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51回国会衆議院1966/03/31

内閣委員会 第22号

発言数
111
登壇者
7
会派数
2
開催日
1966/03/31

会議録

木村武雄自由民主党

○木村委員長 これより会議を開きます。  運輸省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田口誠治君。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 きょうは、運輸省設置法の一部を改正する法律案を審議する過程で、関連をして主として空の交通に対して御質問を申し上げたいと思います。  御承知のとおり、航空機の利用が非常に多くなりまして、大型化、スピード化がなされております。そういうようなことから、空の交通ということが大きくクローズアップされてきておりまするが、先般不幸を見た三機体の事故によって、ますます国民が行政上の適切な強い要請を行なっておるような次第でございます。そういうようなことから順次お聞きをいたしたいと思いまするが、臨時新東京国際空港関係閣僚協議会は、運輸省が取りまとめをいたしました航空事故の防止対策の報告を聞いて、一応了承したと言っておりますが、運輸省が取りまとめた航空事故の防止対策とはどういうようなものであるのか、まずそれからお伺いをいたしたいと思います。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 今回の非常に不幸な事故にかんがみまして、運輸省といたしましては、空港整備並びに乗員あるいは管制要員の充実その他について、とりあえずの対策を樹立いたしまして、それを閣議にもかけ、閣議の了承を得た次第でございます。  その主要な内容といたしましては、いま申しましたように、まず国内の主要な空港を整備する。同時に、管制要員の充実、あるいは保安対策関係の人員の充足をはかる、あるいは教育、養成、訓練の充実をはかるというような項目でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 きわめて必要な内容でありますが、それに対して具体的な対策に取りかかっておられるか、青写真はできておるかどうか、この点もお伺いいたしたい。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 この防止対策につきましては、閣議に報告をして了承を得ておりますと同時に、これの具体化につきましては、現在政府部内において鋭意検討を進めておる段階でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 空港及び航空保安関係の施設の整備については、現在調査されておる中で、また今日まで把握され、隘路としておられる点は、どういう点があげられるか、その点をひとつ御説明いただきたい。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 空港で特に問題になりますのは、国内の主要空港、特に大阪でございますが、大阪につきましては、先生御承知のように、現在滑走路は一本しかなく、しかもそれが二千メートルにも足りないという状態でございますので、今回新たに三千メートルの滑走路を並行して設置するという計画を進めておる次第でございます。同時に、もう一つ大きな柱といたしまして、航空保安施設の整備、特に計器着陸装置の整備ということが、大きな問題として取り上げられておるわけでございます。御承知のように、いわゆるILSと申します計器着離装置は、現在羽田並びに名古屋だけに整備されておる状態でございますので、これらのものを急速に大阪に設置をするということを計画しておる次第でございます。その他ローカルの空港につきましても、滑走路の延長並びにかさ上げというような計画をいたしまして、逐次これを実施に移すということにいたしておる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 航空関係の職員の研修、訓練というお話がございましたが、現在はどのような状態であり、これをどうしようとされておるのか、これをお伺いしたい。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 航空関係で一番問題になりますのは、先生御承知のように、まずわがほうの直接の職員といたしましては、管制職員でございます。管制職員は、累年定員増を認めていただきまして、昭和四十年におきましては六百十九名というような状態でございますが、四十一年度はさらにこれを、前回も御説明申し上げましたような、部内のやりくりによりまして、六百八十名というような要員を充足していただくという計画をいたしてございます。ただ、現在員の状況といたしましては、六百十九名に対して五百九十九名ということで、二十名欠員しておるような状況でございますので、これらの要員の充足についても、われわれとしては今後大いに努力いたしてまいりたいと考えておる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 訓練、研修、こういう点について現在までどういうように行なわれており、今後どうされようとするかということについての御説明を願いたい。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 いま申し上げました管制官につきましては、管制官の養成施設を設けまして、これにおきまして訓練を一応いたし、さらにこれを現場に配置をして現場において研修をするというような体制をとっております。なおそのほかに、根本的にはわがほうの教育訓練機関としては、御承知のように航空大学校を設置いたしまして、航空大学校につきましては、年々三十名の養成規模をもちまして、現在教育訓練を行なっておる次第でございますが、四十一年度以降この養成課程を、現在行なっておりますいわゆる双発機程度のものを、さらにその訓練内容といたしましてYS11型を導入いたしまして、その訓練課程を上げることによりまして、いわゆるターボプロップ時代に即応する教育訓練の充足をはかるという計画を進めておる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 大かたわかりましたが、現在やっておる訓練あるいは研修の充実は、現在よりどのようにするのかというところを、簡単でいいですから御説明いただかぬと、大体こういう形で行なわれておるということはわかりましたけれども、現状と今後の計画を分離しての御説明がちょっと欠けておったように思いますので、その点を明確にしていただきたい。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 何と申しましてもわれわれが空の交通安全で直接責任を持っておりますのは、先生御承知のように、現場的な仕事としてはいわゆる管制の業務でございますので、管制につきましては、先ほども申し述べましたように、まず欠員を充足することでございますが、その上にさらに急速にこの要員を整備いたしまして、われわれとしては空の交通混雑体制に即応させてまいりたい。実はまだ政府部内で検討を進めておる段階でございますが、われわれの内部のとりあえずの緊急対策の心づもりといたしましては、たとえば東京、名古屋、大阪というようなところには、管制を直接やっておりますいわゆる空港管制業務の強化というような点をはかりたい。さらに管制のいわゆるオペレーションをするだけでなくて、この機器の保守というようなものが非常に大きな問題でございますので、やはり東京、大阪、名古屋というようなところにおけるいわゆる管制技術要員の充足を早急にはかりたい。さらに、いわゆる管制の通信関係、これはやはり管制管と一体をなして管制業務の円滑化をはかる必要がございますので、これらの者を合わせまして約五十名程度の実は人間が必要ではないかというふうにわれわれとしては考えまして、いま鋭意折衝を進めておる段階でございます。   〔委員長退席、辻委員長代理着席〕 これは、定員のやりくり、その他の問題、技術的な問題もあるかと思います。われわれとしては、何らかの方法でこの必要な要員を急速に充足をして、管制業務の充実をはかりたい、こういう計画を進めておる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 そこで、その充実をはかるということは、まあ定員増ということも含まるのですが、切り離してお聞きしたいと思いまするが、いま考えておられる充実をはかるということは、定員の面でいきますると、大体どういう部門にどの程度定員増を行なったらいいか、これをひとつ御説明いただきたいと思います。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 いま管制関係を特に取り出して申し上げた次第でございますが、そのほかに、今回の事故にかんがみまして、いわゆる事故調査、あるいは事故処理というようなものを考える必要がある、あるいは通信関係のいわゆる位置通報所の要員の充実をはかるというようなことを考える必要があるわけでございます。そのほかに、全般といたしまして、先ほど申し上げました管制要員の訓練の制度化というものをわれわれとしては考えたい。地方の航空官署としては、そういうようなものを考えたい。それからなお、これはわれわれの直接のいわゆる航空局の機構の整備でございますが、御承知のように、事故調査というようなものについてはなはだ手不足であるわけでございまして、これにつきましては、われわれとしては、できますならば局内に専門の事故調査の要員を置く。もちろん今回の事故のように非常に大きな、しかも国際的の関連のあるものが生じた場合に、部外の方々のいろいろお知恵を拝借するということも考えなければならぬと思いますが、同時に、部内のそういう専門職員の充足ということをはからなければならぬ。同時に、航空機の検査の仕事、あるいは従事員の試験の業務というようなものも考えなければいかぬ。あるいは空港保安施設の整備強化をするためのいわゆるプランニングをする人間も必要である。あるいは用地買収その他の直接の、先ほど申し上げました空港の整備をはかるというようなことを考える必要がある。そういうものも含めますと、相当の人員になるわけでございますが、われわれとしてはこれらの要員を急速に整備をいたしまして、国民の皆さん方の御心配いただいておる航空行政機構が弱体ではないかというようなことに対して、こういう要員の充足をはかり、これを整備するという考え方で、政府部内でいま鋭意御検討を願っておるということでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 航空関係の技術要員の研修とか訓練、これに伴う定員等の問題については、他の委員の方が詳細に突っ込んでお聞きをし、要望を申し上げることになっておりますので、私はこの程度にしておきたいと思います。  そこで、もう一つお聞きしておきたいと思いますのは、航空気象業務の整備というのが重要な課題になっておると思うのですが、この点についての構想をお示しをいただきたい。

深草克巳運輸事務官(大臣官房長)

○深草政府委員 気象庁はいま参っておりませんが、とりあえずの措置といたしましては、約二十名の増員を考えております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 ちょっと官房長に聞くのはどうかと思いますけれども現在何名あって、そしてこの気象業務を充実するための整備を行なうには、定員を何名増加するとか、あるいは機械の関係をどうするとか、こういう点についてはあなたのところではおわかりになりませんですか。

深草克巳運輸事務官(大臣官房長)

○深草政府委員 現在つまびらかにいたしておりませんので、至急気象庁長官を呼びたいと思っております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 この臨時新東京国際空港関係閣僚協議会等では、こうした関連の問題をやはり当然話し合いをし、そして一つのプランを立てなければならぬ、青写真をつくらなければならぬと思うのですが、まだそうしたことについては全然話し合いをされておらないのか、これは大臣のほうからお伺いをいたします。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 空港の整備は、まず既設の空港の整備が一つでございます。これは、この間の事故等にかんがみまして、大阪、名古屋、福岡の国際空港として将来使うものを国際水準まで早急に高めようという一つの方針をきめておることが一点でございます。これは管制、それから気象施設等も含めてでございます。それからさらに滑走路等まであわせまして、一応羽田の水準くらいまで早急に整備したいという意向をきめておるのが一点でございます。それから新空港につきましては、御承知のように富里地区を内定いたしまして、これをすみやかに四十五年くらいまでの間に完成して、国際的な超音速機の時代にも即応し得る体制をつくろう、こういうことを閣僚協議会で寄り寄り話し合っておるわけでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 この閣僚協議会で、運輸省がまとめた航空事故防止対策の報告を行なったときに、航空気象業務の整備という項目が出ておるわけです。それに関してどうなっておるかということをいまお聞きをいたしましたが、官房長のほうでは、直接気象庁のほうから来ておらないので、具体的な構想というものはわからぬという答弁でありましたので、それで大臣のほうでは、こういう防止対策は立てて、項目にはあげておるけれども、なお具体的なことについては何ら把握もしておらないし、解れてもおらない、こういうことなんですか。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 正確な気象情報を確保するということが、やはり安全運航に重大な関係のあることでございますので、いま先ほど申し上げましたいわゆる国際飛行場として使う四つの飛行場に対しましては、気象情報をつかむ設備も、これは一応国際水準、いまの羽田くらいの水準にしようという既定方針をきめておるわけでございます。それらの詳細な、何をどこに据えるというようなことは私もよくわかりませんが、気象庁長官が来ましてお答えさせたいと思います。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 空の交通の問題についてのみ私はきょう質問しておるのですから、これは参議院との関係がどうなっておるかわかりませんが、気象関係の専門の方を私の質問しておる過程においてお呼びをいただいて、そのときに一言お聞きをしたいので、委員長のほうでそのようにお計らいをいただきたいと思います。  それでは次へ移ります。御承知のとおり、空中輸送が行なわれるところには、航空機の発着及び運航に関連をした地上の人または財産に損害を生ずる場合が非常に多いのであります。したがって、これらの賠償責任に関する問題は、航空輸送に関するもろもろの問題と並行をして当然研究をされておらなければならないし、これが法文化されておらなければならないと思うわけでございます。二、三の諸外国の立法措置を見ましても、地上の人または財産の損害に対する賠償が法文化されておりますが、わが国においてはまだ立法化がなされておらないように思いまするが、この点はどういうような運びになっておるのか、御説明をいただきたい。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 御指摘のように、特殊な立法として地上の人または財産に対する損害の賠償を航空関係について立法化しておる例は、わが国にはございません。ただし、現実に人等に損害を与えた場合に対処するために、会社はそれらに対する保険等をつけまして、そういう賠償責任の完全をはかるというようなことは、御承知のようにいたしてございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 ただいまのお答えのように立法措置は行なっておりませんので、ケース・バイ・ケースで行なっておるというのが実態であるわけでございます。諸外国の場合には、完全に法律化され、法文化されておるところがあるわけです。ドイツ、フランスというようなところの法文を見ますと、明確に記載されておる。そこで、一九三三年にすでにローマ条約が成立をしている。そしてわが国もこれに署名をしております。空の交通は、御承知のとおり、年を追うに従って利用者も多く、また機数も増加し、飛行機の大型化、スピード化が行なわれておりますので、したがって、空の交通というのは非常に繁雑をきわめてきておるというのが事実であり、今後もなおそのことが予想せられるわけです。したがって、そういう場合には、地上におけるところの人間あるいは財産の損害に対する補償問題は当然考えておかなければならなかったのですが、一九三三年にローマ条約に署名をしておるにもかかわらず、今日まで放任されておるということは、私はどうかと思うわけですが、その点をどういうようにお考えになりますか。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 一九三三年に、先生御承知のように、ワルソーでいわゆるワルソー条約というものが定められまして、それにはいわゆる航空機の事故に対する被害者の損害賠償並びに手荷物、身の回り品に対する賠償というようなものが規定されておるわけでございますが、これにつきましては、先生御承知のように、一九五三年五月二十日にわが国も批准をいたしまして、これに加入しておるわけでございます。したがいまして、旧ワルソー条約によるこういう賠償限度をカバーするということはなされておるわけでございます。ただ、先生御承知のように、その後一九六三年にハーグにおきまして、この賠償限度を引き上げた議定書が取りかわされたわけでございますが、この議定書の取りかわしの際におきまして、主要な関係国である米国等がまだこれの批准をしていないというような状態でございましたためにわが国といたしましては、現在このハーグ議定書には入っておらないというのが現状でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 アメリカがまだこの条約に調印をしておらないから、日本のほうでは具体的な立法措置を行なっておらないのだという答弁でございまするが、これはもうすでにその署名を行なっておるのですから、アメリカが署名をしなくとも、当然内容的に見て必要なことでございまするから、別段アメリカとの関連はないと思うわけでございます。日本が自主的にこうした問題を処理すべき義務がございまするし、そうやらなければならないと思うわけでございます。したがって、そういうことからまだ今日までなされておらぬということは、非常に遺憾と思いまするので、この機会に検討をお願いいたしたいと思います。その点、検討の余地がございますか。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 まことに先生の御指摘のとおりでございまして、この賠償限度の問題で実は今年二月にカナダにおきまして、いわゆるICAOの加盟国の会議が開備されたわけでございますが、この会議におきましても、限度額につきましては、各国それぞれ相当事情が違いますために、ついに一つの結論を得るに至りませんでした。しかし、この金額に関しては、日本はそれに十分検討するという立場をとって会議に臨んだわけでございまして、なお会議の結論は得られませんでしたけれども、これは関係国のそれぞれの代表を招致いたしましてさらに会議を続けるということに相なっておりますので、わが国としても責任ある代表をこれに派遣をし、なお先生の御指摘の御趣旨に沿って、ぜひ国際旅客運送における賠償責任限度をできるだけ現状に合ったものに改定をするという線で会議に臨むべきであろう、われわれとしても国内的にそういうような検討を進めておる状態でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 幾つかの国が立法化しておりまするが、フランスとかドイツとか、この国あたりのを参考にする必要もあるわけです。また、そういう点についても研究されておると思いまするが、フランスの航空法では、たとえばどういうような賠償措置を行なっておるかということです。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 これは先生御承知のように、いわゆるワルソー条約の場合には、わが国が現在とっておりますように、賠償責任限度八千三百ドル、つまり三百万円、条約上は十二万五千金フランといったような規定を旅客の死亡または損害についていたしてございます。手荷物の棄損等につきましては、一キロあたり二百五十フランつまり六千円、それから身の回り品の棄損等は、一人につきまして五千フラン、日本貨に直しまして十二万円というような規定があるわけでございますが、先生御指摘の新しいいわゆるハーグ議定書によりまする加盟国につきましては、この旅客の死亡または損害につきまして二十五万金フラン、つまり邦貨に換算しまして約六百万円というのが、現在の賠償限度の規定でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 ドイツの場合はどういうことですか。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 ドイツの場合には、西ドイツ、東ドイツとも一九五九年、六〇年にそれぞれハーグ議定書を批准しておりますので、いわゆる新ワルソー、つまり賠償限度を六百万円に定めるというほうになっておる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 ローマ条約の三条からいきますると、いまフランス、ドイツの航空法に示されておるような内容のものを立法化して、そうして地上の住民あるいは財産に対するところの損害の賠償を完全に行なうようにということになっておると思います。したがって、これはアメリカが条約に署名をしておらないから日本ではまだやっておらないという御説でございまするけれども、これは非常に早急にやる必要があるのではないか、かように考えております。地上の人の損害とそれから航空機を利用しておる者の損害とは、どういうように区別をして判断をされておるのか、この辺をお聞きしなければ、今日まで延び延びにさしておられることの真意がわからない。その点をひとつ御説明をいただきたいと思います。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 国際的の旅客の損害賠償原則につきましては、先ほど申し上げたとおりでございますが、現実に起こりました航空機の損害に対する賠償問題につきましては、御承知のように、まだ実は事故原因の調査等も進んでおりませんし、全日空の場合には遺体の収容も完全にできていないというような状況でございますので、お話しのように、とりあえずのいわゆるお見舞い金程度を差し上げるにとどまっておるのが、御承知のように現状でございます。しかし、全日空等に照会をいたしますと、会社といたしましては、いろいろ生活の御事情その他もおありのようでございますので、お申し出がありますれば喜んでお話に応ずる用意がありますということを申し出ておられる次第でございまして、われわれとしても、それぞれの御事情に応じてできるだけは迅速に賠償措置を講じていただくように、必要な連絡を逐次とるという体制にあるわけでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 私は、きょうの質問は、あの三事故に対しての質問でなしに、一般論としての事故に対するところの質問を申し上げておるわけです。したがって、たまたま先般の事故は、山とかあるいは海とか空港とかというところにあったので、地上の人命あるいは財産に対する損害というものは全く皆無に近かったわけなんですが、そうでなしに、航空機の事故というものは、これはどこでどういう事故が起きるかもわからぬわけです。したがって、そういうことから、地上の人に対する補償あるいは財産の補償、こういうものをどう考えておるかということです。だから、大体現在できておる法律の思想というものは、被害者、加害者が平等の場合と、そうして被害者と加害者が全然平等でない、それで飛行機が町のまん中に墜落をするような場合には、これは町の住民は加害者に対しての平等な権利とか、そういうものが全然ないわけでございまして、全く不平等な中におきまして一方的に加害者から被害を受けるわけなんです。だから、こういうものに対しては、賠償的な、法律的な措置を講ぜなければならない。これがローマ条約の精神であって、それに従ってフランス、ドイツ等では立法化しておるのですから、日本においても、アメリカが条約に署名をしておらぬからというようなことで手をこまねいておるということは、私は問題だろうと思うのです。だから、私が分けてお聞きをしたのは、利用者が被害を受けた場合、それから全然利用しておらない、無関係な者が被害を受けた場合は、これはどういうように分離して解釈をされておるのか。ここからこの法律案を立法化するところの必要性あるいは緊急性というものが出てこようかと思いますので、私はお聞きをしておるわけなんです。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 先生の御指摘の点でございますが、先ほど来御説明申し上げておりますのは、いわゆる航空機事故の場合の旅客あるいは荷物の損害に対する賠償責任という問題でございます。   〔辻委員長代理退席、委員長着席〕  先生御指摘のように、そのほかに、航空機の事故のために第三者が被害を受けるという問題があるわけでございます。われわれといたしましては、いわゆる行政法規としての航空法規におきましては、できるだけそういうことのないように、たとえば最低安全高度の規定をいたしまして、航空機をできるだけ安全に運航させるというようなことで国内法の法制としてはできておるわけでございまして、第三者の損害に対しましては、現実に保険等によってその履行を担保するというような手段をとっておるわけでございますが、航空法等の行政法規には、特段の立法は現在いたしておりませんで、一般の民法の原則に従っておるわけでございます。具体的な先生の御指摘でございますので、われわれとしても十分この点については検討を進めなければならぬと思いますが、現状はただいま申し上げたとおりでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 フランスの航空法でも、ドイツでも同じことですが、航空機利用者の結果責任を認めるということなんです。これは法律化する場合に相当議論をされるところであろうと思うが、この点についてはどういうようにお考えなんですか。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 御指摘のように、非常にむずかしい、いわゆる立証責任その他の問題が具体的に生ずると思いますので、それらの点をまだわれわれ実はそこまで十分具体的にしておりませんので、早急に検討いたしたいというふうに考えております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 検討されておらないというところへは、これ以上質問を申し上げても非常に無理だと思いますので、これ以上突っ込んだ質問はいたしませんが、フランスあるいはドイツの航空法で、地上にある人または財産に加えたところの損害についての補償の問題については、航空機利用者の結果責任ということも加わっておるのであって、これは相当重要な問題であろうと思います。したがって、重要な問題ではあるけれども、飛行機を利用しておる者が自分の荷物に被害を加えられた、あるいは自分の身体に被害を加えられた、生命を失った、こういうものと、全然飛行機を利用しない無関係の者が、飛行機が事故のために墜落をし、また飛行機からいろいろな物品が投下されて、それがために地上の人の人命なり身体に被害を加えられた、財産に大きな損害を加えられたということになりますると、やはり飛行機利用者の結果責任というものもあるようにも私は考えるわけなんです。したがって、これ以上この問題を突っ込んで質問申し上げてもおわかりになりませんので、もうこの点でとどめまするが、御承知のとおり、先ほど来申し上げておりますように、一九三三年のローマ条約に日本は三五年に調印しているのだから、調印をされておる各国は、それぞれ自主的にそのローマ条約の精神に基づいて国内法を整備しておる。そういうことから考えてみますと、日本の航空行政というものは非常におくれておるのではないかと、こう指摘をせざるを得ないわけなんです。だから、この点につきましても、私は早急に課題として検討をしていただきたいと思います。大臣、お聞きになっておられたと思いまするが、ただいま申し上げましたような状態なんです。これは大臣としても、この事故防止対策の報告を運輸省としてまとめたものを閣議にも報告をし、了解を得られておるのだから、こうした面についても今後とも早急に検討をしていただく必要があろうと思うのです。この点について、大臣から一言お答えをいただきたいと思います。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 航空機の最近の発達の情勢から考えまして、やはり第三者に被害を与えるということのないという保障はつき得ないような実情でございますので、将来やはりこの問題は十分検討しなければならない課題であると思いますが、ただ、これは国際的ないろいろの関連等もあると思いますので、そういう問題等も含めまして、今後慎重に検討を進めて、一般大衆の安全感を確保するように努力をしてまいりたい、かように考えております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 そこで、御存じと思いますが、神戸の商工会議所は、神戸港外の大阪港に四千メートルの滑走路を一本と、それから格納庫、それから整備工場、ターミナルなど一切の空港設備を、面積でいきますると、三百万平方メートルといっておりますので、これは甲子園球場の七十五倍という巨大な鋼鉄づくりの箱を海に置いて、海の中にこうした空港をつくるということを会議所が提案をいたしておるわけです。これは御存じでございますね。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 神戸の商工会議所がそういう一つのアイデアを持って、研究を進められておるということは、伺っております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 日本の国は非常に土地が狭く、山が多く、平たん地は集団的な都市となり、そして工業が集中をしておる、こういうようなことから、十分なる空港をつくろうといたしますれば、非常に困難性があるわけなんです。したがって、この神戸の商工会議所の提案も、これは夢のようなものというようなお考え方でなしに、当局としてもこうしたものを検討していただく必要があろうと思います。したがって、この点につきましては、きょうどうするのだとお聞きをいたしても、ただいまの答弁の範囲内であろうと思いますので、これも非常に重要な参考のアイデアであるというように私は考えておりますので、御検討をお願いをいたしたいと思います。  それから、川崎市の上空の飛行拒否の決議も出ておりますが、これは先ほど来申しましたように、飛行機を利用しない者に対するところの生命、財産の補償問題が日本の国内法にはないということから、飛行機はわが市の上空を通ってもらっては困るんだという、こういう決議であるわけであります。通ってもらうことを拒否したところの決議文であるわけなんです。こういうようなことは、お聞きになって、それからどうしたらいいかというようなことを何かお考えになっておるのかどうか、これもひとつお伺いをいたしたいと思います。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 川崎市付近にいろいろな工場その他の施設がございまして、ここを通ってもらいたくないという地元の御意向は、われわれも承知してございます。現実に羽田に出入りする場合の飛行の型をいろいろ定めまして、できるだけこの川崎市の上空を通らない型をきめ、それについて各航空従事者の協力を得る措置を御承知のように最近とりまして、これをいわゆるNOTAMといたしまして出しておる次第でございます。われわれとしては、先ほど来申し上げておりますように、航空機自体の安全という面もございますし、羽田の飛行方法につきましても、御承知のように、できるだけそういう民家等に対する被害も少ないようにという観点から、飛行の型を将来とも考えていくということで、ただいまのとりあえずの措置としてはそういうことをいたした次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 有視界飛行の場合は、これは燃料の節約とか時間の短縮、これもございましょうが、観光というものも加わっておるわけです。したがって、観光というものを加えて有視界飛行をするということになりますと、これは都市の上空とかあるいは富士山の近くとか、こういうところを通る場合が非常に多いと思うわけなんです。したがって、ただいま答弁のありましたような内容でいきますと、有視界飛行の場合でも、ある程度の規制を行なうのかどうかということが考えられるわけですが、この点はどういうようにお考えですか。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 川崎の問題につきましては、現実の羽田の出入りに関係する問題でございますので、そういうことで現実の問題を解決をする一つの手を打ったということを御報告申し上げたわけであります。一般的に、いまお話のございました観光目的のために気象状態が必ずしもよくないところを飛行するというようなことは、将来とも望ましいことではございませんので、こういうような場合には、航空自体の安全等も考えまして、将来十分に操縦者がその点を注意をして飛ばせるような措置を逐次講じていきたい、こう考えておる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 気象庁のほうからお忙しいところをおいでをいただいたようでございますので、ちょっと質問を切りかえまして、先ほどの質問に戻りたいと思います。  先ほど航空気象業務の整備についてお伺いをいたしておったわけなんです。このことは、機長としても、非常にこの航空気象業務の敏速化とか、あるいは予報等については、全く身に迫まった必要な内容だと思いますので、このことが今回の航空事故の防止対策の一つにあげられておるわけなんです。したがって、現在こういう機構でこういう方法をとっておるのだが、なお今後この防止対策として一そうこういう行政を行ないたいとか、いろいろ腹案があろうと思いますので、その点をお伺いをし、また必要によっては御希望を申し上げたい、かように考えておりますので、御答弁をいただきたいと思います。

柴田淑次気象庁長官

○柴田(淑)政府委員 航空気象業務につきましては、現在は、先生御承知のことと思いますけれども、東京におきましては、羽田に東京航空地方気象台というものがございまして、そこで羽田の国際空港としての役割りを果たしております。そのほか、大阪、福岡、千歳及び地方の空港には、空港分室あるいは航空測候所というものがございまして、航空測候所は現在七カ所でございます。空港分室と申しますのは、小さい空港に置かれておりますもので、現在は三十九カ所ございまして、四十一年にはもう七カ所ふやしていただきたいというようにお願いをしておるわけでございます。そういうことで、人員は、東京は百六十名程度でございます。それから航空測候所、空港分室を加えまして大体三百名程度、全体としまして四百六十名程度の人員で現在の航空業務をやっております。  問題は、こういうような大きな航空事故が連続してございます際に、現在の施設その他におきましてのものを反省してみて考えられますところは、こういった空港の業務整備では、もちろん決して十分ではございません。空港の航空気象業務をやっていく際におきましては、いろいろな機械類その他のものが必要でございまして、まあ東京の羽田におきましては大体基準に合った設備は持っておりますけれども、ほかの空港におきましては、まだまだ十分とは申せません。どういう機械がどうということを詳しく申し上げますと時間も長くなりますので、そういった機械施設という面におきまして、今後とも格段の整備が必要であろうというようにわれわれ考えております。  大ざっぱに申し上げましたけれども、なお詳細につきましては、また先生の御質問に応じまして、一つ一つのことを申し上げたいと思います。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 私どもも、直接その業務に従事しておるものでもなければ、専門家でもございませんので、全くわかりませんが、ただいま御答弁のありましたような今後の施策を強化していけば、気象業務としては十分に完備されるということにつながるのかどうかということを伺っておきたいわけです。そういう点さえはっきりすれば、その実現の早からんことを私どもも協力を申し上げたいと思うわけであります。その点をお伺い申し上げたいと思います。

柴田淑次気象庁長官

○柴田(淑)政府委員 今後の整備計画といたしまして、われわれのほうでは年次計画を立ててその整備を進めたいということで、大体完ぺきということはなかなか望めないかもしれませんけれども、航空事故にこれなら対処できるというような状態につきましての、その年次計画を立てて、これから業務を整備していきたいというように考えておりますので、どうか今後ともなお一そう御支援のほどをお願い申し上げます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 これ以上具体的なことについてお聞きする能力もあまりございませんので、ただいま御答弁のありましたとおり、計画に基づいて、遺憾なく、十分なる整備を完成していただくようにお願いをしておきます。  そこで、航空法の七十五条を見ますと「機長は、航空機の航行中、その航空機に急迫した危難が生じた場合には、旅客の救助及び地上又は水上の人又は物件に対する危難の防止に必要な手段を尽し、且つ、旅客其の他の航空機内にある者を去らせた後でなければ、自己の指揮する航空機を去ってはならない。」こうなっております。したがって、先般不幸にも起きました三航空機の事故で、もしこれが人家の密集したところへ落ちたような場合とか、あるいは生存者があったような場合には、私は新しい問題として取り上げられる面があろうと思うわけでありますが、そうしたことが不幸にしてなかったので、非常に調査にも困難性をきわめておられるようでございます。ただし、あくまでもこの調査に完ぺきを期して、四たびこうした事故のないようにといって努力されておることに対しては敬意を表しますが、けさの新聞で見ますと、パイロットの不注意というような点をクローズアップして出されておりまするが、この点はどういうような報告を受けられて、またパイロットの不注意であったかどうかというようなことを、どういうように判断されておられるのか、この点についても、ひとつ御報告を願いたいと思います。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 今回の全日空機の事故につきましては、先ほどもちょっと触れましたが、実は部内の有識者の方の御参加を願いまして、全日空機事故技術調査団を編成いたしまして、事故後直ちに、二月七日に第一回の調査団の会議を開きまして、自来全体会議八回、このほかに現物小委員会等を開いておる次第でございます。今回の事故につきましては、その結果の重大さにかんがみまして、あらゆる観点からその原因の調査を進めるという態度をとっておるわけでございまして、いま先生がお話のように、昨日は、現実に同型機を用いまして飛行試験を実施していただいたわけでございます。ただ、新聞等にそれについてのいろいろな推測的な記事が載っておりますが、事故技術調査団といたしましては、一回だけの結果でなくて、これにいわゆるフライトレコーダー等も搭載いたしまして、その科学的、客観的なデータを集める、さらにいろいろな解析を行なって、今後また必要に応じて飛行試験をするというようなことを計画しておられるわけでございまして、昨日の飛行試験の段階において中間的な結論を出すというようなことは、しておられない状態でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 そういたしますと、なお同じような実験的研究を行なってこの事故原因の究明に努力をしていただく、こういうことになっておるわけですね。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 機体の現物調査、あるいは必要に応じて飛行試験、その他あらゆる調査、試験を行ないまして、客観的な資料を積み上げて答えを出すという態度でやっておられますし、われわれも、そういうことで慎重にお願いしたい、かつできるだけ早く結論を出していただきたいというようにお願いしておる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 そこで、その問題についてちょっと突っ込んでお聞きをいたしたいと思いますが、有視界飛行に切りかえたわけですが、そうしますと、その事故を起こした飛行機だけでなしに、私がここで考えなければならないと思いますのは、航空機が、先ほど申しましたように、高度化、大型化の時代になって、そうして有視界飛行を容認しておるわけなんです。そこで、第一の問題として政府に追及したいと思いますのは、かつて昭和三十七年四月二十五日の内閣委員会で、現在の横浜市長である飛鳥田委員の質問に対して、当時の航空局長は、高速飛行の場合は、航行上、管制航空に対しては高々度の管制圏飛行を順守させるようにするという答弁があったわけです。こういうことからいきますと、あのときに有視界飛行を許したことについて、何か軽率な面があったのではないかというふうに考えられるわけです。だから、何らそういう点についてのミスはなかったのかどうかということを、この機会にお聞きをいたしておきたいと思います。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 先ほども申し上げておりますように、今回の具体的の事故につきましては、事故技術調査団におかれまして慎重に御検討をいただいておるわけでございまして、その中には管制の取り扱いの問題もございますので、われわれとしては、われわれの側で一般的な事情の御説明を申し上げて、先生の御質問にお答えさせていただきたいと思うわけでございます。  当時の状態で有視界飛行に切りかえることが適切であったかどうかという問題かと思うわけでございますが、御承知のように、有視界飛行方式に切りかえます場合には、有視界気象状態であることが絶対的の要件でございまして、それはその後の調査の結果、有視界気象状態であったことは判明しておるわけでございます。次に、有視界飛行方式をとる場合と計器飛行方式をとる場合と非常に順序が乱れまして、管制等が適切に行なわれない危険があるかどうかという問題が、一般的にあるわけでございまして、羽田等の非常に錯雑するところにおきましては、将来の方向としては何らかこういうものを統一したほうがいいのではないかというような考え方もあるわけでございますが、当時の状態におきましては、そう飛行が混雑しておるという状態でもございませんし、同時に、有視界飛行に切りかえました際に、タワーと十分連絡をとって飛べというような指示をいたしてございますので、当時の状態では、管制として、現在われわれの承知しておる範囲では、ミスがあったということではない、つまり管制の取り扱いとしては、法令の規定また現実の状態に合って適切な処理がなされたものと、われわれは現状において考えておる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 外国の飛行機といえども、日本の主権領土内に入ってきた場合においては、当然条約国の主権の範囲内としてその管制に従うことは、言うまでもないことです。こういうことから考えてみまして、今後非常に問題になろうと思いますことは、在日米軍の飛行機の航行内容でございます。これは自衛隊法の第百七条には、在日米軍と自衛隊に対するところの航空法の適用除外の規定がある。しかし、この適用除外されておる項目は、いずれも航空交通の安全及び地上の人間の生命、身体、財産の安全に関する条文についてのみであるとされておりますので、そのことから考えてみますと、これは何といっても日本の管制に従って航行してもらわなければならないと思うわけなんですが、現在では、そうでなしに、米軍機の場合と自衛隊機の場合には、この除外条項を非常に拡大解釈するのか、あるいは拡大解釈までもしないで、一方的な飛行を行なっておるわけなんです。この点については、今後の空の交通を整備するためには、また飛行機の衝突等を防ぐためには、非常に問題があろうと思うので、この点をどういうようにお考えになっておるのか、ひとつお伺いをいたしたいと思います。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 在日米軍につきましては、先生御指摘のように、安全保障条約に基づく地位協定の規定によりまして、航空法の例外条項があるわけでございますが、ただ、航空交通の管制につきましては、これもやはり御承知のように、政令によりましてわが方が統一して行なうことになっておるわけでございます。したがいまして、管制業務に関する限り、わが方が完全にいわゆる管制機関を整備してこれを行なう責任がございますし、また、このために実は設置法の改正もお願いをいたしまして、管制機関の整備というようなことを逐次進めていただいておるわけでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 ただいまの答弁どおりだと思います。ところが、これはちょうど事故の起きた当時でございましたので、特に北海道新聞等では大きく取り上げておりまするが、全日空機の着陸態勢の寸前に米軍機がほんとうの真下を横切ったために、この着陸態勢の寸前にあったものがすぐ機敏に方向を変えたために衝突を免れた、こういう記事が出ておりますが、こういうような一方的な飛行は、これは絶対に認められないと思うのですが、この点をどういうようにお考えでございまするか。新聞はお読みだろうと思いまするけれども、ただいま差し上げたような内容のものでございますので、それをよく読んでいただいて、この点ははっきりと答弁をしていただきたいと思います。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 先生御指摘の事実は、三月七日午後三時三十分ごろの事故であると思います。われわれも、御指摘のように、こういうような非常に大きな事故にならないけれども、しかし危険であったというような新聞記事の場合には、できるだけその事実を調査をすることをいたしておるわけでございますが、本件につきましては、結論的に申し上げますと、当該機のJA8306機の機長につきましてわが方で調査をした結果をかいつまんで申し上げますと、当時米軍機との高度差が約三千フィートありまして、機長としては危険を感じなかったというようなことを言っておるという報告を受けておるわけでございます。したがいまして、御指摘でございますが、一応当時の状態におきましては、機長はそれについて積極的ないわゆる機長報告というようなものを出しておりませんし、われわれとしては、一応機長の報告によりますれば、非常に危険を感ずるという状態ではなかったのではないかというふうに思う次第でございます。ただ、先ほど来申し上げておりますように、こういうような、新聞紙上で取り上げられるような問題を生じないように、できるだけ管制その他と十分に連絡をとってこの処理をしなければいかぬということで、防衛庁等とも連絡いたしておる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 機長の報告によって、そこで事故を起こすような状態ではなかったという答弁ですが、もしそうだとすれば、降下しようとして飛行しておったものを急に切りかえる必要がないのじゃないか。その辺はどういうように判断をされたか。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 機長の報告によりますと、危険を感じて飛行経路を変えるというようなこともしておらないという報告でございますので、われわれとしては、そういう状態であったというふうに、先生のお話のような急に方向を変えるというようなことではなかったというふうに考えておるわけでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 そうしますると、北海道新聞の出しておりまする記事は、一つの想像も入っておるということなのですか。だから、よく読んでいただいてから答弁していただくということをお願いをしておいたわけです。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 具体的の報告といたしましては、専門家の機長の報告をわれわれとしてはとりまして、若干の飛行方式その他には、ここに書いておるような事実が——要するに機長としては非常に安全を考えて飛行したと思いますけれども、結果において危険を感ずるような状態ではなかったという機長の報告をわれわれとしてはとるわけでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 ただいまの答弁どおりであれば幸いであり、またそうしたルールを守っておってくれれば非常にけっこうだと思いまするが、土地の人のお話では、たまたまその新聞記事に書いてあるような、地上から見てあああぶないじゃないかというようなことが感ぜられることがあるということを言っておるわけなのです。だから、私はこの際、自衛隊機にしてもあるいは在日米軍の飛行機にしても、飛行中はやはり与えられた内容以外には日本の管制に十分に服してもらって、こういうことのないようにしてもらわなくてはならないと思うのです。  自衛隊からも来ていただいておるはずですが、どうですか。

井口孝文防衛庁書記官(防衛局第一課長)

○井口説明員 ただいま御指摘のございました事件につきましては、私どものほうでもいろいろ調べまして、ただいま運輸省のほうからお答えになったのと大体同じような報告が出ております。  自衛隊法の百七条で、おっしゃいましたように航空法の適用除外がございます。しかしながら、航空法の適用除外も、航空管制の点については適用除外になっておりませんで、一切運輸省の航空管制に従って航行しておる。ただ、局地的な、主として自衛隊が使用する基地などにつきましては、航空管制の権限を委任していただいておるわけでございます。この点につきましても、運輸大臣の統制下において行なっておりますので、航空管制の一体化という点は、法律の上でも守られているというように考えておるのであります。ただ、先生御心配いただきましたように、何かと性格の違う飛行機が通って危険なことがあっては相ならぬというふうに、常に考えておるわけであります。この点を運輸省と御協議いたしまして、航空の安全のために努力したい、かように考えております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 最近、米軍の場合は特に緊急出動ということが多くなされておるわけです。これは年間何百回とあるわけです。こういう場合は、この管制の指揮下には入らないのかどうか。

井口孝文防衛庁書記官(防衛局第一課長)

○井口説明員 演習という形態のものがどのくらい行なわれておるか、ちょっとつかんでおらないのでございますが、ただ、領空侵犯というのがございまして、外国の航空機がわが国の領空に近づいてくる。これが領空を侵せば侵犯になりますので、そういう状況がありますと、それに対応してこちらの飛行機が飛び出すというのがございます。これは非常に急を要するわけでございますので、緊急発進の状態になるわけでございます。これは戦後、初めの間は米軍が担当しておったわけでございますが、現在は全部自衛隊がやっておりまして、米軍はやっておらないわけでございます。ただ、この緊急発進も、態様としては非常に緊急でございますので、自衛隊の専用飛行場はたいして問題ございませんが、共用飛行場については、いろいろと御迷惑をおかけするという場合もございます。ただ、これは事前にいろいろと運輸省とよく打ち合わせまして、航空管制に従ってやっておる、こういう状態でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 ただいまの答弁にちょっと私は疑義を感ずるのですが、緊急出動体制をとって一から十まで全部飛び立ったか飛び立たぬかは知りませんけれども、六百一回あるんじゃないですか。そうなりますと、私は、それが全部、機数で言っておるのか、回数で言っておるのか、その辺はちょっとわかりませんけれども、いずれにいたしましても、そうした緊急出動演習の体制をとって行動に移すということになりますと、これは管制に入らないのではないか、こう考えておったわけなんで、そうなりますと、いまの空の交通が繁雑化し、大きな支障もあるのではないか。そうして航空局としてもコースの選定等についても検討する必要があるのではないか、こう考えておりまするので、ただいま御質問を申し上げたわけで、ただいま申し上げたことに相違があれば、答弁で内容を明確にしていただければけっこうでございます。ひとつもう一度御答弁をいただきたい。

井口孝文防衛庁書記官(防衛局第一課長)

○井口説明員 ただいまのおことばを返すわけではございませんが、演習とおっしゃいましたけれども、これは演習ではございませんで、実際に出動ということでございます。そして領空の侵犯、先ほど申し上げましたように、外国の航空機がわが領空に入ってくる、これが事前に許可を受けて通告されて来るものにつきましては、心配ないわけでございます。これが軍用機でありますと、国際法上のいわゆる領空侵犯ということになりまして、このものに対しましては、退去を命ずるとか着陸させるとか、そういった必要な措置があるわけでございます。しかしながら、飛行機はレーダーでつかまえまして、これが軍用機であるかどうかわかりませんけれども、要するに事前に通告を受けていない飛行機がある場合には、飛び上がってその態度を見る、そして連絡をとって状況を調べるということでございます。そういうことで飛び立った回数は、先生おっしゃいましたような数になっておるというように考えております。ただ、この中でほんとうの軍用機であった場合は、非常に少ないわけでございます。あるいは道に迷った民間の航空機であったり、あるいは外国の航空機が故障などのために進路を失ったとかいうようなこともございまして、そういう場合には救難の体制をとるわけでございます。したがいまして、そういった回数を含めまして、緊急発進の数は相当多いわけでございます。この緊急発進は、確かに非常に急いで発進するわけでございますから、それなりに、先ほど申し上げましたように、民間機に御迷惑をかけることがございます。これは必ず平素から待機を実施するというようなこともございまして、乗務員を待機所に待機させて、そういう状況があればレーダーサイトから一瞬の間に飛び出すというかっこうになっておりますので、緊急発進によりまして、たとえば民間機の離陸を待っていただくということは確かにあると思います。ただ、これは管制官と十分な調整をされた上で行なっておりますもので、緊急発進でございますので、ある方向へ非常な高速でもって上昇していくということはございますが、ふだんからこの点についてはいろいろと検討いたしており袋して、たとえば航空路がある場合には、いきなり高度を上げないで、しばらくある高度をとって水平に進んでから高度を上げて、航空路の重複を避けるというような調整をしておるところもございます。そういったようなこともございまして、いわゆる航空管制に従ってないという状況にはなっておらないわけでございます。全然御迷惑をかけていないかということになりますと、着陸を待っていただくというようなことで、管制官の御協力を得て便宜をはかっていただくことは、現実にはあるわけでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 演習ではないということですが、演習でなかったら、そんなに多くの緊急発進ということはないと考えられるのです。ぼくは演習というように思っていたのですが、演習でない緊急発進ということが、そんなにあるんですか。

井口孝文防衛庁書記官(防衛局第一課長)

○井口説明員 大体三十九年度のトータルで、緊急発進の回数は三百回くらいあります。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 三十九年度でそれだけあるということであり、四十年度は回数はよけいふえておると思います。そこで、それはそれといたしまして、昭和三十四年の六月に、日米合同委員会の合意書によりますと、日本政府及び米軍の行なう航空交通管制は、ICAOの定める標準方式を使用する。二つには、米軍に提供しておる飛行場周辺の飛行場管制業務、進入管制業務を除き、すべて日本側において運営をすることになっておるわけです。そうしますと、米軍に提供しておる飛行場周辺の飛行場管制業務、進入管制業務を除いては、すべて日本のほうでやるわけですから、ちょっとそこに分離はされておりますけれども、日本でとらまえておるのは、これはもう離陸と同時にはっきりしておるのですか、どうですか。その責任の分野が分かれておるということだけで、その飛行機が飛び立ったということについては、これははっきりしておるのですか。その点はつかまえておるのかということです。

井口孝文防衛庁書記官(防衛局第一課長)

○井口説明員 日本の飛行場の関係につきましては、運輸省のほうの所管でございます。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 いわゆる管制機関の管制に乗って飛行する場合には、当然わがほうに管制の指示を求めてまいりますので、承知をいたしております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 そこで、米軍、自衛隊といえども、この航空交通管制方式にならっておるということは先ほど申し上げたわけですが、それが米軍機、自衛隊機は、一度有視界飛行の許可をとった場合には、そのとたんに全飛行の計画もルールも、全く航空管制本部には不明になっておるというように把握をしておるのですが、そういうことはないですか。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 これは米軍機、自衛隊機、民間機に関係なく、有視界飛行方式をとる場合には、管制機関の管制にかかりませんので、結果においてそういう状態になるわけでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 有視界飛行をとる場合には、そのとたん全飛行計画もルールも、航空管制本部からでは全く不明になっておる、こういうことでございまするので、将来ますます空の交通がひんぱん複雑化してきた場合には、この有視界飛行というものに対するところの一つの規制、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、そういう点がやはり考えられてき、計器飛行の場合には、これは管制官の増員とか、こういうことも必要になってくるので、そろそろ日本もこの点で安全な航空行政をとろうとするならば、いままで申しましたような内容のことを整備してもらう必要があるのではないか、こう思うわけなんです。その点、局長さんのほうでどういうようにお考えですか。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 先生御指摘のように、航空機は将来ますます高速化し、あるいは高々度を飛行するというような状態が考えられます。同時に東京、大阪その他主要な空港におきましては、相当な交通量に達するわけでございますので、これらに対処いたしますためには、将来の方向といたしまして、先生御指摘のように、有視界飛行、計器飛行を問わず、できるだけ管制をして、その整斉たる飛行をはかるということは必要であるとわれわれも考えておる次第でございます。ただ、これをいたしますためには、同時に要員の充足、あるいは管制の自動化その他の施設をいたす必要がありますので、これらのものとあわせまして、将来そういう方向にまいりますように、順次われわれとしても手を打ってまいりたい、こう考えておる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 あとの質問者がいろいろと追及されると思いまするが、ただいまの御答弁の内容を推進していこうとすると、今年度の予算内容を見ても、定員の内容を見ても、全く——全くくらいでない、失望を感じるような内容のものであるわけです。したがって、こういう点については、これは政府としてなかなか取り上げてもらえぬものなのかどうなのか。これは中村運輸大臣もずいぶん努力されたと思うけれども、一年間の経験にかんがみて、こういう事態、状態をもって航空行政を将来完全なものにしていく上においては、相当政府全体が理解、協力をしてもらわなければならない問題だろうと思うので、そういう点について、どこに支障があるのか、明確に答弁できれば答弁をしていただきたいし、いずれにいたしましても大臣の御答弁を要求いたしたいと思います。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 航空の安全を確保するために施設を整え、人員を強化するということにつきましては、政府も今回の引き続いた事故にかんがみまして十分決意を持っておる次第でございまして、航空局でいろいろ立案しております課題は、私は、政府も熱意を持ってこれの実現にかかる用意を持っておると考えております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 先ほどの答弁の中に、確認するほどでもないと思うのですが、ちょっと答弁がありましたが、私のほうから質問を申し上げました飛鳥田委員の質問のときに局長が答えられたことが、完全に実施されておらない。この件については、これは今後早急に努力していただけるものかどうか。局長は、その当時の局長であったのか、かわったのか知りませんけれども、いずれにいたしましても国会で約束をしてもらったことは実行に移してもらわなければなりませんので、その点をこの際はっきりと確認をしておきたいと思います。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 先ほど先生がおっしゃられました三十七年四月二十五日、衆議院の内閣委員会における航空局長の答弁を実施をする用意があるかどうかという御質問でございますが、実はたいへん恐縮でございますが、その点の確認を早急にいたしますけれども、われわれとしては航空局長として責任ある御答弁を申し上げておるわけでございますから、その御答弁の実施になお今後とも努力をしてまいりたい、そういうふうに申し上げておきたいと思います。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 時間の関係で速記録の内容を一々読み上げることは省略をいたしますから、ゆっくりと見ていただいて、そうして完全に実施をしていただくようにお願いをしておきたいと思います。  そこで、なお航空行政についてお伺いをしておかなければならないと思いますことは、運輸大臣の許可を得て云々ということが法文の中に、先ほどの自衛隊とか米軍の除外等の中にもあるわけなんですが、こういう場合には、大臣はこまかいところまで、事務的なことまで頭を突っ込まれるということはないと思うので、長い経験を持っておられる航空局の幹部の意向というものが、そのまま大臣に報告されてオーケーとなると思います。したがって、そのことを考えてみますると、文章の上においては運輸大臣の了解を得たもの云々とか許可をしたもの云々とか、こういうようなことが往々に書いてあるわけなんで、そういう点の手続はいままでどういうようになされておるのか、これもお伺いをいたしたいと思います。こういう問題は、往々にして運輸大臣のところまで報告がいっておらぬというようなことは、これは運輸省ばかりでなく、各省にこうしたことがちょいちょいあるわけなんです。だから、こういう重要な問題を検討しておるのでございまするから、他の省にもあることでございますので、あえてその点のルールを御説明をしていただかないと、ちょっと困ると思います。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 先生が例に出されました、たとえば航空法百三十七条の規定による防衛庁長官に対する委任でございますが、これにつきましては、もちろん部内で決裁を大臣までとりまして、しかも委任のやり方につきましては、覚え書きのようなものを出して、文書でその実施の方法その他につきましてもお打ち合わせをしておる次第でございます。ただ、航空法の手続の中には、現実的に非常に日常的に多く出る事務も、先生御承知のようにございますので、それらにつきましては、運輸省内部の文書の処理規定によりまして、いわゆる航空局長の専決事項というようなものも定めていただきまして、そういう処理をいたしておるのもございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 そこで、航空法の三十七条、いわゆる航空路の指定の関係、この点も、運輸大臣の指定に基づく方法によらなければならないことを、引き続いて航空法の九十六条に規定をしてあるわけなんです。しかし、この内容を見ますと、たとえば地上または水面から二百メートル以上の高さの空域で云々というようなことが事こまかく書いてあるわけなんですが、こういう点を管制官としてやかましく監視をしており、また指示をしておるかということに、私問題があろうと思うのです。こういう点につきましては、すなわち先般の航空事故の場合に、若干霧が切れておったとかおらないとかいうようなこともございましたし、そして水面なり地上から二百メートル以上の高さの空域で航空交通の安全のための運輸大臣が航行を公示されておるというこの内容を指示しなければならないということになろうと思うので、こういうような点からいきまして、完全にこういうようなものが指示され、守られておるかということについての疑問が残るわけでございますので、その点も明確にしていただきたいと思います。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 航空交通の指示につきましては、御承知のように、非常に責任の問題、あるいは直接事故に結びつくというような重大な責務を負っておるわけでございますので、これらに関する、たとえば最低気象条件その他につきましては、専門的な調査を経ましたものを分析し、出すというような方法で法令の定めをきちっとしておるわけでございます。したがいまして、現実にこの指示を与える者が、それらの条件に合っているかどうかということの事実を確認して業務をやり得るようにいたしておるわけでございまして、そこに何らか特殊な判断を要するというようなことを避けるという制度上のたてまえをとっておりますことは、先生御承知のとおりでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 たとえば海上衝突予防法等の規則を見ますと、第百八十一条とか百八十二条の規定と同一の規定で設定はしてありますが、それは政令をもって行なっておるのであって、私はこういう重要視される航空行政下においては、独立した航空衝突予防法を成立させる必要があるのではないか、こういうように考えておるわけなんですが、この点はどういうようにお考えですか。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 この点につきましては、御承知のようにわが国の航空交通につきましては、わが国独自の航空交通もございますが、世間民間航空機構、いわゆるICAOというものがございまして、その安全交通について検討をして、そのもとにいわゆるICAO条約というものを出しておるわけでございまして、わが国の航空法もそれに準拠しておる。つまり航空法自体もICAOの基準に合ったものであり、いわゆる世界の航空交通の安全というたてまえから規定されておるものというふうに考えておるわけでございます。ただ、先生の先ほど来いろいろ航空の交通安全に対する具体的な検討点の御指摘もございますので、そういうような問題が運用の問題にとどまりませんで、将来法令の改正というようなものを必要とする場合がありますならば、そういうような点についても、十分われわれとしては検討を進めてまいりたい、こう考えておるわけでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 特に私が独立立法として制定する必要があると申しますのは、昭和三十五年の三月十六日の小牧の飛行場における全日空機と自衛隊機の衝突事故、こういうようなものを見ましたときに、もう少し独立立法によってこうした事故を防止させるような厳格な法律のもとに運航させる必要があるのではないか、そうしてまた管制官も、そういう法律を頭の中に入れて厳格に管制をする必要があるのではないか、こう考えて独立立法という点を取り上げたわけでございますので、いま具体的に小牧の飛行場におけるところの問題を取り上げたわけでございますが、何か以後再びこうした事故のないための手を打たれたことがあるのかどうか。そのときどういうような行政指導を行なわれたのか。この点もお伺いをいたしたいと思います。これは自衛隊機との衝突ですから、自衛隊のほうにも関連がある。だから、両方からひとつ御答弁をいただきたい。どちらでも、早く頭に浮かんだほうからひとつ答弁してください。

井口孝文防衛庁書記官(防衛局第一課長)

○井口説明員 自衛隊機と全日空機の小牧の飛行場における衝突事故につきましては、もちろん飛行機の事故でございまして、重大な損害が出たことでもございますので、その後も非常に深く検討たいしたわけでございます。あの飛行場は、運輸省の管制をやっておられますところに自衛隊が同居させていただいておるという形の共用飛行場でございます。平素から何かといろいろな面で緊密な連絡をとって不都合なことのないようにいたしておるわけでありまして、もちろんあの事故の後は、定例的に会合を開いたりしまして、その点につきましては十分な配慮をいたしておるわけであります。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 三月十六日全日空のDC3が名古屋空港において自衛隊機F86Dと衝突、乗客二名、乗員一名死亡、先生のおっしゃっているのはこの事故の関係かと思いますが、これはその後の調査の結果、特に法令その他の改正という問題は生じませんで、むしろ管制の組織、運用、管制官の技量、その他の問題を検討しなければいかぬのではないかということで、当時臨時に運輸事務次官を本部長とする航空事故対策本部を設けまして、そういう検討をいたし、なお全国の管制官に対しまして管制要領の周知徹底をはかったというふうな記録がございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 航空規則の百二条において明記されておる内容を順守されておるかどうかという点が、私は疑問があるわけなんで、その点についてひとつ。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 航空法施行規則の百二条は「法第四十三条第一項の規定による航空保安無線施設について許可を受けなければならない重要な変更」という内容がありますが、それについてのお尋ねでございますか。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 それを完全に順守されておるかどうかということを聞いておるのですが、御自信がございますかどうかということです。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 百二条について、現在何か特に問題があるというふうには私の記憶はございません。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 そのことと関連もありまするが、この間の事故等にかんがみまして、規則の二百九条の位置の通報、これは羽田の場合を例にとってお答えをいただけばよろしいですが、二百九条に基づいて、羽田空港は一体位置の通報をどういうような定めをしておるのかということを、まずお聞きをしたいと思うわけです。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 IFRの場合には、御承知のとおり、羽田周辺に数カ所のレポーティング・ポイントがあるわけであります。VFRの場合には、江戸川、読売玉川、本牧というような三つの位置の通報点を定めて、現実に羽田においては実施しておるという状況でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 同じく規則の二百九条の二のほうの航空情報の関係ですが、航空機の運航に必要な事項はこれを提供するとしてありますが、羽田空港は何を提供しているか、具体的な事実としてひとつ述べていただきたい。これは、私は今日の富士周辺の事故の気象、高度の情報等にも関連があろうと思いますので、必要な注意事項の情報の提供をどういうように行なっておるかどうか。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 航空情報につきましては、先生御指摘のように、航空機の運航につきまして非常に重要なものでございますので、ここに書いてあるような項目につきまして情報を提供をしておるというように、われわれも承知しております。いわゆるNOTAMセンターというもので必要なNOTAMをそこに集めて、そのつど必要な情報が確実にとれるような措置をしておるというふうに承知をしております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 箱根の上空もそうですし、富士山の周辺もときおり気象関係の変化があるわけです。こういう情報は、これはBOAC機の飛び立ったあと、あるいは先に、または飛行中に、航空機に連絡を何かされたのかどうか、これは全くわからずに終わっておるのかどうか、この点をひとつお伺いをいたしたい。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 気象状況につきましては、気象庁長官からもお話がございましたが、羽田に気象専門施設を設けて、それぞれの航空機に対して、出発前にいわゆるブリーフィング、気象状態の説明をいたしているというようにわれわれは承知しております。したがいまして、異常な気象状態その他がございますれば、そのときに承知をして飛行し得るという状態に置かれているわけでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 先般の事故のときには、これはどうでしたか。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 これは具体的な内容でございますので、むしろ気象庁からお答えいただいたほうがいいかと思いますが、気象庁は必要な気象情報を提供しておったという説明をしておられるわけでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 気象庁、帰っていただいたから、これはまあわかりませんが、あなたのほうで確認されておることは、必要な情報というものは送っておるという、こういうことなんですか。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 田口委員のいまの質問の要点でございますが、これは私も、あの事故直後、新聞等で見たのか、だれからか聞いたのか、どうも気象情報の提供したのがおくれておったというようなうわさを聞きましたので、直ちに気象庁長官を呼んで調べましたのですが、大体その日のあれは、何か規定によりまして時間もきまっておるそうですが、午前十時に気象庁がつかみ得るだけの十分な資料を提供しておる、私はそれをつぶさに説明を聞きまして、これだけの情報を聞いておれば、機長は的確な判断はついたはずである、かように考えた次第でございます。

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤(光)政府委員 先生、恐縮でございますが、先ほど名古屋の事故の結果で、一応手続的な報告だけを申し上げましたが、いま確かめましたら、その後施設あるいは人員の面においての措置をした事項について、追加御報告をさせていただきたいと思います。  先ほど申し上げましたように、いわゆる計器着陸装置、ILSというものを名古屋に設置をして、この誘導の安全に対してさらに強い措置をした。この際いろいろ管制官の待遇が問題になりまして、管制官について三直四交代を四直五交代というようなことにしていただきまして、勤務条件の緩和をはかった。同時に管制官の待遇改善という問題のもう一つの一環といたしまして、調整額、例の八%の額でございますが、これを契機として実施をしていただいた、こういうことでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 まだまだ具体的にお聞きをしたいことがたくさんございまするけれども、周囲のいろいろな事情もあるようでございますから、私の質問は打ち切ります。なお、お聞きをしたいことがありまするけれども、三つの大きな事故があっただけに、日本の航空行政というものに真剣に航空局も取り組んでおられると思います。運輸省も責任省として取り組んでおられると思うし、また政府としても大きな関心を持って、四たびこういうような事故をなくするために努力されておると思うのです。その原因になるものは、ただいま申しましただけでも相当ございまするが、なお、私はいろいろ条文的に見てもう少し条文を順守してもらわなければならないのではないかという点がございまするが、これは今後の対策に期待をいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 田口委員の要望は、大体私ども了承して、その方向で努力いたします。ただ、今回起こりました事故は、設備の不十分とかあるいは管制の責任というようなことではない、かように私は信じております。これは事故調査の結論も待たなければなりませんが、しかし、この事故にかんがみまして、国民の中に航空機に対する不安の念が起こっておるということも、これは事実でございます。一時も早く国民に安心して飛行機に乗っていただくことのできますように、設備あるいは人員の整備、そのほか万全を期して、政府といたしましても全力をあげて処置いたします。一刻も早く国民に安心して乗っていただきたい、そういう体制をつくることに鋭意努力をいたしておる次第でございます。

木村武雄自由民主党

○木村委員長 次会は、明四月一日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十三分散会

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