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51回国会衆議院1966/06/23

農林水産委員会 第52号

発言数
99
登壇者
10
会派数
3
開催日
1966/06/23

会議録

中川一郎自由民主党

○中川委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許可いたします。大石武一君。

大石武一自由民主党

○大石(武)委員 舘林局長にお聞きしますが、この委員会には何時に来られるように連絡がありましたか。

舘林宣夫厚生技官(環境衛生局長)

○舘林政府委員 連絡があり次第出席するようにという話でした。

大石武一自由民主党

○大石(武)委員 連絡があり次第というと、きのうから連絡がなかったのですか。きょう十時半から農林委員会が開かれるという連絡はなかったのですか。

舘林宣夫厚生技官(環境衛生局長)

○舘林政府委員 当委員会に私が出席するのは、連絡があり次第出席するように、こういうお話でございまして、私は製菓衛生的法案が社会労働委員会にかかっておりますので、このほうへ出席するつもりでおったわけであります。

大石武一自由民主党

○大石(武)委員 とにかく、委員会があって開かれる場合には、できるだけ正確な時間に来てもらうように、そういう訓練をしていただきます。  これから質問の内容に入ります。いまから一月余り前の朝日新聞に、トキソプラズマ原虫が日本の肉類にはたくさんいる。それを扱っている屠場の人たちにもそれに汚染をされているものがたくさんおるというようなショッキングな記事が出たのでございますが、それを局長はお読みになっておりますか。

舘林宣夫厚生技官(環境衛生局長)

○舘林政府委員 私は、五月一日から約一月ほど外国へ出張いたしておりまして、お話の記事は、たまたま私の外国出張中、たぶん五月の半ばごろのある新聞の記事であったと思いますが、私は、帰ってまいりまして留守中の新聞は一通りおもな項目に目を通しましたので、お尋ねの記事は、私が帰ってまいりましたときに一応拝見いたしました。

大石武一自由民主党

○大石(武)委員 その記事をお読みになって、どのような感じを受けられましたか。

舘林宣夫厚生技官(環境衛生局長)

○舘林政府委員 このトキソプラズマのわが国における実際上の社会に及ぼしております諸種の現状から考えて、かなり大きな印象的な記事である、かように思いました。

大石武一自由民主党

○大石(武)委員 私は、行政的な面から、あるいは政治の面からの話をしているのですが、技術的、学術的な問題ではなくして、あのような記事が出た場合に、日本の食肉を食べているのは、ほとんど日本の国民の全部でしょうが、あの新聞記事を見て相当ショッキングな印象を受けたと思うのです。日本の肉というものはそれほどこわいものか、不潔なものかという印象を受けたように私は思います。また、人からもそのように聞いておりますが、そのような印象をあなたは受けられませんでしたか。

舘林宣夫厚生技官(環境衛生局長)

○舘林政府委員 検査員の六割が感染しておるというような記事は、お尋ねのような受け取り方をされるおそれは十分にある、かように思った次第であります。

大石武一自由民主党

○大石(武)委員 それで、あのような記事は、新聞記者がただかってに自分ででっち上げたとは思いませんけれども、どこか厚生省の——おそらく厚生省担当の記者が書いたと思うのです。おそらく、あなたのほうの環境衛生局が一番中心だと思いますが、どこからか何かの資料が出て、そのような暗示を与えたとはお考えになりませんか。

舘林宣夫厚生技官(環境衛生局長)

○舘林政府委員 多くの場所、記事を作成する場合には、関係の場所にそれに関する取材に参るわけでございますので、このような記事に関しまして、当局の所管の係のほうに当然連絡があった上で記事をまとめて書かれたもの、かように思っております。

大石武一自由民主党

○大石(武)委員 何ですか、環境衛生局のほうに連絡があってそのような記事を書いたというのですか、もう一ぺんはっきりと言ってください。

舘林宣夫厚生技官(環境衛生局長)

○舘林政府委員 記事を書きあげる前に、当然所管の担当のほうに連絡をいたした上で記事として書いたもの、かように思うわけであります。

大石武一自由民主党

○大石(武)委員 ちょっといまの答弁わかりませんが、新聞記者が、自分の新聞の記事を書くのですから、それは新聞社内の所管の担当がいろいろあるでしょうけれども、厚生省のどなたかにそういうことを連絡しなければならない義務、あるいはやり方がきまっておるのですか。ちょっといまの話わかりませんが……。

舘林宣夫厚生技官(環境衛生局長)

○舘林政府委員 多くの場合、記事を書く場合には、その記事に関係のある所管の部局に参りまして、担当の者ないしは私などから意見を聞いて書く場合が多いのでございます。この場合も、所管の課に参りまして、内容的な部分を聞いた上で書いたということを、その記者の方ではなくて、そういう記事の内容について照会があった、記事を書く前にトキソプラズマのことについて聞きに来たという話があります。

大石武一自由民主党

○大石(武)委員 私は、厚生省の役人が、これは事実かどうか、これから検討しなければなりませんが、あのようなショッキングなことを外部に発表して、日本の食肉を食べる大多数の国民に不安を与えるようなことは、行政上してはならないことだと思うのです。ですから、あの記事が出たのは、われわれは、あの記者がいろいろ断片的な知識をどこかから持ってきて、それでまとめて書いたのじゃないかと思うのです。厚生省にああいうことの連絡があって、あのようなことを漏らした、厚生省でそんなことはないだろうと思うのですけれども、それは実際連絡があったのですか。ぼくはないと思うのですが、どうです。

舘林宣夫厚生技官(環境衛生局長)

○舘林政府委員 大部分が現地、各地方その他の方面から材料を取材して書かれたものと推定いたしておるわけでございますが、少なくとも、あの内容のようなことは当局からは話していない、こういうことでございます。

大石武一自由民主党

○大石(武)委員 そうでしょうね。あのような国民に非常に不安を与えるような記事が、厚生省からそんなばかなことを言うはずはないと思うのですが、いま局長は、そういうことはないというお話ですからけっこうです。そのような心がけでひとつやってもらいたいと思うのです。私が質問するのは、別に何も責めておるのじゃない。あのような記事が出た場合に、行政をやる者は、国民にどのような不安を与えるかということを考えなければならぬと思うのです。ことに、日本人の体力なり体位というものが非常に劣っておる。これを何とかして外国に負けないようなりっぱな体力なり体位をつくり上げなければならぬというのが、日本の大きな使命なんです。そういう点からも、食生活の改善ということに大きな意味があります。そのような場合に、いやしくも食肉を食べることに不安を抱かせるような、これからやらなければならぬ食生活に不安を持たせるような行政があってはならないと思うのです。そのような点から考えて、あの記事にあるようなおそるべきこと、ほとんど日本の食肉が汚染されておるような、また屠場に働いている人間がみなトキソプラズマ原虫に侵されておるような事実はあるとは思いませんが、舘林さんどうですか。

舘林宣夫厚生技官(環境衛生局長)

○舘林政府委員 わが国のトキソプラズマは、哺乳類、鳥類等の原虫による疾病でございますが、ごく一部にはそのようなものに感染しておるものもございますけれども、それはごく一部でございまして、広くこういう疾病が広がっており、それによって人間が障害を受けておるというような事態は私ども承知いたしておりません。

大石武一自由民主党

○大石(武)委員 いまの話は、まことにけっこうな話です。あの新聞記事には、当時検査員の六〇%がトキソプラズマ原虫の保有者であるというようなことが書いてありましたが、そのような統計は別にないでしょうな。

舘林宣夫厚生技官(環境衛生局長)

○舘林政府委員 そのような統計的資料を私ども持ち合わしておるわけではございませんし、いま一つは、私どもの想像でございますが、トキソプラズミンという反応液を使いまして反応を見る、その結果、反応が出たというだけでございまして、それもごく一部の調査にすぎないということで、これが直ちにトキソプラズマの感染者であるという断定はできない、かように思います。

大石武一自由民主党

○大石(武)委員 質疑はこれで終わりにしますけれども、そうすると、日本の食肉の生産、流通機構並びにその食品衛生、こういうものについては非常に進歩しておる。そして現在の段階においては、別に国民の保健の問題、健康の問題として、食肉そのものが不安を抱かせるようなものではないと断言したいと思いますが、いかがですか。

舘林宣夫厚生技官(環境衛生局長)

○舘林政府委員 この問題となっておりますトキソプラズマにつきましても、数年来わが国で初めてこのような疾病があることが発見されまして、それ以来、非常に厳重に屠場において検査し、疑わしいものは処置いたしております。そのほか、例をサルモネラにとってみますと、外国の屠場などでは、サルモネラの汚染肉というのがときどき見られるわけでございますが、わが国の屠場におきましては、皆無といっていいほどでございまして、食肉による衛生上の危害というものは絶対防止するという方針で、厳重な検査をし、監督をいたしておる次第でございます。

大石武一自由民主党

○大石(武)委員 もう一言最後に。まことにけっこうです。それでは日本の食品衛生に関する行政とかすべての点において、安心して国民が生活できるように、今後ともひとつ御精進を願いたいと思います。これで質疑を終わります。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 それはちょっとおかしい。いま大石委員が、新聞の発表に六〇%病菌があるということを出されておる。ところが、あなた方のほうは、そういうようなことは皆無である、ただ、実験上そういうような実証があらわれたのだ、こういうふうに逃げていらっしゃる。何も私は言おうと思っておるのじゃないですけれども、しかし、国民に与えた影響というものは非常に大きい。国民というものは食肉に対して非常に敏感な反応度を持っておる。それを、いまのようなごまかしで云々するならば、もっと究明して、あなた方のほうで、新聞の発表が実際間違いであるなら間違いであるということを言明しようし、そうでなかったなれば、少なくとも、どこでどういう原因があったのか、また、その発表が実際新聞社の誤謬であったのか、そういう点は、行政上からして明確にしておく必要があると思う。そういう点で、あいまいにしてごまかす行き方というものはおかしいとぼくは思うのだけれども、これに対してどうお考えになりますか。

舘林宣夫厚生技官(環境衛生局長)

○舘林政府委員 トキソプラズマの存在というものは、正式には解剖いたしまして、リンパ腺の腫脹等をしっかり調べてみませんと、症状としては出てこないわけであります。したがって、間接的にトキソプラズミンという反応液を使って見るわけでありまして、それによってある程度の推定をするということになるわけでございます。また、その検査も、統計学的に見て、全国が全部推計できるだけの検査をいたしませんと、検査員の平均の感染率というものもわからないということでございまして、したがいまして、検査をいたしましたトキソプラズミン陽性者は、確かにいままで検査した結果相当高いものもあったわけでございますが、これをもって直ちにこれに感染をしておると断定することもできませんし、また、トキソプラズマの検査員全体がこのような比率で感染しておるということも言いがたい、かように私どもは考えております。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 いまのような御答弁では、ぼくは納得できない。一部分を検査して、それが非常に高い比率が出てきたのだという、一部を取り上げて云々するなれば、何も全体的に見てこうだという結論は出ていないはずです。新聞の発表というものが間違っているのであるならば、そういう訂正のしかたを明確にしておかないと、国民は全部が全部、食肉にはほとんど病原があるのではないかという不安にかられておる。そういう点の発表のしかたの根源なり——私は政治的に言っているのです。そういうことを明確にしてあげることが、あなた方の行政上の大切な点ではないか、とれを聞いているわけなんです。

舘林宣夫厚生技官(環境衛生局長)

○舘林政府委員 ただいまのような点は、記事の内容を読むと明確になるわけでございますが、タイトルだけ読みますと、「検査員の六割感染」というものが大きな字で出ておりまして、したがいまして、大石先生からお話のございましたような印象を受けるわけでございます。中をよく読んでいただきますと、そのようなことが詳細に書いてあるわけでございます。したがって、その内容的な点を私は申し上げたわけでございまして、この記事がそのような誤解を与えておる点がありとすれば適当でないということで、適当な機会にこのようなことが明確に伝わるように、係のほうからただいま新聞社のほうにお願いしておる段階でございます。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 結局、あなたの結論をもっと明確にしておけばいいのです。これは部分的のものであって、大半はそうでないという自信があるならば、自信を持ってそのことを明確に答弁されれば、そういう誤解は生じない、それを、ああでもない、こうでもないというような答弁をしよると、かえって複雑になって誤解を生ずるのだから、ほとんど皆無に近いなら皆無に近いのだ、ただ一部分がこういうふうになったのだということを、これはちょうどいい機会ですから、あなたのほうで厳格にそういうことを言明したらどうです。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 どうも局長の御答弁、納得しがたいのです。と申しますのは、トキソプラズミンですか、そういう試薬を使って陽性の率が非常に多いということはお認めになっておるわけですね。そうすると、陽性の率が多いということは、これはお医者さんの質問中で恐縮なんですが、たとえばツベルクリン反応の陽性が多いということと似た現象じゃないかと思うのです。陽性が多いということは一つの危険信号であって、何んでもないのだ、ちっとも心配ないのだということにはならないと思いますが、どうですか。

舘林宣夫厚生技官(環境衛生局長)

○舘林政府委員 長いこと屠夫をやっておりますと、中にたまさか、まれにある者に感染をしても、反応は一生涯消えないことがあるわけであります。その疾病そのものはすぐになおるといいますか、トキソプラズマそのものは死滅するわけでございますので、現在そのような反応を示す者が、ただいまそのトキソプラズマの寄生中であると言うこともできません。また、現にこれらの者は、ほとんど障害を出しておらぬわけでございまして、普通の人が回虫がごく少量ぐらいいても何ら障害がない場合が多いと同じように、ほとんど障害はないわけでございます。したがって、今日のところ、肉によって障害が起こっておるという事例は一つもないので、少しも心配はございません。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 回虫を保有しておる者が多いけれども、それによる病気は少ないのだから心配ない、こういうたとえは、これは納得できないと思うのです。一匹でもおれば駆除しないと、どういう障害が起こるかわからない、こういうことなんでしょう、厚生省の立場としては。だから、陽性を示す者が多いということは、感染するあるいは発病する、そういう可能性を持っている。そういうことを調べるために、いまのような試験をしておられるのです。だから注意しなければならないということなんじゃないですか。そうでないと、何のために検査をしておるのか全くわけがわからぬことになるのじゃないですか。

舘林宣夫厚生技官(環境衛生局長)

○舘林政府委員 例が回虫で不適当であったと思いますが、むしろ大腸菌があるというような例のほうがかえっていいと思います。ただ、それでございましても、万が一の障害を心配して万全の措置をとって、こういうものを保有しておる肉は全部廃棄させ、処置させておるわけでございます。ただ、それらの操作の間に、それを扱う屠夫そのものが感染することは、長い間には一回や二回はある。その意味で反応だけは残るというわけでございまして、肉には絶対にそのような心配がないという処置をいたしておるわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 最後のような御答弁なら幾らか了解できますけれども、答弁の途中で回虫から大腸菌に変わるような、そういうことがあるから非常に心配なので、もう少ししっかりした態度でお臨み願いたい。ちょっと御答弁が気になりましたので、関連してお尋ねしたわけです。

中川一郎自由民主党

○中川委員長 舘林局長に委員長から申し上げますが、この件について国民が非常に危惧しておる点が多いと思うのです。いま中村委員から御要請のありましたそういう点は心配ないという点を、いろいろ科学的に検討なさったあなた方の見解に基づいて、新聞社にあらためて発表される御意思はありませんか。

舘林宣夫厚生技官(環境衛生局長)

○舘林政府委員 いまの心配の点は解明をするように前々から特にこの記事の出た新聞社に御連絡をし、お願いをいたしておるわけでございまして、厚生省の考えとしまして、各都道府県には、そのような誤解を招かないように指示をいたしてございます。ただ、問題が問題でございますので、扱いは非常に慎重にいたしたい。私どもとしては、今後誤解のない扱いをいたしてまいりたい、かように思います。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 先ほど私が言っておるのもそれなんだ。要するに、中途はんぱな、わけのわからぬようなものの言い方をするからいけない。あなた方自信があって、そういう病気というものは実際人体に及ぼす影響はたいしたことはないのだ、これこれこうなんだという確信があるんだったら、なぜそれを明確にしないのか。それを明確にしないから、中途はんぱになって誤解を受ける。ということは、あなた方の考えていることは口先だけで、実際は非常に危険なんだという誤解すらいまの答弁では受ける。何もお願いするとかなんとか、新聞社に対するそういう事柄ではない。あなた方自身の自信の問題なんだ。どうなんですか。隠すことは必要ないんじゃないか。自信があるんだったら自信があると明確にしておいたらいい。

舘林宣夫厚生技官(環境衛生局長)

○舘林政府委員 現在、屠場で検査を終えて出回っております食肉は安全なものである。かような不安を取り除く私どもの見解は、厚生省の記者クラブへ私どもから発表いたします。

中川一郎自由民主党

○中川委員長 兒玉末男君。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 でん粉に関連する問題で、特にイモ価格その他について御質問をしたいと思います。  岡田第二部長にお伺いしたいのですが、昨年から、でん粉の需給関係が非常にアンバランスになっていると聞いておりますが、ことしのイモでん粉の需給関係は大体どういうふうな状態になっているか、お聞きいたしたいと思います。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 御質問の昭和四十イモ年度のでん粉の総合需給について簡単に申し上げますと、供給といたしましては、カンでん、バでん、麦でん粉、コンス、輸入でん粉等を入れまして百五万八千トンということになるわけでございます。一方、需要のほうは百十四万八千トンということで、全体といたしまして九万トン不足するということに相なるわけでございます。したがいまして、これに対しまして現在コーンスターチで供給をせざるを得ないというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、九万トンのコーンスターチをふやしますことによりまして、全体として需給のバランスはとれるというふうに考えておるわけでございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 特にイモの作付が毎年減反の方向にある、こういうことを聞いているわけです。これはもちろん昨年若干の価格の改定を行ないましたが、まだまだその価格でも、特に生産農民として収益性が実質的には低下の傾向にある、こういうことが、私は作付の減る原因ではなかろうかと思うのですが、この辺の状況は食糧庁としてどういうふうに判断をされているのか、この点お聞かせをいただきたいと思います。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 三十九イモ年度におきましては、カンでんは六十五万トンの出回りをいたしたわけでございますが、四十年につきましては五十二万トン程度ではなかろうかというふうに考えております。三十八イモ年度から三十九イモ年度、四十イモ年度と、逐次カンショでん粉の生産並びに出回りが滅ってまいっておるわけでございます。  この原因といたしましては、いろいろなことが考えられるわけでございまして、まだ的確に申し上げるということはむずかしいと思うのでございますけれども、一つは、労働力の流出という問題、農業構造上の問題とからんだ問題があろうかと思っております。  価格につきましては、昨年度も相当高い水準であったということから考えまして、四十イモ年度も減るというふうなことを考えますと、単に価格だけの問題ではなくて、農業の構造上の問題が一番大きな影響を与えるのではないかというふうに考えておる次第でございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 食糧庁のこの資料によりますと、大体農安法に基づく支持価格の推移状況というのを表によって見ますと、昭和三十年に三七・五キロ当たり二百六十円のイモ、歩どまり二一%、それが、四十年度において三宮二十円、わずかに二%そこそこの上がりしかない。しかも、歩どまり二一%を二四%にした点から考えますと、ほとんど実質的に横ばいの状況じゃないかと思うのです。しかも、諸物価の値上がりあるいは物財等の値上がり等からしますならば、少なくも、イモ作の反収というものが、その日額の金額につきましてもきわめて低いところの労働報酬しかない。この基本的な価格政策で、いま部長が答弁されました構造上等の問題もありましょうけれども、やはり農民が意欲を失っている。同時に、イモをつくっても十分やっていけない、こういう要素が最大を示しておるのじゃなかろうかと私は思うのですが、そういう点はどのように認識をされておるのか、この点をお聞かせをいただきたいと思います。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 御指摘のように、形式的に見ますと、基準価格というものは、必ずしも毎年高くなってきてはいないというふうな過去の実態にあったわけでございます。最近は逐次上がってまいってきておるわけでございますが、基準価格と申しますのは、御承知のように、でん粉の価格が低落する場合に、下ざさえの価格ということになっておるものでございますから、現実的には、それとは別個の市価というものが形成されておるわけでございます。したがいまして、農民の手取りといたしましては、必ずしも基準価格水準というわけではないわけでございます。一方、生産も、生産振興の成果があらわれておりまして、反収の増大、歩どまりの高い品種の普及という形で、農民の手取りといたしましては、極端に生産がふえまして暴落いたしました年は別といたしまして、農民の手取りは増大をいたしておるというふうに考えておるわけでございますが、また一方、基準価格にいたしましても、これはカンショの生産費は十分償っておるわけでございます。特に現在の基準価格が著しく問題があるというふうには考えてはいないわけでございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 これは農安法によりましても、パリティ指数あるいは生産費、また特に需給事情あるいは経済事情、こういうもの等が加味されて価格が算定されるようになっております。特に先ほど部長も答弁されましたとおり、でん粉の需給関係は依然として不足の状況にある、こういう点等から判断いたしますならば、少なくとも、過去十年間の価格の推移と同時に、また第一次産業である農業の生産性あるいは経済情勢、また農業所得、こういう点等から判断しても、同時にまた、イモ作以外に他に転換すべき方法はないというふうな諸情勢から判断いたしましても、当然、本年度の基準価格の中においては、昨年よりも上向きの姿勢で価格の算定がなされるべき要素が私は十分ある、こういうように判断いたすわけですが、その辺について、部長としてどういうふうにお考えになっておるか、お聞かせいただきたい。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 今年と申しますか、昭和四十一イモ年度のイモでん粉の価格につきましては、もちろん、法律に基づきました計算方式によって計算いたすわけでございます。その基礎資料が整っておりませんので、現在どのようになっておるかというふうなことを判断するのは、まだ早計であるというふうに考えるわけでございます。最近はでん粉が不足という事態にかんがみまして、かなりでん粉は高騰いたしておるわけでございます。でん粉の需給事情というものがある程度価格に反映するような形になっておりますので、そういう面からも、でん粉の価格というものがどのような形になりますか、十分検討してまいりたいというふうに考えております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 次に、ブドウ糖との関係ですが、現在砂糖との関連でもかなりブドウ糖の価格が低迷している、こういうことを聞いておるわけですけれども、どういうふうな状況になっておるのか、現況についてお聞かせいただきたい。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 御承知のように、最近でん粉が非常に高騰をいたしてまいっておるわけでございます。そこで、このでん粉を原料といたしましてつくりますブドウ糖のコストもかなり高くなってまいっておるわけであります。ところで、一方で糖価の影響等もございまして、ブドウ糖の価格というものは、なかなか安定しないという状態にあるわけで、ブドウ糖産業はかなり困難な状態に入っているわけでございます。ブドウ糖に対しましては、糖価安定法によりまして、必要な場合に農林大臣が指示をして買い入れをするということになっておるわけでございまして、現在ブドウ糖を事業団で買い入れする時期になってまいっておると思います。そういう意味におきまして、現在どのような方法でどの程度買うかということについて、政府内部で鋭意検討をいたしておるわけでございまして、できるだけ早急に結論を出しまして買い上げを実施したいというふうに考えておる次第でございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 特にこのブドウ糖業界の不況であるということは、ひいては、結局長い目で見た場合、カンショでん粉の価格にも直接影響してくる重大な問題だと私は思うわけです。そういう点からいきましても、いま部長が答弁されましたように、糖価安定法の第二十五条並びに附則の第四条の二項によっても、これらの買い入れというものが、企業合理化の過程にあるとはいえ、当然早急にこれは買い入れをすべきだ。また、これらの点については、大蔵省との関係もあるやに聞いておりますけれども、特に主管庁である食糧庁として積極的な買い入れ対策に取り組んでいただきたい。この点について部長の御所見を承りたいと思います。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 カンショでん粉の消費の相当な部分がブドウ糖で行なわれているわけでございます。そういう意味から、カンショでん粉の消費を維持するためには、ブドウ糖産業を育成強化する必要があるというふうに思っております。そういう意味から、この際ブドウ糖の買い上げを行なう必要があるということで、鋭意大蔵省と話を続けておるわけでございます。先ほど申し上げましたように、できるだけ早く結論を出したいということで急いでおります。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 特にこの点は問題が大きいので、政務次官にも御質問したいと思うのです。いま、部長がその意向を明らかにされましたが、特に甘味資源の確保、同情に、ブドウ糖並びにでん粉価格の維持という点からも、きわめて私は大きな課題だと思うのですが、特にこの際、次官の御答弁を私は要求したいと思います。

仮谷忠男自由民主党農林政務次官

○仮谷政府委員 いつも、カンショの支持価格の問題につきましては児玉委員おっしゃったようなことが議論されておるわけで、私どもも絶えず関心を持っておるわけでありますが、でん粉価格の現在の状態、でん粉不足の現在の状態、それに引きかえて、砂糖価格に影響されたブドウ糖の今日の状態、こういうことを考えてみると、これは早急に対策を考えなければならぬと私ども思っておりまして、いま部長が御答弁申し上げましたように、まずブドウ糖の早急な買い入れ実施という当面の問題を努力しなければならない、かように存じておるわけであります。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 時間の関係がございますが、あと一問お聞きしたいと思います。  特に部長にお伺いしたいのは、先ほどイモ類のことで答弁がありましたが、特に、このカンショの場合は非常に生産性が低い。ですから、やはり品種の改良なり技術改良または構造改善等を進めて反収を上げるということもきわめて大事だ、同時に、イモでん粉等の用途の開拓ということも、私は十分考慮していく必要があるのではないかと思うのですが、これらの点について部長の御所見を承りまして、私の質問を終わりたいと思います。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 お話のように、でん粉産業の発展をはかりますためには、どうしても消費の拡大というふうなことが大事であると思うわけでございますが、この点につきましては、価格の安定ということも消費を拡大する上においては重要な要素になろうかというふうに考えております。価格をできるだけ安定させまして、消費を拡大していくということにつきまして一段の努力を払いたいというふうに考えておる次第でございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 ただいまの兒玉委員の質問に対して、関連質問をいたしたいと思います。  先ほどの部長の御答弁によりますと、基準価格には問題はなかったんだということでございます。基準価格に問題がなければ、当然に農家も生産に意欲を持ち、そしてそのことは、十分なイモの生産が行なわれて、こういうでん粉の不足という事態が生まれないはずでありますが、農林省が考えておる、問題がないのだと思う基準価格、しかし、これは農家には問題がある、だから引き合わない。そこで、昨年は市況としては確かによかった、それでありながら、イモの生産量なりあるいはでん粉の見込み量としては減っている、こういう事態は、政府がおきめになる基準価格というものにたいへん問題があるから、こういう現実になってくると思うのです。この不足をコンスで埋めていくのだ、こういうことでありますが、そういたしますと、そこに今日の農政上の一番ポイントがあると思います。政府は基準価格に問題がない、こういうふうにお考えになられるけれども、実際にはそれで生産が貫かれていない、ふえてこない。そこの根本的なところを農林省として、また政府としてどうお考えになるか、御答弁願いたいと思います。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 ただいま御質問の点でございますが、過去のカンでんの歴史を見てまいりますと、非常に生産が多くて需要をオーバーするというふうな傾向もあったわけでございます。そういうふうな関係を通じまして価格の変化を見てまいりますと、まあ、いわば一年ごとに価格が高くなったり下がったりするというふうな変動を繰り返しておるように思うわけでございます。ところが最近におきましては、傾向として生産が減ってくるというふうな形になりまして、現実の市価は、まあ、かなり高い水準に推移をしてまいってきておるということが言えると思います。そういうふうな事態になりまして、なおかつ生産が過去の経験のようにふえてこないというふうなことを考えますときに、価格関係のみが生産を規制する要因であるかどうかということについてはやや疑問がある。もちろん、価格というものが生産に及ぼす影響というものは無視できないわけでございますけれども、現実の姿を見ますと、必ずしもその価格関係だけで生産が推移しているというふうにも考えられないように思うわけでございます。  そこで、イモの生産につきましては、現在かなり全国的につくられておりますけれども、南九州地帯が中心になりまして、それ以外の、いわば中間地区は逐次生産が減少している。南九州地区については、まあ、ほぼ現在の状態を維持されておるというふうな状態になっておると思うのでございますが、そこでやはり、イモをつくるに適しておるし、またイモをつくる必要があるところ、いわゆる特作地域、そういうふうな地帯は、やはり生産を強化するというふうな形にいくべきではないかと考えておるわけでございます。傾向としては、先ほど申しましたような形で生産が逐次減っていくのではなかろうかというふうに考えておりまして、コンスターチにつきましては、無制限に入れるということでなくして、まあ、不足分の必要なものにつきましてコンスターチを供給するというふうな考え方がいいのではなかろうかというふうに考えておるわけであります。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 いまのは現象をトレースしただけであって、本質的な説明にはなっていないと思うのです。価格関係だけの問題じゃないのだ、こういうことになりますと、つまり、いままでイモ作をやっていたところはやめざるを得ないという構造的な問題があるのだ、こういうことであります。なるほど御答弁のように、バレイショにおきます北海道、あるいはカンショにおきます南九州というのは、宿命的なそういう生産事情というものを持っておるわけであり、そういうものが、いや応なしに現在の生産地というものを局地化していく、こういうことになるわけでありますが、それであるならば、具体的に、そういう生産が局地化されておる、カンショについていえば南九州に集中してくる、こういうことに対して、積極的な政策をとることによって、いま言われた価格関係だけでない、振興策というものが貫かれてしかるべきだと思うのです。そういう方向だ、こういうふうに御答弁になられたわけでありますけれども、それならば、具体的にどのようにいま政府としてお進めになっておられるか、御説明願いたいと思います。

小林誠一農林事務官(園芸局長)

○小林(誠)政府委員 南九州を中心といたしますカンショの生産振興の問題でございますが、先ほどからお話がございましたように、作付面積は全国的には減っておりますが、南九州等の主産地等におきましては、この減少のしかたがゆるやかである、あるいはほぼ横ばいでございます。いろいろの事情があるのでございますが、総じて申しますと、原料用イモ作につきましては、大体作付面積も横ばいでございまして、これは単にカンショの生産事情だけでなく、それを取り巻くいろいろな条件があると思いますが、私たちといたしましては、そういうような主産地につきましては、これは生産の振興をはかっていかなければならないという考え方に立っておりまして、園芸局におきましては、まず、その原種でございますとかあるいは原原種というものを確保するということで、原種圃、原原種圃の設置事業の実施を行なっておるわけでございます。また、その反当収量を増加いたしますと同時に、生産コストもこれを低減するという意味におきまして、具体的に合理化を推進する必要があるというので、その実験集落の設置を実施いたしております。そこにおきます省力栽培の機械の導入でございますとか、あるいは圃場消毒の問題でございますとか、あるいは種イモの貯蔵、栽培技術の確立というような点に力をいたしておるわけでございます。また、やはり原料用のイモにつきましては、高でん粉品種のものを普及する必要があるというようなこともありますし、また、カンショの早期栽培ということで、輪作体系の中で早期栽培を確立するということも必要でございます。それらの点につきましていろいろ予算措置も講じておりますし、また、それを通じます指導につきまして、遺憾なきを期したいというふうに考えておりまして、せっかく努力いたしておる次第でございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 それじゃ次に、でん粉の見込みとして、でん粉の需要は全体的にはふえておりますね。今後もでん粉全体の需要というものは、大体いまのような率でふえるというふうに見てよろしいですか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 これはでん粉にもいろいろ種類がございまして、必ずしも一様ではございませんですけれども、でん粉の需要関係というものは、私たちも把握が非常にむずかしいわけであります。価格の変動によりまして、非常に需要が伸びたり縮小したりするということがございます。特に昭和四十イモ年度につきましては、かなりでん粉価格が高水準にありますために、需要がそれほど伸びないのではないかというふうに考えておるわけであります。しかし、傾向的に見ますと、消費は若干ながら伸びていくものだというふうに考えておる次第でございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 そういう状態になりますと、昭和二十七、八年に八千トンだったコンスが、現在二十七、八万トン、こういうことで、でん粉に食い込んできておるわけですね。それで需給のバランスを保っておるのだ、こういうことになっておりますが、そういたしますと、でん粉の需要は、傾向としては、価格関係はあるが伸びるだろう、そういう中で、コンスそのものをどういうふうに位置づけようとしておるのか。つまり、足らないからコンスを入れる。しかし実際、これは後ほどまた農安法との関係でも触れてまいりたいと思うのですが、農安法制定当時の大勢からいたしますならば、現在の政府が進めておりますこの農安法によりますイモ作なりでん粉に対する施策なりというものは、実際にはコンスをふやしていく、コンスのでん粉の中に占める割合をふやしていく結果になっておると思うのです。そういう意味で、コンスというものについて根本的にどうお考えになっておるのか、方針をお示しいただきたいと思います。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 従来は、カンでん、バでんで国内のでん粉の需給がおおむね満たされておったわけでありますけれども、先ほどから申し上げましたように、カンでんがやや減ってまいった、こういうふうな状態で、でん粉全体の供給力としましては需要に足りないという形になってまいったわけであります。そういたしますと、これは何らかの形でこの穴を埋めざるを得ないということになってくるわけでございます。そこで、その不足分につきましてコンスを考えるというふうな考え方でまいってきておるわけであります。御承知のように、コーンスターチは、トウモロコシが自由化されまして、自由な企業として成り立ったわけでございますけれども、それのカンでんなりバでんに対する影響というものは、自由に放任しておきます場合には無視できない影響を与えるということで、現在、関税割り当て制度をとりまして、必要な量を規制するという形をとっておるわけであります。今後もコーンスターチにつきまして、でん粉の需給関係を混乱させることがないような配慮をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。ただ、全体の必要な供給を確保する、需要に対する供給を確保するということは必要でございますので、あまり不足をするということになりますと、一方では、小麦でん粉というふうなでん粉の種類もございますので、これもまた伸びてくるという形になると思うのでございます。その辺は、十分需給の関係を配慮して処置していきたいというふうに考えておるわけでございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 トーモロコシを自由化した、砂糖を自由化した、そういう状態の中で、やむを得ないのだということになるわけでありますが、私は、昨年あるいは一昨年の本委員会においても、その点については触れたわけであります。いまの時期に国内産のでん粉、これはカンでん、バでんともに十分なことをやらなければ、コンスが食い込むでしょうし、コンスが食い込んだ地位、橋頭堡というものは、確固としてさらに拡張されていく、こういうことになるわけであって、ここ一、二年が特に国内産でん粉の問題にとって、あるいはそれの生産農家にとってはきわめて重大な岐路になるのだ、こういう点を私たちは指摘をいたしてまいったわけでありますけれども、そのことは現実にそういう状態になってきて、足らないからこれで埋めるんだ、こういうことになってきておるわけです。しかも、先ほど御説明のように、南九州なり北海道というのは、そういうやむを得ない生産条件の中にある、といたしますと、元来でん粉が伸びる傾向だ、こういう傾向からいたしますならば、コンスの規制というものが十分に行なわれれば、国内産でん粉については、あるいは価格なり、さらにはイモ作の振興なりというものが十分に行なわれてそれが償い得るならば、国内産のでん粉というものは幾らつくってもだいじょうぶだなんというくらいの情勢にあると思うわけです。ただし、それが砂糖の自由化、トウモロコシの自由化、そういう中でいま侵食をされてきて、そうして事実上年々に減っていく。でありますから、農林省の出しております長期見通しを見てみても、これは四十六年の試算のようでありますが、お尋ねしてみたいと思いますけれども、大体イモについて、あるいはでん粉については、四十六年度はどの程度イモを見ておるのか、カンショを見ておるのか、見通しをお示しいただきたいと思います。

小林誠一農林事務官(園芸局長)

○小林(誠)政府委員 将来の見通しにつきましては、現在他の農産物の一環といたしまして作業中でございまして、将来の見通しがどうなるかということは、技術的にはまだわかっていないのであります。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 それではコンスの問題にもう少し触れたいと思いますが、昨年の四月から一次関税として一〇%十八万トン、二次関税の二五%、こういうことであったのでありますけれども、ことしの三月の関税審議会では、足らないからということで、二次のやつをさらにはずして一次のほうに入れていく、こういうことで、コンスのワクを実際広げているわけです。この点はますます国内産でん粉の競争力というものを落としておるわけであります。この点いかがですか。そうしますと、これは、さらに国内産でん粉としては押えられてくる、こういう結果になるわけであります。そういたしますと、昨年の、当初の関税定率法で定められましたその精神というものは、もうすでにくずれ去っておる、こういうふうに見ざるを得ないと思うのでありますが、いかがでありますか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 関税割り当ては昨年十八万トンということであったわけでございますが、本年は、九万トンふやしまして二十七万トンというふうな考え方をいたしておるわけでございます。これは先ほど申し上げましたように、需給の関係からいたしましてどうしても不足をする、不足をいたしますと、でん粉の価格が当然高騰いたしまして、その結果、暴騰いたしましてかえって消費が減退して、将来でん粉の消費をふやすということにならないおそれがある、そういうふうなこともございまして、価格を安定さすと同時に、需給の関係を正常に保つ必要があるのではないか、そういうことで、必要な最小限度においてコーンスターチの割り当てをいたすということにしたわけでございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 これはコンスの場合も、業界から非常に強い圧力というか要望というか、そういうものがあると思います。現在四十万トンの生産能力を持っておる、だから赤字経営でどうにもならぬ、一方足らない、こういう情勢で出てくるわけなのです。さらには、砂糖のほうも、事業団ができたが、さっぱり安定しない。カルテルの問題もございますけれども、しかし、この砂糖にいたしましても、設備能力のむちゃな拡張をやっておるわけです。ですから、ほんとうにイモ作農家の生活安定といいますか、経営安定をはかろうとするならば、そうした企業の自由だということで砂糖なりコンスなりの出産能力、設備拡張を無制限に認めておるというところに根本的な問題も一つあると思う。これについては、農林省としてどうお考えですか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 お話のように、砂糖の生産設備が過剰でありまして、過当競争をいたして糖価が下落しておる実情にあると思います。砂糖の自由化をいたしまして合理化をするということでそういうふうな形になってまいったわけでありますけれども、現在におきましては、それが非常に問題があるということは業界でも十分認識をいたしまして、現在、設備の新設制限をするというふうな考え方になってまいっておるわけでございます。私たちも、そういう方向で指導をいたしておるわけでございます。コーンスターチにつきましては、先生四十万トンとおっしゃいましたけれども、大体三十数万トンだろうと思うのでございます。これも、一応自由化されたあとにそれぞれ合理化をするという必要面から生じてきたわけでございますが、現在の状況は、砂糖と違いまして、非常に過当な設備というのではないのではないかというふうに思うわけでございます。現在の輸入割り当て数量から見ますと、これは操業度は低いかもしれません。もちろん企業でございますから、企業の存立を維持するような操業をやりたいということは当然だと思うのでありますけれども、これはカンでんなりバでんの全体の立場から、コーンスターチの必要限度に割り当てはとどめておるわけでございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 でん粉の分野におきますコンスは、具体的にいえば水あめ等に流れていないかどうか。それから将来の糖化原料としてのコンスをどう考えておるか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 コーンスターチにつきましては、たびたび申し上げておりますように、本来的な用途といたしましては、繊維だとか製糸だとかの加工の分野が中心であるわけでございますけれども、価格関係いかんによりましては、同じでん粉でございますので、水あめ等にも使われるということには当然なると思います。私たちのほうでは、コーンスターチにつきましては重点を本来の用途に置きまして、それを中心にして消費されるということを期待し、また、そういうふうな形で指導しておる。ただ、水あめ等につきまして、カンショでん粉が不足いたします場合にはでん粉が騰貴いたしまして、その結果、また水あめが著しく騰貴するもまたは砂糖の関係で騰貴しない場合には、水あめの企業が非常に困って、水あめの供給が減ってくるということにもなるわけでございますが、その点は、安定的な形で水あめが消費されますように、若干のコーンスターチが水あめにいくということもやむを得ないのではないかというふうに考えております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 それじゃ困るんです。実際そういうことでどんどん入っていくわけですね。ですから、行政指導としては、これは糖化原料の分野には回さないのだ、こういうことだと思う。それが実際には、足らないからということでくずれつつある。もうすでにくずれているわけです。現在持っております長期見通しでは、私は四十万トンと聞いておりますが、三十数万トンと言われますけれども、このコンスの生産能力あるいは近代的な設備、そういうもので押しまくれば、これは糖化原料としても、カンでんの分野が非常に侵食されるということはもう目に見えているわけです。でありますから、コンスについては強い行政指導をやるのだ、こういう当初の出発からいたしまして、コンスの糖化原料としての分野は規制していくということを明確にしていかなければ、カンでんについてはさらに後退せざるを得ない、こういうことになると思うのです。いかがですか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 お話のように、われわれといたしまして、原則としては本来の用途に使うということは、現在でも指導のプリンシプルにいたしております。ただ、でん粉が不足いたしますために、水あめ業界その他からやはり何らかの形で原料を供給することを強く要請をしておるわけです。そういうふうな点から、原則はただいま申し上げたとおりでございますけれども、若干のものがそちらに回ることを絶対に禁止するというわけにはなかなかまいらぬのではないかというふうに考えておりまして、カンでんに悪影響がないような形で行政指導をしてまいりたいというふうに考えておるわけであります。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 この点、もう一つ念を押したいと思いますけれども、カンでんばかりでなくて、バレイショでん粉にしてもあるいは小麦でん粉にしてもバでんのほうはいままで伸びてきておるわけですけれども、そういう中で、先ほどの御答弁だとだいぶんゆるいのです。いまは少しニュアンスが変わってきましたけれども、これはもう少しぴしっとしておかないと、どうも情勢、情勢だということで、事情変更の原則でどんどん変わっていくわけです。そこがやはり一番きちんとしていなければ、特に生産性の低い後進地域である南九州あるいは北海道——北海道を後進地域と言ったらおこられるかもわかりませんけれども、まあ、われわれの南九州は死活の問題なんですから、その点はもう少しきちんとした姿勢をお示しいただきたい。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 先ほど申し上げましたように、原則としては本来の用途に使用するということを原則として、現在でも指導をいたしております。ただ、水あめの原料が非常に不足いたしまして、カンでん、バでんで足りないということになって、それで一体その不足分について何を供給するかということになりますと、これはやはり何らかの形で供給措置をしなければ水あめの価格が暴騰するとか、あるいは消費が減退するということになるわけでございますから、その点は、水あめの状態を考えながら対処していかざるを得ないと思うのでございますけれども、原則はあくまで本来的な用途に使用するというたてまえで指導をすることについては、今後も変わりないというふうに考えております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 その根本は、でん粉は、傾向としては需要の増大傾向ですね。それであるならば、その中に占める必要量というものは大体見通しがつくわけですね。その中でなおかつ不足という現象が出てくるというところに根本の問題があるわけなんです。それは結局、イモ作なりバレイショ作なり、あるいはでん粉企業、ブドウ糖企業に対する振興策いかん、そこが抜けているから不足という現象が出てくる。もう一ぺんまたもとに戻りますけれども、イモ作の振興について抜本的なものがないからこういう現象が出てくるわけです。やはりコンスについては、当初の原則というものはあくまでも貫くということを明確にしてもらわなければ、でん粉が足らないのに、基準価格でいいのだ、問題はないと思いますと言われながらも、なおかつイモ作の不足の現象、こういう状態にあるわけなんですから、そこの根本をやはり農政の立場から考えてもらわなければだめであって、もう一ぺん、そのコンスの問題についてはきちんとする。それからそれに関連をしたイモ作の振興というものについての明確な方針を、次官からひとつお願いします。

仮谷忠男自由民主党農林政務次官

○仮谷政府委員 ちょっと初めのほうを聞き漏らして、あるいは失礼になるかもしれませんが、でん粉とイモ作の問題について、児玉委員やらまたいろいろ御質問をいただいておりますが、率直に申し上げまして北海道のバレイショあるいは南九州のカンショ、私も実は四国でございますが、四国は実はカンショは相当やっておりますから、非常な関心を持っておる一人でございまして、そういう面から、たとえばカンショの価格の問題にしましても、重大関心を持って当たっておるわけでございます。ただ、若干私どもが考えますのは、支持価格というものを一応政府がいたしましても、その支持価格自体が実行されておるかどうかということがいままでの現実の問題だった。だから百姓の側から言うと、支持価格が高い安いというよりも、むしろ政府の最低の支持価格そのものが完全に履行された取引ができるようにしてもらいたい、こういうことが問題で、結論的にいえば、安定をするということが現実の問題じゃないかということを考えております。今年のごとくでん粉が非常に足らなくて、いわゆるいろいろ問題になっておるときはともかくですけれども、御承知のとおりでん粉価格というものは非常に上下がありまして、でん粉そのものが非常に出回りが多いときには価格が非常に下がっている。せっかく支持価格は出しても、支持価格をはるかに下回る取引がされておるというような状態が続いてきておるわけでありますから、私どもは支持価格そのものも大いに検討しなければならぬが、まず支持価格どおりどこまでも取引ができるような体制を整え、安定せしめるということが先決問題じゃないか、こういう考えのもとに実は努力をいたしておるわけであります。御意見は十分にわかるわけでありますが、そういった面を努力すると同時に、その価格の安定の面でも努力をせなければならないと思います。したがって糖価安定法等も実は生まれたわけで、先ほど児玉委員からもお話がありましたでん粉、ブドウ糖の買い上げ等も積極的にやらなければならぬじゃないかというふうに思っておるわけであります。このコンスターチの問題も、確かに御意見があるわけでありまして、これがいつもでん粉やカンショの価格決定のときに、農業団体からも議論がされておることは私どもも承知いたしておりますが、私たちは、これはあくまでもでん粉不足の場合の補充として考えるべきものであって、この問題については真剣に取り組んでいかなければならないと思います。このことによってでん粉が左右され、そしてそれがカンショ価格に変動を起こすということが将来あってはならないから、あくまでも不足の場合に補充するという基本線で問題に取り組んでいかなければならぬのではないかという考え方を持って臨んでおります。  初めのほうは聞き漏らしておりましたので、御答弁になったかどうか、基本的な考え方はそういうところに置いて努力をいたしていきたいと思っております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 糖価安定法によりますならば、砂糖市価の安定によってブドウ糖の消費の維持をはかる、こういうことになるわけですね。そして砂糖の価格が著しく低落した場合、ブドウ糖を買い入れることができる、こういうことで間接保護をやっているわけです。でありますから、先ほど部長が繰り返し御答弁のように、私も指摘をいたしましたように、現在とっておられます施策というのは、イモ作振興というものが抜本的に伴っておりません。でありますから、結局コンスの振興策だ。現在の国内産でん粉なり国内産のイモに対する政府の施策というものは、つまるところ、現行の農安法によります需給均衡の価格方式、あるいは現在の糖価安定法のもとにおける制度というものは、結論を言うならばコンスの振興策にしかなっていない、こういわざるを得ないと思います。この点いかがでありますか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 先ほどから申し上げましたように、でん粉の需給均衡の不足分がコンスで補われるという形でやっておりますので、特にコンスを振興するために農安法や糖価安定法があるというふうには実は考えておりません。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 そこで、時間がたいへん制約されておりますから、少し結論に入りたいと思うのでありますけれども、どうも不十分ですが、現在の糖価安定法の体制のもとにおいては、しょせんイモはどんどん後退させられる、こういうことになってまいると思います。  そこで端的にお尋ねしたいと思うのですが、バでんなりカンでんなりを甘味資源として十分に認識されますね。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 カンでん、バでんは、それぞれの用途として工業用だとか甘味用だとかあるわけでありまして、そういうことで、でん粉の必要性というものはあるわけでございます。そういう意味で、各種業界なりその他一般工業界において重要な意味を持っておるというふうにわれわれは考えておるわけでございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 そこで甘蔗の場合には生産地の振興地域というのが指定されているわけです。カンショの場合も、ひとつ生産地の振興地域、こういう指定をやって、甘味資源としてのその位置づけを明確にしていくべきだ、こういうふうに思うのですが、いかがですか。

小林誠一農林事務官(園芸局長)

○小林(誠)政府委員 甘蔗につきましては、法律に基づきます振興地域の指定があるわけでございますが、カンショの場合におきましては、そういう制度的なものがございません。用途といたしまして大体四五%ぐらいがでん粉製造に回るのじゃないかというふうに考えておりますけれども、そういう意味で他用途との関連もありますし、そういうことで、純粋にこれを振興地というふうにして指定していくことは非常にむずかしい問題があろうかと思うわけでございます。いずれにいたしましても、私たちといたしましては、現在その作付面積が減少する、また生産量も相当のウエートを占めておる地帯におきましては、先ほど申し上げました施策を総合的に実施いたすことによりましてその振興をはかりたいというふうに考えておる次第でございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 それでは、生産の振興地域の指定というのは不可能だということですか。

小林誠一農林事務官(園芸局長)

○小林(誠)政府委員 可能、不可能の問題ではございませんが、いろいろな技術的な問題もございます。もっとも、これは法律もございませんから、そういう意味では、現行制度のもとにおいては不可能だということになろうかと思いますが、いずれにいたしましても、その地帯の振興につきましては、私たちとしては全力をあげていきたいというふうに考えておる次第でございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 次官にお尋ねしたいと思いますが、私の鹿児島県では、これは私は計算してみたのですけれども、夏作の畑面積に対しますカンショ畑の割合、これは三十八年度でちょっと資料が古いのですが、これをとってみますと、四〇%以下という地域は鹿児島県内にないのです。全部四〇%以上です。それから揖宿とかいうところになりますと、畑作に占める土地の割合というものが八一%なんです。あるいは囎唹郡であるとか肝属郡であるとか、こういうところになりますと七四、五%、こうなっているわけです。大体平均して六〇%から七、八〇%、こういうふうにイモの占める割合というものがたいへん商いわけです。しかも、当初に部長も御答弁になられましたように、いま産地が集約化されておるわけです。ですから、そういう情勢の中で考えますならば、このイモ作について、たとえばでん粉原料としてのイモという立場から考えるならば、それをそういうふうに少し限定して見てもよろしいのですが、生産振興地域を指定することは不可能でない、こういうふうに思いますが、次官、そういう検討はいかがでありますか。

仮谷忠男自由民主党農林政務次官

○仮谷政府委員 そういう方面についてのいろいろ具体的な御答弁は部長からすると思いますが、確かに、特に南九州は、カンショ畑作としてはおっしゃるとおりにいっておることは私ども承知をいたしております。これは南九州だけじゃございません。四国でも 特に私のところは高知県の西南地域でございまして、それをつくるよりほかに道がない。だから、畑作はほとんどカンショあるいは麦をつくってやっております。ただ、だんだんと耕作面積が減るということは、私どもの地域の問題で、これはあるいは当たっていないかもしれませんけれども、値段が安いからもうやめてしまうというのは比較的少ないわけです。やはり構造改善とかいろいろやっておるわけですから、果樹とかお茶とかその他の面へ転換しているのがかなり多いわけであります。それから、いわゆる労力の関係等もあります。そういうような問題もありまして、先ほども少し申し上げましたように、やはり少なくとも政府の支持価格そのものが最低維持されれば——上限はそのときの相場によって決して押えておるわけじゃないので、最低のものさえ維持すればわれわれはけっこうだという考え方がむしろ比較的あって、そういう方針で進んでおりますから、価格の問題は十分に検討せなければならないけれども、それがすべてではないという見方を持っているわけです。  それから振興地域の問題もありますが、たとえば甘蔗のごとき、一定の地区に集中されて、そうしてそこに工場も集中されて生産されていくということができる。現実にそうやっておるわけです。カンショの場合は、なるほど南九州あるいは四国等は重点的にやっておりますけれども、カンショ栽培は全国的に行なわれておるわけでありまして、しかも、それがすべて甘味資源としてではなくて、われわれの地区では、やはり半分以上は食糧にまかなわれておる、あるいは飼料に使われておるというような現実も実はあるわけでありまして、そういう意味で、甘味資源の振興地域として特に指定するという問題については、まだ相当研究しなければいかぬ問題じゃないかというふうに私どもも思っております。いま初めて聞く御意見でございますから、むろん研究はしていきたい、かように思っております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 次に、コンスターチの工場は大体都会地、消費地に集中されるわけです。それからでん粉工場は大体イモの産地にあるわけです。ですから、ブドウ糖工場も、それに応じて産地のほうに集中してくるということのほうが、合理化の面からいけばよろしいんじゃないかと思うのです。その点どうですか。そういう指導の方向というか、それによる競争力の強化ということについて検討できませんか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 現在のブドウ糖も、純企業として自由に企業を設立することができるようになっております。もちろん、これは過剰な設備になりますといろいろ問題が出てまいりますので、工場が新設されることについては、われわれはそんなことのないように指導をいたしておるわけでございますが、現実に自由な企業の設立ということを通じて現在企業が成り立っておりますのは、大体において都会地においてでございます。どうしてでん粉の生産地にできないかということでございますけれども、やはり製品の販路、それから原料を輸送するか、製品を輸送するかというコストの問題、そういった問題がからみ合って、企業としてはなるべく安いブドウ糖をつくる必要がある。それが販売としても競争性があるし、また需要者に対して適切であるという観点から、都市に企業が成立しているという形にあると思います。したがいまして、そういうふうな企業の採算なり合理性というものを無視して、特定のところでつくるということは、なかなかむずかしいのではないかというふうに考えておる次第でございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 次に、これは砂糖なりコンスターチなりでも先ほど過剰生産の問題で触れたわけでありますが、こうした製造施設についての設置の認可制は、一方は自由化されてどんどんあらしが吹きまくっておるわけです。ですから当然検討すべきだと思うのです。その点いかがですか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 現在の法制のたてまえから、企業については営業の自由というものが保障されておるわけでございます。したがいまして、公共の利益なり国民経済的に重大なる問題がない限り、企業に対する不許可は、現在の法制のたてまえから困難ではないかと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 国民経済に重大な影響があるから、そのような方向で検討できないか、こういうわけです。つまり、先ほど次官も言われましたように、四国にしましても、九州にしましても、あるいは北海道にいたしましても、たいへんに大きな影響を受けておるわけです。農家の生活を破壊しておるわけですから、その意味において国民経済に影響があるわけです。それはイモ作農家というものはある程度限定されますから、国民経済全体というオーバーなことは言えませんけれども、しかし、現実にはたいへんな影響を受けているわけです。ですから、国民経済の立場から考えても、いまの部長の御答弁の趣旨からいきますならば、十分に検討できるんじゃないかというふうに思います。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 いずれにいたしましても、これは国民経済の上に影響があるもの、ないものではないと思うのでございますけれども、憲法のたてまえからいきますと、公共性の問題になってくると思うのでございます。そういう意味から、重大な状態でなければ営業の自由を制限するということは私は困難であるというふうに考えております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 最後に一問。農安法の問題につきましては、あとでいろいろと法案の検討がなされると思いますので、時間の関係から省きたいと思います。  最後に、これは生産地どこの地域にとっても切実な要求でありますし、先般児玉委員も少し触れられた点でありますが、この買い入れ価格なり基準価格なりの決定については、十月中ということに現行農安法ではなっておる。しかし、バでんのすり込みは八月二十日前後に始まりますし、カンでんの場合でも九月二十日前後に始まるわけでありますから、すり込みの時期には政府のそういう支持価格がきまっておるということが必要だ、こういうふうに思います。その当初の価格がずっとあとを引いてくるわけですから、そういう意味において、現在の農安法に基づいておりますこの時期を検討して、八月中という早目に——先ほど次官から買い入れの時期を早目にやりたいという御答弁もありましたが、この価格の決定時期については、八月に早める、これは見込みがつかないんだ、こういうことを言っておると思いますが、牛乳等でもちゃんとやっておるわけでありますし、生産の見込みということは、誤差を取れば不可能ではないと思います。でありますから、そういう意味において、この時期を早めるということについて検討願いたいと思うのでありますが、いかがでありますか。

岡田覚夫農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○岡田説明員 農安法では十月の末に価格を決定することになっておるわけでございますが、十月三十日ではおそいので、早くきめるようにというふうな御意見なり要請が毎年あるわけでございます。私たちのほうも、できるだけ早くきめたいということで、大体十月十日ないし十五日ごろにはきめるようにいたしておるわけでございますが、現在の統計資料は、生産の収穫高の調査等が統計調査部を通じて行なわれておるわけでございますので、これをできるだけ早めてもらおうということで七極限まで努力をしていただきまして、その結果出てまいりますのが十月の上旬になるわけでございます。そういう関係から、それ以上に価格の決定を時期的に早めるということは非常に困難だというふうに感じております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 終わります。

中川一郎自由民主党

○中川委員長 次会は明二十四日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時十八分散会

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