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51回国会衆議院1966/02/25

予算委員会第四分科会 第2号

発言数
165
登壇者
17
会派数
2
開催日
1966/02/25

会議録

坂村吉正自由民主党

○坂村主査代理 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。  植木主査が不在でございますので、私が主査の職務を行ないます。  昭和四十一年度一般会計予算中、経済企画庁所管を議題といたします。  これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。川俣清音君。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 初めから予算についてお尋ねいたしたいと思うのですが、予算のほうは長官でなくてけっこうです。担当の者でけっこうですから、あとで水の問題に入りましたならば、長官の御意見をお伺いいたします。  第一に、経済企画庁のほうにお尋ねをいたしたいのは、経済調査等委託費がございます。特に消費者行政推進調査委託費は年間四百五十万円でやっておられますが、どういうことを調査委託をしておられますか、この点をまずお尋ねいたしたいと思います。

中西一郎総理府事務官(経済企画庁国民生活局長)

○中西政府委員 国民生活あるいは消費者行政に関連しまして、いろいろな生活の諸要素について調査研究する必要があるわけですが、大きなテーマにつきましては、御承知の国民生活研究所がございます。そちらのほうで年度計画をつくって検討を進めてもらっておるわけです。ところで、当面の具体的な調査といいますか、国民生活の実態に近い側面での家計の分析とか、あるいは苦情の内容とかについて、それを調べる場合には、やはり民間団体のほうが適切ではないかというように考えております。そういう趣旨で、幾つかの団体を選びまして調査を委託しておる。主として生活に直結した面での調査研究であるというふうに御理解願います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そういたしますと、いろいろおやりになることの必要性は、私どもはもっと積極的でなければならぬということは認めますが、予算の編成から言うと、目の9の庁費ですね、庁費と14の経済調査等委託費――委託費という表現は使っておりますが、たとえば独身勤労者消費動向集計費、それから庁費のほうでは独身勤労者消費動向調査費となっておる。同じようなことを二つに分けて予算を分散しておるのは一体どういうことですか。なかなか予算を取りにくいために分散しておるのかどうか。

平山正隆総理府事務官(経済企画庁長官官房会計課長)

○平山政府委員 お答えいたします。ただいま先生の御指摘の点は、独身勤労者家計調査と申しますのは、直接被調査者に対しまして調査票を送りまして、実態調査をいたすわけでございますが、その直接に集計いたします費用でございます。それに反しまして、先ほど生活局長がお答えいたしましたものは、民間団体にいわばアンケート調査そういったものを含めまして調査する委託調査そのものでございます。前者は集計費でございまして、後者は委託費でございます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 特にわかりにくいのは、目の9の庁費の一番末端の独身勤労者消費動向調査費が三十八万一千円で、同じく14の経済調査等委託費の中に含まれる五十万八千円の独身勤労者消費動向集計費というのと調査費というのと分れておるわけですが、こう分散しなければならない理由がわからない。一体、調査費などは、三十八万一千円にしましても、五十万八千円にいたしましても、これぐらいな費用で徹底的にやれるかどうか、目的達成ができるかどうかというと、予算は何らかの名目で取らなければならぬ、わずかな予算を取るためにわざわざ分類してやっているのじゃないか。むしろもっと徹底的に、集中的に予算を使うことのほうがより能率的でないか、効果的じゃないかと思われるのです。これは大臣にお聞きしたいのですが、何か大蔵省に対して科目を幾つも分けてやらないと予算が取りにくいというようなことは、日本の財政からいって好ましくないのじゃないかと思うのです。こういうように、わずかずつやっていかないと、なかなか予算がつかない。経済調査というのは毎年計画的にやって初めてその効果というものがあとにあらわれてくるのであって、それにかかわらず、こう分散して幾つも名前をつけて予算を取らなければ取りにくいというようなことになると、ほんとうに一体、予算獲得が目的なのか、調査することが目的なのかわかりにくくなってくるのじゃないかと思うのですが、これについて大臣から御答弁願わなければならぬと思います。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 御説のように、予算は税金を使ってやることでございますから、できるだけ内容が分類されて正確な項目で取ることが望ましいことであることは、これは当然なわけであります。したがって、そういう意味で大蔵省等におかれましても、内容の実態をはっきりさせる、片方は集計的な仕事をする、片方はアンケート調査的なことをやる、こういうことで分類されておるわけであります。ただ、経済動向の調査なんかでは、一年を通じて、ある時期にはこういうことを急に調査したほうがいいんだというふうな流動的な問題もございますので、川俣分科員のお話のようなことも私は非常に大切なことじゃないか。最初予算を取りますときに、予定していたよりももっと重要な調査を必要とするというようなことが、景気変動なりあるいは国民生活の実態の上に起こってまいりますれば、そういう必要があるので、そういう面についてはわれわれも流動的に考えまして、ある程度総括的に取れて、その中で企画庁として目的を達成するようなその時々の調査に集中していくというのが望ましいことだと思います。しかし、前段に申し上げたような事情もございますので、こういうような予算の要求をした、こういうことでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 大体もっと明確にするということになると、庁費の中に調査費など含むというようなことは、これはなお不徹底だと思うのです。経済企画庁は立案の府でありますから、調査が徹底しなければ立案はできないはずでございます。そういう意味で、調査の徹底を期して、立案にあたり、資料を十分確保するということが企画庁の使命だと思う。したがって、庁費の中に入れたり、あるいは調査費の中に入れたり、委託費の中に入れるということよりも、本来の姿をはっきりあらわしたほうがいいのじゃないか。庁費なんかにつけておりますと、従来の予算編成から見ますと、庁費でありますれば雑費の扱いですね。そういう中で一体調査すべきものか。やはり一定の項目を立てたら、計画をもって毎年実施していくということでなければ、調査目的が達成できないのではないか、こう思うのです。庁費につけておるものだから、雑費的な扱いを受けて粗略にされて、毎年これは計画的にやって初めて効果があらわれるのに、雑費に入れておいたのでは、効果があらわれてこないはずだ、こう思うのです。したがって、雑費だから予算が小さくなってくるということになるのじゃないか。わずかな予算というものは、やらないよりましだとも言えないくらいなものなんですね。かえって、立案にあたって誤りを犯すような結果になると思うのですが、これは長官でなくとも、会計課長でけっこうですから、はっきりしたお考えをお示しいただきたい。

澄田智総理府事務官(経済企画庁長官官房長)

○澄田政府委員 ただいま御指摘のような点もあるかと思いますが、実はこれは予算の技術的な分け方で、従来からやっておりますような点もございます。たとえばいま御指摘の調査委託費と庁費との関係でございますが、庁費の部分にあがってまいりますものは、同じ調査でありましても、それに基づく印刷製本費でありますとか、それから通信費等、あるいは会議を開きます場合の会議費というような、もろもろの調査に伴う雑費を庁費に計上いたしました。それに対しまして、調査の本体と申しますか、調査の内容を外部の機関であるとか、あるいは学者であるとか、そういうところに委託して調査をしてもらう、それらのものは調査委託費のほうに入れてくる、こういう関係がありまして、同じ名前のものが9の目の中に入ったり14に入ったりいたしまして、はなはだややこしい形になっているようでございますが、これは調査について常にこういう形になるような事項があるわけでございます。予算の技術的な点もございますので、なるべくわかりやすく、しかも一括してその重要性をはっきりすることができるようにいたすつもりでおりますが、どうしてもこういう項目が出てまいりますので、御了承いただきたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 私はわかりにくいということでなしに、調査を徹底させるからには、あるいは雑費もあるでありましょうし、いろいろなものがありましょうけれども、それが相またなければ調査は完了しないでしょう。それなら別に庁費の中に入れたりせぬでも、庁費ということになると、これは目の中に入っておりますから流用ができるわけですね。そんなことではなしに、やはり一定の方針を立てて、毎年これを継続してやるのだということの力がなければ、調査は完了しないであろうし、立案の基礎になるものも得られないであろうという憂慮があるのです。見にくいということだけではなしに、やはり調査というものを徹底させなければならぬ。これが必要なんだということを徹底させることが必要なんじゃないか。これは庁費の中で雑費も補う、そういう場合も出てくるでありましょう。しかし調査なら調査というものの目標をはっきりさせて、それで一体十分なのかどうか。ことしはこれをやったけれども、来年はこの予算では足りないのだということが出てこなければ、調査の完遂はできないのではないか。調査というものは非常にじみなものです。それだけに、はでなものには予算が食われるけれども、じみなものはとかく粗略にされやすいので、しかも企画庁として一番重点に置かなければならぬ諸情勢の調査でありますから、もっと重点を置いてはっきりする必要があるのじゃないか。それで予算が足りないかどうかということを私どもは検討したい、こう思うのであります。方々にあるということであるならば、一体どれだけほんとうにやるつもりなのかということがあいまいになってくるので、明確にしたほうがいいのじゃないか。それのほうが出た結果に対して期待がかけられるのじゃないか。何か雑費でやっていると、その結果が完ぺきなのかどうか、むしろ結果について疑問が出てくる。予算が見にくいのではなくて、雑費や何かでやっているということであるけれども、本来の仕事をやっているのか、ひまがあればやるというのか。特に私が問題にしたいのは、長官、国会の庁費の中に医務室の費用があって、独立した予算項目が立っていないのです。庁費があれば医務室は整備するという。国会で国会議員の生命をあずかっておる医務室が雑費支出になっておる。そのほうが便宜だからというのです。何かあった場合にはふやしてもらうことができる、こういうのです。医務室を置くからにはやはり一定の目を立てておかなければならぬはずだと思うのですけれども、従来こういう庁費でほかのほうもやっているのだ、こういうあいまいな態度だ。したがって、薬がなくなった場合には、一週間なり十日なりそろえかねるというような事態が起こってくる。かぜが流行すると、雑費だから薬まで不足する。国会議員の薬まで雑費という扱いをしている。厚生費じゃないのです。こういうやり方を改めていかなければならぬのじゃないかと思うものですからあえて――医務室などはここの問題ではないのですけれども、いま調べてみるとそうです。一体、議員も予算審議をしながら、分科会を置きながら、予算項目についてはあまり検討もされない。中には大臣でも予算書は見たことがないというおそろしい結果も出てくるわけです。別にこまかく見なければならぬということはありませんよ。しかし、とかくはでな問題は表に出てくるけれども、じみな問題は下積みにされるおそれがありますので、あえてここで強調しているわけですから、大臣、このあり方についてひとつ御検討願わなければならぬと思います。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 非常に企画庁の調査機能その他を尊重していただいた御議論、従来の慣習もありまして、そういうような取り扱いをしてきたと思います。したがって、そういう問題については、いま医務室のお話もございましたので、大蔵省等と関連もございましょうから、今後御趣旨に沿うように、できるだけ庁費その他については、企画庁の生命であることはむろんでございますし、そのデータが狂うことによって判断も誤るわけでございますから、十分ひとつ戒めてまいりたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 これ以上別に追及するなんということではなしに、将来のあり方として検討してもらわなければならぬのじゃないか。それから調査という問題がありますが、やはり五カ年継続して調査をするということで初めて調査結果が国民に活用されるし、いろいろな政府の立案にも役立つと思うのです。やはり一定の項目が立って、これを何年間は遂行する、こういうことでなければ意味をなさないのじゃないか。わずかながら毎年ちょびちょびとやっておっても効果があらわれてこないというのが、私の憂慮しておる点でありまして、予算につきましても、毎年やはり継続してこれはやるのだ、そこに価値が出てくるし、私どもそこで大いに利用したい、こう思うのです。関連性がない、ぶつぶつ切れた調査なんというものは、経費をつけられたにしたって、全く使い道がないのです。五年とか七年とか、関連性を持って毎年やられるところに非常に力強い調査があらわれてくるということを期待しておりますので、この意見を申し上げたわけであります。  それから、これは長官にお聞きするのは少し御無理なような気がしますが、目の16に国有資産所在市町村交付金というのがございます。十九万八千円で、ごくわずかでございますが、市町村に対して交付金を定率で支払うという予算でございますが、定率というのはどういうことでしょうか。もっと先を言いますと、定率というのでありまするから、おそらくいまの資産の評価額で定率で支払うということだろうと思います。そういたしますと、固定資産税の値上げを見込んだのか、見込まないのか。これは固定資産税の増額を見込まれない交付金であろうと思われる。一体、政府としては増額を見込むのが方針なのか、見込まないのが方針なのか、ここをお聞きしなければならぬ。これは非常に答弁しにくいことだと思いますが、あえてお聞きしておきます。

澄田智総理府事務官(経済企画庁長官官房長)

○澄田政府委員 ただいま御指摘の点は、経済企画庁の場合は国有財産を持っておるのがごく少のうございまして、職員の住宅でございます。これは蒲田と渋谷の二カ所にございますが、その分につきましての国有財産研在市町村に交付金を出す。まあ一般の官庁が国有財産に対してやっております、それでございます。そうしまして、金額は前年度に対しまして今年度ふえておりますが、これは新しく渋谷に宿舎ができまして、その分でふえておりまして、前から引き続いてあります蒲田の分は同額を計上いたしております。したがいまして、固定資産税の問題とは一応無関係なような形に計上されております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 無関係じゃないのです。固定資産税の見返りとしての交付金です。これが民間の所有者であるならば固定資産税がかかるものを、国有地なるがゆえに免除されておるけれども、別な形で固定資産税に見返りする交付金を出そうという趣旨でできておるので、固定資産税と同率の方向でなければならない。したがって、固定資産税を上げないというならば従来どおりの予算でいいのですが、何か上げるかもしれない。あるいは一方においては地方財政計画等において固定資産税の増税を見込んで配分しておる、こういうことでしょう。一方は増税を見込まない予算を立てる、一方は増税を見込んだ予算を立てる。同じものを支払い側になると増税はないのだ、取得側に対しては増税はあるのだ、こういう予算の立て方はどうですか。これは大蔵省から査定を受けたときに従来どおりになったと思うのですが、これは経済企画庁が悪いのじゃない、大蔵省の査定が従来どおりという査定をしたのであろうと思うので、大蔵省自体がおかしい。企画庁あたりは増税になるかどうかわからなかった、こう言って言いのがれられるわけです。法律によると、増税になっていないんだから、従来どおりでいいだろうという予算の組み方をしても、これは誤りじゃない。査定をする大蔵省は、いや、ことしは増税をするのだということになると、交付金を増額しなければぐあいが悪いではないかという話し合いがなければならなかったはずだ、私はそう理解をする。支払い側に立つほうは、いや従来どおり、一方の市町村に対しては、いや増税になるんだ、こういう言い方をしておるということは不当じゃないかと私は思うので、経済企画庁は検討されたのか、いや従来どおりだ、法律に従って従来どおりだ、こう考えるのか。いま政府の法律の解釈が二様になっているでしょう。そこであえて問題にしたわけです。企画庁はごくわずかより持っておられませんから、金額的には問題じゃないのですけれども、考え方としては非常に重要だと思うのでお尋ねをしたわけです。これは長官、いろいろな方面に関係してくるので答弁しにくいであろうから局長でいいですが、この点は検討されたのか、されないのか、従来どおりでいいというふうに考えてやったのか、この点だけでよろしいのです。

澄田智総理府事務官(経済企画庁長官官房長)

○澄田政府委員 先ほど申し上げましたように、これは各省庁にわたっておる問題であります。私どもといたしましては、各省庁でやるのと同じように、今回もいたしまして、特別に固定資産税との関連において検討というようなことは、この際はいたしておりません。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 これはただいま聞きおくだけでけっこうなんですけれども、政府の方針は一体どっちなのか、不明だということになると、各省庁とも、従来の方針で値上げはないものとして取り扱いをされておる。増額がないものとして取り扱いされておる。企画庁も同様取り扱っておる。しかし予算の本委員会で問題になったように、四十一年度から増税をするのだ、増税と申しますか、評価がえをするのだ、こういうことになってくると、一様に増税の結果になりますので、交付金を増していかなければならない。義務を負うほうは問題にしないでおるということは、政治としては手落ちじゃないか。これは閣議においても御検討願わなければならぬので注意を喚起するにとどめたいと思います。  次に、水資源の問題についてお尋ねをしたいのですが、関係の局長はおられますか。経済企画庁の予算項目の中に、水資源開発審議会の予算が百十九万七千円とここにございます。この審議会は何回くらい開かれて、どのような検討をされたのか、概要をひとつ御報告願いたい。審議会の概要を資料で出していただきますればなおけっこうでございますが、この際ひとつ御報告を願いたい。

池田迪弘総理府技官(経済企画庁水資源局参事官)

○池田説明員 ただいまの審議会の開催回数でございますが、これは手もとに持っておりませんので早急に資料を取り寄せて御説明申し上げたいと思います。  なお、審議会におきましては、本年度につきましては、昨年の五月十八日、利根川水系におきます神戸ダムの追加を審議していただきました。また、淀川水系につきましては室生ダム、正蓮寺川利水の審議をしていただきました。なお、その際に木曽川水系の指定について審議をしていただきまして答申を得ております。  次に、昨年の十二月十四日に筑後川基本計画につきまして答申を得ております。審議会につきましては、本年度におきましてはこの二回でございますが、この内容にありますように、まず水資源開発基本計画、これは水系にわたるものでございますが、これの審議をしていただくことと、それからその計画の中の第二項として各事業が掲上されておりますが、その事業の内容について審議していただいております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そこで、さらにお尋ねするのでありますが、どういうような諮問をしておられますのか。審議会の例を見ますというと、おそらく企画庁から諮問案を出して、それで検討を受けておる、こういうふうに理解をいたしておりますが、この水系をどのようにしていくことが望ましいのかというようなことをやっておられるのか。これを水資源として取り上げる、水系を取り上げるというだけなのか、それを一つ。

池田迪弘総理府技官(経済企画庁水資源局参事官)

○池田説明員 いままでに水系の指定につきまして諮問をいたしましたのは、すでに指定を見ております利根川、淀川、それに筑後川、さらに昨年は木曽川、この四水系について指定を見たわけでございますが、その際、諮問といたしましては、その地域の産業の開発、発展、人口の集中が非常に目ざましくて、広域的な用水対策を講じなければならない。その用水の供給をどこから受けて、どのような形で受けるかということについて、まずそれを指定すべきであるかどうかという諮問であるわけであります。  その次に、その水系につきましての水資源開発基本計画の案を一応つくりますが、これを審議会の審議にゆだねまして、答申を得て企画決定をすることになっております。その場合に、利根川におきましては、四十五年を目標にし、淀川も同様四十五年でございますが、筑後川におきましては昭和五十年を目標にしまして、水利用につきまして内容を審議していただいておるわけでございます。   〔坂村主査代理退席、主査着席〕

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そこに私は疑問を非常に生ずる。水系を指定するということになると、おもに産業及び人口の増大に伴いまして水の必要性を強調して、それで指定をするということはもっともだと思いますよ。そのこと自体に誤りはないと思います。いまの日本で、これは建設省も企画庁もそうでしょうが、水文学において十分な検討もなされておらないときに、一番問題になるのは、水の需要のほうについてはわりあいに的確につかんでおられるようです。これは間違いないようですが、一体、供給源が持続できるのかどうかという検討は、一つもなされていないのじゃないか。新しくいろいろなダムがつくられますけれども、そのダムに入るまでのほんとうの水系についての検討はないのではないか。私は、おととしですか、矢木沢ダムの上流を見てまいりました。こんなことでは、せっかくつくったダムが効率があがるのかどうかという非常な疑問を持って見てきた。あそこまで足を運んだのは、建設省でもなければ、経済企画庁でも運んでおらないようですね。ヘリコプターで少しくらいごらんになったほうがいいんじゃないかと思うのですけれども、全然お調べにならないで、いやこの下流にこれだけの需要があるんだ、この辺につくらなければならないんだ、それはよくわかります。必要性だけはよくわかります。だけれども、一体、供給できるのかということが水資源の調査でなければならないと思います。供給力のないものをつくっても、効率もあがらないし、予算についてもせっかく金をかけていながら、国費をかけていながら効率のないものをつくるということはむだなことだし、期待だけかけさして、活用ができないという結果になるのじゃないか。まず、基本的には、水文学をもっと検討することが必要であると同時に、実際ダムをつくるときには、その上流をもう少し踏査しなければならないんではないか。わりあいに雨量などは資料を見まして調べておられるようです。しかし雨量がどんな背斜面に降りそそぐのか、それがどれだけ地下水となってわき出てくるのか、そういう資料は、持っておられないじゃないですか。これだけの降雨量があるという調査はやっておられますよ。いま資料を出していただければわかりますが、そういう降雨量についてはやっておられるようです。何月はこれくらいの雨量だ。それが一体地下水に入っていくのか、蒸発するのか、そういうことになりますと、あまり検討しておられない、あまりどころか、全然やっておられないのじゃないかと思うのですが、ですから審議会は何をしておられるのですかということをお尋ねしなければならぬのは、そういう点なんです。

池田迪弘総理府技官(経済企画庁水資源局参事官)

○池田説明員 ただいまの上流に予定されておるダム地点においてどのくらいの年間流量があるかという問題につきましては、予備調査並びに実施計画調査の際に、直接的には数年間といいますか、流量観測をいたします。なお、マクロ的には、その地域の降雨量と過去の資料に基づきまして、これは河川によりまして九十年あるいは三十年というふうな違いはございますが、観測点というものを常設してありますので、その地点におきます流量を毎年調査をやっておりますので、これらから一応集水面積等の比較におきまして、調査に入る前に、この地点にはそれだけの流量があるという補足はするわけであります。その後も観測をしておりますが、ただその流量があらわれていない分につきましては、蒸発並びに浸透あるいは地下水になっていくというふうなことで、これの量につきましては、概括的には把握できますが、地形によって違い、あるいは造林状況によって違いますので、画一的には言えない、そういうふうなことでございます。また雨量にしましても、地域的な強弱がございますので、はたしてどれだけかということは確定はできませんが、大体三分の一近いものが逃げていくというふうには考えておる次第であります。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 もちろんその山の奥の林相の状態、傾斜度の問題、あるいは土質の問題等によって異なることはおっしゃるとおりです。そういうことを審議会で検討するのが目的でなければならぬ。これだけの人口あるいは産業状態からいって、水の必要量などは、あえて審議会の議を経ないでも、これはこの産業統計でも明らかに出てくることです。そんなことをあえて審議会にかけないでも、もっと根本的なものを検討してもらうということが必要なのじゃないか。そこで審議会は何をしておられますかということをお聞きしたがったのです。大臣、どうでしょうか。東京都でこれくらいの水の需要があるというようなことは、あえて審議会をまたなくてもできないわけではないのですよ。もっと根本の問題を審議をしてもらうという水資源審議会の必要性が生まれて審議会をつくられたのではないか、そう私は理解をしているのですよ。私の理解が間違いであれば間違いだと指摘していただいてもけっこうです。一体どれくらいの、大阪なら大阪、その他の地域にどれだけの水の需要量があるのだという調査は、そう困難な調査ではないと思うのです。こんなものは審議会をまたなくてもけっこうです。むしろそれに対してどう供給をしていかなければならぬかというところに審議会の使命があるのではないかと世間ではみなそう私のような理解をしているのではないか。どれくらいの水の量が必要かということを審議会が検討しておるとは思わない、必要なことぐらいはだれでもわかっておるだろうという理解が国民の理解ではないかと思う。一体どうしてその水を供給してくれるのかということが要望になってあらわれておると私は思う。そういう意味で、それに対応するために審議会をつくった、こういうことになっているのではないかと思うのです。これは私の考え方ですよ。私の考え方が誤っているならば誤っていると指摘されてもけっこうです。誤っていないなら、なぜおやりにならなかったか、ただこんな審議会をつくりさえすれば水が来るのだという無責任なことは許されないのではないか。審議会をつくったからと安心させておく。前の国会の答弁を見ると、審議会をつくったから今後は十分に水については配慮いたします、こういう答弁なのです。どのくらい必要量があるのだということについては、あまり問題にならない。それは供給できるかという立場から、どのくらいの需要量があるのだということにはなりましょう。局長、せっかく勉強になっておるので、審議会の審議の内容をお聞きしたい、こういうことになったわけですから、御答弁願いたい。

池田迪弘総理府技官(経済企画庁水資源局参事官)

○池田説明員 ただいまの水量がそこへなんぼあるかということにつきましては、先ほど申し上げましたように、直接的には流量の観測によって毎日の流量の変化を調査しております。そこで、どのくらいのダムを構築するかは、利水の面あるいは洪水防止の面から事業の規模がきまるわけですが、そのために入る水の量はやはりダムで調査をすることを前提といたしましたマスカーブをやりまして、これも豊水年でなくて渇水年を想定いたしまして、そのときの雨の降り方によってどれだけ水がたまり、操作によってどれだけ流れるか、いわゆる下の需要あるいは洪水調節を行ないながら、その水がどのように変化していくかという調査は確実にやっておりまして、ただダムをつくるだけではございません。その結果資料は一応整理いたしておきまして、水資源開発審議会におきましてはその前に部会がございまして、そういう内容についても御質疑のある場合にはもちろん御説明いたしますが、ただ、非常に技術的な図表なりあるいは計算書になっておりますので、それを直接にお見せするようなことはいたしておりません。しかしながらこれは別に隠すものでもございませんので、資料要求があればいつでも出せる準備はいたしておりまして、また部会の専門委員の先生方もそういうふうな点で非常に経験の豊富な方に入っていただいておりますので、一応その先生方の御批判も仰ぐというふうな形で、水資源審議会のほうへ申し上げるようにいたしております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 私、審議会の委員の方々に対してけちをつけるなんという考え方は一つもありません。しかし、日本の水文学が十分でないのですから、そういうところから妬むべきだというふうな意見が審議会で出れば、私は非常にその意見を尊重したいと思うのです。そうでなくて、私の知る限りにおきましては、洪水時の調節を主に専門でされるというようなことはやっておられるようですけれども、しかしもっと上流のこのダムにどれだけの水が年々供給できるのかという、林相やそういうものについての検討が足りないのではないかと思うのです。というのは、私この前も阿賀野川の鹿頼発電所の上流地帯を見てまいりましたが、伐採面積がどんどんふえていきまして、林相がだんだん悪化している。これは土砂の流出がございまして、せっかくダムをつくったのに、間もなくダム効率が下がるような結果が出てくる。土砂をダムの中に入れるのは、効率が下がるのです。みないい水、必要なものは流してしまう、不必要なものを沈でんさしておくというようなことでありますならば、ダムの効果というものはないでしょう。上流の山相や林相、こういうものに対して無関心なのではないか。ダムをつくることには熱心だけれども、水を供給することについては検討が足りないのではないか。これはもっと審議会あたりで熱心に討議されるべきじゃないか。中に一人、二人専門家がおりましても、さらにその水源地について検討するというようなことがないようです。そういう点について欠けるところがあるのじゃないか。私、審議会の人の人物を批評する気はないのです。そういう意味じゃなしに、総体としてこういう検討がもっと真剣になされるべきじゃないか。そういう諮問をされるべきじゃないか。だから資料を出してほしい、出てきたならば、その資料に基づいて私は意見を述べたい、こう思うのです。大体私も知らざるわけじゃないが、資料が出ないうちに私がかってに想像することは避けたいと思うのです。大体予想はできますよ。これは私の予想のもとにおいての質問ですから、資料が出ればあらためてひとつ問題にしたいと思います。これもけちをつける意味は一つも私はありません。自分でみずから足を運んでみて、鹿瀬ダムのごときは数年にして発電所の能力が低下するのじゃないかと私は思うのです。棄北電力に注意をしております。林相の改善、同時に上流地帯の渓床と申しますか、渓流のあるところの盤の床ですね。そういうところに対してあのまま放任しておくならば、効果が逓減するという警告はしておりますよ。そういう意味で、ここで御検討されておる内容を承りたい、こういうことなんです。それをやらなければ意味ないじゃないか、私はそう思うのです。せっかくいい機関をつくられたのだから、もっと活用しなければならぬじゃないか。こういうことについてどうですか。

池田迪弘総理府技官(経済企画庁水資源局参事官)

○池田説明員 ただいまの御指摘の点でございますが、確かにダムができたあとでの堆砂について、それをいかに放出するかということについての上流全体としての対策には、御指摘のとおり欠けている点が多々あると思います。ただ、先ほどダムをつくるまでは一生懸命にやっておると言われましたが、確かにつくるまでは堆砂量というものは、このダムには上流の形からあるいは地理的条件からどのくらいの堆砂量があるであろうということは一応検討いたしまして、堆砂量としてそのダムには、たとえば利水であれば五十年間にはどのくらいたまるであろうという想定のもとにつくるわけでございまして、その後の始末が十分にいっていない個所が相当ありますので、御指摘のように、それが予定された年以前に埋まるというようなことはあり得ると思います。ただ、そういう場合にも、先ほど申し上げました部会におきまして現地調査も一応していただく。しかし、それもダム地点程度ぐらいで、そう上流まで行ってみるということはやっておりませんが、その点につきましては、今後よく気をつけてまいりたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 時間がないから先を急ぎますが、私、いつも例に引くことで、関西電力、中部電力ですか、長野県の濁川ダム、これは百七十五キロですかの発電能力を持った設備をいたしております。黒部の奥にありますが、いま行ってごらんなさい。機械を据えつけたまま撤去もできないで、発電能力がとまっております。大臣、こういうことが電力料金の値上げに加算されてくるわけですね。能力のない発電所を持ち、撤去もできないというために固定資産の償却もできない。それが電力料金にはね返ってきておる。そういうことをなくしてやることが水資源審議会の目的でなければならないと私は思うのですよ。阿賀野川の水系は非常に落ちついた、いい水系なんです。下流はいいけれども、上流はどうなっているか、水源地はどうなっているかという検討になると、足りないのです。阿賀野川というのはわりあいにいい水系になっております。御承知のとおりです。下流はいい水系ですよ。しかし、一歩前のダムをつくった上流はどうなっておるのかという検討なしにやられたのではないかと思われる。ここには国有林もありますし、民有林もあります。民有林のほうは伐採が終わってしまって、表土がはげかかっております。少し洪水がありますと、豪雨がありますと、当然土砂が流れることになる。従来はこのように流れていなかった。こういう山が荒れたあとの変化というものを全然お考えにならない。このごろずいぶん科学的なということばをお使いになりますけれども、事、こういうことになりますと、科学的なということばは使えないような状態です。だれにでもわかる状態です。そういう点を専門家が検討してやることのほうが私は必要なんじゃないかと思う。せっかくいい機関ができた。りっぱな機関なんです。これを企画庁は活用するということが使命だと思う。ただ審議会をつくれば何とかなるであろうということでは、無責任だと私は思うのです。これで質問を終わりますから、大臣、この点について御答弁願いたい。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 お話しのように、水資源の長期的な確保という問題は、水源地の整備ということが必要であると思います。いまこの審議会においても、参事官の話のように、現状において十分満足すべき状態を検討された。ただ、いまお話を伺っておりまして、長期にわたって山林が伐採されるというようなことの想定が不十分じゃないかということもうかがわれます。同時に、山林伐採のあれが不十分であるというばかりでなく、水資源の関係というのは、やはり山林資源を伐採はしても、少なくとも現状のような形で維持していくということが、長期にわたって必要な行政上の措置じゃないかと思います。そういうことでございますから、水資源審議会がきめました状況に立って、こういう基準でもって水資源は確保されるのだから、山林伐採についても、それぞれ計画的に伐採をやるなりなんなり、今後アフターケアの問題をもう少し十分に、これは関係当局がおられることですから、関係各省に、水資源を扱っておる企画庁の立場から、あるいは水資源の審議会の立場から強く勧告して、それが実行されていくようにされることが私は必要じゃないかと思います。したがって、水資源の方々も熱心にやっていただいて、現状分析その他については十分だと思うのですが、あとのアフターケアの問題については、おそらく現状が維持されるものという観点から、行政庁もそう考えられておると思います。そういう点については、われわれ企画庁の行政の上で、各省に対する勧告なり調整なりという立場に立って、それらの行政について今後十分な配慮をしてまいるということが必要じゃないかということを、いまの御質問で私ども十分考えさせられた問題でございますから、そういう問題に対して善処していくつもりであります。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 この一問で終わりますが、考え方はなかなかいいと思うのです。ただ、それを実行に移してもらわなければならないということが一つ。それから、もう一つの検討は、林業のほうから言うと、伐採したあと、経済効果の高い針葉樹を植えていくということになると思います。これもけっこうだと思いますけれども、水資源から考えると、針葉樹だけでいいのか、むしろ水の停滞性の強い、木の葉が落ちる濶葉樹等を混林さしたほうがいいというような問題もあると思う。これは土壌の関係にもよると思いますけれども、農業の面から言うと、経済効果の高いものを植えたい、水資源のほうから言うと、資源の培養に役立つような林相が望ましいということになって、必ずしも一致しないわけです。そこで、形式的には保安林というような名前で伐採を制限したりいたしますけれども、一体、指定しただけでいいのかどうか。水資源から言うと、さらに水資源が確保されるような林相に改善されていかなければならないのじゃないか。そういう問題ももっと検討してほしい、こう私は思うのです。それが望ましい検討じゃないか。大臣、熱心におやりのようですから私は期待しますけれども、どうかもう一段鞭撻をしまして、特に東京都のような――残念でございますが、これは大臣、御存じでしょうが、熊澤蕃山の例を引けば、江戸城を築くときに太田道灌が東京の水系を調査しておりますね。えらいもんですよ。いまの東京都なんかは水系も何も知らない。まあ政府がやってくれるということに期待しているのかもしれませんけれども、無関心なんです。目の前の住宅対策というようなことについては、市民がやかましいからすぐ手を打っておるようですけれども、これでも十分じゃないでしょう。太田道灌がせっかく見つけた井頭公園はどうなんです。年七十万トンの湧水量を持っておるものを枯渇させているんです。私、国会で指摘したところが、いや池はそのままにしてあります、決して住宅など建てません、こういうことなんですね。冗談じゃない。あの木がはえておった台地がみな住宅になった。したがって、湧水がないじゃないですか。池は確かにつぶれてませんよ。池はつぶしてないといばっているが、あの台地にみんな住宅を建てた。そのためにわき水がなくなった。七十万トンの湧水量を持ったものが枯渇しておる。それで今度東京都だけでは足りないからということで神奈川県から供給を受けている。自分の持っているところの水資源を枯渇させて、足りないからよそだ。あるいは多摩はどうですか。あれも東京都の海抜からいってもちょうどいい海抜にあって、自然流水ができる多摩の水系を持っておるでしょう。これを必要だからといって国有財産から払い下げを受けて、何をしておるかというと、東京電力に売ってしまった。自分の持っておる水源を尊重しないで売り払っておいて、水が足りないなんということを言っておるような状態です。こういうことに対して注意を喚起するのが水資源審議会でなければならぬ、私はそう思うのです。どうぞそういう意味で、もっと検討しなきゃならぬ問題をたくさん残しておるということの注意を喚起いたしまして、私の質問を終わります。

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 これにて川俣清音君の質疑は終了いたしました。  次に、石田宥全君。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)分科員 長官にお伺いしたいのでありますが、消費者物価値上がりのたびに生鮮食料品の値上がりが非常に大きなウエートを占める。そのたびに流通機構の問題が問題になる。対策がいろいろと論議されまするけれども、必ずしもその対策が当を得ていないように思われるのでありますが、生鮮食料品の消費者物価全体の中に占めるウェートはどの程度であり、また、特に蔬菜などについては、その増産の程度と価格の暴落の程度、また不作の場合にどの程度の減産がどの程度の価格の上昇を招いておるかということについて、たぶんお調べがあるであろうと考えまするので、ここでひとつお伺いをいたしたいと思います。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 生鮮食料品が非常に上がっておりますことは御承知のとおりでありまして、こまかい点は局長から申し上げますけれども、大体ここ逐年ずうっと上がっておるのでございまして、生鮮食料品だけ考えてみますと、三十六年が前年に対して一四・六%、それから三十七年が一四・七%、三十八年が一一・九%、三十九年は、初めてこの年だけが上がらない年で〇・一%、それから四十年が一四・一%というようなことで、三十九年を除きますと対前年度比一〇%以上という統計になっております。  それから物価指数に対する寄与率から申しますと、全体の総合物価の指数を一〇〇としてそれが三十六年は三三%に上がっておる。それから三十七年が二八%、三十八年が二一%、それから三十九年が一%、四十年が二七%、本年は二七%、大体平均しまして二、三割、物価上昇の中での寄与率ということになっております。  なお、こまかいことは局長から申し上げます。

中西一郎総理府事務官(経済企画庁国民生活局長)

○中西政府委員 野菜のCPIのウェートでございますが、全都市では三五四――一万分の三百五十四でございます。東京はそれより少し高くて三六六であります。これは三十五年の家計調査をもとにいたしておりますので、最近では相当変わっておるということは考えられます。  なお、減産あるいは豊作の場合の価格に及ぼす影響というお話でございますが、これは非常に計算もむずかしいのですが、原則的には古いキングの法則というのがありましたが、そういうことで減産になった数量よりも価格の値上がりのほうが多く、また増産になった場合には、その割合よりも値下がりの度合いが大きいということは、間違いないと思っています。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)分科員 最近の蔬菜の暴騰、暴落について、ある専門の学者はこういうデータを出している。蔬菜の二〇%の増産が価格を三分の一にしておる場合がある。二〇%の減産が価格を三倍にしておる場合がある。こういうことを指摘しておるのです。私も実はいろいろ調べてみたのであります。かつて私も蔬菜づくりをいたしたものでありますから、関心を持っておるのでありますが、そこでその数字が妥当であるかどうかは別として、そういう傾向にあることだけはいまお認めになっておるように受け取ったわけですが、そこで問題は、わずかの増産が非常な暴落になり、わずかの減産が非常な暴騰をきたすということの陰に、実際の取引の上にはどういう事態があるか、ここに私は問題をしぼってきょうは御質問を申し上げたいと思うのであります。  今日の生鮮食料品の価格形成は、おおよそ中央卸売市場において行なわれているわけです。中央卸売市場というものは、この法律を見ますると、ことごとく政府の許可、認可のもとに運営が行なわれておる。開設者は都道府県知事でありますけれども、ことごとく政府が許可、認可の権限を持って運営が行なわれておるわけであります。けれども、その運営が必ずしも公正、妥当であるとは、遺憾ながら言えない実情なんです。たとえばここ数年来の問題を見ますると、総理大臣も常に非常な関心をお持ちになっている。佐藤総理大臣は先般大阪の東部市場や中央卸売市場を御視察になって、いろいろ意見も述べておられるのであります。しかし、どうもとかく人気取り的な発言に終わって、大事なところにほとんど触れておらない感じがいたします。昭和三十八年の七月には荷受けの手数料を五厘引き下げをいたしまして、政府は当時ずいぶん手柄顔をしておった。またマスコミも大きく取り上げまして、五段抜きくらいの記事で荷受けの手数料五厘の引き下げを宣伝いたしました。しかし、その五厘のうち、半分は仲買い人に負わせ、半分は生産者に負わせておりますから、結局は生産者と消費者にしわ寄せをされて、荷受け機関は痛くもかゆくもない、こういう結果になっておるわけであります。ことしの予算を見ますると、ずいぶん総花的に六項目か七項目予算が上がっておりますけれども、見るべき金額というものはございません。これでは市場の機構そのものにも問題があり、同時に運営も必ずしも適切なものとは言いがたいのでございまして、何かここで食糧行政の上で、消費者行政の上で、あるいは価格安定のきめ手となるような施策を講ずべきであろうと思うのでありますが、予算面は非常に貧弱でありますけれども、しかし、政府としては、これだけ物価問題がやかましいときに、これに対して何らかもっと積極的な見解があってしかるべきものであろうと思うのであります。これは長官の御意見も伺いまして、同時に直接中央卸売市場の監督の責任者である農林省の経済局長の意見も承りたいと思います。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 生鮮食料品の流通過程の合理化と申しますか、あるいは整備と申しますか、そういう問題については、十分われわれも野菜価格の安定とそうして流通に伴う経費の削減というようなことについて考えてまいらなければならぬ点でございまして、したがって、過去の慣習その他につきまして、やはり再検討をしてみるというようなことも必要ではないかとわれわれも考えております。いま鋭意そうした問題について、物価問題は非常に重要なときでございますから、各方面の御意見を伺っておるわけでございます。そういう考え方がまとまってまいりますれば、やはり生鮮食料品の物価に対する寄与率というものは先ほど申したように高いのでありますから、何らかの形で改善していかなければならぬ、こう考えております。

森本修農林事務官(農林経済局長)

○森本政府委員 中央卸売市場に対します対策でありますが、われわれといたしましては、一つは中央卸売市場の施設を拡大する、あるいは整備するといったような問題、それからもう一つは、市場内におきます取引が迅速かつ適正に行なわれる、それから三つ目には、中央卸売市場内の業者の機構といいますか、そういうものが簡素強力になる、そういうふうな観点から行政を進めてきておるわけでございます。  第一点の市場の整備でございますが、これは御案内のように、すでに八カ年計画を立てて年次的に推進をいたしてきており、財政的な補助あるいは地方公共団体に対する起債の確保といったような点についても、年々努力をいたしておるわけであります。  それから市場取引の問題でございますが、これも必ずしも御指摘のようにまだ十分とはいえない点がございましょうが、三十八年以来、閣議決定に基づきまして、あるいは市場内における価格形成が公正に行なわれるというふうな観点、あるいは取引が能率的に行なわれるといったような観点から、数種の取引所の留意すべき事項につきましてせっかく指導を強力に加えてきておるということであります。  それから取引機構の問題は、特に仲買い人の数が多い、あるいは零細であるといったような市場につきましては、できるだけ統合あるいは法人化を進め、その間の繁雑な機構をできるだけ簡素、強力にしたい、こういうふうな、大まかに申しまして、三項目についで施策を進めておるわけであります。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)分科員 いま局長のお話しになったような点が確かに問題であろうと思うのでありますが、しかし、予算を見ますと、起債のワクだけがちょっと大きいものがありますけれども、実に施設整備補助金のごときは五億五千万円、問題にならない額なんですね。これは経済企画庁長官もよくお聞きを願いたいのでありますが、見るべき予算がないのです。幾ら経済局長が大きなことを言われたって、予算のないところに仕事はできないのです。  そこで、ここに問題がありますが、同時に卸売り人に対する監督と申しますか、これは、かつては神田市場でマル東事件というものが起こって、非常な不正や汚職がその後もあとを断っておりません。近くは昨年の京都の市場事件というものがありますが、これは九牛の一毛で、全国ほとんどの市場で同様な行為が行なわれているといわれております。三十六年に中央卸売市場法の改正が行なわれまして、私もその審議に当たった一人でありますが、当時、衆議院の農林水産委員会は満場一致をもって抜本的な改正を議決をし、政府に要望してまいりました。しかしながら、いま申し上げるような実態であります。中央市場の流通機構についてもっと秩序を立てさせ、世間の疑惑をなくするために、卸売り人の過当競争を防ぐために、これを単一にするということ、これは長い間の議論であります荷受けというものは、入ってきた荷物を正直に市場に出すだけの役目でありますから、その間に競争があるべきではない。その弊害はあとで私は指摘をいたしますが、これに対して一体農林省はどうお考えになっておるのか。  それから中央市場の中核となっておるものは仲買い人で、何といっても、金融の面では六大都市のものだけでも七十億の融資をして荷受けと小売りの間をつないでおりまするし、価格形成や分荷などで重要な役割りを果たしておるのでありますが、ただいまの答弁では、ちょっと数が多過ぎるということを言っておられるのでありまするけれども、その役割りは非常に大きいのでありまして、これに法的な地位を確立すべしという議論も、これまた多年にわたって問題になっておるところであります。需要と供給による価格の安定と信頼のできる取引の場とするには、この仲買いというものに対する法的地位を確立し、同時に、多過ぎるというならば、それをある一定の規模のものにするについて、何らかの財政的な援助措置あるいは奨励の措置が行なわれなければ、ただ、あまり多過ぎるから小さなものはやめてしまえというようなわけにはまいらないと思う。それに対して見るべき施策が行なわれておらないのではないか、こう考えるのでありますが、いかがでしょうか。

森本修農林事務官(農林経済局長)

○森本政府委員 卸の単一制の問題でございますが、御案内のように、三十五年に市場の調査会がございまして、そこで卸売り業者はなるべく単一制にしたほうがいい、こういう方針といいますか、報告がございました。われわれとしましては、できるだけ既存の市場につきましてもそういった方針で臨むのがいいということでやっておりますけれども、何と申しましても、従来からずっとやってまいりました卸売り人が現実に販売しておったというようなこともございまして、できるだけ合併、合同といったようなことを奨励はいたしておりますけれども、既存の市場については、必ずしも御説のように卸が単一になっておるといったような状況ではございません。しかし、その答申がありましてからできました市場につきましては、三十六年以来数ヵ所市場ができておりますが、それの卸売り人は大体単一でやっておる、こういう情勢になっております。したがいまして、今後も市場が開設される場合におきましては、卸売り業者はできるだけ単一にするということで強力に指導していきたい、こういうことであります。  それから仲買い人の統合、法人化の問題でございますが、先ほど申し上げましたようなことで、仲買い人といいますのは、何といいましても市場の実情あるいは取引商品の実態といったようなことにつきまして、それぞれ実情に合ったように設置するというのがいいのではないかということで、現行の法規におきましても、それぞれ開設者が設定をしましたところの業務規定で仲買い人が置かれるようになっておるわけであります。大部分の市場におきましては、仲買い人が置かれておるようでありますが、ところによっては、あるいは取り扱いの商品によっては、仲買い人がいないといったような市場も現在ございます。そういうことでありますから、画一的に仲買い人として全国的な設置を法律上明らかにするといったような点については、必ずしもそういう取り扱いをする必要がないのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。  それから統合の問題でありますが、先ほど言いましたように、特に仲買い人が多い市場につきましては、法人化あるいは統合化を進めておる。その際に、統合いたしまして新しい店舗を設置する、あるいは従来の店舗を改造するといったような場合には、財政資金ではございませんが、農林中金から必要な資金を融資するというようなことで、金融的な手段についての援助もしておる、こういうことでございます。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)分科員 次に、長官にお伺いいたしますが、いま申し上げたような実情にあるのでありますが、この仲買い人の地位というものが法的に確立されておらない。これは法律の改正を行なうことによってその地位を確立すべしという多年の要望がある。それに基づいて、与党の中でもその要望にこたえるべく、法律の一部改正の案が実はできておるわけです。これが与党のほうで意思統一が行なわれておるとすれば、当然政府提案で行なわるべきものであろうと思うのでありますが、御存じでございましたならばお答えを願いたいと思います。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 まだ党全体としてきまっておるようには、私ども承知いたしておりません。そういう議論のあるということについては承知いたしておりますけれども……。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)分科員 実はこれは農林大臣所管でありますから、承知で伺っているわけでありますけれども、森本さんどうですか、農林省の見解を。これは大臣でなくとも、あなたが実際実務を担当していらっしゃるのだから、率直にこの問題についてひとつ御意見を伺っておきたいと思います。

森本修農林事務官(農林経済局長)

○森本政府委員 先ほどもちょっとその問題に触れてお答えを申し上げたつもりでありますけれども、繰り返しになりますが、市場の実態あるいは取り扱い商品の実態によりまして、仲買い人を置くかどうかというようなことは、やはりある程度それぞれ開設者の任意にまかすと申しますか、そういうふうなことでやってきておるわけですが、御案内のように、法的地位を確立しろといったような要望もございます。また検討しておられる向きもあるように伺っておりますが、われわれとしましては、現行規定を改正することについては相当慎重な検討が必要である、こういうふうに考えております。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)分科員 次に、これも長官にお伺いいたしますが、最近科学技術庁が中心となりまして、コールドチェーンの研究を進めております。承るところによると、これはむしろ業界の日魯漁業とか大洋漁業とか松下電器とか日通など大企業のほうの考え方に何か引きずられておるような印象を受けるのでありますが、先ほど森本局長の答弁によりますると、中央卸売市場を合理化し、かつ拡充をし、強化しようという考えを述べられておるわけです。ところがこのコールドチェーンの方式という、アメリカあたりの消費行政にまねたような形式がとられるということになると、中央卸売市場を弱体化させるという面が出てくるのではないか。科学技術庁ではまだ研究の段階だと言っておられるようでありますけれども、すでにどうも実行の方向に入っているやに承っておるわけでありますが、これに対する長官の見解を承っておきたいと思います。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 日本の物価問題を扱っておりまして、消費構造の改善ということは、私は非常に必要なことだと思います。したがって、コールドチェーンというような方法が採用されますことは、消費者のためにも適当じゃないか。ことに冷凍魚等が最近非常に進歩してまいりまして、そして必ずしも生鮮魚に劣らないような状況になっていきますれば、やはり物価の安定からいっても、流通の合理化の上からいっても、コールドチェーン方式を採用するということは必要じゃないかと考えております。したがって、その技術的な問題等につきましてさらに一そうの検討をすることが望ましいことであって、そういう意味で科学技術庁もこれに対してできるだけの検討をされるということになるわけだと思います。したがって、そういうような場合に、既存の市場等の関係ということが起こってまいると思います。むろん新しい問題を採用いたしますと、既存の施設等に対して非常に影響のある場合もありますけれども、それではといって全部のものがコールドチェーンの方式に乗るか乗らぬかということも問題がございますから、必ずしも既存の市場がなくなってしまうというような状況が起こるということは、想像しがたいものでございます。ただ、私は全体として考えまして、既存の中央卸売市場だけでこれはいいのかどうかですね。東京のような都市になりますれば、やはり都市周辺における市場というようなものも、もっと真剣に考えられていいのじゃないかということも考えますので、従来の中央卸売市場そのもの、地方の小都市は別といたしまして、東京とか大阪とか、大きいところは、あらためてそういう問題についても検討されるべきじゃないか。ただし、これらの問題は非常に複雑な過去の歴史もございますし、それに新しい制度を採用することによって効率があがらなければならぬのでございますから、そういう点の成否については、十分検討を加えた上で適当な決定をいたすのが必要だ、こう思っておりますので、そういう考え方でいま検討をしてみたらどうだろうかということで、企画庁でも検討は進めております。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)分科員 次に、中央卸売市場の運営についてお伺いをしたいと思うのでありますが、先ほども触れましたように、中央卸売市場法では開設から機構、機能に至るまでことごとく大臣の許可、認可を必要とするものでありまして、ほかにその例を見ない法律であります。しかしながら、その指導監督がほとんど考慮されておらない、完全に放任されておると言っても言い過ぎではないように考えるのであります。昨年の京都市場事件のごときは、農林省の管理か罪悪を助成したかの感がございます。価格形式では、荷受け、すなわち卸売り人がかってに荷物をほかの市場に回したり、価格操作をいたしております。どうも荷物が多いと考えると、かってにほかの分場なりに回してしまう、そうして価格をつり上げる。あるいはまた漁業の大メーカーになりますると、さし値というものをやる。さし値をやって、これ以下の値段なら売らない。それが電波のように市場に、落札人に伝わって、非常に高いところに落札される。こういうことは、中央卸売市場の心臓部です、その心臓部に人為的に荷物をあっちこっちに回したり、あるいはさし値をしてそれ以下には売らないというようなことは、市場の死命を制するものと言わなければならない。それが平気で公然と行なわれておる。そうして大漁業メーカーが、この品物はこれ以下には売らないということになれば、やむを得ずその値段で買う。けれども、そのかわりに今度は近海ものの零細漁民の魚を買いたたく。買いたたくことによって、その商品の内輪のバランスをとろう、こういうようなことが行なわれておるわけであります。こういうことに対して、一体監督官庁としてはどの程度にこれを承知しておられるのか、またこれに対してはどういう措置をとろうとしておられるのか。私は、生鮮食料品がわずかの減産でも非常な暴騰をしたり、わずかの増産でも非常な暴落をするというようなことは、むしろ中央卸売市場の運営そのものに問題があるのではないかと考えるのでありますが、これに対する監督指導について、一体どうお考えになっておるのか、承りたいと思います。

森本修農林事務官(農林経済局長)

○森本政府委員 ただいま御指摘になりました市場内における取引の問題でございますが、一つは転送の問題、もう一つはさし値の問題、こういうことであるかと思います。転送の問題は、御指摘がございましたように、ざっくばらんに申しますと、やや乱に流れておるというきらいはあろうかと思います。ただこれは、市場の性格が、実は最近大都市においては変わってきておるといったような問題、それと転送に対する取り扱いのたてまえということが実は合わないというふうなことから問題が出てきておるようであります。御案内のように、大市場に対してはある程度荷は安心して出せる、あるいは小さい市場に対しては、業界の信用力等によって荷が安心して出せないといったようなことで、大都市に対してある程度荷が集中してくるという傾向がございます。したがって、東京市場は、ある意味では東京都の需要に対してまかなうという意味ではなしに、周辺の需要に対してもまかなうような集散市場といったような性格が濃くなってきておるようであります。ところが、取り締まりのたてまえということになりますと、従来からのたてまえで、荷といいますか、東京の地区に対して流通するものが入ってくるのだということで転送を厳格に禁止しておるといったようなことで、その間、実は若干ギャップがございます。根本的にこの問題を解決するというためには、やはり東京都だけでなしに、衛星都市といいますか、そういった都市についての市場施設を整備し、また有力な卸売り人もそこに配置されるというようなことになりませんと、長期的には解決しないということになろうかと思います。短期的には先ほど言いました実態とたてまえのギャップをできるだけ埋めまして、その間の調整をとったような形で市場も折り目を正していけるというふうなことで、何らかの基準を設けて、やむを得ないときには転送はやむを得ないけれども、それ以外は厳に慎んでもらう、こういうふうなことで実態に合った指導方針を確立していきたい、こういうふうに存じておる次第であります。  それから、さし値の問題は、特に水産物などに多いようでございます。おそらく水産物は野菜などと流通の実態が違いまして、産地においても市場が異なる。したがって、産地市場で取得をした集配人が東京へ持ってくるといった場合には、仕入れ原価という問題があります。あるいは遠海魚等についてもやはりコストの問題があるということでさし値がある。指導の方針としましては、さし値がありますのはちゃんと明確にさし値があるということを市場長に届け出てせりをやる、こういうことになっておるわけでございます。したがいまして、その点についてもややいろいろな問題があろうかと思いますので、そこらをできるだけ考え合わして指導していきたい、こういうふうに考えております。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)分科員 長官に伺いたいと思うのですが、現在の中央卸売市場法に基づく東京都内の中央卸売市場というものは、東京都の人口五百万人の時代にできた施設でありまするから、おのずからその市場の性格も変わってまいっておると思いまするし、これが近県にまで集散をするというような市場となりますると、消費市場の性格は変わってまいります。そういう点から見て、もう少し大所高所からと申しますか、やはり見地を変えて、性格が変わってきておるのですから、そういう見地に立って消費者保護行政といいますか、本問題について基本的に御検討願わなければならない時期に到達しておると考えるのでありますが、いかがでございましょうか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 お話しのように、東京の市場は、東京都民が四百万か五百万というようなことでつくられていると思います。ですから、私ども市場を見ましても、その施設等は狭隘でございます。あるいは船で持ってくるような岩壁等についても、十分ではないように考えられます。したがって、東京都民が九百万、一千万に近くなってきたという事態に対応しても、この市場の問題はさらに再検討をしていかなければならぬと考えます。ことにお話があり、また経済局長からも御説明がありましたように、東京の中央市場がいわゆる集散市場というふうになってくると、これは交通機関が非常に便利になって発達し、あるいは遠洋漁業というものが発達してきますと、また遠洋漁業に依存する程度が非常に多くなってまいりますと、どうしてもそれは大きな集散市場というような形がとられてくることが自然な形ではないかと思います。ですから、こういう両面から考えまして、大阪もそうだと思いますが、東京の市場等については、新たな観点に立って検討をしていくということがやはり必要ではないか。しかし、一ぺん方針をきめますと、それが間違ってはたいへんでございますししますから、そこらの点については、十分今後検討した上で、新しい時代に対応する市場組織、また市場の機能というものがどれだけ拡大されていくかというようなことは、いまのコールドチェーンの問題その他ともあわせて考えていく必要があるのではないか、そういうふうに私は考えております。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)分科員 もう一問でとどめたいと思うのでありますが、特に蔬菜の面でありますが、取引の際に、伝票をときには実際の取引よりも安く仕切りをする、ときには高く仕切りをするというようなことが行なわれておる。それは自分の店に品物を多く集めたいときには、実際の取引よりも高く仕切りをして高く支払いをするというようなことが行なわれる。それから、局長の答弁で明らかになりましたが、冷凍ものなどは、もうちゃんとさし値を認める場合があるというようなことでありまして、市場の運営というものが全く乱れる、あるいは乱れていると言っても言い過ぎではないと思うのです。  そこで、ここに一つの提案をしたいと思うのでありますが、野菜の暴騰・暴落を抑制するということを中心といたしまして、この市場の開設者と荷受け人と仲買い人の代表、小売り人の代表等の関係各界の代表者による価格評定委員会のような――これは名前は何でもよろしゅうございますが、そういうようなものをつくって、不自然な暴騰・暴落を押えるような機能を果たし、かつ取引を明朗にすることのできるような役割りの果たせる機関をつくってはどうか、こう考えるのでありますが、いかがでしょうか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 お考えは、そういう機関をつくれば非常に公平妥当にいくというような立場からのお考えであろうと思いますけれども、いまお話しのような機関をつくってはたして正常に運営されるか、あるいはまた、迅速にそういうことが行なわれるかということになりますと、相当の疑問があるのではないかというような点も考えられます。したがって、いま直ちにそういう機関をつくるのがいいかどうかということについては、私もすぐに御賛成申し上げかねますが、ある標準的な価格を一定期間、このくらいのものだということなら、毎日の相場その他に対して、入荷数量あるいは出荷数量というようなものに合わせて、そういうものを適用していくということは相当に困難なことじゃないか。また、事実運営がうまくいかないのじゃないかという感じがいたします。しかし、そういうお考えですから、なお、そういう問題についてもわれわれ検討してみることにいたします。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)分科員 最後に要望申し上げておきますが、実は中央卸売市場の問題は農林省の所管でありまして、農林大臣を中心にしてと考えていたのでありますけれども、先ほども指摘いたしましたように、この中央卸売市場に関する予算の措置がきわめて不十分で、経済局長などが幾らやきもきいたしましても、なかなかどうも思うようにいかないようでありますから、特に消費者物価全体の中に占めるウェートが相当に大きいものでありますので、特にこの問題にについては経済企画庁でやはり相当なてこ入れをしていただきませんと思うようにいかないと考えまして、特に長官をわずらわして質問を申し上げたわけでありますから、お含みの上でもっと積極的な姿勢を示していただくように要望を申し上げて質問を終わりたいと思います。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 いまのお話のように非常に重大な問題でございますから、われわれも十分注意いたしまして、農林省の経済局長を助けてできるだけの改善をはかっていくことに努力いたしてまいります。

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 これにて石田宥全君の質疑は終了いたしました。  次に、大原亨君。

大原亨日本社会党

○大原分科員 簡単に、新しい中期計画というのですか、その問題と、それから消費者行政のあり方と、それから生活協同組合、この三つにつきまして質問をいたしたいと思います。最初に、この前もいろいろいままで議論があったのですけれども、中期経済計画を閣議で破棄した。こういうことはどこに理由があるのですか。もう一回ひとつここであらためてお聞きしたい。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 御承知のように、各般の状況が中期経済計画を制定したときとは著しく違っております。中期経済計画のできましたのは、申すまでもなく一昨年の春から秋にかけての作業でございまして、当時の状況から申しますと、基礎になります数字その他も非常に違っております。また事実その状況から来た結果も非常に大きな違いをもっております。したがって、それをいつまでも固執しておりますこと自体が私は適当でない、こういうふうに考えますので、一応これを破棄して新たな考え方をしたほうがいいのじゃないか、こういうことでございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 高度成長政策のしりぬぐいをする、あと始末をする、そして安定成長へ持っていく、ひずみを是正する、あるいは農業や中小企業の近代化を促進するとかいうふうなこと、これと物価を安定させるというようなことは同じだと思います。当時中期経済計画が池田内閣の末期的な高度成長の末期的な症状の中で行なわれたときの情勢の問題点と、それから佐藤内閣が引き続きまして、そして新しい閣僚の皆さんが出られたわけだが、その当時の情勢は基本的には違ってないと思います。物価もどんどん――一時公共料金ストップで三十九年ですか、ちょっと停滞しておるという時期がありましたが、物価が上がるということで、国民生活安定の観点から言えば、そういうやや若干長期でない中期の総合政策というものの立案の必要性は、これは変わらない。それで、しかもそれを立てておいて、そして決議したとたんに破ってしまうというようなことは、非常に私は不見識じゃないかと思う。具体的には、中期経済計画がこわれたのはどこなんですか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 御承知のように、中期経済計画ができましたのは、これは私の推測でございますけれども、池田さんが高度成長政策、所得倍増計画をやってこられまして、そのいろいろなゆがみ、ひずみが出た。それをある程度その上に立って是正しようというところに、中期経済計画という新たな計画がつくられた理由があると思います。しかし、当時の事情から申しますと、情勢が著しく変わっておりますし、そうした形においてでき上がっておりましたものが、基本的には私はまだ必ずしも適当だと思いません。それは、御承知のように内容から申しても、中期経済計画では公債を発行する状態にはなっていない。したがって、この計画中には公債を発行すべき状況にはならぬというようなことが前提として書かれております。その状況が全く変わってきております。現存中期経済計画そのものによっていくということは適当ではないと私は考えるわけでありまして、やはりこういう事態に対応しながら、新しいゆがみ、ひずみの是正ということを一つの大きな目標にして、そして新たなる考え方を定めていきますことが、中期経済計画そのものを残しておきまして、そしてそれを手直しをしていく、考え方を是正しながらやっていくというよりも、より適切なんではないか、こういうふうに考えましたので、私としてはそういう決定を要望したわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 直接には公債を発行しないと言ったのが公債を発行する、均衡財政を、いままでの方針を変えていく、それから物価を昭和三十九年から四十三年の五カ年間平均して二・五%の上昇に押えるというこの計画が、全くそれは二・五%どころではない、見通しがつかなくなった、直接にはそういう二つの動機ですか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 むろんそういう点も違ってきております。しかしやはり考え方の基本には、高度成長政策の手直しという考えがありましたから、やはり私自身としては安定的な均衡ある成長という形において、今後の方針、ガイドラインをきめていくことが適当じゃないか。また、そういう施策に立ってひとつ今後の見通し等をきめてまいるのが適当じゃないか、こう考えましたので、私自身そういうことを内閣のほうに要請いたしたわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 中期経済計画、これは政府の内部のスタッフを中心にして動員してやった。外部の知識を動員したということも若干あるでしょうが、内部の総力をあげてやった。それがすぐひっくり返ったということになるわけです。しかしながら、日本の経済に対する認識が非常に甘くて、前ガン症状というふうにいわれたのですが、それはほんとうにガンだったということだったのですが、そういうひどいことであったのに、情勢認識がさらに足らなかった、私はこういうことだと思うのですよ。しかし、ではいまの政策は中期経済計画を破棄して、これから若干、長期とは言わぬが、中期の五、六年の計画を立てていこう、こういう際の心がまえとしては、私はまだ政府のいままでの議論を通じまして、この総括のしかた、反省のしかた、分析のしかたが甘いんじゃないか、こういうふうに思うわけです。  それで、これは大蔵大臣が中心ですから、経済企画庁長官の立場は、私は考えてみてどういう立場かと思うのですよ。経済生活、国民の立場に立って生活局ができたわけですけれども、それはやはり生活安定を中心とした、常に発言力を持っている、閣内外において発言をしていく官庁なんですね。農林省や通産省全部、経済関係の中を、やはり総合的な企画、運営を推進をしていく、そういう官庁なんだと思うのです。これは法律はともかくといたしまして、大体腹がまえはどこにあるのだろうか。ほんとうに消費者の立場に立って発言をして、政策を進めていく官庁であるのかどうか。経済企画庁というのは両またかけておるのか。向こうへ行っていいことを言って、今度は国民にもいい宣伝をしておいて、実際はなかなか政策については迫力もないし実行力もない、こういうようなことなのか。そういうことになれば、物価なら物価の行政委員会なんというのを設けて、消費者代表をきちっと入れて、公取は公取の機能を発揮しながら、きちっとしたものが、経済企画庁の外局的な行政委員会というようなものが要るのじゃないか、こういう議論が発展すると思うのです。その点についてどういうふうにお考えですか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 経済企画庁の職能として法律に掲げてあることはそのことといたしまして、われわれ経済企画庁の仕事を担当しておる者の立場、心がまえ、いまお話しのような基本的な考え方というものは、問題は、経済というものが経済だけであるのでなくて、経済の発展というのは、終局において国民生活の向上と安定ということにあるということ、そのための経済の発展であることは申すまでもございません。目的でなくて手段である。  そこで、そういう面から考えまして、経済が順調に伸びていく、また伸ばしていかなければならぬということは、国民生活の上にたいへん大事なことでございますから、経済が順調な発展をしていく、伸びを示していくということを考えること自体が、私は国民生活に奉仕する一つの方針だと思います。そこで、経済が順調に伸びていく、そうしてたとえばひずみとか摩擦とかが起こらないようにするためには、一定のガイドラインを持ちまして、そして行き過ぎたものは是正し、あるいは行き足らないところは伸ばしていくというようなことによって、いわゆる均衡ある成長というものを遂げていく方向に持ってまいりますことが、いま経済企画庁のわれわれが当面しておる一番大きな任務だと思います。したがって、経済政策全般についてわれわれは考えていかなければならぬことは当然であって、そのこと自体が国民生活の安定と向上というものに結びついていくものだと思います。  そういう観点に立ちまして、今後私どもといたしましては、一定の計画ということばを使うのが適当であるか、見通しということばを使うのがいいか、指標と申すのがいいか、その点はなお内容にもよりますけれども、私自身の考え方から言えば、一つのそういうような計画もしくは見通し、案を立てて、そうして従来そういうものに対する過程における検討が足りないと私は思います。したがって、経済企画庁がそういう案をつくって、そしてこういうふうにいくのが一番望ましいことだということになりましたならば、たとえば、そういう案について実際に政策が実施されてまいりますときに、その方面の政策は行き過ぎている、だからそれは少し手控えてもらいたい、その方面の政策が行き届かないからギャップが出てくる、あるいはひずみが出てくる、その方面の施策にはもう少し力を入れてもらいたいというようなことを、つくられました計画あるいは見通しの上に立って、各方面の各省の施策の上に私どもは勧告もし、あるいは協力もしていくことが必要じゃないかと思います。それで初めて自由主義経済の中における計画が全うしていくのじゃないか、こういうふうに考えますので、経済企画庁のやっております仕事が、二元的な、経済は経済、国民生活は国民生活ということでなしに、国民生活が経済的基盤に立って、よりよき向上とよりよき内容を得るためには、わが国経済がどういう姿において発展し、どういう状況において進展していくかということを考えていくのが一番大事な点じゃないか、こう思っております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 長い答弁だったのですが、国民生活の安定、向上が目的で、経済の総合企画、運営、調整、これはやはり手段だ、こういうことばがあったわけですが、やはり私どもは政治をやっているのですから、幾ら自由主義経済だって一定の政治目標というものがある。それはやはり生活の安定、向上ですから、これは与野党とも異議はないと思う。だから、自由競争、自由競争でほったらかしにしておくなら、それはそれで資本主義の論理でもあるでしょう。しかし、いま全くそうなっていないし、実際には政治が干渉している。その干渉のしかたというものが公平でない。ひずみを発生させておる。こういうことですから、やはり資本主義のもとにおいても、自由主義のもとでも、計画がなければ、生活の安定、向上ということはないと思う。  そこで、中期経済計画にかわるものを今度お立てになる。前の予算委員会の総括質問の御答弁で、大体四月中くらいに作業を集中して、少なくとも八月にはまとめていきたい、こういうことであります。その中期経済計画にかわるそういう計画、資本主義経済体制のもとにおいての国民生活の安定、向上ということに焦点を合わしたそういう中期経済計画は大体何カ年間くらいの――長期を十年としますか、そうすると、中期経済計画は何カ年くらいの計画をお立てになるのですか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 いま新しいガイドポストをつくっていきたいというのは、お話しのような手順で大体やっていきたいと思います。そこで、御存じのような経済情勢の変動、ことに戦後の著しい経済発展の、ある意味から言えばあと始末と申しますか、整理というか、そういう状況も考えていかなければならぬと思います。ですから、中期経済計画というような考え方に立ちますと、やはり五、六年以上に長いものであってはならないのじゃないかと思う。しかし日本経済において十年という計画を立てますことは、いまの指標でもって、いまの世界経済の動きからいって、なかなかむずかしいものでございますから、私は五、六年ということを考えておるのです。十年という計画も立てれば立てられないことはないと思いますが、しかし、そういうことが科学技術の発展とか、あるいは世界経済の動きとかいうものに対応して、いまの状況でそこまで推定していくことはいかがかと思います。ですから、四、五年なり六年なり、その辺のところを立てまして、少なくもその間にはこういう方向に向かって進んでいくのだ、そしてその施策をやるためのガイドポストとしてそういうものをつくって、それの運営を――先ほどもアフターケアの問題が出ましたが、要するに、そういうものをつくってつくりっぱなしでおいてはいけないので、閣議が了承することになれば、毎年毎年各省の施策がその線に沿っていかなければならぬ。先ほど申したように、行き過ぎたものは押えていく。行き足りないものは、去年は行き足りなかったから、ことしはひとつ行き足りないものを取り返していこうじゃないか、去年は行き過ぎたから、少しその点は押えていこうということが、これは政府自身の施策にもございますし、同時に、自由主義経済の中ですから民間の設備投資その他についてもあると思います。ですから、そういうことを注意をしていくことによって、その計画がうまく運営されていくのじゃないか。これは非常にむずかしいことだと思います。むずかしいことだと思うけれども、少なくもそういう心がまえで経済企画庁としてはそういうものをつくって、各省がそれに準拠して四、五年はやっていくのだということが、つくった結果として出てこなければならぬのじゃないか、こう思います。

大原亨日本社会党

○大原分科員 新しい中期経済計画は四、五年と言われたのですが、担当局長、大体五カ年計画は、新中期五カ年計画をつくるのですか、具体的にひとつ。  それから、大体経済や国民生活から浮き上がったものをつくっておったから、中期経済計画というのはひっくり返ったんですよ。これはおそらく経済企画庁は総力をあげてつくったと思う。経済企画庁の見通しが全くでたらめであったというか、根拠がなかったということになる。これでは経済企画庁の存在価値はなかったということになる。いままでの経過はそういうことになる。今度はどこの局か知らぬけれども、四、五年の計画と言われたのですが、四月を中心に作業を進められる、こういうことですか。何年から始まって何年くらいを大体終着駅というか、一応のめどとする計画をつくるのですか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 この作業は、今度は新集計、新しい統計を使っていきたい、こう思いますので、それが大体四月ごろには総理府の統計局その他からも整備されてくるものですから、その時期を出発点として作業を始めていきたい、こういうふうに考えております。そうして、大体従来のすべての統計は三十五年統計ですが、今度は四十年を基準にして統計を整備する。新集計の中では、内容の改善と同時に、あるいは出発点もそういうところで新しくやっていく。したがって、むろん四十一年度というものを基本的な時点に考えますけれども、将来の目標として考えていきますことは、四十年度を考えながら四十二年度くらいから五年くらいな程度のものを考えたらいいのだろうということを私は指示いたしておるのでございまして、まだ事務当局としてもそれらについて完全に意見を統一したり、あるいは述べたりしておるようなことではございません。

大原亨日本社会党

○大原分科員 やや具体的な御答弁があったのですが、つまり昭和三十五年を基礎にして消費生活とか所得調査とか、いろいろな調査をしておられたのですが、これは四十年を基礎にしてやる。これは一つ大きな問題がございますね。高度成長政策の始まる前の年を基準にするほうがいいのか、あるいは高度成長政策の被害が続出して、これはもう出尽くした、新しい観点に立って経済をやらなければならぬということで、四十年を基準年度にしてやるのか、たとえば消費者物価のとり方等にしても、生活の中身がずいぶん違ったからという話もありますが、これは経済企画庁あるいは政府のかってのいいような数字を並べ立てるということになるかもしれない。国民の生活から離れるかどうかという大議論になる問題でしょう。だから、そこらに問題があるでしょうが、昭和四十年を基礎にして、四十一年から五カ年で四十五年くらいまでを経済の一つの見通しでやっていく、 つまり、中期経済計画は、最初言ったように、一生懸命経済企画庁はあげてきめたけれども、中身が悪かったのかどうか、中身がインチキであったかどうかは別である。しかし、一たん策定したもので指導する力がなかったかどうか、どっちかなんです。こうありたいというふうに願ったけれども、まるで違ったような現象になっておるということでやり直す、こういうことでありましょう。  そこで、具体的に私は質問するのですが、五カ年間の物価を安定させる目安というものはどこへ置くのですか。生活安定の前提は物価ですから…

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 一言申し添えておきますけれども、中期経済計画にしても、所得倍増計画にしても、その材料を十分整えたのは企画庁でございますが、しかし、同時に、その案については経済審議会がメンバーの総力をあげ、部会等をつくられまして、それぞれかなり長期にわたって審議をされたものでございます。そこ女今後の問題としてわれわれが考えていくのは、経済成長における物価安定ということは、私どもは非常に重要なことだと思います。そこで、私自身の認識から言えば、物価が今日のような状況になったということは、経済が均衡ある成長を遂げなかったというところに問題があると思います。したがって、今後のそうした計画を立てる上におきましても、やはり経済が均衡ある成長をできるだけ遂げるような形のものでなければならぬと思うのでございます。そういう意味からいって、まだ計画にはあれしておりませんが、少なくもこの二、三年は七、八%の成長が適当じゃないかということをわれわれが考えて、大蔵大臣等とも話し合いの上で、大体そういう方針でいこうじゃないかということになっておるのもそういうところにあるわけでございます。ですから、そういうことは十分配慮しながら、今後の経済計画と申しますか、あるいは見通しと申しますか、そういうものはつくってまいりたい、こう考えております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 私は、中期経済計画なんというものは、経済企画庁一官庁だけではできやしないし、各省に対するいろんな研究と実践の積み重ねであるけれども、あるいは国会における論議等を十分に考えて、国民的な一つの基礎を持ったものでなければ実現できないと思う。国会も十分監視しているというものでなければ、絶対に政府だけでは――とにかく経済官庁その他は、当面の利害とかその他によって動きやすい。だから、それに対しては国会もこれだけ議論したのだから、これからも十分納得できるような議論の上に立った計画でないと、少なくもわれわれも三分の一くらい賛成だというふうなやつでないと、これは実現できないと私は思う。たとえば物価の懇談会をつくったら総評は入るかどうか、こんなことではどうにもならぬと思うのです。それでお茶を濁すというような、あなたは反対らしかったけれども、だれかが言ったからまあ何とかやっていこうというんでしょうけれども、そういうことじゃだめだと思う。この中期経済計画の中でも、大きな経済成長のワクから言えば八%ということになっている。そこで問題は、それらの成長と一緒に均衡ある発展が必要なわけですけれども、非常にびっこな形で、設備過剰、生産過剰恐慌というような側面を持ったいまの経済の非常なきびしい実態ですが、それらの問題全体をコントロールすることを含めて、これらがすべて借金でできたというところに問題があるのでしょうが、ともかくも含めて経済成長を考えると一緒に物価安定の目安をつける。先進国の経験もあるわけですから。たとえばあなたは、めでたい話をされて、七・五・三ということで、ことしは五、来年は三でいくんだ、こういうことを言われた。その先のことは言われなかった。七・五・三なんて言って、また八くらいに上がるのかどうかわからぬ。そういう話はされなかったわけですが、物価についても、前の中期経済計画では平均二・五%、こう言うてやられたわけです。専門家で担当の局長はどういうふうに考えておりますか。その点は七・五・三ということを了承して、その積算の根拠はわからぬが、五・五%というのは努力目標だ、こういうことを言われるのですが、ほんとうに責任を持ってやるような努力目標をこの討論の中で集約して、それで七・五・三ということだから、三から上がるということはないと私は思うけれども、その次のことを言っておられないけれども、大体四十一年から五カ年間くらいをめどとしてやる新しい中期経済計画、これを全部が全部破棄したということはないと思うのですが、もし、一生懸命皆さんがやったけれども、ぽんとやられる、そういうことだったら経済企画庁は要らぬということになる。だから、これはそれを検討しながら修正していくのだと思う。だから私は四月ごろには大体中身ができるのだろう、こういうふうに想定をしておるわけですが、物価についての目安は、この計画の中で大体どこに置くのか。あと始末でありますが、どうなんですか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 物価をどの目安に置くかということになりますと非常にむずかしい点もございますが、しかし欧米の例を見まして、アメリカあたりですと、大体二%以上だったらクリーピングインフレーションといわれるくらいに、各国とも、二%くらいまではしかたがない。アメリカは現状は一%半くらいですが、それはしかたがない。それは御承知のとおりサービス業等のどうしても合理化できない部分の賃金平準化による部分は、これはやむを得ないだろうということ。日本としては、経済がかなり成長率が高い現状でございます。また、成長率が高いというのは、経済が若いともいえますし、新たな発展意欲というものが国民にあるということもいえると思いますが、そういう状況でございますから、外国のそういうような状況から見て、まず三%以内におさめていけるならば適当じゃないか。いわゆる世界的な水準というものに合っていくんじゃないか。その程度のところまではぜひ物価を安定さしてまいらなければ、物価安定ということは私は言えないんじゃないかと思います。したがって、目標をそういう考え方の上に立てて、そうしてどうしていったらばそこに持っていけるかということに施策を集中していく、こういうことになろうかと思います。

大原亨日本社会党

○大原分科員 つまり七・五・三で、 ことしは五・五%、来年は三%以下に五カ年間押さえていく。三%でも私は、国際的な基準から見れば高いと思う。二・五%というのが設定する努力目標としては妥当なぎりぎりじゃないか、二%と言いたいところですが。少々これは下がっていいわけなんだから、生産性が向上すれば下がるべきものですから、それが資本主義の倫理ですから、生産性が上がったからぼろもうけしておるということだったら、たとえば薬の例を、あとから原価計算の話をするときに公取にしますが、ぼろもうけをするということだったら、そんなことはあり得ないことですよ。資本主義の倫理じゃないですよ。だから、こういう問題は、七・五・三で、四十一年が初年度とすれば三として三以下に押さえるんだ。平均どのくらいになるかわからぬが、三以下に押さえるんだという一応のめどを持っている。これはたいへんな約束です。たいへんなあなたの御答弁ですよ。あなたがすぐおやめになったら、あとは追及する必要はないけれども、あなたがあるいは副総理とか総理に逐次なるとすれば、経済企画庁長官としてちゃんと責任をとれるようにしなきゃだめですよ。佐藤さんが立候補するときか、組閣するときか、いずれかに、経済企画庁長官と厚生大臣が大切なところだと言った。あと私、調べてみましたら言っておりましたけれども、それは口から出まかせを言ったのかもしれないけれども、そのときの感じはたいへん大切な官庁だ、いままでの経済企画庁は計画を立ててほうり出しておく、こういったところ。一々言ったらばたくさんあるわけですよ。  今後三年間の経済運営の基本的考え方というのがありますね。これは国会の答弁用に出されたもので、無難でどこがどこか取りつく島のないような中身のないかすみたいなものです。中期経済計画に比べたら、かすみたいなものです。そういうものは国会の答弁用だと思うのです。こういうことでは済みませんよ。そんな三%なんということは。七、八%の経済成長をコントロールしながら、あなたが言われるように、来年以降三%以下に物価を押さえるということ、こんなものじゃだめですよ。生活を安定させ、向上させるという目標になりませんよ。  時間もだいぶ来ましたから、あまりこれで議論してもいかぬのでやめますが、公債は非常に大切だと思うのですが、私はこういう持論を持っているからひとつ簡単に言っておくのですが、この間の衆議院の予算委員会の公聴会でこう言った学者があります。大阪の何とかという先生ですが、つまり公共事業費は千四百億円ほど去年より中身はふえているわけです。自分はそう思う。そうする七千三百億円の公債を発行するのは、これは赤字公債だ。去年よりかふえた分は、新しく公共事業をやる分は、これを公債の対象にするならば、これは赤字公債ではないだろう。だから財政法四条違反だ、こういう公述をした人があります。これはすっきりした議論です。  たとえば、いま私は建設委員会とかいろいろな分科会で議論しておるのですが、長期計画を立てる際に、たとえば高速自動車道路等を何年計画で樹立して、このためにこれだけの投資が要るんだという場合、これは現代の世代の者だけで負担するんでなしに、長期にわたって負担しても返ってくるのであるから、償還計画も有料の道路料金その他で立つことでもあるし、これは起債の対象にしよう、これは建設公債であって、四条公債である、こういう説明のつけ方をすれば、償還計画については議論はないわけです。第四条公債ということで相当議論してもまとまってくるわけですが、いままでの公債インフレ論のやりとりを見ておりますと、ほんとうに無責任きわまる議論になっておると思うのです。中期経済計画の中で、公債は発行しないということで出発したわけだけれども、公債発行のしかたについて、あるいは対象の事業について、そういう面においては納得のいくようにしないと、国民所得の二%を要求するという第三次防衛計画などだけがまかり通るというような結果になって、三兆数千億円の金を使うようなことになるんじゃないかというように私は思う。ほかのほうはみな希望的な観測でぽんぽん出すけれども、何も当てにならぬ、こういうことになりはせぬかと思う。公債については、経済企画庁長官としては、そういう総合的な、物価安定や、生活安定や、あるいは全体の国土開発とか経済の成長という観点でもう少し練り直す必要があるんじゃないか。これは長く議論できませんけれども、あなたはどう思いますか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 本年公債を発行しましたから、いままで税でやっていたものを公債に振りかえたという形において、御質問の御趣旨のように赤字、それだからいかぬというような感じは持っておりません。従来のものを税でやっておいて、ことしふえるものだけ公債でやればという議論をなさる方はあると思いますが、私どもは、振りかえた年はどうしてもそうならざるを得ないのでありますから、それは別に赤字公債だとは思っておりません。私のいままでの固有の意見を申せば、私は、道路とか、そういうような社会資本の充実には公債を発行してしかるべきだ、なぜ今日のような状況になって社会資本が立ちおくれたかといえば、ドッジ・ラインがあのときの状況においてインフレをおさめるという効果は非常にあったと思うのです。ですから、これは高く評価しているのですが、そこで、インフレがおさまった場合に、社会資本のおくれを産業の拡大と並行して行なっていくということであれば、むしろ経済的効果のあるものについては、その直後の時期から公債によってもよかったんじゃないかというのが私の元来の考え方でございます。しかし、今日のような状況になっても社会資本の充実にその面からやっていくということが必要ではないかと思います。ただ、公債を発行するからといって、無制限に発行する、あるいは財政規模に応じない、あるいは市場消化に対する配慮もなしに公債を発行するということ自体は、やはり私は適当だとは思いません。したがって、やはり公債の発行も、あるいはそういう問題についてはそういう面から十分考えていかなければならぬ、こういうのが私自身の考え方でございます。したがって、今後もわれわれが組んでまいります財政方式として考えていくのにも、いま申し上げたような考え方でやっていきたい、こう思っております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 私はこれは議論しませんが、対象を明確にして、いまの世代だけでなしに、長い世代にわたって負担をしてもよろしい、こういうふうなものについて資金を導入しながら、利子も払っていきながら、国の経済をまかなうということを明確にして、償還計画もきちっと立てるようにしなければ、ばく然とああいうふうなことをしていたのでは、これは日銀が引き受けを実際にやるのですから、実際上は担保に取るわけですから、いままでだってそうですから、だからこれは初めもくそもない。だから、その点で私はこれから議論をしていきたいと思うのです。中期経済計画の中でそういう議論を述べておきたい。  それから、ひとつ簡潔にお願いしたいのですが、この新しい中期経済計画を立てる際には、昭和四十五年にはちょうど――これは私ども十分満足しているわけじゃないのだが、社会保障をヨーロッパの水準に近づけるのだ、そのときは向こうは前に行っているかもしらぬけれども、とにかくそれを目標にしてやるのだということで、昭和四十五年が目標なんです。大内報告は、昭和三十六年から昭和四十五年が目標なんです。ちょうどこれは目標と一致するわけです。この中期経済計画は、社会保障、生活を安定させることが目標だ。これはもちろん景気調整にもなるわけですが、購買力の造成にもなる、安定する、そういうことにもなるわけですが、その中には、国民所得に対する振りかえ所得の比率を昭和三十六年当時の五%から七%に引き上げる、こういうことを言っているわけですね。現状はどうかというと、去年は六・一%、ことしは六・三%くらいになっておるわけですね。それでヨーロッパの水準に近づくか、あるいは中身はどうかということです。問題の児童手当はほったらかしだけれどもどうだ、こういうことになれば、これは議論をすれば切りがありませんが、少なくとも社会保障というふうなものは、行き当たりばったり、その年々ではもうだめだ。一定の目標を持ってやる。これは防衛計画以上に確実にふやしてやる。そうして所得保障、医療保障、全体の社会保障の中身を引き上げていかなければならぬ。だから、これは中期経済計画の中でぴしっと位置づけをしてもらいたい。政治の目標が、再分配の機能もあるけれども、あるいは国民生活を安定させる、おくれている社会保障制度をきちんと確立をしていくという、そういうこともあるのだから、そのことについて明確に方針を立てて、三年間の見通しなどというふうな、こういうふうな中間のものでなしに、やはり一定の政治の目標を――毎年毎年組閣して大臣がかわるというような、改造をやってかわるなどというようなことは困るわけだから、それをやはり国民的な議会の討議の上に立ってぴしっときめておく、こういうことが私は大切だと思う。その点につきまして、私は十分取り入れて考えてもらいたいと思う。大臣いかがですか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 大体私もお考えのような考え方でおりますので、できるだけこの計画の中に適当にそれらのものを織り込んでまいりたい、そう思っております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 それから、時間がきましたから、あとでまた公取はほかのところでやる。厚生省のところでやります。  国民生活局があるわけですが、私は、国民生活局は経済企画庁長官の外局的な行政委員会で、物価委員会で議論されたそういうものの事務局的な役割りを果たすというふうに思うのです。それから、政府部内における問題、それから公取は別の角度からの、あるいは消費者の立場に立った独禁法の履行、監視、こういうふうにやるべきじゃないか。物価問題懇談会みたいなものを集めてみたって、議論するだけで時間ばかり食って、大臣が忙しい、事務局が忙しいというだけで、中身はないと思う。これほど国会で議論されておるのだから。そうでないと、国民生活局というものが浮いてくるのじゃないか、こういう議論を私は持っておるのですが、いかがですか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 日本の行政機構の中で消費者保護の行政ができましたのは、初めと言っていいくらいでございます。したがって、スタートで国民生活局がそういうふうにできたわけでございます。ですから、これを育ててまいりますことは、日本の行政の上で非常に大きな必要性があると私は思いますので、できるだけ育ててまいるつもりでございますが、育った上に立って、この国民生活局がどういう形になるか、将来も引き続き経済企画庁の中におるのか、あるいはさらに発展的な方向をたどるのかということは、これは将来の問題としてわれわれが考えていくことで、発足しました今日におきましては、そういう問題を別にして、国民生活局自体が国民生活に直結した行政をできるだけ力強くやっていくということで、いま努力をいたしておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 すれ違いの答弁ですけれどもね。私が尋ねたことに答えないで、さっとすれ違いの答弁だったのですが、大臣答弁とはこういうものです。  もう一つ、私の意見ですがね、厚生省の中にある生活協同組合は、厚生省が育成することになっているのですが、これは非常にみんなからいびられたわけですね。生活協同組合万能ではないけれども、しかし、必要な部面においては必要に応じて、地域の生活協同組合は今日やはり相当成果をあげておる。これは厚生大臣の表彰を受けました広島県の大竹というところで生活協同組合をまじめにやった人がありまして、これは物価を二割くらい下げた、その市中においての生鮮食料品その他において。それによって他のほうの商売人が行き詰まっているかというと、そうでなしに、広島、岩国みたいなところに出ていって物を買う人はそこで買うから、結局は商売人もみなに奉仕しているというようなことになって、やはり人が逃げていかない。ここで買えばいいんだという気持ちですからね。だから、生活協同組合が消費者を団結させて、消費者がいろいろな中間経費の問題について監視をしながら実際上やるような手だてをする。きのう私はテレビを見ておりましたら、灘の生活協同組合でしたか、二十円のとうふをつくっているわけです。自分がつくっている。こういうふうなのがありました。ですから、私もスイスへ行ってみて、私は十分見なかったけれども、たとえば牛乳なんかでも、明治や森永のようにやってない。資本家がもうけるようにやってない。必需物資の米と同じようなかっこうです。十円で農民が出すとすれば、大体十六円か十七、八円で売っている。一番苦労してつくっているのが一番よけい取っている。それはその配給について、農民の協同組合と消費者の協同組合が配給についてイニシアチブを持ってやっているようです。全部が全部というわけにはいかぬけれども、牛乳なんか非常にウエートが高くなっている。日本では、いまだったら明治や森永の分は七円ぐらいで買って、あとはいつも問題になるように、二十何円で売っているでしょう。三倍になっている。三倍だけではない。まだ倍くらいに薄めている。豆汁やとうふのあとの汁なんか入れてやっているから、六倍くらいに薄くなっているかもしれない。だから、品質と内容について、消費者がちゃんと行政上もあるいは実際の流通過程の中でも監視できるような、そういうことのための生活協同組合――私は何でもかんでもこれでやれ、こういうことじゃない。それは中小企業その他の問題があるでしょう。しかしながら、私はそういう生活上の問題でどうしても納得できない問題はみずからの力で解決するように、そういう団結をするというか、組織づくりをして、そうして流通過程を合理化していくということで、新しい意味で生活協同組合がある。物価についてのいろいろな新しい施策がありますよ。これも一つの案でしょう。これについては私は議論しませんが、そういう問題があるのではないか。これは、もう少しまともになったら、むしろやはり生活局の中に持っていったらいい。いま持っていくとあぶないかもしれないが、将来は生活局の中へ厚生省から持っていく。厚生省はおこるかもしれないが、厚生省から持っていって、これはやはりぴしっと金融上も税制上も育成をしていく方針でやっていかなければいかぬ。これは何でもやるということでなく、一定の目的のもとにやるということでやったら、私はどんぴしゃりでいく面があるのじゃないかと思う。物価政策としても、流通過程の面から考えても、そうじゃないかというふうに思う。生活局へやはり協同組合課か何かを設ける、あるいは政府全体としての政策の中に入れていくことが必要じゃないか、こう思うのですが、いかがですか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 国民生活局が消費者の立場に立って行政をやります上において、消費者との連絡というか、これは密接であり、また消費者の声を聞かなければなりません。したがって、消費者団体とは今日でも密接な連絡をとっておりますし、また消費者団体そのものに対して補助等もいたしておるわけでございます。  そこで、いまお話しのように、消費者の声を出してくる、その意味において生活協同組合の問題ももっと考えたらどうだというお話だと思います。私ども、生活協同組合を否定するものではございませんし、これが健全に発達していくことは、望ましいことだと思います。ただ御承知のとおり、日本では、配給に当たっております第一線の人が、中小企業というよりも、ほとんど零細企業でございまして、したがって、物価問題をいじっておりまして、零細企業いじめになってはいかぬということは、一面では私ども非常に考えなければならぬところでございまして、そういう面とあわして考えながら、生活協同組合の問題も考えていくということであろうかと思います。したがって、いまのお話も、必ずしも生活協同組合一本でやるんじゃないんだ。限界もあるだろうし、零細企業の販売業者との調和もはかりながらやっていくという御意見だと思いますから、そういう意味においては、われわれも同じような考え方でおるものでございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 最後に、つまり、戦後の発足当時いろいろ雨後のタケノコのように出てきまして、ずいぶん乱脈をきわめた生活協同組合もあったわけです。しかし、政府の保護も薄くなった、いろいろなことで苦労をしながら、必要に応じて出てきたこの運動があるわけです。しかしながら、いろいろな行政面の壁を持っているわけです、零細な力ですから。それで、これについては、中小企業零細企業との関係で議論になった。だから、よく知っている。だから、それについても、零細企業がいまのままでいいというわけではない。それについては近代化の方策もとっていかなければならぬ。これだけ科学技術の進歩しているときに、これについても十分政府の方向を示しながら、自分のやっている仕事をどういうふうに処理したらいいかということをやらないでおると、どうしても保守的になってくる。そういう面においては方向を示さなければならぬが、しかし、これは甘い考えでやってはいかぬ。生活協同組合がよくなったからといって、中小企業、商売人が必ずしも悪くなるとは限らぬ、こういうことであります。したがって、やっぱり足や腕で働いてやっている人が生活にサービスするということは、強みを持っておるのですから、だからその点は、相当近代化しても、その存在価値は変わらぬ面があるだろう。しかし、独自の存在価値を見出すようにして、旧態依然たることではどうしてもいけない。最後の犠牲だけが大きいと思う。そういうことですから、生活協同組合の問題は、厚生省があり、経済企画庁の中に生活局がある。こういうことの議論はあるでしょうが、経済企画庁長官としても、生活協同組合で相当着実な実績を持っているものについては、税制、金融その他いろいろなものがありますが、その面についても、行政上の助成手段について十分考慮すべき問題があるのではないか。この問題は、消費者行政としては、物価に対して、政策は量と質を安定させる意味において適確なものでなければならぬ、こういう議論を申し上げて、この点を要望いたしまして、あと残っておる公取その他の問題は、厚生、通産その他の委員会でやる、こういうことにいたしまして、私の質問を終わります。

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 これにて大原亨君の質疑は終了いたしました。  次に、坂村吉正君。

坂村吉正自由民主党

○坂村分科員 時間もありませんので、簡明に水質問題についてお伺いをいたしたいと思うのでございます。  ここに本年の予算書を見ましても、水資源開発、水質保全、そういう問題について非常な御努力で、予算も相当増加をいたしておりますことは非常にありがたく、敬意を表しておるものでございます。  そこで、水資源開発につきましても委員会を持ち、それから水質の問題についても、水質保全のための委員会を持って、経済企画庁が中心になってやっておられますが、こういう予算を取ってやってまいります以上は、その計画を立てるだけではなく、特に水質問題等についても水質の基準を委員会でつくりましたが、そういうものを中心にして、水資源開発についても、それから水質の保全につきましても、経済企画庁が指導性を持っていろいろ関係の省を御指導いただく、そうして推進をしていただく、こういうお考えのもとにやっているんじゃないかというふうに考えるのでございます。そういう点、長官の御決意のほどをまっ先にひとつお伺いいたしたいと思う次第でございます。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 水の問題は、いろいろの面から非常に重要でございますが、水質汚濁を直していくということは、これまた都市衛生の上から申しましても、万般の経済発展の上から考えて必要であることは、むろんでございます。したがって、水質審議会等におきまして、十分な調査をして、ある基準を定めて、これを勧告するということをやっておる。ただ、お話のように、そういう水質をきめましてそれぞれの仕事をいたしますものは、各省にまたがっております、あるいは地方自治体等にもまたがっております。したがって、われわれの役所でも、そういう基準をきめた以上は、それが守られていくような各省の施策が並行して行なわれてまいりませんと、きめたけれども、きめた状態がそのまま維持されていかない、改善されていかないということになると思います。したがって、そういう点につきましては、各省に御協力を申し上げまして、それが達成されるように、今後予算の場合でも、あるいはそれの実施にあたっても、できるだけ経済企画庁も各省の施策の上に御協力申し上げたい、こう考えております。

坂村吉正自由民主党

○坂村分科員 長官のお話を伺いまして非常に安心をしたわけでございまするが、そういう意味におきまして、本日は私は水の問題でございまして、たとえば通産省にも関係あり、それから農林省にも非常に関係のある問題でございますが、通産省、農林省を呼ばないで、経済企画庁だけに御質問をしたいというふうに考えておるわけでございます。  水質の問題で、渡良瀬川という川があるのを長官御存じでございましょうか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 渡良瀬川は、昔、有名な鉱毒事件がありましたので、私も子供のうちから名前は知っております。

坂村吉正自由民主党

○坂村分科員 そのとおりでございまして、昔、田中正造という大先輩がおりまして、あの足尾銅山の鉱毒事件で自分の一生を犠牲にされて、非常な活動をされたのでございます。明治のそのころから七、八十年にわたって地元の問題としては非常に大問題でございますけれども、いまだにこれが解決されていないというのが実情でございます。ああいう水質問題で、これほど長い時間かかってもなかなか農民が納得するような姿になっていないというのは、日本の中でも特殊な例じゃないかというふうな感じが私はするのでございます。問題は、古河鉱業の足尾銅山のあそこから流れてまいりまする毒水が渡良瀬川に全部来るわけでございますが、毒水の防除その他については、いままで農林省、通産省、いろいろな施設をやっております。また最近におきましては、御承知のように去年水質保全の法律ができまして、経済企画庁でも何年か前から取り上げていただいて、水質審議会に第六部会という特別の渡良瀬川の部会をつくりまして、それで水質の審議を進めていただいておるわけでございます。ところが実際問題として、なかなかその調査が進まないというのが現状でございます。実は三十九年の四月二十一日でございますか、衆議院の農林水産委員会で社会党の代議士の東海林稔君が質問をいたしまして、その当時の水資源局長は崎谷局長でございましたか、その当時、三十九年度中にはできるだけ早く基準をつくりたい、こういう答弁を国会でやっておるわけでございます。しかし、私の聞いておるところでは、いまに至るまではっきりした水質基準がなかなかできてない。いろいろむずかしい問題があるようでございますけれども、できていないという実情でございますので、事務局でけっこうでございますから、最近の渡良瀬川の水質についての水資源審議会における調査審議の段階といいますか、状況の現状というものを簡単にひとつお知らせをいただきたいと思います。

鈴木喜治総理府事務官(経済企画庁水資源局長)

○鈴木(喜)政府委員 ただいま坂村先生から御指摘のとおり、渡良瀬川の鉱毒問題というのは、明治二十四年旧帝国議会で田中正造翁が御質問申されて以来の問題でございます。水質保全法ができまして、施行になりましたのは昭和三十四年でございますが、当然にこの七十数年にわたる問題を解決するために、最初に渡良瀬川の水質の調査を取り上げまして、自来三十四、五、六と三年間にわたりまして水質の調査をいたしました。先ほどもお話しのように、水質審議会に特別の部会をつくりまして、十数回にわたって審議を重ねておるわけでございます。御承知のように、渡良瀬川の水質汚濁問題は、銅鉱山からの廃水によって下流の農業に被害があるという問題になっておるわけでございますが、鉱津の旧堆積場、いわゆるボタ山その他、現に鉱山が稼働しております施設以外からの排出水による影響がそこにありそうだということが、いままでの調査から推定されるわけでございます。したがいまして、除害対策にはなかなかいろいろ複雑な問題がございます。また、水質調査にあたりましても、きわめて微量な銅のイオンの分析を伴うことでございますし、調査解析にあたりましては、排出の水質と実際に流れております河川の水との因果関係の把握が非常にむずかしい、その汚濁機構の把握が非常にむずかしい、こういうようなことが非常にはっきりしてまいりましたので、御承知かもしれませんが、これを専門的に検討するということで、特別部会の中に、さらに昭和三十九年度に調査と対策の両小委員会を置きまして、この中には地元の代表の方も入っていただきまして、それ以後三十九年からまた地元の御要望に従って調査の設計をやりまして、それによって昨年の十一月までの間に、平水時及び降雨時の測量調査をやったわけでございます。これは特に農民の方々から、濁りの問題が特に問題なんじゃないか、こういうこともございまして、その状況が、特に大雨のときによけい出る、こういうこともございましたので、そういう調査を実施いたしましたが、先ほど申しましたように、銅イオンの分析というのは非常にむずかしい分析でございまして、ただいまそれぞれ専門のところに頼みまして分析をやっておりまして、平水時の調査の分析は大体終わったわけでございますが、昨年九月に実施しました大雨のときの分析の結果が、おおむね三月中にはまとまるんじゃないか、こういうことで、そのまとまった結果によりまして、調査の小委員会が専門的に検討することにしております。一方、対策小委員会のほうも、平水時の除害対策について現在検討を進めておりまして、今後、降雨時の調査結果が出ましたならば、両方一緒になって総合的な対策の検討に入る、こういう段階になっております。

坂村吉正自由民主党

○坂村分科員 だんだんと調査も進んでまいりまして、はなはだけっこうでございますが、実は、いま局長がおっしゃったように、いままでの考え方は、どうも毒水といいますか、科学的な面ばかり、銅イオンがどうだとか、あるいは硫化物がどうだとか、そういう問題が大体中心になっていたようでございますが、どうもやはり農民の心理からいうと、非常に大雨が降るとどっと濁ってきて、非常に距離が短いし急流なものですから、またたく間に地元の平地の農村のほうに、毒水というか、濁水が入り込む、濁り水が入り込む。こういうことが、地元の農民としては、何といいますか、感じとして、いかにも毒だというふうな感じを与えるんじゃないか。そういう点が非常に神経をとがらしておった問題でございます。幸いその濁りの問題まで一緒に取り上げて、科学的な問題と物理的な問題と両方を調査していただいているんじゃないかと私は思うのでございますが、その点はぜひひとつできるだけ早く調査の取りまとめをやって、そして水質基準をできるだけ早くつくるように格段の御努力をいただきたいと思っております。  その調査の中で、実は大雨時の調査が大体三月中にはまとまるだろうというお話でございましたが、去年の実情をいろいろ聞いてみますと、調査費がどうも十分でない。ことしは調査費も何千万か増加をいたされておりますが、たとえばあそこは群馬県でございますが、御承知のように雷の名所でございます。雷雲が起こりますと、一、二時間で雨が降ってくるという非常に忙しい雷雨があるわけでございますが、そのときに調査班が行って実際に調査をしているのだけれども、たとえば天気予報を聞いて、きょうは大雨だろうと思って現地へ行ってみると、雨がなかった。そうすると、どうしても旅費の関係で引き返してこなければいかぬというようなことがあるのでございまして、雨を待つにはどうしてもやはり四、五日や一週間泊まり込んでいなければ、大雨の調査ができないのではないか、こういう不満が実はあるわけです。地元の素朴な印象かもしれませんが、もし間違っておればお許しをいただきたいと思いますけれども、そういう非常に不満がありまして、たとえば一週間なり二週間なり泊まり込んで雨のくるのを待って、そして大雨の状態をほんとうにつかんでいただく、こういう努力をしていただかなければ、いい調査、納得するような調査というものはできないのではないかと思うのでございます。その点は、いままでの調査でいかがでございましょう。

鈴木喜治総理府事務官(経済企画庁水資源局長)

○鈴木(喜)政府委員 ただいま御指摘のとおり、大雨のときに特に濁りの問題がはっきり出てまいりまして、その辺が地元の農民の方々の関心が特に高い点でございますので、今回の補足調査のときには、特に大雨の際の調査は十分やるように、こういうことでございます。何か坂村先生その他関係の方々からも予算が足りないのではないか、こういう御心配もいただいたわけでございますが、全体の調査費のやりくりによりまして、昨年は二百五、六十万の予算で調査をやっているわけでございます。問題は、大雨のときには当然に河川に関係している方々が洪水対策等にさかれると申しますか、それが当然でございますが、そういう条件もあって、なかなか両方うまくぴったり合わないというようなことでございまして、連絡の問題が一番大事かと思いまして、非常に緊密な連絡をとりました結果、ちょうど非常にたくさん降りました九月に、二回調査を実施することができました。

坂村吉正自由民主党

○坂村分科員 そうしますと、大体調査はもう四十年度で終わった、四十一年度においてはその調査をもとにして水質基準をできるだけ早くきめる、こういう段階に入るのでございましょうか。そこら辺をひとつお見通しを聞かしていただきたいと思います。

鈴木喜治総理府事務官(経済企画庁水資源局長)

○鈴木(喜)政府委員 大体のところ調査は終わって、それに基づいて調査小委員会なり対策小委員会なりの審議が始められる状況になっておると考えております。

坂村吉正自由民主党

○坂村分科員 できるだけ調査小委員会、対策小委員会のほうも促進をしていただきまして、せっかく調査していただいたのでございますから、できるだけ早く安心のいくような水質基準を立てていただきたいというふうに、特にこれは要望申し上げる次第でございます。  問題は、水質の問題と同時に対策の問題でございます。水質の問題の場合に、実はこれもひが目かどうか知りませんが、世間でいろいろいわれておりますことは、あまり水質基準をきつく合理的に、水を使うほうが満足するような姿で基準をつくってしまうと――実はあれは普通の河川と違って、その害毒を流したところの根源は古河鉱業、そういう会社でございます。ですから、いわゆる公共の害といいますよりも、古河鉱業による害だ、こういうぐあいに端的な姿になっているわけでございますので、そういう点をいろいろ考えまして、ああいう大きな会社でもございますし、あまりきつい水質を考えると、古河鉱業のほうでこれは参ってしまうのじゃないか、そういう点で足を引っぱられている。こういうような観測をしている向きがあるのでございまして、そういう点は万々政府の中ではないと思っておりますけれども、そういう点は、たとえばいろいろ通産省との議論の過程、そういうようなところでそういう問題が出ておりましょうか。

鈴木喜治総理府事務官(経済企画庁水資源局長)

○鈴木(喜)政府委員 御指摘のとおり、公害のもと、これは因果関係が明らかになってからでなければはっきりいたしませんが、相当な部分が現に稼働している足尾銅山に関係があるわけでございます。そういうことで、足尾銅山の排出水の規制、こういうことを厳格にやらなければならぬわけでございますが、水質保全法が、御承知のように、産業の調和の観点からもでき上がっているわけでございまして、当然に、鉱山と同時に被害者である農業、両方が成り立つところをねらって水質基準が設定されるわけでありまして、片方に甘いというようなことはいままでもなかったと思いますし、今後もあり得ないことと思います。

坂村吉正自由民主党

○坂村分科員 そういうことのために水質の基準をきめる問題がいろいろ歪曲されるようなことのないように、企画庁としてはひとつ十分腹をきめて、いろいろ今後仕事を進めていただきたいと思う次第でございます。  先ほど水資源局長も言われましたが、いま出している水は、まあこれは古河鉱業でもある程度毒の除去の施設はできるだろうと思うのですが、あの現地の水源地帯を見ますと、昔から何十年となくやっておった鉱津の山、ボタ山が、ほとんど全面水源地帯をおおっておる状態で放置されておる、こういう問題があるようでございます。ですから、大雨が降りますと、そのボタ山を洗った水が全部渡良瀬川に入り込む。ですから、鉱山そのものから出ているのじゃないのだ、そっちのほうが大きなウエートがあるというふうに聞いておるのでございますが、もしそうであるとすれば、これは非常に大きな問題でございます。現に、たとえば古河鉱業では、いまいろいろ銅の精錬技術もどんどん進んでまいりましたから、昔では取れなかった非常に微細な銅を含有しているところからでもいまでは相当能率よく取れるようになった、そういうあれで、ボタ山をひっくり返して、それをあらためて銅を取り直しているというような話さえ聞いておるわけです。そうしますと、それだけにますます銅の含有の多いところを水が流れているんだ、こういう証拠にもなるのじゃないかというふうに思うのでございまして、この問題は、考えようによっては、一古河鉱業だけでそういう広大な土地のボタ山について除毒施設をやれるかどうか、非常に問題であろうと思うのです。こういう点は、もしそういうことがはっきりするのであれば、これはやはり国でも何か公共事業として問題を考えてあげなければいけないのじゃないか、こういう感じがするのでございますが、そこら辺の問題についてはどんなようにお考えをいただいておるか。もっとも、そう正確な御答弁はできないと思いますけれども、気持ちだけでけっこうでございますが、将来の問題としてひとつ御答弁をいただきたいと思います。

鈴木喜治総理府事務官(経済企画庁水資源局長)

○鈴木(喜)政府委員 御指摘の点でございますが、いままでに公害の排出のほうの関係と河川の水質との関係、この因果関係が明らかにならなかったということもございまして、農業関係の改良事業が公共事業としてはいままで行なわれていない、こういうような問題もございまして、ただいま御指摘のように、因果関係が明らかになれば、それがすべて足尾銅山のほうに基因するものか、あるいは現に稼働しております足尾銅山に無関係にあの付近の山から出てくるのか、そういう因果関係が明らかになりまして、それに基づいて対策がそれぞれ練られるということになると思います。そういう想定のもとに、調査委員会のもとに対策小委員会を設けて、並行してやっていこうということでやっておるわけでございます。

坂村吉正自由民主党

○坂村分科員 いずれ非常に大きな問題であろうと思うのです。結局原因が、そういうボタ山を流れてくる水が渡良瀬川に入ってくる、それが毒になっておるのだ、こういうことであれば、それについては、もとでどうするか、それから末端のほうでどうするか、いろいろ各方面から検討してまいらなければならぬ、そして有効な措置を講じていくということにならなければならぬ、こういうことになるのじゃないかと思うのでございますが、そういう点について、ぜひひとつ経済企画庁が指導性を持って、通産省あるいは農林省、そういう各関係の省に対して今後とも積極的な御指導をひとついただきたいと思うのでございますが、長官の御決意をお伺いいたしたい。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 御指摘のように、水質保全をやってまいりますのは、調査の上に立って案をつくるわけでございます。その案をつくりましたものは、農林省なり通産省等によりましてやっていただくことになるわけであります。これらの問題については、企画庁といたしましても、それが完全に定められた水質が保全されるように各省の施策の上でやっていただくように、先ほども申し上げましたように、予算の折衝の場合も、それは企画庁としても大いに施策としてやってもらわなければ困るということを申して援護もしますし、また施策そのものの方法についてもいろいろあろうと思いますから、そういう点は、それぞれ考えて実際に当たってまいりたい、こう思っております。

坂村吉正自由民主党

○坂村分科員 最後でございますが、いままでの問題としては、あそこの群馬県の東のほうの七千三百町歩という水田は、大体渡良瀬川の水を灌漑用水に使っていたわけでございますが、最近におきましては、どんどん工業も進んでまいりますし、工業用水、飲料水というようなものまで渡良瀬川の水を使う範囲というものは非常に大きいわけでございます。企画庁でも、今度四十一年度からあそこに神戸ダム――渡良瀬川の上流でございますが、神戸ダムというのを計画をされまして、本年十億の金がついております。そういう状況でございますので、あらゆる方面であの地帯の水は、大体渡良瀬川に依存しておるという状況でございます。いままでよりまた問題が非常に広範囲にわたってくるのじゃないだろうか、こういう感じがするのでございますので、神戸ダムを建設するにあたりましても、十分そういう点をひとつ頭に置いていただいて、そうしてできる限り、そのダムの施設においても除毒を何とか考える、こういうことまで御検討をいただく必要があるのじゃないだろうか、こういうふうに感ずるのでございますが、長官の答弁をお願いしたいと思います。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 そういう点につきましては、今後十分配慮してまいるつもりでございます。

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 以上をもちまして坂村吉正君の質疑は終了いたしました。  午後は、農林省所管について質疑を行なう予定でありますが、本会議がありますので、本会議の状況に応じて再開することといたします。  暫時休憩いたします。    午後一時二十分休憩      ――――◇―――――    午後四時四十二分開議

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  昭和四十一年度一般会計予算及び特別会計予算中、農林省所管を議題といたします。  これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。角屋堅次郎君。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 本会議がありまして、たいへん時間をとりましたけれども、きょうから農林省関係の分科会に入るわけでありますが、きょうは私も問題をしぼりまして、一つは漁災関係の問題、一つは農林年金関係の改正の問題主として林業政策上の問題、これは後ほど永井、芳賀両先輩も、林業問題についてはさらに深く触れられますので、それらの諸点に大体焦点をしぼりながら、農林大臣にお伺いしたいと思います。  先般、予算委員会の総括質問で、農林水産全般の問題に触れたわけでありますが、私の気持ちとしては、これは農業、林業、漁業全体を通じて、経済の高度成長の中で第一次産業はたいへん重大なところに来ておる。これを農林水産関係に熱意を持つ政治力を結集をして、何とか他産業と拮抗できるようなそういう体制にすみやかに持っていきたい、こういう熱意から、過般総括的にお尋ねをしたわけでありますが、そういう問題と関連をして、この際大臣に最初お尋ねしたいと思うのでありますけれども、ことしの農業白書、あるいは林業白書、漁業白書を通じて、共通的に、お互いが真剣に考えなければならぬ問題は、農産物あるいは林産物あるいは水産物ともどもに、ここ数年来、海外からの輸入が非常に激増しておるということであります。食糧の問題では、そういう点から食糧自給度ということを一体これからどうするのかということがたいへん問題になりますし、また漁業関係においても、それが特に沿岸漁業にどういう影響を与えるかということが大きな問題になりますし、また外材の輸入の増加ということが、国有林野事業あるいは民有林のいろんなこれからの発展というものとからんで大きな問題を提起しておるということは、大臣御承知のとおりであります。  そこで、農業関係については、自由化、非自由化の問題はありますけれども、たとえば米で言えば食管制度がある。あるいは畜産物の関係で言えば畜産物価格安定事業団があるというふうな、それぞれ主要なものについてはある程度の措置があるわけでありますけれども、しかし、水産関係については、そういう措置というものがない。あるいは外材の輸入という問題についてもそういう措置というものがない。そこで、一次産品のこれからの輸入の増大に対処して――もちろん国内の総生産を増大するという基本方針に立たなければなりませんが、それにもかかわらず、相当程度のものが入ってくる。そういう問題に対して、私はやはり農業方面は農業として、漁業関係は漁業として、林業方面は林業としてどうするかという、そういうきめこまかい一次産品の輸入に対する対処が現実に必要になってきているんじゃないか。事実、たとえば林業白書の中でも、「外材の動向」の中の「国産材と外材との競合性」というところの末尾に、「このような競合の程度いかんによっては、外材輸入の適正化を考慮する必要もあるであろう。」こういうふうなことを、たとえば林業関係では指摘しておりますし、また最近の新聞の社説では、いわゆる漁獲物の輸入という問題を大きく取り上げておる。特に漁獲物の輸入の関係については、これは韓国の関係との問題というのが、別格に取り扱うべきかどうかということがあるだろうと思う。われわれは、党としても、こういう一次産品の輸入対策というのが、国内の農林水産関係の生産基盤あるいは経済基盤というものの強化と見合って、どうすべきかということを真剣に考えるべき段階に来ておると思うのでありますが、これらの問題については、農林省としても、ただ、いわゆる他力本願あるいは輸入依存と、最近のそういう傾向が強まっておる段階において、もっと主体性のある立場からこういう問題にまた、先ほども言うように、きめこまかく真剣な検討をやっていくべき段階に来ているんじゃないかと思います。これらの基本的問題について、総括的に農林大臣の見解をお伺いしたいと思います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 ただいまの問題は、なかなか大きな問題でございますが、お話のとおり、については、米なりあるいは畜産物等については、それぞれおもなるものについて多年の実績が積み重ねられてこれらの問題ができておるのは、お話のとおりでございます。  次に、水産の問題でございますが、これらにつきましては、そういう米あるいは畜産物のような、そういうものがはたして、適当であるかどうかという問題も、もちろんあります。いま御指摘のようなことについて、輸入水産物に対してどうこれを処理するかという点についていろいろお考えになっておるその趣旨そのものは、私も同感でございます。そこで、現在のところは、御存じのとおりに外割制度の活用をやるとか、それから、入ったものの国内における受け入れ方をどうするかということによって、これらの問題を国内の沿岸漁業、中小漁業等に対する悪影響のないように考えるということで、具体的には進んでおるのでございまするが、なお、これらの問題についてはやはり根本的に考える必要がある。そういう点について、いまお話しのような、そういうものが水産物についてはたして可能であるかどうかという問題と、それが適当であるかどうかという問題等もあろうと思いまするけれども、とにかく全体の問題を考えていく必要がありますので、沿岸漁業振興審議会においてこれらの問題を検討を加えるように、いま審議していただくようにやっておるわけでございます。  それから林業の問題、いわゆる外材の輸入の問題でございまするが、この外材の問題についても、いま御指摘のように、やはり何といっても輸入材というものは補完的なものであって、それはいま御指摘のとおり、国内においてこの生産を維持していかなければならぬということは、われわれもそう考えておるのでありまするが、これらについて、いまこの農産物やそういうもののような機関をつくって、それらにこれらの調整をとらすということが、はたして適当であるかどうかという問題については、この外材についても同様に深くひとつ検討を加うべきものである、こう考えておるのでございます。多くは、現在、大体において業界の自主的調整によってこれをやっていこうということでやっておる。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 いま私のお尋ねした問題は、たいへんこれから重要な問題だと私は思うのです。農林省としても、農産物、水産物あるいは外材関係、こういうようなもののこれからの輸入について、一体どういうふうにすることが日本の第一次産業の発展と調和しながらいけるのであるかという点を、私は真剣に考えてもらいたいのです。これらの問題についてさらに深く入ることは、いずれ機会をあらためていたしたいと思いますが、そういうふうにぜひひとつお願いをいたしたいと思います。  次に、これは数日来参議院の農林水産委員会でも一般質問の中で真剣に触れられた問題の一つだと承りましたが、農林年金の改正問題、これは社会党のほうではすでに鋭意検討の結果、湯山君を代表にしてすでに法改正の国会提出をやっておるわけであります。単にこれは社会党だけでなくて、与党の農政関係をはじめとした諸君あるいは関係団体のほうでも、強くこれが改正の実現を要請しておるわけでありますが、この内容についても、私ここで深く触れるつもりはございませんけれども、すみやかに是正をすべき改正点というのがわが党から言えば十数、項目あるわけであります。これらの点については、農林省としては一部消極的だということが伝えられておりますけれども、大臣としては、やはりこの農林漁業団体関係の方々の身分を安定するということによって、いま非常に逆境にある農政の中に踏みとどまって、そして将来の前進態勢をつくってもらう中核体として、これらの問題は真剣に考えていく必要がある。すみやかに改正すべき点については是正をしていく必要がある、こういうふうに思うのでありますが、これに対する大臣の取り組み方、今後の考え方について端的にお伺いしたいと思います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 いま御指摘の問題でありまするが、これは慎重に前向きで検討中でございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 大臣は参議院では上向きと言って、ちょっとみんなびっくりしたそうですけれども、前向きにというのですが、年内にきちっとした成案を得て出されるという態度でいかれるわけですか。いかがです。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 なるべく早く検討して結論を出していきたい、こう考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 ぜひこの問題は、先ほど申したような趣旨に基づいて、与党内の皆さん方も、この点については非常に熱心にやろうという空気も盛り上がっておる段階でありますから、推進をしていただきたい、こういうふうに思います。  次に、漁災関係の問題について数点簡潔にお尋ねをいたしたいと思います。  この漁災関係の問題は、大臣も御承知のとおり、一昨年私が私どもの党の漁業災害補償法を提示する、政府からも政府提案が出るというふうな形の中でいろいろ真剣な議論を行ない、最終的には、私と当時の農林水産委員長であった長谷川さんとの間で、約一カ月近くにわたって修正点を相談し合って、やっと両者の意見が一致をして、国会の共同修正で通ったという経緯がございます。その際に、衆議院の農林水産委員会の段階でも、あるいは参議院の農林水産委員会の段階でも、数多くの注文が、大臣も御承知のようにつけられたわけであります。同時に、法案の修正も行なわれました。  そこで私は、きょうはこの問題についてもこまかく入るつもりはありませんけれども、過去この漁災法発足以来、出発をしてみて今日の漁災法の実施状況というものを見てみますと、非常に関係団体の諸君の努力が続けられておりますが、残念ながら漁船漁業の関係における加入というのはあまり伸びていないわけであります。養殖関係、漁具関係、こういう点ではまずまずというところまで加入が伸びてきておりますけれども、漁船漁業関係においては予想をはるかに下回った加入状況にある、これが現状であります。しかも、ことしの場合は、相当加入もした養殖関係において、御承知のようなノリの相当大きな被害が起こっておる。例年であれば四十億枚をこえるノリの生産が、二十数億枚に相なるのではあるまいか、こういう関係等もございまして、いわゆる養殖関係においては相当共済金額を払わなければいかぬという問題が出てきているわけであります。おそらくこれは五億程度になるだろう、こういうふうに見られております。  そこで、漁船漁業の加入がなぜ伸びないか、私どもは、当時指摘したように、やはり魅力ある漁業災害補償制度の体制にまで行き得なかった一つは、政府の再保険事業というものが一挙に実現できなかった。これについては、衆議院の農林水産委員会では、両三年で実現をするという附帯決議を付しました。さらに参議院ではスピードアップして、一両年で再保険についてはこれを確立をする、こういう形に相なりました。これがいまだにできていないのが一つの問題点であります。  もう一つは、特に漁船漁業の場合においては、限度額率が低いということであります。三段階に分かれておるこの限度額率について、少なくとも一〇%それぞれ引き上げる必要がある。この点については、漁災法の附則のところで特に私が主張して、検討事項の中に限度額率ということを明記してあります。漁船漁業の加入を促進するためには、一つは基本的に再保険事業というものを全体として確立することでありますが、並行して、限度額率の是正ということをすみやかになさなければならぬ、こういう問題が一つございます。  そこで、まず一つ一つ簡潔にお伺いをしたいと思いますが、漁災における再保険事業の検討、実現に向かっていまどういう方向で対処しているのか、簡潔にお答えを願いたい。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 角屋委員お述べの再保険事業をこの法律の面に加えていくという件については、この附帯決議の趣旨に沿うべく鋭意検討を加えておるのでございまして、まだそれをつくり上げる資料がそろい得ないので、いま水産庁においては十分な努力を重ねつつあるところでございます。これができ上がりますると速急にこれを実現するように努力をしよう、こういうことになっております。なお詳細は長官からお答え申し上げます。

丹羽雅次郎水産庁長官

○丹羽政府委員 法改正の国会修正で、共済掛け金率の問題、共済責任の負担区分の問題、限度額率の問題に検討を加えて必要な措置を講ずる、その前に漁業団体の行なう事業の実施の状況に応じて検討を行なう、こういうことに相なります附帯決議をいただいておることも重々承知しておるところでございます。そこで七年間の試験実施をやったわけでございます。これは御承知のとおり府県が非常に片寄りまして、それから定置その他漁業種類に片寄りがありました。そこで、この法が施行になりまして全国的にこの法に基づいて事業をやったわけでございますが、発足が三十九年の十月でございました。この時期におきましても加入率は非常に不足でございました。四十年に関係団体の非常な御努力で全国的に組織ができてまいりました。そして百三十億程度の引き受けを前提にして、できるだけ募集団を多くするという形での御努力を願っておるわけでございますが、現在のところ八十数億の引き受け実績でございまして、三月末までに百三十億程度の実績であろうかと存じますが、要はこの二年間の試験実施の実績をもとにいたしまして、新しくその上に積み立てていく必要があるわけでございます。ところが、いま申したとおり、過去の資料が片寄っておりますので、別に二十八県に依頼をいたしまして、統計調査部の資料等を使って、もし保険を行なっておったならばどうであったろうかということを、過去十年間にさかのぼって大作業をいま一生懸命やっておるわけであります。この結果に基づきまして、四十一年度には危険の負担区分の問題、異常、通常の問題の区分のしかた等を専門家に委嘱するという形で段取りが進んでおるわけでございます。  そこで、以上の段取りでございますので、私どもは精力的に資料の収集と設計の組み立てを急ぎまして、できるだけ早く再保険事業に進みたいと思うわけでございます。ただ、先生が共済限度の問題にお触れになりましたが、共済限度の問題は共済掛け金率とも密接不可分の関係があります。これらはやはり総合して一緒にして検討さるべき問題である、かように考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 いまの再保険の問題は、私はこいねがわくは、明年の通常国会に政府提案として出されるということを目途に、いま水産庁の長官が述べられましたように、統計調査部の保管のデータも収集しながら検討されるということでありますけれども、ぜひそういう方向で前進をさしてもらいたい。同時に、限度額率の問題は、漁船漁業の加入率の必ずしも伸展しない根本原因は何かということになれば、いわゆる漁獲共済において魅力ある体制になっていない。おつき合いはしなければならぬということで加入しておる。したがって、その付保率を見ますと非常に低い。限度額率が低いところへもってきてさらに付保率が低いという、そういう現状になっておる。それではもう実際に魅力ある体制になっていない。だから、やはり限度額率を、三段階を九〇、八〇、七〇とし、そして特に安定漁業については九五という特約を認める、われわれはそういう案を出したわけでありますけれども、そういうところに前提を置いて、まず漁船漁業における加入率をさらに高めるためにはこれを直さなければならぬ、こういうふうに思うわけでありまして、ぜひ来年の通常国会をめどとして抜本的な改正を進めてもらいたいと思いますが、いかがでしょう。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 できる限りさような目途をもって努力を払いたいと思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 そこで、先ほどお話をいたしましたことしの被害の問題でありますけれども、特にノリにおいて非常な被害が出ておる。御承知の漁災法改正の中において、特にわが党から強く希望して、国が再保険事業を実施するまでの段階において相当な災害が出た場合に、共済団体の運営に禍根を残すようなことがあってはいけない、これは漁業共済基金だけの運営ではだめになる場合がある、そこで、法案修正をして百九十五条の第三項を加えたわけであります。そういうものを、今日、行政的財政的に養殖共済の問題については発動する状態ではないのか。特に、そういうことを提唱した責任者である私としては、立法の趣旨はまさにそこにあった、こういうふうに思うわけでありまして、その点についての御見解を承りたい。

丹羽雅次郎水産庁長官

○丹羽政府委員 本年度のノリの被害につきましては、いま鋭意調査中でございますが、被害は非常に大きいわけでございますので、先生御指摘のとおり、やはりこの制度におきまする共済組合の支払いも相当多額にのぼっております。それで、制度的には御承知のとおり基金がございまして、その資金の裏づけは基金から融資をする、こういうことになります。そこで、損益計算の場合から言えば、そこの利子の問題等がからみまして、そこに団体としての収支の面において問題が発生することは御指摘のとおりでございます。ただ、金利の問題は別といたしまして、やはり保険でございますから、あるときには大きな被害があり、あるときには被害がない、それで長期均衡をはかるというのが本来の問題でございますが、異常がございますので、再保険の制度があればそうならないはずだ、その点は御指摘のとおりに考えるわけでございます。そこで私どもといたしましては、現在の実態が明らかでございませんが、明らかになりました姿の問題と先ほど御指摘の再保険の問題それから国が援助するとすれば財政の問題、予算の問題とからみますので、この三つは総合して明年度において考えたい、かように考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 漁業災害補償制度の問題については、農業災害補償法と並び、今後さらに内容の整備をはかっていかなければならぬ。農災の問題についても近く家畜共済の関係についての改正が出てまいります。今後の問題としては、かねて懸案の果樹共済の問題をどうするとか、いろいろまだ内容的に是正しなければならぬ問題がございます。大臣としても農政に非常に熱意を持っておられるわけでありますが、これは非常にじみな問題でありますけれども、農家、漁業者から見ると非常に直接身に響く問題であります。したがって、農災には触れませんでしたが、それは料率の問題であります。漁災についても、来年度通常国会を目ざして再保険事業のできるだけ完全な体制をつくって、その中での内容の是正というようなものについては一そう熱意をもってやっていただきたい。同時に、本年度の問題としては、先ほど申しましたようないわゆる災害の問題にからんで百九十五条の三項の発動というものを実態に即してぜひひとつ御考慮願いたいと思うのであります。  次に、林業政策上の問題に触れたいと思います。林業政策の問題は、過般の予算の総括質問でも十分時間がなくて、大綱的に触れた程度にとどまって非常に残念でございましたけれども、いずれにしても、林業政策の問題を考える場合に、与野党を通じての共通の基盤は、林業基本法を議論した段階においては、社会党は独自の森林基本法案を出しておりましたけれども、与党と社会党との間で真剣にお互いの討議を重ねて、最終的には政府原案を相当の項目について修正して、そして成立をさしたという経緯がございます。しかも、この成立の過程において、特に衆議院の農林水産委員会においては、高見委員長から当時の赤城農林大臣に対して、重要な林業政策上の問題についての委員長の異例な特別質問を行なって、大臣がこれに答える、こういう形で今後の林業政策の運営の基本というものをお互いに確認し合いながら、共同修正で林業基本法案を修正可決をしたという経緯がございます。そういう経緯を振り返ってみて、今日林業基本法制定以来三年目になりますけれども、一体、林業政策はどこへいったかというふうな感じがつくづくするわけであります。林野庁というのは、今日日の色を変えて考えておる中心問題は一体何なのか、わが国の林業政策といりものを総合的に真剣に取り組むという姿勢なのか、そうでなくて、何か中央森林審議会からちょいとものを言われたら、それに飛びついちゃって、そして大局的見地を失って、周章ろうばいをしている姿でないのかという感じが私は率直に言ってするわけであります。そういう林野庁の状態の中で、先ほど冒頭に触れましたように、外材かどんどん入ってくる。実際に外材の必要な量というものがあるから、それが入ってくるということを、われわれは鎖国政策的にこれをやめよと言うのではございません。しかし、まず主体的に日本の林業というものががっちり体制が確立しておって、そして不足した分について外材が入るというならばよろしい。そうでなくて、外材が無計画にどんどん入ってくるという体制になると、わが国の林業そのものがどこへいくのかということにならざるを得ない。大臣にお伺いしたいのでありまするけれども、待望の林業基本法ができたということで、林業関係者の諸君は注目したと思うのでありますが、その後の林政というものは一体どこへいったのですか。どういうふうにこれからの林政をやろうとするのか、その辺の林業政策に対する基本的なかまえについて大臣からお考えを承りたい。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 林業は、非常な公共性を持っておることは言うまでもありません。いわゆる治山治水の問題を包含して、国土の保全の問題、それから重要なる木材の生産のもとであるところの森林の培養、増強、こういう問題、なおそれらを通じて地元の方々に対する寄与という点、それらのことを極力――しかもこれは一時的な問題ではないことは当然でありまして、継続的に、そしてこれらの問題を能率的に進めていくというところにあることは、角屋君もよく御了承でありまして、さような方向に向かって努力はいたしておるわけでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 林業基本法案審議の際に、経済主義的あるいは生産第一主義的政府原案に対して、林業の持つ公共的性格というものをきっちりしなければならぬということで、各条項にわたってそういう精神が貫かれておる。これが一つであります。それと、これは国有林、民有林全体を通じて、林業政策の総合的な発展というものをはからなければならぬ。それがためには、計画も必要である。また、それの推進に対する体制の整備も必要であるというふうな考え方が一つであります。それから、われわれが法案の修正の中で強調したことのもう一つは、やはり山をささえておる林業労働者というものを抜きにしては考えられないはずである。したがって、林業労働者の雇用安定問題あるいは労働条件の改善問題等々を含めたそういうものの前進は、やはり計画的にはかっていかなければならぬというふうなところに骨子を置いて、しかも当時われわれが議論した段階において、木材の需給というものが必ずしも円滑でない。その根本的な要因の中に、国有林が過伐化傾向化して、いわゆる増伐をしなければならぬことを要請される反面、民有林の中で大山林地主の財産保有的な性格というものが依然として是正されないということについて、特に法案の修正をして、そういうものが粗放的な経営に流れることがあってはならぬということで、さらに行政的な指導を行なうという意味の修正まで加えたはずであります。一体、林野庁長官は、林業基本法の制定以来三年目になりますけれども、与野党の共通の基盤として、お互いがこれからの林業政策についてはこう意思統一のもとにやりたいという問題について、具体的に事務当局としてどういうふうに進められてきておるのか。私をして端的に言わしめれば、昨年の三月に中央森林審議会から何か答申が出ると、それでもう目をそちらのほうに奪われてしまって、わが国の林業の長期的展望に立って今日何をやらなければならぬかということを閑却しているのではないかという感じが、率直に言ってする。いかがですか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 林業基本法制定の趣旨について御意見があったわけでございますが、林業基本法は、お話の中にありますように、林業を産業政策の立場で見ていくということにその基盤があると思います。それで、森林が国土保全等の公共的機能を持っているから、これを公物として管理していく。そうして、その経営にいろいろそのための規制を加えるというのが、森林法として上からのものであるとしますと、林業基本法は、森林はまた木材という商品を生産する場であるから、森林をめぐって林業がそこに成立する、そういう林業の生産性を向上させ、これに従事する人たちの所得を向上させる、その結果として総生産の増大をはかるというようなところにあったと思います。その趣旨に基づきまして、まずこの経営基盤あるいは生産基盤の整備から入っていくのが順序であるということで、成立以後、林道の整備なり、特にこの経営基盤が零細規模の保有の形になっておりますので、この小規模林業経営の規模の拡大というようなことを中心に、さらにそれの協業化の促進、そうして機械等の導入によるところの近代化ということで林業構造改善事業の推進をはかりまして、四十一年度では、あるものはその第二年目、あるものはその第一年目ということに相なっております。  なお、この林業経営は、何といいましても、きわめて息の長い仕事でもあるし、じみちな仕事でもありますから、基本法が成立したからといいまして、目のさめるようなふうにはまいりませんが、逐次着実にその根をおろしつつあるというふうに考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 最近国有林野事業の特別会計が財政的に非常に苦しくなってきたということがいわれるわけであります。これの根本原因がどこにあると見ておられますか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 国有林野事業は、特別会計で独立採算制をたてまえといたしておりますが、最近におきます木材価格の安定といいますか、横ばいといいますか、そういう収入面に比べますと、一方支出のほうは人件事務費を中心に増高を来たしております。で、生産性の向上は人件事務費の上昇を吸収し得ていないというような状況に、この国有林野事業の経理面の苦しさの原因があるというふうに見ております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 大臣にお伺いしたいのですが、わが国の国有林というのは、大臣も御承知のとおり、面積にすれば約三分の一、蓄積量にすれば約半分、こういうふうに見られておるわけですけれども、しかし人工林の比率というのは、奥山の関係あるいは水源涵養林、保安林等の関係等々もありまして、現在レポートによれば一三%というふうに見ておると思います。現実に特に国有林の場合においては山林の公共的性格というものが非常に強い、これはもう地勢的状況からいってもあるいは実際の国有林の内容からいっても、公共的性格が強い。しかも企業的面についてもやはり追求していかなければならぬ、こういう両面が私はあると思う。本来これは国有林たると民有林たるとを問わず、林業そのものが一般的に商工業のようなはなやかな産業と同様な採算ベースに乗り得る産業であるかどうかという問題も私はあろうと思う。したがって、最近は第一次産業に対する経済合理主義ということが、特に財界あるいは学者の一部の諸君から強く追及されますけれども、産業の基本的性格というものを無視をして、経済合理主義というものを貫き通そうとすると、そこに非常に大きな問題が起こると思う。林業そのものがいわゆる通常の商工業と同じような採算ベースに乗り得る産業であるというふうに考えておられるか。特に国有林の場合に、中央森林審議会の諸君は企業性の追求というようなことを盛んに言うけれども、一体そういうことで国有林林野事業の持つ使命というものが果たせると考えておるのかどうか、これらの点についてお伺いしたい。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 ただいま角屋分科員の御指摘になっておりまする国有林の公共性の強い点はそのとおりでございます。民有林においても私はそうだと思います。保安林のごとき、特に国有林はさようであります。それは御指摘のとおりでございます。その際において企業性に立っていくかいかぬかという問題は、私どもとしてはやはり高能率的に経営をしてまいるというところに意味があると思う。これは角屋分科員もよく御存じでありましょうけれども、国有林町事業の公共性は、現在の国有林の役割りというものを国民の福祉のために、継続的に、長く、永続的に行なうところに私はあると思うのです。その役割りたるや、これは先ほどお話しのとおりに、非常な公共性を持っておること、それから同時に、森林の増植、保育、維持、こういう問題、これらをみな包含しての話でございます。これをいま申しましたように、国有林は特に公共性を持って永続的に活動していくべきものであると同時に、その運営については、企業的にかつ能率的に行なっていかなければならぬ、この両面をもって進んでいきたい、こう考えておるわけでございます。ただ商工業のように、非常に有利にいくとかいかぬとかいう問題になりますと、国有林については、いま言ったような使命を持っておるものでありますから、そう営利的なことだけを目ざしていくわけにもいかぬことはお話のとおりでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 林業の問題は林業白書でもすでに書いておるように、アメリカとかイギリスとかフランスとか、欧米諸国の国有林あるいは公有林あるいは私有林、こういうものの状態を見てみると、国によって若干違うけれども、大体三割くらいは国有、二割程度が公有、あとが私有と、これは国によって資料がありますから、御承知のように大なり小なり違いますけれども、そういう形になっておるところに、まさに山の公共的性格というものと、いわば経済的性格というものの両面が出ていると私は思うのです。案外そういう点における基本的認識というものを誤ると、たいへんなことになると私は思う。昭和七十七年の段階までの木材需給の見通しというものを林野庁で立てられたのですね。あれを見てみると、大体これから二十五、六年以降においては外国からの輸入をぐっと減らしていくということの見通しを立てておる。そして需要に十分国内のものが添えるような体制の見通しを立てておる。一体今日のようなふらふらした段階でそういう体制が出てくるのかどうかという点に率直に疑問を持つ。山間部における労働力不足問題、造林能力、いろいろなものがあるでしょう、ありますが、そういうことをきっちり一つ一つやっていかないと、これから十年、二十年、三十年後における木材の需要に応ずる国内生産というものは一体どういうふうになるのかという点が、ことしのざっと洗ったような林野庁から国会に出しておる政府の林業白書を見ても危惧の念を抱かざるを得ない、そういう状況だと私は思うのです。林野庁の長官、どうですか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 将来の木材の需給につきましては、いまお話のように、長期の見通しとしての全国森林計画を出しておりますし、それから林業基本法に基づく需給見通しを三月にまた提出をすることにいたしております。やはり木材の自給率をできるだけ高めまして、外材は補完的にこれを輸入していくというたてまえをとっておりますが、そういう方向へ持っていくためのわが国の林業経営のあり方として林業基本法があり、また国有林におきましても、そのような方向へ国有林が指導的な役割りを演ずるために、いまも大臣がお話になりましたように、できる限りこれを合理的、能率的に運営することによってそのような使命の達成に向かっていきたい、こういう考えでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 私は、もうこまかい数字のことは、暗くなったのでちょっと見えぬ点もありますから触れませんけれども、国有林野事業というものを、経営が悪くなったとかなんとかいうことで見る見方、林野庁のいまのような頭の見方で見ずに、もう少し客観点に見てもらいたいと思うのです。一つは、立木処分というようなことをやる。素材生産との関係において、林野庁自身が今後の改善策としては、もし、かりに昭和四十五年までに素材生産を二百万から大体六百万立方米だったかと思いますけれども、そういうふうにしていけば、十五億から約四十億の増収を期待することができる、というふうな、立木処分と素材生産との利害得失というようなものについての一端を出しておりますけれども、私は本来国有林野事業というならば、しかも国有林の持っておる面積、材積、将来の国民経済の需要にこたえる体制、国有林の果たすべき役割から見るならば、国有林野事業らしい経営のやり方をやるべきだと思う。何か地主的に立木を処分をしてやっていくという形式が、国有林野事業本来のやり方ではないと私は思う。あるいは請負にまかせる、こういうやり方では事業ではないと私は思う。そういう点について、私は大臣に総括質問のときにも言いましたけれども、やはり山間部におけるところの林業労働力というものは、どんどん減りつつある。むしろ国自身が基幹労働力をちゃんと持つ体制を整備すべきではないかということさえ言ったわけでありますけれども、そういう問題と、林業そのものが本来他産業と比べてペイする産業であるかどうかというふうな点にも思いをいたして――いままでにおそらく九百数十億からの林政協力というものを特別会計からやってきておると思う。そういうことを、なぜ林業の基本的な性格、そういうものからこれはもっと内部蓄積あるいは将来の生産の増強のための基盤整備に使うということでがんばってこなかったのか。今日になって、やっとそういう林政協力については何とか大蔵省にもかんべんしてくれないかということを言いだしていものは、私は時期としてはおそ過ぎると思う。そういう林政協力の過去の問題あるいは実際の立木処分というもの――特にこの立木にしても、素材生産にしても、私どもとしては、山は大体奥地あるいは平場でも相当奥のほうにあるのだから、木材関連産業あるいは地元の協力も国有林として得なければならぬから、そういう点についてはできるだけ従来の関係を、十分地域住民の立場から考えながら、力を持ったパルプ資本とかそういうものに対する対価は正当に取るべきだと思う。私は数字には触れませんけれども、そういう点は大安売りをしておいて、地元に対するサービスをどんどん削っていこうとするやり方では、真に国有林野事業というものが、国民の山として地元から喜ばれる体制とはいえないと思う。むしろ林野庁のやり方は、どんどん国有林野事業本来のやり方から見れば逆行してきているのではないかと私は思う。林野庁の旧来の頭でなくて、もっと国民的な立場で、国有林野事業のあり方はどうあるべきか、力のある者にはなるべく高く買ってもらったらいい。力の弱い関連産業や地元に対する協力の問題では安く売るという政治、これが私は林業政策の本来のあり方だと思う。大臣、どうなんです。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 この林政特に国有林の問題は、先ほども申したように公共性の非常に強いもの、これは当然そうあるべきもの、そういうことでありますから、林政協力の問題、また地元民に対するいろいろの寄与の問題、そういうこと、さらにまた奥地林道、これは開発の面ももちろんありますが、そういう問題等について一そうの努力を払うべきものでありまして、国有林がこれによって非常な営利を目的とするとか、そういうことはもちろん――角屋委員もそういうことは特別に強く主張されておるのでありますから、それは同意見でありますが、ただそうはいっても能率よくやるということ、これはどうしても考えていかなければならぬので、私はその意味においても、能率を高めるという意味で企業性ということを申しておるのであります。公共性の必要なことは、これは言うまでもございません。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 したがって、国有林野事業の数年来の会計の悪い理由は何か、こういう点について、林野庁のほうでは五つも六つも理由を並べておる。私はしっくりこない。林業基本法を議論したときの考え方に立ってもしっくりこない。私は頭の切りかえが必要だと思う。しかも数年来ずっと経団連の諸君あるいは山でも大体大きな所有の諸君、こういうものがいわゆる農林省の林野庁の国有林野事業について、公社・公団論だとかなんとか出してきておる。どこにねらいがあるか。それは基本的な問題でないはずである。現在の体制のもとにおいても、農林省林野庁として、林業政策全般あるいは国有林野事業そのものについての基本的なあり方についてもっと是正をしていけば、機構いじりなんか必要ないはずである。出発点において私は間違っておるのじゃないかと思う。結局いろんなそういうジグザグコースを経て今日にくるというと、林野庁は機構いじりに目が集中してしまっている。本末転倒である。長期展望に立ってわが国の国有林の持つ重大使命にかんがみてどうあるべきかということを検討すべきでないのか。林野庁長官、どうです。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 将来の国有林野事業のあり方については、これからの社会経済情勢に対応していかにあるべきか、その点を農林大臣から中央森林審議会に諮問をいたしまして、そうしてその諮問に対して昨年その答申を得たわけであります。そういうような経緯を頭に置いてこの国有林野事業の将来のあり方について現在検討をしておる次第でございますけれども、申すまでもなく、国有林野事業は、先ほど大臣からも申されましたように、きわめて重要な公共的役割りをになっているわけでございますから、その役割りが十分に達成し得るような経営の形態というものを考える必要があるし、また公共的な役割りを達成するための方法についても、最も合理的な仕組みを考える必要があると思います。そういう意味合いで、ただいまいろいろ検討をいたしておる段階でございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 大臣、公社とか公団とかいう国有林野の機構問題については、本来こういうものは本質的な問題でなくて、出どころからいっても、一体そういうものが何をねらっておるかということには大きな問題があると思う。そういうことの前に、わが国の林業政策の中における国有林野事業の持つ使命、それを一体どういうふうに達成をすべきか。その中において、過去のずっとやってきた中に、いろいろ苦労してやってきているのだけれども、やはり直さなければならぬ点がある。強い者には強く、弱い者には手助けをするという農政全般の姿勢の中で、林業問題の本質を忘れては、これは農林省の林業政策とは言えないと私は思う。そういう立場に立って国有林野事業の今後のあり方をどう考えるか。パルプ資本や観光資本のお手伝いだけをする必要はない。そういうところは、必要なものはどんどん売るときにも当然の値段で売ればいいし、また手数料やあるいは貸し料も正当にとればいいと思う。そういう点では最近のこの行き方は何となく弱い者いじめで強い者に迎合する。こういう基本を直さなければ、公社、公団、やれ何だという機構いじりだけでわが国の将来の国有林野事業が正当に伸びるとは絶対に思わない。大臣はどうなんです。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 先ほどから国有林の性格なり機能なりについてお答え申し上げたことによって大体おわかりであろうと思いますし、また先ほど長官からお答えしたことも加えてお考えを願えば、再び私から何も申すことの必要もなかろうと思うのでありますが、言うまでもなく、中央森林・審議会において答申を得ましたのは、これはいわゆる企業性を持つという意味もあり、早い話が民有林及び国有林というものを一つにして一つの行政をやろう、それと離して、国有林そのものを企業経営的にやろうという、そういうこと、そしてそのほうがいわゆる能率的に動き得る、運営し得るということから答申されたものであると思いまするので、われわれとしては、そのものについても十分、いわゆる公企業化ですか、それを含めて、この公共性すべてのことを包含いたしまして、これらの問題にこれこそほんとうに真剣に検討を加えておるのでございます。この国有林のほんとうのあり方を如実にあらわすことにきわめて熱心に今後とも進んでいこう、こう思いまするから、そういうようにひとつ御了承を願いたいと思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 林業白書によると、林業の関係者というのが三十七万、その中で林業労働者というのが二十二万ある、こういうふうに分類をしてありますね。あとは林家あるいは家族というものになるわけなんですけれども、中央森林審議会というもののメンバーというものを見てみれば、林業労働者なんというのは一人も入っていません。大体、林野庁長官だったか、営林局長だったか、あるいはパルプ会社の重役であるとか、産業界の諸君であるとかというふうなものだけで議論をしたそういう議論である。やはり林業を構成しておるのは、単に山持ちだけで林業は成り立っているわけではなしに、それをささえておる林業労働者というものの意向というものももっと十分――これは林業基本法の中の林政審議会でもそうでありますけれども、そういうものを十分織り込んで、総合的なわが国の林業政策をどうするかということで真剣に議論をされて、出てくる結論についてはぼくらも十分これを尊重する気持ちがある。しかし、過去における中央森林審議会のメンバーの諸君が何ぼ議論したって、これはわれわれとしてはそのまま受け取るわけにはいかない。特にそういう諸君が機構をいじろうとするときには、機構をいじろうとするねらいがある。本来そういうところに林業政策の根本的な問題はない、こうわれわれは考えるのであって、大臣も、林野庁の長官も、あるいは林野庁全体としても、もっと客観的な立場から真剣に考えてもらいたい。大臣いまお答えのように、国有林野事業を含めて中央森林審議会の答申の問題についてはそれこそ真剣にひとつ総合的な立場から検討したいというお気持ちは、大臣は純真な人ですから、そのまま私は受け取ります。本来やっぱりこういうものの考え方の発想あるいはその考えの出てきたゆえん、意図、そしてこういう機構を通じて当面昭和四十五年までに五千人の人員の首切りをやるとか、そういうふうな、ちょっと苦しくなったということを理由にやろうとする手は、人員整理、首切り以外にない、あるいは合理化によってさらに人減らしをやろうというふうなことでは、林業基本法でわれわれ共通の意思統一のもとにやってきた林業政策の長期的展望に立った意思統一というものを根本的にくずしておるということだと私は思う。したがって、これらの問題については、林野庁はそれだけにもう目をくれちゃっていると思うのであります。長官として言い分があれば承りたい。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 国有林の将来の展望に立っての大計につきましては、言うまでもなくその一応の案ができました場合には林政審議会に諮問をいたしまして、十分にそこで練っていただくというつもりでいるわけでございます。いま人減らしの話がございましたけれども、人事の刷新といいますか、そういう面で、これは職員全体の要望でもございますから、できるだけこれはその要望にこたえて進めてまいりたいと思っておりますけれども、いわゆるいまお話のございましたような首切りですか、そういう考え方は全然持っていないわけでございます。いずれにいたしましても、先ほど大臣からお話がございましたように、国有林野の課せられた使命を十分に達成し得るようなそういう体制の中で、でき得る限り合理的、能率的に運営を進めてまいりたい、こういう考えでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 大臣、簡単に。時間の関係もありますから。私はもう世話役であって、人のときにはやかましく言って自分のときだけ延ばすわけにいきませんから。きょうはおそくなってしまいましたからもう三点だけ聞いて終わります。  一つは、国有林野事業が事業としての性格を持つ以上は、やはり直営直用ということを重視していく必要がある。これがだんだん後退傾向である。今後やはり国有林野事業推進の立場として直営直用という点を中心に国有林野事業をやっていくという、そういうふうに理解していいかどうか、これが一つの点であります。  それから、約一千億にのぼる民有林協力といいますか、民生協力をやってきたわけでありますが、今後は治山の問題をはじめそういう関係については国有林野事業の関係は持ち出しをしない、こういうことで来年度予算以降については善処される方針であるかどうか。  それから、先ほども林業基本法の議論の際の一つの柱として言ったように、何といっても民有林の場合でも、国有林の場合でも、林業をささえておる第一線の林業労働者の雇用の安定問題、労働条件、社会保障というものに政治の光を当てていくという姿勢がなければ、長期展望に立った林業というものは成り立たない。そういう点については、今後とも、社会党からも雇用安定法案については提案をしておりますけれども、真剣に取り組んでいく、こういう考え方であるか。  以上三点について大臣から明確に御見解を承りたいと思います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 一つ一つお答えを申し上げます。  林業としてはできることならば直営直用ですか、それがよかろうと思います。しかし全部それでやってしまうというわけにいかぬので、これはやはり臨時的な仕事であるとかいったようなものについては、またそれに近い問題とかいろいろの、派生的というのはおかしいですけれども、そういうものについては直接やれないものもあるし、またやらぬほうがいい、こういうものもございまするので、そういう場合においてはそういうものをして行なわしめてまいるということは、これはやむを得ぬと思います。  それから民生協力の問題につきましては、要するに民生協力でありますから、公共的な性格を持っておる以上は、資金があればやっていいと思うのですが、本年からはそれがなかなか困難になったようです。ですから現実問題としてできないので、むしろ今度国有林の林道についても一般会計から支出をして(角屋委員「それは治山のことですよ」と呼ぶ)その、なにをいたしておるようなわけでありまして、そういうことでありますから、ここの民生協力は金のないときはできないということなんです。残念です。  それから雇用安定の問題でありまするが、これは言うまでもございません。これは特別に何も言うまでもないことでありまして、そういうことに努力を払っていかなければならぬことは当然であります。ただ問題は、もっと正確に言えば、でき得る限り機械力なり組織の方法なり、そういうことで終年仕事ができる、続けていけるという体制にもっていきたい。これはすぐにはできませんけれども、そういうところまで考えていきたい、こう存じておるわけでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 あとにまだ永井さん、芳賀さん、ベテランがそろっておりますから、答弁の内容は、私はさらにきちっとしておきたいところでありますけれども、ただ、金のあるときは出す、金のないときは出さぬということじゃなしに、ここ十年くらいの間、やはり国有林野事業内部の、将来の国有林野事業の役割りをフルに発動できるための内部充実に真剣に取り組まなければならぬ段階ではないか、こういう事業でありますので、金のあるときとか、金のないときとか気楽な考え方でなくて、もっと基本的にこの問題を考えてもらわなければならぬと思うのです。  それから直営直用の問題でも、やはりこれを中心に考えるということが、将来展望に立った国有林野事業の国有林野事業らしいやり方だ、私はそう思うがゆえに強く主張したわけでありますが、そうなれば一と三とは関連をして、やはり雇用安定あるいは社会保障の充実などというものは当然裏づけられるということになるわけであります。  あとにベテランが控えておりますので、以上で私の質問を終わらしていただきます。

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 これにて角屋堅次郎君の質疑は終了いたしました。  次に、永井勝次郎君。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 長官にお尋ねいたします。  林業基本法はできましたけれども、あれだけでは十分ではないと思うのです。林業政策を具体化していくための関連の法律、関連の予算、そういった肉づけが必要であろうと思いますが、基本法ができてから数年たつのでありますが、あまりにも遅々としてこの法は進まない。これらの肉づけ関係の立法化、あるいは予算化、必要なそれぞれの施策はどのような日程でお考えになっておるのか、明らかにしていただきたいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 林業基本法の具体的施策につきましては、先ほども申し上げましたように、きわめてじみな事業でございますから、目のさめるような展開はむずかしいのでありますけれども、まあ内容を申しましても、林業経営の生産基盤の整備は林道からということで、昨年は低開発地帯の開発のための林道を開設するための法改正を講じたわけでございますが、さらに今回のこの通常国会におきまして、土地の高度利用と林業経営基盤の拡充という意味で、入会林野等の近代化、これの法案を準備いたしているわけでございます。  それから予算の面につきましては、いまも申し上げました林道の開設推進についての予算化を進めますと同時に、造林については、その補助単価の向上をさらにはかり、また一方林業流通の面では、素材の生産過程における合理化による機械化の推進等について予算化をはかっているわけでございます。  さらにこの林業の経営の問題は、一番やはり零細企業にあるわけでございますから、これの構造を改善するための事業を強く今日まで推進してまいったのでございますが、今後も引き続いてこれを強力に進めてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 先ほど角屋君の質問に対して長官からただいまの答弁はありましたので、承知をいたしております。しかし、これらの問題は、言ってみれば対症療法であって、当面の対策であろうと思います。林業はやはり長期展望に立った施策を推進しなければいけないのでありますから、それにはやはり法律的な根拠、あるいは長期の具体的な施策、そういうものを裏づけにして林業基本法に早くいろいろな肉づけをしていくのでなければ、林業基本法がただ抽象的にあるというだけで、具体的に動ける体制ではない。私は、関連法律は少なくとも二十以上を数えるのではないかと考えられます。それほどの広範な法改正を必要とするし、法律を改正しますためには、その基本として林業のこれからのあり方、林政の方向というものについてもっと内部でディスカッスして、確実に長期の路線をしくようなそういう体制ができなければ法律改正まではいかない、こう思うのです。そういう点で法律改正が進まないということは、内部においてそれだけ成熟していないのだ。いろいろな政策が成熟していないで、まだ未成熟のベンディングの姿である。それで、いろいろなことがおくれておるのではないか、こう思うのですが、長官は、今日の情勢においてはこれで十分だ、いまのやり方で十分である、足りないところはない、こういうふうにお考えなのかどうか、その点をお示し願いたい。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 その点につきましては、先生のお話のとおり、決して現在これで十分であるというふうに考えているわけではございませんので、まず林業基本法によってその方向は示されたわけでございますけれども、林業経営の実態そのものが、林業基本法の趣旨に沿って動いていくほど各方面で成熟をしていないということが偽りのないところでございます。そういう意味から申しまして、さらに林業経営の実態について十分な把握、これが必要でもございますし、それを将来どのように持っていくかの対策につきまして、さらに検討を加えていく必要がきわめて多い、こういうふうに考えております。そういう意味で、今後さらに努力をしてまいりたい、こう考えております。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 国有林野の事業の役割りと経営のあり方に関して、昨年の三月に中央森林審議会から答申かなされました。この答申を――これは大臣にお伺いしたいのですが、もし大臣が何であれば長官から伺いたい。この答申を政府はどのようにこれを受けとめて、どの程度の検討をされておるか。そうして、今後その検討に基づいてどのような日程でこれを取り扱っていこうとしておるのか、これらの日程を明確に伺いたいと思います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 この問題については、先ほど来一応お話を申し上げておったわけでありますが、国有林野事業については、その組織形態を国有林野事業の使命を最も効果的に、かつ能率的に果たすことができるものとする、こういう方向で、中央森林審議会の答申にいうております、独立の人格を持った公企業形態、それを含めて、目下検討を進めておりますが、機構改革はきわめて重要な問題であり、また、あらゆる方面の理解、納得、協力を得る必要もありますので、慎重に検討を加え、結論を示すことにいたしたい、こう存じております。日程については、なお現在申し上げる準備ができていないのでありますが、極力促進いたしたいと存じます。なお、先ほども申しましたように、これらの問題については、重要問題でありますから、結論の方向ができれば、林政審議会にももちろん諮問いたしたい、かように存じております。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 そのめどは大体どの辺に置いておられるのか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 四十一年度の予算の要求の経緯からいいまして、四十二年度以降の国有林断事業の予算につきましては、国有林野事業を健全な方向へ持っていくための可能な施策については盛り上げていきたいというふうな考え方をいたしておりますけれども、いまここでめどについて明確に申し上げる段階ではないと思います。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 林業基本法のいろいろな推進もありましょうし、あるいは国有林のあり方についても答申がなされたのでありますから、それをいつまでもたな上げしておくわけにもいかないでありましょうし、実際においてこれを内部で検討されておることでもありますから、四十二年度の予算要求の中でその考え方を生かしていきたいとか、あるいは四十二年度は無理で四十三年度になるかもしれない、あるいはそれ以降になるかもしれないとか、おおよそのめどというものは仕事、作業を進めていく上には必要であろうと思うので、その程度のめどはおつけになっておらなければならぬはずだと思う。重ねてその辺のめどを伺いたい。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 これは、言うまでもなく機構の問題にも関連することでありますから、そう長くは――これは問題としては慎重に検討はいたしますけれども、そんな長くかかるようなことはいたしたくないのでございますから、御了承願います。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 行政機構の改革の問題でもあるから、大臣の御答弁では、慎重にはするがそう長くはかけない。そうすれば、大体四十一年度の予算の中具体化が実現していく、こういうふうに理解してよろしいですね。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 でき得るだけさような方向で努力いたしたいと思います。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 そういたしますと、林業基本法が出て数年間、必要な立法措置、あるいはそれに伴ういろいろな具体的な施策、そういうものがまだその緒にもついておらないという実情、さらに、国有林のあり方について昨年の三月に答申があったのでありますが、それを、行政機構の改革の問題だから長くはたなざらしにしておけない、まあ四十二年度ごろをめどにして実現しようということになりますと、いろいろな林業全般の施策の中で、林野庁の機構改革が当面一番緊急にしてかつ一番重要な課題だ、したがって、これをまずやらなかったらあとの問題は動かないのだ、こういうようなウエートを置いて行政機構の問題をお考えになっておられるのか。国有林においては、林業政策の中ではこの機構改革が一番重点である、これがポイントである、これが緊急を要する、こういうような評価をされておられるのか、伺います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 機構改革が最重点で、これがなければ林業政策は動かないというのも、私どもといたしましては少し受け取りかねるおことばでございますが、いずれにいたしましても、国有林野事業といたしまして現在の財政状態を改善していくための方途につきましては、できるだけ早くその方法を定めて実施に移してまいりたい、こういう考えでございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 まあいろいろな考え方や何かがありますけれども、しかし具体的に現実に取り組んでいるのが、この問題であり、その実現がもう間近いということであるから、一切の施策の前提条件に機構改革の問題がきている、こういうふうな序列でわれわれは受け取らざるを得ないわけであります。  そこで、そういうふうな日程、そういうふうな取り組み方でこれからお進みになるとすれば、その内容についても相当お考えであろうと思うわけですが、やはりこの答申案で大きな問題点となるのは、国有林野の公共性と企業性、この二つの問題を並列に見るか、あるいは公共性を重く見るか、あるいは企業性を重く見るか、こういう問題だと思うのです。答申では、企業性を非常に強く推進しなきゃいけないということが強調されておるわけでありますが、この答申に対する公共性の問題と企業性の問題とは、林野庁ではどのようにこれを受け取り、どのようにこれを消化し、次の機構改革その他の施策の中にどのような方向でこれを生かそうとしておられるのか。これらの問題は非常に重要であると思いますから、林野庁の長官から、この問題について伺いたいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 答申が言っておりますのは、先ほど大臣からもお話がございましたように、独立の人格を持った公共企業体ということを言っております。そのことは、企業性が公共性に優先しているとか、並列であるとかいうことではないように思うのでございます。あくまでも国有林野事業に課せられた使命、言うまでもなく、それは公共的な事業、これを達成することを第一義として考えて、そうしてこれを事業運営の面で発揮していく、このやり方はできるだけ能率的、合理的でなければならないということを言っている、そういうふうに理解をいたしております。  それで、今後林野庁におきまして機構の問題を考える場合に、この中央森林審議会の答申のとおりに進めるという考え方でやっているわけではございません。答申の趣旨も含めて最善の方途を講じてまいりたい、こういう考えでございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 国有林のあり方というのですから、国有林を一番よく知っているのはやはり林野庁だ、裏も表も縦も横も知り尽くしているのが林野庁だ、ところがこれらの国有林のあり方についてどうしたらいいんでしょうかと諮問する、これは、やはり林野庁自体の中で、国有林のあり方について相当論議をして幾つかの問題点が出たら、その幾つかの問題点を、この点はどう考えるか、この点はどう考えるか、こういうふうな諮問のしかたがほんとうではないか。一番知っているものがその中での問題を摘出して、そうして問題点を諮問する、それを受け取ってそしゃくする、総合的に組み立てていく、こういう諮問のしかたが正しいのじゃないかと思うのです。国有林自体が私はどうしたらいいでしょうか、私の進み方はどっちの方向に動いたらいいでしょうか、こういうまるはだかになって人に聞くというこの詰問のしかた自体が私は問題があると思うのです。しかし、そういう出し方をして答申はなされましたけれども、やはり国有林のことをほんとうに知り、国有林のいいところも悪いところも知り尽くしているのが林野庁であるから、その答申をそしゃくして、そうして捨てるものは捨て、取るものは取る、虚心に第三者の意見なり第三者のいろいろな考え方というものは正しく生かしていけるものは生かしていく、こういう取捨選択は今度は林野庁がもっと自主性を持ってやるべきである、こう思うから、私は長官にその点についてお伺いするわけです。答申には公共性と企業性は対立しないのだ、こういうふうに言っている。これは対立しないというだけではわからないと思う。対立しないならば、私は機構改革も何も要らないと思う。だけれども、対立はしないが、企業性をもっと強く追求しなければならない、そのためには機構改革も必要だ、独立のこういうものが必要だというようなことの答申になっておるのでありますから、そこで私はやはり公共性と企業性の問題が問題になってくると思うのですが、どういうふうにその問題点をそしゃくし、理解されているのか伺いたい。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 ただいま先生のお話しのように、答申の趣旨を十分にそしゃくし、捨てるものは捨てる、採用すべきものは採用する、さらに多くの意見を聞いてきめていくという御説は全くそのとおりだと思います。そういう考え方で今後進めていきたいと思います。  それで、中央森林審議会の答申の言っております公共性と企業性の意味につきましては、先ほども申し上げましたとおりでございまして、答申が掲げたその使命については、これは別に問題はなかろう、ああいうような内容が私どもの使命として与えられているのであろうというふうに考えております。  それから企業性の追求につきましては、要するにそういう使命を達成するための運営の方法が合理的、能率的でなければならないというそういう意味として解釈しているわけでございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 先ほど企業性というのは、能率的に経営することだ、運営することだ、こういうふうに大臣からも長官からも強調されたが、能率的経営ということは、これはすべてのものに共通することで、具体的にははっきりしないのです。そこで、重ねて伺いますが、この能率的に経営するということの中には、経済的なファクター、収益性を重点に見たファクター、そういうものが内容となっていて、そういうものの能率的な運営、こういうふうに考えているのか、そこまではまだ考えがいっておらないのか。その企業性といい、能率的に経営するといい、まだあまりに抽象的でつかみどころがないので、もう少し具体的に、われわれが理解できるように焦点をだんだんすぼめてひとつお答え願いたいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 合理的に能率的にという意味は、別のことばでいいますと、生産性を上げていくということにもなりましょうし、むだを省いていくということにもなるかと存じます。そういう面でいまの事業のやり方を反省しますと、改善を要する面が少なくない。これは国有林野事業に従事するものがひとしくそういうふうに考えていると思いますが、これはひとつ造林をする面からいいましても、また素材の生産の面からいいましても、もっと生産性を上げ得る余地がありゃしないかという考え方はあるわけでございまして、そういうことからでも手をつけることが能率的、合理的という趣旨にかなうものである、こう考えます。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 企業性の内容としての能率的な経営、合理的な経営、要約すれば、それは生産性を上げるということだ、これは経済的な視点で能率という問題を見ていく、合理的な問題を見ていく、こういうふうに理解してよろしいわけですか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 生産性を上げる、能率的に進めていくということは、反面それだけまたコストが下がっていくという意味においては、経済的な意味を持っているものというふうに理解していいと思います。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 この答申案によりますと、ここに「企業外処分を可能とする剰余をできるだけうみ出し国家財政に寄与することがのぞましい。」こういうふうに書いてあります。これを逆にいいますならば、剰余が出るように経営をやれ、こういうことだと思うのです。剰余が出るように経営をやれ、こう書いてあるのですが、この点はどういうふうに受け取っておられるか。機構を改革して長官が先ほど言われたように、林業の問題はあめ細工のようにちょっちょっとすぐ生産性を上げるとか、そんな手品のようなわけにはいかない、こういうふうに言うていらした。林業の現状分析を、いろいろな蓄積がどのくらいある、造林がどのくらいある、あるいは成長率がどうである、そうしてどのくらいの伐採量が合理的な切り方であるとか、そういうようないろいろな問題はもうわかり切っている問題ですから省略いたします。そういう問題を頭の中に置いて、そうして機構改革ということは経営の実態には何も関係がないのですから、機構なんですから、機構を改革したことによって、きのうまで赤字であったけれども、ここから剰余がうんと出る、そんな手品細工はないわけです。実態が変わらないのですから、そこでこういうような企業性を追求するという立場で機構改革が行なわれる、その中でこの剰余が出るのがあたりまえだ、そうして、さらにこの剰余は一般の国家財政に寄与する、こういうふうに言っているんだが、そういう機構改革によって長官はそのような剰余金が出るという成算がおありであるかどうか。そういうような剰余が出るという成算があるのかどうか。そうして、もし剰余金を出すということを企業のねらいとしてこれをやりますならば、剰余金は出てまいりましょう。その場合は国有林の公共性というもの、あるいは合理的な、たとえば、切ったらその切っただけのものはあとに造林せいとか、原始林で成長率がないから、奥地林分を林道をつけて出さなければならない。奥地林分からそういうものを出せば、林道その他の経費をかければ、逆算方式でありますから、木の値段はただみたいになってしまう。そういうところから剰余金をどんどん出すというわけにはいかないのでありますから、剰余金を出すということをねらいとしていくならば、いろんな公共性というものはチェックしていく、それからそろばんに合わないことはやらない、そうしてそろばんに合うことだけやっていく、そうして抜き取りで食っていくというような、追求ということになればそういう形で出てくると思うのです。その点において公共性と対立しないのではなくて、企業性を追求すればするほど、これは公共性と対立してまいります。そこに非常に調整を要する問題が出てまいります。その場合に、国有林のあり方についてのその人の見識の問題がそこに出てくる。こういう問題が先鋭に出てくる、私はこう思う。でありますから、これでは剰余金は出ると言っておるのですが、機構改革したことによって国有林からそのような望ましい剰余金が出る成算がおありでありますか。そうして、公共性との調整の問題――公共性も第一なんだというお考えと、そうして、この企業性を追求するということが摩擦なしになめらかにできる、対立しないんだという条件がそこにあるのかどうか、これを明確にしていただきたい。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 利益剰余金を出すために企業性を追求し、それから機構も直すという考え方では全然ないわけでございますし、答申の趣旨もそういうことではなかろうと思うのでございますが、機構をかりに改革するとすれば、やはりそれは、国有林に課せられた使命を十二分に達成できるように機構を持っていきたいということになるかと思います。  それから、そういう目標のもとに国有林野事業が合理的にかつ能率的に運営された場合に、その結果として出てくる剰余金が、あるいは林政協力に使われるということもあろうかと思います。いずれにしましても、利益剰余金は目的ではなくて、合理的経営の所産としてといいますか、結果として出てくるものであろうかというふうに考え、そういうふうに解釈しているわけでございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 そうしますと、公共性と企業性の追求との相関関係における理解のしかたは、この国有林は本来的に公共性がその与えられた主要な任務である。そうして、その中身としては、不経済な経営や不合理なことはやらない、合理的な経営をやる。そうして、それは大きな国有林の公共性というワクの中でこの企業性をできるだけ発揮していく、こういう意味に理解してよろしいわけですか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 この企業的にというのは、現在の国有林野事業特別会計法の冒頭にも、企業的に運営するということが書かれているわけでございまして、いまさら新しいことばではないわけでございます。要するにその意味は、何回も申し上げておりますように、能率的、合理的にやっていくのだという意味でございまして、営利的な追求というようなものではさらさらないというふうに私は理解をしておるわけでございます。それで、国有林野事業の目標とするところは、あくまでも与えられた公共的使命の完全な達成、そして、国民に十分な福利を与えていくというところにあることは申すまでもないわけでございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 そういたしますと、従来のように、国有林野の経営が赤字であるとか、黒字であるとかいうことに現況は非常にこだわっておるわけですね。そうして、予算編成その他においては、国土の三割の地域を持ち、蓄積の半分を持ちながら赤字を出すとは何ごとだ、こういうようないろんな追求があるわけですが、公共性ということは、これは非常にそろばんに乗らない大きな価値があるわけですから、そういうものを達成することが国有林野の主要な目的とするならば、合理的な経営、そうしてむだのない能率的なことをやっておる限りは、赤字であろうと何であろうと、そういうことにこだわるべきではない、こういうふうに私は思うのですが、その点はどうですか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 ただいまも申しましたように、国有林野事業特別会計法の冒頭に、企業的に運営するということばがございますし、それから特別会計で経営するたてまえになっておるわけでございます。そういう面からいいまして、この特別会計の健全化をはかっていくということは、これは法のたてまえからいっても言うまでもないことだろうと思います。それで、このことと、それから公共性の達成とは何ら矛盾するものではないというふうに考えておるわけでございまして、そこで、国有林野事業の特別会計のたてまえからいいまして、たとえば治山事業等を実行しておりますが、この特別会計の負担において行なえないような場合には、やはり四十一年度の予算に見られるように、一般会計から繰り入れを行ない、そうして国有林野事業の使命はあくまでもこれを守っていくという考え方があるわけでございます。特別会計のたてまえとして、国有林自体の公共性の追求ということとは、別に矛盾を感ずることはなかろうというふうに存ずる次第でございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 理論的に矛盾は感じないのです。実際の経営の中で、運営の中でその問題が出てくると思います。現にそれならば、林道がどういう状態になっておるか。林道の密度というものは問題にならないほど低いでしょう。国有林野の収入は何かといえば、木を売ることです。それ以外には何もありません。それから国有林における収益は何か、これは蓄積でしょう。生長率でしょう。そうじゃないですか。それ以外に何もないでしょう。それをどういうふうに市場に運んで、どれだけ金にかえるかというときに、金の面でこれが出てくるので、実際の収入といえば、国有林はキノコとか、いろんな副産物はありますが、そんなものは主要なものではない。木を売ることによって収入がある。それが唯一の収入源でしょう。それから国有林における資産、蓄積というのは何かといえば、材積であり、それから生長率というものでしょう。ですから、そういうものをほんとうにやっていくというならば、これはどんどん切ったら必ず植えていくという造林をやらなければいけないけれども、造林がそれに伴っておらないでしょう。林道もそれに伴っておらないでしょう。いま国有林が合理的な経営をやっておるとは私は断じて思われません。そういうことを口では言っても、実際は収入と支出とが、山に還元する関連において財源的に制約を受けるところにそういう問題が出てくると思う。従来のやり方が、公共性に名をかりて非常な不経済なことをやっていた、不合理なことをやっていた、非能率なことをやっていた。だから今後は、国有林のそれが大きな欠陥なんだから、その欠陥を是正するために企業性を追求しなければならないというのがこの答申。この答申に基づいて、林野庁はいま機構改革をやろうとしておる。この林野の現在の実態は何も変わらない。機構改革によって、機構を改革するということは、企業性を追求しようというかまえなんです。これは当然衝突してまいります。しかし、いま長官が言ったように、公共性が第一なんだ、そうして、その中で企業的な経営をするということは本来的なんだから、何ら支障はない。こういう形でいくならば、私はそれでよろしい。それは正しくそのように理解いたします。  それならば、私はその次に起こってくるもの、造林の問題はどうするのだ、治山の問題はどうするのだ、こういう問題は一般会計でまかないなさいと要求しています。実現するしないは別として、考え方としては一応わかります。それから造林や、あるいは機械化の問題、あるいは実際に立木処分をし、これこれをするというようなことだって、従来の関係は、国が木を切って貧乏して、その国から払い下げを受けたパルプなりその他の会社がどんどんもうけて、そうしてパルプなんかの社有林がどんどんふえてくる。そうして、会社のほうの蓄積がふえてくる。こういうような不経済なやり方ではやはりいけないと思う。利潤のないところに企業はありませんけれども、あまりに超過利潤があって、国が貧乏してそちらがどんどん太るというようなこういう仕組みではいけない。その関係は是正しなければいけませんけれども、やはり国の国有林であるということは、所有だけが国有林であるということではなくて、そして国有林の持っておる使命、公共性というものをなにするというのには、市場の操作もありましょうし、あるいは国民全体の所有なんですから、これを末端の消費者にできるだけ安い価格で配給するというような任務も国有林の持つ仕事の内容であろうと思う、使命であろうと思う、そういうようなところでただソロバンだけで黒字を出す、剰余金を出すということで、さあ労働賃金は上げない、造林はやらない、治山の予算は一般会計におっかぶせてしまう。そして内部において労働者の関係は首切りをやる、こういうような企業性の追求はしないのでしょうね。その点をひとつ明確にしておいてもらいたい。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 いまも先生のおことばにありましたけれども、公共的使命があるからといって非能率、むだがあっていいということにはならないのであります。そういう意味からいいましても、すべて事業は合理的、能率的であることが必要だと思います。そういう意味で、国有林野事業もそういう意味の企業性は十分に追求されなければならないという考え方でありますし、それから造林、林道等につきましては、これは先生のお話ではありますけれども、造林が放置され、林道が放置されておるというふうには考えていないのでございまして、伐採されたあとは造林が追っかけて進んでまいるということでやっているつもりでございますが、そこでまた、一方販売の面におきましても、いまお話しのように安くというおことばの意味ですけれども、これは民間からの生産材のこともこれあり、やはり適正な時価でそれが販売されて、なおかつ国有林の収益性といいますか、そういう面も上がるようなやはり生産性の向上のくふうかと、そういう面も十分に事業である以上は考えていく必要がある。公共性の追求のためには、これは治山あるいはその他の事業にいたしましてもみずからまかなえる場合、そうでない場合には、一般会計の導入で四十一年度にやりましたように、そごを来たさないように進めてまいるという努力は必要でありましょうが、いずれにしてもこの特別会計の健全な状態、そういうものを取り戻すということが何よりも必要ではなかろうか、取り戻すことが公共性の発揮の要請にこたえるゆえんであろう、こう考えておるわけでございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 あまり時間がありませんし、まだまだ問題はありますけれども、不十分であります、中途はんぱでたいへん残念ですが、あまりおそくもやれませんからなにしますが、公共性ということはばくとしたものです。少しぐらいへっこましたってこれは声をあげません。企業性というやつはすぐ反発します。立木処分をどうする、請負をどうする、価格をどうする、これは、すぐ抵抗が起こって大騒ぎになります。でありますから、そういう場合のウエートというものは、常に公共性というものは口では言いながら押し込められがちなんです。そういう関係を明確にして、そして公共性を常に守っていくということが、これは林野当局の見識の問題です。国民から預かっておる問題に対する、国に対する忠誠の形がそういう形できちっと出なければいけない。それから、従来だっていろいろ公共性の、たとえば札幌におけるいろいろな問題、あるいは山の観光的な資源における伐採の問題、いろいろな問題、具体的にあげていけば、これはこの公共性の侵害ではないか、こんなところにこういうことをやるのはむちゃではないかということはたくさんあります。それは、長官がもし自分のやっている林賢にそういうものがないというならば、そう言うならば、この次に幾らでも具体的に示します。だから、そういう点については特に留意していかなければならぬ。そうして、企業性というものを追求する、外からの追求によって私は内部の労働者にそのしわ寄せが来る、あるいは小さな中小企業の経営者にしわ寄せがいく、こういうようなことだけはすべきではない。さらに外国からの外材の輸入は、国内における林力を休養させ、あるいは衰弱を回復させるということに役立つ形で外材が輸入されるならよろしい。しかし、外材を輸入して国内の価格を安くたたきつけて、そうして、外材は少し持ってきても、国内が高くなれば輸入するぞという押えにして、国内の木材の価格を押えていって、その利益を得るのは大量に使う者が膨大な利益を受ける、こういうような操作に使われて、林力の休養なり、林力の蓄積としての効果としてこれが働いてこないという、こういうやり方はいけない、こういうふうに考えるのです。具体的に申しましたならば幾らでもあります。でありますから、そういう点においては、従来のやり方は決して万全ではだかった。だから、十分欠陥は直していかなければならぬ。官僚的な経営のやり方、あるいはこれをもっと民主化さなければならないというような経営のやり方、そういうものはうんとやらなければいかぬ。しかし、山の状態がそのままであるのに機構改革だけすれば、そこに企業性の追求ができるのだ、そこに企業性の剰余金ができるのだ、こういうような一つの錯覚や何かは、私はこれは長官として、世界の歴史を見たって一番安定した所有の形態は国が所有することです。それから国が責任を持って経営することです。もし国の経営が悪いのなら、その国民の中でたたかれて、国が経営を改善していけばいい。それを民間に譲ったり、あるいは民間の介入が来たり、そういう形によって従来曲がりなりにでも守られてきた、この国有林の公共性なり、あるいは国民の所有であるという、この公共的な公益的な運営というものが、会社やその他の一私企業の利益のためにじゅうりんされるということになりましたら、これは重大である。それで、長官がその位置においてそういう歴史を、林業基本法というものができて、そうしてこれからの姿勢がきまっている中においてそういうような一つの改革をして、この一つの力に押されてそういうことをしたということになりまするならば、これは連綿と続いておる日本の国有林に大きなどろ足のあとを残す結果になりますから、その点は、十分にひとつからだを張っても自分の納得の行かないことはやらないのだというだけの見識と努力とをもってこの問題に取っ組んで、われわれがここで論議しましたことも十分ひとつ内容としてそしゃくして善処していただきたい。  時間がありませんから、また次の機会にこれらの問題についてはさらに話をしたいと思います。  本日はこれで終わります。

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 以上をもって永井勝次郎君の質疑は終了いたしました。  本日はこの程度にとどめ、次会は明二十六日午前十時より開会し、農林省所管について質疑を行なうことといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時四十九分散会

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