P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
51回国会衆議院1966/02/15

予算委員会 第14号

発言数
18
登壇者
4
会派数
2
開催日
1966/02/15

会議録

福田一自由民主党

○福田委員長 これより会議を開きます。  昭和四十一年度一般会計予算、昭和四十一年度特別会計予算、昭和四十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  昨日に引き続き、安井吉典君の質疑を許します。安井君。

安井吉典日本社会党

○安井委員 昨日、固定資産税の増税問題につきまして、質問をいたしていたわけでありますが、大蔵大臣並びに自治大臣の御答弁は私はきわめて不満であり、きょう総理の御出席をいただいたわけでありますが、昨日、時間をかけての論議の中で問題点を申し上げたつもりでありますが、きょうは総理は初めてでございますので、若干結論的な部分について申し上げたいと思うのであります。  地方税である固定資産税の評価がえが、昭和三十九年一月一日付で行なわれました。ところが、その評価がえによっては、農地等は一・三倍程度の上がり方でありますが、宅地は六倍半以上の引き上げ、山林その他等も五倍程度の全国平均の引き上げであります。現実には十倍から五十倍も上がったケースさえあります。その問題に関して、私どもは政府にも国民の税負担を急激に上げることはいけないではないかと、当時の池田内閣時代に申し入れもいたしまして、昭和三十九年の通常国会において、地方税法の改正が行なわれます際に、三十九、四十、四十一の三ヵ年度でありますが、この問は、一ぺんに新評価に引き上げることはせずに、暫定措置として、農地は据え置き、農地以外の土地については一・二倍程度の引き上げにとどめていく。つまり、ほんとうならば高くなるのだけれども、三ヵ年度は安い税率でいく、こういうことが法律の中にはっきり明記されたわけです。政府答弁その他じゃなしに、法律にはっきり明記されて、しかも、国会の質疑を通しては、三カ年度についてはもういたし方ないとしても、四十二年度以降の恒久措置については、その場合においても暫定措置を考慮して、大幅な引き上げはしないということまで、早川自治大臣と私は質問を通して明らかにしたところであります。それまではっきりした措置、つまり、政府の公約というだけじゃなしに、国会がそのままきめたわけです。その四十一年度は、いまその税の賦課期日は一月一日でありますから、もう賦課手続に入っているわけですよ。国民の既得権となってきたということは、それだけでも私は明らかだと思うのです。最終年度の四十一年度、それまではっきり約束をして、その四十一年度の一月一日から賦課の手続を市町村はやっているわけですよ。そういう段階において、四十一年度からもう上げてしまう。特例期間は三年と区切っていて、それを二年でちょん切って、最後の四十一年度から上げてしまう、こういうふうなお考え方は、根本的に大きな間違いがあるのではないかと、私はそう思うわけであります。どうでしょう。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 安井君は経過をよく御存じですから、経過を重ねて申し上げません。  それで、安井君のお話の中に、国民の負担、税というようなものは急激に加重するということはよくないのだ、こういうことは漸を追うて、そうして是正していくということが望ましい、こういうところで暫定措置がとられた、かように私も理解しておりますし、また、ただいまの法制もそうなっておる、かように思います。そこで、その点は、政府も安井君も同じ考え方だと思う。  その暫定措置できめられたものが、いわゆる既得権だ、かようにいま言われましたが、私は、それについてはちょっと問題があるように思う。これは、もしも既得権だということだと、一ぺん法律できめたものは、それは既得権で絶対に変えられない、こういうことになる。これは困る。(「三年だ」と呼ぶ者あり)その三年間という問題がそのときに問題になって、まあ既得権はやや言い過ぎで、おそらく期待権というか、そういうものが侵害される、こういうような意味じゃないかと私は思いますが、既得権だということだと、これはよほど観念的に違う、かように私は思います。そういう意味で、国会で御審議をいただいて、そしてその法律を変えていくということでありますから、これは手続上はただいまのとおりでよろしい。  ただ、いま御指摘になりましたように、三年という暫定措置をとった、その暫定措置の期間の三年には政府は縛られるのじゃないのか、こういうお話だと思う。今回改正しようとするものも、これは本格的なものじゃございません。だから、そういう意味では、やはり暫定措置の暫定措置、また変える、こういうようなことらしいのですよ。でございますから、期間中といえども、非常な事情の変化があれば、これは改正せざるを得ない、かように思います。  この点は、いま御指摘になりましたように、非常に地価も上がっておりますし、地価対策上も、いまのような固定資産税のあり方は適当でないと思う。したがいまして、税制調査会等政府機関以外——まあ政府機関ではありますが、第三者でもって構成する公平な審議会等の意見も、やはりある程度直したがいいじゃないか、かような御意見でありまして、今回改正しようというこれも、ただいま申し上げておりますように税制調査会等の意見も十分尊重して、そうして取り組んだ改正案でございます。でございますから、私は、ただいま一ぺんきめたもの、これはもうとにかく既得権だ、こういうことで片づけられると、政府は全然改正はできないということになって、これは困ります。ただ、ただいま言われます既得権ということではないが、期待権、それが少なくとも三年間は改正しないだろうと思った、どうもそれについて改正することは困る、こういうような御意見なら、その言い分については、一応心理的なものは理解できないわけでもない。しかしながら、実情が非常な変化を来たしておる、それに合わすことが税のあり方としての税負担の公正、こういうような意味から申しましてもこれは適当だ、かように思って、ただいま政府はその改正案を御審議願っておるのでございます。この点は、安井君ももう過去の経過は十分御承知でありますし、早川君がその当時かくかく答えた、かようなことがそれと違う、かように私も申し上げるのではございません。それらの経過はよく承知しておりますが、現状に即して税の負担が公平である、そういう意味で今回の、まあ根本的な解決ではございませんけれども、まだ暫定的な措置のその手直し、そうして恒久的な制度への漸進と、かように御理解をいただきたいと思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員 いまの総理の御答弁に、大きく分けて二つの問題があると思います。一つは、今度の固定資産税の増額へのエレベーター方式ということです。その問題が一つと、それから、私が昨日から一番大事な問題として取り上げている三カ年の暫定期間を一年はしょるという問題と、この二つです。  その第一番目の増額の問題について、総理はあまり切迫感をお持ちになっていないようでありますが、あの法律によりますと、八倍以上上がっているものがあるわけです。十倍以上も上がっているものもあるわけですが、八倍以上上がっているものについては毎年三割ずつ上げていく、こういうわけです。その点だけを取り上げましても——八倍というのは八割増しじゃないのですよ。八倍ですよ。そういう大幅な引き上げの問題であります。しかも、それは毎年複利計算で上げていくわけですよ。十万円のものなら来年は十三万円、その次は十三万円の三割増しというふうに上げていくわけです。エスカレーターなら、一階に行ったら一体みして、また乗りかえて行きますけれども、これはエレベーター方式ですよ。一階に上がったらその次は二階、三階、十階までストレートに十年間の増税を約束する法律案ですよ。漸増方式といいますけれども、漸増方式という形で激変を緩和するというのはいいけれども、十年間のエレベーターをいま約束するという、そういう重大な内容を持っているわけです。そういう点が一つ。ですから、この点において地価対策や家賃の問題、そういうようなものにどうはね返るかということをお考えになっておりますか。これもあとでお聞かせ願いたいと思います。十年間で毎年毎年家賃を上げていくんですから、退職者がやっと苦労して見つけたその土地、それも上がるわけですよ。中小企業もそれで地価が上がる。大企業だって、百万円いまその工場の税金を納めているのが、十年後は一千万円になるんですから、大蔵大臣、それは企業のコストの中にそういう点もお考えでしょうか。こういうふうな重大な問題について、評価額だけを上げてしまって、率をどうするとか、そういったものについての配慮は、今度の法律の中には全くないわけですよ。しかも、税制調査会のお話をされましたけれども、税制調査会では、税率その他についてはまだ自信がないから、もっと検討すると書いてありますよ。そういう調整のことを全く考慮に入れないで、ただ評価だけを上げてしまって知らぬ顔をしているというような態度は、私は責任ある政府の態度ではないと思います。これが一つ。  それからもう一つは、この三年間の暫定期間があって、それを一年ちょん切ってしまって上げるという問題でありますが、私のような論議なら税法の改正なんかできないじゃないか、そういうふうなおっしゃり方で総理は言われたわけでありますが、私は一般的な問題としてそれを言っているのではありません。きまった税法があって、それを適当な機会に改正するということも絶対にいけないと私は言っているわけじゃない。そういうものはあり得るでしょう。それからまた、たとえ特例措置があっても、当分の間特例措置を講ずる、こういう書き方をした税法を、適当な時期にそれをちょん切ってしまって、これで当分の間が終わったということなら、これは国民は納得しますよ。しかし今度の場合は、三ヵ年度は安い税金でいくのだということが法律にはっきり書いてあるわけですよ。国民はみなそう思い込んでいる。それを二ヵ年で切ってやろうというわけですよ。上げてしまおうというのです。だから私は、これは既得権ということばは、ことばを強めるために申し上げているけれども、国民の立場からすれば、もう一月一日の賦課期間に、四十一年度は入っておりますから、既得権という言い方を国民がしても無理からぬことだと思うのです。  さらに、また総理は、事情変更だと言われます。いまもうこれをやらざるを得ないのは事情の変更だと言われるが、しかし、一体戦争でも起きてどうにもならないという事態ですか。経済不況はあるかもしれません。しかし、その経済不況は総理と大蔵大臣で克服するのだ、もう公共事業は繰り上げ施行までして、あと不況の問題は大丈夫だと言っているじゃないですか。不況対策には総理は自信がないのですか。事情変更の原則というふうな言い方も、いまの場合当たりませんよ。どうですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 安井君にお答えいたします。  私は、三年間というのは、これはもう暫定立法であることは御承知のとおりで、これは暫定措置だということで断わってございますから。この暫定措置に三年という年限がついていた、だからその暫定措置の三年、少なくともそれだけは守れというのと、暫定措置じゃないか、また今回の措置もやはり暫定的なもののようだ、さように考えると、暫定的措置も、事情の非常な変化があれば、これを改正するのがよろしいのじゃないのか、こういうことを実は私は申したのであります。三年間ということについては、これはもう心理的な問題はございましょう、こういうので、私もそれを否定しているわけじゃありません。だから、既得権ではないが、国民の側からみれば、三年間は少なくも改正はしないだろう、かように思ったということだろうと思います。しかし事情の変化、これはもう戦争を引き合いに出されると、それは実は私はずいぶんオーバーな表現だと思って、にこにこ笑っていたわけですが、これは例が悪いのです。もちろんただいまのような状態は、戦争や何かを引き合いに出す筋合いのものではない。しかし、ただいまも御指摘になりましたように、非常に地価が上がっている、十倍あるいは五十倍も上がっている、こういうようなお話もある。少なくとも負担の公平という意味からそれに近づいていく努力はしなければならない。これはもう政治のあり方として私は当然のことだと思うのです。だから、それも安井君もちゃんと御指摘になりましたように、これは幾ら地価が上がったからといって、直ちにそれに相応するような過激な処置は困る、だから、これはもう漸進的に公平に切りかえていくのだ、そういう意味で暫定的措置がとられた、かように私は思っております。だから、その暫定的措置が三年だ、その三年について、それだけのものをどうしても守らなければならぬか、かように思いますと、新しいいい案が出てきたら、それでやはり納得をしてもらう、そういう意味でただいま御審議をいただいているのだ、だから、それはそういう意味でどうも納得がいかぬ、おれたちはいつまでも三年にこだわるのだ、かような御意見も、これも一つの意見だと思います。しかし政府は、やはり実情の変化に対応した適当なる処置をとるのが政府の責任だと私は思います。こういうような意味で、今日これを改正しようということであります。  また八倍以上のものに対しては三割ずつ、これがエレベーター方式だ、こういうことで将来一体どうなるのだということでございます。しかしこれは、ただいまの地価の上がり方その他から見まして、ただいまの非常な差額といいますか、土地によって非常な高、不高のありますものを一時に解決はできないが、やはりエレベーター方式でこれを解決するのが望ましいことではないかと私は思います。もしも全然上げないで済むことならこれは別ですが、その実情に合うようにしようとすれば、やはり急激な変化を与えないで、順次これを直していくということでありたい、かように思いますし、なおまた、こういう事柄は、とにかく二年暫定措置を実施しまして、そしてただいま改正の御審議をいただいておりますように、税率その他のものが不適当で実際に合わない、こういうことがございましたら、それを改正するのに、私どもも勇気をもって改正と取り組むということでございますから、ただいまの一応のたてまえというものの御理解だけは願いたい、かように思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員 いまの総理の御答弁、これは全くのこじつけで、絶対に承服できません。そういうようなことで政府の約束、これもそうですよ。国会がきっちり国民に約束しているのですから、その約束を——事情変更というけれども、私は戦争を引き合いに出したら、少しオーバーだと言われたが、どういうような大きな変化がありますか。地価は去年だって上がっているし、ことしだって上がっているはずです。これはずっと今日まで続いた事態です。それを池田内閣時代は三カ年間据え置きにするということで、はっきり決断を下したわけです。その間に将来の対策を打ち出すということで三年間据え置いたわけです。その将来の見通しも全く持たずに一年繰り上げてやるというふうなことでは、これは全く了解ができません。国会がそういうようなことなら、国民から不信を招くことになります。政府だけじゃないのです。国会自体の不信を招きます。そういうような御答弁では、私は納得できません。  この法案はこれからまだ閣議にかかって、それから国会に提出されるはずです。まだ出ておりません。そして、いまこれは予算委員会の審議でありますが、この法律によって国から地方財政にやる金が変わってくるわけです。これは予算に関係があるから、私はいま予算委員会で追及しているわけです。私はそのような内容を持った予算の審議には応ずることができないと思います。その法案を撤回すべきです。政府はその問題点だけは修正してお出し願います。総理、どうですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 先ほど来お答えいたしましたような考え方をいたしまして、実は本朝、法律案として閣議決定をいたしました。それで近く審議をお願いすることになると思います。どうかその中身について、ただいま私が申すような事態でこの法律案ができておりますので、そういう意味で十分ひとつ御審議をいただきたい。お願いをいたします。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 関連。ただいま固定資産税の増税問題で、安井委員が総理に質問いたしておりますが、総理は、劈頭安井委員が申されましたように、経過はよく御承知のはず。昨日一般質問の中で福田大蔵大臣と永山自治大臣に対して質問をして、そうして社会党の意向としては、このことは問題だから、本日総理に出てきていただいて、総理の所信をただした上で私どもは考えたい。そういう要望で、実は総理の御出席になってきたわけです。ところが大蔵大臣と自治大臣は、どういう受け取り方をして閣議に報告をしたのか知りませんが、閣議で決定するとは一体何事でございますか。この予算委員会は、けさ総理に出てきていただいて、そうして社会党としては問題点がある、この問題点を究明しなければならぬということで、総理の御出席になっておる。その経過を御承知でありながら、閣議で決定するとは、予算委員会の意思じゅうりんじゃございませんか、国会の意思じゅうりんじゃございませんか。これが閣議で決定されていなければいないで、私どもはここで事態を明らかにして、納得がいけば、それはきょうの午後の閣議でも、あしたの午前の閣議でもなすべきである。それを、いま総理の御答弁では、閣議で決定をしたんだという。きのう問題が起こっておるじゃありませんか。きのう問題が国会で起こっておるものを、一方的に閣議で決定するとは何事ですか。この閣議決定は撤回してもらいたい。撤回しなければ、私どもは、このように内閣が、行政が立法機関の最高権限のある国会の予算案審議を一方的にじゅうりんするようなことのこの状態を目前に見て、委員長、審議を続けるわけにいきません。断じてできない。閣議決定を撤回するかどうか。まずこの点から明らかにしていただいた上で、私どもは質問を続けたいと思う。いかがですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 予算委員会の軽視、あるいはまた、野原君からも閣議で決定するとはけしからぬ、こういうおしかりを受けておりますが、もちろんこれは閣議できまりましたからといって、最終的に法律ができ上がるものではございません。ただいま閣議で決定をいたしましたのは、御審議をいただく法律案、それを決定したということでございまして、私は国会を軽視してもおりませんし、もちろん国会で十分御審議を尽くしていただいて、そうしてこの問題を解決していただきたい。政府の意思決定をしたというだけでございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 閣議決定で法律ができるとは言わない。私どもは政治に対するものの考え方をただしておるので、閣議決定などは軽率ではないかと言っておる。もちろん閣議決定で法律にはなりません。これは国会にはからなければ法律にならぬことは私は百も承知なんです。しかしながら、現にきのうの夕方問題が起こっておるのですから、閣議決定は見合わすべきではないか。いま国会では、予算委員会では、きょうは総理に出てきていただいて、私どもは総理の考えもただす。こういうことになっておるのだから、この固定資産税の増税問題については、閣議としても、慎重にきょうの予算委員会におけるその動きを見て決定する、私はそうあるべきではないかということを言っておるのです。あなたに法律をつくる権限はない。また、閣議にも法律をつくる権限はないことは百も承知をしておりますよ。これは国会に対するものの考え方を言っておるのです。いかがですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 これも、基本的な問題は野原君と私も同じことでございますが、とにかく国会に予算を提案して、予算関係の法律案がいつ出てくるかわからないということでは、皆さま方にたいへん御迷惑をかける。したがいまして、内閣といたしましては、きょうを目標にいたしまして、きょうまでにひとつ予算関係法律案をみな提案ができるように準備を進めよう、こういうことで実は非常に努力してまいったのであります。  ただいま、もともと社会党はこれに反対なんだ、こういうお話でございますが、しかしながら、政府案を出さないことには、政府案を決定しないことには、社会党の御意見も十分反映さすことができないのではないか、私はかように思って、政府が御批判をいただく上からも当然政府が決定する。そうして、その法律案の御審議をいただく、これが政府の態度でございます。この点では国会無視というようなことは全然ございませんし、また、皆さんからもたいへんな協力を得ておる、私はかように確信を持っておるのでございまして、そういう意味で、政府が出しました予算案並びにこれに関係する法律案、これは一括御審議をいただきたい、かように私はお願いをいたします。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 私は、ただいまの総理の答弁はどう考えても了解できない。これは了解できません。総理がもしほんとうに国会を尊重する意思があれば、この問題に関してきょうあなたが出席をして答弁をする、そういうことでございまするから、閣議決定もしばらく見合わせようじゃないかというのが、私はほんとうの国会の尊重だろうと思う。どうせわが党は多数だから、閣議できまれば、与党がその閣議の決定は支持するのだから、これは通るのだ、こういうようなものの考え方であなたが国会に臨まれる限り、あなたの政治姿勢に問題が起こってくるわけです。だから、私はこれは了承するわけにいきません。そこで、これは了承しないということを明確にしながら、お尋ねをいたします。  この固定資産税の増税について、三十九、四十、四十一年、この三年間は手をつけないという地方税法の附則ですが、これはだれのだれに対する約束であったとあなたは御認識ですか。これは法律なんです。法律というものは、国会なんです。政府じゃございませんよ。これは国会の国民に対する約束であったと私どもは思いますが、この点はいかがですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 それはそのとおりであります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 そういたしますと、国会は三年間手をつけないと約束をしたのです。単なる法律の規定じゃないのですよ。税法の税率を何割何分にするという単なる規定じゃない。三年間は、国民の皆さん、決して固定資産税には手をつけない、こう国会は公約をしたのですよ。この国会の公約を、あなたは国会で、それは変えることはできるじゃないかというお考えで法案を提出される。法律というものは、法律で変えることはできると思う。しかしながら、三年間はしないと国会は約束をしたのです。いかなる多数党といえども、三年間は手をつけません。これは早川自治大臣とここにおる安井君が質疑応答をして論議をした結果、じゃ、あなたと約束をいたしましょう、その約束というものは単なる公約では困るだろうから、単なる口約束でも困るだろうから、附則に明記しましょう。三年間はしないという約束ですよ。三年間はしない。これは三年間は絶対に変えちゃいけませんよ。絶対に変えちゃいけませんよ、三年間はしないという公約は。私はこの点を言っておるのだ。先日の総括質問の中で、私は総理に、あなたは政治姿勢を正すと言われるが、政治姿勢を正すということの根本の第一は、政治家は公約を守るということだ、国会でも内閣でも、国民に対する約束は守るということじゃないかと言ったら、それはそのとおりだということであります。国会が国民に約束したのです。あなたが約束したのじゃない。国会が約束したのだ、三年間はしないと。それを一方的に、その約束をじゅうりんするような法案を出すということは、われわれはこれは了解をすることができない、だから撤回をしてもらいたい、こう言っておる。あなたが一方的に国会の意思をじゅうりんして法案を出す、撤回をしないというならば、委員長、これから社会党は重大なる態度を協議いたします。いかがですか、これは撤回すべきじゃありませんか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 この種の法律——ただいま、附則で条件がついている、こういうお話でございます。これが私は間違っておるとかなんとか言っているのじゃございません。これはりっぱにそういう意味で法律ができ上がり、そうしてこれが国民に約束した、こういう形ではっきりしておる、かような状態でございます。しかし、ただいまの状況におきましては、私は別な案といいますか、これを直すことのほうが適正だ、かように思って提案をして、そうして御審議をいただこうとしておるのであります。私は三年間ときめたことがどうこうと言っているのじゃございません。そのとおりでございますが、国会におきまして、ただいま言われますように、どうも三年間の間に政府が変えることはけしからぬ、こういう御批判か、とにかく実情はたいへんな変化がきているから、なるほど政府の言うこともわからぬでもない、それではそういう意味でこれは改正しようか、こういうような御意思を御決定を願いたい、これがやはり政治家として、どうか実情に合う処置をしていただきたいというので、御審議をお願いする政府案をきょう閣議できめた、かように申しておるのであります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 国会の国民に対する公約であります。国会が国民に公約をしたこと、したがって、私どもは審議すること自体に問題があると考えるわけです。あなたは審議をしてくれないかと、こう言うけれども、私どもは三年間は上げないと約束をして、国民に向かってそういう演説もしてきたわけです。国民は当時から反対があったのです。固定資産税はどうなるのだというから、いや、それは四十二年度からですよ、早川自治大臣との間に約束をして、地方税法の附則にこうしてきたのですよと、私どもはこう言ってきたのです。それを今度政府は突如として、四十一年からやろうと、こういう提案をした。だから、この提案を審議してくださいとあなたは言うけれども、私どもは審議をしなければならぬ客観的条件を理解できない。私どもは約束をしてきておりながら審議をすること自体、国民に対して実は相すまないと思っておる。だから、そういう相すまないというような状態に国会を追い込む内閣の行為、特にきのう問題が起こっておるのに、閣議でけさ突如決定して押しつけようというその内閣の行為自体、私は了解できない。  委員長、これは私どもは了解できない。したがって、この問題については、党は重大なる相談をいたします。   〔「納得できるまで休憩だ」「答弁ができるまでは休憩だ」と呼ぶ者あり〕

福田一自由民主党

○福田委員長 委員長は発言しておりません。発言しておらないということは、休憩していないということであります。——速記をとめて。   〔速記中止〕

福田一自由民主党

○福田委員長 それでは速記を始めてください。  先ほどの問題について理事会を開くことにいたします。  その間暫時休憩いたします。    午前十一時二十分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

国会会議録検索システムで原文を見る ↗