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51回国会衆議院1966/03/08

農林水産委員会 第11号

発言数
87
登壇者
9
会派数
2
開催日
1966/03/08

会議録

中川俊思自由民主党

○中川委員長 これより会議を開きます。  この際、政府に御注意申し上げます。定刻は事前に通告してありますから、定刻時間におくれないように御出席願います。仮谷政務次官だけがいつも早くて、本日は、和田農政局長が十時三十三分、それから森本農林経済局長が十時四十四分、檜垣畜産局長が十時四十五分、大和田農地局長が十時四十七分であります。御注意を願います。  北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許可いたします。芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ただいま委員長から政府委員に対して適切な警告が発せられたわけでありますが、まことにその通りでありまして、この国会においても農林省関係の法案が十数件予定されておるわけでありますが、これは政府から提出して、国会で審議して成立してもらいたいという希望で審議が進められるわけで、これはわれわれが提出しているわけではないのです。法律はどうでもかまわぬということであれば、むしろ国会に出てこないほうがいいと思うのですよ。そういうような国会軽視というか、職務怠慢というか、そういう態度で、今国会における予定法案というものが完全に成立できると思っているかどうか、これは仮谷政務次官から代表して明確にしてもらいたいと思うのです。政務次官は定刻に来ておるので、追及するわけではないが、統制がきかないということも考えられるわけですから、この点を明確にしてもらいたい。

仮谷忠男自由民主党農林政務次官

○仮谷政府委員 本日は、漁船保険が先議というようなことを聞いておりましたものですから、そういうことで関係局長若干おくれまして、おわびを申し上げます。お説はごもっともでありまして、われわれは皆さま方の御審議を得て、一日も早く法案の成立を期したいという考え方で努力しなければならぬと思いますから、今後十分に留意してまいりたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、ただいま議題になりました、通例マル寒法といわれる北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法の改正点に対して、若干の質問を行ないたいと思います。  この法律案につきましては、いまからちょうど二年前の三十九年の国会におきまして、政府から二カ年延長の改正案が提出されまして、委員会としては、これを了として成立さした経過があるわけであります。当時の説明によりますと、この法律に基づいて改善計画を樹立いたしまして、法の適用を受けようとする希望農家、いわゆる認定を要する農家が、おおよそ四千五百九十一戸まだ残っておるということが改正の理由になったわけですが、その後二カ年間において、改善計画の提出あるいは認定の状態がどういうふうに進んできたのか、その点について説明をいただきたいわけです。

和田正明農林事務官(農政局長)

○和田(正)政府委員 前回二カ年間延長いたしますときには、ただいま芳賀委員から御指摘のとおり、約四千六百戸を二カ年間で計画として認定いたす予定にしておったわけですが、実際の実績は、三十九年度に四百二十一戸、それから四十年度はまだ完了いたしておりませんけれども、大体見込みとして二百五十戸、合計二カ年間で予定を大幅に下回りまして、六百七十一戸程度のことに相なろうかと思います。  このように予定より減少いたしました理由は、いろいろあろうと思いますが、やはり何と申しましても、御承知のように、三十九年度に北海道が全道的な大冷害を受けまして、農家が当面の経済再建に追われまして、長期的な営農計画を樹立するような余裕がなかったということであろうと思います。したがいまして、今回二カ年の延長の御審議をいただいておるわけでございますが、大体三千百戸程度の希望農家がなお残っておるという調査結果でございますので、この二カ年間に極力農家の認定が終わるように努力いたしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 先日、仮谷政務次官から本改正案の提案理由の説明が行なわれましたときにも、いま農政局長が言われたと同じ理由で、昭和三十九年は大冷害であったので、当面の再建に追われて、長期的な計画を立てる余裕がなかったということを大きな理由にしておるが、これは単なる形式的な理由ではないかと思うのです。実際に当面の対策に追われて、一番大事な将来への立て直りを希望して、営農改善計画を農家が立てるといういとまがなかったということは、われわれとしては絶対考えられないことでありますが、こういうこじつけの理由というものは、法律改正の理由にはならぬと思うのです。もう少しまじめに、どこに原因があったかということをこの際明らかにしていただきたい。

和田正明農林事務官(農政局長)

○和田(正)政府委員 もう少し詳しく申し上げますと、北海道庁が三十九年六月現在で、先ほど芳賀委員がおっしゃいましたように、約五千戸がさらに貸し付け希望であるということを申しておったのでございますが、その後、構造改善事業の実施地域内で、この事業でカバーできますために、営農資金の借り受け、マル寒資金の借り受けが必要でなくなりましたのが八百二戸ございます。それから本人が離農をいたしますとか、今後さらに農業の経営を改善するというようなことを本人自身の都合で取りやめたものが約二百八十戸あります。それらによる減少と、それからいま申しましたような事情とが相重なって、実際の計画が実行できなかったのであろうというふうに推定をいたしておる次第でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その最大の理由は、災害のためということでなくて——災害については、これは昭和三十四年にこの法律をつくるときの大きな理由として、たとえば昭和二十九年以来の連年の冷災害等によって、北海道の農業というものは大きな打撃を受けておる。そこから立ち直るために、特に畑地帯の農業を中心にした振興対策が必要であるというところから出発しておるわけでありまして、この災害によって非常に経営力の衰えた農家の再建のために法律をつくったわけですから、中途でまた災害が起きて、そのために改善計画の提出を怠るというようなことは、これは農家としても考えておらぬので、理由にならぬことは、これは当然です。むしろ問題は、三十四年にこの法律ができた当時の事情と、現時点における情勢というものが、制度的にも変わってきて、このマル寒資金制度に対する依存の度合いとか期待感というものは、ほとんど薄らいでおるということと、もう一つは、この改善計画に対する行政庁の適切な指導とか、あるいはその手続の簡素化というような問題が、やはり障害になっておるわけです。ですから、そこに今回の法改正の主目的を移さないと、冷害のために認定せられる農家が少なかったから、もう二年延ばす必要があるというのは、改正の理由にならぬし、そういうことであれば、これはもうこの三月でこの法律は期限切れとしたほうがむしろいいんじゃないかと思いますが、この点は政務次官から御答弁を願います。

仮谷忠男自由民主党農林政務次官

○仮谷政府委員 今回の提案の場合は、御承知のように、内容も相当に改正もいたしておりますし、さらに従来の経緯から、三千戸余りまだ希望者も残っておるという状態でございますので、そういうふうな人々にも資金の貸し付けをする必要があると思いますので、そういう観点から、内容改正とあわせて延長することに御審議をいただきたい、こういうふうに思っておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そこで、この際、この法律ができてから今日までいわゆる改善計画の提出がされて、認定された戸数、あるいはその計画に基づいて融通された資金の金額、さらにまた、この計画がこの制度を通じてどういうように実行されて、所期の成果をあげておるかどうかという、そういう実績等について、概要の説明を願いたいわけです。もちろん、先日資料を要求いたしまして、簡単な資料は出ておりますけれども、これは局長からでもいいですから、実績、成果について説明を願いたい。

和田正明農林事務官(農政局長)

○和田(正)政府委員 最初に、実施状況でございますが、お手元にお配りをいたしました資料の第一ページに載ってございますように、三十三年度は法律ではなくて、対策要綱に基づいて実施をいたしたわけでございますが、三十四年度からが正式なこの法律による制度でございます。先ほど、四十年度についてはおよその見込みとして二百五十戸程度というふうに申し上げましたが、まだ確定をいたしませんので、三十九年度までで合計をいたしますと、対象戸数として七千三百八十八、貸し付けの決定をすでに終わりましたのが三十七億一千六百万円ということに相なっておるわけでございます。  この制度による行政効果と申しますか、そういう点につきましては、御承知のように、この資金が、貸し付けを受けまして六年目から償還を始めることになりまして、据え置き期間が五年ございますということ、営農計画そのものが七年目から十年目の間に達成をするようにということで指導をいたしてまいりました関係で、一番最初に借り受けをいたしました農家につきましても、ようやく償還が開始された程度の段階でございますので、効果そのものを全面的に評価をいたす段階には必ずしもまだ至ってはおらないのでございますが、昨年北海道庁が、三十五年、六年、七年の三カ年間にこの制度による認定をいたし、資金の貸し付けをいたしました対象農家四十三戸について抜き取り調査をいたしました結果が、一応唯一の指標でございます。  その内容で簡単に申し上げますと、第一に、農業所得の推移につきましては、この対象農家の平均の農業所得が貸し付け前に三十六万六千円でございます。ちょうど同じ年次における北海道内の一般農家の所得の平均が三十八万一千円でございますので、やや対象農家は全道の農家平均より下回っておるわけでございます。昭和三十八年におきます当該調査対象農家の所得が五十四万七千円、三十九年が同様五十四万七千円でございますが、道内の一般農家の平均は、三十八年が五十三万三千円で、三十九年は四十三万一千円と急激に低下をいたしております。このことは、先ほども申し上げましたように、三十九年の北海道の大冷害が影響をいたしまして、農家総平均では下回ったわけでございますが、対象農家が三十八年、三十九年と横ばいであるということは、この制度によって、対象農家がある程度冷害に対する抵抗性が出てきたというような見方もできるのではないかというふうに考えております。  それから土地の利用状況は、貸し付けの前の年が平均八・七ヘクタールの経営面積でございますが、三十九年には約三割広がりまして、十一・一ヘクタールということになっております。  それから乳牛の頭数につきましては、成牛が貸し付けを開始いたします前に二・九頭平均、育成牛が二・一頭平均でございましたが、三十九年度には成牛で七・三頭、育成牛で四頭ということで、乳牛の経営規模もやや上昇をいたしております。  それから作物の作付の経営内容でございますが、飼料作物の作付割合が貸し付け以前に四〇%程度でございましたものが、三十九年度には約六五%ということで、作付内容も変化を来たしておるというようなことで、冒頭申しましたように、まだ完全に行政効果を把握する段階には至っておりませんが、ごく一部の農家ではございますけれども、抜き取り調査によれば、そのような形になっておるという実情でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この法律ができたときの改善計画の対象農家の所得水準は四十万円以下、改善計画を通じての目標所得は六十万ということで発足したわけですが、その後もう六年間も経過しておるわけです。結局経済事情の変化あるいはまた物価の値上がり事情等があるわけですから、六十万の所得水準に到達したとしても、現在の時点において、それでは六十万の所得があれば大体自立経営のできる農家の経営力ということになるかというと、そういうことにはならないわけです。したがって、当初の所得目標あるいは実行方策等についても、いまになって言えることは、三十九年の改正のときに、単に年限の延長ということだけでなくて、内容の改定というものを行なっておけば、いまのような事態にはならぬで済んだと思われるわけですが、その点はどう考えておりますか。

和田正明農林事務官(農政局長)

○和田(正)政府委員 御質問の趣旨が必ずしも理解ができませんでしたので、あるいは見当違いの答弁を申し上げることになるかもしれませんが、第一に、この法律が制定をされました当初の目標は、芳賀委員も御承知のとおり、所得三十万円以下の農家を四十万ないし五十万の所得に引き上げるということで出発をいたしたわけでございます。先ほど申し上げました数字は、まだ計画の途中段階でございますので、なお今後の指導が必要であろうかと思います。その後、いろいろ経済事情の変化もございましたので、今回は、先ほどお配りをいたしました資料の三枚目にも載せてございますように、対象農家の所得の水準でございますとか、あるいは目標数字でございますとか、貸し付け金額でございますとか、各般にわたりまして現在の情勢に対応するように、内容の変化を含めて二カ年間延長をするという法案で御審議をいただいておる次第でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 内容について若干お尋ねしますが、法律を三十四年に審議する場合においても問題になった点は、この改善計画の中に、たとえば対象農家の固定化負債の整理計画の問題それから農用地の造成等に関する問題、あるいは乳牛を中心とした家畜導入の問題、これらは当然総合的に計画を進めるということになれば、いわゆるセット融資という形の中でこれを除外して改善計画を立てるということは欠陥があるということで、相当議論したわけでありますが、このうち、乳牛の導入については、当時ありました有畜農家創設の特別措置等によって、むしろ国有貸付牛ということでこれは活用したらいいのではないかというような話し合いも行なわれた経過があるわけであります。単に対象農家の所得目標を引き上げるということだけでなくて、これらの重要な取り残されておる問題等について総合的にどうするかという点は、いかように検討したのか。

和田正明農林事務官(農政局長)

○和田(正)政府委員 具体的なそれぞれの事項については、主管局長がそれぞれ参っておりますので、必要に応じて詳細にお答えをいただく必要があろうかと思いますが、ただいま御指摘のございました既往の固定負債等につきましては、御承知のように、営農計画の中に既往の負債も書き込みまして、それらが当時あった自作農創設維持資金等による借りかえも一般的に進めたわけでございますが、全体の営農計画の中でそういう既往負債の返還もできますような方向で、経営計画を定めて指導をしてまいったわけでございます。  それから、経営規模の拡大につきましては、先ほどごく一端の調査内容の説明を申し上げましたが、また酪農の乳牛の頭数の増加についても、一部の調査内容の傾向を申し上げたわけでございますが、それぞれ農地取得資金あるいは未懇地の取得資金等が、このマル寒資金と並行してそれぞれの農家に貸し付けられてまいったわけでございまして、今後も、この制度を開始いたします前の調査で指摘をされております事項を含めながら、この二カ年間になお一そう強力に指導してまいりたいというふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 結局、法律の改正の点は、償還年限の延長あるいは据え置き期間の延長ということしか改正には出てきていないわけですから、むしろ運用上この内容をどうするかということが今回の改正の重点になるわけです。したがって、営農改善計画の中に、当然負債整理の問題であるとか、あるいは農用地の拡大の計画であるとか、あるいはまた乳牛、家畜等の導入の計画であるとか、そういうものを全体的に包括して、そうして営農改善計画というものが提出されて、認定される。そうなれば、従来よりも、貸し付けるべき資金の限度等についても、相当大幅に、現在の数倍にこれを引き上げなければならぬという答えも出てくるわけですから、基本になる営農改善計画の内容というものをどういうふうに整備するかということが明確にさるべきだと思いますが、その点はどうなっておるのですか。

和田正明農林事務官(農政局長)

○和田(正)政府委員 お配りをしてございます資料、三枚目をごらんをいただきたいと思いますが、これに沿いまして、若干御質問の御趣旨にお答えを申し上げたいと思います。  営農改善の目標でございますが、これは現在次官通達で、営農改善目標を立てます場合の指導の基準にいたしておるものでございますが、出発の当初は、先ほどもちょっと触れましたように、四十万ないし五十万ということでございまして、三十九年の改正のときでございますか、五十万から六十万というふうに改めたわけでございますが、今回の延長を機会に、おおむね八十万円程度ということで、将来の改善の目標を現在より高い水準に置きたいということが一つでございます。  それから第二も、やはり次官通達の内容としての指導の基準でございますが、現行法では、出発当初は三十万でございましたものを、現在は四十万程度以下のものをこの制度の対象とするということにしておりますが、それを六十万以下ということで、四十万ないし六十万の間の農家を対象農家に加えることといたしたわけでございます。  それから三番目に、各種の装備の充実と申しますか、そういうことの観点から、現在主務大臣の指定施設を内容としてその貸し付け対象になっておりますものに、新たに十二の種目を追加いたしまして、経営内容の改善のための装備の充実をはかることにいたしたいと考えております。これもやはり次官通達でごごいます。  四にございます、貸し付け条件のうちの、償還期限二十年を二十五年に上げますこと、据え置き期間五年を六年に上げますことは、御審議をいただいております法案の内容そのものでございますが、特にそこにカッコ書きがして書いてございますように、据え置き期間を一年延長をいたしました理由は、貸し付けを受けますのが三年の間に貸し付けを受けますので、ばらばらに償還を始めますことが、手続上も不便であり、対象農家の償還の目途を計画いたします場合にもいろいろ支障があると考えまして、何年目に借りるにしても全部を七年目からまとめて返還ができるように、手続の簡素化なり償還計画を立てることが容易になるようにいたしたいということを考えております。  それから一戸当たりの貸し付け金の限度額は、現在は百万円でございますが、それを二百五十万円に広げまするほか、現在ではこの資金の借り受けをいたしました者には畜産の拡大資金の貸し付けができないような方向の制度になっておりますので、それをこの金額とは別個にさらに上乗せをして、乳牛の導入のための資金が公庫から借りられますように処置をいたしたいということを考えております。  それから土地取得資金は、このワクの中に入れてございませんが、それはこのワクとは別個に、土地取得資金あるいは未墾地の取得資金等の貸し付けが受けられるということで、この二百五十万円のワク外でございます。それらの活用も一緒に考えていきたい。  五に申しますことも、大体四のカッコの(2)の最高二百五十万ということも含めて申し上げたのでございますが、大体以上のような内容の改正を含めまして、営農改善計画の中へも、負債の整理でございますとか、土地の拡大でございますとか、あるいは乳牛の飼育頭数の増大でございますとか、そういうようなものも含めながら、この改正をいたしました所得目標に到達するような営農の指導を進めてまいりたい、今回の改正を機会に改めていきたいということを考えておる次第でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 いまの説明によると、土地の取得資金、家畜の導入資金あるいは負債整理に要する借りかえ資金等の計画はワク外という話ですから、そうなれば、改善計画の外に置くということになるわけですか。

和田正明農林事務官(農政局長)

○和田(正)政府委員 二百五十万というのは、マル寒資金として貸し付ける限度額でございます。計画の中には、先ほどもちょっと触れましたように、そういうものも含めた計画を立てさせて指導をしてまいりたいというふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それじゃ具体的に、たとえば乳牛を五頭導入しなければならぬとか、土地をさらに五町歩取得して経営を拡大しなければならぬとか、あるいは固定負債がたとえば五十万とか百万ある、こういうものを計画にのせるとすれば、結局は財産もふえるが、借金もふえるということになるわけですから、それにはこれを完全に実行できる所得を確保しなければ、計画の完全実施ということは不可能になると思いますが、いま農政局長が、そういうものは全部計画の中に入れる、しかし、貸し付けについては、この改善資金と別途に、構造改善資金であるとか、あるいは自作農資金であるとか、それなどの別の制度資金を並行してこれを進めるというようなふうに聞こえるのですが、もう少しその点を明快にしてもらいたい。

和田正明農林事務官(農政局長)

○和田(正)政府委員 まあ、個々の農家によって違いますが、このマル寒資金で二百五十万もし借りたといたしますと、一戸当たりピークの償還金額が、この分だけで一年間に約二十万くらいになるわけでございます。そのほかに、家畜の導入資金、畜産経営拡大資金なり、土地取得資金なり、それから固定化負債の償還なんということが、当然別個の資金で入ってまいりますわけでございますが、それら全体を勘案して、償還可能な農家についてと申しますか、償還可能な営農計画を立てて、そういう農家を対象にしてその金融をしてまいる、こういうことでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その辺がおかしいじゃないですか。これは農政局長で詳しくわからなければ、担当の課長でもいいですよ。この辺が大事なんですから、あいまいな答弁で法案の改正だけしても、あと実際の運用面で依然として欠陥が是正されなければ、こういうことがしばしば繰り返されておるわけだから、一番わかる担当者からこういう点に対して説明してもらいたいのです。

山下一郎農林事務官(農政局構造改善事業課長)

○山下説明員 ただいまの芳賀先生の御質問でございますが、御指摘のようなケースで、マル寒資金で土地改良、それから主務大臣指定施設の借り入れをする。それから同時に、家畜、乳牛を導入するために必要がありますれば、乳牛につきましては畜産経営拡大資金の借り入れの申し込み、それから御指摘のように、既墾地なり未墾地なりの土地取得、経営規模を拡大することになりますと、既墾地なり未墾地なりの土地取得借り入れ資金の申し込み、これらのものにつきましては、一括借り入れ申し込みで貸し付けの決定ができるように処理をしてまいりたい、こういうふうに考えております。これらのものにつきまして、当然、営農改善計画を立てます場合に、営農改善計画の内容といたしまして、現在の経営規模、それからそれをどういう経営にもっていくか、あるいは農産物の生産なり畜産物の生産なりの現況、それから将来の目標、あるいは土地につきましての現況、将来の目標、さらに今後新しく借り入れいたします資金の償還計画と、従来から借り入れておりますものの償還計画、こういうものを営農改善計画の内容として記載するわけでございます。こういうものをあわせて借り入れ申し込みをし、その営農改善計画の内容を審査して、貸し付け決定をいたしましたものについて貸し付けを実行する、こういうかっこうで進めてまいるというふうに考えております。  それからもう一つ、自作農維持資金につきましては、たとえば固定化負債がありまして、自作農維持資金に借りかえの必要な場合には、これにつきましては、別途に借り入れ申し込み——自作農資金まで一括の借り入れということはいろいろ問題がありますので、これは別途、こういうふうに進めたいということで検討いたしております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 もう一回確認しておきたいと思いますことは、今後営農改善計画を立てる場合には、当然負債整理の計画、それから農用地の造成はもちろんでありますが、土地を取得する場合の必要資金、あるいは乳牛とかその他の家畜を導入する場合の導入資金、そういうものは改善計画の中に十分正直にあらわして、そうしてその計画を認定してもらって、貸し付け等の実施については、改善資金で出せるものと、それから構造改善資金とかあるいはまたその他の関係の制度資金から、計画側が実行できるような融通措置というものが、同時並行的に行なわれるように、政府が責任を持ってやる、こういうことですね。

和田正明農林事務官(農政局長)

○和田(正)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、マル寒資金と、それから畜産の拡大資金と土地取得資金等につきまして、営農計画の中に取り入れるわけでございますから、手続としても一本の申請をし、貸し付けの決定も一本でやる、こういうふうに考えておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは所管が各局にまたがるわけで、公庫関係については経済局長ということになるし、あるいは農地局、畜産局にもまたがるわけですね。一本の計画によって総合的な農業の構造改善が進むということになれば、これは農家にとっては長年の希望が実現することになるわけですが、従来、構造改善計画を立ててそれでやらなければならぬとか、あるいはマル寒の計画を立てるとか、あるいは近代化資金によるところの近代化の計画とか、その制度に基づいたいろんな計画を立てて、それに基づいて資金の導入等をしなければならなかったところに問題があるわけですね。それは政務次官も御存じのとおりであります。さようないろいろな系列ごとの融資制度というものは、今度は特に農林省関係においては、一個の計画が完全に立てられれば、それらに基づいての融資制度等については、同時的に全面的に機能を発揮して、農家の経営の高度な改善が実現するというふうに理解したわけですが、特に経済局、農地局、畜産局長からも、それぞれ所管の、土地資金の問題であるとか、家畜資金の問題であるとか、負債整理の問題であるとか、あわせて御答弁を願いたいと思います。

森本修農林事務官(農林経済局長)

○森本政府委員 先ほど来農政局長からもお答えを申し上げておりますように、営農改善計画が認定をされまして、その認定の結果、いわゆるマル寒資金、それから畜産経営拡大資金、土地取得資金、こういうものの借り入れが必要であるということになりますれば、先ほど来申し上げておりますように、申し込みの手続においても一体化する、申し込み書も、同一の申し込み書に書き込んで申し込みができる、公庫の貸し付け決定も同時に決定する、こういうふうなところで取り運ぶ予定でございます。

大和田啓気農林事務官(農地局長)

○大和田政府委員 私どもの関係で、土地の取得資金につきましては、マル寒資金での申し込みの際に、一本で貸し付け決定あるいは借り入れの申し込みができるように現在作業を進めております。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 いままで農政局長、経済局長からお答えを申し上げましたように、この法律の改正後の家畜導入資金との関係におきましては、従来は、マル寒資金の貸し付け期間中は畜産経営拡大資金は貸し付けないということになっておったのでございますが、畜産経営拡大資金のうち、家畜導入部分の資金供与については、経営改善計画の中で一体として計画される。それが妥当な計画であるというふうに知事の認定がありますれば、同時に一挙動で貸し付けの決定、実行をやるということに改めたいと考えておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そういうことになりますと、この要綱で示されておる所得目標八十万円というものは、必ずしも妥当でないと思うのですね。農業基本法三十六年に審議した当時も、自立農家の最低所得目標は、三十六年程度においても、まあ最低百万円ということが当時政府から説明されたわけです。三十六年の百万円というのは、現在同様の価値を持っておるのではなくて、あの当時の百万円は、むしろいまは百二十万円ぐらいの所得でなければ価値がないということにもなるわけです。ですから、この改正の目標が、少なくとも畑作農家あるいは酪農家が農業に専念すれば専業農家として安定した経営ができるということを目標にしなければ、中途半端なものではいけないと思うのですよ。そうなれば、まあ希望には制限がありませんが、少なくとも百万円、いわゆる七けたの所得というものが目標にされるくらいでないと、せっかく総合的な改善計画を立てると言われても、八十万なんという中途半端な目標では期待に沿わぬと思いますが、この点は政務次官からお答えをいただきたいと思います。

仮谷忠男自由民主党農林政務次官

○仮谷政府委員 大体、このマル寒資金の趣旨が、寒冷地畑作の特殊性というものを見て、したがって、それを引き上げていこうという、いわゆる中庸と申しますか、それ以下の農業者を対象にして考えていこう、こういうことが法制定の趣旨でもあり、そういう段階を追うて実は進んでまいったわけでありまして、そういう観点から、一応安定的な農家の最低所得目標といいますか、きわめてじみちに考えて、まず八十万円程度の目標として進んでいこう、こういう観点で、八十万円で目標額をきめたわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 まあ、内地府県においては兼業が非常に進行しておるわけですね。北海道の場合には、北海道の特殊的な事情から兼業化ということがなかなか可能でないわけですね。ですから、もうやはり農業として自立できない場合には、農業を放棄するかということになるわけであります。これは、中間的な兼業によって生計を維持するということは、まあ北海道における都市周辺程度は別でありますが、この法律の対象になるような地域においては、兼業というものはほとんど望むことができないわけであります。そうなれば、いままでも政府が放置しておるものですから、やめる者はやめてしまっておるわけですね。ですから、残っておるのは、やはり中堅的な、自分の力だけでは十分立ち上がることはできない、政府の責任ある施策とか助長によって立ち上がることができるというような農家が多く現存しておるわけですから、結局、専業化とかあるいは自立を期待するということになれば、やはり効果の上がる所得の目標とか、あるいはそれに対する対策というものが完全に講ぜられないと、結果的にこれは法律のきき目はなかったということになるわけです。去年の農業中間センサスによっても、北海道の脱農戸数、農業をやめた戸数というものは、内地府県の三倍に及んでおるわけです、北海道と内地府県を対照すると。これは非常に重大な点ですから、この所得目標と計画の策定というものは、これは完全に関係があるわけですから、もう少し将来を見通して、ここまで到達すれば一人前にやれる、自立農業としてやれるという、農林省として確信のある線を所得目標に置かれるべきであると思いますが、その点はどう考えておりますか刀

和田正明農林事務官(農政局長)

○和田(正)政府委員 八十万という目標は、農業所得での目標でございますので、相当高い所得であろうかと思います。特に先ほどの資料に書き加えてございませんで、御説明を漏らしましたけれども、従来は、目標の達成の年次を七年目ないし十年目ということにして考えております。個人によって七年目で達成できる者もあれば、十年で達成できる者もあるということでございます。今回はそれを二年ほど縮めまして、農家によっては五年後には達成できるような、そういう計画ということで考えてまいりたいというふうに考えておりますので、貸し付けを受けましてから目標達成が早目であればあるほど、その後の所得の伸びというものは相当期待もできる、そういう営農指導の面でも十分指導の徹底を期しまして、所得目標が計画以上に伸びるような指導もしてまいりたいというふうに考えておる次第であります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 いまの、八十万というのは農家としては高過ぎるというような話ですが、これはどう考えているのですか。農林省としては、八十万円というのは、専業農家にとって所得が多過ぎるというのですか。これは聞き捨てならぬ話ですからね。しかも、この畑作の経営改善計画を実行する場合にも、農家の従事者は一人でいいというわけじゃないでしょう。一体、自家労働が何人従事して、そうして八十万円の所得を上げることが多過ぎるというのか、これは政務次官からはっきりしてもらいたい。

和田正明農林事務官(農政局長)

○和田(正)政府委員 政務次官からお答えする前に、私申し上げます。  八十万が多過ぎるというような意味でお答えしたわけではございません。農業所得として八十万を目標に考えておる。それで、営農計画目標を達成した年次も十年より二年縮めたから、さらにその後においても、営農指導等を徹底すれば所得はもっとふえるような方法で指導してまいりたい、こういうことを申し上げたのでありまして、八十万では高過ぎるなどということを申し上げたのでは毛頭ございません。  なお、先ほど政務次官からもお答えがございましたように、これは北海道の自然の条件がきびしいということによって、内地の農家との差を考慮いたしまして、中農程度の、中庸以下の農家をある程度引き上げていこうということがねらいでありますことは、芳賀委員も御承知のとおりでございます。この制度だけで完全な自立農家ということをねらっておるわけじゃございませんで、ある程度中庸以上の水準に引き上げた上での、さらに一般的な営農指導なりなんなり、その上に加味されていくべきではないかというように理解しております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それじゃ具体的に聞きますが、たとえば所得八十万の目標、この農家の経営の形態というものは、おおよそどのような状態をいうわけですか。これはいろいろ種類があると思いますが、酪農中心にやる場合とか、畑作中心にやる場合とか、数種の類型というものがあると思うが、おおよそどのくらいの経営規模で、あるいは酪農中心の場合には、どういうような規模で行なえば八十万の所得、純益を確保できるかということ、主たる類型を示してもらいたい。

山下一郎農林事務官(農政局構造改善事業課長)

○山下説明員 八十万の所得をあげます経営の例を示せというお話でございますが、たとえば十勝山ろく一型の混同経営が、これで見ますと、農業所得といたしまして七十五万、約八十万。この経営の内容について申し上げますと、農産物の収入といたしまして約五十万、それから畜産収入で約百万、粗収入で百五十万程度の経営をするということになります。農産物といたしましては、いろいろなものが輪作の関係に入っておりますが、麦類、バレイショ、ビート、豆類、このようなもので、それから牧草、ちょっと手元の資料に家畜の頭数なり耕地面積が落ちておりますので、そういうかっこうでの経営規模を申し上げることができませんけれども、たとえば十勝山ろくではいまのような計画になっております。  それから十勝中央高台の一型と申しますのが、やはり混同経営で、農産物の収入が約四十万、畜産収入が約百三十万、それで農業所得でやはり七十五万円、こういう経営類型を考えております。一例でございますけれども……。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それは収穫目標等で、経営の規模じゃない。私の開いているのは、たとえば混同経営のような場合には、その基礎をなす畑地の面積なり農用地の面積なり、大体どのくらいの規模で何ぼとか、あるいは主畜農業地帯においては、やはり草地が主体になると思いますが、草地あるいは畑地の総体の面積とか、それから経営をやる従事者、家族従事者が大体この経営規模の場合には何人ぐらい必要であるとか、それから畜産関係については、乳牛とかその他の家畜がどのくらいの頭数がなければならないか、そういうものが経営の規模とか熱型というものであって、肝心なものがなくて、畑で何十万円とか畜産で何十万円ということでは、われわれとしては、国会議員の判断力ではちょっとわかりかねるわけです。

山下一郎農林事務官(農政局構造改善事業課長)

○山下説明員 最初に申し上げました十勝山ろく一型の耕地面積は、大体畑といたしまして十ヘクタール程度、牧草飼料畑でございますが、これが四・五ヘクタール、それから家畜につきましては搾乳牛六頭、大体主要な経営種目は以上であります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 主畜地帯は、どうですか。

山下一郎農林事務官(農政局構造改善事業課長)

○山下説明員 主畜の例といたしまして、根釧内陸二型でございますと、大体畑の面積が十五ヘクタールで、搾乳牛が十頭でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その程度の経営体に到達すれば何とか自立経営ができるという見通しになりますか。

和田正明農林事務官(農政局長)

○和田(正)政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたように、この法律に基、つきます経営計画を立てましたり、あるいは営農のための資金等の貸し付けをいたします場合に、自立経営ということを直接ねらっておるわけではございませんで、先ほども政務次官からも御答弁をいたしましたように、特殊な、非常にきびしい自然条件にあります北海道の畑作について、現状以上に寒さに耐え得る力をつけ、相当程度のところまでそういうきびしい悪条件を克服し得る力をつけてやるということだけが当面の目標で、それから以上にさらに伸びていきますためには、これは一般的な問題として、各種の技術指導なりその他一般制度なりで考えるということで、中庸以下のものを少なくとも中庸程度までに引っぱり上げたいということが主たる目標でございますので、この制度で直ちに自立経営になるということではなくて、将来自立経営農家たり得る基礎をつくってやろうということが本来のねらいであろうかと考えておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 どうもその点がよくわからぬが、それでは実例をあげて……。農業構造改善事業の場合は、マル寒の経営改善と目的が違うのですか。

和田正明農林事務官(農政局長)

○和田(正)政府委員 現在実施をいたしております構造改善事業は、基本法の線に沿って構造政策の一環として実施をしておることでございますが、構造改善事業を実施いたします場合に、いろいろバックデータとして調査はいたしますけれども、計画そのものの中で、このマル寒資金の場合のように幾ら幾らというようなことを固定的に考えて事業を実施しておるわけではないわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 私の聞いておるのは、構造改善事業の目的は、これも農業の経営を拡大して近代化を進めて——結局、これは構造改善事業をやるのが目的でないのでしょう。農業の発展と所得の拡大が目的じゃないですか。ですから、計画の目標は、マル寒資金の場合には、自立農家に至る一歩前までを目標にしてやっておるということですが、それでは構造改善事業の最終目的は、これはどうなんですか。

和田正明農林事務官(農政局長)

○和田(正)政府委員 先ほども申し上げましたように、この資金では、やはり広い意味での構造政策の推進ではあろうかと思いますが、そういうことよりも、主眼は、先ほど来申し上げておりますように、中庸以下の農家を、特に北海道におけるきびしい自然条件を前提にして、そのきびしさに耐え得るような、そういう基礎を固めてやろうということにねらいを置いておるわけでございます。構造改善事業ということで現在全国三千百町村について実施をいたしております事業については、先ほど申しましたように、別に、その対象の中の農家の個々の営農計画なりあるいは所得目標なりというのを、バック・データとしてはいろいろ調査はしますけれども、この資金の貸し付けの場合のように、個別に非常にきびしくしているわけではございませんので、ややニュアンスも違うのではないかと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 構造改善資金を出す場合も、何か目的があるでしょう。構造改善事業だけをやればいい目的のものか。主体は、農業者の経営の安定とか所得の向上に目的があって、構造改善事業というものを行なうのか。マル寒にしたって、マル寒の事業をやればいいというものじゃないでしょう。農業や農民が主体じゃないですか、こういうものの制度の目的というのは。和田さんでわからなければ、もっとはっきりした局長もいると思うから、だれかやってください。

和田正明農林事務官(農政局長)

○和田(正)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、構造改善事業ということで全国の三千百の町村を対象といたしております場合には、計画を樹立いたしますためのバック・データとしていろいろ調査の実施はいたしますけれども、やはり農業基本法の趣旨に基づいて実施をしておるわけでございますから、全体のものの考え方の基礎には、自立経営の育成とかあるいは選択的拡大ということを前提に置い、ておるわけでございます。マル寒のこの資金は、おっしゃるような広い意味では、構造改善の推進ということではございましょうけれども、先ほど来申しておりますように、基本的には中庸程度以下の農家にいろいろ自然条件に対応する耐久力をつけるということで、将来伸びる基礎を与えることによって、内地との差を詰めていこうということがねらいでございますから、先ほどから申し上げておりますように、ニュアンスか違うというふうに——ニュアンスだけでなくて、目標それ自体が違うというふうにお考えをいただきたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 いずれ農林大臣の出席した際に、その問題は明確にしてもらいたいと思いますが、いままでの説明によると、マル寒制度の目的というものは、自立経営に到達する数歩前までのことを考えておるので、自立農業が行なえる基礎的条件を整えるところまでは考えていないという、そういう農林省の態度に問題があると思うのです。ここまで到達すれば、あとはもう努力によって、十分自立農業として発展できるので、しっかりやれという、そういう基礎条件をつくるというところに目標がなければならぬにもかかわらず、 そのゴールの数歩前までしか考えておらぬというのはおかしいじゃないですか。マラソンをやっても、競走をやっても、ゴール寸前に倒れる者もあるのですから、やはりここまで到達すれば、これからは農民が自分の努力で十分自立経営が伸ばされるのだから、がんばってくれというところに目的があるのじぁないですか。これは政務次官から御答弁願いたい。どうも農政局長は、名前は農政局長だが、あまりこういう点については勉強していないのじゃないかと思います。このマル寒の制度ができたとき、あなたは子供じゃなかったのでしょう。おそらく将来を期待された課長クラスだったと私は思っておるわけですが、その後局長にはなったが、あまり成長はしていないのじゃないか、いまの答弁を聞いていると。政務次官、これはその目的がはっきりしないのじゃないですか。

仮谷忠男自由民主党農林政務次官

○仮谷政府委員 一般論的に考えれば、農業構造改善事業というのは、基本法に基づいて全国の三千町村に実施いたしておるわけでありますが、ただ、北海道の場合には、特に寒冷地の畑作で、きわめて条件が悪い。だから、特別にその地区の農業者に特別な手当てをしていこうというのが、マル寒資金の趣旨ではないか。それは結局自立経営をしていくための一つの基礎条件をつくっていく、こういうことが目的だと思うのです。私は、局長の言ったことも、必ずしもその意思に反した言い方ではなかろう、一歩手前という言い方がどうかと思うけれども、やはり自立経営をするための一歩手前、その基礎条件をつくるということをつけ加えれば、芳賀先生のお説と一致するのじゃないか、かような考え方を持っておりまして、お説のような趣旨のとおりに、マル寒資金は運用しなければならないと思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 大体わかるですよ、仮谷さんの言われることは。この地域において悪条件を克服するためには、政府としてこれは相当保護助長しなければならぬ。しかし、それは自立経営のできる基礎条件をつくることを目標にしてこの制度があるのだ、そこから先は十分がんばって、百五十万、二百万の所得もあげてください、そういうことですね。

仮谷忠男自由民主党農林政務次官

○仮谷政府委員 お説のとおりです。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そこで、次にお尋ねしたいのは、今度は総合的な計画を立てさせて認定するということになれば、構造改善の資金とか、あるいは農業の基盤整備資金であるとか、一般の施設資金だとか、自作農関係の経営安定資金とか、いろいろこれはほとんど公庫の業務として扱う資金になるわけですが、目的ごとに利率とか弁済の年限あるいは据え置き期間がそれぞれ違うわけです。しかし、一個の計画に基づいて実行するということになれば、貸し付け条件、金利体系等についても、浮動のない形でこれは運営されなければならぬと思いますが、今回の改正の場合には、大事な利率の点について触れていないわけですね。年限については二十年を二十五年、据え置きについては五年を六年ということになっておりますが、現行の五分五厘利率について、総合的に計画を実行するという場合においては、この点の検討が足りないではないかと思いますが、いかがですか。これは関係局長からも意見を述べていただきたいと思います。

森本修農林事務官(農林経済局長)

○森本政府委員 先日も実はお答えを申し上げたのでございますが、利率の点につきましては、将来北海道の農業につきまして、ことに畑作の農業につきまして基礎的な調査をする、その基礎的な調査をまちまして、営農改善とかあるいは北海道の畑作振興について、基本的な対策を樹立する、そういうふうな関係にもなっておりますので、融資条件のうちの金利については、それと関連をして検討すべき問題だということで、今回は、公庫の中におきましても、あるいは畜産経営関係資金、あるいは果樹園の経営改善資金、そういったものと大体五分五厘が相当しております。そういうものについても、政策的にきわめて緊急を要する、また重要であるというふうな資金でございますし、それらとのバランス等も考えまして、大体五分五厘程度でこの際はしかるべきではないかということにいたしておるわけであります。

大和田啓気農林事務官(農地局長)

○大和田政府委員 私のほうといたしましては、いま経済局長から申し上げたとおりでございます。

檜垣徳太郎農林事務官(畜産局長)

○檜垣政府委員 畜産に関係します公庫の金利の問題につきまして、経済局長から総括的にお答えを申し上げたことと同意見でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この中で、マル寒の制度の場合、当初から土地改良事業が対象になっておるわけですが、この場合、補助事業に対する利率と非補助の場合の金利が以前から区分されておるわけですが、これらは直接マル寒資金として出すわけですが、こういう点の他の構造改善資金等との均衡というものについては、どういうように運営するわけですか、今後。

森本修農林事務官(農林経済局長)

○森本政府委員 お手元にお配りをしております資料によってお尋ねがあったと存じますが、構造改善事業のほうは、御案内のように、一定の構造改善事業計画というものによって実行をいたしておるわけであります。その中に、御案内のように、補助をいたしてありますものと、それからいわゆる融資単独ということで、融単の事業として行なっているものがございます。補助につきましては、補助が出るわけでございますので、金利といたしましても、若干、補助残ということでございますので、たとえば六分五厘といったような金利を適用いたしております。非補助につきましては、補助がない。特にまた構造改善事業は、御案内のように、全国のうちでも、現在のところは、特定の地域を限って重点的に計画的に推進をしておる。こういったような事業でもございますので、お手元の資料にありますように、非補助については三分五厘というふうなことで実施をいたしておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次に、また貸し付け限度に戻るわけですが、マル寒資金の場合は、今後改定によって二百五十万を限度にするという説明がありました。ところが、構造改善資金の場合は、個人については二百五十万までということになっており、畜産経営拡大資金については、酪農の場合は個人二百五十万、肉用牛の場合には個人二百万。それから制度はちょっと違いますが、近代化資金による場合も、農業者個人の限度が二百万ないし五百万というふうに、それぞれ限度が異なっておるわけです。そこで、今度のマル寒資金の限度額二百五十万、資金の融通については、計画は一本でやるが、土地の取得とか畜産経営の拡大あるいは負債整理等については、関連した国の資金から融通を行なうということになっておりますが、その場合の総体の限度というものは考えないで、それぞれ目的別の最高限度の範囲内でやるというふうに解釈して差しつかえないかどうかですね。

森本修農林事務官(農林経済局長)

○森本政府委員 マル寒資金について申し上げますと、先ほど来お答え申し上げておりますように、マル寒資金の中に入っております土地改良、それからいわゆる施設の関係、そういうものを合わせまして二百五十万ということでございます。ただ、これも繰り返しになりますけれども、畜産経営拡大資金並びに土地取得資金、これは二百五十万円のワク外でそれぞれ一定のワクが与えられる、こういうことに相なろうかと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ですから、そういうことに当然なるとすれば、改善計画の内容というものは、総体の所要資金量というものは、決して小さい数字ではなくなると思いますが、どのくらいの数字を考えておるわけですか。所得目標については八十万という説明がありましたが、この計画の総体の中に、土地の取得とか、あるいは畜産経営の拡大の関係とか、いわゆる家畜の導入、あるいはどうしても固定負債の整理をやらなければ計画が進まないとか、そういうものを全部取り入れた場合、いろいろケースはあると思いますが、どのくらいになると思いますか、一番大きいのは。

和田正明農林事務官(農政局長)

○和田(正)政府委員 具体的なお尋ねでございますが、個々の対象農家によって事情が違いますので、ちょっと明確なことは、今後計画ができてからでないと見当はつかないと思いますが、先ほど来繰り返し申し上げておりますように、マル寒資金というのは、主として土地改良と主務大臣の指定施設でございますが、それ以外にも計画の中に繰り入れて処理をする。具体的に何万円だろうということはちょっと申し上げかねます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 いや、三千戸の農家が一人一人どうなるということを聞いているのじゃないですよ。計画を立てる場合、経営拡大で農用地も五町歩なら五町歩取得しなければならぬとか、乳牛についても、五頭導入する必要があるとか、それから目標計画を立てるわけです。現在この対象農家の場合には、これは一様に固定した負債というものを持っておるわけですから、負債が五十万円あるとか、これは常識的に判断できる点ですね。ですから、そういうものを計画に今度は正直に載せることができるわけですし、そういう計画というものは認定されるということになるわけで、これはだめだというわけにはいかぬと思うのですよ。私の言うのは、従来は、このマル寒資金の中で、まず借金のほうへそれを相当部分回してしまっておりますね。そういうようなことで、実際の事業が完全にできないという事例が相当あるのですよ。ですから、その弊害をなくするためには、負債の整理の問題とか経営拡大等の面についても、やはり正しい計画というものは認定して、そうして制度の中でそれを生かしてやるということになれば、この二百五十万円プラス相当額の資金の所要額というものは当然出てくるのじゃないですか。マル寒の二百五十万円のほかに、たとえば百万円とか百五十万円とか要るということは考えられるわけですね。そういう場合もあり得るでしょう。その計画はだめだというわけにいかぬじゃないですか。

和田正明農林事務官(農政局長)

○和田(正)政府委員 先ほど来私からなり関係局長から申し上げておりますように、このマル寒資金、土地改良、主務大臣指定施設資金、それから畜産経営拡大資金のうちの乳牛の導入をいたします部分に関する資金と、それから経営拡大のための土地取得資金を一本の申し込みで、またそれを決定するということで手続をしてまいるわけでございますが、具体的にその一番借りる人が幾らになるか、こういうことを言われましても、今後三千百戸の計画が立った上でないと、具体的な数字を申し上げることはなかなか不可能だと思いますが、ただいま御指摘のありましたような問題点を含めて、この三つの資金の同一の申し込み、同一の貸し付け決定ということを考えたわけでございますから、法律を延長いたして、今後の経営改善に資するようなそういう計画が立ちますように、十分指導をしてまいりたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次にお尋ねしたいのは、今回の改正は、認定期間を二年延ばすということですからして、結局まあ法律の効果を二カ年間延長するということになるわけですが、それで、その後は一体どうするかということが残るわけですね。ことしの農林省予算におきましても、北海道の畑地農業と南九州の畑作地帯を対象にして、この二地域の畑作振興に関する基本的な調査を進めるために若干の予算を確保されたことは、われわれも承知しているわけですが、調査をするといわれますが、一体いまから何を調査するかということが不明なわけですね。せっかく予算をとったのはけっこうですが、どういうことを調査されるつもりで予算を確保されたか、その調査というのは今後何年間やって、どうするかという点について説明を承りたい。

和田正明農林事務官(農政局長)

○和田(正)政府委員 北海道につきましてはこの法律、それから南九州につきましては法律はございませんが、対策要綱のようなものがあったわけでございます。そこで、今回、提案理由なりその他いろいろ御質問に対するお答え等で申し上げましたような趣旨で、二カ年の延長について御審議をいただくわけでございますが、北海道について申し上げますれば、前回の調査をいたしましてから相当日時も経過をいたしておる。それからまた、その結果、いろいろな条件の変化も経済的に、社会的にあろうかと思います。あわせて、先ほど道庁の調査による対象農家四十三戸についての調査内容を申し上げましたけれども、やはりもっと広く、この制度による貸し付けを受けた農家に対するこの資金の行政上の効果というようなものも、もう少し調査をいたす必要があろうかと思います。それらの農業を取り巻く諸条件の変化あるいはこの制度による融資の効果というようなものを十分調査をいたしまして、それと前回の基本的な調査との比較の中から、今後重点的に行政上打つべき手を見出してまいりたいということが、調査の主眼の内容でございます。  それから調査の期間は、この法律の延長期間と同様に二年程度というふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この北海道並びに南九州の農業地帯の調査については、北海道については、寒冷地帯畑作に関する相当膨大な調査がもうでき上がっておるわけですね。南九州についても、防災農業を中心とした調査というものはすでにできて、われわれの手元にもこのくらいの高さの資料を農林省からもらってあるわけなんです。あの調査というものは何ら価値がなくなったのか、これからまた二年間こつこつ調査しなければ何ら政策化することができないのか、その点はどうなんですか。

和田正明農林事務官(農政局長)

○和田(正)政府委員 当時の調査の価値がなくなったというふうには考えておりませんので、調査の結果で、この法律を提出いたしまして対応策を考えたわけでございますが、貸し付け対象の希望農家がなおおりますことから、二年間延長をいたします経過の中で、その後の状況の変化なり、この制度による実際の効果なりについて確かめまして、今回の調査との関連の中で、その後においてさらに重点を置くべき問題点をはっきりさせていきたいということを調査のねらいとしておるわけです。前回の調査が全く最初から出直さなければいけないという趣旨ではないわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そこで、その調査の対象とか、調査の要綱とか、それから農林省内における調査する機構というか、陣容というか、そういうものはどうなっておりますか。これは政務次官からお答え願いたい。

仮谷忠男自由民主党農林政務次官

○仮谷政府委員 局長から答弁させます。

和田正明農林事務官(農政局長)

○和田(正)政府委員 調査をいたします機構につきましては、現在検討中でございますが、この法案の通過をいたしました新年度から、現段階で考えておりますことは、農政局の中に調査対策室のようなものを設置いたしたらいかがであろうかというふうに考えております。それからその人員等につきましては、当然関係各局からの応援も必要でございますし、地元の道県からも人の派遣をしてもいいという申し出もございますので、それらの人たちを中心にしてメンバーはつくってまいりたい。調査の趣旨は、先ほどお答えをしたとおりでございますが、現在調査のための細目は、内部で詳細検討いたしておる段階でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ことしの予算はわれわれも承知していますが、これは今年度と来年度、二カ年ということになりますと、明年はどのくらいの調査に必要な費用が要るか、それから調査といっても、農林省の対策室にがんばって、関係の北海道とか九州の県に号令をかけて、資料を持ってこいということでやるつもりか。それから二カ年間の調査が終われば、その次はどうするか、これは非常に大事な点なんです。北海道関係等の期待は、今回は二カ年の法律延長で内容を改善してもらうことにしても、それで北海道の寒冷地帯の農業振興が終わったというわけではない、むしろその後に強力な国の制度というものをさらに発展的に進めてもらいたいということが大きな期待なわけです。九州においても、おそらく現在は要綱で扱っておるが、今後は一日も早く、やはりはっきりした制度のもとで、南九州農業の躍進ができるように措置してもらいたい、こういう期待があるわけですからして、調査の次は新しい制度化ということに当然これはつながっていかなければならぬし、その約束が今日なければ、単に調査しますじゃこれは相すまぬことになると思うのです。そのあたりを明確にしてもらいたい。

和田正明農林事務官(農政局長)

○和田(正)政府委員 先ほど来申し上げておりますように、二年間と考えておりますが、来年度も同額程度の予算を確保いたしたいと思っています。調査にあたりましては、もちろんいろいろな制限はあろうと思いますが、できるだけ現地へ出かけての調査をいたしたいと思います。  なお、調査の結果に基づきまして、今後の対応策は当然できるだけ早く具体的にその調査の結果を待って検討すべきもの、また具体的に考えるべきものというふうに私どもは考えて、せっかく努力いたしたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これはだいぶ話が違うじゃないですか。ことしの予算の編成当時は、二年間調査を行なって——二年間の調査というのは、時間をかせぐという意味なのですが、二年後には必ず強力な法律をつくるようにするので、がまんしてもらいたい、こういう話し合いが行なわれておるというふうにわれわれは聞いておるわけです。二年間調査をやって、それを十分検討して、その後に法律が必要であるかどうかをきめるということは、これは話がだいぶ違うですよ。

和田正明農林事務官(農政局長)

○和田(正)政府委員 調査の結果、法律が必要であるかどうか、また必要であるとすれば、どういう法律であるべきかということは、調査の結果と前回の調査の結果を対比しながら、検討をしなければいけないわけでございますが、私ただいま申し上げましたことは、あるいはことばが足りませんでしたかもしれませんが、この制度は、二年間で一応延長期間が切れるわけでございます。その後に早急に次の対応策ができるような趣旨で、せっかく努力をいたしたい、こういうことを申し上げたのでございまして、長いこと間をあけるという意味で申し上げたのではありませんので、御了承願いたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは大事な点ですから、ここで局長がへたな答弁をして——次会、この法律があがる前に、農林大臣に出席してもらうことになるわけですから、それまでの間、政務次官はもちろんでありますが、この二年延長をした場合、時限が切れる場合に、空白を置かない、一方においては調査が進むわけだから、北海道あるいは南九州の畑地振興に対してさらに強力な立法化を行なうとかいうような重大な政府の方針については、次の機会に、農林大臣と十分相談されて明らかにしていただきたいと思います。  この機会に、これに関連して二、三ただしておきたいわけでありますが、昨年当委員会において、開拓融資保証法の一部改正を行ないました場合に、附帯決議を付しておることは、政務次官はじめ皆さん御承知のとおりであります。その後振興計画等についても、逐次進行はしておると認めますが、特に北海道を中心とし、東北六県あるいは新潟県等の地域を中心といたしまして、開拓農家の負債整理等の問題については、依然として明るい解決の期待が持てないわけです。それで、この問題等についても、マル寒の制度とは直接関係はありませんが、条件の悪い地域で努力しておる開拓者の負債整理の問題、あるいは新振興対策の中の振興計画の内容の一部改定等の問題については、その後附帯決議の趣旨等に沿ってどういうふうな努力をされておるか、この点は農地局長から説明をいただきたいと思います。

大和田啓気農林事務官(農地局長)

○大和田政府委員 開拓農家に対する新振興対策の分の措置でございますが、三十八年度から新振興対策が発足いたしまして、現在のところ、四十年度の見込みを入れますと、全国で大体八割をこえる農家の認定が進んでおります。しかし、残念ながら、北海道関係では四十年度の見込みを入れましても五割程度、北海道関係の認定が多少おくれておるわけでございます。これは災害その他いろいろな事情もあったかと思いますが、一つは、私どもの措置といたしましては、国の建設事業が大体目鼻をつけたところで認定をいたすことにいたしておりますから、内地に比べまして、北海道の建設工事はややおくれておるわけで、北海道における認定がおくれておりますのも、どうもそれが一番大きな原因ではないかと思います。したがいまして、四十一年度と四十二年度では、おそらく認定のピークといいますか、相当多くの農家の認定が行なわれるだろうと思います。  その際、問題になっております所得目標でございますが、先ほどからの御論議もございましたけれども、開拓の場合は、なかなかいますぐりっぱな農家をつくるというふうにはまいりませんので、ぎりぎり最下限で何とかして農業でやっていこうという人たちを対象として、専業農家の大体のところの生計費に見合う程度の所得目標ということでやっておりまして、考え方は変えることはございませんけれども、それぞれ生計費の高騰等もございますから、年々少しずつ所得目標を上げております。四十一年度においても、事情に即して北海道及び内地等についても若干の引き上げをいたしますように、現在検討中でございます。  それから負債整理の問題でございますが、負債整理につきましては、政府資金の償還条件の緩和でありますとか、あるいは自作農維持資金の借りかえでございますとか、制度としては私ども相当そろっておるというふうに思いますけれども、私どもも若干反省しておるのですが、PRの不足といいますか、どうも末端にうまく話が行き届かないので、私どもが予想しているように、条件緩和でありますとか、あるいは自作農資金の借りかえというところに、十分数が出てこないといううらみがあるわけでございます。これは東北、北海道から、新振興対策の内容について重大な転換についての御希望がいろいろあるようでございますけれども、私どもは、すでに三十八年度からとにかく始めておる仕事でございますし、いまのところ、できるだけ実情に合わして所得目標等を変えておりますことでもありますから、負債整理といいますか、償還条件の緩和なりあるいは自作農資金への借りかえの趣旨をさらに徹底させると同時に、この認定の仕事をできるだけスピードアップして、予定どおり四十一年、四十二年度でとにかく新振興対策が実るように、地域によっては相当うまくいっているところも現にあるわけでありますから、四十一年、四十二年度で残りの期間を精力的に認定をし、また指導をして、いわば山からおりないといいますか、農業をやめないでがんばろうとする人たちが、とにかく最低限度の生活ができるようなところまで何とか持っていきたいというふうに努力をいたしておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 きょうは関連の問題ですから、いずれ次の機会に、この問題について十分お尋ねしたいと思います。ただ、いま農地局長の説明にもありました中で、内地府県においては振興計画の認定が八〇%進んでおる。北海道については当初予定の五〇%ですか、そういうような現状と聞いたわけです。そこで、いまも触れられた、所得目標の毎年度の諸般の事情に適合した引き上げということを農地局ではやっておるわけですが、今年度も内地府県、北海道で若干の目標の差がついておるわけですが、四十一年においては所得目標の改定をどの程度に考えておるかという点。  それから北海道の認定のおくれておる大きな理由は、建設工事のおくれと、それから固定負債が累増しておるという、この二つがあると思うのですが、建設工事の点については、昨年当委員会において、基幹工事については昭和四十一年に大体完了させる、付帯工事については一年おくれて四十二年ということの言明がありましたので、これが約束どおり進めば、四十二年までの新振興計画の認定にはようやくすべり込むということができると思うわけでありますが、問題は、負債整理の問題を政府として抜本的に考えてもらわないと、簡単にはいかないと考えられるわけですからして、その点についてお尋ねしたいのです。  それからもう一つは、開拓農業協同組合の現況というものは、局長も御存じのとおりでして、これは昨年保証法の審議のときにも、すみやかに開拓農協の財務状況あるいは実態調査を行なって——一方総合農協の場合には、農協合併促進法等に基づいて相当合併も進み、いわゆる広域農協の実現に向かっておるのにかかわらず、まだ全国数千のまことに規模の小さい開拓農業協同組合が現存しておるわけですからして、これらも開拓農家の負債整理の問題と並行して処理しなければならない点だと思います。この調査の実行等については、どういう計画で迅速にやるのか、その点も答弁を願います。

大和田啓気農林事務官(農地局長)

○大和田政府委員 北海道におきます新振興対策の所得目標でございますが、まだ検討中で、確かな数字を申し上げるわけにいきませんが、大体六十万円に近いところまで持っていくつもりで、いま作業を進めております。  それから負債対策につきましては、確かに、北海道の開拓農家の負債は、内地の開拓農家の負債に比べて相当多いわけであります。したがいまして、私が先ほど申し上げたようなことで、こちらとしては、いまの制度の中で受けられる限りを受けようという気がするわけでございますけれども、どうも先ほどから申し上げておりますように、PRの不足といいますか、一部分徹底しないうらみが確かにあるようでございます。したがって、使おうとして使えなかったというよりも、使うところまで開拓農家の気持ちがなかなか進まない点が確かにあるようでございます。これは私どもも努力いたしますし、北海道庁にも努力してもらって、とにかくいまの制度でこれだけのことはできるのだから、できるだけそこへ申し込んでくれという趣旨の、固定負債を整理して経営の確立に踏み出してくれという趣旨のお話を進めたいというふうに思っております。  それから開拓農協の問題は、全国で四千くらいの小さな開拓農協がございまして、私も、それをどうすべきかということについて、いま頭を痛くしておるところであります。北海道だけをとりましても、組合の数は、出資組合だけで二百五で、組合全体としては二百十七あるのであります。そのうちできわめて小さな組合もあるわけでございます。それで、私どもが現在四十年度から調査をいたしておりますおもな点は、組合が借りている負債なりあるいは組合が貸している貸し金なりが、実はまだ十分整理が行き届いておらないのであります。その点が、一種の組合といいましても、なかなか農協法の規定どおり運営が行なわれていないものが多いわけでございますから、その負債の現状をとにかく確定して、そこで開拓農協を一般の農協に一緒にするか、あるいは開拓農協同士の合併をするとかいうことをいたしませんと、現状のままでは、何をやろうといたしましても進まない、状況でございます。したがいまして、負債関係を中心として、現在鋭意調査を続けておるところであります。もうしばらくの間時間をいただいて整理をいたしたいと考えます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その点、昨年の政府の説明によると、四十一年度中に調査を完了して、それを基礎にして開拓農協問題の根本的な対策を講じたい、こういう約束になっておるわけですが、大和田さんが局長になっておるわけですが、これはマンマンデーでなくて、やはり去年の約束どおり四十一年度中に調査完了ということをめどにやっていかぬと、これが今後二年も三年もだらだらやられると、取り返しのつかぬことになると思いますが、その点、四十一年度中に完了させるということは間違いないですか。

大和田啓気農林事務官(農地局長)

○大和田政府委員 四十一年度中にというふうに前に申し上げたかどうか、私記憶ございませんが、今後マンマンデーにやるつもりは毛頭ございませんから、できるだけ早く事実を確定して、対策を立てたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 きょうはこの程度にしまして、次会に農林大臣の出席を求めて、残余の質問をいたします。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 森田委員から資料要求に関する発言を求められておりますので、これを許可いたします。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 資料提出方をお願いしたいと思います。  きょうは水産庁の方が見えておるでしょうか。——見えていなければこれをお伝え願いたいと思います。  大体、北海道に対しては、明治維新以来、政府として特別な施政が非常に多かったと思うのであります。そこで、われわれは、内地と対比して、一体どういう特殊な行政が北海道に行なわれているか、これを実は知りたいのです。しかし、範囲が非常に広範にわたりますので、時点を現時点に限って、現在行なわれている農林、水産、この政策にまず限定していただきたい。  次に、内地と北海道との違いのないものは特に出す必要がございませんから、違いのある点だけひとつ比べて御提出願いたい。つまり、北海道に対して特別な施政をやっているんだということを内地と比べて知りたい。しかも、それは個別的にこういうようなことがあるんだということを、ひとつ具体的に事象、事柄としてこれを提出してもらいたい。しかも、その異なる施策の目的は一体何であるか、それはどういう内容の施策であるか、たとえば漁港等について助成するとしても、これは内地とは非常な差異があるはずであります。沿岸漁業に対しても相当差異があるはずであります。そういうものを具体的にあげてほしい。たとえば助成金にいたしましても、内地とはこの問題についてはこんなふうに違う、金利についても、あるいは長期返還の利点等についてもこういうふうに違うんだ、融資ワク等についてもこういうふうに違うんだというようなことを、できるだけこまかいものまで一つ一つ摘出して、いまの内地との差を示していただきたい。しかも、これは何もめんどうな説明を私は要求いたしません。これは一覧表にして、すぐわかるようなものとして出していただきたいと思うのであります。  以上が、大体私のいま思いついたこういう問題についての輪郭を示したのでありますが、しかし、何もこれにとらわれる必要はございません。大体私の気持は、以上申し上げたことでおわかりになっていると思いますから、むしろもっと親切に、こういう点も教えてあげたほうが便利だろうと思うのは、積極的にその局その局でひとつお考えくださって、総合的なものをお示し願いたいというのであります。もし参考資料などがあって、これを見ればよくわかるというものがありましたら、これは農林省から出している資料のうちのどの点を見ればわかるはずだという点も、ひとつお示しを願いたい。以上だけお願い申し上げたいと思います。これは私、実は前から考えておりまして、私ら東北地方の代表として出ておって、どうしても一ぺん北海道の施政というものを知りたいという気持ちでございましたから、どうかこれにこたえるような資料をできるだけ早く御提出を願いたいというのであります。  以上であります。

仮谷忠男自由民主党農林政務次官

○仮谷政府委員 御趣旨のような資料を適宜整えることにいたします。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 午前の会議はこの程度にとどめ、これにて暫時休憩いたします。    午後零時四十四分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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