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51回国会衆議院1966/04/21

農林水産委員会 第30号

発言数
49
登壇者
5
会派数
1
開催日
1966/04/21

会議録

中川俊思自由民主党

○中川委員長 これより会議を開きます。  農地管理事業団法案、果樹農業振興特別措置法の一部を改正する法律案の両案を一括議題といたします。  両案について、それぞれ政府委員から補足説明を聴取いたします。大和田農地局長。

大和田啓気農林事務官(農地局長)

○大和田政府委員 農地管理事業団法案につきまして、提案理由説明を補足して御説明申し上げます。  今回、再び本法案の御審議をわずらわしますのは、農業に専念し、農業によって生計を立てようとする熱意のある農家をできるだけ数多く育成するよう農地管理事業団が農地及び未墾地の取得のあっせん、融資等を行なうことによって、地域の実情に応じ無理のない方法で農地等の移動を方向づけ、これらの農家が農地等の取得をより容易に行なえるような条件をつくろうとするものであります。  本法案を提出するにあたりましては、第四十八回通常国会における農地管理事業団法案の審議の際の御意見などを慎重に考慮いたしまして、次の諸点につき構想を改めました。  その第一点は、前回は、農地管理事業団は当面パイロット的に業務を行なうこととし、初年度は、百市町村で業務を開始することといたしておりましたが、今回は、今後の事業実施状況を見、市町村の希望により農村らしい農村のすべてにおいて事業を実施することを目途として、初年度四百市町村で業務を実施することといたしております。  第二点は、農地移動の円滑化とあわせて農用地の開発を促進するため、農地管理事業団は農地関係業務のほかに未墾地の取得についてのあっせん及び融資を行なうこととし、これに基づいて農地管理事業団法案の内容を改めております。  第三点は、農地管理事業団の業務実施地域には当面事業団の職員を設置せず、市町村及び系統農協に事務を委託し、市町村では農業委員会が事務処理に当たることとして、農家に直接接触する事務は事業団の指導のもとに地域の実情に精通した職員が処理することといたしたのであります。  第四点は、前回は農地管理事業団に農地を譲り渡した者に対してのみ譲渡所得にかかる所得税を軽減するものでありましたが、今回は事業団のあっせんにより農地及び未墾地を譲り渡した者についてもこれを行なうこととするとともに、事業団のあっせん及び融資を受けて農地の譲渡が行なわれた場合に登録税及び不動産取得税を軽減することといたしておりましたのを、今回はこれを未墾地に及ぼすことといたしました。  昭和四十一年度におきましては、農地管理事業団を発足させ、市町村の希望に基づき四百地域を逐次指定し、市町村段階の業務体制の整ったところから業務を開始することを予定しております。  予算措置といたしましては、農地管理事業団に対する出資金、交付金等合計五億円及び都道府県、市町村等による事業の普及推進に要する経費約五千五百万円を計上いたしておりますほか、農地等の取得に要する資金貸し付けの原資として資金運用部からの借り入れ金四十億円を予定いたしております。  以下、農地管理事業団法案の内容について補足して御説明申し上げます。  まず、農地管理事業団の組織につきましては、農地管理事業団の資本金は一億円とし、追加出資に関する規定を置きますほか、第九条以下におきまして、役員の定数は理事長一人、理事三人以内、監事一人とし、理事長及び監事は農林大臣が任命し、理事は理事長が農林大臣の認可を受けて任命することとし、いずれも任期は三年とするとともに、役員の職務及び権限、欠格条項、解任等について規定しております。  次に、農地管理事業団の業務につきましては第三章で規定しております。  第二十条におきましては、農地管理事業団の業務の範囲を農地、未墾地、採草放牧地または付帯施設の売買または交換のあっせん、その取得に必要な資金の貸し付け、農地、採草放牧地または付帯施設の買い入れ、交換及び売り渡し、借り受け及び貸し付け並びに信託の引き受けとこれらに付帯する業務と定め、付帯施設については、農地、採草放牧地または未墾地について業務を行なう場合にあわせて業務を行なうものとしております。なお、本法案における農地等の定義につきましては、第二条で規定しております。  第二十一条から第二十五条までは、農地管理事業団の業務実施地域に関する規定であります。  都道府県知事は関係市町村と協議し、都道府県農業会議の意見を聞いて指定の申し出をすることとしており、地域の指定は国土資源の総合的な利用の見地から見て、土地の農業上の利用の高度化をはかることが相当と認められる農業地域で、農地保有の合理化等農業構造の改善をはかるため農地等についての権利の取得を適正円滑にすることが特に必要と認められる地域について行なうこととしております。なお、指定は告示ですることとし、区域の変更の手続は指定の手続に準ずることとしております。  第二十六条は、業務執行の方針でありまして、事業団は、農業を営む個人または農業生産法人で農業基本法第十五条で規定する自立経営またはこれに準ずる効率的な協業経営を目標として農業経営を改善しようとするものの農地等の取得または借り受けを促進するように業務を行なうものとしております。  次に第二十七条から第三十条までにおきまして、貸し付け金及び売り渡し対価の償還条件は、年利三分、償還期間三十年以内の元利均等年賦償還とし、借り受け人等は繰り上げ償還をすることができるものとするほか、取得した農地等の耕作をやめた場合、一定限度以上経営規模を縮小した場合等の事由があるときは事業団は一時償還を請求することができるものとし、災害その他やむを得ない理由があるときは償還の猶予をすることができることといたしております。  第三十一条におきましては、事業団は農地等を売り渡した場合には一定の基準により買い戻しの特約をつけなければならないものとし、右の一時償還とほぼ同様の事由があるときは買い戻しをすることといたしております。  以上のほか、事業団の業務運営方法につきましては、第三十二条から第三十五条までにおいて事業団の農地信託業務についてその性格上必要な信託法の特例を設け、第三十六条において資金の貸し付け及び対価の支払い徴収の業務の都道府県信用農協連合会等への委託及びその他の業務の地方公共団体への委託について規定し、第三十七条に業務方法書についての規定を置いております。  次に、事業団の財務及び会計について第四章で規定しておりまして、事業計画、予算及び資金計画について農林大臣の認可を受けなければならないこととするほか、財務諸表の承認、損益の処理方法、借り入れ金及び債券の発行、政府からの交付金の交付、余裕金の運用方法等について定めております。  第五章以下は、監督その他の規定であります。  第五十三条におきましては、業務実施地域内の農地または採草放牧地の所有者は、その農地等について所有権の移転または賃借権等の設定をしようとするときは、あらかじめ事業団に通知をしなければならないものとし、事業団は必要があると認めるときは、譲り渡しのあっせんまたは買い受けもしくは借り受けをしたい旨を申し出ることを規定しております。  附則におきましては、事業団の設立手続を定め、所要の経過規定と関係法律の改正規定を設けております。  まず、農地法の特例といたしましては、第一に事業団が一方の当事者となっている農地等の権利移動については農地法第三条の許可を不要とし、第二に、事業団が借り受けている農地等及び事業団が所有する農地等については小作地の所有制限を適用しないこととし、第三に事業団が借り受けまたは信託を引き受けて貸し付けている農地等については、借り受け期間または信託期間の満了の際の更新拒否等は農地法第二十条の許可を受けることを要しないものとしております。  次に、税制上の特例といたしましては、本法案の附則による地方税法の一部改正によりまして、事業団のあっぜん及び融資または売り渡しにより農地、未墾地等を取得した場合に不動産取得税を軽減するほか、別途租税特別措置法の一部改正により、農地、未墾地等を農地管理事業団に対して譲渡しまたはそのあっせんにより譲渡した個人については、その譲渡所得に対する所得税を軽減することとし、また、不動産取得税の場合と同様に農地、未墾地等を取得した者について登録税を軽減することとしております。  以上をもちまして農地管理事業団法案についての補足説明を終わります。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 小林園芸局長。

小林誠一農林事務官(園芸局長)

○小林(誠)政府委員 果樹農業振興特別措置法の一部を改正する法律案につきまして補足して御説明申し上げます。  この法律案を提案する理由につきましては、すでに提案理由説明において申し上げましたので、ここでは省略することといたし、以下この法律案の主要な内容を御説明申し上げます。  内容の第一は、果樹農業振興基本方針に関する規定を新たに設けたことであります。  すなわち、現行法では、農林大臣は、果実の需要と生産の長期見通しに即して主要な果樹の植栽及びその果実の生産についての長期見通しを立て、公表することといたしておりますが、提案理由で申し上げましたような事態に対処いたしますためには、需要に即応する果樹の植栽及びその果実の生産の目標を示し、その生産の安定的かつ計画的な増大をはかりますとともに、果実の生産、流通及び加工の合理化についての基本的な方向を明らかにすることが必要と考え、農林大臣は、主要な種類の果樹について、果実の需要の長期見通しに即した植栽及び果実の生産の目標、植栽に適する自然的条件、近代的な果樹園経営の基本的指標、果実の流通及び加工の合理化等を内容とする果樹農業振興基本方針を定め、これを公表することといたしたのであります。  第二に、国の基本方針に即し、かつ、地域の特性に応じたきめのこまかい施策を進めるため、都道府県知事は、その都道府県における主要な種類の果樹につき、植栽及びその果実の生産の目標、近代的な果樹園経営の指標、生産基盤の整備、果実の流通及び加工の合理化等を内容とする果樹農業振興計画を定めることといたしました。また、この計画には、特に必要と認められる果樹については、広域の濃密生産団地の形成に関する方針を示すこととし、主産地における果実の生産及び流通の合理化をはかることといたしております。  第三は、現行の果樹園経営計画についての規定を整備したことであります。  現行法は、果樹農業者が共同して作成した果樹園経営計画につき、都道府県知事が認定を行なうこととし、認定を受けた計画の達成に必要な資金について農林漁業金融公庫から長期低利の融資を行なうことといたしておりますが、果樹園経営計画の認定の請求期間は、昭和四十一年三月三十一日までとなっております。しかし、果樹農業をめぐる諸情勢の動向から見て、果樹園経営の改善をはかる必要性はますます強まっておりますので、この際、その期間を昭和五十一年三月三十一日まで延長することといたしております。  また、新たに国の基本方針及び都道府県の計画に関する規定を設けることとしたことに伴い、果樹園経営計画の認定の要件として、その計画の内容は、都道府県の果樹農業振興計画の内容に照らし適当と認められるものであることを加え、今後の動向に即応した果樹園経営の育成をはかることといたしております。  さらに、果樹園経営計画に基づく未墾地等の取得資金についての農林漁業金融公庫の貸し付け金の据え置き期間についての特例を規定することといたしております。すなわち、公庫の未墾地等の取得資金の据え置き期間は、一般に三年以内となっておりますが、果樹が永年性作物であり、収益が上がるまでに時日を要するものであることにかんがみ、果樹園経営計画に基づく未墾地等の取得資金については、特例として据え置き期間を十年以内とすることとしたのであります。  改正点の第四は、加工原料用果実の取引についての取りきめに関する規定を設けたことであります。  果実の流通及び加工の合理化に関しましては、国の基本方針及び都道府県の計画において取り上げることといたしておりますが、特に加工原料用の果実につきましては、生食用の果実と異なり、その流通形態は、農協等と果実加工業者との取引という形をとっており、しかもその取引関係は、きわめて不安定な状況にあり、合理的な取引を進める基礎を固めるためには特別の措置が必要となっております。  そこで、加工原料用果実について、農協その他果実の販売事業を行なう者と果実加工業者は、その双方またはいずれか一方が共同して、農林大臣に届け出た上、果実の売買数量、価格または取引方法に関する取りきめを締結することができることとし、この取りきめ及びこれに基づいてする行為には、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の規定は適用しないことといたしております。  なお、取りきめの内容についての公正を確保するため、取りきめが一定の要件を満たさない場合には、農林大臣は、その取りきめの締結を禁止し、その変更または廃止を命ずることができることとするほか、農林大臣と公正取引委員会等との関係を規定することといたしております。  第五は、果樹農業振興基本方針等と果樹農業の振興に関する施策との関係についての規定を設けたことであります。  すなわち、国及び都道府県は、果樹農業の振興に関する各種の施策を実施するにあたっては、果樹農業振興基本方針及び果樹農業振興計画に即して行なうべき旨を規定し、施策の総合的かつ効率的な推進をはかることといたしております。  このほか、国は、果実及び果実製品の消費の拡大及び輸出の振興に関する施策を積極的に推進する旨を規定し、果樹農業の健全な発展に資することといたしております。最後に、経過措置について御説明申し上げます。  さきに述べましたように、今回の改正によりまして、果樹園経営計画につきましては、都道府県の果樹農業振興計画と関連を持たせることといたしましたが、国の基本方針が定められますのは昭和四十一年度であり、これに即して都道府県の計画が定められますのは昭和四十二年度になるものと考えられますので、改正後の果樹園経営計画についての規定は、昭和四十三年四月一日から適用し、それまでの間は、改正前の規定によることといたしております。  以上をもってこの法律案の提案理由の補足説明といたします。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 以上で補足説明は終わりました。     —————————————

中川俊思自由民主党

○中川委員長 引き続いて農地管理事業団法案について質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許可いたします。坂村吉正君。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 それではただいま議題となりました農地管理事業団法案につきまして、基本的な問題につきまして質疑を行ないたいと思います。  先ほど補足説明もございましたように、この法案は、先般の四十年の通常国会におきまして、衆議院におきましては通過をし、参議院の段階でどちらかといえば物理的な関係で時間がなくて流産になった、こういうような状態になっておる。そういう経過があるのでございましてこの前の国会におきまして、十分この内容についてはすでに当委員会においても審議がされたわけでございます。したがいまして、先般審議をいたされました法案に、その当時のいろいろの審議の過程の議論を取り入れまして、今度の法案は、内容についてそういう問題のところを改正して提案をした、こういう御説明があったのでございますが、補足説明を伺っておりますとその内容のこの前の法案と違うことは、いま補足説明である程度はっきりはいたしたわけでございます。しかし、基本的な問題といたしまして、私は農林大臣に伺っておきたいと思いますのは、この前の法案は、御承知のように三十九年の実態を頭に置きまして、農地管理事業団法案というものを立案したわけでございます。そうしてねらいは、御承知のように自立農家の育成、こういうところにあったのでございます。その点は、基本的にはねらいとして私は同じであろうと思うのであります。しかし、全体の背景が、はたしてこの前の法案を立案した当時の背景と現状と同じであるかどうか、こういう問題は、やはりこの際、基本的に農林大臣の考え方を伺っておく必要があるのではあるまいかというふうな感じがするのでございます。  その後、いろいろ経済の進展に伴いまして、農業の実態もだいぶ変わってまいりました。一年の間におきましても、私は非常に大きな変化をしておるというふうに考えていいのじゃないかと思うのです。たとえてみますれば、四十年の農業センサスをとってみましても、四十年の二月現在で調査をいたしたのでございましょうが、数年前の状況から比べますと非常に変わっておる点、たとえば農業収入というものは、全体といたしましてすでに五〇%を割っておる。全体の数字では四七・八%、そういう数字が出ております。したがいまして、農外収入が五二・二%と、日本の農家の収入の半分以上は農外収入によっておるのだ、こういう実態があらわれておるのでございます。  しかも、もう一点きわめて大事なことは、日本の農家の中で、いわゆる専業農家、農業基本法が目標とし、それからこの農地管理事業団法がねらいとしておりますような自立経営農家、専業農家というものの数が、四十年の農業センサスにおきましては、正確な数字は覚えておりませんが、二一%。二、三年前までは少なくともまだ大体二五・六%だった。それからその前は三〇%前後というのが大体日本の実態でございましたが、それでも三割農政だ、三割農政だといわれておった。そういう時代でございまして、それがだんだんと専業農家の数が減ってまいりまして、二一%までいっている。おそらく最近ではもう二〇%を切っているというような状態まできているのじゃないかというふうな感じが私はいたすのでございます。そういう環境の変化といいますか、状況の変化が相当起こっておるのじゃあるまいかというふうに私は思うのでございますが、そういう状況におきましても、やはりこの農地管理事業団法案というものを、一年前と大体基本的には同じような考え方のもとで立案をし、これを通過をさせよう、こういうお考えでおるのかどうか。この点をひとつ農林大臣に明確にお答えをいただきたいと思います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 ただいまの御質問でございますが、その後の情勢と申しますと、先ほどお話しのとおりに、兼業農家が非常にふえる、しかも第二種兼業がふえてまいる、兼業農家の所得が相変わらずふえてまいっておる、その速度もふえておるという点については、お説のとおりでございます。  それからもう一つは、この事業団そのものについての問題でございますが、事業団法に対して、昨年においても賛成論者、反対論者ということで、かなりいろいろ分類がありましたけれども、最近の情勢においてはこの必要性を非常に認められて、各町村においてもでき得る限りこれをパイロットでなしに、実際上これを適用するようにしてもらいたいというような情勢の変化も見られるわけでございます。  兼業問題については、先ほど申されたとおりでございまして、特に第二種兼業のふえておるということ、これらについては、いわゆる自立経営農家の問題ということは、さらに一段と重要性を加えてまいったように思われます。もっとも、兼業農家をそのままにするというわけではございませんので、これらについては、協業の組織その他によってこれらの問題を考えてまいらなければならぬことは言うまでもございません。そういうことでありますが、とにもかくにも、自立経営農家というものの育成をさらに一段と必要性を認めてまいったように思われるわけでございます。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 ただいまの農林大臣の御答弁も、どうもはっきりいたさないのでございますが、要点は、専業農家というものがだんだんと地域によっては少なくなってきておる。東北、北海道、そういう方面に参りますれば、もちろん専業農家のウエートが非常に高いと思うのでございますが、そういう状況でありながら、農地管理事業団という大きな組織をつくっていろいろたいへんな努力をして、専業農家の育成をやっていくのだ、自立経営農家の育成をやっていくのだ、そういうことにばかりいかにも重点があるような農政であるような印象を世間では受けておる、そういう面が実はあるのでございます。最近におきましては、特にそういう印象が一般農民の間にもあるのじゃないだろうか、私はこういう感じがするのでございます。そういう点からいいますと、もちろん専業農家の育成は大事でございます。私も非常に大事な問題だということを否定するわけではございませんけれども、ウエートからいって、二〇%の専業農家に対してえらい一生懸命政府は努力いたしておる、こういう感じはするのでございますが、その残りの八〇%の兼業農家の生産力を落とさないで、そうして兼業農家も安定した生計がやっていけるという体制に、私は農林省としては本格的に取り組んでいくべきじゃあるまいか、こういう感じがするのでございます。いまの印象から言いますと、いかにも自立経営農家あるいは専業農家のことばかりが頭の中にあるというふうな印象を、全般的な農政の印象から受けるわけでございまして、坂田農林大臣がそういうお考えでないことは前からわかっておるのでございますが、世間の受ける印象はそういう印象が非常に強い。と同時に、それでは兼業農家の問題についてはどういう考え方をとっておるのかという点が具体的にあらわれていない。これが国民の前にはっきり示されていない。こういう点が一つの不安を与えておるのじゃないだろうかという感じがするのでございますが、その点をひとつ坂田農林大臣の昔からの御信念のもとにはっきりと言明をしていただきたいと思うのでございます。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 ただいまの御質問でございますが、そのとおりであると思います。私は現在の趨勢を見ますと、やはり兼業農家が非常にふえておる状況である。その中において、やはり相当自立経営と見られるようなかなり所得の大きい農家、たとえば年収百万円程度のもの、そういういわゆる自立経営と見られるべき農家も、また一面においてはふえておる、こういう情勢であると思います。それで、私どもといたしましても、その趨勢を考えまして、でき得る限り自立経営として農業に専心する農家が農村に介在するということは、きわめて重要である、こう考えるものでありますることは言うまでもないのでございます。  しかしながら、さればといって、このいわゆる兼業農家を度外視していくべきものであるかどうかという問題になりますと、専業農家としていま申しましたような自立農家を十分育成して、それらが農村の中心として進んでいくということの非常に重要性を認めると同時に、現在の農村の実態から申しまして、やはり八〇%に近いいわゆる兼業農家、特に第一種兼業農家については、私どもとしても十分これらの問題を尊重し、しこうしてこれらの生産の面あるいは販売の面あるいは経営の面、それらに向かって同様に政府としてもでき得る限りの援助を与えるべきものであるということについては、何ら変わっておらないわけでございます。したがいまして、農地のいろいろの構造の問題、あるいは技術の改良の問題、あるいは土地改良の問題、その他各種の農業施策を講じております。それらについては、もちろん同様にこれらの問題について十分の努力を払っておるわけでございまして、その間において何ら変わりはないわけでございます。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 ただいまの農林大臣の御答弁で、農林大臣の非常にはっきりした御意思が確認されたわけでございますが、最近におきましては、たとえば物価の問題を考えましても、これはどうしても農業の近代化が進まなければ、物価の問題も根本的には片づかない、こういうようなところまで問題が来ておるわけでございますので、ぜひとも全般的に、専業農家に片寄らず、八割を占める兼業農家の問題についても、今後十分な適切な施策をひとつ積極的に打ち出していただきたいということをまっ先に御要望申し上げておきたいと思うのでございます。  次に、もう一つの基本的な問題でございますが、先般の委員会におきましてもずいぶん議論をされたところでございますが、一つは、農地管理事業団というような組織をわざわざつくって、そうしてその組織、農地管理事業団を通ずることによって農地の移動を促進し、経営規模の拡大をはかってまいろう、こういうことを考えるよりも、むしろ農地法を緩和し、あるいは農地法をもっと思い切って撤廃すべきものは撤廃するというようなところまで進まなければ、思うような目的は達成できないのじゃないか、こういう議論が相当あったように記憶しておるのでございます。また一面、私は、一般の農民の感じからいきましても、農地法の緩和というような問題は、非常に強い要望になっておるのが現状であろうと思うのでございます。しかし、この農地管理事業団法案を見ますと、農地管理事業団に関係する限りにおいては、農地法のいろいろの緩和を行なっております。その点は非常にけっこうだと思うのでございますけれども、竿頭一歩を進めて、農地管理事業団ということよりも、むしろ農地法に本格的に取り組んで、そっちを一番むずかしいところを先に片づけるのだ、そのほうが効果はあげやすいのだ、こういうお考えはあるのかないのか、そこら辺についての農林大臣のはっきりしたお考えをひとつ伺っておきたいと思います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 いま坂村委員の御質問はごもとつもの点もございます。しかし、農地管理事業団の目的として進んでおりますことは、現在自由に売買されます農地は、七万町歩から八万町歩程度のものが毎年売買されるのでありまして、自立農家、いわゆる農業に専心しようとするそれらの農家にこれをでき得る限り移動せしめるということを主眼にして、この事業を進めるわけでございますので、一応は直接農地法の改正の問題とは関連せずして考えていけると思ってやっておるわけでございます。  なお、農地管理事業団の業務に関しましては、もちろんこれらの権利移動の許可とか、あるいは小作地の所有制限、あるいは賃貸借の解除等の許可につきましては、農地法の特例を設けることにいたしておるのでございます。当面農地法を改正しなくても、農地管理事業団の事業は、十分その意味と効果を発揮することができる、かように考えております。もちろん、農地法を改正さえすれば、農地の流動化がはかられ、経営規模の拡大が進むというように単純に考えないのでありますが、これを現状のまま固定することは、日本農業の発展をはかる上から問題でもあり、若干部分については、すでに手直しすべき段階にきておるのではないかと思うのでございます。しかし、農地制度は農業問題の基礎であり、きわめて重要な問題でありますので、鋭意これらの問題は検討を進めておる次第でございます。したがいまして、なお各方面、いろいろの立場の人々の御意見も十分伺いまして、慎重にこれを取り扱ってまいりたい、かように存じておるわけでございます。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 農地法を改正しなくても農地管理事業団の仕事が動くことは、もちろんおっしゃるとおりでございまして、農地管理事業団に関する限りは、農地法の適用除外をいろいろ考えておるようでございますから、その点は私もけっこうだと思うのでございますが、まあ現状からいえば、一応農地管理事業団というものを置いて、これに関係して、これが一つの指導理念を持って経営規模の拡大、こういう方向に持っていこうというお考えであろうと思いますので、その点は私も了承いたしたいと思うのでございますが、今後の問題として、先ほど農林大臣もお触れになったように、農地法の全面的な検討をしなければならない、そういう段階にきておるのではないかというふうな感じがするのでございます。一例ではございますが、所によってはどんどん農地の値上がりがある。それは一面から言えば、農地が押えられているからこそ値上がりをするのであって、もっと自由にしたほうが、そんな農地の値上がりだって場合によったら防げるのじゃないか、こういう議論さえ出ておるような状況ではないだろうかと私は思うのでございます。そういう点もいろいろ考えまして、全般的には、日本の土地の値上がりという問題を何とかして安定さしてまいることが非常に大事な問題じゃないかと思いますので、そういう点からも、今後農地法の問題、特にあわせまして小作料の問題、こういう問題も十分ひとつ御検討いただきたいと思うのでございますが、いままで農林省、政府におきまして、農地法の問題について、たとえば検討の機構や何かでどういうお考えがあるのか、あるいは具体的にはどういう機構でどのような問題を中心にして御検討いただいておるのか、その点も、この際はっきりお伺いしておいたほうがいいのではないかというふうに考えるのでございます。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 ごもっともでございます。この事業団を発足する際において、先ほど申しました、自由に売買されるものをできるだけ経営拡大の方向に持ってまいりたいということで出発いたしておるわけでありますが、いま坂村委員の言われるとおりに、農地法自身の改正問題については、これはいろいろの点において十分改善すべきものがある。小作料の問題にいたしましても、その他すべてこの農地の問題に、あるいは請負の問題も関連し、いろいろ検討をすべきものが非常に多いわけでございます。農林省におきましても、学者、専門家、実際家等を寄せまして、いま十分検討を進めつつある次第でございます。その方向に向かって、でき得る限り現実に即してこれらの問題が解決するように、また、従前放任されていた小作関係において非常に問題がありまして、農地問題即小作問題という時代もありましたようなこともございますので、これらの問題については、慎重に考究いたしておるような次第でございます。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 大臣のお考えはよくわかりました。事務的に具体的に農林省の中でどんな検討をしておるのか、そのことを農地局長からひとつ。

大和田啓気農林事務官(農地局長)

○大和田政府委員 私どもといたしましては、昭和三十七年の九月でございますか、東畑四郎さんを会長にいたしまして、学者、実務家その他が集まりまして、農地制度研究会というのをつくって、自後相当回数にわたりまして議論をしていただいたわけでございます。  そこで問題にいたしておりますことの概略を申し上げますと、一つは、農地の移動統制の問題に関しまして、現状のままでいいであろうか。現状のままでいいであろうかということの内容といたしましては、現在農地を買い受けられる者は、三反歩以上の農家というふうにしておるわけでありますけれども、農地法をつくりました昭和二十七年当時の三反歩と、現在の三反歩との意味は、だいぶ違いますから、三反歩よりもそれを引き上げてはどうかという御意見が一つあるわけでございます。それからさらに農地の移動統制、賃借り権の移転設定につきましては、現在は農業委員会がやっておりますけれども、所有権の移動につきましては知事の許可ということになっておりますが、むしろ農民的な委員会のシステムによって、農地の移動の統制をいわば農村の実情に沿って民主的な方法でやってはどうかという御意見も相当有力にございます。  それから第二番目の問題といたしましては、転用の統制の問題を現在農地の面積の多寡によって、五千坪以上は農林大臣、それ以下は都道府県の知事の許可によって転用いたしておりますけれども、その転用の制度をゆるめるべしという意見と、もっと厳重にすべしという意見と、いろいろございます。たとえば一つの御意見としては、農業地帯と非農業地帯というようなものを設けて、農業地帯における統制は非常に厳重にして、非農業地帯における統制はゆるめてはどうかという御提言もあるわけでございます。  それから第三点は、小作関係でございます。これはたとえば小作料の例で申し上げましても、昭和三十年に統制小作料をつくりまして以来、十一年ほど統制小作料の水準を動かしてはおりません。そして水田の中田でいいますれば、大体反当千百円程度の統制小作料でございます。三石の米がその水田からとれるとすれば、米価による収入が五万円で小作料が千百円でございますから、小作料の率としてはおそらく世界どこでも見られないような非常に安い水準の小作料であることは間違いございません。したがいまして小作料の水準をどういうふうにしたらいいかということが当然問題になるわけでございます。ただ、これも、小作料の問題は、単に小作料だけの問題ではなく、米価の形成その他にも響くわけでございますから、そう簡単にいじるわけにもいかないというのが現状でございます。  それから賃借り権の設定なりあるいは特に賃貸借の解除、解約の問題で、農地改革の一つの成果といたしまして、耕作権か非常に強くなった。農地法の二十条の規定によりまして、知事の許可がなければ賃貸借の解除ができないというふうに、一般的にその事態が固まって、耕作権が非常に強くなっておるわけでございます。これは農業経営の確保という点からいえば、きわめてけっこうなことであって日本の農地制度あるいは農民運動その他の五十年にわたる一つの成果の結実とも考えられるわけでありますから、それ自体は決して悪いわけではございませんけれども、場合によりましては、その農地がきわめてまずいような利用が行なわれる場合でも、賃借り権が強いために、なかなか農地の有効利用が守られないという面も現実にございます。そこで、賃貸借の解除、解約についてもう少しやわらかくすることができないだろうか。やわらかくするといっても、土地を借りる人の経営の確立ということが農地法の生命でございますから、ただ耕作権をやすくすればいい、あるいは小作料を高くすればいいということで農地法の運用をいたすわけにまいりませんから、限度があるわけでございますけれども、いまのような、ある意味で硬直した耕作権の確立ということをもう少し現実に即してゆるめることができないだろうかということが大きな論点になっておるわけでございます。  いろいろこまかくお話しすればたくさんございますけれども、大体の要点を申し上げると、以上のとおりでございます。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 農地法の問題は、ただいま大和田政府委員からお話がございましたように、問題をあげて農林省としていろいろ研究しておるようでございますが、ぜひひとつ本格的に取っ組んでいただいて、この問題の解決に当たっていただきたいということを御要望申し上げておきます。  次の問題は、この前の委員会におきましても議論がずいぶんあったのでございますが、農地管理事業団をつくって、農地の取得のあっせんとかあるいは農地の売買とか、そういうものをやる、こういうことになってまいりますと、中央においては農地管理事業団があり、それから地方にはそれの出先があり、市町村には駐在員を置く、こういうようなことで、この前の考え方は、いかにも農地管理事業団をつくることによって、農地移動の官僚統制化というような印象が非常に強かったのでございます。幸い今度の法案におきましては、市町村の段階におきましては農業委員会を中心にして使う、こういうお考えに改められて、農地管理事業団の市町村に置くところの駐在員も今度はやめた、こういうお考えであるのでございますが、その点は、この前の考え方からすれば、私は非常に進歩しておるというふうに見ていいのじゃないかと思うのでございます。しかし、それにもかかわらず、一つの心配は、いまこういう機構をつくってしまえば、農地移動については、もうそういう機構を通じなければなかなか動かない、将来そういう姿が残ってしまうのじゃないか、こういう心配をしておる向きもあるのではないかというふうに私は感ずるのでございます。特に県段階にも農地管理事業団の駐在員を置かなければならないというふうなお考えのようでございますので、そういう点については、農林大臣はどういうぐあいに御解明をいただくか、そういう疑問を持っている人に対して、政府としてはそうじゃないのだということが、はっきり農林大臣として鮮明できるのかどうか、その点をはっきりとお答えをいただきたいと思います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 ごもっともな御心配でございますが、現在町村においては、いま申し上げましたし、また坂村委員からお話のありましたとおりに、事業団の職員でなしに、市町村長、あるいは農業委員会、あるいは農業団体の指導者、あるいは精農家といったような方々によって、末端の仕事をやっていただくことになるわけであります。選定する基準をどうするかとか、いろいろそういう点についてのなにをやっていただくわけでございます。その点は、官僚的ではなしに、十分各村の実態に即応して、そしてその意思に即応して進めていくように、でき得る限りの配慮をいたしたつもりでございます。しかし、これはやはり全体として、事業団というものによって、この向かうべき方向というもの、そういう点について、やはりしっかりした理念を持って、それを実情に即応せしめる意味において、末端については末端の意思を十分尊重しながら、しかしながら、この事業団の本来の目標というもの、これについては十分検討を加え、またその地帯地帯の動向を十分洞察しながら、これらの問題を処理していく必要があると思いますので、県単位くらいにはやはり事業団の職員も置き、これらの問題を専門的に検討を加えてまいりたい、かように考えておるのでございます。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 県単位に職員を置いた場合に、その職員の性格はどういうぐあいにお考えいただくか。たとえば自立経営農家育成、そういう面で技術的にも相当専門家であり、そういう面の指導ができるような、そういう考え方、そういう性格の職員を置こうとお考えになっておるのか。あるいはいわゆる農地を動かすためのほんとうの事務的な、場合によったら農地移動のチェックになるような職員を置かれたのでは、農地移動について非常にマイナスの面があらわれてくるのではないか、こういうような感じもするのでございます。これはむしろ前向きの姿勢で、ほんとうに自立経営農家の育成、農地管理事業団が企図しておる、そういうものを指導し、あっせんし、前向きに農民も引っ張っていけるというような職員を置いてまいることが非常に大事じゃないかと思うのでございますが、そこら辺の性格論が農地管理事業団を官僚化するか、あるいは官僚化しないかという、非常に大きな境目になるのじゃないだろうか、こういう感じがするのでございます。その辺のお考えをひとつ聞かしていただきたいと思います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 坂村委員の御質問、ごもっともでございまして、決して官僚的な動き方を考えておるのではございません。現在の農村の実態というものを見て、自立経営を無理なく進めていく意味において、十分地方の実情に即しながら、その目的を達成するという人をでき得る限り選んでまいりたい、こういう考え方でございます。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 ぜひいまのような大臣のお考え方のもとに職員の選定もされ、それから事業団の運営についても、そういう基本的な考え方でひとつお進めをいただきたいと思う次第でございます。  次に、この前の法案との違いで、先ほど説明ございましたように、未墾地の取得のあっせんもやれるようにした、こういうことが新しい問題になっておるのでございますが、この点も、私は事業団法については一つの大きな進歩であろうと思うのでございます。その際、そういう未墾地の取得のあっせんというようなものもやれるようにいたします以上は、それらについての土地改良事業であるとか、開発事業であるとか、むしろ、そういうものと事業団が積極的に取り組んで、そうしてそれがほんとうにりっぱな耕地になって、農民がやっていける、そういう体制にしておくところまで踏み込んでやってやるべきじゃないだろうか、こういう感じがするのでございますが、その点はどういうぐあいにお考えになっておりますか。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 ごもっともの点でございますが、現在土地改良等につきましては、国が直接やっており、あるいは土地改良区等においてやっておる次第でございますので、これらの問題についていま直ちに農地管理事業団がやるということはできないと思います。しかし、これは将来の問題として十分検討を加えていきたい。かように存じております。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 現在の土地改良の制度との関連もいろいろございましょうから、いま急にすぐそのままというわけにはまいらないかもしれません。しかし、事業団が未墾地まで手を出す、こういう以上は、少なくとも現在の土地改良のいろいろの機関や制度、そういうものとの連絡をひとつ思い切って考えて——事業団が農地の開発までやれない、こういう現状であるならば、現状の土地改良、農地開発のそういう関係の機構や機関、そういうものとの連絡を考えて、未墾地の取得あっせんというものをやった以上は、直ちにそれが農地として生きてまいるように、そういうことを考えてやることが、少なくとも最低限の仕事ではあるまいか、私はこういう感じがするのでございまして、その点は具体的にどういうぐあいにお考えをいただいておるか御答弁をいただきたいと思います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 この点は、全く御同感でございます。これは密接な関連の上に立って仕事を進めてまいりたい、こう考えております。  なお、具体的なことについては、農地局長からお答えいたさせます。

大和田啓気農林事務官(農地局長)

○大和田政府委員 未墾地の取得のあっせんをいたす場合には、当然、現在の開拓事業というのは、開拓パイロットシステムでやっておりますから、権利について話し合いがついたところで、事業の大きさに従って国営、県営あるいは団体営ということで開拓を進めます。したがって、そういう事業と関連をつけて、未墾地の取得のあっせんをいたします場合には、当然、土地改良区あるいは県なり国なりの事業に従って事業団があっせんをするわけでございます。また、現在開拓パイロット事業というのは、団体営でも十町歩が限度でございますから、私どもが農地管理事業団の仕事として未墾地の取得のあっせんを入れました趣旨は、そういう十町歩以上の開拓ということももちろんでございますけれども、それ以外に、里山あるいは里に近いところの草地その他で十町歩というふうにまとまらなくても、数町歩あるいは一町歩でも、エネルギーのある農家がそれを買って開拓したり、草地造成をしたりするという場合に、私どもこの制度が使えるようにしたいという趣旨が一つあるわけでございます。  それからさらに申しますと、多少御質問からはずれて恐縮ですが、農地管理事業団が農地の取得のあっせんあるいは売買をいたす場合において、私どもできるならば、農地の集団化といいますか、交換分合ということを頭に置いて仕事をしたい。そういたしますと当然、かん排事業は、土地改良区が事業をやっております場合に、そこの換地処分という問題ともからむわけでございますから、土地改良区とも連絡はとり、開拓事業をやる主体とも連絡をとりまして事業団が動きませんと、なかなか仕事が思うようにいかないというふうに私も考えております。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 そこまで踏み切りました以上は、ぜひ農地管理事業団が将来はそういうところまで仕事ができるように、それまでの間はいま説明がございましたような姿でまあけっこうだと思いますから、ぜひひとつ緊密な連絡をとって効果があがるように、この点は特に御要望を申し上げておきます。  次に、農地管理事業団が経営拡大を企図いたしまして、自立経営農家の育成、こういうことを目標にしておるのでございますが、その自立経営農家の考え方でございます。一年前の審議の際にも、いろいろこれは御説明がございました。しかし、一年前といまとでは、先ほど申し上げましたように、農業の実態もだいぶ変わってまいっております。と同時に、全体の日本経済の実態もだいぶ進展をいたしておるわけでございまして、この際、自立経営農家としては、どういう姿のものをお考えいただいておるのか、どういうテンポでこの自立経営農家をどの程度のところまで持っていきたいと思っておるのか、その考え方をひとつお示しをいただきたいと思います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 非常に重要な問題であります。自立経営でございますから、この問題については、従来政府で別に述べたことはないと思うのですが、二町五反から云々という問題がありましたが、これらは一応全体の平均として見ればというようなことから、別に出たことであると思いますが、私はやはりまずい、こう思っています。この標準は、北海道は、何といっても畑地と水田で違いますけれども、畑地ならば十何町歩から二十町歩というもので、北海道といえども地域によって違いますけれども、そういうこともあります。それから中国地帯でありますと、現在の平均が六反幾らくらいでございます。地域によって非常に違う。また、水田と畑作によって非常に違うのでございますから、これを平均したものでこうだということは、非常に誤解を起こすのじゃないか。全体を平均してこうだという問題の場合は、往々にして非常に誤解を起こすであろう、こう思うのでございます。また、政府でも正式にそれを現在用いていないのでございます。  そこで、私どもとしては、やはり自立経営でございますから、農業を推進してまいりまするこの際において、蔬菜地帯は蔬菜地帯、それから養鶏、養豚、乳牛、あるいは米作地帯、これらのものをいろいろ複合的に行なっておる経営もあるわけでございます。したがいまして、むしろこの収益を土台にしたほうがいい、こう思います。大体において、これも年によってまたいろいろ違ってまいりましょうけれども、全般的に農業によって自立し得るということでありますから、たとえば工業の労働者の一人平均と農家の一人平均というものが均衡がとれるといったような所得の面から見て、大体現在ならば年に平均すると七十万円程度というようなこと、そういうことで、いわゆる所得という面によって、大体農業によって自立し得る、その近辺の他の職業とそう劣らないところに行き得るような農家というものを標準にして考えていきたい、こういう考え方でございます。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 ただいま農林大臣からお話がございましたように、自立経営農家というものはどのくらいの所得があればいいのか、こういうことを簡単にきめることは、私は非常にむずかしい問題だと思います。この前の所得倍増計画でいろいろの数字が出まして、これに対しても非常に議論が起き、また誤解を与えたというふうに私は感じておるのでございます。農業の姿自体によっていろいろ規模等も考えてまいらなければいかぬし、また、年とともにその所得の目標というものが変わってまいっていいはずであろうというふうに私は考えておるのでございます。そういう意味から、こういうようなことはなかなかむずかしい問題かもしれませんが、ただいま農林大臣の御答弁の中には、平均してみれば年大体七十万円くらいというふうなお話もございましたけれども、農地局長でいいのでございますが、具体的にたとえば米単作というふうな地帯で、所得として七、八十万から百万円くらいなものを上げよう、こういう場合には、いまの米価で大体どのくらいの町歩のものがあったらいいのか、これは算術すれば簡単でございますけれども、算術がめんどうくさいから、ひとつお伺いをいたしておきたいと思うのです。

大和田啓気農林事務官(農地局長)

○大和田政府委員 これも地帯により、あるいは反収によって非常な違いがございますけれども、大体私ども考えておりますことは、二町五反程度ありますれば、所得にして七十万円程度のものが上げられるであろうというふうに考えております。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 七十万円がよいかどうかは問題でございまして、ぼくらの感じから言いますれば、少なくとも八、九十万円から百万円くらいのものが所得として上げられるというような姿になってこそ、初めて農家も安心してほかの人とも対等な生活ができるのだというくらいの気持ちではあるまいかと思います。現に蔬菜地帯その他におきましては、相当な所得を上げておるようなところがございまして、一応米を中心として考えれば、やはり少なくとも三町−五町というものが私は要るのじゃないだろうか、こういう感じがするのであります。ところが、現実問題として、そういう経営規模の拡大が自立経営農家としてそうスムーズにいくだろうか、こういうことを私は非常に疑問に思っておるわけです。いま構造改善事業がどんどん進んでおります。そうして基盤整備をやって、りっぱな耕地ができて、大きな機械も入るような地帯がございます。ところが、そういうところにまいりましても、先ほどの農地局長の説明の中にもありましたように、交換分合というものがなかなかうまくいってないということでございますし、また一面から言うと、いまの日本の農家の農地というものは、生産手段であるよりも、むしろ財産的な性格が非常に強いのじゃないか、そういう意味で、これをいろいろ交換したり売買したり、そういうことをやればいいのだということがわかっておっても、一つの財産として持っておる場合には、なかなかこれが動かしにくい、こういう現状にあるわけです。そういう意味で、三町−五町というようなそういう経営規模の拡大をはかっていくことが、ほんとうにまじめに考えて円滑にいくだろうかどうだろうか、そういう点についての自信のほどをお伺いしたいと思うのです。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 この問題は、非常に重要な根本問題であると思いますが、この面積というものでいきますときに、いろいろの問題が起こるわけであります。かりにいま都市近郊、あるいは瀬戸内海沿岸、あるいは東京都の近く、あるいは近くでなくともその近県ということになりますと、一般に経営は小さくてもその所得を上げることができることは、これは坂村委員もよく御存じのとおりでございます。したがって、面積で何町歩以上とかやりますと、非常にそこに無理がありますし、それは農業の実態に合わないということを私は確信しておるものでございます。これは日本ばかりでなしに、世界各国のそれぞれの実態から見てもそうでございますので、私はそういうふうに思わない。そこで、私どもとしては、いま所得の面に触れて申し上げたわけでございます。そういたしますと、この水田地帯ではどうか、どこにおいてはどうかというような具体的な問題が、ここに現実の問題としてあらわれてくるであろうと思います。そこで、各地方における市町村長、農業委員会、その他いわゆるその土地における農業に関する代表の人々が寄って、その指針をきめてまいるということが本質的に必要であろうと私は思うのでございます。でありますので、単に面積だけによっていくべきものではなく、資本の構成によっても拡大をはかることができるわけでございます。そういういろいろな点からまいりますので、その地方地方の実態に即応してそれぞれの代表者がきめていくことと、それから中央において全般的なものをにらみ合わして、それらの間においてそこに自然と落ちつくものである、こういうふうに私は考えておるわけであります。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 坂田農林大臣は農林省の大先輩でございまして、私もあまりいろいろ申し上げたくないのでございますけれども、私の質問と御答弁が違うのです。おっしゃるように、地帯地帯によって、それから農業経営の実態によって、目標も耕地の姿も違ってまいります。それはもうそのとおりでございます。ですから、私は、農地の問題に非常に重点のあるところの米の問題、米の主要地帯で、米単作地帯で、少なくとも三町歩−五町歩のものがないと、りっぱな所得というところにいかないのじゃないか。その三町−五町というものが、大きな機械を入れて自立経営農家として、個人経営としてやっていけるような姿に、そういう経営規模にまで持っていける自信がございますかどうか、その点を実は最初に農林大臣の自信のほどをお伺いしたい、こういうことでお伺いしたわけでございますから、ずれないようにひとつ御答弁をいただきたい。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 どうもたいへん恐縮でありますが、坂村委員の御質問に対して、水田地帯におきましては、やはり相当の、二町あるいは三町というものが単位である場合は非常によろしいと思いますが、これらについては、個人的に全部その経営を単独の個人によって進めるというよりも——そういうことも必要であり、またそれが相当多く行なわれることであろうと思いますが、いわゆる協業という点についても考えてまいるわけでございまして、そういう点からいきますれば、漸次その方向に進み得るものである、こう考えておるわけであります。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 現実問題として、構造改善事業を進めておる地帯を見まして、私は、そういう経営規模の拡大が、せっかく構造改善事業を進めておっても進んでないから、できてないから、いまの問題を取り上げて、大臣の御所信を伺ったわけでございます。先ほど申し上げましたように、農地というものは農民にとっては財産である、こういう観念が非常に強いものですから、なかなかこれは動きません。そこで、構造改善事業を進め、それから基盤整備を進めてまいります場合におきましても、交換分合がスムーズに行なわれることが、自立経営農家の育成に対して非常にこれは大事な問題です。先ほど農林大臣は、協業という問題ももちろん考えなければならぬ、こういうことを言いましたけれども、協業の問題はこれは別でございまして、いずれこのあと協業の問題は伺いますけれども、自立経営農家育成、こういうことで考えました場合に、それだけの規模の拡大というのをどういうぐあいに御指導をいただけるか、これは非常にむずかしい問題でございます。よほど本格的に取っ組んでいただきませんと、そういう経営規模の拡大というものは、私は、日本の農民の実態から言えば、なかなかむずかしい問題じゃないだろうか、こういう感じがするのでございまして、この点はよほど政府が本腰を入れて指導性を発揮していただきませんといかぬだろう、こういう感じがするのでございますので、その点の力強い、農林大臣の熱のあるお考えをひとつ伺っておきたいと思う次第でございます。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 いま激励を受けておるのでございまして、その方向に努力をするわけでございますが、私は、やはり農村のことはそんなに急速に一ぺんに行ない得るものではないのであって、したがって、現在事業団といたしましても、当初の出発といたしましては、売買されまする七万ヘクタールあるいは八万ヘクタールというものをその方向に、いわゆる自立農家の方向にでき得る限り持っていく、そういうところから徐々に出発してい.こうという考え方であります。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 非常にむずかしい問題でございますので、ぜひひとつ、私は、今後この農地管理事業団が仕事を進めてまいります場合におきましても、交換分合という問題に一番焦点を置いてこれは考えてもらわなければならないのじゃないだろうか、こういう感じがするのでございます。この点は先ほど農地局長から話がございましたが、事務的にどういうぐあいに今後進めてまいるつもりか、その点を事務当局からひとつ要点だけでいいですから承っておきたいと思います。

大和田啓気農林事務官(農地局長)

○大和田政府委員 事業団が仕事をいたします場合に、事業団と関係なく、現在換地処分なりあるいは交換分合、農地の集団化の補助事業がございます。したがいまして、事業団が仕事を始めます場合に、そういう換地処分なりあるいは交換分合を現実にやっているところあるいはこれからやるところとよく仕事をつなぎ合わせまして、ただ事業団だけが交換分合を独自でやろうとしてもなかなかむずかしいわけでございますから、事業団が将来土地を買う、買って売る場合はもちろん、事業団があっせんをいたします場合でも、交換分合ということに一つの力点を置いて、だれに土地を売るか、だれに土地をあっせんするかということを、当然交換分合ということを頭に置いて優先的に考えますけれども、それと同時に、ほかの事業とも結びつけて交換分合の仕事を進めていきたい、こういう考えでおります。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 非常にくどいようでございますが、もう一つ非常に大事な問題でございますから、念を押しておきたいと思います。と申しますのは、もしかりに事業団に土地を売りたい、農地を売りたいというような人は、おそらくあちらこちら飛び離れておるようなところ、それから山のほうにあるところだとか、そういうようなものが、むしろこれは積極的に出てくるのじゃないか。それから、これから構造改善事業を進めなければならぬ、基盤整備をしなければならぬというような、りっぱな水田の集団した耕地というようなところでは、なかなかこれを売るとか人に貸すとかというような事態はそう起こってこないのじゃないだろうか、こういう感じがするのでございます。その際、事業団が買うものあるいはあっせんに持ち込まれるものというのは、およそ構造改善、それから基盤整備を進めていくものとはかけ離れたような土地のものばかりがどんどん事業団に持ち込まれてしまって、そして一番大事な、ほんとうの農業の近代化を進めていこうというようなところの土地は、何にも動かない、持ち込まれてこない、こういう実態が起こりはしないか、こういうことを実は心配するわけです。特に東京近郊といわず、特殊なところは別でございますが、いま相当工場なんかもどんどん出てきておりますし、関東地方、中部、近畿、九州、そういう地帯では、おそらくそういうような現状が起こりやせぬかということを実は現実問題として心配するわけです。その際に、事業団としてはどんな処理のしかたがあるだろうか、こういうことを実は具体的に心配しているわけでございますので、その点ひとつ事務当局でけっこうでございますから、お答えいただきたいと思います。

大和田啓気農林事務官(農地局長)

○大和田政府委員 まず、事業団があっせんしたり、あるいは事業団が買い受けする土地は、非常に山村地帯であったり、あるいは飛び離れている土地ではないだろうかというのが第一の御疑問でございますが、これは私ども資料として差し上げてございますが、三十九年で、七万六千町歩ほどの農地が、自作地が有償売買あるいは一部交換という形で動いておりますけれども、それを市町村別に、たとえば都市近郊とか山村とか平地農村とかいうふうに地域別に見ますと、北海道では普通の農村、平地農村に相当動いているし、内地では都市近郊の動き方がやや激しいわけですけれども、普通の平地農村なりあるいは農山村においても、相当の動き方を示しております。これは私ども相当な数の農村の実態調査をいたしておりますけれども、その実態調査の結果でも、また全国的な統計の結果でも、農地の移動というのが現在七万五、六千町歩といいますと、農地の大体一%を少しこえる程度でございますけれども、大体地域の違いはそんなにはなくて、わりあいどこでも動いているという実態でございます。したがいまして、事業団が仕事をやります場合に、どうも土地の引き受け手がないところだけ動く、あるいは山地帯だけ動くということでないということをまず御了承いただきたいと思います。  それから仕事をやります場合に、交換分合という観点からだけ考えますと、農地管理事業団がまず買って、しばらく保有して、そして適当な交換分合の機会を得て交換分合するというのが、私は非常にいい行き方だろうと思います。私どもが農地の売買ということを法律で規定して、四十一年度はやりませんけれども、四十二年度以降ぜひやりたいと思います一つの点は、交換分合がそれによって着実に進み得る見込みがあるからということでございます。しかし、農地の売買をやらなくても、売買のあっせんをやる場合でも、だれに土地をあっせんして売るかという場合の考え方の一つの基本として、これは相手方がとにかく将来自立経営になる見込みが客観的にありまして、また農業経営を一生懸命にやるという熱意があるということが最上の条件でございますけれども、それにつけ加えて、できるだけその農地を取得することによって農地の集団化が促進されるということに力点を置いて、仕事を進めていきたいというふうに考えております。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 農地管理事業団を運営いたします場合に、非常に大事な問題でございます。ぜひこの点は十分目的が達成できますように、今後運営の問題もひとつ十分に御検討いただきたいと思っておる次第でございます。  そういう状況でございますから、勢い、私は、当分の間協業という問題を相当大事に考えなければいかぬと思います。これは社会党が前々から協業という問題を言っているから、それだから協業の問題はどうもあまり感心しないのだというような、そういう党派を頭に置いたような考え方で私はございません。現実に自立経営農家というものが十分にできない以上は、それまでの間でも、あるいは先ほど言った八〇%の兼業農家をどうするか、こういうことを考えた場合においても、私は、どうしてもこれはやはり協業というものがスムーズに進むように、それを政府として大きな施策を考えていかなければならぬと思うのでございます。いまのような状態でありますれば、せっかく基盤整備をやっても、みんな二反、三反持っている農家が全部いまでもやはりいろいろトラクターを自分で買ったりなんかして、非常な過剰投資をやっているというのが実情でございます。これが勢い農産物に対するコストを非常に大きく上げておるというふうに言ってもいいのじゃないだろうか、こういう感じさえするのでございまして、この点は、事業団法を考える場合には、ぜひとも協業の問題をもう少し強く打ち出してもいいのじゃないだろうか、こういう感じがするのでございまして、この点、農林大臣のひとつ確固たるお考えをお伺いいたしておきたいと思います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 協業の問題は、私も非常に重要だと思います。特に兼業農家の非常にふえております現状においては、どうしてもその必要性があります。ただ、その兼業の内容について、これは御質問以外のことかもしれませんが、内容についてはいろいろな形があると思うのでございますが、それらについてよく考えながら、これらの問題を十分考えて処理してまいりたい、かように存じます。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 協業を進める場合に一番大事な施策としては何であるか、こういうことを私は考えてみる必要があろうと思うのです。むしろ、いわゆる共同経営というような考え方ではなく、どちらかといえば、主体は作業の共同だ、いわゆる協業というのがどういう意味か、正確には私もわかりませんが、私の考え方から言いますれば、作業の共同化、こういうものが第一に考えるべき協業の一つの姿じゃないだろうか、こういう感じがいたすのでございます。そういう意味からいえば、いまその作業の共同化、私の言う協業というものをスムーズに進めるために、政府としては、おもな施策としてどういうことを考えておるのか、その点ございましたらひとつお答えいただきたいと思います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 先ほど申し上げましたとおりに、私も、協業といいましてもいろいろな形がある、こういうことを前もって申し上げておったわけでございますが、特に機械の利用という問題は、各地の実情を見ましても、やはり共同利用という面であろうと思います。大きな機械を個人に経営せしめようとしても、なかなかこれは困難でございます。また収支が合いません。二、三戸という程度の小さいものならば、きわめて小さい機械ができておるし、大きなものになりますと、部落全体といったものが共同的に使用するということが非常に重要であると思います。さような意味から、やはり機械力を使うという面においても、これはどうしてもその意味における協業、いわゆる共同経営ということが重要になってまいる、こう考えております。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 大臣のおっしゃるとおり、機械の利用が非常に大きな問題であろうと思いますが、その機械の利用を進めてまいります第一の基本的な条件は、私は農道であろうと思うのです。基盤整備を行ないますと同時に、ようやく土地改良の十カ年計画もできまして、一応の計画は立ったわけでございますが、それにまずまっ先に農道整備、こういうことが優先してまいらなければ、いわゆる機械も入らない、それから協業化も進まない、こういう実態であろうかと思うのでございまして、ガソリン税の見返りとして農道整備の事業を始めたことは、私は、政府として非常なヒットであろうというふうに考えております。しかし、実態から言いますと、まだまだこの問題は不十分でございます。新しく本年度着工できるようなものも、これはほんとうに微々たるものでございまして、もっと思い切って農道整備、こういう問題について今後取っ組んでいく覚悟があるかどうか。特に来年度の予算におきましては、思い切って農道整備の予算を獲得する、こういう心がまえがありますかどうか、ひとつお伺いいたしておきたいと思います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 御説のとおり、ごもっともであると思います。農道の拡充については、私もでき得る限りの努力を払って整備を進めたいと存じております。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 もう一つの問題でございますが、これで終わりますけれども、この前の委員会の審議におきまして、農地管理事業団を中心といたしまして、自立農家育成、経営規模の拡大、こういうことを進めてまいりますと、当然離農の問題が起こってまいります。そういう離農があればこそ、経営規模の拡大もできるし、また、あるいは場所によっては離農を促進したほうがいいのじゃないか、こういうところさえあるのではないだろうか、こういう感じがするのでございます。この前の委員会におきまして、赤城農林大臣は、この離農の問題に積極的に取り組んで、そうして円滑な離農が進むようにひとつやってまいりたい、こういう非常に強い御答弁があったのでございますが、その点について、坂田農林大臣はどういうぐあいにお考えをいただき、いまどういう施策をお考えになっておるか、この点を鮮明にしていただきたいと思います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 離農につきましては、開拓地については、これは積極的にやっておることは、坂村委員も十分御了承の点でございます。一般の農地につきましては、四十一年度の予算において、これらの調査を進めていくために予算を獲得しておるのでございまして、その調査をいたしたいと思います。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 ぜひあわせて、離農対策はうらはらの問題でございますので、十分ひとつ政府においても積極的にお進めをいただきたいと思っておる次第でございます。  いろいろ農地管理事業団の法案につきまして、この前の案との違いの点を中心として、しかも基本的な問題を実はお伺いしたわけでございますが、ただいま御答弁がございましたように、せっかくつくる以上は——私の一番心配するのは、これが一つの硬直した機構になってしまって、農地の移動をじゃますることがないように、むしろじゃまにならないように、そういう点の配慮が私は非常に必要なのじゃないか、こういう感じがいたすのでございます。それと同時に、将来に向かいまして自立経営農家という考え方も、これはもちろん流動的にひとつお考えいただくと同時に、農家の八〇%を占める兼業農家が安定してやっていけますように、そういう点に十分ひとつ心をいたされまして、この運営については御努力をいただきたいということを最後に御要望申し上げまして、私の質問を終わります。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 次会は来たる二十六日開会することといたしまして、本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十二分散会

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