法務委員会 第22号
- 発言数
- 70 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1966/04/01
会議録
○大久保委員長 これより会議を開きます。 法務行政、検察行政及び人権擁護に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。神近市子君。
○神近委員 この間、法務省の予算が出たときに、法務省から外務省に一名派遣するという、たった一名だから何の役に立つのかなと思ったのですが、これは任務はどういうことなのか、次長さん、わかりますか。——わからなければ、これは保留します。そして外務省から法務省にやはりそれと引きかえのように出るということがあるのですか。交換というような意味があるのかどうかということをお伺いしたいと思います。
○中村説明員 こまかいことはわかりませんが、今度、韓国に大使館ができました際に、法務省から検事が一名外務事務官となりまして、そちらに行く予定であるということを伺っております。
○神近委員 もう一ぺん、はっきりお願いします。
○中村説明員 今度、韓国大使館ができまして、大使館の増員がございまして、法務省からも検事一名が外務事務官となりまして、その大使館に行く予定であるというふうに聞いております。
○神近委員 各国の大使館に行くというわけですか。
○中村説明員 韓国大使館でございます。この問題ではございませんでしょうか。
○神近委員 私、一名というのでひっかかったのです。全体の事務に、たとえば外務省の顧問的な立場にお立ちになるには、非常に人数が少ないというふうに考えたのと、それからたとえば入国管理局のようなところには、外務関係の方がやはりそういうふうにしてお入りになるかどうかということをお伺いし、その交流、法務と外務との交流はどういうふうかということを伺いたいのです。
○中村説明員 私のあれではございませんが、ただ知っているということでお答え申し上げます。法務省と外務省との間では、アメリカに二名、オーストリアに一名外務事務官として行っておるはずでございます。それから外務省から法務省に来ておりますのは、入国管理局に三名、それからその他、ときどき入国管理局の職員が外務省の、たとえば旅券課に事務官となりまして行くとか、そういうようなのがございます。
○神近委員 おたくの局長さんは外務省から出ていらっしゃいますね。
○中村説明員 さようでございます。
○神近委員 その局長さんは、外務省から入管に入って、どういう要務ですか。私の感触では、結局、あなたが入管の全権を握っていて、局長さんは、何か飾りものか、アドバイザーかアシスタントかわからないけれども、そういう感じがするのですが、それは実務になると、あなたのほうがよく御存じなのじゃないですか。
○中村説明員 局長は、外務省から法務事務官におなりになりまして、局長としてお見えになっております。私は、実は、検事でございますが、法務省から来て、次長として局長の補佐をしておるということになっております。
○神近委員 補佐とおっしゃるけれども、私はそんなものをあまり持ったことがないからわからないのですけれども、相当意見を決定する要因になるのじゃないですか、補佐の発言あるいはアドバイスというものは。
○中村説明員 仕事の関係でいろいろと局長の補佐として、何かやります際に御意見を申し上げることはたびたびございます。それからまたこまかいものにつきましては、局長から一応おまえがやりなさいという御命令がありましたことにつきましては、私限りでやっているものもございます。
○神近委員 私は入国管理局には変ないきさつから——法務におる関係で、韓国人や中国人の問題をよく持ち込まれるのです。これは何か日本に居留の許可をもらうには金がたいへんかかるそうです。以前は百万ぐらいかかったという話を聞いたことがあります。それで、金にあまり関係のない私のところに持ち込まれるのが多いのではないかというように私は感じているわけです。実例を出せとおっしゃれば出せますけれども、他人様のことを傷つけることはないからそれは言いませんが、ともかくもそういうことで私はこの間から夫英子の問題、まだ十七歳です。日本の十七歳は相当に成長していますけれども、これはほんとうに子供です。非常に不遇で昨年まで戸籍にも入れてなかった。その夫英子のことでずいぶんあなたにお願いしたと思うのですけれども、この間夫英子とそれから梁溢光ですか、広東人、これは非常に日本に関係の深い理由があって、当然入国を許していただこうと思っていたのですけれども、その二件をあなたにお願いしたと思うのです。そのときに、この二件は再審査にかけるという御返事をいただいた。それで再審査の進捗を待っていたのですけれども、一体どういうメンバーであの審査会というのはなさるのですか。
○中村説明員 相当のお金がかかる云々ということを仰せになりましたけれども、私は寡聞にしてさようなことは存じておりません。密入国者等の特別在留許可の問題であろうと思いますが、お答え申し上げますと、この密入国者につきましては、入国管理令によりまして調査をいたしまして、在留を許すか許さぬかということになりますと、最終決定権は法務大臣にございます。法務大臣にございますけれども、法務大臣が決定される前に、諮問機関として、内部の取りきめではございますが、入国管理局の幹部が、事は重大な問題であるからみんなで相談してきめようじゃないかということで、委員会制度を設けております。その委員会のメンバーが、局長以下全課長がみな相談し合いまして大体意見をきめて、それで大臣に上げる、そういうことによってきめられるわけでございます。
○神近委員 何人ですか。局長と課長と。
○中村説明員 七名でございます。
○神近委員 これを判定なさるときの資料はどういうものでなさるか、それはわれわれが承るために傍聴したいといえば公開なさるか、それをちょっと伺わしていただきます。
○中村説明員 一応いろいろ手続がございまして、まず警備官が調査をいたしまして、違反審査関係の調書をつくります。それから警備官がいろいろと調査した報告書もございます。それからさらにそれを審理した審査調書、それから口頭審理をいたしました口頭審理調書、そういうものがございます。さらにそれについて地方の事務所から本局に送ってまいりますが、その際には、各取り調べた人たちの意見書というものがまいります。それを所管の審判課におきまして、さらに事件概要書なるものをつくりまして、これは各委員に配られます。それでいろいろと許否を決定される際には、審判課の課員がそれに基づきまして口頭で説明をいたします。そしていろいろと相談してやるというわけでございまして、これは内部のことでございまして、傍聴というようなことはちょっとむずかしい、内部の仕事でやっている間にほかの方が来てなさるというような、公開のものでも何でもございません。単なる事務の相談をしておるということでございますから、それをどんなことで何を相談して、だれがどんな意見をつけたというようなことは、ちょっとお漏らしするわけにはいかないと思います。
○神近委員 最終決定は、その七名の審議員の多数決でおきめになるのですか。
○中村説明員 実際問題として、そうこまかく規則で多数決で決定する云々というようなことはございませんが、ほとんど全員一致の場合が多うございますが、極端に申し上げますと、多数決ということになるのかと思います。
○神近委員 在留の許可を得るということで金がかかるということ、これはあなたはそういうことは知らない、——なるほどあなたにはそういう関係はないでしょう。だけれど、最近のピルではあまり感じませんけれども、あれが旧館、いまの法曹会館にあった時代がございますね。あの時代に、私も世間知らずだったんだけれども、どうも廊下のすみでブローカーのような人とよく立ち話してましたよ。ああこれがブローカーというのだなと思って見ていましたけれども、それでどうも百万かかるとか五十万かかるとかというようなことをずいぶん聞いたことがあります。それは私はその実例というものは出しませんけれども、あなたは御存じないと思うのだけれども、あの周辺にそういうものがあるということ、これはいま実例を出せば、あの柳園のコックであった林何とかというのが、妻子が非常に多いそうで、しかも給料が低いので、柳園を出てどこかに行った、それから次のところも低いので、千葉の春の家というところに入っているそうです。そうしたら、これが二年間ずつの切りかえのときに、あんまりよそを歩いたという理由で——ちゃんと税金を納めていますよ。十万円かの給料だそうで、ちゃんと税金を日本の政府に納めているのに、これの切りかえを許可なさらない。その理由として、柳園側からいろいろ管理局に働きかけたというようなことが流れています。これは私は実例を出さなければだめだということを言ったのですけれども、それを出すのはちょっと控えてほしいというようなことで、ただあなたが何にもそういうものは関係ないとおっしゃるからこれは出しただけのことで、案外知らないところでそういうのが行なわれているんですよということを私は申し上げたかったのです。私はその柳園と入国管理局の関係はよくわかります。十年ばかり前に、いまの法曹会館のあの古いピルのときに、私はほかの課長や何かを知らないものですから、いつでも局長のところに行ったんです。そして梁の父親のことで、日本軍に協力したために中国にいられない人だから、どうしてもこれは日本が保護してあげなければならないということを申し込みに行ったときに、あそこの柳園の社長の盛世才という人を局長に紹介されました。そしてこの人は十人のコックを入れろということでお話にきているのに、あなたのほうはたった一人じゃないかというようなお話で、笑い話をしたことを覚えております。ですから柳園が相当入国管理局と関係が深くて、その声が反映するというところに私は当然の関係があるというふうに考えます。私はこの問題をきょうは申し上げようというのではないのです。世界人権宣言というものがあるので、私はなるほどなということが考えられるので、きょうは夫英子、梁溢光の問題を尋ねようとしているのです。世界人権宣言の中の十四条をごらんになったことがありますか。
○中村説明員 読んだことはございます。
○神近委員 その中にどういうところがこの問題に触れているかということをお考えになりますか。
○中村説明員 「何人も、迫害からの保護を他国において求め且つ享有する権利を有する。」2が「右の権利は、非政治的犯罪又は国際連合の目的及び原則に反する行為を真の原因とする訴追の場合には、援用することはできない。」
○神近委員 私は十六条の3項をちょっと見ていただきたいと思います。
○中村説明員 見ました。
○神近委員 私この問題を考えるまでは、家族とかあるいは血縁とかいうものをこういうように保護するような条文がこれにあろうとは思わなかったのです。だけれど、ともかく人権の問題ですから、よく読んでいたら、血族というものの関係あるいは家庭、肉親の集団というものは保護しなければならないということをいってあるのに、あなた方がこういうことを一切問題にしないで、せっかく日本に血縁があるのに、韓国に返送されれば、どこかの施設で養ってもらわなければならない、たった十七歳ですよ、十五歳ぐらいにしか見えないこの孤児を、あなた方が無理やりに返還しよう、送還しようとなさることに私はどうも納得ができないのです。私はこのためにはよく考えていただかなければならない。この条文を考えていただけば、日本におばあさんがいるのに、おばさんとおばあさんが養女にして保護します。去年までは密入国してきて、籍は入っておらなかったのですよ。韓国でも籍はなかったのですよ。そして初めて昨年自首して出て、韓国籍をとって、そして養子縁組みもできようというのに、無理やりにあなた方はこの子を帰そうとなさるのか。私どもは納得できないのです。人権として、この人権宣言に肉親の集団というものは保護しなければならない。ほかに何もないじゃありませんか。父親は同志社大学で、そして軍に徴用されていた人、厚生省にちゃんと登録してあります。この人が日本にいるだろうということで——韓国にはいないのですよ。韓国の母親は再婚して行くえ不明、父親は日本で行くえ不明、父親の居どころがわからないから韓国に帰すというわけにいかないじゃありませんか。母親は韓国で行くえ不明なんですよ。そしてここにはおばあさんとおばさんとがちゃんとこれを扶養して教育してやろう、こう言われている。この問から北鮮系の学校教育というものが問題になっているようですけれども、この北鮮系の学校というのは、いままで籍がなかったから、無籍者だったから北鮮系に行って、今度日本の学校に転校したいから自首して出たでしょう。そういうようなことがあなた方にはちっとも同情に値しないのですか。ちょっとそれをあなた自身の考えでいいから伺わしてください。
○中村説明員 韓国に肉親がいないで、日本に肉親がいる、そういう人が密入国した場合には、日本に置いてやったらどうかという御意見のように承ったのでございますが、私どもが考えておりますのは、この人もかつて日本にいた人なのかどうか、あるいは日本とどういう関係があるか、あるいはその肉親というのがどの程度の肉親なのか。ほんとうの父親なのか、あるいは三等親なのか、何等親なのかというようなこと、あるいはその人が韓国において生活できる人かできない人かとか、いろいろな問題を考慮いたしまして、人道的な考慮も払いまして、許可不許可ということはきめているつもりでございます。 御質問になりましたのは、夫英子という具体的な問題かと存じますが、その問題については、実は私どもが徴した結論は、先生のおっしゃることとちょっと違っておるのであります。第一番は、日本に肉親がおると仰せになりましたが、肉親ということを立証される者は日本におりません。本人が、ただ自分の父親の弟だと称する者がおるだけでございます。それから本人の父親が日本にいるという主張もございますが、父親と称する者が日本にいたらしいのですが、現在日本にいるのか、どこに行ったのか不明でございます。それから韓国には、母親が再婚しているというようなことを本人は主張しておりますが、これも私どもはほんとうかどうか存じませんが、一応信用するということになりますと、逆に韓国にいるということになろうかと思います。それから養子にしたから置いてやったらどうかという仰せでございますけれども、養子縁組みした者をどんどん日本に入れるということになれば、日本にいる朝鮮人の方が向こうの人たちを入れるのに、養子という形でどんどん日本に入国を認めなければならない結果になりますので、これもたいへんな問題だと思います。しかも本件につきましては、たしか養子になりましたのは、退去強制ということで退去が決定したあとで養子にするから置いてくれというようなお話であったと思います。したがいまして、さようなものについては、すでに退去がきまったあと養子だと言っても、それだけの事情では、日本に在留を認めるわけにはいかないということで現在に至っておるわけでございます。
○神近委員 それは少しあなた方の調査が不十分だし、これは、さっき申し上げたように、この生まれたのは日本の広島で、三歳くらいで無籍のまま、父親が行くえ不明で、お母さんに連れられて韓国に行っている。そして七歳のときにお母さんがどこかの男とよそに行ってしまって、そして友だちに預けた。預かった友だちが、この無籍者の女の子をだれかにたのんで日本に入国させて、こういうところに妹がいるからというので——お父さんの妹がいま上野にいるんです。そうしてこの人が籍がはっきりしない、それは籍を入れてなかったからはっきりしないのですけれども、韓国に戸籍を入れて、そしてその戸籍の写しをこっちにとるまでに半年ぐらいかかったのです。そうして籍をようやく入れて、お願いするという段階になったんですけれども、このおばさんが、ほんとうのおばさんであるかないかということは、ちゃんとお父さんとおばさんとが同じ戸籍に入っている戸籍簿があるのです。おばあさんとの関係も、この戸籍を出せと私は言っておいたつもりですけれども、出しておるはずでございます。ほかの代議士の手で嘆願書もつけて出したというようなことだったようです。これは疑えば、この父親の二番目の——これは写真なんかを見ても、同志社大学で何か英語が達者だったとかいうので、インテリで、普通の町にいるような韓国の人と違う、きれいな顔をしているんです。ただ貧乏は非常に貧乏であった。それで妻が韓国に行って、そのあとでまた日本の人と結婚しています。まあいろいろ女との関係ではこの父親もずいぶん変な人だと思うのですけれども、ともかく男の方だったら、恋愛されたかしたか知らないけれども、ともかく日本妻がありまして、そこに十一歳の子供ができております。これははっきりと同国人同士が知っていることで、わざわざこれはどこか播州かどこかに調査に行ってもらった記録もできております。ですから日本にいるということは——ずいぶんさがして、あなた方が御指定なさるとおりの方法で新聞広告もしましたけれども、まだ父親は出てきませんけれども、現在、嫁に行くまできょうだいであるということをちゃんと証明したおばさん、それからおばあさんが日本にいるのです。 では、韓国にだれがいるかというと、母親、母親は再婚して行くえ不明というようなことで、両方とも行くえ不明でございますけれども、韓国の人は日本人よりも血族関係を非常にきびしくするようであります。日本ではだれの子だったかなというような場合がずいぶんあるようですけれども、血族というものを非常に尊重して、この人権宣言なんかもその点を考慮したのか、血族というものをこんなに大事に保護しなければならない……。いまの英子の場合、血族というものは、所在のわかっている者はおばあさんと嫁に行っているおばさんだけでしょう。そうすると、そこでせっかく扶養してやろうというのを絶ち切って韓国に帰さなくたっていいんじゃないか。私はあなたの裁断に非常に不満なんです。もし私の言うとおりであるならば置かなければならないのか、家族は何もないのですよ、韓国に行けばどこか施設に入れてもらわなければならない、それでも帰すとおっしゃるのか、ちょっと伺わしていただきたい。
○中村説明員 一般論から申し上げまして、もしその父というものがほんとうの父であり、その父はいないけれども、おばがいる、そして本人は母とともに韓国に戻った、韓国では困るからというので日本に来たから置いてほしいといった場合の問題として考えますと、それだけのことでは、日本に在住を認めるか、認めないかという結論はちょっと何とも申し上げかねます。ただ、韓国にいる子供が日本にいる縁者をたよってきて置いてほしいということで、密入国者を置くか、置かぬか、こう簡単に仰せになりましたのでございますから、これは原則として密入国者は帰ってもらうという原則であるというふうに申し上げるほかないと思います。
○神近委員 それは未成年者でなくて、ちゃんと判断のできるような人なら、あなたのおっしゃることは通るのですよ。ただ残念なことに、昨年まで、十六歳までこの子供が一つも国籍というようなものを持たなかった。それで、だれもかれも、親戚も——韓国人はずいぶん友人問の血のつながりが日本人同士よりも強いようです。それで韓国人のかなりの人たちが、これはだれの子だということを知っている。そして、あれのおばあさんが——これも日本に長くいた人、そしてその日本のおばあさんがそのむすこを同志社大学に入れていたということ、そして同志社から山口県の光海軍工廠かどこかに学徒動員されて、終戦までそこにいたということ、これは厚生省の名簿でちゃんとわかっていて、いつでもそれは証明することができる。それで、今度その子供を韓国人が、他人の血と自分の血とをあんなに識別するような人たちが、その子供を戸籍に入れるはずがないじゃありませんか、自分たちの家族の中に、はっきりとその事実がわかっていなければ。ちゃんと戸籍に入れて、そしておばがこっちにおる、おばあさんがいる。父親も母親も行くえ不明であれば、おばあさんが親権者としては一番近いじゃありませんか。それはあなたはどうお考えになる。だれが一番近いですか。その残ったおばさんとおばあさんとそれだけ、あとは母も父も行くえ不明。 私はこの父親のことはいろいろ考えていいと思うのです。御存じのように、終戦後非常に日本はいろいろの点で黒い霧におおわれたという時代があります。そして半世紀近い日本の占領を非常に恨んでいた韓国人が、たとえばいろいろなアメリカの機関に使われて、そして日本から送り出されたり、あるときには沖繩にやられたり、ともかく日本で何か事件に関係すると日本から送り出されたということは、最近いろいろなものを見るとよくわかります。韓国人がこれに関係したことは非常に多い。あるいはそういうところに関係したかなあ——なかなか同国人のつながりが深いですから、大体あすこで会った、ここで会ったという情報は相当集まるようです。だけれども、どうしてもこの父親だけはわからない。それを考えると、何か駐留軍との関係でどこかにいたかなあというふうなことを考えさせられるのです。私はそういうことはあまりタッチしたくないんです。ただ、十五ぐらいにしか見えない、ほんとうに貧しい女の子を、こっちにせっかくおばあさんとおばさんがいるというのに、あなた方が無理にお帰しになるというところに、私は納得のできないものを感ずる。しかも局長は置いてやっても——置いてやるのが当然だということを、この間私どもはここでずいぶん長いこと御説明申し上げたんですよ。ところが、あなたがノーということをおっしゃったんじゃないですか。それは局長はおっしゃらなかったけれども、あなたのお部屋に相談に行かれたということは事実です。なぜあなたがこういうように——未成年者の子供じゃありませんか。そして一番近い親権者は、いまおばあさんでしょう。そのおばあさんのところにいるということにどうしてあなたは反対なさるのですか。
○中村説明員 韓国にいる少年少女が両親がなくなって孤児になった、そこで日本にいる親類をたよって置いてもらいたいというような場合に、日本で全部置かなければならぬという理由が、ちょっと私どもに納得がまいりません。 もう一つの点は、神近委員が仰せになっておりますが、はたしてその肉親関係があるかどうかということになりますと、全然私どもにはわかりません。ほんとうにその父の子であるのかどうか立証がされておりませんので、ほんとうの肉親が日本にいると仰せになっておりますが、ほんとうの肉親であるかどうかわかりません。ただ退去強制になったあと、その人を養子にしたという事実だけは認められますけれども、それだけのことで私どもは判断しなければなりませんので、本人の主張を全部うのみにして、何ら立証されないものを、本人がこれは自分の父親の妹であると言えば、それをみんな認めろということは、ちょっとできないのでございまして、やはりほんとうに肉親であるかどうかということがわかった場合には、また別途考慮の余地があろうかと思いますが、そういうことは何ら私どもにはわかっておりません。
○神近委員 そんなおとなの心で子供の——いま十七歳といいますけれども、見てごらんなさい。色気もなければそっけもない、子供とちっとも違わない、十五歳ぐらいの日本人の子供のように見える。ただ頭だけは非常にいいですよ。これはともかく九歳で日本に入るまで、いろはのいの字も知らなかったのを、家庭教師をつけて勉強させたところが、二年くらいですっかり字を覚えて、そして小学校の五年か六年に入ったというのですから、頭は非常にいいのです。それでただふしあわせなのは、終戦後の韓国の独立で混乱していて、戸籍に入れられていなかった。これは父親も母親も、韓国との関係がよくわからなかったのかどうか知りませんが、ともかく父親も日本で生まれている、本人も日本で生まれている、そしておばあさんは長いこと大阪に居住して、貿易か何かやっていた、そして子供は同志社大学に入れて教育していた、これだけはっきりわかっている。それで十四か十五の子供があなた方をごまかしていろいろな工作をするということができますか。そして肉親でもない——韓国人は、中国人でも驚きましたけれども、肉親というもの、自分と同じ血というものは非常に大事にするのです。われわれ日本人よりももっと強いですよ。よその血を自分のめいでございます。おいでございますというようなことを言うはずがありますか。私は、何かのためにこの女の子を、愛情以外で育てたいというようなことは考えられません。この女の子は、日本で勉強して、そして自分と同国人の教育に携わりたいというような素朴な考え方を持っているのです。私はこれをどういうわけであなたが無理やりに帰そうとなさるのか納得ができないのです。これは子供ですよ。未成年者ですけれども、十五ぐらいにしか見えません。それをせっかく親権者と認めない。さっき申上げたでしょう。父親の戸籍謄本はちゃんとありまして、その父親と娘が親子であるかないかがわからないとおっしゃるけれども、親戚が認めている。親戚も、それから友人もちゃんと証人がおりますよ。この間その父親の行くえをさがすために、お金をこちらから支払って、わざわざ大阪から播州まで行ってもらった。そして英子の母親の次に結婚した日本人妻をさがしあてて、行くえがわからないかということを尋ねたのです。そしてそこに十一になる男の子がいたということもわかっている。これは日本人の籍に入っているようですけれども、実際に血のつながったきょうだい、異母弟ということになっている。疑えばもっと悪質な者がうんといるんです。いろいろなケースがありますよ。そんなのには案外けろっとだまされて、そうしてこういう子供をあなた方が追いやろうとなさるのが私納得できない。韓国人の悪い者だったら、もううんといます。いろいろなところに巣食っています。そしてそんなのにはいいかげんにだまされて、ごまかされて、何にもできない無力な子供を追い返そうとなさろうとするところに、私はあなたの考え方がずいぶん曲がっていると思うのです。だから、入管に、置いてもらうためには百万要るとか五十万要るとかいううわさ、これは私のところに来る人がそういうことを言うんですもの。そういうところが私は納得できないのです。父親が日本でどうしてもめっからない。そんならもう少し時間をかしてみればいいじゃありませんか。殺されているか、あるいは何かに、たとえばCICとかG2とか、あるいは何とかいうのがありましたが、そういうところでは、相当韓国人が使われていた。これは英語もできるし、ちょっとインテリ然とした人だったから、そういうことも想像されなくもないと思うのです。その点で、あなたのお考えがずいぶん故意にか不注意でか、曲がっている。子供じゃありませんか。その点であなたがこの間、品川の拘置所からこれを出すために、私は何か法務大臣あての書類を書かされたけれども、それはあすこに入れられてわあわあ朝から晩まで泣いていて——子供じゃありませんか。ほかのことは何にもわからない。自分がからだに受けている拘束だけが気になって、わあわあ泣いてごはんも食べない。それでこのおばさんが私のところに来て泣くので、私は契約書を書いたんですよ。私、いつでもあれを取り消します。ぜひこの問題はしっかり考えていただかなければならない。私はなるほどなあ、肉親というものは——私はいままで肉親というものをこんなに強く感じたことはないのです。この人権宣言を見て、肉親の集団というものはこんなに大事にされるのかなあということを感じたわけであります。 〔委員長退席、大竹委員長代理着席〕 それからもう一つ、これは犬養法務大臣のときでしたけれども、さっき申し上げたように梁溢光という広東の青年の問題であります。これはそのときに全部——出入国管理局のその時分の局長さん、いい人でしたよ。ともかくも日本語ができたために、広東で軍に使われて、そのために終戦になったら中国にいられなくなって、そうして日本に密入国してきた人、これは日本一うまいコックですけれども、ともかくも日本に来て、そうしてこれは入国を快く認めていただいた。なるほど日本軍に協力したために中国にいられない人を日本が保護するのは当然だということで、たぶん法務委員会で御相談したかと思うのですけれども、これは許していただいて、そうしていま横浜で、中流くらいですけれども大きな中華料理屋をやって繁盛している。この三男も妻もそれから二女もみんな入れてくださったんです。というのは、日本にそんなに縁故の深い者ですから……。ところが、戦争後二十年たちますと、相当かせいでいますけれども、やはり自分も健康上に不安が来て、後継者をつくっておかなくちゃならないというので、梁溢光の入国を願っているわけです。ところがこれは御許可がない。妻も三男も入ることを快く許してくださったのに、この次男だけ、十七歳か十八歳ですけれども、どうしてひっかかっているのか、ちょっとお伺いしておきたい。
○中村説明員 梁溢光の問題につきましては、いまちょっと手元にございませんので、後日調査いたしましてお答えいたします。
○神近委員 あの資料は私が頭に入れております。四十年の税金が払ってないということが理由だったようです。そのことを私が言ったら、税金はもう払いましたということだったので、それなら証明書をもらってもう一ぺん嘆願をしてみろということを伝えておきましたけれども、この税金を払うということは相当資格として強くごらんになっている。これはどういうところから来ていますか。これは横浜に六、七年前小さな店を持っていて、そしてやっと今度貯蓄ができたか、中流の料理店に引っ越したのです。それは昨年だったと思います。そのためにお金がかかり、いろいろこれを直したところもあるし、いろいろなところで時間がかかったと思うのですけれども、ともかく払えば置いてくださるのですか。これは資格は何も保証しているところはない。横浜では相当顔がきいているようで、人物もなかなか善良だし、料理の腕は日本一うまいというコックです。それでどこに行ってもずいぶんはやるのですけれども、だんだん年をとってきたので、今度次男に自分の秘伝ですか、料理のなにを教えたいというのです。これは税金もちゃんと納まっているということになれば可能性があるでしょうか、どうでしょうか。その一族ですよ。それこそ世界人権宣言でもないけれども、父親、母親、きょうだいが二人まで日本にいるということ、これの入国は外務省にこの間相談しましたら、これは入管の指示どおりだ、大使館にはその権利がないということでしたけれども、どうなんですか。何か資料がないということですが、私も資料は、十年以来の、犬養法務大臣以来の記憶しか資料としてはないのです。だけれども、いままで妻も三男も、それから娘も入れてもらった、こういう経歴があるのです。あなたは資料がないとおっしゃるけれども、この問題をお扱いいただいたのはあなたじゃなかったのですか。
○中村説明員 外国人が入国をする場合には、入国審査課が所管でございます。そこで、一般に外国人の家族は、日本にかりに外国人が居住しておれば、その家族を外国から全部呼び寄せることは必要ではないかと仰せでございますが、私どもは必ずしもさように考えておりません。その外国人が長期にわたっておられるような場合には、たとえば妻とか子供、これが一緒におりたいというような場合には認められますが、その外国人が短期の外国人でございましたら、また戻ればよろしいのではないかと考えます。それからまた、その呼ぶ外国人が、自分は家族を呼んでも、家族については十分に扶養能力があるということも証明していただかなければならぬわけでございますが、さような場合に、自分はこれこれしかじかの収入があると自称いたしましても、私どもとしては、はたしてそれだけのことがあるかどうかわかりませんので、その裏づけとして、それではそれだけの収入があるならそれだけの税金を納めているはずだというような意味合いにおいて、税金を納めているなら納めたものをほしいということを申し上げたのではないかと思いますが、さようなことで、いろいろとその人の在留資格、あるいは在留状況等を調査いたしますし、それから収入関係も調査するし、家族関係も調査するというようなことで、事務のほうで、入国審査課が調査して、そして入れる入れないというようなことを一応決定するわけでございます。
○神近委員 だから、税金はいままでずっと、二十年納めてきたんですよ。ずっとこの人は税金を納めてきて、そして横浜で独立した店を、八十万円かなんかで買ってやっていた。そして今度、横浜最大とは言えないけれど、ともかく中流の上くらいの店を買ってやっている。そして、税金が昨年停滞していたから、この許可をおろさないということをあなたはおっしゃった。あなたは最近次長におなりになったのですか。どのくらい前から次長をやっていらっしゃいますか。私は電話でお話ししたりなんかするんで、その点はっきりしないのですけれども、半年くらい前からおやりになっていれば、この問題は、私は電話か何かでお話ししたことがあったと思います。これは扶養能力はあり余るほどあるでしょう。この間長男が日本に、いいなずけの女の人と一緒に観光旅行に来て、そして横浜で結婚式をあげましたよ。ですから、扶養能力は十分にあると見ていいと思うのです。ただ税金が、昨年のがそういうわけで、大きな店に切りかえたものですから、出なかった。それで税金は納めたという話を電話でしましたから、それではすぐ入管に、その嘆願書に証明書をつけて出せと言ってはおきましたけれども、一つも支障のないところにいろいろな支障をそうやってつくっておいて、そして案外悪質なのを許してある。ちょっと名前は忘れましたけれども、この間、李承晩の選挙のときの相手を殺したという事件が新聞に出ておりましたね。この犯罪者が日本に入っている。韓国の文字だから、私は韓国語は読めないからほうってありますけれども、ともかくその真相というものもきています。あるいは韓国の人に読んでもらえばいろいろわかることがあるだろうと思うのですが、ともかくも変なところにあなたがひっかかって、そして肝心なところをほうっておおきになるということが、私は気になったのです。私はその点、次官にこれはお願いしておきますけれども、ともかくもこの出入国の問題はなかなかやっかいな問題で、特に日韓条約というような新事態が起こったときに私どもが口をきくのは、よくよくかわいそうだとか気の毒だとか、そうしてもっとほかのところにという場合にすぐ金がからむ。そういうことがかわいそうだから、私は一、二件この問題をやったために、あとを引いて、何だか私がブローカーのように考えられやしないかということが頭にきているのです。だから、私はもう一切——次長さんなんかにめんどうなことを申し上げるときには、自分の心が濁っていれば言えないですよ。だから、私はもう一切そういう取引はしません。だから、言うたときにはいつでも、私はブローカーと違うんですよ、法務委員ですよということを私は言っているのですけれども、ともかくこの問題はひとつ御再考を願いたいというのが、私のきょうの質問の要旨でございます。 さっきも申し上げたように、履歴がわからない——、あなたの頭だけわからないですよ。血を洗ってごらんなさい。血というものは——私はいままでこんなあほうなことを考えたことはなかったのですけれども、中国人と韓国人と接触してみると、自分たちの血統とか血というものは絶対に許さない。だから、子供か孫かわからぬというふうなことは私は絶対にないと思うのです。ぜひひとつこれは、再審査はもう済んだんですから、再々審査にかけていただきたい。私は契約書はいつでも取り下げます。この人を約束どおり帰すという契約書は法務大臣あてに出してありますけれども、それが一つの理由になったんですけれども、あの品川に入れられて、子供がわあわあわあわあ、朝から晩まで泣いている状態はがまんできなかったので私は書いたんですから、いつでもあれは取り消しますから、ぜひ在留ができるように——資料は幾らでも出します。ただ、父親の行方不明ということはどうにもならないのですけれども、ともかく肉親としておばあさんがいる。おばさんがいる。これはちゃんと戸籍謄本を出してあるはずであります。韓国から取り寄せて、きょうだいであったという証明もできているはずですから、ぜひひとつ御配慮を願いたいと思います。
○山本(利)政府委員 神近委員の御発言をいろいろ拝聴いたしまして、まことにヒューマニズムに徹していらっしゃるように思うのでございます。ただ、役所といたしましてはいろいろな問題がございます。とにかくよその国へ密入国して、成規の手続を経ずして入った者は、これは帰ってもらうというのが原則でなければなりません。また、いまおっしゃったように、血族関係というものを非常に重んずるからといって、いま日本に在留しておる第三国人の血族が次々と密入国をいたしましたときに、かわいそうだからとか、日本に迷惑はかけないわけだからというだけの理由で在留を許可いたしますと、幾らでもこれはふえる可能性のある問題でございます。日本そのものも、人口問題から申しましても、あるいは社会情勢から、非常に困っておる者もおるわけでございますから、それらの人々から申しますと、よその国の人間が密入国したのをそれだけいたわって援助するなら、もっと日本人そのものに対してあったかい政治をしてもらいたいという気持ちも、また起こりやすいものでございます。特に神近先生は、その御本人をよく顔も見、いろいろな話も聞き、また御調査もなさったでございましょうから、間違いはございませんでしょうし、また特別な愛情というものもわくわけでございますが、係官といたしましては、一つを許しますと、またいろいろ次に入ってきた者が、どこかに自分のおばと称する者、おじと称するものを——神近先生のおっしゃった場合は真実でございますけれども、そうでない口実のもとに、同じ条件ではないかといって迫られた場合に、係官が非常に難渋するというようなこともございまして、私は、今日まで入管の次長以下係官がいろいろ調べておりました態度に、必ずしも間違いがあったとは今日まで思っていないわけでございます。そして神近先生がブローカーでないということは、先生が弁明なさるまでもなく、私どもも、そういう誘惑があってもお乗りになる方ではないということはよく存じておりますが、同様に、——もし第三者のブローカーというものがあって、世話をしてやるからというようなことで、あるいはそういう不正な者が世の中にはあるかもしれません。もしあれば、これは厳重に取り締まらなければなりませんけれども、入管関係の職員で、そういうブローカー的なことによって、あるいは裁定を左右した者があるとは私は今日まで信じなかったわけでございます。神近先生を御信用申し上げると同時に、私は法務省の役人を信用しておるわけでございます。しかし、いろいろ先生のお話も承りましたが、次長も何ら個人的に悪意を持ってそれぞれの人々を薄情に扱おうという態度では毛頭ございません。国家そのものの大局から、いろいろな点を考えてやっておることでございますが、いまの御意見もございましたので、なおよく調査いたしまして、そしていろいろな客観的条件のもとに、正しい、しかも人類愛にそむかないような裁定がなされるように今後とも努力していきたいと考えます。
○神近委員 たいへんありがたい御決意を承って安心しましたけれども、私は、日本の貧困、いろいろ困っている人たちに対する問題と、韓国の人の問題とはそう区別しておりません。社会福祉的なことも、毎日のようにいろいろな援助を求めてまいりますけれども、私はできるだけのことはしているつもりでございます。それで、韓国の人に特別に関心を持つということは私にはございません。ただ私どもは、韓国人に、半世紀近い植民地としての借りがあると思うのです。その点、イギリスやフランス、イギリスがこの植民地に対する待遇は一番いいようですけれども、これも私は頭にあるのです。インドに対してですけれども、この間その話で、インドなんかイギリスと遠いじゃないか、——とんでもない、インド人はアフリカだのあの辺にずいぶん来ているのです。それでイギリスとの交流というようなことがある場合に、非常にあたたかい待遇を受けているということ、前の植民地であったということ。われわれが韓国人から変なことをやられるということは、ある意味でわれわれの借りを返しているというような意味に私はとっているわけですけれども、特に、こんな何も罪のない、そして親戚も善良で、ちゃんと日本に税金を納めて、そして貿易をやっている家族の一人という意味で特別に配慮を願いたいと私は思っているわけなんです。 ともかくも、その次長さんが非常に、あなたがおっしゃった内容よりも以上にきびしいのです。それが何のためなのか、この嘆願書は、私よりほかの代議士の名前でも出ているはずです。ですから、何で私のところに頼みにきたかということをよく聞くのですけれども、だから嘆願書が代議士二人から出ているわけなんで、それが何かからんでいるのかなあというようなことも感じているのです。たとえば、向こうの人の嘆願書を取り上げるか、私の嘆願書を取り上げるかということになるのじゃないかというふうに私は感じているわけです。ともかくもいまおっしゃったことはあまり筋が通らない。父親が見つからないから帰れ、母親も向こうでは見つからない、この点はひとつ考えていただかなくちゃならない。ともかく私は何でもします。この問題は、必要なら戸籍もとってやるし、広告も、新聞広告を一ぱいして、一応の手続は通してやるということをお含みいただいて、大臣の嘆願だけはしておりませんが、ひとつぜひ配慮していただきたいと思います。
○山本(利)政府委員 重ねて申し上げておきますが、入管の次長が非常に薄情な扱いをするような印象を受けておられるようでございますが、決してそのようなことはございません。私もいま法務省におりますが、いまあなたのおあげになりましたのは二つの例でございますが、もう毎日のように非常にたくさんあるのでございます。それぞれの意見や嘆願を聞きますと、どちらかといえば、どれもまことに気の毒だ、かわいそうだと思うようなものが非常にたくさんございます。それをどれもこれも許すというわけにはいきませんので、次長が中心になりまして、ほんとうに慎重に、私から見ておりますと、これだけややこしい問題をよく処理していかれると思うほどいろいろな点を考えて、嘆願や陳情がございました場合は、その書類その他もよく調査いたしまして決定しているわけでございますので、ただ役所の者が薄情だからしゃくし定木なことをやっているというふうにはどうぞお考えになりませんように、そして、神近先生のお気持ちも私は十分おくみいたしたわけでございますから、役所のほうの係官も一生懸命やっているという点を十分御了承いただきたいということをお願いして、この話はこの程度でひとつ御了承願います。
○神近委員 もう一言。それは、あなたが次官として部下を大事にお考えになるというのはわかりますよ。そうして、日本のこんなに国土の狭いところに、ぞろぞろ入ってこられるというのは困るという気持ちもよくわかります。だけども、韓国だけは、どちらかというとわれわれが同化させようとして、日本に来いとか、あるいは日本の名前にしろとか——この人も何か日本名前になっておりますよ。そういうように、いままでなでてきて、今度は対立するということになる。そうして来ると、そんなにぞろぞろと入ってきては困るという。それは私たちもやはり日本人だけで独立できたほうがいいと思うのですけれども、行きがかりというものがあって、そうして、同じアジア人でそう違わないのですよ。まっ黒かまっ白かなら始末がいいのですけれども、同じ民族だものですから。いろいろな事件があるということは、確かに私はよくわかります。そうして今度条約が締結されたから問題がまたいろいろ再燃したということもわかりますけれども、ともかく、日本に父親がいて、日本で生まれた子供、そして籍がなくて、十二歳で入ってきて、いままでもぐっていた。そして自首して出たということは、ある程度善意というか、あるいは日本に対する服従というか、日本の法律に従うというような気持ちがあるということはわかると思うのです。次官のお説もよくわかります。部下を大事にしてかばっていらっしゃるということもよくわかります。それはごもっともだと思うのですけれども——私もこれから廃業するということを宣言している。入国管理局に行ったり、こんなあっせんはもう一切私いやだといって宣言していますけれども、ともかくそういう頭で少しなにしてくださらないと、私はまた官僚の悪口言いますよ。よろしゅうございますか。
○大竹委員長代理 志賀君。
○志賀(義)委員 きょうは簡単に質問します。 この前、私が国士館大学の佐藤英夫君が暴行を受けたことについて告訴が六カ月間おくれた問題について質問しましたとき、ある新聞には、脅迫の事実があるからそれを調べてくれ、こういうように言ったように報道されておりますが、念のためにもう一度申しておきます。そうではありません。ある婦人が佐藤氏に対して、自分にもこういう事情があるからあなたの告訴はしないでくれと言ったことがある、そういう点を検察庁で調べてください、びっくりするようなことがあるでしょう。同時に、そのことを検察庁で調べられた結果は、刑事局のほうから文部省もお聞き取りを願いたい、こういうふうに言ったのでありますから、その点を刑事局の方もそのように調べていただきたいと思いますが、その点……。
○伊藤説明員 前回にも先生からお話があったようでございますが、ただいま重ねてお伺いいたしましたので、御趣旨を検察庁に伝えまして調査をいたします。 〔大竹委員長代理退席、委員長着席〕
○志賀(義)委員 きょう理事会で、国士館大学の問題の関係者を参考人として呼ぶこと、だれを呼ぶかはなお協議して決定するということになりましたが、その前に政務次官にちょっとお願いしたいことがあります。法務大臣に言っていただきたいことです。これまで法務大臣が顧問だということが問題になっておりました。よく調べてみますと、法務大臣は自分は引き受けるという返事を出した覚えはない、まあ雅号みたいなものだ、こう言われている。ですから顧問の問題で取り上げるよりも別の問題があります。これは政経二部をつくることに対する申請書、経費及び維持方法を記載した書類という正式の書類が文部省に出ております。これについて国士館大学維持委員会規約というものがありまして、これもその申請の書類に貼付されております。その中に国士館大学維持委員会の会長に衆議院議員石井光次郎という名前があります。ですから、これは顧問よりもっと立ち入った関係にありますから、この際法務委員会でも参考人として国士館大学の当局も含めて呼ぼうというときでありますから、石井法務大臣に善処をお願いするよう私が要望していた旨、政務次官からお伝え願いたいのですが、いかがでしょう。
○山本(利)政府委員 承知いたしました。この前、国士館大学の広告の写真入りのなにを見せていただきまして、私あれをちょうだいいたしまして、それには石井法務大臣その他大臣の写真がずっと出ておりましたから、それを大臣のところへ持っていきまして、それであなたからお聞きした話を伝えました。そうしたらそのときに、はてなと言ってそれを見ておられましたけれども、あれは大臣に就任されるよりは前の写真でございます。これは確かに昭和三十何年とか書いてございます。けれども説明には石井法務大臣というふうに書いてありますから——最近印刷されたのには現職の肩書きを入れるほうがより効果的だということも想像できますからでございましょうが、あの写真は石井法務大臣が大臣に就任されるよりは前のことであったそうでございます。 なお、国士館大学についてはいろいろ問題があるので、これはこの席で申し上げていいのかどうかわかりませんけれども、私もこの前の会議のときにあなたからいろいろなことを聞いて、もしそのとおりであれば学校としてまことに遺憾に思うという意味のことを申し上げましたので、そのことも伝えました。そうしたら、学長に会われたときにも、君自身は愛のむちのつもりでいろいろやるのであろうけれども、受けるほうや一般が——ことばそのものは忘れましたけれども、もうそういう時代でないのか、受けるほうがそう受け取らなければ何にもならぬわけだから、それはもう少し考えたがいいではないかというようなことを自分は言ったということを、私との雑談の間に言われましたので、大臣の気持ちも大体それでわかると思いますけれども、きょうお聞きいたしましたように、国士館大学の維持委員会の会長としても名前が載っておるという点も、おそらく大臣御存じないのかもわかりませんから、法務省に帰りましてから大臣にこの点もよく伝えます。
○志賀(義)委員 顧問の問題については、柴田館長は学内で、自分は顧問になってほしいという手紙を出したが、返事の来ないのは全部顧問にしたと広言しているのですから、大した男ですよ。だから顧問の問題は問題になりませんが、文部省に出た申請書が事実と相違してたいへん困ったことがあります。いずれそういう点は参考人を呼びましたときに十分究明したいと思いますから、そういう意味で、石井法務大臣が維持委員会の会長としてということになると、あるいは御迷惑になることがあるかもわかりませんから、その前に善処を要望したいというのです。 それから、いよいよ参考人に呼ぶことになりましたが、去る二月十一日の紀元節奉祝式典で柴田館長は何を言っているか、この点を山本政務次官に申し上げておきますから、なおさら石井法労大臣に善処していただきたい。これは社会党の方々も大いに慣慨されることですから。どういう広言をしたか、その一節を申し上げておきますから、次官から法務大臣にお伝え下さい。「ソ連、中共の手先となって、わずかの金をもらって日本を破壊しょうとしている共産党や社会党のまちがいを自覚させ、」どうです、金をもらっておられますか。「社会党は、アメリカを日中共同の敵などといった浅沼稲次郎が死んでよくなるかと思ったら、佐々木という、政治なんかわかりもしない委員長が出てきた。あの秋田なまりだけはごあいきょうでちょっと可愛いところがある。」「むかしから悪党といって悪い仲間は党をつくるが、善党はない。」「選銀クラブは、この善人の党をつくろうとしている。」「選銀クラブが発足してわずか一年で一万六千七百人の仲間ができた。脱会者は一人もない。」そのはずです、脱会すると言ったら退学させられるから。「今の憲法は、憲法ではない。“犬”法である。」そのあとの「けん」という字はカッコして「犬」という字が書いてある。「まったくの詐欺文書である。」「総理大臣は天皇がお決めになるもので、国民には誰が適任かわかるものではない。そのために悪い政治家がはびこっている。」佐藤栄作君もどうもその一人に考えられているようであります。「私たち選銀会員は、天皇を元首にお迎えし、いまの詐欺憲法を焼いてしまおう。」ざっとこんなところですが、石井法務大臣によく言っていただきたいと思います。 次に、国士館からの報告文書を文部省からいただきました。その中に問題がありますが、「鶴川分校の現状」というのがあります。この鶴川分校は、文部省で視察に行かれたことがありますか。
○犬丸説明員 これは大学設置審議会と私立大学審議会という設置認可の際に審査をする審議会がございまして、その審議会の委員が認可にあたって視察に参りまして、その際に文部省の担当官もついていっておりますので、おそらく鶴川分校にも参っておると思います。
○志賀(義)委員 あなた方のほうからきた報告書に、「同校舎は、約七〇〇坪を教室として使用しており、その他は食堂、風呂場等を施設して学生の便を図り宿泊施設として使用している。」こういうふうに出ております。ところが、ここは教室として使ったことがない。それで、いまあなた方が言われる視察に行かれたときに、そこに宿泊している学生に全部荷物を持たせて移しているといわれていますが、あなた方はそういうことを知らないでこういう報告を出されたのか。
○犬丸説明員 この鶴川分校の校舎の問題でございますが、これは設置の認可の関係で、いろいろ複雑な内容をお話し申し上げませんと十分おわかりいただけないかと思うのでございますが、要点だけ申し上げますと、設置認可申請のときの計画よりも非常に大きな建物が実際に建ちまして、そのうちの七百坪だけを教室に使えば認可の際の基準を満たすということでございまして、これは私ども、設置認可の際に、建物につきましては原則として学年進行でつくることを認めております。初めから四年分つくらなくてもよろしい。それで計画書ではそういうふうに学年進行でつくるようになるのが通常でございます。ところが、学校側にしてみますと、資金のぐあいがいいときはその全体の計画を一挙につくってしまう、そのほうがいろいろ経営上の関係で有利であるということで、そういうことが往々にして行なわれます。この大学の場合にはそういうことをしばしばやっておられます。そしてこの場合も一挙に建ててしまって、そのうち七百坪だけがさしあたり教室として必要だ、残りの部分はまだあいておるのでその部分を宿舎として使った、こういう事実を私ども、報告を受けております。
○志賀(義)委員 あなた方の出された報告といまの説明と事実が違うのではないか、そこをもう少し調べてください。あなたの説明では、学校にだまされているおそれがあるということを言うのです。説明を求めているのではないのです。だから、もう一度調べられるかどうかということです。
○犬丸説明員 先般、資料を出すように仰せられたときに、実は私どもでそのときにすぐにわかっておった事実と、それからさらに詳しく事情を聞いてみなければわからない事実と両方ございました。さしあたりわかっておりました事実はいまお手元にございますような印刷物にして御報告申し上げたわけでございます。その後、学校側の協力が得られまして、私がいま申し上げましたような事情を聴取いたしましたので、いまその点を申し上げたわけでございます。
○志賀(義)委員 もう一度調べられるかどうかと伺っておるのです。
○犬丸説明員 志賀先生の御疑問となさっておられるような点につきましては、いろいろ事情をすでに調査してございますので、御必要とあれば御報告申し上げたいと思います。
○志賀(義)委員 次に選銀倶楽部のことについて横山館長代理は、朝日新聞三月十三日号に「選挙権銀行倶楽部は学生も当然持っている選挙権を有効に活用して平和日本を築こうというもので、加入しなければ試験を受けさせないというようなことは断じてやっていない。」と言っておりますけれども、先日写真を見せましたね。この倶楽部の会費を納めなければ受験証をくれない、こういうことがありますから、そういう点を文部省のほうでもう一度よく調べてください、というのは先日文書で照会したがまだ返事がない。必ず来るものと確信しておると言われましたが、確信どおり参りましたか。まだですか。
○犬丸説明員 ただいま仰せの選銀倶楽部の件につきましても、私ども大学からその後の報告をもらいました。それによりますれば、選銀倶楽部は、本来的に同志的な結合団体であって、そして大体学生会員よりも一般会員のほうが多くて、もちろん学生に対して強制的にそれに加入を命ずるというようなことはしておらないということでございます。それで志賀先生から写真を見せられたことも話しました。しかし、それは、ただそういう写真があったというだけでは——学校側としては全然そういう事実はやった覚えがない。そういう掲示を出した覚えもない。ただその写真については、どういう経路でどういうふうにして写された写真であるかということを伺わなければ、学校としてもお答えのしようがない、学校としてはそういう事実は全くない、こういうふうに言っております。
○志賀(義)委員 それではそういうふうに言っておることについて、あなたは先日写真を見せたとき、こういう事実があるとすれば、もう少しよく調べると言われましたが、それについてあなた方はどう判断なさるのですか。
○犬丸説明員 先生に見せていただきました写真も、その掲示板の下にまだ何か紙が張ってある。そういう写真でございまして、それがいつどこで、だれによって撮影されたかということもわかりませんので、私ども学校側に正式のルートで聞きましたことを一応信用するほかはないのではなかろうかということであります。
○志賀(義)委員 選銀倶楽部なんということはほかにはないのですよ。それから「革命は如何にして起るか」「日本はこうすれば立直る」というのは、柴田館長以外には出してないのです。そういうことであなた方が引き下がるようでは、今度の参考人によく聞きましょう。あなた方はあまり官僚的な言いのがれをされようとする。現に愛知文部大臣から言われて、選挙権銀行倶楽部を学校の構内に置くのはよくないというので、これを別に移した。そして、そのかわり日本政教研究所をつくって、そこではやっていない、こういうことでありますが、電話をかけてみますと、選挙権銀行倶楽部の事務はここでやっておりますという返事であります。そういう点について私はもう少しお調べなさいと言いましたが、それについて文書で答弁がありましたか。
○犬丸説明員 選挙権銀行倶楽部の事務所につきましては、大学側から文書によって答弁をもらっております。それによりますれば、事務所はやはりあくまでも学校の外にあるということ、そして構内にあるのは、いまおっしゃった政教研究所でございますが、これは選挙権銀行倶楽部よりも前からあった組織であって、それにつきましての詳しい規約等も書類としてまいっております。それによりますと、これは全く政治団体ではない、研究の組織であるということでございまして、一時その政教研究所に選挙権銀行倶楽部支部という看板を立ててあったので、これは非常に誤解を招くという私どもの注意もございまして、その看板は取りはずしておる。選挙権銀行倶楽部の事務はその政教研究所ではやっておらない、こういう文書での答弁がまいっております。
○志賀(義)委員 現に選銀倶楽部の会費を納めろ、それで受験証を渡す、こういうことを言われておる。そういうことをしたことはないと学校は答えておるのですか。
○犬丸説明員 会費未納のために受験停止というような処置をとったことはないとはっきり答えております。
○志賀(義)委員 きょうはこれで打ち切ります。文部省はあまりに誠意がないのです。何とかしてここを言いのがれればいい——。あなた方で責任ある答弁ができなければ、委員長、もう少し責任ある局長をひとつ今度ぜひともお呼びください。いままでの、ここに政府委員がおられる中で、一番不誠実で言いのがればかりしているのは、文部省ですよ。けしからぬですよ。この次は責任を持って局長をお呼び下さい。あるいは文部大臣を……
○坂本委員 議事進行。隣に局長来ているそうだよ。ここへ来ないのはけしからぬ。下っぱばかりよこして……。
○大久保委員長 本日は文教委員会に出席して答弁中であるということを、最初に了解を求めてきております。次会取り計らいます。
○志賀(義)委員 責任を持ってひとつお願いしますよ。
○大久保委員長 承知しました。 本日の議事はこの程度にとどめます。 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十三分散会