文教委員会 第10号
- 発言数
- 159 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1966/03/16
会議録
○八田委員長 これより会議を開きます。 国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。 質疑の通告がありますのでこれを許します。高橋重信君。
○高橋(重)委員 国立学校設置法の一部を改正する法律案を見せていただきまして、また先般文部大臣から趣旨の説明があったわけでありますが、そこの中で、特に私は学芸学部の名称を教育学部に改めることにつきましてお尋ねいたしたいと思うのであります。 まず最初に、学芸学部を教育学部に改めるにあたりまして、どういう目的を持ってどういう考え方で学芸学部というものを教育学部に改めなければならないか、その趣旨をもう少し掘り下げて御説明願いたいと思います。
○杉江政府委員 戦後における新学制発足当時におきまして学芸学部が発足したわけでありますけれども、そのとき考えられました学芸学部の性格としては、これは必ずしも教員養成をする学部ではなくして、人文、社会、自然の各般にわたって広い教養を積む、こういうふうな意味合いを持っております学部であったわけであります。そういう学部で教員養成も行なう、こういうふうな考え方で発足いたしました。この学芸学部は国公私立を通じて現在もあるのでありますが、国立大学においては教員養成の実を持っておったのでありますけれども、しかしそういうふうな考え方がやはりとられておりまして、教員養成だけをやるところではないのだ、したがって教員養成以外の教育もする。たとえば学芸課程を設けて人文、社会、自然の全般にわたる広い教育をする、そのための課程をもかなりの大学において設けられたわけであります。そしてまた学芸学士をも出しておったのであります。また公私立においてはこれはもっと-教員養成という実を持たずに、たとえば文学科とか理学科というものを学科として持っておる、教員養成というものはおもてに出てない、こういうふうな実際があるわけであります。要するに、学芸学部という学部の性格としては、教員養成をやるということがその本来の性格とは言いがたい、しかしその後の教育の実際を見ましたときに、ことに教員養成を主として行なっております学部のあり方を見ましたときに、そういう性格のあいまいさからほんとうに教員養成として必要な教育をすることが必ずしも行なわれていない。教育の側においても教員養成というその目的意識が必ずしも明らかでないし、また生徒の側においてもそういうふうな目的意識をつかんで勉学するという点に不足があったわけであります。また文部省といたしまして、この教員養成の重要性にかんがみまして教官組織を整備し、学科目を整備し、施設設備を整備しようといたします際に、その学部の目的、性格があいまいでありますから、何を根拠として整備するかという点については明らかでないことがいろいろな支障を生じたのであります。たとえば教官も一般に非常に手不足であります。しかし、教官整備の要求をいたしましても、その算出の基礎が明らかでないのであります。だから、多年この整備が叫ばれながらも充実できないままできた。学科目の整備も同様でございます。それからまた施設設備についても同様なことがあったわけでありますこういう現状にかんがみまして、やはり教員養成学部を大いに重視し、これの整備をはからなければならない。そのためには、やはり学部の目的、性格をもっと明らかにする必要があるということはかねてから関係各方面で主張され、そして三十三年の中央教育審議会においてもこの学芸学部の目的、性格を明らかにして、これを教育大学、教育学部とする、こういう答申があるわけであります。その後も教育職員養成審議会等において教員養成の整備充実のための審議が行なわれておりますけれども、やはりこの基本的な考え方の線に沿っていろいろな施策が考えられております。最近教育職員養成審議会から御答申いただきました教育課程の基準もやはり学芸学部は教員養成を目的とするという、そういうものとして、その上でどういう教育課程を組んだらいいかということを審議され、その御答申をいただいたのであります。私どもはこういうふうな中教審それから教育職員養成審議会等の御答申の上に立って今回各般の措置を進めているわけであります。 まずこの新しく御答申いただきました教育課程の基準によって本年度予算でやりましたことは、いわゆる教官の整備であります。教育課程の基準に基づいて教官のあるべき姿を考え、それを各大学の現状と比較しましてその不足を補うという計画を立てました。これはこの数年間に私どもの計画では四、五百名の教官増をしたいと考えて、その第一年次の要求をし、相当の成果を見たと私ども考えております。そういうふうなたてまえで、名称もその目的、性格を端的にあらわす教育学部にしたほうがよいではないか、こういうことを関係学部長、関係学長さんとずっと御相談してまいったわけであります。約一年にわたっていろいろな会合を持ちまして、名称の変更の問題その他の問題もあわせて御相談いたしてまいったのであります。その結果、大多数の大学においては御了承をいただきまして、ごく一部についてはまだ御了承をいただいておりません。それで今回は御了承をいただきました分につきまして、大学の御意向の線に沿ってその名称変更をしようとするものであります。
○高橋(重)委員 いま御説明を聞いておりますと、学芸学部では広く人文、社会科学等の教養を得て教員になるというだけが目的でなくして、広い視野を得さしめて、そこの中から教員をつくっていくのだ。そういう趣旨で発足したのだけれども、過去振り返ってみると、それが実際問題としては教育界へ人材を得ることができず、あるいは教官なりあるいは学生のほうにおいても、目的がはっきりしておらぬとかえって不安、動揺したりあるいは質的にも向上しない、そういううらみがあるから、いろいろな協議会とか審議会等を経まして、ここに名称を変えて名実ともにはっきり打ち出していく、こういう御趣旨だと思うわけでありますが、ここで昨年宮城教育大学というものが提案されたわけであります。私はそのときにも御質問申し上げたのですが、いま振り返ってみますと、学芸学部を教育学部にしたり、あるいは教育大学にしていくという、去年の宮城教育大学がそれのはしりではなかったかと思うのであります。しかし去年の提案の、あるいは答弁の内容等を見てみますと、ちょっといまの御説明とは食い違っておるところがあるわけです。なぜ宮城だけ教育大学を設けるかということに対して私どもが率直に質問したわけでありますが、当時の答弁がここに出ておりますが、いまの御答弁と非常に食い違っておるとお思いにならないですか。その点どうですか。
○杉江政府委員 私は食い違っておるとは考えておりませんが、それを私詳細に再読したわけではございません。しかし気持ちの上では同じだと実は考えております。 ただ当時におきましては一般に名称変更をする計画は、まだそのときには具体化していなかったわけであります。だから宮城大学をやるのは、とにかく私どもから変えたらどうかということを申し上げる前に、もう大学のほうでこうしてもらいたいという要求を出してこられた。そうしてそれは一般問題としてではなくて、そういった強い御意向に沿うて措置するという気持ちが私ども強かったのでありますけれども、しかしそういう強い御要求を私どもが受けましたのには、いま申し上げたような一つの考え方があって、やはりそういうふうに漸次向けたほうがいいという判断のもとにその御要望を受け入れたと私は考えております。その際の御答弁で御了承得られれば漸次そういうふうに切りかえていきたいということを確かに私申し上げたと記憶しております。 〔「そんなことはない、読み直してごらんなさい」、「絶対にやらないと言っておる。」と呼ぶ者あり〕
○杉江政府委員 ただいま速記録が手に入りましたので、ちょっとその部分について申し上げますと、私が答えました中で「学芸大学、学芸学部発足の当時におきましては、必ずしも教員養成のみを行なうものではないという考え方が強かったのでありますが、現実には教員養成を主とする実態を持っております。しかし、こういう名前が使われておりますために、教員養成の目的、性格を明らかにすることについての抵抗が現在あるわけでございます。しかし、教員養成の大学、学部を充実し、それに応じた教育を行なうようにあらゆる整備を行ないますには、やはりその性格を明らかにする必要がある。そういう観点から私どもはこれを教育大学、教育学部に改める方向のほうがよかろうと考えておるわけであります。そうしてこの点は、学長、学部長さん等の御意見もお伺いしている現段階においてはたいへん賛成の方が多いのであります。なおよく教育大学協会等の御意見もお伺いしながら、そういう方向に漸次持っていきたいと私どもは考えております。」これは宮城教育大学の名称変更の問題に関しての質疑応答の際に私がお答えした一節でございます。
○高橋(重)委員 おいおい深めていきたいと思いますが、そうすると、いままでの教員養成という立場に立った学芸学部というのは名称も好ましくないし、内容からいっても充実しておらなかった、だからこの際名称を変えて、そして内容、名称からいってしっかりした教員養成に踏み切りたい、かようだと思うのですが、現在学芸学部から教育学部に名称変更することによって、それぞれ学校ではトラブルを起こしている点もあるわけです。それは一体どういうふうに把握していらっしゃるのか。
○杉江政府委員 トラブルの起こっております大学によって、いろいろその反対を唱えられる方々の御意見は違うのであります。一般的に言いまして、反対の理由として、そういう名称を変更することによって、かっての師範学校タイプの教育を押しつけるのではないか、こういう御疑念から反対しておられる場合があります。それからまた、名称変更することによって、すでに教育学部という名前で教員養成を行なっている学部が相当たくさんあるわけでありますけれども、それらの教育学部は文理学部が片方にありまして、その文理学部に主要教科の教育をおんぶしているわけであります。そういう事情がありまして、この教育学部の教官定数は非常に少ない、いわば非常にかたわの学部であるといっても差しつかえないかと思います。そういうふうな状況でありまして、この教員養成をやっております教育学部はいろいろな意味で教官が不足しておる、学科目も少ない、したがってまた何かと小さいというようなことから、それとの対比で名称を変えると、すでにあるそういうふうな教育学部のようにされるんじゃないか、こういう心配が一つあるわけであります。それから師範学校タイプの教育を押しつけられるんじゃないかということの内容でもありますけれども、何か教育学部というふうに名称を変えると教員養成だけやればいいんだということになって、大学が本来持っている研究面がなおざりにされるんじゃないか、こういうふうな御懸念もあるように思われます。またもっと素朴に、多年使いなれてきた名前だからそんなものに変える必要はない、こういう御意見もございます。いろいろな御意見がありますけれども、大きくいって私はそういうふうに分けられるんじゃないかと考えております。
○高橋(重)委員 時間がありませんので文部大臣にお尋ねするわけですが、いまお話をずっと聞いておると、名称を変えるとかあるいは単一の大学にするとか、そういうことだけで教員養成あるいは教育界に人を得るという目的が達せられるというふうにお考えになってみえるのですか。その点どうですか。
○中村(梅)国務大臣 私ども実はいま考えておりますことは、名称の変更だけではなく、名称の変更に伴いまして教育職員の養成にふさわしい内容の充実をしていきたい、かように考えておるわけでございます。御承知のとおり昭和三十三年に中教審から、教員養成はいままでのような学芸学部のあり方でなしにもつと目的を明確にした組織にすべきであるという答申をされたのも、内容としては名称の変更だけではなく、あるいは目的の変更だけではなくて、その目的にふさわしい内容の充実をはかれということも含まれておると思います。続いて昭和四十年の六月に御承知のとおり教育職員養成審議会から建議がございましたが、この建議も単に名称の変更だけではなしに、目的を明らかにすることと、目的に沿ったりっぱな教員が養成されるような内容の充実をしろということにあったと思います。したがいまして、私どもとしましてはその方向に向かいまして、ここに学んだ者がりっぱな教育職員として完成されるような内容に充実をいたしまして教員養成の目的を果たしてまいりたい、こういうように考えております。
○八田委員長 ちょっと速記をとめてください 〔速記中止〕
○八田委員長 速記を始めてください。
○高橋(重)委員 それでは、大臣行かれてしまったので局長にお尋ねするのですが、私は、そういう名称なり内容なりを考えると同時に、別の面において、文部省としては教育界へ優秀な人材を集めるという点についてどんなお考えがあるか、どういう方法を考えてみえるかということをあわせてお尋ねしたいと思います。
○杉江政府委員 先ほども申し上げましたように、名称を変更すると同時に教官整備、学科目整備、それから施設設備の整備ということを今後、私どもの気持ちではこの際飛躍的に行ないたいというような気持ちをもって最善の努力をいたしたいと考えて茂りますが、そのほかの根本的な措置としては、やはり先生方の給与も引き上げるように努力をしなければならぬと思うのであります。それからほんとうに働きやすい職場をつくっていくという努力をする必要があろうと思います。 なお、優秀な学生を集めるという点においては、育英奨学の資金を大幅にふやしていかなければならぬと思います。戦前も大幅な給費制度がありました。いまあの形で給費制度を復活するということは私は必ずしも適当でないと思いますけれども、育英奨学の対象範囲を広げまして、多くの学生が育英奨学資金を受けられるような措置をしていきたい。今度も実は育英奨学の特奨のワクをかなり大幅に広げまして、育英奨学資金の増額については全体で約十五億近くふやしておりますけれども、その中でも教員養成の特奨のワクの拡大には非常な努力をしたつもりでおります。成果は必ずしも十分ではございませんが、その結果約四〇%が特奨の対象になるように措置したのであります。今後われわれも一そうふやしてまいりたいと思っております。まだいろいろあるかと思いますけれども、私が考えておりますことは以上のとおりでございます。
○高橋(重)委員 これで大体文部省が教員養成について基本的にお考えになっておるアウトラインというものがわかったような気がするのですが、私は率直に言いまして、文部省はあまりにも名称だとかあるいは形式とか、そういうものにとらわれ過ぎているのではないか。かりに学芸学部を教育学部にしてみたって、いまの各学芸学部のあり方からいえば、それはなるほど教育職員養成審議会の答申があったとか、中教審の答申があったとかおっしゃるけれども、学部自身からぜひ教育学部にしてくれ、こういう強い要求というものが生まれてきたのではないというふうに私は見ておるのです。というのは、私が知っておる範囲内においては、文部省から学芸学部を教育学部にするのだ、そういうふうに同調してくれ、あるいはそれに賛成してくれというやり方で、またそれに同調したり賛成しなければ予算面においていろいろ不都合が出てくるのだ、こういうことを私は聞いてまいったわけであります。ほんとうに学芸学部自体からきゅう然として全国的に沸騰してまいったということではなしに、文部省が一つの方針を持ってそれを押しつけていく、こういうところに私は問題があるのではないかと思うのです。 それでもう少し具体的に申しますと、これは全国の学芸学部が全部教育学部になったということですか。
○杉江政府委員 先ほども申しましたように、今回の名称変更は大学の御了承を得たものについてだけ行なっております。したがって御了承を得ない大学については名称を変更いたしておりません。具体的に申し上げますと、秋田大学の学芸学部、それから大阪学芸大学の大学名称と学部名称、それから東京学芸大学は学部名称は変更されましたが、大学の名称は実は先生御存じのように、東京教育大学というのが別にございますので、趣旨は賛成で、いい名前があれば変えていいのだけれども、どうもいい名前がないからちょっと待ってくれという御要望がありまして、東京学芸大学の大学の名前は変えておりません。その三つの大学だけは今回名称変更をいたしておりません。そのほかの大学名称及び学部名称は全部大学の御了承を得て変える措置をしておるわけであります。
○高橋(重)委員 そうすると数は少ないけれども三つ残った。三つ残った学部なりそういう大学は、あなたの説明からいえば、教員養成の内容を充実するとか、教官なり教科目を充実するという面からいって、名称を変えないところはどうなるわけですか。充実できないということですか。
○杉江政府委員 東京学芸大学は学部名称が変わっておりますから問題はないと思います。秋田大学の学芸学部と大阪学芸大学、この二つにつきましては今後の整備の基礎が薄弱になるという点が心配されます。しかし名称変更しないから何もしないというような立場はとりません。現に大阪の学芸大学については今度名称変更されませんけれども、私どもはあの大学については非常に力を入れております。養護教諭養成所をつくったり、定員をふやしたり、いろいろなことをいたしております。しかし今後の整備を大いにやっていこうとする際には、その基礎が薄弱であるという点について私どもは残念に思っておるわけでありますが、これらの大学については今後なおひとつ名称変更についても御納得いくように十分なお話し合いをしてまいりたい、かように考えております。
○高橋(重)委員 次の予定があるものですから、きょうはこのくらいで、あと一つ質問をいたしまして終わらしていただきたいと思います。 総括的に申しまして、ただ名称を変えてみたり、あるいは学芸学部を教育学部にしてみただけでは私は内容が充実できない、もちろんそういうことも大切であるかもしれませんが、もっとそれ以上に大切なことは、やはり教育者尊重の空気を、国民的世論を高めていかなければいかぬと思うのです。かつて戦争中あるいは戦前は、教育者に対しては相当の優遇をしておったわけです。もちろん師範学校に対するいろいろな見方がありますけれども、師範学校卒業生に対しては、国民の二大義務ともいうべき兵役の義務も五カ月短期現役兵ということで免除しておった。これは大きな優遇であるわけです。いまから見ればとうてい考えられぬような優遇をしておった。あるいは初任給におきましても各県ばらばらでありましたが、米が一俵七円二、三十銭するときに初任給が五十円内外であった。いまの米の価格でいうと、六千円としますと六俵ないし七俵取っておったわけでありますから、そういう面からいっていかほどに教育者を優遇しておったかということがわかるわけであります。しかしいまの文部省のやり方を見てみますと、まあ文部省だけに罪はないわけでありますが、大蔵省のいろいろな予算関係もあるわけですが、もう少し文部省が教育に対しての音一頭をとっていただいて、国民的な世論を高めていただいて、教育者優遇という線を打ち出していただく。そうしなければ、ただ単に名称を変えたくらいでは集まらない、私はそういうことが断言できると思うのです。そういう面に対しまして、たとえば初任給を引き上げるにいたしましても、あるいは旅費の面においても、あるいは超過勤務手当の面においても非常に欠けておるのではないか。これに対して一大発奮をしていただかなければ、私は教育界というものは優秀な人材が集まらぬと思うのでありますが、そういう点に対しまして、文部省としての決意を、文部大臣に承るのが本意ではありますけれども、局長としてあなたの決意のほどを承りたいと思うのです。
○杉江政府委員 おっしゃるところ、同感でございます。優秀な教員を確保するということは、私は教育の充実、発展のための根本だと考えております。それにはいまいろいろ不十分な点が多い。この点、私は文部省としても努力の不十分であった点を反省すべきだと考えております。これを改善するためにはいろいろな施策が必要だと思います。給与の改善等は私の局だけの問題じゃございませんけれども、やはり文部省として今後とも努力をいたさなければならぬ大きな課題だと思います。大学学術局といたしましては、教員養成という点については、いままでにも増して格段の努力を、ことしもしたつもりでございますし、今後ともするつもりでございます。 教師に対する社会的評価が不十分だという点は、私もおっしゃるとおりだと思います。その同じような考え方で現在の学芸学部を考えたときに、学芸学部は他の学部に比較して一段と劣っているような印象で考えられている。また学生もそういうふうな、何か劣った学部に入ったというような感じを持っている。この点は私は非常に大きな問題だと思う。そしてそれは教師の給与とか身分とかいうことが基本的な問題だと思いますが、同時に大学においてもそういうふうな印象を与えるようないろんな要素があるわけであります。たとえば、教官が他学部に比較して非常に手薄になっている。学科目も当然あるべきものが整備されていない。それから校舎などの改築も立ちおくれて、ぼろ校舎にいつまでもおる、設備も非常に不足しておる、そういう現実があるわけであります。これらは少なくとも、私はいまのような大きな観点から、いまのような点の飛躍的改善が絶対必要だというふうに思っている。しかし、それを進める上において、やはりこの学部は何を一体するところなのか、どういう人を養成するところなのかということすらはっきりしないようでは、それらの整備の基礎が薄弱になる。そういうことで、いままで整備がおくれてきた点も多いのであります。そういうことで、決して学部の名称で事足りるという考え方は持っておりません。これを一つの契機にするというか、一つの旗じるしにする。そういうことでほかの実をとりたい、実を整備していきたいというのが私の気持ちであります心今後御趣旨に沿って十分な努力を続けたいと思っております。
○高橋(重)委員 まだこの法案については、後ほど質問いたしたいと思いますが、とりあえず次に予定もありますので、ここで法案に対する質疑は打ち切らしていただいて、教育行政一般についての質問を続けたいと思います。
○川崎(寛)委員 関連して……。いま局長は、一年ほどにわたって各大学の学長なり、学部長と話し合いをさせてきた、こういうふうに答弁をされたわけですね。そうしますと、それは大体どういうスケジュールでやられてこられたか。ちょっとこまかい経過を振り返ってみていただきたいと思います。各関係大学に正式に話をしたのはいつですか。
○杉江政府委員 私も大体のことは承知しておりますが、詳細なところは、むしろ課長から具体的に申し上げたほうが確かだと思います。課長から説明させます。
○安養寺説明員 お答え申し上げます。 昨年の一月の下旬に教員養成関係の大学の学長及び教員養成関係学部の学部長にお集りをいただきまして、四十年度政府予算案に盛り込まれました教員養成学部の整備充実計画の説明をいたしたわけでございますが、その際に宮城教育大学設置に関連いたしまして質問もございましたし、文部省としての考え方も御披露するというようなことがございました。それを契機にいたしまして、いろいろな会議で、ひとつこういう問題を内容に含めて考えてみたらどうかということを申し上げたのであります。それで同月ほとんど同じ時期に学長会議のほうにも非公式に御懇談という形で何名かの方々に当面の教員養成の学部をめぐる諸問題ということを御議論いただきまして、義務教育教員養成の体制としてまことにまだまだ整備を必要とするのではないかというようなお話を申し上げ、御協力をお願いしたわけであります。その後教育学部の学部長会議、学芸学部の学部長会議学芸大学、これは宮城教育大学も参加したわけですが、これの学長会議、そういうようなものがそれぞれございまして、文部省も招かれてそこへ参りまして、今後の教員養成学部の組織、これの整備計画、こういうものをいろいろと年次的に将来にかけてやりたいというようなお話を申し上げ、かつ各大学とそれぞれ御相談申し上げたいというよ、うなお話がこもごも出たわけでございます。そういうことを経まして、大体今回法案にごらんいただきますような形の学部の名称の変更の件あるいは政府予算案にございますように、教員養成大学学部あるいは付属学校等々の諸整備、改革、拡充、そういった一連の問題をまとめておるというような経緯でございます。
○川崎(寛)委員 よくわかりました。そういたしますと、昨年の一月にそういう大きな全般的な方針については話し合いをした。そうしてそれぞれ関係の学部長、それから学芸大学、教育大学の学長に話し合いをして、ことしのような形に持っていくことに話し合いがつき、スタートした、こういうことになるわけでございますね。それに基づいて当然に四十一年度予算案については方針がきめられると思うわけですが、その予算の編成、つまり、この名称変更あるいは教員養成関係学部の組織整備についての予算がきまったのはいつですか。
○杉江政府委員 まず最初は五月に例年行なわれております国立大学の事務局長会議に予算編成の大綱をお示しし、御説明しておるのですが、その際に明年度予算編成の基本方針について、名称変更も含めまして申し上げております。その後いろんな機会に名称変更を含めた全体的な制度の問題についてお話し申し上げております。
○川崎(寛)委員 よくわかりました。そこで私が昨年この国立学校設置法についてお尋ねをしたときに――先ほど高橋委員のほうから御質問をされて、いや、これは一年間にわたってやってきたのだ、こういうことで御答弁になった。その答弁の食い違いについて高橋委員からも御指摘があったわけですけれども、それを具体的に私はいまその進めてこられた一年間の経過の中から、昨年の本委員会における答弁について、大臣並びに局長の責任を問いたいと思う。それは昨年の三月二十四日でしたか、国立学校設置法が本委員会において可決になっておるわけですが、三月二十四日委員会でこの問題を質疑をしたときには、当然に先ほど課長からこまかに説明があったように、昨年一月下旬に関係学部長あるいは大学の学長に対して明確に方針が示され、相談をされておったわけですね。ところが宮城教育大学の問題を質疑をしましたときには、そうは答えていないのです。先ほど局長が答弁をされたのは、それは宮城の教育大学の問題についての御答弁なんです。 ここで私は具体的に議事録を取り上げてみたいと思うのです。こう言っておるのです。いろいろと私が質問をして、「そうすると、この東北大学の例にならって将来進めようとする計画がありますか。」三月二十四日ですよ。「杉江政府委員 いまのところ考えておりません。」いいですか。「いまのところ考えておりません。」私は、政府側の答弁がいつもその委員会限りだということを、前会の委員会の国立養護教諭養成所設置法の問題のときにも指摘しました。出てきておるんです。そしてさらに愛知大臣に質問をいたしております。私が「師範教育への復活であるかということについて繰り返し繰り返ししっこくお尋ねをしておるわけですけれども、そうした旧制師範学校的なものにするものでない、また今日の教員養成関係大学をそうしたものに持っていくはしりでないという点について、文部大臣は確信を持ってお答えできますか。」文部大臣は、「これが新しい一つのやり方になるというものではない、こういうふうに御理解を願いたいものと思います。」こういうふうに答弁をしております。つまり局長は「いまのところ考えておりません。」なるほどその時点においてオープンにはなっていなかったかもしれない。だから「いまのところ考えておりません。」という答弁で逃げたと思う。しかしそうじゃなくて、具体的には、私たちは、繰り返し、この宮城の問題はこれがはしりであとずっとつながるんだ、こういって繰り返し繰り返しやっておるし、それに対して局長なり大臣は、そうではないんだ このときに金沢ともう一つ二つちょうどあのとき日程にのぼったのがありましたので、この点も質問しております。あのときはあれは消された、一応計画からはずれたわけですね。こういうふうにそのとき言っておきながら、実際には、事務当局は一月の下旬に答申がおりて進められておるわけです。何度この委員会で質問をしているんですか。委員会の質疑に権威がないじゃないですか。全くごまかしですよ。あなた方が答弁をする「いまのところ考えておりません。」という、その時間を限ったそういう詭弁でやるということは、私は文部省として許せない。ところが、現実には事務当局のほうでは進めておるわけでしょう七私は、この法律案は、だからそういう意味で簡単にあげるわけにいかぬというわけです。どうですか。
○杉江政府委員 その速記録は私いま手元に持っておりませんので、正確なお答えはできませんけれども、私の記憶では、そのお答えは、宮城教育大学のように総合大学の中にある教員養成の学部ないし課程を分離独立さして単科大学をつくるということは考えておりません、これを先例としてほかでやる、こういうふうなことは考えておりませんとお答えしたような記憶でございます。もしそうでないということになれば、私が先ほど申し上げたようないろいろな手続は、これは当時においては御相談申し上げておるととろであります。具体的にはこういうふうにするというような方針を打ち出してはっきり明示したということではございません。私どもはこう考える。しかし、これは皆さんの御納得がいかなければできないことでございますので、そういうふうな全体的整理の一つの旗じるしとしてこうすることが適当だ、どうですかという御相談をしておるところでありましたから、そういう御答弁をしたかと思いますが、私は、むしろ私の記憶では前者の意味でお答えしておると理解しております。
○川崎(寛)委員 教員養成大学、学部整備五カ年計画というものが去年出された。そしてその当時それをずっと検討された。そして私たちが質問しておるのは、何も総合大学を分離して単科大学に――一つしかないでしょう、東北大学しか。全然詭弁じゃないですか。だからこういう関連の中でこういう問題が金沢大学とそのとき問題が出ておったんだから、将来学芸学部の問題はずっとやっております。リベラルアーツの問題もやっております。それらの中でこういうふうにいたしまして、だからわれわれは賛成できないということで反対をした。そして、そういうふうにしてあなたはいまのところ考えておりませんと言いのがれた。それをいまになったら、宮城だけの問題で、総合大学の中から引っ張り出して単科大学をつくるという考えはないんだという答弁だったと思う、こういう言い方は詭弁です。愛知文部大臣もずっとそういう答弁をるるされておる。なぜそのときに教員養成大学、学部充実五カ年計画の中で、具体的にこうして大学学部長なり学長なりに名称の変更についても、あるいは組織整備のためにこうしたいと話し合いをしておりますと、なぜはっきり言わなかったのですか。言いのがれじゃないですか。
○杉江政府委員 速記録を手にしておりませんので、私答えられないわけですけれども、当時、上村委員に対するお答えとして、先ほどお読みいたしたような考え方を表明しておるのであります。だからもし先生のおっしゃるような意味でお答えしたとすれば、すぐ別な委員に違ったお答えをすることになるわけなので、そういうふうな気持ちでお答えした記憶はないのであります。はっきりそういうふうな教育大学、教育学部に改める方向がよかろうと考えておるわけです。そうしてひとつ今後も御相談していきたいと言っているわけなんです。だから先生のお答えに対して、私、その前後の記憶ははっきりしませんけれども、私の受け取り方は、少なくとも総合大学のうちの学芸学部を単科大学に分離するというようなことを今後引き続いてやるかという御質問のように受け取ったわけなんです。それではそういう問題がないかというと、当時――いまでもうずいているところはあるんですよ。それは非常に基本的な問題なんで、だからそういったところも宮城教育大学のようにやるかという点については、私はいま考えておりません。正直なところ、あの当時も考えておらないし、いまも考えておらないのです。そういう意味で申し上げたと私は記憶しております。
○二宮委員 関連して。この問題についての見解は、私は相当対立をしておると思うのです。文部大臣はおかわりになったのだけれども、局長はそのままいらっしゃるわけです。この法律案を通すために、自分の都合のいいような答弁の速記録だけを課長のほうからメモでもらってそれを答弁するが、私どもが昨年から一番心配しておったのは、やはり従来の、二十年前の非常に弊害のあった師範教育というものの復活の意図があるのではないかということで、昨年はずいぶん時間をかけてこの問題について論議を集中したわけです。その結果が私どもとしては、いま川崎君が言ったような見解に達して、そうではないということを理解をして、あの問題は法案をあげるということになったわけです。だから要望しておきたいが、大臣もこういう問題に関連の法案が出た場合には、これに関連して前の国会ではどういう論議がされたのかという点について勉強してもらいたいと思う。それから杉江局長も自分に都合のいいところだけを速記録を読むのではなくて、全部の速記録を一ぺん読んでみる。そうしなければこれはまた防衛問題と同じで、十三項目、食い違いをあげて、一ぺん答弁を求めなければならぬことになる。あれだけ時間をかけてもなおあれだけ意見の食い違いがあるとすれば、もう少し詰めて真剣に審議をしなければならぬということをいままでのあなたの答弁を聞いておって私は感ずるのです。非常に意思の疎通を欠いて、あなたは一方的に自分に都合のいい解釈をしておる。だからいまにして考えれば、非常に委員会の審議の時間が足らなかったということになるかと思われる。いまのような違う御答弁を繰り返される、あるいは文部大臣も速記録を読んでおらぬと思うが、文部大臣も一ぺん読んでみて、それに関連した問題で統一した意見を出してもらわないと、この法律案はほんとうに慎重審議をしなければならぬという段階になろうと思うのです。実は私はきのうもちょっと杉江さんに連絡をとったときに、確かにあなたは昨年そう言いましたよと言ったら、あなたは、言っておりませんとやはり同じようなことを言っておる。ところが速記録はちゃんと文章になって残っておるのだから、少なくとも全部読んで――これは国会の審議を権威づけるということに大きな意義があろうと思うのです。その場過ぎればどうにでもなるのだというそういう行き方を、従来政府はどうもとりがちな傾向がある。悪いくせですから、これはひとつ文教委員会から直してもらって、いまの対立点は残してもらって、時間がないから次の問題点に移ってもらってもいいですが、いまのような真摯な態度で取り組んでいただきたい、そういうふうにひとつお願いしたいと思うのです。大臣趣旨は御了解いただけますか。
○中村(梅)国務大臣 私も実は昨年の速記録も一通りは拝見いたしましたが、その当時、昔の師範学校に戻るといいますか、ああいう姿になるのじゃないかという疑念のもとに繰り返し御質問があり、まあこれに対して当時の当局も、現在の私どもも、昔の師範学校のような姿には絶対する考えはありませんし、そうじゃなくて、やはりいまの時勢に適した大学教育としての教員養成をやっていきたいということで、昔の教員養成のような姿は毛頭考えておらないわけでありますが、当時もこれを繰り返し質疑応答が行なわれてきたようであります。いま川崎さんから御指摘のございました宮城教育大学を、これをはしりとして、これに将来右へならえするようなことはないのかという御質疑に対する答弁ですが、これは確かにほかの部分をずっと読んでみますると、上村さんの質問や何かに対して、教員養成大学、学部については目的を明らかにするような方向で目下検討しておる、考えておるということは言っておるのでありますから、どうもそこが川崎さん御質問された場合のと、ほかの方の御質問とが、そのまま、文章のまま受け取ると食い違いがあるようであります。したがって、私は部内ですから好意的な考えになりがちでありますが、公正に考えても、違う趣旨のことを同一の委員会での御質問に答えるはずはないのですから、やはり総合大学を分離するようなことをするのかと、こういう趣旨に受け取られて、そういうことは考えておりませんという御答弁であったと思うのであります。この点は今後とも十分注意をいたしまして、前国会あるいはその前の国会等における政府側の答弁、言い分と、現在とに食い違いが生じないように、この点については最善を期してまいりたいと思います。 なお一言つけ加えますと、この問題は昭和三十三年に中教審から教員養成はこういう姿であるべきであると目的を明らかにして、教員養成の大学あるいは学部はすっきりさせた姿で十分の教職員養成をはかるべきであるという答申がありまして以来、おそらく文部省としては、しからばこの答申にいかにして沿うかということについては研究をされてきたと思うのです。しかし、大学の現状、文部行政の現状から見まして、文部省がどう思ったからといって、あるいはどういう答申や建議を受けたからといって、大学との十分な連絡や下ごしらえなしにスタートするわけにはまいりませんので、自来おそらくいろいろな検討を続け、さらに教育職員養成審議会でも引き続き並行して検討されてまいり、そして各大学の意向も聞き、大学が自主的にそういうふうな姿になったほうがいいという意思決定をしたところについて、これを取り上げていく。そしてまた予算化もはかっていく。予算化につきましては、いま考えておりますように、教育職員養成は、十分に教育職員養成の目的を果たすような内容を充実した学部にすべきである、あるいは教授の配置等についても考慮すべきであると考えましても、予算はやっぱり予算要求をいたしましてから仕上げがつくまでは、はっきりこういたしますとは、文部省限りでは言えないことでございますから、そういう点は一省だけで最終的な結論を非常に出しにくい今日の政府の機構であります以上は、いたしかたないわけでございますが、おそらくこの考え方は昭和三十三年の中教審の答申以来研究をされたことで、そして昨年だんだんと結論を得、それから昨年教育職員養成審議会の結論も出て、建議を受けて、そこで初めて予算要求、こういうことになったものと考えますので、若干、速記録を通しまして、見方によっては食い違いの点もあるかもしれませんが、今後われわれとしましては、十分そういうことのないように、最善の注意を払ってまいりたいと思いますから、どうぞひとつ本法律案につきましては、十分の御審議をいただきたいと思います。 ――――◇―――――
○八田委員長 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際お諮りいたします。 公立学校共済組合に関する問題について、本日公立学校共済組合理事長田中義男君、公立学校共済組合監事赤堀正雄君を参考人としてその意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 次に質疑を行ないます。質疑の通告がありますのでこれを許します。高橋重信君。
○高橋(重)委員 私はこれで四度になるわけですが、公立学校共済組合の八十五万組合員が非常に関心を持っております教職員宿泊所の買収をめぐりまして、特に岐阜県で起きました岐山荘の敷地問題につきましていままでお尋ねしてきたわけでありますが、最初は、二月の十六日にここで第一回の質問をしたわけであります。その当時は、警察当局が捜査の段階にあるがゆえに詳細は報告できないという答弁でありまして、その後二十三日、二十五日と、きょうで第四回目になるわけですが、本日われわれの手元に監事監査報告書、これが渡されたのであります。私はこの監事監査報告書に基づきまして、順を追うてそれぞれの関係者の方々にお尋ねをいたしたいと思います。 まず最初に、昭和四十一年三月十二日、公立学校共済組合理事長田中義男殿として、公立学校共済組合監事赤堀正雄、監事成田喜英、監事西川昭、こういう三人の監事の方から監査報告書が出ておるわけでありますが、前文を読んでみますと、「この度、岐阜支部宿泊所「岐山荘」の移転用地買収手続に関し、不正な事実があるとのことで、国会で問題になり、また、新聞紙上でも取り上げられたので、監事として事実の経過を調査のうえ、組合員に報告する必要を認め、三監事による合同監査を実施しました。よって、公立学校共済組合監事監査規程第十条第一項に基づいて、次のように報告します。」こういう前文がついておるわけであります。私はこれを見まして、監事の三名の方々の名前が連ねてあるわけでありますが、普通の常識から言いますと、こういう監査報告をする場合には必ず署名捺印ということがあるわけであります。これは署名捺印がないわけでありますが、ほんとうにこの三人の方々は了解をしていらっしゃるのかどうか。了解していらっしゃるならなぜ捺印をされないか。もう少しこういうものは権威のあるものではないかと思うのですが、その点につきまして常勤監事の赤堀正雄氏にお尋ねをいたしたいと思います。
○赤堀参考人 お答えを申し上げます。 この三名の監事はいずれもこの内容につきまして十分了承しております。そしてこのような形で理事長に報告することにつきまして異議がないということになっております。この捺印をしてございませんのは、私を除きまして二名ともその内容をただいま申し上げましたように了承しておりますし、常勤でございませんので、直ちに捺印を求めるということができなかったために、しかも一日も早く理事長まで報告をしたい、こういう意図のもとに措置したものでございます。
○高橋(重)委員 私ちょっと聞きそびれたので、なぜ判を押されなかったのかという点をもう一度……。
○赤堀参考人 私を除きまして二名ともこの内容について了承しておりましたし、理事長に報告することについても異議がないということでございました。それから一日も早く理事長に報告をしたい、こういう念願でこのような措置をとったわけでございます。
○高橋(重)委員 一日も早く報告するということはよくわかるのですが、やはりそれぞれ承認したという意味で、あるいは責任をとるという意味で、手続として当然捺印のあるのがしかるべきだと思うのですよ。そういう点に対して私の不満を申し上げるわけです。 そこで、文部大臣並びに理事長にお尋ねするのですが、理事長はこの監査報告書を受け取られてみえるわけですか。
○田中参考人 受け取りました。
○高橋(重)委員 文部大臣はどうですか。
○中村(梅)国務大臣 きょうこの報告書の写しを事務当局から配付を受けまして、いま読んでおるところであります。 〔「監査報告書はきてないよ」と呼ぶ者あり〕
○高橋(重)委員 監査報告書をなぜ配付しないのです。あなたは、来て配付すると言ったでしょう。――いま私は監事監査報告書について申し上げておるのですが、この件につきましては理事会ではかっていただいて、そうして出していただくというわけで委員部を通じてお願いしたわけです。それで当事者の赤堀さんのほうからも私の会館に見えまして、こんなような報告書では不満だろうがこれでよろしいですか、全部に配ってみてもあまり効果はないがというような意見だったと思うのです。しかし全部に配ってくださいというわけで監事のほうに私はお願いしたわけです。早急に配ってください。委員長、暫時休憩してこれをすぐ配っていただきたいと思います。
○八田委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○八田委員長 それでは速記を始めて。
○高橋(重)委員 それでは続けます。 監事監査規程第十条第一項に基づいてこの監査報告書ができておるわけですが、第十条第一項を見ますと、「監事は、監査を行なったときは、すみやかに、その結果を文書又は口頭で理事長に通知するものとする。」第二項は、「監事は、監査の結果組合の業務の運営上改善を要すると認める事項があるときは、理事長に意見を述べるものとする。」というふうに明記してあるわけですが、この監査報告書を見ますと何ら意見もついておらないわけです。ただ事実を認定しておるだけであって何ら意見書がついておらないわけでありますが、監査後の処置として、組合の業務の運営上改善を要すると認める事項があるときには意見を述べるものとするというふうに書いてあるにもかかわらず何ら意見を付せられない、所見がないということは、少なくとも私がこの国会の場において三回にわたり一きょうで四回でありますが、いろいろな角度から御質問を申し上げ、御答弁を願ってきて、また全国八十五万の組合員に対していろいろな疑惑を持たれておる。だから常勤監事の赤堀さんをはじめといたしまして、御三人の方々がわざわざ現地まで出向かれて監査してみえたにもかかわらず、何らの意見書をつけておらない、これではたして監事としての責任をあなたは果たしていらっしゃるのでしょうか。私はその点について非常に不満を持つ者であります。監査規程にもはっきり明記し、あれだけ全国的にも報道され、問題化されておるにもかかわらず、改善を要する必要ありやいなやくらいのことは当然わかるわけであります。このことについて何らの所見もついておらない、監査としての責任をどうお考えになっていらっしゃるか、義務を果たしてみえるか、こういう点につきまして私はあなたにお尋ねいたしたいと思います。
○赤堀参考人 お答えを申し上げます。 普通の場合でございますと、ただいま御指摘のとおり、監査をしてその事実に基づきましてしかるべき見解、意見を出すのが従来の例でございます。今回の場合は、先ほどお話のございましたように、何回かの御質問によりましてもまだ事実があいまいである、不明である、そういうことでございましたので、私どもは三人の監事が偏見に基づくことなく自分の目で事実を確認することがまず先決であろう、さように考えまして現地へ行って、この報告書の中に盛られましたような事実を確認した次第でございます。当然この事実に基づきまして法律的な判断を要するものはまた法律的判断をしまして、今後どうあるべきかということについて私どもなりの意見を申し上げるのがほんとうでございますが、御案内のように最も法律的な判断を下すべき点につきまして、一方捜査機関において捜査が進められておるというように伺っておりますので、今回は異例に属しますが、法律的判断をいまの段階では下せない、とりあえず事実点だけを御報告する、こういうように三人の監事の間で意見が一致しまして、このような報告になった次第でございます。
○高橋(重)委員 事実があいまいな点があるから、はっきりしないから、法律的な判定が下せないから、それで意見を出さない、こういうふうに御答弁願ったわけですが、少なくともここへ書かれたことはほんとうでしょう。事実ははっきりしておるのでしょう。
○赤堀参考人 この中に書いてあることはすべて三人の監事が自分の目で見、あるいは耳で聞きまして確認したところでございます。ただ捜査機関によって押収されているというような点につきましてはもちろん別問題でございます。
○高橋(重)委員 理事長にお尋ねしますが、監査した場合に、監査規程にも、口頭であるいは文書ですみやかにしなければならない、また意見を付しなければならないとある。こういう事実を認められて何ら監査報告に所見がないということに対して、理事長としてはいまの説明で納得できますか。いまの説明というと事実があいまいだ、だから法律的な見解を述べることはできないんだ、そういう説明で理事長は納得できますか。
○田中参考人 監査規程には、お示しのようにはっきり意見を述べるものとするとございます。したがいまして、普通の場合でしたら、さっき監事が申しましたように、監査の結果に基づいてしかるべき改善等についての意見は申し述べるべきだと思います。ただ、現実のこの問題につきましては、いままでしばしばこの席でも問題になりましたような点について事実不明な点もある。そこで緊急、事実についての確認をしようということが主になって監事の方々は現地に行ったと私も承知いたしておるのであります。その結果、見て来、聞いてまいりました範囲ではっきり今回いたしたのがこの報告だと思っておるわけであります。ただ、意見等につきましては、ただいまも監事の話がありましたように、事は法律解釈、法律に基づいてその善悪正否を判断しなければならない非常な重要な問題をかかえておるように思います。その点について司法当局の捜査もすでに始まっておって、そのほうの見解がいずれはっきり出ることだと思いますので、それに基づいてわれわれとしても判断しよう、こういうことで私はついておらぬものと承知いたしておりますので、やむを得ないことかと私もいま思っております。
○高橋(重)委員 私はそういうお考えではいかぬと思うのですがね。と申しますのは、監査というものは、ここにも出ておるように事実これだけ認めてみえたわけです。だから、法律的にどうのと言うのなら、これは警察当局のおっしゃること、あるいは検察当局のおっしゃることであって、あなたのほうが、法律的にこれが犯罪になって、その結果を待たなければ意見書が付せられぬ、そういうものじゃないと思います。あなたのほうの運営ということははっきりして、公立学校共済組合定款というものがあるのだから、それに基づいてものさしをはかる、あるいはその窓からこの事実をどう認定していくか、これが監事の仕事であって、捜査当局の結果を待たなければ監査の意見が出せない、そんなことがどこにありますか。このことにつきまして法的に明るい文部大臣は監事を任命していらっしゃるのですから、弁護士をやってみえる文部大臣でありますから、私はそういう点についてはっきり大臣から意見を聞きたい。
○中村(梅)国務大臣 私もこの監事三名が現地に参りまして調査をされました内容をただいま精読をいたしたわけでございますが、問題は、坪二千円かに該当する差額の金が一体どうなっておるか。これは、証憑書類はいま警察に押収されておるので、差しあたり関係者から聴取して、そのうち幾らは利子に使った、幾らは謝礼金に使った、あるいは幾らはどういう預金になっておる、こういう事実だけ調べてきたようでありますが、はたしてこれが説明のとおりかどうかは検察当局が押収しております証憑書類等を対照しませんと最終的には明確にはならないと思います。そこで、この監査報告書は、文章では監事監査報告書とありますが、本質的には監事が現在の段階において実情を調査した監査中間報告ということだと思うのです。そこで、監事の立場からすれば、現状はこのようになっておりますということを、一応明らかになった点を報告し、追ってそういうような全貌が明らかになったときに最終的な監査報告を出して、これに監事としての意見を付する、こういうのが順序であるためにかような結果になっているんじゃないか、私はこう認識してこの書類を読んでおったわけでございますので、私どもの立場から言いましても、監事としての責任の地位にある人は事態の全貌が寸分間違いないという最終的な確認ができた段階においては、少なくとも監事のこれに対する、不都合ならばどういう点が不都合で、今後どういうふうに本部としては、組織なり制度なりあるいは取り扱いなりを改めるべきである、あるいはだれかがどうもこういうふうにけしからぬというようなことを、十分に意見を付して提出を願いたいものだ、こう私自身も思っております。
○高橋(重)委員 そうすると、所見というものがいつつけて出される、その見通しはいつですか。
○赤堀参考人 現在の段階でいつごろまでということはお答え申し上げかねますが、ただいま大臣からお答えのありましたように、そのように三人の監事は考えております。したがいまして、できるだけ早い機会にあいまいなものを残すことのない、そういう段階におきまして私どもの意見を提出したい、このように考えております。
○高橋(重)委員 大臣の御説明も、いまの答弁も、これは警察当局がいま書類送検しておるわけです。検察庁にいって不起訴なり起訴になる、あるいは裁判になる。それではっきりするまでは相当の時間がかかると思うのです。私は、いま緊急事態だと思うのです。これは全国で問題になり、特に公立学校ばかりでなしに、国家公務員共済組合もいま五人も六人も逮捕されておる。共済組合に対しては、非常に関心を持っているわけです。一番大きい教職員八十五万の組合は特に教育関係であるわけですから、そういう点一日も早くしていただかなければならないのですが、いまの話を聞いておると、期限はいつごろやらわからぬ、裁判の結果だ、こういうことになるわけです。それでは、何のためにわれわれここで緊急事態だといって取り上げて審議しておるかわからぬと思うのです。その点、どうでしょうか。一日も早く、組合員の不安なり動揺なり疑惑を解消してやる、こういう立場からいって、それでは私は、監事あるいは文部大臣としてのそういお考えでは納得できないと思うのです。
○中村(梅)国務大臣 この書類を見ましても、事態が明瞭になった部分があるわけです。このこと自体からいいましても、いろいろ問題点があると思います。したがって監事の方々に、私ども、監事は監事の権能がありますから指図はいたしかねますが、すべての点について問題が明瞭になってから、監事の監査報告に対する意見を付するか、あるいはこの段階でわからないところはわからないでよろしいが、わかった部分だけを土台にして、そして中間的な監査意見をつけるかという問題があると思います。こういう点につきましては高橋さん御指摘のとおり、できることならば私どもの希望としては、監事の諸君でこれは合議されなければできないことだろうと思いますが、合議の上できるだけ早い機会に、最終的なものが延びそうならば中間意見でも付してもらうことが、本部としてもあるいは監督官庁である文部省としても好都合かと、かように考えます。 〔委員長退席、谷川委員長代理着席〕
○高橋(重)委員 いま文部大臣から答弁がありましたが、監事のほうは早急に、中間報告でけっこうですから、それに対して意見を付して、わかったものだけでも、私は意見をつけるのが当然だと思う。全部が全部きちっとせよと言うのではないのでから、わかったものだけでも意見を付するということが親切なやり方じゃないかこれが組合員に対して忠実なやり方だとあえて私は強調しておきますので、一その点なるたけ早くやっていただきたい。 次に続いてお尋ねいたします。順を追って申し上げますと、一番の問題は、昭和三十八年九月手付金を打ち、十二月に七千円で買い、本部からは昭和四十年に一千五百万円の金を受け取って、その差額金三百二十万円あるわけでありますが、この三百二十万円の金の内訳を、いろいろこの報告書あるいは警察当局が新聞談話を発表いたしましたその内容に基づいて内容を調査いたしますと、結局三百二十万のうち、借り入れ利息が百五十二万、登記手数料が十万四千円、まあ十万円ばかり。謝礼が二十八万円、食糧費が十九万円、減歩補償が九万八千円、地主への還付金として四十八万円等になっておるわけでありますが、現在手元に残っておる金は幾ら残っておるのですか。監事にお尋ねします。
○赤堀参考人 この報告書の終わりから二枚目の裏側をごらんいただきますと、「残額は定期預金一口五十万円、一口三十万四千七百一円、普通預金二十三万五千百六十九円(昭和四十一年二月十九日付け、利息収入二千五百二十九円を含む。)」こういう形で保有されておることが、私と一緒に参りました西川監事が直接銀行に参りまして確認したところとなっておるわけでございます。これが残額である、こういうように支部長以下が言われる。そうして、これがこのような形で保有されておることがわかりましたので、そのようにいたした次第であります。
○高橋(重)委員 そうすると、大体百四万円ぐらいになるわけですが、その金が残っておる。これは支部長も認めておる。この金は定期預金というように書いてありますが、一体全体、これはだれの名義で預金されておるのですか。
○赤堀参考人 私、直接見ておりませんでしたけれども、おそらく伊藤一郎氏の名義になっておるかと思います。
○高橋(重)委員 それは公立学校共済組合岐阜支部長伊藤一郎の名義か、公的な名義か、個人伊藤一郎の名義か、どちらですか。
○赤堀参考人 この席で、私直接見ておりませんので申し上げかねますが、伊藤一郎名義になっておるということだけは西川監事から伺っておりますが、それ以上これがいまお話しのように個人であったか、あるいは公の立場であったかということについては、直接聞いておりません。
○高橋(重)委員 理事長にお尋ねしますが、この百四万という金は共済組合本部の日常の預け入れをする通帳の中に入っておるのか、個人伊藤一郎の名前になっておるのか、それはどちらですか。あなたのほうの名前になっておるのか。
○田中参考人 これは本部の帳簿に載っているものではないと考えます。
○高橋(重)委員 そうすると、本部の帳面に載っておらぬというと、伊藤一郎個人の名義になっておる、こういうことですね。
○赤堀参考人 さかのぼりまして、この借り入れ自体はそういうことになっておるかということにも関連をいたしまして、現在これが伊藤一郎氏の名義になっていることは確実でございますし、また共済組合の経理に入っていないという点も、これは事実でございます。
○高橋(重)委員 法務省の刑事局長さんが来ていらっしゃるんですが、公金をそういう個人名にしている、また、個人名にしたと同時に背任というものが成り立つというふうに聞いておるわけですが、この見解はどうでしょうか。
○津田政府委員 これはいろいろ場合によって問題があると思うのです。公金というものがはたしてそういうものに一これは共済組合の経理の関係がどういうふうになっておるか、私はつまびらかにいたしませんが、公金を職員がかりに預かり得るというような経理の関係になっておれば、これを預かっているとか、自分の名義の預金にするということは、それは別に差しつかえないことであって、それを自分が領得してしまうというつもりならいろいろ犯罪を構成いたしますが、預かる方法として自分の名前で預金をすることは差しつかえない、妥当、不妥当は別でありますが、法律上は差しつかえないことでありますが、本件につきましてのことを申し上げますと、これは具体的にはわかりませんので、何とも申し上げかねます
○高橋(重)委員 いま津田刑事局長さんからお話があったのですが、これは共済組合本部の問題ですよ。個人で預かり得る、そういう会計上の制度になっておるならこれはやむを得ぬ、なっておらなければこれは問題だ、こういう御説明ですが、そういう個人で預かり得るという制度になっておるんですか、どうですか。
○田中参考人 その点は私どものほうとしては千五百何万の金を送りましたから、それは、その使用については目的に沿って処置しますように委任をいたしております。ですから、その委任の範囲において、あるいはただいまのような、私が聞いておるところでは、その百万ばかりが将来の土地改良をいたしました場合の地主負担と申しますか、そういうふうなものを予想してこれを準備しておくんだ、こういうふうに聞いておるわけなんですけれども、さような意味で私は支部長が預金をして持っているものだ、こう理解しております。
○高橋(重)委員 そういうことは認められぬですよ。田中さん、あなたのように文部次官までおやりになって法律に明るいんですが、各支部へいって支部長が個人的な名前で金を預金する、そういうことは許されるんですか。私はそんなことはてんでないと思うのです。そんなことがあったら全国の共済組合というものは伏魔殿ですよ。いま国家公務員共済組合が土地買収をめぐって逮捕や贈収賄でやられておる。いろいろな問題が起きておるんですが、そんなことを認めたということになれば、三十九年度には十六億何千万も土地を買っておるんですが、私は岐阜県だけでなしに、最初から聞いておるのは、こういうことはもしかすると本部と支部がぐるになってやっておるのではないか、こういう疑惑を持ってきたんですが、その点はっきりしていただきたいと思うのです。お百姓に払う金ならなぜあなたのほうの会計簿の中に入れないんですか。
○横路委員 関連して。いまあなたの話を聞いておると、千五百万のうちの百三十万を伊藤個人にあなたのほうで送ったのですか、その点が一つ。そんなばかなことはないでしょう。 あなたのほうは岐阜県の共済組合の支部あてに千五百万送った。千五百万そこに入ったはずだ。それが、いつの間にか百三十万円がその中から飛び出してきて、別口座で伊藤という個人の銀行預金通帳に入った、そんなばがなことがありますか。田中さん、あまりかばっておると、おかしなことになりますよ。あなたのほうの共済の経理はばく大なんです。あなたのほうで向こうにやるのに、たとえば何億もやる、いま千五百万だから何億もやる場合も出てくる。それには向こうの支部長個人に送ることはないでしょう。共済組合の支部長に送るなら、共済組合の支部の金に入るでしょう。それならなぜ百三十万円だけがそこからぽっと飛び出てきて個人のものになるのか。あとは刑事局長に聞きますが、そういうことですから、送ったのは共済組合のはずなんです。その点田中さん、はっきりさせないと、あまりかばってもよろしくないですよ。
○田中参考人 私のほうで送金しました金は公金として支部長あてに送ったものでありまして、個人ではございません。
○横路委員 刑事局長、いま千五百万円共済組合の支部長に送ったが、百三十万円がそこから飛び出てきて、今度は別口座で個人に百三十万円入るのはどうなんでしょうか。いろいろ国家公務員や地方公務員の汚職問題を扱うときに、あなたは事情がわからなければお答えできないと言ったが、事情は明らかになった一千五百万円共済組合の支部長に送ったんですよ。そして支部長の別口座がある。百三十万円だけそこから飛び出てきて、別口座の銀行の個人名義になっておる。これはどういうことですか。こういうことは役所の経理上許されますか。あなたも法務省の刑事局長として――この問題がこの間から文教委員会で出てきたから、問題が出てきて帳簿が押収されて明らかになってきた。みなだれしもが全部千五百万円いっておるから共済組合に入っておるものだと思っておる。ところが入っていない。そのうちにだんだん、ここにあるように、関係者七名のうちで、二名は高橋君に差額の取り立てを委任してある。五人については、それはどういう説得をやられたか知らぬけれども、こんなわけのわからぬ土地改良区分担金とか、銀行借り入れ金利とか、大体こんなものまで支払いを承認しておるようなことはあるわけがないのです。私はその点を、刑事局長、あなたが事情がわからぬからと言うから、その点聞いておるのです。今度はっきりしたわけですから、その点どうなりますか。送った公金が、その口座に入っているべきものが、そこから飛び出てきて、個人の銀行の別口座の預金になる、こういうことが許されるのですか。
○津田政府委員 本件につきましては、すでに前回に申し上げていると思いますが、これは三月七日に岐阜地検に送致されまして捜査中でありますので、本件についてどういう事実関係があったかということは私はまだわかりませんから、その点に基づいて申し上げることはできませんが、ただいまの設例ということでありますれば、公金を送った。公金としての通常の扱い方に従って入金をしたということになると思いますが、そのうちの幾ばくかが他に保管されておる、あるいは他の預金に入っておるということなんですけれども、これはあくまでも横領とか、業務横領とかという問題であれば不法領得の意思が必要であります。そこで名義ということは、実質を推定する一つの材料になるかもしれませんけれども、これはあくまでも推定であって、あとは実質の問題です。そうすると実質は、当該扱い者が不法領得したかどうかということで問題がきまる問題であります。あと形式上の問題は、これは規律の問題その他から進めるべき問題で、これは刑法上の問題にはならないと私は思います。
○高橋(重)委員 続いてお尋ねしますが、この借り入れ金千三百万円、これを読んでみますと、「昭和三十八年十二月二十日岐阜支部長伊藤一郎名義で、公印を使用し、保証人伊藤一郎、水野杏一、塩谷義雄の連帯で、日歩二銭五厘、六十日手形振出で、金千三百万円を岐阜相互銀行司町支店より借入していた。」これは事実ですな。
○赤堀参考人 ただいまの点は事実であります。
○高橋(重)委員 名義は、公立学校共済組合岐阜支部長伊藤一郎ですか。
○赤堀参考人 さようでございます。
○高橋(重)委員 公印は公立学校共済組合岐阜支部の印ですか。
○赤堀参考人 岐阜支部長の公印の一つでございます。
○高橋(重)委員 そうすると、この借り入れば、田中さんは、本部は認知していらっしゃるのですかどうですか。
○田中参考人 特に認知したということはございません。
○高橋(重)委員 この前も御答弁をいただいておるのですが、本部はこれに関知せず、全然知らぬのだ。芥川課長が行って十二日に初めてわかったのだ、こういう御説明でしたが、そうすると公立学校共済組合岐阜支部長という名義を盗用して、それから公印を不正に使用しておる、本部の知らないのに使っておる、こういうように私は断定できると思うのですが、そのとおりでしょうね
○田中参考人 本部がこれについて認知しなかったということは事実でございます。事後において承知いたしたのであります。それで、そのことについての判断でございますけれども、これはむしろ司法当局において最も問題点として私は追及されていることじゃないかと耳にいたしておる点でございまして、したがいましてこれに対する判断は、ちょっと私ここで申し上げるにはまだ確信がございません。
○高橋(重)委員 日原警察庁刑事局長さんにお尋ねするわけですが、私は、この前はあなたに、とにかく教育界にこういうことが起きるということは非常に嘆かわしいことだ、こういう点をるる強調いたしまして、お願いしたわけですが、いまや書類が送致をされておるわけです。その内容は公文書偽造、行使、幇助、こういうふうになっておるわけですが、私は少なくとも公印の不正使用ということは、いまもはっきりしているように、あなたのほうではっきりさせていただかなければならない点だと思うのですが、どのように御調査されて、どのような見解を持ってみえるか。
○日原政府委員 教育界のことであるだけに私どもも慎重に、また同時に徹底的に調べるつもりで捜査をいたしたわけでございますが、お話のとおり、捜査の結果虚偽公文書作成、同行使、まあ幇助も含めまして、三月七日に地検に送致をいたしたわけであります。お話の、他の犯罪の面でございますが、これにつきましては、先ほど来お話のありましたように、詐欺あるいは横領というようなことになりますと、不法領得の事実と不法領得の意思がなければならぬ。また背任ということになりますと、第三者の利益をはかったり、あるいは他人に損害を加える目的がなければならないわけでありまして、そういうような点、いろいろ事実関係を調べまして、結局自己または第三者に不法領得のあった事実は、私どもの捜査の結果では認められなかったわけでございます。そういう趣旨で、先ほど申しましたような容疑罪名で送致をいたしたわけでございます。
○高橋(重)委員 日原刑事局長さんにお尋ねしておるのは、公印の不正使用というのは、これは刑法に該当すると思うのであります。いまこれははっきりしておるわけですが、この点についてどんなお考えを持ってみえるか、私たちがしろうとで判断しますと、本部があずかり知らざるにもかかわらず名義を盗用して公印を使用して、手形で、しかも千三百万という金を借りたということは、明らかに公印の不正使用だ、こういうふうに私はしろうと考えで断定したいのですが、どうですか。
○日原政府委員 公印であろうと私印であろうと、不正使用ということになりますと、権限がないのに使用したということが問題なわけでございまして、支部長が支部長の意思で使用した場合に、これが偽造だというような問題は起こらないわけでございます。ただこの場合には、内容虚偽の公文書を作成したという意味では、これは犯罪になりますけれども、内容の虚偽でない、真実借りる意思で借りたという形になりますと、文書偽造という面では印鑑盗用というような問題は起こらないわけであります。
○高橋(重)委員 それはちょっとおかしいと思うのです。よく聞いとってください。田中さん。これは支部長が一千三百万円を、支部長という名義を盗用して、そして公印を不正に使用して、共済組合が禁止したる手形を発行して金を借りられておるわけです。共済組合は、組合法によって、第一手形が発行できぬのですよ。しかも本部が関知しない、いわゆる本部として何ら了解をしておらないことを支部長が行なったのだから、権限以外です。権限以外のことをやっておるということは、もはやはっきりしておると思うのです。そういうことに対して、権限以外の者が公印を使用して、発行してならない手形を発行して千三百万借りたということは、もう公印の不正使用ということははっきりしておるじゃないですか。
○日原政府委員 これは偽造という犯罪の面から考えてのお話になりますと、支部長が支部長の印鑑を押した、それは内部のいろいろな統制問題は別としてございますが、偽造かどうかという犯罪の面から申しますと、これは内部関係は別問題といたしまして、偽造という問題は起こらない。
○高橋(重)委員 不正使用……。
○日原政府委員 同じく不正使用という問題も、これは内部関係を別にいたしまして――内部においての不正、理事長がそれを許してないのに使ったという意味での不正は別問題といたしまして、犯罪としては成り立たないわけでございます。
○谷川委員長代理 関連質問を許します。横路節雄君。
○横路委員 田中さん、この三百二十万円の差額金ですね。あなたのほうでは、千五百万送ったわけですね。千五百万という金は、それがいわゆる土地の買収費だと思って送ったのでしょう。ところが、実際にやってみたら、銀行から借り入れた借り入れ金の金利の支払いが、これによると約百五十万、私、こんなばかなことはないと思うのですね。それから謝礼金、減歩補償金、会合費等に七十万を使っている。残額は云々と、こうなっているのだが、この三百二十万のこういう支出、とりわけ借り入れ金金利支払い約百五十万、こういうのはあなたのほうでは妥当だと認めているのか、こういうやり方はどうもうまくないと思うのか。あなたのほうでこれは妥当だということになれば、全国の共済組合の支部長はみんな判こを押して、いまのどなたかの御答弁じゃないが、みんな判こでもって銀行から金を借りて土地を買っておく。思惑で買う人も出てくるかもしれない。そうして実際には、金をやったのだけれども、その全額は土地の買収費ではなくて、やれ謝礼金だの、やれ金利の支払いだのということになる。あなたのほうでは、本部としては、こういう支出は妥当だとして認めているか、どうもこういうやり方は妥当でないと考えるか。その点はどうなんですか。もう高橋君が聞いたのかもしれませんが……。
○田中参考人 千五百万送りましたのは、大体向こうの申請に基づいて、同時にあの土地を購入するための費用として送ったわけでございます。それで、その内容にわたっての当否の判断はあろうかと思いますけれども、私は、この事件はまことに異例に属することでありまして、こんなことがいろいろ繰り返されるということは希望いたしておりません。
○横路委員 異例だと言うのだから、そうすると妥当ではないのだね。妥当ではないのでしょう。あなたは異例だと言うのだから、正当ではない。ぼくはそのことを聞いているのだ一異例だとか異例でないとかいうことじゃないのですよ。私が聞いたのは、三百二十万、こういうやり方というもの、あらかじめ支部長が支部長の判を押して銀行から金を借りて、自分で思惑で土地を買っておく、こんなやり方なんてあるものじゃないと思うのです。自分で銀行の金利を払っておいて、本部からそれに見合ったものをみんな上に積んでおいて、謝礼から会合費からもらっておいて、本部は、いやそれはけっこうですと言う、そんなことはないでしょう。だからぼくが聞いているのは、三百二十万の支出というのは一体本部としては妥当として認めているのか、妥当な支出としては認められないというのか、その点の本部のほうの見解はどうなんですか。異例だとか異例でないとか――異例だと言うのだから、正しくはないでしょう。もっとはっきり言いなさいよ。
○田中参考人 この点もたいへん申しかねますけれども、この三百二十万というもの、これが使用について当か不当か、あるいは正か不正かについては初めからの論議の問題でございまして、おそらく主務当局においてもこれらが相当私はいろいろ取り調べその他についての要点の一つになっていはせぬかと聞いてもおりますし、また想像もしておりますので、ここでその判断は、ただいま申し上げる程度でひとつ御了承いただきたいと思います。
○横路委員 いやいや、そんなことをあなたに聞いているのじゃない。いわゆる法務省がどう言ったの、検事局がどう言ったのと、そんなことを聞いているんじゃないんですよ。金を送ったのはあなたのほうなんだ。あなたが千五百万を土地の買収費として送ったのだから。ところが実際に送ってみたら――ここで問題になるのは、あなたのほうは九千三百円の領収書で全部そうだと思い込んでいた。ところが、やってみたら実際にはそうでなくて七千三百円であるということが確認された。前に銀行から金を借りたその金利だ、会合費だ、謝礼金だというようなものが上に積んであった。こういうことが許されるか許されないかと聞いている。許されるならば全国の共済組合の支部は全部やりますよ。許されるか許されないか聞いている。何もあなたを検察当局として聞いているんじゃない。あなたは別に法務省から来ているんじゃないんだから。あなたが組合の責任者としていまここで、それはけっこうです。こういうこともいいですよということになったら、全国一せいに行なわれますよ。共済組合の理事長としてはその点はどうなのか。何も法務省の見解を聞いたり、検察当局の見解を聞かなくたって、あなた御自身はどうかと言うんだ。あなた御自身はうまくないならうまくないと言えばいい。
○田中参考人 これに対します私のほうの判断は、先ほど来お話の出ましたようにもう少し総合的な結果等も勘案してはっきりいたしたいと思うのです。
○横路委員 文部大臣お聞きでしょう。これはあなたが検察当局の結果を待たなければわからないとかなんとかいう問題じゃないんです。あなたが共済組合の責任者として、もしもこれを妥当だと言うようなことになったら、全国の支部長はみんな岐阜方式でやりますよ。銀行から金を借りる。そうして金利の負担を見ておいて一億送ってもらう、そういうことが平気で行なわれましょう。それからいまあなたが言ったように、横領する意思があるかどうかということできまるというならば、これから会館を建てるというときに――刑事局長も聞いてください。たとえば十億の金を送ってやる。しかしその十億のうち五億は支部長個人の口座に入れておく。これはたいした信用ですよ。たとえば私が北海道の共済組合の支部長だったとする。本部から十億送ってきた。それを二つに分けて、そのうち五億は支部長名義で預ける、五億は横路節雄名義で預ける。五億銀行へ預金を持っていって、どうだどうだとやったらどうですか。森脇ではないが何ぼでも借りられます。こんなことが許されますか。横領する意思があるかないかではないのですよ。吹原産業事件だってそうでしょう。いま会館建設は十億ぐらいかかるんだから、十億金を送って、極端にいえば三億を支部長名義にして七億を個人名義にだってできる。七億を私の名義に入れておいて、どうですか、これで一週間一億貸してもらいたい、これで二億貸してもらいたいと銀行へ持っていけば貸しますよ、とれだけの信用があれば。横領する意思じゃないんですけれども、これをもって使えますよ。刑事局長、あなた吹原産業事件を調べてわかるじゃないですか。それは横領じゃないですよ。返しますよ。しかしそれを片手に何ぼでもやれるじゃありませんか。あなたはどうなんですか。あとであなたに聞きますけれども、いま会館などは十億ですよ。一つの会館は十億でできる。七億とか八億でできるやつが、あなたの説のようにできたら大問題だ。いまあなたが言ったからぼくはこのことをあなたに聞くのだけれども、理事長、検察当局の意見を聞かなければわからぬというものではないでしょう。これは一体妥当か妥当でないのか、こう聞いているんだ。あなたに聞いているんだよ。それからあとで刑事局長に聞きますからね。いま言ったように十億の金を送ったときに、三億は支部長名義にして七億は個人名義にして預けておく。これでもいいんですかな。そして預金を持って、どうだとやれば、何ぼでもその者に、個人に一億でも二億でも融資をする、こういうことが行なわれる。行なわれるためにやるんですよ。まず最初の支出は妥当かどうかということをあなたに聞く。
○田中参考人 少なくともさっき申しましたようにこんなことは繰り返しては困ると思っています。
○横路委員 困るということは妥当ではないのですね。はっきりなさい。妥当でないなら妥当でないと言ったらいい。何もあなたは、向こうをかばうとかかばわないとか――全国に波及することだから、妥当でないなら妥当でないとおっしゃっていただけばよい。 〔谷川委員長代理退席、委員長着席〕
○田中参考人 私は適当とは思いません。
○横路委員 そうおっしゃっていただけばいい。何でもない。それでいいんだ刑事局長、私がさっき言ったように、どうですか、あなたのさっきの説明に、私は法律の専門家ではないけれども、しかし十億の金が会館等にいくんですよ。それを三億だけ支部長名義にして、七億は個人名義にしている。五億ずつでもいい。あるいは一億だけ自分の名義にして入れておく。これを持っていることはたいした力ですよ。これを持っていれば、これでいかがですか、こう言って、それを見せて、ここで五百万でも一千万でも個人名義で個人に融資ができる。これに使える。横領ではないです。だから公金として送ったものが、個人の口座に入ることが、あなたはそれは横領の意思がなければ何でもないというが、そういうことが許されるのですか。許されるならば、十億来たものを一億だけ支部長名義にして、九億を個人名義にしておいて、これを片手にして、銀行から借りて友だちに融資してやる、そういうことだって起きますよ。刑事局長、一どうですか、あなたは法律の専門家です。私はしろうとなんです。しかし、そういうことが許されるのですかあなたはさっき、横領の意思があるかないかということを言っているが、私はそうでないと思う。その点はっきりしてください。
○津田政府委員 その点は、お尋ねではございますが、先ほど申し上げたことと変わりありません。領得の意思があれば横領になりますし、そうでなければ保管方法にすぎないわけです。ですから、このロッカーにいれるか、このロッカーに入れるかの違いの問題ですから、それは保管方法の問題。ただし本人に横領の意思があれば、どのロッカーに入れようが、天井の上に上げようが、全部横領になるということであります。その点は法律がいわゆる道徳の最低限をきめているということによるわけでございますから、適当でないかどうかということは、そのときの規律その他できまる問題でありまして、法律的には、横領には領得の意思がなければならない、こういうことを申し上げたわけであります。
○横路委員 そうですか。ぼくはあなたから聞いて、それじゃ法務省の刑事局長がそういうことを言っておる。そうすると、いろいろ全国に団体がございますね。公金がいきますよ。横領の意思さえなければ、十億いったけれども一億だけ支部長名義にしておく、九億は個人名義に入れておく、横領の意思はないのです。しかし、これは銀行にとっては私の信用はばく大なんです。吹原産業事件というのはそうでしょう。ばく大なんです。これを見せて、いかがですか、これだけの信用があるんだから、ひとつ、こちらでこう持っていって、こちらで五百万貸してください、貸しますよ。何もおろさなくてもいい。これはこういうわけで積んである、これはこういうわけで使えない、これは信用です。こちらで五百万でも出してもらう、一千万でも出してもらう、出しますよ。そういうことが許されるんですね。法務省の刑事局長が、私どもは、これは横領の意思さえなければ、どこのロッカーに入れようとそれはいい。これはまことにたいへんなお説を聞いて、私はこれからうちの法務委員会の諸君とよく相談してみます。そういうものですかね。吹原産業というのはそれをやったんですね。入れておいてそれを見せ金に使ってやっておる、できるんですよ。そういうことが行なわれていて、何で一体綱紀の粛正なんです。公金がどのロッカーに入ろうとそんなものかまわないなんて、そういうことをおっしゃるならば、それはあらためて法務委員会でやりましょう。横領の意思さえなければどのロッカーに入れたっていいんだ、そのことは間違いないですね。
○津田政府委員 ただいま申し上げましたことは間違いありません。ただ、いまおっしゃったことにつきまして、ほかの犯罪が成立することがあり得ることはあります。たとえば、いまのそういう信用を使って、自分は人の金を預かっておるのに、自分の信用のごとく見せて、金を他から借りて返さなければ、それは詐欺になる。そういうほかの犯罪は別問題です。ですから、その意味において、その問題に関する限りのことを申し上げた。右のポケットに入れようが、左のポケットに入れようが、保管権限のある者はどちらに入れても、領得の意思がなければ犯罪にならないということを申し上げた。そのことが適当かどうかということは別問題でありますし、またそのことが犯罪が推定されるかどうかということとは別問題です。ですから、世の中にはわからぬように預金口座に公金を入れておくということになれば、横領の意思を推定されてもやむを得ないという場合が起こると思います。しかしながら、だれでもみな知っておる口座に、ただ名義だけ個人名義でそこに入れたということになると、それは公金がそこに入っておるということをだれでも知っているということになれば、個人名義でも横領にならぬ、保管方法の一つであるということになると思います。
○横路委員 あなたにお聞きしておきますが、いま千五百万の三百二十万ということですが、これは実際は、前に調べに行ったときは知らなかったのですよ。千五百万送って九千三百円の領収書を見せつけられて、三百二十万のことを知らないで帰ってきたのです。私はきょうあなたと議論するつもりで来たのではなかったが、だんだんあなたと議論するようになったが、知らないでいた。ところが高橋君に三月何日かの国会でやられて、あわてて調べに行った。調べに行ったものだから、向こうも、新聞にでかでか出るし、国会で問題になったから、実はかくのごときですからと出してきた。それまでは出していない。だから行った諸君は、みんな九千三百円の領収書を見せつけられて、三百二十万はどこにいってしまったのか、ちょこんと下に隠して、これだけで帰ってきて、そのとおりでございます。やっていることがだんだん委員会でやられて、この問題が明らかになってきてから、いまあなたのように、いや、それは公金であろうと、どこのポケットに入れようが、どこの口座に入れようが、横領する意思がなければいい、それならば、本部から行ったときに、かようしかじかですと出すのがほんとうでしょう。それを出していないのです。この点はどうですか、出していないということは。
○津田政府委員 出していないかどうかという具体的な事実になりますと、本件の内容になりますから、これはちょっと何とも申し上げられません。
○横路委員 出していないわけです。はっきりしているのです。国会で問題になって、初めてその次行って出した。出してなかった。あとになってから国会で追及されて、こういうものがあることがわかってきたんだから。そのときは別口座二口に分けていることは分からぬから、それならば、いまあなたの言うように、そのときは隠しているというのはどうなんですか。
○津田政府委員 その隠している内容いかんによりまして、それは何か犯罪が成立する場合もあり得ると思いますが、本件については内容はわかりません。まだ捜査中であります。
○横路委員 そうすると、だんだんあなたは最初の御答弁とは違ってきたわけです。最初の御答弁は、どこのポケットに入れようがかまわない、こういうことだった。ところが、いま国会で審議する前は、初め表面に出てなかったことなんです。皆さんも九千三百円で買ったものだとばかり思っていた。ところが国会で問題になってから、七千三百円の支払いで九千三百円の領収書だということになったら、まだこういうものがありますと出てきた。これは事実なんです。そうすると、これは、いまあなたが言うように、どのロッカーに入れようが、両方のポケットにどう入れようとかまわないということにはならないですね。その時点においてどういう考えでやったかということは捜査の対象になりますね。また調べる対象になりますね。それは刑事局長どうなんですか。
○津田政府委員 本件の内容にわたりましてはいろいろ問題点がありますから、それは十分捜査の対象になると思います。
○横路委員 いまの刑事局長のお話で捜査の対象になる、その点がはっきりしたから、その点はそれで私はおいておきます。しかし、あなたが言うように、十億の公金を送ってやって、一億は正式の名義のところに入れておいて、九億は個人名義のところに入れておいて、九億のところに入れるということ自体が、あなたのほうで、そういうことが公金の扱いについてそれで差しつかえないということは、ぼくは大問題だと思う。九億の預金を私が地元の銀行で持っているということはばく大な信用ですよ。そういうことが一体許されるのかどうか。あなたは許されるのだと言う。しかし重ねて言っておきますが、吹原産業事件というのは、そういうのを見せ金にして金を借りた。もう一億と九億に分けるということ自体が公金の扱い者としては不適当なんです。そういうことはあとで、法務省の見解ではなしに、こういうものは予算、決算のほうの会計検査院の諸君とよく調べた上で、あなたにもう一ぺんここに来てもらってまたこのことをやりますから、それまで保留しておきます。
○津田政府委員 だだいま最後に仰せられたことは、問題を非常に簡単にしておっしゃるのであって、そう簡単にはいかないのでありまして、ただ単に分けたらすぐいいか悪いかという御質問だと、分けること自体は、それは保管方法なら、領得の意思がなければなりません、こう申し上げておるのであって、それを何か使ってやろうということで分けたのなら、もう最初から公金領得の意思があるのですから、予ての辺問題を簡単にしないで問題をお聞き取り願わないと非常に間違うと思うのです。
○横路委員 しかしあなたがそう答えるから……。いや、そういうふうに分けるということ自体が公金の扱いとして問題がある。いまあなたは、極端に言えば一億と九億に分けても問題はないようなことを言うからぼくは言うんですよ。もう分けるということ自体が大問題ですよ。ぼくはそこのことを言っているのです。これは予算、決算の関係で会計検査院の諸君と十分打ち合わせの上、あらためてもう一ぺんこの委員会であなたにお尋ねします。
○高橋(重)委員 私は法務省の刑事局長に強くお願いしておきたいわけですが、先ほど来から田中理事長のお話を聞いておっても、権限外のことをやっておるわけです。それがこの国会で問題になって、急遽行かれましてわかったわけです。権限外、本部の関知せざることをやっておって、本部としても不適当だ、こういうこともはっきりしておるわけですから、私はそういう匿名なり名前を変えて預金すること自体、二つに分けること自体が問題だということです。法理論は別といたしまして、少なくともこの段階においては私は問題だということを強く申し述べたいと思います。 続いて、この四ページの、土地買収代金として昭和三十八年九月二十三日ごろ百十二万円借り出されておるわけですが、これはどういうふうにして借り出されたかということ、いわゆる土地買収金として支払っておるのですが、どこにこの金があったかということです。私は借りたと思うのですが、この百十二万という金の内容をひとつ御説明願いたいと思います。
○赤堀参考人 この代金の支払いは、ここにもございますように何回かに分かって支払っておるわけでありますが、その金がそのつどどういうところからきたかという点については確認しておりません。ただこうした支払いが確実に行なわれているということは、土地譲渡人のほうからもそのように申しておりますから、それを私どもが信頼したわけであります。
○高橋(重)委員 あなたは何をいま寝とぼけたようなことを言っておるのですか。この百十二万という金は塩谷義雄個人が岐阜相互銀行から借りた金だ、こういうことはこの前でもうはっきりしておるのですよ。私は念を押すためにあなたにただしておる。それを誤解して御答弁なさるのですが、千三百万円借りたのは三十八年の十二月二十日ですよ。その前の三十八年の九月二十三日にもう金を支払っておるのです。どこからこの金が出てくるぐらいのことは、あなた監査して当然わかるはずであって、かつてはわかってここで答弁もされておるじゃないですか。もう一度念を押しますが、塩谷義雄が手形で日歩幾らで借りたかということをはっきりしてもらいたい。
○赤堀参考人 この借り入れとそれから支払いとの関連につきましては、支部長からも大要の説明がございましたし、また一緒に参りました西川監事はある程度私と違いまして銀行にも参りましたので、そうした事情をつまびらかにしていると思いますが、私の立場としましては、責任を持って塩谷何がしから幾ら借りて、それがこのような形で支払ったというようないきさつについては申し上げかねる次第でございます。
○高橋(重)委員 あなた何のために監査に行ったのかね、申し上げかねるなんて言って。この前の委員会で塩谷義雄が個人で昭和三十八年の九月二十三日に百二十万と百六十万借りておるということは速記録にもはっきり残っておるじゃないですか。いまごろ何のことですか。何であなた方はそういうように言を左右されるのですか。くさいものにふたをするというお考えじゃないですか。当然監査に行ったらそれくらいのことは調べられるのがあたりまえじゃないですか。金もなしにどうやって出せるのですか。これは共済組合本部の金を使ったのですか、重ねてお尋ねします。
○赤堀参考人 この三百二十万に関連する事柄でございますので、この三百二十万に関連する限りにおきましては、私どもは実は資料を持ち合わせておりません。ただ、支部長のことばによって大体の事実を推定することができただけでございます。
○高橋(重)委員 そうすると、あなたらは何のために監査に行かれたのかわからぬね。あなたのほうの金を送ったのがいつですか。本人が借りたのはいつですか。本人伊藤一郎が千三百万借りたのは三十八年の十二月二十日ですよ。あなたのほうが送ったのは昭和四十年の二月でしょう。その前の三十八年の九月二十三日に手付金を払っておるのですよ。それはどこから来たか。自分らの組合の金を使われておるのか、他から借りていったのか、それも聞かずに、あなた十六万も月給をもらって、よくのうのうと監査でござるとやっていられるね。ほんとうに無責任な、まあ日本無責任時代だといわれるが、そんなことじゃあなた筆頭ですよ。
○赤堀参考人 いろいろおことばもございましたが、本来私どもの監査の報告の範囲は、こうした銀行まで参りまして事柄をこまかに聞き取るということは、大体通常の範囲から逸脱していると思ったわけでございます。ただ、しかしながら、銀行へ参りまして、銀行のほうで進んで事情を説明してくれるというようなことであるならばお伺いしましょう、これは三人が出発する前に申し合わせておった点でございます。そういう申し合わせに基づきまして西川監事が行きまして、私ども監事のこのたびの監査の目的から、また監事の権限から申しまして、これから逸脱するところについては責任を持って報告すべきではないであろう、こういうことからこれに載せておりませんので、したがってここで私の口からまた聞きしたところをお伝えするということは差し控えたいと思います。
○高橋(重)委員 これはこの前の速記録にも出ておるわけですが、ここに監査されまして百十二万という金が出ておる。どこから出たのだ。自分たちの本部の金から出たのか、どこから出たのかくらいのことは聞いてくるというのが常識ですよ子供の使いでもあるまいし、それを聞いてもこずに来るというのは、文部大臣どうですか、そんな監事任命しておって。実際どこから出たのかくらいのことは……。これは警察当局お調べになって、新聞に出ておるのですから、口原さんにお尋ねしますが、だれの名義で借りてどういう手続になっておるかということをちょっとお尋ねしたい。
○日原政府委員 私どもいろいろ捜査はいたしたのでございますが、犯罪にならなかった事実関係につきましては、申し上げることを差し控えたいのでございます。それぞれ土地を担保にしたりして銀行から借りておるようでございますが、詳細につきましては、犯罪として結局事実認定いたしませんでした事項でございます。しかも捜査の途中わかった事柄でございますから、私のほうからは差し控えたいと思います。
○高橋(重)委員 このことについては、私のほうも調査したわけですが、監事にもお尋ねしたわけですから、いま赤堀監事が心臓の強いにも私はほどがあると思うのです。ここまで文章で金額が出ておって、どこから出ておる金かわかりません、それは調査してきませなんだ、ただ額だけ書いてきましたというような話は、おそらく、私は一千億に近い金を、こういう監事の方に監査させてまかしておくということは、断じて容赦できぬと思うのです。文部大臣どうですか。そんなことはあり得ぬと思うのです。 そこで、これは教育委員会総務課長の塩谷義雄が、百二十万を昭和三十八年の九月二十三日に、手形で個人で借りておるわけです。先般も大蔵省の中小金融課長にお尋ねしたのですが、この件に ついて大蔵省で調べてもらったのですが、ここへ来てみえますか。――千三百万を伊藤一朗が公立学校共済組合岐阜支部長の名義で、日歩二銭五厘で借りておるわけです。これに対して保証人は、ここにも出ておるように、三人になっておるわけですが、担保は入っておったのですか、入っておらぬのですか。
○塚本説明員 銀行からの報告によりますと、三名が保証人に立っておりますが、物的な担保はとっておりません。
○高橋(重)委員 続いて塩谷義雄が九月二十三日に百二十万、それは手形で借りたわけですが、それから一カ月たちまして、四十万借り増しをして百六十万借りておるわけですが、これが日歩一銭五厘ということは、相互銀行からいうと私はいかにも安過ぎると思うのです。そういう点、銀行を指導なり監督をされる立場に立って、千三百万は二銭五厘であった、百六十万は一銭五厘、これに ついては何か理由があるのですか。
○塚本説明員 銀行の貸し出し金利につきましては、債務者の信用度、担保等によりまして差別があるのは当然でございます。最高金利については、臨時金利調整法で制限がございますが、最低は、幾らでなければならぬというような制限はございません。
○高橋(重)委員 それで、先日あなたから承ったわけですけれども、日歩一銭五厘とすると、年五分五厘の定期に匹敵するわけですが、銀行を経営するには採算が成り立たないと思うのです。これに対しては、六百万の裏づけ担保が入っておる、こういうお話だったのですが、そういう担保が入ると、二銭五厘のやつが一銭五厘になるわけですか。
○塚本説明員 一般的な行政指導によりまして、たとえば預金が担保になっておるという場合には、相手方、債務者が使える金は、それだけ少なくなっているわけでございますから、一したがって、預金担保でない場合と比べまして、金利は安くする、それが当然だということは、そのように指導はいたしております。本件の場合に担保になっておるという事実は、その後の銀行の報告によりますと、ございません。
○高橋(重)委員 あなた、おかしなことを言いなさるね。きのうのお話と違うのですね。
○塚本説明員 最初はそのような連絡があったのでございますが、それは正確を欠く、担保ではないというようなことが正式な報告でございます。
○高橋(重)委員 正確を欠くといって、通知預金担保だというので、電話を二回ほどかけてくださり、きのうもそういう話だったのですが、正確といって、いろいろの正確があるのですか、銀行というものは。
○塚本説明員 担当者の間違いだと思いますが、現在のところ、私の聞いておるところでは、担保の手続はなかった、そういうふうに聞いております。
○高橋(重)委員 そうすると、前二回にわたってあなたのほうの調べられたときには、そういう担保が入っておった、しかし、きょう調べられたのか、いつ調べられたのか知りませんが、あるいはいろいろなところから圧力がかかってこれを訂正されたのだろうと思うのですが、少なくとも、あなたが責任持ってあなたのほうのルートを使って調べられて、通知預金担保が六百万入っておるのだ、それまであなたは言明してみえて、そうして信用ある大蔵省の銀行局が調査されて、二回にわたって私に言明してみえて、きょうになって、取り消しだ、間違っておりました――私は初めて国会へ出てきたのですが、国会というところはもっと権威があって、少なくとも大蔵省というものはもっと権威があると思うのですが、それは監査に行って、見ていった人もあるのですよ。どうですかそれは。預担と帳面にはっきり書いてあるというので、見ていった人があるのですよ。あなたはどちらをおとりなさるのですか。少なくとも私に二回おっしゃったのと――事は、あなたは一課長であるけれども、大蔵省を代表してここへ来てみえて、銀行局の立場から、かつて二回にわたって説明されて、いまになって、圧力が加わったとか、間違いでありましたといって取り消しになった。正確を欠きました――どう違ったのですか、はっきりしてください。
○塚本説明員 事務担当者の不備だと思います。その点で先生にこの前ちょっと申し上げたことと、正式にこの席で申し上げたことと違う、やや感触の違うことを申し上げて、はなはだ恐縮でございますが、社長が上京いたしまして、社長の話から、正式に責任者から、そうじゃないのだというような説明がありましたので、きょうお答えするわけでございます。
○高橋(重)委員 私はそれでは納得できぬと思う。少なくともあなたがこの前――はっきりとそういうことを言われれば、私もはっきり言わねばならぬが、この財団法人国立岐阜高専設立協力会の通知預金の六百万円を担保に入れて借りておるということがある。これは事実です。あなたも二回にわたって認められた。だから、担保が入っておるから一銭五厘だという説明もされたのです。それを、相互銀行の頭取があなたのところへ来て、立場が悪くなったから変えましたというような、そんなことを国会で――私は権威のない話だと思う。また銀行を調べた方もあるわけです。銀行の現在の支店長がはっきり言っておるのです。私はこういう点において刑事局長さん、日原さん、あなたのほうも、最初から言ったように、地方の警察というものがああのこうの言うものの、県の理事者から予算をもらって、岐阜県あたりは特に事務職員やなんかは――警察官は中央できまってくるわけですが、県職員は知事からもらわなければならぬわけです。だから、警察権の独立といったって、なかなか言うはやすくて行なわれないんだ。どうしても木部で、警察庁で指導をしてもらわねばいかぬ、助言をしてもらわねばいかぬ。こういう問題は、圧力があちらからもこちらからもかかっていって、うやむやになってしまうんだ。大山鳴動するともネズミ一匹出ずだ。みんなしてかばう、こういうことになりやすいんだ。だから、少なくとも国会の場だけでは黒白をはっきりしていただきたいと、くれぐれもお願いしたわけです。だから、私は一人や二人は逮捕して調べなければいかぬじゃないか。最初は盗まれましたといって、悲憤慷慨をして訴えた。しかし、それは村の平和を乱すんだから、盗まれたんじゃないんだ、お前がやったんだ、こうしなければ村の平和を乱すんだといって圧力がかかって、七人のうちで五人までは前から知っておりましたというような証言をしておるのですよ。これは警察だって-県議会におきまして百二十万、百六十万の問題を取り上げた、この問題、担保に入っておったかどうかということ。そういうことは、担保の事実はありませんといって警察本部長は答えておるわけです。それは政治的な発言で言われたのか。ほんとうかどうか、いまの支店長を調べてみれば、台帳にはっきりしておる。社団法人岐阜高専設立協力会の通知預金六百万円が担保に入っておるから、一銭五厘で貸しておるんですよ。どうかといって本部長のところへ聞きに行くと、それは電話で聞きました。電話で聞いたらそういうことはありません一そんな捜査がありますか、電話で聞いたなんて。遠いところならいざ知らず、もう少し私は真剣にやってもらいたいと思う。そういうふうにみなが悪いことをかばっていくというような考え方、そういう印象を与えると、これは私は非常にまずいことだと思うのです。教育と警察がそういうふうになってくれば、非行少年の問題がどうの、綱紀粛正がどうのと言ってみたって、私はもう二本の大黒柱が腐敗して倒れるより方法がないと思う。そういう点につきまして――百二十万借りて、次に百六十万借りた。これは塩谷義雄が手付金を一割打つために借りておるわけです。最初百二十万は、これは七千円の一割という手付金で売ったわけです。それで借り増しの四十万というのは、水野教育委員長個人で買った土地ですね。売り主が多くなったものだから借り増しをしておるわけです。そういう金に対する利息が百五十万の中に入っておるのですよ。共済組合の組合員八十五万の微々たる金といえども、私はそういう考え方を持って進まれては、文部大臣、もはや信用できませんよ。そういう点につきまして、日原さん、もう一ぺん調べていただきたい。あるいは調べられた結果をここで、私はよう報告しませんですから、みんなにわかっていただくために報告していただきたいと思います。
○日原政府委員 警察と教育が大黒柱てあることはお話のとおりで、そういう意味で私どもも、この事件の捜査につきましては、県警に命じて十分捜査をさせたつもりでございます。 警察が県警察であるがために手心を加えているんじゃないかというような御趣旨のお話でございますが、私どもは、従来の仕事もそういうっもりでやっておりませんし、またこの問題などにつきましては、国会でも取り上げられ、お話のように県会でも本部長が質疑応答いたしておるわけでございまして、手心を加えるというような余地は全くないと思います。 なおまた、この事件の内容につきましては、私どもは犯罪捜査という観点からやっておるわけでございますので、適不適という問題は、これは私どもの権限外のことでございます。そういう意味で、もっぱら犯罪が成立するかどうかという観点から十分な捜査はいたしたわけでございます。それ以外の適不適という問題は、これは私どもの権限外の問題であると思います。 また、私どものほうも県警にたえず連絡をとりながらやったわけでございますが、この事件を指揮する権限はないわけでございます。ただ、問題になっておる事件だけに、慎重に、しかも綿密に調べてくれということを十分連絡をとってやったわけでございます。 ただいまの担保の問題などにつきましても、これは県警本部長が県会で答えておりますように、そういう事実はないということでございますので、これも、何か圧力があってそういうようなあれになったんじゃないか、あるいは慎重さを欠いたんじゃないかというお話でございますが、犯罪捜査という面については、十分に調査をした上で、犯罪の容疑が認められなかったということで、結局公文書作成行使の面だけを送ったわけでございます。もちろん、この事前におきまして逮捕をしなかったというような問題があるわけでございますが、やはり捜査は任意捜査が原則でございまして、この被疑者三人について任意捜査でやるのが、この種の事件、この程度の事件では普通であり、やり方については検察庁とも連絡をとっております。それから、捜査官としての常識から強制捜査でやるべきであるというような意見はないと思います。この件では押収捜査を非常に早い機会にやっておりますし、また書類等の上で工作する余地はない。また新聞その他で報道されておりまして、証拠隠滅の点からは、工作すればかえって反対の証拠となる場合もあるわけでございます。逃走防止とか証拠隠滅の防止という、逮捕を必要とする理由は認められなかったので、任意捜査でやったわけでございます。もちろんこれは地検に送致いたしておりますので、地検でさらに慎重な捜査を進められるというふうには思いますけれども、一応私どもとしては、決して圧力などで事実を曲げたことはないのでございまして、慎重に捜査をやったつもりでございます。
○高橋(重)委員 銀行局にお尋ねするわけだが、あなたは、通知預金が担保になって、六百万円が担保になって、それがあるがゆえに一銭五厘だと言う。これを二回にわたって私に説明されました。それは事実です。あなたも認めているように事実です。それが、会社の社長が来て間違いだったと訂正されました。そこで私がお尋ねするのは、監査の者が行って帳面を見て、六百万円の預金担保で百二十万、借り増し四十万で百六十万、こういうことになっておるという、こういう事実がはっきりしたときには、あなたは社長の言うことをとるのか、いままであなたのほうのルートで調べられたことと、どちらに責任をとられるのですか。
○塚本説明員 いままでの私どもに対する報告では、何しろこれは扱ったのが本店ではございません。支店のようでございます。その担当者から、どういう間違いですか、電話で報告があったわけです。それで、先生からもこの前お話がございまして、いろいろ預金担保の話もございました。私は、その預金の内容につきましては御説明するわけにはまいりません、預金の秘密という点で差し控えさしていただきますと申し上げたわけです。先生から担保じゃないかとかいろいろお話がございまして、私としては、預金の秘密にわたることを申し上げるのは公務員としてやはり逸脱いたしますので、厳密なことは申し上げかねたわけです。これは私の報告が、そのような担保らしいというような報告を電話で受けておりましたものですから、先生にそのようにとられるような御説明をしたかと思いますが、正式に社長が東京に参りまして話を聞きましたところが、そうではないので、これこれこうだ、担保がないのだ、そういうふうな説明がありましたので、私としましては、社長の正式な報告を正しいと、いま現在そう思っておるわけでございます。
○高橋(重)委員 実際監査に行って調べてみて、そういう事実があるわけです。担保に入れてある。だから個人に一銭五厘で安く貸してあげておるわけです。そういう事実があるから、社長が言っていたのはいいけれども、あなたが社長の言うことをうのみにするばかりでは芸がないと思いますから、もう一ぺんこの点をはっきりさしていただきたいと思います。公金を、通知預金証書を担保に入れるというようなこと、これは大問題だと思う。そういう点、警察当局にもひとつお願いいたしたいと思うのですが、もう一ぺん調べていただきたい。 時間がおいおい過ぎてきましたので、最後に私は文部大臣にお尋ねいたします。あなたはずっと初めから聞いていただいておるわけですが、いま公務員共済の黒い霧というわけで、理事長今井一男先生がやっておられる公務員共済が、ちょうど公立学校共済と同じように土地を相当買っておるわけです。それに動く金が千数百億円で、強大な組織でもって土地買収をやっておる。そこで汚職を招いた不動産投資ということで、いま全国でこれは問題になっておるわけです。公立学校共済組合も、八十五万の組合員はこれに対し非常に関心を持ち、くどいようですが、非常に動揺しておる。特に岐阜県においては私は動揺しておると思う。それの最高の監督者であり、責任者であるのは、私は文部大臣、あなただと思う。かつてあなたは一学テの問題で福岡の教員に対しても勧告を出されました。そうして県民に対して不安、動揺を与えてはいかぬ、不幸を見さしてはいかぬというようなあなたの一方的な考えで、わざわざ大臣に就任すると同時に出されたのですが、いまこういう問題が岐阜県百七十万の県民においては重大な問題になっておるわけです。県民自体も非常に不安、動揺を持っておるわけです。組合員八十五万は、これまた黒い霧が動いておるのじゃないかと、こういう懸念を持っておるわけです。したがって、最高の責任者である文部大臣として、いままで数回にわたって私どもの質疑応答や、あるいは政府委員の方々の答弁等いろいろなものを聞いておられるわけでありますが、共済組合八十五万はいまや一千億になんなんとするような金が動くわけです。三十九年のときには当初予算が六億七千万であったのが、追加予算が九億数千万円あって、合計十六億ないし十七億という土地を買っておるわけです。しかるに、いまのようなこの陣容で、こういう答弁なんですが、私は、岐阜県だけが問題ではない、これは氷山の一角だ、こういう心配をするわけです。あるいは非行少年がちまたにあふれ、道義が退廃している、こういう立場からいって、文部大臣としては、一日も早く道徳教育の振興等、これに対して積極的に対処していただくのが当然ではないかと思うのです。この国会を通じまして、国民なり組合員なりに対してあなたの決意を私は承りたいと思います。
○中村(梅)国務大臣 まことにごもっともな次第でございます。公立学校共済としましては、多額の資金を管理もいたしますし、それからもう一つは、各支部が県ごとにあるわけでありますから、各支部としては、これらの資金を活用して、できるだけ福利施設を整備したいという希望もあるわけです。したがって、福利施設がもうこれ以上手をつける必要がないまでに完備されているところがもしあるとすれば、それは別でありますが、一県だけではなく、おそらく全国、不十分なところは全部、そういう資金の活用による福利施設の整備ということに関心が深いと思うのです。そういう意味から、最近、そういう福利施設の用地買収のために、昨年度も十億以上の資金が支出されているようでありまして、この岐阜県の事件を通して見まして、私ども、管理監督を非常に厳重にやってもらわなければ困ると思います。その意味で、この事件を知りますと同時に、岐阜でこういう問題が起こったが、他にも福利施設の整備などについて、土地の購入等、あるいは建物の建設等、そういう事業がこれからいろいろたくさんあるわけであるから、その管理及び監督の上において、ひとつ遺憾のないように最善を期して目を配ってもらいたいということを、田中理事長にさっそく申し上げてあるわけであります。理事長もその決心でおるようでありますから、私どもとしましては、かような問題を、どこの場所でも、どこの支部でも今後絶対に起こさないようにしてもらいたいと思っておるわけでありまして、この点は、私どもの直接指揮命令する機関ではありませんが、監督者の長の監督の立場にある以上は、責任者の頂点にある田中理事長にそのことを申し上げてありますから、今後十分注意させるようにいたしたいと思っております。
○高橋(重)委員 いま大臣から今後の決意を表明されたわけですが、私は、こういう問題は、きれいごとだとか、あるいは形式的に終わるべきではないと思う。そういうふうになりやすいと思う。具体的に、たとえば支部長がこういうように不正に使用して、そうして振り出してはならない手形を振り出しておる。これは明らかに善意であるということは認めようはないわけですよ。共済組合法からいっても、金を一千三百万円借り入れることはならない、もし借り入れようとすれば、文部大臣の許可を得、自治大臣に報告しなければならないということが共済組合法ではっきりしているのですよ。そういうことに対して、きれいごとで、まあ今後努力しますとか、善処しますとか、二度起こらないように、こういうことでは私は前進しないと思うのです。まあ、いろいろ罪を憎んで人を憎まずということもあります。私は、やはりこのことによってよりよくなっていかなければいかぬと思うのですよ。この前ああなったのだからおれもやったほうがいいのじゃないか、ああいう例があるじゃないか、こういうことがいまの社会に行なわれているわけです。私どもがここで論議しているばかりではなくて、これは共済組合の支部を総括するのが教育委員長であるわけですから、私は教育委員長もこういう場に呼んでいただいて、あるいは支部長も呼んでいただく。そうしてお互いがひざを交えて、追求し合うということでなく、建設的に話し合っていく、こういう気持ちがなければいかぬと思う。いま岐阜県におきましては、実際組合のためにやった、おれは英雄じゃないか、佐倉宗吾みたいな気持で教育長並びに支部長はおるそうですか、もってのほかだと思うのですよ。大体、こういうことになったというのは、私は監査もいかぬと思うのですよ。具体的に新聞談話等があるから、赤堀さんあなたも反省しなさいよ。実際あなた方不見識ですよ。新聞記者会見やって前言を取り消してみたりひるがえしてみたり、こういう点につきまして文部大臣真剣に具体的に私は処置してもらいたいと思う。八十五万教職員のために、あるいは教職員を優遇する――先ほど大臣が見えなんだけれども、国立学校設置法の一部改正をめぐりまして、ただ学芸学部を教育学部に変えるだけではよくならない。優遇策からいっても、こういう福利厚生施設を充実していくということは当然でありますから、これは真剣に立てていただきまして、私は具体策を示していただきたいと思う。早急に示していただきたい。 なお、法務省の刑事局長さんにお願いしておくわけですが、岐阜県では、こういう問題につき、特に権力についておる者がやるとこれは不起訴になるのだ、検察庁がもう不起訴にするのだ、こういうデマかうわさか知らぬが飛び乱れておるわけです。また、そういうことを関係者が言って歩くわけですが、私は早急にこういう面について結論を出していただきたいと思うのです。というのは、四月からの新学期を控えるわけですから、ほかの社会と違いますから、手間も足らぬでしょうけれども、早く結論を出していただきたいと思う。とにかく、岐阜県の、全国の耳目を聳動させたような大きな問題でありまして、おそらく文部省始まって以来、近来にない事件だと私は思うのですよ。こういう問題でありますから黒白をはっきりと、四月の新学期を待たずに早くつけていただきたいということをこの機会に要望するわけでありますが、そういう点につきまして見通しはどんなものであるかということと、あわせてお尋ねいたしたいと思います。
○津田政府委員 ただいまお尋ねの事件は本月七日に警察から送致された。まだほとんど一週間あまりしかたっていませんが、証拠品等もかなり多いように聞いておりますので、ある程度の時日を要すると思うのでありますけれども、できるだけ早く捜査を遂げるように伝えたいと思います。
○二宮委員 関連して。 この前の会議の際に警察庁の日原刑事局長には非常に信頼を申し上げて、厳重な捜査をするようにということをお願いしてあったわけですが、先ほど高橋委員の質問の中で、支部長印の公印の不正使用という問題につきましては、この事犯は成立しない、こういう御意見のようでございます。私、その辺が少しまだちょっとふに落ちないのですが、これは地方公務員等共済組合法で設置された特殊法人である。あなたのほうでは、何か盛んに内部内部と言っておられるようですが、理事長自体は文部大臣が任命をする、定款も、文部大臣の認可がなければ成立しない、その定款の中に支部長の権限というものは明確にこれこれのものしかできないとある。その明確にあるところの定款を逸脱をしまして、千三百万円を支部長の公印を不正使用しておる。これが不正使用の刑事事犯として成立しないものかどうなのか。これは内部で考えなさいという意味の言い方は、私は一面また、あとから理事長にもお尋ねします。大臣にもお尋ねしますが、そういうような言い方では、私はしめしがつかぬと思うのです。教育のことだから真剣に慎重にやりましたということはけっこうだ。また地方の警察と盛んに連絡をとりながらやったということも、それは当然のことだと思う。教育のことだからといって必ずしも常に慎重にやっているとは限らぬ。こういう問題については、ここでこの問題が発覚をしたから波及するところはまことに大きいのです。全国至るところにこういう問題が起こる。したがってやはり一番初めに出た芽をよくつんでおくということが、今後の問題を未然に防ぐという意味から非常に大事な問題だ。不正使用ということははっきり申し上げて刑事的にも問題になりませんか。そういう点であれば先ほど横路さんから言われたように、これはまだこういう問題でいろいろな例を生むかもしれないという問題が起こりはしないか。岐阜県警が調べたことについて警察庁としてはただそれを受け取ってそれで正しいと考えておるのか、あるいは警察庁としてはなおこの点に不審はないかという点について、いま少しくこの特殊法人の性格から考えて、そしていまの段階における定款違反という問題から考えて、もう少し検討の余地は全然ないのかどうか。この点刑事局長の意見を、時間もありませんから明確にお尋ねをしておきたいのであります。
○日原政府委員 いろいろな例で、ほかの事例になってくるとこれは多少違ってまいるかもしれませんが、この事件につきましては、私ども法律的にいまの印鑑偽造の罪という面での犯罪の容疑はないと考えております。なおここには法務省の刑事局長もおられますから、御意見を伺ってもいいと思いますが、私どもはそういうふうに解釈いたしております。
○二宮委員 そういう見解で、高橋委員からもいろいろな御要望がございましたから、この問題については全国注視の問題であるとして、今後の動向について私どもも関心を持ちたいと思います。 そこで、それでは理事長にお尋ねしますが、第十三条において「この定款に定めるもののほか、組合の職制並びに職員の任免、給与、懲戒、服務その他の身分取扱いに関し必要な事項は、理事長が定める。」となっておる。これは懲戒に値する問題でないかと私は考えるのですが、この懲戒事項、いわゆる日原さんのおっしゃる内部において処理すべき問題だという判断に立つならば、理事長としてはこの十三条のこの別に定めるという懲戒に関する規定というのは一体どういうようにつくってありますか。
○田中参考人 十三条にございます懲戒の問題につきましては、特に私どもはっきり定めたものはございません。ただし一般職員につきましては、これはわれわれの就業規則等におきましてはっきりした処置を規定をいたしております。
○二宮委員 十三条というのは第二章の役員という項目に所属しておる条項なんです。したがって役員が懲戒に値するような行為を行なったという場合には、当然これは理事長としてはこの懲戒に関する別項の規定というものをつくらなければならぬところの義務が定款で定められておると私は考えておる。何もきめてないということは怠慢じゃないですか。もう一つ、あなた方がもしこういうような事故を起こして支部長が中央の運審やそのほかの決定を逸脱してやったという場合に、これにいろいろ懲戒を加えようと別項の規定をつくらなければならぬことになっておる。ところが第十一条の中には、地方の支部長は教育長をもってこれに充てるということになっておる。この教育長というのは理事会のほうや公立共済のほうの組織の中できめたものではないです。地方の教育委員会でもって決定をした教育長が必然的に支部長になるということになっている。私はここに定款の矛盾があるのじゃないかと思う。もし支部長が逸脱した行為をやっても、その任命権者は、県の教育委員会なり知事なりが合議できめるのだが、それに対して懲戒の処分をやろうと思っても十三条と十一条との間には、たとえそこに厳密なものをつくりましても、相矛盾した問題が起こってくるのではないか。たとえば伊藤さんという人は、今度は非常にやり過ぎだった。地方もばかにされておる。組合員にも不利益をもたらしておる。だったらこの人を支部長から免除しようという懲戒規定をもしつくったとしても、これは第十一条と相反するでしょう。支部長は当然教育長がなるのだということになっておる。そういうこの特殊法人の定款そのものに内蔵された矛盾があるのではないかと私は考えます。 同時にこれは大臣にお尋ねしますが、大臣はこれの理事長の任命をする。そして定款についてもこれを認可する。その理事長が理事長のやっている行為そのものがいいかどうかについての監査委員を任命することになっている。これは他の問題、他の組合そのほかにもあるかもしれませんが、私あまり研究しておりませんけれども、そういうことになるから、そちらの赤堀さんと田中さんとのおっしゃることがどう考えても同じ穴のムジナというような――失礼な言い方ですけれども、そういう印象を受ける。これは部外者の監査委員が立ち会ったからいいだろうとおっしゃるかもしれませんが、それなら監査委員は要らない。そういう監査委員を理事長が任命をし、文部大臣が任命をした理事長、その理事長が任命した監査委員が、そのことが非常に公正に行なわれているかどうかということを監査していこうとするところに機構上の矛盾がある。こういう定款の矛盾を今度の機会を一つの契機としてもう一ぺん再検討する必要があるのじゃないか。そうしなければ、先ほど横路さんが説明いたしましたように、この悪い例をうまく利用するというようなことが起こっても懲罰ができない、懲戒の措置がとれないということになる結果が出てくるのじゃないかということが心配されます。全国都道府県にある問題ですから。私は先ほど申し上げましたように、いまこの段階で小さな被害の際に芽をつんだということは、あなた方自身も苦しかったでしょうが、これは大きく将来のためには役立つと私は思います。しかしなおこういう定款では、将来ともまた問題を起こし得る可能性が私は多分にあると思うのです。これらについて、いま懲戒に関する問題については、組合員については就業規則その他でいろいろやっているというけれども、役員そのものは多額の報酬をもらってその任務に当たりながら、その役員が組合員の貴重な拠出金をもし悪用したという場合でも、それに対して懲戒の措置が何らとられていない、そういう理事長の怠慢は私は責められなければならぬと思う。繰り返しては申し上げませんが、そういうことに対する定款内の矛盾、今後においてまたこれに関連をしたような問題が起こり得る可能性のある定款というものに対して一体どう考えるか、理事長並びに文部大臣のお考えを聞いておきたい。
○田中参考人 一般職員についてのことを申し上げましたが、役員につきましては法律の第十五条にはっきり規定があるわけであります。それによりましてここに読み上げますと、「その任命に係る役員が次の各号の一に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。」そうして一号、二号とここに心身故障のため云々、職務上の義務違反があったとき云々、こういうふうに掲げてございまして、したがって役員については定款では必ずしもそこにはっきり規定をいたしておりませんが、はっきりあるわけであります。 それから支部長と教育長とが一体であるために運用上非常に矛盾があり、支障があるのではないかというお話でございます。この点は最初のこの席でもいろいろお話が出て当時御説明も申し上げたのですけれども、現在はやはり地方教育委員会の事務と公立共済の事務とはまことに一体不可分、表裏一体の関係になってやっておりますので、双方の運用の円満を期するために同一人をもって充てることになっております。しかし身分はこれはどこまでも教育委員会の任命にかかる教育長でございます。支部長は教育長をもって充てるとしながらも身分を持っておるわけではございませんので、共済組合としてこれを処罰するとか処分とかいうことは、どうも現在の制度上はできないたてまえになっておるようであります。
○二宮委員 もうあまり聞くまいと思ったのですが、そういう御答弁をなされればお聞きいたします。 そうすれば第十三条の理事長がこれをきめるということは何ですか。定款の中に出てきて、親法にあるから要らないということになれば、十三条の理事長がこれをきめるということを定款にうたった理由は何ですか。どういうことを考えておるのですか。もしあなたができないとおっしゃるならば、私もこの前からはっきり分けて考えておることは、刑事的な問題は検察庁並びにその関係のほうでやっていただく。したがってそれはそれとして、そこで十分やっていただく。同時に内部的には、日原さんもおっしゃったように、内部の問題ということもあるのだから、内部には行政的なそうした懲戒その他の問題が、綱紀粛正そのほかの問題から当然考えられなければならぬと思うのです。いまおっしゃった親法にそれがあるからということは当然なことですが、それでは十三条の理事長がきめるということは一体何ですか。
○田中参考人 少し文字にとらわれて恐縮ですけれども、定款としては役員の解任として第八条に掲げてございます。これはそのまま法律を引いてきたわけであります。そこでこの十三条はここに職員の云々としてございまして役員は含んでおらぬのであります。その意味では一般職員については先ほど来申しますように規定がございますので、規定上の不備はなかろうかと思います。内容はいろいろ問題があると思いますが……。
○二宮委員 その辺はいろいろ検討すれば了解のできる問題もありますが、ただ刑事問題としては書類送検をした。しかしやっておること自体は高橋委員からもう数回にわたって追及をされまして、支部長のやったことについては非常に妥当でない。こういう線がはっきり出てきておるわけですから、当然理事長としてはこの第八条適用の問題が起こってくるだろうと思います。教育長をやめさせることはできなくても、教育長に支部長の仕事をさせることは、岐阜県においてはこれをやること自体大きな問題がある。したがってそれに対する決意は一応できておるであろうといま考えますけれども、刑事処分の問題とは別個に、やはりこの行政処分の問題としてどのような問題を考えておるか、ひとつ十分に御検討いただたい。同時に監事の立場、あるいは定款内部に対するいろいろな矛盾の問題等につきましても、これは時間がございませんから、大臣の答弁は先ほど高橋委員に言われました決意のほどで一応私も了解をいたしまして、これを契機にひとつ文部省自体もあるいは公務員共済組合のほうも自粛をしていただくように、これに付随をした問題が他に一件でも出てまいりましたら、そのときこそ承知のできない段階であるということだけは覚悟のほどをきめておいていただきたいと思います。
○川崎(寛)委員 先ほど来の長い質疑で参考人の皆さん方、たいへん御苦労さまであると思いますけれども、高橋委員の質問に対する赤堀監事の御答弁はたいへん納得のいかない点もたくさんあるわけであります。そこでこれはやはりこのままで中途はんぱに終わってはいけないと思いますので、委員長のほうにお願いいたしたいのでありますが、岐阜県の支部長を監督いたしておりますのは岐阜県の教育委員長であります。そうした意味において岐阜県の教育委員長に参考人として来ていただいてもう少し詰めさせてもらいたいと思います。理事会のほうへはかっていただきたいと思います。
○八田委員長 田中、赤堀両参考人には、お忙しいところ長時間御出席いただきましてまことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして、委員長から厚く御礼を申し上げます。 次会は、明後十八日金曜日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時五十一分散会