農林水産委員会 第21号
- 発言数
- 14 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1966/04/01
会議録
○中川委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。芳賀貢君。
○芳賀委員 昨日私の質問が中断されておりますので、引き続いて農林大臣に質問をいたしたいと思います。 昨日農林大臣から言明されました主要なる点は、加工原料乳補給金法の運営については、昨年赤城農林大臣が法律制定直前に当委員会において言明された、いわゆる七項目にわたる運営上の趣旨については——この運営の趣旨というのは、法律の趣旨であることに間違いないわけでありますが、その立法の趣旨、法律運用上の趣旨については、赤城農林大臣の国会における言明を継承しておるということが明確にされたわけであります。 そこで、その次にお尋ねした点は、それではその精神に基づいて、具体的に第一の問題である保証価格の算定について、どのような作業を四十一年度の算定については進められるかということをお尋ねした時点で、質疑が中断しておるわけでございますので、この保証価格の四十一年における算定の方針について、農林大臣から明らかにしていただきたいのであります。
○坂田国務大臣 繰り返すようでございますが、芳賀委員の御質問に対しましては、私は赤城前農林大臣の発言した趣旨そのものを継承していきたいと考えておることは、昨日も申し上げたとおりでございます。今後とも努力を続けてまいりたいと存じます。
○芳賀委員 それでは、赤城精神に立脚して昭和四十一年の保証価格の算定に当たられるというふうに理解して差しつかえないわけですか。
○坂田国務大臣 お答え申し上げます。 四十一年度の基本価格その他につきましては、その趣旨に沿うように考え方を進めておるのでございまするが、実際の問題としては、やはり実情に即応せざるを得ないということを御了承を願いたいと存じます。
○芳賀委員 ただいまの農林大臣の御発言は、保証価格の算定については、赤城前農林大臣の言明、これを詳しく言うと保証価格における自家労賃の算定については、原料乳の主要なる生産地域における他産業の労賃と均衡のとれる自家労賃を算定するということに尽きておるわけでありますが、精神はそれを尊重して行なうのであるが、とにかく本年度はこの制度の発足第一年目であるからして、考え方、その趣旨においては、赤城大臣の言明どおり、他産業労賃との均衡ということを基礎にしてやらなければならぬが、制度発足の第一年目であるので、諸般の準備がまだ未熟の点がある。そういうことで、その精神は十分尊重してやりたいが、最初の年でまだ準備不十分という事情にも置かれておるので、段階的にその趣旨を最高限度に生かすように価格の算定を行ないたい、こういう御意思ですか。
○坂田国務大臣 昨日も申しましたとおり、赤城前農林大臣の申されたことについては、私も、その趣旨そのものについて、早くその実現を期する努力を払いたいということは、昨日から申しておるとおりでございます。ただ、四十一年度につきましては、準備も問題でありまするが、その他の状況等から見て、これはそれらの状況に即応して考えてまいりたい、こういうことでございまするので、その点御了承願いたいと存じます。
○芳賀委員 この点は非常に大事な点ですから、なお確認しておきたいと思いますが、それでは基本的な方針としては、農家の自家労賃について、主要生産地域の他産業の平均労賃を採用する、この方針を基礎にして、制度発足の当初でもあるし、最大限度この趣旨が価格面に反映できるように努力して決定を行ないたい、そうして昭和四十二年、四十三年と段階を追って、数年の間には完全に池産業の労賃と生乳生産者の自家労賃か、評価の点においては均衡のとれるようにする、そういう将来への明確な目標を定めて、段階的に前進していきたい、こういうお考えですか。
○坂田国務大臣 この点については、趣旨は全く同感でございますので、そういう方向に向かって努力することは言うまでもございません。したがいまして、私どもといたしましても、この自家労賃そのものが、第三者の、いわゆる工業産業の労賃に匹敵することになるよう諸施策につとめてまいるということでございます。
○芳賀委員 ただいまの御答弁で、大体坂田農林大臣の大臣としての所信も、前赤城農林大臣の所信も、これは同一のものであって、明らかにこれは継承されておるというふうに私たちも信頼したいと思います。 そこで、その精神に基づいて作業されて、きょうからこの法律が実施段階に入るわけでありますが、法律の附則でも、昭和四十一年の保証価格を決定して告示する場合には、本日以降遅滞なくこれを農林大臣が告示しなければならぬということになっておるわけです。ですから、この委員会で農林大臣の考え方、政府の方針が明らかになった場合には、これは遅滞なく保証価格あるいは基準取引価格、指定乳製品の指標価格等の告示が行なわれるわけであって、告示すれば、幾らの値段で告示したということがわかるわけですから、その保証価格の中における自家労賃に相当するものは一時間どのくらい、一日どのくらいであるということも、大体これは判断がつくわけです。その場合、精神だけは明らかになったが、実態の面において、たとえばそれがいわゆる農業における日雇い労賃と同等のものであるというようなことになれば、精神だけは明らかにしたけれども、実態は他産業との均衡をとるという努力をしなかったということに当然結果はなるわけですから、そういうごまかしということは今度は絶対やらぬと思いますが、念のために、この点は確認しておきたいと思うのです。 なお、参考までに、他産業均衡労賃という場合には一時間百七十五円、一日八時間で一千四百円、農業の日雇い労賃の場合には一時間九十五円、八時間労働で七百六十円ということは、政府り資料においても明らかになっておるわけです。したがって、第一年目は諸般の事情を考慮して段階的に進むという場合に、当然自家労働に匹敵すべき報酬というものは保証価格の中に出てくるわけですから、この段階をはしご段のどの辺から進むということについては、農林大臣の熱意のある答弁を十分反映できるような価格決定が行なわれるというふうに期待してよろしいかどうか、その点を農林大臣から明らかにしておいてもらいたいわけです。この点だけ明らかになれば、この問題は一応了解ということにしたいと思うわけです。
○坂田国務大臣 この問題については、繰り返して申し上げておるとおりでございまして、この趣旨そのものは、これはもう全くそういう方向に進まなければならない。しこうしてこれらの実現のために、でき得る限りそういう方向に努力を払ってまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○芳賀委員 その点はわかりました。 もう一点は、これは先般来問題になっておる点でありますが、この法律によると、加工原料乳の生乳だけが対象になった取り扱いでありますが、国内で生産される生乳の四〇%が加工向け、残り六〇%が飲用向けということになっておるわけであります。したがって、この法律との関係においては、たとえば都道府県の指定団体が取り扱う場合においては、この飲用向け牛乳についても、これは取り扱いの対象になるわけです。これは用途別に価格をきめてメーカー側と取引契約を結ぶわけでありますし、価格の支払いについては、用途別に販売した額というものをプール計算して、生産者に対してはプールの精算を行なうということになっておるわけですから、今後のこの法律の実施に伴って、一面飲用向け牛乳に対する、たとえばその生乳の取引価格の適正な行政的な指導をどうするかという点、あるいは飲用牛乳の末端販売価格というものをどのように適正にするかという問題、さらにまた指定乳製品が逆算方式で取引価格をきめると同じように、末端の飲用牛乳の価格から適正な飲用牛乳の処理経費を除いた残りが、当然この生乳生産者に配分される手取り乳価ということにもなるわけでありますから、これは指定乳製品の加工経費を調べると同時に、飲用乳についても、適正な経費というものは畜産局においても明らかになっておるわけであります。これを基礎にして計算した場合において、生乳生産者の手取りとなるべき価格の割合と、メーカーあるいは販売店の手取りとなるべき割合というものは、おのずから出てくるわけです。そうなれば、当然生産者側においては少なくとも五〇%以上の乳価の配分がなければならぬという結論になると思うわけであります。これらの重要な諸点に対して、飲用向け牛乳の取り扱いについての農林省としての明確な方針をここで示してもらいたいわけであります。
○桧垣政府委員 お答えを申し上げます。 先生の御指摘のように、今回の加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の施行以後におきましては、生乳の取引は用途別取引が行なわれることに相なるわけでございます。加工原料乳につきましては、御承知のとおり、基準取引価格によって取引されるものと保証価格との差額を不足払いいたすということで、法律に基づいた行政価格水準というものが決定されるわけでございます。ところが、飲用乳につきましては、自由取引による価格形成というものにゆだねられておるのでございまして、根本的に市乳の需給実勢によって形成される価格というものに基づいて、それぞれ段階の価格が形成されることに相なっているわけでございますが、牛乳に関します行政を担当いたします農林省といたしましては、当然飲用乳の価格形成についても、公正かつ妥当な価格の形成が行なわれるように指導すべき任務を負っておると考えております。飲用乳につきましては、乳製品と異なりまして、地域商品の性格が非常に強いのでございますから、加工原料乳のごとく全国一律の価格水準を指導の基準として設けることは困難でございますけれども、今回の措置によりまして、一つは用途別の取引が行なわれるようになったこと、それから指定生乳生産者団体という都道府県一本の集荷販売機構が整備をされるに至ったこと、したがって、総体の交渉能力等において強化をされてきたということは、飲用原料乳については、取引が公正妥当に行なわれる条件が逐次整備されてきたというふうに理解できると思うのでございます。そういう段階でもございますし、私どもとしても、それぞれ地域によってメーカーの卸売りの建て値というものがございますので、一つの交渉の目安となるべき処理加工費というものがどういう水準のものであるかということについては、非常に数多い飲用乳工場がございますために、十分な調査は現在のところできておりませんけれども、事例的に調査をいたしました資料がございますので、それの調整を行ないまして、指導行政機関あるいは生乳の集乳販売に当たります団体等の乳価交渉における折衝の足がかりとなるように役立つための資料は提供いたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○中川委員長 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時三十分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕