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51回国会衆議院1966/05/13

法務委員会 第36号

発言数
106
登壇者
11
会派数
3
開催日
1966/05/13

会議録

大久保武雄自由民主党

○大久保委員長 これより会議を開きます。  法務行政及び検察行政に関する件並びに人権擁護に関する件について、調査を進めます。  質疑の申し出がありますのでこれを許します。桃山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山委員 大臣にお伺いしたいのですが、出入国管理の現状につきましては、しばしば本会議並びに各委員会において、大臣にいろいろと意向がただされました。しかし、本委員会では、他に比較いたしますと、わりあいにこれを取り上げていないのであります。取り上げていないにはいないだけの多少の含みがございまして、大臣並びに局長の弾力性ある気持ちを尊重して、具体的にここで、ことばは悪いのですが、追い詰めてにっちもさっちもならないようにはしたくない。法務委員会として、とにかく大臣並びに次官、局長の御趣旨のあるところがわかるような気がするものですから、あまり取り上げなかったわけです。  ところがつらつら考えてみますと、ここで取り上げないのに外務委員会、あるいは新聞記者会見、あるいはその他のところで、しばしばこの私どもの善意――かってな善意かもしれませんが、善意というものがまるっきり無視されて、じゃんじゃんと質疑応答が行なわれて、わが権威ある法務委員会の存在が何か無視されておるというような気がしてなりません。したがいまして、同僚の諸君ともここで話し合っておるのですが、本来この出入国管理の最終責任は法務大臣が厳としてこれを義務並びに任務としてお持ちになり、入国管理局長またその事務責任者としての所管事項である。したがいまして、この際、法務委員会として、それぞれわれらの意のあるところを率直に大臣にお話しし、大臣が本法務委員会を通じて所信を明らかにするというルールを確立をしなければならぬのではあるまいか。われわれが大臣や局長の善意のあるところ、趣旨のあるところを尊重をかってにしたところで、これは法務委員会の権威を、何かかってにこちらが考えておっても何にもならぬというような気持ちでありますから、ぜひひとついろいろな方法はあるのでありますが、今後この種の問題について、官房長官や外務大臣がかってにいろんなことを言って、最終権限を持っております法務大臣が常にその点について、何か世間から見るとああいうことは外務大臣や官房長官が権限を持っているんだというがごとき錯覚を及ぼすようなことについては、これは是正をしなければいかぬ、こう考えておるのであります。妙な質問から始まるのでありますが、その辺大臣の趣旨のあるべきところをお聞かせ願いたい。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○石井国務大臣 ただいま横山君のお話は、たいへんけっこうだと思います。どうかどんな問題でも――法務省に関する問題につきましては、当委員会が中心になって審議をしていただくということが私どもの願いでございます。私どもの考え方と皆さん方の考え方とを話し合う場はここが中心であるべきはずであります。どうかどんな問題でも話し合っていただきたい、かように思っております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 まことに趣旨同感であります。ついては、第二番目にお伺いをしたいのでありますが、かねて他の委員会、並びに日韓で私、大臣にお伺いをしたのでありますが、共産圏からの入国については法務大臣としてそもそもどのようにお考えでございますか。あらためてひとつ共産圏からの入国の処理のしかた等について基本的なお考えをお聞かせを願いたい。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○石井国務大臣 共産圏から日本に入ってくる問題であります。これは共産圏のうちでも国交をはっきりときめておるという国とそうでない国とございます。国交をはっきりといたしております国では、そのほかの国交を明らかにいたしておる国と大体同様な取り扱いをいたしておるわけでございます。国交のない国で共産圏の国から来るのはどう扱うかと申しますと、大体におきましては、原則的にいえば、一番端的にいえば、日本には国交のない国からは認めないというのをたてまえにして、それから特別なものを認めるという筋合いになっておるものだと私は思っております。それで、どういうふうに認めていくかと申しますと、日本の国の利益と申しますか、国の政治上、経済上、あるいは社会上の利益を害しないように、また日本の国が親しくいたしておる国々との間の国交を妨害しないように行動をとってもらうというようなことができるかどうかということを前提といたしまして考えます。平たく申しますと、政治的な行動をとらないで来るもの、たとえばスポーツ、あるいは純学術的なもの、あるいは純貿易というようなこと等につきましては、これはできるだけいままでの行きがかりもありまして、さっき申しましたように、初めは全然許さないのがたてまえでございますので、一挙に何でもかでも許すというようなわけにいかないものがありまするが、ケース・バイ・ケースで考えていくべきじゃないか、こういうふうに思います。そうやっておるうちにだんだんと話が伸びて広がっていくということもあるわけでございます。たとえば北鮮で申しますると、北鮮から日本に来るのはいまのところなかなか困難でございますが、中共から来るのはそれよりはずっと簡単だというのが事実で、だんだんそういうふうに進展してきたという情勢であります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 承りますと、日本の利益が一つ、それから国交を回復しておる他国との関係を阻害をしないように、それから政治的活動が行なわれないように考えたいというような御趣旨であり、そして特にその中でスポーツ、学術、貿易等については優先をして考えたいというお話であります。いま例をあげられましたスポーツ、学術、貿易のほかに、文化とか医療とかいうものがやはり同様の中に入ると思うのでありますが、その点はいかがでございますか。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○石井国務大臣 そのとおりと考えてよろしいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 そういたしますと、この面から入ってだんだん輪が広がるとおっしゃるのですが、いまの大臣のそれぞれの原則というものは、先年日韓の国交が回復いたします前のものの考え方と比べると、かなりな弾力性をお持ちになって今後善処をされるというようにお考えだと拝察をいたしますが、それでよろしゅうございますか。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○石井国務大臣 日韓交渉以前に私が申し上げたことと筋においては同じでございます。これをどう実際に及ぼしていくかということは、そのときからも幅広くと申し上げておる、ケース・バイ・ケースに、こう申し上げておるのでございます。その意味においては、考え方が狭くなっておるとか広くなっておるということはないと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 いまお話しになりました諸原則は、法務大臣一個の所信のものであるか、政府全体として理解をしてよろしいのでございますか。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○石井国務大臣 考え方は、政府全体の考え方として御理解くださってよろしいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 新聞で承知をいたしておるところによりますと、今回北朝鮮からの貿易に関連をした技術者等の入国について、法務大臣としては、また政府としてもこれを許可するという方針をきめられたにかかわりませず、韓国からこれに対して厳重な抗議があり、しこうしてその報復措置を云々というお話がございますが、韓国側がこのような態度をとって、なおかつ政府側としては北朝鮮の技術者の入国についての御所信は変わらない、こうお考えになっておられますか。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○石井国務大臣 具体的な問題についてのお話でございますが、これは韓国からの話があるとか抗議があるとかいう問題以前でございまして、私どもはいまそれが調査中であり審議中であるというお答えをする以外にお答えできないわけであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 私の申し上げておりますことはこういうことなんであります。つまり政府が諸般の事情を考えてこれを許可するというこの方針が、公表しないにしろ内定をいたしました際に、韓国が、ないしは他国が、これに対して抗議を申し込んできたといってこれが動揺をするということがあり得るか、こういう質問でございます。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○石井国務大臣 ものを決定する場合に、さっき外交諸般の問題を考慮して決定するということを申し上げましたが、いまその道程中にあるわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 そういたしますと、諸般の事情というのは、こうしたらああなる、こうしたらこういう問題が発生するということも織り込み済みで内定をするんだから、そのような考えは持たない、こう理解をしていいんですね。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○石井国務大臣 そういうものを考慮に入れるとか入れぬとかはっきりと割り切ってしまう問題ではないと思うのであります。そういうものも問題のうちの一つとして考慮の中に入ってもいいと思うのであります。それに支配されるかされぬかは日本の立場の問題だと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 けっこうです。私ども、国民が心配をいたしておりますのは、少なくとも新聞報道の範疇ではございますけれども、一つの英断を持たれて北朝鮮からの技術者の入国が日本の国益のためになるという判断をされた直後に、韓国がこれに対して抗議をするというようなことで、日本政府がこれに対してぐらつくようなことでは情けない話であるという感じを持っておるわけであります。いま大臣のお話によれば、そういうことも諸般の事情を検討の上やるのであるからということでありますならば、それでけっこうでございますから、どうぞひとつ所信を通して実現方努力を願いたいと思うのであります。  次に、本朝の朝日新聞によりますと、中国青年団と北ベトナム歌舞団の二つにつきまして、法務省の竹内事務次官が十二日、橋本官房長官と会見して、法務省の事前調査の結果を報告し、北ベトナム歌舞団は拒否、中国青年団については入国を許可するとの同省としての方針を説明をした、しかるところ、「橋本長官は、北ベトナム歌舞団の入国拒否は了承したが、中国青年団の入国許可に対しては再考を求めた」、こう新聞報道は伝えておるのであります。このような法務省の方針をお定めになりましたその理由を少し伺いたいのであります。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○石井国務大臣 その前に、ちょっとさっきの横山君の、最後のおことばに誤解があってはいけないから申し上げたいのであります。各般の事情を考慮してわれわれは自主的に考えると申し上げ、いま考慮中だと申し上げておったことを、その字義どおりに解釈しておいていただきたいということ。間違いなくそのとおりどうあってもそれを許すとか許さぬとか、右、左ときめておるという問題におとりにならないように、そこに誤解がないようにはっきりさせておきたいと思います。あとになってまた違ったとかなんとか問題が起こると困りますから……。  それはそれといたしまして、いまの問題でございますが、これは私は、事務当局から、この出願されました問題についていろいろまだ聞きたい、出願者のほうから聞いて、そうして最後にどういうふうにするか、また向こうのほうと話し合う問題もあるからということでございまして、私自身もよく聞いておらないのでございます。そのまあ中間的な話を事務次官と官房長官と何かの話のときに話をしたのだと思うのであります。それが何かいかにもぎょうぎょうしく伝えられたと思うておるのでございますが、何かそれ以上のことを私はまだ――出てからこの問題をきめようと思うております。私自身はそれ以上のことを知りませんから、事務当局から申し上げます。

八木正男法務事務官(入国管理局長)

○八木政府委員 北ベトナムと中共からの入国につきましては、事務当局の間でもいろいろ検討しております。しかしまだ法務省のほうが決定したというわけでもなく、もちろんこの問題は主管大臣としては法務大臣でございますから、法務大臣に御報告して御決定をいただくわけでありますが、その前の段階として、入管のみならず、関係官庁各方面の御意向というものも伺って参考にした上で、われわれの入管としての見解をまとめ、それを大臣に御報告して裁決をしていただくというかっこうになります。実は、けさの新聞の記事、必ずしも正確でございませんけれども、あそこに書いてあるようなことは、いま申し上げました事務当局の事前のいろいろな意見の交換とか、見解の調整とかいう段階の一つでありまして、それに基づいて大臣に裁可をいただく段階にまだなっておりませんので、いずれ全部の検討をした資料がまとまった段階で、大臣に処置をお願いするということになると思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 いささかそれは、私はお二人のお話は意外な話だと思うのであります。冒頭私は、この種の非常にデリケートな問題については、私ら法務委員としては多少法務省の責任者の弾力性ある仕事の内容を尊重しておったと申しました。しかし最近におきましては、実に具体的に日ごと夜ごとの新聞や報道に載るわけであります。今朝のこの新聞記事はきわめて具体的に――答えたといわれるというような書き方をしておりますものの、きわめて具体的な報道であります。したがいまして、法務省であるかあるいは外務省であるかは別といたしましても、かなり意図を持って、と言うと語弊があるかもしれませんが、アドバルーンを上げて反響を見て、その反響を考慮しつつ、突如として決定をして、その波が立つのを防ぐために、ある程度のアドバルーンを上げておくという意味に私は解したのです。半ばこれによって反響が起こることを予想しつつ、新聞記者にお話をなさるなり、しかるべきところでお話しなさるなり、それが官房長官、あるいは外務省、法務省、それぞれのニュアンスの違いはあろうけれども、そういう意図があると私は考えておるわけであります。そうでなければ、かくも具体的にこの種の問題が報道されるわけはない。私はこれが報道されていかぬと言っているわけじゃないのですよ。あなた方の意図がわかるからという意味で言っておる。しかるところ、いまその点について何か全く非公式だとかあるいは固まっていないとかおっしゃることは、少し私としては意外だと思います。もし新聞記事が違うとするならば、どういうところが違うか、八木さんにお伺いをしたい。

八木正男法務事務官(入国管理局長)

○八木政府委員 私はまだよくその新聞記事を読んでおりません。それでいまアドバルーンというお話がございましたが、それは役人の中にもそういう手の込んだことをする人もあるかもしれませんが、私ははなはだ不調法でありまして、そういう芸当ができませんので、それは私が新聞記者に話したものがその記事になったのではございません。したがって、そこに書いてある内容を実は大急ぎで目を通してきたので読んでおりませんけれども、別に入管として、意見を総合する段階の一つとして、次官が官房長官と御相談なさったことはあるようでございますけれども、それだけではもちろんございませんし、ほかの関係官庁の意見を聞くということもございます。全部の意向をまとめて、それに対してわれわれの見解をつけて、それから大臣の御判定をいただくというのが趣旨でございます。それはもちろんさっきも大臣が申したように、国交末回復の共産圏からの入国につきましては、別に書きものの基準があるわけではなくて、原則としてそういう人たちは入れないのが原則であります。入れるのはあくまでも例外であります。その例外をどういう場合に認めるかということについては、その個々のケースの持ついろいろな評価から、場合によっては私限りで決裁してしまい、事後に大臣に結果を申し上げる例もございますし、あるいは大臣まで御相談して、その決定によって入管から通達をするという場合もございます。今度の場合は御承知のとおり、かなり新聞等にも報道されて、はでに扱われたわけで、問題それ自体は必ずしもそんなにはでな問題ではないと思いますけれども、そういうふうに扱われたこともありますので、私どもとしては慎重を重ねる意味において、できるだけ広く各方面の意向を伺った上で大臣の最終的な決定をいただくという方針でやっております。また、大臣が申されましたように、確かにまだ御報告にあがっておりませんので、その上でまた大臣に御決定いただくということになるかと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 大臣は十一時半にお帰りだそうであります。神近委員が関連質問があるそうでありますので、私の、質問を保留いたします。

大久保武雄自由民主党

○大久保委員長 神近委員の関連質問を許します。神近市子君

神近市子日本社会党

○神近委員 大臣が十一時半までしか時間がないというので、私は出入国の問題と国士舘大学の問題と、両方について、大臣がおいでになる間にちょっと御質問しようと思います。  いま出入国管理の入国の問題について問題があったのですけれど、私はこの間、局長がおいでにならなかったので、次長をお相手に論議したのですけれども、いま子供の問題が出ているのです。私は何も十七、八歳で――日本の十七、八歳と違いまして、非常に幼い人なんです。それで、その人の在留を許してもらいたいということを再三お願いに出ているのですけれども、密入国をしたということ――この人はまだそのときまで、国籍もどこにもなかった。日本籍にしてなかった。終戦後の混乱時に韓国の人がいろいろやっていて、生活困難で放棄してしまわれた子供で、それで韓国に行ったが、母親が再婚したために籍もない。扶養する者もないということで入国してきた。日本ではおばあさんと、それからおばさん――戸籍の上にちゃんとはっきりしているおばさんがあるのです。それで、おばさんが養女にして教育してやりたいというのですけれども、どういうわけか、管理局で許可がないのです。父親は日本にいるというようなことが考えられておりますけれども、それがどうしても出てこない。日本妻をもらって子供まであるということはわかっているのですけれども、行くえがわからない。その行くえがわからないということで、結局うそだという。それから、娘が日本に在留を許されれば、また生母が韓国から入ってくるような危険があるというような変な理由で、どうしてもこれが許可が出ないのですよ。国際人権宣言をごらんになると、人間が、家族が一緒になって生活するということは、国も社会も保護しなければならないということを宣言している。そのおばあさんがあり、おばさんがありというような日本で、それが許可が出ないということが私はふしぎでならない。この間次長にその点をお確めしたのですけれども、どうしても許可を出さない。私はこの点で大臣に実はお願いに出ようと思って、面会をお願いしたことがあったのですけれども、非常に多忙でお目にかかれなかったということがあるのですけれども、十七歳で、ほとんど未成年のような子供、日本で生まれたのです。それを、肉親もない、親戚もないところへ追い返す。そうすると、いきなり国の施設かどこかに収容されなければならない。私は、おばあさんがあり、おばさんがある日本にとどめておくということで、当然の許可が与えられるべきだと思うのですが、大臣はこのことではどういうふうにお感じになるか。日韓条約後の規定で、密入国者はなるべく返すということはわかりますよ。わかりますけれども、相手が未成年の子供ではありませんか。私はその点でぜひ御考慮を願いたい、こういうことをもってお尋ねしているわけでございます。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○石井国務大臣 ただいまのお話、入国管理局長がよく知っておりますそうですから、まず入国管理局長からお答えいたさせます。

八木正男法務事務官(入国管理局長)

○八木政府委員 個々の特殊なケースを、法務委員会の席で長々と答弁申し上げることはいかがかと思いますけれども、私自身、実は常日ごろ感じておりますことは、日本の入国管理、ことに密入国者の管理は甘過ぎると思っております。というのは、年間に数千名の韓国人が日本に密入国いたしまして、そのうち半分以上、われわれ在留を許可しております。本来ならば一〇〇%送還すべきだろうと思っております。ところが、このケースなどは、いま御説明ありましたように、一応かわいそうな条件がそろっております。しかし、ただかわいそうだということだけから言いますと、われわれの扱っておる仕事は、ほとんど九分九厘まではみんなかわいそうでありまして、そこにおのずからいろんな条件を検討して、特別に在留を許可するか、あるいは年に関係なく追い返すかという、いずれかの決定をせざるを得ないわけでございます。いま十七歳だということをおっしゃいましたが、七歳とか八歳とか十二歳とかいうものの退去もございます。それから、二十五、六歳の屈強な青年を在留させる場合もございます。それは個々の場合に、われわれとしてあらゆる検討し得る材料を全部そろえて、それを全部検討した上でやっていることでございまして、たとえばいまお話のありました、在留を許可した場合には母親が来るおそれがあるというようなことは、単なるこじつけではなくて、われわれが十分その根拠があると認めた場合には、それを理由としておるわけでございます。お話のように、今回は年の若い少女のことでございますから、普通の条件がそろっていれば問題なく許可になるわけでございますが、それが許可にならなかったということはいろいろな理由があったということでございまして、その理由についてもし御納得がいきませんでしたら、いつでも事務所へおいでくだされば、十分な資料をもって御説明いたしたいと思います。

神近市子日本社会党

○神近委員 このことではあなたにずいぶんお話しして、そうしてこれはいま十七、八歳ですけれども、十二歳で、条約の締結よりもずっと前に入ってきて、それで籍がなかった。韓国にも籍がなかったし、また日本も入籍してなかった。そういうようなケースで、これは特殊なケースなんです。日本で生まれたんですが、そのときすぐ入籍すれば、在来から日本にいたということになるんです。それで、父親が行くえが不明。これは海軍に動員されて、戦争中は日本の海軍のためにずいぶん働いている人なんですよ。それで、大学を出ていて、インテリでもある。それが行くえ不明というのは私何だかおかしいと思って、終戦直後のいろいろな混乱を見てみますと、韓国人というのはずいぶん駐留軍や何かに使われて、そうして都合が悪いと国外に出されたり、あるいは消されたりという事態がずいぶん多いらしいです。私はそのうちの一人かなというふうに考えたんですけれども、厚生省にもちゃんと登録して、戦争中の居留についての記録が残っている。そういうような特殊の人を――一般の経済的理由からどんどん入ってくるというような人と子供を一緒に考えるべきではない。私は、局長はこの間よくおわかりになって、そうして在留を認めてやろうというようなお考えになられたと読んだんです。だけれど、おたくの次長がこれに反対した。私はこの間その御質問を申し上げたときに、ぜひ局長に来ていただきたい、局長というものは外務省からの出先で、ただお飾りでございますか、実権はどこにあるんですかということをお尋ねしたいと思ったんですけれども、御出席がなかった。それで、私はきょう、大臣もおいでになり、チャンスですからお尋ねしておるのですけれども、相手が未成年者ということと、日本で生まれたということと、父親が日本にいるということが想定されている。そして人権の問題から考えて、扶養者もない、あるいは自分にその能力もない者を、韓国に強制送還するということが一体どういうことなのか。人間は家族、親戚と生活するということが自然のものであって、国家も社会もこれを守らなければならない、これを保護しなければならないというような人権宣言がある。私はその点で、大臣にぜひこの問題では特別の御配慮を願いたいということをお願いしたいというつもりでございます。大臣、事情は簡単でございます。父親は日本の軍部にさんざん協力をさせられて、大学生のときに徴用されて働いた、その子供でございます。非常に貧困であったということは考えられますけれども、これは終戦後の日本の経済状態がそうであったのですから。この行くえがわからないということにはいろいろ疑惑がございます。そして日本には、後に迎えたところの日本妻の弟もいるのでございます。そういうところにこの十七歳とか十八歳の女の子を在留させるということが非常に有害なのかどうか、大臣はどういうようにお感じになるでしょうか。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○石井国務大臣 お尋ねのことにつきまして、入管局では十分調べてそれに対してお答えを申し上げたことだろうと思うのでございます。重ねていろいろお話でございますので、これはこの前は局長ここにおりませんでございました。局長にひとつこれを持って帰ってもらいまして、もう一ぺんさらによく調べてもらいまして、あるいは神近さんにおいで願っていろいろ御相談する、お話申し上げるという機会をつくることもいたしまして、そしてできるだけのことを、できればいたしますし、できないならできないということを御納得のいくように御説明申し上げるようにいたしたいと思います。

神近市子日本社会党

○神近委員 局長にお尋ねいたします。さっき申し上げたように、あなたは局長という職を受けていて、この管理局の中の全責任を負っているという形です。それでいて、あなたの意思が行なわれないというようなこと、あなたは飾りものですか。あるいは借りものですか。そういうようなことに腹がお立ちにならないかどうか。私はその点をあなたの御感想を聞きたいと思って、この前も御出席を願ったのです。

八木正男法務事務官(入国管理局長)

○八木政府委員 私は外務省から来ておりますけれども、別に法務省の連中に遠慮しなくちゃいかぬと思っておりません。入管として決定をする場合には、ことにこの密入国者のケースにつきましては、個々の事例を一週間ごとに集めまして、私のところで裁決委員会というものをやっております。その構成員は局の六人の課長と私と次長、それに参事官と、全部で九人でございますが、その間で十分に議論を尽くし、そして決定がつかない場合には私が裁断をいたします。私は、実はこの間神近先生が最初においでいただいたときに、確かに気の毒なことだから考えましょうと申し上げました。しかし、その後いろいろ担当課長から事情を聞きまして――私いま全部ここにメモしておりませんのでこまかいことを略しますけれども、私もこれはちょっと許可は困難であるという決定をいたしました。もしそのときに私が、これは在留させるべきじゃないかと思えばできたと思います。ですけれどもしなかったということから考えますと、詳細を覚えておりませんけれども、先生のおっしゃるほど気の毒なケースだとは存じておりません。と申しますのは、先生にとっては、たまたまその十七歳かそこらのかわいそうな少女というのは、そういうケースを御委嘱を受けたのは初めてだろうと思いますけれども、これに類することは幾らでもあるのでございます。日本で生まれたなんというのはたくさんございます。日本で生まれて小学校を卒業するまで日本におった、そしてまた帰ってきたなんというのはたくさんございます。父親がずっと日本にいたけれども行くえ不明であるとか、あるいは母親が韓国にいるとかいう例はざらにあることでございまして、私は先生のお申しになったケースがほかと違って特に考慮しなければならない特殊な気の毒なケースであるとは考えておりません。ごくありふれた普通のケースの一つであります。

神近市子日本社会党

○神近委員 たまたま私のところに持ってこられたケースだからこれを私が力説しているわけじゃないのです。ほかにもこういうケースがたくさんあるという一つの例として、あなた方の考え方の上に、子供は親とあるいは肉親と一緒に生活するのがいい、この義務が国にも民族にもある、社会にもあるという、このことを頭に入れて――このケースだけじゃないですよ。私はこのケースに特別の関係は持ちません。特別の関係はほかの人が持っているということをこの間次長がおいでになったときに言ったのですけれども、私は特別の関係は持っていませんよ。それで一つのケースだからほかのケースをとあなたはおっしゃるけれども、このケースは一つのモデルではありませんか。   〔委員長退席、大竹委員長代理着席〕 こういうような場合にあなた方がもっとこの人権宣言に寄与したところの決定をなさるべきだ。  あなたの問題ですけれども、なるほど裁決権がある。だけれどもそれが通らないというようなこともあり得ると私は考えるのです。あなたはいい方のようであります。そして私は、お名前は申しませんが、ずっと前に、あなたでない局長から伺ったことがあります。私は外務省から来ているもんですから、法務官僚というものは実に強くて、われわれの意思は通らないことが多いというようなことを告白された方が、ずっと前ですが、あるのです。だから私は、あなたは善良な、いい方のようだけれども、ずいぶんやりにくくていらっしゃるなということを類推したわけなのです。それできょうは大臣がおいでになったので、どうか、この非常に善良で、お考えもノーマルであるような局長を支持して、そうして力になってあげてくださるように――私はこの一つのケースをどうでもこうでもというほどの義務もなければ情実もないのです。ただ一つのケースとして、たくさんこういう目にあっている人があるなと思うと、これをぜひ通してあげたい、こういうふうに考えるわけです。それで大臣にこの間からお願いしようと思いながら機会を得なかったので、きょうはたいへん、委員会で申しわけないのですけれども、次に、も一つだけ私は大臣に御質問がありますので、この問題についてはこれで終わることにいたします。御配慮を願います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 大臣お帰りでありますから、先ほどの共産圏の入国についてもう一つ二つだけ聞きたいと思います。  先ほどおっしゃった諸原則ですね、これは政府も一般的原則だとおっしゃるのですが、たしか承知するところによりますと、何か次官会議というようなもの、並びにそこで取りきめられた一つの原則があり、昨年秋でありましたか、その原則を一ぺん是正をする、そして是正の要因としては、お話のあったスポーツ、学術、貿易、文化、医療等についてこれを挿入をするというお話を承ったことがあったのでありますが、この際ひとつ、一つ一つのことをケース・バイ・ケースだといって、かくも新聞で書き立て、かくも各省でわあわあやって、大臣と大臣の間でニュアンスが違うようなあり方を、ひとつもう一歩進めて、一々ばたばたしないように法務大臣の権限を確立し、その裁量が尊重されるような方式に、機構並びに原則をこの際前向きに整理をする必要をお認めになりませんか。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○石井国務大臣 ただいま私が、われわれ政府の方針を申し上げましたことは、ずっと昨年から通してあらゆる機会に、横山君はじめいろいろな方がいろいろな場でお尋ねになったときに、総理大臣はじめみなこの問題に関連してお答えしておるのを総合して、同じようなことを答えておるわけです。それはこういうふうな方向でやろうということを話し合っているわけでございます。  それから何かそういうものをちゃんと書いたものにしたらどうだということでございますが、それはまあどうするかは内輪の問題でございますが、書いたものというのはえてしてしゃくし定木になるもので、なかなか生きたケースには当てはまらないというようなことが多いのでございます。いままで、書いたものというよりは、話し合いの準則というか申し合わせの内規みたいなものがあったのでございますが、それとても何かやっておるうちにはすき間だらけになってくるというようなことでございまして、いまちょっとやっていったらいいじゃないか、そうしておるうちにひとつこういうふうな形のものをこしらえ上げたらどうだというものができてくれば、そういう形のものをこしらえるかもわからない、いまあわててまず規定をというのは先走り過ぎるのじゃないか、私はそういう感じを持っております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 最後にもう一つ、大臣御存じのように、北朝鮮からの貿易上の問題についてはタイムリミットがあるわけであります。すでに貿易上の関係につきましては東ヨーロッパ各国、あるいは西ヨーロッパ各国から朝鮮に引き合いが来ておりまして、もしも日本がどうしてもそういうごたごたするならばということで、向こうと貿易取引をするという具体的な事象が現に起こっておるわけであります。この北朝鮮の貿易にしろ、北ベトナムの歌舞団にしろ、中国青年団にしろ、そのほか今後起こり得るべき入国の問題について、ややもするとタイミングを失って、かっこうだけは入国を許すと送っておきながら、事実は事態の遷延によって許さないという結果になっておるのも一、二の例がございます。したがいまして、大臣がもしこれは許すべきだという判断をおつけになったにかかわらず、とやかくいろいろな各省なりあるいは一部の意見によって、許したけれども許されなかったという、タイミングを失うようなことがあっては、大臣としてのお考えが宙に浮いて、単なるアドバルーンに終わってしまうというおそれを私は多分に持っておるわけでありますが、この点について所信のほどを聞きたいと思います。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○石井国務大臣 特に北朝鮮からの貿易関係の技術者が日本を訪問する、そして技術を視察するという問題については、いまお話しのようなことをよく聞いております。それを頭に入れて交流するわけであります。だんだん延び延びになってお気の毒の状態でございますが、ただいま許す方向であるとか、許す方向でないとかいうようなことを言えない情勢であるわけでございます。そういうことを忘れていいかげんにしておるという――許しさえすればいいじゃないか、ケース・バイ・ケースでやればいいのだからというような気持ちは、私は持っておるわけではないのであります。情勢がなかなかそう簡単にいくものではないので、なるべく早くということでいろいろ努力をいたしたい、こういうふうに思っております。

大竹太郎自由民主党

○大竹委員長代理 神近市子君。

神近市子日本社会党

○神近委員 これは問題が違いますが、国士舘大学のことで実は大臣にも詳細聞いていただきたいのですけれど、お急ぎだというので、一問だけお尋ねいたします。  この間ここでお尋ねしたときに、国士舘大学の理事ですか、顧問ですか、それを承諾した覚えはないとおっしゃいましたね。あとで、国士舘の側にこの間尋ねましたところが、ここへ参考人として舘長代理が出てまいりましたが、それは緒方竹虎氏の御推薦で、緒方さんがまあこの辺がよかろうというので書いた者がなったというふうなことを申しましたけれども、大臣はこの顧問の会長になっていられる、そしてときどき講演会にもおいでになる、そして大臣が入閣なさった祝賀会にも御出席になっている、こういうようなことがこの間ここで明らかになったのです。いま私どもが国士舘大学のことを問題にするのは、暴力が非常に横行していて、憲法はまるで無視し、学生を暴力団の一かたまりにするような教育が行なわれているということに、私どもは批判を持っているのでございます。それで藤山経企庁長官だけは、自分はこれはいやだというようなことをはっきりおっしゃっているのですけれど、たとえば顧問の会長ということになれば、お金をつくる、そのお金をつくるあれは書いたそうですね、それであなたの名前が書かれ、そういうように、たとえばうちの理事はこういう方々だというので大臣が四、五人並ぶ。そして文部省に申請をするときには、顧問という名前で大臣のお名前を何人か入れている、こういうような利用をされていらっしゃるのです。いまから私どもは文部省の管理の状態について質問するつもりでございますけれど、そういうような学校です。そして天皇誕生日のお祝いを非常にはでにいたしまして、その館長がそのときにどういうことを言っているか。「終戦と同時に、マッカーサーという奴が乗りこんできて、いまの憲法をつくり上げ、天皇を国民の象徴にしてしまった。象徴とは、カンバンと同じであります。」陛下のなにを、そこらにある看板と同じだというようなことを言っている。元首としての天皇陛下に復帰させなければならない、こういうことを言っている。そして「大日本帝国に栄光あれ」、こういうようなことを言っている。もう今日の憲法は犬法だという。じょうだんじゃない、憲法というものをまるで無視している。今日、内閣の法務大臣としてこういうところに名前を使われるということは、非常に大臣の名誉を傷つけていると思うのです。いま刑事あるいは民事でいろいろ裁判が始まっておりますけれど、こういうようなどろ沼のようなところに、大臣のようなりっぱな方が名前を貸しておいでになる。緒方竹虎という人は私もよく存じておりましたけれど、今日緒方さんがいれば、こういう問題は実にはっきりと割り切ることができる方だと私は思うのです。私には、大臣がいつまでも自分の名前を利用されることを許しておおきになるということは、納得できないような感じがいたしますけれど、大臣はどういうようなお考えであるか。そして、この承諾したことのない理事を利用されるということに抗議をなさるというお気持ちはないか。私は、本来ならば、四、五人の大臣方がこのことに抗議をなさるのが、普通の常識としてあたりまえだと思いますけれど、どういうふうにお感じになるか、私は大臣のなにを伺いたいと思います。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○石井国務大臣 このことは、どこかでもお答えしたと思うのでございますが、私は顧問というのも正式に頼まれた覚えが実はないのでございます。顧問というだけでなく、いつか申し上げたように、何かずっと前には相談役とか何とかいうようなことで紹介されたこともあったようであります。私がそこへ卒業式のときなんか頼まれて――私は若い人たちに話をするのが好きだもんでございますから、卒業式等にはよく行きました。そして、若い人たちに話をいたしました。それで、そういうふうなときに紹介され、それ以外のときには行ったことがほとんどないものですから、顧問の石井だとか何とかというようなものは、雅号みたいなつもりで聞いておったわけでございます。したがって、そういうふうな会合があったわけでもなく、そういう会合に出たこともないのでございます。  昨年の暮れからいろいろ問題があって皆さん方にも御心配をかけて恐縮でございますが、ことしの春になりまして――頼まれてないのを断わるのもおかしな話なんでございますけれども、世間でわあわあいうものでございますから、私の秘書を彼のところにやりまして、ぼくは顧問ということになっておるということでいろいろ聞かれるが、顧問はお引き受けしたことはないのだからお断わりするのも変だけれども、顧問という名をもし使われておったら、どうか使わないでもらいたいということをあらためて申し込んで、了承いたしましたという経過でございます。

神近市子日本社会党

○神近委員 それは、秘書をやって、頼まれたことがないから断わるのはおかしいけれどというのは、ちょっと私は筋がわからないと思うのです。抗議をなさるべきだと思うのです。それを利用して――おれの名前を使うのはやめてくれというふうなくらいのことをおっしゃるべきだと思うのですけれど、それはどうですか。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○石井国務大臣 この柴田徳次郎は、今度問題が起こって非常に皆さんから攻撃されておりますが、私は昔から非常に知り合いなんでございます。緒方竹虎君と同郷でございますし、ずいぶん若い時分から知り合いでございます。あまり私的な交際はないのでございますが、学校をやって、あの学校がだんだん盛んになって、学校のそういうふうな卒業式のとき、そういうときばかりですが、来て、生徒に話をしてくれぬか、喜んで若い者に話をしようという中で学校に話に行ったことがずっと続いてあるというようなことでございます。そのとき、いま申したように、顧問と、何か肩書きを言われたようでございますが、そういうふうに一つの正式につけた名前でない、石井先生ということと同じようなことで言われているような心持ちで、ぼくはそれに何も関心を持たないで聞いておりました。かってに、どこでもそういうことをよく言われつけておるものですから……。そういうふうなことでございますから、この間も行ったけれども、それはけしからぬじゃないかということであまりおとなげないことをするまでもない。あらためて抗議らしいことを申したことはないのでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 局長に伺いたいのですが、あなたは先ほど、中国青年団についての新聞報道について多少の違いがある、こうおっしゃったのでありますが、この中国青年団は、昨年日中青年大交流で日本側から約四百人の青年が訪中したのに応じて、五月中旬から約一ヵ月間ばかり、わずかの青年が日本にくる。しかもその受け入れ団体は総評はじめ日中友好協会、日本青年団協議会というベースでありまして、この点について相当議論もして、重箱のすみっこを突つくような判断をするべきことではないではないか、こう考えるのでありますが、法務省としてはどんな立場でこの青年団をとらえられておるのでありますか。

八木正男法務事務官(入国管理局長)

○八木政府委員 まだその結論を出したわけではないので、いろいろ入管としても、その人たちが日本にやってくる目的、動機とかあるいは日本に来てどういうことをするのかというようなことについて質問をしたり、われわれの納得のいくような説明を求めたりというようなことをいまやっておるわけです。同時に、国交のない国からの入国者でありますから、入管だけでは意見をきめられるわけではないので、たとえばいろいろのことについて外務省として外交上の利益を害することがあるかないか。あるいは治安官庁などは、治安の問題などで関係がないかというようなことを全部意見を聞きまして、それを総合的に判断して入管としての意見を添えて大臣に決裁を求めるということで、先ほど申しておりますような段階であります。  いまお話しの、中共青年団について、法務省としてどういう考えを持つかということについて、私どもが大臣に御報告をする、そしてその段階で大臣として、もし法務省のほかの局の意向が必要であれば御質問になるでしょうし、あるいはそれは聞くまでもないということになれば、私どもの意見を尊重してということになるかもしれません。同時に、一つの政治問題でもありますので、それを大臣が個人でおきめになるか、あるいはほかの政府上層部と御相談になるかということもまた残された問題でございまして、そういうようなことから総合いたしますと、現在の時点においては、先ほど申しましたように、入管としての意見を最終的にまとめて大臣に御報告する段階にはまだまとまっておりません。したがって、近いうちにさっそく御連絡を進めますけれども、いまの時点で、法務省としては、入管としてどういうふうに考えるかということをまだ申し上げる段階ではないわけであります。と申しますのは、実は現在でも関係者から入管としてもいろいろ聞いておりますので、それを全部聞き終わった上でわれわれとしての意見を一応つくり上げたいということになっておるわけであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 この中国青年団といい、北ベトナムといい、北朝鮮といい、こういう問題が非常にはでにニュースソースになるという点については考えなければならぬことがある。それは、一つには、私も所感めいたことを冒頭に言ったのでありますが、何か非常に政治的にものを考える。また、それなるがゆえに、非常に秘密裏に問題を処理する。そして、いまあなたもおっしゃったように、大臣ベースと事務当局のベースが少し違うという点に諸般の問題があると思うのであります。私はこの際あなたに提言をしたいのでありますけれども、事務当局における申請なり、あるいは非公式なり公式に話があった場合における事務当局ベースにおける審査段階というものをもっと敏速にやっていただくわけにいかないか。また、それをもうこの段階ならば何も秘密にしないで、堂々と審査をやったりなんかやって、普通のベースでやるわけにいかないか。そして、公開をわざわざしろとは言わぬけれども、普通の行政事務と同じように問題にして、そしてすみやかな審査をやって、すみやかに大臣ベースへ渡して、大臣の決裁を得るというようなやり方をしたほうがいいではないかと思いますが、いかがですか。

八木正男法務事務官(入国管理局長)

○八木政府委員 確かに、いま先生の御趣旨の中で、私も共感をすることが多々ございます。ただ、さっきも大臣から申しましたと思いますが、国交のない国からの入国というものは原則として認めないのがたてまえでありまして、中共なりベトナムなりそういうところから入国を許すのは、あくまで例外でございます。例外として認めておりますので、その決定はやはり多分に政治的関係を考慮せざるを得ないということがございますので、われわれとしても、実は事務的に処理できれば非常に簡単であり、先ほど先生から御示唆がありましたように、一定の基準というようなものをつくったらいいじゃないか、確かに、つくれば事務的に非常に簡単でございますけれども、ただ、基準をつくるということになると、例外を全部列挙するということになる。これは事態の進展によって非常に変わってまいります。御承知のとおり、たとえば中共との人事交流でありますと、昭和三十三年ころまでは全然一人も来なかった。いまは、年に何百人、何千人というような人が来るわけです。そういうようなことで、結局、一がいに、国交のない共産圏という一つのことばであらわした場合にも、それに属する四つの国のうちで、われわれの入国を認める扱いというものは非常に違っております。そこで、どうも書きものの上で一つの基準をつくってしまうと、事務的には便利かもしれませんけれども、なかなかそうするのもむずかしいという事情かございます。また、例外的に許すというたてまえから、外務省は一つ一つのケースについて、必ずしも事務当局が事務的に審査しただけできめてしまうわけにもまいりかねるわけでありますので、結局現在のような形をとっております。われわれとしても、何かいい方法はないかと思って研究はいたしております。また同時に、もっと早くやれということも、これも確かにそのとおりでございまして、われわれとしても、迅速にやってものごとの決定を早くするということについては、今後とも一そう努力はいたします。ただ、やはり入管としては関係各機関の声も総合するという立場にありますので、なかなか電話で聞いて返事をするというふうにはいきませんで、やはりこっちでいろいろな文書で問い合わせて答えをもらうというかっこうになりますと、なかなか思うにまかせません。しかし、今後とも、できるだけ早くものを処理するという件については大いにくふうをし、また努力も重ねていきたいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 いま三つのことが問題になっておりますが、この機会に伺いたいのでありますが、国交未回復の共産圏との間にこの種の入国申請はどういうような事案が出ておるか伺いたい。

八木正男法務事務官(入国管理局長)

○八木政府委員 私の存じておるところでは、北ベトナムの舞踊団と中共からの青年団でございます。あとほとんど申請というのは中共でありますが、これはほとんど全部例のLT貿易の関係、あるいは新聞記者の交換に関連する報道関係とか、そういったような人の入国の申請でございまして、こういうのは全部事務的な段階で処理が済んでおりますので、こういった政治的と申しますか、一々大臣まで、あるいはほかの官庁とも相談して大臣の決定を仰ぐという懸案としては、私のいま記憶にありますものはこの二件だけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 少し方面を変えて一、二伺いたいのでありますが、本委員会で法的地位でずいぶん論争をいたしました後、韓国籍の登録事務が法務省で始まっておるのであります。登録事務の現状についていろいろと意見があるのでありますが、きょうはあまり時間がありませんので、登録事務の現状の概要を少し承りたい。

八木正男法務事務官(入国管理局長)

○八木政府委員 法的地位の協定の締結に伴いまして現在までに受け付けました永住の許可申請の件数は、五月十一日現在で五千八百七十九件でございます。月ごとに一応申しますと、一月は十七日から発効しましたのでその翌日から受け付けまして、一月中に九十一件、二月には千三百九十五件、三月が二千二百四十五件、四月が千五百四十一件、五月は十一日までに六百七件というふうになっております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 その許可状況はどうですか。

八木正男法務事務官(入国管理局長)

○八木政府委員 五月十一日現在で許可しましたものは一千八十一件でございます。これは許可証を発送しております。それから不許可としましたのは件数で二十一件ございます。これは、実は調べてみましたら永住申請請求の資格がないということがわかったものであります。したがって、先ほど申しました五千八百七十九からその二つの許可と不許可を引きました残りは現在審査中の段階でございます。御承知のとおり、審査の一番中心的な仕事は、第一次から第八次までの外国人登録の切りかえに連続して全部載っているかどうかの調査でございますので、非常に機械的な手数をかけております。さような仕事をやっておるのが現在約三千件ございます。それから、たとえば韓国の国籍を持っているかどうかというようなことを調査して照会中のものが約千五百件ぐらいございます。その他、そういうものを引き去りますと、あと三百件ぐらいの数字が出ますが、これは本人の申請に若干疑わしい点があるので、資格要件を備えているかどうかについて地方の入国管理事務所を通じて調査を命令している件数でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 当時予想したよりはわりあい数字が少なくて、しかも三月がピークで、それから減っておるような感じがいたしますが、この辺はどういうふうに理解したらよろしいのですか。全体から言うとわりあいに少ない。そしてウナギ登りにずっと上っていくとも思えぬという現状は、どう判断したらいいのですか。

八木正男法務事務官(入国管理局長)

○八木政府委員 これは実は私どもも、端的にどういう理由のためにということを申し上げるほど自信がございません。私どもは、実は協定発効当時の予想では、初年度に大体十五万人くらい申請があるだろう。それからあと協定永住申請期間である五年の間に、二年目以降は大体年間五万人くらい申請があるだろうというふうに推定をいたしたわけでございますが、確かに御指摘のとおりいままでのところまだ三、四ヵ月でございますので、全体の大勢を把握するまでの材料はないにしましても、総数の上で私どもの想像よりも数がはなはだ少ないということは事実でございます。理由としましていろいろ考えられますけれども、一番大きな理由は、やはり協定による永住を受けたほうが、自分たちとしては日本に在留する上に得なのか損なのかという、そういう損得打算のようなことが一番大きいだろうと思います。そしてその損得の問題を考えるにあたって、一部に、この法的地位協定に反対するような人たちに言わせますれば、こういう種類の協定による永住権をとればいろいろ損なことがたくさんある。徴兵だとか納税だとか、退去強制とか、いろいろな理由で損だということもいろいろ言われておる。そういうようなことによって非常に心配をし、あるいはそういうことをまた信じ込んだり、そういうようなことで決心がつかないというようなことが一つの理由だろうと思います。それからもう一つは、やはり大ぜいの人がおるものですから、申請期間は五年もある、いまあわててやらないでも、みんなのやるのを見ておって、五年間にじっくり考えて方針をきめようという気持ちの人が非常に多いんじゃないかと思います。日本政府としましては、私たち入管当局としても、法務省全体としても、常々厳重に戒めておりますが、この協定による永住を申請するかしないかは、あくまで本人の自由意思によるものだ。それに対して政府として少しでもすすめたり、誘ったりするようなことがあってはいけない、そういうふうにとられる言動は絶対にしちゃいけないというふうに達しております。したがってこういう協定による永住の申請をすればこういう損があるというようなことをいわれるが、それがほんとうかどうかと言って、私どものところに聞きに来られても、私どもとしては事実を説明する以上、それほど心配するなというようなよけいな助言は一切しないように言っておりますので、そういうようなことも、この人たちが去就を決しかねているようなことの理由の一部にはなっているかと思います。しかし一番大きな理由は、先ほど申しました二つの点、まだ五年もあるからみなの様子を見るということ、それから一部でいろいろ言われておるような永住を申請するとかえって損をするというような宣伝といいますか、そういうようなことを心配しているというのが大きな理由であろうと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 これとあわせて判断すべき数字としてお伺いしたいのですが、国籍変更の申請と許可状況並びに帰化申請とそれに対する許可状況の数字がありましたら聞きたい。

八木正男法務事務官(入国管理局長)

○八木政府委員 帰化は私どもではございませんで、民事局の所管でございます。  書きかえでございますが、私うっかりして資料を持ってまいりませんでしたが、ただ大づかみに申しますと、朝鮮という表示から韓国という国籍に書きかえを申請してくる例は、大体月に千件前後ございます。それからすでに韓国と書きかえたものを朝鮮と書き直してほしいという申請、これは現在までに総計二万件くらいたしか出ておるはずでございまして、やはり毎月千件前後の申請が出ておるようであります。それに対する許可状況ですが、たしか一カ月に数十件程度許可があります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 両方ともですか。

八木正男法務事務官(入国管理局長)

○八木政府委員 韓国への書きかえのほうは、韓国国民の登録の証明書を持ってまいりますれば書きかえせざるを得ませんから、ほとんど全部書きかえておるようでありますが、韓国と書きかえたものを朝鮮と書きかえてくれというときには、それが錯誤によって韓国と書かれたということが証明されませんと行なえませんので、それを調べております。おもに出生届けなどの際に役場の吏員が書き違えたというような例が非常に多うございまして、そういう説明を添えて申請がまいりますと原則としてみな書きかえを許しております。件数としましてはいまちょっと持ってまいりませんでしたが、大体月に数十件くらいずつございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 それではまことに恐縮でございますが、本年一月から今日に至る、いまお話しを願いました永住権に関する数字、それから国籍変更に関する――主として私の希望しておりますのは朝鮮、韓国関係ばかりでありますが、国籍変更の数字、それから民事局にお願いいたしまして帰化申請並びに許可の数字、つまり最近の韓国との日韓協定成立後におけるこの種参考になる数字、動向を御提出を願いたい、こう考えておる次第であります。  まだ二、三ございますけれども、神近委員の御質問があるそうでございますから、その数字の提出をまって機会をあらためていたしたいと思います。

神近市子日本社会党

○神近委員 きょうは文部省の犬丸振興課長がおいでになっておるはずでありますが、文部省には国士舘大学の件についていろいろお尋ねしたい、こう考えるのです。  いまお聞きになったと思うのですけれども、法務大臣が向こうの顧問というか会長というようになっていらっしゃるので、このままでおいでになるということに多少私どもは疑問を持つと言ってお尋ねをし、また法務大臣もそれを利用は困るということを申し入れたということがあったのですけれども、一体文部省は大学の管理あるいは監督の衝に当たられるのがほんとうだと思うのですけれども、それはそうですね。

犬丸直文部事務官(管理局振興課長)

○犬丸説明員 文部省が私立大学の監督に当たる役所かどうかというお尋ねでございますが、私立学校法、あるいは学校教育法、そういう法律に基づきまして指導監督と申しますか、それぞれ権限が限定されております。戦前のように、いろいろな面につきまして指揮命令するというようなことは許されておりませんが、たとえば設置の許可をするとか、あるいは必要な場合に資料を提出するように要求するとか、そういうような権限は法律で与えられております。その範囲内において文部省は私立学校を監督しておる、ということばが現行制度においては適当かどうかわかりませんが、所管をしております。

神近市子日本社会党

○神近委員 どうも私は管理局と思いましたら、振興と書いてあるので、何だか変な感じがするのです。何を振興するのかちょっとわからないような感じがするのですけれども、そうすると、教育基本法によるというようなことも想像されますね。その前文には「われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実況は、根本において教育の力にまつべきものである。われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。」こう書いてある。この前文はいま生きていますか。文部省のこの振興の過程において生きていますか、廃法みたいになっておりますか、どうなんです。

犬丸直文部事務官(管理局振興課長)

○犬丸説明員 いまお読み上げになりましたのは教育基本法の前文でございまして、もちろん現行法でございますので、この条章は生きております。

神近市子日本社会党

○神近委員 そうすれば、いまの文部省の態度に私どもはいろいろ疑惑を持たざるを得ない。この間、文部委員会で中村委員の要求で調査が出ましたね。あれは一体――ここにも一本きておりますけれども、委員会がお願いした調査というものが、一体こういうものでいいのかどうかということが私の疑惑なんです。調査ということばを私どもが使うときには、そのときのたとえば坪数がどのくらいあるとか、あるいは学生数がどうだとか、あるいは建築がどのくらいあるとか、そういうようなことは委員会なんかで聞いたって大したことではない。調査をお願いする以上は、たとえば国士舘そのものがいまこの基本法に示した趣旨をどのように生かしているか、あるいはそれを無視しているか、もう国士舘の問題は相当広範に知られている。それをただ教員の数だとか、生徒の数だとか、あるいは面積だとか、そういうものを、はいといって出す、これが一体国会における調査というものなのか、私はちょっとあきれているのですがね。一体あなた方の仕事というものは、たとえば記録を取り出して、何年にこれが許可が出た、あるいは面積がどれくらいあった、そういう記録されたものを出せば委員会における調査ということになるのですか。私どもはこの問題で非常に行政というもの――これは私はこの間厚生省の行政にもやはり同じ疑問を出したのですけれども、一体行政というものはそういうものなんですか。私は文部行政というものがこれに初めて出ているというので、――あまり文教委員会に関係がないものですから、いままで問題を知らなかったのですけれども、一体こういうものを国会ははいといって受け取って、そしてのほほんとやっているのかどうか。私はこの調査表を見て、実はあきれているわけなんです。それでいろいろ御質問をしたいと思うのです。私は、調査というものをわれわれが常識で考えるときには、現在のあり方、あるいはその施設、あるいは人質を動員して、そこがどういうような教育をやりその結果を生んでいるかということであるべきだと思うのですけれども、あなた方は、それは手が届かないとおっしゃるのですか。どうなんです。

犬丸直文部事務官(管理局振興課長)

○犬丸説明員 先般私どもが衆議院の文教委員会の御要請によりまして調査いたしまして御報告いたした手柄でございますが、これは私立学校法の第六条によりまして大学側に報告書の提出を求めました、その結果を御報告したわけでございます。国会法百四条に基づく資料の御要求でございました。私どもは与えられました権限の範囲を逸脱するわけにはまいりません。それで、現在私立学校につきまして、そういう種類の調査の権限として認められておりますのは、私立学校法第六条にこのように書いてございます。「所轄庁は、私立学校に対して、教育の調査、統計その他に関し必要な報告書の提出を求めることができる。」この条項に基づきまして、文教委員会で御指示の項目につきまして、大半当局から報告を求めたわけでございます。  戦後の私立学校制度につきましては、私立学校法の第一条にも「この法律は、私立学校の特性にかんがみ、その自主性を重んじ、公共性を高めることによって、私立学校の健全な発達を図ることを目的とする。」と書いてございまして、戦前の私学制度におきましたような広範な監督権限というものは与えられておりません。私立学校法自体の中に、戦前の財団法人時代にはなかったような理事会についての規定であるとか、あるいは評議員会の規定であるとか、そういうものがきめられておりまして、そういうことによって私立学校の公共性というものを担保する。そういうことにいたしまして、できるだけ行政的な監督というようなものはしないようにする、こういうたてまえで私立学校法ができております。そういうたてまえがございますので、あるいははがゆいというようにお感じになったかとも思いますけれども、特にまた大学ということになりますれば、憲法にいわれております学問の自由というような点もございますので、その範囲内において私どもは調査をして御報告をいたしたのであります。

神近市子日本社会党

○神近委員 これは私立学校法によりますというようなことをおっしゃるけれども、調査の報告というものは学校側の言うたとおりのことをあなた方ははいと言って届けておるじゃありませんか。たとえば給与なんか具体的なことは――ほかの建坪とか、あるいは建築の面積とか、そういうものは調べていないからわかりませんけれども、給与の問題なんかは三万か四万出しているところを八万というようにちゃんと出している。それで、そういうような欺瞞的なものが出たということを、あなた方は私立学校法によって書きましたというような、もう何もかも学校側の――なぜ国士舘がこんなに問題になっているかといえば、いろんな不正と欺瞞とが行なわれておる。幾ら私立大学でもそんな欺瞞やあるいはいまの憲法違反のようなことをあなた方が黙って、学校が言うとおり、そうでございますといって国会に報告なさるということは、私は納得ができないのです。たとえば一応こういう返答が来たならば、それに対して少くも文部省というものが知っている範囲内で、これはこうだけれども、こうではないかというくらいのことは、この委員会における調査の材料としてお出しになるべきだと思うのですけれども、それは一切できない。そして私立学校法による記録だけを、学校の言うなりに――いま私どもがここで問題にするのは、どうも国士舘というものが憲法無視、さっき石井法務大臣に読んでお聞かせしたように、公然と大きな広場で、今日の新憲法は、マッカーサーに押しつけられたあほうな憲法であるというふうなことを言っているのを、あなた方は何にもできないのか、あるいはそれに対する批評あるいは批判というものは、お持ちにならないのかというようなことが疑惑で、きょう私は一番先にお尋ねしているわけなんです。それはどうなんですか。

犬丸直文部事務官(管理局振興課長)

○犬丸説明員 御質問の後段のほうの、教育の中身に関しますことは、大学局の学生課長が来ておりますので、そちらのほうからお答え申し上げることにいたしまして、前段おっしゃいましたいろいろ調査の事柄、たとえば教員の給与等につきまして、私どもは一応大学当局の報告を、これがうそであるという積極的な材料は持ち合わせておりませんので、そのまま御報告申し上げたということでございます。あるいは先生がおっしゃるように、別な確かな証拠があって、本当でないかもしれません。それは私どもも絶対にということは申し上げられないわけでございますが、しかし、それを大学当局の報告、あるいはそこに関しても、何らかの証拠をつかみに行って調査をする、こういうようなことは、残念ながら現在の私立学校の法制では、私どもの権限として与えられておらないわけでございます。私どももただおざなりに学校側の報告をそのままうそと知りつつお出しするというつもりは毛頭ございません。関係者等の連絡においてできるだけありのままを出すようにということを指示し、また話を聞きながら報告をまとめてお出ししたわけでございます。絶対的にそれがほんとうかどうか証拠をもって言えるか、こういうふうにおっしゃられますと、私どもいわゆる司直の立場でもございませんし、私立学校に対する関係がそういう関係になっております関係上、それ以上のことは、私は申し上げかねるわけでございます。

神近市子日本社会党

○神近委員 担当の調査官が調査した結果だというふうなことですけれども、一体その調査官というのはどういうような調査をしているのですか。入っていって書類を見せてください、あるいは学校のなにを貸してくださいというようなことが、一体それが何になるかと私は考えるのです。その点で監督官庁の文部省というのを私は見直しましたよ、悪い意味でね。これは全体においてどこの行政でも、今日の日本の状態を考えると、同じことが言えると思うのですけれども、文部省ですら、ただ学校くらいの監督でさえそういう実態かというようなことを、私はいま考えさせられます。そのときに、あなたは何にも知らなかったというふうにおっしゃるけれども、その同じ日に人権擁護局の局長が、あとでお尋ねするつもりですけれども、おいでになって、いろいろ非常に有益な、あなた方の参考になるお話をなさったんです。これが問題になる以上、少なくもその公報くらいはお読みになったはずだと思うのです。きょうおいでになる前に、この間のこの国士舘の問題についての応答は、お読みになりましたか。

犬丸直文部事務官(管理局振興課長)

○犬丸説明員 前回あるいは前々回の法務委員会におきますこの問題の審議の過程、あるいは参考人の陳述等につきましての資料は、事前に読んでまいりました。

神近市子日本社会党

○神近委員 あのときに横山という舘長代理が来まして、これは元軍人であります。そうして私どもから考えると常識不足のような人で、演説をしてずいぶんしかられていたのですけれども、それを読んで、こういう人が大学の運営のかなめを握っておるということについて、あなた方は何の疑惑も、あるいはそれに反発するものもお感じにならなかったのかどうか。

犬丸直文部事務官(管理局振興課長)

○犬丸説明員 私ども、いままでにも若干この種類の学校紛争、あるいは問題というようなものにつきまして、経験もあるわけでございますが、こういう事柄になりますと、どうしても両当事者の言い分が食い違ってくるということで、私どもとしても、どちらを真実として信じたらいいかわからないというようなこともよく起こるわけでございます。それで私どもとしては、私どものできる限りでその真実に近いものというものを把握いたしまして、適切な処置をとりたいと思っておるわけでございますが、いかんせん、先ほど申したような最終的な権限といたしまして徹底的に客観的な材料を集めて調べ上げるというようなことは、私どもとしてもできません。そうしてまた今回のたとえば解雇事件などにつきましては、現在訴訟になっておる。訴訟とかあるいは人権擁護局で審査しているということになれば、それぞれ証拠資料を出す、審査をするという手続に乗ってくるわけでございますから、そういう手続に入っていった事柄につきましては、できるだけそういう関係の方面での結論を尊重していく、こういう態度をとりたい。基本的に私どもそういう態度を、この種類の紛争問題につきましてはとっております。この間の速記録を読みまして、いろいろなことが言われておるわけでございまして、それぞれ常識的に考えれば双方にいろいろな問題点もあろうかと思いますけれども、その辺の判断はひとつ慎重にしていきたい、こういうふうに考えております。

神近市子日本社会党

○神近委員 常識的に考えればいろいろなことが考えられる。だけれど、両者の言い分はいつも食い違うのだから、だからどっちをとっていいか、そこへ働くのが常識じゃありませんか。気の変になったような人たちの言い分を――たとえばこれは早稲田の問題とは違いますよ。暴力が学校内に横行して、そうしてどうも私から考えれば、頭が少し脳軟化にかかっているかなと思われるような舘長さんが暴力をいきなり学生にも教授にも浴びせている。それは否定できないんですよ。それであなたは常識ではこれは考えられないとおっしゃるけれども、常識というものが最もわれわれの生活にはとうといものじゃございませんか。その常識の上に起こっているものを判断するというくらいのそれこそ官吏でなければ、今日の行政は行われ得ないですよ、私どもの望むようには。もう明らかにこれだけの教育基本法のうたっているところの教育、あるいは平和、あるいは憲法の尊重、そういうものを全然無視したものが行なわれているのに、あなた方のこの調査は一体何ですか。建物が幾らある、生徒が幾らある、そうして給与はどうだ、そういうようなことを国会に出して、それで足れりとあなた方がなさっているということに私は不満を持っているのです。私は次官にぜひ考えていただきたい。今日行政というものが実に、いまおっしゃるようにどこの省でもらしいです。私は法務行政のあり方についてこの間批判したのですけれど、この間厚生省にやはり同じような事態が起こっている。私は、このことで、今日の行政機関というものは、もうちょっとなにを入れ直さなければだめじゃないかということすら考えられるのです。こんなに事件が――舘長の暴力で一件かかっている。そしてそのほかに人権擁護に十何件かかかっている。きのうも暴力が行なわれたんですよ。きのうは子供が、生徒が白ズボンをはいていた。それは許可を得て白スボンをはいていたのに学生の暴力団がこれをなぐってけとばして学生監の前でそれをやっている。そういうことが日常行なわれているというようなことを、幾ら私立学校法でも、私は文部省か知らない――きのうのことは知らないでしょう。だけれど、たくさん事例が起こって、人権擁護局にもそれから検察庁にも出ている。それを一つも頭に入れなかったということ、そして、たとえば、事態がどういうことだというふうなことは考えられなかった。調査いたします、帳面を出してください、はいと言って出されたものを書いて、出してきた。私は国会というところは、そんなあほうなところじゃないと思うのです。そんなことで満足しているようなところではない。よく横山委員などは調査をお願いしますけれど、それは、私はもっと別な場合にはそれでもいいかもしれませんけれど、この学校に関する限りうその申告を出す、そしてそれを文部省がそのまま受け入れて、こういう調査表をおつくりになるということは、私は何か考え直していただかなければ、ほんとうに――憲法無視、犬の法だと言っている舘長なんです。それを文化に最も密接な関係のあるところの文部省が犬の法と言われるような非難を黙って見ていらっしゃる。それこそ言っただけでなくいろいろ問題があるので、私はあとで人権擁護局長にも御質問しようと思うのですけれど、ともかくどういう場合に、こういうような大学をずらっと並べておいて、日本はどうなるとあなたはお考えですか。そしていま私どもが、青少年の犯罪というものを取り上げようと考えているときに、刑事局長はきょうおいでにならないけれど、暴力団の摘発が行なわれているというときに、片方では、一万何千という生徒をかかえてこれに暴力教育をしているという事態を、あなた方が黙って見ていらっしゃるなら、いまに日本は暴力団の巣のようになって――あの人たちがインテリだからといって、やることは似たようなことをやりますよ。あるいは革命を意図しているようなことを言っている。私はそういうところに文部省のブレーキを多少ともおかけになるべきだというのがきょうの御質問の要点で、この調査表に対する私の批判も非難も、そこに何らかの力をかそうとなさらないというところにあるのですけれど、文部省というものの役割りは私立学校に対してはそんなに弱いものかどうか、「大学無用論」というのを今月はサンデー毎日で、名前は忘れたけれど、やっていましたよ。私は読んでこようと思ったのですけれど、夕べちょっと疲れて読めなかったのですが、「大学無用論」というところまで持っていくのは、文部省がぼやぼやしているからだと私は考えるのですが、それはどう考えますか。

犬丸直文部事務官(管理局振興課長)

○犬丸説明員 先ほど常識的に云々ということを申し上げましたけれども、言われておりますことの一方の意見をそのままとって、ほんとうにそういう暴力的なものが行なわれているということを前提にしますれば、常識的に考えてそういったことはよくないということがわかるわけでありますが、その起訴の事実そのものがまっこうから違った判断で言われておるわけでございまして、そうなりますと、私どもも、先ほど何度も申し上げておりますけれども、私立学校法その他の法令に基づいてやる調査の範囲内では、それ以上のものは何としても私どもとしてはつかみ得ないことでありまして、それぞれ裁判所なり人権擁護局なりというところで徹底的にお調べ願うほかはないだろうと考えておるわけであります。それでは非常に文部省情けないじゃないかというお考えかもしれませんけれども、むしろそういう立場で間接的な――私どもの課の名前も振興課と言っておりますけれども、これは私学の振興をやるのが中心だということで、私学管理課ではないわけでございます。そういう全体的な現在の私学に対する体制になっておるわけでございまして、そのワクの中で私どもとしてもできるだけの責任を果たしたいと考えておるわけであります。

神近市子日本社会党

○神近委員 それで、その精神的な面では監督ができないとおっしゃるけれど、あそこの先生なんかも、とても変ですよ。それがあなた方の調査には一つも出ていない。第一校務員というものは一人もいないのです。みな学生を次々に停学させて――何か態度が悪かった、あるいは言うことが反抗的だった、あるいは論文が舘長の気に入らなかったとかいって停学させて、そういう者を全部校務員に使っているんですよ。たとえば、門衛でございますとか、あるいは掃除人でございますとか、ほかの人は一人もあそこにはいないんですよ。みな停学によってやらしている。だから、人数が足りなくなると、またどこかあらを見つけてこれを停学にして、そうしてその仕事をさせる。それからあそこには寄宿舎がないのです。寄宿舎がないのに、地方から来ている者を四階かどこかの物置きのようなところに段々ベッドを入れて、上のほうには荷物を置かして、下のほうにベットを置いて寝かしている。こういうことをやっている。それで文部省の調査官が行くときには、あわてて自分の責任において荷物を全部片づけるとか、そういうようなところまでやっているということがはっきりいろいろな記事に出ているのに、あなた方は、私立大学でありますから、われわれの権限の外でございますというようなことを言っている。学校教育法第三条に、「学校を設置しようとする者は、学校の種類に応じ、監督庁の定める設備、編制その他に関する設置基準に従い、これを設置しなければならない。」とあります。  それからもう一つありますよ。憲法の批判です。今日の憲法を批判して――特定の政党の支持はできない、学生に政治運動をやらしてはならないということがちゃんと書いてある。ところが、次官にはお気の毒ですけれども、自民党支持で、将来は国士舘内閣をつくるということを公言していて、そうして特定の政党を支持し、学年をそれに動員している。それはみな教育基本法の違反じゃありませんか。そんなことを一つも知らないでおいて、そして何とかでございましたとか、生徒は何人でございますとかいうふうなこと言ったって、私は納得できないということを申し上げるのです。みんな違反しています。また懲罰をすることはできるけれど、暴力を加えてはならない、――暴力は毎日のことじゃありませんか。そういうことをちっとも御存じない。少なくともこの調査に、それを出さなくても参考ぐらいには頭に入れてお置きになるべきだった。  何で私どもが一つの学校にこんなに批判を加えますかというこの動機は、倉地武雄は国士舘の手先を使って殺されたのではないかということで、この間御質問したのです。それが始まりであります。それでこの間――もう話を出していいと思うのですけれども、死刑の求刑を受けて無期になった。そのときにあの子供が非常にしょげて、泣いていたじゃありませんか。そしてこれをおとなしく受けた。その態度に、私はどうしてもうしろから何かが――ともかく、二突きで親を、りっぱな体格の人を殺せることはないはずだから、私は、これを援助した者があるはずだと考える。そしてそれをお尋ねするのですけれど、検察庁では、まあそういうふうなことはないというふうなことをこの間刑事局長がおっしゃったのですけれど、私は、二突きで一人のりっぱな人間を殺せると思わないし、たった二十三かそこらの不良な青年が親を殺して、そしてお金を二十何万とか奪った。この間横山舘長代理が来て、倉地がやられる夢を見たと言ったのです。ところがその夢のとおりになった。ところが倉地は、いま山田委員が帰りましたが、山田委員の部屋にその殺される日に来て、そして、私はどうもつけられている、――むすこにつけられているなら、そうわかるはずですよ。むすこが人を使ってつけているということは考えられないでしょう。だから私は、今日のこの警察あるいは検察庁にも、この法務行政というものにも、いろいろ疑惑を持っているというのが理由なんです。ともかくも、はたの者、しろうとが考えて、片方では、夢を見たら夢のとおりになったと言う人がある。そして本人は、何やらつけられているから、きょうは裏門から帰ると言って、裏門から帰っている。その三日前に、この国士舘大学にはこういうことがありますよと、わざわざ私に話を聞かせに廊下に立っていた。そういうふうなことを考えて――この問題に深入りするのは、その疑惑があったからであります。これも人権の問題でありますけれど、そういうようないきさつをあなた方はほんとうに何も知らないで、書面の上で、いや、どうだこうだ、こういうものを、調査でございます。そしてこれを出しておいて、それで能事終われりとしていらっしゃる、そのやり方に私はいろいろの疑惑を持っているものであります。次官は、その応答を聞いてどういうようにお考えになりますか。

山本利壽自由民主党法務政務次官

○山本(利)政府委員 私は、ただいまのいろいろな御質問なり、御意見の開陳を聞いておりまして、いま直接、政務次官という立場よりも、一人の政治家として、終戦後の日本の社会に対する政治的な考えといいますか、いろいろなものが、神近先生のおことばから進みつつあるということをつくづく感じたわけでございます。一体自由主義といいますか、自由放任といいますか、あらゆるものに干渉しないというような思潮が非常に強くございまして、前からの日本人の考えから、学校というものは神聖なものである、教育というものは正しいものである、学者というものは真理を求めるものであるというような感覚からでありましょうが、ことにこの私立学校に対しましては、絶対干渉すべきではないという思想が相当あったと思います。それがだんだん行き過ぎてまいりますと、これはいまの国士舘大学の場合は、世間で申します右翼の最たるもののような感じを私は受けるわけです、いろいろな点で。また場合によって、よく調べたら左翼の最たる学校もあるかもわからないのでありまして、国家の機関といたしまして、いま法的にもいろいろ文部省の係官の方が非常に答弁にも苦慮しておられましたけれども、実際問題として、いまの日本の文部省その他の官庁は、私立大学の調査を徹底的にし得る段階には――段階と申しましょうか、現状にはないように思うのです。その結果が、とかく行き過ぎた問題が各学校において行なわれる。だから神近先生、その他の同憂の方々が思われるような調査を、現状では文部省というものはなし得ないのじゃないか。万一手をつけましたならば、それは私学に対する干渉であり、学問研究に対する冒涜であるといって、これは強い突き上げを食うのが最近までの様子ではなかったかと思うのです。そういうことを考慮いたしまして、なかなか先生の御満足のいくような調査や回答を申し上げることかできないのが、日本のいまの政府の状況であると思うのでございますが、学校といいましても、すべての政府機関といいましても、これは国民のためにあるものでございますから、神近先生のおことばの中にも、このままでは、一本という国はあぶない、こういうことはあるべきでないということを強調されましたけれども、私も全く同感でございます。それは単にこの右翼的な国士舘大学の内部を調べるというだけでなしに、ほんとうに日本全国に戦後ずいぶんたくさんの大学その他研究機関が生まれたのでございますけれども、これに対しては、正しくこれを批判する材料がいつでも手に入れられるような国家体制ということもまた必要であり、これはジャーナリズムのほうでも、その他一般の世間が、これはすべて国民のためにある、あるいは世界平和のためにあるということを認識して、いかなることが研究されておるのか、あるいは教育方法としていかなる手段がとられておるかを、これは正しく判断する資料をつかむことができるような体制に持っていくべきであると私は考えるわけでございます。  だから、いま申し上げましたことが法務政務次官として直接関係があるかどうかといえば、関係のある部分もございましょう、あるいは言い過ぎの部分もございましょうけれども、われわれ政治を考えます者、あるいはその衝に当たります者は、いま神近先生の心の中で思うておられることは全く同感でございまして、そしてこの現状における政府当局の各係官という者は御満足のいく御答弁のできないということも、これは事実の問題でございますから、これからいろいろ国家機構につきましても、あるいは立法につきましても、われわれが努力をしていかなければならぬ、かように考えるものでございます。

神近市子日本社会党

○神近委員 よくわかりました。ぜひその方向について御努力をくださるようにお願いしたいのです。大体において、たとえば慶応とかあるいは早稲田とか、福澤諭吉や早稲田の大隈さんがあれをつくったときには、官学に対する批判であったのですね。官学が行き過ぎの面があって、そして満足できない、個性の持たない大学になったというので、私立大学というものができた。それに便乗したのが今日の問題で、私は緒方さんが生きてさえいらっしゃるならば、何もここで文部省や何かを批判申し上げないのです。緒方さんだったらよくわかった良識のある方だったから。それで、いま法務大臣にも辞任なさるべきだということを申し上げたわけです。  私はきょうは人権擁護局長に、暴力が次々にうんと行なわれていますので、あとほんの一問か二問お伺いして――。もう一問だけ、たとえば国士舘の舘長がいま暴力で告訴されていますね。   〔大竹委員長代理退席、委員長着席〕 もし告発されるということになれば、資格を失うはずですね。

犬丸直文部事務官(管理局振興課長)

○犬丸説明員 単位教育法の第九条に校長、教員――校長というのは大学の学長も含んでおりますが、「校長又は教員となることができない。」者の欠格条項が書いてございます。「禁錮以上の刑に処せられた者」となっております。道義的問題は別といたしまして、法的にはその刑が確定した場合には資格を失うということになります。

神近市子日本社会党

○神近委員 この間検察庁にもお伺いをしたいということを申し入れたし、それから人権擁護局にも六、七件この調査あるいは何か出ているのです。私は野党ですからすぐひがむのですけれども、石井法務大臣が関係していらっしゃるから裁判がこんなに停滞するのかなと思うのですけれども、ひとつ次官、検察庁、それから人権擁護局というようなところに、こんなに弊害――きのうも暴力があったということを申し上げましたね。この間も起こっていますよ。生徒はなぐられて、そして、けられて、所持品を全部奪われて、メモまで取られて、今度は退学になっています。そういうようなことが日常的に行なわれるようなことをどこかで食いとめなければならないと私は考えますので、法務大臣にひとつ裁判を進行するように、次官としてぜひ早くこういう問題は片づけなくちゃならないということを――これは波紋がいろんなところにいっています。天皇誕生日の演説なんかを読んでごらんなさい。ごらんになっていなければ私差し上げてもいいけれど、こんな言語道断な、反憲法的な言動が行なわれているということに私は批判があるべきだと思うのです。ひとつ、大臣に気がねして裁判を遅延さしているかもしれないということを考えて、大臣から、促進するように、おれの汚名をそそぐために促進するようにというような忠告をしていただくように御助言あるように願います。

山本利壽自由民主党法務政務次官

○山本(利)政府委員 先ほど私大臣の答弁も聞いておったわけでございますが、顧問の問題とか理事会の会長の問題とか、自分は承諾した覚えはないから、そういうことをしてもらっては非常に迷惑するという意味のことを言ってある、こう言われましたが、私はそれを聞いて確かにそれは抗議だと思いました。ただ紳士でございますから、そういうことを大臣から言われるということは困るから、すぐやめてくれというて拒否されたことばのように解しましたけれども、それをはっきり大臣が言われなかったので、また神近委員はちょっとはがゆいようにお感じになったようでございますが、結果的には私は同じことのように思ったわけでございます。  そうして裁判の促進の問題でございますが、大臣の名前があの大学に載っていたとか、講演に行ったとかいうようなことから裁判が遅延しておるのではないかと自分はひがむ、こうおっしゃいましたが、そういうことは絶対にないと思います。法務省と裁判所とはいまのところでは系統が分かれておりますから、法務大臣の指揮監督下にはございません。しかし、国家最高の権力の府であるといわれる国会において、この問題がずいぶん長期にわたって繰り返しいろいろ論議されておるところでございますから、もちろん裁判においても早く判決があるものと思いますし、次々にいろいろの問題がございましょうが、ある一つの、前の教授をなぐってけがをさせた、そういうような告発の問題は、すでにこれは判決がございまして、その問題は起訴猶予と決定しておるようでございます。  次に、いろいろな御指摘のような問題についても、それはいまの石井大臣との関係から裁判とかその他の問題が遅延するというようなことは、私は絶対にあり得ないように思います。

神近市子日本社会党

○神近委員 いまの起訴猶予というのは、どの案件ですか。

伊藤榮樹検事(刑事局刑事課長)

○伊藤説明員 ただいま政務次官がお答え申し上げました際に、判決ということばをお使いになったのでございますが、これは正しくは不起訴ということでございます。その不起訴にいたしました事案は、先般当委員会でも御質問があった事件でございます。告訴人が佐藤英夫、それから被告訴人が柴田徳次郎にかかわります傷害の事件、これにつきまして去る五月十一日、暴行罪という認定をいたしまして、起訴猶予処分に付しております。

神近市子日本社会党

○神近委員 暴行罪の認定で不起訴になったというのですか。

伊藤榮樹検事(刑事局刑事課長)

○伊藤説明員 さようでございます。

神近市子日本社会党

○神近委員 もう時間がありませんから、人権擁護局長がお見えになっているはずですが、ほんとうに一、二問だけ簡単に、いずれまたゆっくりとお尋ねしますから、きょうはほんの一、二問お尋ねしたいと思います。  いまあなたは、この問題にからんで何件かの人権侵害に対する提訴をお預かりになっているはずだと思うのですけれども、何件ございますか。

堀内恒雄法務事務官(人権擁護局長)

○堀内政府委員 東京法務局がこの事件を扱っておりまして、東京法務局に申告されましたのは一件でございます。その内容は多岐にわたっております。

神近市子日本社会党

○神近委員 いまあなた方が御調査をなさるときに、本人の申し立てで、やった側とそれからやられた側とにお尋ねになっているのですね。そうですね。

堀内恒雄法務事務官(人権擁護局長)

○堀内政府委員 私どもの調査の方法でありますが、申告をしました本人にももちろん聞きますが、なお相手方につきましても事情を聞いたり、なお第三者の参考人に事情を聞いたりというような方法でやっております。

神近市子日本社会党

○神近委員 その第三者の意見というものもずいぶん大事だと私は思うのですけれど、この間――土屋第二課長がその衝に当たっておられるのですね。その土屋課長のところに学生が一人呼ばれたのです。そして四月の二十日午後の二時ごろ学生が呼ばれていく途中、三十人くらいの応援隊というような人たちに千駄ケ谷の駅で襲われました。そしてさんざんなぐったりけったりの暴力にあって、持っていたメモからパスから何からみんなとられたという事件があったのですけれども、そんなことは当面のなにでなければ報告は受けていないとおっしゃるのでしょうね。子供は工藤という少年です。

堀内恒雄法務事務官(人権擁護局長)

○堀内政府委員 ただいま工藤という者が被害を受けたということにつきまして報告を受けております。  その内容を申し上げますと、その要点は四月二十二日付の朝日新聞に載ったのとほぼ同様なように思われます。  詳細に申しますと、四月二十日の午後二時半ころに千駄ケ谷の都の体育館で開かれました国士舘の昭和四十一年度入学記念式典体育大会が終了いたしましたときに、小熊学生監に国電の千駄ケ谷駅付近の陸橋のそばの公衆便所付近に連れていかれまして、そこに集まった二十名くらいの国士舘の学生から、約二十分くらいにわたってなぐられたりけられたりの暴行を受けて、なお学生証、メモ帳、通学定期なども取り上げられました。そして一たん解放されました。ところが、千駄ケ谷の駅まで行ったところ、再び別の学生六名につかまって、また前のところへ連れ戻されまして、二、三十名の学生から同じような暴行を受けた。そのあとで都の体育館の二階の南側の便所に連れていかれまして、そこで横山舘長代理、柴田梵天理事、丸山某外三名の学生監などから持っていたかばんを無理に取り上げられ、そしてかばんの中にあった「学生の自治を守る会」入会申し込み書というものに関連しまして「国士舘大学の民主化運動」というものについて、その目的などを二十分くらい質問を受けて、引き続いて国士舘大学におもむきまして舘長副室で横山部長代理、稲垣学生監、加藤学生監などによって同じような質問を受けて、当日午後六時半ごろ帰された、その際かばんの中にあった書類などを一切取り上げられた、こういう申し出がありました。

神近市子日本社会党

○神近委員 それでそのメモを強奪して、その中に仲間の名前があったのを全部引き出して、その中の協力者と思われる四人がいま退学になっていますよ。そうしてあとの二十何人ですか、あとの生徒たちは、学生が三千名ばかり集まって、講堂の壇の上にあげられて、土下座をさせられて――そんなばかなことをと私はほんとうに驚き果てるのですけれども、土下座をさせられてあやまらせられて、今度は退学にするか停学にするかということを学生の拍手できめたというようなあほうなことがあるのです。これはあとにもずいぶんあります。この退学させられた学生の問題なんかもありますけれども、きょうは時間も予定よりたいへん過ぎましたし、本会議の前でもありますのでやめますが、呼ばれた人たちの名前も二、三わかっています。この間検察庁の刑事局長は調査中だから他言できないというようなことをおっしゃったのですが、私のほうでは名前もちゃんとわかっています。それでどういう調査をなすったかということはまた後日の問題にします。そのことについても私は御質問しようと思いましたけれども、きょうは時間の制限がありましたし、出入国管理のほうがあまり長かったものですから予定どおりできなかったので、また他日御足労を願うかもしれませんが、きょうは私はこの程度でやめます。

大久保武雄自由民主党

○大久保委員長 志賀義雄君。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 神近委員から質問がありましたことと重複する点は省きます。  一言、文部省に伺いたいのですが、去る四月一日の法務委員会で、私が選銀倶楽部の会費を同時に納めなければ受験証を渡さないという学校側の掲示を写真にとった、その写真をここでお見せしたところ、調べてくるといって、あとで犬丸説明員の答弁では、「学校側としては全然そういう事実はやった覚えがない。そういう掲示を出した覚えもない。ただその写真については、どういう経路でどういうふうにして写された写真であるかということを伺わなければ、学校としてもお答えのしようがない、学校としてはそういう事実は全くない、こういうふうに言っております。」これに対して重ねて犬丸説明員は、「先生に見せていただきました写真も、その掲示板の下にまだ何か紙が張ってある。そういう写真でございまして、それがいつどこで、だれによって撮影されたかということもわかりませんので、私ども学校側に正式のルートで聞きましたことを一応信用するほかはないのではなかろうかということであります。」こういうことことですが、文部省としては、やはり学校側に聞いたことをいまでも信用しておられるのかどうか、その点答弁してください。

犬丸直文部事務官(管理局振興課長)

○犬丸説明員 先ほども同じような趣旨でお答え申し上げたのでございますが、私ども私立学校に対してその教育等につきまして実態を把握いたそうと思いますれば、正式には私学法の第六条に基づきまして報告を求めるということ以外に法的な手段はございません。その権限の範囲内でできるだけ客観的な報告をするように学校側に求めております。そしてその範囲内で私どもが明らかにうそと思われるようなものがございますれば、私どもは当然これを提出しないわけでございますけれども、そういう積極的な理由も見当たらないものにつきましては、資料として国会へ御提出申し上げる、そういうことでございますので、いまの段階におきましても、それを実地に調べるとかあるいは証拠調べをする、そういうようなこともできません。しかもこれは過去に起こった事実についてのことでございますので、それをいまからほんとうにあったかなかったかということを確定することも具体的にはむずかしい問題でございます。一応学校側の言い分を信じていく以外になかろうと考えております。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 去る四月十五日に国士舘大学の参考人にここに来てもらいまして聞きましたところ、こういう答弁がありました。私の質問はこうです。写真をとった質問で「これについて文部省の役人は、ここで調べてみたらそういう掲示はしていない、だから学校の言うことを信用するほかはない、これくらい法務委員会を侮辱した発言はないです。だから文部省の役人が一番不誠実だと言ったのだが、鹿島参考人に伺いますが、こういうことが出ているかどうか。」という問いに対して、鹿島参考人の答弁はこうです。「その写真は、私が運動を始めますと多くの学生が電話をよこしまして、」云々とあって、「そのうちの二人で手分けをいたしまして、」「そのときに学校にあったビラを全部写真にとりました。」「いろいろな人が見ております。教授もみな見ております。私も見ております。これは事実であります。」かように言っているのです。そうすると、事実見た人がそういうふうにたくさんあるのに、学生が二人手分けをしてとった写真であるのに、あなたはやはり学校側の言うことを信用して、選銀倶楽部の会費を納めなければ受験証を渡さないと学校側が掲示したことを相変わらず否定されますかどうか。

犬丸直文部事務官(管理局振興課長)

○犬丸説明員 これは、この種類の学校紛争になりますと、両当事者の間で意見が食い違うことは、私どもほかの例でも知っておりますけれども、間々ございます。そして先ほど先生のおっしゃった事柄も速記録で私も読んだのでございますけれども、当の紛争の当事者である鹿島さんのおっしゃることでもあるし、それもここで、国会で言っておられるわけでございますけれども、同じ国会で一方の側は違ったことを言っておられる。こういうことになりますと、それだけでもってどっちが真実であるかということは客観的にきめられないという感じを私ども持っております。私も一応信じるほかはないというふうに申し上げたのでありまして、これは絶対的に真実であるということは実は私ども確信はありません。しかし正式のルートから報告があったものを一応第一に考えるほかはなかろうというふうに考えております。それでほんとうに絶対的な真実を確かめるということになれば、これは裁判所のほうで行なっておりますようないろいろな方法を用いなければならないわけでございまして、私どもそういったことをする権限も能力もございません。それでこの問題につきましては、ポイントは学校教育の活動とそれから政治活動というのを混同してはならないという基本問題であろうかと私は思います。それで過去のある時点において、そういうことがあったかないかということの追及も大事でございましょうが、少なくとも将来においてそういう政治活動と学校教育と混同しないように、こういう趣旨のことは、その後も毎回学校当局者には勧告しております。今後もそういう方向で教育活動と政治活動とは混同しないようにという線で指導してまいりたいと思います。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 私はあなたの四月一日の法務委員会の答弁を、議事録に載ったままを忠実にここで読み上げたのです。あなたは一応とはちっとも言ってない。そして公平に見なければいけないと言って、学生側及び教授側がみな見て、写真にもとったもの、そのほうのことは取り上げないで、学校側の正式のルートを通じたから、それを信用するほかはないと言われている。それが公平ですか。

犬丸直文部事務官(管理局振興課長)

○犬丸説明員 四月一日の段階と現在の段階では、その間に四月十五日の証言があるわけであります。多少私どもの得ました知識も違っておるわけでありますが、それにいたしましても四月一日の段階でも、もう少しことばを注意いたしまして、一応ということばを入れるべきであったかと存じます。その点についてはあるいはことばが足りなかったかとも思いますけれども、いずれにいたしましても両方から違った言い分がある。しかもその片一方の側は学校当局である。一応正式な機関、正式なルートを通じての照会でございますので、一応それを信じていくということ以外に方法がないのではなかろうかというふうに考えております。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 あなた方法律に従って学校に照会されたら、そういう答弁がきたというのですね。学校側がそういう答弁をしたというその事実はそれでよろしい。しかし教授側で、あるいは学生側で、手を分けて写した写真、それがどういうものであるかということは、あなた方に法律に従って調べる権限がない。だからそのほうは聞きませんでした。公平に言うならば両方を聞くべきであるが法律上それができませんでした。だから、学校側の答弁はこうだというのならば、あなたの話の筋が通るのです。一応にもせよ、一応という限定詞はつけないでも、信用すると言われたからには、あなた方は学校側が何を言おうと学校側がこう言ったから信用するほかはない、こういう立場をとられるということになるのです。あなたの答弁、きょう一歩後退した。男らしくここでそういう点で、私がいま言っておるようにこうでしたということは言えませんか。

犬丸直文部事務官(管理局振興課長)

○犬丸説明員 現在の段階においても、繰り返しになりますけれども、一応ということばがあるわけでありますが、一応学校側の正式な報告というものを信じていかなければならないであろう、こういうふうに考えております。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 学校側の報告がこうであったということを、ここで言われるのはよろしい。全然その反対のことが、同じこの法務委員会で証言されている。もしあなたがそういうように言われるならば、私が偽造文書をここに持ち出してきたということを。結論としては意味することになりますか。学校を信用すれば私がここに出した文書は信用できないと言われるかどうか。写真は信用できないと言われるかどうか。そこをはっきり言ってください。

犬丸直文部事務官(管理局振興課長)

○犬丸説明員 先ほども申し上げましたが、私どもは具体的な証拠調べをしたり、あるいは証拠収集をするとか、あるいは捜査をする、そういう形の調査権は持っておりませんので、客観的な事実について絶対にこうであるということは申せません。そういう意味におきまして、私が学校側の言い分を一応と申し上げたのもそういう意味におとりいただきたいと思います。普通の行政官庁としての文部省としての一応の認識がこうであるというふうにおとり願いたいと思います。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 あなたがいま言ったことそれ自体、まるで矛盾しているじゃないですか。調査権を持たない、捜査権を持たないから、そういうことは調べがたいというのならば、それならあなたがそれを信用する根拠は何です。そういうことを学校が報告してきました、その事実を言われるのはよろしい。客観的中央を判定する権限を持たないと言われるなら、なぜそれを信用すると判定されたのですか。あなたの言うことはまるでつじつまが合わないじゃないですか、そこを言うてください。

犬丸直文部事務官(管理局振興課長)

○犬丸説明員 私、そういう意味におきまして、一応ということばを使いまして申し上げたわけでございます。ことばが足りませんでしたら、それをお許し願いたいと思いますけれども、絶対的な、客観的な真実という意味でなしに、その捜査権、調査権、具体的な真実を把握するための捜査権を持っておらない官庁といたしましての考え方と申しますか、認識と申しますか、それを一応ということばで申し上げたわけでございます。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 一応にもせよ、前は一応という限定しか置かない、一応信用すると。客観的事実を判定するだけの権限がないと言われるのに、なぜ一応信用するのですか。   〔委長長退席、大竹委員長代理着席〕 信用できないことを、あなたは、一応にもせよ、信用すると言われる。それをおやめなさいと言うのだ。あなたがそういうことを繰り返される限り、この法務委員会は二時でも三時でも続けますよ。どうです。あなたがそれを繰り返される限り、私は追及はやめませんよ。言い過ぎましたと言ってください。大臣になる偉い人は、みなそう言うんだ。あなたはどうか。

犬丸直文部事務官(管理局振興課長)

○犬丸説明員 一応ということばの意味を、文部省として認め得る権限を優越した意味にとったというふうなことになりますれば、私はまことに言い過ぎだったと思いますので、そういう意味でなくおとり願いたいと思います。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 きょうはこれだけにしておきましょう。

大竹太郎自由民主党

○大竹委員長代理 本日の議事はこの程度にとどめます。  次会は来たる十七日に委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十一分散会

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