべきところの目的は、どういうことが目的なんです。政府の利子をなるべく少なくするということが目的でございますか。金融というものの正常、あるいは散超、揚げ超、そういうものを調整していく、そういう目的でおやりになるつもりか、どちらなんです。ただ、政府の財政がよくなるということだけでやるつもりなのか、あるいはそういうふうな市場におけるところの金融のだいぶつき、あるいは引き締まり、そういうものを調整する意味でこれをお使いになるおつもりでございますか。どちらなんです。
○佐竹政府委員 その点は金融調節の手段として使うということが主でございますが、同時に、やはり国庫の金利負担というものを極力低いものにしていく、これは申すまでもございませんから、その両者の目的を同時に実現し得るように環境を整備してまいる、かようなことであります。
○華山分科員 環境の整備とは何ですか。
○佐竹政府委員 これは、やはり全体として資金需要が緊張いたしておりますと、どうしても市場の金利水準というものは高くなります。なかんずく短期市場は、先生御承知のように非常に敏感でございます。そこで、やはり資金需要というものの緊張はある程度やわらげなければなりません。その緊張というものがある程度緩和した姿で、しかも安定したベースでいくような、こういう金融環境というものをつくっていくということがやはり一番基本であろうかと存じます。
○華山分科員 そうしますと、政府短期証券の日歩一銭五厘五毛というのは、予算的にはこうなっておりますけれども、そのときの状態によってこの日歩は動かしますか。
○佐竹政府委員 これは、一銭五厘五毛というものが定められた表面レートでございます。ただこれを、現に一月上旬に日本銀行は短資業者に向かって売却をいたしております。その場合には、先生御承知のように、実はこれは償還期日のいかんによって、たとえば期近ものであと十日で償還になるというのを持つ場合と、あるいはあと一カ月先に償還になるという銘柄を持つ場合と、やはりそれぞれ実際に動く金利というものは違うことは御承知のとおりでございます。したがいまして、あくまで表面レートは一銭五厘五毛でございますけれども、そこが期日のいかんによって現実のレートとしては動き得るということでございます。
○華山分科員 期日のいかんでなくて、大蔵省が金融の緩慢、緊張、そういうものを平均化するために政府短期証券というものを利用されるということであるならば、日歩一銭五厘五毛というものを固定したのでは何にもならぬ。年間のその状態、状態に応じてこれを動かされることを予想されているかどうかということをお聞きしたい。
○佐竹政府委員 まさに先生のおっしゃることが一番理想な姿だと思います。ただ、それは、やはり金融情勢というものがよほど落ちつきませんとなかなかむずかしい。つまりおっしゃることは、完全に短期証券金利を自由化するということだろうと思います。ただそれには、よほど金融環境が、先ほど私が申し上げましたような状態で落ちついて推移するということになりませんと、なかなか実はむずかしい事情がございます。したがいまして、そういう情勢を十分馴致してまいります過渡期におきましては、ある程度現在のような形でいかざるを得ないのじゃないか。ただ、たまたまコールレートが急激に騰貴した、そうしますと、政府短期証券というものはぐっと上がります。そういう非常に不安定な姿になってまいりますと、やはり国庫の負担との関係もございますし、どうもちょっと無理じゃないか。しかし、理想はまさに先生のおっしゃるとおりだと思いますので、一日も早くそういう事態が実現できますように私どもも努力をいたしたいと思います。
○華山分科員 先ほどお聞きしたときに、日歩一銭五厘五毛ということをきめたのは、これは従来と違って証券市場において消化されるということをも考えて日歩一銭五厘五毛にした、こういうことをおっしゃいましたがそのとおりでございますね。
○佐竹政府委員 そのとおりでございます。
○華山分科員 もしもこれが実行されなかった場合は、この日歩は高過ぎる。政府の負担になる。
○佐竹政府委員 この点は、先ほど申しましたように、一月になりまして実行をいたしました。一月の上旬におきまして四百八十五億円、すなわち約五百億円の政府短期証券を市中に売却をいたしました。それによって市中の余資を吸い上げました。それが、下旬に至りまして、また市場が詰まってまいりましたから、これを再び市中から買い戻しまして、それによって資金を供給するということを実は一月は実行いたしたわけでございます。今後とも日本銀行といたしましては、そういう形で金融調節をやってまいる、かように考えておるわけであります。
○華山分科員 政府短期証券は政府の責任だと思いますけれども、いまのような金融が正常化しておらない、めちゃくちゃの混乱の状態になっておるときだからやむを得ないということであるならば、これは政府の責任として私は承認するほか方法がない。そういうふうに金融市場が、これだけの多数の政府短期証券ということで調整ができない。多少の調整もできないような状態では、私は政府の責任は重大だと思いますよ。なぜこんな混乱に持っていったか。不自然に持っていったか。私は政府短期証券というものが市場金融の緩和、市況というものに重大な影響を持つものとして、有効に適用することによって、単に政府の金が足りないから借りているのだということ以外に、重大な任務を持っておると思う。それで、この政府短期証券の日歩の位置づけというものがもういまはめちゃくちゃだから、何とも理屈だけではならぬのだということであれば別ですけれども、正常な場合だとすれば、どういう位置づけが考えられますか。
○佐竹政府委員 これは、なかなかその国々の事情、あるいはそのときの経済情勢等によりまして、一がいに申しにくいわけでございますけれども、一般的には西欧諸国の例、あるいは日本の戦前におけるやや正常であったと思われる時点等を考えますと、これは、やはりコールレートと大体連動して動くもの。それで、水準といたしましては、やはり公定歩合とコールレートと政府短期証券と三つ並べました場合、これはほぼ同じようなところで、ときによっては上下はございますけれども、ほぼ同じようなところで動くということが筋合いかと思います。
○華山分科員 それは、座談会じゃございませんから、ここでやったってしかたないのですけれども、私はあなたと見解が違いますね。政府短期証券というものは、これは金融機関その他におけるところの第二保証的なものでございますね。その意味からいうならば、私は、これはどうしても日銀の公定歩合よりも低くなければいけないと思う。これは高いのです。それからコールレートの面からいいましても、私は政府短期証券というものは、まずコールレートは民間の資金なんですから、それを尊重するという意味からいっても、コールレートよりも安くなければならない。こういうふうな位置づけで、そして、この政府短期証券のレートというものは市場によって動いていく、こういうふうなかっこうでなければ私はいけないのじゃないかと思う。こういうふうなことにつきまして、あまり学者も論じておりませんから、私のことばはあるいは反省すべき点があるかと思いますが、ひとつその点について御見解をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○佐竹政府委員 やっぱり一番本来短期証券市場で低い水準にあるのはコールレートかと思います。その次に政府短期証券金融、それから公定歩合。しかし、現在でもアメリカの市場、先生よく御存じだと思いますが、またロンドンの市場におきましても、やはりTBレートというものが日々の動きを示しております。これは、やはりそのときの金融情勢にもよりますが、コールレートというものよりもTBレートのほうが大体上回っております。したがって、ただいま先生のお話にございましたけれども、政府短期証券が一番何よりも低かるべきであるという点は、ちょっと現実から見ますと、いかがでございましょうかと存じます。
○華山分科員 評論家的なことはやめまして、ひとつそういう方向へ日本の政治を持っていって、そのことを有効に使っていただきたい。それで申しますが、いままでと違いまして、これが非常に影響するのが米価なんですね。これは、もう毎年のように米の管理の経費というものを膨大させておる。何が膨大させておるかといいますれば、この利子なんです。なぜそうかといいますと、従来は国庫の余った金を食糧特別会計に移して、利子のない金で米を買った。いまではもうさっぱりなくなっちゃった。全部が借金でやらなければならなくなっちゃった。それが全部利子として差っ引かれる。あるいは大蔵省のほうでは、そうなれば政府のほうからの補てん金が少なくなるのだというかもしれませんけれども、素朴に考えれば、これが米価を高くしておる。そういう意味で、もしもこの政府短期証券がそういう機能を持たない、そういう機能を十分に果たせないのだということであるならば、思い切ってもう無利子にしなさい、そして米価を安くしなさい。そのことによって、これは物価にも非常な貢献をする。私はここに数字もありますが、驚くほど米価における金利の負担が多くなっておるのです。本来から言うならば、金利というものを消費者に持たせるのがいいのかどうかということも私は問題だと思う。この点につきまして、大臣、ひとつお答えを願いたい。
○福田(赳)国務大臣 政府短期証券が米価の問題に結びつくのはちょっと飛躍のように思いますが、短期証券のあり方につきましては、なお慎重を期してまいります。
○華山分科員 飛躍といいますけれども、政府短期証券が、私どもの要求したようなそのことにも役に立たないというならば、どうせ日銀がもうけたって国庫納付金でとるのでしょう。ですから、そんなことやめちゃって、もうこれを利子なしにして、したがって、日銀側の納付金は少なくなるかもしれませんけれども、むしろ米価を押えるほうに用いたらどうですか。
○登坂主査代理 華山委員、結論を願います。
○福田(赳)国務大臣 食糧証券のことかと思いますが、食糧証券は何も日銀に持たせることばかりを予定しておるわけじゃないので、市中に出して、そうして、時にその操作として日銀もこれを買い取ることがある、こういうわけでありまして、そういう食糧対策上の資金を市中で消化するという考えをとっておる限りにおきまして、これを無利子にするというわけにはとてもいかないと思います。
○登坂主査代理 結論を願います。華山委員、時間です。
○華山分科員 大臣、間違えていますよ。とにかく米穀証券は市場でなんか買っておりません。米穀証券を買っておるのは日銀と、それから預金部資金が余ったときに、そちらへそれを持ってくる。それだけじゃありませんか。市場なんかに出ておりません。
○佐竹政府委員 おことばでございますが、実は米穀証券も市中で五百億円以上消化されております。
○華山分科員 八千億のうちの五百億円では微々たるものじゃありませんか。大部分はもうあれですよ。そして、その累積は八千億じゃないのです。限度が八千億であって、累計はまだ……
○登坂主査代理 発言の整理を願います。
○佐竹政府委員 食糧証券の発行残高は八千億でありませんで、実は最近の時点におきまして四千八百億円でございます。
○華山分科員 そのうち五百億でしょう。たいしたことはない。
○登坂主査代理 次に、加藤清二君。
○加藤(清)分科員 土曜日のことでございまするし、皆さんお疲れのようでございまするから、私、簡潔に質問をいたしまするから、大臣もそのつもりで、早う通せ、早う通せとおっしゃるんだから、逃げ口上はおっしゃられずに、やるかやらぬか、白か黒か、こういうふうに端的にお答え願いたいと思います。 私、集約いたします。何を集約するかと申しますと、政府の今度の予算に対する発言で統一されていない点が第一。それからやらないと言うてやったこと、やると言うておいてやらないこと、つまり約束違反ですね。それと、今度は政府委員の中でまた意見の不統一がございます。これでは予算執行にあたってたいへんだろうと思いまするので、それを集約して申し上げます。 初め項目だけ申し上げますから、答弁を用意してください。読み上げますから。 まず、やらないと約束してやったことがある。これが第一番、公債発行であります。これは去年総理がやらないと横路質問で答えておる一絶対やりませんと言っておる。それをやっちゃった。次に自動車の自由化もそうなんですが、それはこまかいとして、やると約束してやらないのは何か。長期経済計画、途中でやめちゃった。中期経済計画、これもやめちゃった。歩積み両建ては解消いたしますと言うておいて解消させない。うそのデータを出しておる。きのうはとうとう、そのうそであるということを銀行側も認めちゃった。うそのデータとは一体これはどういうことか。ほんとうを言ったら責任追及問題だ。不良手形、一罰百戒で、これはきちっとしますと約束しておる。それがそのままになっておる。投資証券の元本割れ、これも去年約束した。直すといってまだ直っていない。きのう証券業界を呼んで聞いたら、全然だ。政府の手当てがなければ、こんなことはできませんなんて、えらそうなことを言っておる。次はガソリン税。農業用ガソリン税は、これは改めますと言った。ところが改められてない。改める約束で予算は通したのです、田中予算のときは。それがいままだ直っていない。物価の下方硬直性、これは直すと、この間の補正のときにも約束があった。努力しますと約束があった。それをしてない。それからノリの食管組み入れ、品質表示、これもちゃんと約束した、検討しますと言った。どこまで検討されたか。あげきたると切りがない。固定資産税は三年取らないと言っておいて、ことしから取り上げるという。ほんとうに切りがないのです。そこで、こういうことになりますと、もはや大臣の言うことを国民が信用しなくなるのです。何もあなた一人が約束したと言うているのじゃないのですよ。けれども、それは自民党政府である。大臣がかわったって、前の約束は守らなければならぬと思うのです。 そこで、さしあたって意見の不統一を聞きますから、それをあなたは責任を持って統一なさいますか、それともなさいませんか。と同時に、いまのような問題について、約束不履行でございまするから、政府みずからが不渡り手形を出してくれては困るのです。不良手形はいけないということになっておる。不良手形は一罰百戒にするといっている。不良手形すなわち不渡り手形、政府みずからが不渡り手形を出してくれては困るのですよ。この点どうなんです。
○福田(赳)国務大臣 私の関係した問題については、私の統一見解を出しますし、お答えします。
○加藤(清)分科員 では一つずつお尋ねいたします。 きのう、きょうの新聞によりますと、またここに意見の不統一が出てきておりますが、その前に、大蔵大臣は、参議院の木村禧八郎君の質問に対して、四十一年度発行の公債は買いオペの対象にも、貸し担保にも一年間はしないと言っていらっしゃるのですが、それはいかがでございますか。
○福田(赳)国務大臣 大体そういう方針であります。
○加藤(清)分科員 それは途中で狂う。年度内にまた不渡りになりますか、なりませんか。
○福田(赳)国務大臣 不渡りになりますまいと考えております。
○加藤(清)分科員 ならないのですね。これはすでに大臣は私の総括質問にもお答えになったのです。それから例の中澤君の質問にも衆議院で答えていらっしゃるのです。これは何も参議院で事新しく念を押す必要がないことなんです。しかし、それをしなければならぬという理由があるのです。どこにあるか。すなわちきのう、きょうの新聞を見ると、たいへんなことが出ておる。日銀の総裁は、新聞記者会見において、買いオペの対象、貸し担保にする場合があり得る旨を答えておられる。これはどうなんですか。この前は、インフレ論をのがれるために、しないと答えておる。
○福田(赳)国務大臣 その問題に対する考え方をはっきり申し上げておきますが、第一、基本原則、公債はオペレーションの対象にもするし、貸し出しの対象にもいたします、貸し出しの担保にもいたします、ただし、オペレーションについては、日本銀行の内規で一年間はいたしません、こういうふうになっておりますので、この内規を改正する考え方はとっておりません。よろしゅうございますね。 それから貸し出しについては、一年間は担保に取ってはならないという規定はありませんけれども、実際上の運営として、新規国債を担保に取ることは一年間はありません。こういうことでございます。
○加藤(清)分科員 それではお尋ねしますが、日銀の政策委員会が、もし日銀の総裁がこの記者会見で発表したとおりのことをきめたら、一体どうなさいますか。
○佐竹政府委員 ちょっと事実関係を補足させていただきます。 ただいま先生の御指摘の日銀総裁の新聞における発言、これは私のほうからよく問いただしてみました。その言われたことは、要するに、債券については確かにオペレーション上内規の制限がある。しかし、担保に取る場合には、内規上の制限はない。したがって、制度的に債券を担保に取るということはできるんだ、しかし、それをやるか、やらないか、実際に取るか、取らないかという話でなくして、それは取れる、こういう話をされたわけでございますから、いまの大蔵大臣の答弁と食い違いはございません。
○加藤(清)分科員 それじゃ日銀総裁は、各紙一斉に書いています、この記事の訂正なり取り消しを要望されますか。これは国民を惑わし、シンジケートを惑わすこと最たるものです。
○佐竹政府委員 その点は、ただいま私が申し上げましたように、日銀総裁の真意は、いま申し上げたとおりです。それがいろいろことばのやりとりの間におきまして、十分徹底を欠いたうらみがあるのかもしれません。その点はどうも私も立ち会ったわけでございませんので、御了承いただきたいと思います。
○加藤(清)分科員 もしそれが真意であるならば、その真意を発表するように、大蔵大臣としては当然指示すべきではないかと思う。これは惑わすんですから、このことによって銀行の公債の消化額が変わってくるんですから、国民もまた変わってくるんですから。この前は、もしも買いオペとかあるいは貸し担保にこれを利用しようとすればインフレになる、このインフレ論に追い込まれるといけないものだから、日銀総裁みずからが私と中澤君の質問に答えているんです。私はきょうこれを持ってきた。担保にしない、オペの対象にしない、字佐美さんはこういうふうにちゃんと言うておる。読んでごらんなさい。
○福田(赳)国務大臣 だから私と同じことを言っしているので、ただ、この間新聞に出たことはあいまいであったというので、私のほうから適当な機会にはっきりさせるように総裁にも言ってあります。
○加藤(清)分科員 これは惑わすもはなはだしいのです。困るんです。あなた自身も困られるんです。 そこで、お尋ねいたしまするが、もう一つ事のついでと言っては、この忙しいときに失礼でございまするけれども、日銀総裁は、三菱銀行との関係で、いま何をやっておられますか。
○佐竹政府委員 日銀総裁に就任されまして、その際に三菱銀行の役員は辞任をされております。
○加藤(清)分科員 だから何をやっているのかと聞いているんです。頭取をおやめになったことは知っております。
○佐竹政府委員 何もやっておられないと承知しております。
○加藤(清)分科員 全然関係ないと言えますか。
○佐竹政府委員 私の承知する限りは、関係ないと田ふっております。
○加藤(清)分科員 よろしゅうございますか。三菱銀行の会合にも出られませんか。
○佐竹政府委員 そのような会合に出られるかどうかは私は存じませんが、三菱銀行のおよそ役員なり何なり、そういう関係には一切なっておらない、そういう意味で申し上げたのでございます。
○加藤(清)分科員 なっていないことは知っているんです。会合はどうです。つまり具体的事実はどうかと聞いておるのです、肩書きの問題じゃなくて。あなたはりこうな人だ。肩書きつけてそんなことをするはずはないですよ。
○佐竹政府委員 実際にどういう会合に出ておられますか、私ども一々そこまで総裁の行動は存じません。
○加藤(清)分科員 じゃ、それが日銀法の第一章の二にどうなるかということは、もう本日は触れずにおきましよう。 次へ進みまするが、この日銀の政策委員会という第一章第二ですね。これは木に竹をついだようなものですね。しかもこれは占領政策、オキュパイド・ジャパンの時代の申し子なんです。向こうのイミテーションをここへ挿入したわけなんですね。したがって、ここに大蔵大臣と日銀総裁との権限の問題、日銀の政策委員会との権限の問題、ここにいろいろな競合する——競合するというよりも重複したり、いろいろする点が出てきておるわけなんです。日銀の中立性を守る立場から、大蔵大臣としては、これはこのままでよろしいとお答えでございまするか、それともこれは、憲法でさえも占領時代の申し子なら変えなければならぬという空気になってきておるのですから、変えようと思えば変えられる時期になっておると思うのです。この点いかがでございますか。
○福田(赳)国務大臣 日銀は政策委員会のあり方を含めまして、その制度を再検討すべきである、こういうふうに考えております。すでに金融制度調査会でも答申がありまして、去年の国会に大蔵省としては、日銀法の改正案を提案しようかということを考えた時期があったわけであります。しかし、それは国会運営の都合もありまして出さなかった。ところが、その後非常に金融のあり方が変わってきております。そういう事態に照らし合わせまして、またすでにできかかった日銀法改正案、これを見直しておく必要があるじゃないか、そういうふうに考えます。そういうので、占領政策だからすべて悪いというわけじゃありませんと思います。いいところは取ったらいい、悪いところは捨てたらいいと思います。そういう白紙な立場で検討して、なるべく近い将来に国会へ提案をしたい、こういうふうに考えております。今国会には提案いたしません。
○加藤(清)分科員 今国会には提案しないが、なるべく期近かな国会に日銀法を新しい時代にマッチするようなスタイルで提出する、修正をね。こう受け取ってよろしゅうございますか。
○福田(赳)国務大臣 そのとおりでございます。
○加藤(清)分科員 実は私もそう思うし、与党政府としてもこれはきのう、きょうの問題じゃございません。田中蔵相時代にすでにそういう発言がございました。ただ、いつにするとは発言がなかったですが、ありました。同時に、今度はあなたの時代になってから、経済的な大転換が行なわれた。高橋だるま翁と一緒に、あなたは歴史に残る人になった、公債発行ということで。しかも総理がやらぬと約束しておったものをひっくり返したのですから、あなたは総理よりも腕がいい、私はそう思っておる。ですから、これは当然それじゃ器も変えなければならぬ。特に、一番だれが考えてもわかり得ることは、日銀の政策委員は衆議院で承認しなければならぬ、院議をもって決定しなければならぬ。ところがその議長たる総裁は閣議できまる。閣議できまって、おまけにこれは蔵相の腕できまる。しかも大蔵関係では、そこの候補者として長きにわたって養成をしておった選手がなかったわけではない。こつ然とよそから持ってきちゃった。しかもあの吹原事件のああいう問題の起こる直前。これはひとつ考えないと、銭は信用が第一なんです。そういう意味において、相矛盾した点があれば、信用確保の点からいっても、当然ただすべきはたださなければいけない。そうしないと公債に対する不信感を払拭することは容易のわざではない。大蔵大臣の所見。
○福田(赳)国務大臣 日銀総裁はあくまでも財界、金融界に対して厳正不偏、人格持することきわめて峻厳でなければならないと思います。
○加藤(清)分科員 次にもう一つ、公債についてお尋ねいたしますが、公債を金融機関に買わせる、市中消化という名の銀行、シンジケートによるところの販売ですね、政府側から言えば。これを行ないますと逆ざやが生じてまいりますね。これは政府としてはどのように認識しておられまするか。これは事務当局でいいから答えてください。
○中尾政府委員 公債を金融機関に持たせまする場合に、金融機関によりましては、資金コストがそれぞれ異なりまして、——資金コストといってもいろいろございます。平均の資金コストでございます。これが国債利回りを下回るという姿がありますが、銀行は従来も資金の運用をいたしておるわけであります。その際には、それぞれ預金を受けて運用をいたしまするので、手元の流動性というものを確保し、かつその運用にあたりましては有利性と確実性、この二つを目標にするわけであります。そういう際に、御承知のとおり国債が、これは支払い準備といたしましてきわめて流動性が高い、確実性の点におきましても他のものに比較いたしまして特段の確実性があるわけでございます。そういう点から、必ずしも平均の資金コストに及ばない条件でありましても、これが持てないという姿ではございません。金融機関としてもおのずからこれを持つ必要もあり、要望も出てまいるわけであります。
○加藤(清)分科員 委員長が時間を急ぐとおっしゃるなら、注意してくださいよ。逆ざやの実態を聞かしてもらいたいと聞いた。余分なことを聞いているのじゃない。たとえば相互銀行であるならばどうなるか、信用金庫であるならばどんな逆ざやになるかと聞いておる。
○中尾政府委員 最近のところで数字を申し上げますると、税は別にしまして、都銀では六分二厘、それから、地銀が六分四厘二毛、それから相互銀行になりますと七分一厘七毛、それから信金は三十九年度の数字でありますが七分八毛というような平均のコストになっております。これは各金融機関の全体の平均でございます。個々の金融機関につきましてはもちろん出入りがあるわけであります。それに対しまして国債の利回りは六分七厘九毛五糸、こういうことになっております。
○加藤(清)分科員 それから農林中金の資金は非常にコスト高になっております。したがって、ここも逆ざやになるおそれがありまするが、その際に、今度は大臣にお尋ねしますけれども、都市銀行は概算一銭九厘で引き受けた国債で、ことし四十一年はやらぬとおっしゃるけれども、来年、四十二年からはこれで大体一銭六厘の借り入れが可能になるわけです。そこで三厘の利ざやがかせげるという勘定になる。四大証券もそれが可能なんです。ところが国家が認めておりまする相互銀行、信用金庫以下はそれができない。もしそれをしようとすれば、都市銀行に頼んでこれを行なわなければならぬ。地方の農林信用金庫、ここらも都市銀行に頼んでしなければならぬ。そうすると、都市銀行は人の分までかかえ込んで持っていって、そうして利ざやが余分にかせげるわけです。自分以外の分は、その利ざやを山分けできるわけです。したがって、国債を発行し、これを買いオペなり貸し担保のたぐいにすれば、都市大銀行はもうかり過ぎるということを学者仲間は言うし、この間の公述人の公述でも、ここでもそう言っている。それをやるだろうと言ったら、当然のことだと、こう言った。これは自民党推薦の学者まで私の質問にそう答えておるのですよ。この矛盾をどうなさいますか。相互銀行、信用金庫、それにたよるものは中小零細企業、これは永久に日銀につながっていないのです。ところが、一たん山一証券に事があるというと、二十五条ですかを発動して、そうして無利子、無期限と言いたいほどの金を十四分の一の担保でお貸しあそばされる。これじゃ公平の原則が破れるじゃございませんか。一体山一がかかえておるものは、それはお客さんのこともあったでしょう。パニック前夜であるとか言われたのだから、それはそういうおそれもあったでしょう。しかし、それじゃ中小企業はこんなにたくさん、年間六千件も、きょうこうやってしゃべっている間も倒れている。それのめんどうを見る中小企業の金融機関は、日銀へお参りすることもできない。これで公平と言えましょうか。
○福田(赳)国務大臣 それは二つの問題があるのです。一つは日本銀行の金融政策としては、オペレーションを原則として、よくよくの場合でなければ担保貸しはいたさない、そういう方針をとっていきたいと思います。ですから、担保貸しの場合は非常に狭まっておる、こうひとつお考えを願いたい。 それからもう一つの問題は、税の問題があるのです。国債にも税が一〇%かかるわけです。かりに利回りから引いてみると、五分八厘五毛くらいになりますか。それからいまの公定歩合、これを日歩に直しますと、大体そのくらいになるのです。ですから、言われるような状態ではないのでございますが、ともかくただいま申し上げましたように、金融政策の手段としてはオペレーションを主軸にしまして、貸し出しは制限的にやっておる、こういう考え方でやっていますので、あなたの言われることはおそらく解決される、こういうふうに考えております。
○加藤(清)分科員 もう一度確認さしてもらいますが、それじゃ公債を貸し担保にしては十二大銀行といえども貸さないとおっしゃるのですか。一年後の話ですよ、これは。
○福田(赳)国務大臣 その際には、これはよくよく金融政策の必要上短期急速の手配を要するというような際のほか、担保貸しはやらない。大体、日本銀行の金融操作のやり方はオペレーション中心でいくということにいたしますので、あなたの御心配の筋はそうはなかろう、こういうふうに考えております。
○加藤(清)分科員 それじゃ買いオペをなさる対象にはする。買いオペの対象にはするが、貸し担保には取らない、貸し担保にはしない、こういうことですか。そう認識していいですか。
○福田(赳)国務大臣 貸し担保にする場合は、きわめて例外の場合である、こういうふうに御了承願います。
○加藤(清)分科員 あれあれ、ことばが変わってきた。きわめて例外、そうすると、例外もあり得る。そうすると、その例外の場合の金額に歯どめがございますか。
○福田(赳)国務大臣 歯どめはないけれども、それは常識的に割り切ってもらうほかはないでしょう。
○加藤(清)分科員 わかりました。そうすると、やはりここに都市十二大銀行、つまり日銀と直接取引できる金融機関とできざる金融機関との間に、不公平、不平等が発生しますね。かりにそのオペの場合であったとしても、なお発生し得る余地が残されている。同時にこの問題は、逆ざやになることをあえて重役がやりました場合には、これはたいへんな問題が起きるのではございませんか。株主総会で総会屋に背任罪が発生するではないかと言われたら、相銀以下の重役は何と答えたらいいのですか、お教え願いたい。
○福田(赳)国務大臣 背任罪にはならぬと思う。つまり銀行の資金運用方法には、運用の基準には、利息ばかりの問題じゃない、金利ばかりの問題じゃない確実性だとかあるいは銀行の支払い準備としてやるんだとか、いろいろな角度がありますから、金利だけでこれを判断するというわけにはいかない。金融機関はおおむね国債を保有する。逆ざやの場合だという際には、これはおそらく準備性が非常に高いんじゃないか。あるいはさらに準備ということでいかない場合においても、これは、有利というよりは、確実な投資であるという点で、最も高い信用を保持する国債である。
○加藤(清)分科員 この問題は、ほんとうはまだ詰めたいんですから、いずれ大蔵委員会できちっと詰めます。これは、具体的事実としては困るんですから……。 そこで、根本として、この問題の結びとして、相銀以下の金融関係は、山一さんでさえも直接結べるんだから、この際公債を国家の命令で買えとおっしゃるならば、そういう逆ざやだの何だのの心配はそれほど——これは総合的に考えればいいかもしれないけれども、だれだって金融を最初に考えますよ。その出発点が逆ざやだということならば、遠慮しがちになるのです。したがって、せめてあなたのおっしゃるとおり総合的に考えて、日銀に託した場合の三厘の利ざやがかせげる道、すなわち直接取引の道を考慮する余地はありませんか。
○福田(赳)国務大臣 日銀との接触はいろいろの方法がありますが、これにつきましては、新事態に即応して、相互銀行、信金等につきましてはただいまどういうふうにいたすか考えて、また日本銀行にも考えてもらっておる最中であります。
○加藤(清)分科員 つまり考えるということは、不平等性を是正する、そうして中小企業全体の金融機関も安心してこの公債が買えるような方途を見つけて、これを実施する、こういうことでございますか、考えるということは。
○福田(赳)国務大臣 いまの逆ざやのことで理財局長から話があったわけですがね、これは平均の話です。相互、信金といえども、それは六分台の利回りのところもあるわけなんです。また九分をこえるところもある。平均して七分何厘というふうなことになる。私の一番期待することは、相互、信金といえども、コストが安くなるように、とにかくそういう実例をもってそういう近代化をしているところはあるのですから、そこを私は進めていきたい、そういうことを、まあ今後の中小企業金融行政の主軸にしたいと思うのでありまするが、同時に日銀との関連につきましても、これは一がいにあなたがいまおっしゃるようなことをずばりと言うわけにはなかなかまいりません。まいりませんが、考えてみたい。日本銀行にも考えさしておる。こういうふうに御了解願います。
○加藤(清)分科員 この問題はこれ以上詳細に——いずれ今国会中に検討しなければならぬと思いますが、大蔵委員会に譲ることといたします。 次に、やはり公債の問題で、償還計画と減債基金の問題ですね。予算書の末尾のほうにほんのちょっぴり提示されてはおるのですが、これじゃよほどの達人でなければわからないのです。達人でもなおわからないような表現のしかたがあるのでございますから。償還計画なき公債発行、減債基金の関係のわからないような公債というのは、もはや公債違反なんだ。これは追い打ち出される用意がありますか、ありませんか。
○福田(赳)国務大臣 ありません。
○加藤(清)分科員 では、国会の今後の審議において国民が納得し、野党議員も納得するような御説明をどこかでなさいますか。
○福田(赳)国務大臣 もうしばしばお話し申し上げてきたところであります。
○加藤(清)分科員 しばしばと言いますが、とぎれ、とぎれだ。ほんとうに納得のいくような御説明はいままでないのです。もしあったとすれば、私は寡聞にして聞いていないから、何委員会のだれの質問にそう答えたとおっしゃっていただけば、私は官報を見ますから……。これは私だけじゃないのです。うちの党では、予算委員が毎日集まっていろいろ練るのですが、聞いていないのです。わからないのです。だから、君たちそこを聞いてこいと言われるのですよ。
○福田(赳)国務大臣 一番詳しく申し上げたのは、前国会、つまり臨時国会の参議院で木村禧八郎さんに対する答弁かと思います。
○加藤(清)分科員 あれが大体まあまあ体をなおしておる。あれが最高で、あれ以上のものは出ないとおっしゃるのですか。
○福田(赳)国務大臣 大体あれで御了承願いたいと思います。
○加藤(清)分科員 これでは納得できませんな。しかし、きょうはもう時間も急ぐのですから、ここで聞こうとは思いませんが、しかし納得ができぬということを申し上げます。これは私一人じゃなしに、社会党の予算委員全部が納得できない。したがって、でき得べくんば償還計画と減債基金の問題は、ひとつ予算を無事に早く通したいとおっしゃるならば、最後の総括質問が行なわれる以前に——直前でもいいけれども、以前にお出し願わないと、再質問ということになるのじゃないかと思います。 次に、あなたは七年後償還できぬ場合には、新しい国債と借りかえするんだとおっしゃいましたね。ここの点をもう一つ。
○福田(赳)国務大臣 できる限りの努力はしたいと思っています。しかし、これは財政の状況もあり、そのときの経済の情勢もあります。そういう諸般の情勢から見て借りかえがよろしいという判断に到達した場合におきましては、またそういう判断に到達する公算は相当ありますが、その際には借りかえをする、こういうふうに申し上げておるわけであります。元来、国債は十五年とか二十年とか、つまりあとへ残る資産と見合をとるわけです。そういう期限であるべきである。それが金融事情から残念ながらできない。七年です。ですから、これが三回くらい借りかえになる、私は一向支障があるとは考えません。そういう意味のことを申し上げておるわけであります。
○加藤(清)分科員 これは大蔵大臣、重大な問題ですよ。借りかえをするということは、手形で言うたら期日を延期させるということなんです。つまり七年先に、その七年の間に租税収入によって元本の支払いをする、完済をするというのがたてまえのはずなんです。それを借りかえするということになりますと、この投資資本は七年先になっても、なお言うならば、町のことばで言えば手形のかっこうで残っておる、現金化することができない、こういうことになるわけなんです。これはたいへんでございます。このことは新聞に出たり、経済雑誌でももうすでに論議の対象になっておる。なぜそうなるか。たとえば投資証券の元本割れ、これがいまどうなっておるか、これもまた借りかえなんです、解約を延期してくれ、延期してくれといって。それから町ではどうなっておるか。手形の期日が六十日と下請代金支払遅延等防止法にはちゃんと規定されて、罰則までつけられているにもかかわらず、お産、台風、七夕、こうくる。その結果は——大蔵大臣、こっち見とってください、大事な点です。その結果はどうなるか。中小企業は勘定合って銭足らず、自転車操業の末は黒字倒産、黒字倒産ということばが大はやりなんです。ことばじゃなくて、具体的事実で黒字倒産が行なわれておる。きのうもこれが実例として出たんです。黒字倒産、八億余の預金があるのに、これを凍結されておって返してもらえぬ。公称資本金一億五千万のものがそれで倒産している。金があって倒産するんだ。これはなぜそうなるかといったら、金融機関が押えたから。元本割れで延期、延期で書きかえさせられるのは、証券業界が投資証券を握りつぶしておるからなんだ。今度それはいけません、その姿勢を直さなければいけませんというやさきに、あなたが、もしかすると七年先に租税収入で払えぬで借りかえをせんければならぬ、借りかえをせんければならぬということになると、これは償還計画はどうなるやら、わけがわからぬ、こういうことになる。そんな心配までかけなければいけないのですか。もちろんその七年先、あなたはおそらく総理大臣になっておるかもしれぬですね、大蔵大臣をやめちゃってからに。そのときに責任をどうします。
○福田(赳)国務大臣 借りかえができないという場合のことをお考えなんでしょうが、借りかえできるということを前提としているわけであります。万一できない場合は、これは国家の国民に対する借金でありますから、これをお返ししなければならぬ。お返しする財源はどうかといえば、そんな極端なことはあり得ないとは思いますけれども、これは国民に租税をもってお支払い願うほかはない、そういうことなんです。まあこれは極端の場合の話を申し上げたわけなんです。そんなことはあり得ない。
○加藤(清)分科員 もちろん原則論でありましょうけれども、あなたとしては国債を発行するにあたって、この計画を立てるときに——それじゃお尋ねしますが、借りかえをしてでもやればいいのだというお考えですか、それは万やむを得ざる場合においてのみそれをするのだけれども、実際は租税収入によってこれをまかなうべきであるというのがたてまえであったか、いずれがたてまえであったか、そこをお聞かせ願いたい。
○福田(赳)国務大臣 まあなるべく租税をもって埋めたいと考えています。しかし、わずか七年先でしょう。経済はまだ私は本格的になるには二、三年はかかると思う。その結果ではまた国債は出さなければならぬ。そのあと一体どうなるか、まだなかなか予測はできません。しかし、相当経済は堅実になりまして、そうして租税収入も多額になってくる、こういうふうに想像しておるわけであります。そういう時期時期になれば租税収入をもって国家財政をやっていくということが可能になるわけであります。そういう時期になりますれば、減債基金の積み立て、国債整理基金への繰り入れ額ですね、これを増加するとか、いろいろ減債のための措置をとりまして、できる限りそういう元金償還の努力をいたしますが、実際問題としてこの短い期間の償還期間のついた国債を一挙に単年度で支払う、償還するということはむずかしいのじゃないか、そういうふうに思っております。
○加藤(清)分科員 正直でけっこうです。それは、わが党としても、この不況があなたのおっしゃったように三年ぐらいはかかるであろう。それから先でないというと、いわゆる租税収入の余剰、これはなかなかに出てこないであろう。これは学者もみんな一様の意見です。ですから、その上の立論でございますから、これは正直でけっこうだと申し上げる。しかし、この不況が長引いたその間に、また追い打ちをかけて公債が発行されるということになりますというと、それは公債の二兆円はおろか、大内兵衛先生の言う十兆円、これもまた考えられることである。雪だるま論、あるいはアヘン論、これもやはり考えておかなければならぬということになるわけですね。それはいかがですか。
○福田(赳)国務大臣 ですから、日本の公債政策、また減税政策、これを主軸として経済の回復をはかる、経済の回復ができますれば、自然に租税収入も出てくる、これが最大の担保である、こういうふうに考えておるわけであります。
○登坂主査代理 加藤君、結論をお願いいたします。もう四十分余り過ぎておりますから、そろそろ結論に向かってひとつ……。
○加藤(清)分科員 山一証券に対する「特別融資担保不動産内訳」というものをいただきました。ところが、これでは担保になっておりません。そこで、この担保について大蔵省としてはどうお考えでございましょう。しかも、大蔵省としてもこれしかわからないでございましょう。日銀はわかっておるけれども、大蔵省だけわからないとおっしゃるのか、そこらの点を、実体の担保はどこがキャッチしておるか。
○加治木説明員 担保の内訳は日本銀行で全部承知いたしているはずでございます。
○加藤(清)分科員 それを大蔵省は御存じないとおっしゃるのですか。
○加治木説明員 日本銀行から一応の報告を受けております。
○加藤(清)分科員 こういうことをやると時間がかかるから……。これしかないのか、それともこれ以上詳しいことを知っているかと聞いているのだから、合わせて答弁してくださいよ、協力してください。
○加治木説明員 日本銀行からの報告によって内容は承知しております。
○加藤(清)分科員 これ以上のものを……。
○加治木説明員 はい。
○加藤(清)分科員 では追って質問します。その担保の所有権はどこでございますか。
○加治木説明員 山一自身のもありますし、山一の関係会社の分もあります。大部分が山一自身の関係会社、関係不動産会社であります。
○加藤(清)分科員 大体他人のものですね、経理的にいっては。そうでしょう。 質問を急ぐために私は申し上げますが、それは東洋航空工業、相武開発、湖尻開発、横浜フェアレーン、真鶴植木、東京フェアレーンKK、HNS農場、OS牧場——まるで西部もどきだ。国際友情クラブ、こういうところのものが入っているのでしょう。
○加治木説明員 私はただいま手元に持ってきておりませんが、そういうものは入っておると思います。
○加藤(清)分科員 それがほとんどです。 そこで大蔵大臣、これは他人の資本ですよ。他人の担保ですよ。うっかりすると見せ担保になりますよ。見せ担保になるという証拠を私は持っておるのです。訴えが私のところに来ておるのです。たとえばKK国際友情クラブ、なるものがどのような不正事件をやっておるか、これ一つ読み上げただけでも、これはたいへんなことなんです。ちょっと読みましょうか。それらが選挙資金の流用をしたり、新しく山一へ入った重役をちょろまかすために供応したり、ついでに着服をしたり、契約不履行をしたり、OS牧場、HNS農場、ここにもまた供応があったり、着服があったり、東京フェアレーンKK、東洋航空工業KK、ここにも着服があったり、一々読み上げるといいのですけれども、取り込み詐欺事件があったり、すでに裁判になっておった、こういうことでございますが、この担保で、しかも十四分の一の担保なんです。きのうも金融機関と話し合ったのですが、八、八、六十四に取られるのですよ。普通は倒産直前だったら五倍も六倍も取られるのです。しかも、他人の担保なんていったら貸してくれる銀行がありますか。他人の担保で、しかも相互銀行以下でさえ取引できぬというのが日銀と直接取引ができる。こんなばかげた担保で金を貸すなんてことができますか。だからこういう手紙が来る。「くさり果てた山一新幹部の鉄面皮と、それをなれ合いで支援する恥知らずの銀行団」、「第二、第三の鉄槌をしてくださるようお願いいたします。」名前まであげてもいいです。この人に私は言うた。あなた、そんなことを言う以上は、決算委員会の証人に出る覚悟はありますかと言ったら、去年の某氏のように殺されるような事件があっても私は出ますと言う。おそらくこのままでは済みません。決算委員会の問題になると思います。したがって、大蔵省としてもこれは十分に御調査をしておいていただかないと困る問題が起きることは当然でございます。これについて大蔵大臣の御所見を承りたい。
○福田(赳)国務大臣 政府委員からお答えいたします。
○加治木説明員 当初無担保融資を決定いたしまして、二百八十二億を出したわけでありますが、しかし、しからばといって、できるだけ債権確保のために担保余力がある限り差し出せということになりまして、山一自身及び山一の関係先で、これはもちろん本人が承知の上で約二十二億の担保を提供したわけであります。大蔵省で検査もいたしておりますし、山一自身に対しては監督もいたしておりますが、山一自身からは、そういった問題については私のほうは報告を受けておりません。関係先自身を調査する権限もございませんので、われわれは山一自身からの報告を聞いて、その限りでは思い当たる節は私にはございません。
○加藤(清)分科員 これについての大蔵大臣の御見解を伺いたい。私の言うことがうそであるというなら、私は証拠を出します。
○福田(赳)国務大臣 あなたの言うことがうそであるかほんとうであるか、そういうことを私はお答えする資格もありませんが、問題は今後の処置にあると思います。適正、厳正にやってまいります。
○加藤(清)分科員 これは、やがて行なわれる総括質問において、できればもう一度私はお尋ねします。なぜかならば、いまの答弁では解決はできませんから、したがって、そこへ譲りたいと存じます。あるいはそのときに、理事のお話し合いによって、ちょうど去年の九頭竜川事件のように、決算委員会へ回すということになれば、それはそれでもけっこうでございますが、急げ急げというお声でございますので、本日は芽を出しただけにとどめておきます。 ですから、次に進みますが、あと二点だけ大急ぎで簡潔に質問しますから、簡潔に答えていただきたい。義務教育の教科書予算、これはなぜ削られましたか。
○福田(赳)国務大臣 それは、文部省の要求に対して大蔵省の査定は相当減っておると思います。文部省の要求は、一つは中学三年までの分を実施したい、こういう要求であったと思います。それを大蔵省は一年にとどめる、こういうふうにいたしたわけでございます。それからもう一つは、教科書の単価の要求と査定が違っておる、こういうふうに思います。
○加藤(清)分科員 単価査定の問題じゃないのです。中学の二年と三年を実施するかしないかの問題なんです。ここの討論をやるというとまた長くなりますから、なぜ削られたかということを御説明願えればけっこうです。
○福田(赳)国務大臣 だから、その二点がおもな理由である、こういうふうに申し上げているわけです。
○加藤(清)分科員 それは、項目はわかりましたよ。削った理由、二年、三年は無償交付をやらぬでもよろしいというこの理由だ。ということは、教科書の無償に関する法律の施行、これをきめるときには、三十七年からもう始まっておるのです。三十七年が一年だけ手がつけられた。もうあと八年分ですね、六年と三年ですから。それを二年区切りにやって、ちゃんとスケジュールができておるのです。ことし四十一年度で終わり。しかし、これは四十一年度で予算をつけても、実際もらえるのは来年一年繰り越しになりますよ。そこで、こういう計画がちゃんと文部省ではできておるのだ。これは法律に従ってつくった。山一にたくさんやる金があったら、なぜ子供の教科書くらいやれぬのですか。先進国はみんな無償である。なぜ日本だけ削られなければならぬかという問題です。
○福田(赳)国務大臣 文部省で一応の計画のあることは承知しております。しかし、財政の状況等を勘案しまして、ことしは中学一年の無償をやる、二年以降のことはあとでまた考えよう、こういうことであります。
○加藤(清)分科員 それは理由じゃない。あなたのおっしゃったのは実施計画であって、理由にならぬ。二年、三年はなぜやらぬかという理由にならぬ。
○福田(赳)国務大臣 財政上の理由であります。
○加藤(清)分科員 財政上どういけないのです。金額はわずか四十億ですよ。
○福田(赳)国務大臣 四十億といってもなかなか簡単なものじゃないのです。
○加藤(清)分科員 二百八十億もただでやる金がある。
○福田(赳)国務大臣 それは融資でありまして、財政の問題じゃありません。
○加藤(清)分科員 私は理由にならぬと思う。なぜかならば、すると約束して計画が立っておるのです。法律ができておる。その法律を無視してこういうことをやる。法律無視です。 もう一つ法律無視の問題があります。それば何か、——いまのも、そういう答えでは満足しませんよ。急げとおっしゃるから急ぐのですが、もう一つは住宅建設、それに相呼応した区画整理組合、この予算措置はどのようになっておりますか。
○登坂主査代理 加藤さん、時間も一時間になりますので……。
○加藤(清)分科員 そんな要求をされては困る。そんなばかなことがあるか。きのうから頼んであるんですよ。本人が来ぬから、時間がきたからやめろ、そんなばかな話がどこにある。そんなむちゃな話はないよ。ちゃんと言うてあるじゃないか。自分の都合の悪いことだけそういうことだ。それも約束違反、法律違反だ。——それではその前に追加してやろう。 もう一つ。池の所有権はどこに帰属するかという問題であります。国有地と称する池が日本にどれだけあるか、大蔵省が管理していらっしゃる国有地と称する池が面積にしてどの程度あるか。
○福田(赳)国務大臣 政府委員に答弁いたさせます。
○磯江説明員 お答え申し上げます。 池という御質問でございますが、池にもいろいろあるわけでございますけれども、池の実態につきましては、全国にもいろいろなものがございまして、必ずしもその内容が明確にわかっていない実情でございます。御質問の御趣旨は、おそらく農地等の間に……。
○加藤(清)分科員 余分なことは言わぬでもいいのです。時間を急げ急げとおっしゃるから、面積がどれだけあるかと聞いておるのです。何個あって面積がどれだけかと聞いておる。
○磯江説明員 したがいまして、その所有権につきましては、あるいは国の所有のものもございますし、あるいはその他の所有であるものもございますし、また国の所有に属するものにつきまして、池がどのくらいあるかという実態は不明でございます。
○加藤(清)分科員 もう一つお尋ねします。 国有地と称して、市町村ないしは区画整理組合の事業の妨げになるような大蔵省からの御注意のございますそういう池、沼、ため池、それは大蔵省のどの帳簿に記載されておりますか。
○磯江説明員 池のうちには大蔵省所管のいわゆる……
○加藤(清)分科員 余分なことは言わぬでいい。大蔵省のと言っているじゃないか。国有地を聞いている。
○磯江説明員 普通財産として帳簿に記載されているものも若干ございますが、大部分のものにつきましては、大蔵省の国有財産台帳に登載されておりません。
○加藤(清)分科員 それではお尋ねします。そこへ張りました地図、ここへ持ち出しました地図、ここの中で国有地と称する池にしるしをつけてください。
○磯江説明員 この地図は、ただいま拝見いたしましたので、どの部分が国有地であるかは、ただいまちょっと申し上げかねます。
○加藤(清)分科員 大蔵大臣、聞いてください。なぜ私がこういうことを聞かなければならないか。こんなことをやっていたら時間がかかりますよ。が、これも簡潔にいきましょう。いま国家が道路をつくったり住宅をつくったりするのです。その際に区画整理組合をつくりまして案分配分をやるわけなのです。そうすると当然池がつぶれるのです。そうでしょう。もはや池の使命が用水池ではなくなってくるわけなのです。問題は、もとより昔のとおりの農業用として使われていれば、所有権の帰属も、使用権の移転も問題はないわけなのです。ところが、土地が値上がりをしてまいります。使用目的が変わります。使用人も変わります。所有権の移転が行なわれてまいります。そこに全国に次から次へと裁判ざたが起きている。そういう物件について、予算委員会で先年の夏調査して回ったのです。財務局から国税局を主体に、赤津正道さんも野田卯一君も一緒に回ったのです。そのときにもすでに私はこれを聞いて回ったのです。意見まちまち、局ごとに違っておる。ケース・バイ・ケース、みんな違っておる。だから、いま裁判になっておっても、判事でも判定が下せないという問題がある。しようがないから新聞社にお願いしようかという問題がある。事実なのです。それがやがて工事の支障を来たしてくる。だからこの間も、大蔵省が所有権を主張しなさって、これは大蔵省のものだからという話で来られましたから、私が言うた。それじゃ、これはどこの帳簿に載っています、いつからあなたのほうの所有権になりました。所有権を主張しなさるならば、池の修理代を出しなさったことがあるのですか、修理もせぬと、守りもせぬと、それを全部国民にまかしておいて、それで値上がりしてきて移転するようになったら、所有権はおれのものだ。それじゃあなた、所有権になわ張りしてごらんなさいというのだ。なわ張りができないのです、帳簿にも何にもないのだから。こういう問題です。調査ができていますか。
○福田(赳)国務大臣 政府委員がお答えいたします。
○磯江説明員 池の実態につきましては十分調査するに至っておりません。
○加藤(清)分科員 そのとおり。正直です。
○登坂主査代理 主計局長が参りました。
○加藤(清)分科員 私はあなたを責めようとは思っていない。これは太政官布告令にのぼる問題です。正直者がばかを見ておるという結果が生じてきておるわけです。その当時、あの太政官布告のときに欲の深いのはみんな固有名詞にしちゃったのです。ところが、共同で使う池だからというので、正直な町村はこれを国家の所有権にしたわけなのです。しかし、五万分の一の地図はできましたけれども、池の帳簿の整理はそれ以来全然できておりません。ところで、去年畦畔が問題になりました。あぜ道どころの騒ぎじゃございませんよ。池、沼の面積といい、これの利用価値といい、それが今日どうなっているか。本省同士で移転が行なわれます。道路公団のものになったり、あるいは住宅公団のものになったり、このときの管理がまた問題になる。そうこうしている間に、ここへ土地のあっせん業が乗り込んできて、うまく持っていっちゃって、それで自分のものだというて使って、その結果、消防団が管理して火災のときに用水にしようと思っておったものができなくなってしまっている。いや、所有権が移転して取られてしまった。たんぼ権、水面権はみんな没収されてしまった、こういうことが起きているわけであります。それを一々私はここであげつらってどうこうとは言いませんが、大蔵大臣、こういう問題についてどうしようとされますか。畦畔どころの騒ぎじゃありませんよ。
○福田(赳)国務大臣 池の問題というのをきょう初めて伺いまして、問題がきわめて複雑であり困難であるということがわかりました。できる限りこの調査を進めてみます。
○加藤(清)分科員 その地図で見ていただいてもわかりますように、一町村で大体二十町歩から三十町歩あります。山陰のほうに参りましてもその程度ございます。大きなものに至っては、一個だけで三十町歩という池もございます。これが問題になるのです。でございまするから、坪当たり一万円も二万円もするようになりますると、問題がますます波及いたしまして、せっかく公団につくってもらったうちまでが裁判ざたの種になるということに相なっているわけです。これはひとつ農林省、建設省、大蔵省ともになわ張りだけで主張せずに、総合的に、ほんとうに利用者が安心して使えるように、住宅建設に道路建設にこれが協力できるようにすべきだと思いまするが、まあきょうはそういう要点だけにしておきましょう。
○福田(赳)国務大臣 承知いたしました。
○加藤(清)分科員 いつからやられますか。
○福田(赳)国務大臣 これは、おそらく大蔵省だけじゃ片づかない問題だろうと思います。ほとんど各省に関係してくるようなことです。ですから、各省とすぐ相談を始めます。
○加藤(清)分科員 これが閣内意見不統一という問題の一つでございます。 では、最後の問題、住宅建設に伴う区画整理組合に対する予算はどれだけ組まれましたかというのです。全国全体でどれだけございますかというのです。
○谷村政府委員 急に御質問いただきまして、実はそういう用意をしてまいらなかったものでございますから、いますぐお答えができません。
○加藤(清)分科員 私は、生計局長にも出てもらいますよと前から頼んでおいた。耳に入っていなかったのですか。
○谷村政府委員 二分科のほうだったもんですから、大蔵省の関係のことかと思って、よその省の所管の予算のことについてただいま十分な用意をしてまいりませんでした。
○加藤(清)分科員 では、あなたのお手元で教科書予算を剛域なさいましたね。その理由を承ります。
○谷村政府委員 要求は確かにございましたが、いろいろと所管のほうとお話し合いをいたしまして、最後には大臣折衝ということになりまして、最終的には中学の一年までということにいたしたことはそのとおりでございます。
○加藤(清)分科員 それと同じ事件がこれなのです。これも法律違反です。法律できめられておることを大蔵省の意向によって削ったのです。どう削ったか。全体で十一億しかありません。全国で行なわれておる区画整理事業、建設公団に、住宅公団に国民に協力させておきながら、法律によれば三分の一の融資が行なわれてしかるべきだ。ここに国家の公団が入ってくるとか、あるいは国家の道路、地方公共団体の道路が入ってきた場合には、二分の一の補助金があるはずになっておる。ところが、あなたのほうは一体どうなっておるか。全部で十一億しかない。これじゃ一カ所の区画整理にも当てはまりませんよ、この法律による。しかも主計局長は何と言っておるか。いや、主計局長が何と言うたか、あるいは蔵相が言うたかもしれない。大蔵大臣がそう言うたかもしれませんが、一口当たり一億以上は絶対融資はしない。だから、それで削ってこい、こう言うておる。そう言うた覚えはありますか。
○福田(赳)国務大臣 記憶しておりません。
○加藤(清)分科員 じゃ、だれがそう言ったのです。
○谷村政府委員 はなはだ申しわけございませんが、事柄の実態を私詳しく承知しておりませんが、予算のほうから見る話であるのか、それとも何か別のほうから見る話か、私もよく実は存じません。それはまことに恐縮でございます。いまおっしゃったような、一億以上のことを絶対に見ぬとか見るとかいうような話が、予算折衝の過程に、お互いの間にどこかでやりとりがあったかどうか、実は私もつまびらかにいたしません。
○加藤(清)分科員 わかりました。それでは対決させますよ。よろしいですか。一般質問ないしは最後の総括質問で。ここではっきりお答えがあれば、そういうことはさせませんけれども。そのために、片や住宅建設を促進するの、促進するのと言いながら、その促進が阻害されておる事実がある。国道をつくるという、その国道の建設がそのことで阻害されているのです。だから事は重大なのです。目下のところ一件で三十億かかる区画整理組合がございます。一件で三十億の費用がかかる、全体で。あるところでは三十三億かかる。ここに私は一覧表を持っております。しかし、時間を急ぐからやめますけれども、何もこれは一地方の問題じゃないのですよ。大都市周辺では全部このことが行なわれている。いまの池の問題と同じだ。ところで、全体で十一億しか組んでいない。三十三分の一も融資がしてもらえない。補助金なんて全然ですよ。法律は二色になっておるのです。普通、一般住宅だけでするときには三分の一の融資、よろしゅうございますか。ただし、そこへ国家の事業、国道とか何かが入ってきた場合、そのときには、その費用の半額国庫補助と書いてあるのです。見てください。ところが、それへずっと国家のものが入ってきても、補助金はビタ一文もなし。実際ビタ一文もないのです。法律をちょっと読んでください。ビタ一文もなし。三十三分の一の融資だけしか受けられない。そこで、この区画整理事業を遂行するにはどうしたらいいか。金融機関から借りなければならぬが、あるところでは金融機関もなかなか貸さないから、結果はどうするか。区画整理の組合の中から保留分という土地を提供して、つまり土地を供出し合って、それを売り払って、そうして区画整理の費用に提供している、百姓を捨てて。片やどうです。海岸の埋め立ては権利金がばらまかれている。入会権の権利金までがばらまかれている。ところが、百姓を捨てて住宅建設に協力するというと、転業資金もなければ、その工事費も手前持ちである。補助金といい融資といい、法律にあってもゼロにひとしい三十三分の一しか融資がない。なぜそうなったか。区画整理協会から地方自治団体から建設省から道路公団から全部調べてみたら、とどのつまりが大蔵省が一件について一億以上は許さないという、こういうことなんです。これはどうしますか、大蔵大臣。
○福田(赳)国務大臣 よく取り調べまして、追って御返事申し上げます。
○加藤(清)分科員 返事だけではいけません。私はその事実を申し上げた。地図まで持ってきている。うそだとおっしゃるなら、ここがこうだという証拠物件がある。私の言うことが事実であるとするならばどうなさいますか。追って補正でも組まれますか。それとも、補正を組まなければ保留分から出されますか。法律不履行でいかれますか。
○福田(赳)国務大臣 大体そういう際の法律には、予算の範囲内でやるとか、あるいはそういう補助金を出しても差しつかえないとか、そういうふうに書いてあるわけであります。たいがい法律違反ということはないはずです。
○加藤(清)分科員 結論はどうされるのですか。私の言うたとおりになっておったらどうされますか。
○福田(赳)国務大臣 追って調べて御返事申し上げます。
○加藤(清)分科員 御返事はいいけれども、泣き寝入りせよか。法律不履行ということは泣き寝入りということです。法律不履行でいくか、あるいは保留分から出すか、補正を出すか、この三つしかない。
○福田(赳)国務大臣 取り調べなければわかりません。
○加藤(清)分科員 では法律不履行でいかれますか。
○福田(赳)国務大臣 不履行であるのかないのか、そういうことを取り調べまして御返事申し上げます。
○加藤(清)分科員 いつごろまでに。
○福田(赳)国務大臣 早急に。
○加藤(清)分科員 早急とは、この予算審議期間の以内ですか。
○福田(赳)国務大臣 そうします。
○加藤(清)分科員 わかりました。
○登坂主査代理 本日の質疑はこの程度にとどめ、来たる二十八日は午前十時より開会いたし、大蔵省所管について質疑を行なうこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時七分散会