逓信委員会 第33号
- 発言数
- 56 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1966/05/27
会議録
○砂原委員長 これより会議を開きます。 逓信行政に関する件について調査を行ないます。 この際、政府当局より発言を求められておりますので、これを許します。山本監察局長。
○山本(博)政府委員 前回の委員会で、前橋で起こりました特定郵便局長の道路交通取締法違反等につきまして報告をせよとのことでございました。そのとき報告をいたしました部分と、今日までにわかりました事実と、多少重複するところがございますけれども、あらためて取りまとめて御報告を申し上げます。 起こりましたのが五月の二十三日の八時過ぎでございまして、三波川郵便局長、これは特定局でございますが、特定局長が運転をいたしました自動車、同乗いたしておりましたのは同じく特定局の美九里の郵便局長、それに前橋の監察支局長と同局の事務官で、都合四名が乗っておりました車が、郵便局前の市内の国道におきまして、操縦を誤ってセンターラインを越しまして、その当時ちょうど直角の方向から走ってきました自動車に接触をいたしました。そのはずみで次の車にまた接触をし、その後停車をしたというのが発端でございます。 それで、停車をいたしましたときに、第一の接触をした車の運転者がおりてきまして、特定局長の運転しておりました車のかぎを持ち去ったということであります。これは、当事者の言によりますと、車が逃げるかもしらぬから、そのかぎを取ったというふうに申しております。このかぎを返せ、返さぬということで、その車に同乗しておりました美九里の郵便局長と第一の車の当事者との間で多少のいざこざがございました。その際、特定局長の側から、多少酒気を帯びておったものでございますので、やや粗暴にわたるふるまいがあったというふうに——粗暴のふるまいという内容は、相手方が、ほおに手が触れた、あるいは触れないというところが主として争点になっておりました。そういう粗暴のふるまいがあったということでございます。そのおり警察が、通行人がその通報をいたしましたために到着をしまして、両者を取り調べたというのが現在までの起こりました事実でございます。 その際、運転をしておりました三波川の局長が酒気を帯びておったということでございます。これはある程度はっきり実証されておりますので、酒を飲んで、しかもその酒を飲んでおった程度は、運転をするのに不適当であったということが言われております。これも事実のようでございます。なぜ飲酒をいたしましたかと申しますと、これはかねて高崎の郵便局で郵便の抜き取り事件が頻発いたしておりましたので、この事件が解決をしたのを機に、郵便物の不着申告あるいは国民の、利用者の各位からの苦情申告、そういうものについていろいろ協力をしてくれました特定局長と監察支局の人たちの労をねぎらう意味で、打ち上げ式をやったということでございます。この前の委員会の席上で、私がこれは祝杯をあげたと申しましたけれども、これは私のあやまちでございますので、訂正させていただきたいと思います。その会にこの三波川の局長が参加をして飲酒をした、その帰りの自動車を運転する際にこういう事故を起こしたということでございます。自動車の損害を受けた程度は、第一の車はバンパーがへこんだという程度でございます。第二の車は横にかすり傷を受けたということでございまして、人身の事故は全くございません。それから粗暴のふるまいがどの程度あったかということは、これは目下警察が刑事事件として成立するかどうかを取り調べ中でございますので、私のほうでこれをはっきりあったかどうかということについての確認はいたすわけにまいりませんでした。警察側の情報では、別に傷がどこにもついておらない、傷害というわけにはいかないのではないかということをはっきり申しておりました。で、このような事故がありましたのは、これは道路交通法に当然違反いたしましすので、この部分についてはこれまた警察が目下取り調べ中であります。いずれはっきりした措置が出ると思います。 ただこういう法律上の問題とは別に、酒気を帯びて運転をして他の車に損害を与えた、あるいはやや粗暴のふるまいがあったということについては、これは法律の問題でなくて、まことに不始末でありますので、さっそく関係者が、自動車の損害を受けた被害者あるいは粗暴のふるまいがあったと言われている関係者、そういうところに翌日出向きまして、遺憾の意を表しまして、相手方からこれを了としていただいております。なおこういうような事件を引き起こしましたことは省としてまことに遺憾でございますので、監察局それから人事局両方とも相寄りまして、これからこういうことの再発しないように、関係者一同十分自粛自戒をするように早急に連絡指導する手続を進めるつもりであります。 以上御報告申し上げます。
○砂原委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。栗原俊夫君。
○栗原委員 ただいま監察局長から前橋で起こった特定局長の酒気を帯びての自動車事故、これに関する概要の報告があったわけでありますが、実は群馬では、ここ数日来特に公務関係の人たちの交通事故が重なっておるわけなんです。この事件が起こった一日置いて前の日には、ある高等学校の先生が、これまた酒気を帯びて、十六歳の定時制の工員を、これはひき殺したというような事件、さらにはまた消防車の運転者が酒気を帯びて転倒して死傷事件が起こったというようなことで、公の人たちの起こす交通事故ということで、非常に世論がわいておるところであります。だからといって、特にことさらきびしく罰しろとか、私はそういうことをあえて言おうとはしません。どこまでも事実問題は、法的関係は、警察その他検察関係で具体的事実をしっかり取り調べるでありましょう。こういう上に立ってしかるべくそれぞれの段取りがはかられると思いますが、問題は同じ郵政省内で起こるこれらの問題で、局長とかあるいは特に監察の任に当たる監察支局長、この人が一緒に酒を飲んで、しかも言うならば支局長が飲ませた、その酒気を帯びた人に運転させたというようなことなど、こういうことが世間できびしい批判の対象になっておる。こういうことで省の威信をくずさないような処分というか、あるいは事後の措置をひとつしっかりやってもらいたい。なるほどさすが郵政省は威信を守るべき措置をとった、こういうことをはっきりとさしていただきたいということが一点。 いま一つは、数多い郵政職員をかかえておる郵政省の中で、特に局長とかそういう特殊な立場にあった者がこういう案件を起こした場合と、その他一般労務に携わる者、率直に言えば全逓の組合員というような形の人たちが同一ケースのような事故を起こした場合の措置のしかたに、もし差別の扱いがあったとすると、これはなかなか容易ならない問題かと思いますから、やはりそういう点も十分配慮した中で、なるほど姿勢を正す。たとえ局長であろうとも監察支局長であろうとも、やはりこういうことも起こせばこうなんだ、よくわかった、こういうことが全職員に納得できるような事後措置をとってもらわぬというと、何だ、特別な役目にあるがために特別な扱いをしているではないか、こういうことがあってはならぬ、このように思いますので、それらの角度から見て間違いのない、さすがは郵政省である、こういう善後処置を講じていただきたい、このように考えるわけです。これに対してまず大臣の御所見を承りたいと思います。
○郡国務大臣 道交法の違反事件というものは、国全体として非常に重大な問題として取り上げなければいけないことでございます。したがいまして、この事件についても十分その考え方で取り締まり当局は捜査を進めてまいることと考えております。いま御指摘のように、第一の点、威信を保つように、これは非常に大事なことでございまして、郵政部内全体が、部内においてもまた外部に対しても威信を保ちますための方途は、この際に特に徹底をいたしたいと思います。これに関連しまして、こういう監察の関係のことでありますから、特に留意の上にも留意をいたす方法というものは徹底いたさせたいと思います。 第二のお尋ねの点は、これはもう当然のことでありまして、私どもは事柄に応じた処置というものは、その者がどういう立場にありましょうとも、一様に厳正でなければ相ならぬと思います。むしろ監督の立場にある者はそれだけ事柄について加重される、そうしたような意味合いで、ものの処理は進めていくべきものと考えております。
○栗原委員 事実の問題が明らかになり、さらにただいま省としてこの案件に対処する姿勢が明らかになりましたので、ここでさらに深い論議をしても始まりません。ただ成り行きを私どもは厳重に見守って、もし誤りがあるならば、またその機会にこれを取り上げて追及することにいたします。したがって、ひとつ間違いのないような措置をなされるよう特に要望いたしまして、この問題は打ち切ります。 ————◇—————
○砂原委員長 日本放送協会昭和三十九年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。栗原俊夫君。
○栗原委員 三十九年度の俗に言う決算の問題でごいますが、この年はオリンピックが行なわれた年でございますので、その年度の初めにおきまして、予算審議にあたっていろいろとあらゆる角度から論議が行なわれました。特にこれは予算を決定する場合には、当委員会としてもいろいろと希望をつける、附帯決議をつけるわけでありますが、オリンピックがある年だけに、とりわけいろいろな委員会論議を取りまとめた附帯決議がついておるわけでありますが、当逓信委員会の附帯決議について、どのように具体的に実行されたかについて、幾つかお尋ねをしてみたいと思います。 附帯決議の中で、特にオリンピックを契機にぜひとも日本国じゅうが、あまねくまさに放送法でいうところの国民にオリンピックを見せたい、見てもらいたい、こういうことで、難視聴区域をでき得る限り取り除くような措置を講じてもらいたい、こういうことを強く要望しておるわけでございますが、こういう点について、三十九年度特にオリンピックが行なわれるときを一つの契機として、どんなぐあいに難視聴区域の解消について救済施策が行なわれたか、こういうことについて、あらためてではありますけれども、御説明を願いたい、このように思います。
○三熊参考人 ただいまの御質問にお答えいたします。 特にテレビジョンに関しましてお答えいたしますが、御承知のとおり、三十九年度当委員会で御承認を得ました五十五カ所を総合テレビでは置局する予定であったわけですが、それにただいまのオリンピック時に皆さんに見ていただくという面もありまして、三十五余分に追加いたしまして、合計九十総合テレビジョンをつくることにいたしました。それで三十八年度末百六十二局であったものが、三十九年度末では二百五十二局というように多くなっています。 一方、教育テレビにおきましても、承認の場合六十二局が追加三十局で九十二局と増加いたしまして、三十八年度の百五十二局が二百四十四局というぐあいにふえています。したがって、三十九年度、総合と教育と両方合わせまして、百八十二局という多くの局をつくることができました。聴視者のいわゆるパーセンテージを申し上げますと、三十八年度は八七%であったものが、三十九年度では三%増になりまして九〇%というように、でき得る限りの努力をいたしまして、御趣旨のようにオリンピックは十分皆さんに見ていただくということができた次第でございます。
○栗原委員 ただいまの御説明で、テレビジョン局については九十二局、合計百八十二局が置局、完成された、これは当初の計画数百十七局を大幅に上回るものである、こういうように言われておるわけでありますが、これは三十九年度の予算の中でこういうものがあったのか、ちょっと記憶していないのですが、予算をこえて大幅に上回る置局をしたのですか。この辺はどうなんですか。
○三熊参考人 ただいま申し上げましたとおり、予算は総合におきまして五十五局であったのが、九十局というぐあいに増加いたしたわけでございます。それから教育におきましては六十二が九十二局というように増加いたしております。合計六十五の局だけがふえています。
○栗原委員 国民あげてオリンピックが見たい、単にオリンピックばかりでなくて、テレビが見たい、こういうときに、予定よりも数多くの局を置局して、より多くの人に見せたこと、このことは非常にけっこうなことでありますが、計画の置局をこえてやったという予算の裏づけ、金の裏づけ、これはどういう形で消化したのでございましょうか。
○小野参考人 お答え申し上げます。 ただいま一応の御答弁をいたしましたような措置をとりますためには、当初予算ではまかない切れません。そういう場合には、予算総則で繰り越し剰余金の使途等について、そういった難視聴解消等の置局の関係につきましては、これをNHKの自主的運用にゆだねられております。そういったような総則上許される措置を使いまして、予定以上の局を建設したわけであります。 なお、置局ばかりでなしに、オリンピック放送をできるだけ多数の方に見ていただくためには置局だけでは間に合いません。このほかにいわゆる共同受信の助成の関係につきましても、この年度は特に大幅な助成を早期に決定をいたしまして、できるだけ多数の方が、そういった置局の関係を通じ、また置局の関係で目的を達せられない面に対しましては共同受信の助成施設の早期完成によりまして、所期の目的に沿い、附帯決議の御趣旨に沿うような措置をとらしていただいたわけでございます。
○栗原委員 これは附帯決議の趣旨に沿った、まことに時宜を得た措置であったと感謝をするわけでありますが、たまたま難視聴区域解消のための置局、さらには共同受信施設の助成、こういうことに関連しまして、この問題についてNHKの基本的な姿勢について、まあわかっているようなことではありますが、あらためてまたお聞きをしておきたいと思うのです。 本来的にはNHKはあまねく日本国内だれしも良質の放送を聞き得る状態に置く、こういうことが基本的な立場だと思いますが、そこに物理的な関係で難視聴区域ができる、これを解消するためにできるだけ置局を伸ばしていく、直ちに置局という形でいけないところには共同受信施設をつくらしてこれに助成する、こういうわけなんですが、置局してもらうのは、これは単に甲種なりあるいは乙種の受信料だけで聞けるわけなんですが、共同施設ということになりますと、助成があっても、一〇〇%助成でない限りは、聴視料プラスアルファの負担がかかる、こういうことになるわけです。郵便にしても電報にしても、あらゆるところへ同一料金で行っております。電報などは遠隔の地には特に何とかいう割り増し金がつく方法がとられておるようでありますが、郵便料金は、遠いからといってよけい切手を張らされる心配はないようになっておると思いますが、この辺はどうなんですか。やはり共同受信施設というようなものは本来的には部分助成である。その部分がだんだん拡大されてはいくでしょうけれども、やはり部分助成という姿で最後までいくべきものなのですか。あるいは置局のかわりに共同受信施設ということであるのだから、置局のかわりなのだから、全額協会が持つという論理になるような気がするのだけれども、この辺はどうなのですか、ひとつ……。
○小野参考人 御説ごもっともでございます。目下のところにおきましては置局優先でまいっております。いずれある一定の段階になりますと、非常に置局の数も、地点も多くなってまいります。そういった点につきましては、置局のみではあるいは目的が達せられない、非常に不経済だというような面が出てまいろうかと思います。そういう際になりましては、あるいは置局にかわる方法として、共同受信施設のみではなくて、技術的にいろいろな面を考案いたしておりますが、何らかのそういった面をあわせ用いる必要も起きてこようかと思います。特にこの年度におきましては、オリンピック放送をできるだけあまねく多くの人に見ていただくために、特例といたしまして、通常の場合には助成の対象にもならないものを対象に取り上げて、共同受信施設の完成に御協力を申し上げたような次第でございます。
○栗原委員 まあこれは特に三十九年度の決算問題で質疑が展開されておるものですから、三十九年度に関連していま小野さんからお答えがあったんですが、最後に私がお聞きしたのは、三十九年度というものに限るのではなくて、難視聴区域を完全解消していくという基本的なものの考え方、裏を返せばあまねく聞かせる、見せる、こういう立場に立つときに、将来置局では金がかかり過ぎる、共同施設ならば見られる、こういう地域に対しての助成の姿が最後まで残るのか、あるいは置局にかわって共同施設という姿であまねく聞かせるという線を貫くのか、この辺のところの姿勢の問題をお聞きしたわけなんですが、これは会長どうですか。
○前田参考人 私どもといたしましては、置局に関してはチャンネルプランとの関係から生まれてくると思います。したがいまして、チャンネルプランによる置局が完成した暁においても、事実上見えないという場所につきましては、ただいま副会長からお答え申しましたように、共同聴視の方法を、いわゆるチャンネルプランに基づく置局の補完的な性能を発揮させるほうに全力を注ぐべきであるという基本的な考え方を持っております。
○栗原委員 わかりました。わかりましたが、そういう立場に立って、経過的にはやはり当面は共同聴視の施設には補助助成、こういう具体的な方策で進んでいく、こういうことでありますか。
○前田参考人 現状においてはまだその方法を継続すべきだと考えております。
○栗原委員 それから、これは単に地域的なあるいは山の形とかそういう形での難視聴ではなくて、問題なのは聴視料全額免除あるいは軽減という地帯が飛行場近辺に起こっておりますが、これなどはまあもちろん免除するというからには、施設は持っておる、施設は持っておるけれどもよく見えぬ、まさに文字どおり難視聴だ、だから軽減をする、さらには免除する、こういうことになってくると思うのですが、免除されたり軽減される人たちは、免除されたり軽減されることよりも、完全に見えることを望んでおることはこれは間違いないことなので、これを何とか方法を講じて、見えるような技術的な方途が講じられないか。もちろんどういう映像が出、どういう音が出せるようになっても、付近で飛行機がぶんぶん鳴れば、普通の耳では聞けないからイヤホーンで聞いて、絵だけは完全に出るとかなんとかいう方法を講じてやって、全額払い込んでもそうしてもらいたいというのが、おそらくそういう地帯の人たちの心からなる希望だろうと思うのですが、こういう問題についてはどんな考慮が払われておりますか、こういう点についてひとつ……。
○三熊参考人 技術的の問題から申し上げますと、飛行機その他、たとえば新幹線の汽車等が通っても起きる場合もあるわけですが、映像自体のそういう瞬間的なものをすぐさま普通状態にするというのは、技術的に非常にむずかしいと思います。できる限り強い電波をもってそういう度合いを少しでも少なくするということは考え得ると思います。 それからもう一つは、先ほどの話のように、そういう影響のわりに少ないところに、共同受信用のアンテナを置くというような方法をもって少しでも救済するということがある程度は考えられると思いますが、現在の技術的ポイントから考えますとなかなか困難なことだ、こう考えております。
○森本委員 先ほどの共同聴視の問題でありますが、この共同聴視によって最終的にはチャンネルプランによって置局をしていく、それがどうしてもできないところについては技術的にいろいろ考えていかなければならぬという小野副会長の答弁でありました。さらにそれに加えて、そのチャンネルプランに基づく置局がまず第一だというふうに言っておりますが、私はここでチャンネルプラン自体についても相当問題がありはしないかというふうに考えるわけであります。チャンネルプランというものは、人口、戸数によって機械的に割り当てているところが多分にあるわけであります。特に、たとえば今回Uの波によって中継所として割り当てられているところについては非常に問題があるわけでありまして、こういう点については、はたしてその地域地域の住民の実情に応じたチャンネルプランであるかどうかということについても、中継所の設置段階についてははなはだ疑問があるわけでありまして、このチャンネルプランの問題についてもそういう疑問がありますが、これはいずれ放送法、電波法の審議の際に私は申し上げたいと思います。ただここでNHK当局に申し上げておきたいと思いますことは、そういうふうな共同聴視において行なっておるそういう人は、助成金、補助金をもらっておるけれども、現実には相当の金を出さなければならぬ。ところが、現行の放送法の第七条によっては、あまねく日本全国に見えるようにしなければならぬ義務をNHKは課せられておる。ところが、そういうところにおいても、受信料についてはその他のところと同じように取られる。この矛盾を一体どう解釈をせられておるか。実際問題として助成をするということはけっこうなことでありますけれども、助成だけでは現在においてはとうていでき得ない。相当の出費をさせられておる、その出費をさせられておるところの者が他の、たとえば飛行場その他については免除されておるところもありますが、こういう共同聴視の助成金をしたところについては、全額これは出さなければ助成はしない、こういうふうにおどかされておりますから、当然もう全部出さなければならぬわけであります。そういう点の矛盾を一体NHK当局としてはどうお考えになっておられるか。これは非常に疑問に思っておる点でありますので、いまちょっと栗原委員からいい質問が出ましたから、この機会にNHK当局としてこの共同聴視におけるところの受信料問題についてどう考えておるか、ひとつただしておきたい、こう思うわけです。
○前田参考人 共同聴視の受信料の場合と、たとえば飛行場周辺、これと関連する場合の受信料の減額ないし免除の問題は、根本的にたてまえが違うと私どもは解釈するわけでございます。たとえば飛行場その他これと関連するようなケースは、本来にはNHKの直接——ことばがちょっと強過ぎるかもしれませんけれども、直接責任と関連しない場合がかなり多いかと思います。これに反しまして共同聴視関係においては、これは放送法の原則に基づいて当然NHKがやっていく範疇の一つに入るかと考えております。ただし、私どもの現在の立場から申しますと、少なくとも放送は、無線局という形において、これをチャンネルの計画に従って郵政省の免許を受けながら置局し、最終的には全国あまねくという目標に努力すべき義務を持っていると考えますが、これと関連する共同聴視につきましては、最終的には、これらの経過措置がほぼ完全な形で実行された段階と関連いたしまして、それ以後の問題については共同聴視がそのまま置局の一つの形式になるという考え方もあり得ると考えております。現状においてはただいま申し上げたような解釈のもとで補完的な作用ということを考えるわけでございます。
○森本委員 会長の答弁でよくわかりました。飛行場の点と共同聴視の点について違うということは、まあ私もそのとおりだと思います。いまの会長の御意見のとおりであるとするならば、共同聴視については全額NHKが責任を持って見えるようにするという義務がありはしないか。それが、置局と同様に考える、チャンネルプランによって置局をしていくまでの暫定措置であるとするならば、少なくともこの共同聴視の設備についてはNHKが全額これを見てやる、そうして現実に三百三十円なら三百三十円は別途に徴収する、こういうことになりはせぬか。それを、一方の補助金は中途はんぱな補助金をしておいて、おまけに四国のように台風災害が非常に多いところ——日本全国そうでありますが、台風災害で一ぺんに共同聴視のアンテナがいかれてしまう。それを修理しなければならぬ。相当の修理代が要る。その修理代が要るときも、これは全額見てくれるわけではない。こういうものについては、置局のかわりであるという会長の答弁であるとするならば、それは当然NHKが共同聴視の機械設備、さらに修理その他については責任を持って行なう、そのかわりに三百三十円については、これはまたひとつ法律に基づいて徴収をする、こういうことが一番妥当な線ではなかろうか。三百三十円取るだけはきちんと取っておいて、その置局のかわりだ、その共同聴視の分については補助金でやる、足らぬ分はおまえらが出せということは、放送法の趣旨からいっても私は反するのではないかと思う。そういう点は、前段のただいまの会長の答弁はよくわかりましたので、そういう国民の側から見た場合に非常にNHKは不合理だというふうに考えておる点をどうお考えか。この際、共同聴視については日本放送協会が全部責任を持ってやっていく、その修理についても故障についても全部責任を持って見ていく、このくらいのことをNHKがやったほうがよくはないか。いまやNHKはマンモスNHKといって、週刊誌、それから文芸春秋、あらゆるところから批判の的になっておる。これは小さな問題のようなことだけれども、実は全国津々浦々に相当あるわけでございます。こういうことこそ私はNHKが責任を持ってやってやるべき問題じゃないかというふうに考えておるわけでありますので、この点ひとつ方向転換をしてもらいたいと思うのですが、どうですか。
○前田参考人 御趣旨は、私どもも考えている部分の一部にはございます。ただ率直に申しまして、現在の状況においてはまずチャンネルプランによる置局が未完であるという点、したがいまして、私は、先ほど現状においては共同聴視の助成は補完的な意味を持つということを申し上げました。しかし、これを今度具体的に、それでは、共同聴視の場合はアンテナあるいは設備の保守、それらについて特別の費用がかかるという、これは、それに対して建設と関連してNHKが相当額の補助を出すわけでありますが、チャンネルプランによる置局された中継局から個々の御家庭が受信される場合においても、少なくともアンテナと受像機に関連する設備はことごとく受信者が負担しておられるというのが実情でございます。したがいまして、そういう関連と、ただいままで申し上げた置局の最終計画が完了しないその過渡的な形の中で、この問題を一挙に解決するには、やはりいろいろ付属的な、あるいは、フィーリング的ないろいろな問題が起きてくると考えております。私といたしましては、率直に申し上げて、置局の最終段階において、もういかなる機械の開発によっても、それからまた、チャンネルプランとの関係においても、ほぼ置局の形式による全国普及が限界に近づいたときに、はっきり申し上げますと、置局にかわる方法としてNHKが、受信のもとになる設備を設置することは当然だと考えております。したがいまして、そういう意味では、多少時間の差の問題になるのではないか、このように考えられます。
○森本委員 私は、会長みたいにゅうちょうなことを言っておるわけじゃない。私は要するに、いなかの住民の意向を代表して言っておるわけです。あなたの答弁でちょっと解釈すると、共同聴視というものはアンテナに大体類するものだ、なるほどそれはそのとおりだ。アンテナを山のてっぺんに立てて引っぱってくるわけですから、大体普通の各家庭の受像機でもそれはアンテナをちゃんと立てて見るわけですからね。しかし、それは自分の家の上に立てるなり家の前に立てれば見れるということ、それがために置局しておるわけです。それが見えぬから、一度山のてっぺんに持っていって、それからずっと引っぱってこなければならぬというのが、いまの共同聴視です。山のてっぺんまでアンテナを引っぱっていかぬでも、自分の家の前に小さなアンテナを立てたら見えるようにするのが、最終的にはNHKの義務なんです。そこで、いま過渡期にあるということも会長のおっしゃるとおりであります。過渡期にありますけれども、現実には、これはやはり見えるようにするという任務は日本放送協会にありはしないか。そうすると、これは現在の家庭の受像機が持っておるアンテナとはだいぶ違う。小さくいえば、小型放送機みたいに考えてもいいのではないか。いわゆる将来できるところの微電力の、いわゆる五十個、百個単位の微電力の放送機と考えてもいいのではないか。これはフランス等でやっておるようでありますけれども、そういうふうに将来なっていくにいたしましても、会長はそれは金持ちだからそういうゆうちょうなことを言っているけれども、実際は、いま共同聴視のところで見ておる山の中の住民は、三百三十円にしても相当の大金であります。そこへ持ってきて、いわゆるこの助成金はもらうけれども、自分で相当な金を出さなければならぬ。これは非常にうるさいわけであります。だから、過渡期であるけれども、そういう点については日本放送協会が責任を持って全額見てやるというのが妥当ではないか。そういうことになると、会長がいま言ったように、そういう一方でチャンネルプランによる置局をやらなければいけませんけれども、金がありませんと、どうせここへくる。くるけれども、現実に、ちょっと経理局長に聞いておきたいのは、三十九年の総予算が幾らで、このいわゆる共同聴視のアンテナの補助金はそのうちで幾らになっておりますか。
○志賀参考人 三十九年度の当初予算の総額は七百八十八億八千三百万でございました。ただいまお尋ねの共同聴視の受信施設の助成の予算につきましては、五億一千六百万でございます。
○森本委員 そのときの共同聴視の補助金は、大体総額の何%を補助していますか、その基準は。
○志賀参考人 約三分の一でございます。
○森本委員 そこで、会長、七百八十八億円で、三分の一でありまするから五億円ということになりますと、これは全額考えましても十五億円ということになります。七百八十八億円のうち十五億円ということになるとするならば、これは少なくとも、置局によって確かに金は要りますよ。しかし、あらゆるところから節約をしてあと十億ぐらいひねり出すということは、私はやろうと思えばでき得ると思います。まして、これから四十年、四十一年の予算になってまいりますと、これはかなり膨大になってくる予算でございますから、その予算の比率から見ると、この全額補助ということはあながち私は夢ではない。今日、NHKは非常に経費の点、予算の点、マンモス予算というふうに言われておる。そういうときに、ひとつこれは善政を施すという意味においても私は、この共同聴視のアンテナぐらいは全額補助をしても、NHKの屋台骨は決してゆるぎはせぬ。また、これは理屈も十分立つ。まだ、全国的にチャンネルプランによる置局をしていく。そうして場合によっては最後には微電力の放送局にするのか、さらに残ったところは共同聴視にするのか、その最終的な絵図面というものはまだわれわれは持っていない。放送衛星の問題もあるわけであります。そういう点の最終的な図解は別として、ただいま当面問題になっておりまする共同聴視については、ひとつ全額補助をし、それから、保守、運営についてもNHKが責任を持って見ていくということの善政を施したならば、前田会長の名前もいやが上にも一般住民の評判もよくなろう、NHKの評判もよくなろう、こういうふうに思いますから、非常にいい質問をしておるのでありますので、ひとつ会長のほうからいいお答えを願いたい、こう思うわけです。
○前田参考人 私は、森本先生のお考え方と根本的には変わった考え方は持っておりません。ただ、事業計画の遂行上、三十九年度決算ではそういう形が出ており、また、置局としからざるものとの理論的な組み合わせという点もかなり私どもといたしましては気にしているわけでございますが、この共同聴視の助成に関しては従来、数多くの申し出に対しまして一年二回に分けて審査し、そうして助成するという方法を従来とってまいりました。ただし、今年度予算、御審議をいただきました予算においては、申し出の施設に対してはできるだけ全部の申し出に応ずるというやり方に変わってきております。これは六カ年計画の今年度は第五年目になっており、明年度をもって六カ年計画が終了するわけでございますので、私どもも森本先生と同じような考え方のもとに、いまお話のありました方向に将来はいく可能性を発見しようという努力をいたしている最中でございます。
○栗原委員 あまねく見聞きさせるというNHKの基本的な任務に関連して、難視聴対策というものが重大な問題として表に上がってくるわけでありますが、その対策の一つとして考えられるのがやはりUHFの問題もその一つだろうと思うのです。そこで、これに関連してあとから少し聞くわけですが、今回の事業報告に対する郵政大臣の意見書によると、UHFの受信問題についても意見が述べられておるようでありますが、その意見によれば、どうも必ずしも所期ほど受信設備が伸びておらぬ、これは伸ばさなければいかぬ、こういうような御意見のようですが、大臣、UHFを難視聴の地域を解消するために伸ばしていく具体的な方策としてはどんなことが考えられますか。伸ばさなければいかぬと言っておるだけでなしに、主管省の大臣として、具体的にはこうやれというような前向きの御答弁をひとつここで聞かしていただいて、言うなればここで主管省の大臣と、受けて立つNHKの前田会長とディスカッションをしてもらいたいというような気持がするのですが、まず大臣から御意見を……。
○郡国務大臣 意見の中にも書いておきましたように、まだ一般受信者が何ぶんにもUHFについてのなじみが簿いこと、したがいまして、コンバーターを取りつけますための経済的の負担というような点で、これも意見に書いておきましたが、一般放送事業との関係もございまして、そうした点で普及するための努力と、またそれについての意欲を高める、これはさしあたりNHKもそういう努力はいたしておると思います。政府と相呼応して進めてまいるということだと思っております。
○栗原委員 どうも、これはあんまり点数のやれる意見ではありません。率直に言って、このVHFで放送をしておいて難視聴地域がある、ここへよく見聞きさせるという一つの方法として、もちろんチャンネルプランの関係もあるけれども、UHFという一つの波が出ていく、こう私は受け取っているわけなのです。そこで、問題はいままでVの波が全然いかない、共同視聴施設をやっても全然だめだというところは、Uがくるといえば、これはいきなりあらためてUの受信機を買う、ここには問題はないと私は思うのですよ。ところが、Vがちらほら見えるというなら何とかすればもっとよく入る、こういうところになかなかこれは問題があると思うのです。言うならば、いままで持っておるVHFの受信機にコンバーターをつけるということは、共同受信施設をつくるのと同じ位置づけができるのではないか、このように思えるわけです。入ってくる波はVでなくてUが入るわけですけれども、Uがよく入ってくるといういままでの受信機に添加した施設を加えるということは、やはり難視聴を解消するための新たなる施設を施すわけですから、ここでこういう受信施設の数をふやすことについて共同受信施設をするならば助成がある、こういうことなんですね。コンバーターをつければよく見える、そういう施設をするのにどうするのかという何か姿勢があっていいのではないか、こういうぐあいに考えるのですが、この点会長いかがですか。
○前田参考人 郵政大臣の御意見も栗原先生の御質問もまことに核心をついておると思います。率直に最後の部分にお答え申し上げたいと思いますが、私どもといたしましてはお説のとおりであって、VHFの見えない地帯でUHFをつける場合には、これは問題は受像機の問題に限られてくるというように考えます。したがいまして、この部分につきましては私どもとしては、一世帯当たりの単価が依然として相当高いわけでありますので、ここ三年来メーカーを指導し、また特殊メーカーに特別の研究をやらせるという方法と、同時に業者に助成しながらコストを引き下げさせるという三つの方法をとってまいっております。ただこの特殊メーカーに特殊の研究をさせるという問題は、業界全体を混乱させる徴候もときどき出てまいりますので、この点については業界全体のためにやはり相当な注意が必要であると考えております。問題は要するにコンバーターが安くなることということでありますが、根本的には、私どもといたしましては、受像機のオールチャンネルシステムをこの際関係当局が決定していただきたいというように考えるわけであります。この点につきましては、ひとり郵政大臣の責任というよりは、むしろ通商産業省にも直接に関係のある問題でありますので、私どもといたしましては、先生方の御協力をいただいてその方向に行けたらまことに幸いではないか、このように考えております。 それからその他の地域につきましては、郵政大臣の御意見書にもありますように、UHFの効果についてのPRの問題という点も指摘されておるわけでありますが、これはやはり聴視慣習と密着する問題でありまして、VHFが多少でも見える地帯においてUHFの中継局を新しく設けましても、この聴視慣習から必ずしもUHFに乗り切り得ないという地帯が全国的にかなりございます。NHKの調査によりますと、またその調査に基づく対策としては、おおよそ四種類のことを継続してやっておるわけでありますが、いま申し上げたような地帯についてはやはりいろいろな聴視者の方々の生活慣習との関連もありまして、なかなかはかばかしくいかないというのが実情でございます。しかし私どもといたしましては、それら特殊のVHFとUHFの、聴視者から見て一種の混在する地域に対してはやはりしんぼう強くPRをし、またいろいろな受像機の調整その他についても積極的に努力をいたしてまいりたい、このように考えております。
○栗原委員 ただいま前田会長からオールチャンネルシステムの受像機の問題がありました。これから難視聴区域を解消していくため、それからまたチャンネルプランの中からUHFの置局が次々に進んでいくということになれば、やはりただいま会長が指摘したようなVHFとUHFとの両方が見聞きできるという混在地帯というのがかなりふえるのではないかと思います。この中でやはり方向としては、今後製作するものはオールチャンネルシステムだという一つの時点をつくれば、それ以前のVの受像機でしかもUを聞きたいというものに対するNHKとしての姿勢も、ここでそれじゃという姿勢がとれるのではないか、こう思うのですが、これらに対する大臣の——もちろん大臣一人ではなくて、大臣と通産大臣との十分御協議の上でなければ方向づけはできないと思いますけれども、方向としてはやはりそういう時期にきておるのではないかと思うのですが、御所見を承りたいと思います。
○郡国務大臣 このたびの放送法の改正を提案して御審議をお願いしておりまするが、こうした改正案で進んでまいりますると、当然UVの混在方式になってまいるだろうと思います。ただ、その混在してまいります場合に、地域的に進んでまいるのが実際だろうと思いますから、直ちにオールチャンネルの方式をとらなければ支障が非常に強いとも考えませんけれども、大体の方向としてはUVの混在がどんどん進んでまいる。そうすれば、オールチャンネルについて、これを別途どのような形でか考えてまいるということは、当然私どもも予想もし、それの準備もしなければいかぬと思っている状態であります。
○栗原委員 前田会長からいろいろお話があって、コンバーターの、できるだけ安く需要者の手に渡るような方法として、あるいは業者を助成するとか、いろいろな方法が考慮されておる、こう聞いておりますが、混在地帯で、視聴慣習からいって、わしのところはこれだけにしか見えないのだよ、こういうことになると、Uの波が飛んできておることはわかっておっても、まあ一万円以上金をかけてわざわざやらなくてもと、こういうことにとかくなりがちだと思うのです。こういう地点に、しかも目をこわさないはっきりした画面を見せるには、やはりコンバーターをつけて、せっかくのUの波を視聴させる、こういうことが必要だと思うのですが、やはりそれを促進するには、そのほうがいいのだよということだけではなかなかだめなので、コンバーターをつければ、いわゆる共同視聴の助成と同じように、視聴料についても幾分これを軽減してやるのだよと、ある期間を区切ってもいいが、何かそういう刺激的な政策が実施されぬというと、なかなかこれはたいへんではないかと思うのですが、これは特にコンバーターをつけたUの波を聞く受信機、これは、安くするということはなかなかたいへんかもしれませんけれども、そういうものの考え方はできぬものなんですか。お考えになったことはございますか。その辺いかがでしょう。
○前田参考人 個別の世帯に対する助成、UHF受像のための助成という問題は、私どもも非常に検討いたしましたが、これはいまのところ、私どもとしてはとり得ないという考え方でございます。それは、先ほどの共同聴視とも、立場は違いますが、多少の関連を持つ問題でございます。これは要するに受信料の性格からいって、受信料そのものをくずすという問題と、特殊の受信者に対して特殊の直接の財政的補助を与えるということは、かなり重大な問題でございますので、私どもといたしましては、それにかふわる方法として、いわゆる受像機の販売業者との関連において、コストを下げるという努力をしてまいっております。
○栗原委員 せっかく協会としても、あまねくよい画面を、そして音声を聞かせようという努力をしており、しかもその波が出ておるのでありますから、受ける側がその波を完全に受けられるような施策を、でき得る範囲内の最大限を尽くして、今後もひとつ努力をしていただきたい、このように思います。 次に、やはり三十九年度の予算を通過せしめるときのわが党の討論の中にもあったわけですが、中波大電力周辺地区の置局の問題についてでございます。これは、私も群馬県なんで、わしのところから波を出せなんということを、盛んに食い下がって、お願いしたり要求したりしたわけですが、その後、三十八年、三十九年、なかなかいろいろと波の関係その他で容易でないようでありますが、実情はどんなぐあいになっておりますか、ひとつ御説明願いたい。
○三熊参考人 中波の大電力下におきますローカルの問題で、皆さんのいろいろな御意見をお聞きいたしまして、われわれとしましては、でき得る限りローカル放送を置くような方向へ考えていったわけですが、御承知のとおり、中波におきましては、生み出す波が非常に少ないので、なかなかむずかしいという問題と、もう一つは、中波では、夜間におきましてどうしても混信その他があって、その使命を果たすのに十分でないというような両点がありますので、その後、中波によります周辺の局につきましては一応あきらめまして、それよりも、最も有効でありますFMにおいてそういう使命を果たしていこうというような考え方のもとに、四十年度以後、そういう方針のもとに、FMの置局という点に周辺地区のポイントをあげておる次第であります。
○栗原委員 そうすると、中波大電力周辺地域のFMの置局状況というものはどんなぐあいになっておりますか。
○三熊参考人 昨年、一応そういう点をあげまして、四十局の完成には、周辺地区も入れていただくようにいろいろと討議したわけですが、四十年度におきましては、波の割り当てその他が十分でないものですから、まだそこまでいってないのですが、四十一年度の候補地におきましても、そういう点をあげてありまして、でき得る限り早い機会に、そういう周辺地区に対します処置をしていただきたいと、われわれ念願しておる次第であります。
○栗原委員 これらの問題については、後ほど同僚の森本君からも本格的な究明があると思いますので、方向を変えて、時間もないようでありますから、二、三数字についてお尋ねしてみたいと思います。 三十九年度予算決算対照表によりますと、予算総則に基づく数字の移動が、予算、決算という形で出ておるわけでありますが、特に「総則8条による収支剰余金の計上および振当額」この項に、振り当てが三十二億ばかり出ておりますが、この振り当ての内容について、ひとつ概略御説明を願いたいと思います。
○志賀参考人 昭和三十九年度の予算総則第八条によります、前期繰り越し剰余金の振り当てにつきまして、御説明申し上げます。 総額三十二億につきましては、当年度御承認をいただきました、事業計画事項の早期促進をはかる費用に緊急に振り当てをいたしましたものでございますが、まず技術の部門におきましては、ラジオの放送所の無人化の促進を三局にわたって行なっております。これが七千四百万でございました。高山、豊橋、郡山の三局につきましての、ラジオの放送所の無人化の促進でございます。それから、地方の演奏所の整備の促進をはかりまして、八戸鶴岡、鳥取、北九州、富山の各局につきまして八千五百万を振り当てまして、演奏所の整備の促進をはかりました次第であります。それから、放送センターの用地の買収に関連いたしまして、第二期の買収分といたしまして、十八億六千三百万を振り当てをいたしました。それから、テレビのローカル放送の番組の強化をはかることといたしまして、これらの番組制作に要する、地方で必要といたします設備につきましての強化をはかりまして、これが七億八千二百万の振り当てをいたしてございます。それから、その他の放送設備及びスタジオ設備等の、直接番組の制作に関連いたします各種機械につきましての整備促進をはかりまして、三億五千万を振り当ていたしております。それから最後に、職員の宿舎を確保いたしますために、業務用宿舎の整備といたしまして四千五百万を振り当ていたしておるわけでございます。 以上が、三十二億の繰り越し剰余金の振り当ての内容でございます。
○栗原委員 次は、また飛んで申しわけありませんが、財産目録資産の部の受信料未収金総額六億二千三百九十五万円、このうち、不納見込みで、これは落とすんでしょう、三億七千七百万円、残額二億四千六百九十五万円、こういうものの見通しは一体どんなぐあいなんですか。結局この金額は、回収可能の資産として二億四千六百万円計上してあるわけですか。一ぺんに落とすのはいかがかというようなことで、分割して順次落としていく、こういうものなんですか、この辺はどうなんですか。
○志賀参考人 受信料の収納に関しましては、当年度分につきましてはできるだけ当年度内に完了するように、集金の努力をいたすわけでございますが、どうしても年度途中にいろいろの、転居先の不明とか、あるいは解約、移住とか、さかのぼって廃止をしたとか、いわゆる事故ものがございます。また、年度末の二月、三月に集金に上がりましても、いろいろな、留守その他の御家庭の事情で、年度内に収納に至らない場合がございます。こういうような場合には、すべて一たん決算時におきましては未収金に計上いたしまして、次年度にこれの解決の努力をすることにいたしてございます。その未収金に三十九年度に計上いたしました額が、ただいまお話しの、総額六億二千三百万でございます。このうらで、おおよそ過去の経験から申しまして、いわゆる事故ものとして、解決をはかりましてもなおかつ収納に至らないという分がございますので、この分につきましては、当年度の、一方で未収金として立てまして収入に計上いたしますので、一方でこれの欠損を用意しておく必要がございます。甲につきましては、この未収金の額の六〇%、それから乙の分につきましては七〇%を、欠損の対象として用意をいたしたものでございます。これが、ただいま御説明のございました三億七千七百万でございまして、これの相殺しました差額が、二億四千六百万として貸借対照表に計上しておるものでございます。この六億二千三百万を翌年度に持ち越しまして、次年度に入りましてからこれの解決の努力をいたしまして、このうちで翌年度に収納いたしましたものが、約一億七千万ございます。その残りが、一年経過後の次年度末に、この欠損償却額を利用いたしまして、これで欠損処分をするという方式をとっております。なお、収納の現業の部面におきましては、なお次年度以降も、さらにこれが解決の努力をしていくというたてまえに立っておるわけでございます。
○栗原委員 大きな視聴料の中でこの程度といえば、そうばく大なものとは考えられませんけれども、徴収不能の実態の大きなものはどういうものが占めておりますか。いろいろなケースがあろうかと思いますけれども、どこかへ行ってしまって、本人見当たらずというようなことが多いんですか。
○志賀参考人 ただいまちょっと申し上げましたが、いわゆる住所の移転に伴いまして、転居先が、郵便局その他に照会をいたしましても不明になります場合が、最近は非常に多うございます。それから、集金に上がりました際に、最低二カ月ないし——前納につきましては半年、一年の経過後に集金に上がりますので、その際にお話し合いいたしましたところが、すでに数カ月前に受像機を処分をしてしまっておるというような、きわめて善意な、本人の手落ちによりましての、遡及の廃止というものがございます。こういうものにつきましては、訪問時までは、一応こちらでは未収として整理をいたしておりまして、いずれ取れるであろうという予定を立てておるわけでございます。実際訪問いたしてみまして初めてそういう事実が判明いたしますので、そういうものがこの欠損の対象として残るわけでございます。
○栗原委員 これは前にもだいぶん議論したわけですが、視聴機一台についてということでなくて、一世帯について一視聴料というシステムになっておるらしいのですが、アパートであるとかホテルであるとかいうところは、一室が一世帯だ、こういうことで、前にもいや——帝国ホテル、第一ホテルあるいはこの辺のヒルトンホテルとかニュージャパンとか、実際行ってみると、テレビの受像機のない部屋はないということなんだが、実際には部屋の数だけは申告もされておらぬし、なかなか徴収もできぬ、こういう実情だろうと思うのですが、その辺の実態は昨今どうなっておりますか。
○長沢参考人 お答えいたします。 四十一年度の予算の御審議をいただいたときにも、先生方からいろいろ世帯の問題については、ラジオ、テレビとも、むしろおしかりを受けたのでございます。何と申しましても、やはり立ち入りもできませんので、ことしは目下全国的に非世帯関係、準世帯関係といったようなものを調査いたしまして、全国的にはノルマ的に責任者が陣頭指揮をとって、まず実効をあげて個々に当たっていくのと、それからそれぞれ会社あるいは協会、団体、たとえば競馬問題につきましては競馬協会へとかいうふうな形でお話をいたしまして、お話し合いの上で、申告をしていただいて、契約を結んでいくということを最重点として、ことし具体化してまいりたいというふうに作業を始めておるといったような状況でございます。
○栗原委員 少しくどいようですが、いままでは契約云々という法律が、新しい放送法では、今度は料金を徴収する云々という、もう少し積極的な料金規定になるらしいのですが、競馬協会とか、そういうところはなかなかわからぬかもしれませんが、ホテル業のような一部屋一世帯というのが原則であるところは、これはもう遠慮なしにびしびしやってしかるべきだ、このように思いますので、ひとつ抜かりなくやっていただきたい、このように要望いたします。 時間もございませんので、最後にいま一点。損益計算書や財産目録、いろいろ見ますと、いろいろな機械設備その他について、償却はおそらくこれ以上はできぬくらいぎっちりやっておると思うのですが、そういう資産の中で、土地は償却は要らぬだろうと思うのです。土地がここで九十六億数千万円計上されておるのですが、土地の資産としての評価というものは、一方で償却資産に償却を計上するのと見合って、何らかの数字的な配慮が加えられておるのですか。購入金額をそのままずっと継続して資産に計上しているのですか。この辺はどうなっているのですか。
○志賀参考人 ただいまのお尋ねの減価償却の問題に関連いたしまして、土地につきましては、現在償却をいたしておりません。これは一般の社会的な通例であるわけでございますが、ただ過去に、昭和二十五年と二十九年度の二回に分けまして、土地の評価のし直しをいたしてございます。これは当時資産再評価法というのがございまして、これに基づきまして、NHKも、当時まで所有しておりました、土地に限らず、一切の建物につきまして、この資産再評価法に基づきまして、おおよそ評価をいたしたわけでございます。当時、二十五年には平均いたしまして約七・〇五倍の土地の再評価をいたしてございます。それから二十九年には、やはりこれも再評価法に基づきまして、二.四七倍の平均の再評価をいたしてございます。その後は、一般の社会通念からいきましても、土地は取得価額で計上をするというやり方をいたしてございますので、NHKもこれにならいまして、現在は取得価額で計上いたしております。したがいまして、その償却は対象からはずしております。
○栗原委員 まだお尋ねしたいことは多々あるわけですが、会長もブルガリア大使館の関係でぼちぼち退出の時間らしいので、以上で本日の私の質問はとどめて、ここで資料の要求をひとつさせていただきます。 関係者は聞いておいていただきたいのですが、理事、監事、副会長、会長等の役員の給与規程類、それから退職金、慰労金規程類、経営委員の給与関係の規程類、こういうものをひとつ次の機会に資料として提出していただきたい、このように考えます。
○上林山委員 私も資料の要求をいたしておきたいと思います。 第一に、昭和四十一年あるいは昭和四十二年に予想される中継所の設置数、そのうちでどれだけ、どれをつくらなければならないかという予想、それに、民放が一緒に同じところにつくるのが一体どれくらいあると予想されるか、この点が一点。 第二点は、これは文部省とNHKとの関係ですけれども、便宜NHKにお願いしておきたいのですが、学校テレビは現在幾らになっておるか。大体五万台くらいにはなっているんじゃないかと思うのですが、その状況、あるいはこれがここ二、三年後にどういう推移をたどるかという青写真、これは具体性を伴ったものが私はほしいのですが、そういうふうなもの。 それから、NHKが社会福祉方面にテレビを寄贈しておる、あるいは無料でこれを聴視させておる台数、これもおそらく何万かになっておると思いますが、この推移状況。 それから四番目に、日本の乗用自動車は、これは運輸省との関連事項ですが、現在何台あるか、その乗用車のうちでどれだけラジオの料金を払って取りつけておるか、この台数、これは非常にむずかしい問題と思いますけれども、やはり大体のことはわれわれも承知したいと思いますので、その資料をひとつお示し願いたいと思います。
○砂原委員長 次会は、六月一日午後二時より理事会、二時半より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十四分散会