P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
51回国会衆議院1966/06/17

農林水産委員会 第48号

発言数
28
登壇者
3
会派数
1
開催日
1966/06/17

会議録

中川俊思自由民主党

○中川委員長 これより会議を開きます。  農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許可いたします。倉成君。

倉成正自由民主党

○倉成委員 私は、農業災害補償法の一部を改正する法律案について質疑を行ないたいと思います。  多年の懸案でありました家畜共済に関する農業災害補償法の改正について、政府部内の意見調整がまとまり、今国会において改正案が提案の運びに至りましたことは、まことに御同慶にたえない次第であります。法案提出に至るまでの関係当局の御努力に対し、ここに深く敬意を表する次第であります。  今次改正は、昭和三十年、死廃病傷共済一元化実施以来、畜産農家多年の宿願であった共済掛け金中の病傷部分に掛け金の国庫負担を実現するとともに、その増額をはかり、農民負担の軽減をはかる等、画期的な内容を持ったものであり、これらの畜産農家の要望にこたえたものと思うのでありますが、以下、若干の点について質疑を行ないたいと思います。  まず第一に、今回の改正の前提となった問題点として、どのような問題が農家の立場なり事業運営上の立場からあったのか、またこれらの問題点に対し、改正案はどのようにこたえようとしているかどうか、制度改正の基本的考え方についてお答え願いたいと思います。  御答弁はひとつ簡潔に、要領よくお答えいただきたいと思います。

森本修農林事務官(農林経済局長)

○森本政府委員 家畜共済制度は、昭和三十年に死廃病傷一元化をいたしまして、その後大なる改正もなく今日に至っております。その間、畜産事情にかなりな変化がきておりまして、そういった事情の変化と本制度との若干のギャップをこの際埋めていきたい、そういうことでございます。  問題点としましては、一つは掛け金負担の問題、それから加入率が必ずしも伸びないというふうな問題、あるいは家畜の共済の事業収支が不足を来たしておる、診療所の経営が必ずしも順調ではないといったような点に、数点問題がございます。そういう問題に対しまして、それぞれ掛け金国庫負担の拡充あるいは共済事故の選択制、包括加入方式の採用、それから診療給付についての制度改正、損防事業に対する国の交付金の増強といったようなことについて改正をいたしまして、本制度をますます円滑なものにしたい、こういう趣旨でございます。

倉成正自由民主党

○倉成委員 第二にお尋ねいたします。  最近における畜産事情の変化に即応して、現行の一頭ごとの引き受け方式を、原則として家畜の種類ごとの農家単位包括加入方式としているが、従来の個別加入方式と比較して、どのような点が改善されているか、お尋ねいたしたいと思います。

森本修農林事務官(農林経済局長)

○森本政府委員 従来は、御案内のように、一頭飼養が支配的な時代に対応いたしまして一頭ずつの引き受け方式、そういうことになっております。したがいまして、今日のように多頭化してまいりますと、たとえば一軒の農家で頭数がふえるというときに、一々共済にかける手続をしなければならぬといったようなこと、あるいは病傷給付につきましても一頭ごとの給付であるというようなことで、農家で飼っております家畜がプールして診療給付ができないというような各種の難点がございます。今回は、そういうふうな難点を排除するために、農家単位の包括加入方式というのを採用することにいたしまして、これによりまして加入についての手続も従来よりも簡素化いたしました。病傷給付についての農家単位のプール制というようなものも採用いたしておりまして、各種の加入について手続の簡素化、内容の改善をいたしたわけであります。

倉成正自由民主党

○倉成委員 次に、第三にお尋ね申し上げたいと思います。  共済事故の選択制を採用したようでございますが、その考え方及び具体的な実施方法について伺いたいと思います。

森本修農林事務官(農林経済局長)

○森本政府委員 畜産事情が変化してまいりましたし、また経営についてもそれぞれ分化いたしております。従来は、先ほど申し上げましたように、死廃病傷一元化ということで、画一的な給付を内容とした保険制度ということになっております。今回は、先ほど申し上げましたように、経営が分化をいたしまして、保険需要に対してもそれぞれ個別の需要といったような関係が出てきております。そういう関係から、特定の農家に対しましては、病傷なりあるいは死廃用の一定のものについて事故を除外できるような形にしたほうが農家のために実態に合うのじゃないか、そういう考え方で選択制を採用することにいたしたわけであります。  選択制の内容としましては、三つばかりの事故の除外のタイプをつくりまして、それについて農家が選択できる、そういうふうに考えております。なお、選択のできる農家の基準につきましては、政令をもって詳細に規定することになっております。

倉成正自由民主党

○倉成委員 ただいまのお答えによりますと、死廃病傷共済一元化の原則を修正するかどうか、この関連をもう少し明確にしていただきたい。

森本修農林事務官(農林経済局長)

○森本政府委員 死廃病傷共済一元化の原則は、必ずしも現在においては原則としては修正する必要がない、こういうふうに思っております。ただ、先ほど申し上げましたように、地帯により、経営により、多少保険需要について変化がきておりますから、特別の場合に、先ほど申し上げましたような、そういう除外の道を講じていったらどうか、そういう考え方に立っております。

倉成正自由民主党

○倉成委員 第四点として、現行の事故ごとの給付限度方式を廃止し、これにかえて包括加入については、家畜の種類及び農家ごとに年間給付限度を定めることとしておりますが、農家の立場から見てどのような利点があるか、お伺いしたいと思います。

森本修農林事務官(農林経済局長)

○森本政府委員 現在の病傷の給付方式でありますと、一つは、農家間に不公平が生ずるということがいわれております。それからまた、多数の家畜を持っておりましても、他の家畜の病傷給付の限度が使えないというふうな、農家間にプールができないといったような難点がございます。そういう点を今回改正をいたしまして、たとえかなり重い病気に一頭がかかりましても十分診療ができる、また同一経営内の家畜診療のプールができる、こういうふうなことに今回改正をいたしました。

倉成正自由民主党

○倉成委員 第五点、乳牛については、酪農政策の経営育成目標及び農家の負担力等を勘案して、包括加入の場合、頭数規模に応じて掛け金国庫負担を逓増せしめることにしておりますが、その理由及び頭数規模の区分の考え方いかん。特に乳牛の飼育頭数に関連いたしまして、国庫負担の割合というのは適正であるかどうか、お伺いしたいと思います。

森本修農林事務官(農林経済局長)

○森本政府委員 今回、乳牛につきましては、頭数規模が累増いたしますに応じて掛け金の国庫負担率を増加する、こういうことにいたしております。これは加入状況の実績を考えまして、頭数規模がふえるとともにどうも農家の掛け金負担が重いのではないか、そういう観点が一つ。それから酪農政策の経営育成目標に即応するといったような考え方、そういう考え方に基づきまして、今回の国庫負担制度を考えたわけでございます。

倉成正自由民主党

○倉成委員 第六点、肉用牛については、乳牛と比較して多頭化がおくれている現状にかんがみ、当分の間、一律に掛け金国庫負担を十分の四としておりますが、その考え方の根拠いかん、お伺いしたいと思います。

森本修農林事務官(農林経済局長)

○森本政府委員 肉用牛につきましても、原則としては、できれば乳牛と同様な掛け金国庫負担方式がいいかというふうにも思いまして、原則としてはそううたっておりますが、当分の間は、先ほど御指摘のございました一律十分の四ということで国庫負担をすることにしております。これは肉用牛については、乳牛ほど多頭化が進行していない、また現在の状況から見ますと、肉用牛の資源の確保ということが喫緊の要務である、そういう政策的な要請等も考慮いたしまして、当分の間一律方式をとったわけでございます。

倉成正自由民主党

○倉成委員 質問の第七点、現在、家畜の損害防止事業は、農業共済団体等がその診療所を中心に自主的に行なっているため、家畜診療所の経営が従来から苦しいといわれておりますが、今回の家畜の損害防止事業強化の改正は、家畜診療所の経営にどのような改善をもたらすとお考えになっているか、お伺いしたいと思います。

森本修農林事務官(農林経済局長)

○森本政府委員 家畜診療所の経営が苦しいというのは、要因としては数点ございますが、一つの要因といたしましては、たとえば、損害防止事業をいたしましても特別の収入がないという点が非常に大きな要素でございます。そういう点から、今回、損害防止事業に対しまして国から相当な交付金を出すというふうな改正をいたすわけでございますから、こういう部面についての確実な収入が得られるというふうな関係からいたしまして、診療所の収支に対して相当な効果があるのではないか、こういうふうに思います。

倉成正自由民主党

○倉成委員 最後にお尋ねしたいと思いますが、家畜の共済金支払いがおそいという声を聞いておりますが、今回の制度改正と関連して、共済金支払いの迅速化についてどういう対策を講じておられるか、お伺いしたいと思います。

森本修農林事務官(農林経済局長)

○森本政府委員 支払いがおそいという声、あるいは実態としてそういうふうな点があるということは、私ども承知いたしております。その要因としましては、獣医師からの診断書の提出がややもすればおくれがちになる、あるいは損害評価会等の事前審査に相当の日数を要するというような要素がございます。そういう点がございましたために、これからはできるだけ診断書の提出を早くしていただくように協力を要請する、あるいは家畜につきましては損害評価会の事前審査をすみやかにする、そういうふうなことによりまして、できるだけ支払いの迅速化につとめていきたいと考えております。

倉成正自由民主党

○倉成委員 それではもう少し質疑を続けさせていただきます。  果樹、肉豚等が農業経営の中に占める比重が増大し、経営形態が大規模かつ企業的のものに進展しつつあるわけでありますが、これらの区分について、その共済の必要性についてどう考えておられるか、今後の方針について少し詳しくお答えをいただきたいと思います。

森本修農林事務官(農林経済局長)

○森本政府委員 御指摘のように、果樹なり肉豚なり、いわゆる成長部門に属する分野でございまして、それらの経営をいたします農家に対して、災害に対する一つの措置をするということはきわめて重要なことであると考えます。また、現実に農家からもそういう要請が出ておるということも承知をいたしております。  果樹につきましては、御案内のように、昭和三十七年から試験実施、試験調査ということで、数県また数種類について実際の調査を行なっております。また他面、学識経験者等にお集まりをいただきまして、実際の共済のやり方について、理論的あるいは設計面について調査、検討をいたしたわけであります。それが大体昭和四十一年度に出そろってまいりますので、これを総合的に検討いたしまして、成案をなるべくすみやかに得たいということで、目下作業を鋭意進めておる状況でございます。  肉豚につきましても、実は私どもで研究をいたしておりまして、できるだけ早く共済制度が実施できないかということでやっておりますが、なお、加入の頭数の規模をどうするか、あるいは共済事故についていかに限定をするかというか、対象を考えるかというような、数点実施上検討を要する点がございます。昭和四十一年度にそういう点につきましても実地に調査をいたしまして、これまた調査結果を早急に検討いたしまして、できるだけ早く成案を得たい、こういうふうに考えております。

倉成正自由民主党

○倉成委員 松代地震と関連して、長野県あたりから地震保険の適用ということについて陳情があったと思いますが、これについてどう考えておられますか、お伺いいたします。

森本修農林事務官(農林経済局長)

○森本政府委員 現在、地震の問題は、おそらく農家の家屋に対するいわゆる任意共済における建物共済の問題であると思います。現在は地震は共済事故等には入ってございません。しかし、大蔵省のほうの特別会計ができてまいりまして、そこで相当な損害があった場合には政府でもって再保険をするというふうなことができるようになってきたわけでございます。そういう関係から、やや保険のリスクについて負担をする政府機関ができたわけでございますから、できれば任意共済の中で地震を事故に取り入れることについて、前向きの姿勢でひとつ検討していきたい、こういうふうに考えております。

倉成正自由民主党

○倉成委員 質問が前後して恐縮ですが、新制度によりまして、加入頭数とかあるいは加入率あるいは付保割合というものはどういうふうに推移する見込みを立てられておるのか、お伺いしたいと思います。

森本修農林事務官(農林経済局長)

○森本政府委員 具体的に計数をもって加入の頭数が幾らになるだろうか、あるいは加入率がどういうふうに変化するかということは、必ずしも推測することは容易ではないのでございますが、ただ、先ほど来申し上げましたように、今回の制度改正によりまして、あるいは国庫負担の増強といったようなこと、あるいは需要に見合ったような給付のやり方を考えるといったようなこと、あるいはまた加入方式につきましても、従来の一頭立てからいわゆる包括加入方式といったようなものを採用するなど、各種の加入奨励に役立つところの制度改正をいたしておりますので、相当加入頭数なり加入率が増加するもの、こういうふうに考えております。たとえば現在の加入の状況を見てまいりますと、戸数の加入率といいますか、家畜を飼養しております農家で共済に加入しておる戸数加入については、乳牛につきましては約八〇%というふうになっております。しかし、頭数加入率は約五割というふうな関係であります。そういうことから考えますと、多頭飼養農家で必ずしも全頭加入しないということがわかったわけでございます。少なくとも今後は、従来半数ないしはそれに近い加入をしました農家は漸次全頭加入の方向に近づいていくというふうに考えますので、相当な加入率の増強が見込まれるのではないか、そういうふうに考えております。

倉成正自由民主党

○倉成委員 先ほどのお答えでもちょっと触れられましたけれども、乳牛の国庫負担区分につきまして、三頭以上二分の一ということが現行酪農政策その他から妥当であるという意見がありましたけれども、との点について、この国庫負担につきましては政令で定めることになっておりますが、将来この推移を見て改善するお考えがあるか、お伺いしたいと思います。

森本修農林事務官(農林経済局長)

○森本政府委員 御指摘のように、本改正案によりますと、三頭以上は十分の四ということにいたしたいつもりでございます。これは先ほど申し上げましたように、加入の状況なりあるいは掛け金負担の絶対額というふうなことを考えまして、六頭以上とはやや差をつけてもしかるべきではないかということでやっておるわけであります。将来の国庫負担等につきましては、もちろん、改正制度の実施の過程あるいは実績等を検討して改善につとめたい。さしあたりは、本改正制度においては一応四割ということで進みたい、そういうふうに考えております。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 暫時休憩いたします。    午後二時十六分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

国会会議録検索システムで原文を見る ↗