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51回国会衆議院1966/03/29

内閣委員会 第21号

発言数
141
登壇者
18
会派数
3
開催日
1966/03/29

会議録

木村武雄自由民主党

○木村委員長 これより会議を開きます。  通商産業省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 通産省の設置法の改正につきまして、一点にしぼって御質問いたしたいと思います。  今回の改正は四点ありますが、そのうちの一点である高圧ガス保安審議会を高圧ガス及び火薬類保安審議会に改めようというのがあります。そこでまずお伺いしたいのですが、いままで火薬類の保安については、そういう審議会がなかったと思うのです。そうしたら、どういうことでやっておりましたか、それをお伺いいたします。

伊藤三郎通商産業事務官(軽工業局長)

○伊藤政府委員 火薬類につきましては、審議会はございませんでしたが、別途、委員等に対する謝金の予算がございましたので、これによりまして、法律によらない審議会でございますが、協議会という形で意見を聞いてまいりました。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それもやはり国家行政組織法第八条による付属機関なんですか。

伊藤三郎通商産業事務官(軽工業局長)

○伊藤政府委員 これは第八条による付属機関ではございません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 国家行政組織法では、いわゆる三条委員会と八条委員会というのがありますが、三条委員会は、俗に行政委員会ともいわれており、法律では行政組織になっておる。八条委員会のほうは、付属機関、こういうことで呼ばれておりますが、三条のほうは法律によらねばならない。八条の場合は、必要ある場合は法律によるというようになっておりますが、今日まで、いわゆる国家行政組織法八条の付属機関であって、法律によらないものが幾らくらいあるか。あると思うのですが、他の省のことがわからなければ、通産省関係だけでよろしい。他の省の分にわたっては、行管が見えておるはずですから、行管にお伺いします。

大慈彌嘉久通商産業事務官(大臣官房長)

○大慈彌政府委員 通産省には、ほかにございません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 行管見えておるのでしょう。それでは見えてから。  通産省には、いわゆる法律によらないところの八条の付属機関というのはないわけですね。すべて法律によっているわけですね。

大慈彌嘉久通商産業事務官(大臣官房長)

○大慈彌政府委員 さようでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そうしますと、付属機関のうちで、いわゆる実体法に足を持っているもの、たとえば百貨店審議会というのは百貨店法にありますね。あるいは割賦販売審議会というのは割賦販売法にある。今日、この改正しようとする高圧ガス保安審議会も、実体法に足を持っておる。ところが、実体法に足を持たなくて、設置法二十五条だけで設置せられているものがあるわけです。この実体法に足を持つものと、設置法二十五条だけで設置せられておるものとは、どう違いますか。

大慈彌嘉久通商産業事務官(大臣官房長)

○大慈彌政府委員 審議事項と直接関係のある実体法がございます審議会については、その実体法で審議会の組織等を規定をしております。それから審議事項と直接関係のある実体法がない審議会があるわけでございますが、そういう審議会については、設置法のほうで規定をしておりまして、組織等は政令にゆだねるというのが、普通の例でございます。  なお、審議事項に直接関係がございます実体法がある場合でございましても、実体法が二つ以上ございまして、その間に主従の関係がない場合というような場合には、どちらか一方の実体法で規定するということが適当ではない、こういうために、設置法のほうに譲っているという例がございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 じゃ、実体法において、何々審議会の議を経てとか、何々審議会の意見を聞いてとかいうような規定がある場合のみに実体法に足がある審議会であって、そうでないものは設置法二十五条によって設置されておる、必ずしもそう言えないんじゃないですか。

吉光久通商産業事務官(大臣官房参事官)

○吉光説明員 私のほうからお答えさしていただきます。ただいま御質問ございました実体法と密接な関係という関係でございますが、いわゆる実体法の中で必要的諮問事項がついているもの、たとえば通産省関係で申し上げますと、石油審議会でございますとか、あるいは石炭鉱業審議会でございますとか、これは法律自身で審議会に諮問しなければならないというような必要的諮問事項がついている。そういうものと、実体法の中に密接な関係はございますけれども、必要的諮問事項がついていないものが、たとえば電気事業審議会でございますとか、輸出保険審議会でございますとか、実体法自身では必要的諮問事項をつけておりません。こういうふうな二種類のものが、現行法ではございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 国家行政組織法第八条のいわゆる「附属機関」、これが三つに分かれるわけですね。一つは、実体法にあって必要的審議事項を持つ、そして実体法によって設置されているもの、次は、実体法によって設置せられているが、必要的、法律的な審議事項は持たないもの、及び通産省設置法二十五条段階だけに置かれておる、こういう三つに分かれるわけですが、それぞれの権限はどう違いますか。もちろん実体法で考えなければならないという必要的審議事項が含められているのは、それはやるというのは当然ですがね。しかし、付属機関として甲乙がありますか。どうです。

吉光久通商産業事務官(大臣官房参事官)

○吉光説明員 付属機関としての甲乙はございません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 実際そうだろうと思うのですが、私は、そういうところに少し考え方を整理しておく必要があるんじゃないかと思うのです。何とならば、今度の改正にいたしましても、いままでは高圧ガス取締法に設置がきめられておったのを、火薬を含めて二十五条だけで設置するということによって、高圧ガス取締法の六十七条から七十二条まで、いわゆるこの審議会の設置とそれから組織、運営、そういうものの条文を削除することになっていますね。ということは、私は、ある意味で重要だと思うのです。もちろん設置はともに法律です。設置法も法律、実体法も法律、したがって設置は法律になるけれども、今日まで、この高圧ガス保安審議会は、その組織及び運営は法律事項である。ところが、この改正によって、今後、この審議会の組織——設置は法律です。まきに設置法二十五条は法律です。しかし、その組織及び運営、これは政令事項になりますね。このことは法律事項を政令事項に改めていく、言いかえれば、今日まで法域、法律の区域であったものを行政の区域に持っていく、こういう改正になりませんか。このことは、そうたいして問題がないように考えられますが、しかし、その審議会の運営、組織、これが法律事項だったのです。この法案が通ると、それは政令事項になる。私も、予算委員会以来、いわゆる行政が法の範囲までもおかしつつあるというならば、行政が立法に挑戦している、こういうことを通産大臣にも申し上げたと思うのです。これも一つのあらわれだと思うのですが、通産大臣、どうお考えになりますか。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○三木国務大臣 これはまあ立法に対する行政の挑戦であるというふうに、非常にこのことが大きな意味があるように田中さんおとりになっているようですが、通産省として格別他意はないのであります。従来こういう例が間々あるわけですから、こういう例に従って今回こういう審議会にしたわけで、この立法に対して挑戦など考えてやったものでは断じてないわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 いままでにも例がある、そのとおりです。何もこれは通産省だけではなくて、他の省庁にもあらわれている現象です。しかし、そのこと自体はたいしたものではない、そういうことで次々とそれが積み重なっていくときに、私は政令が法の領域を侵している、そういう結果が出てきていると思うのです。今日まで法律事項であったものを、その改正によって政令事項に持っていく。行管のほうはあとにいたしまして、それじゃその一つの例を申し上げたいと思うのです。ここで火薬のことが出ておりますので、火薬類取締法に例をとってみたいと思います。火薬の認可——あれは許可ということなのですか、製造の許可あるいは販売の許可につきましては、法律には許可の条件、基準がきまっております。そしてこれこれのものには許可をしてはならないという、欠格事由というのがあります。しかし、その欠格事由もなく、許可基準に合った場合には、許可をする、その場合は、法律は別に何ら規定をいたしておりません。いわゆる制限的許可、認可というものはないわけであります。ところが、そういう場合に、これは一つの行政指導ということになるのではなかろうかと思うのですが、念書を入れさせる。具体的なものにつきましては、いつか一度これを例にしたことがありますが、あらためて申し上げますが、昭和三十九年七月十六日に協同アンホ製造株式会社なるものに火薬類取締法によって火薬の製造販売の許可を与える場合に、当時のこれは倉入局長に対して、その代表取締役社長から念書なるものを入れさしておる。そして販売は直接間接の出資会社の自家消費用に限定し云々ということを入れている。このこと自体は、法律を行政指導といいますか、これによって修正する、そういう結果になっておると思うのです。もちろん、このことは強制したものではありません、こうお答えになると思います。しかし、何も言わないのにこういう念書を入れるわけはないと思うのです。そうなると、表向きはいずれにいたしましても、裏では念書を入れろ、こういうところ以外には販売をしないのだ、あるいはこういうものはつくらないのだ、こういうことを約束しろ、でなければ認可はしない、許可はしない、こういうことが行なわれていると思うのです。まさに行政権による法の修正であります。どうお考えになりますか。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○三木国務大臣 私もそのときの事情はよく存じませんが、おそらく許可の申請のときに、先方からこういう営業方針であるということを向こうが述べて、それでこういう念書ということになったんだろうと思うのです。したがって、これをすれば許可してやるとかというのでなしに、先方の営業方針で、それを念のためにこういう念書にして出してもらおうというのが、いきさつではなかったかというふうに考えるのでございます。したがって、行政が非常にこれを制限するとかいうような、そういう性質のものではないのではないか、こういうふうに私は考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そのいきさつはあった。しかし、少なくともそういうことを約束しなさい、でなければ許可はいたしませんということが、裏にあったことは推測にかたくないわけです。そのことは、やはり無条件で法が認可をしておる、あるいは認可をしないかするかだけにかかっておるわけです。それが条件づき認可ということになるわけです。そうじゃありませんか。この火薬取締法の許可ということは、条件づき許可ということじゃないですか。そういうことが往々に行なわれておると思うのです、いわゆる行政慣習か何か知りませんが。  そこで、少し行政法上の問題に入ってみたいと思うのです。行政上の行為を分けましたら、いわゆる行政行為、それから行政強制、それから公法上の契約、そして私法上の契約といいますか、私法的手段、それと事実行為、おそらく、この五つに行政上の行為は分類できると思うのです。そのうち、一から四までは法律的効果を生む結果になります。ところが、五の事実行為——おそらく、いわゆる行政指導あるいはこの念書を入れしめた行為は、事実行為だとおっしゃると思うのです。これは直接法律的には効果を伴わないということが、事実行為だと思うのです。ところが、実際面におきましては、この念書を入れたこと自体は法律的効果を伴わないとしても、法律的効果に制限を加えたということは間違いない事実なんです。行政法上の行為から見て許される行為かどうか、ひとつお答えを願います。

伊藤三郎通商産業事務官(軽工業局長)

○伊藤政府委員 この念書の効果でございますが、火薬類取締法の四十八条にいう条件ではもちろんございません。したがいまして、この念書の法律的な効果としましては、この念書どおりしなくても別段問題はない、道義的な問題は別といたしましても、法律的にはどうこうということはないわけであります。そういう意味で、念書を提出したことは、法律的に何ら拘束しておるということではないと考えます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 法律的効果を拘束しておるというならば、まさに行き過ぎはわかっておるのですよ。違法行為であることはわかっておるのですよ。しかし、事実上において、これは法律の許可の範囲というものを定めたという結果になっておるのじゃないですか。

伊藤三郎通商産業事務官(軽工業局長)

○伊藤政府委員 念書を提出した企業者の判断でみずから狭めておるということには事実上なると思いますが、そういうふうに法律的に強制をしておるということではないわけであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そのみずから制限しているということが、自己の意思に基づくものであるのかどうかといえば、そうではなくて、やはり許可、認可を持つ役所の意思、そのことによってみずからの行為を制限しておる、そういう結果になっておるのじゃないですか。  そこで、続けてお伺いしますが、それでは事実行為あるいは行政指導、この限界はどういうところにあるのか、こう考えた場合に、まず第一点は、その行政庁に認められた権限の範囲内であることは、当然だと思うのです。それから第二点としては、行政機関があり得たいと望む一定の秩序に相手方を誘導する行為でなくちゃならない。いわゆる法人、個人、団体に対して、行政機関の望む秩序、あるいはこうありたいという方向への指導だと思うのです。第三点としては、あくまでも自発的な協力、同意の形式をとる、こういうふうに分析できると思うのです。そこであなたは、この念書なるものは、あくまでも自発的な協力であり、同意である、こうおっしゃると思うのです。しかしながら、大臣、行政庁は強い権力を持っています。それをだんびらをうしろに隠しながら、自発的にやれとか、あるいは自主的に念書を入れなさいと言ったって、これは自主的とは言えないと思うのです。そこで、ここに権力をうしろに持ちながらやる行政指導なり、そういう行政上の事実行為が、大きな問題になります。さらにもう一点は、行政庁の望む秩序とは一体何なのか、あるいはこうありたいと願うところの方向で指導をするということは一体何なのか。そこでこの念書を例にとってやるならば、一体この念書を入れしめることは、火薬の製造、販売ということに対して、いかなる秩序をあなたは頭の中に考え、どうあるべきが正しいと考えて誘導行為をされたのか。  それから大臣には、第三点の、あくまで自発的な形式はとっておいても、そういうことは実際あり得ないのだ。したがって、行政行為については十分なる注意——またそうでないというならば、行政行為の行き過ぎた点については、幾らでもあげてみせます。その点につきまして、ひとつ御答弁を願います。

伊藤三郎通商産業事務官(軽工業局長)

○伊藤政府委員 協同アンホ株式会社は、大館地区の金属鉱山の消費する硝安、油剤、爆薬につきまして、自家消費を目的としてこの会社が設立された、そういういきさつになっておるわけでございます。そういうたてまえからいたしまして、この会社ができますと、当然予定する自分のほうの消費者に直売をすることになるわけでございます。したがいまして、一般の火薬の流通機構の場合よりもより安くなるということは、当然予想されるわけでございます。一般の産業火薬の流通機構といたしましては、卸、小売りの段階を通じて販売をいたしておりまして、全国で千以上の商業者が従事しておるわけでございます。流通機構の存在理由といたしましては、火薬の場合に、たとえばダイナマイト一本、二本というふうにごく少量ずつ取り扱う場合もあるし、あるいは種類別、サイズ別にいろいろなものをそろえなければならない、あるいは古くなったものは取りかえなければならぬ、そういうようなことで、それぞれの存在価値があるわけでございます。また、大体中小企業が大部分を占めておる分野でございますので、既存の流通機構に急激な変動を与えることは好ましくないという意味で、この念書の趣旨は適当であるというふうに考えて、念書の受理をしたわけでございます。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○三木国務大臣 これは聞かなくても——こうやって念書を入れたからといって、法律的な拘束力はないのです。しかし、田中さんの言われることは、私にはわかります。やはり通産省は権力を持っておるわけですから、したがって、いわゆる企業者側というものは、あるいは弱い立場にある場合があるかもしれない。したがって、今後こういう——これは動機は自発的なものだと思いますよ。自分が、許可申請をしてくるときに、こういうことをやるのだ、自分の会社はこういうことで、自分の自家消費のような形のものをやるのだということで、それが最初はあったに違いない。そういうことで念書ということになったのでしょうが、これは何も法律的拘束力はないわけですから、そういうことですけれども、こういう念書というような形式がひんぱんに行なわれるということに対しては、いま言われたような弊害もありましょうから、これはやはり注意をいたさなければならぬ点だと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 時間もないので急ぎたいと思います。残余の点は、またあらためてやりたいと思います。  そこで、大臣はそのようにおっしゃっておるが、私はまだすっきりいたしません。そこで、いわゆる法律による行政原理というものをちょっと考えてみたいと思います。いわゆる事実行為、行政指導、こういうものが、どういう法律との関係にあらねばならないか、こういうことを考える。すなわち行政行為の法律的見解とでも申しますか、まず積極面としては、国民の権利義務に変動を生ずる場合、不利益を課する場合、これは法によらねばならないのは当然だと思います。それから消極的な面からいえば、行政が法律に違反してはならない、そういうことになろうと思います。したがいまして、たとえば法令が定める書類以外の書類を添付することを要求する行為、あるいはその行為を要求するあとにいわゆる強力なる権力、通産省の権限をもってそれがなされたような場合には、問題があろうと思う。  いま大臣が言われたようにアンホの念書を理解するといたしましても、まだ疑問が残る。私はそれはそのままに受け取るとしても、念書等を入れさすとか、それが、いわゆる法律が要求しておるもの以外の書類を添付せしめるということになるのではなかろうか。そういうことであるならば、法の修正という結果が起こるのではなかろうか、そのように考えるわけです。そこで行政上の行為、行政指導、これが消極的な面としては法律に違反してはならないということ、これを取り上げた場合に、その法律とは一体何だろうか。これは成文法だけであろうか、いわゆる条理法を含むか。平等原則あるいは公平原則、そういったような条理法ともいいますか、成文法だけではなくて、条理法をも含むのではないかと考えるのですが、いかがですか。これは大臣でなくて、行管でもよろしい、あるいは法務省でもよろしい。いわゆる消極的な面としては、法律に違反してはならない、その法律はいわゆる成文法だけか。私は条理法、すなわち平等原則、公平原則、こういうものも含まれると解するのですが、いかがでしょう。

吉光久通商産業事務官(大臣官房参事官)

○吉光説明員 これは通産省からお答えするのが適当かどうか、限界はあろうかと思いますけれども、一応通産省での考え方と申しますか、そういうものについて申し上げたいと思います。  ただいま御質問ございましたように、条理法というものも、行政をつかさどる者に対して相当程度の拘束力を持っておるというふうに判断いたしております。現実の問題といたしまして、事実行為でありましても、やはり誠実の原則でございますとか、比例の原則でございますとか、平等の原則でございますとかというような意味の基本原則は、あくまでもすべての、広い意味の行政行為をいたします場合に、共通に支配しておる一つの原理ではないだろうかというふうに考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 私も同感なんですが、そこで、いわゆる法に反してはならないという理念の中には、条理令、比例原則、平等原則、信義則、こういうものに反してはならぬ、こうなった場合に、一つのものを認可し、許可する場合に、片や何らの措置をとらずに認可をする、片やは、たとえそれが自発的だと称しても、法に定めなき書類を添付せしめる、これは平等原則あるいは比例原則としていかがなものでしょう。それが条理令に反するとならば、すなわちその行政指導は、法律に反する行為であり、無効である、行政上の行為は、それは行き過ぎであり、違反である、こういうように思いますが、いかがですか。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○三木国務大臣 これは私は田中さんのように法理論に詳しくはないですけれども、しかし、言われることはそのとおりだと思いますが、この場合は、いきさつはおそらく本人の自発的な意思から出発したでしょう。しかし、このこと自体が法律的な効果はないですから、これで拘束することはできない。まあ念書を出したという道義的なものはあるでしょうね。それだけで、拘束力はないので、そのことによってこの行為が無効である、そういう行為は取り消さんならぬ、そういうものではない。自分はこういうことにいたしますということでこれを出したのですから、だからそういう点の道義的拘束力はあっても、法律的には、こんなものを守らなかったところで、何もこちらのほうとしてはこれに対してとやかく言うものはない。ただしかし、私はあなたにお答えしておきたいのは、こういう念書などは、あまりこういうものはやるものでない。念書というようなものでいろいろそれに対して許可するかしないかという単純な形は、行政の形としては、むしろ念書という形で道義的にはある程度拘束力はあるでしょうから、そういうことはいま言われた諸原則の上からいって好ましいことではない。だから、こういう念書ということによって行政をやることは、できるだけ避けていきたいと考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 法律的効力を持たないのだ。それは当然のことだが、その上に立っての答弁ですから食い違ってくるし、最後に、こういうことは好ましくない、そうおっしゃったので、一応この点についてはおさめておきたいと思います。  そこで、行管が見えておりますので、お伺いします。  いわゆる行政指導、行政上の事実行為、このことが相当行き過ぎておる、そういう例は幾らでもあります。ところが、行管といたしましては、毎年行政の監察を行ないましていろいろ勧告をなされているようでありますが、いまだかつてこの行政指導、これに対して指摘をしたり考えられたようなあとがあまり見えませんが、いかがでしょうか。そういう行政指導の行き過ぎ——先ほど来私が申し上げておるように、行政指導がややもすれば法の領域を犯しておる、あるいは事実上の法を改正するような結果をもたらしておる、そういうようなことについて、行管はいかなる態度をとられるか、どう考えられておるか、お伺いします。

稲木進総理府事務官(行政管理庁行政監察局長)

○稲木政府委員 行政監察局といたしまして、特に行政指導の面に着目して監察を実施しておるのは、特別にはございません。ただ、私どものほうでかつて、三十八年ごろだったと思いますが、許可、認可に関する行政監察というものをやったのです。その際に、法令に基づいで許可、認可制度というのが本来運営されるわけでありますけれども、法令に基づかないで許可、認可のような実際の姿をとって行なわれているものがあるということがわかりましたので、そういう点につきましては、ただいまお話しのいわゆる行政指導というような概念に当てはまるかどうか、これはそのケース、ケースによって多少違うと思いますけれども、法令に基づかないで許可、認可まがいのようなやり方をやるのは、必要な場合もあるでありましょうけれども、必ずしも適当じゃない場合もあるのじゃないか、そういう点を若干調査いたしまして、そういう点につきましてはなるべく避けるようにしたほうがいいのじゃないか、こういうような趣旨のことを関係の省にお話ししたことがございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 何か抽象的な答弁ですが、いわゆる勧告操短だとか、あるいは許可、認可にあたって念書を入れるとか、そういう行為について監察したことがありますか、こう聞いている。

稲木進総理府事務官(行政管理庁行政監察局長)

○稲木政府委員 念書というようなケースは、そのときには見当たりませんでした。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 勧告操短とか、そういうものについてはどうですか。

稲木進総理府事務官(行政管理庁行政監察局長)

○稲木政府委員 たとえば、これはちょっと例がほかのことになりますけれども、農業共済組合連合会における役職員をきめるよらう場合に、農林省が事前に、どういうふうになっているのだというようないわば事前承認みたいなかっこうをとっている。これは法令に根拠がないからやめたほうがいいのじゃないかというようなこと、たとえばそういうようなことを約二十ぐらいあげまして、そしてそれを改めるように勧告したことがございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 行政が最近ますます多種多様化してくる。したがって、いわゆる行政指導ということも複雑化してくる。その中に、往々にしてやはり法域を侵すようなもの、行き過ぎたもの等があるので、これは所管大臣はもちろん考えていただく。同時に、行管としてもそういう面についても十分なる行政監察を今後行なってもらいたい、そういうことを希望しておきます。  そこで、時間がないので次にいきますが、いわゆる行き過ぎた行政指導——それは行き過ぎであるかどうか、いろいろ問題があろうと思いますが、いま私が申し上げましたような法律上の積極的要件あるいは消極的要件に合わなかった場合、あるいは事実を誤認した場合、あるいはそのことに対して将来の見通しに誤りがあった、いわゆる過失があった、こういうことは考えておかねばならないし、またあり得ることだと思うのです。その場合、当事者並びに第三者に与えた損害、これは消極的損害をも含むと思いますが、そういうことに対して、その行政庁は責任をとらねばならない。いわゆる行政指導による被害者救済の問題です。そこで、これを考えてみました場合に、まず第一に何があるかといえば、行政不服審査法があります。しかし、行政指導はいわゆる行政処分ではない。したがって、行政不服審査法ではどうも救済されないだろう。それから次に行政事件訴訟法のいわゆる行政訴訟の対象になる場合、これも当事者としての範囲が限定せられておる、同時にこれも行政処分ではない、こう考えたときには、これらの適用もない。それでは泣き寝入りになるのだろうか、こう考えるわけですが、国家賠償法の対象にはなるのではなかろうかと考えるわけですが、法務省にお伺いいたします。国家賠償法第一条には、公権力の行使、それから公務員の故意、過失、これが要件となっております。そこで公務員の故意、過失は一応別にいたしまして、公権の行使の中にいわゆる行政指導が入るか入らないか、お伺いいたします。

青木義人検事(訟務局長)

○青木政府委員 お答えいたします。いわゆる行政指導と申しましても、いろいろな形があろうかと思いまして、一がいには申し上げかねるのでありますが、国家賠償法自体の解釈といたしましては、第一条に「公権力の行使」と、こうありますけれども、現在のわれわれの考え方といたしましては、直接の公権力の行使という形にあらわれなくても、もう少し広い意味の行政作用もやはりそこに含めて解釈していいのじゃないかと思っております。もし第一条に入らないとすれば、これは民法の不法行為の適用があります。いずれにしろ違法行為であれば、損害賠償の義務を国が負担することになろうかと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 民法の七百十五条ですか、これはもう当然でしょう。しかし、私が言っているのは、国家賠償法によるものなんです。結論的には大体同じように考えるのですが、これは学者の解釈等も狭義と広義があります。狭義に解釈した場合には、国家統治権に基づく優越的な意思の発動たる作用、公権の行使をこう考えておる。それから広義に解釈する場合は、行政行為のうち、あるいは国家行為のうち、私法上の問題、私経済作用を除くすべての公行政作用を含む、こういうふうに解しておる。この場合、広義に解することによって、そういう行き過ぎた行政行為というか、行政指導は、国家賠償法の対象になる、いわゆる公権の行使に当てはまる。あなたもそうであろうと言われたのですが、間違いありませんね。私はそう解するわけです。

青木義人検事(訟務局長)

○青木政府委員 いま仰せの後者の説であります。最近の下級審の判例の大勢も、そのように向いております。私どもも、そのほうが妥当であろうかと考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そうすると、あとにいわゆる公務員の故意または過失、こういうことになるわけですが、行政指導を行なった場合に、その現実の経済情勢あるいは将来の経済情勢の見通し等に誤りがある、そのことによってなした行為によって損害をこうむったものに対しては、これは公務員の過失と言えますか。あるいはその行政指導をする場合に、ある一定のところ、あるいはその当事者のいずれかに損失を与えるであろうということはわかっておった、しかしかまわない、こういうことでやれば、これは故意になると思うのです。あるいはむずかしく言えば未必の故意とでも言えると思うのですが、そういう点については、法務省はいかなる見解をお持ちになりますか。

青木義人検事(訟務局長)

○青木政府委員 国家賠償としての請求が成立いたしますためには、行為自身が不法行為法上の違法行為と評価される必要があると思います。さらにいま仰せの行為者に故意、過失がある、さらにまたその行為と損害との間に相当因果関係がある、これら諸要件を満たした場合に、初めて国家賠償請求権が成り立つわけであります。  第一の違法行為かどうかという要件は、これは一般に、単に行政法規に違背したということだけで違法行為とは直ちには即断できないのであります。やはり不法行為法上の違法行為として成立しなければならぬと思うわけであります。  さらにまた、故意、過失の問題になりますと、個々の具体的事案に応じまして考えていかなければなりませんので、一がいにはちょっと申し上げかねるわけであります。  さらにまた、因果関係の問題につきましては、相手方が同意をしておるという場合に、その因果関係が中断されて因果関係が成立しないかどうかという、こういう問題もあるわけであります。さような点は、やはり一般の社会観念上、ある行為をすれば相手方のほうでそれに応じてこういう結果になるであろうということを当然予測しながら行為をした、こういうことになれば、因果関係はまた認められる場合もあろうかと思うわけであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 故意あるいは過失の認定、あるいは因果関係が継続しておるかどらか。いまおっしゃったように、同意という行為があった場合には因果関係は中断しておる、いろいろ問題はあろうと思う。しかしながら、この同意たるや、先ほど来私が言っておるように、うしろに行政の大きな権力を持っておる場合には、意思に反する同意もある。まあそういうことはいいといたしまして、ここでは行政行為によって、あるいは行政指導によって損失をこうむり、あるいは一般的第三者、たとえば不況カルテルの問題とか操短勧告等は、一般消費者も損害を受ける中には入るのではなかろうかと思うわけでありますが、そういうものの救済の道を閉ざされておるということであってはならないと思う。したがって、そういうものに対する救済の道はあるのだ。先ほど来言っておるように、行政不服審査法ではだめだ、行政訴訟法でもだめだ、こうなれば、国家賠償法によって救われる道があるのだということだけは明確にしておきたいのですが、それでいいですか。

青木義人検事(訟務局長)

○青木政府委員 いま仰せのように、一般の行政指導といわれるのは、それによって直ちに法律関係を変動さすものではありませんので、行政不服審査法並びに行政訴訟法の対象にはなりかねると思うわけです。ただ、国家賠償法の損害賠償につきまして、これは行政指導であるからということによってすべて国家賠償法の成立が否定されるということにはならないと思うのです。やはりほかの行政処分によって損害をこうむったものは、国家賠償法によって損害賠償を請求できる、若干は相違はありますけれども、それと同じようなたてまえで国家賠償法による賠償が成立する場合があろうかと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 泣く子と地頭には勝てないということで往々にして泣き寝入りに済んでおるのが、そういう救済の道はあるのだということで、私はいいと思うのです。  そこで次にいきたいのですが、この行政指導と同じように、一つの重要な行政行為で、いわゆる通達行政なるものがある。このアンホの例をとりましても、これは通達と言えるのかどうか知りませんが、まず従来の火薬業者といいますか、火薬の協会か何かから、これこれの行為は火薬取締法何条の何になりますかとかなんとかといった質問の形式をとる。それに対して、おっしゃるとおりである、こういう回答をしておるわけですね。これはそのこと自体、私は何も申しません。そこから始まってきて念書を入れた、こういうことになっている。そこで、よく出される通達、これが法をかってに都合のいいように解釈しておる、こういう場合も間々あると思う。   〔委員長退席、辻委員長代理着席〕  そこで、行管にお尋ねいたしますが、この行政の通達、通牒というふうなものについて監察をやったことがありますか。いかがですか。

稲木進総理府事務官(行政管理庁行政監察局長)

○稲木政府委員 通達の問題を取り上げて監察したことは、特にございません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 やれるのでしょう。行管の権限内にあるのでしょう。

稲木進総理府事務官(行政管理庁行政監察局長)

○稲木政府委員 やれます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 いわゆる行政指導ですか、いま問題になっておるのですよ。ならばこそ、もう御承知だと思いますが、このジュリストあたりでは、法律の専門雑誌、学習雑誌ですね、今月号なんか、行政指導だけを特集しておるのですよ。ということは、現在の法律家の中でも、この行政指導というものが一つの大きな問題になっておる。このことは、いわゆる通達行政とあわせて重要であり、非難の対象になるところの行為だと私は思うのです。そこで、今後行管は通達行政、いわゆる通達の面においても、それが身がってな法の解釈——最終的には最高裁が法を解釈する。しかし、警察あたりでもかってな解釈をしていますよ。また、あらためて三木通産大臣に商工委員会で聞きますが、計量法でいわゆる認定を受けておらぬものによって、スピード違反をやったものを検挙したという例も、兵庫県にあります。そういったいろいろな行き過ぎがあります。そこで、これは大臣は所管事務ということになると思いますが、行管は一般にわたってと思いますが、この通達行政の問題、行政指導の問題については、十分に心してもらいたい。同時に行管としては、そういう面はいままで落ちておったと思う。これは考え方によって、あなた方がそういう点を重視しなかったのか、怠慢かわかりませんが、問題だと思います。したがって、今後この行政指導あるいは通達そのものについても、十分なる監察行為をやっていただきたいと思う。そういうことを希望しますが、大臣と行管双方、いかがでしょう。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○三木国務大臣 やはりこれは大事な点だと思いますので、今後十分通達に対しては厳重にいたすことにいたしたいと思います。

稲木進総理府事務官(行政管理庁行政監察局長)

○稲木政府委員 行政の中身が法令だけでなくて、通達その他の方法でもって委任されておるという部面が非常に大きいという点は、先生の御指摘のとおりであると思いますので、われわれ行政監察も、そういうような行政の運営面における適当でない面があれば、これの改善を推進するということが行政監察の目標であると思います。今後そういう点について、十分に意を用いて監察を実施したいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 十一時半までという約束ですから、これで終わります。あとのことはまた商工委員会でじっくりとやりますが、大臣にこれは関係のあることですが、三十六年ごろの通達だと思いますが、たとえば中小企業等協同組合法のたしか九条だったと思いますが、条文ははっきりしませんが、中小企業等協同組合が組合員に対して利用率配分をやった場合、これは税金をかけないという法律があるのです。ところが、大蔵省はそんなことはおかまいなしに税金を取れ、利用率配分をやった組合に対しては税金を取れ、こういったような通達を出して取っている例があるわけです。これはまたあらためて問題にしますが、あるいはまた保険の問題等についても、いわゆる中小企業団体とかあるいは労働組合等が、組合員あるいは会員の相互援助といいますか、扶助ということで共済事業をやっている。これに対して大蔵省はきょうは大蔵を呼んでいませんからあまり触れませんが、保険類似の行為として取り締まろうとする動きがある、いろいろ問題があるわけです。そういうことをあらためてまたの機会に譲りまして、きょうは一時間ということですし、商工委員会も待っておりますので、この辺で終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

辻寛一自由民主党

○辻委員長代理 村山喜一君。

村山喜一日本社会党

○村山委員 今回の通産省設置法の改正の内容を見てみますと、局の再編成が行なわれるわけでありますが、この中において、現行の軽工業局と繊維局の所掌をする課は、軽工業局では部まで入れまして十になっているわけでありますが、それが改正後におきましては、化学工業局に改めて、部まで入れまして九課になるわけであります。それに対しまして、繊維局では、これは六つあるものが、今度繊維雑貨局として、合計いたしまして八つ、そういう機構を考えているようでございます。ところが、定員の改正の内訳を見ますと、本省関係におきましてはマイナス百五十七名となっているわけであります。定員は百五十七名減らしながら、部課は総合いたしますと一課だけふえるというかっこうになる。そういうような形において定員の問題をなぜお考えになったのか。これは内容的に見てまいりますと、今回相当合理化し、改正がされているやに私も初め承ったのでありますが、中身を見てみますと、どうもそういうような方向になつていないのじゃないか、こういうふうに考えられますので、この点について局の再編成の基本的な考え方をお示し願っておきたいと思います。  それから第二は、やはり局の再編成の問題に関連をいたしまして、従来ありました軽工業課がなくなっていく。これがどこの課に所掌事務が移されるのかわかりませんが、その所掌事務の内容を政令によります施行段階において見てまいりますと、いままで家庭用品品質表示法によるところの取り扱いを軽工業課がいたしているわけでございますが、そういうようなものは内容的に今後どの所掌によって措置されていくような方向が考えられているのか、こういう点についての説明を承りたいのでございます。  それと、こういうような現行の局の編成から改正後の局の編成になってまいりますと、たとえば従来有機化学として軽工業局で取り扱っておりましたものが、たとえば合成樹脂関係の所掌事務は、改正後においてはどこでそういうようなものを取り扱うようにしていくのかというような問題が出てまいります。そのほかにも重工業局あたりで取り扱っております電気機械器具のような産業関係のものは、これは従来どおりの考え方に処理されると思うのでありますが、そういうようないわゆる内部の所掌事務の——ここには改正表だけが提示してありますけれども、取り扱いの内容の改正がどういうふうに変わっていくのかという点についても、これは事務当局のほうから説明を願っておきたいのでごございます。

大慈彌嘉久通商産業事務官(大臣官房長)

○大慈彌政府委員 局再編の基本的な方針はどうかという御質問にお答えいたします。  局のほうは、従来の軽工業局と繊維局と二つございましたのを、中の調整をいたしまして、化学工業局、それから繊維雑貨局の二つに分けたわけでございます。従来の軽工業局で所管をしておりましたうちの雑貨の部面を繊維局のほうに持っていきまして、新しい繊維雑貨局ということになるわけでございます。雑貨のほうを持っていきます理由は、化学工業というものが資本集約的な産業であるのに対しまして、雑貨のほうは繊維に類似をしておりまして、労働集約的な産業である。そういうことで、繊維、雑貨を一緒に所管をしたほうがより適当であろう、こういうことでございます。  さらに化学工業につきましては、産業構造の高度化といいますか、重工業において今後になう役割りが非常に大きいわけでありまして、さらに新技術の開発とかいろいろ大きなウエートがございますので、化学工業局として力を入れるということにしたわけでございます。  それから家庭用品品質表示法の関係でございますが、これは従来軽工業課が、いわゆる庶務課でございますが、一緒に所掌しておりますものを、今回はものによって分けまして、新しく繊維雑貨局におのおの分かれることになっております。  それから合成樹脂でございますが、合成樹脂は今度は有機化学工業二課のほうで所掌することになります。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 そういたしますと、家庭用品品質表示法に定める事項は、繊維雑貨局の各課に分類されるわけですか。

吉光久通商産業事務官(大臣官房参事官)

○吉光説明員 ただいま軽工業局で所管いたしております物資の家庭用品品質表示法関係の総括事務を軽工業課でやっておりますので、軽工業局からはずれました雑貨関係につきましては、繊維局のほうでは現在繊政課というのがございますが、繊維雑貨局の繊維政策課のほうで現在のたてまえと同じたてまえで扱うことになるかと思います。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 家庭用品品質表示法に定めるその内容の問題ですが、たとえば繊維の場合にはこれは何課でやるのか、繊維雑貨政策課でやるのか。それから合成樹脂は化学工業第二課でやる。そうすると家庭機械器具は重工業局、それから雑貨工業品についてはどこでやるのか。

吉光久通商産業事務官(大臣官房参事官)

○吉光説明員 現在家庭用品品質表示法の大もとのほうは企業局のほうでやっておりますけれども、それぞれの物資別については各原局の庶務課、たとえば軽工業局の軽工業課で軽工業関係の物資すべてにつきましての施行に関する事務を処理いたしておるのでございます。したがいまして、今後機構が変わりましても、それぞれの局の庶務課、たとえて申しますれば、軽工業局では軽工業政策課というのが庶務課としてできる予定でございますが、そこで家庭用品品質表示法関係のものは全部処理していく。同時にまた、繊維雑貨局におきましても、品質表示法関係は、繊維雑貨局の庶務課、現在の繊維局の繊政課に相当するものでございますけれども、そこで処理する、そういうふうな考え方でございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 従来は庶務的なものを取り扱う課があったわけです。ところが、今回はそういうようなのが見当たらないので私は質問をしているわけなんです。化学工業局というふうに改正になったら、そのどこがそういうような庶務的なものを取り扱うのかということを説明してもらえればそれでいいのです。

吉光久通商産業事務官(大臣官房参事官)

○吉光説明員 実は現在の政令の段階で準備をいたしておるわけでございますけれども、化学工業局には、庶務課といたしまして、化学工業政策課というものを設置する予定にいたしておるわけでございます。  それから繊維雑貨局につきましては、現在の繊政課に相当いたしますものといたしまして、繊維雑貨政策課というものを設置するように準備を進めております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 それはわかりました。  そこで、今回中小企業庁に定員を十名ほどふやす、こういうことになっているようでございます。私はこの点について、中小企業政策の問題に関連をしながら大臣の御所見をお伺いをいたしてまいりたいと思うのでございます。  今回の予算関係を見てまいりますると、これは三五・八%の、きわめて大型の伸び率を示しているわけでございます。それは中小企業庁が初めに予算要求をしたものよりも実際はよけいについたという、そういう問題がこのうしろにはひそんでいる。しかも、それだけではなくて、政府関係中小企業三公庫についても、金利の三厘切り下げを行なわれる。しかもその内容を調べてまいりますると、これはまさに出血サービスといいますか、融資コストを割った金利というもので処置されているようであります。そういう形の中で政府が思い切った中小企業対策を推進をされるという形は、これは非常に好ましいことだと私も思うのであります。ところが、いろいろ内容的に見てまいりますると、やはり産業行政の指向する方向というものは、中小企業近代化促進法に基づいた、いわゆる高度化計画といいますか、近代化計画の推進といいますか、そういうようなものに重点が置かれている。そして助成というものが、金融面においても特別貸し付け金のワクをとり、しかも低金利政策をその中で推進をしていく。あるいは機械等については割り増し償却制度というものを設けて、近代化、合理化をはかろうとしておるわけでございます。こういうような実態であるわけであります。ところが、その反面においては、これは中小企業白書を見てみたのですが、史上最高といわれるその中小企業の倒産があらわれてくる。そういうような形の中から、一体今日の政府がやっている、特に行政官庁として通産省がやっている中小企業政策というものは、これは今日の日本の産業構造の中における矛盾というものを解消をするような方向に進んでいるのか。それとも矛盾を拡大をしているのではないかという見方も成り立ち得ると私は思うのであります。いろいろな事例をあげまして取り立てて論議をしている人もあるようでございますが、そういうようなことから、今日、下請中小企業関係が、大企業の親企業関係の要請によりまして、設備を近代化し、あるいは生産性の向上をはかるための努力をする。ところが、今後においてはますますその企業間の競争といいますか、あるいはこの経済の不況から立ち直っていく段階におきまして、さらに親企業としては中小企業にそういう合理化要請というものをしてくるであろう。せっかく機械を近代化し、あるいは設備を近代化いたしまして、生産性向上を高めるといたしましても、その利益というものは大部分が親企業に吸収されてしまうような形になっているのではないか。そこに今日の中小企業の苦しみというものがあり、悩みというものがあるのだと私たちも受け取っているのでございます。  そこで、そういうような形をやりながら、中小企業が設備投資の波に乗りまして、そうして発展してまいりましたのは、設備投資のブームがもうピークを過ぎて、いよいよ経済の好況から不況の段階に突入をする、その段階においてそのような措置がなされた。これはそういうような資本主義の必然的な趨勢だろうと思うのでありますが、そういうような形の中で不況が訪れると、設備投資の償却の度合いというようなものが非常に高まって、金利の負担等も増高してきた。それ以上に今度は親企業からの需注量の減少というようなものによりまして、中小企業が倒産の段階をさらに強めてきた。こういうような形に今日なっておるのではないかと思うのであります。そういうようなものが、いわゆる近代化倒産という形における具体的な例としてあらわれて、中小企業白書の中に出されたような形になっているのである。ところが、そういうような方向から見てまいりまして、さらに今度の政府の予算のつけ方、あるいは財政金融政策というものを見てまいりますると、さらに中小企業というものは、近代化、合理化をしていきなさいという形でなされているようでございます。設備近代化補助金にいたしましても、あるいは高度化資金にいたしましても、この中小企業対策費の五七%を占めているというような状態になっている。  ところが、そういうような政策が片一方において行なわれると同時に、もう一つ重大な問題として、中小企業の生命を守る問題としましては、いわゆる親企業に対する中小企業の一つの優位性といいますか、地位というものを確保しない限り、さらに今後においてつぶれる企業というものが増大をする。あるいはつぶれないにしても、その財務比率から見た中小企業の安定性というものはますます低くなる。そういうような点を私たちは考えるわけであります。  そこで大臣にお尋ねいたしたいのは、こういうような近代化政策を進めていくということだけでは中小企業の基本的な安定というものははかりがたいのではないかと思いますので、そういう点から、今日、そのいわゆる大企業に対する中小企業の地位というものを確保するところの政策というものがどういう立場において推進をされていかなければならないかという問題をどういうふうにとらえておられるかということを説明を願いたいのであります。といいますのは、この四十一年度において講じようとする中小企業政策というものを見てまいりましても、いわゆる事業活動の機会の適正な確保というものにつきましては、一つの項目としてはあげられております。しかしながら、これはきわめて抽象的な内容であり、そして十分に整備されていないのではないか。しかもこれらのいわゆる大企業の不当なといいますか、措置に対しましては、従来通産省の中小企業庁がそういうようなものを積極的に中小企業者の立場においてカバーをした、援助をしたということは、どうも不敏にして私は聞かないのであります。むしろそれよりも公取のほうがそういうようなものに対しましては精力的に取り組んでいるというような印象を受ける。この十名の定員の増は、一体どういう部面に充てるためにあなた方としてはこの定員増というものを要求をされたのか。この点について私は質問を申し上げたいと思うのでございます。大臣はどういう方向で今後の中小企業庁の通産省としての行政を行なおうとしておられるのか、これについての御説明を承りたい。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○三木国務大臣 いま、中心は、中小企業の予算などを見ても、近代化、高度化ということが中心になっているという御指摘であります。やはり、中小企業対策の柱は、近代化、高度化というか、中小企業の持っておる体質を改善するということが中小企業対策の中心にならざるを得ないと、こう考えておるわけです。それは何かと言えば、最近、大企業に比して生産性も五八%、まあ六〇%近くまで狭まってきた。前は四十何%というのですから。そういうことですから、どうしても生産性がそんなに開いてくると、やはり賃金の格差も非常な開きをもたらさざるを得ないし、そうなってくると、こういう労働不足、労働の需給関係がこんなに変化したときに、中小企業だから安くてもいいというような理由は成り立たないわけですから、ますます生産性は低いし、賃金は上昇せざるを得ない。中小企業はやっていけない。ですからどうしても生産性を高めるために中小企業の体質を改善しなければならぬ。そういう点で、予算にも、御指摘のとおり、これが相当重点になっていることはやむを得ない。  もう一つは、しかしいま御指摘になったのは、われわれも同様に思うのは、一方において中小企業の立場というか、地位を守るための組織化というものがなされなければならぬ。たとえば、下請にしましても、やはり個々の下請というのは非常に弱い立場ですから、下請が組織化されて団体交渉のできるような状態に持っていくべきでありましょう。あるいはまた、大企業の進出に対してもこれに対して特殊契約制度によって団体交渉もできる、そういうふうなことも考えてみると、やはり中小企業の組織化ということは大きなもう一つの柱だと思うのです。  そういう点で、あるいはまたいまわれわれのほうで何とか中小企業が分野を確保するために官公需要などに対して立法措置が講じられないかということをいま検討しているわけです。これについても、やはり組合受注というものが考えられることが官公需要の場合でも好ましいのではないか。そうでないと、零細な中小企業というものは官公需要と結びつけることはなかなかしにくい。そういうことで、組織化という問題、もう一つはやはり中小企業の指導という面があるわけです。これは、将来中小企業が、時代が大きく変遷をしておるときにどういう形で中小企業というものがますます発展していくかというこの方向、これに対して示唆を受けたり、いまやっておる事業に対する診断を受けたり、とにかくこの親切な相談相手といいますか、そういう指導の面というものはもっと強化していかなければならぬ。今度の総合指導所などをつくろうという考え方の中にも、思い切って中小企業の指導というか、そういう面を強化していきたい。まあ、こういうことが今後の中小企業対策の柱ではないか。今度の定員のわずか——もっとやはり中小企業はそういう指導という面を強化していくためにはやはり人員をふやさなければならぬですよ。そういう面の第一線に立って個々の中小企業の相談相手になるような、そういう中小企業者の指導行政の面というものはもっと強化されなければならぬ。弱体である。   〔辻委員長代理退席、委員長着席〕 今度わずか十何名ですかふえたのは、こういう下請などにおもに使う、下請関係の面に増員の半分くらいは使おうという考えでございます。ほかのは全般の配置転換などによってふえたのであります。私は、大ざっぱに言って中小企業対策としてこういう考え方を持っておるので、御質問があったのでお答えをいたします。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 これは大臣からでなくてけっこうでありますが、十名の増員の内訳、いま大臣からお聞きいたしますと、半分は下請関係の指導行政面に充てる、残りはいろいろなところにばらまくんだという話でございましたが、その指導関係、下請関係の近代化といいますか合理化といいますか、そういうような面に五名ほど振り当てられるわけでありますか。いわゆる中小企業対策の重点の方向というものは、ことしはそういうような方向に向けていくんだ、もちろん片方においては、近代化の方向を進めていかなくちゃならぬがというような、そういうような考え方であるのか、その点について長官のほうから……。

山本重信中小企業庁長官

○山本(重)政府委員 今回増員をお願いしております十名の配分でございますが、五名は下請企業関係に回します。現在下請関係の仕事をやっている者もあるわけですが、今度新しくふえる分と従来その関係の仕事をしておる分と合わせまして、新しく下請企業課をつくる予定にいたしております。人数は十名程度のものでございますけれども、本腰を入れて下請企業対策に取り組もう、こういう考え方でございます。  それから増員の残りの部分ですが、四名は施策普及室というものを新しくつくる予定にしております。施策普及室、これは従来中小企業対策をいろいろやっておりますけれども、どうも末端にまで浸透しないという批判もございますので、この際施策をいかにして浸透させようかということを重点に置いた特別な室をつくりまして、そこでこの問題を処理しよう、こういう考え方でございます。これは長官官房に新しく施策普及室というものをつくるためでございます。  それからもう一人は今回税制の面で構造改善準備金という新しい制度ができますので、この仕事を担当するために一人割愛をすることにいたしております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 わかりました。そこでいろいろ今日まで近代化促進法によりまして通産省が行政指導面として各種の業態にわたりまして産業行政の指導をなさっていらっしゃるわけでありますが、いろいろ中身を見てみますと、中小企業の存立条件を無視した指導というものがなされた例として、幾多のかん詰め産業とかあるいは清涼飲料水等の問題が指摘をされているわけでございますが、そういうような事例というものによって赤字倒産をしたというようなことはございませんか。

山本重信中小企業庁長官

○山本(重)政府委員 中小企業に対する指導をいたします場合に、私たちが一番気をつけておりますのは、その業界の将来性がどうであるか、いたずらに設備の拡張等をしてはたして需要がついていくかどうかという点でございます。近代化促進法によりまして近代化計画を作成する場合も、その点に一番配意をいたしておるのでございます。最近の経済不況が予想以上に長く続きましたために、ある業種では、そういった点、需要の見通しが若干甘過ぎたというようなために非常に苦労しておるところが、先生御指摘のように若干ございます。しかし、これは業種によってでございますけれども、経済状態が正常に戻って、いわゆる安定成長の路線に乗ってくれば、漸次解決を見るべきものでございまして、中小企業対策という観点からも、その需要の喚起、それにより経済全体が安定成長路線に乗っていくということを期待いたしておる次第でございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 生産性向上の考え方だけで指導行政がなされた関係から、非常に過大な投資がなされて、操業率が非常に落ちた。それによって赤字が生じた産業等もあるようでございますが、こういうような問題は、やはり中小企業の存立条件というものに適合しないような近代化促進政策というものがなされているんじゃないかということを指摘している人たちもあるわけでございますので、先ほどの十名の定員増の内訳につきましては、方向がわかりましたので、今後はやはりそういうような面について努力をしてもらわなければ、せっかく十名ふやしても、中小企業対策のために何にもならなかったというようなことにならないとも限りませんので、ぜひ御努力をお願い申し上げておきたいと思うのでございます。  そこで、これに関連をいたしまして長官にお尋ねしてまいりたいと思うのでございますが、いわゆる中小企業の団体組織法によります商工組合のカルテルというのは、一月——二月末でもよろしゅうございますが、現在何種に及んでいるのか、ちょっと御説明を願いたいのでございます。一月末では百二十六種に及んでいる。しかも組合に入っていない同業者に対しましても、協定参加を命令をするきびしい形のものが四十人種もある、こういうような中で、日本の国はカルテル国家だ、こういうことがいわれているわけでございますが、その中小企業のカルテルというものに対しまして、通産省としてはどういうような指導をやろうとしておられるのか。中には、もう十年以上もたった不況カルテルの結成がなされて、そのまま安住をしているような形のものが見受けられるわけであります。こういうようなものに対しまして、カルテル体制というものが、これは合理化への一つの進路であるという形のものとして受け取られるような方向であるならば容認をされる可能性もあるわけでありますけれども、不況カルテルの中で安住してしまって、それで事足れりとするようなことになりますと、中小企業の振興自体にもなりませんし、物価の上に及ぼす影響というものもきわめて大きなものがあるわけでありますが、そういう点から、カルテルに対する政策は、今後どういうふうに推進をしていかれるのか、これについての説明を承っておきたい。

山本重信中小企業庁長官

○山本(重)政府委員 団体法に基づきます調整事業の適用業種の数、アウトサイダー規制命令が出ております数は、先生いまお話しのとおりでございます。  基本的な考え方といたしまして、団体法は、中小企業がばらばらの状態では、過当競争におちいりやすい。それから業種によりましては、過剰設備等のためにほっておいてはその業種全体が成り立たない、こういう事態に対処いたしまして、やむを得ざる措置として行なっておるものでございます。  ただ、最近になりまして、私は、特に二つの観点からこの問題について検討を加える必要が出てまいったというふうに考えております。一つは消費者物価対策の面でございまして、中小企業といえども、できるだけ合理化をはかり、それによって価格上昇を防ぐ、もし可能ならば、その価格の引き下げをするということが、国民経済の面から必要でございますので、そういう観点からさらにきびしい目でこれを見ていく必要があるということでございます。それからもう一つは、業種の中には、何となく団体法による規制を継続することによりまして、いわゆる温室の中に保護されるというような状態になって、合理化努力をややもすれば怠りがちな空気が出やすい点が一つあると思います。ところが、最近では、近隣諸国の工業化もどんどん進んでまいっておりますので、そういう措置を何となく続けていくということが、結果においてその業種が将来非常に大きなショックを受ける危険にさらされるおそれがないかどうか、こういう点が新しく出てまいっておると思います。具体的には、個々の調整規定につきまして業種ごとにかなり厳重な審査を毎年いたしておるのでございまして、たとえば現在価格規制をしておるものといたしましては、輸出用のミシンテーブル、輸出用の金属洋食器、輸出用の双眼鏡ケースというような、主として輸出向けのものが中心になっております。それから、それ以外のものでも、業種としてごく零細企業がたくさんありまして、放置できないというような観点でやっておるものが多いのであります。それからなお、十年以上続いているということを最近よく指摘を受けるのでございますが、十年以上続いているものが六業種ございまして、これはタオル、絹・人絹織物、綿・スフ織物等、主として繊維関係でございまして、需要がなかなか伸びにくい業種でございます。しかし、こういう業種につきましても、できるだけ早くこういう人為的な規制をはずしても一本立ちできるように、指導していくことが必要であるという考え方でおるのでございます。先ほど申し上げました二つの新しい観点も考慮いたしまして、できるだけ近代化を進め、また業者の自主的努力を促すことによって、何となくずるずると規制を続けるという方針は、とらないようにしてまいりたいと考えております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 これは二月の十人目の日経の社説の中に出ておる数字でありますが、中小企業庁が四十年三月末に調査したところによると、価格協定を実施している組合は六百十四、価格形成指導事業を実施している組合数は五百八十、両者を通じて消費物資に関するもの七百三十九、非消費物資に関するもの四百五十五、そして不況カルテル六百二組合のうち、カルテル実施年数一年以下のものはわずかに八十六件、五年以上のものが実に三百四件に達している、こういうふうに説明がなされております。今日においては、この数字がどういうふうに変わってきておるか。いまの御説明では、二つの面から、いわゆる消費者物価対策の面からと、それから貿易の自由化等に伴う将来の大きなショックを回避するための合理化政策、近代化政策というものをやらなければならないということでございますが、そういうような今日までの中小企業のカルテル行為というものを見てまいりますると、産業保護行政といいますか、保護政策の中で、これらの中小企業の位置づけというものが、温室の中に、ぬるま湯の中に入れられたまま放置されているように私たちは見受けるのでございますが、その場合において、今後そこには構造政策というものがはっきりしたビジョンとして打ち立てられなければならないであろうと思うのであります。そういたしますならば、それに対する行政の対応のしかたもまたおのずから違ってこようと思うのでございますが、現在このような数字が実態として報告されている。これに対してあなた方はどういう行政努力を目標として定めながらやっていこうとしておられるのか、その明確な見通しというものをお示しを願わなければ、定員が十名ふえた、現在は百六十七名で中小企業庁はやっているが、これが百七十七名になったときにこういうふうにやるんだという一つの方向が出てこないと思うのでございます。それについての再度の説明を願っておきたい。

山本重信中小企業庁長官

○山本(重)政府委員 団体法の関係につきましては、個々の業種ごとにおおむね一年ごとに期限が更新されることになっておりまして、中小企業安定審議会においてそのつど十分な検討を加えまして、必要と認めるものだけをさらに更新を認める、こういう仕組みになっております。ところが、実際の運用を最近新しい見地から見てみますと、一年という期限がある意味からいうと中途はんぱでございまして、何となく一年ぐらい過ぎてしまう。そうするとまたもう一年というようなことで、ついイージーゴーイングにいくおそれがどうもあったのじゃないかということから、つい先般開きました中小企業安定審議会におきましてもその点が非常に議論されまして、今度これからのものについては、法律上は一年であってもある業種については二年とか三年とかもうちょっと長い期間を計画的に考えて、その期間にそのかわり業界に真剣になって努力をさせる、こういう指導方針を打ち出すべきではないかという意見が出ました。その点は、中小企業庁とそれから通産省の各原局と協力いたしまして、今後そういう考え方でもう少しはっきり区切りをつけていくという方法をとりたい、このように考えておる次第でございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 そういたしますと、審議会等でそういうような意見が出た。今後それらの意見を参酌しながら考えていくということで、中小企業のいわゆる企業体制というものについての新しいビジョンというものはないんだ、こういうように伺っていいわけですか。

山本重信中小企業庁長官

○山本(重)政府委員 いま団体法の見地からのお話を申し上げたのでございますが、それとまさにうらはらをなしまして近代化促進法が持っておる役割りがあるわけでございまして、いま団体法で指定しております業種の相当部分が実は近代化促進法で近代化計画をつくって、その合理化、近代化を進めるような仕組みになっております。団体法のほうは何となく不況カルテルという緊急措置的な考えがありまして一年刻みになっておりますが、近代化促進法のほうは一年というわけではどうにもなりませんので、おおむね五年というのが一つのけじめになっております。したがいまして、近代化計画を今後何年間でその目標を達成するか、もしそれが達成できたら団体法のほうはやめる、こういう両者相関連させて近代化計画を推進する、それによって団体法のほうの運用もすっきりしたものにしたい、こういうふうに両方関連して運用したいと考えております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 そういうような不況カルテルの中で安住するというのではなくて、やはり団体法からこれを近代化促進法のルートに乗せて、合理化、近代化をはかっていただくことの中で解消していただくその目安を業種別につけていただきたいと私は思うのであります。そうでないと、十年も五年もそのままの形の中で眠っておるような存在では、これはますます今後企業の合理化なりあるいは近代化が要請をされるその中に取り残されていき、やがてはそれは完全に滅失していかなければならない存在におちいっていくと思うのであります。そういうような立場からさらに御努力を要請申し上げておきたいと思うのであります。  そこで、これは官房長にお尋ねしますが、先ほど定員は百五十七名減らしたのだけれども、課は一つふやしたということでしたが、これについてはまだ説明をいただいていない。そういうような立場から定員を減らして課をふやすというのは一体どういうことですか。この点について説明をお願いしたい。

大慈彌嘉久通商産業事務官(大臣官房長)

○大慈彌政府委員 定員のほうは御承知のようにいま凍結が行なわれておりまして、昨年の九月三十日現在で三百七十七名という凍結が行なわれております。今回増員が認められましたのは、その凍結からの引き出しということでございますが、三百三十二名の増員が認められたという形になっておりまして、残りはなお持ち越しのまま残っておるという状況にございます。そういう意味で、本省の定員につきましても、先ほどから御指摘いただきましたように、特許庁の増員に主力を注ぎましたり、中小企業庁のほうに持っていったりしまして、そちらのほうに力を注いでおりますが、本省といたしましても、実員という関係からいきますと、凍結が解除ざれたという意味では増加になっておるわけでございます。課の編成のほうは、合理的な課の再編成ということで御指摘いただきましたような形に組み直してございます。そういう意味で、定員が本省では総ワクでは減っておるということは遺憾でございますが、執務には支障のないように新しく編成されました課には力を入れてやっていきたいと考えております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 そうしたら実質では八十一名ふえたということですね。だから課もふえたというふうに受け取って差しつかえないですか。

大慈彌嘉久通商産業事務官(大臣官房長)

○大慈彌政府委員 そういうことでやっていきたいと思います。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 時間もありませんので、もう一点だけ質問をいたして終わりますが、日本の輸出業者がアメリカ向けの鋼材輸出の不正事件を働いたという問題から七千万ドルの課徴金をアメリカの財務省から要求をされておる、こういう問題が出されて、この鉄鋼の不正輸出というものが大きな国際問題として提起されておるやに聞くのでございますが、その不正事件は、鉄鋼のほかに、繊維とか、あるいは雑貨、電気とかいうような他の業界にも波及するのではないかというふうに見られておるようであります。これらに対するところの実情については、政府では七千万ドルという事実はない、しかしその不正の事実があったということだけは認めておられるように聞くのでありますが、こういうようなことはその後一体どういうふうになっておるのか。これに伴って輸出政策の問題にも関係が出てまいりまするので、今日の時点におけるその実情を説明願っておきたい。

赤澤璋一通商産業事務官(重工業局次長)

○赤澤政府委員 ただいまお話のございました鉄鋼輸出の問題でございますが、先般も申し上げましたように、本件は鉄鋼業者と申しますか、日本の商社がアメリカ向けに輸出をいたします場合、税関に申告をいたします書類の一部に、不正なと申しますか、不実の記載があったということで、米国の財務省の当局から指摘を受けまして、その件について、現在のところは向こう側と資料の突き合わせをいたしましたり、あるいは内容についての向こう側の審査を受けておるという段階でございます。関係業者のほうでアメリカのほうの弁護士を立てまして現在アメリカの財務当局と折衝中である、こういうことでございます。もちろん輸出の問題でございますので、全般的な国際信用にもかかわることでございますので、私どもといたしましても今後かかることのないように強力な指導をしてまいるつもりでございます。いずれにいたしましても、全部の鉄鋼輸出がそうであったということではございませんので、過去における鉄鋼輸出のほんの一部の点についてそういう不実な記載があった、関税関係の、税関に提出する書類について不実な記載があったということの指摘を受けて、現在弁護士を中心に折衝中である、かような段階でございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 この場合、やはり伊藤忠商事株式会社あたり大手十三商社の記載したインボイス、輸出契約書が、数量よりも実際に荷揚げされた鋼材のほうがはるかに上回ったというようなところから問題になっておるようでありますが、そういうような事実があったことは政府としてもお認めになっていらっしゃるわけですね。とするならば、そのアメリカの財務省が課徴金として二百五十二億円を要求をしてきた事実はどうなんですか。

赤澤璋一通商産業事務官(重工業局次長)

○赤澤政府委員 本件につきましてはいまだ審理中でございまして、そういう金額の請求を受けたという事実につきましては、私どもまだ承知をいたしておりません。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 金額の面についてはまだ承知されていないとするならば、その輸出契約を上回って出したところの鉄鋼の量というものはわかっておりますか。

赤澤璋一通商産業事務官(重工業局次長)

○赤澤政府委員 先ほど私が御答弁申し上げましたのは鉄鋼輸出の問題でございます。そういう問題について事実と違っておるという指摘を受け、それについていまどのくらいな点でそういう問題があったということについて内容を現在審査中でございます。ある程度の数量はわかっておりますが、先般も大臣が予算委員会等でお答え申し上げましたように、現在まだ審理中の段階でございまして、最終的な結論は出ておりませんので、そういうことが最終的に出ました暁におきましては何らかの機会に全貌について明らかにしたい、こういうことにさしていただきたいと思います。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 それに伴い、アメリカ側の輸入規制の動きはございませんか。

赤澤璋一通商産業事務官(重工業局次長)

○赤澤政府委員 日本からの米国向けの鉄鋼輸出は昨年は非常な勢いで増加をいたしました。これにはいろいろな要因があろうかと思いますが、一つの要因は米国の鉄鋼スト、こういう気配がございましたので、アメリカ側がスト気配といいますか、スト備蓄といいますか、そういう点で非常な購入をいたしました。米国は全体で約一千万トン程度の鋼材を世界各国から買っておるように思います。またそういうことに関連をいたしまして、日本からの対米鉄鋼輸出の関係も一昨年に比べまして昨年は約七割、非常に大きな増加をいたしております。そういうような情勢がございまして、米国の鉄鋼業界あるいはまた国会のほうの一部の筋から輸入規制を行なうべきではないかという意見が出ております。この点につきましては、先般毛日本の鉄鋼業界の代表も向こうへ参りまして、アメリカのそういったような動きに対処をいたしまして、日本側といたしましてもアメリカの需要に即応した鉄鋼輸出をしたい、ただむやみやたらに毎年、毎年非常な勢いで日本が売り込んでいくということではなしに、お互いに必要な量を必要な価格でひとつ売りましょう、こういうふうに、日本側としても秩序ある輸出体制をとってまいりたい、こういうことをアメリカに参りましてるる説明をいたしております。そういうことで、さしあたりいまのところ、この鉄鋼輸入規制という問題につきましても、すぐこれが実施をされるという状況にはないと存じております。  いずれにいたしましても、日本の国内におけるこういった輸出に関します秩序づくりと申しますか、そういうことが業界内部でも議論され、私どもも業界と一緒になって、どういう手段が一番いいかということを研究をいたしておりまして、近くそういった問題につきましても結論を得て、秩序ある輸出を実施するという段階に近々結論は出るものと考えております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 その場合に輸出関係の窓口を一本化する。これは対共産圏に対してはそういうような窓口一本化のほうが好ましいということをジェトロあたりで言っておるようでございますが、このような状態になった場合において、新聞紙上等で聞きますると、これについては輸出振興会社のようなものをつくってやったらどうか、こういうようなのが業界、では出ているようでございますが、それに対して通産省としてはどういうような指導をなすっていらっしゃるか。

赤澤璋一通商産業事務官(重工業局次長)

○赤澤政府委員 鉄鋼の輸出につきまして共販会社をつくったらどうかという案が業界の一部にあることは事実でございます。現在は輸出入取引法に基づきまして輸出価格についての協定をいたしております。今後はさらにこれを一歩進めまして、輸出数量についても協定をしてはどうかという意見もございます。さらにそういった価格並びに数量のカルテルということが円滑に実施をされるというような情勢になってまいりますれば、さらに一歩進めて輸出共販会社ということもできょうかと思いますが、何ぶんにも全世界に向けて約一千万トン近い鋼材を輸出をいたしておりまする現状でございますから、各社が足並みがそろいまして、そういった共販会社まで持ち込むのにはなお若干の時、日が要るのではないか。とりあえずのところは輸出入取引法を十分活用いたしまして、秩序のある輸出が行なわれますよう私どもも指導してまいりたい、かように考えております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 アメリカ側の問題といたしましては、鉄鋼労連等を中心に、あるいは鉄鋼業者その他から輸入制限の問題が出ているようでございますが、それと同時に、結局そういうようなところから日本の貿易政策について、たとえば対共産圏貿易に対するチェックをするとかいうような動きはアメリカ側にございませんか。

赤澤璋一通商産業事務官(重工業局次長)

○赤澤政府委員 全般的な問題は私相当いたしておりませんので、お答えいたしかねますが、鉄鋼に関しましてはそういう動きはいまだ出ていない、こう考えております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 大臣がお見えになっておりませんので、私貿易政策の問題をちょっと質問したかったのでございますが、政務次官がお見えでございますのでお尋ねいたしておきます。  ジェトロが海外市場白書をことしの一月の二十日ですか、出したようでございます。この内容は政務次官も御承知のところであろうと思うのでございますが、これによりますると、輸出拡大の方策としまして、それぞれ発展途上の諸国に対する進出のあり方なり、あるいは共産圏への進出のあり方というようなものが出されております。この内容から見て、東西貿易の問題の方向としてジェトロが考えている方向は、まず通商条約、貿易協定の締結が必要である、さらにまた、中国については延べ払い輸出の問題解決が前提である、こういうような打ち出し方をしているようであります。そういう立場から、ジェトロもいままでは自由主義圏内の諸国だけのそういうような調査をしておったようでございますが、中国についても新しい海外市場の開拓という立場から市場調査をしようということで取り組んでいるやに私たちも聞いているのでございます。そういう立場から、今後やはり日本の経済が成り立っていく唯一の方向というのは、輸出振興以外にはないと思うのでありますが、そういう立場から、一体この東西貿易の問題をどういう角度で通産省としては進めていくのか。ここにジェトロの海外市場白書が出されておりますので、こういうような方向で進めていかれる考え方であるのか、これについての説明をお伺いをいたしておきたい。  それから、やはりこれは政策に関する問題でございますので、この際お尋ねをいたしてまいりたいと思うのでありますが、来月の六、七日、日本が中心になりまして、いわゆる東南アジアの六カ国の経済閣僚会議を開くようでございます。これに対しまして、いわゆる米の契約輸出をめぐるところの問題が、当然佐藤総理のお声がかりとして出されてくる。これに対するところの農林省のかまえは非常に消極的であるけれども、通産、外務は非常に積極的だということがいわれておるのでございます。そこで、そういうような、いわゆる南北貿易の問題をめぐる政策についての基本的な考え方というものを政務次官からお答えを願いたいと思います。

進藤一馬自由民主党通商産業政務次官

○進藤政府委員 わが国といたしましては、貿易立国の立場から、いずれの国とも貿易を促進していくという立場に立っておるのでございます。共産圏諸国に対しましても、その貿易に大きな関心を持ってやってきております。南北問題について経済協力——一次産品の輸入につきましても積極的に取り組んでいく心がまえでおるのでございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 進藤政務次官は一般論としていま説明をなさったわけですが、この中でいわゆる通商条約なり貿易協定の締結が必要だという打ち出し方をしておる。政府間ベースにおけるそのような協定なりあるいは条約ということになりますと、これは国会の批准を必要とするわけですが、そういう方向であなた方は努力をされるということですか。それであるならばそれで、そうだとおっしゃっていただければいいと思います。

進藤一馬自由民主党通商産業政務次官

○進藤政府委員 政府といたしましては、ソ連東欧にはすでに正常な国交関係を持っておりますが、まだ中共には——国交関係のない国とも前向きに貿易の拡大をはかっていきたいという気持ちで進んできております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 西ドイツが鉄鋼のプラントの延べ払い輸出を中国に対してやりましたね。これに対しては三木通産大臣が、日本の国としてはそれに追随する必要はない、こういうような発表を新聞でなされたのを私は見たのでございますが、これはやはり通産省としてはそういうような基本的な考え方でございますか。

進藤一馬自由民主党通商産業政務次官

○進藤政府委員 その点につきましては、日本は日本の立場で、いわゆるケース・バイ。ケース、問題が起こりました場合に処していきたいという気持ちで進んでおります。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 その政治と経済を分離してやっていくんだということでやられる、中国に対してはまだ国交が回復をされていないからそうなんだ、しかし日本はケース・バイ・ケースでやられるというのですが、どういうような方向でやられるのですか。共産圏とは貿易の拡大をやっていくんだということをおっしゃる。そして西ドイツ方式はやらないんだということをおっしゃる。そうするなら、日本はどういうような方式でやられるわけですか。

進藤一馬自由民主党通商産業政務次官

○進藤政府委員 貿易は大いに拡大する点で進めますが、延べ払いは時期を見まして実施していく、国益全体から考えて進めていきたいという考えでおります。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 それは輸銀使用の延べ払いの問題ですか。そうでない延べ払いも一緒にするのですか。

進藤一馬自由民主党通商産業政務次官

○進藤政府委員 延べ払いは輸銀の問題であります。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 東西貿易の問題にしましても、あるいは南北貿易の問題にしましても、通産省としての基本的な姿勢というものはわかりますが、しかし貿易を拡大をしていくんだという積極的なかまえというものを政策としてもう少しはっきりと国民の前に打ち出すべき段階がもうきているのではないかと私は思うのです。その具体的な例として西ドイツの問題が先般出てきた。日本の通産省としては、そういうような経済は経済、貿易は貿易、政治は政治といろ割り切り方をしなければ、日本の独自な主体的な行動というものはとれないと私は思う。そういう立場から、ひとつ米の開発輸入の問題をめぐりまして、これは国内的には問題があるわけですが、そういうようなものに踏み切られた政府としては当然東西貿易の問題は同じようなウエートにおいて考えなければならない段階じゃないかと私は思う。というのは、国内的に見たら、南北貿易の問題については、日本の国内においては問題があるのです。あるのだけれども、日本の工業製品を売り出そうという、そういう通商政策あるいは外交政策の配慮のもとに佐藤総理大臣が決断を下したのでしょう。そういうような考え方に立つならば、南北貿易についてはそういうような方向を打ち出しながら、東西貿易についてはいままでのようなやり方を踏襲をしていくというのでは、これはやはり世界の貿易の趨勢に乗りおくれていくことになるし、また通産省の消極的なかまえというものが非常に問題になって、私は貿易の拡大というものに沿わないような方向になっていくということをおそれているわけです。その点については、あなたは政務次官ですから、ぜひ大臣と話をしていただいて、政策の根本的な立案の方向へ、そのような点を努力を願いたいということを要望申し上げまして、私はこれで質問を終わります。

木村武雄自由民主党

○木村委員長 田口誠治君。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 時間をお急ぎのようでありますので、天下り人事の問題と、それから化繊を含む繊維業界の不況の問題について、若干お聞きしたいと思います。  第一にお聞きをいたしたいのは、いわゆる天下り人事の関係でございます。この点につきましては、公務員法の百三条の一項、二項に明記してあるわけでございますが、いままでここ二、三年の官僚の幹部の方々が民間企業へ就職をされた内容の一覧表を見ますると、非常に疑問な点もございまするので、お聞きをして明確にしておきたいと思うのです。  そこで、まず第一にお聞きをいたしたいと思いまするのは、固有名詞をあげてまことに悪いと思いまするけれども、そうでないと、どうも質問の内容がぴんときませんので、お聞きをしたいと思います。まず第一にお聞きをいたしたいと思いまするのは、人事院のほうから各省に委任をしておる人事があるわけです。ここでいいますると、通産省に委任をする人事がある。こういう人事については省から報告を受けておるのですが、こういう委任人事というものは、ここ二、三年間でよろしいのですが、どの程度あったかということをまずお聞きしたい。

吉光久通商産業事務官(大臣官房参事官)

○吉光説明員 人事院のほうから通産大臣に委任しております事項でございまして通産大臣が承認いたしました件数でございますが、三十八年で三十件、三十九年で十九件、四十年で二十四件でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 そこで、この就職された方の一覧表の内容を見まして、専務取締役になっておられる方も、それから顧問という役職についておられる方もあるわけでございまするが、それぞれ承認をした理由が書いてあるわけです。そこで、まず前事務次官の今井さんの場合をとってみますると、これは日本石油化学株式会社の顧問として就職されておるわけなんです。そこで、この承認事項といたしましては、ずっと書いてありまするが、「その内容が軽微であり、」こういう文句が書いてあるわけなんです。これと、それから顧問に就職を認めたという関係はどういうことなのかということ、「軽微」とはどういうことを軽微というのか、ちょっと文章の上では判断がしにくいので、お聞きをいたしたいと思います。

大塚基弘人事院事務官(職員局長)

○大塚政府委員 お答えいたします。実は一般的に軽微と申しておりますものは、会社で営利企業の地位につかれる、その地位と国の機関との関係がある程度、場合によれば密接な関係もあるわけでございますが、そういう関係の度合いを判断するわけでございます。そこで、実は各省庁所管されております法令は非常にさまざまでございまして、その権限関係等も非常に複雑にわたりますので、一々の場合について判断をしてみるよりほかないわけでございますが、たとえば工事契約関係というようなもの、これはもちろんその国の機関との関係はあるわけでございますが、そういう場合ですと、工事契約の金高等を五年間にわたりまして当の会社の営業実績というようなものと比較した場合には、非常に軽微な額というものを算定できるわけでございます。ただ、その他の法令につきましては、必ずしも経微というのは個々の具体的な関係で判断いたしませんと判断しにくい場合がございますので、当のいまおあげになりました今井さんの場合、軽微とは何かということで御質問とあらば、私どもの判断としてもお答え申し上げますが、一応一般的に申しましてはただいま申したようなことでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 答弁、わかったようでちょっと受け取りにくいのですが、この軽微ということはいま御説明があったわけなんで、それはおそらく顧問という、どちらかといえばおおまかな役職についておられるということから、軽微ということになったと思うのです。そうなりますと、今井さんの場合は、顧問それからなおこれは日本石油化学株式会社の専務取締役という、こういう役職にもついておられるのですか。

大塚基弘人事院事務官(職員局長)

○大塚政府委員 ついておられます。離職後一年ほど経過いたしましてから、再度専務取締役に就任したいという申請がございまして、それを承認いたしております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 そこで、いま国家公務員法の百三条の一項、二項、三項の関係からいきまして、軽微ということで認めたということですが、私どもの判断するところでいきますと、顧問という役職は、これは全くおおまかな役職であって、具体的な任務というものはわりあいないわけなんです。したがって、全体的に見るという、こういう役職なんです。ただし専務取締役ということになると、その会社の大黒柱ということになるわけです。そうなりますと、これは軽微ということにはならないと思うのですが、この辺をどういうように解釈されて了解をされたかということをお伺いをいたしたいと思います。

大塚基弘人事院事務官(職員局長)

○大塚政府委員 おっしゃるとおり、軽微であるかないかという判断は、営利企業の地位にかかわることでございます。したがいまして、役員の場合と非役員の場合が軽微という判断の一つの材料になることはもちろんでございますが、しかし、軽微という問題で一番中心に考えておりますのは、過去五年間に在職いたしました官職にあってその会社、営利企業との関係がどういうものであったか、どういう権限を持っていて、その権限をどういうふうに行使なさったのか、その関係が軽微であるか軽微でないかということが、一つの中心点になるわけでございます。ここで、顧問になられる場合にも、専務取締役に就任される場合にも、いずれも同じように軽微という表現を使っておりますが、その表現は、いま申し上げました御本人が在職中の営利企業との関係という意味で軽微ということばを使っておるわけであります。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 そこで、前歴を見ますと、通商局長という役職もおやりになってみえるのですが、これは石油との関係はあるわけなんです。そうしますと、ただいまの答弁がちょっとおかしく聞こえるわけです。その辺のところをもうちょっと明確にしていただきたい。

大塚基弘人事院事務官(職員局長)

○大塚政府委員 おっしゃるとおり、石油業法に基づく関係はございます。しかし、たまたまこの場合は石油化学関係でございまして、石油業法に基づく関係といたしましては、やはりそう重い関係ではない、むしろ軽微な関係——届け出だけの関係でしかないというのが、われわれが軽微と判断した理由でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 そこで、ちょっとひねくって考えてみますと、軽微という表現を行なって許可をするということになりますと、顧問という職名が一番軽微ということには該当すると思うのですが、一応顧問ということにしておいて、それから一年たって専務取締役と、初めからそうした一つの構想を持ってやられる場合には、私は、この禁止条項に違反しておるのではないかと思うわけなんです。  それで、その前にもち一つお伺いをいたしたいと思いますのは、この会社は、その当時定款に顧問という制度はあったのかどうか。

大塚基弘人事院事務官(職員局長)

○大塚政府委員 私どもで定款を拝見したところでは、顧問のポストについての定款上の規定はございませんでした。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 会社が人を雇う場合には、定款に基づいて役職名をつけなければならない。これはもう絶対的なものだと思う。定款にない顧問という役職をつけて採用し、しかも一年間たってからその会社の大黒柱の仕事をやらなければならない専務取締役に昇格をしたということは、顧問という最初の採用のしかたは、これは就職させるための単なる便法であって、目的は専務取締役をしてもらいたいという考え方から顧問に就職をしてもらった。私どもは、どうしてもこういうふうに解釈ができるわけなんです。定款にないものをどうして顧問として採用するかというところに疑問がなかったのかどうか、この点をはっきりしていただきたいと思います。

大塚基弘人事院事務官(職員局長)

○大塚政府委員 顧問という形で就職なさる方が、将来どういうポストにつくかということが、会社側なりあるいは御本人なり、いろいろお考えがある場合は確かにあるだろうと思われます。しかし、私どもが問題にいたしておりますのは、そのつく地位の仕事の内容でございまして、定款にない顧問というようなポストに関しましては、少なくとも経営そのものにタッチする、あるいは経営上の責任を持つ役員のポストとは違って考えてよろしいのではないかというふうに思うわけでございます。  なお、いま先生がおあげになっていらっしゃる今井さんの場合は、当初は全く仕事を持たないで、社内全般の勉強をするというようなかっこうで顧問に就任されたということを、当時私どもの調査では伺っております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 少なくとも日本石油化学株式会社という会社が、定款を持っており、その定款にない役職名に元役所の高級官吏を採用するというようなことは、これは何か下心がなければならないと思う。そういうことから判断いたしますと、一年たって専務取締役になったということは、これは必ず下心があったのではないか。したがって、こういう許可をする場合に、内容が軽微であるというような文章的な文句をつけて承認をするということは、場合によっては、また人によっては、法文的に言って大きな事故を起こすのではないか、こういうように考えるわけなんです。そういう点から、ただいまは失礼でしたけれども今井さんの場合を例にとりましたのは、きょうは通産省の設置法をやっておるのですから通産省の場合を例にとっておりますが、特に大蔵官僚の場合には、私どもが相当疑問を感じるものもあるわけなんです。こういうようなことから、人事院のほうで承認をされる場合に軽微というような表現を使って承認をされるということについては、もう少し明確な答弁をいただかなければ、私どもはますます疑義を深めていくわけなんです。もう少し内容を明確に答弁をしていただきたいと思います。

大塚基弘人事院事務官(職員局長)

○大塚政府委員 実は三十八年の改正によりまして報告書を出すことになったわけでございますが、この報告で要求されておりますのは、いまの問題の軽微という表現のところにかかわる承認の理由でございます。そこで、実はこの理由を私どもが見出すためには、もちろん過去五年間の在職した官職、それからその勤続期間と、その就任なさろうという営利事業との関係を見るわけでございまして、特に五年間の実績と申しますか、どういう権限を持っておられて、また具体的にその権限を行使なさったかというととは、詳細に調査いたしております。したがいまして、今井前次官の場合を例にとりますと、実は数件の外貨割り当て、あるいは特許関係でも一件、その他技術導入関係と、数件ございます。これらを一々検討いたしました結果として、私どもは、それぞれ所管の法律の権限の行使といたしましては、決して密接な関係で重いものではない、手続その他の点から見てまあ軽微と判断していいのではないかという、それだけの、実際の実績を一応調査した上での判断の結論として、軽微という表現を使ったわけでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 いま答弁の中にありました外貨の取り扱いの問題等でも、これは必ずしも高級官吏を任用してやってもらわなければならないような仕事の内容ではないわけです。これはだれでもやれるわけなんです。だから、その仕事にあえて高級官吏の方を採用したということは、次に考えたところの専務取締役という会社の大黒柱の仕事をやってもらうという下心から採用したものだと判断できるので、こういう判断の上に立ちますと、軽微というような表現を行なって承認の理由にしておるということは、私は、十分に今後慎重を期してもらう必要があるのではないか、こう考えて質問を申し上げておるわけです。したがって、一般承認の理由ということが、具体的な記載がないわけで、もう少し承認理由を具体的に記載をする必要があるのではないか。特に法律で禁止条項もあり、その条項の範囲内においてこうした問題を承認をするわけでございますから、承認の理由はここに書いてあるような程度でなしに、もう少し私どもが見ても、承認理由としてやはりこれは理由になるんだというような記載の方法を具体的に考えてもらう必要があるのではないか、こら思っておるわけなんですが、そういう点についてのお考えを承りたい。

大塚基弘人事院事務官(職員局長)

○大塚政府委員 ただいまお答えいたしましたように、たとえば今井さんの例をとりますと、それぞれの局長でおられたとき、長官でおられたとき、それぞれのときにはどういう関係でどういうような処理をなさったかということは、全部私どもは調査いたしておるわけでございますが、その中で、一体軽微であるということでどれだけの具体的な関係を理由の欄に記載するかということは、なかなかむずかしい問題もあると思いますので、結論的にわれわれの判断を表現したものをもって理由といたしておるわけでございますが、しかし、先生の御意見に対しましては、必ずしも不可能なことではございませんので、今後8欄の表現をどういたすかということについては、検討は続けてみたいと思います。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 こうした問題は、いろいろと問題をひねくって考えられたりする場合がありますので、やはり承認理由というものはなるべく具体的に明記されたほうがいいと思います。局長のほうでもそういう点には御異議がないようでありますので、今後その点に意を尽くしていただくように希望を申し上げておきたいと思います。  それから、先ほどここ三年間の委任人事についての件数を報告をいただいたわけなんですが、この委任される分についての監査を人事院はどういうようにしておるかということを承りたい。

大塚基弘人事院事務官(職員局長)

○大塚政府委員 各省より、委任分に関しましては年二回、暦年の二回でございますが、その二回を大体一カ月の期限を切りまして報告をいただいております。この報告をいただいたものにつきまして、こちらで内容を審査し、まずそれぞれの省庁に伺って、その報告された内容について、私どものほうで検討をいたしております。したがいまして、その際いろいろ解釈の問題、あるいは運用の問題等に関しまして、われわれとして指導すべきものと思われる場合には、十分な行政指導をいたしておるところであります。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 私の知る限りでは、人事院に申請があれば、これは全部承認をしておるように思うわけです。それで不承認になるような場合は、端的にいって、どういうような場合に不承認をとるか。それからもう一つは、ただいま監査をしておるという点についての答弁がございましたが、今日までの監査の結果、それでは承認できないというようなケースがあったかどうか、疑問な点があったかどうか、この二点をお伺いをいたしたいと思います。

大塚基弘人事院事務官(職員局長)

○大塚政府委員 まず、あとのほうからお答えいたしますが、通産省のお話で出ておりますので、実は直接通産省の担当者のところに伺いまして、監査と申しますか、そういうことをいたしましたのは、三十八年には二回、これは年二回の報告でございますから……。それから三十九年、四十年、それぞれこれは一回ずつでございますが、直接出向いて、私のほうの担当官が、いわば監査のようなことをいたしております。その際は、全離職者の名簿を出していただきまして、そして監査をいたしておりますので、まず、件数その他扱いにおいて漏れがないかということを確かめております。それから監査の内容に関しましては、これは各省委任分に関しましては——もちろん非役員に関してはいささかゆるい点もあるわけですが、役員に課長以上の方がつく場合にはいささか基準が違いますが、その基準に照らして監査をいたしておりますので、時によると、運用に多少問題点があるという点で、将来はそのような運用は避けていただきたいというような注意をいたす場合もございます。通産省の場合でも、三十八年にはあったと記憶しております。  それから、初めのほうの問題で、一体人事院に申請を出していれば全部通っておるではないかというお話でございますけれども、これは御本人から申請をなされるのではなくて、その官庁を通しての申請でございます。したがいまして、官側でもって、人事院の承認の基準なり審査のしかたなりというものは十分御承知なさっておって、これは人事院の承認を得られないだろうというケースについては、あらかじめ人事院へ申請をなさらずに何らかの御措置がされている、こう思われるわけでございます。  それからもう一点は、それほどはっきりはいたさないけれども、しかし、人事院に照会して聞いてみた上でという場合が、相当数ございます。ボーダーラインに属するというような場合でございますが、これらは正式の承認手続で不承認というようなことをいたしません、いわば事前協議でございます。事前協議の例ですと、昨年度におきましては約二十数件ございました。通産省の場合をとりましても、二件ほどは、それは無理であろうというような判断を私どもが示したケースがあったと思われます。正式に書類をいただいて不承認という形をとりますのは、非常に数がないのでありまして、これは一つは、さっき申しました理由以外に、ともかく、こういう職員のおやめになってからの社会生活に、人事院が不承認の処分をした方だということは、ちょっと影響もございますので、ことさらに不承認処分ということをやる必要はない、むしろ避けるべきだというふうに考えておりますので、事前に各省庁との話し合いで、その場合は承認できないであろうというような判断を示しまして、承認手続をお控えいただいたというケースがあるわけでございます。通産の場合も、昨年度そういうようなケースが二件ほどあったわけでございます。あと、不承認の場合は、もちろん密接な関係があるというものは承認されません。これは具体的な案件いかんを問わず、たとえば銀行局長が銀行の役員になられるというような場合は、全然承認できない。これらのケースはあらかじめ各省庁にお示ししてありますので、もちろん承認を求めてこられるようなことはないわけです。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 時間を急いでおられるようですので結論的に申し上げますが、いわゆる天下り人事といわれておるものは、法の禁止しておる趣旨というのは、個人対役所という関係もございましょうけれども、役所と会社との制度上の関係を考慮しての禁止だと思う。その点の解釈は間違いございませんか。

大塚基弘人事院事務官(職員局長)

○大塚政府委員 役所、もちろん国の機関との関係ではございますが、その関係は営利企業においてつく地位との関係で見ておる。したがいまして、会社全体と国の機関との関係ということではございません。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 いまの答弁ではまだ突っ込んでお聞きしたいのですけれども、この辺でこの問題はやめますが、先ほど来申しましたように、承認の理由からいきますると、軽微なものという表現をされておって、特に失礼であったけれども、通産省の場合でしたから今井さんの場合を例にとりましたが、最初採用するときには会社の定款に毛ない顧問として採用して、そうしてすぐ専務取締役に昇格をしておるというととは、初めからそうした下心があるということが判断ができるわけです。したがって、こういうようなことは、個人対役所、会社、いろいろございましょうけれども、やはり私どもの一番注意をしなければならないことは、役所と会社との制度上の問題がこらした人事によって不明朗なものができてくるということをおそれており、そうして法の禁止しておる趣旨もやはりその点にあろうと思いまするので、ただいま私の申しましたようなことにつきましては、今後の取り扱いについては十分注意をしていただき、そうして承認理由については、もう少し具体的に、一目見てはっきりとわかるような承認理由をつけていただくように強く要望をしておきたいと思います。天下り人事の問題ですから、ちょうど人事院が来ておられるので、他の者にも関連して聞きたいと私は思いまするけれども、まあ通産省の問題をやっておるのだから、この程度でとどめておきたいと思います。  そこで、御承知のとおり、現在、化繊を含む繊維業界は非常に不況に見舞われておる。そうしてその内容を見ますると、これは相当政治的に配慮をしてやらなければ、この不況を乗り切ることが困難ではないか、こういうように考えられておるので、一応現在の状況を御説明いただいて、そうして政治的な配慮を加える必要がある点が、私が考えられれば、あとから大臣のほうに私から御質問をしたいと思います。まず、課長さんのほうから、現在の状況をつまびらかにひとつ御報告を願いたいと思います。

蒲谷友芳通商産業事務官(繊維局繊政課長)

○蒲谷説明員 お答え申し上げます。ただいま繊維業界は御指摘のように非常な不況にございます。ただ、合繊系統につきましては、大体昨年一年で一段階の在庫調整が終わりまして、現在はむしろそういうような各原料メーカーといたしましては、需要に見合う生産をするということで、昨年行ないましたような強い操短は、相当緩和しております。それに見合いまして、機屋さんのほうに対する影響も大体緩和できるというように考えております。ただ、全般の市況が弱いために、まだ価格の回復が十分でない。それに加えまして、綿糸系統はいま非常に悪い状況でございます。一月に百四十九円台、大体四〇の綿糸でわれわれは百七十円か百七十五円が至当だと考えておりますが、それに対して百四十九円台を出しております。昨日も大体百五十四、五円ということで、非常に悪い状況でございます。現在市況の回復、日本経済全般の回復もおくれておりますし、あるいはインドネシアに対する特別な輸出もとまっております。市況の回復がおくれておりますので、われわれといたしましては、当面の不況対策を講じております。ただ、根本的な問題といたしましては、いまの不況が起きましたもとには、大きな構造問題を持っておりますし、また内外の情勢が非常に変わっておりますので、それに対する構造問題と取り組むということで、実は大臣からも強い指示がございまして、現在審議会をつくって検討しておりますが、その結果を待ちまして、相当な強い対策を必要と考えております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 いま現況を説明していただきましたが、短いことばではございましたけれども、大体私は内容を把握しておりますので、その点で受け取りました。日本の経済との関係もございましょうが、その場合には、どちらかといえば中小企業の不況ということが普通常識でございますけれども、繊維業界の場合には大企業も非常な経営不振ということで、大企業も企業合同をしなければなかなかこの不況を乗り切ることはできないのではないか、こういうような事態に追い込まれておるということ、そういう事態をどう解決するかといって、先の見通しをいろいろ考えてみますと、日韓条約は結ばれた、貿易の自由化はなされておる、こうなりますと、韓国のほうはどんどんと機械を据えつけてそれぞれ生産をし始める、こうなりますと、手先の器用なしんぼう強い低賃金の韓国の製品は、非常にコストが安いものが多く出てくるのではないか。そうなりますと、貿易の自由化からいきますと、日本の製品はストップさせておいて韓国の製品を利用するということになりますと、日本の繊維業界はますます苦境に追い込まれて、かつて石炭業界の不振に伴う特別な政治的な配慮がなされましたが、こういうようなところまで追い込まれていくのではないか、こういう心配すら先の見越しから私ども考えられるわけです。したがって、こういう段階において、まあ審議会を設けて検討しておるといういまの課長さんの答弁ではありました。それはそれでやっていただいてもよろしいですが、非常に深刻なんです。とにかく中小企業なんかは、融資はしてもらったとて、融資を受けて企業の立て直しをするというような意欲はもうないわけなんで、こういうような段階においての繊維業界の苦境をどう救っていくかということは、やはり政治的な配慮が必要だと思うので、そういう点について通産大臣はどうされようとしておるのか、どういう見通しを持っておられるのか、この際、その点を明確に打ち出していただきたいと思います。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○三木国務大臣 韓国の例もお引きになってお話しでございましたが、これはどうしても新興諸国に軽工業が起こってくるということは、産業発展の段階としてやむを得ない。それをみな日本が芽をつんじゃったのでは、あとから高度化されていく国はなかなか伸びていかれないわけですから、大きく見れば、日本の繊維産業というものは、非常に高級な、いわゆる高度化された繊維産業というものに進んでいって、そうして新興諸国の繊維産業と競合しないような産業構造を持っていくということ、大きな方向としてはそうだと思うのです。しかし、一ぺんにはそうはなれせんから、韓国からそういうふうに低賃金の安い繊維製品がくる場合には、関税その他の方法でこれを過渡的には押えるような方法を講じなければならない。しかし、根本は日本の繊維産業の構造改善ということにあると思うのです。この点については、どうしても政府だけというわけにはいかないですから、いま審議会で日本の繊維産業の構造というものはどうあるべきかということで、衆知を集めてこれに対して検討を加えておるわけであります。むろんこれは夏ごろには答申が出るものと期待をしておるわけです。ただしかし、一方においては、中小の繊維業者の中には転廃業をしていくような人たちも多いでしょうから、構造改善のための準備金を本年は五億五千万、それは業界も出しますから十億くらいになるのですが、こういう転廃業の資金なども用意したのです。これは根本的な改革というのではなくして、いまの急場のことですが、やはり繊維産業はイギリスでもアメリカでも斜陽産業でないですから、日本もそれだけの思い切った構造改善をやらなければいかぬ。それにはただ役所だけでもいかぬので、衆知を集めていま検討を加えております。その答申が出れば、それも参考にしながら、政府は石炭の次には繊維産業と取り組んで、これを斜陽産業にはしない、国際競争力を持つようにしなければいかぬ、こう考えております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 答弁は名答弁で、私が一番心配しておりましたのはただいまの答弁で尽きましたが、石炭産業の不況を政治的な配慮によっていろいろと手を打たれたと同じように、現在の繊維業界の不況をやはり政治的な配慮で何とかしてやらなければならぬ、との意欲は通産大臣は十分お持ちのようでございますので、期待をして、まだあと五、六分受田先生の質問があるようでありますので、この辺で質問を終わります。

木村武雄自由民主党

○木村委員長 受田新吉君。

受田新吉民主社会党

○受田委員 五、六分間時間をいただきまして、できるだけ協力さしていただいて質問します。  大臣、私、きょうは五、六分という時間の制限があります関係で、多くのことをお尋ねしません。少なくともこの機会に、通産省が国民の信頼をかち得るような威信を十分保って通産行政に邁進していただくために、たいへん残念なことでございますが、先般特許庁の審査長を中心として農林水産部門をめぐる大汚職事件が発生しました。これは天下に衝撃を与えている事件でありまして、発明、発見等純粋な気持ちでやる人までも含めて、特許というものに実は非常に不正があるということになったならば、国民の創意を生かす道がふさがれるわけです。しかも今度の事件は、もう審査の長を中心として審査一部、二部、三部、もう広い範囲にわたっておるし、逮捕された人及び取り調べを受けた人は、もう審査官の過半数を占めるという、こういう事件にまで発展をしておるわけでございますが、私、この問題はどこに欠陥があったのか。窓口から審査、審判という過程の中に、十分管理、監督の責任を果たす道がとられておるかどうか。少なくともこの最も清純であるべき特許という問題について、こういう大きな抜け穴があるということになると、大メーカー、弁理士、そういういわゆる要領のよい立場で動けるこうかつな人々があらわれた場合には、その人によって完全に薄給に甘んずる審判官などが迷わされる危険があると思うのです。もちろん待遇の問題がひそんでおると思います。しかしながら、清貧に甘んじて国民全体の公僕たらんとする公務員の気持ちを育てるために、ひとつ厳重な監督をしていただきたいのでありまするが、指揮監督の最高責任者である通産大臣としては、どういう所見を持っておられるか。並びに特許庁の長官として、通商産業省の外局としての、富士のごとき霊峰の存在であらねばならない特許庁に、なぜかかる事件が起きたか。今後のこの事件の処理並びに今後の決意等を伺いたいと思います。それを質問の重点にしていきたいと思います。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○三木国務大臣 御指摘を受けましたように、今回特許庁において不祥事件が起きましたことは、まことに遺憾なことで、私としても国民に対して申しわけないと思っておるわけでございます。一月の二十六日に、大阪の一弁理士が、農機具の関係会社の審判事件に関連して、特許庁の審判長に贈賄したということの容疑で広がっていったわけであります。この原因をどう考えるかということでありますが、それはいろいろ理由があっても、特許庁につとめておる、まあ全部ではないでしょうが、こういう事件にかかったような人たちの公務員としての精神の弛緩というものは、これはもういなめないことだと思います。しかしながら、あえて理由を探れば、特許などが非常に累積して、特許の出願がさばき切れないで、時間が何年もかかるというようなことも、こういう贈賄をするというようなことを起こらす一つの背景にはなっておったと思いますが、何年分もたまったとしても、贈収賄をするということに私はエクスキューズはない。これはやはり今後綱紀粛正のために刷新する委員会のようなものをつくって、そして特許庁のようなああいう最も信頼の高い役所でなければならぬものにこういう不祥事件が起きたということで、今後絶対にこういうことのないように注意をしていきますとともに、そういう管理の立場にある人たちに対しても、厳重にこういうことを繰り返さないような注意を与えて、善処してまいりたいと考えております。

倉八正特許庁長官

○倉八政府委員 厳正であるべき特許庁の審査、審判に関しましてこのような不祥事件を起こしまして、まことに申しわけございません。原因もそれから対策につきましても、いま大臣から申したことに尽きるのでございまして、私からもう何も申し上げる必要はないのでございますが、何と言いましても特許の滞貨が山積しておりまして、しかもそれが独立勤務だという特殊な性質を持っておりますから、これをまず打破すること、そのために法の改正も今後用意していることでございますが、しかし、根本的には各個人が姿勢を正しまして、そうして信用回復に邁進する。審査が公正であり、権利の設定が厳格である、これに徹したいということで、今後それに邁進していきたい所存でございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 大臣並びに特許庁長官からの御答弁をいただいたわけですけれども、たとえどのような形であろうとも、国民の公僕であるべき者が金銭の魅力に良心を曲げられるということは、絶対に許されないことだ。また、そこに公務員の高度の社会的信用の確保も得られるわけでございます。処遇の改善という必要があるならばそのほうで、特許事務が山積して、窓口で出願を受理する、それから審査する、審判をするという段階に、とても現在の人員では能力の点について限界があるというのであるならば、そのための人員をふやすことについては、大臣、これは私たち御協力するにやぶさかではありません。今度の定数改正の案も出ているわけでございますが、特許庁に対する職員の定数が改善されておるのかどうか、承っておらぬわけです。それだけ山ほど積まれている。いま一体どれほど積まれておるのか。特許申請、出願がどれだけされておって、それがだんだんだんだん累増する形にあるとするならば、このあたりで人員をふやして処理をする、これは非常に大事な問題だと思うのです。国民が特許申請したけれども、いつの日になってその審査の結論が出るであろうかという不安を抱くような形、何年も何年も年越しになったのでは、意味をなしません。したがって、的確な審査ができて審判ができるようにするのには、定数がどれだけ要るのか、山積事務がどれだけで果たされるのだという、そういうものをきちっとお出しいただいて、それに対して協力してほしいというならば、超党派で国会は御協力します。とにかく特許というものは審判ですから、裁判所に当たるようなものでございますから、神聖な、白雪をいただく霊峰富士の姿のようなものであるべきが、これが汚されるということは許されないことだと思う。いま大臣が率直に言われた中に、山積する書類の審査に手をやいているという意味のおことばもあったわけです。三木先生のような首相級の閣僚が大臣をやっておられるような通産省として、ひとつここを手きびしく実績をあげていただきたい。私はかように念願をしてやまぬものであります。特にこの事件を契機として世間に与えている印象は、少々悪いことしてでも、金を使い、料理屋へ招くような手を打てば、役人というものはころりとまいるぞというような、別の印象を与えた危険があると思うのです。旅費の支給など、向こうから大名旅行で御招待をされるというようなことがないか、旅費の支払いのときに十分厳重に調べていくくらいの心づかいを、管理、監督の立場にある者がおとりにならなければならないし、部下の者が罪を犯したからといって大臣に責任がないとは限らぬと思う。こういう場合には、大臣自身に良心的な、道義的な責任があるわけでありまして、部下を処分するだけでなく、大臣自身の責任というものも起こってくるわけですから、責任の所在がどこにあるかという問題、公務員制度の問題にもなってくるわけでございますけれども、どこまでが責任者であるかというようなことも十分考えていただいて、官紀、綱紀の粛正に徹底的に乗り出していただかなければいかぬと思います。今度のケースを見ますと、いろいろの贈収賄の方法、あらゆるものが総合的に出ておるのですね。これは行政府のどこに欠陥があるかというものを十分追及していただく種にもなると思いますので、ひとついま私の指摘したところにお答え願って、決意のほどをお示しいただけば、これで質問を終わります。

三木武夫自由民主党通商産業大臣

○三木国務大臣 いまの人員が少なければふやせ、いま御審議願っておる特許法、実用新案法の改正関係では、百六十名の増員を今度いたすことになっておるわけです。このことも、いまのように特許の出願が非常に長期にわたって未処理のままに累積するという事態を改善したいという趣旨かういたしたのでございます。  責任の問題は、通産大臣にもやはり道義的な責任は非常に感ぜざるを得ない。今後こういうことの事件が再び起こることのないように、通産行政を通じて官紀の粛正をはかっていく決意であることを申し述べておきたいと思います。

木村武雄自由民主党

○木村委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

木村武雄自由民主党

○木村委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の通告もありませんので、直ちに採決に入ります。  通商産業省設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

木村武雄自由民主党

○木村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木村武雄自由民主党

○木村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。   〔報告書は附録に掲載〕

木村武雄自由民主党

○木村委員長 次会は、来たる三十一日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時三十八分散会

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