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51回国会衆議院1966/05/11

物価問題等に関する特別委員会 第13号

発言数
3
登壇者
2
会派数
2
開催日
1966/05/11

会議録

小笠公韶自由民主党

○小笠委員長 これより会議を開きます。  堀昌雄君外二十四名提出の物価安定緊急措置法案を議題とし、提出者から提案理由の説明を聴取いたします。堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀議員 ただいま議題となりました物価安定緊急措置法案の提案理由を御説明いたします。  今日、国民がひとしく望んでおりますのは、物価の安定であるといっても過言ではありません。ここ五、六年、物価の上昇は著しく、消費者物価指数は、三十五年を一〇〇といたしまして、四十一年三月には一四〇・二と四〇%もの騰貴を示し、国民生活に著しい悪影響を与えているのであります。  三十九年度は、公共料金一年ストップ政策の影響によりまして、対前年度上昇率は四・八%と、三十八年度の六・六%上昇に比べまして、やや下落を示しましたが、四十年度は再び七・四%と急上昇し、その結果、さきに総理府統計局が発表しました家計調査によりますと、四十年の勤労者世帯一カ月当たりの平均手取り実質収入額は、前年を〇・三%下回るという、同調査はじまって以来の対前年減少という結果が出るに至ったのであります。  政府は、年頭におきまして、消費者物価の上昇率を四十一年度は五・五%に、向こう三年間に三%以内に押えるとの決意を表明しましたが、抜本的な物価対策がとられず、このまま推移いたしますれば、本年度、さらには来年度の物価上昇率は、七%台、まかり間違えば八%台にもなる可能性があると思うのであります。収入が少々増加いたしましても、物価がこれを追いかけ、場合によっては追い越していく、これでは国民が安心して働けないのは当然であります。  物価の異常な上昇ほど、国民生活を破壊するものはありません。この国民生活を破壊する根源をいかにすれば断ち切ることができるのかを、いまこそ真剣に考えなければならない時期ではないかと思うのであります。物価の異常な上昇は、国民の政治への不信を醸成し、社会の混乱の大きな原因になることは、諸外国の例を引くまでもなく周知のことであります。こうした混乱を、国民生活の破壊を、あらゆる手段を講じても、緊急に避けなければならない、年間六%も七%も上昇する物価を何はともあれ安定させなければならないという立場から、ここに物価安定緊急措置法案の提出を決意いたした次第であります。  今日、物価の問題は、単に物価そのものの対策だけでは解決し得ない。総合的な経済政策、すなわち財政、金融政策を含んだ計画的な経済政策から、生産振興対策、流通対策、さらには消費構造にまで入り込みまして、包括的な対策を立てることが必要でありますが、そういたしますと、これは日本経済の根本的な立て直しをはかる経済計画法たる性格を有することになり、短期日のうちにはとうてい制定を見ることは不可能であります。  そこで、ここに提案いたしました物価安定緊急措置法案は、五年間の時限立法といたしまして、緊急な物価安定策を織り込んだのであります。この法案の大きな特徴は、公共的な料金を国会もしくは内閣の審議にゆだねるとともに、内閣に強力な諮問機関である臨時物価安定調査会を設けて、物価上昇に関連するあらゆる要因について調査し、内閣に答申するというものであります。特に強調いたしたいことは、経済政策が物価と不離一体の関係にあるとの観点から予算の作成にあたって、内閣はその内容をこの調査会にはからなければならないとしたことであります。少なくともこの五年間、物価安定の緊急性にかんがみ、この法案が大きな役割りを果たすことを確信いたしまして提案をいたした次第であります。  次に、法案の内容を御説明申し上げます。  第一は、この法案の目的であります。最近における著しい物価の高騰をすみやかに抑制するため、公共料金その他政府が規制する価格、料金等について特別の措置を講じ、臨時物価安定調査会を設置して、物価の安定に関する重要事項を調査審議させる等、物価の安定をはかるために必要な措置を講じ、もって健全な国民生活の維持及び向上をはかる、これが目的であります。  第二は、政府の義務についてであります。これは、政府が長期経済計画その他の経済に関する基本的な政策を策定するにあたっては、物価の安定について十分な考慮を払い、いやしくも物価の安定を阻害することのないようにすること、さらに物価の安定をはかるために、必要な法制上及び財政上の措置を講ずるべきことを義務づけているものであります。さらに内閣が予算を作成し、並びに財政投融資計画及び地方財政計画を策定するにあたっては、これが物価に重大な影響を及ぼすものであることにかんがみ、これらを後述いたします臨時物価調査会にはかるべきこと、及び物価に関する年次報告、講じようとする施策を明らかにした文書の国会提出を義務づけているのであります。  第三は、公共的な料金もしくは価格について、国会の議決または承認を要するものと、内閣の決定を経て定めるものに分類したことであります。前者は、国の独占的事業であります国鉄運賃、郵便、電信、電話料金、製造たばこの価格、NHK受信料、米穀の販売価格と、民間であっても著しく公共性の高い電力料金とし、後者は、従来各省認可であります私鉄運賃、通運料金、水道、ガス料金、航空運賃など二十二品目といたしました。なお、後者の内閣の決定を経て定める料金もしくは価格に関しては、その閣議決定にあたり、臨時物価安定調査会にはかることを義務づけているのであります。  第四は、この法律案の基底をなします臨時物価安定調査会の設置についてであります。臨時物価安定調査会は、内閣に置かれる強力な諮問機関でありまして、両院の同意を得て、内閣が任命した二十名によって構成され、次の事項について調査審議し、内閣の諮問に答申し、意見を述べることができるのであります。  調査審議いたします項目は次のとおりであります。  一、鉄道における運賃その他の公共料金等政府が規制する価格または料金に関する事項  二、独占または寡占の状態にある大企業における生産品または役務の価格または料金に関する事項  三、農業、中小企業の低生産部門における生産品または役務の価格または料金に関する事項  四、生産品または役務についての価格または料金に関する共同行為に関する事項  五、生産品の流通機構に関する事項  六、地価、地代及び家賃に関する事項  七、その他物価の安定に関する事項  第五は、専門委員、幹事、事務局についてであります。専門委員は専門の事項を調査するものでありまして、学識経験のある者のうちから内閣総理大臣が任命することといたしました。幹事は学識経験のある者及び関係行政機関の職員のうちから内閣総理大臣が任命し、調査会の所掌事務について委員を補佐することといたしました。事務局は調査会の事務を処理することとし、内閣総理大臣によって任命される事務局長のもとに三十名を定数とすることにいたしました。  最後は、主任大臣と法律の有効期間についてでありますが、内閣法にいう主任大臣は総理大臣とし、また法律の有効期間は、施行の日から五年を経過した日までとすることにしたわけであります。  以上、提案の骨子について御説明申し上げましたが、よろしく御審議の上、物価安定の緊急性を御認識いただきまして、御賛同くださることをお願い申し上げる次第でございます。

小笠公韶自由民主党

○小笠委員長 以上で、提案理由の説明は終わりました。  本案に対する質疑は、後日に譲ることといたします。  本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、散会いたします。    午前十時四十六分散会

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